1: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:42:00.88 ID:E8ts5IVh0
にこ「希、今日は練習来れるの? 最近バイト忙しいみたいだったけど」

希「今日からは大丈夫やで。だからこうして1番乗りに……ってにこっちが最初かぁ」

にこ「そうよ」

希「……明日は土曜日やんな?」

にこ「そうね」

希「にこっち暇?」

にこ「あんたのために空けてあるわ」

希「わーい! にこっち愛してる!」

にこ「はいはい」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407242510

引用元: にこ「希はテンパってる時がかわいい」 

 

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2: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:44:21.18 ID:E8ts5IVh0
希「にこっちの愛が冷めた……」

にこ「冷えるのは部室だけで十分よ」

希「そう? あんまり冷房効いてない気がするけど……」

にこ「今日は窓開けた方が涼しいんじゃないかしら」

希「んー……おお!」

にこ「これなら洗濯物もすぐ乾きそうね」

希「飛んでいきそう」

にこ「……確かに」

3: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:46:29.86 ID:E8ts5IVh0
希「こんないい天気やったら……ふわぁ、眠くなってきた」

にこ「寝るんじゃないわよ?」

希「にこっちがおんぶして連れてってくれるはず」

にこ「物理的に無理よ」

希「あはは」

にこ「ほら、ぐーっと伸びでもしてみたら?」

希「わかったー……」

にこ「寝てる寝てる」

5: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:50:55.40 ID:E8ts5IVh0
希「うーん……練習やしちゃんと……んー!」

にこ「希、シャツ出てる」

希「ちょっとくらい許してー」

にこ「おへそ見えてる」

希「もうちょっと……ぐぐぐ」



バツンッ



にこ「……え?」

希「……」

にこ「希、服から割れたフックみたいなの出てきたけど……まさか……」

希「……どうしよ」

にこ「……」

希「ブラ壊れた」

にこ「……やっぱり」

6: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:53:30.94 ID:E8ts5IVh0
にこ「何? またちっちゃいのにしたの?」

希「ま、またって何?」

にこ「いや、前もちっちゃくなったとか言ってたから」

希「だ、だって高くなる……じゃなくて! 違うって!」

にこ「また大きくなったの」

希「……はい」

にこ「……」

希「にこっち嬉しそうな顔……」

にこ「いや、顔真っ赤にして可愛いと思って」

希「セクハラ!」

8: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:56:53.47 ID:E8ts5IVh0
希「うぅ、どうしよ……久しぶりに練習やのに」

にこ「あんた練習出る気?」

希「だ、だって……」

にこ「そんな野に放たれた猛獣をほっとくわけにはいかないわ」

希「……そうやけど」

にこ「ほら、まだ使ってないマフラータオル、使う?」

希「ん……手伝って」

にこ「やだ」

希「に、にこっちぃ……」

にこ「嘘よ。ほんとかわいいわね」

希「むー!」

10: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 21:59:09.61 ID:E8ts5IVh0
にこ「ほら、部室鍵閉めるわよ。そっちはカーテン閉めて」

希「わかった」

にこ「……」

希「こっち閉めたよー……ってにこっち! ドア全開やん!」

にこ「ごめんごめん」

希「ぐぬぬぬ」

にこ「上着脱いで」

希「い、いつもはわしわししてる側にされるなんて……」

にこ「いや、そこまでするつもりないけど」

希「……ほんと?」

にこ「ええ、あんたの上目遣いに誓って」

12: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:01:47.40 ID:E8ts5IVh0
希「に、にこっち。こっち見たら……」

にこ「見るも何も、前で止めるしかないでしょ。後ろでまとめたら背中が出っ張るじゃない」

希「……」

にこ「前で結ぶのだけはやってあげるから、ちゃんと目を閉じとくわ」

希「覗いたら怒るで?」

にこ「わかってるわよ。私は覗きなんてしないわ」

希「なんで?」

にこ「希が本当に嫌がることはしないの」

希「……ちょっと嫌なことはするんや」

にこ「わかってるじゃない」

13: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:03:57.12 ID:E8ts5IVh0
希「うう……はずかしい」

