1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:11:14.39 ID:aJ6N0IvKo
――― トゥアハー・デ・ダナン ―――


ウィーン

宗介「大佐殿、失礼します」ビシッ

テッサ「相良軍曹、お忙しい中すいません」

宗介「いえ、大佐殿の召集とあれば例えヘルマジスタンに居ようとも駆けつけます」

テッサ「ウフフ、相良軍曹の様な方がいて助かります」

宗介「恐縮でありますマム」

テッサ「実は、相良軍曹をお呼びしたのには訳があるんです」

宗介「任務…で、ありますか?」

テッサ「まぁ、そうなのだけれど……相良軍曹、ISを動かしたというのは本当かしら」

宗介「肯定であります。前の作戦にて、テロリストの基地から回収した物を自分が触れたところ起動しました」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396527074

引用元: 宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」

 

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2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:12:25.48 ID:aJ6N0IvKo
テッサ「相良軍曹は、ISについて知っていますか?」

宗介「はッ、基本的な事は……」

テッサ「ISは、女性にしか扱う事が出来ない特殊な兵器です。そのせいで、女尊男卑なんて風潮が世界に広まってしまうほど……」

宗介「ですが、我々ミスリルには不要な物であります。兵器としての定義から逸脱し、テロリストも未だにASを使用する事も多い」

テッサ「そうですね。私も、相良軍曹と同意見です。量産性が乏しく、使用者が限定される兵器には疑問を覚えます。それでも、実際に各国軍事部門はASからISへの移行を計っています。そして、ISの存在が戦争の抑止力になっている……それほど強力な兵器なんです」

宗介「…………」

テッサ「もちろん、デメリットもあります。各国が、ASの開発・量産から手を引いたせいでASの開発・量産を行っていた人達が職を失いテロリストに拐われてテロに使うASを作らされているなんて事もありますし、ASを横流ししている某国の例もあります」

3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:13:44.89 ID:aJ6N0IvKo
テッサ「ISは、私達ミスリルにとって頭痛の種でもあるんですよね……」

宗介「あの、大佐殿……そのISと自分の任務に何か関係が……?」

テッサ「あ、話が逸れてしまいましたね。強力な兵器でもあるISですが、相良軍曹の言うように兵器としてはまだまだ改善点がある。とくに、使用者が限られるというのは兵器にとって重大な欠陥と言って良い。だから、色んな組織が躍起になってその改善点をどうにかしようと画策しています」

宗介「なるほど、つまり男でISを起動させた自分が狙われる可能性があるという事ですね」

テッサ「ええ、そうです。ですが、相良軍曹はミスリルにいる限り安全です。私達が全力で守りますもの」

宗介「自分も新兵ではありません。テロリストに遅れをとる事はないでしょう」

テッサ「ウフフ、頼もしいですね。ですが、相良軍曹の様に安全を約束された立場ではない人もいるんです」

宗介「つまり、護衛任務という事でありましょうか?」

4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:14:52.73 ID:aJ6N0IvKo
テッサ「察しが良くて助かります。相良軍曹には、とある少年を護衛していただきたいんです」

宗介「了解しましたマム。装備Bの使用許可を願います」

テッサ「いえ、ASは使用せず、単独任務でお願いしたいの」

宗介「単独任務でありますか?」

テッサ「チームでの作戦行動がほぼ不可能で、かなり限定的な状況になると思うので……引き受けてくれますか?」

宗介「肯定であります。自分は、プロフェッショナルであります」

テッサ「相良軍曹、ありがとうございます。出来る限りのバックアップはしますが、難しい任務になると思います。常時、不測の自体に備えて行動してください」

宗介「了解しましたマムッ!」ビシッ

テッサ「では、カリーニン少佐から詳細なブリーフィングを受けてください」

宗介「失礼します!」スタスタ

ウィーン

5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:15:37.97 ID:aJ6N0IvKo
テッサ「……ふぅ」

テッサ(相良さんが、ISを起動させたのを見計らった様にリークされたとある少年IS適性者とその少年を狙うテロリストの情報……)

テッサ(どうにも引っ掛かるけれど、調査に進展がない以上はこうするしかない。相良さんには、厄介な任務を押し付けちゃったかな……)

テッサ(IS学園……女性しかいない学園……)

テッサ「今は、私に出来る事をやりましょう。力を尽くせば相良さんも楽になるはずだわ」

ウィーン

マデューカス「お呼びでしょうかテスタロッサ艦長」

テッサ「マデューカスさん、待ってました。実は、少し協力をお願いしたいんですけど……」


―――
――

6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:20:55.79 ID:ZciosQmNo
――― IS学園 ―――

一夏「織斑一夏です!」

山田「…………え?それだけですか?」

一夏「そうですけど?」

山田「え、あ、そうですか……」

千冬「まったく……自己紹介なのだからもっと話す事があるだろう……」

山田「えっと、じゃあ、次の方」

宗介「はッ!!」

千冬(あれが、一夏以外にISを起動させた男か……。入学試験の成績は中の上。教官との戦闘も特に目立ったところはなく、可もなく不可もなく。ここまで、器用に平均値とは)

宗介「相良宗介軍曹であります!!」ビシッ

山田・千冬「「へ!?」」

一夏「……軍曹?」


「軍曹ー?なにそれ?」
「オタクってヤツじゃない?」
「羽柴筑前守秀吉みたいなノリでしょ?」


宗介「あ、いえ、忘れてください。相良宗介であります」

7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:21:42.21 ID:ZciosQmNo
「はいはーい!質問良いですかー?」

山田「え、あの、えっと……」

千冬「……はぁ」コクッ

山田「じゃ、じゃあ、あまり騒がしくならない様にね?」

「織斑くん、織斑先生の弟って本当?」

一夏「あ、うん」


「キャーすごーい」
「じゃあ、強いって事だよねー」


「はいはーい!相良くんの趣味はなんですか?」

宗介「釣りと読書であります」

「どんな本を読むんですかー?」

宗介「面に、軍事関連の書物を読みます。AS全巻やマンスリーアームスレイヴ、ソルジャーオブフォーチュンなどは購読しておりますし、日本の月刊 SDFなどは大衆向けに発刊されておりながら自衛隊に関して情報が事細かに記載されており良く出来ていると思います。また、IS学園に入学するにあたりIS関連の書物も取り寄せて読もうかと……」

シーン

宗介「……忘れてください」

8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:22:36.91 ID:ZciosQmNo
一夏(なんか、相良って面白いヤツだな)

山田「あ、えっと、もう質問は無いようなので二人とも席についてください」

一夏「はい」

宗介「はッ!」

一夏「隣の席だな。よろしくな!宗介って……呼んで良いか?」

宗介「かまわない」

一夏「それじゃ改めて……よろしくな宗介!いやー男が俺一人だと思って不安だったんだよ。宗介が居て正直安心した」

宗介「そうか」

箒「…………」チラッチラッ

宗介(あの女、織斑一夏を見ているな……怪しい)

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:23:20.97 ID:ZciosQmNo
~ 休み時間 ~

一夏「あ~疲れた~!宗介、購買いって見ようぜ!!」ガタッ

宗介「了解した」

一夏「おう!」スタスタ

箒「……おい」ガタッ

一夏「ん?」

宗介「くッ、やはりか!」

箒「お前、織斑いち」

グィ バタンッ チャキッ

箒「い、痛ッ!相良ッ!!いきなり何をする!?」

宗介「動くな。動けばお前の頭を撃ち抜く事になる」


「え、なになに?」
「なんか相良くんが、篠ノ之さんを組伏せてるの!」
「キャー大胆!!」


一夏「お、おい、宗介?」

宗介「答えろ。なぜ、織斑一夏をチラチラ見ていた」ゴリッ

箒「そ、それは……」

宗介「織斑一夏の命を狙っていたのか?」

箒「な、なぜ私が一夏の命を狙わなければならないんだ!!」

10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:24:34.63 ID:ZciosQmNo
山田「な、何事ですか!?」

「山田先生、相良くんが……」

宗介「では、なぜだ。10秒の猶予をやる。答えろッ!」ゴリッ

箒「ちょ、い、痛い!!」

一夏「そ、宗介、やめろって!」

宗介「10、9、8、7……」

箒「わ、私が一夏と幼なじみだからだッ!!」

宗介「……本当か?」ゴリッ

箒「い、痛い!本当だ!!なぜ、嘘をつかねばならん」

宗介「織斑、本当か?」

一夏「あ、いや、顔見てないから分かんない……」

宗介「織斑は知らないと言っている。嘘は自分のためにならんぞ」チャキッ

箒「か、顔を見せればわかるッ!本当だ!!」

宗介「……どうだ?」グィ

箒「い、痛いと言ってるだろう!髪を引っ張るなッ!!」

一夏「ほ、箒!?宗介!こいつ、本当に俺の幼なじみだよ!!」

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:25:50.51 ID:ZciosQmNo
宗介「…………」

