1: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/15(金) 07:09:35 ID:6rS8
――女子寮

――朝

みく「おはようにゃ」

響子「あーっ!!」

みく「ど、どうしたにゃ!?」

響子「ご飯のジャーが故障してて……」

みく「もしかして、朝ごはんは……」

響子「ご飯無しになっちゃいます……」

「あ、パンなら明日用のを回せばなんとか……」

みく「海軍兵学校じゃないから、食パンと味噌汁と砂糖なんてのは合わないにゃ」

響子「いえ、今朝は味噌汁とオムレツ(鶏肉)でしたから……」

みく「味噌汁がつくのは確定かにゃ……」

2: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/15(金) 07:12:14 ID:6rS8
みく「そういえば、朝に食パンも久々だにゃ」



サクッ

「うん。さくさくでおいしいにゃ」

ピキーン

「あ、あれ……?今のって……」

「何か思い出したような……?」

3: 名無しさん@おーぷん 22/07/15(金) 07:13:01 ID:6rS8
はい、にゃんみくの過去捏造話になります

こちら独自の内容がありますのでよろしくお願いします

4: 名無しさん@おーぷん 22/07/15(金) 07:17:13 ID:6rS8
――学校

みく(あれはなんだったんだろ……)

(なんか、口の辺りが覚えてるような感覚なんだけど……)



――事務所

みく「うー……」アタマカカエ

モバP(以下P)「どうした、みく?」

みく「うん……なんか思い出せそうで、思い出せなくて……」

P「あー、わかるなその気持ち。だが、ほっておいてわかるパターンと、みんなと話していて急に思い出すパターンとかあるからな」

みく「うん。とりあえず今からレッスンだから」

P「怪我だけはするなよ?」

みく「わかってるにゃ」

5: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/15(金) 07:21:27 ID:6rS8
――レッスンルーム

