一夏「女子が一杯居るでござるwwww」前編 

365: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 03:25:58 ID:woyhd0tE
日本語訳だと慣性停止能力だ。
そして、ボッシュはそれを発動させようとしたのか、俺にそれを向ける。
発動はしない。
何故なら、俺は『動いていない』からだ。
慣性が無い状態で、どうして止めれようか?
咄嗟に回避しようとして減速したのが運の尽き。

「グレースケール!!!」

シャルが、背中に追いつき、パイルバンカーを叩き込む。

「グアァァァァァア!!!!!」

HPは0になり、機能を停止した。

「サンキュ、シャル」
「ううん。
僕の方こそ遅くなってごめん」

シャルが俺の隣にやってくる。

「なに。
箒は俺の一番弟子だ。
逆にあっさり負けてたら、ワンツーマンでの反省会を開いていた所だ」

引用元: 一夏「女子が一杯居るでござるwwww」 
 

IS<インフィニット・ストラトス> 公式アンソロジーコミック (MFコミックス アライブシリーズ)
中山みゆき 橘由宇 たくあん。 赤星健次 浅川圭司 BLADE 今拓人 ベンジャミン しのづかあつと 風華チルヲ 山木鈴 石神一威 よしじまあたる 陽方暁 美和美和 鶴崎貴大
メディアファクトリー (2011-09-22)
366: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 03:35:24 ID:woyhd0tE
背後で膝まづいていた箒がビクンと震える。

「さて、箒は後で反省会をするとして、問題はあのクズだな」

同じ様に跪いているボッシュを見る。

「?」

どうにも様子が変だ。
シュヴァルツェア・レーゲンが溶け始めている。

「シャル、箒連れて避難しろ。
恒例の嫌な予感しかしないシリーズ」
「よ、よくわからないけど、わかった!」

シャルが頷き、跪いている箒に肩を貸してピットの方に向かう。
ボッシュはシュヴァルツェア・レーゲンだった物に飲み込まれ、人型の“何か”になっていく。

「ああ、なるほど。
オーライ、クソ野郎。
お前がこの世に生まれてきた事を地獄でも後悔したいらしいな。
良いだろう。
テメーは俺を、 怒 ら せ た 」

雪片弐型を構える。
ボッシュ野郎は、あろうことか、『千冬姉』に成ったのだ。

370: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 22:59:33 ID:woyhd0tE
『千冬姉、俺、千冬姉より強くなる!』

在りし日の俺は千冬姉にそう言った。

『強くなる?
私よりも?』

在りし日の千冬姉は笑った。

『大丈夫だ。
お前は私より強い』
『嘘だ。
俺、千冬姉に一度も剣道でも勝てた事ないぞ!』
『良いか、一夏。
強さとは、剣道で相手に勝つことじゃない』
『?』
『強さとは、自分がどれだけ諦めないで、自分自身で居れるか、だ。
お前は私にボコボコにされても、絶対に諦めないだろう?』
『当たり前だ!』
『じゃあ、お前は私より強い』

在りし日の千冬姉は俺に笑いかけた。

372: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 23:08:09 ID:woyhd0tE
『遅れて悪かったな、一夏』

突如壁破って現れたのは、ISを纏った千冬姉だった。

『千冬姉!?!』

俺は思わず泣きそうになった。
俺は、謎の組織に誘拐されたのだ。
暗く、時間もわからない場所に閉じ込められた。
でも、不思議と怖くなかった。
干冬姉が助けに来てくれると信じていたから。
だが、逆にそれが情けなかった。
千冬姉を守ると誓ったのに、また、千冬姉に守られてしまった。
だから、俺は思わず言ってしまった。

『遅すぎて、そろそろ自分で逃げようと思ってた頃だ』

膝は震え、涙をこらえるの精一杯だったから、声は震えていた。
だが、そんな俺を見た千冬姉は一言。

『やっぱり、お前は私より強いよ』

と笑って、泣いていた。

373: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 23:15:14 ID:woyhd0tE
『強さとは何か?』

千冬姉の紹介で最初に出会った自衛隊の教官が俺に聞いた言葉だ。

『千冬姉に勝つ事』

当時、5歳だった俺が真顔で答え、教官が目を丸くしてから、大笑いしたのは今でも覚えている。

『強い事とは、力強い事でも、ましてや、誰かに勝つことじゃない』

教官は俺の頭をぐわしぐわしと撫でながら続けた。

『強さとは、誰かを守ろうという気持ち、諦めない気持ちなんだよ。
お前は、強いか?』
『千冬姉は強いって言っていた。
だけど、俺は強くない。
だから、おじさんに会いに来た』
『OK。
俺はおじさんじゃない。
まだ30代だ。
つまり、まだお兄さんだ』

375: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 23:21:37 ID:woyhd0tE
「俺は強いか?」

目の前の偽物に走る。
手には雪片を握っている。
気に入らねぇなぁ……えぇ?

「いいや、強くない」

偽物は雪片を振り上げて、俺に斬りかかる。
それを寸ででかわし、左手のロンメルを撃つ。
しかし、それは軽々とかわされた。

「だが…」

偽物が上段の構えを取った。
オーライ、所詮はデータ上でのコピーだ。
左手のロンメルを捨て、雪片弐型を構える。
全力全開だ。
零落白夜を展開する。

376: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/07(土) 23:30:04 ID:woyhd0tE
「昔よりは、強い」

偽物が雪片を振り下ろすのとほぼ同時。
俺の零落白夜が偽物の胴体を真っ二つに切り裂いた。

「なんて、目をして居やがるんだ、全く」

そして、その裂け目から現れたボッシュと目が合った。

「ダンボール箱に入って雨に打たれている子犬かってーの、ジャガイモが」

地面にっ倒れているボーデヴィッヒを担ぎ上げる。

「起きたらぶっ飛ばしてやる」

ようやく駆けつけた教師共にボーデヴィッヒを放り投げ、俺もピットに向かう。
やれやれ、大会は中止かね?
全く。
イベント中止させすぎだろ、最近。

389: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 11:50:47 ID:NjzmSvYw
「いっ……」

ラウラ・ボーデヴィッヒが次に目を覚ました時には、見慣れぬ白い天井だった。

「気がついたか、馬鹿者」

不意に脇から声をかけられた。
脇を見るとラウラ自身が敬愛し、自分もなろうとし、なれなかった織斑千冬がいた。

「きょ、教官!?」

不意に起き上がろうとして全身に凄まじい激痛が走った。

「ぐっ…」
「無理をするな。
お前の体は全身打撲の上筋肉疲労。
酷い所だと、筋繊維が切れてるから、当分は凄まじい激痛と一緒に暮らすことになる」

千冬は何をやっているんだという顔でラウラを見る。

390: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:00:38 ID:NjzmSvYw
「教官、私は一体どうして?」

ラウラの質問に千冬は言い淀む。
だが、はぐらかした所で、結局この嘗ての教え子は納得しないだろう。

「VTシステムを知っているな?」

ここに一夏がいたら『VT信管なら知っているで御座るよwwwwwポコォwwwwww』とか言い出すのだろうと思いつつも、嘗ての教え子は違う。
神妙な顔つきになり、頷いた。
千冬は出来るだけ簡潔にこの事態を説明した。
シュヴァルツェア・レーゲンが千冬の形になったこと、一夏に瞬殺されたこと、今後のラウラ及びシュヴァルツェア・レーゲンを開発したドイツへの対処等を。

「ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「は、はい!」

不意に名前を呼ばれ、ラウラは居住まいを正す。

「お前は私に成れないし、お前は強くない」
「……っ、はい」

391: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:04:37 ID:NjzmSvYw
「一夏がお前に聞いたそうだな。
お前はどこに行きたい?
お前は何になりたい?
お前の目標はなんだ?
お前の目的は何だ?
お前にとって自分とは何だ?
と」

千冬の質問にラウラはそう言えばと思い出した。

「私からも問うぞ。
お前はどこに行きたい?
お前は何になりたい?
お前の目標はなんだ?
お前の目的は何だ?
お前にとって自分とは何だ?
それに全部答えろとは言わん。
だが、どれか一つでも見つけ、それを一つ一つ、ゆっくりでいいから、答えてゆけ」

千冬はそれだけ言うと、忙しい身だと一言言い、去っていった。

392: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:12:19 ID:NjzmSvYw
「私はどこに行きたいのか…
教官の隣…
いや、あの男の隣だ」

自分を悠々と負かしたあの男、織斑一夏の隣に。
いや、せめて、後ろでも良い。

「私は何になりたいのか…
あの男のように…強くなりたい……」

一夏は言った『軍人の恥』と。
確かに、そうだ。
チームワークがあってこその軍隊。
独り善がりも甚だしい。
なぜ、そこに気付けなかったのか…
周りを見下していたからだ。
自分より、無能と。
だが、無能では無かった。
故に、私は負けたのだ。

393: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:18:38 ID:NjzmSvYw
「私の目標、目的…
目的は強くなりたい。
目標はあの男と一緒に過ごす。
そうすれば、強くなる。
強くなれる!
私にとって、私とは?
私にとって、ラウラ・ボーデヴィッヒとは……
分からない」

だが、何故か、あの男、織斑一夏なら、それを教えてくれる気がした。
織斑一夏。
教官の弟。
織斑一夏。
私を負かした男。
織斑一夏。
ラウラ・ボーデヴィッヒはその日、生まれて初めての恋をした。

394: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:24:14 ID:NjzmSvYw
翌日。
今日はシャルが珍しく、遅刻していた。
もう既に、ホームルームが始まっているのに姿を見せない。
そして、教室には千冬姉と山田先生がいる。
ああ、哀れなりシャル。
聖剣シュッセキボーで成敗されるだろう。
あれで切られたものは当分、頭痛で悩まされる事間違いない。

「え~っと……
今日は、その、転校生の紹介というか、その~
もう、既にみんな知っているんですけど、まぁ、その~」
「山田くん。
さっさと紹介しろ」

干冬姉が歯切れの悪い山田先生を急かす。

「は、はい!
では、紹介しますね!」

ガラリと扉が開かれた先にいたのはシャルだった。
だが、足元は、スカートだ。
正直、もう、ね。
何考えてるのレベルのアレだったね。
教室中も同じことを思ったらしく、全員が息を飲んだ。

395: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:29:07 ID:NjzmSvYw
「シャル氏wwwwwww」
「な、何?」
「スカートとかwwwwwwww
何考えてるで御座るwwwwwwww
ボクっ娘はwwwwwww
ボクっ娘はwwwwwww
ズボン一択で御座るwwwwwwwwwwうぇwwうぇwwwwwwwww」

しかも、サラシを巻いていないらしく、胸は実に豊満だ。
Dぐらいはあるだろう。
やったね一夏ちゃん!
キョヌーが増えたよ!!!
ちなみに、 貧 候補は二組の鈴です。

「おい」

不意に、背後から呼ばれ振り返る。

「とう!」

少佐が顔を近づけていたので、一発ぶん殴ってやった。

396: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:40:00 ID:NjzmSvYw
周囲が騒然とし山田先生が駆け寄ってくるが、干冬姉がそれを止めた。

「織斑一夏」
「何だ」
「お前のかつての質問の答えが出た」
「ほぉ…言ってみろ」
「私はお前を嫁にする」

よし、誰かこいつぶっ殺せ。

「い、一夏さん!!」
「一夏!!」

ほら見ろ、イギリス製縦ロールと日本製サムライガールが立ち上がった。
ついでに、フランス製ボクっ娘も俺に笑顔を貼り付けた顔でこっちを見ている。

「某wwwww
赤痢とwwwwチフスとwwwwwペストが発病したで御座るwwwwwww
故にwwwww故にwwwwwwww
早退しマース」

迷わず、教室から退場。

397: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 12:48:34 ID:NjzmSvYw
「何処へ行く!」

背後からボーデヴィッヒがしがみつく。

「離せしwwwww」
「断る。
私はお前と行動を共にすると決めたのだ」
「一夏ァァァ!!!!」

今度は二組が現れた!
おーらい、俺は逃げ切るぜ!
逃げ切って『平穏な生活』を手に入れる!!!

第2巻分 完

取り敢えず、ラウラへの扱いが酷すぎるってあったけど、初対面で殴りかけられた上に、ラウラの行動からすればこのぐらい普通だと思った
後悔はしてない
次は、いよいよ夏休み編だね
以上

406: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 18:00:57 ID:NjzmSvYw
夜中の3時。
俺は凄まじい音と共に目を覚ました。
ベッドの脇に置いてある改造ガスガン(中国製)を片手に、素早く部屋を見回す。
下部に付いたフラッシュライトが眩しいぜ。

「何をしている」
「●●いだ」

そして、部屋の隅で俺と同じように拳銃(多分ドイツ製)とナイフ(S&W製)を持ったラウラが居た。

「取り敢えず、ラウラ」
「何だ」
「お前の格好はなんだ」

素っ裸である。

「正式な●●いの格好と聞いたが?」

誰だ、ラウラにそんな間違った事教えた馬鹿野郎は。

407: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 18:10:04 ID:NjzmSvYw
「今の騒ぎはなんだ!!」

そして、扉が開き、部屋に干冬姉が飛び込んできた。
さすが寮長。

「こんばんわ教官」
「千冬姉も●●いか?」
「また貴様等か……」

千冬姉がハーっと溜息を吐いた。
おい、“等”ってなんだ、“等”って。
俺は何にも悪くないぞ。
どれだけ悪くないかって言うと、フェルディナント大公夫妻並みに悪くない。

「それで、何故ボーデヴィッヒは素っ裸なんだ」
「●●いの正式な服装と聞いたので」
「一夏は何故、このアホを部屋に入れた」
「俺は入れてない。
勝手に入って来たんだ。
だから、警報が鳴った」

ちなみに、ブービートラップ張りの簡単警報器だがな。

408: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/08(日) 18:46:08 ID:NjzmSvYw
「分かったからその煩いのを止めろ。
他の生徒が起きてくるだろう、メンドくさい」

おい、こら、寮長。
めんどくさいとか言うな。

「ああ、わかった」

未だビービーなっている警報器(防犯ブザーにスピーカーを足した物)に線を戻す。
これで、このブービーは使えないな。
新しいブービートラップを仕掛けねば。

「取り敢えず、ボーデヴィッヒは部屋に戻れ。
織斑、後で反省文書け」
「だが、断る」
「グラウンド10週するのとどっちが良い?」
「グラウンド10週」

当たり前だろう、そんな事。
ま、50kmあるけど、気にしない。

425: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 21:01:35 ID:lVO9k16E
お前等が干冬干冬って何ってんのかさっぱりわからんかったけど、よくみりゃホントに『干』冬姉になっててワロタ

結局のところ50kmと言うのはフルマラソンよりちょっち長い程度だ。
そして、女子世界最速が2時間18分20秒である。
現時刻が3時なので、2時間30分で走れば、5時30分に終わり、再び、睡眠が出来るわけだ。
よって、目標は2時間半。
遅くとも、4時間で走れば、朝には間に合う。

「しっかり柔軟しておかなきゃな…」

柔軟体操をする。
念入りにしておかねば、アキレス腱を切ったり、肉離れなんてこともある。

「嫁よ、私も手伝うぞ」
「手伝うもなにも、走るだけだ。
お前に50km走れるとは思えん」
「舐めるなよ、軍人を」

ラウラはフンと鼻を鳴らし、洗濯板と変わらん厚さの胸を張った。

「なら、1分で支度しろ。
俺は先に行っているぞ」
「ああ」

426: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 21:18:42 ID:lVO9k16E
グラウンドに辿り着き、何時もの様にイヤホンから音楽を垂れ流す。
取り敢えず、テンションの上がるクラシックの2時間30耐久だ。
これが終わったあと、さらに1時間30分のロック。
視界が悪いな……
ISを一部起動し、視界を確保する為に、高感度センサーを展開。
夜でも真昼のように明るく見え、何十キロという先も拡大して見れます。

「待たせたな」

ラウラが来たので、走り始める。
既に3時を15分も過ぎてしまった。
まっくら森のーって、森じゃねーよ。

「む、ハイペースだな…」

ラウラが驚いた顔をしたが、このペースで走らなければ、2時間半を切らない。
大体、80km近い荷物背負って走るわけじゃないんだ、このペースも維持できるだろう。
こう見えても、レンジャー訓練の半分はクリアー出来るんだぞ、俺。
スゲーだろ。

427: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 21:49:53 ID:lVO9k16E
それから大体1時間ほど過ぎた。
ラウラが時々何かを話しかけてくるが、正直相手にするほど、俺も余裕はない。
自分のペースを保って、走るのに精一杯だ。
だが、ISというのは便利で、自分の走るスピードを決め、速すぎると、警告を出す。
遅すぎても警告を出す。
素晴らしい。
ISは暮らしの便利機能だな。
スマフォ並みに、便利だ。
正直、スマフォイラネ。
あ、ちょっとテンション上がってスピード上がりすぎって怒られた。
束さんも態々兵器としてこれ作らんでも、こう言う暮らしの便利機能だけに特化したのを作れば良いのに。
そう言う所が、『馬鹿』なんだよね。
まぁ、馬鹿と天才は紙一重って言うけどさ。
ぶっちゃけ、バカと天才は同じなんだよ。
バカだけど、一箇所だけ飛び抜けてる。
そして、その飛びぬけてる場所が、天才の領域に入るわけだ。
アインシュタインは2歳だか3歳まで言葉を話せなかっただか、二足歩行できなかったらしい。
昔の人の感覚で言えば、『馬鹿』という事だな。
で、束さんも、今の俺からすれば、やっぱり、『馬鹿』だ。
やってる事は、世界に喧嘩売ってるんだからさ。
おかげで、俺が巻き込まれた。
今度会ったら、ぶん殴ってやろう。
腹立ってきた。

428: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 22:01:16 ID:lVO9k16E
正直な話、妹の箒や、親友の千冬姉までなら巻き込んでも構わない。
何故かって?
深い関わりがあるからだ。
正直な話、俺は、束さんとはあんまり接点はない。
箒や千冬姉と一緒に居た時に少し話した程度だ。
第一印象は『バカっぽい人』だったからな。
案の定、『馬鹿』だったけどさ。
大体、何が世界平和だ、アホらしい。
昔の偉い人は言ったぞ『平和とは次の戦争への準備期間である』って。
しかも、世界で最も普及している拳銃弾にもちゃんと採用されているし。
9mmパラベラム弾だ。
わけのわからん、歌手じゃねーぞ?
で、そこの『パラベラム』ってのがその意味だ。
確か、ラテン語だな。
まぁ、あれだな。
基本的知識だな。
まぁ、『日本の平和』って意味なら、1945年以来、一度も直接的に戦争に参加してないから、平和だな。
実現する意味がない。

429: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 22:10:40 ID:lVO9k16E
もし、仮に、世界平和だとしたら。
実現できないよ、ISじゃ。
平和って定義があやふやだけど、中東や第三諸国では未だ、非対称戦争が継続的に行われているし、紛争も続いている。
今じゃ、あそこらへんが世界のホットスポットだ。
日本じゃあんまり放送してないが、アメリカとかじゃバンバン放送してるぞ。
アメリカ軍が金出している放送局は絶対放送するし、CMもアメリカ軍は君を欲しているってやってるし。
ISが出来る事は、ちょっとの間、世界を騒がせるだけだ。
そして、半世紀もすれば、ISは飽きられて、結局、また、人間同士が戦争し始めるぞ。
使えなきゃ、使わないで戦争すればいいんだもの。
今まである兵器武器で戦争が出来ていたんだ、態々それを使って戦争をしなくてもいい。
現に、中東や第三諸国に流れている兵器武器は現ロシア製、アメリカ製の兵器だ。
そもそも、中東のゴタゴタは、先進国が引き起こした問題でもあるから、ISを出しても、結局片付くことはないんだよ。
現在の戦争は、大国同士じゃないんだから。
大国VS小国。
又は大国に後押しされた小国VS小国。
それか、大国に後押しされた小国VS大国に後押しされた小国だ。
で、特に厄介なのは3番目。
これは、お互い、バックの大国が儲かるから絶対にやめない。
だから、泥沼化していくんだよ。

430: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 22:33:27 ID:lVO9k16E
なんてことを考えていたら、あっという間に50kmだ。
そして、時間は3時間。
うむ、微妙だ。
午前6時。
ラウラを探すとグラウンドで倒れていた。
あんなところで寝て風邪をひかないのだろうか?
軍人だから引かないのか?
取り敢えず、運んでおいてやろう。
寮に戻ると、千冬姉が入口で立っていた。

「お前、本当に50km走り終わったのか…」

千冬姉が俺を訝しんだ顔で見る。
仕方ないのでISの走行距離を見せてやる。

「……信用しよう。
それで、背中のラウラはどうしたんだ?」
「さぁ?
グラウンドで寝ていたので運んであげました」
「それは倒れたんだ、馬鹿!!」

千冬姉が慌ててラウラを担いで走っていった。
なんだ、倒れたのか。
軍人のくせに鍛え方が足りんな。

433: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/09(月) 22:58:35 ID:lVO9k16E
そして、部屋に戻り、シャワーを浴びて汗を流しつつ、手足を揉む。
シャワーから上がり、再び柔軟。
運動後もきっちりと体を解しておかないと、えらい目になるぞ。
筋肉痛とか筋肉痛とかな。
一通り、体をほぐし、時間を見ると6時30分だ。
うーむ……
取り敢えず、食堂に行こう。

「織斑一夏の朝早いwwwwww
おはようで御座るwwwwww」

廊下に出ると、朝練の生徒がいた。

「あ、織斑くんおはよう。
今日は一段と早いね?
どうかしたの?」
「ちょっと50kmばかし走っていたで御座るよwwwwwポコォwwwwww
織斑教諭は鬼畜で御座るwwwwwwデュフwwデュフフwwwww」
「そ、そうなんだ…
じゃあ、私、行くね」
「お気を付けてwwwwwwwwwコポォwwwwww」

435: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 15:42:59 ID:JtKjo9EE
食堂に入ると、ちょうどおばちゃんが食堂をあけたようだ。

「あら、まだ準備出来てないのよ。
7時30分から朝食の時間なのよ。
コーヒーぐらいなら出すけど」
「ありがたく頂くで御座るwwwwww
おばちゃんの淹れるコーヒーは上手いで御座るwwwwww」
「インスタントよ?」

インスタントでした。

「インスタントでもオバチャンが淹れたら美味しいで御座るwwwwwww」
「上手い事言っても何も出ないわよ」
「美味い飯が出ればイイで御座るwwwwwwwwデュフwwデュフフwwwwww」
「そうかい。
じゃあ、今、淹れるから待ってなさい」
「あいあいwwwwwwww」

コーヒーを受け取り、隅の一人席に座る。
疲れるなぁ……ここ。
早く夏休みにならないかね?
まぁ、あと少しだけどさ。

「ん、そこに居るのは一夏か?」

436: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 15:48:42 ID:JtKjo9EE
見ると箒がいた。
肩に竹刀と木刀が入っているらしい竹刀袋を担いでいるところを見ると、どうやら素振りをしていたようだ。

「よぉ、箒。
まだ、食堂は開いてないぞ」
「そういうお前だって入っているだろうが」
「俺は朝のコーヒーを飲んでいるんだ」

ついでに、ISの通信機能でデジタル新聞を読んだり、ネットやったりしてる。
あ、メール確認するか…

「お、おぉおぉぉお!!!!!!」
「な、何だ!?」

箒が俺の向かいに座ろうとして、スっ転げた。
何やってんだこいつ?

