~自宅:リビング~


『I'm gonna fly fly away~♪』(歌:北上麗花)


星梨花「コンディッショッン・グリ~ン♪」フンフ~ン

このみ「ご機嫌ね」

ミリP(以下P)「星梨花はその番組をよく観てるよな」

星梨花「はい!劇場のみんなが出てますから!」



4: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:06:23.78 ID:B4ypI9fL0

P「ま、そうだな。で?今日の内容は…?」チラッ


『廃棄物13号』


このみ「警察のお話にしては不思議なタイトルねぇ?」

P「……観るの止めた方がいいんじゃないかな?」

星梨花「?」


5: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:07:44.36 ID:B4ypI9fL0

―――――――
~海中~

潜水士A『俺は先に行ってるからな』

潜水士B『ああ』

シュルッ

潜水士A『!?』ゴボッ

ゴボゴボッ

潜水士B『どうした!?…ってなんだこりゃあ…!?』

ピシュッ…ゴボッ…

―――――――


このみ「……なにこれ?いつからホラー映画になったのかしら?」

星梨花「うぅ…パパ、なんだか怖いです…」ギュッ

P「よしよし。パパが一緒に観てあげるからな」ナデナデ


6: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:09:09.64 ID:B4ypI9fL0

―――――――

~海上基地~

『キシャアアァァァ…!!』シュルッ

杏奈『何…!?今の…!』

麗花『いったい…何が起きてるんでしょうか…?』

シーン…

杏奈『……』

麗花『確かめてみましょう…!』カツカツ

杏奈『…!?麗花さん!目の前にいるよっ!』

ガシャン

麗花『!!』

杏奈『ええいっ!!ここだぁぁっ!!』ドッ

『キシャアアァァ!!』ドガァッ

杏奈『ひっ…!?』

麗花『い…生き物なの…!?』

―――――――

P「……」チラッ

星梨花「……」ジワッ

このみ「よしよし」ナデナデ

―――――
―――


7: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:10:09.77 ID:B4ypI9fL0

このみ「なんだか不気味な話よね…」

P「あの話、しばらく続くぞ」

星梨花「えっ…。そうなんですか…?」

P「大丈夫だって。不気味な話だけど、そこまでホラーチックな話じゃないからさ」

このみ「だといいですけどね。さ、星梨花ちゃん。もう寝る時間よ?」

星梨花「……」

P「どうしたんだ?」

星梨花「あの…パパ、ママ。…一緒に寝てくれませんか…?」

このみ「え?」

―――――
―――


8: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:11:40.45 ID:B4ypI9fL0

~寝室~

P「…ほら、おいで。そんなに怖かったか?」

星梨花「…はい」

このみ「まあ、確かに、気色悪い感じではあったけど…」

星梨花「うぅ…ごめんなさい、ママ…」ギュウッ

このみ「べ、別に謝ることはないのよ?さ、ママと一緒に寝ましょうね」ギュッ

P「…せっかくだから、明るい話を一つしてあげよう」

星梨花「え?」

9: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:12:59.20 ID:B4ypI9fL0

P「パパとママが結婚する時の話だよ。えーっと…星梨花が生まれる1年前かな?」

このみ「は?」

星梨花「……!聞きたいです!」

このみ「え」

P「よし、分かった。えーと、むかしむかし、あるところに…」

このみ「ちょ、ちょっと…!」


―――――
―――


10: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:14:41.57 ID:B4ypI9fL0

~14年前:雀荘『百万個の星』~

ジャラジャラ

店長「まったく、よく頑張っているじゃないか。もうテレビで見かけない日はないな」トンッ

このみ「まあ、私のオトナの魅力が皆に伝わっている証拠じゃないですか?」タンッ

常連1「あっはっは!そうは思わないけどな!」トッ

このみ「なんですって~…?」

常連2「まあ、魅力云々は置いといてだね…。あたしが気になるのは、あの兄ちゃんとの仲だよ」タンッ

このみ「あの兄ちゃんって、プロデューサーのことですか?」

常連2「そうだよ?他に誰がいるってんだい?」

11: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:16:45.39 ID:B4ypI9fL0

常連1「確かに、俺も気になるなぁ。どうやら告白したようじゃないかい?」

常連2「そうそう!それだよ、それ!」

店長「俺も聞いたな、その話。あ、リーチな」カチャ

このみ「は、はぁ!?どこからそんな話が出てきたんです!?」

常連1「このみちゃんの所の社長さんと、皆で飲みに行ったときさ」

