1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 20:54:09.97 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「私の輝かしい軍隊生活が……」

♪オープニングテーマ 『僕らは壕の中で』


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403870049

引用元: 穂乃果「音ノ木坂軍事学校が廃校?!」 

 

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3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 20:59:34.27 ID:7zwv5+mxo
#1 集え! 私たちの隊――

穂乃果「可及的速やかに状況を打破しなければならない!」

海未「何か方法がありますか?」

ことり「学校をPRして入学希望者を増やすとか?」

穂乃果「そうだよ! この学校のいいところを探そう!」

海未「なにか目立った戦果があったでしょうか」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:01:13.79 ID:7zwv5+mxo
ことり「“殺戮の丘”を生き延びた人がいるみたい」

穂乃果「すごいじゃん!」

ことり「ソ連側だけどね」

穂乃果「ガッカリだよ」

海未「あとは……アフガンで27人殺害した新兵がいたようです」

穂乃果「なかなかだね!」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:05:15.12 ID:7zwv5+mxo
海未「ん? あ、すべて友軍への誤射のようです」

穂乃果「戦犯じゃん!」

ことり「コソボで捕虜になったけど、料理を振る舞って解放された人が……」

穂乃果「駄目だぁ~」><

海未「よく考えたら英雄がいればもっと人気ですよね……」

穂乃果「うーん、困った……」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:09:01.51 ID:7zwv5+mxo
秋葉原UTX

穂乃果「たやすいことではないなぁ……」

♪Can I do? I take it,baby!

穂乃果「ん?これは……」

♪What'cha do what'cha do? I do "Private Wars"

穂乃果「!! ……こ、これだよ!」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:17:23.22 ID:7zwv5+mxo
学校

穂乃果「我々はUTX学園の宣戦布告に応じる!」

海未「は? なにを言ってるんです?」

穂乃果「戦争を始めれば入学希望者も増えるはずだよ!」

ことり「そんな無茶な……」

穂乃果「むこうもやる気なんだよ。この曲を聴いてみて!」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:18:46.15 ID:7zwv5+mxo
♪What'cha do what'cha do? I do "Private Wars"

海未「これは宣戦布告ですね」

ことり「もろに『戦争する』って言ってるね」

穂乃果「どう?」

海未「しかし、どうしてUTX学園が?」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:26:28.23 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「よく考えてみてよ、Private Warsだよ? なにか思い出さない?」

海未「Private……二等兵……戦争……プライベート・ライアン?」

ことり「ノルマンディー上陸作戦の歌なの?」

穂乃果「そして、このUTXという名前!」

ことり「名前? うーん……あっ、Uってもしかして……」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:27:34.35 ID:7zwv5+mxo
海未「United States……?」

穂乃果「そしてこのTX、これはユニオンジャックを象ってると思うんだ」

海未「ユニオンジャックの重ね十字ですか? 縦線が少し短いような」

穂乃果「他に丁度いいアルファベットがないから、仕方なくこうしたんだよ」

ことり「アメリカとイギリス……連合国の中核だね」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:31:04.64 ID:7zwv5+mxo
海未「なるほど、連合国側の組織が、枢軸国に名を連ねていた日本で、ノルマンディーの歌を発表した、と……」

穂乃果「そう……きっとあの戦場を再現しようとしてるんだ……この日本で!」

海未「…………」

ことり「ねえ海未ちゃん、私、やってみようかな」

海未「ことり、本気ですか?」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:32:40.43 ID:7zwv5+mxo
ことり「穂乃果ちゃんは、私たちが見たことない景色を見せてくれるんだ……」

海未「…………まったく、しょうがないですね」

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「やるなら、私たち三人でやらないと、意味がないです」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:38:23.89 ID:7zwv5+mxo
生徒会室

穂乃果「隊の編成を申請します!」

絵里「認められないわ」

穂乃果「どうしてですか?!」

絵里「分隊レベルでも九人は必要よ。たった三人じゃ班も組めないわ」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:42:37.23 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「じゃあ、人数を増やせばいいんですね?」

絵里「……なぜこの時期に隊を作りたいの?」

穂乃果「廃校をなんとか阻止したくて……だから戦争をしたいんです!」

絵里「ならなおさら認められないわ。戦争は生徒を増やすためにするものじゃない」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:47:02.15 ID:7zwv5+mxo
帰り道

穂乃果「どうすればいいんだろう……」

海未「どうすれば……」

ことり「あぁ、どうすれば……」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 21:49:52.91 ID:7zwv5+mxo
♪だって熱源 感知したんだ

そうだススメ

後退したくない 目の前に

僕らの敵がいる~

レッツゴー! ドゥーン!

穂乃果「私やっぱりやる、やるったらやる!」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:00:25.53 ID:7zwv5+mxo
#2 戦争をはじめよう!

絵里「これは?」

穂乃果「銃器の使用許可申請書です」

絵里「あなたたち、まだ諦めてなかったの?」

海未「生徒なら所属に関係なく銃器の使用ができると、校則にも書いてあります」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:01:46.65 ID:7zwv5+mxo
希「まあ生徒会が口を挟むことじゃないかもね」

絵里「ちょっと希!」

穂乃果「では、認めていただけますね?」

絵里「……わかりました。いいでしょう」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:05:26.58 ID:7zwv5+mxo
教室

穂乃果「武器は手に入った! あとは仲間だね!」

海未「どうやって探しましょう?」

ことり「チラシを貼って募集すればいいんじゃないかな」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:06:04.81 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「そうだね! あっ、でも部隊名はどうしようか」

海未「部隊名といっても、どこかの所属というわけでもないですし難しいですね……」

ことり「独立部隊だし、なんでもいいんじゃない?」

穂乃果「うーん……ま、それも募集すればいっか!」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:09:50.37 ID:7zwv5+mxo
廊下

穂乃果「このチラシを見て、誰かきてくれるといいな……」ぺたぺた

「……イ……ザーイ」

穂乃果「ん? この声は」

「ばんざーい! 天皇陛下、愛してる! ばんざーい!」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:17:21.72 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「か、革命家……」

穂乃果「あの子か……これは使えるかも」

穂乃果「ねえあなた?」

真姫「ヴェエ?!」

穂乃果「なにしてるの?」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:22:44.09 ID:7zwv5+mxo
真姫「べっ、別に……」

穂乃果「なんか不穏な言葉が聞こえてきたんだけどな~」

真姫「ヴェエ……」

穂乃果「軍人が反社会的勢力に加担してるなんて知れたら大事だな~」

真姫「な、なによ、何が言いたいの?!」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:27:11.27 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「私たちの仲間になりませんか?」

真姫「な、なにそれ、イミワカンナイ!」

穂乃果「私たち、仲間の秘密をバラすようなことはしないよ」

真姫「どういう意味よ、き、脅迫してるの?」

穂乃果「もしかしたら、私、そのへんに武器を置き忘れちゃうかもな~」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:29:17.33 ID:7zwv5+mxo
穂乃果「もしそれをあなたがネコババして、組織に横流ししても気づかないかもなぁ~」

真姫「……私を買収しようとしてるの? 本気?」

穂乃果「その気になったら会いにきて。我が隊は君を待っている!」m9 ビシ

真姫「国粋主義者の前でアンクル・サムの真似しないで!」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:37:09.18 ID:7zwv5+mxo
教室

穂乃果「あったよー! 部隊名の応募!」

ことり「やったね!」

海未「どんな名前ですか?」

穂乃果「えーっとね……M's……?」

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:38:13.21 ID:7zwv5+mxo
海未「sはsquadのことでしょうか」

ことり「MINAMI squad! ことり分隊だ!」

海未「違うでしょう……Mは普通にフォネティックコードだと思いますよ……」

穂乃果「そうか……Mike squad……私たちは、マイク分隊だ!」

ガラッ

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:42:46.83 ID:7zwv5+mxo
真姫「真姫ちゃん分隊ってのはどう?」

穂乃果「あ、あなた! 入ってくれる気になった?」

真姫「……いいわ、乗ってあげる。そのかわり、武器の件、頼むわよ」

海未「なんです? 武器?」

穂乃果「な、なんでもない! 気にしないで!」

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:47:54.40 ID:7zwv5+mxo
ことり「穂乃果ちゃん、何か隠してる……?」

