1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:26:05.55 ID:q05EBjP2o

最上「…あげればいいんじゃないの?」

那珂「うーん…」

最上「……」


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:26:32.29 ID:q05EBjP2o

那珂「あれあれー? どうしたの最上さん! テンションあげてこー☆」

最上「…う、うん」

最上(このテンション、ボクには少し荷が勝ちすぎるなぁ…)

那珂「…那珂ちゃん的にはー、バレンタインってイベントは重要だと思うんですよねー」

最上「…まぁ、女の子っぽくはあるよね」

那珂「でしょー!? 恋する乙女のぶんすいれー! ないがしろにするのはありえないと思うんだよ☆」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:27:24.11 ID:q05EBjP2o

最上「それはまあ、そうかもね。もっとも、それはボクにはわからない感覚ではあるのだけど。…やっぱり提督にあげるのかい?」

那珂「うーん、それも考えたけどぉ、やっぱり那珂ちゃんはみんなのものだから、誰か一人にあげるのは良くないと思うんですよね」

最上「あー、やっぱりアイドルって色恋はタブーだったりするのかな?」

那珂「もちろん☆ けど、こういうのをスルーするのもファンのみんなに悪いと思うんだー」

最上「へえ、アイドルの矜持ってやつだね。じゃあどうするんだい? 友チョコとか配ったりするのかな?」

那珂「うん、そのつもりかな」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:27:49.55 ID:q05EBjP2o

最上「はは、「愛はまごころ、恋は下心」とはいうけれど、キミのそれは見ていて気持ちが良いね」

那珂「んー?」

最上「いや、いいんだ気にしないで。ボクはただ、君の有り様に感銘を受けたというだけのことさ。…けど、いいのかい?」

那珂「なにがー?」キョトン

最上「世間一般にそれは義理チョコと言うはずだろう? 打算的だと批判されそうだけれど、それについてはどう思うんだい?」

那珂「打算じゃないです! 那珂ちゃんの想いに、義理も不義理もないんだから!」

最上「…それはそれで思うところはあるけど、まぁ君が言うならそうなんだろうね」

那珂「そうですよー! 那珂ちゃんはみんなのために、頑張っちゃうんだから!」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:28:20.03 ID:q05EBjP2o

最上「…ところで、どうしてボクなんだい? 自分で言うのもなんだけどボク、こういうことには疎いと思うんだけど」

那珂「うん? …んー…」

最上「あれ、口籠るだなんて珍しい」

那珂「うーん、なんて言うのかなぁ。ほら、バレンタインってすごく特別なものでしょー?」

最上「たぶん、きっと、ボクなんかが思ってるのよりはずっとそうだろうね」

那珂「那珂ちゃんはいつも主役だけど、この日だけはみんなが主役になれる日なんだよねー」

最上「そうかな?」

那珂「そうですよ! だから、頑張ってるみんなの邪魔をしたくないと思ったの」

最上「ああ、それでボクのところに来たのか」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:28:45.71 ID:q05EBjP2o

那珂「あ、でも最上さんが、その…」

最上「いいんだ、気にしないで。…あぁ、そう言えば時雨もすごく張り切っていたなぁ。なんでも、手作りのものを渡すそうだよ」

那珂「え、ほんとに? すっごーい!」

最上「はは、ほんとすごいよね。ボクに似ちゃって女の子っぽさがあんまりないから少し心配してたけど、なかなかどうして乙女だったよ」

那珂「んー? 時雨ちゃんはすっごくかわいい女の子だよ!」

最上「あはは。そうだね、その通りさ」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:29:11.69 ID:q05EBjP2o

最上「…ねえ、ボクはどうだい? 女の子に見える?」

那珂「んー…わかんない。不思議な感じかなぁ。…最上さんはどう思ってるんですか?」

最上「はは、さぁどうだろうね。ボク自身、今まで気にしたことがなかったからわかんないや」

那珂「むぅ、でもでも、最上さんだって那珂ちゃんの次にかわいいのに」

最上「あは、ありがとう」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:29:47.32 ID:q05EBjP2o

那珂「最上さんはチョコあげたりしないんですか?」

最上「ボクかい? …うん、実のところ迷ってはいたんだ。時雨や熊野達はくれるって言うし、お世話になってる山城たちにもあげたいしさ」

那珂「提督には?」

最上「ふむ、さて、それはどうしようかな。張り切ってる時雨を見ているとね、なんだか、…そう、邪魔したら悪いような気がするんだ」

那珂「あ、那珂ちゃんと一緒ですね!」

最上「…そうだね、君と同じさ」

那珂「じゃあじゃあ、一緒に作りましょう! ね?」

最上「え、ええっ!?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:31:00.09 ID:q05EBjP2o

那珂「だってー、那珂ちゃんは買ったチョコをそのまま配って回るのってやだもん」

最上「う、うん。確かにそれはすごくガッカリする光景だね。君がアイドルを自称してるから尚更そう思うよ。…正直失望するかもしれない」

那珂「だから作ろうと思うんだけど、一人じゃつまんないし、かと言って本命チョコを作ってるみんなの横ですごくたくさんのチョコ作るのってこう…」

最上「…君でも周囲の人間に気を使うことがあるのか」

那珂「むぅ、那珂ちゃんにだって空気くらい読めるもん。でも、アイドル的には空気は読むんじゃなくて作っていくものですよっ☆」

最上「…」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:31:25.77 ID:q05EBjP2o

那珂「けど、さっきも言ったけどこの日の主役はみんなだから」

最上「…そうだね」

那珂「ってことで、最上さんと那珂ちゃんのチョコレート☆だいさくせん! はじまるよー! きゃは☆」

最上「いや、ボクはまだやるとは…」

那珂「早速、買い出しに行きましょー! ほらっ、ほらっ」グイ

最上「うわ、引っ張らないで…」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:31:52.39 ID:q05EBjP2o

那珂「ごーごー☆」

最上「……」

那珂「ふんふーん♪」

最上「…初めからそのつもりだったのかい?」

那珂「んー、なんのことだか那珂ちゃんわかんなーい☆」

最上「…いや、なんでもないよ。でも、そうだね。僕がチョコをあげるとしたら、まずは君なのかも」

那珂「ありがとー! でもでもー、那珂ちゃんはみんなのものですからねー?」

最上「…えっと、こういうのってアガペーっていうんだっけ?」

那珂「んもー、あがぺーじゃなくてー、艦隊のアイドル那珂ちゃんだもんねー☆」

最上「あはは、…ところで、ひとついいかな」

那珂「なんですかー?」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 05:32:30.90 ID:q05EBjP2o

最上「ありがとう」

那珂「あは、どういたしましてっ☆」


おわり

引用元: 最上「チョコをあげたい?」那珂「そうだよ☆」