店長「酔った勢いもあってか、そりゃもう、ぺらぺらとな」

このみ「な…な…なんてことを…。その前になんで知ってるの…?」

店長「どうやら聞かれていたみたいだな」

常連1「事務所の中で告白するからさ」

12: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:18:16.36 ID:B4ypI9fL0

常連2「なんだったかねぇ?えーと、『Pさん、私とお付き合いしてください!私を…あなただけのアイドルにしてくださいっ!』だっけ?」

このみ「い、いやあぁぁぁぁ!!」

店長「まあ、落ち着きな。別に悪いことはやっていないじゃないか」

常連2「そうさね。…で?どうだったんだい?あたしゃもう、結果が気になって寝ることもできないんだよ?」

このみ「し、知りません!!はい、次行きますよ」タンッ

店長「お、悪い。ロンだ。しかも一発な」

このみ「…っ!?うぅぅ~っ!!あ~っ、もう!!」

13: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:19:27.37 ID:B4ypI9fL0

ガチャ

P「こんにちはー」

このみ「!」

店長「おう、いらっしゃい」

常連2「おっ、来たね、色男!ちょうど、お前さんの話をしていたところなんだよ」

P「は、はあ」

このみ「あのね!プロデューサーのおかげで、振り込んじゃったじゃない!!」

P「はあ…?」


―――――
―――


14: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:20:50.66 ID:B4ypI9fL0

P「なるほど。そういうお話でしたか…」

常連2「で?色よい返事はしたのかい?」

P「まあ…」

このみ「ちょ…」

常連1「つまり、OKしたってことでいいのか?」

P「そうなります」

このみ「も、もう!なんでそう簡単に言うの!!」

常連2「恥ずかしがるこたぁないでしょ?」

15: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:21:54.75 ID:B4ypI9fL0

店長「まあまあ…。でも俺は喜んで祝ってやるけどな。…しかし大丈夫なのか?仮にもアイドルだろ?」

P「そこはちゃんと注意を払ってますよ。なにせ一緒に暮らしている分、周りに気づかれないようにアレコレ手は打ってます」

このみ「あっ!それだけは…!」

常連1「そうかい…。一緒に暮らしてるんなら、なおさら気を付けねえとな…って、うん?」

常連2「ちょっとアンタたち、同棲してるのかい!?」

P「ええ。社長、そこは話してなかったんですね」

16: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:23:06.71 ID:B4ypI9fL0

店長「はぁ…。いくらなんでも気が早すぎるだろう…」

P「しかたありませんよ。このみが、どうしても一緒に暮らしたいと言うものでして。OKした当日に荷物まとめて家に来てました」

常連1「押しかけ女房ってわけかい?」

P「ええ」

店長「随分とアグレッシブだな」

常連2「このみちゃんも、かわいいとこあるじゃないか」

このみ「あ、あああああぁぁぁぁ…」

常連1「でも、いつから一緒に暮らしているんだい?」

P「告白されたのが半年前ですから、それからですね」

常連1「ん?意外と前の話だったんだな?」

P「そうですよ」

17: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:24:49.27 ID:B4ypI9fL0

店長「…これ以上聞くと遅くなっちまうし野暮だから、あんたらは帰んな。この2人の相手は俺がしといてやるから」

P「ええ、お願いします」

常連2「今度は夜の生活を聞かせてもらうからね!!」

常連1「あ、でも  コンプロデューサー逮捕されるって記事だけは勘弁してくれよ!」

このみ「な、何を言ってるんですかっ!!さっ、帰りましょう!可及的速やかに!」

P「はいはい」


―――――
―――


18: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:34:49.33 ID:B4ypI9fL0


~現在:寝室~

星梨花「…ママからパパに告白したんですね」

P「そうだよ。あの時のママは真っ赤な顔でね、すごくかわいかったよ」

星梨花「私も見てみたかったです!」

このみ「も、もうやめてよ…」

P「それでな…」

―――――
―――


19: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:40:48.63 ID:B4ypI9fL0

~14年前:帰り道~

このみ「もう、なんで簡単に答えちゃうの…?」

P「あの人たちは言いふらさないと信用してるからね」

このみ「おかげで恥ずかしい思いをしました!」

P「よかったな」

このみ「よくない!」

P「はは、悪かったよ」

