ゲンドウ「突然だが、ネルフは財政難だ」第一話 

ゲンドウ「突然だが、ネルフは財政難だ」第二話 

ゲンドウ「相変わらず、ネルフは財政難だ」【第参話】前編

ゲンドウ「相変わらず、ネルフは財政難だ」【第参話】後編 

ゲンドウ「何故だか、ネルフは財政難だ」【第四話】前編 

545: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:19:33.00 ID:Ut1V0q20

加持「それと彼女のことなら心配いらない。ネルフの人間がきちんと追いかけているはずだ。」

加持「よし。それじゃ、撮影始めるぞー」

シンジ「…ん?」

シンジ「…あれっ、アスカは」

綾波「……そう言えば」

トウジ「さっき物凄い勢いで走って行きましたけど。」

綾波「アスカ……やさしいから」

シンジ「…?」


引用元: ゲンドウ「何故だか、ネルフは財政難だ」【第四話】 

 

546: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:20:57.08 ID:Ut1V0q20
市民公園

ヒカリ「逃げて……来ちゃった」

ヒカリ「……まだ撮影残ってるのにどうしよう」

ヒカリ「……」

ピトッ

ヒカリ「!?」

アスカ「………」

ヒカリ「惣流…さん?」

アスカ「……飲みなさいよ」


547: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:21:25.17 ID:Ut1V0q20

ヒカリ「……ありがとう」

アスカ「………」

ヒカリ「………」

アスカ「………さっきは言い過ぎたわ」

ヒカリ「……私こそ」

548: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:21:54.52 ID:Ut1V0q20

アスカ「アンタの気持ちも分からなくないのよ。好きな人間がドラマの中でとは言え…死にかけるんだもん」

ヒカリ「………不安になったの」

ヒカリ「トウジがもし…遠くに言っちゃったらって」

アスカ(まぁ、うちの脚本家もそれを狙ったんだけど…)

ヒカリ「私ね、頼れる人間がトウジしかいないの」

ヒカリ「お母さんもお父さんもお姉ちゃんも…中々帰ってこないし。妹はまだ小学生だし。」

アスカ「……私も小さいときそうだった。」

ヒカリ「……惣流さんが?」

549: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:22:36.18 ID:Ut1V0q20
アスカ「私のママ、研究者でね。中々家に帰って来なかった。パパも…研究者だけど外に女の人が沢山いて…帰って来なかった。」

アスカ「ママったらバカだからさぁ、パパの言うこと本気にしてるのよ。だから家族自体は上手く行ってたんだけど…私は寂しかった。」

ヒカリ「そう…だったんだ」

アスカ「そんなときに出会ったのがシンジ。二人で良く遊んだもんよ。」

アスカ「シンジと二人で遊んでると…寂しさを忘れられた。だからシンジといつもいつも一緒にいた。」

アスカ「そんな時にやって来たのがレイとカヲル。」

アスカ「その二人がやって来ると…自然に二人っきりで遊ぶ時間が少なくなった。」

アスカ「よくレイやカヲルとケンカしたわ。」

アスカ「そのうち…レイやカヲルとも遊ぶようになって…ふとある時気が付いたの」

アスカ「……私はシンジに依存してたんじゃないかって、ね」

ヒカリ「……依存」

アスカ「好きと依存って違うと思うの。……『好き』は好きだから一緒にいるけど、『依存』は不安だから一緒にいる。」

アスカ「好きな人と一緒に居たい気持ちは分かるわ。だけどさ、アンタ達のやってることは…依存なのよ」

ヒカリ「…………」

アスカ「……昔の私を見てる見たいで…ついキツク言っちゃったわ。…ごめん。」

ヒカリ「いいの。確かに…そうだと思うから。」

ヒカリ「……トウジとのこと、もうちょっと考えるべきだったのよね。私。」

アスカ「ま、『恋は盲目』って言うから仕方ないんじゃん?」

ヒカリ「ふふっ…何か惣流さんと…ゆっくり話せて良かった。」

アスカ「アタシもよ。もっと生け簀かないヤツかと思ってたわ。」

550: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:23:16.45 ID:Ut1V0q20
ヒカリ「……ヒカリ、ヒカリでいいわ」

アスカ「私もアスカでいいわよ。」

ヒカリ・アスカ「………」にこっ



ガサッ



ヒカリ・アスカ「!?」

リツコ「………」

リツコ「いいわ。いいわよあなた達…」

アスカ「りっ、リツコ!」

ヒカリ「ど、どうしたんですか!?」

アスカ「ずっと聞いてたの?」

マヤ「邪魔するのも悪いと思って」

ミサト「珍しく撮影が早く終わって…諜報部から連絡があってアスカと洞木さんがここにいるっていうから迎えに来たんだけど…」

アスカ「…どうせ興味本位で来たんでしょ。悪かったわね、ご期待に添えなくて。」

ミサト「そうでもないわよ。久しぶりにいいもの見れたわ~♪」

マヤ「友情って素晴らしいですね!」

アスカ「アンタら……」

551: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:25:07.70 ID:Ut1V0q20
リツコ「よし、このテンションのままで第拾八話のシーン10撮っちゃうわよ!」

アスカ「は…はぁ?」

ミサト「リツコのハイパーメディアクリエイター魂に火がついたのよ」

ヒカリ「????」

アスカ「…要約すると病気ってことよ」


552: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:28:57.48 ID:Ut1V0q20
ヒカリ「鈴原の好きな子って、綾波さんかもしれない…」

アスカ「鈴原が!?あの優等生を!?」

ヒカリ「お昼、仲良さそうだったし…」

アスカ「安心してヒカリ!それはないわ!あの女はシンジの1万倍も、人との付き合い方知らないもの。」

ヒカリ「そう?」

アスカ「そう!」

アスカ「…一つ聞いていい?」

ヒカリ「何?」

アスカ「あの熱血バカのどこがいいわけ?」

ヒカリ「優しい…ところ///」

アスカ「(´Д`;)」


リツコ「カットー」

リツコ「じゃあ移動して。続けてお弁当作るシーン撮るから」

アスカ「ええー」

リツコ「時は金なりよ」

リツコ「材料はこっちで用意するから。」

ミサト「もしやネルフの給湯室で撮る気?」

リツコ「ええ」

ミサト「アンタね、どこの世界にそんなバカがいるのよ…。」

リツコ「だって心当たりが…」
ヒカリ「あの!」

リツコ「?」

ヒカリ「あの…どうせなら…私の家、使いませんか?」

リツコ「いいの?」

ヒカリ「どうせ誰もいませんし」

553: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:29:35.79 ID:Ut1V0q20
洞木宅

アスカ「おじゃましまーす」

リツコ「綺麗な家ね」

ヒカリ「ありがとうございます」

リツコ「誰かの家とは大違い」

ミサト「……むっ」

リツコ「それじゃあ撮影の準備、よろしくね」

マヤ「任せて下さい♪」

アスカ「悪いわね。急に使わせて貰っちゃって」

ヒカリ「………」

アスカ「どうしたの?」

ヒカリ「トウジと…どうやって仲直りしようかなって」

アスカ「……バカね。向こうだって…そんな怒っちゃいないわよ」

ヒカリ「……でも」

アスカ「なら、撮影で作ったお弁当…持ってってあげたら?」

ヒカリ「………うん」

ヒカリ「ありがとう。アスカ。」

アスカ(……これくらい司令も素直にシンジとの距離感を考えてくれたら良いんだけど)

アスカ(無理な話か……ww)

554: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:31:13.33 ID:Ut1V0q20
一方ネルフ


ゲンドウ「………」ボロッ

冬月「ようやくやって来たと思えば…情けない姿だな。」

参号機「ウオッ!ウオッ!」


グギギギギギ……



ゲンドウ「痛い!痛い!」

ユイ「あらあら…」クスクス

参号機「ウオッ……///」

参号機「ウオッ~♪」

ユイ「あら、私にのど飴くれるの?ありがとう。」

冬月「お前!それは私のポケットに入っていた…いつの間に!」

ユイ「あら、いけないわ。お返しします。」スッ

冬月「いや、むしろ、是非、受け取ってくれたまえ」

参号機「ウオッ?」

ゲンドウ「…まあそう言う訳だ」

555: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:31:45.16 ID:Ut1V0q20

青葉「今回は列車の貸し切りが出来なかったのでこちらに」

ゲンドウ「電車のセットに…モニターか?」

冬月「何も映っていないではないか」

青葉「スイッチ」

カエデ「了解」


ダダンダダン……ダダンダダン…



ゲンドウ「これは……」

冬月「…車窓の映像か」

青葉「『家で楽しむ車窓旅行シリーズ~第三新東京篇~』…赤木…リツコ博士の私物です。」

ゲンドウ「…そう言えば赤木くんは鉄道オタクだったか」

冬月「赤木博士は色々と…残念だな」

ゲンドウ「ああ。非常に残念な女性だ。」

556: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:34:33.97 ID:Ut1V0q20
アパート

綾波「ありがとう…感謝の言葉、初めての言葉。」
綾波「あの人にも言った事なかったのに…」

加持「オッケー。お疲れさま。」

トウジ「やっと今日の分…終わりか」

シンジ「トウジくん、付き合ってくれてありがとう。」

トウジ「かまへん!かまへん!」

シンジ「ふふっ…ちょっと関西弁、残っちゃってるよ」

トウジ「……おっと、いけないなww」


ヒカリ宅

マヤ「カットーお疲れさま♪」

アスカ「撮影も終わったし手伝うわ」

ヒカリ「ありがとう」
ヒカリ「えっと…から揚げは…」

アスカ「………」どさっ

ヒカリ「あ…アスカァ!ダメよそんなに唐翌揚げ粉入れちゃ!」

アスカ「え…たくさん入れた方が美味しくなるんじゃないの?」

ヒカリ「う~ん…じゃあショウガをすりおろして」

アスカ「………」ざくっ
アスカ「℃¥$¢£%#&!?」

ミサト「アスカ!指ぃ!」

リツコ「危なっかしくてみてらんないわね」
リツコ「唐翌揚げ粉はね、この位の量で……」

マヤ「センパイそれ、くず粉です」

リツコ「………」

ミサト「………」

ヒカリ「あの…私一人で大丈夫なんで…どうぞお茶でも…」

557: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:35:37.45 ID:Ut1V0q20
プルルルル…

加持「おっ、ミサトから電話だ」

加持「はい。どうした?」

ミサト『あ、リョウジぃ?今日はこのまま直帰していいらしいわよ。』

ミサト『それから司令達は徹夜で仕事だからシンジくんとアスカとレイは今日はこっちで預かることになったから』

加持「了解。」

ミサト『それから鈴原くんと洞木さんも今日は家に泊めることになったわ。勿論親御さんに許可はとってある。』

加持「わかった。そっちに向かわせる。」

ピッ

トウジ「あの…」

加持「聞いてた通りだ。一緒に行こう。」

トウジ「は、はいっ」

558: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:36:20.08 ID:Ut1V0q20
加持・ミサト宅

ピーンポーン

アスカ「あっ、来た来た。ったく、おっそいわよぉ!」

シンジ・トウジ・綾波・加持「ただいま」

ミサト「おかえり」

アスカ「おかえり」

ヒカリ「………おかえり」

参号機「ウオッ!」

シンジ「って…なんで参号機がここに?」

アスカ「そういやそうよ。本来きっちり管理しとくべきもんじゃないの?」

ミサト「リツコによれば平気だっていうし。何より可愛いじゃなーい。」

リツコ「次世代型を肴にお酒を呑むなんて最高じゃなーい。」

参号機「ウオッ!」

シンジ「い…いいのかな…ネルフはそれで…」


559: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:37:06.84 ID:Ut1V0q20
ミサト「で、これが今日の晩ごはんよっ」

シンジ「うわっ」

加持「これは…」

トウジ「…うまそう!」

アスカ「ふふん。私とヒカリ手製の愛情弁当よ」

リツコ「八割方洞木さんが作ってたじゃないの」

アスカ「………うるさい」

ヒカリ「その…撮影で……作りすぎちゃって」

アスカ「ヒカリも素直に仲直りしたいからーって言えばいいじゃない?」

ヒカリ「きょ…距離感意識すると…なんか恥ずかしくて……」

ミサト「その『恥ずかしい』ってキモチ、久々でしょ」

ヒカリ「…はい」

ミサト「それが大事なのよ。大人になると燃え上がるわよぉ~」

リツコ「余計な知識を刷り込まないの。」

ヒカリ「トウジ…あの…」

トウジ「…」

トウジ「ありがとう。ヒカリ」にこっ

ヒカリ「…うん」にこっ

加持「ほお…前より深みのあるカップルになったなぁ。長く続きそうだぞ、これは」ニヤニヤ

ミサト「ぐっちゃぐちゃにするどころか、更に仲良くさせちゃってるわよ、リ・ツ・コ」

リツコ「……ケッ」

560: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:37:44.39 ID:Ut1V0q20
シンジ「ふふっ」

参号機「ウオッ~//」

綾波「………唐翌揚げうまいわね」バクバク

アスカ「レイ…アンタって…」

綾波「口一杯にジューシーな肉汁が広がるわ。このショウガがまた…」

アスカ「…楽しそうね」

一同「いっただきまーす」

参号機「ウオッ!」

シンジ「ごめんね。君にはあげられないんだ」

参号機「ウオッ…」

◇<ラー

MAGI『こんばんはー♪』

参号機「ウオッ!」

◇<ラーラー

MAGI『プログラムが私達のご飯みたいなものですからね』

◇<ラー

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!」

MAGI『お話しましょー♪(^∀^)ノ』

ペンペン「クエッ!クエッ!(微妙に俺一人仲間外れにすんなよ!)」

◇<ラー(オメーは魚食えんだろ)

561: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:40:51.34 ID:Ut1V0q20
アスカ「…会話が成立してるのかしら」
綾波「アスカ、言葉じゃないわ。ハートよ。」

アスカ「……」ジーッ

綾波「何?」

アスカ「…『レイ、キブンイレブンで杏仁豆腐買ってきて』って念じてみたんだけど」

綾波「……」ジーッ

アスカ「何よ」

綾波「『嫌よ』って念じたんだけど」

アスカ「…よく伝わってきたわ」

ミサト「リョウジぃ、あーん」
加持「や…やめろよ。子供達もいるんだぞ」
ミサト「ちぇー」

ヒカリ「……どう?」

トウジ「うん。うまい。」

ヒカリ「良かったぁ…」

トウジ「今度この肉そぼろ、作って来てよ」

ヒカリ「…うん!」
ヒカリ(前みたいにベタベタしてる時よりも安心感がある)
ヒカリ(アスカの言う通り…不思議ね…)

アスカ「ほら!この唐翌揚げも食べなさいよ。」

シンジ「だって何かそれ焦げてるし…」

アスカ「こ、焦げてるとは失礼ね!食べなさいよ!」

シンジ「だ、だって事実じゃないか!」

綾波「あら、碇くんが食べないなら私が……」

パクッ

アスカ「ああ!何食べてんのよ!バカレイー!」

リツコ「………」ぐびぐび

マヤ「せ、センパイ、私がいますからね?」
リツコ「マヤっ……」ヒシッ

562: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:41:47.57 ID:Ut1V0q20
ぐがぁー

綾波「………ZZZ」

アスカ「ふんが……バカシンジ……ZZZ」

ミサト「がぁー」

リツコ「ごぉー」

シンジ「………よし。そろそろ片付ける…か」

参号機「ウオッ」

シンジ「…運んでくれるの?」

参号機「ウオッ!ウオッ!」

シンジ「……君はエヴァ…なんだよね」

参号機「ウオッ!」

シンジ「ふふっ…ちょっと忘れそうになっちゃうよ」

リツコ「……それは良くないわ」

シンジ「うわぁ!?」

シンジ「リツコさん…驚かせないで下さいよ。」

リツコ「今や玩具に過ぎないラミエルやコンピュータであるMAGIと違って参号機はエヴァ…」

リツコ「…エヴァはあくまで『兵器』よ。参号機も例外じゃない。」

リツコ「こちらで制御出来ているというだけでね。」

シンジ「…こんなに感情豊かなのに?」

リツコ「だからこそ警告してるの。」

リツコ「まあ、こうして一緒に楽しく撮影してるとついつい忘れちゃうけど…」

リツコ「わすれ……ないひょうに………」

リツコ「………ZZZ」

参号機「ウオッ!」

シンジ「ね…寝言?」

563: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:42:55.11 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオッ!?」

シンジ「あっ、右の方に置いて…それからあんまり水回りに近づいちゃダメだよ」

参号機「ウオッ!」

加持「んっ…片付け、やってくれてるのか」

シンジ「あっ…起こしちゃいました?」

加持「いや。まだ台本…読んでるのかい」

シンジ「はい。今回は友達がエヴァに乗って…傷付くっていう…」

シンジ「どうしたら良いかよく…分からないんです」

加持「分からない?」

シンジ「使徒との戦いは…大変でしたけど…」

シンジ「運良く…僕は何も失わなかった。…何も。」

シンジ「ただ…この台本みたいなことが起きてたら…父さんと僕はどうなってたのかなって」

加持「…大丈夫さ。きっと」

加持「君もお父さんのことを理解しようとしてる。司令もまた君のことを理解しようとしてる。」

加持「ドラマの中の二人は理解してほしいが為に、理解することを…他人の中の己を見るのを恐れていた。」

加持「だけど、君らは違うだろ?」

シンジ「…台本、リツコさんが書く割りにしては何か深いんですよね」

加持「本人曰く天から降ってくるらしい。」

シンジ「天から、ですか」

加持「ま、リッちゃんもある種の天才だ。俺達には理解しようとしてもできないもんがあるさ。」

シンジ「あははっ…」

加持「それに…もしかしたらいつかどこかの俺達が経験してきたことなのかも知れない」

シンジ「パラレルワールド…ってヤツですか?」

加持「『歴史は繰り返す』…なんて言うからな。もしくはそれとはまた別の何かかも知れない。」
加持「死海文書に書かれていることは多いようで少ない。まだ俺達が知る…その段階じゃないんだろうな」

シンジ「段階…か」

564: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:43:24.33 ID:Ut1V0q20
加持「それじゃあシンジくん、ちょっくら出掛けてくるから戸締まり、よろしくな♪」

シンジ「…どこ行くんですか。」

加持「ノープロブレム。」

加持「溢れる愛をこの小さな身体に留めておけない…ただそれだけのことさ。」

シンジ「またヒトミさんの所ですか。」ギロッ

加持「人聞きが悪いなぁ。俺は店にしか行ってない。彼女とはビジネス。プライベートでの関わりは0だ。」

加持「シンジくんも一緒にどうだい?」ニヤニヤ

シンジ「…遠慮しときます!」

加持「君には多少早すぎたかな」ニカッ

加持「じゃあ、ミサトが起きたらよろしく頼むよ」

シンジ「はぁ…」

566: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:45:49.89 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオッ…」トントン

シンジ「あ、全部運んでくれたのかい?」

参号機「ウオッ」

シンジ「ありがとう」

シンジ「…君、確かにカヲルくんに似てる感じがする」

参号機「ウオ?」

シンジ「なんて言うかこう…」

参号機「ウオッ!ウオッ!」

シンジ「いや…唸ったりはしなかったけどね」

シンジ「今頃何してるんだろうな…元気かなぁ」
  
南極支部

カヲル「もういい加減日本に帰るよ!」

グイッ!!

