リツコ「あら、司令お帰りなさい」

冬月「一瞬、どこかの工場かと思ったぞ」

ナオコ「リッちゃん、今度は一体何事なのかしら?」

リツコ「こちらをご覧下さい。」

マヤ「じゃーん♪」

ユイ「ローンソ…エヴァンゲリオンキャンペーン?」

リツコ「コンビニが私たちをイメージした商品やネルフグッズを売ってくれることになりましたわ。」

ナオコ「あら、じゃあ有り余ってた観光用ネルフグッズも売れるわね」

冬月「だからと言ってなぜ彼らに作らせているのかね」

リツコ「アスカのチョココロネ、綾波レイのイチゴジャムパン、シンジのポカポカお味噌汁」
リツコ「ミサトのカレーラーメン…加持のスイカゼリー、リツコのLCLジュースなどなどの発売を予定しております。」

ゲンドウ「だから何故本人が作る必要があるんだ。」

冬月「工場に発注を掛ければ肖像だけで金は入ってくるだろうに」

リツコ「否。断じて否。二人は消費者の心理が全く分かっておられませんわ」

キョウコ「消費者の心理~?」

ユイ「あら、キョウコさんこんにちは」

キョウコ「ユイママお久しぶり~」

キョウコ「ところでPTAの会議、午後から出られます~?」

ユイ「どうしようかしらね…」

ゲンドウ「何なら私が出るぞ」

ユイ「帰ってきて早々司令が居ないなんて事、許されません。」

ゲンドウ「(´■∩■`)」

ユイ「そんな顔してもダメです。」


引用元: ゲンドウ「相変わらず、ネルフは財政難だ」【第参話】 

 

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579: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:52:54.32 ID:Rh9yZUAO
リツコ「…とにかく話を元に戻すと、AほにゃららB商法ってごぞんじ?」

キョウコ「ああ~、たくさんかわないとコンプリートできないのよね~」

リツコ「そして昨日見たチャー○ーとチョコレート工場を見て閃いたのよ」

ナオコ「また思いつきね……」

リツコ「百個に一個の確率で本当に本人が作った商品を混ぜようと。」

リツコ「14種類…全員分コンプリートしようと思ったら…」

ユイ「1400以上買わないといけないわね」

キョウコ「せんよんひゃっこ~?」

ナオコ「確かに百個に一個っていう微妙な確率に釣られる人は多そうよね」

リツコ「ちなみにレイにはラミエルストラップも作って貰う予定だから」

綾波「………」

ユイ「だから皆、一生懸命作ってたのね。」


ペンペン「クェッ!」コネコネ

ゲンドウ「しかし鳥に作らせて…衛生面は大丈夫なのか?」

リツコ「多分」


580: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:54:21.31 ID:Rh9yZUAO
リツコ「それより司令と副司令も早く!」

冬月・ゲンドウ「わ、私達も作るのか」

リツコ「『ゲンドウのチョコ蒸しパン(二個入)』と『冬月の将棋駒風プリン』ノルマは千個ですからね!」

ゲンドウ「なぜ帰ってきて早々小麦粉をこねなければならないのだ…」コネコネ

冬月「…それ以前に菓子の作り方など皆目検討もつかん。」


ナオコ「平和ね」
ユイ「ええ。平和ですね。」
キョウコ「平和です~」
ヒデアキ「平和だなぁ」



581: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:55:07.22 ID:Rh9yZUAO
ゲンドウ「………」コネコネ

冬月「………」カチャカチャ

シンジ「………」グツグツ

アスカ「……本当にこれで借金返済できるのかしら」コネコネ

※只今ネルフの借金は小さな国の国家予算レベルです。



シンジ「さぁ……」

ミサト「まさに単純作業地獄ね」グツグツ

加持「ネルフに入ってこんなことするとは思わなかったな…」

ペンペン「クェッ……」コネコネ

綾波「………」ズズズズ

シンジ「って綾波!そんなに飲んじゃったら売る分がなくなっちゃうよぉ!」



【ちなみにエヴァンゲリオンキャンペーンは27日からです!】


582: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:56:36.31 ID:Rh9yZUAO
リツコ「……と、そろそろMAGIのメンテナンスの時間ね」

ナオコ「あら。この間したばっかりじゃなかったの?」

キョウコ・ヒデアキ「てへへ~」

ユイ「……なるほど。」

リツコ「それじゃあオペレーターと…それからリョウちゃんも着いてきてくれない?」

ミサト「ちょ、リョウジは関係ないじゃない!カレーラーメンのカレーはどうすんのよ!」

リツコ「関係あるわよ。カメラマンとして。」

ミサト「……撮るの?」

リツコ「当たり前じゃない。ドラマの影響で世間じゃ出来る女なのよ。」

ミサト「…自分ばっかりイイトコ映すのね」

リツコ「現に猫グッズとかコーヒーの詰め合わせが大量に送られてきて困っちゃうわ。」

ミサト「……うちだってビールとスイカばっかり届くわよ」

リツコ「ここで一押ししておけば…」

リツコ「これがきっかけで結婚とか結婚とか結婚とか」

ミサト「……あわれね」


583: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:57:19.45 ID:Rh9yZUAO
リツコ「それじゃあパイロットの三人はMAGIのメンテナンスが終わったらシンクロテストだから」

アスカ「ええ~!やるの?」

リツコ「最近やってなかったし、あなたたちの本業でしょ。」

綾波「着ぐるみしか着ていなかったから、てんで忘れていたわ」

アスカ「出撃したのって海洋生物研究所だっけ?あれが最後じゃん!」

シンジ「っていうか使徒ももういないし、紛争解決業務っていったってアジアじゃ目立った紛争もないし…」

アスカ「出撃の必要がないわよ」

リツコ「だからってやらなくていいってワケじゃないわ。」

マヤ「15:00に終わる予定だから着替え済ませて置いてね」

リツコ「あと、今日のノルマもこなしておいてね」

一同「え~」

アスカ「鬼!悪魔!」

リツコ「何とでもいいなさい」

アスカ「じゃあ意地悪バアさん!」

リツコ「アスカはノルマ200追加ね」

アスカ「な…何でよ!バカリツコ!」

リツコ「ノルマ300」

アスカ「や…ヤダアアァァァ!」

ミサト「ガキね」

ナオコ「リッちゃんったらもう……」



584: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:00:42.07 ID:Rh9yZUAO
発令所・MAGI前

オペレータ「作業確認。450より670は省略。」

日向「発令所、承認。」

マヤ「…………」カタカタカタカタ

リツコ「さすがマヤ、早いわね。」
マヤ「それはもう、先輩の直伝ですから。」
リツコ「あ、待って…。」
リツコ「そこ、A8の方が早いわよ。ちょっと貸して。」
マヤ「さすがセンパイ……」

日向「こういう系の仕事に関してはプロの顔に戻りますよね」

リツコ「失礼ね。まるで私が普段ふざけてるみたいじゃないの。」

加持「いや、ふざけてるよな。」

リツコ「カメラマンは喋らないで」

加持「……すまない」

ミサト「どう?MAGIの診察は終わった?」

リツコ「ミサト!ノルマは!?」

ミサト「作れないからユイさんに頼んで来ちゃった~。」

リツコ「………全く」

ミサト「あんただっておばさん…ナオコさんに丸投げな癖に」

リツコ「てへっ☆」

ミサト「で、どうなの?」
リツコ「大体終わったわ。約束通り、今日のテストには間に合わせたわよ。」
ミサト「さすがリツコね。同じ物が3つもあって、大変なのに。」
リツコ「嫌味かしら。本気で誉めてくれてるのかしら。」
ミサト「もちろん後者よ。あ、コーヒー貰うわね。」ゴクッ
リツコ「冷めてるわよ。それ。」
ミサト「ぐぇっ!」

マヤ「葛城さんとセンパイ、仲直りしたみたいで良かったです」
日向「ま、元々仲がメチャメチャ良いからね。あの三人。」
マヤ「ああいう友達って憧れるなぁ~」
青葉「僕がいるじゃない~♪」
マヤ「………」カタカタカタカタ
青葉「………」

585: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:02:26.31 ID:Rh9yZUAO
キョウコ「あら~メンテナンスはどんな感じかしら~」

マヤ「もうすぐ終わります。」

ナオコ「こっちもジュース絞り、終わったわ。リッちゃんたら自分でやらないんだから…」

マヤ「センパイ言ってることとやってることが違いますよ」

リツコ「てへっ☆」

ミサト「……反省しないのよね」

オペレータ「MAGI-SYSTEM、再起動後、自己診断モードに入りました。」

マヤ「第127次定期検診異常無し。」

リツコ「了解。お疲れさま。みんなテスト開始までノルマ追加するから、こなしててちょうだい^^」

一同「ええ~!?」


ナオコ「………」

リツコ「どうしたの母さん。」

ナオコ「異常無し、か…。MAGIは今日も元気なのに、私はただ年を取るだけなのかしらね…」はぁ

リツコ「あら、母さんだって元気じゃない」

ナオコ「でも日に日に年をとるなんて嫌な事よ」

リツコ「どうかしらね。MAGIだって分からないわよ。彼女には彼女なりの苦労もあるんじゃない?」

リツコ「それじゃあ母さん、私、エヴァの準備があるからジュース作りよろしくね~」

ナオコ「…………はぁ」




586: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:03:53.50 ID:Rh9yZUAO
ネルフ・実験場

ゲンドウ「冬月、甘ったるいから寄るな」

冬月「碇こそチョコレートの香りをこれでもかと放っているぞ」

ぷ~ん

冬月「……ところで急に匂うな」

ゲンドウ「ああ。誰だ!」


青葉「(小声で)カレーくせぇ。」

日向「(小声で)俺じゃないよ」

マヤ「(小声で)私じゃないです」

リツコ「やだ、あたしでもないわよ」



…カチャ



ユイ「お待たせしました。カレーがなかなか一段落つかなくて…」


ゲンドウ・冬月「………」

ユイ「あら…におうかしら?」

一同「全く」



587: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:06:43.64 ID:Rh9yZUAO
マヤ『それではテストの準備を開始して下さい。』

ネルフ・スタンバイルーム

シンジ「スタンバイルームで待機なんて珍しいね」



アスカ「…もう当分チョコレートは勘弁だわ」

綾波「私も味噌汁は当分勘弁だわ」

アスカ「…あんたは自業自得でしょうが」

リツコ『三人、聞こえる?』

シンジ「聞こえます」

リツコ『よし、じゃあ全裸になって』

アスカ「えぇ~?脱ぐの!?」

リツコ『ここから先は超クリーンルームですからね。』

リツコ『シャワーを浴びて下着を替えるだけでは済まないのよ。』

アスカ「…なんでオートパイロットの実験で、こんなことしなきゃいけないのよ」

リツコ『時間はただ流れているだけじゃないわ。』

リツコ『エヴァのテクノロジーも進歩しているのよ。新しいデータは常に必要なの。』キリッ

アスカ「…とかなんとかカッコつけたこといいながらドラマの為なんじゃないの?」

リツコ『ぎくっ』

ゲンドウ『何!パイロットの裸を君は全国放送する気だったのかね』グワッ

リツコ『えっ…ああ…』

ゲンドウ『ダメだダメだダメだ!シンジはただでさえおかしな奴らが群がっている。』

ゲンドウ『これがキッカケで何かあったらと思うと…』

アスカ「…あたしたちじゃないのね」


588: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:07:43.89 ID:Rh9yZUAO
リツコ「だ、大丈夫ですわ。プライバシー保護のためにカメラは切りますから!」

ゲンドウ「…本当だな」

リツコ「テストカメラ、もろもろオフにして」

マヤ「了解」

アスカ「あら、本当に実験のためだったのね」

リツコ「だから言ったじゃない」

アスカ「いつもの行いが悪いからよ」

リツコ「それじゃー始めます」

リツコ「(小声で)マヤ、防犯モード局地的にオンにして」

マヤ「(小声で)ええ!」

マヤ「(小声で)センパイやっぱり…」

リツコ「(小声で)これで視聴率2桁は固いわね」

マヤ「はぁ…」


590: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:09:10.78 ID:Rh9yZUAO
アスカ「ほら、お望みの姿になったわよ。17回も垢を落とされてね!」

リツコ「では3人とも、この部屋を抜けてその姿のままエントリープラグに入ってちょうだい。」

アスカ「えー!」

リツコ「大丈夫。映像モニター『は』切ってあるわ。プライバシーは保護してあるから。」

アスカ「そーいう問題じゃないでしょう!気持ちの問題よ!」

リツコ「このテストは、プラグスーツの補助無しに、直接肉体からハーモニクスを行うのが趣旨なのよ。」

アスカ「うさんくさ~」

ミサト「アスカ、命令よ。」

アスカ「もぉー、絶対見ないでよ!」

リツコ「それは無理な話よね」ボソッ

アスカ「なんか言った?」

リツコ「いいええ。」

綾波「………」

591: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:24:48.19 ID:Rh9yZUAO
オペレータ「各パイロットエントリー準備完了しました。」

リツコ「テストスタート。」

オペレータ「テストスタートします。オートパイロット、記憶開始。」

オペレータ「システムを、模擬体と接続します。」

マヤ「シミュレーションプラグ、MAGIの制御下に入りました。」

ミサト「おぉ~、早い早い!MAGI様様だわ。初実験のとき、一週間もかかったのが嘘のようね。」

キョウコ「テストは約3時間で終わる予定よ~」

加持「……」ジーッ

ミサト「リョウジ、律儀にも取ってるのね」

リツコ「これで多少は尺を稼げるわ」
ミサト「機密情報よ!全国に流してどうすんのよ!」

リツコ「あら、今更よ」

ミサト「ブレーカー下げられるだけじゃすまないわよ」

加持「と、いうかドラマと言うわりにはあんまり演技してないよなぁ。」

リツコ「現実と想像は時に曖昧になるのよ。私達の場合は特にね」

ミサト「うまいようで下手な言い訳ね」


592: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:30:02.26 ID:Rh9yZUAO
リツコ「気分はどう?」

綾波「何か違うわ。」

シンジ「うん。いつもと違う気がする。」

アスカ「感覚がおかしいのよ、右腕だけはっきりして、後はぼやけた感じ。」

リツコ「レイ、右手を動かすイメージを描いてみて。」

綾波「はい。」

もわんもわん


綾波「……」こねこね

綾波「………」こねこね

綾波「…………」こねこね

もわんもわん

綾波「」

オペレーター「データの収集は順調ですが、パイロットの精神がぁあぁぁああ!」

ゲンドウ「レイイイィィ!!!!!!!!!!」



593: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:43:02.28 ID:Rh9yZUAO
リツコ「とにかく収集は完了したからMAGIを通常にもどして」

アスカ「…オートパイロットモード、末恐ろしいわね。」

シンジ「あやなみ!あやなみ!大丈夫?聞こえる?」

綾波「こねこね…」

リツコ「ジレンマか…作った人間の性格が伺えるわね。」

ミサト「何言ってんの、作ったのはあんたでしょう?」

リツコ「あなた何も知らないのね。」

ミサト「リツコが話さないからでしょ。」

リツコ「…そうね…私はシステムアップしただけ。」

リツコ「基礎理論と本体を作ったのは、母さんよ。」

ナオコ「ふふふ~」

ミサト「えっ!マジ?」

マヤ「葛城さん、知らなかったんですか?」

リツコ「っていうか会話でちょくちょく出してたんだけど」

加持「ミサトはこういうところは鈍いよな」

ミサト「ずっとリツコが作ったのかと…いや…それもそうよね」

リツコ「何、自己解決してるのよ」

ミサト「ってことは…ドラマを作る前、司令はナオコさんに相当酷いこと言ってましたよね」

※詳しくは1スレ目の最初の方をご覧ください

ゲンドウ「いや…あれは…」

ナオコ「何かしら、ゲ・ン・ド・ウくん?」

ゲンドウ「いや…あの…」



595: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:52:26.44 ID:Rh9yZUAO
リツコ「じゃあレイの気分が良くなったことだしテストを再開します。」

オペレーター「シミュレーションプラグを模擬体経由でエヴァ本体と接続します。零号機、コンタクト確認。」

マヤ「…ってあら?」



ブー!ブー!ブー!

ユイ「あら、警報…」

冬月「また誤作動かね」

オペレータ「シグマユニットAフロアに汚染警報発令。」

オペレータ「第87蛋白壁が劣化、発熱しています。」

オペレータ「第6パイプにも異常発生。」

マヤ「蛋白壁の浸蝕部が増殖しています。爆発的スピードです!」

リツコ「実験中止、第6パイプを緊急閉鎖!」

青葉「60、38、39、閉鎖されました!」

オペレータ「6の42に浸蝕発生!」

マヤ「だめです、浸蝕は壁伝いに進行しています!」

ナオコ「何よこれ!」

ユイ「このスピードは一体…」


596: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 18:59:43.06 ID:Rh9yZUAO
綾波「きゃあ!?」

マヤ「レイの模擬体が、動いています!」

リツコ「まさか!」

マヤ「浸蝕部、さらに拡大、模擬体の下垂システムを侵しています。」

ミサト「レイは!?」

マヤ「無事です!」

リツコ「全プラグを緊急射出!レーザー急いで!」

ヒデアキ「おかしいな。浸食速度が早すぎる上に、こりゃまるで生きているウイルスだ。」

キョウコ「外部から浸食してますからね~」

ユイ「でも細菌はシステムの浸食まではしないわ」

ナオコ「これはまるで…」

リツコ「そんなわけないわ。使徒はもう!」

ミサト「でもこれってA.T.フィールドよね…」

ユイ「まさか…」

マヤ「パターン青、MAGIは使徒を判定しています」

リツコ「そんな…」

597: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:07:35.67 ID:Rh9yZUAO
ゲンドウ「とにかく、警報を止めろ。」

青葉「け、警報止めます。」

ゲンドウ「誤報だと政府に連絡。」

ゲンドウ「それからすぐパイロットを地上へ射出しろ。」

青葉「ええっ」

ゲンドウ「初号機を最優先だ。そのために他の二機は破棄しても構わん。」

一同「うわぁ…」

598: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:12:32.58 ID:Rh9yZUAO
青葉「しかし使徒はエヴァなしでは殲滅できません」

ゲンドウ「使徒と決まった訳ではなかろう。」

青葉「?」

リツコ「それよりリョウちゃん。しっかりとってる?」

加持「…まあ、一応な」

ミサト「こんな時にどうするつもりなのよ」

リツコ「いやね、実は脚本全然できてなくってww」

ミサト「はああ!?」

リツコ「これをベースに追加シーンを撮ればなんとかなるかなーって」

ミサト「…そんなんじゃ、あんたいつか破綻するわよ」

599: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:30:46.85 ID:Rh9yZUAO
マヤ「しかし司令、MAGIは使徒と判定しています」

ゲンドウ「では聞くが、誰か直接確かめてきたのか」

マヤ「えっ」

ゲンドウ「来たのかと尋ねている」

日向「いえ…」

ヒデアキ「そう言うと思って確かめて来たぞっ!」

ミサト「お父さん!」

ユイ「どうでした?」

ヒデアキ「異常は見られなかったよ。」

ヒデアキ「周りの職員に尋ねても同じ意見だった。」

マヤ「そんな…でも……」

ナオコ「逆ね。」

青葉「逆?」

リツコ「おかしいのは施設の方じゃない」

リツコ「MAGIの方よ」

600: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:44:14.80 ID:Rh9yZUAO
ミサト「ええっ!?」

ミサト「MAGIはスーパーコンピューターよ!そんなことあるわけないわ!」

リツコ「母さん、だから言ったでしょ。彼女にも悩みはあるって。」

ナオコ「なるほどねぇ」

オペレーター「大変です!」

オペレーター「赤木両博士の述べる通りMAGIに異常が…」

ミサト「ええっ?」

オペレーター「…MAGIの基礎システムが何者かによって書き換えられていました!」

キョウコ「道理でさっき自己診断モードでメンテナンスした時には異常が発見できなかったのね~」

冬月「しかし一体誰が…」

一同「…………」じっ

加持「い、いや俺じゃないよ!」

601: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:45:49.67 ID:Rh9yZUAO
リツコ「冗談よ。」

加持「やめてくれよなぁ」

リツコ「最近うちに入った部外者は…」

もわんもわん

マナ「霧島マナでーす♪」

もわんもわん


一同「アアアアアァァア!!」

602: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:51:33.84 ID:Rh9yZUAO
リツコ「そうよ。彼女よ。彼女しかいないわ!」

綾波『あの…』

ミサト「あ、レイ大丈夫だった?」

綾波『はい。いまは湖です…』

アスカ『ほーんと最悪よ!裸のまま取り残されるなんてぇ』

綾波『で、さっきの話を聞いたんですが』

ミサト「そういや霧島さんは時田さんの関連会社の社員だったわね」

綾波『その彼女なんですが、最近会社のシステムをコピーして持ち出した上に、消えてしまったらしいんです』

リツコ「ちょっとレイ!何で言わないのよぉ!」

綾波『話そうとしたけど…』

ミサト「聞かなかったのよね、あんたは」

リツコ「ええっ?わたし?わたしのせい?」


603: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:56:44.17 ID:Rh9yZUAO
ナオコ「とにかくゲンドウくんの措置は適切だったわね。」

ユイ「エヴァシステムまで干渉されたら大変なことになっていたわ。」

キョウコ「ファインプレーですわ~」

ゲンドウ「ふふん」

冬月「何だね、その勝ち誇った面は」

マヤ「しかし、MAGIに偽物の情報を流してどうするつもりだったんでしょうか」

ミサト「混乱させたかったんでしょ。とんだ妨害行為よ。」

リツコ「じゃ、プラグの回収にいくわよ」

ナオコ「………」

ユイ「どうかなさったんですか?」

ナオコ「いえね、何だかこれで終わる気がしなくって……」


604: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:01:40.28 ID:Rh9yZUAO
アスカ『もう、早く迎えにきてよね。』

アスカ『エコロジー症候群になっちゃうわ!』

シンジ『エコノミーじゃなくて?』

アスカ『そうとも言うわね』

綾波『ラミエルさん、だいじょうぶ?』

◇<ラー!

