1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:19:08.67 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「♪あ~たらしい~ あ~さがきた~」

ほむら「♪き~ぼう~の あ~さ~」

 ティヒヒヒ ティヒヒヒ……

ほむら「この着信音はまどかね!」バッ

まどか『もしもし、ほむらちゃん? おはよう!』

ほむら「おはようまどか。こんな時間にどうしたの」

まどか『あのね、昨夜は『わたし一人で遠い所になんて行かない』って言っちゃったけど』

ほむら「まさか……!」

まどか『来ちゃった。ちょっと遠い所』

ほむら「……それで、今どこに!?」

まどか『ティヒヒヒ』

まどか『韓国』

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:22:41.26 ID:ZlGCY4DO0
——マミ部屋——

マミ「お弁当にさけるチーズも入れましょうね」

ベベ「ヤッタァ」

 バッタァアアアン!!!!

ほむら「マミイイイイ!!!!!」

マミ「どぅおわあああ!!!」

ほむら「お弁当作ってる場合じゃないわ! 荷物をまとめなさい!」

マミ「…鹿目さんのことね」

ほむら「聞いてるの!? なら話は早いわ! すぐ迎えに行くわよ!」

ベベ「ホムラオチツケ」

マミ「ついさっき私の所にも電話がきたわ」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:26:41.58 ID:ZlGCY4DO0
マミ「鹿目さんはフェリーで釜山港に行ったらしいの」

ほむら「そうよ。だから私たちが迎えに行かないと!」

マミ「あなたが一人で突っ走らなくて安心したわ」

ほむら「……だって韓国語なんかわからないもの」

マミ「私もなんだけど」

マミ「とにかく、鹿目さんなら心配ないわ。もう明後日に乗る船の予約をしてるみたいだもの」

ベベ「マドカ タマニハ ヒトリニナリタイ」

ほむら「だからっていきなり外国に一人旅なんて…」

マミ「魔法少女だもの、それほど危険なこともないでしょう。土産話でも楽しみにしていましょう」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:29:24.71 ID:ZlGCY4DO0
——二日後——

まどか『おはよう、ほむらちゃん!』

ほむら「まどか!? 今どこにいるの?」

まどか『ほむらちゃん、50回くらいLINE送ってきたでしょ。心配症だね』

ほむら「…今どこにいるの?」

まどか『これから船に乗るよ~』

ほむら「答えて。今どこにいるの?」

まどか『仁川港だよ!』

ほむら「それって…… 船はどこに行く便なのかしら」

まどか『ティヒヒヒ』

まどか『大連』

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:32:16.23 ID:ZlGCY4DO0
——美樹家——

美樹母「杏子ちゃん、後片付けおねがいね」

杏子「は~い!」

母「いつも助かるわぁ」

杏子「これくらいしないとね」

 バッターン!!!
ほむら「きょおこおおあああああ!!!!!!!!」

杏子「うおおお!! ほむらか!?」

ほむら「早く支度しなさい! 中国へ行くわよ!」

杏子「行かねーよ! 学校どうすんだよ!」

ほむら「どうせ行っても寝てるでしょ!! わかったらパスポートと現金を用意しなさい!」

杏子「あと、ママさんのびちゃってるんだけど」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:36:05.99 ID:ZlGCY4DO0
—— 港 ——

杏子(↑…?)チラッ

マミ(『港』って書いてあるけど、群馬に港なんてあるの?)

ほむら「大連港行きの船を探すのよ! 魔法で時間を止めて乗り込むわよ」

杏子「密航かよ! あたしパスポート持ってないよ」

ほむら「安心して。さっき三人分作っておいたわ」

杏子「なぁ~んだ、早く言えよ」

マミ「……それを密航って言うんじゃないかしら」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:39:54.84 ID:ZlGCY4DO0
杏子(ほむらこの間、見滝原の外なんてないとか言ってたけど、船は普通に出てるんだな)

杏子(今度水上バスで帰ってみるか)

杏子「それにしてもヒマだなぁ。これいつ着くんだろ?」

マミ「着くまでには鹿目さんも帰る気になってるんじゃないかしら」

ほむら「そうだといいけど、いてもたってもいられなかったのよ…」

杏子「そうなったらなったで、中国見物してこうよ」

マミ「大連といったら昔の街並みが有名ね」

ほむら「なによそれ?」

杏子「満州国ってやつか。なんか本で読んだ事あるな」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:42:29.04 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「着いたようね」