司令「させるかああああああああああああああ」

567: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:47:51.41 ID:Ut1V0q20
ネルフ・司令室

ゲンドウ「すまないな。夜中に呼び出したりして」

加持「……いえ。」

ゲンドウ「参号機はどうだ?」

加持「異常なし。惣流博士が行なった再検査でも細菌や兵器…その他の脅威となる要素は見当たりませんでした。」

加持「……しかし司令も今回は慎重ですね。ゼーレ側からも検査して寄越して来ているのに…いやはやこちらでも二重検査とは。」

ゲンドウ「連合軍の一件があるからな。赤木くんの頼みも引き受けるか…正直迷ったのだが」

加持「連合軍は米国支部と繋がっている…と言う噂ですか?」

ゲンドウ「ああ。米国はエヴァの保有数の影響で日本との力関係が逆転してしまったからな。我々の存在は目障りだろう。」

ゲンドウ「しかしあくまで噂は噂だ。確定的な情報ではない。それにゼーレを通している。直接的な攻撃は出来ん、と踏んだのだが、一応念の為にと言ったところか。」

加持「ゼーレからの引き渡しの条件もエヴァ参号機の行動記録に耐久実験。それからアメリカ側の条件がダミーについての解析データを採ること…」

ゲンドウ「時間の関係でダミープラグの解析は撮影後に行うつもりだ。」

ゲンドウ「ゼーレはあくまで形式的な条件に過ぎん。アッサリワンシーンで引き渡したなど、お互いの顔が立たぬからな。」

ゲンドウ「米国は…大方こちらでデータを採らせて実証試験の代わりにするつもりだろう。ふん。手抜きも良いところだ。」
ゲンドウ「それに本当は撮影まで封印して置きたいがシンジと相性が良いようだからな。何でも過保護と言うのも無粋なものだ。」

加持「過保護は無粋…ですか」クスッ

ゲンドウ「何がおかしい」

568: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:49:13.83 ID:Ut1V0q20
加持「いえ、本当に司令はシンジ君の事を可愛がってらっしゃるんだな、と」

加持「それに…司令がこんなにドラマに真剣に取り組んでいらっしゃたなんて意外でしたよ。」

ゲンドウ「現状、ネルフ本部の一番大きな収入源ではあるからな。……損失も一番大きいが」

加持「ハリウッドなんて目じゃありませんからねww」

ゲンドウ「だが一番の理由はネルフ職員にアスカ君、ユイ、レイ、それからシンジが楽しそう…だからか。」

加持「確かに、皆で何かを作り上げることは達成感がありますからね」

ゲンドウ「私は自らの役割を果たすために子供達の大事な時期の…多くの時間を奪ってしまった。」

ゲンドウ「…いや、それは言い訳であって単に子離れが出来ないだけか」


569: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:50:44.31 ID:Ut1V0q20
翌朝

ネルフ・自販機前

リツコ「じゃあリョウちゃん。早速だけどマヤを口説いて。」

加持「な、なにを朝から…そんなシーン…台本には…」

リツコ「書かなかったのよ。アドリブでいけるんじゃないかなーって」

加持「リッちゃん…俺も人の夫だ。いきなり口説けって言われても…」

リツコ「はいスタート!」

加持(聞いてない…)

加持「せっかくここの迎撃システムが完成するのに、祝賀パーティーの一つも予定されていないとは、ネルフってお堅い組織だねぇ。」

マヤ「碇司令がああですもの。」

バッ

加持「君はどうなのかな?」

マヤ「いいんですかぁ、加持さん。葛城さんや赤木先輩に言っちゃいますよぉー?」

加持「その前にその口をふさぐよ…」


リツコ「カットーオッケー」

加持「いやはや…アドリブなんて酷いよリッちゃん」

ミサト「そーお?見事な口説きっぷりだったけど」ニコニコ

加持「み…ミサト……」

加持「ちょ、ちょっち怒っ…てる?」

ミサト「いいええ。流石は風 で技術を磨いてるだけあるなぁ~って思ってぇ。」

加持「い、いや…もう風 は……」

ミサト「私とはご無沙汰なのにヒトミちゃんとは寝れるんだぁ~♪」

ミサト「『加賀運送』で領収証落とそうとしてもムダよん?」

加持「……あ、バレた?」

ミサト「男子職員の常套手段ですもの」ニコニコ

570: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:51:35.91 ID:Ut1V0q20
アスカ「ただいまー」

綾波「ただいま帰りました。」

シンジ「HR終わったんで…」

加持「ギブッ!ギブッ!ギブッ!」

グギギギギギ……

ミサト「………」ニコニコ

アスカ「な…なんでミサト、加持さんに関節技決めてるの?」

シンジ(アチャー……)


加持の仕事部屋

加持「いてっ…いててて……」

リツコ「こっちの足?」

加持「そうだ…ううっ」

リツコ「ああ。見事に決まってるわね。流石はミサトだわ」

ミサト「……『流石は』ってどういう意味よ」

571: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:52:58.24 ID:Ut1V0q20
リツコ「とにかくシップ、持ってきたから貼っといて。」

加持「悪いな。リッちゃん。」

リツコ「リョウちゃんが浮気する度、昔っからのことですもの。」

リツコ「テーピングはいかが?」

加持「ああ。頼むよ。」

シンジ「ここが加持さんの仕事場ですか」

加持「そうだ。」

綾波「マンションとは違って綺麗…なのね」

加持「家が汚い原因の9割9分はミサトだからな」

ミサト「けっ…。ただうちの若い子連れ込む為になーんじゃないの?」

加持「仕事とプライベートは分けるさ。公私混同は趣味じゃなくてね」

ミサト「よくもまぁ、ぬけぬけと…」


572: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:53:58.48 ID:Ut1V0q20
アスカ「あの、加持さんのそのパソコンって」

加持「これかい?」

アスカ「教科書で見たことあるんだけどセカンドインパクト前の?」

加持「そうだ。処理も遅くってさぁ…リッちゃん、何とかならない?」

リツコ「ネルフは財政難なのよ。無理。」

ミサト「相変わらず変なとこで搾るわね」

マヤ「それじゃいきまーす。アスカ、スタンバイは?」

アスカ「オッケーよ。」

マヤ「じゃ。スタート」

アスカ「……ふぅ」

アスカ「………」

シュバッ

アスカ「かーじさんっ」

加持「アスカか?すまない、今ちょっと忙しいんだ、後にしてくれ。」

アスカ「ふぅ~ん…ミサトには会ってるくせに…」

アスカ「わっ!」

バキッッ

加持「!!!!!!!!!!?」

加持「い、い゛だいっ、い゛だいア゛ズガッ!」

ミサト「いったぁ~」

リツコ「勢い良くいったわね」

加持「  」

アスカ「きゃあっ!加持さぁぁあん!」

573: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:54:47.45 ID:Ut1V0q20
ネルフ・庭園

アスカ「だ…大丈夫ですか?」

加持「ああ。大丈夫だ。気にしないでくれ。」

シンジ「わぁ~!」

綾波「スイカ…畑」

加持「こんな場所がネルフにあった…とはな。」

リツコ「警備員の清川さんが趣味で育ててるの。土壌がアレだから味はゲロマズらしいけど。」

ミサト「んで、何でスイカ畑で撮影なのよ」

リツコ「リョウちゃんの趣味がスイカ栽培…と言うことになってるのよ。」

ミサト「なってる?」

リツコ「公式の設定ではなかったんだけどね。掲示板で勝手にファンがネタとしてそう言う扱いをしている…らしいわ」

リツコ「内輪ネタ…ファンサービスはオタクを喜ばせるって青二才君が言ってたの」

青葉「青葉です」

574: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:55:57.22 ID:Ut1V0q20
マヤ「それじゃあスタートでーす」

シンジ「スイカ、ですか?」

加持「ああ、可愛いだろう?俺の趣味さ。みんなには内緒だけどな。」

ミサト「………」

もわんもわん

加持「スイカ!スイカ!スイカ!いいぞ!可愛いっ!可愛いぞっ!スイカァァァァァァ!」

シコシコ

ミサト「やだリョウジ!スイカに穴開けて何やってんのよ!」

もわんもわん

ミサト「………締まりがないか」

リツコ「あなた今、最低な想像してたでしょ」

575: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:56:25.03 ID:Ut1V0q20

マヤ「カット、オッケーです♪お疲れさまっ」

シンジ「土のニオイって…良いものですね」

加持「いまじゃコンクリート化が進んでいるし、食べる物も殆ど人工栽培…君達が土を感じる機会なんて中々ないもんな。」

アスカ「私は汚れるから好きになれないな」

リツコ「あら、でも人は死んだら土に返るものよ」

綾波「死んだらどうなるのかしら…私達」

加持「さて。俺は死んだことが無いから分からないな。」

加持「だが、これだけは言える。何もかも無くなる訳じゃない…人がこの世に残る限り。」

アスカ「それってどういうコト?」

加持「自分の『意志』や生きた証は他人に託せる。記録や記憶としてな。」

参号機「ウオッ!」ガバッ

ズサッ

シンジ「ど、どうしたんだいいきなり!?」

ウネウネ

シンジ「む…虫…?」

参号機「ウオッ!」

シンジ「か、庇ってくれたの?」

参号機「ウオッ!」

アスカ「何これ!ウネウネしてキモいっ!」

加持「ははっ。これはミミズと言って、無害なものだ。」

加持「それどころか土を元気にしてくれる益虫さ。」

ミサ「むしろ参号機が押したせいで危なかったような」

綾波「…神経質な所、本当にお兄さんにそっくり」くすっ

一同「あはははははは!」


576: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:57:05.88 ID:Ut1V0q20
司令室・窓

ゲンドウ「……楽しそうだな」

ユイ「あら。こっちの書類も中々楽しそうですよ」

ゲンドウ「設計図か。楽しいのは君と冬月くらいだろう…」

冬月「お前は私の研究室に入った割には生物工学より、経済学や行動論の方に興味を示していたからな。」

冬月「何のためにお前を研究室に置いて居たのか…当時教授会でも相当問題になっていたのだぞ。お前の存在は」

ゲンドウ「成り上がる為にはコネクション以外にもそれなりの教養が必要だったのだ。それにお前は経済学もいける口だったろう?」

冬月「とは言え理系の教授である私に普通、文系の知恵を付けてもらおうとするか」

ユイ「いいじゃないですか。そのお陰と言いますか、縁でこうして皆で仕事が出来るんですから…」

ユイ「大変ですけど、私はとっても楽しいですよ。」

ユイ「ね?」にこっ

冬月(楽しいというか…)

ゲンドウ(むしろ)

ゲンドウ・冬月(SHI☆A☆WA☆SE!)

577: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:57:54.30 ID:Ut1V0q20
グラウンド

日向「おー来た来た!」

アスカ「げえ!何これぇ!」

綾波「グロテスク…」

マヤ「破壊されたエントリープラグをコンセプトに作成しました~!今回も第2東映がお役に立ててよかったです♪」

アスカ「戦闘シーンの前に…結果から撮るの?」

リツコ「そう。時系列をバラバラに撮ることはドラマの撮影ではしばし良くあることよ。」

ミサト「…これを夕方の茶の間に流す気?」

リツコ「じゃあ逆に聞くけど使徒に汚染されたエヴァをどう処理する気?」

ミサト「巣になってるだろうエントリープラグを引っこ抜いて破壊…することになるだろうけど」

マヤ「MAGIが解析した結果も同様です。」

リツコ「友達が乗ってると知らなかったシンジ君がプラグを自らの手で破壊する…そこから一気に碇シンジの物語も破滅、終息に向かわせる」

ミサト「だからってアンタ、こうもリアルにしなくったって…」

リツコ「あら、ケガをすれば血もでるわ。」

ミサト「…でも血みどろな水戸黄門なんて嫌よ」

ミサト「一体あんたはどうしたいの?このドラマを。」

リツコ「天から降ってくるのよ。シナリオは神のみぞ知る…ってね」

加持「だからって伏線は回収しないとファンが黙ってちゃいないぞ」

リツコ「私思ったの…回収しきらなくてもいいかも知れないって」

ミサト「はい?」

リツコ「続きは映画館で!…なんて事になるかもしれない」

リツコ「そうなればアレよ。一気に十数億もの金が動くはずよ!」

綾波「銀幕デビュー……」キラキラ

アスカ「レイも乗せられないのっ!」

578: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 19:59:07.20 ID:Ut1V0q20
シンジ「だ…大丈夫?」

トウジ「特殊メイクだから平気だ。足を折り曲げて…それから固定して貰ったり、頭から血糊を掛けられたり大変だったけどね」

アスカ「しかしまた似合わないわね。プラグスーツが。」

トウジ「それもそのはずだよ。さっき試しに受けさせて貰ったシンクロテストで適性なしって言われちゃったww」

綾波「よく出来てるのね」ペタペタ

アスカ「……よく躊躇いなく触れるわね」

綾波「……あっ」ベトッ

アスカ「もおアンタバカァ?血糊を制服に付けちゃうなんて……」

綾波「タオル……」ガサゴソ

綾波「……ない」

アスカ「ったく、だらしないわねぇ。」

アスカ「ほれ、私のハンカチ貸すから。さっさとトイレ、行くわよ!」

綾波「ありがと…」

リツコ「今のやりとり撮った?特典映像にしたいんだけど」

ミサト「……金の亡者が」

579: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 20:00:29.71 ID:Ut1V0q20
ケンスケ「ちぃーっすwwwwww」

シンジ「やあ。久しぶり!」

ケンスケ「うっす。」

ヒカリ「こんにちはー」

シンジ「委員長も。当番お疲れ」

ヒカリ「って…トウジ、一体どうしたのよ!?足が…」

トウジ「大丈夫だよ。特殊メイクだ。」

ヒカリ「そっか…ビックリしちゃったぁ」

ケンスケ「ししょーは?」

シンジ「綾波ならトイレだよ。」

ケンスケ「マジ?wwwwwwししょーがジャッキーチェンのDVD持ってこいっつうから持ってきたんすけどwwwwwwww」

ケンスケ「師匠が『ホワチョー!』とかwwwwwwねぇわwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「相変わらずテンション高いわね相田くんは」

リツコ「何がおかしいのかしら」

マヤ「劇中も彼、また違う感じでうざったいのが何とも言えませんよね。」

リツコ「…時間だわ」

リツコ「悪いけど相田くん、予定を変更して先に戦闘シーンを撮ることになったから。」

ケンスケ「っす。見てていいっすか?」

リツコ「勿論。で…初号機なんだけど…」

トウジ「あの…」

リツコ「何か?」

トウジ「その…僕が中に入っても良いですか?」

580: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 20:01:04.78 ID:Ut1V0q20
リツコ「あなたが初号機の中に?」

トウジ「はい。次回までの台本読ませてもらいましたが…多分僕、物語的に死ぬなって。」

リツコ「そうね。多分当分は出番は無くなるわね。」

トウジ「だから…着ぐるみでもいい!乗ってみたいんです!」

ミサト「ハードよ?前回もトラブルが起こったし」

トウジ「自己責任ってことで構いません!お願いします!」

ケンスケ「初号機着るとかまじパネェわ。俺ならマジ無理なんすけどwwwwww」

ミサト「…どうすんの」

リツコ「司令も病み上がりで無理はさせられないしね。…シンジくんは?」

シンジ「…え、あ、構いませんけど」

ミサト「でも鈴原君はあくまで一般人よ?」

マヤ「でも『やりたい』って言ってますし、当分出番もなくなる訳ですからね」

加持「しかしリッちゃん、相手は参号機。不安要素もある。一般人を巻き込むのは……」

リツコ「大丈夫。二度も検査したのよ。」

リツコ「司令とシンジくんの体力を温存させとけば、もしかしたら次回の撮影まで進めるかもしれないし」

ミサト「…相変わらず人をコキ使うのが好きね」

590: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:30:05.58 ID:Ut1V0q20
ネルフ・体育館

ヒカリ「良くできてますねこのセット」

リツコ「そりゃそうよ。うちの技術部が徹夜で完成させたんだから」

ミサト「技術の無駄使いね」

リツコ「準備、出来た?」

マヤ「バッチリです!」

初号機(トウジ)「意外と暑苦しいんですね…」

初号機(ゲンドウ)「………」

シンジ「初号機が二体。」

綾波「……壮観ね」

アスカ「その例えはどうなのかしら」

リツコ「念のため碇司令も待機して貰うことになりました。」

リツコ「鈴原くん、何かあったらすぐに引き上げるように。」

初号機(トウジ)「はい」

初号機(ゲンドウ)「……」

シンジ「どっちがどっちだか」

マヤ「若干デザインが異なるんです。鈴原君の方が通常のもので司令が前回使った特殊加工のもの。」

初号機(ゲンドウ)「…L.C.L臭いのだが」

リツコ「あのまま洗わなかったんで」

ミサト「衛生管理くらいきちんとしなさいよ…」

591: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:31:05.16 ID:Ut1V0q20
マヤ「あと今回は零号機に仕掛けがあるんです!」

マヤ「何と…腕が切断できちゃうんです!血糊も仕込んでありますから、リアルですよ~♪」

零号機(冬月)「あまり気分は良くないがね…」

参号機「ウオッ!」

キョウコ「参号機の方もメンテナンス、完了したわよ~」

リツコ「よし。それじゃあ参号機は二機を倒したら、初号機に攻撃。」

リツコ「その後プラグを排出させるから鈴原君は参号機のプラグを抜いて。」

マヤ「よろしくね」

トウジ「はい!」

ヒカリ「トウジ、頑張ってっ!」にこっ

トウジ「お…おう//」


リツコ「…何故か前よりもイライラするんだけど」

592: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:33:38.04 ID:Ut1V0q20
リツコ「じゃあ全員位置について。あと芝居がしやすいようにアテレコ、よろしく。」

アスカ・シンジ・綾波「了解!」

マヤ「じゃあスタート!」

参号機「………」

ズシーンズシーン

ガスッ

アスカ「キャアアア!」

弐号機(加持)「………」ドタッ

シンジ「アスカッ!?」

593: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:36:53.69 ID:Ut1V0q20
日向「エヴァ弐号機完全に沈黙!」

参号機「………」

ズシーンズシーン

ガスッ

綾波「…きゃあ!」

零号機(冬月)「………」

ググググググ……

綾波「ううう…」

リツコ「零号機、左腕切断して下さい!」

零号機(冬月)(確か右のボタンだったか)

零号機(冬月)(…この年になると物覚えが悪くなるな)


ブシュ…!


綾波「ひぎっ!」

綾波「ううううッ……!」

零号機「……」ダラダラ

ヒカリ「…うっ」

アスカ「血が…」

ケンスケ「リアル…っすね…」

594: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:38:52.51 ID:Ut1V0q20
マヤ「零号機中破、パイロットは負傷。」

シンジ「そんな…」

参号機「…」

ズシーンズシーン

参号機「…」

バッ!

ギュウウウ……

初号機(トウジ)「うっ…」

初号機(トウジ)(意外に強く絞めてくるな…)

参号機「…」

ギュウウウウ

シンジ「ぐっ、ぐあっ!」

マコト「生命維持に支障発生!」

マヤ「パイロットが危険です!」

参号機「ウオオオオォォオオオッ!」

ガシッ

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

リツコ「初号機、反撃して!」

初号機(トウジ)「了解!」

595: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:39:32.70 ID:Ut1V0q20

バッ

参号機「ウオッ!」ガシッ

初号機(トウジ)「ウオォォオオオ!!!」

バッ

…ガスッ

マヤ「初号機、参号機からプラグを抜ける体勢になりました」

リツコ「よし。引き抜いて!」



初号機(トウジ)「…ごめんな。」



プシュッ…

参号機「…」




ピー……

596: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:41:02.51 ID:Ut1V0q20
マヤ「…あ……あれ?」

リツコ「どうしたの?」

マヤ「参号機、プラグ排出…拒否しています。」

ミサト「またミス?」

マヤ「いえ…たしかにダミープラグ自体についての直接の検査はまだ行っていませんでしたが…」

MAGI『大変です!』

リツコ「そっちも?どうしたの!?」

MAGI『ハッキングです。直接こちらに侵入されている様子で…』

リツコ「まさか…そんな…!」


加持「まさか司令……」

ゲンドウ「ああ。……迂闊だった。機体そのものではなく、ダミープラグに仕掛けてくるとはな。」

597: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:41:54.34 ID:Ut1V0q20
ナオコ「プラグ自体にハッキングプログラムを仕込ませて置いたのね。」

冬月「…我々にダミープラグについて調べるよう条件付けたのはその為か」

ユイ「こちら側の機密データが狙いね」

アスカ「ネルフ同士なのに…なんでこんな事…」

ヒデアキ「…各国のエゴが絡んでいるんだよ。」

ナオコ「MAGI、塞き止めて!」

MAGI『やってます!ウォールに全機能を回していますが時間の問題です…。元を絶たないと!』



参号機「ウオッ!ウオッ!ウオオオオオオォォオオオ!!!!!」

598: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:42:38.88 ID:Ut1V0q20
初号機(トウジ)「うわぁァァァァァァ!」

マヤ「参号機に異常が!」

MAGI『切断、プログラム強制終了の信号を送っていますが受け付けません!』

参号機「ウオオォォオオオ!」

バッ

初号機(トウジ)「!?」

ギュウウウウ!

ヒカリ「トウジ!」

初号機(トウジ)「ぐっ……」

ギュウウウウウウウウウ

599: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:56:43.64 ID:Ut1V0q20
シンジ「やめて…やめてよ参号機!」

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!」

ググググググ!!

リツコ「無駄よ…」

ミサト「…やはり…どんなプログラムを入れていても…兵器なのよ…」

ユイ「一見無害なものほど危険…か」

シンジ「そんな……」

参号機「ウオオオオオオォォオオオオオ!」

600: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:58:19.29 ID:Ut1V0q20
ギュウウウウ…

初号機(トウジ)「……ぐはっ!」

弐号機(加持)「くそっ!離れ……」

参号機「ウオッ!」

グギッ

弐号機(加持)「!?」

ミサト「リョウジ!!」

弐号機(加持)「…足を…やられたか」

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!

ヒカリ「トウジ!トウジ!」

シンジ「止まれよ!止まれよ!止まってよーーー!」

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!」

シンジ「やめて……やめてよ……」

ググググググ……

初号機(トウジ)「ぐはっ……」

アスカ「ちょっと、鈴原!なんでやり返さないのよ!」

初号機(トウジ)「だって……シンジくんと…仲良かった…し……」

アスカ「バカ!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」

綾波「あなたが死んでしまうわ」

初号機(トウジ)「でも…シンジくんの……友達の大切なものを傷つけられないよ!」

シンジ「トウジ……くん……」

601: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 22:58:56.12 ID:Ut1V0q20
初号機(トウジ)「んぐっ……」

参号機「ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!」


ダラダラ……


マヤ「参号機から…LCLが…漏れてる?」

綾波「エヴァが……」

アスカ「泣いてるの?」

リツコ「…あり得ないわ!」


シンジ(このままだとトウジは……)

シンジ(でも……)

初号機(トウジ)「分からない……どうしたらいいのか…」

ググググググ……

ヒカリ「やだ!もうやめて!トウジが!トウジが死んじゃう!」

アスカ「仕方ないわ、私が助けにいく!」

綾波「私も……!」

スッ

初号機(ゲンドウ)「……その必要はない」

アスカ「い…碇司令?」

冬月「碇……」

602: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:03:53.10 ID:Ut1V0q20
ググググググ

参号機「ウオッ!ウオッ!」

初号機(トウジ)「 」


ズゴッ!


参号機「ウオオオオオオ!?」
トウジ「……?」

初号機(ゲンドウ)「君は良くやってくれた。あちらで休んでいろ。」

トウジ「シンジくんの……お父さん」

初号機(ゲンドウ)「今から……参号機の処理を行う。」

トウジ「………」

初号機(ゲンドウ)「子供達は後ろを向いていろ」

シンジ「………父さん」

603: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:04:36.72 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオオオオオオ!」

ぎゅううっ

初号機(ゲンドウ)「ぐっ……」

シンジ「……父さんっ!」

ぎゅううっ

参号機「………」

ぎゅううっ

初号機(ゲンドウ)「う……」

初号機(ゲンドウ)「……ウオオオオオオォォオオオ!!」

ガスッ!

参号機「!?」

ググググググ……

ガスッ!

参号機「ウオッ!」

初号機(ゲンドウ)「………」


ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!