「箒」

箒の肩を掴む。

「な、何だ?」
「7月の頭」
「あ、ああ」
「俺は富士山の御殿場に行くから」
「は?」

437: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 16:22:10 ID:JtKjo9EE
 
富士総火演に当たった。
本来なら8月の下旬に行うのだが、束さんが開発したくそったれISのせいで7月の頭近くにやる事になったのだ。
軍縮だのなんだと左のxxxx共が声をたからかにうるさいために、規模を縮小、その上、一般人が集まりにくい、7月の頭、しかも、平日のど真ん中にやりやがる。
確か、水だったはずだ。
だが、俺は行くぞ。
何故なら、総火演では10式と90式が俺を待っているのだから。

「取り敢えず、姉が急病で倒れたことにしよう」
「千冬さんならさっき、ラウラを担いで保健室に走りこんでいたぞ」
「……そうだった!!
ここ中学じゃねぇ!!」

糞、千冬姉、マジブッ倒れねーかな…
いや、ないな。
それはないな。
取り敢えず、毒もっても死にそうにないからな。
いや、ここはセシリアに愛をこめたイギリス料理のフルコースを作ってもらって、千冬姉に食べさせよう。
最悪、再起不能になるかもしれんが、総火演の為なら仕方ないだろう。
千冬姉は犠牲になったのだ。

443: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 18:49:40 ID:JtKjo9EE
「一夏、すごい悪い顔をしているが、何を企んでいる」
「なんでもない。
取り敢えず、俺は、総火演に行くのだ!」
「ソーカエン?
なんだそれは?」

箒が俺を見る。

「え、なにその冗談?
ドリフ全盛期の小学生でも笑えない冗談だぞ。
まだ、くだらんオヤジギャグ聞いてたほうが建設的だ」
「ぶん殴るぞお前」

箒が竹刀袋から木刀を取り出しそうになったので、慌てて竹刀袋を取り上げる。

「おーらい、落ち着け、箒。
ついカッとなってやった、後悔はしていないなんて裁判所で言ってみろ。
それこそ、お前、懲役何十年だぞ」
「煩い、黙れ。
取り敢えず、7月の頭は臨海学校があるぞ」
「は?
いや、総火演の方が優先だろjk」

444: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 18:54:57 ID:JtKjo9EE
何言ってんだこいつ?

「いや、専用機持ちのお前は絶対出ないとダメだろう。
ISの実習も兼ねているんだから」
「いや、マジ、そう言う良いですから。
俺、総火演行くんで。
箒さんにこれあげるんで箒さん代わりに出てくださいよ」

ガントレットを外し、箒に渡す。

「お前のISが私に使えるか!!」
「データ初期化しろボケぇぇ!!!!
千冬姉に頼んで来るか待ってろ!!」

食堂を飛び出し、保健室に向かう。

「千冬姉!!」
「学校では織斑先生と呼べ」
「うるせぇ!
白式のデータを初期化して箒渡してくれ!!
俺は、臨海学校になんぞ行かないぞ!!!」

445: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 19:06:17 ID:JtKjo9EE
「おまえは何を言っているんだ?
大体、私の前で学校をサボろうとはいい度胸だな」
「うるせぇぇぇ!!!!!
総火演のチケットが取れたんだよぉォォォ!!!!!!」
「知るか。
それと騒ぐな、ラウラが起きる」
「ああ、なんであいつ倒れたん?」
「貧血だ」

貧血?
何故?
ホワイ?

「て、言うか、軍人の癖に貧血ってありえんだろjk。
と、言うか、特殊部隊の隊長でしょ、少佐だし。
ゴリラ少佐みてーにピッチピチのステルス迷彩スーツ着てUSASもってる山ちゃん怒ったりしないの?」
「お前が何を言っているのかを理解できない。
取り敢えず、ラウラはISの適正を上げただけで、後は普通の女子高生よりちょっと体力がある程度だ」
「マジかよ……」

446: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 19:20:13 ID:JtKjo9EE
「お前はラウラに何を期待していたんだ?」
「え、いや、こう、スク水着て、ポン刀片手に烈風斬撃ったり、バヨネット片手に中国人民軍の少将と戦わないの?」
「いや、だから、お前はラウラに何を求めているんだ?」
「ハッカペろうぜ!」
「もう、良いから黙って出てけよ!」
「じゃあ、ついでに、臨海学校も辞めます」
「それはダメだ」

オーライ、戦争だ。

「戦争じゃボケェ!!」
「うるせっつってるだろうがボケェ!!!!」

それから始業時間まで俺達は死闘を繰り広げた
勝敗は結局付かなかったが。
だが、俺の意思はちゃんと伝えた。
さて、今度の休みに高性能カメラを買いに行かねば。

447: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 19:28:14 ID:JtKjo9EE
「納得いかん」

結局、俺は放課後罰掃除として教室を掃除をしていた。

「ま、まぁまぁ」

同じく教室掃除の罰を食らったシャルが箒で床を掃いている。
あ、この箒は、篠ノ之箒の箒じゃなくて、掃き掃除用道具の箒だぞ。

「あ、そうだ」
「何?」
「今度、日曜日に買い物に行くから付き合ってくれ」
「買い物?」
「ああ、カメラを買いに行く」
「カメラ?
え、臨海学校に持っていくの?」

シャルが顔を赤くしながら俺を見た。
何故、俺が女子高生の水着姿なんぞを写真に収めにゃいかんのだ。
そんなメモリの無駄は絶対せん。

448: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 19:41:05 ID:JtKjo9EE
「違う。
そんなネット探せば出てくるような画像なんぞ誰が写真に収めるか、無駄な。
陸上自衛隊の隊員や彼等が操る兵器武器をカメラに収めるんだよ。
120mm滑腔砲を発射する90式や10式を見守るんだよ。
第一空挺師団のヘリボーンとか偵察隊のバイクの運転実技をカメラに収めるんだよ。
富士山も見なきゃなぁ~
あー
楽しみだなぁ~」

取り敢えず、必要なものは300mm以上の望遠レンズ付きカメラを2個以上。
バッテリー、一脚、水、携行食料だな!
必要なものをリストアップして置かないとな!!!

「ほらシャル。
掃除は多方終わったろ。
さっさと帰ろうぜ」

掃除道具入れに箒や塵取りを入れ廊下に出る。
ああ、週末が楽しみだ。

451: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/10(火) 20:44:39 ID:JtKjo9EE
そして、週末。

「今日は忙しいぞシャル」
「う、うん」
「取り敢えず、先ずはビックカメラとヤマダ電機を廻って一番高性能なカメラを探し、店員に聞いたあと、必要なパーツと共に秋葉原の電気街で買い叩く」
「ほ、本当に行く気なの?」
「当たり前だ。
何が臨海学校だ、バカバカしい。
何が好きで女子高生の水着姿を見にゃならんのだ。
大体、誰が入ったかもわからん、海に入るのはごめんだ。
知ってるか?
海の中で小便を垂らすアホもいるんだぞ?
そんな水の中にわざわざ頭まで入るとか、脳内に蛆でも湧いているんじゃないのかと錯覚してしまう」

そんなモンを浴びるくらいなら、総火演に行って、砲火の匂いに包まれたほうが幸せだ。
ああ、早く行きたいね!
FH70やガンタンク!
新15りゅうにWAPCとかも楽しみすぎてwktkが止まらん。

「い、一夏、あんまりはしゃぎすぎないでね?」

シャルが俺を心配そうに見ている。

「案ずる事は、無い。
さぁ、いざゆかん秋葉原!!」

456: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/11(水) 16:41:23 ID:NYyb/1pI
秋葉原を歩いていると、異様にシャルが目立つ。

「お前目立つな、外人だから」
「え、そ、そう?
カップルみたいに見える?」
「は?」
「え…」

何を言っているんだこいつは?

「取り敢えず、付けてくる奴も居るから、それ等をかわすために更なる人ごみに行きます」

後ろの方でめっちゃ人だかりが出来ていて、めっちゃ美人の外人3人と女子がいる。
うち、一人はIS学園の制服で、眼帯しているょぅι゛ょだという話だ。
どう考えてラウラです、大変ありがとうございました。
そして、外人2人は鈴とセシリアだろうな。
んで、残るは箒だ。
間違いない。

「ほら、はぐれると、マジ交番でお世話になってメンドくさいから、手を繋ぐぞ」

457: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/11(水) 16:45:56 ID:NYyb/1pI
シャルの手首を掴むと歩き出す。

「あ、あのさ、そこ、手首なんだけど……」
「ああ。
手を繋ぐと、簡単に解けるから、手首を掴むんだ。
シャルも俺の手首を掴め」
「え、あ、うん……
できれば、手の方が僕的には嬉しいかなぁ~って」

シャルがモジモジしながら言う。

「そうか。
取り敢えず、こっちだ」

近くのパソコンショップに入る。
この店は裏口も通れて、更にはエスカレーターが二箇所にある。
そんでもって、バカの様にガンダムやデブが多いので、いい具合に障害物になる。
ここを一階から歩いていけば、人ごみに慣れていないあの4人を充分引き離せるだろう。

458: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/11(水) 18:22:16 ID:NYyb/1pI
そして、そのショップに入ると案の定、シャルが口元を空いている左手でおおった。

「す、すごい独特の匂いだね……」

ぶっちゃけ、汗と加齢臭とパソコンの臭いが入り混じった凄まじいカオスだ。
しかし、シャルはそれを『独特の匂い』と表現したところに、俺は評価をしよう。
そして、その異臭の発生源達はシャルと俺を見ると出来る限り、通路をあけ、更にはシャルを盗み見まくっている。
ちなみに、最初、シャルは半袖のブラウスに、スカート、タンクトップで正直な話、馬鹿かとアホかと。
動きやすい服装にしろと言いつけたら、今度はジャージを粋に着こなしてきやがった。
さすが、フランス人って感じだな。
ジーパンにシャツの俺はなんともシンプルだ。
ちなみに、ユニクロです。
シャルは人とぶつからないように、というか、絶対に当たりたくないという慎重かつ芸術的な動きで狭い通路を俺に引っ張れれていく。
後ろの方から、ギャーだのキャーだのギャーテーだのと聞こえてきた。
多分、追跡者だろう。
うん。
取り敢えず、このショップは用がないので早々に抜けて立ち去ることにした。
さらば、追跡者達。
君達はアキバを舐めていたのだよ、フハハハ。

461: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/11(水) 23:54:38 ID:NYyb/1pI
「さて、鬱陶しいのを巻いたし、目的の物を買いに行くぞ」
「う、うん」

それからサクサクと物事は進んだ。
うん、4人はどうなったのかは知らんが、多分、学園に帰ったろう。

「そろそろ、お昼だね」
「そうだな。
取り敢えず、必要最低限のモノを購入したし」
「うん」
「帰るか」
「あ、いや、お昼は?」
「ん?
腹減ったの?」
「いや、せっかく外に出たんだから、何か食べていこうよ」

シャルが脇の少しファンシーな店を指差す。
ありゃ、メイド喫茶だ。

「正直な話、学園の料理に慣れてるなら、外の料理は食べん方がいいぞ」

462: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/12(木) 00:00:53 ID:8/kipDqU
「なんで?」
「不味いからだ。
知ってるか。
IS学園は日本が全て金出してるから、いわば、日本の意地も出てるわけだ。
お前、教室が常にピカピカな理由って知ってるか?」
「お掃除のおばさんがそうじてるから?」
「ああ、そうだ。
日本の学校は通常、高校生が学校を掃除するんだ。
だが、ここはそうはさせない。
学生が掃除すると、妥協して、きれいに掃除しない。
更には、最近の学生は多少、教室が汚くても、どうと言うことは気にしない。
しかも、学園の半分は外人だ。
廊下にゴミのポイ捨ては当たり前で、掃除夫がいなきゃ、一週間でスラム街になるぞ。
んで、それは料理にも言えることで、お前達フランス人やイタリア人が文句言わずに、あの価格で料理を食べるのはまず、IS学園だけだ。
大体、マックのセット販売より安い値段で、モス食ってるようなもんだぞ。
普通、あの値段なら、食えたもんじゃない。
セシリアの料理から毒抜いた感じだ」

言うと、想像したのか、シャルがブルリと震えた。

463: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/12(木) 22:58:41 ID:8/kipDqU
正直、あれは、もうね…
思わず、なんの拷問だ!と叫んだぐらいだからな。
そんでもって、セシリアの口に突っ込んだらそのまま気絶したという…
しかも、昼食の前後の記憶が曖昧になったという素晴らしい毒物だ。

「と、いう訳で、帰って学園で飯を食べよう」
「そ、そうだね!」

シャルと共に学園に帰る。
学園には案の定4人の姿が見えず、朝早くから出かけたとのことだ。
ちなみに、4人が帰ってきたのは門限ギリギリで、ひどく虚ろな目をしていた。
デブとガンダムにまみれたからだろうな。
千冬姉なら、迷わず気円斬でぶった切ってるレベルの連中だからな。
俺は来るべき、総火演の為に、般若心経を唱えつつ就寝するとしよう。
昂る気持ちを抑えるのだ。
そして、抑圧された感情は総火演で一気に爆発させる。
ああ、麗しの総火演…
あと、1週間と迫っているぞ!
お休み、ジョン。
お休み、ママ…

469: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 14:38:42 ID:584KudQ6
それから俺は総火演の事を夢見て日々を過ごした。
そして、只今火曜日の午後6時30分。

「あれ、一夏?
そんな荷物持ってどこ行くのよ?」

廊下で鈴に出会った。

「俺の史上最大の楽しみ」
「は?
臨海学校?」
「誰がそんな下らん場所に行くか。
俺は富士山麓の東富士演習場で総火演を見に行くんだ!!」
「いや、明日から臨海学校だっつってんでしょーが!」
「うるせェェェェ!!!!!
俺はッ!!!
絶対にッ!!!!!!
総火演にッ!!!!!
行くぞォォォォォッ!!!!!!!!」

効果音をつけるならドーンかドギャーンだな。

470: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 14:43:40 ID:584KudQ6
「一夏」
「今度は誰だ?」

振り返ると、干冬姉が立っていた。
咄嗟に顔を覆うが、背後から鈴が俺の首に何かを注射した。

「なん…だと……!?!」

足の感覚がなくなり、その場に蹌踉めく。

「私の、勝ちだな一夏」

そして、最後に見た光景は、千冬姉の勝ち誇った満面の笑みだった。
畜生…
俺の、きゅーまるたん…
はちきゅうたんが……
――――――
――――
――

479: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 19:20:07 ID:Lunu4T6w
千冬姉が干冬姉になる理由が分かった、クソッタレめ

次に目が覚めたら、夕方だった。
外が綺麗に夕日に染まっているんだからな。
できれば、朝日だと思いたいが、残念ながらこの暑さは間違いなく午後だ。

「え?」

見知らぬ天井。
シワ一つない真っ新なシーツ。
和室だ。
携帯の画面を見たいが、見たくない。
しかし、俺は事実を確認しなければならない。
脇に転がっている携帯に恐る恐る手を伸ばす。

「ああ…そんな……
馬鹿な………」

なんと、水曜の午後5時25分だった。
つまり、総火演は終了した。
そう、俺の人生も終了した。
シーツを割いて、足跡の縄を作る。

480: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 19:27:00 ID:Lunu4T6w
周囲を見回し、首が吊れるような丈夫な梁が無いか探すが、流石にない。
うむ、首吊りは諦めよう。
次は……
コンセントを発見した。
何か鉄製のものがないかと部屋を探すと、クリップが2つ落ちている。
これはもう、感電死するしかないね!!
クリップを広げて、両手に持ち、コンセントにブッ刺した。

「電気来てねーじゃん……」

クソ!!
千冬姉っ!!!
いや、もう、あんな嫁遅れ、姉でもなんでもねぇ!!
あんな鬼畜の所業が出来る外道は最早、鬼だ!!
これからはもう、誰も信じない……
きっと、あの5人もそうだろうな、アイツ等も敵だ敵。
俺は今から鎖国する。

「お、起きたか一夏?」

扉が開いて、篠ノ之さんが入って来た。

「どうしたんですか、篠ノ之さん」

481: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 19:35:20 ID:Lunu4T6w
「い、一夏?」
「なんですか、篠ノ之さん。
ここは男子の部屋なので、早急に立ち去った方が良いですよ?
でないと先生方に見つかった時、非常に怒られるかと」
「そ、それはそうだが、お、お、怒ってないのか?」
「怒る?
何がですか?
何をですか?
篠ノ之さんは、何か僕を怒らせることでもしたので?」
「いや、その、ど、どこか行くって…」
「ああ、そう言えば、でも、もう終わってしまったんで。
申し訳ないですが、そろそろ出て行って貰えます?」

扉を指差す。

「っ!
わ、分かった、済まなかった…」

篠ノ之さんは織斑先生が呼んでいたと言い、出て行った。

482: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 19:42:37 ID:Lunu4T6w
やれやれ。
篠ノ之さんが置いていったしおりには、教師の部屋は俺の部屋のすぐ近くだった。

「織斑です」

扉をノックすると、奥から入れという声がした。

「失礼します」

扉を開けて中に入ると織斑先生が腕を組んで立っていた。

「どうだ、一夏?」
「何がですか、織斑先生」
「何がって…
総火演に行けなくて、どうだ?」
「そうですね、とても残念です。
ですが、総火演は自衛隊がなくならない限りは一生続きます。
ですから、また来年行きますよ。
それで、要件は?」
「あ、ああ、お前の持ち物だ」

織斑先生が脇にある俺のカバンを指差した。

「態々有難うございます。
それでは、失礼します」

487: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 22:55:41 ID:Lunu4T6w
荷物を持って廊下に出るとのほほんさんが居た。

「これはこれはwwwwww
のほほんさんでは御座らんかwwwwwwwww」
「あ~
おりむーだ~
ね~一緒にご飯食べよーよ~」

相変わらずなまけもののようにヌボーっとした感じでこっちに走って?来る。

「良いで御座るwwwwwwww」
「お~
お~?
なんでおりむーはカメラなんて持ってるの~?」
「これで御座るかwwwwwww
そwwwwれwwwwwwはwwwwwwwww
臨海学校でwwwwwww
女子の水着を取るためで御座るwwwwwうぇwwwwうぇwwwwwwwwww」
「おりむーの●●●~」
「男子はwwwwww
●●●で御座るwwwwwwwwポコォwwwwww」

489: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 23:20:54 ID:Lunu4T6w
それから部屋に荷物を置いて、のほほんさんのグループと共に夕飯を取った。
なんでも、今日は着いたばかりだと言うにみっちり訓練したとか。
俺は、バスで酔った事にされていた。

「ね~おりむー」

隣で魚の骨を取らずにバリバリと食べているのほほんさんが俺に話しかけてきた。
ワイルドなんだか、そうじゃないんだか、不思議な女子だ。

「なんで御座るかwwwwww」
「明日一緒にあそぼーよー」
「構わんで御座るwwwwww
ビーチバレーをするで御座るwwwwwwwwデュフwwデュフフwwwwww」
「いーよー
あとでおりむーの部屋行くね~」
「お布団敷いて待っているで御座るwwwwwww」
「やーん、おりむーの●●●~」

女子どもがキャーと騒ぎをあげ、織斑先生に一喝された。

497: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 17:54:16 ID:26vFhVig
夕食が終わり、部屋に戻る途中の廊下。
庭が一望できる廊下でなんの気なしに庭を見ていたら、何かが埋まっていた。
具体的にはウサミミだ。

「『引っこ抜いて下さい』だと?」

そういう張り紙がしてあったので、その張り紙を取る。
そして、部屋に戻り、紙に『触らないで下さい 女将』と書き直し、先程のうさみみの前に置く。

「あ~
どうしたのおりむー?」

そこにトランプを持ったのほほんさんと彼女とよくいる女子が一緒だった。

「これはwwwwwww
どうもしてないで御座るwwwwwww
トランプやるで御座るかwwwwwww」
「うん~
お菓子かけよーよ~」
「構わんで御座るwwwwwww
がwwwwwww
某wwwww
某はwwwww
トランプで負け知らずで御座るwwwwwデュフwwwデュフフwwwwwwww」

498: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 18:03:25 ID:26vFhVig
部屋に戻る途中、他の女子に見つかり、計5人で賭けトランプをする事になった。

「ブラックジャックするで御座るwwwwwww」
「ルール知らないよ~」
「大富豪やろうよ、大富豪!」

わいのわいのと騒いでいたら、部屋がノックされた。
いかん、織斑先生か?
女子全員はぴたりと静まる。
そして、俺は部屋の扉を閉じて、廊下につながる扉を開いた。
そこに立って居たのはデュノアさんとボーデヴィッヒさんだ。

「や、やぁ、一夏」
「遊びに来たぞ、一夏」
「ああ、デュノアさんにボーデヴィッヒさん」
「え?」
「せっかく来て貰ったけど、男子の部屋にいるのが見つかると君達が怒られるし、僕も怒られる。
だから、悪いけど、明日ね」

扉を締め、鍵を閉める。
部屋に戻る。
女子達が誰だったのか?と言う顔を見たので、仲居さんだったと答えておく。

499: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 18:35:49 ID:26vFhVig
その後、就寝前の点呼まで遊び、お菓子を大量にゲットした。

「あんまり、菓子は食べないんだけどな」

まぁ、良いか。
幸い、部屋にはネット環境が整っていたので、ニコ動で総火演を見ることにした。

「行きたかったなぁ~
総火演……」

脇のカメラを見やる。

「結局無駄になったな」

まぁ、先程、女子たちを大量に撮ったのだが。
主にのほほんさんとかのほほんさとかのほほんさんとかを。

「あーあ、マジ行きたかった……」

画面ではちょうど、対戦車ヘリコプターが30mmチェーンガンをぶっぱなしていた。

509: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 19:09:08 ID:7GPMPvds
コポォって空気の漏れる音だったのか、知らんかった

チェーンガンと言えば、プレデターを思い浮かべる人も多いだろう。
正式にはペインレスガン、無痛ガンといい、ミニガンをプロップガン化した奴だ。
ちなみに、チェーンガンはガチでチェーンを使って銃を動かしてるからチェーンガンという。
プレデターやボトムズといった映画やアニメのせいでガトリング=チェーンガンと考える人も多いが、これは間違いだ。
第一、陸自はミニガンを採用していない。
海保や海自が50口径のGAU19やM61を採用しているが陸自は残念ながら採用していない。
ブラックホークに付ければ良いのにね、ミニガン。
上空からブオォォォォって甲高い法螺貝吹けば良いのにね。
上陸しようとしてくる半島や大陸の土民共を一撃粉砕してやれば良いのにね。
ついでに、俺が総火演に行けなくなった理由もミンチにしてやればいいのにね。

「寝よ」

布団を敷いて、潜る。
そして、ウツラウツラとしていると、コンコンと中庭につながる窓を誰かが叩いていた。

「何ぞ……」

寝付け際に起こされたのでちょっとイラっとしている。

510: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 19:12:16 ID:7GPMPvds
窓を開けると、着ぐるみが立っていた。

「何やっているで御座るwwwwwwww
のほほんさんwwwwwww」

着ぐるみこと、のほほんさんがヤッホ~と手を振る。
取り敢えず、中に入れてやる事にした。

「よっこいしょ~」

窓を乗り越えようとして、思いっきりズッコケ、俺を押し倒した。

「痛た……」
「大丈夫で御座るかwwwwww」

幸い、俺がクッションになり、のほほんさんには怪我は無い様だ。

「あ、う、うん…
ゴメンね、おりむー」

のほほんさんが顔を赤くして言う。
暗くてよく見えなかったことにしよう。

526: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 22:55:36 ID:7GPMPvds
「それでwwwwwww
どうしたで御座るかwwwwww
こんな夜更けにwwwwww
さてはwwwwwww
さてはwwwwwww
夜wwwwww這wwwwwwwいwwwwwwwww ktkr wwwwwwww」
「……」

のほほんさんは黙って俯いてしまった。
うむ、やばい予感。

「じょwwwww冗談で御座るwwwwwwww」
「うぅん、そうだよ」

のほほんさんが俺に抱き着いた。

「オフゥwwwww
冗談wwwwww
冗談キツイで御座るwwwwww」
「冗談じゃ、無いよ?」

のほほんさんが俺の顔を掴むと、どこにそんな力があったのか、思いっきりズキューンをした。

「お、おい?!」
「きゃっ?!」

529: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:34:33 ID:7GPMPvds
「わ、悪い!?」

咄嗟に突き飛ばしてしまい、のほほんさんは尻餅を付いていた。

「ううん、良いの。
私が、悪い訳だし……」

のほほんさんは俺の差し出した手を握り、立ち上がる。
取り敢えず、部屋の鍵を掛け、突然、教師どもが乱入して来ぬ様に処置を取っておく。
本来なら、鍵を掛ける事は禁止なのだが、この際、規則なんぞどうでもいい。
室内の備え付け電子ケトルでお湯を沸かし、これまた置いてあるインスタントコーヒーを淹れる。

「ありがと、おりむー」
「いや、良いさ」

のほほんさんが嬉しそうに例によってダブダブ長袖でマグカップを包む。
取り敢えず、一旦落ち着こう。
次に発する言葉は俺の今後の人生を左右するだろう。

530: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:45:14 ID:7GPMPvds
「あ~……
のほほんさん」
「いつもの喋り方じゃないんだね」

のほほんさんがクスクス笑いながら俺を見た。

「ああ。
あれは、疲れる」
「なら、その喋り方でいいじゃん」
「良くない。
取り敢えず、君と話していると、君は延々と話を逸らそうとするから、単刀直入に言う。
のほほんさん、いや、布仏本音。
君は、この俺、織斑一夏に告白しに来たな?」
「……うん。
やっぱり、おりむーは鋭いね」

のほほんさんは恥ずかしそうに後頭部を掻きながら答える。
人間、照れるとなんで頭を掻くんだろうな?
まぁ、どうでもイイけどさ。
と、言うか、俺、どこでのほほんさんのポイントを稼いだ?