箒「く、くそ……いったいなんなんだ……」

宗介「人間とは間違える生き物だ。今回は、良い教訓になった」キリッ

千冬「教訓で済むか!」バキッ

宗介「……!?」ドンガラガッシャン

一夏「そ、宗介ーー!?」

千冬「山田先生が急に助けを請いに来て何事かと来てみれば……相良、お前は何をやっている!!」

一夏「そ、宗介大丈夫か!?」

宗介「問題ない」ムクッ

千冬「説明しろ相良ッ!!」

宗介「はッ!ホームルームの折、篠ノ之が織斑に怪しい視線を向けておりましたのでてっきり織斑に危害を加える機会を計っているものと思い制圧した次第であります!!」ビシッ

千冬「そんな訳がないだろうが!ここは、世界一安全なIS学園だぞ!!」

宗介「教官、お言葉ですが、どのような事にも絶対などと言う事はなく、何事に対しても万全をきすのがプロフェッショナルかと」

千冬「戯れ事は良い!!」

宗介「イエス、マムッ!!」ビシッ

12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:27:04.99 ID:ZciosQmNo
千冬「相良ァ!お前は職員室に来いッ!!」

宗介「イエス、マムッ!!」ビシッ

千冬「それはやめろ!私は先生で、お前の上官ではないッ!」

宗介「了解しましたッ!」ビシッ

千冬「他の者も野次馬をしていないでさっさと席に着けッ!!」

一夏「ち、千冬ねぇ……」

ゴンッ

一夏「痛っ!?」

千冬「この場では先生と呼べ」

一夏「す、すいません先生……あ、あの、宗介も悪気があったわけじゃないと思うからあんまり叱らないでやってくれませんか?」

千冬「ふぅ、考慮しよう。来い、相良ァ!!」ズルズル

宗介「はッ!了解であります!!」

13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:27:55.89 ID:ZciosQmNo
――― 職員室 ―――


千冬「まったく……入学早々、問題を起こしおって……」

宗介「恐縮であります!」ビシッ

千冬「お前は……第一、なんで学園内にこんな玩具を持ち込んでいるッ!」

宗介「教官、それは玩具ではなくベレッタM92であります!」

千冬「銃の種類を聞いてるんじゃない!なぜ、持ち込んでいるかと聞いているんだッ!!入学の際の持ち物検査をお前は受けていないのか」

宗介「受けましたが?」

千冬「じゃあ、なぜ!!」

宗介「担当教官と銃器談義に花が咲き、持ち込みを許可された次第であります!」ビシッ

千冬「その教官は誰だァーー!!」


Y田『ヘックシッ!』ズビズビ

14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:28:47.55 ID:ZciosQmNo
千冬「……はぁ、もう良い。お前はちゃんと篠ノ之に謝っておけ」

宗介「了解しましたッ!!」ビシッ

千冬「お前には、まだ聞きたい事がある。お前の情報を確認していたのだが、どうにも得心がいかない点がいくつかある」

宗介「…………」

千冬「まず、お前の養父の名……ソリッド・スネークとは本名か?」

宗介「肯定であります」

千冬「……にわかには信じられんが、嘘をついてる様子はないか。次、お前は中学の時分は転校を繰り返していたようだが何処にいた」

宗介「アフガン、レバノン、イラク、ヘルマジスタン」

千冬「それは冗談ではないだろうな?本当なんだな?」

宗介「肯定であります!」

千冬(養父が海洋貿易の仕事をしているらしいから海外を転々としていただろう事は察せられるが、こうも中東ばかりに行くものなのか?しかも、どこも紛争地帯……)

宗介「織斑教官?」

千冬「ああ、すまない。分かった。下がって良い。ちゃんと篠ノ之に謝っておけよ?」

宗介「イエス、マムッ!失礼します」スタスタ

15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 21:29:42.88 ID:ZciosQmNo
千冬「相良宗介……」

千冬「ヤツはどうにも気になる……」

千冬「立ち居振舞い、言動が他の生徒とは違いすぎる。いや、個性と言ってしまえばそれまでだが……だとしたら
、この入学時の妙に平均値な成績は逆に無個性。まるで、目立たない様にしてる様な……それなら今回の様な目立つ行動はしないか……」

千冬「篠ノ之を危険人物と誤解して制圧したのも紛争地帯を転々としているうちに身に付いた防衛本能とも言えなくはないだろうが……何故、一夏を守るためと言った?言い訳か?」

千冬「いや、その前に篠ノ之は剣道の有段者。いくら相手が男子とは言え、そう簡単に組伏せられるものか?」

千冬「……私の考え過ぎか?」

ガラッ

山田「織斑先生!相良くんが、織斑くんを脅かそうとした生徒を投げ飛ばしましたッ!!」

千冬「相良ァーー!!」ガタッ

47: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:02:25.48 ID:uRaI9yUGo
~ 昼休み ~

箒「い、一夏!」

一夏「ん、箒か。なに?」

箒「ひ、久しぶりに会ったのだから話さないか?」

一夏「おう、いいよ。学食行くか」

箒「あ、ああ!」

一夏「しかし、久しぶりだなぁ。まさか、箒に会うなんて」

箒「それはこっちのセリフだ。まさか、IS学園で一夏と会うとは思わなかった」

一夏「ま、そうだよな。誰も男の俺にIS適性があるなんて思わないもんな」

箒「でも、一夏に会えて良かった。お前は、変わらないな。いや、背がだいぶ伸びたか」

一夏「箒は、変わったな。前よりずっと可愛くなったよ」

箒「……か、可愛い///」

一夏「ん?どうした?」

48: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:04:15.20 ID:uRaI9yUGo
――― 学食 ―――

一夏「あっち座ろうか」

箒「ああ」

一夏「あ、宗介!おーい、宗介!!」

箒「……げッ」

一夏「宗介も一緒で良いか?」

箒「……あ、ああ」

一夏「こっちこっち!随分、千冬ねぇに絞られたみたいだな」

宗介「肯定だ」

一夏「千冬ねぇは厳しいからなぁ……」

宗介「しかし、熱心な方だ。織斑教官が担当教官で俺達は幸せかもしれん」

一夏「ははは、幸せは大袈裟じゃないか?」

箒(相良のヤツ、なぜこんなに一夏に馴れ馴れしいんだ!?というか一夏も一夏だ!幼なじみに久しぶりにあったのだからもう少し気を使ってくれても……)

49: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:04:57.86 ID:uRaI9yUGo
一夏「そう言えば、宗介って前は海外に居たんだよな?」

宗介「肯定だ」

一夏「なんて国に居たんだ?」

箒(別に相良の事なんか興味ない。それよりも私と話をしてくれ……一夏……)

宗介「アフガンに居た」

一夏「アフガンってアフガニスタン?」

箒(一夏はなんで私にあんな事したヤツを平気で許しているんだ?相良も謝罪もせず、のうのうと私の前に良く顔を出せたものだな!)

宗介「肯定だ」

一夏「へぇ、アフガニスタンか。どんな場所だった?」

宗介「……悲惨だった」

一夏「悲惨って?」

宗介「……テロなどは日常茶飯事。外に出るのにも顔を隠し、銃器を携帯せねば己の命が危うい。放置されたテロ犠牲者の遺体からは腐臭が漂い、耐性がない者などは一時間もいる事は出来ない。俺もいくつか戦場を見てきたつもりだったが、あの場所は少し異様だった」

一夏「……宗介はそんな大変な場所にいたのか……なんか、ごめんな」

50: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:06:45.56 ID:uRaI9yUGo
宗介「なぜ、謝罪する」

一夏「あ、いや、なんか気安く聞いてさ……宗介に嫌な事を思い出させちゃったかなって……」

箒「…………」

宗介「かまわない。確かに悲惨な状況ではあったが、そこに住む人達は前を向き懸命に生きていた。寧ろ俺は、そんな人達がいることを知ることが出来て良かったと思っている」

一夏「宗介って凄いヤツだな……俺ならきっとそんな風には受け止められないよ……」

宗介「受け止め方は人それぞれだ。どう、受け止めようとかまわない。そう言う現実があるという事を知るこそ事こそ大事なんだ」

一夏「そうだな……俺、宗介からそう言う話を聞けて良かったよ!」

宗介「織斑一夏、お前は良いヤツだ」

一夏「宗介もな!俺達、良い友達になれそうだ!!」

箒「…………」ガタッ

一夏「箒?」

箒「……ちょ、ちょっと花を摘みに」スタスタ

51: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:08:49.06 ID:uRaI9yUGo
箒「な、なぜ、あんな話をする!まるで私の器が小さいみたいではないか!!」