マストレ「よし!そこでターンだ!」

みく「はいにゃ!」

マストレ「いいぞ!今の調子で逆回転だ!」

みく「よっ……ほっ……」





ピキーン

みく「あーーーっ!」

マストレ「ど、どうした!捻ったか?!」

みく「ご、ごめんなさいにゃ。大丈夫にゃ」

マストレ「ふむ……まぁ、メンタルのことなら相談に乗るが」

みく「大丈夫にゃ。解決しそうにゃ」

マストレ「ならよし。続きをやるぞ!」

みく「はいっ!!」

6: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/15(金) 07:24:21 ID:6rS8




P「おーい、みく!」

みく「あ、Pチャン」

P「大丈夫か?マストレさんからさっき気をつけるように言われたが」

みく「あー、あとでマストレさんに謝らないとにゃ」

P「ん?」

みく「実は、さっき行ってた引っ掛かることが思い出せたにゃ」

P「あぁ、そういうことか」

みく「うんっ」

7: 名無しさん@おーぷん 22/07/16(土) 23:25:26 ID:WOg9
みく「あれはみくがまだ小さい頃だったにゃ……」

芳乃「はーい、巻きに入りますー」

藍子「ゆるふわ~」



みく「ちょっとーっ!!」

8: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/16(土) 23:31:51 ID:WOg9
~~~~~~~~~~~~ホワンホワン

芳乃「というわけでー、みく殿の思い出の地に行ってまいりましたー」

みく「巻き過ぎだにゃ!」

藍子「まぁまぁ……こうしておみやげも買って来れましたし」

みく「……あの頃、食べ切れなかったパンをあげていた猫チャン達、もう孫の世代になってたんだにゃ……」

藍子「人が変わるように、世代も変わっていくんですね……」

みく「でも、あの頃のウチの近くにあったパン屋さんは変わっていなかったにゃ!」

ドドドドーッ

ガラッ

みちる「パンと聞こえたような!」フゴフゴ

みく「でたーっ!」





芳乃「もののけではないのでしてー」

9: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/16(土) 23:39:34 ID:WOg9
みちる「くんくん……これはライ麦パンの香りですね」

みく「あ、わかるにゃ?」

みちる「当然です!市販では余り出回っていませんからね」

「臭いとされるぐらい特殊な香りですから、日本人には好まれませんし」

みく「そうなのかにゃ……みくが小さい頃、よく食べていたから気にしないにゃ」

みちる「ところで、少しでいいので……」ジュルリ

みく「ま、まぁ……多少ながらは余分にあるから……」





みちる「フゴフゴフゴフゴ!」

みく「あっという間に四つ消えたにゃ!」

芳乃「私もー、一つー」

藍子「あ、私もいただきました」

みく「もう……ま、いいにゃ」



「思い出はそのまま心の宝箱にしまっておいて」

「今をしっかり生きていくにゃ」

みちる「では最後の……」

みく「うにゃー!!」ハッシ



芳乃「現実はー、かほどに世知辛いのでしてー」

10: 名無しさん@おーぷん 22/07/16(土) 23:42:26 ID:WOg9
藍子「ライ麦パンは普段食べているパンとは違った食感と風味を楽しめます」

「気になった方は近くのお店になくても、通販とかでも入手ので是非食べてみてください」



芳乃「しかしながらー、私は乾麺麭をー」サクサク

藍子「芳乃ちゃん!!」



おしまい

11: 名無しさん@おーぷん 22/07/16(土) 23:50:50 ID:WOg9
――おまけ



泰葉「で、みくさんが買ってきた大阪のメロンパンなんですね」

泰葉P「『こんにゃんですがプレゼントです』ってね」

泰葉「ふむ」サクッ

「シンプルなクッキー生地に、中もほんのり甘味を感じる程度の白いパン」

「王道中の王道ですね。まさにロードオブアストレイ」

泰葉P「アストレイってなぁ」

泰葉「ふふっ、いけませんか?」

「子役からアイドルになって……色んなことをやれて」

「色々な仕事をやれたから、色々な自分が見られて……」

「そして、あなたの隣が一番好きって事が確認できましたから」

「だからあなたには、これからもっと色んな私を見てもらって……」

「それからでも遅くありません……」

チュッ

「ちゃんと……前に進んで、最終的には一緒になりたいって……ね」

泰葉P「泰葉……」

12: ◆Vysj.4B9aySt 22/07/16(土) 23:56:50 ID:WOg9
泰葉「だから」ヌギヌギ

泰葉P「あ、やっぱりこの方向性なのね」

泰葉「ふふっ」





「今夜はずーっと、二人は一つになりますから寂しくありませんよ」ギュッ

「……愛してます」

「あ・な・た」



――しばらく画像が乱れます――



……HAPPY BIRTHDAY OKAZAKI YASUHA

15: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:30:10 ID:sBad
――あれはみくがまだ小さくて

――猫チャンの言ってる事がわかった頃だったにゃ



「みくー!ご飯よー!」

みく「はーい」トテトテ

「はい、今日はこのパンね」

「お、黒パンか」

みく「……」

(うー、あんまりこのパン好きじゃないよぉ……)

ニャーニャー

みく「ん?」



猫『ちょーだい、ご飯ちょーだい』

みく「ん……いいよ」

16: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:35:19 ID:sBad
――でもさすがにおかーさんの前ではあげられなかったから、食べられなかった分をスカートの中に隠して

みく「こっち、こっちだよ」

猫「にゃー」



――広場

みく「はい、よかったら食べて」

猫「にゃーにゃー」ガツガツ



――今なら野良猫に餌をあげてはいけません……とかいうのをやってたにゃ

――当然、みくのやってたことは所詮は子供のやっていたこと。つつ抜けで結局お母さんに怒られてそれっきりだったにゃ