マミ「船内放送でも何か言ってるわね。中国語かしら」

杏子「もう冬なのにバカに暑いなぁ」

ほむら「ほら見て! 携帯の電波が入るようになったわ! 早速まどかに電話しないと」

 ティヒヒヒ ティヒヒヒ……

ほむら「かかってきた!」

杏子「着信音それなのかよ」

ほむら「もしもし、まどか!? 私たちもちょうど中国に着いたわ!」

まどか『ほむらちゃんたちはどこにいるの?』

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:45:22.28 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「きっと大連よ!」

杏子「でも暑くない? 満州って確かずっと北の方でしょ?」

マミ「そうね…… でも見て、港に中国語で看板が出てるわ」

杏子「あ、ほんとだ!」

『歓迎光臨 新嘉坡』

杏子「よくわかんないけど、歓迎って書いてあるな」

マミ「きっと後半の三文字がここの地名なのね」

ほむら「もしもし? 読み方がわからないけど、中国の南の方に来てしまったみたい」

※新嘉坡:シンガポール


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:50:14.56 ID:ZlGCY4DO0
まどか「ほむらちゃんたちも出発したって」

まどか「次どこ行こうか?」

さやか「まだやるの?」

なぎさ「大連まで追いかけてくるのも大変だったのです」

まどか「だってほむらちゃん、今頃わたしを探してるよ」

さやか「だろうね」

まどか「きっと昔みたいに」

まどか「かなめさ~ん… 置いてかないでよぉ~とかやってるよ!」

さやか「昔のほむらってそんなだったのかよ」

なぎさ「誰にも可愛い頃があったのです」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:53:37.15 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「……だいぶ遠いわね」

杏子「ねぇもう帰ろうよ。まどかもそのうち帰って来るだろ」

ほむら「ここまで来たら私たちには前進しかないのよ!」

杏子「行くのかよ!」

マミ「行くしかないじゃない!」

杏子「マミまで!?」

マミ「ここはシンガポールよ」

マミ「ラッフルズ・ホテルのハイティを味わうまで帰れないわ」

杏子「いいねぇ」

ほむら「お腹も空いたことだし、まずは休憩しましょうか」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 22:57:15.29 ID:ZlGCY4DO0
——数日後——

まどか「ほむらちゃん、来なかったね」

なぎさ「今更着いてももぬけの殻なのです」

さやか「待っててあげればいいのに」

まどか「もしもし、ほむらちゃん? 今どこ?」

まどか「……遠いねぇ~」

さやか「いつ合r…」

まどか「」シーッ

まどか「ほむらちゃん、どうするの? このままじゃわたしに追いつけないよ」

まどか「一人なのにもっと遠くに行っちゃうよ~」

さやか「あんたヒドいことするな」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:01:21.65 ID:ZlGCY4DO0
——チェンマイ——

ほむら「うぅ… まどかぁ~……」クスン

マミ「暁美さん、ほら泣かないの。明日には国境を越えるわよ」

杏子「コー カンマンガイ サム!」(カオマンガイ三人前ね!)

マミ「ピセー チョー!(大盛りでお願いします) さぁ食べて元気を出しましょう」

ほむら「……二人とも、ずいぶん満喫してるわね」

杏子「なぁもう行っちゃうの? もうちょっとタイにいようよ」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:03:33.31 ID:ZlGCY4DO0
マミ「暁美さんがこの状態なのよ。のんびりしていられないわ」

ほむら「……まどかに会いたいだけなのに…」ズルズル

マミ「鼻かみさない」

杏子「近くに象の動物園みたいなのがあるんだって。象乗って行かない?」

ほむら「……」

杏子「象の赤ちゃんにバナナやれるんだぞ。かわいいぞ~」

ほむら「…行く」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:07:12.30 ID:ZlGCY4DO0
——さらに二日後 中国雲南省 昆明——

ほむら「ついに中国へ入ったはいいけど」

杏子「請給我 包子」

ほむら「出発する時に持って来た現金がそろそろ底をつくわ」

マミ「…やるしかないわね」

杏子「肉まんうめぇ」

 ティヒヒヒ ティヒヒヒ……

ほむら「電話だわ!」

まどか『もしもし? ほむらちゃん、今どこ?』

ほむら「ようやく中国に入ったわ。まどかはまだ大連にいるの?」

まどか『ティヒヒヒ』

まどか『西安だよ』


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:11:17.91 ID:ZlGCY4DO0
——夜——

ほむら「今日も一日大変だったね……」

マミ(効いてる)

杏子(効いてる)