箒「……はぁ」

宗介「篠ノ之」

箒「ふぁっ!?さ、相良か?どうした」

宗介「あんな事をしてすまなかった」

箒「え、あ、ああ……」

宗介「勘違いとは言え、軽卒だった。今後はあの様な事がない様に善処する。すまない」

箒「……いや、いいんだ。お前に、勘違いをさせてしまった私にも非があると思う。だから、許す」

宗介「助かる。俺は、先に教室に行く」スタスタ

箒「あ、ああ……」

一夏「宗介、良いヤツだよな」

箒「い、一夏!?」

一夏「宗介も悪気があったわけじゃないと思うんだ。俺からも謝るから許してやってくれ」

箒「な、なぜ、頭を下げる!?私は、もう相良を許したよ……(あんな話を聞いて許さないわけにはいかないだろ……はぁ)」

53: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:32:21.61 ID:YEwvplaMo
~ 放課後 ~

一夏「宗介と部屋一緒だってよ!」

宗介「そうだな」

一夏「なんかワクワクするな!友達の家に泊まりに行く時みたいだ。あ、この部屋だぞ」

宗介「待て、織斑!」

一夏「ん、どうした?」

宗介「やはり、誰かいる……織斑、下がっていろ」

一夏「え?お、おう」

カチャ ピンッ コロコロ

一夏「何を入れたんだ?」

ボフンッ

一夏「け、煙が出てきたぞ!?」

宗介「スモークグレネードだ」

カ,カジカ ニ,ニゲナキャ

宗介「……出てくるぞ」

一夏「……え!?」

55: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:33:06.89 ID:YEwvplaMo
ガチャ

「ゲホッ、ゲホッ……い、いったい何が!?」

グイッ バタンッ チャキッ

「い、痛ッ!な、なんなんだ!?」

宗介「俺達の部屋に忍び込んで何をしていた。答えろ」

「も、もしかして、相良か!?」

宗介「なぜ、俺の名を知っている」

一夏「……あー、宗介。お前が取り押さえる人……箒だ」

宗介「なに?」グイッ

箒「か、髪を引っ張るなと言っているだろ!!」

宗介「…………」

一夏「あは、あははは……」

宗介「……すまん」

箒「許さん!!」バコンッ


―――
――

56: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:34:09.29 ID:YEwvplaMo
~ 翌日 ~

一夏「宗介、昨日は散々だったな。箒に殴られるし千冬ねぇには殴られたあと説教されるし」

宗介「…………」

一夏「まぁ、気にすんなよ。失敗は誰でもあるしさ」

宗介「……すまん」

一夏「別に謝んなくて良いって!でも、宗介ってなんであんなに武器いっぱい持ってるんだ?千冬ねぇに持ってる玩具全部出せって言われた時、次々と出てきたじゃん」

宗介「それは……」

一夏「あ、言いたくないなら言わなくて良いよ。何となく分かるし……危険な場所に居たからあれくらいの備えするのは当たり前なんだよな……」

宗介「あ、ああ……」

一夏「宗介、IS学園は安全な場所なんだからそんなに気を張らなくて良いんだぜ?」

宗介「了解した」

57: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:34:54.38 ID:YEwvplaMo
一夏「あ、箒、おはよう」

箒「一夏か。おはよう」

宗介「篠ノ之、昨日はすまなかった」

箒「……ふんッ」プイッ

一夏「おい、箒!」

宗介「織斑、かまわん。二度と篠ノ之には迷惑をかけないと約束した矢先のあれだ。明らかに俺の過失だ」

一夏「でもさ……」

?「ちょっとお二方、よろしくて?」

一夏「ん?」

宗介「なんの用だ」

?「まぁ!なんですのその態度!!私に話しかけられたのですから、それ相応の態度をとるのが当たり前ではなくて!?」クドクド

宗介(こいつの声、どこか既視感を覚える……)

一夏(あー、なんかめんどくさいなぁ)

58: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:36:05.30 ID:YEwvplaMo
?「お二方、聞いてますの!?」

一夏「え、うん、聞いてる聞いてる」

宗介「すまないが、君は誰だ」

?「あなた方、私の事を知らないのですか!?」

宗介「織斑、知ってるか?」

一夏「え、えっと……セシ、セシリー?」

セシリア「セシリア・オルコットですわ!イギリス代表候補生で専用機持ちの私の事を知らないなんて愚かな事この上ないですわね」

宗介「織斑、代表候補生とはなんだ?」

一夏「え、えっと……その国のIS適性者の代表って事だと思うけど……」

宗介「なるほど……では、専用機持ちとはなんだ?専用機とはワンオフ機という事か?」

セシリア「あなた方、私の話をお聞きなさい!!」

59: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:36:47.18 ID:YEwvplaMo
箒「……はぁ」

セシリア「篠ノ之さん、何か文句でもあるのですか!?」

箒「オルコット、そこの天然二人に何を言おうと無駄だ。それより、早く席に着かんと織斑先生に叱られるぞ」

セシリア「ふんッ、確かに愚かなお二方とお話した所で何の得にもなりませんわね」

宗介「彼女は、なぜあんなに怒っているんだ?」

一夏「さぁ……でも、ちょっとカチンと来たな」

宗介「そうか?」

一夏「だって、愚かとか言われてたんだぜ?カチンと来ないのか!?」

千冬「確かに、既に私の授業が始まっているのに堂々と大声で会話されるとカチンと来るな」

一夏「ゲッ!?千冬ねぇ!」

千冬「さっさと席に着かんか!馬鹿者!!」ゴツンゴツン

61: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:38:18.17 ID:YEwvplaMo
一夏「」プスプス

宗介「」プスプス

千冬「さて、授業に入る前に再来週行われるクラス対抗戦の代表を決めたいんだが……」

宗介「織斑教官!」ガタッ

千冬「なんだ、相良」

宗介「クラス対抗戦とは何の事でしょうか」

千冬「同学年で代表を決めて優劣を競うんだ。代表になったものは謂わばクラスの長として生徒会活動等にも参加してもらう事になる」

宗介「なるほど、指揮官を決めるという事か……」

千冬「間違ってはいないが……まぁ、良い。それで、自薦他薦を問わず」

「はいはい!織斑くんが良いと思います!!」
「自分は、相良軍曹が良いと思うであります!!」

千冬「まったく……私の話を遮るな……いや、良いんだが……他にないか?なければ」

セシリア「ちょっとお待ちになってくださいませんか!?なぜ、男性であるお二方を推挙なされたのですか!一年間、全校に恥を晒す事になりましてよ!!」

62: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:39:20.60 ID:YEwvplaMo
一夏「ちょっと待てよ!なんで、男がクラス代表になれば恥になるんだよ!!」

セシリア「ISとは本来、女性が扱う物ですわ。男性の様な野蛮な者が扱って良いものではありませんわ」

一夏「なんだよ!その理屈はおかしいだろ!!」

セシリア「第一、後進国の愚かなお猿さんごときがISを扱うって事自体、由々しき事態だと思いますが?」

バンッ

箒「おい、オルコット!そこまで言う必要はないだろ!!」

セシリア「あら?事実ではなくって?」

一夏「あったまきた!!」

千冬「おい、お前ら落ち着かんか!」

63: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:40:35.46 ID:YEwvplaMo
ワーギャーワーギャー

千冬「おい、貴様らッ!いい加減にしないと」

ズドンッ

一・セシ・箒「「「!?」」」

宗介「3人とも落ち着け」

箒「だ、だが……」

宗介「上官の制止もきかず、下士官同士で口論を続けるならば除隊されても仕方ないぞ。それでも良いのか?」

セシリア「な、なんですの?お、お、脅しなら……」

宗介「脅しではない。事実だ」

一夏「わ、悪い宗介。ちょっと熱くなっちまった……」

宗介「謝るなら織斑教官にだ」

一・セシ・箒「「「織斑先生、すいませんでした」」」

64: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:41:34.26 ID:YEwvplaMo
宗介「教官、ここは自分の顔に免じて許していただけませんか」

千冬「ああ、許そう……だがな、相良……」

宗介「懲罰なら致し方ありません。慎んで受けるように自分から3人に……」

メキャッ ドンガラガッシャン

一夏「宗介ッ!?」

千冬「教室内、というか学内で発砲する奴がいるか!怪我をしたらどうするつもりだ!!」

宗介「」ムクッ

一夏「そ、宗介、大丈夫か?」

宗介「問題ない」

一夏「お前、タフだな……」

千冬「第一なんだそれは!おもちゃではなかったのか!?というか、平然と発砲するなんてどういう神経してる!!」

宗介「本物であります。自分は、プロフェッショナルでありますから周りに危害が及ばぬよう空砲にしてから発砲しました」

千冬「そうか、なら良い……とでも言うか馬鹿者が!!」

65: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:42:25.00 ID:YEwvplaMo
キーンコーンカーンコーン

