2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:45:25.07 ID:TqFmN44yo

※初めに

今回のお話のメインはμ´sの9人ではありません

9人以外のお話が見たくない方は

閉じた方がいいかもしれません


一応アニメ本編にもちらっと登場した人物です

私自身が何となく気になったので妄想を垂れ流していきたいと思います

読まなくてもなんともなるようにはしてるつもりですが多分出来てない気がするので、
一応↓の既読推奨です

【ラブライブ】 雨のちビー玉時々しゃぼん玉


では、それでもと言う方だけ
暇潰しにお使いください

引用元: 【ラブライブ】雨のちビー玉時々しゃぼん玉 ーエピローグー 

 

ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル official fan book

KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 3
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:47:41.02 ID:TqFmN44yo

―――Epilogue to side ―――



「主人公(その他)」


―――――――――――――――――――――――

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:49:12.24 ID:TqFmN44yo

「…ねぇ…」

「ん、何?」

「何もあんな言い方…、なかったと思うんだけど…
何かもっと他に優しく伝える方法なかったのかなぁ…って」


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:50:07.40 ID:TqFmN44yo

「じゃあ言ってみて?何かあった?
他に上手く伝えられる方法」

「それは…」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:51:56.84 ID:TqFmN44yo

「まあ…、私も言い方は悪かったと思ってるよ。
不器用なりに色々考えたんだけど、その度に自分の中でもやもやしてさ。
でも、結果的にだけどあれで良かったと思ってる」

「矢澤さん…、怒らせちゃったのに…?」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:52:45.36 ID:TqFmN44yo

「ほんの数ヵ月一緒に居ただけだけどさ、わかったんだ。
矢澤さん、スッゴい意地っ張りで負けず嫌い。
妙に自信家で見栄っ張りだしプライドも決して低いわけじゃあなかった。
それでいて皆よりちょっと身長低いからなんだか生意気に見えちゃって。
初めは、私達のリーダーこんなで大丈夫なのかなって疑問にも思ったわ」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:53:38.75 ID:TqFmN44yo

「でもね、そんな疑問はあっという間に吹き飛んでいった。」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:54:34.86 ID:TqFmN44yo

「私ね、一月前位に部室に教科書忘れて帰ってたのよ。帰ってから気付いたんだけど、すぐに必要な物でもないから明日、朝少しだけ早めに家を出てパッと部室に取りに行こうと思ったわけ。
んで、次の日、学校について職員室に部室の鍵取りに行ったら鍵がないのよ。」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:55:17.66 ID:TqFmN44yo

「先生に聞いたら今日は二人で掃除かー?
なんて茶化してくるの。最初は意味がわからなかったけど、もしかしてと思って部室を窓から覗いたら居たのよ、矢澤さん。」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:56:18.69 ID:TqFmN44yo

「すっごく嬉しそうに掃除してた。
それでね、なんだか分かんないけど入り辛くてずーっと眺めてたら流石に目が合っちゃってね。
矢澤さん、凄く驚いてたわ。
私達に言わずに掃除なんかしてるんだもん、見つかりっこないと思ってたんでしょうね。
でも、見つけちゃったし見つかった。
別にお互い悪いことしてる訳じゃないのにすっごく変な気分。」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:56:53.61 ID:TqFmN44yo

「でも、ここで目を逸らして逃げる理由もないし、部室に入ったの。教科書もあるしね。
で、私から声を掛けたわ、おはようって。
多分、恥ずかしいとこ見ちゃったお詫びにとでも思ってたのかしらね。
そしたら勿論、矢澤さんも返事をくれた。
でもその後面白い位会話が続かないの」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:57:35.71 ID:TqFmN44yo

「同じ学年だけど違うクラス。
同じ部活の部長と部員だけど、
特別仲がいい訳でもない、ただそれだけ。
私がそんな風に思っちゃってたからでしょうね。
妙な空気の部室にから早く抜け出したいから、教科書だけど持ってさっさと教室に行こうと思った。
でも、ほんの少し気になったから聞いてみたの


14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:58:21.35 ID:TqFmN44yo

「いつも朝早く来て部室掃除してるの?って。
そしたら恥ずかしそうに目を逸らして矢澤さん、皆が集まる大事な場所だからいつでも綺麗にしときたいのよ。って」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 09:59:41.93 ID:TqFmN44yo

「その時は素直に凄いなって思ったの。
好きなことの為にそこまでなれるものなんだって。
それで、なんだかこっちも恥ずかしくなって、また放課後に、って言って部室を出たわ」

「そんなこと…あったんだ…」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:00:13.44 ID:TqFmN44yo

