1: ◆r462iqU2Ag 2010/11/21(日) 01:10:30.26 ID:VMwJ4p2o

前々回 絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」


前回 絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その2号室


○あらすじ

 学園都市 第7学区の外れに存在するツタに覆われた怪しげな洋館。
 洋館の住人、絹旗と滝壺は余った空き部屋の入居者を募集したところ、
 集まった住人は偶然にも全員が大能力者(LEVEL4)であった。
 7人の大能力者が一つ屋根の下で繰り広げる、ハートフルボッコメディストーリー。


○前スレ>>1からコピペ

 ・"とある魔術の禁書目録"の二次創作SSです
 ・たぶん全年齢向け
 ・キャラ崩壊および独自設定、独自解釈を含みます
 ・ラブロマンス、バトル、シリアスの要素は薄め(予定)です
 ・要はダラダラした日常をダラダラと書きます



>>2-3 でメイン登場人物をおさらい

2: ◆r462iqU2Ag 2010/11/21(日) 01:12:31.88 ID:VMwJ4p2o

絹旗…きぬはた荘家主。アイテムの元メンバーだが、財政難に伴う組織改変により表の世界に"返品"される。
     おかげで現在はニート同然。管理書類上は常盤台中学在籍。
     落ち着いた性格だったが、平和な生活を手に入れたため元来の性格に戻りつつある。


滝壺…きぬはた荘家主。アイテムの元メンバーだが、絹旗同様に"返品"された。
     一時期死に掛けたが、科学・魔術双方の医療技術を結集して生還。超浜面ラブ。
     管理書類上は霧ヶ丘女学院在籍。


白井…名門常盤台中学の生徒にして敏腕風紀委員。物語中に2年生への昇格を果たす。
     お姉様ラブなのは相変わらずだが、少々落ち着きも手に入れた模様。
     そのお姉様を類人猿にとられたため、最近は(無意識的に)番外個体にターゲットを移しているとか。


婚后…名門常盤台中学3年生。生まれも育ちも名家である生粋のお嬢様。
     その立ち振る舞いも実にお嬢様だが、本人はもっと素直になりたいと願っているようだ。
     ペットのエカテリーナちゃんラブ。

引用元: 絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その3号室

 

3: ◆r462iqU2Ag 2010/11/21(日) 01:13:03.14 ID:VMwJ4p2o

番外個体…第三次製造計画で造られた美琴のクローン。肉体年齢はオリジナルより若干上。
        冥土帰しの協力で「三澤真琴17歳無職」の偽造IDゲット、それに伴い一人称は「私」に矯正した。
        結標とはファーストネームで呼び合うほど仲良し。現在は自称帰国子女のフリーター。一方通行ラブ。


結標…霧ヶ丘女学院3年生。滝壺、番外個体と並びきぬはた荘住人の中では最年長。
     落ち着き払った性格と面倒見の良さで、きぬはた荘のお母さん的存在となる。
     最近の楽しみは番外個体をいじって遊ぶこと。化学兵器クラスのメシマズだが、焼肉の腕だけは上級。


海原…常盤台中学理事長の孫にしてLEVEL4の念動力能力者……というのは世を忍ぶ仮の姿。
     その正体はアステカからやってきた正義の魔術師であり、想い人を護るために今日も陰ながら
     24時間様々な手段で静かに見守っている。ミサカラブ。


ユリコ…絹旗が拉致ってきたノラ猫。全身真っ白なミックスのメス、推定1歳。
     やたらと人懐こい上に、時として人間の言語を理解しているかのような素振りすら見せる。
     好物は焼き海苔、お気に入りスポットは絹旗の頭頂部。基本絹旗ラブだが人見知りはしない。

16: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:09:50.94 ID:i.pNspYo


~9月某日 きぬはた荘 屋根裏部屋~


滝壺 「」ザッ ザッ

滝壺 「」ゴトゴト

滝壺 「」ウィーン


<滝壺さーん?


絹旗 「あ、滝壺さん。こんなところにいたんですか」ヒョコッ

滝壺 「きぬはた、どうしたの?」

絹旗 「いえ、朝から姿が見えなかったので」

滝壺 「ごめんね、掃除してた」

絹旗 「どうしてこんな隠し部屋の掃除を……」

17: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:11:10.56 ID:i.pNspYo

滝壺 「……もうすぐ戻ってくるから」

絹旗 「戻って……あ」

滝壺 「空いてる部屋はもうここしかないし」

絹旗 「……ここじゃ頭ぶつけませんか? 私でもジャンプしたら手が届きますよ」ピョンピョン

滝壺 「大丈夫だよ、贅沢は言わせない」

絹旗 (まぁ、あの男が滝壺さんに逆らえる訳もないのですが)

滝壺 「あとは、みんなに一言言わないとね」

絹旗 「滝壺さんが家主ということになってますし、いいのでは?」

滝壺 「それでも。一緒に暮らす人が増えるかもしれないんだから」

絹旗 「そうですね……最初は部屋貸すだけのつもりが、いまや超共同生活ですしね」

滝壺 「うん。だからね、今夜にでも話そうと思う」

18: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:12:28.04 ID:i.pNspYo


~同日夜 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「家族が増えます」

白井 「あら、またノラちゃんを拾ってきましたの?」

滝壺 「きぬはた、省略しすぎ」

番外個体 「で、今度はなにが増えるのかな?」

滝壺 「人間だよ」

他全員 「」

婚后 「に、人間? を拾ってきましたの!?」

海原 「もしくは空から降ってきた落下系なんとかですか?」

滝壺 「ほら、ややこしくなっちゃった」

絹旗 「滝壺さんにも原因はあります」

19: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:14:04.63 ID:i.pNspYo

 :
 :
 :

滝壺 「という訳なの」

白井 「ああ、何回か話してた彼氏さんですのね」

番外個体 「ようやく出てこれるんだねー」

絹旗 「多分、住む場所もお金もない筈なんです」

滝壺 「だから、ここに置いてあげたいんだけど……」

結標 「家主が言うのであれば、間借りしてる私たちには拒否権ないんじゃない?」クスクス

海原 「はは、仰るとおりですね」

結標 「海原、野宿でも逞しく生きなさい」ポン

海原 「はは、え?」

絹旗 「そうなんです、もう空き部屋ないんです」

20: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:15:46.20 ID:i.pNspYo

海原 「いや、ええと……」

滝壺 「大丈夫だよ、かろうじて一部屋あるから」

婚后 「海原さん、よかったですわね」

海原 「ええ、さすがに今回はホッとしてます」

番外個体 「なんだかんだ言って、今更一人欠けるのも寂しいしね」

海原 「」ウルウル

白井 (まさか涙ぐむなんて)

結標 「で、彼氏さんはいつ頃来るの?」

滝壺 「明後日だよ」

番外個体 「意外とすぐなんだね」

絹旗 「ついこの間連絡が来ましたからね。当日は私たちで迎えにいきます」

21: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:17:10.26 ID:i.pNspYo


~2日後 第10学区 留置所前~


滝壺 「」ウロウロ

番外個体 「缶コーヒー飲む?」

絹旗 「超いただきます」

滝壺 「」ソワソワ

絹旗 「つき合わせちゃって、なんだか超申し訳ないです」

番外個体 「まあ、家に一人だけいても暇だしね」

滝壺 「」カシュッ グビグビ

絹旗 「白井さんと婚后さんは学校で……結標さんと海原さんも朝からいませんでしたね」

番外個体 「二人揃って出かけてったよ」

絹旗 「あのお二人も相変わらず仲良く……あれ、門の様子が」

22: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:18:48.80 ID:i.pNspYo


<ガゴゴォォォォォン


黄泉川 「今までご苦労さん。もう二度とお前の顔なんか見たくないじゃん」ニヤニヤ

浜面 「ちょ、晴れの日にそれは酷くないっすか!?」

黄泉川 「はっはっは。それより、ほれ、あんな可愛い子達を待たせる訳にいかないじゃん」

浜面 「え?」

滝壺 「はまづら」

浜面 「た、滝壺!? 滝壺か! 来てくれたのか!」

滝壺 「ずっと待ってたから」



番外個体 「なんか邪魔できない雰囲気だね」

絹旗 (浜面……気のせいか、雰囲気が変わったような)

23: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:19:49.17 ID:i.pNspYo

浜面 「滝壺!」ガシッ

滝壺 「? はまづら?」

浜面 「イエス、フォーリンラブ!」クルッ

滝壺 「?」

浜面 「そこは合わせるところでしょぉぉ!?」

番外個体 「」

絹旗 (やっぱり浜面は超浜面でした)

 :
 :
 :

浜面 「なるほど……麦野が家をな」

滝壺 「うん。そこでみんなと暮らしてるよ」

浜面 「みんな?」

24: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:21:01.20 ID:i.pNspYo

絹旗 「」ジー

番外個体 「やっほう」ノシ

浜面 「絹旗と……ええと(なんか見たことあるような)」

絹旗 「浜面、なに滝壺さん以外の女性に熱視線を送ってるんですか」

番外個体 「? どうかしたのかな」

浜面 「あ、いや、浜面っていうんだ。滝壺が世話になったみたいだな」

滝壺 「この人はみさわ。一緒に住んでる人だよ」

浜面 「ミサワさんか、よろしくな」ガッチリ

番外個体 「う、うん、よろしく」

番外個体 (ゴツくて男らしい手だなぁ、あの人と大違い)

黄泉川 「おまいらいつまでやってるじゃん。さっさとメシでも食いにいけ」パシパシ

25: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:23:11.27 ID:i.pNspYo


~第7学区 とあるファミレス~


浜面 「ってことは、今7人で生活してるのか」

絹旗 「そういうことです。そして浜面が超8人目です」

浜面 「……いいのか? それって」

滝壺 「みんないいって言ってくれたよ」

番外個体 「家主さんのご意向だしね、逆らえないさ」ニヤニヤ

絹旗 「それに、今の浜面は超宿無しでしょう。どうこう言ってられませんよ」

浜面 「ま、まあ確かにな」

滝壺 「だから、何も気にすることないよ。みんないい人だから」

浜面 「そうか……なんか申し訳ないな」

番外個体 「……ねえ、ふと思ったんだけどさ」

26: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:24:29.58 ID:i.pNspYo

滝壺 「どうしたの?」

番外個体 「こういうときってさ、歓迎会とかするもんなの?」

絹旗 「おお、そうですね。超出所祝いでもいいです」

滝壺 「やろうやろう」

浜面 「いやいや! さすがにそこまでしてもらう義理はないぞ!?」

番外個体 「そう言わずに。豪勢な料理を食べられる口実できるしさ♪」

浜面 「あ、そっちが目的?」

絹旗 「まあ、たまにはいいんじゃないんですかね」

滝壺 「そうだね、はまづらの記念日だし」

浜面 「な、なんか照れちまうな」

番外個体 「ちょうど、今日の夕食作るの私だし。こりゃ楽しそうだ」

27: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:25:42.34 ID:i.pNspYo

浜面 「今日の? なんだ、持ち回り制なのか?」

絹旗 「そうですよ……って、浜面はどうしましょうか。料理できます?」

浜面 「できると思ってんのか?」

絹旗 「全然」

浜面 「」グスン

滝壺 「はまづらは、私が当番の日に手伝ってくれればいいよ」ナデナデ

浜面 「滝壺さん、一生着いていきます!」

番外個体 (こりゃ生涯尻に敷かれるな)

滝壺 「それじゃ、そろそろ帰ろうか」

絹旗 「そうですね、ユリコに留守番させっぱなしですし」

浜面 「な、なんだか緊張するな」

28: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:26:59.41 ID:i.pNspYo


~同日 きぬはた荘~


絹旗 「ただいま戻りましたー」

ユリコ 「―=三( ・ω・)」ドタタタ

絹旗 「ユリコー、いい子にしてましたかー?」ヒョイ

浜面 「お、猫も飼ってるのか。つうことは7人と1匹だな」

番外個体 「浜面さんが2匹目だね」クスクス

浜面 「そっちにカウントしないで!?」

滝壺 「? 靴があるね。誰か帰ってきてるのかな」

結標 「あら、お帰りなさい」

滝壺 「あ、むすじめ。ただいま」

30: ◆r462iqU2Ag 2010/11/22(月) 00:28:24.47 ID:i.pNspYo

番外個体 「あれ、淡希? 海原さんと一緒じゃなかった?」

結標 「なんか用事があるから先帰っててくれって。……で、そちらの大男が件の?」

浜面 「浜面仕上っつうんだ。今日から厄介になるぜ」

結標 (……顔は並。だけど、いい体格してるわね)

結標 「結標淡希よ、ヨロシクね」

浜面 ( ( ゚∀゚)o彡°)

絹旗 (超浜面……早速煩悩に支配されてますね)ハァ

滝壺 「……」グシャッ

浜面 「おぅふ!? 滝壺さん!? なぜわたくしの足をお踏みに!?」

滝壺 「はまづら」

浜面 「はっ!」ビシィ

滝壺 「部屋に案内するね」

72: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:28:11.11 ID:OxehUp.o


~きぬはた荘 2階 廊下~


滝壺 「はまづら、見てて。この棒でね、天井のフックを引っ張っると」グイッ


 スルスルスル


番外個体 「おーかっこいい。隠し階段だね」

結標 「屋根裏部屋もあったのね」

絹旗 「多分、私と滝壺さんしか知らなかったでしょうね」

浜面 「なんかいいな、こういうの。秘密基地みたいでさ」wktk

滝壺 「階段は出しっ放しにしないでね、狭くなるから」

浜面 「了解だぜ!」

結標 「中は確かめなくていいの? 流石に全員は入れないでしょうけど」

74: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:29:46.17 ID:OxehUp.o

浜面 「そうだな。荷物も置かないといけないしな」ギシギシ

番外個体 「秘密基地の居心地はどうだーい?」


<いい感じだな!


結標 「男の人って、隠れ家っていうの? ああいうのに憧れるのかしら」

番外個体 「んー、でも分かる気もするな」


<(ゴン)イデェ!!


絹旗 「やっぱり天井低いんですね」

滝壺 「はまづら、大丈夫?」


<頑丈さには自信と定評があるからな


75: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:31:14.25 ID:OxehUp.o

ユリコ 「」ウズウズ

絹旗 「? ユリコ?」

ユリコ 「(ノ・ω・)ノ」ドタタタタ

絹旗 「あ、ちょっと!?」


<うぉぉ!? どうした!?
<フミャァーーーーオ


滝壺 「入ったことないから、入ってみたかったのかな」


<バリバリバリバリ
<くぉら! 壁で爪といじゃだめ! 俺の部屋!


結標 「……ユリコらしくないわね、イタズラするなんて」

番外個体 「きっと興奮してるんだね」

76: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:33:07.34 ID:OxehUp.o


~きぬはた荘 リビング~


ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」ベチンベチンベチンベチン

浜面 「さっきからなんなのよアンタ!」

絹旗 「超浜面! 私のユリコをいじめるとは何事ですか!」

浜面 「むしろいじめられてるの俺じゃね!?」

滝壺 「大丈夫だよ、そんなはまづらも応援してる」

番外個体 「……今までとは違うタイプの賑やかさだね」

結標 「絹旗さんとの息が妙に合ってるのよね」

ユリコ 「(・ω・)」ガブガブ

浜面 「イテェ!? 手噛むな!」

滝壺 「ゆりこ、はまづら食べちゃダメ」

77: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:34:44.62 ID:OxehUp.o

番外個体 「仲が良いのはいいことだ。さーて、そろそろ夕飯の支度でも」

結標 「? やけに早いじゃない」

絹旗 「今日は超浜面の超出所祝いらしいですよ」

滝壺 「ねえねえ、みさわ。手伝うよ」

番外個体 「じゃお願いしよっかな。もう冷蔵庫カラッポにするぐらいのつもりだし」

浜面 「いや、なんか申し訳ないな。そこまでしてもらうのも」

番外個体 「大丈夫だよ、明日からは一転して質素になるから」

絹旗 「みんなして超菜食メインの食事を作りますからね」

結標 「あら、結構なことじゃない」

番外個体 「成長期は食べといたほうがいいと思うんだけどなー」

絹旗 「……なぜ私を見ながら言うんですか」

78: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:36:00.21 ID:OxehUp.o

番外個体 「じゃ、作ってきまーす☆」ノシ

滝壺 「はまづら、また後でね」

浜面 「お、おう!」


<メインはどうしようかな
<はまづらは肉食だから、お肉がいいかも


結標 「……浜面くん、肉食なのね」

浜面 「違う意味に聞こえるのは気のせいだよな?」

絹旗 「むしろ浜面は雑食じゃないですかね」

浜面 「まあ、好き嫌いはないしな」

結標 「なんか違う意味に聞こえるわね」

絹旗 「超抽象的な会話ですよね」

79: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:37:26.06 ID:OxehUp.o

結標 「それはそうと、もうみんなから言われてると思うけど」

浜面 「?」

結標 「もう滝壺さんを悲しませるような真似しちゃダメだからね」

浜面 「大丈夫だ、心配はいらないぜ」

結標 「もし滝壺さんを泣かせたら、この家の人間全員が敵に回ると思いなさい」ニヤー

浜面 「」ゾクッ

絹旗 「Level5を単騎撃破した浜面とはいえ、超厳しい戦いになりますね」

浜面 「そんなすごいのか……?」

絹旗 「テレポーター、電撃、空力、念動力と超選り取りみどりですよ」

結標 (念動力使いはニセモノだけどね)

浜面 「すげえな。国一つ潰せるんじゃないか?」

80: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:39:17.03 ID:OxehUp.o

結標 「さあ、どうかしら? 今のところはそんな予定ないしね」クスクス

浜面 (今のところってなんだよ)

絹旗 「とりあえず、結標さんとミサワさんは怒らせたら超怖いので、気をつけるといいですよ」

結標 「え、なんで私もなの。いつも優しーいじゃない」

絹旗 「だってユリコのトイレ掃除をサボったり、ミニトマトを残したりしたときに……」

浜面 「そりゃお前が悪いだろ」

絹旗 「むー」

浜面 「ミサワさん、だったか? 滝壺と反対のタイプっていうか、確かにキツそうな顔はしてたな」

結標 「それ、本人の前で言ってみなさい。かみなりパンチが飛んでくるから」

浜面 「……肝に銘じておく」gkbr


<ギィィィィ バタン


81: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:40:53.92 ID:OxehUp.o

白井 「ただいま戻りましたのー」

婚后 「ただいま戻りました……あら? そちらの方はもしや……」

浜面 「あ、どうも」

浜面 (常盤台のお嬢様まで一緒なのか。どういう家だ、ここは)

結標 「あら、お帰りなさい……どうしたの、その荷物」

白井 「滝壺さんから、メールで買い物を頼まれましたの」

結標 「そういうこと。お茶のお代わりもってくるついでに、置いてくるわよ」

婚后 「では、お願いしますわね」

絹旗 「そういえば、超いい匂いがしてきましたね。ちょっと覗いてみましょうか」


<まーたつまみ食いするつもり?
<そ、そんなことしないです……たぶん。


浜面 (……あれ?)

82: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:42:18.14 ID:OxehUp.o

浜面 「…………」

白井 (この立派な体格の殿方が……)ジー

婚后 (先日お話してらした、滝壺さんの……)ジー

浜面 (なんで俺一人残すんだよぉぉ! すげぇ居辛ぇよぉぉぉ!)

浜面 「……あ、お茶とか飲みます?」

婚后 「あの、それは……」

白井 「本来わたくし達の台詞では……」

浜面 「……すいません」ショボン

婚后 「ああ、いえ、そんな! わたくし達も気が付きませんで!」

白井 「お、お話は聞いておりますの! たしか滝壺さんの許婚の方だとか……」

83: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:43:40.00 ID:OxehUp.o

浜面 「えっ」

婚后 「えっ」

白井 「えっ」

浜面 「俺の知らないところでそんなところまで進んでたのか!?」

婚后 「わたくしも初めて聞いたのですが……」

白井 「あれ? そう仰ってませんでした?」

浜面 「ま、まあ、俺もな、滝壺がそう望んでくれるなら……しまった! 今の俺には先立つものがない!」

婚后 「何を仰いますの。肝心なのはお金などではございませんわ!」

白井 「無償かつ年中無休かつ周囲の目など気にしない愛こそが重要ですの!」

浜面 「……ああ、その通りだな! よし、ちょっと滝壺迎えに行ってくる!」


滝壺 「呼んだ?」ヒョコッ

84: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:45:07.39 ID:OxehUp.o

浜面 「……あ、すまねえ。なんでもない」

滝壺 「? キッチンにいるから、用事があったら呼んでね」トテトテ

浜面 「今の俺達なんだったんだ? あんた達の能力?」

白井 「この家に精神感応系の能力者はおりませんの」

婚后 「少々熱くなってしまったようですわね……お恥ずかしい限りです」

白井 「これだけやっといて、自己紹介がまだでしたの。わたくしは白井黒子と申します」ペコリ

婚后 「こちらで厄介になっている婚后光子と申しますわ」ペコリ

浜面 「あ、これはこれはご丁寧に……浜面仕上と申します」ペコゴツン

白井婚后 「ゴツン?」

浜面 「テーブルに頭打った……イテェ……」

婚后 「そこまで深く頭を下げることもございませんのに」クスクス

白井 「ユニークな方ですの」クスクス

85: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:46:25.34 ID:OxehUp.o

浜面 「はは、お恥ずかしいところを……」ポリポリ

白井 「落ち着いてくださいな。それはそうと、もう他の皆さんとは?」

浜面 「顔合わせた、ってことか? ええと7人だっけ? じゃあと1人だな」

婚后 「そういえば、海原さんのお姿が見えませんわね」

白井 「そろそろ戻ってくるのでは? いつも夕飯には間に合わせておられますし」


<ギィィィィ バタン


婚后 「噂をすれば影、ですわね」

白井 「相変わらずパンクチュアルな方ですの」

浜面 (海原さん、か……どんな娘なんだろうな)

86: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:47:51.89 ID:OxehUp.o

海原 「ただいま戻りました。……おや、お客さんですか?」

浜面 (あれ? なんだこの爽やかイケメンは)

婚后 「あら、海原さん。滝壺さんから話は聞いておりましたでしょう」

浜面 (海原さん? この人が海原さん?)

海原 「おお、この方がそうでしたか。初めまして、海原と申します」ペコリ

浜面 「……あ、浜面です」ペコリ

浜面 (そうだよ、なんか変だと思ったら、ここまで女の子としか会話してねえじゃねぇか!)

海原 「これからよろしくお願いしますね」ニコニコ

浜面 「お、おう。よろしくな」

浜面 (てことは、今まで男はこいつ1人だったのか?……こいつは)

白井 「これで、全員との顔合わせと自己紹介は済みましたの?」

浜面 「ああ、そうなるな」

87: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:49:12.53 ID:OxehUp.o

婚后 「すっかり話し込んでしまいましたわね。ちょっと私物だけ置いてまいりますわ」

白井 「そうですの、リビングに置いておく訳にもいきませんし」


<そういえば、もうすぐですわね。
<気合入れていきますのよ。


浜面 「……なあ、海原さん、だったか? あんた、今までこの家で……」

海原 「? なんでしょうか」

浜面 「ぶしつけで悪いが、男1人、だったんだよな?」

海原 「ええ、結果としてそうなりましたね。これからは2人ですが」ニコニコ

浜面 「…………」

海原 「浜面さん?」

浜面 「……大変だったろう!」ガシッ

88: ◆r462iqU2Ag 2010/11/23(火) 22:50:44.09 ID:OxehUp.o

海原 「??」

浜面 「いくら美人美少女揃いといえ、男一人だけってな肩身が狭いんだよなぁ!」

海原 「あ、あの……」

浜面 「なんかあればすぐ殴られるし爆弾投げられるしビームが飛んでくるし……」ウルウル

海原 「浜面さん?」

浜面 「そのクセ、周りからはやれ"もげろ"とか"爆ぜろ"とか言われるんだよな!」

海原 「いえ、そんなことは……」

浜面 「あんたも苦労してきたんだよな! わかる! わかるぜ!」ウンウン

海原 (彼の過去に何があったのでしょうか……)

浜面 「大丈夫だ! これからは何があろうと、この浜面仕上はあんたの味方だ!」ドドン

海原 「は、はあ……ありがとうございます」

110: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:03:42.48 ID:sgw7W3Mo


~きぬはた荘 キッチン~


結標 「この香りはビーフシチュー? 随分と手が込んでるじゃない」

番外個体 「こういう時、圧力鍋があると楽なんだけどな」

絹旗 「どれ、この私が超味見を」

滝壺 「こら」

結標 「炊飯器で代わりにならないの?」

番外個体 「炊飯器で? シチュー? できんの?」

結標 「だって原理は似たようなものでしょ?」

番外個体 「そうなの?」

滝壺 「圧力鍋でご飯は炊けるらしいけどね」

番外個体 「でも圧力鍋と炊飯器だと構造が違うよ」

絹旗 「」コソコソ

111: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:04:59.16 ID:sgw7W3Mo

結標 「炊飯器で煮込み料理とか、テレビで見たんだけどな」

番外個体 「それマジ?」

滝壺 「やってできないことはないと思う。鍋で作るのとは大分感じが違うだろうけど」

結標 「今度、私の番の日にやってみてもいい?」

番外個体 「……鍋一つツブすならまだしも、炊飯器壊されたら困るんだけど」

絹旗 「」ソォー

結標 「壊すって……私をなんだと思ってるのよ」

滝壺 「むすじめ、炊飯器料理は基本がもっとできてからね」

結標 「えー、滝壺さんまで……」

番外個体 「大丈夫大丈夫、最近は未元物質じゃなくなってきたしさ」

絹旗 「」ヒョイパク

113: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:06:20.16 ID:sgw7W3Mo

結標 「未元物質!? そんな風に思ってたの!?」

番外個体 「だって常識が通用しないし」

結標 「ぐぬぬ……でも、でも海原はいつも何も言わず食べてくれてたし……」

滝壺 「うなばらは紳士だしね」

番外個体 「……あれ? 誰かここに置いといたホウ酸団子しらない?」

絹旗 「」ブーッ

滝壺 「やっぱり、きぬはたまたやったんだね?」

結標 「懲りないわね、貴女も」ハァ

番外個体 「で、ホウ酸抜きホウ酸団子のお味はいかがかな?」ニヤニヤ

絹旗 「なっ、ひ、ぇあ……超ハメられた!?」

滝壺 「つまみ食いはやめてって、何度も言ったのに」

115: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:07:43.48 ID:sgw7W3Mo

番外個体 「口で言って分からないなら、身体で分かってもらうしかないよね☆」バチッ

結標 「少しだけ落ち着きなさい。前髪から火花散ってるわよ」

絹旗 「あっ、いや……」

滝壺 「きぬはた、ある意味で自業自得だからね」

結標 「これで懲りてくれたら、お姉さん嬉しいなー」

番外個体 「悔い改めな」

絹旗 「み、皆さん、目が超笑ってないですよ……?」

 :
 :
 :

海原 「? 今、キッチンの方から何か聞こえませんでしたか?」パチン

浜面 「聞こえたか? 俺には何も聞こえなかったが」パチン

海原 「気のせいでしょうか……お、これで形勢逆転ですよ」パチン

浜面 「なぁにぃ!? 一列全てを白に変えられちまっただと!?」

116: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:09:14.12 ID:sgw7W3Mo

海原 「ふふ、さあどうでます?」

浜面 「くそ、オセロでここまで悩んだのも久しぶりだぜ……」

ユリコ 「ノ・ω・)ノ」ガシャーン

海原 「あ」

浜面 (ナイスだ! ユリコ!)

