宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」1 

宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」2  

 
552: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:25:47.91 ID:i0wKTi0qo
――― IS学園・生徒会室 ―――


千冬「今回のテロリストによるIS学園への介入は由々しき事態である。そこで、IS学園生徒会によって今後の警備体制見直しについての議論をと思ったのだが」

「警備体制の見直し……今回のケースは特殊過ぎます。事前情報は一切無く、ASまで使用されたとあってはいくら生徒会と言えども対処は困難です。そこは教員に動いて貰わなければ」

千冬「……その事については、我々教員の力不足だと素直に認める。IS学園の警備体制及び生徒の自主性と言う建前に甘えすぎていた。すまない。だが、今回の様な事を2度と起こさないためにも……」

?「あのー、もしかして今回の様な事が起きる可能性がまだあるんですか?超危険なテロリストがIS学園に介入してくる可能性が」

千冬「ないとは言いきれん……」

?「だったら、受けに回る事を考えずに原因を排除した方が良いんじゃないですかー?」

千冬「原因とは一夏の事を言っているのか?」

?「そうそうー♪あ、でも、ミスリルの傭兵さんが護衛についてるから安心なのかー」

千冬「な!?更識!なぜ、お前がその事を」

楯無「ちょっと調べれば分かる事ですよ♪あ、秘密でした?」

引用元: 宗介「インフィニット・ストラトス?」一夏「肯定だぜ!」

 

553: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:26:53.99 ID:i0wKTi0qo
千冬「秘密と言うわけではないが……」

楯無「まぁ、確かに今回の様なテロリストの介入は頂けないですし、警備体制の見直し等は要検討だと私も思ってましたけど、その前に正体不明の外部組織から新入生が入学した頃から介入されていた事実が生徒会の動きを制限してる事も分かってくださいよ。ほら、機密情報とかの漏洩とかありますし♪」

千冬「そうだな……我々教員も体制を見直して迅速な対処ができる様に努めよう……それで、警備体制の件なのだが」

ウィーン

宗介「失礼します!1年1組、クラス代表代理の相良宗介であります!!」ビシッ

千冬「さ、相良!?な、なぜ、お前が?と言うかクラス代表代理とは」

宗介「我々、1組には各組のクラス代表と遜色ない人材が揃っているのでクラス代表の任を分担する事にしました。一夏は1組のクラス代表として代表戦に、セシリアは代表補佐、デュノアは技術部門、自分は代表代理としてクラス代表権限及び責務の代理執行を受け持った次第であります!」ビシッ

楯無(あれがミスリルの……私の預かり知らないところで色々やられると困るんだよね……)

千冬「なるほど、確かにオルコットやデュノアの成績や専用機持ちという事を考えればただ遊ばせておくのも勿体ないな……」

楯無「あのーそんな事より、今は生徒会の会議をやっていて生徒会役員以外がほいほい来られても困るんだよねー♪」

554: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:27:46.16 ID:i0wKTi0qo
宗介「会長閣下!発言を許可して頂いてもよろしいでしょうか!!」

楯無「え、私?う、うん、良いけど……」

宗介「クラス代表とは各クラスの委員長を兼ねると聞きました。そして、各クラスは生徒会に帰属しているとも……つまり、クラス代表代理としてクラス代表の権限及び責務を代行している自分も末端とは言え生徒会においての発言件はあるかと」

千冬「……ぷっ」クスクス

楯無「……屁理屈と言いたいところだけど、確かにその通りだよ。で、そのクラス代表代理殿は何しに来たのかな?」

宗介「はッ!今後のIS学園警備体制について幾つかの案を進言しに来た次第であります」ビシッ

楯無「へぇ……じゃあ、聞いてみよっか?ミスリルの傭兵さんのアイディア」


―――
――

555: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:29:10.50 ID:i0wKTi0qo
千冬「まったく……お前は突飛な事をしでかすな……」

宗介「恐縮であります」ビシッ

千冬「しかも、お前の案はどれも学園には相応しくない物だった」

宗介「し、しかし、どれも機材を破格で仕入れる事が出来て、学園予算内でも実現可能な物かと……」

千冬「私達は、軍事基地を作りたいわけではないんだ。赤外線センサーで感知したらレーザーを照射して対象を丸焦げにするなど許可できるわけないだろ?まぁ、お前の気持ちだけは受け取っておくよ」

宗介「了解しました」シュン

千冬(こいつ犬みたいだな……凛々しい顔しながら尻尾で機嫌の良し悪しを表現する柴犬みたいだ……ちょっと、可愛いな)ニヤニヤ

宗介「教官?」

千冬「あ、いや、別に犬みたいで愛らしいとは思ってないからな?」

宗介「犬?」

千冬「あ、えっと、とにかく、お前の案は許可できん。だが、程度を抑えれば採用しても良い案は幾つかあった。生徒会とともに議論を重ねて検討してみよう。お前は生徒でもあるが、プロフェッショナルでもあるんだし意見を無碍にするには勿体ないからな」

宗介「恐縮であります!!」ビシッ

千冬(尻尾振ってるのが見える様だな……な、撫でて良いだろうか……)

楯無「相良くんだっけ?ちょっと良いかな?」

宗介「会長閣下?」

556: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:30:32.64 ID:i0wKTi0qo
宗介「教官、失礼します!」

千冬「相良、ちょっと待て」

宗介「なんでしょう?」

千冬「更識楯無には気をつけろ。どうもお前や一夏に良い印象をもってないらしい。ヤツは、一筋縄ではいかんぞ」

宗介「心得ております。抜かりはありません」キリッ

千冬「ふふ、そうか。確かに、プロフェッショナルのお前を心配をするだけ無駄だったな」

宗介「いいえ、御忠告感謝いたします。それでは、また後程」ビシッ

千冬(更識楯無……ヤツは今回の事で相当プライドに傷がついていると聞く……おくびにも出さんがな……大局を見ずに浅慮な判断で強引な手段を取らねば良いが……)

宗介「会長閣下、なんでしょうか」

楯無「うん、ちょっと話があるの。ついてきて」

宗介「了解であります!」ビシッ

557: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:32:31.97 ID:i0wKTi0qo
――― 空き教室 ―――


楯無「ここなら良いかな?盗聴の心配も無さそうだし」

宗介「会長閣下、話というのはガウルンの事でしょうか?」

楯無「さっすが!察しが良いじゃん♪話が早くて助かるなーー」

宗介「情報源の事なら明かすことはできません」

楯無「そんな事くらい分かってるよー私も素人じゃないんだぞっ?でも、君のバックグラウンドを調べればいくらでも予測がつくけどねー♪」

宗介「…………」

楯無「ミスリル相手じゃ、たかが極東の暗部ごときが相手になるわけないもん。それに、あのアンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニンさんが居たんじゃ対抗しようなんて気も起きないよー」

宗介「…………」

楯無「ふふ、舌先じゃ私の方が上だね。まぁ、君が私の事を色々知ってる様に私も君の事、色々知ってるんだよ?それに、私はロシア代表候補生だから元ロシア軍の人間の情報くらいわけなく手に入るんだよ?」

558: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:33:26.25 ID:i0wKTi0qo
宗介「それで、ガウルンの何が知りたいのでしょうか?自分もヤツについては知ってる事が限られますが」

楯無「私だって、指を咥えて君の活躍を見てたわけじゃない。色々と調べたよ。まず、今回の襲撃は某国の依頼によるものだった。あ、その某国がどこかは明かせないよ?だって、ミスリルに目をつけられちゃオチオチ夜も寝られないもんねー♪(まぁ、私も某国がどこかなんて分からなかったんだけどさ……)」

宗介「……会長閣下は今回のガウルンの襲撃は本来の目的ではない可能性を示唆しておられるんですね?」

楯無「……本当に嫌味なくらい察しが良いね。せっかく考えてた前置きが無駄になっちゃったー私の名誉挽回のチャンスだったのにー」

宗介「自分の場合は勘でしかありません。ガウルンと戦ってみて不審に思う事が幾つかありました。ヤツは、狡猾で残忍、その上、自らが起こした火種は石に齧り付いてでも炎へとする様な執念深さがあります。しかし、今回の襲撃はヤツにしては執念深さがなかった」

559: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:34:51.75 ID:i0wKTi0qo
楯無「自らもISを装備できるのにも関わらず、詰めの織斑くんの身柄奪取にさえISを展開せずに済まそうとした……とか?」

宗介「肯定です。奥の手と考えれば不思議ではありませんが、ヤツの策にしては型にはまり過ぎな気がします。ヤツならば、我々の予想もつかない策を用意していても不思議ではありません。つまり、今回のヤツは本腰ではなかったという可能性が考えられるでしょう」

楯無「恐らく……あくまでも私の推測だけど……某国からの依頼で織斑くんの身柄奪取する云々はブラフだと思うんだよね……いや、確かに某国からそう言う依頼を受けたんだろうけど、ガウルンがそう言う事になる様に仕向けたかどうかしたんだと思う」

宗介「ヤツの真意を知るためには、ヤツに無人機を貸し与え、専用のISまでも提供した協力者の存在を調べる事が先決でしょう」

楯無「そうだねー……ただ、IS技術で突飛な事をする人物って言ったら一人しか思い浮かばないんだけど……そうなると厄介だなぁ」

560: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:35:55.97 ID:i0wKTi0qo
宗介「篠ノ之束博士……」

楯無「もう、そこまで調べちゃったんだー」

宗介「IS関連で、あそこまでのテクノロジーを保持してる人物は限られます。自然と辿り着く人物かと」

楯無「まぁ、そうだよねー……ガウルンほどとは言わないけど、あの人もなかなかに厄介だからなぁ。篠ノ之束とガウルンが手を組んでるとなると相当な用心をしなきゃだなー」

宗介「ですが、自分と会長閣下が居れば遅れをとる事はまずないはずです」キリッ

楯無「ぷっ、アハハハハ!その自信はどっから出てくんのよー♪相手は、超超危険なテロリストとIS開発の第一人者なんだよ?篠ノ之束博士なんか白騎士事件の首謀者なんて説もあるし」クスクス

宗介「自分も会長閣下もプロフェッショナルであります。更に言えば、織斑一夏をはじめとする専用機持ちのIS適性者が協力すれば十分に対処可能です」

楯無「織斑くんまで戦力に入れてるわけ?彼って狙われる立場でしょ」

宗介「自分の友人は、決して弱くありません。事実、ガウルン襲撃の際には無人機ISを一機撃墜しています。自分は、織斑一夏の戦力は要になると考えています」

561: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/10(土) 21:36:49.21 ID:i0wKTi0qo
楯無「ふーん……信用してるんだ……」

宗介「肯定です」

楯無「そっか……あ、引き留めてごめんねー♪もう、行って良いよー」

宗介「了解しました。失礼します」スタスタ

楯無「情報を聞き出すだけ聞き出したら、いちゃもんつけて学園から追い出しちゃおうと思ったのにな……」

楯無「なんか、知らないうちにペース握られちゃった♪計算かなー?いや、あの子はそう言うタイプじゃないよねー」

楯無「ふふ、相良宗介ねー……なかなかに面白い子見つけちゃった♪唾つけちゃおっかなぁ♪」クスクス


―――
――

570: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:26:50.53 ID:P4XQVXPeo
――― 某所 ―――


束「あちゃーやっぱりISにラムダ・ドライバは無理があったのかなぁ?がーくん様に作った擬似コアとは言えここまで壊れちゃうとは」

ガウルン「ばーか、だったらラムダ・ドライバに耐え得るコアを作れよ。壊れる玩具なんざ乗ってたらカシムと遊べねぇだろうが」

束「がーくん亭主関白ー!そんな無茶言わないでくれるー?第一ラムダ・ドライバみたいなブラック・テクノロジーを積もうなんて考えからしてぶっ飛んでるからー」

ガウルン「カシムのには乗ってんだろうが!文句言わないでやれよ。お前のおべべで遊ぶ必要はねぇんだぞ?」

束「私のISをおべべなんて言わないでくれるー?と言うか!!この白いのは殆どISじゃないからー」

ガウルン「自称・天才は流石だねぇ。やることなすこと中途半端で、ガキの癇癪と大差ねぇ。俺は、ガキは嫌いなんだよなぁ」

571: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:28:33.40 ID:P4XQVXPeo
束「むー!M9ガーンズバックの設計思想をコンセプトにして組み上げたであろうこれは殆どASなの!!解析してみたらバリアーも絶対防御も作動してないみたいだし、恐らくシールド・エネルギーを他所に回してる」

束「それに、他のISより一回り大きいのを見るとマッスルパッケージも使用してるみたいだし、 他のASより小さくした分、敏捷性は格段に上がってるけど操縦者の負担が半端ないだろうからBMSAを設定しなきゃいけないだろうなぁ……と言うか、稼働時間から察するにコアとパラジウムリアクターを同調させるとかとんでもない事をやってる可能性だってあるし」

ガウルン「つまりなんだよ」

束「つまり!これは、私が開発したISを悉く虚仮にしてる機体なの!まるで、初めからISなんて信用してないみたいなコンセプトで出来た機体なの!!だからラムダ・ドライバなんて載せてもピンピンしてるの」

ガウルン「で?」

束「私は、こんなのISだって認めない」

572: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:30:35.81 ID:P4XQVXPeo

ドンッ

ガウルン「お嬢ちゃぁん、いつまでもガキの気分でいられちゃ困るんだよなぁ……俺は別に、ISなんて乗らなくてもASで目的を果たしても良いんだぜぇ?」

束「ぐっ……いっくんを……で、でも……そんな事したら……」ジタバタ

ガウルン「最悪、首から下が無くなっても頭だけありゃ良いんだよ。こっちにゃそう言う準備も出来てんだからよぉ」

束「わ、分かった……な、なんとか……し、てみるから……」ジタバタ

ガウルン「分かりゃ良いんだよ。それに、カシムと遊べないのは寂しいからよぉ」ドサッ

束「で、でも……ちゃんと……ISにするからね」ゲホッゲホッ

ガウルン「頑固だねぇ?まぁ、良いや。じゃあ、暇潰しにEU内でも国内でも肩身狭い思いをしてるゲルマンのジジイ共をけしかけておくかな……クックックッ、カシムに退屈させたら可哀想だもんなぁ」