マヤ「………センパイ」

リツコ「現時点では…確かに一番良い方法かも知れない」

リツコ「機密データを盗まれたら…5年前と同じ惨劇が起こりかねない」

ミサト「連合軍のネルフ襲撃……」

604: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:05:11.33 ID:Ut1V0q20
リツコ「リョウちゃん」

加持「カメラ……回してる」

リツコ「……そう」

ミサト「ちょっと!あんた、この場に及んで……」

リツコ「だからよ。だから撮るの!」

加持「……記録を残さなきゃ、だろ?」

ミサト「……リツコ」

ミサト「……参号機に碇司令が…勝てるの?」

ユイ「参号機は…ああ見えて、大幅に力をセーブしているわ」

MAGI『本来ならトウジさんもあんなものじゃすまないハズです。』

ナオコ「……彼らの『理性』次第と言ったところね」

ちびアスカ「………」ガクガク

ちびシンジ「……」

ちびレイ「………」

キョウコ「ちびの皆はちょっと向こうにいってましょうね~」

ちびシンジ「参号機は…だいじょうぶなんですか?」

キョウコ「大丈夫よ~。そろそろ水分とらきゃ。ジュース、飲みに行きましょう~」

ちび一同「………」ソワソワ

キョウコ「じゃあ、ちび達は私が~……」

ユイ「ええ。よろしくお願いします。」


605: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:05:48.99 ID:Ut1V0q20
参号機「ウオオオオオオ!」

ガシッ

初号機(ゲンドウ)「………」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!

参号機「………ウオッ!ウオッ!」

アスカ「こ……こっちに来る!」

参号機「ウオオ!!」

ドスドスドスドス!

シンジ「!?」

綾波「碇くん危ない!!」

参号機「ウオオオオオオ…!」

シンジ「うわあ!」

参号機「ウオッ!ウオッ!」

グッ

シンジ「さ…参号機?」

ミサト「と…留まった?」

アスカ「自分の左腕で…右腕を押さえてる…」

参号機「ウオッ!……ウオッ!ウオッ!」ダラダラ


ググググググ…



リツコ「……もう限界か」

参号機「ウオオオオオオォォオオオォォオオオォォオオオ!!!!」

バッ

シンジ「うわあああああああ!」

606: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:06:47.35 ID:Ut1V0q20
ドクン

初号機(ゲンドウ)「シンジニ…テダシ…サセナイ……」



初号機(ゲンドウ)「サセナイ!!!!!!!」



ナオコ「完全にゲンドウ君が…。」

冬月「勝ったな」

ユイ「……ええ」


初号機(ゲンドウ)「ウオオオオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオ!!!!」

ガシッ!

初号機(ゲンドウ)「ウオッ!ウオッ!ウオッ!ウオッ!」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!

ブシュウウウゥゥゥ!

初号機(ゲンドウ)「…………」

ギュウウウウ……

バキッ

参号機「アガッ!?」

初号機(ゲンドウ)「………」ニヤリッ

グチャッ!

グチャッグチャッグチャッ……べちゃっ…

シンジ「うっ……」

アスカ「あれが…エヴァの………カラダのなか……」

607: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:07:29.84 ID:Ut1V0q20
グシャッ……ベチャッ…グチャッ……グチャッ……

初号機(ゲンドウ)「………」

参号機「  」


ベチャッ…ベチャッ……



ヒカリ「ううっ……」

トウジ「………」

ケンスケ「オエェェエエエ……」



ベチャッ……グチャッ……


シンジ「父さん……もう…やめて…やめてよ……」

608: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:08:37.14 ID:Ut1V0q20

グシャッ!グチャッ……

シンジ「こんな…参号機を止めるのに…ここまでする必要なんて……」

ベチャッ……ベチャッ……

アスカ「こっちに何か飛んでくる…?」

ベチャッ

綾波「エヴァの…腸……」

アスカ「い…いやぁぁ……!」

シンジ「やめて……やめてよ…やめろよ!」


ベチャッ……ベチャッ……

610: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:09:48.08 ID:Ut1V0q20
初号機(ゲンドウ)「……………」

マヤ「ぷ…プラグ、強制的に引き抜きました」


ググググググ……

参号機「  」





グシャッ!



シンジ「ウワアアアアアアアアアアア」

611: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:13:21.29 ID:Ut1V0q20
マヤ「さ…参号機、完全に沈黙」

MAGI『……攻撃、止まりました。データ流出も確認されません。ウォール…解除します。』

ゲンドウ「……」バタン

ユイ「あなた!」

冬月「碇!」

ミサト「救護班、鈴原君と碇司令の搬送、急いで!」

612: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:14:31.42 ID:Ut1V0q20
マヤ「回収作業開始。」

ミサト「酷いものね…」

加持「……」

リツコ「それより問題は…台本よ。書き換えなきゃ。」

ミサト「アンタ、あの映像…使う気なの?」

リツコ「今更使徒の変更も差し替えも出来ない。……最悪モザイク処理をしてでも使うつもりよ」

リツコ「というよりか、むしろ使わなきゃならない。」

リツコ「……追加で撮影をやらなきゃいけないのがネックだけど」

ミサト「こんな状態で撮影なんて…」

ミサト「それにスポンサーも視聴者も離れていくかも知れないわ。それどころか倫理委員会から呼び出しだって…」

リツコ「構わない。何とかする。」

ミサト「…一体何なのよ。このドラマって!」

リツコ「私にも分からない。私がシナリオを書いている…と言うよりは『必ずそうさせられる』様な感覚に近いわ」

リツコ「書いている私が違う結末を願っても、『そうなってしまう』。誰かに仕組まれているかのようにね。」

ミサト「誰かって誰よ!?」

ミサト「仕組まれている…って言っても、もうシナリオなんてこの世には存在しないのよ…?」

リツコ「…何を言ってるのかしらね、私は」

613: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:16:12.15 ID:Ut1V0q20
ミサト「今回のことは…どうもアンタを責める気にはなれないわ。」

加持「警戒心が薄れていたんだ…全員が。一昔前のネルフなら考えられなかったよ。」

マヤ「平和な日常に撮影での疲れ…ですね」

ミサト「でも、何だか…やるせないと言うか…」

ミサト「…シンジくんに…何て言えばいいか」

病院

ヒカリ「トウジは…トウジは無事なんですか!?」

看護師「首に少し跡が残っていますが命に別状はありません。数日で退院できますよ」

ヒカリ「よかった……」

綾波「碇司令は?」

看護師「意識を取り戻されました。こちらも命に関わる怪我ではありませんが、一週間程度の休養が必要です。」

アスカ「鈴原も碇司令も、無事だってさ。」

シンジ「………うん」

614: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:17:13.67 ID:Ut1V0q20
綾波「碇くん…」

シンジ「ごめん。」

アスカ「何で謝るのよ」

シンジ「……分からない」

アスカ「………」

シンジ「どうしたらいいか、分からないんだ」

アスカ「参号機と碇司令の…こと?」

シンジ「参号機が兵器だってこと…すっかり忘れてたんだ。」

アスカ「それは仕方ないわよ。あんなに…」

シンジ「…すぐにトウジを助けに行けなかった僕自身が憎いんだ!」

シンジ「参号機は兵器で…でも…僕は…選べなかった」

綾波「………」

シンジ「だけど父さんが…参号機にしたことは許せないんだ。」

シンジ「参号機を処理するにも…あんなに…あんなこと…しなくたって…!」

615: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:18:20.04 ID:Ut1V0q20
アスカ「………」

綾波「………」

シンジ「ダメだ…ダメだよ。もうダメだ。」

シンジ「僕はもう…撮影なんて続けられない」

アスカ「シンジ…」

シンジ「ごめん……今日は帰るよ」

一同「………」

616: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:19:23.68 ID:Ut1V0q20
病室

ゲンドウ「………」

ユイ「あら、目が覚めました?」

ゲンドウ「……シンジは」

ユイ「無事です。…もう、自分の心配をして下さい」

ゲンドウ「………参号機は」

ユイ「処理完了。データも流出しませんでした。」

ユイ「あまり子供たちには見せたくない状況でしたけど」

ゲンドウ「鈴原君はどうした。」

ユイ「軽いケガ程度で命に別状はありませんわ」

ゲンドウ「………そうか」

ユイ「………」

ゲンドウ「………」

617: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:20:11.50 ID:Ut1V0q20
ユイ「…あなたはよく頑張ってくれた…と思います」

ゲンドウ「いや…プラグの調査を怠った私のミスだ。もっと…警戒すべきだった。」

ユイ「仕方ありませんわ。まさか…ゼーレの目を掻い潜ってまでMAGIに攻撃を仕掛けてくるなんて思いもよりませんから。」

ユイ「悪いのはあくまでそれを仕組んだ人間達です。」

ゲンドウ「だが私は…シンジの友人を…シンジを傷付けてしまった。」

ゲンドウ「参号機は…隔離しておくべきだった。それにあの時…ああする事以外にも方法は…」

ユイ「………やめてください」ぎゅっ

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「………うっ…くうぅ…」

ゲンドウ「私は…私は何も守る事が出来なかった……」

ユイ「やめて……」ぎゅっ

ゲンドウ「……劇中の自分を酷い人間だ…と思っていたが、やっている事は…同じだった」

ゲンドウ「私は……父親…失格だ……」

ユイ「………やめなさい!」

618: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:20:41.11 ID:Ut1V0q20
ゲンドウ「………」

ユイ「……大丈夫よ。」にこっ

ユイ「シンジのこと…信じてあげて下さい。」

ゲンドウ「信じ…る」

ユイ「シンジもあなたのことをきっと…信じています。だから、分かってくれるわ。」

ユイ「……ゲンドウさん?」

ゲンドウ「………ユイ」

ゲンドウ(私は何度お前に導かれただろう…助けられただろう)

ゲンドウ(暗く地を這うだけの私の人生に光を与えてくれた)

ゲンドウ(……今もこうして変わらず)

ゲンドウ「君がいないと……私は本当にダメだな。」

ユイ「…いいえ。『今の』あなたなら、ゲンドウさんなら」

ユイ「シンジを守ってあげられる。導いてあげられるわ。」にこっ

619: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:22:14.13 ID:Ut1V0q20
ゲンドウ「ユイ………」

ゲンドウ「ううっ……ぐうっ……」

ユイ「泣かないで下さい。そんな姿…ネルフの皆に見せられませんよ?」

ゲンドウ「………ううっ」

ユイ「……あなたがこんなに泣くなんて『あの時』以来ね」

ぎゅっ

ゲンドウ「君に…情けない姿を晒すのも三度目だな」



冬月「………」

ガラッ

冬月「……どうやら出る幕はなさそうだな」


620: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:22:42.22 ID:Ut1V0q20
アスカ「ミサト!」

ミサト「アスカ、どうしたの?」

アスカ「シンジのやつ…帰っちゃった」

ミサト「そう…鍵、渡しておいて良かったわ…」

加持「自分の家に帰れる気分じゃないだろうからな。」

リツコ「追加シーンはシンジくん抜きで撮影ね」

ミサト「……成立するの?」

リツコ「今までの素材を加工して、さっきの声を合わせればいけるわ」

ミサト「今回はそれで乗りきれても次は……」

リツコ「それでも彼抜きでも撮影しないと」

マヤ「………」

加持「大丈夫さ。シンジくんは戻って来てくれる。」

アスカ「今から私とレイもミサトのマンションに…」

ミサト「ううん。一人にしてあげましょう」

ミサト「…今回のことは流石に効いたでしょうから」

綾波「司令と碇くん…大丈夫なのかしら」

アスカ「司令もやり過ぎよ。いくらなんでも…あんなに…」

キョウコ「…仕方がなかったのよ」

アスカ「…ママ!」

621: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:23:43.00 ID:Ut1V0q20
キョウコ「ちび達はお家に帰したわ…トラウマにならなければいいんだけど~…」

ナオコ「S2機関と自己修復機能が搭載されていたのよ。参号機には。」

アスカ「?」

ヒデアキ「S2機関は私が15年前に提唱したものでな。半永久的に電源なしでも活動が可能だ。……しかし実用化には予算や技術などまだまだ問題が山積みでもある。」

ナオコ「しかも参号機は自己修復…要はバラバラに解体しない限り、何度でも蘇ってしまう。」

ナオコ「……参号機が力を自らで制御できる、かつMAGIがハッキングを防げる時間内でそうしなければならなかった。」

アスカ「だから…司令は…」

リツコ「エヴァの建造失敗でアメリカ支部はヤケになったのね。MAGIに攻撃を仕掛けてくるなんて…」

ナオコ「ゲンドウくんは、理由もなく人を傷つけたりはしないわ。」

ナオコ「特に…シンジ君絡みのことでは、ね。」

ミサト「そのことを当然…シンジくんは分かっているはず…か」

加持「どこまでシンジくんが司令を信じられるか、許せるか…だな。」

リツコ「…皮肉なものね。似たような状況になるなんて」

622: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:24:26.22 ID:Ut1V0q20
ミサト宅

シンジ「血の匂い…」

シンジ「…とれないや」

シンジ「………」

シンジ「何で……何で」

シンジ「何でなんだ…」

シンジ(父さんが…あんな…あんな冷酷な一面を持ってたなんて……)

シンジ(あんな…あんな……)


参号機『ゥォッ…!』

ベチャッ……


シンジ「……」

ゲンドウ『シンジ。』

ゲンドウ『シンジ~♪』

ゲンドウ『シンジ、今日は父さん……』

シンジ(父さんのこと……信じてた僕が…バカだったのかな)

シンジ(父さんは何だかんだで尊敬出来て……絶対…酷いこと、したりしない……って)



シンジ「父さん…ッ」








625: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/23(水) 23:34:52.57 ID:Ut1V0q20
                  /
               ,,;;-;;'ヽ、    ,/|  /;;;;;|
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     l,_l;;;;ヽ;;;;;;ヽ       | ;;;;;;;;;;;;;;;;i:;;;   ili |;;i  ,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lヽ
     '‐' >;;;;;;;|     /,;;;;;;;:::;;;;;;;;|:;;|  l| |;;;;;'i i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| i、
       '/;;;;;/    / ;;;;::: ,;;;;;;;;;;ヽ;l  il /;;;;;;l/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
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                          ~ヽ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
                            \ヽ''::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

次回予告

再び訪れたネルフ崩壊の危機
心を閉ざしてしまったシンジ
試される親子の絆
その時ゲンドウはレイはアスカは
崩壊していく物語はどこへ行こうというのか

さーてこの次も

「・・・・・・・・」



680: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:40:14.34 ID:McMFQno0
ミサト&加持宅・客間


シンジ「………」

ガラッ

シンジ「……」

ミサト「おはようシンジくん。よく…眠れた?」

シンジ「…寝てません」

ミサト「…そっか」

ミサト「あの…シンジくん。]

ミサト「これから…撮影なんだけど……」

シンジ「……」

ミサト「あの……」

シンジ「……僕は、行きたくありません」

ミサト「……でも」

グイッ

加持「…」

ミサト「リョウジ?」

加持「今は、無理強いはよくない」

ミサト「………」

加持「シンジくん、飯はピラフを作って置いたから気が向いたら食べてくれ。」

加持「しっかり飯だけは食わないと、な?」

シンジ「……」

681: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:40:48.11 ID:McMFQno0
ネルフ・発令所

ミサト「………」

アスカ「………」

綾波「………」

リツコ「シンジくん、どうなの?」

加持「部屋に籠りっきりだ。」

ミサト「ここ何日か、ロクに食事もとってないわ」

ミサト「預かっておいて…本当に申し訳ありません」

ユイ「そんな、ミサトちゃんが謝ることじゃないわ。」

綾波「…碇司令の体調は?」

ユイ「大分回復したわ。もう少し休養が必要な様だけど。」

綾波「よかった…」

682: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:43:06.08 ID:McMFQno0
リツコ「それじゃあ早速撮影、始めるわよ」

アスカ「でも…主役抜きで撮影なんて本当にいいの?」

リツコ「仕方がないでしょ。『いない』んだから。それに幸いなことに、いつもよりは時間に余裕はあるし。」

アスカ「余裕、ねぇ。」

リツコ「……最悪、主役の交代も考えているわ」

アスカ「ハァ!?」

リツコ「仕方がないじゃないのよ。そりゃあ、シンジくんが来てくれるのが一番良いけれども、このドラマを止めるわけにはいかないの。」

アスカ「シンジの代わりなんていくらでもいるってことね?」

リツコ「そこまでは言ってないわ!ただ、ドラマを続ける以上…」

アスカ「一応言っとくけども、シンジがこのドラマ、続けないんだったら私も降りるからね」

綾波「私も。」


§



◇<ラー!


アスカ「…アンタはもう出番ないだろ」

683: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:45:48.12 ID:McMFQno0
アスカ「とにかく、そう言うわけだから!」

リツコ「ちょっとアナタ達…!」

ミサト「アスカもレイも、ヒステリックになりすぎよ。」

ミサト「このドラマがどんな意味を持っているのか…」

アスカ「分かってるわ。その上で言ってるのよ!」

綾波「碇くんがいないこのドラマなんてなんの意味もないし、こんな状態でネルフなんて続けても…」

加持「とにかく落ちつけ。」

アスカ「大人が落ち着き過ぎなのよッ!!!」

アスカ「こんな…こんなこと……」

加持「……君達の気持ちも良く分かるが、『私情』だけでネルフは動いてる訳じゃない。」

アスカ「でもリツコの気分で何千億もの借金、背負わされてるじゃないのよ」

加持「…そこを突かれると痛いんだがね。」

リツコ「…」


684: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:47:09.19 ID:McMFQno0
加持「とにかく落ち着いてくれ。」

加持「…それにまだ、シンジが本当に主役を降りると決めたワケじゃないだろう?」

アスカ「……そうだけど」

加持「俺達も彼を信じよう」

アスカ「………」

綾波「………」



リツコ「……シンジだけにww」




一同「…………」

MAGI『……(´・ω・`)』


リツコ「あ…れ…?」

685: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:49:38.53 ID:McMFQno0
ネルフ体育館

初号機(冬月)「で、何で私がまた着ぐるみを着るはめになっとるのかね」

リツコ「こまけぇこたぁ…ってぇーやつです」

初号機(冬月)「…で、私は何をすればいいんだ?」

リツコ「セットを破壊して下さい。」にこっ

初号機(冬月)「……本当にそれだけか?」

リツコ「ええ。」にっこり

初号機(冬月)「………」ジーッ

リツコ「やだ、信用ないのね私。」

ミサト「ったりめーでしょ。アンタの一体どこを信用すればいいのよ。」

リツコ「ひどいっ……ううっ」

ミサト「なーに、悲劇のヒロインぶってんのよォー!泣きたいのはこっちだっつうの!」

キャーキャーシリガルー!ウルサイリリカルマジカルイキオクレー!

アスカ「………」

綾波「碇くんを信じて…いつも通り撮影…」

アスカ「って言ったって…んなの無理よ。」

686: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:51:33.79 ID:McMFQno0
加持「確かに無理さ」

アスカ「……加持さん」

加持「だからみんな『無理』をしてるんだ。副司令も、ミサトも、青葉くんも、日向くんも、マヤちゃんも…一応リッちゃんも」

アスカ「…リツコも?」

加持「ああ見えて、彼女も考えてるんだよ。色々と…ね。」

リツコ「んじゃスタート」

マヤ「副司令ー。ネルフの頂上を踏み潰して下さい。」

初号機(冬月)「セットとは言えどうにも気分はよくないがね…」

ズシッ!ズシッ!ズシッ!

マヤ「んー、もっと感情を露にして!」

初号機(冬月)「こうかね?」


ズシッ!ズシッ!ズシッ!

マヤ「ちょっと…こう…そう!『こんなの関係ねー!』みたいな感じで…」

ミサト「…マヤちゃん、いつのギャグよそれ。」

リツコ「あ、マヤそれいただき」

リツコ「『そんなの関係ないよ!』…っと」

687: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:52:01.82 ID:McMFQno0
初号機(冬月)「………」

ズシッ!ズシッ!ズシッ!

マヤ「そうそう!そんな感じです!」

初号機(冬月)「………」

ズシッ!ズシッ!ズシッ!

リツコ「よし、じゃあマヤ、スイッチ押して」

ミサト「……スイッチ?」

リツコ「…大したもんじゃないわ」

リツコ「んじゃマヤー」

マヤ「スイッチ!オーン♪」

リツコ「………」ニヤリッ

688: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:54:20.74 ID:McMFQno0
ズシッ!ズシッ!ズシッ!ズシッ!

初号機(冬月)(む…乗ってきたぞ…)

初号機(冬月)(い!か!り!く!た!ば!れ!)

ズシッ!ズシッ!ズシッ!ズシッ!

初号機(冬月)(い!か!り!は!や!じ!に!)

初号機(冬月)「ふふふ……ふはははははははは!!!!!!!!!!!!」

初号機(冬月)「は…は……?」

ギュウウウウッ

冬月(な……なんだねこれは!)

689: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 00:55:44.41 ID:McMFQno0

ギュウウウウッ

冬月(あ……圧迫されて……)

冬月「  」


ズズズズズ………

ズドーーンッ!