千冬「くそッ……代表の事だが、1週間後に織斑と相良、織斑の3人で模擬戦を行い、その結果で決める。それで良いな?」

一夏「は、はい」

セシリア「か、かまいませんわ」

宗介「了解しました」ビシッ

千冬「相良ッ!お前は私と共に職員室に来い!!たっっっっぷり説教しやる」

宗介「アイ、マムッ!!」ビシッ

一夏「そ、宗介、生きて帰れるかな……」


―――
――

71: 修正!指摘ありがとうございます 2014/04/04(金) 22:51:36.43 ID:FBh6lpiro
>>65
キーンコーンカーンコーン

千冬「くそッ……代表の事だが、1週間後に織斑と相良、オルコットの3人で模擬戦を行い、その結果で決める。それで良いな?」

一夏「は、はい」

セシリア「か、かまいませんわ」

宗介「了解しました」ビシッ

千冬「相良ッ!お前は私と共に職員室に来い!!たっっっっぷり説教しやる」

宗介「アイ、マムッ!!」ビシッ

一夏「そ、宗介、生きて帰れるかな……」


―――
――

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:11:47.98 ID:J442fyX0o
一夏「宗介、大丈夫だったか?」

宗介「問題ない」

一夏「お前ってタフだよな……」

宗介「そうか?新兵の訓練はもっと過酷だぞ?この程度ならば、優しいものだ」

一夏「そ、そうなのか?まぁ、いいや。なぁ、訓練機を見に行かないか?セシリアは専用機持ってるから良いけど、俺達は訓練機で模擬戦やるだろ?だから、ちゃんとチェックして備えておいた方が良いと思うんだ」

宗介「そうだな。良い判断だ」

一夏「うし!山田先生にお願いして手続きして貰ってるんだ。早速、行こうぜ!!」

宗介「了解した」

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:13:20.49 ID:J442fyX0o
山田「あ、お二人!こっちですよ」

一夏「あ、山田先生ありがとうございます!!」

宗介「山田教官、御苦労様です!!」ビシッ

山田「い、いえ!え、えっと、これが訓練機の打鉄とラファール・リヴァイヴになります。打鉄のメイン武装はブレード1本で、ラファール・リヴァイヴは汎用性の高い仕様になっています。オルコットさんのブルー・ティアーズは、遠距離戦に高い効果を発揮する武装なので打鉄では不利になるかと……」

一夏「そっかぁ……でも、素人の俺に銃なんて使えるかなぁ……」

宗介「付け焼き刃で、どうにかなるほど実戦は甘くない。織斑、確かお前は幼少時に何か格闘技をやっていたと聞いたが」

一夏「格闘技ってか、剣道をやってたけど……」

宗介「ならば、打鉄を選択するべきだろう」

一夏「でも、セシリアのISは遠距離戦用なんだろ?」

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:15:08.00 ID:J442fyX0o
宗介「先ほども言った通り実戦は付け焼き刃で通用するほど甘くない。確かに、遠距離戦用の機体を相手に白兵戦用の武器しかないのはディスアドバンテージだが、そこは戦術次第で覆せなくはないだろう。山田教官、戦場はどう言った場所なのでしょうか」

山田「え、えっと、アリーナで行います。広いフィールドではないので、距離を詰めさえすれば打鉄でも戦えない事はないですが、遮蔽物がないのでやはり厳しい戦いになるかと……」

宗介「トラップの使用は可能でしょうか?」

山田「い、いえ、模擬戦当日までアリーナへの立ち入りは許可できませんので、トラップ等の設置は……というか……トラップの使用自体許可できません」

宗介「では、武装の追加は?」

山田「それは構いませんが、用意出来るものにも限りがありますよ?」

宗介「ふむ……」

一夏「や、やっぱり厳しいかな……ちくしょう……あんなに言われて黙ってやられるしかないのかよ……」

宗介「織斑、諦めるな。限られた条件ではあるが勝率をあげる事はできる」

一夏「ほ、本当か?」

宗介「肯定だ。俺は、プロフェッショナルだからな。取り敢えず、今やる事は訓練を重ねる事だ。戦術や機体の方は来週までに、俺が思案してどうにかしてみよう」

一夏「なんか、宗介が言うならなんとかなりそうな気がしてきた!」

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:16:12.03 ID:J442fyX0o
山田(青少年が1つの目標に向けて手を取り合い、邁進する。素晴らしいです!興奮します!願わくば抱き合って下さい!!)

千冬「一夏、ここに居たのか。ちょうど良い」

一夏「あれ?ちふ……織斑先生?」

千冬「お前に用があって探していたんだ。喜べ!お前に専用機が届いてるぞ」

一夏「……え?」

宗介「…………」

山田「お、織斑先生、あんまりです……」

千冬「ん?何がだ?」

一夏「そ、宗介ごめんな?出鼻挫くみたいな感じになってごめんな?」

宗介「……問題ない」

千冬「あ、なんだ……その……良く分からんがすまん……」

105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:18:40.57 ID:Dhc44LsTo
一夏「と、取り敢えず訓練しよう訓練!宗介が言った通り訓練しなきゃ例え専用機使ってても勝てねぇからな!!」

宗介「そうだな。だが、訓練は明日からだ。無闇に訓練したところで、意味はない。メニューを考えておこう」

一夏「分かった」

宗介「織斑は先に私室に戻っていてくれ。俺は少しやる事がある」

一夏「おう、じゃあ先に行ってるな!」タッタッタッ

千冬「……相良、偉く的確な進言を一夏にしたらしいじゃないか」

宗介「恐縮であります」

千冬「相良、お前は普通ではない……確信を持ったわけではないが、色々と訝しい点が多いんだ……ただ、それは些細な点で……」

107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:20:24.70 ID:Dhc44LsTo
宗介「……織斑教官、何をおっしゃりたいのですか?」

千冬「うむ……単刀直入に聞く……お前は何者だ?何のために一夏に接触した」

宗介「IS学園1年1組、相良宗介。織斑一夏とは……友人と言える関係性と認識しております」

千冬「そう簡単に真実は答えないか……まぁ、良い。確かに、一時期は情報の上では無個性が主張していたから訝しんでいたが、今の私のお前への認識は問題児だ。そんな疑念はとうに薄れていたさ。何かしようと言う輩が、こんなに目立つなんて素人も良いところだしな」

宗介「……うっ」

千冬「今は、ただの手間のかかる生徒と認識しておいてやる。しっかり励め」

宗介「了解しました!」ビシッ

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:21:02.50 ID:Dhc44LsTo
千冬「ところで……何か用があるんじゃないのか?」

宗介「はッ!追加武装の許可を願います!!」

千冬「分かった。明日、追加できる武装のリストを渡すからそれにチェックを入れて提出しろ」

宗介「了解しました!!」ビシッ

千冬「もう用はないか?」

宗介「以上であります!」

千冬「では、私室に戻れ。格納庫は閉めねばならん」

宗介「イエス、マムッ!!」

千冬「それはやめろと言っただろう……」

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 19:21:42.08 ID:Dhc44LsTo
――― 学園寮 ―――

コンコン

箒『誰だ?』

宗介「相良だ」

ウィーン

箒「なんだ」

宗介「協力してほしい」

箒「協力?お前にか?」

宗介「いや、織斑にだ」

箒「一夏に?」

宗介「来週の模擬戦、恐らく厳しい戦いになる。俺が戦術を組み立てるが、それだけでは勝つ事は難しい。織斑の訓練の手助けをしてほしいんだ。頼む」

箒「良いだろう」

宗介「本当か?」

箒「何を驚いた顔をしている」

宗介「てっきり君に嫌われてると思っていたから断られると……」

箒「……協力するのはお前じゃなくて一夏だ。勘違いするな。私は、お前を許してはいない」

宗介「それで構わん。助かる。明日の放課後、武道場に足を運んでくれ」

箒「分かった」

宗介「時間をとらせて悪かった」スタスタ

箒「悪い奴……ではないよな……」


―――
――

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:17:45.74 ID:SR0qnXJ+o
~ 翌日の放課後 ~

宗介「すまない。待たせたな」

一夏「いや、全然……って、なんで箒が?」

箒「相良にお前の稽古をつけてほしいと頼まれたんだ。それに、私もオルコットの口振りは鼻持ちならんしな」

一夏「そうか。ありがとう箒!お前が稽古つけてくれるって言うなら百人力だよ!!」

箒「……あ、ああ///」

一夏「宗介もありがとうな!」

宗介「構わん。では、ブリーフィングを始めるぞ」

一夏「ああ、頼む」

宗介「セシリア・オルコット、イギリス代表候補生で専用機持ちだ。奴のブルー・ティアーズは射撃を主体にした遠距離戦特化の機体と言えるだろう。主力武装は巨大特殊レーザーライフルにビット兵器……これは独立して可動する兵器で6基搭載してある。4基はレーザー、2基はミサイル」

一夏「……すげぇな……刀1本の白式とは反対に武器のオンパレードだ」

箒「いや、その前によく対戦相手の情報を手に入れられたな……」

宗介「職員室に侵入してデータを手に入れた。織斑教官の眼を掻い潜りさえすれば雑作もない」

箒(こいつ……実は凄い奴なのか?)

