ゲンドウ「突然だが、ネルフは財政難だ」第一話
 

ゲンドウ「突然だが、ネルフは財政難だ」第二話 

ゲンドウ「相変わらず、ネルフは財政難だ」【第参話】前編

ゲンドウ「相変わらず、ネルフは財政難だ」【第参話】後編 

ゲンドウ「何故だか、ネルフは財政難だ」【第四話】前編 

ゲンドウ「何故だか、ネルフは財政難だ」【第四話】後編 

ゲンドウ「どうやら、ネルフは財政難らしい」第五話前編  

ゲンドウ「どうやら、ネルフは財政難らしい」第五話後編 

ゲンドウ「ネルフは財政難だ」リツコ「あ、あたしじゃないわよ…」【第六話】前編  

500: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:23:25.61 ID:l9Ux8MAO
アスカ「そんな大丈夫って言ったって…脚本とか…演出とか…どうなっちゃうのよ!?」

ミサト「脚本は24話の途中まで。以降は…こっちでどうにかするしかないわね。」

アスカ「こっちで…って、脚本は毎回毎回リツコが書いてたのに…」

綾波「どうなっちゃうのかしら…撮影…」

ミサト「とにかく大丈夫だから、ね?私達でなんとか…なんとかしてみるわ」

アスカ「なんとかって…あと何日かで脚本を仕上げて撮影も済ませなきゃなんないのよ!無茶よ…」

ミサト「無茶でも何でも、やるしかないじゃない。今更、放ることなんて不可能よ。」

マヤ「こうして考えると…やっぱりセンパイに頼ってた部分って大きかったんですね」

青葉「何だかんだで他人を振り回していたようで、その実一番動いていたのは赤木博士でしたからね。」

日向「こうして考えると僕達…赤木博士に丸投げしてたんだなぁ……」

一同「………」

ミサト「…今日のところは解散しましょう。今後については私やリョウジと碇司令達で話し合うから。」

シンジ「………」

ミサト「それで、アスカ…」

アスカ「分かってる。シンジんところに泊まるわよ。」

ミサト「ええ。それからマヤちゃん」

マヤ「は…はい……」

ミサト「最近、マンション周辺をうろついてる人間がいるみたいで。」

ミサト「子供達だけだと心配だから面倒、見て貰えないかしら?」

マヤ「あ、はい……」

ミサト「リツコについて何かあったらすぐ連絡するから」

マヤ「……お願いします。」

ミサト「んじゃ、もう今日は遅いし解散。気を付けて帰ってね」

一同「………」



引用元: ゲンドウ「ネルフは財政難だ」リツコ「あ、あたしじゃないわよ…」【第六話】 

 

501: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:26:43.99 ID:l9Ux8MAO
――――

ミサト「あの時のリツコ…まるで劇中のリツコが乗り移ったみたい。」

加持「乗り移るも何も、本を書いてるのは彼女自信だ。立派なリッちゃんの一部だよ。」

ミサト「……そうかもね。追い詰められてたって部分はまるで一緒ね」

ミサト「……どうにかするとは言ったものの、どうしよう」

加持「おいおい。弱気だな。」

ミサト「正直、自信ないわ。一人抜けただけで…埋める穴がこんなに大きい…なんてね」

加持「……今日の撮影分はマヤちゃんとMAGIがどうにか編集するって言ってくれてる。俺も出来る限りの協力はするさ。」

ミサト「最悪…編集で乗り切る…か。」

502: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:30:03.55 ID:l9Ux8MAO
加持「リッちゃんも…ただでさえ副司令のことでアレだったのに…今日の一件は、なあ…」

ミサト「無茶苦茶やるわりには…傷付けるのが怖いのよ。」

ミサト「入院回数は多かったけども、ほとんど何かに巻き込まれるか、もしくは司令と喧嘩した挙句…だったもの。」

加持「そんななんとも言えない微妙な関係の相手を、下手すれば[ピーーー]ところだった…なんてな」

ミサト「その上、『自分の行動が原因で』予算が削減されることになった。」

ミサト「その行動すら、副司令への感情…でしょ?」

加持「ドラマを作ることがある意味、リッちゃんにとって全てになってた。でも、その制作についてどんどん追い詰められて行った。」

加持「分かってたんだよなぁ。…結局自分で自分を追い詰めてたことが。」

ミサト「追い詰めてたのは私達も同じよ。呆れる反面、都合の悪い部分は押し付けて来たのよ。」

ミサト「10悪ければ残りの90も押しつける…とんだ傍観者ね。」

加持「気づいてやれなかった…か」

ミサト「……とっくに気づいてたわ。気づかないふりをしてただけ。リツコなら、リツコだからって。」

ミサト「…アイツもバカよ。散々人を振り回しときながら、肝心なところで頼らないんだから。」

ミサト「ったく、何が友達よ。」

ミサト「ホント……バカよ。」


503: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:31:51.14 ID:l9Ux8MAO
――――

マヤ「……」

綾波「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

マヤ「あ…あの、私、シンジくんのお家、はじめてだからちょっと楽しみだな…」

シンジ「そうですね。マヤさん、はじめてでしたよね……」

綾波「……」

アスカ「……」

マヤ(この空気で、『楽しみ』は…なかった…わよね……)

アスカ「……なんで」ボソッ

シンジ「アスカ?」

アスカ「何でこんなことになっちゃったのかな……」

シンジ「……」

アスカ「最初はさ、何だかんだいいながら楽しかったのよね。」

アスカ「ううん。正直今でも楽しいわ。」

アスカ「使徒を倒してから…なんかさ、『役目』がなくなっちゃったみたいで…虚しかったのよね」

アスカ「だけど…この数ヶ月は本当に楽しかった。ああ、また皆で何かやれるんだって。」

アスカ「リツコに振り回されるのはそりゃムカムカするわよ?でも……」

アスカ「って…なんかやだな私。何言ってるんだろ。」

シンジ「アスカ……」

マヤ「……」

綾波「………」ぐううう…

アスカ「……相変わらず空気を読まない奴ね」ぐううう…

綾波「……」
アスカ「……」

504: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:33:09.75 ID:l9Ux8MAO
マヤ「………」

マヤ(ってマヤ、ダメじゃない!なんで私までこんなしんみり……)

マヤ(センパイが…センパイがいない今…私がしっかりしなきゃ!センパイに頼ってばっかりじゃダメよ!)

マヤ(…そう。と、とにかく何とか…何とかこの子達を……)

マヤ「…そうだわ!」

アスカ「いきなり、なによマヤ?」

マヤ「……お腹、空いたでしょ?」

綾波「……とても」

マヤ「そうよね!じゃあ、何か食べて帰りましょう。今日は私が皆にご馳走するわ。」

シンジ「マヤさんが?」

アスカ「大丈夫なの?」

マヤ「こ…こう見えても国際公務員なんだから大丈夫よ。うん。大丈夫。」

マヤ「皆が行きたいところにいきましょう。遠慮しないでね。」

アスカ「遠慮しないでって言われてもねぇ」

マヤ「?」


綾波「……この辺にこの時間までやってるお店は」



シンジ「立ち食い蕎麦屋が一件……だけです。」


マヤ「……えっ」


505: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:35:24.97 ID:l9Ux8MAO
――――

【立ち食い蕎麦屋】

???「ネギ抜き、かけ蕎麦一つ」

店主「あいよ。」

???「……」

???(290円か。先に用意……)

???「……!」

店主「あい、おまち」

???「あ…ああ…ありがとう」

???(ど、どうしよう…どうしようか……)

???(円が…足りない。もっと両替しておくべきだった!)

???(このままだと確実に僕は食い逃げで捕まる……)

???「……」

???(……食べてから考えよう)


506: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:36:04.80 ID:l9Ux8MAO
???「……いただきます」

店主「………」

ズズズズ…

???(芳醇な薫りに、程よい深みを持った良質の鰹節と昆布が絶妙にブレンドされた旨味たっぷりのダシ)

???(醤油も水より安いような品物ではなく鹹味、酸味、苦味、旨味、甘味に香り…)

???(そのどれをとってもパーフェクトだ。甘過ぎず辛すぎず、ああ、五臓六腑に染み渡るよ。ネギを入れるべきだったね。)

???(麺も、このしっかりした汁に負けないほどコシもあり、喉越しも良く香り高い。心地良いよ。)

???(くっ……こんな難癖をつけようにもつけられないほどのかけ蕎麦をなぜ立ち食いで出すんだ。)

???(ダメだ…こんなパーフェクトな掛け蕎麦にケチをつけるなんてそんな不粋なマネ、僕には出来ない!)


507: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:37:30.86 ID:l9Ux8MAO
店主「………」

???(髪の毛を混入しようにも彼と僕の髪色が違い過ぎる上、終始様子を伺っている…)
???(何とか…ここまで来たにも関わらず……)

♪きっみにぃ~いーかれてーめためた~

???「この曲は…未来派Lovers!」

???(そうか……盲点だったよ)
???(確か…立ち食いのタブー、「過剰な追加注文」を犯すことで見事無銭飲食を果たした…そうか。)
???(しかしあの店は前金制。後払いのこの店で通用するのか……)

???(しかし、僕はこの店主の弱味を握っていない。…店主と政治を語るつもりもない。)???(イチかバチか……)
???(君に再び出会う為、僕は戦うよ)




???(……碇シンジ君)



???「生卵、コロッケ、稲荷寿司……追加してくれないかい。」
店主「……あいよ」

508: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:38:22.66 ID:l9Ux8MAO
――――

マヤ「あの……タクシーを呼んで……」

アスカ「いいわよ。そんな面倒なことしなくても。」

シンジ「僕、温かいものが食べたかったところです」

マヤ「でも…立ち食いなんて……」

綾波「構いません。食事、出来ればそれでいいもの。」ぐううう

マヤ「そ……そうね。入りましょうか……」

シンジ「何にする?」

アスカ「そうね。私はきつねコロッケにでもしようかしら」

綾波「……冷やしタヌキが食べたいわ」

シンジ「僕は月見そばにしようかなぁ……」

ガララッ

マヤ「あのぅ……」

店主「逃がさねぇぞおおおおおお!!!無銭飲食野郎がああああ!!!!」

ぎゅうううううう

???「い、痛い…痛いよ!ドルなら、ドルならあるって!!!」

店主「俺にわざわざ両替しにいけってかぁ?ああ!?」


アスカ「ああっ……!!」

綾波「………!」

マヤ「ええっ……!」


509: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 18:40:00.60 ID:l9Ux8MAO
店主「あ、いらっしゃい!こいつをさっさとブタ箱にいれちまいますんでね、少々お待ちを……」

シンジ「ど……どうして……」

???「き、君たちは……」

アスカ「な、何やってんのよこんなとこで…」

綾波「ま…まさか……帰って来てた…なんて……」


シンジ「か……カヲル君……」

カヲル「や…やあ…久しぶりだね……」ニコッ





――『最後のシ者』編に続く

510: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/11/18(木) 19:12:15.58 ID:l9Ux8MAO
                  、_   i、
                _ -‐~` ヽ)' レ-‐
              ,/   /´ 7`ー 、´辷:、
              1 / /´ ィ 〃/ :   \ヽ
             /r',ィ  ,__/| /|! l i :  i }
               _ノ |r┤/|;rj厶`!i: /| j   }′
            'ーッ_人!| !  `'′ !|;不|i l ,r l|
             / , 〉!   _  :ィ^゙クl/ ,l/`
              '´/ イ / \  `, イレ' '′
             _7    `∠lV′
           r 〔./    / ̄ヾー- 、
          /l  ヽ、、._  ,^ 〉 <\ 「⌒ ー- 、_
        /  !  / l___. イ / ` ' j  _, '´    > 、

次回予告

予算が消え、リツコが壊れ、傷心のネルフ一同に、少年が微笑む。
彼のうさんくさい笑顔に、一抹の不安を覚える一同。
やはり、彼らには苛酷な運命がしくまれていた。

次回、「ぽっと出のキャラには気をつけろ!大体敵だから」

えっ?違う?




……次回、「最後のシ者」

ターゲットロッk

…じゃなくてサービスサービス。


647: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 14:54:29.65 ID:LUBx2sAO
【ネルフ本部内・大通路】

ちびアスカ「この大きなエレベーターからながめるけしきも…こうしてみるとオツなものね」

ちびシンジ「エスカレーター…じゃないの?」

ちびアスカ「……」

ちびアスカ「そうとも言うわね」

ちびシンジ「そうとしか言わないよちびアスカ……」

ちびアスカ「あーうるさい!うるさい!!」

ちびアスカ「ひっさびさのネルフだってーのに、もっとはしゃげないの?」

ちびシンジ「『ひさびさ』っていっても、1しゅうかんもたってないし…」

ちびアスカ「あんたヤボねぇ…。それほど恋しかったってことなの!」

ちびレイ「ことなの!」

ちびシンジ「そ…そうなの?」

648: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 14:56:16.50 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「そうよ…それに、もうわたしの小さなムネは、キュンキュンはち切れそうなの。」

ちびレイ「なの」

ちびアスカ「いとしの碇しれい!!」

ちびアスカ「ああ…この数日、碇しれいのことばかり考えてしまっていたわ……」

ちびアスカ「みて!!碇しれいのにがおえ、こんなにたくさん書いたのよ!!!」

バサッ

ちびシンジ「う…うわぁ」

ちびレイ「……パッとみ、百枚近くはある」

ちびアスカ「これ、ぜーんぶ碇しれいにプレゼントするのっ///」

ちびシンジ「ぜ、ぜんぶ?」

ちびアスカ「……何よ、その顔は」

649: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 14:58:05.16 ID:LUBx2sAO
ちびシンジ「い…いや、その……」

ちびシンジ「な、なんと言うか……」

ちびアスカ「なによ?」

ちびシンジ「い、いや、あのぉ……」

ちびレイ「……ゲージュツテキ」

ちびシンジ「そ、そう!芸術的!いやぁ…ちびアスカはやっぱりスゴいなぁ…」

ちびアスカ「あんた達にわかるのかしらねぇ…」

ちびアスカ「ま、天才子役のわたしには出来ないことの方が少ないんだけど」


650: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 14:58:50.06 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「そーそー」

ちびアスカ「このお休み中、CMさつえいしてきちゃったもんねー♪」

ちびアスカ「どーせ、あんた達にはしごとなんてなかったでしょうけど」

ちびレイ「……私、CM2本にドラマ1本撮ってきたの。」

ちびアスカ「……えっ」

ちびシンジ「ぼ…僕はCM…4本……」

ちびアスカ「ええええええっ!?」

ちびアスカ「う、うそついちゃダメなんだからね!!」ゆっさゆっさ

ちびシンジ「ほ、ほんとうだってばぁ……」

ちびアスカ「む……」

ちびアスカ「ムキぃぃぃぃぃぃぃぃぃー!!!」


651: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:00:57.93 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「ムカつく!!ちょームカつく!!!!!!」

ちびアスカ「ふん。恋愛もしたことないガキがエラソーにしてんじゃないわよ」

ちびシンジ「いや…べつに……」

青葉「ああ、ちび達久しぶり」

ちび一同「あ、青の6号さん!!」

青葉「……青葉です」


652: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:01:44.02 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「あ、あれ?キョーコママとアスカおねーちゃんは?」

青葉「ああ、アスカはまだ来てないけど、惣流博士なら多分倉庫に……」

ちびアスカ「キョーコママ!」タタッ

ちびシンジ「ち、ちびアスカ!」

ちびレイ「まって……」


654: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:03:40.16 ID:LUBx2sAO

ちびアスカ「ママ!お土産かってきたのよ!!」


ガチャ


ちびアスカ「ママ!ママの大好きなハゼの干物なのよ!!」


ガチャ


ちびアスカ「ママ!ママ!会いたかったわママ!」



ガチャ


ちびアスカ「私、今度別のドラマにも出演が決まったのよ!!すごいでしょうママ!」



ガチャ


ちびアスカ「ママッ!」



キョウコ「………」ブラーン



ちびアスカ「ま……ま……」



ちびアスカ「いやああああああああああああああああああ!!!!!!!!?」

ちびシンジ「ち、ちびアスカ!?」

ちびレイ「なにが……」

ちびアスカ「 」


656: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:04:49.72 ID:LUBx2sAO
ちびシンジ「ちびアスカ、ちびアスカ!?」

ちびアスカ「 」

ちびシンジ「ってき、気絶してるぅぅ!?」

キョウコ「……」ブラーン

ちびレイ「く…くびつり……!」

キョウコ「はぁ~い~♪」ニコッ

ちびシンジ・レイ「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



657: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:05:40.30 ID:LUBx2sAO
キョウコ「あら、驚かせちゃったぁ~?」

ちびシンジ「な…な……?」

キョウコ「あ、これ~?」

キョウコ「うふふっ。下が鏡張りになっててね、首を釣ってる様にみえるのよ。手品のトリックでも良く使われるのよ~♪」

ちびレイ「ほ…ホントなの……」

キョウコ「上手く見えるかテストしててね…ってあら、ちびアスカ久しぶり~♪」

ちびアスカ「 」

ちびシンジ「ち…ちびアスカ…」

ちびレイ「まだ…気絶してるの……」

キョウコ「あらあら…大丈夫~?」

ミサト「…とりあえず救護班手配して」

マヤ「了解です…」


658: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:11:09.55 ID:LUBx2sAO
【会議室】

ミサト「ちびアスカは?」

マヤ「問題ないみたいです。」

ミサト「そりゃ良かったわ。そうよね、来た早々キョウコさんがクビつってりゃあビックリもしちゃうわよね……」

ミサト「リツコもいやなシーンを書いてくれるもんよ…」

加持「母親が自殺…なんてなぁ」

ミサト「物語も陰鬱、こっちの状況も陰鬱…逃げ場なしよもうぅぅぅ……」


659: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:16:56.42 ID:LUBx2sAO
ミサト「…じゃ、ちびアスカには悪いけど、気がついたら早速シーン1の撮影進める様に言っといて」

マヤ「了解」

ミサト「はぁ…しかし……」

ミサト「……これからどうしよう」

加持「『どうしよう』って、どうにかするって言った本人が言ってどうするんだよ」

ミサト「だって、シナリオもさぁ、序盤と…それから大まかな設定しか書かれてないんだもの」

加持「もしかして、台本も出来てないのかぁ!?」

ミサト「……書いたわよ」

ミサト「……書いたけど」

加持「なになに、実は使徒は碇司令だったのだ!」

加持「と言うか、碇司令は死んでいて、使徒が碇司令の格好をしていたのだ!」

加持「碇司令は巨大化し、本性をあらわし、街を踏み荒し…」

加持「……なんだこりゃ」

マヤ「ふっ…ぷふっ……」

青葉「しょ、昭和の特撮みたいっ……むふっ」

ミサト「わ、笑わないでよっ!これでも真剣なんだからぁっ!!!!」


660: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:20:58.63 ID:LUBx2sAO
ミサト「シナリオって簡単に書けるもんだと思ったんだけどなぁ」

ミサト「面白いかどうか以前に、物語と成立するか、実現可能か……」

ミサト「幾ら懐の深いネルフだって…」


日向「し、しかし葛城さん、スケジュール的に……」

ミサト「分かってるわよ!分かってるわよ!!」

ミサト「でもさぁ、いきなり自殺だのなんだの言われてもどう処理すれば…」

ミサト「全く、序盤だけ書いてシナリオ放棄するわ」

ミサト「25、26話にいたっては、もう設定すら書かれてなくて、ただ『精神世界・サードインパクト』って書かれた紙一枚渡されて…」

ミサト「しまいには、『この世界の可能性』とか何とか意味の分からないことを語ってきて…頭痛いわよ……」

マヤ「…センパイ、大丈夫でしょうかね……」


日向「これを見る限り、赤木博士の精神状態…ヤバそうだからな」

661: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:23:48.28 ID:LUBx2sAO
マヤ「そう言えば今回、センパイが書いた部分で惣流博士が自殺…してますよね」

一同「………」

ミサト「や、やだ!な、なに想像しちゃってんのよマヤちゃぁん!!!」

マヤ「で、ですよね?考えすぎですよね??」

ミサト「そうよ。だってナオコおばさんが面倒見てるしさぁ、監視も一応ついてるんだから大丈夫だってぇ~!」

ミサト「そ、それより問題はシナリオよ。シナリオ。」

ミサト「ま、他にも色々あったとは言え…リツコが逃げ出したくなるのも分かるわ……」

青葉「何か…大きな問題が?」
ミサト「今まではさぁ、何だかんだでモデルになる事件や使徒があったワケじゃない」

ミサト「まぁ…まだ連合軍襲撃事件って言う面白いネタは残ってるんだけどさぁ」

ミサト「その前に最後の使徒を片付けなきゃ行けないんだけど…」

一同「………」


662: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:25:13.27 ID:LUBx2sAO
マヤ「ど、どうしたんですか?皆さんいきなり……」

加持「前にも話さなかったっけ」

日向「それがさぁ、残ってないんだよ。」

青葉「……最後の使徒のデータが」

マヤ「あ…!そう言えば、そんな話も……」

ミサト「そーなのよぉ。ま、データだけならまだ良いんだけどね」

ミサト「だーれ1人覚えちゃいないのよね…もちろん当事者である私も…パイロット達も……」

ミサト「最後の使徒のことを」

マヤ「ま、全く…ですか?」

ミサト「全く。」

加持「全然覚えちゃいないんだよ。本当に」

マヤ「そんなことって……」

ミサト「まぁ、使徒自体が最早あり得ない存在だから何が起きても不思議じゃないんだけどね。」

ミサト「ただ、困るのよね……こう言うの。」

ミサト「あああああああ!!!ったくもう、最後の使徒めえええええええええ!!!!!!」

663: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:26:02.49 ID:LUBx2sAO
♪ふんふんふんふんふんふんふんふん


ミサト「ったく何よ…こんな時に空気も読まずに第9歌ってるヤローは……」



カヲル「ふんふんふんふん♪」
綾波「ふーんふんふん♪」



アスカ「………」

シンジ「………」

ミサト「……げっ」



カヲル「……いやぁ」

カヲル「日本は素晴らしいねええええええ!!!!!!」バッ


ミサト「……絡み辛いのが来ちゃったわよ」



664: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:27:24.27 ID:LUBx2sAO
カヲル「空気が都会的だ!」バッ

カヲル「女性が美しい!!」バッ

カヲル「立ち食い蕎麦も美味しい…あ、伊吹二尉。先日はありがとうございました」

マヤ「い……いえ……ど、どういたしまして………」

カヲル「しかも可愛い妹が…すぐソバに!」

綾波「か…カヲルお兄さん………」

カヲル「ああ、本当にレイは愛らしき妹だなぁ……」

カヲル「レイ!」ギュッ

綾波「カヲルお兄さん…」ギュッ

アスカ「……相変わらず仲のおよろしいこって」


665: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:28:10.78 ID:LUBx2sAO
カヲル「そして、可愛い従兄弟、シンジ君もいる!!」

シンジ「あ…ありがとう………」

カヲル「さあ…慈しみと親愛を込めた抱擁を………」

シンジ「い、いや…抱擁はちょっと……」

カヲル「さあ!さあ!」

シンジ「い、いや……」

アスカ「……リアクションに困ってるじゃないのよ」

カヲル「……残念だなぁ」

カヲル「でも手を広げてしまった以上、抱擁をしないと気が済まないな……」

カヲル「仕方がない、ここはセカンドで……」ギュッ


アスカ「ちょ!?いやああああああああああああああああ!!!!!!!!」


カヲル「ああ…僕は幸せだ!日本に帰って来れて幸せだああああああ!!!!」


666: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:29:12.97 ID:LUBx2sAO
マヤ「す……凄いテンション………」

加持「南極で色々…溜まってたんだろうなぁ……」

青葉「い…碇司令に通じる何かが……」

ミサト「血は繋がってないハズなんだけどね……」

カヲル「あ、そうだ…すっかり当初の目的を忘れていたよ」

ミサト「……目的?」

カヲル「これ。使って貰えればと思って、渡しに来たんです。」にこっ

ミサト「さ、冊子?」

マヤ「何か…書かれて………」

マヤ「……『新世紀エヴァンゲリオン第弐拾四話・最後のシ者』」

マヤ「『台本』…だ、台本!?」


667: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:31:21.92 ID:LUBx2sAO
ミサト「だ、台本って…カヲルくんこれ………」

