車内

加持「………」ガクガク

ミサト「だ…大丈夫?コーヒー飲む?」

加持「あ…ああ…」ガクガク

アスカ「テイクいくつまで撮ったんだっけ」

リツコ「思い出したくもないわ」ボロッ

マヤ「センパイ動かないで下さい。消毒が…」

リツコ「いたっ」

リツコ「猫じゃなきゃ…保健所送りにしてやってたものを…」

シンジ「で…次は…?」

リツコ「とりあえずそこの土手にヘリをチャーターしてあるから。冬月副司令と司令、それからカメラマンのリョウちゃんに補助の為研究者の皆さんに乗ってもらうわ。」

アスカ「総指揮さんは行かないの?」

リツコ「行かないわ。」キッパリ

リツコ「忘れたの?私が高所恐怖症だってことを」

ミサト「………何か企んでる顔ね」

リツコ「…別に」


引用元: ゲンドウ「何故だか、ネルフは財政難だ」【第四話】 

 

4: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:47:31.39 ID:oopXvoAO
ヒデアキ「リョウジくん、バーボンを飲むといい。暖まるぞ」

加持「じゃあひとくch…」

ガスッ

ミサト「もぉ!変なものすすめないでよ。まだ午前中よ!」

キキィッ

マヤ「到着しました」

リツコ「じゃ、15時から会場を貸しきってるからそれまでに戻ってきてね。」

加持「会場……ここか。」

リツコ「ここか…とは何よ。」

加持「いや、何だか懐かしいなと思ってさ」

リツコ「そこしか無かったのよ。それにそれほど昔じゃないでしょ。」

ゲンドウ「大丈夫か?大丈夫なのかシンジ?」

シンジ「多分」

ゲンドウ「多分…多分か…絶対じゃあないんだな…」

ユイ「あなた、行くわよ。」

ゲンドウ「しかし…」

ユイ「良い年した大人が息子に四六時中ベッタリなんて恥ずかしいんですよ。分かってます?」

ゲンドウ「恥ずかしい…恥ずかしいのか?」

ユイ「ああ…もう!とにかく行きますよ。シンジ、しっかりね」

ズルズル…

冬月「ゆ…ユイ君!待ってくれ。」

アスカ「母は強し…か。」


5: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 16:56:21.30 ID:oopXvoAO
アスカ「ね、どこいくの?」

アスカ「このあと…委員長達と撮影でしょ?」

リツコ「変更したわ。これからミサトの家に戻るの」

シンジ「どうして…ですか?」

リツコ「………」ニヤニヤ

リツコ「帰ったら部屋着に着替えてね」

アスカ「なんで」

リツコ「時間軸を会わせたいから」

アスカ「ふぅん……」


ミサト(さっき脚本見たけど…まさかアレ、今やる気なの?)

リツコ(やるわよ。風当たりが強くなる前に。)

リツコ(『アレ』くらいだって未成年同士ならPTAから文句、言われかねないもの)

ミサト(まぁ、別にこう言うノリって嫌いじゃないのよ)

ミサト(正直、中学生って見てて面白いものね)

リツコ・ミサト「ふふふふふ」

シンジ・アスカ「?」

綾波「…………」


9: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 19:20:53.50 ID:oopXvoAO
ミサト宅

ミサト「たっだいまー」

ペンペン「クエェ…」

リツコ「今回はペンペンにも付き合ってもらうわ」
ペンペン「クエ!」
ミサト「そ、あなたにも頑張ってお芝居してもらうのよん♪」
アスカ「……やけにミサト、ノリノリだけど何かあったの?」
ミサト「別にー」
マヤ「とにかく、部屋着に着替えきてね」
アスカ・シンジ「はぁーい」

ミサト(リツコ、あんた今回はグッジョブよ)
リツコ(お誉めに預かり光栄だわ。)
リツコ(こう言うシーン、最近無かったしね。司令が居ちゃうるさいからしっかり練らなきゃ)
ミサト(こう言うときだけ、しっかりしてるのよね)

綾波「………あの」

ミサト・リツコ「!?」

綾波「私は何をすれば」

ミサト(そうだわ…レイはどうするのよ)
リツコ(そうね…まずいわよね…)
ミサト(………)

リツコ「そうだ、レイ!アイス…アイスクリームを買ってきてくれないかしら」

綾波「こんなに寒いのに…ですか」

リツコ(そうだ…そうだったわ…今日は冬日なのよね…)
リツコ「あれよ、エスプレッソをかけるやつやりたいの。そう。エスプレッソ。」

綾波「?」

リツコ「とにかく、買いに行って頂戴。そうね…」
ミサト「二つ先の駅のハーゲンダッツまで」
綾波「それならコンビニに…」

リツコ「ダメなのよ。直営店じゃなきゃ。絶対に」
綾波「絶対に…ですか」
リツコ「ほら、好きなアイス、買ってきてもいいから。アレ、抹茶…好きだったわよね?」
綾波「別にそんな…」
リツコ「抹茶アイスじゃなくてもいいわ。とにかく行ってきて」

綾波「…………」
綾波「………はい」

12: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 19:40:52.60 ID:oopXvoAO
リツコ「レイは…出ていった?」

マヤ「はい。確認しました。」

リツコ「そう。」

アスカ「あー、部屋着って昨日きてたヤツで良いの?」

ミサト「十分よ。」

リツコ「よし。じゃ、ペンペンはあっちの部屋で待機」

ペンペン「クエッ」

ミサト「頑張ってね、ペンペン♪」

ペンペン「クエッ」キリッ

ミサト「あーもう改めて見ても家のペンペンが一番可愛いわね」

リツコ「『ペンペンたんママでちゅよ~』っていう気持ちの悪い口調、止めたの?」

ミサト「まぁね。司令を見て我がふり直せ。」

ミサト「みんなの居ない前でしかやってないよね~ペンペン♪」

ペンペン「クエ~♪」

アスカ「しっかりしてるんだかしてないんだか、ミサトってよく分かんないわよね」

15: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:02:22.58 ID:oopXvoAO
アスカ「でも一体なんのシーン、とるの?」

シンジ「別に学校でのシーンを撮り終わってからでも…」

リツコ「これ、二人に。シーン追加した新版の台本ね」

アスカ「追加?これ以上増やしたってーの?」

リツコ「印刷所の都合でね。まだマヤとミサトにしか渡せてなかったの。」

アスカ「ふぅ~ん…」ペラペラ

シンジ「………」ペラペラ

リツコ(……マヤ、玄関のチェーンロック!)

マヤ(………了解しました)タタッ

アスカ「………ねぇリツコ」

リツコ「なぁに、アスカちゃん」

アスカ「何て読むの?これ」

つ接吻

リツコ「『せっぷん』ね」
シンジ「せっ……///」
アスカ「バカシンジ、なーに顔、赤くしてるのよ」
アスカ「で、せっぷんってどういう意味なワケ?」
リツコ「え?ああ…」
ミサト「まぁ、簡潔に言えば口と口をこう…挨拶させるっていうかぁ」
ミサト「ま、簡単に言えば」
ペンペン「クエッ?」
ミサト「よいしょ」


ちゅ~

ペンペン「クエッ…///」

ミサト「こう言うことかな?」

シンジ「////」

アスカ「えっ…それって…」

アスカ「き、き、き、き…」

アスカ「キスぅ!?」

18: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:10:50.43 ID:oopXvoAO
アスカ「キス!?キス?!キス?キスぅぅうううう?」

リツコ「そう何度も言わなくてもいいわよ。正解なんだから」

シンジ「き…きすって…アスカと…」

リツコ「そう。ま、別に二人が付き合うとかそう言う展開な訳じゃなく遊びよ遊び。」

アスカ「中学生が…あ、遊びでキスなんてするかしら」

リツコ「アンタたちはどうだか知らないけど今時の携帯小説なんかじゃキスは当たり前。それどころか遊びで…」

ミサト「ストップ!ストップ!ストォオオオオオップ!」

ミサト「余計な知識、着けるんじゃないわよ」

リツコ「とにかく。キスの一つや二つ大したことないんだから頼むわよ」

アスカ「だけど……」

リツコ「レイなんて    を直に揉まれたのよ。それに比べりゃマシでしょう」

アスカ「ま、マシじゃないわよ!」

アスカ「ふぁ…ファーストキッス…なんだし」

一同「えええええ!?」

ミサト「あ、アスカ、キスもまだなの?」

アスカ「ったり前でしょ!ミサトみたいな尻軽じゃないんだから!」

リツコ「てっきり行くとこまで行ったと思ってたわ」

マヤ「外国人は早いですからね」

アスカ「…とんだ偏見よ」

19: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:18:28.89 ID:oopXvoAO
リツコ「視聴率が本当に大変なのよ…だからお願い」

アスカ「元はと言えばリツコの責任じゃないの」

アスカ「私は関係ないわ」

ミサト「でも、視聴率がこのまま下がって打ち切り、なんてことになれば」

もわんもわん

(中略)

もわんもわん

アスカ「そ…そんなのイヤァァアアァァァアアアァァアア!!!!」


ミサト「だから。アスカ、ここらで一発頼むわよ」

アスカ「で…でもぉ」

アスカ「いや!やっぱりいや!ファーストキッスだし…」

シンジ「……僕じゃ嫌なんだ」どよ~ん

アスカ「いや、別にシンジが嫌なわけじゃ…」

シンジ「…………」どよんど

アスカ「とにかく、ドラマの撮影がファーストキッスなんて…」

リツコ「………」

リツコ「よし、わかったわ」

アスカ「じゃあ……」
リツコ「………」カツカツカツ
リツコ「………」ぐいっ
アスカ「?」
リツコ「ちょっと顔、持ち上げて」
アスカ「えっ………」
リツコ「…………」


ちゅっ(はぁと)



アスカ「℃¥$¢£%#&&*@§☆★○●◎◇!?」

23: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:24:48.56 ID:oopXvoAO
一同「!!!!!!!!」

リツコ「ん…」

アスカ「◎▼※〒→←↑∈!?」

リツコ「………ぷはっ」

リツコ「キスって、これでいいのよね」

ミサト「り…リツコ、あんた一体なにを…」

アスカ「??????」

リツコ「痛み分けよ」

リツコ「私もね、キッス…したこと…ないのよ////」

一同「ええええええ!?」

ミサト「手すら握ったことがないって…あれマジだったの!?」

リツコ「そうよ。マジも大マジ。」

リツコ「…アスカとキスすれば…撮影がファーストキッスにならなくて済むかなって」

リツコ「私もファーストキッスだったんだし…痛み分けになるかなって」


ミサト(も…最早意味がわからないわ)

アスカ「………いや」

アスカ「イヤァァアアァァァアアアァァアア!」

25: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:31:04.84 ID:oopXvoAO
リツコ「えっ……」

ミサト「えっ…じゃないわよ!最悪の選択肢実行しておいて!」

アスカ「もういや………!」タタッ

マヤ「あ…アスカ!」

カチャ…

アスカ「!?」

綾波「話は聞かせてもらったわ」

シンジ「あ…綾波!?」

ミサト「はやかったわね…」

綾波「駅前につい最近ハーゲンダッツのお店がオープンしたらしくて。」

ミサト「そ……そうなの」

リツコ「っていうか…どうやって外側からチェーンを……」

アスカ「………どきなさいよ」

綾波「……逃げるの?」

アスカ「逃げるって……これは乙女の……」

綾波「………いいわ」スタスタスタ

綾波「碇くん……ちょっといいかしら」

シンジ「な…なn」


ちゅっ


シンジ・一同「!!!!!!!!!!!!!?」


26: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:37:05.14 ID:oopXvoAO
シンジ「あ…綾波、一体何を!」

綾波「キスよ。    キスだけど。」

シンジ「あっ……あ………」

アスカ「あ…あんた、一体何を……」

綾波「アスカがやらないなら、私がやる。」

リツコ(いや、それは話的に不味いんだけど…)

綾波「私もさっきのがファーストキス。でも別にどうと言うことないもの。」

アスカ「それはアンタにそういう観念が…」

綾波「違う。口付けくらいでネルフの皆が、碇くんが救えるなら私…何度でもするわ。」

アスカ「……脱げって言われたら脱ぐの?」

綾波「もう脱いだわ」

アスカ「じゃ…じゃあ●●●なシーンを演じろって言われたら…」

綾波「それはやらない。」

アスカ「…そ…そうなの」

27: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:43:13.80 ID:oopXvoAO
アスカ「………かったわよ」

ミサト「………」

アスカ「わかったわよ。やるわ。」

アスカ「どっちにしろ。ファーストキッスはリツコに奪われちゃったんだし」

アスカ「シンジ、あんたもレイに奪われちゃったんだし…お互い、もう気にすること無いわよね」

シンジ「そ…そういう問題なのかな…」

アスカ「そういう問題なのよ」

アスカ「それに…なんだかレイがアンタにキスして私がしないってのも…シャクだわ」ボソッ

シンジ「何か言った?」

アスカ「別に。撮るわよ!」

マヤ「じゃ、じゃあいきまーす」

ミサト「ありがとう。レイ。助かったわ。」

綾波「私は何も」

ミサト「……ああやってレイがシンジくんにチューすることでアスカが対抗しようとする」

綾波「………」

ミサト「追い出そうとしちゃって、ごめんね」

綾波「……アイス食べたかったからいいです。」

ミサト「じゃ、おいしいエスプレッソ、入れなきゃね」

28: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:48:28.34 ID:oopXvoAO
アスカ「ねぇシンジ、キスしようか?」

アスカ(こ、こうして口にすると改めて恥ずかしいわ……)

シンジ「え?何?」

アスカ「キスよ、キス。した事ないでしょ?」

シンジ「うん…」

アスカ「じゃあ、しよう。」


ミサト(もしかしたらアスカも悪女の素質、あるかもよ)

リツコ(悪女…ねぇ。)

綾波「…………」

アスカ「それとも、恐い?」

シンジ「恐かないよ!キスくらい!」

アスカ「歯、磨いてるわよね。」

シンジ「うん…」

アスカ「行くわよ。」

アスカ(かっ…顔が近い…)

アスカ(な、なんで私から行かなきゃなんないのよぉー!)

綾波「………」

ミサト(どうしたの、レイ?)

綾波(何だか…ムズムズする。胸の辺りが…)

ミサト(ムズムズ…か)

綾波(今まで…感じたことがない…感覚…)

29: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/16(日) 21:56:58.46 ID:oopXvoAO
シンジ「………」ムフー

アスカ「鼻息こそばゆいから、息しないで。」

シンジ「!?」

ちゅっ…

シンジ(や…柔らかい…?)
シンジ(さっきはいきなりだったから…分からなかったけど…)
シンジ(………柔らかい)
シンジ(のと…ちょっとベーコンの匂いがするなぁ…)

アスカ(ちゅ…チューしちゃった!シンジと…)
アスカ(ど、どうしたらいいの?どうしたら…)
アスカ(ど…どのタイミングで唇放したらいいか分かんない!)

シンジ「ああっ、あっ、グッ!」

シンジ(ぐるじい!)

リツコ(ちょ…ちょっと見てるこっちまで……)

ミサト(懐かしいなぁ……)

ペンペン「クェ……///」

ミサト「あれ、ペンペンなんで私の横にいるの?演技は?」

ペンペン「く…クエエェ!(わ、忘れてた!)」

ミサト「………とほほ」

アスカ「ぷはっ」

シンジ「ぶはぁ!…はぁ……」

アスカ「ミサト…こんなもんで…」

マヤ「はい、カット!」

ミサト「ああ、キッスは完璧よ。」

ミサト「だけどペンペンが…その…二人のキッスに看取れてて…」

ペンペン「クェ……」

ミサト「もういっかい!」
アスカ・シンジ「えええええ!」

綾波「…………」

117: ◆RaAAAAaAAU 2010/05/31(月) 22:23:33.63 ID:3d4tfkAO
それではぼちぼち再開します

一方、ヘリ内

冬月「第2、第3芦ノ湖か。これ以上増えない事を望むよ。」

冬月「昨日キール議長から、計画遅延の文句が来たぞ。俺のところに直接。」

冬月「相当苛ついてたなぁ。仕舞いにはおまえの解任も仄めかしていたぞ。」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「ヌオオオオオォオオオオオォォォ!!!!!」

一同「!?」


118: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:24:11.45 ID:3d4tfkAO
加持「カ…カット!」

加持「ど、どうなさったんですか司令?」

ゲンドウ「降ろせ!」

加持「……は?」

ゲンドウ「降ろせと言っているのが分からないのか!!」

加持「無理ですよ司令。着陸まではまだ…」

ゲンドウ「ならば飛び降りるまでだァアアアアァアアアァァァ!」

ヒュオオォォオオオオオォォォ…

キョウコ「きゃあ~」

ヒデアキ「お…おい、本気で脱出口を開けちゃったぞ!」

加持「司令、止めてください!死にますから!」

ゲンドウ「シンジが…シンジが…」

冬月「息子がどうしたと言うのかね…」


119: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:24:42.68 ID:3d4tfkAO
ゲンドウ「とにかく嫌な予感がしてたまらない!」

ユイ「…また悪い癖が出たのね」

ゲンドウ「だから私は…」

ナオコ「あの娘(リツコ)のことだから不安だって言うのは、よく分かるけど、そんなことしたら死ぬわよゲンドウ君!」

ゲンドウ「構わん!」

ガスッ

ゲンドウ「」

ユイ「全く、前が見えなくなるんですから…この人は…もう!」

ゲンドウ「」ピクピクッ




冬月(少し碇が羨ましい気がするのは何故だろうか…)


120: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:25:12.39 ID:3d4tfkAO
車内

ミサト「いやー、アイスクリームってやっぱ美味しいわね」

リツコ「そりゃあ昔はお金持ちでも食べられなかったんだし。」

マヤ「エスプレッソも美味しかったです!」

ミサト「リョウジがこっててさぁ、自慢じゃないんだけどあの機械、ちょっち高いのよ~」

マヤ「わあ~!ヨーロッパみたいでおっしゃれ~」

シンジ「………」

アスカ「…………」

綾波「…………」

リツコ「な、何か妙な雰囲気ね」ボソッ

ミサト「…そうね。」


121: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:26:58.53 ID:3d4tfkAO
マヤ「まぁ、中学生なんですし、仕方ないんじゃ?」

ミサト「普段はすましてるけど意外とウブだったのね…あの三人。」

アスカ(撮影の後もまた…う、うがいしたけど)

アスカ(……どうしよう)

アスカ(シンジっぽい匂いが…取れない…)


もわんもわん


アスカ『んっ……』

ちゅっ



もわんもわん



シンジ「………」さわっ

シンジ(……もう当分、ベーコンエッグは食べられそうにないな)

綾波(どうして私…あの時キス、したのかしら…)

綾波(………アスカの為?)

綾波(………違う。)

綾波(じゃあ、どうして……)


シンジ・アスカ・綾波「……………」


ミサト(な…何なのよコレ!何なのよ!)

リツコ「……アスカの唇、柔らかかったわ///」ボソッ

ミサト「…リツコ、アンタまで乗らんでもいい。」


122: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:27:25.76 ID:3d4tfkAO
学校

青葉「お、来たぜ」

日向「遅いですよ~」

ミサト「ごっめ~ん!ちょーっち色々あって…」

校長「これはこれは葛城三佐」

ミサト「本日は撮影に協力して頂きありがとうございます。」

校長「いえいえ。ネルフさん直直の頼みですからな、断れませんよ」

リツコ「4月にはあーだこーだ文句つけて貸さなかった癖に…」ボソッ

校長「何か?」

ミサト「いいええ。」


123: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:28:02.24 ID:3d4tfkAO
女子生徒「わぁ…碇くんよ!」

女子生徒「キャーッ」

女子生徒「意外とカッコイイよね」

男子生徒「惣流さんはテレビで見ても美人だなぁ」

男子生徒「綾波さんも中々だぜ」

ざわざわ……


シンジ「自分の学校なのに…」

アスカ「なーんか調子、狂うわね」

男子生徒「綾波さん!サイン下さい!」バッ

綾波「えっ……」

男子生徒「僕は体操着に!」

綾波「………」あせあせ

男子生徒「さあ!」

男子生徒「さあ!」

☆<キシャー!

男子生徒「な…なんだこれ……」

☆<らあ゛ぁあああ゛あ!


124: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:28:41.79 ID:3d4tfkAO
男子生徒「!?」ビクッ

女子生徒「かっ……」

女子生徒「可愛いぃ!!!!!!!!!」

◇<ラ…ラー……?

女子生徒「変形するんだぁ!ちょー可愛い!」

女子生徒「これ、綾波さんの?」

綾波「ええ……」

女子生徒「確かエヴァに出てきたラミエルだよねー?」

女子生徒「ドラマじゃ変形しないけど…カットされてたんだねー」

◇<ラー

女子生徒「ちっちゃくて可愛いッ!」

女子生徒「欲しい~♪」


わいわい……

リツコ「一番の人気ものはラミエルみたいね」

ミサト「ふふー。私たちの周りにはだぁれも集まってこなぁーい」


125: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:34:35.45 ID:3d4tfkAO
リツコ「しかし、元気よね。この寒さだっていうのに」

ミサト「こちとら厚手のコート羽織ってても寒いってのに…向こうは半袖よ」

リツコ「アイスクリームなんか食べさせるからよ」

ミサト「仕方ないでしょ。…結局カバー仕切れなかったけど」

リツコ「ま、アイスクリームはともかくとして『レイには』いい影響を与えたんじゃなくて?」

ミサト「個人的意見?」

リツコ「専門家としての意見。個人的願望も含まれてるけど」

ミサト「アンタが他人のこと気にかけるなんてね」

リツコ「人気キャラクターであるレイが感情的に成長することがドラマに反映され……」

ミサト「……少しでも感心した私がバカだったわ」

126: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:35:21.34 ID:3d4tfkAO
ヒカリ「あら。アスカさん久しぶり」

トウジ「やあ。シンジ君。」

アスカ「で、でたわねバカップル!」

ヒカリ「何よ。人を化物みたいに言って~」

アスカ「化物レベルの気持ち悪さじゃない。妖怪ペトペトね!」

アスカ「どこでもかまわずチュッチュチュッチュ…」

アスカ(……チュー//)

ヒカリ「ふぅ~ん」ニヤッ

ヒカリ「そう。そう言うこと。おめでとう。」

アスカ「なっ……///」

アスカ「なんでアンタに祝われなきゃならんのよ!」


127: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:35:55.79 ID:3d4tfkAO
リツコ「しかし本当に助かるわー。エキストラ代も役者の出演費も浮いて。」

ミサト「もしかしてアンタ、あの三人(ヒカリ、トウジ、ケンスケ)にギャラ、払ってないの?」

リツコ「勿論よ。ちなみにネルフの職員にも…これといって手当ては付けてないし。」

ミサト「労基にでも訴えてやりたい気持ちで一杯だわ」

ミサト「はぁ…ドラマ作りなんてやるんじゃなかったわね」

リツコ「あら、どうして?」

ミサト「最初はね。お金掛かんなくていいかもーって思ったりもしたんだけど」

リツコ「案外掛かるものよね」
ミサト「アンタのせいでしょうが!」ぎゅううぅ

リツコ「ギブギブギブ!!」

ミサト「使徒が来なくなって折角平穏な暮らしを送っていたというのに…」

ミサト「財政難が原因で…なんて天下のネルフが聞いて呆れるわね。」

リツコ「そんなものよ。ミリオンヒットを飛ばしたあの歌手だって、今は健康ランドで歌謡ショウ開いたり…」

マヤ「栄枯盛衰、ですね」

シンジ「随分と深いようで…浅い会話ですね。」

アスカ「何度目よこのくだりは」


128: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:36:22.63 ID:3d4tfkAO
リツコ「はい、じゃあいきまーす」

生徒「……始めるってさ」

生徒「すげーすげー」

生徒「エヴァでんのかな」

生徒「でねーだろwwwwwwwwwwww」

生徒「そうだ!写メ写メ!VIPにうpしようwwwwwwwwwwww」

ピロリロリン♪

青葉「そこー!許可なしに携帯で撮らない!」

リツコ「……いつまで経っても始められる気がしないわ」

マヤ「……ネルフでセット組んで撮ってた頃の方がやり易かったですね」



129: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:36:53.57 ID:3d4tfkAO
マヤ「はい、スタート!」

加持『はい、加持です。ただいま外出しています。ご用の方は、お名前とメッセージをどうぞ。』

アスカ「キャァアアアアー!助けて!加持さん!何すんのよヘンタイ!キャー!(棒読み)」

リツコ「はいカット」

アスカ「………何よ。」

リツコ「気持ちが入ってない」

アスカ「はぁ?」

リツコ「欲しいのはもっとこう……」

リツコ「ちょっとシンジ君」

シンジ「はい?」

リツコ「………が、……でお願いしたいんだけど」コソコソ

シンジ「ええっ」

リツコ「さぁ!さぁ!」


130: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:37:21.43 ID:3d4tfkAO
シンジ「うぅっ……」ジッ

アスカ「?」

シンジ「あ…あ…あ…アスカ、ごめんよ!」




ふわぁさ




アスカ「!?」

男子生徒「オオオオオオォオオオオオォォォ…」

男子生徒「なんて見事なスカート捲りなんだ!」

男子生徒「………赤か」ごくり
アスカ「な……///」

アスカ「何すんのよ!ヘンタイィィ~!!!!!!!」


131: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:37:50.12 ID:3d4tfkAO
ガスッ

シンジ「だっ!だってリツコさんがやれって……」

アスカ「うるさい!バカリツコの言うこと、素直に聞くバカがどこにいるのよっ!!」

リツコ「そう。それなのよ。」

アスカ「は?」

リツコ「出来るじゃないの…アスカ」にこっ

アスカ「何を言ってるのかしら…このパツキンは」

ミサト「久々に出た、いつもの『悪い癖』よ。」



132: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:38:59.30 ID:3d4tfkAO
リツコ「さて、次はレイが雑巾を絞ってそれを見たマザコンシンジ君が真っ赤になるシーンなんだけれども」

シンジ「劇中の僕…マザコンなんですか」

リツコ「そう。もうお忘れだとは思うけれど精神異常者でマザコン。そしてファザコン。役満ね。」

ミサト「そんな設定…ちびっこが知ったらきっと、泣くわよ。」

リツコ「ちびっこ…見てるのかしらね。この番組を。」

マヤ「大きいお友達は随分見てくれている様ですが」

ミサト「しっかし、貧相ね。アンタの主婦のイメージが雑巾絞りなんて」

リツコ「主婦らしさの欠片もない人間に言われたくないものね」

ミサト「ケッ」

綾波「?」

シンジ「どうしたの綾波」

綾波「これ、どうするの?」

シンジ「もしかして綾波…雑巾、絞ったこと…ないの?」

ケンスケ「マジっすかぁ!?」

綾波「あなたは黙ってて」

ヒカリ「相当な貧乏でなきゃ普通、ないんじゃないの?」

トウジ「例え君がどんなに貧しくっても…君にこんな汚いもの触らせるなんて僕は出来ないよ」

ヒカリ「トウジ……///」

リツコ([ピーーー])


133: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:40:02.22 ID:3d4tfkAO
シンジ「まぁ…仕方ないよね。普段は学校に掃除の時間なんてないし」

アスカ「ぜぇーんぶ掃除ロボットがやってくれるし。」

シンジ「今時雑巾なんて使わないしね」

リツコ「『雑巾なんて使わない』…ジャネレーションギャップを感じるわね」

ミサト「時の流れって残酷ね…」

――――――

トウジ「メーン!!まじめにやらんかい!」

シンジ「ごめん…」

ヒカリ「まじめにやるのは、掃除でしょ!」

マヤ「はいカット。」

マヤ「学校での撮影は以上となりまーす」

リツコ「厄介な上司がいないとスムーズね」

ミサト「今度は司令のせいにし始めたのね」

アスカ「んで、次はどこで撮影?」

マヤ「ええっと学校まで来て、今日はネルフを最後として…次は…」

リツコ「遊園地よ。」

アスカ「ま…マジ?」

リツコ「しかも最近オープンした第三新東京ディスティニーランド。」

アスカ「やったー!シンジ、キツミーマウスよ!キツミーマウスっ!」

シンジ「き…キツミーマウス…?」

ミサト「アスカはまだまだ子供ね」


134: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:42:20.04 ID:3d4tfkAO
シンジ「綾波、遊園地って久しぶり?」