リツコ「成功ね」

ミサト「ちょ、ちょォォオオオォォオオオ!アンタァァァァァァ、副司令になぁにかましてんのよォ!!!!?」

リツコ「スーツの中を膨張、冬月副司令の首を圧迫したの。要は『オとした』ってことね。」

ミサト「ってことね。じゃあないわよぉ!副司令60なのよ?還暦なのよ?」

リツコ「だぁいじょぶよぉ~死にゃあしないしぃ」


アスカ「……あんなんでも?加持さん。」

加持「ええ…ああ、まあ。」

691: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:13:30.56 ID:McMFQno0
ミサト「救護班、副司令を搬送して差し上げて!」

ガラガラガラガラ…

救護A(…これで何度目だ)

救護B(私が記憶している限りでは11回…いや、それ以上かもしれません)

ガラガラガラガラ…

冬月「  」

マヤ「ご愁傷さまです」

綾波「…です」

692: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:17:13.68 ID:McMFQno0
リツコ「次、病院で撮影だし丁度いいから、私達も一緒に病院へ行きましょう」

アスカ「……アンタさぁ」

綾波「………」

ミサト「…ったくとんだマッドサイエンティストね」

リツコ「マッドとは失礼ね。」

ミサト「そうじゃない。本当に気絶させなくったっていいのに、わざわざ上官をオとす為だけにあんな仕掛けを造ったとしか…」

リツコ「…まさか。今回は『動作テストを兼ねて利用』しただけ。目的は違うわ。」

ミサト「目的?」



リツコ「…もし、また司令が暴走しそうになったら、これで止められるでしょ」



ミサト「…リツコ」

ミサト「そっか」にこっ

リツコ「なっ…何よニヤニヤしちゃって気持ちわるい///」

ミサト「いいとこあんじゃん。た・ま・に・は」



加持「副司令は犠牲になったけどな」

693: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:19:12.87 ID:McMFQno0
ネルフ付属病院・病室

ヒカリ「トウジ……」

トウジ「おう。ヒカリか」

ヒカリ「……大丈夫?」

トウジ「大丈夫だよ。心配いらない。」

トウジ「……シンジくんは?」

ヒカリ「………」

トウジ「………そうか」

ヒカリ「あ、あの…もう普通の食事…食べても平気だっていうから」

ヒカリ「お弁当……作って来ちゃった」

トウジ「…ここで食べても…いいのか?」

ヒカリ「……」

トウジ「………いただきます」

ヒカリ「召し上がれ」にこっ

トウジ「ん……でも手首捻ってて上手く……」

ヒカリ「……じゃ、じゃあ食べさせてあげる!」

ヒカリ「あーん」


リツコ「はい。そこまでー」

ヒカリ・トウジ「!?」



694: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:20:17.71 ID:McMFQno0
マヤ「はい、じゃあスタート♪」

ピッ…ピッ…

トウジ「なんや、委員長やんか…」

ヒカリ「鈴原…大丈夫?」

トウジ「ああ…生きとるみたいやな」

トウジ「なんや、シンジがおったような気がしとったけど、夢やったんかいな。」

ヒカリ「碇君は昨日退院したそうよ。3日も寝てたんだから、鈴原は。」



ヒカリ(うう……お弁当ぉ)

トウジ(タイミング悪すぎだろう…)

アスカ(鬼ね、悪魔ね、リツコは)

695: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:27:51.82 ID:McMFQno0
同病院・特別病室

冬月「………」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「また運ばれてきたのか」

ゲンドウ「……無様だな」

冬月「お前に言われたくない。」

ゲンドウ「…ふん」

冬月「……」

ゲンドウ「………」

冬月「…息子のこと、どうするつもりかね。」

ゲンドウ「無理強いはしない。…シンジが辞めたいといえば」

冬月「言えば?」

ゲンドウ「……受け入れるつもりだ」

冬月「碇!」

ゲンドウ「シンジの代わりはきかない。もしもの場合のことも…覚悟している。」

冬月「………」

ゲンドウ「…だが、そんなことにはならないと信じている。」



ゲンドウ「必ず、シンジは戻ってくる。」



冬月「………」



冬月「……碇、お前も成長したな」

697: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:31:25.68 ID:McMFQno0
第2テレビ東京・会議室

社長「新世紀エヴァンゲリオン…視聴率も概ね好調」

役員A「だが、『問題』も多い作品である」

役員B「この間の綾波レイが裸で浮かぶシーンに早速苦情が来たぞ」

プロデューサー「あ…あの、あれは『肌色のスーツ』…でして断じて裸ではありません……はい」

役員C「しかしうるさい都議会の老人やPTAの父兄共は好意的になど会社せぬ」

プロデューサー「あぁ…今後、気を付けます」

社長「まあ、いーんじゃないの?面白いんだし。」

スポンサーA「そうは行きませぬ」

スポンサーB「…我々も善意で金を出している訳ではありませんしな。」

プロデューサー(以下P)「ははぁ……」

役員A「時に大月君よ、主役が現在現場に現れぬ様だが」

P「えっ……ああ…」

役員B「調査員の報告によれば、主役が降りたがっているらしいじゃないか」

P「え~…あのぉ~その様な事実は」

役員A「ならば明日、碇親子と面接をしたい。」

P「ええ!?明日ですか?」

役員C「『事実』はないのだろう?ならば問題はないはずだが。」

P「あ……」

P「………はい」

698: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:32:24.33 ID:McMFQno0
ネルフ・体育館

アスカ「こんなの、私一人でお茶の子さいさいよ!」

バババババババ……

アスカ「くっ……」

リツコ「マヤ、火薬点火」

マヤ「はいっ!」

アスカ「キャア!」

弐号機(加持)「熱い、熱いってば!リッちゃぁぁぁぁぁんッ!」

リツコ「我慢なさい!男の子でしょ!」

綾波「…関係、ないと思うの」

699: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:33:59.20 ID:McMFQno0
リツコ「よし、次は弐号機の腕と首をバーッと落としちゃうからこっちの特注の方に着替え……」


プルルルルルルル…


弐号機(加持)「………あっ、電話だ。」

ミサト「もう…ちゃんと切っておきなさいよね?」


ピッ


弐号機(加持)「………」


弐号機(加持)「はいもしもし」


一同「って、出るんかいッ!」

弐号機(加持)「ああ…はい……」



スタスタスタ……



マヤ「弐号機…通話したまま…男子トイレへ」

ミサト「ったく、アイツは…!」

リツコ「……ま、いいわ。ちょっと休憩にしましょう。」

700: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:37:55.56 ID:McMFQno0
男子トイレ


加持「製作委員会が……碇親子の召還を求めている?」

P「はい…大変申し訳ございません。どうにもこちらの情報が漏れたようで」

加持「……漏れた?」

P「スターキングや第2テレビ東京では…エヴァ容認派並びにファンが大勢存在するのですが」

P「……否定派もおりまして。特に社長の椅子を狙う役員が、です。」

加持「『エヴァ』がこんなに当たってるんだからな。社長の椅子が欲しい人間にとっちゃ目障りな存在か」

P「そして…調査員という名目の…スパイを内部に送りこんだのでしょう。少しでもネルフの弱味を握り、つつくために」

加持「買収されるような人間はうちにはいない。清掃員か警備員としてうちに入った…か。」


……ガコン



加持「ッ!誰だ!?」カチャ

701: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:39:36.55 ID:McMFQno0
加持「…」

チャキ…!



「ん…もう」


加持「!」


リツコ「いきなり拳銃なんて物騒なもの、向けて来るなんてイヤーンな感じね。」

リツコ「よいしょ……」

リツコ「人の噂が回るのは…早いから。」


ブラーン


加持「り…リッちゃん…う、上から!?」

702: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:40:51.95 ID:McMFQno0
加持「…」

チャキ…!



「ん…もう」



リツコ「いきなり拳銃なんて物騒なもの、向けて来るなんてイヤーンな感じね。」

リツコ「よいしょ……」

リツコ「人の噂が回るのは…早いから。」

ブラーン

加持「り…リッちゃん…う、上から!?」

703: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:41:24.96 ID:McMFQno0
リツコ「それより…」

リツコ「…その話を早く聞いていれば、MAGIがスパイを洗い出したものを。」

P「申し訳ありません………」

リツコ「撮影中に加持君が出るなんてよほど重要な電話なんでしょ?」

加持「いやはや。級友はごまかせないな。」

リツコ「…で、その碇親子の召還の件、詳しくお聞かせ願えて?」

加持「それより何より開けるからさ…ドアにぶら下がってないで降りたら?」

加持「危ないよ」

リツコ「ん………?」



ヒュオオォオオォォォォ……



リツコ「イヤァァァァァァ!!?」



加持「自分が高所恐怖症なの…忘れてたのか」


704: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:42:10.64 ID:McMFQno0
リツコ「はぁ?明日ぁ!?」

P「も、申し訳ありません…」

P「しかし、こちらへいらして頂かないと…ドラマの存続自体が…」

加持「……面倒なことになったな」

リツコ「………」

加持「どうする。リッちゃん?」

リツコ「……シンジくんと司令のみに知らせて」

リツコ「後は…他言無用と言うことにして。」

加持「………いいんだな」

リツコ「その方が撮影がやり易いわ。」

リツコ「余計に不安を煽るだけよ。これは…シンジくんの問題。他の誰にもどうしようもないしね。」

加持「……了解」


705: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:42:57.71 ID:McMFQno0

ネルフ・体育館

アスカ「おかえりなさい。どこいってたの?」

リツコ「ふふっ……」ニヤリッ

ミサト「ちょっとリョウジ!リツコとなーんかしてたんじゃ…」

加持「そりゃないよ。リッちゃんだぞ。リッちゃん」

ミサト「…」ジッ

リツコ「何よ」

ミサト「……ま、そりゃそうか」

リツコ「そこ、妙に納得しない。」

加持「んじゃ、ちょっと俺、出掛けて来るから」

ミサト「まぁた、ヒトミちゃんのとこぉ?」

加持「どうかな?」ひらひら

706: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:43:37.06 ID:McMFQno0
リツコ「あー、じゃあ弐号機大破のシーンの前に零号機の戦闘シーン、撮っちゃいましょう」

マヤ「ってことで副司令、お願いしまーす♪」

零号機(冬月)「君たちは…老人をこきつかうのが趣味のようだね」

冬月「いくら検査で問題が見つからなかったとはいえ、普通即時に退院させるか?」

リツコ「いいえ。冬月先生に期待しているだけ、ですわ。」

マヤ「はい。これ、持ってください。」にこっ

冬月「……何だねこれは」

マヤ「S2爆弾を模したものです。威力は本物の100万分の1。」

マヤ「中にはダイナマイトが詰めてあります。」

マヤ「とりあえず使徒の模型を置くんで、そのコアに、これを持って体当たりしてください。」

冬月「……自爆しろ、と言うことか」

リツコ「まさか。爆弾の威力も見た目の割りにそう強くありませんし、模型が衝撃を吸収するよう、加工してありますので大丈夫ですわ。」

冬月「………」ジーッ

リツコ「ネルフの技術力は世界一ぃ!信用してください。」

冬月「技術は信用しているが、君は…」

707: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:44:39.38 ID:McMFQno0
リツコ「ふ・ゆ・つ・き!ふ・ゆ・つ・き!」

冬月「?」

マヤ「ふ……ふ・ゆ・つ・き!ふ・ゆ・つ・き!ふ・ゆ・つ・き!」

パン!パン!パン!パン!

アスカ「……何あれ」

ミサト「とりあえず副司令を乗せりゃあいいみたいよ」

綾波「ふ・ゆ・つ・き」

青葉「ふ・ゆ・つ・き!」

フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!


冬月「…なんだねこれは」

リツコ「皆、冬月副司令に期待を寄せている証拠ですわ。」

リツコ「さぁ!」

冬月「無駄に年は取っておらん。そんな簡単には乗せられんぞ…」

フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!

冬月「………」

フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!

冬月「………」

冬月(……しかし、わ、悪いものではないな。)

冬月(こう…大勢の期待を背負うというものも。)

冬月(いや、しかし…!)

冬月「………」ぐっ

リツコ「……」ニヤリッ

ナオコ「フ・ユ・ツ・キ」

ユイ「ふ・ゆ・つ・き」にこにこ

冬月「……!」

708: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:45:35.32 ID:McMFQno0

マヤ「じゃあスタートです。」

ユイ「ふ・ゆ・つ・き」

冬月(ゆ…ユイくんが、ユイくんが『俺だけ』を見てくれている!)

冬月(いかん…つい一人称が…)

ユイ「冬月先生、頑張って下さい。」にこっ

冬月(℃¥$¢£%#&)

マヤ「……ユイさんを地下から呼び寄せて正解でしたね」

リツコ「ええ。ユイさん絡みなら大抵のことはやるから。副司令は。」

ナオコ「どうしてこんな…利己的な子に、育っちゃったのかしら…」

709: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:46:09.65 ID:McMFQno0
病室

ゲンドウ「………」

加持「調子は如何ですか?碇司令。」

ゲンドウ「相変わらずだ。私も年をとったようだな。」

加持「まだまだお若いじゃありませんか。あ、これお見舞いの華園饅頭です。」

ゲンドウ「……まさか、そんな世辞を言うために現れたのではあるまい」

加持「もちろんですとも。」

ゲンドウ「……話を聞こうか」

710: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 01:48:11.81 ID:McMFQno0

ミサト宅

シンジ「………」

ガラッ

ペンペン「………クエッ」

シンジ「ペンペン……」

シンジ「心配して来てくれたのかい?」

ペンペン「クエッ」

シンジ「ありがとう……」

ペンペン「……クエェ」

シンジ「………」

シンジ「……あのさ、ミサトさんが帰ってきたらこれ。渡してくれない?」

ペンペン「?」

シンジ「………ちょっと出掛けてくるよ」

ペンペン「クエェ!?」

シンジ「ピラフ、君が食べていいから」

ペンペン「クエッ……」

バタン

シンジ「………」

シンジ「…ごめん。僕は、逃げるしか出来ないんだ」



722: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:20:49.02 ID:gG4cN/I0
ネルフ体育館

フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!フ・ユ・ツ・キ!

冬月(私がこんなにも必要とされている)

冬月(……何年ぶりだろうか。こんなこと。)

冬月(ああ、大学教授時代の単位取得率1%騒動の時…以来か)

冬月(騙されているような気がしないこともないが…)

ユイ「ふ・ゆ・つ・き」

冬月(KA☆I☆KA☆N!)


零号機(冬月)「ウオオオオオオォォオオオォォオオオ!!!!!」



マヤ「副司令、ゼルエルに特攻しました」

リツコ「ちょろいもんね」

ナオコ「……母さん胸が痛いわ」

723: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:21:35.11 ID:gG4cN/I0

リツコ「A.R.フィールド、発生」

アスカ「……えーあーるフィールド?」

マヤ「ああ、これも第2東映とネルフが共同で開発したものなんだけどね」

マヤ「A.T.フィールドのように物質や攻撃に抵抗する空間なの。」

ミサト「A.T.フィールド…?」

マヤ「まさか本物を作れる訳もないので、あくまで擬似的なもの。空気抵抗や重力を少しだけ制御してるだけです。」

マヤ「さすがにエヴァサイズ…となるとアレですが、ヒトの大きさ位なら…」

零号機(冬月)「………」

ググググググ…

ミサト「なるほど。要はネルフの科学力の無駄使いってことね。」

724: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:22:23.95 ID:gG4cN/I0

アスカ「っていうかA.R.フィールドって名称がどうなのよ。」

リツコ「偉大な美人科学者の名前ですもの」

綾波「…『Ayanami・Rei』フィールド?」

アスカ「ああ、そっちのほうが幾分かマシね」

リツコ「…」

ググググググ

マヤ「でもセンパイ、ちょっとフィールドが硬いみたいですよ」

リツコ「破れない?んじゃ調整を…」


ググググググ

零号機(冬月)「!」



カッ



ドゴォォオオオォォオオオ……




マヤ「爆発までに間に合わなかったみたいです」

リツコ「……あっ」

バタン……

零号機(冬月)「 」


アスカ「流石は偉大な美人科学者ね」

725: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:22:53.45 ID:gG4cN/I0
ミサト「救護班急いで…。」

マヤ「…なんていうか御愁傷様です。」

綾波「です。」

ナオコ「模型が吸収するはずのダメージがそのまま零号機の方にいってしまったのね」

リツコ「…てへっ☆」

ミサト「もう疲れた…疲れたわ私」

アスカ「突っ込む気力すらないわよね」


726: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:23:19.87 ID:gG4cN/I0

病室

加持「……と、言うわけです」

ゲンドウ「状況は分かった。君は至急D級勤務者の洗い出しを行ってくれ」

加持「シンジくんは?」

ゲンドウ「……これから君の家へ行かせてもらう。」

加持「司令から…事情を?」

ゲンドウ「……ああ。とにかく話して見ないことには…」

プルルルルルルル

加持「……失礼」

ゲンドウ「ああ。出たまえ」

727: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:23:46.43 ID:gG4cN/I0


ピッ

加持「俺だが」

諜報部員「加持主席…、サードが…!」

加持「シンジくんが…どうしたって?」


第2東京駅

アナウンス「本日はTR東日本をご利用頂きありがとうございます。現在…」

シンジ(…逃げて、来ちゃった)

シンジ「………」

シンジ(……どこにいこう)

諜報部員「はい。現在、第2東京駅に一人で…」

ゲンドウ『分かった。私も今からそちらへ向かう。そのまま監視を続けるように。』

諜報部員「……はっ」



728: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:24:17.96 ID:gG4cN/I0

病室

加持「重ね重ね申し訳ありません…俺がしっかり……」

ゲンドウ「いや、シンジが消えたのは君の責任ではない」

ゲンドウ「………」ガタッ

加持「司令……どちらへ?」

ゲンドウ「これから私も第2東京へ向かう。」

加持「しかし、お身体が!」

ゲンドウ「構わん」


ガタッ


ゲンドウ・加持「!」

カチャッ

加持「……誰だッ!」


ガラッ

アスカ「あの……」

アスカ「あ…私達です」

綾波「………」

ミサト「………」

729: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:24:51.17 ID:gG4cN/I0
加持「何で…ここに……」

加持「撮影中じゃなかったのか?」

ミサト「えっと…撮影中に副司令がケガをされて。それで次いでに…」

綾波「私が、碇司令の様子を見たいと言ったの。」

加持「……そうかい。悪かったな、物騒なものを向けて」

アスカ「あの…加持さん。シンジが一体どうしたんですか!?」

加持「…………」

ゲンドウ「………」

730: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:26:08.50 ID:gG4cN/I0
ガラッ

リツコ「みんな!ダメじゃない。勝手に…」

ミサト「そんな…」

アスカ「シンジが…いなくなった…?」

リツコ「え…」

加持「……やはり隠し事は出来ないみたいだよ、リッちゃん」

加持「俺はご婦人の涙には弱くってね」

リツコ「…」


731: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:26:35.25 ID:gG4cN/I0
アスカ「ハァァア?明日までに第2テレビ東京にシンジを連れてこいですってぇ?」

加持「…大人の事情ってヤツだ。」

アスカ「でも…こんな状態で……」

ゲンドウ「事は急ぎだ。何とかシンジに話を……」

リツコ「まだ無茶ですわ。司令…」

ゲンドウ「構わんと言っている。」

ゲンドウ「…車を回せ。それから制服も一緒に持って来るように言って置いてくれ。」

加持「はい」

ゲンドウ「………」

アスカ「あ…あの私も…」

綾波「私も行きます。」

ゲンドウ「いや、もう夜遅い。君たちはもう今日は帰って休んでいてくれ」

ゲンドウ「……これは私とシンジの問題だからな。私が決着を着けねばならん。」

ガラッ

アスカ「………」

綾波「………」

732: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:27:08.76 ID:gG4cN/I0
病院前

キキィー!

諜報部員「お待たせ致しました」

ゲンドウ「……ああ」

諜報部員「では……」

ユイ「……待って!」

ゲンドウ「ユイ」

ユイ「………」

ゲンドウ「止めても……」

ユイ「もちろん、止めに来た訳じゃないわ」

ユイ「……ちゃんと、叱ってあげて下さいね。」

ゲンドウ「……ああ」

ユイ「いってらっしゃい」にこっ

ゲンドウ「ああ」


冬月「………」

冬月「窓の外…か」

冬月「私は蚊帳の外だな」



733: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:27:38.76 ID:gG4cN/I0
第2歌舞伎町

シンジ「………」

シンジ(ここまで…来ちゃった)

♪コイノーアイーンツヴァイドラーイ

シンジ「いや……逃げて…来ちゃった、か」

シンジ「………」

ヤスイヨヤスイヨー

シンジ「…………」

イイコイルヨー

シンジ「………」

ウマイヨウマイヨー

シンジ「………」

ドスッ

シンジ「………!」

男A「アァ!?」

シンジ「あ…す…すみません……」

男B「ちょっと待てよ」

シンジ「………えっ」

734: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:29:25.27 ID:gG4cN/I0
男A「ごめんで済むと思ってるのか?」

シンジ「……あのっ」

プルルルル…

諜報部員「繁華街にてサードチルドレンを発見。」

ゲンドウ「………そうか」

諜報部員「男2名とトラブルに…路地裏に連れ込まれていきますが…助けに入りますか?」

ゲンドウ「いや、その必要はない。監視を続けろ。」

諜報部員「……はっ」

ゲンドウ「…………」

735: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:32:23.61 ID:gG4cN/I0
シンジ「あの……ご、ごめんなさい」

男A「謝ってすむなら警察は要らないわけよー」

男B「わかる?わかるよねぇ」

シンジ「あ……え……」

男A「ってあれ、」

男A「…お前エヴァのシンちゃんじゃね?」

シンジ「あ……」

男B「マジかよ!んじゃ、金かなり貰ってんだろ?だせよ!」

シンジ「お金なんて僕……そんなに……」

男A「アァ!?嘘こく気か?」

シンジ「嘘じゃ…」

男B「なら、力づくで奪っちゃうまでだよねっ☆」

男A「つうかさ、ドラマ見てっとお前にイライラするんだよね」

男B「すっきりさせろや」

男A「歯ァ食いしばれぇ!!」

シンジ「………!?」

男A「せぇのぉ!」

バキッ

シンジ「…ガハッ!」

736: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:34:11.87 ID:gG4cN/I0
シンジ「………んんんっ!」


バキッ!

男A「おうっ!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドド…

シンジ「………あれ」

シンジ「痛く……ない?」

男A「な……何すんだよオッサン!?」

シンジ「?」

737: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:35:47.21 ID:gG4cN/I0
ガス!バキッ!ドスッ!



ゲンドウ「…………」



シンジ「父……さん」

男B「邪魔すんじゃねぇよ!」バッ

ゲンドウ「………」

ガスッ!

男B「おぅ!?」


ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!


ゲンドウ「なんだ……もう終わりか?」


ガスッ!ガスッ!ガスッ!