青葉「ん?」

ミサト「どうしたの?」

青葉「サブコンピューターがハッキングを受けています!侵入者不明!」

ナオコ「!」

605: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:06:52.62 ID:Rh9yZUAO
日向「くそっ!Cモードで対応!」

青葉「防壁を解凍します!疑似エントリー、展開!」

オペレータ「疑似エントリーを回避されました。」

青葉「逆探まで18秒!」

オペレータ「防壁を展開!…防壁を突破されました!」

オペレーター「疑似エントリーをさらに展開します!」

日向「こりゃあ人間技じゃないぞ…」

リツコ「なんなのよー!」

ナオコ「…きたわね」

リツコ「母さんどうしよう母さん」

キョウコ「ごめんなさい~。私達がちゃんとチェックしなかったからぁ~」

冬月「過信というジレンマ…か」

ゲンドウ「…人格移植と言う点でMAGIも我々と同じ人間だと言うことだな」

アスカ『ちょっと~!いつになったら迎えにきてくれんのよぉ!』

606: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:13:34.36 ID:Rh9yZUAO
青葉「逆探に成功しました!」

ユイ「で、どこなの?」

青葉「都内のアニメスタジオです。」

ミサト「アニメスタジオ~?」

加持「逆探出来たってことは俺の出番かな?」カチャ

ミサト「ちょ、ちょっとリョウジ!」

加持「んじゃ、ちょっくらいってくるわ」

ミサト「ばかっ!」

リツコ「リョウちゃんが大元を叩くまでどうにか持ちこたえないと…」

日向「疑似エントリー展開…失敗、妨害されました!」

ミサト「メインケーブルを切断。」

オペレータ「だめです、命令を受け付けません!」

ミサト「じゃあもうコンセントごと!」

リツコ「ミサト、電化製品じゃないんだから!黙ってて!」

ミサト「……なんかシャクね」

607: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:22:04.57 ID:Rh9yZUAO
ナオコ「キョウコちゃん。侵入して来てるウイルスの種類はわかった?」

キョウコ「破壊型のウイルスね~。これはまずいわ~」

ナオコ「なるほどね。MAGIの警備システム上、あらかじめウイルスを仕掛けのは不可能」

ナオコ「だからあらかじめMAGIの基礎システムを書き換えて私達を混乱させている隙にどこかに仕掛けたハッキングウイルスを発動させる。」

ナオコ「もちろん目的は…」

青葉「保安部のメインバンクにアクセスしています。」

青葉「パスワードを走査中、12桁、16桁、D-WORDクリア!」

日向「保安部のメインバンクに侵入されました!」

日向「メインバンクを読んでます、解除できません!」

冬月「奴の目的は、何だ!?」

青葉「メインバスを探っています…このコードは…」

青葉「やばい、MAGIに侵入するつもりです!」


608: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:28:06.53 ID:Rh9yZUAO
リツコ「カメラ回してる?」

サツキ「か、加持さんに渡されて…」

リツコ「そのまま続けてね」

ミサト「あんたこんな時に流暢な!」

リツコ「こんな時だからよ。向こうは私達を利用したのよ。」

リツコ「だから逆に利用し尽くしてやるのよ。」ニヤリ

リツコ「追加シーンを別途で撮って、これをベースに放映してやるわ」

ミサト「…ただ単に脚本を書く気が無いだけでしょ」

リツコ「MAGIをハッキングする使徒!いいじゃない。いいじゃない。」


609: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:48:41.38 ID:Rh9yZUAO
マヤ「使徒、さらに侵入、メルキオールに接触しました!」

マヤ「だめです!使徒にのっとられます!」

マヤ「メルキオール、使徒にリプログラムされました!」

アナウンス「人工知能、メルキオールにより、自律自爆が提訴されました。否決、否決、否決、否決。」



サツキ「は、はいカット!」

リツコ「緊迫感があっていいかんじだわ!」

ナオコ「ちょっとリッちゃん!こんな時に何をしてるのよ!」

リツコ「追加シーンの撮影です。さっき即席で脚本を書いたので」

ナオコ「ばか!オペレーターをそっちに割いてどうするのよ!」

リツコ「でも、ドラマの納期がギリギリなのよ。そのまま中断なんてしたら奴らの思い通りじゃない!」

ナオコ「そんなの後でやりなさい!こっちは一時を争うの!」

ナオコ「どうするのよ。MAGIのシステム自体が破壊されれば先週の編集済みの作品もパーになるわ。」

キョウコ「それどころか編集システム自体もパーよ~」

リツコ「でもでも…」

マヤ「大変です!MAGIのシステム消去の承認が始まりました!」

ナオコ「ほら!あんたがボケボケしてるから!」


610: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:55:13.61 ID:Rh9yZUAO
ナオコ「とにかくロジックモードに変更して。」

マヤ「はい」

冬月「…これでどのくらい持つかね」

青葉「今までのスピードから見て、2時間くらいは。」

ナオコ「…………」

リツコ「………」カキカキ

ナオコ「って何やってるのよ」

リツコ「いや、今のやり取り使えるかなーって」

ナオコ「………話のわからない子供ね」


612: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:15:39.21 ID:Rh9yZUAO
―ネルフ会議室―

ミサト「新型ウイルス、かぁ」

キョウコ「とにかく、対処を考えないと~」

ナオコ「彼らはMAGIのシステムクリアにかかっているわ」

ゲンドウ「停電の際にウイルスは仕込まれたのだろうな。」

冬月「迂闊だったな」

ユイ「しかもやっかいなことにワクチンを取り込み、『進化』しているのよね」

リツコ「進化するウイルスね」カキカキ

ミサト「……また書いてんの?」

キョウコ「でも確かにこんなふうにウイルス型の使徒がいたら怖いわよね~」

冬月「ふむ。興味深くはあるな。」

ゲンドウ「先程の偽装データを考慮するなら細菌サイズのものが群をつくり浸食」

ユイ「使徒は知能があるわ。電子回路をそのうち形成するかもしれないわね」

ナオコ「あのー…」

リツコ「彼らは常に自分自身を変化させ、いかなる状況にも対処するシステムを模索…するでしょうね」

青葉「そしてMAGIを乗っ取った後」

日向「本部ごとバーン」

マヤ「でもそうなれば解決方法って…」

ナオコ「ちょっと…ドラマの事なんて話し合ってる場合じゃあ…」

ミサト「MAGIごと破棄、物理的消去すればいいんじゃないの?」

一同「なるほど」

ナオコ「…えっ」


613: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:39:28.80 ID:Rh9yZUAO
ミサト「私、思ったんだけど」

ユイ「なにかしら?」

ミサト「よく今回の件を考えて見ると、問題だったのは外部からMAGIがハッキングされた事、それ事態なんじゃないの?」

ミサト「大元は加持君が叩きに行ってるし。」

リツコ「そう言えば編集データ、バックアップって取ってある?」

マヤ「MAGIとは別接続の編集室のPCにあります」

青葉「そう言えば編集自体もそのPCで出来なくもありませんしね」

ユイ「エヴァの退避も完了したし」

冬月「というか、MAGI自体、必要なのかね」

ナオコ「えっ」

ゲンドウ「スーパーコンピューター。しかし、果たしてそれが今のネルフに必要なのか?」

ナオコ「施設を維持する上で必要かと…」

ヒデアキ「それがそれ程貢献していないんだよ。」

ヒデアキ「それどころか維持費ばかり食っている」

ユイ「電気代もバカにならないしねぇ」

ナオコ「えっ…」

キョウコ「実質エヴァのシステム管理をしてるのって松代MAGI経由のコンピューターですからね~」

ヒデアキ「なんせメモリオーバーだからな。」

キョウコ「各所に配置されてるMAGIの自主運営も出来てますからね~」
冬月「そろそろ議会機能も独自に機能し出している」
冬月「オリジナルのMAGIは、このまま破棄、しても良いのではないか?」
ナオコ「えっ」
ユイ「そうね…私達もそろそろ自分達の意思で動かなければね。」
キョウコ「最早敵は使徒ではなく人間ですからね~」
ヒデアキ「人間自身が決めるべきではないか」

ナオコ「ですが、ですが!」

ゲンドウ「全てのサブコンピューターをMAGIから切り離せ。感染したコンピューターは廃棄。」

ナオコ「ちょっと、ちょっと待って下さい!」

614: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:48:09.89 ID:Rh9yZUAO
ゲンドウ「弱みがあるから握られる。」

冬月「彼らが狙っているのはMAGIだ。元を立てば厄介な人間とも縁も切れるだろう。」

ナオコ「ですが!まだどうにか望みは…」

ゲンドウ「すまないが、決定事項だ。」


冬月「ナオコ君。君がMAGIを実の娘のように可愛がっていた事は知っている。」

冬月「が、きっとこれは時期なのだよ。我々人間が独自に歩んでいくきっかけ…なのかもしれぬ。」

ナオコ「………」

キョウコ「あら~もうこんな時間~」

ユイ「PTAがあったのすっかり忘れちゃってたわ」

ミサト「じゃ、私達はドラマでも撮りましょう」

リツコ「さっき、いろいろ案を出してもらったから脚本も何とかなりそうだわ。」

リツコ「ネルフの美人科学者バーサス使徒。エヴァなしで使徒に人間が立ち向かう!」

リツコ「まあ、もちろん私がギリギリの所で勝つんだけど」

ミサト「…ほーんと、自分のことだけしか考えてないのね」


ナオコ「……」ポン

冬月「………本当にすまないな」

ナオコ「いえ。仕方ありませんわ。」

リツコ「………」

663: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 11:57:36.71 ID:yJ2sI2AO
リツコ「んで、さっきのMAGIが流してた偽動画、とってある?」

青葉「勿論です。一応セキュリティーは万全ですからね。」

日向「ま、今はMAGIと僕ら以外ってことになりますけど」

青葉「しっかし良くできてますよ。使徒は勿論のこと本部をちゃんと再現してある上に綾波レイの模擬体まで。」

日向「CGかなぁ。流石はアニメスタジオだな。」

ミサト「緊急時のシュミレーションを発注したいくらいね」

リツコ「…そう言えばシミがある蛋白壁、あったわよね」

リツコ「よし、あれ持ってきて」

日向「…な、なんででしょう」


664: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 11:58:13.41 ID:yJ2sI2AO
リツコ「搬入された蛋白壁に使徒の種が植え付けられてたって設定を示唆するシーンをとるのよ」

青葉「なるほど。関係組織が使徒を動かしてるって伏線も張れますね」

リツコ「とりあえず辻褄を合わせなきゃ。」

ミサト「こういう付け足しだけは巧いのよね」

リツコ「あと青葉くんはコンピューター版の緊急時シュミレーションプログラムを作成して」

青葉「えっと、昔作ったMAGI子機からのハッキング想定プログラムをベースでいいんですか」

リツコ「そうね。それでいいんだけど出来るだけ派手に。ギリギリでこちら側が勝つように。」

ミサト「なんで」

リツコ「一番私が画面映えするじゃない」

ミサト「……」


665: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 11:59:03.98 ID:yJ2sI2AO
リツコ「とにかく1時間で仕上げてね」

青葉「いっ、いちじかんですか!?」

リツコ「私なら15分で終わらせる事が出来てよ。」

ミサト「やけにパソコンの事になると張り切るわよね」

日向「パソコンの大先生ですね」

リツコ「フフン」

ミサト「でもそのせいで大学じゃ髪色以外暗いPCオタクって評判で彼氏も出来なかったわよね」

リツコ「いいえ。あの時はデスクトップのイタリアン美男子が彼氏だったわ。」

リツコ「なかなか画面から出てきてくれないのよねー」

ミサト「一生出てこないから安心しなさいよ」


666: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 11:59:43.80 ID:yJ2sI2AO
リツコ「そんなことより、ふふふふ。しかし、まさに敵に塩を送られるとはこのことね。」

リツコ「停電の時といい、またもや作品そのものにされるなんて滑稽だわ!」


リツコ「それじゃあ打ち込みの前にシーン撮影するわね。」

サツキ「それじゃあスタート」

青葉「3日前に搬入されたパーツです。ここですね、変質しているのは。」

冬月「第87蛋白壁か。」



ぷう~ん


青葉「拡大するとシミのようなものがありま…うぇえぇぇっ」

冬月「ど、どうしたのかね」

ぷぅ~ん

青葉「オェェェェェ」


667: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:00:47.16 ID:yJ2sI2AO
日向「だ、大丈夫か、あ…おぇえぇ」

冬月「えっえっ」

ぷぅ~ん

サツキ「は…はいカットォェェェェェ!」

リツコ「プリン液の甘ったるい匂いやらポマードの匂いやら加齢臭やらが混じり合って絶妙な悪臭を放っているのね」

冬月「く、臭いのか?私が?」

ぷぅ~ん


ミサト「…長ったるい説明ありがとオェェェェェ」



668: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:01:20.94 ID:yJ2sI2AO
MAGI内部

ピッ…ピッピッ

ナオコ「ふふっ。あっちは相変わらずね。」

マヤ「センパイのお母さん…」

ナオコ「あらマヤちゃん。あなたはリッちゃんの手伝いをしなくていいの?」

マヤ「今はサツキさんが変わってくれてますし、まだ私は大丈夫なんです。」

ナオコ「そう」

ナオコ「………」さわっ

マヤ「……いいんですか」

ナオコ「いいのよ。」

マヤ「MAGIは…ネルフで大いに貢献してくれました。」

マヤ「今はみんな、目先の利益しか見えてなくて、MAGIの必要性に…」

ナオコ「必要性なんてもうないのよ。」


669: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:01:48.03 ID:yJ2sI2AO
マヤ「でも、万が一と言うことが…」

ナオコ「万が一、ね。その時はその時よ。」

ナオコ「彼女は、十分戦ってくれたわ。もう、寿命なのよ。」

マヤ「寿命…ですか」

ナオコ「そうね。死に至る病にかかった。『過信』って言う、病にね。」

ナオコ「で、その原因は私。私が彼女を疑ってあげれば良かった。」

マヤ「でも内部に侵入されたのは私達の責任です!」

ナオコ「いいえ。MAGIの親は私。実はね、ちょっと動作が重いことに気がついていたのよ。」

670: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:03:23.04 ID:yJ2sI2AO
ナオコ「でも、『最近プログラムをインストールしたせいだ』なんて言う私の見込違い…いや怠慢のせいね。」

ナオコ「彼女を殺したのは私よ。自分の分身、娘も同然のMAGIを殺した。」

マヤ「でも!MAGIはそこにあるのが当たり前で…だから…」

ナオコ「ふふっ。リッちゃんがあなたをパートナーに指名した訳、分かるような気がするわ。」

ピッピッピッ

ナオコ「もういいの。MAGIの役目は終わったのよ。」

ナオコ「あと1時半もすれば彼女はゆっくり眠れる。」

ナオコ「彼女の『入れ物』はドラマ撮影のために置いといてくれるらしいし…いいのよ。もう。」


671: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:04:10.09 ID:yJ2sI2AO
リツコ「ちょっと青葉くん、全然遅いじゃない」

青葉「プログラミングはMAGIの自動システムに頼ってたんで…俺、本当は専門外なんですよ」カタカタカタカタ

リツコ「全くそれでよくメインオペレーターなんて勤まるわね」

リツコ「もういいわ。マヤー」

ナオコ「ほら、リッちゃんが呼んでるわよ」

マヤ「…し、失礼します。」

ナオコ「いってらっしゃい」


マヤ「………」カタカタカタカタ

リツコ「さすがマヤね。はやいわ。」

リツコ「それじゃあマヤがプログラミングしてるうちに、会話シーン撮っちゃいましょ」


672: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:04:54.56 ID:yJ2sI2AO
サツキ「はいスタートです!」

リツコ「ほら、ここが純水の境目、酸素の多いところよ。」

マヤ「好みがハッキリしてますね。」

青葉「無菌状態維持のため、オゾンを噴出しているところは汚染されていません。」

ミサト「つまり、酸素に弱い、ってこと?」

リツコ「らしいわね。」

マコト「オゾン注入、濃度、増加しています。」

シゲル「効いてる効いてる。」

冬月「ちょっと待ちたまえ」

サツキ「は、はいカット」

リツコ「…冬月副司令、何か問題でもありました?」


673: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:05:21.49 ID:yJ2sI2AO
冬月「オゾンが使徒に効くという根拠は?」

リツコ「ですからオゾンが発しているところだけは汚染されずに…」

冬月「という設定だろうに。元学者として、ちとそれは納得いかん。」

ゲンドウ「冬月、大人気ないぞ」

冬月「結構だ。これは学者としてのアイデンティティに関わる問題であってだな…」クドクド

ミサト「学者の悪い癖が出たわね。自分の分野になると周りを考えずに追求するのよね。」

青葉「ドラマなんだからもう少し妥協すれば…」

ヒデアキ「いや、そうはいかんよ」

ミサト「お父さん…」


674: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:06:11.90 ID:yJ2sI2AO
ヒデアキ「冬月先生、使徒がオゾンに弱い可能性も否定できませんよ。所詮は細菌型の使徒。」クドクド

冬月「しかしだな。相手は使徒だぞ。私は…」クドクド

ゲンドウ「いや、冬月お前は頭が堅すぎるぞ。」

冬月「…何だか今のタイミングで呼び捨てにされると腹が立つぞ」

ミサト「司令まで出て来ちゃ、当分終わりそうもないわね」

リツコ「もう使徒なんかいないんだし、話し合っても不毛な議論も同然なのにね」

青葉「碇副司令が居れば止まりそうなもんなんだけどな…」

第壱中学校

ユイ「………」ぶるっ

キョウコ「あら、ユイさんどうかしました~?」

ユイ「なんだか嫌な感じが…」

675: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:06:50.59 ID:yJ2sI2AO
キョウコ「それより良かったんですかね~」

