1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:44:38 ID:dyi53E6A
 ~3月15日~ 765プロ・社長室

P「うちのアイドルたちが……ですか?」

高木「うむ。正式なオファーだ」

律子「竜宮小町ではなく、765プロ全員でですか」

P「律子もやるのか?」

律子「まさか」

高木「ははは。先方はそれでもいいというだろうがね」

P「えっと、ジオシティ、でしたか」

高木「うむ。音無くん、資料を」

小鳥「はい、ジオシティはZ県の富坂市に建設中の巨大地下都市です」

引用元: P「ジオシティの公式イメージガールに?」 

 

絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-
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2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:45:40 ID:dyi53E6A
律子「あぁ、第3首都計画……でしたっけ?」

P「超巨大事業じゃないか。そこのイメージガールだなんてまたとない機会だな」

小鳥「公式マスコットキャラクターのジオくんと一緒に、ポスター撮影やPVの撮影など」

高木「さらにこのジオシティの公式テーマソングも任せるという話だ」

律子「なぜこんな話が……、その、うちみたいな」

P「おいおい、飛ぶ鳥落とす勢いの竜宮小町プロデューサーが、そういうこと言うもんじゃない」

小鳥「そうですよ!竜宮小町だけじゃない、美希ちゃんや千早ちゃんもブレイク中だし!!」

P「国内最大のアイドルグループ、AEK-971に対抗できるきっかけになるかもしれない」

高木「どうだね?やってみたいとは思わんかね?」

P「もちろんです」

律子「私も賛成です。765プロ全体の底上げに繋がります」

高木「決まりだ。早速返事をするとしよう」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:47:25 ID:dyi53E6A
 ~同日~ 事務所内
 
春香「これに私たちがですか!?」

真「やーりぃっ!これでボクたちも売れっ子になっちゃうな!」

真美「特設ステージ見た?すンごいよっ!!」

伊織「まだイメージだけどね」

千早「こんな所で歌えるなんて……」

P「ははは、みんな落ち着け。完成までまだ半年以上かかるみたいだしな」

春香「落ち着いてなんかいられませんよ!こんな凄い所でライブ出来るなんて!!」

やよい「うっうー!夢みたいですー!」

律子「当面の目標は決まったわね。これは竜宮小町も関係なく全力で当たるわよ」

伊織「全員でなんて久々じゃない。ちょっとワクワクしてきたわ」

真「あぁっ!早くここで思いっきり暴れたいなぁっ!ボクちょっと走ってきます!!」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:48:27 ID:dyi53E6A
P「あ、おーい、まだ美希たちに……、行っちゃったよ」

伊織「散歩に行く前の犬みたい」

律子「こら」

伊織「あずさには私から伝えておくわ」

真美「亜美にメールしよっと」

小鳥「みんなはしゃいでますねぇ」

P「こんな大仕事、初めてですからね。冗談抜きに社運がかかってますよ」

小鳥「絶対成功させましょうね」

P「はい!」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:50:38 ID:dyi53E6A
 ~10月10日~ 富坂市・韮沢区

P「思ってたよりもずっと大きいんだなぁ」

律子「こんな地下都市がもうすぐ完成だなんて……」

広報「第一期工事が、ですけどね。はい、こちらがですね、特設ステージになってまして」

P「ドーム級じゃないか……」

律子「うちの子たち、こんな大きなステージは経験ありませんよ……」

広報「竜宮小町さんでもですか?」

律子「えぇ。さすがにここまで大きいのは」

広報「凄いでしょう?この都市の自慢のひとつでもあるんですよ」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:53:13 ID:dyi53E6A
P「ここで……、うちのアイドルたちが……」

律子「ふふっ。ちょっと、その、身震いしちゃいますね」

P「律子もここで踊るんだぞ?」

律子「まさか!やめてくださいよ」

広報「秋月さんも出演してくださるんですか?この街にもファンは多いですよ」

律子「いや、その」

P「ご安心を。しっかりトレーニングさせてますので」

律子「もう!」

広報「楽しみにしてますよ。さ、次はパーティー会場へご案内いたします」

P「ここでは24日に来賓への挨拶と、えぇっと」

律子「知事との写真撮影ですね。あと」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:54:16 ID:dyi53E6A
P「ジオくん」

律子「気に入ってるんですか?」

P「写真撮りたい」

律子「はいはい。2ショットで撮ってあげますよ」

広報「クリスマス当日のメインイベントは、さぞかし盛り上がることでしょうね」

律子「14日に現地入りしてPV撮影、24日に写真撮影と、25日にライブ、26日はオフ、と……」

P「リハで完璧にしないとな。今までとはスケールが違う」

律子「そうですね」

広報「最後に皆さまにご滞在していただくホテルへご案内いたします」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:56:00 ID:dyi53E6A
広報「運転手さん、ジオシティ・グランドホテルまで」

柘植「はいよ」

P「もう殆ど完成してるんだなぁ」

律子「あ、でもあそこはまだまだみたいですよ」

広報「工事はハイスピードで進められています。あっという間ですよ」

P「凄い時代になったもんだ」

律子「なんですか、それ」

柘植「お客さん、マスコミかい?」

P「芸能プロダクションです。765プロといいまして」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:56:45 ID:dyi53E6A
柘植「ほぉ。タレントさんが来るのかい?」

P「えぇ、うちのアイドルたちが」

柘植「そうかい。そりゃ凄いね」

律子「クリスマスにライブイベントも行います。良かったら」

柘植「おじさんはそんな日でも仕事ですよ」

広報「ラジオでもライブの様子が流れる予定です」

柘植「ほぉ。じゃあそいつを聞くとしましょうか」

律子「これを機に覚えていただければ幸いです」

柘植「はいよ。さ、着きましたよっと」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:57:42 ID:dyi53E6A
 ~12月14日~ 富坂市・韮沢区・ジオセクション

春香「着きましたぁっ!ジオシティですよ!ジオシティ!」

千早「写真で見るよりもずっと凄いわ……。それしか言葉が出てこないのだけれど」

雪歩「……」

真「もう地下だからこれ以上掘れないよ、雪歩」

雪歩「そ・そんなこと考えてないよぅ」

亜美「いぇ→い!亜美が一番乗りだ→い!!」

真美「ずる→い!真美も真美も!」

貴音「こうしてみると、この都市全体が巨大な穴の中にあるようなものなのですね」

美希「あふぅ、どうでもいいの。ミキもうちょっと寝てたかったな」

響「うーん、なんか落ち着かないぞ……」

P「おーい、みんなバスに乗れー」

 「「「はーい」」」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:58:43 ID:dyi53E6A
律子「修学旅行を引率してる気分だわ」

