1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:20:50.21 ID:3a84N8jc0
劇場版!駆逐戦隊!ショキカンジャー!!

~守り抜け!始まりの自分~


このスレは
駆逐戦隊!ショキカンジャー!! 


の続きです

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:21:20.97 ID:3a84N8jc0
カチャ…カチャ…

「…まだできないの?」

「申し訳ありません…まだ調節がうまくいかなくて」

「そう…まあ、急ぐ必要はないしね」

「すぐにできるものじゃないのはわかってるし、気にしなくていいわ」

「ありがとうございます」

「…これが完成したら…」

「『奴ら』を…倒せるのよね?」

「はい…その通りです」

「ふふふ…楽しみだわ…」

「待ってなさい…ショキカンジャー…!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:21:52.97 ID:3a84N8jc0
鎮守府 ある一室


吹雪「…」

叢雲「…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

電「す、すごい迫力なのです…」

五月雨「ごくり…」

漣「くっ…この圧倒的な圧力(プレッシャー)…」

漣「これがこの二人の真の実力だというのか…!」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:22:21.67 ID:3a84N8jc0
漣「…次だ…」

五月雨「え…?」

漣「次の一手で…勝負が決まる…!」

漣「この漣にはわかる…!」

吹雪「…覚悟はいい?叢雲ちゃん…」

叢雲「いいわよ…どこからでもかかってきなさい…!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

吹雪「…」

吹雪「…これだ!」シュッ

叢雲「!!」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:22:54.18 ID:3a84N8jc0
吹雪「やったー!あがりだ!」

五月雨「おお、ということは…」

電「勝負あり、なのです」

叢雲「ば、馬鹿な…!」

叢雲の手に握られていたもの、それは…

ジョーカー…!トランプのジョーカーであった…!

そう、五人はババ抜きに興じており…

結果、叢雲は勝つことができなかった…!

すなわち、敗者…!負け犬…!底辺…!

艦娘のクズ…!

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:23:26.10 ID:3a84N8jc0
叢雲「う、嘘だ…夢でしょ…」グニャァァァ

ところがどっこい…!夢じゃありません…!

これが現実…!現実で…

叢雲「あんたさっきからうるさいわよ」ポカッ

漣「あいたっ」

叢雲「というか何しれっと艦娘のクズとか呼んでくれてんのよ、ええ?」ギリギリ

漣「うわー!ギブギブ!」バンバン

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:23:56.51 ID:3a84N8jc0
吹雪「まあまあ。そこまでにしてあげなよ」

漣「そうだよ敗者の分際でー」

叢雲「あ?」

漣「すみませんでした」

五月雨「でもババ抜き終わったけど…何しようか」

電「ジジ抜きでもするのです?」

吹雪「ほとんど変わんないよ、それ…」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:24:34.71 ID:3a84N8jc0
漣「じゃあリアルおままごとでもすっか」

吹雪「何それ怖い」

漣「まず叢雲ちゃんと五月雨ちゃんがカップルね」

叢雲「え?ど、どっちが男役?」

漣「何言ってんのレズカップルに決まってんじゃん」

五月雨「えぇ…」

漣「電ちゃんは二人の間に望まぬ形で生まれた子供ね」

電「複雑なのです!っていうかどうやって生まれたのです!?」

漣「そりゃあ愛の力ですよ」

五月雨「すでにリアルじゃないね…」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:25:44.68 ID:3a84N8jc0
吹雪「えっと…私は?」

漣「吹雪ちゃんは五月雨ちゃんのストーカー」

五月雨「えっ…」

吹雪「ちょ、ひかないで五月雨ちゃん!漣ちゃん、何その役!」

漣「んで、漣は五月雨ちゃんの盗撮写真を吹雪ちゃんに売る裏社会の人間」

漣「一枚二万円で売ってます」

吹雪「高っ!」

叢雲「うわぁ…そこまでして五月雨の写真が欲しいのね吹雪…」

電「ドン引きなのです」

五月雨「…」ジトッ

吹雪「え!?ちょ、ちょっと!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:26:13.20 ID:3a84N8jc0
吹雪「…あ、写真で思い出したんだけど」

叢雲「ん?」

吹雪「この間、部屋を整理してたらこんなのが出てきたんだ」ピラッ

漣「何?五月雨ちゃんの入渠中の写真?」

吹雪「…」

漣「あ、サーセン」

電「えっと、これは…」

五月雨「確か…私たちが鎮守府に来た最初の頃に撮った集合写真だね」

叢雲「また懐かしいものが出てきたわね」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:26:39.41 ID:3a84N8jc0
五月雨「なんで撮ったんだっけ?」

電「確か、吹雪さんが撮りたいって言いだして…」

漣「そういやそうだったね。なして?」

吹雪「え…?なんでだったかなぁ…」

吹雪「ずいぶん昔の話だから、あんまり覚えてないよ」

叢雲「確かに、この鎮守府に来てからずいぶん経つのよね」

電「色々あったのです」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:27:06.31 ID:3a84N8jc0
吹雪「あの頃は…みんなどうだったかな」

五月雨「あんまり変わってないと思うけどね」

叢雲「とりあえず漣は最初から変な奴だったことは覚えてるわ」

漣「え~?なにそれ」

漣「それだと今も変な奴みたいじゃん!」

四人「は?」

漣「えっ…」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:27:34.93 ID:3a84N8jc0
吹雪「でも、変は変だったけど、今と何か違うよね」

電「確かに…何ででしょう?」

叢雲「あの頃のあんた、なんか無理してる感があったのよ」

漣「ほぁ?」

叢雲「今思えば、そういうことだったのね…」

五月雨「あー、そっか…」

漣「え?…あっ!」

吹雪「そういえば…そうだね」

電「納得なのです」

漣「そ、その話はなにとぞ…なにとぞ勘弁…」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:28:05.99 ID:3a84N8jc0
電「叢雲さんはなんだか怖かったのです…」

吹雪「あー、そうだね。自分から一人になろうとしてたし」

五月雨「あんまり話してくれなかったし」

叢雲「え…そ、そうだったかしら」

漣「叢雲ちゃんは孤独なロンリーウルフって感じだったね」

叢雲「何よそれ」

漣「でも漣たちは知っている!本当は寂しがり屋のウサギちゃ…」

叢雲「は?」ギリギリ

漣「ぐえー!ギブギブ!」バンバン

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:28:33.22 ID:3a84N8jc0
叢雲「五月雨は最初からドジだったわね」

吹雪「うん、それは間違いないね」

五月雨「え!?そ、それは…」

五月雨「…否定できない」

漣「悲しいなぁ…」

電「でも、あの頃と比べるとドジは減ったと思うのです」

叢雲「確かにあの頃は、三歩歩けば転んでた気がするわ」

五月雨「そんなわけないよ!捏造はやめてよー!」

吹雪「そうだよ五歩の間違いだよ」

五月雨「えぇ!?」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:29:13.44 ID:3a84N8jc0
吹雪「電ちゃんは最初から小っちゃくてかわいかったね」

五月雨「もはや小動物だよね」

漣「おーかわいいかわいい」ヨーシヨシヨシ

電「な、なんで撫でるのです!?というか小動物って何なのです!?馬鹿にしてるのです!?」

叢雲「馬鹿になんかしてないわよ。愛でてるだけよ」

漣「そのとーり!」ヨーシヨシヨシ

電「はわわ…」

五月雨「でもあの頃と比べるとたくましくなったかな?」

吹雪「そうだねぇ。あのころは何かと驚いたりおびえたりすることが多かったような…」

漣「ますます小動物じゃないですかヤダー!」ワシャワシャ

電「はわわ!?」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:29:51.56 ID:3a84N8jc0
五月雨「それで、吹雪ちゃんは…」

叢雲「…」

漣「…」

電「…」

吹雪「…?」

叢雲「…大して変わってないわね」

吹雪「え!?」

漣「今も昔も普通ですな」

吹雪「えぇ!?」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:30:23.87 ID:3a84N8jc0
吹雪「そ、そんなことないよね!?何か変わってるよね!?」

吹雪「ねえ、電ちゃん!」

電「…」サッ

吹雪「なんで目そらすの!?」

漣「いやーでも変わらないって言うのはいいことですよ」

五月雨「そうだよ。昔も今もしっかり者だよ」

叢雲「そうそう。変わることばかりが良いことじゃないのよ」

電「吹雪さんはそのままでいいのです」

吹雪「み、みんなぁ…」ブワッ

漣(ちょろい)ニヤリ

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:31:06.16 ID:3a84N8jc0
吹雪「そ、そんなことないよね!?何か変わってるよね!?」

吹雪「ねえ、電ちゃん!」

電「…」サッ

吹雪「なんで目そらすの!?」

漣「いやーでも変わらないって言うのはいいことですよ」

五月雨「そうだよ。昔も今もしっかり者だよ」

叢雲「そうそう。変わることばかりが良いことじゃないのよ」

電「吹雪さんはそのままでいいのです」

吹雪「み、みんなぁ…」ブワッ

漣(ちょろい)ニヤリ

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:31:54.55 ID:3a84N8jc0
五月雨「でもやっぱりみんなあんまり変わってないね」

電「そうですね。でもそれでいいと思うのです」

漣「みんながみんな高校デビューみたいになったらいかんでしょ」

叢雲「その例えはどうなのよ…」

吹雪「みんな、本質というか、根っこは変わってないよね」


五人「でもみんな」

五人「…!」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:32:37.18 ID:3a84N8jc0
吹雪「な、何?みんな同時に…」

叢雲「…漣から言いなさいよ」

漣「…いや、ここは電ちゃんで」

電「…五月雨さん、どうぞなのです」

五月雨「いやいや、吹雪ちゃんが…」

吹雪「…さっきババ抜きで負けた叢雲ちゃんからどうぞ」

叢雲「うっ、ここで…」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:33:10.33 ID:3a84N8jc0
叢雲「というかなんで言おうとしてたのに言うのためらってんのよ」

漣「てめーもだろうが」

吹雪「んー、なんか言いづらくなっちゃって」

電「どうしてでしょうね」

五月雨「この状況で言うのは何か恥ずかしいよ…」

漣「かーっ!この根性なしどもが!」

叢雲「あんたもでしょうが」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:33:38.33 ID:3a84N8jc0
叢雲「どうやら全員言いたくないようね…」

五月雨「じゃあもう言わなくていいんじゃないかな」

漣「いや!なんか面白そうだから言いなさい!」

吹雪「じゃあ漣ちゃんから言ってよ」

漣「嫌に決まってんだろうがべらぼうめ!」

電「えぇ…」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:34:17.78 ID:3a84N8jc0
漣「ふん。まあ漣から言ってもいいが…条件がある」

電「条件…ですか?」

漣「この叢雲ちゃんの秘蔵写真をここで公開させてもらう!」ピラッ

五月雨「秘蔵写真?」

漣「そう。これは叢雲ちゃんが大破して帰った時、こっそり自室で泣いてた時の…」

吹雪「何それ見たい」

叢雲「は!?何よそれ!よこしなさい!」バッ

漣「やだー!やらせはせんぞー!」


コンコン

五月雨「ん?」

吹雪「はい、どうぞ」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:35:58.29 ID:3a84N8jc0
提督「よう」ガチャッ

電「あれ、司令官さん?」

五月雨「提督?どうしたんですか?」

提督「いや、お前らに用があってな」

提督「ちょうど今五人そろってるって聞いたから…」

提督「…何やってんだ?」

漣「え?なにがです?」

提督「いや…」

提督「…なんで漣は叢雲にキャメルクラッチされてるんだ?」

叢雲「あー、気にしないで」グイグイ

漣「そうそう。気にしないで」ギブギブ

提督「…そうか」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:36:40.01 ID:3a84N8jc0
叢雲「で、何よ」

提督「ああ。お前らが一か月前に倒したディープマリンのことで…」

漣「え?あいつらが何?」

提督「お前たちが行った、ディープマリンの基地…」

提督「あそこの調査を本格的に始めたくてな」

提督「それで、お前たちに事前に軽い調査を行ってもらいたいんだ」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:37:09.62 ID:3a84N8jc0
吹雪「あそこの調査、ですか」

提督「そうだ。もしかしたら深海棲艦にかかわる何かが改めて発見できるかもしれん」

提督「なかなか手が回せなかったが、ようやく調査が開始できそうでな」

提督「ただ、場所が場所だ。奴らが何か仕掛けてたかもしれん」

提督「それでお前たちなら何かあっても対応できると思ってな」

提督「先に下見して、異常がないか確かめてほしいんだ」

五月雨「なるほど、そういうことですか」

電「今からですか?」

提督「いや、確かに早めがいいが…準備もあるだろう。好きな時でいいぞ」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:37:45.59 ID:3a84N8jc0
吹雪「了解しました。近々行っておきます」

提督「ああ。行くときは一応声をかけてくれ」

五月雨「準備か…ショキブレスのメンテでもしてもらってたほうが良いかな?」

電「そうですね。あと、叢雲さんの槍も戦隊仕様にしてもらったほうが良いのです」

叢雲「え?あー、そうだったわ」グイグイ

漣「別にそこまでしなくてもよくねー?」ギブギブ

吹雪「いや、念のためやっておこうよ」

叢雲「まあいいけどねー」グイグイ

五月雨「…というか、そろそろやめなよ」

叢雲「む、そうね」パッ

漣「うぇっ…首が伸びて首長竜になるかと思ったぜ」バタン

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:38:14.64 ID:3a84N8jc0
提督「む?その写真…」

漣「ん、ご主人様も気になる?叢雲ちゃんの秘蔵の写真」

叢雲「ちょっと漣!」バッ

漣「ぐわっ!4の字固めは勘弁!」

提督「それはそれで気になるけど…俺はこっちのことを言ってたんだ」スッ

五月雨「ああ、さっき見てた集合写真ですか」

吹雪「掃除してたら出てきたので持って来たんですよ」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:39:08.41 ID:3a84N8jc0
提督「懐かしいな…だってこれ、この鎮守府ができた本当に最初の頃の写真だろ?」

電「そうなのです。ずいぶん経つのです」

提督「最初の頃お前らあんまり仲良くなかったんだよな」

吹雪「え?そ、そうでしたっけ?」

提督「ああ。喧嘩とかはなかったが、関わり合うことが少ない感じだったな…」

五月雨「そうでしたっけ…」

叢雲「初対面なんてそんなもんじゃないの?」

提督「そうかもな…」

提督「ただ、この写真を撮ったあたりから打ち解けだしたんだよなぁ…」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:39:45.65 ID:3a84N8jc0
電「え、そうなのです?」

提督「ああ。こういうのは第三者はよくわかるもんだ」

漣「へー。でもなして?」

提督「いや、知らねえよ…それこそお前らしかわからないことだろ」

提督「確か、写真を撮りたいって言いだしたのは吹雪だったろ?理由とか覚えてないのか?」

吹雪「えっと…それが思い出せなくて…」

提督「ふむ…そうか」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:40:12.54 ID:3a84N8jc0
提督「それにしても、お前ら…」

五人「?」

提督「…」

提督「いや、何でもない」

提督「じゃあ調査の件、頼んだぞ」

バタン

五人「…?」

吹雪「…なんだったんだろう」

五月雨「さあ…?」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:40:41.74 ID:3a84N8jc0
工廠

吹雪「明石さん、夕張さーん。いますかー?」

電「あれ、居ませんね…?」

叢雲「いつもならこの辺りにいるんだけどね…」


…ダカライマーイチビョウーゴトニー…


五月雨「…ん?」

漣「なんか聞こえますな」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:41:09.29 ID:3a84N8jc0
電「あっちの方からなのです」

吹雪「もしかして二人が…」ヒョコッ


「トベヨォォォォォ!!」

明石「やっぱりこの辺の展開は燃えるねー」

夕張「ここから話が盛り上がっていきますからねー」

五人「…」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:41:36.99 ID:3a84N8jc0
五月雨「…何やってるんですか?」

夕張「ん?おー、みんな!」

明石「何って…アニメ鑑賞?」

「マッテクレ…アヤマル!」

叢雲「えぇ…」

電「えっと…暇なのです?」

夕張「うん、超ヒマ!」

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:42:02.72 ID:3a84N8jc0
吹雪「あの、ちょっと頼みたいことがあるんですけど…」

夕張「お、なになに?」

五月雨「ちょっとショキブレスのメンテをしてもらいたいんです」

夕張「ん?ショキブレス?」

夕張「もう使わないと思ってたんだけど」

電「ちょっと必要になったのです」

叢雲「あと、私の槍も戦隊仕様にしてもらいの」

夕張「まあ暇だったし、それは全然かまわないわよ」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:42:39.32 ID:3a84N8jc0
夕張「じゃあ預かっておくね。明日にはできると思うから」

吹雪「はい。お願いします」


「ワタシナノダゼ?」

漣「いやー、やっぱり助手かわいいですな」

明石「ねー。いいよね」

叢雲「…増えてるし」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:43:31.66 ID:3a84N8jc0
五月雨「夕張さん、これってどんな話なんですか?」

