2: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:36:35.82 ID:AKORdv7Wo
カコン


楓「…ぷはっ……」

楓「ほらプロデューサーさん。飲んでますか?」

P「はいはい。飲んでますよ」

楓「むぅ…つれないですねぇ…。おつまみもたくさんありますよー」ガサ

P「どうも」

P「…あの、楓さん」

楓「はい?」ポリポリ

ダラーン

P「くつろぎすぎです」

楓「そうですか?」

P「ええ」

比奈「どこ見てんでスか」カリカリ…

P「言いがかりだ」

楓「?」チビチビ

3: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:37:09.65 ID:AKORdv7Wo
P「ここは事務所ですよ」

楓「ええ。知ってますよー」ニコ

P「……そうですか」

比奈「ま、湯上り楓さんに見惚れるのは分かりまスけどね」グビ

P「だろ?」

比奈「かまかけでス。この変態」ポイ

P「んがっ」カコーン

柚「ストライクー♪」

比奈「ばーか」

4: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:37:57.51 ID:AKORdv7Wo
楓「銭湯、気持ちよかったですね」ホッコリ

仁奈「ですー」

楓「ふふ。仁奈ちゃんは髪の毛ももふもふねー」サラ…

仁奈「楓おねーさんのお手入れは気持ちいいですよ……フワフワーってして、…眠くなっちまうです…」ウトウト



P「酒を片手に仁奈の相手をするのはどうなんですかね」

比奈「…缶を置きっ放しにしておくよりはいいんじゃないでスかね」

5: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:38:42.32 ID:AKORdv7Wo
柚「ぽりぽり」

P「バタピーは鉄板だよな」ポリポリ

柚「だねー」

比奈「柚は飲んでないっスよね?」

柚「飲んでるよー♪」

P「コーラじゃねえか」

柚「えへへー」

比奈「(可愛い…)」ポリポリ

P「お前も可愛いぞ」ポリポリ

比奈「ふえ?」

P「ジャージ姿で、ペンと缶ビールを持ち変えつつバタピーをつまむところにお前の魅力があるよな」

比奈「…。あ、もしかして私バカにされてるっスか?」

P「そんな子が可愛い衣裳を来たときの破壊力は異常」モグモグ

比奈「…。どもでス…」チビチビ

柚「ぐびぐびー」

6: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:39:18.28 ID:AKORdv7Wo
仁奈「……もふ…」コク

楓「仁奈ちゃん。もう寝る?」

仁奈「…まだ…起きていたいですよ……せっかくの、お泊り…」ウト

比奈「無理はよくないっスよ」

P「そうだな」ナデ

P「…明日はお休みだからな。起きてからだって遊べるだろ?」

仁奈「…そうで、ごぜーますね…」

仁奈「分かりやがりました。では…また明日…みんなで、モフモフするですよ…」

P「(もふもふするのか)」

比奈「ふふ。約束しちゃいましたね」

P「……まあ、いいさ。仕事じゃないなら、きぐるみくらいいくらだって着てやるよ」

柚「おっ。Pサンなんだかオコトマエだね?」

P「オコトマエってなんだよ」

楓「ぷふっ」

P「あ、別に駄洒落じゃなくてもいいんですね」

7: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:40:14.31 ID:AKORdv7Wo
仁奈「ほんとでごぜーますか?」ムニャ

P「おう」

比奈「…それにしても、けっこう嫌がっているのかと思いましたけど…着るときにはすんなりそうするんでスね」

P「まあな」

P「…こうして欲しいって言われて、いつでもはいはいって言うこと聞いて、甘やかすのはだめだと思うんだよな。まあ明日はお休みだしいいかなって」

比奈「……」

P「まあ、仁奈みたいなしっかりした子にはよけいな気遣いかもしれないが」ナデナデ

仁奈「…えへへ…」

比奈「……。プロデューサーって、やっぱ腐ってもプロデューサーでスね」

P「前も聞いたぞ、それ。お前はそんなに俺を腐らせたいか」

比奈「えへ。プロデューサー、私と一緒に腐りましょうよー」ダキッ

P「どんな口説き文句だ!」

楓「むー。プロデューサーさんは、私と一緒にふやけるんですよー」グイ

P「普通に一緒に温泉に行きたいって言えないんですか」

楓「…っ…」プルプル

P「だから自分の発言で笑っちゃだめでしょ」

8: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:41:05.38 ID:AKORdv7Wo
柚「…ええっと」