カヲル「そのままの通りです。」

カヲル「僕が今回の台本を書いたので、使って欲しいと思って持ってきました。」にこっ

ミサト「あなた…だって帰って来てからまだ2日しか…!」

マヤ「ドラマの本編もあまり見られていなかったんじゃ…」

カヲル「ドラマを録画したディスクが毎週送られてきてましたからね。大体分かってました。」

カヲル「それに元々、文章を書くのは好きでしたから。」

ミサト「だけど、予算も少ないし…今まで使っていたセットも……」

カヲル「ああ、それについてはレイから色々聞きました。」

カヲル「だから一応その辺については色々考慮しましたよ。」
ミサト「……考慮?」

カヲル「セットが使えなければ、使える場所だけで撮影すればいい。着ぐるみがなければ本物のエヴァを使えばいい。」

カヲル「ネルフ内でエヴァを動かす分には何の問題もないでしょう?」


ミサト「えっ…」

一同「ええええええええええ!?」



668: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:32:11.96 ID:LUBx2sAO
青葉「少し傷が付いたら億単位で損害が出ることになるし、安易には……」

カヲル「なら出来るだけ付けない様にすればいい。」

カヲル「万が一付いたとしてもさ、それはそれで撮影後に考えれば良いじゃない。」にこっ

シンジ「い…良いってカヲルくん……」

アスカ「…考え方がリツコ二号よ」


669: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:33:55.48 ID:LUBx2sAO
ミサト「でも…まだ大きな問題があるわ」

カヲル「使徒…ですか?」

ミサト「そうよ。今から発注する時間も予算もないし…」

ミサト「CGも無理よ。MAGIの立体投影だって……」

MAGI『そうですね…アラエルさんやアルミサエルさんみたいに、元になるデータがあれば何とかなるかもなんですが…(´・ω・`)』

マヤ「17番目の使徒は肝心のデータがありませんからね……」

アスカ「どーすんのよ?」

カヲル「その辺は心配いらないさ。」

ミサト「……?」

カヲル「だって17番目の使徒は」

カヲル「……この『僕』なんだから」にこっ

一同「………」

一同「ええええええええええええええええええ!?」


671: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:35:34.66 ID:LUBx2sAO
アスカ「なーに、くっだらない冗談かましてんのよ、このバカ!!!!!」

カヲル「相変わらず、セカンドはおっそろしいなぁ…敵わないね」

アスカ「あー!もう昔っからアンタのそう言うフワフワした所、ムカつくのよぉ!!」

カヲル「あ、そうだセカンド。渡すの忘れてたんだけど…」

ガサゴソ

カヲル「はい。お土産。」にこっ

アスカ「……何このゴミ」

カヲル「ソーセージのパッケージ」

アスカ「中身は…」

カヲル「食べた」

カヲル「いやぁ…セカンドに掴みかかられるなんて何年ぶりだろうなぁ…ようやく帰って来たって実感が………」にこにこ

アスカ「こんんんんんのおおおおおおお…シスコン変態野郎おおおおおおおおおお!!!!!!!!」

ガスッガスッガスッ

カヲル「あっはははははは!!!」にこにこ

シンジ「あ…アスカ…その辺で…」

◇<ラ…ラー………

綾波「ラミエルさん…見ちゃダメ」


ミサト(ダメだ…あの子だけは、あの子だけは何年経っても理解できない……)


672: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:36:36.53 ID:LUBx2sAO
ミサト「んでカヲルくん。その17番目の使徒がアナタだって言うのはどういう…」

カヲル「使徒を人型にすればお金も掛からないじゃないですか。」

マヤ「ああ…なるほど。」

カヲル「それにドラマチックじゃありませんか。零号機は爆破され、弐号機も使えない今……」

カヲル「シンジくんは人の形をした使徒を倒さなきゃならない!」

カヲル「シンジくんは悩み、苦しみ…シンジくんは…シンジくんは…シンジくんは………」

ミサト「……聞いた私が悪かったわ」


673: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:37:34.49 ID:LUBx2sAO
ミサト「まあ、確かに、人間不信に陥ってるシンジくんに人型の使徒…ドラマチックではあるわよね。暗いけど。」


マヤ「でも…いきなりここにきて人型って言うのは…大丈夫なんでしょうか」

加持「いや、悪くはないアイディアじゃないか?」

加持「今までの使徒は…そういや、段々と『人』に近づいて行ってる気もしなくもない。」

加持「それに俺達人間は18番目の使徒だ。そう考えると不自然じゃない。」

ミサト「う~ん…まぁね…」パラパラ

ミサト「ま、脚本自体の出来もかなりいいし…多分設定に関してだってリツコも納得するだろうし…」

ミサト「何より他に手が無いんだから使うしかないんだけど」

カヲル「何か問題が?」

ミサト「……よくもまぁ、恥ずかしげも後ろめたさもなく、こんなに自己顕示出来るものかしらと思って」


674: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:38:00.85 ID:LUBx2sAO
カヲル「今まで全然出番なかったんだし、これくらいは許されるかなぁ~なんて。」

ミサト「にしても『最後のシ者』ってタイトル、どーなのよ!?」

カヲル「いや、『渚』と『死者』と『使者』を…」

ミサト「んな事分かってるわよ!妙に上手いのよ!!」

カヲル「でしょ?」にこっ

綾波「……今日の葛城さん、ツッコミにキレがないわね」

シンジ「『キレ』って綾波……」

ミサト「ダメだ…ダメだわ…なんか調子狂うわ……」


675: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:38:52.40 ID:LUBx2sAO
日向「でもいいのかい?使徒ってことになったら、当然殲滅される方向にならざる……」

カヲル「いいのさ。記録より、僕はみんなの記憶に残りたいからね。」

カヲル「ああ…もう!!レイに蔑まれ、シンジくんに握り潰される!!!!!!!!!」

カヲル「幸せだあああああああああああああああああああ!!!!!!!!嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!!!」

◇<ラー……

綾波「……だからラミエルさんは見ちゃダメ。」

青葉(『残念なイケメン』って…)

日向(……本当にいるんだな)
ミサト「……はぁ」

アスカ「……」ムッ

676: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:40:27.22 ID:LUBx2sAO
【司令室】

ゲンドウ「………」

冬月「………」

冬月「……どうした。司令ともあろう男が机に伏したりしおって」

ゲンドウ「……お前こそ、よくも上司の目の前で机に伏せるものだ」

ぎゅるるるるるるる………


ゲンドウ・冬月「………」

ゲンドウ・冬月「……胃が痛い」

冬月「………渚カヲルかね」

ゲンドウ「ああ…アイツの事が頭に過っただけで胃が……」

ガバッ

ゲンドウ「帰って来て早々だ!!諜報の報告によれば食い逃げ未遂はするわ!!」

ゲンドウ「レイにはベタベタするわ、シンジに抱きつこうとするわ、ユイを口説こうとするわ……」

ゲンドウ「うああああああああ!!!!!!!!」


678: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:44:44.08 ID:LUBx2sAO
冬月「大人気ないぞ碇。カヲル君もお前のかわいい甥っ子だろう。」

冬月「レイとは兄妹なのだから仲良きことは自然なことだ。シンジ君やユイ君についても同様だろう?」

ゲンドウ「しかし!アイツは、妙な………」

冬月「世間から見れば、妙なのはお前の方だ」

ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

ゲンドウ「……お前こそ、大方赤木博士の件で胃を痛めているのだろう」

冬月「まぁな……」

冬月「……彼女をああにしてしまった原因は私にある。」

ゲンドウ「それで」

冬月「それで、とは?」


679: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:46:45.51 ID:LUBx2sAO
ゲンドウ「どうするつもりだ、と聞いているのだ」

冬月「………」

ゲンドウ「……お前は彼女に同情しているのか?」

冬月「………」

ゲンドウ「それだけなら…止めるべきだと思う。」

冬月「……安っぽい人間だよ。私は」

ゲンドウ「今まで散々女遊びをしてきた人間が、よく言ったものだな。」


680: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:48:44.46 ID:LUBx2sAO
冬月「確かに、『女』を心から愛した事があるか…と聞かれれば答えはノーだな。」

冬月「俺にとっては、何かの…代用品でしかなかった。」

ゲンドウ「ユイの代わり…か?」

冬月「そのつもりだった。この間までは。」

冬月「だがいつか言っただろう。結局ユイ君に感じていたのは父性愛だったのかも知れないと。」

冬月「純粋たる恋愛感情とは程遠いものを私は…恋愛だと勘違いしてしまっていたのだよ。」

ゲンドウ「では…女はその存在するかすら分からない『恋愛感情』の代用品だったのか?」

冬月「ああ。否定はしない。」

冬月「だが」

ゲンドウ「………」

冬月「先日、久々に昔交際していた女性と会った。」

冬月「…が、情けない事に何も出来なかった」

冬月「いや、寧ろする気が起きなかったのかも知れんな」

ゲンドウ「………」

冬月「この歳になっても良くわからんよ。己のことは。」

ゲンドウ「お前のそう言う部分が赤木博士をああさせた、とは思わないのか」

冬月「………何がだ」

ゲンドウ「わかりきっている解答が絶対であると証明出来ない限り、それを解答としない、その性格だ。」

冬月「…学者の性だよ」

ゲンドウ「性?ふん…。」

681: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:49:49.05 ID:LUBx2sAO
【リツコのマンション】

ナオコ「リッちゃーん」

リツコ「………」

ナオコ「ミサトちゃんから電話よ。」

リツコ「………でない」

ナオコ「……でなさい」

リツコ「でない」

ナオコ「でなさい」

リツコ「でない!」

ナオコ「でなさい!!」

リツコ「………」

リツコ「………はい」


682: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:51:23.10 ID:LUBx2sAO
ミサト「あ、もしもしリツコ?」

ミサト「あー…えっと…元気?」

リツコ「ええ。お陰様で。先日は取り乱して悪かったわね。」

ミサト「で、台本の件なんだけd」

ガチャ

プープープー……

ミサト「きっ…切りやがった………」

プルルルルルルルルル

ミサト「ちょっと!何で勝手に切るのよ!!」

リツコ「……書きたくないんだもん」

ミサト「書け!なんて一言も言ってないでしょうが。人の話は最後まで聞きなさいよ。」

ミサト「台本ならカヲルくんが書いて来てくれたみたいだから、それを使おうと思うのよ」

リツコ「カヲルくんって…まさか渚カヲルのこと?」

ミサト「そう。アンタが泣きわめいたすぐ後、帰ってきたみたいなのよ」

リツコ「そう。彼、帰ってきたの。間に合わないかと思っていたんだけど……」

ミサト「んで、あー…とりあえず設定だけ伝えるから」

リツコ「……何で私に」

ミサト「一応、このドラマを仕切ってるのはアンタでしょ。台本だって……」

リツコ「…私は逃げ出した人間よ。戻るつもりも、資格はないわ」

ミサト「別にこの間のことは皆どうも思ってないわよ。」

リツコ「……」


683: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:52:55.06 ID:LUBx2sAO
ミサト「一応ね?今までの繋がりもあるんだから、破綻しない様に、それくらいは責任果たしてくれたって良いじゃない」

リツコ「……で」

ミサト「第17の使徒は人の形をした使徒…それをカヲルくんが演じるって形になったんだけど」

リツコ「……カヲルくんが使徒…ね」

リツコ「良いんじゃないの?そうね、彼が演じるなら」

ミサト「投げやりで言ってない?」

リツコ「言ってないわよ。ポッと出の味方キャラクターが敵だったなんて燃える展開じゃないのよ!」

ミサト「も…燃える?そ、そうなの?」

リツコ「そうよ!しかも相手はイケメン!!脚本次第によっては新たな層の取り込みも!」

リツコ「もしかしたら今後の展開にも……」

リツコ「……って、もうこんなこと…言う資格も無いわよね。」

リツコ「……すまなかったわ」

ミサト「い…いや…続けて貰って構わないって言うか……」

ミサト(ダメだ…何かこのリツコも絡み辛い…)

ミサト(ああああああ!調子狂うぅぅぅ!!!!!!)


684: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:54:57.66 ID:LUBx2sAO
ミサト「とりあえず…まぁ、何て言うか、思ったより元気そうで安心したわ。」

ミサト「この何日間か、全然連絡取れないから心配してたのよ。」

リツコ「………」

ミサト「一体どうしたのかと……」

リツコ「ねぇ、ミサト」

ミサト「……何?」

リツコ「少し考えた事があるんだけど」

ミサト「考えたこと?」

リツコ「例えば、私と同じ容姿で、同じ知能を持って、同じ考え方をする人間が居たとするわ。」

ミサト「想像したくないけどね」

リツコ「そのもう一人の私は『私』と呼べるのかしら」

ミサト「……はっ?」

リツコ「確かにそのもう一人の私は当然己を『赤木リツコ』と認識するだろうし」

リツコ「他人もそれを『赤木リツコ』と認識するでしょうね」

ミサト「そ…そうなんですか」

リツコ「だけど…私はそれを『私』だと認識出来ない。」

リツコ「私と同じものだけど、それは『私』ではないのよ。私にとっては。」

ミサト「ぜ…全然何が言いたいんだか………」

リツコ「つまり、私が私である根本的なものって何なのかしらね」

リツコ「『自我』?『記憶』?…それとも『魂』?」

ミサト「どうしようマヤちゃん、リツコがどっかの映画監督みたいになって来ちゃったんだけど」


685: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:57:14.97 ID:LUBx2sAO
リツコ「私って…何なのかしら」

リツコ「私は…もしかしたら私ではなく、私だと思い込んでる存在なのかもしれない」

リツコ「そして色々考えた結果…あらゆる世界の可能性にたどり着いたのよ」

ミサト「ず、随分壮大なお話ですこと……」

リツコ「私たちは人の心の中で、自由に変化することが出来る。」

リツコ「見方を変えれば世界も変わる。それを段々広げて行けば、世界は360゜違ったものになるのかも知れないわね」

ミサト「な……なるほど……」

リツコ「人間なんてしっかりしているようで、そんなあやふやな何かの上で生きているに過ぎないわ。だから……」

ミサト「あ…あー!もう撮影時間だわ!」

ミサト「その話はゆっくり聞くから…その………」

ミサト「……じゃあね!」

プープープー……

ミサト「………」

マヤ「あ…あの…葛城さん?センパイは……」

ミサト「……リツコ、あの様子だとマジでゲロマズかもしれない」

ミサト「んまぁ…リツコのことは後で様子見に行くとして、とりあえず許可は取れたから」

カヲル「じゃあ、僕の書いたシナリオ、使って貰えるんですね」

ミサト「もちろんだけど…」チラッ

シンジ「な…何ですかミサトさん」

ミサト「いや…大丈夫かなぁーって」


686: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:58:16.13 ID:LUBx2sAO
シンジ「ぼ…僕ですか!?」

シンジ「い、一体何が……」

ミサト「いや、まあでもやって貰わなきゃ困るし。…やってくれるわよね?」

シンジ「…だから何が」

綾波「大丈夫よ碇君。目立てるから」

シンジ「あ…綾波ぃ?」

カヲル「そうだよシンジくん。そんなに心配しなくったって大丈夫さ。」

カヲル「今回は僕とレイで…シンジくんの魅力を1000%引き出してあげるから!」

綾波「お兄さん…」

カヲル「レイ!」

綾波「お兄さん…」

カヲル「レイ!」


687: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:58:52.21 ID:LUBx2sAO
綾波「うふっ」

カヲル「あはっ」

綾波「うふふふふふふふふ!!!!!」

カヲル「あっはははははははははははは!!!!!!」

シンジ「……余計に不安になって来た」

アスカ「と言うか、お先真っ暗ね」

◇<………

MAGI『ラミエルさん…なんだか寂しそうです……』



688: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 15:59:44.61 ID:LUBx2sAO

【第三新東京市・某所】

ミサト「うわっ…今にも崩れそう…」

マヤ「セカンドインパクト前の建物みたいですね」

カヲル「場所を借りるにはお金が必要ですからね。ここなら良いと思いまして。」

ミサト「でも…廃墟と言えども土地の所有者に許可を取らなくても大丈夫なの?」

カヲル「ああ。その点は大丈夫です。僕の従兄弟の父親の一人息子の母親の恩師が許可を取って来てくれましたから。」にこっ

マヤ「えっえっ…い…従兄弟の父親のぉ…?」

シンジ「………」

シンジ「…副司令が許可を取ってきてくれたってことか」

ミサト「……回りくどいっちゅうの」



689: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:01:02.60 ID:LUBx2sAO

アスカ「……で、何で私がこんな格好をさせられてるのよ」

カヲル「流石はセカンドだ。肌色の水着も様になってるなぁ。」

綾波「ないすばでぃー」

シンジ「………」

アスカ「…ちょっと!見るんじゃないわよシンジっ!」

シンジ「みっ、見てなんかないよ!」

シンジ「って…あっ……///」
☆よくわかる簡略図☆

|つ


うふ~ん

690: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:01:48.68 ID:LUBx2sAO
アスカ「……見たわね」

シンジ「い、いや!こ、これは……」

アスカ「ちぇえええええええええええすとおおおおおおおおおおおお!!!!」ガスッ

シンジ「んふっ!?」

綾波(……どうせ全国に流れるのに)

カヲル(女心っていうのは複雑だね……)


691: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:03:59.30 ID:LUBx2sAO
カヲル「じゃあセカンド、早速そこに浸かってくれ。」

アスカ「…なんかこの水、濁ってるんだけど」

カヲル「汚く見せる為に水とLCLを混ぜてあるんだよ。」

カヲル「ついでに、精神病患者みたいな顔をしながら台詞を言って貰えると嬉しいんだけどね」

アスカ「せ…精神病おおおおおおお!?」

アスカ「ちょ…ちょっと、それって一体どういう……」

カヲル「あ…あはっ…いや………」

カヲル「……ここらでセカンドには退場してもらえると嬉しいかなぁ~なんて…」

アスカ「たっ……」


692: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:04:35.83 ID:LUBx2sAO
カヲル「退場って言っても出番が無くなるって訳じゃないさ」

アスカ「そんなのアテにできるかっつうのおお!!なーんで私が精神病になんなきゃならないのよ!!」

カヲル「ほら…だってさ、アラエルの精神攻撃もまともに受けちゃった上に、シンクロ率0で劇中の君のプライドもズタボロじゃない」

アスカ「そっ…それは……」

カヲル「あと2話じゃとても君の復活劇を書く余裕もないし」

カヲル「それに折角レアな僕とレイとシンジ君の間にあんまり部外者は入ってきて欲しくないんだよね」にこっ

アスカ「こっ…こいつうううううううううう!!!!!!!!」


693: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:08:14.33 ID:LUBx2sAO
ギュウウウウウウウウウッ!!!!!!

カヲル「あはっ!苦しいよセカンドぉ~」にこにこ

アスカ「嬉しそうにしてんじゃないわよ変態があああああっ!!!!!」

カヲル「あ……ホント息できない……せ、セカンド……」ニコニコ

シンジ「ちょ、ちょっとホントにアスカ……」


アスカ「………」ぜえ、ぜえ

綾波「お兄さん…大丈夫?」

カヲル「……大丈夫だよレイ。」ニコニコ

カヲル「いや…寧ろ……」ニコニコ

綾波「……私、たまにお兄さんに付いていけなくなるときがあるわ」


694: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:09:23.84 ID:LUBx2sAO
ミサト「あ…アスカ、まあ…彼の説明はアレだったけども」

ミサト「シナリオとしてはかなり良い部類に入るのよ。だから……」

アスカ「んなこと、わーかってるわよ!」

アスカ「…あーもう!アンタみたいな変態ヤローの思い通りに動かなきゃならないなんてチョームカつく!!」

アスカ「いいわ…こうなったら完璧な精神病患者を演じてやるんだから!」ぐぐぐぐぐ

ミサト(……って言うかアスカ、どうみても裸にしか見えないその格好についてはもう良いのね)



695: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:10:59.70 ID:LUBx2sAO
シンジ「アスカ、これ…リポビタンD。本番前に飲むといいって加持さんが買ってきてくれたんだ。」

アスカ「………」

シンジ「あ…あの…アスカ、さっきはごめんね」

シンジ「その…さ、何て言うか…事故って言うか……」

アスカ「………」

シンジ「……アスカ?」

アスカ「………ルサイ」

シンジ「えっ……」

アスカ「ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイ」

アスカ「イヤアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

シンジ「ああああああアスカぁ!?」


シンジ「ちょ…ちょっと誰かぁ!」

カヲル「ああ…役に入り込み過ぎちゃったんだね……」

綾波「私もたまにだけれどあるわね」

ミサト「あ、レイも?私もあるのよねー。どっちが素の自分だか分かんなくなっちゃうっていうかさぁ」

マヤ「そうですね…まあ自分自身を演じてるんですから仕方のないことじゃないんですかね」

シンジ「って、のんびり話してないで落ち着かせるの手伝ってくださいよぉ…!!」


アスカ「イヤアアアアアアアアアアアアアア!!!!」



696: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:13:22.41 ID:LUBx2sAO
―――――

ちゃぽん…

アスカ「シンクロ率ゼロ。セカンドチルドレンたる資格無し。」

アスカ「……もう私がいる理由もないわ。誰も私を見てくれないもの。」


アスカ「…パパもママも誰も。」

アスカ「私が生きてく理由もないわ…」


諜報課員「……惣流・アスカ・ラングレーだな?」

アスカ「………」


マヤ「はい、カットです。お疲れさまでしたー」

アスカ「……」

ミサト「……アスカ、アスカ」

アスカ「……」

ミサト「…もういいのよ?完璧だったわ」

アスカ「……そう。私にはママいる」

アスカ「………浮気ぐせのあるパパもいる」

アスカ「ママは生きてるし」
アスカ「ちゃんとシンクロも出来る……」

ミサト「そうよ。アスカ。」

アスカ「………ああああっ!!」

ミサト「あ…アスカ?」

アスカ「危ない…危ないとこだったわ……」

綾波「……大丈夫?」

アスカ「ああ…まあね。ちょっと役に入り込み過ぎちゃったわね…」

カヲル「いやぁ、でもそのかいあって迫真の演技だったよセカンド」

アスカ「元はと言えばお前とリツコのせいだっつうのおおお!!!!!!」

697: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:13:58.31 ID:LUBx2sAO
シンジ「…アスカ!良かった…一体どうなっちゃったのかと……」

アスカ「って、アンタもどさくさ紛れにこっち見てるんじゃないわよ!!!」ガスッ

シンジ「んふっ……!」

シンジ「な…なんか…理不尽だ……」

カヲル「……」


698: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:14:39.59 ID:LUBx2sAO

ゲンドウ「シンジいいいいいい!!!レイいいいいいいいい!!!!!!」

タッタッタッタッ…

シンジ「とっ…父さん!!」

アスカ「碇司令が何でここに?」

綾波「確か外のロケでは出番が無かったはずじゃ…」

ゲンドウ「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

ユイ「あなた、転びますよ」

ゲンドウ「心配いらn……」

コケッ

ゲンドウ「!」

シンジ「ああ……」

ゲンドウ「……ああああああああ!!!!!?」

ゴロゴロゴロゴロ……

ユイ「……言わんこっちゃない」


699: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:15:18.70 ID:LUBx2sAO
ゲンドウ「お疲れ様!」ニヤッ

シンジ「と、父さん…派手に転んでたけど大丈夫?」

ゲンドウ「うむ。心配いらないぞ。」

ゲンドウ「そんなことより……お前達、腹は空いてないか」

シンジ「あ…うん…まあ」

アスカ「そうねぇ、そういやお昼どきだもんね」

綾波「……腹ペコね」ぎゅるるるるるるる

カヲル「腹が減っては戦は出来ぬ…だよね」

ゲンドウ「そうか!そうだよなあ!!」ニタニタ

シンジ「……やけに嬉しそうだけどどうしたの父さん」


700: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:16:32.04 ID:LUBx2sAO
ゲンドウ「実はお前達が腹を空かしているだろうかと思い」

ゲンドウ「父さんがお弁当を作ってきたのだ!」

一同「………」

一同「えええええええええええ!!!!!?????」

ゲンドウ「ええ!?とは何だ……」

シンジ「だ、だって父さん……」

綾波「料理、作れるんですか」

カヲル「お義父さんが料理を作っているところなんて見たこともないよ」

アスカ「司令の料理……恐ろしいわね」

◇<ら、ラー………


ゲンドウ「何だ…揃いも揃ってその反応は……」


701: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:17:35.19 ID:LUBx2sAO
シンジ「いや…だってさあ……」

ゲンドウ「ふん。まあいい。ユイ!!」

ユイ「はいはい。」

シンジ「じゅ…重箱……」

アスカ「デカイわね……」

ミサト「やだ、司令の料理なんてちょっち…いや、かなり興味をそそられるじゃないのよ」

マヤ「そうですね…不安の方が大きいですけど」

ミサト「やーねマヤちゃん。私達には『遠慮』って武器があるじゃないのよぉwwwwww」

青葉「葛城さん……」


702: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:18:12.28 ID:LUBx2sAO
ゲンドウ「うむ。ではシンジ、開けてみろ」

シンジ「ぼ…僕が?」

ゲンドウ「そうだ。碇家の長男だろう」

シンジ「…あんまり関係ない気がするけど」

シンジ「じゃあ…いくよ」

アスカ「……」ゴクリ

綾波「……」ゴクリ

カヲル「……」ゴクリ

ミサト「……」ゴクリ

マヤ「………」ゴクリ


……パカッ

一同「………」

シンジ「………」チラッ

シンジ「あ……」

ゲンドウ「ど…どうだ……?」

シンジ「………」

シンジ「……案外普通だ」


703: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:18:40.00 ID:LUBx2sAO
綾波「サンドウィッチにサラダに唐翌揚げ…フルーツ」

カヲル「見た目も…特に変わったところもないし、普通だね」

ミサト「普通に美味しそうね……」

加持「微妙にガッカリするなよミサト…」

アスカ「…でも重箱にサンドイッチってどういうセンスよ」

ゲンドウ「私だってやれば出来るのだ。ほら、一口食べてみろ」

シンジ「……」パクリ

シンジ「……普通に美味しい」
アスカ「マジ?じゃあ私も……」パクッ

アスカ「……うまっ」

綾波「ふゅん…はひかにおひひいはね(うん…確かに美味しいわね)」


704: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:19:12.45 ID:LUBx2sAO
カヲル「……本当だ。唐翌揚げも美味しいよ」

ゲンドウ「だろう?ほら、どんどん食べろ。職員も遠慮するな」

マヤ「ハムサンドも美味しいですね」

ミサト「…私より上手いなんて……くそっ」

加持「ミサト、司令に料理を教わったらどうだww?俺が教えても言うこと聞かないんだから」

ミサト「っさいわね……」

ユイ「……ふふっ」

シンジ(確かに美味しいけど…この味付け……)

シンジ(……これは多分9割方母さんが作ったな)

シンジ(たまに変な形のサンドイッチと唐翌揚げもあるし…)

シンジ(リンゴもガタガタなのがある…)

ゲンドウ「……ほらレイ、おかわりはどうだ」

シンジ(でも……)


705: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:19:38.83 ID:LUBx2sAO
シンジ「…父さん、美味しいよ。料理、上手なんだね」

ゲンドウ「そ…そうか」

ゲンドウ「ほら、シンジももっと食べろ」

シンジ「……うん!」


シンジ「でも…父さん」モグモグ

ゲンドウ「……何だ」モグモグ

シンジ「どうしていきなり…お弁当なんて作ろうと思ったの?」

ゲンドウ「………っ!」

ゲンドウ「がはっ…ゴホッゴホッ…!」

シンジ「と…父さん!?」

ゲンドウ「い…いや、それはだな……」

ユイ「久々に家族が揃って嬉しいのよね?」

ゲンドウ「ゆ……ユイっ///」


706: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:20:16.44 ID:LUBx2sAO
カヲル「なんだ、僕はてっきり司令に嫌われてたかと思ってましたよ」

ゲンドウ「べ…別に嫌いな訳じゃ……///」

ユイ「ふふっ。可愛いでしょ?うちのゲンドウさんは」

ミサト「……何となく」

マヤ「……わかる気がします」ゲンドウ「ちょ、ちょっと君達までっ……!!」

アスカ「……」

シンジ「どうしたのアスカ…険しい顔しちゃって」

アスカ「……アタシの専売特許なのになと思って」


707: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:20:59.00 ID:LUBx2sAO
綾波「……お腹いっぱい」

カヲル「それはよかったね」なでなで

綾波「ちょっと…子供じゃないんだから恥ずかしいわお兄さん……」

◇<ムカッ!

