1 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:45:21 6uSVxNho
舞網市・早朝……

遊矢「…………」トコトコ

柚子「…………」トコトコ

遊矢&柚子「……あ」

遊矢「……おはよう」

柚子「……おはよう」


"
"

2 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:46:27 6uSVxNho
遊矢「今朝は早いんだな」

柚子「それを言うなら遊矢もでしょ?」

遊矢「正直会うとは思わなかった」

柚子「私も」

遊矢「……まあだから早く家を出たっていうのもあるんだけど

柚子「……私も」


3 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:47:10 6uSVxNho
遊矢「とりあえず行くか、学校」

柚子「うん」

遊矢「…………」トコトコ

柚子「…………」トコトコ

遊矢「…………」トコトコ

柚子「…………」トコトコ

遊矢「……なあ」

柚子「……何?」


4 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:48:15 6uSVxNho
遊矢「何か喋ろよ」

柚子「何で?」

遊矢「黙ったままだと空気悪いからさ」

柚子「なら遊矢が喋りなさいよ」

遊矢「どうしてそうなるんだよ?」

柚子「どうしてもよ」

遊矢「じゃあ――」


5 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:48:46 6uSVxNho
遊矢「――昨日の事、だけどさ」

柚子「…………」


"
"
6 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:49:29 6uSVxNho
遊矢「あー、今はまずいかな?」

柚子「別に……ただいきなりだなって思っただけ」

遊矢「止めた方が良いか?」

柚子「一々聞かないでよ。遊矢の好きにすれば?」

遊矢「そうか……じゃあ何か他の話題考える」

柚子「……本当に止めちゃうのね」


7 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:51:32 6uSVxNho
遊矢「何か怒ってるか?」

柚子「気にしないで。元々こんな顔だから」

遊矢「何だよ、その言い方」

柚子「…………」

遊矢「もう良いや……さっさと学校行こうぜ」

柚子「……そうね」


8 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:52:09 6uSVxNho

…………

舞網市立第二中学校・校門前……

遊矢&柚子「…………」

『本日休校』

遊矢「閉まってるな」

柚子「閉まってるね」

遊矢「創立記念日、だったな」

柚子「うん、完璧に忘れてたわ」


9 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:52:55 6uSVxNho
遊矢「まさか休みの日を忘れていたなんて」

柚子「こんな事初めてだわ」

遊矢「俺もだ……どうする?」

柚子「どうするって……帰るしかないでしょ?」

遊矢「まあ、そうなるよな。ここに居ても仕方ないし」


10 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:53:54 6uSVxNho

…………

遊矢「…………」トコトコ

柚子「…………」トコトコ

遊矢「…………」トコトコ

柚子「…………」トコトコ

遊矢「……あー、やっぱ駄目だ」

柚子「遊矢?」

遊矢「お前とずっとこんな気まずい空気とか、俺は耐えられない」

柚子「…………」


11 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:55:37 6uSVxNho
遊矢「正直昨日は俺、どうかしてた……ごめん」

柚子「別に謝らなくても良いわよ。どうかしてたのは私も同じだから」

遊矢「映画の、あのシーン観ていたら何か頭の中がグチャグチャして……それで」

柚子「分かってる。それにあの映画を見ようって遊矢を誘ったのは私だもの……ある意味原因は私にあるし」

遊矢「だけどお前……『初めて』だったんだろ?」

柚子「そうだけど……それを言うなら遊矢もでしょ?」

遊矢「だけど男と女じゃ違うだろ? だからちゃんと謝ろうと……」

柚子「だから謝らなくて良いって……ていうか謝らないでよ」


12 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:56:22 6uSVxNho
遊矢「…………」

柚子「忘れましょう、昨日の事は」

遊矢「そう言って忘れられるのかよ?」

柚子「時間があれば……多分」

遊矢「…………」

柚子「…………」

遊矢「……無理だ」

柚子「え?」


13 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:56:59 6uSVxNho
遊矢「多分無理だと思う。ただの幼馴染に戻るのも」