「そんな事があったからその後気になってね、放課後、矢澤さんを尾行してみたの」

「?…なんで?」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:00:56.97 ID:TqFmN44yo

「私達、矢澤さんとはクラスも違うし、放課後部室に行くのもいつも放課のチャイム鳴った3、40分後でしょ?
帰るのもガッコの指定時間だし」

「朝、あんなことしてるんだから放課後もなんかしてるんじゃないかなーって思ってね」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:01:32.26 ID:TqFmN44yo

「それ、別に隠れなくてもよかったんじゃないかな…?」

「…、なんか…、恥ずかしいだろ…」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:02:04.16 ID:TqFmN44yo

「見つかったときのこと考えたら、そっちの方が方がよっぽど恥ずかしいよ…」

「っさい!結果、見つかんなかったからいいんだよ!」

「ならいいんだけど…」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:02:36.52 ID:TqFmN44yo

「話、戻すよ?」

「うん」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:03:08.84 ID:TqFmN44yo

「でね、なんと言うか、やっぱりと言うか、
色々準備してた。
何回か活動の前後をつけてみたんだけど、
部室で何かする時は色んなアイドルの雑誌だとかDVD、
体育館使える時は使用前後の清掃、
アイドルには休暇も必要なの、今日はリラックスする為に活動はお休み!
なんて言った日は、私達が帰ったのを見計らって、一人で振り付けやステップの練習をやってたわ」

「…矢澤さん、やっぱり凄いね…」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:03:39.69 ID:TqFmN44yo

「うん、凄い。
…凄い意地っ張り。
妙に自信家で見栄っ張りだしプライドだって人一倍。おまけにめちゃくちゃ負けず嫌い」


23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:04:08.38 ID:TqFmN44yo

「…でも、
そのくせ何倍も、何十倍も努力家で。
好きなことに物怖じせず、真っ直ぐ進んでいけて。
それで、何だかんだで結構回りが見えてて、優しくて。
自分の為にも、私達の為にも頑張れちゃうくらい意思が強くて。
ちょっと生意気だけど、そんなとこも格好よく見えてきて」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:04:46.68 ID:TqFmN44yo

「…だから…、辞めなきゃって思った」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:05:23.89 ID:TqFmN44yo

「このまま本気の矢澤さんと一緒にいて、
中途半端で適当な気持ちの、飯事気分の私達が一緒にいたらこの人が輝けないと思った。
同じ舞台に立っちゃいけないと思った。
この人の輝きがくすんでしまう、そんな気がしたの」

「…―――ちゃん…」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:06:42.73 ID:TqFmN44yo

「…って、なんてのは建前の綺麗事で…。
きっと、嫉妬しちゃってたんだと思う。
何事にも本気になれない、これといって大切なものなんてのもパッと思い付かない。
皆から竹を割ったような性格だとか、クールだとか言われてるけど、要するに執着がない、諦めが早い、拘りのひとつも持てないだけなんだよね。
そんなんだから、いつまでたっても全てがごっこ遊びみたいな」

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:07:53.92 ID:TqFmN44yo

「そんな私の前にみたいに現れた矢澤さん。
今までこんな人に出会えたことなんてなかった。太陽みたいに眩しくって、熱い人だと思った。
この人の近くなら、こんな私も少しは変われるかと思った」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:08:33.14 ID:TqFmN44yo

「…こんな私って自分でも分かってた筈なのに。
その時きっと、目の前の輝きに目が眩んで、自分が光ってるって錯覚しちゃったんでしょうね。
太陽に近付きすぎればどうなるかなんて、小学生でも知ってるのにね」


29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:10:34.41 ID:TqFmN44yo

「端から見聞きすりゃあ、まだ高校生なりたての糞ガキがなにぶってんだ、なんて嘲笑されるかもしんないけど、多分この先も、私はこのままな気がする」

「…あのっ」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:11:23.80 ID:TqFmN44yo

「だからさっ、こんなこと考える前のちっさい頃からの付き合いの――には感謝してんだよ?
今でも一緒にこうやって腹割って話せんの――位だしね」

「ごめんね…さっきは…。
…―――ちゃんの方がいっぱい、
矢澤さんからは悪者に見えてたと思う。
なのに、…全然、フォロー出来なかった…」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:12:14.50 ID:TqFmN44yo

「終わったことは気にしないの。
それに、人生ってのには嫌われ役や引き立て役が必要なのよ。
じゃないと、正義の味方や凄い人が格好つかなくなっちゃうでしょ?」

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:13:35.13 ID:TqFmN44yo

「誰しも自分が舞台の主人公って思い込みたい。
だけど主演を担えるのは世界中の人の中でもほんの、ほんの一握り。
残りの9割9分の人間は自分に嘘ついてでも、
脇役人生終わらせなきゃなんないのさ。
そんなもんだよ、人生ってきっと」

