宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」 前編
 


236: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:02:25.86 ID:c0tRl4oYo
――― IS学園 ―――

『こちら、コードネーム・ワンサマー配置についたぜ』

『こちら、コードネーム・C2配置につきましたわ』

宗介「よし、任務に変更はない。直前のブリーフィング通り、俺が職員室に突入して撹乱する。セシリアは退路の確保、織斑は例の物を回収して即離脱だ。織斑教官が帰還するまで146秒、我々の命はこの146秒にかかっている。諸君、覚悟は良いか?」

『もちろんだぜ!』

『私は、あなたのために命を擲つ覚悟など当に出来ていますわ!』

宗介「よし、作戦開始だ!!」

引用元: 宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」

 

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237: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:03:28.41 ID:c0tRl4oYo
セシリア「…………」ササッ

宗介「…………」ササッ

一夏「…………」ササッ

セシリア「…………」コクッ

宗介「…………」クイ

一夏「…………」コクッ

バンッ

宗介「全員、その場に伏せろ」ズドンズドン

山田「ひッ!な、何事ですか!?」

宗介「1歩でも動くな!動いたら即刻射殺するッ!!」

山田「ひぃぃぃぃ!」

一夏「…………」ササッ コクッ

宗介「…………」コクッ ピンッ

コロコロ

山田「ん?」

ピカッ

山田「目が、目がああああ!!」

238: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:05:18.13 ID:c0tRl4oYo
一夏「よっしゃ!作戦成功!!こんなに上手くいくなんて思わなかったぜ」タッタッタッ

セシリア「成功して当たり前ですわ!なんたって宗介さんが考えた作戦ですもの!!」タッタッタッ

宗介「二人とも!まだ、安心はできないぞ!!帰還次第、俺達の課題をすり替えなけれ、ば」

スパァン ドンガラガッシャン

宗介「織斑ーーー!!」

千冬「貴様らの浅はかな作戦なんぞ筒抜けだ」

宗介「ど、どういう事だ……」

千冬「山田先生に無線機を渡し、何か問題があった場合、即座にコールするように段取りしておいた。相良、お前さえ抑えられれば小童共の制圧は容易いぞ」

セシリア「織斑さん!しっかりなさって!!」ユサユサ

一夏「へへへ……俺、もうダメみたいだ……もし、無事で帰れたら箒に伝えてほしい……入寮の時に、部屋を間違えてたのは……お前の方だったんだぜって……」ガクッ

セシリア「織斑さん!織斑さーーん!!」

宗介「くっ!セシリア、逃げろ!!」

セシリア「そ、宗介さんはどうするんですか!?」

宗介「抜かったのは指揮官である俺だ……だから、責任は俺がとる。お前は……君だけは……生きて帰れ!!」

セシリア「イヤ、イヤですわ!!」

宗介「ダメだ!退路は必ず俺が確保する!!逃げろッ!!」

セシリア「絶対にイヤです!私は、あなたと共に生きて、あなたと共に死ぬと決めたのですわ!!」

宗介「ダメだ!これは上官命令だ!!」

スパァン ドンガラガッシャン

千冬「茶番が長い!!」

セシリア「いやあああああ!宗介さーーーん」

スパァン

239: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:06:38.63 ID:c0tRl4oYo
宗介「…………」ボロボロ

一夏「…………」ボロボロ

セシリア「…………」ボロボロ

箒「何をやっているんだお前たちは……」

一夏「訓練のやりすぎで課題が間に合わなかったんだよ……」

セシリア「ですから、提出にはダミーのノートを出して後で課題を奪取し、すり替える作戦だったのですわ」

宗介「織斑教官さえ抑えられれば上手くいくと思ったが、俺の詰めが甘かった……」

千冬「ふんッ、私を出し抜こうなんぞ100年早いわ!!」

箒「あの、織斑先生はなんでハリセンを?」

千冬「格納庫の見回りをしていたら偶然見つけてな。あまりにも手にしっくり来たものだから、対相良武装として使う事にした。生徒を殴るのは私も忍びないため手加減してしまうが、これなら心も痛まん」

箒「織斑先生、なんか楽しんでませんか?」

千冬「いやぁ、これが存外スカッとするもんでな」スパァン

ドンガラガッシャン

一夏「宗介!?」

宗介「織斑教官、今のはなぜ?」ムクッ

千冬「今のは手が滑った。すまん」

箒「あいつ、本当にタフだな……」

セシリア「タフな男性は素敵ですわ///」

240: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:07:35.42 ID:c0tRl4oYo
千冬「訓練に励むのは良いが、勉強を疎かにしていては意味がない。文武両道を心がけろ」

宗・一・セ「「「はッ!!」」」ビシッ

箒「一夏とオルコットが相良に毒され始めたな……」

千冬「模擬戦が近いのだから私に言えば1日くらいなら課題の提出は待ってやる。だから、今回の様な事は2度とするなよ?」

宗介「了解しました!」ビシッ

一夏「どうせなら課題無しにしてくれた方が助かるんだけどな……」ヒソヒソ

セシリア「そうですわね……宗介さんと訓練できるのは喜ばしい事ですが……」ヒソヒソ

一夏「超スパルタだもんな……宗介……俺、昨日なんか『そんな事もできないのか蛆虫』って怒鳴られたよ……」ヒソヒソ

千冬「ふふふ、相良、二人をよろしく頼むぞ」

宗介「アイ、マムッ!!」ビシッ


―――
――

241: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:09:02.20 ID:c0tRl4oYo
――― 食堂 ―――

一夏「うう……頭が痛い……」

箒「授業で寝るから千冬さんからゲンコツを食らうんだ。馬鹿者」

セシリア「授業で寝るのは良いとは言えませんが、気持ちは分かりますわ。私も、なかなか疲れがとれませんもの」

箒「相良の訓練はそんなに厳しいのか?」

一夏「正直、宗介が千冬ねぇより怖く思えるほどだよ……」

箒「そ、そんなにか……」

セシリア「でも、愛を感じますわ」

一夏「そうだよな。いつも、訓練終わった後に飲み物奢ってくれるし、分かりやすく俺らのデータを纏めてくれるんだ」

セシリア「動きが良くなってくると誉めてくれますし、その時の優しい眼差しが///」ポッ

箒(私も一夏との稽古の後に飲み物でも差し入れるか)

242: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:10:48.64 ID:c0tRl4oYo
箒「そんなに過酷な訓練をしているなら代表戦はもらったものじゃないか?」

一夏「いや、そうは上手くいかないだろうなぁ……」

セシリア「そうですわね。なんでも2組の代表が代わったそうです」

箒「そう言えば転入生が来たらしいな……そいつに代わったのか……」

一夏「ああ、どういう戦術をとってくるかわかんねぇし油断は出来ねぇな」

セシリア「宗介さんが、可能な限り情報収集してくださるそうです。頼りになる方ですわ///」ポッ

箒「だが、専用機持ちはうちと4組だけだ。訓練機で専用機と渡り合う相良の様な凄腕はなかなかいないだろ」

?「その情報、古いよ!!」

ズドン

?「ひゃっ!?え、なに、銃声?」ビクッ

一夏「宗介だな」

セシリア「宗介さんですわね」

箒「あの馬鹿は何をやっているんだ……」

コッペパンヲヨウキュウスル

243: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:12:18.65 ID:c0tRl4oYo
サガラァー スパァン ドンガラガッシャン

箒「相変わらず千冬さんの一撃はすさまじいなぁ……」

ムクッ イタイデスオリムラキョウカン

一夏「その一撃をくらって無傷だもんな……宗介……俺も訓練してたらあんなにタフになるかな?」

セシリア「タフな男性は素敵ですわ///」ポッ

?「ちょっと!なに、無視しちゃってくれてんのよ一夏ァ!!」

箒「ん?こいつは誰だ?というか、一夏と知り合いなのか!?」

一夏「ん?ああ、こいつは……」

宗介「鳳鈴音、中国代表候補生、身長150㎝、中学二年時まで織斑と同じ学区の中学校に通っていたらしいな。篠ノ之と同様に幼馴染みという事になる」モシャモシャ

鈴「え、こいつ、なに!?」

一夏「相良宗介、俺の友達で同じクラス。んで、こっちの金髪の子がセシリア・オルコット。まぁ、戦友かな?んで、こいつが篠ノ之箒、昔話したファースト幼馴染み」

箒「ファースト幼馴染みとはなんだ!?」

244: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:13:48.26 ID:c0tRl4oYo
鈴「へぇ、よろしく!あたしは……って、だいたいこっちの無愛想なヤツが言った通りかな」

セシリア「宗介さんが無愛想ですって?聞き捨てなりませんわね!!」

宗介「セシリア、あまり気をたてるな。常に冷静沈着である事が、良い兵士の条件だ。君は、すぐ感情に流される」モシャモシャ

セシリア「申し訳ありません……」シュン

鈴(ふーん、セシリアとか言う方は一夏狙いじゃないんだ……)

一夏「なぁ、鈴。情報が古いってどういう事だ?」

鈴「それはねぇ……」

宗介「専用機持ちらしいな。燃費と安定性をコンセプトにおいて設計された第三世代ISだ。武装は、大型の青竜刀が二振りと衝撃砲を搭載している。衝撃砲は厄介な代物だぞ……空間に圧力をかけて砲身をつくり、衝撃を打ち出す……謂わば、不可視の砲弾が発射されると言うものだ。おまけに、拡散タイプと貫通タイプで撃ち分けられるらしい」モシャモシャ

鈴「え、ちょ、なんでそんなに知ってるのよ!あんた何者!?」

箒「気にするな鳳……そいつはそう言うヤツなんだ……」

245: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:15:10.92 ID:c0tRl4oYo
一夏「あ、宗介、俺の飲み差しだけど水飲むか?」

宗介「すまない。貰おう」ゴクゴクッ

箒・鈴(あ、一夏と間接キス……羨ましい!!)

