1: ◆zTprqioHNw 2017/02/05(日) 20:24:53.47 ID:oPng8Ih3O
ーーーー
ーー吹雪


吹雪「えっ……理由ですか?」


吹雪「………」


吹雪「な、何も面白い話じゃないですよ?」


吹雪「ありふれた、何処にでもある話で……」


吹雪「………」


吹雪「……それでもいいなら」

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引用元: 【艦これ】それぞれが艦娘になった訳 


 

艦これプレイ漫画 艦々日和(7)
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:26:52.43 ID:oPng8Ih3O
吹雪「えーと、端的に言うと私の家はビンボーだったんですよ」


吹雪「田舎の…貧しい農家の末妹に生まれちゃって……あはは」


吹雪「あっ、家族の事は大好きですよ! 貧しいながらもみんな助け合って暮らしていて…貧しいながらも暖かい家族でした」


吹雪「まあでも………暖かいだけじゃ食べていけない訳でありまして……」


吹雪「あはは……まあ稼ぎの面では1番の足手まといですよね、私は」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:27:49.35 ID:oPng8Ih3O
吹雪「そこで艦娘ですよ、艦娘!」


吹雪「なんか運良く適性があったみたいで、合格したら手当も保証もババーンとでましてっ!」


吹雪「一気に一家の救世主ですよ!」


吹雪「今は、みんな元気で暮らしてますよ。まあ、ビンボーには違いありませんがね」


吹雪「………」


吹雪「とまあ、終わりです。ありがちな話でしょ?」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:28:30.39 ID:oPng8Ih3O
吹雪「えへへ……統計を取ったら多分沢山いますよ、こう言う娘」


吹雪「………あれ……」


吹雪「でも……言葉に出すと……あはは」


吹雪「ちょっとお手洗いに行ってきますねっ……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:29:04.40 ID:oPng8Ih3O
ーーーー
ーー時雨


時雨「理由……かい?」


時雨「………」


時雨「いや、別にいいさ。何でも聞いてと言ったのは僕だし」


時雨「…………」


時雨「うーん……えーとね」


時雨「金銭的な面も勿論だけど………僕は居場所や役割が欲しかったんだ」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:30:09.29 ID:oPng8Ih3O
時雨「どういうことかって?」


時雨「……ここに来るまで、僕はあまり必要とされてなくてね」


時雨「まあいてもいなくても同じ……いや、寧ろいらない娘だったんだよ」


時雨「そんな扱いでずっと生きてきたからさ、凄く僕自身があやふやだったんだ」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:30:52.74 ID:oPng8Ih3O
時雨「ずっと苦しかった」


時雨「言いようのない不安にずっと駆られていた」


時雨「とにかく役割、確固とした身分が欲しかったんだ」


時雨「僕は◯◯ですって胸を張って言える事がらが欲しかったんだよ」


時雨「………だから艦娘になったのさ」


時雨「うーん……言葉にするのは難しいね」


時雨「とにかく今はこの身分に喜びを感じる」


時雨「艦娘になって良かったよ」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:31:33.47 ID:oPng8Ih3O
ーーーー
ーー夕立


夕立「なぁに? 聞きたい事があるっぽい?」


夕立「………」


夕立「艦娘になった理由?」


夕立「それは簡単よ! 死なない為っぽい!」


夕立「どういうことかって?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:32:05.31 ID:oPng8Ih3O
夕立「えっと……夕立は昔、病気だったぽい」


夕立「なんか小難しい漢字の……まあとにかく病気だったの!」


夕立「パパとママも夕立の所為でずっとケンカしてたっぽい」


夕立「でも夕立はごめんなさいも出来なかったから……」


夕立「体が動かなくて、ずっとベッドに寝てたっぽい」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:32:51.55 ID:oPng8Ih3O
夕立「でもね、退屈じゃなかったっぽい!」


夕立「お医者さんがとても優しい人でねっ、いつも色んなお話をしてくれたの!」


夕立「本当に良いお医者さんで……」


夕立「でも……ある日ね、お医者さんが……夕立は死んじゃうって言ったの」


夕立「夕立は……死にたくなかったの」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:33:29.06 ID:oPng8Ih3O
夕立「だから、必死に伝えたわ。夕立、死にたくないって!」


夕立「そしたら、艦娘になれば助かるって! 体も動くようになるって言われたわ!」



夕立「そして、艦娘になったの!」


夕立「みんな、喜んでくれたわ!」


夕立「パパとママは忙しくて中々会えないけど、幸せに暮らしてるっぽい!」


夕立「妹も出来たのよ! 可愛いんだから! えへへ……」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/05(日) 20:34:35.96 ID:oPng8Ih3O
夕立「でもね………夕立の大好きなお医者さんは泣いてたの」