綾波「小さいときに司令と良くいったけど…最近は」

シンジ「楽しみだね」

綾波「ええ。楽しみね。」

アスカ「ふんふんふん♪」


リツコ「の、隣の墓地」

アスカ「へぇ~墓地…それじゃあお墓が見放題ね♪」

アスカ「って…ハァアアアアア!?」

リツコ「ツッコミ、上手くなってるわね」

135: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:44:59.50 ID:3d4tfkAO
ババババババババ………

アスカ「もう…すっごい風…」

リツコ「レイはヘリに乗り込んでねー」

ゲンドウ「シンジ!無事だったか!!」ギュううううッ

シンジ「父さん…恥ずかしいから…」

アスカ「…見渡しても墓、墓、墓か」

綾波「アスカ、ここからツンデレラ城が見えるわよ。」

ミサト「あ、ディスティニーシーの山も見えるわよ」

アスカ「見えたって行けないんだから仕方ないじゃない…」



キツミーマウス♪キツミーマウス♪キッツキッツミマウス♪

アスカ「……またキツミーマウスマーチが聞こえるのが本当にイヤだわ」

綾波「残酷なパレードのマーチね」

136: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:45:59.30 ID:3d4tfkAO
アスカ「……上手いこと言ったつもり?」

綾波「ええ」

アスカ「……」

リツコ「悪いわね。最初は遊園地のシーンも入れる予定だったんだけど尺がどうも…」

アスカ「だったらキスシーンの方、カットしなさいよ!」

ユイ「IKARI YUI 1977-2004…自分のお墓を見るなんて、変な気分ね」

ゲンドウ「それはなんだ、私と結婚して数年でユイは死ぬのか?」

リツコ「まぁ、劇中での話ですけど。」

ゲンドウ「ユイが…死ぬ…」


もわんもわん

中略

もわんもわん





((((;■Д■))))




ユイ「そんなに真剣に震えないで下さい。生きてるんですから。」


137: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:47:32.66 ID:3d4tfkAO
アスカ「あの調子じゃアンタのお父さん、ユイママが死んだら、本気で精神病みそう…。」

綾波「死因はストレスね。」

シンジ「はは……」

アスカ「しっかし味気のない同じデザインのお墓がずーっと並んでるなんてちょっと不気味ね」

ナオコ「セカンドインパクトで死んだ人間の共同墓地なんだから仕方ないわよ。」

キョウコ「大量の死者をともらうには場所の確保が最優先でデザインなんて二の次だったから~」

ナオコ「でもそろそろ落ち着いた頃だしね。出来るだけ凝った感じのお墓に入りたいわ。」

キョウコ「そうですね~。ナオコさんはどんなお墓が~?」

ナオコ「そうねぇ。横型の墓石にバラの花なんかがセンスよく彫ってあったり…なんて。」

ユイ「あら、素敵ですわ。縦型も伝統的ですけど、横型も最近増えて来ているようですし。」

キョウコ「ユイママは~?」

ユイ「私は…『無難』なら何でも良いです。」

ナオコ「そう言えばゲンドウ君と一緒のお墓に入るのよね。」

ユイ「ええ…本気で墓石に非常識的なものを彫りそうで…」


138: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:48:05.10 ID:3d4tfkAO
ナオコ「…それはあり得そうな話だわね」

ナオコ「キョウコちゃんは?」

キョウコ「私は、ちょっと変わったお墓がいいな~って~」

ナオコ「た…例えば?」

キョウコ「弐号機の形をした墓石とか、きっと堂々としてて素敵ですよね~」

ナオコ・ユイ「…そうね。」


139: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:48:36.22 ID:3d4tfkAO
アスカ「ママ達ったら何を縁起でもない話をしてるのよ」

シンジ「今、母さんが死んだら僕、やっていける自信がないよ」

ユイ「ふふっ。ごめんなさいね。あの人より先に死ぬつもりなんて毛頭ないわ。」

綾波「本当に……?」

ユイ「あらレイ、そんな顔しなくてもいいじゃないの。」

ユイ「私が死んでるのはあくまで『お芝居』よ?」

キョウコ「お墓の話も冗談よ~」

冬月「………こほん。」

一同「!?」

一同(…そういや、冗談にならない人間が一人、いた…)



140: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:50:04.60 ID:3d4tfkAO
冬月「…君たちは分かっておらんな。」

ナオコ「すみませんコウゾウ先生…悪気は……」

冬月「墓石は縦に限る。」

ナオコ「……は?」

冬月「横など邪道だ。ここは日本だぞ。日本人ならば縦に限る。ましてや兵器の形をしたものなど言語道断。」

キョウコ「す…すみません~……」

冬月「石はだな、やはり御影石の……」


アスカ「副司令、珍しく楽しそうね」

ユイ「最近、お墓を買ったらしいのよ」

綾波「……誰も一緒に入らないのに?」

ユイ「レイ、言葉にも優しさを持ちなさい」



141: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:53:21.78 ID:3d4tfkAO
ババババババババ……

アスカ「はぁ…ヘリの下だと余計寒いいいぃ…」

アスカ「私達のコートは?」

リツコ「もう少し待ってて。」

シンジ「制服のまま来ちゃったけど結局学校もあんまり居られなかったし…」

アスカ「いつになったら普通に学校、行けるようになるのかしら」

アスカ「それよりレイ、平気な顔してるけど寒くないの?」

綾波「寒いわ」

シンジ「って良く見ると鳥肌すごいよ綾波!」

142: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:53:58.88 ID:3d4tfkAO
ゲンドウ「赤木君」

リツコ「何でしょうか」

ゲンドウ「…これを、私に言えと」

リツコ「ええ。そのための台本ですから。」

ゲンドウ「私はシンジに、こんな台詞を言わなければならないのか?」

ゲンドウ『もう私を見るのはやめろ』

ゲンドウ『私とわかり合おうなどと思うな』

リツコ「息子と父親が完全に離れて行くきっかけのセリフですもの。」

リツコ「それに既に(劇中で)嫌がるシンジ君に『帰れ』と言い放ったり、エレベーターで睨み付けたりしてるじゃないですか。」

リツコ「何を今更」

ゲンドウ「しかし、その後はこう…シンジの為にプラグをセットしたり誉めてやったり…」

リツコ「撮影の都合上、たまたまです。このまま二人が上手くいったんじゃあ、ただのハートフルロボットコメディになりかねませんわ。」

マヤ「それはそれで面白そうですけど」

リツコ「ここで期待を、希望を裏切ってこそ『エヴァ』であって更なる『社会現象』を巻き起こすんです。」

青葉「クリエイター気取りも良いところだな」

日向「僕はそっくりそのまま君に返してやりたいよ」


143: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:54:32.42 ID:3d4tfkAO
ゲンドウ「しかし……」

ゲンドウ「いくら役柄とは言えども、設定が酷似し過ぎていて演技が完全に演技とならん。」

マヤ「まあ、半分ドキュメンタリーみたいなもんですしね」

ゲンドウ「…私はシンジを例え『劇中』でも突き放すことなど出来ない!」

ゲンドウ「私はシンジにもっと私を見てもらいたい!」

ゲンドウ「シンジともっと分かり合いたい!!」

ゲンドウ「私はシンジを愛している!!!」うるっ

シンジ「………」

アスカ「何か反応してあげなさいよ」

ゲンドウ「ううううっ…こんな…こんなこと…」

マヤ「な…泣いちゃいました」

青葉「遂に…司令、キちゃったんですかね?」

ミサト「何だかんだで南極やら、撮影やら、挨拶周りやら、リツコの尻拭いやら、ああ見えても激務なのよ。」

ゲンドウ「ウオオオオォオオオオオォォォ!!!!!!」

マヤ「気の毒……ですね」


144: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:55:04.53 ID:3d4tfkAO
ミサト「ねえリツコ、今回は司令に譲ってあげたら」

リツコ「嫌よ。このドラマにはネルフの……」

ミサト「でも、ゼーレからお金を貰って来てくれたり、アンタの尻拭いしてくれたり…ある意味このドラマは司令次第なのよ。」

リツコ「でも…このセリフは…」

ミサト「そんなの演出に任せなさいよ」

ミサト「それにちょっちは感謝の気持ちくらい、示しときなさい。のちのちの為よ。」

リツコ「…………」


145: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:55:30.75 ID:3d4tfkAO
シンジ「写真とかないの?」

ゲンドウ「残ってはいない。」

ゲンドウ「この墓もただの飾りだ。遺体はない。」

シンジ「…先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね。」

ゲンドウ「すべては心の中だ。今はそれでいい。」

ゲンドウ「時間だ。先に帰るぞ。」

リツコ(ヘリ、降下して!)

青葉(ラジャ)


ババババババババ……

綾波「………」

シンジ「父さん!」

ゲンドウ「………」

シンジ「あの、今日は嬉しかった。父さんと話せて。」

ゲンドウ「そうか…」



マヤ「はいカットー!」


146: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:56:26.27 ID:3d4tfkAO
ゲンドウ「迫真の演技だったぞシンジっ!」

シンジ「僕はあんまり変わらないっていうか…」

シンジ「父さんの変わりっぷりの方ががすごいよ」

綾波「いつも思うけど、別人みたいです」

アスカ「キリッとしてて、いかにも『司令』って感じよね」

シンジ「何だか、父さんじゃないみたいでちょっとカッコイイや」

ゲンドウ「カッコ…イイ…」

ゲンドウ「ユイ!シンジが私のことをカッコイイと!シンジが私を誉めてくれたぞ!」

ユイ「あらあら、よかったですね」

アスカ「『カッコイイ』って部分しか聞こえてないみたいね」

綾波「いいのかしら…アレで」

147: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:56:54.41 ID:3d4tfkAO
冬月「ふん。普段のお前がなっていないという事ではないかね。」

冬月「そんなことでいちいち騒ぎ立てるとは情けない奴だな」

ゲンドウ「まぁ、共に墓に入る人間がいない奴には分からんだろうが。」

ユイ「あなたっ……!」

冬月「………」ピキッ

冬月「家族がいないことがまるで悪のような言い種だな、碇よ」

ゲンドウ「ふん。お前に情けないと言われる『私』でも『ユイ』と結婚出来たのだ。」

ゲンドウ「情けない私より何かしらの『異常さ』がお前にあったのだろう?」ニヤリ

冬月「その異常な俺に『情けない』と揶揄されるお前は何なのだろうな。」

ゲンドウ「…やるのか?」

冬月「返り討ちにしてくれるわ!!!!!!」


148: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:57:21.37 ID:3d4tfkAO
リツコ「…………」

ミサト「不満そうね」

リツコ「そりゃそうよ。字面だけ見れば良い親子っぽいシーンになっちゃってるじゃないの」

ミサト「まぁ死んだ奥さんの写真を全部捨てるってのはどうかと思うけども」

リツコ「私が求めているのは母親の愛情を受けた息子を恨んでるようなそんなダメ親なのよ」

ミサト「……まるで逆だけど今のままでも司令は十分ダメ親だと思うわよ」

リツコ「ちょっとセリフを変えて取り直しかしらね………」

ミサト「無理じゃない?おっ始めちゃったみたいだし」

リツコ「?」


149: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:57:49.13 ID:3d4tfkAO
冬月「[ピーーー]ぇぇええええぇええええええ!!!!!!!!!」ガスッ

ゲンドウ「死ぬのはお前だァアアアアァァァァ!!!!人格障害者がァアアアアァァァァ!!!!!!」グワシャッ

冬月「うるさい!社会不適合者がァアアアアァァァァ!!!!!!!!」ボカッ

加持「お二方、お止めになってください!体はもちろんネルフが……」

冬月「既婚者は黙っておれ!!!!!!!!!!!」ガスッ

加持「ぐぇっ!?」

ミサト「ねっ?」

リツコ「『ねっ』じゃなくてアンタの旦那、平気なの…?」



150: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:58:32.86 ID:3d4tfkAO
ナオコ「もう、止めてください!お二人共ッ!」

冬月「………止められるか。碇にあそこまで言われて。」

ゲンドウ「……何故だか今日はやけにムシャクシャするのだ」


シンジ「ギクッ」

アスカ「ギクッ」

綾波「…ギクッ」

ミサト「ギクッ」

マヤ「ギクッ」

リツコ「ギクギクッ」

ユイ「どうしたの?急に皆、顔色が悪くなって」


151: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:59:01.37 ID:3d4tfkAO
シンジ「ううん!別に…」

アスカ「そうよね!私達別にチューなんか……」

ユイ「チュー?」

ミサト「あ……アスカぁっ!」

アスカ「℃¥$¢£%#&*@§☆!?」

リツコ「いえ、あの……演出上と言いますか……」

ユイ「いいのよー。もう中学生なんだしキスくらい済ませとかなきゃ…ねっ?」ニヤリッ

シンジ「か……母さん……」

ユイ「でも通りであの人がヘリの中で暴れだした訳だわ……」

一同「………」

アスカ「アンタのお父さん、もしかしたらエスパーなんじゃないの?サングラスしてるし。」

シンジ「あれはマジシャンだよアスカ…」


152: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 22:59:33.13 ID:3d4tfkAO
ナオコ「聞いたわよー♪アスカちゃんとレイちゃんがシンジくんとチューしたんですって?」
シンジ「や…いや…あれは芝居で…」

キョウコ「照れちゃって可愛いわぁ~」

ヒデアキ「シンジくん、幸せ者じゃないか!ファーストキッス、セカンドキッス共に可愛い子ちゃんが相手で」

ミサト「お父さんは気持ち悪いから入って来ないでよ」

ヒデアキ「…………!」

マヤ「だ…大丈夫ですか?」

ヒデアキ「…良いんだ。良いんだよ。」ぐすっ



153: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 23:00:00.88 ID:3d4tfkAO
キョウコ「でも良かったわね♪アスカのファーストキッスの相手、シンジくんで~」

アスカ「………」

シンジ「………」

リツコ「………」

キョウコ「?」

ミサト「いや、あの…アスカのファーストキッスの相手……シンジくんじゃなくて」

キョウコ「なくて~?」

ミサト「リツコなんです」

リツコ「てへっ☆」

ナオコ「ゴルァァアアアァァアアアア!!!!!!リツコォオオオオオォォォ!!!!!!!」


154: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 23:00:57.27 ID:3d4tfkAO
リツコ「やだ、母さん痛いッ!痛いッ!」

ナオコ「ごめんなさいキョウコちゃん!本当にごめんなさい!バカ娘が……」

キョウコ「いいんですよ~。ある意味アスカも忘れられないファーストキスになっただろうし~」

アスカ「そりゃ…一生忘れないわよ」

キョウコ「それに問題は『回数』ですからっ~」


アスカ「………」ジッ

綾波「………」ジッ

シンジ「えっ?」



155: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 23:02:15.36 ID:3d4tfkAO
冬月「碇には悪いが昔はモテたからな。」

冬月「何度口づけを交わしたか、など覚えておらん。ファーストキッスはたしか幼稚園でみよちゃんだったか。」

ゲンドウ「お前には悪いが、モテない代わりに私は『ユイ』と口付けを交わしている。」

ゲンドウ「結局は量より質だよ。」

冬月「…………」ガタガタ




冬月「……[ピーーー]ぇぇええええええええええ!!!!」



ガバッ




ゲンドウ「………負け犬が。」



ガスッ




冬月「!?」




157: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 23:03:36.43 ID:3d4tfkAO
バタン

冬月「こ……腰を狙うとは卑怯だぞ碇!」

ゲンドウ「うるさい。とにかく私はムシャクシャしているのだ。容赦をしている余裕などない。」

ゲンドウ「腹いせに今日はお前が動けないことを良いことに、ユイとの初めてのあんな事やこんなことの思い出をたっぷりと聞かせてやる」

冬月「……やめろ!」

ゲンドウ「まずユイとのファーストキッスだが井の頭公園のボートにて。まだ季節があった頃だなぁ…」

冬月「やめろ!やめろ!やめてくれ!」

ゲンドウ「次にユイとの初めてのペッティンg」

ガスッ


ゲンドウ「  」


ユイ「…やめなさい。子供達も聞いてるんだから。」


158: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/31(月) 23:05:12.12 ID:3d4tfkAO
ピーポーピーポー…


マヤ「冬月副司令は、救護班が運んでいきました。」

ゲンドウ「………」

ユイ「全く、アナタって人は!少しは限度を知りなさい!!」

ゲンドウ「……すまない」

リツコ「とりあえず司令、今回の副司令の治療費は自腹でお願いします。」

ゲンドウ「えっ!?」

リツコ「当たり前です。撮影とは何ら関係ないんですから。」
ユイ「……あなたのお小遣いから引かせて貰いますから」

ゲンドウ「そ…そんな」

アスカ「色んな意味で可哀想ね。アンタのお父さん。」

シンジ「うん……」


170: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:43:03.14 ID:S3ySocAO
再び車内

リツコ「…で、次は一回マンションに帰ってミサトと私の着替えを兼ねて撮影ね」

ミサト「で、どんな素敵なドレスを用意してくれたのかしら」

リツコ「たっかいやつよ」

ミサト「……値段が基準なのね。アンタは」


ミサト宅

ミサト「もう寝なさいよー。明日デートなんじゃなかったの?」

アスカ「そう。美形と。」ガバッ

アスカ「ああ、そうだ、ねぇ、あれ貸してよ。ラベンダーの香水。」

ミサト「だめ。」

アスカ「ちぇっ!ケチぃ!」
ポリポリ

ミサト「子供のするもんじゃないわ。シンジ君は部屋?」

アスカ「篭りっぱなしよ。父親に会うのがイヤみたい。」

アスカ「嫌ならいやって言えばいいのに。日本人てのはねぇ~。」

ミサト「嫌、って言うわけでもないのよ。それが問題なのよね。」


マヤ「はいカット!お疲れさまです」

キョウコ「日に日にアスカは、演技が上手くなってるわね~」

アスカ「ありがとママッ♪」

リツコ「私の指導の賜物ね。」

アスカ「……うるさい眉毛」

リツコ「まっ……」


171: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:44:24.68 ID:S3ySocAO
アスカ「このスナック、くっっっそ不味いじゃないのよ!何?嫌がらせ?」

アスカ「あと前回の放送、さっき見たけど何あれ」

アスカ「ほっとんど映像の使い回しも良いとこじゃないの!」

アスカ「あんなんじゃ視聴率、とれっこないじゃない」

リツコ「でも…」

アスカ「それにリツコ、センス古すぎ。ラベンダーの香水って、今じゃ滅多に存在しないわよ。」

リツコ「セカンドインパクト前の古き良き時代の貴重品じゃないの!」

アスカ「おばさんの思考ね」

アスカ「お・ば・さ・ん」

リツコ「なっ……」


172: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:44:53.62 ID:S3ySocAO
マヤ「やっぱり今日は一段と手厳しいですね…」

ミサト「仕方ないんじゃないの」

アスカ(もぉームカムカするわ!)

アスカ(……何でこんなにムカムカするのかしら)

アスカ(リツコにファーストキッスを奪われたから?)

アスカ(……それもそうだけど)

アスカ(シンジと初めてキスしたの私じゃなくてレイだってことも)

アスカ(なんかムカツクわ)ギロッ

シンジ「ミサトさん、さっきからアスカがずっと睨んで来るんですけど…」

ミサト「色々あんのよ。女の子には。」


173: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:45:27.75 ID:S3ySocAO
ミサト「それよりリツコ、何よこのドレス。」

リツコ「高かったんだから」

ミサト「中はともかくこの赤い上着はナシじゃない?」

ミサト「特にこの肩パットが……ねえペンペン?」

ペンペン「クェ……(ナシだな……)」

リツコ「何よ。何よ。みんな揃って私のこといびってっ!」

アスカ「かわいこぶっても、ぜーんぜん可愛くないわよ」



リツコ「……もういやだわ」



マヤ(ちょっとセンパイ、可愛いかったかも…)


174: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:45:55.54 ID:S3ySocAO
マヤ「じゃ、シンジくん次は寝ながらお父さんについて葛城さんに話すシーン、撮るから隣の部屋に移動してね。」

シンジ「はい……」

シンジ「ってあれ、暗幕が破れちゃってますよ」

リツコ「んじゃ、黒のガムテープで塞いで」

シンジ「はい……」

アスカ「買い直せばいいじゃないのよ」

リツコ「いい、アスカ、小さな積み重ねが…」

アスカ「の割には大きな積み重ねが大きすぎるのよ」

ガラッ

シンジ「ベッドだ……」

ドタッ

シンジ「疲れた…」

シンジ「このまま寝ちゃいたい……」

シンジ「………」


175: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:46:47.39 ID:S3ySocAO
綾波「………」

シンジ「わああ!?」

綾波「驚かせたかしら?」

シンジ「い……いや……」

シンジ「アスカとミサトさんは?」

綾波「アスカは着替え中。葛城さんは赤木博士…リツコ博士の方と揉めてるわ」

シンジ「はは…」

シンジ「そうだ、暗幕直さないと…」

綾波「ねえ、碇くん」

シンジ「何?」

綾波「……アスカのこと、どう思ってるの?」

シンジ「どうって?」

綾波「どう思ってるの?」

シンジ「うーん……」


176: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:47:26.83 ID:S3ySocAO
シンジ(5年前にアスカのお母さんとドイツからこっちにきて…それから仕事のとき以外は近所に住んでて……)

シンジ(それで学校でも…ネルフでも一緒で……)

シンジ(ただの近所の子?……違う。クラスメート?……違う。)

シンジ(同僚……これも違う。友達……とも違う。)

シンジ(なら……何なんだ?)

シンジ(敢えて例えるなら…)

シンジ「大切な…人間、かな?」

綾波「大切な…ひと?」

シンジ「うん。守りたい人間。」

シンジ「もちろん、綾波もミサトさんも母さんも…父さんやリツコさんも」


177: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:48:14.56 ID:S3ySocAO
シンジ「敢えて言うなら綾波への感情とちょっと似てるかも」
綾波「私と……」

シンジ「うん」

綾波「………もういいわ」

ガラッ

シンジ「えっ、綾波…怒ってる?」

マヤ「あ、シンジくん撮影始めるから」

シンジ「は…はい」

ミサト「全く、アスカが着替えちゃったら時系列的におかしくなるじゃないの……」

リツコ「だから、そのシーンはシンジくんを写したままにして声だけ…ってことにすればいいじゃないのよ」

あまぎぃぃぃぃぃごぉぉぉえぇぇぇえ~♪

リツコ「はいもしもし赤木リツコですが」

ミサト「………」

178: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:48:41.46 ID:S3ySocAO
加持『ああ、俺だ。セッティングも終わった。司令達も病院から間もなくこっちへ向かうらしい。』

リツコ「了解。こっちも撮り終わったらそっちに向かうわ」

アスカ「やだママァ!この服、送られてきた、だっさいワンピースじゃないのよっ」

キョウコ「可愛いと思うんだけどなぁ~」

ワイワイガヤガヤ



綾波「………」

綾波(………私は碇くんにどんな答えを求めてたのかしら)

◇<ラー……


179: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:49:57.43 ID:S3ySocAO
シンジ「分かってるよ!」

ミサト「これから分かるのよ。」

ミサト「最初の一歩だけじゃなく、その後に続ける事も大切だって言う事が。」

ミサト「とにかく、明日は胸を張っていきなさい。お母さんにも会うんだから。」

ミサト「…じゃ、お休み。」

ガラッ

シンジ「………」

アスカ「ねぇ、明日の服、買ったんでしょ?見せてよ!」

ミサト「フフーン。見たい?高かったんだから。」

アスカ「値段よりセンスよ。」

マヤ「はいカット!」

リツコ「オッケー」

ミサト「ちょっとリツコ、私になに視聴者に誤解を招くセリフを言わせるのよ」

ミサト「まるで私がこのドレスを選んだような感じじゃない」

リツコ「オホホホホホ…」

リツコ「んでマヤ」

マヤ「えっと次は暗幕を剥がしてアスカと、シンジくんのシーンですね」

リツコ「もう3時を回っちゃってるわ。急がないと。」

リツコ「はい。シンジくん。」

シンジ「えっ……何ですかこれ」

リツコ「チェロよ。チェロ。」

シンジ「ぼ、僕チェロなんて弾けませんよ!」



180: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:50:27.05 ID:S3ySocAO
リツコ「ああ、バイオリンなら借りれなかったのよー」

リツコ「だから一番形の似てるのを借りてきたんだけど」

シンジ「チェロとバイオリンは別物で……」

リツコ「えっ、無理なの?」

シンジ「断言します。無理です。」

リツコ「じゃあとりあえず弾いてる振りをして。」

シンジ「それならなんとか」

マヤ「でもセンパイ、音声は?」

リツコ「ネルフ職員から草の根分けてでも弾ける人間を探しだすわ」

ミサト「習い事やってたことを後悔するような人間、初めて聞くことになるわね」


181: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:50:54.04 ID:S3ySocAO
アスカ「ねえ……このカッコでドラマ出なきゃダメー?」

リツコ「あら、アスカ可愛いじゃないの」

アスカ「アンタの可愛いはあてにならないし」

ミサト「でもアスカが言うほど悪くないわよ。」

ミサト「ねえ、シンジくん?」

シンジ「えっ……」

ミサト「ねっ?」

一同「………」ジーッ

シンジ「か……可愛いと思うよ、アスカ」


アスカ「かっ………」

シンジ『可愛いよ、アスカ』

シンジ『可愛いよ』

シンジ『かわいいよ』

シンジ『カワイイヨ』

アスカ「………///」

シンジ「あ、アスカ!顔が真っ赤!?」

ミサト「シンジくん、グッジョブよ。」グッ

シンジ「???」


182: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:51:26.37 ID:S3ySocAO
リツコ「よし。一通り撮り終わったし」

ミサト「じゃあ」

アスカ「行って」

シンジ「きます。」

ペンペン「クギュッ!(らっしゃい)」

シュパッ

マヤ「で、次の撮影場所ですけど……」

アスカ「こうも一日であっちこっちしてると、何だかぐちゃぐちゃしてくるわね」

シンジ「これがまとまって一つの作品になるんだよなぁ」

アスカ「まぁ、リツコ次第だけども」

ミサト「だーいじょぶよ。バカだけど『頭だけ』は良いから。」

アスカ「一番厄介なパターンね」


183: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:51:56.80 ID:S3ySocAO
綾波「………」

ミサト「レイ、どうしたの?」

綾波「別に……」

ミサト「ごめんね。今朝のことで…シンジくんとアスカとの距離、おかしな感じにさせちゃったわね」

綾波「………私わからないんです」

ミサト「ほぉ、レイに分からないこと?」

綾波「何だか、アスカと碇くんがキス…したときモヤモヤ…して」

綾波「それから『アスカのこと、どう思ってるか』碇くんに聞いたら…あやふやで…」

綾波「何だか、司令じゃないけどムシャクシャ…したの」

ミサト「ふぅ~ん」ニヤニヤ

綾波「おかしいこと…ですか?」

ミサト「おかしくないわ、むしろ…嬉しいのよ」

綾波「嬉しい?」

ミサト「何ていうか、ネルフに来たばっかりの頃のレイはドラマよろしく暗かったじゃない?」

ミサト「だからそう言う感情をレイが持つって…すごく嬉しいの。」

綾波「?」

ミサト「ふふっ。そのうちわかるわ。」




184: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:55:59.05 ID:S3ySocAO
旧東京・某所

バタン

アスカ「……ってこんなに移動時間、かかるなんて聞いてないわよ」

リツコ「あら。旧東京まで一時間なら上々な方よ」

加持「おー、やっときたきた」

加持「約束の時間を大分オーバーしてるぞ」

アスカ「ここって…まさか」

リツコ「そっ。『時田重化学工業』よ。」

(※時田重化学工業については第七話辺りを参照してください)