セシリア「そ、宗介さん///わ、わ、わ、私の飲み差しで良かったら是非飲んでください!!」

宗介「いや、もういい」モシャモシャ

セシリア「……そうですか」シュン

一夏「で、鈴はなんか用事があったんじゃないのか?」

鈴「え、あ、宣戦布告に来たんだけど……なんか、もういいや……」

一夏「宣戦布告ねぇ……なぁ、鈴、対戦相手が俺らの前に姿を現すなんて迂闊だぜ?」ニヤッ

セシリア「そうですわね。織斑さんは、代表候補生なので何もいたしませんが、そうでない者が鳳さんの暗殺を企てる事も……」ニヤッ

鈴「……え!?」

宗介「ありえないことではないな」チャキッ

鈴「ひゃっ!?ひゃーー!!」タッタッタッ

箒「……はぁ、確実に毒され始めたな」

246: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/15(火) 21:16:55.43 ID:c0tRl4oYo
一夏「アハハ……鈴にはちょっと悪い事しちゃったな」

宗介「情報戦を制す者が戦場を制す。仕方ない処置だ」モシャモシャ

一夏「そうだな」

セシリア「そうですわね」

箒「どこが仕方ないんだ!二人も納得するな!!」

宗介「篠ノ之はなぜそんなに怒ってるんだ?」モシャモシャ

一夏「さぁ?」

セシリア「理解できませんわ」

箒「くぅ、ハリセンが欲しい……」

宗介「まぁ、良い。放課後から対鳳戦の訓練を開始する。遅れるなよ」

一夏「分かった!!」

セシリア「了解ですわ」ビシッ

箒「うぐぐ、ハリセン作るか……」


―――
――

269: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:23:20.15 ID:sKDJC7F+o
~ 放課後 ~

宗介「よし、今日はここまでにしよう」

一夏「うはぁ……疲れたぁ……」

セシリア「私……動けませんわ……」

宗介「織斑、動きが大分良くなってきた。だが、あと1秒は短縮できるはずだ。次は、目標を認識してからのワンアクションをどう速やかに行えるかを意識して動け。まだ、一瞬の逡巡が見える」

一夏「分かった!」

宗介「セシリアは、射撃が上手くなったな。ブルーティアーズを避ける事は難しくなってきた。だが、まだまだブルーティアーズから他武装へのスイッチが甘いのと射撃のさいに硬直しがちだ。もう少し、臨場感をもった訓練をして改善するように訓練の内容を少し変更する。大丈夫か?」

セシリア「かまいませんわ!宗介さんの訓練ならやり抜いて見せますわ!!」

宗介「良い返事だ。では、各自片付けをして解散。明日に疲労を残さぬようにしっかり休め」スタスタ

270: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:24:45.94 ID:sKDJC7F+o
一夏「なぁ、セシリア」

セシリア「どうしました?」

一夏「宗介って、訓練が終わるとすぐにどっか行くけどなにしてんのかな?」

セシリア「恐らく、私達の訓練のデータを纏めているんじゃありませんか?」

一夏「そうかな?」

セシリア「きっと、そうですわ」

一夏(宗介が良いヤツなのは分かってるし、俺らのために訓練してくれてるのも有り難い。だけど、宗介って秘密主義って言うか、俺らに何か隠してる様な気がする……それがちょっと……寂しいな)

セシリア「織斑さん?」

一夏「ん?なんだ?」

セシリア「もう、片付けは終わりましてよ?」

一夏「お、おう、じゃあ行くか」

271: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:25:57.29 ID:sKDJC7F+o
宗介「こちら認識番号B-3128、ウルズ7。応答願う」

?『ウルズ7か。定時連絡ご苦労』

宗介「はッ、任務状況ですが、特に変化はありません。事前に送ったデータ通りであります」

カリーニン『確認した。順調な様だな』

宗介「肯定であります。平穏そのものであります」

カリーニン『そうだと良いが……』

宗介「どういう事ですか?」

カリーニン『未だ調査中ではあるが、某国の秘密機関のトップがとある男と接触したという情報がはいった』

宗介「とある男……」

カリーニン『断片的の情報でしかないが、一応お前には伝えておく。その男とは……ガウルンだ』

宗介「な!?そ、そんなはずは!あの男は死んだはずでは……」

カリーニン『お前もあの男がどういう男か知っているだろう。残忍、狡猾、そして誰よりもタフだ。ヤツだとしても不思議ではない』

宗介「……ガウルンがIS学園を……織斑一夏を狙っていると?」

カリーニン『断定するにはまだまだ情報が足りないが……用心に越したことはない。今からは、さらに厳重な警戒を心がけろ』

宗介「了解しました!」

272: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:27:29.47 ID:sKDJC7F+o
カリーニン『こちらからは以上だ。新たな情報が入り次第、そちらに送ろう』

宗介「了解しました。引き続き、任務を続行します」

カリーニン『そうそう、来週辺り……大佐殿よりプレゼントがある。期待しておけ。交信は以上だ』ブツン

宗介「プレゼント?いや、それよりも……」

ガサッ

宗介「誰だ」チャキッ

千冬「さすがに鋭いな。私だよ。そう、怖い顔をするな」

宗介「失礼しました」

千冬「何をしていた?」

宗介「……少し、野暮用で」

千冬「そうか。なぁ、相良……学園生活は楽しんでいるか?」

宗介「楽しむ?」

千冬「私は、お前にこそ学園生活を楽しんでもらいたい。最近、なんだかそう思う様になった。人には事情と言うものがあるが、そんなものは忘れて学友や戦友と笑いあう事がお前達くらいの年齢には必要だと思うんだ……」

宗介「理解しかねます……」

273: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:28:44.72 ID:sKDJC7F+o
千冬「……そうか。そう言われてしまうと私の力不足を感じるよ」

宗介「あ、いえ、自分はそう言うつもりでは……」

千冬「ふふ、気にするな。相良、お前は孤立無援ではない。それだけは、忘れないでほしい」

宗介「了解しました」

千冬「ふふ、お前を見ていると不思議な気持ちになるな。こんなヤツは初めてだよ」クシャクシャ

宗介「は、はい?」

千冬「さ、もう休め。もう、消灯時間だが見逃してやる」

宗介「イエス、マムッ!」スタスタ

千冬(相良、お前が一瞬見せたあの顔は、お前には到底似合わない顔だったぞ?それが、本当のお前ではないだろう?)


―――
――

274: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:29:49.16 ID:sKDJC7F+o
~ 翌日 ~

山田「今日は、我がクラスに新しいお友達を紹介しますよー自己紹介どうぞー」

?「はい!シャルル・デュノアです。みなさん、よろしくお願いします」


「キャーイケメンきたー!」
「中性的なタイプですな!こりゃ捗りまっせ!!」
「自分は軍曹殿、一筋であります」


山田「み、みなさん、静かに!えっと、デュノアくんは……織斑くんの」

宗介「山田教官!」

山田「さ、相良くん?どうしました?」

宗介「自分の前の席が空いています。そこが良いかと」

セシリア「え!?」

山田「あ、あの、そこは既にオルコットさんが……」

宗介「セシリア、自分の隣の席に移れ。これは上官命令だ」

セシリア「自分の隣に来いだなんて///」ポッ

一夏「宗介?」

275: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:30:48.88 ID:sKDJC7F+o
山田「えっと、デュノアくんはそれで良いですか?」

シャル「ええ、良いですよ?」

山田「じゃあ、相良くんの前の席に移動してください」

シャル「はい」

一夏「なぁ、宗介。いきなりどうしたんだ?」

宗介「気にするな気紛れだ」

シャル「あ、よろしくね?えっと……」

一夏「俺は、織斑一夏!んで、こっちが相良宗介で、セシリア・オルコット。んで、篠ノ之箒」

シャル「よろしくね?」

一夏「おう!」

セシリア「よろしくお願いしますわ」

箒「よろしく」

宗介(シャルル・デュノア……俺はこいつについての情報はまだ手にいれていない。鳳の情報は、2日ほど前には既に職員室にデータがあった。つまり、急の転入という事だ。ガウルンの息のかかった者の可能性もあるし、監視するべきか……警戒するに越したことはないな)

セシリア「宗介さん?」

一夏(宗介のヤツ、怖い顔してる……こんな顔見るの初めてだ……どうしたんだ?)チラッ

シャル「…………」

276: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:32:18.80 ID:sKDJC7F+o
~ 休み時間 ~

シャル「ねぇ、一夏って呼んで良いかな?」

一夏「おう!」

シャル「相良くんも宗介って呼んで良い?まさか、僕以外にIS適正者の男の子がいるなんて思ってなくてさ。嬉しいんだ!!あ、僕の事はシャルって呼ん」

宗介「……デュノア、なぜ、お前はこの時期に転入してきた」

シャル「え?あ、お父さんの仕事の都合で」

宗介「お前の父はIS開発を行っているデュノア社とは関係があるのか?」

シャル「えっと……」

宗介「デュノア社は、IS開発では世界シェア第三位らしいが近頃は業績不振らしいな。もし、お前がデュノア社の関係の者ならば、織斑よりも名が知れ渡って業績不振などにならんと思うが?大会社に男のIS適正者がいるという大きな広告塔になるだろうからな」

一夏「そ、宗介!」

宗介「どうなんだ?答えろ」

シャル「そんな、急に質問攻めされても……」ウルウル

宗介「答えに窮するか。やましい理由でもあるのか?」

箒「相良、いい加減にしろ!デュノアが困っているだろうが!!」

277: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:33:17.21 ID:sKDJC7F+o
宗介「困る?何を困る事がある。俺は、普通の質問をしているだけだが?」

箒「普通の質問だと?尋問紛いの質問をしといてよくそんな事が言えるな!!」

セシリア「ちょ、ちょっとお二方!落ち着いてください」

一夏「そうだ。落ち着けって!」

宗介「俺は落ち着いている」

一夏「本当にそうか?なんか今日の宗介は変だぞ?さっきだって、なんか怖い顔をしてた。あんな怖い顔は、宗介に似合わねぇよ……」

宗介「それは俺の事を知らないだけだろう」

一夏「……宗介」

宗介「すまない……少し、気がたっていたようだ……頭を冷してくる」スタスタ

セシリア「宗介さん、いきなりどうしたのでしょう……朝から少し、考え事をしていたようですが……」

一夏「わかんない……」

278: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/16(水) 21:34:08.03 ID:sKDJC7F+o
シャル「なんかごめんね……僕のせいだよね……」

箒「気にするな。明らかに相良が悪いんだ」

一夏「本当は、すごく良いヤツなんだよ。面倒見も良いし、天然なところもあるけど真面目で……」

セシリア「宗介さん……」

シャル「……もしかして」ボソッ

箒「デュノア、どうしたんだ?」

シャル「ううん、なんでもないよ?ただ、宗介に嫌われるのは嫌だなって……」


―――
――

297: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:04:51.52 ID:BLGTzuu1o
~ 数日後 ~


宗介「シャルル・デュノア……職員室のデータに間違いはないな。推測通り、デュノア社に関係のある人間の様だ」

宗介「データとして確実に存在するのに、なぜヤツは俺が質問した時に言い淀んだのだ?なぜ、デュノア社は今になって織斑以外の男のIS適正者を学園に寄越した?」

宗介「経営戦略という事か?しかし、織斑という特殊な人間が存在するという事実が発覚する前にデュノアの存在を知らしめた方が、会社にとっても利益があるのではないか?」

宗介「やはり……デュノア社とガウルンは繋がっていて、デュノアはガウルンの息がかかったスパイかテロリストと言う事か……」

宗介「くそっ、情報が少ない。取り敢えず、しばらくは織斑の行動を制限した方が良いだろう。専用機での訓練を中断させるか……」

サッ

宗介「誰だ」チャキッ

セシリア「わ、私です。あ、あの、訓練の時間なのですが……」

宗介「わかった。行こう」スタスタ

セシリア「は、はい……」

298: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:05:53.87 ID:BLGTzuu1o
一夏「あ、宗介!!」