夕立「泣き虫で心配性なお医者さんだったけど、心配し過ぎっぽい!」


夕立「だから、安心させる為によく会いに行くのよ!」


夕立「夕立の元気な所を見せれば、あの人も安心するっぽい!」

19: ◆zTprqioHNw 2017/02/06(月) 21:17:48.09 ID:3o8YRfL1O
ーーーー
ーー金剛


金剛「ンー? 提督、どうしたノー?」


金剛「何かmeに聞きたいコトでもアルノ?」


金剛「………エ?」


金剛「艦娘にナッタ理由……デスカ?」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:18:40.12 ID:3o8YRfL1O
金剛「…………」


金剛「ソレハ…………提督を愛す為デース! I LOVE YOU!」


金剛「ふざけてナイデース! コレはno jokeネ!」


金剛「ンー、どうイウmeaningかワカラナイ?」


金剛「……」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:19:26.74 ID:3o8YRfL1O
金剛「meは……ワタシは艦娘として作られた娘デース」


金剛「提督も、そういう娘がイルのは知ってルデショ?」


金剛「つまり……made by machine……ワタシはソノ中の1人ネ」


金剛「提督を愛し、このbodyが朽ちハテるマデ戦う為に生まれてキマシタ」


金剛「………ビックリしタ?」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:20:02.10 ID:3o8YRfL1O
金剛「oh……そんな悲しい顔シナいでクダサイ……」


金剛「ワタシはいま、very happyネ!」


金剛「出自が何であれ、ワタシが提督を愛しテルのに変わらないヨ」


金剛「可愛いsisterに囲まれ、大好きな提督の為に戦う……こんなhappyなコトはこの世にないデース!」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:20:35.26 ID:3o8YRfL1O
金剛「フフ……何だかホントの事話したら照れるヨー///」


金剛「まあワタシの事はDon't worryネー!」


金剛「………」


金剛「………デモ」


金剛「あまり目を離しちゃNo……ヨ。頑張ルかラ」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:39:57.16 ID:3o8YRfL1O
ーーーー
ーーポーラ


ポーラ「なぁんですか~提督ぅ?」


ポーラ「艦娘になった理由?」


ポーラ「え~教えてもぉ良いけれど~……面白くないですよぉ?」


ポーラ「ぷはぁっ……ふ~」グビッ


ポーラ「それでも知りたぁ~いんですか~しょうがないですね~」


ポーラ「えーとぉ…………」


ポーラ「vendetta」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:41:30.67 ID:3o8YRfL1O
ポーラ「ぁはは~何その顔~意味分かるのぉ? 提督ぅは、イタリア語分かるんだぁ~」


ポーラ「そう、vendettaは~復讐ぅ~」グビッ


ポーラ「ひっく……ふぅう~」


ポーラ「ポーラの家族はねぇ~深海棲艦にぃ殺されちゃったんだ~」


ポーラ「お船の上でぇ~楽しくお酒飲んでたらいきなりだよぉ~」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:42:21.53 ID:3o8YRfL1O
ポーラ「そりゃあもぅ~復讐するしかないよぉ~」


ポーラ「だったら1番早いのわぁ、艦娘になることだよねぇ~」グビッ


ポーラ「あはぁ~……ひっく」


ポーラ「なぁに~飲み過ぎだってぇ……」


31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 21:44:43.34 ID:3o8YRfL1O
ポーラ「だってぇしょうがないじゃないですかぁ~」


ポーラ「お酒を飲んでるとぉ~あの日を忘れられないでいるんですからぁ」


ポーラ「時間は怖いですよぅ。何でも色褪せさせちゃいますからぁ~」


ポーラ「家族で飲んだぁ、最後のお酒~」


ポーラ「この気持ちをポーラはぁ~忘れないですぅ~」グビッ


ポーラ「ぅい~……ひっく」


ポーラ「………」


ポーラ「絶対に……忘れない」

37: ◆zTprqioHNw 2017/02/07(火) 23:08:04.03 ID:fy0DK9zBO
ーーーー
ーー明石


明石「えっ……艦娘になった理由ですか?」


明石「な、何ですか急に…」


明石「べ、別に隠す事でもないですけど」


明石「……うーん、まあ簡単ですよ」


明石「研究をするためです」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:08:34.45 ID:fy0DK9zBO
明石「え、こんな危ない所に来なくても内陸で?」


明石「うーん……女でこの道を続けるのは中々大変でして」


明石「それでも貫き通そうとすれば、お金もかかるんです。……でもあいにく私にはそんな余裕もお金もありませんでした」


明石「それで……幸運な事に今の工作艦の適正があり、見事合格し、今に至る訳です」


明石「……まあ外とは色々違う所もありますが、外では得られない事もあります」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:09:15.71 ID:fy0DK9zBO
明石「……とまぁ、こんな所です」