穂乃果「ほ、ほんとに、別に武器を横流しとかそんなことぜんぜん!」

海未・ことり「…………」



希「フフ、動き出したようやな……」

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/27(金) 22:55:22.08 ID:7zwv5+mxo
とりあえず今日はここまで
続きは明日か明後日か

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:39:58.40 ID:AbiY4lk7o
#3 まいく・ろみお・ぱぱ

穂乃果「さて新兵、君に初任務がある」

真姫「なんなの、急に偉そうに……」

穂乃果「我が隊は現在人員に困窮している。しからば、我らの意思に賛同する同士を見つけてもらいたい」

真姫「仲間探しを手伝えってこと? 人使い荒いわね……」

穂乃果「ほらいったいった! 上官命令だよ!」

真姫「なによ! そっちだって兵卒じゃない!」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:40:29.31 ID:AbiY4lk7o
穂乃果「だまれ! 貴君の階級を述べよ!」

真姫「に、二等兵だけど……」

穂乃果「ほのか、一等兵だよ」

真姫「くっ……」

ことり「ここはおとなしく、いった方がいいんじゃないかな、はは……」

穂乃果「伍長殿もこういっておられる! ほらいけ!」

真姫「なんなのよもう!」

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:41:08.65 ID:AbiY4lk7o
廊下

真姫「仲間ったってねえ……ん?」

花陽「…………」

真姫「ねえ、そこのあなた」

花陽「え?! ……わ、私……ですか?」

真姫「そうよ、他にいないでしょう」

真姫「あなた、その部隊に興味があるの?」

花陽「! い、いえ、そういうわけでは……」

真姫「チラシをじーっと見てたじゃない」

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:41:45.62 ID:AbiY4lk7o
花陽「あの、その……」

真姫「まあいいわ、もし興味があるなら声をかけて」すたすた

チャリ……

花陽「…………」

花陽「ん? ドッグタグ?」

花陽「西木野……真姫さん……」

凛「おーい、かよちーん、帰るにゃー」

花陽「あ、うん」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:42:47.45 ID:AbiY4lk7o
帰り道

花陽「実はさっきかくかくしかじかで」

凛「西木野真姫さん? いつも一人でいる子だよね?」

花陽「うん、それで、このドッグタグ返しに行こうと思うんだ」

凛「うんっ、いいよー」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:44:50.95 ID:AbiY4lk7o
真姫の家

花陽「あの、突然訪ねてごめんなさい」

真姫「別にいいわ、どうかしたの?」

花陽「これ、拾ったから」

真姫「あ、私のタグ、いつ落としたのかしら」

花陽「学校で話したときに」

真姫「そう、ありがとう……ねえあなた、さっきも聞いたけど、部隊に興味があるんじゃない?」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:47:20.54 ID:AbiY4lk7o
凛「部隊?」

真姫「私たち独立部隊を作ろうとしてるのよ」

花陽「……興味がないって言ったら、嘘になる……でも……」

真姫「それなら入ってよ。歓迎するわ」

花陽「駄目なんです……私なんかが入っても、足を引っ張るだけだと思うし……」

凛「かよちん、悪い癖が出てるよ」

真姫「音ノ木坂に入ったのに、そんなんじゃ仕方ないじゃない」

凛「そうだよ、かよちんは兵士になりたかったんでしょ……?」

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:50:01.74 ID:AbiY4lk7o
花陽「私、臆病で、どんくさくて……そんな自分を変えたかったけど……」

真姫「だったら、思い切ってやってみるのがいいんじゃない?」

花陽「……ううん、私にはまだ早いよ……」

ガシャーーーン!!!

そのとき突然窓が割れて、何かが部屋に飛び込んできた。

凛「わっ、なに?!」

ブシューーーー

花陽「スモークグレネード?!」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:50:41.98 ID:AbiY4lk7o
真姫「赤軍派だわ! くそっ、ここがバレるなんて!」

凛「なんでそんな奴らが襲ってくるのぉ?!」

真姫「その話はあと! あいつら銃も持ってる! 身を隠して!」

パンパン!バラララ!

窓の外から銃弾が打ち込まれる。

花陽「助けてえ!」

真姫「床下収納に武器がある! これよ! 使って!」

拳銃を受け取った花陽は真っ先に窓際の壁に張り付いた。

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:51:37.42 ID:AbiY4lk7o
花陽「戦わなきゃ……戦わなきゃ……死んじゃう……」

凛「かよちん、窓際にいたら危ないよ!」

花陽「あそこに敵がいるの!」

花陽が窓から顔を覗かせて、ガバメントのトリガーを引く。

パン! パン!

真姫(臆病なんて言って、すごい闘争心じゃない!)

バラララララ!

花陽「ひいっ! 倒さなきゃ! 倒さないとやられちゃう……!」

真姫(いや、臆病だからこそ、死に物狂いなのか……)

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:53:49.38 ID:AbiY4lk7o
真姫「小泉さん、敵は何人見える?!」

花陽「4、5、6人……!」

真姫「オーケー、プランがあるわ。フラッシュバンを投げる、一斉に飛び出す、一人2キル、どう?」

凛「正面突破?! それってプランっていうの?!」

真姫「小泉さん、できる?!」

花陽「やらなきゃ死んじゃうよぉ!」

真姫「だって、どう?」

凛「めちゃくちゃだにゃー! でもこっちのかよちんも好き!」

真姫「じゃあ、いくわよ、3、2、1……!」

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:54:41.68 ID:AbiY4lk7o
某ビルの屋上

海未「フラッシュバン? あ、出てきた」

穂乃果「うっそ、正面突破?」

ことり「度胸あるね……」

海未「……勝っちゃいましたね」

穂乃果「やるぅ!」

ことり「真姫ちゃんの素性調査にきただけなのに、大変な場面に出くわしちゃったね」

穂乃果「うーん、あの二人、欲しいなあ」

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:55:13.68 ID:AbiY4lk7o
真姫の家

真姫「はぁ、はぁ、なんとかなった」

凛「死ぬかと思ったにゃー!」

『西木野二等兵、こちらマイク分隊だよ、オーバー』

真姫「高坂一等兵? どうしたの?」

『今の戦闘見てたよ。是非ともその二人を我が隊に招きたい! オーバー』

花陽「えっ……?」

真姫「だ、そうよ、どうする?」

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/28(土) 22:56:08.51 ID:AbiY4lk7o
花陽「でも……私がお役に立てる自信、ないです……」

『兵士に必要なのは、戦って生き残ることだけ。あなたたちはそれを果たした。あなたたちはもう立派な兵士なんだよ! オーバー』

凛「かよちん、やりたかったんでしょ?」

真姫「素直になりなさいよ」

花陽「…………」

花陽「……小泉花陽、二等兵です。これより帰投し、隊に合流します! オーバー!」

『了解だ二等兵! 学校で待ってるよ! マイクアウト!』

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:16:26.94 ID:EOSjUJwTo
#4 にこ襲来

絵里「駄目よ」

穂乃果「まだ何も言ってません!」

絵里「どうせブリーフィングルームが欲しいとか、そういう話でしょ」

穂乃果「うっ……」

絵里「駄目よ、もう空きはないの」

穂乃果「そんな、それじゃあ隊に必要な人数を集めても、活動拠点がないじゃないですか!」

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:19:42.91 ID:EOSjUJwTo
絵里「そもそも何人集めても編成は無理よ、もう我が校に独立部隊は存在するの」

穂乃果「ファッ?!」

希「そう、だから、そこの隊長さんと話付けないとね」

絵里「希! 余計なこと言わないで!」

穂乃果「そんな……」

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:21:59.02 ID:EOSjUJwTo
廊下

穂乃果「上層部はいつもこうだよ! 情報の後出し、小出し、割りを食うのは前線の兵士なのに!」

ことり「聞いた話だと、隊長さんはこの部屋にいるみたい」

海未「でも、会ってどうするんです? 別部隊の隊長さんにうちの部隊に入ってくださいとは……」

穂乃果「とりあえず会ってみなきゃはじまらないよ」

コンコン

にこ「入れ」

ガラッ

穂乃果「失礼します!」

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:26:30.61 ID:EOSjUJwTo
にこ「あんたは?」

穂乃果「高坂穂乃果、一等兵であります!」

にこ「で、なに」

穂乃果「私たちは独立部隊を編成したいのです。しかし既に存在するから駄目だと」

にこ「そうね、私の隊がある」

穂乃果「それでお話に上がりました。私たちの隊に加わっていただけませんか?」

にこ「……」

バァァン!