夕張「えっと…簡単に言うと、タイムマシンで時をかける中二病の話」

「リーディングシュタイナー…!」

明石「はぁ…タイムマシン作りたいなぁ…」

漣「えっ、あれだけの謎技術があってできないんですか」

夕張「それはそれ、これはこれよ」

明石「そうそう。全然違うのよ」

電「違いが分からないのです…」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:44:10.78 ID:3a84N8jc0
──────────

──────

───


「…」

「…はぁ…」

「こんなところで、一人で何やってるのかな?」

「うわぁ!?」

「あ、驚かせちゃった?ごめんね」

「な、なんですかあなたは!?いきなり…!」

「大丈夫大丈夫。怪しい人じゃないから」

「…そう言われても…」

「まあまあ。別に危ないことはしないから」

「…それで、あなたは一体…?」

「私?私はね――――――」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:44:46.94 ID:3a84N8jc0
──────────

──────

───

吹雪「…ん…」

吹雪「…今のは…?」ムクリ

白雪「…」スヤスヤ

吹雪「誰もいない…白雪ちゃんしか」

吹雪「夢…?」

吹雪「…何だったんだろう、一体…」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:45:26.98 ID:3a84N8jc0
翌日 ディープマリンの基地


五月雨「ここに来るのも久しぶりだね…」

電「そうなのです。あの戦いから一回も来てないですからね」

漣「もう一か月もたつのかー」

叢雲「早いものね…」

叢雲「調査って、異常がないか調べるんでしょう?」

五月雨「今のところ異常はないね」

吹雪「大丈夫だとは思うけど…油断はできないね」

電「気を引き締めていくのです」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:47:17.58 ID:3a84N8jc0
吹雪「特に異常もなく最後の部屋まで来ちゃったね」

五月雨「ここは…コアがあったところだね」

吹雪「そう。最後に戦ったところ」

漣「よーし!さっさとドア開けて入ろう!」

叢雲「そうね。何もなさそうだし、中見てとっとと帰りましょう」

電「じゃあ、開けるので…」スッ

ピタッ

吹雪「…どうしたの?」

電「…」

電「…中から、話し声が聞こえるのです」

四人「!?」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:47:51.31 ID:3a84N8jc0
吹雪「ぜ、全員静かに!」コソッ

五人はドアに耳を当て、かすかに聞こえる話し声に耳を傾けた


「…それで、どうなの?」

「はい…あと少しです」

「ふーん…まだ使えないの?これ」

「使えないことはないですが…いささか問題が…」

「あら、そうなの…」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:48:18.25 ID:3a84N8jc0
「しかし…これまでよく我々見つかりませんでしたねぇ」

「そうね…でも、何かあっても私とあなたがいれば大丈夫でしょう?」

「ですが、相手はコアを破壊するほどの実力を誇ります…かなりの強敵だと思われますよ」

「うーん、確かにそうね…」

「でも、これがあればどんな強敵でも関係ないんでしょ?」

「はい。その通りです」

「この装置があれば…」

「奴ら…『ショキカンジャー』は、終わりですよ…」


五人「!!」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:48:46.48 ID:3a84N8jc0
「ふふふ…そうよね…」

「じゃあ、頼んだわよ」

「ええ、お任せください…」


吹雪「ちょっと待ったぁー!!」バンッ

「「!!?」」

吹雪「…あ、出てきちゃった」

叢雲「まー仕方ないわ」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:49:14.74 ID:3a84N8jc0
防空棲姫?「な、何!?あなたたちは…!」

???「と、とうとう見つかっちゃいましたか…」

五月雨「…防空棲姫…?」

漣「…いや、ただのそっくりさんですな」

叢雲「隣にいる奴は…見覚えないわね」

電「でも、もしかして…」

吹雪「あなたたち…ディープマリンですか!?」

防空棲姫?「!!」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:49:47.57 ID:3a84N8jc0
防空棲姫?「ど、どうして私たちのことを…」コソコソ

???「ボウクウ様。あの五人組…」コソコソ

???「もしかして、噂のショキカンジャーでは?」

防空棲姫?「えっ!?本当に!?」

防空棲姫?「くっ…何てタイミングが悪いのかしら…」

防空棲姫?「仕方ない。ここで返り討ちに…」

???「このまま真正面から戦うのは分が悪いですよ…」

防空棲姫?「う、確かに…」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:50:15.40 ID:3a84N8jc0
防空棲姫?「…ツー。その装置、使えないことはないのよね?」

???「っ!…はい。ですが…」

防空棲姫?「このままじゃどっちにしろまずいわ」

防空棲姫?「私が時間を稼ぐ。その隙にあなたは起動の準備を」

???「…わかりました」

叢雲「何コソコソしてんのよ。ぶっ飛ばすわよ?」ギラッ

防空棲姫?「ヒィッ!?ままままままま待ちなさい!」

???(…大丈夫かな…)カチャカチャ

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:50:45.65 ID:3a84N8jc0
防空棲姫?「コホン…あなたたち、ショキカンジャーね?」

吹雪「…ええ、そうです」

防空棲姫?「私の名はボウクウ。そして、こっちはツー」

ボウクウ「お察しの通り、私たちはディープマリンよ」

五月雨「やっぱり…!」

電「でも、コアは壊したはずなのです!」

漣「そーですよ。コアもないのになんであんたらいるんですか」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:51:33.92 ID:3a84N8jc0
ボウクウ「ええ、確かにコアは破壊されてしまったわ」

ボウクウ「そしてそのコアをエネルギー源としているディープマリンは、コアを破壊されては生きられない」

叢雲「だったらどうして…」

ボウクウ「…さっきは私たちはディープマリンといったけど…」

ボウクウ「正確には、『ディープマリンのプロトタイプ』、と言ったほうが良いのかしら?」

吹雪「プロトタイプ…?」

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:52:12.02 ID:3a84N8jc0
ボウクウ「深海棲艦はコアを作り出す前に、艤装での攻撃が通らない存在として私たちを作っていたの」

ボウクウ「確かに私たちは通常の攻撃が効かない。これで目的は達成できたかに思われたわ」

ボウクウ「しかし、私たちをそれなりの数作るにはちょっと問題が多くてね…」

ボウクウ「このまま作り続けることは断念されたわ」

ボウクウ「そこで深海棲艦は他の方法を探した。そして…」

五月雨「コアが作られ、私たちの知るディープマリンが生まれた、と…」

ボウクウ「ええ。そうよ」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:52:38.59 ID:3a84N8jc0
ボウクウ「コアが作られたことで、私たちはお払い箱。今まで深海棲艦の雑用として働いていたわ」

ツー「うぅ…辛かったです」

漣「えぇ…」

電「でも、どうしてあなたたちもディープマリンとともに戦わなかったのです?」

叢雲「そうよね。そのほうが良いんじゃ…」

ボウクウ「確かにそうなんだけどねぇ…」

ボウクウ「まあ、私たちはディープマリンが倒された時の保険として温存されてた、と思ってくれればいいわ」

五月雨「はぁ…」

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:53:09.42 ID:3a84N8jc0
漣「で、あんたらプロトタイプはなんか違うところあるの?」

ボウクウ「そうね…まず、コアがないから自由に動けるわ」

ボウクウ「あとはやっぱり、戦うときに―――」

ボウクウ「…おっと、喋りすぎたわね」

漣「ちっ」

叢雲「…まあ、それはいいとして…」

叢雲「…そこのあんた、何やってるのかしら?」

ツー「!!」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:53:37.01 ID:3a84N8jc0
吹雪「…そういえば、その装置で私たちを倒すって言ってましたよね?」

漣「じゃあぶっ壊すか」

ボウクウ「さ、さすがに目を付けられたわ!」コソコソ

ツー「ボウクウ様、もう少し時間稼ぎを!あと少しです!」コソコソ

叢雲「とりあえずぶっ叩いときましょうか」ブンブンッ

ボウクウ「ヒィッ!?ままままままま待ちなさい!」

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:54:04.64 ID:3a84N8jc0
叢雲「大人しくしてれば痛い目には合わないわよ?」ブンブンッ

ボウクウ「お、落ち着きなさい!素数を…素数を数えるのよ!」

ボウクウ「ほら、一緒に!1、3、5…」

電「1は素数じゃないのです」

五月雨「2も抜かしてますよ」

ボウクウ「はっ!しまった!」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:54:32.44 ID:3a84N8jc0
叢雲「こんな場所で作るから見つかるのよ」ブンブンッ

漣「そーだそーだ。なんでこんなところで作ってんだよ」

ボウクウ「だってここ便利なんだもの!コアが置いてあった関係でエネルギー供給に困らないし!」

叢雲「へぇ、そうなの。まあ関係ないわ、ね!」ブンッ

叢雲が装置に向かって槍を振り下ろした!

ツー「!!」

ボウクウ(まずい、こうなったら…!)

ボウクウ「そいやぁああああああああああ!!」ドンッ

叢雲「ぐあっ!?」

ボウクウが叢雲に向かってタックルを決めた!

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:56:23.76 ID:3a84N8jc0
吹雪「叢雲ちゃん!!」

叢雲「くっ…油断したわ」ズザッ

ボウクウ「うう、痛い…」ヒリヒリ

電(なんか、親近感湧くのです)

五月雨「こうなったら、全員変身して一気に決めよう!」

漣「それで満足するしかねぇな!」

ボウクウ(!まずい、私ひとりじゃ、全員は…)


ゴォォォォォォォォォォォォ

ツー「ボウクウ様!起動しました!」

五人「!!」

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:56:49.91 ID:3a84N8jc0
ボウクウ「よーし、これでこっちのものよ!」

叢雲「させるか!」ダダッ

ボウクウ「ククク、残念だったわね、ショキカンジャー!」

ボウクウ「これであなたたちも終わりよ!ハーッハッハッハ!!」

吹雪「させません!」バッ

漣「やらせはせん!やらせはせんぞー!」バッ

ボウクウ「うわっ!?離れなさいあなたたち!」

五月雨「よくわかりませんが、その装置を…!」バッ

叢雲「とりあえず、ぶっ壊してやるわ!」

ツー「は、離れてください!さもないと…」

電「えーいっ!」バッ

ツー「えっ」

ゴツンッ

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:57:24.37 ID:3a84N8jc0
ピカァァァァァァァァ

吹雪「ん?装置が…」

五月雨「光ってる…?」

ツー「いたた…あ!」

ツー「ま、まずいです!このままでは…」

ピカァァァァァァァァ

漣「…なんか、やばそう?」

叢雲「ええい!あんた、どきなさ…」




ピカァァァァァァァァァァァァァ!!

あたり一面が光に包まれた!

五人「うわあああああああああああああ!!?」

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:58:00.48 ID:3a84N8jc0
──────────

──────

───

…さん…

…き…さん…


「吹雪さん!!」

吹雪「うわっ!?」バッ

電「吹雪さん!大丈夫なのです?」

吹雪「い、電ちゃん?」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:58:26.79 ID:3a84N8jc0
吹雪「うん、大丈夫…って」キョロキョロ

吹雪「…あれ?」

吹雪があたりを見渡すと、そこはさっきまでいた場所とは全く違う場所であった

吹雪「…ここは…?」

電「多分、鎮守府の近くの森なのです」

吹雪「ああ、あそこか…」

吹雪「えっと、なんでこんなところに?」

吹雪「それに、他のみんなは?」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:59:03.83 ID:3a84N8jc0
電「わからないのです。電も気が付いたらここに…」

電「近くで吹雪さんが倒れてて、それで…」

電「他のみんなは、見かけてないのです」

吹雪「そっか…」

吹雪「やっぱり、さっきの装置のせいかな?」

電「そうだと思うのです。またワープでしょうか?」

吹雪「いや、それだったらあんな装置作らなくても…」


ガサッ

二人「!!」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 23:59:40.88 ID:3a84N8jc0
吹雪「な、何…?」

ガサガサッ

電「ここ、動物は出ないはずなんですけど…」


「喰らえっ!」バッ

吹雪「うわっ!?」シュバッ

「ちぃっ!避けたか…」

吹雪「あ、危な…って、叢雲ちゃん?」

叢雲「…あら?」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:01:08.50 ID:vAmXUqAm0
叢雲「吹雪と電だったの…」

電「なんで襲ってきたのです?」

叢雲「いや、あいつらかと思って…」

吹雪「もっとよく見ようよ…」

叢雲「ご、ごめん…」

電「他の二人は見てないのです?」

叢雲「そうね。気が付いてから会ったのはあんたたちだけよ」

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:01:56.91 ID:vAmXUqAm0
吹雪「とりあえず合流しないと」

叢雲「そうね…奴らも近くにいるかもしれないし、危険だわ」

電「…そういえば、ショキブレスのミニマップ使えばいいのでは?」

吹雪「あーそういえば…近くにいるんなら使えるね」

叢雲「すっかり忘れてたわ」

電「一回しか使ってないから仕方ないのです」

叢雲「じゃあ早速…」スッ


「エントリイイイイイイイイイイイイイイイ!!」ドガッ

叢雲「ぐはぁっ!?」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:02:28.91 ID:vAmXUqAm0
吹雪「…何やってんの、漣ちゃん?」

漣「ん?エントリーしただけですヨ」

電「…もしかしてずっと隠れてたのです?」

漣「うん。電ちゃんが起き上がるところから見てた」

電「最初からなのです…」

漣「それでいつ出ていったら面白いかなーって、出るタイミングを…」

ガッ

漣「…はっ」

叢雲「…」ゴゴゴゴゴゴゴ

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:03:11.08 ID:vAmXUqAm0
漣「…」シュゥゥゥゥ

叢雲「…反省しなさい」

吹雪「ま、まあそこまでにしてあげなよ」

電「えっと…あとは五月雨さんだけなのです」

叢雲「そうね。じゃあ今度こそ…」カチッ

ボゥッ

叢雲「…ん?」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:03:58.79 ID:vAmXUqAm0
漣「どったの?」ムクリ

吹雪「もしかして、見つからない?」

叢雲「いや…見つかったんだけど」

電「けど…どうしたのですか?」

叢雲「…」スッ

三人「?」


五月雨「…み、みんな…」ガクガク

叢雲が指さした近くの木を見てみると、木の上で五月雨が枝にしがみついて震えていた…

四人「…」

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:05:14.24 ID:vAmXUqAm0
吹雪「…何してるの?」

五月雨「起きたら誰も近くにいなかったから…」

五月雨「木に登って見渡したら見つかると思ったんだよね…」

五月雨「そ、そしたら降りられなくなっちゃって…」ガクガク

漣「うわぁ…」

電「ずっとそこに居たのです?」

五月雨「うん…漣ちゃんが起き上がって電ちゃんたちを見つけるところから見てた」

漣「最初からじゃねーか!」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:05:40.51 ID:vAmXUqAm0
叢雲「とりあえず飛び降りたら?」

五月雨「む、無理だよ…」

叢雲「…あんた、レーと戦った時の度胸はどこ行ったのよ」

五月雨「これくらいの高さの方が怖いんだよぅ…」

漣「五月雨ちゃーん」

五月雨「な、何?」

漣「パンツ見えてるよー」

五月雨「えぇ!?」サッ

フラッ

五人「あ」

ヒュゥゥゥゥゥン… ドッスーン

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:07:08.07 ID:vAmXUqAm0
五月雨「いたた…」

吹雪「だ、大丈夫?」

五月雨「大丈夫…こういうの慣れてるから」

電「たくましいのかたくましくないのかわからないのです…」

叢雲「とにかく、これで全員そろったわね」

漣「どうする?あいつら探す?処す?処す?」

吹雪「どうしようかな…」

72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:08:18.99 ID:vAmXUqAm0
電「近くにいるのでしょうか…」

五月雨「私たちが近くにいたから、その可能性は高いけど…」

叢雲「探してみる?」

吹雪「うーん、でも探してる間に鎮守府に行かれたら…」

漣「あー、確かにそれは危険」

吹雪「うん。だから、先に鎮守府に戻って司令官に報告しよう」

吹雪「鎮守府にいれば、襲ってきてもどうにかできるはずだし」

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:08:44.46 ID:vAmXUqAm0
ガサガサッ

叢雲「ふー、ようやく着いたわ…」

漣「草が邪魔だったー…吹雪ちゃん、燃やしてくれればよかったのにー」

吹雪「いやいや…」

五月雨「早く提督のところに行こう。あの人たちが来ないうちに」

吹雪「そうだね…それで、早く迎撃の準備に移ろう」

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:09:32.53 ID:vAmXUqAm0
漣「…んお?あそこに誰かいますな」

叢雲「あら…って、ここにいるのって危険じゃない?」

電「確かに、捕まったりしたら大変なのです」

五月雨(…ん?)

