1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 14:35:39 ID:k9rYXSgg

ナルト「そろそろヒナタと結婚して二ヶ月だってばよ」

の続きです。今回はほのぼのだけにします。
gdgdしないように頑張ります。

引用元: ナルト「そろそろヒナタと結婚して一年だってばよ」 

 

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 14:39:50 ID:k9rYXSgg
サスケ「ヒナタはどうなんだ?」

ナルト「一応予定日近いし、うちに居るってばよ」

ナルト「入院は嫌なんだってさ」

サスケ「ま、元気ならいいんじゃねぇか?」

ナルト「連絡用にガマの子供達をおいて来てるから、心配ないとは思うけどな」

サスケ「…お前、術の使い方小慣れすぎだろ」

ナルト「そうか?」

ナルト「まあ、分身も結構便利だしなー」

サスケ(つーか、まるっきり小学生の発想力だからな、こいつは)

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 14:43:59 ID:k9rYXSgg
サスケ「んで?前も言ったかもしれねぇが、こんなところで油売ってていいのかよ?」

ナルト「いやー、テンテンがうちに来ててさ」

ナルト「女同士の話があるって追い出されたんだってばよ…」

サスケ「…なるほどな」

サスケ「ま、暇なら少し相手してけよ」つ将棋

ナルト「えー?俺そういうの苦手だってばよ」

サスケ「ルールくらい知ってんだろ」

サスケ「オレはシカマルに一泡吹かせたいんだよ」

ナルト「そんなの無理に決まってるだろー?」

サスケ「やってみなけりゃわかんねぇだろ、ほら、お前から打っていいから」

ナルト「はあ、しょーがねーってばよ…」パチッ

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 14:49:55 ID:k9rYXSgg
~ナルトの家~

テンテン「はい、ヒナタ、洗い物終わったよー」

ヒナタ「ありがとう、テンテン」

ヒナタ「ごめんね?いろいろ手伝ってもらっちゃって…」

テンテン「いーのいーの、あたしがやりたくてやってるんだからさ」

テンテン「カレンダーの花マル、あの日が予定日?」

ヒナタ「うん、今からちょっと楽しみ」

テンテン「…怖くないの?」

ヒナタ「ううん、そりゃあ痛いって聞くし、母親になるって実感もまだ湧かないけど」

ヒナタ「それよりも、私とナルトの子供に会いたい気持ちの方が強いかなぁ」ナデナデ

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 14:55:42 ID:k9rYXSgg
テンテン「そう言えば、花マルって前のカレンダーにも付いてなかった?」

ヒナタ「あ、あれは…」

テンテン「何かあるの?」

ヒナタ「…その、周期を…」

テンテン「周期?」

ヒナタ「う、うん、出来そうな日に印をつけておいたの…」////

テンテン「あ、ああ、なるほど…」////

ヒナタ「ナルトには内緒だよ?」

テンテン「もう覚えてないんじゃない?」

ヒナタ「それでも!」

テンテン「わ、分かったから落ち着いて」

テンテン「胎教に良くないよ?」

ヒナタ「そ、そっか…」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 15:00:30 ID:k9rYXSgg
テンテン「ねぇ、お腹触ってもいい?」

ヒナタ「うん、いいよ」

テンテン「…この中に赤ちゃんがいるんだねー」ナデナデ

ヒナタ「蹴られる感覚はびっくりしちゃった」

テンテン「…あたしもいつかお母さんになるのかな?」

ヒナタ「キバくんとはどうなの?あれから」

テンテン「べ、別にいつもと変わらないよ?」

テンテン「…でも変わらな過ぎるっていうかさ」

テンテン「こっちから行動起こさないとなのかなー」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 15:04:36 ID:k9rYXSgg
ヒナタ「まあ、あの後キバくんも砂の招致で居なかったりしたじゃない」

テンテン「でも、そろそろ帰って来て二ヶ月くらいだよ?」

テンテン「何かあるかと思ってたのになー」

ヒナタ(待たされていたせいか、割と素直に自分の気持ちを言うようになってるな…)

ヒナタ「せっかくお料理の練習、一緒にしたんだから」

ヒナタ「今度お弁当でも作ってあげれば?」

テンテン「えー?急に持って行ったら、変な子だと思われないかな?」

ヒナタ「きっと喜んでくれるよ」

テンテン「そ、そうかな…」////

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/30(火) 15:19:40 ID:k9rYXSgg
テンテン「よし、今度持って行ってみようかな」

ヒナタ「うん、応援してるからね」

テンテン「ありがとう、ヒナタ!」

テンテン「へへっ、なんか楽しくなってきたなー」

テンテン「早く赤ちゃん産まれないかな?」

ヒナタ「急にどうしたの?」

テンテン「だってー、あたし赤ちゃんを抱っこしたこと無いんだよー」

テンテン「よこーえんしゅーってやつ」

ヒナタ「ふふふ、まだ気が早いんじゃない?」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/31(水) 02:11:20 ID:DpoZPh1w
ナルト「ただいまー」

テンテン「あ、ナルトが帰ってきたよ、ヒナタ」

ヒナタ「お帰りなさい、あなた」

ナルト「な、なんかその呼び方、まだなれねーってばよ…」ポリポリ

テンテン「そーなの?」

ヒナタ「お父さんって呼んだら、すごく嫌がるんだもの」

ナルト「ううっ、すまねえ」

テンテン「子供ができるって大変なんだねー」

ヒナタ「まあ、香燐さんのところみたいに、特に変えていない人も多いとは思うんだけどね」

ナルト「ヒナタは気分を楽しみたいだけなんだってばよ」

ヒナタ「何か言った?お父さん?」

ナルト「うわああああ、やめてくれぇえええ」

テンテン(なんだかんだ言って仲いいよなあ、この二人)

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/31(水) 02:38:20 ID:DpoZPh1w
テンテン「そういえば、二人の馴れ初めって聞いたことないなぁ…」

ヒナタ「ん?聞きたい?」

テンテン「え?教えてくれるの?」キラキラ

ナルト「お、俺は向こうで仕事してくるってばよ…」

テンテン「あ、ナルト!」

ヒナタ「いいの、恥ずかしがっているだけだから」

テンテン「そんな話なの?」

ヒナタ「ナルトにとっては、ね?」

テンテン「聞かせて聞かせて?」

ヒナタ「あれは…」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/10/31(水) 03:02:40 ID:DpoZPh1w
ヒナタ「どこから話せばいいかな?」

ヒナタ「私たちが付き合いだしたのって、二年前くらいからなの」

テンテン「そうだっけ?いつの間にか付き合っていたような…」

ヒナタ「ナルトも私も、ちょっと照れちゃってね…」

ヒナタ「しばらく隠していたんだけど」

ヒナタ「香燐さんがバラしちゃったの」

テンテン「ああ、なるほど」

テンテン「でも、意外、もっと長く付き合ってるかと思った」

ヒナタ「そうかな?」

ヒナタ「まあ、確かに私とナルトの性格からすれば、もう少し長く付きあっていたかも」

ヒナタ「でも、お父さんたちが強引にね」

テンテン「ああ、結婚式の時も…」

ヒナタ「じゃあ、その話も含めて、教えてあげる」

テンテン「うん、しっかり聞く!」ペタン

ヒナタ「ふふふっ」

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 01:54:57 ID:q.02gdfc
~二年前ナルトの家~

ヒナタ「な、ナルトくん、いる?」

ナルト「おお、ヒナタ、また来てくれたのか」

ヒナタ「う、うん、時間、あったし…」

ナルト「入ってくれってばよ、この前掃除してもらったおかげで、だいぶ綺麗だからさ」

ヒナタ「お、お邪魔しまーす」

ナルト「そんなにかしこまらなくても、ほかに誰も居ないってばよ」

ヒナタ「い、一応言っておかないと…」

ナルト「ははっ、ヒナタは真面目だなぁ」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 02:19:59 ID:q.02gdfc
ナルト「ほい、お茶」コトッ

ヒナタ「あ、ありがとう」

ナルト「わざわざ様子を見に来てくれてんのはヒナタだろ?」

ナルト「お礼を言うのはこっちだってばよ」

ヒナタ「今は何をしていたの?」

ナルト「綱手のばー、おっと、五代目火影様、の手伝い」ペラペラ

ナルト「俺ってば、こういうの苦手だからさ」

ヒナタ「て、手伝うよ」

ナルト「へへっ、助かるってばよ」

ヒナタ「ううん、私がしたくてしていることだから…」

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 02:34:01 ID:q.02gdfc
ナルト「ふう、やっと終わった…」

ヒナタ「結構量があったね…」

ナルト「助かったってばよ、ヒナタ」

ナルト「今度、お礼するからな」

ヒナタ「お、お礼なんていいよ…」

ナルト「何もないのか?」

ヒナタ「え、いや、あの…」

ナルト「何でもいいってばよ」

ヒナタ「じゃ、じゃあ」

ヒナタ「こ、今度、一緒に遊びに行かない?」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 02:47:24 ID:q.02gdfc
ナルト「え?それだけでいいのか?」

ヒナタ「そ、それだけって…」

ナルト「そんなの、いつでも言ってくれれば付き合うってばよ」

ヒナタ「…そうなの?」

ナルト「もちろんだってばよ」

ナルト「それで?予定とかは決めてんのか?」

ヒナタ「ううん、全然…」

ナルト「そっか、んじゃあ遊びじゃないかもしれねえけど」

ナルト「ちょっと外に行ってみないか?」

ヒナタ「里の?」

ナルト「ああ、◯◯仙人に教えてもらった、いい場所があるんだってばよ」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 02:54:38 ID:q.02gdfc
ヒナタ「いい場所って、何が?」

ナルト「当日までは秘密だってばよ」

ナルト「週末でいいんだろ?」

ヒナタ「う、うん」

ナルト「なら、迎えに行くってばよ」

ヒナタ「え、でも」

ナルト「いーから、この話は終わり」

ヒナタ「そう?ナルトくんがそう言うなら…」

ナルト(ん?そういえば、◯◯仙人が何か言ってたような…)

ナルト(ま、いいか、大したことじゃなかったんだってばよ)

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 03:03:07 ID:q.02gdfc
ヒナタ「そういえば、ネジ兄さんが手合わせしたいって」

ナルト「えー?あいつ容赦ないからなぁ…」

ヒナタ「ネジ兄さん、ナルトくんと戦うのが楽しいみたいで」

ナルト「うーん、まあそのうちまた、な」

ヒナタ「わかった、伝えておくね」

ナルト「…あ!!そういえばこれ」ゴソゴソ

ヒナタ「?」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 03:19:07 ID:q.02gdfc
ナルト「日向に伝達の書類があるの忘れてたってばよ」

ヒナタ「私が持っていこうか?」

ナルト「いや、一応任されごとだし」

ナルト「ヒナタ、早速お前の家に行くってばよ!」

ヒナタ「そ、そんなに急がなくても…」

ナルト「早くしないと、期限に間に合わなくなるってばよ…」

ヒナタ「そ、そうなの?」

ナルト「ああ、結構前のやつだし…」

ヒナタ「それなら、早く行かないと、かな?」

ナルト「ああ、いま準備するってばよ」

ヒナタ(ナルトくんが家に、かぁ)

ヒナタ(…大丈夫、だよね?)

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 14:46:30 ID:rY/LqT9s
ヒナタ「ただいまー」

ネジ「おや、ヒナタ様、今日はナルトの所に行かれたのでは…」

ナルト「おっす、ネジ、俺もいるってばよ」

ネジ「ナルト!」

ナルト「あー、手合わせはまた今度な、今日は別に用事があるから…」

ネジ「構わんさ、ヒアシ様に面会か?」

ナルト「ああ、取り次ぎ頼めるか?」

ネジ「承った、ヒナタ様はどうされますか?」

ヒナタ「私もナルトくんと一緒に行くから…」

ネジ「分かりました、しばしお待ちを」タタタ

ナルト「ネジも丸くなったってばよ」

ヒナタ「うん、昔みたいに怖くなくなったから」

ナルト「…平和って、いいなー」

ヒナタ「そうだね…」

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 14:54:10 ID:rY/LqT9s
ヒアシ「…それでは、日向を代表して、了承したと伝えてくれ、ナルトくん」

ナルト「分かったってば…っと、分かりましたってばよ」

ヒナタ「な、ナルトくん、変な言葉遣いになってるよ」

ヒアシ「ははは、そう畏まることもなかろう、君は次期火影なのだから」

ナルト「へ、へへ、ごめんなさいってばよ…」

ヒアシ「せっかく来て貰ったんだ、ゆっくりしていきたまえ」

ヒアシ「ヒナタ、お部屋に案内してあげたらどうだ?」

ヒナタ「え?お、お父さん、それは…」

ナルト「そう言えば、ヒナタの部屋って見たことないってばよ」

ヒアシ「ほら、ナルトくんもこう言っている」

ヒナタ「もうっ!ナルトくんまで!」

ナルト「ははっ悪い悪い」

ヒアシ「私はまた公務に戻る、しっかりもてなすのだぞ」ポンッ

ヒナタ「は、はい、分かりました!」

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 15:01:38 ID:rY/LqT9s
ヒアシ(こんな調子で、本当にナルトくんをモノにできるのか?)

ヒナタ(お、お父さんは余計なこと言わないで!)

ヒアシ「はっはっは、それではな」

ナルト「…ヒアシさんも、だいぶ変わったってばよ」

ヒナタ「もう、知らない」プイッ

ナルト(なんか、子供っぽいヒナタって、可愛いな…)ドキッ

ナルト(っと、何考えてるんだってばよ、俺は)ブンブン

ヒナタ「ん?どうかした?ナルトくん」

ナルト「な、何でもないってばよ」アハハ

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 15:06:02 ID:rY/LqT9s
ヒナタ「ちょ、ちょっと待ってて、ナルトくん」

ヒナタ「少し、お部屋を片付けてくるから…」

ナルト「そうか?別に気にしないけど…」

ヒナタ「わ、私が気になるから!」

ナルト「わ、分かったってばよ」

ヒナタ「すぐに戻るから!」タタタ

ナルト「いろいろ大変なんだなー」

ハナビ「…」

ナルト「あれ?ハナビか?」

ハナビ「…いらっしゃい、ナルトさん」

ハナビ「来てたんだ」

ナルト「ああ、ちょっと用事があってな」

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/01(木) 15:15:56 ID:rY/LqT9s
ナルト「ハナビは何してたんだ?」

ハナビ「…勉強、今度試験があるから」

ナルト「そっか、俺も一気にやったっけなー」

ナルト「ハナビは偉いな、ちゃんとコツコツやってて」ナデナデ

ハナビ「…そんなことないよ、普通」////

ナルト「その普通が難しいんだってばよ」

ハナビ「姉さまは?」

ナルト「あー、なんか部屋の片付けしに行ってるってばよ」

ハナビ「…そうなんだ」

ハナビ「ナルトさんは、姉さまのことが好きなの?」

ナルト「と、突然なんだってばよ!?」

ハナビ「いいから、答えて?」

ナルト「いや、えっと…」ポリポリ

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 02:49:28 ID:WwEwj9AY
ハナビ「…答えられないの?」

ナルト「す、少なくとも嫌いじゃないってばよ」

ハナビ「そっか、そのくらいか…」ズイッ

ナルト「ハナビ?何か近付きすぎな気が…」

ハナビ「ナルトさん、姉さまじゃ不満なら、わたしはどう?」

ハナビ「わたしなら、もっとイロイロ、ナルトさんの為にしてあげられるよ?」

ナルト「じょ、冗談はやめるってばよ」

ハナビ「わたし、本気だから…」ソッ

ハナビ「…ね?いいでしょ?」

ナルト「お、俺は…」

64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 03:05:51 ID:WwEwj9AY
ヒナタ「ナルトくん、準備できた…っ」

ヒナタ「…何してるの?ハナビ」

ハナビ「あーあ、時間切れかぁ」

ハナビ「もう少しで、ナルトさんがわたしのモノになったのに」

ヒナタ「ふざけないで、何がしたいの?」

ナルト「お、おいヒナタ、俺は大丈夫だから…」

ハナビ「…別に、わたしはナルトさんのことが好きだから…」

ヒナタ「…本当に?」

ハナビ「何が言いたいの?」

ヒナタ「質問しているのは私だよ」

ハナビ「…そういうところ、本当に大っきらい」

66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 03:25:15 ID:WwEwj9AY
ハナビ「姉さまとは話したくない」

ヒナタ「どこに行くの」

ハナビ「自分の部屋、姉さまはナルトさんを部屋に連れ込んで、いかがわしいことをするんでしょ?」

ヒナタ「し、しないわよ!」

ハナビ「…へぇ」

ハナビ「ナルトさん、こんな奥手で欲求不満になったら、わたしのところに遊びに来てね?」タタタ

ヒナタ「ハナビ!待ちなさい…」

ナルト「いいってばよ、ほら、ヒナタもちょっと落ち着けって…」

ヒナタ「…ナルトくん」

ナルト「ほら、とりあえず、部屋、片付いたんだろ?」

ヒナタ「う、うん…」


ハナビ「…姉さまのバカ、ナルトさんの、ばか…」

67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 04:03:12 ID:WwEwj9AY
~ヒナタの部屋~

ナルト「それで?さっきのは何なんだってばよ?」

ヒナタ「…ハナビとは、あまり上手くいっていなくて」

ナルト「理由は分からないのか?」

ヒナタ「何かあるわけじゃないと思うの」

ヒナタ「たぶん、私のことが気に入らないだけだと思う」

68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 04:03:48 ID:WwEwj9AY
ナルト「…そうか?」

ヒナタ「え?」

ナルト「俺ってば、昔は里中の嫌われ者だっただろ?」

ナルト「だから、相手を傷つけることが、必ずしも嫌いだからじゃないって知ってるってばよ」

ヒナタ「ハナビがそうなの?」

ナルト「分からねぇけど」

ナルト「あいつ、意味もなくああいうことをしたり、言ったりするやつじゃないと思うってばよ」

ヒナタ「それは…」

ナルト「ま、俺の勝手な想像だから、本当のことは分からねぇけど」

ナルト「ただ、気にしてやってもいいと思うってばよ」

ヒナタ「ナルトくん…」

69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 04:31:17 ID:WwEwj9AY
ごめん、中途半端だけど、またあした…

子供のお話が出来たおかげで、次のSSの予定も出来たので、しっかり書き上げたいと思います。

それでは、引き続きお楽しみください。

…ハナビ、変な子みたいにしちゃってゴメンな。

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/02(金) 17:26:49 ID:WwEwj9AY
ナルト「ま、すぐに解決する問題でもないし、気長にやっていくしかないってばよ」

ヒナタ「…うん、私ももう少し考えてみる」

ナルト「さ、この話はおしまいだってばよ」

ナルト「それにしても、部屋、全然汚くないじゃんか」

ヒナタ「あ、あまり見ないで?恥ずかしいから…」

ナルト「…俺も今度からちゃんと片付けしよう」

ヒナタ「それは私も思うけど…」

ナルト「ははは、頑張るってばよ」

ヒナタ「本気で考えてる?」

ナルト「ま、もしまた汚くなっても」

ナルト「きっとヒナタが手伝ってくれるんだろ?」

ヒナタ「そうやって人の力をあてにするナルトくんは手伝ってあげません」

ナルト「えー、そんなー」

ヒナタ「ふふふ」

82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 02:11:22 ID:2V/IMaD6
ナルト「でも、部屋ってすることないよなー」

ヒナタ「そうだね」

ヒナタ「ナルトくんはどっちかって言えば外であそびたいタイプだもんね」

ナルト「うーん、何かすること思いつくか?」

ヒナタ「そうだね…」

ヒナタ「ハナビのこともあるし、裏手の川に行ってみる?」

ナルト「川?」

ヒナタ「うん、少し行くとあるんだ」

ヒナタ「そもそも、部屋に呼ばせたのはお父さんだから」

ナルト「…よし、それなら行ってみるか」

ヒナタ「うん!」

83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 02:25:22 ID:2V/IMaD6
~河川敷~

ナルト「おお、結構でけぇ」ワーイ

ヒナタ「深さはたいしたことないんだけどね」

ヒナタ「よくここで、鍛錬してたなー」

ナルト「水の上を歩いたり?」

ヒナタ「そうそう、難しくてなかなか出来なかったから」

ナルト「へー、やっぱりヒナタもそういう練習したんだな」

ナルト「なんか、ソツなくこなしてるイメージだったってばよ」

ヒナタ「そんなことないよ、現に私は日向の中では劣等生なんだから」

ナルト「今はそんなことないってばよ」

ヒナタ「今は?」フフフ

ナルト「あ、いや、そういう意味じゃなくて…」アセアセ

ヒナタ「ううん、別に気にしてないよ」

84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 02:38:40 ID:2V/IMaD6
ヒナタ「…風が気持ちいいね」

ナルト「ああ、そうだな」

ナルト「これじゃあ、明日行くところも感動が薄くなっちまうかもなぁ…」ボソッ

ヒナタ「え?今何か言った?」

ナルト「いや、なんでもないってばよ」

ヒナタ「…気になるなー」ズイ

ナルト「だ、だから何でもないって!」

ナルト「ヒナタ、ほら、近い近い」

ヒナタ「あっ!?」

ヒナタ「ご、ごめんね、ナルトくん」

ヒナタ「私、なんだか気が抜けちゃったみたいで」

ヒナタ「馴れ馴れしくしすぎちゃったよね…」

85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 02:58:24 ID:2V/IMaD6
ナルト「いや、そういうことじゃないんだけど…」

ナルト「その、いつもは控えめだから、なんとなくこう」

ナルト「落ち着かないっていうか、ドキドキするから…」

ヒナタ「えっ!?」

ナルト「あああー、今のなし!!」

ヒナタ(ナルトくんも、私を意識してくれているのかな…)

ナルト(何言ってんだってばよ!これじゃあ警戒させるだけだろうぁぁぁ)

ヒナタ「ちゃ、ちゃんと聞いちゃったからね…?」

ナルト(し、下から覗き込むヒナタ…)

ナルト(うぐっ、すごい破壊力…)

ヒナタ「…えいっ」ムギュッ

ナルト「うおっ!?」

86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 03:09:50 ID:2V/IMaD6
ヒナタ「ご、ごめんね」

ヒナタ「これは、その、きゅ、急に何かをつかみたくなって…」

ナルト(うわああああ、胸が!胸が腕いっぱいに!!)

ナルト(何だこの感触は!こ、これは…)

ナルト「ヒナタ」

ヒナタ「な、なに?」

ナルト「もう少し、このままでいいか?」

ヒナタ「え?別にいいけど」

ナルト「…なんか、ここに来て良かったってばよ…」

ヒナタ(よくわからないけど、嬉しそうだからいいのかな?)

87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 03:22:37 ID:2V/IMaD6
ナルト「…平和だなー」

ヒナタ「そうだね…」

ナルト「なんか、眠くなってきたってばよ…」

ヒナタ「寝ちゃってもいいよ?起こしてあげるから」

ナルト「そうか?んじゃあ頼む…」クー

ヒナタ「…最近疲れてたんだね…」

ヒナタ「うーん、よいしょっと」ポフッ

ヒナタ「えへへ、膝枕、しちゃった」

ヒナタ「髪の毛、ちょっと硬いや」ワシャ

ヒナタ「…」

88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 03:39:51 ID:2V/IMaD6
ヒナタ「…ナルトくん、あの時の告白、覚えてる?」

ヒナタ「私ね、今でもナルトくんのこと、大好きだよ?」

ヒナタ「…まだ、確かめるのも怖くて言えないんだけどね」

ヒナタ「戦争が終わって、平和になってきて」

ヒナタ「私、ナルト君のためにできることをしてあげたい」

ヒナタ「…なんて、本当は起きている時に言いたいんだけど」ナデ

ヒナタ「…」

ヒナタ「…」////

ヒナタ(今なら、何しても気づかれない、よね?)

