1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:24:37.09 ID:ZU0niGCX0
ロック「どういうことだい?ダッチ」

ダッチ「どうもこうもねぇ、boiled fish pasteを運ぶんだ」

ベニー「あー、ロック、そっちの言葉でなんて言ったか……」

ロック「かまぼこ、だろ?」

ベニー「そうそうかまぼこだ」


 

 
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:28:15.05 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「んで、あたしらはどうすりゃいい?」

レヴィ「まさか、練り物工場の敵がマフィアな訳じゃあるめぇよ」

ダッチ「そいつがどうも違うみたいなんだ」

レヴィ「はっ!なんだよ?ホテル・モスクワみてーな奴らがたかだか魚のスリもんを獲物としてみてるってか?」

ダッチ「俺にゃどうもわからねえ、だが……」

レヴィ「ふぅん?まぁもらえるもんさえもらえりゃ何も言わねぇさ」

レヴィ「あんたがいうならなんだってするさ、ボス」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:30:40.81 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「あーあー!かったりいなぁ!」

ロック「そうケンケンいうなよ、レヴィ」

レヴィ「だってよ、ダッチのクソバカ野郎、あたしらにかまぼこを運べだと?」

レヴィ「ふざけんな!お遊びでやってんじゃねぇんだよ!」

レヴィ「天下の海賊が言うに事欠いてかまぼこ?boiled fish paste?!」

レヴィ「ふっざけんじゃあねぇーぞ!!」

ロック「ちょ、わかったから!車を揺らさないでくれ!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:33:16.89 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「ちっ……だいたいロアなプラでかまぼこ作ってるっていうのもおかしな話だぜ」

レヴィ「んなもん作るところくらい腐るほどあんだろーがよ」

ロック「そこなんだ、レヴィ」

レヴィ「あん?」

ロック「そのかまぼこ工場、わざわざ法に触れるようなことをしなくても普通に国外に出荷できる筈なんだ」

レヴィ「……」

ロック「ところがそうはしなかった、これはなにか……臭うぞ」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:35:51.93 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「……まぁ、臭う臭わねーはどうでもいい」

レヴィ「要は魚のすり身運ぶだけで6000ドルだ、法外すぎるぜ」

レヴィ「まぁ、ロック硬いことはなしにしようぜ」

レヴィ「とっととこの仕事を終わらせて」

レヴィ「帰りに一杯引っ掛けるだけでも1日楽しめるってもんさ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:37:52.79 ID:ZU0niGCX0
かまぼこ工場


ロック「ここか……」

レヴィ「あんだよ?誰もいねぇのか?」

レヴィ「おーい!誰かいんだろ!出てこいや!」

ロック「レヴィ!!」

レヴィ「お、出てきた」

工場長「おお、君たちか、例の運び屋というのは」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:39:44.81 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「おいジジイ、責任者はどこだ」

ロック「おい、レヴィ!」

工場長「責任者……というか工場長はこの私です」

レヴィ「あんだよてめえかよ、しけたツラしてんな」

レヴィ「工場回すような顔にゃどうも見えねえ」

ロック「すいません、こいつ口悪くて」

工場長「いえいえ、元気のいいことで」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:42:07.50 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「そりゃそうだ、魚のすり身運ぶだけで金がもらえんだ」

レヴィ「そりゃ心も弾むってもんさ」

ロック「それで、それはどこに?」

工場長「ああ、こっちですよ」




ロック「おや、あれは?」

工場長「ああ、あれは趣味でやってるタバコ畑ですよ」

ロック「タバコ……ですか」

工場長「ええ」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:43:32.69 ID:ZU0niGCX0
工場長「これが例のものです」

ロック「中身を確認しても?」

工場長「ええ、もちろんです」

ロック「すいませんね、仕事上、注文と違うものを運ぶわけには行きませんから」

工場長「お若いのにしっかりしたことで」

レヴィ「ローック!ローック!どこだぁ?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:45:12.30 ID:ZU0niGCX0
ロック「レヴィ!ここだ!」

レヴィ「んだよここ?」

工場長「ホッホッホッ、ここでかまぼこを作ってるんですよ」

レヴィ「くせえ……」

ロック「仕方ないだろ……ナマモノを扱ってるんだから……」

レヴィ「ちげぇよ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:47:45.00 ID:ZU0niGCX0
ロック「え?」

レヴィ「きなくせぇって言ってんだ」

ロック「どういうことだ?」

レヴィ「よく考えてみろよ、ロック お前も思ってたじゃねぇか」

レヴィ「かまぼこ運ぶ程度にしちゃ見あわねぇ報酬だよ」

ロック「それは……」

レヴィ「おいジジイ、よく聞け あたしゃ頭は良くねえが鼻はよく効くんだ」

レヴィ「それこそ狩猟犬なみにな」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:51:15.60 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「どうだ? まだ、両足で立ちたい年だろうよ」

レヴィ「白状するなら鉛玉はこの店の看板にブチ込む程度で我慢してやる」

工場長「そ、そんなこと言われましても……」

ロック「そうだ、レヴィ 商品にも怪しいところはなかった」

レヴィ「おいおい、ロック、お前このジジイの肩持つのか?」

レヴィ「勘弁してくれよ、こいつはな、臭うんだよ…………」

レヴィ「……マフィアのいちもつしゃぶってご機嫌とってるようなイカくせえ匂いがすんだよ!!」バン!!バン!!