吹雪「おーい、ここにいるのはきけ…」


五月雨「っ!!待って吹雪ちゃん!」バッ

吹雪「!?モガモガッ!」ジタバタ

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:11:02.00 ID:vAmXUqAm0
叢雲「どうしたの五月雨…っ!」

漣「…んん!?」

電「え…!?あれって…」

吹雪「…プハッ…え?どうしたのみんな?」

五月雨「…」

吹雪「五月雨ちゃん…?」

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:11:32.44 ID:vAmXUqAm0
五月雨「…吹雪ちゃん。あの人、誰かわかる?」

吹雪「え?えーと…」ジッ

吹雪「…」

吹雪「…!?」



吹雪?「…」

そこに居た人物は、吹雪そっくりであった

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:13:34.94 ID:vAmXUqAm0
吹雪「わ、私そっくり!?」

叢雲「遠目じゃよくわからなかったけど、よく見ると完全に吹雪ね…」

漣「何あれ?ドッペルゲンガー?」

電「誰なのです…?」

五月雨「…新しい吹雪型とかじゃないよね?」

吹雪「違うと思うよ…」

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:14:38.25 ID:vAmXUqAm0
吹雪?「…」スタスタ


電「…向こうの方に行ったのです」

吹雪「何だったんだろ…一体誰…?」

五月雨「…追う?」

叢雲「でも、ディープマリンが…」

漣「…あれが我々の見間違いでなければ、もしかしたらディープマリンの仕業かもしれませんぞ」

吹雪「え?ディープマリンが?」

漣「そ。吹雪ちゃんに変装して鎮守府に侵入ってこと」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:16:16.79 ID:vAmXUqAm0
叢雲「あー、あいつらがやりそうな手口ね…」

五月雨「念のため追ってみようよ。どっちにしてもここは離れないといけないんだし」

吹雪「…そうだね。気になるし」

漣「これが吹雪ちゃんのコスプレした磯波ちゃんとかだったらウケる」

電「違うと思うのです…」

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:17:03.25 ID:vAmXUqAm0
吹雪?「…」スタスタ


叢雲「…艤装つけて港に向かってるわね」

吹雪「あれ完全に私の艤装だよ…」

漣「ふむ…単に変装して進入するだけなら、あんなことしないよね」

漣「じゃあ違うのかな~?」

五月雨「だったら一体…」

電「…」

五月雨「…電ちゃん、どうしたの?」

電「いえ…」

電「…さっきから、全然人に会わないのです」

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:17:31.29 ID:vAmXUqAm0
吹雪「…そういえば、そうだね」

叢雲「確かに人通りが多い場所じゃないけど…一人くらい会ってもいいはずよね」

電「そうなのです。全然人の気配がしないのです」

漣「…偶然?」

吹雪「どうだろ…」

五月雨「…あ、港には人がいるみたい」

吹雪「本当だ。ちゃんと人いるね」

電「やっぱり偶然だったのでしょうか?」

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:18:38.84 ID:vAmXUqAm0
叢雲「…いや、やっぱり何かありそうね」

五月雨「え?」

叢雲「…あそこ、四人いるでしょ?その四人が誰か、よく見てみなさい」

四人「…」


叢雲?「…」

漣?「…」

電?「…」

五月雨?「…」

そこに居たのは、さっきの吹雪と同様に、四人にそっくりな人物であった


四人「…!!」

83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:20:26.18 ID:vAmXUqAm0
五月雨「え!?あれ、私たちそっくり!?」

漣「えぇ…どういうことやねん…」

叢雲「もうわけわかんないわ…」

電「あ、吹雪さんのそっくりさんと合流したのです」

吹雪「…そのまま、全員そろって海に出たね」

漣「行っちまいましたな」

84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:21:05.66 ID:vAmXUqAm0

吹雪「えっと…」

吹雪「…どういうこと?」

叢雲「知らないわよ…」

五月雨「私たちのそっくりさんがいて…」

電「そして鎮守府に、他の艦娘の気配はないのです…」

漣「うーむ、謎は深まるばかり…」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:21:36.03 ID:vAmXUqAm0
叢雲「…このままこうしてても仕方ないわ」

叢雲「当初の予定通り、司令官に会いに行きましょう」

吹雪「そうだね…とりあえずそうしよう」

電「でも、司令官さんもいないかもしれません…」

漣「いやいや、まだ他に人がいないと決まったわけじゃなし。もしそうだったとしても、その時はその時」

五月雨「うん。とにかく執務室に行こう」

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:22:04.05 ID:vAmXUqAm0
スタスタ

漣「…本当に人っ子一人いませんな」

叢雲「静かな鎮守府って、なんか嫌ね…」

吹雪「でも、私たちしかいなかった頃はこうだったんだよ」

電「確かにそうなのです。電たちが出撃や遠征に行ってたら、司令官さんと妖精さんだけだったのです」

五月雨「あの頃は明石さんや大淀さん、間宮さんもいなかったしねー…」

五月雨「…ん?」ピタッ

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:22:33.99 ID:vAmXUqAm0
漣「どったの五月雨ちゃん」

五月雨「…」

五月雨「…艦娘寮が…」

吹雪「え?」

叢雲「寮がどうかした?…って」

電「あれ…?」

電「…小さくなってるのです?」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:23:46.06 ID:vAmXUqAm0
吹雪「え!?何で!?」

叢雲「もっと大きかったはずよね、これ…」

五月雨「…確か、寮は一回増築されたよね?」

漣「あー、そういうえばそうだった」

電「そうなのです。艦娘が増えてきたので、大きくしたのです」

五月雨「うん。それで、増築前ってこんなじゃなかったっけ…?」

五人「…」

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:24:12.44 ID:vAmXUqAm0
吹雪「…誰もいない鎮守府」

叢雲「私たちに似た誰か…」

漣「増築前の艦娘寮…」

電「これって…」

五月雨「…まさか」

五人「…」

吹雪「…執務室に行こう」

吹雪「ただし、窓の外から中を見てみる形で…」

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:24:38.93 ID:vAmXUqAm0
執務室前

提督「…」カリカリ


漣「ん…ご主人様はいるね」

電「よかったのです…」ホッ

吹雪「えっと…カレンダーがあったよね?」

五月雨「あー確かあっちの方に…」

叢雲「むむむ…こっちからだと見えないわ」

叢雲「吹雪の方からは見えるんじゃない?」

吹雪「…うん」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:25:06.96 ID:vAmXUqAm0
吹雪「えーっと…何というか」

吹雪「多分、みんなも予想がついてたと思うけど…」

吹雪「カレンダーに記されてたのは、私たちが着任した頃の日付だったよ」

漣「なーんだ、ご主人様カレンダー代えるの忘れてやがんの」

電「…無理があるのです」

叢雲「…やっぱり…」

五月雨「ということは、あの装置は…」

吹雪「うん…」

吹雪「…タイムマシン、だね」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:25:36.56 ID:vAmXUqAm0
五月雨「じゃあ、あの私たちそっくりな人たちは…」

叢雲「この時代の私たちってことになるわね」

漣「マジかよ」

電「鎮守府に人がいないのも、納得なのです…」

吹雪「うん。私たち以外に艦娘がいなかったもんね」

吹雪「当然、寮はまだ改装前。だからああなってたんだね」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:26:32.50 ID:vAmXUqAm0
漣「まさかタイムマシンに巻き込まれてしまうとは…」

叢雲「あいつら、どうしてこんなことを?」

電「えっと…電たちを倒すのが目的って言ってましたよね?」

五月雨「うん、言ってたね」

電「だったら、この時代の電たちを倒すのが目的じゃないですか?」

電「この時だったら、ディープマリンについて全然知らないですから。戦い方も全く知らないはずなのです」

吹雪「あー、なるほどね」

漣「それならお手軽に倒せますなー」

五人「…」

五人「…ん?」

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:27:21.79 ID:vAmXUqAm0
叢雲「…ちょっと待って…」

叢雲「この時代の私たちが死んじゃったら、どうなるの?」

吹雪「えっと、まあ後の艦隊に色々影響出てくると思うけど…」

電「ディープマリンも倒せないと思うのです」

五月雨「…というか、それ以前に…」

五月雨「…今の私たち、死んじゃうよね?」

漣「死ぬって言うか…消えるんじゃない?」

吹雪「うん…消えるねぇ…」

五人「…」

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:27:49.09 ID:vAmXUqAm0
吹雪「どどどどどどどうしよう!?」オロオロ

叢雲「おちおちおち落ち着きなさい!」

叢雲「まだあわわわわわわわわわわわわわわ」オロオロ

漣「お前が落ち着かんかー!!」

漣「素数を…素数を数えて落ち着くんだ!!」

漣「らせん階段!カブト虫!廃墟の町!」

電「数ですらないのです!?み、みんな本当に落ち着くのです!」バッ

電「あっ」ツルッ

五月雨「そ、そうだよ!こんな時こそ冷静に…」

五月雨「あっ」コケッ

三人「えっ」

ゴツンッ

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:28:15.19 ID:vAmXUqAm0
電「…落ち着いたのです?」シュゥゥゥゥ

吹雪「うん…ごめんね」シュゥゥゥゥ

叢雲「こんなに焦ったのは久しぶりだわ…」シュゥゥゥゥ

漣「漣も。アニメの録画予約忘れてた時以来だよ」シュゥゥゥゥ

五月雨「と、とにかく冷静になって考えよう」シュゥゥゥゥ

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:28:55.47 ID:vAmXUqAm0
五月雨「運がいいことに、私たちも一緒に飛ばされたからね」

五月雨「まだやりようによっては止められるはずだよ」

吹雪「確かに…本当に運がよかったね」

五月雨「それで…今のところ、この時代の私たちが殺されることはないと思う」

叢雲「そうね。奴ら、海まで出てくることはないと思うし」

吹雪「となると、帰ってきてからが問題かな?」

電「そうなるのです。その前にどうにかするのが一番ですが…」

漣「いやー、それは厳しいっしょ」

漣「相手がどこにいるか見当もつかんからね。探してる間に狙われておしまい」

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:29:24.43 ID:vAmXUqAm0
吹雪「でもそうなると、できることは限られてくるね」

叢雲「どうするつもり?」

吹雪「待ち伏せだよ。私たちは過去の私たちの近くで周囲を警戒しておく」

吹雪「一方、敵はこの時代の私たちを狙ってくるはず」

吹雪「それで襲おうとして、近づいてきたところを倒すってこと」

漣「ふむ…ストーカーというわけですな」

吹雪「いや違うよ…」

電「しかし、この時代の電たちがいつも一緒とは限らないのです」

五月雨「そうだね。むしろ別々のことが多いと思う」

五月雨「誰か一人を見てるうちに、他の人が狙われる、なんてことがあるかも」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:29:55.52 ID:vAmXUqAm0
叢雲「だったら、私たちも別々で行動するしかないんじゃないかしら」

叢雲「役割分担を決めて、誰が誰の警護をするかって言うのを…」

五月雨「なるほど…いざとなればショキブレスで通信もできるしね」

電「しかし、その分担はどうするのです?」

漣「そりゃー自分を自分で見守るんですよ」

吹雪「え?何で?」

漣「その方が面白そうだから!」

吹雪「えぇ…」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:30:26.41 ID:vAmXUqAm0
漣「冗談はさておき。我々は本来この時代にいない存在。できるだけ過去の人物との接触は避けなければなりません」

漣「特に出会ってはならないのは自分自身。かなり面倒なことになりますな」

漣「他の人なら何とかごまかせるかもしれないけど…」

漣「そんで、自分自身の警護をすると、過去の自分に見つからないようにうまく立ち回りやすいと思うわけ」

漣「常に視界にいれてれば、うっかり遭遇、なんてないと思うからね」

叢雲「ふむ、一理あるわね」

電「もしも運悪く見つかってしまったらどうするのです?」

漣「急いで変身してごまかしてください」

五月雨「それ不審者になっちゃうよ…」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:30:54.76 ID:vAmXUqAm0
吹雪「まあ、とにかく…」

吹雪「その作戦でいいかな、みんな?」

叢雲「ええ。奴らの目的がそれなら、確かに迎え撃つのがいいかも」

電「電も異議なしです」

五月雨「私も。いいと思うよ」

漣「吹雪ちゃんが得意そうだし、いいんじゃね」

吹雪「…?どうして?」

漣「いや、ストーカーだから影から見守るのは得意…」

吹雪「それいつまで引っ張るの!?」

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:31:28.34 ID:vAmXUqAm0
叢雲「…失敗、できないわね」

五月雨「…だね」

吹雪「もし失敗したら…」

電「みんな、消えちゃうのです…」

漣「…」

叢雲「…漣、怖いの?」

漣「こ、怖くねーし!昨日見たホラー映画思い出してただけだし!」

五月雨「どっちにしろ怖がってるよ…」

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:31:54.83 ID:vAmXUqAm0
漣「…まあ、怖いって言うか…不安かな」

漣「今回は敵もなんか今までと違うらしいし」

電「そうなのです。どう出てくるかわからないのです」

叢雲「それに、過去の私たちがどう動くかも関係するし…」

五月雨「下手にミスも犯せない…不安な要素がいっぱいだね」

五人「…」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:32:26.90 ID:vAmXUqAm0
吹雪「…大丈夫」

吹雪「私たちはショキカンジャー。どんなピンチだって乗り越えてきたでしょ?」

吹雪「きっと、今回も大丈夫!」

叢雲「…そうよね」

叢雲「奴らの力がどれくらいか知らないけど…私たちなら、きっと勝てる」

漣「そうだ!戦隊は負けなぁーい!!」

電「あの人たちの好きにはさせないのです!」

五月雨「うん、絶対に勝てる!みんな、頑張ろう!」

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/05(月) 00:33:02.18 ID:vAmXUqAm0


吹雪「よーし!みんな、絶対に守り抜こう!」


吹雪「私たちの『始まり』を!!」

五人「オー!!」

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:07:06.61 ID:rrQybE9/0



グゥゥゥ…

五人「…」

五月雨「…お腹、すいたね」

叢雲「お昼食べてないものね」

電「どうしましょう?」

漣「腹が減っては戦はできぬ。空腹では勝てる戦いも負けてしまいますぞ」

吹雪「でも、食べ物なんてないし…」

五人「うーん…」

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:07:36.06 ID:rrQybE9/0
食糧庫

吹雪「いいのかな、勝手に…」

漣「大丈夫!緊急事態だから!」ゴソゴソ

叢雲「でも何もっていくのよ」

漣「すぐにはばれなさそうなやつで、持ち運びやすい、おいしいもの!」ゴソゴソ

電「…保存食の缶詰でしょうか?」

五月雨「…缶詰はあんまりストックないみたい」

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:08:02.01 ID:rrQybE9/0
叢雲「それじゃあすぐばれちゃうわね…泥棒騒ぎになったら困るし」

漣「非常食くらいちゃんと準備しとけよー」ゴソゴソ

五月雨「うーん、あとは野菜や小麦粉、お米くらいしか…」

電「調理してる時間はないのです」

吹雪「じゃあ、どうしたら…」


ガタッ

五人「!」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:08:32.12 ID:rrQybE9/0
五月雨「だ、誰か来る!?」

吹雪「全員隠れてっ!」コソッ

ギィッ…


提督「…」

漣「ん、ご主人様?」コソッ

電「今は司令官さんしかいないから当たり前といえば当たり前なのです」コソッ

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:08:59.56 ID:rrQybE9/0
提督「…」ゴソゴソ

叢雲「…何してるのかしら?」コソッ

吹雪「さあ…」

提督「…」パカッ

提督は隠し戸棚を開けた!

