1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:25:01.63 ID:SLXLYoGX0
暑い日の昼下がり、鈴の部屋


鈴「あっづー……」

セシリア「な、何ですのコレは……」

鈴「あ、セシリアー♪ようこそようこそ、あ、冷やし中華食べる?あはは、のびて温くなってるけどね!」

セシリア「冷房はどうなさったの?エアコンがこの部屋にも……」

セシリア「(見間違い、かしら……何かで叩き割ったかのような……)」

鈴「いやー、昨夜いきなり動かなくなっちゃってさー、ちょ~っと修理にエキサイトしちゃって……」テヘペロ

セシリア「……」

鈴「……」

セシリア「部屋に帰らせていただきますわ」

鈴「ちょ、ちょっ、待ちなさいよー。セシリアの部屋ベッドの上でポテチ食べるなとかおかし食べながら本読むなとか厳しいじゃんー」

セシリア「……何ついて来る前提で話してますの?」

鈴「え?」

引用元: 鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」 

 

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:30:02.43 ID:SLXLYoGX0
セシリア「……いや、え?じゃありませんわよ」

鈴「ほらほら、アイスならあるからさ?ね?」

セシリア「第一、叩いて治るなんていつの迷信ですの?」

鈴「私んちじゃ現在進行形よ?」

セシリア「……さすが中国ですわね」

鈴「アンタ今バカにしなかった……?」

セシリア「してませんわ」

鈴「何目逸らしてんのよ」

セシリア「だ、大体!アレは叩いてるどころかどう見たって斬ってるじゃありませんの!」

鈴「き、斬ってはいないわよ、ただ届かなかったから届きそうなもので……」

セシリア「その結果世界初のISで家電斬った代表候補生が誕生したというわけですのね」

鈴「うぐ」

セシリア「修理が来てくれるまで、自らの軽率な行いを反省してお過ごしなさい、それでは」

鈴「待って!待ってってば!私にこの灼熱地獄で休日を一人過ごせって言うの!?」

セシリア「廊下で過ごせばいいじゃないですの」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:33:56.50 ID:SLXLYoGX0
鈴「いや、いくらなんでも廊下でゴロ寝は乙女としてきっついわよ」

セシリア「では屋上」

鈴「暑い!」

セシリア「なら教室にでも」

鈴「教室でなんか寛げないわよ!それに千冬さんに捕まったらと思うと」



千冬『ほぅ、休日登校して机で居眠りとは熱心だな、良く眠れるよう私が特別授業でみっちりしごいてやろう』



鈴「ってなりそうで」

セシリア「居眠り前提なんですのね」

鈴「だからさ!お願い!セシリアの」

セシリア「お断りします」

鈴「」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:41:10.21 ID:SLXLYoGX0
セシリア「どの道あなた……ここで寝るしかないのですわよ?」

鈴「うわ……あんた嫌な事思い出させないでよ……」

セシリア「そこ忘れちゃダメだと思いますわ……大体、同室の方はどうしたんですの?お姿が見えませんけど」

鈴「友達の部屋に避難したわよ、とっくに」

セシリア「あら、そ。じゃあ鈴さん、ごきげんよう」

鈴「待てぇ!わたしの避難先!!」

セシリア「ぐえ」

鈴「あ”」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:44:33.56 ID:SLXLYoGX0


セシリア「え、襟に飛びつくなんて何考えてますのっ!?」

鈴「今のはちょっとごめん、なんかすっごい声でたねー」

セシリア「誰のせいですの?全く。つまるところ鈴さん?」

鈴「はい」

セシリア「今日私を呼んだのはエアコンが治るまでの間私の部屋に上がりこむ為の交渉だったと、そういうことですのね?」

鈴「はい」

セシリア「大体、真っ先に一夏さんの部屋に突撃しそうなもんでしょうに……どういう心境の変化ですの?」

鈴「……」

セシリア「……どーして目を逸らしますの?」


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:50:17.98 ID:SLXLYoGX0

鈴「……いやあ、別に」

セシリア「行ったんですのね?」

鈴「……」

セシリア「……もう一度だけ、言葉で聞いて差し上げますわ。――行きましたわね?」

鈴「ちょ、セシリア、顔近い、近いってば……いや、冷房壊れてすぐに、ちょっと」


7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 01:54:24.84 ID:SLXLYoGX0


セシリア「不覚でしたわ、もし気付いていれば扉を開ける前に狙撃したものを」

鈴「怪我じゃすまないわよ!?」

セシリア「……全く、しかし、事情が事情ですし、仕方が無いですわね……」

鈴「え?よし!一人脱落!!」

セシリア「頭ぶち抜きますわよ?」

鈴「冗談じゃん、冗談。だからティアーズ浮かべるのやめようよ、ここ部屋だよ?」

セシリア「まったく。仕方が無いというのは、こんな時くらい見逃して差し上げるのも、強者の余裕というものという意味ですわ」

鈴「いや、今見逃して無いよね!?」


8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 02:01:35.27 ID:SLXLYoGX0


セシリア「……誤解でも脱落したなどと言われてはたまったものではありませんわ!」

鈴「いやぁ、だっててっきりさ、あたしと一夏なら許すとかそういう友情かなーなんて……逆だったら、って考えたら」

セシリア「……鈴……さん」

セシリア「(もし私と一夏さんならば許すと、そう仰っているんですの!?)」

セシリア「(こ、こんなにも思ってくれる友に私はなんて事を……っ!自分が恥ずかしいですわ!!)

鈴「逆だったら……ん……逆だったら? セシリアと一夏かぁ……やっぱコロスわね」

セシリア「」


9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 02:09:27.34 ID:SLXLYoGX0


セシリア「あ……あなた、タッグ練習までしたパートナーにえっらい言いようですのね」

鈴「コンビネーション練習中真後ろから狙撃するパートナーであたしも本当に嬉しいわよ?」

セシリア「射線に飛び込んで来る事がコンビネーションなんて初耳ですわよ!?」

鈴「一夏はコンビネーションって言ってたのよ!ほら、無人機の時」

セシリア「は?」

鈴「背中から撃てって」

セシリア「マジですの」

鈴「マジよ」

セシリア「……授業の時に使ってみますわ。いい情報をありがとうございます」

鈴「いいってことよ、パートナーでしょ」


10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 02:21:11.30 ID:SLXLYoGX0


セシリア「……それはそうと、行ったのなら一夏さんのところでいいのではないですか?」

鈴「それがねー」

セシリア「困っている人を見捨てるようなこと、一夏さんがするとは思えませんわ?」

鈴「……いや、あいつ……寝るとき冷房つけないのよ。健康に悪いとか言って」

セシリア「結局暑くて逃げてきたと?」

鈴「や、それくらいで逃げるつもりもなかったんだけれど、ちょっと暑すぎたから、ドア開けたまま一夏起こそうとして……」

セシリア「侵入したのは寝てるような時間でしたのね」

鈴「……」

セシリア「どうぞ?お続けになって?」

鈴「いや、だって、寝てる最中に冷房が壊れたんだから、し、仕方ないじゃない?」

セシリア「ええ、夜這い同然の時間に鈴さんは一夏さんの部屋に忍び込み?起こそうとしてどうしましたの?」

鈴「そ、その言い方やめてよ。なんかイヤ」

セシリア「あら、失礼しました」

鈴「……そしたら丁度……千冬さんが見回りにきて……」

セシリア「夜間は教員が交代で見回っているようですわね、特に一夏さんの部屋周辺は重点的に」

鈴「なんで知ってるのよ!?」


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 02:27:00.69 ID:SLXLYoGX0


セシリア「なるほど、一夏さんの部屋は無理、そこで私の部屋と」

鈴「そーいうこと。ま、助けると思ってさ、ここは一つ」

セシリア「お断りしますわ」

鈴「早ッ!少しは迷おうよ」

セシリア「鈴さん、私の部屋に来て片付けた事が一度も無いですわよね。部屋を荒らされるのはごめんですの」

鈴「う、それは……か、片付けるからさー、ねー、セシリアー」

セシリア「……」

鈴「(迷ってる!ここがチャンスよ!一気に押し切る!)」

鈴「ねっ?いいでしょ?」

セシリア「し、仕方ありませんわね、丁度昨日作ったプリンがありますの、試食を……」


鈴「(ハイあたし死んだーっ!)」


12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 02:35:38.06 ID:SLXLYoGX0


鈴「あ、もしもし箒?悪いんだけどさ」

セシリア「……」

鈴「え?あー、いや、その、え、ちょっ!箒!?ねぇ!?……切れた」

セシリア「りーんーさーんー」

鈴「ひゃあっ!あ、いやその、やっぱ悪いかなーって。親しき仲にも礼儀ありって言うじゃない?」

セシリア「私のプリンを食べることは礼儀に反するとでも仰いますの!?」

鈴「い、いやぁ、そういうわけじゃないんだけれど……」

鈴「(まずいだけで死にはしない……よね)」

セシリア「……別に、私は一人で部屋に帰っても良いんですのよ?」

鈴「あ!行く!行きます!行かせて!」

セシリア「ふふ、調子がよろしいこと♪」


――

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 19:45:04.33 ID:SLXLYoGX0
――――