あずさ「これだけ大きかったら、迷ったら最後になっちゃうかも……」

伊織「ここでも迷うつもりなの?どんだけ迷子になるのが好きなのよ」

あずさ「違うの~。好きで迷子になるわけじゃないのよ~」

伊織「やよい?やよいは?」

小鳥「大丈夫?やよいちゃん」

やよい「うー、ちょっと酔っちゃいましたぁ……」

P「バスの前の方に座るといい。伊織、頼めるか?」

伊織「はいはい、やよいの面倒はしっかり見るわよ」

やよい「ごめんね、伊織ちゃん……」

P「もう少しの辛抱だからな。ホテルに着いたら少し休もうな」

小鳥「社長も来ればよかったのにー」

律子「テレビ中継もされますから、社長にいい所見せてあげましょう」

P「っていうか小鳥さんが来てるのがおかしいんじゃ……」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/16(土) 23:59:50 ID:dyi53E6A
 ~12月20日~ 屋内特設ステージ

千早「天気が崩れる前に撮影終わってよかったわね」

春香「雨すごいね」

伊織「記録的な豪雨らしいわよ。さっきニュースでやってたわ」

亜美「ここ地下なんでしょ?」

千早「そうだけど?」

亜美「じゃあ上の雨が全部ここに流れてくるってこと?」

P「その心配はないさ」

真美「なんでなんで?」

律子「災害対策くらい練られているでしょ。でなきゃこんな大規模な地下都市が建設されるはずないわ」

P「さ、リハーサルを始めるぞ」

律子「ステージは広いのよ。存分に使いなさい」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:00:58 ID:R4VPHmcE
P「律子もやるんだよ」

律子「やりませんよ」

千早「音の返し、もっとお願いします」

春香「うまく聞き取れないよー」

P「聞き取れない方が春香はいいんじゃないか」

律子「思っても口にしないでくださいね」

真「ここの振りもっと早くしないと」

響「もう一度最初からー」

雪歩「たん、たん、たん、はい」

やよい「たん、たん、たん、あ、すいません」

律子「もう一度、さんはい」

伊織「形になってきてるじゃない。この調子だといけるわね」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:01:40 ID:R4VPHmcE
本多「すいませーん」

P「はい?」

本多「週刊報都の本多と申します」

P「あぁ、早かったですね。リハの途中なんで数人ずつの取材になりますが」

本多「いえ、忙しいのに応じてくださってありがとうございます」

P「あずささん、貴音、千早、いったんこっちに来てくれ」

あずさ「はい」

貴音「畏まりました、貴方様」

千早「……。くっ……」

P「律子、お前がついてってくれ」

律子「はい」

千早「くっ……」

本多「あの子どうしたのかしら……」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:02:51 ID:R4VPHmcE
 ~12月23日~ ジオセクション・地下施設

小鳥「わぁ、立派ですねぇ」

P「いよいよ明日ですね」

亜美「美味しいご飯食べれる?」

P「この会場じゃ食べられないけど、ちゃんとみんなの分も用意されてるぞ」

真美「やったぁ!アイスある?」

P「冬なのにか?まぁ何でもあるさ」

貴音「らぁめんはあるのでしょうか」

P「それはどうだろうな。あ、すいません、ウエイターさん」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:03:31 ID:R4VPHmcE
篠原「はい、なんでしょうか」

P「明日の料理でラーメンってあるんですかね」

篠原「いえ、イタリアンですから無いと思います」

P「だってさ」

貴音「まこと……ですか……」

亜美「見るからにテンション下がったね」

真美「26日はオフだから、そん時食べにいきゃい→じゃん」

貴音「それはよき考えです」

亜美「見るからにテンション上がったね」

篠原「それでは失礼します。明日のパーティーを楽しみにしておいてください」

P「ありがとうございました」

小鳥「さ、ホテルに戻りましょう」

P「この雨は結局止みそうにないなぁ」

小鳥「少し……、心配になりますね

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:04:34 ID:R4VPHmcE
 ~12月24日~ ジオセクション・地下施設・パーティー会場

春香「あぁー、緊張したぁ」

伊織「明日がメインなのよ?たかが挨拶くらいでなによ」

春香「そんなこと言ったって」

雪歩「あ、知事の挨拶が始まるよ」

真「すごい格好だね。黄色のスーツって」

雪歩「真ちゃん!しーっ」

真「聞こえてないよ」

響「お腹が空いたぞー。戻ってご飯にしようよ」

やよい「ごちそう……、ごちそう……」

響「ほら、やよいの目がもう見たことない感じさー」

真「そうだね、戻ろっか」

響「ちなみにハブを前にしたマングースがあんな感じさー」

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:05:47 ID:R4VPHmcE
春香「千早ちゃんがトイレから戻ってきたら行こっか」

伊織「アイドルはトイレなんか行かないのよ!」

春香「あ、噂をすれば」

真「……なんか慌ててる……?」

ドン!

千早「あ!すいません……」

須藤「気にしないでくれ。そんなに急ぐと危ないよ」

雪歩「杖ついてる人にぶつかってますぅ。千早ちゃんがあんなに慌てるなんて……」

千早「春香!」

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:06:19 ID:R4VPHmcE
藤宮「え?はい、なんでしょうか?」

千早「えっと、あの、違う春香を……」

篠原「藤宮さん」

藤宮「あっ、ごめんなさい……」

春香「なんだったのかな?」

千早「プロデューサーは!?」

春香「どうしたの?そんなに慌てて」

千早「プロデューサーはどこ!?」

真「落ち着きなよ。どうしたってのさ?」

千早「廊下の、パーティションの奥から水が流れてきて、それで」

雪歩「あ、プロデューサーですぅ」

千早「プロデューサー!」

P「……分かってる。みんな控え室に集合してくれ」

律子「……」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:07:48 ID:R4VPHmcE
 ~同日~ 地下施設・控え室

P「みんな落ち着いて聞いてくれ。ついさっき、地上の羽代川が決壊したらしい」

春香「川が……」

P「従業員の指示に従って地上に避難するぞ。頼むから落ち着いて行動してくれ」

 グラグラグラ……

春香「きゃああっ!」

真「うわっ、地震?」

雪歩「真ちゃん……、怖い……」

P「全員いるな?よし、ここを出るぞ。律子、先導してくれ。俺は後ろから行く」

律子「はい」

小鳥「みんな忘れ物はないわね?コートちゃんと着てるわね?」

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:08:42 ID:R4VPHmcE
亜美「ごちそう食べれなかったなー」