534: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:26:07 ID:HpTTeBYw
「ひとつ聞いていいか?」
「うん、何?」
「いつから俺を好きに?」

尋ねると、のほほんさんはしばらく考え、クスリと笑う。

「分からないな~
気が付いたら好きになってたよ」
「そうか…
なら、もう一つ、良いか?」
「うん」
「俺のどこが好きなんだ?」
「ふふ、おりむーの好きな所はね~
相手のさらに一歩前に行ってて、自分にも、相手にも厳しいところ。
あと」
「あと?」
「顔」

思わず、椅子からずり落ちそうになった。

「結局、男は顔だよ、おりむー」

535: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:31:58 ID:HpTTeBYw
デブは呼吸する時脂肪に押されるのか…… だから、無呼吸症候群とか起こるのか

「なるほど…
まぁ、取り敢えず、君はどうしたい、布仏本音?」
「私?
ん~…
正直な話をすれば、おりむー、織斑一夏と付き合いたい。
一杯おしゃべりしたり、手をつないでデートしたり、観覧車でキスしたりしたい。
でも、きっと、おりむーはそんな事をしたくないんだと思う。
おりむー、メンドくさい事とか厄介事から積極的に逃れようとして、結果的に厄介事に先回りされてるよね」

鋭いなぁ、こののほほんさん…
誰だよ、『のほほん』なんて言ったの。
オレだよ。

「まったくもってその通りだな。
参ったなぁ…
多分、君は、俺にとっての泥除けになりうる存在だ。
俺は、君の事が好きじゃない。
正直、クラスメイトの一人としか見ていないんだよ」

536: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:37:36 ID:HpTTeBYw
「うん、知ってる…」

のほほんさんは寂しそうに笑う。

「他の、特に、あの5人にはそうだよね。
『友達』って区切りをしっかり守ろうとしてる。
篠ノ之さんや、凰さんは幼馴染だって事で、多少は深い関わりをしてるけどさ。
でも、言ってみれば『親友』って距離だよね。
オルコットさん、ボーデヴィッヒさん、デュノアさん。
全員、『友達』って感じだもん」

よく見てるなぁ、本当に。
何時もフラフラしてるだけだと思ったけど、認識を改めないとな。
やっぱり、スゲーよのほほんさん。

「取り敢えずさ、自分でも最低な事を言うと言う自覚もあるし、それに付いては謝罪のしようがない。
だけどさ、もし、君がさ、それでも良かったらさ、俺と、付き合ってくれないか?」

540: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:43:43 ID:HpTTeBYw
「返事をする前に、私のお願いひとつだけ聞いてくれる?」
「ああ、勿論だ」

のほほんさんは、布仏本音は袖を捲くって、拳を固める。

「最低っ!」

そして、思いっきり、左頬を殴られた。
所詮は素人、そして、女の子のパンチ。
大したダメージはない。
ボーデヴィッヒ少佐に殴られた方が痛い程だ。

「ありがとう」
「いや、こっちこそ」
「私も、おりむーの事が好き。
何時か絶対におりむーから告白させてやるよ~」

のほほんさんが大粒の涙を流しながらにっこり笑って窓を開ける。

「ゴメンね、もう、帰るよ」
「ああ、俺こそごめん。
お休み」

542: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:48:54 ID:HpTTeBYw
「はぁ~……
今になって痛くなってきた…」

だが、これはしょうがない。
俺が悪いんだから。

「俺、マジでサイテーだな、本当に。
niceboutは避けたいけどさ…
下手すると、niceboutだよなぁ……
でも、いっそ刺された方が良いのかもな」

誠死ねとか言ってる場合じゃねーよな。
誰が誠かっつーの。
オレだよ。

「寝よ」

痛む頬を抱えて、俺は寝る事にした。
時刻は12時を回っていた。

543: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:57:55 ID:HpTTeBYw
翌日、俺は珍しく寝坊した。
起きたら既に7時45分だった。

「寝坊したか……」

取り敢えず、洗面台に向かい、昨日殴られた場所を確かめる。
当たり前だが、あとにすらなっていない買った。
顔を洗い、身なりを整える。
携帯を見ると、着信が5通。
それぞれ、篠ノ之さん、凰さん、ボーデヴィッヒさん、デュノアさん、オルコットさんだ。

「外出たくねぇ~…」

だが、出ないわけには行かな。
取り敢えず、朝食は朝8時だ。

「うっし!」

気合を入れて扉を開ける。

「おはよ~おりむー」

544: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:08:25 ID:HpTTeBYw
それと同時に、スタンバイしていたらしいのほほんさんに飛びつかれた。

「おはようで御座る」

それを抱き留め、高い高い。

「おりむー」

のほほんさんが目をつむって顔を近づけてくる。

「ちゅー」

俺も顔を近づけ、キスをする。
すると、廊下にいた全員が、目を見開いて固まった。

「今日は寝坊したで御座る。
某、ついさっき起きたで御座るよ」
「おりむーお寝坊さんだね~
私の夢でも見てたの~?」
「見てたで御座る」

そして、立ったまま失神している女子共を置いて、食堂代わりの大部屋に。

549: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:28:11 ID:HpTTeBYw
大部屋に着くと、既に席の大方は埋まっていた。

「どこ座る~?」
「あそこが空いてるぞ」

ちょうど、並んで二つ空いている場所があったので、そこに座る。

「い、一夏さん、おはようございます」

隣にはオルコットさんが居た。

「ああ、おはようございます、オルコットさん」
「セッシーおはよ~」

挨拶をして、目の前に置かれている配膳を見る。

「ご、豪華で御座る……」
「凄いね~
朝からお刺身~」

朝は塩ジャケが良いのだが、まぁ、良いか。

551: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:31:50 ID:HpTTeBYw
「織斑」

背後から殺気を感じ、咄嗟にのほほんさんを庇いつつ、置いてあった割り箸を取る。
振り返った瞬間、何かが振り下ろされたので、それを箸で受け流す。

「ああ、おはようございます、織斑先生」
「おい、貴様。
先程生徒から報告があったが、布仏と何をした」

俺を襲ったのは織斑先生。
得物は出席簿だ。

「何と、言われましても…」
「朝の挨拶~?」

ふたり揃って首を傾げる。

「キスをしたと聞いたが」

553: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:45:54 ID:HpTTeBYw
織斑先生の一言でその場のざわめきが一瞬で止み、全員が半ば立ちかけた格好で固まった。

「だから、朝の挨拶です。
欧米は恋人同士のキスはいわば、挨拶と同義語です。
日本も、特に、IS学園は国際化の最たる存在。
別段、僕と本音がキスをした所で、おかしい事は無いはずですが?」
「お前達は学生だ。
さらに言えば、ここはIS学園でもなんでもない。
ふしだらな行為はやめろ」
「異議あり。
キスはコミュニケーションの重要なアクションの一つです。
そして、相手が恋人同士なら尚更です。
織斑先生の今の発言は、自由な思想、考えへの弾圧です。
撤回を求めます」
「…お前はまたそう言う子供みたいな屁理屈を言う」

織斑先生がくだらんと一蹴し、去っていこうとした。

「だから、ダメなのだ」

まったくもってダメだ。
議論をしようとしない。

「ああ言う風になっては、閉鎖的考えしか、浮かばないし、脳内も凝り固まるで御座る。
のほほんさんも気を付けるで御座る」
「分かった~」

554: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:49:43 ID:HpTTeBYw
パソコンの変換ミスだな 脳内変換しておいてくれ

正直、話したくないので何か言いたげの織斑先生やオルコットさんを無視する。

「お、遅れましたぁ~」

そして、相変わらずけしからん●をブルンブルン揺らす山田先生がやって来る。

「遅いで御座るwwwwww
早く挨拶するがヨロシwwwwwwww
朝食食べたいで御座るwwwwデュフwwデュフフwwwwwww」
「え、ええ、じゃあ、皆さん。
いただきます」

山田先生は周囲の微妙な感じの空気を気にしながらそう宣言する。

「飯で御座るよ。
あーんするで御座るよ、のほほんさん」
「うん、そーだね、おりむー
あ~ん」

565: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 18:49:58 ID:HpTTeBYw
それから、朝食はあーんだのなんだのとバカップル丸出しで朝食を終えた。
そして、今日は一日自由だが、ハメを外さぬようにと織斑先生と山田先生から忠告を受け、解散となる。

「ね~おりむー」
「何で御座る?」
「海行こ~よ~」
「良いでござるよ。
それでは、水着に着替え、必要なものを持ってまた部屋に来るで御座る」
「分かった~
また後でね~」

のほほんさんがそう言うと去っていった。
やれやれ、朝食食うだけでなんでこんなに疲れるんだ…
部屋に入り、どうせ、ぶっ込んであるのだろう水着を引っ張り出す。
水着はトランクス型の七分丈だ。
色は黒で、そこらへんに売ってる奴を慌てて入れました的な感じに入っているのを考えると、織斑先生が入れたのだろう。
せめて、畳めよと思ったが、家事が壊滅的打撃を受けているので無理なのだろう。

566: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:57:45 ID:HpTTeBYw
着替えて、カバンにタオルや日焼け止めといった物を入れていると扉をノックする音。
のほほんさんか、彼女にしては早いな。

「今行くで御座るよ」

扉を開けると、そこに居たのは例の5人だった。

「ああ、どうしたんで?」
「あ、あのさ、一夏。
さっき、言ってたことって本当?」

さっき、とは詰まる所、朝食の時だろう。
そして、この5人はのほほんさんとの関係を問い質す為に来たと見た。

「そうですよ、凰さん」
「っ……」

そう呼ぶと、凰さんは下唇を思いっきり噛み締めた。

567: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 20:00:39 ID:HpTTeBYw
「あ、あのさ、一夏!」

今度はデュノアさんが話しかけて来る。

「なんですか?」

にっこり笑うと、デュノアさんが一瞬怯む。

「こ、これから海に行こうと思ったんだけど、一緒にどうかな?」
「結構です。
僕、これから、本音と一緒に海に行くので」
「そ、そう……」
「じゃあ、仕度があるので」

5人にそう告げて、扉を閉めようとしたら、それをガンと止められた。

「何ですか、ボーデヴィッヒさん。
まだ、僕に用が?」
「何故なのだ?」

568: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 20:25:42 ID:HpTTeBYw
ボーデヴィッヒさんだ。

「何が、ですか?」
「何故、そんなに余所余所しいのだ?
私が何かしたのか?」

ボーデヴィッヒさんが俺を見上げる。
その顔はダンボールに入って雨に打たれている捨て犬みたいな感じだ。

「それが分からない内は、俺に話しかけるな。
俺はお前等を憎んでいる。
去れ、これ以上、お前等と話していると、ぶん殴りたくなるから」

ボーデヴィッヒさんの手を扉から離し、扉を閉める。
そして、部屋に戻って支度の続きをする事にした。
そう言えば、パラソルやブルーシートとかはどこかで借りれるのだろうか?
あとで、フロントに聞いてみるか。

577: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:32:55 ID:HpTTeBYw
結局、ビーチパラソルとシートの貸出は無料でやっていた。
流石IS学園。

「おりむーぜんし~ん」

のほほんさんがご~と緩い号令をかけ俺はパラソルとシート、そして、もろもろの荷物を抱えて歩く。

「一気に背が高くなったよ~」
「まぁ、某が肩車をしているで御座るからな」

俺の上で袖を振っているのほほんさんは楽しそうだ。
ちなみに、のほほんさんの水着は寝巻きと同じ感じの着ぐるみの様な水着だ。
どこに売ってるんだ、この水着……

「ん~?
おりむーなんか埋まってるよ~」

そして、砂浜でのほほんさんがうさ耳を見つけて指でつついている。
足元には『抜いてください』と言うプレート。

578: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:36:16 ID:HpTTeBYw
「抜いていいのかなぁ~?」

のほほんさんは俺が答えるよりも早く、その耳を引っこ抜いた。
耳の下には何もなく、なんと言うか、『耳だけ』だ。

「何も起こらないで御座る」
「ね~」

数分待ったが、何も起こらない。
取り敢えず、パラソルを刺して、シートを広げて置いた。

「泳ぐ~?」
「そうで御座るなぁ~
取り敢えず、海を漂うで御座る」

大型の浮き輪を膨らませる。
周囲の女子が遠巻きに俺とのほほんさんを眺めてはがっくりと項垂れていた。

579: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:39:04 ID:HpTTeBYw
「ねぇ」
「ん?」
「私、ちゃんと泥除け果たしてる?」

のほほんさんが俺の隣にやって来て小声で聞いた。

「……ああ、ありがとう」

そう答えると、のほほんさんは寂しそうに笑う。

「良かった。
取り敢えず、海を漂っておけば、多分、誰も近づいてこないよ」
「ああ、そうだな。
その後、ほかの女子たちとビーチバレーでもするか」
「うん…」

膨らんだ浮き輪を持って砂浜を歩く。

581: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:46:46 ID:HpTTeBYw
「準備運動をしてから入るで御座る」
「うん、分かった~」

二人並んでラジオ体操を第2まできっちりやる。
そして、その後、のほほんさんを抱えて海中へ進む。

「海は良い……」
「なんで?」
「誰も干渉しないし、誰にも干渉しない」

俺の胸に凭れているのほほんさんが俺を見上げる。

「海って、すごく干渉してるし、干渉されてるよ?」
「まぁ、人間から見たらね。
でも、海からすれば、結局、自分の体の一部にホンの少し何かしているだけだろ?
言ってみれば、蚊に刺された感じ?
海は偉大だよ、のほほんさん。
いや、本音」

582: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:59:44 ID:HpTTeBYw
言うと、のほほんさんは顔を真っ赤にした。

「きゅ、急に名前で呼ぶなんて卑怯だよ…」
「じゃあ、のほほんさん?」
「ん~…
でも、ふたりだけの時は、名前で読んで欲しい、かな?」
「分かった。
ちょっと、待ってて」
「?」

一旦、海中に沈み、すぐ、2mほど下に潜水しているうさみみ女の口についているレギュレーターを奪い取り、そのまま、鳩尾を殴りつける。
すると、ボガガガとうさみみ、エプロンドレスは肺の酸素を盛大に吐き出し、モガモガと水面を目指してバタ足。
誰が行かせるか、アホ。
足を掴み、それを阻止。
しばらく、もがき、そのまま抵抗がなくなったのを見て、海面に引き上げる。

「お、おりむー…
それ、誰?」

583: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:07:05 ID:HpTTeBYw
「アドルフ・ヒトラーやヨシフ・スターリン、ポル・ポトも裸足で逃げ出す犯罪者。
ちょっと、コイツを運ぶから待ててくれ」
「う、うん。
浮き輪使う?」
「いや、この程度なら簡単に運べるから」

左腕でアホをつかみ、ビーチまで泳ぐ。
そして、ビーチまでつくと、人口呼吸。
ガハガハと水を吐き出し、ぐったりとしているアホの顔面を数発殴る。

「起きろ、コラ」
「う、うぅ~…」

アホは数度呻くとパッと目を開ける。

「ここは何処!
私は誰!?」
「これでも噛んでろ」

スカートの一部を割いて、丸め、口の中に放り込み、ハンカチで口を覆う。
モゴモゴと煩いので腹に良いのを入れる。
そして、手足を縛り、放置。

「これ、警察に届けて。
国家指名犯だから」

584: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:10:46 ID:HpTTeBYw
そして、再び、のほほんさんの元に戻る。

「ゴメンゴメン。
あれ、国家指名手配犯。
まぁ、保護っつー目的だから、『犯』はおかしいけど、俺にとっては『犯』だし」
「そ、そうなんだ」

取り敢えず、浮き輪の中に戻る。

「ねぇ、おりむー」
「ん?」
「好き」
「ああ」
「私のこと好きになった?」
「まだだな」
「そっか…」

言うと、のほほんさんは海中にドボンと潜る。
何ぞ?

591: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:33:36 ID:HpTTeBYw
そして、次の瞬間、ザポンとのほほんさんが戻ってきた。

「どうしたんだってぅおっ!?」
「ふっふっふ~
おりむーはキョニュー大好きっ子かな~?」

なんと、そこに現れたのは胸元を手で隠したのほほんさんだった。

「いや、水着は!?」
「腰で巻いてるよ~」

そう言うと、のほほんさんが俺に抱きついてくる。
見た目とは裏腹のその豊満な胸が俺の胸板に当たり、押しつぶされた。

「おりむー、顔赤いよ?」
「そ、そう言う本音だって…」

596: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:47:05 ID:K5KOEv2U
途中までしか読んでないけどヤベーよ、ヤベーよ、展開的に少し、被っちまってる…
まぁ、良いか

「ねぇ、おりむー…
いや、一夏、って読んだほうがいいかな?」
「どっちでも構わない」
「キスして?」

のほほんさん、いや、本音が俺をジッと見詰めて来る。
今更ながら、IS学園と言う存在がこれ程までにムカつく存在だとは思わなかったな。
IS学園、つまりは、自国のISと操縦者を見せびらかしてお互いを牽制しあう場所だ。
そして、その搭乗者は知能はもちろん、容姿も求められる。
IS学園に最低でも読者モデルか?ってレベルの女子しかいないと言う事はそういうことに起因している。
それは、目の前の布仏本音にも言える事であって、そんな女子が裸で抱き着いて来て、キスをしてくれなんて言っているんだ。

「それは、出来ない」

不屈の闘志と根性を持って、のほほんさん、の要求を拒否する。

597: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:54:07 ID:K5KOEv2U
「どうして、なんて聞かなくても分かってるけどさ…
でも、どうして?」
「……俺は、まだ、君のことを『のほほんさん』としか見ていないんだよ。
だからさ、そう言う意味で『本音』って呼ぶ事はないんだ」
「うん、やっぱり、おりむーの攻略は難しいなぁ~
おりむー●●●●嫌いなの?」

ウリウリとのほほんさんが俺に胸を押し付けくる。

「M1858並に好きです」
「何それ~?」
「死ぬ程好きってこと。
と、言うか、●●●●の大きさなんかどうでも良い。
形良ければ全て良しって感じ?」

ちっ  だろうが、きょぬーだろうが。
俺はすべての●●●●が好きだ。
そう言う意味ではのほほんさんの胸は素晴らしいと思う。

「あ、●●してるよ、おりむー」
「逆に、これで●●するなという方が無理だ。
悪いが、マジでやめてくれ。
これ以上くっついてられると、大変な事になる」

602: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 01:16:55 ID:K5KOEv2U
その後、散々からかわれた後、やっとこさのほほんさんは離れてくれた。

「取り敢えず、浜に戻るか」
「そだね~
だいぶ流されちゃったしね~」
「マーメイドのせいだな」
「まーめーど?」

浮き輪の上にのほほんさんが乗り、俺がそれを牽引する。

「ああ、のほほんさんは可愛いからなぁ~
だが、人魚共にのほほんさんは渡さない。
のほほんさんは、俺の物だ」
「セリフだけ聞けば惚れちゃうけどね~」
「セリフだけはね。
泥除けがなくなると俺は困る」

言うと、頭をゲシリと蹴られた。
 
603: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 01:28:38 ID:K5KOEv2U
 
浜に戻ると、織斑先生がいた。
新しく新調したらしい水着を着ていた。
まだ、昔使ってた奴があるだろうが、馬鹿か?