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:19:45.20 ID:SR0qnXJ+o
一夏「なぁ、やっぱり白兵戦に持ち込むのは無理なんじゃ……」

宗介「確かに、多彩な武装を前に打鉄では分が悪すぎたが、今や織斑も専用機持ちだ。織斑の機体は、根本的な性能だけで言えばオルコットの機体より高い。十分に対処できると俺は考える」

一夏「そうなのか…?」

宗介「それでも、やはりディスアドバンテージが消えたわけではない。そこで、オルコットの性格を利用する」

箒「心理戦というわけか」

宗介「肯定だ。俺は専門家ではないが、実戦でのポテンシャルは、精神的な状況に左右される事がある」

一夏「でも、どうやって利用するんだ?」

宗介「先ほども言ったが、俺は専門家ではない。だが、いろは程度は知っているつもりでいる。まず、オルコットの性格をお前達との口論の内容から察するに、自尊心が強いが、自制心は弱い」

箒「挑発に乗りやすいって事か?」

宗介「肯定だ」

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:26:12.19 ID:GnW+toOPo
一夏「煽って怒らせれば良いんだな!!」

宗介「肯定だ。戦況をつぶさに観察し、どの様な状態でも戦術が生きるように幾つか挑発のやり方を考える必要がある。ただ、織斑の機体はエネルギーの燃費が悪い様だから短期決戦が望ましいな」

一夏「すげぇ……完璧な作戦じゃねぇか!宗介、すげぇよ!!」

箒「ああ、確かに驚いた……まさか、相良がここまで緻密な策を立てるとは正直思えなかった……」

宗介「いや、完璧な事などない。戦術を論じたところで、それは机上の空論でしかない。戦場は、刻々と状況がかわるものだ。その都度、戦術を変えて対応する必要があるだろう。長々と講釈したが、織斑に課す訓練の主題は、どの様な状況にも適応する柔軟さと様々な戦術にも対応できる様に身体能力の底上げだ。前者は、俺が受け持つ」

箒「後者は私が受け持てば良いんだな?」

宗介「肯定だ」

138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:27:54.14 ID:GnW+toOPo
宗介「ブリーフィングは以上だ。限定されたこの状況で建てれる対策は、恐らくもうないだろう。さっそく訓練を始めよう。篠ノ之、頼む。俺は諸用で外す」スタスタ

一夏「むむむ……」

箒「一夏、どうした。鍛練を始めるぞ」

一夏「あ、ああ……」

箒「何を考えてたんだ?」

一夏「いや、宗介が俺のために色々と考えてくれて舞い上がって忘れてたんだけど……宗介もセシリアと戦うんだよな……あいつ、俺の事に手一杯で自分の事にまで手が回らずに負けたら……って考えたら申し訳なく感じて……」

箒「目前の問題を自力で解決出来ぬくせに他人の心配とは大した余裕だな!その驕り、私が正してやる!!」

一夏「な、なんだと!?よし、やってやる!!」

箒(なんだか相良が羨ましく感じるな……一夏にここまで慕われるなんて……いや、私は私ができる事で一夏の助けになるんだ!)

139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:29:52.61 ID:GnW+toOPo
――― 格納庫 ―――

宗介「…………」ガチャガチャ

千冬「熱心だな」

宗介「織斑教官!」バッ

千冬「畏まるな。作業を続けろ」

宗介「はッ!!」ビシッ

千冬「一夏に、色々と世話を焼いてくれているそうだな」

宗介「いえ、自分は……」ガチャガチャ

千冬「すまんな。本来なら姉である私がしなきゃいけない事なのだろうが……立場上、一夏だけを贔屓するわけにはいかないんだ」

宗介「仕方がない事です」

千冬「……仕方がない、か」

宗介「…………」ガチャガチャ

千冬「今回は特別にお前がやった事は不問にしてやる」

宗介「……うっ」

千冬「ふふ、さすがの私でも気付くのに時間がかかった。お前は大した奴だよ」

宗介「恐縮であります」ガチャガチャ

千冬「だが、二度とするなよ?あと、睡眠は適度にとれ。隈が出てるぞ」スタスタ

宗介「はッ!!」ビシッ

千冬(ふふ、色々な面で気になる行動をとる奴だ……相良宗介、面白い奴だな)


―――
――

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:31:30.91 ID:GnW+toOPo
~ 翌週 ~

一夏「訓練はみっちりした。宗介が考えてくれた作戦も頭に入ってる……よし!!」

箒「一夏なら大丈夫だ。お前は剣のみならず心までこの1週間で研ぎ澄まされた。絶対に勝てる!」

一夏「ああ、やってやるぜ」

千冬「準備は出来ているようだな」

一夏「千冬ねぇ!」

千冬「織斑先生と呼べと言っているだろう!」ゴツン

一夏「痛ッ……すいません、織斑先生」

千冬「まったく……さぁ、初陣だ。覚悟は出来てるか?」

一夏「もちろん!」

千冬「よし、行ってこい!!」

一夏「おう!!」バシュッ

箒「そう言えば……織斑先生、相良は?」

千冬「…………」クイッ

箒「え!?あいつ、どういう事だ!」

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:33:03.20 ID:GnW+toOPo
一夏「ふぅ、不思議な感覚だな。緊張してんのに頭が冴えてる」

バシュゥゥゥ

一夏「来たか!」

一夏「あ、あれは、ラファール・リヴァイヴ!そ、宗介か!?」

宗介「実戦は久しぶりだな」

一夏『そ、宗介!どういう事だよ!!』

宗介「敵に通信を入れるとは迂闊だな。それだけで、お前の不利になる事もあるぞ」

一夏『な、なんでセシリアじゃなくて宗介が相手なんだよ!!』

宗介「前哨戦とでも思え。負けるつもりはないがな」ブツン

一夏「く、くそッ!!」


ズドンズドンズドン

一夏「じ、実弾!?」キュイン

宗介「……避けたか」バシュッ

ズドンズドンズドン

一夏「くッ!」キュインキュイン

宗介「やはり、性能では奴の機体が格段上だな」ピンッ ボフンッ

一夏「これは、スモークグレネード!?だけど、ハイパーセンサーの前じゃ……そこッ!!」ギュンッ

ドカンッ

一夏「うわッ!?」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:34:22.74 ID:GnW+toOPo
千冬「ふむ、相良め。頭が堅いようでなかなか面白い攻めかたをする」

箒「お、織斑先生!なんで、一夏と相良が戦ってるんですか!?」

千冬「おかしな事を言うな?相良もクラス代表の候補生だぞ?」

箒「で、ですが!!」

千冬「安心しろ。あれは、卒業試験みたいなものだ」

箒「卒業試験?」

千冬「まったく、スパルタだな。鬼軍曹、と言ったところか」

箒(なんで、千冬さんは嬉しそうに笑ってるんだ?)

千冬「不器用な奴でもあるがな。もっと上手いやり方もあるだろうに……ふふ」



一夏「囮の爆弾!?じゃあ、宗介は?」

宗介「もらった」ズザザザ

一夏「下!?」

ズドンズドンズドン

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:36:44.44 ID:GnW+toOPo
一夏「くそッ!回避が間に合わない……だったら!!」バシュッ

宗介「突っ込んで来たか!!」

一夏「おりゃああああ!!」ズバッ

『試合終了』

一夏「ハァ…ハァハァ…」

宗介「無茶苦茶な奴だ。回避が間に合わないからと特攻するとはな……プロフェッショナルならばとらない愚策だ。戦場でのセオリーも無視している」

一夏「ごめん……」

宗介「冷静さを欠いた行動だ。俺が言った事が頭に入ってないらしい。訓練の成果すら疑う。まったく理解できんな」

一夏「……そうだな」

宗介「だが、俺の予測を完全に上回った戦術だ。お前は、兵士としては疑問が浮かぶが間違いなく強者だ。オルコットに勝てよ」スタスタ

一夏「お、おう!勝つぞ!!宗介が手を貸してくれたんだ!絶対に勝つからな!!」

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:39:32.52 ID:GnW+toOPo
宗介「……ふぅ」