海原 「いや、参りました。勝負をひっくり返されるとはまさにこのことですね」

浜面 「お互いにいいところまでいったんだがなぁ、いやぁ残念だ!」

海原 「キリもいいですし、片付けましょうか」

浜面 「あれ? 駒が一枚足りないな」

海原 「ユリコさんがひっくり返したときに、転がってしまったのでしょうかね」

ユリコ 「つ・ω・)つ○」コロコロ

117: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:10:43.72 ID:sgw7W3Mo


~夕食~


浜面 「おお! 湯気が出てるメシだ!」

番外個体 「そこに感動されるとは思ってなかったな」カチャカチャ

婚后 「まあ、いい香りですわね」ハゥ

海原 「テーブル拭きますね。はい、ちょっと失礼しますよ」

結標 「ねえ、運ぶの手伝って」

絹旗 「はーい」

白井 (絹旗さんの様子が……?)

番外個体 (どうしよ。妹達みたいな顔になっちゃってる)

滝壺 (やりすぎたかな)

浜面 「よう、絹旗。どうした? らしくもない顔しちゃって。腹でも減ったか?」ナデナデ

118: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:12:16.81 ID:sgw7W3Mo

絹旗 「……はっ。な、何するんですか! 超気安く人の頭をなでないでください!」ウガー

番外個体 (え、直った)

滝壺 (よかったけど、ちょっと複雑)

結標 「あ、そうだ。浜面くんだけ追加メニューがあるんでしょ?」

浜面 「?」

番外個体 「滝壺さんがねー、はまづらが好きなもの出したいって。作ってくれたよ」

婚后 「あらあら、仲のよろしいこと」クスクス

白井 「はー、まったく見せ付けてくれますわね」

滝壺 「はい、これはまづらの分」ゴトン

浜面 「すげえ! コロッケたくさん!」

海原 「お、いいリアクションですね」

119: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:13:31.08 ID:sgw7W3Mo

白井 「滝壺さんが"じゃがいもたくさん"と仰ってたのはこれのためでしたのね」

滝壺 「手の込んだ料理より、好きなものをどっさり出したほうが、はまづらみたいな男の人は喜ぶよ」

番外個体 「……なんか、すっごい敗北感なんだけど」

結標 (覚えとこ)

絹旗 「早く食べましょうよー」

婚后 「がっつくのはみっともないですわよ?」

海原 「これだけ美味しそうなものが目の前に並んでいては無理もないですよ」

浜面 「その通り。では、いただきます!」

絹旗 「浜面! 超フライングですよ!」

番外個体 「細かいことはいいの。ほらほら、食べた食べた」

絹旗 「コロッケ一つもらいます!」シュパッ

浜面 「あ、こら! それ俺の!」

120: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:14:54.52 ID:sgw7W3Mo

滝壺 「二人とも、ケンカしちゃだめ」

番外個体 「ところで、ここに料理に使ったワインの残りがあるんだけど」

婚后 「え……みなさん、未成年なのでは?」

番外個体 「こういう時ぐらいはおkだよねー♪」

絹旗 「ですよねー」

結標 「!? ダメ! ぜったい!」

白井 「そうですのよ、未成年の飲酒は禁止されておりますの」

結標 「そ、そうよ! 私たち未成年なんだから!」

番外個体 「? 淡希、この間の旅行で」

結標 「とにかくダーメー! 没収!」ヒュ

番外個体 「あれ? あ! ズルイ!」

海原 (結標さんに新たなトラウマが芽生えてしまいましたか)

121: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:16:09.06 ID:sgw7W3Mo

 :
 :
 :

浜面 「いやぁ……いいもんだな」ゲフゥ

海原 「?」

浜面 「こういう雰囲気でメシ食ったのも、何年ぶりかだからさ」

海原 「ここはいつもこんな感じですよ」ニコニコ

滝壺 「ねえねえ、はまづら」

浜面 「おう、どうした!」

滝壺 「美味しかった?」

浜面 「言わせんなよ恥ずかしい! うまいに決まってるだろ」

滝壺 「///」

122: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:17:21.47 ID:sgw7W3Mo

番外個体 (滝壺さんのあんなカオ初めて見た)

白井 (これが恋する乙女の表情ですのね……)

結標 (なんかいいなぁ)

婚后 (お二人とも幸せそうですわね)

海原 (見ているこちらが恥ずかしくなってしまいますね)

浜面 「……あの、皆さんなんで注目してらっしゃるので?」

滝壺 「すきあり」chu☆

浜面 「」

その他 (や、やった!?)

浜面 「ほ、ほっぺに頂いちゃいました」プシュー

滝壺 「お皿片付けてくるね」イソイソ

123: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:19:05.01 ID:sgw7W3Mo

結標 「……はー、ごちそうさま。いろんな意味で」

番外個体 「うわぁ……大胆……///」

白井 「海原さん、空調を弱めてくださいな。暖房が効きすぎですの」パタパタ

海原 「僕もそう思ったんですが、暖房は入っていませんよ」

婚后 「///」

絹旗 「さすが滝壺さん、やるときゃ超やる人ですね」

浜面 「」プシュー

結標 「ほらほら、ショートしてる暇があるなら片付け手伝いなさい」

浜面 「あ、アイアイサー!」

番外個体 (いいなぁいいなぁ、私もあれぐらい積極的になれれば……)

124: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:20:52.27 ID:sgw7W3Mo


~同日深夜 きぬはた荘 屋根裏部屋~


浜面 「……なんか騒々しい一日だったが」

浜面 「楽しかったよな」

浜面 「うん、なんとかやっていけそうだな!」

浜面 「……しかし、滝壺は……」

浜面 「いざというときの行動力はある方だったが、あそこまでだったか?」

浜面 「まさか風呂にまで乱入してくるとは思わなかったぞ」

浜面 「……あ、やべ。また鼻血が……」


滝壺 「はまづら」ヒョコッ


浜面 「うぉぉ!? 滝壺さん!? ど、どうした!」

滝壺 「どうだった?」

125: ◆r462iqU2Ag 2010/11/24(水) 23:22:15.51 ID:sgw7W3Mo

浜面 「どうだった、って……そりゃ透き通るように綺麗で……」

滝壺 「? みんないい人だったでしょ?」

浜面 「ああ、そっちの話な! うん、すげえいい人達だったな!」

滝壺 「みんなもいるし、これからははまづらもいてくれるから」

浜面 「?」

滝壺 「すごい嬉しい」

浜面 (な、なんという破壊力の笑顔を見せるんだぁぁぁぁ!)ズギュゥゥゥン

浜面 「滝壺!」ガシッ

滝壺 「? はまづら?」

浜面 「もう一人にはしないからな」キリッ

滝壺 「フォーリンラブじゃないんだ」

浜面 「あれはもうやらない」

171: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 21:57:08.14 ID:yrp4rIAo


~9月某日 きぬはた荘 リビング~


 【テレビ】<もうすぐ大覇星祭です。生徒のみなさんは――


番外個体 「ダイハセイサイってなに?」

結標 「まあ、運動会みたいなものね。規模はケタ違いだけど」

番外個体 「ふーん……不登校児とフリーターばっかのこの家はあまり関係ないかな」

絹旗 「フリーターなのはミサワさんだけです」

浜面 (やべえ、俺どっちかですらねえ……バイト捜すか)

海原 (僕は何にカテゴライズされるのでしょうか)

滝壺 「でも、大覇星祭中って飲食店は座席解放するんでしょ?」

結標 「そうね、期間中に限っては飲食物の持ち込みが認められるハズよ」

絹旗 「つまりミサワさんの仕事も超増えるって訳ですね」

番外個体 「は、ホントに? メンドいなぁ」

173: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 21:58:36.16 ID:yrp4rIAo

結標 「しかもあれよね。外からも人がたくさん来るんだし」

番外個体 「え?」

滝壺 「運動会だから。生徒の家族とか一般のお客さんも見に来るの」

浜面 「道路が埋まるぐらいの人込みになるもんな」

番外個体 「なにそれ……ネズミが入り込んだりしないの?」

絹機 「そりゃ超防ぎきれませんよ」

結標 「これまでも、ちょこちょこおかしいことはあったみたいだけどね」

海原 「緩めるところは緩めて、締めるところは締める。そういう警備を敷くみたいですよ」

浜面 「大覇星祭中は学区によっては入るだけで一苦労だもんな」

番外個体 「なんでみんなしてそんな詳しいの?」

絹旗 「ミサワさんが超無知なだけです」

174: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:00:04.75 ID:yrp4rIAo

番外個体 「しょうがないじゃん……こっち来てまだ半年だし」ムー

結標 「もー、拗ねないでよー」ナデナデ

浜面 「仲良しだよな、姐さん達は」

海原 (電撃テレポコンビ……奇しくもあのお二人と同じですね)

滝壺 「あ、そろそろしらいとこんごうも帰ってくる時間だね」

絹旗 「え? もうそんな時間でしたか」


<バーン


白井 「絹旗さん!」

婚后 「参りますわよ!」

絹旗 「え? え? 何がですか? どこにですか?」

175: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:01:57.50 ID:yrp4rIAo

白井 「今年こそは! 今年の大覇星祭こそは!」

婚后 「怨敵・長点上機学園を討ち果たしますのよ!」

白井 「そうですの! 常盤台の名にかけて!」

結標 「長点上機といえば、もう何年か連続で総合トップとってるわね」

番外個体 「へー、すごいところなんだ」

浜面 「名門中の名門だろ。俺からすれば雲の上の存在だぜ」

海原 「確か、昨年の総合2位が常盤台でしたね。雪辱を果たすということですか」

白井 「仰る通りですの。常盤台撫子の力を見せつけてやりますの」フンス

絹旗 「あ、いや、わ、私は……」

婚后 「そうと決まれば……」

176: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:03:24.35 ID:yrp4rIAo

白井 「血液が逆流して血反吐を吐くまで特訓ですの!」

絹旗 「超待ってください! 私も籍は常盤台ですが、そこは、その」

滝壺 「きぬはた」

絹旗 「た、滝壺さんからも! 何か言ってやってください!」

滝壺 「お弁当作ってあげるからね」

絹旗 「」

白井 「という訳で、申し訳ございませんが絹旗さんをお借りしますの」

番外個体 「どうぞどうぞ♪」

絹旗 「ミサワさーん!?」

浜面 「絹旗、応援にいってやるからな!」b グッ

結標 「いいわね、そういうの。青春って感じがして」

177: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:04:48.99 ID:yrp4rIAo

絹旗 「そう思うなら超代わってください!」

婚后 「さあ、大覇星祭まであと1週間を切っておりますし、やれることから始めませんと」

絹旗 「いや、超助けてください! 誰か!」

白井 「大丈夫ですの! 絹旗さんの体型なら体操服はよく似合いますの!」

絹旗 「そ、そういう問題じゃないです! や、ちょっ……」ズルズル


<タースーケーテー


海原 (……常盤台ということは、御坂さんも出ますか。楽しみにしておきましょう)

浜面 「お、テレビで去年の大覇星祭の模様とかいうのやってんぞ」

番外個体 「えっ」

178: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:06:09.67 ID:yrp4rIAo


 【テレビ】<(ドカーン)3番隊壊滅!衛生兵ー!(バリィィン)総員退避ー!!


番外個体 「……なんだこれ」

結標 「あぁ、そうそう。能力の行使は全面的に"推奨"されてるのよ」

滝壺 「学校がデータ収集もしてるからね」

海原 「"許可"ではなく"推奨"ですか。よく死者がでないものですね」

番外個体 (釘飛ばし放題……やば、ちょっと楽しそうって思っちゃった)

浜面 「出場するのはお嬢達だけなのか?」

結標 「まあ、そうなるでしょうね」

滝壺 「ねえねえ、はまづら。みんなの応援とか行こうよ」

浜面 「おお、そうだな! 折角の祭りだしな」

海原 (そう、折角ですし、邪魔するのも無粋ですよね)

179: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:07:24.51 ID:yrp4rIAo


~その頃~


 【飛行船】<もうすぐ大覇星祭です。生徒のみなさんは――


?? 「そうか……もうそんな時期なのだな」

?? 「ふふ、この一年、たゆまぬ鍛錬を積んできた成果を見せるときが来たか……!」

?? 「それに! 大覇星祭と言えば一年で最も学園都市が根性で満たされる日!」

?? 「この俺の根性で! 今年も我が長点上機学園をトップの座へと押し上げてやろうではないか!!」ドパーン

?? 「さあ、日課の走りこみだ! まずは軽く学園都市外周一回りだな!」


 ドドドドド...


19090 「何かがすごいスピードで去っていきましたが、あれは一体……?」

180: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:08:47.30 ID:yrp4rIAo


~翌日 第7学区 隠れ家的喫茶店~


番外個体 「あー……やっぱりやるんですか」

マスター 「うむ。そういうしきたりらしいのでな」

番外個体 「座席開放だけですか?」

マスター 「いや、店としても通常営業する。注文があれば受けるのである」

番外個体 「はあ……大変そうですね」

マスター 「何を他人事のように言っているであるか」

番外個体 「そういう訳だから、ここに来てもゆっくりできないと思うよ?」

一方通行 「……どォせよ、クソガキに連れまわされるんだ。どの道、ゆっくりなンてできねェよ」

番外個体 (いいなあ……)

一方通行 「オマエ、やっぱり店番か」

181: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:10:05.28 ID:yrp4rIAo

番外個体 「……うん」

一方通行 「……店あがるの何時だ?」

番外個体 「え? 知ってんでしょ? 最終下校時刻にあわせて閉店だから、18時だよ」

一方通行 「そォかそォか、分かった」ニヤニヤ

番外個体 「?」

一方通行 「そろそろクソガキ迎えにいくわ。いくらだ?」

番外個体 「320円」

一方通行 「はいよォ」チャリチャリ

番外個体 「はいピッタリ。毎度どうもー」


<カランカラン♪


番外個体 「毎回毎回ピッタリで払って……変なところで律儀なんだね」ガチンガチン チーン

182: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:11:37.66 ID:yrp4rIAo


~同日夜 きぬはた荘 リビング~


結標 「ただーいまー」

海原 「おや、お帰りなさい」

結標 「あれ? 貴方とユリコだけなの?」

ユリコ 「( -ω-)zzz」

海原 「常盤台メンバーはまだお帰りになってません」

結標 「頑張るわね……」

海原 「滝壺さんと浜面さんは買い物で遠くまで行ったので、そのまま夕食も済ませてくるそうです」

結標 「真琴は?」

海原 「ミサワさんなら、ついぞ先ほど携帯に着信があって自室に戻られましたよ」

結標 「そっか。ならちょうどいいわ」

183: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:12:54.18 ID:yrp4rIAo

海原 「と申されますと?」

結標 「話しておきたいことがあって。大覇星祭の期間中なんだけど」

海原 「……おそらく、考えていることは同じじゃないですか?」

結標 「たぶんね。お邪魔虫は退散しましょ、ってこと」

海原 「滝壺さんのことですね。当人達はお邪魔とは思わないでしょうけどね」

結標 「ずっとじゃないにしてもさ、二人きりの時間は欲しいでしょう」

海原 「仰る通りです。では、ひとまず1日目は余り物同士で適当にまわりますか」

結標 「あら、ご不満?」

海原 「いえいえ、滅相もない」ニコニコ

結標 「年頃の女の子捕まえて余り物呼ばわりなんて失礼しちゃう」

海原 「他意はありませんよ」

184: ◆r462iqU2Ag 2010/11/26(金) 22:14:06.13 ID:yrp4rIAo


~その頃~


19090 「さて、そろそろ寝ましょうか、とミサカは……うん?」

19090 「病院前の広場に怪しい人影が?」



?? 「よし、根性入れなおしておくか」

?? 「ふぉぉぉぉぉ……」

?? 「荒ぶる鷹のポーズ!!」ドパーン



19090 「あのカラフルな煙はなんなんでしょうか……?」

222: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:17:55.06 ID:OP7ix46o


~大覇星祭 当日~


偉い人 「そいじゃ、開会を宣言します」


 ワーワー
  パチパチ


浜面 「お、始まった始まった」

滝壺 「やっぱりすごい人だね」

結標 「どっからかき集めてくればここまでになるのかしら……」

海原 「おや、人込みは苦手ですか」

結標 「まあ、好きではないわね」

滝壺 「私も苦手」

浜面 「滝壺はそうだったな。休みたくなったらすぐ言ってくれよ」

224: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:19:15.29 ID:OP7ix46o

結標 「あら、滝壺さんには優しいのね」

浜面 「まあな!」

海原 (開き直りましたよ)

結標 「いい心掛けね。滝壺さんは怒らせたら怖そうだし、大切にしなさいよ」クスクス

滝壺 「はまづらは大丈夫だよ……たぶん」

浜面 「多分!? 滝壺さんにとって俺は多分なの!?」

滝壺 「だってかっこいいし優しいし」

浜面 「」プシュー

海原 「おやおや」

結標 「もう、ほぼ毎日こんな調子じゃない」

226: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:20:36.45 ID:OP7ix46o

浜面 「あっ、そ、そういやお嬢から聞いたんだが、絹旗が早速出るらしいぜ!」

海原 「お、一番槍ってやつですか」

滝壺 「なにやるの?」

浜面 「ええとな(ガサガサ)この、中高合同借り物競争ってヤツか?」

結標 「ちょうど会場が近いわね」

滝壺 「応援に行こうよ」

浜面 「おお、見に行ってやろう!」

海原 (結標さん)ヒソヒソ

結標 (分かってる、適度なタイミングで別行動にしましょ)ヒソヒソ

滝壺 「? どうしたの?」

結標 「なんでもない、行きましょうか」

227: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:22:23.45 ID:OP7ix46o


~第7学区 隠れ家的喫茶店(座席開放中)~


番外個体 「……ふーん」

オジサン1 「」スピー

番外個体 「日本では、場所取りと行列並びはお父さんの仕事って、前に聞いたけど」

オジサン2 「ここってタバコOKですか?」

番外個体 「ゴメンなさい、全席禁煙なんです。……本当なんだね」

番外個体 「ひゃぅ!?」

オジサン3 「あ、すいませんねぇ。手ぶつかっちゃった、ウヒヒ」

番外個体 「ころs……ここはそういうお店じゃないんですけど!?」ウガー

マスター 「そういうお店ではないのである」ゴゴゴゴ

オジサン3 「す、すいません……いや、ほんとすいません……」gkbr

番外個体 (マスターって普段無口だけど、こういうとき頼りになるよね)

228: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:24:00.39 ID:OP7ix46o


~とあるグラウンド~


絹旗 「くぅ……なぜ私がこんなことを……」

絹旗 「言っても始まりませんね……やるからには超勝っておきませんと」


<競技参加者はスタートラインに集まってください


絹旗 「よし、超切り替えていきますか」

削板 「さあ、根性入れて借りてくるか!」

絹旗 「……うはぁ、手強そうな人ばかりですね」


<位置について、よーい
<バスン


絹旗 「」ダッ

229: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:25:27.46 ID:OP7ix46o


  □ □ □ □ □ ←お題


絹旗 「ええと……真ん中の封筒にしておきましょうか」

絹旗 「」ガサガサ

絹旗 「!? これなら!」

絹旗 「どこか近くにいる筈!」ダダダダ

 :
 :
 :

絹旗 「うおお! 超ラッキー! 見つけました!」

滝壺 「あ、きぬはた」

浜面 「お? 絹旗じゃねえか。どうしたんだ」

結標 「借り物競争中よね? 何か必要なの?」

絹旗 「はい、ええとですね……」ジー

230: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:26:46.69 ID:OP7ix46o

海原 「?」

絹旗 「海原さんと結標さんじゃ超ダメダメです……」

結標 「え、ダメって?」

絹旗 「浜面と滝壺さん! 一緒に来てください!」

滝壺 「二人とも?」

絹旗 「そうです! 説明はあとでします! 超一緒に来てください!」グイグイ


<分かった分かった、引っ張るな
<はまづら、ちょっと、足、速い
<ああ、しょうがねぇ! 乗れ!


海原 「思いもよらないところで別行動になれましたね」

結標 「そうね。……でも、絹旗さんは何を求めてたのかしら」

232: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:28:13.44 ID:OP7ix46o

絹旗 「超持ってきましたー!」

審判 「お題はなんですか?」

絹旗 「これです!」つ□

審判 「……はい、いいでしょう! 一位です、おめでとうございます」

絹旗 「一位キター!」ピャー

浜面 「ふー……よかったな、絹旗!」

滝壺 「ねえ、きぬはた……なんで、私達、だったの……」ゼェゼェ

絹旗 「私が引いたお題がこれだったんです」つ□

浜面 「?」ガサガサ

滝壺 「なになに?」

233: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:29:51.43 ID:OP7ix46o


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /. 美女と野獣カップル /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /



浜滝 「」

絹旗 「お二人のおかげで一位です! 超ありがとうございます☆」

白井 「絹旗さん、やりましたわね!」

婚后 「驚きましたわ、競技レコード更新だそうですよ」

234: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:32:55.61 ID:OP7ix46o

絹旗 「私の手にかかれば超こんなもんですよ」フンス

白井 「お二人も、ありがとうございました」

浜面 「お、おう」

婚后 「絹旗さん、競技参加者は向こうに集まりませんと」

絹旗 「おっと。それじゃ、お二人ともまた後で」トタタタ

浜面 「……美女はともかく、俺って野獣なのか?」

滝壺 「ワイルドだから」


<うおおおおお!!!


削板 「持ってきたぞぉぉぉ!!」

浜面 「……なんであいつ、畳なんて担いでんだ?」

滝壺 「借り物のお題だったんじゃない?」

236: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:34:10.87 ID:OP7ix46o

 :
 :
 :

海原 「絹旗さんは一位のようですよ」

結標 「あら、よかったじゃない」

海原 「たまたま僕らが近くにいたのが、功を奏したみたいですね」

結標 「滝壺さんにはメールしといたから、私たちも行きましょうか」

海原 「そうですね、何か気になる競技とかあります?」

結標 「特にね……その辺の出店とかの方が面白いんじゃない?」

海原 「それも悪くないですね」

結標 「商品化前の試作品スイーツとかあったりするしね♪」

海原 「また太りますよ」

結標 「(バシッ)またってなに、叩くわよ」

海原 「叩いてから言わないでくださいよ」

237: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:35:43.52 ID:OP7ix46o


~第7学区 隠れ家的喫茶店(座席開放中)~


打ち止め 「ワースト来たよー、ってミサカはミサカは挨拶してみたり」

一方通行 「おォ、ワースト! 悪ィが、一つ頼まれてくれ」

番外個体 「あなたから頼みごとなんて珍しいね、明日はコーヒー豆が降ってくるな」

一方通行 「うるせェな。受けるのか受けないのかどっちなンだよ」

番外個体 「内容にもよるね」

一方通行 「チッ……ちっとばかし、ここでクソガキを預かってくれねェか?」

番外個体 「は? どうして? ここは託児所じゃないんだけど」

打ち止め 「なんかねー、怖い人から逃げて(ガシッ)ムグッ」

一方通行 「余計なこと喋ンな! 黙って引き受けてくれ!」

番外個体 「……マスター」

マスター 「まあ、子供一人ぐらいなら構うまい」

238: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:37:24.49 ID:OP7ix46o

一方通行 「ありがてェ! この借りは何十倍にして返すからな!」

打ち止め 「ちゃんと迎えに来てね、ってミサカはミサカは念を押しておく」

一方通行 「あぁ、分かってらァ! あいつに絡まれたら面倒だしな……近くにはいねェか、よし」ダダダダ

マスター 「彼は鬼ごっこでもしているのであるか?」

番外個体 「あの人が逃げ出すなんて、何者なんだろ」


<すいませーん。4人なんですけど座れますー?


番外個体 「(4人なら……なんとかなるな)はい、どうぞー」


<あらあら、シックでいい雰囲気のお店ですね。
<あ、あと2人は後から来ますんで……ってあれ?


打ち止め (あれ? お姉様? でもなんか違う? あれー?)

番外個体 (お姉様……にしては色々と大きいな、主に胸)

239: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:39:18.69 ID:OP7ix46o

詩菜 「あらあら、小さい美琴ちゃん?」

美鈴 「うわー。まんま昔の美琴ちゃんね」

番外個体 (え、やば。お姉様のこと知ってる人たちだ……下手なこと言えないな)ダラダラ

打ち止め 「みこと? お姉さん達はお姉様と知り合いなの? ってミサカはミサカは確認してみる」

番外個体 (おいこらー!)