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:14:18.58 ID:TqFmN44yo

「…さっ、また天気悪くなりそうだし、
走って帰るか、駅まで競争な?
勿論、負けたら明日はジュース奢りっ」

「ええー!?んもう!
―――ちゃん!フライングだよ~!
私が足遅いの知ってる癖にぃ!」

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:20:42.84 ID:TqFmN44yo

ほんの少しだけ遅れた分を取り戻すように走り出す

噛み締める奥歯位じゃあ隠しきれない感情は

私の心にどんより滲み

心臓から全身に送り出されて

巡りめぐって涙腺から溶けだした

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:21:57.97 ID:TqFmN44yo

久し振りに転んで靴紐がほどけて

忘れていた想いがぶり返す


36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:22:35.51 ID:TqFmN44yo

私は私を守るため

今夜も想いを忘れます

今夜も嘘を創ります

嘘を身体に染み込ませる為の窮屈な夜

少しだけ馴染んだ頃に目を覚ます鬱陶しい朝

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:25:13.41 ID:TqFmN44yo

私のベッドのまわりには

ずっとずっとずっと前から

いくつもいくつもはみ出した

嘘や想いが転がり回っている

何の役にもたちはしないただのガラクタの山

棄てられないから駄目なのか

棄てたその日から駄目になったのか

いつになったらこの嘘にまみれた身体は

本当を纏って目覚められるのだろうか

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:26:10.32 ID:TqFmN44yo
――

これでもう何度目になるのかな

そんなこともう覚えてられないよ

繋がって初めて温もりをもらったあの日から

私はずっと弱いまま

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:26:44.41 ID:TqFmN44yo

あなたはこれから後何度

私に触れてくれるのかな?

私はこれから後何度

あなたの傷と涙を癒せるんだろう?

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:27:20.93 ID:TqFmN44yo

あなたが眠る前に零した

何処にも響かないメロディを

紡いで終えられる場所があれば

それは決してここじゃなくても

きっと私は笑っていられるよ

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:28:04.83 ID:TqFmN44yo

限られた温もりを数えたい弱い私に

届かない日のあなたと私の距離は

どれだけ経っても戻らないけど

これからは二人手が触れる位置で

それが当たり前だって位に

嘘みたいに笑っていられたらいいのにな


42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:32:39.48 ID:TqFmN44yo


――――――――――――――――――――――――

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:37:39.71 ID:TqFmN44yo

珍しく朝から雪が降った東京 秋葉原

こんな公共交通機関も麻痺してしまうような日に

うちの学校も入学生説明会なんて運が悪い

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:39:27.11 ID:TqFmN44yo

そして

こんな日に今巷で大人気らしいスクールアイドルの甲子園とか言われてる大会の最終予選があるなんて本当に運が悪い
神様もなかなか酷なことをするもんだ

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:42:40.50 ID:TqFmN44yo

コートを着込んでても震えてくる寒い日に外で歌って踊ってパフォーマンスなんて馬鹿みたいでやってらんないわね

こんな日にそのアイドルを見に行くなんてもっとバカなことやる人も居るけど

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:44:13.51 ID:TqFmN44yo

でも、きっと

そのアイドルの中の一人と2年前関わった事があって
ずっと気になってて
素直な気持ちでごめんも言えずに
別れてしまったことを後悔してる私は


ここにいる誰よりもバカなことは間違いない


47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:44:53.86 ID:TqFmN44yo

9人のメンバーの想いが繋がってできたっていう
うちの学校のスクールアイドル
最初に名前を聴けば誰もが石鹸?だなんて聞き返すこと受け合いな名前
本当は北欧神話の9人の歌の女神からとったらしい
中々どうしてハイカラな考えをする人がうちの学校にもいたもんだ

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:45:48.58 ID:TqFmN44yo

でも今はそれがしっくりくるくらい
舞台の彼女たちは眩しくて

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:46:32.22 ID:TqFmN44yo

灰色の空の下 粉雪が降ってきた
ステージの青白い証明に
雪が透き通ってぼやけて光って見える

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:47:08.69 ID:TqFmN44yo

ライブ前の微妙なざわつき
アーティストやバンドのライブで何度か体感したことがあるアレとは
何だか心地が違って感じるのは私の今の気持ちのせいだろう


51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:57:06.53 ID:TqFmN44yo

もう少しで始まるのだろう
メンバーが手を繋いだ
客席は静まり返る

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:57:47.79 ID:TqFmN44yo

メンバーのリーダーの妹さんがお姉ちゃんと、お母さんがリーダーの名前を呼ぶ
それに呼応するように他のメンバーの名前が呼ばれていく

53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 10:58:35.90 ID:TqFmN44yo

静かな所為か 冬の所為か ステージの所為か
声が思ったよりも通る
そんな中で
私は奇しくも2年前に関わったあの子の名前を呼ぶことになった

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:08:08.07 ID:TqFmN44yo

ほんの30分ほど前
ちょうど近くにいた妹さんたちと話してたウチの生徒が居てこんなことになったらしい
その時私の友人も近くにいて話しに食い付いて
なんというか、半ば巻き添えのような感じで参加している