セシリア「…………」

宗介「オルコットか」

セシリア「わざと……負けましたの?」

宗介「いや、最後まで本気でやった」

セシリア「嘘ですわ!専用機でもないのに、入学試験の教官との模擬戦での私と同じ様な動きをしてる方が負けるはずありませんもの!!」

宗介「それはつまり、織斑一夏は少なくとも入学試験時のお前を上回る実力という事だろう」

セシリア「そ、そんな事が……」

宗介「とにかく俺は負けた。言うならば戦死者だ。語る言葉はない」スタスタ

セシリア「織斑さんの訓練を手伝ったそうですわね!いったい何をなさったの!?」

宗介「機密事項だ」

セシリア「…………」

宗介「だが、アドバイスはしてやる」

セシリア「……え?」

宗介「隙を見せるな、気迫を見せろ。以上だ」スタスタ

セシリア「……気迫……ですか」

145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:40:57.41 ID:GnW+toOPo
千冬「取り敢えず良くやったと言っておく」

宗介「恐縮であります!!」ビシッ

千冬「だが、彼処までやられると教師の立つ瀬がなくなる。あまり、私たちの仕事を奪わんでくれ」

宗介「いえ、そのような事は……」

千冬「皮肉だよ。気にするな。ところで、どうしてそこまで一夏に手を貸そうと思った?」

宗介「……正直、自分でも良くわかりません。ただ、少しアドバイスしようと思ったらズルズルと」

千冬「なるほどな……ふふ、なるほど……」

宗介「織斑教官?」

千冬「……いや、なんでもない。さぁ、一夏とオルコットの試合が始まるぞ。お前の教え子の成長を見届けよう」

宗介「はッ!!」ビシッ

156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:03:04.35 ID:+vFXLf3Zo
バシュゥゥゥ

一夏(多分、宗介が俺と戦った理由は……)

セシリア『織斑さん』

一夏「セシリア、なんだ?」

セシリア『あなたに対する非礼、お詫びしますわ』

一夏「え!?」

セシリア『だからと言って負けるつもりもありません。全力で叩き潰して差し上げますわ!!』

一夏「お、おう!俺だって負けねぇ!!」


『試合開始』


セシリア「隙を見せるな、気迫を見せろ……ふふ、良いですわ。なら、最初から全力です。ブルー・ティアーズ!!」

一夏「あれが、宗介の言っていたビット兵器か!」ギュンッ

セシリア「そこです!」

一夏「確かに、オールレンジ攻撃は厄介だな。避けるので精一杯だ」キュインキュインキュイン

セシリア「なかなか良い動きをしますわね」

157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:04:16.22 ID:+vFXLf3Zo
一夏「だけど、予想外の事はない。宗介の情報通り、4基のビットでのレーザー攻撃……これなら!」ギュインッ ズバッ

セシリア「1基潰された!?でも、まだ残っていましてよ!!」

一夏「不規則な動きだけど、冷静に対処すれば……2基目!!」ギュインッ ズバッ

セシリア「くっ、なら!!」バシュッ

一夏「ミサイルの方か!これも情報通り!!対策は出来てる」ギュインッギュインッ

セシリア「私の攻撃に適応している!?まるで、私の事を……ふふ、相良さんですか」

一夏「3基目、4基目!!」ズバッ ズバッ

158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:08:50.62 ID:rvvZXUQ2o
箒「凄い!一夏の奴、冷静に対処している!!」

千冬「前のお前との戦いの成果が出ているな相良」

宗介「……ですが、まだ油断は出来ません」

箒「さっきの?どういう事ですか?」

千冬「いくら訓練をしたとして、些細な事で戦況を覆される事があるのが戦いの常……だから、相良は一夏に実戦経験を積ませたんだ」

箒「実戦経験?」

千冬「訓練と実戦では、まるで違う。訓練を積まねば戦術通りに動く事は出来ないが、実戦で訓練通りに出来るかと言えば違う。セオリーと違う事が起きるのは往々にしてあるからな。そこで、経験が生きる。実戦で経験を積んでいれば、戦術に誤差が出たとしても対処できるからな。まぁ、要は勝負感と度胸をつけさせたという事さ」

箒「相良はそこまで考えていたのか……」

千冬「まぁ、普通は模擬戦形式で訓練をしていれば身に付いていく。しかし、こいつは大方作戦の漏洩が云々とかそんな理由でセオリー通りの動きをするような訓練だけをしていたんだろう。だから、格上の自分との対戦経て経験を積ませる事にしたというところか。……不器用というか強引というか」

宗介「時間がありませんでしたので、致し方ありませんでした」ビシッ

159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:10:14.99 ID:rvvZXUQ2o
千冬「まぁ、一夏が、相良の手解きで訓練をしている一方でオルコットもそれなりに準備をしていたはずだ」

宗介「あとは、織斑がどこまで自分の戦術を貫き通せるかにかかっているでしょう」

箒「端から見ていてもこれだけ壮絶なんだ。本人達は、私の想像を絶する領域に立っているんだろうな……」

千冬「そうだな。だが、そろそろ終わりだろう」

宗介「織斑が、決めるか……それとも……」

箒「見た感じでは、一夏が優勢の様だが……」

宗介「追い詰められた獣は、時に予想外に強力な牙を剥く」

千冬「そうだな」

箒(千冬さんはおろか相良まで……一夏とオルコットも私の知らない領域に足を踏み入れつつある。置いていかれてるのは、私だけか……)

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:10:49.23 ID:rvvZXUQ2o
千冬「まぁ、一夏が、相良の手解きで訓練をしている一方でオルコットもそれなりに準備をしていたはずだ」

宗介「あとは、織斑がどこまで自分の戦術を貫き通せるかにかかっているでしょう」

箒「端から見ていてもこれだけ壮絶なんだ。本人達は、私の想像を絶する領域に立っているんだろうな……」

千冬「そうだな。だが、そろそろ終わりだろう」

宗介「織斑が、決めるか……それとも……」

箒「見た感じでは、一夏が優勢の様だが……」

宗介「追い詰められた獣は、時に予想外に強力な牙を剥く」

千冬「そうだな」

箒(千冬さんはおろか相良まで……一夏とオルコットも私の知らない領域に足を踏み入れつつある。置いていかれてるのは、私だけか……)

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:12:22.48 ID:rvvZXUQ2o
一夏(残っているビットはあと1基……恐らく、あのビットがセシリアの自慢の武器だろう。それを俺が悉く潰してきたから相当、頭に来ているはず。そろそろ、決め時か。深読みし過ぎて、思ったより時間がかかっちまったな……)チャキッ

セシリア(ブルー・ティアーズを悉く潰されて、残った武装はブルー・ティアーズ1基とスターライトmkⅡのみ……いや、あと1つありましたわね……ですが……)

一夏『セシリア、悪いがこの勝負もらったわ。専用機持ちつっても案外、大した事ねぇのな?』

セシリア「な!?私を……ブルー・ティアーズを……侮辱しますか!織斑一夏、あなただけには絶対に負けないと今!決めましたわ!!」

一夏『ああ、そうかい。精々、悪あがきしな』

セシリア「沈みなさい!!」バシュンッ

一夏(ビットに比べたら大分、見切りやすい!挑発にのって動きも単純だ。よし、決める)

セシリア「そこですわ!!」バシュンッ

一夏「零落白夜!」ギュウィィィン

セシリア「な!?ビームがブレードに防がれて」

一夏「おりゃああああああああ!!」

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:13:16.64 ID:rvvZXUQ2o
セシリア(くっ、為す術が!!)

《隙を見せるな、気迫を見せろ》

セシリア(そうですわ!気迫を、私の気迫を見せます!!)

一夏「おりゃああああああああ!!」

セシリア「インターセプター!!」

ガキンッ

『試合終了』

一夏「ハァハァ…ハァ……エネルギー切れ、か……」

セシリア「ハァ、ハァハァ……まさか、私がインターセプターを使うなんて……」

千冬『2人とも良くやった。近年まれに見る素晴らしい試合だった。勝者は、セシリア・オルコットだ。』

一夏「……セシリア、良い戦いだったよ。さっきは、嘗めた事を言って悪かったな」

セシリア「……いえ、私こそ改めてあなたや相良さん、篠ノ之さんに言った無礼な言葉を撤回し、謝罪しますわ」

163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:14:59.78 ID:rvvZXUQ2o
一夏「ふぅ……疲れたぁ……」

箒「一夏!!」タッタッタッ

一夏「箒、悪い。せっかく稽古つけてもらったのに負けちまった……」

箒「なぜ、謝る!私からみればほぼお前の勝ちだ!!」

宗介「いや、織斑、完全にお前の負けだ」

箒「相良!そんな事を言う必要はないだろう!!エネルギー切れさえなければ完全に」

一夏「いや、完全に俺の負けさ。白式はエネルギーの燃費が悪いから出来るだけ早く決着をつけろって宗介に言われたのに時間掛けすぎちまった……それに最後の一太刀を浴びせる前に気を抜いて、セシリアがショートソード出したのに驚いて本当に一瞬、躊躇しちまった」