ユイ「MAGIのことですか?」

キョウコ「ええ~。財務的に言えば確かにMAGIは必要性がないですけど何だかネルフの一員を失うようで~…」

ユイ「…そうですねぇ。」

ユイ「でもあの人が決断した以上は…」


ミサト「それよりなんか大事なこと忘れてない?」

マヤ「…何でしたっけ」



676: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:07:29.36 ID:yJ2sI2AO
芦ノ湖・湖上

アスカ「ねえ、いつになったら迎えが来るのよ」

シンジ「さっきから通信送ってるんだけど出ないんだよ」

綾波「MAGIの回線もダメ、サブの回線も使用されちゃってるわ」

アスカ「あーん!もう最悪!」

綾波「プラグ内部の維持システムは当分持つから大丈夫よ。」

アスカ「そう言う問題じゃないわよ。裸なんてイヤじゃない!」

綾波「あら、別に誰が見てる訳じゃないんだから」

アスカ「全国に生 さらしたアンタはそりゃあ平気だろうけどねー!」

綾波「………」ピキッ

シンジ「ちょっとやめなよ!こういう時こそ二人とも…」

わーわーきゃーきゃー

シンジ「あーもう、早く迎えに来てよォオォオ!」



677: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:08:20.22 ID:yJ2sI2AO
ネルフ・発令所

わーわーきゃーきゃー

ミサト「こりゃ、当分終わりそうもないわよ」

リツコ「あとは使徒を撃退するシーンだけなんだけど、困ったわね。」

マヤ「そうなんですが…どうもMAGIに比べると重くって…」

リツコ「あとどのくらい掛かりそう?」

マヤ「あと半日は…」

リツコ「納期に間に合わないじゃない!」

マヤ「ええっ」

リツコ「てっきりMAGI基準で考えてたから…」

ミサト「あんたが余裕持って行動しないからよー!」


678: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:09:35.73 ID:yJ2sI2AO
リツコ「仕方ないから今から書き直すしか…」

ミサト「バカ!」

リツコ「じゃあどうすれば…」

リツコ「………」チラッ

ナオコ「…………」さわさわ


リツコ(またMAGIを撫でてる)

リツコ「………何だかんだ言って未練たらたらなのね。」ムッ


679: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:10:20.91 ID:yJ2sI2AO
―某・ビル―

キイィ

加持「ここか…」

加持「………スタジオキャラー」

加持「十数年前のアニメで…有名になった所か。」

ガチャ…

マナ「あれっ…なんか向こう、全然応戦してきませんよ!」

アンノ「嘘でしょ?スーパーコンピューターなんだよね。」

加持「応戦してない…って嘘だろ?」

一同 「!?」

加持「ああ、どうも。ネルフから来ました」にこっ

カチャ

アンノ「それ、本物の拳銃?」

加持「もちろん」





681: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:12:16.31 ID:yJ2sI2AO
マヤ「センパイはいいんですか?」カタカタカタカタ

リツコ「何が」

マヤ「その…MAGIを失うことに対して」

リツコ「借金があるんだから仕方ないでしょ」

マヤ「ほとんどセンパイのせいですけどね」カタカタカタカタ

リツコ「むっ…」

リツコ「ま、確かに第2の母親でもあり、妹みたいなもんだったから。」

リツコ「たまにね、内部に入って遊んだり。」

マヤ「あそんだ?」

リツコ「MAGIにね、犬や猫の気持ちが分かる機械のパソコン版を作って付けたのよ。」

リツコ「とうの昔に壊れちゃったけど。」

マヤ「さすがセンパイ。遊びってレベルじゃないですね。」カタカタカタカタ


682: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:22:13.81 ID:yJ2sI2AO
リツコ「そんなことないわよ」

リツコ「MAGIにかかる負荷とか、速度とかの要素を機嫌に変換するだけの簡単な装置なのよ。」

ミサト「本当にそういうことだけは得意なんだからね」

リツコ「ま、私が頼りないらしいからまだ完全な管理権限は与えられてないんだけど。」

リツコ「この子がいなきゃ連合軍のネルフ侵攻にも耐えられなかったわ」

マヤ「ネルフ侵攻事件…ですか。確か職員の半数が殺されたって聞きました。」

ミサト「やーな事件だったわ。容赦ってもんを知らないんだから。やつらは」

青葉「降伏した職員を撃ち殺したりね。」

リツコ「所詮は人間の敵は人間よ。」

マヤ「…よく勝てましたね」

ミサト「エヴァよエヴァ。三機揃ってズッコンバッコン。」

リツコ「シンジくんとアスカが揃って覚醒。ミサイル100本持ってきたって敵うわけないわよ。」

青葉「まぁエヴァを起動できたのもMAGIが連合軍のコンピューターに割り込んでデータを偽物に書き換えてくれたお陰ですけど。」


683: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:24:21.93 ID:yJ2sI2AO
リツコ「でも結果的にサードインパクトは防げたんだし。」

リツコ「サードインパクトを阻止した以上、もうシナリオの続きはないの。」

リツコ「だからもはやスーパーコンピューターは無用の長物」

マヤ「でも作業速度は…」

リツコ「MAGIの予算の半額で超高性能サーバーが買えてよ。維持費もそれほどかからないし。」

リツコ「…それに、もう『破棄する』って決まったのよ。」

リツコ「ユイさんもキョウコさんもいないんだし。時間も方法もないわ。」

マヤ「でも、私にはなんだかMAGIを見捨てるようで!」

リツコ「あなたも科学者になりたいなら感情的な部分を切り捨てるべきね」

ミサト「…あんたが言うか」

リツコ「人間としてはもちろんのこと、科学者としての私も真面目だったつもりよ」

ミサト「まあね。あんたの『ハチャメチャな性格を抜きにすれば』真面目な科学者かもね。」

リツコ「…まだ恨んでるの?」

ミサト「そりゃ上から吊した程度じゃ足りないわよ」


684: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:25:06.68 ID:yJ2sI2AO
リツコ「…いい機会なのよ」

マヤ「…………」カタカタカタカタ

マヤ「あれ。」

リツコ「どうしたのマヤ。」

マヤ「急に作業速度があがりました…」

リツコ「あら、じゃあそのPCに掛かってた負荷が…」

マヤ「そんな訳はありません。別に作業しているものはありませんし、最初から負荷なんて…」

青葉「…もしかして逆、なんじゃないんすか」

685: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:34:40.28 ID:yJ2sI2AO
加持「さて、ウイルスの正体を教えて貰いましょうか」チャキ

アンノ「くっ……(モノホンだ!モノホンだ!)」

マナ「死にたくないんでしゃべりますよカントク」

アンノ「…………好きにしろ」

マッキー「なんてクールなこといいつつ、実は大興奮なんですよね」

アンノ「………ふふっ」

加持「………」ギロッ

マッキー「すいませんでした」

加持「さて、教えて貰いましょうか」

アンノ「マナちゃん」

マナ「あ、あたしですか!」

マナ「あ…えー、このウイルスは生物の行動パターンをモデルにしたんです。」

アンノ「使徒がもしウイルス型だったら…と想像して作ったんだ」

加持「…さすがは特撮ファン、ですか。」

加持「とにかく、攻撃を中止してもらいたい」

アンノ「…………無理だ」

加持「なぜ」カチャ

アンノ「いや、意地悪じゃないんだ!ホントに!」

加持「………ではなぜ」

アンノ「生き物を模したウイルスだろう」

マナ「つまりは勝手に行動できるってことなのです。」

加持「ってことは…」

マッキー「…我々にも止めることは不可能です。」

686: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:35:31.27 ID:yJ2sI2AO
マヤ「逆?」

青葉「何らかの要因がマヤちゃんのPCの性能をあげたとか」

マヤ「まさか!ここに性能をあげる要因なんてMAGIのネットワークに接続するしか…」

リツコ「ちょっと貸して。」カタカタカタカタ



リツコ「…………」



カタカタカタカタ



マヤ「………」



リツコ「まさか……」



リツコ「そんな訳ないわ…」


カタカタカタカタ


687: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:40:13.12 ID:yJ2sI2AO
マヤ「センパイ、どうかしたんですか?」

青葉「どれどれ」

リツコ「………なんで」

青葉「って、マジかよ!」

マヤ「こんなことって…」

ミサト「ちょっとちょっと、どうしたのよ?」

マヤ「このPCはさっき説明した通り、MAGIとの接続は完全にシャットアウトしてあるんです。」

ミサト「それは知ってるわよ。だからどうしたの。」

リツコ「…そのはずなのに、強制的にMAGIとの接続がオンになってるの。」


688: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:41:24.94 ID:yJ2sI2AO
ミサト「もしかしてまだ無事なサブにまでウイルスが…」

リツコ「それはないわ。一応簡易だけど基礎プログラムから検査したの。だけどウイルスの痕跡は見られなかった。」

マヤ「それに、今MAGIは攻撃を受けています。」

マヤ「サブへのウイルスの侵入を防ぎながら私のPCに干渉し、かつ自身の機能を利用させるなんて…」

ミサト「…って言うか、何でこんなことになったの?」

リツコ「分からないわ。第一、スーパーコンピューターとは言え強制的にこんな処理が行われるなんて有り得ないのよ。」

ミサト「まさか…MAGI自身が意思をもって行動した…とか?」

リツコ「まさか…有り得ないわ!」


689: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:42:29.16 ID:yJ2sI2AO
ミサト「でも人格移植OSなんでしょ?もしかしたら何らかの原因によって…とか」

リツコ「素人が適当なこと、言わないでよ。」

ミサト「ムカつくわね。今だけ立場が上だからって偉そうに…」

マヤ「…このウイルスってたしか新型、しかも進化するんですよね。」

リツコ「ええ。ワクチンプログラムを打つたびに…」

マヤ「センパイの台本を読んで思ったんですが、何だかまるで生き物…みたいですよね。」

リツコ「マヤ、あなたはまさか使徒だとでも言いたいの?」

マヤ「そう言うワケじゃないです。」

マヤ「ただ、MAGIを利用して我々を欺いた点や全体的な行動が使徒というより、まるで生物みたいだなって。」

リツコ「生き物の行動を模したウイルス…ねぇ」


690: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 12:53:13.75 ID:yJ2sI2AO
ナオコ「可能性はあるわよ」

リツコ「母さん?」

ナオコ「生物の行動パターンを組み込んだウイルス。」

ナオコ「生物学と最新のOS技術を応用すれば出来なくもないわ。」

ナオコ「ただ、そんなこと私達じゃ思いつかないけれども。」

リツコ「ってことはまるで生物のようなウイルスにMAGIが接触したことが原因だと。」

ナオコ「そうね。でもウイルス自体はまだ、MAGIを操作するまでの権限を獲得していないわ。」

マヤ「じゃあ、MAGIが私を助けてくれたってこと…?」

ミサト「しかもMAGIは私達の会話を聞いて…」

リツコ「…まるでヒトのようね。」

ナオコ「そうかも知れないわね。私が示したのは多くの可能性の一つにしか過ぎないけど。」
リツコ「いくら人格移植OS搭載のスーパーコンピューターだからって非科学的よ。」

ナオコ「あら、そんなこと言ったら使徒の存在自体だって一昔前の学者に言わせれば随分と非科学的じゃなくて?」

マヤ「MAGI…」

リツコ「…………」


691: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:16:12.80 ID:yJ2sI2AO
プルルルルルルル

ミサト「通信よ。リツコ。」


着信>>加持リョウジ



リツコ「リョウちゃんから?」

リツコ「…もしもし」

加持「ああ、リッちゃんか。今、大元を叩き終わったところだよ。」

マナ「あっさり捕まっちゃいましたね…」

マッキー「本物にはかなわないよ」

マナ「武器の一つもなかったんですか?」

マッキー「まさか。捕まっちゃうし。」

マナ「…………」

692: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:17:02.17 ID:yJ2sI2AO
加持「とにかく。なんでリッちゃん達は反撃しないんだい?」

加持「ウイルスの正体がわからないんなら、生物の行動パターンを模したウイルスで、それ故に最早彼らにも…」

リツコ「MAGIの破棄が正式に決定しました。」

加持「破棄…だって?」

マッキー「マジで!?」

マナ「意味ないじゃーないですかぁ!」

リツコ「いい機会なのよ。」

加持「……本当に、そう思うのかい?」

リツコ「………ええ。」



リツコ「もういいのよ。」


693: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:17:34.40 ID:yJ2sI2AO
加持「…リッちゃん。俺には大した知識も技術もない。」

加持「だから、俺がMAGIに出来ることはこれくらいしかない。」

加持「だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。」

リツコ「……。」

加持「君は何だかんだで…MAGIを可愛がっていたじゃないか。」

加持「金の問題如きで彼女を見捨てるのかい?」

リツコ「問題如きって…。」

加持「元々のネルフの財政難は誰の責任でもないが、それを膨らましたのは主に君だろう。」

リツコ「でも、碇司令が…!」


694: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:18:24.17 ID:yJ2sI2AO
加持「誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。」
リツコ「…………」

加持「ま、後悔のないようにな。」

リツコ「…………」

ピッ

リツコ「昔っからリョウちゃんは…」

ミサト「なんだって?」

リツコ「まぁね。ミサトには勿体無いくらいの嫁ね。」

ミサト「…嫁は私なんだけど」

マヤ「センパイ…」

リツコ「なぁに、マヤ?」

マヤ「もし、センパイがやるって言うなら、私も協力します。」

マヤ「プログラミングも、終わりましたし」


リツコ「マヤ………」


695: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:19:49.82 ID:yJ2sI2AO
マヤ「MAGIが苦しんでるのに…見捨てられないです」

リツコ「………」

ミサト「あー。もう悪かったわよ。」

リツコ「ミサト?」

ミサト「その…軽々しくMAGIを破棄すればなんて言っちゃって。」

ミサト「MAGIはただのコンピューターじゃなくて…心があるのよね」

ミサト「作戦部として正式にウイルスの応戦を要請するわ!」

リツコ「…いいの?」

ミサト「ちょうど今うるさいのは話に夢中だし。」

サツキ「カメラマンは任せてくださいよっ!カッコよく映しますから!」

青葉「編集なら任せてください!使徒の脅威を臨場感たっぷりに表現してみせますから。」

日向「追加シーンだって付き合います。」

リツコ「あんたたち……」

一同(にこっ)



696: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:21:08.75 ID:yJ2sI2AO
クルッ

リツコ「母さん。手伝って頂戴。」

ナオコ「リッちゃん……」


ナオコ「了解したわ。サブから援護するわ。」

リツコ「ありがとう。」

ナオコ「それから…MAGIの内部に裏コードを書き込んで置いたわ。」

リツコ「裏コード?」

ナオコ「ま、使えればの話だし入力が大変だけど…アナタなら出来るわよね。」

マヤ「センパイっ!カッコイイです!」

ミサト「いつもこうならどんなに良いことか……」



ミサト「でも、どうするのよ」

リツコ「このウイルスが生物を模しているってことを逆手にとるのよ。」


697: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:22:46.05 ID:yJ2sI2AO
リツコ「ちょうどいい台本のネタにもなったわ。」

ミサト「…まだ台本、できあがってなかったの」

リツコ「てへっ☆」

ミサト「…ホントに破綻するわね、こりゃ。」

ミサト「しかし、どう言うことなのよ」

マヤ「進化の促進です。」

ミサト「??」

マヤ「進化の終着地点は自滅、死、そのものです。」

青葉「ならば、進化をこちらで促進させてやればいいわけか。」

リツコ「ま、ウイルスが死の効率的な回避を考えれば、MAGIとの共生を選択するかもしれないわね」


698: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:23:28.47 ID:yJ2sI2AO
日向「でも、どうやって?」

リツコ「目標がコンピューターそのものなら、カスパーをウイルスに直結、逆ハックを仕掛けて、自滅促進プログラムを送り込むことができるの。」

ミサト「じゃあ!」

リツコ「ただ…」

マヤ「同時に使徒に対しても防壁を開放することにもなります。」

ナオコ「そこをサブが援護するんだけど…なんせ台数が…」



キョウコ「聞かせてもらいましたわ~」




リツコ「惣流博士!」

ユイ「ふふふふ」

リツコ「碇副司令…」

ミサト「お二人とも、どうして…」


699: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:24:17.16 ID:yJ2sI2AO
キョウコ「何だかいてもたってもいられなくて~」

ユイ「PTA、ちょうど休憩時間なのよ。」

キョウコ「ノートPC持ってきて正解だったわ~」

リツコ「でも…」

ユイ「ふふっ。あの人のことなら任せて。予算を貰ってくるのも、司令の仕事なんだから。」

リツコ「………ありがとうございます」

ユイ「いいの。MAGIも立派なネルフの一員、なのよね…。」

リツコ「…行くわよ、マヤ。」

マヤ「はいっ。」




700: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:25:06.60 ID:yJ2sI2AO
―MAGI内部―

リツコ「あと30分…行けるかしらね」

マヤ「って、な、何ですか、これ。」

リツコ「開発者の悪戯書きだわ。」

ミサト「って言うか碇のバカヤローって、おばさん…」

リツコ「何だかんだで結局MAGIの破棄に納得行ってなかったんじゃないの」

マヤ「こっちの文字列は…」

マヤ「うわぁ!すごい、裏コードだ!MAGIの裏コードですよ、これ!」

ミサト「さながら、MAGIの裏技大特集、ってわけね。」

マヤ「わぁ~、こんなの見ちゃっていいのかしら…わぁ!びっくり!これなんて、intのCよぉ!」

ミサト「…さっぱりだわ」

マヤ「これなら、意外と早くプログラムできますね、センパイっ!」

リツコ「ありがとう、母さん…確実に間に合うわ。」


701: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:25:46.32 ID:yJ2sI2AO
一方第壱中学校

校長「…………でありまして」

カタカタカタカタカタカタカタカタ

ユイ「…………」カタカタカタカタ

キョウコ「…………」カタカタカタカタ

校長「あの…」

キョウコ「あ、お気遣いなく~」

ユイ「お話、続けてくださいな」

校長「はあ…しかし……」

ユイ「…………」カタカタカタカタ

キョウコ「……………」カタカタカタカタ


一同「……………」


702: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:29:28.23 ID:yJ2sI2AO
ミサト「しっかしMAGIが…こんなに人間らしかったなんてね」

マヤ「もしかしたら被害がMAGIとサブ一体ですんでるのは…彼女のお陰かもしれませんね」

青葉「司令の判断もナイスだったけど、エヴァにまで行かなかったってのはホントありがたいよ。」

リツコ「科学者の視点からするとコンピューターが意思を持つのはあまり好ましくないんだけど」

リツコ「…レンチ取って。」

ミサト「大学の頃を思い出すわね」

リツコ「…私は思い出したくないけど」

ミサト「あはは…」

リツコ「私が研究室に籠ってる間にアンタとリョウちゃんはデートとxxxx三昧だったものね。俗に言う、リア充?」

ミサト「そんな時期もあったわね」

リツコ「一方私はこの年まで彼氏もいない。もう魔法使いならぬ魔法少女よ。」

リツコ「………リア充共[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]」

マヤ「センパイ、怖いですよ…」カタカタカタカタ


703: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:30:22.17 ID:yJ2sI2AO
リツコ「25番のボード。」

ミサト「ねぇ、少しは教えてよ、MAGIのこと。」

リツコ「長い話よ。その割に面白くない話。あなたにとっては。」

ミサト「むっ。話しなさいよ」

リツコ「っていうか理解できるの?」

ミサト「…なめんじゃないわよ」

リツコ「さっきから良く出てくる…人格移植OSって知ってるわよね」

ミサト「あったりまえじゃない」

ミサト「第7世代の有機コンピュータに個人の人格を移植して思考させるシステム。エヴァの操縦にも使われている技術よね。」

リツコ「MAGIがその第1号らしいわ。母さんが開発した、技術なのよ。」

ミサト「つまりはお母さんの人格を移植したんでしょ?」

リツコ「そう。」

リツコ「言ってみれば、これは、母さんの脳味噌そのものなのよ。」

ミサト「へぇ~」

リツコ「のはずなんだけど…どうも母さんとも違って。」

ミサト「不思議なもんね…」

リツコ「だから私にとっては第2の母であり妹でもあるの。」


704: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:31:07.20 ID:yJ2sI2AO
リツコ「もしかしたら…MAGIが活動する事や人と触れ合う『経験』によって独自の思考パターンを手に入れたのかもね」