美鈴 「お姉様? もしかして美琴ちゃんの事かな?」

打ち止め 「うん、いつも優しくしてくれるんだよー、ってミサカはミサカは褒めたたえてみる♪」ニパー

美鈴 「やーん可愛いー♪ 昔の美琴ちゃんより可愛いかもー♪」ギュー

番外個体 「……あ、こちらのお席へどうぞ」

詩菜 「ご丁寧にありがとうございます」ペコリ

美鈴 「店員さんも、どことなく似てる……この子のお姉さんですか?」

240: ◆r462iqU2Ag 2010/11/27(土) 23:41:10.05 ID:OP7ix46o

番外個体 「……あ、はい、姉です(ということにしておこう)」

美鈴 「びっくりだわー、美琴ちゃんのそっくりさんが二人もいるなんてー」

打ち止め 「お姉さんはお姉様のお姉様なの? ってミサカはミサカは確認してみる」

美鈴 「ううん、お母様よん♪」

番外止め 「…………えっ?」

美鈴 「あ、そうだ。座れるところ見つけたって連絡しないとね」カチカチ

マスター (店の中に似たような顔が3つも。姉妹と言われれば信じるであろうな)

詩菜 「困ったわー、当麻さんに繋がらない。また不幸に巻き込まれ中なのかしら」

打ち止め 「お姉様のお母様ってことは、ミサカから見てもお母様だねー、ってミサカはミサカは飛びついてみる♪」

番外個体 (最終信号ァァァ!)ダラダラ

美鈴 「娘が増えたみたいねー♪ お母様って呼んでもいいのよ♪」

美琴 「……連絡された店に来たけど、いったいこれは何の有様なの……」

286: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:24:16.19 ID:nBZT1hoo

美鈴 「あ、美琴ちゃんこっちこっちー」ノシ

詩菜 「あらあら、美琴ちゃん、お久しぶりですね」

打ち止め 「あ、お姉様だー、ってミサカはミサカは手をふってみる」

美琴 「」

番外個体 「言いたいことは分かるよ」

美琴 「お母さん、ちょっとこの子借りるね。あ、上条君のお母さんお久しぶりです」ペコ

打ち止め 「?」

美琴 「ほら、アンタもよ」グイグイ

番外個体 「お、押さないで、零れるから。あ、お水どうぞ」



美琴 「で、なんでアンタたちがいるのよぉ」

番外個体 「この格好みて分からない? ここの店員だよ」

打ち止め 「ミサカはここに預けられたんだよー、ってミサカはミサカは身の上を説明してみる」

287: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:25:35.19 ID:nBZT1hoo

美琴 「下手なこと言ってないわよね? その……アレとか……」

番外個体 「何度かヒヤッとする発言はあったけどね」チラッ

打ち止め 「?」

美琴 「心配させたくないから、核心に迫る話題は控えてよね」

番外個体 「ずっと隠し続けるつもり?」

美琴 「……いずれは話さなきゃいけない日が来ると思ってる。けど、まだ決心が……」

番外個体 「……分かったよ。よく似た知り合いとして振舞えばいいんだね?」

美琴 「ゴメンね、手のかかる姉で」

番外個体 「そういう訳らしいから、最終信号も協力してね」

打ち止め 「ミサカに任せとけー、ってミサカはミサカは無い胸を張ってみたり」

番外個体 「報酬には期待してるよん」ニヤニヤ

美琴 「ぐぬ……ちゃっかりしてるわね」

288: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:26:50.54 ID:nBZT1hoo

美琴 「ゴメーン、お待たせー」

詩菜 「あらあら、こうやって並べてみると本物の姉妹みたいですね」

美琴 「は、はい、何度か言われたことありますねー」タハハ

美鈴 「そういえば、愛しの彼は一緒じゃないの?」ニヨニヨ

美琴 「なっ、い、愛しの彼って……そ、そそ、そんなんじゃないから!」

番外止め (うわ、真っ赤)


<カランカラン♪


当麻 「遅くなりまして……」ペコペコ

詩菜 「あら? 当麻さんが来れたということは無事メールは届いていたんですね」

美琴 「おっそ……アンタどうしたの!?」

当麻 「いやー、さっき参加した障害物競走で色々あってな」

289: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:28:08.90 ID:nBZT1hoo

打ち止め 「ひどーい……ってミサカはミサカは戦慄してみる……」

当麻 「お、いつぞやの小さい御坂じゃないか? 久しぶりだな!」ナデナデ

詩菜 「あらあら、当麻さんの不幸は絶好調ですね」

美琴 「な、なんで保健室に寄ってこなかったのよ!」

当麻 「待たせたら悪いだろ?」キリッ

美琴 「またそうやって、アンタは……」プルプル

マスター 「応急処置セットぐらいは置いている、使って構わないのである」

美鈴 「ほーらー、美琴ちゃん出番よ」ニヤニヤ

美琴 「う、な、なんで私が……あぁ、もう、しょうがないわね!」

番外個体 「はーい、こちらどうぞ使ってくださーい」ニヤニヤ

美琴 「な、なんでみんなしてそんな顔するのよぉ! もう!」

290: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:29:32.41 ID:nBZT1hoo

打ち止め 「お姉様ずっと真っ赤ー、ってミサカは(デコピンッ)ぴぎゃ」

美鈴 「ほーら、ダメじゃない。可哀想でしょー」

当麻 「……母さん、これは何の有様でせう?」

詩菜 「ふふ、美鈴さんも混ざるとすごい光景ですね」

当麻 「上条さんとしては、はやく手当てをしてほしいのですが……」ポリポリ

番外個体 「しょうがないなー、お姉さんがやってあげよう☆」

当麻 「あ、すいません。お願いできますか?」ペコペコ

番外個体 (さすがに覚えてないか……あんときゃ顔面ボコボコだったしなぁ)

美琴 「ダメー、私がやるの! どいてなさい!」グイッ

打ち止め 「ワーストー、ここは譲ってあげる場面だよー、ってミサカはミサカは助け舟を出してみる」

当麻 「誰でもいいので、手当てをお願いできないでせうか……」

291: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:30:50.07 ID:nBZT1hoo


~時は少し遡り 女子対抗大玉転がし会場~


白井 「」ゴゴゴゴゴ

婚后 「」ドドドドド

絹旗 「超おなか空きました」ギュルルルルル

白井 「絹旗さん、これが終われば昼食ですの。滝壺さん特製のお弁当ですのよ」

婚后 「どうか、頑張ってくださいな」ナデナデ

絹旗 「わ、分かってます。……しかし、近くで見ると超大きいですね」

白井 「2メートルですから……絹旗さんの2倍はございますの」

絹旗 「わっ、私はそこまで小さくないです!」

婚后 「お二人とも! 始める前から仲間割れしてどうするんですか」

白井 「勝負はちょっと熱いぐらいがちょうどいいですの」

292: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:32:06.01 ID:nBZT1hoo

婚后 「まあまあ、冷静さを欠いてはいけませんわ」

絹旗 「でも、今回は超私たちが有利ですよ」

白井 「メリットを最大限に活かせますものね」


 ※大玉転がしルール
   左右両サイドに配置された25個ずつ合計50個の大玉を転がし、
   相手の後方にあるゴールラインに押し込む。先に半分以上を押し込めば勝利。


婚后 「こう言っては、相手の方に失礼ですが……この勝負は必ず頂きますわ」

絹旗 「超! やってやりましょう」フンス

白井 「それでは、そろそろスタンバイいたしますの」

婚后 「さあ、気合入れてまいりましょう」

絹旗 「やるからには超勝ちますよ」

白井 (あんなに嫌がってたのに、いざ本番だと乗り気ですの)

293: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:33:24.50 ID:nBZT1hoo


<位置についてー、よーい


婚后 「では、作戦通りに」

白井 「はいですの」


<バスン


婚后 「それっ!」バヒュゥン


      -―==三○ ●三


婚后 「あと少しで相手方の大玉にぶつかりますわ!」

白井 「お二人ともお捕まりになって! あそこまで転移しますの!」

絹旗 「はいきた」ガシッ

3人 「」ヒュンッ

294: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:35:01.98 ID:nBZT1hoo

白井 「到着ですの!」

婚后 「絹旗さん! 参りますわよ!」

絹旗 「超了解です!」

婚后 「はいっ!」バヒュゥン

絹旗 「うぉぉ、ロケット加速ちっそぱーーんち!」ドコォン


            -―===三三○● ウワー


絹旗 「超決まりました!」

婚后 「作戦通りですわ!」

白井 「お見事ですの! 相手の選手もろとも吹っ飛んでいきましたの!」

婚后 「わたくし達の大玉は、無事相手の陣地までたどり着いたようですわね」

絹旗 「? うひゃ! なんですか! 上空を大玉が超飛んでいきましたよ!」

295: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:36:25.73 ID:nBZT1hoo

婚后 「あれは……おそらく、わたくしの級友の念動力能力者ですわね」

白井 「念動力で、あんなスピードで飛ばせるなんて……さすがですの」

絹旗 「……ふと思ったんですが、あんな大玉一つなら白井さんの能力で飛ばせたのでは?」

白井 「それでは見てる方はなにも面白くないですの」

絹旗 「は、はあ」


<そこまで!そこまで!
<勝者、常盤台中学!


絹旗 「あ、超勝ちました!」ピャー

白井 「やりましたの! これで総合トップに一歩近づきましたの!」

婚后 「先ほど、白井さんが持久走で断トツの一位を取りましたし、流れは常盤台に向いてますわ!」

296: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:37:39.92 ID:nBZT1hoo


~昼休み~


浜面 「みんなすげぇな!」

滝壺 「暫定ポイントで長点上機に勝ってるよ」

絹旗 「超マジですか!」

白井 「皆さん、今年は特にやる気ですの」

婚后 「わたくし達3年生は今年が最後のチャンスですし」

浜面 「そっか、卒業したら仕返しもできねぇもんな」

滝壺 「はまづら、お弁当出してあげて」

浜面 「はい、喜んで!」ゴソゴソ

絹旗 「おー、超豪華です」

297: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:38:51.71 ID:nBZT1hoo

婚后 「滝壺さんの料理の腕は折り紙付きですから、期待できますわ」

浜面 「そうだろそうだろ! 毎日食っても飽きないぜ!」

滝壺 「はまづら、言いすぎ///」

白井 「でも、滝壺さんからは盗みたい技が多々あるのも事実ですの」

絹旗 「料理スキルなら滝壺さんとミサワさんがトップ2ですね……超悔しいです」

浜面 「じゃ、ビリなのは誰なんだ?」

婚后 「それは……ご本人の名誉のためにお答えしかねますわ」

絹旗 「ていうか決まってますよ。超浜面です」

浜面 「俺かよ! そうなんだろうけどさ!」

絹旗 「この間だって、夜食にカップ焼きそば作ろうとして"超だばぁ"ってやってたじゃないですか」

浜面 「あれはユルイ蓋が悪いんであって、俺は悪くねぇ!」

298: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:40:11.38 ID:nBZT1hoo

滝壺 「ほらほら、いいから食べるよ」

絹旗 「おにぎりの大群……ツナマヨはどこですか」

滝壺 「ごめんね、全部鮭」

絹旗 「」ムー

浜面 「贅沢言う子には食べさせません!」

絹旗 「なっ! 超浜面! 何様のつもりですか!」

白井 「なんといいますか、お二人って……」

婚后 「滝壺さんと浜面さんの関係とは、違ったタイプの仲良しですわね」

滝壺 「この二人は前から仲いいよ。はまづらの精神年齢が低いから」マグマグ

浜面 「えぇ!? 俺そんな風に見えんの!?」

絹旗 「そうですよ、私が超大人の対応をしてあげてるんじゃないですか」

299: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:41:29.51 ID:nBZT1hoo

婚后 「まぁ、結構なお手前ですわ」モシャモシャ

白井 「相変わらずの腕前ですの」サクサク

絹旗 「あ、超ズルイです! 私も食べます!」

浜面 「お前も十分ガキっぽいじゃねえか……」

絹旗 「超やかましい浜面の分も私が食べてあげましょう」

浜面 「おいやめろ! 俺だって楽しみにしてたんだぞ!」

滝壺 「はまづら、たくさんあるから大丈夫だよ」

白井 「賑やかで結構ですの」クスクス

婚后 「あ、滝壺さん。申し訳ございませんが、飲み物はございませんか?」

滝壺 「あるよ、ゴーヤ茶」コポコポ

300: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:42:44.65 ID:nBZT1hoo


~その頃 とある公園~


結標 「っくしゅん」

海原 「風邪ですか?」

結標 「いえ……なんでもないわよ」

海原 「風邪なんてひかないでくださいよ。感染されたら困りますからね」ニコニコ

結標 「……」ムー

海原 「?」

結標 「そ、それより、これからどうする?」

海原 「さて、どうしましょうか」


<あれー? 結標ちゃんじゃないですかー?


海原 「おや?」

301: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:44:06.14 ID:nBZT1hoo

結標 「あら、小萌? 久しぶりね」

小萌 「お久しぶりですねー、元気そうでなによりなのですよー」

海原 「お知り合いですか?」

結標 「うん、前にちょっとお世話になってた人」

禁書 「こもえ、この人達はこもえの教え子なのかな?」

小萌 「生徒ではないけど、似たようなものですねー」

海原 (? 教え子? 生徒?)

小萌 「そうだ! 結標ちゃん、今お時間大丈夫ですかー?」

結標 「え? えぇ」

小萌 「結標ちゃんも一緒にこの格好(チアガール)するのですよー」ヒラヒラ

禁書 「うん、2人より3人のほうが楽しいかも!」

302: ◆r462iqU2Ag 2010/11/30(火) 22:45:36.27 ID:nBZT1hoo

結標 「は、え? いや、わ、私は……ちょっと」

小萌 「えー。結標ちゃんならきっと似合うのですよー」

結標 「に、似合う似合わないっていうより……らしくないわよ」

海原 「意外と似合うかもしれませんよ?」

結標 「むー……」

禁書 「さ、着替えスペースはこっちなんだよ」グイグイ

結標 「こっちって……そこ、ただの草むらじゃない!」

小萌 「彼氏さん、結標ちゃんをちょっとお借りするのですー」グイグイ

結標 「そ、そんなんじゃないから! 押さないで! 引っ張らないで!」

海原 「ここでお待ちしてますね」ニコニコ

333: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:29:21.27 ID:eQ6jePgo

結標 「」プルプル

小萌 「結標ちゃん、やっぱりよく似合うのですよー」

禁書 「く、悔しいけど、すごい破壊力なんだよ……」

結標 「これ、恥ずかしいんだけど……」モジモジ

海原 「仕事中はもっと際どい服装してるじゃないですか」

結標 「それとこれとは別よ!」

小萌 「彼氏さんは何か感想はないのですかー?」

海原 「よくお似合いだと思いますよ」

結標 「だから、なんでさっきから彼氏ってとこ否定しないの!」ムキー

海原 「いや、全力で否定したらそれはそれで怒られそうじゃないですか」

結標 「う……」

334: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:30:55.79 ID:eQ6jePgo

禁書 「? でも、二人ともお揃いのストラップ付けてるよね?」

結標 (なんて観察眼……)

海原 「あ、これですか?」チャラ

禁書 「おー、すごい綺麗なんだよ」キラキラ

結標 「こ、これはね……私達だけじゃないの。仲の良い連中で色違いのお揃いを持ってるのよ」

禁書 「え? でも二人は色も同じなんだよ?」

結標 「」

小萌 「若いっていいですねー」ウンウン

海原 「いやあ、照れてしまいますね」

禁書 「すごい羨ましいかも……今度わたしもお揃い買ってもらうんだよ」

結標 「」

335: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:32:29.74 ID:eQ6jePgo


~しばらく後 とある公園 ベンチ~


海原 「しかし驚きましたね。どこの幼女かと思えば、その実体は教師だとは」

結標 「あぁ見えて大酒飲みのヘビースモーカーよ。私達の3倍は生きてるんだから」

海原 「となると、実年齢より少々若く見えますね」

結標 「そんなレベルじゃないでしょ……」

海原 「ああ、それで合点がいきました。"皆さんの応援に行くのですよー"というのはそのままの意味だったんですね」

結標 「まあ、自分が受け持つクラスの応援に行ったんでしょうね」

海原 「結標さんも行ってあげてもよかったと思いますが」

結標 「ぜっ、絶対ヤダ!! 死んだ方がマシと思うような事態になるじゃない!!」

海原 「なぜそこまで……」

結標 「……小萌のクラスには土御門がいるの」

海原 「納得しました」

336: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:34:08.13 ID:eQ6jePgo

海原 「応援に行かないにしても、あのままの服装でもよかったのでは?」

結標 「あれで街中歩くのも、その、恥ずかしいでしょ……」

海原 (布巻いてるだけの格好と何が違うのでしょうか)

結標 「もー、その話は終わり」

海原 「ふふ、了解です。いや、しかしいい天気ですね」

結標 「天気の話題しかないの?」

海原 「それでは、"ほぼ日刊今日の御坂さん"でも……」ゴソゴソ

結標 「いい天気ねー」

海原 「そうですよね、この暑くも寒くもない時期の快晴は爽快だとは思いませんか?」

結標 「言いたいことは分かるけどね」

海原 「何か飲み物でも買ってきましょうか」

結標 「いい。ここにいて」

海原 「?」

337: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:35:34.74 ID:eQ6jePgo

 :
 :
 :

海原 「……こうやって時間をムダにするのも、たまには悪くないものですね」

結標 「」ウトウト

海原 「……おや? この日差しにやられてしまいましたか」

結標 「」ガクンッ

海原 「あ、危ない」ポスン

結標 「Zzz」スリスリ

海原 「結標さん? これは……旅行のときの悪夢再発ですか。困りましたね」

結標 「」スピー

海原 「……起こすわけにもいきませんね」

338: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:37:01.04 ID:eQ6jePgo


~第7学区 隠れ家的喫茶店(座席開放中)~


番外個体 「はー、午後になってようやく静かになった」コキコキ

打ち止め 「すごい賑やかだったね、ってミサカはミサカは振り返ってみる」

番外個体 「にしても、まさか携帯の番号交換することになるとは思わなかったけどね」

打ち止め 「えへー、ミサカの携帯に6人目の番号が入ったんだよ♪ ってミサカはミサカは自慢してみる♪」

番外個体 「ふふん、私の勝ちだな」


 番外個体電話帳 12人 (きぬはた荘メンバー、一方通行 etc)
 打ち止め電話帳 6人 (一方通行、黄泉川、芳川 etc)


マスター 「そんなことを張り合ってどうするであるか」

番外個体 「いやー、増えるのがなんだか嬉しくて」

マスター 「分からなくもないが」

339: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:38:44.99 ID:eQ6jePgo

打ち止め 「でも、お母様ってお姉様にそっくりだよねー、ってミサカはミサカは顔を思い浮かべてみる」

番外個体 「最初、お姉様のお姉様かと思ったよ……それにしても」


 *** 回想 ***

美鈴 「ねえねえ、名前なんて言うの?」

番外個体 「ミサ……あ、三澤真琴です」

打ち止め 「ミサカの名前は打ち止めって言うんだよ、ってミサカはミサカは自己紹介してみる」

番外個体 (しまった名前!!)

美鈴 「まー、二人とも綺麗で個性的な名前ね♪」

番外個体 (あれ?)

美鈴 「番号交換しましょうよ。美琴ちゃんのお友達ってことは、私ともお友達だしね♪」

 *** 回想ここまで ***

340: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:40:07.58 ID:eQ6jePgo

番外個体 「なんというか、細かいことは気にしないというか……すごい包容力だったな」

打ち止め 「お母様優しくて綺麗でお胸大きい人だった、ってミサカはミサカは将来に夢を持ってみる」

番外個体 「……私たちもあれぐらいになれるのかな」

打ち止め 「どうかなー、お姉様とかワーストを見てると……」

番外個体 「どういう意味かなー?」ズイ

打ち止め 「ぴゃう! 至近距離から睨まないで! ってミサカはミサカは助けを求めてみる!」ギュッ

マスター 「ミサワさん、小さい子相手に大人気ないであるぞ」

番外個体 「ずーるーいー」

打ち止め 「マスターさーん、オレンジジュースお代わり、ってミサカはミサカはおねだりしてみる」

マスター 「この子の分はミサワさんの給料から引いておくのである」

番外個体 「…………ぎゃふん。そこはあの白いのに請求してくださいよ……」

341: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:41:43.19 ID:eQ6jePgo


~午後の部 飛び入り参加型パン食い競争~


浜面 「むぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダ

削板 「ふぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダ


滝壺 「はまづら頑張って」

絹旗 「浜面! 負けたら超夕食抜きですよ!」

白井 「浜面さん! あと少しですの!!」

婚后 「ラストスパートですわ!」


削板 (久々に根性のあるヤツを見たぜ! だが負けねえええ!)

削板 「ふふぉいふぁーんひ」

浜面 「ビブルチ」ズシャァァ

342: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:43:01.19 ID:eQ6jePgo

滝壺 「あ……」

絹旗 「超浜面! 何やってるんですか!」ウガー

白井 「あの殿方……今何をしましたの?」

婚后 「手を軽く振ったようにしか……」

白井 「……あの校章は!?」

婚后 「長点上機学園……!」

白井 「長点上機にはあのレベルの能力者がゴロゴロいるということですの?」

婚后 「先方は能力開発のトップ校。そうであったとしても不思議はございませんわ」

白井 「これは……見ておく必要がございますの」

婚后 「敵を倒すには敵を知れ、ということですわね」

343: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:44:23.92 ID:eQ6jePgo

滝壺 「はまづら、大丈夫?」

浜面 「あいててて……ありゃなんだったんだ?」

絹旗 「? 超浜面が勝手にコケたようにしか見えませんでしたよ?」

浜面 「いや、それはねえ! なんかよく分からねぇけど……なんかあったんだよ」

絹旗 「なんですかそりゃ」

浜面 「なんか、見えない壁に吹っ飛ばされたような……」

白井 「おそらく、並走してた殿方が何かしましたの」

婚后 「念動力でしょうか……?」

白井 「分かりませんの。とにかく、これから長点上機が参加する競技があるので見に行きますの」

絹旗 「私もですか?」

婚后 「当然ですわ」

344: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:45:44.09 ID:eQ6jePgo


~学年対抗 棒倒し会場 客席~


絹旗 「あれ? 浜面はいいんですか」

婚后 「怪我をしておられましたし……滝壺さんと浜面さんは保健室ですわ」

白井 「あ、ちょうど始まるところですの」

婚后 「長点上機と……あれはどちらの学校でしょうか?」


<バスン


絹旗 「お、始まりましたよ」


<うおおおおおおお!!


白井 「!! さっきの殿方ですの」

婚后 「なんという存在感……」

345: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:47:05.34 ID:eQ6jePgo

絹旗 「あれ? 飛んだ? いつ飛びました?」

白井 「あんな高く……! ものすごい跳躍力ですの……」


<空中すごいパーンチ
<メキメキメキメキ


婚后 「ぼっ……棒が真ん中から真っ二つに……?」

白井 「いったい何が起こってますの……?」


<アブナーイ
<ドズズン
<フコウダー


絹旗 「ありゃ、何人かが折れた棒の超下敷きになりましたよ」

白井 「あの殿方は……空中で制止してる?」

婚后 「何の能力を応用すれば、ああなるのでしょうか?」

346: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:48:36.48 ID:eQ6jePgo


<空中すごいパーンチメチャ撃ち


絹旗 「ッ……!」

白井 「もうこれは試合ではございませんの……ただただ一方的な殲滅戦」

婚后 「これを、あの殿方がほとんど一人で巻き起こしていると……」


<そこまで!そこまで!
<勝者!長点上機学園!