宗介「分かってるなら良い。戦場ならば、敗北は死に直結する。だが、今回は模擬戦だ。その幸運に感謝して、より一層励む事だな」

箒「相良、もうちょっと労っても良いだろう!!」

一夏「箒、良いんだ……」

宗介「…………」スタスタ

164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:17:58.65 ID:+vFXLf3Zo
千冬「まったく……お前の鬼軍曹っぷりはなんだ……まるで、昔見た映画みたいじゃないか」

宗介「織斑教官」

千冬「まぁ、一夏より悔しそうな様子だから心までは鬼軍曹になりきれてない様だがな」

宗介「…………」

千冬「礼を言おう。一夏を彼処まで鍛えてくれてありがとう」

宗介「いえ、俺は何も……」

千冬「謙遜するな。お前がいなければ一夏の奴は、見るに耐えん試合をしていたはずだ。お前が訓練をつけつくれたお陰で、専用機持ちに恥じない試合をしてくれた。見ていた、私の血を滾らせるくらい良い試合をな」

宗介「恐縮であります」

千冬「お前は、つくづく気になる奴だ。目立たない成績のくせに、入学当日から問題ばかり起こしたかと思えば、一流の教官をやってみせる。まだ、何者か言うつもりはないか?」

宗介「…………」

千冬「いや、言いたくないなら良いさ。それに、言うことでお前が学園に居づらくなるなら困る。お前みたいな面白い生徒は手放したくない。私も、もうお前に問うのはやめよう。とにかくお疲れ様。ゆっくり休め」

宗介「はッ!!」ビシッ

千冬(手放したくない、か……)クスクス

165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:19:09.24 ID:+vFXLf3Zo
――― セシリア側控え室 ―――

セシリア「……ハァ」

セシリア(インターセプターを咄嗟に出して防いだと思ったのに折れていた……)

セシリア(つまり、エネルギー切れにさえならなければ私の負けでしたわ……)

セシリア「悔しいですわ……勝ったはずなのに……」

セシリア「……ふぅ」

セシリア(相良さんのあの言葉がなければ私は完全に諦めていた……でも、なぜ相良さんは私にあの様な言葉を?)

ウィーン

宗介「オルコットか」

セシリア「さ、相良さん!?」

宗介「良い試合だった。改善すべき点はあるが、君も織斑も良い兵士になるだろう」

166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:22:29.17 ID:Ss1RrkjLo
セシリア「あ、ありがとうございます」

宗介「ではな」

セシリア「お、お待ちになって!?」

宗介「なんだ?」

セシリア「な、なぜ、私にアドバイスをしてくださったのですか!?敵に塩を送ったという事ですか?」

宗介「違う。織斑を訓練するのに君の情報が必要だったから調べたが、君には素晴らしい素質を感じた。だからこそ、アドバイスを送る気になっただけだ」

セシリア「そうなのですか……あ、あの、織斑さんではなく、相良さんならば私に勝てましたか?」

宗介「それは、どういう意味だ?」

セシリア「単純な興味ですわ。私は、試合には勝ちましたが、勝負には負けだと感じています。もし、織斑さんとではなくあなたと戦っていたら私は……」

宗介「断定はしないが、恐らく俺が勝つ。ビット攻撃は厄介だが、操作している間は他の兵器と連携を取れないというのはこちらからすれば大きなチャンスだ。そのチャンスを利用し、隙をつくように行動すれば勝利できるだろう」

セシリア「……そうですか」

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 21:23:35.80 ID:Ss1RrkjLo
宗介「指摘する点はいくらでもあるが、それも戦術次第でカバーできる。最後の織斑からの攻撃に怯まず、ショートソードを出したガッツがあれば弱点を改善する事は容易いだろう。君は、素晴らしい兵士になる素質がある」

セシリア「ほ、本当ですか?」

宗介「肯定だ。この学園の生徒でなければ、うちの(ミスリルの新兵訓練)キャンプに連れていって紹介したいくらいだ」

セシリア「なッ!?そ、そんなご家族に紹介だなんて///」カァァ

宗介「それくらい君は魅力的だと言う事だ」

セシリア「そ、そんなお世辞は……」

宗介「俺は、同僚に固い奴だと良く言われる。世辞を言うほど気はきかん」キリッ

セシリア「あぅ……///」

宗介「俺は、戻って今回のデータを纏めねばいかん。それではな」スタスタ

セシリア(相良宗介さん……媚びへつらう様子もなく真っ直ぐ私に意見を述べてくれる……何より、あの鋭く澄んだ目……素敵ですわ///)


―――
――

180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:59:03.71 ID:sk0/83ioo
~ 翌日 ~

一夏「おはよう」

箒「一夏、おはよう!体調はどうだ?」

一夏「さすがに疲れはとれたけど、ちょっと寝不足でな」

箒「寝不足?」

一夏「宗介と昨日の模擬戦のデータを見てシュミレーションをしていたんだ。今後のためにさ」

箒「相良!あまり一夏に無理させるな!!」

一夏「いや、俺が宗介に頼んだんだよ。悔しかったからな」

宗介「データを洗ってみて織斑の癖や弱点が明確にできた。今後の訓練では、そこを改善する事に重きを置けば織斑は更に成長するだろう」

箒「そ、そうか……」

181: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:59:41.38 ID:sk0/83ioo
セシリア「ごきげんよう」

一夏「おう、セシリアおはよう」

セシリア「あら、織斑さんおはようございます。隈が出来ていますが、ちゃんと睡眠はとれましたの?」

一夏「んや、ちょっと夜更かししたんだ。セシリアに負けたのが悔しくてさ」

セシリア「そうですか……あの、その勝負の事なんですが……」

千冬「お前ら、席につけー!」

一夏「あ、SHRはじまるぞ」

セシリア「え、あ、はい」

千冬「まず、織斑にオルコット、昨日はご苦労だったな。良い試合をみせてもらった」

182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:00:20.91 ID:sk0/83ioo
一夏「負けちまったけど、良い経験になりました」

千冬「それは良い事だ。敗北から知る事もあるだろう。オルコットはどうだ?」

セシリア「私も織斑さんと同じですわ。そして、私が如何に傲慢だったかも思い知りました。それを恥じて、織斑さんと篠ノ之さんに謝罪します。さ…そ、宗介さんにも///」

山田「おやおやおやおやおや?」ニヤニヤ

千冬「うむ、激闘を経て精神まで成長させたか。良い傾向だな。それで、だ。クラス代表はセシリアに決まったわけだが……」

セシリア「あ、あの、それについてですが、私はクラス代表の資格を辞退して織斑さんにお譲りしますわ」

千冬「ほう?それはどういう心変わりだ?」

183: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:01:19.42 ID:sk0/83ioo
セシリア「あの、模擬戦で私がまだまだ未熟だと言う事を知りました。ですから、1から鍛え直す必要があると考えたのです」

千冬「それを言うなら負けた織斑こそ鍛え直す必要があるんじゃないのか?」

セシリア「いえ、織斑さんとの模擬戦は、まさに私が試合に勝って勝負に負けたと言っても過言ではありません。私より、断然織斑さんの方が代表に相応しいポテンシャルだと思います」

千冬「ふむ……織斑、お前はどうだ?」

一夏「え、俺は……」

宗介「受けろ織斑」

箒「そうだ。オルコットが彼処まで言っているんだ。それに、聞かなければ話が平行線になりそうだぞ?」

一夏「……分かりました。クラス代表になります!!」

千冬「分かった。クラス代表戦は、昨日の模擬戦より激しい戦いになるだろうが、怯まず訓練に励め。SHRは以上だ」スタスタ

184: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:02:03.72 ID:sk0/83ioo
一夏「セシリア、よかったのか?」

セシリア「ええ、もちろんですわ。私は、今のままクラス代表になるなんて我慢できませんの」

一夏「分かった。ならお前の分まで俺、頑張るぜ。こうなったら、また訓練だな!宗介、頼んでも良いかな?」

宗介「了解した。尽力しよう」

セシリア「さ、相良さんと訓練するんですか……?」

宗介「オルコットも参加するか?君のブルーティアーズの性能に興味がある」

セシリア「よ、よろしいのですか!?」

宗介「構わんぞ。織斑も良いか?」

一夏「ああ、もちろんだぜ」

セシリア「あ、ありがとうございます!そ、それで相良さん……」

宗介「なんだ?」

セシリア「そ、そ、そ、宗介さんとお呼びしてもよろしいですか?///」

宗介「構わんぞ」

セシリア「ありがとうございます///私の事もセシリアとお呼びください///」

宗介「了解した」

185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:03:00.59 ID:sk0/83ioo
箒「…………」