明石「今の事に携わる事が私の1番の幸せにですから」


明石「夢を叶えた……とも言えますかね」


明石「………」


明石「選択肢がなかった…とも言えますが」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:09:47.55 ID:fy0DK9zBO
ーーーー
ーー天龍


天龍「……艦娘になった理由か?」


天龍「理由かぁ……あー……うーん…」


天龍「………」


天龍「ああ、違うんだ。そりゃ一回目は理由あったんだろうけどよ……」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:10:22.79 ID:fy0DK9zBO
天龍「ほら、俺は任期を満了してまたこっちに戻って来て……えーと……」


天龍「あ、4回目か。悪い悪い……」


天龍「………」


天龍「3回目位から……良く分かんなくなって来たんだよなぁ」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:10:48.99 ID:fy0DK9zBO
天龍「内陸に戻って普通の女に戻ってはみたけれどよ……」


天龍「なんか、しっくりこねえんだよなぁ」


天龍「何というか…俺の居場所じゃないというかさ……酷く落ち着かないんだ」


天龍「そりゃあ向こういりゃあ死ぬ事は少ないだろうけどよ……うーん」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/07(火) 23:11:37.17 ID:fy0DK9zBO
天龍「色々、大層な志望理由つけて戻ってきてるけどよ……実際の所、理由はないんだ」


天龍「………あっち側じゃ、駄目なだけでさ………」


天龍「……はぁ、あんまりこれ良くねえよなぁ。最近増えてるらしいぜ俺みたいな奴」


天龍「艦娘歴が長い奴に多いらしいな……」


天龍「……早く終わらせなきゃな」


天龍「あいつらには、こうなって欲しくねえからよ」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:14:15.88 ID:aiZmhbNPO
ーーーー
ーー大井


大井「理由れすってぇ?! んなの北上ひゃんのためにきまってるれひょう!!」ヒック


北上「ちょ……大井っち飲み過ぎだって……」


大井「んっ…ぷはぁ」ゴクゴク


大井「ひっくっ……」


大井「だいじょーぶですようぅ! まだぜんぜんよーってないられすから!」


北上「呂律が回ってないよー」

58: ◆zTprqioHNw 2017/02/09(木) 21:14:54.36 ID:aiZmhbNPO
北上「ごめんねー、提督。ほら、大井っち。提督にも迷惑かかるから飲むのやめ……」


大井「……」zzz


北上「寝るの早っ……もう………」


北上「ごめんね、提督」


北上「ほら、知ってると思うけど……大井っちの妹さんが、また手術だから……」

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:15:21.27 ID:aiZmhbNPO
北上「心配なんだろうね……あんまり芳しくないみたいだからさ」


大井「………」zzz


北上「大井っちも大変だよ……妹さんの為にさ」


北上「……元気になるか分からない妹の為に、命懸けの場所で戦う……か」


60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:15:52.53 ID:aiZmhbNPO
北上「……………」


北上「大井っちが言ってたんだ。自分が死ぬか妹が先に死ぬか…どちらにしろ私は長くないって……」


北上「そろそろ限界……なのかな」


北上「ねぇ、大井っち何か悪い事したのかな。何でこんな苦しまなきゃいけないのかな?」


北上「………」zzz


北上「ごめ、ん……。提督に聞いても……どうしようもないよね………ごめん」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:16:55.50 ID:aiZmhbNPO
ーーーー
ーー鈴谷


鈴谷「んー、どしたの?」


鈴谷「……は? 艦娘になった理由?」


鈴谷「いや別に無いけど。っていうか、鈴谷生まれた時から艦娘だしー」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:17:32.60 ID:aiZmhbNPO
鈴谷「まぁだから、今の日常が当たり前だからさぁ。特に理由もどうこうもないかなー」


鈴谷「…………」


鈴谷「んーまぁでもさ。たまに思うんだよね」


鈴谷「もし、鈴谷が普通の女の子だったら……ってさ」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:18:04.88 ID:aiZmhbNPO
鈴谷「鈴谷だったらバイトしたいかなー、なんて」


鈴谷「でも部活も良いかな。体動かすの好きだし」


鈴谷「あ、この前ドラマで見たんだけど、部活マネージャーも良いよね!」


鈴谷「あれマジ感動した~」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/09(木) 21:20:42.49 ID:aiZmhbNPO
鈴谷「あ、他のみんなも結構色んな仕事似合いそうだよねー」


鈴谷「…………」


鈴谷「まっ、全部想像するだけだけどね」


鈴谷「鈴谷もみんなも、そんな人生あったのかなぁ……なんて」



ーー完ーー