リツコ「そして、今回のウイルスとの接触で自律行動も可能にした…と。」

ミサト「非科学的じゃなかったの?」

リツコ「ま、ロマンがあってもいいでしょ」

ミサト「…でもやっぱり、お母さんの分身みたいなものでしょ」

リツコ「ま、ベースはそうね」

ミサト「やっぱり…だからMAGIを守りたいって思ったの?」

リツコ「えっ」

ミサト「あんた、MAGIが破棄されるって時から納得したふりしつつも焦ってたの、バレバレよ」

リツコ「…………」

ミサト「ホント、変わらないわね」


705: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:31:47.65 ID:yJ2sI2AO
リツコ「いいもん。ドラマじゃ死んでる母さんのこと、あんまり好きじゃないみたいなこと書いたし。」

リツコ「ちなみにむしろ女としては嫌いみたいなこと書いたし。」

リツコ「初代人格移植OSを失うのが嫌なだけだし。」

ミサト「…相変わらず意味不明な意地を張るのね」

ミサト「ていうか、死んでる設定にしてたの」

マヤ「そう言えばキョウコさんとかセンパイのお母さんのセリフ、ないですよね」

ミサト「そういやうちの父親も殺したわよね。」

リツコ「だって使い辛いんだもん」

ミサト「…人の父親を何だと思ってるのよ」

マヤ「ちなみに死因はなんですか?セカンドインパクト?」

リツコ「簡潔に言えばユイさんへの嫉妬が所以の自殺よ。」

マヤ「ってことは、センパイだけじゃなくお母さんまでもが碇司令と…ですか」

リツコ「あら。碇司令は『黙っていれば』結構いけると思うの。」

ミサト「黙ってれば黙っていたで逆に気味が悪いけどね…」

リツコ「そう言う昼メロ要素で主婦のハートをゲットよ」

ミサト「…親不孝もんね」


706: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:32:20.22 ID:yJ2sI2AO
リツコ「しかしぶっちゃければ今回のウイルス侵入はありがたいわ」

ミサト「なんで」

リツコ「人の心により近いOSが開発出来るかもしれない。」

リツコ「私としてはウイルスとの共生を希望したいわね。」

ミサト「ホント、都合がいいわね。」

リツコ「使徒と共存するMAGI!燃ゆるわ!」

マヤ「まさに経験は脚本の母…ですね。」

ミサト「これじゃドラマ撮ってるんだかドキュメンタリー撮ってるんだか」

日向「…きたっ!」

日向「バルタザールが乗っ取られました」


リツコ「…ついに来たか」

707: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:32:46.72 ID:yJ2sI2AO
アナウンス『人工知能により、オールクリアが決議されました。』

ミサト「始まったの!?」

アナウンス『オールクリアは、三者一致の後、2秒で行われます。』

青葉「バルタザール、さらにカスパーに侵入!」

青葉「なんて速度だ!」

ナオコ「大丈夫。まだ少し余裕はあるわ」カタカタカタカタ

ナオコ「ウォールを最大限まで厚く!他の設備の分も回していいわ!」

青葉「りょ、了解!」

キョウコ「…押されてますね~」カタカタカタカタ

ユイ「大丈夫よ。赤木博士なら。」カタカタカタカタ


アナウンス『システム作動まで、後、20秒。』

ナオコ「…限界か」

ナオコ「頼んだわよリッちゃん」


708: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:33:22.93 ID:yJ2sI2AO
ミサト「リツコ!」

リツコ「大丈夫よ」カタカタカタカタ

アナウンス『作動まで、後、15秒。』

ミサト「リツコ急いで!」


アナウンス『作動まで、10秒、』

キョウコ「………」カタカタカタカタ

ユイ「…………」カタカタカタカタ


キョウコ「あとはもうリツコちゃん次第ですね~」カタカタカタカタ

ユイ「ええ。」カタカタカタカタ

一同「……ゴクリ」


リツコ「大丈夫、一秒近く余裕があるわ。」

ミサト「一秒って…」

アナウンス『7秒、6秒、5秒』

リツコ「ゼロやマイナスじゃないのよ。」


709: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:34:14.07 ID:yJ2sI2AO
リツコ「マヤ!」

マヤ「行けます!」

ユイ「時間ね」

キョウコ「ええ」

リツコ「押して!」


マヤ・ナオコ・ユイ・キョウコ「………」カタッ



一同「ゴクッ」






ピピピピ……

ピピッ

710: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:34:42.58 ID:yJ2sI2AO
アナウンス『人工知能により解除されました』


一同「イヤッタァァァアアアア!」


校長「やりましたな!やりましたな!」

キョウコ「やりました~」

保護者「すごい!」

保護者「ワァァ!」



ミサト「リツコ…」

リツコ「間に合った…」へなへな

マヤ「センパイ…」

リツコ「ううっ…………」

ミサト「なに泣いてんのよ。らしくないわよ」


711: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:35:30.35 ID:yJ2sI2AO
リツコ「でもぉ…」

リツコ「…サツキぃ、カットしといてね!」

サツキ「了解です!」

ナオコ「リッちゃん!」

リツコ「かぁさぁぁぁん~!」

ナオコ「よくやったわ、リツコ」

リツコ「あたし、あたし、もっと早く意地張らないで助けてればって…」

リツコ「妹を妬んでた自分がいたのよ…」

ナオコ「子供ね。でも大丈夫よ。データも破損してないし。」

ナオコ「しかし、最後まで残ったのが女の部分なんてちょっと恥ずかしいわね」

マヤ「私はカスパーは女…というよりもなんだか『娘』としての存在を感じます…」

ナオコ「母親でも科学者でもない娘…か。」


ガガガガガガガガ…



ユイ・キョウコ・マヤ・リツコ青葉・日向「あれ、パソコンが…」





Thank-you

l love NERV





712: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:36:07.45 ID:yJ2sI2AO
冬月「と、言うわけか。なるほど。しかし都合が良すぎないかね。」

ヒデアキ「ですからそこはドラマなんですからオゾンでも問題は…」


ミサト「まだやってたんですか」

冬月「ああ。大事な議題だからな。」

ゲンドウ「というか…どうしたんだ、赤木…リツコくんの方は。」

リツコ「あ、ウイルス駆除、完了しました」

ゲンドウ「えっ」

リツコ「しかもMAGIはウイルスと接触したため第2世代人格移植としてバージョンアップしました。」

冬月「ど、どう言うことかね」

713: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:36:33.89 ID:yJ2sI2AO
リツコ「要はより人間の心に近くなったと…」

ヒデアキ「状況が何がなんだか…」

リツコ「とりあえず、研究対象としての価値は十分あるかと思われますが」

冬月「しかしだな」

ゲンドウ「上層には廃棄と…」


ユイ「それを撤回するのがアナタの役目じゃなくて?」

ゲンドウ「ゆ、ユイ!」

ユイ「今回、私も一枚噛んでるの」

冬月「そうだな。MAGIは研究対象に値するな。」

ミサト「変わり身、早っ」

ユイ「ねっ?あなた?」

ゲンドウ「…予算の確保も司令の責務、か。」




MAGI『Please!』




714: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:36:59.08 ID:yJ2sI2AO
冬月「これは本当に…」

ヒデアキ「すごいな」

ゲンドウ「………」

カタカタカタカタ


OK



MAGI『(^∀^)』



マヤ「顔文字…ですよね」

リツコ「最近の子供は発育がいいらしいから」

ミサト「…関係ないとおもうわよ」



715: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:37:31.69 ID:yJ2sI2AO
プルルルルルル


リツコ「はいもしもし」

加持「おお、解決したようだな。」

リツコ「お陰様で」

加持「それより…奴さんはどうする?」チラッ

マナ「…」ガクガクブルブル

マッキー「世にも恐ろしい拷問だったよ…」ガクガク

リツコ「じゃ、コッチに連れてきて。」

リツコ「多額の賠償金についてじっくり話し合いたいから」

アンノ「!?」


プープープー


717: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:37:52.69 ID:yJ2sI2AO
ミサト「……欲深いのね」

リツコ「シビアと言ってちょうだい」

マヤ「さて、プログラムも出来たことですしこれから使徒がハッキングしてくるシーンですけど…」

ミサト「せっかく落ち着いたってのに…」

サツキ「今日も定時上がりは無理かぁ…」

ユイ「……あらっ。そういえばシンジ達は?」


一同「アアアァァ!」



718: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:38:20.05 ID:yJ2sI2AO
シンジ「そ…そろそろ足が…痺れて…」

綾波「同じ姿勢だから仕方ないわ」

アスカ「ああ!漏れちゃう漏れちゃうぅぅ!」

綾波「トイレがないから仕方ないわ」

………カパッ


ミサト「ごっめん。忘れた~」

アスカ「バカ!バカ!バカ!バカミサトオオオォォオオ!!」
ミサト「なーんか今日はリツコとポジション、変わってるのよね…」



719: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:38:47.77 ID:yJ2sI2AO
ゲンドウ「ああ!可哀想に!可哀想にシンジ!」ギュッ

シンジ「恥ずかしいから止めてよ」

ゲンドウ「怒っているのか?気づかなかった父さんに怒っているのか?」

シンジ「別に怒ってないよ」

ゲンドウ「そうか。なら今日こそ父さんとご飯を食べに行こう。な?」

シンジ(面倒臭いなぁ…)

リツコ「あら、いけませんわ」

ゲンドウ「………何故だ。」

リツコ「まだ、『ノルマ』が終わっていませんから」

ゲンドウ「ふん。馬鹿らしい。そんなことをする暇など…」

リツコ「MAGI」

ゲンドウ「MAGIの子機で何を…」


720: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:39:25.91 ID:yJ2sI2AO
MAGI『了解』

青葉「日本語だぜ…」

日向「進化…早いなぁ」



ガガガガガガガガ



ゲンドウ「えっ」




ガシャン




シンジ「いきなりしゃ、シャッターが!?」



ドンドンドンドン




ゲンドウ「まて!開けろ!開けろ!」

リツコ「ノルマを達成すれば開きますから」

ゲンドウ「嫌だぞ!寂しいぞ!」

リツコ「MAGIが良い話相手になりますわ」

MAGI『よろしく(^∀^)ノ』

ゲンドウ「アア…ドウモ…」

リツコ「じゃあ。」

ゲンドウ「待て!待て!待てェェエエェェェ!」



721: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:40:26.21 ID:yJ2sI2AO
リツコ「さて、今日は気分がいいからお姉さんの奢りよ」

一同「わぁい」

ミサト「おばさんの間違いじゃなくって?」

リツコ「やかましいわ」

シンジ「ならハンバーグステーキがいいです。」

アスカ「こどもくさー」

シンジ「う、うるさいなぁ」

綾波「やきにく」

アスカ「…なんか、アンタらしいわね」

マヤ「アスカはー?」

アスカ「…ラーメン」

シンジ「またぁ?」

アスカ「またとはなによ!」

冬月「子供は元気で良いな」
ナオコ「ええ。それが一番ですわ。」
ユイ「ふふっ」
キョウコ「愉快ねぇ~」
ヒデアキ「ああ。愉快だ。」
加持「子供…か」
ヒデアキ「良い薬、紹介するぞ」
ミサト「ちょっとー!お父さん!」

一同「アハハハハハハハ」


ゲンドウ「………ぐっ」

MAGI『(´・ω・`)』
MAGI『あ、あの』

ゲンドウ「なんだ」

MAGI『最短レシピを教えるのでがんばって…下さい』

ゲンドウ「………すまない」

722: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:48:59.41 ID:yJ2sI2AO
アスカ「で、今日は一体何があったのよ」

アスカ「MAGIがいきなり元気になったり」

ミサト「ドラマの撮影してたら、ウイルスが侵入してね……」

かくかくしかじか

ミサト「まぁ、ドラマ本編にも使えるし、いいかなって」

ミサト「明日から追加シーン地獄なんだけどね」

アスカ「なるほどね。」

アスカ「でもそれって随分都合が良くない?」

シンジ「なんで。いい話じゃない。結局MAGIが助かったんだから…」

綾波「研究者のエゴイズム、ね。」

アスカ「そう。話を聞いてるとMAGIがマヤを助けたから、MAGIに新しい可能性が見えたから助けたに過ぎないように思えちゃうのよ。」

アスカ「ナオコさんは別としてね。」

ミサト「…そうかもね」

綾波「悪いことだとは思わないの」

アスカ「ただ。端からすると気持ち悪い。」

ミサト「……言い過ぎよ」

シンジ「もしかして放置されたからそんなこと…」

アスカ「ま、いいわ。追加シーンの撮影に私達参加しないし、明日は久々にゆっくり出来るし。」


723: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/28(水) 14:55:47.83 ID:yJ2sI2AO
  _
          __ノ⌒ヽ|  \ ⌒ヽ、 ,. ─r‐┐
         〈_」/ /  |        `丶、 \|─‐- 、
       </ / |   |    ト、    \ ヽ ノ、 ヽ ヽ
        /  | ∧   |    l > 、   l l l ヽ\〉
        |/|  /| へ、ト、_, イ__ ヽ、| l│  ',
        |ヽ/ |/ 芹'ト \|´斤'リ ヽ ∨ |   l
        | ∨八 「じl    「じ| / Vヽ |   l
        | │∨ // '     //// ∠ ノ |   |
        | | ト、         _  ,イ   l |   |
        | | │ > 、 ´ ̄  / |    | |   |
         ∨| | | / l>┬ ´  |>、_ l l   ハ
    __    | | l// |ノ|     /   , へ、  │l
    >│   ∨|/\  |、 __,/   /. : : . \ | l
     > 〉   八: : : .ヽ |  /   /. : : : : :/`ヽ|  l
      ̄    /  〉: : ,≧V≦、<.: : : : : :/    l   l
          ′ /: :〈〈//| |、〉〉. : : : : : :/ /     ヽ  l
        /   |: : | `//| | │: : : : : :/ /|      ヽ l
        〈   |: : | 〈丿Ll  | : : : : :/  /|   __ 〉ノ
        冫 -|\|       |/: : : l  / |_,イ   ∨
        /   |: : |      /: : : : :│〈   /    〉


次回予告

再び舞い降りたゼーレの面々。
飛び交うドイツ語
そしてまたもやリツコの無理な注文がネルフに降りかかる
果たして崩壊してゆく物語の行方は

さーてこの次も

見ないとサービスしないわよ

748: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:33:36.87 ID:6qPEo.AO
ドイツ・某所

(以下、日本語にてお楽しみ下さい)

ゼーレ03「この間の慰安旅行、楽しかったですな。」

キール「ああ。思い切ってジャパンに決めてよかったな。」

ゼーレ04「しかもまさかエヴァの撮影に出会すとは。」

ゼーレ03「お陰でまたキャメラに映れてしまいましたな!」

キール「ユイくんに貰ったゴーグル、持ち歩いて置いて正解だったな!」

ゼーレ02「あれがなれけば議長はただのお人好しですからな」


一同「HA!HA!HA!HA!」



749: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:35:12.91 ID:6qPEo.AO
ゼーレ04「それよりジャパンではエヴァのドラマが人気なのだろう?」

ゼーレ05「ああ。私達は悪役扱いですが。」

キール「それでも碇よりかはマシだろう」

一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」

ゼーレ02「しかし、ジャパンにいる孫には評判が良くて『おじいちゃん、カッコイイ』、ですぞ!」

一同「OH!」

ゼーレ05「ここは一発、我々メインの話を作らせるべきではないかね」

キール「そうだな。金を出してやってるんだからそれくらいは良いだろう。」

ゼーレ02「タイトルは『ゼーレ、魂の座』なんていかがですかな」

ゼーレ05「ハイカラですな!我々の株も急上昇ですぞ!」

一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!」



…………
……


日本・ネルフ本部

キール「と、言うわけだ」

冬月「……なるほど。」



750: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:36:48.31 ID:6qPEo.AO
ナオコ「しかし、スケジュールもきつきつですし…」

ユイ「いつも感謝はしているのですか、一応、こちらにも余裕がなくて…」

キール「そんな水くさいこと言わないでよユイちゃんー」

ユイ「そんなことを言われても議長、やはり事情が…」

キール「碇なら分かるだろう?」

ゲンドウ「大いにわかります。協力しましょう。」

冬月「い、碇!?」

ユイ「あなた……」



アスカ「あの人たちそんな理由で、ユーロから…またわざわざ日本に?」

ミサト「アスカ、聞こえるわよ」

アスカ「大丈夫よ。日本語なんだしぃ。」

ミサト「……議長は日本語も堪能なの、知らないのね」

アスカ「げっ」

752: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:37:41.54 ID:6qPEo.AO
リツコ「今回は調子に乗りすぎたシンジ君が愉快に使徒にやられちゃう話を撮る予定だったのにぃ…」

シンジ「…リツコさん、僕、何かしましたか?」

マヤ「でもまだ、相棒の撮影が開始したため第2東映も忙しくてレリエルが出来上がってませんよ。」

リツコ「それならそれでミサトとリョウちゃんの馴れ初めでも…」

加持「は、恥ずかしいから止めてくれよー!」

ミサト「そうよ!誰も興味なんか…」

アスカ「あ、でもちょっとキョーミあるかも!」

綾波「碇くんは興味あるの?」

シンジ「なくはないけど…」

綾波「じゃあ私もある」

リツコ「ほーら。」

ミサト「…ホントにアンタ、この間の件が嘘のようだわね。」



753: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:39:08.04 ID:6qPEo.AO
アスカ「しかし、自分達の話を作れなんて無茶言うわよね。」

シンジ「綾波のお父さんの時はJAが居たからなんとかなったけど…」

リツコ「ようやく視聴率が二桁行ったのよ」

マヤ「借金も3/4が返済完了しました」

ミサト「あら、いつの間に。」

マヤ「現在実施中のローンソキャンペーンが好評でここ3日の内にウエハースやおまけのクリアファイル、パンなどの消失が相次ぎ」

マヤ「パンの増産が早くも決定しました」

アスカ「…また練るの?」

リツコ「もちろん」

綾波「コネコネ…」ふらっ

シンジ「あ、綾波!?」


754: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:40:02.54 ID:6qPEo.AO
リツコ「もはやエヴァは人気作品よ。私達はもちろんネルフ職員は街を歩くのにも一苦労なの。」

リツコ「だれも興味もないジジイの話で30分も稼ぐわけにはいかないでしょうに…」

ミサト「……アンタ、言葉遣いってのを知ってるのかしら」

リツコ「もうこうなったら仕方ないわね。」

アスカ「…どうするつもりなのよ」

リツコ「とりあえずの精神描写とエヴァの実験シーン!またこれで誤魔化すしかないわね。」キリッ

ミサト「…ごまかし切れてないわよ。」

リツコ「じゃあどうしろってのよ。まさかジジイどもをエヴァに乗せろとでも?」

アスカ「んで、いつの間にか主人公が変わってたりね」

シンジ「えっ!」

綾波「老人が主人公のアニメなんてなかなかないわよ。碇くん。」

シンジ「あ…綾波までぇっ!」


755: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:40:34.04 ID:6qPEo.AO
◇<ラーッ

ペンペン「クェッ!(よっ!)」

MAGI『こんにちは~(^∪^)』

ペンペン「クェッ!クックックェッ!?(えっ!何、いきなりどうなってるの!?)」

☆<キシャー!