「一夏」
「何ですか、織斑先生」
「今は、先生じゃない」
「そうですか。
で、何ですか、織斑先生?」
「……先程、束を捕まえたそうだな」
「ああ、あのxxxxですね。
警察に届けるよう頼んだんですが?」
「そんな事が出来るか馬鹿者。
取り敢えず、今、部屋にいるが、何故あんな事をした」
「殺さなかっただけマシと思ってください、織斑先生」

脇でのほほんさんが少し怯えた顔をしている。

「僕は篠ノ之束を恨んでいる。
今の先生やあの5人よりも。
深く深く、恨んでいる。
それじゃあ、僕はビーチバレーをするので」

604: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 01:47:35 ID:K5KOEv2U
のほほんさんを抱き寄せて脇でビーチバレーをしていた女子郡に混ざることにした。
そして、昼食の時間になるまでめいいっぱい遊んだ。

「いや~
織斑くん、途中から写真撮りばっかしたね~」
「あとで焼き回し頂戴」
「もちろんで御座るwwwww」

取り敢えず、カメラが微妙に役立ってよかった、のか?
まぁ、良いさ。

「ん、この羽音は…」

此処等辺は一般機、軍用機もろもろの飛行禁止区域だ。
しかし、ヘリの羽音が聞こえる。
大型機だ。

「ブラックホークだな…」

そして、音のする方を見ると、2機のブラックホークが低空でこちらに向かっている。

605: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 02:13:57 ID:K5KOEv2U
クソ、海兵隊ブラックホークじゃねぇ、CH-53Eだ

カメラの超望遠レンズを使って、確認する。

「あれは、アメリカの海兵隊、それに自衛隊だな…」
「あれヘリコプターだよね?」
「そうで御座る。
あれはアメリカ第一海兵航空団所属のCH-53スーパースタリオンで御座る。
その隣は木更津の第一ヘリコプター団で御座る。
中央即応集団隷下の部隊で御座るな。
カッコイイなぁ~
スーパースタリオン、マジでかっこいいなぁ~
やっぱり、アメリカ良いよなぁ~
ISなんてクソみてーなおもちゃなんかよりよっぽどかっこいいしよォ~
ペイブロウ落とすぞこの野郎!」

陽気なグリーンジャイアント出すには、緊急物資で取れることが多いんだぜ。
ペイブロウじゃねーけどな、スーパースタリオン。

607: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:48:04 ID:K5KOEv2U
「ねぇ、まっすぐこっちに来てない?」
「しかも、高度下がってるし…」
「いかん!!
全員浜辺から離れろ!!
降りてくるぞ!!!」

その場にいた全員を浜辺からな離し、パラソル折りたたんで、ここに降りろという即席ヘリポートを二箇所につくる。
教師どもは何をやっているんだ?
そして、二機のヘリからは士官が足早に走っていく。

「お、おりむー
あの人たちは?」
「おいおい、まさかあの中将ってテリー・ロブリング中将じゃないのか!?!」

見るからにアメリカ人ですと言うアメリカ人の指揮官がずんずん歩いて行く。
もちろん、そうは問屋が卸さない。

608: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:58:39 ID:K5KOEv2U
「待て待て待て!!」

取り敢えず、中央即応集団の一等陸佐、多分、特殊作戦群の指揮官だろう。
と、防衛大臣と思われるおっさんの方に走る。

「来るな!
そこにじっとしていろ!!」

脇にいた自衛官が俺に静止するように叫び、脇の海兵隊は俺に銃口を向ける。
ならば、こっちはISだ。
白式を展開し、雪片弐型を向ける。

「俺の名前は織斑一夏。
何の用だ?
許可はあるのか?」
「国の一大事だ」

防衛大臣が目を見張りつつ俺を見る。

「あんたの答えは1+1=1941年に真珠湾攻撃ですって答えてるようなもんだぜ、防衛大臣」
「今は、国の一大事としか答えようがない。
詳しい理由はあとで話す。
君のお姉さんは?」

609: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 21:52:44 ID:K5KOEv2U
「織斑先生なら、先程、旅館に戻った。
案内するかい?」

大臣は周りの自衛官と話し、ついでに、未だに銃口を向けている中将にも話しかけた。
通訳をつけていないところを見ると、中々優秀なようだ。

「では頼む」
「ああ。
それと、何時まで狙ってやがる。
銃口下げろ、ジャーヘッド。
俺は敵じゃねぇ」

言うと、防衛大臣がそれを訳し、海兵に言う。
海兵は渋々という顔で銃口を下ろした。

「アンタ等がIS嫌う理由はわかるぜ。
俺もISなんておもちゃは大嫌いだ。
篠ノ之束は死ねばいいと思っている。
俺はアンタ等の事かなり好きだ。
じいさんや曾祖父さんが守る南方戦線じゃアンタ等海兵隊が尖兵として戦った。
あとで握手してくれ」

大臣がそれをそのまま訳したらしく、海兵たちがにっこり笑い、軽く敬礼してくれた。

「おっさん、いい奴だな」
「私も、ISが嫌いでね」

610: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 21:59:48 ID:K5KOEv2U
大臣が言うと、全員が笑う。
そして、そのまま海兵隊と自衛隊を連れて旅館に戻る。
旅館に入ると、仲居がギョッとした顔で俺たちを見るが、まぁ、当たり前だろう。
そのまま、織斑先生と山田先生の部屋に向かう。

「織斑先生」

扉をノックするとなんだと声が返って来た。

「織斑くん!?」

名前を呼ばれ脇を見ると、山田先生が水着姿で立っている。
しかし、顔面蒼白で手元には端末。

「彼女は?」
「えっと、副担任の山田麻耶先生です」
「あ、あの、どちら様で?」

山田先生が大臣たちを指差す。

「防衛大臣と陸上自衛隊中央即応集団特殊作戦群指揮官平田隆則一等陸佐に在日米軍第3海兵遠征軍司令官のテリー・ロブリング中将ですよ。
常識でしょう?」

616: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 01:26:15 ID:4qyf92nQ
「え、えっと、大臣の事は知ってますけど、その、中将さんと一佐さんは知りませんでした、すいません」

山田先生が二人に頭を下げる。
プルンとけしからん胸がこぼれ落ちそうになり、全員が凝視。

「そんなことより、山田先生。
国家の一大事らしいじゃないですか。
アメリカ軍と自衛隊が出て来るってことは、それなりにヤバイってことですよね?」
「あ、そ、そうでした!!
ここでは話せないので中にどうぞ…」

山田先生がそうだと思い出したように、俺たちを部屋に案内した。
部屋の中では先程の水着姿のままの織斑先生がビール片手に茹だっていた。
おい、こら教師。
何やってんだテメーコラ。

「山田くん、誰だのその男共は?」

617: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 01:31:36 ID:4qyf92nQ
「はじめまして。
防衛大臣の森本敏です」

大臣がどこに視線を送っていいのか困った顔で頭を下げる。

「お久しぶりです、織斑さん。
平田です」

一佐が織斑先生に頭を下げる。
知り合いかよ、畜生。

『はじめまして、と言っておいた方がいいかな?
テリー・ロブリング中将だ。
君の事は色々と聞いているよ』

中将殿が自己紹介をした。
この程度ならわかるぞ、俺も。

「何があったので?」

618: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:03:32 ID:4qyf92nQ
簡潔に言えば、エリア51でアメリカ軍と自衛隊が共同開発していた第3世代ISが暴走したらしい。
コンセプトは単騎による広域殲滅が可能かつ、長距離航行が出来、更には通常巡航速度がマッハ2と言うISらしい。
名前は銀の福音と書いて、シルバリオ・ゴスペルというらしい。
アメリカ人らしい仰々しい名前だ。
まぁ、それこそ『約束されし勝利の剣』とか付けるよりはましかもしれんがな。

「で、そのISを俺達が破壊するんで?」
「そういう事だ」

織斑先生が頷く。

「しかし、第3世代IS、しかも、かなりのハイスペックで、シャルロットさんはもちろん、私や鈴さん、ラウラさんのISでも対処できるかどうか…」

あの後、呼ばれた専用機持ち3人も緊張した面持ちでセシリアの答えに頷く。

「原因は?」
「不明。
外部からの不正アクセスにより暴走したらしい、と」

中将の言葉を訳した防衛大臣が答える。

619: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:10:17 ID:4qyf92nQ
「それで、その暴走したISは操作できないので?
中に人が乗ってるんでしょう?」
「ええ、一人、パイロットが。
しかし、現在、彼女とは通信出来ず、どうなっているかは不明です」
「エネルギーが切れるまで放置しておけば?」
「地球を何周すると思っている。
途中で暴れられたら、それこそ第三次世界大戦が勃発するぞ」

織斑先生が言う。

「良いじゃん、別に」

答えると、全員が目を見開いた。

「な、何を言っているんだ君は!」
「大臣も、薄々気がついてるんじゃないんですか?」
「な、何をかね?」
「ISって兵器は所詮核兵器にも劣る玩具だって」

620: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:19:14 ID:4qyf92nQ
「ISの兵器運用は禁止されているぞ、一夏くん」
「アンタ、自己矛盾にも程がある発言してるのわかってるよな?」
「……はぁ、オフレコで頼むよ?」

言うと、全員が頷いた。

「私個人の意見として言わせてもらうよ。
私も、一夏くんと同じ意見だ。
ISなんぞ、世界を変える力は糞程もない。
確かに、世間じゃISがあれば世界は平和になる、ISこそ次世代の新兵器だって思っている。
だが、世界はそんな甘いものじゃない。
結局、軍事バランスは変わっていないし、世界経済も動いていない。
いや、それどころか、右肩下がりだ。
大手軍需企業は軒並み縮小され、軍関連の失業者が多く出た。
ISが出来る前のほうがまだ、世界平和だ。
ヨーロッパの経済はギリシャ問題での解決出来ぬまま、ISの騒ぎだ」

621: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:30:51 ID:4qyf92nQ
後はわかるね?と大臣が笑った。

「正直、日本はまだイイ方だ。
君達IS学園の御蔭で、軍関係就職者天下り先も確保できた。
土地問題も、何ら問題なく提供された。
正直、我が国とアメリカはISを第3世代までで切り捨てるつもりでいた。
ISは火縄銃よりも劣る」

防衛大臣の大暴露に織斑先生、山田先生、そして、専用機持ち4人が目を丸くした。

『森本大臣の言うとおりだ。
諸君等IS乗りには悪いが、ISなんて言う物は所詮、人が殺せるおもちゃ、でしかない。
森本大臣は火縄銃を引き合いに出したが、私に言わせれば、それは火縄銃に失礼だ。
あんあもの、兵器として使えない。
だが、我々はその“おもちゃ”に振り回されている。
悔しいかな、あれは最早我々の手には負えない。
済まないが、君達に力を貸して欲しいのだ』

622: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:44:06 ID:4qyf92nQ
中将が深々と頭を下げた。
ちなみに、全部、森本大臣が訳してくれた。
うん、大臣良い奴だ。
流石、大学教授。

「それで、中将。
協力するのは良いけど、何か算段はあるのか?」
「一応、福音が日本に到達するのは1週間後だ。
今、アメリカ海軍の太平洋艦隊と海自が共同で、戦線を張って、太平洋のど真ん中で福音を迎えようとしているよ」
「太平洋艦隊総力を挙げて、落とせるのか?」
「まぁ、持って1日、いや、3日は持たせられるかな?」
「取り敢えず、太平洋艦隊なくなったら、リムパック潰れるからな~
そんな事は絶対にさせねぇ。
オーケー作戦建てよう。
相手は一機。
UFO野郎だ。
んでもって、所詮試作機。
太平洋艦隊は誰にも壊させん」

623: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 02:55:52 ID:4qyf92nQ
計画は、こうだ。
マッハで飛んでくる福音をアメリカ軍と自衛隊が出迎え、地上に引き下ろす。
後は、俺等専用機持ちが戦う。

「本当に、こんな単純な作戦で勝てるのかい?」
「大臣、相手が自分より強ければ猪口才な戦術なんて効かない。
だったら、ガチンコで殴り合おうぜ?」
「ははは、確かに」
『我がアメリカ軍も軍人の意地を賭けて戦う積もりだ』
「そいつは、心強い」

しかし、

「海がキレーだな~」

現在、太平洋洋上旗艦ひゅうが甲板だ。

「自衛隊の空母に乗れるとかマジ、感激だ。
死んでもいい」
「空母じゃなくて、ヘリ搭載型護衛艦ね、一応」

624: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 03:02:26 ID:4qyf92nQ
大臣が苦笑する。
と、言うか、俺たちにくっついてきちゃっていいの?

「私は、そろそろ日本に戻らねばならい。
だが、私は君達を応援しているよ」
「ありがとう御座います、大臣」

大臣はニコリと笑うと、飛び立とうとしているUH60Jに乗って去っていった。

「んじゃ、頑張りますか」

取り敢えず、臨海学校が気がついたら、擬似リムパックになっていた。
何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を言っているのかわからねーって感じだ。

625: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 03:09:36 ID:4qyf92nQ
その後、1日掛けて、アメリカ海軍の太平洋艦隊所属第七艦隊と合流。
アメリカ海軍と空軍、そして、海兵隊のIS部隊も合流した。

「一夏」

作戦は明日に迫ったところで意外な人物がいた。
篠ノ之箒だった。

「何故、君がここにいるんだい、篠ノ之さん?」
「私にも専用機があるからだ」
「……は?」
「それと、その、ソウカエン?の事は済まなかった。
千冬さんのやり方は余りにも強引過ぎたと思う。
だが、私は、お前と一緒に臨海学校に行きたかった。
多分、他の奴等もそうだと思う…
本来なら、止めるべきだった……」

箒がその場に正座し、それから、土下座した。

「私が悪かった!
だから…だから、もう、『篠ノ之さん』と呼ばないでくれっ!!
また、元の関係に戻りたい!
私は…私は、お前の事がっ「頭上げろよ」

626: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 03:13:40 ID:4qyf92nQ
これ以上、言わせたらダメだ。
告白される。
そう、絶対にだ。

「だ、だが…」
「頭上げろって言ってるだろ、箒。
取り敢えず、お前のISに付いて話せ。
それと、他の4人も呼んで来い。
陣形が変わるかもしれん」
「!?!
ああ!!
今すぐに呼んでくる!!」

箒が満面の笑みで頷くと走っていった。
やれやれ、取り敢えず、千冬姉にゃ、今後、家事を覚えて貰う事で手を打つかな。
じゃねーと、あの“干”冬姉は一生、俺に寄生するぞ、まったく。
それと、篠ノ之束。
あれは、もう、ダメだ。
存在自体が、人類にとって悪だ。
自分さえよければ、自分さえ楽しければ問題ない、そういう人間だ。

627: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 03:21:32 ID:4qyf92nQ
多分、今回の騒動は、篠ノ之束が起こしたんだろう。
箒の専用機の性能を見せ付ける為に。
そう、考えれば、性能は第3世代以上だな。
箒を、実の妹を巻き込み、世界を巻き込み、何を考えて居る?
何をしたい?
自分の自己満足を満たしたいだけ、なんて答えたら、俺は、多分、篠ノ之束を殺すだろう。
自信があるぜ。
まだ、ドイツの繁栄を、社会主義の確率を願ったヒトラーやスターリンの方が許せるぜ。
アイツ等は、最後がどうあれ、最初は『まとも』だった。
だが、篠ノ之束は違う。
“最初から”『気が振れている』状態だ。
千冬姉、あんたもつくづく災難な人生だな。
軍需関係に勤めていた多くの市民は職を失い、自殺したり、ホームレスになり凍死した。
いわば、篠ノ之束は歴代の独裁者にも匹敵するほどの大量殺人を犯した大罪人だ。

「マジ、関わりたくね~……」

俺、なんでこんな事してるんだっけ?

632: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 20:29:23 ID:4qyf92nQ
その後、箒が全員を連れてくる。

「一夏、その、ごめんなさい!」

鈴が深々と頭を下げ、そして、何かを差し出した。
見ると、酢豚だった。
ご飯がついており、しかも、あったかい。

「さっき、食堂借りて作ったの!」
「この非常時に酢豚作んなしwwwwww
もう、怒ってねーよ」

答えると、鈴がパァっと顔をほころばせる。
まぁ、あの千冬姉の杜撰な計画の要を担っていたので誰よりも責任があったのだろう。

「あ、あの、一夏さん……
私も、その、これを……」

差し出されたのはお世辞にも綺麗とは言えないサンドイッチ。

633: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 21:13:32 ID:4qyf92nQ
そして、それを持っているのはセシリアだ。

「毒見はしたのか?」
「ど、毒見って…
僕がしたよ」

脇にいたシャルが苦笑する。

「よし。
シャルが生きているなら、ありがたく貰う」

それを受け取る。

「一夏さん、大変申し訳ございませんでした…
お、お詫びと言ってはなんですが、我が、イギリスで今度女王陛下の即位65周年パーティーがあり、我オルコット家も臨席しますわ」
「俺が行ってもいいんですか、セシリアさん!!」
「え、ええ、ま、まぁ、で、ですが、親族でなければ……」
「よし、セシリア、俺、今日からお前の弟になる。
養子にしてくれ」

言うと、セシリアが一人でズッコケた。
誰が結婚なんぞするか、アホ。

634: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 21:34:46 ID:4qyf92nQ
「ま、まぁ、それはともかくさ。
僕からも、本当に、ゴメン。
一応、お詫びの品ってほどじゃないけど、これ、フランス軍のレーション」
「ファマスが欲しいです、シャルル君!!」
「いや、日本じゃ銃もてないから…」
「俺、アメリカに住む。
アメリカに住めば、そう、銃が持てるだろ?」
「いや、アメリカの国籍とか取るの大変だよ?」

シャルが何言ってんだお前という顔で俺を見る。

「シャル、俺は今、どの軍に協力しているか知っているか?」
「お前は何を言っているんだ?
日本政府がそう簡単にお前を手放すわけ無いだろうが」

千冬姉が呆れた顔で俺を見る。

「千冬姉こそ、おまえは何を言っているんだ?
大臣の話聞いてたのか?
アメリカ政府と日本政府はこの件でISに関わるすべての事業から撤退すると言ってただろうが」

635: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 21:47:22 ID:4qyf92nQ
「ま、まぁまぁ、先生も一夏も、ここは仲直りする為の場所でしょ?
次は、ラウラだよ」

シャルが間に割って入り、ラウラを前に出した。

「嫁よ」
「誰が嫁か」
「私は責任を取って、お前を娶ることにした。
ここにお前の名前とハンコを押せば「オーライ、その提案をしたやつは誰だ?
俺が直接ぶっ殺してやる」

ラウラが差し出した婚姻届をビリビリに破り捨てる。

「何をする!
私とお前の新居も既にドイツ本国に「用意せんでいい。
と、言うか、俺はドイツ語なんぞ出来ん」
「なら、覚えろ。
お前はドイツが好きなのだろう?
だったら、ドイツ語も覚えろ」
「ふざけんな。
大体、ドイツに行ったらナチス関連の事が一切出来ねーじゃねーか!!
公衆の面前で挙手式敬礼したら捕まるとかふざけんなコラ!
あれは、ローマ時代からある由緒正しき敬礼の仕方なんだぞ!!」

637: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 22:19:44 ID:4qyf92nQ
「しなければいいじゃないか」
「ダメって言われたら、やりたくなるだろ?」
「お前は本当にダメな奴だな」

脇で箒が大変失礼なことをぬかしやがる。

「俺のどこがダメなのか、4000文字以上、8000時未満。
そして、表紙を入れずA4サイズのレポートにまとめて3日以内に提出しなさい」
「お前のダメなところを8000字以内に纏められると思っている、お前がまずダメだ」

この野郎。
今度、剣道で牙突しちゃる。

「取り敢えず、ラウラは腰に下げる拳銃とナイフくれれば許す」
「そんな物でいいならほら」

念願のUSP、いや、P12を手に入れたぞ!

「ラウラ、お前はいい奴だ…
毎朝、朝のトレーニングに付き合う許可をやろう」
「いや、良い。
私に気にせず存分に走ってくれ」
「じゃあ、毎朝迎えに行くからな!」

638: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 22:27:46 ID:4qyf92nQ
「いや、本当に大丈夫だ」
「なに、遠慮するな。
ついでに同室のよしみでシャルと幼馴染のよしみで箒、鈴も。
代表争いをしたよしみでセシリアも一緒にやろう。
な!!」

全員の肩を掴む。
全員は人生最大の絶望をいうかおでハイと頷いた。
うむうむ。

「あ、それで、千冬姉はこれにサインして。
拇印も押して」
「?
ただの紙にか?」
「ああ、早く」

千冬姉は首を傾げつつ、サインをして拇印をする。

「契約書、これより織斑千冬は織斑一夏の家事手伝いをします。
また、ずぼらな生活も正し、毎朝、織斑一夏とともに運動します。
よし、よろしく頼むぜ、千冬姉」

639: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 22:35:49 ID:4qyf92nQ
「なっ!?!
貴様、騙したな!!
ふざけるな!!
そんなもの無効だ!!!
返せ!!」

千冬姉が俺の手から契約書を奪い取ろうとするので、それを避ける。

「だれが返すか。
取り敢えず、どこに出しても恥ずかしくない30代にしてやるから安心しろ」
「嫌だぁぁ!!!
私はやりたくない!!
絶対に家事手伝いをやりたくない!!
絶対にやりたくない!!!!」

メンドくさいので部屋の外に放り出す。

「さて、次は箒のISについてだ。
これについては、CICに移って、作戦を練り直す必要が出てくるかもしれん。
ついてきてくれ」

646: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/19(木) 16:11:28 ID:DbkIDKWA
CICに入ると、海上自衛隊特別編成艦隊の長官と米国海軍の提督がいた。
ちなみに、現在、この艦隊はアメリカ軍との極秘演習という名目で出動しているらしい。

「やぁ、織斑くん。
どうかしたのかい?」
「ええ、新型のISが急遽手に入ったのフォーメーションチェンジです」
「新型IS?」

俺の言葉に、その場にいた全員がピクリと反応した。

「箒、説明を」
「あ、ああ」

箒が緊張したように前に出る。

「わ、私が新型IS、第4世代IS、紅椿は」

箒が第4世代と言った瞬間、その場にいた全員が立ち上がる。
顔は驚愕を通り越し、無表情だった。

647: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/19(木) 16:36:29 ID:DbkIDKWA
「箒、構わないから続けろ。
何考えてやがるあのxxxxは…」

第4世代だと?
未だ、世界が第3世代のISすら作れていないものを…
こりゃ、世界は本格的に、ISを見捨てるな。
アメリカ、日本がISを捨てれば、ロシアやヨーロッパ諸国もそれに習うだろう。
多分、この演習が終われば、日米合同で再び、国連を通して会議が開かれる。
そう、第二回アラスカ会議が。
国連管轄の元、ISのコアは集められて、溶鉱炉にでも放り込まれるか?
ターミネーターみたいによ。

「取り敢えず、これで我々合衆国と日本政府はISなんてくだらん兵器に余計に辟易するだろうな。
結局、篠ノ之博士の独壇場なのだ。
我が軍が第3世代ISを作っても、結局、第4、第5と。
篠ノ之箒、といったかな?」

日本語ベラベラな提督が箒を見た。

648: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/19(木) 17:25:33 ID:DbkIDKWA
彼は日本が大好きらしい。
リーメンバーパールハーバーってどう思うかと聞いたら、アメリカ軍は東京や広島長崎を爆撃し、民間人を殺した。
帝国海軍はパールハーバーで殺したのは軍人だと答えた。
宣戦布告が遅れたのは残念だが、あの奇襲は見事と言っていたので、典型的なアメリカ軍人ではないらしい。

「は、はい」
「君も大変だね。
何かあったら個人的に私を頼ってくれたまえ。
私は、君の味方だ」
「提督、その発言は日本ではかなり危ない線ですよ」
「そうかね?
まぁ、身を隠すなら、我が軍は協力するよ?
その代わり、私にケンドーを教えてくれないか?
君は大会の優勝者だと聞くじゃないか」

提督が7人の侍とか座頭市のDVDを出しながらいう。
このおっさん、何やってんだ?