にこ「見えてないからわかんない」

希「ほんと? ほんとに?」

にこ「ええ、希のフロントホックなんか見えてない」

希「に、にこっち! 見えてるやん!」

にこ「見えてないわよ。だってホック前から落ちてきたじゃない」

希「にこっちのいじわるー!」

にこ「早くしないとみんな来ちゃうわよ」

14: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:05:43.69 ID:E8ts5IVh0
希「タオル……こうかな?」

にこ「どう? 大丈夫?」

希「んー……お、いけた! にこっち結んで」

にこ「……」

希「にこっち?」

にこ「いや、予想以上にイケないことをしてる気分で……」

希「……ウチはもう気にしてないから早く」

15: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:07:32.68 ID:E8ts5IVh0
にこ「このくらい?」

希「もうちょっときつめ」

にこ「こうかしら」

希「んっ、それ!」

にこ「よーし、じゃあ結ぶわよ」

希「……」

にこ「どうしたのよ急に黙って」

希「……恥ずかしい」

にこ「安心しなさい。かわいいわよ」

17: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:09:46.38 ID:E8ts5IVh0
希「……おお、結構なんとかなる」

にこ「よかったわね。長いの買っといて」

希「にこっち、もしかして用意してた?」

にこ「あー……その理由もちょっとあった」

希「あったん!?」

にこ「いや、希に冗談として見せようと機会をうかがってたんだけど、まさか実際に使う羽目になるとは」

希「ありがとうにこっち……ってあれ? ウチの服は?」

にこ「ちょっと写真撮らせて」

希「にこっち!」

にこ「はいはい、返すからそんなに怒らないでよ」

18: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:12:47.03 ID:E8ts5IVh0
希「……よし、服着ても違和感ない」

にこ「よし、こっちもばっちりよ」

希「あ、まだ携帯構えてたん? 今なら写真撮っても……」

にこ「これ動画だから」

希「に、にこっち……ぅあっ」

にこ「フフフ、こんな時のために結び目を緩くしておいたわ」

希「うううう……動けない」

にこ「でも自分で結べるでしょ?」

希「あ……もうにこっち、何でそんなにいじわるするん?」

にこ「その顔が見たかっただけよ。他に理由はないわ」

19: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:14:55.93 ID:E8ts5IVh0
希「今日はお休みするってみんなに連絡する」

にこ「じゃあ私も一緒にお休みするわ」

希「え? 何で?」

にこ「帰宅途中に外れたらどうするの?」

希「あ、そっか……ごめんにこっち」

にこ「いいのよ。恋人の危機だもの」

希「にこっち、何でうれしそうなん?」

にこ「あんたテンパってるとかわいいのよ」

20: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:17:29.86 ID:E8ts5IVh0
希「ふーんだ、にこっちのブラが壊れても助けてあげません」

にこ「私はなくてもバレない自信があるわ」

希「じ、自虐や……!」

にこ「フン、私をあまり舐めてもらっちゃ困るわ」

希「にこっち不憫……」

にこ「なんかむかつく。服引っぺがすわよ」

希「ええっ!?」

にこ「……でもやっぱり、上から水でもかけた方が色っぽくなるわね」

希「ちょ、にこっち本気の顔やん!?」

にこ「じょーだんよーじょーだん」

希「棒読みが怖い……」

21: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:19:42.73 ID:E8ts5IVh0
にこ「ほら、行くわよ」

希「え、ちょっと待ってにこっち」

にこ「どうしたの」

希「……これ、歩くたびにズレる」

にこ「……」

希「どうしよ……」

にこ「……」

希「もー! 本気で困ってるんよー!?」

にこ「かわいいかわいい」

希「ごめんなさいやろー!」

にこ「あ、素で間違えたわ」

希「愛されてる気がしない……ぐすん」

22: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:22:39.41 ID:E8ts5IVh0
にこ「いや、愛してないわけないでしょ?」