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:31:08.50 ID:EOSjUJwTo
穂乃果「……え?」

ことり「ひっ」

海未「に、逃げましょう!」

ドタドタドタ

穂乃果「うわああああ! あの人いきなり50口径ぶっぱなしたよ!」

海未「ヤバイですよあの人!」

ことり「とさかが、ことりのとさかがなくなってる! うわああああ!」

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:36:06.54 ID:EOSjUJwTo
希「追い返されたみたいやな」

穂乃果「あ、副会長さん!」

海未「なんなんですかあの人! 命がいくつあっても足りませんよ!」

希「矢澤にこ少尉、CJTF252第7空挺団所属Mike分隊、唯一の生き残り」

ことり「CJTF252……イラクに派遣された多国籍部隊ですか?」

穂乃果「あの人もマイク分隊なんだ」

希「……」

希「当時は矢澤にこ軍曹だった」

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:37:56.75 ID:EOSjUJwTo
希「第7空挺団に与えられたタスクは、アラビア海側からクウェートに上陸し、侵攻するものだった」

希「それほど難しいミッションではない……はずだったんや」

希「だけど、イラクの国境線に待っていたのは、一個旅団クラスの大部隊だった」

希「そんな情報はなかった。作戦失敗は火を見るより明らかだった」

希「まもなくして、第7空挺団はほぼ壊滅状態。
作戦の継続は不可能だったけど、なかなか撤退の許可は下りなかった」

希「矢澤軍曹が率いるMike分隊は、隊長以外の全員が戦死」

希「大きな損害を出した矢澤軍曹は軍法会議にかけられたけど、
作戦失敗を認めるわけにはいかなかった上層部は、
アリバイ作りと口封じのため、矢澤軍曹を少尉に任命するという特別措置を講じた」

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:51:17.99 ID:EOSjUJwTo
希「書類登録上、矢澤少尉のMike分隊はまだ生きているから、君たちの隊は認められないというわけ」

穂乃果「そんなことが……」

海未「地獄を見たんですね……」

穂乃果「……私やっぱりあの人と仲間になりたい」

ことり「どうやって?」

穂乃果「もう一度いこう、マイク分隊招集!」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:52:21.52 ID:EOSjUJwTo
にこ隊の部屋前

穂乃果「あっ、少尉!」

にこ「あんたたち、また……」

穂乃果「お願いします、私たちの仲間になってください!」

にこ「ふざけんなっつーの! 無礼者め!」

バタン!

真姫「ちょっと、話くらい聞いてくれても……!」

ガラッ……カツン

真姫の足元に手榴弾が転がる。

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:52:54.05 ID:EOSjUJwTo
真姫「え?」

海未「ブービートラップです! 退避!」

真姫「うわあああああああああ!」

パンッ!

真姫「あああ……あ? 訓練用……?」

穂乃果「…………」

穂乃果「……西木野二等兵が戦死! KIAだ!」

真姫「え? 生きてるけど……」

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 23:53:38.17 ID:EOSjUJwTo
穂乃果「現時刻より矢澤少尉を脅威と認定し、これに対抗する!」

真姫「あの……」

穂乃果「いいからそこで死んでて!」

真姫「はぁ?」

穂乃果「作戦目標は矢澤少尉の捕縛! マイク分隊、状況開始!」

凛「窓から逃げたみたいです、一等兵殿!」

穂乃果「外に出て回り込め!」

凛「了解! いくにゃー!」

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 00:00:06.29 ID:6FBfC2hGo
バシャー!

凛「痛い! 痛い!」

海未「茂みの中にクレイモアです!」

凛「あとは……お願いしますにゃ……」ガクッ

穂乃果「くそぅ!」

ことり「あっ、アルパカがこっちにくるよ!」

花陽「危ないからきちゃだめ! 小屋に戻してきます!」

アルパカ「ベェエ~」

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 00:06:13.38 ID:6FBfC2hGo
花陽「ん? これは……」

花陽「あ、アルパカの首にC4が……!」

パーン!

花陽「きゃー!」

ことり「小泉二等兵とアルパカ大佐が戦死しました!」

海未「目標は校舎内に戻ったもようです!」

穂乃果「海未ちゃんはAルート、ことりちゃんはBルートでお願い! 挟み撃ちにするよ!」

海未・ことり「了解!」

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 00:08:45.98 ID:6FBfC2hGo
#4途中だけど今日はここまで
すみません

74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:22:26.17 ID:6FBfC2hGo
校舎内

海未「逃げ足が速いですね……」

『こちらことり、目標をB棟1階で確認、B-4通路からC-2方面へ移動中だよ!』

『こちら穂乃果、目標確認、C-2階段から2階に上がった!』

海未「了解。ということは……こっちにきますね」

海未「ことり、C-1階段から2階へ上がってください。裏を取れるはずです」

『了解!』

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:23:18.28 ID:6FBfC2hGo
海未「…………おかしい、もうきてもいいはず」

『こちら穂乃果、A棟3階、ポイントF付近に目標発見!』

海未「そんな、予想ルートと違う!」

ことり「海未ちゃん! 目標は?」

海未「化かされました! ここにはきません!」

すー……

にこ「誰がこないって?」

海未「――?!」

ことり「窓の外?!」

76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:24:28.58 ID:6FBfC2hGo
バラララララララララ!

ことり「いやーー!」

海未「痛い痛い! 痛いですって!」

にこ「ふん、一丁上がり」

にこはわざと見つかりながら移動し、海未とことりをB棟の“あるポイント”におびき出したのだった。

そこはA棟と隣接するエリアで、A棟の窓からラペリング降下したにこの射程範囲であった。

二人を撃破したにこは、振り子のように勢いをつけて、B棟に飛び移った。

77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:25:13.16 ID:6FBfC2hGo
にこ「通信機を貸しなさい」

にこ「あー、こちらは矢澤少尉。あんたの隊は全滅よ」

『え?! 海未ちゃん、ことりちゃん、やられちゃったの?!』

ことり「うん……」

海未「まんまと……」

『そうか……でも少尉、私は諦めません』

にこ「はぁ? あんた一人で何ができるわけ?」

『捕まえられないなら、そちらからきてもらうまでです』

78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:26:13.61 ID:6FBfC2hGo
にこ「何いってんのよ、いくわけな」

ドカーーーーーーン!!

にこ「え?! なに?!」

窓の外を見ると、教室の一つが木っ端微塵に吹き飛んでいた。

にこ「あばば……あ、あんたがやったの?! どういうつもりよ!」

『次はあなたの部屋をふっ飛ばします。あなたのMike分隊のブリーフィングルームを』

にこ「っ……! ふ、ふざけるな! そんなことさせない!」ダッ

79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:28:07.35 ID:6FBfC2hGo
にこ部屋前

ドカアアアーーーーーン!!!