五人「!?」

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:09:26.87 ID:rrQybE9/0
提督「…」ゴソゴソ

提督「…」スタスタ

バタン

五月雨「…行った?」

叢雲「行ったわね」

電「あんなところに隠し戸棚があったのですか…」

吹雪「何か取り出してたね」

漣「隠し戸棚からこっそりと何かを取り出すご主人様…」

漣「わかった!この中身はご主人様秘蔵のスケベな…」

叢雲「やかましいわよ」パシッ

電「でも実際なんでしょう?」パカッ

そこには大量のカップラーメンがあった

五人「え゛」

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:10:42.19 ID:rrQybE9/0
五月雨「すごい量…」

電「司令官さん、ずっとこれを隠してたのです?」

叢雲「あいつめ…私たちに隠れて何やってるのかしら」

吹雪「なんで隠してたんだろ?」

漣「そりゃあ勝手に持っていかれないためでしょ」

漣「奴め、姑息な隠蔽を…」

漣「じゃあちょうどいいや。これをもらっていきまっしょい」ヒョイヒョイッ

電「い、いいのでしょうか?」

叢雲「別にいいでしょ、こんなにあるんだし」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:11:18.85 ID:rrQybE9/0
鎮守府の外


漣「とりあえず非常用のバックパックに詰めて、やかんもくすね…」

漣「…拝借してきました!」

漣「あ、これみんなの分のバックパックね。水とかも入ってるから」

電「あ、ありがとうなのです…?」

吹雪「うわ、結構色々とってきたね…」

叢雲「…まあ、大丈夫でしょ」

五月雨「…ところで火は?」

漣「ん?もちろんあるよ」

叢雲「じゃあ早く出しなさいよ」

漣「そうだよ早く出してよ吹雪ちゃん」

吹雪「…ん?」

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:12:53.60 ID:rrQybE9/0
パチパチ…

漣「おー、燃える燃える」

吹雪「…久々に変身したと思ったらこれだよ」

電「と、とても助かるのです!すごいのです!」

五月雨「そうだよ!実生活でも使えるなんてすごい!」

叢雲「…そのフォローどうなの?」

吹雪「…まあ、いいけどね…」

漣「お、お湯沸いたよー」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:13:20.61 ID:rrQybE9/0
電「さて…いつ戻ってくるでしょうか?」ズルズル

叢雲「あの時間帯に出撃したってことは…夕刻じゃない?」ズルズル

漣「いや、この頃は近海にしか行ってなかったから、そんなにかからないんじゃね?」ズルズル

吹雪「じゃあ、帰ってくるまでに何かできることあるかな?」ズルズル

五月雨「あんまりないんじゃないかな…」ズルズル

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:13:49.72 ID:rrQybE9/0
叢雲「でも改めて見ると、鎮守府も変わったわね」

吹雪「そうだね…人もずいぶん多くなったし」

五月雨「うん。出撃、演習、遠征…艦隊行動がやりやすくなったよね」

漣「そう考えるとこの頃は大変でしたな」

電「そうなのです。毎日出撃して、家事もして…」

吹雪「人手不足だから休みもあんまりなかったしねー」

叢雲「何度司令官に八つ当たりしてやろうと思ったか…」

漣「きゃー叢雲ちゃんこわーい」

電「さ、さすがにそれはダメなのです!」

叢雲「…冗談よ」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:15:43.22 ID:rrQybE9/0
五月雨「でも、提督が言ってたけど、私たち最初はあんまり関わり合おうとしてなかったんでしょ?」

漣「くそ忙しいのに何やってんだいチミたちは」

叢雲「あんたも含まれてんのよ」

電「ま、まあ今はそんなこともないので大丈夫なのです」

吹雪「そうだねぇ…」

吹雪「…そういえば、ここに来てからずっと思ってたんだけど」

吹雪「何か忘れてるような気がするんだよね…」

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:16:17.25 ID:rrQybE9/0
叢雲「あら、吹雪も?実は私も何か忘れてるような気がして…」

漣「ミートゥー。でも思い出せないんだよね…」

電「奇遇なのです。電も何か忘れてる気がしてならないのです」

五月雨「…実は私も。何だろ?」

五人「…」

五人「…何だっけ?」

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:16:54.15 ID:rrQybE9/0
漣「まあ五人全員思い出せないということはどーでもいいことということでしょう」

吹雪「そうかなぁ…」

五月雨「うーん、何だろうね」

叢雲「まあ思い出せないのは仕方ないわ。それより、そろそろ準備しておきましょう」

電「そうですね。もしかしたら早めに帰ってくるかもしれないのです」

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:17:56.28 ID:rrQybE9/0
ザァァァァ…


漣「ん、帰ってきた?」

五月雨「予想より早かったね」


過去吹雪「…」ボロッ


叢雲「あー、なるほど。吹雪が大破したのね」

吹雪「…なんか、ごめん」

電「いや、謝られても困るのです…」

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:18:22.01 ID:rrQybE9/0
吹雪「えっと、過去の私はそのまま入渠しに行ったね」

叢雲「残りは報告しに執務室に行ったわね」

五月雨「じゃあ作戦開始かな?」

吹雪「そうだね。全員、しっかり過去の自分を守ってね」

漣「うむ。ついでに、今のうちに誰もいない吹雪ちゃんの部屋をあさっておこう」

吹雪「…ちゃんと、守ってね?」

漣「アッハイ」

電「で、ではみんな頑張るのです!」

吹雪「よし、作戦開始!」

五人「オー!」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:18:48.84 ID:rrQybE9/0
──────────

──────

───

ピピッ

吹雪『…こちら吹雪。全員異常はない?』

叢雲『ええ、問題ないわ』

漣『こっちも問題ないよー』

電『こちらもなのです。襲おうとしてる人物はいません』

五月雨『こっちもだよ。異常はありません』

吹雪『よし、オッケー』

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:19:36.69 ID:rrQybE9/0
叢雲『…しかし、この頃の私たち…本当にバラバラね』

吹雪『本当だね…』

漣『ご主人様嘘ついてなかったんや!』

五月雨『夕食後は基本自由だけど、こんなに単独行動してたんだ…』

電『想像以上なのです』

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:20:05.32 ID:rrQybE9/0
吹雪『見てたら会話もあんまりしてないし…』

漣『なんか黒歴史見てるみたい』

五月雨『えー…なんでこんなだったんだろ?』

叢雲『難しい年ごろなのよ』

電『他人事みたいにいってるのです…』

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:20:38.88 ID:rrQybE9/0
吹雪『…まあ過去の私たちはともかく、このまま油断せずにいこう』

漣『そですな。このままいけば何のトラブルも…』


「漣?なにやってるのよ」


漣「えっ!?」バッ

過去叢雲「あんたそんなところでコソコソ何やってんのよ」

漣「え、えと…」

漣(ショ、ショキブレスを付けてない…槍も持ってない…)

漣(これはこの時代の叢雲ちゃんだ…)

漣(…とりあえず通信きっとこ)ピッ

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:21:06.58 ID:rrQybE9/0
過去叢雲「…どうしたのよ」

漣「…」チラッ


過去漣「…」スタスタ


漣(よし、過去の漣はあっちへ行ったね…)

漣(ここでこの叢雲ちゃんをごまかせば何とかなる!)

漣「なななななな何もしてないですよ!?」

過去叢雲「…」

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:21:35.20 ID:rrQybE9/0
過去叢雲「…まあいいわ」

過去叢雲「司令官が呼んでたわ。執務室に行きなさい」

漣「えっ」

過去叢雲「…何よ」

漣「い、いや、なんでもない、デス」

過去叢雲「そう。じゃあ伝えたからね」スッ

過去の叢雲は、過去の漣が歩いて行った方向へと歩き出した

漣「!!」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:23:41.09 ID:rrQybE9/0
漣「ちょっと待ったぁー!!」バッ

過去叢雲「…何?」

漣「え、ええと…」

漣(こ、このまま行かれたら過去の漣と遭遇する確率が高い!)

漣(それは面倒なことになる!下手に警戒されるようになったら尾行もやりづらくなるし…)

漣「あ、あっちは行き止まりだよ!」

過去叢雲「…何言ってんの?」

過去叢雲「ここ外じゃないの。行き止まりなんて…」

漣「さ、さっき急に壁が現れたんですよ!妖怪ぬりかべが!」

過去叢雲「…はぁ?」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:24:07.45 ID:rrQybE9/0
漣「だからあっちに行っても意味ないよ!うん!」

過去叢雲「…」

過去叢雲「…はぁ…わかったわよ」

過去叢雲「何隠してるか知らないけど、行かないでおくわ」

漣「そ、それは助かります」

過去叢雲「…」

過去叢雲「…チッ」

スタスタ

漣「…」

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:25:16.31 ID:rrQybE9/0
ピピッ

漣「あ、通信だ」ピッ

叢雲『…ククク…』

漣『…?叢雲ちゃん?』

叢雲『漣…何よ今の…プッ』

漣『え?見てたの!?』

叢雲『だって過去の私と話してたでしょ?』

漣『あ、そうですた…』

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:26:59.25 ID:rrQybE9/0
吹雪『叢雲ちゃんが実況してたから全員知ってるよ』

電『何だったのです?さっきの』

五月雨『バレなくてよかったねー』

漣『へぁ!?何この晒し上げ!?』

叢雲『ぬりかべって…逆に見てみたいわよ…ププッ』

吹雪『なんか叢雲ちゃんはツボに入っちゃったみたい』

漣『あ、そう?ウケたならいいや』

140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:27:42.24 ID:rrQybE9/0
漣『でも過去の叢雲ちゃんは呆れるばっかでさー』

五月雨『普通そうなるんじゃない?』

漣『しかも怖かったうー。舌打ちされたし』

叢雲『え、そんなのしたの?』

漣『したよー。超怖かったよー』

吹雪『えー、叢雲ちゃんひどーい』

叢雲『えっと、それは…あれよ。若気の至り?』

電『…何言ってるのです?』

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:28:15.61 ID:rrQybE9/0
叢雲『ていうか漣。あんた司令官に呼ばれたんでしょ?どうすんのよ』

漣『あーそうだ。どうしようか…』

電『成りすましで行くのはどうですか?』

吹雪『いや、私たちの本来の目的を忘れちゃだめだよ…』

五月雨『それはもう仕方ないんじゃないかな…あきらめようよ』

漣『まあ仕方なし。この時代の漣には犠牲になってもらおう』

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:29:01.77 ID:rrQybE9/0
吹雪『ところで漣ちゃん。過去の漣ちゃんには追い付けた?』

漣『うむ。ばっちし』

吹雪『じゃあ全員このまま続行。異常があったらすぐに通信してね』

五月雨『了解』

叢雲『漣、今度は見つからないようにするのよ』

漣『ほーい』

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:30:24.31 ID:rrQybE9/0
──────────

──────

───

吹雪(やっぱり叢雲ちゃん、今とずいぶん違うんだ)

吹雪(昨日話したけど、やっぱりみんな変わったんだね…)

吹雪(…私は変わってないらしいけど…)

吹雪(で、実際過去の私は…)チラッ


過去吹雪「…」

過去吹雪「はぁ…」


吹雪(なんか落ち込んでるし…)

吹雪(さっきからこの調子…ていうか、警護始めてからずっとだね)

吹雪(今は外の木にもたれかかって考え込んでる…大丈夫かな?)

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:31:38.63 ID:rrQybE9/0
吹雪(でも何をそんなに…)

吹雪(…自分のことなのに、わからないや…)

吹雪(…今の私が気にしてもしょうがない。このまま警戒を…)




『こんなところで、一人で何やってるのかな?』



吹雪「!?」

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:32:06.94 ID:rrQybE9/0
吹雪(何!?これは…)

吹雪(頭の中で…イメージが…)



『あ、驚かせちゃった?ごめんね』


『大丈夫大丈夫。怪しい人じゃないから』



吹雪(これは…昨日の夢…?)

吹雪(…昨日よりも、はっきり見える…)

吹雪(これって…?)

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:33:43.99 ID:rrQybE9/0
『まあまあ。別に危ないことはしないから』



吹雪(本当に何なの、これ…)

吹雪(ずっと頭から離れない…)

吹雪(…でも、嫌な感じはしない)

吹雪(むしろ、とても大切な記憶のような…)

吹雪(…記憶?)

吹雪「…!!」




『私?私はね――――――』

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:35:30.60 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「…」

過去吹雪(またやっちゃった…大破して作戦失敗)

過去吹雪(どうしてうまくいかないんだろ?どうして失敗ばっかり…)

過去吹雪(…司令官にも、みんなにも迷惑かけてるよね)

過去吹雪(このままじゃ、私…)

過去吹雪(…どうしたらいいんだろう)

過去吹雪「…はぁ…」






「こんなところで、一人で何やってるのかな?」

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:35:56.36 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「うわぁ!?」バッ

過去吹雪(だ、誰!?どこから…)

「あ、驚かせちゃった?ごめんね」

過去吹雪「…!」

謎の人物が、木の上から過去の吹雪に話しかけていた

過去吹雪(いつの間に…!)

過去吹雪「な、なんですかあなたは!?いきなり…!」

「大丈夫大丈夫。怪しい人じゃないから」

過去吹雪「…そう言われても…」

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:36:24.26 ID:rrQybE9/0
「まあまあ。別に危ないことはしないから」

過去吹雪「…それで、あなたは一体…?」

「私?私はね――――――」





吹雪「正義のヒーローだよ」

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:37:03.39 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「ヒーロー…ですか?」

吹雪「そう。ヒーロー」

過去吹雪「…だからそんな恰好なんですか?」

吹雪「うん。変身はヒーローの基本だよ」

過去吹雪(何なのこの人…)

過去吹雪(見るからに怪しい…逃げたほうが良いのかな…)

吹雪「…別に私は不審者じゃないから、逃げなくていいよ」

過去吹雪「え!?別に不審者なんて…!」

吹雪「まあもう日が落ちてずいぶん経つからね。こんな時間に鎮守府内に人がいたら警戒するのも無理ないよ」

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:37:55.12 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「えっと…何か、御用ですか?」

吹雪「ん?ああ、用って言うか…」

吹雪「…さっきも言ったけど、何してるのかなって」

過去吹雪「…」

過去吹雪「…あなたには関係のないことです」

吹雪「ふーん…」

吹雪「…本当は、誰かに相談したいんじゃないの?」

過去吹雪「…え?」

吹雪「…どうして、うまくいかないのか」

過去吹雪「!!」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:39:01.74 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「ど、どうしてそれを!?」

吹雪「人の心を読むのはヒーローの基本だよ」

過去吹雪「そんなヒーロー聞いたことないんですが…」

吹雪「ふふっ。でも細かいことはわからないんだけどね」

吹雪「まあここであったのも何かの縁。私でよかったら話くらい聞くよ」

過去吹雪「え、でも…」

吹雪「困ってる人を助けるのはヒーローの役目。遠慮せずにどうぞ」

過去吹雪「…」

過去吹雪(…この人、確かに怪しいけど…悪い人じゃなさそう)

過去吹雪(…何かの縁、か…)

過去吹雪「…わかりました、お願いします」

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:39:48.89 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「…私、艦娘として、始めてこの鎮守府に着任したんです」

過去吹雪「それで着任してから、二週間ほど経つんですが…」

過去吹雪「…出撃すると、ほぼ毎回大破して、作戦失敗してしまうんです」

吹雪「…」

過去吹雪「私は旗艦を任されてて、頑張らないといけないのに」

過去吹雪「どうしても、うまくいかなくて…」

過去吹雪「司令官にも、みんなにも、迷惑ばかりかけて…」

過去吹雪「本当に、どうしたらいいかわからなくて…っ」

吹雪「…」

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:42:06.19 ID:rrQybE9/0
吹雪「そっか…」

吹雪「…つらいよね。自分が何もできずにいるのは」

過去吹雪「…」

吹雪「よくわかるよ。…私も、そうだったから」

過去吹雪「あなたも…?」

吹雪「うん。私もあなたと同じだった」

吹雪「頑張らないといけないのに、何もできずに迷惑ばかりかけて…」

吹雪「自分は何の役にも立たないんじゃないかって、思ってたよ」

過去吹雪「…」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:42:33.04 ID:rrQybE9/0
吹雪「でも、ある人に教えてもらったの」

吹雪「『一人で気負いすぎだ』って」

過去吹雪「え…?」

吹雪「だから、あなたも同じだよ。一人で気負いすぎてるんじゃないかな」

過去吹雪「…気負いすぎ…ですか」

吹雪「うん。あなたは旗艦だからって、責任を感じすぎてるんじゃない?」

吹雪「それだと、うまくいくこともうまくいかない。何もできなくなっちゃうよ」

過去吹雪「そう、ですか…」

過去吹雪「でも、そんなこと言われても…」

吹雪「…」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:43:05.18 ID:rrQybE9/0
吹雪「…ヒーローなんかやってるとね。色々あるんだよ」

過去吹雪「?」

吹雪「敵にやられそうになったり、捕まりそうになったり…」

吹雪「ピンチになることが多かったりするんだよね」

過去吹雪「…」

吹雪「…でもね。そんなピンチの時には」

吹雪「いつも…いつも、仲間が助けてくれるの」

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:43:34.46 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「お仲間がいるんですか…?」

吹雪「うん。みんな強くってね。いつも助けたり助けられたりするんだ」

吹雪「それで、そうやって仲間と戦ってるといつも思うんだよ」

吹雪「『ああ、私一人で頑張る必要はないんだ』」

吹雪「『もっと仲間を頼っていいんだ』って」

過去吹雪「…!!」

吹雪「…あなただって、一人で戦ってるんじゃないでしょ」

吹雪「あなたの周りには、仲間がいるはず」

過去吹雪「仲間…」

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:44:06.35 ID:rrQybE9/0
吹雪「…旗艦の責任は、確かに大きい」

吹雪「でも、押しつぶされるほどじゃない。それなのにあなたがそうなるのは…」

吹雪「仲間を、信頼できてないってことだよ」

吹雪「それじゃあ、本当の仲間にはなれない」

過去吹雪「…」

吹雪「…まあ、出会ってまだ二週間。完全に信頼するのが難しいのはわかるよ」

吹雪「だから、全てはこれからのあなた次第。あなたがどうするかで、その悩みは解決するかが決まるよ」

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:44:32.58 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「…あの」

過去吹雪「これから私は…どうしたら?」

吹雪「…そうだね、とりあえず、相手をよく知ることが大事だよ」

吹雪「まずは仲良くなるところから始めたらいいんじゃない?」

過去吹雪「…」

吹雪「そうすればきっと―――――」

過去吹雪「そんなの、できませんよ」

吹雪「…」

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:44:59.42 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「仲良くなれって…そんなの無理です」

過去吹雪「誰も、私となんか仲良くなってくれません…」

吹雪「…そんなこと」

過去吹雪「いえ、そうに決まってます!!」

過去吹雪「だって、だって誰も思わないですよ…!」

過去吹雪「誰も…こんな役立たずなんかと、仲良くなりたいなんて…!」

吹雪「…」

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:45:28.18 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「誰も何も言いませんけど、きっと心の中では思ってるはずです」