白井婚后 「」ポカーン

絹旗 「あれ? お二人とも超怖気づいちゃいましたか?」

白井 「ま、まさか! 強敵を前にして昂ぶってますの!」

婚后 「先に申しておきますが、これは武者震いですわ!」gkbr

絹旗 「超そういうことにしておきましょう」

347: ◆r462iqU2Ag 2010/12/02(木) 22:49:59.49 ID:eQ6jePgo

白井 「明日……長点上機と直接対決する機会がありますの」

婚后 「目にものを見せてさしあげましょう……!」gkbr

絹旗 「そうと決まれば、今日はもう引き上げて超休みましょうか」

白井 「いえ、その前にまだやることが残ってますの」

絹旗 「……あ、そうでした。浜面を超回収して、滝壺さんを迎えにいきませんと」

婚后 「それもですが。一日目はナイトパレードは催されますでしょう」gkbr

白井 「年に一回ですし、せっかくですから見ておきませんと」

絹旗 (ナイトパレード……そういえば、もう何年も見てないですね)

白井 「さ、競技も終わったようですし、わたくし達も参りますの」

絹旗 「そうですね。婚后さん、いつまで震えてるんですか」

婚后 「武者震いですわ!」gkbr

397: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:22:06.49 ID:MNJeZyco


~とあるビルの屋上~


 ヒュン


白井 「到着ですの」

絹旗 「おー、超特等席ですね」

婚后 「こんなところに立ち入ってよいのでしょうか?」

絹旗 「どうせ誰も来やしませんよ」

白井 「滝壺さんには、メールして頂けましたの?」

婚后 「はい、二人きりでどうぞ、と」

絹旗 「リア充は二人きりで超いい雰囲気にでもなってればいいんですよ」ガサガサ

白井 「まったくですの。ああも毎日見せ付けられては糖尿病になってしまいますの」

婚后 「仲睦まじくて、嫉妬する気すらわいてきませんわね」

398: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:23:30.01 ID:MNJeZyco

絹旗 「さてさて、大覇星祭はまだ続きますけども……」

白井 「まず一日目終了ということで、プチ打ち上げですの」

婚后 「加えて、明日の戦いへ向けて景気付けですわね」

絹旗 「でもなんでアルコールはダメだったんですか?」

婚后 「絹旗さん、ご自分の年齢をお考えになってくださいな」

白井 「絹旗さん、わたくしの仕事を増やすおつもりですか?」

絹旗 「うは、超フルボッコ」

婚后 「……そういえば」

白井 「?」

婚后 「海原さんが"絹旗さんにアルコール与えるべからず"と仰ってましたわね」

399: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:24:42.45 ID:MNJeZyco

絹旗 「え? なっ、なんでですか!? 私が何をしたと!」

婚后 「事情は存じませんわ」

白井 「きっと、海原さんは真面目な方ですので、奔放な絹旗さんを心配しておられますの」

絹旗 「ぐぬぬ……奔放なのは私の超魅力の一つです」

白井 「さあさ、そんなことよりささやかに始めますの」ゴソゴソ

婚后 「ナイトパレードまで、あと1時間というところですわね……」

白井 「終了までここで超ゆっくりさせてもらいますの」

絹旗 「私のアイデンティティを超横取りしないでください」

婚后 「あら? なにやら見慣れないお菓子が……」ガサガサ

絹旗 「あ、それ私の! そのばかうけは超私のものです!」

白井 「誰も横取りなんていたしませんの」

400: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:25:49.81 ID:MNJeZyco

婚后 「これも絹旗さんの取り分ですか?」

絹旗 「あ、ファンタグレープ。はい、私のです」

白井 「はいはい、では行き渡ったところで」

3人 「「「かんぱーい(ですの)」」」

絹旗 「うん、今年のファンタも 「言わしません」 モガガ」

白井 「絹旗さん、ハッピーターンも美味ですのよ」ニコニコ

絹旗 (なんで私の周りのお嬢様はみんなして超庶民的なんですか)ポリポリ

婚后 「そういえば、他の方々はどうなさってるのでしょうか?」

絹旗 「ミサワさんはバイトって言ってましたね」

白井 「……あら? 海原さんと結標さんが所在不明ですの」

婚后 「もしや、あのお二人も?」

白井 「あの、旅行時の写真の件もございますし、考えられなくもないですの」

401: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:27:05.54 ID:MNJeZyco


~その頃 とある病院~


海原 「いやぁ、外出許可が下りてよかったですね」

ショチトル 「どこに連れていくつもりだ?」

ショチトル (お兄ちゃんとお出かけなんて何年ぶりかな……)

海原 「こんな部屋に篭りきりというのも退屈でしょう」

ショチトル 「うん、ひm……慣れればなんということもない。化学繊維は気に食わないがな」

海原 「まあまあ、今日はとても賑やかな日なので、ちょっと出歩くのも良いでしょう」

ショチトル 「ふん……ま、見るだけならタダだしな」

ショチトル (♪)

海原 「さて、まずは……どうぞお入りください」

ショチトル 「え?」


<ガラッ


402: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:28:21.49 ID:MNJeZyco

結標 「ちゃんと顔を合わせるのは初めてかしらね」

ショチトル(海の写真に写ってた人……!)

ショチトル 「あ、なっ……何故ここに?」

海原 「着替えを手伝うなら、僕よりも同じ女性に任せるべきでしょう?」

ショチトル 「…………いや、私は貴様でも……」

海原 「それに、今日あなたも連れていこうと提案してくたのは彼女ですよ」

ショチトル 「え?」

結標 「ほら、男どもは出てった出てった」グイグイ

海原 「あぁ、はいはい。終わったら呼んでくださいね」


<バタン


結標 「」チラッ

ショチトル 「……」

403: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:29:49.86 ID:MNJeZyco

ショチトル (く……何を企んでいる?)

結標 「何も企んでないから安心なさい」

ショチトル 「ッ!?」

結標 「貴女って、すぐ顔に出るのね。読心能力者にでもなった気分よ」クスクス

ショチトル 「え……あ……」

結標 「結標淡希っていうの。よろしくね」

ショチトル 「……ショチトルだ」

結標 「じゃ着替えましょ。私のお下がりだけど、いい?」

ショチトル 「あ、ああ」

結標 「最近の義肢ってよくできてるわね。パッと見じゃ区別つかないじゃない」シュル バサッ

ショチトル 「……なあ、なぜ私を?」

結標 「たまには気晴らしだって必要でしょ?」

ショチトル 「……」

404: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:31:05.18 ID:MNJeZyco

結標 「~♪」

ショチトル 「……私は、考えがすぐに顔に出るのか?」

結標 「うん、すっごい分かりやすい」

ショチトル (ということは、お兄ちゃんの前でも!?)

ショチトル 「~~~」プルプル

結標 「どうしたの?」

ショチトル 「な、なんでもない……」

結標 「? はい、着替え完了。じゃ、海原呼んでくるわね」

ショチトル (考えが読まれて……読まれて……あぁぁぁぁ)ブンブン

海原 「どうかしましたか?」

ショチトル 「うわぁ!? み、見るな!(顔を)見るなぁ!」

海原 「いやいや、(服が)お似合いですよ?」

405: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:32:18.18 ID:MNJeZyco


~さらにその頃 第7学区 隠れ家的喫茶店(座席開放中)~


打ち止め 「」スピー

マスター 「だいぶ落ち着いたであるな」

番外個体 「……超疲れました」


<カランカラン♪


番外個体 「いらっしゃいませー」

一方通行 「」ヒョコッ

番外個体 「あ、ようやくお戻り?」

一方通行 「いつもの」

番外個体 (……礼も挨拶もなしか、こンのやろォォォォ!)

406: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:33:33.36 ID:MNJeZyco

番外個体 「はい、お待ちどうさま」カチャ

一方通行 「はいよォ。喉が渇いtブフォォ」

一方通行 「おい、なんだこりゃァ!」

番外個体 「ちょっと前に塩スイーツって流行ってたでしょ?」

一方通行 「それがなンだよ」

番外個体 「新メニューの塩コーヒーでーす☆ お味はいかがー?」

一方通行 「」プルプル

マスター 「ミサワさん、程々にな」

番外個体 「はーい、すいませーん♪」

打ち止め 「ふに……あ! 来てたんだー! ってミサカはミサカは飛びついてみる♪」ミョン

407: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:34:54.53 ID:MNJeZyco

一方通行 「おい、おっさんや他の客に迷惑かけてねェだろォな?」

打ち止め 「ちゃんといい子にしてたよー、ってミサカはミサカは主張してみる」

マスター 「いい加減おっさんと呼ぶのはやめてほしいのであるが」

番外個体 「なんで"迷惑かけてねェだろォな"の対象に私が入ってないのかな」

一方通行 「細かいこと気にしてンじゃねェよ。シワが増えンぞ」

番外個体 「ほっとけ、バ㌍タ」

一方通行 「あァ!? 誰かバカだゴルァ」ウガー

番外個体 「ああ? やんのかゴルァ」ムキー

マスター 「ケンカなら外でやるのである」

打ち止め 「なんで顔合わすと一回はこうなるのかな、ってミサカはミサカは辟易してみる」

408: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:36:05.46 ID:MNJeZyco

 :
 :
 :

一方通行 「で、そろそろ閉店なンだろ?」

番外個体 「ゴメン……考えてみたら閉めたあとの片づけと掃除があったんだ……」

マスター 「……ミサワさん、今日はもうあがってよい。お疲れ様であった」

番外個体 「え? あれ?」

マスター 「今日は色々ありすぎて疲れているであろうからな」

番外個体 「あ……ありがとうございます!」

一方通行 「終わったな? よし、行くかァ」

マスター 「待て、この子の分の清算がまだであるぞ」つ□

一方通行 「……なンじゃこりゃァァァ!!」

打ち止め 「えへー、ってミサカはミサカは誤魔化し笑いを浮かべてみる」

410: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:37:14.96 ID:MNJeZyco


~とある大通り~


滝壺 (みんな気を使ってくれてる……)

滝壺 (……今度、みんなにはちゃんとお礼しないと)

浜面 「なあ、滝壺。他の連中はどうしたんだ?」

滝壺 「はまづら」

浜面 「はい!」

滝壺 「静かに見たいから、人がいないところにいこ?」

浜面 (え、それって)

滝壺 「こっちこっち」

浜面 「あ、お、おい!」

411: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:38:33.14 ID:MNJeZyco

 :
 :
 :

浜面 「はー……こんな穴場スポットがあったんだな」

滝壺 「ここなら、誰にも邪魔されないよね」

浜面 「お、おう! そうだな!」

滝壺 「……二人きり」

浜面 「」ドッキーン

滝壺 「」スッ

浜面 (目を閉じて上を向いて? しろってことですか! 俺からしろってことですかぁぁ!)

浜面 「……いきます」スッ

滝壺 「……っ///」

412: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:39:50.03 ID:MNJeZyco


 パンパン パーン

 チャンチャラチャーチャ チャンチャラチャラチャラ
 チャラチャラチャラチャラ チャラチャラチャラチャラ


絹旗 「お、始まりましたよ!」

婚后 「文字通りの高みの見物ですわね、最高の眺めですわ」

白井 「上から見ると、まるで光の河ですの」

絹旗 (こんなにちゃんと見るのは、何年ぶりでしょうか……)

絹旗 (チラッと見たときも、こんな感想は持ちませんでした)

絹旗 (超綺麗です……)

婚后 「白井さんには感謝いたしませんと」

白井 「わたくしのエスコートがあってこその眺めですの」フンス

絹旗 「今回ばかりは、超ありがとうございます」

413: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:41:05.90 ID:MNJeZyco

打ち止め 「わー! すごーい! 綺麗きれーい!」ピョンピョン

番外個体 「なるほどね。あなたが見せたかったのはこれだったんだ」

一方通行 「オマエ、こういう派手なのは好きだと思ったンだが」

番外個体 「うん……好きだよ、大好き」

一方通行 「そォかい。そりゃよかった」

番外個体 「……」

一方通行 「? なンだよ」

番外個体 「いや、別に」プイッ

一方通行 「……オマエ、そのネックレス、なンかいいな」

番外個体 「いいでしょ? お気に入りなんだよ。宝石じゃなくてガラスだけどね」

打ち止め 「なに二人だけでいい雰囲気になってるのー! ってミサカはミサカは割り込んでみる!」

414: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:42:22.32 ID:MNJeZyco

ショチトル 「」ポカーン

海原 「いやいや、なんとも見事ですね」

結標 「去年は入院してたから、ちゃんと見れなかったのよね」

海原 「入院? そうだったんですか」

結標 「どっかの誰かさんに顔面殴りとばされてね」

海原 「顔をですか? とんでもないヤツがいるものですね」

結標 「もういいの、過ぎたことだから。それより、楽しんでる?」

ショチトル 「すごい綺麗……」ポツリ

結標 「連れ出してきた甲斐があったわね」クスクス

海原 「楽しんで頂けたようで何よりですよ」

415: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:43:31.90 ID:MNJeZyco

滝壺 「きれいだね」

浜面 「滝壺の方が綺麗だぜ」キリッ

滝壺 「……ばか」

浜面 「今頃、他の連中もどっかで見てるんだろうな」

滝壺 「うん。きっと見てるよ」

浜面 「……いいもんだな」

滝壺 「そうだね。こんな時間が来るなんて、一年前は想像もしてなかった」ピト

浜面 「大事にしないとな。時間もお前も周りのみんなも」ギュゥ

滝壺 「うん、期待してる」

浜面 「任せといてくれ!」フンス

416: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:44:46.61 ID:MNJeZyco


~同日夜 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「あうっ、もう少し下……あ、そこ、超そこです!」

ユリコ 「(・ω・)」フミフミ

絹旗 「あ゛~~~~」

白井 「運動不足の証拠ですの」

婚后 「家に閉じこもり気味というのも考えものですわね」

番外個体 「うぅ……足がむくんでるよぉ……」

浜面 「ミサワの姐さんは立ち仕事だったか? 大変だよな」

白井 「大きいお姉様! わたくしがマッサージを!」

番外個体 「そう? お願いしようかな」

417: ◆r462iqU2Ag 2010/12/04(土) 23:46:38.24 ID:MNJeZyco

白井 「脚といわず、全身を! くまなく!」

番外個体 「ゴメン、やっぱいいや。湿布貼っとく」ペタペタ

滝壺 「みんな、お茶だよ」

絹旗 「おお、超ありがとうございます。ユリコー、どいてください」

ユリコ 「(・ω・)」フミフミ ←楽しくなってきた

婚后 「海原さんと結標さんは、まだお帰りには?」

番外個体 「あー。なんか寄ってくるとこがあるって、連絡があったよ」ペタペタ

白井 (男女が寄り道をするとなると、行き先は一つしかございませんの)

婚后 (あのお二人も、急接近ということですわね)

浜面 「さてさて。全員お疲れみたいだし、今日は早めに休まないとな」

絹旗 「仕切らないでください。超浜面のくせに」

432: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:37:06.90 ID:DBCcNVYo


~翌朝 きぬはた荘 リビング~


<ぎゃわーーーー
<ドタタタタ


番外個体 「もう8時じゃん! なんで誰も起こしてくれなかっ……あれ?」

番外個体 「誰もいない? ウソ、放置プレイ?」

番外個体 「…………なんだよ。薄情にも程があるでしょ」


<にょわーーーーー
<ドタタ ガタン ドス ドコココ


絹旗 「い、いてててて……ちょっ、超寝坊してしまいました!」

番外個体 「絹旗さん? 今すごい音したけど大丈夫なの……?」

絹旗 「超大丈夫です。階段を転げ落ちただけです」

433: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:39:08.93 ID:DBCcNVYo

番外個体 「すごいな、なんとかアーマー」

絹旗 「"窒素装甲"です。……それより、ミサワさんだけですか?」

番外個体 「……そうみたい」

絹旗 「……う、ね、寝坊はしましたが……置いていくなんて超酷いです……」

番外個体 「あー、よしよし。泣くな泣くな」ナデナデ


<いやぁぁぁ、寝坊ですのーー!
<わ、わたくしとしたことが!!
<お、おい、何の騒ぎだ!
<うるさーい!何時だと思ってるの!


絹旗個体 「「…………」」

絹旗 「ひょっとして……」

番外個体 「全員寝坊した……?」

434: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:40:46.50 ID:DBCcNVYo

 :
 :
 :

白井 「絹旗さん! 着替えを早く済ませてくださいまし!」

絹旗 「超分かってますよ! それより婚后さんはどこいったんですか!」

番外個体 「洗面台にいたよ」

海原 「みなさん、野菜ジュースをどうぞ。食べないよりはマシです」

絹旗 「超頂きます」グビビビビビ

滝壺 「しらい、右のテールがちょっとずれてる」クイクイ

白井 「あ、申し訳ございませんの」

浜面 「おい、滝壺! 荷物はこれで全部ってことでいいんだよな!?」

滝壺 「……うん、大丈夫」

435: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:42:02.99 ID:DBCcNVYo

結標 「騒々しいわね、朝から……」

絹旗 「結標さん、何一人だけ超優雅にくつろいでるんですか!」

番外個体 「あ、いいのいいの。淡希にはこの後働いてもらうから」

結標 「えっ」

番外個体 「"座標移動"。最大重量は4520kg。ここにいる全員を足しても、まだお釣りがあるよね?」

結標 「」

白井 「結標さん、申し訳ございません。わたくしですと、絹旗さんと婚后さんとで3人が限度ですの」

結標 「……1000kg以上だと腰にk 「1000kgないから、決まりね」 ちょっとぉ!」

海原 「よかったですね、貢献できて」ニコニコ

結標 「……働き分の請求は真琴宛てでいいのよね?」

436: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:43:12.50 ID:DBCcNVYo


~学園対抗玉入れ会場 客席~


結標 「はぁっ……はっ……う……」

海原 「大丈夫ですか?」

結標 「最大距離で……何回連続……したと思ってるのよ……そりゃ疲れるって、の……」

海原 「しかも寝起きですもんね。お疲れ様でした」

結標 「……ゴメン、頭クラッときた。ちょっと寄っかからせて……」

海原 「はいはい、ごゆっくり」

滝壺 「しらい達は間に合ったのかな」

浜面 「まあ、大丈夫なんじゃねえか? まだ準備してるっぽいし」

結標 「うー……」

滝壺 「むすじめ、お疲れ様」ナデナデ

437: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:44:34.03 ID:DBCcNVYo

浜面 「なあ、ふと思ったんだけどよ」

滝壺 「?」

浜面 「長点上機って、共学で高校だよな」

結標 「そうだけど……?」

浜面 「常盤台って、女子高で中学だよな」

海原 「そうですね。まさに楽園(ガコッ)……懐中電灯で殴らないでください」ズキズキ

浜面 「張り合えるだけでもすげえと思うんだがな」

滝壺 「あの2校は強すぎて、学校別対抗だと他に相手がいないの」

結標 「強豪同士だからね……」

海原 「だから、観客もこんなに多いんでしょうかね」

438: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:45:58.11 ID:DBCcNVYo


~学園対抗玉入れ会場 グラウンド~


絹旗 「どうにか間に合いましたね……」

白井 「まったく……寝過ごすなんて、緩んでいる証拠ですの」

婚后 「それだけお疲れだったということですわ」

絹旗 「結標さんには、後で超ちゃんとお礼をしませんと」

婚后 「最強の空間移動能力者は伊達ではございませんわね」

白井 「……く、くやしい」

絹旗 「ところで……見えてます?」

白井 「ええ。あの先頭で腕組をしてる殿方」

婚后 「間違いございませんわ。棒倒しで無双してた方です」

439: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:47:09.51 ID:DBCcNVYo

絹旗 「やる気超十分ということですか……」

白井 「……今回は玉入れ。度が過ぎた妨害はないと思いますが……」

婚后 「何が起こるか分からないのが大覇星祭ですわ」

白井 「皆さん、勝負も大事ですが……くれぐれも大怪我なさいませんように」

絹旗 「超心得てます」


<位置について、よーい
<バスン


絹旗 「いきますよ!」

白井 「ここが勝負ですの!」


<うおおおおおお!


婚后 「きましたわ!」

440: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:48:20.54 ID:DBCcNVYo

削板 「どけぇい! その白玉を俺のだぁぁ!」

削板 「超すごいパーンチ」


<キャァァ
<イヤァァァ


絹旗 「っ……」

白井 「絹旗さん! 怖じ気づいてはいけませんの!」

絹旗 「わ、分かってます!」

削板 「超すごいパーンチ」

絹旗 「がっ……!?」

婚后 「絹旗さん!?」

441: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:49:33.69 ID:DBCcNVYo

白井 「巻き込まれてしまいましたか……!」

絹旗 「わ、私は大丈夫です……窒素装甲なめないでください!」ガバッ

白井 「婚后さん、絹旗さんをお願いしますの!」

婚后 「白井さんは?」

白井 「これ以上の狼藉を許すわけに参りませんの!」ダッ

婚后 「白井さ……」


<超すごいパーンチ
<ゴォォォォン


婚后 「砂埃が……? し、白井さん!」

絹旗 「これ、超マズくないですか……?」

442: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:50:53.00 ID:DBCcNVYo

白井 「そこの方! これ以上の好き勝手は許しませんの!」

削板 「老若男女は関係ねぇ! 根性があるヤツは大歓迎だぜ!」ドパーン

白井 (だからあの爆発はなんなんですの……?)

削板 「いくぞ、超すごい 「待ちなさい!」

白井 「? お、お姉さま!?」

美琴 「私の後輩に手出してるんじゃないわよ」

削板 「む、これはまたいい根性を持ってそうなお嬢さんだな」

白井 「お、お姉さま、ここは……」

美琴 「こいつの実力は見てたわ……どう軽く見てもLevel5級」

削板 「その通り! Level5、序列第7位、削板軍覇とは俺のことだ!」ドパーン

443: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:52:04.53 ID:DBCcNVYo

白井 「Level5……」

美琴 「やっぱりね。黒子、こいつは私が食い止めるから、アンタは」

白井 「お、お姉さま! わたくしも加勢を 「いいから」

美琴 「アンタはアンタの為すべきことをしてきなさい」

白井 「お、お姉さま……」

美琴 「アンタのお姉さまよ、少しは信じなさい」ピシッ

白井 「……どうか、どうかご無事で!」ダッ

美琴 「……」

削板 「終わったか?」

美琴 「わざわざ待ってくれてたの?」

削板 「不意打ちは根性無しのすることだ」フンス

444: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:53:38.00 ID:DBCcNVYo

美琴 「いい心掛けね……これ以上、私の後輩達に手は出させないわよ」

削板 「いくぞぉ!」

美琴 「うああああああああああ!!」バチバチバチバチバチ

削板 「おおおおおおおおおおお!!」ドドドドドド



<ズポパゴン


白井 「……黒子、振り返ってはダメですの! しっかりなさい!」

白井 「お二人とも!」

絹旗 「あ、白井さん! どこ行ってたんですか!」

婚后 「あの殿方は……!」

白井 「それより! わたくしに手を貸してください!」

445: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:55:04.65 ID:DBCcNVYo

絹旗 「し、白井さん……?」

白井 「お願いですの! 今は黙って手を貸してください!」

婚后 「……わかりましたわ。何をすればよいのですか?」

白井 「赤玉を、ありったけ、どんどん集めてくださいまし!」

絹旗 「……そういうことですか。超わかりました」

婚后 「絹旗さん! 参りますわよ!」

絹旗 「超了解です!」ポイポイポイポイポイポイ

婚后 「白井さん、頼みますわ!」ポイポイポイポイポイポイ

白井 「これだけあれば……それっ!」ヒュンッ


 【カゴ】<マンパイデス


446: ◆r462iqU2Ag 2010/12/05(日) 23:56:26.84 ID:DBCcNVYo

白井 「よし……次ですの!」

絹旗 「この調子でいけば……」

婚后 「相手が相手、最後まで気は抜けませんわ!」

白井 「全部のカゴを満杯にしてやりますの!」

白井 (それでも……それでもまだ足りませんの!)

絹旗 「どいてください! その赤玉は超私のものです!」ドズズ...ン

婚后 「くっ……邪魔をなさらないで!」ヒュパァン

白井 (お姉さまの信頼に応えるためには……!)

白井 「それっ!」ヒュン

白井 「次ですの!」

495: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:13:49.45 ID:I1YqWnso


~第7学区 大通り~


番外個体 「マスターに頼まれた買い物しゅーりょー」ガサガサ


<あ!真琴ちゃーん


番外個体 「? あ、美鈴さんだ」

美鈴 「今日もお仕事なの? 大変ねー」

番外個体 「はい、大変です」キッパリ

美鈴 「いいわねー、正直な子は大好きよ」ナデナデ

番外個体 「あれ? 今日は一人?」

美鈴 「うん。ホントはね、昨日の内に帰るハズだったんだけど。つい朝まで呑んじゃって♪」

番外個体 「……一人で? それって寂しい」

496: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:15:26.48 ID:I1YqWnso

美鈴 「あ、言ったな? 独り酒は大人の女の嗜みなんだぞー。真琴ちゃんだって今に分かるんだから」ユサユサ

番外個体 「ゆ、揺らさないでっ。卵割れちゃうから」

美鈴 「……ねー、真琴ちゃん。今度一緒に買い物とか行きましょーよー」ズイ

番外個体 (うっわ、酒くせー)

美鈴 「美琴ちゃんは服とか可愛い系が好きだから、好みが合わないのよねー」

番外個体 「ま、まあ、機会があれば……」

美鈴 「大丈夫よぉ、私大学の用事でこっちにちょくちょく来てるから」

番外個体 「え? 大学って……うん?」


<ピシャァァン


美鈴 「あら? こんなに天気がいいのに雷? さすが学園都市ねー」ケラケラ

番外個体 (地面から空に向かった? てことは、自然の雷じゃない。まさかお姉様?)

497: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:17:09.33 ID:I1YqWnso


~学園対抗玉入れ会場 グラウンド~


美琴 「うりゃぁぁぁぁ!!」ピシャーン ピシャーン ピシャーン

削板 「すごいパンチガードガードガードォォ!!」ベチン ベチン ベチン

美琴 「アンタそれなんなの!? 雷を素手でハタキ落とすってどういうことよ!!」

削板 「よくぞ聞いてくれた! これぞ俺の"磁力線戦"<オーロラガード>! 念動力を」

美琴 「だから念動力でそんなことできないって、さっきから何度も言ってるでしょ!!」

削板 「何言ってんだ、できてるだろうが!」

美琴 「だーかーらー……あぁもう! 面倒くさい!」

削板 「それよりアレだ。アレ使わないのか?」

美琴 「あ、あれ?」

削板 「お前、第3位だろ? だったら必殺技の……あれだ、ナントカガン」

498: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:18:44.88 ID:I1YqWnso

美琴 「……お望みならぶっ放してやるわよ」スチャ

削板 「うむ、それでこそ根性だ!」

常盤生徒 「!? み、みなさんお逃げになって! これ以上は危険です!」

長点生徒 「おい! 全員ここから離れろ!」

美琴 「アンタのなんとかガードで防ぎきれるかしら!?」チャリーン

削板 「"磁力線戦"<オーロラガード>だ! 何度も言わせるな!」

美琴 「知るかーー!!」カッ

 :
 :
 :

白井 「はいっ!」ヒュンッ


  【カゴ】<マンパイデス


499: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:20:09.42 ID:I1YqWnso

絹旗 「さあ、どんどん行きますよ!」

白井 「さすがに全てのカゴを赤玉だけで埋めることはできませんでしたの……」

婚后 「絹旗さん、点差はどうなってますか?」

絹旗 「ええとですね……」


  常盤台中学 448 - 345 長点上機学園


絹旗 「100の……えと、繰り上がって……103点差で超勝ってます!」

婚后 「残りのカゴも埋めてしまえば、点差が縮むことはございませんわ!」

白井 「さあ、参りますの!」


<チュドーーン

500: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:21:45.26 ID:I1YqWnso

絹旗 「!? な、なんですか、今のは!」

婚后 「一瞬見えたオレンジの光は、まさか超電磁砲……?」

白井 (お姉さまを本気にさせるなんて……あの殿方も只者ではございませんの)


<見つけたぞ!あいつだ!
<奴がテレポーターだ!やっちまえ!