にこ「あ、あああ……」

にこは爆散する教室の前で立ちすくんだ。

その背後から穂乃果が忍び寄って、にこの後頭部に銃を押し当てた。

穂乃果「遅かったですね、少尉」

にこ「貴様、ふざけるなよ……地獄に送ってやる……」

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:30:13.23 ID:6FBfC2hGo
穂乃果「安心してください、少尉。今吹き飛んだのは、あなたの部屋の手前の教室です」

にこ「……え?」

穂乃果「私たちのブリーフィングルームを、破壊したりしませんよ」

にこ「あんたたちの仲間にはならない!」

穂乃果「違います、私たちをあなたの隊に入れて欲しいんです」

にこ「……っ、私はもう部下など持ちたくない」

穂乃果「ではどうして、この学校にいるんです」

穂乃果「尉官の称号をぶら下げて、あの部屋を守り続けているのはなぜです?」

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:31:26.53 ID:6FBfC2hGo
にこ「……死者のためよ! 彼らがいた証を、ここに残し続けなくちゃならない!」

穂乃果「それだけですか? あの部屋にある装備は、まるで戦争をするためのものに見えます」

にこ「…………」

穂乃果「CJTF252……司令部はペンタゴンですよね」

にこ「何が言いたいの」

穂乃果「いえ、ただ、私たちは、アメリカ及び連合国と戦争しようと思っています」

にこ「はぁ?! なにわけのわからないこと……」

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:32:08.21 ID:6FBfC2hGo
穂乃果「私たちは6人です。1人でやろうとしてる人よりは、わけわかるんじゃないかな」

にこ「はっ、誰よそのマヌケな1人は」

穂乃果「自分たちを地獄に送り込んで見殺しにしたアメリカに、復讐を望んでいる人です」

にこ「もうういいわ! 話は終わり。馬鹿なことを考えるのはやめなさい」

穂乃果「少尉、一つ勝負をしませんか?」

にこ「はあ?」

穂乃果「ロシアンルーレットです。弾は何発入れても構いませんし、どちらが先にやるかを決めるのもそちらで構いません」

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:33:23.94 ID:6FBfC2hGo
にこ「あら素敵、6発入れてあんたが先ね」

穂乃果「OKです。これ6発入ってるから丁度いいや」

穂乃果はにこに押し当てていたリボルバーを自分のこめかみに向けた。

穂乃果「私の命をあなたに預けます、隊長」

にこ「なんのつもり」

穂乃果「私が死んでも、あなたが生きている限り、私の思いは死なない」

にこ「やめなさい」

穂乃果「だから、あとのことは頼みます。できれば、私の仲間を部隊に加えてあげてください」

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:33:52.03 ID:6FBfC2hGo
にこ「もうわかった! それを離しなさい!」

穂乃果「これが隊というものです、にこ隊長! みんなの夢をあなたに託します!」

穂乃果はトリガーを引いた。

しかし弾丸は発射されなかった。撃鉄がにこの指に食い込んでいた。

にこ「いだだだだだ! いだい! いだい!」

穂乃果「私の勝ちですね、にこ隊長!」

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:35:28.24 ID:6FBfC2hGo
屋上

にこ「我が隊の訓練は厳しいわよ! ちゃんとついてこれる?!」

全員「はい!」

にこ「いくわよ、にっとにっとへー!」

全員「にっとにっとへー!」

真姫「なんなのこれ」

にこ「左にいる赤いの! ちゃんとやりなさい!」

真姫「私は右にいる黒いのよ!」

にこ「それじゃあもう一回いくわよー! にっとにっとへー!」

ちゃららちゃんちゃんちゃーん
てれれてんてんてーん だだだだだだだ
とぅーとぅとぅんとぅんとぅー
とぅーとぅとぅんとぅんてーてーてーてー
ててってー ててってーてれれー
素直に追いかけて~

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/30(月) 20:36:47.84 ID:6FBfC2hGo
#5 隊長は誰だ?

にこ「私に決まってるでしょ」

穂乃果「そうだよね」

海未「なにせ少尉ですしね」

ことり「指揮権が移るとしたら死んだときくらいだよね」

凛「にこ少尉が死んだら誰が隊長になるの?」

ことり「階級的には私かな」

海未「その次に上等兵の私、次が穂乃果」

花陽「そのあとは?」

穂乃果「じゃんけんで決めたら?」

真姫「そうね、みんな同じ階級だし」

にこ「はいこの話は終わり」

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:56:41.59 ID:G8rWNRuVo
#6 エリーチカ

花陽「大変です~! ラブライブとかいうのが開催されるみたいですー!」

穂乃果「なにそれ?」

花陽「よくわからないけど、例のUTX学園の広告塔的なやつらも参加するみたいです」

ことり「あらいなんとかってやつ?」

海未「軍事サミットみたいなものでしょうか?」

凛「きっと凛たちを潰す作戦を立てるんだよ!」

にこ「一大事だわ! 私たちも乗り込みましょう!」

真姫「じゃあ大佐のところに許可をもらいに行きましょ」

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:57:11.90 ID:G8rWNRuVo
大佐室前

穂乃果「緊張するなあ……よーし……」

ガチャ

穂乃果「わっ」

希「ん? 君たちどうしたん?」

絵里「なんの用?」

穂乃果「うわわ生徒会長……」

真姫「大佐にお話があってきました」

絵里「申請は生徒会を通すように」

真姫「申請とは言ってないわ、ただ話があるの!」

穂乃果「真姫二等兵、上官であらせられるぞ!」

南大佐「絢瀬少尉、構いません。通して」

絵里「はい……」

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:57:40.48 ID:G8rWNRuVo
……

南大佐「ふぅん、ラブライブ。いいんじゃないかしら」

穂乃果「では、認めてくださいますか?」

南大佐「オーケーよ」

穂乃果「やったー!」

絵里「なぜです! 生徒会には学校存続のための活動を認めてくださらないのに!」

南大佐「だってあなたたち私の直轄じゃない。下手打たれると私が困るのよねー」

絵里(糞野郎……)

南大佐「それに学校がなくなっても私は軍部に戻るだけだしー?」

絵里「糞野郎……」

希「声に出とるよエリチ」

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:58:07.63 ID:G8rWNRuVo
南大佐「少尉、口から糞を垂れる前と後にサーを付けろ!」

絵里「サー! 糞野郎! サー!」

南大佐「よし」

穂乃果(いいんだ……)

絵里「……失礼します」つかつか、バタン!

南大佐「一つ条件があります」

穂乃果「え?」

南大佐「今度の試験で不合格者を出さないこと、いいですね」

ことり「さすがに不合格はないからだいじょ……あれ……?」

穂乃果・凛・にこ「うぅ……」ガックシ

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:58:38.33 ID:G8rWNRuVo
ブリーフィングルーム

穂乃果「大佐はそれを試験と呼んだ。我々はそれを、ヘルズハイウェイと呼んだ」

凛「誰か凛に銃を! 自殺用の銃を!」

にこ「おふぃふひははいお、あわひはいあえ(落ち着きなさいよ、だらしないわね)」

ことり「デザートイーグル咥えながら言われても……」

海未「二人はともかく、少尉もですか……」

にこ「ははひははいほふほ!(私は大丈夫よ)」

海未「困りましたね、穂乃果は私とことりが、凛は真姫と花陽が教えればいいですが……」

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 22:59:05.76 ID:G8rWNRuVo
ことり「にこ少尉はどうすればいいのかな」

ガラッ

希「それはウチが担当するよ」

にこ「げっ、希……わ、私は心配ないって言ってるでしょ」

希「んー? 嘘つくとアブグレイブ式尋問術やよぉ?」わしわし

花陽「拷問はジュネーブ条約で禁止されたはずじゃ……」

穂乃果「よし、ブリーフィングは終わり。明日から頑張ろう!」

海未「今からです」

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:00:27.87 ID:G8rWNRuVo
勉強中……

凛「これが毎日続くのかにゃー……」

真姫「当たり前でしょ」

凛「あ! 上空に敵軍の無人偵察機!」

花陽「え?!」

真姫「ひっかかると思ってる?」バシっ

花陽「グローバルホークなのかぁ……」

穂乃果「ことりちゃん……さよなら」ガクッ

ことり「穂乃果一等兵がKIAですー!」

海未「まったく……」

98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:00:57.24 ID:G8rWNRuVo
希「この問題の答えは?」

にこ「ええと……に、にっとにっとへー……?」

希「ちゃんとやらんとアブグレイブやゆうたやろ?」ビリビリビリ!