杏子「にしても昼間のあれはおかしかったなぁ!」

ほむら「だってマミさんが魔法で大道芸するなんて言うから……」

マミ「先立つ物が無ければ鹿目さんにも会いに行けないのよ」

杏子「まどかに会えなくてもいいの?」

ほむら「会いたいよぉ……」

マミ(だいぶ素に戻ってきたわね)

杏子(これが本来のほむらか……)


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:15:27.65 ID:ZlGCY4DO0
マミ「じゃあ明日もやる?」

ほむら「えぇ~……」

杏子「さぁさぁ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!」

マミ「日本から来た楽しいお芝居!」

ほむら「まほ… 魔法少女ショー はっじまるよ~…」

杏子「そんなんじゃ聞こえないって! はいもっと景気良く!」

ほむら「無理だよぉ…… もう……」ポロポロ

杏子(…いじめたいなぁもう)



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:19:30.77 ID:ZlGCY4DO0
——昆明発の長距離列車——

ほむら「……」

マミ「ほら見て。またずいぶんな絶景よ」

杏子「ほぉ~ なんか山の中ばっかりだな」

マミ「地図を見ると、終点の成都まで大きな街はなさそうね」

ほむら「その成都という街で、まどかと会えるのかしら」

杏子(一晩寝たら直った?)



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:21:23.75 ID:ZlGCY4DO0
杏子「……どうかなぁ」

ほむら「えっ…」

マミ「もしかしたら、入れ違いで昆明に行ってしまったかもしれないわ」

ほむら「そんな… まどかぁ……」グスン

マミ「ほら涙を拭きなさい」

杏子「泣かしたのマミだよね?」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:26:35.82 ID:ZlGCY4DO0
——中国四川省 成都——

杏子「パンダ見ようよ」

マミ「四川省に来たらパンダね」

ほむら「パンダ…」

杏子「パンダの研究所があるんだぞ。赤ちゃん抱っこして記念写真撮れるんだぞ」

ほむら「……それより、まどかが… まどかがすぐそこまで来てるんだから……」カタカタ

マミ(鹿目さん禁断症状がパンダに勝った…!)

杏子(まどかつえぇ)



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:30:22.35 ID:ZlGCY4DO0
マミ「もしもし。鹿目さん、今どこにいるのかしら?」

まどか『成都についたよ~』

まどか『それよりほむらちゃんは? ねぇほむらちゃんは!?』ブンブン

マミ「そうね……」チラッ

ほむら「まどかぁ~ どこにいるの~……」ウワァーン

杏子「泣くなって。ほらほら、パンダちゃん肉まん食うかい? おいしいぞ~」

ほむら「…うん」モクモク

ほむら「……からい」

マミ「なかなかいい仕上がりね」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:33:43.34 ID:ZlGCY4DO0
 
 パアァァァ……

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「この光は……!」

杏子「いいとこだったのに」

まどか「こんな遠くに行ってごめんね」

ほむら「…いいのよ、もう……」グスッ

まどか「むかえにきたよ!」

ほむら「ううっ… まどかぁ~!」

まどか「……『まどか』?」

ほむら「えっ…… ええと、何かダメなの?」



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:35:55.33 ID:ZlGCY4DO0
まどか「ちょと待ってね」

まどか「電話でもいつも思ってたけど、なんか違うなぁ」ヒソヒソ

マミ「あと一息だったわね」ヒソヒソ

ほむら「ちょ、ちょっと、二人で何の話?」

まどか「『鹿目さん』まで戻しちゃおうか」

杏子「お、さやかだ。一緒だったのかよ」

さやか「こっちも楽しかったよ~ 写真見る?」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:39:00.06 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「まどか! …あ、あれ? ……まさかの夢オチ?」

マミ「おはよう、暁美さん」

杏子「夜行列車の朝ってのもいいもんだなろ。もうすぐ成都に着くよ」

ほむら「そ、そうだったわね… そこでまどかと合流できるのね」

 ティヒヒヒ ティヒヒヒ……

ほむら「まどか!? あのね、もうすぐ着くからね……!」

まどか『早朝好! 小焰』

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/19(火) 23:40:10.64 ID:ZlGCY4DO0
ほむら「……今どこにいるの…?」

まどか『ティヒヒヒ』

まどか『ミャンマー』

ほむら「そんなぁ… いつになったら会えるの……」グスグス

ほむら「早く会いたいよぉ… かなめさぁ~ん!」

マミ(……これいつまで続くのかしら)


   おわり