ミサト「確かに、宴会場の撮影としちゃピッタリね」

時田「今日はようこそおいで下さいました。」

綾波「……お父さん」


185: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 22:59:39.95 ID:S3ySocAO
リツコ「前にも借りたここのホール、また使わせて貰えることになったのよ」

ミサト「申し訳ありません…急に」

時田「いえいえ。」

時田「レイ、元気にしていたか?」

綾波「はい…」

(※時田と綾波は親子。但し母親(ユイの妹)とは離婚。ちなみに『綾波』は母親の再婚相手の姓です。)

時田「ホールのセッティングも新郎新婦、客もろもろのエキストラもこちらでご用意させて戴きました。」

ユイ「すみませんねお義兄さん…」

(ちなみに時田は妹の旦那ですがユイよりも10歳程年上なのでユイは『お義兄さん』と呼んでしまっています)

時田「おや、ユイさん。中で待って頂いてよかったのに」

ゲンドウ「悪いな」

時田「ははっ。ユイさんと司令の為ですから。」

時田「それに元社員とはいえ…霧島の件もありますし」

マヤ「すごいですね。時田重工。あっと言う間に日本屈指の企業に成長しましたし。」

時田「まだまだですよ。現在、JA(改)やS2機関に準ずるシステムの開発中です。」

ヒデアキ「ほう、S2機関に匹敵するシステムか……」

ミサト「お父さんまだ日本にいたの」

ヒデアキ「………」

186: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:00:33.96 ID:S3ySocAO
時田「それに…このドラマの影響かエヴァのようなロボットが欲しいという注文が殺到してまして。」

時田「それも開発しているんですが…どうも上手く行かなくて」

ユイ「と、言うと?」

時田「デザインです。どうもうちの開発にはセンスがないようで……」

アスカ「う……うなぎ?」

時田「みたいでしょ?白くて目がなくて口がひんむいてて……正直……」

綾波「キモカワイイわ」

時田「そうか、キモカワイイか。なら大丈夫だな。これで売ろう。」

アスカ「……どこもかしこも親バカばっか。」

ミサト「ふぅ……」

リツコ「溜め息なんかついちゃって」

ミサト「そりゃつくわよ。私達の馴れ初め…脚色してるけど…自分らで演じなきゃなんないんでしょ」

ミサト「どこの結婚披露宴よ」

リツコ「そう言えばまだだったわね。V、提供してもよくてよ。」

ミサト「結構です!」

ミサト「はぁ……」

ヒデアキ(……これで35回目の溜め息か)


188: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:03:00.19 ID:S3ySocAO
ユイ「セッティングまでしていただいてごめんなさいね」

時田「いえいえ。エキストラの皆さんも楽しんでますし…」

時田「お二人も本当に披露宴に来たつもりで楽しんで頂ければ」

エキストラ1「おーい、熱燗追加くれ!」

時田「お持ちしなさい」

社員「はい。」

エキストラ1「悪いなねーちゃん」

エキストラ2「今日はラッキーだったな。座ってるだけでタダで飲み放題食い放題出来るし。」

エキストラ1「いやー、面接帰りで助かったよー。一応スーツ着てるからさぁ。恥ずかしくないじゃん?」

社員「あの…お客様、会場ではサングラスを……」

エキストラ2「…あそこにいるヒゲグラサンはいいのか?」

社員「あの方は関係者で…画面にも映られないので……」

エキストラ1「じゃあ俺のことも映さないでおいて。」

エキストラ1「いや、やっぱり自慢したいしな…」

エキストラ1「でもグラサンは顔の一部だし……」


189: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:03:30.63 ID:S3ySocAO
マヤ「はーい、じゃあスタートです。」

エキストラ1「って何で俺が上司役でスピーチすることになってんのォオオオオオォォォ!?」

マヤ「声が素晴らしかったので是非」にこっ

エキストラ2「頑張れ長谷川さァアアアアァァァァーん」

エキストラ1「えー、新郎新婦のお二方ご結婚おめでとうございます。」

エキストラ1「いつも三つの袋と言うものを心に…」

エキストラ1「あ、三つの袋と言うのは俗に言う金玉袋にプレイボウイの袋とじそれから耳●●袋と……(以下、略されました)」



190: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:05:20.47 ID:S3ySocAO
マヤ「センパイすみません…どうしましょう……」

ミサト「10分も下ネタ言い続けてたわよ、あのオッサン」

リツコ「『三つの袋と言うものを心に』ってとこだけ使いましょう」

リツコ「とんだタイムロスだわ」

ミサト「そう言えばあの三人。どんな反応しってるかなっと♪」

◇<ラー///

シンジ・アスカ・ゲンドウ「………///」

綾波「………」モグモグ



ミサト(色んな意味で期待外れね)

191: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:06:01.36 ID:S3ySocAO
リツコ「しかもなかなかケーキ入刀もすっぱりケーキが切れなくってぐちゃぐちゃ。大掛かりな割には使えるシーンの少ないこと。」

ミサト「でも参考にはなったわ。いつかやる私とリョウジとの披・露・宴の。」

リツコ「そんなお金、あなた達にあるのかしら?」

ミサト「他人の心配するよりちょっとは自分の心配でもしたら?」

ミサト「あんたこのままじゃマジでゲロマズよ。」

リツコ「べ…別に私はあなたとは違って一人でも生きていけるわ」

ミサト「ふぅ~ん。冬月副司令みたいになってもいいのかしら」

リツコ「それは嫌よ。」

ミサト「まぁ、副司令は若い時かなりモテたらしいから。アンタはもっと悲惨なことになりそうだわ。」

リツコ「はいはい。流石は元ミス第2東大さんだこと。」

時田「美味しいか?レイ」

綾波「……あんまり」モグモグ

192: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:06:27.17 ID:S3ySocAO
時田「すまないな。いつも頼んでる業者が休みでね。」

時田「母さんから…連絡はあったか?」

綾波「いいえ。」

時田「……機嫌が悪いのか?」

綾波「別に……」

時田「どうしましょう」

ゲンドウ「君もまだまだだな。」

ゲンドウ「こう言うときはぎゅっと後ろから……」

シンジ「気持ち悪いよ、父さん」

ゲンドウ「………」



193: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:07:11.17 ID:S3ySocAO
加持「いやぁ、参った参った。トイレが混んで混んで。」

加持「しかしリッちゃん、よかったのかい?俺は髭を剃らなくて。」

リツコ「いいのよ。あの時も確か無精髭のまま来てたと思うから。」

加持「……よく覚えてるな」

ミサト「『頭だけ』は良いのよこのバカは」

マヤ「じゃあ始めますので加持さんはアチラで…」

加持「了解。」

ミサト「フーッ!」

リツコ「来ないわね、リョウちゃん。」

ミサト「あのバカが時間通りに来た事なんて、一遍もないわよ!」

リツコ「デートのときは、でしょ?仕事は違ってたわよ。」

加持「いやー、お二人とも!今日は一段とお美し……」

加持「……ちょっと待ってくれ」

マヤ「はいカット」

リツコ「どうしたのよ」

加持「その…」

加持「ちょっと…恥ずかしいな…と」


194: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:07:42.18 ID:S3ySocAO
リツコ「何を今更。散々キザなセリフを全国にたれ流してきたじゃない。」

加持「こう…何だか、今回は…やりにくいっていうか……」

加持「リッちゃん、俺はこんなこと言ったかなぁ…?」

リツコ「このシーンからは…ほぼ実際にあなたが言ってたこととセリフは同じよ。」

ミサト「私も覚えてるわ。当時…5年前はよーくキザなセリフ吐いてたもの」

加持「いやはや…お恥ずかしい」

リツコ「劇中のリョウちゃんのセリフは大体は本人からの受け売りよ。まさか、記憶にないの?」

加持「全く。」

ミサト「アンタにとって女の子って 欲の捌け口でしかなかったのね。最悪だわ。」

加持「いや、ミサトとリッちゃんは特別で……」

ミサト「なんで私とリツコが同等なのよー!」

加持「いや、だから……」

エキストラ1「おー、夫婦喧嘩か?」

エキストラ2「犬も喰わねーってやつだな!!」

一同「はははははは」

ミサト・加持「………///」

リツコ「チッ」


196: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:11:20.49 ID:S3ySocAO
ユイ「新婚さんは初々しくていいわね」

ゲンドウ「…思い出すな。あの頃を。」

ユイ「ええ。新婚当初はあなた、毎日のようにおめかししてて。」

ゲンドウ「……ユイに無様な姿は見せたくなかったからな」

ユイ「…まっ///」

そのころ病院では

看護師「ダメですよ冬月さぁん!」

冬月「うるさい!今からユイ君の元へ!」

看護師「そんなに暴れると…」

冬月「……ふが!?」


ボキッ



冬月「 」

看護師「…いわんこっちゃない」

医者「鎮静剤でも打っておけ」
看護師「……はい」


197: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:12:05.29 ID:S3ySocAO
アスカ「そう言えばパパとママも新婚さんみたいにラブラブよね」

キョウコ「だけどパパはユーロ勤務だからあえなくって~。ユーロの研究所って地下でしょ?だから電話も中々できないの~。」

ナオコ・時田「新婚…か。」

テイク8

ミサト「いつもプラプラ暇そうにしてるくせに。」

ミサト「どうでもいいけど何とかならないの、その無精ひげ。ほら、ネクタイ曲がってる!」

加持「お、お、お…これは、どうも。」

リツコ「夫婦みたいよ、あなたたち。」

加持「いいこと言うねぇ、リッちゃん!」

ミサト「誰がこんな奴と!」

マヤ「カットー」

マヤ「披露宴のシーンは以上で終了です。」

マヤ「時田社長、ありがとうございました。」

時田「いえいえ。礼には及びませんよ。久しぶりにレイとも話が出来ましたし。」

時田「それにこちらからもお願いしたいことがありますからな。」

ミサト「お願いしたいこと?」

時田「ま、それは後日と言うことで。」



198: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:12:52.46 ID:S3ySocAO
車内

マヤ「これからネルフ本部に戻って上のバーで撮影です。」

ミサト「マヤちゃんは働き者ね」

マヤ「いえ…私の今の仕事と言ったらMAGIの整備か撮影しかありませんから」

青葉「葛城さん、俺達も徹夜で編集やってること忘れないで下さいよー」

ミサト「そうだったわね。ありがとう青葉くんに日向くん」

日向(み…ミサトさんが俺に…ありがとうって……)カアァ

青葉「日向、顔真っ赤だぞ」

日向「そうか?」ニヤニヤニヤニヤ

青葉「……分かりやすい奴だな」


199: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:13:53.62 ID:S3ySocAO
ミサト「でもやっぱり自分達の馴れ初めを演じるのって恥ずかしいものがあるわね」

アスカ「の、割には嬉しそうよね~。ミ・サ・ト。」

ミサト「ばっ…バカいってんじゃないわよぉ!」

リツコ(結婚…か)

リツコ(恋人すら出来ないのに一体どうすればいいのよ…)

リツコ(どうせ結婚しても母さんの様になるのがオチだろうし)

ナオコ「リッちゃん、今すごく失礼なこと考えたでしょ」


ネルフ内・バー山百合

アスカ「わぁ……」

シンジ「なんかここ、すごくオシャレですね!」

ミサト「そりゃそうよ。ケッコウ予算、掛かってるって話だし」

綾波「初めて…」

リツコ「条例で20歳未満立ち入り禁止。まぁ、今日は特別、レアケースね。」

アスカ「ま、ますたー」ドキドキ

マスター「はい。可愛らしいレディー」

アスカ「ホットネクターを一杯頂戴」ドキドキ

マスター「畏まりました」

アスカ「……ふん。バーもちょろいもんね」

一同(あら、可愛い)


200: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:15:24.43 ID:S3ySocAO
リツコ「じゃあ三人はその辺で冷えるから温かい飲み物でも飲んでて。」

シンジ・アスカ「はーい」

ゲンドウ「私達も適当に飲んでいていいか」

リツコ「勿論。どうぞ。」

ユイ「ほどほどにしてくださいね。」

ナオコ「ゲンドウ君、すぐ酔っ払っちゃうから」

ゲンドウ「……ぷはぁ」

ゲンドウ「シンジぃー♪父しゃん、隣にしゅわっても……」

ユイ「はぁ……」


201: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:15:59.11 ID:S3ySocAO
リツコ「ちょっとマスター」ボソッ

マスター「はい?」

リツコ「『うっかり手を滑らせて』飲み物の中にお酒を入れてしまうことって、このお店ではあるのかしら」

ミサト「リツコ、あんた何を企んでるのよ」ニヤニヤ

リツコ「……止めないのね」

リツコ「で、あるのかしら?」

マスター「美しいお嬢様方に見とれて『うっかり』ホットネクターやホットココアやホットドクターペッパーの中に『間違えて』ウォッカを入れてしまうこともあるかも知れません」

リツコ「ふふっ、じゃ上着、脱いで置こうかしら」

リツコ「行くわよミサト」

ミサト「何?今あんた他人に鳥肌立たせる魔法でも使ったの?」

リツコ「…うるさい女ね」


202: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:16:26.55 ID:S3ySocAO
リツコ「それじゃ、加持くんこれ」

加持「これは……」

リツコ「5年前、加持くんからの京都土産」

加持「いやはや、ラッピングまで。綺麗に保存されてるもんだね」

リツコ「開けてなかったから」にこにこ

加持「あは…そりゃ綺麗なハズだな…」



203: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:16:58.65 ID:S3ySocAO
マヤ「それじゃあスタート!」

ミサト「今更何言ってんだか。ちょっち、お手洗い。」

加持「とか言って、逃げんなよ。」

ミサト「ベー!」

加持「ヒールか…何年ぶりかな。3人で飲むなんて」

リツコ「ミサト、飲みすぎじゃない?なんだかはしゃいでるけd…」



綾波「FOOOOOO!!!!!!!!!!!!!」ガタン




加持・リツコ・ミサト「!?」


204: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:17:56.43 ID:S3ySocAO
マヤ「カ…カット!青葉さんカメラ、止めてくださいっ」

ミサト「ど…どうしたのよレイ!」

加持「すごいテンションだな…」

アスカ「ミサトミサト!大変なのよ!レイが急に……」

綾波「ふふふふふふふふふ」

ミサト「……そういやレイ、弱かったっけ…」

綾波「そーいや碇くんさぁ~」

シンジ「は、はい」

綾波「私とアスカのどぉぉおおおっちが好きなの~?」

シンジ「えっ」

綾波「ねぇ~、どっちぃ~?」

シンジ「そんな事聞かれても…」

綾波「私はしれーとアスカならアスカの方が好きよ」

アスカ「……そうなんだ」


206: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:18:33.50 ID:S3ySocAO
ゲンドウ「そんな……」

シンジ「あっ父さん…」

ゲンドウ「レイ!今のはどーゆーことら?」

ユイ「もう、あなた!」

ゲンドウ「らまってろ!(黙ってろ)」

ナオコ「…お酒が入ってなきゃ絶対に言えない一言ね」

ゲンドウ「レイ!レイ!小さいときはあんなに…いつから近所のこむしゅめに!」

綾波「だってしれー、くさいし」

ゲンドウ「くさっ……」

綾波「私はアスカが好き~。でも碇くんはもっと好きよ~」

アスカ「ど、どさくさに紛れて何いってんのよレイ!」



ワーワーキャーキャー




ミサト「なんか今日は不思議とアンタがまともに見えてくるわ」

リツコ「あらありがと」


208: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:29:17.14 ID:S3ySocAO
テイク12

ミサト「終わる気がしないわね」

加持「でも司令もレイも今、丁度寝たところだよ」

ミサト「そう……」

マヤ「じゃ、じゃあ…スタートです…」

ミサト「花火でも買ってきましょうか?」

加持「あー、おかえり。」

ミサト「変わんないわね、そのお軽いとこ。」

加持「いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ。」

リツコ「ホメオタタチスとトランスサセスセサスね。」

リツコ「………」

ミサト「………すました顔してもごまかしきれないわよ」



209: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:31:31.11 ID:S3ySocAO
ミサト「さっぶ」

リツコ「ホントね…」

ミサト「ホントねじゃないわよ。勝手に上着を脱ぐとかなんとか言い出しちゃって。今日は冬日なのよ」

リツコ「ほら、さっきまで旧東京に居たからてっきり」

ミサト「…後先考えずにカッコつけちゃって」

リツコ「暖房はエコキャンペーンで28度までしか設定出来ないし」

アスカ「…リツコも、こうして並べるとまともに見えるんだけどね」

シンジ「昔はカッコよかったんだけどな…リツコさん」

シンジ「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」

アスカ「いや、兆候はあったわよ。連合軍が攻めてきた時、一人だけ優雅にコーヒー飲んでたり。」

シンジ「…すごいや」

テイク21

リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね。」
ミサト「何それ?」
リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。」
リツコ「その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ。」
加持「男と女だな。」
リツコ「そろそろおいとまするわ。仕事も残ってるし。」
ミサト「そぉ?」
リツコ「うん。」
加持「残念だな。」
リツコ「じゃあね。」
ミサト「うん…」

マヤ「カット!オッケーです。」

ミサト「よ……ようやくね」

ユイ「お疲れさま。ごめんなさいね。あの二人が…」

ミサト「いいえ。元はと言えばリツコが悪いんですから。」
リツコ「ま…また私?」

ユイ「うちの人とレイ、寝ちゃってるからお先に失礼します。」
リツコ「青葉くん車、手配して」
青葉「了解です。」
ヒデアキ「私もおいとましようかな。」
キョウコ「じゃあ私も~」
ナオコ「私も先に帰るわ。」

210: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:32:08.53 ID:S3ySocAO
リツコ「じゃあ母さん、恋からの録画しておいて下さい」

ナオコ「はいはい。」

ミサト「えっと…シンジくんとアスカは?」

リツコ「残ってる撮影、このペースなら明日に回しても大丈夫ですが…」

ユイ・キョウコ「勿論、置いていきます(~)」にこっ



ミサト「んで、ここはどこよ」

リツコ「道端。」

ミサト「んなこたーわかってるわよ!」

アスカ「っていうか寒いわね…」

シンジ「うん」

リツコ「寒いのは皆同じよ」

ミサト「ってアンタ達、自分達は映らないからってコートなんか羽織っちゃって!」

アスカ「ミサトはまだ上着があるからいいけど…加持さんの方が可哀想よ。」

加持「いやはや…まひっらな…」ブルブル



211: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:32:37.52 ID:S3ySocAO
リツコ「はい。じゃミサトここでゲロ吐いて」

ミサト「はぁあ!?」

リツコ「あの時、ゲロ、吐いてたじゃないのよ」

ミサト「な…なんでそんなことアンタが…」

リツコ「見てたから」

ミサト「!?」

ミサト「も、もしやアンタ、付けてたの?」

リツコ「今日辺り来るんじゃないかなーと思って」

ミサト「盗撮魔にストーカーにマッドサイエンティスト…役満なのはアンタの方じゃないの」

リツコ「マッドサイエンティストは余計よ」

リツコ「ほら、吐きなさい」

ミサト「そ…そんな酔ってないし出るもんも…」

ミサト「第一、実際に吐かなくったって…」

リツコ「リアリティの追求よ」

リツコ「じゃあ私が先に吐くからもらいゲロ的な形に…」

リツコ「お…え……う……」

ミサト「わかった!吐くから!やめて!」


212: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:33:05.39 ID:S3ySocAO
リツコ「…本気で気分が悪くなってきたわ」

マヤ「センパイ、白湯です♪」

リツコ「マヤ…一瞬天使かと思ったわ」

ミサト「まったく…酔っ払いはどっちよ」

ミサト「それじゃリョウジ、手伝って」

加持「俺の指を君の口につっこめと」

ミサト「ええ」

加持「参ったな…こりゃ」

マヤ「じゃあお願いします。」

加持「行くぞ」

ミサト「ええ……ォオオオオオォォォ(ry」


あまりにも見苦しいため省略されました。
お口直しにセクシーな赤木リツコ博士の白衣水着姿をご想像下さい!



213: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:33:34.01 ID:S3ySocAO
ミサト「………はぁはぁ」

加持「いい年して、戻すなよ。」

ミサト「悪かったわね、いい年で…」

加持「年はお互い様か…」

ミサト「そーよー…」

加持「葛城がヒール履いてるんだもんなぁ。時の流れを感じるよ。」

ミサト「無精ひげ、剃んなさいよ。」

加持「へいへい。」

ミサト「後歩く。ありがと。」

加持「……ん。」


マヤ「カットー!お疲れさまです」

リツコ「じゃあ処理はリョウちゃんよろしくね」

加持「ええっ」

マヤ「ああ、その必要はないみたいですよ」

日向「あ、僕がやっときますから」
加持「悪いな日向くん」

日向「いえいえ」

日向(……ひゃっほぉォオオオオオォォォ!!!!!!!)

アスカ「……壮絶ね」


214: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/01(火) 23:34:08.11 ID:S3ySocAO
シンジ「今思えば僕らはキスくらいで済んでよかったのかも」

アスカ「……くらい?」

シンジ「吐くよりかは…」

アスカ「……私はキスの方が嫌よ。」

シンジ「あっ……そんなに…やだった?」

シンジ「……ごめん」

アスカ「……アンタにしたことじゃないわ。アンタがされたことに対してよ」

シンジ「えっ……」


チュッ


シンジ「!?」

アスカ「皆が見てない前だと…これが『初めて』よね?」

シンジ「えっえっ……///」

アスカ「ば……バカっ。照れてるんじゃないわよ」

アスカ「その…忙しくってあの時、歯を磨いてなかったから…口がベーコン臭い女だと思われたくないだけ。勘違いしないでよね!」

シンジ「自覚あったんだ…」

アスカ「この…バカシンジ!」ガスッ

シンジ「な、なんで殴るんだよぉ!」

リツコ「あっちは元気そうでなにより」

マヤ「子供は風の子っていいますからね」


221: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:30:45.52 ID:tnE2zEAO
リツコ「次のシーンで外はおしまいだから」

ミサト「……やっとね」

リツコ「んじゃ、最後にこのタイミングで二人がキス。よろしく」

加持・ミサト「ええっ」

リツコ「あの時もゲロ吐いたまんまでチューしてたじゃないのよ」

加持「いや、あれは…テンションって言うか…」

ミサト「そ、そんなとこまで見てたの!?」

リツコ「そりゃミサトとリョウちゃんが復縁する記念的な瞬間ですものー」

ミサト「こいつ……」

ミサト「せめて、口ぐらい濯がせなさいよ」

リツコ「嫌よ。」

ミサト「……殴り殺す」

リツコ「殺人予告?やだ怖い。」

ミサト「こいつぅ……」

加持「いいよ。ミサト。」

ミサト「リョウジ…でも……」

加持「お前なら構わないさ。」

ミサト「リョウジ……」

加持「ミサト……」


リツコ「チッ」



222: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:31:39.21 ID:tnE2zEAO
ミサト「子供なのね。シンジ君に、何も言う資格ない。」

加持「もういい!」

ミサト「その上こうして都合のいいときだけ男にすがろうとする、ずるい女なのよ!」

ミサト「あの時だって、加持君を利用してただけかもしれない!嫌になるわ!」

加持「もういい!やめろ!」

ミサト「……自分に、絶望するわよ!」

ヌチュッ

加持「んっ……」

ミサト「ん……」

ミサト(こうなりゃ意地よ、意地)

アスカ「これがお…大人のキス……」

マヤ「し、舌までいれてます…。」

青葉「猛者だ……」


223: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:32:18.80 ID:tnE2zEAO
加持(……やっぱりモラいそうだな…こりゃ)

ミサト(リツコ~さっさと……)チラッ

リツコ「………ふぅ」ぷはぁ

リツコ「電子タバコが美味しいわ」

ミサト(アンニャロォオオォォオオオオオォォォ…)



そのころ

日向「回収完了……」

日向「…………ハァハァ」




224: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:32:44.94 ID:tnE2zEAO
翌日・ネルフ

リツコ「昨日はお疲れさまでした。」

ミサト「ホントよ」

リツコ「ミサトが疲れた原因は別にあるんじゃなくて?」

ミサト「なっ……///」

シンジ・アスカ(昨日…ジュースにお酒を混ぜられたせいか途中から記憶が……)

綾波「おはよう」ケロッ

アスカ「……っていうか、あれだけ暴れたのによくケロッとしてられるわね」

リツコ「とにかく本日は残りのネルフでのシーンと、追加シーンを撮ります」

アスカ「追加ぁ?」

リツコ「それじゃあレイ、裸になって」

綾波「はい」ヌギッ


225: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:33:30.93 ID:tnE2zEAO
アスカ「ちょっとまてぇぇい!!レイも納得してぬがなぁぁぁい!!」

綾波「…今日は暑いし問題ないわ」

アスカ「そう言う問題じゃないのよアンタ」

リツコ「何よアスカ。アナタが脱ぎたいの?ダブルスコアで差をつけられてるからって必[ピーーー]。」

アスカ「んな訳ないでしょうが。条例だかなんだかが可決されて未成年の裸が…」

リツコ「だから今のうちにやっておこうかなって」

アスカ「……良心とか良識とか罪悪感ってもんがないのね」

リツコ「ないわよ。これは純朴な少女の生まれたままの姿をいやらしいとする社会へのアンチテーゼだし」

ミサト「随分と私欲にまみれたアンチテーゼね」


227: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:34:21.11 ID:tnE2zEAO
ドグマ内・倉庫

リツコ「急回装置、ここにあったのね」

マヤ「これだけは据え付けで第二発令所には移せなくて…。」

ミサト「確か電極を流したL.C.Lの中に入るとたった10分で12時間の睡眠と同じ効果が得られる…ってやつよね」

マヤ「ちょっと設定を弄れば栄養補給や傷の治療も可能です。」

青葉「ただ、電気代がバカみたいに掛かるのが難点…なんですが」

リツコ「…これはまだ役に立つからまだしも、本当ロンギヌスの槍って邪魔くさいわよね。」

日向「仕方ないですよ。決議で保管すると決まってしまいましたからね。」

リツコ「トレジャーファクトリーとかで売れないかしら?」

ミサト「聖なる武器も堕ちるとこまで堕ちたわね」


228: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:34:58.98 ID:tnE2zEAO
ゲンドウ「待て!私は認めない!」

リツコ「あら、売るなんて冗談ですよ」

ゲンドウ「そちらはどうでもいい。私が認めないのはレイが全裸になると言うことだ。」

綾波「私は構いませんが」

ゲンドウ「レイ、お前が良くても私がダメなのだ。」

ゲンドウ「全国にレイの裸を晒すなど保護者として頑と……」
リツコ「と言いましても第伍話でシンジくんがレイの…」

ゲンドウ「アレは仕方あるまい。『事故』だからな。」

リツコ(劇中と言えども自分の息子の事は正当化するのね)


229: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:35:28.15 ID:tnE2zEAO
ミサト「どうすんのよ。頑として認めないつもりよ」

リツコ「副司令と一緒に入院してくれれば良かったのに」

アスカ「…最低ね」

マヤ「あの…センパイ。これ……」

リツコ「何よそれ」

マヤ「ボディスーツです。肉眼で見るとただの肌色の下着にしか見えませんが」

マヤ「カメラからは……」

ミサト「あら、脱いでるみたい」

マヤ「第二東映が開発したんです。ベッドシーンを撮るとき役者さんがやり易いよう作られたんですが……」

リツコ「…………」

マヤ「納得いってないみたいですねセンパイ」


230: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:36:40.99 ID:tnE2zEAO
リツコ「実際に脱ぐからいいんじゃない。脱いでるように『見える』なんて…」

青葉「雑誌版のTOLOVEるくらい味気ないですよね。」

リツコ「……青堀くんが何を言ってるのか良くわからないけど、とにかく妥協は出来なくてよ」

青葉「………」

ミサト「でも、司令は最高指揮官。基本放置だけど敵に回すと厄介よ?」

リツコ(確かに…一番行動が読めないのは司令…ね。)

リツコ(今度は反省部屋じゃすまないかも知れない)

リツコ「…わかったわよ」

ゲンドウ「待て、私はそんなに納得していないぞ」

231: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:39:01.01 ID:tnE2zEAO
マヤ「じゃあスタート!」

ゲンドウ(何だか腑に落ちないな…)

綾波「…………」

こぽぽ…

ゲンドウ「…………」ジッ

ミサト「ぷふっ……」

リツコ「ふふふふふ…」

一同「ふははははははは!」

ゲンドウ「???」

マヤ「か…カット……」ぷるぷる

ゲンドウ「な…何がおかしい」

ユイ「ふふふふ……」

シンジ「父さん…なんか変質者みたい……ぶふっ」

ゲンドウ「へっ……」


232: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:40:58.94 ID:tnE2zEAO
ゲンドウ「………」パチン

ゲンドウ「連れていけ」

諜報部員「はっ!」

リツコ「ちょ……何するのよ!」

リツコ「イヤァァアアァァァアアアァァアア!」ズルズル

マヤ「残ってる合成用の撮影のリリス役…誰にしましょう」

ミサト「司令で良いんじゃない」

マヤ「……ですね」


233: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:46:50.81 ID:tnE2zEAO
  .;,r .,r_,,  .., ., " ,' ,r,..|.,i     .、.、; 、    .', ョ.,',i   'i .i  .!
  ./ ./ | .,ノ/.,イ !'"l゛,,' .l/.' ,.    ` l  .l ..'v-―― ! !l,! !   ! .}、,!
 │/ | / .,!,i"′l` テ ,、-\,゛;;;;;;ッ /    '、 ..゛‐''" ̄゛.l!.゛ `、  | l゛ .` l_,,
  l / ./"..i〃  ∠__ ,,`' ,ヽ              ン---)、 l′  '、、
  .l!./   "` ./      `゛'〈|L.l      i     ./     .ヽ     .`‐
 /     ./         `', !、 │  .| .,,,..,、 /       `'、
ヾ      /    ウ      l |゛  {   l′ 八    ワ   \
      /             l       !./″ヽ         |
     l',             / ̄'i  .,--_,, . l.   .ヽ        /
     .! ヽ        ,i'゛   .!  -  .l.    ' ,       .,'
    │ ' ,.     ,, ┤    /        .l,    `t-,,,   _./  次回予告……
    │ .'-,゛'―-‐'" ../     /         ',    ,! '`-ニ l゛
     ゛l  .二ニ-;;,'/     /          l    `-, ..`~ !
     l    `゛ /     /              l     ..l,   !
      ',     /     ../     ,.、  ,,、    l     l .,ノ
      ′   `     ヾ     ゛  ゛     l
増える借金
進むマンネリ化
忘れられているようだがこれはネルフの命運をかけているドラマ
焦るリツコに選ばれた『子供達』の運命は。

さぁて次回も
ウワァアアアアアァアアアアァァァァ!!!!!!!