にこ「ぎゃーーーーーーーー!!!」

海未「はぁ……ことり、あとは頼みます。私は訓練があるので」

ことり「了解!」

ガラッ

絵里「まったく、こんな状態で部隊が成り立つのかしら」

海未「生徒会長……」

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:01:35.78 ID:G8rWNRuVo
絵里「あなたたちのしたことで、学校の名に傷がつくことも考えられるのよ?」

海未「そうならないように努力しています。今も……」

絵里「戦場も知らないルーキーが多少努力したところでどうなるというの」

海未「それは……でも、訓練を積んでいけば……」

絵里「無理ね。私にとっては、あなたたちのしてることは、おままごとよ」

海未「あなたにそんなこと言われたくありません!」



……

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:02:05.18 ID:G8rWNRuVo
神社

希「そう、エリチにそんなこと言われたんや」

海未「どうしてあんなに私たちを敵視するんでしょうか……」

希「エリチは戦争狂なんよ。KKEって知ってる?」

海未「いえ」

希「"Knife kill Eli" 切れたナイフのエリーチカ。戦場でのエリチのあだ名よ」

希「エリチはロシア軍将校の私設傭兵団に所属してたの」

希「世界中の戦場を飛び回って、来る日も来る日も戦いに明け暮れた」

希「エリチが音ノ木坂にくる以前に殺した兵士の数はおよそ150人」

海未「すごい……」

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:03:15.46 ID:G8rWNRuVo
希「その内、銃によるものは100人ほど。残りの50人は素手で殺したんよ」

海未「そんな馬鹿な!」

希「システマの技に腕を鞭のように振るう打撃法があるやろ?」

希「エリチはそれを指先でやるんよ。相手の喉めがけてね」

希「すると相手は、まるでナイフで切られたみたいに喉を裂かれる。それがKKEの由来」

希「その動作がまるで踊ってるみたいだから、
『エリーチカに会ったらbullet(弾丸)よりballet(バレエ)に気をつけろ』
なんて言われることもあった」

希「そんなエリチからしたら、実戦に出たことのない兵士なんて、お遊びにしか見えないってのもわかるやろ?」

海未「……そうだったんですか……」



……

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 23:03:44.34 ID:G8rWNRuVo
そして試験は終わり、マイク分隊の面々は無事合格点を取れた。

穂乃果「大佐に報告しに行こう!」



大佐室

絵里「どういうことですか!」

南大佐「これは決定事項よ。二週間後のオープンキャンパスでいい結果が出なければ、音ノ木坂軍事学校は廃校とします」

穂乃果「えっ!」

♪ちゃららちゃんちゃんちゃーん

素直に追いかけて~

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:25:01.41 ID:6ceQwhdEo
#7 やりたいことは

穂乃果「事態は逼迫している。二週間で国土を燃やさなければならない」

海未「たった二週間でなにかできますかね……」

にこ「そういえばラブライブとかいうのはどうなったの」

花陽「大変ですー!」

バタバタバタ

花陽「ラブライブはアイドルグループじゃないと参加できないらしいです!」

107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:25:54.28 ID:6ceQwhdEo
ことり「アイドル?」

真姫「なによそれ、軍事サミットじゃなかったの?」

穂乃果「きっと隠れ蓑だよ! あらいなんとかっていうのもアイドルの真似してたし!」

にこ「じゃあ私たちもアイドルを装って潜入するわけ?」

穂乃果「うん! アイドルをはじめよう!」

凛「面白そうにゃー!」

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:30:32.21 ID:6ceQwhdEo
生徒会室

絵里「どうしたらいいの……あと二週間で……」

希「どうすればいいか、じゃなくて、なにをやりたいか、が大切なんじゃない?」

絵里「私だってやりたいようにやってうまくいくなら、そうしたいわよ!」

希「だったら……っ」

絵里「私たちの学校のこれからがかかってるのよ……!」

希「ウチずっと思ってた……エリチはいつも自分を押し殺して、人のことばかり」

絵里「そうしなきゃならないんだから仕方ないじゃない!」

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:31:07.13 ID:6ceQwhdEo
希「エリチの本当にしたいことはなに?!」

絵里「私の……したいこと……」

絵里「殺したい……殺して殺して殺して殺して、死体の山に旗を突き立てたい!」

絵里「だけどそんなことして何になるっていうの?!」

希「ウチね、エリチに黙ってたことがあるんよ」

絵里「え……?」

希「ウチの出身地、って言ったらいいのかな。それは、バージニア州マクレーン」

絵里「う……そ……それって……」

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:31:42.18 ID:6ceQwhdEo
希「ホワイトハウスもペンタゴンも、自衛隊を軸に日本の軍事体制を整えたがってる」

希「でも『ウチら』は違う。『ウチら』にとっては、旧帝国陸軍の亡霊であるこの学校が必要」

絵里「C……」

希「それ以上言ったらあかんよ?」

絵里「……」

希「日本にはカンフル剤を打たなきゃならない。軍部の復権のためにね」

希「そのための準備はしてきた。日本は間もなく戦火に包まれる」

希「エリチが踊る舞台は、もう用意されてるよ!」

111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:32:46.61 ID:6ceQwhdEo
屋上

穂乃果「うーん、アイドルって難しいね」

ことり「ダンスなんてしたことないもんね」

にこ「こんなんじゃアイドルを装うなんて無理だわ!」

海未「ダンス……? そうだ! 生徒会長!」

穂乃果「どうしたの?」

海未「生徒会長はバレエが得意なんです! あの人に教えてもらえたら……!」

絵里「私の力が必要なようね、マイク分隊諸君!」

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:33:42.55 ID:6ceQwhdEo
海未「会長!」

希「絢瀬絵里少尉、並びに東條希軍曹! マイク分隊への入隊を志願します!」

穂乃果「本当ですか?!」

にこ「入隊を認めるわ、少尉、軍曹。さっそくだけど私たちは、一週間でダンスを覚えないとならないの」

絵里「お安いご用よ。システマの基礎から叩き込む。
あまりの厳しさに死者が出るかもしれないけど恨まないでよね。
一週間後あなたたちは、最高のウォーマシーン、そして最高のダンサーになってるわ!」

113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:34:27.87 ID:6ceQwhdEo
……一週間。睡眠も食事も許されず、飢えをしのぐ手段は泥水をすすることだけ。

全身に傷を負い、筋肉は腫れ上がり、四肢が痺れ、折れた骨は一本や二本じゃすまない。

気を失おうものなら水中に沈められ、目覚めなければ溺死する。

そんな地獄の特訓をマイク分隊は耐えぬいた。

そしてついに究極の肉体を手に入れたのだ。

乳房は完全に胸板となり、膨らみに乏しかったにこですら、胸囲が100cmを超えていた。

114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:35:55.66 ID:6ceQwhdEo
にこ「さて諸君、悲願のラブライブだ。この日をどれだけ待ったことか……」

穂乃果「ああ、嬉しいよ……俺達はこの日のために地獄のような一週間を送った……」

ことり「死んだほうがマシだと一秒に十回は思ってたぜ……」

海未「だがそれももう終わり……ついに俺達の最高のダンスをお披露目できるというわけだ」

凛「見ていやがれクソッタレどもめ……ラブライブなど踏み台にすぎん」

花陽「そう、俺達はここから世界に羽ばたく……!」

希「マイケルのバックダンサーになるためにな!」

絵里「よろしい、みんな、精一杯頑張りましょ」

真姫「……どこから突っ込んだらいいかわかんないけど、まず性別変わってない?」

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:38:34.12 ID:6ceQwhdEo
穂乃果「いくぞおおおお! マイク分隊、ミュージックスタートおおおお!!!」

全員「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

そしてラブライブの本番。

マイク分隊は、世界でも稀に見るレベルの最高のパフォーマンスを見せつけた。

しかし彼女たちはあまりにアイドル離れしていた。

鋼のような肉体、猛獣すら怯える鋭い殺気、大地が揺らぐほどの威圧感。

彼女たちはアイドルというより、もはやスタローンだった。

当然、最下位に終わった。

優勝者であるA-RISEのメンバー、綺羅ツバサは、彼女たちを見てこう言ったという。

ただ一言「つよそう」と……。

120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:49:04.92 ID:c3VaIpnlo
#8 最高のプラン

海未「ワンツースリーフォー」パンパン

穂乃果「…………」

海未「こら穂乃果、なにさぼってるんです!」

穂乃果「目を覚ませ!」パァン!

海未「あうっ!」

ことり「穂乃果ちゃん、どうしたの?!」

穂乃果「それはこっちの台詞だよ! みんなどうしちゃったの?!」

にこ「次のラブライブに向けてレッスンしてるんじゃない」

海未「そうですよ! 次こそ勝とうって……!」

穂乃果「バカ!」バチッ!