セシリア「なんだか、私たちの絡みが少ないという意見が御座いますわね」

鈴「結構なんだかんだと仲良しよね?私達」

セシリア「……やむにやまれず、というやつですわね」

鈴「嫌々!?」

千冬「何故この二人のペアが多いかだが……よーし、一年の専用機持ちで二人一組のペアを組めー」

箒「私の紅椿は白式と対になるISだ、データ収集の為にも白式と組むのが当然になる」

一夏「そうなのか?まぁ、箒なら気が楽だし俺は構わないけど……」

シャル「ラウラ、組もうか。同室同士だしね!」

ラウラ「ああ、よろしく頼むぞシャルロット」

千冬「このように、セッシーはクラス内ではボッチ確定だ」

セシリア「ぼっ……!?」

鈴「やーい、ボッチ」

千冬「鈴は二組だからいない」

鈴「」

千冬「このように学年専用機持ちでペアを組む場合。面識もあるため、鈴とセシリアというペアになる」

鈴「べ、別にそれだけの理由じゃなく、武装の相性も……」

セシリア「二人がかりでコンビネーションが上手く行かずラウラさんにこてんぱんにされましたわね」

鈴「短編では息の合ったコンビネーションを」

セシリア「あなた私を踏み台にしましたわよね……?」

千冬「この他にも、二人で買い物に行ったりと何かと二人で行動していることが多い」

セシリア「まぁ。否定はしませんわね」

鈴「素直じゃないわねー」

千冬「ボッチがつるんで傷の舐めあいをしているというわけだ」

セシ鈴「「えっ!?」」

千冬「まあ、最新刊では第1巻から存在が示唆されていた4組の専用機持ちが登場して、1年の専用機持ちが奇数になったわけで今後どうなるかが愉しみだ」

セシリア「ハイスピードロボットアクションハーレム学園青春ラブコメ インフィニット・ストラトス 既刊7巻好評発売中ですわよ」

鈴「コミックスのほうもヨロシクね!」

千冬「TVアニメのBDとDVDも第2巻が好評発売中だ、手に入れて損は無い」


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 19:47:50.31 ID:SLXLYoGX0


――寮・廊下

鈴「♪~」

セシリア「何を抱えてきたんですの?」

鈴「人生ゲームでしょう?トランプでしょう?それから……」

セシリア「前もちょっと思いましたけれど、鈴さんは本当にそういうボードゲームが好きですのね」

鈴「前に一夏の家でみんなで遊んだ時もやったわよね」

セシリア「私が圧勝したあのゲームとかですわね」

鈴「アレをイギリスと言い張るあんたの目はどうかしてるわ」

セシリア「でもあれは、手がべたべたになってしまうのが難点ですわね」

鈴「あはは、まーねー。何からやる?」

セシリア「何でも結構ですけれど、お部屋を汚さないようにはしてくださいましね?」

鈴「ハイハイ、わかってるって」

鈴「(ボードゲームに気を引いておいて、プリンからセシリアの意識を離れさせる)」

鈴「(コレで私は生き残るッ!!)」



20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 19:48:37.08 ID:SLXLYoGX0


――セシリアの部屋



鈴「おじゃましまーす、って、相変わらずあんたのベッドでかいわね」

セシリア「アジアの寝具が小さすぎるだけですわ。眠るときは大きく手足を広げて尚スペースがあるほうが望ましいですもの」

鈴「とか何とか言っちゃって、普通の大きさのベッドだと落ちるとかじゃないの?」

セシリア「わ、私の寝相が悪いみたいに仰らないでくださいます?」

鈴「あー、すずしー……やっぱ、適温の環境って大事よねぇ。シャワー借りるわね?」

セシリア「は?シャワーなら空調とか関係ないのだからご自分のお部屋で浴びてくれば良いではありませんの」

鈴「シャワーから出て、涼しい空気で湯上りを愉しむ、これって至高のひと時じゃない?そう思わない?」

セシリア「別にシャワー浴びてから帰ってくれば良いじゃありませんの」

鈴「わかってないなー、セシリア」

鈴「私なんていつも湯上り全裸で涼んでるのよ!あの部屋じゃ涼めないわ」

セシリア「別にシャワー浴びてから帰ってくれば良いじゃありませんの、ダッシュで」

鈴「嫌よ!?寮の廊下を全裸でダッシュとか!?」


21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 20:32:40.25 ID:SLXLYoGX0


セシリア「大丈夫ですわ、誰も見て見ぬふりをしてくれるはず」

鈴「何でじっと私の胸元を見るの!?何、disってんの!?」

セシリア「そうですわね、ごめんなさい。鈴さんと比べてはラウラさんに失礼ですものね」

鈴「ラウラよりはあるわよ!?」

セシリア「……鈴さん、今の発言はラウラさんに対する侮辱ですわ」

鈴「ぇぇぇぇ……」

セシリア「兎も角、あんな地獄に呼び出されて私も汗をかいてしまいましたの、どうしてもというなら私が出るまでお待ちくださいな」

鈴「うぐ、わかったわよ、どーぞ先に入って」



22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 20:44:54.42 ID:SLXLYoGX0


鈴「それにしても……」チラ

鈴「(凶悪な体してるわねー相変わらず。白人ぱないわ……)」

セシリア「では、お先に」

鈴「はいはい」


シャワー…


鈴「そーだ……ちょっと悪戯してやろっと、にっひひ」


鈴「あら、一夏ー!どーしたの?セシリアに用?」

ガタンッ

鈴「あ、今セシリアシャワー浴びてるのよ、見てく?」

ガタガタガタン

バン

セシリア「い、一夏さんッ!?見てくなんてそんな、前もっておっしゃってくれれば私はいつでも、むしろお背中を……」

鈴「……」ニヤニヤ

セシリア「……やられましたわ」

鈴「シャワー使い終わった?じゃ交代ね?」

セシリア「まだですわよっ!」

バン

鈴「怒る事無いじゃん……」


23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 21:06:04.75 ID:SLXLYoGX0


――セシリアの部屋、ドアの前


一夏「(次のテスト範囲について聞きに着ただけだったんだけど……鈴のやつ、ノックする前に判るのかと思ってびっくりしたじゃないか)」

一夏「(それにしても、千冬ねえが言ってたけれど鈴の部屋は本当にエアコンが壊れたんだな、まあ、セシリアとはなんだか仲がいいみたいだし大丈夫だろう)」

一夏「(セシリア、言ってくれればとか言ってたが……女同士で仲がいいとやっぱり風呂も一緒に入ったりするのか?)」



鈴『セ・シ・リ・ア』

セシリア『きゃあっ!鈴さん!?どうしたんですの?』

鈴『どうせだったら一緒に入ろうかな、なんて思って』

セシリア『もう、仕方ないですわね……でも、二人では狭いですわね』

鈴『洗いっこしようよ……ほら、わ、セシリアの肌ってスベスベ……』

セシリア『あ、ああ、おやめになって……そんな所』

鈴『セシリアの胸、プリンみたい、あむ』

セシリア『ひゃああああああん』



千冬「織斑、貴様女子の部屋のドアの前で何息を荒くしている」

一夏「ハァハァ……ハッ!?」

千冬「ついてこい、実家の天井裏に隠してあったものについてと併せてきっちり説明してもらおうか」

一夏「いいッ!?そ、それは!!違う、それは弾が!弾が!」

一夏「違うんだ!千冬ねえ!違うんだッ!」





25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 21:14:20.21 ID:SLXLYoGX0


鈴「……?  ねーセシリア、今一夏の声が聞こえなかったー?」

セシリア「その手には乗りませんわよッ!ほら、交代ですわ」

鈴「はーい」

セシリア「あんまりシャンプーは使いすぎないようにしてくださいましね、この前買ったばかりなのですから」

鈴「はいはい、神経衰弱でもやって待っててよ」

セシリア「お風呂上りは優雅に@チャンで煽って過ごす事にしていますの」

鈴「……ヒクわー」



26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 21:37:02.11 ID:SLXLYoGX0


――風呂上り


セシリア「ふーんふーん♪」

鈴「へー、あんたの髪型ってそういう風にセットしてるんだ?」

セシリア「ええ、手間ヒマかけて、わたくしをドレスアップしているんですわ」

セシリア「……って、マジで全裸ですのね」

鈴「気持ちいーわよー?あんたもやってみればいいのに」

セシリア「結構ですわ、全裸で@チャンネルとか本格的に終わってますもの。それにしても、そうやって下ろしていると、本当に長くて綺麗な黒髪ですわね」

鈴「いや、煽ることがお風呂上りの習慣になってるのも相当だと思うわよ? ふふーん、まぁね」

セシリア「ちょっと、ちゃんと乾かしてからにしてくださいな?あー、もう、水滴がモニターに」

鈴「あ、ごめんごめん。でもセシリアの髪も綺麗なんだし、真っ直ぐ下ろしても綺麗だと思うわよ」

セシリア「ストレートの人はみんなそう言いますわね」

鈴「あれ、それって当ててるわけじゃないんだ?」

セシリア「ええ、ロールにしている以外は地毛ですの」

鈴「でも可愛いと思うんだけどなー。一度やってみたら?あたしみたいなツインテール」

セシリア「わ、私には似合いませんわよ」

鈴「そんなこと無いって、ほら、やったげるから座ってなさいよ」

セシリア「あ、ちょっと……コームはとらないでくださいましね?」

鈴「任せなさいってば」



27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 21:56:03.37 ID:SLXLYoGX0


鈴「でもさー、セシリアのドリルってもみあげとサイドの4つよね?なんか意味あんの?」

セシリア「ドリルとか言わないでくださる?」

鈴「ドリルでいいじゃん。で、意味は?なんかの願掛け?」

セシリア「……ティ、ティアーズの数と合わせてますの」

鈴「プッ」

セシリア「な!い、今笑いましたわねぇ!?」

鈴「あはは、うん、笑った。セシリアって結構ブルー・ティアーズとは長いの?」

セシリア「……そう、ですわね。BT兵器の実験段階からの付き合いですから」



28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 22:26:21.69 ID:SLXLYoGX0


鈴「うちのクラスでさ、ISはパートナーのようにって話で、誰かがそれって彼氏みたいに?とか言い出したもんだから」

セシリア「ふふ、うちのクラスでもありましたわよ、ソレ」

鈴「やっぱり?もー質問攻めに合って大変だったわよ。私ってさ、帰国してから代表候補になったから……甲龍ともそこまで長くは無いのよね」

セシリア「ええっと、実質一年ちょっと?だったかしら」

鈴「それは日本を離れてからね。甲龍とはもっと短いわ」

セシリア「そうですの……寂しい、ですか?」

鈴「……付き合いの長い子達を見てると、ね」

セシリア「……全く、鈴さんはバカですわね」

鈴「あ、こら、ちょっとまだ片方しか……」

セシリア「付き合いは、長い、深いで表現こそすれ、多ければいいものではございませんわ」ギュ

鈴「セシリア……」

セシリア「ほら、こうして近ければ近いほど、触れることが出来るのでしてよ?」

鈴「うん」キュ

セシリア「あなたと甲龍の関係は、羨むほどですわよ。私とブルー・ティアーズと互角以上に動かせるあなたがそんなに寂しがっては、甲龍に失礼ですわよ?」

鈴「セシリア……アリガト」



29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/03(金) 22:51:20.53 ID:SLXLYoGX0


ガチャ!

一夏「セ、セシリア!すまん!匿ってく――」

セシリア「!?」

鈴「!?!?」

一夏「げっ!!り、鈴!?なんて格好してるんだお前!?!?と、とにかく!」

鈴「出てけー!!!!!!!!」ゲシッ!!

バタン!!

一夏「うわああああ、それがセカンド幼馴染に対する態度かあああっ!?」

箒「そこにいたか一夏ぁぁぁぁ!!!!」


―      ギャー



鈴「はー、はー、はー」

セシリア「さ、災難でしたわね。はい、寝間着」

鈴「しんっじらんない!サイテー!ノックも無しに人の部屋飛び込んでくるなんて!!」

セシリア「私も全裸にしておけばよかったですわ……」シュン

鈴「そういう問題!?


30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/04(土) 00:05:48.07 ID:Nri0Qlo90


――


鈴「さー……いくわよ……」

セシリア「自由にすると良いわ?」

パチパチパチパチ・・・

鈴「い!一ィ!?」

セシリア「一夏さんの一ですわね、さぁ、駒をお進めになって?」

鈴「くう……借金が、借金が……!」

パチパチパチパチ・・・

セシリア「順調ですわー!また娘が増えましたわ♪」

鈴「いや、あんたネズミかなんか!?車に乗り切ってないじゃない!」

セシリア「せめてハムスターと言って欲しいですわ。ふふ、私は一夏さんと子沢山、あなたは一夏さんと借金地獄。どっちがいい人生か、火を見るより明らかですわね」

鈴「くっ!やめなさいよ旦那を一夏に例えるのは!」

セシリア「……だって鈴さんは昔からコレを一夏さんとやっていたのでしょう?」

鈴「弾と蘭もいる事が多かったけれどね」

セシリア「じゃあ、いつもあなたの旦那様は一夏さんだったわけですのね?」

鈴「なぁ!そんなこと……あるけど」

セシリア「あーあ、むっかつきますわー」

鈴「何よ、あんたがむかつくことじゃないでしょ」

セシリア「私も、同じ学校に通いたかったですわ」

鈴「『一夏と』でしょ?」

セシリア「否定はしませんわ、でも、鈴さんも」

鈴「照れるじゃない、やめてよ」

セシリア「じゃ、やめますわ」

鈴「……やっぱやめないでいい」



32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/04(土) 23:32:14.67 ID:Nri0Qlo90


セシリア「ほんと、素直じゃありませんわねぇ」

鈴「うっさいわね、あんたは私と幼馴染になってどうするつもりよ」

セシリア「当然、幼いころから差を見せつけて一夏さんを諦めさせますわ」

鈴「えぐっ!……ていうかあんたが幼馴染だったとしたら、絶対喧嘩してたわね」

セシリア「あら、嬉しいですわね」

鈴「はぁ?なんで喧嘩になるのがうれしいのよ、ワケわかんない」

セシリア「争いは同じレベルの者同士でしか発生しない、と言いますわ」

鈴「……あんまいい意味に聞こえないんだけれど」

セシリア「私、イギリスでは同級生と口論になった事さえ殆どありませんでしたの」

セシリア「あっても精々先輩方と、ですわね。 もっとも、負けた記憶はございませんけれど」

鈴「あー、なんか想像できるわ」



33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/04(土) 23:33:43.93 ID:Nri0Qlo90