89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/03(土) 03:44:22 ID:2V/IMaD6
ヒナタ「どうしようかな…」

ヒナタ「と、とりあえずつついてみたり…」ツンツン

ナルト「うー」ゴロン

ヒナタ「きゃっ、そ、そっち側に倒れちゃダメだよ」ギュウ

ヒナタ「ほっ、危ない危ない」

ヒナタ「…やっぱり、いたずらなんてダメだよね」

ヒナタ「ナルトくんが起きたら」

ヒナタ「もう少し、私を意識してもらえるように頑張ろう」

ヒナタ「おやすみ、ナルトくん」ナデナデ

94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 01:19:30 ID:a69gnFt2
ナルト「…ふが」

ヒナタ「あ、起きた?」

ナルト「あ、ああ、悪い」もにゅん

ヒナタ「ひゃあっ!?」

ナルト「うわ、ほんとに悪い!?」ズササ

ヒナタ「も、もう…っ!」

ナルト「いや、俺の想定よりかなり大きくて…って!?」

ヒナタ「…」じとっ

ナルト「あ、あの、ごめん」

ヒナタ「…まあ、気にしてくれているなら、別にいいんだけどね」ボソッ

ナルト「え?何か言ったか?」

ヒナタ「…反省してる?って言ったの」

ナルト「はい、反省してます」

ヒナタ「よろしい」

96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 01:33:51 ID:a69gnFt2
ヒナタ「もう結構遅いね」

ナルト「本当に長い時間寝ちまったんだな…」

ヒナタ「どうする?ご飯、うちで食べていく?」

ナルト「いいのか?」

ヒナタ「大丈夫だと思うよ?」

ヒナタ「それに、放っておくとナルトくん、ラーメンばっかり食べるんだから」

ナルト「…それは否定できないってばよ」

ヒナタ「じゃあ決まりね」

ヒナタ「今日は、私が作っちゃうんだから」

ナルト「おお、手料理か!!」

ナルト「この前の煮付け、すっげー旨かったし、期待してるってばよ!」

ヒナタ「ふふふ、任せて?腕によりをかけちゃうから」

97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 01:49:23 ID:a69gnFt2
~日向邸内~

~食事時間~

ヒアシ「ふむ、今日はヒナタが作ったのか」モグモグ

ヒアシ「…いい味付けだ」

ヒナタ「ありがとうございます」

ネジ(…美味い)

ナルト「いやー、俺までご馳走になっちゃって、なんか悪いってばよ…」

ヒアシ「何を言う、せっかくの夕食だ」

ヒアシ「皆で食べたほうがいいだろう」

ナルト「ははっ、ありがたいです」

ヒアシ「遠慮せずに食べていくといい」

ハナビ「…」

98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 02:10:16 ID:a69gnFt2
ヒナタ「…ハナビ、美味しくなかった?」

ハナビ「…別に」

ヒアシ「どうしたんだ?何か嫌なことでもあったのか?」

ハナビ「…ごちそうさまでした」カチャン

ヒナタ「ハナビ、もういいの?」

ハナビ「…っ」ピシャッ

ヒナタ「ハナビ…」

ナルト「…ちょっと、行って来るってばよ」スクッ

ヒナタ「ナルトくん…」

ナルト「任せとけって、大丈夫だからさ」ナデ

ヒアシ(むっ、わかってはいるつもりであったが、微妙な心境だ…)プルプル

ネジ(ああ、ヒアシ様が葛藤なさっている…)

99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 02:50:28 ID:a69gnFt2
~縁側~

ハナビ「…」

ナルト「何やってんだ?」

ハナビ「…ナルトさん」

ハナビ「星を見ていたの」

ナルト「星?おお、結構見えるもんなんだな」

ハナビ「うん、隣、座れば?」

ナルト「ああ、そんじゃ、お言葉に甘えるってばよ」ドサッ

100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 03:06:00 ID:a69gnFt2
ハナビ「…」

ナルト「…」

ナルト「ハナビ、話があるんだ」

ハナビ「…そう」

ナルト「お前さ、ヒナタのこと嫌いか?」

ハナビ「…別に」

ナルト「俺ってば、家族っていないんだよ」

ナルト「だから、ヒナタやハナビが羨ましいんだ」

ナルト「俺には、喧嘩をする兄弟もいなかったからさ」

ハナビ「…」

101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/04(日) 03:21:38 ID:a69gnFt2
テンテン「ちょっと待って?」

~回想一時停止~

テンテン「ねえ、なんでヒナタがその話の内容を知ってるの?」

ヒナタ「あ、そ、それは…」

テンテン「…聞いてたの?」

ヒナタ「…だって、気になったから…」

テンテン「えー、ダメだよ、盗み聞きなんて」

ヒナタ「だ、だからナルトには内緒ね?」

テンテン「…今度甘味処であんみつ」

ヒナタ「うっ、しょうがないか…」

テンテン「えへへー、ラッキー」

テンテン「さ、続き続き!」

ヒナタ「もう、調子いいんだから…」

105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 02:24:27 ID:na8pmVAw
~回想再開~

ハナビ「ナルトさん」

ナルト「なんだ?」

ハナビ「なんで私に気を遣ってくれるの」

ナルト「なんでって」

ナルト「理由なんてないってばよ」

ハナビ「…それなら、優しくしないで」

ナルト「…」

ハナビ「ナルトさんが、そんな風じゃなければ」

ハナビ「わたしだって…」ジワッ

ナルト「どういう事なんだってばよ?」

107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 02:34:45 ID:na8pmVAw
ハナビ「…わたしは、姉さまのことが嫌いじゃない」

ハナビ「むしろ、すごいと思う、尊敬もしてる」

ハナビ「だって、昔は何もできない人だったのに」

ハナビ「今は、何でも出来てる、持ってる」

ハナビ「…ナルトさんだって」

ナルト「俺?」

ハナビ「…わたし、ナルトさんのことが、本当に好きなの」

ハナビ「初めて会ったとき、励ましてくれて、相談にも乗ってくれて」

ハナビ「いつも優しくて」

ハナビ「でも、たまに本気で怒ってくれるナルトさんが好き」

ハナビ「好きになっちゃったの…」ボロボロ

ナルト「…」

108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 02:41:01 ID:na8pmVAw
ハナビ「…ナルトさん、私じゃダメなの?」

ハナビ「家事だって勉強する、忍術だって、姉さまに負けない」

ハナビ「胸だって、…もっと成長すると思う…」

ハナビ「それに、好きって気持ちも…」

ナルト「…」

ハナビ「ねえ?髪ももっと伸ばせばいいの?」

ハナビ「わたしが、ねえさまの代わりに…」

ナルト「…もういいってばよ」ナデ

ハナビ「え?…」

ナルト「ハナビ、お前の気持ち、伝わったってばよ」

109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 02:50:30 ID:na8pmVAw
ナルト「ありがとうな、そんなに、俺のことで悩んでくれて」

ナルト「そんでもって、俺のことを好きだって言ってくれて」

ナルト「正直、本当に嬉しいってばよ」

ハナビ「じゃ、じゃあ…」

ナルト「でも、ゴメンな」

ナルト「俺は、ハナビの思いに応えてやれないってばよ」

ハナビ「ど、どうして…?」

ナルト「まず、な」

ナルト「俺、まだヒナタとそういう感じじゃないってばよ」

ハナビ「…?」

110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 02:57:52 ID:na8pmVAw
ナルト「だから、ヒナタも俺も」

ナルト「別に告白もしてねぇし、」

ナルト「そもそも、俺は一度フられてるし…」

ハナビ「え?嘘…」

ナルト「本当だってばよ」

ナルト「いやー、凹んだなー、あの時」



テンテン「え?どゆことどゆこと?」

~回想中断~

テンテン「ヒナタ、ナルトのことフッたの?」

ヒナタ「いや、あれは…」

テンテン「そっちも教えてよー」

ヒナタ「わ、分かってるから、ちゃんと話すから…」

テンテン「約束だからね?」

111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:14:57 ID:na8pmVAw
ナルト「だから、ヒナタは俺に優しくしてくれてるだけなんだってばよ」

ハナビ「そんなわけ…」

ナルト「でもさ、…」ゴニョゴニョ

ハナビ「え?自分から?」

ナルト「いや、実は…」ゴニョゴニョ

ハナビ「やっぱり、間違ってないじゃない!」

ナルト「いや、まだ分からないってばよ」

ナルト「だからさ、こんな中途半端なままで、お前の気持ちに応えられないってばよ」

ハナビ「…やっぱり、わたしじゃダメなんだ」

ナルト「ま、そうだな」

ハナビ「…っ!」

112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:20:49 ID:na8pmVAw
ナルト「ああ、勘違いすんなよ?」

ナルト「別にハナビに何かが足りないって事じゃない」

ナルト「これは俺の問題だってばよ」

ナルト「正直、理屈じゃねえし」

ナルト「俺がハナビのことを嫌いってワケでもねえ」ナデリコ

ナルト「ハナビもさ、ヒナタのことを避けたり、険悪になるんじゃなくてさ」

ナルト「仲良くしたほうが楽しいってばよ」

ナルト「俺は、前みたいに素直に笑ってるお前が一番好きだからさ」

ハナビ「…」

113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:23:57 ID:na8pmVAw
ハナビ「あーあ、振られちゃった…」スクッ

ナルト「あ、ハナビ…」

ハナビ「ううん、本当は分かってたんだ」

ハナビ「でも、いままではっきりしてくれなかったし」

ハナビ「本気にされてないって、思ってたから」

ハナビ「ちょっとすっきりしちゃった」

ハナビ「やっと、本当の返事、してもらえたから」

ナルト「…そっか」

ハナビ「…それに、まだ、諦めてないし」

ナルト「は?」

114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:27:37 ID:na8pmVAw
ハナビ「あのさ、さっきの話」

ハナビ「失敗したら、わたしのところに来てね?」

ハナビ「慰めてあげる」

ナルト「いや、別に…」

ハナビ「大丈夫、おこぼれって言われたって、気にしないから」

ハナビ「もう姉さまと同じ舞台には立ったんだし」ススッ

ハナビ(…そうでしょ?姉さま?)

ヒナタ「…っ!?」ビクッ

ハナビ(やっぱり、聞いてたんだ)

ハナビ(よかったね、ナルトさんはまだ気付いてないみたいでさ)

ナルト「ハナビ?どうしたんだってばよ?」

115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:33:12 ID:na8pmVAw
ハナビ(ごめんね、いままで当たっちゃって)

ハナビ(でも、ちゃんとナルトさんを捕まえておけないなら)

ハナビ(わたしが取っちゃうからね?)

ヒナタ(わ、私は…)

ナルト「ハナビ?」

ハナビ「ううん、何でもないの」

ハナビ「ナルトさん、戻ろう?」

ハナビ「わたし、姉さまにおかわり貰うから」

ナルト「おお、俺も食べてる途中だったってばよ」ヨイショッ

ヒナタ(あ、いけない…)サササ

ハナビ「じゃ、さっきの話、覚えておいてね?」ギュウッ

ナルト「…ああ、そんときになったら、考えるってばよ」

ハナビ「ふふふっ、…」

~回想中断~

116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:37:36 ID:na8pmVAw
テンテン「へえ、ハナビちゃんもいろいろあったんだね~」フヘー

テンテン「今、何してるんだっけ?」

ヒナタ「一年前くらいから、他里に留学中」

ヒナタ「今度戻って来るって言ってたけど」

テンテン「そういえば見送り、あたしも行ったんだよね…」

テンテン「あの時は、なんにも思わなかったなぁ…」

テンテン「しかし、ナルトのやつ」

テンテン「美人姉妹を両方共モノにするなんて」

テンテン「結構やるわね…」

ヒナタ「あ、あの、そういうのじゃないし…」

117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:40:09 ID:na8pmVAw
テンテン「結局、ヒナタが聞こえなかった話は何だったのかなぁ?」

ヒナタ「分からないけど、本人にも聞けないし…」

テンテン「あ、そっか」

ヒナタ「それでどうする?まだ続ける?」

テンテン「うん、まだ付き合うところまで聞いてないし」

テンテン「あ、さっきの後はどうなったの?」

ヒナタ「あ、うん」

118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:45:30 ID:na8pmVAw
ヒナタ「あのあと、ハナビがナルトくんに抱きついてやってきて」

ヒナタ「お父さんがご飯吹いちゃって大変だったよ」

テンテン(あ、そっか)

テンテン(お父さんからしたら、娘二人共でナルトを取り合っているのが確定したわけだし)

テンテン「複雑だったんだろうなぁ…」

ヒナタ「え?なにが?」

テンテン「ううん、何でもない」パタパタ

テンテン「それじゃ、ナルトと付き合うことになった話を聞かせてよ」

ヒナタ「あ、週末の話ね、うん、わかった」

119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:49:07 ID:na8pmVAw
~別室~

ナルト「あー、うっすら聞こえてくる」

ナルト「なんで女って恥ずかしい話とかも平気で話せるんだってばよ…」

ナルト「馴れ初めとか、なあ?」

クラマ(おい、誰に話してるんだ)

ナルト(別に、独り言だってばよ)

ナルト「にしても、あの時なぁ」

ナルト「ヒナタ、やっぱ居たのか」

ナルト「…うわぁ」

ナルト「完全にカッコつけてるところを見られてるってばよ…」

ナルト「…気付いてないフリしとこ…」

ナルト(にしても、ハナビの件はもっと時間がかかると思ってたんだけどなぁ)

120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:52:30 ID:na8pmVAw
~火の国国境付近~

ハナビ「はくしゅんっ!」

???「…大丈夫か?」

???「護衛も任せてしまって…」

ハナビ「いえ、貴方に護衛が必要とも思えませんが…」

ハナビ「ほかの方々も、後で追いつくそうですし」

???「まあそうだが…」

???「それで?風か何かか?」

ハナビ「…多分噂話でもされていたのでしょう」

121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:56:12 ID:na8pmVAw
ハナビ「…でも、今日の風は、イロイロ思い出させてくれますね…」

???「何を思い出していたんだ?」

ハナビ「はい、ナルトさんに告白したときのことを…」

???「告白?したのか」

ハナビ「ええ、まあ振られちゃいましたが」

ハナビ「いいかげん、姉さまも心を決めてきそうだったですし」

ハナビ「ナルトさんの反応的に、あの日しかないと思っていたんですけどね…」

???「…まあ、恋愛事は理屈ではうまくいかないものさ」

122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 03:59:20 ID:na8pmVAw
ハナビ「もしかして、慰めてくれてます?」

???「好きに受け取ればいい」

ハナビ「そうですか、相変わらずつれない態度ですね…」

???「もうそろそろ野営の準備をしようか」

ハナビ「はい、了解しました」

???「…仕事は完璧なんだがな」

ハナビ「…明るい方が好かれるんじゃないかって、悪あがきした結果です、気にしないでください」

???「そうか」

???「まあ、そうやって一途に思えるのは美徳だと、オレは思う」

ハナビ「…ありがとうございます!」

127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:20:32 ID:snAoV5iw
~回想再開 週末~

ナルト「おーい、ヒナター?」

ナルト「迎えに来たってばよー!」

ヒナタ「な、ナルトくん、おはよう…」

ナルト「おう、おはようヒナタ!」

ヒナタ「今日はいつになく元気いっぱいだね」

ナルト「まぁな!さあ、早速行くってばよ」

ヒナタ「うん」

ナルト「ところで、その荷物は?」

ヒナタ「あ、外に行くって言ってたから、お弁当作ったの」

ナルト「お、そりゃ楽しみだな」

ナルト「んじゃ、それ持つってばよ」

ヒナタ「あ、ありがとう」

128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:24:49 ID:snAoV5iw
~里の外~

ヒナタ「それで、どこまで行くの?」シュッ

ナルト「そこまで遠くないってばよ」シュッ

ナルト「火の国の温泉街の手前くらいだから」

ヒナタ「それなら、あまり時間はかからないね」

ナルト「ああ、心配ないってばよ」

ヒナタ「別に心配してはいないけど」

ナルト「ははっ、そっか」シュッ

ヒナタ(どんな所なんだろう)

ナルト(さて、頑張るってばよ、俺!)

129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:31:27 ID:snAoV5iw
~登山口前~

ナルト「ここだってばよ」

ヒナタ「登山口?登るの?」

ナルト「普通に道があるからさ」

ナルト「少し上の方なんだけど」

ナルト「ほ、ほら」つ

ヒナタ「ん?なぁに?」

ナルト「あの、さ、手とか…その」

ヒナタ「…あっ」////

ヒナタ「う、うん」つギュッ

ナルト「ゆっくり登ればいいだろ?」

ヒナタ「そ、そうだね…」

ナルト「こ、こっちだってばよ」

ヒナタ「わ、分かった…」

130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:40:09 ID:snAoV5iw
~登山道~

ヒナタ「少し紅葉してる木もあるね」

ナルト「ああ、この辺は気候が変わりやすいから」

ナルト「たまに先走ってそうなる奴もあるって聞いた気がする」

ヒナタ「へー、ここには自来也様と来たんでしょ?」

ナルト「通り道だったんだけど、何でかイイもん見せてやろうかのぅとか言ってさ」

ヒナタ「何それ?モノマネ?似てなーい」フフフ

ナルト「えー?そうか?結構自身あんだけどなぁ」

ヒナタ「あ、どんぐりだ…」

ヒナタ「去年からのかな?」

ナルト「どんぐりって何の木の種なんだ?」

ヒナタ「うーん、分からないけど…」

131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:44:41 ID:snAoV5iw
~山腹~

ナルト「あ、この辺りでちょっと逸れるんだ」

ヒナタ「そうなの?よく覚えてるね」

ナルト「ほら、あそこにでっかい木があるだろ?」

ナルト「あれが見えた所に…ほら」

ヒナタ「これは…手裏剣?」

ナルト「前来た時に、印つけといたんだ」

ヒナタ「また来る気満々だったんだね」

ナルト「ああ、なんか理由があったと思うんだけど…」

ナルト「思い出せないんだよなぁ…」

ヒナタ「まあ、そのうち思い出すかもしれないし」

ヒナタ「行ってみよ?」

ナルト「ああ、そうだな」

132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:56:22 ID:snAoV5iw
ナルト「…さ、ここだってばよ」

ヒナタ「ここは…」

ナルト「すげーだろ?山に囲まれた湖が一望できるんだってばよ」

ナルト「他の所より少し高くなってるから、一番綺麗に見えるんだってばよ」

ヒナタ「すごく、綺麗…」

ナルト「上の方は木が多すぎて見えないし、座って見られるのはここだけって◯◯仙人が言ってた」

ヒナタ「植生が濃いんだね」

ナルト「ま、木に登って見るより落ち着くだろ?」

ヒナタ「うん!」

133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 15:57:21 ID:snAoV5iw
ナルト「…さ、ここだってばよ」

ヒナタ「ここは…」

ナルト「すげーだろ?山に囲まれた湖が一望できるんだってばよ」

ナルト「他の所より少し高くなってるから、一番綺麗に見えるんだってばよ」

ヒナタ「すごく、綺麗…」

ナルト「上の方は木が多すぎて見えないし、座って見られるのはここだけって◯◯仙人が言ってた」

134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 16:01:31 ID:snAoV5iw
ヒナタ「植生が濃いんだね」

ナルト「ま、木に登って見るより落ち着くだろ?」

ヒナタ「うん!」

ナルト「さて、時間も結構来てるし、飯食うか」

ヒナタ「そうだね、私もお腹空いちゃった」

ナルト「ま、ちょっとしたバイキングだってばよ」

ヒナタ「私たちが忍びだからちょっとした、なんだけどね」

ナルト「あ、そりゃそうだな」ハハハ

ヒナタ「今、準備するね…」

135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/05(月) 16:06:58 ID:snAoV5iw
ナルト「なんで、山で食べる飯って美味いのかなぁ」ムシャムシャ

ヒナタ「達成感とかじゃない?」

ナルト「懐かしいなぁ、あのときは◯◯仙人が俺の分のおにぎり食べちゃってさ」

ナルト「ここで喧嘩したっけな…」

ヒナタ「思い出の場所なんだね」

ナルト「たぶん、俺と◯◯仙人しか知らなかったし」

ナルト「今は俺とヒナタだけだな」

ヒナタ「じゃあ、私たちにとっても、思い出の場所で、秘密の場所なんだね」

ナルト「…そ、そう言われると、なんか照れ臭いってばよ」ポリポリ

ヒナタ「あ、いや、そういう意味じゃなくて…」

ナルト「え?じゃあどういう意味なんだ?」

ヒナタ「そ、それは…」

ヒナタ「も、もう!ナルトくんの意地悪!」

ナルト「え、えー…」

148: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:13:37 ID:1sYVsQ7E
ナルト「…いい風だな」

ヒナタ「うん…」

ナルト(ヒナタの横顔、綺麗だよな…)

ナルト(いままで、あんまり考えないようにしてたけど)

ナルト(…俺も、腹決めないとな)

ナルト「あのさ、ヒナタ…」

ヒナタ「ナルトくん!あれ…!」

ナルト「へ?」

ヒナタ「あそこ、、私たちが通ってきた街道じゃない?」

ナルト「ん?ああ、そうだけど…」

149: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:19:40 ID:1sYVsQ7E
ヒナタ「白眼!!」ギンッ

ヒナタ「やっぱり、あれって役人の人だと思う」

ナルト「検問か?別に気にするほどのものでも…」

ヒナタ「何かあったのかも…」

ナルト「…はいはい、見に行きたいんだろ?」

ヒナタ「…ごめんなさい」

ナルト「別にイイってばよ、また来ればいいんだし」

ナルト「それに、事件なら放ってはおけないからな」

ヒナタ「ナルトくん…」

ナルト「さ、とりあえず行ってみるってばよ」

150: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:27:32 ID:1sYVsQ7E
ナルト「…はぁ?里に帰れない?」

役人「ああ、今この近辺には凶悪な罪人が逃げ込んだ可能性がある」

役人「木の葉の里と、近辺の町村のあいだの道は封鎖だ」

ヒナタ「あの、ちなみにいつごろまで…?」

役人「明日の昼頃まではかかる」

役人「調査が済むまで、街に戻ることをすすめる」

ナルト「あの、俺たち木の葉の忍びなんだけど…」

ナルト「ほら、額あてもあるし」

役人「偽装で逃走を手助けする可能性がある」

151: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:33:22 ID:1sYVsQ7E
ナルト「…さすが役人、頭が固いってばよ…」ボソッ

役人「むっ!?」

役人「その方、あまりごちゃごちゃ抜かすようなら、重要参考人として引っ立てても良いのだぞ?」

ナルト「ああ上等だ!その凝り固まった頭の中身を、やわらかーくほぐしてやるってばよ!!」

役人「な、なんだとぉ!!!」

ヒナタ「あ、あの、ごめんなさい」ペコ

ヒナタ「ほら、ナルトくんも謝って」

ナルト「いや、俺は…」

ヒナタ(役人さんと揉め事を起こしたら、里にも迷惑がかかっちゃうよ)

ヒナタ(未来の火影が、そんなことに関与しちゃダメ!)

ナルト(わ、悪かったってばよ…)

ヒナタ(私じゃなくて、あの人に言わないと)

152: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:38:43 ID:1sYVsQ7E
ナルト「あ、あのさ…」

ヒナタ(敬語!)ボソボソ

ナルト「あ、あの、先程は本当に申し訳なく存じ上げます?」

ヒナタ「そ、それじゃあ訳がわからないよ、ナルトくん…」

役人「む、ま、まあ私も少し、頭に血が上ってしまったな」オホン

役人「しかし、そんな美人を連れて、わざわざ危険な道を行くこともなかろう」

役人「伴侶は大切にせねば」

ヒナタ「び、美人!?」

ナルト「は、伴侶!?」

役人「ん?違うのか?」

ナルト「いや、あの、えっと…」

ヒナタ「…」////

役人「む、なるほどな…」

153: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:43:58 ID:1sYVsQ7E
役人「本来、こういうことはしてはいかんのだが…」

役人「まあ、未来の夫婦に少しサービスしても、ばちは当たるまい」

ヒナタ「え、いや、あの…」

役人「能書きは良い、持っていけ」つ券

ナルト「これは?」

役人「近くの宿場町のサービス券だ」

役人「ちょうど、祭りの時期だったのでな、私ももらってしまったが」

役人「あいにく連れ合いは中央部で帰りを待っておるゆえ、使い道もない」

役人「明日まで暇であろう、それで祭りでも見て、温泉宿で一泊すれば」

役人「すぐにここも通れる」

ナルト「温泉宿で…」

ヒナタ「一泊…」////

役人「それと、男の方、少し耳をかせ」

ナルト「え?俺?」

154: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:48:05 ID:1sYVsQ7E
役人(お前、あの娘に惚れておるな?)

ナルト(い、いや、別に…)

役人(隠さんで良い、私も40を超えたが、そういう機微に鈍くなってはおらん)

役人(こういうのは、強引なきっかけも時には必要)

役人(背中は押してやる、決めてくると良い!)バシッ

ナルト(あいたっ!?い、いや、どうしてそこまで…)

役人(たしかに、お前は正直気に食わんが…)

ナルト(…あー、そうですか)

役人(あの娘、私の妻の若い頃に、よく似ておる)

役人(なんとなく、放っておけん雰囲気とか、芯の強そうな面立ちがな…)

ナルト(役人のおっさん…)

155: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:51:04 ID:1sYVsQ7E
役人(…分かったか?)

ナルト(…分かったってばよ)

ナルト「ありがとな!」

役人「…おほん、このことは、内密にな…」

役人「それでは、私は公務に戻る」

役人「くれぐれも、道中気をつけるのだ」

ナルト「ああ、分かったってばよ」

ナルト「ヒナタ、行こうぜ」

ヒナタ「え?あの人と何を話してたの?」

ナルト「…いつか教えてやるってばよ」

ヒナタ「えー?」

156: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/07(水) 01:55:33 ID:1sYVsQ7E
役人(…思わず、素の対応をしてしまった…)

役人(なんだろうな、応援したくなるような雰囲気が、あのふたりにはあった…)

役人(む、私ももっと若々しくせねばな!)

役人(…最近、話し方も爺むさくなってきたような気もするし…)

役人「…おと、いかんいかん、仕事をせねば!」



ヒナタ(…夫婦、か)

ヒナタ(本当に、ナルトくんとそうなれたら、嬉しいな…)

ヒナタ(…その前に、誤解も解かなくちゃいけないんだけどね…)

ヒナタ「はぁ…」

ナルト「ん?どうしたんだってばよ?」

ヒナタ「う、ううん、なんでもないの」

ヒナタ「温泉街、行ってみよう?」ギュッ

ナルト「あ、ああ、そうだな」

162: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:27:24 ID:gL6T/Src
~温泉宿~

ヒナタ「うわぁー、ここから山合いの川まで全部見えるんだね」

ナルト「部屋が空いてて良かったってばよ」

ナルト「…ま、一部屋だけだったけどな…」

ヒナタ「し、しょうがないよ」

ヒナタ「近隣の村だけじゃなくて、結構大きなお祭りみたいだし…」

ナルト「いや、ヒナタがいいなら別に…」

ヒナタ「…」////

ナルト「は、ははは…」

163: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:30:40 ID:gL6T/Src
ナルト「そ、そうだ」

ナルト「せっかくだし、祭り見に行くってばよ」

ナルト「おっさんに貰った券も使ってやらねぇと…」

ナルト「たしか、浴衣の着付けもやってくれるって」

ヒナタ「え?浴衣にも着付けがあるの?」

ナルト「あー、俺は用事がないけど」

ナルト「女の人は綺麗に浴衣を着るのって難しいらしいってばよ」

164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:34:05 ID:gL6T/Src
ヒナタ「詳しいんだね?」

ナルト「◯◯仙人知識だってばよ…」

ナルト「修行もやってくれたけど、自分はよく酔いつぶれるまで遊んでたから」

ヒナタ「ほ、奔放な師匠だったんだね…」

ナルト「おかげでいらないこともイロイロ覚えたってばよ」

ナルト「とにかく、せっかくの場なんだ」

ナルト「まずは形から楽しむってばよ」

ヒナタ「…うん、そうだね!」

165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:37:12 ID:gL6T/Src
~宿受付前 待合室~

ナルト「ヒナタ、遅いってばよ…」

ナルト「なんか、着付けのおばちゃんも張り切ってたしなぁ…」

ヒナタ「…な、ナルトくん」

ヒナタ「お、おまたせ…」

ナルト「おう、結構まっ…」

ヒナタ「ど、どうかな?」////

166: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:44:31 ID:gL6T/Src
ナルト(これは…!?)

ナルト(ヒナタの浴衣、普通の白じゃなくて、敢えての青!)