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:51:13.90 ID:c3VaIpnlo
海未「うわぁー!」

穂乃果「なにアイドルぶってるの! 私たちは軍人なんだよ!」

全員「……!!」ハッ

海未「そ、そうでした……すっかり忘れていました……」

穂乃果「廃校決定までもう一週間ないんだよ!」

凛「やばいにゃ……やばいにゃ……」

絵里「安心しなさい! 私たちがアイドルぶっていた一週間は無駄ではないわ!」

真姫「たしかに身体能力は飛躍的に上がったわ」

花陽「素手で喉掻っ切れるようになったしね」しゅっしゅっ

希「あぶなっ! KKE振り回すのやめーや!」

穂乃果「とにかく残された時間でなんとかしないと!」

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:52:27.16 ID:c3VaIpnlo
ブリーフィングルーム

にこ「みんな、良い報せと悪い報せがあるわ。どちらから聞きたい?」

絵里「悪い報せを」

にこ「UTXは普通の学校だった。連合国とはなんの関わりもなかったわ。私たちの攻撃目標にはならない」

穂乃果「うそ?!」

海未「私ははじめからおかしいと思ってたんですよ……そんなわけないじゃないですか」

凛「良い報せはー?」

にこ「三日後、合衆国大統領が来日する」

花陽「まさか……」

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:54:18.40 ID:c3VaIpnlo
にこ「そのまさかよ二等兵。私たち九人の最初のミッションが決まった。大統領暗殺よ」

ことり「ふえぇ……」

真姫「うっそでしょ……本気で戦争になるわよ」

にこ「では作戦参謀、説明を」

希「三日後の夜、銀座で大統領と首相が会食するんよ」

希「そこをウチらが襲撃するってわけ」

希「彼らは50台ほどの車列で到着し、店に入る」

希「そこから作戦開始や。警備に攻撃を仕掛け、大統領が脱出するまでの短い時間が勝負」

穂乃果「はいっ! どうしてそこなんですか? 他にも狙えるタイミングはあるのでは?」

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:55:35.77 ID:c3VaIpnlo
希「まず空港は無理や。セキュリティが厳しいし、脱出経路が多くて向こうに有利」

希「そして宿泊私設を襲うのも無理やな。侵入できても脱出する方法がない。袋のネズミや」

海未「なるほど、街中なら私たちの脱出経路も多く、しっかりしたセキュリティもない」

絵里「非常事態となれば、大統領は狭い店内に籠もってるわけにいかない。あぶり出すのも簡単ね」

希「そういうこと。それと重要な点が一つ。決してウチらの素性が知れてはならない」

にこ「ターゲット殺害よりも、捕まらないことを優先して。暗殺に成功しても捕まったら作戦失敗よ」

希「逆に暗殺失敗しても、全員脱出できれば作戦成功。だから絶対に無理はしないでね」

125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:56:50.67 ID:c3VaIpnlo
真姫「なるほどね、で、敵の規模は?」

希「まず日本の警察が16000人」

にこ「こいつらはぶっちゃけどうでもいいわ。適当にあしらって」

希「問題は米側の戦力。おそらく軍の一個小隊が第一防衛ライン。
そして米警察の特殊部隊が第二防衛ライン。
最後にシークレットサービスが大統領の周りを固めてる」

にこ「最も警戒しなきゃならないのは第二防衛ラインよ。
奴らは都市部での要人警護に長けている。ことこの戦場においては軍より強いと思っていいわ」

希「警護専門のシークレットサービスと違って、制圧力も高い。できれば交戦したくない相手やね」

126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 13:59:05.25 ID:c3VaIpnlo
にこ「作戦概要はだいたいこんな感じ。マップを見て」

希「監視カメラの死角になっているセーフティゾーンをリストアップしてあるよ」

にこ「このセーフティゾーンが状況開始ポイント、かつ脱出ポイントになるわ」

花陽「脱出ポイントがいくつもある? どういうことですか?」

希「簡単よ。まず普通の女子高生の格好で現地入りするやろ?」

絵里「そしてセーフティゾーンで戦闘服に着替えるわけね」

希「そう。で、撤退の際も同じように、適当なポイントで女子高生ルックに着替え、
素知らぬ顔でそこを離れる」

海未「なるほど、日本社会ではこれ以上ないほどの都市迷彩ですね」

にこ「突然現れて突然消える、亡霊兵士ってわけよ」

127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 14:01:24.30 ID:c3VaIpnlo
凛「配置はどうなるの?」

希「こんな感じやね」

観測手→東條

斥候→西木野、小泉

狙撃手→絢瀬、園田

歩兵→(矢澤、星空)(高坂、南)

希「ウチがみんなに情報を伝えるよ。ただ場所がビル街だけあって見通しが悪い。
ウチの死角を真姫ちゃんと花陽ちゃんにカバーしてもらうからね」

花陽「はい、精一杯やります」

真姫「了解よ」

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 14:02:28.13 ID:c3VaIpnlo
希「エリチと海未ちゃんは歩兵のフォローね。特に脱出の成否は二人の仕事にかかってるよ」

絵里「任せて」

海未「成功させてみせます」

にこ「歩兵はツーマンセルを2チーム。しっかり頼むわよ、凛」

凛「がんばるよ!」

穂乃果「私とことりちゃんがコンビかぁ」

ことり「よろしくね!」

にこ「それじゃあみんな、マップをしっかり頭に叩き込んでおくのよ。解散!」

129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 14:04:01.55 ID:c3VaIpnlo
大佐室

南大佐「目的のために自国のトップまで生贄にするとは、とんでもないわね、あなたたちは」

希「大統領の代わりはいますが、帝国陸軍の代わりはないんですよ、閣下。合理的判断です」

南大佐「ま、あなたの国の事情はどうでもいいけどね」

希「それはこちらも同じです。軍が復活したあとの国内事情には関知しません」

南大佐「で、うまくいくのかしら?」

希「ええ、きっと。カードがそう言っています」

南大佐「情報のプロが占い? 面白いジョークだわ、ミス・トージョー」

希「不確かなものにこそ可能性が潜んでいるんですよ、だから面白いのです」

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/05(土) 14:05:42.28 ID:c3VaIpnlo
南大佐「よく言うわ、二の矢、三の矢を準備しているくせに」

希「なんのことです?」

南大佐「あなたの通信記録、調べさせてもらったわよ。イスラム武装組織にもお友達がいるようね」

希「お見通しですか。まあ、そういうことです。この作戦は成功させますよ」

南大佐「心強いことね、ミス。でもひとつ言わせてもらうわ」

希「なんでしょう」

南大佐「なんでもあなた方の思い通りになると思うな。あなたの上司にも伝えておけ」

希「はっ……ははははっ……! ……肝に銘じておきますよ閣下、それでは」

ギィ

バタン……

133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 01:30:14.33 ID:SwrAzRPQo
  _人人人人人人人人人人人人人人人_
  >図解!これがマイク分隊の装備だ!<
   ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

■穂乃果、ことり、にこ、凛:IMIマイクロ・ガリル
ガリルの銃身を切り詰め、折り畳み式ストックに変更した小型モデル。
アサルトライフルとしては非常にコンパクトで、通学カバンに入れて携行しやすい。

■絵里:VSSヴィントレス
大型のサプレッサーと特殊な低速弾を組み合わせ、非常に高い消音効果を実現した狙撃銃。
市街地での近距離狙撃ミッションであるため、隠密性を考慮してこれを採用した。
ギターケースで携行する。

■海未:SVU
ドラグノフ狙撃銃をブルパップ化したモデル。VSSが一丁しかなかったのでこれを使用。
サプレッサーは装着しているが、消音効果は薄いため、脱出時のバックアップが主用途。
同じくギターケースで携行。

■希、真姫、花陽:コルトM1911A1
みんなだいすきガバメント。
一応持ってるが、観測手と斥候は戦闘を許可されてないので基本的に使用しない。

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:36:21.95 ID:SwrAzRPQo
#9 せんゆう