P「?」

柚「……アタシは、どうしよっかな…」ンー

P「べつに無理に流れに乗る必要はないと思うが」

柚「いやっ」

ダキッ

柚「アタシだって、Pサンのことが好きだもん!♪」

P「…」

P「あ、ありがとう」

比奈「顔が赤いでスよ」

P「うるさいな。好きだなんて言われたことないんだよ」

比奈「へえ?」

P「なんだよ」

比奈「いえ。白々しいなって」

P「失敬な」

楓「もうプロデューサーさんったら。まだ赤くなるには早いですよー。もっと飲みますよー」プニプニ

P「ふぁい」

柚「♪」//スリスリ

9: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:41:49.57 ID:AKORdv7Wo
仁奈「仁奈も!」バッ

P「うおっ」

ダキッ

仁奈「…Pのこと……大好きでやがります…」ニヘラ

モフッ

仁奈「…くぅ」

P「……体力が尽きたな」ハハ

比奈「最後の力を込めて、プロデューサーに愛を伝えたっスね」

P「重いわ」

比奈「あ、私も一応プロデューサーのことは好きでスよー」ニヘラ

P「軽いわ」

楓「分かるわ」

P「怒られますよ」

10: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 15:42:48.03 ID:AKORdv7Wo
仁奈「…もふ…」zz…

柚「へへ。仁奈ちゃんは可愛いなー…」ナデナデ

柚「それじゃアタシはそろそろ寝るね。仁奈ちゃんと一緒に」ヨイショ

仁奈「もふ…」

P「悪い。頼むな」

柚「うんっ。じゃーオトナのみなさんは、ごゆっくりー♪」

比奈「お休みっス」

楓「よく休んでね」ニコ

パタン

P「…ま、俺たちも酒はほどほどにしときましょうね」

楓「えー」ブー

比奈「そうでスね。私は原稿もありまスし…」チビチビ

P「……ほどほどにな」グビ

17: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 21:41:49.66 ID:TwBdSafDO
こんにちは。
高垣楓といいます。


ええっと…そうですね…。


楓「…」

P「? 楓さん、どうかしましたか」

楓「…エビ…」ボソ

P「?」


好きな食べ物は、エビです。


比奈「(ゆるい自己紹介っスね…)」チビチビ

18: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 21:44:53.27 ID:o/3VVAHWo
P「ふあ…それにしても」

P「…いろいろありましたね。この事務所も」

楓「ふふ、そうですね」

楓「…いつの間にか、若い子たちと四人で、…とっても楽しくお仕事ができました」

比奈「ちょうど五歳ずつくらい違うんでスよね。私たち」

比奈「プロデューサーは、なにか考えがあって私たちを四人組にしたんでスか?」

P「いやなにも」キッパリ

比奈「…」エー

P「…仲がよさそうだったから、ってだけだよ。正直」チビチビ

比奈「雑でスね」

P「いいんだよ。というか、それを言ったら俺を含めて五人まとめて適当な性格してるし」

比奈「否定できないでス」

楓「? 比奈ちゃんはしっかりしてると思いますよ?」

P「あなたがしっかりしてください」

楓「えへへ」

比奈「(可愛い…)」

19: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 21:48:44.01 ID:TwBdSafDO
比奈「やっぱり、柚の怪我はきっかけになったんでスか?」