ナルト(大きな胸は心なしか押し込められたように主張は控えめに)

ナルト(その分、全体のシルエットは落ち着いた印象になってるってばよ)

ナルト(アクセントは赤い金魚の意匠で、見た目も涼しげな印象を際立たせているし)

ナルト(さらにアップにまとめた髪には、見慣れないかんざしが…)

ナルト(まさに…)

ナルト「…最高だってばよ…」ボソッ

ヒナタ「え、えぇ!?」

ナルト「あ、いや、その、つい本音が…」

ヒナタ「ほ、本音って…」////

ナルト「あ、う…」

168: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:48:39 ID:gL6T/Src
ナルト「そ、その浴衣、どうしたんだってばよ?」

ヒナタ「その、呉服屋さんに気に入られちゃったみたいで…」

ヒナタ「これを着て、宣伝して欲しいって…」

ナルト(なるほど、新商品のアピールにヒナタを使うってことか…)

ナルト(呉服屋、なかなか商売上手だってばよ…)

ヒナタ「かんざしは、宣伝の報酬にって、この浴衣と一緒にもらったの」

ナルト「…やっぱ、ヒナタってすげーよな」

ヒナタ「え?そ、そんなことないよ…」モジモジ

170: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 00:56:48 ID:gL6T/Src
ナルト「ふう、やっと落ち着いたってばよ」

ナルト「せっかく時間があるんだし、早速端から見て回るってばよ」

ヒナタ「う、うん」

ナルト「あ…」

ヒナタ「どうしたの?ナルトくん」

ナルト「…よしっ!」

ナルト「ひ、ヒナタ、手、出すってばよ」

ヒナタ「ん?はい」つ

ナルト「ひ、人ごみではぐれたら困るからな」ギュッ

ヒナタ「あ、そういうことか…」ボソッ

ヒナタ「うん、さあ、行こう!」

ナルト「ああ、まずはどこから行くかな…」

179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 20:51:01 ID:7Frl8xCQ
~射的~

ナルト「お、射的があるってばよ」

ヒナタ「好きなの?射的」

ナルト「うーん、まあ好きって言うか…」

ナルト「見た方が早いかな」

ナルト「おっちゃん、一回!」

おやじ「おう、ほれ、コルクと銃だ」

おやじ「言っとくが、うちのは難しいことで有名だからな」

おやじ「女の前でカッコつけたいなら、他所へ行った方がいいぜ?」

ヒナタ「ああ言ってるけど、いいの?」

ナルト「へっ、まあ見てなって…」ジッ

ナルト「ヒナタ、どれか欲しいものあるか?」

ヒナタ「え?うーん…」

ヒナタ「じゃあ、あの小物入れかな」

おやじ「お、この子も容赦ねぇな」

180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 20:53:12 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ「そうなんですか?」

おやじ「そらー、おめぇ、小物入れなんて安定してて取りにくいに決まってんだろ?」

ヒナタ「あ、そっか…それじゃあ…」

ナルト「いや、大丈夫だってばよ、…あれだな?」

おやじ「いやに自信満々だな…」

ナルト「弾は五発だけだよな?」

おやじ「おう、おまけはしねぇ」

ナルト「…」ジィ

ぽん、ぽん、ぽんっぽんばしっ

コトッ

おやじ「…は?」

ナルト「ほら、落としたってばよ」

181: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 20:56:51 ID:7Frl8xCQ
おやじ「んな馬鹿な!?」

ヒナタ「す、凄いね…ナルトくん」

ナルト「ははっ、こういうの、昔から得意なんだ」

ナルト「で?うちのはなんだって?おっちゃん?」

おやじ「くっ、これが景品だ…」

ナルト「あー、もう一回やろうかなー?」

おやじ「お、おいおい、うちの景品取り尽くす気か!?」

ナルト「うーん、何かあればなー」

ナルト「諦めるんだけどなー」

おやじ「こ、こいつ…」

182: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:02:54 ID:7Frl8xCQ
おやじ「わ、分かった、こいつも持ってけ」つ券

おやじ「ほら、あそこのイカ焼き、ただで貰えっから」

ナルト「あんがとよ」

ナルト「ほら、ヒナタ、行くってばよ」

ヒナタ「え?で、でも…」

ナルト「いーからいーから」

おやじ「二度と来るんじゃねぇぞ!」

ナルト「はははっ、また気が向いたらなー!」

ヒナタ「ちょ、ちょっとナルトくん、もう少しゆっくり…」ギュッ

おやじ「ったく、とんでもねぇ奴だな…」

子供「とーちゃん、これやる!」

父親「射的?難しいんだぞ?これ」

子供「大丈夫だよ、さっきの兄ちゃんが簡単に落としてたもん!」

父親「そうなのか?そんじゃ一回くらいやって見るか…」ワイワイガヤガヤ

おやじ「お?何かお客が…」

183: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:07:59 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ「もう、ダメだよ?あんなタカリみたいなことしたら」

ナルト「大丈夫、あの屋台にもいーことあっから」

ヒナタ「いいこと?」

ナルト「ああいう店ってのは、誰かが取ってると、自分も取れると思うもんなんだってばよ」

ナルト「だから、客引きに貢献したお代に貰ったんだ」

ヒナタ「そうなの?」

ナルト「ほら、ちょっと人だかりができて来てるだろ?」

ヒナタ「本当だ…」

ナルト「ま、あんまり気にしないで楽しめばいいんだってばよ」

ヒナタ「お祭り、詳しいんだね?」

ナルト「それほどでもないってばよ」

ヒナタ(ナルトくん、楽しそう)

ナルト「さ、貰った券でイカ焼きを買うってばよ!」

184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:13:15 ID:7Frl8xCQ
~イカ焼き~

ナルト「イカ焼きちょーだい!」

お姉さん「あれ?この券、どこで貰ったの?」

ナルト「ちょっと、射的屋のおっちゃんからな」

お姉さん「ふーん、ま、いっか」

お姉さん「横の彼女の分も?」

ヒナタ「か、彼女!?」

ナルト「そうなんだ、だからおまけもくれよ」

お姉さん「図々しいねー」チョイチョイ

お姉さん「ま、今日くらいはカッコつけなさいな」

お姉さん「はい、もも串もつけたげる」

ナルト「へへっ、ありがとうねーちゃん」

お姉さん「彼女にやさしくすんのよ?」

ナルト「分かってるってばよ!」

186: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:20:32 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ「ナルトくん?今のは…」

ナルト「あ、ごめんな、勝手に話して…」

ヒナタ「あ、別にいいんだけど…」

ナルト「ああ言っとけば、結構いろいろくれるんだってばよ」

ヒナタ「へ、へー」

ヒナタ「何だか、随分慣れていたから」

ヒナタ「他の人とも来たことあるの?」

ナルト「え?あ、いや」

ナルト「み、見よう見まねってやつだってばよ」

ナルト「俺ってば、来たとしてもキバとかその辺とばっかりだったし」

ナルト「だから、お、女と祭りを回ったりとかは、ヒナタが初めてだってばよ…」アセアセ

ヒナタ「そ、そっか…」

ナルト「さ、冷めないうちに食っちまうってばよ」

ヒナタ「う、うん」

188: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:24:02 ID:7Frl8xCQ
~屋台連 はずれ~

ナルト「この辺りなら、ちょっと休めるな」

ヒナタ「あ、ベンチがあるよ」

ナルト「ちょうどいいや、少し待っててくれよ」

ヒナタ「どこに行くの?」

ナルト「さっきラムネ売ってたから、買ってくるってばよ」

ナルト「混んでたから、一人の方が買いやすいし」

ヒナタ「そう?じゃあ待ってるね」

ナルト「すぐに戻るってばよ」タッタッタッ

ヒナタ「…」

189: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:27:21 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ(ナルトくん、いつもより生き生きしてる)

ヒナタ(成り行きだったけど、来て良かったな…)

ヒナタ(あ、うちの皆に何も言ってないけど、大丈夫かな?)

ヒナタ(…ま、いっか)

ヒナタ(今はナルトくんと…で、デートなんだから)

ヒナタ(少しくらい、甘えてみても…)

ナルト「…おーい、ヒナタ?」ピト

ヒナタ「きゃっ、冷たっ!?」

190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:29:42 ID:7Frl8xCQ
ナルト「お、悪い悪い」

ナルト「何かボーッとしてたからさ」

ヒナタ「は、早かったね」

ナルト「すぐそこだし、こんなもんだってばよ」

ナルト「ほい、これヒナタの分」

ヒナタ「あ、ありがと」

ナルト「さ、イカ焼きイカ焼きー」ガサ

ナルト「いっただっきまーす」ガブ

ナルト「うめー!」

ヒナタ「…」ジィッ

191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:32:27 ID:7Frl8xCQ
ナルト「ん?どうした?ヒナタ」

ナルト「食わないのか?」

ヒナタ「あ、今はナルトくんが持ってるから…」

ナルト「ん?ああ、そっか」

ナルト「容器ごと取ったら食えないよな」

ナルト「はい、取るってばよ」

ヒナタ(…)

ヒナタ(い、今なら…)

ヒナタ(が、頑張れ、私!)

192: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:35:26 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ「あ、あーん」

ナルト「え?」

ヒナタ「あ、あの、ほら、今小物入れとラムネで両手塞がってるし…」

ナルト「そ、そんなのそこに置けば…」

ヒナタ「い、今は持っていたい気分なのっ!」

ナルト「お、おう、そっか…」

ヒナタ「だ、だから、あーん」////

ナルト「じ、じゃあ」つ/

ヒナタ「はむっ」

ヒナタ「…美味しい!」

ナルト「よ、良かったな…」

193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/08(木) 21:38:49 ID:7Frl8xCQ
ヒナタ(や、やり過ぎちゃったかな…)

ナルト(な、なんだ!?ヒナタがあんなこと言うなんて…)

ナルト(ゆ、夢じゃ無いよな?)

ヒナタ(ど、どうしよう、まともに顔見られないよ…)////

ナルト(もしかして、残りも俺が食べさせんのか!?)

ナルト「…」

ヒナタ「…」

198: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:25:21 ID:VX.lbPpI
ナルト「…ま、いいか」

ヒナタ「え?」

ナルト「どうせ、ほかに誰もいないんだし」

ナルト「このくらい、別に悪いことじゃねえもんな」

ナルト「ほい、残りも食わせるってばよ」

ヒナタ「う、うん、お願いします」

ナルト「なんだよ、ヒナタが最初に始めたんだろ?」

ヒナタ「そ、そうなんだけど」

ヒナタ「改めて考えたら、恥ずかしくなってきちゃった…」////

ナルト「ははっ、ま、ここは意地でも食ってもらわないとな」

ナルト「おっと、冷まさないとな…」フーフー

199: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:31:19 ID:VX.lbPpI
ナルト「さっきはいきなりだったから、気にしてなかったけど」

ナルト「火傷しなかったか?」

ヒナタ「うん、平気だよ」

ナルト「うし、ならイイってばよ」

ヒナタ「…美味しいね」

ナルト「祭りで食うもんって、なんでもいつもより美味いんだよな」

ナルト「それに、今日はヒナタも一緒だしな!」

ヒナタ「…っ!!?」

ナルト「お、おい、大丈夫か!?」

ヒナタ「んっ…はぁっ…」ゴクン

ヒナタ「し、死んじゃうかと思った…」

200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:36:09 ID:VX.lbPpI
ナルト「あんまり急いで飲み込むと、イカは危ないってばよ」サスリ

ナルト「ほら、ラムネも飲んで」

ヒナタ「う、うん、ごめんね」

ヒナタ「で、でも、ナルトくんがいきなりあんなこと言うから…」

ナルト「俺?何か言ったっけ?」キョトン

ヒナタ「…もうっ、知らない!」プン

ナルト「え?いや、え?」

ヒナタ「…気にしてる私がバカみたい」ボソボソ

ナルト「お、おい、ヒナタ?」

201: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:40:25 ID:VX.lbPpI
ナルト「お、怒るなってば」

ヒナタ「別に怒ってないもん」プク

ナルト「いや、絶対怒ってるって」

ヒナタ「怒ってない!」

ヒナタ「もも串も貰っちゃうもん」パク

ナルト「あー…二本とも食うなよ」

ヒナタ「…」モグモグ

ナルト「ったく…」

202: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:47:03 ID:VX.lbPpI
ナルト「仕方ねーな」

ナルト「ヒナタ、ちょっと来るってばよ」

ヒナタ「?どこに行くの?」

ナルト「ご機嫌取り」

ヒナタ「…それ、言ったらダメなんじゃないの?」

ナルト「んー、まあそうかもな」

ナルト「ほら、手」つ

ヒナタ「…今から行くところ、面白い?」ギュッ

ナルト「ヒナタ次第だけど」

ナルト「多分楽しめると思うってばよ」

ヒナタ「…ふふっ、期待しちゃうからね?」

ナルト「おう、任せとけ」

203: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:52:49 ID:VX.lbPpI
~ヨーヨー釣り~

ナルト「ほら、ここだってばよ」

ヒナタ「ヨーヨー釣り?」

ヒナタ「あの水風船のやつ?」

ナルト「ああ」

ナルト「これってば、ちょっとした小ワザがあるからな」

ナルト「ヒナタも自分で取りやすいはずだってばよ」

ヒナタ「わ、私がやるの?」

ナルト「せっかく来たんだし、一つくらいやってみたいだろ?」

ヒナタ「そ、それは…」

ナルト「大丈夫、ほら、やってみるってばよ」

204: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 01:59:57 ID:VX.lbPpI
ナルト「おっちゃん、二回分頼むわ」

おやじ「二回か、ほれ」

おやじ「ま、気楽にやっていきな」

ナルト「ほら、ヒナタの分」

ヒナタ「あ、うん」

ナルト「よし、まずは俺がやってみるから、よく見ておくってばよ」

ヒナタ「わ、分かった…」ギンッ

ナルト「いや、白眼まで使わなくてもいいけど」

ヒナタ「あ、そっか…」スッ

207: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:21:54 ID:iaqWGcpQ
ナルト「まず、この引っ張るやつな」

ナルト「見ての通り、引っ掛ける所以外は紙で出来てるから」

ナルト「何も考えずに水につけると、風船の重さに耐えきれなくて千切れるってばよ」

ヒナタ「うん、弱そうだもんね」

ナルト「だから、最初に先の方だけ水につける」チョイ

ナルト「紙だから、少しの水も吸い上げて、全体が湿るから、ほんの少しでいいってばよ」

ナルト「そんで、染み込み切るまで待つ」

ヒナタ「先につけちゃうの?」

ナルト「ああ、こうすれば、ある程度紙の目が詰まって硬くなるからな」

208: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:26:41 ID:iaqWGcpQ
ナルト「染み込み切ったら、次に取る風船を決めるってばよ」

ナルト「風船は、基本的に紐が伸び切って、繋がりがわかる奴をさがす」

ヒナタ「他のやつと絡むから?」

ナルト「ああ、風船自体に引っかかる可能性もあるし」

ナルト「んで、見つけたら引っ掛ける奴をそっとつけて」

ナルト「そのままゆっくり持ち上げる」ググ

ナルト「んで、風船と紐が一直線になったら、少し力を込めて引っ張るってばよ」グイッポン

ヒナタ「あっ、切れなかったね」

ナルト「慣れれば結構簡単に取れるようになるってばよ」

209: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:29:54 ID:iaqWGcpQ
ナルト「ヒナタもやってみ?」

ヒナタ「で、出来るかな…」

ヒナタ「えっと、少し浸して」チョイ

ヒナタ「風船を探して…」ア,アッタ

ヒナタ「ゆっくり持ち上げて…」ググ

ヒナタ「え、えいっ」ポン

ヒナタ「ほ、本当に出来た!」

ヒナタ「な、ナルトくん!」クルッ

ナルト「うわぁ…」

ヒナタ「え?なんでそんな反応なの?」

210: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:33:36 ID:iaqWGcpQ
ナルト「いや、いくらなんでも一回で取れるとか」

ナルト「俺も出来るようになるまで、結構かかったのに…」

ナルト「…くっ、それでも取れないヒナタにドヤ顔する予定がパァだってばよ…」

ヒナタ「そ、そんな算段があったんだ…」

ナルト「因みに、この方法、最後の力加減を失敗しやすいからな」

ナルト「でも、そこさえ掴めば、かなり安定して取れるってばよ」

ナルト「あと、店によっては怒られるから、うまいこと誤魔化してやるってばよ」

ヒナタ「だ、誰に言ってるの?ナルトくん」

211: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:44:09 ID:iaqWGcpQ
ナルト「ま、いっか」

ナルト「結果取れたんだから問題ないってばよ」

ヒナタ「そ、そうだ!取れたよ?」ジッ

ナルト「ん?」

ヒナタ「…」ソワソワ

ナルト「え?どうしたんだ?」

ヒナタ「あ、あの」

ヒナタ「褒めてくれないの?」

ナルト「…」ドキューン

ナルト「うんうん、凄いなー、ヒナタは」ナデナデ

ヒナタ「え、えへへ」ニコニコ

ナルト(…あー、こりゃあダメだってばよ)

ナルト(なんで、いちいち可愛いんかな…)

ナルト(普段のしっかりしてるのもいいけど)

ナルト(素直に甘えられるのも、ギャップがあっていいよな…)

212: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/10(土) 12:45:41 ID:iaqWGcpQ
ヒナタ「あ、綿あめがあるよ、ナルトくん!」

ナルト「そうだなー、買いに行こうなー」

ヒナタ「うん、早く早く!」グイ

ナルト「うわっ、そ、そんなに引っ張るなってばよ」オットット

子供「おっちゃん、バカップルっていうんでしょ?あーいうの」

おやじ「好きにさせてやんな」

おやじ「気遣いができる、それが粋ってもんよ」

子供「…よくわかんないけど、わかった!」

おやじ「偉いな、ボウズ、おまけでもう一回やってけ」

子供「やった!おっちゃんも、いき、だね」

おやじ「へっ、そんなもんさ」

218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:22:59 ID:94X8odsI
~宿~

ナルト「結局、出店はほとんど回っちまったな」

ヒナタ「うん、ちょっとはしゃぎすぎちゃったね」

ナルト「脚、大丈夫か?」

ヒナタ「さすがに、鍛えてますから」エヘン

ナルト「そういやそっか」

ナルト「一応花火があるらしいけど」

ヒナタ「うーん、でも、場所取りとかしてないから、見えないんじゃない?」

ナルト「あー、綺麗に見えるところはもう取られてるよな…」

ヒナタ「それより、人が少ないあいだにお風呂入っちゃおうよ」

ナルト「そうすっか」

ナルト「汗も結構かいたし」

220: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:29:35 ID:94X8odsI
ナルト「え”!?風呂が壊れた?」

女将「ええ」

女将「おそらく配管の問題なのですが…」

女将「復旧するまで、大風呂の方は締切に…」

ナルト「そ、そんな~」

女将「あ、でもお二人のお部屋には室内風呂がついていますよ」

女将「お値段の分、凝った造りですから」

女将「きっと、ご満足いただけるかと…」

ヒナタ「室内風呂ですか…」

221: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:34:57 ID:94X8odsI
女将「はい」

女将「広さも十分、湯の方は別源泉からのかけ流しです」

女将「ベランダ形式の露天風呂もありますし」

女将「お二人で親睦を深められてはいかがでしょうか?」

ナルト「え?二人でって…」

ヒナタ「わ、私たちは別に…」

女将「あら、わたしの勘違いでしたか」

女将「近隣のお湯屋さんもありますので、相談して見てください」

女将「迷惑料といたしまして、料金はこちらで負担させていただきます」

ナルト「は、はあ」

222: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:38:17 ID:94X8odsI
女将「ああ、最後に」

女将「お詫びの品として、この地方の地酒をご用意いたしました」

女将「後で、お部屋までお持ちいたしますね」

ヒナタ「あ、ありがとうございます」

女将「いえ、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません」

ナルト「…とりあえず、部屋に戻るか」

ヒナタ「う、うん」

223: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:42:42 ID:94X8odsI
~部屋~

ナルト「…本当だ、温泉につながる道があったってばよ」

ヒナタ「確認なんてしないで、すぐにお祭りを見に行っちゃったから…」

ナルト「…」

ナルト「そ、それじゃあ、先に入ってくるってばよ」

ナルト「俺は、後でいいからさ」

ヒナタ「そ、そう?」

ヒナタ「それなら、お言葉に甘えて…」チラッ

ナルト「ああ、ゆっくり入ってくるってばっよ」

ヒナタ「ありがとう…」フゥ

ナルト(ん?何か、ちょっと表情が暗いな…)

ナルト(気のせいかな?)

ヒナタ「…」

224: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:46:50 ID:94X8odsI
~脱衣所~

ヒナタ「…はぁ」

ヒナタ(ナルトくん、全然いつもどおりだったな…)

ヒナタ(もしかして、あまり意識されてないのかな?)

ヒナタ(女将さんの話を聞いていた時も、そんなに動揺してなかったみたいだし…)

ヒナタ「…私だけ、なのかな」シュルシュル

ヒナタ(…しょうがないよね、あの時逃げちゃってから)

ヒナタ(ナルトくんは、仲良くしてはくれても、一本線を引いてる感じだったし)

ヒナタ(今日は特別なんだから…)

ヒナタ(…特別?)ピタッ

225: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 01:52:13 ID:94X8odsI
ヒナタ(そうだよね、今日は特別)

ヒナタ(神様がくれたチャンスかもしれない…)

ヒナタ(考えてみれば、里に帰れないのも、一緒の部屋なのも…)

ヒナタ(このまま、何もしなくていいの?)

ヒナタ(この前のハナビの様子…)

ヒナタ(…もし、何もせずに、ナルトくんをハナビに取られちゃったら…)

ヒナタ(…絶対、後悔しちゃう)

ヒナタ(ナルトくんが誰を選ぶとしても、選ばれた人を祝福できるように…)

ヒナタ「…何か、考えなくちゃ」

226: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 02:04:16 ID:94X8odsI
~部屋~

ナルト「…今、ヒナタは風呂に入ってんのか…」

ナルト「…」モヤモヤ

ナルト「おっと、何を考えてるんだってばよ…」ブンブン

ナルト「こういう時こそ、仙人モードで鍛えた瞑想を使うときだよな」

ナルト「集中、集中」

ナルト(…今日は、結構いい雰囲気だったと思うけど)

ナルト(…ちゃんと、決めないとな…)

~~~~~~~~

ハナビ「あのさ、さっきの話」

ハナビ「失敗したら、わたしのところに来てね?」

ハナビ「慰めてあげる」

~~~~~~~~~

ナルト(…何を考えてんだ、俺ってば…)ベシッ

ナルト(集中しないと…)

227: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 02:07:13 ID:94X8odsI
~回想中断~

テンテン「ふーん、かなりいろいろあるんだね~」

ヒナタ「そうなのかな?」

テンテン「聞いてる分には楽しいから、別にいいんだけどさ」

テンテン「ナルトのは本人から?」

ヒナタ「うん」

ヒナタ「そうだったよね?」

ナルト「…ヒナタ、何でも話すのがいいわけじゃないってばよ…」ガラガラ

テンテン「何?聞いてたの?」

ナルト「この家そこまで広くねえし」

ナルト「普通に聞こえてきたってばよ」

228: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 02:11:24 ID:94X8odsI
ヒナタ「まあまあ、別にもういいでしょ?」

ヒナタ「それより、ここからはナルトにも話して欲しいな」

ナルト「俺?」

ヒナタ「うん、どんな気持ちだったのか、教えて欲しいから」

ヒナタ「ちゃんと、ごまかさずにね?」

ナルト「…別にごまかしてないってばよ」

ヒナタ「嘘ばっかり」

ヒナタ「さっきのところは話してくれたけど」

ヒナタ「肝心なところははぐらかしたでしょ?前も」

ナルト「…」

ナルト「…だって、なんか恥ずかしいってばよ」

ナルト「まして、今日はテンテンもいるだろ?」

229: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 02:17:15 ID:94X8odsI
テンテン「別に恥ずかしがらなくても…」

ナルト「普通は気にするだろ!?」

ヒナタ「まあまあ」

ヒナタ「別に、何を考えていたとしても、気にしないと思うよ?」

ヒナタ「結果としての私たちが、ここにいるんだから」

ナルト「…」

ナルト「…ヒナタ、何か強くなったな」

ヒナタ「そう?…でも、まあ…」

ヒナタ「私も、もうすぐお母さんだからね」

ナルト「…そっか」

234: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 12:43:41 ID:gn1khE.Q
~回想再開~

ヒナタ(…でも、どうすればいいのかな…)

ヒナタ(ナルトくんは、多分私のことを意識してくれてないし)

ヒナタ(そもそも、既に諦められてたり?)

ヒナタ(よく考えてみれば、少しくらい気にしていたら、一緒の部屋で泊まるのにあんなに平然としてるものなのかな?)←不安が故の情報改竄

ヒナタ(ど、どうしよう…)

ヒナタ(いい雰囲気だと思ってたけど、もしかして私の気のせいだったりするのかな?)

ヒナタ(私がしたことって、イカ焼き食べさせてもらったくらいだし)←手を繋いだり浴衣を褒められたことは頭の外へ

ヒナタ(ぬぬぬ…)

ヒナタ(はっ!?そう言えば、前に香燐さんが言ってたっけ…)

香燐『男なんて、色仕掛けで誘惑しちゃえば、勝手に気にして惚れてくるような単純な生き物なんだから』

香燐『ヒナタはまず、自分の武器を活用しなきゃね』

ヒナタ(色仕掛け…)

ヒナタ「…」////

235: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 12:48:49 ID:gn1khE.Q
ヒナタ(で、でも、急にそんな事したら)

ヒナタ(すんごくいやらしい子だと思われちゃうんじゃ…)

ヒナタ(そ、それはすんごく嫌!)

ヒナタ(むむむ…)クシュン

ヒナタ(あ、そう言えば、お風呂に入るんだった…)

ヒナタ(後は、お湯に浸かりながら考えよう)ヌギヌギ

ヒナタ(あ、手ぬぐいが上にある)

ヒナタ(一応持って行こう…)グググ

ヒナタ(よし、取れた…)ガタッ

ヒナタ「き、きゃあぁっ!?」ガラガラ

236: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 12:58:02 ID:gn1khE.Q
~部屋~

ヒナタ『き、きゃあぁっ!?』ガラガラ

ナルト「!?ヒナタの悲鳴!」

ナルト「ど、どうしたんだってばよ!!」バッ

ヒナタ「あっ…」ハダカ

ナルト「なっ…!?」

ヒナタ「うっ…」バッ ////

ナルト「わ、悪い、な、何も見てねぇから!」クルッ

ヒナタ「ま、待って!」ギュッ

ナルト「え?」

ナルト(あれ?どういう事だ?)

ナルト(なんで抱きつかれてるんだってばよ?)

237: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 12:59:46 ID:gn1khE.Q
ヒナタ(ど、どどどどうしよう)

ヒナタ(さっきあんなことを考えてたから、反射的に呼び止めちゃった…)

ヒナタ(…あ、でも)

ヒナタ(…もう、一回見られちゃったんだよね…?)

ヒナタ(…)

ヒナタ「あ、あの…ナルトくん」

ナルト「な、何だってばよ?」

ヒナタ「そ、その…」

ヒナタ「せ、せっかくだし」

ヒナタ「お風呂、一緒に入らない?」////

238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:06:44 ID:gn1khE.Q
~風呂場~

ナルト(これは、一体どういう状況なんだってばよ?)

ヒナタ「な、ナルトくん」

ヒナタ「こ、こっちを見ちゃダメ、だからね?」

ナルト「わ、分かってるってばよ…」

ナルト(いやいやいや、おかしい、これはおかしいってばよ!)