柚子「…………」

遊矢「確かに時間が経てば平気なフリは出来るかもしれないけど」

遊矢「昨日の事は心の何処かで、引っかかったままになると思うんだ」

遊矢「だから前みたいな幼馴染の関係には、戻れないよ」

柚子「……じゃあどうすれば良いのよ?」


14 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:57:47 6uSVxNho
遊矢「……元の関係には戻れない」

遊矢「だけど、だからってお前と離れるのは嫌だ」

柚子「それは、私だって……」

遊矢「……昨日、俺はお前にあんな事をしたけど」

遊矢「ただ隣に居たからだとか、誰でも良かったとか、そんな事は無いんだ……」

遊矢「お前だから……柚子だからしたんだ」

柚子「遊矢……」


15 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 17:58:32 6uSVxNho
遊矢「さっきも言ったけど元の関係には戻れない」

遊矢「だけど一緒に居たいなら別の関係になれば良い」

柚子「それって……」

遊矢「あんな事をして、こんな事を言う資格無いかもしれない」

柚子「…………」

遊矢「俺は、お前と……」













遊矢「……もぅマヂ無理」スチャ←ゴーグル付けた

柚子「はあ!?」


16 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 18:00:12 6uSVxNho
柚子「ちょっと待ってよ! そこまで言って何ゴーグル付けて蹲ってるのよ!?」ビックリボー

遊矢「いや、何かもうメンタルの限界というか……これ以上続けると心臓が爆発しそうというか」オロオロットン

柚子「最高のエンターテイナー目指しているんでしょ? もっと度胸見せなさいよ!!」

遊矢「そう言われても……てかこれ、絶対観客の前に立つより緊張するし」アタフタキオン

柚子「昨日私の唇奪っておいて今更緊張も何も無いでしょ!?」

遊矢「ちょ、声でかいって! 近所の人に聞かれたらどうすんだよ?」キョロキョロットン

柚子「このぉ、遊矢のヘタレェ!!」プンスカブックス

遊矢「おい、ハリセンを止めてく……!?」

スパーン!!




18 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 18:02:23 6uSVxNho
柚子「はぁはぁ……もう、信じられないわ」

遊矢「……本当スイマセンでした、柚子さん」ションボリチュア

柚子「もう良いわよ。遊矢が肝心な所でヘタレなのは知ってたから」

遊矢「うぅ、そんなにヘタレを連呼するなよぉ」

柚子「……それでどうして欲しいの?」

遊矢「どうして欲しいって?」

柚子「だから今の……告白の続きよ! 私と別の関係ってどういう関係になりたいのよ?」

遊矢「そ、それは……柚子の気持ちもあるし、その……」アタフタスケルトン

柚子「ああ、もう……本当にこの男は」イライライダー


19 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 18:03:34 6uSVxNho
柚子「言っとくけど……私も、嫌じゃ無かったから」

遊矢「え?」

柚子「むしろ最初が……初めてのキスの相手が遊矢で良かったって思ってるから」

遊矢「柚子、それって……」

柚子「はい、私が今言えるのはここまでです! 続きは遊矢が告白の続きを言ってからね」

遊矢「いや、もうそこまで言ったなら俺の代わりに最後まで……」

柚子「何馬鹿な事言ってんのよ! 男の子でしょ、アンタは!!」


20 : ◆6lM76zkyEU :2014/10/25(土) 18:07:24 6uSVxNho
遊矢「わ、分かった。じゃあ言うぞ……柚子、俺はお前の事が……」

柚子「…………」ドキドキング

遊矢「……駄目だぁ、言えないぃぃ!!」

柚子「ここまで来て何で言えないのよ! もう半分言ってる様なものでしょ!!」

遊矢「そんな事言われても難しいんだよ! アイ・ライク・ユーの言葉は言えるけどアイ・ラブ・ユーの言葉は言えないっていうか……」

柚子「遊矢が言ってくれるまで私の方からは絶対に言わないからね!!」

遊矢「畜生、何でだよ! 何で、何で……」






遊矢「何で俺は柚子に『好き』って言えないんだよぉ!!」

柚子「早く私に遊矢が『好き』って言わせなさいよぉ!!」

<おわり>