P「きっかけにはな。あんなことがなくても、きっといずれ四人で組ませてたと思うけど」グビ

楓「でも、きっと柚ちゃんなら」


柚『結構運命的なんじゃないかなーとか!』テヘ


楓「…って、言ってくれそうですね」フフ

P「ああ、実際言って来ましたよ」

比奈「ひゅーひゅー」

P「子どもか」

比奈「なんて返したんでスか?」

P「怪我しといてなに言ってんだと小突いといた」

比奈「お暑いっスねー」

P「え、なにが」

20: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/15(水) 21:52:34.87 ID:o/3VVAHWo
P「…まあ…いろいろあったこの事務所とも、もうお別れになるが」

比奈「でスねぇ。さみしいでスけど」

楓「…」チビチビ

楓「?」キョトン

楓「あの…プロデューサーさん…いま、なんと?」

P「へ?」

楓「……事務所、なくなるんですか?」

P「…そうですが」

楓「…え?」

25: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 13:58:47.33 ID:y9ACx6QDO





楓「…」ムッスー

P「…」

比奈「…」

比奈「プロデューサー、ちゃんと伝えたんじゃなかったんでスか?」コソ

P「…ここのところ忙しくて、…すっかり忘れてた…」

比奈「…しかも、楓さんにだけ伝え忘れたんでスよね?」ハア

P「…たぶん」

比奈「もおー。ホント、しっかりして欲しいっス…」ハア

P「(比奈がもーとか言うと可愛いな)」

比奈「なんか言ったっスか」ギロ

P「い、いえ」

26: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:00:04.70 ID:zHDIgPUTo
楓「…」ムス



比奈「…なんでもいいでス。とりあえず、フォローして来るっス」

P「ど、どうフォローすればいいんだ」

比奈「自分で考えてくださいっ」ドンッ

P「おわっ」



楓「?」

P「…あ、…と、その、楓さん…」

楓「なんですか?」プクー

P「(…可愛い)」

比奈「真面目にやれっス」ポイ

P「あてっ」カーン

27: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:01:29.39 ID:y9ACx6QDO
楓「…私、聞いてませんでした…そんな大事なこと」プクー



私たちの事務所が、なくなってしまうそうです。

あ、別にお仕事ができなくなるわけじゃなくて、…お引っ越しだそうですけど。


……でも…。



楓「…」グルン

楓「知ってたなら、もう少し…残りの時間を、大切に過ごすことができたんじゃないかなって、思うんです…」

P「…楓さん…」

28: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:02:57.15 ID:zHDIgPUTo
楓「…えへへ。ごめんなさい、わがままなこと言って。今さらプロデューサーさんを責めたって、どうにもならないですし…」

P「あ、いや…その」

比奈「(…なんとか言って、楓さんは大人で素敵っスねぇ…)」

P「えっと、あの」アタフタ

比奈「(プロデューサーはもっとしっかりしてくださいっス)」ナサケネェ

29: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:04:20.36 ID:y9ACx6QDO
P「あ、と、…えっと、ですね。それで、実は、俺から一つ提案があるんです」

楓「? はい、何でしょう」

P「明日はお休みだって言いましたよね。俺も含めて五人ともなんですけど」

楓「ええ。そう言えば、珍しいなーって思っていました」

P「一応、頑張ってスケジュールを調整してみたんですけど…」

楓「?」

P「明日、このままみんなで事務所の掃除でもしませんか? 面倒かもしれませんが、世話になった場所だし、お別れついでにと思って…」

楓「…」

楓「…そう、ですね。素敵なご提案だと思います」

P「本当ですか?」

楓「ええ」ニコ

楓「まあ…私にだけ教えてくれなかったのは、許しませんけど」プクー

P「…反省します」

30: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:05:13.25 ID:zHDIgPUTo
楓「いいですよ。お掃除ってことで、綺麗さっぱり水に流してあげます」フフ