――それ以来、うちもパン食からご飯になっちゃったから、あげたくてもあげられなくなったにゃ

17: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:43:54 ID:sBad
みく「それから、猫チャンの声も聞こえなくなって、普通の生活に戻ったけど、それを忘れられないみくは今でもこうして猫アイドルを続けてるにゃ」

P「そういうことか……」

みく「うん……あと、あのパンは普通のパンとは少し食感が違っていたにゃ」

P「黒パンか……大体だが、みくが小さいぐらいの当時から大阪でやってるパン屋さんならグルメ番組で見たな」

みく「本当かにゃ!?」

P「落ち着け。そのパン屋がみくの家で食べていたパン屋かまでは確認取れてないし」

みく「それでもいいにゃ!」

「よーし、今度の連休に実際に行ってくるにゃ!」





芳乃「ほー?美味なる生麺麭とー?」

みく「芳乃チャン!?」

芳乃「ではー、ひとっ走りー」

リップ

ヴァン

ウィンクルエフェクト

みく「ちょ!ワープするなら(ry





P「……行ってしまったな」

「今日、あいつはオフだよな?」ペラペラ

18: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:48:00 ID:sBad
――大阪

芳乃「到着しましてー」

みく「うわ……一瞬で来れたにゃ」

芳乃「さー、お店探しをー」

みく「まだ着いたばかりにゃ……」

「あれ?」



ホンバンマデー1・2・3、キュー

藍子「本日の川島さんに代わってアイコのイチオシ!」

「こちらのパン屋さんになります」





芳乃「あちらでしてー?」

みく「流石は芳乃チャン……」

19: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:54:33 ID:sBad
――店内

藍子「こちらのお店では、ずっしりした食感のライ麦パンが食べられると聞ききましたが、どうでしょうか?」





芳乃「ではー、ライ麦パンを1欣ー」

みく「みくはライ麦パンのサンドイッチをお願いするにゃ」



藍子「って、みくちゃんに芳乃ちゃん?」



芳乃「なるほどー、独特の酸味でしてー」フゴフゴ

みく「バターもいいけど、ラードを塗るのが通らしいにゃ」

藍子「もぉ!それ、私のセリフですよぉ!」



カントクー、コレダイジョウブー?

イイヨイイヨ、トッテオキナサイ

20: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 15:59:57 ID:sBad
――事情を説明

藍子「そういうことだったんですね」

みく「今食べると普通においしいにゃ」



芳乃「にゃー」

ニャーニャー

藍子「でも、急に現れるからびっくりしましたよ」

みく「単なる偶然だにゃ」

芳乃「にゃー」

ニャーニャー



みく「で、芳乃ちゃんは何をしてるにゃ?」

芳乃「ほー。こちらの猫が『人間なのに言葉がわかるとは』とー」

藍子「芳乃ちゃんですからね……」

「あ、せっかくですので」パシャリ

みく「あ、みくも」パシャパシャ

芳乃「あ、あまり写真を撮るとー」


ニャーニャー

ガサガサ

藍子「逃げちゃいましたね……」

みく「残念にゃ……」

芳乃「しかしー、気配はわかりましてー」

みく「本当かにゃ?!」

21: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 16:02:38 ID:sBad




芳乃「こちらの方でしてー」トテトテ

みく「……あれ?」

藍子「どうかしましたか?」

みく「みく……この道を知ってるにゃ」

藍子「え?どういう……」

みく「こっちにゃ!」ズダダダダッ

藍子「あ。ま、待って……」

22: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 16:07:10 ID:sBad
ハァハァ

みく「ここをこっちに行って……」バサバサ

藍子「み、みくちゃん!    見えです(///)!!」

芳乃「ほー、セクシーな紐でしてー(///)」

みく「次の花壇を……」クルッ





「着いたにゃ……」

――着いた場所は公園の一角

――昔の記憶より遥に小さく感じるけど……



「ここにゃ……」

――パンを猫チャンにあげてた



「間違いない……」

――あの懐かしの公園だった

23: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 16:10:53 ID:sBad
――今、みくの手には食べ差しのサンドイッチ

――でも



みく「みんな、食べるかにゃ?」

ニャーニャー

ニャーニャー





――あの時みたいに猫チャンは寄ってきた

――だけど

みく「あの頃の猫チャンはもういないよね……」

「うん……みくの自分勝手な感傷的逃避行だからね……」





「でも……まだこの場所があってよかったにゃ」

24: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 16:13:48 ID:sBad
………………………………………………………………………………ホワンホワン

みく「でも、よく泰葉チャンのお土産買えたよね?」

芳乃「公園の隣でー、キッチンカーがー」モフモフ

みく「あらら」ズコッ

藍子「最近、よく見かけますからね」モフモフ

みく「もう!」

「みくもメロンパンを頂くにゃ!」モフモフ

25: 名無しさん@おーぷん 22/07/17(日) 16:17:14 ID:sBad








晴「で、なんでオレまでメロンパンを……これならカレーパンかメンチカツパンが食べたいぜ」モフモフ

桃華「贅沢は敵ですわ」モフモフ

梨沙「欲しがりません、どこまでも……よ」モフモフ

晴「はぁ……まぁ、うめーし、いいか」モフモフ



HAPPY BIRTHDAY YUUKI HARU

引用元: 【モバマス】想い出の生麺麭