セシリア「IS学園に来て良かった。私、本当はそんな私を諫めて欲しかったのだと思いますわ」

鈴「うわ!叱って欲しかったって?どんだけよ!?」

セシリア「……お父様が……娘心に情けない殿方だったんですの」

鈴「……優しい人だったんでしょ、いいお父さんじゃない」

セシリア「優しかったんだと……そう思いたいですわ、もう確かめる術はありませんもの」

鈴「……と、とにかくー!あんたが一夏をどんな風に好きかなんか聞きたかないわよ……」

セシリア「家族の為、自身の為……対等な相手として接してくれる一夏さんの姿に運命を感じましたの!」

鈴「無、無視するわけね……はぁ、一夏は誰にでもそうよ、セシリアが特別ってわけじゃないわ」

セシリア「知ってますわ、むしろ、特別扱いしていたら好きにならなかったかもしれませんわね」

鈴「う……いや、そう言い切られちゃうと……でも特別扱いされたいんでしょ?」

セシリア「それは勿論そうですけれど、その特別扱いは男女としての特別扱いであって……」

鈴「ああ、うん。判るわ、確認したかっただけ。」

鈴「はあ、求める未来も似てるのね~、あたし達。」

セシリア「ふふっ 恨みっこ無しですわよ?」

鈴「あら、恨めるの?あんた」

セシリア「まるで鈴さんは恨めないみたいな物言いですわね?」

鈴「…………うっさい」



34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/05(日) 00:05:49.98 ID:N78BU35e0


セシリア「はい、ゴールイン。ですわ」

鈴「くぅ、一発逆転を狙ったのに……資産が……」

セシリア「鈴さんはいきなり大きく得ようとし過ぎですわ。流れを見て、少しづつ積み上げてこそ、ここぞという時に大きく得られますのよ」

鈴「あんたが言う? 第一せこいわよそんなの、あたしの性にあわないわ」

セシリア「全く……」

鈴「そういえばどうなの?偏向射撃だっけ?」

セシリア「ええ、随分使えるようになってまいりましたわ。問題は使いどころと、曲げるタイミングの多様化、火器の同時使用かしら」

鈴「けた筈のレーザーに追いかけられるなんてだけでもぞっとしないわね」

セシリア「ですが、まだそれだけですわ……我が祖国の汚名は、私とブルー・ティアーズが濯ぎます」

鈴「サイレントナントカだっけ?正直むかつくわよね、セシリアがこれまでやって来た事、全部盗んじゃってさ!」

セシリア「サイレント・ゼフィルス、"静寂の小灰蝶"。ブルー・ティアーズの姉妹機ですわ」



35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/05(日) 00:16:03.58 ID:N78BU35e0


セシリア「正直……弱音は吐きたくありませんの。でも……っ」

鈴「いいじゃん、私しかいないんだから……悔しいんでしょ?」

セシリア「悔しいに……決まってますわ。ISの操縦技術でも、BTの扱いでも、私は足元にさえ及ばなかった」

鈴「でも、一矢は報いたんでしょ?」

セシリア「まだまだ、ですわ。イギリスの代表候補生として……ブルー・ティアーズの操縦者として」

セシリア「あの子を、ブルー・ティアーズの妹を取り戻して差し上げなくては」

鈴「何なんだろうね、あの、操縦者の子達って」

鈴「技量もハンパじゃない、一体何処で訓練を受けたのかしら……」

セシリア「IS学園の卒業生、なのでしょうか」

鈴「どうなのかしら、でも、随分幼いように見えたって聞くけど」

セシリア「……見た目で年齢を判断するのは」

鈴「ななな、何よ!何見てんのよ!スレンダーって言って欲しいわね!スレンダーって!」

セシリア「ん~、心地よい遠吠えですこと」



38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/05(日) 02:55:01.73 ID:N78BU35e0


セシリア「人生ゲームって思いの外時間泥棒ですわね」

鈴「これは朝までコースでしょ、強くてニューゲームで」

セシリア「二組は良いですわね、そんな事したら織斑先生の前で眠ることになりますわ」

鈴「[ピーーー]って事よ、言わせないで」

セシリア「御免被りますわ。それでは鈴さん、私寝ますから」

鈴「うん、わかってるわよ、ちゃんと片付けるって」

セシリア「とっとと帰りやがれですわ」

鈴「ここまで来てふりだしに戻るの!?」

セシリア「なんですの、泊まる気でしたの?」

鈴「いや!寝間着差し出したのセシリアだよねぇ!?」

セシリア「仕方ないですわね、ルームメイトも アナタに気を使っていない 事ですし、其方のベッドへ」

鈴「悪いことしちゃったわよね」

セシリア「ほら、とっととお行きなさい、しっし」

鈴「酷くない!?」

セシリア「私のベッドに寝ていいのは一夏さんだけですのよ」

鈴「あったまきた、セシリア~、一緒に寝ましょ♪」

セシリア「何ですのその理屈!」



39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/05(日) 03:01:04.99 ID:N78BU35e0


セシリア「とっととお行きなさい……っ!」グググ

鈴「意地でもこっちで寝るわ……っ」ギギギ


鈴「とりゃー!」

セシリア「ちょっ!何下着に手をかけてますの!?」

鈴「裸の付き合い」

セシリア「ああ、なるほど」

鈴「私も脱ぐからさー」

セシリア「えええええええっ!ちょっと、おやめにな……あンッ!」

鈴「ふっふっふ、よいでわないかー……って……うわぁ、改めて見ると、うわぁ……金髪なんだ」

セシリア「――ッ!!!み、見ないでくださいましっ!!」

鈴「んっふっふ、もう覚悟しなさい、セシリア♪」



40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/05(日) 03:21:38.00 ID:N78BU35e0


―― アンッ ヤメッ   アアア… ヨイデハナイカ グフフフ


コンコン ガチャ


ラウラ「セシリア、いや、セシリア・オルコット上官殿、折り入ってお話があるのだが。明日提出の宿題について――」

セシ鈴「「」」

ラウラ「我が精鋭を以ってして、明日の宿題は些か困難の様相を見せている。フランス側からの援軍も残念ながら見込めない。勝手なことを言っていると思うが、ここは貴女の御知恵をお借りしたい」

セシ鈴「「」」

ラウラ「……お楽しみ中のところ申し訳ないが、可及的事態につき、ご考慮願いたい」

セシリア「こ、このクラスメイトが押し倒されている状況で助けようとは思いませんの!?」

ラウラ「失礼ながら、個人的嗜好には目を瞑るべきである、との認識ゆえ。」

ラウラ「セシリアと鈴に関しては、とっくの昔にそうであると、私の記憶にはある。相変わらず仲が良いな」

鈴「わかったら出て行きなさいよ、箒にでも頼めば良いでしょう?」

ラウラ「む、すまない。箒には既に頼ったのだが、にべもなく断られたのだ。だが、此方もダメなようだな」

セシリア「ちょーっとお待ちなさいですわっ!明日の宿題なら写させてあげますから!鈴さんを!」

ラウラ「流石は裏クラス代表!セシリアの危機には必ずや馳せ参じようぞ……それで、ノートはどこにある?」

セシリア「今が危機なんだからまずはとっとと助けやがれですわ!!」

鈴「ちょっとセシリア、いいじゃないたまには。減るもんじゃなし」

セシリア「精神的に減りますわ!!!」



49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 00:41:15.05 ID:omdU2jrd0


ラウラ「くっ……ええい、許せよ!鈴音!」

鈴「あっ!どうして邪魔をするのよッ!」

ラウラ「どうしてと言われても……強いて言うなら教官に絞られないためだ、悪く思うな」

セシリア「はぁ、はぁ、助かりましたわ……」

ラウラ「気にするな、さてセシリア、早速なのだが……」

セシリア「判っていますわ、お待ちになって」

鈴「…………」ヒソヒソヒソヒソ

ラウラ「……うん?何だ鈴」

セシリア「はい、どうぞ?丸写しでは織斑先生にバレますわよ。明日授業前には返して下さいましね」

鈴「…………」ヒソヒソヒソヒソ

ラウラ「……」



50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 00:42:17.27 ID:omdU2jrd0


セシリア「……な、何をしているんですの……?いやな予感が」

ラウラ「うむ、セシリア、すまないな、恩に着る」

鈴「……」ヒソヒソヒソヒソ

ラウラ「ときにセシリア、中華料理の点心は美味いと思わないか?」

セシリア「……はあ、まぁ……」

ラウラ「そうか、恩を仇で返す事になってすまないと思う、だが……」

ラウラ「お前を拘束させてもらおう」

セシリア「わ、わけがわかりませんわ!?どこからそんな流れに……」

セシリア「はっ!鈴さん!!買収しましたわね!?」

ラウラ「本当にすまないと思っている。案ずるな、無理に解こうとしなければ痛みは無い」

鈴「ふっふっふ、観念しなさい、セシリア」

セシリア「い、いやー!どうしてこうなるんですのー!」


―― ワガドイツノカガクリョクハー! キャー



51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 01:25:52.85 ID:omdU2jrd0



――チュンチュン


セシリア「く、屈辱ですわ……私のファースト腕枕で朝チュンが……」

鈴「え?あ、ああ、うん。そう……ね」

セシリア「ちょっと、何悟ったような顔してますの」

鈴「これは強敵だわ……」

セシリア「……シャワー、浴びに行かせて頂きたいのですけれど」

鈴「ああ、うん。シャワーね。先に使うわね」

セシリア「先にほどいて下さってもよろしいのでは無くて!?」



52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 01:27:34.15 ID:omdU2jrd0


コンコン


シャル「おはようセシリア、ちょっといいかな?」

ラウラ「シャルロットか?どうした」

カチャ

シャル「ああ、ラウラここにいたんだ。良かった……まさか朝まで帰ってこないなんて思わなかったよ」

ラウラ「そうか、見ろシャルロット、セシリアの協力で宿題は完了だ」

シャル「そっか、良かったねラウラ。一夏の部屋じゃなくてよかった……」

ラウラ「ところで、なぜ後ろ手にコンバットナイフを隠し持っているのだ?」

シャル「やだなぁ、護身用に決まってるじゃないか」

ラウラ「そうか、把握した」

鈴「納得する所じゃないと思うわよ……」

シャル「やあ、鈴もおはよう。あれ?セシリア?どうしたのその格好……」

セシリア「シャルロットさん!丁度良かった、ロープを……」

鈴「ラウラ!お願い」

ラウラ「承知!」

セシリア「むぐー!?むぐぐー!!」サルグツワ

鈴「その体がいけないのよ」

シャル「えっと、よく判らないけれど、遅刻しちゃうよ?それじゃ僕は教室に行くから……」

鈴「げっ……というか、もう時間ギリギリなんだけど!!」

ラウラ「セシリア、宿題の協力感謝する!シャルロット先に行ってくれ、着替えて私も直ぐに追おう!」

セシリア「むぐー!?むぐむぐー!?むむー!!」



一夏「あれ?セシリアは?」

鈴シャルラウラ「「「さあ?」」」

箒「何故ハモるのだ……」



53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 01:57:44.05 ID:omdU2jrd0



千冬「……まったく、あいつは……山田君、後は頼むぞ」

山田「は、はい!それでは皆さん、授業を始めます」







千冬「オルコットめ、休み明けだからとたるみおって……」

バン!