宗介「すまない。待たせた」

一夏「いや、別に良いよ。それより、ちょっと頼みたい事があるんだけど……」

シャル「ぼ、僕も訓練に混ぜてもらえないかな?」

宗介「織斑、なぜデュノアがいる」

一夏「宗介と訓練してるって言ったら参加したいって言うから……」

宗介「君は、情報漏洩の有無を考えなかったのか?」

一夏「え……?」

宗介「君は男でISの適正がある特殊な人間だ。おまけに専用機持ちでもある。各国諜報機関や産業スパイ、軍事関係者、テロリスト、そんな人間達が君の情報を欲していると考えた事はないのか?」

一夏「え、いや、そんな事は考えた事が……いや、でも、それとこれとは関係ないだろ!?ま、まさかシャルがそんな連中と同じ類いの人間で、俺を狙ってるとでも言いたいのか?」

宗介「そう言う可能性があるという話だ」

一夏「そ、そんな事はあり得ないだろ!だってここはIS学園で……」

宗介「それがどうした。どれだけ強固な軍事施設でもミサイル1つで吹き飛ぶぞ。絶対な事などない」

299: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:07:12.81 ID:BLGTzuu1o
一夏「ちょっと待てよ!宗介、何か誤解してるって!!シャルはそんな事する様なヤツじゃない」

宗介「最近、会ったばかりなのになぜそう言える」

一夏「宗介こそなんでシャルを疑うんだよ!!」

宗介「時期がおかしい。なぜ、君より後に男のIS適正者が、しかもデュノア社社長の息子という肩書きをもった人間が現れた!」

一夏「え!?そ、そうなのか?シャル」

シャル「……うん……そうだよ……僕はデュノア社の社長の息子」

一夏「で、でも、それがどうしたって言うんだよ!!」

宗介「業績不振のIS世界シェア第三位の大企業の社長の子息にISの適正があるならば、もっと早くに公表して広告塔にした方が自社のためになるはずなのにそう言った動きもなく存在を隠し続けていた。大企業の息子なのだから様々な危険を考慮して秘匿していた事も考えられるが、だとしたらもっと早くにIS学園に入学させて然るべきじゃないのか?」

一夏「そ、それは……」

セシリア「宗介さん、落ち着いてください!な、なぜ、織斑さんと口論しなければならないのですか!!」

300: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:08:53.55 ID:BLGTzuu1o
宗介「だが、デュノアは君より後に転入という形で入ってきた。まるで、君の存在を認知した上で君との接触を計り、君の情報及び機体の情報を収集して利用するために潜入してきたみたいだと思わないか?」

一夏「……思わない。思わねぇよ!!」

宗介「なぜ、君は……それだけならばまだ良いが、危険なテロリストの息がかかった人間かもしれないんだぞ!」

一夏「なんだよそれ……なんだよ……宗介は俺にその可能性を言ってどうしたいんだよ!!」

宗介「守るために決まっている!俺は、君を護衛するためにこの学園に来たんだからな!!」

一夏「……え?」

セシリア「そ、宗介さん……それは……どういう」

宗介「……俺は、ただの学生じゃない。本当は、傭兵だ」

一夏「そ、そんな冗談は……」

宗介「冗談ではない。詳細を言う事はできないが、事実だ」

一夏「なんだよそれ……俺は、宗介を友達だと……」

宗介「俺にとっては君は護衛対象でしかない」

一夏「ふざけんな!俺は、守られる必要なんかねぇよ!!」

宗介「ふざけてるのはどっちだ!もっと自分の立場を鑑みろ!!訳のわからない薬を投与されて、廃人になるまでモルモットにされたいのか!?」

シャル「もうやめてよ二人とも!!」

301: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:09:43.75 ID:BLGTzuu1o
一夏「……俺、宗介の事がわかんねぇよ」

宗介「君は、俺の何を知っていると言うんだ」

シャル「もう、やめてってば……お願いだよ……僕が悪かったからぁ」ポロポロ

セシリア「デュノアさん……」

宗介「……今日は、訓練は無しだ」

一夏「勝手にしろよ……」

宗介「…………」スタスタ

セシリア「宗介さん!!」

一夏「セシリア、あんなヤツの事は放っておけよ」

セシリア「……織斑さん」

シャル「ごめんなさい……一夏、ごめんなさい……宗介、ごめんなさい」ポロポロ

一夏「くそッ……」ガンッ


―――
――

302: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:11:18.88 ID:BLGTzuu1o
~ 翌日 ~

箒「おはよう」

セシリア「……おはよう……ございます」

箒「オルコット、どうした?元気がないようだが……」

セシリア「私は別に……ただ、宗介さんと織斑さんが……」

箒「相良と一夏が?」

一夏「セシリア……やめてくれ……」

セシリア「すいません……」

箒「おい、一夏、相良と何があったんだ!」

一夏「話したくない」

箒「なんだと?」

一夏「話したくないって言ったんだ……放っておいてくれ……」

箒「それはできんな。私は、お前の幼馴染みとして話を聞く権利がある」

一夏「幼馴染みねぇ……本当にそう思ってんのかよ……」

セシリア「ちょっと、織斑さん!その発言はあんまりですわ」

303: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:13:28.01 ID:BLGTzuu1o
一夏「だってそうだろ?友達だと思ってても、結局は他人なんだ。俺の独りよがりかもしれねぇじゃん!!」

バチンッ

箒「相良と何があったか知らないが、お前がそんな腑抜けだとは知らなかったな。ガッカリだ」

一夏「…………」ガタッ

セシリア「織斑さん!?」

一夏「…………」スタスタ

箒「くそ……一夏のヤツ、私の気も知らないで……」ウルウル

セシリア(私は……こんなの見たくありませんわ……宗介さん、織斑さん……)

304: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:14:54.88 ID:BLGTzuu1o
――― 屋上 ―――

一夏「……はぁ」

ガチャ

鈴「あれ?一夏じゃん」

一夏「鈴?なにやってんだ?」

鈴「授業がダルいからサボり……ってのは半分嘘、本当は教室からあんたがショボくれた顔して歩いていくのが見えて着けてきたの」

一夏「……へぇ」

鈴「どうしたの?話してみ?」

一夏「……言いたくねぇ」

鈴「なら、良いや」

一夏「……え!?」

鈴「え!?って、言いたくないんでしょ?だったら聞かない」

一夏「え、あ、まぁ……」

鈴「話したいの?」

一夏「…………」

鈴「ほら、言いたくないんじゃん」

305: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:16:06.58 ID:BLGTzuu1o
一夏「……宗介と喧嘩したんだ」

鈴「そんな事でショボくれてんの?」

一夏「うるさいな……俺だって、それくらいじゃ……いや、落ち込むには落ち込むけど……」

鈴「じゃあ、あんたがショボくれてる原因はなによ」

一夏「宗介が色々、誤解しててさ……それは違うって俺が言ったら喧嘩になって……それで、色々言い合って……宗介の事がわかんねぇよって言ったら、君は俺の何を知ってるんだってさ……俺は、宗介の事を友達だと……親友だとすら思ってたのに宗介はそう思ってなかったみたいで……」

鈴「あんた……あの根暗と付き合ってるわけ!?」

一夏「はぁ?なんだよそれ!!」

鈴「だって、話だけ聞くとまるで女友達と遊んでたら浮気現場だと誤解されて喧嘩したカップルみたいじゃん」

一夏「全然、違うから!かすってもいないし!!」

鈴「ごめんごめん、茶化しただけ」クスクス

一夏「……こっちは、真剣に話してるってのに」

306: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:17:45.49 ID:BLGTzuu1o
鈴「要は、あんたの片思いだと知ってショックだってわけね」

一夏「いや、それはなんか違う気が……ただ、俺は宗介の事を信頼してたし、慕ってて……その思いを無碍にされた気がして」

鈴「女々しいわねぇ」

一夏「はぁ?」

鈴「そんなん関係ないじゃん。あんたがアイツの事を知って様が知ってなかろうが、今までに積み重ねた縁ってのは確かにあるんだよ?」

一夏「で、でも、宗介はそんな風には……」

鈴「あのね?中国語では、別れの時にサイツェンって言うの。漢字で書けば再会ね。初めて会った人だろうが、家族だろうが、そう言うの。なんでか分かる?」

一夏「また、会える様にって事……だろ?」

鈴「そう!そう言う思いを込めるって事は、1度だけの縁だろうが、家族の縁だろうが、縁は縁でそれはかけがえのないものだから大事って事!!日本語でも似たような意味で一期一会って言葉があんでしょうが!あんたとあの根暗は1度だけの縁じゃなくて短い間とは言え、確かに縁を築いて来たんでしょ?それを、たった1度の拒絶の言葉で萎えて、ショボくれてんのが女々しいって言ってんのよ」

鈴「そんな確かな物があるんだから相手がどう思おうが関係ないじゃない!知らないなら知っていきなさいよ!!男の子なんだから、そんなん知るか!俺はお前の友達だ!!今は知らなくてもこれから知っていくって言って納得するまで、相手に分からせるまで殴り合うくらいやんなさいよ。それが友情ってヤツでしょうが」

307: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:19:01.72 ID:BLGTzuu1o
一夏「そ、それ、極論じゃね?」

鈴「極論でも、情けない顔してるよりはずっとましよ」

一夏「確かに……確かにな……知らないなら知っていけば良いし、宗介が俺を友達だと思ってなくても俺が思ってれば宗介もそう思ってくれる様になるかもしれないもんな……1度、縁を結んだんだから簡単に関係なくなるわけじゃないもんな」

鈴「あたしが言いたいのはそう言う事よ」

一夏「うわぁ、ショボくれてた自分が急に恥ずかしくなってきた……」

鈴「で、どうすんの?仲直りすんの?」

一夏「いや、まだしない。まずは、誤解を解いて、俺は宗介の友達だって認めさせてから仲直りする」

鈴「方法は考えてんの?」

一夏「クラス代表戦で優勝する。宗介が考えた戦術でじゃなくて、俺が考えた戦術で!それで、宗介に俺の力を認めさせる!!」

鈴「うーん、まどろっこしくない?そんな事より殴り愛を……」

一夏「宗介はそう言うタイプじゃないと思うんだよな……殴ったら、気は済んだか?って言って去っていきそう……」

鈴「確かに、そんな気するわ……」

308: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/17(木) 21:21:12.05 ID:BLGTzuu1o
一夏「まぁ、上手くいかなくても諦めねぇよ。アイツは俺の友達だからさ」

鈴「まぁ、良いんじゃない?でも、その作戦は上手くいかないわよ」

一夏「なんでだよ!」

鈴「クラス代表戦は、あたしが優勝するからよ!」ドヤァ

一夏「いや、悪いが俺が勝たせてもらうぜ!」

鈴「無理よ!」

一夏「いーや、無理じゃないね」

鈴「アハハ、クラス代表戦が楽しみね!」

一夏「泣いて謝ったって許してやんねぇからな!!」

鈴「望むところよ!!」


―――
――

332: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:03:09.35 ID:sDHjskr3o
――― 格納庫 ―――