銀座の街を4人の女子高生たちが歩いている。

穂乃果「えー、マジー? 超ゆるふわじゃーん」

にこ「マジおしゃんてぃーなんですけどー」

凛「うちらモテカワだしぃー?」

ことり「激おこだよねー」

希『セーフティーゾーン侵入、周囲に人影なし』

イヤホンから聞こえた声を合図に、女子高生たちは静まる。

マルイの紙袋から取り出したUCP迷彩の戦闘服を制服の上に直接着て、
頭部にアフガンストールを巻き顔を隠す。

素速く着替えると、今度は紙袋からマイクロ・ガリルを取り出す。

マガジンを装着し、コッキングハンドルを引いて、セレクターをセミオートに合わせる。

紙袋は手速く畳んでポケットに詰める。エコのためではない。生きて帰るためだ。

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:37:12.63 ID:SwrAzRPQo
にこ「配置についたわ、指示を」

希『ゲット・レディ』

希が手元のリモコンを操作すると、エリアの一角で爆発が起こった。

4人の歩兵がいるブロックの対角方向だ。陽動である。

希『オープン・ファイア』

絵里『ファイア』

VSSのバレルが跳ね上がり、9x39mmSP-6徹甲弾がシークレットサービスの顎を食いちぎる。

にこ「いくわよ! ゴー、ムーブ!」

歩兵部隊が行動を開始する。互い違いに二列に並んだ隊形で、静かに、迅速に前進する。

曲がり角の先に敵兵士を発見した。

にこ「コンタクト。どうする?」

希『速やかに排除』

にこ「了解」

マイクロ・ガリルが火を吹き、敵兵士の膝が弾ける。

何が起こったかもわからず崩れ落ちる敵に、二発三発とフルメタルジャケットを叩き込む。

138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:37:57.37 ID:SwrAzRPQo
にこ「タンゴ・ダウン」

にこは敵の死亡を確認すると、ハンドサインで隊に前進を指示した。

穂乃果「さっきの爆発のお陰でこっち側は敵が少ないね」

ことり「ちょっと安心したかも」

凛「今のうちにどんどん進むにゃー」

にこ「無駄口を叩かないように」

希『そのまま進むと敵が複数いるエリアに入るよ、油断しないでね』

にこ「了解」

希『エリチ、そこから見える?』

絵里『見えないわ、一つ先の十字路まで押し込んでくれれば狙えるけど』

にこ「みんなやることはわかるわね?」

穂乃果「もちろん」

希『6人いるよ、確認できる?』

にこ「確認したわ。とっとと片を付けるわよ」

にこは隊に待機の指示を出し、MK2破片手榴弾のピンを抜いた。

二秒待ってそれを敵集団に投げ込む。

139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:39:09.64 ID:SwrAzRPQo
にこ「斉射」

手榴弾が炸裂するとともに、4人の銃弾が一斉に敵を襲う。

この奇襲によって敵は次々と倒れた。

咄嗟に身を隠した者はたまらず後退するが、その先こそがキリング・フィールドだ。

絵里『いらっしゃい』

虎視眈々と待ち受けていた絵里がVSSのトリガーを引くと、最後の一人も沈んだ。

にこ「お見事」

花陽『今の爆発音と銃声でこちら側の敵に察知されました。場所も特定されてるみたいです』

真姫『陽動で混乱した奴らも態勢を整えて集結し始めてるわよ』

希『敵の規模と進行ルートは?』

花陽『CブロックからEブロック方面へ移動中、一個分隊です』

真姫『こっちはまだ動いてないわ、でも時間の問題よ』

海未『そのルートなら私のレンジに入ります。撃ちますか?』

希『まだや、海未ちゃん。居場所がバレたらまずい』

海未『了解、引き続き待機します』

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:41:09.77 ID:SwrAzRPQo
にこ「オーケー、歩兵部隊は予定通り二手に別れるわよ」

希『穂乃果チームはEブロック方面へ、にこチームは迂回して敵のサイドに出て』

穂乃果「了解、行こうことりちゃん」

ことり「うん」

にこ「凛、付いてきて」

凛「アイサー」

希『ここからじゃそちらの様子はわからない。海未ちゃん報告して』

海未『敵は想定されたルートを進行中。このままいけば数十秒後に穂乃果チームとコンタクトします』

真姫『こちらも動き出したわ。Aブロックから一個分隊が南下中』

絵里『そいつらは私が受け持つわ』

ことり「穂乃果ちゃん、きたよ」

穂乃果「敵分隊確認、いきます!」

希『にこチームが到着するまで踏ん張って!』

穂乃果とことりがビルの角から半身を覗かせて射撃を開始する。

しかし敵も警戒態勢であったため、これまでの奇襲のようにはいかなかった。

素速く遮蔽物に身を隠し、応戦してくる。

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:42:54.66 ID:SwrAzRPQo
穂乃果「おっと……!」

銃弾がビルの壁面を削り取り、穂乃果は慌てて顔を引っ込める。

ことり「二人で分隊相手はやっぱり厳しいね」

接近を許すとそのまま物量で押し切られてしまう。

危険だが絶えず撃ち続けなければならない。

花陽『にこチーム見えました。そのまま大通りの方向へ行けば敵の右翼に出ます』

にこ「オーケー」

凛「急ごう!」

穂乃果チームはなんとか敵の侵攻を食い止めているが、弾薬の消費が激しく、ジリ貧だった。

敵の攻勢に耐えるにはフルオートでばら撒くしかなかったのだ。

穂乃果「ことりちゃん、手榴弾は?」

ことり「あといっこ!」

穂乃果「まずいなぁ」

そのとき敵のフォーメーションが崩れた。

二人か三人か、地べたに這いつくばるのが見えた。

ことり「きた!」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:43:57.18 ID:SwrAzRPQo
にこチームが敵のサイドから襲撃を食らわせたのだ。

だが敵の対応も迅速だ。隊から何人かが分離し、にこチームに狙いを定める。

凛「こっちにくるよ」

にこ「さがって」

絵里『こちらの敵を何人か撃ち漏らしたわ』

希『にこっち、そっちに行くはずよ、退避して』

にこ「移動するわよ。合流されたら面倒だわ」

にこチームはきた道を戻る。しかし敵も追ってきた。

にこ「穂乃果たちは消耗してると見て、私たちを目標にしたんだわ」

凛「どうしよう!」

にこ「逃げながら倒す。絵里が逃したやつらがくる前に片付けないと」

二人は追ってくる敵に応戦しながら、可能な限り急いで後退する。

角を曲がったところで、ビルの壁面に外階段が備えられているのに気付いた。

にこ「これを使うわ、凛、登って」

凛「了解だにゃー!」

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:44:28.70 ID:SwrAzRPQo
凛が階段を駆け上がり、二階のドアから建物内に進入する。

にこは近くの電柱に身を隠し、突き当りの壁に向けて射撃した。見せ弾だ。

曲がり角の直後で止まらず、もっと奥まで退避していることを知らせるためだ。

敵はまんまと乗せられた。曲がり角の直前まで到達し、そこで止まった。

その姿は建物二階の窓から丸見えだった。

凛はフルオート射撃で窓を粉々に割り、すぐさま身を乗り出して眼下の敵に銃口を向けた。

にこは窓が割れる音を合図にして手榴弾を投げ込む。

銃声と爆発音が鳴り響き、そして次に凛の声が聞こえた。

凛「クリア!」

にこ「上出来! さあいくわよ」

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:46:19.69 ID:SwrAzRPQo
希『おかしい……誰か、特殊部隊を見た?』

花陽『こちらは見ていません』

海未『こちらもです』

希『どうして出てこないの……向こうさんにもかなり被害が出てるのに』

絵里『この戦闘を静観してるとは思えない……見逃したんじゃないの?』

真姫『私と希の位置から、車列はすべてカバーできるのよ、見逃すなんてありえないわ』

希『どういうことや……』

海未『待ってください! います! 撃たれました!』

穂乃果「ねえ、敵が多い! どうして?! さっきより増えてるよ!」

ことり「さっきまでの軍人さんと服が違う!」

希『やられた……! 出てこないんじゃない! はじめから戦場にいたんや!』

絵里『私たちがくる前から、配置済みだったっていうの?!』

希『今までは歩兵チームの動きを見て、ウチらの位置を割り出してたんや!』

海未『くっ、だから私の位置がバレてるんですか……!』

145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:47:33.76 ID:SwrAzRPQo
希『おそらくほぼ全員の位置が割れた……だから出てきた!』