P「…ありがとうございます」

比奈「普通に上手いでスね」

P「逆に反応に困るな」

楓「…それはひどくないですか…?」シュン

31: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:06:28.72 ID:y9ACx6QDO





ガチャ

楓「おはようございまーす」

楓「?」

P「…ぐぅ」

楓「…あ…プロデューサーさん、まだ眠ってる…」

P「…」zz…

楓「ふふ。えい」ムニ

P「ふが」

楓「むにー」

P「…?? …」ムニムニ

楓「これで、昨日のことは許してあげます。ふふっ」ムニムニ

比奈「(なんスかあの可愛い二十五歳児は)」ズルイ

32: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:07:25.08 ID:zHDIgPUTo
楓「…えっと…コーヒーでも飲んで、のんびり待っていようかしら」

比奈「おはようございまス、楓さん」

楓「? あ、比奈ちゃんおはよう。早いのね」

比奈「うス。というか、机に突っ伏して寝ちゃいましたから、目が覚めただけなんでスけど…」ハハ…

楓「大丈夫? 無理はしないでね」ヨシヨシ

比奈「どもっス」

比奈「ちょっと、眠気覚ましにドリンクでも買って来るんで。なにかいるものはありまスかね?」

楓「ううん大丈夫。気をつけてね」

比奈「はいでス」

33: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:08:00.72 ID:y9ACx6QDO
パタン


楓「…ふぅ」

楓「……」

楓「なんだか、朝の事務所って、静かだなー…不思議な感じがする…お家にいるときとは違う…」ズズ…

楓「あついっ。…うぅ、やけどしちゃった…」ヒリヒリ

P「…」zz…

楓「…やけどしたやけど、気にせーへん、とか…ふふ…」ニヘラ

P「ぷふっ」

楓「?」

楓「プロデューサーさん、起きてます?」

P「…ん…」zz…

楓「寝てますよね。…ひょっとして、眠っているとよく笑ってくれるのかな」

楓「…えっと、えっと…」ウーン

34: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:10:39.40 ID:zHDIgPUTo
スッ

楓「コーヒーは、濃ーいー方がおいしいですよね」ボソ

P「…ぷっ」プルプル

楓「!」パアァァ

楓「えっとえっと、…昨日私、ブーツを履いてて脚をぶつけちゃったんです」ボソ

P「ふっ…くっ…」

楓「わー」キラキラ

楓「私、こんなに笑ってもらえたの、初めてかもしれないです…!」ニコニコ

楓「えっと、それから――」



比奈「(…戻って来たら、楓さんが何やら嬉しそうにプロデューサーの耳元で囁き続けてるっス…)」ナニアレ

35: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:11:05.65 ID:y9ACx6QDO
楓「…」ニコニコ

P「…」zz…



比奈「…」

比奈「まあ、楓さんが幸せそうでなによりって感じでスかね」

柚「比奈サンは優しいねー」シャコシャコ

比奈「うおう」

比奈「…って、なんだ柚っスか。後ろから急に声をかけるのはやめるっスよ」

柚「てへ?♪」シャコシャコ

比奈「…あと、歯を磨きながら喋るのもだめでスよ」チョーップ

柚「あうー♪」

36: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/16(木) 14:12:21.50 ID:zHDIgPUTo
柚「よしよし」ナデナデ

比奈「……」

柚「そんな比奈サンが、アタシは大好きだよ」

比奈「…」

柚「えへへ」

比奈「…どもっス。はあ、…」

柚「えっどうして肩を落とすのカナ?」シャコシャコ

比奈「……ずるいでス。うちの事務所は、どうしてこう可愛い子ばかりなんでスかね…いやまあ、アイドルだから当然でスけど…」

柚「比奈サンも可愛いよー」ナデナデ

比奈「ども」

39: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:13:26.41 ID:B/43itd/o
トン

柚「ン?」

仁奈「…もふ」

柚「仁奈ちゃんだ」

比奈「どっから転がって来たんスか、この子」

柚「まだおねむだったみたいだから、仮眠室で寝かせておいてあげたんだけどね」

比奈「置いて行っちゃだめじゃないでスか」

柚「てへ…だって、なんだか可愛い女の子がいたもんだから」

比奈「? 楓さんのことでスか?」

柚「またまたー♪」

比奈「??」

仁奈「…むにゃむにゃ…もふもふふ…♪」コロコロ

40: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:15:40.42 ID:HqwfE1cDO
P「…ん」