ナルト(なんでヒナタと一緒に風呂に入ってんだ?)

ナルト(隠すものが手ぬぐいしかないし…)

ナルト(しかも、あのヒナタの身体…)モワワン

ナルト(って、ヤバイヤバイ、こんなこと考えてたらマズイってばよ)

ナルト(へ、平常心…)

ヒナタ(一周して落ち着いてきちゃった…)ごしごし

ヒナタ(…せっかく一緒なんだし、どうせならあれ、やってみたいな…)

ヒナタ(よーし)

239: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:14:08 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「ナルトくん、身体洗い終わったよ」

ヒナタ「タオルも巻いたから、こっち向いても平気…」

ナルト「そ、そっか」

ナルト「じゃあ、俺も身体洗ってくっから、適当に露天風呂にでも…」

ヒナタ「ううん、それより」

ヒナタ「せっかくだから、ナルトくんの背中流してあげる」

ナルト「は?」

ヒナタ「ふふっ、どうせもう一緒にお風呂入っちゃってるんだから」

ヒナタ「細かいことは気にしないことにしたの」

ヒナタ「タオルもあるし、恥ずかしくは…まあ、あるけど」////

240: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:14:37 ID:gn1khE.Q
ナルト「な、なんか自棄になってないか!?」

ヒナタ「いいからいいから」

ヒナタ「ほら、そこに座って?」

ナルト「いや、自分で洗うからいいってばよ…」

ヒナタ「…もうっ!これは決めたことなの!」グイ

ナルト「いやいや、ちょ、ちょっと…」

241: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:20:37 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「…痛くない?」ごしごし

ナルト「あ、ああ、丁度いいってばよ」

ヒナタ「そう?じゃあ続けるね」ごしごし

ナルト「…あのさ、何か無理してないか?」

ヒナタ「さっきまではね…」

ヒナタ「今は吹っ切れちゃった」

ナルト「吹っ切れた?」

ヒナタ「うん」

ヒナタ「私ね、今日すっごく楽しかったんだ」

ナルト「おう、俺も楽しかったってばよ」

ヒナタ「うん」

ヒナタ「でね?やっぱり思ったんだ」

ナルト「ん?何を?」

242: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:23:51 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「…私、ナルトくんのことが好きなんだなーって」ごしごし

ナルト「え!?いや、なんてタイミングで言うんだってばよ!?」

ヒナタ「こ、こっち見ないでね?」

ヒナタ「多分、顔真っ赤だから…」////

ヒナタ「…勢いで言えちゃったけど」

ヒナタ「本当は、もっと前に言いたかったんだよ?」

ヒナタ「…あの時、逃げなければって、ずっと思ってた」ピタッ

ナルト「ヒナタ…」

243: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:27:13 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「…ナルトくんの背中、広いね」

ヒナタ「それに、傷だらけ」

ヒナタ「私ね、ずっとこの背中を見てきたの」

ヒナタ「ずっと追いかけてた」

ヒナタ「でも、あの時」

ヒナタ「里がボロボロになって行くのを見て」

ヒナタ「ナルトくんが一生懸命皆を守る姿を見て」

ヒナタ「…背中を見るんじゃなくて、隣に立ちたいって思ったんだ」

ナルト「…」

245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:31:56 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「だから、戦争が終わって」

ヒナタ「ナルトくんが、私に告白してきてくれて、凄く嬉しかった」

ヒナタ「…でもね、その時思ったんだ」

ヒナタ「私は、ナルトくんの横にいてもいいのかなって」

ヒナタ「私は、そこで笑って居られるのかなって」

ナルト「…そんなこと」

246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:37:17 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「ふふっ、馬鹿みたいだって思う?」

ヒナタ「でもね、それだけ」

ヒナタ「私から見たナルトくんは、ずっとずっと遠い存在になっちゃってたの」

ヒナタ「だから、怖くなって逃げた」

ヒナタ「自分の都合で、拒絶しちゃった」

ヒナタ「…自分に自信が持てなかったの」

ヒナタ「自分より、もっとナルトくんに相応しい人が居るって」

ヒナタ「そんな嫌な考えが、頭から離れなかった」

247: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:45:25 ID:gn1khE.Q
>>244何それ嬉しい

ヒナタ「だから、一生懸命頑張って」

ヒナタ「家事も、鍛錬も、沢山やって」

ヒナタ「少しでも、あなたに近付きたかった」

ヒナタ「ふふっ、でも、やっぱりダメだったみたい」

ヒナタ「ナルトくんの隣に立てるようになる前に」

ヒナタ「あなたが好きって、言いたくなっちゃってた」

ヒナタ「…今日も、ううん、ずっと前から」

ヒナタ「変な意地を張らなければって、後悔してたんだ」

248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:51:42 ID:gn1khE.Q
ヒナタ「ゴメンね、自分勝手に話しちゃって」

ヒナタ「都合良すぎるよね」

ヒナタ「私、本当はこんな感じなんだ」

ヒナタ「…いつも、自分の事ばっかり」

ヒナタ「…」

ナルト「…そっか」

ナルト「んで?話しはもう終わったのか?」

ヒナタ「…うん、全部話した、かな」

ナルト「じゃ、ちょっと失礼するってばよ」クシャ

ヒナタ「え?」

ナルト「タオル巻いてても、一応あっち向いてるから大丈夫だってばよ」プイッ

ナルト「オラオラ、小難しいことばっか考えてる頭はこれか」ナデナデ

ヒナタ「あ、あの…」

249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 13:57:46 ID:gn1khE.Q
ナルト「どうせまた泣いてんだろ?」

ヒナタ「ま、またって程泣いてないよ!」グシグシ

ナルト「ははっ、やっぱり泣いてんじゃんか」

ナルト「あのな、ヒナタ」

ヒナタ「な、何?」

ナルト「そんな複雑なこと、考えなくてもいいんだってばよ」

ナルト「大体、俺から言うつもりだったのに、不意打ちで言うし」

ヒナタ「え?」

ナルト「あのな、大事なのは、お互いが好きかどうか」

ナルト「たったそれだけなんだってばよ」

ナルト「相応しいとか、相応しくないとか」

ナルト「そんなのは俺が決めてやる」

250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 14:05:15 ID:gn1khE.Q
ナルト「俺からすればさ、ヒナタ」

ナルト「お前の方が、よっぽど俺にはもったいないってばよ」

ナルト「美人で、気遣いができて」

ナルト「料理も上手くて、相手のために一生懸命になれて」

ナルト「それだけ揃ってて俺に相応しいなんて言える程、神経図太くないってばよ」

ナルト「…ま、たまにドジで、ちょっと悩み性だけどさ」

ナルト「…でも、そういうとこ全部ひっくるめて」

ナルト「俺はヒナタのことが好きなんだ」

ナルト「…先に言われちまったけど」

ヒナタ「ご、ごめん…」

251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 14:11:11 ID:gn1khE.Q
ナルト「あー、いろいろ考えてたのになー」

ヒナタ「そ、そうなの?」

ナルト「ったりめーよ」

ナルト「今日こそ決めてやるって、意気込んだ結果がこれかー」

ヒナタ「え、あ、あの…」

ナルト「…へへっ、でも」

ナルト「素直に嬉しいってばよ」

ナルト「ごめんな、言わせちゃってさ」

ヒナタ「う、ううん、私が勝手に話しちゃっただけだから…」

ナルト「…ヒナタ」

ヒナタ「え?何?」

ナルト「俺と、付き合ってくれないか?」

ヒナタ「あっ…」

ヒナタ「…うん、これからもよろしくお願いします」

ナルト「…ははっ、こちらこそよろしくな」

252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/12(月) 14:17:25 ID:gn1khE.Q
ナルト「…しっかし、どんな状況で言ってんだろうな、俺たち」

ヒナタ「ふふっ、そうだね」

ヒナタ「でも、顔見て言える自信なくて」

ナルト(いや、まあその前から結構大胆だったよな)

ナルト(ヒナタの中での基準が心配だってばよ…)

ヒナタ「少し冷えちゃったね」

ナルト「そうだなー」

ヒナタ「すぐに洗っちゃうから、露天風呂の方行ってみよう?」

ナルト「え?いや、もう一人でも…」

ヒナタ「やり始めたことは最後までやり通さないとね」

ヒナタ「さ、向こう向いて」

ナルト(…やっぱり、ヒナタは元気な方が可愛いな)

ヒナタ「ん?どうかした?」

ナルト「…いや、そんじゃ続き、頼むってばよ」

ヒナタ「うん!任せて」

263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:17:05 ID:FkFQPp0I
~露天風呂~

ナルト「…ふう」カポーン

ヒナタ「…」

ナルト「広い風呂でよかったなー」

ヒナタ「う、うん」

ヒナタ「にごり湯だから平気だけど…」

ヒナタ「まだ、その、心の準備が…」

ナルト「ま、別に気にすることないってばよ」

ナルト「いやー、外も結構綺麗に見えるんだな」

ヒナタ「そうだね」

ヒナタ「お祭りの提灯、まだついてるし」

264: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:17:41 ID:FkFQPp0I
ナルト「ああ、あの祭り一週間は続くんだってさ」

ヒナタ「そうなの?」

ナルト「ラムネを買ったときに聞いたんだってばよ」

ナルト「神様が眠りたくなくなるようにってさ」

ヒナタ「へー、ちゃんと理由があるんだね」

ナルト「ま、夜通しどんちゃん騒ぎがしたいだけかも知んねーけどな」キシシ

ヒナタ「…ナルトくんってば、情緒なーい」

265: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:20:03 ID:FkFQPp0I
ナルト「俺はもともとこんな感じだからなー」バチャバチャ

ヒナタ「あっ、お風呂で泳いだらダメだよ」

ナルト「ちょっとくらいはしゃいでもいいだろ?」

ヒナタ「もうっ!静かに楽しむの、こういうのは!」

ナルト「…ちぇー、分かったってばよ」チャポン

ヒナタ「はいはい、えらいえらい」ナデナデ

ナルト「いいのか?こんなに近くで」

ヒナタ「…まだちょっと恥ずかしいけど」////

ヒナタ「でも、せっかく一緒に入ってるのに、あんなに離れてるんじゃ、ね?」

ナルト「いや、ね?とか言われても…」

ヒナタ「いいでしょ?隣にいたって」

ナルト「いや、そりゃあ嬉しいけどさ」

266: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:23:57 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「…何か、反応薄くない?」

ナルト「ま、これでも結構頑張って落ち着いてるんだってばよ」

ナルト「じゃなきゃ、好きな女の子と一緒の風呂なんて、身がもたないってばよ」

ヒナタ「す、好きって…」////

ナルト「いや、今更恥ずかしがらなくても…」

ヒナタ「…もう一回言って?」

ナルト「え?」

ナルト「あ、うん」

ナルト「…好きだってばよ」

ヒナタ「…」////

ヒナタ「あ、あの、もう一回…」

ナルト「いや、これなんだってばよ?」

268: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:28:26 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「ごめん、なんか舞い上がっちゃって…」

ナルト「戻ってきてくれて、良かったってばよ」

ヒナタ「あっ…」キュッ

ナルト「ん?どうしたんだ?」

ヒナタ「あっ、ううん、なんでもないの…」キュッ

ナルト「?いや、明らかに何か変だろ」

ヒナタ「な、なんでもないってば…」

ナルト「…あー、隠し事するんだ」

ヒナタ「え?べ、別に隠し事とかじゃ」

ナルト「そっかー、ふーん」ジトー

ヒナタ「うう…」

269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:33:03 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「…ちゃうの…」ボソボソ

ナルト「え?なんだって?」

ヒナタ「…ああもう!」

ヒナタ「抑えておかないと、胸が浮いちゃうんだってば!!」バチャン

ナルト「あっ…」

ヒナタ「き、きゃっ」バシャッ

ヒナタ「み、見ちゃった?」////

ナルト「あ、いや」

ナルト「発言のインパクトで、一瞬意識が飛んでたってばよ」

ヒナタ「そ、そう?」////

ナルト「あー、その、なんだ」

ナルト「悪かったってばよ…」ポリポリ

ヒナタ「う、うん」プクプク

270: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:41:55 ID:FkFQPp0I
ひゅるるるるるるぅう どおん

ヒナタ「…あ、花火だ!」

ナルト「うお、ここからバッチリ見える」

ヒナタ「え?どこどこ?」

ナルト「あ、ここが外を見るように開いてっから」

ヒナタ「私も見る!」ふにょん

ナルト「あ…」

ヒナタ「あ…」

ナルト「…」

ヒナタ「…」

271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:42:20 ID:FkFQPp0I
ひゅるるるー どんっ 

ヒナタ「は、花火、綺麗だね!」

ナルト(あ、無かった事にした)

ヒナタ「ね?ナルトくん?」////

ナルト「そ、そうだな…」

ナルト(しかし…あの肉感…)

ナルト(…)タラー

ヒナタ「ナルトくん、鼻血出てるよ」

ナルト「え?マジか…」

ヒナタ「…忘れてね?」

ナルト「…はい」

272: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:47:07 ID:FkFQPp0I
~部屋~

ナルト「なんだかんだで、かなり長湯しちまったってばよ…」グテー

ヒナタ「そ、そうだね…」

ナルト「…普通の浴衣もいいな」

ヒナタ「そ、そう?」

ナルト「嘘つく理由がないってばよー」ゴロゴロ

ヒナタ「それなら態度も真面目にしてよ!」

ナルト「うー、後で考えるー」

ヒナタ「嘘ばっかり」

ナルト「あ、これは本当に嘘だってばよ」

ヒナタ「よくわからなくなってない?」

ナルト「ごちゃごちゃしてきた」

ヒナタ「ふふっ、そうみたいだね」

273: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:51:21 ID:FkFQPp0I
コンコン

仲居「失礼します」

仲居「お食事の方、お持ちいたしました」

ヒナタ「あ、もうそんな時間かぁ…」

ナルト「はーい、今開けるってばよー」ガチャッ

仲居「あら、どうもありがとうございます」

仲居「すぐにご用意いたしますので」

ヒナタ「あ、あの、何か手伝いましょうか?」

仲居「いえいえ、これは私たちの仕事ですから」

仲居「ささ、おふたりは席にかけてお待ちくださいな」

ナルト「分かったってばよ」

ナルト「ほら、ヒナタも」

ヒナタ「あ、待って…」

仲居「あらあら」

274: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:56:00 ID:FkFQPp0I
仲居「…それでは、以上が本日の夕食になります」

仲居「膳は扉の外に置いて頂ければ、こちらで回収いたしますので」

ヒナタ「あれ?お布団を敷いたりは…」

仲居「そちらは既に準備してあります」

仲居「…お客様方のようにお若い夫婦さんですと」

仲居「その、いろいろございますでしょう?」

ヒナタ「え?あ、わ、私たちは、別に…」////

仲居「そういった訳で、こういう形にさせていただいているんです」

仲居「それでは、ごゆっくり」ススーッ

ナルト「…」スッ

ナルト「…はぁ」

ヒナタ「え?どうしたの、ナルトくん?」

ナルト「いや、布団が想像通りだったからさ」

275: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 01:59:31 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「想像通り?」チラッ

ヒナタ「…ああ、そういうことかぁ…」

ナルト「真ん中のティッシュ箱が、不思議ないかがわしさだってばよ…」

ヒナタ「そうだね…」

ナルト「…ま、いいや」

ナルト「とりあえず、食ってみようぜ?」

ナルト「なんかかなり豪華だし」

ヒナタ「確かに、いろいろあるね」

ナルト「…見てたらもっと腹減ってきたってばよ」

ヒナタ「ふふっ、そうだね」

ナルト「そんじゃ、いっただっきまーす」パンッ

ヒナタ「いただきます」

276: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:05:56 ID:FkFQPp0I
コンコン

ナルト「あれ?今度は誰だ?」モグモグゴクン

ヒナタ「仲居さんかな?」

女将「失礼します」

ナルト「あ、温泉の説明とかしてくれた…」

ナルト「あー、えっと…」

ヒナタ「この旅館の女将さんだよ、ナルトくん」

ナルト「お、さすがはヒナタ」

ヒナタ「もうっ、しっかりしてよね…」

女将「あら?少し見ないうちに、一段と仲がよろしくなられましたね?」

ヒナタ「そ、そうですか?」

女将「はい、そう見えます」

277: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:09:17 ID:FkFQPp0I
女将「…あ、ここに来た目的を忘れるところでした」ゴソゴソ

女将「あの、これがうちの旅館からのお詫びです」

女将「この地方の造り酒屋自慢の品ですので、ぜひご賞味ください」

女将「燗する時は、ここに道具が置いてありますので」

女将「この度は、ご迷惑をお掛け致しました」フカブカ

ヒナタ「あ、あの、大丈夫ですよ」

ヒナタ「私たちはそこまで困りませんでしたから」

ナルト「そうだってばよ」

女将「うちの不手際ですから、これくらいはしませんとね」

女将「でも、そう言っていただけると、少し気が楽になります」

女将「私は、もう少し回る場所がありますので、これで失礼いたします」

女将「引き続き、ごゆっくりおくつろぎください」

女将「それでは」ススッ

278: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:13:05 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「どうする?これ、お酒だって」

ナルト「呑めないんだっけ?」

ヒナタ「そういうわけじゃないけど…」

ヒナタ「おいしいって思ったことはないかも」

ナルト「そっか…」

ナルト「ま、でも貰いもんだし」

ナルト「一口くらいは飲んでみるってばよ」

ヒナタ「…うん、そうする」

ナルト「とりあえず、飯の続きだってばよ!」

ヒナタ「ナルトくん、そればっかりじゃない」

ナルト「へへっ、悪いな」

ヒナタ「ううん、いいんだけどね」フフッ

279: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:18:20 ID:FkFQPp0I
ナルト「…ふいー、食った食った」ポンポン

ヒナタ「お茶飲む?」

ナルト「淹れてくれんの?」

ヒナタ「ううん、パックのやつだけど」

ナルト「あー、飲みたい」

ヒナタ「分かった、ちょっと待っててね」トテトテ

280: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:18:41 ID:FkFQPp0I
ナルト(…この甲斐甲斐しさ)

ナルト(見た目よし、振る舞いよし)

ナルト(これが俺の彼女だぜ?信じられるか?)

ナルト(と、自分に問いかけても仕方ないってばよ…)

ナルト(よく考えてみれば、ヒナタって相当なお嬢様だもんな)

ナルト(きっと、礼儀作法とか厳しくされたんだろ…)

ヒナタ「入ったよー」トテトテ

ナルト「ヒナタ」

ヒナタ「ん?なぁに?」

ナルト「ちょいちょい、こっちこっち」

ヒナタ「何かあるの?」

281: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:24:36 ID:FkFQPp0I
ナルト「…おりゃっ!」ガバッ

ヒナタ「え?い、いきなり何?」

ナルト「へへっ、背後は取らせてもらったってばよ」

ナルト「うりうり、抱きつき攻撃~」ギュウ

ヒナタ「な、ナルトくん、恥ずかしいよ…」////

ナルト「少しくらいいいだろ?」スンスン

ナルト「…同じシャンプー使ったハズなのに、なんでこんないい匂いがするんだ?」

282: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:27:37 ID:FkFQPp0I
ヒナタ「も、もうっ!匂いなんて嗅がないで!」ジタバタ

ナルト「あー、悪かった悪かった」

ナルト「あんまり暴れると、ほかのお客に迷惑だってばよ」

ヒナタ「そ、そっか…」シュン

ナルト(ま、俺のせいなんだけどな…)

283: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:29:55 ID:FkFQPp0I
ナルト「…ヒナタやわらけー、あったけー」

ヒナタ「そう?…ナルトくんも、あったかいよ」

ナルト「もう少し、こうしてていいか?」

ヒナタ「…少しだけ、だよ?」ギュッ

ナルト(やべぇ、可愛すぎるってばよ…)ドキューン

ナルト「うー、ヒナター」

ヒナタ「何?」

ナルト「なんでもねー」ギュッ

ヒナタ「そう?」フフッ

284: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:30:26 ID:FkFQPp0I
ナルト「…幸せで死ぬ」

ヒナタ「死んだら、私、泣いちゃうからね」

ナルト「…じゃあ死なない」

ヒナタ「ふふっ、約束だよ?」

ナルト「…ああ、約束する」

ヒナタ「ナルトくん」

ナルト「何だってばよ?」

ヒナタ「…大事にしてね?」

ナルト「…あたりまえだってばよ」

ヒナタ「…ありがと」

ヒナタ「…嬉しい」

285: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/13(火) 02:32:31 ID:FkFQPp0I
さて、今日はここまで。

いつにもまして、妄想全開になってしまった…

まったりいちゃいちゃ成分が足りないと思ったんだ、後悔はたぶんこれからする。

でも、付き合いたてってこんなもんでもいいんじゃないかな。

私の中のヒナタはこんな娘です。prpr

それでは、また明日、お会いしましょう。

おやすみー

291: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 01:44:44 ID:VG7lnaWI
ヒナタ「えへへっ、随分遅くなっちゃったね」

ナルト「悪ぃな、止め時が分かんなくてさ」

ヒナタ「ううん、私もなんだか安心しちゃって…」

ヒナタ「あ、そうだ、貰ったお酒、飲んでみない?」

ナルト「急にどうしたんだってばよ?」

ヒナタ「いや、飲まないと忘れそうだなーって」

ナルト「…それもそうだな」

ヒナタ「でしょ?今持ってくるね」トテトテ

ナルト「…ヒナタが飲みやすいように、温めっか」

292: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 01:48:48 ID:VG7lnaWI
ヒナタ「温まるまで、ちょっと時間あるね」

ナルト「ま、外でも見ながらってことで」ガララッ

ナルト「お、月がでかい」

ヒナタ「お団子とかあればいいのにねー」

ナルト「備え付けの饅頭が置いてあるけど…」

ヒナタ「食べる?」

ナルト「いや、ひとつしかないし、ヒナタが食うってばよ」

ヒナタ「じゃあ半分こしよ?」

293: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 01:53:22 ID:VG7lnaWI
ナルト「この饅頭美味いな」モグモグ

ヒナタ「うちのみんなに買って行ってあげようかな」

ナルト「んー、俺もイルカ先生とかに買ってくか…」

ナルト「お、ちょうどいい感じにあったまったな」

ナルト「あちっ、ほい、ヒナタ」トクトク

ヒナタ「ありがとう」

ヒナタ「ナルトくんには私が注ぐね」トクトク

ナルト「…んじゃ、乾杯」グイッ

ヒナタ「かんぱーい」クイッ

294: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 01:59:01 ID:VG7lnaWI
ナルト「どうだ?味の方は」

ヒナタ「…一瞬甘くて美味しかったけど」

ヒナタ「お腹の中から湯気みたいにお酒の匂いがする…」

ヒナタ「ううっ、まだまだ子供ってことなのかなぁ」

ナルト「ま、好みもあるから、気にすんなってばよ」グイッ

ヒナタ「ナルトくんはよく飲めるね…」

ナルト「うーん、綱手のばーちゃんのせいな気がすっけど」

ナルト「ま、無理することもないだろ?」

ヒナタ「えー、私もナルトくんと一緒に飲みたい」

ナルト「そうか?」

ナルト「んじゃ、チャレンジあるのみ、だってばよ」トクトク

ヒナタ「よぉし、頑張る!」

ナルト「…無理はすんなよ?」

295: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:07:13 ID:VG7lnaWI
~一時間後~

ヒナタ「…うう」スゥスゥ

ナルト「あー、とうとう寝たかぁ…」

ナルト「ほらほら、そんなとこで寝たら風邪ひくってばよ」ヨイショ

ナルト「おっと、なんか予想より軽いな…」

ヒナタ「ナルトくん…」スゥ

ナルト「はいはい、ここにいるってばよー」

ナルト「布団は後でずらせばいいか」

296: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:12:45 ID:VG7lnaWI
ナルト「今度は、駄々こねても止めてやろう」

ナルト「そーっと、そーっと」トサッ

ヒナタ「ううん…」

ナルト「明日、二日酔いにならないといいな」ナデナデ

ヒナタ「にゅふ…もっと…」

ナルト「へいへい」ナデナデ

ナルト(しっかし、酔ってるせいか)

ナルト(…ヒナタの色っぽさが増してる)

ナルト(浴衣だから、太ももとかはだけてるし)ナオシナオシ

ナルト(胸…は見ないほうがいいな、これは)

ナルト(…元が白いから、肌が赤くなってるのが目立つってばよ)

ナルト「これ以上いると、変な気起こしそうだってばよ…」

297: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:17:50 ID:VG7lnaWI
ナルト「俺も酔ってんのかなぁ…」

ナルト「んじゃ、ヒナタ、おやすm」

ヒナタ「んー、や!」ガバ

ナルト「うわっ!?」ドサッ

ヒナタ「にゅふふ、ナルトくんだー」

ナルト「お、おい、起きたのか?」

ヒナタ「…ナルトくんの匂い、好きー」スンスン

ナルト「ちょ、ちょっと、ヒナタ?」

ヒナタ「ナルトくぅん、ぎゅーってして?」

ナルト「え?あ、うん」ギュウ

ヒナタ「えへー、わたしもぎゅーっ」

ナルト(なんだってばよ、この可愛い生物は…)

298: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:22:23 ID:VG7lnaWI
ナルト「おーい、ヒナター?」

ヒナタ「…」スゥスゥ

ナルト「俺は抱き枕じゃないってばよ…」

ヒナタ「うぅん…」ギュッ

ナルト「…」

ナルト(これは、ヒナタが離してくれなかったのが悪いよな?)

ナルト(ふかこうりょく、ってやつだよな?)

ナルト(ちょっと間違って、こっちから抱きついても、事故、だよな?)

