1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:32:32.96 ID:Ue2u69nE0
黒井「私はもう知っているがね」ドヤァ

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:34:42.75 ID:Ue2u69nE0
黒井「……私の手駒であるアイドルは、全員去っていった」

黒井「社員も含め、最近は私の下を逃げ出す奴ばかりだ」

黒井「まぁそれもこれも、全ては765プロの仕業なのだがね」





黒井「おのれ765プロ!」バンッ

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:38:04.59 ID:Ue2u69nE0
黒井「だが安心したまえ、諸君。悲嘆にくれる必要はまったくない」

黒井「それは何故か?……聞きたいかね?」

社員C「はい、是非!」

黒井「では答えよう!何故ならば!」ビシッ

黒井「今!私の手元には!この、有り余る資金があるからだ!」ドン



黒井「ちなみに、先のブラックウェルカンパニー倒産と私とは何の関係もない」

黒井「そう、ブラックウェルカンパニー倒産と私とは何の関係もないのだよ」

黒井「大事なことなので二度言ったぞ、フフン」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:41:25.38 ID:Ue2u69nE0
黒井「さぁて、今度はどんな会社を立ち上げてやろうか?」

黒井「まず最初に考慮すべき点は、奴らは二度も同じ手には引っ掛からないと言うこと」

黒井「そして連中の結束は、経済的な問題では到底揺るがないと言うことだ」

黒井「友情、団結、皆で仲良しこよし。それが精神的な支柱となっているようだな」

黒井「フン……実にバカバカしい話だとは思わないか?社員A、社員B」


シーン


黒井「……んん?」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:44:25.69 ID:Ue2u69nE0
黒井「……おい、社員A!社員B!」

社員C「いませんよ?」



黒井「……何故だ?」

社員C「二人とも例の倒産の件で社長の風評を恐れて、先日付けで辞めちゃいましたから」

黒井「わ、私は関係ないと言っているのだぞ!?」

社員C「でも、デカデカと社長のお姿がTVに映ってましたし……」

黒井「あぁ……そう言えばそうだったな、女性社員Cよ」

黒井「……と言う事は、最後に残ったのは君だけか?」

社員C「はい!」ニコニコ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:47:49.12 ID:Ue2u69nE0
黒井「ゴホン!……ま、まぁいい」

黒井「このような危機的状況下にあっても、私の手腕をもって覆せば良いことだ」

社員C「私は社長を信じてますから!一緒に頑張りましょう!」

黒井「フッ……最低でも、君の期待には応えねばな」



黒井「さて、どんな会社にするか?」

黒井「この際、アイドルのプロデュースに拘る必要はないだろう」

黒井「奴らに動きを知られず、それでいて密接な関係であり……」

黒井「その上で、765プロの精神的な支柱を揺るがせるような……」

社員C「それならば、やはりアイドル関係でなければいけませんね」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:51:22.59 ID:Ue2u69nE0
黒井「ほう。例えば?」

社員C「密接な関係であれば……そうですね、アイドルのグッズ関連でしょうか?」

黒井「それでどうやって765プロを危機に陥れられると言うのだ?」

社員C「うーん……わざと不良品を出す、とか?」

黒井「フム。なるほど……その線も、アリだな」

社員C「本当ですか!?」

黒井「商品によって扱いが雑なアイドルがいれば、購入したファンからは文句が出る」

黒井「とあるアイドルが不憫な扱いを強いられている……その程度の不安は外から煽れるだろう」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:54:22.98 ID:Ue2u69nE0
黒井「だが、それでヒビを入れるには少々力不足ではないか?」

黒井「それに、ファンの矛先は主にグッズを製作した我々の方になるだろう」

黒井「765プロも、このような不祥事を見逃すはずがないだろうしな」

社員C「そうですね……少し、浅はかでした」

黒井「いや、君の考えは少々的外れだが非常に興味深い。どんどん意見してくれたまえ」



社員C「それじゃあ……ゲームはどうです?」

黒井「ゲーム?」

社員C「はい。765プロのアイドルを使ったゲームを作るんです」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 13:57:25.28 ID:Ue2u69nE0
社員C「プレイヤーは一人のプロデューサーとして、765プロのアイドルをプロデュースします」