男A「うぶっ……やべえよ…このオッサン……」


バキッ!ゴスッ!ガギッ!


男B「顔色一つ変えずに……うぐっ」

シンジ「………」

ゲンドウ「……これで決まりだァァ!」

バキッ!



男A・B「 」

738: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:38:52.38 ID:gG4cN/I0
ゲンドウ「…ふん。口ほどにもないな。昔と違って骨のないヤツらばかりだ。」

ゲンドウ「……適当な場所に寝かせておけ。」

諜報部員「……はっ」

ゲンドウ「目撃者の処理はそちらで頼む。なるべくこちらが有利になるようにな。」

ゲンドウ「………」

シンジ「……父さん」

シンジ「何で…ここに……」

ゲンドウ「………」

シンジ「……来ないでよ!」

シンジ「僕が何しようと僕の勝手だ!もうネルフになんか………」



バチン!



シンジ「………!?」

ゲンドウ「……」


ゲンドウ「…いい加減にしろォォオオオォォオオオ!!!!!!!!!」

739: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:39:43.79 ID:gG4cN/I0
シンジ「………えっ」

ゲンドウ「馬鹿者が!」

シンジ「………だって」

シンジ「だって……!父さんに……父さんにどんな顔して会えば……分からなかったんだ!」

シンジ「………参号機が…参号機があんな……」

シンジ「うわぁあああああ!」

ゲンドウ「………」

シンジ「参号機をあんな…あんなに…ぐちゃぐちゃにしなくたって……!」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「シンジ……」

シンジ「来ないで!来ないでよ!……父さんは……父さんは……」

ゲンドウ「……諜報部」

諜報部員「……はっ」

ゲンドウ「シンジを加持・葛城両名の部屋へ連れていけ」

諜報部員「はっ」

シンジ「僕は……僕はぁ…!」

ゲンドウ「………」

740: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:40:21.40 ID:gG4cN/I0
ミサト・加持宅

諜報部員「碇シンジ君をお連れしました」

ミサト「ご苦労さま」

シンジ「………」

ミサト「シンジくん、おいしいお肉があるのよ。今から焼いて……」

シンジ「……いいです。もう寝ます。」

ミサト「でも……」ポンッ

加持「……そうさせてやれ」

ミサト「………」


741: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:41:02.05 ID:gG4cN/I0
同・客間

シンジ「………」

シンジ(父さんは…参号機に……僕に酷いことをした…)

シンジ(……でも僕を助けに…来てくれた)

シンジ(でも…父さんが嫌で逃げ出したのに……父さんに殴られた)

シンジ(僕は…良くわからないよ…)

シンジ(父さん…)


ガラッ

シンジ「………!」

加持「ちょっと、いいかい」

シンジ「……?」

加持「一杯、やろうじゃないか」ニカッ

742: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:45:16.97 ID:gG4cN/I0
プシュッ

加持「オレンジジュース…100%じゃなくてすまないな」

シンジ「…いえ」

ゴクゴクゴク…

加持「やっぱり一年中ビールが旨いってのはいいな。」

チビチビ…

シンジ「…」

加持「気は、晴れたかい」

シンジ「……」

加持「そりゃそうだろう。逃げ出したっていい事はないものさ。」

シンジ「………」

加持「聞いたよ。碇司令、君を殴ったんだってな。」

シンジ「……はい」

加持「驚いたよ。あの司令が君を殴るなんてなぁ。」

シンジ「父さんはいつも…いつもいつも」

シンジ「…勝手なんですよ。」

シンジ「勝手に可愛がって、勝手に酷いことをして、勝手に殴って…」


シンジ『…父…さん?』

ゲンドウ『…中学生がこんな繁華街を夜中に出歩くなど、私は許可した覚えはない。』

ゲンドウ『馬鹿者が!!』

シンジ「…」

743: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:45:57.96 ID:gG4cN/I0
加持「俺はね、碇司令を尊敬している」

シンジ「………」

加持「まぁ、命の恩人って事だからって言うのもあるがな」

加持「…あの人は、何だかんだで自分の行動に信念を持っている。スゴいことだよ。」

シンジ「…あんな酷いことが出来る人間に信念…なんて」

加持「S2機関って知ってるかい?」

シンジ「……はい」

加持「あれが搭載されたエヴァはバラバラに…まぁ言い方は悪いがぐちゃぐちゃにしなきゃ何度でも蘇っちまう。」

加持「鈴原くんも司令もあの程度の怪我で済んだのはまだ参号機に理性が残っていたからさ。」

シンジ「………」

加持「もし、あのまま放っておけばMAGIのシステムは破壊され参号機は更なる暴走」

加持「あの可愛いMAGIも…たくさんの職員も死ぬ。」

加持「そして君の手で『友達』を破壊しなければならなくなっていた…かもしれない」

加持「だから参号機は望み、泣いたんだろうな。」

シンジ「………」

744: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:47:13.61 ID:gG4cN/I0
加持「司令は君の友達にも、君にも手を汚させたくなかったんだ。」

シンジ「父さん…が?」

加持「君は俺に言ったな。『友達を失う気持ちがわからない』と。それは『何も失わなかったから』だと。」

加持「使徒との戦いで多くの人間が死んだ。もちろん誰のせいでもない、が」

加持「……悲惨な死に方をした人間が沢山いる。」

シンジ「どういう…ことですか」

加持「あの戦いで、君の様な経験をした人間が沢山存在すると言うことだ。」

シンジ「犠牲に…なった人……」

加持「ヒトは不平等だ。しかし、価値は違って見えても、重みは皆一緒さ。」

加持「その人達にも…当然人生があったはずだ。」

加持「しかし、それは受け入れなくちゃならない。そして、受け継がなきゃいけない。」

加持「『意志』を、な。」

シンジ「………」

加持「参号機は一体何を望んでいたのか」

加持「考えるのは君の役目だ。」

シンジ「参号機の…意志…?」

加持「……ちなみに明日、第2テレビ東京にて会議が行われる」

加持「君がそこへ向かえば…ドラマは続けられるが、行かなければ打ち切られるかもしれない。」

シンジ「………!」

加持「行くか行かないか、君が自身が決めろ。誰も強要はしない。」

加持「ただ……」

シンジ「………」

加持「皆、君を信じている」
加持「おやすみ、シンジくん」

ガラッ

シンジ「………」

745: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:48:21.48 ID:gG4cN/I0
碇宅

ユイ「ごめんね、アスカちゃん。レイがどうしてもアナタに来て欲しいって…」

アスカ「いえ。今日はママも泊まりですし。」

ユイ「じゃ、ご飯は作っておいたから戸締まりと火の始末、よろしくね。」

ガチャ…

綾波「………」

アスカ「珍しいこともあるもんね。アンタが私を頼るーなんて」

綾波「……アスカ、優しいから」

アスカ「ケッ」

アスカ「ご飯、チンするけど、アンタも食べるわよね」

綾波「ええ」

746: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:49:57.11 ID:gG4cN/I0
(電子レンジが回る音)

アスカ「………」

綾波「……」

綾波「今日…みんな変だったわ」

アスカ「そうね。いつも以上にテンション高かったーっていうか」

アスカ「……明るく振る舞おうと無理、してた」

チーン

アスカ「……」

綾波「だから…一人で居たくなかったの」

アスカ「……私もよ。皆のあんな姿見るの」

アスカ「『あの時』以来だもの」

綾波「………」

アスカ「バカ……シンジ」

アスカ「ほんと…バカよね」

……ポタッ

綾波「……アスカ」

ピーンポーン

アスカ「ううっ…もう、誰よこんな時間に」ぬぐいっ

アスカ「……はい」

747: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:52:15.20 ID:gG4cN/I0

ガチャ


マヤ「どうもー♪」

リツコ「…ふふっ」


ガcy…


リツコ「ちょっと!いきなり閉めることはないでしょう!?」

アスカ「……何しに来たのよ」

リツコ「それより目がウサギさんみたいに真っかっかよ。お嬢さん?」

アスカ「……るっさい!帰れ!帰りなさいよ!」

リツコ「やだ、そんなに怒らないでよぉ」

リツコ「って言うか閉めてもムダよ。私怒ったから。ドアごと破壊するから。」

アスカ「……アンタね」

マヤ「あ、アスカ、とりあえずセンパイの話だけ聞いて?」

アスカ「むう…」

リツコ「……ごほん」

リツコ「こんなところでウジウジして目を真っ赤にしている暇があるなら」

リツコ「本物のウサギさんになってみない?」ニヤッ

アスカ「………は?」


748: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:54:38.47 ID:gG4cN/I0
病室

ゲンドウ「………」

冬月「………」

冬月「老いぼれも少しは役に立てたようだ」

ゲンドウ「……そうか」

冬月「お前は無茶をしおるな。昔から変わらない」

冬月「リリスごと自爆しようとしたりな。」

ゲンドウ「……」

冬月「……お前の息子は来るかね」

ゲンドウ「………ああ」




749: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:55:28.66 ID:gG4cN/I0
翌朝

第2テレビ東京・会議室

役員A「本日はようこそおいで下さいました、碇司令」

ゲンドウ「………」


役員B「おや、ご子息がいらっしゃらない様ですが」



ゲンドウ(…シンジ)



役員C「………」ニヤッ


750: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:56:13.07 ID:gG4cN/I0
P「あのー!」

役員A「……何かね」

P「その前に少し見ていただきたいものが。」

役員A「は?」

P「今度のDVDにつける特典なんですけど……」

役員B「何を言い出すかと思えば。今はそれどころでは…」

第2テレビ東京社長「いいよいいよー流しなさい」

役員A「社長!」

第2テレビ東京社長「私はさぁ。こう言うピリピリしたのって苦手なんだよね。」

第2テレビ東京社長「だからさ、場をなごませる為に…ねぇ」

役員A「……しかし社長」

第2テレビ東京社長「社長命令だよ?」

役員A「………」


751: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 13:59:16.98 ID:gG4cN/I0
DVD第四巻特典映像



に、ネルフ

『3』

『2』

『1』

アスカうさぎ「どっか~んっ!!」
レイおねいさん「どっかーん」

アスカ・レイ「わーーーい!」
アスカ・レイ「なぜなにネルフ!」


ウサギアスカ「お~いみんなー集まれー」

レイおねいさん「…あつまれ」

ウサギアスカ「『なぜなにネルフ』の時間だよー」

ウサギアスカ「ってえ、何で私がこんなウサギの着ぐるみなんか…」



ゲンドウ「…」

役員A(時間稼ぎか…)

役員A(小癪な真似をしおって…無駄なあがきだ)


753: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:03:21.71 ID:gG4cN/I0
ミサト・加持宅

ピーンポーン

ミサト「……来た。」

加持「……ああ」

綾波「おはようございます。碇君は」

ミサト「……まだ部屋よ」

アスカ「シンジ!」タッ


シンジ「…………」

シンジ(……もう、時間…過ぎたか)

シンジ(ダメだ…もう間に合わない)

シンジ(僕は、僕は、もう……)


ガラッ


シンジ「!」

アスカ「……バカシンジ」

綾波「………」

シンジ「アスカ、綾波……」


754: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:05:18.62 ID:gG4cN/I0
アスカ「……聞くわ。行きたかったの?行きたくなかったの?」

シンジ「……僕は」

綾波「………」


シンジ「『行かなきゃ』って…思ってた。」


シンジ「でも、足がすくむんだ。」
シンジ「……動かなかったんだ」

アスカ「……そう」


シンジ「……でも、もう遅いんだ。ダメなんだ」
シンジ「……間に合わなかった」



綾波「………」



シンジ「………動かないんだ。足が。」


綾波「後悔、してるの?」

シンジ「でも、でも、もう間に合わないんだ!」
シンジ「僕は…僕は……う……ううっ」


アスカ「……顔、こっち向けなさい」


シンジ「………?」

アスカ「いいから」

シンジ「………」

アスカ「いくわよ、レイ」

綾波「ええ」

シンジ「?」

755: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:05:52.13 ID:gG4cN/I0

アスカ・綾波「歯ァァァァァァ食いしばれェェェェェェ!!!!!」



バチン!バチン!

シンジ「!?」

アスカ「………」

綾波「…………」

シンジ「???」

756: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:07:17.29 ID:gG4cN/I0
アスカ「……殴られた方は勿論、殴った方も痛いのね、手」

シンジ「いきなり……なにすんだよ…」

アスカ「……気合い、入った?」

シンジ「えっ」

綾波「赤木博士が言ってたの。気合い、入れるにはビンタが一番だって」

ミサト(……どこの猪木よ)

アスカ「……まだ、間に合うって言ったら走れる?シンジ。」

シンジ「……えっ」

綾波「もしかしたら、間に合うかもしれない。」

シンジ「……どういうこと?」

アスカ「私たちが時間稼ぎ、しといてあげたから…ってこと。」

シンジ「????」

アスカ「行くの?行かないの?」

シンジ「………」

アスカ「後悔、しない方を選びなさい」

綾波「それでもし、碇くんが『行かない』…って決めても私達、着いていくから」

シンジ「………」

シンジ「………」タッ

アスカ「シンジ!」

ガラッ

綾波「……碇くん」

アスカ「……バカなんだから」


757: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:08:20.82 ID:gG4cN/I0

ミサト「シ、シンジくん!どこに!?」

シンジ「行きます。行ってきます!」

バタン

ミサト「…シンジくん」

ミサト「いってらっしゃい」



シンジ「……ハァハァ」

シンジ(行かなきゃ!僕が行かなきゃ!)

シンジ(間に合え…間に合え!)

タッタッタッ

シンジ(………父さん)

758: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:09:03.68 ID:gG4cN/I0

キキィー!

シンジ「!」

ブブブブブブブ…

シンジ「く…車?」

加持「………」カチャッ

加持「よっ」

シンジ「か…加持さん?」

加持「今から走ったんじゃ間に合わない」

加持「乗っていけよ」ニカッ

シンジ「……」

シンジ「あ…」

シンジ「ありがとうございます!」

759: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:10:19.46 ID:gG4cN/I0
第2テレビ東京


レイおねいさん「まあ、とにかくそう言うことよ。みんな、わかったかい。」

ウサギアスカ「と言うわけで今日の『なぜなにネルフ』はここまでだよ!」

ウサギアスカ「またみてねー♪」

レイおねいさん「…さよなら」




お わ り

制作・著作
特務機関ネルフ

P「………」

ゲンドウ「……」

冬月「………」

役員A「……それでは本題に入りましょうか」

760: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:13:33.66 ID:gG4cN/I0
役員B「ご子息が主役を降りたいと仰っている様ですが」

ゲンドウ「……」

P「あの…そのような事実は…」

役員A「君は黙って居てくれたまえ」

役員B「どうなんですか」

ゲンドウ「………」

役員C「どうなんですか。碇司令?ご子息がいらっしゃらないと言うことは…」

ゲンドウ「…」

役員B「碇司令、ご説明を!」

役員C「司令!!」

役員A「説明してくださらないということは…」

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「…たう」

役員A「はい?」

P「????」

ゲンドウ「……歌います」

一同「…」

一同「…はっ?」

761: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:14:21.40 ID:gG4cN/I0
ゲンドウ「実は今度、私のイメージソングが発売されるんですよ」

ゲンドウ「是非、皆さんにもお聞き頂きたいと思います」

役員A「突然何を言い出すかと思えば…ふざけているのかね!」

役員B「社長!やはり彼らは我々を…」

社長「いいじゃないか。一曲聞こうじゃないの。」

P(し…司令の様な方がそんな……)

ゲンドウ(構わん。手段は選んでいられないのだ。)

P(しかし碇司令、楽曲は完成してませんし…)コソコソ

ゲンドウ(…アカペラで主題歌を歌う。)コソコソ

冬月「血迷ったか…碇よ」

ゲンドウ「お前は口で伴奏をやれ。」

冬月「わ……私もか!?」

ゲンドウ「やれ」

冬月「な…なぜ……」

ゲンドウ「『加賀運送の件』、ユイに話しても良いのだぞ」

冬月「ぬ……ぬぅ…」

762: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:17:23.23 ID:gG4cN/I0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


P「それではお聞きください。『残酷な天使のテーゼ(GendouVer.)』!」


社長「おーーーー」パチパチパチ

役員A・B・C「……」


ゲンドウ「……」すぅ



ゲンドウ「ざーんこーくぅな天使のテェェェゼ…♪」

ゲンドウ「しょーうねんよしんわになァァァァァァれぇェェェェェェ♪」



冬月「……ちゃっちゃっちゃららら~パッパパラパラパッ♪」

冬月「パーパーパーラッパパパパラパーラー♪」


冬月(…誰か私を殺せ!殺してくれ!)

763: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:18:31.95 ID:gG4cN/I0
『蒼い風がいま 胸のドアを叩いても』


キィィ!

加持「さぁ、着いたぞシンジくん。」

シンジ「ありがとうございました…加持さん」

加持「礼はいい。さぁ、急げ。」

シンジ「はい!」

764: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:19:23.74 ID:gG4cN/I0
『私だけをただ見つめて微笑んでるあなた』

シンジ「………」タッ

加持「……さて」

加持「後ろの掃除は俺の仕事かな」ニヤッ


『そっとふれるもの もとめる事に夢中で 運命さえまだ知らない いたいけな瞳』

黒服A「………!」

加持「悪いけど、君たちについてはMAGIが洗い出してくれた」

加持「一応、諜報部は選りすぐりのエリートを集めていてね」

加持「バカだが、馬鹿ではないんだ」ニカッ

765: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:21:43.23 ID:gG4cN/I0
『だけどいつか気づくでしょうその背中には』

グググググ・・・

警備員「駄目だよ!」


シンジ「通して下さい!」


警備員「しかし…勝手に一般人を…」


シンジ「僕は……!」

警備員「?」


シンジ「僕は、ドラマ新世紀エヴァンゲリオンの主役…」



シンジ「碇シンジ役の碇シンジです!」



766: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:23:04.07 ID:gG4cN/I0
『遥か未来めざすための羽根があること』


シンジ「……ハァハァ」タッタッタッ

タレント「きゃあ!」

シンジ(間に合え……間に合え!)

シンジ「………ここか」



残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ



バタン!



シンジ「……父さん!」

冬月「ちゃーちゃーちゃっ♪」

ゲンドウ「ほーどばしる熱いパトスでッ…」

シンジ「……父さん?」


冬月「………あっ」

ゲンドウ「……シンジ?」

シンジ「な、何…やってるの?」

ゲンドウ「え?」

ゲンドウ「い、いや…これは…」


767: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:24:53.42 ID:gG4cN/I0
ゲンドウ「…」

シンジ「…」

一同「……」

…………

P「と言うわけでそのような事実は無く、彼は主役を続投すると。」

役員A「………」

社長「体調が悪かったのに、ワザワザ来てもらって済まなかったね」

シンジ「いえ。えっと…あの…これからも、よろしくお願いします。」

社長「と、言うことらしい」

役員B「しかし、まだこの作品には多くの問題が……」

社長「守りに入ってばかりでは良い作品はできない。」

社長「問題が発生すれば対処するまでだ。」

役員C「……しかし」

P「とりあえず今日は主役の話でしたから。一旦お開き、と言うことで。」ニヤリ

役員A・B・C「……」


768: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:26:05.21 ID:gG4cN/I0
電車内

ガタンガタン・・・

ゲンドウ「…今日はシンジ、礼を言う。ありがとう。」

シンジ「……いいよ」

ゲンドウ「そして…すまなかった。シンジ。」

シンジ「………」

ゲンドウ「私は…お前を……」

シンジ「……本当にもういいよ。父さん。」

ゲンドウ「………シンジ」

769: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:26:35.59 ID:gG4cN/I0
シンジ「……自分の責任を…誰かに背負わせたかったんだ。きっと。」

シンジ「参号機がね、泣いてたんだ。それに…少しだけ攻撃を…やめてくれてた」

ゲンドウ「……ああ」

シンジ「彼と…兵器だとしても…彼と過ごした時間は楽しかった。だから…トウジと…選べなかった。」

シンジ「……どっちの友達も失ってたかも知れない。」

ゲンドウ「………」

シンジ「…加持さんがいってたんだ。『記憶や記録』と共に…意志は受け継がれていく…って」

シンジ「…だから僕は、ちゃんと完成させるべきなんだ。この作品を。」

シンジ「そうすれば沢山の人が彼を見て……記憶に残してくれる。」

シンジ「逃げちゃ、ダメなんだよね」

ゲンドウ「シンジ……」

シンジ「ありがとう。父さん。」にこっ

ゲンドウ「……う……うぐっ」

シンジ「それと…ちょっと嬉しかったよ。叱ってくれたこと」

シンジ「……って、なんかちょっと変だよねww」

ぎゅっ

ゲンドウ「痛く…なかったか?」

シンジ「……痛かった」

ゲンドウ「そうか…それはすまなかった…」

ぎゅううっ

シンジ「や…やめてよ父さんッ…///」


こっそり

冬月「家族愛…」

冬月「……憎らしくも羨ましくあるな。」

770: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:28:48.09 ID:gG4cN/I0
シンジ「あの父さん、これから暇なら…」

ゲンドウ「ん……」

シンジ「ど…どうしたの?」

ゲンドウ「……あa」ふらっ


バタン



ゲンドウ「」

シンジ「と…父さん!?」

諜報部員「碇司令を保護!」バッ

諜報部員「了解!」

シンジ「って、ここの車両全員ネルフの人!?」



冬月「……無茶をしおる」


771: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:29:18.89 ID:gG4cN/I0
ネルフ

シンジ「………ただいま」

綾波「おかえり」

アスカ「バカが帰ってきたわ」

ナオコ「ゲンドウくんなら医務室で休んでいるわ。単なる寝不足ね。」

シンジ「良かった…」

シンジ「みんな、心配してくれてありがとう。」

アスカ「べっつにぃ~」

綾波「とか言いつつソワソワしてたわよね」

アスカ「バッ…バカレイ……!」

◇<ラー

シンジ「ラミエルも…ありがとう」

ミサト「…シンジくん!」ダッ

シンジ「あっ…ミサトさn」

ぎゅううっ

シンジ「むがっ!」

ミサト「良かったぁ…本当に…」

シンジ「むがむがむがぁっ」

シンジ(胸が…胸がァァァァァァ)