「まぁ、兎も角、箒が今回の要になることは間違いないな。
俺は射撃がないが、箒のはあるし」
「ああ、任せろ」

650: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 00:53:52 ID:Nd5dpaRM
「僕が一夏に銃を渡すのはダメなの?」

シャルが前に出る。

「ダメじゃねぇ。
と、言うか、実弾系射撃武器が当たれば、苦労しないんだよ。
箒、セシリア、鈴はビーム系の兵器。
俺、シャル、ラウラと米軍IS部隊は基本的に実弾系だ。
一応、俺もガトリング貸してもらうが、あんな物、牽制にしかならない。
艦砲射撃、航空機の援護、全て“当たらん”という考えのもとこの作戦は成り立っているんだ。
巡航速度がマッハ2のバケモンだ。
海面に引きずり下ろして戦うしかねぇ。
まだ、SR-71と戦うほうが楽だ」
「全くだな。
取り敢えず、各員第一級戦闘配備を取らせている。
我が艦隊が壊滅するかもしれんという事で全員がピリピリしていてね。
君たちに何か一言お願いできるかね?」

提督が俺に受話器を差し出した。

651: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 00:56:22 ID:Nd5dpaRM
「え、俺!?」
「ああ、そうとも」
「無理無理無理!
俺、そう言うのやった事ないから!」
「ちなみに、それ、もう繋がってるから」
「はっ!?
おっさんアホだろ!!」
「良いから、やれ」

隣の箒が俺をド突く。

「糞、仕方ねぇ…
おっさん、俺、英語話せねーぞ」
「安心しろ、私が同時通訳をする」

頼もしいねぇ、まったく!

「あー、えー…
IS学園1年の織斑一夏です」

652: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 01:22:31 ID:Nd5dpaRM
午後4時。
太平洋に浮かぶ日米合同艦隊は地平線に向かう太陽の中、鶴翼の陣を3重にして、目標が通るであろう海域を封鎖している。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の後部ヘリポートにラウラが既に布陣しており、セシリアと鈴が米空軍と空自がタッグを組んだF35の戦闘機部隊もスクランブル待機中。
初撃は地上からの数百発にも及ぶ対空ミサイルによる全力射撃とセシリア、鈴の攻撃部隊による迎撃。
強襲揚陸艦も居り、この場にいるIS全機への補給は1ヶ月間ほぼフルで可能らしい。
地上に引きずり下ろしたところで、ラウラとシャルの援護を受け、俺と箒が攻撃を仕掛ける。
取り敢えず、相手の戦力値が不明なので、大げさにも程がある態勢だ。
まぁ、かの猛将、モンゴメリーは相手との戦力比が15対1になるまで進撃をしなかったとか。
故に、モンゴメリー将軍と言う酒はジンを15、ベルモットを1と言う半端ねーハードに仕上げた酒がある。

「い、一夏」

そこに、箒がやって来る。

「よぉ、箒」
「ああ」

箒は俺の横に来るとストンと座る。

「甲板は暑いな」
「ああ」
「怖いか?」
「ああ、怖い」
「そうか。
なら、お前は正常だ。
俺だって怖い」

655: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 20:59:07 ID:DYzxeFq.
箒が俺に肩を預ける。
何ぞ?
てか、この展開はやばいじゃね?

「好きだ」
「知ってる。
お前が俺のことを好きなのも。
鈴が俺のことをすくなのも。
セシリアが俺のことを好きなのも。
シャルが俺のことを好きなのも。
ラウラが俺のことを好きなのも。
全部知ってる。
だが、お前等は問題を抱えすぎだ」
「それでも、私は、お前の事が、好きなんだ!!」

箒が俺に抱きついてくる。

「例えばさ」
「あ、ああ」
「今、俺がお前のことを好きだというとするだろう?」

656: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 21:23:30 ID:DYzxeFq.
「残った奴等はどうなるんだ?」
「それは……」
「アイツ等は良い奴だから、俺とお前が付き合っていても快く迎えるだろう。
だが、一度切れた糸は結び直しても瘤が出来る。
その瘤は、きっと、お互いの関係が崩れるだろう」

そこまで説明すると背後に誰か立っている。
見ると、千冬姉と提督達だ。

「来たのか?」
「違う。
このス  共がお前に一つ言いたいことがあるそうだ」

千冬姉が二人を顎でしゃくる。

「な、なんですか?」

神妙な面持ちの顔で二人が前に出る。

「男ならっ!!!」
「ハーレムぐらいっ!!!!」
「「築いて見せろっ!!!!」」

658: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 21:37:17 ID:DYzxeFq.
何を言っているんだこのオヤジどもは…

「それに、箒。
俺にゃ、もう、彼女がいるだろうが」
「布仏か?」
「ああ、そうだ」
「布仏とは偽装だろうが」
「偽装でも、彼女なんだよ。
お前らの中で一番、安全な。
安全牌なんだよ、のほほんさんは」
「一夏」

名前を呼ばれ、殺気を感じる。
例によって、千冬姉だ。

「当たらなグヘァ!?!」

まさかの蹴りが、俺の顔面に入った。

659: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 21:53:04 ID:DYzxeFq.
「一夏。
私はお前のそういう所が嫌いだ。
死ね。
男の癖に自分の保身ばかり考えやがって。
そんなもんは老後の年寄りが考えれば良いんだ。
何が『植物のように平穏な生活』だ、クソボケが。
お前がなんでそんなモンを望むようになったのかわかってるし、何故私より強くなろうと思っているのかも知っている。
だがな、一夏。
私は、お前の、『姉』なんだぞ?
もう少し、お姉ちゃんを信用してくれ…な?」

あーあー、メンドくせー……

「取り敢えず、この話は、これが終わった後で決着つけて良いか?」
「勿論だ。
今は、目の前の事を片付けるのが先だ」
「それと、箒。
死亡フラグ立てんなしwwwwwww」

立ち上がり、千冬姉を見る。

「千冬姉」
「ああ」
「偉そうなこと言うなら、家事出来る様になれボケぇぇ」

662: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/20(金) 22:24:28 ID:DYzxeFq.
それから、ひゅうが甲板上で俺と千冬姉は死闘を繰り広げた。
それはもう、凄まじい戦いだった。
甲板上にはぺんぺん草一本映える事はないと思われるほどの厳しい戦いだったのだ。
ちなみに、決着は、F/A-18の後部座席に乗って戦闘機動をするのと、SCARと89式にミニミの実弾を撃たせてくれるので手を打ったりした。

「さて…」

腫れている頬に貼った湿布を剥がし、半分ほど沈んでいる太陽を睨む。

「諸君、世界の興亡、この一戦に有りあり!
気張っていこう!
相手はたかが一機!
されど一機だ!
ISが何故最強と言われるか!
ISは何故糞なのか!
この戦いが証明してくれる!
だが、最後に勝つのは、この俺だ!
何故なら!!
俺はモテモテだからだ!!
もし、この世界がアニメや漫画の世界なら、俺は主人公だ!
題名は、そうだな……
インフィニット・ストラトス!
副題は、ISに振り回された男の人生!!」

676: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/21(土) 17:57:58 ID:XoNhRaVA
『福音がミサイルの射程距離に入った』

提督のホットラインがつながる。

「オーライ!
ロックンロール!!
ニイタカヤマノボレ!」

言うと、周囲にいたイージス艦がミサイルを発射する。
VLSカッケー!

「発展型シースパロー?
ミサイルとかよく分からんな~
俺、陸専門だからな~
あと、第二次大戦以前。
ミサイルとかわけワカメだろ。
やっぱり、兵器はロマンがなきゃダメだよ」
『ミサイル全弾撃墜。
ついで龍と雫が福音に接近。
交戦するまで後3秒。
私はも、現在の戦艦は嫌いだ。
機械だのなんだのとメンドくさい。
だが、それ相応の美しさもあるから一概に嫌いとは言えんのが兵器のいいところであり、悪いところだ』

提督が苦笑し、脇にいる千冬姉が睨んでいた。
要らん話をするなという顔だ。

677: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/21(土) 18:15:39 ID:XoNhRaVA
「一夏さん!」
「おう、どうしたセシリア?」
「地上に引きずり落としましたわ。
あと、30秒で、海抜100mにつきますわ!
位置情報をどうぞ」

言うと、マップにつーか予想ポイントが映される。

「OK、グッジョブ!
ラウラ、このポイントだ。
砲撃しろ。
シャルもバックアップに!
箒、用意は良いか?」

脇で真紅のISを纏う幼馴染を見る。

「何時でも出来ている」

箒は頷くと、雨月、空裂を構える。

「一夏よ。
目標に一発着弾した。
目標は後部の大型スラスターを故障したらしく、マッハ1程にしかスピードが出ないようだ。
セシリアと凰が確認している」

ラウラの通信が入り、セシリアと鈴が頷いていた。

678: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/21(土) 18:29:22 ID:XoNhRaVA
「以前として、武装は健在しているから、航空機では近寄れないわ。
でも、援護は出来るし、何ならチャフ撒いて、敵のレーザーを乱反射させれるわ」

鈴が脇を飛んでいるF/A-18を見やる。

「ありがてぇ!
相手はレーザーしか持ってないんだろ?
だったら、戦闘機部隊の方がよっぽど役に立つ」
「そう伝えておくわ」
「一夏、あれだ!!」

脇の箒が前方を指差す。
前方には何かがキラキラと光っている。

「艦砲射撃用意!」
『とっくに用意済み!』
「発射!!」

脇でボンボンボンと5インチ砲が砲撃を開始し、ダメ元のファランクスも一斉に弾丸を発射し始める。

「んじゃ、ちょっくら行って来ようぜ、箒!」
「ああ!」

俺と箒はオレンジ色から紫色に変わった空に躍り出た。

679: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/21(土) 19:54:11 ID:XoNhRaVA
「いたぞ、あそこだ」
「わかっている。
セシリアたちも見えるな」

箒と共にヘッドオンから仕掛ける。
戦闘機なら、正々堂々とすれ違ったあとに尻取り合戦が始まるのだが、無効にそんな気は毛頭ないようで、めっちゃレーザー標準にロックされているという警告音がひどい。
脇を見ると、箒が青い顔をしてガタガタ震えていた。

「怖いか、箒?」
「こ、怖い!!」
「よし。
なら、次はビームが飛んでくるから気をつけろ。
あんまり、当たらん様に回避しろ」
「む、無茶を言うな!!」
「無茶でもやれ。
でねーと、死ぬぞ。
フィンランドにエイノ・イルマリ・ユーティライネンって軍人がいてな。
寿命死ぬまでに1度も撃墜されたことないんだ。
第二次大戦を生き延び、その中で1発だけ、爆撃機の機関銃弾が掠って、塗装を剥がしたんだ。
あ、あと、エイラは俺の嫁」
「意味が分からん」
「まぁ、運さえ良ければ死なねーよ」

680: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/21(土) 20:03:49 ID:XoNhRaVA
「う、運って…
それで死んだらどうするんだ!」
「そんときゃそん時だろ。
世界を救って死んだ英雄って米国、日本の両国が大々的に放送してくれるさ。
そんで、いい具合に政治利用されてISを放逐する切っ掛けになるぜ。
つー訳で、死んでも死なんでも英雄扱いさ」
「い、いい加減だな…
それに、私は死ぬつもりはないぞ!」
「ああ、その意気だ。
ほら、ビーム来るぞ!!」

目の前から無数の光の棒が飛んでくる。

「セシリアの比じゃねぇ!」
「全くだな!
だが!」
「当たらなければ!」
「「どうと言う事はないっ!!!!」」

飛んでくるビーム群を華麗に避けつつ、俺達は福音をすれ違う。

683: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/22(日) 16:34:57 ID:QoW/Jnjw
「セイッ!!!」
「ヌゥンッ!!!」

そして、すれ違う瞬間に、福音の腕を切り落とす。
腕には補助ブースターがついているので、さらに機動力減だ。

「良いぞ!
行ける!!」
「焦るなよ、箒。
相手は一揆だが強敵だんだぜ?」

初撃が成功したためか、若干箒が浮かれている。
いかんなぁ、これ、下手すると怪我するぞ?

「箒、気を引き締めろ」
「勿論だ!
行くぞ一夏!」

ダメだ、完全に浮かれてる。
新しいおもちゃを手に入れた子供のように。
あぶねぇな……

「セシリア、鈴。
箒をバックアップしろ」
「え、ええ」
「分かったわ」

684: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/22(日) 16:50:08 ID:QoW/Jnjw
「ラウラとシャルは常に援護出来る様に位置を変えつつ砲撃してくれ。
箒、左から回り込んで、この海域から出すな。
セシリアと鈴も頭上げさせんな!
頭上げりゃ、スピードが出る。
海面に叩きつける積りで行け!」
「「了解!」」

各艦隊も進路塞ぐようにして前にでながらファランクスやら艦砲やらを打ち始める。

「あ、当たらないとは言え、これは怖いですわね」

セシリアが上空を飛んでいく砲弾を一瞥する。

「ビビってんじゃないわよセシリア!
ほら、あんたのビットで牽制しなさいよ!
射線軸から逃げるわよ!!」
「わ、わかってますわ!!」

鈴とセシリアが射線軸から逃げようとしている福音に龍咆とブルーティアーズのビームビットで攻撃を加える。

685: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/22(日) 16:56:14 ID:QoW/Jnjw
「ラウラ、砲撃準備してくれ」
「ぬかりない。
あとは、タイミングを合わせればいい」
「OK。
シャル、ラウラを頼むぞ」
「任せて一夏」

よし。

「箒、あまり前に出るな」
「大丈夫だ!
私に任せろ!!」

言うと、箒がグンと前に出て、福音と対峙する。
アホ!

「予定にない行動をするな!!」
「大丈夫だ!
私に任せろ!!!」

箒が言った瞬間、福音がビームを発射する。

「なにっ!?!」

692: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/22(日) 22:02:01 ID:QoW/Jnjw
「間に合えぇぇいっっ!!!!!!」

パグゥンと砲撃音。
超電磁砲から発射された60口径の砲弾は箒と福音の間に割り込む。
福音は咄嗟に進路を変更、箒も、砲弾とレーザーの爆風に巻き込まれて錐揉みしながら落下していく。

「セシリアと鈴は福音を追え!!!
箒!!!」

箒は姿勢制御をせずに海面に向かっている。
気絶しているようだ。

「クソ!」

箒に追って急降下。
そして、すくい上げる。
近くにいた護衛艦のヘリポートに箒を下ろす。

「気絶しているだけだ。
意識が戻ったら部屋に閉じ込めておいてくれ」
「わ、分かった」

693: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/22(日) 22:24:29 ID:QoW/Jnjw
福音は真っ直ぐとラウラとシャルの乗るアーレイ・バーク級にまっすぐ向かう。

「畜生、アーレイ・バークを落とさせるな!!
あれにゃ323人が乗ってるんだ!!」
「わかってますわ!!」
「先に落としてやるわ!」

セシリアと鈴がさらにスピードを上げる。
ラウラとシャル、そして、周囲の艦艇は福音めがけて一斉砲撃。

「福音のスピードが落ちた!」
「今だ!!」

セシリアと鈴が残るバーニアと足目掛けて全力射撃。
福音はグルグルと錐揉みを始め、界面に衝突、そして、ポンポンポンと水切りの様に跳躍する。
そして、そのままアーレイ・バークの側面に激突、減り込んだ。

「反跳爆弾かよ…」

696: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/23(月) 22:28:21 ID:lfCDHOcA
その後、周囲を取り囲み、喫水線ギリギリ上に激突、大穴を開けた福音をクレーンで引っこ抜いた。
俺達はひゅうが甲板上でアメリカ海兵隊や海軍達とお別れし、そのまま日本に帰る。

「取り敢えず、乗っていた兵士は重傷だが死んではいない」
「1週間飲まず食わずだったのか?」
「バカ言え。
ISにもバックパックぐらいある」

脇でその後の報告をする千冬姉が溜め息を吐く。

「俺の白式には付いてないぞ」
「IS学園のISは基本的に学園内での運用がメインだ。
学園内で遭難でもする気か?」
「しねーよ。
まぁ、人生絶賛遭難中だがな」
「ふん、気張れよ」
「誰せいだ、この姉は…」

振り返ると5人がいた。

697: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/23(月) 23:04:16 ID:lfCDHOcA
気の早い奴等だな。
まだ、後一人足らねーだろうが。

「まぁ、取り敢えず。
箒、お前には説教しなけりゃならん。
座るがヨロシ」
「お、おう」

箒がその場に座ると同時に、セシリアと鈴がノートとペンを差し出した。
シャルとラウラも自分用にメモとペンを用意した。
うむうむ、勤勉なのはイイ事だ。
昔の偉い人も、取り敢えず勉強しとばなんとかなる的な事を言っていた気がするし。

「さて、今回、一番の問題はなんですか、篠ノ之箒さん」
「わ、私が先走りすぎました…」
「はい、その通りです。
正解です。
私にはそれが分かっていて、何故あのような失敗をしたのかいまいちわかりません。
あの時、ラウラさんが咄嗟に砲撃しなけりゃ、君、その程度のケガじゃなかったよ?
と、言うか、下手しなくても死んでたよ?
何考えてるの?」
「じ、自分の力を過信してました…」
「知ってる。
君、そう言う所を直したほうが良いよ。
君、周りが専用機持ちって事で自分の立場が危ういとか思ってたんでしょ?」

698: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/23(月) 23:09:16 ID:lfCDHOcA
「はい……」
「でしょうね。
何、君、もしかして、俺が専用機持ってるってだけで贔屓してると思ったの?」
「い、いえ」
「じゃあ、何考えてるの?
馬鹿なの?
アホなの?
死ぬの?」
「ち、違います」
「どこが違うのか、行ってご覧?
ん?
ほら、さっき、君がバカのように前に出たところを図で書いてあげるから」

ノートに図を書き、箒に差し出す。

「あの、いえ、その…すいませんでした……」

箒が頭を下げる。

「うん、俺が聞いているのはそういう事じゃないんだよ。
君、どうやら、俺が怒っていると持っているようだから、言っておくけど。
俺、怒ってないよ?
俺が怒ると凄いよ?」

脇でセシリアと鈴がブンブンと頷く。

703: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/24(火) 20:15:01 ID:MFEPTtA2
取り敢えず、箒の説教は日本に着くまで続いた。
ひゅうがからIS学園まではヘリで帰り、俺達だけ臨海学校が5日に成った。
二泊三日とか誰が言ったんだよ…

「やっと日本に着いた」
「ああ。
今日はゆっくり休め」

千冬姉が寝ぼけたことをぬかしやがる。

「休めるわけないだろうが。
のほほんさん、布仏本音を呼んでくれ。
で、食堂の一角も」
「ああ。
ハーレム作るのか?」
「オーライ。
今日から、千冬姉は自炊を始めるのか。
そいつは、ありがてぇ」
「冗談です御免なさい」
「分かればよろしい」

まったく。
さて、この次が正念場だ。

711: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/25(水) 19:06:31 ID:5/pYx4ss
暫くすると、千冬姉がのほほんさんと共にやって来る。

「おりむー久しぶり~」

何時もと変わらぬ様子。

「ああ。
今日は決着付ける為に呼んだんだ。
そっち側に座ってくれ」

俺の前には5人、篠ノ之箒、凰鈴音、セシリア・オルコット、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒの5人が座っている。

「さて、今回集まって貰ったことに関してだが、まず、事前にハッキリさせておこう。
君達女子が俺に好意を持っており、そして、あわよくば付き合いたいと思っている。
相違はないか?」

尋ねると全員が頷く。

「うむ。
では話を続ける。
まず、結果から聞くのと、君達のそれぞれの言い分を聞いてから結果を言うのと、どっちが良い?」

712: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/25(水) 19:10:26 ID:5/pYx4ss
「し、質問をよろしいですか?」

セシリアが手を上げる。

「良いぞ、なんだ?」
「先に結果、と言う事は既に結果は出ていると言う事ですの?」
「Exactly」
「それでは私達がお前に対して何を言っても無駄ではないか!」

ラウラがバンと机を叩き立ち上がる。

「お、落ち着きなよラウラ」

シャルが慌ててそれを宥める。

「そ、それに、まだ希望はある。
私達の中の誰か、と言う事。
つまりは、6分の1だ」
「ま、まぁ、そうよね」

726: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 08:48:15 ID:S1nAt7/2
「それで、どっちが良い?」

全員を見る。
各々が隣のライバルを見た後、頷いた。

「ひと思いにやれ。
結果から先に言え」

ラウラが言うと全員が頷いた。

「分かった。
結果から言えば。
俺は、お前達を恋人とは見てない。
誰とも付き合いたいと思わないし、今後も無いだろう。
だが、のほほんさん、いや、本音には俺がこの学校を卒業するまでは泥除けになってもらう。
泥除けだ。
恋人じゃない」

のほほんさんを見るとのほほんさんはこくりと頷いた。

「分かってるよ」

727: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 08:53:45 ID:S1nAt7/2
「だから、お前達にもチャンスがあるかもしれない。
俺の信条を変えてみせろ。
本音も泥除けから本当の恋人に成って見せろ。
俺からは以上だ。
何か言いたいことがあれば聞こう」

言うとシャルが手を上げる。

「どうぞ」
「つまりは、現状維持って事だよね?
僕等の気持ちを知っている状況で」
「いや、違う。
正確に言えば、お前達が『俺の事が好きという事を俺が知っている』って状況になっている。
事件前はお前達が『俺の事を好きだと言う事は俺に知られていない』と思っていた。
残念ながら、お前等の気持ちは薄々感づいていたよ」

言うと全員が驚愕の目を向ける。

「い、何時からだ!?!」

箒が立ち上がる。

728: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 08:59:03 ID:S1nAt7/2
「箒と鈴は最初から。
セシリアは代表選出戦の後。
シャルは俺が正体見破って数日後ぐらいからか?
ラウラは俺がぶっ飛ばした時から」

言うと全員が俯いて顔を真っ赤にする。

「じゃあ、そういう訳だ。
他に何かないか?」
「は、はい!」
「はい、セシリアさん」
「どうすれば一夏さんを落とせますか!!」

セシリアの質問に全員が俺を凝視した。

729: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 09:14:48 ID:S1nAt7/2
「そうだなぁ~
AKかフランカーみたいな美しさを保って、ケーニヒスティーガーのポルシェ砲塔型やチハ、ハ号みたいな可愛さがあって、L85や特二式内火艇みたいな意外性があると良い。
後、ファマスみたいな官能的な部分と三八式や九九式みたいなスマートさと三十年式銃剣みたいなクール的な感じ。
ん~それから、パイソンやマニューリンMR73、パンターF型みたいな高級感が欲しいな。
それから、M1858みたいな大人びた感じが欲しい。
あ、後、ケル・テックのPLR-16やKSGみたいな意外性も欲しいな。
オリンピックアームズのOA-93とかでも良いな。
そう言う感じの女性になってください」
「「「「「「取り敢えず、どういう女性かわからない」」」」」」