希「え?」

にこ「あんたが困ってたらすぐに助けるし、泣いたら慰めてあげる」

希「に、にこっち……」

にこ「そりゃあちょっとは意地悪するけど、それは大目に見てくれない? 希がかわいいからやっちゃうのよ」

希「にこっち……それウチの胸見ながら言う?」

にこ「泣いたら慰めてあげる」

希「え?」

にこ「まあ泣かせるの大体私なんだけどね」

希「はっ……」

にこ「涙目の希は素敵よ。自信持って」

希「持ちたくないーっ!」

23: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:25:30.97 ID:E8ts5IVh0
にこ「じゃあ行くわよ」

希「わ、わかった……」

にこ「ほら、希。セーター貸してあげる」

希「あ、それウチの? この前なくしたと思ってたんやけど」

にこ「間違えて私のかばんに突っ込んでたのよ。この前あんたの家に行ったとき」

希「えー、それなら早く言ってくれればいいのに」

にこ「なんか面白そうになりそうだったから。持っててよかったわね」

希「そんな予想はしてほしくなかったなぁ……」

24: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:27:14.27 ID:E8ts5IVh0





にこ「……」

希「ぶ、無事に着いた……」

にこ「何もなかったわね……」

希「なんで残念そうなん!?」

にこ「いや、なんかもっと私を頼ってくれるようなイベントとか……」

希「あ、そっか。にこっちは頼ってほしくて……」

にこ「起こせばよかった」

希「マッチポンプやん……」

25: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:31:04.03 ID:E8ts5IVh0
にこ「せっかく希の家に来たんだし、ちょっと休憩させてくれない?」

希「うん、いいよ」

にこ「希、ちょっとそこに立って」

希「え? ここ? ていうかにこっち、そんな玄関でしゃがんでなくても上がってくれれば……」

にこ「水色」

希「水色?」

にこ「パンツ」

希「なっ!? ち、違うよ! 今日は……」

にこ「何色?」

希「しろ……って誘導尋問やん!」

26: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:32:41.35 ID:E8ts5IVh0
希「もうにこっちにはお茶出さないまんまにしとこ」

にこ「えー、暑くて死にそう」

希「ウチにいたずらばっかりしてるから」

にこ「今なら家だしそれ、外してもいいわよね」

希「麦茶でいい?」

にこ「ぐぬぬ」

希「悔しそうにしても麦茶しか出ません」

27: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:34:46.64 ID:E8ts5IVh0
にこ「ねえ希」

希「なに?」

にこ「怒ってる?」

希「ううん、いつものことやもん」

にこ「じゃあ……次のステップに進む?」

希「それは遠慮します」

にこ「えー、なんで」

希「怖いもん。にこっち怖いもん」

にこ「ちょっと希の危機が増えるだけよ」

希「それがいややもん」

にこ「私は嬉しいわ」

希「はぁ……何でウチ、にこっちなんか好きになったんやろ」

28: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:36:44.28 ID:E8ts5IVh0
にこ「それは決まってるでしょ」

希「んー?」

にこ「私がわけもわからず希を好きになったみたいに、希もきっとわけもわからず好きになったのよ」

希「ええー。ちょっと理由くらい欲しかったかなぁ」

にこ「隣にいて居心地良いんだから仕方ないでしょ?」

希「まあそうやね」

にこ「どう? 惚れ直した?」

希「ちょっとだけ」

29: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:38:57.34 ID:E8ts5IVh0
にこ「じゃあご褒美ちょうだい」

希「ウチができる範囲でなら」

にこ「そのタオル、洗わずに返して。家宝にするから」

希「にこっち嫌い」

にこ「本当は好きなくせに」

希「もー……そういうとこ嫌い」

にこ「えへへ。じゃあちょうだい」

希「当初の目的を忘れてない……!」

30: ◆eyH5F3DPSk 2014/08/05(火) 22:41:56.04 ID:E8ts5IVh0
にこ「しょーがないわねー……パンツでもいいわ」

希「むしろレベル上がってる気がするんはウチだけ?」

にこ「あ、そうだ! 壊れたブラならいいでしょ? 使わないし」

希「あげません」

にこ「……まあ将来もらうわけだし、いいか」

希「ぜーったいあげません!」

にこ「土曜日パンツなしと、今タオルくれるの、どっちがいい?」

希「ぜーったい両方嫌やーっ!」

にこ「その顔良いわね。もう1枚」






     おわり