宗介「…………」ガチャガチャ

千冬「熱心な事だ……と言いたいところだが、授業をサボるのはいただけんな」

宗介「授業で学ぶ様な事は、学園に来る前に全て頭に叩き込みました」

千冬「だとしても、授業に出なければならん。お前は、学生なんだからな」

宗介「自分は、学生ではありません」

千冬「この学園にいる以上、どの様な身分で、どの様な事情があれど、お前は私の生徒で学生だ」

宗介「…………」ガチャガチャ

千冬「この前……デュノアが転入してくる前日の夜だ。あの時のお前は、どんな理由か知らないが私や一夏達がいる日常から遥かにかけ離れた顔をしていた」

宗介「…………」ガチャガチャ

千冬「私は、あの顔を見た事がある。昔、テレビのニュース番組で見た紛争地帯へ向かう兵士達の表情に似ているんだ。緩慢な動きで這い寄ってくる死の恐怖に抗いながら、大切な物を守るための覚悟を楔として自分を冷たい兵器だと言い聞かせているような乾いた表情……」

宗介「…………」

334: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:06:27.67 ID:C+j6IiJDo
千冬「悲しい……とてつもなく悲しい表情……あの表情は、お前にはまったく似合わなかった。相良、お前はきっと銃を持って良い人間ではないんだろう」

ガタンッ

宗介「自分は、プロフェッショナルであります。マガジンに銃弾を装填し、引き金を引き、爆撃と仲間達の悲鳴の中を渡り歩く兵士です。それが自分の生き方です」

ギュッ

千冬「そんな澄んだ目をしたヤツが、そんな事を言うな……怯えるな……気負うな……お前は、この学園にいる誰よりも手を差し伸べて良いんだ……」

宗介「教官のおっしゃる事は理解しかねます」

千冬「相良……いや、宗介……私を、一夏を、この学園に来て出来た仲間を頼れ。何を気負っているか分からんが、必ず助けになる」

宗介「……考えておきます。失礼します」ビシッ

スタスタ

千冬「……私は、アイツの立場になってやる事はできないんだろうな。こんな悔しいなんてな」

335: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:07:39.58 ID:C+j6IiJDo
宗介(なぜだ……なぜだ……みんな、なぜ俺を奇異な存在だと言う!俺は、何も間違っていないはずだ!不測の事態に備える事の何が悪い!疑わしい存在を疑う事の何が悪い!!兵士である事の何が悪いんだ!!!)スタスタ

宗介「……くそ、ガウルンの名を聞いてからケチが着きっぱなしだ」ガンッ

シャル「そ、宗介……」

宗介「……なんだ!!」

シャル「」ビクッ

宗介「デュノアか。邪魔になりそうな俺を排除にでもきたか」チャキッ

シャル「ち、違うんだ……お願いだから……僕の話を聞いて……」ウルウル

宗介「…………」

シャル「お願いだよ……」ポロポロ

宗介「……分かった」

シャル「ありがとう……ありがとう……」ポロポロ

336: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:08:49.78 ID:C+j6IiJDo
シャル「…………」

宗介「早く用件を話せ」

シャル「まず、僕のせいで一夏と喧嘩させてごめんね……」

宗介「…………」

シャル「宗介……君の言う事は大体あってる……僕は、宗介の考える通り一夏の情報と専用機のデータを盗む様に言われてIS学園に来たんだ……」

宗介「そうか」

シャル「うん……だけど、僕は男じゃない……」

宗介「やはり、か」

シャル「それも気付いてたの?」

宗介「そう言う可能性も考えていた」

シャル「宗介はスゴいね……僕は、本当は女……僕は、デュノア社の社長の実子ではあるけど、愛人との間に出来た子なんだ。お母さんは僕を愛してくれたけど、お父さんはそんな僕を良しとしてくれなくて……」

宗介「世間体を気にしたという事か。同情はするが、理解できない事もない。大企業にとって世間からの心証は生命線だからな」

337: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:10:45.20 ID:C+j6IiJDo
シャル「僕もそれは理解してたつもりだし、お母さんがいれば十分だったんだ。だけど、お母さんが死んで……僕の居場所がなくなった……そんな時に、たまたまIS適性が高い事が発覚して……」

宗介「兵器開発に利用されたという事か……」

シャル「うん……仕方なかった……居場所がない事があんなに寂しいとは思わなくて……すがれるものにはすがりたかった……だから、お父さんの命令を聞いてIS学園にも潜入した。だけど、それは初日で宗介に見破られて……それでも僕は構わず調査を続けようと思ってた」

シャル「だけど、できなくなっちゃった。宗介は、僕が転入してから一人でいるようになったみたいだから知らないと思うけど、一夏は、僕に宗介の話をよくしてくれたんだよ?宗介はどんなヤツだとか宗介とこんな事をしたとか……セシリアもそう……とても仲が良くて、宗介を慕ってる事が分かったよ。それで言うんだ『宗介は悪いヤツじゃないんだ。誤解してるだけなんだよ。だから、嫌わないでやってくれ』って……僕は、罪悪感でいっぱいになった……僕が、一夏達の輪に入ったから宗介は孤立して、一夏達は一緒にいたい人といれなくなって……」

338: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:11:53.95 ID:C+j6IiJDo
シャル「僕は、自分が嫌って逃げた状況を誰かに強いろうとしていたんだ……そんなの嫌だよ……そんなのしたくないよ……だから、僕は手を引いてIS学園を去るよ……」ポロポロ

宗介「……甘えるな」

シャル「……え?」グスン

宗介「甘えるな!自ら引き受けた任務を易々と放棄するな!!命令は絶対だ。死んでも完遂するという覚悟がなくて任務が達成できるか!?出来るわけがない」

シャル「え、ちょ、ちょっと待って!?」

宗介「そんな基本的な事すら分からないお前はアマチュア以下だ!ナメクジの方がつかえるかもしれんな!!」

シャル「……そ、宗介!どういう事?」

宗介「つまり、悔しかったらデュノア社の社長から受けた任務を続けてみろ!俺を、欺き、巧みにこなしてみせろ!!俺は、それを防ぎ、邪魔し、最後には君を尋問して、バックグラウンドに控えてる組織すらも瓦解せしめてみせよう!!その結果、捕らえられている哀れな深窓の少女を解き放つという事もあるかもなッッ!!」

シャル「そ、宗介ぇぇぇぇ」ポロポロ

339: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:16:45.22 ID:4DXa1Tl9o
宗介「俺は、これからも君を監視し、疑わしい行動をすれば制する。しっかりやれ」

シャル「わかったよぉ!僕、頑張るぅぅぅ」ポロポロ

宗介「……君に、礼を言う。これで、危険なテロリストが起こすであろう行動の選択肢を多少は絞る事ができた。君がヤツとは関わりのない事を知れただけで、今の俺には有り難い」

シャル「なんで信じてくれる気になったの?」ゴシゴシ

宗介「俺は素人じゃない。君のそれが演技かそうでないかくらい判断できる」

シャル「宗介って本当に凄いんだね?ねぇ、危険なテロリストって本当に来るの?」

宗介「とある情報筋からの情報だ。不確かだが、可能性は高い。俺は、これからそのテロリストのテロを防げるように動くつもりだ」

シャル「ね、ねぇ、宗介って何者?」

宗介「認識番号B-3128、相良宗介軍曹。コールサインはウルズ7だ!」キリッ

シャル「は、はぅ///……ね、ねぇ、一夏と仲直りするよね?」

宗介「そうだな。事が終わり次第謝ろう」

シャル「悪い会社に捕まってる女の子も救ってくれるの!?」

宗介「救出作戦は、考えてある!任せろ。何度も言ってある通り、俺はプロフェッショナルだ!!」

シャル「その女の子の名前はね!シャルロットって言うんだ!!」

宗介「覚えておこう!シャルロット、良い名だ!!」タッタッタッ


―――
――

340: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:18:18.97 ID:4DXa1Tl9o
~クラス代表戦・当日 ~

箒「一夏、コンディションは大丈夫か?あれから、訓練は私との稽古しかしてないそうだが……」

一夏「大丈夫!必ず勝つ!!んで、宗介と仲直りするんだ」

箒「そうか……」

一夏「箒、改めて謝る。あんな事、言ってごめんな?」

箒「もう、気にしてないさ」

セシリア「織斑さん……宗介さん見当たりませんでしたわ……」

一夏「セシリア、気にすんなって。アイツの事だから、きっとどっかに隠れて双眼鏡でこっちを覗いてんだよ」

セシリア「そう、ですわよね……きっとそうですわ!」

シャル「一夏!!」

一夏「シャル?」

シャル「この試合が終わったら君に言いたい事があるんだ。聞いてくれる?」

一夏「おう!ただし、時間かかるぞ?今日、優勝するからな」バシュッ

シャル「うん!」

箒「……ま、まさか」ビクビク

シャル(宗介、やっぱり僕の任務は失敗になりそうだよ。宗介が、阻止しちゃうんだ。それで、一人ぼっちの女の子は救われるんだ)

341: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/18(金) 21:19:31.91 ID:4DXa1Tl9o
「今日のクラス代表戦、1組の例の男の子でるんだって!!」

「マジで?じゃあ、しっかり見とかないと!!」

ドンッ

「キャッ!ちょ、ちょっと!!」

?「んん?」

「ひッッ!?」

?「お嬢ちゃあん!ぶつかったら謝るのが筋じゃないかなぁ?」

「す、すいません!!」

?「やれやれ、最近の娘は教育がなってないなぁ?そんな悪い娘は……おじさんが殺しちゃうよぉ?」

「ひ、ひぃぃぃぃ」

?「クックックッ、冗談だよ」スタスタ

「だ、大丈夫!?」

「う、うん、怖かったけど……」

「あんな男の人、うちの学園に居たっけなぁ?」

「誰かの親じゃないかな?」

ガウルン(さぁて、ぬるま湯に浸かったアホなガキ共を教育してやらないとなァ?)クスクス


―――
――

369: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:05:29.28 ID:ClvGbXQKo
――― トゥアハー・デ・ダナン ―――


ウィーン

マオ「メリッサ・マオ曹長、クルツ・ウェーバー軍曹参りました!!」

テッサ「メリッサ、ウェーバーさん、お忙しい中わざわざ来ていただいてありがとうございます」

クルツ「そーりゃ、我等が女神のためなら地雷源からでも飛んでくるでしょ♪」

マオ「こら、クルツ!仮にも上官の前なんだから軽口は慎みな」

テッサ「か、仮にもってどういう事ですかメリッサ!!」ムスッ

マオ「これは、失礼しました大佐殿!」

テッサ「……ふふッ、こう言う会話も久しぶりですね」

クルツ「宗介がいない事のしわ寄せがチームを組んでた俺達に来てたからねぇ……ちょーキツいっての」

370: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:06:13.07 ID:ClvGbXQKo
テッサ「実は、その相良軍曹のためにお二人に働いて欲しいの」