20: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:50:36.01 ID:B4ypI9fL0

このみ「…しっかり反省してくださいね?……それと今日の夕飯、食べたいものある?」

P「うーん…。あ、肉じゃががいいなぁ…」

このみ「肉じゃが…。それじゃあ、お買いもの手伝ってくださいね」

P「ああ。ほら、手」ギュッ

このみ「あ…」ギュッ

―――――
―――


21: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:55:53.63 ID:B4ypI9fL0

~自宅:リビング~

P「よっ…と」ガサッ

このみ「ごめんなさい、荷物全部持ってもらっちゃって…」

P「いいんだよ。俺は料理なんてたいして作れないから、こんなことしかしてやれないよ」

このみ「Pさん……。あの、おいしい夕飯待っててくださいね」

P「ああ、お願いするよ…」チュッ

このみ「ん…」チュッ

―――――
―――


22: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 17:58:12.15 ID:B4ypI9fL0

このみ「はい、できましたよ」

P「ん…。そうか」

このみ「ご飯はどのくらいにします?」

P「大盛りでお願い」

このみ「はい、どうぞ」

P「ありがとう、このみ」

このみ「ふふっ…。どういたしまして」

―――――
―――


23: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 18:03:26.83 ID:B4ypI9fL0

P「…このみ、そろそろお風呂に入ってきなよ」

このみ「じゃあ、お言葉に甘えようかしら。……一緒に入る?」

P「前から言ってるけど、そういうのは結婚してからね」

このみ「あら、そうなの?」

P「ああ。さすがに一線は守るさ」

このみ「分かりました。じゃあ、お先に。覗かないでね?」ガチャ

P「だからしないって」

このみ「残念ね」

バタン

このみ「…バカ。意気地なし…」

―――――
―――


24: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 18:05:03.90 ID:B4ypI9fL0

P「…って思われてるだろうなぁ」チラッ

キラッ

P「そろそろ、これを渡してあげないといけないな…」

―――――
―――


25: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 18:08:27.68 ID:B4ypI9fL0
このみ「上がりましたよー。お湯が冷めないうちに入ったら?」

P「ん?ああ、そうするよ」

このみ「ウフフ。お風呂上りの私に心惹かれない?」

P「惹かれはするけどね」

このみ「やっぱりつれないのね…」

『つなーがらーないケータイのー…』

このみ「あ、私の曲…」

P「今や大ヒットだな」

このみ「うん、あなたのおかげよ…。でもこれ、付き合っている彼女に歌わせる曲?ちょっとびっくりしたわ」

P「アダルトな曲を歌いたいって言ってたしな。約束は守ったぞ」

このみ「もう…」

P「さて、俺も風呂入ってくるか」

―――――
―――


~お風呂~

P「…うーん、どうするか…。無難に外食か…?」

―――――
―――


30: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:42:52.57 ID:B4ypI9fL0

~寝室~

このみ「はあ…。今日は散々な目にあったわ…」

P「悪かったよ」

このみ「責任取ってよね」

P「はいはい」

このみ「期待してますからね?」

P「ああ。それじゃあ、おやすみ」

このみ「ええ…。おやすみなさい…」

―――――
―――


31: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:44:10.83 ID:B4ypI9fL0

~翌日:雀荘『百万個の星』~

常連2「それで?夜の方はどうなんだい?」

このみ「本当に聞いてくるんだからこの人たちは…。どうもこうも、何も無し!こっちから誘っても冷たい反応なんですから!」

常連2「あら、思いのほか恥ずかしがり屋なのかねぇ?」

常連1「そんな男にゃ見えないが」

店長「おそらく真面目なだけだろう」

32: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:45:53.20 ID:B4ypI9fL0

このみ「分かってはいるんですけど…。こうもあしらわれていると、なんだか自身が無くなってくるというか…」

常連1「ま、向こうさんも結婚する気はあるんだろうし、それまで待ってりゃいいじゃないか」

店長「そうだな。急がば回れ。急いては事を仕損じるとも言うだろうに」

このみ「それはそうですけどね…」

常連2「女として負けた気分になるんだろう?」

このみ「まあ…そんなところです…」

常連1(アイツ、相当な女泣かせのタイプだな)