過去吹雪「『吹雪は旗艦のくせに役に立たない』って…!!」

吹雪「…」

過去吹雪「…いつも、考えてしまうんです」

過去吹雪「いつか、誰かに面と向かって役立たずだって言われるかもしれないって…」

過去吹雪「面と向かって、否定されちゃうんじゃないかって」

過去吹雪「ずっと、それが怖くて…それで…」

吹雪「…だから、極力会話を避けてたの?」

過去吹雪「…はい」

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:45:57.84 ID:rrQybE9/0
吹雪「…大丈夫だよ」

吹雪「誰も、絶対にそんなことは言わない」

過去吹雪「…私だって、そう思いたいです」

過去吹雪「でも…」

吹雪「…まあ、そう考えるのも、信頼できてないってことだよね」

過去吹雪「…」

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:46:35.81 ID:rrQybE9/0
吹雪「…本当に大丈夫だよ。安心して」

吹雪「あなたの仲間は絶対にそんなことを言わないし、思ってもない」

吹雪「それに…きっとあなたと仲良くなってくれるはず」

過去吹雪「…どうして、そう言いきれるんですか?」

吹雪「ヒーローだからね」

過去吹雪「…ヒーロー関係ないですよ」

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:47:24.98 ID:rrQybE9/0
吹雪「…このまま何もしなかったら、何も変わらないよ」

吹雪「本当にそれでいいの?」

過去吹雪「それは…」

吹雪「あなたが本当に、今の自分を変えたいって言うなら…」

吹雪「動き出さないと、何も始まらないよ」

過去吹雪「…」

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:47:51.08 ID:rrQybE9/0
吹雪「まあ、色々言ったけどさ」

吹雪「これからどうするかは、全部あなた次第。すべてがあなたにかかってる」

過去吹雪「私次第…」

吹雪「このまま、自分を役立たずだって決めつけて、動かずにいるか…」

吹雪「仲間を、信じてみようと思うか…」

吹雪「それはこれから、あなたが決めるんだよ」

過去吹雪「…」

吹雪「…なんだけど」

過去吹雪「?」

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:48:30.09 ID:rrQybE9/0
吹雪「…私の、勝手なお願いなんだけどね」

吹雪「やっぱり、仲間を信じてあげてほしい」

吹雪「仲間を信じて、守れるだけの強さを持ってほしい」

吹雪「…『本当の仲間』を持ってほしい」

吹雪「不安はあるかもしれないけど…きっと大丈夫」

吹雪「あなたの仲間は…あなたが思ってるより、ずっと強くて、ずっと素敵だから」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:48:58.87 ID:rrQybE9/0
過去吹雪「…っ」

吹雪「…もういい時間だね。部屋に戻ったら?」

過去吹雪「…そうですね」スクッ

吹雪「…」

過去吹雪「…あの」

吹雪「ん?」

過去吹雪「…」

過去吹雪「…ありがとうございました」ペコッ

吹雪「…うん」

吹雪「頑張ってね」グッ

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:49:43.24 ID:rrQybE9/0
吹雪「…」

吹雪「さて…」スタッ

吹雪「…迎撃といきますか」チャキッ

吹雪「…出てきなさい。そこに居ることはわかってます」

ガサガサッ

イー「…どうしてお前がここにいるんだイー」

吹雪「それはこっちのセリフですよ」

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:50:12.48 ID:rrQybE9/0
イー「イーたちはボウクウ様とツー様にあの時連れてこられたんだイー」

イー「装置の裏で眠ってたからお前らは見えなかったイー」

吹雪「…あなた、よく見ると今までのイーとは違いますね」

イー「そうだイー。イーはツー様独自の技術によって新たに生み出されたイー…」

イー「言うなればエリートだイー!!」

イー「イーッシッシ…エリートのイーにかかればお前一人くらいボコボコにできるイー」

イー「今まで何度もやられたが、今度はそうはいかないイー!!」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:50:49.68 ID:rrQybE9/0
吹雪「…残念ですが、私も負ける気はありません」

吹雪「仲間が待ってるのでね」

イー「イーッシッシ…仲間ねぇ…」

イー「仲間がいるのはお前だけだと思うなイー」

吹雪「!どういう意味!?」

イー「そのままの意味だイー…イーは仲間を連れて」

イー「この時代のお前たち全員をぶっ殺しに来たんだイー!!」

吹雪「つまり、今頃…」

イー「そういうことだイー…」ニヤリ

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:51:15.55 ID:rrQybE9/0
イー「これで邪魔は入らず、お前を存分にボコボコにできるってわけだイー」

イー「さあ、覚悟するイー!」シュンッ

吹雪「!!」

イーが素早く吹雪に接近してきた!

吹雪(速い…!)スッ

イー「イーッ!!」ブンッ

吹雪「っ!」シュバッ

172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:51:41.60 ID:rrQybE9/0
イー「まだまだぁ!こんなもんじゃないイー!」シュバババッ

イーは隙を見せず、吹雪にラッシュを放つ!

吹雪「…っ」ドガガッ

対して吹雪は、それを全て腕でガードしていた

イー「イーッシッシ!その程度のガードじゃ…」スッ

イー「この攻撃は止められない、イーッ!!!」ブォンッ

吹雪「!!」

ドゴォォォォォォォォッッッ!!

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:52:25.73 ID:rrQybE9/0
吹雪「ぐあっ…!!」ズザッ

イー「イーッシッシ…いい感じに蹴りが決まったイー」

イー「このままボッコボコにしてやるイー!!」ダダッ

吹雪「…!」

シュタッ ダダッ

イー「ふん、立ち向かってくるかイー」

吹雪「はぁっ!」ビュンッ

吹雪はイーに向かって走り出し、そのまま跳び蹴りをした!

174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:52:52.51 ID:rrQybE9/0
イー「何をするかと思えば…こんなもの!」ガッ

吹雪「!!」

イー「こんな隙だらけの蹴り、効かないんだ」

イー「イーーーーーーーーーーーーッ!!!」ブォンッ

イーは吹雪の脚をつかみ、地面へ叩きつけた!!

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!

吹雪「うあああっ!!!」

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:53:36.27 ID:rrQybE9/0
イー「イーッシッシ…これで終わりだイー」

イー「このまま首を絞めてぶっ殺してやるイー!!」ガッ

ギリギリ

吹雪「ぐ…」

イー「ふん、エリートのイーからすれば、お前なんて大したことなかったイー」

イー「所詮お前らショキカンジャーなんて、仲間がいないと何もできない役立たずばっかりなんだイー」

吹雪「…」

176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:54:02.73 ID:rrQybE9/0
吹雪「…それは…違います…」

イー「イ?」

吹雪「確かに…私たちは、力を合わせることで…強くなれますが…」

吹雪「一人一人が…弱いなんてことは…絶対にありません…」

イー「何をごちゃごちゃと…」

吹雪「私たちには…仲間がいるから…」

吹雪「仲間のためにも…負けられないって思えるから…」

吹雪「…一人でも…強くいられるんです…」

イー「…」

177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:54:36.34 ID:rrQybE9/0
吹雪「…以前、あなたと同じことを言った人がいました…」

吹雪「だから、私も…同じことを言ってあげます…」

イー「な、何を…」

吹雪「…きっと…今もみんな、頑張って戦ってる…」

吹雪「…一人きりでも…諦めずに、戦っている…」

吹雪「だったら…」

吹雪「私が諦めちゃ…いけない…!!」グッ

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:55:25.14 ID:rrQybE9/0
イー「つ、強がっても無駄だイー!!」

イー「現実を見ろ!お前は首を絞められ、動けない!」

イー「イーはお前を上から地面に押し付け、首を絞めている!圧倒的にイーの方が有利だイー!!」

吹雪「ふふ…それは…どうでしょうか…?」

イー「どういう…」



ボォォォォォォォォォォォォ!!

イー「イーーーッ!!!?」

突然、炎がイーの背中を焼いた!!

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:56:15.08 ID:rrQybE9/0
イー「イーッ!?アチーッ!!」メラメラ

吹雪「ふんっ!!」ドガッ

イー「ぐふぁっ!?」ドザッ

イー(ど、どういうことだイー…急に炎が…)

イー(…そういえばあいつ、剣を持ってない…?)

イー「はっ!」

吹雪の剣はイーの後方の、少し離れた地点にあった!

180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:56:54.96 ID:rrQybE9/0
イー「い、いつの間に…」

吹雪「あなたが私への攻撃に夢中になっているときですよ」ヒョイッ

イー「な…あの時すでに…!?」

イー(そうか…今考えれば、わざわざ腕でガードしていたのはそのため…!)

イー(最初からイーの隙をつくつもりだったんだイー…!)

吹雪「戦闘能力が上がっても、洞察力、観察眼はまだまだのようですね」チャキッ

イー「ほ、ほざけイー!もう一回ぶっ飛ばして…」スクッ

吹雪「させない!!」ズバッ

イー「イーッ!?」

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:57:25.17 ID:rrQybE9/0
イー「ぐはっ…ま、まずい…」フラッ

吹雪「…ここまでです。あなたの負けですよ」

イー「な…何…?」

イー「イーの負け…だと…?」

吹雪「ええ。このまま大人しく…」

イー「…」

イー「…ふざけるな…」ユラッ

吹雪「…!」

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:57:52.50 ID:rrQybE9/0
イー「イーは…イーは今までとは違うんだイー…」フラッ

イー「エリート…そう、エリートなんだイー…」

イー「エリートであるイーが…こんな…こんな簡単に…」

イー「負けることは…」グッ

イー「許されないんだイーーーーーーーーーッ!!」ブンッ

吹雪「…」

183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:58:47.15 ID:rrQybE9/0
シュバッ

イー(!避けられ…)

チャキッ

イー「!!」

吹雪「…これで、終わりです」

ボォォォォォォォォォォォォ!!

イー「そ、そん、な…」

イー「イ…イーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」


吹雪「燃え上がれ!!『ブリッジソード』!!!!」

ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:59:25.04 ID:rrQybE9/0
吹雪「…」

吹雪「やりすぎちゃった…」

吹雪「他の仲間のこととか、ボウクウやツーのこととか聞きたかったんだけどな…」

吹雪「…まあ、仕方ないか」

吹雪(…エリート、か…)

吹雪(昔はエリートに憧れてたものだけど、今はそう思わないな…)

吹雪(もし私がエリートだったら、色々なことを知れないままでいたもんね)

吹雪(…『役立たず』も嫌だけどね)

185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/14(水) 23:59:55.33 ID:rrQybE9/0
吹雪「さて、みんなは無事かな?」

吹雪「通信してみよう」ピッ


吹雪『こちら吹雪。みんな、敵が来た?大丈夫?』

叢雲『あー、やっぱみんなのところにも行ってたの?敵』

漣『来たけど瞬殺でしたぞい』

電『電のところにも来ましたが、無事に倒せたのです』

五月雨『こっちにも来たよ。何とかなったけど』

吹雪『よかった、みんな無事だね』

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:00:51.97 ID:t8azCKjv0
吹雪『それで、誰かのところにあのボウクウやツーが来た?』

叢雲『いや、ただの雑魚だったわ』

漣『なんかエリートとかほざいてるだけの変態だけでしたな』

電『いいえ、戦闘員だったのです』

五月雨『残念だけど、来てないなぁ…情報も聞き出せなかったよ』

吹雪『そっか…じゃあ、まだ油断できないね』

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:01:20.82 ID:t8azCKjv0
漣『ところで過去の我々は無事でしょうかね?』

五月雨『ああ、そうだ!戦ってる間に襲われてたら…』

電『あ、それなら大丈夫なのです。皆さん無事に寮まで入っていくのを見たのです』

叢雲『そう、よかった。ならオーケーね』

吹雪『だったら、全員一旦艦娘寮に集合しよう。一応安全を確認しないと』

四人『了解』

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:01:50.90 ID:t8azCKjv0
艦娘寮前

電「あ、来たのです」

叢雲「ごめん、少し遅くなったわね」

五月雨「別に大丈夫だよ。何かあったの?」

叢雲「い、いや…何も…」

吹雪「…服が汚れてる…」

吹雪「もしかして、転んだか木の枝か何かに服でもひっかけた?」

叢雲「!!い、いやいや!そんなことあるわけないじゃない!絶対!」ブンブンッ

漣「あらら、叢雲ちゅわぁ~ん…ちょっとイケてないんじゃなーい?」

漣「ドジっ娘は五月雨ちゃんだけで十分だって言ったでしょ?」

叢雲「おのれ…」

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:02:19.24 ID:t8azCKjv0
過去漣「スヤァ…」


漣「ん、部屋の中で寝てる。問題ありませんな」

吹雪「よし。全員無事…っと」

叢雲「さて、これからどうするか…」

五月雨「結局あの二人が出てこなかったからね。油断はまだできないよ」

電「そうなのです。まだ警戒を解くわけにはいかないのです」

漣「どうする?また待ち伏せ?」

吹雪「でも、このまま待ってて出てくるかな?」

五月雨「出てきたら出てきたで問題だよね」

五人「うーん…」

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:02:47.03 ID:t8azCKjv0
電「…ふぁ…」

叢雲「あら電。眠いの?」

電「い、いえ!大丈夫なのです!」

漣「まあもう遅いからねぇ。電ちゃんみたいなちびっこガールにはつらいんじゃなーい?」

電「そんなことないのです…」

吹雪「どちらにしても、みんな疲れてるでしょ?とりあえず休もう」

吹雪「疲労がたまった状態で戦っても、勝てるかわからないしね」

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:03:18.28 ID:t8azCKjv0
五月雨「でも、警戒を解くわけにもいかないし…」

吹雪「うん。だから、交代で見張りをしよう」

吹雪「今は全員寮にいる。寮の周りを見張ってるだけで大丈夫だから、それでいいんじゃないんかな」

叢雲「ふむ。いいんじゃないかしら」

漣「じゃあ寮の部屋適当に借りて休むか」

電「え?い、いいのです?」

漣「フートンで寝ないと眠れんのだよ」

叢雲「こいつ…」

五月雨「ま、まあ、いざという時に近くにいるのは助かるかもしれないから」

192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:04:34.07 ID:t8azCKjv0
吹雪「じゃあ、まず私と誰か一人が見張りについてほしいんだけど…」

五月雨「あ、だったら私がやるよ」

叢雲「あら、いいの?」

五月雨「大丈夫だよ。私、まだ眠くないし。いいよね、吹雪ちゃん?」

吹雪「うん、助かるよ」

漣「いやー、やめといたほうが良いって」

五月雨「え?どうして?」

漣「吹雪ちゃんと五月雨ちゃんが二人きりってことはよぉ…フヒヒッ」

吹雪「だからそれいつまで引っ張るのさー!!」

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:05:01.30 ID:t8azCKjv0
吹雪「とりあえず!三時間後に交代ね!」

漣「えー、八時間くらい寝かせてよー」

吹雪「…漣ちゃんだけ徹夜であの二人を探させてもいいんだよ?」

漣「いえ、三時間で十分でございます!はい!」

叢雲「じゃあ先に休ませてもらうわね」

電「何かあったらすぐ呼んでくださいなのです」

五月雨「ありがとう。じゃあ、そこの屋根の上で見張ってるから」

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:05:38.85 ID:t8azCKjv0
鎮守府の屋根の上


五月雨「うーん、結構高いなぁ…」

吹雪「…また落ちないでね」

五月雨「お、落ちないよ!さすがにここからは!」

吹雪「本当に?落ちそうになっても助けてあげられるかわからないよ」

五月雨「だから大丈夫だって…もう」

吹雪「あはは、ごめんごめん」

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:06:16.17 ID:t8azCKjv0
吹雪「…そういえば五月雨ちゃん」

五月雨「ん?」

吹雪「この時代の自分に直接会ったりした?」

五月雨「!!??」

五月雨「そそそそそんなことしてないよ!会ったら大変なことになるもん!うん!」

五月雨「もともと会わないようにするためにこういう作戦になったのにそんなことするわけ」

吹雪「あー待って待って!別に悪いことじゃないんだよ!」

五月雨「ふぇ…?」

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:07:09.30 ID:t8azCKjv0
吹雪「いや、変身した状態で会ったんでしょ?なら大丈夫だよ」

五月雨「そ、そっか…」

五月雨「…ていうか吹雪ちゃん、どうして知ってるの?」

吹雪「え?えっと…」

吹雪「…私も、会っちゃったから。過去の自分に」

五月雨「え、吹雪ちゃんも?」

吹雪「うん。ちょっとね」

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:07:42.98 ID:t8azCKjv0
吹雪「ほら、何か忘れてる気がするってさっき言ったでしょ?」

吹雪「それで…思い出したんだよ。何を忘れてたのか」

五月雨「…何だったの?」

吹雪「…五月雨ちゃんも思い出したから、過去の自分に会ったんじゃないの?」

五月雨「…うん」

五月雨「そっか…そうだよね」

五月雨「…ということは、他のみんなもそうなのかな?」

吹雪「うん。そうだと思うよ」

吹雪「みんな…『誰か』から、大切なことを教えられたってことを思い出したと思う」

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:08:09.49 ID:t8azCKjv0
五月雨「『誰か』、か…」

五月雨「…その誰かが、自分だとは思わなかったよ」

吹雪「ふふっ。本当だよね」

吹雪「…どうして、忘れてたんだろうね。こんな大事なこと」

五月雨「…本当はこんなことできないからじゃないかな」

吹雪「え?」

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:09:00.96 ID:t8azCKjv0
五月雨「過去に戻って干渉するなんて、本当はできないことのはずだよ」