楓「あ」

P「…」パチ

楓「ふふふっ。目が逢いましたね」

P「……ですね」

楓「おはようございます。プロデューサーさんが起きるの、待ってたんです、ふふ」

P「…あ、すいません…ふあ」

楓「…」フルフル

楓「プロデューサーさんの寝顔を眺めてるだけでも、飽きませんでした」

P「…そうですか?」

楓「はい♪」

41: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:16:28.12 ID:B/43itd/o
P「…ん~…くあ。やっぱソファで寝ると身体が凝るなあ…」パキパキ

楓「…あ」ピーン

楓「ふと思ったんですけど」

P「? なんですか?」

楓「やっぱりおふとんで寝るのが一番ですよね」

P「…」

楓「…」

P「…え、ええ。そうですよね」

楓「…」

楓「…プロデューサーさん、さっきは私を弄んでいたんですね…」グスン

P「えっ、な、なんの話ですか?」

42: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:18:07.72 ID:HqwfE1cDO
モフッ

P「うげ」パタッ

仁奈「P! 楓さんを泣かせちゃダメでごぜーますよ!」

P「う、うぇいうぇい! 違うぞ誤解だ!」

比奈「あの、それ完全にやっちゃった人の取り繕い方でスよ?」

柚「素直に吐いたらどうだー♪」

P「柚はその悪乗りする癖を直しなさい」

仁奈「えいっえい」モフモフ

P「仁奈は俺にきぐるみを着せたいだけだろっ」モフモフ

仁奈「てへ?」

P「(アカン、テヘペロ要員がまた一人増えた…)」

柚「てへっ」

43: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:19:04.79 ID:B/43itd/o
楓「…ふふっ。なんて」

P「?」

楓「冗談ですよ。プロデューサーさん、…てへ」

P「…っ」

P「(あかん、…楓さんのてへぺろはあかん、鼻血出る)」

仁奈「てへー」

柚「てへー♪」

P「柚、恐ろしい子だっ…」

比奈「なに言ってんでスか」

44: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:19:50.46 ID:HqwfE1cDO
比奈「…あの…」

P「ん?」

比奈「……私もやった方がいいでスかね?」

P「ぜひ」

比奈「…や、やっぱやめとくっス」

P「…そうか」シュン

比奈「…」

比奈「な、なーんて。てへっ」

P「…」

比奈「…ど、どうですか…?」

P「……」

比奈「な、なんか言ってくださいよぅ!」グイグイ

P「(言うまでもない)」

45: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:20:40.64 ID:B/43itd/o
ガチャ

ちひろ「…あれ?」

P「あ、ちひろさん。おはようございます」

ちひろ「はい。…えっと、なんだか今朝は賑やかですね」

柚「ちひろさーん、おっはよー」

仁奈「で、ごぜーますー」

比奈「早い時間にお疲れさまでスー」

楓「ふふっ。今日もいい天気ですね」

P「楓さん、今日はまだ外に出てないですよね?」

46: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:21:42.29 ID:HqwfE1cDO
ちひろ「…はあ、お泊りですか…それで、今日は大掃除を…」

P「ええ。えっと、通常の業務の邪魔にはならないようにしますので…」

ちひろ「ええ。構いませんよ」ニコ

ちひろ「…それにしても」チラ

P「?」



比奈「楓さん、ひょっとしてまだ飲んでるんでスか?」

楓「? ち、違うよ? コーヒーです、もう、比奈ちゃんってば」ムー

比奈「冗談でスよ」

柚「あ、アタシもなにか温かい物が飲みたいなー。仁奈ちゃん、一緒にココアでも淹れよっかー」

仁奈「はいっ。ぜひ、お付き合いしやがります」ニヘラ



ちひろ「…やっぱり、このみんなは仲良しですねぇ」

P「…ですね」

ちひろ「え?」

P「? …どうか、しました?」

47: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:22:44.60 ID:B/43itd/o
ちひろ「いや…なにを他人事みたいに言ってるのかと」