白井 「え?」

絹旗 「白井さん、危ない!」バッ


  ヒュパパパパパパ


絹旗 「がああああああああ!!!」ガガガガガガガガ

501: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:23:37.47 ID:I1YqWnso

白井 「石礫!? 絹旗さん!」

絹旗 「うっ……わ、私は超大丈夫ですから! 先に行っててください!」

白井 「そ、そんなこと」

婚后 「ここはわたくし達が足止めしますので、白井さんはお急ぎになって!」ペシッ

白井 「!? 婚后さん! 貴女、今噴射点を……あっ!」ヒュパッ


<ずるいですのーー ー ー  ー


絹旗 「さて……何考えてんですか! この絹旗サマだからこんな程度で済んでるんですよ!!」ウガー

長点生徒1 「む、無傷!? なんで!?」

絹旗 「窒素装甲なめないでください! 今日何回これ言ってると思ってるんですか!」

長点生徒1 「くそっ、ならもう一発くらっとけ!」

502: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:25:12.15 ID:I1YqWnso

婚后 「小石を……これは念動力……?」

絹旗 「超危ないです! 巻き込まれない程度に下がっててください!」


  ヒュパパパパパパ


絹旗 「うわあああ……!」ガガガガガガガ

長点生徒1 「はっ……ははははは! どうだ! これが俺の力だ!」

絹旗 「そうです、か……なら、これが、私の力です!!」ダッ

長点生徒1 「う、嘘だろ……!?」

絹旗 「うりゃぁぁぁぁ!!」ガシッ グググ

長点生徒2 「持ち上げた!? どこにそんな力が!?」

絹旗 「超飛んでいきなさい!!」ブンッ

503: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:26:51.05 ID:I1YqWnso


   ミ
  【カゴ】<ガポンッ


長点生徒2 「む、無理ゲーだろ、これ……」

婚后 「あらあら……絹旗さん、人ではなく玉を入れてくださいな」

絹旗 「超失礼しました」

婚后 「今回は大目にみましょう。さ、白井さんに追いつきませんと」

絹旗 「そうでしたね、急いで」ズキッ

婚后 「? 絹旗さん?」

絹旗 「どうかしましたか? ほら、超急ぎますよ」

婚后 「は、はあ……(気のせいでしょうか……?)」

絹旗 (ショットガン並の石礫……流石に無傷とはいきませんか)

504: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:28:34.64 ID:I1YqWnso


~学園対抗玉入れ会場 客席~


浜面 「なあ……これ、どこの戦場だ?」

滝壺 「戦場じゃないよ。運動会」

浜面 「そ、そうだよな! 勘違いするところだったぜ!」

結標 「強豪同士の対戦となると、文字通りレベルが違うわね」

海原 「あの中に飛び込めって言われたら泣いて謝っちゃいますね」

結標 「飛び込みなさい」

海原 「」

結標 「ウソよ、そんな顔しないでよ」

海原 「さっきのは冗談を言う表情じゃありませんでしたよ」

浜面 「それにしても超電磁砲すげえな! 初めてみたぜ!」ウヒョー

滝壺 「はまづら、落ち着いて」

505: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:29:49.15 ID:I1YqWnso

結標 「そういえば、さっきの超電磁砲、誰かに直撃してなかった?」

海原 「一瞬なので見えませんでしたが、射線には誰かいたように見えましたね」

滝壺 「……大丈夫なのかな」

浜面 「大丈夫だろ?」

結標 「大丈夫なワケないでしょ。生身の人間が食らっていいものじゃないわよ」

海原 「これは只事ではないかもしれませんよ」

滝壺 「あ、煙がはれてきた」

結標 「……嘘でしょ? あの立ち位置なら真正面からもらってるじゃない」

浜面 「平然としてるな、ありゃ」

海原 「彼は……先ほどから御坂さんと交戦してる方ですね。何者でしょうか」

結標 「第3位と互角以上なんだから、どう考えても Level5 なんだろうけど……」

506: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:32:05.93 ID:I1YqWnso


~学園対抗玉入れ会場 グラウンド~


美琴 「ワケ分かんない……」

削板 「ふふん、ひゃるやれえか」

美琴 「超電磁砲を"歯で"受け止められたのは初めてよ……」

削板 「(プッ)なんだこりゃ? ゲーセンのコインか? ほら、返すぜ」チャリーン

美琴 「ちょ、いらないわよ! そんな口でくわえたヤツなんか!!」ズザザザ

削板 「しかし嬢ちゃんもなかなかやるな! 俺も本気を出さないといかんな!」

美琴 「本気じゃなかったっての?……いいわ、私も久々に100%中の100%でやってやるんだから」


  ゴロゴロ...
   ゴゴゴン...


削板 「お? なんだ、急に天気が悪くなって……おいおい、嘘だろ?」

美琴 「」ゴゴゴゴゴゴ

507: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:33:42.73 ID:I1YqWnso

白井 「雷雲? まさかお姉さま、そこまで……?」

絹旗 「白井さん!」

婚后 「遅くなりまして!」

白井 「お二人ともご無事ですか!?」

絹旗 「見ての通り、超大丈夫です」フンス

白井 「残すカゴはあと一つですの! ささっと埋めてしまいますの!」

婚后 「絹旗さん!」

絹旗 「超了解です! やってしまいましょう!」ポイポイポイポイポイポイ

婚后 「白井さん、頼みましたわよ!」ポイポイポイポイポイポイ

白井 「これで最後ですの!」ヒュン


  【カゴ】<マンパイデス


508: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:35:31.04 ID:I1YqWnso

絹旗 「これで全部です!」

婚后 「どうにか時間内に収まりましたわね」


<バスンバスン
<そこまで!そこまで!


美琴 「え? 終わり?」

削板 「むう。これからというところだっというに」

美琴 「……個人的な決着は付けられず、か」

削板 「勝負はお預け、ってことだな。この勝負、嬢ちゃんに預けたぜ!」

美琴 「次はこうはいかないんだからね、覚えておきなさい」ビシィ

削板 「ははは! いいな! いい根性だ! では、また会おう」

美琴 「……第7位、削板軍覇か。とんでもないヤツね」

美琴 「はあ、私もまだまだ未熟だな……じゃ、私も戻りますか」

509: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:37:12.89 ID:I1YqWnso

 :
 :
 :

絹旗 「集合場所がまるで野戦病院です……」

白井 「今回は特に派手でしたから」

婚后 「全員が全員、死力を尽くした結果ですわね」

絹旗 「お、最終集計結果が出たようですよ」


  常盤台中学 ○ 552 - 378 × 長点上機学園


白井 「勝った……」

絹旗 「超勝ちましたー!」ピャー

婚后 「白井さん! やりましたわね!」

白井 「」ウルウル


<黒子ー

510: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:38:40.80 ID:I1YqWnso

美琴 「黒子、やったわね」

白井 「お、おねえさ……お姉さま!? お怪我を……!」

美琴 「大丈夫よ、これぐらいはいつものことじゃない」

白井 「でっ、ですが!」

美琴 「アンタのご活躍はついさっき聞いたわよ。間違いなく今回のMVPね♪」

白井 「……おっ、お゛ね゛え゛さ゛ま゛ぁぁぁぁぁ」

美琴 「なんで勝ったのにそんな顔するかなぁ」

白井 「グスッ……わ、わたくしだけはございませんの……」

白井 「お姉さまや婚后さん、絹旗さんの協力があったからこそ……わたくしも思うように動けましたの」

美琴 「そっか。だったらみんなで分かち合わないとね」

511: ◆r462iqU2Ag 2010/12/08(水) 23:40:05.82 ID:I1YqWnso

絹旗 「いや……勝てて超良かったですね」

婚后 「……絹旗さん。貴女、さっきから足を引き摺ってませんか?」

絹旗 「超ちょっとドジっただけです。大したことないですよ」

婚后 「ダメですわ、きちんと手当てをいたしませんと」

絹旗 「むー……しなきゃダメですか」

婚后 「ダメです。さ、救護係のところに参りますわよ」

絹旗 「超分かりました……」

婚后 「あ、おんぶしてさしあげましょうか?」

絹旗 「ち、超結構です!」

婚后 「ふふ。では、参りましょう」クスクス

563: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:28:42.63 ID:z71TKdgo


~救護スペース~


<大丈夫ですよ!気をしっかりもって!
<やれやれ、僕を誰だと思ってるんだね?
<その言葉が聞きたかった。


保健係 「はい、できました。数日間は激しい運動はしないでくださいね」ナデナデ

絹旗 「超ありがとうございます」

婚后 「軽い捻挫でよかったですわ。もう競技の参加は難しそうですが……」

絹旗 「大丈夫ですよ。全体競技はもうありませんし、個人エントリもしてませんから」

婚后 「あら、そうなのですか?」

絹旗 「ええ、まあ。急な話でしたし。個人参加は昨日の借り物競争だけです」

婚后 「なら静養に専念できますわね」ナデナデ

絹旗 「……なんでみんな私の頭を撫でるんですか」

564: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:30:24.49 ID:z71TKdgo

婚后 「なんと言いますか、ちょうどいい高さにありましたから」

絹旗 「超バカにしてますよね!?」ムキー


<あ、二人ともー


絹旗 「あ、御坂さん」

美琴 「二人もどっかケガしちゃったの? 大丈夫?」

婚后 「わたくしは大丈夫ですが、絹旗さんが……」

絹旗 「超ちょっと捻っただけですよ」

婚后 「御坂さんも、あれだけ派手に闘ってよくそれで済みましたわね」

美琴 「私も相手も、周りを巻き込まない程度には加減してたからねー」

絹旗 (超電磁砲まで撃ってたくせに)

565: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:31:43.76 ID:z71TKdgo

絹旗 「あれ? そういえば白井さんは一緒じゃないんですか?」

美琴 「傷口を舐めてやるってしつこいから、お仕置きしといた」

絹旗 「」

美琴 「最近大人しいなぁって思ってたんだけど、やっぱり黒子は黒子ね」

婚后 「その顔は、満更でもないって顔ですわよ?」クスクス

絹旗 「なんだかんだ言って、超戦友ってヤツなんですね」

美琴 「そっ、そんなこと……あ、ゴメン、ちょっと電話」ピッ

番外個体 『あっ、お、お姉様!? やっと繋がった! 何してたんだスカポンタン!』

美琴 「なっ、なに? なんで私、いきなり怒られてるの?」

番外個体 『美鈴さんが酔っ払ってご乱心なの! すぐ店まで引取りに来て!』

美琴 「」

566: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:33:23.52 ID:z71TKdgo

番外個体 『できる限り急い ひゃっ!? 美鈴さん!? やめt ブツッ

美琴 「」ツー ツー ツー

美琴 「……なにやってんのよ、バカ母」ハァ

絹旗 「御坂さーん? みんなでお昼……あ、まだ電話中でしたか」

美琴 「ううん、終わった終わった。それより、みんなでお昼って?」

絹旗 「ええ、なんか戦勝パーティとかで超豪勢にするらしいです」

美琴 「……うん、行く! 行くから!」

絹旗 「そうですか。では、入り口のところに集合ですので」

美琴 「あっ、うん。すぐ行くね」

美琴 (ワースト任せた……ゴメンね、手のかかる姉と母で)

美琴 (でも、私にとっては常盤台として参加する最後の大覇星祭だから、大目に見てね)

567: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:35:00.17 ID:z71TKdgo

 :
 :
 :

結標 「あら、お嬢様の集団ね」

浜面 「はー、常盤台のお嬢様ともなると、体操服でもお嬢様オーラを放ってるんだな」

海原 「これぞシャングリラ(バコッ)はい、ごめんなさい」ズキズキ

滝壺 「きぬはたからメールが来てたよ。お昼はみんなと一緒だって」

浜面 「今朝寝坊して弁当作れなかったが、ある意味ちょうど良かったかもな」

滝壺 「うん。きぬはたも孤立してないみたいだし、良かった」

海原 「この後は知り合いがでる競技もありませんし、僕らも適当に回りましょうか」

結標 「そうね、なんだかんだで盛り上がりのピークも過ぎたんだし」

海原 「初日と二日目が一番盛り上がるんですよね」

浜面 「そんなもんだろ? 中盤は中弛みするし、終盤は疲れも溜まってるだろうしな」

568: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:36:19.07 ID:z71TKdgo

滝壺 「ほら、はまづら。行こうよ」グイグイ

浜面 「そんなに急がなくても屋台は逃げねえぞ」

海原 (今日はどうするんですか?)ヒソヒソ

結標 (うーん)

滝壺 「ほら、二人も」

海原結標 「えっ?」

滝壺 「何日も気を使ってもらうの悪いから。今日はみんなでね」

浜面 「気を使う? なんかあったのか?」

海原 (さすがに滝壺さんはまるっとお見通しでしたか)

浜面 「でも、ま、大人数ってのも楽しいよな!」

滝壺 「うん、ダブルデートだね」

海原結標 「」

569: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:37:50.18 ID:z71TKdgo


~同日夜 きぬはた荘 リビング~


番外個体 「」

ユリコ 「(・ω・)」フミフミ

滝壺 「みさわ、床で平べったくなるなら自分の部屋で寝たほうがいいよ」

番外個体 「あうー……」

浜面 「こりゃ重症だな。何があったんだ?」

番外個体 「疲れた……もう、ゴールインしてもいいよね……?」

結標 「はいはい。バカ言ってないで、さっさと自分の部屋いって休みなさい」

番外個体 「淡希、頼んだ」

結標 「はあ……しょうがないわね」フッ

ユリコ 「?(・ω・三・ω・)?」

570: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:39:14.22 ID:z71TKdgo

         /ドスン ガタ\


海原 「? なんでしょうか?」

結標 「……いっけない。ミスって2階の天井近くに飛ばしちゃったわ」

絹旗 「海原さーん」

海原 「どうしました?」

絹旗 「肩をグイグイしてください」

浜面 「こら絹旗。またお前はそうやって人をコキつかってだな……」

海原 「まあいいですよ、これぐらいなら。どうせ暇ですしね」

絹旗 「さすが、海原さんはどこぞのウマ面と違って超紳士です」

浜面 「くそ、見た目紳士となると海原には勝てん……」

滝壺 「大丈夫だよ、見た目チンピラなはまづらを私は応援してる」

571: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:40:41.79 ID:z71TKdgo

海原 「? 固いですね」

絹旗 「あぅぅ、そこ……」

海原 「慣れないことはするものじゃないですね」グリグリ

絹旗 「はう……超同意ですぅ」

結標 「……」

浜面 「おい、姐さん。どうした?」

結標 「え? 何が?」

滝壺 「顔に、お札の肖像画みたいな影が付いてたよ」

結標 「……つ、疲れちゃったのかな。私ももう寝るわ」

滝壺 「……」

浜面 「? ああ、お疲れさん」

滝壺 「みさわもむすじめも大変だね」

浜面 「?」

572: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:42:04.82 ID:z71TKdgo


<ガチャ


白井 「お風呂空きましたのー」

婚后 「お先に頂きました」

滝壺 「あと入ってない人は?」

海原 「僕はまだですね。他の方お先にどうぞ」グリグリ

絹旗 「はにゃー」ノシ

浜面 「絹旗もか。あと俺な」

滝壺 「もう遅いし後ろつっかえてるから、きぬはた入るよ」グイグイ

絹旗 「あぅぅ、引き摺らないでくださぃ……」ズルズル

滝壺 「私達の後、二人で入ってね」

浜面 「え!? そこは一人ずつじゃダメ!?」

573: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:43:39.48 ID:z71TKdgo

白井 「まー、殿方同士で裸の付き合いということですの?」

浜面 「突き合い!? しねえよ!!」

婚后 「まあまあ、殿方同士でしか分からない話題もございますでしょうし」

浜面 「そりゃあるだろうけどさ」

海原 「いやあ……ははは」

浜面 「断れよ! 海原だってこんなムサイのと一緒に風呂なんてイヤだろ!?」

白井 「鍛えられた筋肉と筋肉がぶつかり合って」

浜面 「おい、誰かこのお嬢止めろぉぉぉ!!」

婚后 「はいはい、白井さん。それぐらいにしておきましょうね」

浜面 「最近のJCってみんなこうなのか……?」

婚后 「一緒にしないでくださいな」

574: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:45:23.18 ID:z71TKdgo


~その頃 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「何しにきた」

結標 「あれ? 怒ってる?」

番外個体 「誰かさんが空高くに転移してくださったお陰で腰打ったんですけど!?」

結標 「なによー、ショートカットできたじゃない」

番外個体 「そうだけどさぁ……」

結標 「まあ、そんなことよりも、さ」

番外個体 「?」

結標 「何か進展ないの?」

番外個体 「何の話?」

結標 「すっとぼけちゃって。ねー、ウサギさーん」モフモフ

番外個体 「っ///」

575: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:47:24.11 ID:z71TKdgo

結標 「もー、滝壺さんぐらいアグレッシブになってみなさいよ」

番外個体 「あぅ……」

結標 「同じ17歳として、対抗しようと思わない?」

番外個体 「それ言いだしたら淡希だって同じでしょ。このままでいいの?」

結標 「私は別に」

番外個体 「海原さん」

結標 「」

番外個体 「あれ。気付いてないと思ってた? ねー、そっちはどうなのかなー」ニヤニヤ

結標 「……」ボソボソ

番外個体 「? なに?」

結標 「」ウルウル

番外個体 「ちょ、ちょっと!?」

576: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:49:11.71 ID:z71TKdgo

結標 「あいつは……私なんかに興味ないから」エグ

番外個体 「えーと……」

結標 「ねえ、私って魅力ないの?」

番外個体 (淡希の涙声なんて初めて聞いた)

結標 「私の何がいけないのかな……」

番外個体 「あー……さっき自分で言ってたよね? 滝壺さんぐらいアグレッシブになれ、って」

結標 「うー……」

番外個体 「アグレッシブっていうか、私もそうだけど……素直になれないからじゃない?」

結標 「……」

番外個体 「私もねー、事あるごとにあいつに手出したり憎まれ口叩いちゃうんだ」

番外個体 「そんで、後で後悔するの。淡希も身に覚えあるでしょ?」

結標 「んー……まあね」

577: ◆r462iqU2Ag 2010/12/11(土) 01:50:40.03 ID:z71TKdgo

番外個体 「私達に足りないのって、そういうところじゃないかな」

結標 「そっか……頑張らないとね」

番外個体 「お互いにね」

結標 「……今日、ここで寝てもいい?」

番外個体 「変なことしないでね?」

結標 「するかバカっ」

番外個体 「ほら、ウサギさん貸してあげるから」

結標 「……ゴメンね、らしくもないとこ見せちゃって」モフモフ

番外個体 「頼りにしてくれるのは嬉しいよ」

結標 「ありがとね、真琴」ギュー

627: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:03:49.57 ID:/M6DWDwo


~数日後 大覇星祭 最終日~


絹旗 「いよいよランキングの発表日ですね」

白井 「それと、閉会式ですの」

婚后 「そろそろ始まる筈ですが……あ、きましたわね」

絹旗 「まず個人ランキングですか」


  個人総合ランキング

   1位 削板軍覇 (長点上機学園)


白井 「あの殿方は……」

絹旗 「うはあ、超すごいですね。2位の御坂さんとダブルスコアですよ」

美琴 「くーやーしーいー!!」

628: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:05:07.20 ID:/M6DWDwo

絹旗 「わっ! み、御坂さん!?」

婚后 「い、いつからそちらに?」

美琴 「みんなを見かけたから声をかけようとしてたんだけど……」

白井 「まあ……惜しかったですの」

美琴 「惜しくないわよ、絹旗さんの言う通りダブルスコアだし……完敗よ」

絹旗 「あいつは別格ですよ、身体能力が人間じゃないですもん」

婚后 「結局、あの殿方の能力はなんだったのでしょうか?」

美琴 「さあ。念動力がどうのっていってたけど、どう見ても違うし」

絹旗 「きっと超宇宙人か何かなんですよ。スンバラリア星人とか」

白井 「……否定材料が見つかりませんの」

629: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:06:29.16 ID:/M6DWDwo

白井 「……あら? いよいよ学校別ランキングの発表ですの」

絹旗 「おー、やっとですか」

婚后 「勝っても負けても、今年で最後ですのね」

美琴 「そりゃ勝てたら嬉しいけど……やれることはやったし、どんな結果でも悔いはないわね」


  学校別ランキング

   1位
   2位 長点上機学園


美琴 「え……これって期待していいのかな?」

白井 「ま、まだですの。期待させてからドーンと落とす作戦かもしれませんの」

婚后 「どなたの作戦ですか」

絹旗 「そりゃ御坂さんに超恨みを抱いてる者が……」

630: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:07:08.50 ID:/M6DWDwo

白井 「……あら? いよいよ学校別ランキングの発表ですの」

絹旗 「おー、やっとですか」

婚后 「勝っても負けても、今年で最後ですのね」

美琴 「そりゃ勝てたら嬉しいけど……やれることはやったし、どんな結果でも悔いはないわね」


  学校別ランキング

   1位
   2位 長点上機学園


美琴 「え……これって期待していいのかな?」

白井 「ま、まだですの。期待させてからドーンと落とす作戦かもしれませんの」

婚后 「どなたの作戦ですか」

絹旗 「そりゃ御坂さんに超恨みを抱いてる者が……」

631: やべ、二重投稿しちまった ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:08:26.33 ID:/M6DWDwo

白井 「お姉さまに限って、そんな方が…………いるはずございませんの!」

美琴 「なんで今ちょっとつっかかったのよ!」

婚后 「お二人とも、落ち着きなさいな」

絹旗 「周りから超生暖かく見守られてますよ」

美琴 「」チョコン

白井 「」チョコン

婚后 「気を取り直したところで、ちょうど発表されるようですわね」


<ダララララララ ジャンッ


美琴 「」ドキドキ

白井 「」ワクワク

632: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:09:48.01 ID:/M6DWDwo


  学校別ランキング

   1位 常盤台中学  テッテレー
   2位 長点上機学園


絹旗 「超キターーー!!」

美琴 「」ポカーン

白井 「」ポカーン

婚后 「やっと雪辱を果たすことが……これで悔いなく卒業できますわ」グス

美琴 「黒子、ちょっと髪引っ張ってみてくれない?」

白井 「はいですの」メリメリメリ

美琴 「いたたたた!……夢じゃない!」

白井 「お姉さま、やりましたの!」

?? 「よう! また会ったな!」

633: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:11:14.27 ID:/M6DWDwo

美琴 「え? あ! アンタは!」

削板 「長点上機、完全敗北だ。お前達の根性には驚かされたぜ!」ウンウン

白井 「あ、あの」

削板 「大丈夫だ! 今日はやりあうつもりはないぜ」

絹旗 「いきなりやりあってもらっても超困ります」

削板 「まあ、なんだ。ちっと悔いが残っちまったな」

削板 「長点上機の一員としての、最後の大覇星祭だったんだがな」

美琴 「……」

削板 「おい、そんな顔するなよ! 勝者は踏ん反りかえってりゃいいんだ!」

美琴 「だったら踏ん反りかえってなさいよ、個人総合一位さん?」

634: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:12:40.40 ID:/M6DWDwo

削板 「はっはっは! 個人総合一位など俺の根性を持ってすれば容易いことだ!」

婚后 「もはや適う気もしませんわ……」

削板 「だが! 学校別となると俺一人だけの根性ではどうにもならん」

削板 「今回はお前達の団結力と根性に完敗したってワケだな」ウンウン

絹旗 (この人が第7位……"根性って言わないと死ぬ能力"とか?)