☆<キシャー!

綾波「どうしたのラミエルさん…急に怒ったりして……」

◇<ラー!ラー!ラー!

綾波「?」

◇<ラー…

MAGI『ラミエルさん…』


708: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:22:17.62 ID:LUBx2sAO
ミサト「…で、次のシーンは?」

カヲル「本当は順番通り撮った方がやりやすいんだろうけどね…」

カヲル「シンジくんと僕の出会いのシーンは夕方に撮りたいから一旦本部に戻ろう」

アスカ「はぁ?折角芦ノ湖の近くまで来てるのよ。」

カヲル「わかってないね…君は」

カヲル「芸術において妥協は最大の敵さ。飽くなき探求心と向上心が……」

アスカ「わかってないって、アンタの方がわかってないじゃないのよ!!とにかく時間がないっちゅーの!」

カヲル「でも、葛城さんの許可はとったよ?」

アスカ「……ミサト、あんた責任者でしょ?」

ミサト「いや…あの、でもぉ…今は渚くんに頼るしかないって言うかぁ…」

アスカ「……情けないわね。昨日までは『私が何とかする!』って息巻いてたクセに」

ミサト「それはさ、まあ…そうは言ったんだったんだけどね…」

ミサト「…やっぱ人には向き不向きってのがあるじゃない?」

アスカ「………」


709: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:23:35.45 ID:LUBx2sAO
ミサト「んでもまあ、ああ言っちゃった手前は何にもしないって訳もいかないし何かはやるわよ」

アスカ「何かって何よ」

ミサト「…責任者としての役割」

アスカ「だから、その役割が…」

ミサト「女には男に身を任せた方が良いときもあるのよ、アスカ」

アスカ「…なんの話をしてんのよ」

ミサト「スケジュール通り終わらせるって言ってるんだし、あんまり遅れるようだったら、何とか考えるから。」

ミサト「まずは彼のやりたい様にやらせて見ましょうよ。ね?」

アスカ「……ッ」


710: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:24:39.24 ID:LUBx2sAO

【ネルフ本部・実験場】

綾波「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

カヲル「………」

ミサト「四人のシンクロ率はどんな感じ?」

マヤ「あ、はい。」

マヤ「レイとシンジくん、それからアスカはいつもと変わらず」

マヤ「で、カヲルくんですが…スゴいですね」

ミサト「……スゴいって?」

マヤ「さすがは南極での研究に抜擢されるだけあって真希波さんと揃ってかなりいい成績です。」

ミサト「真希波・マリ・イラストリアス…ああ、京都の……」
マヤ「しかし…アスカなんですけどね……」

ミサト「アスカがどうかしたの?」

マヤ「精神グラフがどうも安定してなくて」

ミサト「ええっ?」

ユイ「ちょっといいかしら?」

マヤ「あ、はい…」

ユイ「……なるほど。確かにこれは……」

キョウコ「なるほど~。この波長は~……」

ユイ・キョウコ「…ふふふふふふっ~」

マヤ「……へっ?」


711: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:25:16.70 ID:LUBx2sAO
ミサト「そろそろ撮影に移っても大丈夫でしょうか?」

ユイ「ええ。データは取れたから。」

ミサト「んじゃあAパート、シーン9のシンクロテストの撮影、するわよ」

ミサト「レイとシンジ君とカヲル君は準備、オッケーかしら」

綾波・シンジ・カヲル「はい!!」

アスカ「……」

ミサト「ほらぁ、アスカは早くあがったあがった!」

アスカ「……はぁーい」

☆<キシャー!

ミサト「もうラミエルさんも、うろちょろしないの!」

◇<……



712: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:25:55.80 ID:LUBx2sAO
マヤ「じゃあスタートします。アスカ、これよろしくね」

アスカ「カチンコ?」

マヤ「よろしくね。」

アスカ「………」

アスカ「……スタート」

カヲル「………」

綾波「……」

シンジ「………」

冬月「後、0コンマ3下げてみろ。」

冬月「…このデータに間違いはないな?」

日向「全ての計測システムは正常に作動しています。」

マヤ「MAGIによるデータ誤差、認められません。」

冬月「よもや、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはな。この少年が。」

マヤ「しかし、信じられません!…いえ、システム上、ありえないです…」

ミサト「でも事実なのよ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて。」

アスカ「はいカットー」

アスカ「……ってぇ、なーんで私がこんなことしなきゃならんのよ」

キョウコ「あら、ちょっとむくれてる~?」

アスカ「む、むくれてなんか…」

ちびアスカ「アスカおねーちゃんのほっぺた、ふぐみたーい」

ちびレイ「ぷくぷくなの!」

アスカ「……むっ」


713: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:28:11.25 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「あ、またふくらんだー」

ちびレイ「ぷくぷくなの!!」

ちびシンジ「ちょっと…二人とも……」

カヲル「……」

ミサト「どうしたの?カヲルくん」

カヲル「いや…、どうやってエヴァって動いてるんだろうなって思って……」

アスカ「はぁ?アンタそんなことも知らないでエヴァに乗ってたの?」

ミサト「確か、エヴァって義手や義眼なんかの…ニューロンシステムの技術が応用されてるのよね?」

マヤ「そうです。簡単に言えば脳神経とエヴァのシステムを直接リンクさせることによってエヴァを自分の体の様に動かす事が出来るのよ。」

マヤ「ニューロンシステム自体は結構普及しててシュミレーション訓練にも使用されてるけど、エヴァに乗る場合は別」

ユイ「特殊な訓練と、ある程度の素質が必要なのよ。」

キョウコ「そうそう~。脳にも向き不向きがあるし、中々慣れるまで時間が掛かるし~」

ナオコ「いかに自分の体と同期させるか…その目安がシンクロ率ってワケなのよ」

ナオコ「まあ、下手をすれば精神も身体も持って行かれかねないけれどね」


714: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:29:13.41 ID:LUBx2sAO
カヲル「なるほど……」

カヲル(……こちらではそう言う仕組みになっているのか)

ナオコ「一番詳しいのはその研究の第一人者であるコウゾウ先生なんだけど…」

冬月「……」

ユイ「どうしましたコウゾウ先生?」

冬月「……えっ」

キョウコ「ぼ~っとしちゃって~」

冬月「い…いや、少々考え事をだな……」

キョウコ「何考えてたんです~?」ニヤニヤ

ユイ「もしかして~」

冬月「い、いや!別に赤木くんのことなど……」

ナオコ「あら、じゃあリツコのことを!」

冬月「だ、だから……」

ゲンドウ「………」


715: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:32:05.45 ID:LUBx2sAO
――――

カヲル「お疲れ様、シンジくん」

シンジ「あっ…カヲルくん。」

シンジ「ってこれ…回線……」

カヲル「……君に『だけ』聞きたいことがあるんだ」

シンジ「僕に?」

カヲル「そう。」

シンジ「どうしたのカヲ……」
シンジ「カヲ…ルく………」


ゴボボボボボボボ!!!

シンジ「!?」

ブー!ブー!ブー!

マヤ「!」

ミサト「ちょ…ちょっとどうしたの!?」

マヤ「し…シンジくんの搭乗しているエントリープラグのLCL濃度が急に……」

ナオコ「A251~256まで解除!急いで!!」

マヤ「りょ…了解!」

シンジ(い…意識が…)

シンジ(と…とお……の………)

シンジ(い……て…………)



716: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:32:46.49 ID:LUBx2sAO
アスカ「ちょ、ちょっとシンジ!シンジ!」

綾波「碇くん……碇くん!!」

カヲル「……」

ミサト「きゅ、救護班!急いで!!」

――――

カヲル(ごめんねシンジくん)

カヲル(この様子だと…僕はまだ、この世界に干渉出来るみたいだね)

カヲル(と、これもシナリオ通りなのかな)

カヲル(実際、どこまでが『彼ら』が書いたシナリオなのか、僕自身にも分からないな)

カヲル(だけど多分、僕が助けてあげられることはもう少ない。)

カヲル(…シンジくん、今度こそ本当に幸せになってくれ)

――――


717: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:34:27.97 ID:LUBx2sAO
――――

ガタンゴトン…

シンジ「………ここは」

シンジ「電車……?」

カヲル「やあ。シンジくん」

シンジ「カヲルくん!」

カヲル「君に…確認したいことがあってね」

シンジ「……どうしたの?」

カヲル「君は…世界の可能性についてどう思う?」

シンジ「……は?」

シンジ「や…やだなカヲルくんまでリツコさんみたいなこと……」

カヲル「彼女は…『無意識のうち』に気がついてしまったんだよ」

シンジ「……無意識?」

カヲル「『新世紀エヴァンゲリオン』と言うストーリーは彼女の頭の中から生まれた」

シンジ「う…うん」

カヲル「だけど、実際は『彼女の頭』を通じて僕らは『事実』を擬似体験しているんだ」

シンジ「……え?」


718: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:37:43.46 ID:LUBx2sAO
シンジ「ちょ、ちょっと何をいってるんだか…」

カヲル「本来は逆だったんだよ。現実と非現実の世界が」

カヲル「彼女はその中継役となってるいる内に、無意識にこれは…『世界の可能性の1つに過ぎない』と気がついてしまったんだ」

カヲル「いや、君達全員が無意識のうちに、『薄々』気がついてしまってしまってるんじゃないのかな…」

シンジ「かっ…カヲルくんが何を言っているんだか僕にはさっぱり……」

カヲル「君達はその『事実』から目を離す為に…他の世界に足を突っ込んだ」

カヲル「京都の時なんて特にだったじゃない?ほら…宴会の時なんかさ」

シンジ「か……カヲルくんがどうして京都のこと…」

カヲル「確かに僕は渚カヲルだ。」

カヲル「だけど…この世界の渚カヲルじゃない」

シンジ「えっ…」

カヲル「たまたま、この世界の渚カヲルと記憶を共有しているに過ぎない」

カヲル「……もう一人の僕だよ」


719: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:41:40.20 ID:LUBx2sAO
シンジ「もう一人の…カヲルくん……」
シンジ「意味が……」

カヲル「シンジくん…君は本当に、君自身だって言えるのかい?」

シンジ「そりゃあ…もちろん僕は…僕としかいいようが…」

カヲル「偽りの記憶を与えられていたとしたら?」

シンジ「???」

カヲル「極端な話、昨日まで全く別の場所に居たのに…そのことを忘れさせられ」
カヲル「代わりに違う場所に元々いたという記憶を与えられて、周りもそれに順応していたとしたら?」

シンジ「それは……」

カヲル「もう一人の僕は気がついてしまったんだよ。つい最近だけどね。多分、もう一人…君の出会った少女も」

シンジ「少女?」

カヲル「僕と彼女は言わば『イレギュラー』な存在だ。ドラマで言えばゲストみたいな存在。」
カヲル「だけど君達はレギュラーだ。この世界の構成要素そのものなんだよ」
カヲル「だから、あんまり気がついて欲しくないんだよね」

シンジ「気が付くって…何に?」

カヲル「要はね、彼女は取り付かれてしまったんだよ。亡霊…いや生き霊かな?」
カヲル「そして少しこの世界が壊れて来てね。心配になったんだよ。」

シンジ「世界が壊れた…」

カヲル「そう。『決まりごと』を果たせないかもしれない。」
シンジ「決まりごと?決まりごとって……」

カヲル「もうすぐ…分かるときが来る」
カヲル「だけど、まだ…間に合うのかも知れない」
カヲル「……君達ならば」にこっ

シンジ「?」

カヲル「いや、心配になったんだ。…君が無事ならそれでいい。確認したかったんだよ」
カヲル「碇シンジくん」にこっ

シンジ「カヲルくん……カヲルくん!?」

720: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:43:56.78 ID:LUBx2sAO
【救護室】

シンジ「………」ハッ

ゲンドウ「……シンジ!シンジいいいいいい!」

シンジ「……と、父さん」

ゲンドウ「すごく…父さんすごく心配したんだ……シンジに何かあったら私は……」

ゲンドウ「良かったアアあアアアアああああああ!!!!!!シンジ!シンジいいいいいいいいいっ!」ぎゅううううううううっ

シンジ「ちょ、ちょっと父さん…苦しいってぇ………」


綾波「……碇くん良かった」

シンジ「綾波……」

綾波「……」ぎゅっ

シンジ「………っ!!」

シンジ「あ、綾波ぃ!?」

アスカ「………むっ」

アスカ「……」ぎゅっ

シンジ「ちょ、ちょっとアスカまで……」


721: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:44:30.19 ID:LUBx2sAO
アスカ「……」ぎゅううううううううううっ

綾波「……」ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっ

ゲンドウ「シンジ!シンジ!シンジ!」むぎゅうううううううううううううう

シンジ「ほ、ホント…苦しい!死んじゃう!!」

カヲル「………ふふっ、じゃあ僕も」

アスカ・ゲンドウ「来るな」キッ
綾波「来ないで」キッ


カヲル「や…やだな…そんな怖い目で見ないでくれよ……」


722: VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):ZaUXmTAO 2011/01/09(日) 16:45:27.61 ID:LUBx2sAO
アスカ「しかし…何があったのよ急に」

シンジ「………」

シンジ「それが……覚えてないんだよね。あんまり」

アスカ「………はぁ?」

カヲル「………」

ゲンドウ「と…そう言えば…冬月はどうした?」

ユイ「あら…そう言えば……」

723: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:46:52.69 ID:LUBx2sAO
冬月「………」

MAGI『あの…副司令、急に第2東大のメインバンクにハッキングしろってどういう……』

冬月「いや、別に照会しようと思えば出来るのだが、何分面倒なんでな」

MAGI『面倒だからハッキングって副司令ぇ……』

冬月「で、どうだ?」

MAGI『あ…ありました…おねーさんのレポートと卒論です』

冬月「うむ…」
MAGI『あの……』
冬月「………」
MAGI『………』
冬月「………」
冬月「………うむ」

MAGI『あ、もう読み終わっちゃいました?』
冬月「ああ。通信教育で速読術をマスターしていてな」


MAGI『つ、通信教育ですか…』

冬月「……なるほど」
冬月「わからん」

MAGI『え……ええっ……』

冬月「いや、『良い意味で』わからないと言ったんだよ」

MAGI『わからないに…良いも悪いもあるのですか?』

冬月「ああ。こんなスッキリした文章なのにも関わらず彼女の考えが全く読めない」
冬月「その癖、主張や結論は強烈だ。」
冬月「……『刺激的なレポート』などと言うレベルではない。」

MAGI『あの…どうして副司令は急におねーさんのレポートなんて…』

冬月「………」
冬月「………わからない」

MAGI『わ、わからないって……』

冬月「……次は高校時代の文集を頼めるかね」

MAGI『え…ええええ!?』


724: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:47:43.91 ID:LUBx2sAO
カヲル「さて、シンジくんも気がついたことだし…」

カヲル「シャワーを浴びに行かないかい?」

一同「………!」

カヲル「ちょっと、なんでそんなに驚くのさ?」

カヲル「男同士なんだから当たり前のことじゃないのかい?」

アスカ「そ!それは…」

ゲンドウ「……危険過ぎる」

カヲル「危険って…失礼だなぁ」

マヤ「か…カヲルくんとシンジくんが……////」

カヲル「しかも今回はプライベートじゃないよ。撮影だよ撮影」

カヲル「ねぇ葛城さん」

ゲンドウ「葛城一佐!許可を出したのか!?」

ミサト「いや…まあ…あの………」

アスカ「ミサト!無責任にもほどがあるわよ!!」

ミサト「いや…だけど……」

マヤ「そっか…プライベートじゃないんだぁ…」

青葉「……なんでそんなに悲しそうなのマヤちゃん」

725: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:49:39.06 ID:LUBx2sAO
【ネルフ大浴場】

アスカ「………」バン!

ゲンドウ「……」バン!

シンジ「………」

カヲル「じゃあ、撮影始めようか」

シンジ「と、父さんはともかくとして…」

シンジ「……なんでアスカと綾波が」

綾波「私はお兄さんの手伝いのためよ。」

アスカ「あ、アタシはカヲルが変なことをしないか監視に……///」

カヲル「セカンド、顔が真っ赤だよ?無理しない方が良いんじゃないのかな?」

アスカ「う…うるさいっ///!!」

綾波(照れてるアスカ…かわいい)


726: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:50:12.36 ID:LUBx2sAO
カヲル「よし、じゃあ加持さん…カメラを……」

綾波「………!」

綾波「お兄さん、待って」

カヲル「どうしたんだい…レイ」

綾波「腰にタオルを巻いたままお風呂に浸かるの…よくないわ」

シンジ・アスカ「なっ!!」

綾波「マナー違反だもの…子供がマネしたら大変よ」

アスカ「ん…んな細かいこと……」

カヲル「それも……そうだね」

綾波「それに、視聴率も上がると思うの。意外と需要はありそうだから」

アスカ「じゅ、需要ってどこに……」

マヤ(わ……私に///)


727: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:52:29.80 ID:LUBx2sAO
カヲル「じゃあ…脱いじゃおうか」

シンジ「え……ええええっ!?」

アスカ「ちょ……ちょ!」

アスカ「ちょっと、レイ…アンタも女のコでしょっ……///」

綾波「……私、決めたの」

アスカ「な……何を」

綾波「自分の欲望に……」

綾波「素直になろうって…///」

アスカ「きょ、兄妹そろってとんでもない変態いいいいいいいい!?」

カヲル「さあ!」

綾波「さあ!」

シンジ「そ…そう言われると……余計脱ぎ辛いっていうか……」

アスカ「………ッ///!」

綾波「早く!」

カヲル「早く!」

マヤ「早く!」

シンジ「ま…マヤさんまでぇ…!!」

728: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:53:52.10 ID:LUBx2sAO
アスカ「そ…それじゃあスタート!」

カヲル「一時的接触を極端に避けるね、君は。」
カヲル「…恐いのかい?人と触れ合うのが。」

シンジ「………」

カヲル「他人を知らなければ裏切られることも互いに傷つくこともない。」
カヲル「でも、さびしさを忘れることもないよ。」
カヲル「人間はさびしさを永久になくすことはできない。人は一人だからね。」
カヲル「ただ忘れることができるから、人は生きていけるのさ。」

バッ

シンジ「時間だ…」
カヲル「もう終わりなのかい?」
シンジ「うん、もう寝なきゃ。」
カヲル「君と?」
シンジ「あっ、いや…カヲル君には部屋が用意されていると思うよ。別の…」
カヲル「常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのも辛いと感じる。」

カヲル「ガラスのように繊細だね。特に君の心は。」

マヤ(うほっ!!)

ゲンドウ(ぬおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!)

ミサト(ちょ、ちょっとみんな、司令を押さえて!退場!!)
青葉(は…はいっ!)

ゲンドウ(やめろ!押さえるな!!やめろおおおおおおっ!!!!!)

日向(ちょっと碇司令っ……)

ゲンドウ(ぬおおおおおおおおおおおお!!!)

ゲンドウ「……」ゾクッ

ユイ「^^」

729: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:54:26.42 ID:LUBx2sAO
シンジ「僕が?」
カヲル「そう。好意に値するよ。」
シンジ「こうい?」
カヲル「好きって事さ。」ニコッ

アスカ「……はいカット」

アスカ「……」

アスカ「どゅああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

バシャ!

ミサト「ちょ、ちょっとアスカまで!」

アスカ「ムカツク!ムカツクううううううううううう!!!!!」

アスカ「なーにが『ガラスのように繊細だね。特に君の心は。』よ!」

アスカ「『好きってことさ☆』よおおおおおおおおお!!!!!」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!

カヲル「おうっ!…セカンド!君のキックは…今日も刺激的だね!んふっ!」

綾波「……アスカ」

アスカ「なによ!止めるなっちゅーのお!!」

綾波「………忘れてると思うけど二人とも……」

アスカ「………!」

綾波「……全裸よ」

アスカ「………っ////」

アスカ「変なもんみせんなあああああああああああっ!!!!」


730: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:55:18.49 ID:LUBx2sAO
シンジ「ちょ、ちょっとアスカ……危なっ」

アスカ「きゃああああああああああああ!?」

…コテッ

バシャアアアアアアア!!!

綾波・カヲル「……あっ」

シンジ「ん……」

アスカ「痛たたぁ……」

シンジ「だ、大丈夫?アスカ……怪我は……」

アスカ「ないけど…アンタこそ………」

むにゅっ

シンジ「……んひっ!?」

アスカ「……ん?」

むにむにっ

シンジ「あ……」

アスカ「………」
アスカ「………っ///」

ミサト「アスカったら、だーいたんっ」

シンジ「いや…この……これは……」


731: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 16:56:15.37 ID:LUBx2sAO
アスカ「このぉ……」

アスカ「バカ!変態!チカン!●●●いいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!!」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!

シンジ「どゅふっ!?」



カヲル「先、越されちゃったねレイ」

綾波「……」

ガスッ!