束(カシムって子可哀想……まぁ、良いや……私は早く紅椿を完成させないと……いつまでも言いなりだ……)


―――
――

573: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:31:55.18 ID:P4XQVXPeo
――― IS学園 ―――


宗介「…………」ピクッ

一夏「宗介、どうしたんだ?」

宗介「いや、なんでもない。少し、悪寒と言うか寒気が……」

一夏「風邪か?ちゃんとベッドで寝ないからだぞ!いい加減、ベッドの下で寝るの止めろって」

宗介「しかし、敵に侵入された時に、のうのうとベッドの上に寝ていたのでは不用心過ぎる」

一夏「そんなもんなのか?じゃあ、俺も今日からベッドの下で寝ようかなぁ」

箒「馬鹿者、そんな事をするな。相良はそう言う訓練しているから平気なのであって、お前は間違ってもそう言う変態の道に足を踏み入れるな。それこそ風邪をひくぞ」

一夏「変態って……確かに異様な光景だけど、理に適ってるっちゃ適ってるんじゃないか?それに、宗介の事をもっと知るために同じ体験をするのも良いんじゃないかと」

箒「とにかく!相良の真似をするな!!お前は真っ当な人間になれ」スタスタ

574: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:33:58.32 ID:P4XQVXPeo
宗介「一夏、俺は篠ノ之に嫌われているんだろうか?」

一夏「うーん、嫌ってるって言うより嫉妬じゃないか?ほら、ちょっと前まで専用機持ちは俺とセシリアだけだったけど今じゃシャルもいるし、宗介も専用機持ちになったから嫉妬してんだよ」

宗介「そうか」

一夏「別に専用機持ってようが持ってないが、関係ねぇと思うんだけどなぁ……実際、宗介は訓練機のラファール・リヴァイブで俺やセシリアの訓練相手を余裕でこなしてたし」

宗介「確かに、専用機と訓練機ではスペックは大きく違うが、機体のスペックの差は武装と戦術で覆す事ができる。然るべき準備さえすれば、M6でM9を倒す事も出来るからな」

一夏「あ、そう言えば宗介の専用機のアーバレストってISよりASに近いんだろ?」

宗介「肯定だ。ISの利点を幾つか犠牲にしているが、それでも俺からすれば断然扱いやすくて助かる。どうも、ISの操縦法は俺の肌には合わんらしい」

一夏「あんだけ使いこなしてたのにかよ……でも、アーバレストはロボットって感じでカッコいいよなぁ!なぁ、次の訓練の前に見に行っても良いか?どうせ、次は飛行訓練でIS必要になるんだし」

宗介「そうだな……よし、行こう」

一夏「やったね!!」

シャル「ねぇ、セシリア。一夏ってもしかして……」コソコソ

セシリア「そ、そんな!仮にそうだとして、幾ら織斑さんでも許せませんわ」コソコソ

鈴「その前に、このストーカーみたいな事やめなさいよ」

575: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:35:29.66 ID:P4XQVXPeo
――― 格納庫 ―――


一夏「おー!やっぱり、アーバレストはかっけぇなぁ!!ハイロボに出てきてもおかしくねぇよ」

宗介「ハイロボ?なんだそれは」

一夏「宗介、ハイパーロボット戦線知らねぇの!?」

宗介「肯定だ。戦術書か?」

一夏「ゲームだよ!ロボットアニメの夢の共演を実現させたゲームなんだぜ!!知らないのはもったいねぇって!後で、一緒にプレイしようぜ。宗介も絶対に気に入るからさ」

宗介「了解した」

シャル「同じ部屋だからって一夏ばっかり宗介と遊ぶのズルいよ!!」コソコソ

セシリア「後で、正式に抗議しましょう!徹底的に戦う事も辞さないレベルの事案ですわ」コソコソ

鈴「いや、この状況じゃあんたらの方が訴えられても仕方ないんだけど?」

576: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:39:29.17 ID:/hbPK1q0o
一夏「そう言えば、なんでアーバレストは待機モードがロボットの形のままなんだ?」

宗介「うむ、先程も言ったがアーバレストはISと言うよりASに近いらしい。山田教官との分析の結果、コアと一部の構造を除けば殆どASだ。そのせいだと考える」

一夏「へぇ、殆どASか……どうやって乗るんだ?」

宗介「うむ、アル待機モード解除」

《ラジャー》

一夏「うお、喋った!?」

宗介「アーバレストは高度AIを搭載している。この点もどちらかと言えばASの特徴が強い」プシュゥウ

一夏「おお!本当にコックピットみたいだな!!」キラキラ

宗介「そうだな。これも、俺のための配慮らしい。ただ、ISの直感的な操縦法と比べると扱いが難しい。バイラテラル角の設定やAIの補佐、熟練した操縦技術が求められる」

一夏「スペックを高くした分、操縦はシビアなんだな。AS乗りの宗介だから操縦できるISって事か」

宗介「肯定だ。他にも、シールド・エネルギーを他に回してるせいでバリアー等の防御システムは働かんから被弾は出来るだけ避けなければならん。そう言う意味ではピーキーな機体でもある」

一夏「カッコいいけど、難しい機体だな……なぁ、訓練前にちょっと模擬戦みたいな事やらないか?アーバレストの動き見てみたい!!」

577: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/12(月) 21:41:08.71 ID:/hbPK1q0o
宗介「アリーナの使用許可を申請してないぞ?」

一夏「どうせ、次の飛行訓練でアリーナ使うんだしそこ使えば良いよ。千冬ねぇは俺がとやかく言えば怒られるけど宗介が言えば許してくれるだろうし」

宗介「ふむ……」

シャル「そう言う事なら!」

セシリア「私たちも交ぜてくれませんこと?」

鈴「やっほー」

一夏「あれ?お前らいつの間にきたの?」

シャル「僕は宗介が行くところなら何処にでも現れるよ!」ドヤッ

セシリア「同じくですわ」ドヤッ

鈴「ストーカーを告白してる様なもんね。あ、アタシは次の授業が自習になって暇だったから暇潰し」

一夏「ふーん、まぁ、いいや。じゃあ、やろうぜ。なぁ、宗介いいだろ?」

宗介「……分かった。良いだろう。但し、手加減はせんぞ?」

一夏「望むところだ!!」

シャル「ビシバシ来てよ!」

セシリア「バッチコイですわ!」

鈴「二人が言うと別の意味に聞こえるわね」

584: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:11:45.10 ID:9TxmAvjuo
――― アリーナ ―――


シャル「あれが、宗介のアーバレスト……武装はOTOメララ社の散弾砲だね。僕とセシリアはインファイトに気を付けなきゃ……」

セシリア「シンプルな機体ですが、私たちのISより一回り大きいせいか威圧感がありますわね……」

一夏「大きいせいだけじゃねぇよ……あれは、宗介からの威圧感だ。アーバレストがASに近いから訓練機で俺らの相手をしていた宗介じゃなくて、本当の戦場にいた頃の宗介に限りなく近いんだ」ゴクリ

宗介『3人とも準備は良いか?』

一夏『構わねぇぜ!!』

シャル『こっちも!』

セシリア『いつでも構いませんわ!』

宗介『では、行くぞ。アル、ECS不可視モード作動』シュゥゥゥ

《ラジャー》

一夏「消えた!?」

セシリア「そ、そんな!?ハイパーセンサーでも探知出来ませんわ!」

シャル『み、みんな、気を付けて!これはECSだよ!!』

セシリア『ECS?なんですのそれは!?』

ズドンッ

セシリア「キャッ!?」

585: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:13:47.61 ID:9TxmAvjuo
一夏「セシリア!?」

シャル『ASに搭載されてる機能!要は光学迷彩だよ!!気を付けなきゃすぐにやられちゃう』

一夏『光学迷彩!?そんなもん、どうやって対処すれば良いんだよ!!』

ズドンッ

一夏「うわっ!?」

宗介『どうした。こちらは、バリアーが無いから君らの中で誰かが攻撃をヒットさせれば終わりだぞ?』

シャル「くそっ!だったら、弾幕を張って!!」

ズガガガガガ

宗介(弾幕を張ってターゲットを視認させないつもりか……状況判断能力と適応力はシャルがずば抜けてるか)

宗介『シャルロット、やはり君は賢いな』

シャル『えへへ///そうかな?』デレデレ

宗介『だが、まだ甘い』ドシンッ

シャル「そこ!」カチッカチッ

宗介「残弾の把握を怠るな。戦場では予備弾倉の有無で勝敗が決する事もある」

シャル「え、うそ!?弾が!!」

ズドンッ

586: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:15:14.01 ID:9TxmAvjuo
一夏「シャルがやられた!?くそっ!!」ギュンッ

セシリア『織斑さん!下がってくださいませ!!』ビュンッビュンッ

宗介「セシリアのビット攻撃か」ギュンッ

セシリア「そこですわ!ブルー・ティアーズ!!」

宗介「一基、隠してたか。セシリアも機転が利く様になってきたな」ダンッ

セシリア「な!?ブルー・ティアーズを蹴って回避した」

ズドンッ

宗介『良いアイディアだ。他の武装と連携が取れないという弱点を上手く補ったな。だが、まだまだ甘い』

セシリア「ハァ、完敗ですわ。でも……宗介さんに誉められました///」

宗介『さぁ、あとはお前だけだぞ』

一夏「流石、宗介だぜ。だけど、俺だって成長してんだ!行くぜ!!」ギュンッ

宗介「来い、一夏」ジャコンッ

587: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:16:47.77 ID:9TxmAvjuo
箒「……一夏は強くなったな」

鈴「あれ?あんた居たの?」

箒「ああ、打鉄の調整をしていた」

鈴「ふーん……確かに、一夏は強くなったわね。まぁ、あの根暗軍曹のお陰って考えるとなんかしゃくだけどね」

箒「……相良は、それほどのものなのか?確かに、実戦経験の差という物もあるだろうが千冬さんに比べるとそれほど凄いとは思えない。なぜ、一夏は相良の背中を追う様な事をする」

鈴「あの根暗が、一生懸命だからでしょ」

箒「一生懸命?」

鈴「アイツ、一夏の護衛のために来たんでしょ?そのために色々やってるんだなぁとか色々やろうとしてるんだなぁって、事情を知ったら何となくそう見える様になったじゃん」

箒「……そう、か」

鈴「一生懸命考えて、一生懸命動いて、失敗して、落ち込んで、そう言う所が表情からじゃなくて、雰囲気から伝わってくんのよ。そう言うの分かったら、悪いヤツじゃないんだなって思うし、好意を抱くもんじゃない?そんで、一夏って熱血バカで年寄りみたいな考え方するからそう言う不器用な所がとても好ましく思って、尊敬すらしてると思うのよね」

588: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:18:08.63 ID:9TxmAvjuo
箒「凰は、一夏の事が良く分かっているんだな……」

鈴「いやいやいや、あの2バカは全人類でも分かりやすいバカだと思うわよ?まぁ、素直とも言えるけどね」

箒「……だけど、それは同じ専用機持ちだから……同じ舞台に立ってるから……余裕があるから分かる事だ」

鈴「はぁ?それ、関係ないでしょ?」

箒「だって、そうだろ?傍らに居るのと離れているんじゃ相手に対する印象も変わって来るものじゃないか。当然、知る事も限られてくる」

鈴「なに言ってんの?人と人との関係なんて、そんな物で変わるもんじゃないでしょ」

箒「それは……余裕がある者だから言える言葉だ。私は、専用機持ちではない。つまり、一夏の何にもなれないんだ」

鈴「なに拗ねてんの?苛々するんだけど」

箒「お前達とは考え方が違うんだ」スタスタ

鈴「そんなん当たり前じゃん。と言うか、専用機持ちか否かで優劣がつくわけないのに……なんか、あの態度は釈然としないなぁ……一応、一夏に教えてあげようかな」

589: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:20:06.38 ID:9TxmAvjuo
一夏「そこっ!」ギュンッ

宗介「遅い」バシュッ

一夏「ちッ、敏捷性が半端ねぇ……あんな動きで攻撃されたら手も足も出ないままやられちまう……」

宗介(一夏、腹を立てるな。冷静に状況を判断し、戦術を組み立てろ。君は強くなる必要があるはずだ)

一夏「シールドエネルギーを犠牲に突っ込むか……向こうはバリアーがないわけだし……いや、それは読まれてるだろうし、そうした所で避けられるのがオチか」

ズドンッ

一夏「うわっ!?」

宗介「戦場で考え事とは余裕だな?」

一夏「くそッ……銃があればそれで牽制して動きを封じる事が……ん?待てよ……」

宗介「そろそろ、訓練の時間だ。終りにするぞ」ギュンッ

一夏「おらッ!」ブォン

宗介「唯一の武装を放棄した?いや、投擲か?」バシュッ

一夏「そこぉぉぉぉぉ!!」

宗介「加速して特攻してきただと?自棄とは感心しないな」

一夏「なんてな」ギュンッ

宗介「なに!?そうか、武装を投擲したのは牽制のためで、次いでに俺に回避をさせる事で隙を作ったのか。加速は特攻に見せかけて武装を取りに行くため……そして、武装を取り奇襲とする。やるじゃないか!」

590: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:21:06.14 ID:9TxmAvjuo
一夏「宗介、もらったぜ!」