MAGI『ハッキングを受けた事が原因でこうなっちゃいました。』

ペンペン「クェッ!クックックッ(良くわかんないけど凄いな)」

MAGI『ありがとう。』

◇<ラーッ

MAGI『可愛さならラミエルさんが断然上です!』

◇<ラァ…////

ペンペン「クェッ…(こいつの言葉もわかるのかよ…)」



756: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:41:58.57 ID:6qPEo.AO
加持「それより例の条例はどうなったんだい?」

リツコ「さぁ。」

アスカ「…例の条例?」

ミサト「何だかね、第2東京の議会が、アニメや特撮や漫画のサービスシーンに規制を掛けようとしてるのよ」

ゲンドウ「青少年育成の名目でな。もちろんエヴァも目をつけられているよ。」

シンジ「父さん!」

ゲンドウ「この特撮の設定やレイがなんだ…上半身を晒したことがマズイらしい。」

アスカ「ええ!?設定自体も?言論弾圧じゃん!」

ユイ「劇中で嫌がるシンジをエヴァに乗せたりする描写が、児童虐待を誘発させる恐れがある…らしいわ」

アスカ「そんなメチャメチャな…言いがかりじゃないの」

加持「レイのヌードの件も一応本放送では加工してあるし、色々問題にならないように手を回したんだが…」

ミサト「…リツコの思いつき一つに振り回されてたのね」

リツコ「…………」


757: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:42:35.49 ID:6qPEo.AO
ゲンドウ「児童虐待だの青少年に悪影響だの児童ポルノだのは表向きの理由だろう。単に我々ネルフの衰退を石川は望んでいるだけだ。」

シンジ「で、父さんそれはどうなるの?」

ゲンドウ「色々手を回したが、可決するようだ。まぁ、そうなれば…」

綾波「…放送中止。並びに責任者の逮捕もあり得るわね」

リツコ「えっ」

ユイ「とにかく、何とかするから、みんなは心配しないように。」

アスカ「何とかって…」

ゲンドウ「それから、ゼーレの面々には間違ってもこの話はするな」

綾波「どうしてですか。」

アスカ「ユイママのお父さんの知り合いでしょ?」

ユイ「ただでさえネルフにたくさんお金を出して貰ってるの。」

ユイ「それに、もう皆さんおじいちゃんでしょ?余計な気を回させたくないの。」

ユイ「私達を信用して?」

アスカ「…そう言うことなら」

シンジ「わかりました。」



758: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:43:29.99 ID:6qPEo.AO
リツコ「それより今回の話、どうするかしらねぇ…」

マヤ「いかに尺を稼ぐか…ってことになりそうですね」

委員長・トウジ「こんにちはー」

ケンスケ「ちぃーっす」

リツコ「あら、あなた達…」

シンジ「ひさしぶり!」

トウジ「やあ。元気にしていたかい?」

シンジ「うん。でもびっくりしたよ。まさかわざわざネルフに来てくれるなんて…」

トウジ「いやいや。何日もシンジ君が学校に来ないから心配していたんだ。」

トウジ「元気な顔が見れて安心したよ。」

ケンスケ「うっす。師匠。」

綾波「………あなた誰」

ケンスケ「アイダでぇ~す」

綾波「知ってるわ」

ケンスケ「知ってるんじゃないんすかwwwwwwwwwwww」

綾波「…いやみが通じないのね」

ケンスケ「いやみとかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwガンギレっすかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



759: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:44:10.08 ID:6qPEo.AO
委員長「アスカさん久しぶり」

アスカ「…久しぶり」

委員長「相変わらず碇くんとは進展なしなのね(笑)」

アスカ「…それがなにか」

委員長「別に」

アスカ「そっちこそ鈴原とお変わりないようで」

委員長「ふふっ♪ラブラブだもんねー☆」

トウジ「ねー☆」

アスカ・リツコ(死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね)


760: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:45:43.18 ID:6qPEo.AO
リツコ「そうだ。丁度よかったわ。せっかく来たんだからアナタ達に手伝って貰いましょうか」

委員長「えぇ…。やだぁ…」

トウジ「これから僕らデートなんでぇ…」

リツコ「MAGI」

MAGI『は、はいっ!』

ガシャーン!

トウジ・委員長「!?」

ケンスケ「スゲー!いきなりシャッター降りてきたスゲー!」
委員長「ヤダアアァァァ!ヤダヤダ!」

トウジ「あ、開けてくださいよ!」

リツコ「とりあえずこっちの言うこと聞いてくれれば開くから」

リツコ「たった3、4時間よ。頑張ればの話だけども」

委員長「ヤダヤダ!コレ(ケンスケ)がいちゃ、チューも出来ないじゃない!」

トウジ「一時間おきにしなきゃ僕ら死んじゃうんです!」

MAGI『し、死んじゃうんですか!?』

リツコ「大丈夫よ。死にゃーしないから」

MAGI『そうなんですか…(´・ω・`)』


761: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:46:55.59 ID:6qPEo.AO
リツコ「とりあえず劇中の自分になりきって最初の出撃とヤシマ作戦の感想でも書いて頂戴。ドラマで使うから。」

委員長・トウジ「ええ!?」

リツコ「なるべく長めによろしく。内容がそぐわなければ容赦なく没にするから。」

ミサト「…大人げないわよリツコ」

(以下、ドイツ語で会話が行われていますが便宜上日本語でお楽しみ下さい)

キール「あれは何なんだ。碇よ。」

ゲンドウ「何がですか」

ゼーレ02「MAGIだ。この間使徒が侵入したとこちらに報告があったが何があった。」

ゲンドウ「何も。と言うより人以外の使徒などもう存在しないでしょうに。」

ゼーレ05「それはそうだがMAGIに何かあったのは明白だ。」

ゼーレ04「我々への偽証は死に値するぞ」

ゲンドウ「いや、何も…」

MAGI『何もありませんでした。』


ゼーレ一同「……………」



762: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:47:37.98 ID:6qPEo.AO
キール「いや、あったよなぁ?碇?」

ゲンドウ「……ありません。」

MAGI『そうです。ありません。』

ゼーレ04「死に値するぞーとか言っちゃったから引き返せないのか?」

ゼーレ03「訂正するから。死に値しないから。碇、正直に…」

MAGI『碇司令は嘘なんかついてません!私は何も、何も、変わってません!』

ゲンドウ「…………」

キール「そうだな。何もなかったんだな。」

キール「不問と言うことでいいな。」

ゼーレ一同「………Ja.(もちろん)」



763: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:48:34.27 ID:6qPEo.AO
キール「しかし可愛らしいなぁ。孫に会いたくなってきたよ。」

ゼーレ02「議長も丸くなられましたな」

ゼーレ05「セカンドインパクト時はブイブイ言わせてらっしゃったのに、変わるもんですなぁ」

キール「人は常に変わるものだよ」

ゲンドウ「いや、そんなレベルじゃありませんよ」

冬月「闇医者をやっていた私の元にマシンガンを抱えてやって来ましたからね」

キール「いや、あの時は日本も物騒だったし…」

冬月「いや、あなたの方が余計に物騒でしたよ」



765: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:50:01.54 ID:6qPEo.AO
キール「しかしユイくんと碇が結婚するなど夢にも思わなかった。」

ゼーレ05「わざわざ京都にいる碇さんの目を欺くために東京にまで行ってデートをしていたくらいですからな」

ゼーレ04「余計分かりませんよ!」

ゼーレ「HA!HA!HA!HA!」

ユイ「止めてくださいな。恥ずかしいですわ…」

ゲンドウ「…………///」

冬月(碇よ、死ね。)



766: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:50:59.54 ID:6qPEo.AO
マヤ「それじゃあ皆さん。衣装に着替えて下さーい♪」

ゼーレ一同「はーい」

マヤ「えっと、化粧もしますので…」

マヤ「って議長さん以外日本語通じないのよね…」

MAGI『大丈夫ですよ。私が翻訳しますから(^-^)』

マヤ「本当にMAGIはお利口さんね」

綾波「お利口さんだし可愛い……」ナデナデ

MAGI『(*´∀`*)』


◇<ラァァァ…

☆<キシャー


(ラミエルは嫉妬をしているようです)

767: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:52:11.23 ID:6qPEo.AO
マヤ「はーい、それじゃあスタートです」

キール「シナリオから少しはなれた事件だな。」

ゲンドウ「しかし、結果は予測範囲内です。修正は利きます。」

ゼーレ「この遭遇戦で、国連海軍は全艦艇の1/3を失ったな。」

ゼーレ「失ったのは、君の国の艦だろう。本来は取るに足らん出来事だ。」

ゼーレ「左様。この程度ですんだのは、またしても幸運だよ。」

マヤ「はいカット!」

マヤ「お疲れさまでーす」

ゼーレ04「彼女は何て言ってるんだい」

MAGI『お疲れさま、だそうですよ』

ゼーレ02「お利口さんだねぇ」

MAGI『私と言うより私をつくってくれた母さんがお利口さんなんです』

キール「ふふっ。ゼーレにもMAGIを一機、欲しいもんだなぁ。」

アスカ「凄いじゃない。ドイツ語の翻訳どころかあんなおどろおどろしい老人と会話までしてるわよ。」

シンジ「あれは特殊メイクだと思うよ」


768: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:52:39.90 ID:6qPEo.AO
ゼーレ04「しかし今回は久しぶりに顔出しですな」

ゼーレ02「私なんて真緑に顔を塗られてますが」

ゼーレ03「紫よりは良いぞー」

ゼーレ05「私なんて鼻がTENGUですぞ!」

ゼーレ「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」


シンジ「………なんであの人たちあんなに笑ってるの?」

アスカ「ただのジジイのつまらない集会に過ぎないわよ」


769: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:54:04.69 ID:6qPEo.AO
マヤ「じゃあ皆さん次のシーン行きますよ」

ゲンドウ「MAGIのレコーダーを調べてくださっても結構です。その事実は記録されておりません。」

ゼーレ「笑わせるな。事実の隠蔽は、君の十八番ではないか!」

ゲンドウ「タイムスケジュールは、死海文書の記述通りに進んでおります。」

キール「まあいい。今回の君の罪と責任は言及しない。だが、君が新たなシナリオを作る必要はない。」

ゲンドウ「分かっております。すべてはゼーレのシナリオ通りに。」

ゼーレ05「……ふふふっ」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」
マヤ「は、はいカットー」

ゲンドウ「……この間も笑ってらっしゃいましたよね」

キール「お前がそんな真剣な顔をしているからだよ」

ゼーレ05「役柄とは言え…やはり…いや、役柄だから余計に…ぶふっ」

ゼーレ02「こんなストイックな会議、したことなかっただろう」

キール「いつもお前の息子自慢から始まり息子自慢で終わる」

ゼーレ05「終いには息子のお迎えの時間だから帰ります…だとか…ふふっ」

ゼーレ02「そんなお前が『ゼーレのシナリオ通りに』…なんぞ臭いセリフを…むふっ」

ユイ「…………///」


シンジ「ねぇ、今度は何を話してるの?」

アスカ「あんたは知らない方がいいわ。」


770: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:55:26.60 ID:6qPEo.AO
キール「…しかし、なんだかここまで悪役らしいと清々しさすら覚えるな」

ゼーレ04「赤木博士(リツコ)によれば、本気で人類の浄化を考えている非道の極みらしいですぞ」

キール「人類の浄化(笑)そんなことを主張していた時期があったな」

ゼーレ05「もう孫さえいれば浄化などどうでもいい。」

キール「本当にそうだ。そのようなことをせずとも、もう可愛いくて眺めているだけで浄化される。」

ゼーレ03「この間本気で孫を右目に入れようとしましたが、てんでダメでした。」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!」

ゼーレ02「いや、右目どころか補完計画でむしろ孫と一体化して…」

ゼーレ03「冬月や碇とも一体化することになるが良いのかね」

キール「だから人類補完計画を止めたのだったか」

ゼーレ04「しかし、碇とユイくん…本気で納得が行かない」

ゼーレ02「一番納得が行かないのは碇君だろう。」

キール「手塩にかけて育てた娘が得体の知れない男に奪われるのだろう」

ゼーレ03「我々も十分得体の知れない存在ですが」

キール「そうだったな。」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」



771: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:55:57.11 ID:6qPEo.AO
綾波「まだ…出番ないんですか」

リツコ「まだね。時間が掛かるわよ」

綾波「そうですか……」

リツコ「そうだMAGI」

MAGI『はい』

リツコ「レイの話相手、してやって。」

MAGI『はい♪』

Σ◇<!?



772: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:56:24.52 ID:6qPEo.AO
綾波「こんにちは」

MAGI『こんにちは♪』

綾波「あなた、言葉がわかるのね」

MAGI『はい。まぁこうしてコミュニケーションをとれるようになったのは最近ですが』

MAGI『皆さんの会話や存在はずっと認識していましたよ(´∀`)』

綾波「そうなの…」

アスカ「あ、何やってんのよレイ」

綾波「お喋りしてるの」

アスカ「お喋りって言うか、相手はハンディMAGIに文字を表示してるんだから…」

MAGI『アスカさん。お話できて嬉しいです!』

アスカ「!」


773: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:57:15.95 ID:6qPEo.AO
アスカ「ちょ、ちょっと!凄いじゃない。文字の表示が一瞬で…」

MAGI『ええ。赤木博士…リツコお姉さんにスムーズに会話が出来るように改良してもらったんです。』

アスカ「へぇー。」

アスカ「なんか可愛いし、コミュニケーション取れるし」

アスカ「アンタ、ラミエルなんかより凄いじゃない。」


◇<…………

         ((((◇




774: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:57:51.28 ID:6qPEo.AO
MAGI『いえ。ラミエルさんはラミエルさんの良さが…』

綾波「あらっ」

アスカ「どうしたの?」

綾波「ストラップの先のラミエルさんが…」









アスカ「あれっ…いない?」

綾波「そんな………」

アスカ「アンタがどっかに落として来たんじゃないの?」

綾波「さっきまでいたの」

アスカ「…………」

綾波「私が構ってあげなかったから…」

綾波「ラミエルさん…ラミエルさんを探さなきゃ」

リツコ「アスカ、レイ。撮影よ!」

綾波「でも…」

リツコ「撮影よ。」

綾波「…………」

775: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:58:18.13 ID:6qPEo.AO
リツコ「それじゃあ、エヴァに乗って貰うから」

シンジ「いや、それはいいんですが…」

ミサト「なんでシンジくんが零号機に、レイが初号機に乗らなきゃいけないのよ。」

リツコ「ワンパターンじゃつまんないかなって」

ミサト「………変な所に気を回すわね」

ミサト「起動するの?」

リツコ「大丈夫よ。親戚同士なんだし。」

ミサト「関係あるの?」

リツコ「さぁ」

ミサト「……さぁ、って」


777: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/01(土) 00:59:57.11 ID:6qPEo.AO
マヤ「パイロット搭乗終了しました。」

ミサト「一応起動するのね」

キョウコ「パーソナルパターンが酷似してますから~」

ミサト「い、いたんですか」

キョウコ「ええ~ずっと~」

リツコ「それじゃあはじめて!」

ミサト「…………」





綾波「山、先がとがっているもの。ラミエルさん。」

綾波「空、青い空。青いもの。ラミエルさん。」

綾波「太陽。一つしかないもの。ラミエルさん。」

綾波「水。気持ちのいいこと。ラミエルさん。」

綾波「ラミエルさん。人が作り出したもの。」

綾波「ラミエルさん。とにかくラミエルさん。」

綾波「ラミエルさんラミエルさんラミエルさんラミエルさんラミエルさんラミエルさんラミエルさん」


ブーブーブーブー!




マヤ「レ、レイの思考ノイズが大変なことに!」



MAGI『レイさん………』



853: ◆RAAAaaAAAU 2010/05/09(日) 20:15:02.92 ID:3CqccAAO
皆さんお久しぶりですこんばんは。
それでは投下します。

カエデ「弐号機のデータバンク、終了」

アオイ「ハーモニクス、すべて正常値。」

青葉「パイロット、異常無し。」

アスカ「あったりまえでしょ…」

サツキ「はいカット~」

サツキ「アスカ、お疲れさまー」

アスカ「どうも。疲れるほどの撮影じゃなかったけどね。」

サツキ「最近出番が少なくてごめんね。」

アスカ「別に気にしてないわよ。あったらあったでリツコに振り回されるし…。」

サツキ「後半にはアスカの出番が増えるって赤木博士が。」

アスカ「…とりあえず今から覚悟しとくわ。」


854: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:15:57.31 ID:3CqccAAO
アスカ「それよりレイは?」

サツキ「ちょっと撮影が長引いてるみたい。」

アスカ「ふぅん…」

(以下、日本語で(ry)

ゼーレ05「弐号機はやはりフォルムの面では最高だ。」

ゼーレ04「ポルシェ、フェラーリなんかの高級車を思い浮かべさせますな。」

アスカ「弐号機はフォルムだけじゃありませんよ」

ゼーレ一同「……!」

アスカ「えっ…何ですか?」


855: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:16:28.52 ID:3CqccAAO
キール「おい、君たち!この娘ドイツ語が話せるぞ!」

ゼーレ02「そりゃあそうですよ。惣流・アスカ・ラングレー…米国国籍のドイツ出身ですから」

ゼーレ05「それより驚きなのは…」

ゼーレ一同「魅惑の赤い娘が私達に話しかけてくれたぞ!」

アスカ「えっ…私は弐号機についての…」

キール「いや、いや、それでも良いのだよ。」

ゼーレ02「若い娘は総じて臭い汚い気持ち悪いと私達を除けるからな…」

ゼーレ05「話しかけても答えてくれることすら滅多にない」

アスカ「そ…それは残念なことで…」


856: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:17:47.98 ID:3CqccAAO
ゼーレ04「我々も昔はモテたんだ。」

キール「堀が深い典型的なユーロ顔だったからな。女の子が何もせずとも寄ってきた。」

ゼーレ03「しかしそれも長くは続かない。下がやってくる。」

キール「その果てがこの姿だ。醜いものだよ。」

ゼーレ02「半分特殊メイクのせいでもありますがね」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!」

アスカ「………」

ゼーレ05「だからこそ君が話しかけてくれるのは嬉しいし、楽しい。」

ゼーレ04「君にはそんな自覚もなく、些細なことであろうともね。」


857: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:18:23.85 ID:3CqccAAO
アスカ「あの…ひとつ聞いてもいいですか」

キール「なにかねお嬢さん」

アスカ「自分よりも優れた人間が出てきたとき…」

アスカ「自分の好きな人間がその優秀な人間に奪われそうになったとき…」

アスカ「皆さんはどう思われますか」

ゼーレ02「そうだな。まぁ、嫉妬はするだろう。」

アスカ「嫉妬………」


もわんもわん




☆<キシャー!