千冬「セシリア・オルコット!貴様はIS学園を何だと……なん……だと」

セシリア「むぐむぐむぐぐー!」

千冬「……」



55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/06(月) 02:26:14.31 ID:omdU2jrd0




――グラウンド



鈴「ぐぎぎぎぎぎぎ」

ラウラ「うおおおっ!砲戦パッケージはレールカノンが重くて動けん!というか起き上がれんッ!!!」




千冬「……山田君」

山田「はい?」

千冬「…………私は挫けそうだ」

山田「えええええっ!?」




58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 02:45:42.94 ID:7vF1P9g70



昼休み・IS学園屋上


一夏「二人とも大丈夫か?」

鈴「無理!もー動けない」

ラウラ「砲戦パッケージのままだった事が敗因だ、そうでなければ……」

セシリア「お二人とも反省の色が皆無ではなくて!?」

箒「今回は流石に擁護できん。クラスメイトを縛ったまま放置とは……」

シャル「全く、二人とも……ちゃんと反省してるの?」

鈴「(あれ?なんでこいつナチュラルに部外者面してんの……?)」

ラウラ「(何故だ、シャルロット……)」

一夏「……」

鈴「何急に黙ってんのよあんたは」

一夏「いや、違うぞ?違うからな!?」

箒「何が違うのか、聞かせて貰いたいところだな」

ラウラ「もしやもう一度縛って欲しいのか?」

一夏「ま、まさか。はは……

セシリア「全く、またジャパニーズジョークとやらを考えてましたの?」

一夏「あ、うん、それだ。そうなんだ」

鈴箒「「(絶対違う……)」」



59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 03:04:15.92 ID:7vF1P9g70


一夏「あー、そういえば鈴、エアコンについてはもう申請したのか?」

鈴「あ!忘れてたぁ……!」

一夏「ああ、それなら俺が楯無さんに伝えておくよ。これでも生徒会だしな」

セシリア「あら?でも、この場合は寮長に申請を提出するべきでは……」

一夏「あ、そうか、ドアの修理申請もそうだったし」

鈴「……つまり……千冬さん?」

ラウラ「……ふっ。私の勝ちだな」

鈴「何が!?」

箒「……大丈夫だ、ドアの修繕の申請は事務的に済ませてくれたぞ」

一夏「お前は何もして無かったじゃないか。俺は大変だったんだぞ……」

鈴「ね、ねぇ一夏」

一夏「いいっ!?い、嫌だ!断る!」

鈴「何よ!まだ何にも言ってないじゃない!」

一夏「お前が千冬ねえが苦手なのは判るがどうして俺が!壊したのは鈴だろ!?」

鈴「それくらいいいじゃない!じゃ、じゃあ、せめて一緒に……「私が一緒に行って差し上げますわ」

鈴「はぁっ!?」

セシリア「ですから、私が一緒に謝りに行って差し上げますわ」

一夏「セシリア……ありがとう。流石セシリアだな」

セシリア「当然の事、ですわ♪」

鈴「くっ」

シャル「……出遅れたよ」

箒「……むう」

ラウラ「……?」



60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 03:10:42.86 ID:7vF1P9g70



セシリア「♪~」

鈴「あーあ、怒られるんだろうなぁ……」

セシリア「仕方がありませんわ、寝ぼけてIS起動してエアコンを割ったご自分が悪いのですから」

鈴「でも寝ぼけてたんだからさー……はぁ」

セシリア「こっぴどく叱られるが良いですわ~♪」

鈴「なによ、イヤに上機嫌じゃない」

セシリア「当然ですわ!友情の為に死地に付き合う私の姿に、一夏さんはもうメロメロ!今夜辺り期待しても良いかもしれませんわね!」

鈴「……一夏に夢見すぎよ」


コンコン


セシ鈴「「失礼します」」

千冬「ああ、入れ」

カチャ

鈴「織斑寮長、備品の修理申請をお願いします」

千冬「ああ、この前言っていたエアコンだな。そろそろ来るころだと思っていた。遅いくらいだ」

鈴「は、はい、それでは……「まぁ、待て」

千冬「そう急ぐ事もあるまい?まぁ、座っていけ」

鈴「ち、千冬さん?椅子も座布団も無くてここ……床なんですケド~……」

セシリア「機嫌が悪いですわね」ヒソヒソ

鈴「セシリア、一緒に地獄へ落ちましょう?」ヒソヒソ

千冬「座っていけと言ったんだが……?」

セシリア「……そ、それでは、わたくしh「オルコット」

セシリア「」ガクガクブルブル

千冬「友達の為に一緒に来ると言う気概はよし、そら、お前には座布団を貸してやろう」

千冬「……ん~?凰、何をナチュラルに胡坐で座ろうとしている。当然正座だ、セシリアもな」

セシリア「」

千冬「凰、お前の部屋は既に見せて貰ったが、何だあの壊れ方は……」

鈴「い、いえ、アレは……」

千冬「それに、今朝もだ……」

鈴「」



61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 03:32:35.79 ID:7vF1P9g70



小一時間




千冬「…………以後、気をつけるように」

鈴「はい、すみませんでした」

セシリア「……終わった……です……の……?」

チ冬「いや、ここからは個人的な話だ。そのままで聞け」

セシリア「……!?」

ドサ

チ冬「……落ちたか、つまらん」

鈴「セシリア……安らかに眠りなさい」


スパーン!

鈴「あいた!」

千冬「凰、貴様の為に途中で逃げ出さなかったオルコットに感謝するのだな」

鈴「(逃げたくてももう足が動かなかっただけじゃ……)」

千冬「エアコンが治るまで暫くお前とオルコットは同室だ、仲 良 く やれ」

鈴「は、はい。失礼しま……」

スパーン!

鈴「あいたっ!」

千冬「持って帰れバカ者」

セシリア「キュウ」

鈴「は、はい」



63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 04:03:33.21 ID:7vF1P9g70


ルームメイト「ええと、それじゃセッシー、行ってくるわね」

セシリア「え、ええ……ごめんなさいね、ご迷惑をおかけして」

パタン

鈴「部屋のほとんどを占領してるあんたが既にご迷惑じゃない?」

セシリア「うっさいですわよ。うう……まだ足が動かせませんわ……」

鈴「軟弱ねぇ、ま、一緒に来てくれたのは感謝してるわよ」

セシリア「一夏さんと鈴さんを二人にしない為に名乗り出ただけですわよ」

鈴「……ま、そんなこったろうとは思ってたけどさ」

ギシ

セシリア「鈴さん?どうして私のベッドに座ってるんですの?あなたのベッドは……」

鈴「いーじゃん、セシリアのベッドふかふかで寝易いんだよね~。まだ足痺れてる感じ?」

セシリア「チリチリとした痛みは無いのですけれど、じ~~んとした痺れが」

鈴「そっか!よし!」

ツン

セシリア「ぅわひゃあぁぁッ!?」

鈴「ほれほれ」

ツンツン

セシリア「アヒィィィん!!」



64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 04:15:46.20 ID:7vF1P9g70


廊下


一夏「……こ、これは……」

一夏「(部屋の中でいったい何がッ!?千冬姉ェは一体何をしたんだッッ!!)」

一夏「(冷静に、冷静になれ……俺は今どうすべきだ、白式!応えてくれッ!)」


ホンワホンワホンワ

セシリア『ああ、鈴さん……』

鈴『だめねえセシリア……この雌豚!白豚!二人の時はお姉様でしょう!?』

セシリア『アヒィィ!もっと、お姉様ぁぁぁ』



一夏「くっ、ピュアが暴走する……ッ 千冬姉だ、千冬姉のフルヌードを妄想しろ!死の気配を感じ取れ!!」

千冬「……」肩ポム

一夏「!?」

千冬「……」

一夏「……」

千冬「……判るな?」

一夏「……は……はい」



――     ギャー



71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 23:36:39.81 ID:7vF1P9g70



鈴「あれ?今一夏の声が……」

セシリア「声もしますわよ、同じ寮に住んでるんですから」

鈴「あら、もー平気そうね」

セシリア「……いつかお返しして差し上げますわ……」

鈴「ふふー、がんばんなさい。それにしてもそんなにきついもの?正座」

セシリア「ちょっとした拷問以外の何物でもありませんわ」

鈴「座り方が悪いのよ、何と言ったらいいのか難しいけれど……」

セシリア「足を傷めつけてまで座るなんて、座る意味が無いじゃありませんの」

鈴「あら、でもきっと将来一夏が家を建てるなら絶対に和室は欲しいって言ってたわよ?」

セシリア「!!」

鈴「セシリアは和室で寛いでる一夏には寄り添えないのねー」

セシリア「か、必ず正座をものにして見せますわ!オルコット家の名にかけて!早速練習ですわね」

鈴「(相変わらずちょろいなぁ)」



72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 23:45:59.93 ID:7vF1P9g70


セシリア「何か仰いました?」

鈴「いいえぇ、何でも。ささ、じゃあ早速やってみましょうか」

セシリア「では……」

パシーン!

セシリア「あいたあ!?」

セシリア「な、何をなさるんですの!!」

鈴「ベッドの上で正座ってなめてんの!床!」

セシリア「……ぐっ……わかりましたわ」

鈴「はい、ちゃんとつま先は伸ばすのよ!」

セシリア「くう、なんでこんな痛くなるように……」

鈴「(やっばー、楽しくなってきたぁぁ!)」

セシリア「……」

鈴「どうしたのよ、膝立ちで……さっさとお尻を落としなさいってば」グイ

セシリア「あ、お待ちに、心の準備が……うきッ!?」

鈴「ウキって……ぷーっ!」

セシリア「あ、あなた……私に何の恨みが……」

鈴「この程度で音を上げてたら一夏の和室には入れないわよ!」

セシリア「はっ!そうですわ……この程度……」



74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 23:52:28.93 ID:7vF1P9g70


セシリア「(一夏さんを想えば!かっこいい一夏さん!理想の男性の一夏さん!イケメン一夏さん!ちょっと間抜けな一夏さん!可愛い一夏さん!大好き一夏さん!素敵一夏さん!抱かれたい一夏さん!ちょっぴり◯◯◯な一夏さん!シスコンな一夏さん!一夏さんの為に……!)



――30秒経過

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/07(火) 23:53:09.68 ID:7vF1P9g70
一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!モッピー!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!一夏さん!

77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/08(水) 00:02:30.56 ID:YARyZA7Y0


セシリア「(一夏さん!)」パシーン!「(一夏さん!)」パシーン!「(一夏さん!)」パシーン!「(一夏さん!)」パシーン!

セシリア「って痛ッ!?お尻が痛いですわッ!?何でお尻を叩いてるんですの!??」

鈴「えっ? ……雑念を払う為よ!これが日本式の修行!」

セシリア「ほ、本当ですの!?やっぱり野蛮な国ですわ……」

鈴「へー……一夏の愛する祖国よ?」

セシリア「素晴らしい習慣ですわね!さ、どんどん参りなさい!」



78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/08(水) 00:11:27.55 ID:YARyZA7Y0


セシリア「(一夏さん!)」パシーン!「(大好きですわ!)」パシーン!「一夏さぁん!」パシーン!「一夏さぁぁん……!」パシーン!「ぁっ……んッ一夏さん……」パシーン!「ひぁっ……一夏さん」パシーン!