宗介「まだだ!」

ズドンッ

一夏「うわっ!?」

宗介「なに?」

?「ちッ、殺り損ねたか」バシュッ

宗介『一夏、大丈夫か!?』

一夏『ああ、問題ないけど、シールド・エネルギーが切れちまった。何が起きたんだ?』

宗介『浸入者だ!黒いISが浸入している様だ!俺は、ヤツを追う。君は織斑教官に報告しろ』

一夏『分かった!宗介、気をつけろよ!!』

宗介『了解した!!』バシュッ

591: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:22:34.00 ID:9TxmAvjuo
シャル「一夏!?どうしたの?」

セシリア「宗介さんの物ではない攻撃だった様ですが」

一夏「浸入者らしい。千冬ねぇに知らせないと」

千冬「お前ら、授業のベルも鳴ってないのに熱心だな」

シャル「織斑先生!浸入者です!!」

千冬「なに!?それは本当か」

一夏「うん!俺を狙って攻撃したみたいだ。宗介が追跡するって」

千冬「またしてもか!授業は中止だ!!オルコットは生徒会長の更識楯無を呼んで来い。デュノアは山田先生に状況報告して、授業中止の旨を伝えろ」

シャル「分かりました」

セシリア「相良さんは大丈夫でしょうか……また、前の危険なテロリストの可能性も……」

千冬「その可能性は考え難い。ガウルンは相良が相当な痛手を与えたはずだ。もし、そうだとしたら今度は私が相良を命に変えても守る」

一夏「千冬ねぇはそんなに宗介の事を……俺、宗介をお義兄さんって呼ぶ練習しないとな」ニヤニヤ

スパァン

千冬「ば、馬鹿者!」カァァ


―――
――

592: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:23:58.47 ID:9TxmAvjuo
宗介「織斑教官」

千冬「戻ったか。すまない……また、お前に面倒をかけてしまった」

宗介「いえ、これも自分の任務ですので。それに、対象は取り逃がしてしまいました……」

千冬「アーバレストのレーダーやセンサー等にも引っ掛からなかったのか?」

宗介「いえ、センサーを索敵モードに変えたところ引っ掛かったのですが罠にかかってしまい足止めされた隙にセンサーの範囲外に逃げられてしまいました」

千冬「罠?どんな罠だ?」

宗介「AIの分析によれば慣性を停止させて対象の動きを止める物だと」

千冬「なに!?」

宗介「教官、心当たりが?」

千冬「……相良、余裕があればで構わない。私の頼みを聞いてくれないだろうか?」

593: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/13(火) 21:25:37.43 ID:9TxmAvjuo
宗介「頼み?」

千冬「……こいつの面倒を見てほしい」カサッ

宗介「その書類は」

千冬「IS学園への転入届けだ。ラウラ・ボーデヴィッヒ……ドイツ軍IS配備特殊部隊シュヴァルツェ・ハーゼの部隊長を勤める人間でもある。私が、ドイツにIS操縦の教官として呼ばれた時に教えた謂わば教え子なんだ」

宗介「……ドイツ軍がIS学園に介入してきたという事は、IS学園の機密事項を狙っての事と言う訳ですか?」

千冬「上の狙いはそう言う事なんだろうが、こいつの……ラウラの狙いは違うだろう……」

宗介「一夏ですか?」

千冬「恐らく……ただの私怨だろうがな。そこら辺は込み入った事情があるんだが……」

宗介「織斑一夏を狙うと言うのなら自分の敵です。どの様な事情があろうとその事実さえ分かっていれば些末な事です。問題ありません」チャキ

千冬「いや、それはやめてほしい。できれば、一夏やデュノア、オルコットにしている様に面倒を見てやってほしいんだ。本当は私がやるべき事なのだろうが……私の言葉は届かない。上辺だけの言葉は届いたとしてな……」

600: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:12:28.66 ID:GLiHDXwHo
――― 一夏と宗介の部屋 ―――


千冬『アイツはどことなくお前に似ているんだ。だから、お前の言葉なら届くかもしれない』

宗介「教官は自分に、何を伝えろと言うんだ?」

ガチャ

一夏「お、宗介帰ってたのか。シャワー浴びろよ。んで、ハイロボしようぜ」

宗介「ふむ」

一夏「宗介?おーい」

宗介「一夏、ひとつ聞くが俺はどういう人間だ?」

一夏「ん?急にどうしたんだ?」

宗介「いや、少しな……良ければ君の俺に対する印象を教えてほしい」

一夏「うーん……不器用なヤツかな?」

宗介「不器用?」

一夏「うん。こうすればもっと楽なのにとか、なんでそこで力入れるかなーとか思う事が良くある」

宗介「不器用……か」

一夏「でも、俺は宗介のそう言う所が好きだし尊敬すらしてるんだぜ?だって、宗介は逃げねぇもん。一生懸命やって、絶対に手を抜かない。自業自得なくせに、それにすらも全力で向き合ってさ。俺なら無理だな……どっかで手を抜いたり諦めたりするかも」

宗介「つまり、俺は朴念仁ということか?」

602: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:14:21.77 ID:GLiHDXwHo
一夏「朴念仁?なんだそれ?」

宗介「マオが、俺の同僚がお前は朴念仁だと」

一夏「んー……朴念仁がどういう意味か分かんないからなぁ。まぁ、糞真面目とかそんな感じじゃないか?」

宗介「糞真面目か。なるほど、それなら理解できる。クルツにも良く言われた」

一夏「なぁ、俺も聞いて良いか?」

宗介「なんだ?」

一夏「宗介ってミスリル?ではどういう生活してたんだ?友達ってマオさんとウェーバーさんの他に居たのか?そう言えば兄弟とか居ないのか?」

宗介「ふむ、俺に肉親と呼べる人間はいない。親兄弟はいないんだ」

一夏「あ、ごめん……そうなのか……」

宗介「気にするな。その代わり、信頼のおける掛け替えの無い同僚や仲間がたくさん出来た。マオ、クルツ、カリーニン少佐、大佐殿、アフガンの部族の人間や中東ゲリラ勢力、そして、君やセシリアやシャルロット、凰や篠ノ之、織斑教官もそうだ。俺は恵まれている」

一夏「宗介ぇぇぇ」ウルウル

宗介「なぜ、泣いているんだ?」

一夏「へへ、嬉しくてさ。なぁ、もっと聞かせてくれよ!」


―――
――

603: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:16:18.90 ID:GLiHDXwHo
~ 翌日 ~


千冬「今日は、転入生を紹介する。だが、あまり騒がない様に!では、入れ」

スタスタ

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」


「眼帯?って言うかちっちゃくない?」
「でも、目付き鋭いね……」


ラウラ「貴様らと馴れ合う気はない。私は既にドイツ軍IS配備特殊部隊に身をおいている。貴様らの様なレベルの低い連中と訓練をするだけ無駄だと思っている。だから、気安く話し掛けてくれるな」

千冬「ラウラ!なんだ、その発言は!!」


「何あれ感じ悪ーい!」
「でも、軍属だってよ……?」
「軍曹殿を侮辱したな!絶対に許さないであります!!」


セシリア「まぁ!なんて傲慢な方ですの!?」

シャル「さすがの僕もちょっとカチンと来たよ!!」

604: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:17:44.69 ID:GLiHDXwHo
宗介(あれがラウラ・ボーデヴィッヒか……本当にドイツ軍の下士官か?傲慢さは慢心を引き出し油断をさせる。仮にも部隊長ともあろう立場の人間があの様な言葉を吐くとは……理解できん)

スタスタ

ラウラ「特にお前だ。織斑一夏」

一夏「へ?」

千冬「ラウラ!!」

ラウラ「貴様の様に府抜けた者が……教官を……」ギリッ

ブンッ

宗介「やめておけ」ガシッ

ラウラ「なに!?なんだ貴様!」

宗介「相良宗介、織斑一夏の友人だ」

ラウラ「お前がもう一人の男のIS適性者とやらか」

宗介「肯定だ」

ラウラ「なぜ、私の邪魔をする。くだらない友情ごっことやらか?」

宗介「友情ごっこではない。俺は、織斑一夏を戦友とまで思っている。だが、それだけではない。些末な諍いで部隊の和を乱せば作戦行動での連携の際に乱れが生まれ、部隊全体を危険に晒す事もありえる。俺は、それを危惧して制止しているだけだ」

ラウラ「……くっ」バッ

セシリア「さすが宗介さんですわ///」

シャル「宗介カッコイイ~///」

「さすが軍曹殿であります!一生ついていくであります!!」ビシッ

一夏(教官って千冬ねぇの事か?もしかして千冬ねぇがドイツに居た時の……だとしたら……)

605: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:18:58.14 ID:GLiHDXwHo
千冬「ラウラ、相良の言う通りだ。わざわざクラスの和を乱す様な真似をするな」

ラウラ「……了解しました」

千冬「相良、ありがとう」

宗介「いえ、自分はなにも」ビシッ

ラウラ「……ちッ」

千冬「ラウラ、早く席につけ」

ラウラ「……はい」

スタスタ

ラウラ「私は、お前を許さん。覚えておけ」

一夏「…………」

宗介「一夏、大丈夫か?」

一夏「え!?あ、うん、大丈夫大丈夫!!」

宗介「ならば良い」

一夏(もし、アイツが怒ってる理由が俺の予想通りだとしたら……俺のせいだよな……)

宗介(一夏、何か心当たりがある様だな。些末な事情かと思ったが、知らなければ教官からの任務が困難になりそうだな。探っておくか)


―――
――

606: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:20:33.56 ID:GLiHDXwHo
~ 昼休み ~


宗介「一夏」

一夏「宗介?」

宗介「君に尋ねたい事がある。君は、ラウラ・ボーデヴィッヒが言った事に少なからず心当たりがあるな?それを教えてほしい」

一夏「え、まぁ、隠すほどの事じゃないから別に良いけど、急にどうしたんだ?」

宗介「ラウラ・ボーデヴィッヒは君に敵意を持っている。あそこまで堂々していたのでは、諜報活動も何もあったものではないだろうからあくまでも私怨なのだろうが、友人に敵意を向けられては俺も穏やかではいられん。だが、シャルロットの時の様な失態は犯したくない。そこで君に詳しい事情を聞き、問題の解決をしようと考えた」

一夏「アハハ、なるほど、ね。やっぱり宗介って不器用だな。そこまで話さなくてもはぐらかして聞けば良いのにさ」

宗介「俺は朴念仁だからな」

一夏「それ、調べたけどあんま良い言葉じゃないぞ?」

宗介「そうなのか」

一夏「アハハ、そうだよ。まぁ、それは置いといて……宗介って無力感とか感じた事ある?」

607: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:22:05.97 ID:GLiHDXwHo
宗介「ある」

一夏「え?マジで?」

宗介「肯定だ。たくさんの戦友の死を見た。その度に自分の無力さを嘆いた」

一夏「良く考えれば宗介って普通のヤツよりもどうしようもない状況とかに立ち会ってるんだもんな……そう考えれば俺のはちっぽけな気がしてきたわ……」

宗介「君もあるのか」

一夏「うん……無力感……と言うか自分の弱さに辟易したって所かな……俺さ、誘拐された事があるんだ」

宗介「なに?」

一夏「その頃は、IS適性があるなんて分かってなかったからそれが原因じゃなくて、目的は……千冬ねぇ」

宗介「織斑教官の弟である君を人質にとって何かしらの交渉で優位に立とうとしたと言う事か?」

一夏「違う違う。もっと、なっさけない話。千冬ねぇがブリュンヒルデって呼ばれてるのは宗介も知ってるだろ?」

宗介「ISの競技大会で優勝すれば得られる称号だそうだな。……なるほど、そう言う事か」

608: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:23:25.47 ID:GLiHDXwHo
一夏「千冬ねぇは1回目のモンド・グロッソで優勝してその称号を手にいれた。それで、周りがビビったんだろうな……2回目の時に俺が誘拐されて、千冬ねぇは俺を助けたために2連覇を逃したってわけだ」

宗介「なるほど。それで、それとラウラ・ボーデヴィッヒと何か関係が?」

一夏「その時に、千冬ねぇの手助けをしたのが千冬ねぇがIS操縦の教官として出向してたドイツ軍らしいんだ。多分、ラウラは千冬ねぇが2連覇出来なかった原因である俺を恨んでる」

宗介「……ふむ」

一夏「俺と千冬ねぇは両親に捨てられててさ。俺は、千冬ねぇに育てられて来たんだけど、なんかそれが申し訳なくて……出来るだけ千冬ねぇに迷惑かけたくないってのにそんな事で千冬ねぇにめちゃくちゃ迷惑かけて……もっと、自分が強かったら……守られるんじゃなくて、千冬ねぇを守れるくらい強かったらって考えたら自分の無力さとか弱さに辟易して」

宗介「……君は弱くないぞ?」

一夏「え!?」

609: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:24:54.45 ID:GLiHDXwHo
宗介「君は弱くない」

一夏「いやいやいや!だって、俺いつまでたっても訓練の時に宗介に蛆虫って言われるし、宗介に勝った事ないし、今も過去の事を思い返してウジウジしてるし」

宗介「君は、セシリアとの模擬戦の時に俺に勝っているだろう。正直、あの戦術の突飛さには肝を冷した」

一夏「いや、そうだけど……」

宗介「それに、君はシャルロットの時に彼女を庇った。人を疑う事は容易いが、人を信じる事は難しい。それを、君はさも当たり前の様にやってのけた。それもある種の強さだと俺は考える」

一夏「それは、俺が鈍くてシャルがスパイだって見抜けなかっただけって言うか……」

宗介「凰を守るために無人機ISに挑んだ。それに、何よりも俺の訓練に弱音を上げずついてきている。新兵の時分なら必ず泣き言を吐くものだがな」

一夏「確かにキツいもんな……」

宗介「俺は精神論者ではないが、君の心は強いと言えるだろう。少なくとも君が無力感を感じた頃よりは格段に強くなってるはずだ。心を鍛えると言うのは兵士がもっとも苦心して行う訓練だ。なのに、君は意図せず心の強さを手にいれた。つまり、君は兵士としてとても高純度の素質を備えてると言える。誇って良い」