社員C「コンセプトは、いかに多くのファンに支持されるアイドルへプロデュースする事が出来るか!」

黒井「ほう……続けて」

社員C「能力差を個性としたアイドル達から、1~3人を選んでプロデュースしてもらうのですが……」

社員C「このゲームの肝は、ネットを使用して全国規模でランキングを競う事なんです」

黒井「つまり、仮想空間でプレイヤー達によるアイドルの競争社会を構築するのか?」

社員C「はい!765プロの方針には反していますが、ファンの為のゲームとしては丁度良いかと」

黒井「フフフ……なるほどな。ファン自身に、765プロの理想を歪めさせようと言う訳か」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:01:10.94 ID:Ue2u69nE0
黒井「で、そのゲームの販売形態は?ゲームセンターに筺体でも置くのか?」

社員C「それも考えましたが、普及率やコストを考えますと携帯機での展開が一番と思います」

黒井「フム……」

社員C「ゆくゆくはアイドルより稼げる我々の意向を徐々に食いこませ、人気投票や総選挙などをやらせて、格差を……」

黒井「待ちたまえ」

社員C「な、何でしょう、社長」

黒井「絵空事を語るのは容易いが……そう上手くはいくかな?」

社員C「と、いいますと?」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:04:33.73 ID:Ue2u69nE0
黒井「ゲームを作るからには、キャラを連中に似せる必要がある訳だが……」

黒井「昨今のゲームのグラフィックは、とても進化していると聞く」

黒井「765プロの連中のことだ、我が社にも同じレベルのクオリティを要求するに違いない」

黒井「そんな技術も持たない我々に、果たして作らせると思うか?」

社員C「うっ……た、確かに……」

黒井「万一、製作の許可が下りたとしてもだ。この資金だけでは、難しいだろうな」

社員C「一から開発となると、人手も機材も必要になりますしね……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:08:08.36 ID:Ue2u69nE0
黒井「最後に、非常に重要な点だが……」

黒井「我々としても、それが社会現象レベルになって、大々的に売れなければ困ると言う事だ」

黒井「生半可な作品では、我々が作り上げた風潮もまず長続きはしないだろう」

黒井「765プロの連中が引退でもしない限りは、淘汰される可能性を常に考えねばならん」

社員C「そう、ですね……」

黒井「とまぁ、コンセプト以前の問題が山積みではある……」

黒井「が、非常に惜しいな。君の考えは」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:11:19.32 ID:Ue2u69nE0
社員C「もっとコストを抑えたゲーム開発が出来ればいいんですけど……」

黒井「その上で765プロを黙らせるような、クオリティの高いゲーム……」

黒井「……まるで、夢のような話だな」



prrrr prrrr

社員C「あっ……!」

黒井「……君ィ、会議中は携帯の電源を切って……」

社員C「す、すみません社長!」



黒井「……んん?……携、帯……?」ピキィーン

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:14:55.16 ID:Ue2u69nE0
黒井「……そうか……そういう事か……!」

社員C「しゃ、社長?」

黒井「フ……フ、フフ……作れる、作れるぞ君ィ!」

社員C「えっ?……ま、まさか……!」

黒井「そうだ、そうだとも!君の構想を元にしたゲームだよ!」

黒井「確信したのだ!これから何を作り、立ち上げるべきかをな!」



黒井「私の作り上げた庭で精々あがいてもらうぞ!765プロよ!ハーッハッハッハッハ!!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:18:16.41 ID:Ue2u69nE0
黒井「ゴホン!あぁ、さて……これを実行するにあたっては、まず君の協力が必要だ」

社員C「私が、ですか?」

黒井「そうだ。相手が765プロである以上、私が表立って動く訳にもいかんのでね」

黒井「私が絡んでいると悟られぬよう、このプロジェクトは今後、君を通して行う」

社員C「そ、そんな大任を、私なんかが務まるでしょうか……?」

黒井「骨のない奴は皆逃げ出したがな、私は残った君を評価しているのだよ」

社員C「社長……」

黒井「……君を悪いようにはしない。頼む」



社員C「……分かりました。私、きっとうまくやってみせます!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:22:18.95 ID:Ue2u69nE0
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社員C「ひゃい……わらひ……きっと、うまく……」ムニャムニャ



黒井「ほう……居眠りとは。君らしくもない」

社員C「しょんな事ありませんよぉ、しゃちょぉ……」



社員C「……社長!?」ガバッ

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:25:20.83 ID:Ue2u69nE0
黒井「これはまた、随分とお疲れのようだな」