日向([ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー])


772: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:29:59.14 ID:gG4cN/I0
リツコ「良いところ、失礼するけど」

リツコ「……先ほど米国第1、第2両支部の閉鎖が決定したわ」

加持「ゼーレもカンカンだろうな…」

リツコ「自滅も良いところよ。相次ぐエヴァの建造中止でヤケになってたんでしょうね」

MAGI『あっ…あのぅ(´・ω・`)』

ナオコ「どうしたの?」

MAGI『その…余計なことかも…なんですけど(・ω・`;)』

ナオコ「?」

MAGI『実は…回収作業中に参号機のプラグのデータはまだ…生きてて…私、勝手に解析して保存、しちゃったん…です』

リツコ「…えっ」

MAGI『い、一応スキャンはしましたっ!』

綾波「?」

アスカ「どゆこと?」

773: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:30:35.05 ID:gG4cN/I0
MAGI『ええっと…身体は無くなってしまったけど…魂はまだ残っている…みたいな感じです。』

シンジ「魂……が?」

MAGI『はいっ。まあ…システムが結構複雑なんで入れ物を見つけるのは簡単じゃ…ないんですが…』

マヤ「だけどそのデータがあれば第2東映の技術も格段に上がるわ」

リツコ「参号機の置き土産…みたいなものかしらね」

アスカ「いい事…なのかしら」

綾波「……そうみたいね」

MAGI『なんだかお役に立てたみたいで良かったです!』

シンジ「…MAGI」

MAGI『はいっ?』

シンジ「……ありがとう。」にこっ

MAGI『……はっ、はい!//』

リツコ「それじゃ、明日も朝から撮影だから遅れないように」

アスカ「1日くらい休ませてくれたっていいじゃん…」

ミサト「ま、いいじゃない。リツコも良くやった方だし。これ以上は求められないわよ。」



774: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:32:40.10 ID:gG4cN/I0
医務室

ゲンドウ「………」

もわんもわん
シンジ『…父さんありがとう』
シンジ『父さんカッコイイ!』
シンジ『父さん大好き!』
もわんもわん

ゲンドウ「………」ニヤニヤニヤニヤ


ユイ「顔がにやついてますよ。アナタ?」
ゲンドウ「ゆ…ユイ……」
ゲンドウ「いつから…」
ユイ「さっきからずっと」にこにこ
ゲンドウ「そ…そうか」
ユイ「良く…頑張ってくれたわ。皆もシンジも…アナタも」
ゲンドウ「……ああ」
ユイ「折角また皆、頑張ろうと言うことになったんですもの」
ゲンドウ「ああ。何があってもこの作品はやり通す。」

ユイ「頼りになるわ。アナタ。」

ゲンドウ「だからだな…ああ……」
ゲンドウ「タダでは頑張れないというかだな」

ユイ「?」

ゲンドウ「……ああ…ええ……」

ユイ「もう。素直に言えないんだから。」

ゲンドウ「……すまない」

ユイ「まあ、そう言う可愛いところが好きで一緒になったんですけど」

ゲンドウ「ゆ……ユイ…ひ…久しぶりだな」

ユイ「もう。そんなにキョドらないで下さい。こっちまで恥ずかしくなっちゃいますから」

ゲンドウ「……ああ」

ユイ「ゲンドウ……さん」

ゲンドウ「ユイッ!」

ガバッ

MAGI『こっ、ここからはプライバシー保護のため見せられませんっ!><』

775: ◆RaAAAAaAAU 2010/06/30(水) 14:33:11.03 ID:gG4cN/I0
司令室

冬月(イカリシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ)

冬月(だけどユイくんユイくんユイくんユイくん)

冬月(精神ダメージが少ないうちに画面を消すべきか…録画すべきか……)

冬月(…℃¥$¢£%#&!?)

冬月「やめろォォオオオォォオオオ!!!私の心を抉るなァァァァァァ!!!!」

冬月「だけど見たァァァァァァいィィィィィィ!!!!!」

冬月「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

初号機VSゼルエル戦はここから始まっていたと言っても過言ではない

874: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:36:28.25 ID:wJrPjgAO
ネルフ・発令所

シンジ「初号機に残されている後185秒、これだけあれば、本部の半分は壊せるよ!」

シゲル「今の彼なら、やりかねませんね。」

マヤ「シンジ君、話を聞いて!」

マヤ「碇司令の判断がなければ、みんな死んでいたかもしれないのよ!」

シンジ「そんなの関係ないって言ってるでしょう!」

シンジ「父さんは、あいつは、トウジを、殺そうとしたんだ!この僕の手で!」

サツキ「はいカットーオッケーです。」

ミサト「お疲れさま。シンジくん」

シンジ「はい……」

リツコ「どうしたのよそんな浮かない顔しちゃって」

シンジ「なんかこう…昨日までの自分を見てるようでやりにくいなって」

ミサト「そりゃそうよね。リツコも嫌な本書いてくれるわよ」

875: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:38:08.53 ID:wJrPjgAO
リツコ「あら、でもお陰でシンジくんが帰ってくるシーンがよりリアルに修正出来たわよ」

アスカ「プライバシーもクソもないのね」

リツコ「現実と空想の境目なんてあってないようなものよ」

リツコ「人は必ず実現出来るものしか空想しないって言葉もあるし。」

ミサト「逃げ口上もなんつうか…段々饒舌な感じになってるのが更にムカつくわね」

リツコ「あーら、だてに4ヶ月も脚本書いてなくてよ。」

加持「人は往々にして成長するものだからな」

アスカ「まあ確かに最初の頃よりかは適応してきたわね。この環境に」

ミサト「一番良い例が司令よね。騙し騙しやってるってのもあるけど、ちょっとのことじゃ過剰にシンジくんを心配しなくなったし。」

876: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:39:00.30 ID:wJrPjgAO
サツキ「それじゃあ次のシーン始めます」

アオイ「スタート!」

シンジ「父さん!そこにいるんだろ!何か言ってよ、答えてよ!」

ゲンドウ「L.C.L.圧縮濃度を限界まで上げろ。」

ゲンドウ「子供の駄々に付き合っているヒマはない。」

シンジ「まだ直結回路が残っ…がはっ!」



ゴボゴボ

シンジ「チキショウ…チキsy(ry」




ゲンドウ「シンジィィィィィィ大丈夫かァァァァァァ!」ガタッ




877: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:39:26.18 ID:wJrPjgAO
サツキ「……カット」

マヤ「司令。演技の途中なので…」

ゲンドウ「………しかし!」

リツコ「……撮る回数が増えて結果的に苦しむのはシンジくんなんですよ。」

ゲンドウ「……」ソワソワソワ

ミサト「……前言撤回」



878: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:40:08.60 ID:wJrPjgAO
司令室

ゲンドウ「命令違反、エヴァの私的占有、稚拙な恫喝。」

ゲンドウ「これらはすべて犯罪行為だ。」

ゲンドウ「何か言いたいことがあるか。」

シンジ「はい、僕はもう、エヴァに乗りたくありません。ここにもいたくありません」

ゲンドウ「では出て行け。」

シンジ「はい。先生のところへ戻ります。」

ゲンドウ「また逃げ出すのか。」

シンジ「………。」

ゲンドウ「おまえには失望した。もう会うこともあるまい。」

シンジ「はい、そのつもりです。」

マヤ「カット。お疲れさまでーす♪」

綾波「まるでドラマと現実じゃ言ってることがまるで反対ね」
ミサト「本当にこんなこと言ったらケジメとか言って自殺しちゃいそうなもんだわねww」


879: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:40:35.11 ID:wJrPjgAO
アスカ「しかし、こうしてみるとほーんと司令って『見た目だけ』は『渋いおじ様』って感じよねぇ。」

ちびアスカ「……よねぇ///」
ちびレイ「…外道だけど」

アスカ「ってぇ!いつの間に!?」

キョウコ「実はずっと私の研究室に泊まってたんだけどね、騒ぎが落ち着くまで地下に居てもらってたの」

ちびアスカ「そうなの。」

ちびレイ「ちびシンジくんは別のCM撮影があるから後で来るけど」


880: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:41:15.09 ID:wJrPjgAO
アスカ「アンタら、家に帰らなくていいの?」

ちびアスカ「『ちょうほうききかん』だから」

ちびレイ「いいの」

アスカ「学校は」

ちびアスカ「キョーコママに微分積分って言うのを教わってるの!」

アスカ「……ベクトルとかストークスとか分かるのアンタら」

ちびアスカ・レイ「ぜんぜん」


882: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:46:10.90 ID:wJrPjgAO
シンジ「……これが父さんの仕事部屋かぁ」

ゲンドウ「…」ソワソワソワ

シンジ「どうしたの?」

ゲンドウ「いや、お前に手錠を掛けさせたのがなんとも…」

ゲンドウ「お前がまるで犯罪者の様ではないか」

ゲンドウ「父さん、胸が痛くて痛くて…」

シンジ「あはは…」

シンジ(この間本気で怒ってたのが嘘のようだよ…父さん…)
リツコ「いや、実際劇中じゃ犯罪者なんですけどね。」


883: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:47:03.88 ID:wJrPjgAO
ミサト「あの事件以来、碇司令のシンジくんへの愛情が変な方向にパワーアップしてる気がするわ…。」

アスカ「何だかんだで掴めないのって司令よね」

綾波「むしろドラマとのギャップに最近、悲しみみたいなものを覚えてきました。」

ちびレイ「………」コクリ

アスカ(でもシンジとレイがちょ、ちょっと羨ましいのは…何でかしら)

ちびアスカ(私はむしろ…///)もじもじ


884: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:48:03.70 ID:wJrPjgAO
シンジ「手錠、とって貰ったよ」

ゲンドウ「……そうか」ほっ

シンジ「父さんの仕事部屋って意外と片付いているんだね」

ゲンドウ「ああ。ユイと冬月と私…共同で使っているからな。」

シンジ「それじゃあ綺麗にしておかないとね」くすっ

ゲンドウ「全く…冬月には副司令室と研究室まで与えてやっているのにここに居座りつく。」

シンジ「父さんと母さんと副司令とナオコさんって仲いいよね。」

ゲンドウ「ユイはともかく、あの二人とは腐れ縁みたいなものだ」


885: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:48:37.69 ID:wJrPjgAO
シンジ「父さん、昔のことなかなか話してくれないからさ」

ゲンドウ「はッ…話すまでもないからな」

リツコ「STOP!」

ゲンドウ・シンジ「!?」

リツコ「『過去は自分のもの。当然誰とも取り替えたくない』…って言うでしょう?」

ゲンドウ「り、リツコくん…!」

マヤ(センパイ…もろに青葉さんの影響を受け始めてる…)


886: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:51:55.78 ID:wJrPjgAO
リツコ「シンジくん、楽しみにしてて。弐拾壱話の撮影は京都ロケだから。」

シンジ「キョート?」

リツコ「お父さんの『思い出の地』よ。」

ゲンドウ「な!まだ私は……」

リツコ「副司令とユイさんの承認が取れましたので。何なら副司令が費用をポケットマネーで負担しても良いと」ニヤニヤ

ゲンドウ「くっ……」

ゲンドウ(冬月コロスコロスコロスコロスコロスコロス)


887: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:52:28.13 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「………」ドキドキ

ちびアスカ(ち……ちびアスカ。ゆ、ゆうきをふりしぼるのよ!)

ちびアスカ(かるーく『こんにちは!』これでいいの)

ちびアスカ(今日こそ碇司令に……)

ちびアスカ(えいっ)

ちびアスカ「あ……あの!」

ゲンドウ「………」(冬月コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス)

ちびアスカ「………」

ちびアスカ「きょ、今日はやめとこうかな…」

ちびレイ「……けんめいな判断だと思うの。」


888: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:53:57.16 ID:wJrPjgAO
リツコ「んで、この後だけど」

ミサト「シンジくんのこのシーン、まぁた電車貸し切るの?」

リツコ「あ、そのシーンなら撮り終わってるわよ」

ミサト「……え?」

リツコ「シンジくんを付けてた諜報部にお願いしたの。」

リツコ「バッチリだから」ニヤニヤ

ミサト「……お得意の盗撮ね」


889: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:54:28.91 ID:wJrPjgAO
♪アマギィィィィィゴォェェェエエエ……

ミサト「って、何の騒ぎよ」

リツコ「あっ」

ミサト「ケータイ…」

加持「…着信音変えたんだね」

ピッ

リツコ「はい、赤木リツコですが」


890: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:54:56.18 ID:wJrPjgAO
リツコ「……はい」

リツコ「…………はい」

リツコ「…………」

リツコ「………はい」

リツコ「……わかりました」

リツコ「では。」

ピッ

ミサト「何の電話?」

リツコ「………」

ミサト「?」



891: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:55:22.16 ID:wJrPjgAO
マヤ「じゃあ次の撮影にいきまーす」

マヤ「はい。加持さんコレッ♪」

加持「………これは」

マヤ「弐号機の着ぐるみです♪」

加持「……まさか」

マヤ「この間、弐号機とゼルエルの戦闘シーン途中だったんで。」

マヤ「今回、これは特殊スーツになってまして」

マヤ「両腕がもぎれるだけじゃなくって頭まで吹っ飛ぶんです!」

加持「……嬉々としながら残酷なことって言えるもんだね」



892: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:55:52.37 ID:wJrPjgAO
キョウコ「じゃあちび達は、私とクリームソーダでも飲みにいきましょう~」

ちびアスカ「えっー!私も見たいい!」

ちびレイ「見たいみたい…」

キョウコ「いい子だからぁ~ねぇ~?」


マヤ「ん……?」

ミサト「どしたのマヤちゃん」

マヤ「センパイが……」

ミサト「?」

加持「……書き置きだ」

加持「『急用が入ったので皆、台本に沿って適当に撮影してね(はぁと)リツコ』」


893: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:57:28.74 ID:wJrPjgAO
加持「とは言いつつも残りは会話シーンと戦闘シーン…最後の戦闘シーンに至っちゃアドリブだぞ…?」

ミサト「ハァァア!?」

マヤ「そんなぁ…途中でセンパイが居なくなるなんて私、聞いてませんよぉ!」

アスカ「まさか……この後の展開がさっぱりで逃げ出した…とか」

リツコ『あれー、ぜーんぜんこの先の展開思い付かないやぁ!』プカー

リツコ『逃げちゃいましょぉ!うっふふふふふ~♪』


ミサト「……あり得るわね」


894: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:58:17.90 ID:wJrPjgAO
ネルフ体育館

マヤ「え、ええっと…じゃあ…撮影始めます!」

ゲンドウ「で、なぜ私がメガホンを持つことになっているのか」

マヤ「第壱話の時にもやって戴いたので丁度いいかなって…」
ゲンドウ「オペレーター達も時たま代理を…」

マヤ「彼女達は別に仕事がありますので。現在地下にてナオコ博士やユイさんのお手伝いをしてるはずです。」

ミサト「ったく、リツコってばこんなときに逃亡するんじゃないわよ」

弐号機(加持)「………」


895: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:59:06.40 ID:wJrPjgAO
マヤ「じゃあゼルエルを運び込んでくださーい」


ガラガラ

青葉「はい、はい、はい、エルゼルはいりまぁーす」

日向「刃が付いてるからねぇ、ないアブだよぉ。」

ガラガラ

アスカ「あの二人、すっかりドラマのスタッフが板についちゃったわね」

綾波「……きっと故郷のご両親がこの姿を見たら泣くと思うの。」


896: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 01:59:34.75 ID:wJrPjgAO
マヤ「えっとこのゼルエルのきしめんみたいな部分は刃が横に組み合わさってまして」

ミサト「簾みたいな感じね」

マヤ「で、スイッチをいれると……」

青葉「ないアブだから下がってねぇー」

ゼルエル「………」


ジャキッ!


アスカ「ほっ、本当に危ないッ!?」

マヤ「普段はくたぁーってなってるけど、攻撃体制のときはこうしてまっすぐになってスパッとなるわけ。」

マヤ「ちなみにこっちのライフルを持ってる弐号機には支えが入れてあって、加持さんにはいつもとは別の場所に腕を入れて貰ってるわ」


897: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:00:00.54 ID:wJrPjgAO
弐号機(加持)「……正直、怖いんだよね」

マヤ「大丈夫です。基本的に第2東映の作成物は安心設計ですから。」

マヤ「……使い方さえ気をつけて頂けたら、の話ですけど。」

ミサト「………まあそうよね」

マヤ「そしてそして、腕や頭から噴き出す血飛沫ですが、今回は血の色をブルーにしてみました」

アスカ「弐号機の血の色は赤じゃない?」

マヤ「そうなんだけど、どうも画面映えしなくって。」

マヤ「もうちょっと良いカメラだとその辺も解決出来るんですが、そんな贅沢も言えないんで…」


898: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:00:39.03 ID:wJrPjgAO
ミサト「なるほどぉ。さすがは第2東映のご令嬢ね。」

アスカ「リツコのイエスガールだと思ってたけど、そういや、結構貢献してくれてるわよね。」

ミサト「もうちょいリツコにハッキリ言った方が良いわよ。結局大変なのはマヤちゃんなんだから。」

マヤ「私は…センパイの為なら…別に……///」

ミサト(ま)

アスカ(さ)

加持(か)

青葉「  」

シンジ「なんでマヤさん、いきなり赤くなってるの?」

綾波「さーてね」



899: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:01:12.04 ID:wJrPjgAO

マヤ「そっ…それじゃあ撮影入りまぁーす」



ゲンドウ「……カーッ!」

ゲンドウ「いや、違うな。」

ゲンドウ「カーァァァァァァッ!」

ゲンドウ「……これではカラスか」


マヤ「碇司令、何してるんですか」

ゲンドウ「いや、掛け声の練習をだな」

マヤ「………」


900: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:03:13.43 ID:wJrPjgAO
廊下

ちびアスカ「……」

ちびレイ「………」

こっそり

ちびアスカ「私のはいいろの脳さいぼうを『くし』して…うまく脱出できたわね」

ちびアスカ「司令室からくすねてきたお酒をキョーコママのクリームソーダにいれるなんて、5さいじゃふつう、かんがえつかなくってよ!」

ちびレイ「まさに外道ね」

ちびアスカ「……マスターの目を引くために、わざわざキッチンでボヤをおこしたアンタに言われたくないわよ。」


901: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:03:52.36 ID:wJrPjgAO
ちびレイ「前回から私達、ハブかれてしまってるもの。」

ちびアスカ「きっと私達にないしょで楽しいことしてるのよ!」

ちびアスカ「キィー!この私を抜きにするなんて、ゆるせないわッ!」

ちびレイ「ちびアスカ、ここを右に言ったら体育館よ」

ちびアスカ「ふっふっふ…汚い大人ども、みてらっしゃい…」


902: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:04:25.02 ID:wJrPjgAO
ガチャッ……

マヤ「空の照明、Qの青にスタンバイ」

青葉「了解。Bの15から28、32から40まで配色完了」

マヤ「よし、これくらいで良いかしら。」

マヤ「碇司令、お願いします」


903: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:06:38.34 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「スッタァァァァァァトッ!」カチンッ

アスカ「もう二度と負けらんないのよ、この私は!」

マヤ(DからJの火薬点火!)

青葉(ヤクカーカーテン)

職員「?」

日向(火薬点火)

職員(了解ッ!)

バババババババ……


904: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:07:32.33 ID:wJrPjgAO
マヤ(ゼルエル、攻撃モード、スタート)

青葉(エルゼル、ゲキコーモード、トースタ)

職員「??」

日向(攻撃モードスタート)

職員「了解」


905: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:09:38.42 ID:wJrPjgAO
ゼルエル「………」

シュバッ

アスカ「…うそ!」



ブシュウウウウウウ……!




ミサト(おお…すんごい噴きっプリね)

シンジ(色が青いせいかあんまりグロテスクに見えませんね)

906: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:11:36.55 ID:wJrPjgAO
アスカ(しっかしあれ、腕もげるとき滅茶苦茶痛いのよね)

綾波(私、5~6回は気絶しかけたわ)

アスカ(私なんて7~8回は気絶しかけたわね)

ミサト(こら、そこ気絶しかけた回数で争わないの)

シンジ(ちなみに僕は軽く20は越えてますよ)

シンジ(8割方父さんのせいですけど)

綾波(ああ…『シンジの勇姿を納めるんだ』とか言いながら、良く二子山まで出てきちゃってたわよね)

シンジ(最終的には使徒も気を使ってくれてたし…)

アスカ(…案外いい奴らだったわよね)

ミサト(何だかんだで一番厄介だったのは碇司令よね)


907: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:12:20.25 ID:wJrPjgAO
―――――

マヤ(スイッチ!)