610: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:26:00.96 ID:GLiHDXwHo
一夏「宗介のそう言うところズルいよなぁ……かっこよすぎるよ……」ウルウル

宗介「俺は思うまま言ったまでだ。他意はない」

一夏「それがカッコイイんだっての!」

宗介「良くわからん」

一夏「へへ、ありがとな宗介」

宗介「取り敢えず、事情は分かった。問題は、ラウラ・ボーデヴィッヒだな……」

一夏「それは、どうしようもないよな。事実、俺のせいなわけだし」

宗介「正直、俺は彼女に対して腹が立っている。とても、軍人の思考とは思えん。逆恨みも良いところだ。そう言う人間が、いずれ上官殺しなどやるものだ」

一夏「そ、そうなのか?」

宗介「そうだ。どの様な事情があるにしろ、そう言う人間は矯正してやらねばならないだろう。俺はお人好しではないのでな」

611: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/14(水) 21:27:04.56 ID:GLiHDXwHo
一夏「い、一体どうするってんだ?」

宗介「簡単だ。タッグトーナメントで完膚なきまでに叩いて潰す。気分は、さながら二次大戦中の英米攻撃機のパイロットだ。地獄の果てまで追い回し、骨の髄まで分からせてやろう」

一夏「そ、宗介、なんか悪い顔してるな……」

宗介「これは、戦争だ。一心不乱のな」

一夏「こ、こんな宗介初めてだな……」

宗介「一六○○にブリフィーングを行う。遅れるなよ」

一夏「お、おう」

宗介「返事はイエッサーだ!なんだ、その府抜けた返事は!!」

一夏「イ、イエッサー!!」ビシッ


―――
――

630: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:40:10.03 ID:G0Rsl1vMo
~ 放課後 ~


シャル「あれ?宗介と一夏は?」

セシリア「なんでも、ブリフィーングをなさるとかでいらっしゃらないみたいですわ」

シャル「へー……なんか……最近、一夏って宗介にベッタリだね」

セシリア「デュノアさんも感じていらっしゃいましたか……怪しいと思いませんか?」

シャル「ま、まさか……姉弟揃ってって事!?」

セシリア「じ、実は……先日、職員室の山田先生のデスクで不穏な本を見つけてしまったのです……」

シャル「ふ、不穏な本って!?」

セシリア「く、口に出すのも憚れるのですが……そ、その、殿方同士が……The Scientistと言いますかLet There Be Loveと言いますかcreepと言いますか……」

シャル「な、なんとなく分かったよ……って言うかcreepを例えに出すのやめてよ……その曲が使われてた映画、僕大好きなんだよ……同じ名前の女優さんが出ててさ……って言うか山田先生……」

セシリア「そ、宗介さんはそんな事ありませんわよね!?」

シャル「あ、当たり前だよ!だって、宗介は僕を救ってくれた王子様なんだもん///」ポッ

セシリア「いやいやいや、宗介さんは王子様なんて軟弱なものじゃありませんわ。宗介さんは雄々しいんですの///」ポッ

631: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:41:26.89 ID:G0Rsl1vMo
シャル「はッ?」

セシリア「あの時の宗介さんの眼差しは正しく漢、あのまま宗介さんの胸に飛び込んでいたらさぞ幸せだった事でしょうに……」クネクネ

シャル「む、あの時の宗介はかっこ良かったなぁー……君は俺が救ってやる!ってさぁ!!ほっぺにちゅー(嘘)しちゃったし!!」

セシリア「はッ?わ、私なんか、セシリアは美しい!君の写真を持って戦場で疲弊した心を癒せればどんなに良いだろうと言われましたわ(嘘)」

シャル「宗介はそんなキザったらしい事は言わないよ!嘘つき!!」

セシリア「あら、あなたこそ嘘つきじゃありませんこと!?」

シャル「……こうなったら、まずは僕達のどっちが宗介に相応しいか決めるしかないね」

セシリア「賛成ですわ……白黒はっきりつけましょう……ISで!!」

632: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:43:12.62 ID:G0Rsl1vMo
シャル「セシリア、遅かれ早かれ僕達はこうなる運命だったんだね」

セシリア「悲しい運命ですわね……ですが、容赦はいたしませんわ!!」

シャル「行くよ!!」ギュオン

セシリア「行きますわよ!!」ギュオン

ドガンッ

シャル「なに!?」

セシリア「なんですの!?」

ラウラ「織斑一夏がいると思ってきたが、いないのか……」

シャル「ラウラ・ボーデヴィッヒ!?」

ラウラ「ふん、フランス人とイギリス人か。邪魔だ」

セシリア「あなた!いきなり攻撃して何様ですの!?」

シャル「そうだよ!一言謝っても良いじゃないかな?」

ラウラ「なぜ、私が謝らなければならん。貴様らの様な雑魚が、どうなろうと私には関係ないからな」

鈴「ふーん、言うじゃん転校生」

シャル「鈴?なんで居るの?」

鈴「タッグトーナメントが近いから訓練しようと思って来たの。そしたら、あんたらが面白い口論始めたから隠れて見てたってわけ」

ラウラ「ふん、雑魚が増えたか」

633: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:44:42.81 ID:G0Rsl1vMo
鈴「あんたがどんだけのもんか知らないけど、友達が攻撃されて黙ってられるほど、アタシは甘くないわよ」

ラウラ「お前ら中国人は机と椅子以外なんでも食べるそうだな?そこのフランス人とイギリス人は予備の食料か何かか?」

鈴「なんですって!?」ギリッ

ラウラ「イギリス人は止めておけ。奴等の食い物は人間の食い物じゃない。いくら中国人と言えども腹を壊すぞ?」

セシリア「あ、あなた、良くも私の母国を馬鹿にしてくださいましたわね!!」ギリッ

ラウラ「まぁ、あの男IS適性者……サガラとか言ったか?あのジャパニーズ・モンキーよりは白人な分マシか」

セシリア・シャル「「プッチーーン」」

シャル「もう頭に来た!けっちょんけっちょんにしてジャパニーズ土下座させてFacebookにあげてやる!!」

セシリア「私達の宗介さんを侮辱するなんて命しらずですわね?全裸にひん剥いてアキハバラに投げ捨てて差し上げますわ!!」

ラウラ「ふん、来い雑魚共。アマチュアとプロフェッショナルの違いを教えてやる」


―――
――

634: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:48:08.81 ID:ctIhJ3Umo
一夏「なに!?セシリアとシャルと鈴がラウラに負けた!?」

「こ、肯定であります!織斑教官から言伝てを預かったので探していたところ一六三○にアリーナで発見し、ボロボロだったので事情を聞いたところ訓練中に介入されて……」

宗介「なるほど……それで、3人はどこにいる」

「ほ、保健室でありますサー!!」ビシッ

一夏「い、行こうぜ宗介!!」

宗介「ああ、そうしよう。情報提供感謝する」ビシッ

「じ、自分は、軍曹殿と会話できただけ光栄であります!サー!!」ウルウル

一夏「宗介、早く!!」

宗介「落ち着け一夏」

一夏「落ち着いてられっかよ!!」タッタッタッ

635: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:58:04.06 ID:JAqcjM71o
――― 保健室 ―――


一夏「シャル!鈴!セシリア!」

スパァン

千冬「声が大きいぞ馬鹿者」

宗介「教官、3人の容態は?」

千冬「容態も何も元気そのものだ。ただ、ISは修理せねばならん。タッグトーナメント出場は無理だろう」

一夏「鈴!」

鈴「なによ……うるさいわね……」

ギュッ

一夏「良かった……怪我なくて良かった……」

鈴「ちょ、ちょっと一夏///」

宗介「ラウラ・ボーデヴィッヒ。少し、行動が目に余ります」

千冬「すまん……だが、本当はあんなヤツではないんだ……ただ」

宗介「調べましたが、歪んでしまったのは教官のせいではありません。彼女の弱さに起因します。あの歪みは即刻正さねばならないでしょう」

千冬「さすがに調べたか……私では正せなかったよ……むしろ、私に依存させてしまった……情けない限りだ」

宗介「いえ、もはや彼女自身の問題でしょう。教官は出来る限りの事をやったと思います。彼女に必要なのは、彼女を擁護する同調者ではありません」

636: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 21:59:22.90 ID:JAqcjM71o
千冬「私は、お前に迷惑ばかりかけているな……」

宗介「問題ありません。自分は、教官がいなければガウルンに負けていました。教官ほど、教育者として長けた人間を自分は知りません。素晴らしい女性です」ビシッ

千冬「え、あ、えっと……ありがとう///」

宗介「セシリア、シャルロット」

セシリア「宗介さん……」グスッ

シャル「宗介……ごめん……宗介を馬鹿にされたのに……負けちゃった」グスッ

宗介「情けない限りだ。俺の訓練を受けていながらおめおめと逃げ帰るとはな」

セシリア「……すいません」ポロポロ

シャル「うぅ……ごめんなさい……」ポロポロ

宗介「だが、俺は君たちの情けなさ以上に、可愛い教え子をいたぶられた事が相当頭に来ている。君たちは黙ってタッグトーナメントを観戦する事だ。俺と一夏が君たちの敵を見事に討ってみせよう」

シャル「宗介ぇぇぇぇ」ギュッ

セシリア「宗介さぁぁぁぁん」ギュッ

637: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 22:00:44.10 ID:JAqcjM71o
一夏「宗介、俺、宗介がラウラを叩いて潰すって言った時、正直そこまでしなくてもって思った」スタスタ

宗介「そうか」スタスタ

一夏「でも、今はそう思ってねぇ。めちゃくちゃ頭に来てる。俺を狙うなら良いけどクラスメイトのシャルやセシリア、関係ない鈴の訓練してるところを襲撃して、ISを壊すくらい攻撃するなんて許せねぇ!!」スタスタ

宗介「ならば、どうする」スタスタ

一夏「これを宣戦布告と受け取って、ラウラ・ボーデヴィッヒをタッグトーナメントで叩いて潰す」スタスタ

宗介「よろしい、ならば戦争だ」スタスタ

一夏「ああ、戦争だ!」スタスタ

宗介「明日、一七○○より対ラウラ・ボーデヴィッヒ戦に向けて訓練を行う。ドイツ人をジャーマンポテトにしてやろう」スタスタ

一夏「ああ、ザワークラウト添えてやるぜ!」スタスタ


―――
――

638: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 22:01:50.95 ID:JAqcjM71o
――― 格納庫 ―――


箒「ラウラ・ボーデヴィッヒ……」

ラウラ「誰だ貴様」

箒「篠ノ之箒だ。お前とクラスメイトの」

ラウラ「ふん、知らん。雑魚の顔など覚えようなどと思えんからな」

箒「ざ、雑魚……」

ラウラ「で、なんの用だ」

箒「タッグトーナメントで……私とタッグを組んで欲しいんだ」

ラウラ「なぜだ」

箒「私は、強くなりたい。そのために、自分の力を確認したいんだ。私のレベルはどの程度なのかと、な。そのために専用機持ちの面々と戦いたいんだ」

ラウラ「ならば、私でなくとも良いだろう」

箒「それは……お前が、オルコット達に勝ったからだ。専用機持ち3人を相手に勝つなど尋常な腕ではない。そんなお前の戦いを間近で見ていられたら私も参考になるだろうと……」

ラウラ「仲間がやられていたのを見てて助けに入ろうとすら思わなかったのか」

箒「…………っ」

639: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 22:03:13.08 ID:JAqcjM71o
ラウラ「第一、なぜ強くなりたい」

箒「……私は独りになりたくない」

ラウラ「……どういう事だ?」


箒「私に家族はいない。いや、正確には散り散りになってしまった。独りは辛いものだ……私は政府保護プログラムのせいで各地を転々としてしみじみ思った……だから、IS学園で一夏と再会できた時は嬉しかったんだ。だが、一夏は相良と出会ってしまい私など見向きすらしない。オルコットやデュノアも相良と出会い、面付きが変わった。まるで、相良を中心に円ができた様に周りは私を取り残して変わっていく……」

ラウラ「…………」

箒「3人は相良の影響からか強くなった。一夏なんて見違えるくらい強く……そして、気付いた。私は、あの円から弾き出されてしまったのではないか?とな。だから、強くなりたい。強くなって私も居るのだと気づいてほしい……」

ラウラ「貴様、そんな理屈で強くなりたいとは笑わせるな。実にくだらん」

箒「な、なに?」

640: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 22:04:42.30 ID:JAqcjM71o
ラウラ「結局は、織斑一夏を独占したいというところだろう?色恋に現を抜かす様な輩が強くなりたいとほざくとはさすが安寧に浸った弱小国の人間は言う事が違うな」

箒「違う!私は、自分のあり方を示すために強くなる事で」

ラウラ「詭弁など聴く耳は持たない。だが、貴様の提案は受けてやる。精々、盾くらいには使えそうだからな」

箒「私の話を聞け!!」

ラウラ「自分のエゴのために、強くなりたいという理由を体の良い言い訳に使ってるヤツの言葉など、聞く気にならん!!」

箒「では、お前はなんのために一夏を狙う!さぞ、ご立派な理由があるんだろうな!?」

ラウラ「私は……強かった織斑教官を取り戻して欲しい……そのために、汚点である織斑一夏を叩き潰す!!」

箒「それだって、エゴではないか!!」

ラウラ「エゴじゃない!貴様に何がわかる!!」

641: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/15(木) 22:05:51.03 ID:JAqcjM71o
箒「お前こそ、私の何がわかる!」