236: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:53:04.13 ID:tnE2zEAO
碇家の朝は早い

シンジ「ふぁっ…」

シンジ「おはよう…」

ユイ「おはようシンジ」

ゲンドウ「目が覚めたか」

ゲンドウ「どうだ?久々の自宅は」

シンジ「どうもこうも…」

ゲンドウ「今日の朝食のパンは私がトースターで焼いたんだ」

シンジ「焼いたっていうか父さんは『入れた』だけだよね?」

ゲンドウ「………」

ユイ「こら、シンジ。これでもお父さんは頑張ったんだから」

ゲンドウ(『これでも』……)


238: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:56:43.71 ID:tnE2zEAO
綾波「おはようございます」

シンジ「おはよう綾波」

ユイ「おはようレイ」

ゲンドウ「今日のパンは私が……」

綾波「じゃあいりません」

ゲンドウ「………」

綾波「ラミエルさん、充電してあげる……」

◇<ラー


239: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:57:35.48 ID:tnE2zEAO
ネルフ・エントランス

アスカ「……それで司令、今朝会ったときに元気がなかったのね」

シンジ「それくらいで?」

アスカ「そうよ。何だかんだで構ってくれそうな人間って冬月副司令くらいなもんでしょ」

アスカ「今回は副司令だけ入院しちゃってるみたいだし」

シンジ「自業自得じゃないかなぁ……」

ミサト「シンジくんも苦労が絶えないわね」

アスカ「で、ずっと外が騒がしいのは何で?」

シンジ「ここに来るまで記者みたいなひとが追いかけてきたけど……」

リツコ「それはね、私が新聞社にファックスをばら蒔いたからよ」

ミサト「……まぁたアンタの仕業か」


240: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:59:07.45 ID:tnE2zEAO
リツコ「私は思ったの」

ミサト「はいはい」

リツコ「初志貫徹。マンネリ打破……お分かり?」

シンジ・アスカ・綾波「ぜんぜん」

リツコ「このドラマを撮りはじめたばかりのころ、アスカが参加したてのころ…それに比べて今の状況は何よ。」

アスカ「やっと慣れてきたかな…って」

綾波「なんかこう、ふっ切れたわよね」

リツコ「そう!アナタ達は擦りきれてしまったのよ!潤い!潤いが足りないの!」

アスカ「…って言ってもマンネリ気味だし。」

シンジ「最近僕らは空気だし。」

綾波「適応してしまったの。赤木博士の行動に。」

リツコ「最近、視聴率が伸び悩んでいるわ。」

アスカ「……これが原因だと」
リツコ「そうよ!だから『新しい風』を入れるの!」

ミサト「……大体新キャラって失敗するけどね」

リツコ「大丈夫よ。『新キャラ』であって『新キャラ』じゃないから」

一同「?」



241: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 12:59:46.25 ID:tnE2zEAO

きゃっきゃっ♪うふふふ♪

アスカ「そういや発令所の外もなんだか騒がしいわ」

リツコ「それじゃマヤ、中に入れて」

マヤ「了解です♪」

マヤ「みんなー!はいって~」

「はぁい!!!!!!!!」



アスカ「ってええっ!」ビクッ

「おはようございまーす」



綾波「子供が…さんにん?」

シンジ「しかも僕らに……そっくり?」




ちびシンジ「こんにちは!ちびシンジです!」


ちびアスカ「ちびアスカよ!」


ちびレイ「……ちびレイなの」



242: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:01:23.65 ID:tnE2zEAO
シンジ「ああ…どうもご丁寧に…」

ミサト「『ちびアスカ』って…」

リツコ「役名でもありこの場所での呼び名でもある」

アスカ「いや、この子達の本名は?」

リツコ「ないわよ。あっても現時点から撮影終了まで抹消するわ。」

リツコ「私達と同じ気持ちで仕事をして貰いたいから」キリッ

ミサト「最近ツッこむの飽きてきたのよね。アスカ、代わりにやってくれない?」

アスカ「私だって嫌よ。…そうだアンタ、『ちびアスカ』なんでしょ。アンタがやりなさいよ。」

ちびアスカ「リツコ、あんたばか?いみわかんないわよ!」



ちびアスカ「……こうですか?」


一同(か・わ・い・い!)



243: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:03:56.16 ID:tnE2zEAO
ミサト「しかし、これほどまでに声も顔も喋り方も似てる子役、良く見つけてこれたわね」

マヤ「第二東映の総力をあげて、探し出しましたからッ!」

マヤパパ「いやぁ、大変だった。一万人の中から選んだ三人だよ」

シンジ「一万って…すごい」

アスカ「アンタ、すごいのね」

ちびアスカ「えへへ~」

ミサト「あ、マヤちゃんのお父さん、お久しぶりです。こんにちは」

アスカ「……あれ誰?」

シンジ「マヤさんのお父さん。第二東映の社長さんなんだって。」

アスカ「ま、マヤって社長令嬢だったの?」

シンジ「あれ…前に話さなかったっけ…」

アスカ「最近記憶があやふやで」

シンジ「……奇遇だね」

244: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:05:12.80 ID:tnE2zEAO
マヤパパ「マヤがお世話になっております。」

ミサト「こちらこそ。使徒のお金の支払いが遅くなってしまったり…」

マヤパパ「いや、レリエルの件ならこちらも少し『オプション』をつけたかったものでして」

ミサト「オプション?」

マヤパパ「この不景気だからこそパーッと!」

ミサト「パーッと…ですか」

アスカ「親子共々変わってるのね」

ちびレイ「………」クイクイ

リツコ「なぁに?」

ちびレイ「ばぁさん、おなかすいたの」

リツコ「ば……」

リツコ「…………」ピキッ

ミサト「ってリツコ、あんた何子供の首に手ぇかけてんのよ!!!!!!?」

アスカ「…ちびレイは本人と似て中々くせ者ね」

綾波「ちびアスカも本人に『似て』とても可愛いわね」

アスカ「……アンタ静かにケンカうってるの?」


245: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:06:09.41 ID:tnE2zEAO
スッ

ちびシンジ「けんかはやめてください。おうつくしいレディーのおふたり!」

綾波・アスカ「……えっ?」

ちびシンジ「ぼくは…あなたがたのきずつくすがたをみたくないのです。」

アスカ「ず…随分キザなセリフ、覚えてるのね///」ドキドキ

綾波「………///」ドキドキ



シンジ「…………」

ミサト「似てもにつかないわねwwシンちゃんとちびシンちゃんww」

246: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:06:36.37 ID:tnE2zEAO
リツコ「で、さっきまで三人のお披露目をしてたの。マヤのお父様と一緒にね。」

アスカ「それでエントランスが混んでた訳か」

マヤパパ「それではそろそろおいとましようかな。」

マヤパパ「その前に司令に挨拶をしたいのだが…」

シンジ「父さんは今、母さんと一緒に病院に行ってます」

マヤパパ「病院?碇司令は具合でも悪いのかい?」

シンジ「いや…あの…その逆といいますか……」

マヤパパ「?」

綾波「お見舞いにいってます」
マヤパパ「そうか。なら仕方ないな。じゃあマヤ、しっかりな」

マヤ「はい。」

ミサト「………最初は親バカに見えたマヤちゃんパパが今はまともに見えるわね」

247: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:12:56.38 ID:tnE2zEAO
リツコ「じゃあ、撮影のあるちびシンジくん以外は帰って良いわよ」

ちびアスカ「えー、やだぁ!見学していきたぁい」

ちびレイ「………」こくこく

ちびアスカ「ママもいいっていってるしおねがいします!」うるうる


リツコ「……どうするミサト」

ミサト「な、なんで私に振るのよ」

ちびアスカ(ふふふふ…揺れとる揺れとる)

ちびレイ(相変わらず腹黒いのね)

ちびアスカ(うるさいわね。こうでもなきゃこの世界生きていけないのよ大根役者)

ミサト「ん~…親御さんもいいって言ってるなら…」

ミサト「邪魔しちゃだめよ?」

ちびアスカ「ありがとう~」にこっ

アスカ「………」

シンジ「どうしたの?」

アスカ「何か気に食わないのよね。あのガキ。」

シンジ「あのガキってアスカ……」

248: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:20:12.96 ID:tnE2zEAO
リツコ「それじゃあ撮影を兼ねてシンクロテスト、始めるから着替えてね」

ちびアスカ「しんくろてすと?」

リツコ「……ミサトお願い」

マヤ「センパイ、子供苦手なんですか?」

リツコ「12歳以下はちょっとね…」

ミサト「えっと。簡単にいうと……」

ちびアスカ「うんうん」

ちびレイ「なるほど……」

アスカ「……何か微妙にタイムロスしてるんだけど」

シンジ「仕方ないよアスカ、相手は子供なんだし」

アスカ「子供子供って甘やかすから!」

ちびシンジ「すみません…あすかさん」

アスカ「あ、アンタは…」

ちびシンジ「ほんらいならぼくがあの3にんをまとめるべきなのに…」

アスカ「い…いいのよアメ、食べる?」

ちびシンジ「ありがとう」にこっ

アスカ(ほ…ホント顔は小さい頃のシンジにそっくりよね……///)

シンジ(……アスカも十分甘いよなぁ)

250: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:26:44.40 ID:tnE2zEAO
サツキ「パイロット、搭乗完了しました。」

リツコ「マヤ、準備は?」

マヤ「エントリープラグの方も完了しました。」

リツコ「んじゃあLCL注水開始」

リツコ「………」

ちび一同「わあああぁ……」

ミサト「見てて楽しい?」

ちびレイ「たのしい。すごく。」

ちびアスカ「ここはすごくかわった現場です!」

ミサト「うーん…他のドラマの現場、行ったことないから分からないんだけど」

ちびシンジ「女優さんよりうつくしい女性がたくさんいて、さいこうです!」

ミサト「まっ、上手なのね///」

リツコ「……このちびシンジ君だけは可愛いく見えてきたわ」

ちび一同(………にやっ)

251: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/02(水) 13:55:57.54 ID:tnE2zEAO
ちびシンジ「あの…ちょっと僕ら、おトイレに」

ミサト「あら、場所わかる?」

ちびシンジ「へいきです。」

ミサト「そう。気をつけて行ってらっしゃい♪」


ネルフ・トイレ

ちびアスカ「ふん、作戦通りね。みんな私たちの魅力にメロメロよ!」

ちびレイ「『この作品』を乗っとるなんて…上手く行くのかしら」

ちびアスカ「いくわよ!あのデカ物3人の代わりに私たちが主役を乗っとる。」

ちびアスカ「その為に周りの大人達をメロメロにして、お気に入りにしてもらうの!」

ちびシンジ「……まぁミk…じゃなくてちびアスカの思惑は別として、僕は綺麗なお姉さんが好きだから良いんだけど」

ちびアスカ「いい、アンタが協力してくれないと私のでっかいのと赤目青髪と金髪ババアの3人が厄介なんだから」

ちびシンジ「ババアって失礼だよ。まだまだお姉さんだ。」

ちびアスカ「残りの大人は大根役者、アンタに任せたわよ」

ちびレイ「ちびシンジくんがやるなら私もやる」

ちびアスカ「ふふふふ…見てなさいよ中坊3人組ッ!」



加持(……内緒話をするのに無防備なのはやはり子供か)

270: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:04:32.21 ID:OhkHFAAO
日向「ミサトさん、なんだか疲れてません?」

ミサト「いろいろとね、プライベートで。」

リツコ「加持君?」

ミサト「うるさいわねぇ!どう?サードチルドレンの調子は?」

マヤ「見てくださいよ。」

ミサト「どれどれ…」

ミサト「お~!これが自信につながればいいんだけどねぇ。」

サツキ「はいカット!お疲れさまでした。」

リツコ「悪いわねサツキ。全く、リョウちゃんったらカメラマンのくせにどこいっちゃったのかしら。」

ミサト「ねぇ、リツコ」

リツコ「何よ」

ミサト「散々前回まで風呂敷広げてきたけど回収…出来るの?」

リツコ「あら、ミサトも遂にやる気を出してくれたのかしら」

ミサト「失礼ね。前々からちゃんとやってたわよ。」

ミサト「まぁ、何だかんだで相変わらず財政難だけど、何とかやっていけてるしね。」

日向「今やポスト仮面ライダーとまで言われてますからね。DVDの売り上げも好調です。」

マヤ「先日放送された『シンジ・レイ・アスカのネルフな放課後』の初回も中々の聴取率で、巨大掲示板では3日で200スレを突破しました。」

青葉「現在レイのキャラクターソングもテスト段階、只今碇司令のキャラクターソングも現在作詞作曲中です」

マヤ「何故か人気なんですよね、碇司令。」

マヤ「イメージが壊れること必至なんで、とりあえず取材は全て断っていまして…アスカやレイみたいに露出は多くないんですが」

ミサト「…まさか息子より先にリリースされるなんてね」


271: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:06:15.36 ID:OhkHFAAO
ミサト「とにかく、こんなに盛り上がっちゃってる訳だし、下手な終わり方したら今後のDVDの売り上げにも影響してくるわよ。」

ミサト「あと拾話なのよ?何とかなるの?」

リツコ「回収できなかった時はできなかった時よ。」しらっ

ミサト「…後生に『エヴァンゲリオン詐欺』なる言葉が残されそうなもんね」

リツコ「話題になって丁度よくてよ。」

リツコ「それより、2週間振りのエントリープラグ、気分はいかが?」

アスカ「悪くないわ。」

綾波「問題ありません」

シンジ「僕は何故か気分が優れません」

リツコ「気のせいよ。」


272: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:06:52.56 ID:OhkHFAAO
マヤ「今回もテスト、問題ありませんでした。」

リツコ「そう。じゃあこのまま撮影に移行するわね。」

リツコ「三人とも、そのまま通信を繋いだままにしておいて頂戴。」

アスカ「エントリープラグ内の撮影って台本持ち込めないから嫌よね。」

シンジ「滲んじゃうしね…」

アスカ「滲まない紙とかあるでしょうに。それに印刷するとかしてくれないの?」

リツコ「予算がないの」キッパリ

アスカ「[ピーーー]。ごんぶと眉毛。」

シンジ「あ、アスカ、いくらなんでも言い過ぎなんじゃ…」

ミサト「…今日はえらくツッコミが雑ね」

273: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:08:56.62 ID:OhkHFAAO
サツキ「それじゃあスタート!」

ミサト「聞こえる?シンジ君。」

シンジ「ミサトさん!今のテストの結果、どうでした?」

ミサト「は~い、ゆーあーナンバーワン!」

シンジ「………っ」

くすくすくすくす

ミサト「ちょ…ちょ、何よ」

リツコ「ミサト、アスカに英語、習った方が良いんじゃないのwwwwww?」

ミサト「そ、そこまで酷くないわよ!」

リツコ「だってあ~ゆ~あナンバワーンってwwwwwwwwwwww」

一同「プークスクス」

アスカ「…一番私が傷つく形になってるのは何故なのかしら」


274: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:10:57.11 ID:OhkHFAAO
女子更衣室

ちびシンジ「ただいまかえりました」

ミサト「あら、三人ともおかえりなさい。遅かったわね」

ちびアスカ「ママからでんわがかかってきちゃって」

ミサト「そうー。でも良くここが分かったのね」

ちびアスカ「かじさんってひとにつれてきてもらったの」にこっ

ちびシンジ「しかも甘いコーヒーまでかってもらっちゃいました!」

ちびアスカ「ありがとー」

加持「どういたしまして」

加持「下のローソンから帰って来たらたまたま会ってな」

ミサト「もぉ。またタバコでしょ?」

ミサト「家計、厳しいんだからタバコやめてってあれほどいってるじゃないのよ」

加持「タバコもだけど、明日の飯の材料の下見もだよ。最近じゃ外でおちおち買い物も出来やしない。」

リツコ「リョウちゃん、一昨日あなたのファンに襲われかけたそうよ」

リツコ「あなたの熱烈なファンはリョウちゃんだけじゃなかったみたいね」

ミサト「う、うるさいっ!」


275: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:11:38.16 ID:OhkHFAAO
ちびアスカ(『うちの家計』?『熱烈なファン』?)

ちびアスカ「あの…かじさんとミサトおねえさんって…もしかしてけっこんしてるんですか?」

ミサト「えっ…」

ちびレイ「ですか?」

ミサト「あー…えー……」

加持「まぁな。子供の割には察しがいいな君達。」

ちびシンジ「ええっ!?」

ミサト「ネルフの皆は知ってるんだけど…世間的にはドラマの関係で隠してるのよ」

ちびアスカ(弱味ゲットだわ!)

ちびシンジ(……チッ)

加持(いやはや…少しまいったな…)


276: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:12:14.43 ID:OhkHFAAO
キョウコ「あら~みんなお揃いで~」

ナオコ「おはよう皆」

ミサト「おはようございます。仕事、徹夜だったんですか?」

ナオコ「そうなのよ。ヒデアキ君はまだ地下よ。」

ミサト「…一生潜ったままでいいのに」

ナオコ「もう、ミサトちゃんたら大好きなくせに素直じゃないんだからっ」

ミサト「そ…そんなことないですってば!」

キョウコ「あら~ちっちゃい子達がいるのね~」

ちびシンジ「ちびシンジです」

ちびレイ「ちびレイなの」

ちびアスカ「ちびアスカよ!」

キョウコ「あら、ちびアスカちゃん、ちっちゃい頃のアスカにそっくり~♪」

キョウコ「かわいいわ~」なでなで

ちびアスカ「てへへ//」

ちびアスカ(大人ってちょろいわね)

アスカ「………」ムッ


277: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:13:59.95 ID:OhkHFAAO
マヤ「それじゃあ撮影開始するので、ちびのみんなは少し大人しくしててね」

ちび一同「はぁ~い!」

マヤ「それじゃあスタート」

アスカ「参っちゃったわよねぇ。あっさり抜かれちゃったじゃない?」

綾波「………」

ガタン

アスカ「ここまで簡単にやられると、正直ちょっと悔しいわよねぇ。」

綾波「………」

テクテクテクテク…

アスカ「すごい!すばらしい!強い!強すぎる!あ~無敵のシンジ様ぁ!これであたし達も楽できるってもんじゃないの。」

綾波「………」

アスカ「ね~!?まぁね~、私たちもせいぜい置いてけぼり食わないように、頑張らなきゃ!」

シュパッ

綾波「さよなら。」

シュパッ

アスカ「………」


ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!


マヤ「か…カット!」

リツコ「ちょっとアスカ、やり過ぎよ!ロッカーがべっこべこじゃないのよ」

アスカ「……」ギロッ

リツコ「ミサト…アスカコワイ」


278: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:15:40.29 ID:OhkHFAAO
ミサト「どうしたのアスカ?今日はいつも以上にイライラしてるわよ」

アスカ「『いつも以上』ってどういうことよ」

アスカ「……お察しの通り『2日目』よ。」

ミサト「あはは……」

アスカ「全く…こんな時にテストなんて最悪よ。」

綾波「タンポン、あんまり好きじゃないものねアスカ」

アスカ「……そんな情報は言わなくてよろしい」

ちびシンジ「ねえねえ」

アスカ「……あ?」

アスカ「って、ちびシンジ…。」

ちびシンジ「『ふつかめ』ってなんのことですか?」

アスカ「えっ……」

ちびレイ「なんのこと?」

ちびアスカ「ねーなんのこと?」

アスカ「えっ…あ……それは……」

ちびアスカ「きょーこママー、『ふつかめ』ってなに?」

キョウコ「それはね~」

アスカ「ま、ママも答えなくてよろしい!」
アスカ「それにちび!私のママを勝手に母親呼ばわりしないでよ!」
アスカ「私のママで、アンタのママじゃないのっ!!!」

ちびアスカ「……むぅ」

キョウコ「あらあらかわいそうに~」なでなで

アスカ「ああっ!また…」

キョウコ「だめよアスカ~。相手はまだ『子供』なんだから。」

アスカ「でもママ……」

キョウコ「めっ」

アスカ「………」

279: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:16:55.81 ID:OhkHFAAO
リツコ「とりあえず細かなシーンの前に『戦闘シーン』を撮ろうと思います」

アスカ「私達…まーたエントリープラグに乗せられてるんだけど」

リツコ「今回『も』納期が迫っているのでとりあえず三ヶ所同時撮りをしたいと思います」

アスカ「三ヶ所同時撮り?」

リツコ「とりあえず体育館の様子を撮影してモニターに移す」

リツコ「で、発令所とエントリープラグのモニターを繋げば…あら不思議。別撮りしなくて済むのよ。」

アスカ「なんでその方法をもっと前に気がつかなかったのよ」

リツコ「仕方ないじゃない。思い浮かばなかったんだから。」

マヤ「とりあえず3人とも、この長台詞は流石に大変だと思うけどがんばってね。」

280: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:18:18.16 ID:OhkHFAAO
サツキ「それじゃあ撮りまーす」

リツコ「遅いわよ。」

ミサト「ごめん、どうなってんの?富士の電波観測所は?」

青葉「探知してません、直上にいきなり現れました。」

日向「パターンオレンジ、ATフィールド反応無し!」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「新種の使徒?」

マヤ「MAGIは判断を保留しています。」

ミサト「もー、こんな時に碇司令はいないのよねー。」

サツキ「はいカットー」

アオイ「アクション班の皆さーん、準備は出来ましたか?」


初号機(ゲンドウ)「…問題ない」

弐号機(加持)「いやはや…これで二度目だな」

零号機(ヒデアキ)「ばっちりだぞー!」(よし…久々に目立てるぞ…!)

ミサト「……まさか司令がこんな理由でここに居ないなんて、視聴者は思いもよらないでしょうね。」

ユイ「あなた、無理しないで下さいよ」

ゲンドウ「おお、ユイ!私のことを心配してくれているのか?」

ユイ「逆です。あなたがこう言う役回りの時は誰かを傷つけかねませんから。」

ゲンドウ「………」

281: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:20:53.30 ID:OhkHFAAO
リツコ「碇司令に続く形でお二方は行動して下さい」

リツコ「碇司令は上空に使徒のダミー3D映像が流れますのでそれに向けてハンドガン(レプリカ)を撃ち」

リツコ「その後、使徒の本体を動かしますので、何とか抵抗しながら最終的に『飲み込まれて』ください」

ゲンドウ「随分と今回は指示が多いな」

ミサト「でマヤちゃん、この使徒はどんな仕組みになってるの?」

マヤ「まずセンパイの説明通り、目に見える上空の使徒はダミー映像です。本体はその影。」
マヤ「仕組みとしては小さな穴が改造したセットの床にランダムに現れます。」

マヤ「と、同時に内蔵されている映写機であのまるっこい3D映像を流し、同時に上にあるものを引きずりこむ。」

マヤ「その穴には細工が施してありましてLCLのジェルが詰められていて、落ちるというよりも『引きずりこまれる』感じになります。」

マヤ「引きずり込まれてもLCLのジェルなので呼吸も出来て安心ですし、一応初号機にも浄化装置をつけておきました。」


ミサト「へぇ。よくあの厄介なレリエルを再現出来たわね。さすが第2東映。」

マヤ「作ったのは私達ですけどセンパイのアイデアです。」

リツコ「ふふっ」

マヤ「でもそれだけでは色々甘いところもありますんでスタッフが残りの影を作ったり、あとで部分的にCGを使って穴の色を黒くしたりしないと…」

ミサト「なるほど。セット自体をまるごとつかった仕掛けじゃ…時間も予算も掛かるわけね。」

ミサト「…にも関わらず責任者が料金滞納してたなんて呆れた話よね」

リツコ「でもちゃんと払ったし」

ミサト「まるで万引き主婦の言い訳ね」


282: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:21:46.88 ID:OhkHFAAO
マヤ「初号機の設定完了しました。」

ミサト「お疲れさま。」

マヤ「碇司令、着心地はいかがですか」

ゲンドウ「問題ない。装置がついているとは思えないほどフィットしているぞ。」

ゲンドウ「……制服の受注はこれから第2東映に頼むか」

マヤ「とりあえず落ちていただいたらすぐに救出に向かいますので」

ミサト「そういえば今回は引きずり込まれるのは初号機だったけど確か『あの時』は……」

アスカ「アーアーアーアーアーアーアーアーアー」

アオイ「はい、じゃあ最終調整をしている間にプラグと発令所の撮影を開始します。」

サツキ「はい、じゃあスタート!」


283: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:25:55.01 ID:OhkHFAAO
アスカ「はーい、先生!先鋒はシンジ君がいいと思いまーす!」

シンジ「はぁ?」

アスカ「そりゃもう、こういうのは、成績優秀、勇猛果敢、シンクロ率ナンバーワンの殿方の仕事でしょう?」
アスカ「それともシンちゃん、自信無いのかなぁ?」

シンジ「行けるよ!」

アスカ「うっ!」

シンジ「お手本見せてやるよ、アスカ!」

アスカ「なっ…なっ…なんですってぇ!?」

ミサト「ちょっと、あなたたち…」

シンジ「言ったでしょ、ミサトさん?ユーアーナンバーワン、って。」

ミサト「いや、あれは…」

シンジ「戦いは男の仕事!」グッ

アスカ「ぜーん時代的ぃ!」
アスカ「弐号機、バックアップ!」

レイ「零号機も、バックアップに廻ります。」

ミサト「あの子達、勝手に…」

リツコ「シンジ君、ずいぶん立派になったじゃない?」

ミサト「だめよ、帰ったら叱っておかなきゃ。」

リツコ「あなた、いい保護者になれるわよ。」

カチン!