美琴 「はい」スッ

削板 「お? 握手か! 根性の証だな!」グッ

美琴 「個人的な決着がまだなんだからね、覚悟しときなさい!」

削板 「根性ある勝負なら年中受け付けてるぜ。ほら、お前達も」スッ

絹旗 「え? あ、はい」グッ

削板 「おぉ! ちっこいのに大した握力だな! いい根性だ!」

635: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:14:06.75 ID:/M6DWDwo

絹旗 「ちっこいは超余計です!」ウガー

削板 「お前さんとは勝負し損なっちまったな」ガシッ

白井 「今にして思えば幸運だったかもしれませんの」

婚后 「棒倒しでは大したご活躍でしたわね」ガシッ

削板 「後でやり過ぎだと怒られちまったけどな!」

絹旗 「確かに、ありゃ超やり過ぎです」

削板 「まあ、そう言うな! 年に一回なんだから張り切らないとな!」

美琴 「程々にしなさいよ。周りにとばっちりでない程度にはね」

削板 「それはお互い様だろう」

美琴 「な、なによぅ!」

削板 「怒るな怒るな。じゃ、俺は自分の学校の集まりがあるんでいくぜ。じゃあな!」ノシ

636: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:15:27.30 ID:/M6DWDwo

美琴 「行っちゃったし……」

婚后 「まるで嵐のような方ですわね」

白井 「……自己紹介しそびれましたの」

絹旗 「そういえばしてませんでしたね」

美琴 「……大丈夫でしょ。アイツとはまたその内関わるような気がするし」

白井 「それが争いではないことを切に願いますの」

美琴 「それより! 念願のトップなんだからパーッとやらないと!」

絹旗 「そうですね、超パーッとやりましょう!」

婚后 「御坂さん、最後の大覇星祭をちゃんと勝利で飾れましたわね」

美琴 「そうね、そう考えるとちょっと寂しいかな」

絹旗 「そっか。お二人はあと半年で卒業ですもんね」

637: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:17:26.39 ID:/M6DWDwo

白井 「……」

美琴 「黒子? どうしたの?」

白井 「は、はい?」

美琴 「いや、いつもならここで"おいでいがないでくださいましー"っていう場面でしょ?」

白井 「……お姉さまは、あの時、わたくしを信じて託してくださいましたでしょう?」

白井 「お姉さまが思い残すことなく邁進できるようにするのも、わたくしの役目ですの」

白井 「いつまでも……甘えて泣いてばかりもいられませんの」

美琴 「まだ半年あるんだからね? これはこれでちょっと寂しいわね」クスッ

白井 「お゛ね゛え゛さ゛ま゛ぁ~~」

美琴 「アンタ変わり身早すg ってどこ触ってんだゴルァ!!」ゴスッ

婚后 「本当に、いつも仲がよろしいですわね」クスクス

638: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:18:33.88 ID:/M6DWDwo


~同日夜 きぬはた荘~


絹旗 「なんですか、この超豪華な料理は」

滝壺 「きぬはた達、頑張ったから。お祝いに、私と」

結標 「私と」

番外個体 「私で作った」

絹旗 「結標さん入ってて大丈夫なんですか?」

海原 「大丈夫ですよ。さっき味見させられた僕が言うんですから間違いありません」

白井 「まあ……なんだか悪いですの」

番外個体 「気にしない気にしない。どうせ今日は食べてばっかでしょ?」

婚后 「そうですわね、お昼もこんな調子でしたし」

639: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:19:52.21 ID:/M6DWDwo

浜面 「人間、腹一杯ならそれだけで幸せなんだよ。気にすんな!」

絹旗 「浜面は超単純でいいですね」

滝壺 「いいから食べるよ。3人が好きなものばっか作ったんだから」

白井 「……言われてみれば」

婚后 「どうりで食欲が湧いてくる訳ですわ」

結標 「滝壺さんのリサーチ能力には脱帽ね」

滝壺 「ぶい」

番外個体 「嫌いなものも全部抑えられてるしね」

滝壺 「そういうのはご飯にどんどん出すよ」

浜面 「鬼がおる……」

640: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:21:05.84 ID:/M6DWDwo

番外個体 「はいはい、先進まないからいくよ。せーの」

全員 「頂きまーす」

結標 「それにしても、みんな楽しそうだったわね」

浜面 「絹旗とか、最初は嫌がってたのにな」ニヤニヤ

絹旗 「やっ、やるからには超勝ちませんと」

白井 「絹旗さんもたいそうご活躍でしたの」

海原 「婚后さんとの合体秘奥技は見事でしたよ」

婚后 「気をつけてくださいね。絹旗さんとわたくしを同時に怒らせると飛んできますわ」クスクス

海原 「はは、これは気をつけないといけませんね」

絹旗 「浜面にだったらこの場で披露してやってもいいですけど」

浜面 「なんで!? 俺なんもしてねえ!」

641: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:22:35.83 ID:/M6DWDwo

結標 「あえて言うなら、滝壺さんとの関係を見せ付けてることかしらね」

滝壺 「///」

浜面 「それは……それだな」

絹旗 「ちっそぱんち確定です」

番外個体 「やっちゃえやっちゃえ」ケラケラ

浜面 「いやいや、健全なお付き合いをさせて頂いてますよ!?」

海原 「縁も出会いもない身としては羨ましい限りですね」ニコニコ

白井 (この発言が天然だとしたら、相当なものですの)

婚后 「あら? 海原さんは出会いをお求めで?」

海原 「あったら嬉しいぐらいには思うときもありますよ」

婚后 「存外、きっかけは近くにあるかもしれませんわよ?」チラッ

642: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:23:56.90 ID:/M6DWDwo

結標 (え、なんでこっち見るのよ!)ギクリ

海原 「はは、そうだといいんですけどね」

番外個体 (淡希、こりゃ強敵だよ、要塞だよ、難攻不落だよ)

海原 「あ、そうそう。みなさんのご雄姿を録画しておきましたよ」

白井 「まあ……いつの間に」

滝壺 「常盤台が参加する競技は見に行ってたからね」

浜面 「海原は律儀にカメラ構えてたからな」

結標 「どうせ超電磁砲しか映ってないんじゃないの?」

海原 「皆さんにお渡しする分は大丈夫ですよ。はい、どうぞ」つ◎

絹旗 「あ、超ありがとうございます」

白井 「海原さん、お姉さまVerも一応要求しておきますの」キリッ

643: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:25:16.22 ID:/M6DWDwo


~同日深夜 きぬはた荘 リビング~


絹旗 「みんな寝ましたかね。では、海原さんDVD鑑賞会開始です」

婚后 「隠れてみる必要があるのでしょうか」

絹旗 「なんていうか、超照れくさいじゃないですか」

白井 (海原さんが後からこっそりくれたDVDは隠れてみませんと)

婚后 「それにしても……まだ余韻が残ってますわ」ハゥ

白井 「婚后さんも、来年で卒業してしまいますものね」

絹旗 「長点上機にリベンジする超ラストチャンスだったんですね」

婚后 「ええ。無事勝つことはできましたし、もう悔いもございませんわ」

婚后 「あの殿方も団結力と仰ってた通り、皆さんのお陰ですわね」

644: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:26:23.62 ID:/M6DWDwo

絹旗 「超全員のお陰です。誰がどうとかじゃありません」

白井 「たまにはいいことを言いますのね」

絹旗 「たまにはってなんですか!」ムキー

白井 「卒業といえば、進路は決まってますの?」

婚后 「……まだですわ」

絹旗 「あれ? だったらまだ悔いなくとはいえませんね」

白井 「そうですの。まだ卒業は決まってませんし」

婚后 「うっ、そ、それは……」

絹旗 「来年になって婚后さんと同じクラスだったらどうしましょ」

婚后 「そういう台詞はきちんと登校してから言いなさいな」

645: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:28:02.09 ID:/M6DWDwo

絹旗 「わ、私は超特別なんですよ」

白井 「絹旗さんも、この機会に復学なさっては?」

婚后 「そうですわね、今回知り合いも増えたでしょうし」

絹旗 「うー……で、でも……」

婚后 「まあ……こういうことは結論を急がないほうがいいですわね。事情もあるでしょうし」

白井 「もし復学なさるなら、同居人のよしみで色々支援しますの」

絹旗 「……超考えておきます」

婚后 「ささ、では海原さんが撮ってくださったというDVDを鑑賞しましょうか」

白井 「お姉さまの雄姿を存分に堪能しますの」

絹旗 「では、超スタート、っと」ピッ

646: ◆r462iqU2Ag 2010/12/12(日) 00:28:49.22 ID:/M6DWDwo

といったところで、今回はここまでです。
思ったより長くなった大覇星祭編も今回で終わりです。
今回はゲストキャラを出しすぎたな、反省。

次回からは外伝その1、アイテム編をお送りします。

709: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:25:18.42 ID:ySNKGcEo


~10月初旬 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、メロンソーダとジンジャーエールを超おいしくなる配合で混ぜてきて下さい」

浜面 「お前、無茶振りにも程があんぞ!?」

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっと美味しくなるから」

浜面 「そ、そうか? よし、いっちょやってみるか!」


<うぉぉぉぉ


絹旗 「滝壺さんは浜面の扱いを超心得てますよね」

滝壺 「よめだから」

絹旗 「えっ」

滝壺 「えっ」

710: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:26:42.27 ID:ySNKGcEo

浜面 「持ってきたぞ! 撃滅の浜面スペシャル仕上ブレンド!」ドンッ

絹旗 「……」

滝壺 「……」

絹旗 「なんか、ドラクエで歩いたらダメージ受ける地面みたいな色してますけど」

滝壺 「おいしくなさそう」

浜面 「飲んでから言え! 飲んでから!」

絹旗 「はあ……頼んだ以上は超しょうがないですね。いただきます」チューー

滝壺 「どう?」

浜面 「」ドキドキ

絹旗 「………………おいし」

浜面 「」フンス

滝壺 「はまづらすごい」

711: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:28:00.14 ID:ySNKGcEo

絹旗 「むむむ……予想を超裏切った美味しさです」

浜面 「ま、俺の手にかかれば 「超納得できません!!」

絹旗 「ここは私が超マズイドリンクを飲まされて涙目になる場面でしょう! なんで美味しくしたんですか!」

浜面 「お前言ってること目茶苦茶だぞ!! おいしくなる配合って言ってただろ!」

絹旗 「"マズイものが出てくるよ"っていう伏線ですよ! あと、浜面のドヤ顔が超ムカつきました!」

浜面 「なにそれヒドイ!」

絹旗 「超ペナルティです! 今から私がなんか超マズイのを作ってくるので飲んでください!」

浜面 「あぁ、もう! やってやろうじゃねぇか!」

滝壺 「きぬはた」

絹旗 「」ビクッ

滝壺 「食べ物を粗末にしちゃダメ」

絹旗 「」ショボーン

712: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:29:22.98 ID:ySNKGcEo

浜面 「そうだぞ絹旗!」

絹旗 「超うっさいです! はーまづらぁ!」ウガー

滝壺 「こら」


<アンタたち、相変わらずだねぇ


浜面絹旗 「?」

麦野 「やっほう」ノシ

浜面 「げえっ!? 麦野!?」

滝壺 「あ、むぎの」

麦野 「悪いね、遅れちゃった」

絹旗 「麦野を呼んだのは滝壺さんですか?」

滝壺 「ううん、むぎのが私たちを呼んだの」

713: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:30:44.66 ID:ySNKGcEo

麦野 「ところで、さっき"げえっ!?"って言ったのはどなたかにゃー?」ニコニコ

絹旗 「浜面です」

浜面 「麦野さん、お久しぶりです。麦野さんにおかれましてはご機嫌麗しく」ダラダラ

麦野 「あんな挨拶されてご機嫌麗しいワケあるかゴルァ!」


<フコウダー
<マテー、ハーマヅラー
<タースーケーテー


絹旗 「そういえば、麦野と浜面が顔合わせるのって久しぶりなんですか?」

滝壺 「ロシアで別行動になって以来だから、7ヶ月ぶりだね」


麦野 「つーかまーえたー☆」ギリギリ

浜面 「ギブ……ギ、ブ……」

714: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:32:02.35 ID:ySNKGcEo

 :
 :
 :

麦野 「……あれー? 今日のシャケ弁はなんか違う気がする」

絹旗 「麦野って、今はどこで何やってるんですか?」

麦野 「やることないから働いてるわよ」

絹旗 「裏稼業ですか?」

麦野 「いや……まあ、世話になった人の手伝いというか」

浜面 「おお、麦野でもそういう動機で動けるようになったんだな!」

麦野 「テメェどういう意味だ」

滝壺 「どこで働いてるの?」

麦野 「……悪い。今はまだ言えない」

715: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:33:32.58 ID:ySNKGcEo


~時は遡り9月初旬~


冥土帰し 「時間があるなら、バイトでもしてみないかね?」

麦野 「はあ? バイト?」

冥土帰し 「リハビリも兼ねてね。もちろん、労働に対する対価は出すよ」

麦野 「何やらせるつもりよ」

冥土帰し 「力仕事だとか、まあ雑用だね」

麦野 「ふーん……まあ、暇なのは確かだし、やってみてもいいけど?」

冥土帰し 「そうかい。じゃあ後は彼女に教えてもらってくれ」

麦野 「?」

19090 「話は聞かせてもらいました、とミサカは颯爽と登場します」ガラッ

麦野 (超電磁砲!? ……いや、あいつがこんなところでこんな格好しないか)

717: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:34:57.92 ID:ySNKGcEo

19090 「これが制服です、とミサカは紙袋を手渡します」

麦野 「制服あんの?(ガサゴソ)……おい……おい」

19090 「サイズが違いましたか? とミサカは首を傾げます」

麦野 「これってもしかして、今アンタが着てるのと同じデザイン?」

19090 「はい、そうですが? とミサカは何を当たり前のことを聞くんだと思いつつ答えます」

麦野 「…………」

19090 「?」←ナース服

麦野 (あぁ、そっか。私ハメられたんだ)



~今に至る~


麦野 (もし仕事場に来られたら恥ずかしくて死ねるわ……)

718: >>716 はい ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:36:15.41 ID:ySNKGcEo

浜面 「まあ、無理に聞き出す必要もないだろ。元気ってだけでも良かったじゃねえか」

滝壺 「そうだね」

浜面 「にしても、顔が元通りになってよかったな」

麦野 「あ、うん……」

浜面 「状況が状況だったとは言え、女の子の顔にキズ付けちまって。一応責任感じてたんだぜ」

麦野 「なら責任とってよ」

浜面 「えっ」

麦野 「えー、だって私、浜面にキズモノにされちゃったしー?」

浜面 「あー、ええとだな」

麦野 「もうお嫁にいけないにゃー」

719: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:37:40.93 ID:ySNKGcEo

滝壺 「」ジー

絹旗 「」ジー

浜面 「」ダラダラ

麦野 「……ひゃっは、ウソウソ。なーに焦ってんだ、バカ面」

絹旗 「さすが麦野、超タチが悪いです」

麦野 「アンタにはもう滝壺がいるだろ? 今後、滝壺泣かせるようなマネしてみろ」ガシッ

絹旗 「モガッ!?」

浜面 「ど、どうなるんでせう?」

麦野 「私の主治医のところに連れて行って去勢してもらうからな」ギリギリ

浜面 「」

絹旗 「痛いです痛いです!」

721: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:38:59.89 ID:ySNKGcEo

 :
 :
 :

絹旗 「まだ痛いです……」

麦野 「口は災いのもとって前に教えてやったでしょ」

滝壺 「ところで、今日はなんで集まったの?」

麦野 「……あぁ、そうだね。そろそろ本題に入ろうか」

浜面 「お、なんだ。真剣な顔して」

麦野 「みんなに謝りたいんだ。"アイテム"の全員に」

浜面 「ああ……あのときの話か」

絹旗 「謝る、といいますと?」

722: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:40:35.20 ID:ySNKGcEo

麦野 「ちょうど一年前。チームが壊滅したでしょ?」

麦野 「あれは全部私が引き起こしたことだから……そのことをね」

絹旗 「ずっと気にしてたんですか?」

麦野 「……正直、今でも夢にみるよ。あの日のことをさ」

滝壺 「むぎの……」

麦野 「この後悔だけはどうにもならないけど、でもやっぱり謝らないといけない」

麦野 「もう一度私たちが"アイテム"になれるなら」

麦野 「ちゃんと"全員"の前で謝っておきたいのよ」

麦野 「そのために学園都市に戻ってきたっていうのに、どう言えばいいのか分からなくて、今日までかかっちゃったけどさ」

浜面 「麦野……お前」

麦野 「浜面、アンタには」

723: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:41:49.13 ID:ySNKGcEo

浜面 「麦野! よく言った!」ガシッ

麦野 「わはぁ!?」

浜面 「ロシアで俺が伝えたかった想いはちゃんと伝わってたんだな!」ナデナデ

麦野 「ちょ、撫でるなバカ面!」

浜面 「全部ケジメつけようぜ。そんで、今度こそ前に踏み出すんだ」

絹旗 「そうですね、浜面も超たまにはいいことを言います」

浜面 「たまに!? たまになの!?」

滝壺 「大丈夫だよ、たまにしかいいことを言わないはまづらも応援してる」

浜面 「滝壺さーん!?」

絹旗 「でもドヤ顔は超ムカつきます。麦野もなんか言ってやってくださいよ」

麦野 「……(やっぱり、私の居場所はここだったのかな)」

麦野 (なんでもっと早く気づけなかったんだか)

724: ◆r462iqU2Ag 2010/12/15(水) 23:43:20.00 ID:ySNKGcEo

麦野 「よし、じゃ絹旗。案内お願いね」

絹旗 「? どこにですか?」

麦野 「さっき言っただろ? "全員"に謝るってさ」

絹旗 「じゃあ……」

麦野 「そういうこと。一番謝らなきゃいけないヤツのところに行くよ」

滝壺 「みんなで行こう」

浜面 「そうだな。なんだかんだで俺も行ったことないしな」

滝壺 「鯖缶買っていかないとね」

絹旗 「そうですね……では、超行きましょう」

麦野 「フレンダのところに、ね」

777: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:38:26.18 ID:ixf9if6o


~第10学区 墓地~


絹旗 「ここですね」

麦野 「あら? 先客かしら?」

浜面 「花束か……俺らの他にも誰か来てくれたんだな」

絹旗 「?」

滝壺 「どうしたの?」

絹旗 「いえ、私たち以外にここに来る人間に超心当たりがなくてですね……」

麦野 「アイツにだって私ら以外の知り合いもいるだろうさ」

絹旗 「麦野は私たち以外の知り合いいるんですか?」

麦野 「いっ、いるに決まってんでしょ!」

778: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:39:52.36 ID:ixf9if6o

浜面 「おい、騒ぐな。フレンダ起こしちまうぞ」

絹旗 「やっ、やめてくださいよ」

滝壺 「じゃ、まず掃除しないとね」

麦野 「掃除って何ですんの? ウェットティッシュならあるわよ」

浜面 「よし、麦野がフレンダ拭いてやってくれ。俺と滝壺で雑草やら片付けるからよ」

麦野 「はいはい」パシュッ


 ゴシゴシ


麦野 「うわ、真っ黒……絹旗、ちゃんと掃除してあげてんの?」

絹旗 「月命日には来てますよ」

779: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:41:29.81 ID:ixf9if6o

麦野 「まあ……私も言える立場じゃないけどさ」ゴシゴシ

滝壺 「そういえば……」

浜面 「ん?」

滝壺 「ふれんだのフルネーム、はじめてみたね」

絹旗 「私も、ここに刻んである名前で初めて知りました」ナデナデ

麦野 「綺麗な名前じゃないか。名乗ってくれればよかったのに」

浜面 「本人にも思うところがあったんだろ?」

絹旗 「ファーストネームだけでも、本名を名乗ってくれてたのは超嬉しいじゃないですか」

麦野 「まあね……あっち側にいると名前を失うなんてことも珍しくなかったからね」

滝壺 「私達はまだよかったほうなのかもね」

浜面 「色々失ったものもあるけど、今こうやって元気にやってるんだもんな」

780: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:42:51.67 ID:ixf9if6o

絹旗 「よし、掃除はこんなもんですね」

滝壺 「はまづら、ライターある?」

浜面 「ライター? なんに使う……あぁ、線香か」

麦野 「洋式墓に線香ってのも変な感じね。ほら、滝壺」ジジジ

絹旗 「お、原子崩しボール。超久々に見ました」

滝壺 「あ、ありがと」

麦野 「素手で触るなよ、危ないから」

絹旗 「花はここらへんに……こういうとき鉢植えは超アウトなんですよね」

浜面 「そりゃ入院見舞いの話だろうが」

麦野 「浜面、缶切り」

浜面 「ねーよ。何に使うんだよ、そんなもん」

781: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:44:15.53 ID:ixf9if6o

麦野 「」つ【鯖カレー缶】

絹旗 「ついでにこれも。ユリコが気に入らないらしくて、余っちゃったんです」つ【猫缶】

麦野 「あと私オススメのこれな」つ【鮭缶】

滝壺 「フタ開けておかなくていいの?」

麦野 「ったく、しょうがないな……」ジジジ

絹旗 「原子崩しメスですか。フレンダも缶開けるときは超似たような方法使ってましたよね」

麦野 「話し掛けるな、出力絞るの集中しなきゃい(パゴン)あっ」

浜面 「猫缶が消し飛んじまった」

絹旗 「あーぁ……」

滝壺 「ちょっともったいない」

麦野 「……ごめん」ショボーン

782: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:45:39.70 ID:ixf9if6o

浜面 「ま、まあ、本命の鯖と鮭はまだ無事だしな!」

絹旗 「そうですよ、いくらフレンダでも猫缶は食べませんて!」

滝壺 「大丈夫だよ、むぎの。作業中に話しかけたきぬはたが悪いんだから」

絹旗 「はい、私が超悪い……え、ええ!?」

麦野 「フレンダなら自分で開けるだろ……フレンダ、置いとくからね」

麦野 「……一年も来れなくて悪かったわね」

麦野 「あれからも色々あったわよ。私の周りも、私自身も」

浜面 (色々……ありすぎたよな)

麦野 「見ててくれてるかしら。今こうやってまた一箇所に集まることができた」

麦野 「でも、アンタだけがいないのよ……」

絹旗 「……」

783: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:47:22.64 ID:ixf9if6o

麦野 「大切なものの価値は失ってから初めて気付くっていうけど、ホントよね」

麦野 「アイテムもアンタも、私が自分で引き裂いたのに」

麦野 「あれから、後悔の念が消えることは一日もなかった」

滝壺 (むぎのも、ずっと苦しんでたんだね)

麦野 「こんなので納得はできないだろうけど、でも言わせて頂戴」

麦野 「ごめんなさい」

浜面 「……麦野、ようやく言えたな。ようやくここまで来れた」

麦野 「一年かかっちゃったけどね」

滝壺 「でも、むぎのはちゃんと言えたよ」

麦野 「アンタ達にはまだだよ」

784: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:48:47.20 ID:ixf9if6o

麦野 「浜面に滝壺、アンタ達は何度も殺そうとしちゃったね」

浜面 「何言ってんだ。結果的にロシアで命を救ってくれたのはお前じゃねえか」

滝壺 「うん、顔から羽が生えてる変なのやっつけてくれた」

絹旗 (なんですか、それ)

麦野 「絹旗」

絹旗 「は、はいっ!」

麦野 「ゴメンね、アンタだけ蚊帳の外で」

絹旗 「まあ……事情は伺ってましたけど」

麦野 「もしかしたら、アンタの居場所奪っちゃってたかな」

絹旗 「……あの時は超照れくさくて言えませんでしたが、今なら言えます」

絹旗 「私はアイテムのみんなが超大好きです。それは今も変わりません」

785: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:50:30.26 ID:ixf9if6o

麦野 「絹旗……」

絹旗 「もちろん、今の生活も超大好きです。私にとってはどちらも超重要なんです」

絹旗 「だから、ええと、何が言いたいかというとですね」

絹旗 「私は麦野のことを恨んでなんかいません。これからもちょくちょく遊びに来てください」

麦野 「……絹旗ー!」ダキッ

絹旗 「モガッ」

麦野 「可愛いなー、可愛いなー! こいつー!」ナデナデ

滝壺 「よかったね、むぎの」

麦野 「……ありがとね、二人とも。アンタ達のお陰でここまで戻ってこれた」

浜面 「おぉ!? 麦野に礼を言われるなんて慣れてないせいで痒くなってきた!」

麦野 「てっ、テメェ! 人がどれだけ覚悟決めて喋ってると思ってんだ!」

786: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:51:49.52 ID:ixf9if6o


<ハーマヅラー
<イテーヨー
<ヤーメーテー


滝壺 「……ふれんだ、みんな元気にしてるよ」

滝壺 「それに、私にも居場所と言い切れるところができた。だから安心してね」

 :
 :
 :

絹旗 「日が暮れてきましたね」

浜面 「風も出てきたな……」

絹旗 「そろそろ行きましょうか」

麦野 「結局、この花束は誰が置いてったんだろうね」

787: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:53:12.48 ID:ixf9if6o

浜面 「これ、なんなんだろうな。ユリか?」

滝壺 「ユリっぽいけど、なんか違うような……」

麦野 「そう言われると気になってくるな。写真だけ撮っておこうか」カシャ

絹旗 「心霊写真とかなりませんよね」

麦野 「そんなまさか」

浜面 「花だけなら平気だろ。ところで、さっきから麦野の後ろにいるのは誰だ?」

麦野 「ふぇぇ!?」ババッ

絹旗 「? さっきから誰もいませんよ?」

滝壺 「いないよね」

麦野 「……は、はっ、はーまづらぁぁ!!」

浜面 「バカが見ーるtt(バキッ)ンガッ」

788: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:54:32.47 ID:ixf9if6o

 :
 :
 :

麦野 「じゃ、私は向こうだから」

絹旗 「私達はこっちですね」

麦野 「あぁ、そっか。アンタ達、今一緒に住んでるんだっけ」

浜面 「俺は屋根裏部屋だけどな」

滝壺 「ごめんね、そこしか空いてなかったの」

麦野 「窓に鉄格子がないだけマシでしょ」

浜面 「窓ないけどな!」エヘン

麦野 「まあ、仲良くやりなよ。またその内遊びにいくからさ」

絹旗 「超約束ですよ」

滝壺 「むぎの、またね」

789: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:56:04.29 ID:ixf9if6o


~同日夜 ???~


 「結局、もう戻れないって訳ね」

 「……そういうこと。最期に言っておきたいことある?」キュィン

 「          」

 「そう? 私もだよ。……じゃあな」




 :
 :
 :

麦野 「やめろぉぉぉ!!」ガバッ

麦野 「あっ、あれ……また、この夢か」

麦野 「何回リピート再生させれば気が済むんだよ…‥」

790: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:57:49.74 ID:ixf9if6o

麦野 「……」ポロポロ

麦野 「く……う……」

麦野 「ごめん……ごめんなさい……!」グス


<コンコン ガラッ


19090 「……しずりん、またですか? とミサカは心配のあまり駆けつけました」

麦野 「あっ、悪い……起こしちゃった?」ゴシゴシ

19090 「いえ、起きてましたから、とミサカは気を使わせないよう優しいウソをつきます」

麦野 「……つくづく不便だよな、アンタらの口調って」

19090 「それでもミサカの個性なのです、とミサカは薄っぺらい胸を張ります」

麦野 「あと、しずりんって呼ぶのやめろって何度言ったら……」

791: ◆r462iqU2Ag 2010/12/17(金) 23:59:12.21 ID:ixf9if6o

19090 「可愛くてアリだと思います、とミサカは主張します」

麦野 「はあ……もういいや。心配かけて悪かったね。アンタも早く寝ておきな」

19090 「大丈夫なのですか? とミサカは」

麦野 「大丈夫だから。ほら、行った行った」



~翌日 第7学区 某所~


麦野 (結局あれから寝れなかったわ……)

麦野 「はあ……うん?」

麦野 「フラワーショップか」

麦野 「……そうだ」

792: ◆r462iqU2Ag 2010/12/18(土) 00:01:06.70 ID:9o4FWVYo

店員 「いらっしゃいませー」

麦野 「」キョロキョロ

店員 「何かお探しですか?」

麦野 「ええと……この写真の花っておいてます?」

店員 「これはオオアマナですね。今は時期じゃないですね」

麦野 「え……時期じゃない?」

店員 「オオアマナは春先に花をつけるんですよ。写真を見た感じですと生花ですので、その頃に撮った写真ですか?」

麦野 「あ、いえ……そうなんですか。どうも」

店員 「お役に立てず申し訳ありません」ペコリ

麦野 (昨日置いてあった花は造花とかじゃなかったよな……どういうこと……?)

