1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:11:49.60 ID:cfQg89cs0
男「……」

女「おう、お帰り。おそかったな」

男「……先輩。人の部屋に勝手に入らないでくださいって言いましたよね?」

女「まあまあ。ほら、店子の生活を見守るのも大家の務めだって」

男「おおきなお世話です」

女「うん。実に健康的でいいとおもうな」

男「ちょっ、それ……」

女「うん、いい趣味だとおもうよ。わたしも巨 は好きだ」

男「…出てってください」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:16:04.44 ID:cfQg89cs0
女「ま、ま。固いこと言わずに君ものめよ。ほれ」

男「まさかまたうちで飲んでく気ですか?」

女「ひとりで飲むのはさびしいんだ。付き合え」

男「他の部屋にいってください」

女「ふざけろ。連中は下戸ばかりじゃないか」

男「先輩が強すぎるんですよ」

女「ふふん」

男「ほめてません」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:20:14.08 ID:cfQg89cs0
男「そんなん言うんなら入居条件に『酒好きであること』とでも書いとけばいいじゃないですか」

女「お、いいなそれ。いただきぃ!」

男「えっ、マジですか」

女「冗談に決まってんだろ。バカかおまえ」

男「……」

女「それに、お前のところに来るちゃんとした理由もある」

男「…なんですか?」

女「大学の後輩ならいくら迷惑かけても問題ないだろ?」

男「大問題です。帰ってください」

女「つきあわないなら追い出しちゃうぞ☆」

男「飲みましょう」

女「よしきた!」

男「……引っ越したい」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:25:28.55 ID:cfQg89cs0
女「はいかんぱーい!」

男「かんぱーい…」

女「……んっ……んっ……っぷはー!」

男「ああ、レポートあるのに…」

女「まずい! もういっぱい!」

男「あーもういいや……っ……うー…」

女「ほら、まだこんなにあるんだからそんなペースじゃ夜が明けるぞ?」

男「それ全部開ける気ですか?!」

女「あたぼうよ」

男「むりですしにます」

女「ちっ、付き合いの悪い……じゃあ、あまったら次までおいといてくれな」

男「また来る気まんまんですね」

女「あたぼうよ」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:30:54.11 ID:cfQg89cs0
男「はあ…」

女「で、なんだっけ。レポート?」

男「ああ、人の話きいてることもあるんですね」

女「うるせえ。それ以上いうと酒飲むぞ」

男「言わなくても飲むじゃないですか」

女「まあな」

男「じゃあ言った方が俺がすっきりします」

女「ちがいない。ってあれ? ん?」

男「レポート、これですこれ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:35:11.48 ID:cfQg89cs0
女「おお、これかあ。懐かしいな」

男「先輩もこれとってたんですか?」

女「おう、去年な。優だったぞ」

男「マジですか。これ教授めちゃくちゃ厳しいのに」

女「ふふん。私は優秀だからな」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:39:38.40 ID:cfQg89cs0
男「で、どれだけ金積んだんですか?」

女「いくらだと思う?」

男「え、マジですか?」

女「ちぇっ、せっかく乗ってやったのにこれかよ」

男「先輩ならやりかねませんし」

女「信用ねえなーわたし」

男「自分でぶち壊しまくっといてなにいってんですか」

女「ひひっ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:43:40.85 ID:cfQg89cs0
女「まあせっかくだ。手伝ってやるよ」

男「じゃあ、お願いします」

女「ほら、書くものだぜ」

男「今やるんですか?!」

女「レポートなんざいい酒の肴じゃんか」

男「他人のレポートは、でしょう」

女「よくできました。花丸をあげようねえ」

男「もういいです。あしたやりますから」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:46:17.47 ID:cfQg89cs0
女「まあまて。文献、かしなよ」

男「今度はなんですか」

女「要点のとこに付箋つけてやる」

男「そりゃありがたいですね」

女「なんだその疑りぶかい目は。今度はマジだからとっとだせ」

男「……はい」

女「ちょっとまっててな……」

男「……あ、飲みながらやるんですね」

女「あたりまえだろ」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:51:14.91 ID:cfQg89cs0
女「ほい、おわり」