P「え?」

グイ

柚「ね、Pサンも一緒になにか飲もうよー」

比奈「プロデューサーはコーヒーでスよね?」

楓「一緒に飲みましょう?」ニコ

仁奈「むー。Pは仁奈と同じココアにするといいでごぜーますよ」

P「いや、…先に、とりあえず歯を磨きたい…」

比奈「空気読めっス」

P「辛辣だなあ!」


ワイワイ


ちひろ「…プロデューサーさんも含めて、五人が、とっても仲がよさそうなんですよ? ふふっ」

48: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:23:33.86 ID:HqwfE1cDO





幸子「戻りましたー」

輝子「た、ただいまー。フヒ」

幸子「…おや」

P「……」グッタリ

幸子「…」

P「…」

幸子「…」ズイ

P「…」

幸子「…」ムゥ

輝子「? さっちん、ど、どうかした?」

幸子「…た、大変です。プロデューサーさんが息をしていません!」

輝子「えっ」

比奈「いや生きてまスよ? たぶん」

幸子「あ、比奈さん。お疲れさまです」ペコ

輝子「お、お疲れさま、です」

比奈「うス」

49: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:24:14.97 ID:B/43itd/o
幸子「しかしですね」ズイ

P「……」

幸子「ほら。ボクがこれだけ近づいてもぴくりともしません! 死んでいるか、カワイイを受容する能力が欠如したかの二択です!」

比奈「なんスかそれ」

P「勝手に殺すな」ムクリ

輝子「あ、おはよ…も、戻ったよー。トモダチが帰って来たよ……無視しないでねー…」フフ

P「おう。お疲れさん」ナデナデ

輝子「んっ…あ、ありがと。うん。なでなでは友情の証、だね。フヒヒ」

比奈「(ちょっと違う気もするっスけど)」

50: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:25:33.50 ID:HqwfE1cDO
幸子「……プロデューサーさん…元気出してください」

P「ん?」

幸子「働き過ぎて、感受性に乏しくなってしまったんですね…。でも大丈夫です! ボクの可愛さにかけて、きっとプロデューサーさんが失った感情を取り戻してあげます!」

P「妙な感動のストーリーを作ろうとするんじゃない」ペチ

幸子「あう!?」

P「…リアクションいいなぁ、お前…」

幸子「そ、そうですか? まあカワイイですからね!」ドヤァ

P「うん、ニュアンスが違う気もするが、まあいいや」

51: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:26:28.41 ID:B/43itd/o
幸子「…それで、なにかあったんですか? ずいぶんお疲れのようですが」

輝子「あ、……そう言えば…」

幸子「? どうかしましたか」

輝子「う、うん。…なんだか、事務所が、ぴかぴかしてる気が、する。…落ち着かない…」ソワソワ

P「なんでだよ」

比奈「奇遇でスね」ガシ

輝子「…! だよなぁ!」フハハ!

幸子「」ビクッ

P「幸子はいい加減輝子のテンションに慣れろよ」

幸子「お、怯えてなんていません!」

52: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:27:16.44 ID:HqwfE1cDO
幸子「お掃除をしたと」

P「そう…それでもう、へとへとなんだ、…ぐへぇ」

幸子「なに情けない声を出しているんです」

幸子「…というか、誘ってくれたら手伝ったのに…」ボソ

P「まだ引っ越しは週末だしな。楓さんたち四人のスケジュールが合うのが、ここだけだったんだ」

P「幸子も休みの日には俺が付き合うからさ。言ってくれよ」ナデナデ

幸子「…」

幸子「ええ、当然です。誘わずとも付き合ってくださいよ!」

P「おう」

輝子「…」

P「もちろん、輝子もな」

輝子「! …う、うん。あ、ありがと…フヒ…」

53: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:28:06.29 ID:B/43itd/o
ガチャ