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:54:01.07 ID:ZU0niGCX0
ロック「レヴィ!?」

レヴィ「はっ!あれが工場長ってタマかよ 見たかあの身のこなし」

レヴィ「ありゃそこそこの修羅場をくぐってる……まぁ……」

レヴィ「あたしほどじゃねえけどな!!」バン!!バン!!

工場長「なっ……!?」

ロック「ダンボールを!」 


ドンガッシャアン!!

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:56:18.42 ID:ZU0niGCX0
ロック「……ゲホッゲホッ……」

ロック「どうなったんだ……?」

工場長「うう……」

レヴィ「よおジジイ、五秒ぶりだな?」

レヴィ「どうするよ?お前は今かまぼこの下敷きになってるわけだけどよ」

レヴィ「次はお前がかまぼこになってみるか? あん?」

工場長「ひっ……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 07:59:20.06 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「やーっぱ裏があったか」

ロック「……」

工場長「すいません……」

レヴィ「ほら、言っただろうが ロックのスカタン」

ロック「……」

工場長「でも……なんで……金さえ払えば何も聞かずに運んでくれるんじゃ……」

レヴィ「はぁ?何行ってんだ?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:01:49.91 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「おいジジイ、お前ウチのお得意さまのつもりかよ」

レヴィ「いいか?よく聞け 何も聞かねえってのはな、聞く必要もないくらい仕事上の信頼があるってことだ」

レヴィ「てめーみてえな初対面のクソジジイを特別扱いするわけねえだろうが」

工場長「そ……そんな……」

ロック「……工場長……」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:04:39.74 ID:ZU0niGCX0
工場長「は、はい」

ロック「……先程のタバコ畑……あれは……」

レヴィ「あぁ、あれか」

レヴィ「ありゃあタバコじゃねえよな 麻だ」

ロック「そう……あれは少なくともタバコには見えない」

レヴィ「あたし達が日本人に見えて舐めてたか?今どき麻なんて温室育ちのチェリーボーイでも見抜けるぜ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:06:53.63 ID:ZU0niGCX0
ロック「何故……あなたはこんなことを?」

工場長「それは……」

レヴィ「よせよせ、やめとけロック どうせそいつは口を開かねーよ」

レヴィ「開いたが最後、自分ちが海の上にお引越しだ」

ロック「おそらく、裏で手を引いてるのはマフィアですね?」

工場長「……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:09:20.31 ID:ZU0niGCX0
ロック「……ホテル……モスクワ……ですか?……あるいは三合会?」

レヴィ「おい!ロック滅多なこというんじゃねぇよ!姉御やチャンのおっさんなら偽ったりはしねえよ!」

ロック「いや、言ってみただけだ、すまない」

ロック「それで……手を引いてるのは一体…」

レヴィ「……」

レヴィ「けっ、くだらねぇ、どいてろロック」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:12:00.49 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「おいジジイよく聞けよ?」

レヴィ「あんたはあたし達に依頼内容を偽ったな?」

レヴィ「頂けねぇ、実に頂けねぇよ」

レヴィ「この世界で自分に関することを偽るってのは絶対やっちゃいけねぇんだ」

レヴィ「わかるか?だからお仕置きしなきゃなあ?」

レヴィ「……三秒やるよ……神とやらに祈りな……居るもんならな」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:14:26.60 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「……3……」

レヴィ「……2……」

レヴィ「…………1…………」

工場長「……ひぃっ……!」

?「待て!」

レヴィ「あん?」

ロック「誰だ?!」


1 ダッチ
2 バラライカ
3 エダ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:14:57.54 ID:ZU0niGCX0
ミス>>45

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:16:05.45 ID:BXuXAr4CP
3しかないだろ

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:19:23.75 ID:ZU0niGCX0
え?3でいいの?安価下

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:24:35.08 ID:ZU0niGCX0
エダ「待て!」

ロック「え、エダ!?」

レヴィ「チッ……なんのようだよ暴力シスター」

レヴィ「まさかこんなジジイにも手を差し出すようなお寒い協会なのか?」

エダ「はっ!神に祈る間を……とか言ってたやつが良く言えたなトゥーハンド!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:26:52.47 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「うっぜぇな……会いにいくか?その神によ」