アスカ「こんちくしょーっ!」

ゼルエル「………」シュバッ


加持「……っ!?」

加持(今、頭にかすった様な…)


………ボチャン




ブシュウウウウウウ……



908: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:13:23.01 ID:wJrPjgAO
シンジ(いや、頭を切断する様子はなかなか……)

ミサト(っつうかいつからスプラッタドラマになったのよコレ……)



ゲンドウ「カァァァァァァット!」

マヤ「お疲れさまでーす」

加持「いやあ……着ぐるみが途中で裂けたときは、さすがに死ぬかと思ったよ…」

ミサト「………ん?」

加持「何?」

ミサト「…リョウジ…頭」

加持「?」


ミサト「……」

ミサト「……ムフヒッ」

アスカ「……むふっ」

綾波「………フヒッ」プルプル


一同「ふははははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



加持「……えっ、えっ?」


909: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:14:48.70 ID:wJrPjgAO
ミサト「頭頂部だけwwwwwwwwww剃れてるwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

加持「えっ」


ゲンドウ「使徒ザwwwwwwwwビwwwwwwwwエwwwwwwwwルwwwwwwww」


日向「誰がうまいことwwwwwwwwwwwwwwww」

綾波「………」プルプル

アスカ「ザビエルwwwwwwwwwwwwwwww弱そうwwwwwwww」

青葉「エルザビwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「むふふっwwwwwwww」

加持「………」



加持「………(´・ω・`)」



910: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:15:32.12 ID:wJrPjgAO
スタスタスタスタ……

マヤ「あっ…加持さん…体育館の隅に向かいました……」

アスカ「あーあー…加持さん凹んじゃった。」

青葉「髪は長い友達って言いますからね」

ミサト「そうね…。ちょっと笑うくらいならともかく…」

綾波「言い過ぎよね。『使徒ザビエル』は」

ゲンドウ「………えっ」


911: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:16:03.35 ID:wJrPjgAO
日向「流石にヒドイですよね。いくら司令と言えども」

ゲンドウ「ちょっと待て、君たちも一緒に笑って……」

綾波「愛想笑いです。」

ミサト「ううん。って言うかむしろ苦笑い?」

アスカ「もうあきれて出ちゃったぁーみたいな」

ゲンドウ「えっえっ」


912: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:16:52.20 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「待て!そんな……」
ミサト「………」

綾波「………」

アスカ「………」

マヤ「………」

青葉「………」

日向「…………」

ゲンドウ「そんな目で私を見るなぁ!」


914: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:18:02.65 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「シンジ、シンジは信じてくれるよな?」

シンジ「……こんな時にダジャレなんて最低ですね」

ゲンドウ「ち…ちがっ!」

シンジ「大丈夫だよ。父さん」

ゲンドウ「……シンジ!」

シンジ「僕は、いつだって父さんのこと、信じてますから…」

ゲンドウ「信じてるって割には何で汚物を見るような目をしてるんだァァァァァァァシンジィィィィィィ?」

シンジ「元からだから大丈夫だよ」にこっ

ゲンドウ「  」


915: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:18:31.15 ID:wJrPjgAO
ミサト「やっぱり碇司令は虐めがいがあるわね」

加持「元気が出てきたよ」

シンジ「それは良かったです。」


ジーッ



アスカ「……?」

ちびアスカ「………」

ちびレイ「………」

アスカ「ってェェェェェェェェェ!アンタら何でここにいるのよ!?」


916: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:19:12.83 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「………」

ミサト「や…え……あ……」

アスカ「もしかして、アノ…撮影の…弐号機の頭が吹っ飛ぶとことか……見ちゃった?」

ちびレイ「………」コクリ

マヤ「あーえー…」

アスカ「マ、ママは?」

ちびアスカ「……寝てる」

アスカ「ったくう~!ママったらなにやってんのよぉ!」

ゲンドウ「ど、どうするシンジ!わ、私はこう言う状況には慣れてなくてな…」

シンジ「ぼ、僕もだよ!」


917: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:22:54.24 ID:wJrPjgAO
綾波「子供の心に大きな傷を残してしまったわね。きっと…」

ゲンドウ「そんな…」

綾波「きっとこれが原因で非行の道に走ってしまうのよ」

ゲンドウ「えっ」

綾波「過去のトラウマから学校にいけなくなり悪い仲間といつの間にかつるんで妊娠…」

綾波「それからドラッグに手を出して終いには…」

ゲンドウ「  」


アスカ「レイ、もうその辺でやめときなさいよ」


918: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:24:05.93 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「………」

アスカ「とにかく、あー、アンタ達」

アスカ「あ、アタシが好きなもの奢って…」

ちびアスカ「わぁ……」キラキラ

ちびレイ「………」キラキラ

アスカ「……へっ」


919: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:24:44.88 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「すごい!すごい!すごい!」きゃっきゃ

ちびレイ「ブシュッてなって、バァーってなったわね!」きゃっきゃ

ちびアスカ「噴水みたいにばしゅーって!」

ちびレイ「青いのがぶしゅーって!」


アスカ「……」




920: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:25:16.54 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「ねぇねぇ加持さん」

加持「な……なんだい」

ちびアスカ「もう一回みせてー!」

加持「えっ」

ちびアスカ「みせてみせて」

ちびレイ「みせてみせて」

加持「いや…」

ちびアスカ・レイ「み・せ・て」うるうる

加持「ま、まいったなぁ…」

ミサト「子供って多分使徒よりも残酷だと思うの。」

マヤ「思いますね。」


921: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:25:55.99 ID:wJrPjgAO
ネルフ・庭園

マヤ「ええ、次は加持さんとシンジくんの会話になりまーす」
綾波「順調ね」

ゲンドウ「やはりアレだな。赤木くんがいないとスムーズだな。」

ミサト「司令、いっそのことリツコクビにしちゃったらどうですか」

ゲンドウ「仮にクビにして、彼女に勤め口があると思うか」

アスカ「ないですね」


922: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:26:29.05 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「苦労するのは赤木ナオコ博士の方だ。目に見えている。」

もわんもわん

リツコ「仕事クビになっちゃったわ」プカー

ナオコ「リッちゃん…タバコばっかり吸ってないで仕事探して来てちょうだいね」

MAGI『おねーさん、タバコは身体に良くないですよ』

リツコ「大丈夫よー。酒ですら体に良いとか言われてるんだから、タバコだって本気で探せば良いところの一つや二つ見つかるわ。」

ナオコ「はぁ…。母さんこれじゃいつまで経ってもユーロに戻れないわ」

リツコ「いいんじゃない?無理して行くことないわよ。」


923: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:28:05.29 ID:wJrPjgAO
ナオコ「…お願いリッちゃん、今日こそハローワークに行って!」

リツコ「ええ…でも今日はこれから河川敷に行ってネコにエサをやりにいかなきゃ行けないし…」

MAGI『リツコおねーさん!お願いしますです!(´;ω;`)』

リツコ「でも…」

ナオコ「こんな…東大まで出してこんな……」

MAGI『ナオコお母さん……゜(゜´Д`゜)゜。」

リツコ「………」


924: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:28:56.74 ID:wJrPjgAO
ハローワーク

職員「お名前は」

リツコ「赤木リツコ30歳です」

職員「……資格は」

リツコ「東大卒です」

職員「…ですから資格は」ジムテキー

リツコ「なに、東大卒じゃ不足なの?」ムッ


925: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:29:30.97 ID:wJrPjgAO
職員「ええ。学歴と資格は別です。」

リツコ「ああ、じゃあタイピングかしら」キリッ

職員「タイピング」

リツコ「1分間で300ワードを打ち込めるわ。」

職員「……で、検定の所持級は」

リツコ「そんなもの持ってないわよ。でも何ならここで実演しても…」

職員「なし、と」


926: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:29:58.76 ID:wJrPjgAO
リツコ「ちょ…ちょっと待ってよ!」アワアワ

職員「いくら実力がおありでも資格を持っていらっしゃらないと証明にならないんです。」

リツコ「そんな……」

職員「何か他には?」

リツコ(資格…検定……)

リツコ「そうだわ!時刻表検定、あれ全級を満点で合格して表彰まで…」

職員「以上ですか」

リツコ「えっ」


927: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:30:33.70 ID:wJrPjgAO
職員「資格:時刻表検定1級のみ……っと」

リツコ「あの……」

職員「………」カタカタカタカタカタカタ

リツコ「………」ゴクリ

職員「うん。ありませんね」

リツコ「……は?」

職員「もう30代の求人となると少ないんですよね。で、資格もないとなると厳しいです。」


928: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:31:14.37 ID:wJrPjgAO
リツコ「えっえっえっ」

リツコ「とっ、東大で…もと国連直属組織の職員でも…ですか」

職員「職歴や学歴より資格の時代なんですよね」

職員「あ、でも一つありましたよ」

リツコ「ど……どこですか!?」ガバッ

職員「えっと…」



929: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:32:29.83 ID:wJrPjgAO
【急募】ローンソネルフ本部店
やる気のある方なら誰でもオッケー!
地球の平和を守る場所での楽しいお仕事☆
な、なんと運が良ければあの
『アスカ、レイ、シンジ』や葛城三佐や碇司令に会えるかも!?
写真は店員と肩を組み、ピースをする碇司令です♪

職種:販売業務
給与:月15万
アクセス:ジオフロントステーションから徒歩1分!

問い合わせ先:特務機関ネルフ


930: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:33:40.05 ID:wJrPjgAO
リツコ「   」

職員「お金は良いとは言えませんがかなり福利厚生は手厚いですよ」

パッ

職員「……あっ、消えましたね。採用が決まっちゃったみたいですね」

もわんもわん

ゲンドウ「こう言うことになる」

綾波「……アスカや葛城三佐に負けず劣らずの妄想力ですね」


931: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:34:11.24 ID:wJrPjgAO
ちびレイ「わぁ……」

ちびアスカ「このシマシマのまぁるいの、なーに?」

ミサト「スイカよ。セカンドインパクト前の季節があった頃は夏にたくさん食べられてたんだけどね」

マヤ「今のこの土壌だと育てるのは難しいですからね」

ちびアスカ「えいっ!」ドスッ
ブチュッ

ちびアスカ「わぁ!中は赤いんだぁー!」

ちびレイ「………」ドスドスブチュッブチュッ

アスカ「ってェェェ、アンタら!!!何勝手に潰してんのよォ!?」


932: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:34:58.15 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「面白いよー!アスカおねーちゃんも一緒にやろうよぉー♪」ドスドス

ちびレイ「………やりましょう」ドスドス

ブチュッブチュッ

アスカ「………」

ミサト「無邪気って一番怖いわね」



933: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:35:36.61 ID:wJrPjgAO
アスカ「もぉ、こんなにしちゃって!」

アスカ「育ててるの、私達じゃないのよ?アンタらどうすんのよ?」

ちびアスカ「……」

ちびレイ「………」

アスカ「聞いてんの?」

ミサト「まぁまぁ、アスカ。子供なんだしぃ…」

アスカ「あのね、子供子供って甘やかすから付け上がるのよ」
アスカ「一回ガツンッて言わないと……」


934: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:36:08.77 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「……ごめんなさい」うるうる

ちびレイ「……なさい」うるうる

アスカ(くう゛ぅぅぅぅぅ!?)

アスカ(ま、まずいわ!アスカ、ダメよ!)

アスカ(これはコイツらの常套手段よ!何度も同じ手に騙されるもんですかァァァァァァ!)グワッ

935: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:36:46.82 ID:wJrPjgAO
アスカ「だ、ダメなんだからねっ!」

アスカ「聞くところによるとアンタら、ママのクリームソーダにお酒を入れて眠らせたらしいじゃない!」

ちびアスカ(チッ……バレてたか)

アスカ「ちゃんと…ガツンと叱らないと…!」

ちびアスカ(くっ…『あれ』を出すしかないようね)

ちびアスカ(………いくわよちびレイ)

ちびレイ(……りょうかい)


936: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:37:54.78 ID:wJrPjgAO
アスカ「ってぇ、聞きなさいよォ!」

ちびアスカ「あの…アスカ…おねーちゃん」

アスカ「何よ!」

アスカ「何やってもムダなんだからッ」

ちびアスカ・レイ「せぇーのぉ!」

アスカ「!?」





ちびアスカ「ゆ・る・し・てっ?」パチッ


きゅるーん


ちびレイ「てっ?」パチッ


きゅるきゅるーん



アスカ「………!!!!」


937: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:38:38.57 ID:wJrPjgAO
ミサト「でたわね…!必殺『かわいいきめぽーず・らぶりーあたっく☆』!!」

シンジ「……何ですかそれ」

ミサト「私達もね、幾度となくその技の前に倒れてきた。」

日向「どんなに、どんなに叱らなきゃならないと思っても、アレを見ると抱き締めたくなっちゃうんだよ」

青葉「子役のみが身に付けられる伝説の技さ。かつて使えるものは…まいんちゃんただ一人かと思ったが…」

ミサト「……まいんちゃんって誰よ」


938: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:39:07.18 ID:wJrPjgAO
青葉「MHK教育で放映されていた料理番組『クッキンアイドル・アイマイまいん』の主役の女の子です」

青葉「まあ最後の方はその力も急激に劣化しましたけど……」
ミサト「……」ひきっ

青葉「って渚くんが言ってました」




ちびアスカ(ふふふふ……毎晩鏡の前で練習したかいがあったわね!)

ちびレイ(10万人に一人の力、見くびらないで欲しいの。)




アスカ「………」ふるふる


939: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:39:49.51 ID:wJrPjgAO
アスカ「……あんた達…ねぇ」ふるふる

ちびレイ「!」

ちびアスカ「…ま、まさか!?」

アスカ「………そんな、そんな技……」

ちびアスカ「………ッ」

ちびレイ「効かない……なんて」

アスカ「……」






アスカ「可愛いいいいい過ぎるじゃないのよォォオオオォォオオオ!!!!!!」



ガバッ

940: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:40:22.08 ID:wJrPjgAO
ちびアスカ「!?!?」

ひしっ

ぎゅうぎゅうぎゅううううっ

アスカ「ハァァァァァア♪」

ちびアスカ「ぐ……ぐるじい゛がも……」

アスカ「ごめんね。ごめんねッ。私言い過ぎちゃったァァァァァァッ///」


シンジ「あ……アスカ?」

綾波「…アスカが壊れた」

加持「ツッコンでばっかりだったからな…溜まってるんだろう」


941: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:41:18.62 ID:wJrPjgAO
ぎゅうううッ!

ちびアスカ「 」

ちびレイ「…自爆するなんて情けないの。」ニヤリ

ゲンドウ「………」

ちびレイ「?」

ゲンドウ「………」ふるふる

ちびレイ「………」ゾクッ

ゲンドウ「カワイイ…カワイイ……」ふるふる

ゲンドウ「レェェェェェェイィィィィィィッ!!!!!!」ガバッ

ちびレイ「~!?」


942: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:41:48.07 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「カワイイ、可愛い、かわいいぞォォオオオォォオオオ」ハァハァ

ちびレイ「やっ…やー!やー!」

ゲンドウ「ちゅ、チュー、チュー!(;■3■)」ハァハァ


ちびレイ「!?!?!?!?!?!?」




ぶちゅぅぅぅぅっ(はぁと)



ちびレイ「  」


ゲンドウ「可愛い可愛いぞォォオオオォォオオオ」じょりじょり



加持「…勝ったな」

ミサト「……ええ」


944: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:43:25.52 ID:wJrPjgAO
【説明しよう!】
この技はあいてをメロメロにして怒る気力を奪うが、
その分「過剰な愛情」が自分に跳ね返ってきてしまう恐れのある。
まさに諸刃の剣と言えよう!(ナレーション:碇ゲンドウ)


アスカ「♪」

ぎゅううう

ちびアスカ「お、おねーちゃぁんッ」

ゲンドウ「♪♪」

ちゅっ☆ちゅっ☆ちゅっ☆

ちびレイ「   」


ミサト「な、なんつうか、ちびシンジ君が居なくて良かったわね」

シンジ「…何よりです」


945: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:44:17.53 ID:wJrPjgAO
加持「それより、いつになったら撮影始められるんだい?」

マヤ「碇司令がバッチリカメラに入っちゃってるんで…」

綾波「なんか碇司令、赤木博士が居なくなったら途端に一番面倒臭い人間のポジションについたわね。」

シンジ「僕としては…リツコさんより面倒かな…」


946: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:46:51.38 ID:wJrPjgAO
マヤ「それじゃあ始めまーす」

ゲンドウ「……」

ちびレイ「  」ちょこん

マヤ「……碇司令、おひざの上のちびレイ、おろして貰えますか」

ゲンドウ「別に良かろう。映るわけでもなし。」

マヤ「いや…彼女、白眼を剥いてしまってるんで……」

ちびレイ「  」

ゲンドウ「ダメだ」

マヤ「しかし……」

ゲンドウ「♪」

ちびレイ「  」

ちびアスカ(くっ…ちびレイのやつぅ……)


947: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:47:52.66 ID:wJrPjgAO
ミサト「碇司令…完全に調子に乗ってるわね」

マヤ「どうします?」

シンジ「…僕に任せてください」

マヤ「しっ…シンジくんが?」

シンジ「………」スタスタスタスタ


シンジ「……父さん」

ゲンドウ「何だシンジ?お前も父さんのお膝が恋しいか?」ニヤニヤ

シンジ「………」

ゲンドウ「ふふっ。じゃあお前は右側に……」ぽむっ

シンジ「父さん」




シンジ「 母 さ ん よ ぶ よ ? 」


948: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:48:50.83 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「!?!?」

シンジ「……いいの?」

ゲンドウ「えっ」

シンジ「じゃあ…」

ゲンドウ「ま、待てッ!待て、早まるなッ!」

ゲンドウ「そっ…それだけは…それだけはっ!」

ゲンドウ(何だか知らないがきっと殺される…殺されるぞ…)

ユイ「って、もう来ちゃってるんですけどねっ^^」


ウフフフフフフフ……


ゲンドウ「  」



949: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:49:42.54 ID:wJrPjgAO
―――――――

ゲンドウ「……スタート」

ミサト(おそろしく静かになったわよね碇司令)

アスカ(流石はユイママね…)
シンジ「加持さん…。何やってるんですか、こんなところで。」

ミサト(シンちゃんが来たわよアスカ)

アスカ(知ってるわよ)

ミサト(何か帰ってきてから一段と男前よね)

アスカ(………)




950: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:51:15.39 ID:wJrPjgAO
加持「それはこっちのセリフだよ。何やってるんだ、シンジ君は。」

シンジ「僕は、僕はもうエヴァには乗らないから…そう決めたから…」

加持「そうか…アルバイトが公になったんでね。戦闘配置に俺の居場所はなくなったんだ。」
ミサト(……むふっ)

アスカ(ちょっとミサト、我慢しなさいよ)

ミサト(だってリョウジ…wwwwwwww)


951: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:52:00.55 ID:wJrPjgAO
加持「以来ここで水を撒いてる。」

シンジ「こんな時にですか?



加持「シンジ君、俺はここで水を撒くことしかできない。だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。」サワヤカー

加持「誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。」サワヤカー

加持「ま、後悔のないようにな。」キリッ


ゲンドウ「……カット。」

マヤ「お疲れさまです……むふっwwwwwwww」

加持「………」

ちびアスカ「ぷっ…wwwwwwww」
ちびレイ「………wwwwwwww」


952: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:52:26.92 ID:wJrPjgAO
綾波「…フヒッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

一同「フヒヒヒヒヒヒッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「ヒィー!もうダメッwwwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「あれだけカッコイイこと言っても頭頂部はアテランスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

アスカ「ちょwwwwwwwwミサトやめなさいよwwwwwwwwwwwwwwww」
マヤ「さっき来たアテランスの人wwwwwwww裏で爆笑してましたよねwwwwwwwwwwwwwwww」

ユイ「やめてwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

加持「………」


953: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:54:07.39 ID:wJrPjgAO
…スタスタ

アスカ「ほらあwwwwwwww折角立ち直ったのにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


加持「……」どよんど

シンジ「あの、大丈夫ですか?」

加持「……ああ。確かに滑稽だよな。この髪型であのセリフは…ははっ」

加持「シンジくんは…笑わなくていいのかい?」

シンジ「僕は…あんまり……人を笑うなんてこと……」

ゲンドウ「………」

シンジ「って…なんでここに父さんが?」


954: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:54:46.90 ID:wJrPjgAO
ミサト「シンジくんシンジくんこっちむいて」

シンジ「?」





ミサト「アテランスは誰でしょうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」





綾波「……んふっwwwwwwwwwwwwwwww」プルプル

アスカ「もうwwwwwwwwwwwwwwwwダメwwwwwwwwダメっwwwwwwww」
ユイ「ふふふっwwwwwwwwwwwwwwww」

加持「……」


955: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:55:25.59 ID:wJrPjgAO
シンジ「加持さん…僕、分かったことがあります」

加持「…なんだい」

シンジ「リツコさんのお陰で色々とバランス、取れてたんじゃないのかなって」

加持「…こんなにリッちゃんが待ち遠しいのは初めてかも知れない。」

ゲンドウ「…人には必ず役割があるものだ。シンジ。」

シンジ「……うん」

綾波「フヒヒヒヒヒwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ミサト「ヒクッwwwwwwwwンヘッwwwwwwww」

アスカ「オヒュッヘッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



956: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:55:58.19 ID:wJrPjgAO
ネルフ・格納庫

ミサト「あーあ、すっかり初号機もホコリ被っちゃってる」

マヤ「最近出撃してないですからね」

ミサト「だからって掃除くらいしなさいよ…」

加持「君が言うと説得力0だがなww」

ミサト「こちとらまだ笑い足りてないのよね」にこにこ

加持「……スイマセン」


957: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:56:40.87 ID:wJrPjgAO
マヤ「じゃあ初号機起動してくださーい」

職員「おーっ!」

ゲンドウ「あれは何だ。伊吹君。」

マヤ「ダミープラグです。」

マヤ「…といっても本物ではなくエントリープラグに形とデザインを似せたものです。」

綾波「『REI』って書いてあるわね」

マヤ「前回の3号機のトラブルは碇司令が初号機に搭載してた『ダミープラグの仕業』ってことになったの。」

アスカ「……まんまね」

マヤ「設定的にレイの人格を移植したことになってる…詳しくは私も良くわからないんだけどね」

マヤ「で、このプラグだけどレプリカなので当然初号機はエントリーを拒否する。」

マヤ「それを利用したシーン…だそうです」

ゲンドウ「初号機の中にユイがコアとして入っている…か」


958: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:57:39.62 ID:wJrPjgAO
アスカ「エヴァのコアに人間の魂を閉じ込めるなんてキチガイ染みてるわね」