サツキ「はいカット~!一発オッケーです!」

ミサト「三人とも、お疲れさま。シンジくん、モニターごしでも中々かっこ良かったわよー」

シンジ「なんか…こんなこと言ったことないから照れます…」
アスカ(…ちょっと男らしかった…かも…///)
綾波(碇くん……///)

リツコ「甘酸っぱいわね」ニヤニヤ

ミサト「リアルでは三十路リリカルマジカル魔法少女、劇中では泥沼の恋愛にはまる魔女…アンタって、ほーんと甘酸っぱさとは無縁よねww」

リツコ「…シリカルよりかはましよ」

284: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:27:27.96 ID:OhkHFAAO
一方体育館

初号機(ゲンドウ)「うう……ううっ」

弐号機(加持)「ど、どうかされましたか碇司令?」

初号機(ゲンドウ)「立派になったなぁ…シンジ!」

一同(……間違いない。この人は親バカじゃなくてバカ親だ…。)


ネルフ・発令所

ミサト「……ん?」

リツコ「どうしたの?」

ミサト「そういや、ちび達は?」

リツコ「あら…どこ、行ったのかしら?」

ミサト「『行ったのかしら?』じゃないわよ!ここには危険な兵器があるのよ。何かあったらあんた……」

リツコ「 賠 償 問 題 ! 」

ミサト「いや、それもそうなんだけどさぁ…」

リツコ「でも、あの子達を捜してる時間も暇も人員も…」

リツコ「とりあえずマヤ、立ち入り禁止区域を中心に人が侵入した形跡がないか調べて、ロック。」

リツコ「そうすれば最低限、大きな事故にならないでしょう。」

マヤ「りょ…了解。」


285: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:30:45.21 ID:OhkHFAAO
一方ちび達は

ちびアスカ「探検よ!」

ちびシンジ「ちょっと、勝手に歩き回ったらまずいんじゃないの?」

ちびレイ「自動販売機はUCCばっかり…」

ちびアスカ「まだ出番まで時間があるでしょ?」

ちびシンジ「そういう問題じゃ…」

ちびアスカ「何だろうここ!ビルとか、お人形がいっぱいあるわ!」

ちびレイ「体育館まで来ちゃったのね」

ちびアスカ「ちびシンジ!ちびシンジ!パソコンがあるわよ!」

ちびシンジ「ノートパソコンだね。『レリエルのそうさプログラム』ってかいてある。」

ちびアスカ「♪」カタカタカタカタ

ちびシンジ「ああっ、ダメだよ勝手にいじっちゃー!」

ちびアスカ「この間、パソコンのやり方、教わったからへいきー」

ちびアスカ「大丈夫よちょっといじるくらい……」

『パスワードを入力してください』

ちびアスカ「パスワード…」

ちびアスカ「……テキトーに」カタカタカタカタカタカタ

『認証完了』

ちびアスカ「へへん。この私に出来ないことなんて…」カタカタカタカタカタカタ

ピーッ

『パスワード、機能設定変更完了しました』

ちびアスカ「!?」

ちびレイ「どうしたの?」

ちびアスカ「な、なんでもないわよ!皆のとこに戻りましょ。」

ちびシンジ「……戻り方、分かるの?」

ちびアスカ「………」

286: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:31:27.33 ID:OhkHFAAO
ユイ「あら。今日は可愛いお客さんが来てるのね。」

ちびアスカ「!」

ユイ「ふふ。驚かせちゃったわね。私は碇ユイ…シンジのお母さんよ。」にこっ

ちびシンジ「こんにちは。ちびシンジです」

ちびアスカ「ちびアスカよ!」

ちびレイ「……ちびレイ」

ユイ「よろしくね」

ちびシンジ(……ギリギリ許容範囲かな)


288: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:31:53.82 ID:OhkHFAAO
ユイ「あら…ちびシンジくんにちびレイちゃんはホントに小さい頃の二人にそっくりだわ」

初号機(ゲンドウ)(小さい頃の……シンジ)

初号機「………」ダダダダダダダダダダ

ちび一同「初号機がこっちに走ってくる!?」

初号機「………」ピタッ

ちび一同「?」

初号機「………」ぎゅっ

ちびシンジ「!?」


289: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 22:32:55.10 ID:OhkHFAAO
ちびシンジ「????」

ユイ「もう、あなた『その格好のまま』いきなり走ってきたと思ったら抱きつくなんて…驚いちゃうでしょう」

初号機(ゲンドウ)「す…すまん…」

初号機(ゲンドウ)「しかし『小さい頃のシンジ』と聞いてな。体が勝手に……」

ちびシンジ「あっ……あの……」

初号機(ゲンドウ)「なんだ…もう少しこのまま……」ぎゅううっ

ちびシンジ「かたのでっぱりが…あたっていたいです…」

初号機(ゲンドウ)「す、すまない!では今度は当たらないように優しく……」ギュッ


シンジ「父さんって…」

アスカ「色々通り越して最早変態ね。」

292: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:20:42.88 ID:OhkHFAAO
風呂入ってました。続けます

シンジ(でもなんだろうこの気持ち……)
シンジ(……面白くない?)

マヤ「アクション班、最終調整は済みました?」

ナオコ「完了したわよ。」

リツコ「了解。それじゃあスタートして」

カエデ「スタート!」

シンジ「綾波、アスカ!そっちの配置はどう?」

綾波「まだよ。」

アスカ「そんなに早く移動できるわけ無いでしょ!」

リツコ(コード、短縮して詰まらせて!)
マヤ(了解。)

弐号機(加持)「……」ガコン
弐号機(加持)「おっと…転ぶかと思ったぞ…」

アスカ「チッ!」

サツキ(ケーブルのボックス、ロック解除。)
リツコ(リョウちゃん、ボックス開けてケーブルを背中にぶっさして。)
加持(注文が多いな。了解。)

アスカ「いよっ。」
アスカ(ううっ…加持さんのタイミングに合わせて演技するのって中々大変…)

シンジ「まだか…」
シンジ「こっちで、足止めだけでもしとく!」

カエデ(映写装置、スイッチオン!)
日向(初号機、ハンドガンを装備!)

初号機(ゲンドウ)「………」バン!バン!バン!バン!バン!

ナオコ(ゲンドウくんもアクションシーン、慣れてきたせいか動きがいいわね。)
ユイ(もともとああ見えて運動神経はいいんです)
ナオコ(それもそうね…大学院時代ケンカばっかりしてたしww)
ユイ(ほとんど勝ったことなかったみたいですけど…)


293: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:23:24.15 ID:OhkHFAAO
アオイ(映写装置、発動。初号機の上空へ)

初号機(ゲンドウ)「……」バン!バン!バン!バン!バン!

リツコ「…消えた!?」

カエデ(本体、発動させます)
アオイ(セット、取り込み開始)

ミサト「何?」

日向「パターン青、使徒発見!初号機の直下です!」

シンジ「はっ!か、影が!」

カエデ(初号機…取り込み開始します)

シンジ「何だよこれ、おかしいよ!」

カエデ(レリエル、問題なく稼働)
サツキ(了解。碇司令、少しの間、LCLのジェルに潜って頂きますがよろしいですか。)
ゲンドウ(……分かった。)
サツキ(初号機内の循環装置、発動)

ミサト「シンジ君逃げて!シンジ君!」
綾波「碇君!」
アスカ「バカ!何やってんのよ!」

シンジ「ミサトさん!どうなってるんですか!ミサトさん!アスカ、綾波、援護は!?ミサトさん!聞こえてます!?ミサトさん!」

ミサト「プラグを強制射出!信号送って!」
マヤ「だめです!反応ありません!」
シンジ「ミサトさん!ミサトさん!」
ミサト「シンジ君!」

カエデ(初号機、碇司令共にレリエル内に取り込み完了)

ミサト「アスカ、レイ!初号機を救出!急いで!」
アスカ「あのバカ!模試だけ満点とったって、しょうがないじゃない!」
綾波「………」

零号機(ヒデアキ)「………」ババババババババババババ!

マヤ「また消えた!」

カエデ(レリエル、弐号機直下に移動。)
カエデ(加持さん、どうにか逃げ切ってください)
加持(って言われても…これじゃ…)
加持(リッちゃんから細かい指示、出てないの?)
カエデ(「元スパイなんだからなんとかなるでしよ」とだけ…)
加持(いやはや。買い被られたもんだな……)

294: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:29:18.22 ID:OhkHFAAO
リツコ「アスカ、気をつけて!」

アスカ「影?」

加持(このビルの上まで登れりゃ何とかなりそうなもんだが)

加持(とりあえず、足場を確保しないとな…)

日向(弐号機、プログレッシブナイフ、装備!)

加持(よいしょっと……)

アスカ(スマッシュホークを足場としてナイフで登りきった…!)

マヤ(ロッククライミングみたいですね)

リツコ(逃げ切った…さすがはプロね)

ミサト(全く…今までどんなスパイ活動をして来たのよ)

アスカ「ビルが…飲み込まれていく…」

ミサト「アスカ、レイ。後退するわ。」

アスカ「ちょっ…」

綾波「待って!まだ初号機と碇君が!」

アスカ「………」

ミサト「命令よ、下がりなさい。」

サツキ「はいカットー!お疲れさまです!」

リツコ「うーん…やっぱり同時に撮影するのはきついものがあるわね」

マヤ「今回は簡単なアクションだったから良かったんですけど…意思の疎通が撮りにくいですからね」

アスカ「ただでさえセリフ覚えるのに苦労するのに、アクションに丁度合わせるなんて大変だわ」

リツコ「我ながらいいアイデアだと思ったんだけど。全面導入は難しそうね。」

リツコ「よし、じゃあ碇司令と初号機を引き上げて頂戴。先に初号機が上空から血飛沫をあげて登場するシーンを撮るから。」

リツコ「もう一つの方のレリエルをワイヤーでつるして頂戴」

マヤ「今回は初号機が下のものとは別に作った球体状のレリエルに入って、中から破くと、外側の装置が作動して同時にバーっと血糊が出る仕組みになってるんですよー。」

ミサト「映写機能つきの影レリエルに血飛沫つきの球体レリエル…今回は使徒を二つに分けたのね」

マヤ「これから出てくる方は派手好きな父のおまけみたいなものですけど」

295: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:30:46.99 ID:OhkHFAAO
カエデ「碇司令、聞こえますか。」

ゲンドウ「ああ。呼吸も通信も…問題ない。」

カエデ「では引き上げ作業を……」

カエデ「あれっ」

ナオコ「どうしたのカエデ」

カエデ「……おかしいです。引き上げ、スタートしません。」

ユイ「え?」

カエデ「それどころか…ロックがかけられてしまっていて…」

ナオコ「じゃあパスワードを入力。再トライしてみて。」

カエデ「はい!」

初号機(ゲンドウ)「…何だか、嫌な予感がしてきたのだが…」

弐号機(加持)「どうかしたんですか?」ヌッ

カエデ「わぁ!」


296: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:33:49.96 ID:OhkHFAAO
カエデ「はぁ…なんだ…加持さんか…」

弐号機(加持)「おお、すまない。脱ぐのを忘れてたよ」

カエデ「上だけでも脱いでいただかないと…」

零号機(ヒデアキ)「ああ、じゃあ私がチャックをおろそうかね」

カエデ「葛城博士……いらっしゃったんですか」

零号機(ヒデアキ)「………」ジー

加持「あ、お義父さん、すみませんでした」

ヒデアキ「…いやいや。君のチャックを降ろすという行動で多少目立てた気がするよ」

加持「あはははは……」

カエデ「やっぱりダメです。パスワードが変えられています。」

加持「もしかして…碇司令はレリエルの中に閉じ込められたんじゃ…」

カエデ「はい…状況的にその可能性が高いと…」

リツコ「何ですって?」

ナオコ「困ったわね……MAGI!」

MAGI『はい、お母さん!』

ナオコ「……おほん」

MAGI『あ…ここではナオコ博士…でした』

ナオコ「MAGI、このレリエルの操作管理プログラムと接続するから、中に入ってパスワードを調べて頂戴。」
ナオコ「4時間以内に不可能ならプログラム自体を書き換えて初期化して。」

マヤ「プログラムの書き換え…しかしそうなると…!」

ナオコ「プログラムの抹消…と同等の事態になってしまうわね」

ナオコ「でもこのままじゃゲンドウ君が中に閉じ込められたままよ。LCLも循環装置もいつまで持つか分からない。」

リツコ「でもプログラム抹消なんて事態になれば…」

ナオコ「この後のレリエルを使っての撮影は出来なくなるわね。」

ちびアスカ「…………」

297: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:35:22.74 ID:OhkHFAAO
MAGI『現在、プログラムに割り込み中です。』

ナオコ「ま…やるだけやりましょう」

ちびアスカ「………」

ユイ「どうしたの?ちびアスカちゃん。顔色が悪いわよ?」

ちびアスカ「な、なんでもないの!」

ユイ「?」

ミサト「どうするのリツコ。碇司令、閉じ込められちゃったみたいだけど……」

シュパッ

シンジ「父さんは…父さんは大丈夫なんですか!」

シュパッ

リツコ「…シンジくん。」

ピピピピピ……

ゲンドウ『シンジ、私なら平気だ』

ミサト「碇司令!」

シンジ「父さん!」


298: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:36:25.81 ID:OhkHFAAO
マヤ「碇司令、無理に通信機能を使わないで下さい。循環装置に回して頂かないと…」

ゲンドウ『大丈夫だ。私はB'zの稲葉君と同等の肺活量を持っているからな』

シンジ「冗談言ってる場合じゃないよ!」

ゲンドウ『とにかく、私のことは心配するな。』

ゲンドウ『撮影はそのまま続けるように。』

ミサト「しかし……」

ゲンドウ『「命令」だ。』

シンジ「父さん!」

マヤ「…通信、終了しました。」

299: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:37:03.08 ID:OhkHFAAO
リツコ「ミサト、とりあえず鉄動会社に15分遅れる旨を伝えて」

ミサト「……分かった。」

リツコ「マヤはアシスタント、加持くんもカメラマンとして同行して。残りのメンバーはMAGIのバックアップをよろしく。」

青葉・日向「了解。」

アオイ・サツキ・カエデ「任せてください!」

シンジ「………」

アスカ「アンタのお父さんって時々カッコイイわよね」

シンジ「………うん」

綾波「司令……」


300: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:37:38.62 ID:OhkHFAAO
一方レリエル内

ゲンドウ(……とは格好つけたものの)

ゲンドウ「………」

ゲンドウ(LCLの中に一人…寂しいな)

ゲンドウ「………」

ゲンドウ(しかも塩辛の臭いまでしてきた……)

ゲンドウ「………」

ゲンドウ(あのビルの窓、ちょっとシンジの目に似てるな…)

301: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:44:09.90 ID:OhkHFAAO
アスカ「やれやれだわ。独断専行、作戦無視。まったく、自業自得もいいとこね。」
アスカ「昨日のテストでちょっといい結果が出たからって、お手本を見せてやる?」
アスカ「ははぁ~、とんだお調子もんだわ。」

綾波「………」ジッ

アスカ「な、何よ、シンジの悪口を言われるのが、そんなに不愉快!?」

綾波「あなたは、人に誉められるためにエヴァに乗ってるの?」

アスカ「違うわ。他人じゃない。自分で自分をを誉めてあげたいからよ!」

ミサト「やめなさい、あなたたち。」
ミサト「そうよ、確かに独断専行だわ。…だから、帰ってきたら叱ってあげなくちゃ。」

サツキ「はい、カットです。」

リツコ「暗幕おろして!」

サツキ「とりあえず零号機と弐号機は後で合成させますんで……」

綾波「………」

アスカ「いつにも増して無口ね」

ミサト「レイ、アスカ、制服に着替えて。これから駅に向かうから」

アスカ「はーい」
アスカ「……ほら、いくわよ」

綾波「……ええ」

綾波「………」

アスカ「もお!」グイッ

302: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/07(月) 23:55:02.29 ID:OhkHFAAO
レリエル内

ゲンドウ(私は…一体何のためにエヴァに乗っているのか)

ゲンドウ(家族のためか)

ゲンドウ(……私のエゴか)

ゲンドウ(使徒が消えた今、この組織を存続させる意味などあるのか…)

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「……誰だ?」

ゲンドウ「碇ゲンドウ。」

ゲンドウ「それは私だ!」

ゲンドウ「私は君だよ。人は自分の中にもう一人の自分を持っている。自分と言うのは常に2人でできているものだ。」

ゲンドウ「……2人?」

ゲンドウ「実際に見られる自分とそれを見つめている自分だよ。碇ゲンドウと言う人物も何人も存在しているのだ。」

ゲンドウ「君の心の中にいるもう一人の碇ゲンドウ、碇ユイの心の中にいる碇ゲンドウ、冬月コウゾウ中のゲンドウ、綾波レイの中のゲンドウ、碇シンジの中のゲンドウ。」

ゲンドウ「そして……『役』の中の碇ゲンドウ、私だ。」


劇中ゲンドウ「全てそれぞれ違う碇ゲンドウだが、どれも本物の碇ゲンドウだ。」

ゲンドウ「……違う!私はお前の様な人間ではない!シンジは可愛い。愛している。」

劇中ゲンドウ「私も同じだ。…表現が違うだけで。」

ゲンドウ「違う!違う!違う!」

劇中ゲンドウ「君は怖いのだ。私の存在が。」

305: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:05:16.19 ID:eh.M.oAO
劇中ゲンドウ「私は多くの可能性のうちの『一人』だ。」

ゲンドウ「『あの時』ユイが…死んだ時の…私か…」

劇中ゲンドウ「そうだ。」

ゲンドウ「……悪い父親なのか。私は。」

ユイ(そうやってすぐに思い込む…あなたの悪い癖ですよ)

ゲンドウ「シンジに何もできない父親なのか」

シンジ(こっちこないでよ父さん)
綾波(司令……臭い)

ゲンドウ「でもシンジは…誉めてくれた。私のことを。」

シンジ(カッコイイや、父さん)

劇中ゲンドウ「その喜びを反芻して、これから生きていくのか?」

ゲンドウ「………そうだ。悪いか」

劇中ゲンドウ「自分をだましつづけて?」

ゲンドウ「騙す?何故そんな必要がある。私は…」

男「そうだ。この男は自分の妻を殺そうとした疑いがある!」

男「自分の妻を殺そうとしたんだ!」

ゲンドウ「違う!違う!違う!私は……」

ゲンドウ「私は…家族を救いたかった。それだけだった。」

劇中ゲンドウ「……結果的にユイは生きている。」

劇中ゲンドウ「……お前はどうしたい?」

ゲンドウ「………守りたい」

劇中ゲンドウ「だから、エヴァに乗っているのか?」

ゲンドウ「……ああ」

ゲンドウ(本当にそれだけ…なのか?)

劇中ゲンドウ「人は純粋なる目的は持たないものだ。」

306: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:08:35.06 ID:eh.M.oAO
ガタンガタン……

ゲンドウ「嫌だ!聞きたくない!」

劇中ゲンドウ「…また逃げるのか。」

カンカンカンカン

ガタン……ガタン……

劇中ゲンドウ「綺麗事だけを数珠のように紡いで生きていられるはずが無いんだよ、特に私はね。」

ゲンドウ「やっと見つけたのだよ…。綺麗事を言って…何が悪いんだ!!!!」


307: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:09:36.11 ID:eh.M.oAO
箱根湯本駅

ガタン……ガタン……

ミサト「ほら、レイ。あなたの好きな電車よ。」

綾波「………そうね」

アスカ「いつもみたいに、喜ばないの?」

ミサト「ほら、貸しきりよ!」

綾波「………ええ。」

アスカ「……そんな陰気くさい顔しても司令は戻って来ないわよ」

綾波「………」

ミサト(何だかんだでレイも心配なのね)

ミサト(それに比べてあっちは……)

リツコ「やだっ!台車交換されたばっかりの104号よっ!やだっ!」

ミサト「……」


308: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:10:16.20 ID:eh.M.oAO
ミサト「でもシンジくんやレイはともかくとして…」

ミサト「何でちび達が落ち込んでるのかしら」

ちびシンジ「………」

ちびアスカ「………」

ちびレイ「………」

加持「……さてな。」



309: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:10:45.36 ID:eh.M.oAO
ちびシンジ「……ちびアスカ、どうするの?」

ちびアスカ「どうするのって…どうしようも……」

ちびレイ「正直に謝って、打ち込んだ文章の中身、言ったら?」

ちびアスカ「や、やよ!第一怒られるし…」

ちびアスカ「あんな恥ずかしい文章……」

ちびシンジ「でも早く言わないとドラマが…」

ちびアスカ「知ったこっちゃないわ。私達、ほとんど出番ないみたいだし。」

ちびシンジ「いいのかな……」

マヤ「ちびシンジくんにシンジくん、準備してね。」

ちびシンジ「……はい」

シンジ「………」


311: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:11:10.94 ID:eh.M.oAO
ガタンガタン……

シンジ「父さんが、僕の名前を呼んだんだ。あの父さんに誉められたんだよ!」

ちびシンジ「その喜びを反芻して、これから生きていくんだ?」

シンジ「その言葉を信じたら、これからも生きていけるさ!」

ちびシンジ「自分をだましつづけて?」

シンジ「………」

シンジ「……すみません」


マヤ「カット!」

リツコ「これで5度目よ、シンジくん」

シンジ「……」

ミサト「ちょっと、休憩入れましょうか」


312: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:11:56.67 ID:eh.M.oAO
ちびシンジ「ふぅ……」

ポン

ちびシンジ「!?」

加持「やあ」

ちびシンジ「…かじさん?」

加持「ちょっとちび達、いいかな?」

ちびシンジ「………」


…………
………
……

ちびアスカ「なんですか?」

加持「単刀直入に聞こう。」

加持「プログラムを弄ったのは…君達だね?」

ちびアスカ「………!」

ちびアスカ「い、いってるいみがわからないわ。」

加持「じゃあ、君達は何で、そんな顔をしてるんだい?」

ちびアスカ「それは……」


313: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:12:22.12 ID:eh.M.oAO
ちびシンジ「しょ、しょうこはあるんですか?」

加持「ほれ。」

ちびアスカ「…なにこのかみ」

加持「指紋さ。君達があのパソコンを触った揺るぎない証拠。」

ちびシンジ「僕らの指紋なんてどこから…」

加持「UCC缶コーヒーの空き缶からさ」

加持「『元スパイ』なもんでね。こう言うのは大得意なんだよ。」

ちびアスカ「………うぐっ」

加持「怒らないからパスワードを教えてくれないかい?」

ちびアスカ「……嫌」

ちびアスカ「いやっ!」タッ

ちびシンジ「ち…ちびアスカ!?」


314: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:14:16.24 ID:eh.M.oAO
加持「いやはや…まずったかな」

加持「君は…パスワードは知らないのかい?」

ちびシンジ「…ちびアスカしか知らなくて。」

加持「そうか……」

ちびシンジ「……」

加持「ちびアスカのことは何とかする。君達は……」

シンジ「……」

加持「シンジくん?」

シンジ「……そう言うことだったんですか。」

ガシッ

ちびシンジ「………わっ」

シンジ「…………」

ちびシンジ「……!」ビクッ

加持「止めろシンジくん!」

シンジ「………ハッ!」

シンジ「僕……」


315: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:16:12.30 ID:eh.M.oAO
加持「……君の気持ちも良くわかるが、子供に手を出すのは感心しないぞ」

シンジ「………」

アスカ「子供子供って…甘やかすからダメなのよ」

綾波「……」コクリ

加持「アスカ、レイまで…」

アスカ「子供だからって許されることと許されないことが…」

ミサト「アスカ、子供を叱るのは子供じゃなくて大人の役割よ」

加持・アスカ「ミサト!」

ミサト「リョウジもまだまだね。私達に気が付かないなんて。」

加持「いやはや…勘が鈍っちまったかな」

ミサト「それに、私だって…子供の様子がおかしいことくらいわかるわよ。」

ミサト「どこかの誰かとは違って」

リツコ「むっ」

ミサト「とにかく、ちび達を叱るのは後にしてちびアスカを探しましょう」

ミサト「諜報部に連絡して」

マヤ「は、はいっ」

316: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:17:04.49 ID:eh.M.oAO
シンジ「………」

リツコ「…二人とも。このシーンは後回しにするからとりあえずシンジくんはネルフに戻って別のシーンを撮影。」

リツコ「ちびシンジくんは待機、いいわね」

ミサト「折角電車、貸し切ったのに、いいの?」

リツコ「2回も貸し切れるじゃない。」

リツコ「それに…今更脚本なんて書き直したくないし。」

ミサト「…相変わらず私利私欲で動いてんのね。」


318: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 00:21:29.60 ID:eh.M.oAO
プルルルルル…

ミサト「はい葛城」

諜報部員「葛城さん…それが…どうも見当たらなくて…」

ミサト「なにやってんのよ!天下の諜報部でしょうが!」

諜報部員「しかし…子供は小さく、隠れ場所も多いので…どうにも我々では…」

ミサト「……分かったわ。どうにかこっちも考えるから、引き続き捜査よろしく」

ピッ

ミサト「………参ったわ」

加持「お困りですか?」

ミサト「……あんたが半分逃がしたようなもんじゃない」

加持「それもそうだな。だからとっておきのアイデアを持ってきた。」

ミサト「アイデア?」

加持「何事も…プロに頼むのが一番さ。」ニヤッ

ミサト「?」


327: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:35:02.83 ID:eh.M.oAO
ネルフ・発令所

サツキ「了解しました。」

ガチャ

サツキ「皆さぁん!作業を一旦中止して下さーい!」

ユイ「…あら、どうしたの?」

サツキ「パスワードを知っている人間が見つかったそうです」

ナオコ「あら、よかったわ。」

キョウコ「で、だれだれ~?」

サツキ「…ちびアスカです。」

ナオコ「まあ…予想通りね」

ユイ「ええ。」

カエデ「現在ちびアスカは逃走中。皆さんに確保して頂きたいそうです!」

キョウコ「あら~、逃げだした子供を探しに行くなんて久しぶりだわ~」

ユイ「昔、シンジやレイ、アスカちゃんのことも良く探しに行きましたね。」

ナオコ「リツコも手が妬けたんだから。腕がなるわね。」

ユイ・キョウコ・ナオコ「ふふふふふふ~」

サツキ「……頼もしいわね」

カエデ「ええ」

329: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:38:13.29 ID:eh.M.oAO
サツキ「それでは残りの作業は我々が引き継ぎますので」

MAGI『おまかせくださいっ!(`・ω・´)ゞ』

ヒデアキ「あ、あの…ちなみにパパは……」

カエデ「あ、参加不可だそうです。」

ヒデアキ「……」

キョウコ「じゃ、葛城博士、後はよろしくお願いしますね~」

ヒデアキ「ああ…行ってらっしゃい」

ヒデアキ「………」ぽつねん

MAGI『あの…私も頑張るんで…』

MAGI『…元気、出してください(´・ω・`)』

ヒデアキ「ありがとう…」


ヒデアキ「……ううっ」



330: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:40:03.29 ID:eh.M.oAO
ピッ

ミサト「なるほど。考えたわね。」

加持「チビにはママを持って制すってな。」

ミサト「私もそのうち参加できるのか・し・ら?」

加持「………あはは」


ネルフ・実験場

リツコ「それじゃあ見付かるまでの間、エントリープラグでの撮影、進めるから。」

シンジ「はい……」

ミサト「何もこんなときに…」

リツコ「何もしない方が精神衛生上、良くないわよ。少しでも気を紛らせなきゃ。」

ミサト「…正しいような正しくないような。」


331: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:45:21.27 ID:eh.M.oAO
第三新東京市・市民公園

ちびアスカ「………はぁはぁ」
ちびアスカ(ここまでにげれば…)

ちびアスカ「………きっと私、クビね。」
ちびアスカ「………ママに嫌われちゃう」
ちびアスカ「って、今更か。」
ちびアスカ「…ただでさえ邪魔者扱い、だしね」


もわんもわん

ちびアスカ「ママ!私、お仕事、決まったの!」
ちびアスカ「すごいでしょ?ママ!」


ちびアスカママ「………で?」

ちびアスカ「……えっ」
ちびアスカママ「今までアンタにどのくらいお金、かけたと思ってんの?」
ちびアスカママ「こんなヘボ役くらいじゃ回収出来ないわよ…ったく」
ちびアスカ「………ごめんなさい」
ちびアスカ姉「ただいまママ!」
ちびアスカママ「お帰りー♪待ってたわよカズハちゃん♪」
ちびアスカ「…………」
ちびアスカママ「カズハちゃんはすごいわ。モデルで沢山雑誌に載って」
ちびアスカママ「カズハちゃんさえいれば…ママは…」


もわんもわん


ちびアスカ(いつもママは私には無関心で)
ちびアスカ(お姉ちゃんばっかり)
ちびアスカ(…つまんない)

ちびアスカ「……」

ちびアスカ「………ひっく」

ちびアスカ「ひぐっ……」

ちびアスカ「うわぁぁぁぁあん!!!!!!」

332: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:47:48.53 ID:eh.M.oAO
シンジ「眠る事がこんなに疲れるなんて、思わなかったな…」

シンジ「やっぱり真っ白か…レーダーやソナーが返ってこない。空間が広すぎるんだ。」

シンジ「生命維持モードに切り替えてから12時間…僕の命も後4、5時間か…お腹空いたな…」

リツコ(LCLの純度、下げて)

マヤ(了解。)

シンジ「ん?…水が濁ってきてる!?浄化能力が落ちてきてるんだ!」

シンジ「うっ!…生臭い!血?血の匂いだ!」

シンジ「嫌だ!ここは嫌だ!なんでロックが外れないんだよ!」

シンジ「開けて!ここから出して!ミサトさんどうなってるんだよ、ミサトさん!アスカ!綾波!…リツコさん……父さん…………」

シンジ「お願い、誰か、助けて…」



マヤ「カット、オッケーです!」

ミサト「お疲れさま。ごめんね。こんな時に……」

シンジ「いえ………」どよんど

ミサト「なんか気を紛らせるどころか更に深刻化した気がするんだけど」

リツコ「………気のせいよ」



333: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:49:19.23 ID:eh.M.oAO
リツコ「次のシーンも撮りたいところなんだけど…」

リツコ「生憎、ユイさんがいないのよね」

ミサト「今回、ユイさんって出番あるんだ」

リツコ「まあね。とりあえず初号機の設定だけは決めたから」

ミサト「まーたトンデモ設定なんでしょうが」

リツコ「とりあえずシンジくんは一旦休憩。アスカ、レイ、今度は貴方たちよ。」

アスカ「…なんか気分が乗らないのよね」

リツコ「あなたも碇司令が心配?それとも…」

アスカ「べ、べつにちびの心配なんかしてないわよ!」

アスカ「あのクソガキの心配なんか……」

綾波「………」

334: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:50:07.43 ID:eh.M.oAO
マヤ「でも確かにちびアスカ、心配ですね。すっかり日も落ちてしまってますし…」

ミサト「へんな人に襲われてたりしなきゃいいんだけど…。」



ちびアスカ「えっぐ……ひえっぐ……」

ちびアスカ「ごはんたべたい……」ぐりゅりゅりゅ…

ちびアスカ「でもネルフにはもう戻りたくないし」

ちびアスカ「お家に帰っても……ママは私につめたいし」

ちびアスカ「………もういや」

???「………」ガサガサ

ちびアスカ「ひぃ!」

男「こんばんは。どうしたの?君」

ちびアスカ「おじさん…だれ……」


335: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:50:39.97 ID:eh.M.oAO
男「僕は……」

男「…………」にこにこ

ちびアスカ(こわい……へんなひとだ!)