鈴「……セシリア、変な顔して一夏の名前呼ぶのやめようよ……い、いかがわしいから」

セシリア「そ、そんな趣味ありませんわ!ただ、一夏さんのことを考えていただけで……けけけ決して一夏さんに叩かれてるみたいとか考えてませんわよ!?」

鈴「わぁ……軽くヒクわぁ」



79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/08(水) 00:16:49.14 ID:YARyZA7Y0


セシリア「そ、それより……続きを」

鈴「えー……なんかやだ。  しっかし、デカイケツねェ」

セシリア「喧嘩売ってますのッ!?」

鈴「うわわっ!そこキレるラインなんだ!?って、そんな急に立ったら……」

セシリア「ぁ、いだーッ!」バタン



81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/08(水) 00:23:06.89 ID:YARyZA7Y0



―― 廊下


一夏「ふう、酷い目にあった……煩悩退散、ボン・ノータイさん……」


  ―― ァイダーッ


一夏「ふむ、アイダと言えば翔子だろ」キリッ

モップ「……」

のほほん「……」

一般生徒ズ「「「「……」」」」

一夏「よう!どうしたんだ? あー、冷静と情熱の。でも良かったかな?」


――ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ

一夏「!?」


――ヒソヒソヒソヒソオッサンヒソヒソ

一夏「!?」



94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 14:46:10.64 ID:k+BHr3sV0



翌朝

鈴「ふぁ~あ、やっぱさー、セシリアのベッドって気持ち良いよねー。」もふもふ

鈴「……ありゃ、まだ寝てンの?」

セシリア「……」スヤスヤ

鈴「……セシリアー……早く起きないと遅刻するわよ?」

セシリア「……うふふ……一夏さぁん……」ムニャムニャ

鈴「……セシリア……」

ラウラ「うむ、よい寝顔だ。あれだ、やはりセシリアは鈴の嫁か?」

鈴「うわあっ!?ラ、ラウラっ!?」

ラウラ「ああ、おはよう鈴」

鈴「おはようじゃなくて!なんであんたが天蓋に張り付いてるのよ!?」

ラウラ「……???」

鈴「いや質問の意味が理解できないって顔されることが理解できないわよ……」



95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 14:47:22.25 ID:k+BHr3sV0


ラウラ「いや、シャルロットが……」

回想シャル『ラウラならクラスメイト全員の寝顔を盗撮してくるくらい余裕だよね?』

ラウラ「と」

鈴「それで一体何をするつもりなの!?」

ラウラ「とりあえず、そこを退け。被写体以外は映さないように言われている」

鈴「どかないわよ!?」

セシリア「……ンぅ……何なんですのぉ、朝から騒々しい……」

ラウラ「……ええい、こんなものか……借しておくぞ!鳳 鈴音!」シュッ

鈴「富野節のつもり!?」



96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 14:48:27.85 ID:k+BHr3sV0




セシリア「……ぁふ、今……ラウラさんが居られたような……?」

鈴「……気のせいよ」

バタン

セシリア「……今、ドアが閉まったような??」

鈴「(あのバカァァァァァ!せめて静かに出て行きなさいよ!!)……き、気のせいよ!?」

セシリア「……そうですの?……ああ、朝ですのね……シャワー……」シュル…

鈴「ちょ!脱衣所で脱ぎなさいよ!」

セシリア「散々全裸で人の部屋荒らしてる鈴さんに言われたくありませんわぁ……別に、シャワーまでの間ですもの」ネムネム

鈴「荒らして無いじゃない!まだ」

セシリア「……まだじゃなくて、荒らさないでくださいまし~……?」トコトコ

鈴「ハイハイ」


97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 14:52:15.15 ID:k+BHr3sV0




ガチャ

一夏「セシリア。悪い、今日の授業なんだが…………あ」

セシリア「ぁ?」

鈴「はぁッ!?」

一夏「これが……伝説のラッキースケベというやつか……」

セシリア「○×△Эⅷ〃!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ラウラ「一夏!どうした!?」

箒「一夏!![ピーーー]ェェェェ!!!」

鈴「あんたたちどっから湧いてきたの!?」

一夏「ま、まて!俺はまだ肝心の所は見てない!見えなかったんだ!見えなかったんだよ!!」


――  ギャー



98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 14:57:17.44 ID:k+BHr3sV0




千冬「また……お前たちか……」

箒「……くっ、申し訳ありません……」

鈴「千冬さん!でもあれはノックもしないで入ってくる一夏が……」

ラウラ「私は通りがかっただけで……」

千冬「ボーデヴィヒ、貴様にはカメラについて後でゆっくり話を聞かせてもらう」

セシリア「(一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん一夏さん)」

千冬「どの道貴様らにはご褒美だろう?」

モッセシ鈴ラウ「「「「はい」」」」

千冬「よし、各自ISを展開しPICを切ってグラウンド走って来い。午前中ずっとな」



100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 15:03:07.32 ID:k+BHr3sV0


千冬「……」ハァ

山田「あはは、はは、わ、若いですから」

千冬「……山田君」

山田「はい?」

千冬「私は何処で間違った…………っ?」ギリッ

山田「は!?」



101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 15:08:01.42 ID:k+BHr3sV0




―― グラウンド


セシリア「ちょろいですわ!」ザスザスザスザスザス…

鈴「ちょっと!あれってズルじゃない!?」

ラウラ「ビットのバインダーを……脚代わりに……だと!?」

箒「セシリア!卑怯だぞ!?」

セシリア「デザイン性の勝利ですわね!」

 ※ AセシA←Aの部分。ブルーティアーズ(ビット)のバインダーを脚代わりに、地面を刺しながら走って(?)います。



102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 15:10:33.09 ID:k+BHr3sV0


山田「あの、織斑先生……」

千冬「あははははははははは」

山田「織斑先生、グラウンドが……耕されてるんですが……」

千冬「あははははははははは……ハァ」

千冬「……任せた」

山田「……え?」

千冬「私は帰る!後は任せた……」ツカツカ

山田「ええっ!?そんな!」



103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 15:36:56.16 ID:k+BHr3sV0


ラウラ「そうか、起き上がる必要など無いのだ!レールカノンの反動で……!!」

鈴「電磁砲に反動があるならね」

箒「いや、その体勢で撃つと地面が爆ぜるからその爆発力で……というやり方でいけるんじゃないだろうか」

鈴「危ないんじゃない?というか、一夏はどうしたのよ、私達だけが走らされてるっておかしくない?」

セシリア「ちょろいですわ!」二週目

箒「あ、ちょっと待てセシリア」

セシリア「あら?なんですの」

ラウラ「一夏がそういえばいないのだがお前は何か知らないか?」

セシリア「私が最後に見たのは……箒さんのサッカーボールキックが一夏さんのお腹にクリーンヒットした所までですわ、その後は……」

箒「ふむ、私もその後すぐに取り押さえられたからな、判らん」

鈴「……ちょっと待って、もう一人いなくない?シャルロットは??」

ラウラ「ああ、シャルロットならさっき教室にいたぞ」

鈴「とことん自分に実害が無い位置をキープしてるわね……」

セシリア「じゃあ、一夏さんは何処へ……?」

ラウラ「そういえば……先程から教官の姿も見えないな」

セシリア「いいいいい、いけませんわ!姉弟でそんな!」

鈴「そこに直結するセシリアも相当よ」


箒「だが……確かめねばなるまい?」



104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/09(木) 16:00:48.19 ID:k+BHr3sV0


―― 平日昼間 街 河川敷


鈴「此方鈴音。予測座標A地点で対象A、千冬さんを発見、どうぞ」

ザザッ

ラウラ通信「了解した、箒とセシリアも各予測座標の確認後A地点に向かい尾行のバックアップに入ってくれ」

ザザッ

セシ箒通信「「了解」」

ラウラ通信「私も部隊との連絡を継続しつつ、残る対象B、一夏の座標を割り出す」

セシ通信「頼みましたわ。それと鈴さんお判りでしょうけれど……」

鈴「わかってるわよ、千冬さんの直感力は昔から異常だったからね……5秒以上は視線を向け続けないようにしてるわ。それよりあんた達も」

箒通信「無論、ISが使えないのは不便だが……何があってもISは使わん」

鈴「私達はここにはいない。もし、お巡りさんに補導されても仲間は決して売らない」

セシ通信「平日の昼間に学校サボっているなんて、新鮮な感じですわ」

ラウラ通信「そうだな、こんな事をするようになるとは私も思っていなかった……クラリッサの話では、これが青春と言う奴なのだろう?」

鈴「ちょっと違う気もするけど」

箒通信「少し違うくらいが、私達らしいのさ。おしゃべりはここまでだ、行くぞ」

「ええ!」「うむ」「はいですわ」



111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:07:09.67 ID:FFwBWkhP0


箒「待たせたな、鈴」

鈴「あれ?セシリアは……?」

箒「何?まだ到着していないのか?」

鈴「それが……さっきから呼びかけているのだけれど反応が無いのよ

箒「妙だな……ラウラ、箒だ。セシリアの現在位置は判るか?」

ラウラ <<うむ……此方からも既に何度か呼びかけているのだ……近くには着ているのだが>>

ラウラ <<いや、待て……動いた……?いや、反応がもう一つ……これは白式か!!>>

鈴「はぁ!?」

箒「それって……どういう事だ?」ワナワナ

ラウラ <<うむ……セシリア・オルコットは、現在織斑一夏と行動を共にしている>>



112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:07:55.45 ID:FFwBWkhP0



鈴「セッスィィィィールゥゥゥゥゥィィアァァァァァァァ!!!」

箒「待てッ鈴!そんな大声を出したら気付かれてしまう!!」

ラウラ <<バカ者!何をやっている!!くっ!気付かれたか!織斑教官が移動を開始した!>>

箒「くそっ!ラウラ、後は頼むぞ!例え捕えられてもお前たちの事は決して話すものか!」

ラウラ <<いや、箒、向かって来てはいない。教官はこの場からの逃亡を試みている!>>

箒「何だと!?――罠か……?」

ラウラ <<ああ、罠の可能性が高い。だが、我々の目的を忘れたか?>>

箒「一夏と織斑先生が姿をくらませた理由の確認」

ラウラ <<そうだ、織斑教官に拘る理由は無い!箒は先行した鈴を追ってくれ。座標を送ろう。私もすぐに向かう!>>



113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:10:51.91 ID:FFwBWkhP0


―― 繁華街の裏路地


鈴「……」ボーゼン

箒「鈴!追いついたぞ……二人は何処だ!?」

鈴「……あの……中に……セシリアがお姫様抱っこされて……」

箒「何を呆けている!? ……あ、あ、あ、あ、あ、あの建物なのか!?」

ラウラ「二人とも、どうした!?まさか見失ったのか?」

鈴「や、見失ったわけでは無いんだけれど……!」

ラウラ「日本にもこんな城があるのだな、どうした、突入するぞ!」

鈴「ちょっと!待って!待ちなさいよ!?」

箒「お、女三人ではいることになるとは……」



114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:12:05.13 ID:FFwBWkhP0


―― 裏路地のお城内部


ラウラ「日本の城とは宿泊施設なのか?それにしてもイヤに薄暗いが」

鈴「それより、何処にいるのか判るの?」

ラウラ「任せろ!クラリッサに追跡データを転送してもらっている!!」

箒「こ……こうなっているのか……なるほど、なるほど……」

鈴「なーに、知らなかったのぉ?」

箒「あ、当たり前だ!このような所……お前は知ってるのか?」

鈴「えっ!?そ、そりゃ知ってるわよ?当たり前じゃない!」

箒「本当か!?誰と……いや!聞かない!聞きたくない!」

箒「……なんということだ……くっ」

鈴「箒って人の事言えない位ちょろいわよね……」

箒「!?」



115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:12:39.69 ID:FFwBWkhP0



鈴「しかも深刻に受け止めすぎよ、来た事あるわけ無いでしょ?」

箒「だ、騙したのか!?」

鈴「騙されると思わなかったわよ、いくらなんでも!」

ラウラ「お前達!遊ぶのは帰ってからにしろ!この部屋だ!」

鈴「……ッ!鍵が」

箒「だと思っていたさ!破るぞ!!」

鈴「ちょっと!流石に授業をサボった上に学園の外でISを使ったのがばれたら!!」

箒「ふん、貴様もちょろいな!体当たりで破るに決まっているだろう!いくぞ、タイミングを合わせろ!!」

鈴「なっ!あんた「3!」

ラウラ「全く……「2!」

箒「1!」

箒鈴ラウ「「「0!!」」」


ドガァッ!!