ラウラ「貴様の事など理解しようとも思えんな!」

箒「くっ……もう良い……これ以上は堂々巡りだ。今回のタッグ、あくまでも真摯な思いで提案したが、気が変わった。私は、お前を利用する」

ラウラ「ふん……私は端からそのつもりだ」

箒「だが、ひとつ忠告してやる。お前は、一夏に届かないだろう。相良が、必ずお前の前に立ち塞がるだろうからな……」スタスタ

ラウラ「サガラ……私を止めたアイツか……ならば、そのサガラを下してから織斑一夏を叩き潰してやる!」


―――
――

665: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:08:04.48 ID:kBzxmDPro
――― タッグトーナメント当日 ―――


『勝者、織斑一夏・相良宗介ペア!』


ワアアアアアア


「織斑くんと相良くん強すぎーー!」

「相良くんが牽制して、織斑くんが飛び込む。避けても相良くんがリカバーに入るし、あの二人のコンビネーション隙無さすぎだよ~」

「軍曹殿の勇姿は血沸き肉踊るであります!!」ムフー


箒「一夏のヤツまた強くなった……私は……置いていかれてしまうのか?」

666: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:09:06.58 ID:kBzxmDPro
一夏「ちッ、トーナメントなんて焦れったいぜ。早く、ラウラのヤツを……」ギリッ

宗介「焦るな一夏。冷静さを失えば足下を掬われるぞ」

一夏「ああ、そうだな。地獄の訓練を潜り抜けたんだ。やってやるだけだ」

鈴「一夏!すごいじゃんアンタ!!快勝に次ぐ快勝じゃない」

一夏「今日の俺は負ける気しねぇよ。鈴のため……セシリアとシャルのために俺は必ず勝つ」

鈴「本当は私の手でリベンジしたかったけど、仕方ないわね。アンタに任せるからね?」

一夏「ああ、必ずラウラのヤツをジャーマンポテトのザワークラウト添えにしてやる!!」

鈴「いや、それはよくわかんないわ」

千冬「相良……」

宗介「織斑教官?」

667: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:10:08.70 ID:kBzxmDPro
千冬「ラウラの事……大丈夫なのか?一夏のヤツ、ラウラに相当頭に来てるみたいだ。互いに憎み合う様な事にはならんのか?」

宗介「そうなったとしても何ら不思議はないでしょう。自分もそうなっても構わないと言う思いで一夏を煽りました」

千冬「……ラウラは救いがたいほど歪んだのか」

宗介「いえ、彼女は純粋なままです。だが、やり口があまりに幼稚で短絡的だ。とても、訓練された兵士とは思えません。故に、自分と一夏で正します」

千冬「戦いを通して分かり合う事もあるという事か……」

宗介「肯定です。彼女は教官を崇拝している。その教官の言葉が届かないというのなら、自分が出来る事はこれくらいでしょう。ですが、心配は無用です。教官の教え子ならば、必ず真意に気付くはずですから」

千冬「しかし、一夏の怒りは収まるだろうか?ラウラが改心したとして、不和のままという事には……」

宗介「織斑一夏は愚かではありません。それに、自分の友人であり、貴女の弟は強い。強い人間はえてして器が大きいものです」

千冬「……ふふ、まるで相良が教官で私が訓練生だな。相良、ラウラを導いてやってくれ」

宗介「了解しました」ビシッ

668: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:10:59.09 ID:kBzxmDPro
シャル「宗介、一夏!決勝の相手、決まったよ!!」

一夏「相手は誰だ?ラウラか!?」

セシリア「ええ……ですが……」

宗介「どうしたセシリア」

シャル「一夏、落ち着いてね?ラウラのパートナーが……箒なんだ……」

一夏「なんだと!?」

宗介「やはり、あの二人が勝ち上がっていたか」

一夏「宗介、知ってたのか?」

宗介「偵察は基本だからな。だが、我々の脅威ではない。連携をしようとせず、互いに己の力のみを頼りとした戦いだ。ラウラ・ボーデヴィッヒさえ潰してしまえば、勝ちは揺るがないだろう」

一夏「……そうか」

鈴「一夏……大丈夫……?」

一夏「ああ、問題ねぇ。箒が敵に回ったってんなら箒にも勝ってやるだけさ」

鈴「あのさ……」

一夏「なんだ?」

宗介「一夏、行くぞ」

一夏「ああ!鈴、用がないなら行くぞ?必ず勝って帰ってくるからな」

鈴「あ、うん……(アイツが変だった……なんて、今さら言ったって意味ないか。それと、一夏の敵に回った理由が関係あるとは限らないしね)」


―――
――

669: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:13:09.39 ID:kBzxmDPro
――― ラウラ・箒側控え室 ―――


ラウラ「やっと織斑一夏とサガラと戦えるな……やっと、私の目的が果たせる……」

箒(一夏に私の力を示す……そして、私も居るのだと気づいてもらうんだ……そのために一夏と相対する様にもっていく!!)

ラウラ「貴様、次は私の足を引っ張るなよ」

箒「お前こそ、私の邪魔をするなよ」

ラウラ「ほざけ」

コンコン

千冬「少し良いか?」

ラウラ「教官!?来てくださったのですか!」

千冬「お前に伝えたい事があるんだ」

ラウラ「アドバイス……ですか?」

千冬「どうだろうな……お前には余計な言葉と思われてるかもしれない……だが、私はお前に伝えなければならん」

ラウラ「なんでしょう?」

千冬「これから戦う相手は、お前がなるかもしれなかった可能性のひとつだ。しっかり感じとれ、相良宗介という人間を……そうすればお前は本当に必要な事に気付けるかもしれん」

ラウラ「教官?なぜ、そんなヤツの事を!?」

千冬「私は、ヤツに頼んだんだ。お前の歪みを正してくれとな。アイツとお前の境遇は似てる……だが、相良宗介とラウラ・ボーデヴィッヒは決定的に違う。お前にはその違いに気づいて欲しいんだ。そうすれば、お前は変われるだろう」

ラウラ「…………」ギリッ

千冬「そろそろ時間だ。健闘を祈る」

670: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:14:36.17 ID:kBzxmDPro
ラウラ「篠ノ之箒……サガラには手を出すな……私が殺る」

箒「一夏は良いのか?」

ラウラ「織斑一夏よりも先に、ヤツを潰さねばならん!ヤツは……教官を誑かした……あんな、教官の顔を私は知らない……」ギリッ

箒「良いだろう。相良のアーバレストは私とは相性が悪いしな」

ラウラ「忌々しい……私は、軍人だ!あんな極東の学生ごときに負けるわけがない。必ず、潰してやる」

箒(よし、これで一夏と戦える!必ず一夏に私の強さを見せてやるんだ!!)

ラウラ「行くぞ」


―――
――

671: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:16:11.45 ID:kBzxmDPro
~ 決勝戦 ~


宗介『一夏、落ち着いているか?』

一夏『ああ、頭は冴えてるぜ』

宗介『ならば良い。ラウラ・ボーデヴィッヒは強い。精神状態でのハンデがあったとは言え、セシリアとシャルロット、凰を相手にして勝って見せたほどだ。油断は大敵だぞ』

一夏『分かってる』

宗介『だが、我々のコンビネーションをもってすれば勝てない相手ではない。ヤツの慣性停止結界は一対一ではほぼ無敵だろうが、それでも有効範囲の狭さと複数相手では効果は発揮しないというネックがある。そこで、俺が開戦直ぐに急襲し、ヤツを釘付けにする。その隙にお前が叩け』

一夏『了解した。宗介、必ず勝ってみんなの敵とろうぜ』

宗介『当たり前だ。それとな……篠ノ之にはきっと悪気はない。恨んでやるなよ』

一夏『分かってるって。俺はアイツの幼馴染みだぜ?箒のヤツは優しいからラウラに同情してタッグ組んだんだ。だからって、手加減はしねぇさ』

宗介『君の強さには感心するな。始まるぞ!』


ラウラ『行くぞ』

箒『ああ!』

672: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/16(金) 21:17:47.98 ID:kBzxmDPro
宗介「アル、ECS不可視モード作動」

《ラジャー》

ラウラ「なに、消えただと!?」

箒「ちッ、相良の光学迷彩だ!ほとんどのヤツはあれで知らぬ間にやられたぞ!!」

一夏「見えない相手に気をとられてどうすんだよ!!」ギュンッ

ラウラ『くそッ!おいッ、あの馬鹿を阻め!!』

箒「勝手なヤツめッ!一夏ァァァ!!」

一夏「退けッ!」ギュインッ

箒「は、速い!?だが」ガキンッ

一夏『ちッ、宗介!!』

宗介『分かってる』ズドンッ

ラウラ「くっ!?完全に分断されたか!!」

宗介・一夏「「さぁ、開戦だ!!」」

692: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:07:56.90 ID:/csgRZP6o
一夏「おらッ!」ガキンッ

箒「くっ、なんて重い斬撃だ!」ガキンッ

一夏「そこだ!」ギュンッギュインッ

ガキンッ

箒「だが、太刀筋が荒いぞ!!」

一夏「ちッ、さすがに箒相手じゃ上手くいかねぇか……」

箒「次は、私からいかせてもらう」ブンッ

一夏『宗介、こっちはもう少し時間がかかる』

宗介『カバーに入るか?』

一夏『んや、問題ねぇ!!』

宗介『了解した』

一夏「ちまちまやってる暇はねぇんだ!」

箒「私は、簡単に負ける訳にはいかん!!」

693: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:16:45.41 ID:/csgRZP6o
一夏「ECSは連携あり気だ……それに、向こうには動きを止めるアレがある……なら」ギュイン

箒「一夏!!」ブンッ

一夏「お前の相手は後だ!!」ガキンッ

箒「な、私の剣が弾かれた!?」

一夏「ラウラ!!」

ラウラ「ちぃ!使えんやつめ!せめて、足止めくらいしろぉ」

一夏「もらったぁ!!」ブンッ

ラウラ「やられるかッ!!」ギュイン

宗介「そこだ」ズドン

ラウラ「くそッ、厄介なヤツめ!!」

箒「一夏!私から目を逸らすな!!」ギュイン

694: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:28:52.09 ID:/csgRZP6o
箒「一夏ァァ!!」ブンッ

一夏「またかよ!」ギュイン

箒『待て!逃げるな一夏!!』

一夏『聞けねぇなぁ』ギュイン

箒『私から逃げるな臆病者!お前は、相良の金魚の糞か!!』

一夏『なんだと?』ピタッ

箒『頼む……私と戦ってくれ!私を置いてくな!!』

一夏『いつ、俺がお前を置いていったんだよ!』

箒『置いていってるだろ!』

一夏『わっけわかんねぇ……俺は、ラウラを倒さなきゃなんねぇんだ!宗介が俺を強いと言ってくれた!!俺を護衛するために来たのにただ守るだけじゃなく友人として強くなれるように訓練にも付き合ってくれてる!!応えてぇんだよ……俺を友人として認めてくれつつあるアイツの気持ちにさ』

箒『相良相良と!私の思いには気付かないくせに!!』ギュイン

一夏「箒のヤツ……」

宗介『一夏、篠ノ之の相手をしろ。今は敵を分断した方が良い。それに、君は彼女を知り尽くしてるだろう』

一夏『……わかった!速攻で終わらせる!!』ギュイン

ガキンッ

695: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:39:42.00 ID:Ywsw5Kamo
箒「ハァハァ、荒い太刀筋だがいなすだけで体力を持っていかれる……打鉄ではかするだけでも危ない……」

一夏「……さすがに箒だ。訓練した俺の斬撃をここまでいなされるなんてな」

箒「だが、剣術ではまだまだ私が上だ。それを分からせて、私の強さを認めさせてやる!!」ギュンッ

一夏「箒との稽古は暫くしてなかったもんな……また、稽古をつけてもらわなきゃな……だけど、これは俺にとっちゃ試合じゃなくて戦争だ!戦争に勝てるように宗介と鍛えたんだよ!もう、無力感なんて懲り懲りだ!!」ギュインッ

ガキンッ

箒「いなした時に生まれる一瞬の隙……そこだ!」

一夏「剣だけが武器じゃねぇんだよ!」ギュンッ

箒「剣を捨てて瞬間加速で私の斬撃を潜り抜けた!?」

一夏「宗介印の手榴弾だ!」ピンッ

ドカンッ

箒「くっ、姑息な!」

一夏「卑怯かも知れないけど、これが戦場なんだ!」ギュイン ブンッ

ガキンッ

箒「く、受けきれない!?」

ズバッ

一夏「ショボくれんのも……拗ねるのも……アマチュアのやる事だ。IS学園に入ったんだ。いつまでもアマチュアじゃいられねぇだろ」

696: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:42:49.30 ID:ymYmBn6Io
ズドンッ

ラウラ「くっ、なんだあの光学迷彩は!あんな高度な技術があるなど私は知らんぞ!!」

宗介「アル、敵の通信周波数を検索して繋げろ」

《ラジャー、検索開始……通信可能です》

宗介『聞こえるかラウラ・ボーデヴィッヒ』

ラウラ『なぜ、通信を!?動揺させるつもりか!!』

宗介『違う……自己紹介をしていなかったのでな。俺は認識番号B-3128、相良宗介軍曹。ミスリル所属だ』

ラウラ『ミスリル……そうか。貴様、TOY BOXの人間だったのか!!』

宗介『外の人間はデ・ダナンをそう呼んでいるんだったな。まぁ、それはどうでも良い。同じ軍人として忠告する』

ラウラ『忠告だと!?』

宗介『多くの成果を望む人間に、先はない』

ラウラ『なんだと?私は、ただ教官の汚点を消そうと』

宗介『お前は、織斑教官との関係性とその中にある自分の存在の肯定。織斑一夏の排除による実績と多くを望んではいないか?』

ラウラ『黙れ!貴様が何を知ってる!!』

宗介『知らんな。だが、軍人としてはあまりにも幼稚で短絡的なお前の思考に我慢が出来なかった。だから、新兵訓練を思い出させてやる』

ズドンッ

ラウラ「くっ、私は負ける訳にはいかんのだ!」

697: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:44:30.84 ID:ymYmBn6Io
セシリア「す、すごい!宗介さんと織斑さんが圧倒してますわ!!」