カヲル「おうふっ……」



732: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:00:12.00 ID:LUBx2sAO
ミサト「んで、撮影のペースとしてはどうなの?」

マヤ「ちょっと遅れ気味ですね…。」

ミサト「こりゃ明日に掛かっちゃうわね…」

カヲル「でも、いい映像が撮れてるからね。僕は満足だよ」

シンジ「…生傷は絶えないけど」

カヲル「……大丈夫かい?」サスリッ

ゲンドウ「……」キッ

アスカ「………」キッ

カヲル「や、やだな。そんな目で見ないでくれよ…単なるスキンシップだろう?」

アスカ「スキンシップって、中学生の男子二人がすることじゃないわよ。気色悪いわね」

カヲル「やだな、ヤキモチかい?」

アスカ「やっ……ヤキモチなワケ……」

カヲル「セカンドも本当はシンジくんとスキンシップ、したいんじゃないの?」

アスカ「んな……っ!!」

カヲル「それとも…僕と?」ニヤニヤ

アスカ「んなワケないでしょうが!アンタは帰ってきたってーのにロクなこと言わないんだからバカ!!」ガスッ!

カヲル「おぅっ…セカンドのパンチは効くね……」にこっ

アスカ「ムカツクぅぅぅぅぅーーー!!!」

シンジ「…何だかんだでお似合いだよね、あの二人」

綾波「ええ。お似合いよね」


733: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:01:01.00 ID:LUBx2sAO
ミサト「で、次のシーンだけど……」

カヲル「ああ、住居スペースでの撮影だね」

アスカ・ゲンドウ「じゅ、住居スペースうううううう!?」

マヤ((;´Д`)ハァハァ)

カヲル「シンジくんと同じベッドで眠れるんだ…幸せだなぁ、何年ぶりだろう」

アスカ「ちょ!ちょっとふざけないでよ!!」

カヲル「なんで。」

アスカ「な、なんでって……」

カヲル「君はさっきから可笑しな妄想ばかりしてるみたいだけど」

アスカ「も、妄想って…アンタの長年の行動を見ていたら…」

カヲル「何を想像しているか知らないけど、僕はシンジくんが大好きな普通の男子中学生だ。」

アスカ「だから、その『シンジくんが大好き』って言うのが危なっかしいのよ!!」

ゲンドウ「そうだ!絶対に同じベッドに寝ることは断じて許さない!!」

ゲンドウ「私だって、かれこれ5年は一緒に寝ることはおろか、一緒に風呂に入ることすら許されぬ!」

ゲンドウ「だから許さない!絶対に許さない!許さないからな!!!」

シンジ「……父さん」

ミサト「碇司令、必[ピーーー]…」
加持「必死だな…」


734: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:02:28.25 ID:LUBx2sAO
【住居スペース】

カヲル「と、いうワケで別々に寝ることになったけど……」

<押し入れ>

アスカ「……」

綾波「……」

<ベッドの下>

ゲンドウ「……」


カヲル「なんだいこれは……」

アスカ「監視よ、か・ん・し」

カヲル「監視って、そんな場所でやらなくったって…」



735: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:03:15.27 ID:LUBx2sAO
マヤ「じゃあ行きますねー!」
マヤ「スタート!」

カヲル「やはり、僕が下で寝るよ。」

シンジ「いいよ、僕が無理言って泊めてもらってるんだ、ここでいいよ。」

カヲル「君は何を話たいんだい?」

シンジ「え?」

カヲル「僕に聞いてほしいことがあるんだろう?」

シンジ「…いろいろあったんだ、ここに来て。」

カヲル「人間が嫌いなのかい?」
シンジ「別に、どうでも良かったんだと思う。ただ、父さんは嫌いだった。」

ゲンドウ「き、嫌い!?私のことが!?」ガタッ

マヤ「……カット」


ミサト「毎度毎度勝手に出てこないで下さいよ司令…。お芝居だって何度も言ってるじゃないですか……」

ゲンドウ「し…しかし…」

シンジ「父さん、邪魔するなら出ていってよ…」

ゲンドウ「………」どよーん


736: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:04:12.97 ID:LUBx2sAO
【ネルフ・休憩室】

((((◇<ラー…

ちびアスカ「あ、ラミエルさんだ」

ちびレイ「こんにちは」

ちびシンジ「あれ…レイおねーさんと一緒じゃないの?」

◇<ラー

ちびレイ「なるほど。レイお姉さんをとられちゃったなの。」

◇<ラー…

ちびシンジ「全然ラミエルさんに構ってくれないんだ…」

◇<ラー…ラー……

ちびアスカ「わかるわ!ラミエルさんのきもち!!」

◇<ラー!

ちびアスカ「私も全然司令にお近づきになれないの…」

737: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:05:07.47 ID:LUBx2sAO
ちびアスカ「未だに似顔絵をわたせてないし……」

◇<ラー…

ちびアスカ「そう、わかってくれるのね?」

◇<ラー!

ちびアスカ「そうね!大人の恋について語りあかしましょう!!」

ちびレイ「いえーい」

ちびシンジ「大人の恋って……」


738: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:05:49.81 ID:LUBx2sAO
【発令所】

ミサト「……っと、そんなこんなしてる間に日がくれちゃったわね」

カヲル「じゃあ、出会いのシーンはまた明日、かな」

アスカ「いいじゃん。そんなこだわらなくっても、今から撮りにいきゃあさぁ。」

カヲル「僕とシンジくんの出会いのシーンだからね。こだわりたいのさ」

アスカ「ケッ。なーにが出会いよ。ポッと出のキャラのクセに。ナルシストね」

カヲル「ポッと出キャラだからこそだよ。スカートめくり以上のインパクトがなきゃね?」

アスカ「あっ…アンタ……」

カヲル「言っただろう?全部見たって」

カヲル「いやあ。3Dテレビで見るとさぁ、そりゃ迫力もので……」

アスカ「……こいつぅ!」ググググググググ

カヲル「痛い!セカンド折れちゃうって!!」にこにこ

アスカ「の割には嬉しそうだけど」ググググググググ


綾波「……やっぱりお似合いね」

シンジ「お似合いだね……」


739: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:07:42.38 ID:LUBx2sAO
ミサト「じゃあ…しょうがないから、まだ時間もあることだし次の…発令所でのシーンを撮ってみる?」

マヤ「しかしあの…」

ミサト「……何かあったの?」

マヤ「副司令が先ほどお出かけに。外出届が出されてまして…」

ミサト「本当だ。どーこ行っちゃったんだろう」

ゲンドウ「……」

ミサト「んじゃあしゃーないわね…戦闘シーンでも撮るかしら」

マヤ「一応、エヴァの準備は出来ていますが…」

シンジ「別に僕は構いません」

アスカ「んまぁ、私も。やることないし」

マヤ「格闘も想定されているんですが…」

アスカ「そこら辺は私達が考えて動きゃ良いんでしょ」

ゲンドウ「構わない。セットが使えない上、着ぐるみも破損している以上エヴァを使わなければならないだろう。」

ユイ「そうね。当分出撃の予定もないんだし。」

カヲル「じゃあ、決まりだね。」

マヤ「ではシンジくんとアスカは搭乗準備に。カヲルくんは裏手でワイヤーの準備を。」

シンジ・アスカ・カヲル「了解」


740: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:09:26.39 ID:LUBx2sAO
ユイ「あの子達、息が合ってきたわね。」

ゲンドウ「ああ…我々以上に良く働いてくれている。」

ユイ「……あなた」

ゲンドウ「何だ。ユイ」

ユイ「……幸せ?」

ゲンドウ「……何を聞く」

ユイ「ふふっ。ごめんなさいね。バカな事を聞いて」

ゲンドウ「……幸せだよ」

ユイ「…良かった」


ミサト「お熱いわねぇ~碇さんちは」ジロッ

加持「な……何だよその目は」


741: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:10:32.62 ID:LUBx2sAO
ミサト「うちもしばらくだなぁ~と思ってね」

加持「リッちゃんのこともドラマのこともあるんだぞ。一杯一杯だろう」

ミサト「まぁね」

ミサト「……リツコ、大丈夫かしら」

加持「ああ…。何だかリッちゃんがたまに別人に見えるんだよな」

ミサト「このまま…遠くに言っちゃわないかしら」

加持「俺たちに引き留められるか」

ミサト「……無理よ。それが出来るとすれば――」

ミサト「いや、野暮ね。副司令自身のことでもあるし。」

加持「だけどさぁ、意外と行けるんじゃないかって俺は思うんだよ」

ミサト「……二人共頑固で意地っ張りなのに?」

加持「何となく…リッちゃんって、ユイさんにどこか似てる気がするんだよ」

ミサト「ああ……」

ミサト「……何か、分かる気もするわ」

742: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:11:12.79 ID:LUBx2sAO

ミサト「ユイさんの頭のネジが5~6本抜けて、道を踏み外しでもしたらああなるのかもね」

加持「そう。それに、リッちゃんって、見る人が見れば相当面白い人間だろう?」

加持「ブツブツ言いながらもハマっちゃいそうなんだよなぁ…」

ミサト「……やめてよね。リツコと不倫なんて言うのは」

加持「おいおい、縁起でも無いこと言わないでくれよ」


743: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:12:25.98 ID:LUBx2sAO
【ネルフ・ドグマ】


弐号機(アスカ)「ぷっ…」

弐号機(アスカ)「ぷっはああああああああああああああ!!!」

カヲル「………」ぶらーん

アスカ「何アイツ!天井から吊るされてるwwwwwwだっさぁwwwwwwww」バン!バン!

アスカ「ポッケに手ぇ突っ込んでもムダだからwwwwwwwwwwwwww」

初号機(シンジ)「アスカ……ぷっ」

カヲル「……」



744: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:12:59.69 ID:LUBx2sAO
カヲル「……で、伊吹さん、例のモノは」

マヤ「あ、出来ましたよ」

マヤ「レイのラブドールを再利用して作った生首でーす♪」

アスカ「う…うげっ」

マヤ「レイと兄妹なだけあって、かなり完成度が高いものが作れましたよー♪」

マヤ「見てください!この断面、リアルでしょ?」

ミサト「え…ええ……まあ………」

マヤ「断面に6時間も掛かっちゃいましたよ~」

青葉(な…なんでそんなにマヤちゃん……)

日向(嬉しそうなんだ……)


745: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:13:31.96 ID:LUBx2sAO
カヲル「で、リリスの方は」

マヤ「南極から持って来ることは流石に出来ませんからね」

MAGI『ここはMAGIの立体投影技術にお任せなのです!』

MAGI『単純なのなら、大きいのも大丈夫なんですよ!!』

ミサト「じゃあ行くわよ。セリフは間違えても後でアテればいいから、一発で終わらせましょうね」

アスカ「りょーかーい」


ミサト「じゃあスタート!」


ブー!ブー!ブー!ブー!


カヲル「さあ行くよ、おいで、アダムの分身。そしてリリンのしもべ。」

アスカ(……弐号機がこいつの操り人形なんてシャクにさわる展開ね)


746: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:17:39.28 ID:LUBx2sAO
シンジ「嘘だ嘘だ嘘だ!!カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!!!」

ミサト「事実よ。受け止めなさい」

ミサト「出撃、いいわね。」

シンジ「………」

カヲル「遅いな、シンジ君。」
オペレーター「エヴァ初号機、ルート2を降下!目標を追撃中!」

シンジ「裏切ったな…僕の気持ちを裏切ったな…父さんと同じに裏切ったんだ!」

オペレーター「初号機、第4層に到達、目標と接触します。」

シンジ「いた!」

カヲル「待っていたよ、シンジ君。」にこっ

シンジ「カヲル君!」


ガシッ!

ググググググググ…


シンジ「アスカ、ごめんよ!」

ジャキッ!!

ギギギギギギギギ……!!

シンジ(あれ…不思議だ……)

シンジ(台詞を…言っているっていうより、言わされてる感じがする……)

カヲル「……」

747: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:21:17.86 ID:LUBx2sAO
カヲル「エヴァシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。」

カヲル「それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ。」

ジジジジジジジジジ……

シンジ「カヲル君!やめてよ、どうしてだよ!」

カヲル「エヴァは僕と同じ体でできている。僕もアダムより生まれしものだからね。」

カヲル「魂さえなければ同化できるさ。この弐号機の魂は、今自ら閉じこもっているから」

シンジ「AT……フィールド……」

シンジ(なんだ…何だよこの感覚……)


カヲル「そう、君たちリリンはそう呼んでるね。なん人にも侵されざる聖なる領域、心の光。」

カヲル「リリンもわかっているんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを。」

シンジ「そんなの分からないよ、カヲル君!」

シンジ「クッ……」

シンジ(まるで…デシャブ……)

シンジ(扉があって……綾波がいて………)


748: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:24:16.45 ID:ZaUXmTAO
綾波「………」

シンジ「って綾波、なんであんなとこに!?」

綾波「風…強いわ…衝撃の影響ね……」

マヤ「レイ、アナタの立ち位置はそっちじゃなくて扉の向こうよ」

綾波「あ…そうだったわ……」

ふわっ

綾波「……キャッ」

カヲル・シンジ・アスカ「!」

うふ~ん



カヲル(ふ……フリルつき……)

シンジ(しかも……黒……!)

初号機(シンジ)「………」ジッー

カヲル「………」ジッー

アスカ「……」

アスカ「たあああああああああああああああっ!!!!!!」

グサッ!

シンジ「うわぁぁぁぁぁあああああああああああ!?」

ミサト「ちょ、ちょっとアスカぁ!?」

青葉「初号機…刺されたみたいっすね……」

日向「あちゃあ……」


749: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:25:35.39 ID:ZaUXmTAO
ミサト「ちょっとぉ!シナリオと……」

アスカ「ああああああああああああああ!この●●●ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

ググググググググ……

シンジ「ちょ、ちょっとアスカ、いきなり……!」

アスカ「男って生き物は…どいつもこいつもおおおおおお……!!!」

シンジ「落ち着いてって!今は撮影中だし……」

アスカ「たあああああああああっ!!!!!」

シンジ(やばい…もう一回刺される……!)

シンジ(…これ以上は)

シンジ「……ごめんよアスカ」

シンジ「うあああああああああああああ!!!!」

アスカ「!」

グサアアアッ

アスカ「きゃああああああっ!!」

シンジ「ごめん!だけど…もう一度刺される訳には………」


750: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:27:30.09 ID:ZaUXmTAO
ミサト「ちょっとちょっと二人ともぉ!!」

ググググググググ……

アスカ「良くもやってくれたわね……」

アスカ「たあああああああっ!!!!!」

ギギギギギギギギ……!!!


カヲル「人のさだめか…人の希望は悲しみに綴られているね…」

カヲル「あ、伊吹さん…ワイヤー、移動させてくれないかな。あと照明落として空間投影も」

マヤ「りょ、了解です」

ウィィィィィィィン……

アスカ「こいつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

ググググググググ……

シンジ「って」

シンジ「…か、カヲル君!!」

カヲル「……♪」

シンジ「待ってぇ!…んんっ!!」

アスカ「……逃がさないんだから」

シンジ「……ゲッ」


マヤ「あの…あの二人…」

ミサト「当初とかなりアレだけど…ああなった以上どうしようも……」

日向「また編集…ですか……」

751: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:29:24.77 ID:ZaUXmTAO
シンジ「ふあああああああああああ!!!!!!」

アスカ「ああああああああああああああああ!!!!!!」

シンジ「アスカ、落ち着いてってばあああああ!!!!!!」

ググググググググ……

アスカ「女のコのパンツを覗き見なんて最低よ!!!!変態!」

シンジ「事故だ!それにアスカのパンツじゃないんだからいいじゃないか!!!!」

アスカ「その考えが……」

アスカ「気に入らないっちゅうのおおおおおおおお!!!!」

シンジ「何なんだよ今日のアスカは!!!!」

アスカ「うるさい!うるさいうるさい!!!!」

アスカ「もう…何か、ムカムカするのよぉ!!」

シンジ「どうして!!」

アスカ「私にだってよく…」

アスカ「わかんないっちゅうのおおおおおおおおお!!!!」


752: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:30:09.12 ID:ZaUXmTAO
ググググググググ……

シンジ「……このままだとキリが」

ググググググググ……

シンジ「後でラーメン驕るから…」

シンジ「許してアスカ!!!!」

アスカ「……なっ!」


グサッ!!!!!!

アスカ「キャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

マヤ「……弐号機、頭部に破損」

ミサト「あーあー………」


753: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:31:04.48 ID:ZaUXmTAO
――――

シンジ「カヲルくん!」

カヲル「ありがとう、シンジ君。弐号機は君に止めておいてもらいたかったんだ。」

カヲル「そうしなければ彼女と生き続けたかもしれないからね。」

シンジ「カヲル君…どうして…」

カヲル「僕が生き続けることが僕の運命だからだよ。結果、人が滅びてもね。」

カヲル「だが、このまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。」

カヲル「自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ。」

シンジ「何を…カヲル君…君が何を言っているのか分かんないよ!カヲル君!」

カヲル「遺言だよ。」

カヲル「さあ、僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる。」

カヲル「滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ。」

カヲル「そして、君は死すべき存在ではない。」

シンジ「……」

ミサト(よくもまぁ…こんなナルシストの極みみたいな台詞が並べられるもんね)

マヤ(余程自分とシンジくんが大好きなんですね)


754: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:31:57.94 ID:ZaUXmTAO
カヲル「君たちには未来が必要だ。」

カヲル「ありがとう。君に逢えて、嬉しかったよ。」

シンジ「……」


ググググググググ……



カヲル「あれ、ちょっと痛い…痛いよシンジくん…ちょっと打ち合わせと…」

シンジ「……逃げたよね、カヲルくん」

カヲル「お…怒ってるの?ちょっと怒ってるよね……」


755: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:32:24.77 ID:ZaUXmTAO
マヤ「お疲れ様ー♪エヴァから降りたら着替えていいわよー」

アスカ「……」

シンジ「……」

カヲル「……」

綾波「……」


青葉「……妙な空気が流れてますけど」

ミサト「大丈夫大丈夫。あそこんちは、何だかんだで仲良しこよしだから」



756: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:33:03.11 ID:ZaUXmTAO
【男子更衣室】

カヲル「すまなかったねシンジくん」

シンジ「いや…僕もちょっとやり過ぎたかなぁって…つい……」

カヲル「心配しないでくれ。肩を脱臼した程度だから」

シンジ「あ……あはは……」

カヲル「今日の撮影はこれでおしまいだってさ。」

シンジ「そっか。良かった……」

カヲル「ああ。編集も入れればあと2日で終わる計算だけど……」

シンジ「あと何日かで二話、撮らなきゃ行けないんだよね…」

シンジ「リツコさんもあの様子だし」

カヲル「……元気がないね」

シンジ「そ……そう?」

カヲル「ああ。何か悩み事でもあるのかい?」

シンジ「な、悩みって程じゃないんだけどね」

シンジ「……さっきのシーンで妙な感覚を覚えたんだ」

カヲル「……妙な?」

シンジ「デジャブに近いって言うかさ…」

カヲル「………」

シンジ「嫌だな……」

シンジ「なんか…胸が苦しいんだ。」

カヲル「………シンジくん」

シンジ「なっ…なに?」

カヲル「僕は君には幸せになってほしい」

カヲル「……いや、君に『だけ』は幸せになってもらいたい」

シンジ「か、カヲルくん…君は一体何を……」


757: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:33:31.04 ID:ZaUXmTAO
カヲル「……君は今、幸せかい?」

シンジ「う……うん」

カヲル「そう。ならば良かった。」

カヲル「だけど君には覚えていて欲しいんだ。」

シンジ「……えっ?」

カヲル「いまのこの『幸せ』は多くの悲しみと憎しみ、そして…」

カヲル「それを許しあえた上で作られてる世界だってことを」

シンジ「……難しいことは良く分かんないけど」

シンジ「そうなのかも…知れないね」

カヲル「君は…いや、君達は僕らの希望なんだ」

カヲル「どんなに苦しくても逃げ出したくても、このドラマは完成させなきゃならない。」

カヲル「……絶対に」

シンジ「……うん」


758: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:34:36.33 ID:ZaUXmTAO

プシュッ

アスカ「……」

綾波「……」

シンジ「あ…アスカに…綾波」

カヲル「やあ」

アスカ「……大丈夫?」

シンジ「えっ…」

アスカ「……腕」

シンジ「ま…まあ……」

アスカ「そっ。いきましょ、レイ」

綾波「……ええ」ギロッ

スタスタスタスタスタスタ

シンジ「………まだ怒ってる」

カヲル「完全にご機嫌ななめだね」




759: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:35:53.05 ID:ZaUXmTAO
【格納庫】

ゲンドウ「………」

ユイ「す…すごいわねこれは」

マヤ「……損害金額は」

ゲンドウ「……聞かないでおこう」

ユイ「なるべく喧嘩はお金が掛からないようにして欲しいものね」

ゲンドウ「葛城君は」

マヤ「ああ、まだ撮影が残ってる…とかで加持さんとどこかへ」


760: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:36:28.77 ID:ZaUXmTAO
冬月「……碇、ここにいたのか」

ゲンドウ「冬月、お前こそどこへ行っていた」

冬月「……少しな」

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「随分と楽しげだな」

冬月「……解らないことを解らないままにして置けないタチでな」

ゲンドウ「……解ったのか」

冬月「いや、解らない」

ゲンドウ「……」

冬月「だが……」

冬月「解らないことがあっても…それはそれで良い気がするのだよ」


761: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:38:09.09 ID:ZaUXmTAO
【反省部屋】

プシュッ

ミサト「……久しぶり」

リツコ「………」

ミサト「ご要望通り、私と加持くんだけよ」

加持「……やあ」

リツコ「……そう」

ミサト「悪かったわね」

リツコ「母さんに…引きずられながら来たのよ」

ミサト「そりゃまあ…なんてこって……」

加持「みんな…心配してるんだぞ」

ミサト「今回はたまたま…なんとかなりそうなだけで……カヲル君だって、これ以上はどうにも……」

ミサト「……やっぱりリツコの力が必要なのよ」

リツコ「……皆にあわす顔なんてないわよ」

リツコ「逃げ出した人間よ。私は」

ミサト「私達だって…リツコに全てを押し付けて……」

リツコ「いいのよ…もう」

ミサト「………」


762: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:39:04.89 ID:ZaUXmTAO
リツコ「よく…良くわかんなくなっちゃったわ」

リツコ「自分が何のためにここまで来たのか」

加持「……副司令のことで?」

リツコ「きっかけは…そうだったのかも知れないわね」

リツコ「だけど……もう何だか……この話を書くこと自体が怖いのよ」

ミサト「……怖い?」

リツコ「このままだと…本気で碇司令を殺してしまいそうで」
ミサト「………」

リツコ「自分自身が分からなくなって行きそうで……」

ミサト「……リツコ」

リツコ「…書きたいものがもう出来ないし」

リツコ「……もう…いいのよ…もう」

リツコ「ごめん…なさい……」

ミサト「……」

加持「………」


763: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:40:25.05 ID:ZaUXmTAO
【発令所】

冬月「……MAGI」

MAGI『あ、副司令…どうしたんですか?』

冬月「君に頼みがある」

MAGI『副司令が私に、ですか?』

冬月「ああ。…私に協力してもらいたい」

MAGI『もちろん、私にお手伝い出来ることは大体何でも。』

冬月「君には…情報操作をしてもらいたい」

MAGI『情報操作ですか。まぁ、朝飯前ですけど…どうして…』

冬月「……君にだけ話す。無謀な話だと笑わないでくれ」

MAGI『もちろんです(`・ω・´)!』

冬月「………」ゴニョゴニョ

MAGI『………!』


764: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:41:07.18 ID:ZaUXmTAO
MAGI『そ、それならいっそMAGIが某巨大掲示板を支配する勢いで……!』

冬月「…そんな凝ったことをしてくれなくとも良い。」

冬月「ただ、敵対組織のネット上での動きを出来るだけ封じ込めてくれる程度でいい。余計な工作は必要ない」

MAGI『……はい』

MAGI『でも、それで大丈夫なのですか?少しくらいは…』

冬月「では、聞くが…君は自信がないのかね」

MAGI『そんなことはないです!色々邪魔されても評価してくれてる人はたくさんいます。』

MAGI『そのことをリツコおねーさんに知って貰いたいです!』

冬月「……ああ。」



765: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:52:28.44 ID:GZaUXmTAO
ゲンドウ「こんなところで何を企んでいる…冬月」