もわんもわん




アスカ(あれは…嫉妬してたんだ…)

アスカ(私は私が一番だと思っていたし、思ってる。)

アスカ(だから私は今まで嫉妬なんて…)


859: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:21:55.28 ID:3CqccAAO
キール「まぁ、その上、その人間と比べられでもすれば逃げ出したくもなるな。」

アスカ「………」

ゼーレ05「まあ、だとしてもだ。人は往々にして成長するものだ。」

ゼーレ04「相手を認め、自分も認める。何も心配することはない。」

キール「そうやって我々も大人になってきた。」

アスカ「そう…なんですか」

アスカ「……」

アスカ(あれ、でもラミエルは人間じゃないわよね)


860: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:23:49.90 ID:3CqccAAO
キール「しかし、若者に教えを乞われるなぞ初めてだぞ。」

ゼーレ05「議長も成長されたのではありませんかな。」

キール「成長だなんて、やめてくれ」

ゼーレ04「ま、碇相手には良く説教をしたものですが」

キール「あいつは若者ではなく単なる青二才だろう」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」

サツキ「アスカ~、休憩終わりよ!」

アスカ「はぁい!」

アスカ「あ、ありがとうございました。」

キール「何々。礼には及ばんよ。」

ゼーレ05「長老の風格を醸し出していますな」

ゼーレ04「『あーるぴーじー』に出てきそうだな」

ゼーレ03「この年でゲームとはお若いですな」

キール「おいおい。ゴーグルをつけたこの風貌では長老どころか魔王だぞ。」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!」

アスカ「…相談相手、間違えちゃったかしら……」



861: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:24:41.84 ID:3CqccAAO
マヤ「レイの精神グラフ、安定して来ましたね」

ミサト「一時はどうなることかと思ったけど。ちゃんと接続出来んのね。」

リツコ「ちゃんとカメラ、回してる?」

加持「ああ。もちろんだよ。」

リツコ「どう、レイ?初号機は?」

綾波「…碇君の匂いがする。」

リツコ「シンジ君の匂い…司令はともかくも、とくに体臭はないんだけどねぇ…」

ミサト「そういうことじゃないと思うわよ」


863: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:25:12.87 ID:3CqccAAO
リツコ「シンクロ率は、ほぼ零号機のときと変わらないわね。」

マヤ「パーソナルパターンも酷似してますからね。零号機と初号機。」

リツコ「だからこそ、シンクロ可能なのよ。」

リツコ「それじゃあレイ、あがっていいわよ」

マヤ「もう彼女、いませんよ」

リツコ「ええっ」

ミサト「何を急いでるのかしら」

リツコ「困ったわ…まだ撮影が残ってるのに…」

タッタッタッ

綾波「ラミエルさん…」




865: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:26:11.87 ID:3CqccAAO
マヤ「ともかく、問題なく動いて良かったですね」


リツコ「ま、数年前にアメリカで行われた相互互換実験が成功したからこそダミープラグは作られてるんだけど」

ミサト「でもさっきは初号機だったから良かったけど次はプロトタイプの零号機よ。」

ミサト「大丈夫なの?」

リツコ「ふふっ」

ミサト「……不安だわ」


866: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:28:26.18 ID:3CqccAAO
マヤ「でもこれでドラマでダミープラグ作成の伏線を張れるんじゃないですか?」

リツコ「ダミープラグを搭載した初号機が大暴れ!」

リツコ「果たしてネルフは、シンジは!みたいな話が作れるわね」

ミサト「ダミープラグ…この間温泉の時に応用したシステムよね。アメリカで有名な奴って…」

マヤ「米国や欧州ではパイロットの枯渇問題が深刻化してますからね。」

リツコ「何故かパイロットが豊富な日本には関係のない話だけども。」

ミサト「ふぅ~ん。でも実際、ちゃんと使えばパイロットを傷付けなくて済む人道的な手段じゃないの」

ユイ「まぁ、補助的な役割でなら、うちのエヴァにも搭載させてるんだけどね…」

ヒデアキ「それがそうでもないんだよ。」

キョウコ「南極で何年か前、全面ダミープラグを搭載しての実験が行われたんだけどね~」

ナオコ「それは酷いものだったわ。まるで制御が出来ないのよ。」

キョウコ「限度っていうのを知らないのよ~」

ユイ「まるで怒ったゲンドウさんや冬月先生みたいよね」

冬月・ゲンドウ「………」



868: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:32:01.00 ID:3CqccAAO
リツコ「それよりなーんかつまんないわね。盛り上がりに欠けるわ。」

ミサト「そろそろエヴァさえ出しときゃいいって考えはよしたらどうよ」

ミサト「視聴者もテストの光景、いい加減見飽きたんじゃないの。」

リツコ「しかたないじゃない。今回は完全に尺稼ぎなんだし。」

リツコ「一発なんか起きればいいんだけど」

ミサト「ちょっと何物騒なこと言ってるのよ!」

ミサト「エヴァに何かあったらまたアンタ、借金地獄よ!」

リツコ「冗談よぉ~(棒読み)」

ミサト「アンタの場合、冗談が冗談に聞こえないのよ。」


869: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:33:27.30 ID:3CqccAAO
マヤ「零号機の書き換え終了しました。」

リツコ「それじゃあ撮影始めるわよ」スパー

加持「リッちゃん…ネルフは禁煙だぞ。」

リツコ「シンジくん、準備出来た?」

シンジ「は…はい」

日向「被験者に若干の緊張はみられますが神経パターンに問題なし。」

リツコ「初めての零号機…ほかのエヴァですもの。無理ないわよ。」

ミサト「……違う理由だと思うわよ」


870: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:36:06.24 ID:3CqccAAO
マヤ「因みにセンパイ。初めてだとか言ってますけど…」

マヤ「私がここに入りたてのころにも初号機と零号機の相互互換実験、やってましたよ」

リツコ「あら、そうだったっけ」

ミサト「…こっちまで不安になってきたわよ」

リツコ「あーあーあー余計な茶々入れないでよ。あーあ、これでセリフ部分は取り直しだわ」

ミサト「…もしかしてここでの会話をまるまる使う気だったの?そんなの無理に決まってんじゃないのよ。」

リツコ「あら、OAを見てなくて?度々あってよ」

ミサト「さ、最近忙しいのよ…」

マヤ「『静止した闇の中で』で加持さんと葛城さんがエレベーターで閉じ込められた時の防犯カメラの映像、ほぼ丸々使われてましたよ」

青葉「あとアスカと葛城さんがお風呂に入ってる映像とか」

ミサト「ほ、本気で盗撮映像を全国に流したっての!?」

リツコ「私達は女優よ。24時間演技のことを…」

ミサト「要はアンタがシナリオを書くのが面倒なだけでしょうが」


871: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:38:27.15 ID:3CqccAAO
加持「…それよりリッちゃん、後ろにいる方々は?」


ズラッ

ゲンドウ「…………」

諜報部員「………………」


日向(サングラスのおっさんがここまで並ぶともう、なんていうか壮観だな…)

リツコ「ああ、『碇シンジを守り隊』だそうよ。」

リツコ「シンジ君を零号機に乗せるための条件。」

リツコ「やりにくいったらありゃしないわ」

マヤ「圧力をかけに来てるんですかね」

ミサト「いや、完全にリツコを殺しにかかってるわよ」

リツコ「まーいいわ。とりあえずさっさと撮っちゃいましょ」
マヤ「エントリー、スタートしました。」

オペレータ「LCL電化。」

リツコ「どう、シンジ君。零号機のエントリープラグは?」

シンジ「………なんだか、変な気分です。」

マヤ「違和感があるのかしら?」

ゲンドウ「大丈夫か?大丈夫なのかシンジ?」

ミサト「具合が悪くなったら言うのよ。直ぐに止めさせるから!」

シンジ「いえ、ただ」

ミサト「ただ?」

シンジ「あ、綾波の匂いがします…」

リツコ「レイの匂いってなんか臭そうよね」

マヤ「ああ、なんか焼肉の匂いみたいな」

日向「ニンニクの匂いとかもしそうですよね」

ミサト「…散々な言われようね」

872: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:39:05.93 ID:3CqccAAO
一方ネルフ内・廊下

綾波「ラミエルさん…」タッタッタッ


ゴツンッ



綾波「…………」

アスカ「いったぁぁぁぁい!!」

綾波「…アスカ?」

アスカ「れ、レイ!アンタ、まだ撮影中だったんじゃないの!?」

綾波「…まだ開きがあるから」

アスカ「そ、そうなの。」

綾波「アスカこそなんでここに?」

綾波「まだ碇くんを煽るシーンが残ってるんじゃないの?」

アスカ「きゅ、休憩よ。LCLのニオイでちょっと気持ち悪くなって。別撮りにしてもらったの。」

綾波「………そう」


873: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:40:36.40 ID:3CqccAAO
アスカ「な、なによその目は…」

綾波「アスカ、優しいから」

アスカ「……また嫌味かしら」

綾波「今度はそのままの意味よ」

綾波「ラミエルさん、探してくれてるんでしょ?」

アスカ「べ…べつにアンタの為じゃないんだから」

綾波「今のがいわゆるツンデレのデレなのね」

アスカ「……やめんか」


アスカ「ホントにアンタが可哀想だから探してる訳じゃないのよ」

綾波「そう」

アスカ「自分の為よ。自分の為。」

アスカ「ほら…そろそろ時間でしょ。探しといてやるからさっさと戻りなさいよ」

綾波「…………」

綾波「やっぱり優しいのね」



874: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:41:32.64 ID:3CqccAAO
オペレータ「主電源、接続完了。」

オペレータ「各拘束具、問題なし。」

リツコ「了解。では、相互間テスト、セカンドステージへ移行。」

ゲンドウ「………」ジーッ

ミサト「…………」ジーッ

リツコ(「やるな」とでも言いたげな…ものすごい圧ね)

リツコ(この感じ…堪らないわ)ブルッ

綾波「……お待たせしました」

ミサト「あら、レイ。どこいってたの?」

綾波「…………」



リツコ(………役者は揃ったわね)

リツコ(暴走する零号機を眺めるレイ。)

リツコ(良い画だわ良い画だわ良い画だわ)


875: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:42:13.33 ID:3CqccAAO
マヤ「ハーモニクス、すべて正常位置。」

リツコ「………いい数値だわ。」

リツコ「これであの計画…遂行出来るわね」ボソッ

マヤ「まさか…センパイ」

リツコ「そのまさか、よ」

マヤ「……この間のエマージェンシーモードのリニューアル型、使うつもりですか?」

マヤ「私はあまり…」


876: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:43:16.05 ID:3CqccAAO
マヤ「私はあまり…」

リツコ「感心しないのは分かるわ。」

リツコ「しかし必要なのよ。私達が生きていくためにはね。」

マヤ「先輩を尊敬してますし、自分の仕事はします。でも、納得はできません。」

リツコ「潔癖症はね、辛いわよ。人の間で生きていくのが。汚れた、と感じたとき分かるわ。それが。」

マヤ「…………」

MAGI『…汚れ過ぎです』


877: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:43:48.64 ID:3CqccAAO
リツコ「大丈夫よ。そのための改良ですもの。」

リツコ「前回とは違って、上手く暴れてくれるわ。」

マヤ「だけどセンパイが…」



ゲンドウ「…………」ジーッ

諜報部員「……………」ジーッ


リツコ「構わないわ。これも仕事だと思ってやりなさい。」

マヤ「でも…」

リツコ「やりなさい!」

マヤ「……………」

マヤ「はい………」


ポチッ

MAGI『あわわわわわわ…』


MAGI(ど、どうしよう…エヴァのシステムに関しては私の管轄外だし…)


878: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:44:36.23 ID:3CqccAAO
シンジ「!?」


うふふふふふふふふふふふ…


シンジ「…何だこれ、頭に入ってくる…直接…何か…」



ラミエルサン…ラミエルサン…
ラミエルサン…ラミエルサン…
ラミエルサン…ラミエルサン…


シンジ「綾波?綾波レイ?」




ラミエルサン…ドコ?
ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?ドコ?





シンジ「綾波レイ…だよな、この感じ…綾波…違うのか…?」


ミサト「どうしたの!?」

マヤ「…パイロットの神経パルスに異常発生。」

日向「…精神汚染が始まっています!」


879: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:45:49.99 ID:3CqccAAO
リツコ「まさか!このプラグ深度ではありえないわ!(棒読み)」

日向「プラグではありません、エヴァからの侵蝕です!」

マヤ「零号機、制御不能!」

零号機「ウオオォオォォォオォォォオオオオオ!!!!!!!!!!!」

リツコ「リョウちゃん、ちゃんと撮ってる?」

ミサト「アンタ、こんな時にまで何言ってんのよ!」

リツコ(もう十分良い画は撮れたし…いい頃合いね)

リツコ「全回路遮断、電源カット!」

マヤ「エヴァ、予備電源に切り替わりました。」

アオイ「依然稼働中。」

ミサト「シンジ君は?」

マコト「回路断線、モニターできません!」

マヤ「だめです、オートエジェクション、作動しません!」



リツコ「……えっ…えっ?」


880: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:47:05.06 ID:3CqccAAO
ナオコ「大変だわ!」

ユイ「プラグがエヴァ側に引き込まれていく…!」

リツコ「も、もしかして…シンジ君を取り込むつもりじゃ…」サアァ…

マヤ「センパイ、どうなってるんですか!?」

リツコ「し、知らないわよ!想定の範囲外なんだからぁ!」

マヤ「ええっ!?」

リツコ「ま、まさかこんなことになるなんてぇ…」

リツコ「ど、どうしよう…」

MAGI『とりあえずシンジさんに関しては私が何とかします!』
MAGI『ナオコ博士!松代のMAGIとの同期の許可を!』


ナオコ「りょ、了解よ。」

キョウコ「MAGIちゃん、完璧に意思を持ってるわね~すごいわぁ~」

ヒデアキ「…関心している場合じゃないぞ。」

綾波「碇くん………」


MAGI『零号機さん、割り込み、失礼します!』


ピピピピピピピピピピピピ………




881: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:47:46.17 ID:3CqccAAO
零号機「ウオオォオォォォオォォォオオオオオ!!!!!!!!!!!!」



ガンッ!ガンッ!ガンッ!




綾波「………!」ビクッ



ガンッ!ガンッ!ガンッ!



ユイ「危ないわ!」

ゲンドウ「レイ!どけ!どくんだ!」


綾波「……………」



ガンッ!ガンッ!ガンッ!




ユイ「レイ…泣いてる?」


882: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:48:37.83 ID:3CqccAAO
パリン!



マヤ「零号機」

ミサト「レイ!」

マヤ「活動停止まで、後10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!」



ピー… 


マヤ「零号機、活動を停止しました。」

ミサト「パイロットの救出急いで!」

ユイ「もうあの人が行ってるわよ」

ゲンドウ「ウオオォオォォォオォォ!!!シンジィィィィィィィィ!!!!!!!!」タタタタタッ

ゲンドウ「大丈夫か!大丈夫かぁあァアアアアァァァァ!!!!!!!」

ナオコ「…相変わらず仕事が早いわね」



883: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:51:41.29 ID:3CqccAAO
一方・廊下

ゼーレ03「ふう…重苦しいメイクも落ち、スッキリしたな。」

キール「いくら何でもファンデーションを6度塗りしては皮膚が呼吸できん。」

ゼーレ02「しかし疲れましたなぁ」

キール「碇のヤツ、こき使いおって…」

ゼーレ03「おや、頼んだのは議長ではありませんでしたかね」

キール「OH!そうだった!」

ゼーレ05「廊下だけに老化ですかな」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!」


885: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:52:20.83 ID:3CqccAAO



((((((◇

キール「おや…あれは…」

ゼーレ04「綾波レイの携帯に着いていたストラップ…?」

ゼーレ02「しかしなぜ勝手に浮いている?動いている?」

◇<ラー

ゼーレ03「喋ったぞ」

キール「碇からの報告によれば第2東映が作成した使徒ラミエルを模したもの…らしい。」

ゼーレ02「第2東映…侮れませんな」

キール「しかし何やら落ち込んでいる様だな」


886: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:53:09.99 ID:3CqccAAO
◇<ラー…

キール「何々。皆が自分とMAGIを比べると」

ゼーレ06「議長、言葉がわかるのですか?」

キール「いたのか」

ゼーレ06「………ずっと」



ゼーレ05「ラー!」

キール「?」

ゼーレ05「ラー!ラー!」



ゼーレ05「さて、私は何と言ったでしょう」

キール「……無茶ではないかね」

ゼーレ04「この流れ、どこかで見ましたぞ」

キール「気のせいだ」

一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!」

◇<……………



888: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:53:33.93 ID:3CqccAAO
ミサト「それより」

ミサト「…………」ギロッ

リツコ「えっ?」

ミサト「惚けてもムダよ。また(1スレ目参照)アンタの仕業でしょ?」

リツコ「え…あ…ん…あぁ………」

ミサト「吐け!吐け!吐くのよ!」

ゆっさゆさゆさ

加持「ミ、ミサト。そんなに揺らしちゃリッちゃんが喋れないだろう」

ミサト「むっ………」

リツコ「………ケホッ。これじゃ別のものを吐きそうよ」


889: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:56:17.33 ID:3CqccAAO
ミサト「さあ、聞きましょうか」

リツコ「はいはい。やった。やりました。」

ミサト「アンタね!レイとシンジ君が死にそうになったのよ!その開き直った態度は…」

リツコ「違うわ!」

ミサト「何が違うのよ」

MAGI『詳しくは私が説明します』

ナオコ「あら、MAGI。」

MAGI『リツコ博士はエマージェンシーモードで零号機を暴走させたのみ。』

MAGI『しかも改良されていたので電源を抜き、オートエジェクションが作動し…それで終わりでした。』

ミサト「ふぅん…まぁ、MAGIが言うならそうなんでしょうね」

リツコ「信用ないのね…私。」


890: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:58:23.94 ID:3CqccAAO
MAGI『しかし…零号機はそれを拒絶。被験者を取り込もうとし、その上レイさんを襲った』

MAGI『多分、リツコ博士が発動させたエマージェンシーモードを起因として零号機が独自にそのような行動に出たのではないかと。』

ミサト「まさか、レイを殺そうとしたの?零号機が…」

ユイ「…と言うよりレイ自身ね」

ユイ「不思議なことにエヴァって言うのは専属パイロットの精神状態がそのまま反映されることがあるの。」

ナオコ「心が繋がっているのよ。」

キョウコ「なんと言っても人造人間…エヴァも人間ですからね~」

マヤ「って言うことは…レイ自身がレイを傷付けようとした?」

リツコ「レイが………ねぇ」

加持「俺はリッちゃんを殴りたがっている様に見えたけどねww」

リツコ「ああ、なんかそれ良いわね。『本当は零号機が殴りたかったのは私ね…』なんてシリアスな感じで。使わせて貰うわ。」

ミサト「………いい根性してるわよねアンタって」

リツコ「ネルフの秘密を抱えた女、司令と不倫していた女…やだ、また私の人気が…」

日向「ちなみに現在赤木博士は人気投票で12位です。」

リツコ「…………」

ミサト「確かにテコ入れは必要そうねー」



891: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 20:58:59.91 ID:3CqccAAO
ミサト「しかし一体、レイに何があったのかしら…」

リツコ「とにかく、今はまだ何も言えないわ。ただ、データをレイに戻して、早急に零号機との追試、シンクロテストが必要ね。」

ミサト「作戦課長として、火急的速やかにお願いするわ。仕事に支障が出ないうちにね。」

リツコ「分かっているわ。葛城三佐。」

ミサト「本当に分かってるの?本業はこっちなんだから。」

リツコ「それじゃあ私は猫にエサをあげに…」

ガシッ

諜報部員「……………」

リツコ「……行っちゃダメ?」

諜報部員「碇司令のご命令ですから」



892: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:00:11.97 ID:3CqccAAO
リツコ「や…やだ!嫌よ!私は悪くない!マヤが…そうマヤが勝手に!」

マヤ「えっ…!」

諜報部員「…それでは失礼致します」

ガスッ

リツコ「んは!?」




ズルズルズルズル………




ミサト「30にもなって情けない…」

マヤ「無様ですね」

綾波「…………」



893: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:00:51.42 ID:3CqccAAO
キール「なるほど。セカンドに「MAGIの方が優れている」と言われて逃げ出して来てしまったと」

◇<ラー!

ゼーレ02「さっきあの娘が言っていたのはそう言うことだったのか………」

キール「しかしどうしてそんなにMAGIに対抗心を燃やすのだ」

◇<ラー…ラー…

キール「MAGIは自分の気持ちを伝えられるが自分は無理だ」

◇<ラーラーラー

キール「それに自分はネルフの役に立てない…と」

ゼーレ06「深刻な悩みですな。」

◇<ラー

キール「もう自分なんか綾波レイの元にいる必要はなくなった」

ゼーレ02「…果たして、それはどうかな?」

◇<ラー…?


894: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:02:00.75 ID:3CqccAAO
キール「先程報告を受けたが綾波レイの精神状態に乱れが出ていたそうだ」

◇<…………

ゼーレ05「推測の域を出ないが…その影響か零号機が綾波レイを傷付けようとしたらしい。」

キール「彼女は自分を責めているんじゃないのかね。君が居なくなったことに対して。」



綾波(ラミエルさんが私のせいで居なくなった…)

綾波(その上、碇君を傷つけてしまった…)

綾波(……………)

綾波(最低だわ)


895: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:02:39.81 ID:3CqccAAO

◇<ラー………

キール「君は自分がMAGIより劣っているから必要でないと言ったな。」

キール「だが考えてみろ。君が居なくなっただけでこれ程悩み、苦しむ人間がいるんだ。」

ゼーレ02「君はもう、アイデンティティーを獲得…二つとない個体なのだよ。」

◇<ラー

キール「そうだ、それでいいんだ。」

◇<ラー!