シャル「僕達にも秘密で特訓してたからね!宗介がすごいのは分かってたけど、一夏もめちゃくちゃ強くなってるよ!!」

鈴「一夏のヤツ、逞しくなってたからね。相良のヤツも悪影響だけじゃないみたいね」

千冬(確かに、相良と一夏のタッグがおしている。互いの役割を理解しての行動や配慮、単純に操縦だけを見ても圧倒的だ。だが、何故だろう……嫌な予感がする。ラウラからではなく、別のところからのプレッシャーの様な……)

シャル「織斑先生……怖い顔してどうしたんですか?」

千冬「いや……すまんが、3人のうちの誰か山田先生と更識楯無を呼んできてもらえないか?」

セシリア「では、私が……しかし、いきなりどうしたんですの?」

千冬「いや、私の杞憂ならば良いんだが……」

698: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:46:03.96 ID:ymYmBn6Io
ラウラ「そこッ!」ビシュン

宗介「さすがに、特殊部隊の隊長を務めるだけはある。予測でも良い狙いをつけるな。だが、もう終わりだ。アル、ECSを解除」

《ラジャー、ECS解除》

ラウラ「やっと姿を現したか!!」

宗介「お前の負けだ」

一夏「ラウラァァァァァァ!!」ギュオオオン

ラウラ「織斑一夏!?アイツめ足止めも満足に出来んのか!!」

一夏「おりゃあああああ!!」

ラウラ「馬鹿め!AICが……」

ズドンッズドンッ

ラウラ「援護射撃!?厄介なヤツめ!」ギュンッ

ズバッ

ラウラ「ぐあっ」

一夏「ちッ、仕留め損なった!宗介!!」

宗介「任せろ」ギュンッ

699: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/17(土) 21:48:07.66 ID:ymYmBn6Io
ラウラ(私は……負けるのか……?いやだ……負けたくない……)

《無理無理、お嬢ちゃんじゃ無理だっての》

ラウラ(なんだこれは……お前は誰だ!?)

《んなことはどうでも良いんだよ。早く俺に明け渡せよ。じゃねぇと捨てちまうぞ?》

ラウラ(嫌だ……それは嫌だ!!)

《だったら早く受け入れろ》

ラウラ(だが……それでは……)

《ちんたらやってちゃダメだよーこう言うのは思いきりでやんなきゃよぉ。じゃねぇと用済みで捨てちまうぞ?》

ラウラ(……分かった……私に、奴等を倒せる力をくれ!!)

《そうだよ。それだよ!面白くしよぉぜぇぇ!!》

ズドンッ

宗介「ヒットした。これで、終わり」

キュイイイイン ズガンッ

宗介「なに!?」ズザザザ

708: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:16:38.90 ID:7+2BvMGIo
宗介「い、今のはラムダ・ドライバか!?アル!!」

《ネガティブ》

宗介「では、なんだ!!」

《データにありません。回答不能》

一夏『宗介!ラウラの様子が!!』

宗介『なんだ、あの現象は』

一夏『わかんねぇ……だけど、厄介な気がする……』

ラウラ(?)「カ、カシ……カシム……カシムゥゥゥゥ!!」

宗介「あれは、ガウルンのIS!?ヤツめ何か細工をしたのか!!」

一夏「この野郎!!」ギュインッ

宗介「待て!不用意に近付くな!!」

ラウラ(?)「カシム、カシム、カシム!!」キュイイイイン

ズドンッ

一夏「ぐあっ」ズザザザ

709: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:17:44.99 ID:7+2BvMGIo
シャル「何あれ!?ラウラのISが変身した!!」

鈴「あ、あれは、あのいかれたテロリストの……」

千冬「ドイツ軍め!!なんてものを……」

セシリア「織斑先生、連れてきましたわ!!」

山田「織斑先生、何事ですか?」

千冬「山田先生!今すぐ、来賓と生徒の避難を!!」

山田「わ、分かりました!!」

楯無「あれは……VTシステム!?で、でも、なんでガウルンのISの姿に?」

千冬「ガウルンが何か細工をしたのだろう……ちッ、ドイツ軍の老頭児共め……」ギリッ

710: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:19:15.35 ID:7+2BvMGIo
セシリア「あ、あの、VTシステムとは?」

楯無「ヴァルキリー・トレースシステム。モンド・グロッソの優勝者の戦闘データをもとに、その戦闘方法を再現・実行するものね」

千冬「だが、操縦者に多大な負担を強いる。故に、条約でも使用を禁止され、各企業でも計画が凍結された代物だ。それをドイツ軍が秘密裏に保持し、ガウルンの手によって何らかの細工をされたらしい。恐らくラウラも知らなかったのだろう」

楯無「厄介ね……ガウルンの動きをトレースしたのなら打つ手はあるけど……もし、ガウルンのISの機能までトレースしてたのなら……」

鈴「どういう事?」

楯無「ガウルンのISには特殊な装置が積まれてて、その装置のせいでISでは攻撃が効かないし、ISのバリアーを突き抜けるような危険な攻撃をされてしまう」

セシリア「そ、そんな!?それでは宗介さんが……」

シャル「た、大変だよ!助けにいかないと!!」

711: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:20:30.32 ID:7+2BvMGIo
楯無「いえ、それは大丈夫。相良くんのアーバレストには同じ装置が積まれてるはず……つまり、あのISに勝てるのは相良くんだけってわけ」

シャル「あ、そうなんだ……」

セシリア「だったら大丈夫ですわね」

楯無「あ、あれ?で、でも!!みたいな反応が来ると思ってたんだけど……」

千冬「ふふ、私もその点は心配してないさ。なんたってアイツは」

セシリア・シャル「「プロフェッショナル(ですから)(だから)」」

楯無「ぷっ、アハハハ、なに?その一体感。って言うか私より頼られてるってどういうことーー」

鈴「相良は大丈夫なのは良いけど、一夏はどうなの?」

千冬「見てる限り、相良が上手く指揮をとっている。心配はないだろう。それよりもラウラ……」

千冬「頼むぞ。相良……」

712: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:21:39.18 ID:7+2BvMGIo
宗介『一夏、不用意な攻撃はよせ。返されるぞ』ギュインッ

一夏『分かった!って言うか避けるので精一杯だっての!!』ギュンッギュインッ

ラウラ(?)「カシムゥゥゥゥ!!」

宗介「アル、本当にあれはラムダ・ドライバではないんだな?」

《肯定》

宗介「では、擬似的なものか若しくは類似した何かか。待てよ……ならば、一夏でも攻撃できるかもしれん……」

一夏「ちくしょーー!カシムってなんだよ!!」ズバッ

ラウラ(?)「ゥゥゥゥ……カシム、カシム、カシムゥゥゥゥ!!」

宗介「ラムダ・ドライバらしきものの発動は感じられない。あれは、バリアーか?では、一夏の攻撃も通じるか。では、俺が攻撃した時のあの現象は……」

キュイイイイン ズドンッ

一夏「うわっ!?あぶねぇ……ちッ、なんだよ!その攻撃は」

宗介「そうか!ならば……」ギュインッ

713: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:23:47.57 ID:7+2BvMGIo
宗介『一夏!君のワンオフアビリティーで特攻してくれないか』

一夏『え!?別に構わねぇけど……』

宗介『君の力が必要だ!頼んだぞ!!』ギュインッ

一夏「えへへ、よっしゃあ!やってやらぁ!!」

宗介「ラムダ・ドライバでないのなら俺がラムダ・ドライバを発動すれば中のラウラ・ボーデヴィッヒもろともあのISを消し飛ばしてしまうかもしれん。だが、あれがもし、バリアーに攻撃を加えた時に発動するタイプの機能だとすれば一夏のワンオフアビリティーで……」

一夏「行くぜ!零落白夜!!」ギュオオオン

ラウラ(?)「カシムゥゥゥゥ!!」

一夏「カシムってなんだって言ってんだよおおおおおお!!」ズガンッ

714: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/19(月) 21:25:09.39 ID:7+2BvMGIo
一夏「おりゃあああああああああ!!」

ラウラ(?)「おおおおおおおおおおおおおおおおおお」

キュウウウウウン

一夏「ハァハァ、もう……燃費悪いなぁ……」

ラウラ(?)「カ、カシ、カシム……カシム!!」

一夏「へッ、とんだ執念だな……だけどよ……無駄なあがきだぜ!!」

ギュンッ

宗介「カシムカシムと馴れ馴れしいんだよ!!」ズドンッズドンッズドンッ

ラウラ(?)「カ、カ、カ、カシム……」プシュウウウ

ラウラ「…………」ドサッ

箒「完敗か……」ギリッ


『勝者、相良・織斑ペア!!』


―――
――

726: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:24:27.37 ID:qyEEtCK1o
――― 保健室 ―――


ラウラ「…………」パチッ

千冬「起きたか」

ラウラ「きょ……うかん……?」

千冬「丸1日寝ていたんだ。大分、すっきりしただろう?」

ラウラ「私は……負けたん……ですね」

千冬「ああ、完敗だな。相良と一夏のコンビネーションは近年希に見るほど高レベルだった。あれが相手では、生徒会の面々でも勝つのは難しいだろう」

ラウラ「……そうですか」

千冬「なんだ?もっと、憎まれ口を叩くのかと思ったが」

ラウラ「いえ、なんだか……すっきりしたと言うか……何かが小削ぎ落とされたと言うか……不思議な感覚です。あまり悔しくない」

千冬「お前は、過去の恩讐に振り回され、本当の自分を見失っていたんだ。本当のお前は相良の様に実直で純粋なヤツのはずなんだ」

ラウラ「私が……アイツの様に……?」

千冬「相良もお前も本当は銃を持って良い人間ではないはずだ」

ラウラ「で、では、なぜ……アイツは……強いのでしょう」

千冬「本当はアイツもそんなに強くないのかもな……私も本当のところは良く分からん。私と一緒にこの学園でヤツの秘密を暴いてやるか」ニコッ

727: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:27:33.32 ID:EZgilpGwo
ラウラ「教官は……アイツの事が好きなのですか?」

千冬「な!?ば、馬鹿者!私は教師でアイツは生徒だぞ!!そ、そ、そんなわけが……」

ラウラ「しかし、教官はアイツの話をする時、とても優しい顔をします。織斑一夏の話をする時とは別の……」

千冬「……放っておけないだけだよ」

ラウラ「そう……ですか……」

千冬「まだ、疲れてる様だ。もう少し休め」

ラウラ「はい……」

千冬「……ふふ」

ラウラ「相良……宗介……」スヤスヤ

千冬「ふぅ、取り敢えずなんとかなったか……今回は一夏の功績も大きいか?一夏と相良もどんどん仲良くなっているようだし……う、うちに誘ってゆ、夕飯でも……」


―――
――

728: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:29:12.30 ID:EZgilpGwo
~ 翌日 ~


ラウラ「ん……」

宗介「起きたか」モシャモシャ

ラウラ「相良?」

宗介「腹が減ってはいないか?コッペパンとレーションしかないが」モシャモシャ

ラウラ「大丈夫だ……」

宗介「そうか」モシャモシャ

ラウラ「なぁ、私を尋問しに来たのだろう?」

宗介「肯定だ」モシャモシャ

ラウラ「ならば、無駄だ。教官から聞いたが、私はVTシステムの事もガウルンの事も知らん」

宗介「その事はこちらで大体の事は調べた。君に聞きたいのは別の事だ」モシャモシャ

ラウラ「何だ?ミスリルの人間なら私の事も調べたのだろう?私は……出来損ないの……モルモットだ……何にも知らないんだ」

宗介「違うな。君は、素晴らしい技術を持っている。兵士としては未熟だが、決してモルモットではない。それに俺が聞きたいのは、そう言う事ではない」モシャモシャ

ラウラ「では、なんだ?」

宗介「昨年、ドイツ軍は野戦演習でティーガーⅠを使ったと知り合いから聞いたのだがそれは本当か?」ゴックン

ラウラ「え!?」

729: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:30:10.25 ID:EZgilpGwo
ラウラ「あ、いや、私はその演習に参加してないから分からないな……」

宗介「そうか……友人も実際に見たわけではないと言っていたから真偽は定かではないが、本当なら是非とも見たかったな」

ラウラ「本当にそれを聞きに来たのか!?私は、お前の仲間を襲撃し、あまつさえ織斑一夏を……」

宗介「確かに、その事実はいかんともし難い。俺も多少なりとも頭に来たしな。だが、それは初回の襲撃を未然に防げなかった俺にも責はある。それでイーブンだ」

ラウラ「そんな事で済むのか?私がお前の立場なら、私を殺すだろう……」

宗介「戦場での出来事ならば、俺もそうする。だが、生憎とここは学園だ。それは許されんし、織斑教官が良しとしないだろう。それに、学園とは失態を犯しても許される場だ。己の過ちを認め、誠意を持って行動すれば良い」

ラウラ「私に……それが出来るだろうか……私は弱い人間だ……」

宗介「後悔はアマチュアがする事だ。プロフェッショナルは、反省はするが後悔は絶対にしない。反省は、己を前に進ませるが、後悔は歩みを送らせる。それを肝に命じると良い」

ラウラ「反省か……」

宗介「今後、ドイツ軍ないし、VTシステムに関わった外部勢力から君とコンタクトを取ろうと言う動きがあるかもしれん」

ラウラ「私は……消されるのか……」

宗介「だが、君の身柄の安全は俺が保証する。君は、この学園で己の弱さと過ちを見つめ直し、兵士として鍛え直すと良い」

ラウラ「お前が……私を守ってくれるのか……?」

宗介「肯定だ。あまり俺を見くびらない方が良い。俺は、朴念仁だからな」キリッ

ラウラ「はぅ///」ドキンッ

730: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:30:49.20 ID:EZgilpGwo
宗介「それでは、俺はそろそろ失礼する。やる事があるのでな」