伊織「なにを暢気な!」

P「春香、あずささんと手を繋げ」

春香「は・はい!」

あずさ「あらあら~、大丈夫ですよ~」

P「さぁ行こう」

 ガチャッ ザザザザザザ……

律子「水がもうこんなに……」

P「止まるな、行け!」

小鳥「駐車場にバスを待たせてますから、そこまで行きましょう」

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:09:30 ID:R4VPHmcE
 ~同日~ 地下駐車場

 バチャ バチャ バチャ

律子「バスがありました!急いでください!」

美希「こんなことになるなんて思ってなかったの……」

P「よし、みんな乗ったな?」

 グラグラグラ……

小鳥「大丈夫ね?みんないるわね?」

 グラグラグラ……

雪歩「ひっ……」

真「大丈夫。大丈夫だよ」

響「地震はダメさー。自分も怖いぞ……」

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:10:12 ID:R4VPHmcE
律子「確認しました。全員乗ってます」

P「よし。運転手さん、出してください」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

P「なんだ?」

 ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

千早「水が!?」

P「みんな何かに掴まれ!頭を低くするんだ!!」

 ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 うわああああああああ きゃあああああああああああ

 いやだあああああああ こわいよおおおおおお

 ああああああああ いやあああああああああ

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:11:07 ID:R4VPHmcE
 うええええええええん いたいいいい いたいよおおお

P「……う」

 いたいよおおおおおお いたいいいいいい

P「……なんだ……?何が起きた……?」

 いたいよおおお にいちゃあああん

P「誰だ…・・・。誰が……泣いてる……?」

 にいちゃあああああん ああああああああ

P「亜美?真美!?」

亜美「いたいいいいいいいい!助けて兄ちゃあああ」

P「亜美!亜美か!!どうした!?」

亜美「いたいいいいい!いたいよおおおおおお!!」

P「亜美!?亜美!くそっ、真っ暗で……バスが横転したのか!?」

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:12:20 ID:R4VPHmcE
真「う……、いったた……」

P「真!?みんな!起きてくれ!おい!!」

真「プロデューサー……?」

P「そうだ!携帯!携帯の明かりで」

P「亜美!待ってろよ亜美!」

P「バスの中に懐中電灯があるはずだ。どこだ……?」

P「あった!運転手さん!?運転手さん?……、っ……!!」

真「雪歩?雪歩、起きて!」

雪歩「う……」

P「真!みんなを起こせ!」

真「は・はい!雪歩!春香!千早!」

P「亜美!今助けてやるぞ!!」

亜美「いたいよお、兄ちゃああん……」

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:13:11 ID:R4VPHmcE
P「座席に挟まれたのか。くそっ!うおおおおお!!」

 ギギ…… ギギギ……

亜美「痛い!痛いよお!!」

律子「なに……?ここ……どこ……?」

あずさ「うう~ん……」

真「律子!みんなを起こして!!」

律子「起こす?なに?ここどこ?」

亜美「痛い痛い痛いいいいい!!」

雪歩「あっ……、あぁぁ……」

響「美希……?美希……?貴音……?」

やよい「痛いですー、おでこぶつけちゃいましたぁ」

真美「あたたたた……、なにこれぇ!?」

P「このっ!外れろおおおおお!!」

亜美「ううううう!痛い痛い!!」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:16:12 ID:R4VPHmcE
 ギギギ…… バキバキバキッ

P「よしっ!亜美!もう大丈夫だぞ!」

亜美「うええええん!兄ちゃあああん!!」

P「よしよし、痛かったな。頑張ったな。もう大丈夫だからな!」

真美「なに……?亜美どうしたの?亜美!?」

P「真!懐中電灯を貸す!全員起こして無事を確認しろ!」

真「はい!」

春香「痛い……。寒い……」

千早「うっ……。何が起きたの……?」

美希「ふあぁ。どうしたの?あれ?ミキどうしてたんだっけ?」

貴音「ここは……」

真「伊織!伊織!」

伊織「うう……。もう……めちゃくちゃじゃない、これ……」

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:17:25 ID:R4VPHmcE
律子「小鳥さん!起きてください!小鳥さん!」

小鳥「はわわわ、なんですかなんなんですか?何が起きたんですかぁ!?」

P「みんな立てるか?怪我してないか?」

やよい「うぅー、たんこぶ出来ましたぁ」

雪歩「大丈夫……みたいですけど」

響「目ぇよし、手ぇよし。足、……よし」

真美「亜美!亜美!」

P「大丈夫だ。気絶してるだけだ」

律子「ここから……、出ましょう」

春香「はい、いたた……。ほら、千早ちゃん」

千早「ありがとう、春香」

あずさ「頭がズキズキするわ~」

P「あずささん!そっち行っちゃ駄目です!」

あずさ「え?あ、はい……」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:18:10 ID:R4VPHmcE
P「真ん中のドアから降りてください、って横転してるんだった。台になります。みんな登って」

小鳥「あの……、運転手さんは……?」

P「……」

小鳥「そんな……」

P「真、亜美をおぶってまず最初に行け。その後みんなをサポートするんだ」

真「はい!行きます!」

P「真美」

真美「うん!」

P「よし、やよい」

やよい「はい!」

P「割れたガラスに気をつけろよ。次、伊織」

伊織「暗くてよく見えないわ……」

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:20:34 ID:R4VPHmcE
 韮沢区・ジオセクション

律子「もう18時です……。これからどうしますか?」

小鳥「携帯が通じない……。きっと基地局がやられたんだわ」

P「駅が近くにあったな。駅に向かおう」

小鳥「警察が避難誘導しています。駅に行くのが正しいみたいですね」

P「人がいないな。結構長く気絶してたみたいだけど……」

真「プロデューサー。疲れたら亜美おぶるの交代しますからね」

P「ありがとう。大丈夫だ」

春香「雨がどんどんひどく……」

千早「駅ビルの看板だわ!あれじゃない?」

律子「あぁ……。そんな……」

真美「駅もボロボロじゃん……」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:21:07 ID:R4VPHmcE
雪歩「寒いですぅ……」

貴音「駅の地下に水が流れ込んだのですね……」

伊織「水がどんどん流れ込んできてるってことじゃない!このままじゃここも……!」

律子「ジオセクション自体が巨大な穴のようなものだから……」

P「駅の北口にバスが来てないか探そう。確かバス停があったはずだ」

小鳥「避難用のバスがいればいいけど……」

千早「北口に向かうと言っても、もうどこも通れそうには……」

響「立ち止まってても仕方ないさ!行動あるのみだよ!」

美希「寒いしお腹空いたし……、もうヘトヘトなの」

P「頑張るんだ。さぁ行くぞ」

やよい「はい……」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:21:56 ID:R4VPHmcE
 韮沢駅・東口付近