冬月「……碇」

ゲンドウ「……罪滅ぼしのつもりか」

冬月「……こんなことで、彼女に罪滅ぼしが出来るとは思っていないよ」

ゲンドウ「…では一体何だと言うのだ」

冬月「わからない」

ゲンドウ「『わからない』?…お前らしくもない」

冬月「…ああ。私自身にも良く分からないよ」

冬月「……しかし、その証明出来ない何かに懸命なるのもまた…学者の性ではないのかね」

ゲンドウ「……都合の良い奴め」

冬月「都合が良いか……そうだな。」

冬月「何だかんだと理由を付け…彼女をああにして置いて…だ、今さら」

冬月「……だが、今のネルフには間違いなく彼女が必要だ」

ゲンドウ「今、この状況で戻っても赤木博士に負担を掛けるだけだ」

冬月「わかっている。今の環境では彼女に負担を掛けるのみだ。」

冬月「別に行き詰まったから彼女が必要な訳ではない。…彼女にはやりたいようにやって貰いたい」


766: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:53:03.19 ID:GZaUXmTAO
冬月「以前、彼女が居なくなった時があった」

ゲンドウ「ああ」

冬月「その時は何も感じなかったのだが」

冬月「……今回は落ち着かない」

ゲンドウ「……それだけか」

冬月「それだけだ」

ゲンドウ「…本当に都合の良い男だ」

冬月「……ああ」


767: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:53:40.92 ID:GZaUXmTAO

シンジ「……」

カヲル「どうしたんだい、シンジくん」

シンジ「ぱ…パンツを見ちゃった綾波はともかくとして……」

シンジ「……アスカはなんで今日…あんなに怒ってたのかなって」

カヲル「そりゃあ…ヤキモチだろうなぁ…構って貰えなくて寂しかったんだよ」

シンジ「……まさか」

カヲル「ねぇ、シンジくん」

シンジ「?」

カヲル「もし…レイとセカンドが同時に君の事を『好き』って言ってきたら…どうする」

シンジ「まっ…まさかぁ……」

カヲル「……どうする」

シンジ「それは……」

カヲル「それは?」

シンジ「……考えて見たこともないや」

カヲル「……ふふっ」

カヲル「シンジくんらしいや」

シンジ「そうだ、カヲルくん…今日の夕飯はどうする?」

カヲル「ああ、済まないけどこれからまた明日に向けての会議があるんだ。」

シンジ「そっか…じゃあ先に帰るね」

カヲル「じゃ」

シンジ「また」

タッタッタッ……

カヲル「……」ニヤッ


768: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:54:48.60 ID:GZaUXmTAO
アスカ「………」

綾波「……どうしたのアスカ」

アスカ「……えっ」

綾波「今日…何だか変よ」

アスカ「……別にいつも通りよ」

綾波「……そう?」

アスカ「……そう」

綾波「……やっぱり変よ」

アスカ「……そう?」

綾波「そう」

アスカ「………」
アスカ「何だか良く分かんなくなって来ちゃった」

綾波「?」

アスカ「カヲルとシンジって…似てるわよね」

綾波「………」
綾波「全然」

アスカ「……似てるわよ」
綾波「似てないわよ」
アスカ「……雰囲気とか」
綾波「……」

アスカ「……何か、良く分かんないわ」
アスカ「あ、そうだレイ…晩ごはん……」

綾波「!」
アスカ「……どうしたの」
綾波「……ない」
アスカ「なにが」

綾波「ラミエルさんが……」

アスカ「えええええええっ」

綾波「探しに行くわ!先に帰ってて!!」

アスカ「ちょ、ちょっとレイ……」
アスカ「……いっちゃった」

769: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:57:16.11 ID:GZaUXmTAO
【屋台】

アスカ「……仕方ないわね」

アスカ「あーおじさん、フカヒレラーメンね」

店主「あいよ」

シンジ「あ、おじさん、ラーメンで」

店主「あいよ」

アスカ「………あっ」
シンジ「………あっ」



770: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 17:59:39.61 ID:GZaUXmTAO
ミサト「今回はどうにか乗りきれそうだけど」

ミサト「……リツコに無理はさせられない、か」

加持「どうするつもりだミサト」

ミサト「カヲル君も…これ一話で一杯一杯だって言ってるしなぁ…」

ミサト「撮影も多分…明日一杯まで掛かるし…」

ミサト「エヴァは当分使えないし……」

ミサト「……四面楚歌ね」

加持「……編集で乗りきるか」

ミサト「素材をかき集めて繋ぎ合わせる…か」

ミサト「と言ってもオチをつけなきゃ…」

加持「……」

ミサト「……」

ミサト「ダメだ。ぜんっぜん思い浮かばないわ」

加持「……最悪打ち切りか」


771: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 18:05:04.33 ID:GZaUXmTAO
ミサト「……こうなることは分かったんだけどね」

ミサト「悔しいわ。……何にも出来ないとなると」

加持「綺麗に終わらせる事はもう無理…だな」

ミサト「何にも残されてないんじゃ仕方ないわ」

ミサト「このことで今更リツコや…今日のことでシンジくんとアスカを責める気にはなれないわ」

加持「しかし、碇司令も仕方ないって言ってるしさ、やることはやっただろう」

ミサト「……無力よ。ホント」

ミサト「あの時だって…何にも出来なかった」

ミサト「今も……そうよ」

加持「……」


772: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 18:14:23.98 ID:GZaUXmTAO
店主「おまち」

ズズズズズズズズ……

アスカ「……」

シンジ「………」

アスカ「……ねえ」

シンジ「……今日は」

アスカ「……いいわよ。もう」

アスカ「……あたしこそ悪かったわね。イライラしちゃってて」

シンジ「いや…別に……」

アスカ「どうすんのかしら」

シンジ「……ドラマ?」

アスカ「そ。ま、みんな心のどっかで覚悟が出来てたから…そんな騒ぎ立ててはないけど」

アスカ「考えたら…相当ヤバいのよね」

シンジ「そうだね…」

アスカ「………子供って無力よね」

シンジ「……そうだね」

アスカ「………」

シンジ「………」

773: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 18:21:43.37 ID:GZaUXmTAO
アスカ「いつか……」

アスカ「この日常もなくなっちゃうのかな」

シンジ「……分からないよ」

アスカ「……このドラマに、参加してからさ」

アスカ「何か、…非日常って言うかさ、段々何かが…おかしくなってきたのよね」

アスカ「最初は楽しかったのよ。だけど段々…ドラマの世界に日常が飲み込まれてそうで」

シンジ「……世界が壊れて来た…」

アスカ「……って、私らが何を言っても仕方ないけど」

シンジ「…そうだね」

ズズズズズズズズ

アスカ「……アンタの驕りね」
シンジ「わかってるよ」

アスカ「そ、じゃあおじさん、おかわりー」

シンジ「ええっ!!」

774: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 18:23:06.12 ID:GZaUXmTAO
―――――

カヲル「さて、ようやくシナリオは終結に近づいた」

???「……そう。」

カヲル「まだ…この世界を認めたくない連中の阻止があったけどね」

???「『自由の意思』」

カヲル「ああ。あくまで、『自由』でいたいと。…シナリオに逆らうつもりらしい」

カヲル「だが、自由は不自由の中にこそ生まれる。」

???「自由…不自由の中の自由、真の自由」

カヲル「しかし想像もしていなかったよ…彼らが今回のキーパーソンだったとはね」

カヲル「いや、それもその通りか…彼らは本当の拠り所を得られなかったからね…」

???「……上手く駒を進められるの?」

カヲル「わからない。僕は人の心まで干渉出来ないからね」

カヲル「…彼ら次第さ」



――「最後のシ者」編・終

775: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2011/01/09(日) 18:25:09.30 ID:GZaUXmTAO
        /:::::::::/::::::::::::::/|::::::ト''''イ:::::::|
        /:::::::::/::::/_Nヽ|__\| _∠イハ
        |::::::l::::\|ャ'´ヒリ`´   /ヒlj:/:::|
        |::l:::r‐l/          7 }/l/
        |::|:|ヽ。,       (´_7 /    次回予告
         |::|:|:::l::∧       /
        ノ::|:|::::|::\      _∧
       /::::|::::::厂勹-―‐┤::|:::リ___
        /::::::|::::/  | ト、:.:.:.:.:.〔 ̄ ̄ ̄l了
      /:::::/:::::) コ | |::::):.:.:.:.ユ_    | |
    // ̄ヽ(__〉〉(__;:.:.:.:.‐:.:ヽ</
    //⌒\\)  ̄|| ̄|\:.:.:.:.:.:|:| ̄〈\
    /::|    \|/   ||  |:.:.:.\rn|:.\ 〉ノ\
   {:::|     〉イl7 \ \:.:└l_r'.:.:.:.`ヽ|/〈|

終局。それは始まりのあとに、必ずおとずれる。
しかし、ドラマには打ち切りと言う終わりの形もあった。
ネルフの人々は苦悩し、この世の『真実』を目の当たりにする。
これも、終局のひとつの形であることを認めながら。

私たちの願いは、破滅へと連なるのか。
そして、救いの手を掴むことが出来るのか。

最終話
「終わる世界の中心でアイを叫んだけもの」

さーて次回もサービスサービス!

829: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:51:20.69 ID:dUK8FPLAO
case:?

【赤木リツコの場合】

なぜ殺した

リツコ「…殺した?」

なぜ殺した

リツコ「…憎いから」

なぜ殺した

リツコ「だけど」

なぜ殺した

リツコ「……殺せなかった」


―――――

なぜ逃げた

リツコ「だって、仕方がなかったじゃない」

なぜ逃げた

リツコ「だって、もう何も出来なかったんだもの。」

なぜ逃げた

リツコ「違うわ!私には…資格が……」

なぜ逃げた

リツコ「違う、違う、違うのよ!」

なぜ逃げた

「辛かったから、逃げ出したの?」

リツコ「……そうね」


830: ◆Ramiel/ra. 2011/02/06(日) 00:52:19.10 ID:dUK8FPLAO
「辛いのはみんな同じ」

リツコ「違うわ!私は今まで…!!」

「だから逃げ出したの?」

「本当にそれで良かったの?」

リツコ「……分からない」

「翻弄されて、逃げ出して、また同じ過ちを繰り返すのね」

リツコ「……仕方がないじゃない」

「そうやって、また中途半端に傍観者を気取るのね」

リツコ「…違う!違うわ!」

「また逃げ出すのね」

リツコ「……しょうがないじゃない…もう間に合わないのよ!もう手遅れなのよ!!」

「本当に?」

リツコ「…やめて」

なぜ殺した
なぜ逃げた

リツコ「やめて頂戴……!」

なぜ逃げた
なぜ殺した

リツコ「助けて…」

なぜ殺した
なぜ逃げた

リツコ「……助けて!」

なぜ逃げた
なぜ殺した

リツコ「いやあああああああああああああああ!!!!!!」

―――――



リツコ「……はっ」



831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:52:59.80 ID:dUK8FPLAO
ナオコ「……リッちゃん?リッちゃん?」

リツコ「……!」

リツコ「……母さん」

ナオコ「どうしたの?…様子を見に来たら酷くうなされて……」

リツコ「……別に」

ナオコ「病院…行く?」

リツコ「そんなに大したことじゃないわよ…」

ナオコ「じゃあ薬、テーブルの上に置いといたから飲んでね」

リツコ「……ええ」

ナオコ「それじゃあ母さん、仕事だから…何かあったらすぐ…電話、するのよ」

リツコ「……ええ」

ナオコ「……」




832: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:53:35.68 ID:dUK8FPLAO
【ネルフ・会議室】

TV「えー実際のサードインパクト騒動をモデルにしたネルフ制作の新世紀エヴァンゲリオンと言う特撮が一部で社会現象になっていますが」

アスカ「『一部で』社会現象って何か日本語おかしくなーい?」

綾波「アスカのドイツ語もどこかおかしいけど」ボソッ

アスカ「なんか言ったぁぁあああ!?」

綾波「…別に」

アスカ「嘘つくんじゃないわよレイ!しーっかり聞こえたわよ!!」

キャーキャーキャー

ミサト「でも確かに賛否両論はあるけど、何だかんだで反響おっきいわよね」


833: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:54:08.79 ID:dUK8FPLAO
青葉「某匿名掲示板ではエヴァ板なんて言うのも作られてます」

日向「まあ、使徒の一件に比べれば静かなものですからね」

青葉「あんまり実感わかないよなぁ」

加持「いやぁ…そうでもないかなぁ…」

ミサト「ネルフに居る分には安全だけど一歩外に出ればリョウジのファンに殺されかねないわよ」

マヤ「私も色んな人に声を掛けられるようになりましたね…」

アスカ「私たちなんて学校までファンが押し掛けてきちゃって大変なんだから」

綾波「お兄さんが帰ってきたから女の人が増えて大変だったわ」

アスカ「しかもこいつ、一人一人いちいち相手にしてるもんだから」

カヲル「ファンは大切にしなきゃね」

アスカ「……単なる女ったらしじゃないの」


834: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:54:57.00 ID:dUK8FPLAO
シンジ「だけどカヲル君の人気って本当に凄いよね」

アスカ「ホント、『人気』だけは凄いわよね」

綾波「出席扱いにするからテストの時以外、学校に来ないで欲しいって言われた程だもの」

カヲル「大袈裟だよ」

ミサト「そんなこと、一度言われてみたい限りだわね」

マヤ「即席にも関わらずグッズ売上もレイ、アスカに並ぶ程ですからね」

シンジ「すごいやカヲルくん」

シンジ「主人公なのに女装姿のグッズしか売れず、父さんどころかポッと出のキャラクターに負けちゃう僕なんかよりよっぽど…」

アスカ「ちょ、ちょっとシンジ…」

シンジ「……うっ」

綾波「な、泣かないで……」


ミサト(やっぱり気にしてたのね…)

マヤ(気にしてたんですね)

日向(…っていうか俺達の立場って)

青葉(一体……)


835: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:55:35.26 ID:dUK8FPLAO
マヤ「でも、そんなこんなでかなり反響があるわけですから」

ミサト「メディアや政治を牛耳ってても流石にネットまでは制圧出来なかった…か」

日向「ただ、ネットに関しても規制の法案が上がってます」

ミサト「……あいつら、どこまでネルフに固執するつもりよ」

青葉「結局、育成条例もうちをピンポイントで爆撃するようなもんでしたからね」

日向「多分、最初はネルフがドラマを放映すれば低視聴率の笑い者、くらいにしか思ってなかったんでしょうけど」

マヤ「成功した途端妨害、なんて酷いですよね」


836: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:56:16.59 ID:dUK8FPLAO
ミサト「そーいや、あの…キャラーだかなんだか」

ミサト「MAGIにハッキングしかけた奴等って自由のなんちゃらーの工作員だったのかしら」

加持「いや。あの連中は自由の意思とは無関係だったよ」

アスカ「じゃ、じゃあアイツらって…」

綾波「単なるバカ」

ミサト「まあバカと言うか無謀と言うか、怖いもの知らずと言うか」

アスカ「…やっぱりバカじゃん

837: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:56:47.12 ID:dUK8FPLAO
TV「ですからね、このOPはサブリミナルを使用してる疑いがあるわけですね」

TV「手法として、厳禁とされて来てるわけですよ。サブリミナルは」

綾波「……サブリナ?」

アスカ「…パンツじゃあるまいし」

シンジ「ぱ、パンツって…///」

アスカ「ば、バカ!そっちじゃないわよ!パンプスの方よ●●●!!」ガスッ

シンジ「い、痛いよアスカ……」

カヲル「ああ、可哀想にシンジくん…」

カヲル「大丈夫かい?」ニコッ

シンジ「カヲルくん…」

アスカ「ああー!見つめあうんじゃないわよ!!気持ち悪いっちゅうのぉ!!」

ガスッガスッ

シンジ「ちょ、ちょっとアスカカヲルくんまで…」

カヲル「いいんだ。」

カヲル「これでシンジくんとお揃いだね」ニコッ

シンジ「カヲルくん…」ニコッ

アスカ「だから見つめあうんじゃないわよ!気色悪いっちゅうの!!!」

(以下ループ)


838: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:57:21.87 ID:dUK8FPLAO
ガスッガスッギャーギャー

綾波「で、そのサブリミナルって何なんですか」

マヤ「えっ…あ、ああ…サブリミナルっていうのはね通常知覚できない技法で、潜在意識に働きかける表現のことで刺激によって生体に何らかの影響を与えることなの」

マヤ「強いメッセージ性を持たせる事が出来たり、洗脳に使えると言われているけど具体的なことはあまり良く分かっていないわ」

青葉「日本のTV放送ではサブリミナルを用いた表現を禁止しているんだよ」

綾波「それを分かってて赤木博士は…」

ミサト「それは無いわよ。洗脳だなんだって騒いでるのは一部だけ」

マヤ「単に予算と編集の関係で、たまたま静止画が多くなっちゃったのよ。」

青葉「それに赤木博士ならサブリミナルなんてもんより、もっととんでもないもの使いそうですよねww」

ミサト「ま、マスコミなんてーのはあたしらに文句付けるのが仕事みたいなもんだから」

マヤ「でも最近は酷いですよ。新興宗教と関わりがあるとかなんとか滅茶苦茶言われてます」

日向「赤木博士が宗教の教祖と知り合いだとか…」


839: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:57:52.56 ID:dUK8FPLAO
ミサト「滅茶苦茶もいいところね。非科学的なもんは鼻で笑うような人間が宗教の教祖なんて知り合う訳ないじゃないのよ」

青葉「しかし…今の赤木博士なら入信しかねませんね」

ナオコ「その辺は大丈夫よお~」

青葉「あ、赤木…ナオコ博士!?」

ナオコ「おはよう。みんなお揃いね」

ミサト「最終回の打ち合わせをしてたんです」

ナオコ「そうか…もうそんな時期なのね。」

ナオコ「私が来てから長いこと経つけど…色んなことがあったわね」


840: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:58:35.61 ID:dUK8FPLAO
アスカ「そうね。私が最初に日本に帰って来たときは何バカなことやってんのって思ったけど…」

ミサト「あーら、アスカ結構楽しんでたじゃない」

アスカ「う、うるさいわよ。」

綾波「そういう葛城さんも、一番始めにこの話をしたとき、赤木博士よりノリノリだったわ」

ミサト「そ、そうだったっけ~?」

シンジ「父さんも物凄く張り切ってて。」

マヤ「『シンジ大丈夫か』ってことあるごとにシンジくんに駆け寄って」

青葉「ユイさんに怒られたりなww」

綾波「ラミエルさんが暴走した時は…心配だったわ」

◇<ラー…

綾波「無事で良かった」

◇<ラ、ラー!

ミサト「あと、レイのお父さんの会社で撮影したり」

ミサト「リツコの奴、本当にロクなことやらないんだから…」


841: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 00:59:16.48 ID:dUK8FPLAO
シンジ「それから、船長」

アスカ「ああ、居たわねそんな人」

綾波「戦艦の中では艦長と呼べ…とかユニークな人だったわ」

アスカ「あと、使徒の…」

綾波・アスカ・シンジ『一本釣り!』

ミサト「それから…ゲームのPRなんかもやらされたわね」

ミサト「あんときゃ大変だったわよ」ギロッ

加持「………」

アスカ「それから温泉よ温泉」

綾波「……馬鹿丁寧な番頭がいたわね」

シンジ「本当に大変だったよね…撮影」

アスカ「あんたら、人のことほっといて、どんちゃん騒ぎやってたじゃないのよ!今思い出しても腹がたつわ!!」

ミサト「盗撮はするわ…ね?」

加持「そ…それからーなんだっけな、あ、ああ停電だ」

アスカ「あいつら…今思い出しても腹がたつわ」

MAGI『で、でもあの人達のつくったウイルスで感情を持てたので…あんまり責められないといいますか…』

ミサト「それもそうか…」

マヤ「あの人達が攻撃してこなければ、今のMAGIはあり得ませんでしたからね…」


842: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:00:32.51 ID:dUK8FPLAO
アスカ「それから…ええっと…参号機…か…」

綾波「なんとか…してあげられたら良かったんだけど」

MAGI『いえ…これはMAGIの力不足です……』

シンジ「………」

MAGI『で、でも参号機の魂とも言える基本データは残ってるです!もしかしたらまた…会える日が来るかも知れません」

シンジ「……うん」

マヤ「チビ達も新しく来ましたね」

アスカ「そうね。最初はいけすかなかったけども」

シンジ「そんなこと言って、アスカが一番甘いじゃないか」

アスカ「う、うるさい!」

日向「あと、京都に行ったっけなあ」

青葉「楽しかったなあ。シンジくんが…」

シンジ「うわあああああああああ!!!!!!!」

アスカ「何よ急に騒がしいヤツね」

綾波(写真…まだ大切にもってるもの)

ミサト「副司令がユイさんに振られてさぁ」

マヤ「司令が脱走したりもしましたねww」

アスカ「……楽しかったわね」

シンジ「……うん」


843: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:00:59.48 ID:dUK8FPLAO
綾波「お金がなくても…文句をいいつつも…楽しかったわ」

青葉「いつから…こんな、撮影が苦しくなっちゃったんだろうな……」

マヤ「徐々に…だと思います」

ミサト「確かに、純粋に楽しんでたわね。半年前は」

加持「今じゃ楽しむどころか、重荷にすらなってる」

アスカ「それに…」

アスカ「……リツコがああなっちゃったわ」

一同「………」

ナオコ「ごめんなさいね…私がこんな流れにしちゃって……」


844: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:01:56.95 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ま、とりあえず何を言っても始まらないわ。最終回を完成…させなきゃ」

アスカ「ま、それもそうよね。今後の収入に関わってくるし」

ゲンドウ「朝からご苦労。」

ユイ「みんな、おはよう」

キョウコ「おはよう~」

アスカ「ま、ママ達!」

ゲンドウ「おはようシンジぃ~!」スリスリ

シンジ「き、気持ち悪いからやめてよ父さん!」

ゲンドウ「き…気持ち悪い…?」

ゲンドウ「気持ち悪い…そうか…父さんが気持ち悪いのか……」

カヲル「そんな顔しないでよ『お父さん』♪」

ゲンドウ「……お前にだけは慰められたくない」


845: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:03:18.51 ID:dUK8FPLAO
ヒデアキ「あ…あの…」

アスカ「チビ達は?」

キョウコ「まだ寝てるわ。」

ナオコ「あらっ…そういえば」

ユイ「どうしましたナオコさん」

ナオコ「誰か…忘れてたような……」

ヒデアキ(そう!私!私が最近全く出番がなかった葛城ヒデアキです!!)