―――――
―――


33: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:48:26.50 ID:B4ypI9fL0

P「こんにちは」

店長「ん?今頃来たのか」

常連1「このみちゃん、もう帰ったぞ」

常連2「なんだい、連絡してなかったのかい?」

P「最近、このみも思うところがあるみたいで…」

店長「それなんだが、ちょっと来い」グイッ

P「おわっ…!」

34: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:49:47.08 ID:B4ypI9fL0

店長「あの子はどうも、お前さんが自分に興味を持ってないと思い込んでるようだぞ」

P「そんなわけ…」

店長「無いのは分かっているんだろう。だけど、ここまで何もないってのもあって自信を失ってるみたいだな」

常連1「このみちゃんも若いからね。きっと頭で理解してても、納得できてないんだ」

常連2「まあ、別にアンタの志が高いのは良いけどもね。このみちゃんだって大人の女だ。いつまでも、お人形さんみたいに大切に扱われ過ぎても嫌だろうさ」

P「……」

35: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:51:15.44 ID:B4ypI9fL0

店長「もう、いいかげんアクションを起こした方がいいんじゃないか?」

P「…そのつもりではいます」

店長「ほお?」

常連2「じゃあ、さっさと動きなさいよ。あの子は、アンタを待ってるんだよ」

P「…はい」

常連1「結果を期待しているよ」


―――――
―――


36: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:53:37.67 ID:B4ypI9fL0

~自宅:リビング~

P「このみ、今度の休みなんだけど…」

このみ「はい?」

P「久しぶりに食事でも行かないか?」

このみ「あら、急にどうしたの?」

P「いや、最近二人で出かけることもなかったから。たまには食事にでもと思ってね」

このみ「ふふ…そう。じゃあ、楽しみにしてますからね」


―――――
―――


37: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:55:02.47 ID:B4ypI9fL0

~休日:夕方~

このみ「今日は、エスコートお願いしますね」

P「ああ。それじゃあ、行こうか」

このみ「はい」

―――――
―――


38: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:57:53.05 ID:B4ypI9fL0

~レストラン~

P「19時に予約していたPですが…」

店員「Pさまですね。お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

P「さあ、入ろうか」

このみ「あ、ありがとう…」

―――――
―――

39: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 22:59:49.51 ID:B4ypI9fL0