小鳥「あっ!ヘリだ!ヘリですよ!!」

律子「ヘリが待っててくれてます!」

P「そんなに大きいヘリじゃないな。全員は無理か……」

小鳥「すいません!このヘリは避難用ですか!?」

黒服「申し訳ありませんが、このヘリは重症患者のみを乗せるように言われています」

P「この子は足を骨折しています。子供たちだけでも乗せてもらう訳にはいきませんか?」

黒服「我々は藤宮グループの私設救援隊なのです。そういった判断は……」

P「なら確認してみてください!子供がいるんです!この子たちだけでも!!」

黒服「……分かりました。ただし、その子たちだけですが」

P「ありがとうございます!充分です!!」

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:23:06 ID:R4VPHmcE
小鳥「やりましたぁ!」

P「よし、聞いてくれ。亜美、真美、やよい、伊織、お前たちがヘリに乗れ」

伊織「ちょっと待ってよ!私たちだけでだなんて!」

P「聞き分けてくれ、伊織。亜美は重傷だし、真美とやよいだけじゃ不安なんだ」

律子「あなたなら、この3人を任せられるわ」

伊織「そんな……!」

真美「兄ちゃん……。兄ちゃんも一緒に……」

やよい「みんな置いて私たちだけなんて……」

P「甘ったれたこと言うな!」

やよい「ひっ!」

P「ごめんな。ごめんなやよい。言うことを聞いてくれ……」

やよい「う……ううう……」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:23:50 ID:R4VPHmcE
律子「さ、乗りなさい。大丈夫。明日また会いましょう」

伊織「本当に……、明日会えるの……?」

P「あぁ」

真美「兄ちゃん……」

P「亜美についていてくれ。お姉ちゃんだろ?」

真美「うん……」

伊織「分かったわ。やよい、行くわよ」

やよい「はい……」

P「頼むぞ、伊織!」

黒服「乗ってください。発進します」

P「お願いします」

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:24:43 ID:R4VPHmcE
富坂・高速入口付近

小鳥「これからどうしますか?」

P「高速に上がりましょう。上から目立つでしょうし、流れ込んでくる水の心配もなくなります」

律子「サービスエリアを見つけて、そこで一晩過ごしましょう。もう夜も遅いですし」

P「この天気の中、みんなを歩かせ続ける訳にはいかない」

小鳥「分かりました」

P「みんな聞いてくれ。ひとまず高速道路に上がって、サービスエリアを目指す」

律子「停電はしてないみたいだから、そこで救助を待ちましょう」

美希「ご飯あるかもなの」

P「そうだな。何より濡れたままじゃ心配だ」

春香「もうひと頑張りですね!」

P「その通りだ」

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:25:25 ID:R4VPHmcE
真「パーティーでちょっとでも食べてくりゃよかったな」

雪歩「そうだね」

あずさ「みんな少し安心したのかしら。顔色が戻ったように見えるわ」

小鳥「年少組は救助されたし、明日になればきっと」

貴音「そう信じましょう」

響「うぅっ」

貴音「どうしました?」

響「ちょっとトイレに……」

貴音「身体が冷え切ってしまっているのですね……」

あずさ「きっともう少しでサービスエリアよ。頑張りましょう」

千早「高速の上も結構土砂が流れ込んできてますね……」

P「当てが外れたか?でも下よりはずっとマシなはずだ」

律子「あ、あそこ!あのサービスエリアじゃないですか?」

P「間違いない。みんな頑張れ!もう少しだぞ!!」

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:26:20 ID:R4VPHmcE
 富坂・韮沢SA

美希「着いたぁ!もう疲れたの!ヘトヘトなの!」

響「トイレトイレ……、誰かついてきて欲しいぞ……」

律子「仕方ないわね。私が行くわ」

P「暖を取れるものと、あと食糧を探そう。タオルもだ」

春香「はい!」

千早「タオルはこっちにあったわ」

小鳥「非常時だもん、使わせてもらいましょう」

あずさ「水は……、出ないのね」

美希「電気とガスは大丈夫みたいなの」

小鳥「エアコンもつきますね」

P「ミネラルウォーターがあるはずだ。それを沸かそう」

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:27:18 ID:R4VPHmcE
小鳥「えへへ~、見てくださいこれ!」

美希「レトルトカレーにレトルトのご飯なの!」

春香「カップラーメンもありました!」

貴音「らぁめん!!」

P「よし、いいぞ」

真「段ボール、裏にいっぱいありましたよ」

雪歩「新聞もいっぱいありました」

P「うん。じゃあみんなタオルで身体拭いて、ご飯にしよう」

真「覗かないでくださいよ?」

P「それだけ元気なら大丈夫だな。春香、千早、お湯をいっぱい沸かすんだ」

千早「はい」

春香「これだけ水があれば大丈夫だよね」

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:28:08 ID:R4VPHmcE

響「おー、みんな何やってるんだー?」

律子「段ボール敷いて新聞紙に包まって寝るのかしら?前代未聞のアイドルだわ」

貴音「らぁめん……。あぁらぁめん……」

P「律子も響もタオルで身体を拭くんだ。風邪をひくぞ」

小鳥「まずは熱いコーヒーを、と」

雪歩「プ・プロデューサー、お茶淹れましたけど」

P「助かるよ、雪歩。……あぁー!美味しい!!」

雪歩「えへへ……」

美希「お財布、お財布……、焼きおにぎり買うの……。お財布……」

P「ほら」

美希「ハニー愛してるの!」

P「俺もだよ」

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:29:12 ID:R4VPHmcE
あずさ「ご飯が出来ましたよ~」

小鳥「見事にレトルトと冷凍食品尽くしですねー」

響「でもなんか……ご馳走に見えるぞ!」

千早「本当ね」

真「お腹空いたぁー」

貴音「らぁめん……!!」

春香「みんな食べよう!」

 「「「いただきまーす!」」」

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:29:54 ID:R4VPHmcE
真「うわ、結構あったかい」

雪歩「新聞紙って暖かいんだね」

千早「……」

春香「千早ちゃん、ベッドが届くまで段ボールで寝てたりしてないよね?」

千早「まさか」

春香「ならいいけど」

千早「ちゃんと上は布団だったわ」

春香「なら……いいけど」

律子「さ、みんな少しでも休んでおきなさい。中々寝られないと思うけど」

響「美希もう寝てるぞ」

貴音「あっという間でございました」

律子「もう、服着たままじゃない。響、脱がせてあげなさい」

あずさ「濡れた服着たままじゃ風邪をひいちゃうわ」

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:30:47 ID:R4VPHmcE
小鳥「明日には少しでも乾いているといいんですけどね」