社員C「す、すみません!来られるとは聞いてなかったもので……!」

黒井「……で?今月は、どんな調子かな?」

社員C「は、はい。えっと……」

社員C「今年のクリスマスイベントも概ね好評で、そろそろマッチフェスを開催してもいい頃かと」

黒井「そうか。アイドルの呼び戻し事業の方は?」

社員C「やはり高額ではないかと躊躇しているプロデューサーさんもいるようですが、利用率は良好です」

黒井「フン、チョロ甘だな」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:28:43.03 ID:Ue2u69nE0
黒井「……ところで君ィ」

社員C「何でしょう?」

黒井「君のサンタ衣装。評判、良かったそうだな?」ニヤニヤ



社員C「……どこで、それを?」

黒井「プラチナの利用率がわずかながら上がったと、君の部下から報告が来ている」

社員C「………」

黒井「いやまぁ、こちらとしても、どんどん脱いでもらって構わないのだがね?」ニヤニヤ

社員C「こ、これ以上は脱ぎませんから!絶対……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:32:04.75 ID:Ue2u69nE0
黒井「ハッハッハッハ……さて、と。私はこれ位で失礼させてもらうよ」

社員C「もう行っちゃうんですか?お茶も出せずじまいで、申し訳ありません……」

黒井「いや何、たまたま君を思い出して、近くに寄っただけでね」

黒井「それに……この後、高木が視察に来るのだろう?粗相の無いようにな」

社員C「も、勿論です!」



黒井「……あぁそうそう、忘れるところだった」

社員C「?」

黒井「先日、良い店を見つけてな。また機会があれば、君に紹介しよう」

社員C「……は、はい!ありがとうございます、社長!」

黒井「ウィ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:35:25.14 ID:Ue2u69nE0
社員C「――それでは、高木様も始められたのですね?」

高木「いやぁ、それがどうにもねぇ……」

社員C「?……どうされました?」

高木「ウチのプロデューサーやアイドル達もやっているので、私も始めてみたのはいいのだが……」

高木「私はこういったゲームには疎くてねぇ」

社員C「まぁ」

高木「毎度毎度、彼らにコテンパンにされる始末なのだよ」



社員C「分かりました。私に、いい考えがあります!」ポン

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:39:05.75 ID:Ue2u69nE0
高木「ほう。いい考え、とは?」

社員C「高木様には特別に、絶対に勝てるアイドルが出るプラチナ10連ガチャ……」

高木「おお!」

社員C「の、チケット5枚を!20000モバコインで販売致しましょう!」

社員C「これがあれば、大勝利間違いなし!気持ち良く勝って下さいね!」

高木「ふむ、20000か……よぉし!買おう、ちひろ君!」



ちひろ「はい♪毎度ありがとうございまーす♪」ニコッ

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:43:06.77 ID:Ue2u69nE0
黒井「そうだ高木、それでいい……争え、もっと争え!」

黒井「アイドルとは消費物!欲しければ金で買う事だ!」

黒井「今や私のゲームに触れた者は、誰も彼もがそう思うだろう!」

黒井「強者は弱者を食らい、弱者は強者を欺き、或いは媚びへつらう競争社会!」

黒井「そこでは団結や絆なんぞ、何の価値もありやしない!」

黒井「信じられるのは、金だけだ。多々買わなければ生き残れんぞぉ?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:47:03.52 ID:Ue2u69nE0
黒井「あぁ、そうそう……そこでこちらを見ている君ィ」

黒井「そう、君だよ君ィ!」

黒井「フム……私より少々劣る面構えだが、それはまぁいい」

黒井「我が社は今、まさに君のような顧客、もとい社員を求めているのだ」

黒井「まぁ、まずは私のゲームを始めてみてくれたまえ。勿論、『プロデューサー』としてな?」

黒井「我が961プロが全国各地から集めたアイドル達が、何時でも君を待っているぞ!」

黒井「フフフフフ……ハーッハッハッハッハッハ……!」



おわり

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30(日) 14:55:58.45 ID:Ue2u69nE0
黒井「君は今までレッスンで消費したアイドルの数と名前を、覚えているかね?」

引用元: 黒井「765プロの倒し方、知らないだろう?」