キール「そうだ。君はここにいて良いのだ。」

◇<ラー!



897: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:04:55.97 ID:3CqccAAO
ゼーレ04「セカンドも心配していた。戻った方が良いぞ。」

◇<ラー

◇<ラー!

キール「そうか。それは良かった。礼には及ばない。」

◇<ラー


◇ )))))))

ゼーレ02「流石は議長。元エンジェルブリーダーなだけはありますな」

キール「止めたまえよ。そんな大層なものではない。」

ゼーレ05「オリジナルもこれくらい可愛いらしければ良かったのだが」

キール「所詮は使徒、敵だからな。」

898: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:06:23.17 ID:3CqccAAO

シンジ「はっ!」


TV「無理よ、MAGIを切り捨てることは、本部の破棄と同義なのよ。」

TV「では、作戦部から正式に要請するわ。」

TV「拒否します。技術部が解決すべき問題です。」

TV「なに意地張ってんのよ!」

TV「私のミスから始まったことなのよ。」

TV「あなたは昔っからそう。一人で全部抱え込んで、他人を当てにしないのね。」



シンジ「嫌だな…またこの天井だ」

シンジ「…5年前を思い出すな」


TV「そのプログラム、間に合うんでしょうね。CASPERまで侵されたら、終わりなのよ」

TV「約束は守るわ。」



シンジ「そうか……今日は水曜日だったんだ」


899: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:07:07.31 ID:3CqccAAO
ネルフ・留置室

リツコ「……これで二度目ね」

リツコ「一度目は何で入れられたのか忘れたけど」



シュパッ



ゲンドウ「……………」

リツコ「…碇司令」



ゲンドウ「エヴァの私的利用、無断でのシステム改変、パイロットへの過失致傷」

ゲンドウ「これらはすべて犯罪行為だ。」

ゲンドウ「何か言いたいことがあるか」


900: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:08:38.66 ID:3CqccAAO
リツコ「…怒ってます?」

ゲンドウ「……なぜシンジを傷つけた」

リツコ「いや、別に私はシンジ君を傷つけようとした訳じゃ…」

ゲンドウ「今一度問う。なぜだ。」

リツコ「盛り上がりが欲しくて仕方がなかったから。それに毎回毎回私がシナリオ書いて…

リツコ「それでさえも大変なのにシナリオ変更だとかイレギュラーな事態が多すぎます。」

ゲンドウ「番組を盛り上げるためにシンジをこんな目に会わせたと」

リツコ「必要な犠牲ですわ!第一、司令はのんべんだらりと眺めているか悪役演じているかだけでしょ。」

リツコ「皆も文句が多すぎるのよ。毎回本業でもないのに脚本を書いてる身にもなってよ。」
リツコ「少し日常会話だとかをこっそり撮って追加シーンに使うくらい別にいいじゃない。リアリティも出るし!」

ゲンドウ「…エヴァの外装修理代に新たな治療費は…どうするつもりだ。」

リツコ「私はきちんと仕事をしつつシナリオを…こんなんじゃ精神的に…」

ゲンドウ「…君には失望した」



902: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:09:37.88 ID:3CqccAAO
リツコ「失望!?最初っから期待も望みも持たなかったくせに!私には何も!何も!何も…」

ゲンドウ「君の仕事は評価する。脚本を書くことも大変だろう。」

ゲンドウ「………私や冬月はどうなっても構わない。」

ゲンドウ「エヴァの修理代もネルフが最終的に持つ。」

ゲンドウ「が、子供達をこんな目に合わせることだけは止してくれ。」

リツコ「………でも」

ゲンドウ「子供達がドラマの為に傷付くなら速攻中止。そのためにネルフが解体すると言うならそれでも良い。」

リツコ「…………」

ゲンドウ「今回は不問にしておく。」

ゲンドウ「大人の事情に子供達を巻き込んでいることを忘れるな。赤木博士。」



シュパッ




リツコ「………」

リツコ「…どうしたらいいの…母さん…」



903: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:10:05.59 ID:3CqccAAO
ゲンドウ「あと一時間もしたら解放して良い。」

諜報部員「はっ」

諜報部員「それから碇司令…」

ゲンドウ「何だ」

諜報部員「ご子息が目を覚まされたと」

ゲンドウ「!」



904: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:10:35.92 ID:3CqccAAO
アスカ「ラミエルー!ラミエルー!」

アスカ「全くどこに…」

◇<…………

アスカ「わぁ!?」

アスカ「って…何よ…いきなり脅かさないでよ!」



◇<…………



アスカ「ん…あぁ………」



アスカ「…悪かったわね」



◇<………


905: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:11:13.18 ID:3CqccAAO
アスカ「アンタはアンタ。MAGIはMAGI。比べるもんじゃないわよね。」

アスカ「何つうかほら、レイの寂しそうな顔を見てると…こっちまで暗くなるって言うか」

◇<…………

アスカ「……あ、謝ってるんだから何とか言いなさいよ」


◇<ラー


スリスリ



906: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:12:01.49 ID:3CqccAAO
アスカ「………許してくれるの?」

◇<ラー♪

アスカ「全く…この私に謝らせるなんて、アンタもいっちょまえね。」



キール「良かったな。」

ゼーレ05「一件落着、ですな」

キール「それでは帰るか。」

ゼーレ04「明日も仕事…なぞ国連も我々をこき使いますな」

キール「サードインパクト失敗以降、我々の立場も危ういからな。仕方あるまい。」

ゼーレ03「ま、碇と一つになるよりかはマシですが」

ゼーレ一同「HA!HA!HA!HA!HA!HA!」


907: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:13:02.47 ID:3CqccAAO
綾波「…………」タタッ

アスカ「あ、レイ。」

◇<ラー

綾波「ラミエルさん…!」

◇<ラー!

綾波「ごめんなさい……」ぎゅっ

◇<ラー…

綾波「アスカ、ずっとラミエルさんのこと探してくれていたの?」

アスカ「べ、別に。」

綾波「………ありがとう」にこっ

アスカ「………///」

アスカ「でもそんな血相抱えてこなくっても…」

綾波「そうだわ」

アスカ「何よいきなり。」

綾波「碇くんが…」


ガラッ

アスカ「シンジ!シンジ!ちょっと大丈夫なの!?」

綾波「碇くん………」



908: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:13:31.71 ID:3CqccAAO
シンジ「……………」もくもく

TV「リツコ、急いで!」

TV「自爆装置作動まで、10秒」
TV「大丈夫、1秒近く余裕があるわ」

アスカ「……ってアンタ何みてんのよ」

シンジ「あっ、アスカに綾波。」

綾波「エヴァ…?」

シンジ「うん。今丁度やってたんだけど意外と面白くって…」

アスカ「もおぉ~!心配しちゃったじゃないのよ!」

アスカ「元気じゃない!」

シンジ「いや、若干肋骨の辺りが…」

綾波「…………」ほっ


909: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:15:14.58 ID:3CqccAAO
アスカ「しかし、意外とクオリティ高いわね。これ。」

シンジ「うん。僕たちの行動とか会話を切り貼りしてるだけだと思ってたんだけど…」

綾波「夢中になるわね」

アスカ「やるじゃんリツコ。」

◇<ラー

シンジ「ラミエルも心配してくれてありがとう」

◇<ラー////



910: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:15:43.30 ID:3CqccAAO
ガラッ


ゲンドウ「シンジ!!シンジ!シンジ!」はぁはぁ

シンジ「父さん………」

アスカ(折角見てたのにうるさいのが入ってきちゃったわね)

綾波(…ええ。)

ゲンドウ「良かった…本当に心配したんだぞ…」

シンジ「やだなぁ。大袈裟だよ父さん」

ゲンドウ「…………シンジ!」

綾波・アスカ(まさか…!)

ゲンドウ「……………」ギュッ

シンジ「℃¥$¢£%#&*!?」

アスカ「あいったぁ~…」

綾波「……しかもいつもより強めなのね」

ユイ「もう…あの人ったら…」


911: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:16:53.27 ID:3CqccAAO
アスカ「しっかし、ゼーレの人たち、普通に気の良いおじさん達だったわね。」

アスカ「あの人達がかつて世界を動かしてたなんて…信じらんないわ」

ゲンドウ「『今』は、な。昔は彼らも尖っていたよ。」

ユイ「ふふふ。計画が遅れただけで軍隊送って来たりね。」

アスカ「……………」

マヤ「あ、レイ。ここにいたの。」

綾波「………はい」

マヤ「とりあえず赤木センパイが反省部屋から出てきたから、零号機の再起動テストと撮影の続き、やるからね。」

アスカ「随分早くなったものよね。昔はトラブルがあってから再起動テストまで1週間は掛かってたのに。」

ナオコ「技術進歩の面では遅いくらいよ。5年もあれば本格的に量産出来ても良いはずなのに。」

ナオコ「全く…今回の件といい、帰ったらあの娘に良く言い聞かせなきゃね。」


912: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:17:30.97 ID:3CqccAAO
マヤ「今回はじゃーん♪リリス(着ぐるみ)とロンギヌスの槍(材質:プラスチック)を作ってみました。」

リツコ「そんなの作ってるからレリエルの製作が遅れるのよ」

マヤ「いたんですか」

リツコ「ええ。ついさっきから」

アスカ「このリリス、ぷにぷにしてて気持ち良いわね…」

綾波「…………」ぷにぷに

◇<ラー  ぷにぷに

マヤ「えー、レイには零号機の着ぐるみをきて、リリスのお腹に槍をサクッと。」

綾波「サクッと。やっちゃうのね。」

マヤ「もちろんリリスの中に入って貰うのは…」

一同「…………」ジッ



913: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:20:08.89 ID:3CqccAAO
リツコ「えっ」

リツコ「あ、あ、あ、アタシ?」

ミサト「まぁ妥当だわね。」

冬月「今回の損害を考えれば…」

ゲンドウ「足りないくらいだ」

リツコ「そんな…」

リツコ「やだっ!嫌よ!いやぁ!」

アスカ「強制的に乗せられたシンジとレイの身にもなってみなさいよ。」

リツコ「それとこれとは…」

ゲンドウ「関係ないとは言わせん」パチン

諜報部員「…………」ズラッ

リツコ「え…あ………」

諜報部員「失礼致します赤木博士」


リツコ「い………」



リツコ「イヤァァアアァァァアアアァァアア!!!!!!!!!!!!!!」



914: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:20:46.34 ID:3CqccAAO
ネルフ・体育館

ミサト「かつてのドグマをここまで再現するなんてすごいわ」

加持「流石は第2東映だな。」

冬月「うむ。信頼しているぞ。」

マヤ「そんな…照れます…///」

リリス(リツコ)「ちょ、ちょっと何で本気で張り付けてんのよ!」ジタバタ

マヤ「センパイに逃げられちゃ困るからです。」

リリス(リツコ)「あの鋭い奴でお腹さされるんでしょ?いやよ…何かあったら…」

マヤ「そのためにお腹のぷにぷにを再現したんです。多分大丈夫ですよ」

リリス(リツコ)「た…多分って…」


915: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:22:27.11 ID:3CqccAAO
リリス(リツコ)「もしかしてマヤ、おこってる?」

マヤ「はい♪」

リリス(リツコ)「………」

マヤ「零号機、準備完了した?」

零号機(綾波)「しました。」シュチャッ

アスカ「こう見ると縮小版とは言えどもロンギヌスの槍ってデカイのね」

青葉「本物は想像絶する大きさだよ。編集室兼倉庫だったドグマを開けなきゃならないし…」

マヤ「機器の障害もよく起こりますしね。」

アスカ「大変なのね」

青葉「第2発令所に引っ越しさ。あそこ、椅子が硬くて嫌なんだよなぁ…」

日向「仕方ないだろ。サードインパクト失敗以降、順番で各支部が保管することになってるんだから。」


916: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:22:55.04 ID:3CqccAAO
マヤ「それじゃあレイ!撮影開始よ!」

零号機(綾波)「はい」

零号機(綾波)「…………」グサッ

リリス(リツコ)「ひいっ!?」

零号機(綾波)「あ、指定位置から外れたわ。もう一回」グサッ

グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ


零号機(綾波)「また外れたわ。おかしいわね。」

リリス(リツコ)「やだぁ!ヤダ!離して!離して!」


グサッ

アスカ「もしかしてレイ…微妙に起こってる?」

あっそれグサッあよいしょグサッ



917: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:29:27.51 ID:3CqccAAO
アスカ「……そういやなんか忘れてる気がするわね」

ミサト「………」

ミサト「あっ」


ヒカリ「もう…我慢できないよトウジ」

トウジ「僕もだよ…ヒカリ…」
ヒカリ「んっ……」


ぶちゅー



ケンスケ「……もう帰りたいんすけど」

918: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/09(日) 21:38:20.46 ID:3CqccAAO
           ! ヽ 、                 , ,,
          |  ヽ\                , , '.'
            !   `、 \             ,  ´, ' ..'
           |    `、 \      ,  ´  , '  .'
             !    `、  \   , ´   , '   .'
           l     `、  K´     , '   .'
             |     `、 | '.   , '   .'            ラー(次回予告)
            |.____`、!.∧ /     .'
         _. ィ´` ‐ .._ <´ ! / 'ァ‐- _./
     _. ‐ ´    __..  -‐ ネ レ´-‐f=ニ´_  ` ‐ .._
 _. ‐ ´_... -‐ ¬ ´       , '/ . 个、 !   ` ‐ .._` ‐ ._
¬‐- ̄ ..__           , ' ィ´ | `、'.           ` ‐ ニ _._
        ̄` 冖¬ーxィ ´    .!  ヽ_____......................... ニ-
     ___     ,ムィr \     |  ./r':::::::::! !::冖i      j:::::::|
     |:::::::|_  f⌒i|::::::::!   \__  ! __/_ |::::::::::| |::::::::|  _ |::::::::|
_r~ヘ |:::::::::L,、j::::::l|::::::::ー:、 「::::::|- !|:::::::| !::::::::::!i .!::::::::L, j:::::||::::::::j  _r⌒ー、

ネルフに襲いかかる「マンネリ」「視聴率低下」
未だに完成しないレリエル。
またもやリツコに降りかかる試練。
加持とミサト過去。
そして遂にシンジとアスカが…

さーてこの次も

ラー♪ラー♪

967: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:18:17.52 ID:oopXvoAO
ミサト宅

ミサト・リツコ「…ぐがぁぁああぁあ」

シンジ「まだ二人…寝てるんだ」

加持「おはようシンジくん」

シンジ「おはようございます。」

シンジ「なんか…ここ数日泊めて貰っちゃってなんかすいません」

加持「あはは。司令と副司令…それから研究者の皆さんはゼーレから呼び出しくらってるからな。」

加持「それより朝ごはん、ハムエッグとベーコンエッグどっちがいいかい?」

シンジ「えっと…じゃあベーコンエッグで……」

加持「よし。じゃあベーコンを冷蔵庫から出してくれるかい?」

シンジ「は、はい!」


968: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:18:48.74 ID:oopXvoAO
アスカ「ううっ寒いわね…」

シンジ「おはようアスカ」

アスカ「そっか…今日はあの日かぁ…」

説明しよう!

セカンドインパクト以降、日本は一年中夏。
しかし現在人工気候調整システムの実験が第三新東京にて行われ、三ヶ月に一度冬日が訪れる。
ちなみにMAGIが何らかの形で関わっているらしいがシステムの詳しい内容に関しては
ネルフと第三新東京市議会のトップシークレットなのである!


加持「…という訳なんだ」

アスカ「やけに良い声で誰に向けてしゃべってるんですか、加持さん」


969: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:19:17.06 ID:oopXvoAO
アスカ「しっかし今日は久しぶりに学校ね。」

シンジ「勉強…どこまで進んじゃってるんだろうなぁ…」

アスカ「あら、そんなことで悩んでるの?」

シンジ「そりゃ大学出てる人間にとっちゃ大した問題じゃないだろうけど」

綾波「じゃあ私が教えてあげる」

シンジ・アスカ「!?」

アスカ「い、いたの?」

綾波「ええ。おはよう」

シンジ・アスカ「お…おはよう」



970: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:20:14.12 ID:oopXvoAO
ガラッ

ミサト・リツコ「ふわぁぁああああ…」

アスカ「シンクロ率、100%ね」

ミサト「ふぁ…昨日飲みすぎちゃったわ」

リツコ「ホントよ。終いにはビールで東京タワー作ってたもの。」

加持「しっかし驚いたよ。急にリッちゃんが夜、訪ねて来るから…」

リツコ「…あっ、すっかり忘れてた。」

ミサト「何よ」

リツコ「いえね、大事な話があって二人の家に来たんだけども…飲んでたらすっかり……」

アスカ「呆れた…」

綾波「赤木博士のダメっぷりは今に始まったことじゃないわ」


971: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:22:53.20 ID:oopXvoAO
ミサト「で、話って何よ」

リツコ「残念なお知らせがいくつかあります」

ミサト「………いつか聞いたわねその言い回し」

リツコ「1つ。今日を含めて2日で全ての撮影を終えなければいけないこと」

ミサト「……いつものことじゃない」

アスカ「それもどうかと思うけどね…」

リツコ「2つ。先週放映された第拾参話、昨日放映された第拾四話の視聴率が発表されました。」

加持「いくつ…なんだい?」

リツコ「第拾参話の方は3.4%」

ミサト「ぶふっ…折角アンタの活躍回だったのに残念ね」

アスカ「未来のダーリンは見てくれてたのかしらー?」

リツコ「…うるさい。後で覚えておきなさいよ」

綾波「で、拾四話は?」

リツコ「………きゅうパー」

ミサト「9%?案外良い数字じゃないのよ」

綾波「碇くんが身体を張っただけはあるわね」

シンジ「そんなことないよ」てれっ


972: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:32:16.70 ID:oopXvoAO
リツコ「……違うわ」

アスカ「何が違うの?」

リツコ「その……だから………」

加持「まさか…」





綾波「……0.9%?」





リツコ「…そのまさか、よ」

一同「………」

綾波「聞いたこと、ないわ。ドラマでそんな数字。」

アスカ「…ダメね。ゴールデンタイムみたいなもんなのに0.9%なんて多分もう打ち切りよ…」

ミサト「ゴルァァアアアアァァァァァアアアアリツコォオオオオオォォォォオオオオオ!!」

ミサト「あんたがちゃんとやらないからっ!!!!!!」

リツコ「あ、あたしのせい?」

加持「ま、適当に普段の会話と業務を繋ぎ合わせただけじゃ仕方ないよな……」


973: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:34:30.45 ID:oopXvoAO
シンジ「正直僕、使徒侵入以降は何を撮ってたんだかさっぱり分かりませんでしたよ。」

リツコ「だって最近はトラブルで…脚本が……」

リツコ「でもほ、ほら奇跡の価値は…の時はちゃんと書いてたじゃない?」

ミサト「んじゃ、この先は脚本、出来上がってるんでしょうね」

リツコ「第拾六話~第拾八話までは完璧よ。ミサト風に言えばパーペキってヤツね。」

ミサト「ん?…今回は拾伍話のハズだけど」

リツコ「それも…まぁ大体は。」

綾波「大体…?」

リツコ「ん…あぁ…まぁ…」

アスカ「何よその妙な濁し方は」


974: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:35:06.27 ID:oopXvoAO
リツコ「……残念なお知らせ3つ目」

リツコ「使徒がまだ納入されていません」

一同「ええええええぇぇぇぇエエエ!?」

ミサト「何で?第2東映はどんだけ忙しいの?」

リツコ「ええ…使徒自体は出来上がっています。」

アスカ「じゃあなんで」

シンジ「もしかしてリツコさん…お金…払ってないんじゃ…」

リツコ「ご名答。」

ミサト「ご名答じゃあないわよォオオオオオォォォォオオオオオ!!!!!!!」


975: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:38:03.68 ID:oopXvoAO
リツコ「やだ、そんなに怒らないでよ~」

アスカ「呆れたわ…第2東映に貯まってたツケ、払ってないから納入して貰えないなんて…」

リツコ「本当はローンソからのお金はこっちに充てるつもりだったんだけど…何せ零号機が」

説明しよう!
エヴァはちょっと傷がついただけで小さな国が傾くレベルの修理代を必要とするのだ!
前回リッちゃんがエマージェンシーモードを起動させたおかげで零号機が暴走。
零号機の修理代+実験場の修理代が必要となった!
その額、ローンソからの権利料をもってしても足りない程である!