律子「天候も回復してくれれば……」

真「伊織たち……、無事に着いたかなぁ」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……」

P「大丈夫だよ」

律子「そうよ。大丈夫よ」

P「ところでですね、律子さん」

律子「なにか?」

P「もう目隠し取ってもいいでしょうか」

律子「いいですよ。みんな新聞紙に包まってますし」

P「やれやれ……」

44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:31:26 ID:R4VPHmcE
P「……」

貴音「貴方様」

P「わっ!びっくりしたぁ」

貴音「まだ……お休みになられないのですか?」

P「貴音こそ、もう寝てたものとばかり」

貴音「目が覚めてしまいましたので」

P「そうだよな、そうそう眠れないよな……」

貴音「貴方様は何を……、これは……地図?」

P「あぁ、脱出ルートをな、考えていた」

貴音「ここで救助を待つ算段では?」

P「それがな、見てくれ」

45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:32:10 ID:R4VPHmcE
 プツン ザザー

TV「……富坂水害の続報です。富坂市の西部は浸水が激しく、2~3日中にも富坂市全体が水没する恐れが……」

貴音「なんと……」

P「より助かる確率を高めるのなら、北か東に逃げるべきだと思ってな」

貴音「どこを目指すのですか?」

P「東インターを目指す。救助のヘリがそこから出ているらしい」

貴音「結構……離れているのですね」

P「もう休むんだ。明日は歩き通しになるぞ」

貴音「はい、貴方様も……」

P「あぁ。俺ももう寝……、た・貴音っ?」

貴音「みなが貴方様を頼りにしています。ご自愛を」 

P「あ・ありがとうな。ただ抱きしめるなら抱きしめると一言……」

貴音「ふふふ。お休みなさいませ」

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:33:16 ID:R4VPHmcE
 ~12月25日~ 災害2日目・早朝

P「食べながらでいい。聞いてくれ」

春香「なんですか?」

P「東インターチェンジから救助ヘリが出ていることを確認した。今日はそこを目指す」

真「ここに残るんじゃ?」

P「ここは駄目だ。市の西側は水没が激しいらしい。下手をするとここまで及ぶかもしれない」

千早「東インター、東インター……、すごい離れてるわ……」

響「歩き続けて半日……?」

律子「もっとかもね」

小鳥「途中の柿沼サービスエリアで休憩して、場合によってはそこで一晩過ごして」

P「いえ、今日中に東インターに行きます」

小鳥「少し強引じゃないですか?」

貴音「浸水の速度が思っていたよりも速いようです。多少強引でもその方がよろしいかと」

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:34:06 ID:R4VPHmcE
雪歩「でも、そこに着きさえすれば」

美希「救助が来るの!」

P「あぁ。今日は歩き通しになる。準備は万端にして行こう」

あずさ「売店にレインコートがありましたから、みんなそれを着ましょう」

響「食糧は持っていくのか?」

律子「持ち運べるものがないわ。大きなリュックでもあれば別だけど」

美希「でも柿沼にもきっとご飯があるの」

あずさ「そうね。可能性は高いわね」

小鳥「そうと決まれば早速出発ですね」

P「みんなトイレ行っといてくれよ。途中でサービスエリアはないぞ」

48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:36:00 ID:R4VPHmcE
 富坂・柿沼SA

響「やーっと半分だぞ」

あずさ「結構早く着いたわ~」

貴音「思っていたよりも水没していますね。道路も崩れかかっています」

雪歩「ここで休憩ですか?」

律子「えぇ。お昼には早いけど食事にして、少し休んだらまた行きましょう」

真「んー?」

雪歩「どうしたの?」

あずさ「ジェットスキー?どうしてこんな所に……」

49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:37:04 ID:R4VPHmcE
真「あーぁ、土砂が建物に……」

P「あぁ、こりゃ駄目だな……」

春香「食堂は大丈夫みたいですよ」

千早「女子トイレは駄目みたい。土砂が流れ込んできているわ」

美希「自販機も倒れかかってて危ないの」

春香「靴がぐちゃぐちゃだよー」

P「どこかで全員分の長靴でもあればいいんだが」

小鳥「テレビ、映りますかね」

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:37:27 ID:R4VPHmcE
 プツッ

TV「……西部はほぼ水没しており、また、長雨の影響による河川の増水に伴い、奥富ダムの貯水許容量が……」

律子「時間はなさそうですね」

小鳥「夜が明ければ少しはましになってるかと思ったんですけど……」

P「時間が経てば経つほど、状況は悪くなりそうですね」

律子「雨が止んでさえくれれば……」

P「休憩は中止だ。川が氾濫してこの先の橋がやられたらアウトだ。すぐ出発しよう」

小鳥「はい」

TV「またこの混乱に乗じて、逮捕されていた佐伯優子容疑者が韮沢警察署から逃亡しており……」

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:38:29 ID:R4VPHmcE
 富坂・東IC

小鳥「着いた……、東インター……」

律子「あそこを早く出て正解でしたね」

真「途中で聞こえたあの凄い音、何だったんだろう?」

美希「ヘリは?ヘリはいるの?」

雪歩「それらしいのは……見えないけど……」

 ゴゴゴゴゴゴゴ……

響「うわわっ!また地震だぞ!」

 ゴゴゴゴゴゴゴ……

千早「ここ……、まずくないですか……?」

P「これ地震か?地震というより、なんか……」

 ビシッ ビシッ

春香「わっ!道路にヒビがっ!」

52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:40:22 ID:R4VPHmcE
P「まずい!みんな道路から降りろ!下に降りるんだ!」

律子「下にって言ったって……!」

P「こういう所は下に降りられる梯子なりなんなりあるはずだ!探せ!」

あずさ「これ!これじゃないですか?」

真「これだ!プロデューサー!!」

P「よし行け!真!」

真「はい!雪歩こっち!!」

雪歩「うん!」

 ビシッ ビキッ ビシッ

 ゴォン!!

千早「きゃあっ!!」

春香「千早ちゃん!あいたっ」 ズデーン

P「助けにいこうとしてお前まで転ぶな!千早!ほら立て!」

千早「は・はい!」

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:41:47 ID:R4VPHmcE
P「小鳥さん、春香を!」

小鳥「はい!」

律子「急いで!」

 ビシッ ドォン!!