マオ「宗介のため?」

クルツ「アイツ、ハーレム学園でなんかしやがったのか?」

テッサ「そう言うわけではないのだけれど……カリーニン少佐、例の物を」ピッ

マオ「で、任務の内容は?」

ウィーン

テッサ「あ、カリーニンさんありがとうございます。お手数かけてすいません……」

カリーニン「いえ」

マオ「……なるほど、そう言う事ね」

カリーニン「簡単な任務だ。これを相良軍曹のもとに届ければいい。ただしM9で、だ」

クルツ「こりゃ、しんどい事になりそうだな……」

カリーニン「20分で準備しろ。既に、装備等の手配はしてある」

マオ「10分で十分であります」

カリーニン「では、10分だ」

マオ・クルツ「「イエッサー!!」」ビシッ

371: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:07:21.61 ID:ClvGbXQKo
クルツ『まったく、あのムッツリ軍曹の世話のかかるこって』

マオ『あら?そのわりには嬉しそうじゃない?』

クルツ『俺は、ハーレム学園に行くのが嬉しいんだよ。姐さんこそ、張り切ってるみたいじゃんか』

マオ『そう見える?』

クルツ『見えるな』

マオ『じゃあ、そうなんじゃない?』

クルツ『……まぁ、俺もだけどさ』

「マオ、クルツ、そろそろ出すぞ!喋ってて舌噛んでも知らねぇからな」

マオ『了解』

クルツ『了解!姐さんの3秒後にでる』

「ああ、そうだクルツ」

クルツ『なんだ?』

「宗介に、借りた20ドルもうちょっと貸しといてって伝えてくれ」

クルツ『あ、そういやお前、俺からも……』

マオ『メリッサ・マオ曹長でる!!』

クルツ『あ、くそ!覚えてろよ!!クルツ・ウェーバー軍曹でる!!』

372: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:07:58.07 ID:ClvGbXQKo
テッサ「……お二人には厳しい任務を任せてしまったかしら」

カリーニン「支援及び増援は期待できず、極めて戦い難い戦場です。難しい任務と言えるでしょう」

テッサ「……そうですよね」

カリーニン「ですが、メリッサ・マオ曹長、クルツ・ウェーバー軍曹、そして、相良宗介軍曹のチームは、ミスリルの中でもかなり優秀なチームと言えるでしょう。大佐殿の人選に間違いはありません」

テッサ「でも、ガウルンと言う人はとっても危険な人なのでしょう?」

カリーニン「確かに、ガウルンは世界でも屈指の危険なテロリストです。ですが、相良軍曹は過去にヤツと何度も戦い、撃退に成功しています。寧ろ、ガウルンは自らの不運を呪う事になるでしょう」

テッサ「ふふ、カリーニン少佐は相良さんの事を買っているのですね」

カリーニン「相良宗介という男は自分の知り得る中でもトップクラスのプロフェッショナルですから」

テッサ「私も、メリッサとウェーバーさん……そして、相良さんを信じます!」

カリーニン「必ず、ご期待に沿う戦果を残す事でしょう」


―――
――

373: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:08:32.23 ID:ClvGbXQKo
ワーワー

宗介「試合が始まったか」

宗介(カリーニン少佐から、ガウルンの情報はほぼ確実だと報せが入っている。ガウルンの性格を考えればこのクラス代表戦の日を選んで行動を起こす可能性が高い)

宗介「施設を爆破し、混乱に乗じて織斑の身柄を抑えるつもりか?いや、織斑もISを装備しているしそれは難しいだろう……」

宗介「くそっ、俺は馬鹿だ。ガウルンの名に怯んで無駄な時間を過ごしていた。もっと慎重に情報を収集していれば、デュノアがガウルンの手の者ではない事はもっと早くに分かっただろうし、もっと多くの対策を立てれていただろう」

宗介「いや、後悔はアマチュアのする事だ。俺はプロフェッショナルだ。ならば、限られた時間でも完璧に任務をこなしてみせる。だから、考えろ!俺がガウルンならどう動く」

宗介(織斑は試合中……ガウルンにISの適性はない。となると、織斑が無力になった瞬間を狙って奇襲をかけるだろう。つまり、既にガウルンは潜入しており織斑の試合終了後を狙う……)

宗介(いや、違う!ガウルンはもっと狡猾で残忍な男だ。試合終了直後、織斑がまだアリーナに立っているところを狙って動くはずだ。そして、恐らく観客の生徒すらも人質として利用する事も考えられる)

宗介「ガウルンは、観客席に既に潜んでいるはずだ!」タッタッタッ

374: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:09:57.68 ID:ClvGbXQKo
一夏「くっ、衝撃砲が厄介だな!見えないってだけでここまで避けれないのかよ!!」バシュウウウウ

鈴「一夏!逃げてるだけじゃ勝てないよ!!」

一夏「なんとか反撃の糸口を見つけないと……くそっ、シールドエネルギーが残り少ない……これ以上の被弾は出来ないから一撃で決めるしかねぇ!!」ギュンッ

鈴「お?ついにやる気になったみたいね!」

一夏「鈴は、照準して砲弾を撃てば良い。そして、その砲弾は俺には見えないから当たっちまう。そうか!だったらッ!!おりゃあああ」ズガンッ

鈴「か、刀を地面に突き刺した?自棄!?って言うかなんてパワーよ!粉塵が舞い上がって」

ギュンッ

鈴「しまったッ!それが狙いか!!」

一夏「見えない相手には照準は合わせらんねぇだろッ!!もらったああああ」

375: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:10:34.38 ID:ClvGbXQKo
宗介「どこだ……観客席にいるのは間違いないはずだ……どこに……」

ガウルン「さぁて、そろそろ頃合いかな……」

宗介「この声は……ガウルン!そこか!!」

ガウルン「んー?」

宗介「そこを動くな!」チャキッ

ガウルン「おい……おいおいおいおいおい!お前、カシムじゃねぇか!!」

宗介「お前が、織斑一夏をどうにかしようと画策してる情報は既に掴んでいる!何をしようと無駄だ!!」

ガウルン「懐かしいなぁ!!イワンは元気か?ええ、カシムよぉ」

宗介「黙れ!」

ガウルン「なるほど、あのガキのおっかねぇ姉ちゃんがお守りかと思ってたが、お前がお守りについてたってわけだ!嬉しいねぇ!!」

宗介「お前を拘束する!」

ガウルン「拘束?拘束するって?違う、違うだろカシム。平和ボケでもしたか?俺は殺さないと止まらないのはしってんだろぉぉぉ」

ドガァン

宗介「な、なんだ!?」

376: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:11:42.15 ID:ClvGbXQKo
鈴「キャッ!?」

一夏「天井に穴が!」

鈴「あれは、IS!?」

一夏「鈴、あのIS攻撃してくる気だ!!」

鈴「え?」

ズガンッ

一夏「鈴ッ!くそっ、いったいなんなんだよ!!」ギュンッ

鈴「く、くそっ、ISが強制的に解除された!一夏、気をつけて!!1発でも攻撃くらうとヤバいよ」

一夏「シールド・エネルギーが心許ないってのに!!」



山田「織斑先生!」

千冬「分かってる!今すぐ、上級生から人員を募って生徒の非難と制圧部隊を結成しろ!!」

セシリア「織斑先生!私も出ますわ!!」

シャル「僕も!!」

千冬「お前らなら……分かった頼」

ズドンッ

千冬「……な、なぜ、ASが!?」

377: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:13:04.45 ID:ClvGbXQKo
宗介「サベージ!?」

ガウルン「因みに銃口は、こっちに向けられるんだよなぁ」

宗介「やはり、人質を……ASまで利用して!!」

ガウルン「困ったなぁ?困ったよなカシムぅぅぅ!」

宗介「ガウルン!!」

ガシャン

ガウルン「おっと!これは所謂、動くなってヤツだ。さっさと、武器を捨てな」

宗介「…………ッ」ガチャンガチャンガチャン

ガウルン「んー?カシム、お前もしかしてIS操縦できんの?」

宗介「それがどうした!」

ガウルン「クックックックッ、アーハッハッハッハッ!傑作だ。傑作だよカシム!お前がISってたまかよ!おべべ着て喜ぶお嬢ちゃんじゃねぇだろうが」

宗介(くそッ、サベージのくせに邪魔だ!織斑の動きも悪い。恐らく、エネルギーの残量が少ないんだろう……なんとかしてガウルンを退けて織斑を助けに行かなければ……考えろ。どうする!)

ガウルン「さぁて、そろそろあのガキのおいたもおしまいみたいだし、誘拐して帰るとするよ。じゃあな、カシム」スタスタ

宗介「待てッ!ガウルンッ!!」

ジャキンッ

宗介「……くっ」

378: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:14:01.61 ID:ClvGbXQKo
千冬「くそ、ASが観客席を狙ってて動く事ができん……」

セシリア「織斑先生!観客席に宗介さんが!!」

千冬「なんだと!?なぜ、ヤツがそんな所に……」

シャル「テロリストだ……」

千冬「なに?どういう事だ!!」

シャル「宗介、危険なテロリストから一夏を守るために動くって……」

セシリア「そ、そう言えば、宗介さん織斑さんを護衛するためにIS学園に来たと……」

千冬「そう言う事だったのか……」

セシリア「ど、どうしましょう!?」


?『狙い撃つぜ!!』

ズガンッ

千冬「なに!?敵、ASの銃が破壊されただと?」

山田「織斑先生!新しい、ASが!!」

千冬「なに?いつの間に現れた!!」

シャル「ちょっと待って?宗介と何か話してる!!」

?『よう、久しぶりだな宗介』

セシリア「そ、宗介さんの名前を!?」

千冬「相良の仲間か!」

379: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:15:22.26 ID:ClvGbXQKo
ズガンッ

宗介「この銃だけを狙った精密な狙撃とふざけた台詞……まさか」

ドシンッ ドシンッ

マオ『ふぅ、空自とすれ違った時はハラハラしたっつの』

クルツ『よう、元気にしてたか宗介』

宗介「マオとクルツか!そうか、大佐殿が……だが、これでガウルンを追える。マオ、クルツ!!」

クルツ『わーってるっての!サベージは俺らがやるからお前はガウルンを追え!!』

マオ『その前に、テッサからのプレゼント受け取りな!』

ドスンッ プシュゥゥゥ

宗介「小型のASに見えるが……もしかして、ISか!?」

380: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/21(月) 21:16:38.90 ID:ClvGbXQKo
カリーニン『相良軍曹、緊急時を予測して手短に説明する。これは君の専用ISで《アーバレスト》と言う。全てがASに限りなく近付けて開発されており、ECSはもちろん、武装もASの技術を応用している。高度なAIも登載されており、君のために開発された特別な機体だ。尚、高価な機体なので出来るだけ破損させないように。では、幸運を祈る』

宗介「アーバレスト……よし!」

ガシャンッ

《音声認証登録開始、登録認識番号と姓名、階級を登録してください》

宗介「相良宗介軍曹、B-3128」

《登録完了。命令をどうぞ相良軍曹》

宗介「フィッティング、モード4調整開始。バイラテラル角3,5」

《ラジャー、フィッティング及びモード4調整開始……完了。BMSA3,5設定完了》

宗介「お前のコールサインはなんだ」

《アルです。軍曹》

宗介「よし、アル!俺の友人を救いに行くぞ!!」

《ラジャー》

411: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:03:59.19 ID:5eg5jyjUo
一夏「くそっ!シールドエネルギーが!!」