ヒデアキ(さすがナオコ君だ…付き合い長いだけあるなぁ…)

ナオコ「……副司令、どこにいっちゃったのかしら」

ヒデアキ「えっ」

アスカ「そういえば…みかけないわね」

ミサト「私も見てないわ」

シンジ「父さん、副司令は…」
ヒデアキ「……あの」

ゲンドウ「ああ、冬月なら外出している。2日前から」

シンジ「ふ、2日!?」

アスカ「じゃあこの間の撮影の時から…」

ヒデアキ「それは大変ですね…事件にでも巻き込まれて…」

ゲンドウ「ああ、あれから帰っていないよ」

ゲンドウ「お陰で余計な仕事が増えた」

ユイ「とかなんとか言って、あなたコウゾウ先生に普段から嫌な仕事を無理やり押しつけてるじゃありませんか」

ゲンドウ「そ、それはだな…」

キョウコ「どこ言っちゃったのかしら~…」

ヒデアキ「あの……」

ヒデアキ「……いいよもう」



846: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:04:14.09 ID:dUK8FPLAO
――――

case:?+1
冬月コウゾウの場合

冬月A「君は誰だね」

冬月B「君は私だ」

冬月A「……私?私ならここに居るが」

冬月B「しかし君は私だ」

冬月A「しかしそれはおかしい。私は1人しかいないはずだよ。」

冬月B「そうだ。だから君は君、私は私だ」

冬月A「おかしな事をいう。それでは先程と話が違うじゃないか」

冬月B「いいや、違わんよ。君は私だ。…いや、正確には『私だった』と言うべきか」


847: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:04:57.86 ID:dUK8FPLAO
冬月A「君が何を言いたいのか、私にはさっぱり分からないよ」

冬月B「君は…何を願う」

冬月A「ふん。私は老人だよ。老人が何かを強く願うこと自体おこがましいことだ」

冬月B「そうか?」

冬月A「そうだ。その結果私は…」

冬月B「拒絶されたのか」

冬月A「体は良かったが要するにそんなところだよ。私は拒絶された」

冬月B「本当にそうなのかね」

冬月A「違うとでも言うのか」

848: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:06:05.11 ID:dUK8FPLAO
冬月B「君自身が望んだ結末かもしれない」

冬月A「私自身が望んだ?」

冬月B「そうだ。なぜなら私自身が望んだ結末でもあったからだよ」

冬月A「……君が望んだとは、一体どういう意味かね」

冬月B「言葉の通りだ。私はユイ君との、いや、ユイ君への感情への決別を望んだ」

冬月B「ユイ君は所詮、碇のものだ。私が欲したところで誰も幸せにはならない」

冬月A「……だから決別したいと」

冬月B「言っただろう、君は私だったと」


849: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:07:06.50 ID:dUK8FPLAO
冬月B「いや…まだ君は完全に私から離れられてはいない」

冬月B「いや、完全に私が同化しきっていないと言った方が正しいか」

冬月A「さっきから何を言っているのか」

冬月B「この状況が良い証拠だ」

冬月B「やはり私達は肉体や精神が分かれていても、根底は一緒らしい」

冬月A「肉体や精神が分かれていればそれは他人だ」

冬月B「それは違う。他人ではない。」

冬月B「我々が他人であり、そして同じ存在になるとすれば…」

冬月B「それは全てが『補完』される時だ」

冬月A「補完?補完は起きなかったのではないのかね…!?」


850: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:07:33.57 ID:dUK8FPLAO
冬月B「なぜそう言い切れる」

冬月B「こう言った可能性があるとは思わないか」

冬月B「まさに、今が『補完の最中』なのかもしれないと」

冬月A「………!」

冬月B「だが、確実にではあるが君は私から独立していっている。」

冬月A「どういうことかね」

冬月B「君が碇ユイに好意をもっていたのは、『私が碇ユイに好意を抱いていた』からにすぎない」


851: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:09:15.35 ID:dUK8FPLAO
冬月A「我々は相互に作用しあっていた、とでも言いたいのかね」

冬月B「そうだ。私と君はそれほど密接な関係にある」

冬月B「が、正確には当初は私が一方的に君へ影響を与えていたに過ぎなかった。」

冬月A「しかし時間が経つにつれ、その関係性は弱まっていった」

冬月A「……まるでゲームの登場人物とそれを操るプレイヤーのようだな」

冬月B「そう考えて貰っても差し支えない。というよりそれがこの世界の本質だ」

冬月B「そしてそれは逆転しかけている…」

冬月B「いや、それは適当ではないか。」

冬月B「……私は君であり君は私なのだから」

852: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:09:42.61 ID:dUK8FPLAO
冬月A「……何のために」

冬月B「私にはそれを君に教える権限がないよ。私は管理者ではなく、1プレイヤーにしか過ぎないからね」

冬月B「だが、君は確実に私のプレイ・キャラクターとしてではなく、一個人として独立していっている。」

冬月B「まだ完全ではないがね」

冬月A「……赤木博士のことを言いたいのか」

冬月B「流石は『私だ』と言うべきかね」

冬月A「むしろ、その件しか思い当たらないよ」

冬月B「赤木博士への好意は間違いなく、君が君としての個人としてもつ感情だ」

冬月A「………」

853: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:10:20.77 ID:dUK8FPLAO
冬月B「かつて私は赤木博士に何の感情も抱いていなかった。もちろん、『この世界の赤木博士』にも。」

冬月A「ユイ君への感情は君の影響にしか過ぎないと」

冬月B「ああ。と、言うより君は最初から赤木博士に好意を抱いていた。」

冬月B「が、君には殆ど自我というものがなく私の操り人形にしか過ぎなかった故に、己を否定し続けた。」

冬月B「赤木博士も同様だが、碇に対して好意を抱かなかったのは…」

冬月B「彼女がどこかで碇からの解放への願望が強かったからなのかも知れない」


854: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:12:11.15 ID:dUK8FPLAO
冬月A「つまり、君はぬるま湯につかっていたかったと」

冬月B「……否定はできない」

冬月B「だが、このような事態が全ての職員に起こっていたのだとすれば、それは少々厄介なのだが幸い、我々だけで済んだようだ」

冬月B「まあ、お互いそれぞれが碇夫妻に振り回されていたから、なのかもしれんがね」

冬月A「………」

冬月A「……私はどうすればよい」

冬月B「そこまではもう私が決める事は出来ないよ」

冬月B「だが、私の伝えられることは伝えた」

冬月A「……そうか」


855: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:12:37.40 ID:dUK8FPLAO
冬月B「最後に一つ、伝えておこう」

冬月B「君の選択と赤木博士の選択がこの世界の一つの大きなポイントでもある。」

冬月A「君に言われなくとも、出来るだけの事はしてみるつもりだよ」

冬月B「なら良い。私は君たちに全てを託そう」

冬月B「そう。真の補完を遂げるために、全てを」


――――

「きゃくさん……」

冬月「………」

「おきゃくさん……」

冬月「………?」

車掌「お客さん、終点ですよ」

冬月「!」


856: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:13:06.71 ID:dUK8FPLAO
冬月「あ……ああ?」

車掌「大丈夫ですか?具合でも……」

冬月「い、いや…大丈夫だ。ありがとう。」

車掌「そうですか。」

冬月(……なにか、なにか重要なものを…夢でみたような…)
冬月(むう……気味が悪い)


857: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:13:44.82 ID:dUK8FPLAO
―――――

ミサト「んじゃオチを決めましょう。」

アスカ「その前に2話も撮影なんて無理よ。」

ミサト「じゃあ…、何とかあと1話で納める方向に」

シンジ「といわれても…」

綾波「爆発オチ」

ミサト「……金がないって言ってるじゃないのよ」

アスカ「じゃあループオチ」

ミサト「だから、これを最初にどうやって繋げりゃいいってのよ」

加持「続きはWEBで」

ミサト「……真剣に答えなさい」

シンジ「楽屋オチ」

ミサト「……ああ、なーんちゃって♪みたいな感じで…」

ミサト「……済むわけ、ないわよね」


858: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:14:15.42 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ないの?なんかないの?このくらったい展開がバーンって吹き飛ぶような」

アスカ「……あるわけないじゃん」

綾波「ムリムリ」

シンジ「ミサトさん、やっぱり人間出来ることと出来ない事があるんですよ」

ミサト「あんた達ねぇ…」

ゲンドウ「ある」

ミサト「……へ?」

ミサト「い、いま何と」

ゲンドウ「あるにはある。」

ミサト「じゃあ…」

ゲンドウ「しかし……」

ミサト「しかし、なんです」

ゲンドウ「両刃の剣だ」


859: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:14:44.12 ID:dUK8FPLAO
ミサト「……この際終わらせられないよりマシです」

ゲンドウ「……言うぞ」

ミサト「どうぞ」

ゲンドウ「……何だとか言わないでくれるか」

ミサト「ええ。ですからどうぞ」

ゲンドウ「本当か?」

ユイ「あなた!」

ゲンドウ「す……すいません……」

ゲンドウ「で、では言うぞ」
一同「……」

ゲンドウ「この流れを一瞬でなかった事に出来るオチ、それは……」

一同「……」ゴクリ

ゲンドウ「夢オチだ」

一同「……」


860: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:15:13.25 ID:dUK8FPLAO
ゲンドウ「ほらユイ!変な空気になっちゃったじゃないかあ!!」

ヒデアキ「それはないわ」

シンジ「……父さん」

ミサト「……司令」

ユイ「……あなた」

ゲンドウ「い、いや…いやな?私も……」

ミサト「天才です」

ゲンドウ「えっ」

ヒデアキ「えっ」

綾波「あまりにも当たり前すぎて、ここにいる誰もが想像してませんでした」

アスカ「そうね。司令、さえってるー♪」

ゲンドウ「そ…そうか」

ヒデアキ「そうか?」

ナオコ「あら、ヒデアキくんいたの」

ヒデアキ「い……今更?」

ナオコ「みんなーヒデアキくんがこれ以上の案、持ってるみたいよー」

ヒデアキ「すいません!持ってません!夢オチ最高です!全く異論なんてありません!」



861: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:15:40.50 ID:dUK8FPLAO
青葉「と、なると…肝心なのは目が覚めた後の世界ですけど」

ミサト「普通に平和な世界でいいんじゃないの」

日向「い…良いんですか?」

ミサト「良いのよ」

ミサト「もうね、オチさえつけれりゃ私らは十分なの」

アスカ「って、普通の世界なんて言われても…」

シンジ「正直何が普通なんだか僕ら……」

ミサト「そりゃ…アレでしょ。学園モノよ学園モノ」

綾波「学園モノ……」

ミサト「例えば、例えばよ」

ミサト「シンジくんとアスカは幼なじみなワケ」

シンジ「……そのまんまですね」


862: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:16:09.71 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ユイさんも生きてて碇司令も普通の父親でもう正に幸せな家庭よ」

ゲンドウ「そのままだな」

シンジ「……一部そのままでもないような気がするんだけど」

ミサト「でー、レイが転校してくんのよ」

綾波「転校生…」

ミサト「それが、全然違う性格なワケよ。明るくて、健康的で」

綾波「そのままね」



一同(そ…そのまま、なのか?)

863: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:16:37.97 ID:dUK8FPLAO
ミサト「カヲルくんはシンジくんの入ってる部活の先輩」

ミサト「でー、私が担任の美人教師。」

ミサト「まあ、リョウジは政経の教師、マヤちゃんは保健の先生で、リツコは理科の教師ってとこかしらね」

ミサト「あ、日向くんは国語か数学で青葉くんは音楽ってとこかしらね」

ミサト「で、ナオコおばさんが教頭先生でお父さんが学年主任」

ミサト「副司令が校長で…」

ミサト「ああいいわ。これでいきましょ」

アスカ「……こんな適当でいいの?」

864: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:17:11.38 ID:dUK8FPLAO
ミサト「それに脚本なんか書かなくったって大体いつも通りやり取りすれば何とかなるでしょ」

アスカ「なんちゅう適当な…」

ミサト「よし、そうと決まれば…」

マヤ「あ、あの葛城さん撮影の前に」

ミサト「に?」

マヤ「シンクロテストがありまして」

ミサト「えっ?今日はたしかなかった筈じゃ…」

マヤ「の、はずだったんですけどスケジュールになぜか組み込まれてまして」

ミサト「……んじゃあ仕方ないわね」

ミサト「シンクロテスト終わってから撮影開始。その間にリョウジ、学校への交渉よろしくねん♪」

加持「お、俺がやるのかぁ?」

アスカ「……はぁ」

シンジ「さ、先が思いやられるね」

綾波「……わね」

865: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:18:15.25 ID:dUK8FPLAO
―――

リツコA「……怖い」

リツコB「何が怖いのかしら」

リツコA「もっと楽になれるかと思ったのに、苦しいのよ」

リツコB「そうね。逃げ出して楽になることはあるわ」

リツコB「だけど一時しのぎにしか過ぎないのよ結局」

リツコA「私はどうしたらいいの」

リツコB「あなたの好きにすればいいわ」

リツコB「あなたのしたいように、望むようにすればいいのよ」

リツコA「だけど…」

リツコB「それをするのに、どうしたらいいのか分からないのね」

リツコA「私にはネルフしかないのよ」


866: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:18:41.08 ID:dUK8FPLAO
リツコA「…ネルフが唯一私を受け入れてくれた場所なのよ」

リツコA「だからこそ、どうしたらいいのか分からないのよ!」

リツコB「わからないのかしら」

リツコA「……」

リツコB「受け入れてくれたなら、どうしたらいいかなんて悩む必要なんてないのよ」

リツコB「あなたの場合は逆」

リツコB「あなたが…受け入れられないだけなんじゃなくて?」

リツコA「……」

リツコB「とはいえ、あなたをこんなザマにしてしまったのは私の責任でもあるわね」


867: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:19:11.36 ID:dUK8FPLAO
リツコB「人は自由を犠牲にする代わりに他の自由を獲得する奇妙な生き物なのよ」

リツコB「もう、これからあなたは…あなたのしたいように出来るわ」

リツコA「私のしたいように?」

リツコB「そう。だけど、それにはもう少し時間が必要だわ」

リツコB「あなたは私の可能性。世界の可能性。」

リツコB「そしてあなたが見ている世界以外にも様々な可能性が存在するのよ」

リツコA「私の見ている世界以外の可能性…?」

リツコB「そう。あなた自身が思っているより世界はそう悪いものではないのかも知れないわ」


868: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:19:38.38 ID:dUK8FPLAO
リツコB「だけれど、あなたをこうしてしまったのは私、いえ、私達の責任なのよ」

リツコB「あなた一人の力に頼らざるを得なかった。」

リツコA「どうして…私?」

リツコB「運命、としか私には説明出来ないわ」

リツコB「だけど、あなたに強い自我が与えられた。勿論、選択肢もよ」

リツコB「あなたは…どうしたいの」

リツコA「私は…」

リツコA「私は……!」


869: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:20:24.20 ID:dUK8FPLAO

【ネルフ・実験場】

ミサト「ね、もうちょっと実験、先延ばしに出来ないかしら」

技術部員A「先延ばしぃ!?」

ミサト「学校がね、これから来いっていうのよ。午後から色々あるらしくて午前中しか使えないって言うからさぁ」

技術部員A「ええ…」

技術部員A「……わかりました。とりあえず3時に伸ばします」

ミサト「あっりがとー」

技術部員A「早く帰ってきて下さいよ…今日は早く帰りたいんですから」

ミサト「なんかあるの?」

技術部員A「娘の…誕生日です」

ミサト「あら、おめでとう」

技術部員A「ありがとうございます。ですからなるべく…」

ミサト「りょーかい、りょーかい。んじゃーねん♪」

技術部員A「……わかってんのかなぁ」


870: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:20:50.23 ID:dUK8FPLAO
【碇家】

ミサト「と、いうわけでえ。最初に家族団欒のシーン、撮るわよ」

マヤ「準備バッチリです」

アスカ「ちょ、ちょっとこっちはまだ心の準備が…」

シンジ「そ、そうですよ…脚本もなしに芝居なんてミサトさんムチャが……」

ミサト「んじゃ、アスカがシンジくんを起こすシーンから行ってみましょう」

マヤ「スタート!」

アスカ「えええっ!」

アスカ(ったく仕方ないわね…)

アスカ(いいわ。この数カ月、磨きに磨いたアスカ様の演技力、とくとご覧にいれてやるわ!)


871: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:21:24.91 ID:dUK8FPLAO
アスカ「ようやくお目覚めね、バカシンジ。」

シンジ「なんだ、アスカか。」
アスカ「なんだとは何よ!こうして毎朝遅刻しないように起こしに来てやってるのに、それが幼なじみにささげる感謝の言葉あー?」

シンジ「…うん、ありがとう……だから…もう少し…寝かせて…」

アスカ「何甘えてんのっ!!もー、さっさと起きなさいよ!」

マヤ「カットー」

ユイ「流石ねーアスカちゃん」

ゲンドウ「ああ。流石は毎日小学校時代、毎朝シンジを起こしてくれていただけのことはある」

ミサト「……」


872: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:21:56.86 ID:dUK8FPLAO
アスカ「何よミサト。なんか不満なワケ」

ミサト「なんか不自然なのよね」

アスカ「……不自然ってなにが」

綾波「……してない」

アスカ「は?」

綾波「生理現象が、起こっていないのよ」

一同「………」

シンジ「………」

シンジ「!」

シンジ「ちょ、ちょっと綾波!」

アスカ「なに?」

シンジ「……なにって」

アスカ「?」

シンジ「あ…あさだ……」

アスカ「あさだ……?」

シンジ「ち……」

アスカ「ギャー!●●●、バカ!ヘンタイ!信じらんない!」ガスッ

シンジ「仕方ないだろ!朝なんだからあ!」

ミサト「あ、今のいただき。リョウジとってたぁ?」

加持「……バッチリ」



873: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:22:28.61 ID:dUK8FPLAO
ユイ「シンジったらせっかくアスカちゃんが迎えに来てくれているのに、仕様のない子ね。」
ゲンドウ「…ああ。」

ユイ「あなたも、新聞ばかり読んでないで、さっさと支度してください!」

ゲンドウ「……ああ。」

ユイ「もう、いい年してシンジと変わんないんだから…」

ゲンドウ「君の支度はいいのか?」

ユイ「はい、いつでもっ!」

ユイ「もう、会議に遅れて冬月先生に文句いわれるの、私なんですよ。」

ゲンドウ「君はもてるからな。」

ユイ「バカ言ってないで、さっさと着替えてください!」

ゲンドウ「ああ、分かってるよ、ユイ。」

マヤ「カットー」

マヤ「流石は夫婦ですね。息がピッタリですよ」

ユイ「まあね。ほとんど真実ですものね?」

ゲンドウ「あ…ああ……」


874: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:22:56.12 ID:dUK8FPLAO
【マンション前】

ミサト「で、次は定番、転校生との運命の出会い!」

アスカ「……運命?」

ミサト「……そうよ。定番中の定番、ゴッツンぶつかりフォーリンラブ!パン  のおまけつき!」

ミサト「あ、転校生が食パンを加えてるとなおいいわ」

綾波「…ゴッツン、食パン」

アスカ「だけどレイにやれるの?そのゴッツン転校生が」

ミサト「……」

ミサト「ちょっとやってみて」

綾波「はい」


875: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:23:52.68 ID:dUK8FPLAO
綾波「遅刻遅刻、大変だわ。」(棒読み)

綾波「初日で遅刻なんて、いじめの原因になりかねないもの、急がなきゃ」(棒読み)

綾波「きゃー」(棒読み)

すってん!

綾波「痛いわ」(棒読み)

綾波「ごめんなさい急いでるの」(棒読み)

綾波「……どう?」

ミサト「ど……」

アスカ「どうって言われても……」

ゲンドウ・カヲル「かわいいよ!レイ!」

綾波「そ……そう?」

一同(ダメだこりゃ……)


876: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:24:24.71 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ああ、もう時間がないってのに…今更プラン変更なんて……」

ミサト「そうだわレイ」

綾波「……何か」

ミサト「あの時のさ、あの…京都でやったリナなんちゃらの物真似、あれでいけないかしら」

綾波「リナ・インバースの物真似で?」

ミサト「そう、そうよ!あれなら…」

アスカ「……あれはなんかあれで……」

綾波「やってみます」

ミサト「じゃ、早速本番いってみようか!」

マヤ「スタート!」


877: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:24:58.05 ID:dUK8FPLAO
タッタッタッ…

綾波「あー、遅刻遅刻ぅ!初日から遅刻じゃ、かなりヤバイ、って感じだよねー!」

ミサト(いける!)

綾波「んあああああああ!?」

ゴッツンっ☆★☆★☆

シンジ「いっつつつつ…」

綾波「あ痛たたたぁ…ん?」

日向(いや、むしろこれって…)

綾波「!」バッ

綾波「ごめんね、マジで急いでたんだ!」

シンジ「?」

綾波「ほんと、ごめんねー!」

タッタッタッタッタッタッ

シンジ「…はぁ?」

アスカ「むうぅっ!!」

マヤ「か、カットー」

ミサト「よくやった!よくやったわレイ!」

綾波「そう…ですか…」

青葉「愛称は『リナレイ』に一万」

日向「…ず、ずるいぞ青葉!」


878: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:26:11.09 ID:dUK8FPLAO
【学校】

マヤ「とりあえずパニックになりかねないのでカヲルくんはネルフに先に帰るように言っておきました」

マヤ「あ、それから司令も」

ミサト「そうよね。司令は別の意味でパニックになりかねないもんね」

ざわざわ…

クラスメートA「久々に惣流をみたぜ!」

クラスメートB「相変わらずかわいいなぁ」

クラスメートC「綾波たんwwwwwwwwwwwwかわゆいでござるwwwwwwwwwwwwでゅふふwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

クラスメートD「あれ、カヲルさまは~?」

クラスメートE「シンジきゅんだけで十分」

クラスメートF「ばか、あの二人はホ ってこそ…ハアハア」

アスカ「何だろう…前回来たときよりも妙な空気が漂ってるのは」

シンジ「寒気が……」


879: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:26:37.63 ID:dUK8FPLAO
ヒカリ「アスカ、久しぶり」

アスカ「ああ、ヒカリ、久しぶりね」

トウジ「シンジくん、元気にしてた?」

シンジ「うん!トウジくんこそ元気そうで良かったよ」

トウジ「最近また来ないからさ、心配してたんだよ」

ケンスケ「師匠wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちいいっすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

綾波「あなたこそ久しぶりだっていうのに何も変わってないのね」

ケンスケ「ほめられちったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

綾波「……誉めてないもの」



880: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:27:04.33 ID:dUK8FPLAO
――――

マヤ「それじゃいきまーす」

マヤ「スタート」

ヒカリ「起立!礼!着席!」

ミサト「喜べぇ男子!今日は噂の転校生を紹介するぅーっ!」
綾波「綾波レイです。よろしく。」

クラスメート一同(ええっ…)ひきっ

ミサト(……その反応が正しいわな)

マヤ(……ですね)

シンジ「あぁーっ!」

綾波「ああっ!あんた、今朝のパンツ覗き魔!」

アスカ「ちょっと!言いがかりはやめてよ!」

アスカ「あんたがシンジに勝手に見せたんじゃない!」

綾波「あんたこそ何?すぐこの子かばっちゃってさ。何?できてるわけ?2人?」

アスカ「た、ただの幼なじみよ!うっさいわねぇ…」

ヒカリ「ちょっと、授業中よ!静かにしてください!」

ミサト「まぁ~、楽しそうじゃない。私も興味あるわ。続けてチョーダイ。」

クラスメート「わはははははははははは!」

ミサト(うんうん順調順調)


881: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:27:33.89 ID:dUK8FPLAO
クラスメートH「キャアアアアアアア!?」

ミサト「って、何事!?」


ゲンドウ「………」ジーッ

ミサト「イヤアアアアアア!?」

―――

ゲンドウ「………」

ミサト「どうして碇司令がここにいらっしゃるんですか」

ゲンドウ「………レイの」

ゲンドウ「レイの…ああいう所は…非常にレアであって……だな………」

ミサト「……事情は良くわかりました」

ミサト「だけど、どうみてもその格好で窓を覗き込んでたら不審者ですから」

ゲンドウ「……」


882: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:27:59.38 ID:dUK8FPLAO
クラスメートI「キャアアアアアアア!」

ミサト「って今度はなに?本物の不審者!?」

クラスメートD「カヲルさまああああああああああ!!!」

カヲル「やあ」にこっ

クラスメートE「いやあああ………」クラッ

ミサト「か…カヲルくん……」

カヲル「レイのレアな姿が見たくてね、来ちゃったよ」

クラスメートG「カヲルくん…キャアアアアアアア!」

カヲル「ありがとう」

ミサト「……似たもの親子というか…似てない親子というか」

883: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:28:26.14 ID:dUK8FPLAO
ミサト「あー、もうとりあえずパニックになってきたから引き上げましょう」

キャーキャーキャーキャーキャーキャー

アスカ「まあ、来るなと言うのが無理な話だったのよミサト」

ミサト「………よね」


884: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:29:21.49 ID:dUK8FPLAO
【車内】

ミサト「……やっぱダメだわ」

アスカ「ダメって…別に、他のシーンを先にして明日また撮りにくりゃ良いじゃないのよ」

ミサト「そういう話じゃなくてさ」

ミサト「ダメなのよ…やっぱコレ」

シンジ「夢オチ、ですか」

綾波「私もなんだか夢オチって肩すかしもいいとこだと思いました」

カヲル「ベタにも程があるよね」

ゲンドウ「……えっ」

ミサト「うーん、まあそれもそうなんだけどさ」

ミサト「例え、どんなバッチグーなオチを考えても、やっぱりそれって違うような気がしちゃうのよね」


885: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:29:47.91 ID:dUK8FPLAO
アスカ「……そのバッチグーってのも時代が違う気がするけどね」

ミサト「何ていうか…ね」

ミサト「やっぱ、あたしらが決着つけるべきじゃないんじゃないのかなって思うのよ」

綾波「どういう…意味ですか」

ミサト「やっぱり、ここまでやってこれたのは良い意味にしろ悪い意味にしろ、リツコの功績のおかげじゃない?」

ミサト「だからさ、やっぱり…違う気がするのよ」

アスカ「でも、本人はやりたがってないんでしょ」

ミサト「まあね。でも…」

ミサト「…きっと納得、いってないと思うんだわ」

886: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:30:49.32 ID:dUK8FPLAO
アスカ「……面倒くさいヤツね」

ミサト「とは言え、そう言う以上はリツコにはやりたいことをやらせるべきだし」

ミサト「かといって、視聴者を切り捨てるわけにもいかないし…」

綾波「どこかで発表できればいいんだけど」

マヤ「それから…予算ですよね……」

ミサト「私ね、このままやるくらいなら…いっそ打ち切りでもいいと思うの」

アスカ「う、うちきりぃ!?」

ミサト「ええ。こんな結末、誰も望まないでしょうけど」

ミサト「適当にオチくっつけるよりかはまだマシよ」

一同「……」

887: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:31:46.03 ID:dUK8FPLAO
青葉「…あの、俺は悪くない案だと思いますよ」