P「おわっ!」

雪歩「道路が……割れる……」

貴音「貴方様!こちらへ!!」

P「千早、行け!降りるんだ!」

千早「はい!」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:42:21 ID:R4VPHmcE
律子「あずささん!あそこのカフェまで走ってください!」

あずさ「分かったわ~!」

律子「違う!そっちじゃないですって!!」

P「走れ走れ走れ!!」

 ゴゴゴゴ……

真「……収まった?」

貴音「ですが水の量は増えてきています。急ぎましょう」

小鳥「はぁっ!はぁっ!間一髪……!」

P「道路は崩落しなかったけど……、あそこにいたら危なかったな……」

美希「ヘリを待つどころじゃなくなったの……」

響「これからどうするんだ?プロデューサー」

P「……もうそろそろ夕方になる。どこか休めそうな所を探そう」

55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:43:15 ID:R4VPHmcE
 ~12月25日~ 災害2日目・アンジェリーナ周辺

美希「ファミレスみっけなの!」

律子「明かりがついてるわ。誰かいるかもしれないわね」

小鳥「行きましょう」

春香「あずささん、どこ行くんですか。こっちですよ」

あずさ「あらあら~」

響「ほとんど病気だぞあれ……」

貴音「ふぁみれす……。らぁめんはあるのでしょうか……?」

P「あるだろうな。結構置いてるもんだぞ」

真「雪歩、もうちょっとだよ。頑張れ」

雪歩「うん……」

春香「あったかーい!」

千早「暖房も効いてるのね」

56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:44:03 ID:R4VPHmcE
春香「あ!バイキングがあるよ!」

律子「やめておきなさい。1日経ってしまってるんだから」

真「1日くらいなら……」

雪歩「でも食べられる感じじゃないよ」

響「カピカピに乾いちゃってるぞ」

千早「誰かいたみたいね」

美希「ほんとなの。料理がテーブルにあるの」

P「誰かがここで食事したんだな。避難する途中で」

律子「誰もいませんね。もう逃げたんでしょうか」

小鳥「料理は一人分しかありませんでしたけど」

美希「もう何でもいいの!ご飯にするの!ヘトヘトでペコペコなの!」

P「そうだな、ご飯にしよう。みんな手分けして探してくれ」

 「「「はーい」」」

57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:45:09 ID:R4VPHmcE
あずさ「これからどうするんですか?」

P「向こうにデパートがありましたね。そこに行って休みましょう」

律子「ここでいいじゃないですか」

P「デパートには?」

小鳥「寝具があります!」

千早「いいですね、それ」

美希「あったかお布団でぐっすりなの!」

小鳥「それにみんなの着替えも用意出来ます」

春香「それって泥棒なんじゃ……」

P「泥棒なんてもんじゃない。なんせシャッター壊してドア蹴破って、勝手に侵入した挙句にやらかすんだからな」

雪歩「えぇ~……」

小鳥「非常時ですよ。今は非常時」

律子「その言葉を便利に使われても」

58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:45:54 ID:R4VPHmcE
P「責任は俺が取る。心配するな」

あずさ「それに……」

春香「なんですか?」

あずさ「その……下着とかも取り替えたいでしょう?」

真「……そりゃあ」

響「……まぁ」

貴音「背に腹は代えられぬ、ということでしょう」

P「お前たちは何も心配するな。責任は全て俺が取る」

律子「プロデューサー殿と社長がね」

小鳥「765プロ、倒産かもしれないですね」

春香「シャレになってないですよー!」

 「「「あははははは」」」

59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:46:38 ID:R4VPHmcE
 デパート・909内

P「じゃあ手分けしていきましょう」

小鳥「私とあずささんとでみんなの着替えを持ってきますね」

律子「私は響と石油ストーブがないか探してきます」

美希「バックヤードに布団を集めるの?」

千早「この規模のデパートなら、スタッフルームとかもそれなりの大きさでしょうし」

春香「暖房さえあれば、みんな一緒に寝られるね」

真「夜のデパートってなんかドキドキするね」

雪歩「あと電池と、懐中電灯とリュックと……」

P「長靴、忘れないでください」

小鳥「任せてください!」

60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:47:34 ID:R4VPHmcE
千早「はぁ……、清潔な布団だわ」

春香「2日ぶりなのに、すごく久しぶりに感じるね」

真「あったかいしね」

雪歩「ちょっと怖いけど……」

真「ランタン付けておくから大丈夫だよ」

律子「嘘、ついちゃったわね……」

雪歩「?」

貴音「伊織たちには、今日会えると言ってましたから」

春香「あぁ……」

あずさ「でも明日こそ大丈夫よ~」

響「そうだぞ!ここまで何とかしてきたんだから、これからだって何とかなるぞ!なんくるないさー」

小鳥「そうそう。なんくるないさーですよ。うふふ」

真「明日に……なれば……」 ウト ウト

雪歩「うん……。お休み、真ちゃん……」

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:48:29 ID:R4VPHmcE
ラジオ「……北部、西部はほぼ水没し、富坂市東部もかなりの浸水による……」

P「……」

 コン コン

P「どうぞ」

律子「失礼します」

P「どうした?」

律子「いえ、まだ明かりが見えたので……」

ラジオ「……田辺知事は依然として行方不明のまま……」

P「北部と西部は全滅だ。救難ヘリの増援を要請してるようだけど、避難民の数が多すぎて間に合ってないみたいだな」

律子「リーダーもいないようですし、対策本部も大混乱でしょうね」

P「あぁ。知事自ら現場に出向くのは立派だが、今回はそれが仇になったな」

62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:49:40 ID:R4VPHmcE
律子「今後の予定は?」

P「こういった災害時の避難場所に指定されている、富坂市民公園を目指す」

律子「分かりました。明日、みんなに伝えます」

P「頼む」

律子「……」

P「どうした?」

律子「ごめんなさい。なんでも……。すいません……」

P「律子」

律子「こんなっ……、泣くつもりじゃ……」

P「大丈夫だ。みんな助かる」

律子「私……、本当は不安で不安で……、でも……」

P「大丈夫だ。絶対大丈夫だ。必ず助かる。約束する」

律子「あっ……」

P「……その、泣いてる女の子にはこうするべきだと……何かで見た」

63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:50:50 ID:R4VPHmcE
律子「……」

P「真が貸してくれた漫画だったかな……。いや、何でもいいや」

律子「……どうしてそんなに……落ち着いていられるんですか……?」

P「いや、内心バクバクです」

律子「……そうではなくて」

P「……経験している。2回ほど……大震災ってやつを」

律子「え?」

P「ひとつめは子供の時。ふたつめは学生だった時」

律子「そんな……」

P「どっちも大勢の人が死んだ。忘れたくても忘れられない、嫌な記憶だ」

律子「……(プロデューサーの履歴書……、確か首都島って……)」

P「大丈夫さ。帰ったらみんなでクリスマスパーティーをしよう。忘年会も兼ねて」

律子「……はい」

64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:52:07 ID:R4VPHmcE
P「病院に無理言ってさ、亜美も外出させてもらってさ」