このみ「きれいな夜景ね…。こんなところで食事なんて…素敵…」

P「こんなお店は初めて?」

このみ「あたりまえです。あなたは来たことあるの?」

P「そうだね。この業界はいろんな人がいるから…」

このみ「ふーん…」

P「さ、料理も来たみたいだし、夜景でも楽しみながら食べよう」

―――――
―――


40: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:01:37.93 ID:B4ypI9fL0

このみ「ふぅ…。とてもおいしかったわ」

P「そりゃよかった。あ、すみません。アレお願いします」

ウエイター「かしこまりました」

このみ「アレ?」

―――――
―――


41: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:02:27.69 ID:B4ypI9fL0

ウエイター「お待たせしました」

このみ「なにかしらこれ?デザートが入ってるの?」

P「まあまあ。あ、それじゃ、空けてもらえます?」

ウエイター「それでは」スッ

このみ「…!……これって」

42: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:04:57.51 ID:B4ypI9fL0

ウエイター「こちらは、Pさまがご用意されたエンゲージリングでございます」

このみ「エンゲージ…リング…?婚約指輪のこと…?」

P「…ああ。いつか渡そうと思ってたんだけど、なかなかそのチャンスを作れなくてね…」

このみ「本当…?」



P「その…月並みな言葉で悪いんだけど、僕と、結婚してくれませんか?」

43: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:05:59.05 ID:B4ypI9fL0

このみ「…嘘、じゃないのね」

P「本気だよ」

このみ「……」

P「このみ?」

このみ「……あの、Pさん」

P「なんだい?」

このみ「こんな私でも、いいんですか?ちっちゃくて、あまりスタイルもよくないのに…」

P「…俺は、そこも含めて、このみのことが好きなんだよ」

このみ「…嬉しいです」ジワッ

P「じゃあ…」

このみ「はい…。あの、不束者ですが…よろしくお願いします…」グスッ

P「…ありがとう」


―――――
―――


44: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:09:27.46 ID:B4ypI9fL0

~2ヶ月後:結婚式場~

常連1「な、なんだか大変なところに来ちまった気がするな…。人気アイドルの結婚式だぜ?」

常連2「なんでアンタが緊張してるんだい…。いい大人なんだから、落ち着きなさいよ」

店長「はあ…。スーツってのはどうも似合わねえな…」

常連2「アンタも、小さいことで悩んでるんじゃないわよ」

常連1「…さすがのアイツも、なんだか緊張しているように見えるな」


P「……」


45: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:10:39.07 ID:B4ypI9fL0


司会『それでは新婦の入場です』


常連2「入ってくるわね…」

ギィィ

コツ…コツ…

常連1「ほぇー…」

店長「綺麗なもんじゃあないか」


このみ「……」チラッ ニコッ


常連2「…ああ、素敵だねぇ」


46: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:18:56.98 ID:B4ypI9fL0

常連2「…でも、雀荘で出会いました、なんて言えないわよねぇ。さすがに」

店長「悪かったな、口に出せそうな店じゃなくて」

常連2「それにしても、孫の顔を早く見てみたいもんだよ」

常連1「いつからアイツらの母親になったんだ…。それに、お前さんと顔を合わせたら、赤ちゃんが泣いちまうだろ?おばあちゃん、顔が怖いですって…」

常連2「フンッ!!」ガッ

常連1「ぐわぁっ!」ドサッ

店長「静かにしてろよ……」

47: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:20:09.19 ID:B4ypI9fL0


司会「新郎 P、あなたはここに居るこのみを、病めるときも、健やかなる時も富めるときも、貧しき時も妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

P「誓います」

司会「 新婦このみ、あなたはここに居るPを病めるときも、健やかなる時も富めるときも、貧しき時も夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

このみ「誓います」

―――――
―――


48: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:21:11.12 ID:B4ypI9fL0

司会「では指輪を交換してください」

P「……」スッ

このみ「……」スッ


司会「ではベールをあげてください。誓いのキスを」


常連1「おお…!いよいよだね…」

常連2「だからアンタが緊張してどうするのさ…」


P「…このみ」スッ…

このみ「…ん」

チュッ


―――――
―――


49: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:22:46.48 ID:B4ypI9fL0


~現在:寝室~

P「…って感じだったのさ」

このみ「あぁ…、もう…いやぁ…」

星梨花「でも、素敵です!」

このみ「そ、そう…。ありがと…」

P「たしか、どこかにDVDがあった気がするな…」

このみ「だ、ダメよ。それだけは止めて!」

星梨花「今度見せてくださいね、ママ!」

50: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:23:45.54 ID:B4ypI9fL0

このみ「うっ…、なんてまぶしい笑顔…。で、でもダメなのよ…」

P「星梨花、こんどパパが見せてあげるから、今日はもう寝なさい」

このみ「そ、そうよ。もう遅いから寝ないとね」

星梨花「はい。おやすみなさい。パパ、ママ」

P「ああ、おやすみ」

このみ「おやすみ、星梨花ちゃん」

―――――
―――


51: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:25:06.57 ID:B4ypI9fL0

星梨花「スー…スー…んぅ…ママ」ギュゥ

このみ「はあ、参ったわ…」ナデナデ

P「なんで?」

このみ「誰のせいだと思ってるの…?」

P「大丈夫だって、俺も恥ずかしい思いしてるから」

このみ「なら止めればいいじゃない…」

52: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:26:22.50 ID:B4ypI9fL0

P「まあ、いいじゃないか。かわいい娘が喜んでくれるなら、少しくらい恥ずかしい思いは我慢するさ」

このみ「もう…」

P「さあ、俺たちも寝よう。明日から、また仕事だしな」

このみ「…はい。おやすみなさい、あなた」

P「おやすみ、このみ」

―――――
―――


53: wada ◆hcNEf..zgXd9 2014/12/16(火) 23:30:20.30 ID:B4ypI9fL0

~翌日:劇場~

星梨花「…というお話だったんですよ!」

エレナ「とっても素敵なお話だネー!」

恵美「あの二人、ベタなドラマみたいな展開を平然とやってるんだね…」

琴葉「私も、琴葉Pさんと一緒に結婚式を……ふふ、ふふふふふふ」

エレナ「コトハ、いったいどうしたのかナー?」

恵美「ほっといていいんじゃない?もう手遅れな気もするし…」


琴葉「だかっらーまたー、明日ーへ駆っけー出ーしてー♪」フンフ~ン♪


f i n


引用元: 【ミリマスSS】ミリP「むかしむかし、あるところに」このみ「ちょ、ちょっと…!」