ナルト「…」

ナルト「よっと」

ナルト「…ヒナタの顔、綺麗だな…」

299: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:29:13 ID:VG7lnaWI
ナルト「起きないと、もっと寄っちゃうってばよ?」

ヒナタ「…」スゥ

ナルト「…」

ナルト(こんな不意打ちしたって、ダメだよなぁ)

ヒナタ「…どうしたの?ナルトくん?」

ナルト「え!?お、起きてたのか?」

ヒナタ「ううん、さっき目が覚めた…」

ヒナタ「…何するつもりだったの?」

ナルト「い、いや、別に…」

ナルト「あ、すぐ離れっから…」

ヒナタ「だーめ、このままで話して」グイ

ナルト(腕を回されて、動けねぇ…)

ヒナタ「ねぇ、何がしたかったの?」ペロリ

300: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:37:11 ID:VG7lnaWI
ナルト「…何も」

ヒナタ「そうなの?」

ヒナタ「ちゃんと言ってくれれば、私も考えるのになぁ」

ヒナタ「例えば、もーっと近付いてみたり…」ズイッ

ヒナタ「ほら、あと少しで…」

ヒナタ「…キス、出来ちゃうよ?」

ナルト「あ、う…」

ヒナタ「うふふ、ナルトくん顔まっかだよ?」

301: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/14(水) 02:43:57 ID:VG7lnaWI
ヒナタ「なーんて」

ナルト「え?」

ヒナタ「いいよ、しても」

ヒナタ「…私も、したいから」////

ナルト「ヒナタ…」

ヒナタ「初めては、ナルトくんからして欲しいな…」

ナルト「…分かったってばよ」

ナルト「…目、閉じて」

ヒナタ「…んっ」チュッ

ナルト「…酒の味がする」

ヒナタ「ふふふっ、私も」

ヒナタ「ね、もう一回…」ギュッ

ナルト「…ああ」

306: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/14(水) 22:18:48 ID:VG7lnaWI
ヒナタ「…もうすぐ、夜明けだね」

ナルト「結局眠れなかったってばよ」

ヒナタ「ふふっ、たまには夜更かしくらいいいと思うけどね」

ナルト「もうそろそろ徹夜になるからなぁ」

ナルト「夜明けか…最近は見てねぇな…」

ナルト「ん?夜明け?」

ヒナタ「どうかしたの?ナルトくん?」

ナルト「いや、なんか引っかかって…」

ナルト「…あっ!!」

ヒナタ「え?ど、どうしたの?」

307: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/14(水) 22:23:00 ID:VG7lnaWI
ナルト「まだ日は昇ってないよな?」

ヒナタ「う、うん」

ヒナタ「あと1時間くらい、かなぁ」

ナルト「…それなら、まだ間に合うってばよ!」

ヒナタ「何に間に合うの?」

ナルト「あー…説明は後でするってばよ!」

ナルト「とりあえず、着替えてくれ」

ヒナタ「よ、よく分からないけど、分かった」

ナルト「俺も着替えなきゃだってばよ!」ガサガサ

ヒナタ(な、何なんだろう?)

308: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/14(水) 22:35:34 ID:VG7lnaWI
ナルト「ヒナタ、準備できたか?」

ヒナタ「一応宿の人に言ってきたよ」

ナルト「よっし!」

ナルト(ここから走っても、普通じゃ間に合わねぇし)

ナルト(クラマ、ちょっと力を貸してくれ)

クラマ(…仕方のない奴だ)

ナルト(あんがとよ!)

クラマ(…ふん、ま、どうせ使うなら思いっきりやっちまえ)

ナルト(いつも通り、だってばよ!)

クラマ(…ま、頑張れや)

ナルト(おうっ!)

315: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:36:36 ID:AVoYYjww
ナルト「よし、んじゃヒナタ、行くってばよ」ゾワッ

ヒナタ「え?九尾モードで?」

ナルト「こっちのが早いからさ」

ナルト「さーて、失礼して…」ヨイショッ

ヒナタ「きゃっ!?」

ナルト「へへっ、お姫様抱っこっていうんだっけ?」

ヒナタ「あ、あのあのあの…」

ナルト「文句なら後で聞くってばよ」

ナルト「しっかり掴まっててくれ」ビュンッ

ヒナタ「ま、まだ心の準備が…って」

ヒナタ「きゃああぁぁぁ」

316: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:42:17 ID:AVoYYjww
~山腹 秘密の場所~

ナルト「うへ、やっぱり速えなぁ」

ヒナタ「…」

ナルト「怒ってる?」

ヒナタ「怒ってないけど」

ヒナタ「もう少し優しくして欲しかったなーって」プンスカ

ナルト「わ、悪かったってばよ…」

ヒナタ「んー、許して欲しい?」

ナルト「も、勿論!」

ヒナタ「…じゃあ、もう少しこのままで居てね」

ナルト「え?そんなんでいいのか?」

317: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:43:24 ID:AVoYYjww
ヒナタ「だって…」

ヒナタ「その、重くない?」

ナルト「いや、むしろ軽すぎる気がするってばよ」

ヒナタ「そ、そうかな…」////

ナルト(え?喜ぶようなこと言ったか?)

ヒナタ「…本当にお姫様になったみたい」

ナルト(…ま、ヒナタがいいならいっか)

318: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:45:43 ID:AVoYYjww
ヒナタ「あ、でもまたここに戻ってきて、何かあるの?」

ナルト「おっと、説明してなかったか」

ナルト「…でも、見た方が早いみたいだってばよ」

ヒナタ「見る?」

ナルト「ほら、日が昇るから」クイッ

ヒナタ「…あっ」

319: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:48:08 ID:AVoYYjww
ナルト「◯◯仙人の言ってたこと、思い出してさ」

ナルト「ここって、丁度日が向かい側から出るんだよな」

ナルト「んで、湖に映るっと」

ヒナタ「…綺麗」

ナルト「俺も、見たのは初めてだってばよ」

ナルト「…◯◯仙人も、これ、見たんだよな」

ヒナタ「ナルトくん…」

320: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:51:35 ID:sgNyKYk2
ナルト「…あ」

ヒナタ「今度はなぁに?」

ナルト「いや、もう一つ思い出した…」

ナルト「思い出さなきゃ良かった…」

ヒナタ「え?気になるよぅ」

ナルト「…そういや、ここで◯◯仙人ってば、綱手のばーちゃんに告白しようとしたことがあるって…」

ナルト「…縁起でもねぇ」ズーン

ヒナタ「ふ、ふられちゃったの?」

ナルト「そもそも、途中で帰られたような…」

ヒナタ「そ、そうなんだ…」

321: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:56:59 ID:AVoYYjww
ヒナタ「…でも」

ナルト「ん?」

ヒナタ「それもさ、私たちが変えちゃえばいいんじゃない?」

ナルト「…そうだな」

ヒナタ「ずっと、仲良く出来ればいいね」

ナルト「…出来るさ」

ナルト「てか、俺たちでするんだってばよ!」

ヒナタ「…うん」

ヒナタ「ふふっ、来て良かったね」

ナルト「ははっ、そうだな」

ヒナタ「…もう少し、見ててもいい?」

ナルト「…おう」

322: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 13:58:56 ID:AVoYYjww
ヒナタ「ナルトくん」

ナルト「何だ?」

ヒナタ「…結婚するまで、ダメだよ?」

ナルト「ぶっ!!?な、何をイキナリ!?」

ヒナタ「ふふふっ」

ヒナタ「でも、少しくらいなら、いいかも…」////

ナルト「す、少し!?」

ヒナタ「じょ、冗談だってば…」

ナルト「…心臓に悪いってばよ…」

323: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:03:38 ID:AVoYYjww
~回想終了~

ナルト「いろいろあったなー」

ヒナタ「そうだねー」

テンテン「…」

ナルト「ん?どうした?」

テンテン「は、破廉恥すぎっ!!」

テンテン「な、なななななんでそんなに詳しく覚えてるの!?」

テンテン「あと、それを詳しく話してくれちゃうの!?」////

ナルト「え?だって、もう聞かれちゃってるんだし」

ヒナタ「ごめんね、テンテンが赤くなるのが楽しくなっちゃって」フフフ

テンテン「もうっ!口から砂糖出ちゃうかと思ったんだから!!」

テンテン「ううっ年下にからかわれちゃうなんて…」

ナルト「何か、変な所で初心だよなぁ」

テンテン「うるさいっ!ナルトは黙りなさい!」

ナルト「えー」

324: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:07:40 ID:AVoYYjww
テンテン「…でも、本当、二人にもいろいろあったんだね」

テンテン「ずっと仲良かった印象しかないや」

ナルト「そういや、殆ど喧嘩もしてねぇな」

ヒナタ「そんなことないよ、ちょこちょこしてるよ」

ナルト「そうだっけ?」

ヒナタ「この前だって、子供の名前で喧嘩したじゃん」

ナルト「喧嘩…か?」

ナルト「ただの小競り合いみたいなもんだろ?」

テンテン「…とりあえず、今でも仲良しなのは分かった」

325: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:10:17 ID:AVoYYjww
テンテン「そういえば、結局約束は守ったの?」

ナルト「約束?」

テンテン「あ、あの、ほら」

テンテン「結婚前に…ってやつ」////

ナルト「あ、あー…」ポリポリ

ヒナタ「…内緒」////

テンテン「え、えー!何その反応!?」

ナルト「な、何でもないってばよ」

テンテン「嘘!ぜぇったいに、嘘!」

326: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:17:24 ID:AVoYYjww
テンテン「…ふう」

テンテン「ま、それはいつか聞かせてもらうことにするよ」

ナルト「は、話さないからな?」

ヒナタ「結構時間たっちゃったね」

テンテン「うん、そろそろ行かなきゃ」

ナルト「送っていこうか?」

テンテン「これでも、あたしは結構強いんだけど?」

ナルト「あー、はいはい、そうだったってばよ」

テンテン「んじゃ、またね」

テンテン「ナルト、ちゃんとヒナタについててあげてね?」

ナルト「当たり前だってばよ」

327: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:20:41 ID:AVoYYjww
ヒナタ「また来てね」

テンテン「うん、時間作ってまた来るよ!」

テンテン「それじゃ!」

ナルト「…相変わらず、勢いが凄いってばよ」

ヒナタ「ふふっ、テンテンのいい所の一つ、だからね」

ナルト「…飯でも食うか」

ヒナタ「うん、そうしよっか」

328: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:24:16 ID:AVoYYjww
~ちょっとしたおまけ~

ヒアシ「…ネジ、うまくいったか?」

ネジ「…はい、ナルトとヒナタ様は、予定通り近くの街に向かったようです」

ヒアシ「そうか…」

ネジ「よろしかったのですか?」

ネジ「火の国の役人まで動かして…」

ヒアシ「問題ない、上には話を通してある」

ネジ「末端の人間は、必死に捜索をしているような…」

ヒアシ「…すぐに撤退の命令が下るだろう」

329: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:27:16 ID:AVoYYjww
ヒアシ「ちゃんと、そこそこの宿を開けておいた」

ヒアシ「…うちの娘も、ナルトくんも、奥手でいかん」

ヒアシ「私の頃は…」

ネジ(…この方の親バカも、そうとうなものだな…)

ヒアシ「ネジ!聞いているのか」

ネジ「は、はい」

ネジ(…ナルト、誠実にな…)

ハナビ(…ふーん、なるほど)

ハナビ(後で教えてあげよっと)

ハナビ(…ナルトさん、わたし、まだあきらめないから、ね)

330: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/16(金) 14:30:44 ID:AVoYYjww
~おまけ終わり~

ヒナタ「ご馳走様でした」

ナルト「お粗末様でした」

ヒナタ「ナルトくんも、料理出来るようになって来たね」

ナルト「簡単なのだけな」

ナルト「さすがに、ずっとヒナタに頼りっぱなしじゃさ」

ヒナタ「ふふっ、ありがとう」

ナルト「お互いさま、だってばよ」

336: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 01:45:58 ID:RBAzLJSw
コンコン

ナルト「あれ?また誰か来たのか?」

ナルト「ちょっと、見てくるってばよ」

ヒナタ「うん、お願い」

ナルト「はーい、今行くってばよ」タッタッタ

ナルト「て、なんだサスケか」

サスケ「香燐も連れてきた」

香燐「こんばんは~」

ナルト「うげ…」

香燐「うげ?」

ナルト「あ、な、なんでもないってばよ!!」

香燐「…ふーん」

337: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 01:55:30 ID:RBAzLJSw
香燐「まあいいけどさ」

サスケ「上がってもいいか?」

ナルト「お、おう、もちろんだってばよ」

香燐「おじゃましまーす」

香燐「ヒナター?」

ヒナタ「香燐さん!どうして!?」

香燐「そろそろだって聞いてたしさ」

香燐「はい、安産祈願のお守り、持ってきたの」

ヒナタ「こ、こんなにたくさん…」

香燐「みんなの分もまとめてきたからね」

338: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 02:02:20 ID:RBAzLJSw
サスケ「ほら、なに惚けてんだよ」

ナルト「あって、なんか、いつもの香燐さんと違ってて」

サスケ「…その呼び方、変わんねぇのか?」

ナルト「…怒らせたらこえーもん」

サスケ「はっ、違いない」

サスケ「あいつなりのけじめらしいぜ?」

サスケ「家の外とか、俺以外の男がいるところでは、一人称私にしてるみてーだし」

ナルト「けじめ?」

サスケ「ま、自分ルールみたいなもんか」

ナルト「お、すっぱり理解できたってばよ」

サスケ「…そりゃよかったな」

339: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 02:07:59 ID:RBAzLJSw
ナルト「しっかし、二人のそういう話って、全然聞いたことないってばよ」バタン

サスケ「ま、聞かれなかったし、話すつもりもないしな」

ナルト「ちょっとくらい教えてくれても…」

サスケ「香燐が許したらな」

ナルト「…一体どんな秘密があるんだってばよ?」

サスケ「秘密なんてねえよ」

サスケ「人に歴史有りってな」

ナルト「あんまり難しいこと言うなよな」

サスケ「…お前、とりあえずアカデミーからやり直してこいよ」

340: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 02:17:46 ID:RBAzLJSw
香燐「サスケ、二人共もうご飯食べちゃったんだってさ」

サスケ「そうか、タイミング悪かったな」

ナルト「ん?飯関連できたのか?」

香燐「へへん、ちょっとしたものだけど、作ってきたのよ」

香燐「まあ、日持ちするから、よかったら明日にでも食べて頂戴」

ヒナタ「はい!ありがとうございます」

サスケ(なんかやけに元気だな)

ナルト(あー、結構相談に乗ってもらったりしてるみてーだし)

ナルト(ヒナタも香燐さん大好きだからなー、嬉しいんだろ)

サスケ(へぇ、そういうのもあるんだな)

香燐「ねぇナルト、もう名前決めたの?」

ナルト「え?」

341: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/18(日) 02:27:11 ID:RBAzLJSw
香燐「生まれてくる子供の名前よ」

香燐「たしか、女の子だったわよね?」

ヒナタ「はい、そうです」

香燐「教えてくれてもいいんじゃない?」

ナルト「あ、いや俺は…」

ヒナタ「ふふっ、男の子じゃなかったから、私が付けることになったんですよ」

香燐「あら、二人で相談するタイプだと思ったけど」

ナルト「…俺にはセンスがないってさ」

サスケ「ああ、なるほど」ポンッ

ナルト「…傷つくってばよ」

346: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 01:41:28 ID:jw6yKqag
ヒナタ「この子の名前はアカリちゃんにするつもり」ナデ

香燐「アカリ?ふーん」

サスケ「なんか、由来とかあるのか?」

ヒナタ「うん」

ヒナタ「最初はヒカリにしようと思ってたんだけどね」

ヒナタ「これから、誰かを照らせるくらいに輝いて欲しくて」

ヒナタ「でも、思ったの」

ヒナタ「…別に、そんなに大きくなくていいなぁって」

香燐「どういうこと?」

347: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 01:51:26 ID:jw6yKqag
ヒナタ「みんなを照らす光になってくれるより」

ヒナタ「自分の大切な人の為に精一杯灯るアカリになって欲しいなって」

香燐「…場合によっては、そっちの方が大きいけどね」

ヒナタ「うん、でも」

ヒナタ「アカリの方が、暖かい感じもしない?」

サスケ「…俺はいいと思うぜ?」

サスケ「うずまきアカリ、結構あってると思うしな」

ナルト「俺もそう思ったから、ヒナタの意見そのまま採用ってなったんだってばよ」

348: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 01:59:42 ID:jw6yKqag
サスケ「うちのモリトとも仲良くしてくれりゃあいいんだがな」

ナルト「二つ上だから、分からないってばよ」

香燐「そう?案外歳の差なんて気にしないもんよ?」

サスケ「女の方はそうかもしんねーな」

ナルト「男はさ、ある時期に女の子と一緒だと、猛烈にからかわれるもんなんだってばよ」

ヒナタ「あはは、そういうのってあるよね」

ナルト「…その時、俺たちはどうなってんだろうなぁ」

サスケ「どうした?」

349: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 02:05:39 ID:jw6yKqag
ナルト「これからさ」

ナルト「こいつらが大きくなっていくんだろうけど」

ナルト「俺たちはどうなんのかなって」

ヒナタ「別に、何も変わらないんじゃない?」

ナルト「…だって、父親になるってだけで、かなり不安になるってばよ…」

香燐「…ぷっ」

ナルト「え?」

香燐「あははははは、もうだめ…」

サスケ「…」ポリポリ

350: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 02:11:55 ID:jw6yKqag
ナルト「な、なんだよ、その反応は…」

香燐「だって…あははは」

サスケ「…香燐、そろそろやめとけ」

香燐「はぁ、ふぅ」

香燐「あー、ナルトごっめん」

香燐「別にあんたが悪いってわけじゃないのよ」

ナルト「どういうことだってばよ?」

351: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 02:19:24 ID:jw6yKqag
香燐「あんたが言ってること、まんまサスケが言ってたのよ」

ナルト「サスケが?」

香燐「うん、だから、ちょっと面白くなっちゃって」

サスケ「…ナルト」

ナルト「ん?なんだってばよ」

サスケ「とりあえず、何も変わらない」

サスケ「やることは一緒だ、守るやつは増えるけどな」

サスケ「むしろ、お前がしっかりしてなきゃ、ヒナタが不安になっちまうだろ」

ナルト「あっ…」

ナルト「そうだったのか?ヒナタ」

ヒナタ「あ、その…」

ナルト「…そっか」

ナルト「俺ってば、夫失格だな」

352: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 02:36:21 ID:jw6yKqag
香燐「はいはい、凹んでんじゃないの」

香燐「ほら、サスケ、ネタバラシもしてあげないと」

サスケ「…今のは、サクラに言われたまんまだ」

ナルト「サクラちゃんが?」

サスケ「ああ」

ヒナタ「ふふっ、やっぱりすごいねぇ」

サスケ「まあ、そういうこった」

サスケ「とりあえず、ナルト」

サスケ「お前、もう少しヒナタと話してみろよ」

サスケ「結構、そういうの大事だぜ?」

香燐「そうそう」

香燐「ウチらも、そうやってここまで来たんだから」ギュッ

サスケ「お、おい…」

353: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 02:54:30 ID:jw6yKqag
香燐「今は二人にしてあげたほうがいいと思うから」

香燐「ナルト、あんたはもうちょっとヒナタを気遣いなさい」

ナルト「え?は、はい」

香燐「ヒナタも、もっとわがまま言っちゃいなさいな」

ヒナタ「ふふ、そうします」

香燐「それじゃ、また来るから」

香燐「今日はちゃんと話し合い、ね」

サスケ「急にどうしたんだ」

香燐「まだ、ウチらが来る段階じゃなかったってこと」

香燐「さ、モリトも検査終わるだろうし、帰ろう?」

サスケ「…ま、お前がそう言うなら」

357: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:02:53 ID:aQFU6r/A
ナルト「検査?何かあったのか?」

サスケ「いや、まああいつも特殊な境遇だろ?」

香燐「うちはの新世代だからってだけ」

香燐「とりあえず、二人とも、これからが大変なんだってこと、忘れないように」

ヒナタ「はーい、肝に命じます」

香燐「…本当に分かってるのかしら、この子は…」

ヒナタ「大丈夫、だって」

ヒナタ「ナルトと一緒だから」

サスケ「…言うねぇ」

香燐「だってさ?ナルト」

ナルト「ははっ、責任重大だってばよ」

358: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:07:14 ID:aQFU6r/A
香燐「それじゃ、またね」

香燐「今度はモリトも連れて来るから」

ヒナタ「うん、楽しみにしてる」

サスケ「ま、気楽にな」ポン

ナルト「おう、いろいろありがとな」

香燐「外野に出来るのは様子見くらいってね」

サスケ「んじゃ、身体に気をつけろよ」パタン

ナルト「…頼もしいな、経験者がいるとさ」

ヒナタ「ふふっ、そうだね」

359: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:13:09 ID:2fPTbigA
ナルト「ヒナタ、ごめんな」

ヒナタ「え?何が?」

ナルト「俺が、しっかりしなきゃダメなのにな」

ヒナタ「…ううん、気にしてないよ」

ヒナタ「私は、ナルトが居てくれるだけで」

ヒナタ「すっごく、心強いんだから」

ナルト「…」

ナルト「ああー!もう!」ガバッ

ヒナタ「ひ、ひゃっ!?」

ナルト「俺、ヒナタと結婚して良かったってばよ…」

ヒナタ「…うん、私も」

ナルト「これからも、二人…じゃなかった」

ナルト「三人で頑張ろうな!」

ヒナタ「ふふふっ、うん、よろしくね」

360: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:20:10 ID:aQFU6r/A
~ナルトの家 正面通り~

香燐「あぁ、あんな大声で叫んじゃって…」

サスケ「あいつはああいう奴なんだよ」

香燐「もっと落ち着きなさいとは思うんだけどね」

香燐「…そういえば、ちゃんと用意出来てるの?」

サスケ「心配ない、今だって見張りがいるはずだ」

サスケ「ナルトやヒナタに余計なことは考えさせたくない」

香燐「そっか、それならいいんだけど」

香燐「予定では、もうそろそろだから」

サスケ「…少し確認してくる」

サスケ「モリトのこと、頼めるか?」

香燐「ええ、そう言ってくれると思ってたから」

サスケ「お前も大概、あの二人には過保護だよな」

香燐「だって、ほっとけないじゃない?」

サスケ「…ま、確かにな」

361: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:23:23 ID:aQFU6r/A
サスケ「それじゃ、ちょっと行ってくる」

香燐「うん、行ってらっしゃい」チュッ

サスケ「…おう」シュッ

香燐「…頑張ってね、サスケ」

香燐「さ、モリトを迎えに行かなきゃね…」

362: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:28:43 ID:aQFU6r/A
サスケ「…」ギンッ

サスケ「あそこか…」シュッ

サスケ「よっ」

???「…突然来るなよ、驚くから」

サスケ「今日はシカマルか」

シカマル「ああ」

シカマル「とりあえず異常はねぇよ」

サスケ「そのまま頼む」

サスケ「不審な奴は寄せるな」

シカマル「へいへい、分かってるよ」

シカマル「ったく、メンドクセーけど、そうも言ってらんねぇか」

サスケ「ああ、何も無いとは思うが…」

シカマル「警戒しといた方がいいのは分かってるよ」

363: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:35:32 ID:aQFU6r/A
シカマル「なんてったって、大戦後初、影の跡取り誕生だ」

シカマル「どんな輩が狙うとも分からねぇ」

サスケ「…あと、な」

シカマル「ナルトとヒナタにバレるな、だろ?」

シカマル「むしろ、そっちのがキツイぜ、ったく」

サスケ「あいつらには、何も知らないままでいてもらった方がいい」

シカマル「…へいへい、随分と丸くなったもんだな」

サスケ「…俺がこの里に居られるのも、あいつらのおかげだしな」

シカマル「…ま、心配しなくても、ちゃんとやるさ」

シカマル「ナルトもヒナタも、大事な仲間だからな」

サスケ「…ああ」

364: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:43:13 ID:aQFU6r/A
~ナルトの家~

ナルト「…結婚してから、いろいろあったよな」

ヒナタ「うん、本当にね」

ナルト「もう一年になるのかぁ」

ナルト「ヒナタと結婚してから、時間が経つのが早いってばよ」

ヒナタ「うん、私も」

ヒナタ「初めてのことも沢山あって、いっばいいっばいだったし」

ナルト「そうだな…」

ナルト「…結婚式も、ハチャメチャだったもんな」

ヒナタ「ふふっ、うん」

ヒナタ「お父さん、今でも自慢気だよ?」

ナルト「そうなのか?」

365: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/19(月) 13:47:02 ID:aQFU6r/A
ヒナタ「うん、いい式に出来たって」

ナルト「そりゃあ、確かにいい式ではあったんだけど…」

ナルト「あの時、ちょっとだけお義父さんの見方が変わったってばよ」

ヒナタ「ふふっ、うちのお父さんは、結構お茶目な所あるから」

ナルト「お茶目、なぁ」

ヒナタ「結婚式かぁ」

ヒナタ「あの日も、ナルトくんは弱気だったよね」フフッ

ナルト「あ、あれは…」

ヒナタ「ちょっと、思い出してみよう?」

371: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:11:16 ID:6M.um.UE
~結婚式 当日~

ナルト「ちょ、ちょっとキツい…」

サスケ「あまっちょろいこと言ってんじゃねぇよ」グイッ

サスケ「帯くらいバシっと締めなくてどうすんだ」

ナルト「で、でもよぉ」

サスケ「おら、一応これで大丈夫だろ」

ナルト「キマってるか?」

サスケ「…お前にしちゃあ上出来だよ」

ナルト「…へへっ、そっか」

372: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:15:08 ID:6M.um.UE
ナルト「ヒナタの方はどうしてるかな?」

サスケ「ま、女のほうが、こういう準備は長くかかるからな」

サスケ「それより、随分リラックスしてんじゃねえか」

ナルト「そうか?」

ナルト「ま、俺ってば本番に強いタイプだから」

サスケ「いや、この場合当てはまるのか?それ」

ナルト「うーん、どうだろう」

サスケ「…自分の発言にくらい責任持てよ」

ナルト「なんか、別にいつもと変わらないんだよなぁ」

ナルト「実感わかねー」

サスケ「…はぁ」

373: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:20:25 ID:6M.um.UE
サスケ「あのな、ナルト」

サスケ「今日から、ヒナタはお前の嫁になるんだぞ?」

サスケ「うずまきヒナタになる」

サスケ「んで、お前は一応日向の家にも加わるんだろ?」

サスケ「様変わりじゃねぇか」

ナルト「いやー、付き合いだしてから、前よりずっとココ、来てるからなぁ」

サスケ「…そもそも、自分の家を会場に指定するヒアシさんも相当だがな」

ナルト「別に、広いからいいんじゃねぇの?」

サスケ「そういう問題かよ…」

375: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:25:21 ID:6M.um.UE
ナルト「にしても、この服動きにくいってばよ…」グイグイ

サスケ「あ、バカ、そんな風にしたら緩んじまうだろうが」

ナルト「ぐえっ、わ、分かったから引っ張んなって」

ナルト「時間になったら誰が教えてくれるんだっけ?」

サスケ「ネジが来るだろ?多分」

ナルト「…どのくらい人呼んだのかな」

サスケ「身内だけでこっそりやる風だったけどな」

サスケ「俺は、お前に礼服届けに来ただけだし」

ナルト「せっかくだから、列席するってばよ」

サスケ「そもそもが香燐のついでに来てんだ、最後までいることにはなると思う」

ナルト「…お前でも、逆らえないものがあったんだな」

サスケ「安心しろ、お前もいずれこうなる」

376: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:30:01 ID:6M.um.UE
~奥の間~