じゃんけんで言う順番を決めたから完全に運任せだったのだけど
神様のいたずらと言うか
偶然と言う名の必然と言うか
だけど思ったより嫌な気分はしなかった

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:09:08.45 ID:TqFmN44yo

4人、5人と名前が呼ばれて
私の番が近付いてくる
そして私は最後に
普段の何倍もの声で
彼女の名前を大声で叫んだ

「―――!」

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:09:39.07 ID:TqFmN44yo

つもりだったのに
彼女自身から聞いたちょっとへんてこなアダ名の方を呼んでいた


57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:10:23.81 ID:TqFmN44yo

時その子が自信満々でやってみせたパフォーマンスと一緒に呼んでたアダ名とフレーズ
初めてみた時は
正直バカっぽいしなんかちょっと痛いし
なによりあの子がやると何だかあざとく見えちゃって

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:11:08.51 ID:TqFmN44yo

だけど何でかな、その時私達3人は
への字眉毛の困り顔にちょっと小馬鹿にしたような顔
そして真ん中の太陽みたいな眩しい笑顔
みんなちょっとずつ気持ちは違った筈なのに
みんな笑顔になってた

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:11:46.98 ID:TqFmN44yo

言葉の響きというか雰囲気というか
ちっちゃい子供のおまじないみたいだったからなのかは
未だによくわからないけど

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:12:23.00 ID:TqFmN44yo

そのアダ名に反応したのか
私の声を覚えていてそれに反応したのかは分からないが
その子がキョロキョロと客席を見回しだす
左右アシンメトリーの前髪が左右に揺られツインテールが軽く跳ねる

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:13:11.22 ID:TqFmN44yo

私は見付かりたくなかった筈だったのに
ステージに背を向け客席の後ろ側に下がった
誰もがステージの彼女達のこれからのパフォーマンスを心待ちにし、視線を、期待を向けている最中
誰も見ているはずがない
客席の一番後ろの真ん中辺りにやって来た

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:13:58.66 ID:TqFmN44yo

今私が見えるのは舞台上の9人だけ

私は後ろを向いたまま片手を真っ直ぐ空に上げ

開いた手の指の中指と薬指だけを折り曲げた

そのまま少し目を瞑ったら

誰にも聞こえない声で小さく

あのフレーズを呟いた

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:14:36.10 ID:TqFmN44yo

「…なんだ、やっぱりバカっぽいし
なによりめちゃくちゃ恥ずかしいじゃんか…
誰も見てないのにさ」

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:15:27.67 ID:TqFmN44yo

その時私は

「やっぱりあの時、辞めて正解だったわね。
私、こんなのみんなの前で出来っこないもの。」

自分勝手に救われた

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:16:02.77 ID:TqFmN44yo


優しいピアノの旋律が聞こえてきた
ステージを背に振り向かずに歩く


66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:16:53.48 ID:TqFmN44yo

私がもし
あの日からあの子と一緒にいたなら
こんな今日も無かったんだろう
あの子がステージに立つことも許されなかっただろう


67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:17:42.35 ID:TqFmN44yo

だから、私はここでいい
スポットライトなんて浴びない
平々凡々な毎日を愛し続ける

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:18:17.49 ID:TqFmN44yo

あの子はあそこで輝ける
スポットライトなんて目じゃないくらい
あの子自身が眩しくて
沢山の人に愛され続ける
沢山の人を笑顔にできる

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:18:49.45 ID:TqFmN44yo

そんな奇跡みたいなことを実現できる
必然の様に集まった9人
端から見てる私でもわかる
あの9人じゃなきゃ駄目なんだって
あの9人だからここまで来たんだって
あの9人だから
あんなに笑顔になれるんだって

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:19:41.86 ID:TqFmN44yo






「…ありがと、…矢澤さん」





71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:20:08.24 ID:TqFmN44yo

どこからか知らぬ間に溢れた言葉は
誰にも気付かれないまま
真っ白な雪に混ざって溶けていった

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 11:20:42.16 ID:TqFmN44yo
終。