リツコ「加持くん説明ありがとう」

加持「…こんな台詞を書いてる暇があったら脚本を書くべきだよリッちゃん」ジュウッ

シンジ「加持さん!目玉焼き焦げてますよ!」

加持「おおっと……」

リツコ「とりあえず今から上層組織に予算の増額を申請している最中よ」

アスカ「ゼーレも災難ね」

シンジ「それで父さん達、ユーロまで行ってるのか…」

ミサト「全く、自分の始末くらい自分でしなさいよね」

リツコ「いつかするわよ。いつか。」


976: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:38:45.07 ID:oopXvoAO
ミサト「…ダメだわこいつ」

リツコ「そして残念なお知らせ4つ目」

リツコ「来週にもテレビアニメ・ドラマに置ける表現規制に関する法案が可決されます」

ミサト「まさか…第2東京は正気なの?」

リツコ「まぁ漫画と映画などの媒体はセーフ。規制がかかるのはテレビのみ…らしいわね」

アスカ「要はちょぴりでも●●●なシーンを流しちゃいけないーってことでしょ?」

リツコ「そう。サービスシーンが流せなくなる。ま、可決されても施行は先だけどね。」

ミサト「だけど確実に風当たりが強くなるじゃないの」

加持「明らかにネルフへの嫌がらせ、だな。…と、シンジくん。ベーコンが焼けたら皿に乗せてくれ」

シンジ「はい。」

リツコ「しっかしアンタんとこも奇妙な家庭ね。男の方が家事、出来るなんて。」

ミサト「加持だけにね」ぷはっ

加持「朝からビールかよ…」

ミサト「いや、一回撮影でやったんだけどさぁ、朝ビールって意外といいものね。」

アスカ「……もはやミサトはただのオッサンね」


977: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:39:10.62 ID:oopXvoAO
リツコ「と言うことで今回はどのシーンをどんな風に撮るかをちゃんと明示するわ」

シンジ「なんかちゃんとしたドラマの現場みたいですね」

リツコ「これ一応…全国で流れてるドラマの現場なのよ。」

リツコ「アスカの曲も、とりあえずオリコンチャートにランクインしたし?」

アスカ「っつうかいつの間に、んなもん出してたのよっ…!!!!!」

リツコ「この間のMステでも流れたのよー」

ポチッ

『恋のeins・zwei・drei~』

アスカ「イヤァァアアァァァアアアァァアア!!!!!!」


978: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:39:52.96 ID:oopXvoAO
リツコ「あなたの人気って意外とすごいのよ。プロマイドに写真集などなど…とりあえず財政回復に貢献してくれてるわ。」

アスカ「写真集?プロマイド?そんな撮影した覚えなんか…」

リツコ「もちろん、既存の画像を使ったりMAGIの想定システムで写真をg(ry」

アスカ「と…盗撮魔!!!!!!!!」

ミサト「一歩間違えれば犯罪者よ。アンタ。」

リツコ「まぁそれ以上にレイの人気がもの凄いんだけど。」

綾波「私の…ですか」

リツコ「そうよ。エヴァと言えば綾波レイ。綾波レイと言えばエヴァってくらいに。」

アスカ「ま、私は第八話からだし多少の差は仕方ないわね」

リツコ「人気投票じゃダブルスコアで差、つけられるわよ」

アスカ「ダブル…スコア?」

アスカ「えっ…えっ?」

リツコ「という訳で今回はレイにコレ、歌ってもらうから。」

綾波「私…ですか。」

リツコ「タイトルは『Apostle』英語で使徒、って意味よ」

ミサト「『恋のeins・zwei・drei』よりはマシだわねww」

アスカ「…やかましい」


979: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:41:04.15 ID:oopXvoAO
リツコ「毎週土曜の午前0時半枠。丁度、声優のラジオの後ね。」

アスカ「ちょっと、勝手に決めないでよ!」

リツコ「仕方ないじゃない!テレビ第2東京サイドからの申し出なんだから。」

リツコ「宣伝の一貫よ。それにアンタ達、ほとんどメディアに出ようとしないじゃない」

リツコ「こんなに取材依頼が溜まってるのに…」カタカタカタカタ

MAGI『雑誌、テレビ、ネット…占めて100件を越えてます(^∀^;)』

アスカ「嫌よ。撮影以外のプライベートな時間まで仕事したくないし。」

綾波「そうね。それに元々、人前で喋るの苦手だもの。」

シンジ「僕らは別に芸能人になりたい訳じゃありませんし…」

リツコ「向上心のない子達ね…年齢偽ってアイドルデビューを目論む三十路もいるっていうのに」

ミサト「…まだ29よ。」

リツコ「あと前々から言ってるけどリョウちゃんの人気も相当なものよ。」

ミサト「まぁ、顔だけはいいから」

加持「だ…だけって……」


980: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:41:59.67 ID:oopXvoAO
リツコ「とりあえずスイカがすごく送られてくるの」

ミサト「そうそう。自分達宛に送られてきた品物は持ち帰ることになってるから大変なのよー。重くって。」

シンジ「でもスイカって…」

リツコ「とりあえずDVDの限定版に『密着加持リョウジ24時』っていう特典映像を付けたのよ」

ミサト「まーた盗撮か……」

アスカ「妙なゴロの良さがカンに障るわねー」

リツコ「それが大好評!もう女性層に大ウケだったってワケ。」

リツコ「その中で、リョウちゃんがスイカを食べる所が映っててね。それはそれは男らしい!素敵!の嵐。」

アスカ「もしかして…そんな理由で?」

リツコ「そんな理由で、よ。」

加持「俺は別にそんなスイカが好きな訳じゃあないんだが…。」

ミサト「でもまぁ、リョウジはこう…劇中では中々ミステリアスな雰囲気を醸し出してるわよね。」

ミサト「現実知ったら幻滅されるだろうけど」


981: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:43:59.97 ID:oopXvoAO
アスカ「ミサトはやっぱりビール?」

ミサト「そうね。それとリョウジのファンからの脅迫状。それからペンペンにレトルトカレーと生魚。」

ペンペン「クエェェ……(もう飽きた……)」

リツコ「私はコーヒーか猫の置物か。それしかないから飲んでるだけで、実はそんなにコーヒー、好きじゃあないんだけどもね…。」

アスカ「ふぅ~ん。レイは?」

綾波「サプリメントとか栄養ドリンクとか…。」

アスカ「…余程貧弱に映ってるのね」

綾波「あとは…洋服とか下着とかテレビとか暖房器具とか…」

綾波「碇くん家にお世話になってるから必要ないんだけど…」

アスカ「そーいやドラマじゃ小汚いアパートに住んでるんだったっけ」

ミサト「っつうか現実とドラマ、ちょっち混同させ過ぎじゃーないの?」


982: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:45:19.17 ID:oopXvoAO
シンジ「まあ、僕達ですら芝居なんだかそうじゃないんだか良く分からなくなりますけど」

アスカ「で、シンジあんたはどうなのよ」

シンジ「僕は…カッターの刃とか、コスプレグッズとか」

アスカ「極度のアンチと極度のファン…随分な差があるのね。」

シンジ「そう言うアスカは何を貰ってるんだよ」

アスカ「私は……」

キョウコ「ソーセージに可愛いワンピースよね~」

アスカ「ま……ママ!」

キョウコ「ただいまぁ~」

ユイ「大丈夫ですか?赤木博士…」

ナオコ「だ…大丈夫よ…歳かしらね…」ハアハァ


983: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:47:33.21 ID:oopXvoAO
アスカ「か…帰ってきたの…」

キョウコ「あのワンピース、可愛いかったのにアスカはいらないって~…」

アスカ「だ、だってダサいじゃない…デザインが思いっきりセカンドインパクト前だし…」

キョウコ「それに送られてきたドイツソーセージには手をつけないし~」

アスカ「だ…っだって…絶対ソーセージなんか送ってくるってことは……」

キョウコ「?」

アスカ「とにかく、フカヒレラーメンとかサンドイッチとか劇中に出てきたもん送ってくれりゃーいいのに…」

キョウコ「だめよアスカ~。頂く身なのにわがままいっちゃ~」

アスカ「でもそ…ソーセージよママ……」

キョウコ「さっきからアスカは何を気にしてるんだか~」

アスカ「………///」


ユイ「ま…まぁアスカちゃんの気持ちはわかるけども…」



リツコ「思春期ね」ニヤニヤ

ミサト「ええ」ニヤニヤ


984: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:48:34.04 ID:oopXvoAO
ゲンドウ「…げほっごへっうひゅっ」ドサッ

ユイ「あら、あなた荷物運びご苦労様」

ユイ「そんなに急いで来ることはなかったですのに…」

ゲンドウ「何を言う。一分、一秒、コンマ一秒でもシンジと過ごしたい。」

ゲンドウ「いいか、現在48である私の寿命はせいぜい30年だろう。30年しか、たった30年しかシンジを見守れない。そう思うと神を恨みたくもなる。」

ゲンドウ「いや、もう寧ろ私が神になってしまいたいくらいだ」

アスカ「……危険思想の持ち主ね」

シンジ「恥ずかしいからやめてよ…父さん…」


985: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:49:36.65 ID:oopXvoAO
ゲンドウ「それにこのドラマで悪い父親を演じていると、どうにもシンジが今まで以上に可愛く見えてしまう」

ゲンドウ「だからこそ、この一瞬一瞬をだな…」

ゲンドウ「それよりシンジ!土産だぞ。」

シンジ「ヴァーム……クーヘン?」

ゲンドウ「すまないな。バームクーヘンしか持ってこれなかった。肉類は検疫に引っ掛かってしまって……」

アスカ「アンタのお父さんも相変らずね。…劇中の司令にも半分分けてやりたいくらいだわ。」

シンジ「……そしたら丁度よくなるのかなぁ」



986: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:51:18.57 ID:oopXvoAO
リツコ「とりあえず今日撮影する分を発表するわ。とりあえず繋ぎの話だけど、どうにか数字は取れるように考えたから」

ミサト「崖っぷちだってことをようやく理解したようね。」

リツコ「まずはリョウちゃんがマルドゥックを偵察するシーン。自然体でいいわ。」

加持「もう足を洗ったんだけどな…」

リツコ「それからアスカが洞木さんからの紹介で知らない男の子とデートするシーン」

アスカ「……そんな尻軽じゃないわよ私」

リツコ「それからレイが主婦っぽさをアピールするシーン。」
綾波「しゅ…しゅふ?」

リツコ「バカなオタクはね。 女で、まぁまぁ可愛くて、大人しくて、家事のできるミサトとは正反対のタイプにほいほい釣られるのよ」

ミサト「悪かったわね。既婚で可愛くなくてずぼらな女で。」

リツコ「それとシンジ君と司令がユイさんの墓参りをするシーン。」

リツコ「普段はベタベタ引っ付いてるから分からないけど、劇中ではほとんど接触がないのよね」

リツコ「だからそろそろ決定的な要素を見せて…伏線を張った方が良いと思ったのよ」

冬月「…意外と真面目に考えているんだな」


987: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:56:03.33 ID:oopXvoAO
ゲンドウ「しかし生きている人間の墓参りとは奇妙なものだな。」

シンジ「そもそもどうして劇中の母さんは死んだんですか?」

リツコ「そんな物語の根幹なんて後で考えればいいのよ」

リツコ「伏線はばらまくだけばらまいときゃいいの。回収出来なきゃ出来ない時よ。」

ミサト「必ずどっかがあんたはこう…無計画なのよね」

リツコ「それだけじゃ尺は埋まらないから今回は恋愛要素も盛り込むわ」

リツコ「まずは加持両名の馴れ初め」

加持「ええ!?」

ミサト「はああぁあ!?」

リツコ「だって皆ロクな恋愛してないんですもの」

アスカ「確かに言えてるわね…」

リツコ「私だってプロじゃないんだからモデルがないことには始まらないわ」

ミサト「だからっていってそんな…」

リツコ「大丈夫よ~上手く脚色しといてあげるから」

ミサト「そう言う問題じゃないのよ…」

ミサト「リョウジのファンと思われる人間から色々届いてるの」

ミサト「これ以上…その…結婚を示唆させるような事をしたら私、刺されるかも…」

リツコ「なーに生娘みたいなこといってんのよ」

リツコ「こんなにこのマンションをドラマで使ってるのにも関わらず、住所とか、ましてや二人が結婚してるなんてバレてないんだから大丈夫。」

アスカ「ネルフのセキュリティはムダに凄いわよね」

シンジ「僕が学校で友達とケンカしたことを黙ってたのに父さんが知ってたときは驚いたよ…」

綾波「私も、一昨日ジャムパンを学校の帰りに買って食べたの」

綾波「そしたら家に帰った途端『はしたない』って司令に怒られて……」

アスカ「セキュリティっていうより、最早ストーカーね」


988: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 14:58:40.08 ID:oopXvoAO
リツコ「その後何だかんだあってリョウちゃんがスパイだと気付いたミサトがドグマにあるリリスを見つける」

ミサト「リリスは?本物は南極なのよ。」

加持「それに今から、あのちらかったドグマを片付けるのかい?」

リツコ「そこはアレよ。合成でなんとかするわ。」

リツコ「出来るわよねMAGI、青葉台くん?」

青葉「青葉です。」

青葉「……また徹夜かぁ」

MAGI『なんか…すいません…』

リツコ「と、言うわけで準備して頂戴」

シンジ「どこへ行くんですか?」

リツコ「楽しい楽しい第三新東京市ツアーよ」

一同「…………」

993: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 15:34:36.58 ID:oopXvoAO
―第拾五話撮影開始―

ブルルルルルル…

バンッ

アスカ「ふぅ…キツキツだったわ…」

綾波「機材を全部乗せようとするから…」

リツコ「これからのネルフの目標は、『一円に笑うものは一円に泣く』」

マヤ「節約する節約するって前にも言ってましたけど…」

リツコ「『今度こそ』頑張ってみせるわ。」

ミサト「今度こそ今度こそって言う人間ほど信用できないのよね」

リツコ「………」

加持「節約は良いことなんだが…この寒さ、どうにかならないのかい?」ブルッ

ヒュオオォォオオオオオォォォ…

加持「いやはや…こんな日に半袖とは…」

リツコ「仕方ないじゃない。こればっかりはネルフの意思でどうにかなる問題じゃないのよ」

ユイ「政府からのゴリ押しでね…」

ゲンドウ「生態系を回復させると言う名目だが、今更掻き回すだけだ。」

ゲンドウ「ネルフは大金を貪っていると言うが、冬日を導入することなど、最早意味などないというのだ。」

ゲンドウ「お陰でこんなに寒いと言うのに子供達が半袖で登校しなければならない!」

アスカ「まぁ…冬日の為だけに長袖を作るのも勿体無いしね。」

シンジ(本当は学ランがあるんだけどアスカと綾波の手前着れないんだよな…)


995: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 15:46:06.07 ID:oopXvoAO
アスカ「しっかしここ、殺風景な場所ね~」

綾波「廃屋以外何もない」

マヤ「まぁ、建前だけの会社って設定ですからね。」

管理人「数年前は…選挙事務所だったんだよ」

一同「!?」

管理人「おや、驚かせちまったかい?」

アスカ「だ…誰?」

青葉「えー、今回のロケ場所の管理人です。」

管理人「どうも。いや、あんた達が来てくれて嬉しいよ。第三新東京のヒーローだからね。」

シンジ「そ…そんなことありませんよ…」

管理人「いやいや。地球を救って、今度は寂れていた第三新東京を救ってくれた。」

管理人「この土地をもてあましていたんだ。使ってくれるなんて光栄の極みだね。」

猫「ニャー」

アスカ「あら、猫だわ」

管理人「ああ。野良だよ。居着いちまったんだ。」

猫「ニャー♪」スリスリ

アスカ・ミサト「か…可愛い…///」

猫「ニャ」

綾波「本当に可愛い…」

◇<………

綾波「……ラミエルさんの方が可愛いけれど」

◇<ラー

996: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:02:59.49 ID:oopXvoAO
ミサト「そういやここ。京都ってことになってるのよね。」

加持「…何かちょっとむなしいな」

冬月「京都…か。永らく行ってないな。」

ゲンドウ「昔はお互い京都弁で罵りあったものだ。」

ユイ「懐かしいわね…大学生時代を思い出すわ」

マヤ「でも困りましたね。こんな時に限って冬日なんて」

リツコ「どうにかするわよ。セミの鳴き声なんかは、効果音を入れればいいし。」

リツコ「リョウちゃんが鳥肌を立てたりしなきゃ平気よ。」

加持「む…無茶な事言うなよ。こんなくそ寒いのに…」

ヒュオオォォオオオオオォォォ…

リツコ「俳優は顔に汗をかかないらしいから大丈夫よ」

ミサト「研究者とは思えないほどめちゃくちゃな理論ね」

997: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:06:33.72 ID:oopXvoAO
リツコ(ね…猫……だわ)ハァハァ

リツコ「………」

猫「………」

リツコ「ニャー」

猫「………」

猫「キシャー!」

リツコ「!?」



998: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:09:12.52 ID:oopXvoAO

管理人「あの…」

リツコ「どうされました?」

管理人「頼みがあるんだ。」

リツコ「…借り賃の増額以外なら」

管理人「そんな野暮ったいことは言わないよ。」

管理人「ただ」

リツコ「ただ…」

管理人「少しで良いから出しては貰えないかい?」

マヤ「しゅ…出演ですか」

管理人「近所に自慢したいんだよ。しがないババアのささやかな願いだ。頼むよ」

マヤ「どうします…センパイ」

リツコ「わかったわ。今すぐ脚本を修正するわ。」

管理人「本当か!」

リツコ「………ただ。」

リツコ「借り賃、ちょっと負けて貰えません?」

999: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:19:51.05 ID:oopXvoAO
マヤ「それじゃあスタートです」


加持「16年前、ここで何が始まったんだ…?」


………カチャ


加持「!?」

管理人「………私だ」

加持「ああ…アンタか」

マヤ(鳥肌、立ってません)

リツコ(あら、すごいわね。)

ミサト(器用なタイプなのよ。)

管理人「シャ…シャ…シャノ…」ガクガク

マヤ「カットー!」

管理人「す…すまない。緊張と寒さで上手く声が…」

ミサト(リツコ、こんな時に素人を参加させるなんて何を考えてるのよ)

リツコ(だって…貸し賃割り引いてくれるって言うし)

ミサト(管理人だってリョウジだって身体…持たないわよ?)

加持「ちょ…ちょっとなんか暖房器具とか…ないのかい?」ガクガク

リツコ「ないわ」

ミサト「………はぁ」

1000: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:28:19.99 ID:oopXvoAO
テイク7

一同「………」イライラ

ミサト「……テイク7よ。」

リツコ「だ、誰の責任でもないわよ」

ミサト「まぁ敢えてあげるならアンタなんだけども」

リツコ「………空気が淀んできたわね」

マヤ「じゃ、じゃあスタートです!」

加持「………あんたか」

管理人「シャノンバイオ。外資系のケミカル会社。9年前からここにあるが、9年前からこの姿のままだ。」

猫1「ニャー」イライラ

猫2「………ニャ」イライラ

管理人「マルドゥック機関と繋がる108の企業のうち、106がダミーだったよ。」

猫3「ニャー…」イライライライラ

加持「ここが107個目、と言うわけか。」

管理人「この会社の登記簿…」

猫1「キシャー!」

猫2「キニャァァァァァアアアア!」

猫3「シャアアアアァァァァ!!!!!」

リツコ「え…え…もしかして…私に…怒ってる?」

猫「シャアアアア!」

リツコ「イヤァァアアァァァアアアァァアア!!!!!」

マヤ「か……カット…」