ヒナタ「…」

香燐「ふんふーん」チョイチョイ

香燐「…うん、いい仕上がりね」パチン

香燐「もう目を開けても大丈夫よ、ヒナタ」

ヒナタ「はい、ありがとうございます」

ヒナタ「どんな感じですか?」

香燐「はいはい、自分で確認!」つ鏡

ヒナタ「…これが、私?」

香燐「あんた、普段から化粧っけなさすぎなのよ」

香燐「その癖、ウチよりきめ細かい肌ツヤしてからに…」

香燐「ま、今度しっかり教えてあげるわ」

ヒナタ「は、はい、よろしくお願いします」

377: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:35:27 ID:6M.um.UE
香燐「…にしても、あんた」

ヒナタ「え?何ですか?」

香燐「…驚く程美人ね」

香燐「まるで人形みたい」

ヒナタ「そ、そんな、人形だなんて…」

香燐「全く、ナルトにはもったいないわね」

ヒナタ「そんなこと、ないです」

ヒナタ「むしろ、私、ずっと不安で…」

香燐「不安?何が?」

378: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:40:13 ID:6M.um.UE
ヒナタ「…本当に、私でいいのかなって」

ヒナタ「ナルトくんの為になるのかなって」

ヒナタ「…そんなことばかり頭に浮かんで…」

香燐「…ていっ」ベシッ

ヒナタ「きゃっ」

香燐「もう、そんな考えは追い出しなさい」

香燐「だいたいそれ、ナルトに失礼よ?」

ヒナタ「ナルトくん…?」

香燐「そりゃあそうよ」

香燐「自分で選んだ女自身に否定されるんじゃ、あいつの気持ちはどうなんのよ」

ヒナタ「…あっ」

379: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:45:38 ID:6M.um.UE
香燐「…でも、ま、分かるわ、その気持ち」

ヒナタ「そう、なの?」

香燐「うん」

香燐「ウチも、そんな感じでぐるぐるしてた」

香燐「たぶん、多かれ少なかれ、皆が経験することだと思う」

香燐「不安と、喜びと、いろんな感情がぐちゃぐちゃになっちゃって」

香燐「こんな思いをするくらいなら、結婚なんてやめちゃおうかな、ってさ」

ヒナタ「…うん」

380: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/21(水) 01:50:04 ID:6M.um.UE
香燐「でもね、こんな風に悩んでるの、女の方だけみたいよ?」

ヒナタ「え?」

香燐「サスケもそう」

香燐「いつも通りだった」

香燐「いつも通りで、それが妙に頼もしくてね」

香燐「男ってね、かなり行き当たりばったりなのよ」

香燐「不安な気持ちとか、そういうのは放っておけるわけ」

香燐「多分、ナルトもピンピンしてるわ」

ヒナタ「…なんかズルい」プゥ

香燐「ふふふっ、その代わり、子供が出来たらあっちが慌てんのよ」

ヒナタ「…まだ先のことだから、今は関係ないもん」

381: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 01:59:33 ID:6M.um.UE
香燐「まだ先?」

香燐「甘い甘い」

香燐「練乳かけ宇治金時くらい甘いわ」

ヒナタ「普通に美味しそうだけど…」

香燐「うっさい、美味しいに決まってんでしょ!」

ヒナタ「…うう、理不尽」

香燐「いい、ちゃんと自分の周期をカレンダーにでも書いておきなさい」

ヒナタ「え!?で、でも…」

香燐「こっちがお膳立てしなきゃ、全然そういうの気にしてくれないんだから…」

ヒナタ「あの、それって私怨なんじゃ…」

香燐「と、に、か、く」

香燐「あんたたちはこの里の火影夫婦になるのよ?」

香燐「跡継ぎ、大事でしょう?」

ヒナタ「…それは、そうかも」

382: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:03:51 ID:6M.um.UE
香燐「…そういえばさ」

香燐「あんた達、その、シてないわけ?」

ヒナタ「え?何がですか?」

香燐「話から察しなさいよ」

ヒナタ「…」ポクポクポク チーン

ヒナタ「な、ななななな、何を…!?」////

香燐「その反応、マジなのね…」

香燐「今時珍しいほどの健全カップルだわ」

ヒナタ「ううっ…」

383: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:08:55 ID:6M.um.UE
香燐「…で?本当に?」

ヒナタ「ほ、本当です!」

香燐「…それに準ずる行為も?」

ヒナタ「…」////

香燐「…なーるほど」

香燐「ま、そうじゃなきゃ、ナルトも困っちゃうわよねぇ」

ヒナタ「…べ、別に変なことは」

香燐「はいはい、それが普通なのよ、普通」

香燐「何もないなんて、それこそ病気よ」

384: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:14:07 ID:6M.um.UE
香燐「ま、こんどあんたには教育が必要そうだけどね」

ヒナタ「教育!?」

香燐「どうせ、学校で習った程度でしょ?」

香燐「ナルトも初めてだろうし、下手すりゃ怪我しちゃうわよ」

ヒナタ「怪我?」

香燐「ええ、およそ治療に行きたくなくなる部位にね」

ヒナタ「…」

香燐「ま、お互いに準備がいるものよ」

香燐「一番いいのは、二人でじっくり取り組むことね」

香燐「そのための教育」

香燐「ナルトに言ったって、聞きやしないんだから」

ヒナタ「…よろしくお願いします」

香燐「はいはい、女医さんの力、見せてあげるわ」

385: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:18:36 ID:6M.um.UE
香燐「さて、無駄話もそろそろおしまい」

香燐「どう?まだ不安?」

ヒナタ「…そういえば、大丈夫みたい」

香燐「ふふっ、それなら良かった」

香燐「ウチはサスケと合流するわ」

香燐「そろそろ、お呼がかかる時間だし…」

ハナビ「ねえさま、もうすぐ時間ですよ」ガラッ

ハナビ「って、あら?」

香燐「…ほらね?」

386: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:22:32 ID:6M.um.UE
ハナビ「あら、もう行かれるんですか?」

香燐「旦那拾ってくるだけよ」

香燐「ヒナタのこと、お願いね」

ハナビ「なるほど、分かりました」

ヒナタ「わ、私、別にひとりでも…」

香燐「あー、いいからいから」

香燐「ハナビちゃん、裾に気をつけてあげてね」

ハナビ「はい、心得ました」

香燐「それじゃ、まあね」

ヒナタ「…随分、香燐さんと仲がいいのね」

ハナビ「ええ、イロイロ相談に乗っていただきましたから」

387: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:26:24 ID:6M.um.UE
ハナビ「ねえさま」

ヒナタ「何?」

ハナビ「…とうとう、嫁がれるのですね」

ヒナタ「とうとうって何よ」

ハナビ「…わたしの負けなんです、少し位は憎まれ口を叩いてもいいでしょう?」

ハナビ「未練がましい女です、わたしは…」

ヒナタ「…ハナビ」

ハナビ「…自分でも、結構変われたと思っているのですが」

ハナビ「ねえさまとナルトさんの間には、入れませんでしたね」

388: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:31:10 ID:6M.um.UE
ハナビ「…ねえさま、すごく綺麗です」

ハナビ「こんな綺麗なひとに負けたなら」

ハナビ「…諦めも…」

ヒナタ「…いいよ」ギュッ

ハナビ「…ねえさま?」

ヒナタ「無理して、納得しようとしなくても、いいよ」

ハナビ「…うぅ」ポロポロ

ハナビ「…わたし、本当にナルトさんが好きだったんです」

ハナビ「今でも…」

ハナビ「…ねえさま、絶対に」

ハナビ「幸せになってください…」ズズッ

ヒナタ「…うん」

ヒナタ「ありがとう、ハナビ」

389: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/21(水) 02:35:16 ID:6M.um.UE
ハナビ「…みっともないところを見せてしまいました」グスッ

ハナビ「行きましょう、皆さんお待ちです」

ヒナタ「うん、分かった」

ハナビ「…わたしが結婚するときは、この衣装をいただこうと思っていましたが」

ハナビ「…くっ」

ヒナタ「ど、どうしたの?」

ハナビ「…目算でわかります」

ハナビ「…おそらく、胸の分の生地がダレてしまうでしょう」

ヒナタ「そ、そんなこと…」

ハナビ「いいんです、情けは無用」

ハナビ「わたしも新調しましょう」

393: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 10:43:38 ID:Z7fmdmig
~日向家 広間~

ナルト(こ、この雰囲気…)

ナルト(両側にズラッと里の大物が…)

ナルト(それに、正面のヒアシさん)

ヒアシ「…」

ナルト(こ、怖い)

ナルト(振り返ってキョロキョロも出来ねぇし)

ナルト(サスケ!香燐さん!ヒナタ!)

ナルト(助けてくれってばよ~)

394: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 10:48:40 ID:Z7fmdmig
香燐(あの馬鹿…)

サスケ(余裕ぶってた癖に、すっかり空気に呑まれてやがる)

サスケ(後ろ姿でも、緊張が丸分かりだぜ…)

香燐(でも、さすがに、次期火影の婚姻ね)

香燐(周りも繋がりが欲しくて必死って感じ)

サスケ(ま、ナルトはそういう権力とは無縁できてるしなぁ)

香燐(サスケ、分かってるわよね?)

サスケ(後のフォローだろ?ったく仕方ない奴だ)

香燐(二人の為なんだから、頑張りましょ?)

サスケ(…ま、俺だってあいつらには平和でいて欲しいからな)

香燐(うん、サスケのそういうところ、ウチ大好き)

サスケ(…ふん)

395: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 10:56:45 ID:Z7fmdmig
ハナビ「失礼します…」ススッ

おお…

ナルト(やっとヒナタが来た…か…)

ヒナタ「…お待たせいたしました」

ハナビ(ねえさま、ご武運を)

ヒナタ(ふふっ、ありがとう)

ナルト「…」

396: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:05:16 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「…それでは、これより婚姻の儀を執り行う」

ヒアシ「両人、日向のしきたり従うが、よろしいか?」

ヒナタ「…はい」

ナルト「よろしくお願いします」

ヒアシ「それでは、まずは祝詞を」

ヒアシ「ネジ」

ネジ「はい」

香燐(始まったわね)

サスケ(…なんだ、この気配は…)

397: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:12:32 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「…それでは、新郎、新婦、これを」つ小刀

ヒアシ「この器に、各々の血を受ける」

ヒナタ「…っ」ピッ

ヒナタ「…はい」

ナルト「…ああ」

ナルト「…っ」ピッ

ヒアシ「そして、ここに、二人で新酒を注ぐ」

ナルト「ヒナタ」

ヒナタ「…はい」

とくとくとくっ

398: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:18:14 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「結構」

ヒアシ「三三九度を」

ナルト「っ、っ…っ」ゴクッ

ヒナタ「っ、っ…っ」コクッ

香燐(何だか、こっちまで緊張してくるわね)

サスケ(香燐、やっぱり…)

香燐(それなら大丈夫よ)

香燐(今は二人を見届けるのが先)

サスケ(…ああ)

399: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:25:33 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「これで、両家の血の縁が生まれた」

ヒアシ「新郎、貴君は新婦を妻とし、永劫愛し、信ずることを誓うか」

ナルト「…誓います」

ヒアシ「新婦、貴君は新郎を夫とし、永劫愛し、支えることを誓うか」

ヒナタ「…はい、誓います」

ヒアシ「…これにて、両家の婚礼は成った」

ヒアシ「…ナルトくん、ヒナタを頼む」

ナルト「はい!」

400: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:30:04 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「…さて」

ヒアシ「しきたりはここで終わりだ」

ヒナタ「え?」

ヒアシ「私たちは、常々思っていたのだ」

ヒアシ「これまで、既に火影の業務を引き継いでいるにもかかわらず、ナルトくんを火影候補として扱ってきた」

ヒアシ「それは…」

綱手「こうするためさ!」バンッ

ナルト「え?綱手のばーちゃん!?」

ぱぁん!

イルカ「ナルト、ヒナタ、結婚おめでとう!」

サクラ「そして、火影の正式就任おめでとう!」

ヒナタ「え?あれ?あれ?」

ナルト「ど、どういうことだってばよ?」

401: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:34:37 ID:Z7fmdmig
ヒアシ「しきたりにばかり囚われては、時代は膠着するだけだ」

ヒアシ「…と言うわけで、ここからは無礼講ということだ」

ヒアシ「ヒナター!美しい、美しいぞ!」

ヒアシ「お前の母と瓜二つだ!」

イルカ「悪いな、教えてやらなくて」

イルカ「お前たちを驚かせたくてな」

ナルト「いや、あれ?里のお偉いさんは…」

重鎮A「…まあ、これも新しい時代ということだ」

重鎮B「きちんと見届けさせてもらったよ」

重鎮C「これからは君たちの時代だ、胸を張りたまえよ」

重鎮A「我々は、これで失礼する」

重鎮B「お幸せに、だ」

ヒナタ「あ、ありがとうございます」

402: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:37:51 ID:Z7fmdmig
テンテン「ヒナタ、すっごいキレー!」

ヒナタ「テンテン!?」

テンテン「何よぅ、そんなに驚かなくたって…」

ナルト「いや、髪下ろしたら誰だか分からなかったってばよ」

テンテン「むー、酷い」

サスケ「これは…」

香燐「ま、二人が愛されてる証拠ってやつね」

キバ「おいお二人さん」

サイ「君たちも、料理を運ぶの、手伝ってくれないかな?」

サスケ「…あー、わかったよ」

香燐「ふふっ、やっぱり騒がしい方がいいわね!」

403: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:42:45 ID:Z7fmdmig
イルカ「ナルト、お前、随分立派になっちまって…」

イルカ「俺は、俺は、…嬉しいぞ!」グスッ

ナルト「な、なんでイルカ先生が泣くんだってばよ….」

イルカ「ヒナタも、綺麗になって…」

イルカ「アカデミーの頃のお前たちは…」ウダウダ

いの「誰?イルカ先生に呑ませたの」

チョウジ「え?呑んでないと思うけど」

シカマル「ま、教え子の中じゃナルトが一番問題児だったからな」

リー「感動もひとしお、ですね!!」

シノ「…相変わらず埋れがちなのはだーれだ?」

サクラ「はいはい、拗ねない拗ねない」

404: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:48:06 ID:Z7fmdmig
テマリ「我愛羅、そんな端にいてどうするの!」

我愛羅「…今は、師との時間を楽しませてやろう」

カンクロウ「あんま、楽しそうには見えねージャン?」

我愛羅「ふっ、そんなことは無いさ」

ネジ「三人とも、料理が準備してある」

テマリ「はいはい、ありがたーくいただきましょうか」

我愛羅「…辛いのはダメだ」

カンクロウ「…いい加減慣れるジャン」

我愛羅「…ピリピリするから、嫌いだ」

テマリ「…シカマルに食わせるか…」

シカマル「やなこった」

テマリ「ははっ、冗談だよ、冗談」

シカマル「ったく」

405: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:52:59 ID:Z7fmdmig
~ナルトの家~

ナルト「…ただいま」

ヒナタ「…あの後、みんなでどんちゃん騒ぎだったね…」

ナルト「皆、気を利かせて早めに解放してくれたけどなぁ」

ナルト「いいのか?晴れの舞台があんなで」

ヒナタ「ふふっ、私は楽しかったけど?」

ナルト「…ま、ヒナタがいいなら、いいんだけどさ」

ナルト「イルカ先生、あんなんでアカデミーの校長なんて出来てるんのかな」

ヒナタ「優しい先生だって有名だよ?」

ヒナタ「生徒思いのいい校長先生だって」

ナルト「…心配になるってばよ…」

406: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:55:54 ID:Z7fmdmig
ナルト「…」

ヒナタ「…」

ナルト「あ、あのさ」

ヒナタ「な、何?」

ナルト「俺たちって、その」

ナルト「夫婦になったんだよ、な」

ヒナタ「…うん」

ナルト「…いろいろ、頑張ろうな」

ヒナタ「うん、一緒に、ね」

ナルト「は、ははは」

ヒナタ「ふふふっ」

407: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 11:57:31 ID:Z7fmdmig
ナルト「…とりあえず、今日は風呂入って寝ちまうか」

ヒナタ「そ、そうだね」

ナルト「そ、それじゃ、先、どうぞ…?」

ヒナタ「う、うん…」

408: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:00:19 ID:Z7fmdmig
ナルト(やっべー、何か妙に意識しちまうなぁ)

ナルト(…)ウズウズ

ナルト(い、嫌、別に解禁したからとかじゃなく…)

ナルト(…ごくり)

ナルト(うわああああ、何考えてんだ、俺!)

409: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:04:10 ID:Z7fmdmig
ヒナタ(こ、これから)

ヒナタ(しょ、初夜っていうのなのかな…?)

ヒナタ(ナルトくん、ソワソワしてたし)

ヒナタ(やっぱり、期待、してるのかな…?)

ヒナタ(…)

ヒナタ(で、でも、香燐さんも言ってたし…)

ヒナタ(…)

ヒナタ(が、我慢、しなきゃ、だよね?)

ヒナタ(…)

ヒナタ(と、とにかく、綺麗にしておこう)

410: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:08:51 ID:Z7fmdmig
~寝室~

ナルト「じゃ、じゃあ、電気、消すからな?」

ヒナタ「う、うん…」

ナルト「し、失礼しまーす」

ヒナタ「う、うん…」

ナルト「…」

ヒナタ「…」

二人(お、落ち着かない…!)

ナルト(い、いや、こんな所でがっついてどうすんだ)

ナルト(やっぱり、もうちょい時間をおいて…)

ヒナタ(…)

ヒナタ「な、ナルトくん…」

ナルト「ひ、ひゃいっ?」

ヒナタ「そ、そんなに驚かなくても…」

ナルト「…ごめん」

411: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:13:30 ID:Z7fmdmig
ヒナタ「ナルトくん」

ヒナタ「その…」

ヒナタ「やっぱり、したい?」////

ナルト「ぶぅーっ!?」

ナルト「な、なななな」////

ヒナタ「…そうだよね」

ヒナタ「ずっと我慢してくれてたし…」

ナルト「い、いや、別に…」

ヒナタ「…わ、私なら、その」

ヒナタ「…い、いいよ?」////

ナルト「え、ああああの、それは…」

412: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:18:10 ID:Z7fmdmig
ナルト「ほ、本当に?」

ヒナタ「う、うん…」

ナルト「俺ってば初めてだから、歯止めとか…」

ヒナタ「う、も、もうっ」ガバッ

ナルト「ひ、ヒナタ?」

ヒナタ「こういう時は、き、気遣いとか、しなくていいから!」

ヒナタ「ナルトくんの、したいように、していいから…」

ナルト「…ヒナタ」

ヒナタ「…ナルトくん」

413: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:21:14 ID:Z7fmdmig
ナルト「…じゃあ、その」

ナルト「服、脱がすぞ?」

ヒナタ「か、確認しなくても…」////

ナルト「ご、ごめん」

ヒナタ「あ、後….」

ナルト「ん?何だ?」

ヒナタ「…で、出来るだけでいいから」

ヒナタ「…優しく、してね?」////

ナルト「…」

ナルト「ヒナタぁ!」

ヒナタ「きゃっ!?」


キングクリムゾン!

414: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/22(木) 12:24:33 ID:Z7fmdmig
~そして現在~

ヒナタ「…いろいろあったねぇ」

ナルト「あ、ああ」

ナルト(…そういや、あの日は精魂尽き果てたな…)

ナルト(ヒナタの意外な一面を見たってばよ…)

ヒナタ「どうかした?」

ナルト「…いや、何でもないってばよ」

ヒナタ「?」

ナルト(…本人は、あんまり自覚無いんだもんなぁ)

ナルト(ま、比べるもんでもないか…)

422: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:13:42 ID:IHFaVA0Q
~翌日~

ナルト「…ふぁあぁぁぁぁ」

ナルト「あれ?」

ヒナタ「…」スゥスゥ

ナルト「珍しい、ヒナタより先に起きちまったのか…」

ナルト「…ま、たまにはいいよな」

ナルト「顔洗ってこよう…」

ヒナタ「…」スゥスゥ

423: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:16:50 ID:IHFaVA0Q
ナルト「今日はなにかあったっけかな?」シャコシャコ

ナルト「仕事は…まあ家で出来るし」

ナルト「うーん」

コンコン

ナルト「ん?はーい」ガチャ

サクラ「あら、おはようナルト」

ナルト「あー、そっか、今日だったっけ」

サクラ「?どうしたの?」

ナルト「ああ、うん、こっちの話だってばよ」

424: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:19:24 ID:IHFaVA0Q
サクラ「で?ヒナタは?」

ナルト「悪い、サクラちゃん、まだ寝てんだ」

サクラ「へぇ、珍しい」

サクラ「ま、そろそろ来そうだし」

サクラ「体力使うから、疲れてるのかもね」

ナルト「とりあえず、上がってくれってばよ」

サクラ「はいはい、お邪魔しまーす」

426: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:22:23 ID:IHFaVA0Q
~居間~

ナルト「はい、お茶だってばよ」

サクラ「ありがとう」

サクラ「ナルトも気遣いができるようになったのねぇ」ズズッ

ナルト「ははっ、ま、少しだけだってばよ」

サクラ「…ううん、本当、立派になっちゃって」

427: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:26:46 ID:IHFaVA0Q
不思議な支援を見た

サクラ「昔はさ」

サクラ「あんたのこと、ただの見栄っ張りでわがままな奴だと思ってたけど…」

サクラ「…どんどん、先に行っちゃってさ」

サクラ「サスケくんも、ナルトも、手が届かないところに居て…」

サクラ「…」

ナルト「…別に、そんなことないってばよ」

サクラ「…でも」

428: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:29:42 ID:IHFaVA0Q
ナルト「結局さ、俺もサスケも」

ナルト「おんなじところをぐるぐる回ってただけなんだってばよ」

ナルト「サクラちゃんが、俺たちの帰る場所になってくれたから」

ナルト「こうしてまた、皆で居られるんだ」

ナルト「だから、もっと胸張ってくれよ」

サクラ「…でも、張る胸が…」ペターン

ナルト「あ、いや、別にそういう話じゃ…」

429: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:33:43 ID:IHFaVA0Q
サクラ「…なぁんて」

サクラ「あんまり恥ずかしいこと言わないでよね」

サクラ「反応に困っちゃうから」

ナルト「別に、普通にしてればいいってばよ」

サクラ「…難しいっての」

サクラ「さ、そろそろヒナタ起こしてきてよ」

サクラ「そんなに時間とらないから」

ナルト「分かった、ちょっと待ってるってばよ」

サクラ「…バカ」ボソ

430: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:36:53 ID:IHFaVA0Q
ナルト「おーい、ヒナター?」

ヒナタ「…うう」

ナルト「ほら、今日はサクラちゃんが検診に来てくれてるから」

ナルト「起きるってばよ」

ヒナタ「うーん、あと二時間…」

ナルト「…ヒナタの場合、ボケてるのか本気なのかわかりにくいってばよ」

ヒナタ「…さすがに本気ではないけど」

ヒナタ「ふふっ、おはよう、ナルト」

ナルト「ああ、おはよう」

431: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:40:53 ID:IHFaVA0Q
サクラ「あら、起きた?」

ヒナタ「うん、ごめんなさい」

サクラ「別にいいわ」

サクラ「ささっと終わらせちゃいましょ」

ヒナタ「お願いしまーす」

サクラ「…」

サクラ「順調ね」

サクラ「脈拍も、呼吸もおかしなところは見当たらないし」

サクラ「何か自覚的な症状はある?」

ヒナタ「うーん…」

432: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:43:55 ID:IHFaVA0Q
ヒナタ「あ、白眼がうまく使えないかも…」

サクラ「あー、それは当然よ」

サクラ「体の中に別の人間がいるようなものだし、チャクラも練りにくくなっちゃうわ」

サクラ「…そっか、その話もしておかないとね」

ヒナタ「?」

サクラ「いい?よく聞いてね」

サクラ「お腹の赤ちゃんは、おそらく白眼を開眼するわ」

サクラ「当然、状況も少し特別なものになる」

433: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:51:16 ID:IHFaVA0Q
ヒナタ「前に少し話していたこと?」

サクラ「ええ」

サクラ「血継限界は部外秘だから」

サクラ「それに、貴女は火影の妻でもある」

サクラ「そろそろ、実家の方に移ったほうがいいと思うの」

ヒナタ「そっか…」

ヒナタ「あれ?それじゃあもしかして」

サクラ「ええ、予定より少し早いけど」

サクラ「いつ生まれてもおかしくないわ」

ヒナタ「本当!?」

434: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:53:43 ID:IHFaVA0Q
サクラ「ナルトもそんな端にいないで参加しなさいよ」

ナルト「…ああ」

ヒナタ「どうしたの?」

ナルト「いや、さっき里に誰か入ってきたみたいでさ」

ヒナタ「どこから?」

ナルト「普通に門だけど…」

ナルト「…こっちに向かってるっぽい」

サクラ「もしかして危ない?」

435: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:56:13 ID:IHFaVA0Q
ナルト「…今、分身で確認するってばよ」ムムム

サクラ「とりあえず、ヒナタは守らないと…」

ヒナタ「大丈夫、今はナルトがいるもの」

サクラ「それでも…」

ナルト「…あ、なんだ」スッ

ナルト「サクラちゃん、なんでもなかったってばよ」

サクラ「え?どういうこと?」

436: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 01:57:49 ID:IHFaVA0Q
ナルト「いや」

ナルト「もうすぐ来るってばよ」

サクラ「来るって、一体誰が…」

ハナビ「ナルトさーん!!!」ガチャン

ナルト「…ほらな」

ハナビ「ねえさまも、お久しぶりです!」

ヒナタ「うん、おかえりなさい、ハナビ」

437: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:00:40 ID:IHFaVA0Q
???「…入ってもいいのか?」

ハナビ「あ、すみません」

ハナビ「どうぞ、風影様」

我愛羅「…久しぶりだな、ナルト」

ナルト「おっす!元気そうだな」

我愛羅「…お前ほどじゃない」

サクラ「ヒナタ、これってどういうこと?」

ヒナタ「私も、何か聞いているわけじゃ…」

ハナビ「ふふん、わたしが説明いたしましょう」

438: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:03:49 ID:IHFaVA0Q
我愛羅「…お前たちの様子を見に来ただけだ」

ハナビ「ああ!風影様!!」

ハナビ「なんで先に言っちゃうんですか」

我愛羅「…別にいいだろう」

ハナビ「わたしの見せ場が…」

我愛羅「…悪かった、な」

ハナビ「いえ、もう立ち直りましたから!」

我愛羅「…そうか」

サクラ「ついて行けない…」

439: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:06:37 ID:IHFaVA0Q
サクラ「て言うか、里の影が、そんなことのためだけに出てきていいの!?」