五月雨「だから、よっぽど強く干渉しない限り、それは『なかったこと』になるように修正が働く」

五月雨「だから忘れちゃってたんじゃないかな」

吹雪「…そっか…修正、か…」

吹雪「その修正って、すぐ起きちゃうのかな?」

五月雨「さあ、わからないけど…早い段階で起きるとは思うよ」

吹雪「ということは、過去の私たちは…」

五月雨「明日の朝には忘れちゃってるんじゃないかな」

吹雪「…」

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:09:54.46 ID:t8azCKjv0
吹雪「まあ現に自分が忘れてたし、わかってはいたけど…」

吹雪「なんだかやりきれないねぇ、せっかく言ったことが忘れられちゃうなんて…無駄なことしちゃったかな」

五月雨「そうでもないんじゃない?」

吹雪「え?」

五月雨「…私たちがやったことは、無駄なんかじゃないと思うよ」

五月雨「だって…過去の私たちは、『話したこと』は忘れちゃったかもしれないけど」

五月雨「『伝えられたこと』は、ちゃんと覚えてるはずだから」

五月雨「それがあったから、今の私たちがあるはずだから」

吹雪「…」

吹雪「…そっか。そうだよね」

五月雨「うん。そうだよ」

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:10:21.94 ID:t8azCKjv0
吹雪(…そうか)

吹雪(あの時、教えられたこと…伝えられたこと)

吹雪(ちゃんと覚えてたから、こうして強くなれたんだ)

吹雪(こうして、仲間を信頼できるようになったんだ)

吹雪(みんなと、本当の仲間になれたんだ…)

吹雪「…」

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:11:09.66 ID:t8azCKjv0
五月雨「ん?何か言った?」

吹雪「…いや、何も」

吹雪「それより寒くない?大丈夫?」

五月雨「あー…少し寒いかも」

吹雪「そんな格好してるからだよー」

五月雨「えー…吹雪ちゃんに言われたくないんだけど」

吹雪「なんで!?ほら、寒いならこっち寄りなよ」

五月雨「えっ…」ジトッ

吹雪「そういう意味じゃないよ!?ちょっと火を焚くだけだよ!」

五月雨「屋根の上で?」

吹雪「ちょっとくらいなら大丈夫だよ」ボゥッ

五月雨「えぇ…」

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:12:04.79 ID:t8azCKjv0
約六時間後  寮の一室


吹雪「…」スヤスヤ

五月雨「…」スヤスヤ


漣「おい、デュエルしろよ」ガチャッ

叢雲「そろそろ起きなさーい」

電「三時間経ったのです」

吹雪「ん…みんな?」ムクリ

五月雨「あれ、もう仮眠終わり?」

吹雪「えぇ…もう少し寝かせて…」

漣「おいこら。三時間前に漣たちをたたき起こしておいて何言ってやがる」

204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:12:44.43 ID:t8azCKjv0
吹雪「まあ起きるけど…これからどうしようか」

五月雨「まだ考えてなかったよね」

漣「ふっふーん。実は先ほど収穫があったのです」

五月雨「収穫?」

叢雲「なんで漣が自慢げなのよ」

電「実は、漣さんと電が見張ってる間に、叢雲さんに探索に行ってもらってたのです」

吹雪「探索…ってことはまさか!」

叢雲「ええ。見つけたわ」

叢雲「あの二人の居場所をね」

205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:13:10.49 ID:t8azCKjv0
鎮守府裏の森の一角


ツー「…うーん…」

ボウクウ「まだ連絡つかないの?」

ツー「はい…この時代のショキカンジャーを襲いに向かわせた五人全員、いまだに連絡が取れません」

ボウクウ「そう…困ったわね」

ボウクウ「やっぱりあなたが言う通り、元の時代のショキカンジャーがタイムマシンに巻き込まれて…」

ツー「ええ。我々の妨害を行ったのだと考えられます」

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:13:51.49 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「くっ…まさか、こっちの狙いがばれるなんてね」

ツー「それはわかりませんが…どちらにしても、奴らはもうこの時代に来ているでしょうね」

ツー「まだ来てなかったら非常に好都合だったのですが…」

ボウクウ「ん?どういうことよ?」

ツー「あの装置未完成だったので、タイムスリップした時に、指定した時間と実際に現れる時間とで、少しずれが生じるんです」

ボウクウ「あー、そういえば正午を指定したはずなのに、私たちが飛んで来た時には日が落ちかけてたわね」

ツー「ええ。恐らくずれは24時間以内。どの時間帯に飛ばされるかはわかりません」

ツー「それで、我々より後に…できれば、作戦が終わった後に奴らがタイムスリップしてくれれば」

ボウクウ「問題なく、この時代のショキカンジャーを排除できたわけね」

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:14:34.83 ID:t8azCKjv0
ツー「しかし、現に作戦は失敗しています。この状況を見るに、やはりショキカンジャーは我々と同じ、もしくは前の時間帯にこの時代に来ていると考えられます」

ボウクウ「うーむ…参ったわねぇ…」

ボウクウ「もう連れてきた戦闘員はいないし…かといって私たちが出ていくわけにも…」

ツー「この場所が気づかれるのも時間の問題です。早く次の手を打たないと…」



「待ちなさい!!」

ボウクウ・ツー「!!」

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:15:21.35 ID:t8azCKjv0
「私たちから逃げられるなんて」

「思ってるんですかねぇ?」

ボウクウ「な、何!?どこから!?」

「コソコソやるのは終わりなのです!」

「覚悟してください!」

ツー「まさか…!」

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:15:50.93 ID:t8azCKjv0
デデッデデー デデッデデーン

吹雪「吹雪レッド!」

叢雲「叢雲ブラック!」

漣「漣ピンク!」

電「電イエ口ー!」

五月雨「五月雨ブルー!」


吹雪「五人そろって!」

五人「駆逐戦隊!ショキカンジャー!!」

バァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:16:43.64 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「な、ショキカンジャー…!」

ツー「うう…とうとう見つかってしまいましたか」

吹雪「ええ。追い詰めましたよ、ボウクウ、ツー!」

叢雲「ずいぶん面倒なことしてくれたわね…まったく」

漣「お前たちの様々な悪行…許せる!」

電「だから許しちゃダメなのです…」

五月雨「と、とにかく!あなたたちを倒して、元の時代に帰ります!」

211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:17:13.82 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「まずいわね…まさか正面から戦うことになるなんて…」

ツー「仕方ないです…ボウクウ様、ここは…」

ボウクウ「ええ、わかってるわ」

漣「あ、戦う前に一ついいかな?」

ツー「はい?」


漣「帰り方教えてください、お願いします!」ペコッ

漣「なんでもしますから!」

ツー「えぇ…」

漣「電ちゃんが!」

電「えぇ!?」

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:18:08.98 ID:t8azCKjv0
電「ど、どういうことなのです!?」

漣「だってー。教えてもらわないと困るじゃーん?」

漣「ここは生贄になってよ電ちゃーん。いいじゃんねー?」

電「よくないのです!」

ツー「ど、どうしましょうボウクウ様…」

ボウクウ「まあ、教える義理はないけれど…」

ボウクウ「悪の組織としては敵にきちんと説明してやるべきよ」

ツー「アッハイ」

吹雪(いいんだ…)

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:18:34.35 ID:t8azCKjv0
ツー「…あの奥のほうに、装置があるのが見えますか?」スッ

叢雲「装置…?」

五月雨「確かに何かあるね」

ツー「あれは帰り用のタイムマシンです」

ツー「使い方は簡単で、電源を入れてスイッチを押すだけで元の時代に戻れますよ」

吹雪「うわ、すごく親切な設計ですね…」

ツー「まあ我々も帰るときに面倒なことはしたくないので」

叢雲「ふーん…」


漣「うわ、電ちゃん勘弁勘弁!」

電「電の本気を見るのです!!」ゴゴゴゴ

ボウクウ「…あっち仲間割れしてない?」

ツー「チャンスですかね」

吹雪「二人とも、ストップストップ」

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:19:39.74 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ふん…まあこうなった以上、戦いは避けては通れないわ」

ツー「仕方ありませんね…久々に戦うとしますか」スッ

叢雲「そういえばあんた、ツーって名前のくせにツ級要素ゼロじゃないの」

漣「そうだそうだー。みんな外見似てるのにあんただけ…」

ツー「…」ガポッ

ツーは巨大なグローブと被り物を身につけた

吹雪「あ、ツ級だ!」

叢雲「完全にツ級だわ!」

漣「かなりツ級だよこれ!」

五月雨「じゃあ、ツ級の中身ってああなってるんだね」

電「意外なのです」

ツー(この人たち、力抜けるなぁ…)

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:20:06.35 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ツー、そろそろいくわよ?」

ツー「はい、了解です」

吹雪「みんな、準備はできてるよね?」

叢雲「大丈夫よ。二人そろってぶっ飛ばしてやるわ」

ボウクウ「…ふふふっ…二人そろって、ねえ」

五人「…?」

216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:20:40.14 ID:t8azCKjv0
漣「なんですかい?もしかして、一人ずつなんて面倒なことする気?」

電「どうしてそんな…」

ボウクウ「いえ、違うのよ…そんなことはしないわ」

ツー「…ある意味ではあってるかもしれませんね」

五月雨「どういう意味ですか…!」

ボウクウ「心配しなくても、これから知ることになるわ。どういうことか…」

ボウクウ「そして、そのために見せてあげる」

ボウクウ「私たちの戦い方を…!」

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:21:34.03 ID:t8azCKjv0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

五人「…!?」

叢雲「何…?この雰囲気…」

電「一体、何をする気なのですか!?」

ボウクウ「私たちは元々、それほど高い戦闘能力は持ってないわ」

ツー「しかし、あることをすることで、強い力を得ることができます」

吹雪「あること…?それって一体!?」

ボウクウ「だから、それを今から見せてあげるのよ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ボウクウ「よーくその目に…焼き付けておくことね!!」

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:22:10.62 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「我が力をその身体に!」

ツー「我が力をその拳に!」


ボウクウ・ツー「我等の力を一つに!!」


ピカァァァァァァァァァァァァァァァァァァ


ボウクウ・ツー「深海合体!!!」

ピッキィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!

219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:23:09.58 ID:t8azCKjv0
漣「うおっ、まぶしっ!?」

吹雪「な、何!?」

五月雨「一体、何が起こって…」


シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…


ボウクウ「ふ…ふふふ…」

そこには、ボウクウ一人が立っていた

220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:23:39.08 ID:t8azCKjv0
電「ツ、ツーさんがいないのです!?」

叢雲「一体どこに…」

ボウクウ「いいえ、ツーはちゃんといるわ」

ボウクウ「そう…『ここ』にね」

漣「ここって…」

吹雪「…なるほど、あなたのその腕…」

吹雪「そういうことですか…」

ボウクウ「ふふふ…」

ボウクウの腕は、グローブを着けたツーの腕のように、大きくなっていた

ボウクウ「そう…お察しの通りよ」

ボウクウ「私たちは…『合体』をすることで、戦えるようになるのよ」

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:24:07.48 ID:t8azCKjv0
叢雲「合体、ねぇ…随分面倒なシステムね」

叢雲「わざわざそんなことしないと戦えないなんて」

ボウクウ「そうね…こうして二人そろっていないと戦えない」

ボウクウ「確かに面倒なシステムだけれど…」

ボウクウ「こうして合体に成功した今、そんなこと関係ないわ」

叢雲「まあどっちでもいいわ。むしろ、二人倒すよりこっちの方が楽ね」

ボウクウ「…そう言ってられるのも、今のうちよ」

叢雲「…」

222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:24:35.57 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…あなたたちが強敵であることは知っているわ。できればこうして正面から戦うことは避けたかった」

ボウクウ「しかし、こうなった以上、もう他に方法がない」

ボウクウ「私たちは最後のディープマリン…もう、後がないのよ」

ボウクウ「だからここで負けるわけにはいかない…」

ボウクウ「ディープマリンの…深海棲艦の未来のために…」

ボウクウ「絶対に…あなたたちを倒す!!」

五人「…!」

223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:25:09.32 ID:t8azCKjv0
吹雪「…それは私たちだって同じです!」

吹雪「私たちだって負けられない…」

吹雪「自分たちのためにも…鎮守府の未来のためにも!」

吹雪「絶対に負けるわけにはいかない!!」

吹雪「あなたを倒して、元の時代へ帰ります!」

224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:25:37.06 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「そう…だったら、そろそろ始めましょうか」

ボウクウ「それぞれの未来を賭けた…戦いを!!」

ゴゴゴゴゴゴ…

五月雨「…来る!」

吹雪「よーし!いくよ、みんな!!」

五人「オー!!」

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:26:13.13 ID:t8azCKjv0
叢雲「はぁっ!」シュバッ

ボウクウ「…!」

ガッ

叢雲「まだまだぁ!」ブンブンッ

ボウクウ「…」ドガッドガッ

叢雲は連続で攻撃を仕掛けたが、全て腕でガードされた!

叢雲「くっ…」

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:26:52.44 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ふんっ!!」ブォンッ

叢雲「!!」

ボウクウは叢雲に向かって腕を振り下ろした!

ズドォォォォォォォン!!

叢雲「うわっ!?」シュバッ

ボウクウ「…まあ、これくらいは避けてくるわよね」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:27:27.52 ID:t8azCKjv0
叢雲(…なんとなくわかってたけど、こいつ、コウワンとほとんど同じ戦闘スタイルね)

叢雲(巨大な腕を使っての攻防…シンプルで強い戦法ね)

叢雲(でも…)チラッ

吹雪「…」コクッ

叢雲(…この戦い方には穴があることは把握済みよ)

叢雲「はぁっ!」ダダッ

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:27:56.47 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「また正面から突っ込んでくるつもり?あなた一人くらいならまた…」スッ


電「えーいっ!!」ブォンッ

ボウクウ「!?」

ガシッ

ボウクウの背後から電がハンマーを振り下ろし、ボウクウはそれを片手で受け止めた!

ボウクウ「…っ」グググ

電「まだ終わりじゃないのです!」グググ

バチバチバチバチィッ!!

ボウクウ「ぐあああ…!!」

229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:28:37.68 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「くっ…」スッ

ボウクウはもう片方の腕を振り上げた!

バシュバシュッ

ボウクウ「!?」

ボウクウ「これは…矢!?」

漣「そんだけ的が大きいと当たりやすいねー!」バシュバシュッ

ボウクウ「…っ」スッ

叢雲「そこぉっ!!」ブォンッ

ボウクウ「!!」ガッ

230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:29:05.93 ID:t8azCKjv0
叢雲「ほらほらっ!反撃してごらんなさい!」シュバババッ

漣「はっはー!このままでは腕がうまく動かせまい!」バシュバシュッ

ボウクウ「…」ガガガガッ

ボウクウは、片腕で電の攻撃を、もう片方の腕で叢雲と漣の攻撃を防ぎ続けている!

叢雲(そう、両腕を使えなくしてしまえば問題ない!)

叢雲(こいつはコウワンみたいに奥の手があるかどうか知らないけど)

叢雲(このまま両腕の動きを封じて、そこで吹雪と五月雨の攻撃が通れば…!)


吹雪「よし!いくよ、五月雨ちゃん!」チャキッ

五月雨「うん!」チャキッ

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:29:45.64 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…」

ググッ

電「…?」

ガシッ

叢雲「!?」

ボウクウは電のハンマーと叢雲をつかんだ!

232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:30:33.33 ID:t8azCKjv0
叢雲「な、何よいきなり!離しなさい!」ジタバタ

電「何のつもりなのです!?」

ボウクウ「…ふんっ!!」

グイッ

叢雲「…ええ!?」

ボウクウは、そのまま二人を空高く放り投げた!


バビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!


叢雲・電「うわあああああああああああああ!!?」

233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:31:07.92 ID:t8azCKjv0
叢雲「な、何よこれぇ!?」

電「結構な高さなのです…」

電「こ、このままじゃ落ちちゃうのです!」

叢雲「まずいわ!電、着地をしっかり…」


ボウクウ「これで終わりだと思ってるのかしら?」スッ

ボウクウは両掌を空中の叢雲と電に向けた

叢雲「…?」

電「あの人、一体何を…」


ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


ボウクウの掌から、叢雲と電に向けて光弾が発射された!!

叢雲・電「ええ!!?」

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:31:37.10 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「空中じゃ避けられないでしょ?」

ボウクウ「私、こんな風に空中の敵に攻撃を当てるのが得意なのよ。その弾は確実に当たる…」

ボウクウ「そのまま何もできず、喰らうがいいわ!」


叢雲「くっ!!」ブンッ

電「え、えい!!」ブンッ

二人は飛んで来た光弾に向かってそれぞれ武器を振り下ろした!

ドギャァァァァァァァァァァン!!