バシュッ

一夏「ちぃ、なんだってんだよ!!」ズバッ

バシュッバシュッ

一夏「ぐあっ!?」

一夏「くそっ……一機は撃墜したけど、まだ残ってる……」

鈴「一夏ッ!」

一夏「鈴、早く逃げろ!」

鈴「あんただってISが強制解除されて生身じゃない!敵だってまだ……」

一夏「俺がどうにかするから!お前だけでも逃げろって!!」

鈴「嫌よ!!」

ガウルン「クックックックッ、青春ってヤツ?お熱いねぇ」スタスタ

一夏「だ、誰だお前!!」

ガウルン「ああん?ちょっと、君さ、口の聞き方に気をつけたら?」チャキッ

一夏「うっ……」

鈴「一夏ァァ!!」

ガウルン「おっと、お嬢ちゃん動いちゃダメだろ?」バンッ

鈴「キャッ」

一夏「よせっ!やめろ!!」

ガウルン「やめろ?やめてくださいだろ?やめないけど」バンッバンッバンッ

鈴「た、助けて……助けて……」ブルブル

一夏「お前の狙いはなんなんだよ!!」

ガウルン「察しの悪いガキだなぁ……君だよ君ィィ!」

一夏「お、俺!?」

ガウルン「君、自分の価値分かってる?君を実験のモルモットにしたい輩がいっぱいいるんだよ」

一夏「お、俺を……」

412: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:05:19.31 ID:5eg5jyjUo
ガウルン「だから、大人しく捕まれって」

一夏「誰が、お前なんかに……」

バンッバンッバンッ

鈴「や、やめて……」

ガウルン「おいおい、頭の悪いガキは嫌いだなぁ……仕方ないから、この嬢ちゃんぶっ殺して……」

一夏「わ、分かった!言う事、聞くから!!」

ガウルン「それで……」

宗介「ガウルンンンンン!!」

ガウルン「おいおい、それはなんだよ!お仲間から新しいオモチャでも受け取ったのか?カシムぅぅぅ」

ギュンッ

宗介「どけッ、木偶の坊!!」ズドンッズドンッズドンッ

ズザァァァァ

一夏「そ、宗介なのか?」

宗介『肯定だ。待たせたな、一夏!』

一夏「そ、宗介ッ!!」

ガウルン「カシム、やっぱりお前は最高だよ!嬉しいぜ!また、お前と殺し合いが出来てよぉ」

宗介「ガウルン、抵抗は無駄だ」ジャキンッ

413: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:07:06.52 ID:5eg5jyjUo
ガウルン「無駄かなぁぁ?わかんねぇよ?」

一夏「あ、あいつもISを!?」

宗介「ちッ、奥の手か……」

ガウルン『俺は、新しいおべべ着て喜ぶタイプなんだよ』

宗介『一夏、君は鳳を連れて逃げろ。俺が援護する』

一夏「大丈夫なのか、宗介」

宗介『当たり前だ。それに、俺の友人に危害を加えようとしたこいつを排除しなければ気がすまん』

一夏「そ、宗介ぇぇぇ」ウルウル

宗介『行けッ!』

一夏「おうッ!行くぞ鈴!!」タッタッタッ

鈴「うんッ!!」タッタッタッ

ガウルン『それは許せないなぁ!!』

ガシッ

宗介『それは、こっちの台詞だ!』

414: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:07:50.02 ID:5eg5jyjUo
ガウルン『おい、カシム!お前、ぬるま湯につかって腑抜けちまったのか?友情ごっこなんかするんじゃねぇよ!!』

宗介『友情ごっこではない!お前こそ、気安いんだよ!!』

ガンッ

宗介「お前の負けだ!!」ズドンッズドンッ

ガウルン「効かないねぇ」ギュゥゥン

宗介「なに!?確実に当たったはず!!」

ガウルン「返すぜ、カシム!!」

宗介「うぐっっ!?」ズザザザザ

ガウルン「これで、終わりとか悲しい事、言うなよカシム」

宗介「ガウルンッ!!」バシュッ


―――
――

415: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:08:55.80 ID:5eg5jyjUo
一夏「千冬ねぇ!!」

千冬「一夏、無事だったのか!」

一夏「宗介が、助けてくれたんだ!」

千冬「では、あの銀色のISと戦っている白いヤツは相良か!!」

セシリア「やっぱり、宗介さんは頼りになる方ですわ///」

シャル「当たり前だよ!だって、宗介はプロフェッショナルだもん」

セシリア「そうですわね」

シャル「ハァァ、宗介カッコイイなぁ///」

セシリア「……は?」イラッ

箒(相良め……あいつ、既にデュノアをたらしこんでいたのか……)

一夏「千冬ねぇ、宗介に援軍を!!」

416: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:09:51.32 ID:5eg5jyjUo
千冬「いや、それは得策じゃない……相良と銀色のISとの戦いは非常に高レベルだ。下手に手助けをすれば、相良の足手まといになる」

一夏「見守るしかない、か……」

千冬「相良の勝利を祈ってよう」

セシリア「宗介さんなら大丈夫ですわ。なんたって、私の軍曹殿ですから///」

シャル「は?」イラッ

箒(こっちでも一戦起きそうだな……)

一夏「行けッ宗介!そんなヤツ、ぶっ飛ばしちまえ!!」


―――
――

417: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:10:47.43 ID:5eg5jyjUo
宗介(なんだアレは……銃撃が弾かれる。それだけじゃない。あの攻撃はなんだ!?指向性の地雷か何かか?)

ガウルン「どうした!カシム!!」ズドンッ

宗介「ちッ、アル!ヤツの武装はなんだ!!」バシュッ

《ラムダドライバだと予想されます》

宗介「ラムダドライバ?なんだ、それは!指向性の地雷か?」

《ネガティブ。返答不能》

宗介「ちッッ、こちらにあの攻撃に対抗する武装は装備されているか?」

《ラムダドライバが登載されております》

宗介「よし、では発動しろ!」

《ラジャー。ラムダドライバ発動》

ガウルン「カシム、腕が落ちたか?」ズドンッ

宗介「うがっ!?」ズザァァァァ

418: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:11:47.52 ID:5eg5jyjUo
宗介「どうしたアル!なぜ、発動しない!!」

《発動はしております》

宗介「では、なぜ!」

《返答不能》

ガウルン「おいおい、俺を悲しませるなよカシム!!」ズドンッズドンッ

宗介「うがっ!?」ドシンッ

《シールドエネルギー40%まで低下》

宗介「くそッ!俺は、二度も失態をおかすのか……」

『怯えるな……気負うな……お前は、この学園にいる誰よりも手を差し伸べて良いんだ……』

宗介(そうだ……怯えるな……気負うな。俺は、孤立無縁ではない。セシリア、デュノア、織斑教官、マオ、クルツ、カリーニン少佐、テスタロッサ大佐……そして、友人の織斑一夏がいるッッ!!)ギュゥゥン

419: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:13:55.97 ID:5eg5jyjUo
ガウルン『終わりにしようぜカシム』

宗介『ああ、こちらもそのつもりだ』

ガウルン「楽しかったぜ!」

宗介「行くぞアル!ラムダドライバだ!!」

《ラジャー》

宗介「この学園の平和を乱すな!!」

ガウルン「カアアアシィィィィィィムゥゥゥゥ」ギュオオオオ

宗介「ガァァウルンンンンンンンンン!!」ギュオオオオ


―――
――

420: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:16:15.28 ID:5eg5jyjUo
ドシンッ ドシンッ ギュオン ガシンッ

クルツ「大丈夫か、宗介!」シュタッ

宗介「問題ない。ただ、ガウルンは取り逃がしてしまった。俺の失態だ」

マオ「あんだけの爆発で逃げてみせるなんて厄介ね」

宗介「しかし、収穫はあった。ヤツにもISの適性があったという事実、警戒を強めなければいけないが、対策も取りやすくなった。それに、恐らくヤツには協力者がいる。ISに精通した人間だ。襲撃してきたISの残骸を見てみろ」

マオ「これ、無人機?」

宗介「肯定だ。ISを無人で起動させるのは不可能だと言われてきた。だが、そのテクノロジーは現に存在している。無名の科学者が、これだけのテクノロジーを保持してるとは考えにくい。自ずと人物は限られてくるだろう」

クルツ「色々と面倒な事になったな……お前がハーレムを楽しむ事難しくなったぞ?ざまぁみろ」

宗介「ハーレム?なんの事だ?」

クルツ「すっとぼけんなよムッツリ軍曹殿」

宗介「お前の言ってる事は理解できん」

マオ「クルツも大概軽薄たけど、あんたもなかなかに朴念仁だよね……」

421: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:18:06.23 ID:5eg5jyjUo
宗介「これは貶されてるのか?」

クルツ「お前の場合、まったくもってその通りだからなぁ……」

宗介「ふむ、俺は朴念仁なのか」

マオ「ぷっ、あんたのその糞真面目な感じなんだか懐かしいわ」クスクス

クルツ「お前は本当に変わんねぇなぁ」クスクス

マオ「本当にねぇ。ちょっと安心したわ」

セシリア「い、一夏さん、話しかけてくださいまし!」コソコソ

シャル「そ、そうだよ一夏!」コソコソ

一夏「な、なんか俺達じゃ入り込めない雰囲気を感じてさ……て、ていうかなんで俺なんだよ……」コソコソ

箒「何をやってるんだ……お前達は……」

鈴「ってか、あんた居たの?」

箒「ずっと、居たんだがな……なぜか無視されていた……」シュン

422: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:19:29.21 ID:5eg5jyjUo
千冬「すまない。少し、良いだろうか?」

一夏「あ、千冬ねぇ」コソコソ

宗介「織斑教官!」ビシッ

千冬「相良、畏まるな。むしろ、私がお前に敬意を払うべきだ」

宗介「いえ、その様な事は」

マオ「宗介、この人は?」

宗介「織斑千冬教官、俺のクラスの担任だ」

クルツ「ま、マジで!?こんな綺麗なお姉さんがかよ!!」

マオ「メリッサ・マオ曹長よ。宗介がいつも世話になってるわね。あ、堅苦しいのは苦手だから、砕けた態度なのは許してね?」

千冬「こちらこそ。あなた達には、本当に感謝している」

クルツ「クルツ・ウェーバー軍曹、クルツくんって呼んでくれても良いですよ?ところで、夜景はお好きですか?夜景の見える素敵なレストランが……」

マオ「クルツ!」

千冬「ははは……申し訳ないが、私は糞真面目な男が好みなので、遠慮させてもらいます」

クルツ「え!?」

マオ「あら!?やるじゃない宗介!」

宗介「ん?なんの事だ?」

423: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:20:10.82 ID:5eg5jyjUo
千冬「相良、気にするな」