我愛羅「…無論、それだけではない」

ハナビ「実は、風影様の姉上の婚礼も控えているのです」

ヒナタ「お姉さんって…」

ナルト「テマリが?」

我愛羅「…ああ」

我愛羅「これで、やっと愚痴から解放される…」

440: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:10:02 ID:IHFaVA0Q
ヒナタ「愚痴?」

我愛羅「…よく飲んだくれてはな」

ハナビ「…絡み酒ですよね、テマリ様は」

ヒナタ「な、なんだか砂に馴染んだね、ハナビ」

ハナビ「はい、結構長いですし」

ハナビ「風影様の護衛も任されました!」エヘン

我愛羅「…ハナビは、言動以外は優秀だ」

ハナビ「風影様、言動も優秀ですよ、わたしは!」

我愛羅「…」

441: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:13:17 ID:IHFaVA0Q
我愛羅「…ハナビ、俺はナルトに話がある」

ナルト「え?俺?」

ハナビ「了解しました!」

ハナビ「ねえさま、少しナルトさんをお借りします」

我愛羅「…お前も、そこに残れ」

ハナビ「ええ!?そんなご無体な」

我愛羅「…来い、ナルト」

ナルト「え?あ、ああ」

443: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:16:07 ID:IHFaVA0Q
ナルト「…ハナビってあんな感じだったかなぁ」

我愛羅「…お前に会えて、はしゃいでるんだろう」

我愛羅「…砂でも、お前と、姉の話ばかりしていた」

ナルト「ハナビが?」

我愛羅「…ああ」

我愛羅「…まあ、それは後で本人と話せ」

我愛羅「…ナルト、まずは言っておかなければならない」

ナルト「え?な、なんだってばよ…」

444: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:18:34 ID:IHFaVA0Q
我愛羅「…子供のことだ」

我愛羅「…話は聞いていたが、祝いのひとつも贈っていなかったからな」

我愛羅「…おめでとう」

ナルト「いちいち仰々しいんだってばよ…」

我愛羅「…すまない」

445: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:23:33 ID:IHFaVA0Q
ナルト「いや、別に文句があるわけじゃなくてさ」

ナルト「もっと気楽にしたほうがいいってばよ」

我愛羅「…性分だ」

ナルト「…」

ナルト「んで?ほかにも何かあるのか?」

我愛羅「…ああ」

我愛羅「…ナルト、俺たちは人柱力として、里から疎まれてきた」

我愛羅「…だから、お前が結婚すると聞いたとき、俺は嬉しかった」

我愛羅「…それは、普通の人間となんら変わらない、自然な姿だから」

ナルト「我愛羅…」

446: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:26:55 ID:IHFaVA0Q
我愛羅「…お前が火影になり」

我愛羅「…俺たちは、晴れて互いの目標を達成した」

我愛羅「…だから、つまり、その」

我愛羅「…ナルト、俺が言いたいのはだな」

ハナビ「もう、じれったいですよ、風影様」

我愛羅「…っ!?ハナビ」

447: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:32:05 ID:IHFaVA0Q
ハナビ「ナルトさん」

ハナビ「風影様は、ナルトさんにお礼が言いたいんです」

ナルト「お礼?」

我愛羅「…全く」

我愛羅「…ナルト、お前は俺の希望だ」

我愛羅「…お前を見ていると、俺も普通の人間のように生きられるような気になれる」

我愛羅「…だから、おめでとう、と、ありがとうを言いたかった」

ハナビ「よく言えました!さすが風影様!」パチパチ

我愛羅「…ハナビ、後で覚えておけ」

ハナビ「はい!綺麗さっぱり忘れます!」

ナルト「は、ははは」

448: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 02:39:33 ID:IHFaVA0Q
ナルト「ごほん、まあいいや」

ナルト「…とりあえず我愛羅、わざわざ来てくれてありがとな」

ナルト「んで、言っとくけど」

我愛羅「…なんだ?」

ナルト「我愛羅、お前も俺の希望、ってか目標なんだってばよ」

ナルト「だからさ、もっと単純に考えていいんだよ」

ナルト「人柱力とか、そういうのは関係ない」

ナルト「俺はヒナタが好きだから、付き合って、結婚して、子供もできた」

ナルト「俺もお前も、結局はただの人間なんだってばよ」

ナルト「普通に生きられるんだってばよ」

452: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 12:55:03 ID:Q9O50zcw
我愛羅「…そうか」

我愛羅「…普通に」

ナルト「そうそう普通普通」

ナルト「もう戦争は終わったんだ」

ナルト「昔も大事だけど、今を生きるほうが、もっと大事だってばよ」

ナルト「ま、俺だって火影としてまだまだ半人前だから」

ナルト「いつか我愛羅みたいに、里の奴らをまとめられるような、でっかい奴になりたいってばよ」

我愛羅「…ふっ、随分買いかぶってくれるな」

我愛羅「…だが、やはり、お前は凄いな」

我愛羅「…俺も、過去に囚われたままではいられんか」

453: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 13:01:07 ID:Q9O50zcw
ナルト「だいたい、我愛羅ってば自己評価が低すぎるんだってばよ」

ナルト「なあ?ハナビ」

ハナビ「そうですねー、やっぱりちょっと謙虚すぎます」

我愛羅「…謙虚か?」

ハナビ「はい」

ハナビ「影なんですから、もっと偉そうにしても、罰は当たらないと思います」

ハナビ「お仕事ぶりも見てきましたが、風影様はとっても立派です」

ナルト「ははっ、身近な意見第一号だな」

454: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 13:05:09 ID:Q9O50zcw
我愛羅「…大戦中は、戦うことだけ考えていれば良かったから」

我愛羅「…俺も自分のことで手一杯だった」

我愛羅「…だが、いざ平和になってみると、俺はどうしていいか分からなくなってしまってな」

我愛羅「…ずっと不安だったんだ」

我愛羅「…俺のしていることは正しいのか、な」

ナルト「だから、難しく考えすぎなんだってばよ」

ナルト「間違ったっていいんだ」

ナルト「周りの言うことにも注意してりゃぁさ」

456: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:36:00 ID:Q9O50zcw
我愛羅「…周り?」

ナルト「ああ」

ナルト「誰だって間違うんだ」

ナルト「でも、俺たちは一人じゃない」

ナルト「一人で全部抱え込むなんて、どうせ無理なんだからさ」

ハナビ「そうですよ」

ハナビ「風影様にも、カンクロウ様や、テマリ様」

ハナビ「わたしだっていますし」

ナルト「な?もっと皆を信じればいいんだってばよ」

我愛羅「…そうか、信じる、か」

457: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:40:12 ID:Q9O50zcw
我愛羅「…励ましにきて、励まされていたら世話は無いな」

我愛羅「…俺は、まだまだ甘い」

ナルト「へへっ、一人でできりゃあかっこいいんだけどな」

我愛羅「…ハナビ、俺はこのまま奈良の家に行ってくる」

我愛羅「…お前は、もう少しここにいるといい」

ナルト「茶くらい飲んで行けばいいのに」

我愛羅「…それは、子供を見にくる時にとっておこう」

我愛羅「嫁にもよろしく伝えてくれ」

ナルト「相変わらず、唐突に来て唐突に帰って行くんだな」

我愛羅「…俺は自分勝手だからな」

458: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:41:45 ID:Q9O50zcw
ハナビ「風影様」

我愛羅「俺なら、大丈夫だ」

我愛羅「ナルト、いつもすまない」

ナルト「別に何もしてないってばよ」

我愛羅「…また来る」

ナルト「ああ、いつでも来いよ」

ハナビ「…」

459: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:44:39 ID:Q9O50zcw
ナルト「…行っちまったな」

ハナビ「風影様は、余りお話をされないので」

ハナビ「あんな風に思っていたなんて」

ナルト「ま、俺より不器用な奴だから」

ナルト「一人で出来ることが多い分、頼るってことが苦手なんだってばよ」

ハナビ「…そうですね」

ナルト「じゃ、中に戻るか」

ハナビ「あっ、ちょっと待って下さい」

ナルト「?」

460: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:47:29 ID:Q9O50zcw
ナルト「どうした?」

ハナビ「あ、その…」

ハナビ「おめでとうございます」

ハナビ「本当は、もっと早くお祝いに来る予定だったんですけど」

ハナビ「お仕事がなかなか終わらなくて」

ナルト「砂の方にいたんだから、しょうがないってばよ」

ハナビ「…はい」

ハナビ「ナルトさん」

ナルト「ん?」

ハナビ「今、幸せですか?」

ナルト「…ああ」

ハナビ「…そうですか」

461: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:50:22 ID:Q9O50zcw
ハナビ「…ねえさまとナルトさん」

ハナビ「とってもお似合いです」

ハナビ「…わたしも、嬉しいはずなのに」

ハナビ「…何だか、その」

ナルト「…いいってばよ、別に何も言わなくてさ」

ハナビ「え?」

ナルト「無理して何か言うことないさ」

ナルト「ハナビは立派になったってばよ」

ナルト「でも、お前も完璧である必要もないだろ?」

462: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:53:26 ID:Q9O50zcw
ナルト「俺、やっぱりお前を選ばなくて良かったよ」

ハナビ「…やはり、わたしでは不足でしたか?」

ナルト「違う」

ナルト「ハナビは、俺といた時よりずっといい女になってるってばよ」

ナルト「だから、もっといろんな世界を見てきてくれて、良かった」

ナルト「そう思うんだ」

ハナビ「…そんなの、勝手すぎます」

ナルト「…ごめん」

463: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:56:31 ID:Q9O50zcw
ハナビ「…謝らないで下さい」

ハナビ「勝手なのは、わたしです」

ハナビ「…本当は、会いに来るの、嫌でした」

ハナビ「二人を見て、嫉妬する自分を見たくなかったから…」

ハナビ「…でも、やっと」

ハナビ「本当にやっと、吹っ切れます」

ハナビ「…わたしだけ、ずっとあの場所から動いていませんでした」

ハナビ「…もう、進めるような気がします」

ナルト「…そっか」

464: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 18:59:12 ID:Q9O50zcw
ハナビ「ごめんなさい、お祝いに来たのに」

ナルト「気にすんなってばよ」

ナルト「俺も酷いこと言って、ごめんな」

ハナビ「…」ブンブン

ハナビ「わ、わたし、もう少しこの里に居るので」

ハナビ「また、日を改めることにします」

ハナビ「…今度は、心から祝福しに」

ナルト「…分かった」

ハナビ「…っ、すみません」シュッ

ナルト「…」

465: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 19:02:41 ID:Q9O50zcw
サクラ「…全く、出ていきにくい話してくれちゃって」

ナルト「げぇっ!?サクラちゃん!?」

サクラ「何よ」

サクラ「あんだけ長話してれば、聞かれるに決まってんでしょ」

ナルト「…何怒ってるんだってばよ」

サクラ「べえっつにぃ」

サクラ「いいわね、美人姉妹二人ともにモテモテで」

ナルト「ぶぅっ!?」

サクラ「…はあ、私も彼氏出来ないかなぁ」

ナルト「げほごほ」

サクラ「…ヒナタが待ってるわよ」

サクラ「早く戻ってあげて」

466: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 19:06:17 ID:Q9O50zcw
ナルト「わ、分かったってばよ」

サクラ「…ま、アンタがカッコ良くなったのは認めるわ」

サクラ「…あの時知ってれば、また変わってたのかもねぇ」

ナルト「あの時?」

サクラ「…何でもない」

サクラ「とにかく、今はヒナタの事だけ考えてなさい」

サクラ「日向の方には、私も伝えておいてあげる」

ナルト「あ、ああ」

サクラ「んじゃ、仕事に戻るわ」

サクラ「あんまり、ヒナタを不安にさせんじゃないわよ?」

ナルト「…分かってるってばよ」

サクラ「ん!それならよろしい」

467: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/26(月) 19:09:42 ID:Q9O50zcw
~ナルトの家~

ナルト「…はぁ」

ヒナタ「お話は終わった?」

ナルト「ああ、いろいろあったけど」

ヒナタ「そっか」

ナルト「…聞かないのか?内容」

ヒナタ「別にいいよ」

ヒナタ「大事なことなら、ちゃんと言ってくれるもん、ナルトは」

ナルト「…ははっ、本当、ヒナタには敵わないってばよ」

ヒナタ「これでも、ナルトの奥さんだからね」

ナルト「…飯の用意するってばよ」

ナルト「そんで、ちゃんと話するわ」

ヒナタ「うん、分かった」

470: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/28(水) 20:12:16 ID:nisEieYE
ヒナタ「…そっか、ハナビがそんなことを…」

ナルト「…」

ヒナタ「やっぱり、気にしてる?」

ナルト「…そりゃあ、な」

ナルト「もっと、上手い言い方があったんじゃないかって」

ヒナタ「…」

ヒナタ「ハナビはね、ずっと優等生なの」

ヒナタ「何でも一人で出来ちゃって」

ヒナタ「できなかったら、どんなに大変でも達成しようとする」

ヒナタ「昔から、あんな風になれたらって、思ってた」

ナルト「ヒナタ…」

471: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/28(水) 20:19:18 ID:nisEieYE
ヒナタ「でも、そんなハナビだから」

ヒナタ「周りに頼ったり、そういうのは本当に苦手なの」

ヒナタ「ナルトと話すようになるまで、ハナビの弱音なんて一度も聞いたことなかったんだよ?」

ヒナタ「ナルトの存在が、それだけハナビの中で大きくなったってことなんだと思う」

ヒナタ「姉としては嬉しくて、妻としてはちょっと悔しいけど」

ヒナタ「それだけ、ナルトのこと、本気で好きなんだって」

472: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 10:34:02 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「…でも、私に出来るのは結局」

ヒナタ「待っていることだけなんだよね」

ナルト「…そうだな」

ナルト「俺たちが言ってやれることは、もう何も無い」

ヒナタ「…うん」

ヒナタ「何を言っても、辛いのはハナビだもんね」

ナルト「…」

473: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 10:42:30 ID:UhAR1DUM
ナルト「ヒナタ、一つだけ言っていいか?」

ヒナタ「何?」

ナルト「…確かにさ、ハナビは綺麗になったよ」

ナルト「明るくて、何より優しい子だ」

ナルト「けど、さ」

ナルト「それでも俺は、ヒナタを選んだんだ」

ナルト「これからもその気持ちを変えるつもりは無いってばよ」

ナルト「俺は、ヒナタが好きだ」

ナルト「だから、その…」

ヒナタ「…もう」トサッ

ナルト「ど、どうした?」

ヒナタ「ごめん、ちょっと胸借りるね…」

ヒナタ「…本当、最近涙もろくって」ポロッ

ヒナタ「ごめんなさい…」

474: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 10:49:51 ID:UhAR1DUM
ナルト「…謝るなってばよ」ナデ

ナルト「俺こそ、不安にさせてばっかでさ」

ナルト「本当、一人じゃ何も出来なくて…」

ナルト「周りに注意されてばっかりだってばよ」

ヒナタ「…これからは、私も頼ってね?」

ヒナタ「昔から、変なとこで意地張るんだから」

ヒナタ「少しくらい、カッコ悪いところも見せていいんだよ?」

ナルト「ははっ、そりゃあヒナタの前でくらいカッコつけてたいからなぁ」ナデナデ

ヒナタ「…ふふっ」

475: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 10:55:01 ID:UhAR1DUM
ナルト「もうかなり目立つな」

ヒナタ「お腹?」

ヒナタ「まあ、もうすぐ生まれるんだもん、当然だよ」

ナルト「なんか、不思議な感じだってばよ」

ナルト「この中に、いるんだよな」

ヒナタ「何?今更」フフッ

ヒナタ「最初の頃は、たくさん話しかけてたじゃない」

ナルト「あー、あれは、ちょっと浮かれてて…」

ヒナタ「最近は話しかけてないね」

ナルト「どうせなら、出てきてっから言ってやろうと思ってさ」

ヒナタ「…そっか」

476: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 11:05:57 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「やっぱり、ナルトの腕の中は安心するなぁ…」スリスリ

ナルト「そうか?」

ヒナタ「うん」

ヒナタ「あったかいもん」

ナルト「…俺もあったけぇよ」

ナルト「んじゃ、もう少しこうしてるか」ナデ

ヒナタ「…うん」

477: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 11:11:43 ID:UhAR1DUM
ナルト「髪、柔らかいな」スッ

ヒナタ「ナルトはツンツンしてるよね」

ナルト「何か特別なことしてんのか?」

ヒナタ「うーん、特に何もしてない」

ヒナタ「髪を綺麗にしたって、任務一回でかなり傷むし」

ヒナタ「バサバサしない程度にケアするくらいかな」

ナルト「俺の母ちゃんも真っ直ぐな髪だったんだけど」

ナルト「これは完全に父ちゃんの遺伝だよなぁ」ピンッ

ヒナタ「お母さんに似てる方が良かった?」

ナルト「いや、父ちゃんに似てるのも嬉しいけどさ」

ナルト「ストレートって、ちょっと憧れるってばよ」

478: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 11:18:34 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「アカリはどっちに似るのかな?」

ナルト「女の子だからなぁ、ストレートの方が可愛いと思うんだけど…」

ヒナタ「癖っ毛も可愛い髪型あるよ?」

ヒナタ「髪の色も私よりナルトに似ないかなぁ」

ナルト「え?何で?」

ヒナタ「だって、色綺麗だもん」

ナルト「そ、そうか?」

ヒナタ「楽しみだなぁ」

ナルト「顔はヒナタに似てくれよ…」ググッ

ヒナタ「今更祈ってもだめじゃない?」

ナルト「まだ間に合うかも知れねーし…」

479: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 11:30:15 ID:UhAR1DUM
ナルト「モリトは、結構香燐さんに似てるよな」

ヒナタ「目元の印象とかね」

ヒナタ「ちょこちょこ動いて、すごく可愛いの」

ヒナタ「男の子だから、これから可愛いとは言えなくなっちゃうかも知れないけど」

ナルト「あー、そういうの嫌がるようになるなぁ」

ヒナタ「うちの子とも、仲良くしてくれるといいんだけど」

ナルト「子供の頃って、女の子と遊んでるだけでからかわれたりするよな」

ヒナタ「そうなの?」

ナルト「本当は仲良くしたくても、恥ずかしさから意地悪したりな」

ヒナタ「…不安になってきちゃった」

ナルト「あ、いや、人によるからさ」

ナルト「俺はあんまり気にしてなかったし」

480: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 11:34:39 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「お父さんとしては、やっぱり娘のボーイフレンドは気になる?」

ナルト「そうだなぁ」

ナルト「その時が来たら、気にするんだろうなぁ…」

ヒナタ「後は思春期?」

ヒナタ「お父さんの下着と一緒に洗濯しないでっ、とか」

ナルト「…ヒナタはそういうのあった?」

ヒナタ「私は無かったけど」

ナルト「…それに賭けるってばよ」

481: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 11:43:39 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「…結構時間経ってるけど、お仕事はいいの?」

ナルト「明日まとめてやるってばよ」

ヒナタ「もう、そんなこと言って」

ヒナタ「…本当ならダメだけど」

ヒナタ「今はいいや、甘えちゃおう」スリスリ

ナルト「ははは、お許しが出たってばよ」

ナルト「よーしよしよし」ナデナデ

ヒナタ「あはっ、くすぐったいよぉ」フフッ

ナルト「おりゃおりゃ」

ピンポーン

ヒナタ「あれ?またお客さん?」

ナルト「俺とヒナタの時間を邪魔するなんて、許せないってばよ」

ヒナタ「ふふふ、また後でだね」

ナルト「全く、誰なんだ?」

482: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 11:49:20 ID:UhAR1DUM
ナルト「はーい、誰だってばよ?」ガチャ

イルカ「よっ、ナルト!」

ナルト「い、イルカ先生!?」

イルカ「そんなに驚くことか?」

ナルト「いや、突然来るから…」

イルカ「時間が出来たんで、様子を見にな」

ナルト「あれ?後ろに誰かいる?」

???「…俺なんて、俺なんて…」

ナルト「…」

ナルト「何してるんだってばよ、カカシ先生」

イルカ「…あー、なんだ、その」

イルカ「すまん、着いてくるって言い張るものだから」

ナルト「何があったんだってばよ?」

484: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 11:52:26 ID:UhAR1DUM
イルカ「ここにくる途中で、偶然会ってな」

イルカ「…どうやら、昼間から呑んでたみたいで」

カカシ「うぅ、おえっ」

ナルト「ああ、こんなところで吐くなってばよ」

イルカ「マスクを外したがらないんだよ」

イルカ「どうやら、ガイ先生においていかれたらしい」

ナルト「ゲキマユ先生?」

485: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 11:55:29 ID:UhAR1DUM
カカシ「あいつ、俺に声も掛けないで…」

イルカ「どうやら、リーと一緒に願掛け百段階段うさぎ跳びをしているらしい」

イルカ「安産祈願だそうだ」

ナルト「さすがゲキマユ先生、やることがめちゃくちゃだ…」

ナルト「それで、カカシ先生は拗ねてるの?」

イルカ「そうなるな」

486: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:02:07 ID:UhAR1DUM
カカシ「ううっ…」グー

ナルト「あれ?カカシ先生?」

イルカ「…また唐突に寝てしまったなぁ」

ナルト「…いつもはカッコいいのに」

イルカ「ま、カカシさんもいろいろあるんだろう」

ナルト「ストレス溜まってんのかなぁ」

イルカ「最近は任務も少ないから…」

ナルト「…とりあえず、ここに寝かしておこう」

イルカ「中、入ってもいいか?」

ナルト「あ、どうぞどうぞ」

487: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:08:50 ID:UhAR1DUM
ヒナタ「あ、イルカ先生!」

イルカ「ヒナタ、元気そうだな」

ヒナタ「はい、おかげさまで」

ナルト「今、お茶淹れるってばよ」

イルカ「いや、いいよ」

イルカ「どの道、カカシさんを送っていかなきゃいけないから、長居できないし」

ヒナタ「カカシ先生?」

ナルト「あー、今は外で寝てるんだ」

ヒナタ「え?どうして?」

イルカ「まあ、いろいろあってな」

ヒナタ「?」

488: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:14:34 ID:UhAR1DUM
イルカ「しかし、教え子の子供とは、感慨深いな」

イルカ「アカデミーに入る時は、たっぷり可愛がってやらないと」

ナルト「お手柔らかに頼むってばよ」

イルカ「はははっ、ナルトみたいな悪戯っ子なら、保証は出来ないな」

ナルト「そんなぁ」

ヒナタ「校長先生に怒られるとなると、相当なことだけど…」

ナルト「そうならないことを願うしかないなぁ」

イルカ「しっかりしてくれよ、お父さん」

ナルト「うげぇ、イルカ先生に言われると余計にむず痒いってばよ」

ヒナタ「ふふふ、そうだね」

489: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:20:44 ID:UhAR1DUM
イルカ「校長も結構大変なんだぞ?」

イルカ「最近も、里同士の会合があってな」

イルカ「他の里も気にしていたよ」

イルカ「あー、あれだ」

ナルト「人柱力?」

イルカ「あ、ああ」

ナルト「別にそんなに気にしなくてもいいってばよ」

イルカ「そうか?」

ナルト「他に言いようがないんだからさ」

イルカ「…その人柱力の子供だからな」

イルカ「今のところ、そんな例はナルトだけだった訳だし」

イルカ「九尾の力はどうなるのか、って」

490: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:31:28 ID:UhAR1DUM
ナルト「とりあえず、クラマは大丈夫だって言ってたけど」

イルカ「前例のないことだから、仕方ないとは思うんだが」

イルカ「それで少し心配になってな」

イルカ「でも、何事もないようで安心したよ」

ヒナタ「ありがとうございます、わざわざ来ていただいて」

イルカ「このくらいしかできないからな」

イルカ「仕事もまだまだ慣れないことばかりで、役に立てないし」

ナルト「俺は向いてると思うけど」

イルカ「任されたからには、全力を尽くすつもりだからな」

ナルト「正直、上忍に任せられそうな人もいないんだよなぁ」

ナルト「皆、濃すぎるってばよ」

イルカ「それぞれ自分の仕事が好きでやってる人も多いから」

491: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/11/29(木) 12:38:47 ID:UhAR1DUM
イルカ「ま、それだけなんだ」

イルカ「そろそろ行くよ、二人の邪魔をするのも悪いから」

ナルト「べ、別にそこまで気を遣わなくても…」

イルカ「ははは、有名だぞ?二人の仲の良さは」

イルカ「俺にも相手がいればなぁ」

ヒナタ「イルカ先生なら、すぐに見つかりそうですけど」

イルカ「ははっ、ありがとうヒナタ」

イルカ「また来るよ、土産でも用意してさ」

イルカ「それじゃあ、身体に気をつけて」

ナルト「あ、外まで送るってばよ」

イルカ「そうか?」

ヒナタ「ふふっ、また来て下さいね」

492: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 12:44:21 ID:UhAR1DUM
~家の外~

ナルト「…凄い寝てる」

カカシ「ぐおぉぉ」モゾモゾ

イルカ「悪夢でも見ているんだろうか…」

イルカ「そうだ、ナルト」

ナルト「ん?何だってばよ?」

イルカ「…これから、もっと大変になると思う」

イルカ「自分のことだけじゃなく、ヒナタも、子供のことも考えていかなきゃならない」

イルカ「でも、抱え込むんじゃないぞ?」

イルカ「俺には家族がいない、けど」

イルカ「親の大切さは、お前と同じくらい分かるつもりだ」

493: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/11/29(木) 12:50:02 ID:UhAR1DUM
イルカ「だから、キツい時は何でも相談してくれ」

イルカ「これでも一応、お前の先生だから」ポリポリ

ナルト「…イルカ先生」

イルカ「ははっ、なんてな」

イルカ「似合わないことを言ってしまった」

ナルト「…ありがとうってばよ」

ナルト「これからもよろしくな、イルカ先生!」

イルカ「…ナルト」

イルカ「ああ、こちらこそよろしく!」

イルカ「…さて、カカシさん、行きますよ」

カカシ「…もう呑めない」

ナルト「本当に大丈夫か?カカシ先生…」

497: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:14:30 ID:WTgebims
~一週間後 処置室前~

ナルト「…」ウロウロ

ネジ「少しは落ち着いたらどうだ?」

ナルト「あ、悪い」

ネジ「気持ちは分からないでもないが」

ネジ「ここで火影様が焦ったところで、ヒナタ様の痛みは和らがないし、早く産まれるわけでもない」

ネジ「おとなしく待っていた方が利口というものだ」

ナルト「ネジはいつも冷静だよなぁ」

ネジ「そういうわけではないが…まあ心配はいらない」

ネジ「経過も順調だったし、ヒナタ様はお強い」

ネジ「そして、うちの里随一の医者が二人も付いているんだ」

ネジ「何なら、これから終わるまで酒盛りをしたっていい」

ナルト「…ネジが冗談を言うようになるなんてな」

ネジ「俺も少しは柔軟になれた、ということかな」

ナルト「ま、お硬いのは相変わらずだけどな」

498: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:22:33 ID:WTgebims
ナルト「でも、やっぱ落ち着かねーってばよ」ドサッ

ネジ「何か気を紛らわすことがあればな」

ナルト「そうそう無いだろ?」

ネジ「男はこういう時、オロオロ待つしか出来ないからな」

ネジ「出産は、女の戦いだ」

ナルト「ヒナタの声がすげー痛そうでさぁ」

ナルト「代わってやりてぇってばよ…」

ネジ「確か、ヒナタ様が悪阻で苦しんでいた時も、同じことを言っていたな」

ナルト「本当、何もしてやれないのが…」

ネジ「…ヒナタ様は、火影様が居るだけで心強いと仰っていたが」

ナルト「うー、でもさ…」

499: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:31:55 ID:WTgebims
ネジ「…」

ナルト「…」

ああぁぁあっ!うぅぅうぅ!

