1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:38:33 dPz7fFgY
男「やべっ、遅刻だー!」ダッ

男(このまま正規ルートを全力疾走しても間に合わない!)

男(ここは塀を飛び越える抜け道を通って……!)ジャンプ!

男(あ、飛び降りた先にパンを咥えて走っている女の子が――)

女「ッ!」ヒュン

男「なにっ!? 躱した……だと?」タッ チャクチッ


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2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:42:38 dPz7fFgY
女「はっ!」シュッ

男「くっ!」ヒラリ

女「へぇ、今の手刀を避けられるんだ……」モグモグ ゴクン

男「あっぶねぇ、いきなり何しやがる!」

女「いきなりって、先に襲ってきたのはあんたでしょうが!」シュッ

男「うぉっ」パシッ

女「私の手刀を払うなんて、やるわね……」

男「話も聞かずに追撃してくん、な!」シュッ

女「くっ!」ヒラッ


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:44:02 dPz7fFgY
男「ふぅ……」

女「女の子を殴ろうとするなんて酷い男ね」

男「殴りかかってくる女以外にはしねえよ」

女「はっ!」シュッ

男「ちっ! くらえっ!」

女「くっ!」

男「なかなかやるな」

女「あんたこそ!」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:46:10 dPz7fFgY
数分後

男「はぁ、はぁ、はぁ……」

女「はぁ、はぁ、はぁ……」

男「ここまでやるとはな……」

女「今のままじゃ実力はほぼ互角といったところね」

男「……そうみたいだな」

女「仕方ないわね。本気、見せてあげるわ」

男「なっ!」

女「はああああああ!」

男(あいつに力が集まっていくのが分かる……!)


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:48:19 dPz7fFgY
女「くらえええええ!」

男(くっ! 防御が間に合わな――)

男「ぐはっ!」

女「ふっ、ここまでね」

男「だ、誰がここまでだって、言ったよ……」

女「実力の差、これで分かったでしょ?」

男「あぁ分かったよ、お前の実力がその程度だってな」

女「な、何を!」

男「リミッター解除……!」


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6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:51:01 dPz7fFgY
一時間後


男「ったく、今のは危なすぎんだろ……辺り一面焼け野原じゃねえか……」

女「今のを防ぐなんて……」

男「はぁ、もっと周りのことも気にしろよ」

女「あんた相手じゃそんなこと気にしていられないわよ。それに最初は私も気を使って肉弾戦にしたでしょ?」

男「あぁ、確かにそうだったな。そっちがその気なら、俺もなりふり構ってられねえな……」

女「なっ、まだ上があるっていうの!?」

男「魔力よ、俺に力を貸してくれ……魔力暴走!」

女「くっ! あれはやばいわね……出でよ! 全てを喰らい尽す我が僕よ!」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:53:27 dPz7fFgY
数時間後


ドガーン! バコーン! ズギャギャギャーン!!

男「はぁ、はぁ、はぁ……そっちはもう限界みたいだな、降参したらどうだ?」

女「はぁ、はぁ……あんたこそ、立っているのがやっとじゃないの?」

男「ばれたか……お互いもう力が残ってないらしいな……」

女「そうみたいね……」

男「次の一撃に俺の全てをかける……!」

女「それなら私もそれに応えるしかないわね……!」

男「……いくぞ!」

女「来なさい!」

男「うおおおおおおおおおおおおお!」

女「はあああああああああああああ!」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:55:46 dPz7fFgY

ドンッ!





ドサッ

男「くっ……俺にはもう攻撃する力が残ってない。俺の……負けだ……」

女「あはは、そうなのね。……なんて、私も同じ状態なんだけどね」

バタリ

男「おい、大丈夫か?」

女「何対戦相手のこと心配してるのよ。……あんたこそ大丈夫なの?」

男「お前も心配してんじゃねーか」

女「あはは、ちょっとやりすぎちゃったかなって」

男「それはこっちの台詞だ」

女「お互い派手にやっちゃったもんね……結局引き分けちゃったけど」

男「そうだな……」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:57:32 dPz7fFgY
男「んよ、っと」

女「ふぅ」

男「もう歩けるくらい回復したのか?」

女「そっちこそ」

男(動けるとはいえ、全身ボロボロだ……着替えてから学園行くか)

男「そんじゃ、俺は行くから」

女「次やる時は私が勝つんだからね!」

男「それはこっちの台詞だ!」


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 18:59:11 dPz7fFgY
男(それにしても引き分け……か。強かったな……)

男(最後に俺が敗北宣言したときに勝利宣言しておけばよかったのに、あいつはわざわざ引き分け宣言して……)

男(案外いいやつなのかもな……それに何気に可愛かったし……)トクン

男(って、あ、あいつは人の話を聞く間もなく襲ってきやがったやつだ!)

男(それに勝負はまだ決まってない! 次会った時は周りに気を使ったりせずに最初から全力全開でいってやる!)


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 19:01:03 dPz7fFgY
女(強かった……。なんとか引き分けられたけど……)

女(あんなに強い人……初めてだった……)

女(それに最後あの男、潔く負けを認める言葉なんて吐いちゃって……ちょっとかっこよかったかな……)トクン

女(って、ち、違う! あ、あんなやつのどこがかっこいいのよ!)

女(つ、次会ったらどこであろうとその場でギッタギタのメッタメタにしてやるんだから!)


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 19:03:34 dPz7fFgY
学校


男友「おー、男が遅刻なんて珍しい。ってかもうすぐ放課後だぞ?」

男「あぁ、ちょっと色々あってな」

担任「静かに! もう帰りのホームルームなのだが……遅刻していた転校生を紹介する!」

クラスメイト「ざわざわ!」

担任「入ってくれ!」

ガラガラ

女「今日から転入することになりました、女です! よろしくお願いします!」

男「お、お前は!」

女「あ、あんたは今朝の!」

 学園中を巻き込んだ戦闘-ラブコメ-が今始まるっっ!!!


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/04/11(土) 19:04:42 dPz7fFgY
おわりです。