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:32:04.15 ID:t8azCKjv0
叢雲「ぐ…まずいわ…」グググ

電「防ぎきれない、のです…」グググ


ボウクウ「なるほど、武器を使って対抗しにきたのね…」

ボウクウ「しかし、その程度では完全には防ぎきれないわ」

ボウクウ「それに、空中に放り出された状況…落下からはどうやったって逃げられない。ダメージは確実に受けるわ」

ボウクウ「さて、まずは二人…」

ボウクウ「…消えてもらうわ」


ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


叢雲・電「うわあああああああああああああああああ!!!!」

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:32:46.35 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…当たったわね」

ボウクウ「さて…」

バシュバシュッ

ボウクウ「…やっぱりまだ来るのね」ガッ

漣「この…!!」シュバババッ

ボウクウ「でもあなた一人くらいなら問題ないのよ?」

ボウクウ「あなたもあの二人と同じように…」スッ


ボォォォォォォォォォォォォ!!

突然、背後から炎がボウクウに襲い掛かる!

ボウクウ「な!?」

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:33:27.10 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「くっ…後ろをとられてたなんて!」クルッ

シーン

ボウクウ「…?」

ボウクウ(…いない?)


吹雪「はぁっ!!」シュバッ

ボウクウ「!?」

吹雪がボウクウの背後に現れ、そのまま背中を切り裂いた!

ズバァァァァァァァァァァッ!!

ボウクウ「ぐああああっ!!」

238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:34:04.53 ID:t8azCKjv0
ボウクウ(くっ…完全に油断したわ)

ボウクウ(さっきの炎はおとりね…)

吹雪「はぁっ!」ボォォォォォ

吹雪はさらにボウクウに向かって炎を放出した!

ボウクウ「また炎…!こんなもの…」ブォンッ

ボウクウは腕を振り、炎を薙ぎ払った!

吹雪「!!」

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:34:47.11 ID:t8azCKjv0
ボウクウ(くっ…完全に油断したわ)

ボウクウ(さっきの炎はおとりね…)

吹雪「はぁっ!」ボォォォォォ

吹雪はさらにボウクウに向かって炎を放出した!

ボウクウ「また炎…!こんなもの…」ブォンッ

ボウクウは腕を振り、炎を薙ぎ払った!

吹雪「!!」

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:35:19.99 ID:t8azCKjv0
漣「そのまま吹っ飛べ!」

ビュォォォォォォォォォ!!

矢にまとわりついていた風が、ボウクウを吹っ飛ばす!

ボウクウ「ぐああああああああああ!!!」


ボウクウ(しまった!さっきの炎は目隠し…!)

ボウクウ(矢を警戒させないようにして、攻撃を当ててくるなんて…)

ズドォォォォォォォォォォン!!

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:35:50.03 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ぐ…」ヨロッ

ツー『ボウクウ様!大丈夫ですか!?』

ボウクウ「ツー…大丈夫よ。このくらいなら」

ボウクウ「もろに喰らったのは二回だけ…まだ十分に耐えられるわ」

ツー『そうですか…』

ツー『しかし、こうして距離をとられたことで、相手は態勢を整えてくるでしょう』

ツー『また、攻撃を仕掛けてきますよ…』

ボウクウ「そうねぇ…」

242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:36:20.81 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「でも、さっきの攻撃で二人はつぶしたわ」

ボウクウ「完全に倒し切れてはないでしょうけど、すぐに戦線に復帰することは難しいはず…」

ボウクウ「五人相手は厳しいかもしれないけど、三人相手なら十分に戦えるはずよ」

ツー『…』


ザパァァァァァァァァァァァァ!

ボウクウ「!!」

突然、水がボウクウに襲い掛かってきた!

243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:36:49.13 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「来たわね!このくらいの攻撃なら…」シュバッ

ボォォォォォォォォォォォォ!

ボウクウ「今度は炎!?しつこいわね…!」シュバッ

バシュバシュッ

ボウクウ「!!」バッ

ボウクウ(さらに矢も…防ぐのは簡単だけど)チラッ

吹雪・五月雨・漣の三人は少し離れた距離から攻撃をしている

ボウクウ(三人あそこに固まっている。ここからどう攻撃が来るか…)

244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:37:18.39 ID:t8azCKjv0
五月雨「やぁっ!」

ザパァァァァァァァァァァァァ!

吹雪「はぁぁ!!」

ボォォォォォォォォォォォォ!

漣「そらそらっ!」

バシュッバシュッ!

ボウクウ「…!」シュバッ ガガッ

ボウクウ「…」

ボウクウ(…近づいてこない?)

245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:38:06.99 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「どういうつもり…?」

ツー『ボウクウ様。さっきの攻撃を警戒しているのではないでしょうか?』

ボウクウ「さっきの?…ああ」

ボウクウ「そうか…捕まれないように、近づいてこないのね」

ツー『はい。それで遠距離攻撃に徹してるのかと』

ボウクウ「なるほど…」

ボウクウ「…甘い考えね」

246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:38:34.40 ID:t8azCKjv0
スッ

ボウクウは掌を三人に向けた

吹雪「…?何を」

五月雨「!!まさか…!」


ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


三人に向けて光弾が発射された!

三人「!!!」

ボウクウ「誰も…空に向けてしか撃てないなんて言ってないわよね」

ズドォォォォォォォォォォン!!

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:39:01.04 ID:t8azCKjv0
吹雪「ぐっ…」ズザッ

ボウクウ「む…避けたわね」

五月雨「二人とも、大丈夫?」

漣「大丈夫。この程度では負けん!」

ボウクウ「そうね…だったら」スッ

ドォォォォォォォォォン! ドォォォォォォォォォン!

吹雪「うわっ!連続で!?」シュバッ

248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:39:42.55 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「まだいくわよ!」

ドォォォォォォォォォン! ドォォォォォォォォォン!

五月雨「こ、これじゃ避けるので精いっぱいだよ!」シュバッ

漣「攻撃ができない…!」シュバッ

ボウクウ「このまま撃ち続けて…攻撃する隙も与えない」

ボウクウ「避け続けても、いつか体力は尽きる。そうなればこっちの…」


ガサッ


ボウクウ「!!」バッ

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:40:15.60 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…何?今の音…後ろから?」

ボウクウ「…」チラッ

吹雪「ぐ…」

ボウクウ(あの三人は正面にいる。私の視界内にいるわ)

ボウクウ(隙をついて後ろに回られたかと思ったけど…)

ボウクウ(気のせいか、別の何かの音か…)

ボウクウ(まあいいわ。さっきと同じで攻撃を続け…)


「喰らいなさいっ!!」ブォンッ

ボウクウ「!!」

ボウクウの背後から、何者かが襲い掛かった!

ドガァァァァッ!!

250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:40:51.50 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「な…どうして!?」グググ

ボウクウ「どうして…こんなに早く!?」

叢雲「ふん。どうしてでしょうね」グググ

ボウクウ「くっ…」


バチバチバチバチィッ!

ボウクウ「!!」


電「…さっきのお返し、なのです」

ズドォォォォォォォォォォン!!

251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:41:32.28 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ぐあああああっ!!!」ズザザッ

ボウクウ「くっ…予想外だわ。こんなに早く復活できるなんて…」

叢雲「あんたがどんな予想してたか知らないけど、私たちはこの通りピンピンしてるわよ」

電「なのです」

ボウクウ「…」

ボウクウ(…いくら威力が弱まったとはいえ、光弾によるダメージは確実に受けたはず)

叢雲「…っ」フラッ

ボウクウ(…やっぱり、そのくらいのダメージは受けたみたいね)

ボウクウ(ということは、落下によるダメージが予想より小さかったってことね…)

ボウクウ(思った以上にタフね、この子たち…)

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:41:58.42 ID:t8azCKjv0
バシュバシュッ

ボウクウ「!!」ガッ

ボウクウ(矢が…まずい、このままだと遠距離、近距離から攻撃が同時に…!)

ボウクウ「だったら!」ガシッ

叢雲・電「!!」

ボウクウ「もう一度…飛ばしてあげるわ!」グイッ

バビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:42:37.46 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「いくらあなたたちがタフでも、何度も攻撃を当てればいずれ倒れる!」

ボウクウ「だから何度でも飛ばして、何度でも撃ち落としてあげるわ!!」

叢雲「ぐ…」

ボウクウ「さあ、また同じ目に…」スッ


吹雪「…気づいていないんですか?」

ボウクウ「!?」

ボウクウ(いつの間に…懐に!)

吹雪「この時のあなた…隙だらけなんですよ」

ボォォォォォォォォォォォォ!!!

ボウクウ「な…」

ズドォォォォォォォォォォン!!

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:43:03.79 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「うあああああああああああ!!」ドザッ

ボウクウ(しまった…!接近を許してしまった…!)

ボウクウ(タイミングを逃した…これじゃもう光弾を放り投げた二人に向かって撃てない)

ボウクウ(でも、まだ落下がある。さっきはダメだったかもしれないけど、今度は…)

ザパァァァァァァァァァァァァ

ボウクウ「!?」

ボウクウ(何…?水が空中に向かって…)

ボウクウ「…!」

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:43:30.19 ID:t8azCKjv0
五月雨「…よし。このままゆっくり…」ザパァァァァ

五月雨は放出している水の威力を徐々に弱めている

五月雨「…うん、オーケー!」

五月雨「二人とも、大丈夫?」

叢雲「ええ。助かったわ」ザパッ

電「ありがとうなのです!」ザパッ

ボウクウ(まさか…あれが…!)

ボウクウ(ああやって水を使い、威力を調節してゆっくりおろすことで)

ボウクウ(落下することを防いでいたのね…)

ボウクウ(くっ…まさか、こんなことが…!)

256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:44:10.75 ID:t8azCKjv0
吹雪「はぁっ!」ブンッ

ボウクウ「!!」ガッ

ボウクウ「ふんっ!!」バシィッ

吹雪「ぐあっ!」

ボウクウ「くっ…まずいわね」

ツー『ボウクウ様!このままでは負けてしまいます!』

ボウクウ「わかってるわよ、そのくらい!」

ボウクウ「このままだと、完全に相手のペースだわ…」

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:44:41.67 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「しかし、どうしたら…」

ツー『…アレを使いましょう』

ボウクウ「アレ?…ああ、あれね」

ボウクウ「そうね…この状況をどうにかするには、あれしかないわね」

ボウクウ「でも、アレを使うには…」

ツー『しかし、これしかありませんよ』

ボウクウ「…まあ、そうねぇ…」

ボウクウ「…いいわ。やってあげる」

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:45:20.30 ID:t8azCKjv0
吹雪「それっ!」ブォンッ

ボウクウ「…」シュバッ

吹雪「まだまだぁ!」ブンブンッ

ボウクウ「…」シュバッ

吹雪「くっ…」

ボウクウ「…」スッ

吹雪(!攻撃が来る!?)シュバッ

ボウクウ「…」

吹雪「…?」

吹雪(…何もしてこない?)

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:45:49.12 ID:t8azCKjv0
電「えーいっ!」ブォンッ

ボウクウ「!」シュバッ

五月雨「やぁっ!」ブンッ

ボウクウ「…」ガッ

五月雨「…!」

五月雨(しまった、捕まれる!?)

ボウクウ「…」ブォンッ

ボウクウは腕で五月雨を振り払った

五月雨「うわぁ!?」ズザッ

260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:46:15.12 ID:t8azCKjv0
五月雨(危なかった…捕まれるかと思った)

五月雨(…どうしてしてこなかったんだろう?)

漣「そぉい!」バシュバシュッ

ボウクウ「…っ」シュバッ

ボウクウ「…」ザザッ

ボウクウは周囲を警戒しつつ、距離をとっている

吹雪(…やっぱり、さっきまでと戦い方が違う)

吹雪(攻撃する気がまるでない…)

吹雪(…何か、狙ってる?)

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:47:07.52 ID:t8azCKjv0
叢雲「そこぉっ!」ブォンッ

ボウクウ「!!」

ズガァァァァァァァァァァン!!

ボウクウ「ぐあっ!」ズザザッ

ボウクウ「くっ…」ヨロッ

漣「今だー!畳みかけろー!」バシュバシュッ

電「えーいっ!」ブォンッ

ボウクウ「…」サッ

ガッ  グググ…

ボウクウは攻撃を全て腕でガードしている

262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:48:05.76 ID:t8azCKjv0
叢雲「吹雪!五月雨!」

吹雪・五月雨「!」

叢雲「奴は今私たちへのガードで手一杯!今攻撃すれば…!」

五月雨「わかった!行こう、吹雪ちゃん!」

吹雪「…」

五月雨「…吹雪ちゃん?」

吹雪「…いや」

吹雪「わかった、行こう!」ダダッ

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:48:36.72 ID:t8azCKjv0
吹雪(何かを狙ってるのかもしれないけど…)

吹雪(それでも、攻撃をやめる理由にはならない!)

吹雪「ここで一気に決めて…!」スッ



ボウクウ「…」ギロッ

吹雪「…!?」ゾクッ

264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:49:18.42 ID:t8azCKjv0

吹雪(何!?この感じは…)

ボウクウ「…」ゴゴゴゴ

吹雪(様子がおかしい…やっぱり、何かするつもりだ!)

吹雪「みんな!ボウクウから離れて!早く!!」

叢雲「え!?」

五月雨「な、何!?」

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:50:04.65 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「あら、気づいたのね…」

ボウクウ「でももう遅い…準備は整ったわ」

ググッ

ボウクウは両拳を組み、頭上へ振り上げた

漣「何を…!?」

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:50:56.98 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「あなたたちは確かに強かったわ…」

ボウクウ「まさか私も、これを使うことになるとは思ってなかったわ…」

ボウクウ「でも…」

ボウクウ「これで…終わりよ!!」

ブォンッ!!

ボウクウはそのまま、両腕を思い切り振り下ろし、地面に叩きつけた!!


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!


ボウクウ「そして…!」

五人「!?」

その衝撃で、五人は空高くへ飛び上がった!

五人「うわああああああああああああああああ!!!?」

267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:51:51.47 ID:t8azCKjv0
吹雪「えぇ!?」

五月雨「そ、そんな…!?」

叢雲「こんな、無茶苦茶なことが…!」

電「こ、ここで攻撃が来たら…!」

漣「かなりまずいよ!!」

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:52:34.06 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「そして喰らいなさい!」サッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ボウクウは両掌を空中の五人に向け、力をためている!

漣「な、なんか来るよ!」

叢雲「また光弾!?」

電「いや、あの感じ…」

吹雪「もっとすごいの来ちゃうんじゃ…」

五月雨「…っ」スッ

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:53:03.63 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「さあ、これで終わりよ!」

ボウクウ「私たちの最大の力…思い知るがいいわ!!!」

ヒュォォォォォォォォォォォォ

ボウクウ「喰らえええええええええええええ!!!」


ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!


ボウクウは両掌から、五人に向けて巨大なビームを放った!!


五人「うわああああああああああああああああ!!!」


ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!

270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:53:32.10 ID:t8azCKjv0
パラパラ…

ボウクウ「…」

ツー『やりましたねボウクウ様!あれを喰らっては奴らも…!』

ボウクウ「…あれは…」

ツー『…ボウクウ様?』

ボウクウ「…ふん、そういうことね」

ボウクウ「奴ら…まだ生きてるわ」

ツー『!?』

271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:54:00.71 ID:t8azCKjv0
ツー『ど、どういうことですか!?』

ツー『あの状況で避けるなんて、どうやって…!』

ボウクウ「…水よ」

ツー「み、水!?」

ボウクウ「ビームが当たる寸前…水が放たれたのが見えたわ」

ボウクウ「恐らく、ショキカンブルーが他の四人に向かって水を放出して」

ボウクウ「四人をビームの軌道から外し、自分は反動で同じように回避したのね…」

ツー『そんな…絶対に当たったと思ったのに』

ボウクウ「やっぱり、かなり厄介ね…」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:54:31.13 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「しかし今ので、五人はバラバラの場所に飛ばされたはず」

ボウクウ「それに今度は落下のダメージも受けた…」

ツー『今が狙い目、というわけですか』

ボウクウ「ええ。一人ずつ確実に…ね」

ボウクウ「一対一なら負けないわ」

ボウクウ「…今度こそ、仕留める」

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:55:00.32 ID:t8azCKjv0
吹雪「…」

吹雪「ぐ…」

吹雪(助かった…のかな?)

吹雪(五月雨ちゃんのおかげで…避けられたんだっけ…)

吹雪(お礼…言わないと…)ググッ

ズキンッ

吹雪「!!」ガクンッ

274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:55:30.03 ID:t8azCKjv0
吹雪「…体が…」

吹雪(…動かないわけじゃないけど…かなり強く打ったみたい)

吹雪(でも、まだ戦える…はず)

吹雪(…みんなは…?)

吹雪「みんな…大丈夫…?」

吹雪「…」

吹雪「…みんな…?」キョロキョロ

吹雪「…!」

275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:55:56.95 ID:t8azCKjv0
吹雪「そうか…さっき飛ばされたから…」

吹雪「早く…みんなと…合流しないと…」ヨロッ

吹雪「みんな…」


ガサッ

吹雪「!」

276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:56:27.63 ID:t8azCKjv0
吹雪(誰かいる!?近くに落ちてたのかも!)