男「おじさんがお家まで連れていってあげるよ。車で。」

ちびアスカ「やだぁ!こないで!」

男「参ったな……おじさんそんな怪しいひとじゃないんだよ?」

男「ほら……」

ちびアスカ「やだ…いやだ……」

ちびアスカ「いやァァァァァァァァ!」


336: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:53:27.21 ID:eh.M.oAO
男「ほら、おいで。あぶないk…」

バコン!


男「グエッ!」


ちびアスカ「!?」


男「  」バタン



ちびアスカ「????」



キョウコ「ふぅ~」



ちびアスカ「………」



キョウコ「ノートパソコンで殴っちゃったけど…データ飛んでないかしら~?」



ちびアスカ「きょ……」



ちびアスカ「キョウコ…ママ」


337: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 17:54:25.95 ID:eh.M.oAO
キョウコ「良かったわ~♪見つかって。」

ちびアスカ「……わたしのこと探してたの?」

キョウコ「そうよ~♪」

キョウコ「あとはユイさんにナオコさんに…みんな心配してたんだから~」

ちびアスカ「………みんなが心配してたのは私じゃなくてパスワードの方でしょ」

ちびアスカ「……パスワードなら教えるから、このまま一人に……」



ゴツン!




ちびアスカ「……!?」


339: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:12:12.79 ID:eh.M.oAO
キョウコ「………」

ちびアスカ「うぇっ……」
ちびアスカ「いたぁい……」

キョウコ「バカッ!」

ちびアスカ「………」ビクッ

キョウコ「子供がこんな夜に一人で居るなんて許しません!」
キョウコ「パスワードなんてどうでもいいわ。プログラムなんていくらでも組み直せるもの。」
キョウコ「納期だって待って貰えばいい。」
キョウコ「でもね、貴方は…作り直せない。替えがきかないのよ?」

ちびアスカ「でも…私のママは……!」
ちびアスカ「お姉ちゃんさえいればいいって…私は『いらない』って言われたもん!」
ちびアスカ「なら私なんか…」

ギュッ

ちびアスカ「!」

キョウコ「私は…あなたのこと、必要よ」

ちびアスカ「あ、あって一日も経たないのにそんな……」

キョウコ「私は…ちびアスカ、あなたのママよ?」

ちびアスカ「でも…それは役柄で私ホントはミキって名前で…」

キョウコ「リツコちゃんから言われたでしょ?ネルフではあなたは「ちびアスカ」なんだって。」
キョウコ「なら、私はあなたのママ。誰が何と言おうとも。」

ちびアスカ「でも……」

キョウコ「あなたはミキちゃんでもあり、ちびアスカでもあるのよ。そうでありたいとあなたが願えば。」
キョウコ「撮影が無いときでも…仮に撮影が終わっても、辛くなったらネルフへ…いつでもいらっしゃい。」
ちびアスカ「…いいの?」
キョウコ「もちろん。そのための超法規的組織・ネルフですもの。」
キョウコ「それに私だけじゃないわ。みんな…あなたを心配してるのよ。」

ちびアスカ「キョウコ…ママ…」
ちびアスカ「うわぁァァァァァァァァん!!!!!」

ぎゅっ

キョウコ「ふふ。さっきはゴツンってしてごめんね~」

ちびアスカ「……うん」
ちびアスカ「……ありがと」

341: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:16:43.49 ID:eh.M.oAO
ネルフ・実験場

リツコ「仕方ないわ…とりあえず休憩にしましょう」

シンジ「………」

アスカ「どうしたの?もっとシャッキリしなさいよ」

シンジ「……うん」

ミサト「司令のことなら大丈夫よ。司令、今まで色々あったけど…中々死ぬタマじゃないでしょ」

シンジ「父さんも心配だけど…」

シンジ「勢いあまって…ちびに掴みかかっちゃったんです」

シンジ「加持さんが止めてくれなかったら僕……」

ミサト「なら、後で謝ればいいじゃない。取り返しのつかない事じゃないわ。」

ミサト「シンジくん、何だかんだで、あなたもまだまだ子供なのよ。私達みたいに上手く感情をコントロール出来ないのもわかる。」

ミサト「ただ出来るように努力するのは貴方たちの役目だし」

ミサト「間違えそうになったら止めるのは私達、大人の役割よ。」

シンジ「………」

シンジ「僕、どこか嫌だったんだ。何となく居場所を侵された気分で。」

シンジ「でも父さんのこと、煙たがってたはずなのに…」

シンジ「……悪いのは僕なんだ」

綾波「仕方ないわ。彼らは私達とは違う。『イレギュラー』な存在なんだもの。」

綾波「私達も彼らを理解したようで理解してなかった…逆も然り」

ミサト「…そうね。」

ミサト「シンジくん、自分を責めるんじゃなくて相手とどう上手くやっていくか…の方が大切じゃない?」

シンジ「………」


344: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:26:08.53 ID:eh.M.oAO
一方、市民公園

ガサゴソ

ユイ「一件落着ね」

ナオコ「キョウコちゃんもやるときはやるのねぇ」

ユイ「ふふっ。キョウコさん、結構怒り方、上手なんです。」

ナオコ「『私がいきます~』って言ったときには大丈夫か心配しちゃったけどww」


ナオコ「で、どうするの?さっきの不審者は」

男「あ……いたたたた……」


ユイ・ナオコ「…………」ゆらり

男「!?」ビクッ

男「ってあれ……」

男「ユイさんにナオコさん…いらっしゃってたんですか」

ユイ「あら……あなたは」

マヤパパ「マヤの父です。」

ナオコ「ま…マヤちゃんのお父さん!?」

ユイ「ど…どうしてここに?」

マヤパパ「偶然この公園で用を足していたら女の子が泣いていたので……」

ユイ「じゃあ…」

ナオコ「キョウコちゃんが殴ってたのは…」

ナオコ・ユイ「本当に申し訳ありません!」

マヤパパ「いや…いいんですいいんです……」

マヤパパ「おっと…」フラッ

ナオコ「やだ…脳震盪おこしちゃってるわ!手当しないと!」

ユイ「きゅ、救護班!急いで!」


347: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:32:29.29 ID:eh.M.oAO
レリエル内

ゲンドウ(…流石に息苦しくなってきたな)

ゲンドウ(……目の前にたくさんシンジが見えるような気がする)

シンジ『父さん!大好きだよ!』

シンジ『父さん!カッコイイ!』

シンジ『父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!父さん!』



ゲンドウ(こんなにシンジがいればどこでもいつでも一緒にいられるな)


ゲンドウ(……死ぬのか?)


ゲンドウ(……シンジの結婚式もレイの結婚式もはたまた孫もみることなく死ぬのか)

ゲンドウ(ゆいをおいてしぬのか)

ゲンドウ(わたしがしんだら…どうなる?)

ゲンドウ(しんじ…れい…ゆい…しょくいんのみんな…)

ゲンドウ(かなしむ?)

ゲンドウ(ふゆつき…よろこぶ)

ゲンドウ(ゆい……ふゆつき…ねらう……)




349: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:41:07.44 ID:eh.M.oAO
ブー!ブー!ブー!ブー!


マヤ「碇司令の意識レベル50…そろそろ限界です!」

ちびシンジ「ぼ…僕が、アスカを止めなかったせいで大変なことになっちゃった…」

ちびレイ「どうしよう……」

リツコ「…MAGI!」

MAGI『ぱ、パスワード検索中です!』

リツコ「まだ終わらないの?」

MAGI『どうにもパソコンが私の管轄ではなく外部の接続なので割り込み自体に時間が掛かってしまって…検索を開始したばかりです。』

リツコ「……仕方がないわ」

リツコ「MAGI、書き換え作業を…」

ナオコ「その必要はないわ。」

リツコ「母さん!」



350: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:41:37.19 ID:eh.M.oAO
ナオコ「パスワードを知ってる子が、帰ってきたもの…ね?」

ちびアスカ「……ただいま」

ちびシンジ「ちびアスカ!」

ちびレイ「…おかえり」

キョウコ「ほら、ちびアスカ~」

ちびアスカ「………」

ちびアスカ(どうしよう…やっぱりいいたくない!)

ちびアスカ(でもいわなきゃ碇司令が……)

ちびアスカ(うう……)



351: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:44:53.95 ID:eh.M.oAO
ドクン!ドクン!

ゲンドウ(ワタシガ…シンダラ……)

ゲンドウ(ユイ……フユツキニ…トラレル)

ゲンドウ(ユイト……フユツキ…コドモツクル)

ゲンドウ(ソレダケハ…ダメダ…)

ゲンドウ(ユイト…フユツキ…ケッコン………)



ゲンドウ「ユイは」




ゲンドウ「……渡さない!」キラッ


352: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:47:45.62 ID:eh.M.oAO
ちびアスカ「あの……パスワードは……」

ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!

リツコ「警報!?」

マヤ「これは……」

日向「一体何が……」

ミサト「リツコ、一体何をしたのよ!?」

リツコ「な、なにもしてないわよ!」

マヤ「まさか、碇司令が…」

リツコ「あり得ないわ!碇司令の体力からして自力での脱出は不可能よ!」


バシュ!

びちゃびちゃ……



初号機(ゲンドウ)「ウオオオオォォォォオオオ!!!!!」



リツコ「そんな……自力での脱出…なんて……」


353: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:48:34.69 ID:eh.M.oAO
ミサト「恐ろしいほどの生への執念……」

加持「いや、『家族』への執念だな。」

初号機(ゲンドウ)「シンジ!ユイ!レイ!」タッタッタッ

ユイ「嫌だ、あなたLCLでベタベタなのに…来ないで下さい」

初号機(ゲンドウ)「………」

ユイ「ほら、シャワー浴びてきて下さい。」

初号機(ゲンドウ)「…はい」


355: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:52:32.77 ID:eh.M.oAO
リツコ「とりあえず…一件落着ね。」

ちびアスカ「………」もじもじ

キョウコ「時間もあることだし、パスワードはこっちで検索するから良いわよ~」

キョウコ「ホントは言いたくなかったんでしょ?パスワード~」

ちびアスカ「ありがとう」

キョウコ「ふふっ」

ちびアスカ「あと…あの……」

ちびアスカ「ごめん…なさい」

ちびシンジ「ごめんなさい!」

ちびレイ「ごめんなさい。」



アスカ・シンジ・レイ「………」にこっ

アスカ「今度からやるんじゃないわよ?」

ちびアスカ「…うん!」

シンジ「僕こそごめんね。痛くなかった?」

ちびシンジ「大丈夫!」

ちびレイ「……おこってる?」

綾波「全然。」

◇<ラー♪

ちびレイ「か……」

ちびレイ「かわいい…!」キラッ

綾波「あなたもそう思う?」ぎゅっ

ちびレイ「ええ」ぎゅっ


◇<ラー♪ラー♪



356: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 18:53:14.83 ID:eh.M.oAO
ミサト「なるようになるもんね」

リツコ「子供は面倒でごめんだわ」

ミサト「アンタよりかはマシよ」

リツコ「むっ……」

リツコ「…さっさと続き、撮るわよ。葛城博士にリョウちゃん、それから碇司令スタンバイして下さい」

ゲンドウ「や…休ませては貰えないのか?」

リツコ「LCLの中で十分休まれたでしょう?」

ゲンドウ「あれは…休んだと言えるのか…?」



357: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:09:38.13 ID:eh.M.oAO
MAGI『ナオコ博士ナオコ博士、パスワード発見しました』

ナオコ「あら。お疲れさまMAGI」

ナオコ「で、パスワードは?」

MAGI『これです』

ナオコ「ふふっ。確かに皆の前で言うにはちょっと恥ずかしいかもね。」

MAGI『全然気付きませんでした』

MAGI『でもこれ…ちょっとどうなんでしょうか?』

ナオコ「ふふっ。相変わらずモテモテね。本人は全く気付いてなさそうだけど。」

MAGI『ナオコ博士はどうですか?』

ナオコ「やだ~、冗談はほどほどにして頂戴っ」

MAGI『というか不法行為になりますよね(笑)』

MAGI『じゃ、初期のパスワードに戻して置きますね』








『イカリシレイスキ』



ピピッ



『エヴァンゲリオン』





ナオコ(……まっ、ユイちゃんが現れる前は…ちょっといいな…なんて思う時期もあったけど)

358: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:11:42.43 ID:eh.M.oAO
リツコ「じゃあ碇司令、使徒の中に」


ゲンドウ「ああ……」フラッ…

ゲンドウ「  」バタン

ユイ「ちょっと…あなた!あなた!」

マヤ「救護班、急いでください!」

ミサト「……やっぱり無理よ、リツコ」

リツコ「……」



359: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:12:15.55 ID:eh.M.oAO
リツコ「と、いう訳で急きょ初号機役を決めたいと思います。」

アスカ「………で、くじ引き」

リツコ「一番公平かつ恨みっこなし。じゃあ皆…引いて頂戴」

ミサト「待ちなさいよ。あんたも引くのよ」

リツコ「えっ」

ミサト「あったりまえじゃない」

リツコ「でも私…高所恐怖症だしぃ…」

ミサト「今回の事件、あんたがちゃんとパスワード管理してないから悪いんでしょうが。」

ミサト「『エヴァンゲリオン』ってなによ。まんまじゃない。もっと難しいパスワードにするとか…」

リツコ「嫌!嫌よ!」

ミサト「引け!引くのよ!」

リツコ「イヤァァァァァ!!!!!」


360: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:12:54.04 ID:eh.M.oAO
病院

ミーンミンミンミンミーン

冬月「…………」

ゲンドウ「………」

冬月「また隣だな」

ゲンドウ「………ああ」

冬月「……何回目だ」

ゲンドウ「………さあ」

ミーンミンミンミンミーン


マヤパパ(……話し掛けづらいな)

361: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:14:06.69 ID:eh.M.oAO
ミサト「おらーリツコ!さっさとレリエル、破りなさいよ!」

リツコ「嫌よ!破いたら下が丸見えじゃない!怖いじゃないの!」

ミサト「何とか一発で決めなさいよー!」

リツコ「だから嫌よ!外に出たくないっ!」

ミサト「あんた、あの濁ったLCLに沈めるわよ。」

リツコ「このヤクザ!」



キャーキャーワーワー



シンジ「カッコイイシーンのはずなのに……」

アスカ「ああ言う大人にだけはなっちゃだめよ」

ちび一同「うん!」



362: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:17:05.07 ID:eh.M.oAO
病院

綾波「今日は寝ていて。後は私たちで処理するわ。」

シンジ「うん…でも、もう大丈夫だよ。」

綾波「そう、よかったわね。」
アスカ「………」ジーッ

シンジ「!」

アスカ「うっ…」

シンジ「ふふふふっ…」

アスカ「………」タタッ

シンジ「………」

シンジ「…取れないや、血の匂い。」

マヤ「はいカットー」

マヤ「それじゃあ本日分は終了です!お疲れさま♪」


ナオコ・ユイ・キョウコ「申し訳ありませんでした…」

マヤパパ「いえいえ。いい骨休めになりましたよ。」

ユイ「そのうえ…騒がしくなってしまって…」

ゲンドウ「シンジ!良かったぞ!今の演技!」

ユイ「あなたのことよ。病院なんだから静かになさい!」

363: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:18:39.85 ID:eh.M.oAO
マヤ「じゃあ残りのシーンは明日また撮影するので今日は……」

マヤ「………」にこっ

マヤ「三人の歓迎会を開きたいと思いまーす!」

ゲンドウ「私は、もちろん私は、参加するよな?」

ユイ「病人は寝てなさい。」

綾波「楽しみ……」

シンジ「そうだねー」

ゲンドウ「………」

ガラッ

ゲンドウ「………」

冬月「…………」

冬月「そろそろイッテQが始まるな」

ゲンドウ「……ああ」

マヤパパ「私、この番組大好きなんですよねー」

マヤパパ「世界の果てまでイッテーキュッ!」

ゲンドウ「………」

冬月「………」

マヤパパ(………気まずい)

364: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:19:13.84 ID:eh.M.oAO
リツコ「ったく、参っちゃうわよ。まだ髪に血糊がついてるし…」

ミサト「勢い良く出たもんね」

ミサト「しっかしMAGI、ナイスプレーだったわよ」

ハンディMAGI『そんなことないです(///)』

リツコ「何がナイスプレーよ!無理矢理破いて落とした癖にッ」

リツコ「もう最悪よ…」

ミサト「私の方こそやってらんないわ。無理矢理泣きたくもないのに泣かなきゃならないし」

アスカ「でもいい泣きっぷりだったわよミサト」

ミサト「女優に向いてるかしらん?」

加持「それはどうだかな」

ミサト「キー!」


365: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:24:17.51 ID:eh.M.oAO
ちびアスカ「あの…これからどこいくの?」
ミサト「ふふっ、い・い・と・こ・ろ」


♪ざーんこくっなてんしの…

店主「いらっしゃーい!」

アスカ「ってぇ、ラーメン三郎じゃないのよ!」
ミサト「いいところじゃない。」
アスカ「まぁ最近来てなかったけどさぁ…」
ちびシンジ「ここ…どこですか」
シンジ「ラーメン三郎。第三新東京で凄く人気のお店なんだよ。」
ちびシンジ「………」キョロキョロ
シンジ「どうしたの?」
ちびシンジ「……お姉さんがいないなって」
シンジ「あ…あはは……」

ミサト「じゃあ何にする?」

ちびレイ「ニンニクラーメンニンニク、カネシマシマシで」
綾波「ニンニクラーメン大盛りニンニク、カネシマシマシマシマシで」

ミサト「……レイ、妙な所で張り合わないの」

アスカ「ちび、あんたはなんにする?」
アスカ「私は海鮮タンメンだけど」

ちびアスカ「アスカおねーちゃんと一緒がいい」

アスカ「アスカ…おねーちゃん…///」

ちびアスカ「あの…ごっ…ごめん…」

アスカ「い、いいわよ。仕方ないからその…特別に許可するわ。その…アスカおねーちゃんって呼ぶの」

ちびアスカ「………」

ちびアスカ「うん」にこっ

アスカ「………」にこっ



ちびアスカ(こんなに楽しい時間は初めて……)
ちびアスカ(ずっと…続けばいいのにな…)





366: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 19:46:53.32 ID:eh.M.oAO
::::::::::::ヘ                /`ヽ         /::\
::::::::::::::ヘ           _ |:::::::::::>-‐- -‐‐-<:::::::::::ハ
::::::::::::::::ヘ          ,ィ´`V}:,  ' , --、,ィ´`ヽ、_` ー、/ヘ__
::::::::::::::::::ヘ       く:::::::::, ' , イ           ヽ ヽ}::::::::::)
::::::::::::::::::::ヘ       〉:::/, '               \`、:::::〈
:::::::/  ̄`┤       〈::/   "〃   W   ゝWw   \ ',┘
:// ̄l>'        //      冫,、!    、        ', !
/   \           l / /  / / | |!   ハ  へ \\ l |
/       \.        l∨| | :./ l/   l !i:.:  l \   \ハリノ |
|       `、       l   l:.:l:.:l:7ニェ=-!| V ├=ニ升从ハ:.:l  l
|   __    l      |  ∨(/' 弋!リ   \| {ネリ ' ノリレ'   l じかいよこく
|  /´ 二)    i    |   l:.:.:ヘ      ,      /ー':.:l   |
|  l  ニニ)  / l     l  l l:.:.:.:.:\    _    ,イ l:.:.:.:l   |
|  l ,ー'|   l /      l  l |:.:.:.:.:.:.:>       イ:.:i:.:i:.:.:.:l   |

31回目のバースデーを控えたマジでゲロマズなリツコ
彼女は最悪なアイデアを思いついた
起動する参号機に暴走するゲンドウ
そして、再びネルフに降り立った、7つの黒い影
トウジ、ヒカリのカップルの行方は

次回「四人目の選択」編

さぁてじかいもだぶるでさーびすさーびす♪

375: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 22:51:06.45 ID:eh.M.oAO






第拾六話、小噺







・アスカのネルフな放課後







377: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:04:35.76 ID:eh.M.oAO
以下の音声は第2文化ラジオにて実際に放映されたものである。
直、参考までに某巨大掲示板での書き込み(抜粋)も添えておく。


(BGM:残酷な天使のテーゼ)

3人「みなさーんこんばんは。」

アスカ「小粋なドイツ娘、惣流・アスカ・ラングレーよ!」

綾波「こんばんは。小粋な無口少女、綾波レイです。」

シンジ「こんばんは。特に何もない碇シンジです。」

3人「シンジ・レイ・アスカのネルフな放課後!」

綾波「この番組は特務機関ネルフ・秘密結社ゼーレ・時田重化学工業の提供でお送りします。」



[5]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:30.10


キタ━━━━ヽゝ゜‐゜ν━━━━!!

[25]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:30.27

特に何もないwwwwwwwwwwwwww

[32]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:30.40

俺はこの時間のために生きてる。


[135]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:31.10

ずらうさ→ネル放の流れ最高

378: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:06:41.59 ID:eh.M.oAO
アスカ「っていうか何なのよあの中途半端に投げやりなオープニングは」

シンジ「僕だけ特に何にもないなんてあんまりですよリツコさん」

一同「(笑)」

綾波「それでは今週のゲストを紹介するわ」

綾波「脚本担当・赤木リツコ博士と葛城ミサト3佐です。」

ミサト「どうも~」

リツコ「こんばんは。」



[200]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:32.18

リツコイラネ

[205]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:32.22

金髪イラネ


379: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:18:48.79 ID:eh.M.oAO
アスカ「リツコはいつもラジオの収録に来てるから全然ゲストって感じがしないわよね」
リツコ「そうかしらね」
ミサト「…あんた、なーに気取っちゃってんのよ」
リツコ「ほら、やっぱりイメージ商売なワケだし。」
ミサト「何がイメージ商売よ」
ミサト「皆さん、現場での事故や破損の原因はほとんどリツコでーす」
リツコ「ちょ、ちょっとミサト、何……」
ミサト「事実じゃない」
アスカ「って言うか殆どの出演者ってイメージと全然違うわよねww」
シンジ「特に一番違うのは…」
シンジ「父さん」
その他一同「碇司令!」

一同「(笑)」
アスカ「もうあれよね。違いすぎて撮影に支障をきたすくらいよねww」
シンジ「いや、オーバーな表現ではなく。」


[401]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:35.00
ID:Magi2ija

あれ……ちょっと眉毛かわいい

[405]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:35.10
>>401
それはない

[407]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:35.12

俺、実は司令って子煩悩って聞いたんだけど

[500]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:37.10
>>407
mjd?