箒鈴ラウ「「「一夏ーっ!!」」」



116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:13:29.70 ID:FFwBWkhP0




セシリア「むぐー!むぐぐー!!」





117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:14:15.22 ID:FFwBWkhP0



ラウラ「!?」

鈴「セシリア!?あんただけ……!?」

箒「一夏!どこだ!?ラウラ、どうなっている!」

ラウラ「ま、待て、今白式の反応を……」

鈴「あんたホント縛られてばっかりねぇ、好きなの?」ゾクゾク

セシリア「んんむむぐー!むぐぐー!むぐぐー!」

ラウラ「いかん!鈴!!上だ!!!」




118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:15:15.73 ID:FFwBWkhP0



千冬「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」



鈴「ギャアアアアアアアアア!?千冬さんどうしてええええええ!?」

千冬「織斑先生と呼べ!!!!」

千冬「授業をサボってェ……遊びまわりィ……挙句ラブホとはァ……」

千冬「覚悟は出来てるな貴様らァァァァ……」カハァァァァァァ



119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:16:05.27 ID:FFwBWkhP0

――

箒「何だ!!どういうことだ!!何なんだアレは!!!」

箒「どうして一夏ではなく先生が!全裸でロープを持ち男物のパンツをかぶってス○イ○ー○ンのように天井から降りてくる!!」

ラウラ「……あれは、白式の腕輪……罠は……此方だったと言うことか!」

箒「どういうことなんだ!言葉にして説明してくれ!!」

ラウラ「我々が河川敷で監視し、逃がした教官こそ……我が嫁・一夏本人!」

箒「……ちょっと待て、私は確かに見たぞ!?あれは、あのスーツは間違いなく……」

ラウラ「ここに白式の腕輪があり、そこに一夏のものと思われる制服もある……では、今一夏は一体何を着ている?」

箒「……まさか、そんな」

ラウラ「そのまさかだ……現在一夏は、教官のスーツを着ている」

箒「……っ!なんということだ」

ラウラ「しかも……あのパンツも恐らく一夏のだろう」

箒「下着までか!!下着までいったのか!!」

ラウラ「認めたくは無い、だが……結果が物語っている」

鈴「あんたら助けなさいよ!!!」

セシリア「むぐー!!むぐむぐむぐー!」



120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:17:23.49 ID:FFwBWkhP0


箒「っと、すまない!今……」

ラウラ「ふはははははは!お前たちは判っていない!織斑千冬という恐怖を!!」

ラウラ「助ける?何をだ?苦しまぬよう一思いに殺せとでも言うのか?」

箒「いや……お、おい?ラウラ?」

ラウラ「いいか、教えてやる!出し惜しむな!IS無しで何とかできると思うな!……いや、ISがあったとて、4人程度では……」

ラウラ「はっはははは!終わりなんだよ!もう!」

箒「……狙われてるぞ」

千冬「私は何だ、女勇次郎か何かか?」ガシ

ラウラ「――ひっ!」



121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:18:24.31 ID:FFwBWkhP0


バンッ!!

シャル「もうやめてください!織斑先生!!」

千冬「ぁあ?」

シャル「僕達は先生が突然お帰りになったと聞いて!!皆で探しに来ていたんです!!!」

千冬「……な……なんだと」


122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/10(金) 01:19:43.94 ID:FFwBWkhP0


鈴「(なんですってぇぇぇぇぇ!!!!)そ、そうなんです!千冬さん!」

ラウラ「(シャルロット!?)教官がいなくては我々は!!」

箒「(お前教室にいただけじゃないか!?)先生!」

セシリア「もがもがふぐー!!!」

千冬「お前たち……とんでもないダメ人間がまとめてやってきたと思っていた私が間違っていた!!」

千冬「こんなにも生徒たちが思ってくれているのに私は……くっ、私もまだ、未熟だな……」

シャル「……やー、間一髪だったねー」ヒソヒソ

ラウラ「シャルロット……礼を言う、しかし何故ここが」ヒソヒソ

シャル「やだなぁラウラ、僕のカメラ、キミが持ったままじゃないか」ヒソヒソ

ラウラ「む?そうか……いや、そうではなくて、何故」ヒソヒソ

鈴「(発信機ね)」

箒「(発信機だな)」


千冬「すまなかったな、皆。さぁ、帰ろう我らの学園へ!」


シャル「……みんな、これは貸しにしておくよ?」

「……」「……」「……」「……むぐ」



132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/12(日) 01:41:36.66 ID:O6dJ8d4Z0


鈴「ふー……生き返るわぁ」

セシリア「ああもう、縄の跡がついてしまいましたわ……」

鈴「すぐ消えるわよそんなもん。それより、なんで返事しなかったのよ」

セシリア「……それは、秘密ですわ」

鈴「ふうん……ま、大方一夏を見つけたと思って抜け駆けしようとしたとかそんなモンでしょうけど」

セシリア「……むー……」

鈴「ホントに何かあったんじゃないかと心配したわよ」

セシリア「そんなこと言って、本当は私が白式の反応と一緒と知っておキレになっていたのではなくて?」

鈴「……し、仕方ないじゃない。私らが地獄の一丁目にいるのになにやってんのよって……思うでしょ?」

セシリア「それはそうですけど……」

鈴「誤解されるような事するからよ、せめて千冬さんだって判った時点で報告が欲しかったわ」



133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/12(日) 01:42:25.00 ID:O6dJ8d4Z0


セシリア「……ごめんなさい」

鈴「なんでそこ、そんなに素直に謝るのよ」

セシリア「……鈴さんが責めてるんじゃないですの」

鈴「…………んー」

カチャリ

セシリア「鈴さん?夕食もうすぐですわよ……?」

鈴「や、すぐすむから。でも、誰にも来て欲しく無いし」

セシリア「……」

鈴「セシリア、なんか隠してる?」

セシリア「……何も隠していませんわ」



134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/12(日) 01:43:17.03 ID:O6dJ8d4Z0


鈴「なら、あたしの目を見て言って御覧なさい」

セシリア「…………隠していたから、何だと仰いますの?鈴さんだって隠し事の一つや二つ」

鈴「……わかった、もういいわ。あんたがそういうスタンスなら、私もそういうスタンスでいくから」

セシリア「何ですのそれ、まるで私のせいみたいな言い方」

鈴「隠し事してんじゃん!」

セシリア「あなた、どうして隠しているものを態々追求なさいますの!?」

鈴「はぁ!?何で通信無視しなきゃいけなかった理由が秘密なの?明らかにおかしいじゃない!」

セシリア「それでも、飲み込むべきと判断したからこその隠し事なのではなくって!?」

鈴「それでだんまり決め込んで『ごめんなさーい』って!?」

セシリア「そんな言いかたしてませんわ!!」



135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/12(日) 01:44:50.59 ID:O6dJ8d4Z0


鈴「あーはいはい、ごめんなさ~い」

セシリア「……喧嘩売ってますのっ!?」

鈴「あら、買いたいの?」

コンコン

セシリア「……」

鈴「誰か来たみたいよ?」

セシリア「――ッ!わかってますわよ!!」

カチャリ

セシリア「どちら様ですの?」



139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 02:18:56.98 ID:Xlo3PHxK0



箒「いや、私だが……どうしたのだお前たち、廊下にまで聞こえていたが」

鈴「どーでもいいことよ、あほくさ」

箒「……どうでもいいことなら、その態度はやめろ」

鈴「ごめん、悪かったわ……ああ、もう。 あたし夕食に行くわ、箒、そこどいて」

箒「……ああ」

セシリア「……」

鈴「……セシリアのばか」

スタスタスタスタ

箒「一体何があったというのだ、お前達は……」

セシリア「……なんでもありませんわ」

箒「ならば良いのだがな……」



140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 02:19:35.37 ID:Xlo3PHxK0



箒「……」

箒「ただ……あまり沈まれても困る! お、お前はライバルだが、それ以前にクラスメイトだ」

箒「セシリアがそれでは、クラス全体の空気が悪くなる。」

セシリア「……箒さん……ありがとう。優しいですのね」

箒「わ、私は優しくなど……一夏はクラス委員だが男だからな」

箒「そんな雰囲気のクラスになったら、一番困るのは一夏だからという理由にすぎん」

セシリア「……私に塩を送ったつもりですの?」

箒「茶化すな。 ――だが、茶化す元気があれば十分だ。食堂に行こうか」

セシリア「なんですの、その上から目線……」

箒「そうやって頬を膨れさせる可愛さは私には真似できん。素直にうらやましいよ」

セシリア「……し、知りませんわ!もう」



141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 02:29:38.53 ID:Xlo3PHxK0



――廊下 物陰


鈴「……何よ、セシリアのやつ……あんな顔……」ギリッ

ラウラ「嫉妬か、鈴よ」

鈴「!?」

ラウラ「静かにしろ、気づかれるぞ」

鈴「あんた……何やってるのよ」

ラウラ「何、夕食時を狙ってウォータープルーフカメラの設置をしようとな」

鈴「……一夏の部屋の?」

ラウラ「……ふっ、やらんぞ」ドヤッ

鈴「せんせー、こいつです」



142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 02:30:29.01 ID:Xlo3PHxK0


ラウラ「ま、待て鈴!」

鈴「……取引しましょ?ラウラ」

ラウラ「ならば、協力して貰おう……」

「うふふふ……」「ふふふふ……」




―― 一夏ズルーム

一夏「食ってから……か?」

鈴「そーでしょ普通は」

一夏「いや俺いつも早めに風呂入るからな、夕食は食ってきたばかりだし」

鈴「は、腹ごなしにちょっと運動したほうがいいって」

一夏「食べてすぐはなぁ……そうだ鈴!お前も今夜ははやめに風呂に入ったらどうだ?」

鈴「えっ!そ、それって……一緒に、って事?」

一夏「ああ、お前結構不摂生だからな、良い生活リズムが必要だと思っていたんだ」




143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 02:31:26.59 ID:Xlo3PHxK0


鈴「……ぁ……ぅ……ば、ばか。不摂生なんて」

一夏「お前年中夜更かしして眠いって自分で言ってるじゃないか。今日は早く寝るんだぞ」

ラウラ <<鈴、どうした、早く一夏を食堂へ連れ出せ>>

鈴 <<もう食べてきたって。連れ出せないから作戦中止、今夜は決行しないわよ>>

ラウラ <<なんだと!?食事を取った後だった場合の策があると言ってたじゃ>>ブツッ

鈴「ぅん……その、一夏、私がセシリアと喧嘩して部屋に帰れないって、いつ知ったの?」

一夏「は?……何の話だ?」

鈴「だから、その……泊めてくれるんでしょう?」

一夏「ぃい!?何を言ってるんだお前は!?」

鈴「……は?」

一夏「大体、俺の部屋になんて、誰かに見つかったらどうするつもりだ!?」



144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 03:02:08.45 ID:Xlo3PHxK0


鈴「(…………あー、このパターンかぁ……そんな気はしてたのよね……)」

鈴「でも……あたしはそんなの構わないよ?一夏……」

一夏「り、鈴……いや、お前、どうした、き、今日は変だぞ……?」

鈴「……今日が特別じゃないわよ」

一夏「どーいう意味だよ」

鈴「あんたのせいで、あたしはもう、ずっと……」

一夏「ちょ、ちょっと待て、ヤバイって、鈴!!」

ラウラ「トウッ!!」

ドスッ

鈴「はぐっ!?」



160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 23:19:57.35 ID:Xlo3PHxK0



一夏「り、鈴!?」

ラウラ「我が嫁よ、失礼した。」

ガシッ……ギリギリギリ

鈴「痛い痛い痛い痛いッ!?何これ!何よこれ!!」

一夏「流れるような脚払いからの立ちアキレス腱固め……コマンドサンボか!」

ラウラ「ほう、さすが我が嫁。判るか」

一夏「ああ、よくやったゲームに同じ技があったからな」

鈴「あ、あんた、不意打ちは……「ふんっ」あだー!!」

一夏「鈴、もうタップしろ!完璧に極まってる!」

鈴「ちょっとあんた!助けなさいよ!?」

一夏「サブミッションはタップアウトかロープエスケープ以外で止めちゃいけない!」

鈴「何プロレスごっこルール持ち出してんの!?こんな奇襲で成立すんの!?」

ラウラ「そうだ、タップして楽になれ……全く油断も好きも無い」

鈴「くうううっ!!どうして、ただ部屋の前で話してただけじゃない!」

ラウラ「止めねばならぬ気がした。貴様一夏に何をするつもりだった!」

鈴「はぁっ!?あ、あんたには関係ないでしょう!?」

ラウラ「もはや問答無用!」

鈴「」

ラウラ「そして聞け!!わ「廊下で騒ぐな!」

ゴッ ガッ



161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 23:31:06.93 ID:Xlo3PHxK0