柚「ゴミ出して来たよー」

仁奈「やがりましたー」

P「そこだけ切り取ると謎だな。お疲れさま」

比奈「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

P「そうだな」

幸子「? お食事にでも?」

P「ああ。そうだ、二人も来るか?」

幸子「……。いえ。ボクは輝子さんと約束をしていますから」

P「そっか。残念だな」

輝子「……フヒ。さっちんは、やさしーね…いい子だね」

幸子「な、なんの話ですかね!」

P「?」

54: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:28:48.53 ID:HqwfE1cDO
P「じゃあちひろさん、お疲れさまでした」

ちひろ「いえ。プロデューサーさんこそ、休日返上でしたもんね。ありがとうございました」

P「いえ。…まだ少し時間はありますけど…新しい事務所でも、頑張りましょう」

ちひろ「はい」ニコ

P「では」

比奈「お疲れさまでス」

柚「また明日ー♪」

仁奈「で、ごぜーますよー」フリフリ






パタン…



55: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:29:47.86 ID:B/43itd/o
P「そう言えば、楓さんは?」

柚「ン、多分外で待ってるよ」

P「そっか」



楓「…」

P「楓さーん」

楓「? …あ、プロデューサーさん」ニコ

P「ごめんなさい、待たせてしまって」

P「…なにをしていたんですか?」

楓「…えっと……なにということもないですけど…」

P「…」チラ

楓「…この建物は、何でもない普通の風景ですけど、思い出が詰まっているとそうは見えませんね…なんだかこれって、素敵なことじゃないですか?」

P「…ええ、そうですね」

楓「はい。…そんなことを、こう、ぼーっと考えていました」フフ…

P「楓さんらしいですね」

楓「そうですか?」

P「ええ」

56: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:30:36.68 ID:HqwfE1cDO
P「…あの、もう一度、謝っておきますね…伝えるのが遅くなって、すいませんでした」

楓「…いいんです。私こそくり返しになりますけど、プロデューサーさんが忙しいのは、私たちのためですから」



柚「おーい」

比奈「二人とも、なにしてるっスかー」

仁奈「早く行くですよ! でないと置いて行きやがりますよー」



P「っと。行きましょうか」

楓「ええ。…あの、プロデューサーさん」

P「どうしました?」

57: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:31:16.88 ID:B/43itd/o
楓「私、楽しかったです。柚ちゃんと、比奈ちゃんと、仁奈ちゃんと一緒にお仕事ができて」

楓「だからプロデューサーさんには、どれだけ感謝してもし尽くせないんです。私たちを選んでくれて…ありがとうございます」

P「…大げさですよ。こちらこそ、…」

P「みんなに振り回されて、毎日が楽しいですよ」ニコ

P「それに、これでおしまいってわけじゃないですからね。これからもっと頑張りましょう!」

楓「ええ。そうですね」クス

58: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:32:02.43 ID:HqwfE1cDO
楓「今日はこの事務所でみんなで過ごす、サイゴの一日だったんですよね」

P「そうですね」

楓「ふふ。けれどそんな今日が、今まででサイコーの一日だった気がします」

P「…」

楓「…」ドヤァ

P「…そうですね。行きましょうか」

楓「あ、…も、もう、プロデューサーさん! ま、待ってくださーい…」タタッ

59: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:32:42.79 ID:B/43itd/o
比奈「遅いっスよー」

柚「だよー」

仁奈「もう。やっぱりPは、キグルミを着せないと分からない困ったやつでやがりますよ」

P「仁奈は最近正直になりすぎだ」

柚「だれのせいかな?」テヘ

P「おい」

比奈「プロデューサーの適当さが移ったんじゃないでスかね」

P「お前が言うか」

楓「…。ふふっ」

60: ◆qEJgO2U6bM 2013/05/17(金) 03:33:31.45 ID:HqwfE1cDO
本当に。今日はサイゴで、サイコーの一日で。


きっとこれからも、フツウだけど、幸せな毎日が続くと思います。
このみんなでいられるなら、きっと。





おしまい

引用元: 高垣楓「サイゴの一日」