マヤ「青葉さん」

青葉「これ、見て欲しいんです」

ゲンドウ「そのノートパソコンがどうした」

青葉「……画面の中です」

アスカ「なにこのサイト…署名…てん…しーおーえむ?」

カヲル「署名ドットコムさ。サイト名の通り、ネット上で署名を集めるサイトだよ」

アスカ「……詳しいのね」

カヲル「まあね。南極じゃ、ネットくらいしか楽しみがないんだよ。」


888: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:32:12.81 ID:dUK8FPLAO
青葉「それでですね、このサイトのプロジェクトで一番人気なのが…これです」

シンジ「『新世紀エヴァンゲリオンの続編希望の署名』?」

青葉「で、その署名数が……」

アスカ「ご、57万人!?」

綾波「すごい……」

日向「しかし、水を差すようで悪いんだけどMAGIが…」

MAGI『MAGIは頼まれてこのプロジェクトを立ち上げましたが、一切不正はしていません!』

MAGI『ただ、自由の意志関連の団体や施設からのネット上の妨害活動をブロックしているだけです』

マヤ「じゃあ、これ…純粋に……」


889: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:32:39.92 ID:dUK8FPLAO
MAGI『純粋にエヴァンゲリオンを愛してくれている人の数です』

アスカ「こ、ここまで人気……あったんだ……」

シンジ「ちゃんと…見ててくれた人がいるんだ…」

青葉「だから、思うんですよ」

青葉「赤木博士の為だけじゃなく、『エヴァンゲリオン』を待ってるたくさんのファンの為に、赤木博士がきちんと決着を付けるべきなんだと。」

青葉「最早エヴァはネルフだけのものじゃないんです。」

青葉「始まりは財政難からの脱却の手段だったのかも知れませんが、今やエヴァは…僕達にとっても」


890: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:33:18.84 ID:dUK8FPLAO
ミサト「大切な…『何か』なのよね」

アスカ「確かに…時間に追われていく中で忘れてたわ」

綾波「このまま打ち切りという形は…もしかしたら、全てを失ってしまうかもしれない」

シンジ「でも、無理やり…無理やり終わらせる為にオチをつけることは…そうだ、今まで僕達のやってきたことを否定しかねないんだ」

マヤ「私達自身が半年前のように、もう一度…エヴァを作れるなら」

カヲル「……そのためには赤木博士の力も必要だ。僕には荷が重すぎるよ」

加持「しかし、かなり大きな賭けになる。何も先が見えないんだ。」

日向「その上、ネルフ自体が追い込まれる可能性もあります」

ミサト「…最悪、解体かしら」

一同「………」


891: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:33:44.82 ID:dUK8FPLAO
ゲンドウ「……いや、それは違う」

シンジ「…父さん?」

ゲンドウ「このまま、適当に終わらせたとしても…だ、適当な収益しか望めん」

ゲンドウ「最後にファンを裏切ることになるのだからな」

一同「………」

ゲンドウ「それに我々自身にも…後悔が残ってしまう」

ゲンドウ「ならば、我々の取るべき選択肢は一つしか残されていない」

ゲンドウ「…我々がきちんとエヴァンゲリオンと向き合って、結末をつけることだ。」

ゲンドウ「賭けですらない。『そうしなければならない』のだよ。」

892: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:34:11.85 ID:dUK8FPLAO
ミサト「しかし…碇司令、いいん…ですか?」

ゲンドウ「良いも悪いも、これは命令だ」

一同「!」

ゲンドウ「命令するからには、それに伴う責任は全て私が取る。」

ゲンドウ「…必ず、我々の手で、この物語を完結させるよう計らおう」

一同「碇司令……!」

シンジ「……父さん」

ミサト「ありがとうございます…碇司令!」

青葉「よっしゃああああ!!」

日向「…青葉、この先を考えたら流石にガッツポーズはないだろう」

青葉「そうなんだけどさ」

マヤ(青葉さん……)

893: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:34:39.08 ID:dUK8FPLAO
綾波「今日の碇司令……」

アスカ「か、カッコいいわね……」

カヲル「……ふふっ」


加持「しかし、MAGIはその署名の立ち上げを…一体誰に頼まれたんだ?」

MAGI『えっ?あっ……』

MAGI『い、いいましたっけ』

アスカ「そう言えば…」

カヲル「言ってたよね」にこっ
ゲンドウ「……」

MAGI『えっと……』

一同「?」

MAGI『じ…実はですね、これは……』

綾波「これは?」

MAGI『……冬月副司令に頼まれたんです』

一同「……」

一同「副司令にいいいいい!?」

894: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:35:07.35 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ふ、副司令って…あの副司令に?」

MAGI『そうです。リツコおねーさんに「帰ってくる場所」をあげたいって』

マヤ「副司令が…そんなこと……」

加持「いやはや、参ったね…俺達が結論を出す前から行動してたとはな」

アスカ「じゃあ…副司令がいないのって……」

MAGI『はい。多分…なんとか続編が作れないかと走り回っている最中なのではないのかと』

MAGI『確か、昔お付き合いされていた方の紹介で配給会社に…』

シンジ「もしかして…」

ゲンドウ「………」

シンジ「父さん、そのこと…知ってたの?」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「……ああ」


895: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:35:34.26 ID:dUK8FPLAO
ミサト「ってことはさあ、副司令はリツコのこと……」

日向「こ、これって…」

綾波「……両想い」

ミサト「りょ、両想いってレイ……」

加持「…久々に聞いたフレーズだな」

青葉「な、なんか胸がムズムズするっていうか」

アスカ「…こっぱずかしいわね」

日向「だけど問題は赤木博士なんだよなあ…」

ミサト「妙に意地っ張りなんだからアイツは」

カヲル「大丈夫さ。きっと彼女も分かってるよ。…自分がどうするべきか」

カヲル「僕は信じているよ。赤木博士を」にこっ

アスカ「…あんた、リツコの何なのよ」


マヤ「…………」

896: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:36:00.44 ID:dUK8FPLAO
【市内某所】

冬月「ああ、すまないが午後から、ここの企画部の人間に会う約束を……」

受付嬢「冬月様ですね。只今…」

??「いいわ。私ならここにいるから」

冬月「………」

??「どうも冬月副司令」

冬月「き…君は!」

??「『お久しぶり』です」にこっ

―――――


897: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:36:27.50 ID:dUK8FPLAO
【ネルフ・実験場】

ミサト「ま、という訳でとりあえず…明日にはキング、スタチャ、それから第2TV東京には話をするとして……」

技術部員A「か~つ~ら~ぎ~さ~ん」

マヤ「……予定より2時間オーバーです」

技術部員A「赤木博士が不在でただでさえ倍以上の時間が掛かるんです!」

ミサト「ご、ごめんね!じゃ、じゃあささっと、ささっと終わりにしちゃいましょ!」

マヤ「4人共、準備はいいかしら?」

アスカ「ういー」

シンジ「はい」

綾波「いいわ」

カヲル「いつでもどうぞ」


898: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:36:54.54 ID:dUK8FPLAO
ミサト「んじゃ、テスト開始!」

マヤ「A07から13まで接続開始」

オペレータ「システム、正常に稼働しています」

アスカ「………」

綾波「………」

シンジ「………」

カヲル「………」

シンジ(……そうだ、僕達は何かを忘れていた)

シンジ(大変だったけど)

シンジ(でも…見方を変えれば…もの凄く楽しかった)

???「そう。これは君が望んだ世界なんだから」

シンジ「………声?」

???「遂に、君に教えてあげられる時が来たようだ」

シンジ「な……なにを……」

シンジ「!」


899: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:38:15.60 ID:dUK8FPLAO
シンジ(ぼ、僕が…僕から…離れていく?)


シンジ(な…なんだこれ!)

―――

マヤ「あ…あの…葛城さん」

ミサト「どしたのマヤちゃん」

マヤ「4人の精神グラフに小さく…ですが、妙な動きがありまして」

ミサト「でも…特に警報は…なってないし……」

オペレータ「パイロットの肉体にも異常、ありません」

マヤ「そうですか…ちょっと過敏になりすぎちゃってるのかしら」

アスカ「………」

綾波「………」

シンジ「……」

カヲル「………」ニヤッ


900: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:38:47.35 ID:dUK8FPLAO
―――――


シンジ「……暗い」

アスカ「な、なんなのよ…ここは」

綾波「いつの間に……」


カヲル「やあ」


アスカ「……カヲル」

シンジ「カヲル君…」

綾波「………」

カヲル「すまないね。君達をここに連れて来たのは僕なんだ」

カヲル「この間は…やり方がまずかったようで、大騒ぎにしちゃったけど」

アスカ「な…なんなのよ一体…」


901: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:39:16.80 ID:dUK8FPLAO
カヲル「初めに伝えておく。今から僕が君達にする話は君達に是非とも聞いて欲しい」

カヲル「ただ、君達がこの話を覚えていることは非常に不味いんだ」

アスカ「意味が全くわからないわ」

シンジ「言ってることが矛盾してるよ」

カヲル「そう。だから、その矛盾を実現するために、『君達』の『深層心理』にきてもらった」

アスカ「はぁ?」

綾波「……つまり」

綾波「私達は私達自身ではなく、ココロの一部、深層心理そのもの…なの?」

カヲル「そうさ。そう言うことだ。」

902: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:39:52.45 ID:dUK8FPLAO
カヲル「まあ、気楽に話を聞いてくれればそれで良いんだけどね」

アスカ「で、話って何よ」

カヲル「そう。これから僕が君達に伝える話…」

カヲル「……それは、『この世界』の真実だ」

アスカ・綾波・シンジ「し…真実?」

アスカ「ちょっと待ちなさいよ。」

アスカ「この世界の真実も何も、私達自身が見て、感じたもの…それ自体が真実でしょ?」

カヲル「そう。それも紛れもない『真実』だ。」

カヲル「だけどね、真実は幾つも存在するんだよ。」

綾波「真実は…いつも一つ…じゃないの?」


903: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:40:20.75 ID:dUK8FPLAO
カヲル「見方によれば幾つもの真実が出来上がる」

カヲル「間違った『認識』が真実とされてしまうかもしれない可能性も否定出来ない」

カヲル「絶対的真実は存在しないんだよ」

シンジ「つまり、カヲルくんは、僕達が見ているもの以外の何かが…存在するって言いたいの?」

カヲル「そうさ。」

アスカ「私達が見ている世界以外の世界……」

綾波「……それがこの場所なの?」

カヲル「半分正解で半分不正解かな」

アスカ「あー!もうごちゃごちゃするわね。さっさと説明しなさいよ!!」

カヲル「じゃあ…君達に教えよう」

カヲル「……もう一つの『真実』を」

904: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:41:32.06 ID:dUK8FPLAO
バッ

シンジ「うわっ!」

綾波「………な、なに」

アスカ「ま…まぶしい……」

カヲル「顔をあげて」

シンジ「ん……」

シンジ「………!!」


アスカB「……」

綾波B「………」

マヤB「………」

青葉B「………」

日向B「……」

リツコB「………」

冬月B「………」

ゲンドウB「……」

ミサトB「………」


アスカ「あ……あたしが……」

綾波「もうひとり……」


905: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:42:02.54 ID:dUK8FPLAO
シンジ「どうして……みんなが……」

カヲル「彼らはもう一人の君達、分身…いや、もっと近いのかな」

カヲル「この世界は彼ら、それから君達が作用し合って動かしていたんだ」

カヲル「と、いいつつ…彼等はもう消えてしまう寸前なんだけどね」

シンジ「どういう……」

カヲル「君達が『物語』として演じていたことは、全て彼らの『真実』なんだよ。」

綾波「もう一つの真実……」

カヲル「そう。僕達の世界ではあれが真実であり事実だった。」

カヲル「決まり事だったからね。全ては初めから仕組まれていたんだよ。」

906: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:42:40.59 ID:dUK8FPLAO
アスカ「じゃ、じゃあ私達がドラマを作っていたのも…」

カヲル「そう。それすらもシナリオの一部だ。」

カヲル「赤木博士はシナリオを書いていたんじゃなくて、シナリオによって、シナリオを書かされていたに過ぎない」

カヲル「君達も同様に、二重の意味で…シナリオを演じていた。」

シンジ「…そんなことって」

カヲル「『管理者』…とでも言えばいいのかな?」

カヲル「君たちはその存在によって生み出され、記憶を与えられ、ドラマを演じていた。」

アスカ「……気分の良い話じゃないわね」

907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:43:07.39 ID:dUK8FPLAO
カヲル「君達が不快感を覚えるのも無理はない。最初は完全に…彼らが君達を操っていたに過ぎなかったからね」

綾波「……何のために」

カヲル「抜け出すために…だ。」

シンジ「抜け出す…?」

アスカ「…何からよ」

カヲル「『シナリオ』から、さ。」

綾波「あなた達自身もシナリオに動かされていたのだと?」

カヲル「そう。止められない運命…宿命に選ばれ、演じされられていた。」

カヲル「そして幾度となくシナリオに立ち向かい、変えようとして来た」

カヲル「しかしどうしても決まり事は果たさなければならない」

908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:43:34.05 ID:dUK8FPLAO
カヲル「…君達は希望なんだ」

シンジ「希望?」

カヲル「最初から『ドラマ』として演じれば…『決まり事』を果たす事ができる。」

綾波「そして、シナリオに翻弄されることも防げる…と?」

カヲル「そう。それに君達は…彼らが望んだ『碇シンジ』であり、『惣流アスカ』であり、『綾波レイ』でもあるんだ」



シンジ「僕が望んだ…僕」



アスカ・綾波「私が望んだ…私」

909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:44:01.76 ID:dUK8FPLAO
カヲル「そしてこのドラマは、僕達にとっても君達にとっても…」

カヲル「シナリオという宿命から脱する大きなチャンスであり、彼らにとって…」

カヲル「…『補完計画』そのものなんだ」

アスカ・綾波・シンジ「補完…計画……」

アスカ「……じゃあ私達はずっとあんた達の茶番に知らず知らずのうちに…付き合わされていたってワケ?」

シンジ「と言うより…操り人形だったのか……」

カヲル「いや、それは少し違う」

カヲル「『決まり事』を終えて行く度に…新しい世界に近づくことが出来る。」

910: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:44:29.10 ID:dUK8FPLAO
カヲル「それは、シナリオからの脱却を意味し…今度は君達が、君達自身の話を作りあげることが出来るんだ。」

綾波「私達自身の…物語?」

カヲル「そう。誰のシナリオでもない、君達自身のエヴァンゲリオンが…始まるのさ。」

カヲル「そしてそれは、彼らの新しい物語の始まりでもある。」

カヲル「彼らは君達、君達は彼ら…離れていき、そして融合していく存在だ。」

シンジ「なんだか矛盾しているような…」

カヲル「そう。その矛盾こそがこの世界だ。」

911: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:44:56.24 ID:dUK8FPLAO
アスカ「んで、私達はいつまでこの茶番につき合ってりゃいいワケ?」

カヲル「勿論、この物語が完全に終局を迎えるまでさ」

カヲル「だけど、一つの物語の形が終わろうとしている今…」

カヲル「君達は自分の意志で『どうするべきか』『どうしたいか』選択することが出来る」

アスカ「……さっきからあんたの言ってることが全然わかんないんだけど」

アスカ「とにかく私達が…運命とやらに勝つためには最後までドラマを続けろってことでしょ?」

カヲル「そう。ただし、それを良しとしない人間がいることも確かだ」

912: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:45:22.78 ID:dUK8FPLAO
綾波「それが自由の意志…なのね」

カヲル「そう。そしてその存在は人の迷いそのものでもあるんだ。」

カヲル「そして覚えていて欲しい。この世界は…」

カヲル「今まで、何度となくお互いを戦い、悲しみ、憎み、恨み、愛し……」

カヲル「そして許し…認めあって出した結論なんだと。」

カヲル「そうだよね…シンジくん?」

シンジ「カヲル…くん…」


913: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:45:50.55 ID:dUK8FPLAO


――――

ミサト「ちょっと、みんなテスト終わったわよ」

シンジ「あっ…」

綾波「……」

アスカ「ぼーっとしちゃってたわ」

カヲル「………」

シンジ(あれ…なんか大事なことを考えてた気がするんだけどなぁ)

アスカ(なーに考えてたのかしら)

綾波(……全く思いだせないわ)

マヤ「疲れが出たんでしょうかね…」

ユイ「1日強行軍だったみたいね」


914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:46:47.98 ID:dUK8FPLAO
ゲンドウ「ユイ…会議は終わったのか」

ユイ「ええ。あなたは途中で抜け出しましたけど^^」

ゲンドウ「……」

ナオコ「こっちも地下のメンテ終了よ」

ちびアスカ「みんなおはよう~」

ちびレイ「おそようのまちがいじゃなくて?」

ちびアスカ「っさいわね!」

ちびシンジ「どうも、みなさんこんにちは」

ミサト「ああ、何だかちび達とは久しぶりな感じがするわね…」

ユイ「あら…そう言えばコウゾウ先生はまだ戻ってないのかしら………?」

ゲンドウ「さっきネルフに向かってると連絡があった。」

キョウコ「よかったわ~丁度見て欲しい資料があったし…」

ナオコ「あ、そうだわ…リッちゃんに連絡しないと…何やってんのかしらあの子……」




915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:47:14.94 ID:dUK8FPLAO
――――

リツコB「あなたは……なにを望むの」

リツコA「わたしは……」

リツコA「わたしは、もう一度戻りたい。」

リツコA「もう一度、ネルフに戻って…」

リツコA「ドラマを…つくりたい!」

リツコA「副司令に…受け入れてもらいたい」

リツコA「でも………」

リツコB「『もう遅い』?」

リツコA「………」


916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:47:52.90 ID:dUK8FPLAO
リツコB「本当にそうかしら」

リツコB「晴れの日は気分よく、雨の日は憂鬱。そう教えられたら、そう思い込んでしまう。」

リツコB「現実を見る角度、置き換える場所。これらが少し違うだけで、心の中は大きく変わるわ。」

リツコB「絶対的な真実は存在しない。別の可能性はどこにでも存在するのよ」

リツコB「……あなたは何を望むの?」

リツコA「私は…」

リツコA「私はもう一度書きたい…」

リツコA「もう一度…みんなのところに…戻りたい!」

リツコA「副司令に……」


リツコA「……もしかしたらまだ…続けられるかも知れない」




リツコA「まだ…間に合うかもしれない」





リツコB「………」ニコッ


917: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:48:20.03 ID:dUK8FPLAO





――――

ガバッ

リツコ「………」

リツコ「………着替えなきゃ」

――――






プルルルルルル…

ナオコ「……出ないわね」

キョウコ「ケータイは~?」

ナオコ「そっちも出ないのよ」

ナオコ「……どうしたのかしら」

諜報部「失礼致します!」

ユイ「どうしたの?血相かかえて…」

諜報部「赤木博士が…」

一同「………!」




918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:48:47.11 ID:dUK8FPLAO
ミサト「リツコがいなくなったあ!?」

諜報部「も…申し訳ありません……」

青葉「ま、まさかマジで自殺なんてことは…」

一同「………」

アスカ「ちょ、ちょっと!早く探さないと…」

シンジ「り、リツコさんが…!」

ミサト「どっ、どうしよう!どうしよう!」

マヤ「せ、センパイが!センパイが!センパイ」

ちびアスカ・レイ「大変なの!大変なの!」

ちびシンジ「正直リツコさんは範囲外だったけど…いや、今思うと意外に…うわあああ!!大変だあ!!!!」

ゲンドウ「……」おろおろ

あたふたあたふた

919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:49:32.96 ID:dUK8FPLAO

ナオコ「………」

ナオコ「リツコの部屋に携帯は?」

諜報部「携帯…ですか?」

諜報部「ええ…持ち出されていました」

ナオコ「MAGI!」

MAGI『ガッテンです!』

MAGI『MAGIシステム、リツコおねーさんの携帯に干渉します』

綾波「一体なにを…」

MAGI『携帯の場所を探知します』

アスカ「でも、電源切られてたら…」

MAGI『MAGIをなめんなです!!』

MAGI『っと、割り出し完了です!』

一同「!」


920: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:50:07.00 ID:dUK8FPLAO
ミサト「で、で、リツコは!?」




MAGI『リツコおねーさんの居場所は……』





一同「……」ゴクリ






MAGI『ここです』





一同「……」



一同「……はい?」





MAGI『ですからネルフ内です。ああ…だからヤケに割り出しが早かったんですねぇ』


921: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:50:36.81 ID:dUK8FPLAO
ミサト「あっ…あいつ……」

アスカ「何ちゅう人騒がせな……」

シンジ(っていうか今回は僕らが勝手に騒いでただけのような……)



ナオコ「しかし…リツコが自らネルフに来るなんて…どう言うことかしら……」

綾波「確かに……」

シンジ「何か……あったんじゃ……」




ちびアスカ「なにかって…なんなの?」

ちびレイ「なの?」




一同「………」




ミサト「……いってみましょう」


922: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:51:29.01 ID:dUK8FPLAO
――――

リツコ(どうしたのか…自分でもわからないけど)




タッタッタッタッ




リツコ(私は…行かなきゃいけない気がする)





タッタッタッタッ




リツコ(いや、行きたいのよ。)





タッタッタッタッ





リツコ(私は……私は……)





冬月「うわあああああああ!?」
リツコ「へっ!?」






ごっつーん☆★☆






??「あ、あちゃちゃ…」


923: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:52:02.50 ID:dUK8FPLAO




リツコ「んっ…いたたたたたた……」



冬月「んぐっ……」




リツコ「ごめんなさい…急いでいて……」



冬月「いや…大丈夫だ……」






リツコ「!」
冬月「!」







リツコ「ふ…冬月副司令…」
冬月「赤木…博士……」




924: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:52:30.94 ID:dUK8FPLAO
冬月「げ、元気にしていた…かね?」

リツコ「え…ええ……」

リツコ(℃¥$¢£%%#&*@)

??「大丈夫ですかお二人ともー?」

冬月「あ…ああ…」






リツコ「!」





リツコ(お…女………?)



??「あ、赤木博士お久しぶりです」ニコッ



リツコ「あ、あなたは……!」


925: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:53:02.45 ID:dUK8FPLAO
??「ふふっ。覚えてますか?」





マナ「霧島マナでーす♪」






リツコ「!!!!!!!」





―――

アスカ(小声で)「ちょ、ちょっとアイツ!」

シンジ(小声で)「き…霧島さん?」

綾波(小声で)「来てみたら…物凄い展開になってたわね」

ゲンドウ(小声で)「ふふっ…後で冬月をからかうネタが出来た」

カヲル(小声で)「…碇司令、この場でもそんなこと言うんですか」





加持(がんばれ…リッちゃん)


926: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:53:29.69 ID:dUK8FPLAO
ミサト「……」ゴクリ

マヤ「センパイ……」

青葉(あ、ヤッベ今日のマヤちゃんすんげーかわいいわ)

ペンペン「クエェ…」

アスカ(小声で)「ってペンペン!?」

綾波(小声で)「どっから湧いてきたのよ…」

ミサト(小声で)「あっ…ヤバ、部屋に鍵掛け忘れてたわ……」


927: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:54:06.82 ID:dUK8FPLAO

リツコ「どうしてあなたがここに―」

マナ「……」ニヤニヤ

冬月「それはだな赤木博士…」

リツコ(まず2人でここにいるということは…さっきまで男女が2人きりだったということ)

リツコ(霧島マナのあの余裕しゃくしゃくな笑み)

冬月「実はだな、あの後キャラーは解散し、彼女は大手制作会社にヘッドハンティングされている」

リツコ(そして副司令がわざわざ彼女をネルフまで連れてきている…)


928: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:54:39.44 ID:dUK8FPLAO
冬月「私の知り合いが偶然にも彼女の知り合いでな」



リツコ(それは多分、みんなに彼女を合わせるため……)



冬月「まあ…かつては敵同士だったが、今度は我々のため…一肌脱いでくれるようだ」



リツコ(いや、でも…2人はかつて敵同士でそんなに絡んでは…)

リツコ(……いや、敵同士でも恋愛関係は成立するわ!)