千冬「まったく……貴様らは手間のかかる……ふふっ」

一夏「(千冬姉が笑ったッ!?)」

ラウラ「(何だ、この感覚は!?私がプレッシャーを感じているのか!?)」ブルブル

鈴「(……やだ、何これ恐い)」ガクガク

千冬「どうした、貴様ら。ぼうっとして……」ニコリ

ラウラ「いえ!なんでもありません教官!」

千冬「……貴様はさっさと部屋に入れ!まったく、弟が警察の世話になるとは」

一夏「あれは……千冬姉が無理やり着せたんじゃ……」

千冬「学校では織斑先生と呼べ!口答えをするな!反省文は書けているのか?」

一夏「お、横暴だ……」

千冬「何か文句があるのか?」

一夏「……アリマセン……それじゃ、鈴、ラウラ。またな?」

パタン

鈴「ち、千冬さ……織斑先生……」ガクガク

千冬「ん、どうした?」ニッコリ

ラウラ「……」ブルブル

千冬「おう、そうだお前たち、もう夕食は取ったのか?」

ラウラ「い、いえ!まだであります!」

千冬「よし、では今夜は私が奢ってやろう」

鈴「え、本当ですか!?」

千冬「ああ、本当だ。さ、いくぞ?」

鈴ラウ「は、はい!」「ハッ!」

千冬「やんちゃ者どもめ…………だが、いつまでも大目には見んからな?」ニコニコ

鈴ラウ「「」」ガクガクブルブル



162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 23:33:41.21 ID:Xlo3PHxK0



―― 食堂

箒「セシリア、醤油をとってくれ」

セシリア「はいはい、全く、そんな棒二本だけで食事なんて、よくそんなに扱えますわね」

箒「私からすればナイフとフォークでよくもまぁ食事が進められるものだと思ってしまうのだがな」

セシリア「そういうものですの」

箒「なぁ、セシリア……鈴とは」

セシリア「はぁ……またその話ですの?」

箒「私にとっては鈴もまた、大事な仲間なのだ。それに……お前達は特に仲が良いと思っているからな」

セシリア「……隠さなければならない事があった、それだけですわ」

箒「なるほど……難しい問題だな」



163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/13(月) 23:38:00.43 ID:Xlo3PHxK0


セシリア「……」

箒「親しいからこそ、背負わせたくない……といったところか」

セシリア「……はい」

箒「ならば、お前が悪い」

セシリア「なっ!どうして」

箒「……隠し通すつもりならば、それを悟らせた時点で隠し通せていないからだ」

セシリア「……」

箒「もし、私が鈴の立場であれば、悟ってしまった時点で、居ても立ってもいられないだろう」

セシリア「でも……」

箒「互いを想うあまりにすれ違う……苦しいものだ、お前も鈴もな」

セシリア「……そう、ですわね」

箒「いや、お前を責めるつもりは無い。そう沈まないで欲しい……ただ、覚えておいてくれないか」

箒「私も一夏も、シャルロットもラウラも、勿論鈴も……お前に相談を持ち掛けられたら断りはしない」



164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/14(火) 00:49:30.85 ID:ArIVmFEA0


セシリア「ありがとう、少し、気が楽になりましたわ」

箒「ふん、お前は我々の中で一番子供だからな」

セシリア「ちょっと、聞き捨てなりませんわね?」

箒「ふふ、すぐそうやってむきになるところだ」

セシリア「全く、すぐにかっとなって手が出る箒さんには言われたくありませんわ」

箒「わ、私は手など……振りかぶったりもするかもしれないが」

セシリア「大して差がありませんわよ」

箒「む、むう……」

セシリア「……箒さんは」

箒「ん?」

セシリア「どうして、そこまでしてくださいますの?」

箒「単純な事だ、私はお前が好きなんだよ」

セシリア「」



170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/15(水) 01:41:07.34 ID:mhVzyhpX0



―― 食堂・入り口

千冬「おや、あれは……」

鈴「セシリア……箒……」

千冬「どうした鳳、何かあったのか?」

鈴「いえ……」

千冬「ふむ、ボーデヴィッヒ」

ラウラ「はっ。どうやら鈴はセシリアと喧嘩をしている模様です」

鈴「ちょっと!?何即答してんのよ!」

千冬「なるほど、何があった?」

鈴「……それって、話せってことですか?」



171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/15(水) 01:41:40.59 ID:mhVzyhpX0


千冬「そうだ、話して解決する保障は出来んが……話せ」

鈴「……横暴」

千冬「横暴で構うものか、誰にも話さずに溜め込んで、どうにもならなくなるよりマシだ」

鈴「そんなの……どうしてそんな風に言い切れるんですか」

千冬「そんなものだ、伊達にお前たちより生きてはいないのだぞ?」

鈴「……ただ、セシリアがなんか、あたしに隠し事していて……」

千冬「隠し事?」

鈴「はい……どうして何も言わなかったのかって」

ラウラ「もしや、嫁……げふん。教官を追跡していた時の話か?」

千冬「…………なるほど」



172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/15(水) 01:42:17.87 ID:mhVzyhpX0


鈴「あの時……白式の反応が一緒って聞いて。本当は千冬さん、織斑先生だったけれど」

鈴「それでも、あいつが何も言わなかった事が、なんだか悔しくて……結局、私達より……」

ラウラ「……難しいな、逆の立場だったら、私達は言えるのだろうか」

鈴「……でも、相手が織斑先生とわかった時点でなら何か連絡入れてもいいんじゃない?」

ラウラ「まあな。そうしようとしたそぶりも無かったというのは確かに引っかかる」

千冬「うーむ、顔を合わせた瞬間には既に鳩尾に私の拳がめり込んでいたからな……一発で意識を刈り取られていたのだろう」

鈴「……」

ラウラ「……鈴、謎が解けてよかったな」

鈴「……え、そんなオチなのっ!?」



173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/15(水) 01:42:44.11 ID:mhVzyhpX0


千冬「あばらの数本持っていく勢いだったが、流石に専用機の絶対防御は素手ではなかなか抜けんものだ」

ラウラ「流石です」

鈴「……じゃあ……セシリアは何もわからなかった、って事……?」

ラウラ「…………うむ、そうなのだろう」

鈴「じゃあ……私は……」

千冬「誤解、というものだろうな」

鈴「あたし、謝ってこないと……!」

タタッ



174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/15(水) 01:46:40.11 ID:mhVzyhpX0


ラウラ「…………教官」

千冬「なんだ、ボーデヴィッヒ」

ラウラ「何も判らなかったのであれば、セシリアはそう言えば良かった筈」

ラウラ「セシリアは、確かに何かを隠している……」

千冬「では、お前は何故それを鳳に話してやらなかった?」

ラウラ「……判りません、ただ……あの二人が仲違いし続けるのは、見たくない」

千冬「それでいい」

ラウラ「しかし、真実は……」

千冬「真実が正しいとは限らんよ、ボーデヴィッヒ……」

ラウラ「……はい」

ラウラ「(……つまり、セシリアが隠しているのは…………)」




ラウラ「(貴女の事なのですね……教官……)」



180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/16(木) 00:31:55.28 ID:o7sAuvZG0


―― 就寝前 セシリアの部屋



セシリア「……とうとう、帰って来ませんでしたわね……」

セシリア「…………鈴さん」

セシリア「……言える訳が、ありませんわ……私は……どうしたら」

コンコン

セシリア「鈴さん……!?」

カチャ

箒「……あ、すまない、鈴ではなくて……」



181: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/16(木) 00:32:25.66 ID:o7sAuvZG0

セシリア「箒さん……」

箒「……あー、セシリア。上がっても良いか?」

セシリア「え……?ええ」


―― 廊下・物陰

鈴「」ギリギリギリギリ……

鈴「な、何よ……何よ……何よ……」



―― 回想・食堂

鈴『(ええっと、セシリア、セシリア!どこ!あたし、あんたに……!)」

セシリア『どうして、そこまでしてくださいますの?』

鈴『いた!セシリア♪』

箒『単純な事だ、私はお前が好きなんだよ』

セシリア『』

鈴『  !?  』




186: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 02:30:34.24 ID:/mCO8j5M0


鈴「どうして……箒が…………ッ!」ギリギリギリギリ

鈴「どうして、どうしてよ……!」

鈴「モッピーとか最近ちやほやされて調子に乗ってんじゃないの!?」

鈴「……っ、違う」

鈴「今はそんなことを考えてる場合じゃないわ……こうなったら、直接……」



ガチャ



鈴「!!」


箒「では、またな」

セシリア「え、ええ……ごめんなさい」

箒「いや、謝る事では無いだろう?クラスメイトなのだから」

セシリア「……そう、ですわね、ここはありがとうと言うべきでしたわ」

箒「久々に笑ったな、やはりお前はそうしているのがお前らしい」

セシリア「あら、おだてても何も出ませんわよ?ふふっ」

鈴「」ギリギリギリギリギリギリギリギリ



187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 02:42:58.69 ID:/mCO8j5M0



鈴「…………行った、わね……」

鈴「よ、よし、今なら……セシリア……」


ガチャ


鈴「!?(ちょっとおおおおお!?何で出てくんのよ!?)」ササッ!


セシリア「?……鈴さん……? 気のせい、かしら……」キョロキョロ

鈴「(っていうか何で隠れてんのよっ!?)」

セシリア「……ダメですわね、折角励ましてもらいましたのに」トボトボ

鈴「――ッ(セシリア……!い、今よ、今がチャンスなのよ、どうして、足が動かないのよ!あたし!)」

鈴「…………(箒に笑ってたあんな顔……見たこと、ない……から?)」



鈴「……行っちゃった」ズル……ペタン

鈴「……ッ」グスッ




191: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 20:40:08.27 ID:/mCO8j5M0


―― 一夏の部屋の前


セシリア「……」スー…ハー

セシリア「……参りますわ」


コンコン


一夏「はいよー、誰だ?」


ガチャ


セシリア「あの、わた、私ですわ」

一夏「セシリア?どうしたんだ?」

セシリア「少し、ご相談がありまして……その」

一夏「ああ、いいぜ。とりあえず上がれよ」

セシリア「は……はい!」



192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 20:41:56.85 ID:/mCO8j5M0


パタン


シャル「ふぅん……それは……困るなぁ」


箒「……シャルロット」

シャル「あ?箒。い、今ね?セシリアが一夏の部屋に……」ウルウル

箒「ああ、知っている」

シャル「どうしよう箒……ぼ、僕行かなきゃ!」

箒「どうもしない、だた」

ザッ

シャル「――ただ?どうしてそこに立つのかなぁ?箒……」

箒「行かせんよ、シャルロット」

シャル「……ふぅん」



193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 21:04:53.52 ID:/mCO8j5M0



―― 一夏の部屋


一夏「パックで悪いな」

セシリア「い、いいえ!一夏さんが淹れてくれた紅茶は……どんな高級茶葉にも勝りますわ」

一夏「っはは、サンキュ。それで、どうしたんだ?相談って」

セシリア「……あ……ええと、こんな時間にごめんなさい……その」

一夏「……」

セシリア「……」

一夏「あー……セシリア……聞く前にこれだけは聞かせてくれ」

一夏「俺でいいんだな?」

セシリア「え?は……はい」

一夏「なら、良かった。誰に相談するかを迷ってるんじゃなく、俺に相談したいってそうセシリアが思ってくれたのなら……」

一夏「俺は、喜んで相談に乗るぜ。クラスメイトってだけじゃない。セシリアは大切な仲間なんだから」

セシリア「……一夏さん…………」

一夏「だから、聞かせてくれないか?セシリアの相談」



194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 21:30:19.00 ID:/mCO8j5M0