え、何それ怖い…

「えっと、要約する?」
「要約も何も、そのまんまだよ。
取り敢えず、もう一回言うぞ?」
「「「「「「結構です」」」」」」

全員が首を振って答えた。

「そうか?
まぁ、イイや。
取り敢えず、もう夜も遅いし寝るべ。
鬼畜の所業か、明日は月曜日だ。
あ、キュアピースとサザエさんにジャンケンするの忘れた!!!」

730: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 09:21:02 ID:S1nAt7/2
ショックだわ……
取り敢えず、寝よう。
そして、明日、改めて2ちゃんで確認するのだ。
アイツ等アホだからな。
サザエさんとピースで勝負させてるしな~

「ん?」

部屋に帰ろうと廊下を歩いていると、見知らぬ女子が歩いている。
猫の様に不敵な笑みをたたえ、手には扇子。

「お、おおぉおぉぉ!!!!!!
見つけたぞ!
ガンダム!!!」
「ちょ、ちょっと君!?!」

俺はその女子生徒の手を掴んで未だ食堂で作戦会議をしているしている六人の前に引っ張りっていく。

「この人みたいな感じだ!!
容姿だけで半分はクリアしている!!!」
「「「「「「はぁ!?」」」」」」」

731: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 09:26:51 ID:S1nAt7/2
その後、テンヤワンヤの大騒ぎになったのは間違いない。
俺が見つけたのは、この学校の生徒会長だったらしく、名前を楯無、更識楯無と言うらしい。
厄介な人間を引っ張ってしまった俺をハッ倒したい。
だが、どう見ても、容姿は俺の理想に最適なんだよ。

「う~む……
取り敢えず、のほほんさんの情報だと、君主危うきには近づかずレベルでやばいな。
スイカ畑で靴紐結ぶレベルだな。
俺、アホ過ぎワロタ」
「で、どうするんだい、君は?」

そして、何故か俺の隣に座る生徒会長殿が言う。

「えっと、取り敢えず、こんな感じに成って下さい」

言うと、6人から一斉に拳が飛んでくる。
これは、甘んじて受けよう。
おう、その方が楽だ。

741: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:07:24 ID:S1nAt7/2
「さて、織斑一夏くん」
「何で御座るwwwwwww」

場所は生徒会長室。
IS学園にも一応あるんだな、生徒会長室なんて。

「君、部活入ってないよね?」
「入ってイイで御座るwwwww
某wwwww
某wwwww
運動部を全部掛け持ちするで御座るwwwwwwww
あとwwww
チアリーディング部wwwwwwwww
下で持ち上げる役で御座るwwwwwwww
合法的に女の子持てるで御座るwwwwwwうはwwwwww」
「ざ、残念ながらチアリーディング部は無いよ」

そりゃそうだ。
どこのアメリカだアホ。

「ショックwwwwww
テラwwwwショックwwwwwwwwwデュフwwwデュフフwwwwwww」

742: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:12:02 ID:S1nAt7/2
「で、運動部掛け持ちって正気かい?」
「失敬なwwwwww
陸上部ではクラウチングwwwwwww
剣道部では防具を取った瞬間wwwwwww
バスケ部ではシュートを決めた瞬間wwwwwwww
水泳部ではプールから上がる瞬間wwwwwwww
バレー部ではお尻の食い込みを直す瞬間wwwwwwww
テwwwwwラwwwwwwwwエwwwwwwwwロwwwwwwwwwスwwwwwwwwwwww
この前買ったカメラが火を吹くで御座るwwwwwデュフwwwデュフフwwwwwwwwww」
「犯罪はやめたたまえ」
「なら、サバゲ部を作ってください。
部員なら既に6人確保しました。
顧問は織斑千冬先生です。
分類は文化部でお願いします。
部活動申請書も既に用意してます。
後は更識先輩の、生徒会長のハンコだけです、はい」

すかさずA4の書類を差し出す。

「君、想像以上に強かだね…」

743: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:22:16 ID:S1nAt7/2
「取り敢えず、あれですわ、会長。
アンタの悪巧みはぜってーさせねぇからな。
どうせ、俺を餌にして学園祭盛り上げるとか考えてるんだろう?
各部対抗俺争奪戦とかそんなかんじの」

のほほんさんに事前に正確とか聞いておいてよかったわ、マジで。

「す、鋭いね…
流石、織斑先生の弟君」
「弟舐めんな」
「じゃあ、こうしよう。
君の部活申請を認める代わりに、君争奪戦をしたい。
どうかな?」
「サバゲ部が勝ったら、金一封…
いや、部費を1ヶ月10万で」
「ふ、フフフ…
良いだろう。
その勝負乗った」

よーし!
サバゲ部の勝ちだ!!
こっちにゃ、ドイツ連邦軍特殊部隊が居るんやぞ!!
しかも、千冬姉に特別コーチとして冬戦教や中央即応集団、第一空挺出身の元自を呼びます。

「有難う御座いまするwwwwwwwww
会長wwwwwww
さwwwwらwwwwwばwwwwwwwww」

さて、部員と千冬姉を呼び出すか!

744: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:26:13 ID:S1nAt7/2
「私は忙しいんだぞ」
「知るか。
今日から、千冬姉は我がサバゲ部の顧問だ」
「は?」

千冬姉が目を丸くして俺を見る。

「さ、サバゲ部ってなんですの?」

セシリアが俺を見た。

「サバイバルゲーム部の略称。
サバゲ部。
で、文化祭で、あのイワン被れが俺を賞金として部対抗争奪戦するとか」

言うと全員がガタガタと立ち上がる。

「負けるわけにはいかん。
と、いう訳で。
我がサバゲ部は1組2組合同であるゲームをします」
「「「「「「「ゲーム?」」」」」」」

745: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:33:32 ID:S1nAt7/2
「名付けて、『一夏に会いたきゃ、俺を倒して行け! 侵入ゲーム』」

パチパチパチと手を叩くが誰もが首を捻った。

「つまりは?」
「サバゲ部主導のもと、1組2組の女子で要塞化した学校を守ります。
そして、参加者は1組2組の女子達に見付からない様に潜入し、俺の所まで来ます」
「たどり着いたらどうするのよ?」
「俺と5分間お喋り。
または一緒にジュースを飲む。
あと、ポッキーゲーム。
ちなみに、明日から、元自の人達や、この前知り合った海兵隊の人達にガチで軍隊の訓練受けさせるから、絶対に負けません。
あ、これ、強制です。
1組2組に所属する女子は全て強制です。
千冬姉、イイよね?」

良い訳無いだろうと言おうとしたので、だらけ切った姿を収めた写真を見せる。

「もちろんだ。
さいきんきさまらはたるんどるからな、いいきかいだろう。
はっはっは」
「きょ、教官が脅されている…」

ラウラが目を見張り、その他全員が俺の持っている写真を凝視した。

「見せねーよ?」

746: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/26(木) 19:43:42 ID:S1nAt7/2
今更ながら、文化祭じゃねぇ… 学園祭だった…

「じゃあ、必要な資材やら道具やらは後でまとめておくから、千冬姉はアリーナの貸付頼む」
「ああ、それと、学校では先生と呼べ」
「なら、家でも『先生』らしく行動してくれ」

言うと千冬姉は俺を睨みつけ出て行った。

「さ、教室に帰るぞ。
後で2組にも話に行くから。
鈴は俺が行くことだけを伝えておいてくれ」
「え、ええ。
ちなみに、その訓練ってどんぐらいきついの?」

鈴が顔を少し青くして俺を見た。

「シールズの入隊テストよりは簡単だ、多分」

サムズアップ。
うん、多分、簡単。
うん、多分、もしかしたら簡単だから、うん!

750: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 08:08:58 ID:ymeha2Jc
「さてwwwwwwww
皆の衆wwwwwww」

放課後の特別HR。
俺は教壇に立っていた。
千冬姉は俺の為に馬車馬のように電話を掛けまくっている為、脇には山田先生がいる。

「我が一年一組はwwwwwwww
サバゲ部主導のもとwwwwwwwww
二組と合同で行いますwwwwwウェwwwウェwwwwwww」

言うと全員がざわざわとし始める。
そりゃそうだろうな。
てか、サバゲ部ってなんだよって感じだな。

「サバゲ部部長wwwwwww
織斑一夏くんに変わってwwwwwwwww
もwwwwwらwwwwwwいwwwwwwまwwwwwwwすwwwwwwwwwww」

一旦、教壇の前から降りて、また昇る。

751: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 08:13:28 ID:ymeha2Jc
「どうも、サバゲ部部長の織斑一夏です キリッ」

やると全員が大笑いした。
オーケーオーケー
掴みはオーケー

「さてwwww
お巫山戯はコノぐらいにして本題行くで御座るwwwwwww」

黒板に先程作った計画図を貼る。

「簡単に言えばwwwww
某ステルスアクションゲームで御座るwwwwwwww
客には伝説の傭兵になって貰ってスネークして貰うで御座るwwwwww
皆の衆はwwwwwwウェwwww
ゲwwwwノwwwwwwムwwwwwww兵wwwwwwデュフwwwデュフフwwwwwww
まwwwwたwwwはwwwwww
GwwwwwRwwwwwwUwwwwwのwwwwwwwスwwwwwペwwwwwwツwwwwwwナwwwwwwwズwwwwwwwwポコォwwwwwwww」

752: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 08:40:16 ID:ymeha2Jc
そして、ゲーム内容を告げると全員がオォォォ!!!!と右の拳を振り上げ立ち上がる。
何この枢斬暗屯子達?
まぁ、そのぐらいないとSEALsにゃ入れないからな!
デスウィークとかやってみたいけど、学校あるし…
あ、そうか、夏休みがあるじゃないか!!!

「ではwwwww
明日からwwwwwwww
知り合いのトレーニングコーチが来るで御座るwwwwwww
気張っていくで御座るwwwwwww
ちwwwwなwwwwwみwwwwwwwにwwwwwwww
最優秀者にはwwwwwww
我が家でのwwwwwwww
夕飯を食べる権利が与えられるで御座るwwwwwwwwww
あ~んもするで御座るwwwwwww」

千冬姉と二人っきりで、千冬姉が、と言うのは俺の心の中で言ったから大丈夫。
そう、しかも、俺は『我が家』と言っただけで、『俺と』とは言ってないし。
詐欺集団紛いのセリフにその場にいた全員が修羅と化した。

753: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 08:47:57 ID:ymeha2Jc
同じ説明を2組でもして、部屋に戻る。
そして、昨日知り合った海兵隊に電話をかける。

「あ、もしもし提督?」
『ん~?
ああ、一夏くんか』
「日本のIS学園に来ない?
招待するから」
『行く!』
「それから…」

提督に学園祭の話をしたら快く知り合いのフォース・リコンの訓練教官を三人程派遣してくれると言った。
ありがたいね!

「ありがとう提督」
『構わんよ。
それより、私はアキバに行きたい』
「案内するする」
『ああ、楽しみに待ってるよ。
教官達は明日にでも日本につくようにするよ。
千冬さんにもよろしく言っておいてくれ』
「もちろんですよ!」

よし、あとは自衛隊だな~

754: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 08:55:19 ID:ymeha2Jc
 
そして、部屋で自衛隊などと連絡を取ったあと、廊下に出る。
すると扉をノックしようとしていたらしい千冬姉がいた。

「お、どうだった?」
「すぐにでも来てくれるそうだ。
お前も参加するのか?」
「当たり前だろ?
こんな素晴らしい体験ができるんだぞ?
あ、それと、学園祭後、家で最優秀者と一緒にご飯食べてあげて。
ついでにあーんもしてあげて。
夕飯は作っておくから」
「なぜ私が「写真」誠心誠意真心込めて夕飯を食べてあーんをしよう」

よし、確約は取れた。

「じゃ、俺は箒のISを扱き上げないといけないから」
「あ、ああ」

千冬姉と別れ、アリーナに向かう。
アリーナではアップを終えたらしい箒が専用機持ち4人と共に待っていた。

755: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 09:01:38 ID:ymeha2Jc
いや、違う。
隅に誰かいた。

「何やってんですか会長?」
「いや~
君達のコーチでもしようかなって思ってさ」
「結構です。
それより、夏休みの期間中、第三、第四アリーナを貸し出してください。
学園祭の準備に必要です。
あと、ここにキリングハウスと恐怖の館を作ろうと思ってるんですけどいいですよね?
申請書類です」
「じゃあ、私に勝ったらいいよ」

言った瞬間、おもっクソ顔面を殴りつけてやった。
会長は綺麗に吹っ飛び、ズザーっと。

「俺の勝ちでいいですよね?
では、これお願いします」

758: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 09:12:59 ID:ymeha2Jc
「き、君は私に何か恨みでもあるのかい!?!」

鼻血をだらだらと垂らした会長がよろよろと立ち上がる。
5人がそりゃ、会長が悪いという顔で立っていた。

「ないですよ?
でも、勝負を仕掛けるって言う事は、何時でも受けて立つ準備があるって言うことでしょ?
と、言うか、会長って学園内で最強ってだけで、俺より強いわけないじゃないですか。
じゃあ、これの申請お願いします」

書類とティッシュを渡し、五人の前に戻る。

「さて諸君!
先回のあの戦闘で実に、間抜けた結果に終わった。
そして、自分のISを上手く使えない新人の箒を中心にトレーニングしていく」
「箒のISって第4世代なのよね?」

鈴が手を上げる。

「そうだ。
あのクソッタレが世界の常識をすっ飛ばして登場させやがった。
これではもうISは何の役にも立たない。
だが、このIS学園がある以上。
諸君等が専用機を持っている以上、ISの訓練は必要不可欠だ。
故に、諸君等は世代を考えず、お互いの欠点をカバーし、お互いを援護して行かねばならない。
ISは兵器だが、世界はもう、ISへの興味を失いつつある。
それよりも、今は歩兵とともに行動できる小型のロボットが注目され、日本政府も米国政府と共同でそのロボットを実用化使用している。
つまり、近い将来、ISは完全に駆逐され、スポーツ競技用の道具になるだろう」

759: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 09:29:29 ID:ymeha2Jc
「勿論、世界に400弱しかないISは世界規模でできるスポーツでもない。
そして、大規模でできない割には随分と金を取る。
没落は激しいぞ。
女尊男卑の世界だが、そんなもん直ぐに変わる。
ISの御蔭でロボット技術は更に進んだ。
大体、前にも言ったと思うが、現在は非対称戦争だぞ?
ISみたいな大国間での総力戦なら使えるかもしれんが、今の世界にゃ必要ない。
アメリカ軍はアフガニスタンで苦戦したが、アメリカ本土は何の痛手も食らってない。
逆に、経済が一時的に活発になった。
アメリカも今じゃ、落ちるぶれる寸前だ。
ISが登場した御蔭で、軍縮が進み、地方や田舎の若者の雇用が少なくなったんだよ。
知ってるか?
海兵隊がバカの集まりって言われる理由?
田舎者やヤンキー、移民が学つけたり、選挙権を入手する為に入るからだ。
海兵隊なら金貰いながら、社会保障を受けれる。
素晴らしいじゃないか、えぇ?
しかも、名誉除隊すりゃぁ福利厚生ハンパネーぞ?
まぁ、イイや。
今はISの訓練だ。
アメリカ海兵隊の話ししてる場合じゃねぇ。
FMJは最高だぞ。
リー・アーメイ大好きだ」

761: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 19:44:36 ID:ymeha2Jc
取り敢えず、箒の猛特訓は夕飯になるまで続いた。

「夕飯で御座るよwwwwwww」
「ああ…先に食べててくれ…」

夕食なのに箒を含め専用機持ち5人は死んでいた。

「どうしたんの~?」
「知らんで御座る。
夕飯食べないと明日からもっと悲惨で御座るよ?
なんせ、特殊部隊の教官とかが来るで御座るから。
手加減無用で厳しくするようにお願いしたで御座るし」

言うとその場にいた1組2組の女子生徒がばっと振り返り、ダッシュで寄ってきた。

「そ、それって、どのぐらい厳しいの!?」
「夏休み中全部使ってやるって冗談よね!?!」

全員がワイのワイのと騒ぎ出す。

「静かに食べないか!!
グランド10週したいなら、別だが」

千冬姉が飛んできて怒鳴る。
すると一瞬で黙った。

「う~ん?
多分、一日で10周は軽く走るよ?」

762: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 19:54:41 ID:ymeha2Jc
翌日、終業式だった。
いよいよ夏休みだ。
午前中は式で終わり、午後は1組2組は第3アリーナに集合して、訓練をする事になった。

「アメリカ海兵隊の訓練教官のガーハイム砲兵軍曹です」

脇に立つ、“如何にも”な軍人を紹介する。

『諸君等クソッタレを一人前の海兵隊にも劣らん兵士にする為にやって来た』
「元フォースリコンのスワガー一等軍曹です」

その隣に立つバラクラバの軍人を紹介する。
ちなみに、偽名です。
なので、極大射程とか期待しないこと。

『訳あって顔は出せないがよろしく頼む』
「自衛隊から冬戦教の訓練教官も務める坂井さん」

自衛隊から態々来てくれたOBを紹介。

「どうも、酒井です。
訓練は厳しいですが、全員で合格しましょう」

763: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 20:01:57 ID:ymeha2Jc
「あとで遅れて中央即応集団も来ます。
取り敢えず、後は教官達に従いましょう。
はい、お願いします!」

俺の挨拶に合わせて全員がお願いしますと言う。
教官達は集まって何やらゴニョゴニョと話し始めた。
そして、ガーハイム砲兵軍曹が前に出る。
ちなみに、彼が一番の年上だ。
年齢は50を超えているが、体格はガッシリしており非常に厳つい。

『先ずは貴様等の体力を知りたい!
このグラウンドを1周して来い!
全速力だぞ!!』

言うと全員がエーと声を上げた。
その瞬間、ガーハイム砲兵軍曹が怒鳴る。

『貴様等俺の愛するサバゲ部をどうするつもりだ!!
お前らの様な爬虫類の糞をかき集めた物よりも価値のない屑共に拒否権があると思うのか!!!
分かったらとっととそのサイみたいなケツ上げて走ってこい!!!!』

764: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 20:09:21 ID:ymeha2Jc
その場に居た全員がヒィィと言う顔をし、俺を見る。

「走れ!!」

俺が叫ぶと同時にダッシュ。
脇では一緒にスワガー軍曹や坂井さん、ガーハイム砲兵軍曹も走っている。

「な、なんですのあの方!
下品極まりないですわ!!」

隣を走るセシリアが俺に文句を言う。

「いや、訓練教官ってあんなもんだよ。
まだ、自分の国や家族の事言われないだけイイ方だ。
スゲーキツイ上に、文句言うと連帯責任で『貴様等何をしゃべっている!!
そんなに元気が余っているなら貴様等はもうあと1周しろ!!』

俺とセシリアは10km走ることになりました。
ちなみに、俺が10km走り終わるまでに女子の中では運動部に属している女子と俺と毎朝走っている4人が走り終わっていた。
後は、半数が息絶え絶えの上にガーハイム砲兵軍曹に罵詈雑言を吐かれて泣きながらゴールした。
正直、怖すぎワロタ。

765: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 21:45:24 ID:ymeha2Jc
午後の教練は1時から始まり、6時に終わった。
その際、体力別というか能力別で組み分けされ、ガーハイム砲兵軍曹が呼んだ女性訓練教官と分かれて訓練するらしい。

「俺だけ何でワンツーマン?」
『貴様は男だからな。
それに、貴様なら立派な海兵隊野郎に入れる筈だ』

ガーハイム砲兵軍曹がウムと頷く。
ちなみに、全部、ISの自動音声翻訳を活用してます。
IS便利過ぎワロタ。

「それで次は何をするんですか、教官」
『取り敢えず、アスレチック運動だ』

わーい。
幸いにもゴーマー・パイルが居ないから楽だな。

『それじゃあ、今日の訓練はここまでだ』
「有難うございます教官!」
『うむ。
明日は6時起きだ。
起床ラッパを鳴らす』
「はい!」
『以上解散!!』

夕飯じゃー!

766: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 21:52:38 ID:ymeha2Jc
食堂に入ると1組2組の女子が死屍累々としていた。
ちなみにほかのクラスや学年の生徒達は帰国だの帰郷だので殆ど居ない。

「大丈夫で御座るかwwwwww」
「これが大丈夫なように見えるわけ?」

脇で死んでいた鈴が俺を睨む。

「元気そうで御座るなwwwww
食事はしっかり摂るで御座るwwwwww
でないと明日倒れるで御座るよwwwwwww」
「いっそ倒れた方が良い…」

箒が何を血迷ったが変なことを言っていた。

『貴様等何をしている!!
飯は一人5分だぞ!!!
さっさと食え!!!
急げ急げ急げ急げ!!!!!』

鍋とお玉を持った女性教官が飛び込んでくる。
それと同時に、全員がビクーンと飛び起き、カウンターに走った。
おぉう…

「こりゃ凄い。
千冬姉も明日から巻き込もう」

さすればあのグータラも治るだろう。

767: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 23:18:15 ID:ymeha2Jc
と、言うか、なんか俺も睨まれてるから俺も並んどこ。

『5分経ったぞ!!
さっさと変われ変われ変われ変われ!!!!
次は風呂だ!!!
早くしろ!!!
チンタラやってるんじゃぁない!!!』

いや、もう、ポテトサラダ口に押し込んで猛ダッシュしてますやん…
FMJではよく見る光景だけどさ。

「俺は部屋でシャワー浴びるしかないけどな」
「織斑くんだけ狡い!」
「織斑くんも食事は5分よ!!」

プレートに夕飯を盛って貰っていたら、女子群がワイノワイノと文句を言いだした。

『黙りなさい!
アンタ達は女なのよ!
軟弱な男と一緒が良いと言うの!!!
そんなヤツはサバゲ部には要らん!!
今すぐ私のサバゲ部から出て行け!!!』

私のサバゲ部って言うか、俺のサバゲ部だけどね。

768: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 23:28:14 ID:ymeha2Jc
取り敢えず、訓練教官は怖い。
千冬姉とか比じゃない。
ぶっちゃけ、千冬姉の方が優しいぐらいだ。
あのラウラですら泣きそうな顔してるもん。
セシリアとかもう、ブチギレ寸前で顔が真顔って言うね。

「やってるね~」

そこに生徒会長がやってきた。

「ああ、更識先輩」
「やぁ、一夏くん」
「先輩、こんなところにいると危ないですよ?」
「なぜだい?」
『貴様は何をしている!!!!
さっさと風呂に行かんか!!!!!!』

ほら、拉致られた。

「いや、私は『黙れ!
貴様の様な反抗的な奴は便所の蛆虫にも劣る糞だ!!
グラウンドを3周して来い!!!!!』
「い、いや、ですk『貴様が私に言えるのはYes, ma'am.だけだ!!
分かったか!!!』
「い、イエスマーム!!!!!」

さらば更識生徒会長。
こんな地獄にひょっこり顔を出すから…
全員合掌。

769: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 23:40:30 ID:ymeha2Jc
翌朝、朝の6時に起床ラッパが鳴った。
それと同時に、俺の部屋にはガーハイム砲兵軍曹がガンガンガンとフライパンとお玉を持って飛び込んできた。

『起きろ馬鹿者!!
何時まで寝ている!!!
さっさと起きて支度しろ!!!!!』
Yes, ma'am.!!!」

ベッドから飛び起きて、シーツをキレイに畳む。
昨晩のマームの怒鳴り声が外から聞こえてくる所を見るとどうやら女子も男子も関係ないらしい。

『ランニングをする!
さっさと用意しろ!!』
Yes, ma'am.!!!」

服を素早く着替え、廊下に出るとやっぱり、女子も同じ様に廊下にノロノロと出ていた。
全身筋肉痛らしい。
どんまい!