宗介「了解であります!ところで、織斑達は……」

千冬「一夏達ならあそこでコソコソしているぞ?」クイッ

一夏「や、やべっ、見つかった!」コソコソ

セシリア「ど、どうしましょう!?」コソコソ

シャル「で、出ていく?」コソコソ

箒「というか、コソコソする必要がどこにある……」

鈴「確かに」

千冬「お前達!マオ曹長とウェーバー軍曹に例くらい言わんか!!」

一夏「え、あ、うん……」スタスタ

424: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:21:00.47 ID:5eg5jyjUo
宗介「マオ、クルツ、紹介しよう。俺の友人の織斑一夏とセシリア・オルコット、シャルル・デュノアに篠ノ之箒と鳳鈴音だ」

一夏「友人!?そ、宗介良いのか?俺、お前の友達って事で良いのか?」

宗介「何を言っている。当たり前だ」

一夏「宗介!お、お、俺……嬉しいぞ」ウルウル

セシリア・シャル(友人……なんか、複雑……)

マオ「宗介がいつも世話になってるわね。あいつ、戦争しか知らないから色々と手取り足取り教えてあげてね?」

セシリア・シャル「「了解しました!」」ムフー

クルツ「じゃあ、俺は手取り足取り教えるって事で……良いかな?ジャパニーズガール」

箒「ひッ!?」

425: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/22(火) 21:22:07.02 ID:5eg5jyjUo
宗介「織斑教官、あなたの言った通りでした。俺は、怯えていた様です。ガウルンに、友人を失ってしまうかもしれないという仮想に……未熟を恥じる限りです」

千冬「確かに、お前は兵士としては未熟なのかもしれない。だが、お前のその人間味溢れるところが私は好きだ。それに、今のお前ならそう言う弱点などものともしないだろう?」

宗介「肯定です」

千冬「私は、お前に謝らねばならんな……お前の生き方を否定する様な事を言ってしまった。すまなかった」

宗介「いえ、あなたの言葉がなければ自分は、ガウルンに勝てなかったでしょう」

千冬「ははは、なかなか可愛いげのある事を言うじゃないか」ワシャワシャ

一夏「宗介……」

宗介「織斑、君の事を護衛対象としか認識していないという言葉は俺の誤りだった。許してほしい」

一夏「俺も宗介に色々と言っちまったからおあいこだ!これからも友達だよな?」

宗介「肯定だ」

千冬(相良宗介、お前は一夏のためにも学園のためにも居なくてはならん存在になった。私のためにも……な)ニコッ


―――
――

443: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 20:59:20.33 ID:cuLBLPgho
――― トゥアハー・デ・ダナン ―――

テッサ「……取り敢えず、片付いた様ですね」

マデューカス「今回は、相良軍曹の手柄と言うべきでしょう。そろそろ、相良軍曹を学園から呼び戻しても良いのでは?」

テッサ「それはできません。まだまだ、織斑一夏の価値が消えたわけではない。今回の様な事は起きないとおもいますが、それでも十分な警戒は必要だと思います。それに、ガウルンは……」

カリーニン「恐らく生きているでしょう。さすがに、ヤツも当分は動けないとおもいますが、ヤツを野放しにするのは得策ではありません」

テッサ「そうですね。そう言う事です。マデューカス中佐」

マデューカス「理解しました。では、任務の続行を申し渡しましょう」

テッサ「それが良いでしょう。それに、相良さんに恨まれたくないですもの……」

444: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 20:59:52.73 ID:cuLBLPgho
テッサ「はぁ……」

カリーニン「…………」チラッ

マデューカス「……おほん!」

テッサ「マデューカスさん、どうしました?」

マデューカス「カリーニン少佐、確か2週間後にトゥアハー・デ・ダナンはメリダ島のミスリル本部に物資補給及び整備のために帰投する予定だったな」

カリーニン「ええ、大佐殿には立ち会いをして頂かねばなりませんが、それでもスケジュール的には56時間程の余裕ができる予定です」

テッサ「どうしたんですか?二人とも」

マデューカス「どうでしょう艦長。この際、その余暇を利用して相良軍曹の任務の視察を行うというのは……」

テッサ「ふふ、それは良い考えですよ!!やっぱり心配ですものね♪」

マデューカス「そうです」

カリーニン(宗介、腹をくくっておけ。お前の戦場は死地になるかもしれんぞ……)


―――
――

445: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:00:26.89 ID:cuLBLPgho
~ 数日後 ~

シャル「宗介、おまたせ」

宗介「呼び出してすまないな。これを」カサッ

シャル「え、これは?」

宗介「君は、明日からシャルル・デュノアではなくシャルロット・デュノアだ」

シャル「じゃ、じゃあ!!」

宗介「少々、手荒い事をしたが問題はないだろう。放課後にでも織斑教官に書類を提出すれば任務は完了だ」

シャル「宗介……ありがとう……ありがとう」ポロポロ

宗介「君にいらない疑いをかけ、傷つけた御詫びだ。俺に礼を言う必要はない」

シャル「ううん、言わせてほしい。宗介、本当にありがとう!」

宗介「いや、しかし……」

一夏「素直にシャルの言葉、受け取っとけよ。感謝の気持ちに良いも悪いもないんだし」

宗介「一夏?……そうだな。そうしよう」

一夏「しかし、宗介にゃかなわねぇなぁ……シャルがスパイだっての見破ってたなんてよ」

宗介「な、なぜ、知ってるんだ?」

シャル「僕が話したんだ。一夏やセシリアを騙すなんて出来なかったし、それに、僕の任務は宗介の手によって失敗するって言うのは目に見えてたからね」

宗介「そうか……なら、良いんだ」

446: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:01:09.61 ID:cuLBLPgho
一夏「なぁ、宗介。デュノア社にどんな脅しかけたんだ?お前の会社爆破するぞとか?2~3日、お前が居なかったのはデュノア社に行ってたからなんだろ?」

宗介「それは秘密だ」

一夏「えぇ~教えろよ~」

宗介「君達、一般人には到底理解できん方法をつかった。とだけ、言っておく」

一夏「気になるなぁー!シャルも気になるだろ?」

シャル「別に気にならないよ?僕は、見事に《私》を救出してくれたどっかの軍曹殿の勇姿で胸がいっぱいだからそんな事を考える暇がないんだ///」ニヤニヤ

一夏「ははッ、なら仕方ないな。でも、俺は気になるぞ!」

宗介「俺の口は固いぞ」キリッ

一夏「言えよ宗介ーー!!」

宗介「断る」シュタッ

一夏「あ、逃げた!待てよーー!!」ダッ

シャル「あ、二人とも!廊下走ったら織斑先生に……」

スパァン スパァン


おわり

448: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:06:40.79 ID:XpTx78sJo
――― 番外編と言うか小ネタ ―――


『甘酸っぱい二律背反』


千冬「…………」イライラ

山田「あ、あの、織斑先生?」

千冬「なんだ!」

山田「ひッッ」ビクッ

千冬「え、あ、すまん……なんだ?」

山田「あ、あの、来週の訓練カリキュラムの事で職員会議を……」

千冬「ああ、そうだったな」

山田「じゃあ、私は準備があるので先に行きますね?」

千冬「分かった」

山田(すごくイライラしてるみたいだけど……生理かな?)

千冬(なぜ、私はこんな事で葛藤しなければならないんだ……まったく……)


―――
――

449: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:07:47.63 ID:XpTx78sJo
千冬『相良ァーー!!』スパァン

ドンガラガッシャン

シャル『うわッ!?改めて見ると織斑先生の宗介への突っ込みは凄いね……宗介、大丈夫かな?』

セシリア『宗介さんは、そこら辺にいる柔な男性とは違いましてよ』ドヤァ

箒『なぜ、お前が自慢気なんだ』

鈴『本当に大丈夫なの?全然、起きてこないけど』

一夏『確かに、いつもなら直ぐにムクって起きるんだけどな……』

千冬『相良?おい、相良!?』

宗介『…………』グッタリ

一夏『お、おい!宗介!?』

シャル『宗介!!』

セシリア『す、すごい高熱ですわ!!』ピトッ

シャル『ちょっとセシリア!なんで、おでことおでこをくっつける必要があるのさ!!』ムスッ

セシリア『あら、熱を計るなら額と額を合わせるのが一番の方法でしてよ?』

シャル『くっつけ過ぎだよー!!僕も宗介のおでこにおでこくっつけたいーー!!』

箒『いや、その前に早く医務室に連れていかないか……』

一夏『死ぬなーー宗介ーーー!!』

鈴『いやいや、恐らくそいつは病気くらいじゃ死なないから』

450: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:08:51.51 ID:XpTx78sJo
千冬『相良の様子は!?』

一夏『風邪だってさ。今は、セシリアとシャルが看病してる。ってか、看病するって聞かなくて……』

箒『疲労と寝不足が重なってるけど、少し休めば大丈夫だそうです』

鈴『聞いたら3日寝てないとか……馬鹿の極みだわ……』

千冬『まったく……睡眠はちゃんと取れと口をすっぱくして言っただろうに……』

一夏『あのテロ事件のすぐ後、フランス行ったり、帰ってきてすぐに俺らの訓練を見たりしてたからな……宗介に無茶させちゃったな……』

箒『い、一夏が落ち込む事はないぞ!』

鈴『そうよ。後でジャンプでも持っていって見舞いしてあげなさいよ。アタシも着いていってあげるから』

一夏『そうだな!そうする』

箒『わ、私もついでに着いていってやる!!』

一夏『お、おう』

鈴『…………』チッ

千冬『まったく……相良のヤツ……』


―――
――

451: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:09:57.89 ID:XpTx78sJo
~ 職員会議中 ~


千冬(相良が風邪で寝込んで2日か……オルコットとデュノアは、相変わらず看病してる様だし、一夏もちょくちょく様子を見に行ってる様だな)

千冬(私も様子を見に行った方が良いのか?いや、私は相良の保護者ではなく教師なんだしそこまでする必要はないか……だが、先日の件で相良には恩があるのだから見舞いくらいしても罰は当たらんよな……というか、私はなぜこんな事で葛藤しているんだ?)