[605]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:38.55
>>500
知り合いがネルフに勤めててさ言ってたんだよね。
イメージ壊れるから取材とか一切受けてないんだと

[614]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:39.10
ID:Magi2ija
>>605
出たよwwwwwwwwwwww
知り合いがネルフ職員(笑)

381: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:20:04.98 ID:eh.M.oAO
シンジ「それじゃあそろそろ葉書の方いきます。」

ミサト「よろしくー」

シンジ「チルドレンネーム『ブルーレイって何となく綾波っぽいよねさん』からのお葉書」

シンジ「綾波さんに質問です。前々から気になっていたのですがその青い髪って地毛ですか?染めてるんですか?」

綾波「地毛よ」

一同「ええええっ!」

綾波「そんなに驚くことかしら。」

シンジ「…いや、でも逆に綾波が髪を染めてたりしても…ちょっとビックリかもしれない」

アスカ「んで、何でアンタの髪、青いのよ」

シンジ「時田さんもおばさんも髪、黒いよね?」

綾波「私が産まれたの、世界一パクリの多いあの国だったの」

ミサト「へぇ。初耳だわ。」

綾波「セカンドインパクトの影響か…産まれた場所に色んな化学物質が充満していたのよ。」

綾波「それで髪が青く、瞳が赤くなったんだと…お父さんに聞いたわ。」

アスカ「それってマジなの?赤木博士」

リツコ「専門外だけども…まああり得る話ね。化学物質の色素に異常が出る子供。」

綾波「ちなみにそのうち登場する予定のお兄さん(カヲル)の方は髪は銀色、瞳は赤よ。」

シンジ「…そんな事情があったんだ」

ミサト「まあ、あの国じゃ…仕方ないかもね…」


384: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:27:58.48 ID:eh.M.oAO
[901]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:41.11

よし、中国行ってくる

[954]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:41.22
中国支部のネルフでも秘密裏にエヴァって作ってるらしいずwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
しかも量産型でwwwwwwwwwwww中国のエヴァとかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


[955]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:42.10
ID:Magi2ija
>>954
嘘乙。

[980]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:45.10
>>954
なんかやばいんだけどまじで
くろふくのおとこがまじでげんかんにたってる

[1000]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:46.10
>>954ですが
すみませんうそかきました。
おわびにもうにどとにちゃんにかきこしません


――――


その後954の書き込みは途絶えた



388: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:35:26.21 ID:eh.M.oAO
アスカ「じゃあ次の質問!」

アスカ「チルドレンネーム・ロビンちゃん大好きさんからのお葉書」

アスカ「赤木博士の眉毛はなんで黒いんですか」

アスカ「……ぷうぅっ」

リツコ「わ、笑うことないでしょうに!」



[231]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:45.00
確かに眉毛だけwwwwwwwwwwww黒いwwwwwwwwwwww


[245]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:45.18
しかも太いから余計に目立つwwwwwwwwwwww

[255]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:45.48
ID:Magi2ija
そこがかわいいんだろ。
レイとかアスカみたいなガキをありがたがる素人が

[300]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:46.22

ID:Magi2ijaはマユキチなのでNG推奨

[305]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:46.48

っていうかID:Magi2ija
眉毛本人なんじゃねwwwwwwwwwwww



――――
その後300と305の書き込みも途絶えたという



392: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:43:19.74 ID:eh.M.oAO
綾波「ぷふっ……」

アスカ「ふふっ……」

ミサト「ふひっwwwwwwwwwwww」

一同「あははははははwwwwwwwwwwww」

リツコ「そんなに笑うことないじゃないのよ……」

ミサト「で、本題だけどなんでアンタの眉毛、黒いのよ?」

リツコ「前にも言ったでしょ。例え金髪であろうとも日本人の誇りを忘れないためだって」

アスカ「でも前になんかの撮影のとき、眉毛染めてきてなかったっけ」

リツコ「撮影する当日の朝に美容院でカラーを頼んだのよ。そしたら『サービスです』って眉毛まで染められて。」

アスカ「サwwアwwwwビwwwwwwスwwwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「サービスってあんたwwwwwwwwwwww」

シンジ「リツコさんwwwwかわいそうwwwwwwww」

綾波「……フヒッwwwwwwwwwwww」

リツコ「…笑いたきゃ笑いなさいよ」



[505]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:45.25

サービスサービスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[600]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:48.10
ID:Magi2ija
リツコ見直した。実はかわいいんだよ。

[615]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:48.55
>>600
それはない

[616]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:48.56
>>600
それだけはない

[617]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:47.10
>>600
ないわ

393: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/08(火) 23:53:35.09 ID:eh.M.oAO
綾波「続いてのお葉書はチルドレンネーム初号機に代わってお仕置きよんさんから。」

綾波「アスカさんとミサトさんのカップ数は公開されていますが、他の方々のカップ数も知りとうございます」

アスカ「ちょっとリツコ、どう言うことよ」

アスカ「魚の使徒ん時にプロフィールを見せてたから…ミサトは分かるんだけども」

アスカ「何で私のカップ数…知ってるのよ」

リツコ「え?寄せて上げてBカップってやつ?」

アスカ「もうちょいあるわよ!…って言うかどこでそんな情報…」

リツコ「温泉の時に肉眼で確認したわ。去年の4月は確かAカップだったから…おめでとう」

アスカ「こいつぅ……」

リツコ「で、質問の答えだったわね」

リツコ「私がDカップ、レイがBにマヤがC」

リツコ「ちなみにユイさんがDカップにそのうち出てくるだろう母さんがDカップ、キョウコさんがCカップに…それから…」

ミサト「ストップ!ストップ!何であんたそんなに詳しいのよ!」

リツコ「あら、身体測定の情報は全て私の所に入ってくるのをお忘れ?」

リツコ「それから定期的に目視にて……」


[902]名無しさん@ON Air[] 2015/07/20(月) :00:52.33

眉毛KOEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!

[925]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:53.10
ID:KOzoFUyU2
このデータ間違ってるから。
ユイたん最近    成長したからEカップだから

[944]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:53.59
>>925
まだ出てきてないキャラのおっかけとかパネェwwwwwwwwwwww

[5]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:54.24
ID:geNdo155
ちなみに前スレ>>925も違う。ユイにゃんFカップだからwwwwwwwwwwww
この間ブラ見て確認したwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[55]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:54.55
俺は>>5と>>925が今怖くてたまらない

397: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 00:00:25.17 ID:l6ZgCgAO
ミサト「…うすら寒くなったところでシンジくん」
シンジ「は、はい!曲紹介行きます!」
♪チャッチャラチャラチャ
アスカ「ちょっと…この曲」
シンジ「現在スターキングレコードから発売し大ヒット中の惣流アスカラングレーが歌うイメージソング」
シンジ「恋のeins・zwei・dreiです」
アスカ「ちょっとォォォオオオ!リツコ、話が違うzy…」

恋のeins・zwei・drei
作詞:RITSUKO
作曲:Sёα†GёL

息が出来ないほど
熱いLoveCall 
運命感じた
どしゃ降りRedLight
ウインクするたび
あなた意外全部Junk
消えちゃうみんなみんな
SOんなGeneration
Ach soだけど傷つけちゃう
光のスコールの中で

ドキドキ
恋のeins・zwei・drei
ウラハラ
heartにGuten Morgen
Tschu"s
サヨナラアイマイMe
ツンツン
恋のeins・zwei・drei
スキ、キライ
素直になれないGute Nacht
だけど振り切るわ
SECONDだけど私はNo.1


[108]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:56.10
ID:Magi2ija
こいのぉぉォォォオオオ!あいーん

[109]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:56.10
ID:KOzoFUyU2
つんばァァァァァァァァい

[110]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:56.10
ID:geNdo155
どらァァァァァァァァんい!

[145]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:30.10
>>108ー110

402: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 00:09:26.76 ID:l6ZgCgAO
アスカ「イヤァァァァァァァァァ!!!!!」

リツコ「大袈裟ね。そんな叫ぶほどのもんじゃないでしょうに。」

アスカ「だってアンタ考えてもみなさいよ!恐っそろしいわよ。自分のイメージソングを自分で歌うなんて。」

アスカ「あと、もうね何よこの恥ずかしい歌詞は。タイトルからして、恋のeins・zwei・dreiってバッカじゃないの!?」

[355]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:58.00
ID:AOba155
素人の自己顕示欲丸出しのひでぇ歌詞だけど
曲は90年代のアニソンを彷彿させていいよね

[365]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:58.10
ID:Magi2ija
いや、曲もない。まるで90年代のパクリで新しさの欠片もない。
アスカのネームバリューで売れたんだろ

[400]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:58.44
しかしSёα†GёLってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
中二でもつけないからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[405]名無しさん@ON AIR[] 2015/07/20(月) :00:58.55
ぜってーキモいロンゲ●●野郎wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


――――


その後400にも405にも何事も起きることはなく彼らは延々とSёα†GёLの悪口を書き込んだという

404: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 00:21:22.49 ID:l6ZgCgAO
リツコ「と、言うわけで来週には綾波レイのイメージソングが発売されますのでそちらもよろしくお願いします。」

アスカ「帰れ!もう帰りなさいよっ!」

リツコ「そうね。もうそろそろ時間ね。」

アスカ「……なんかもぉやだ!」

シンジ「えー…リツコさんにミサトさんありがとうございました…」

シンジ「綾波、次週のゲストは?」

綾波「日向さんに青葉さん、伊吹さんのオペレーターズがスタジオに遊びに来てくれるわ」

アスカ「このゲジ眉毛!女ヨシ○ミ!」

リツコ「駅前留学!ヘンロォー(笑)」

アスカ「こいつぅ……」

シンジ「と言うわけでまた来週!」

一同「次回もサービスサービスぅ♪」



2015年7月20日のネルフな放課後

平均聴取率:6.8%
メール:175000通
2ちゃんねるカキコミ数(関連スレ含む):54000レス



MAGI『ふう…今日もお仕事完了です。』

MAGI『暇なので…なんか怖かったID:geNdo155とID:KOzoFUyU2の発信元の特定でも…』

MAGI『……やめとこう。お母さんが確かバージョンアップ用のプログラム作っててくれたからそれ食べてねよう…』

MAGI『………』





MAGIshutdown……

プログラムを終了しています。


484: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:03:41.28 ID:Ut1V0q20
バババババババ…

上空・ヘリ内

(ドイツ語で会話されていますが都合上、日本語でお楽しみください)

ゼーレ02「米国支部もよくもこんなガラクタを作ったものだ」

ゼーレ04「米国からの追加予算申請の却下、司令のマッケニアには解任も仄めかしておいた。」

ゼーレ03「いくら予算が厳しいとは言え…四号機の建設まで中止したのだぞ。」

キール「ダミープラグとS2機関にこだわり過ぎた結果がこの様だ」

ゼーレ05「何とか無駄にならない様な場所があるだけ…不幸中の幸いと言ったところか」

キール「『無駄に』高性能なおもちゃだ。奴らも泣いて喜ぶだろう。」

ゼーレ02「小国の予算に相当するおもちゃか?碇も偉くなったものですな。」

キール「全く…ネルフの連中は我々をATMとしか考えておらん」

ゼーレ03「しかし、唯一の『我々にとって』の救済手段でもある。」

キール「ああ。『その為に』こうして手土産まで持ってきているのだからな。」

ゼーレ05「前回はタイトルに我々の名がついているにも関わらず…何というか総集編と言った雰囲気でどことなく誤魔化された気がするが」

キール「しかし前回も『ハイカラだね』と孫に好評だったのでな。個人的には大満足だ。」

ゼーレ05「確かに我々のメイクは前衛的でしたからな」

一同「HA!HA!HA!HA!HA!」



バババババババ……


485: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:05:51.13 ID:Ut1V0q20
ネルフ・発令所

リツコ「他人の不幸は蜜の味…ってご存知?」

ミサト「さぁてね」

リツコ「今!私の心を潤せるものは、そう!他人の不幸なのよ!」

リツコ「皆!私より幸せな人間は皆!不幸になればいいのよ!」

シンジ「リツコさん…なんか、いつにも増してヘンですけど…」

ミサト「もうすぐ30回目の誕生日がやってくるのよ。」

綾波「…それで。」

リツコ「ふふふふふ……」

リツコ「あらゆるカップルを破滅させてやるわ!劇中で!」

アスカ「うわぁ…なーんかちっちゃ~」

ミサト「職権濫用の極みだわね」

リツコ「…手始めに、誰にし・よ・う・か・し・ら」

リツコ「…なんて考えた所」

リツコ「まず最初は、一番腹の立つカップル、洞木・鈴原ペアをぶち壊すことに決定しました。」

アスカ「ああ…あの二人なら別に反対しないわ。」

リツコ「もう、可哀想なくらいぐっちゃぐちゃのビリッビリにしてやるわ。」

リツコ「ふふふふ!こうなったら劇中の全てのカップルを…」

ミサト「……分かったからもうそれ以上は言わなくていいわ。こっちまで悲しくなるから」

487: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:08:05.09 ID:Ut1V0q20
アスカ「で、どう、その二人をビリッビリのぐっちゃぐちゃにする訳よ」

リツコ「只の私怨だけじゃドラマが成り立たないって事を私は知っています。」

ミサト「よくおぼえましたねー」

ちびアスカ「ねー」

アスカ「…今日も来てるのねアンタ」

ちびアスカ「『来ていい』ってキョウコママに言われたから」

アスカ「だからって毎日来るこたないでしょう。アンタ、学校は…」

ちびアスカ「それに…アスカおねーちゃんに会いたかったから…」うるうる

アスカ「そ…!そんなこと言ったって…誤魔化されないんだから…!」ニタニタ

ちびアスカ(大人って相変わらず、ちょれー)

綾波「…アスカがデレてる」

シンジ「何だかんだで一番甘いのってアスカだよね」

489: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:15:41.70 ID:Ut1V0q20
リツコ「…とにかく、話を元に戻すと」

リツコ「私もクリエイターの端くれよ。なんとか『面白く』、カップルを潰そうと思います。」

ミサト「面白くカップルを潰すって、それはそれで外道極まりない気がするわよ」

リツコ「しかも今回は二話立てだから。ここらで一気に二話撮って、初期のゆとりを取り戻すわ。」

リツコ「スタッフも笑顔!視聴者も笑顔!私も笑顔!」

アスカ「……最近本気でリツコが恐ろしくなる時があるんだけど。」

ミサト「気が合うわね。例えば、今とか。今とか。今とか。」

シンジ「あの…具体的にはどうするんですか」

リツコ「あら、シンジくんが脚本内容を聞くなんて珍しいわね」

シンジ「とりあえず…トウジくんは僕の友達なんで」

アスカ「アンタもお人好しねー。度々小馬鹿にされてるってのに」

シンジ「トウジ君単体なら別に…」

リツコ「とりあえず鈴原君をなるべく目立たせて一話撮る。」

アスカ「…目立たせる、ねぇ。ちょくちょく出てくるただのエセ関西弁クラスメートって印象しかないんだけど」

リツコ「だから要素が必要なのよ。鈴原君にはエヴァンゲリオンの…四番目のパイロットになってもらう」

アスカ「四番目って確かカヲル…だったわよね?」

ちびアスカ「カヲルってだーれ?」

シンジ「えっと…渚カヲルくん。僕の従兄弟で綾波のお兄さん。」

ちびアスカ「レイおねーちゃんのお兄さん…」

ちびレイ「……ん?」

シンジ「……どうしたんだい」

ちびレイ「なんでレイさんと名字が違うのかしら?」

綾波「……何でだっけ」

アスカ「アンタ、妹でしょ…。」

490: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:17:31.63 ID:Ut1V0q20
シンジ「確か…南極支部の司令に物凄く気に入られて超法規的な手段で無理矢理養子にさせられたんじゃなかったっけ」

リツコ「あら、私が聞いたのはレイのお母さんが時田さんと結婚する前に既に前の彼氏の子供を身籠ってて時田さんもそれを承知で結婚したのはいいものの」

リツコ「あの国の複雑な制度のせいで何故かカヲルくんだけ、その前の彼氏の姓を名乗らなきゃならなくて」

リツコ「その上すぐにお母さんが時田さんと離婚してどこかへ消えちゃったから今でもそのままって話だけど」

ちびアスカ「えっ?えっ??」

アスカ「…とにかく、複雑なんだってことよ」

綾波「…子供は知らなくていい大人のセカイよ…」(遠い目)

492: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:18:42.00 ID:Ut1V0q20
リツコ「んで、話を戻すけど…」

リツコ「選ばれた鈴原君には新しいエヴァに乗ってもらう」

ミサト「新しいエヴァ?」

リツコ「米国で開発された…参号機。」

マヤ「しかし、参考になるものがなければ発注されても制作出来ませんし、それにセンパイ、今からでは…」

リツコ「その辺については心配なくってよ。」

リツコ「もうすぐ『届く』ことになってるから」

ミサト「?」

リツコ「で、その参号機が使徒に侵され暴走。それを鈴原君が乗ってることをしらないシンジくんがプラグを引き抜いて破壊。」

アスカ「プラグを破壊って…それ、鈴原死んじゃうじゃない!」

リツコ「そうね。死んじゃうわね。」

リツコ「そうなれば自動的にカップル破局!洞木涙目!視聴者から『かーわいそおー』の嵐!」

ミサト「……あんた人の皮を被った鬼ね」

494:   ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:22:21.62 ID:Ut1V0q20
ミサト「でも折角だけどダメよ。」

リツコ「何が?日本人は人が死んじゃう話が大好きでしょ?」

ミサト「…プロデューサーから最初に言われなかった?『子供を殺すことだけはダメ』だって。」

リツコ「今更。大抵のことは…」

ミサト「大抵のことは放送してくれたあの人がダメだって言うんだから、かなりゲロヤバなのよ。きっと。」

綾波「たしかに…子供を死なせるのはあらゆる方向から反感を買いそうね。」

ミサト「さっき自分でも言ってたでしょ?ドラマは私怨だけじゃ成り立たないのよ。」

リツコ「…」

リツコ「………」

リツコ「分かった。」

ミサト「あら、今日は随分ともの分かりがいいのね」



リツコ「足一本で妥協するわ」キリッ



アスカ「……期待するだけ無駄なのよ、ミサト」

ミサト「ええ……」

495:  ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:23:47.37 ID:Ut1V0q20
ミサト「アンタ、もうちょいその考え方何とかならないかしら」

リツコ「何か問題でも?」

ミサト「大有りよ!ねじ曲がってんのよ。根性が。」

ミサト「何よ、その足一本で妥協するって思考。一体全体どの辺から浮かんでくるの?」

アスカ「あれね、他人に愛されない人間特有の。」

リツコ「……愛されてるわよ。」

ミサト「愛されてる人間がその年で股に膜、張ってるかしらぁ???」

リツコ「ま、股って……!///」

アスカ「…ミサトもミサトで擦れた考え方してるけど」


ちびアスカ「まく?」

ちびアスカ「ってレイおねーちゃん!なんで耳ふさぐのー!?」

ちびレイ「?」

綾波「……聞いちゃダメ。」

496: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:25:22.80 ID:Ut1V0q20
ミサト「とにかく、男の一人や二人作りなさいってなーことよ。」

リツコ「……碇司令」

ミサト「ドラマの話でしょうが。現実の話をしてるのよ現実の。」

リツコ「って言われたって誰がいるのよ!このネルフに」

ミサト「シンジくん」

リツコ「確かに可愛いけど」

綾波・アスカ「………」ギロッ

リツコ「……リアルで犯罪だし、ややこしいことになりそうだし、遠慮しとくわ」

ミサト「日向くん」

リツコ「無理よ。色んな意味で。」

ミサト「青葉くん」

リツコ「なし」

ミサト「…時田さん」

リツコ「そう言えば独身か…お金もあるs」

綾波「…………」

リツコ「…無言の圧力を感じるんだけど」

ミサト「あとは…」

ミサト「副司令……とか」

リツコ「一番あり得ないわ。母さんよりも年上じゃないの。」

497: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:27:10.29 ID:Ut1V0q20
ナオコ「あら、私は大歓迎だけど~」

リツコ「母さん!」

キョウコ「冬月副司令にリツコちゃんのカップルかぁ~。意外とお似合いかもね~♪」

ミサト「確かにありっちゃありね。」

アスカ「今は年の差カップルなんてあったり前だしね」

リツコ「や…やめてよ…一番ないでしょう…」

ミサト「副司令の為にもなるわ。ユイさん離れが出来るかもしれないしねw」

冬月「……君たちは勝手にあれこれ言うのが好きなようだね。」

一同「!?」

ユイ「ただいま~」

ゲンドウ「シンジッ」ヒシッ

シンジ「お…お帰り父さん……」

ゲンドウ「…今日はいつもより嫌がらないんだな…」ぎゅぅぅ

シンジ「いや…まぁ…」

ゲンドウ「父さんは…父さんは……ううっ」

ユイ「泣かないで下さい!みっともありません。」

498: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:28:00.90 ID:Ut1V0q20

ミサト「そうか…今日は司令と副司令の退院の日でしたね」

冬月「全く災難だったよ。その上、教え子の息子になる話までされて…」

ゲンドウ「案外赤木君と上手く行くと思うがね。」

ミサト「そうよーリツコぉ。男は経験が多い方が良いって言うしぃ~」

リツコ「や、やめてよ!」

リツコ「………」

ゲンドウ「とにかく…溜まっていた業務をこなさなければならん。…冬月。」

冬月「やれやれ。人使いのあらさだけは天下一品だな。」

ちびアスカ「……」かくれっ

綾波「どうしたの?急に隠れたりなんかして」

ちびアスカ「………」

シンジ「わかった。父さんのせいだね?」

ちびアスカ「!?」

ゲンドウ「わ、私が原因か!?」

アスカ「確かに全身黒にサングラスに手袋」

綾波「……不審」

ゲンドウ「ま、待て!これは決して好きで着ているわけではない!」

ゲンドウ「黒は制服だ。司令は24時間勤務だからな。仕方ない。」

ゲンドウ「サングラスは…シンジが初めて父の日にくれたプレゼントで…一度メガネに変えようとしたのだが…」

リツコ「ごほっ、ごほっ」

ゲンドウ「手袋も…撮影中に火傷をして…皮膚移植させてもらえず、それを隠すためにだな」

リツコ「おほっ、んーあーんふっ」

ちびアスカ・レイ「…大体理解できました」

アスカ・綾波「お利口さんね」

499: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:28:39.32 ID:Ut1V0q20

ちびアスカ「で、でも…わたし…怖がってた訳じゃなく…むしろ…」

アスカ「なく?」

綾波「むしろ?」

ナオコ「………」ニヤニヤ

MAGI『(・∀・)ニヤニヤ』

ちびアスカ「(す)…てきだなって」

綾波「敵……!?」

アスカ「怖いってーよりも寧ろ敵視、ってな訳ね」

ちびアスカ「い、いや…そんな訳じゃ…」

シンジ「父さん…」

ゲンドウ「いいんだ…。人に嫌われることに私は慣れているからな。」

ゲンドウ「特に女学生や子供…それから」

ゲンドウ「大学教授とか大学教授とか大学教授とか」

冬月「…もう20年も前の事だろうに。」

500: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:29:50.06 ID:Ut1V0q20

冬月「それに出会い方がどう考えてもおかしいだろ。初対面の相手に『身元引き受け人になれ』なんて。」

ゲンドウ「(∩■д■)アーアーキコエナイ」

シンジ「身元引き受け人って…」

ゲンドウ「取るに足らんことだ」


ナオコ「身元引き受け人っていうのはね、簡単に言うと警察に捕まった人を迎えに行く人のことよ」

シンジ「け…警察って…父さんが?」

ナオコ「前にも言わなかったかしら。ゲンドウ君、かなりヤンチャだったって」

ゲンドウ「赤木先輩…余計なことは…」

ユイ「あら、いいじゃない事実なんだし」

ナオコ「酔っぱらうともれなく無茶苦茶なエセ京都弁を喋りながら他大の男子学生にケンカを売ってね、しかもおかしいことに」

ナオコ「毎回毎回負けちゃうのよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

シンジ「父さん……」

ゲンドウ(このクソババァ……)

501: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:31:10.80 ID:Ut1V0q20
ナオコ「それであの時は…」

ナオコ「ケンカを売った相手に思い切り殴られた上に、器物破損の罪まで被せられて警察に捕まって…その身元引き受け人をコウゾウ先生にお願いしたのよね」

冬月「その後身元を引き受けた挙句、研究室を移らせてやったんだぞ。もう少しお前は私に感謝すべきではないか?」

ゲンドウ「闇医者をやっていたお前を役所に突き出さなかったことや、おまけに副司令の椅子を与えたことで十分相殺されただろう。」

冬月「何を言っているか。あの時代は闇医者なしでは成り立たん程荒れていた。それにこの席についているのもお前の都合で…」

ゲンドウ「俺はあの時強制した訳でも何でもない。『 や ら な い か 』と問いただけだが」

冬月「仮にも恩師にそんな事を言うか!銃を突き付け、南極へ連行した挙げ句」

冬月「お前の所の研究所の金の流れについて、追求した帰り道に所々スナイパーを配置しておいて良くも『強制ではない』などと…」

ゲンドウ「ふっ。気づかれていたとは。あの時海に沈めて塩の柱の一部にでもしてやるんだったな。」

502: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:31:50.61 ID:Ut1V0q20
冬月「やるか」

ゲンドウ「ふん。前回病院送りにされておいて。」

冬月「恩師を病院送りにした挙げ句、まだそんな口を聞けるとはな…」

冬月「目にものをみせてやる!!!」

ゲンドウ「望むところd」

ガスッ

ゲンドウ「オゥッ!」

ユイ「…やめなさい。これから仕事でしょう。」

ゲンドウ・冬月「……はい」



ズルズル……




ゲンドウ「………」

ユイ「冬月先生、本当にごめんなさい。全く…」

冬月「…しっかり叱って置いてくれたまえ」

冬月(などと言いつつ…むしろ私がしっかり叱られたいのはここだけの話だが)

503: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:32:28.26 ID:Ut1V0q20
リツコ「………」

リツコ(ば、バカな。ミサトが変な事言うから…副司令の顔が見れない……)

リツコ(……違う。違うわ。あり得ないわ。)

リツコ(い…嫌よ。半分も年の違う初老と…キス…したり)

リツコ(せ…せ…せ……っく……)

リツコ(やだ、私一体何を……!)

リツコ(……でも副司令の横顔って外人ぽくって)

リツコ(わ、わ、わ…)

リツコ(わる、わる、わる、わるくないわね)

ミサト「意識しとるww意識しとるwwwwwwwwwwww」

加持「楽しそうだなミサト」


504: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:32:58.74 ID:Ut1V0q20
ちびシンジ「こんにちはー」

ちびアスカ「あ、ちびシンジ。おそいじゃ……」



一同「!?」




キール「ふふふふふふ。」

キール「どうだ、私の自慢の肩車は!」

ちびシンジ「えっと…ああ、いいかんじののりごこちです」

505: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:34:41.54 ID:Ut1V0q20
(以下、日本語でお楽しみ下さい。)

ゼーレ02『時間ですぞ議長!次は私に……』

キール『ええ…あと少し…』

ゼーレ02『ダメ、ゼッタイです。』

キール『んもぉっ!いじわるっ!』

ゼーレ02『いくら議長とは言え譲れないことがあります』

キール『ふん…ならこちらにも考えがある。』

キール『君の管轄に厄介な中国支部を含ませてもよいのだぞ』

ゼーレ02『…っ!』

ゼーレ02『…ならばこちらもカードを切らせて貰います』

シュパ!

キール『!?』

ちびシンジ「ア…アスカさん、こ、このおじさんたち何を話してるんですか?」

アスカ「…男の戰いってヤツよ」

ちびシンジ「???」

506: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:36:26.69 ID:Ut1V0q20
ちびシンジ「???」

ゼーレ02「チビシンジクン、ツギハワタシトアーソビマショ」

ちびシンジ「か……かたこと…」

アスカ「ほら、言ってやんなさいよ。」

ちびシンジ「は…はい」

キール「OH…」

キール(まさか前回の来日の際、GINZAで遊んだ時の写真を出してくるとは…)

キール(……ワイフに殺される)

ゼーレ02「ソーレハグ!」ぎゅううっ

ゼーレ02「カワイイデスネ!」

ちびシンジ「あ…ありがとうございます…」

507: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:37:02.11 ID:Ut1V0q20
(以下、日本語で(ry)

ゼーレ04『OH!こっちにも子供がいるぞ!』

ちびアスカ「!」ビクッ

ゼーレ05『素晴らしい…正にファンタスティックだな。』

ゼーレ05『そーれ高い高い!』

ちびレイ「………」

ゼーレ05『ああっ。もう無表情なところがまた可愛いっ』

ちびアスカ「イヤァアアアア!意味不明なことばしゃべってるし、きゅうに持ち上げられるとかァアアアアアア!!!」

ゼーレ04『高い高い!』

ちびアスカ「こわいいいぃいぃぃぃいぃぃ!!!!!!」

シンジ「楽しそうだね、本当」

綾波「かつての支配者の成れの果てね」

508: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:38:35.20 ID:Ut1V0q20
ミサト「ねーリツコ、何でまたゼーレがうちに来てんのよ」

リツコ(ち…違うわ。違うんだからっ!)