ナルト「…ヒナタ!」ガタッ

ネジ「だから落ち着け」

ネジ「そんなに気になるなら、処置室の前ではなく、中庭にでもいればいい」

ナルト「いや、あ、うん、悪い」ドサッ

ネジ「まったく…」

ネジ「…これは友人として言っておく」

ネジ「ナルト、今、ヒナタ様は相当に頑張っておられる」

ネジ「だが、その頑張りを真に労えるのは、お前だけなんだ」

ネジ「だから、今はヒナタ様を信じて待て」

ナルト「ネジ…」

500: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:35:14 ID:WTgebims
ネジ「ナルトの知っているヒナタ様は、すぐにへこたれるようなお方なのか?」

ナルト「…いや、むしろすげー強いってばよ」

ネジ「もう少しの辛抱だ」

ネジ「終わったら、お前にしか出来ないことがたくさんある」

ナルト「…そっか」

ネジ「ああ」

おぎゃあぁあ!おぎゃあ!おぎゃあ!

ナルト「!?今の」

ネジ「…ほら、早速その時が来たようだぞ?」

パタン

香燐「…ふぅ、ナルト、来なさいな」

ネジ「…行って来い」

ナルト「…ああ!」

501: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:36:57 ID:aNvdE7vg
ネジ「ナルトの知っているヒナタ様は、すぐにへこたれるようなお方なのか?」

ナルト「…いや、むしろすげー強いってばよ」

ネジ「もう少しの辛抱だ」

ネジ「終わったら、お前にしか出来ないことがたくさんある」

ナルト「…そっか」

ネジ「ああ」

おぎゃあぁあ!おぎゃあ!おぎゃあ!

ナルト「!?今の」

ネジ「…ほら、早速その時が来たようだぞ?」

パタン

香燐「…ふぅ、ナルト、来なさいな」

ネジ「…行って来い」

ナルト「…ああ!」

502: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:40:25 ID:aNvdE7vg
ナルト「ヒナタ!」

ヒナタ「…あ、ナルト…」

ヒナタ「…ふふっ、私、頑張っちゃった」

ヒナタ「ほら、この子があなたの娘よ…?」

サクラ「母子ともに健康よ、良くやったわね、ヒナタ」

サクラ「ほら、ナルトも抱いてあげれば?」

ナルト「え?いいの?」

サクラ「そっとね、気を付けなさいよ」

503: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:47:38 ID:aNvdE7vg
ヒナタ「…ナルト、はい」

ナルト「お、おう…」ソッ

アカリ「…」スゥスゥ

サクラ「随分大人しい子よね」

サクラ「ずっと泣き続ける子もいるのに」

香燐「…ま、安心してるんじゃない?」

香燐「自分を守ってくれる両親がそばに居るから」

ナルト「…俺の娘…」

ナルト「…何か、泣きそうだってばよ…」

ヒナタ「…ふふっ、何で?」

ヒナタ「…嬉しい時は、笑ってくれた方がいいなぁ」

サクラ「だってよ?ナルト」

香燐「あらあら、早速課題が出来たわね」

504: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 12:58:02 ID:aNvdE7vg
サクラ「しばらくは病室に泊まっていきなさい」

サクラ「赤ちゃんは、少しの間様子を見なきゃならいないから」

香燐「さ、大切な赤ちゃん、お預かりしますよん」

ナルト「お、お願いするってばよ」

香燐「任せなさい」

香燐「あんたとヒナタの娘なら、あたしの姪みたいなもんよ」

香燐「責任持って預かるわ」

サクラ「準備が出来たらまた呼ぶから、そしたらネジさんと一緒にヒナタを病室まで連れて行ってあげて?」

ナルト「お、おう」

サクラ「…しっかりしなさい、お父さん」

サクラ「娘が見てるわよ?」

505: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:03:04 ID:aNvdE7vg
ネジ「…そっちはどうだった?」

サスケ「大丈夫だ、何も無かったぜ」

シカマル「確認したけど、心配いらなかったみてーだな」

サスケ「悪いな、またお前も出張らせて」

シカマル「テマリが行って来いってさ」

シカマル「メンドクセー、とは言えねえよ」

ネジ「とにかく、もう少しの間様子を見よう」

サスケ「分かってる、んじゃあな」シュッ

シカマル「俺の時はナルトに頼んどいてくれよ?」ハハハッ

ネジ「…良かった」

506: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:19:37 ID:aNvdE7vg
~病室~

ヒナタ「…」スゥスゥ

ナルト「疲れね寝ちゃったか」

ナルト「…お疲れ、ヒナタ」ナデ

ナルト「俺、夫としても父親としまだまだだけどさ」

ナルト「もっともっと頑張るからな」

ナルト「これからもよろしく頼むってばよ」

ヒナタ「…ナルトくん…」

ナルト「ヒナタ?」

ヒナタ「…」スゥスゥ

ナルト「…寝言か」

ナルト「久しぶりに聞いたってばよ、その呼び方」

ナルト「…ははっ、どんな夢見てんのかな」

ナルト「…俺はここにいるってばよ~」ナデナデ

ヒナタ「…ふふっ」スゥスゥ

507: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:21:25 ID:aNvdE7vg
ナルト「…家族か」

ナルト「…いいもんだな、父ちゃん、母ちゃん」

ナルト「…俺、ちゃんとヒナタとアカリを守るってばよ」

508: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:26:23 ID:aNvdE7vg
香燐「…」

香燐「あんたたち、会って行かなくていいわけ?」

我愛羅「…今は俺たちの入る時じゃ内容だからな」

ハナビ「そのようですね」

香燐「ま、そういうことなら止めないけどさ」

我愛羅「…今度は、皆も呼んでくるさ」

ハナビ「ええ」

ハナビ「ナルトさん、ねえさま、お幸せに」

我愛羅「…行くぞ、ハナビ」

ハナビ「はい、 風影様」

香燐「…」

香燐「良かったわね、ナルト、ヒナタ」

香燐「あんたたち、相当な幸せ者よ…」

509: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:29:50 ID:aNvdE7vg
この道、季節ごとに全然見え方が違うよね

木が多いからだろ?

…味気ない言い方しないでよ

あ、悪い悪い

…今度は、三人でここを歩くのかな

…そうだな

三人仲良く、また来ればいいってばよ

…うん

私たち、家族だもんね

…おう!

おしまい

510: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:32:36 ID:aNvdE7vg
~番外編その1~

テンテン「ねえねえ、ヒナタ」

ヒナタ「ん?何?」

テンテン「ナルトと喧嘩したりって、殆ど無いんでしょ?」

ヒナタ「そんなこと無いけど…」

テンテン「えー?でも、ナルトとかはしたこと無いって言ってるよ?」

ヒナタ「そうなのかなぁ」

511: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 13:35:30 ID:aNvdE7vg
サクラ「あれ、また甘味処でおしゃべり?」

テンテン「あ、サクラ、ちーっす!」

サクラ「何よその挨拶…」

テンテン「キバが良く言うんだよねー」

サクラ「影響受けるなら、別のところにしなさいよ」

サクラ「私も休憩して行こうっと」

ヒナタ「あ、隣どうぞ」

サクラ「ありがとう、私はあんみつでいいかなぁ」

512: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:03:25 ID:aNvdE7vg
テンテン「そだそだ、ねぇサクラ」

サクラ「何?」

テンテン「さっきまで話してたんだけどね」

テンテン「ナルトとヒナタの喧嘩とか、すれちがったみたいな話知らない?」

ヒナタ「もう、テンテン!」

テンテン「あはは~やっぱ気になるっていうかぁ」

サクラ「ん~二人とも仲良いからねぇ」

サクラ「私も言い合ってる姿は見たことないかなぁ」

テンテン「そっかぁ」

514: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:11:06 ID:aNvdE7vg
サクラ「あ、でも勘違いでヒナタが可愛かった話なら聞いたことあるわよ」

テンテン「え?どういうこと?」

サクラ「ナルトの彼女事件とでも言えばいいのかしら」

ヒナタ「?………っ!?」

ヒナタ「だ、ダメ、その話はダメだよ!」

サクラ「うーん、どうしよっかなぁ」

テンテン「ええ~聞きたい~」

サクラ「だってさ、ヒナタ」

ヒナタ「ダメったらダメ!」

515: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:15:31 ID:aNvdE7vg
テンテン「じゃあ、パフェ奢るから!」

サクラ「よし乗った!」

ヒナタ「ええっ!?」

サクラ「いいじゃないの、別に嫌な話でもないし」

ヒナタ「でも…… 恥ずかしいし」

テンテン「ふふふ、気になる気になるぅ」

ヒナタ「…テンテンは何か心配だし」

サクラ「大丈夫よ、たぶん」

ヒナタ「た、たぶんって…」

サクラ「あれはね…」

ヒナタ「か、勝手に話出さないでよぉ」

516: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:20:34 ID:aNvdE7vg
~回想 病院~

ナルト「うえー、やっぱ俺ってば病院って嫌いだってばよ」

ヒナタ「お仕事ならしょうがないよ」

サクラ「あら、ナルト」

ナルト「サクラちゃん、頼んどいたやつ受け取りにきたってばよ」

サクラ「ああ、なるほど」

サクラ「火影候補にもなって、やってることは使いっ走りと変わらないわね」

ナルト「うるへーやい」

ヒナタ「ふふっ」

517: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:24:35 ID:aNvdE7vg
サクラ「ちょっと待ってて、持ってくるから」

ナルト「おう、頼むってばよ」

ヒナタ「行ってらっしゃい」

サクラ「そこに居なさいよ?」テクテク

ナルト「…サクラちゃん、白衣似合うよなぁ」

ヒナタ「ナルトくん?」ジッ

ナルト「あ、嫌、変な意味じゃなくな?」

ヒナタ「へぇ」

ヒナタ「メガネと白衣が好きなんだぁ」

ナルト「い、いや、だから…」

???「あれ?そこにいるのはナルトくん?」

ナルト「え?」

518: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:28:34 ID:aNvdE7vg
???「久しぶりですね、ナルトくん」

ナルト「え?あれ?誰だってばよ?」

???「もう、忘れちゃったんですか?」

ナルト(忘れるも何も、こんな美人な姉ちゃん知らないってばよ)

ヒナタ(誰?この人…?ナルトくんの何?)

???「お姉さんは悲しいですよ」

???「最初の頃はお仕事も手伝ってあげたのに」

ナルト(ん?仕事?)

ナルト「え?もしかして…」

???「やっと気付きましたか?」

519: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:33:51 ID:aNvdE7vg
ナルト「ああ、たぶんシ…」

シ??「もう、最初から分かって下さいよ!」

シ??「いやぁ、少し見ないうちに随分大人びちゃいましたね」

シ??「見違えましたよ」

ナルト「いや、それは俺の台詞だってばよ…」

ヒナタ(え?何?この打ち解けた空気は…)

ヒナタ(凄く仲良さそうだし…)

シ??「今日はどんな用事なんです?」

ナルト「あ、サクラちゃんから荷物を受け取りに…」

ヒナタ(も、もしかして…ナルトくんが旅をして居た頃の彼女さん!?)

520: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:38:31 ID:aNvdE7vg
ヒナタ(そうだよね、あの自来也さまと一緒にいたんだから)

ヒナタ(きっと、大人な人とも交流があって…)

ヒナタ(それで、イロンナことを手取り足取り…)////

ヒナタ(それじゃあ、今再会したことで…)

ヒナタ(焼け木杭に火が……っ!?)

ナルト「あれ?おーいヒナタ?」

シ??「あら、あなたは…」

521: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:42:14 ID:aNvdE7vg
ヒナタ「はっ!?」

ナルト「大丈夫か?」

シ??「もしかして、ナルトくんの彼女ですか?」

ナルト「え?あ、あの…」

ヒナタ「そうです!!」ギュッ

ナルト「うおっ!?」

ヒナタ「私、ナルトくんの彼女ですから!これからデートしてきますから!」

ヒナタ「…あなたが誰でも、ナルトくんは渡せません!」

ナルト「いや、あの、ヒナタ?」

シ??「何だか勘違いしてません?」

ヒナタ「へ?勘違い?」

ナルト「いや、まあ俺も最初は分からなかったけどさ」

522: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:46:44 ID:aNvdE7vg
ナルト「この人、シズネさんだってばよ」

シズネ「ははは、ご無沙汰してます」

ヒナタ「シズネ、さん?」

ヒナタ「あれ?でもこんなに髪も長くなかったし、服も派手じゃ…」

シズネ「ああ、髪は最近切っていないんですよ、時間無くって」

シズネ「服は綱手さまに贈っていただいた物なので、私がいつも着ているようなものとは違いますね…」

ナルト「いやぁ、随分雰囲気違うってばよ」

シズネ「そうですか?イケてます?」

ナルト「その台詞はイケてないけど…」

シズネ「あら、そうですか?」

523: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 17:52:39 ID:aNvdE7vg
ヒナタ「…よ、良かったぁ」

ナルト「ど、どうしたんだってばよ、さっきから」

シズネ「…ああ、なるほど」

ナルト「え?何が?」

シズネ「簡単ですよ、私がナルト君を狙ってると思ったんじゃないですか?」

シズネ「かなり馴れ馴れしく見えたでしょうし」

ナルト「そうなのか?」

ヒナタ「き、聞かないで……」////

シズネ「いやぁ、私もまだまだ捨てたもんじゃないですねぇ」

ヒナタ「ううっ…」

524: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:15:51 ID:aNvdE7vg
~回想終了~

テンテン「へぇ~?」ニマニマ

ヒナタ「な、何?その顔は!」

テンテン「べえっつにぃ~」

テンテン「あのヒナタがナルトは渡せない、ねぇ」ニマニマ

ヒナタ「だから、その顔やめてよ!」

テンテン「うふふふ、これは美味しいネタを手に入れちゃった」

ヒナタ「サクラ!」

サクラ「パフェ美味し~い」パクパク

ヒナタ「もう!いいでしょ?間違いくらいあるもん!」

525: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:33:06 ID:aNvdE7vg
ヒナタ「…」ツーン

テンテン「ヒナタぁ、いい加減機嫌直してよ」

ヒナタ「…どうせ、あの時の私は浮かれてましたよー」フン

テンテン「いやいや、そりゃあ勘違いくらいあるよ」

テンテン「付き合いたてだもんね」

サクラ「そうそう、よくあるよくある」パクパク

ヒナタ「…二人ともお付き合いしたことない癖に…」

サクラ「ぶっ!!?」

テンテン「ぐはっ!!?」

サクラ「…ヒナタ、どぎつい事言うわね…」

ヒナタ「知らなぁい」ツーン

526: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:33:35 ID:aNvdE7vg
テンテン(そっか、ナルトとヒナタの認識が違うのって)

テンテン(ヒナタは言い合いなんてしないんだ)

テンテン(こうやって拗ねちゃうタイプなんだね…)

サクラ(ナルトがいる時はこんなにならなかったのに…)

サクラ(嬉しはずかしの嬉しがないからね…)

ヒナタ「…ふーん、だ…」

テンテン「ああもう、悪かったってばぁ」

番外編その1おわり

527: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:36:37 ID:aNvdE7vg
~番外編その2~

ハナビ「風影様、いい天気ですねー」

我愛羅「…そうだな」

ハナビ「時間もいいですし、何か食べに行きましょう」

我愛羅「…ああ」

ハナビ「木の葉に来るの久しぶりですし、ちゃんとお店ありますかね」

我愛羅「…そうすぐには潰れないだろう」

529: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:39:42 ID:aNvdE7vg
ハナビ「何か食べたいものありますか?」

我愛羅「…いや」

ハナビ「それじゃあ、私が決めちゃいますね」

ハナビ「何にしようかなぁ」キョロキョロ

ハナビ「あ……」

我愛羅「…ラーメン屋か」

ハナビ「べ、別の所に…」

我愛羅「…」

我愛羅「…いや、決めた、あそこにしよう」

ハナビ「風影様!?」

530: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:43:37 ID:aNvdE7vg
我愛羅「…お前とナルトの事はよく知っている」

我愛羅「…あのラーメン屋も、連れてきてもらったことがあるんだろう?」

ハナビ「…はい」

我愛羅「…苦手意識を持つのはよくない」

我愛羅「…お前にある思い出は大切にすべきだ」

我愛羅「…すまない、知ったようなことを言った」

ハナビ「…いえ、そうですよね」

ハナビ「あそこ、ナルトさんオススメのラーメン屋さんなんです」

ハナビ「食べに、行きましょうか」

我愛羅「…ああ」

531: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:46:58 ID:aNvdE7vg
~一楽~

親父「いらっしゃい!って」

ハナビ「お久しぶりです」

親父「おめぇはナルトがよく連れてきた…」

ハナビ「日向ハナビといいます」

親父「なるほどなぁ、姉ちゃんによく似てやがる」

親父「で?そっちの坊主は?」

我愛羅「…我愛羅だ」

ハナビ「風影様です」

親父「は?風影?砂の?」

ハナビ「はい」

親父「…こりゃあたまげたなぁ」

532: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:51:20 ID:aNvdE7vg
親父「この店も、火影と風影が来たって宣伝になるなぁ」

親父「ま、誰でも客にゃあ変わらねぇや、座んな」

ハナビ「はい」

我愛羅「…」

親父「で?注文は?」

ハナビ「えーっと、ナルトさんの食べていたものを…」

親父「あー、火影スペシャルな」

ハナビ「そんな名前なんですか?」

親父「約束でな、火影になったら変えてやるってよ」

親父「で?風影さんは?」

我愛羅「…辛くないものを」

親父「えらくアバウトだなぁ」

533: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 18:55:19 ID:aNvdE7vg
ハナビ「風影様にも同じものをお願いします」

我愛羅「…それは」

ハナビ「大丈夫です、辛くありません」

親父「…面白いコンビだな、あんたたち」

親父「ま、いいや、火影スペシャル二丁!」

我愛羅「…ラーメンか」

ハナビ「食べたことないんですか?」

我愛羅「…昔、ナルトに誘われた」

我愛羅「…時間が無かったから、食べてはいないが」

ハナビ「じゃあ、私が初めてですね」

我愛羅「…その言い方は、危険だ」

ハナビ「…?そうですか?」

534: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 19:00:33 ID:aNvdE7vg
~食後~

ハナビ「美味しかったですねー」

我愛羅「…悪くない」

ハナビ「またまたぁ、結構ガツガツ食べていたじゃないですか」

我愛羅「…」

ハナビ「そういえば、どうして辛いものが嫌いなんですか?」

ハナビ「砂の料理って、結構味付けが濃いものや、辛いもの多いと思いますけど」

我愛羅「…理由はない」

我愛羅「…あのピリピリするのが嫌いなんだ」

ハナビ「へぇ、そうなんですか」

我愛羅「…前に作ってもらったお前の料理は、結構好きだ」

ハナビ「あー、ねえさまに教わって作ったやつですね」

我愛羅「…今度、また作ってくれ」

535: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 19:03:22 ID:aNvdE7vg
ハナビ「そんなに気に入ってくれたんですか?」

ハナビ「それなら、頑張っちゃいますよ!」

我愛羅「…ああ、頼む」

ハナビ「また、教えてもらいに行って来ましょう」

我愛羅「…」

我愛羅「…月が、綺麗だな」

ハナビ「?ええ、まあ上ったばかりですが」

我愛羅「…」

ハナビ「…」

我愛羅「…宿に戻る」

ハナビ「え?え?どうして不機嫌になるんですか!?」

番外編その2おわり

536: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 19:06:23 ID:aNvdE7vg
~番外編その3~

カンクロウ「…」ゴクッ

カンクロウ「ふぅ、親父、もう一本くれ」

親父「…飲み過ぎじゃねぇか?」

カンクロウ「別にいいジャン」

カンクロウ「呑まなきゃやってられねぇ」

親父「…ま、いいけどよ」

???「…どうやら、荒れているようですね」

カンクロウ「ああん?誰ジャン?」

538: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/03(月) 19:11:45 ID:aNvdE7vg
???「はじめまして」

???「私は、エビスと申します」

カンクロウ「エビス?」

エビス「同席しても?」

カンクロウ「ああ、別にいいジャン」

エビス「失礼、とりあえずビールを」

親父「あいよ」

カンクロウ「で?そのエビスさんが何の用ジャン?」

エビス「…おそらく、あなたが荒れているのと同じ理由ですよ」

カンクロウ「あん?」

エビス「…ズバリ、出番でしょう?」

カンクロウ「…あんたもなのか?」

543: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:14:45 ID:aoVimfS2
エビス「ええ」

エビス「私、こう見えてもエリート忍者で通っていまして」

エビス「猿飛家御用達の、いわゆる家庭教師なのですが」

エビス「本編では中盤以降完全に空気化」

エビス「ペイン編で活躍するも、現在に至るまで全く出番がないのです」

カンクロウ「…それは、オレも同情するレベルジャン」

エビス「ありがとう」

エビス「木の葉でこの悩みを打ち明けられるのはイルカ校長くらいでして」

エビス「こういった機会に恵まれたことに感謝です」

カンクロウ「あんたも随分苦労したジャン」

カンクロウ「ま、ひとつぐいっとやってくれや」

エビス「今日ばかりはお言葉に甘えましょう」

544: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:20:06 ID:aoVimfS2
~一時間後~

エビス「それでですねぇ、聞いて下さいよ、カンクロウさん」

カンクロウ「おうおう、何でも言うジャン」

エビス「私、本編ではないがしろにされていますがぁ」

エビス「ひっく、二次創作では活躍出来ると思うんですよぉ」

エビス「ナルトくんと関わりありますし、因縁があるとまで言われているんですからぁ」

カンクロウ「だよなぁ」

エビス「ええ、ええ、分かりますよ」

エビス「正直私よりも、亡くなった月光ハヤテの方がカッコいいですとも」

エビス「私を出すよりも、自来也様を出した方が人気もでますとも!」

エビス「でもねぇ、せめてSSくらい、SSくらいはですねぇ!」

カンクロウ「気持ちは分かるジャン」

545: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:24:06 ID:aoVimfS2
エビス「うっ、か、カンクロウさんはどうして出番が無いのですか?」

カンクロウ「んー、まぁオレ、本編では結構活躍したジャン」

カンクロウ「でも、拠点は砂だし」

エビス「こちらにお知り合いは?」

カンクロウ「キバとか、まあいるジャン」

カンクロウ「でも最近、あいつ女で浮かれてるジャン」

エビス「ああ、ありますよねぇ」

エビス「好きな子が出来ると、途端に付き合いが悪くなること」

カンクロウ「今日も姉貴の結婚準備で来ただけジャン」

カンクロウ「…」

エビス「どうされましたぁ?」

546: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:27:10 ID:aoVimfS2
カンクロウ「正直、オレは恋愛要素薄いジャン」

カンクロウ「あのハチャメチャな姉貴も、無感情な我愛羅もなんだかんだあるのに」グイッ

カンクロウ「オレだけ、こうやって飲み明かすしかないジャン」

エビス「いい人は居ないんですか?」チビ

カンクロウ「…いたら、こんなことしてないジャン」

エビス「なるほど、至言ですねぇ」

547: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:29:42 ID:aoVimfS2
カンクロウ「…そろそろお開きにするジャン」

カンクロウ「エビスさん、あんたも頑張ろうな」

エビス「え、ええ、うぷ、お互い出番をいただけるように…」

カンクロウ「親父、勘定」

親父「へい」

エビス「…また、こうして呑めるでしょうか」

カンクロウ「…縁があれば、そうなるジャン?」

エビス「ふはは、その通りですね」

548: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:31:42 ID:aoVimfS2
カンクロウ(…結局、今回も出番無かったジャン)

カンクロウ(いや、まだまだ諦めたらダメジャン)

カンクロウ(…次こそは、ちゃんとメインの奴らに絡んでやるジャン)

カンクロウ(…ん?あれは…?)

549: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:35:13 ID:aoVimfS2
テンテン「…遅くなっちゃったね」

キバ「悪い、時間見てなかった」

テンテン「ううん、あたしも楽しかったし」

テンテン「また誘ってね」

キバ「へっ、オレでよけりゃあな」

テンテン「…あははっ、キバだからいいんだよ?」

キバ「え?それって…」

テンテン「なーいしょ!」

テンテン「じゃあ、あたしこっちだから」クルッ

キバ「いや、送るから…」ギュッ

テンテン「…あ、手…」

キバ「わ、悪い」パッ

テンテン「う、ううん、いいから」ギュッ

550: バレルルーシュ ◆wjd7R.7O.A 2012/12/04(火) 13:37:57 ID:aoVimfS2
テンテン「じ、じゃあちゃんと送ってね?」

キバ「お、おう」

テンテン「…暗いからって、変なことしたらダメだからね?」

キバ「ば、し、しねぇよ!」

テンテン「え?しないの?」

キバ「いや、どうしたらいいんだよ、オレは!」

テンテン「んー、分かんない」

キバ「…はぁ」

テンテン「さ、行こう?」

キバ「へいへい、分かったよ」

551: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/04(火) 13:40:26 ID:aoVimfS2
カンクロウ「…」コソッ

カンクロウ(…へえ、あれがキバの…)

カンクロウ(振り回されてっけど、楽しそうジャン…)

カンクロウ(…オレ、こんな役回りばっかジャン)

カンクロウ「…帰ろ、全部忘れるジャン」

カンクロウ(…オレも、春が欲しいジャン…)

番外編その3おわり

552: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/04(火) 13:42:04 ID:aoVimfS2
これで全部です。

長々お付き合い下さり、ありがとうございました。

また続きを立てるので、その時はよろしくお願いします。

後、どなたか、完結したところに書いておいて下さると助かります。

それでは、またお会いする時までノシ