凛「こっちにもいるよ! 黒い戦闘服のやつら!」

にこ「ねえ、どうするの希! 指示を!」

希『花陽ちゃん、そっちのエリアに民間人はいる?』

花陽『いないと思います、避難済みです』

希『よし……ら一帯に……けた爆薬を全部起……これで……全てが脱……ントや』

にこ「なに? ノイズが入ってよく聞こえないわ、もう一度言って!」

無線の大部分がノイズ混じりになった。ジャミング攻撃がはじまったのだ。

希『……信妨害……くそ……みん……げて……全力で……繰り返……力で脱出……』

希がリモコンを操作すると、数寄屋橋エリア一帯のいたるところで爆発が巻き起こった。

最悪の事態に備えて、すべての監視カメラを破壊するために仕掛けられていたものだ。

これによってエリア全体が脱出ポイントとなった。

146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:48:19.13 ID:SwrAzRPQo
絵里『脱……脱出脱……出……脱出……聞こえた?! ……』

無線はもはやほとんど聞こえなくなっていたが、脱出することだけはわかった。

海未は近くで敵と交戦している穂乃果チームに直接声をかける。

海未「穂乃果、ことり、脱出です! 急いで!」

ドラグノフで二人を援護する。

が、位置が知られているため、顔を覗かせれば撃たれる。狙撃がままならない。

それでもなんとかギリギリの角度で射撃する。

しかしそう長くは保たないだろう。建物内に侵入されたら一巻の終わりなのだ。

近接戦闘に持ち込まれたら、狙撃銃しか装備していない海未に勝ち目はない。

穂乃果「脱出……! しようにも……! これじゃ……!」

ことり「囲まれてるよ! 穂乃果ちゃん!」

相手は軍人が3人、特殊部隊がおそらく4、5人。

複数方向から囲まれている分、軍人だけを相手にしていたときよりも状況は悪い。

しかも弾薬の大部分を消費してしまっているのだ。

147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:50:20.35 ID:SwrAzRPQo
海未「なんとか私の方向へ逃げてください! バックアップします!」

海未がいる場所はエリアの端だ。脱出するには最も近道なのである。

しかし、そこへ辿り着くには大通りを横切らなければならない。

前と後ろに敵がいる、遮蔽物もない通りを渡るのだ。

穂乃果「抑えきれない!」

ことり「もう弾が切れちゃう! ここにいたら駄目だよ!」

海未「合図したら走って! いきますよ! 3、2、1、ゴー!」

海未がスタングレネードを投げた。

広い大通りの複数方向に展開している敵に対しては、大きな効果は期待できない。

それでも、このなけなしの装備に頼るしか活路がなかった。

穂乃果とことりは、合図と同時に走りだした。

敵の復帰は早かった。

大通りを渡り切るすんでのところで、こちらに銃口を向ける敵の姿が、ことりの眼に映った。

149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:52:22.65 ID:SwrAzRPQo
ことり「穂乃果ちゃん、危ない!」

ことりは一歩前を走っていた穂乃果の背中をぐいと押しやった。

穂乃果はその勢いでバランスを崩し、大通りを越えたところの路地に転がり込んだ。

銃声が聞こえた。

咄嗟に振り返った穂乃果の眼に入ったのは、血まみれの脚を引きずってもがき這うことりだった。

穂乃果「うわあああああ! ことりちゃん! ことりちゃあん!」

ことり「ほの……に……げて」

そのとき既にことりの視界はほとんど闇だった。

眼を開けているつもりなのに、すぐそばにいる穂乃果の姿すらぼんやりとしか見えなかった。

穂乃果「ことりちゃん、しっかりして! 逃げよう! ねえことりちゃん!」

穂乃果は必死でことりの腕を引っ張る。

しかしことり自身に動く力が残されていなかった。

そのため、まるで死体を引きずるような重さだった。

ことり「げ……て……ほ……の……」

穂乃果「駄目だよ! 一緒にいくんだよ! ことりちゃあん!」

ことりは最後の力を振り絞って、残り一個の手榴弾を掴んだ。

150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:53:46.25 ID:SwrAzRPQo
…………

……



南大佐「作戦失敗、かしら?」

希「いいえ、成功です」

南大佐「暗殺できなかったんでしょう?」

希「私たちのミッションは示威行動なのです。
政治的暗殺ではなく、軍事的攻撃であることをしらしめるための、ね。
だから、『戦闘を行うこと』そのものに意味があったんです。
おかげで大統領の宿泊先が、民間のホテルではなく、迎賓館に変更になりました。
政府私設というのは、情報が非常に多くて、私たちにとってはやりやすいんですよ」

南大佐「迎賓館になにか仕掛けがあるわけ?」

希「まあ、地図を書き換えることになるかもしれませんね」

南大佐「滅茶苦茶だわ」

希「そうだ、私、CIAを辞めようと思っています」

南大佐「あら、監視の目がなくなるってこと?」

希「それは……私の代わりがくると思いますけど」

南大佐「そう、残念だわ。しかしどういう風の吹き回し? せっかくの立場を捨てるなんて」

希「そうですね、まあ……『ウチを入れて9人』っていうことですかね」

151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:56:52.30 ID:SwrAzRPQo
# エピローグ

装甲車が揺れる。

私たちを戦地に運ぶ。

銀座での作戦のあと、迎賓館に飛行機が墜落し、大統領は逝去した。

戦争と呼んで何ら差し支えない戦闘が国土の中で起こったことで、軍拡の論調は日に日に高まっていった。

その結果、自衛隊と軍部はともに解体、再編され、日本国防軍として生まれ変わった。

国防に繋がることであれば、他国での軍事行動も許可される組織だ。

まさしく我が日本国は戦争ができる国になったというわけだ。

犠牲になったものもあった。

東アジア諸国とロシアとの関係悪化だ。しばらくの間、極限の緊張状態が続いた。

やがて張り詰められたゴムは、北朝鮮による「やってはならない挑発行動」によって、ぷっつりと弾けた。

第三次世界大戦の幕開けだ。

152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:57:23.06 ID:SwrAzRPQo
……そして私たちはここにいる。

作戦区域に到着し、装甲車が止まる。

後部ハッチが開き、私たちはこれから戦場となる地面を踏みしめる。

にこ「点呼!」

穂乃果「いち!」

海未「さん!」

真姫「よん!」

凛「ご!」

花陽「ろく!」

にこ「なな!」

希「はち!」

絵里「きゅう!」

153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 22:58:40.13 ID:SwrAzRPQo
ひとつ、昔と変わったことがある。

隊の名称を改称したのだ。

マイク分隊……M'sはもうなくなり、私たちは今、μ'sと名乗っている。

ミューズ、9人の女神の名だ。

私たちがかつて9人であったことを、決して忘れないようにという思いを込めて、そうした。

にこ「展開!」

私たちは装甲車の左右に別れ、4人と4人の組になって整列する。

まるで……。

鳥の翼のようだな、と、ふと思った。

155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 23:00:26.47 ID:SwrAzRPQo
# エピローグ2

ねえねえ、聞いた? またμ'sが勝ったんだって!

すごいよね! ああいう人たちを英雄っていうんだよ!

私この学校に入ってよかったぁ、μ'sの後輩ってだけで自慢になるもん。

それにしても、なんでμ'sなんだろ?

9人の女神っていう意味らしいけど。

でも、8人だよね? μ'sって。

それが、聞いた話なんだけど、あとの一人は、戦場で脚を切断する大怪我をしちゃったんだって。

除隊したっていうこと? それとも……。

それがわからないんだよね……生きてるか、死んでるかも……。

156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 23:00:57.48 ID:SwrAzRPQo
開戦前の極秘任務だったから、記録が残ってないって聞いたよ。

あれ? そういえば、理事長って……。

片足が……。

まさか……ね。

あっ、ねえ、理事長が視察にきてるよ!

聞いてみる……?

う、うん、聞いてみよう!

あの、理事長、少しよろしいでしょうか……?

ことり「ん? なにかな?」



終わり