812: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:05:29.84 ID:Ds21uAgo


~第7学区 とある書店~


麦野 「植物辞典……これでいいか」

麦野 「オオアマナは(ペラペラ)あったあった」

麦野 「"大甘菜"、別名スターオブベツレヘム」

麦野 「はー、ご大層な名前ね」

麦野 「4月から6月にかけて花をつける、か」

麦野 「……?」

麦野 「花言葉は"潔白"……?」

麦野 「十字教においては、あ、これはいいや」

813: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:06:46.32 ID:Ds21uAgo

 :
 :
 :

絹旗 『はい、もしもし』

麦野 「あ、私だけど。今大丈夫?」

絹旗 『超大丈夫ですよ。どうしたんですか?』

麦野 「あのさ、くどくて悪いんだけど。昨日、墓にあった花束、誰が置いたかわからないのよね?」

絹旗 『はい、少なくとも私が超知る限りでは』

麦野 「そっか。ありがと」ピッ

麦野 「……」

麦野 「誰が置いたかわからない、この時期には咲く筈のない花」

麦野 「その花言葉は、潔白……」

814: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:07:55.05 ID:Ds21uAgo

麦野 「ま、まさか……」

麦野 「フレンダの幽霊が、成仏しきれないで……?」

麦野 「あの花を、私達に見せ付けるために」

麦野 「」gkbr

麦野 「いやいや、ここは学園都市よ。そんなオカルティックな」


 [[携帯電話]]<Prrrrr Prrrrr


麦野 「うひゃぁ!? ……だ、誰だ、こんなタイミングで」ドキドキ ピッ

19090 『しずりん、どこにいるんですか? 今日はシフトの日でしょう、とミサカは憤ります』

麦野 「え? あー、もうそんな時間だった? 悪い悪い、すぐに戻るわ」

19090 『急いでくださいね、とミサカは急かします』ピッ

麦野 「……戻るか」

815: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:09:11.53 ID:Ds21uAgo


~数日後 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、コーヒーとコーラと烏龍茶を超おいしくなる配合で混ぜてきてください」

浜面 「お前、無茶振りってレベルじゃねえぞ!?」

麦野 (あれからあの夢見なくなったな……)

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっとおいしくなるから」

浜面 「いや、こればっかりはどう混ぜても無理だろ!」

麦野 (フレンダ……あの花もアンタなのか? やっぱり私が許せないの?)

絹旗 「麦野、どうしたんですか?」

麦野 「あ、なにが?」

浜面 「いや、ずっと上の空って感じだぞ」

816: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:10:51.47 ID:Ds21uAgo

滝壺 「何かあったの?」

麦野 「……ねえ、アンタ達ってさ」

浜面 「?」

麦野 「幽霊っていると思う?」

絹旗 「幽霊……ですか?」

浜面 「なんだ? 誰かの幽霊にでも追い掛け回されたのか?」

滝壺 「ふれんだ……まだ私達のことを」

麦野 「そっ、そうじゃないけどさ!」

絹旗 「あまり学園都市らしくない話題ですね」

麦野 「あ、そうだよな。悪いね、変なこと聞いちゃって」

817: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:12:02.81 ID:Ds21uAgo

絹旗 「まあ、いるんじゃないですか? 見えないだけで」

麦野 「」

浜面 「お、こりゃまた学園都市の生徒らしくない意見だな」

滝壺 「でも、たまによく分からないAIM拡散力場を感じることがあるよ」

絹旗 「おぉ、幽霊にも能力が付加されることが超証明されました」

浜面 「そりゃなんか違くねえか?」

麦野 「やっぱりフレンダなの……?」ボソッ

絹旗 「?」

麦野 「ゴメン、なんでもない」

 :
 :
 :

818: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:13:12.45 ID:Ds21uAgo


~同日夜 とある病院 麦野個室~


麦野 「やべぇ……寝るのが怖い」

麦野 「あれからあの夢見てないけど……今日あたり見るのかなぁ」

麦野 「考えてもしょうがないか……」

麦野 「逆に考えよう。あの夢を見たら、今度は夢の中で謝ればいいんだ」

麦野 「せめて夢の中ぐらい違う結末を迎えてもいい……よね?」

麦野 「結論がでない思考を続けてもしょうがないな」

麦野 「……寝るか」

麦野 「」モゾモゾ

819: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:14:25.58 ID:Ds21uAgo


~???~


麦野 (あの夢か?……いや)

麦野 (見渡す限りの花畑……オズの魔法使いみたいね)

麦野 (私もとうとう死んだの? でも地獄にしちゃ綺麗すぎるな)

麦野 (あれ? この花って……)


 サク...サク...


?? 「……」

麦野 「……?」

?? 「……」

麦野 (フレンダ……?)

820: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:15:47.06 ID:Ds21uAgo

?? 「              」ニコ...

麦野 「ちょっとアンタ……」

?? 「             」

麦野 「え?」

?? 「」スッ

麦野 「ま、待って! フレンダなんでしょ!? ねえ!」

?? 「」

麦野 「待って、待ってよ!」


 :
 :
 :

 ガタン ゴツッ...


821: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:17:11.48 ID:Ds21uAgo

麦野 「……イッテェ」


 チュン...チュン...


麦野 「朝か……」

麦野 「ベッドから落ちてお目覚めとか、古典的に程があるわね」

麦野 「……さっきの」


  ――私のメッセージ、伝わってないのかな? もう嫌な夢を見る必要はないよ

  ――色んなことがあったけど、結局私もみんなが大好きな訳よ


麦野 「夢枕っていうの?……まさかね」

麦野 「……一応、一応文句だけ言ってくるか」

822: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:18:26.29 ID:Ds21uAgo


~第10学区 墓地~


麦野 「フレンダ、また来ちゃった」

麦野 「アンタ、私の夢にまで出張ってきて何してんのよ」

麦野 「図々しいのは相変わらずなんだから……あれ?」

麦野 「鯖缶……食べられちゃってるじゃない」

麦野 (……こんな開け方するの、アンタしかいないわよ……)

麦野 「しかもなんだ、私イチオシの鮭缶は残しやがって。気に食わないってか」

麦野 「……」フッ

麦野 「いいわよ、これは私がいただくから」

麦野 「……フレンダ、ごめんなさい。それと、ありがとう」

823: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:19:45.79 ID:Ds21uAgo


<あれ? 麦野?


麦野 「?」クルッ

浜面 「お前も来てたのか」

麦野 「どうしたのよ、揃いも揃って」

絹旗 「夢にですね! フレンダが超出てきたんですよ!」

滝壺 「私の夢にも」

浜面 「ってこいつら言うんだけど、俺見てないぞ」

麦野 「忘れてるだけなんじゃないの? アンタだけ見てないって……」

浜面 「てことは、麦野も見たのか?」

麦野 「ええ、私が見たのはね――」

824: ◆r462iqU2Ag 2010/12/19(日) 00:21:56.19 ID:Ds21uAgo

 :
 :
 :

19090 「ちゃんと看護資格を目指してみる? とミサカは驚きを隠せません」

麦野 「まあ、なんだ。手に職があったほうがいいでしょ?」

19090 「しずりんは Level5 なのですから、能力開発や研究職という道もあるのでは? とミサカは当然の疑問をぶつけます」

麦野 「そっちの分野はもう真っ平御免なの」

19090 「まあ、決めたのなら止めはしませんが……とミサカは結局認めます」

麦野 「それに、最近じゃ私目当ての客(患者)もいるらしいじゃない? 売り上げにも貢献できちゃうにゃー」

19090 「ぐぬぬ……正直、しずりんには女として負けを認めざるを得ません……!」

麦野 「口調を忘れるほど悔しいか」ニヤニヤ

19090 「そんなことありません! し、しかし、なぜ急に? とミサカは話を逸らします」

麦野 「まあ……結局、色々と思うところがあったって訳ね」

859: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:35:43.96 ID:SMLbs0co

おまいら服着ろ、寒いから。

それでは始めさせて頂きます。
今回からは外伝その2、美琴サイド編です。

860: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:39:01.44 ID:SMLbs0co


~10月中旬 上条邸~


上条 「お揃いが欲しい?」

禁書 「そうだよ! 私もとうまとお揃いで何か持ってみたいんだよ!」

上条 「お揃いっつてもなぁ……どんなのがいいんだ?」

禁書 「うーん、私が見たお揃いは綺麗なガラスのストラップだったから、そういうのがいいかも」

上条 「なるほど、ストラップか。それならお手頃でいいかもしれないな」

禁書 「うん、綺麗なのがいいけど高くなくていいんだよ! とうまお金ないもんね」

上条 「すいません、上条さんは Level0 なので奨学金がないのです……」グス

禁書 「でも、みことが来てからは人間らしい食事ができるようになって、よかったね」

上条 「それ以前は人間らしくなかったと!? それはあんまりじゃございませんか!?」

禁書 「ごめん、語弊があったかも。質じゃなくて量の話なんだよ」

上条 「だったらお前の食事量は人間らしくないと言わざるを得ない!」

861: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:40:11.35 ID:SMLbs0co

禁書 「むー、とーま! 成長期の乙女に対してそれはあんまりかも!」ギラリ

上条 「ちょっと待て! 俺は間違ったことは言って」


  ガブリ ゴリゴリ...


上条 「不幸だーーーー!!」


<ただーいまー


美琴 「……アンタ達、またやってんの?」ハァ

上条 「御坂センセイ! 助けてください! これ剥がしてください!」

禁書 「あ、おひゃえりなんはよ、みほと」ガブガブ

美琴 「ほら、インデックス。噛むだけならともかく咀嚼までしたら可哀想でしょ」グイグイ

862: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:41:34.90 ID:SMLbs0co

禁書 「ほーまがはるいんはよ」ガブガブ

美琴 「分かったから。そろそろやめないと、晩ご飯のお米を1合減らすわよ」

禁書 「これぐらいにしておいてやるんだよ!」フンス

上条 「イテテテ……」

美琴 「ねえ、ちょっと大丈夫?」ナデナデ

上条 「ははは、これぐらいは日常茶飯事ですことよ」

美琴 「でもこれ以上おバカになったらどうするの?」ナデナデ

上条 「……流石の上条さんもそれは困るな」

美琴 「インデックス、今度からお互いに頭は狙わないようにしましょ」

禁書 「むー……わかったんだよ」

上条 「頭以外ならOKということですか!」

863: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:42:52.36 ID:SMLbs0co

 :
 :
 :

美琴 「さて、ぼちぼちご飯の仕度しますか」

上条 「米研ぎぐらいは手伝うぜ」

美琴 「あ、そう? 今日の夜と明日の朝、3人分だから……5合もあれば足りるかしら」

上条 「インデックス、ハラ減ってるか?」


<ペコペコなんだよ!


上条 「6合だな」ザラザラザラ

美琴 「あんなに食べて身体にフィードバックがないなんて……羨ましすぎるわ」

上条 「フィードバック以前に、あの小柄な身体のどこに入ってるんだか……」

864: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:44:04.29 ID:SMLbs0co

上条 「そういえば、御坂センセイは明日ヒマか?」ジャッジャッ

美琴 「(ドキッ)ひ、ひひ暇と言われれば暇かもしれないけど、暇というほど暇じゃないというか」

上条 「あー、無理しなくていいんだぞ」

美琴 「な、なんなのよ……」

上条 「インデックスが何かお揃いで持ちたいとか言いだしてな」

美琴 「お揃い?」

上条 「ああ。それで明日、地下街にでも見にいこうと思ってたんだが」

美琴 「行く!」

上条 「お、おお? でも明日大丈夫なのか?」

美琴 「行くったら行くの!」グイ

上条 「分かった! 分かったから襟つかむのをヤメテ!」

865: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:45:38.28 ID:SMLbs0co

美琴 「それで! 私にも何か与えなさい!」

上条 「そりゃ構わないが……なにそんなムキになってんだ?」

美琴 「っ……そ、それは……アンタが、あ、いや、アンタと……」ゴニョゴニョ

上条 「?」

美琴 「あ……私とお揃いのゲコ太ストラップなくしたでしょ! その埋め合わせよ!」

上条 「いや、あれは不可抗力ですよ!? それに何度も謝りましたよ!?」

美琴 「う、そ、そうだけどさぁ……」

上条 「それよりほら! 鍋! なんか火噴いてるぞ!」

美琴 「え? わ! わーーー!!」ボフボフ

禁書 「なんだかコゲ臭くて香ばしい匂いがしてきたんだよ!」ガラッ

スフィ 「( ´ー`)=3」

866: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:46:47.39 ID:SMLbs0co


~1時間後 上条邸 リビング兼寝室兼食堂~


3人 「「「いただきまーす」」」

禁書 「おー、エビフライ!」

上条 「ゆっくり食えよ、誰もとらないから」

禁書 「分かってるんだよ」ハムッ ハムハフ ハフッ

美琴 「ほら、口の周りソースだらけじゃない。もっとちゃんと食べなさいよ」ゴシゴシ

禁書 「モガー」

上条 (ほんの一年前には、想像もしてなかったな)

禁書 「みこと、いつも済まないんだよ」

美琴 「それは言わない約束でしょ?」

上条 (こんなうまいメシが食える日がくるなんて……!)グスッ

867: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:48:05.67 ID:SMLbs0co

禁書 「!?」

上条 「? おい、どうしたんだ」

禁書 「私、みこととは色々あったけど、今は親友だと思ってたのに……」

美琴 「え? な、なに?」

禁書 「見損なったんだよ!」

美琴 「ちょ、なんなのよ、突然」

禁書 「いくらみことでも許せないんだよ……!」ウルウル

上条 「おいおい、何があったんだ」

禁書 「だって、だって……」



禁書 「エビフライの尻尾を残すなんて!」

美琴 「」

868: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:49:31.51 ID:SMLbs0co

禁書 「命に対する冒涜なんだよ! ある意味一番おいしいところなのに!」ウガー

美琴 「そんなことで!? 尻尾なんて普通食べないでしょ!?」

上条 「これは御坂が悪いな」ウンウン

美琴 「なんでよぉ!!」

禁書 「さあ、海老に懺悔するんだよ!」

美琴 「な……インデックス、逆に聞くけど、アンタこの間サンマのハラワタ残してたわよね!?」

禁書 「あれは食べ物じゃないから」

上条 「何いってんだインデックス、苦くて味わい深いんだぞ」

禁書 「う……」

美琴 「ほら、サンマに懺悔なさい!」

禁書 「私はシスターなんだよ! 懺悔は聞くの専門なんだよ!」

美琴 「アンタねぇ!」

869: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:50:51.39 ID:SMLbs0co

上条 「ほら、二人ともそれぐらいにしておけ」

禁書 「と、とうまだって! 焼鮭の皮残してたんだよ!」

美琴 「そうよ! 信じらんない!」

上条 「な、なんでせうか? ウロコとか食えないだろ!?」

美琴 「ウロコなんて全部落としてるに決まってるでしょ!」

禁書 「鮭と世界中の鮭好きを冒涜してるんだよ!」

上条 「そこまでか!?」

美琴 「悔い改めなさい!」

上条 「いや、その……すいませんでしたぁー!」

禁書 「とーま、大丈夫。悔い改める心があれば、天におわす我らが父は許してくださるんだよ」ピカー

上条 「お、俺が間違って……たような気がしてきた」

870: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:52:03.47 ID:SMLbs0co


<ドンッ


美琴禁書 「「」」ビクッ

上条 「……お隣さんがお怒りだ。これぐらいにしておこう」

美琴禁書 「「はーい……」」

禁書 「とりあえずその海老の尻尾はいただくんだよ」ヒョイパクヒョイパク

美琴 「もう勝手にしなさい……」ハァ

 :
 :
 :

上条 「うん、今日も茶がうまい」

美琴 「それで、明日ってどうするの?」

禁書 「明日? 明日何かあるの?」

上条 「お前、お揃いがどうとかって言ってただろ? 明日にでも見にいこうかと思ったんだが」

871: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:53:19.39 ID:SMLbs0co

禁書 「ホントに!? とうまにしては気前よすぎなんだよ」

上条 「はっはっは、上条さんも10年に1回ぐらいはこういうことするのですよ」

美琴 「……ねえ、私に考えがあるんだけどさ」

上条 「?」

美琴 「地下街じゃなくて、違うところに行ってみない?」

上条 「違うところ? どこだ?」

美琴 「それは、明日になってからのお楽しみね。それより、どんなの買うか決めましょうよ」

禁書 「ストラップとか、肌身離さず持てるものがいいかも」

美琴 「ヘアピンとか?」

上条 「俺も使うということを……ま、いいや。じゃお前らで選んでくれ」

美琴 「ま、任せときなさい」フンス

872: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:54:54.37 ID:SMLbs0co

禁書 「とーま、ダメだよ! みことの趣味に合わせたらへんてこなのしか出てこないから!」

美琴 「へんてこって何よ! ゲコ太侮辱しt……と、とにかく変なんかじゃない!」

禁書 「変なのは変なんだよ! 大体みことのパンt 「わーわーわー!!」

美琴 「いっ、いいいいきなり何を言い出してるのよ!」

禁書 「だって、ほら、この年でこの柄は有り得ないんだよ」ピラッ

美琴 「!? アンタ何出してきてんのよ!!」

上条 「これが御坂の……」

美琴 「見るなぁぁぁぁぁ!!!///」ピシャーン

上条 「あぶねえっ!」キュイン


  【電子レンジ】<ボンッ


上条 「ノオーーー!!」

873: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:56:12.94 ID:SMLbs0co

美琴 「大体アンタだって、修道服の下は全裸じゃない! 変な趣味なのはお互い様よ!」

禁書 「むっ、これは正装なんだよ! 日本人だって巫女装束の中は全裸なんだよ!」

上条 「おい、それ本当か?」


<ドズン


美琴禁書 「「!」」ビクッ

上条 「……本日2回目の壁ドンだ。頼むからそれぐらいにしておいてくれ」

美琴禁書 「「はーい」」

上条 「はあ……それで、なんだっけ?」

禁書 「私は綺麗なのがほしいんだよ」

美琴 「わ、私は、可愛いヤツのほうが……」

上条 「ふむ……可愛くて綺麗なのじゃダメなのか?」

874: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:57:29.19 ID:SMLbs0co

禁書 「むー、とうまは綺麗なほうがいいよね!?」ズイ

美琴 「絶対可愛いほうがいいわよね!?」ズイ

上条 「え、えーと、上条さんはですね……」

禁書美琴 「「どっちなの!?」」ズズイ

上条 「まっ、まず落ち着け! 二人とも顔が近いって!」

禁書美琴「「!」」

禁書 「///」プシュー

美琴 「///」ボン

上条 「はあ……まあ、なんだ。明日、探しながら考えればいいじゃないか、な?」

禁書 「」コクリ

美琴 「」コクリ

875: ◆r462iqU2Ag 2010/12/21(火) 21:58:46.55 ID:SMLbs0co


~同日深夜 上条邸 寝室兼浴室~


上条 「はあ……あいつらの相手も疲れちまうな」

上条 「でも、ま、こういう騒々しい日常も……良いもんだな」


<ガチャガチャ
<むー、やっぱり鍵かかってるんだよ……


上条 「ふふふ、上条さんにぬかりはありませんことよ!」

上条 「度重なる突撃を耐えに耐え、磁力操作でも開けられない鍵を導入し……」


<みこと、これ使って!


上条 「?」


<電子レンジを弾核にしたレールガンなんて初めてよ
<インデックス、離れてなさい!(バチバチバチバチ)


上条 「やめろぉぉぉぉぉ!!」

901: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:02:59.40 ID:ugN8YNUo


~上条邸 リビング兼寝室兼食堂~


禁書 「むー、おこられちゃったんだよ……」

美琴 「さすがにレンジガンはやりすぎたかな」

禁書 「そもそも、とうまがこっちで寝れば何も問題は起きなかったんだよ!」プンスコ

美琴 「アイツの家なんだから遠慮せずに……い、い一緒に寝てくれても……」

美琴 (そ、そんで腕枕とかしてもらっちゃったり……ってはわわわ)フニャー

禁書 「……みこと、何かやましいこと考えてる?」ジー

美琴 「へっ!? そ、そんなことないわよ!」

禁書 「ホントに?」

美琴 「ホントに!」

902: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:04:40.59 ID:ugN8YNUo

禁書 「」ジー

美琴 (う……)

禁書 「いいや、今日は眠いからこれぐらいにしておいてあげる」

美琴 「そ、そう?」

禁書 「ほらほら、もう寝るんだよ。明日はおでかけなんだから」

美琴 「そうね……インデックス、明日いつもの格好でいくの?」

禁書 「え?」

美琴 「折角なんだから、ちょっとぐらいオシャレしてみたら?」

禁書 「うーん……たまにはいいかも」

美琴 「なぜか服持ってたでしょ? その中から選びましょ」

禁書 「"なぜか"は余計なんだよ」

903: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:06:14.57 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「Zzz...」

美琴 (お揃い、か……)

美琴 (あのゲコ太、実は今でも肌身離さず持ってるのよね)

禁書 「もうお腹いっぱいかも……」スピー

美琴 (返そうかなとも思ったけど、アイツがずっと持っててくれたと思うと)

美琴 (なんかこう……なんかこう……)

禁書 「Zzz...」

美琴 「~~~」バタバタ

禁書 「むー……」

美琴 「いけない、起こしちゃう……私も寝よっと」

904: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:07:30.01 ID:ugN8YNUo

禁書 「Zzz...」

美琴 「」スピー

禁書 「まだお腹には余裕があるんだよ……」ガブリ

美琴 「んぅっ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ

美琴 「とうま、ダメだってばぁ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ

美琴 「もー、とうまったらぁ……」スピー

禁書 「Zzz...」ガブガブ

905: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:09:18.22 ID:ugN8YNUo


~翌朝~


上条 「御坂さん、申し訳ございませんでした……ほら、お前も」

禁書 「えと……歯型つけちゃってゴメンなさい。あとパジャマ食い破っちゃってゴメンなさい」

美琴 「いいわよ、これが初めてじゃないんだし」

上条 「なにぃ!? インデックスお前常習犯だったのか!」

禁書 「ふ、不可抗力なんだよ!」

美琴 「ほら、もういいから。朝ごはんにするわよ」

禁書 「そうだよ! ご飯食べれば何もかも解決するんだよ!」

上条 「こら!」

禁書 「」ムー

上条 「まったく……今日の買い物リストにお揃い雑貨、電子レンジに続いて御坂のパジャマも追加か……」

906: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:10:34.44 ID:ugN8YNUo

美琴 「できたから運んでー」

禁書 「任せておけなんだよ!」フンス

上条 「そういえば今日はどこ行くんだ?」

美琴 「ん? 第9学区」

上条 「第9……ってなんだっけ」

禁書 「美術工芸分野の学校が集まってる学区だね。だから、その方面のお店も多いんだよ」

美琴 「そ。地下街よりも色々ありそうでしょ?」

上条 「そりゃそうだが……なんでインデックスがそんなこと知ってんだ?」

禁書 「ふふん、ご当地検定~学園都市編の合格者である私に隙はないんだよ」

上条 「いつの間にそんなの受けたんだよ」

美琴 「え、アレ受けたの? ねー、どうだったどうだった?」

907: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:11:50.45 ID:ugN8YNUo

禁書 「正直楽勝だったんだよ。テキストを一回読めば十分かも」

上条 「そりゃお前だからだろ」

美琴 「どんな問題があったの?」

禁書 「写真がでてきて、これはどこ? とか」

上条 「簡単そうで難しい問題だよな」

美琴 「そこらの路地裏の写真出されても困っちゃうわね」

禁書 「エンブレムが並んでて、第19学区のエンブレムはどれ? とか」

上条 「第19学区って何があったっけか?」

美琴 「さあ……」

禁書 「写真が何枚か並んでて、学び舎の園はどれ? とか」

美琴 「あ、それなら正解する自信ある!」

上条 「そりゃな……」

908: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:13:03.05 ID:ugN8YNUo

禁書 「私にはもう用済みだから、テキストあげるんだよ」つ□

美琴 「え? いいの? わー、ありがとー。今度受けてみよ」

上条 「ほらほら、そろそろメシにしますよ」

美琴 「はいはい……あ、あれ? 少ない」

禁書 「」

美琴 「インデックス! アンタまたつまみ食いしたわね!」

禁書 「違うよ! 毒見なんだよ!」

美琴 「毒見って! 私が毒盛るっていうの!?」

禁書 「あくまで念のためなんだよ!」

上条 「あー、そこまでー!」


<ドンッ


909: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:14:37.50 ID:ugN8YNUo


~同日 第9学区~


美琴 「着いたー。ここに来るのも久々ね」

禁書 「おー、ここが第9学区だね。なんだか芸術の香りがするんだよ」

上条 「上条さんにはよくわかりませんが、オシャレーな感じはするな」

美琴 「専門学校の直営店とかもあるから、他じゃ見られないのとかあるわよ」

上条 「おー」

禁書 「直営店だから、きっと安いんだよ」

上条 「さあ、気合入れて選ぼうぜ」キリッ

美琴禁書 「「……」」

上条 「どうした? こういうときはいろいろ見て回ったほうがいいぞ」

美琴禁書 「「お、おー」」

910: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:15:56.54 ID:ugN8YNUo

禁書 「あ、これいいかも」

美琴 「えー、ちょっと派手でしょ?」

禁書 「む、だったらみことはどんなのがいいのかな」

美琴 「そうねぇ……ほら、これなんかどう?」

禁書 「こどもっぽいにも程があるんだよ」ハァ

美琴 「な、なんでよ! 可愛いでしょ!」

上条 「あのー、お二人さん……」

美琴禁書 「「なに!?」」キッ

上条 「肌身離さず持ち運べるもの、という前提をお忘れで?」

美琴 「あ……」

上条 「流石の上条さんも、タンスやらテーブルを持ち運ぶ趣味はないのですが」

912: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:17:19.47 ID:ugN8YNUo

禁書 「む……」

上条 「もうちっと小さいのにしようぜ?」

美琴 「あっ、じ、じゃあ、あっちの店に行ってみましょうよ」グイグイ

上条 「おい、引っ張るな! ほら、インデックスいくぞ!」

禁書 「り、了解なんだよ!」

 :
 :
 :

上条 「とまぁ、違う店に来た訳ですが」

美琴 「こっちがいい!」

禁書 「こっちの方がいいんだよ!」

上条 「仲いいんだか悪いんだか……」ハァ

913: 10号室、だと…… ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:18:47.89 ID:ugN8YNUo

禁書 「ねー、とうま! こっちだよね!」

美琴 「こっちの方がいいわよね!」

上条 「あー、そうだな……お、これなんかどうだ?」ヒョイ

禁書 「……」

美琴 「……」

上条 (あ、あれ? 外した?)