山田「織斑先生?」

千冬「なんだ!相良の容態が悪化したのか!?」ガタッ

山田「え、いや、アリーナの破損が酷いので今後のアリーナでの訓練の先送りの話なんですけど……」

千冬「うっ……すまん///」

山田「会議はここまでにしましょうか。織斑先生、相良くんにこの専用機の申請書を持っていって貰えません?」

千冬「え、ああ、かまわんが……」

山田「ついでに、お見舞いしてあげてください。相良くんの様子が気になるみたいですし」

千冬「わ、私はそう言うわけでは……」

452: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:10:48.29 ID:XpTx78sJo
――― 医務室前 ―――

千冬「……ふぅ」

千冬「私は、何を緊張しているんだ?」

ウィーン

宗介「織斑教官?」

千冬「相良!?もう、起き上がって大丈夫なのか?」

宗介「はッ、問題ありません!ご迷惑おかけしました!!」フラッ

千冬「馬鹿者!まだ、ふらついてるじゃないか……熱もまだあるようだし……まだ寝ていろ」

宗介「し、しかし」

千冬「上官命令だ!!」

宗介「了解しました……」

千冬「さぁ、ベッドに戻れ」

宗介「アイ、マム……」フラフラ

453: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:12:04.08 ID:XpTx78sJo
千冬「まったく……本当に、お前は手間がかかる生徒だな……」

宗介「申し訳ありません……」

千冬「あ、いや、お前を責めているわけではないんだ!その、私の……」

宗介「教官の?」

千冬「いや、気にするな……寝ろ……」

宗介「はい」

千冬「つい、この間まで問題児だと思っていたのに、今じゃ学園と一夏を守った英雄だ。しかも、あのミスリルの傭兵で、元AS乗りだそうじゃないか。まったく、お前を見ていると驚かされる事ばかりだ」

宗介「…………」ウトウト

千冬「そんな目まぐるしい状況に一夏やオルコットやデュノアに篠ノ之や鳳まで巻き込んで、お前はどんどん進んでいく。目が離せんよ……」

宗介「…………」スースー

千冬「お前みたいな生徒を持つのは初めてだよ……無意味な葛藤までして……複雑な感情まで抱いて……まるで、色恋に悩んでるみたいじゃないか……って、寝てるのか」

宗介「……イエス……マム」ムニャムニャ

千冬「ふふ、寝てる時まで……お前、案外まつ毛が長いんだな?寝顔も可愛いもんじゃないか」ナデナデ

千冬「やっぱり、お前は銃を持って良い側の人間じゃない……いつか、いつか、私がその事に気付かせてやれれば良いな……その時まで、私はお前を手放してやらんからな?なんてな♪」クスクス

454: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/23(水) 21:12:49.82 ID:XpTx78sJo
コソコソ

一夏「えへ、宗介をお義兄さんって呼ぶのかぁ!悪くないなぁ……」ニヤニヤ

鈴「あんた、その顔気持ち悪いよ」

箒「……ぐぅ、相良が小舅になるのか?」ギリッ

シャル「織斑先生がライバル?」ギリッ

セシリア「不潔ですわ!教師と生徒だなんて許されませんわ!!」クワッ

一夏「セシリア!恋愛に年齢差や立場なんて関係ないんだぜ!!」キリッ

箒「一夏カッコイイぞ!」

鈴「確かに、めちゃくちゃ良い顔ね」

シャル「そ、そんな事ないよ!先生が生徒に手を出したら犯罪だよ!!シビュラシステムとドミネーターが黙っていないよ!!」

セシリア「良い事をおっしゃいましたわ!!」

ワーギャーワーギャー


千冬「あいつら……///」ギリッ

宗介「う……少佐殿……その、ボルシチは……」


おわり

482: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:02:28.51 ID:qFg2n+Foo
――― 番外編というか小ネタ ―――


『侮りがたい三連星』


『我々は、黒い三連星と名乗る国際テロリストである。突然だが、我々の主義主張に則り御社を襲撃する事とする。真実はなく、許される事などない。以上だ』

秘書「いかがなさいますか?」

シャル父「まったくふざけた声明だ。どうせ、クビをきられた社員の腹いせか何かだろう。放っておけ。それより、シャルの任務状況はどうだ?」

秘書「報告が途絶えています」

シャル父「つかえんガキめ……」

バチンッ

シャル父「何事だ!?」

秘書「停電の様ですが……」

シャル父「ちッ」

秘書「すぐに自家発電に切り替わりますよ」

483: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:03:05.77 ID:qFg2n+Foo
――― 10分後 ―――

シャル父「まだ自家発電に切り替わらんのか!!」

秘書「おかしいですね……ん?警備室から?」プルルル

『……だ……はや……さい!!』

秘書「ど、どうしたんだ!?お、おい!!」

シャル父「何事だ?」

秘書「いえ……警備室からなんですが……」

『うがぁ!?』

秘書「お、おい!状況を説明しろ!!」

『ハローハロー、こちら黒い三連星。応答どうぞ』

秘書「な、なんだと!?」

『あなたは、デュノア社長か?」

シャル父「何が起きてる!説明しろ!!」

秘書「犯行声明を送ってきたテロリストからです!!」

シャル父「なにぃ!?」

『あなたはデュノア社長じゃないのか?ならば、変わってもらおうか』

484: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:03:37.04 ID:qFg2n+Foo
秘書「社長、変われと……」

シャル父「分かった……」ピッ

『デュノア社長か?』

シャル父「そうだ。何が目的だ?」

『声音が随分落ち着いているな?卑劣で冷血な男と聞いていたが、認識を改めなければいけないかね?』

シャル父「そうだな。それで、何が目的かと聞いている」

『まぁ、待ちたまえ。少し、話でもしようじゃないか』

シャル父「貴様、私をおちょくっているのか!こちらが、その気になればフランスIS部隊を送り込む事も可能だぞ?」

『それは脅し……かな?』

シャル父「そうだ」

『アハハハハハ、片腹が痛いとはこの事だな。我々がISを装備せずに天下のデュノア社を襲撃してるとでも思っているのかね?』

シャル父「な、なに!?」

『そう言えば、我々の目的を知りたがっていた様だね?教えてあげよう。とある事を約束して欲しいのだよ』

シャル父「金か!?」

485: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:04:15.74 ID:qFg2n+Foo
『違う違う。我々を志もなく、金に溺れる下賤なブルジョワジーと一緒にしないで貰いたい。その約束は、直接あって口頭で伝えるとしよう。230秒後にそちらにつくはずだ。それでは、230秒後にまた会おう』ブツン

シャル父「ちッッ!今すぐフランス軍に連絡してIS部隊を」

バリンッ バシュッ

秘書「ひッ!?」

シャル父「そ、狙撃!な、なんて精密な!!」

秘書「ひゃあああああ!!」タッタッタッタッ

シャル父「ど、どこに行くつもりだ!逃げるな!!」

ガチャ バタンッ

シャル父「な、おい!なぜ、外から電子ロックがかかっている!!あけろ!!」ガチャガチャ ドンドン

486: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:05:17.59 ID:qFg2n+Foo
ズドンッ

シャル父「うわぁっ!?な、何事だ!なぜいきなり壁に穴が……」

ガシャンガシャンガシャン

シャル父「な、なんだ!なんの音だ!だ、誰か!!」ドンドンドンドン

『騒ぐな』ジャキン

シャル父「ひッ!?」

『2~3質問に答えて貰う。それから、我々の要求に答えてもらう。了解したなら頷け』

シャル父「わ、分かった!!」

『頷けといった』ジャコン

シャル父「」コクコクコク

『お前には、娘がいたな?名をシャルロット・デュノアで間違いないか?』

シャル父「」コクコクコク

『では次だ。貴様は、シャルロット・デュノアにIS適性があるのを知ってIS開発に利用したな?』

シャル父「そ、それは!?」

『頷けと言った。これは、2度目の忠告だ。3度目はない』グリッ

487: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:06:55.98 ID:qFg2n+Foo
シャル父「」コクコクコク

『では、最後の質問だ。シャルロット・デュノアを男装させてIS学園に潜入させたのは男性適性者の織斑一夏がIS学園に入学したから、その情報を探らせるためだな?』

シャル父「」コクコクコク

『だが、時期が解せない。織斑一夏入学の情報をもっと早くに手に入れていたはずだ。なぜ、早急に動かなかった。喋る事を許そう。答えろ』

シャル父「お、織斑一夏の専用機の情報が入っていなかったし、もう一人のIS男性適性者の情報も不足していたからタイミングを計っていたんだ!」

『なるほど、だいたい分かった。それでは我々の要求を伝える』

シャル父「な、なんだ!」

488: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:08:50.80 ID:qFg2n+Foo
『現在、シャルロット・デュノアの戸籍を男性としてIS学園で就学させているが、その情報の変更と今後のデュノア社からの武装及び備品の配給、生活の保護を約束しろ』

シャル父「なに!?」

『どうなんだ?』ジャコン

シャル父「や、約束する!約束する!!」

『約束を反故にする事は許さん。そのために……そうだな。自社株の80%をシャルロット・デュノアに譲与しろ』

シャル父「そ、そんな!出来ない!!」

『では、遺書に変えるか?』

シャル父「……分かった。書く」

489: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:10:59.64 ID:qFg2n+Foo
シャル父「これで……良いか……?」カサッ

『確認した。それでは、我々は撤退する。くれぐれもこの誓約書が遺書に変わらない様に心掛ける事だ。我々は常にお前を監視しているぞ』

シャル父「くそっ……お前は何者なんだ!なぜ、姿を現さない!!」

『それには答えられん。代わりというわけではないが置き土産をしてやろう。安心しろ。爆発物の類いではない。それではな』カタッ

シャル父「これは……USB?」

ガシャンガシャン


―――
――

490: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:14:00.32 ID:rBfzLEl4o
「ガッハッハッ、お姉さんいける口だねぇ」

?「あったり前よ!こちとら海兵隊の男共を飲み負かせて来たんだから!!」グビグビ

ガシャンガシャンガシャン

?「お、帰ってきたわね。朴念仁」

「おーおー、お嬢様の王子様のご帰還だ!!」

パチパチパチパチ

?「撤退するぞ。デュノア社社員一同の協力に感謝する!!」ビシッ

秘書「シャルロットお嬢様のためって言われたら協力しないわけにはいかないですよ」

「シャルロットお嬢様は俺らのアイドルだからよ」

?「作戦の成功にはあなた方の協力なくしては出来なかった。デュノアにはよろしく伝えておく」

?『おいおい、俺を忘れてねぇか?って言うか姐さん、侵入した後は酒盛りしてただけじゃねぇかよ!』

?「うっさいなーあんたは狙撃だけしてりゃ良いのよ」

?『うわっ!姐さんひっでー!』


ワッハッハッハッハッ


―――
――

491: ◆7FJe8NJDDY 2014/04/24(木) 21:16:26.30 ID:rBfzLEl4o
シャル「ねぇ、宗介」

宗介「なんだ?」

シャル「先日、お父さんから電話があったんだけどテロリストに襲撃されたって言ってたんだ」

宗介「そうか。それは、心配だな」

シャル「それがね?なんか僕に対する待遇の改善要求とかして、次いでに置き土産をして去っていったんだって!それで、その置き土産が斬新なIS兵器のデータとかが入っててそれのおかげで業績の向上が見込めそうって喜んでたんだ。宗介なにか知らない?」ニコニコ

宗介「知らんな。だが、そのテロリスト……なかなか侮れんようだ」

シャル「多分だけど、そのテロリストはとっても優しくてカッコイイと思うんだ///」

宗介「どうだろうな?だが、そのテロリストはプロフェッショナルな3人組に違いないだろう」

シャル「もうっ!宗介ぇ大ッッ好」

セシリア「させませんわ!!」バッ

シャル「ちょっと!セシリア邪魔しないでよ!!って言うかどっから出てきたのさ」

ワーギャーワーギャー

宗介(些細な事だが、黒い三連星とはなんだ?後でクルツに聞いてみるか……)


おわり