真姫「あなたは本物のにこちゃんじゃない」

72: ◆uSPihymJQ6 2014/10/22(水) 17:48:55.52 ID:iLSkqjrt0
~ノーマルエンド~

―――五日目

私は一体何をしていて・・・

視界が明るい

手錠なども外れており、動けるようになっていた

そうだにこちゃんがいない、にこちゃんはどこにいるのだろう

ふいに下を見ると一枚の紙が目に入ってきた

―――真姫ちゃんへ

真姫ちゃん、苦しい思いをさせてしまいごめんなさい

にこはみんなの前から姿を消すことにします

にこはまだ壊れたままのにこ、今はなんとか意識を保ってるけどまた真姫ちゃんをいじめるにこに・・・

真姫ちゃんに会えばまた拷問をしてしまいそうで怖い

そうなる前にどこか遠くへ行き、そのままのたれ死ぬと思う

にこがもっと素直になっていればこんなことにならなかったのに

今更後悔しても遅いよね、手遅れなんだ

にこはもうあなたの前に現れる権利なんてない

さようなら、真姫ちゃん

―――――

引用元: 【ラブライブ!】真姫「あなたは本物のにこちゃんじゃない」

73: ◆uSPihymJQ6 2014/10/22(水) 18:00:39.36 ID:iLSkqjrt0
あれからにこちゃんの姿を見ることはなくなった

学校にも来なくなり、二年もたてば周囲の人の記憶からも消えていることだろう

手紙を読んだ後はにこちゃんを必死に探すも結局見つけ出すことはできなかった

しかしその時に涙は出なかった、いつもの冗談だろうと思ってたからだ

そう思いたかっただけなのかもしれない

μ'sのみんなはにこちゃんがいなくなったことを知り、泣いた

その時に私は初めて自覚し、泣いた

泣ている途中に涙で目を赤くした絵里と希が謝りに来た

私たちのせいでこんなことになるなんて・・・ごめんなさい、と

私に謝るのならにこちゃんに謝って

その言葉を喉元で抑え、静かにうなずいた

にこちゃんがいないのにそんなこと言ったって二人の心を傷つけるだけだったから

これ以上誰かを傷つけたくなかった

74: ◆uSPihymJQ6 2014/10/22(水) 19:01:52.01 ID:iLSkqjrt0
―――二年後

あれから二年たち、私は今高校三年生

エリーと希はもちろん、穂乃果たち二年生も卒業してしまった

思った通り人々の記憶からにこちゃんの存在は消えようとしていた

だけど私だけでも忘れることはないだろう

この腕の傷が癒えない限り、一生

にこちゃんの家族には会っていない

会うのが怖いからだ

にこちゃんがいなくなったことで一番悲しんでいるのはあの人たち

私のせいでにこちゃんがいなくなったのに、その犯人が様子を見に行くなんて言語道断

いまにこちゃんはどこにいるのだろう・・・

カンカンカンカン

危ない、踏切の音が鳴らなければ線路に出ていたところだった

向かいに黒髪ツインテールの子がいる、まるでにこちゃんみたいな

みないな?違う、赤い目、白い肌、小柄な体格、あれは

真姫「にこちゃん!待っ」

フッ

ガタンガタン ガタンガタン

消えてしまった・・・

あれは紛れもなくにこちゃんだった

まだ近くにいるかもしれない、必ず見つけないと

会ってちゃんと話すんだ

75: ◆uSPihymJQ6 2014/10/22(水) 19:17:56.19 ID:iLSkqjrt0
タッタッタ

真姫「は・・・は・・・」

どこにも・・・いない

あれは本当ににこちゃんだったんだろうか

間違いなくにこちゃんの姿、でもこれも思い込みなのだろうか

すると

「ママ見つけた!」

「どこ行ってたの?」

「電車見に行ってたの!そしたら向こう側に赤毛のお姉ちゃんがいてさー・・・」

真姫「・・・・・」

にこちゃんじゃなかった

それにしては似過ぎている、生まれ変わりみたいだ

「にっこにっこにー!」

「誰の真似してるの?」

「うーんとね、にこにーの真似!」

真姫「っ・・・!」

突然胸が痛くなった

ああ、私以外にもにこちゃんのこと覚えてる人がいるんだなって

自分のことじゃないのにうれしかった、心がとても温かくなる

にこちゃんはもうここにはいない

ただ私の前に出てこないだけで、どこかでひっそりと生きている

今後にこちゃんを探すのはやめよう

良かったねにこちゃん、にこちゃんが小さな子供一人を笑顔にすることができてる

たくさんの人が悲しんだ、でも時がたち忘れ去られ再び新しい笑顔が生まれた

私も忘れよう、だけどいつか戻ってきてくれるって信じてるから

だから今は一旦お別れだね

真姫「さようなら、にこちゃん・・・」

終わり