美琴 「いいじゃない……」

禁書 「綺麗と可愛いと両立させて、且つ機能美まで備えてるんだよ……」

上条 「え? お、おう、そうだろ?」

美琴 「アンタ、意外とセンスあるのね」

914: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:20:01.89 ID:ugN8YNUo

禁書 「あ、しかもこれ色違いのお揃いがあるんだよ!」

美琴 「ストラップだから色々使えるし、これにしましょ!」

上条 (たまたま近くにあったのを適当に取ったなんて言えない……)

美琴 「で、アンタは何色にするの?」

上条 「そ、そうだな。無難に……この黄緑色とかにしとくかな」

禁書 「とうま、どうせならこっちの蒼にしとくんだよ。そしたら私とお揃いなんだよ」

美琴 「ちょ、待った! だったら赤にしときなさいよ! それで私とお揃いだし!」

上条 「いやいや、色違いでもお揃いはお揃いだろ!?」

美琴 「そ、そうだけど……」

上条 「それに、どっちかを選んでケンカの原因になるなら尚のこと、色違いにしないとな」

禁書 「むー」

915: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:22:08.40 ID:ugN8YNUo

上条 「ケンカするために買うんじゃないんだ。3人で色違いでお揃い、これでいいじゃないか」

上条 「それにな、お前ら(とのお揃い)どっちかを選べなんて言われても俺には無理なんだよ」

上条 「お前ら二人とも、俺にとっては命と同じか、それ以上に大事な存在なんだからな」キリッ

禁書 「///」プシュー

美琴 「///」ポーー

上条 「そうだな、じゃあ……インデックスが蒼で、御坂が赤なら」

上条 「間を取って、俺は紫だ! これでどうだ?」

禁書 「い、いいんじゃないかな……///」

美琴 「使うのは、あ、アンタなんだし、好きにすれば?///」

上条 「うし、決まりだな! 買ってくるぜ!」

916: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 01:23:51.31 ID:ugN8YNUo

美琴 「へ? い、いいわよ。自分の分のぐらいは」

上条 「おいおい、たまには上条さんにもかっこつけさてくれよ」

美琴 「たまにはって……いつも……」ゴニョゴニョ

上条 「(ヒョイ)はい、没収な。じゃ買ってくるぜ」

美琴 「あ……もう!」



上条 「くださいな」

店員 (リア充爆発しろ)ピッ ピッ

店員 「合計で6300円になります♪」

上条 「ほ?……ストラップ、1つ、2100円?」

上条 「ふ、不幸だ……」ガックシ

932: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:51:20.77 ID:ugN8YNUo

今回と前回の外伝2編は「ちょろっと出たサブキャラはいまどうしてんの」
ってところを補完するのが目的の一つです。(あと、>>1 が書きたいから)
なので、蛇足感は否めないかもしれません。
その点に関しては申し訳ないです。

それでは、始めさせて頂きます。
引き続きの美琴サイド編です。

933: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:53:03.47 ID:ugN8YNUo

禁書 「」ニヨニヨ

美琴 「」ニマニマ

上条 「お札に羽が生えるってこういうこと言うんですね……」

禁書 「とうまありがと! 家宝にするんだよ!」

美琴 「今度は失くさないでね」

上条 「ああ、出来る限り持ち歩くようにするぜ」

美琴 「そうだけど、そうじゃなくて」

禁書 「失くさなきゃいけないような目に遭わないでねって言ってるんだよ」

上条 「……約束する」

禁書美琴 「「約束なんだよ(だからね)!」」

934: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:54:21.98 ID:ugN8YNUo

禁書 「といったところでお腹が空いたんだよ」

美琴 「そうね、もうお昼だし」

上条 「ええと……回転寿司、一人3皿まででどうでせうか?」

美琴 「アンタ本気? それでインデックスが満足して帰ると思う?」

上条 「……思いません」

禁書 「50皿までなら頑張れるよ!」フンス

上条 「頑張らんでいい!」

美琴 「ねえ。そこそこのお値段で、インデックスが満足できそうな店があるんだけど」

上条 「お前ら何してんだ、いくぞ」キリッ

美琴禁書 「「……」」

上条 「で、どこに行けばいいんだ?」

美琴 「……第4学区よ」ハァ

935: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:55:42.50 ID:ugN8YNUo


~移動中~


禁書 「第4学区っていうと、世界中の美味しい物が集まってるところだね」

上条 「そういうところもあったなぁ。上条さんには無縁ですが」

美琴 「まさにインデックスのための学区みたいなものよね」

禁書 「今日は第4学区を丸ごと頂いてやるんだよ」フフン

上条 「やめてくれ、冗談に聞こえない」

美琴 「あ、ほら、着いた。降りるわよ」


 プシュー


上条 「……気のせいか、既にいい匂いがするな」

禁書 「とうま、それは流石に気のせいかも」

936: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:57:10.32 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「こ、ここは!? エデンなんだよパラダイスなんだよシャングリラなんだよ!」

美琴 「インデックス、目がハートマークになってるわよ」

上条 「インデックスさんの食欲中枢を刺激してしまったようで」

禁書 「ほら二人とも! この際どこでもいいから早く入るんだよ!」

美琴 「待ちなさい」ガシッ

禁書 「ぐえ」

美琴 「ちゃんと行く店は決まってるの。ほらこっちよ」

上条 「何の店なんだ?」

美琴 「食べ放題よ」

禁書 「食べ放題? なんでも食べていいってことかな?」ズルズル

937: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 22:58:39.86 ID:ugN8YNUo

美琴 「そ。必要なのは入場料だけ」

禁書 「ここが神の国だったなんて……」

上条 「んな大袈裟な」

美琴 「あ、ほら、ここ」

上条 「はー、やっぱメシ時は混んでるな」

美琴 「3人ならなんとかなるでしょ。すいませーん」

店員 「はい、いらっしゃいませ」

美琴 「3人なんですけど、大丈夫ですか?」

店員 「あいにく混雑しておりまして……6人席のご相席でよろしければ」

美琴 「どうする?」

禁書 「早く食べたいんだよ!」

上条 「選択の余地はなさそうだな」

938: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:00:06.55 ID:ugN8YNUo

店員 「他のお客様のご了解を頂けましたので、ご案内致します」

美琴 「ま、仕方ないわね」

禁書 「す、すごい量の料理が並んでるんだよ!」

上条 「おい、まだ食うなよ」

店員 「こちらにどうぞ」

美琴 「え?」

削板 「お?」

上条 「なんだ、知り合いか?」

美琴 「し、知り合いっていうか……」

削板 「おー、雷の嬢ちゃんじゃねえか! 大覇星祭以来だな! 座れ座れ!」

上条 「あ、これはどうも。お邪魔します」ペコペコ

939: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:01:21.85 ID:ugN8YNUo

原谷 「削板さん、お知り合いですか」

削板 「うむ。以前、根性溢れる勝負をしてな!」

上条 「御坂と勝負して無事だなんて……あれ? インデックス?」

原谷 「もう一人の子ですか? 料理を取りにいきましたよ」

上条 「はは、これはお恥ずかしいところを……」

モツ 「ここはそういう店なんだ。恥ずかしいってことねえだろ」

美琴 (この3人はどういう組み合わせなの……?)

削板 「いや、しかし驚いたな! 根性は偶然に勝るな!」

美琴 「驚かされたわよ、ホント……」

モツ 「お前さん達、食わないのか? ここは時間制だぜ、さっさと行ってこい」

上条 (この人、見た目はゴツ怖いけどいい人だ)

940: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:02:39.00 ID:ugN8YNUo

 :
 :
 :

禁書 「これは味も一流なんだよ……」

削板 「嬢ちゃん、いい食べっぷりだな! 気に入った!」

上条 「御坂と勝負した人、か。お前、誰彼構わずケンカふっかけてんのか?」

美琴 「そ、そんなことないわよ! いいのよ、こいつは Level5 なんだから!」

上条 「上条さんは Level0 で……Level5!?」

削板 「そうだ、自己紹介がまだだったな! 俺は序列第7位、削板軍覇だ!」ドパーン

原谷 「原谷っていいます。何の変哲もない学生です」

モツ 「俺こそは削板の宿命のライバル、内蔵殺しの横須賀様だ!」ドドン

美琴 (ホントにどういう組み合わせなの、コレ……)

上条 「これはご丁寧に……自分は上条っていいます。何の変哲もない学生です」

美琴 「ウソつくな!……あ、御坂です」

941: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:04:44.46 ID:ugN8YNUo

上条 「あー、今料理を取りに行ってるのはインデックスです」

削板 「そうか、よろしくな!」

禁書 「ただいまなんだよ!」

美琴 「アンタなんなの、それ」

禁書 「食べたいものをよそってたらこうなっちゃったんだよ」

削板 「嬢ちゃんは体内にブラックホールでも飼ってるのか? いい根性だな!」

禁書 「食べ物は別バラかも」パクパク

上条 「なんだそりゃ」

削板 「どうだ、いっちょ大食い勝負でもしてみるか」

美琴 「え、あ、やめといた方が……」

原谷 「また削板さんの悪い病気が始まった……」ハァ

942: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:06:10.50 ID:ugN8YNUo

モツ 「削板は手強いぞ。この間もケーキバイキングで俺を負かしたぐらいだからな」

上条 「……あー、後悔しないでくださいね?」

禁書 「一人ずつ相手にするのも面倒なんだよ。まとめてかかってくるといいかも」

削板 「ははは! それでこそ根性だ!」

モツ 「ふん、この内臓殺し様の内臓がいかに強靭か見せてやろう」

原谷 「……あれ? 僕もですか?」

上条 「俺たちは普通に食ってるか」

美琴 「……そうね」

削板 「さあ、根性入れて食うぞ!」

原谷 「不幸だ……」

943: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:07:37.33 ID:ugN8YNUo


~1時間半後~


削板 「」チーン

原谷 「」ピクピク

モツ 「」ビブルチ

美琴 「言わんこっちゃない……」


<ただいまローストビーフが出来たてとなっております


禁書 「ちょっと行ってくるんだよ」ガタッ

上条 「こりゃ食べ放題じゃなかったら破産してたな」

削板 「こ、この削板軍覇……ここまで完膚なきまで打ちのめされたのは2回目だ……」

美琴 「今回は相手が悪かったわよ。あきらめなさい」

944: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:09:04.23 ID:ugN8YNUo

原谷 「一生分食べた気すらしてきました……」

モツ 「なんなんだ、あの舶来品は……ウプ」

上条 「あー、まあ色々と規格外でして……あ、胃薬飲みます?」ペコペコ

モツ 「食べる前に飲まねえと意味ねえだろうが!」

削板 「こりゃ……根性入れ替えて鍛えなおさんとな……」

美琴 「何を鍛えるのよ」

原谷 「胃袋……ですかね」

禁書 「ローストビーフたくさんもらえたんだよ!」キラキラ



店長 「……おい、あの6人。"大食番付"<ブラックリスト>に追加な」

店員 「承知しました」

945: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:10:27.45 ID:ugN8YNUo


~数時間後 上条邸~


禁書 「ただーいまー」

美琴 「つっかれたー」

上条 「いやー、買ったし食ったし、満足だな」

禁書 「スフィンクスー、いい子にしてたかな?」ヒョイ

スフィ 「( ´ー`)」

美琴 「電子レンジは前のと同じ場所に置いておけばいい?」ガサガサ

上条 「ああ、悪いな。金も出してもらっちゃってな」

美琴 「まあ……壊したのは私だし」

禁書 「でも、お陰で部屋の機械がどんどん最新型に入れ替わってるんだよ」

946: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:11:55.29 ID:ugN8YNUo

美琴 「う……」

上条 「まあ、気にすんな。これぐらいは不幸のうちに入りませんことよ」ナデナデ

美琴 「」フニャー

禁書 「ねー、みこと。今日の晩ご飯はなんなのかな」

美琴 「へ? えぇ!?」

上条 「お前まだ食うのか!?」

禁書 「昼は昼、夜は夜なんだよ」

美琴 「ゴ、ゴメン……お腹いっぱい過ぎて、料理とか出来ないんだけど……」

上条 「同じく……」

禁書 「むー、仕方ないんだよ」

947: ◆r462iqU2Ag 2010/12/23(木) 23:13:07.96 ID:ugN8YNUo

上条 「分かってくれ 「はい、とうま」 はい、って……携帯電話?」

禁書 「今日はデリバリーでいいんだよ」ニコニコ

上条 「……ま、ピザでも頼みますか」ピポピポ

美琴 「あ、電話といえば……」

禁書 「? みことは何してるの?」

美琴 「ストラップ付けてるのよ」

禁書 「あ、ずるい! 私もつけるんだよ!」

上条 「はい、全部乗せピザを 「とうま、電話返して!」 あっ、おい!」

禁書 「」イソイソ

美琴 「……えへー」

上条 「はあ……ま、いいんだよな。これで」

968: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:23:27.01 ID:KWCyim6o
それでは、始めさせて頂きます。
今回からは外伝その3、番外通行編です。

970: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:26:16.00 ID:KWCyim6o


~10月下旬 第7学区 とある病院~


19090 「今回の検査結果です、とミサカは着替え中の番外個体に紙切れを渡します」つ□

番外個体 「あ、ありがと。……異常なし、ね。よかったよかった」

19090 「ミサカの知る限り、異常が発生したことはありませんね、とミサカも検査結果に満足します」

番外個体 「そこは先生の手腕だろうね。ここの世話になってなければとっくに死んでただろうし」

19090 「そろそろ誕生から1年経つのではないでしょうか? とミサカは素朴な疑問をぶつけます」

番外個体 「正確には知らないけど、1年ちょいは経つかな……そっか。もう1年か」

19090 「もう、ではありません。まだ1年です、とミサカは訂正を求めます」

番外個体 「ふふ、そうだね。また次の1年が始まるんだし」

?? 「アンタ達、まだやってたのか。お喋りなら談話室でやんな」

番外個体 「あ、ゴメンなさい」

19090 「しずりん? 今は休憩時間では? とミサカは突然の登場に動揺を隠せません」

971: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:27:42.85 ID:KWCyim6o

麦野 「アンタその呼び方はやめろって何度いったら分かるんだ……しっかし、まあ」

番外個体 「?」

麦野 「ここいらにはこの顔が多いのねぇ。この間はアンタのちっちゃい版が来てたし」

19090 「上位個体ですか。しずりんにもよく懐いてましたね、とミサカは頬が緩みっぱなしだったしずりんを思い出します」

麦野 「わ、忘れろっつってんだろ! 何かにつけて引き合いに出しやがって!」

番外個体 (……ねぇ。この人どこまで知ってるの)ヒソヒソ

19090 (事情通ですから)ヒソヒソ

麦野 「ったく……ほら、出てった出てった」



~とある病院 ロビー~


番外個体 「あんな若くて怖いナースさんなんていたっけ?」

19090 「ミサカと同じです。ここで訳アリ看護助手として働いてます、とミサカは同僚とも呼べる関係を披露します」

番外個体 「ふーん……まあ、ああいう先生だから、色んな人がいるよね」

19090 「です」

972: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:29:54.81 ID:KWCyim6o

番外個体 「ところで、このあとヒマ?」

19090 「残念ながら……とミサカは悔しさを顔に滲ませつつ、仕事中であることを告げます」

番外個体 「滲んでないじゃん」

19090 「ぐぬ」

番外個体 「あ、今ちょっと滲んだ。その調子その調子」

19090 「か、からかうのはやめてください! とミサカは憤ります!」

番外個体 「ゴメンゴメン♪」ナデナデ

19090 「番外個体でなければブレーンバスターをきめているところです、とミサカは不満を漏らします」

番外個体 「いいことだよ。感情表現が豊かになり始めるってことでしょ」

19090 「ずるい人ですね……で、ではお大事に、とミサカは頭を下げます」

番外個体 「下げてないじゃん」

19090 「下げてます!」

973: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:31:13.17 ID:KWCyim6o


~とある病院前広場 ベンチ~


番外個体 「……そうだ、電話しないと」カチカチ


 Prrrr Prrカチャ


結標 『はいはーい』

番外個体 「私だ」

結標 『お掛けになった番号は』

番外個体 「おいコラ」

結標 『軽いジョークでしょ。もう診察終わったの? 明日死ぬの?』

番外個体 「死なねーし!」

結標 『それはなによりね。で、用件は?』

番外個体 「今日帰らないから。みんなにも伝えといて」

結標 『はあ、また? 今月入って何回目よ。もう通い妻ね』

974: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:32:47.68 ID:KWCyim6o

番外個体 「なっ、か、通い妻って! 10月なってからまだ3回目だよ!」

結標 『つまり週一ペースじゃない』

番外個体 「むぐ……」

結標 『まぁ、それでいいのよ。ほら、あの日の夜に誓い合った私たちの合言葉は?』

番外個体 「積極的に、ね」

結標 『そういうこと。積極的なようで安心ね』

番外個体 「そういう淡希はどうなのさ、最近」

結標 『私だって何もしてない訳じゃないわよ。色々考えてるんだから』

番外個体 「バカの考え休むに似たりって言葉知ってる?」

結標 『うっさい! 今は人の心配より自分の心配してなさい!』

番外個体 「お気遣いどーもー」

結標 『ああ、それと。避妊はちゃんとしなさいよ』

番外個体 「はあ!?」

975: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:34:36.19 ID:KWCyim6o

結標 『後学のために感想聞かせ 「ドアホ!」ピッ

番外個体 「……避妊って……」

番外個体 「…………いやいや! ないない!」ブンブン

番外個体 「でも、もっと積極的にならないと……」

番外個体 (最終信号に全部もってかれるのもムカツクし)

番外個体 (……最終信号にはないモノで勝負に持ち込めばいいのかな)

番外個体 「」モニュモニュ ←自分のバストサイズ確認

番外個体 「はぁ……美鈴さん、いやせめて淡希ぐらいあれば……」

一方通行 「あァ? 何か欲しいのか?」

番外個体 「」ビビクゥ

一方通行 「おい、ンなビビることねェだろ」

番外個体 「な、なんでここに!?」

976: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:36:04.52 ID:KWCyim6o

一方通行 「オマエ、自分で呼び出しといて忘れたのか?」

番外個体 「あれ? もうそんな時間? 最終信号は一緒じゃないの?」

打ち止め 「呼んだー? ってミサカはミサカはワーストのお胸にダイブ♪」ベチョ

番外個体 「わっ! なんだいるんじゃ……ベチョ?」

打ち止め 「あー! ミサカのクレープがー! ってミサカはミサカはガックシー」orz

番外個体 「……みぎゃーー! なにしてくれてんだ!」

一方通行 「あ、このバカ! 他人の服汚すヤツがあるかァ!」ズビシッ

打ち止め 「クレーーーープーーーーー!」ビャー

番外個体 「はぁ……ね、最終信号。こういう時まず言うことがあるでしょ?」

打ち止め 「うぅっ……ごめん、なさい……ヒグッ……」

番外個体 「よろしい。ほら、もう一個買ってきな」

打ち止め 「あ、ありがと……でも……」

977: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:37:52.32 ID:KWCyim6o

番外個体 「いいから。ほら、そこの白いのがブチキレる前に行っておいで」

打ち止め 「ワーストごめんなさいありがとー! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」ピュー

一方通行 「……なンか、悪かったな」

番外個体 「クリーニング代とクレープ代と慰謝料ね」

一方通行 「分かってらァ……」

 :
 :
 :

打ち止め 「ねー、ワースト今日お泊りしてくれるんだよねー? ってミサカはミサカは期待を込めた眼差しを向けてみる」

番外個体 「うん、そだよ」

打ち止め 「また一緒にご飯つくって一緒にお風呂入ってー、ってミサカはミサカはうるうる上目遣い」

番外個体 「あのさ、こんなのどこで覚えさせたの?」

一方通行 「むしろ俺が聞きてェわ」

978: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:39:14.09 ID:KWCyim6o


~同日深夜 一方通行邸 リビング~


一方通行 「クソガキはもう寝たのか?」

番外個体 「とっくだよ」

一方通行 「オマエがいると寝付きがいいな……正直助かるぜ」

番外個体 「だ、だったら、毎晩でも……」ゴニョゴニョ

一方通行 「?」

番外個体 「あ、な、なんでもない」

一方通行 「ンじゃ、今日はバッテリがやばいンで俺も寝させてもらうぜ」

番外個体 「うん、オヤスミ」

一方通行 「寝るときにテレビと電気消しといてくれよ」

番外個体 「……よし。頑張れ私」

979: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:40:48.40 ID:KWCyim6o

一方通行 「Zzz...」

一方通行 「……ン?」


 モゾ...


一方通行 (チッ……クソガキのヤツ、人のベッドに入り込むなっつってンだろォに)

一方通行 「打ち止めちゃァン? 悪い子はお仕置きだぜェ?」バサッ

番外個体 「<①> <①>」

一方通行 「ッヒィィ!?」

番外個体 「な、なにそれ! バケモノでも見たかのような声だして!」

一方通行 「黙りやがれ! 何考えてやがる!」ペシッ

番外個体 「いてっ……いいじゃん、別にさ」

980: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:41:59.63 ID:KWCyim6o

一方通行 「オマエなァ……そォいうのは相手選びやがれ」

番外個体 (私だって相手を選んでない訳じゃないよ)ポツリ

一方通行 「あ? なンか言ったか?」

番外個体 「別に……ね、どうしてもダメ?」

一方通行 「ンでわざわざここなンだよ? 寝る場所なら他にもあンだろ」

番外個体 「……私」

一方通行 「なンだよ」

番外個体 「わかった……オヤスミ」


 ガチャ バタン


番外個体 「……はあ」

番外個体 「バカ、朴念仁……」

981: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:43:15.89 ID:KWCyim6o


~数日後 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「あー、もう、どうしろってんだ」

番外個体 「そもそも追い出すとかありえない!」

番外個体 「こっちは襲われる覚悟で忍び込んだのにさ!」

番外個体 「……言わなきゃ分からないタイプなのかな」

番外個体 「スパッと言えれば、そりゃ苦労しないわ……」

番外個体 「ちょっと愚痴らせてもらおっと」カチカチ


 Prrrr Prrrr Prrrr Prrrカチャ


結標 『あ、真琴? どうしたの?』

番外個体 「ん、ちょっとヒマだったもんで」

結標 『ゴメンなさい、今ちょっと……後でかけ直していい?』

982: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:44:49.97 ID:KWCyim6o

番外個体 「あ、忙しかった? ゴメンゴメン」

結標 『いや、こっちこそ。ゴメンね、また後でね』ピッ

番外個体 「……」

番外個体 「気晴らしにどっか出かけるか」

番外個体 「そうだ、冬物のコート持ってないんだよね」

番外個体 「よし、買いにいこう!」フンス

 :
 :
 :

番外個体 「地下街でいいかな」

番外個体 (そういえば……最近、淡希から一方通行のことでツッコミを受けないな)

番外個体 (向こうも必死なのかねー)

983: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:46:37.36 ID:KWCyim6o

番外個体 「……あれ? え?」

番外個体 「」ササッ



一方通行 「――――で―――ろ?」

結標 「あら? ―――に――じゃ――?」



番外個体 「あの二人……」

番外個体 「……」

番外個体 「どこ行くんだろ……」コソコソ

984: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:48:14.60 ID:KWCyim6o

番外個体 「ここって、ジュエリーショップ?」

番外個体 「ウソ、でしょ……なんで……?」

番外個体 「淡希、あなた知ってるハズなのに、私の……」

番外個体 「やだ、そんなの……やだ……!」

番外個体 「ッ」ダッ



~とある路地裏~


番外個体 「あっ……は……はぁっはぁっ……うぅ……」

番外個体 「……私、どれだけ走って……ここ、どこだ……?」


 [[携帯電話]]<トーキヲカーケー アナターノ スーガタサーガーシ イーキテーキタ♪

985: ◆r462iqU2Ag 2010/12/24(クリスマスイブ) 23:49:46.18 ID:KWCyim6o

番外個体 「あ……淡希……」ピッ

結標 『真琴? さっきはゴメンね』

番外個体 「う、うん……」

結標 『で、何か用があったの?』

番外個体 「……あのさ、今日……えと……」

結標 『はっきりしなさいよ。貴女らしくないわね』

番外個体 「っ……」ギリ

結標 『もしもし? どうしたの?』

番外個体 「ゴメン、大した用じゃないから」

結標 『え? ちょっと』ピッ

番外個体 「…………帰るか」