吹雪「誰かいるの!?」

ガサガサッ

吹雪(返事がない…出てこないし)

吹雪(もしかして、うまく動けないのかも…)

吹雪「待ってて、今そっちに…!」


ガサッ

吹雪「…あ…」

ボウクウ「…残念、だったわね」

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:56:59.94 ID:t8azCKjv0
吹雪「ボウクウ…!」チャキッ

ボウクウ「遅い!!」ブォンッ

吹雪「!!」

ズドォォォォォォォォォォン!!!

吹雪「ぐあああっ!!」

278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:57:33.43 ID:t8azCKjv0
吹雪「ぐ…」フラッ

ボウクウ「…やっぱり、満身創痍みたいね」

ボウクウ「今のあなた一人を倒すくらい、わけないわね」

吹雪「…っ」

吹雪(どうしたら…!)

吹雪(このままじゃ、まずい…!)

279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:58:01.52 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ふんっ!」ブォンッ

吹雪「!!」

ドガァァァァァン!!

吹雪「くっ…」ドザッ

ボウクウ「あら、ぎりぎり避けられちゃったわね」

ボウクウ「でもその様子だと、もう限界が近いようね」

ボウクウ「逃げるしかないんじゃないの?

吹雪「うぅ…」

280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:58:33.13 ID:t8azCKjv0
吹雪(悔しいけど、その通りだ…)

吹雪(このまま私一人で戦っても負けちゃう…!)

吹雪(ここはどうにかして逃げるしか…!)


吹雪「…」

吹雪(いや…)

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:59:02.71 ID:t8azCKjv0
吹雪「…」チャキッ

ボウクウ「あら…立ち向かってくるというの?」

吹雪「…はぁぁぁ!!」

ボォォォォォォォォォォォォ!

ボウクウ「!!」

吹雪は激しく炎を放出した!

ボウクウ「また炎…!ワンパターンね…」

ボウクウ「こんなもの…また振り払ってくれるわ!」ブォンッ

吹雪「…!」

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:59:28.48 ID:t8azCKjv0
吹雪「まだ…まだ…!」

ボォォォォォォォォォォォォ!

ボウクウ「また…!」

ボウクウ「このっ!」ブォンッ

ボォォォォォォォォォォォォ!

ボウクウ「…!」

吹雪「…っ」

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 00:59:56.27 ID:t8azCKjv0
吹雪(もっと…もっとだ…)

吹雪(もっと燃えて…もっと!)

吹雪(そうすれば、きっと…!)

吹雪「はああああああああああああああああ!!!」

ボォォォォォォォォォォォォ!


ボウクウ「しつこいわね…」

シュバッ

吹雪「…!」

ドゴォッ

吹雪「うっ…」

ドサッ

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:00:29.18 ID:t8azCKjv0
吹雪「う…ぐ…」

ボウクウ「まったく、往生際が悪いわね」

ボウクウ「大人しく逃げてればよかったものの…無駄な抵抗をしてくれたわね」

吹雪「…」

吹雪(だめ…このままじゃ…)

吹雪(もっと、耐えない、と…)

吹雪(…でも)

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:00:55.56 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「さて、そろそろ止めを刺しましょうか」

吹雪「…」

ボウクウ「それで、あなたを倒した後には…」

ボウクウ「あなたの仲間も、同じ目に合わせてあげる」

吹雪「…!」

ボウクウ「あなたたちには随分手を焼いたけど…」

ボウクウ「こうなったら、どうしようもない」

ボウクウ「…残念だったわね」

286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:01:22.67 ID:t8azCKjv0
吹雪「…」フラッ

ボウクウ「…まだ抵抗するというの?」

ボウクウ「無駄なことはやめなさい。何もしなければ、すぐに楽にしてあげるわ」

吹雪「…」

吹雪(ここで、私が負けちゃったら…)

吹雪(何も守れない…過去の自分たちも…)

吹雪(…今の仲間たちも)

吹雪(そんなの…絶対に嫌だ!!)

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:01:52.07 ID:t8azCKjv0
吹雪(きっと…あと少し)

吹雪(あと少しのはず…)

吹雪(あと少し耐えるんだ…!絶対に…)

吹雪「絶対に…負けられない…!」

ボウクウ「…」

ボウクウ「だったら…」

ボウクウ「そんな口もきけないようにしてあげる!!」シュバッ

吹雪「…!」

288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:02:18.43 ID:t8azCKjv0
ガシッ

吹雪「ぐ…」

ボウクウ「今のあなたに、これを避ける術はないわ」

ボウクウ「このまま投げ飛ばして…」

吹雪「くっ…!」ジタバタ

ボウクウ「なっ…!大人しくしなさい!」

吹雪「はぁっ!」ズバッ

ボウクウ「ぐあっ!」パッ

ボウクウは思わず吹雪から手を離した

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:02:44.34 ID:t8azCKjv0
吹雪「はぁ…はぁ…」

ボウクウ「くっ…ふざけたことを」

ボウクウ「大人しく…捕まりなさい!」バッ

吹雪「はぁっ…!」シュバッ

ボウクウ「遅い…!」ババッ

吹雪「!!」

吹雪(だめ…避けられな…)

吹雪「…!」

290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:03:25.79 ID:t8azCKjv0
ガシッ

ボウクウ「…捕まえたわ」

吹雪「…」

ボウクウ「それじゃあ、今度こそ…」

ボウクウ「特大の花火を…打ち上げてあげるわ!」グイッ

ボウクウは、吹雪を空高く放り投げた!

バビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

吹雪「…っ!!」

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:04:26.99 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「そして喰らいなさい!」スッ

ボウクウ「これであなたも終わ…」



ザパァァァァ

ボウクウ「…?」

ボウクウ「何…?今の…」

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:04:54.09 ID:t8azCKjv0
ザパァァァァ

ボウクウ「この音…水?」

ボウクウ「足元から…?」チラッ

ボウクウ「…!」

ボウクウの足元はいつの間にか水浸しになっていた!

ボウクウ「な…いつの間に!」

「あなたの注意が上に向いている時ですよ」

ボウクウ「!!」

293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:05:37.56 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「あ、あなた…」

「えーいっ!!」

地面に撒かれた水に、電流が流される!

バチバチバチバチィッ!

ボウクウ「ぐあああああああああああああああ!!!」

ボウクウ「しまった…!電流が…」

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:06:19.19 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「くっ!」シュバッ

ボウクウ(早く…水がない場所へ移動を!)ババッ

「どこへ行くのかしら?」

ボウクウ「…!」

「どっか行くんならあっちの方行ってくれませんかねぇ」

ボウクウ「な…」

ドゴォォォォォォォォッッッ!

バシュゥゥゥゥゥゥゥ!!

ボウクウ「ぐああああああああああああ!!?」

ズドォォォォォォォォォォン!

295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:06:45.68 ID:t8azCKjv0
吹雪「…」

吹雪(やっぱり…来てくれた)

吹雪(信じてたよ…みんな)


『…ヒーローなんかやってるとね。色々あるんだよ』

『敵にやられそうになったり、捕まりそうになったり…』

『ピンチになることが多かったりするんだよね』

『…でもね。そんなピンチの時には』


『いつも…いつも、仲間が助けてくれるの』

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:07:12.26 ID:t8azCKjv0
五月雨「吹雪ちゃん!」ザパァァァァ

五月雨は水を放出して、吹雪をおろした!

吹雪「わぷっ!」ザパッ

漣「吹雪ちゃん、大丈夫!?」

吹雪「だ、大丈夫…助かったよ」

漣「いやーでもかなりボロボロだけど…」

叢雲「五月雨、漣。私と電はボウクウへ追撃しに行くわ」

電「吹雪さんのことは任せたのです!」

五月雨「わかった、私たちもすぐ行くから!」

297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:07:40.93 ID:t8azCKjv0
吹雪「でもよかった…ちゃんと来てくれて」

五月雨「うん。だって吹雪ちゃん、炎で合図してくれたでしょ?」

漣「あれが狼煙代わりになってたからね」

吹雪「そう…上手くいってよかったよ…」

五月雨「それにしても吹雪ちゃん、もうボロボロ…」

漣「こりゃあもう戦えないね…休んでた方がいいんじゃね?」

吹雪「…大丈夫、だよ…」

吹雪「みんなだってボロボロなのに頑張ってて…私だけ休んでるわけにはいかない…!」ヨロッ

五月雨・漣「…」

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:08:18.38 ID:t8azCKjv0
吹雪(でも、このまま私が戦いに行っても足を引っ張るだけ…)

吹雪(ボウクウへの攻撃も問題。何とかデストロイキャノンを撃ち込めればいいかもしれないけど…)

吹雪(その前に決定打を叩き込んで、隙を作る必要がある)

吹雪(でもボウクウはかなりタフみたいだし、大抵の攻撃は腕で防がれちゃう…)

吹雪(…どうしたら)

五月雨「…」

吹雪「!!」

299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:08:46.06 ID:t8azCKjv0
五月雨「?ど、どうしたの吹雪ちゃん…」

吹雪「…五月雨ちゃん、漣ちゃん」

吹雪「…お願いがあるの」

五月雨・漣「?」

300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:09:12.34 ID:t8azCKjv0
電「えいっ!」ブォンッ

ボウクウ「この程度…!」バシィッ

叢雲「そこぉっ!」シュバッ

ボウクウ「ぐ…」ガッ

ボウクウ「無駄よ!!」バシィッ

電・叢雲「うあああ!!」

301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:09:50.14 ID:t8azCKjv0
電「うぅ…」

叢雲「電…まだ戦える?」

電「大丈夫なのです…まだいけるのです!」

叢雲「そう…なら、問題ないわね!」

叢雲(しかし、このまま殴り合ってもキリがない…)

叢雲(どうにかして打開を…)


ザパァァァァァァァァァァァァ

ボウクウ「!?」

叢雲・電「!?」

五月雨が、上空に向かって水を放出していた!

302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:10:16.40 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「い、一体何を…」

漣「ほいほいっ!」バシュバシュッ

ボウクウ「!」ババッ

電「避けるんじゃねぇぞこらぁ!」

叢雲「漣、今のは一体…」

漣「いいから攻撃を続けて!そいつを逃がさないで!」

電「わ、わかったのです!」

303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:10:46.02 ID:t8azCKjv0
叢雲「はぁっ!」ブンッ

電「えーいっ!」ブォンッ

ボウクウ「ぐっ!」ガシッ

ボウクウ「はぁっ!!」バシィッ

ボウクウは叢雲と電を弾き飛ばした!

叢雲・電「うわぁっ!」

ボウクウ「何のつもりか知らないけど、三人程度じゃ私は倒せないわ!」

五月雨「だったら四人で行きます!」ザパァァァ

ボウクウ「!!」

304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:11:13.82 ID:t8azCKjv0
電「五月雨さん!」

五月雨「電ちゃん、電撃を!」

電「はいなのです!」バチバチバチバチィッ

ボウクウ「っ!」サッ

漣「逃がすか!」バシュバシュッ

ボウクウ「くっ…」ガッ

バチバチバチバチィッ!

ボウクウ「ぐああああああああ!!!」

305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:11:39.55 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ぐ…」

叢雲「よし、このまま…!」

ボウクウ「…この、程度で…」

電「…え?」

ボウクウ「この程度で私は…ひるまないわよ!!」シュバッ

ボウクウは四人の方へ接近してきた!

306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:12:09.44 ID:t8azCKjv0
漣「っ!」ジリッ

五月雨「漣ちゃん!」

漣「…!」

五月雨「…」コクリ

漣「…了解!」

電「な、何なのです!?」

叢雲「五月雨!?何をするつもり!?」

五月雨「叢雲ちゃんたちは下がってて!」

叢雲「でも…」

漣「大丈夫だから!」

叢雲「…わかったわ」

307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:12:38.32 ID:t8azCKjv0
五月雨「行くよ、漣ちゃん!」シュバッ

漣「ほいさっさー!!」シュバッ

五月雨と漣はボウクウへと向かって行った!

ボウクウ「また安易に近づいてきて…!」

ボウクウ「懲りない、連中ね!」バッ

ガシッ

五月雨・漣「!」

308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:13:37.75 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ふん…あなたたちなんて、こうして捕まえてしまえば」

ボウクウ「もうどうしようもないのよ…!」

ボウクウ「さあ、このまま大人しく消えて…」

漣「…ふふっ」

ボウクウ「…何がおかしいの?」

ボウクウ「あなたたちはこの状況をどうにもできない!ただ、私に消されるのを待つだけ…」

ボウクウ「この最悪な状況で、一体何を…!」

五月雨「…最悪な状況?…それは違います」

五月雨「これだから、いいんですよ」

309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:15:11.87 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…もういいわ」

ボウクウ「このまま投げ飛ばして…」チラッ


ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン

ボウクウ「…投げ…飛ばして…?」


ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン

吹雪「うおおおおおおおおおおお!!!」


ボウクウの上空から、吹雪が落ちてきていた!

ボウクウ「な…何ぃ!?」

310: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:16:39.90 ID:t8azCKjv0
ボウクウ(一体いつの間に…)

ボウクウ(っ!まさか、さっき上空に向けて放った水は!)

ボウクウ(この子を飛ばすための…!)

ボウクウ(こうなったら、迎撃を…)

ボウクウ(…!)

ボウクウ(両腕が、ふさがって…!)

311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:17:08.76 ID:t8azCKjv0
ボウクウ(このままじゃ、光弾で迎撃はできない!)

ボウクウ(ガードもすぐには対応しきれない…!)

ボウクウ(まさかこの子たち、そのためにわざと私に捕まったって言うの!?)

五月雨・漣「…ふふっ」ニヤリ

ボウクウ「そんな…」

ボウクウ「そんな、馬鹿なことが…!」

312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:17:48.46 ID:t8azCKjv0
吹雪「…空中の敵への攻撃は、得意って言ってましたね!」

ボウクウ「…!」

吹雪「でも、この状況でも!」

吹雪「同じことが、言えますか!?」

ボウクウ「ぐ…!」

吹雪「仲間が作り出してくれたこのチャンス…」

吹雪「絶対に、無駄にはしない!!」

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:18:30.65 ID:t8azCKjv0
ボォォォォォォォォォォォォ!

吹雪「燃え上がれ!『ブリッジソード』!!」


吹雪「ブリッジバスタアアアアアアアアアア!!!」

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

ボウクウ「ぐああああああああああああああああああ!!!!」

314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:19:03.23 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「ぐ…あ…」フラッ

吹雪「よし!みんな、いくよ!」

五人「オー!!」

ボウクウ「ぐっ…!」

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:19:29.96 ID:t8azCKjv0
電「アンカーハンマー!」ヒュンッ

漣「デッキチェリー!」ヒュンッ

叢雲「マストランス!」ヒュンッ

五月雨「キールブレード!」ヒュンッ

吹雪「ブリッジソード!」ヒュンッ

ピキィィィィィン ガッシィィィィィン!!

五人が投げた武器が空中で合体し、バズーカとなった!

五人「デストロイキャノン!」

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:20:28.00 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「くっ…」

ツー『ボウクウ様!このままでは…!』

ボウクウ「わかってるわ!」

ボウクウ「…今持てる最大の力で、迎え撃つ!」

ボウクウ「このまま…終われないわよ!」

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:21:02.39 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「はああああああああああ!!」

ヒュォォォォォォォォォォォォ

ボウクウ「私が今出せる力…」

ボウクウ「全て…出し尽くす!!」

ボウクウ「絶対に負けないわ!!!」

318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:22:14.66 ID:t8azCKjv0
吹雪「…ボウクウ。あなたの…いえ」

吹雪「あなたたちの力はとてつもなかった」

ボウクウ「…」

吹雪「それでも…最後に勝つのは私たちです!」

吹雪「私たちの力…仲間を信じる力、そして仲間との絆の力が」

吹雪「ずっと強いから!!!」

ボウクウ「…!」

吹雪「決着をつけしょう、ボウクウ、ツー!!」

319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:22:46.28 ID:t8azCKjv0
漣「目標捕捉!」

電「照準よし!」

叢雲「充填完了!」

五月雨「発射準備完了!」


吹雪「これが私たちの力だ!!!」

吹雪「ってえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!


ボウクウ「はああああああああああああああ!!!!」


ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!

二つの光線が、激しくぶつかり合う!!

ドギャァァァァァァァァァァン!!!

320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:23:12.99 ID:t8azCKjv0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ボウクウ「…まずい…」

ボウクウ「このままじゃ…押し負ける…!」

ツー『ボウクウ様…!』


五人「いっけえええええええええええええええええええええええ!!!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!

321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:23:39.00 ID:t8azCKjv0
ドドドドドドドドド…

ボウクウ「…」

ツー『ボウクウ様…』

ボウクウ「…ダメね…」

ボウクウ「私たちの…負けみたいね」

ツー『…そう、ですか』

322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/15(木) 01:24:07.87 ID:t8azCKjv0
ボウクウ「…ツー」

ツー『…はい』

ボウクウ「…今まで、ありがとうね」

ツー『…こっちのセリフですよ』

ボウクウ「ふふっ、そう…」

ボウクウ「…見せてもらったわ、ショキカンジャー…」

ボウクウ「あなたたちの力と、その強さを…」


ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!