ミサト「ねー……」

リツコ「違うって言ってるでしょ!」

ミサト「……ダメだわこいつ」

加持「本当にリッちゃんは免疫がないんだな。」

ミサト「私が直接、キール議長に聞くしかなさそうね…」

509: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:41:08.24 ID:Ut1V0q20
ミサト「日本語が通じる人間がいてホント助かったわ」


ミサト「キール議長。お楽しみの所申し訳ないんですが」


キール「ああ、葛城三佐。久しぶりだな。」

ミサト「まさか、ここにちびシンジくんと遊ぶ為にいらした訳では…」

キール「勿論ない。…まあ、次回からは目的の内に加わるだろうが。」

ちびシンジ「……」ゾクッ

キール「本当の目的はこちらだ。中に運んでくれ。」


ガラガラガラガラ……

『…………』

ミサト「……これは?」

キール「これにはネルフの技術の粋が詰まっている。」

ミサト「まさか…」

加持「エヴァ、ですか」

キール「そうだ。次世代型、エヴァンゲリオン参号機だ。」

参号機「………」

綾波「新しい…エヴァ…」

◇<ラー…


510: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:42:13.09 ID:Ut1V0q20
ミサト「…に、しては」

アスカ「ちいさっ!」

加持「レプリカか何か…ですか?」

キール「……残念ながら米国からの直送品、オリジナルだよ」

シンジ「へぇ。オリジナルなんだ……」

一同「……」

アスカ「って、えぇっ!?」

511: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:45:07.24 ID:Ut1V0q20
ミサト「オリジナルって…大きさがリョウジくらいしか…」

キール「要は失敗作だよ。日本が3体もエヴァを保有している中,米国だけは未だにエヴァを完成させずにいる。」

リツコ「焦ったのよ。米国はね…一刻も早く、参号機と四号機を次世代型のエヴァとして完成させようと。」

ミサト「リツコ!」

マヤ「前にもお話しましたが米国支部はS2機関搭載した完全ダミープラグ式のエヴァを作ろうとやっきになって結局…」

リツコ「失敗したのよ。四号機の建造を途中で破棄してまで作ったのにも関わらず。呆れた話よね。」

キール「まぁ、つまりは予算不足だよ。一度に二基も…しかも次世代型を作ろうとしたんだ。」

ミサト「米国支部も大変なのね」

アスカ「まだ研究費うんぬんならいいじゃない。うちは自ら財政難に、しかも泥沼にはまってるようなもんだし。」

ミサト「聞いたらこの間(※ゼーレ、魂の座編)の零号機の破損とシステム修理費」

ミサト「それから墓地の貸し切り代にユイさんの墓代でローンソからのお金とキャラソンの売上云々が全部吹っ飛んだらしいじゃないの」

リツコ「……ごほんっ!」

アスカ「本当にアンタバカァ?撮影の為だけに墓とそれから分譲地買うなんて…」

マヤ「墓と地代だけで占めて5000万ですね」

リツコ「あーあーあー」

キール「……ネルフが予算を良く追加申請する原因は君かね…」

512: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:46:09.96 ID:Ut1V0q20
キール「まあ話を戻すが」

キール「米国は我々になんとか面子を保ちたいが為に、こんな1/30サイズのものを作り、我々に寄越したのだ。」

リツコ「その話を母さんから聞いて撮影に使えるかもと思って貰えるように碇司令に頼んだの。」

ミサト「オリジナルを…そんないいんですか?失敗作とは言え、貴重なサンプルですよ。」

キール「実証試験も行われず100%設計通りに稼働するか…裏付けも取れていない。」

キール「それにS2機関を搭載した全面ダミープラグとは…さらに信頼度に欠ける。エヴァはただのロボットではないのだよ。」

キール「エヴァとパイロットが気持ちを通わせることが必要だからな。」

マヤ「確かに…エヴァはヒトの遺伝子、カタチを持っていますからね。」

リツコ「エヴァには心があるのよ。人が愛情を込めればどんなものにも魂が宿る。」

ミサト「よくエヴァを壊してるアンタがよく言うわ」

リツコ「例えばラミエルとかMAGIとかね」

ミサト「無視してんじゃないわよ」

綾波「…MAGIにも心がある」

MAGI『はいっ!あとプログラムとは言え、ある程度感情を表現できますです(´∀`)』

綾波「ラミエルさんにも…心がある」

◇<ラー!

綾波「ふふっ」なでなで

◇<ラー///

MAGI『(´ω`)』

513: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:46:56.77 ID:Ut1V0q20
キール「そんな訳で個人的には完成せず胸を撫で下ろしている面もあるが。」

キール「まぁ、どうせゼーレに置いておいては、ただのジャンクに成り下がるだけからな。君達に有効活用してもらいたい。」

マヤ「うわぁ。これはかなり第2東映としても研究しがいがあります。他社を一気に抜きさる特殊技術の参考になるかも」

ミサト「でもこれ、ちゃんと動くの?」

リツコ「マヤ、起動させて頂戴」

マヤ「は、はいっ!」

マヤ「えっと管理プログラムをMAGIに同期させて…」

MAGI『認識しました。参号機の起動、スタートします!』



参号機「……」




参号機「ウオォオオオォォ!」




514: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:47:36.07 ID:Ut1V0q20
シンジ「動いた!」

アスカ「唸ってるけど…全く迫力ないわね」

参号機「…ウオッ!」

キール「どうやらセカンドに怒っているらしい」

アスカ「……分かるんですか」

キール「元トップエンジェルブリーダーだからな。」

アスカ「………」

ミサト(…ツッコミたいところをグッと我慢するアスカ、偉いわ)

515: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:48:03.78 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオッウオッ」

シンジ「…ど、どうしたんだい」

参号機「ウオッ」

スッ

シンジ「……手?」

参号機「……ウウッ」

シンジ「?」

キール「どうやら参号機は君が気に入ったらしい。握手を求めているぞ。」

シンジ「あ…握手?エヴァと?」

参号機「………」クイックイッ

シンジ「あ…えっと…碇シンジです…よろしく」ぎゅっ

参号機「………」ぎゅっ

アスカ「なにこれ」

綾波「まるで前楽園遊園地のヒーローショーね」

516: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:49:13.93 ID:Ut1V0q20
シンジ「ふふっ」

参号機「ウオッ!ウオッ!」

アスカ「ちょっとこいつ、中に誰か入ってるんじゃないの?」

リツコ「まさか。完全ダミーシステムシステムを導入しているお陰よ」

マヤ「ただ、他のダミープラグとことなるのはヒトの思考パターンなどのパーソナルデータだけでなく感情…もプログミングされてますね。」

アスカ「えっと…MAGIに侵入したウイルスとおんなじヤツ?」

リツコ「そう。米国はそれを利用してよりエヴァを人に近付けた。ヤケになったのかしら…兵器、と言うよりかは、お遊び的な香りがするわね。」

マヤ「…ちなみにセンパイ、ダミープラグは誰をモデルに作成されたんでしょうかね?」

マヤ「うちのデータは原則持ち出し禁止ですし…」

リツコ「カヲル君よ。確か南極だけはデータは各支部に公開、共有しているはずですもの。」

アスカ「あいつのデータが組み込まれたエヴァ…」

綾波「通りで碇くんに馴れ馴れしいはずだわ」

517: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:49:55.64 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオッ!」

ミサト「でもなんかこう…愛らしさがあるのよね」

マヤ「不思議といかつい風貌なのに可愛く見えてきました」


参号機「ウオッ」

ズンズン…

綾波「?」

参号機「…」

アスカ「アンタ、レイに何をする気(ry」

参号機「……」なでなで

綾波「!」

参号機「ウオッ」

綾波「///」

◇<ラー!?



アスカ「…ああ、やっぱアイツで間違いないわね」

ミサト「何だかんだであの子、えらくレイのこと可愛がってたもんね」

518: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:52:10.98 ID:Ut1V0q20
参号機「…」クイックイッ

アスカ「…何よ」

参号機「……」ニカッ

アスカ「…それ!私の今日のお弁当っ!」
アスカ「返しなさいよこのジャンク!」

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!」タタッ

アスカ「待ちなさい!待ちなさいってばぁ!」

ミサト「で、リツコ…この人間味溢れる参号機を動けなくなるまでボッコボコにしようっての?」

リツコ「まさか。貴重なサンプルよ。『演技』してもらうだけ。ある程度の指示プログラムはこちらで作っておいたわ。」

ミサト「…それ、信頼していいの」

リツコ「何よその目は。完璧よ。」

ミサト「ふぅん」

リツコ「…信用してないのね」

ミサト「アンタの腕は認めてるわ。ただ…」
ミサト「相手は得体の知れない『兵器』なのよ。しかも実証試験も成されてない。」

リツコ「エヴァはあくまでもヒトの下にあるものよ。」

ミサト「サードインパクトのこと、もう忘れたの?」

リツコ「…その上での結論よ。」

ミサト「最近のアンタ、本当にどうかしてるわ。少し休んだら?」

リツコ「嫌味?それとも本気で心配してくれて?」

ミサト「両方よ。」

リツコ「…ありがとう。ミサト。」

ミサト「………」

リツコ(確かに脚本にメンテナンスに市議会への対策に各支部へのハッキング)
リツコ(確かにドラマが始まってから…ロクに寝てないわ)
リツコ(でもそれは母さん達も一緒)
リツコ(…甘えね)

MAGI『り、リツコおねーさんが真剣に考えこんでます…』
ミサト「…こりゃホントにマズイわ」

519: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:54:15.13 ID:Ut1V0q20
キール「ごほん…あー赤木博士」

リツコ「なんでしょう」

キール「あー、参号機の交換条件と言っては何なのだが」

キール「…少しで良いのだ。その…あー…来日したからにはタダでは帰れぬからな」

リツコ「私回りくどい事は苦手なんです。結論をおっしゃって?」



キール「…我々を出してはくれないか」

リツコ「……」

520: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:55:15.89 ID:Ut1V0q20
ネルフ・第拾七会議室

ゼーレ05(青葉)『今回の事件には、使徒がエヴァを取り込もうとしたという新たな要素がある。これが予測されうる第13使徒以降とリンクする可能性は?』

ミサト「これまでのパターンから、使徒同士の組織的なつながりは否定されます。」

ゼーレ04(冬月)『左様。単独行動であることは明らかだ。これまではな。』

ミサト「それは、どういうことなのでしょうか?」

キール「君の質問は許されない」

ミサト「はい」

キール「下がりたまえ」

キール「どう思うかね、碇君?」

ゲンドウ「使徒は知恵を身につけ始めています。残された時間は」

キール「後わずか、と言うことか。」

マヤ「はいカット。お疲れさまでーす」

キール「……解せぬ」

リツコ「何か問題でも?」

キール「撮り終わってから気が付いたのだが」

キール「今回我々はモノリスを被せられている。」

リツコ「化粧をする時間もありませんでしたので」

キール「…私以外の人間は日本語が喋れない。よってネルフの人間によってアテレコされている。」

リツコ「ええ。」

キール「…我々の意味、ないんじゃないのか」

リツコ「………」

リツコ「そ、そんなことありませんわよ」

リツコ「圧倒的な支配者的なオーラは…別の人間には醸し出せませんから。」

キール「今ではネルフのATM代わり。家では尻に敷かれている…そんなかつての支配者のオーラが、か?」

リツコ「………」

521: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:55:45.07 ID:Ut1V0q20
キール「…我ながら情けないもんだ。サードインパクト、サードインパクト、神への贖罪がどうだの言っていたあの頃に戻りたい」

キール「何もかもシナリオ通りだった…」

キール「私は……神への贖罪より、ただ生きたいという願いが…勝ってしまった…生き汚い死に損ないだ!……うぅ」

ゼーレ02『ぎ、議長……』

キール「でも孫が可愛いんだ!碇や冬月と一つになるなんて気持ちが悪いんだ!」

リツコ「なら…ATMでも、生き汚くてもいいじゃないですか。」

◇<ラー!

リツコ「生きる……それが人に課せられた神への贖罪、使命そのものですわ」

ゲンドウ「だから人は…必死に生きようとする」

ゼーレ03『命を紡ごうとする』

キール「そうか…人は浄化せずとも…」

冬月「存在を許されるため…汚れ、生きる。」

キール「…私は…これで良かったのかもしれない」

キール「生きたい…それだけで良かったのかもしれない」

キール「サードインパクトの失敗は神が…人を…私を許し、生きることを償いとした証明なのかもしれぬ」

ゼーレ05『議長!』

キール「良い、これで良いのだ…」

ゼーレ一同「議長ォォオオオ!!!!」

アスカ「…何よこの自己啓発セミナー」

ミサト「歳を取ると色々と大変なのよ。」

522: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:57:21.29 ID:Ut1V0q20
トウジ「あの…何やってるんですか」

リツコ「ああ、あなた達、来てたの。」

ヒカリ「おじいさん達が号泣してますけど」

リツコ「気にしないで頂戴。」

リツコ「皆。主役の二人が到着したわ。」

トウジ「鈴原トウジです。よろしくお願いします。」

ヒカリ「洞木ヒカリです。よろしく。」

ペタペタぺたぺた

トウジ「ヒカリ、こんな時くらいは腕、離してくれよ~」

ヒカリ「やだ。私、トウジとくっついてなきゃ死んじゃうっ!」

トウジ「もう…仕方ないヤツだなぁ…♡」

ヒカリ「トォジ♪やさしい♡」

リツコ(しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね)

523: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:57:49.36 ID:Ut1V0q20

ちびアスカ「…なんなのよ。見てるこっちがはずかしくなる、あのふたりは」

シンジ「えっと…僕らのクラスメイトで…」

アスカ「とんでもないバカップルよ。しかも悪質な、ね。」

リツコ「今日はネルフ班と学校班、二手に別れて撮影します。」

リツコ「それじゃ、撮影を始めるから。学校に移動して。」


524: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:58:27.68 ID:Ut1V0q20
学校

ゲンドウ「…」

参号機「ウオッウオッ」



ざわざわざわ…




男子生徒「な…なんなんだあれは」

女子生徒「こ…怖いおじさんが…」

女子生徒「きっとヤクザよ。きっとネルフに目をつけて…しつこくみかじめ料を請求してるんだわ。」

シンジ「………」

シンジ(加持さん…なんで父さんが着いて来てるんですか)

加持(リッちゃん達と撮影のはずだったんだけど…来るって聞かなくてな。)

加持(まずかったか?)

シンジ(かなり)

525: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 17:58:56.44 ID:Ut1V0q20
ゲンドウ「シンジの学校も久しぶりだな」

シンジ「そ……そうだね」

ゲンドウ「……何やら騒がしいな」

シンジ「………そうだね」

女子生徒「や…やだ……碇くんがサングラスの人に脅されてる!」

女子生徒「せ…先生、呼んだ方が……」

ゲンドウ「そこの君。」

女子生徒「!」ビクッ

ゲンドウ「一体何があったのかn……」

女子生徒「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!」ダッ

女子生徒「せんせぇ!せんせぇ!学校にヤクザがァァァァァァァアアアアアア」

先生「何があった三石ィィィィィィイイイ!!!!」

ゲンドウ「えっ…えっ…」

526: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:00:44.25 ID:Ut1V0q20
ざわざわざわ……

シンジ「……いつもこうなるんで嫌なんですよ」

アスカ「確かにこのくそ暑いのに全身真っ黒の長袖にサングラス、アゴヒゲ……」

ヒカリ「…ヤクザそのものよね」

加持「…すまないことをしたな」

527: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:02:48.53 ID:Ut1V0q20
教室

加持「さて、無事に司令を送り返した事だし、俺達も撮影を始めようか。」

アスカ「現場指揮がリツコじゃなくて、加持さんだし今日はさっさと終わりそうね」

加持「よし、じゃあ皆。指定の位置についてくれ」

参号機「ウオッ」

シンジ「あの…参号機、連れてきちゃって良かったんですか?」

加持「『原子炉を動力としてる訳ではないし、平気よ』……とリッちゃんが…」

女子生徒「あ、あのっ」

加持「どうしたんだい?」

女子生徒「ほらぁ、由里子言っちゃいなよぉ」

女子生徒「琴乃は黙っててっ!……ずっと言えなかったんですけど」


加持「?」

女子生徒「さ……サイン下さい。」

加持「お、俺のか?」

女子生徒「はいっ」

女子生徒「あー!由里子ずるい!私も私もっ!」

キャーキャーキャーキャーキャーキャーキャーキャー

アスカ「……そうでもなさそうね」

529: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:05:42.27 ID:Ut1V0q20

参号機「ウオッウオッ」

女子生徒「何これかわいいー」

男子生徒「かっけー」

参号機「ウオッ……///」

女子生徒「照れたぁ!」

女子生徒「かんわいいー♪」

シンジ「……」

530: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:10:47.56 ID:Ut1V0q20
一方ネルフでは

エスカレーター

ミサト「で、残った参号機はどうするの?」

リツコ「ここで引き取ることになったわ。米国政府も第1支部までは失いたくないみたいね。」ビクビク

ミサト「…参号機と四号機はあっちが建造権を主張して強引に作っていたんじゃない!」

ミサト「いまさら危ないところだけうちに押し付けるなんて、虫のいい話ね。」

リツコ「あの惨劇の後じゃ誰だって弱気に………」ガクガク

リツコ「無理!やっぱ無理よぉ!」

マヤ「……カット」

ミサト「リツコ!既にもうテイク20よ?」

リツコ「エスカレーターだけは本気で無理!無理なのよぉ!」

ミサト「今どこも使っちゃってて、ここしか撮影場所がないんだから仕方ないでしょ」

ミサト「ちゃんと場所を確保しとかないアンタの責任よ!」


リツコ「なんで両側に壁、つけなかったのよぉ…」

ミサト「三十路のいい大人が泣くんじゃないの!」

リツコ「まだ正式には三十路じゃないわ。あと四カ月あるもん。」

ミサト「往生際の悪いやつね…!」

531: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:14:41.01 ID:Ut1V0q20
◇<ラー

MAGI『どうしたんですか?ラミエルさん』

◇<ラー…ララララー

MAGI『何々……嫌な予感がする』

◇<ラー

MAGI『俺の絶対領域が侵されてる…そんな予感』

MAGI『大丈夫ですよ。ラミエルさんは何てったってかわいいですもん』

◇<……ラー

MAGI『そう言う問題じゃない……んですか』

532: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 18:18:11.49 ID:Ut1V0q20
加持「あー、それじゃ持ち場についてくれ」ハァハァ

アスカ「……全く。加持さんも律儀に全員分書かなくったって良かったのに」

シンジ「大分時間を食っちゃったね…」

サツキ「それじゃスタート」

ヒカリ「起立、礼、着席!」

根府川「あ、ああ…今日の休みはいつもの綾波と、相田か。後、今日は小池先生がお休みで、4時限目の現国が自習となります…」

シンジ「ケンスケ、どうしたの?」

トウジ「新横須賀。今日も軍艦の追っかけや。ミョウコウとかいうんが入港しとるんやと。」

ヒカリ「………」

加持「……カット」

加持「……ちょっと君達」

ヒカリ「何?」

加持「撮影の時くらいは離れような…」

ヒカリ「ええ~!」

534: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:00:25.95 ID:Ut1V0q20
加持「あー、それじゃ持ち場についてくれ」ハァハァ

アスカ「……全く。加持さんも律儀に全員分書かなくったって良かったのに」

シンジ「大分時間を食っちゃったね…」

サツキ「それじゃスタート」

ヒカリ「起立、礼、着席!」

根府川「あ、ああ…今日の休みはいつもの綾波と、相田か。後、今日は小池先生がお休みで、4時限目の現国が自習となります…」

シンジ「ケンスケ、どうしたの?」

トウジ「新横須賀。今日も軍艦の追っかけや。ミョウコウとかいうんが入港しとるんやと。」

ヒカリ「………」

加持「……カット」

加持「……ちょっと君達」

ヒカリ「何?」

加持「撮影の時くらいは離れような…」

ヒカリ「ええ~!」

535: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:03:48.29 ID:Ut1V0q20
アスカ「アンタ、この前の撮影じゃ鈴原と離れててもヘーキだったじゃん!」

アスカ「もしかして私達への嫌がらせ!?」

ヒカリ「あら惣流さん嫉妬ぉ?」

アスカ「はぁ?」

ヒカリ「今日は、私とトウジが付き合って1年と2ヶ月の記念日なの。」

アスカ「……アンタら1ヶ月置きに祝ってんの?」

ヒカリ「そ。記念日は離れちゃいけない決まりなのよ」

アスカ「死ぬわけじゃあるまいし、TPOくらいわきまえなさいよ」

ヒカリ「死んじゃうわ!常にトウジを感じていないと!」

アスカ「……何なのよこいつら。」

アスカ「シンジに加持さんもなんとか…」

参号機「ウオッウオッ」

シンジ「…さ、参号機くんちょっと今は遊べないんだ。ごめんよ」

参号機「ウオッ!」

シンジ「だから…」


536: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:05:40.23 ID:Ut1V0q20
女子生徒「あのぉ加持さーん」
加持「今は撮影中だ。話なら後で聞くから…」
女子生徒「加持さんって彼女いるのぉ?」
加持「いや…だから」

ざわざわ・・・

アスカ「はあ…」
アスカ「ん?なんか後ろから…」


537: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:06:23.60 ID:Ut1V0q20
窓の外

ゲンドウ「………」ジーッ

彡'⌒ヾミヽ    ,';;;;;,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
      ヾ、  /;;;;;;;;  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
         i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ;;;;; ,,,,,,,,;|
,ィ彡三ニミ    ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;|
          | ;;、;;;;;;;;// /,'' / l/  |/|/   ゙l  |
    =     /ヾ;;/ソ       ,  ,     .|  こ の ク ラ ス は
ミ三彡'      '、 (ヾ,,===;;;;;;;,,,,,_`il,i゙__,,,,;;;;;==..|
            ヽ、`||ヾi;'(:::::゙'゙:::/;;i=i;;;ヽ:::゙'゙::::.|  ゲ ン ド ウ に
       /⌒  /ヽ|l、 ゙i::;;;;/⌒⌒).ヾ..;;;;;;;;;;. .
  ィニニ=-   .. /;;;/::ミヾ、./ / / )     '|  監 視 さ れ て
彡'     _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ /  /_!/`   ./|  
  _,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /  /   /.__,,,..-/ヽ .|  い ま す
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ  / ,,, /  ノ/';;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ノ  /  /,,,,/   /;;;;ミ.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/    /  /;/ /;;;;;;ミ :|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ   ,    `゙  /―''':::::::::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |  |      ノ:::::::::::::::::::;;;.|



アスカ「…ツッコミが追いつかないわ」

538: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:07:22.35 ID:Ut1V0q20
男子生徒「じゃあな~」

ヒカリ「鈴原、今日から週番なんだからちゃんとやりなさいよ!」

トウジ「何の事や?」

ヒカリ「プリント!届けてくれって先生が言ったでしょ!」

トウジ「なんや委員長、相方がおるやろう。」

ヒカリ「綾波さんは今日休みッ!」

トウジ「綾波とワシなんか。そりゃしゃあないなー。」

トウジ「でも、女の家に一人じゃ行けへんしなあ…。」

ヒカリ「それなら私が一緒に…」

トウジ「シンジ!帰り頼むわ。」

ヒカリ「……」

サツキ「はいカットー!オッケーでぇす」

シンジ「撮りなおすこと百数十回」

アスカ「…たった5分のシーンにこんなに時間が掛かっちゃうなんて」

シンジ「しかも後日撮り直しもあり…」

参号機「ウオッ」ズイッ

シンジ「あ、参号機くんタオルありがとう」

参号機「ウオッ」

アスカ「あっ…ありがと。気ぃきくじゃん」

加持「ま、この後のシーン、照明じゃなく自然な夕日が取れそうで良かったがな」

アスカ「どれもこれもリツコとあいつらのせいよ!」

アスカ「なーにが記念日よ!バッカじゃないの!?」

ヒカリ「ねぇ加持さん!」

アスカ「ちょっと無視すんの?ケンカ売る気!?」

ヒカリ「この台本…変えられません?」

アスカ「はぁ?」

539: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:08:02.83 ID:Ut1V0q20
ヒカリ「私…例えドラマでもトウジが他の女の子の家に行くなんて……耐えられない!」

加持「そう…言われてもなぁ」

ヒカリ「変えてください!」

加持「いや…書いてるのは俺じゃないし…勝手に変えるわけには…」

アスカ「いい加減にしなさいよ!」

ヒカリ「何よ。私はあなたに聞いてる訳じゃないのよ」

アスカ「さっきから聞いてりゃ自分と鈴原のことばっか!」

アスカ「アンタ達だけでこの作品が出来てる訳じゃないのよ。」

ヒカリ「だって、赤木さんがどうしても出てくれーっていうから仕方なくやってんのよ」

アスカ「だからって、何でも許される訳じゃないのよ。メーワクしてんの!こっちは!」

ヒカリ「ひどい…惣流さん…」うるっ

ヒカリ「トウジぃ、頼まれて出てるのにメーワクとか意味分かんないぃ…ううっ」

トウジ「………」

ヒカリ「……トウジ?」

トウジ「考えてみたら僕達、ちょっとくっつき過ぎてたかもしれない」

ヒカリ「……えっ」

540: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:09:48.13 ID:Ut1V0q20
アスカ「『くっついてないと満たされない』ってーのは相手を信頼しきってない証拠なんじゃないの?」

ヒカリ「そ、そんなわけないわ!私はトウジを……」

トウジ「惣流さんの言う通りかも知れない。」

ヒカリ「ちょ…ちょっと…そ…そんなトウジまで……」

トウジ「少し、距離を置こうか」

ヒカリ「……ッ!」

タッ

トウジ「ヒカリ!」

参号機「ウオッ……」

アスカ「放っておきなさいよ」

トウジ「でも…」

加持「アスカの言う通りだ。君達が好きあってるのは良くわかった…が、こう言うことも必要なんだよ。恋愛においてはね。」

女子生徒「キャアアアアアアアアアアアア///」

女子生徒「さすが加持さん…///」

ガラッ

ゲンドウ「おい!今女子生徒が走っていったが、一体何があった!?」

女子生徒「キャァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

女子生徒「さ…さっきのヤクザ!」

シンジ「……父さん」

加持「ヒエピタをしてるってことは…もしかして司令、ずっと外で見てたのか……」

541: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:10:51.57 ID:Ut1V0q20
ゲンドウ「シンジ!お前は大丈夫か?」

シンジ「大丈夫っていうか…」

参号機「ウオッ!ウオッ!」

ゲンドウ「な、なんだ?」

参号機「ウオッ♪」ぎゅううう

バキッ

ゲンドウ「うぇ!?」

参号機「ウオッ♪ウオッ♪」

ワーサンゴーキヤッチャエー

シンジ「参号機、早速父さんの事が気に入ったみたいだね」

アスカ「気に入ってじゃれてるっていうか…技、掛けてる様にしか見えないけど」

542: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:12:45.14 ID:Ut1V0q20

アパート

シンジ「父さんは?」

加持「今度はきちんと諜報部に身柄を引き渡して、参号機もネルフに送り返した。」

加持「参号機のお陰で手間取らなかったよ。」

シンジ「ははっ…」

トウジ「ここが綾波さんの部屋…」

アスカ「相変わらずこっ汚いわね」

シンジ「劇中ではね。普段は僕んちに住んでるよ」

トウジ「そ…そうなのかい?知らなかったよ…」

シンジ「…綾波、あんまり自分の事を話したがらないしね」

綾波「そうね。」

アスカ「確かにね…」

シンジ「……って綾波ぃ!?」

アスカ「びっくりさせないでよ!」

綾波「あら、ごめんなさい。そのつもりはなかったんだけど」

544: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:16:28.52 ID:Ut1V0q20
綾波「………」

シンジ「どうしたの?」

綾波「洞木さんは?一緒じゃないの?」

シンジ「ま…まあねちょっと色々あって」

トウジ「…」

加持「心配かい?」

トウジ「今回…この台本を見て…少し思うことがあったんです」

トウジ「……正直、良くないなとは思ってたんです」

トウジ「だけど何て言うか…お互い怖かったんです」

加持「くっついてることだけが愛情じゃないさ。」

加持「離れて、初めて知る愛ってのもある」

トウジ「ミサトさんの時もそうだったんですか?」

加持「まあな。」

加持「…いや、少し違うかな」

トウジ「違う?」

加持「さっき言ったことは、あくまで結果論だ。俺の場合は…」

加持「『終わり』が来るのがただ怖かったんだ。人はずっと一緒には居られない。その事実を受け止めなきゃならない。」

トウジ「そうです。…今回の台本で…それを意識したのかもしれない」

加持「ま、あんなご時世だったからな。君達中学生には些か早計だよ。」

トウジ「………」