男「ずいぶんありますね」

女「それで漏れなしだ。あとは自分で頑張りな」

男「助かりました」

女「たまには先輩らしいとこみせないとね」

男「はじめてじゃないですか?」

女「ふふっ、そうかもねえ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:52:41.36 ID:cfQg89cs0
女「おっ、年上の魅力にメロメロか?」

男「大人げない人に年上といわれましても……」

女「うるせえ飲め」

男「そういうところが……っ…」

女「おう、飲みやがったな    星人」

男「ちょっ、まだひっぱるんですかそれ」

女「あたぼうよ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:54:18.25 ID:cfQg89cs0
女「なー、やっぱ おおきいほうがいいのか?」

男「そりゃまあ、そうですね」

女「駄目だな、これだから君は……」

男「さっきは趣味いいとかいってたじゃないですか」

女「    でかいと色々邪魔だし肩もこる。形が崩れやすくてちょっと年食ったらびろーんのべろーんだ」

男「先輩も 大きいじゃないですか」

女「なんだそういう目でわたしを見てたのかこの変 !」

男「えっ、ちょっ、先輩酔ってますね」

女「馬のションベン飲んでんじゃねえんだよバッキャロー! 酔うに決まってんだろうが」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:57:33.85 ID:cfQg89cs0
男「きょうはずいぶん荒れてますね」

女「んなことねえよ、いつもどおりだバッキャロー」

男「なんかあったんですか?」

女「あったよバッキャロー」

男「で、なんですか?」

女「きいてくれるか?」

男「ええ、まあ」

女「よしよし、それでこそ君だ。愚痴を吐きにきたかいがあったってもんだ。えらいぞー」

男「そもそも先輩がうちくるのってそんな時だけじゃないですか」

女「いーや、めし作るのが面倒な時もくるぞ」

男「それは外でたべてきてください」

女「いいじゃんか食材もってきてんだから」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 21:58:59.89 ID:cfQg89cs0
男「で、今日はどうしたんですか?」

女「サークルだよ」

男「これまたありがちですね」

女「やめてきた」

男「はい?」

女「やめたんだよ。ポイッ。おさらば」

男「先輩のサークル、仲いいっていってませんでしたっけ」

女「言った。やめた」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:01:10.92 ID:cfQg89cs0
男「なにがあったんですか?」

女「わたしが告られた」

男「はあ」

女「その、サークルのやつな。いいやつだぞ。楽しいやつだ」

男「いいじゃないですか」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:03:53.27 ID:cfQg89cs0
女「で、わたしは断った」

男「ええ」

女「ダチにするにはいいやつなんだが、そういう感じじゃあなかったんだよな」

男「あー」

女「あいつもしゃーねーな、あきらめんわって感じで、その場は終わったんだ」

男「はあ」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:06:03.15 ID:cfQg89cs0
女「そしたら、そいつの周りのやつらが騒ぎ始めた」

男「どっから漏れたんですか?」

女「しらね。その、そいつが誰かにこぼしたんじゃねえか?」

男「うーん」

女「んで、なんだかんだあってわたしがやめた。おしまい」

男「……」

女「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:08:51.36 ID:cfQg89cs0
女「……なんかいえよ」

男「お酒ください」

女「ほれ」

男「どうも」

女「……」

男「……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:11:34.38 ID:cfQg89cs0
女「…ま、別にやめなくてもよかったんだけどさ」

男「そうなんですか?」

女「なんつーか、めんどうになったんだよな」

男「その、サークルが」

女「まあな。そういうことがあって、おわって、でもなんとなくもやもやがのこんだ
ろ?」

男「そうですね」

女「そのもやもやのまんま前みたいにあそんでも、なんかしらけた感じになんのかなっ
て」

男「……」

女「……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:14:07.42 ID:cfQg89cs0
男「……そういうのって、時間が解決したりとかするもんじゃないんですか?」

女「まあなあ」

男「待てなかったんですね」

女「うーん、なんだろうなあ」

男「はい」

女「仲が良すぎたってのもあんのかな」

男「はい?」

女「今まで楽しかっただけのとこに、で耐性がなかったのかもな」

男「……」

女「……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:18:41.28 ID:cfQg89cs0
男「逆にそれって、仲よかったんですかね?」