ラウラ「なぁ……織斑一夏とあの3人に謝っておいてくれないか……?」

宗介「君が謝れば良いだろう」

ラウラ「私とは……口も聞きたくないだろうから……」

宗介「その心配はない」

ウィーン

一夏「よ、起きたかラウラ」

ラウラ「お、織斑一夏!?」

一夏「ま、色々あったけど、互いに全力でぶつかり合ったし恨みっこなしって事で!それに、お前の過去……宗介から聞いた……あ、同情したってわけじゃねぇぞ?ただ、なんつーかな……」

シャル「もう、一夏邪魔だよ!」ドンッ

セシリア「男性ならハッキリ物をおっしゃったらどうですの?宗介さんの様に!!」

一夏「酷い扱いだ……」

鈴「よしよし」ナデナデ

ラウラ「お前ら……」

731: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:32:07.20 ID:EZgilpGwo
シャル「あ、別に許したわけじゃないよ?」

セシリア「そうですわ。宗介さんの言葉がなかったら、お見舞いなんて来ませんでした」

ラウラ「アイツの言葉?」

シャル「過ちを許せとは言わない。だが、過ちを起こさせた彼女の事情を知ってからどうするか判断しても良いのではないか?って……それで判断したんだ」

セシリア「友達として受け入れる事は直ぐにはできませんが……貴女をライバルとしてなら受け入れる事ができますわ。なので、取り合えずライバルと言う事で」

鈴「そう言う事」

ラウラ「……うぅ……すまなかった……ごめんなさい」ポロポロ

一夏「これで、一件落着か。なぁ、そうす……あれ、いない……まったく、ズルいヤツだぜ」ニヤニヤ

シャル「なに、ニヤニヤしてんの?ひくよ……」

セシリア「邪な事でも考えているんですわ……」

一夏「しどい……」

鈴「よしよし」ナデナデ

ラウラ「フフフ……」


―――
――

732: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:32:53.12 ID:EZgilpGwo
~ 数日後 ~

宗介「コッペパンを要求する!」ズドンッ

スパァン

千冬「いい加減、普通に買う事を覚えんか」

宗介「し、しかし、この混雑では……コッペパンが売り切れる可能性も……」ムクッ

一夏「確かにな。俺も、ピタパンが無くなったらショックだ……」

鈴「いやいや、コッペパンが無くなる事なんてまず無いし。ってか、ピタパンって何よ」

一夏「え!?鈴、ピタパンしらねぇの!こう、ドラえ○んのポケットみたいな形で焼きそば詰めて食うと美味いピタパンだぜ?」

鈴「知らんわ」

733: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:33:49.95 ID:EZgilpGwo
シャル「ピタパン、僕も好きだよ」モシャモシャ

セシリア「ローストチキンを挟むと美味ですわ」モシャモシャ

宗介「ピタパンは合理的な食べ物だぞ」モシャモシャ

鈴「いや、コッペパン食いながら言うな。ってか、なんでアタシだけが仲間外れみたいに言ってんのよ」

一夏「そんな事より、千冬ねぇラウラは?」

鈴「そんな事ってなんだ一夏ァ!」

千冬「ラウラは、ドイツに戻っていたが今日復学するはずだ」

「嫁えええええええ!!」

一夏「お!!ラウラ」

シャル「嫁って?」

セシリア「まさか、ボーデヴィッヒさんは女性にSHE MAKES MEですの!?」

シャル「セシリア、UKバンドの曲で例えるのやめたら?」

734: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:34:40.97 ID:EZgilpGwo
ラウラ「嫁えええええええ!!」ズドドドド

宗介「む?」グイ バタンッ

一夏「おー久しぶりに宗介の制圧を見たな」

千冬「相変わらず見事な手際だな」

ラウラ「い、痛いぞ!嫁」

宗介「すまん。癖でな」パッ

ラウラ「えへへ、これが嫁の愛の示し方なのだな!!」

シャル「む、セシリア!」

セシリア「ええ、危険ですわ!!」

ラウラ「では、私も愛を示すぞ!ちゅー」

シャル「宗介、だめええええ!!」

セシリア「やめてくださいましー!!」

グイ バタンッ

ラウラ「い、痛いぞ嫁」

宗介「すまん。首を狙ってきたと思ってな」

735: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/20(火) 21:35:28.51 ID:EZgilpGwo
鈴「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」ゴロゴロ

一夏「うわっ、鈴のヤツすっげぇ笑ってる」

鈴「け、傑作だわ!キスされそうになって相手を組伏せるなんて」ケタケタ

千冬(相良がアレで良かった……)

一夏「千冬ねぇ?」

千冬「ん、いや、えっと、キスなどけしからん!そう言うのはちゃんと正しい順序を踏んでからだな……」

一夏「いや、なんにも言ってないけど?」ニヤニヤ

シャル「ちょっとラウラ!宗介が嫁ってどういう事!?」サッ

セシリア「事と次第では許しません事よ!!」

ラウラ「うむ、私はソースケを嫁にすると決めたのだ。日本では、自分が惚れた相手を嫁と呼ぶのだろう?」

シャル・セシリア「「」」プチンッ

宗介「そうなのか?」モシャモシャ

一夏「いや、かなり歪んだ知識だな」モシャモシャ

ラウラ「だから、ソースケを私の嫁にするのだ!同じ軍人だしな」ドヤッ

シャル「良いよ……分かった……なら……」ゴゴゴゴ

セシリア「戦争ですわ!見敵必殺ですわ!!」ゴゴゴゴ

ラウラ「ふふふ……私に勝てるかな?悪いが、私は嫁に一生お前を守るとプロポーズを受けてるぞ」

シャル・セシリア「「嘘を言うな!」」

一夏「言ったのか?」モシャモシャ

宗介「覚えてない」モシャモシャ

鈴「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、どんだけ朴念仁だよ」ゴロゴロ

千冬「頭が痛くなってきた……」

764: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:00:13.31 ID:mG1BeviXo
――― 番外編というか小ネタ ―――


『インフィニット・ストラトス?ふもっふ』


一夏「宗介、また寝不足か?」

宗介「この学園の警備体制を見直してたんだ。全生徒がISを装備出来て、有事の際は戦闘可能とは言えあまりにもセキュリティが甘すぎる」

一夏「まぁ、確かにガウルンみたいな危険なテロリストに簡単に忍び込まれちまったしな……だからって、宗介が考えなくても良いんじゃないか?」

宗介「そうは行かない。俺はプロフェッショナルでスペシャリストだ。現状に甘んじるわけにはいかん」

一夏「そう言うもんなのか?」

宗介「そうだ。それに、ISは戦闘可能時間が短い。シールドエネルギーが切れてしまえばどうにもできん。セキュリティの強化は急務だ」

一夏「なるほどな。でも、よくある軍事基地みたいには出来ないんじゃないか?学園にも予算があるだろうし、IS学園は戦争でもする気だ!みたいな噂をたてられた困るだろ」

宗介「そこが問題だ。そこで、低予算かつカモフラージュ出来て、汎用性が高い装備が欲しいと考えていたんだ」

765: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:00:57.62 ID:mG1BeviXo
一夏「まぁ、それは後で考えようぜ。俺も役に立つかわかんないけど一緒に考えるからさ」

宗介「出来るだけ多くの意見が欲しい。おれでは考えつかん斬新な意見が出るかもしれんから君が手伝ってくれるのは助かる」

一夏「シャルとラウラにも声かけようぜ。シャルは兵器関連に詳しいし、ラウラも一応軍人だしな。でも今は、この倉庫片付けねぇと……」

宗介「すまん……」

一夏「ラウラが潜んでて、それを知らない宗介が発煙弾を放り込んでからの銃撃戦……まるで、市街戦後だな……あははは」ガサゴソ

宗介「訓練用のゴム弾を入れたと思っていたが、まさか実弾が入っていたとは……」ガサゴソ

一夏「まぁ、俺達はまだ軽い方の罰だぜ。ラウラなんか30㎏の装備担いでうさぎ跳びで校内一周だもんな……」ガサゴソ

宗介「新兵の頃を思い出すな。あれをやればガッツがつく」ガサゴソ

一夏「マジかよ……」ガサゴソ

宗介「ん、なんだこれは?」

一夏「ああ、ぼん太くんのキグルミだな」

宗介「ぼん太くん?」

一夏「子供に人気のキャラクターだよ。きっと、学園祭の時かなんかに使ったんだろうぜ」

宗介「そうか……ぼん太くん……」

一夏「どうした?」

宗介「……使えるな」

一夏「え?」


―――
――

766: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:01:39.13 ID:mG1BeviXo
――― アリーナ ―――

ラウラ「嫁はどこだ一夏!」

一夏「すぐ来るよ」

ラウラ「私は、嫁がいないのなら帰るぞ!嫁を要求する!!」ズドン

一夏「すぐ来るから落ち着けって……」

ラウラ「嫁えええええええ」ゴロゴロ

シャル「ラウラ、そんな子供みたいに駄々こねたら宗介に嫌われるよ!」

ラウラ「む、そうか……」シュン

一夏「そう言えば箒は?」

セシリア「さぁ?凰さんに頼みましたが……」

鈴「ダメダメ、誘ったけどうんともすんとも言わないわ」

一夏「アイツ、なにしてんだ?」

鈴「さぁ?」

ピョコタンピョコタンピョコタン

シャル「ん?ぼ、ぼん太くん!?」

767: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:02:15.40 ID:mG1BeviXo
一夏「お、来たみたいだな」

ぼん太くん「ふもっふ!」

一夏「やっぱりそこは直らなかったのか……」

ぼん太くん「ふもふもっふ……」

一夏「原因はなんだろうな……」

シャル「い、一夏がぼん太くんと会話してる……」ドンビキ

セシリア「なんですの!この可愛いもふもふした生き物は!!」キラキラ

鈴「嫌な予感がするわ……」

ラウラ「嫁ーーー!!」ギュッ

ぼん太くん「ふも、ふもっふ」

シャル・セシリア「「は!?」」

鈴「やっぱり……」

ぼん太くん「ふもふも、ふもっふ!」

一夏「ああ、そうだな。えっと、これはぼん太くんもとい警備用パワードスーツだ。ちなみに、中は宗介な」

ぼん太くん「ふもっふ!」ビシッ

768: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:02:48.00 ID:mG1BeviXo
シャル「え、本当!?」

一夏「うん」

セシリア(可愛いもふもふ+凛々しい宗介さん=最強!)ハァハァ

ラウラ「嫁もふもふだなーーもふもふな嫁だなーー♪」ギュッ

シャル「もふもふな宗介……ダメだ……顔がにやける……」ニヤニヤ

ぼん太くん「ふもっふ!ふもふも、ふんもっふ」

一夏「え、あ、そうだな。説明すっか」

鈴「いやいや、なんでふもふも言ってるだけなのにわかんのよ。ホンヤクコンニャクでも食べてんの?」

一夏「さぁ?」

シャル・セシリア「「分からないのが悔しい……」」

ラウラ「私も分かるぞ!愛があるからな!!」フフン

シャル・セシリア「「ぐぬぬぬ」」

769: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:03:20.73 ID:mG1BeviXo
ボン太くん「ふも、ふもふもふも、ふもっふ、ふもっふふもっふ、ふもふもふんもっふ」

一夏「えっと、これは学園のセキュリティの甘さを危惧して俺が開発した警備用パワードスーツだ」

ボン太くん「ふもっふふもっふ、ふもふもふんもっふ、ふもっふふもふも」

一夏「有事の際は学園の全生徒がISを装備して戦闘を行えるが、ISの戦闘時間は決して長くないし、専用機と訓練機では戦力の差が出て統制のとれた行動が取りにくい」

ボン太くん「ふもふもふも、ふもっふふもふも、ふんもっふふもふもふもっふふもっふ」

一夏「そこで、このボン太くんの出番だ。このボン太くんはASの技術を応用しているため長期的な戦闘も可能であり、汎用性も高い」

ボン太くん「ふもっふふもっふ、ふんもっふ。ふもふも、ふもっふふもふもふもっふ、ふんもっふふんもっふふも」

一夏「さらに、理論上では各自専用機には及ばないが、第二世代ISの戦闘力を遥かに凌駕するポテンシャルを発揮できるはずだ。よって、戦力の均一化をはかれる」

770: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:04:02.30 ID:mG1BeviXo
ボン太くん「ふもっふふもふも、ふもっふ」

一夏「えっと、だが未だ……」

鈴「ひとついい?」

ボン太くん「ふもっふ?ふもっふふもふも」

一夏「なんだ?質問なら後にしてくれ」

鈴「質問じゃない。そのふもふもしたしゃべり方どうにかなんないの?ってかそれ脱いだ方が早くない!?」

ボン太くん「ふもっふ……ふもふも、ふもっふ」ヤレヤレ

鈴「すっごい腹立つ!!」

一夏「まぁ、快適性とかそう言うのの実験も兼ねて着てるんだよ。あと、なんか音声システム?に重要な問題があってふもふもしたしゃべり方にしかなんないんだと」

鈴「ふん、欠陥品じゃない」

ボン太くん「ふもっふ、ふもふも」

一夏「未だ開発中だ。完成したわけじゃない」

ボン太くん「ふもっふ、ふもっふふもっふふもふもふんもっふふも」

一夏「そこで、君達にデータ取得のために協力してほしい」

771: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:04:39.00 ID:mG1BeviXo
シャル「協力ってなにすれば良いの?」