「おはよう諸君!
二日目も頑張ろう!!」

言うと睨まれた。
怖っ!
女怖っ!!!

770: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/27(金) 23:47:06 ID:ymeha2Jc
グラウンドに出ると例によって3人の教官達。

「おはようございます」
「おはよう。
今日も頑張りたまえ」
「有難うございます!」
『お前はなかなかガッツがある奴だ。
立派な海兵隊になれるぞ』
「有難うございます!」
『さっさと走るぞ!
1,2,3,4!』

軍曹が駆け足を始めるのでそれに続く。

『Mama and Papa were laying in bed. 』
「ママとパパはベッドでゴロゴロ」
『Mama rolled over and this is what she said; 』
「ママが転がり、こう言った」
『oh,give me some... 』
「お願い、欲しいの・・・」
『...P.T.! 』
「しごいて!」

朝からヒデェ歌だな、全く。

771: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:09:30 ID:TCE/5GVU
まぁ、ミリタリーデケイデンス自体、●●られソングだからな。
そんな歌に品を求めた所で何等意味を成さないし。
てか、女子も大声でジョディ・コールを歌い始めた。
歌詞は相変わらずヒデェ。
つーか、えげつないっていうか…
取り敢えず、白式が丁寧に意訳してくれるので非常にヤバイ。
もうね、セシリアとかシャルとか英語が喋れる生徒は顔真っ赤で俺をチラチラ見てくるし。
俺もおんなじ様な歌歌ってるから安心しろって!

772: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:10:38 ID:TCE/5GVU
ちなみに、以下はガーハイム砲兵軍曹の歌詞と和訳。
Good for you
お前によし

and good for me!
オレによし

Mmm good.
うんん、よし

Up in the morning to the rising sun!
日の出とともに起き出して

Gotta run all day till the running's done.
走れと言われて一日走る

IS rider is a son of a bitch!
IS乗りはクソッタレ

Got the blueballs,crabs and the seven-year itch!
梅毒、毛ジラミ、ばらまく浮気

I love working for IS rider!
女の尻が大好きな

Lets me know just who I am!
オレが誰だか教えてよ

773: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:13:18 ID:TCE/5GVU
One,two,three,four, IS academy survival game club!
1、2、3、4、IS学園のサバゲ部!

One,two,three,four, I love the survival game club!
1、2、3、4、オレの愛するサバゲ部!

My club!
オレの部活!


Your club!
貴様の部活!

Our club!
我らの部活!

Survival game club!
サバゲ部!

I don't know, but I've been told...
人から聞いた話では

774: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:15:14 ID:TCE/5GVU
...IS riders Pussy is Huge safe !
IS乗りのプッシー、大きく開かない。

Mmm,good!
ううん、よし。

Feels,good!
感じよし。

is good!
具合よし。

Real good
すべてよし。

Tastes good!
味よし。

Mighty good!
すげえよし。

Good for you!
お前によし。

Good for me!
オレによし。

775: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:16:35 ID:TCE/5GVU
I don't want no teenage queen!
スカした美少女、もういらない

I just want my Made in Colt!
オレのオンナはコルト社製!

If I die in the combat Zone.
オレが戦闘で倒れたら

Box me up and ship me home.
箱に入って帰国する

Pin my medals upon my chest!
胸に勲章、飾り付け

Tell my mom I've done my best.
告げてよママに、見事な散り様

なんと言う下品な歌だ。
だが、それが良い。

776: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:29:38 ID:TCE/5GVU
そして、女子の隊列をよくみりゃ、更識先輩も混じってランニングしていた。
うん、どうやら、このブートキャンプに強制参加させられたようだ。
どんまい!
でも、会長なら多分クリアできるよ!
そう、多分!

『余所見しているとは余裕だな!
今日から貴様は年中発情野郎と名付ける!
どうだ!
嬉しいか!!』
「 No , ma'am.!」
『ふざけるな!!
お前は今日から年中発情野郎だ!!
分かったらパンツを上げてとっとと走れ!!!』
Yes, ma'am.!!」

年中発情野郎……
ひどいあだ名が付いたよ、うん。

777: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 00:36:44 ID:TCE/5GVU
それから俺の高校生初の夏休み。
実に充実した、非常に濃ゆい夏休みだった。
海兵隊直伝のシゴキで腹筋が6つに完璧に割れたのは嬉しいです。
女子はもう、ゴリラが何人か誕生していた。
怖いわ~
サバゲに出しても即戦力に成りそうだったし。
ちなみに、千冬姉はいつの間にか山田先生とともに海外に高飛びしていた。
最近、自分に危機が近づくと逃走するようになった。
危険察知のパークでも付けるようになったんかな?

「1ヶ月間ありがとうございました!」
「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」

全員で鬼教官達に礼を言う。
教官達は俺たちに敬礼してから去っていった。

「取り敢えず、これで優勝は堅いです。
諸君!!!
侵入してくる糞共を血祭りに上げてやろうじゃないか!!!」
「「「「おぉぉぉおぉぉ!!!!!!」」」」」

788: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 21:46:14 ID:TCE/5GVU
取り敢えず、キリングハウスの建設やら何やらは完璧だ。
サバゲ部の備品兼今回使う銃は、89式小銃です。
制作は東京マルイです。
しかも、屈曲銃床の空挺バージョン。
流石IS学園、サバゲ部の必要な備品として60丁を申請したらすんなり通った。
さらに言えば、来場者にも銃を持って貰わにゃいかんのでAK74Nを30丁ばかし頼んだもの通った。
あと、必要なコスチュームとかその他いろいろもすんなり通った。
多分、千冬姉の権力だと思う。
正直あの人はホットパンツに黒のタンクトップ、象牙グリップ、シルバースライドのベレッタの模造品使っとけばいいよ。
それかステンレス製のタウルス。
シャルはパンツ一丁で13mm機関砲持ってればいいかな。
セシリアは某作戦部西太平洋戦隊総司令官でもやってれば良いよ。
んで、ラウラもやっぱり、ホットパンツに赤いビキニ着てバレットM82持ってればいいかな?
俺はグロック17のODカラーで良いな。
あと、レミントンM870とM203を単体で。

「じゃあ、取り敢えず、班ごとに分けてそれぞれの配置を確かめて」
「ROG!」

10人の班長が俺に敬礼して部室から出ていく。

「この学園祭は我がサバゲ部が貰った!」

789: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 21:56:20 ID:TCE/5GVU
キリングハウスは2階建てで、庭付き一般住宅をモチーフに作らせた。
と、いうか、スワガー軍曹達が作っていた。
なぜか内装は、我が家そっくりだ。

「織斑」
「何だ、千冬姉?」
「学校では先生と呼べ」
「なら、部活中は衣装着てくれ」

タンクトップにホットパンツ。
そして、ソードカトラスを渡す。

「お前の額にもう一箇所耳をこさえてやろうか?」

千冬姉がカトラスを俺の額につきつける。
イイねぇ、似合ってるじゃねーの千冬姉。

「今日からウィスキーとか飲んで良いから」
「しょうがない奴だな。
まぁ、可愛い生徒の頼みとなっちゃぁ」

鼻歌歌いながら受け取ったぞこの教師……

792: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 22:09:09 ID:TCE/5GVU
「おりむ~」

そこにのほほんさんがやって来る。

「どうしたで御座る?」
「みんながクレイモアとブービー仕掛けたいって~」
「おお、構わんで御座るよ。
ただ、やりすぎると人が少なくなるから最初の方は客寄せで後一歩のところでって感じにさせておくで御座る」
「わかった~
おりむーも戦うの~?」

のほほんさんは俺のM870を指差す。

「おう。
のほほんさんはフリーガーファウスト?」
「んーん~
フリーガーハマーって奴~
クラスの子が作ってくれた~」
「そ、そうか…」

ちなみに、中身はグレネード弾を9個束たものらしい。
誰だよこれ作った奴……

794: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 23:15:26 ID:TCE/5GVU
千冬姉はWz63とブルーパーでも良いな。
ウォークマンでロック流しながらに八艘飛びってのも乙だよな。
千冬姉の運動神経なら出来るだろうね。
個人的には千冬姉は門番でイイけどさ。
ダッチとベニーボーイにロックが欲しいね。
んで、PTボート片手に海賊稼業をするんだよ。
千冬姉なら絶対出来るな。

「おい一夏。
着替えてきたぞ」
「おーレヴィより胸でけぇ」
「ブチ殺すぞ●●野郎。
顔面でクソする方法教えてやろうか?」

役作りも完璧だ!

「そんじゃ、織斑先生は俺の居る部屋の前で護衛してくれ」
「オーライ。
酒の件忘れんじゃねーぞ?
あと、これは部活中だけだ、良いなチェリーボーイ」
「オーケー
それで十分だ」

795: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 23:30:07 ID:TCE/5GVU
部屋に帰ろう。

「お帰りなさいませごs「タンゴダウン!!!!」

扉を開けた先に居た不法侵入者の顔面に6mmBBを叩き込んでやる。
ショットシェルは痛いだろうな。
鼻血ブーだし。

「侵入者がいるぞ!」

叫ぶと部員達が走ってくる。
手には89式。
もう、完全にどっかのPMCだよな、これ。

「貴様ぁ!!
何者だ!!!」

いや、生徒会長の更識楯無さんですよ?
二年生の。

「せ、生徒会長のさr「嘘を吐くな!!!」

部員が会長を縛り上げて89式の銃口を突き付ける。

「貴様、さてはスパイだな!!」

796: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 23:45:50 ID:TCE/5GVU
「いや、ちg「黙れ!
織斑先生を!」
「ROG!」

もう、完全に捕虜だね、会長。

「い、一夏くん!
助けてくれ!!」
「そりゃぁ、無理っすね。
今度からは入口という入口にベトコンやドイツ軍も裸足で逃げ出すブービーを仕掛けておこう」

スタンガンとか、テイザー銃をしかけて、電圧は100万ボルトくらいで。
侵入したらまず、悲鳴を上げて動けないだろうね。

「じゃ、千冬姉のごうm…尋問頑張って下さい会長」
「今、拷問って言おうとしたよね!?
ねぇ!!!」
「黙れ。
拷問は別室で行う」
「今拷問って!!!」

勇者である会長に敬礼!

797: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/28(土) 23:59:07 ID:TCE/5GVU
そして、学園祭当日。

『今日から3日間っ!!
貴様等はサバゲ部の部員の誇りを掛けて戦えぃっ!!!
俺達から言える事はたった一つ!
貴様等は死ぬまでサバゲ部員!
死んでもサバゲ部員だ!!
合言葉は!!』
「「「「会敵必殺!先手必勝!」」」」
『よし!!
任務開始だ!』
「「「「オォォォッ!!!!!」」」」

テレビ電話でガーハイム砲兵軍曹からの激励を受けた1組2組合同企画。

『織斑一夏を探し出し!
      甘い10分間を楽しもう!!!』

は始まった。
なんつーか、題名だけで聞けばほんわかした感じだが、実際は1ヶ月間の猛特訓で鍛え抜かれた準海兵隊隊員達が出迎えてくれる。
ちなみに、彼女たちの日課は一日10kmのランニングだそうです。
ええ、朝、俺と非常に下品な歌を歌ってランニングしているのは彼女たちです。

798: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 00:08:08 ID:bPCCDpBA
そして、開幕5分にして既に長蛇の列。
『俺と10分間会える』って話だけでこんだけ集まったらしい。

「良いかクソッタレのア   共!!!
最初のうちは織斑先生に丸投げしても構わん!!!
一日経ったら徐々に気合入れてけ!!
貴様等にゃ“タマ”はねぇ!!
だが、“玉付き”を生む根性がある!!!
貴様等は何だ!!!」
「「「「サバゲ部員!!サバゲ部員!!!」」」」
「何のために銃を持つ!」
「「「「名誉の為に!!!!サバゲ部の名誉の為に!!」」」」
「よーし!!!
行くぞ!!!」
「「「「フラァァァア!!!!!!」」」」

うん、脇を見ると電子タバコを加えて完全に『別人』になった千冬姉を見る。

「んじゃ、位置に付け。
外の馬鹿どもがウルセェ」

799: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 00:19:05 ID:bPCCDpBA
結果から言えば1日目の午前中、千冬姉を倒せた挑戦者達はいなかった。
正直、監視カメラで見てたけど、ありゃ、“本物”だよ。
酒掛かるとなんでこんな強いんだろうねこの嫁遅れ?
で、午後。
千冬姉にちっとは手を抜くよう言うと、5人が突破してきた。
ちなみに、挑戦者は100人。
コツを掴んだという感じで、また明日来るね~と余裕をぶっこいていた。
勿論、明日からは千冬姉にすら届かないだろう。
ドンマイすぐるwwwwww

「取り敢えず。
今日一日は手を抜きまくって逆に疲れただろう」

一日目終了。
全員を集めての反省会。
俺の言葉に全員が笑う。

「だが、明日からは少し本気を入れていけ。
3日目の午後は特に、だ。
逆に言えば、3日目の午後、貴様等が二階の、いや、家に到達されるような自体が起これば、貴様等は恥だ。
我がサバゲ部の恥でしかない!
気を引き締めろ!
手を抜くのは勝つためだ!
楽する為ではない!!!」

800: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 00:23:33 ID:bPCCDpBA
「当たり前だ。
私達を見くびるな、一夏よ」

ラウラがフフンと笑う。

「そりゃ失礼。
ではwwwwww
かたっくるしい話はこれで終わりで御座るwwwwwww
さぁ、本日のwwwww
最優秀者の発表で御座るwwwwwwウェwwウェwwwwww」

ドゥルルルルルと口でドラムロールをする。
全員がゴクリと唾を飲み込み俺を見た。

「最優秀者はwwwwwww「私だ」

千冬姉が前に出る。

「身内カウントはしn「わ た し だ」

有無を言わさないその言葉に全員が頷くより他はなかった。

813: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 14:48:24 ID:bPCCDpBA
取り敢えず、犬の糞を踏んだと思って無視するんで皆さんもそのつもりで

2日目。
例によってトゥーハンドと化した千冬姉が俺のいる部屋から一階に配置替えを“勝手に”した。
何でも、『言う事を聞かねば殺されるかと思った』と言う程の迫力で“お願い”されたとか。
だから、身内でのカウントはしないと何度言ったら…

「さて、今回は昨日よりも気張っていこう!
ガーハイム砲兵軍曹達に教えて貰った事を活かして戦うんだ」
「「「「オォォォォォ!!!!!!」」」」

なんか、昨日よりゴリラー増えてね?
ドリラーならぬゴリラーだよ、ゴリラー

「おりむー
ブービー仕掛けていーい?」
「良いで御座るよ。
でも、あまり多く仕掛けないようにするで御座る。
で、面会時間を5分増やすで御座るよ。
報酬と難易度を上げるで御座る」
「は~い」

814: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 15:21:54 ID:bPCCDpBA
そして、俺も場所を変えて部屋に篭る。
手元にはM870とM203だ。
昨日とは難易度が少し上がったが、時間が5分も増えたために、来場者はさらに倍増した。
なんか、もう、アリーナの観客席にまで客が入ってるし。
ちなみに、観客席からは俺の部屋だけを見れるカメラが繋がっている。
なので、俺はカメラに向かって時々愛想を振らにゃいかん。
また、時々千冬姉も入ってくるので、その挑戦的な衣装に外からキャーと悲鳴というか歓声というかが上がる。

『一夏、一人家の中に侵入した』

無線から鈴の報告が入る。
鈴は確か玄関前の警戒してた班だな。

「大丈夫、一回にゃトゥーハンドが居る」

一階からパパパパパスと凄まじい連射音が聞こえてきた。
実銃だったらダダダダダダンだろう。

『私だ。
侵入者を排除した』

そして、千冬姉からの報告。

815: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 15:35:09 ID:bPCCDpBA
「早っ!?
てか、千冬姉。
何人か上に上げてくれないと、客が減る」
『ああ、忘れていた。
なら100人に1人は上に上げる』

100人って…
まぁ、外には200人以上居るから良いけどさ……
てか、有料で整理券配ってるあたり、このクラスは商売上手だよな。
ちなみに、家を守るのは3班で、残りの7班は外での呼び込みと客の整理をしている。
格好は迷彩服に89式を下げ、メットやガスマスクをしてサンドイッチマンしてる。
正直、不気味だ。
しかも、ミリタリーケイデンスをBGMで流してるあたりもう、アホかと思うが、雰囲気が出ていいか。
客も、入口でルール説明を聞き、ゴーグルとエアガンを受け取ると出発。
中は見えないようにしたり、入口と出口は別々にしている。

「しっかし、誰も来ねーな~」

大抵は入口で止められ、次は一階の門番、千冬姉。
そして、二回に上がれたらブービーと部屋を守っているヤツに阻まれる。
ブービーと守衛を倒したら今度は俺が相手をするのだ。
ちなみに、俺の役としては、テロリストに同情した人質、つまりはストックホルム症候群に罹った役だ。
なので、油断して近づいて残念と言う奴も多い。

816: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 21:32:32 ID:bPCCDpBA
『1年1組の織斑一夏くん。
一般招待のご友人が正門前に来ています。
繰り返します』

何だ?

「ワンサマーより全班へ。
繰り返す。
ワンサマーより全班へ。
俺は一時、この戦場を離脱する。
しかし、計画はそのまま実行だ。
トゥーハンドは200人に1の突破を。
繰り返す、トゥーハンドは200人に1人の突破を」
『『ROG』』

監視カメラにジャっと挨拶し、一時離脱。
そのままアリーナを出て正門へ向かう。
正門に行くと、何故か死に体の弾が立っていた。

「どうしたんだ?」
「俺はセンスがねぇ…」

817: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/29(日) 21:43:14 ID:bPCCDpBA
弾が訳の分からんことを言っていた。

「お前にセンスがないのは元々だろ?
どうせ、女子に話しかけて失敗したんだろ」
「なんで知ってるんだよ!!」
「俺を誰だと思ってんだ?」
「織斑一夏だろ」

まったく。

「取り敢えず、誰に話しかけたんだ?」
「あそこで受付してるメガネの美人」

弾が指差す先を辿る。

「ああ、虚さん」
「ウツホさん?」
「ああ、そうだぞ。
生徒会の会計で3年生」
「おい、俺に紹介しろ」

872: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/30(月) 21:00:13 ID:tnjnks.s
「紹介して欲しけりゃ、俺んクラスの企画に金を落とせ」
「な、なんだと!?」
「何、一回300円だ」

ご褒美は俺に会える事。

「何やってんだ?」
「俺に会いに行こうゲーム。
今日昨日で合わせて5人突破したから」
「挑戦者数は?」

知らん。
これは、本当に知らん。
取り敢えず、売上からすれば、300人は下らない筈だ。

「まぁ、いい。
ただし、ゲームクリア出来たら、セッティング組んでくれよ?」
「おう、任せろ」

886: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/30(月) 21:19:09 ID:tnjnks.s
そして、弾を連れてアリーナに。

「すまん、こいつを優先してくれないか?」
「え?」

列の一番前にいた女子生徒に頼む。

「頼む!」

女子生徒の手を握りじっと目を見つめると……

「は、はい…」

顔を赤らめて頷いた。

「ありがとう。
弾、装備はAKと予備マガ3つ。
手榴弾系はフラッシュバンが2つだ。
拳銃は好きにしろ。
銃の持ち込みは不可だ」
「まずもって来てねーよ。
サバゲか?」
「いや、キリングハウスだ」

901: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/30(月) 21:42:27 ID:tnjnks.s
「おいおいおい、AKの弾と呼ばれた俺にAKなんか貸与えて勝てると思ってんのか?」
「おいおいおい、一ヶ月感海兵隊の訓練教官にシゴき抜かれた俺等サバゲ部に勝てると思ってるのか?」
「陸自のチームに勝った特攻野郎弾チームの特攻隊長舐めんなよ?」
「オーライ。
ここからは紳士の時間だ」
「全くだ。
次会う時、お前は言うだろう。
彼女と俺が会う時刻を…」

弾はニヤリと笑うとAKの準備をし始める。
俺は無線機を取り、全員に告げる。

「デフコン1だ。
繰り返す、デフコン1だ。
全員気を引き締めろ!
全力で打って出ろ!
構わん!!」
『『『『ROG!!』』』』

さぁって、千冬姉にも伝えておくか。

902: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/30(月) 21:53:47 ID:tnjnks.s
「千冬姉聞こえるか?」
『ああ。
私を突破した奴はまだいないが、もっと手を抜くか?』
「そっちじゃない。
弾が来た」

千冬姉ならこれだけで通じるだろう。

『オーライ、クソッタレ。
あのクソガキめ、何しに来た?』
「布仏虚先輩とデート」
『あいつの脳みそにゃ女のことしか入ってないのか?』
「女の事が入ってるだけで御の字だよ」
『ああ、そうかい。
全く。
私の目が有る内は不純異性交遊は断じて許さん。
やつの尻に1パイントも鉛玉くらわせりゃ、ちったぁ、真っ当な人間に戻るだろうよ』

あ、そこだけは教師なのね。
あと、鉛玉じゃねえぞ、バイオBBだ。

904: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/30(月) 22:06:28 ID:tnjnks.s
配置としては全員が前に出る。
攻撃精神にも程があるだろう……
ブザーが成ると同時に銃声が轟く。
おぉ、激しいな…
やれやれ、なら、俺はアビー・グースをやるかね。
脇に置いてあるM1911A1を取り出し、装填。

「相棒、オメーならここに来れるだろうよ」
『メリルがやられた!!
クソ!
フロントが崩されるぞ!!』
『ホークアイより全員に!
私の前に目標を出せ!
仕留める!!』

狙撃は無理だって。
弾はそのフットワークの軽さが売りなんだから。

『クソッタレ!!
狐みたいな野郎だ!!
IS学園サバゲ部の意地にかけても奴を落とせ!!
部長を守るんだ!!!』
『『『『ROG!!』』』』

906: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 00:36:05 ID:REyKdZ4k
結果から言えば、我が防衛隊は突破された。
あの千冬姉とも互角に戦い勝ったのだ。
正直、登場シーンは何処かのウィザーのように格好付けてたが、実力あっての厨二登場。
無駄にカッコよかった。

「さて、俺を倒して初めてのゴールだってーのはわかってるよな?」
「ああ、お前のその格好を見てりゃ、わかるよ。
ほら、抜けよ」
「ヘッ、余裕ぶっこいてると、テメーの眉間にもう一箇所  穴こさえることになるぜ?」
「そりゃぁ、どっちの話だ、ボケ」

弾が両肩程に足を開く。
俺も、腰のホルスターにセットしたガバメントにそっと手を伸ばす。

「ビビって降参するなら今のうちだぜ?」
「へっ、お前が小便臭いガキみてーにピーピー泣きながら命乞いするってなら考えてやらねーこともねーぞ?」
「抜かせよ。
来いよ、弾。
“男の子”だろ?」
「一夏ァァァァ!!!!!!」

銃声。

「腕を上げたな…
弾……」
「オメーこそ…
一夏……」

結果から言えば、相打ちだ。

907: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 00:40:07 ID:REyKdZ4k
「こういう場合ってどうするんだ?」
「お前の勝ちで良いよ。
千冬姉に部員達の防衛陣を切り抜けてきたんだ。
対したもんだ」
「へっ、俺を誰だと思ってんだ?
それよりも、お前、約束忘れんなよ?」

弾が俺に詰め寄る。

「わーってるよ。
待ってろ、今、のほほんさん呼ぶ」
「のほほんさん?」
「ああ、のほほんさん」

携帯を取り出し、のほほんさんを呼ぶ。
5分ほどしたらギーっと扉が開いた。

「やっほーおりむー」
「おー来た来た。
悪いけど虚さんに電話して暇作って貰えないか聞いてくれ。
こいつがどうしてもデートして欲しいってうるせーんだ」
「いーよ~」

908: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 00:43:57 ID:REyKdZ4k
のほほんさんは例によってのっそりとした動作で携帯を取り出すと、携帯をポチポチやり始める。
この動作が何とも言えないレベルに遅い。
なんと言うか、初めて携帯を使うおばあちゃんレベルだ。

「あれ~?
お姉ちゃんの電話番号ってどこかな~」

しらんがな。

「あ、あった~」

のほほんさんがまたポチポチやり始める。
俺と弾でその様子を見守ること5分。

「あ、お姉ちゃん?
やっほ~
元気~?」
『元気よ。
どうしたの?』
「うん~
あのね~
おりむーのお友達の子がね~
お姉ちゃんとデートしたいんだって~」
『はぁ!?!』

909: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 00:48:12 ID:REyKdZ4k
「なぁ、のほほんさんは俺に対して何か恨みでもあるのか?」

弾が俺の方を掴むとグラグラ揺する。

「ねーよ。
ああ言う人間なんだよ、のほほんさんは。
良くも悪くもマイペースだ」
「おりむーイイってさ~」

電話を終えたらしいのほほんさんがのソーっと俺に抱きついてくる。

「そうか。
悪いな。
やったな弾」
「おう。
てか、お前はなにナチュラルに抱っこしてんだよ」
「いや、これがのほほんさんとの礼儀だからさ」
「場所は食堂だよ~」
「お、おう、ありがとうな」

弾が意味わからんと言う顔で俺を見ると、キリングハウスを出て行った。

910: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 01:16:01 ID:REyKdZ4k
「さてはて。
取り敢えず、どうするかなぁ~」
「おりむーも休憩入ったら~?
きのーも全然回ってなかったよね~?」

のほほんさんが俺のM870を手に取る。

「そうだなぁ~
でも、ここ空けちゃダメだろ」
「じゃ~
おりむーの代わりに私がいるよ~」

大丈夫なのだろうか?

