1: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:10:23.62 ID:5QHttvD20
~生徒会室~

絵里「撮影?」

希「そうなんよ。吹部で、定期演奏会があるらしいんやけど、その様子をカメラで撮ってくれって頼まれたんや」

絵里「…吹部の人員を割けばいいんじゃないの?」

希「えっとな…?μ’sもカメラ私物化してるし、ついでにお願いしますって言われちゃって…」

絵里「なるほど、言い返せないわね」

希「と、いうことでウチとえりちで体育館のキャットウォークに上がって、その様子を撮影しようかなぁって」

絵里「キャットウォークって確か体育館の上の両脇にある細い通路のことよね?」

希「そ。だから大人数で行くのもなぁ」

絵里「確かにそうねぇ…」



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引用元: 絵里「キャットウォークとカメラと希」 


 

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2: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:14:42.92 ID:5QHttvD20
希「で?えりちは大丈夫?」

絵里「まぁ…別にいいけど」

希「ちょっと狭いし、暗かったりもするよ?」

絵里「わ、私をなんだと思ってるのよ!」

希「お化け屋敷入るの怖がってたえりちが言うの?」

絵里「うっ…」

希「まぁ大丈夫そうやね、良かった。ありがとえりち」

絵里「ま、まぁ…希と二人、でしょ?悪い気はしないわよ」

希「ほう、えりちったらうれしい事言ってくれるやん」

3: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:20:19.31 ID:5QHttvD20
絵里「…恋人、でしょ?」

希「それもそうやね。でもこんな可愛いこと言ってくれる彼女だなんて、ウチは幸せ者やなぁ」

絵里「…やめてよ」

希「でもな~そんな可愛いえりちに一つ言っておかないといけないことがあるんよ」

絵里「?」

希「キャットウォークでは、動画を撮ってるわけやん?」

絵里「そうね」

希「つまりな、音立てたらアカンのよ」

絵里「なるほど」

希「だからおしゃべりは禁止、やで?」

絵里「ええ、分かったわ」

希「え~えりち寂しがってくれへんの?」

絵里「…!?何言ってるのよ!」

4: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:24:27.25 ID:5QHttvD20

~体育館~

希「…いけた?」

絵里「ええ、線はつないだわ」

希「ありがとえりち。じゃあ上にあがってきて?」

絵里「ねぇ、希?」

希「ん?」

絵里「キャットウォークと下のコンセントを繋ぐのに二人いるのは分かるんだけど…」

絵里「私が上にまで上がる必要があるかしら…。私、カメラとか分からないわよ?」

希「…。まぁえりち、あがってきて?」

絵里「分かったわ」

5: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:31:09.54 ID:5QHttvD20
~キャットウォーク~

絵里「さすが希ね。綺麗にステージ全般が入ってるじゃない」

希「まぁ、これくらいはね。取材とかいってたわけやし」

絵里「やっぱり私がいる意味ってあるかしら…」

希「なぁ、えりち?」

絵里「どうしたの?」

希「ウチと一緒に居てほしいって理由じゃ…アカン?」

絵里「…!」(カァッ

希「せっかく演奏聞くならえりちと一緒のほうがいいやん?」

絵里「そ、そう?ありがとう」

希「あ、でも今イチャイチャしておかな演奏始まったら何もできへんなぁ」

絵里「…せっかくちょっといい雰囲気だったのに」


6: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/13(木) 22:37:36.61 ID:5QHttvD20


希「…そろそろ始まるみたいやね」

絵里「ええ。そういえばズームとかはしなくてもいいのかしら?定位置にカメラが固定だけど」

希「ああ、それはソロパートになったらズームする感じかな」

絵里「え?じゃあカメラの前に私がいるのってまずいんじゃ」

希「ええよ別に。今から動くのも面倒やしね」

絵里「…そう?」

希「…お、始まったみたいやね」●REC

8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 22:22:33.63 ID:EuQsZrSY0
絵里「…」

希「…」

絵里「…」

希「…」

絵里「…」(…え?本当に暇じゃない…どうしたものかしら

絵里「うっ…さむいっ…」(ボソ

希「えりち、寒いん?」

絵里「ええ…上ってこんなに寒いのね…」(ひそひそ

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 22:28:57.72 ID:EuQsZrSY0
希「ああ…人が集まってあったかくなったりしないから寒いんよ」

絵里「…セーターでも持って来ればよかったわ」

希「…」(ギュッ

絵里「…!!」(ガタッ

希「もう、アカンやんえりち。音立てたら動画に入ってまうやん」

絵里「そ、そういう問題じゃ!?」

希「えりち寒いんやろ?こうしたら寒くないし、ウチもカメラと近くなるからズームしやすいやん」(ニヤニヤ

絵里「た、楽しんでるでしょ…」

10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 22:34:42.71 ID:EuQsZrSY0
希「なんのことかウチには全くわからんわ~。あ、えりちの髪、綺麗やな…」(スッ

絵里「…!」

希「…」

絵里「あ、ソロじゃない。私にかまってないでズームを…」

希「してるよ?」

絵里「嘘…でしょ?」

希「そうや、ウチも、もっとえりちにズームしよっか」

絵里「な、何言って…」

希「…」

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 22:39:14.90 ID:EuQsZrSY0
絵里「…!」(近い近い近い!

希「…えりち」(チュッ

絵里「の、希?!」(ガタン

希「もう…アカンっていうてるやん」

絵里「の、希がこんなことしなきゃいいんでしょ!」

希「う~ん…だってえりちがこんなに可愛いのに…」

絵里「かわっ…。じゃなくて時と場合ってのがあるじゃない!」




12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 22:42:18.42 ID:EuQsZrSY0
希「えりちと二人きり、少し暗くて狭い通路。こんな時と場合でえりちはウチに近づくなって言うの?
  酷な話やわ~」

絵里「…か、カメラがあるじゃない」

希「それはちゃんと撮ってるやん。あ、ソロやな」

絵里「…なんでそんな離れ業が出来るのよ」

希「えりちへの愛のスピリチュアルパワ―や!」

絵里「…」

希「そ、そんな冷たい目で見んといてよ照れるやんっ」

絵里「対応が間違ってはいない?」

13: ◆Z.i5r/.QfZVi 2014/03/14(金) 22:47:28.62 ID:EuQsZrSY0
希「そう?」

絵里「…はぁ」

絵里「もういいわよ、好きにして」

希「ふふっ、ありがとえりち」

絵里「…カメラはちゃんと回しなさいよ?」

希「当たり前やん…。好きやよ、えりち…」

絵里「…私もよ、希」


この後、吹部が自分たちの演奏を聴いて赤面したのは、また別の話。

終われ