綾波「エヴァには心があるもの。わざわざヒトの魂を入れる必要、ないものね。」

アスカ「そうよ。それにわざわざ私達がエヴァに取り込まれないように努力してるってーのにさぁ。」

マヤ「設定としてはユイさんが自らエヴァに取り込まれた…と」

ゲンドウ「死んだ…というより初号機と同化したのか」

マヤ「ドラマの世界ではエヴァのコアに人間の魂を入れなければいけない…と言った設定でして。ただし例外はありますが。」

青葉「まさかネルフの技術をそのまま垂れ流す訳にも行きませんからね」

アスカ「しかしどうもこう…ピースがはまらない感がするのよね」

マヤ「逆にそれが受けてるんですよ。謎を含んだまま、自らで補完する余地のある作品だと。」

ミサト「随分視聴者まかせな気もするけどね…」


959: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:58:12.00 ID:wJrPjgAO
日向「初号機スタンバイ、完了しました」

マヤ「了解。起動準備始めてください」

ミサト「マヤちゃん、大分しっかりしてるわね」

アスカ「いつリツコが死んでも大丈夫ねww」

マヤ「やですよっ。センパイが死んじゃうなんて…」

MAGI『マヤさんはリツコおねーさんが大好きなんですね♪』

マヤ「えっ…///」

マヤ「…うん///」

MAGI『なんか嬉しいです(´∀`)』

MAGI『私もだぁい好きですよっ♪』

ミサト(まだその辺に関しては学習してないのね、MAGI)

アスカ(持ち主が持ち主だから…)

綾波(…なるほど)


960: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:58:45.06 ID:wJrPjgAO
ゲンドウ「続けろ。もう一度108からやり直せ。」

タッタッタッタッ…

シンジ「乗せてください!」

ゲンドウ「!」

シンジ「僕を、僕をこの初号機に乗せてください!」

シンジ「父さん…」

ゲンドウ「なぜここにいる。」

シンジ「僕は…僕はエヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジです!」

マヤ「カットー」

ちびアスカ「…はあ///(はぁと)」

アスカ「何か妙に熱い展開ね」


961: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 02:59:22.33 ID:wJrPjgAO
綾波「でもあんなにクールに出迎える碇司令なんて考えられないわ」

アスカ「シンジのあばら、二本は折れてそうなもんよねww」

ミサト「シンジくんお疲れ様」

シンジ「…」

ミサト「どしたの?」

シンジ「…僕、リツコさんにどこまで見られてるんだろう」

962: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:00:11.79 ID:wJrPjgAO
ミサト「さて、この後のシーンだけども」

ミサト「リツコがいないからレイのシンクロ失敗のとこ撮れないし、戦闘シーンが先か」

マヤ「……困りましたね。本には『撮るときのテンションで』としか書いてなくて。」

ミサト「…なんじゃそら」

アスカ「良くわかんないけど、とりまぁ、撮っちゃうしかないんじゃないの?」

ミサト「そうね。一回撮ってみてそれから修正してもいいし…」

マヤ「とりあえず着ぐるみですね。碇司令、初号機お願いします」

ゲンドウ「……また私か。」


963: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:00:44.33 ID:wJrPjgAO
マヤ「何だかんだで一番中に入られてるのは碇司令ですし。…今回はアクションも大分ありますのでシンジくんが入るのは反対されるかと思いまして。」

ゲンドウ「それもそうだな。分かった。」

ピピッ

マヤ「MAGI、初号機の着ぐるみを倉庫から運んで来るよう、地下にいる職員に頼んでくれない?」

MAGI『(`・ω・´)ゞ』

MAGI『現在、地下のコンピュータと通信中です』

MAGI『……あれっ』

ゲンドウ「どうしたMAGI?」

MAGI『初号機の着ぐるみが貸し出されてる…?』

マヤ「貸出し?一体誰が…」



964: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:01:39.81 ID:wJrPjgAO

「……ふふふふふ」



一同「!?」



「お前達、そんな男のちんけなアクションより私のアクションの方がカッコイイぞッ」バーンッ!


ミサト「…誰よスポットライト当ててるの」

ゲンドウ「……まさか」


「おじちゃんが見本を見せてやるッッ!」



965: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:02:22.80 ID:wJrPjgAO
初号機「……」シュバッ

初号機「………」バッバッ!バッ!

初号機「……」シュ!シュ!シュ!

初号機「……」ビシッ!ビシッ!

ゲンドウ「~~ッ!」

(※某まゆたんのカンフーをご想像下さい)

シンジ「…なんか初号機の前で初号機が凄く張り切ってますけど」

ちびアスカ「なにあのへんてこなおどり」


966: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:03:11.82 ID:wJrPjgAO
初号機「ど…どうかね、ゴホッ中国4000年のゴホッ動きは」ハァハァ

ミサト「何?副司令どうしちゃったの?」

マヤ「青葉さんの影響です。」

マヤ「…カンフーと中国拳法が混ざってますけど」

初号機「ふふふふふ…ガハッ…バ、バレてしまってはゴホッ仕方あるま…ゼェハァ」ハァハァ

初号機(冬月)「…そうだ。私だyオォォオオオォォオオオエッ」ゼェハァハァハァ

マヤ「副司令!まずは砂糖水をッ…!」

初号機(冬月)「…そこは普通にお茶をくれんかね」



967: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:03:48.37 ID:wJrPjgAO
ゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ

冬月「………ゴフッ」

初号機(冬月)「と、とにかくだ。」

初号機(冬月)「初号機には私が乗る」

初号機(冬月)(碇をぶちのめしてやる…!)ニヤリ

マヤ「…別に構いませんが」

ゲンドウ「待て!」ガサゴソガサゴソ

初号機(ゲンドウ)「途中からしゃしゃり出てくるな。私が初号機に乗るはずだったのだぞ。」

初号機(冬月)「お前こそ待て!何を勝手に着替えているのかね?」

初号機(ゲンドウ)「私が初号機だ」

初号機(冬月)「いや私が初号機だ!」



968: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:05:22.29 ID:wJrPjgAO
初号機(冬月)「………」
初号機(ゲンドウ)「………」



ウオォォオオオォォオオオォォォオオオォォオオオ!!!



ミサト「まぁた始まった」

綾波「初号機の前で初号機と初号機が揉めてる」

シンジ「…なんて言うか凄い光景だよね」


970: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:05:56.01 ID:wJrPjgAO
マヤ「!」ピコーン

マヤ「ひらめきましたっ!」

ミサト「…」

マヤ「ゼルエルが初号機に化けて初号機と戦うッ!!…なんてどうですか?」

綾波「……なんの為に?」

マヤ「…えっ」

マヤ「えっと…特撮によくあるケースだし…」

綾波「だからなんの為に」

マヤ「え、絵面的にバーンって!迫力あるじゃあないですかっ!」

アスカ「…ラジコンとは別に作ったゼルエルの着ぐるみが無駄になっちゃっても?」

マヤ「でも…!」

ミサト「没ね。折角作ったのにもったいないもの。」

マヤ(…もったいないオバケ共め)

971: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:07:58.75 ID:wJrPjgAO
ビシッ!バシッ!パチンッ!ヌルッ!ガシッ!ペチッ!


ミサト「とにかく、地下の作業が長引いてるみたいだしヒトが足りないのよ。」

ミサト「こんなとこで怪我されちゃ……」

シンジ「………」スッ

ミサト「……シンジくん」


ウオォォオオオォォオオオ!!ウオッ!ウオッ!ウオッ!


シンジ「父さん…」

初号機(ゲンドウ)「シンジ!下がっていろッッ!!!」アチョー

シンジ「……母さん呼ぶよ」

初号機(ゲンドウ)「構わん!これは男の戰いだッッッッ!」ホォワチャァー

アスカ「あ、あの言葉が使えないなんて…!」

綾波「司令と副司令の目、マジだもの」


972: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:09:04.83 ID:wJrPjgAO
ミサト「まずい…まずいわよぉ!折角リツコがいないのよ!まともな方向に戻すチャンスなのに…」

綾波「何とかして止めなきゃ…」

アスカ「シンジ!」

シンジ「って言われても…」

アスカ「他にないの?なっさけないわね!まるで教師にチクるしか能のない小学生じゃんっ!!」

シンジ「じゃ、じゃあアスカが考えてよ!」

アスカ「な、なんで私が!」

シンジ「どうせ思い付かないだろうけど」

アスカ「ぐっ……」


973: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:09:35.69 ID:wJrPjgAO
アスカ(……考えろ、考えるのよアスカ…!)

アスカ(あの二人を上手く納めるナイスでAm bestenな方法を)

アスカ(…結局二人はユイママのことで揉めてるのよね)

アスカ(言葉がダメならユイママ本人が…)

アスカ(でもさっきみたいにタイミングよく現れてくれるかなんて分かんないし…)

アスカ「……」ジッ

シンジ「?」

ミサト「どう、アスカ?」

アスカ「いーい方法が浮かんだわ」ニヤリッ


974: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 03:11:04.79 ID:wJrPjgAO
ミサト「ホントに!?」

アスカ「ちょっと耳貸して、ミサト、レイ、マヤ」

かくかくしかじか

シンジ「?????」

ミサト「な」

綾波「る」

マヤ「ほ」

アスカ「…どう?」

ミサト・綾波・マヤ「………」ニヤッ


シンジ「……!」ブルッ



985: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 12:58:10.41 ID:wJrPjgAO
ミサト「総員特殊戦闘配置!」

ミサト「碇シンジを拘束。及び司令室へ連行!!」

職員一同「了解!」

シンジ「えっえっえっ」ガシッ

職員一同「……」ニヤリ

シンジ「な、なにするんですかあ!」ジタバタ

ミサト「子供の駄々に付き合ってる暇はないわ。担いでも運びこみなさい」

職員一同「そおーれえ!」

シンジ「うわああああああああああああああ!!!!!」

986: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:02:15.55 ID:wJrPjgAO
10分後


初号機(ゲンドウ)「………」ハァハァ

初号機(冬月)「………」ハァハァ

初号機(ゲンドウ)「か…次で決まりだッッ!」

初号機(冬月)「何を……お前こそ終りだッッ!!!!」


ゲンドウ・冬月「覇ッッッッッッッッッッッッッ!!」



「待って………!」





ゲンドウ・冬月「!?」



「もう…やめてくださいっ」




初号機(ゲンドウ)「き……」

初号機(冬月)「君は……」




シンジ「げ…ゲンドウさん♪冬月せんせい♪」ウインクッ☆

きゅるるるるるるるるるんっ


987: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:03:08.05 ID:wJrPjgAO
加持「こりゃすごい……」

ちびアスカ「すごい…すごいわ…」

ちびレイ「私たちの『必殺かわいいぽーず・らぶりーあたっく☆』なんてくらべものにならないハカイりょく…」

綾波「カツラ被せて白衣着せただけなのにあり得ないほどユイさんにそっくりね…」

アスカ(か…かわいいっ///)

ミサト「女装をしたシンジくん。一見シンプルに見えるけど破壊力抜群よ!」

マヤ「そりゃそうですよ。あの女装したシンジくん…シンコちゃんにはあらゆる要素が詰まっているんですからっ!」

シンジ「し……シンコ?」こまりっ

ミサト(顎に手を置くなんて…)

アスカ(本気で目を潤ませるなんて…)

綾波(…目線をはずしてるなんて)

一同(かァァァァァァわァァァァァァいィィィィィィいィィィィィィ!!!!!!!)


988: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:03:50.81 ID:wJrPjgAO
初号機(ゲンドウ)「………」

初号機(冬月)「………」

マヤ「初号機、活動停止しました!」

アスカ「…さっきまで喧嘩してた二人が…おとなしくなった?」

ミサト「さすがね…シンジくん…いや、シンコちゃんっ!」

綾波「シンコちゃんのお陰でネルフの平和は保たれたわ」

シンジ「おっ…大袈裟だよ!」

ミサト「SHI☆N☆KO!」


シンジ「ちょっ…ミサトさぁん……」


マヤ「SHI☆N☆KO!」

青葉「SHI☆N☆KO!」

日向「SHI☆N☆KO!」

アスカ「SHI☆N☆KO!」

綾波「SHI☆N☆KO!」

一同「SHI☆N☆KO!」

シンジ「ちょ…みんなぁ……」

一同(困ってる姿もカァァァァァァイィィィィィィ!!!!!)



989: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:05:23.46 ID:wJrPjgAO
初号機(ゲンドウ)「………」ハァハァ

初号機(冬月)「………」ハァハァハァハァ


マヤ「初号機…再起動しました!」

ミサト「そんな…まさか」

初号機(ゲンドウ)「……ユイト…シンジデ……シンコ…」ハァハァ

初号機(冬月)「ユイクン……ウツクシ……スキダ」ハァハァ

ゆらり

シンジ「えっ…とっ…父さん?副司令?」

初号機(ゲンドウ・冬月)「ウオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオ」


ミサト「まさか……暴走!?」



ガバッ




初号機(ゲンドウ)「シンコォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオ!!!!」

初号機(冬月)「チュ……ちゅっ…チュッ…チュウウウウウウウウウウウウ!!!!!!」

シンジ「うっ…うわああああああああああっ!?」


990: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:07:06.87 ID:wJrPjgAO
青葉「両機…完全に理性を失っています!」

ミサト「解決方法は!?」

マヤ「解析できませんっ!」

MAGI『お手上げです…(´;ω;`)』

初号機(ゲンドウ)「シンコ……」ゆらり

初号機(冬月)「シンコクン………」ゆらり

シンジ「こっ来ないでっ…!来ないでよぉ!」ぶんばぶんばっ

アスカ(やだ……追い詰められてるトコもまた…///)

綾波(止めなきゃいけないのに……)

一同(身体が動かない…!)

シンジ「やだ……やだぁ……」
ガタッ

シンジ「!?」

初号機(ゲンドウ)「シンコ……」ぎゅっ

初号機(冬月)「ツ・カ・マ・エ・タ」ニヤリ

シンジ「!?」

初号機(ゲンドウ・冬月)「チュウウウウウウウウウウウウ………」むちゅー

アスカ(だ……だめぇぇぇ!!!!!!!!)

綾波(だめなの!だめなのっ!!)

アスカ(なんとか…止めなきゃだけど…なんか胸が……)

綾波(どうしよう…追い詰められられてる碇k……シンコちゃんをみてると……)




アスカ・綾波(ぽかぽかする…)


992: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:13:29.15 ID:wJrPjgAO
シンジ「そんな心の声はいいですから助けてくださいよおっ!」

初号機(ゲンドウ・冬月)「チュウウウウウウウウウウウウ」ムチュー

日向「でも…よく考えたら着ぐるみごしだしいいんじゃないか?」

シンジ「初号機ごしでも嫌ですよっ!

シンジ「うわあああああああああああああ」


ちゅっ☆

シンジ「………」

初号機(ゲンドウ)「………」ムチュー

初号機(冬月)「………」ムチュー


ユイ「あなた、冬月先生と随分仲のよろしいことで」

シンジ「……ん?」

一同「……!」


チュウウウウウウウウウウウウ

初号機(ゲンドウ)「!」

ちゅっ☆

初号機(冬月)「!」

シンジ「とっ……父さん?」

ゲンドウ・冬月「オエエエエエエェェェェェェェェェェェェ」

ミサト「まさか…とっさに頭の向きを変えたっていうの…?」


ゲンドウ「  」
冬月「   」




ユイ「^^」

993: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:14:40.40 ID:wJrPjgAO
ネルフ・自販機前

加持「一件落着だね、シンジくん」

シンジ「……もう人事だと思って」

加持「しっかしホントに可愛いなぁ」

加持「どうだい?たまにはデートでも」

シンジ「……僕、男ですよ」

加持「ノープロブレム。愛に性別は関係ないさ……」スッ

シンジ「!?」

シンジ「アッーーーーーーー!」


994: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:16:12.12 ID:wJrPjgAO
スッ



加持「冗談だよ。ほれ。」

シンジ「こ…コーヒー…」

シンジ「ありがとうございます…」

加持「そんなことしたら彼女らが黙っちゃいない」

綾波「………」ジーッ

アスカ「………」ジーッ

シンジ「うわぁ!?」


こっそり

マヤ「…撮れてますか」

青葉「え…あ……うん」

マヤ「ふふふ…これで腐れ共も取り込めるわ!!!!!」

青葉(なんかマヤちゃん…赤木博士に近づいて来たような)



ちなみにこのシーンはカットされ、数年越しに使われる…と言うのはまた別のお話

995: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:18:37.36 ID:wJrPjgAO
ネルフ・体育館

マヤ「それではー、撮影を再開します」

アスカ「しかし思ったより時間掛かったわね」

シンジ「なんか…リツコさんがいる時の方がマシだったような気がします」

加持「リッちゃんは強烈な個性の持ち主だからな。逆に言えばそのお陰で皆、ちゃんとした大人を保っていた部分もある。」

ゼルエル(ゲンドウ)「……」うぷっ

加持「随分とアンニュイなご様子ですが、司令。」

ゼルエル(ゲンドウ)「……後悔はしていない」


996: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:20:35.30 ID:wJrPjgAO
マヤ「じゃあ配置についてくださいー」

マヤ「ええっと…それじゃあここからアドリブってことなんで…ながれで…」

初号機(冬月)「碇よ、今日こそぶちのめしてくれるわ!」

ゼルエル(ゲンドウ)「返り討ちにしてやる」

マヤ「…あの、司令。返り討ちにされては撮影上困るのですが」

ユイ「また私は戻りますけど、二人共、ほどほどにしてくださいね?」

アスカ「あの二人、まるで反省の色なしね」

シンジ「総司令として立ち直りが早いのは頼もしい限りなんだけどね…」

ミサト「じゃあスタート」



ゴゴゴゴゴゴ…



初号機(冬月)「ウオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオ」

ゼルエル(ゲンドウ)「ウオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオ」

初号機(冬月)「………」スッ

ゼルエル(ゲンドウ)「!?」

コケッ

アスカ「しょ、初号機…足を出してゼルエルをわざと引っ掛けたわよ」

綾波「卑怯ね」


997: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:21:26.06 ID:wJrPjgAO
ゼルエル(ゲンドウ)「ぐっ……」

初号機(冬月)「………」ニヤッ


ガスッ!ガシッ!ガスッ!

ゼルエル(ゲンドウ)「ンヘッ!」


シンジ「タコ殴り状態ですね」

ミサト「カット!カット!カット!」

初号機(冬月)「…なんだね。折角良いところだったのに」

マヤ「これじゃあまるでチンピラですっ!」

マヤ「副司令、とりあえずエヴァは地球を守る正義の味方なんです。そんなチンピラみたいな倒し方……」

冬月「先週よりかは大分マシだったろうに」

マヤ「カッコよさがあれば多少残酷でも良しとします」

マヤ「今回は『男の戰い』、カッコよさがテーマなんですから!そんなチンピラみたいな勝ち方したって何か惨めなだけです!」

マヤ「むしろゼルエルにみんな同情しちゃいますからっ」

ミサト「確かにチンピラみたいなヒーロー……嫌よね」

青葉「そうですよね。真っ赤に燃える川崎のチンピラ天体戦士みたいなヒーローなんて嫌ですよね」

アスカ「…なんか随分局所的ね」



998: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:22:47.53 ID:wJrPjgAO
テイク4

初号機(冬月)「  」

ゼルエル(ゲンドウ)「………勝ったな」ハァハァ

ミサト「………カット」

マヤ「もぉ!ダメじゃないですか司令!副司令に勝っちゃあ!」

綾波「…サードインパクト一直線ね」

初号機(冬月)「………」

加持「それにしても見事なキン肉バスターでしたね」

ゲンドウ「加持君よ、キン肉バスターはキン肉マンがかけるからキン肉バスターなのだ。この場合ゼルエルバスターもしくはゲンドウバスターと…」

マヤ「そんなのどうだっていいです!なんで最強の拒絶タイプがバスターを使うんですかぁ!」

マヤ「こんなの放映出来ませんっ!エヴァが崩壊するどころかお叱りを受けてしまいます!」

アスカ「…まさかこんなにアクションシーンに手こずるとは思わなかったわ」

ミサト「いつも何だかんだで、ほぼ一発だったから…」



999: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:23:26.46 ID:wJrPjgAO
マヤ「次こそお願いしますよ!ゼルエルの登場シーンから、スタート!」

ゼルエル(ゲンドウ)「……」ガシャーン

ゼルエル(ゲンドウ)「………」キラッ

初号機(冬月)「ウォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオォォオオオ!!!!!!」ガッ

ゼルエル(ゲンドウ)「!」


グググググググ……

ゼルエル(ゲンドウ)「………」ズゴッ

初号機(冬月)「!?」

冬月「しょ、初号機の腕が……取れた?」

初号機(冬月)「碇!危ないではないか!とっさに引っ込めたから良かったものの…!」

ゼルエル(ゲンドウ)「……昨日、救護室を調べた」

初号機(冬月)「!」

ゼルエル(ゲンドウ)「隠しカメラがあった。……ちなみにそれの接続元は司令室だったよ。」

初号機(冬月)「………」ズゴッ

ゼルエル(ゲンドウ)「!」

初号機(冬月)「………」グググググググ

マヤ「な、なんかいい感じになってきました…!」

綾波「まさに男の戰いね」


1000: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/07(水) 13:24:04.75 ID:wJrPjgAO
ミサト「しかし、このままじゃセットがダメになるわ…」

ミサト「ここよりかは広い新設した二階のセットに上げて!」

ブシュッ


アスカ「射出口…動くんだ」

マヤ「知らなかった?いちいち発進の撮影の度にエヴァを動かす訳にもいかないのよ」

ミサト「発進させるだけでも色々うるさいしね」

ガガガガガガガガガ!

初号機(冬月)「そうだ!盗撮したさ!私はそれくらいユイ君が好きだ!」

初号機(冬月)「お前が……私からユイ君を奪い、独り占めにしおって!」

バッ

ガスッ!ガスッ!ガスッ!

初号機(冬月)「私が!私が……!」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!

初号機(冬月)「ユイ君の父親とは古い友人でな。16の時から知っていたのに……」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!

初号機(冬月)「なぜ……なぜお前なんだ」ぶわっ

ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!

初号機(冬月)「なぜ……」