律子「はい」

P「社長と、みんなと、パーティーしよう。な?」

律子「はい」

P「さ、落ち着いたらもう休め。明日も早いぞ」

律子「あの……」

P「なんだ?」

律子「その……、さっきの……」

P「分かってる。誰にも言わないよ。俺と律子の、二人だけの秘密だ」

律子「……はい」

P「お休み」

律子「お休みなさい」

65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:54:16 ID:R4VPHmcE
 ~12月26日~ 災害3日目・富坂市民公園付近

響「寒いぞ……、寒い……」

雪歩「はぁ……、はぁ……」

真「こんな時じゃなかったら、雪だって喜べるのに」

響「毎年青森から雪を送ってもらえるんだ。自分も雪は大好きさー。こんな時じゃなかったらだけど」

春香「椿ケアセンターの方角は……、駄目みたいです」

千早「水没してしまっているわ……」

律子「まだ渡れるところがあるはずよ。探しましょう」

P「ここからが駄目となると……、ここからこう行って……」

小鳥「これは?線路でしょうか?」

P「ですね」

律子「線路を渡りませんか?行ける所まで行って、それで」

P「この調子だと市民公園も駄目っぽいしなぁ」

美希「あの高い建物はなに?」

貴音「地図によると、“めでぃあたわー”と書いてありますね」

66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:55:04 ID:R4VPHmcE
あずさ「ラジオではなんて言ってるんでしょうか」

ラジオ「……奥富ダムと海岸線の決壊による影響で、市全体の水没の速度は……」

P「ダムが……決壊……」

ラジオ「……富坂駅及び、メディアタワー周辺のみ水没を免れている状態ですが……」

小鳥「じゃあ市民公園はやっぱり駄目ってことですね……」

ラジオ「……こちらも遠からず冠水する見通しとなっており、自衛隊への出動要請が……」

P「メディアタワーに目標を変更しよう。そこから最後の救助が出されているはずだ」

小鳥「そこももし駄目だったら……」

貴音「行きましょう」

小鳥「え?」

律子「最後まで諦めないでください。希望はありますから」

小鳥「はい……」

P「よし、線路に上がるぞ」

67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:56:03 ID:R4VPHmcE
 中央区・ジオセクション2

あずさ「急に風が……」

春香「こんな強風に……なるなんてっ……」

真「はぁ……、はぁ……、まともに……歩くことも……」

P「なるべく遮音壁の近くを歩くんだ。多少ましになる」

雪歩「あっ」 ガクッ

P「大丈夫か?ほら」

雪歩「は・はい……」

美希「こ・こんな時じゃなかったら浮気者って怒るところなの……!」

律子「はいはい、早く進みなさい」

響「寒い……、寒い……。ハム蔵連れてこなくて正解だったぞ……」

千早「あなた連れてくるつもりだったの?」

春香「そういえば動物たちはどうしてるの?」

響「社長に任せてあるぞ!」

千早「社長に世話させるアイドルってなによ……」

68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:57:13 ID:R4VPHmcE
貴音「看板が……」

小鳥「この風で落ちたんでしょうか……」

春香「あっ!線路が……」

P「途切れちゃってるな……」

律子「下は……、完全に水没してますし……」

真「あ、さっきの看板を使えば」

あずさ「これを橋代わりにするのね~」

美希「えぇぇ……」

P「よい……しょっと」

P「うん、大丈夫、かな」

律子「一人ずつ渡りましょう」

真「わ、結構丈夫なんだなぁ、看板って」

雪歩「駄目……、真ちゃん、駄目……」

69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:58:05 ID:R4VPHmcE
真「雪歩?どうしたの?」

雪歩「無理……、無理だよぉ、こんなの……」

真「大丈夫だよ。ボクも一緒に渡るから。ね?ほら、手繋ご?」

雪歩「駄目……、足が……」

美希「ハニー!雪歩が!」

P「待て待て、そこを動くなよ。真、先に渡れ。雪歩は俺がおぶる」

真「は、はい……」

あずさ「大丈夫よ雪歩ちゃん!今そっちに行くから~!」

P「お待たせ、雪歩。さぁ行こう。怖かったら目をつぶってればいい」

雪歩「うっ……、ふぇぇん……。ごめんなさぁい……」

P「謝ることなんてない。そりゃ怖いよな。ごめんな」

 ゴゴゴゴゴゴ……

P「なんだ?」

律子「……なに?」

70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:59:11 ID:R4VPHmcE
小鳥「収まり……ましたね」

P「嫌な感じだ。早く渡りきってしまおう」

響「もう大丈夫だぞ!雪……歩」

春香「どうしたの?」

千早「……!あれ……なに……?」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

小鳥「ぴよっ!?またぁ?」

美希「あの黒い壁……、まさか……」

 ズズズズズズズズ……

P「走れぇっ!!」

71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 00:59:43 ID:R4VPHmcE
真「わあああああ!!!」

貴音「なんという……!!」

律子「走って!走りなさい!!あのトンネルまで!!」

あずさ「はぁはぁ……、走ると胸が痛いわ~」

春香「はぁはぁ、ち・千早ちゃーん!!あいたっ」 ゴテーン

千早「こんな時まで命がけで転ばないでっ!!」

小鳥「実は私、筋肉痛でもうつらいんですーーー!!!」

P「いいから走れっ!!」

響「雪歩気絶しちゃってるぞ。ちょっと羨ましいな」

小鳥「ぴーーーーーーーーーーよーーーーーーーーーーーー!!!」

美希「一番速いっておかしいの……」

 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ズズズズズズ……

72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:02:26 ID:R4VPHmcE
 中央区・富坂駅付近

P「あれは……、ヘリ……?」

律子「大きいですね。救助用でしょうか……」

春香「メディアタワーはもうすぐですね」

小鳥「あ、駅のクリスマスツリーが……」

真「こんなに立派なツリーだったのに、今じゃ見る影もないね」

 ズズズズズズ……

響「ま・まただぞ……」

P「駅の中を抜けていこう」

あずさ「ここも浸水してますね」

千早「……」

律子「大丈夫。諦めないで」

千早「律子……」

律子「大丈夫。……大丈夫よ」

73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:04:05 ID:R4VPHmcE
P「さぁ行こう」

 ズズズズズズ……

美希「ハニー、いつまで雪歩おぶってるの?」

雪歩「……」

P「いや、気を失ったままだし……」

美希「雪歩もう起きてるの。さっきハニーの背中に顔うずめて嬉しそうにしてたの」

雪歩「しっ・してないよぉっ!」

美希「汚いの。さすが雪歩汚いの」

P「そんなことより―」

 ゴゴゴゴゴゴゴ……

貴音「いけません。走りましょう」

あずさ「どっちかしら~?こっちかしら~」

小鳥「あっ!違います!そっちじゃないですよ!!」

P「えぇいもう!連れ戻してる時間がない!!」

律子「どうするんですか!?」

74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:05:30 ID:R4VPHmcE
P「ついていく!メディアタワーじゃなく、こっちのビルの屋上に出よう!!」

響「ビルの屋上に出て!?それから!?」

P「祈れ!」

 ドオオオオン!!