ボン太くん「ふもっふ、ふもふもふもっふ。ふもふもふんもっふ、ふもっふ」

一夏「模擬戦闘形式で戦ってくれれば良い。シャルロットは、デバイスでデータを確認して誤差の修正や記録を頼む」

シャル「わかった」

セシリア「宗介さんに協力するのはまったくもって構いませんが……私にはその愛くるしい姿に攻撃する残酷さはありませんわ」ペタン

ラウラ「セシリア……その気持ちは分かるぞ……だが、嫁のひいては学園のためだ……やるしかあるまい」

鈴「ボッコボコにしてふもふも言えなくしてやんよ」

ボン太くん「ふもっふふもふも、ふもっふ?」

一夏「言っておくが、なめてかかると痛い目みるぞ?」

鈴「あんたこそ、アタシたちをなめない事ね!!」

772: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:05:12.23 ID:mG1BeviXo
鈴「やってやらぁ!!」

セシリア「宗介さんのためです!私、頑張りますわ!!」

ラウラ「私……この戦いが終わったら……嫁と結婚するんだ……」

鈴「あんた!なに死亡フラグ建ててんのよ!!」

ラウラ「戦いの前はこう言うのだと習ったぞ?」

鈴「誰によ!って言うか負けは許さないからね!!最近、学園内で相良攻め一夏受けとか不埒な噂がたってんだから、ここらで相良のヤツを叩いて一夏から引き離さないと」

ラウラ「知ってるぞ!やおいというヤツだな?しかし、山田先生が一夏の方が攻めだと言ってたぞ?で、何を攻めて何を守るんだ?」

鈴「ナニよ!」

セシリア「やっぱり織斑さんは宗介さんを……それは許されませんわ!」

一夏「お、おーい……はじめて良い……?」

773: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:05:48.76 ID:mG1BeviXo
鈴「さっさとはじめなさいよ!!」

一夏「は、はーい!シャルも準備良いか?」

シャル「うん、準備OKだよ(このデータをうちの会社に持ち込んで宗介を囲う。そして、宗介をデュノア社社長に推薦しあわよくば結婚……ぐふふふ)」ニタニタ

一夏(うわぁ、すっげぇ悪い顔してる……)

ボン太くん「ふもっふ!」

一夏「OK、わかった。じゃあ、試合開始!!」

鈴「人の恋路を邪魔する奴はァ!馬に蹴られて地獄に堕ちろぉぉ!!」ギュイン

ズガンズガンズガンズガン

一夏「鈴のヤツ張り切ってんなぁ」

ボン太くん「ふもっふ」ポヨンッ

鈴「な、あの攻撃を掻い潜ったってわけ!?」

セシリア「私におまかせ……」

ボン太くん「ふも!!」ジャコン

セシリア「愛らしすぎですわ///」

ボン太くん「ふもっふ!!」ズドン

一夏「あーあ、セシリアやられちまった……」

774: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:06:45.32 ID:mG1BeviXo
ラウラ「私に任せろ!」

ボン太くん「ふも!?」

ラウラ「宗介、聞こえるか?宗介。返事はしなくてもいい。ただ、聞いてくれればいい。織斑教官は、逝ってしまったよ。全て自分が悪かったって、言い残してね。でも、そんな事はもういいんだ。いいんだよ。それともその事で私がお前を責めるって、思っているのか?なあ、私たちはこの1年間何をしてきたんだ。私達のこの1年間は何だったんだ。まだ何も答えなんか出てないじゃないか。(中略)なあ、宗介、決勝の朝、私は言ったよな。優勝したら、お前に聞いてほしい事があるって。私は戦うことしか出来ない不器用な女だ。だから、こんな風にしか言えない。私は、お前が、お前が、お前が好きだー、お前が欲しいぃぃーー宗介えええええええ」

ボン太くん「ふもっふ」ズドンズドンズドン

ラウラ「痛い痛い痛いぃぃぃぃ!」

一夏「勝手に千冬ねぇ殺すなよ。ってか、なんだよその恥ずかしい告白……」

鈴「どいつもこいつもふざけんじゃないわよ!真面目にやれっての!!」ギュイン

ズガン

ボン太くん「ふも!?」ポヨンッポヨンッポヨンッ

シュタッ

775: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:07:22.61 ID:mG1BeviXo
ボン太くん「ふも……」ジャコン

鈴「別にあんたの事は嫌いじゃないわよ?ただね……アタシは一夏の方が好きなの。あの三バカがあんたにぞっこんな様に私は一夏にぞっこんってわけ!一夏にアタシの作ったエビチリ食べてほしいし、一夏と一緒に遊んだりしたいのよ……なのに一夏ときたらソースケソースケソースケソースケソースケ!!うんざりよ!!ここであんたを倒してアタシは!!」

ボン太くん「ふもっふ」ズドンズドンズドン

鈴「まだ話の途中だってのーー!!」

ボン太くん「ふもふも、ふもっふ」キリッ

一夏「これで終わりかな?終了ーー」

ボン太くん「ふもっふふもふも」ピョコタンピョコタンピョコタン

一夏「シャワー浴びてくるって?わかった。じゃあ、食堂に集合な」

シャル「」ピクッ

一夏「シャル、データ録れてるか?」

シャル「え、あ、うん、とれて……あちゃーインターフェースの数値化がちょっと甘いかなーこりゃ機体から直接とるしかないなー」

776: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:08:10.90 ID:mG1BeviXo
一夏「ん?じゃあ、宗介に戻ってきて……」

シャル「仕方ないなー僕が直接とってくるしかないよねー!じゃあ、とぅっとぅるー♪」シュバッ

一夏「え、あ……なんで、カメラもってたんだろ……」

鈴「くぅ……ボン太くんごときに……」グスン

セシリア「デュノアさんはどこですの?」

一夏「え、なんかデータの数値化が甘いって宗介を追ってったけど……」

セシリア「宗介さんはどちらに?」

一夏「シャワー浴びに……」

ラウラ「まずいぞ!シャルロットのヤツ、嫁のシャワーを覗く気だ!!」

一夏「ま、まさかぁ……だってよ、シャルなんだぜ?」

セシリア「関係ありませんわ。私だって、出来るなら見たいですもの」

ラウラ「私は、一度失敗してる」ドヤァ

777: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:08:52.91 ID:mG1BeviXo
鈴「いやいや、アタシを無視しないでよ」

一夏「まずいぞ!シャルのヤツ、宗介に殺されるかも!!」

セシリア「さ、さすがにそれは……」

ラウラ「私の時はドアを開けた瞬間、煙幕弾で視界をやられナイフを突きつけられた。見事な手際だった」

一夏「シャルを追えーー!!」

セシリア「抜け駆けは許しませんわーー!!」

ラウラ「リベンジだーー!!」

鈴「こうして人は孤独になるのね……というか、一夏のヤツちゃんとアタシの告白聞いてたのかな?」グスン


―――
――

778: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:09:29.45 ID:mG1BeviXo
~ 数日後 ~


「織斑先生、おはようございます」

千冬「ああ、おはよう。授業におくれるなよ」

「はーい」

千冬「最近、騒動続きだったからこう言う日常は心が休まるな。相良も問題を起こすことが減ったし、良い傾向だな」スタスタスタ

ピョコタンピョコタンピョコタン

ボン太くん「ふもっふ」ビシッ

千冬「ああ、ふもっふ」

ボン太くん「ふもっふ、ふもふも」ピョコタンピョコタンピョコタン

千冬「ふふ、ボン太くんは今日もキッチリしてるな。良い事だ」スタスタスタ

千冬「……ちょっと待てえええええええ!!」

ボン太くん「ふも?」

千冬「な、な、なんでボン太くんがこの学園を平然と闊歩してるんだ!というか、お前は誰だ!!」

ボン太くん「ふも、ふもっふふもっふ」ビシッ

千冬「相良ァ!?なんで、お前がそんなものを着ているんだ!!」

ボン太くん「ふもっふふもふもふんもっふ」

千冬「警備用のパワードスーツだと!?」

779: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:10:36.90 ID:mG1BeviXo
ボン太くん「ふもっふふもふもふんもっふ」

千冬「学園の警備体制を危惧してって……なんでよりにもよってボン太くんなんだ……」

ボン太くん「ふもっふ……?」シュン

千冬「ふわっ!?」キュン

ボン太くん「ふも?」

千冬「な、なんでもない!取り敢えずそれは脱げ!!いくらなんでも周りに示しがつかんだろう」

ボン太くん「ふも……」プシュッ

千冬「ボン太くんが機械音で開くのは偉いシュールだな……」

宗介「良いアイデアだと思ったのですが……」

千冬「いや、お前の気持ちは嬉しいんだが……」

山田「織斑先生!大変です!!ア、アリーナにボン太くんの大群が」

千冬「な、なんだと!?」

780: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:11:18.15 ID:mG1BeviXo
――― アリーナ ―――

ボン太くんmk2「ふーもふもふもふもっふもー」

ボン太くん「「「ふーもふもふもふもっふもー」」」

ボン太くんmk2「ふもっふもっ!」

ボン太くん「「「ふもっふもっ!」」」

千冬「ボン太くんがランニングしてるだと!?」

山田「シュールですね……」パシャッパシャッ

宗介「集合!!」

ボン太くんmk2「ふもー!!」

ピョコタンピョコタンピョコタン

ボン太くんmk2「ふもっふ!!」ビシッ

ボン太くん「「「ふもっふ」」」ビシッ

千冬「ボン太くんがこれだけいると威圧的が……というかそこの眼帯してるボン太くんはもしかしなくてもラウラだろ!!」

宗介「肯定であります。彼女にはボン太くん部隊の隊長を任せました」

スパァン

千冬「お前ら軍人が学園を変な色に染めるんじゃない!!」

宗介「恐縮であります!!」ビシッ

ボン太くんmk2「ふもっふ!!」ビシッ

781: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:11:53.63 ID:mG1BeviXo
千冬「第一これだけのボン太くんをどうやって揃えたんだ!!」

宗介「はッ、デュノア社の全面バックアップであります。シャルロット」

シャル「いやぁ、実際に生産ラインに乗せるまで苦労しましたよー!まぁ、これも将来宗介と一緒に会社を経営していくための花嫁修業だと思えばなんてことはないですけどね」ドヤァ

スパァン

千冬「デュノア社を私物化するなッ!!」

宗介「テストパイロットに一夏と凰を起用し、オルコット家のコネクションを頼った結果、爆発的に業績を伸ばしました。今やデュノア社はボン太くんシェアNo.1の企業です」

千冬「……もうついていけん」ハァ

ドカァン

千冬「な、何事だ!?」

782: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:12:43.96 ID:mG1BeviXo
『我々はこだわりのある革命家の集いである!突然だが、女尊男卑を助長するこのIS学園の存在はまことに遺憾であり、我々としても看過する訳にはいかないので破壊の限りをつくし生徒たちにはポニーテールを強要させてもらうので悪しからず』

千冬「なんだ!あの馬鹿丸出しのテロリストは!!」

楯無「ここで生徒会の出番ね!!」ギュイン

千冬「更識!?」

ズドン

楯無「キャーー」ドサッ クテン

『こちらにはASの備えもあるので悪しからず』

千冬「仮にも学園最強だろう!しっかりしろ……」

宗介「諸君!聞いてくれ!!」

ボン太くん「「「ふもっ!!」」」

783: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:13:23.40 ID:mG1BeviXo
宗介「我々は、この学園の一生徒に過ぎない。だが、ISという強力な兵器を扱う以上、アマチュアのままいるわけにもいかんだろう。ならばどうする!!」

ボン太くんmk2「ふもっふ!!」

宗介「そうだ!プロフェッショナルに撤し、学園が危機に陥った際には可及的速やか且つ冷静に事に当たる必要がある!!そして、今がその学園の危機だ!!諸君、我々はなんだ?」

ボン太くん「「「ふもっふ!!」」」

宗介「そうだ!では、どうする!!」

ボン太くん「「「ふもっふふもっふーー!!」」」

宗介「よしっ!それでは、我々はこれより実戦を開始する!!」

Uボン太くん「ふもっ!!」

サイコボン太くん「ふもっ!!」

宗介「一夏とセシリアか!よしっ、各員部隊長及び二人の指揮のもと制圧を開始しろ!」

ボン太くん「「「ふもっふーーー!!」」」

千冬「もう、ダメだ……」

宗介「教官、安心してください。彼らは優秀です」キリッ

千冬「相良ァ!!」スパァン

『ひぃぃぃぃぃぃ!?』

ボン太くん「ふもーーー」


―――
――

784: ◆7FJe8NJDDY 2014/05/23(金) 21:14:13.98 ID:mG1BeviXo

この事件は、IS学園ボン太くん部隊の八面六臂の活躍により無事に終息した。

だけど、あんまりにあんまりだって事で千冬ねぇからの懇願により、ボン太くん部隊は解体されてしまう。

しばらくは宗介も少し落ち込んだけど、SWATやネイビーシールズにグリーンベレー、チ○ック・ノリスとスティ○ブン・セガール、エク○ペンダブルズまでもが装備として導入したとの報せが入って元気を取り戻した。

ちなみに、デュノア社の業績回復に多大なる貢献をした宗介は、しつこくシャルとの結婚をすすめられてるらしく、ラウラとセシリアが必死で阻止している。

ちゃっかり千冬ねぇも裏で暗躍して阻止しているらしい。千冬ねぇも良い加減認めたら良いのに……。

まぁ、そんなこんなでボン太くん騒動は一応終結しました。


千冬「一夏のヤツ!反省文くらい真面目に書かないかまったく……」

ポテッ

千冬「ん?」

ぬいぐるみボン太くん「ふもっふ」

千冬「ふむ」ジー

ぬいぐるみボン太「ふもー」

千冬「…………」ギュッ

山田「」パシャッパシャッ

千冬「はっ!?山田先生!!」

山田「私は何も見てませんよ」シュバッ

千冬「ま、待て!」シュバッ


おわり