セシリア「……」

一夏「そっか……千冬姉が」

セシリア「私……あの方を少し、誤解していましたわ」

セシリア「凛として強く、毅然とあられて……」

一夏「うん、身内としては少し照れる事だけれど、千冬姉はいつだって強くてかっこいい」

セシリア「……ごめんなさい、一夏さん」

一夏「どうして謝るんだ?俺は、嬉しいよ。羨ましい位だ」

セシリア「でも、織斑先生は、一夏さんに知られることが……きっと一番つらいのに」

一夏「まぁ、そうなんだろうな。でも……ずっと前から知ってたよ」

セシリア「えっ」



195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 21:36:14.96 ID:/mCO8j5M0


セシリア「えっ」

一夏「弱音、見せないだけだって。だからこそ、俺は千冬姉も護れる様になるんだ」

セシリア「…………」

一夏「最高の姉さんの、たった一人の弟なんだぜ?そうでなきゃ男が廃る!」

セシリア「……一夏さん」

一夏「まぁ、俺がそんな泣いてる所になんか鉢合わせたら、ちょっと、数か月分の記憶がなくなるくらいボコボコにされそうだけど」

セシリア「そんなことありませんわ、きっと」

一夏「いやいや……でも、それを鈴たちに言わないでくれた事、俺からも感謝するよ」

セシリア「そんな……私、こうして結局一夏さんに頼ってしまって」

一夏「だからセシリア、頼れって言ったろ?一人で背負えないものを背負うから、仲間なんだぜ?」

セシリア「……はい」

一夏「それに、セシリアが知ってくれて良かった。千冬姉も、少しだけ楽になったんじゃないかな」

セシリア「……そうでしたら、嬉しいですわ」

一夏「きっとそうさ」


196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/17(金) 22:02:41.03 ID:/mCO8j5M0



「「…………」」

セシリア「あの…………隣にいっても……よろしいですか?」

一夏「ぃッ!? あ、ああ、別にいいけど」

ポスッ

一夏「でも、そっか、鈴がなあ……(……いい匂いすんなぁ)」

セシリア「……」

一夏「鈴が仲間を大切にする奴だってのも判るし(……髪か?いや、髪とは別の、これってボディソープか?)」

セシリア「……はい」

一夏「セシリアも、鈴の事大切に想ってて……(くっ!鎮まれ俺の白式、いやでもここは肩を抱くくらいはアリじゃないのか?)」

セシリア「鈴さん……」グスッ

ギュ

一夏「セシリア……(フオオオオオオオオオオオッ!!いや!待て!セシリアは落ち込んで、勇気を出して俺に相談に来てるんだ)」

一夏「俺の胸でよきゃ、貸すぜ。今は泣いて、明日になったら……また、笑ってくれよ」

セシリア「ぅ……ぐすっ……鈴さん……鈴さん……!」ボロボロ

一夏「……(……鈴……か……)」




204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:24:35.84 ID:Bzjqwj/M0



~これまでのあらすじ~

鈴の部屋のエアコンが壊れた為、鈴はセシリアの部屋に転がり込む事に。
垂れ流される鈴によるセクハラの日々と部屋の前で日々妄想を膨らませる我らが一夏。

しかしそんなダメな日々は続かなくて、織斑姉弟の追跡劇を境に鈴とセシリアの心の歯車がずれてしまう。

特別だから、セシリアの背負うものを共に背負いたい鈴。
特別であっても、織斑姉弟の名誉の為に口を閉ざすセシリア。

すれ違いが二人に距離を生み、そこに箒がセシリアへ急接近してくる。
それを目撃してしまった鈴の心に芽生えるのは嫉妬か、それとも……。昏い廊下に嗚咽が響いた。

一方、千冬の涙を胸に秘めた事で、大切な鈴との仲に亀裂の入った事を一夏に吐露したセシリアは、
比較的残念な感じの一夏の胸へ顔を埋め、鈴を想い涙するのだった……。




205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:27:50.16 ID:Bzjqwj/M0



―― 数十分後

セシリア「……ぐす」

一夏「……(これは……思った以上に長いな……ああ、セシリアの髪良い匂いだな……)」

一夏「(ダメだ、思い出せ、千冬姉と家の脱衣所で鉢合わせた時を……修羅を見たあの記憶を!!)」グッ

――

一夏「(――――ぁ、これ、薔薇のシャンプーか……)」クンカクンカスーハースーハー

セシリア「きゃンっ!?……い、一夏さん、何をしましたの!?くすぐったいですわっ」

一夏「泣きながら笑うなんて、セシリアは器用だな (ヤッベェェェ……助かった)」

セシリア「もう……一夏さんがくすぐるからですわ…………」

一夏「ごめんな、セシリア」

セシリア「いいえ、私こそ……一夏さんのおかげでとても、楽になりました」

一夏「やっぱり、セシリアは笑ってる顔が一番似合う。涙よりもな」

スッ

セシリア「!!!!(わ、わた、わたくしの涙を指で掬って……え、口へ!?やばいですわ、激やばいですのよ!キャー!キャー!!)」


206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:37:09.59 ID:Bzjqwj/M0



一夏「んー……味はあんま俺のと変わんないけど、ちょっと塩っぽいか?――塩分摂り過ぎか?」

セシリア「ちちちちちがいますわ!涙というものはですね!?悲しい時や嬉しい時の涙は、含まれるナトリウムが少なく薄味。量が多く水っぽいサラサラの涙で流れやすいのです。対して悔しい時や怒っている時のような緊張状態で流れる涙は、ナトリウムが多く塩辛いのですわっ!お判りですの!?一夏さんっ!」

一夏「ぉ……おう」

セシリア「そ!それでは私は……し、失礼しますッ!!」

ソソクサ

一夏「ぇっ! あ、ああ。もうこんな時間だものな」

セシリア「で……では………………」

一夏「ああ、またな……」

セシリア「…………」

一夏「…………?」

セシリア「…………ぁの……もし、もしもよろしければ……また……」

一夏「……ん? あぁ!勿論いつでも。男の胸はそのためにあるんだ、って――千冬姉にも言われたしな」

セシリア「――!は、はい!ではおやすみなさいませ、一夏さん♪」

ガチャ パタン

一夏「……おやすみ……セシリア」



207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:46:46.88 ID:Bzjqwj/M0



―― 翌日 二組


セシリア「えっ……鈴さんはお休み……ですの?」

二組A「うん、なんか風を引いたって本人から連絡があったらしいんだけれど……」

二組B「あれ?でも今って鈴はオルコットさんの部屋に……」

セシリア「あっ!」

セシリア「え、ええ!私それを伝えに来たのですけれど、もう鈴さんが連絡していましたのね!」

二組A「あはは、入れ違いだったね」

セシリア「ほ、本当ですわ。鈴さんたら、ご自分で連絡できるのでしたらそう仰ってくださればいいものを……全く、と~んだ無駄足でしたわ、それでは、失礼致します」

二組A「はーい、またね!」

二組B「ね、オルコットさんなんか変じゃなかった?」

二組A「そぉ?」




209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:53:42.16 ID:Bzjqwj/M0


コツコツコツ


セシリア「(そんな……昨夜は結局帰って来ませんでしたのに………)」

ラウラ「相変わらず浮かぬ顔だな、どうしたブリテン女」

セシリア「……なんですのその呼び方は?ジャーマン女」

ラウラ「何、ただの気分だ。私をジャーマンと呼んだついでに連続ジャーマンなどどうだ?」

セシリア「御免被りますわ!なんですの全く」

ラウラ「ふっ、その元気があれば問題ないだろう」

セシリア「…………ラウラさん」

ラウラ「ふっ、惚れるなよ?私の嫁は一夏と決まっている」

セシリア「決まってませんわよ!?」

ラウラ「そうか?」

セシリア「そうですわ!」

ラウラ「どうだかな」

セシリア「あ、頭痛くなってきましたわ……ッ」ハァ

ラウラ「そうそう、箒を知らんか?まだ来てない様なのだが」

セシリア「箒さんも?……知りませんわ、ああ、そうだラウラさん……」

ラウラ「ああ、判っている」

セシリア「……ぇ?」

ラウラ「そっちは判っている、と言っているのだ」

セシリア「何か御存知ですのッ!?」

ラウラ「シッ…………黙ってついてこい」

セシリア「……」コク



210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 00:54:36.64 ID:Bzjqwj/M0








シャル「………………キシッ」








217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/19(日) 01:39:54.46 ID:Bzjqwj/M0
矢印だとそういや色々バレるので一応ゲージにしてみました。

■一夏orセシリア気持ちゲージ(一人10を振り分け)
    │         ?│一夏  │          │
    │        ■■│ラウラ │■■■■■■■   │
    │     ■■■■■│鈴   │■■■■■     │
セシリア│      ■■■■│箒   │■■■■■■    │一夏
    │          │シャル │ ■■■■■■■■■■
    │          │セシリア│?         │
    │       ■■■│千冬  │■■■■■■■   │

シャルはセシリアにマイナス分一夏に向いてます。





※ただし作者はオルコッ党

221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/20(月) 00:00:45.42 ID:DzjRp3Qs0


一夏「えー、前説です。本日の更新から新キャラクターが登場します。が、」

一夏「大幅なネタバレにはならないようにしますが、原作7巻からの登場です」

千冬「そもそも、一応原作7巻以降の時期設定でやっていたのだし今さらな部分もあるが……」

千冬「もしISアニメに二期があったら登場するかもしれんな、何せ……」

一夏「ちょっ!バレ警告用の前説でバレる!」

一夏「えー、適当なクラスメイトでもよかったのかもしれないですが、考えた結果登場になります」

一夏「IS名等の固有名詞は極力避けますが……避けたせいでワケわかんなくなってる所もあり……不満です」

千冬「しかし既に5巻辺りまでしか読んでなくてもピンと来るだろうから既に実際の初登場の時に影響がある」

千冬「よってバレが嫌なら先に原作読んでこい、以上だ」

一夏「ちょっ、その言い方は……」

一夏「……えー、という事で……本日は警告前説を入れましたが、明日以降は多分、細かい事気にしません」

千冬「IS〈インフィニット・ストラトス〉MF文庫Jより既刊7巻絶賛発売中だ、私の水着イラストもあるぞ」

一夏「……ははは」

千冬「……織斑、なんだ?今の笑いは……?」

一夏「い、いやっ!決して変な意味じゃ……」


―― ォゥコラ?ォゥコラ??      ギャー



222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2011/06/20(月) 00:03:43.85 ID:DzjRp3Qs0


―― 鈴の部屋


鈴「……休んじゃった」

鈴「ふん……セシリアが誰と話そうと関係ないじゃん」

ゴロ

鈴「元々セシリアは、恋敵なんだから。関係ないじゃん……」

ゴロ……ゴロ……

鈴「…………セシリア、きっと、心配してるよね……あいつはそういうやつだもん」

鈴「……あたし、どうしちゃったんだろう……ねえ一夏……どうしよぅ……」


コンコン


鈴「!?」ガバッ

鈴「(だ、誰……?エアコン業者?業者ならここは無人の部屋だと思ってる筈……ノックするわけない)」


コンコンコンコン


鈴「……(こいつ……『あたしがここにいる』って知ってる!?)」


コンコンコンコン……



ドン!

鈴「!?」ビクッ!!

ドンドンドンドン!!!

鈴「……(歓迎できる……感じじゃないわね)」