真「来た!来たぁ!!」

千早「春香!走るわよ!」

春香「うん!あいたっ」 ズテーン

P「あぁもう!!」 グイッ

春香「あわわっ」

小鳥「あらすごい。二人抱えて走ってるわ」

P「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 ドオオオオオオオオオオオオオオ!!

真「プロデューサー!水が!!水が!!」

律子「喋る前に走りなさい!!」

美希「もう上に行くしかないの!!」

75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:07:03 ID:R4VPHmcE
千早「はぁ……はぁ……」

あずさ「あら~?行き止まりだわ~?」

小鳥「こっちこっち!!」

真「屋上のドアが!!」

P「こんちくしょおおおおおおおおおお!!!」 

 ドガン!!

響「開くもんだね……」

千早「はぁ……、はぁ……、下が全部……」

春香「メディアタワーが!!」

 ゴゴゴゴゴ…… ギイイイイイイイ……

貴音「あれに登ろうとしていたのですね……」

真「でも……、ここにいたって……!!」

雪歩「ヘリ……?あのヘリに人が……!」

P「おーい!!」

響「おぉーーーいい!!」

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:07:45 ID:R4VPHmcE
律子「駄目……、行っちゃうわ……」

千早「そんな……」

 ゴオオオオオオオオオ……

あずさ「街が全部水没してしまったわ……」

P「……じたばたしても仕方がない。ここで救助を待とう」

小鳥「あずささんがこっちに来なかったら、私たちあれに登ってたんですね……」

 ズズズズズズズ……

雪歩「ビルが……揺れる……」

真「もしこのビルも倒れたら……」

 バババババババババババババ……

貴音「あれは……?」

律子「さっきの……、いいえ、違うヘリだわ……」

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:09:57 ID:R4VPHmcE
 富坂駅・駅前ビル

伊織「あーっはっはっはっは!!」

P「あれは……伊織!?」

美希「嘘!?でこちゃん!?」

伊織「あんまり遅いもんだから!迎えにきてあげたわよ!感謝なさい!!」

P「伊織ー!こっちだー!!」

真「伊織ー!おいしすぎるぞー!!」

伊織「真の主役!スーパーアイドル伊織ちゃんよ!崇め奉りなさい!!」

あずさ「神棚に飾っちゃうわ~」

小鳥「事務所の神棚に飾ってあげますー!!」

伊織「パイロットさん、あのビルの屋上に降りられる?」

パイロット「ビルの強度が不安です。フェンスも邪魔で着陸することはできませんが、ギリギリまでなら」

伊織「ならギリギリまででいいわ。縄梯子があるはずよね?」

パイロット「はっ。お嬢様、席にお座りください。降下します」

伊織「水瀬家が誇る“うみたか”の力、見せてあげなさい。にひひっ」

78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:11:02 ID:R4VPHmcE
律子「伊織!あんたもう……」

伊織「なんて顔してんのよ?さっさと乗りなさい」

P「よし、みんな乗れ!」

響「ヘリは初めてだぞ……。これも怖いぞ」

貴音「こんな事態でなければ、優雅な空の散歩なのでしょうが……」

小鳥「はぁはぁ……、もうさすがに駄目かと思いました!」

千早「こんな時でも転ぶ春香は大したものだわ」

春香「そんな……えへへ」

千早「褒めてないわよ」

P「伊織」

伊織「ふふん。何か言うことは?」

P「お前は最高だ」

伊織「とーぜんでしょ!にひひっ!」

79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:12:13 ID:R4VPHmcE
雪歩「助かったんだね。本当にみんな助かったんだね……」

真「うんうん!帰れるんだよ!ボクたち!!」

あずさ「よかったわね~、雪歩ちゃん~」 ギュウッ

雪歩「うぐむむむ……」

伊織「あずさ、雪歩が死ぬわよ」

あずさ「あらあら~」

千早「くっ」

響「はぁ……、どっと疲れが出たぞ。美希がさっきからずっと静かだけど」

貴音「もう眠っています」

響「さすがだなぁ……」

P「……とんでもない事になってしまったなぁ」

律子「でも全員無事に帰れるじゃないですか」

P「それだけが救いだよ」

80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:13:32 ID:R4VPHmcE
律子「約束」

P「ん?」

律子「守ってくれたじゃないですか」

P「……あぁ」

律子「……」

小鳥「あらあら」

あずさ「まぁまぁ」

真「あーっ!プロデューサーと律子が手ぇ繋いでる!!」

律子「ちょっ!」

雪歩「えっ!?えっ!?」

美希「どういうことなの!?詳しく聞かせるの!!」

響「寝てたんじゃないのか」

貴音「貴方様、あとで事情はゆっくりと伺いましょう」

P「いや、その」

81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:14:15 ID:R4VPHmcE
伊織「……私を無視して……話を進めんじゃないわよ!!」

春香「……いつの間にそんな仲に……」

千早「……くっ」

春香「千早ちゃんさっきからそれしか言ってないよ」

P「はぁ、もう散々だ……」

小鳥「いいじゃないですか、みんな無事だったから……こんな風に騒げるんですから」

P「そうですね……。帰ったらまず亜美の所に行ってやらないとなぁ」

小鳥「そうですね」

P「やること……山積みだなぁ……。ゆっくり……休みたい……」

小鳥「……」

真「今度は小鳥さんの肩にもたれてる……!」

82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/17(日) 01:14:55 ID:R4VPHmcE
律子「ま、いいですけどね。今だけは」

小鳥「あはは……」

貴音「えぇ。今だけです」

小鳥「あれぇ?なんか空気が……」

春香「ハッピーエンドですよ!ハッピーエンド!!」

千早「そうかしら」

律子「いいんじゃないかしら」

千早「え?」

律子「いい終わり方であることに、違いないもの」

                                    END