一夏「なぁ、箒にも引き続き稽古の相手頼んで良いか?」

箒「わ、私なんかで良いのか?専用機持ちではないし、相良の様に専門的なアドバイスはできないぞ?」シュン

一夏「なに、言ってんだよ!俺の白式は武装が刀しかないんだ。箒との稽古が必要なんだよ」ガシッ

箒「い、一夏///分かった、引き受けよう」

一夏「よっしゃ!」

千冬(ふふ、相良と一夏を中心に良い流れが生まれつつあるな。このまま、良い雰囲気のままである事を願いたいが……)


―――
――

186: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:03:42.83 ID:sk0/83ioo
――― 某国・某所 ―――

?「遅いぞ!」

?「これはこれは、衰退した国家の秘密機関のお偉方じゃないですかぁ」

?「貴様!!」

?「よせ」

?「おお、図星ついちゃったかなぁ?んん?」

?「中国人が意気がるなよ!!」

バァン

?「おいおい、俺がどうして中国人に見えるんだ?ええ?」

?「よ、よせ!悪かった」

?「やっぱり話すなら上の方じゃないとねぇ。それで、ちゃんと用意出来てますかな?」

?「ああ、これだ」

?「クックックッ、あんたらも大変だねぇ。ISなんてもんが開発されちまったもんだから、世界情勢が一気に変わってファシズム上等のいじめっこから周辺国に小突かれるいじめられっこだもんなぁ?」

?「ぐっ……返す言葉もない……だからこそ背に腹は代えられんのだ」

187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:06:17.08 ID:sk0/83ioo
?「一応、安い・早いが売りなんでねぇ。良い仕事しますよ」

?「必ず成功させろよ!ガウルン」スタスタ

ガウルン「去り際だけ強気になっちゃって、むかつくなぁ」

?「ダメだよガーくん♪」

ガウルン「へっ、殺らねぇよ。まだ、バイト代入ってねぇからなぁ」スタスタ

?「嘘つきーー」

バァン

ガウルン「君ぃ、たかがビジネスパートナーのくせに気安いねぇ?殺しちゃうぞ?」

?「む、ガーくんには殺せないよーだ!」

ガウルン「例のアレ、スタンバイしてんだろ?科学者風情が戦争屋出し抜けると思っちゃダメだよー」スタスタ

?「……あれぇ?あたし人選間違っちゃったかなぁ」

?「一応、念には念をいれとこーっと……」

208: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:14:10.66 ID:eG8VkOYio
~ 番外編っていうか小ネタ ~


『洒落にならない一撃必殺』


箒「覚悟は良いか相良!!」

宗介「いつでも来ると良い」

一夏「なぁ、セシリア。箒が宗介に挑む様になってこれで何回目だ?」

セシリア「さぁ、数えてませんわ。いつも宗介さんが勝っているのに篠ノ之さんも往生際が悪いですわね」

一夏「宗介相手にルール無用!とか言っちゃダメだよな……っていうかなんで箒は宗介に突っ掛かってるんだっけ?」


―――
――

209: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:14:55.72 ID:eG8VkOYio
コンコン

箒『一夏、いるか?』

箒『……いないのか?』

箒『開きっぱなしとは無用心ではないか……まったく……』

箒『まったく、服を脱ぎっぱなしにして……』

カチッ

箒『カチッ?』

ボフン

箒『ギャーーー!目が染みるぅぅぅぅ!!』

宗介『最近、俺の衣服が漁られる事案が発生していたからトラップを設置していたのだが、君だったのか』シュコーシュコー

箒『な、なんだと!?わ、私は、一夏に用があっただけで……』

宗介『言い訳はらしくないぞ』シュコーシュコー

210: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:16:29.94 ID:eG8VkOYio
箒『ご、誤解だと言って……うぐっ、息が』コヒュー

宗介『そのガスは、呼吸器官に異常をきたす成分を配合している。息をするのも辛いはずだ』シュコーシュコー

箒『な、なぜ、そんな物を!?というか……私は……』コヒューコヒュー

宗介『安心しろ。然るべき治療をすれば命に別状はない』

箒『誤解だと……くそっ……息が……』コヒューコヒュー

宗介『反省する事だな。テロリストには譲歩しないのが鉄則だが、今回だけは織斑の幼馴染みという事で見逃してやる』

箒『お、おのれ……相良……恨みはらさでおくべきかーー!!』バタンッ

宗介『医務室に運んで置いてやろう。せめてもの慈悲だ』シュコーシュコー

セシリア『まったく、宗介さんったら衣服は小まめに洗濯しなければいけませんのに……まぁ、私が洗濯してあげましたけれど♪おや?宗介さんの部屋に誰か……』サッ


―――
――

211: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:17:27.27 ID:eG8VkOYio
箒「今日という今日は、お前を正々堂々と叩き潰してやる!!」

宗介「御託は良い。さっさと来い」

一夏「わっかんねぇなぁ……」

セシリア「そうですわねぇ……」←犯人

箒「チェストオオオオオ!!」

ガシャコン

箒「え!?」

ズドンッ

箒「うぎゃ!?」

宗介「俺の勝ちだな」

一夏「宗介!ショットガンはやりすぎだって!!」

宗介「安心しろ。弾は訓練用のゴム弾だ」

一夏「あ、なら良いか」

箒「良くなーーーい!死ぬほど痛かったぞ!?というか私は竹刀なのになんでお前は銃なんだ!!お前も竹刀を持てーー!!」

宗介「君が武器はなんでも良いと言うから……」

セシリア「そうですわ!そうですわ!!」

箒「うるさーーーい!なんで私の方が正しいのにいつも私の立場がないんだ!!」

一夏「まぁまぁ、箒落ち着けって」

212: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:18:26.68 ID:eG8VkOYio
宗介「やれやれ、君に合わせてやったぞ?」

箒「なんで仕方ないみたいな顔をしているんだ!」

一夏「ほら、早く終わらせないと昼飯食う時間なくなるぞ」

セシリア「そうですわ。せっかく、私が宗介さんのためにサンドウィッチを作って来ましたのに」←元凶

箒「むぐっ!ちくしょおおおおおお!!」

ポイッ

箒「え、あ?ば、爆弾!?」パシッ

バシーンッ

宗介「俺の勝ちだな」

キーンコーンカーンコーン

一夏「あーあ、昼休み終わっちまった……」

セシリア「宗介さんとの優雅な昼下がりが……」

箒「うわぁぁぁぁぁん!あんまりだぁぁぁぁぁ」ポロポロ

一夏「ほ、箒?泣くなよー!」

213: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:19:29.97 ID:eG8VkOYio
箒「だってぇぇぇぇぇ」ポロポロ

一夏「ああ、もう……よしよし」ナデナデ

宗介「悔しければ鍛える事だ。新兵の時分はみなそうやって訓練に励むものだ」キリッ

セシリア「なんて含蓄のある御言葉///」

宗介「しかし、昼食をとれずに午後の訓練に挑むのは効率的ではないな……コッペパン食べたかった……」

セシリア「あ、でしたら!私が、私が作ってきたサンドウィッチをお食べになってください」ガサゴソ

宗介「良いのか?」

セシリア「もちろんですわ!宗介さんのために作ったのですから///」

宗介「ではいただこう」ムシャリ モシャモシャ

箒「無様なところをみせてすまなかった……」

一夏「あ、宗介だけなんか食ってずるいぞ!!」

宗介「…………」モシャモシャ

セシリア「い、いかがですか?」

宗介「…………」バタンッ

一夏「そ、宗介!?」

宗介「」ブクブクブクブク

一夏「宗介が泡吹いて倒れたーー!!」

214: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/10(木) 21:20:05.44 ID:eG8VkOYio
箒「や、やったーー!!私の一撃が今になって効いてきたに違いない!!」

一夏「いやいや、当てる前に倒されてただろ!?というかなんでいきなり倒れたんだ?」

セシリア「ど、どうしましょう!?」

一夏「千冬ねぇに散々殴られてもケロリとしてた宗介が倒れるなんて……と、とにかく水を飲ませてみるか!?」

コポコポコポッ

宗介「おのれぇぇぇぇストライクぅぅぅ」ムクッ バタンッ

一夏「わぁぁぁぁ!なんか叫んでまた倒れたぁぁぁぁぁ!!」

箒「ふっふっふっ、この必殺技を石破天驚剣と名付けよう」

一夏「ちょっと箒は黙ってろ!!」

箒「あぅ」シュン

セシリア「お医者様を……お医者様を呼ばなければーー!!」アタフタ

一夏「セシリアも落ち着け!!」

宗介「この状態で落ち着けとかムリだろJK」ムクッ バタンッ

一夏「なんか世界線が交わり始めてるーーー!!」

ワーギャーワーギャー



このあと、宗介は丸一日原因不明の昏睡状態が続いたらしい。


おわり

 
次回 宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」 後編