「と、取り敢えず、他のみんなに聞いてみるよ」

無線で尋ねると全員が賛成したのでちょっと他を回ることにした。

911: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 01:34:49 ID:REyKdZ4k
「しかし、改めて外に出ると…」

女子しかいねぇ…

「お、ちょうどいいところに」

そして、俺の目の前には生徒会長が。

「どうしたで御座るかwwwwww」
「ねぇねぇ、劇に出てくれる?」
「劇で御座るかwwww」
「そうそう。
シンデレラだよ」
「構わんで御座るwwwww
衣装はwwww
某がwwwwwwww
某が決めるで御座るwwwwwwwwww」
「え、いや、王子様役なんでその衣装が…」
「黙るがヨロシwwwwwww
王子様はと言ったらロングコートにアキンボwwwwww
そして背後には白い鳩が舞うで御座るwwwwwww
その中を歩く某wwwwwww
カッコよ過ぎるで御座るwwwwwwww」

912: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 01:45:29 ID:REyKdZ4k
「君、シンデレラと男たちの挽歌の何処に共通点があるのかな?」
「知wwwwwらwwwwwwwんwwwwwwwwwでwwwwwww御座るwwwww
だが、ユンファの格好良さは譲れねぇ…
ベレッタは任せろー」

背負っているリュックサックから二丁のベレッタF92を取り出す。
ありゃ、ベレッタかと思ったらPT92だった…

「参ったで御座るwwwwww
ベレッタじゃなくてwwwwwww
タウルスで御座るwwwwwww
しょうがないで御座るwwwwwwwww」
「ま、まぁ、君がいないと始まらないから行こうか」
「行くで御座るwwwwww
メイキシカン・スタンドオフを再現するで御座るwwwwwwウハwwwwバロスwwwwww」

913: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 02:00:55 ID:REyKdZ4k
連れて行かれた先は第5アリーナ。

「ささ、さっさと着替えて」
「いや、ここはM76で行くぞ。
某が特別改造した張さん仕様の『天帝双龍』!!
スーツとロングコートにグラサンとポマード!!!」
「いや、シンデレ「いいから持って来い、彪!」

言うと会長は首を振って脇の演劇部員に言う。
そして、俺のサイズぴったりのスーツとロングコートにグラサン。
あと、ポマード。
髪をべったり七三にし、グラサンをかける。

「マークじゃないが、それはしゃーない。
電子タバコもまぁ、いい。
じゃあ、行こうぜ王子様」
「へ?」

そして、察しの良い演劇部員たちは会長に王子様の格好と王冠、マスケラをかぶせる。

「さぁ、『ショー・タイムだ』」

舞台袖から王子様の腕を引いて舞台へ躍り出る。

914: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 02:08:31 ID:REyKdZ4k
 
「死に晒せぇ!!!!」

そこに誰かが斬りかかってくる。

「!?」

斬りかかってきたのは鈴だ。
両手に飛刀を持っている。
しかも、何故かドレスにガラスの靴まで履いて。

「当たるかよぉ、『ですだよ』!!」

天帝から6mmBBをぶち込んでやる。

「イギャッ!?」

鈴は顔面にモロに食らって揉んどりうってずっこける。

「ほら、王子様。
足元に注意して」
「わ、私が狙われているんじゃないか!?」
「ああ、どうせ、その王冠を取ったらどうのこうのだろう?
誰がそんな手に乗るか」

915: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 02:15:16 ID:REyKdZ4k
「そこに直れぇぇ!!!」
「王冠をよこせぇぇ!!!」

今度は箒とラウラだ。
箒はポン刀でラウラはタクティカルナイフを2振り。
ラウラのナイフS&Wのクリップポイントじゃねーかよ!
一本欲しい!!

「させねーよ?」

箒とラウラにそれぞれ弾丸を叩き込む。
箒は咄嗟に自分の中心線を刀で庇い、ラウラは横に飛ぶ。
箒に向けた狙いは、狙いが良すぎて、放たれたBB弾は刀に当たった。
ラウラの場合は近くのテーブルをひっくり返して盾に。
実弾なら貫通……22LRじゃ無理だな。
なんの材質か、鉄だ。
しかも1cmは固いようだし…
30口径、この距離なら22口径のライフルがなきゃ無理だな。

916: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 02:20:42 ID:REyKdZ4k
「くらえ!!」

ラウラが何かを放り投げてきた。

「手榴弾!?!」

会長が逃げようとするので足を引っ掛ける。

「落ち着けよ、王子様。
こういうのはな…」

転がってくるDM51。
弾殻が外してあるな。
それをつま先でラウラの隠れるテーブルへ蹴り返す。

「う、うわぁぁ!?!」
「ビビったら負けなんだ」

ラウラが飛び出してくるのでそこに弾丸を叩き込む。

「な?」
「手榴弾を使うなんて聞いてない!!!!」

王子様が半泣きで叫ぶ。
自分は高みの見物を決め込むからそうなるんだ。
これに懲りたら、俺を変な企画に巻き込まんことだな。

917: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 13:01:48 ID:REyKdZ4k
さて、残るは箒だ。

「ヌロォォォ!!!!」
「当たらんなぁ!」

振り下ろされる刀を寸でで避けて、刀を踏みつける。
モノホンだぞ、これ…

「チィィ!!
邪魔だ七三!!
王冠は私のもだ!!」
「ちゲーよ俺のもんだよ!」

箒の刀を踏み折り、腹に蹴りを入れる。

「グァ!?」
「悪いな。
王子様、さっさと歩け!
非常口に向かえば手榴弾は飛んでこないぞ!!」
「わ、分かった!!」

918: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 17:52:06 ID:REyKdZ4k
さて、ここで出てきていないのはセシリアとシャルだ。

「そこだな!」

少し離れた暗がりに弾を撃ち込む。

「きゃぁ!?」
「アホめ」

セシリアはどうやら狙撃のようだな。
狙撃銃は何を使ってるのか知らんが、レーザーポインター使ってるような素人はダメだ。
今度はSTAの訓練教官を呼ぼう。
生憎、俺には狙撃の才能はない。
白式があればハスコックやヘイヘもビックリな狙撃ができるけどな!

「う、うぉぉぉ!!!」
「!?」

今度はシャルだ。
ボディーブンカーを構えて俺に突進してくる。

919: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 17:59:38 ID:REyKdZ4k
「先ずは護衛から潰す!」
「一時休戦だ!」
「セシリアは援護しなさいよ!!」

そして、その後ろにはラウラ、箒、鈴が続いていた。
俺って気がついてないのかよ…

「それでこそ、我が部員だ」

だが、甘い。

「今だぞ王子様!!」

明後日の方向を見ながら叫ぶ。

「何っ!?」

全員が一斉に俺の視線を辿るが、その先には誰もいない。

「フェイクだ!!」

ラウラが叫ぶ。

920: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/31(火) 18:04:52 ID:REyKdZ4k
「遅い!」

シャルのボディーブンカーを蹴飛ばし、踏み台にする。
その後ろにいたラウラの顔面に弾を叩き込み、箒の肩を踏み台に。
そして、その背後にいた鈴が咄嗟に右ストレート。
生憎、俺には足は2つあるんだよ。

「おりゃ!」

右手を左足で蹴飛ばし、そのまま踏み倒す。

「動くな」

よろめいている箒を掴み、セシリアのいる方角に向けて盾にする。

「まだ詰めが甘いんだよ。
そんな事じゃ冠は取れねーぞ?」
「き、貴様は、一夏じゃないか!?!」

盾にしていた箒が驚いたように首を巡らす。

922: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/02(木) 00:06:47 ID:obc7pdhA
「そうだぜ、俺が一夏だぜ。
さて、あのアホタレ会長から何を条件に戦っていたか吐いて貰おう」

ガチャリと銃口を向ける。

「い、一夏との同室で泊まれる権限だ」

そう喋ったのはラウラだ。

「本来なら、王子様の役は一夏だったんだけどね」
「誰があんなこっ恥ずかしい服着るか」
「その七三にグラサンって言う方が恥ずかしいわよ」

鈴がなにかほざいたので一発撃ち込む。

「痛いわね!!」
「張さん馬鹿にすると痛い目を見るぞ」
「もう見たわよ!!」

923: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/02(木) 00:20:32 ID:obc7pdhA
「取り敢えず、会長迎えに行くか。
あとで皆でお礼参りだな」
「「「「「了解!」」」」」

全員が俺にびっしりと敬礼する。
取り敢えず、天帝双龍のマガジンを変える。
6mmBBから6mmベアリング(2g)にプロパンを入れた違法改造バージョンのフルオンパレード。
この前試したら、15m離れた先の杉の板(5mm)を5枚貫通した。
つまり、殺傷能力があります。
日本じゃ違法だぜぇ~
残念ながら、日本なら銃刀法違反で捕まるぜぇ~
IS学園はどこの国の法律も適応できないので、IS学園のみでしか使えません。

「お礼参りじゃコラー!!!!」

非常口を通り、先程、俺が着替えた場所に入ると、会長と変な女が戦闘を繰り広げていた。

「なっ、誰ですの!?」

セシリアが持っている狙撃銃、LMTのMRPだ。
イギリスが正式採用しているセミオートだな。
そこにサプとレーザーサイト、6倍率のスコープを載せていた。

「インカミング!!!!」

924: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/02(木) 00:35:50 ID:obc7pdhA
叫ぶと同時に全員が一斉にISを展開する。
幾らアリーナのロッカールームが広いとはいえ、6機のISと謎の女が展開しているISの様なロボットが揃うと狭い。

「一夏さんも早く展開を!」
「要らねぇ。
そこのタコ足に白式は勿体無さ過ぎるぜ、セシリア。
ゴキブリ殺すのに、ジャベリンぶっぱなすレベルで勿体ねぇ。
それとも、B-2爆撃機を特攻させる並みでも構わねぇな。
兎も角、勿体ねぇ。
俺にゃ天帝双龍が付いてるんだ。
援護頼むぞ相棒共!」

会長のミステリアス・レイディを下がらせる。
それと同時に、鈴と箒が前に出た。

「ッケ!
ガキ共が舐めやがって!!
私をd「黙れよ。
取り敢えず、テメーのことは知らねぇ。
正直、知りたくもねぇ。
だが、どう見てもテメーは悪もんだ。
しかも、狙いは俺とみた。
お前にゃ悪いが、死んでもらうぞ。
俺の邪魔をするんじゃねぇよ」

925: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/02(木) 00:38:56 ID:obc7pdhA
8本の腕が次々と俺を襲う。
しかし、それを僅差でかわし、弾丸を叩き込んでいく。

「効かねぇよボケぇぇ!!!」

謎の女はゲラゲラ笑いながら叫んだ瞬間、ヒュォンと砲弾が飛んでくる。
そして、直撃。
衝撃に耐えられなかったらしい謎の女はゴロゴロと地面を転がり、ロッカーをなぎ倒す。

「んなこたァ知ってんだ、ドアホが。
俺を誰だと思ってんだクソボケ。
サバゲ部部長の織斑一夏だぞ、コラ」

倒れる謎の女にシャルがパイルバンカーを全弾撃ち込み、更に箒と鈴の近接格闘で腕をすべて破壊。
止めとばかりに、セシリアのビットでの一斉射撃だ。

「君、やりすぎだと思わないかい?」
「全然。
それより会長こそ無事なので?」

929: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/03(金) 14:37:04 ID:0gKJ7fQQ
「さぁ、名を名乗れ」

ISが強制解除されたらしく、スーツ姿に戻った謎の女に銃口を向ける。

「誰がいうk「お前の意見は聞いていない。
俺が『言え』と言ったんだから言え」

左膝に一発弾丸をブチ込む。
女はギャァアァァと喚きだしたのでさらにもう一発。
これで、完全に左膝は壊れたな。

「お前、ぜってー、世に言う秘密結社的なアホな連中の集まりだろう。
んで、あのISみたいなロボットと考えるにクソッタレの篠ノ之束と関わりあるだろう。
取り敢えず、お前が知っている情報を洗いざらい吐いてもらう」

両手を撃ち抜き、毒などを飲ませないようにする。
ちなみに、舌を噛み切って死ぬという方法はぶっちゃけ非効率だ。

930: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/03(金) 14:46:58 ID:0gKJ7fQQ
舌を噛み切って死ねる確率は余程の覚悟がなけりゃ大抵は重傷を負うだけで死ねない。
考えてもみろよ、舌噛み切って死んでもそこまで大きな血管が入ってないんだぞ?
死ぬのに時間かかる上に無駄に痛さでのたうちまわるだけだ。
だったら、やらないほうがいい。

「セシリア、千冬姉を読んできてくれ。
箒達はこのドアホを縛れ。
ラウラ、ナイフを貸してくれ」

ラウラからナイフを受け取る。

「さて、今からゲシュタポやKGBも裸足で逃げ出す拷問をするぜ、クソッタレ。
吐くならな今の内だ」
「誰が言うかb「オーライ」

膝にナイフを突き立てる。

「や、やめろ一夏!!」

ラウラが慌てて俺からナイフを取り上げようとする。

「ダメだ、ラウラ。
こいつは会長を殺そうとした。
俺と勘違いしてな。
つまり、こいつの狙いは俺だ。
俺を殺そうとするんだから、そいつは悪だ。
俺は静かに暮らしたいんだ。
今まで、俺から何か恨まれるようなことをした覚えはない」

931: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/03(金) 14:52:52 ID:0gKJ7fQQ
一夏の言葉に全員が『嘘だ!』と叫びたかったが、誰も言わない。

「こいつは俺の邪魔をするわけだ。
つまりは、死んでも文句はいねぇ。
あと、俺がこの敷地内でこいつを殺しても、誰にも罰せられることはない。
まぁ、この学校を退学になるかもしれんが、それはそれで、俺にとっては万々歳だ」

つーか、こいつを殺したほうが、俺的には安全かつ安心な生活ができるんじゃないか?

「さぁ、吐け。
お前の上司と、ISを与えた黒幕を」

突き刺したナイフをグリグリと回し、膝をほじくる。

「やめろ一夏!
それは私の仕事だ!!」

そこに千冬姉とセシリアが帰ってくる。

「お早いお着きで。
お前、千冬姉はこんな優しい尋問はしねぇからな、覚悟しろよ?」
「一夏、もう、気絶してるよ……」

932: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/03(金) 21:43:06 ID:0gKJ7fQQ
その後、謎の女は千冬姉に連行され、どうなったのかは知らない。
だが、どうやら、亡国企業とかそんな感じの秘密結社が関わっているらしい事を千冬姉が伝えて来たが、俺はできる限りかかわらないようにした。
ちなみに、文化祭は何事もなかったかのように再開させ、我等がサバゲ部と1組2組共同の企画が堂々優勝。
サバゲ部は見事、部活として認められた。
ちなみに、部員は1組2組の生徒全員入る事になり、隔週で海兵隊からガーハイム砲兵軍曹が来てくれる。
あと、王冠争奪大戦争は事件のせいで有耶無耶になりかけたが、何故かのほほんさんがそれを持っており、のほほんさんの優勝で終わった。

「なんで持ってたの?」
「え~?
おりむーのあと付けてたら~
がっちゃーんて大きな落としたら会長が戦って~
脇にこれが落ちてたの~」

との事だ。

「いや、なんというか、俺の部屋ベッド1つしかないし」
「二つあるはずだろうが」
「いや、一個はばらしてスペース作ったんだ」
「馬鹿かお前は!
学校の備品を壊すやつがあるか!!!」

ここにいるけどな。

937: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/05(日) 23:52:51 ID:/r6ZNvkc
「簡易ベッドならあるけど、それでもいい?」
「いーよ~」

よし、決定だ。

「おい、何が決定だ。
誰が不純異性交遊を許可した」
「生徒会長だよ。
てか、なんで俺の心が読めるんだ!?
読心術とか二次元の世界限定だろうが!!」
「何を言っている。
お姉ちゃんに不可能はない」

駄目だこいつ、早く何とかしないと!?
喪女を拗らせるとこうなるのか!!

「のほほんさん、これが喪女のまつろだ。
君はこう成らない様、良き伴侶を見つけるんだぞ」
「なら、おりむーが結婚してよ~」
「それは叶わん夢ぞ」

938: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/05(日) 23:56:01 ID:/r6ZNvkc
「おい、誰が喪女か」

喪女が何か言っているが聞こえない。

「取り敢えず、部屋に帰ってのほほんさんが寝る場所を作るか」
「なら、私も着替え持ってこよ~」

のほほんさんが相変わらず三歳児のダッシュのようにトテトテ走っていく。
俺も部屋に向かうのだが、部屋の前には5人の戦乙女。

「何やってんだ?」
「それはこっちのセリフだ、一夏!」

ドンと箒が前に出る。

「き、聞きましたわよ!
布仏さんが相部屋になるそうで!!」
「あの大会は無効試合よ!!!」

939: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/06(月) 00:12:23 ID:9tpVK/dc
セシリアと鈴も前に出る。

「と、言うか、一夏は女の子と一緒に住むなんて言わないよね?ね?」
「嫁の伴侶は私だけだ。
故に、私と寝るべきだ」

シャルとラウラも前に出る。
5人揃って、インフィニット・プリキュア!!

「いや、のほほんさんと同棲しますけど?
彼女一応、俺の泥除けですしおすし。
対面的には彼女ですしおすし」
「そ、そうですけども!」

セシリアが食い下がる。

「なら、日替わりで寝ずの番でもする~?」

そこにのほほんさんがやって来る。
なんと言うか、背中には大きなクマ。

940: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/06(月) 13:10:49 ID:9tpVK/dc
「やっほ~」
「やっほー」

のほほんさんが右手を上げて挨拶をするので、俺もそれに応える。
挨拶は重要だぞ。

「取り敢えず、おりむーは何もしないよ~
媚薬持ってそれなんて●●● ?って展開に持ち込んでも絶対に誰ともしないよ~
現に、それなんて●●● ?展開なのに、この徹底具合~
普通ならもう、ハーレムルート入ってるから全員としっぽりやってるはずなのに~
まだ、私とキスしかしてないもん~」

のほほんさんがブーと俺を長い袖で叩きながら言う。

「「「「「た、確かに…」」」」」

全員が頷いた。

「じゃあ、そう言う訳だから。
じゃーな」

扉を開けてのほほんさんを部屋に入れる。
そして、ベッドだったところの脇に、簡易ベッドを広げ、用意した。

941: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/06(月) 13:15:58 ID:9tpVK/dc
「取り敢えず、今後は世界の流れに注目だな。
世界はISをどうするか?
このIS学園はどうなるのか」
「そうだね~
おりむーはもし、学園潰れたらどうするの~?」
「どうしようかな。
わかんねーけど、どっかの学校に転入だろうな」
「そっか~
私も付いて行っていーい?」

のほほんさんが俺を見た。

「多分、あの5人も無理矢理付いてくるぞ」
「いいじゃん~
皆でがんばろー」

のほほんさんがオーと手を上げる。
俺もそれにオーっと賛同した。
翌日、第二回アラスカ会議が開催され、ISに付いて正式に破棄することが決定した。
IS学園は解体することとなり、それに伴い、各国の生徒は自国に戻っていった。

943: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/06(月) 13:21:39 ID:9tpVK/dc
10月 藍越学園

「えっと、前にいた学園が潰れたのでこっちに転入してきた織斑一夏です」
「同じく、篠ノ之箒だ」
「布仏本音で~す」
「留学生のセシリア・オルコットですわ。
よろしくお願いします」
「しゃ、シャルロット・デュノアです。
よろしくお願いします」
「ラウラ・ボーデリッヒだ」
「凰・鈴音よ」

そして、藍越学園に6人共々転入した。
しかも、弾と同じクラスで、弾が目を丸くしてるんだらおかしいったら有りゃしない。
担任がもう少しなんか家と言う顔だったので俺は続ける。

「俺の目標は植物の様に平穏な生活です」

終われ