2: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 00:58:31.86 ID:2OlAqowxO
とある雪の降る寒い日の夜、人の多い通りの脇で街灯に照らされている少女がいた。
 少女は薄手のワンピースに裸足、あとはメガネだけとまるで寒さには耐えられないような格好をしていた。

少女「メガネはいりませんか、メガネはいりませんか」

 少女は通りを通っていく人たちにカゴに入ったメガネを売ろうとしていた。
 父親にそれを売るまで帰ってくるなと言われているのである。

引用元: モバP「メガネ売りの少女」 

 

3: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 00:59:27.87 ID:2OlAqowxO
少女「メガネはいりませんか」

 少女は懸命に声をかけ続ける。しかしほとんどの人は見向きもしないか、少女を一瞥して嘲笑するかだった。

少女「メガネはいりませんか」

 少女は一人の男性に近寄りメガネを差し出す。

男「うるせぇよ!何がメガネだ!」

4: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:00:17.06 ID:2OlAqowxO
 男は少女を突っ張ねる。少女は雪の上に転がってしまう。しかし、

少女「まあまあ、メガネでもどうぞ」

男「あぁ!?」

少女「まあまあ、メガネでもどうぞ」

男「ちょっ、なんだこいつ!?」

 起き上がった少女はそれでも男にメガネを押しつけようとする。男はそれに怯み、メガネを受け取りつつも逃げ出した。

5: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:00:55.26 ID:2OlAqowxO
少女「はぁ、だめですね、メガネが全然売れません。、こんなに魅力的なメガネがどうして売れないんでしょう」

 人通りが少なくなってきた通りから全く人気のない小路に移動した少女はひっそりと呟く。
 そしておもむろにカゴからメガネを取り出し、自分に付ける。

少女「うん、度もぴったり。コンタクトよりも手間が省けて便利ですし」

少女「あっ、暖かいご飯が見えます。それに暖炉も」

 少女はメガネを次々と交換し、あり得るはずもない光景をひたすら見ていた。

6: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:02:49.49 ID:2OlAqowxO
少女「あっ、死んでしまったおばあちゃんの姿も見えました」

 しかし、身体を暖めるものを身につけていない少女の体温は次第に下がっていく。

少女「寒くなってきました。それにメガネも減って」

 カゴの中のメガネはもうほとんどなくなっていた。

少女「ああ、視界が霞んできました。メガネの度が合ってないんでしょうか」

 そのセリフをきっかけに、少女はもう動かなくなってしまった。
 まるで、死んでしまったかのように。

8: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:03:34.92 ID:2OlAqowxO
 次の日の朝、仕事に向かう一人の男がいた。

男「ん、あれは……」

 男はあるものを見つけ、それに近寄っていく。

男「こ、これは昨日のあの娘じゃないか!?


 そこには倒れている少女がいた。少女は好きなメガネに囲まれて幸せそうな顔をしていた。そして、

9: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:04:55.92 ID:2OlAqowxO
少女「まあまあ、メガネでもどうぞ」

 起き上がってわずかにカゴに残っていたメガネを差し出した。

男「安心しろ、メガネは既に付けている」

少女「そうですか、それはよかった。それにしても、助けていただきありがとうございます。きっと起こされていなかったら死んでしまっていたでしょう」

男「昨日メガネをもらっておいてよかった。なかったらきっと君を見つけられなかっただろう。メガネ万々歳だな!」

 こうしてメガネの大切さに気付いた男と少女は幸せに暮らしたとさ。

おしまい

10: ◆9YekyNr6gdfr 2014/10/12(日) 01:05:48.54 ID:2OlAqowxO
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春菜「っていうのを考えたんですけど。少女は私で男はプロデューサーが」

モバP「そうか、ならそれは心の中にしまっておこうな」

おわり