女「はあ?」

男「いえ、なんでもないです」

女「……さあ。わかんないね」

男「……」

女「でも、ま。いままで楽しかったからさ。ちょっとさびしい」

男「そうですか」

女「んー」

男「……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:22:35.14 ID:cfQg89cs0
女「……君はなぐさめてはくれないんだな」

男「慰めて欲しいんですか?」

女「そんなんだからもてねえんだよ童貞」

男「おおきなお世話です」

女「だいたい、こういうときはだまって聞いて、最後になぐさめるもんじゃないか」

男「初耳ですね」

女「そうすると、こう、な?」

男「な? じゃないです」

女「あー、もう。だまってのんでろ」

男「はい」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:25:52.57 ID:cfQg89cs0
女「……」

男「……」

女「……」

男「……先輩、そろそろ」

女「……んあ?」

男「お酒、やめといたほうが」

女「ざけんなカス」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:27:54.36 ID:cfQg89cs0
男「もうまともに飲めてないじゃないじゃないですか」

女「しるかボケ」

男「こぼしてますよ」

女「アクセサリーだバカ」

男「どうしたんですか、今日おかしいですよ?」

女「酔ってんだよ、おかしくてあたりめーだろ」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:30:24.97 ID:cfQg89cs0
女「だいたいさあ、あんたはなんで黙ってるわけ?」

男「先輩がいったんじゃないですか」

女「わけわかんねえんだけど。玉ついてんのかよ」

男「わけわかんないのはこっちですよ……」

女「まー、あんたに期待してもしかたねえか」

男「……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:32:20.17 ID:cfQg89cs0
男「……やけに絡みますね」

女「んー? 怒った? 怒った?」

男「先輩、うざいです」

女「あはははははは!!」

男「まじうざいです」

女「いいだろ別に、だれにも迷惑かけてねえよ」

男「俺が超迷惑です」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:36:22.24 ID:cfQg89cs0
女「あーもう」

男「……なんですか突然」

女「いいから、そのままじっとしてろ」

男「……暑いんですけど」

女「まじざっけんな。黙ってろよ」

男「照れてるんですよ」

女「きも……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:41:52.45 ID:cfQg89cs0
男「……」

女「……あー、もういいや。ありがと」

男「はあ」

女「今日ここでねるから」

男「すきにしてください」

女「君さあ……」

男「なんですか?」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:44:25.43 ID:cfQg89cs0
女「ホモなの?」

男「はあ?」

女「わたし、そんなに魅力ないかなあ?」

男「なにいってんすか」

女「それとも超弩級のヘタレ?」

男「先輩、酔ってるんですよ」

女「酔いに来たんだからったりめーでしょうが」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:47:32.90 ID:cfQg89cs0
女「こんなに抱きついたりしても無反応とかひどくない?」

男「しりませんよそんなの」

女「……ったく、てめーいい加減にしろよ」

男「いい加減にするのは先輩です。はやくねてください」

女「あーもう、いいから抱けよ」

男「はあ?」

女「ほら、   だせ。抱きつけ。さっさと  うぜ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 22:57:09.60 ID:cfQg89cs0
男「……」

女「あん? どうした?   ねえってことはないよなあ」

男「……先輩」

女「お、やる気になったな……いいぞ」

男「……もう寝てください」

女「はあ?」

男「いいから寝てください」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 23:06:28.12 ID:cfQg89cs0
女「抱きついといてそりゃねえだろうが」

男「いいから」

女「よくねえよ、どうだ? 大好きな    の感触は?」

男「……」

女「ちっ……なんか言えよ」

男「……」

女「……くそが」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 23:17:57.38 ID:cfQg89cs0
女「……すぅ……すぅ…」

男「……」

女「……すぅ……すぅ……」

男「……自暴自棄になるくらいならやめなきゃいいじゃないですか」

女「……すぅ……すぅ……」

男「馬鹿ですね」

女「……すぅ……すぅ……」

男「……重っ」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/28(火) 23:21:12.75 ID:cfQg89cs0
めでたしめでたし

引用元: 男「下宿に大家が侵入してくる」