エダ「ハハハッ!冗談すぎるねぇトゥーハンド!」

エダ「でもその男は渡してもらうよ」

レヴィ「ああ?なんでだよ?」

エダ「いいから渡せってんだよ」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:28:59.98 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「てめぇ……薬のやりすぎで気でも狂ったか?」

エダ「いーや、あんたよりは正常さトゥーハンド」

エダ「さぁ渡すのか?渡さないのか?」

レヴィ「上等だ……全身真っ赤に染めてやるよ」

エダ「……」

ロック「ちょ、ちょ、ちょっと!まって!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:31:41.18 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「どけ!ロック!」

ロック「まってくれ!」

ロック「なぁシスター・エダ!なんであんたはこの男を連れていこうとするんだ?」

レヴィ「やめとけ、ロック、時間の無駄だ」

レヴィ「おおかた、コイツの作ってる薬が欲しくて交渉するんだろうよ」

ロック「なあ!シスター・エダ!」

ロック「これじゃ僕らも納得がいかないんだ」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:33:47.98 ID:ZU0niGCX0
エダ「チッ……」

エダ「……わかった……わかったよ!話せばいいんだろ!」

ロック「……」ホッ

エダ「はぁ……実はよぉ……」

エダ「その男、うちの取引先の元社長なんだよ」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:37:05.91 ID:ZU0niGCX0
ロック「元社長……?」

エダ「そうだよ……コーポレーション・シーフードっつってな、はぁ……」

ロック「でも、なんで元社長が……」

エダ「知らねぇよ……ただその取引先の奴らが元社長のところに物があるってんでよ」

エダ「金んなる物がよ……」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:39:35.00 ID:ZU0niGCX0
ロック「金になる……もの……」

エダ「で、来てみたはいいが……こりゃあ……」

レヴィ「薬だよ、薬」

エダ「あん?まじか?」

レヴィ「そうだよ、こいつロアナプラで結構な量さばいてるらしい」

エダ「へえ……」

レヴィ「どうだよ?分かったか?迷惑子産むんのは、あたし達だけじゃないんだよ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:41:48.82 ID:ZU0niGCX0
エダ「まぁ、こりゃあシスター・ヨランダに言う必要もねえわな」

レヴィ「そうだろ」

工場長「……えっと?」

エダ「おい、こぎたねえオッサンよく聞け」

エダ「あたしはシスター・ヨランダにあんたを生きて連れて来いと言われてる」

エダ「お得意様が減るのはこっちも勘弁だからな」

工場長「……それじゃ……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:45:05.63 ID:ZU0niGCX0
エダ「だが、あんたのそれはうちにとってお得意様をひとつ失うのよりはるかに損だ」

エダ「わかるか?」

工場長「……いや……?」

エダ「……」

工場長「えっ?……どういう……?」

エダ「あたしが来たときあんたはどういうわけか自殺したあとだったってことだよ」

パァンッ……

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:47:45.53 ID:ZU0niGCX0
エダ「チッ……手間ぁ取らせたね」

レヴィ「全くだ……ホントならあたしがやってたのによ」

エダ「悪かったっていってんだろしつこい女だね」

レヴィ「あんだと?下の穴以外からも赤いもん垂れ流してみるか?」

エダ「おー?やってみろよ猪女」

レヴィ「……」

エダ「……」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:50:35.01 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「虚しいな……」

エダ「ほんと……」

レヴィ「おい、ロック!ローック!」

レヴィ「もうこんな時間だ!帰ろうぜ!」

ロック「ん、あ、ああ……」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:53:29.26 ID:ZU0niGCX0
BAR


レヴィ「ったくくだらねぇ一日だったぜ!」

レヴィ「かまぼこ運びだと思いきやあぶねぇもん運ばされるとこだったしよ!」

レヴィ「こりゃあダッチにも小遣いもらわなきゃいけねえな!」

ロック「だ、だいぶ酔ってるな……レヴィ」

レヴィ「酔わなきゃやってられねぇよ!なんの報酬もねぇんだぞ!?」

ロック「仕方ないだろ……」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:55:57.49 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「そういやあのジジイどこにやくかくしてやがったんだ?」

ロック「ああ……それは簡単だよ」

レヴィ「あん?」

ロック「かまぼこの板だよ」

レヴィ「いたぁ?」

ロック「麻薬を粉状にして、ゼラチンで固めて色を塗るだけさ」

レヴィ「ふーん、どうでもいいや、くだらねえ」

ロック「自分で聞いたんじゃないか」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:58:53.89 ID:ZU0niGCX0
レヴィ「それにしても疲れた日だったな!あーあ!かったりい!」

ロック「まぁ、そういうなよ…………あ」

レヴィ「あ?」

ロック「日本にはこういうときにぴったりの表現があるぞ」

レヴィ「……なんだよ?」

ロック「身を粉にしてはたらく」








レヴィ「は?締めのつもりかよそれ」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/27(木) 08:59:36.11 ID:ZU0niGCX0
終わり