リツコ(ハマーンとシャア…とか)




リツコ(…いや、あれは破綻していたか)


929: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:55:26.85 ID:dUK8FPLAO
冬月「私も出来る限りコネクションを使い、君がもう一度…戻ってきてくれるよう力をつくす」



リツコ(でも、あり得なくもない話よ……)

リツコ(なるほどね…二人は密かにつき合っていて…)





冬月「だから赤木博士…戻って来てはくれないか」




リツコ(ネルフに結婚の報告をしにきたのよ)




冬月「……私は、いつまでも君を待っているよ」



リツコ(でなけりゃ…でなけりゃ…こんなこと……)







冬月「だから、『私の為』に」






冬月「戻って来てはくれないか」





一同「!」


930: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:55:59.12 ID:dUK8FPLAO
アスカ(小声で)「ちゅ、ちょ、これって…これって!」

ゲンドウ(小声で)「……間違いない」




ミサト(小声で)「告白よ」





シンジ(小声で)「こ、これが…告白……」

綾波「初めて生で見たわ…」

加持(小声で)「リッちゃん…」

ナオコ(小声で)「さあ、リツコいけ!いくのよ!」

マヤ「……」



リツコ「………」

冬月「………」






リツコ「……あり得ないわ!!!」





一同「………」

一同「……えっ」


931: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:57:04.25 ID:dUK8FPLAO
ミサト(小声で)「ちょ、ちょ、り、リツコ?」

アスカ(小声で)「な、なにが…どうなって……」






冬月「あ…有り得ないとは…赤木博士……」




リツコ「敵同士だったのに……?」

冬月「確かに我々は敵同士だったが、彼女は(協力)してくれると…」



リツコ(やっぱり…結婚、するつもりなのね……)


932: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:57:43.18 ID:dUK8FPLAO
冬月「手を組んで…昔のことは忘れて仲良くやりたいと思っている」


リツコ(『手を組んで』『仲良く』!?)



冬月「実現の為に…彼女は上とやりあってくれた」



リツコ(や…ヤりあうって……///)



冬月「彼女となら(良い作品を)作れると思うのだよ」



リツコ(こ…子供まで作るつもりなの!?)
リツコ(このロマンスグレー……)




リツコ「そう…ですか…」






リツコ「……どうして、言ってくださらなかったんですか」


933: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:58:30.70 ID:dUK8FPLAO
冬月「いや、伝えようにも…手段が……」




リツコ「……わかっていたんでしょう。」

リツコ「……私の気持ちを」






冬月「ああ…そうだな…簡単には受け入れては貰えないかもしれん……」

冬月「だが、今の状況には…彼女が必要なのだよ」

冬月「君も…協力してくれるかね?」



リツコ「……協力?」



冬月「ああ」



リツコ「………」すぅ







リツコ「ふざけんじゃないわよおおおおおおおおおお!!」








冬月「へ…へっ?」


934: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 01:59:23.90 ID:dUK8FPLAO
リツコ「あーいいわよ!もういいわよ!みんなどうでも良いわよ!!!!」

リツコ「えー?なに?どうせ私の気持ちしってたクセにね」

リツコ「結局弄んでたってワケですのね!!!!!あっはははははははははは!!!!!!」



冬月「も…弄ぶ?いや…赤木博士……」




リツコ「知ってるならさっさと冷たくするなり飛ばしてくれりゃーいいのに」

リツコ「散々私は悩んでたってーのにユイくんユイくん言ってる裏で女と逢い引きwwwwwwwwwwwwww」

リツコ「カーッ!!!さっすがモテる男は違うわよね!!!!!」


935: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:00:02.21 ID:dUK8FPLAO
リツコ「高齢●●の出る幕もございませんwwwwwwwwwwwwww」

冬月「あ、あの赤木博士…君はなにか勘違いを……」

リツコ「んで仕舞いには結婚の段取りの協力?ふざけんじゃないわよ!」






リツコ「私は!私は……!」ボロッ

リツコ「あたしは……じゃあ……あたしは……」ボロッボロッ

リツコ「他人に好意を持てた自分をやっと肯定出来た私は……」






リツコ「なんだっていうのよお!!」ボロッ…ボロッ…




リツコ「…バカみたいじゃなくって……」ボロッ…ボロッボロッ……


936: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:01:11.40 ID:dUK8FPLAO
マナ「あ、あの…赤木博士…酷く誤解されてるみたいなんですが……」

マナ「私、別に副司令と結婚なんて…しませんよ?」





リツコ「………」






リツコ「へっ」




マナ「いや、ですからぁ、エヴァンゲリオンの続編映画の制作のお手伝いをさせて頂こうと」

リツコ「じゃ……じゃあ作るっていうのは?」




マナ「作品」




リツコ「えっ……?」

マナ「その挨拶に私は来ただけです」




リツコ「……」


リツコ「………///」カアアッ


937: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:02:22.42 ID:dUK8FPLAO
リツコ「あ、あの…副司令……」

リツコ「も、申し訳ありませんでしたわ……わ、私……」




冬月「………」



リツコ「で、出来れば……さっき話したことは忘れてくださると……」




冬月「……忘れられんよ」





リツコ(……終わった。終わったわ。)

リツコ(八丈島かしら小笠原諸島かしらそれとも北方領土かしら南極かしら)

リツコ(最悪クビね。……明日から下のコンビニでバイトかしら)









冬月「好意を持つ女性に良い返事を貰えたんだ。忘れられないに決まっているだろう」





リツコ「………」





リツコ「へっ」


938: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:02:57.53 ID:dUK8FPLAO


リツコ「へっ、へっ、あ、あの………」



冬月「………」



リツコ「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ、副司令…あの……」




冬月「君をよく知るうちに…君は素直に面白い女性だと思った」

冬月「だが、知れば知るほど分からなくなってくる……実に魅力的だ」




冬月「いや…この気持ちを言葉で説明すること自体が無粋だ。」



マナ「キャー!キャー!」


939: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:03:41.73 ID:dUK8FPLAO
リツコ「そ……そ……そんな……あの……ふぇ……」



冬月「戻って来て…エヴァンゲリオンを完成させてはくれないか」



リツコ「あ……え……あう……」



冬月「そして……私と、共に歩んでは貰えないか。」




冬月「まあ、相手は老いぼれだからな。どのくらい進めるか、たかが知れているがね」

リツコ「あっ…ひゃ……ひゃの……!」

リツコ「………」ゴクリ





リツコ「……わ、私で……よろしければ……」






冬月「是非とも」ニコッ

リツコ「……///」


940: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:06:07.32 ID:dUK8FPLAO
わあああああああああ!!!!!!!!!



冬月・リツコ「!?」




パチパチパチパチパチパチ

リツコ「ちょ、ちょっと、あんたちどこから……」

ミサト「おめでとう!」
アスカ「おめでとう!」
レイ「…おめでとう」

カヲル「おめでとう」ニコッ
シンジ「おめでとうございます」
加持「おめでとう!」
キョウコ「おめでとう~」
マナ「おめでとう♪」

ちびアスカ「おめでとう!」
ちびレイ「おめでとうなの」
ちびシンジ「おめでとうございます」

ペンペン「クエッ!クエッ!」◇<ラー!

日向「おめでとう!」
青葉「おめでとう!」
マヤ「おめでとう!」
ヒデアキ「おめでとう」

ユイ「おめでとう」
ゲンドウ「おめでとう」


ナオコ「おめでとう」
MAGI『おめでとうございますです!』

冬月・リツコ「………」





冬月・リツコ「あ…ありがとう……」




喪女にさようなら



ネルフにありがとう




そして




すべての高齢●●に







   お め で と う                






942: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:07:55.15 ID:dUK8FPLAO
パチパチパチパチ




リツコ「………」





リツコ「……ふふっ」 ニコッ



パチパチ……パチ……




ミサト「と、祝福はここまでにして……」





ミサト「ゴルァアアアアアア!!!!!!!!」


943: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:08:28.89 ID:dUK8FPLAO
リツコ「ちょ、ちょっとお、いきなりうるさくってよ。近所迷惑だわ」

ミサト「このジオフロントにご近所さんなんかいねえっつうの!」

アスカ「いなくなったって聞いたから、散々心配してたんだからね!」

綾波「自殺、しちゃうんじゃないかって……」


リツコ「はっ?自殺?」




リツコ「ふっ…んふふふふ……」





リツコ「んふっwwwwwwwwwwwwwwさすがに自殺とかwwwwwwwwwwwwww自殺とかないわwwwwwwwwwwwwww」





ミサト「こっ、こいつ…私達の気も知らないで…」


944: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:09:08.59 ID:dUK8FPLAO




マヤ「センパイ!」タッ




リツコ「マヤ…」

マヤ「良かったです…センパイが…センパイが元に戻ってくれて……」





マヤ「センパイが戻って来てくれて!」ギュッ

リツコ「……ありがとうマヤ」ギュッ



青葉(良かったなぁ…マヤちゃん…)




カヲル「どうやら…赤木博士については一件落着、みたいだね」






シンジ「な、なにはともあれ、良かったの……かな?」


945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:09:41.47 ID:dUK8FPLAO
ミサト「んじゃあ、すっかり調子が良さそうになったところで……」

アスカ「今まで私達があんたを心配した分……」

ミサト・アスカ「返させてもらうわよ」

リツコ「……えっ、や、やだぁ」






リツコ「いやあああああああ!!!!」





ミサト・アスカ「待てゴルァアアアアアア!!!!!!」



946: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:10:21.57 ID:dUK8FPLAO
加持「なんだか…リッちゃんらしくて良かった」




ナオコ「あら、加持くん…それはちょっぴり違うわよ」

加持「……違う、とは?」





ナオコ「あの子…変わったわ」



ナオコ「昔は…あんなにかわいく笑わなかったもの」

加持「……確かに」




ナオコ「あの子の中で何があったのかよく分からないわ」

ナオコ「だけど、あの子が『何か』を乗り越えたことは間違いない。」





ナオコ「おめでとう、リツコ」


947: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:10:56.67 ID:dUK8FPLAO
ゲンドウ「冬月」

冬月「……碇」




ゲンドウ「……ふん」

冬月「『ふん』とは何だ。」



冬月「言っておくが、別にお前に負けた訳でも何でもない。」
ゲンドウ「スピード破局しないことだな。その際には週刊誌に売り込んでくれる」

冬月「お前こそユイ君に愛想を尽かされぬようにな。その際は第3東スポに売り込んでくれるわ」





ゲンドウ・冬月「……ふん」


948: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:11:26.81 ID:dUK8FPLAO
ユイ「二人とも、こんな時にケンカはよして下さい。」





ゲンドウ「ユイ!」
冬月「ユイ君」





ユイ「…マグロ漁船に売り込みますよ^^」




ゲンドウ・冬月「ひ…ひいぃっ!」



949: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:11:56.19 ID:dUK8FPLAO
ちびアスカ「あいのコクハクかぁ…私もいつかシレーから、ああいうジョーネツてきなコクハクをうけたいわ!」

ちびシンジ「……むりだとおもう」

ちびアスカ「ぬ、ぬわぁんですってぇー!?」



ガスっ



ちびシンジ「な、なぐるなよお!」

ちびレイ「痛そう…なの…」





キョウコ「ふふっ。ちび達も後少し大人になれば分かるかもね~」

ちび一同「なにが?」





キョウコ「ひ・み・つ~♪」




950: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:12:26.68 ID:dUK8FPLAO
MAGI『MAGIはぁ、MAGIは嬉しくて水道管破裂させちゃいそうです!』

ペンペン「クエッ…」(おい、シャレになんねーぞそれ…)

MAGI『愛の告白…MAGIもいつかは恋愛出来るんでしょうか…』




◇<ラー…(レイさんもいつか嫁にいっちまうのか……)






綾波(私もいつか…いつか言えれば……)



綾波(でもまだ……)




951: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:13:42.46 ID:dUK8FPLAO
アスカ「リツコのやつ…どこいきやがった…」

アスカ「こら、シンジ!邪魔!」

シンジ「じゃ、邪魔ってアスカ…ほら、コーヒー飲んで落ち着いてよ」




アスカ「!」



アスカ「さ…さんきゅ…」




シンジ「綾波!」

綾波「い…碇君」




シンジ「綾波もコーヒー…どうぞ」





綾波「あ…ありがとう」






綾波(…まだ、もう少しこのままでいたい。)




952: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:14:10.37 ID:dUK8FPLAO


カヲル「シンジくん、僕には?」

マナ「シンジくん、私にもないの~?」

ゲンドウ「し、シンジ、父さんの分は?」





シンジ「………」






シンジ「………ごめん」

953: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:15:06.35 ID:dUK8FPLAO
【会議室】

ミサト「で、まあ…何だかんだ全員揃ったところで今後について話合おうと」






リツコ「最終回はどうするつもりだったのぉ~?」ポリポリ

ミサト「……調子乗ってんじゃないわよクソアマ」




ミサト「まあ、いいわ…とりあえず24話で打ち切りって方向にしようかと思ってたのよ」

マヤ「センパイが戻って来た上で続編を考えようかと…」

青葉「まあ、現にこうして状況的にはなんとかなりそうな雰囲気にはなっていますけど」


954: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:15:43.60 ID:dUK8FPLAO
リツコ「霧島さん、あなたはどうやって続編をつくるおつもりで?」

マナ「ど、どうやって…ですか?」

リツコ「うちには予算も何も無いのよ。セットも吹き飛んじゃったし。」

アスカ「…ほぼアンタのせいでしょうが」

マナ「とりあえず、予算については考えてきました。」

リツコ「と、言うと?」

マナ「端的に言います。」





マナ「『お下品な商売』をするんです」






一同「お下品な商売ぃ~?」



955: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:16:35.36 ID:dUK8FPLAO
マナ「そうです。なりふり構わず、ただファンにお布施を要求するようなやり方です。」

マナ「とりあえず映像に関してはDVD、ブルーレイ、DVDBOX、ブルーレイBOX、DVDBOX完全版、ブルーレイBOX完全版を出します」



シンジ「えっ…えげつない……」



マナ「その全てに違う特典をつける。」

リツコ「でも…それに似たようなことなら少しは考えたけれど」




マナ「そして…ここからが重要です。」






マナ「全ての商品に特製キャラクターカードをランダムに封入するんです」




アスカ「…カードがなんだって言うのよ」


956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:17:04.40 ID:dUK8FPLAO
マナ「全154種、思わずファンが欲しくなる用なレアカードを用意するんです。例えば…」




リツコ「セクシーショット、とか?」ニヤッ




アスカ「ちょ、ちょっとお!!?」


マナ「それを手に入れる為、はたまたカードをコンプリートするためにはたくさんのDVDやブルーレイを買わなければならない…」




マナ「勿論ラジオのCDでも同じことをします」





ちびアスカ「あ…あくまだ」
ちびレイ「あくまの考えなの…」


957: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:17:34.54 ID:dUK8FPLAO
マナ「それと…本格的にパチンコ産業に版権を売り込むことは必要です」


ミサト「パチンコは一回やったけども……」

加持「パチンコ自体に不信感があるからなぁ…」

アスカ「人の人生ぶちこわしちゃう可能性だってあるじゃないのよ」


マナ「しかし、版権を売れば…大きな収入が期待できます。」

マナ「それからグッズも出来不出来は気にせず出来るだけ量産すること」

マナ「エヴァンゲリオン関連のグッズは常に品薄状態なんです。」


958: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:18:12.24 ID:dUK8FPLAO
マナ「ゲームも量産します。内容はクソゲーでも構いません。エヴァンゲリオンというブランドが必要なんです」

マナ「とりあえず売れるものは全て売る!やれることはお金のためならなんでもする!」



ミサト「い、いくら何でもそこまでは……」



マナ「葛城さん。『そこまで』しなければいけない状況に我々は陥っているんです。」

マナ「映画をつくる為には、テレビより、多くの予算が必要になるんです」

マナ「加熱できる時に加熱しなければいけないのです!!」



ミサト「それは…そうだけど……」


959: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:18:41.10 ID:dUK8FPLAO
アスカ「いくらなんでも下品過ぎるというか……」

シンジ「……えげつなさ過ぎるというか」

リツコ「でも…もしかしたら私達が物語を続けるということはそう言うことなんじゃないのかしら」




リツコ「なりふり構わず、泥だらけになっても、批判されても…何かを犠牲にしても作り続ける」

リツコ「それなりのリスクを背負い込まなきゃならないのよ」



一同「………」


960: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:19:12.00 ID:dUK8FPLAO
ミサト「……そんなやり方して、ファンが残ってくれるのかしら」


リツコ「さあ。」


マナ「ただ、そうしなければ作れないということなんです」




アスカ「言いたいことは良く分かったわ」

アスカ「だけど、こいつはかつてネルフをぶっ潰しにかかってるのよ!」





アスカ「今回だって何をしでかすか…」


961: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:19:40.78 ID:dUK8FPLAO
マナ「あの二人とは完全に縁を切ったわ」

マナ「……それに」

アスカ「それに?」




加持「……」ニコッ





マナ「あ、あんな目にあうのは…も、も、もうコリゴリだわ……」ガクガクブルブル




一同(か…加持さん、アンタ一体何やったんだ……)


962: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:20:25.77 ID:dUK8FPLAO
ミサト「まあ…出来るだけ下品にならないように私達も色々頑張るわよ」




ミサト「ぬ、ヌード写真集も考えても良かったり……」





アスカ「…それこそえげつないわね」

冬月「……下品極まりないな」
ゲンドウ「ああ」


ミサト「ちょ、ちょっとお!!」


963: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:22:02.82 ID:dUK8FPLAO
リツコ「…とりあえず売るものは一つでも多い方がいいわ」



リツコ「最終回は作りましょう」

ミサト「だ、だけどリツコ…時間が…」



リツコ「大丈夫よ。なるべく既存の素材を使って作るから」

リツコ「それに、無理やりオチをつけなくったって、思わせぶりなことしときゃあー視聴者は食いつくからぁwwwwwwwwwwwwww」

リツコ「『エヴァは哲学』とか言われる時代がくるわよぉwwwwwwwwwwwwww」




ミサト「……いつか、刺されるわよアンタ」


964: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:23:08.47 ID:dUK8FPLAO
アスカ「先が思いやられるわね」

綾波「の、割には嬉しそうだけど」

アスカ「なっ……///」

アスカ「うっ…うるさいっ」

ガスッ

シンジ「ってなんで僕がなぐられるの……」

965: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:23:40.13 ID:dUK8FPLAO






結局、テレビ版の最終回も劇場版も作られる事になった

良かったのか、悪かったのかのか僕にはよくわからないけど
多分、良かったんじゃないかな、と思う。


もう一度、僕たちの『エヴァンゲリオン』を続けることが出来る。




僕たちの世界を、続けることが出来る。






966: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:24:20.15 ID:dUK8FPLAO
【数日後】



ミサト「で、ほんとにアレ…納入しちゃったわけ!?」




リツコ「そう。」




ミサト「あんたねぇ…!」

リツコ「い、いやね?本当は違う予定だったんだけど…なんかこうなっちゃってね?」




リツコ「もう何か…むしろ、こうせざるを得なかったっていうか、もうこのオチしかなかったっていうか」

ミサト「夢オチの方がまだマシだったわよ!!」



リツコ「し…仕方ないじゃないのよ……」


967: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:24:47.73 ID:dUK8FPLAO
アスカ「ミサト。なに揉めてんのよ」

シンジ「どうしたんですか」

ミサト「どうしたもこうしたもないわよ!ほら、今からやるからアンタ達も見なさい!」

綾波「そう言えば今日…最終回……」



カヲル「楽しみのような…」




青葉「……不安のような」


968: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:25:14.32 ID:dUK8FPLAO
――――

幼女「もうすぐエヴァがはじまるよ!」

母親「良かったわね。一時期危ないって言われてたけど」



幼女「うん!スッゴく楽しみ!」



男「おいおい、エヴァの最終回だってよ」

男「決まって良かったぜ…マスゴミと石川は死ね」



969: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:28:54.91 ID:dUK8FPLAO
女「そうか。今日はエヴァだったんだ」

女「でも出動中だしなあ…」

男「今は待機中だし、バレないバレないって。ほれ、ワンセグ」

女「でも見つかったら隊長に怒られちゃうよ」

男「大丈夫だって。隊長だって待機中はいつも競馬の実況聞いてるんだから、おあいこだろ。」



男B「………っくしゅっ!」



男B「誰か、俺の噂でもしてるのかなぁ~……」


ラジオ『ストライクイーグル1着!1着です!』

男B「あっ……」

男B「これ、当たったわ…」


970: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:32:49.82 ID:dUK8FPLAO
【25分経過】


視聴者一同『……えっ』





シンジ「僕はここにいてもいいのかもしれない。」
シンジ「そうだ、僕は僕でしかない。」
シンジ「僕は僕だ。僕でいたい!」
シンジ「僕はここにいたい!」
シンジ「僕はここにいてもいいんだ!」


バッ!

わーわーわーわー

パチパチパチパチ




ミサト「おめでとう!」
アスカ「おめでとう!」
綾波「おめでとう」
リツコ「おめでとう!」
加持「おめでとう!」
ヒカリ「おめでとう!」
ケンスケ「めでたいなぁ!」
トウジ「おめでとさん!」
ペンペン「クエッ!クエッ!クエッ!」
日向「おめでとう!」
青葉「おめでとう!」
マヤ「おめでとう!」
冬月「おめでとう」
ゲンドウ・ユイ「おめでとう




シンジ「ありがとう」




母にさようなら



父にありがとう




そして全ての子供達に






        お め で と う           






視聴者一同『………』
視聴者一同『な、』







視聴者一同『なんじゃこらあああああああああああああああああ!?』

971: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:33:41.96 ID:dUK8FPLAO
―――――


アスカ「ゴルァあああああ!リツコおおおおおお!!」ガスッガスッガスッ



リツコ「ちょ、ちょっとイタいってば…」




ミサト「イタいのはアンタの頭よ!いい加減にしなさい!!」ガスッガスッガスッガスッ

リツコ「い…いやね?劇中のシンジくんにも視聴者の皆さんにも幸せのおすそ分けを……」





アスカ「こいつ、[ピーーー]![ピーーー]![ピーーー]![ピーーー]![ピーーー]!」



綾波「………」ガスッ!ガスッ!

マヤ「センパイ……」



リツコ「やだ…ホントに死んじゃうから…死んじゃうからぁ……!」


972: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 02:36:15.74 ID:dUK8FPLAO
キャーキャーキャーキャーキャーキャー




シンジ「こ…これで映画…大丈夫なのかなぁ?」




ゲンドウ「大丈夫も何も、やるしかないだろう」






ゲンドウ「…ネルフは財政難、なのだからな」






シンジ「……そうだね」






キャーキャーキャーキャーキャー








              終劇





979: ◆Ramiel/ra. 2011/02/06(日) 12:16:49.87 ID:dUK8FPLAO
今からあげます。

本編にあんまり関係ないです。本当にすいません。

あととりあえず某作品のオマージュというかパクリです
先に謝ります。本当にすいませんでした。

980: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:22:07.26 ID:dUK8FPLAO
終局の続き?


小噺



機関、壊滅す!

―――――


カタカタカタカタカタ




ミサト「主、曰く、人はパンのみに生きるにあらず」




ミサト「…以下略。」




ミサト「人はどのような状況であり、歯を食いしばってでも生きることから始めなければならず」



ミサト「生きる為に糧を求めることは『天地自然の理』であり、うんぬん。」



ミサト「まして、世界の平和を守る特務機関の職員においておや」





ミサト「常に健全な肉体や精神を保持することは『神聖なる義務』であり」





ミサト「その根幹が食生活におかれてある限り…うんぬん」



981: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:23:06.08 ID:dUK8FPLAO
カタカタカタカタカタ

ミサト「とりあえず私が何を言いたいのかと言うと」





ミサト「ちゃんとしたもんを食わなきゃロクに働くことも出来ねーよと言うことであり」




ミサト「それにとやかく文句を付ける無粋な人間は、南極の海に沈められるべきであります。」



カタカタカタカタカタ



ミサト「これから私が語る恐怖の出来事」

ミサト「特務機関ネルフを震撼させたばかりか、絶望の淵に叩き込んだあの忌まわしい事件こそ」

ミサト「その何よりの証であり、使徒を殲滅した我々と言えども」





ミサト「この人生最大テーマは撃破できぬ事を我々に示すものであります」





カタカタカタカタカタカタカタカタカタ


―――――

982: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:23:53.84 ID:dUK8FPLAO

PM11:30


ネルフ・実験場





クロテスト中





アスカ「シンジ、今日から食堂はカニフェアーなんですってよ」



シンジ「カニフェアー?」




綾波「そう。ファンの人がカニ漁師で、たくさん届いたらしいの…」

カヲル「カニはいいねぇ。海の恵みの極みだよ。」

ミサト「あたしも朝から楽しみでさあ~」

リツコ「子供ね」

ミサト「とか言いつつ、朝ご飯抜いてきてたのよこいつ。」

リツコ「ばっ…ちょ、な、何言ってんのよ……!」


983: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:24:47.76 ID:dUK8FPLAO
技術部員A「俺達なんて昨日、この話を聞いた時から楽しみにしてましたよ」

技術部員B「そんなこと言ったらネルフの職員みんなが物凄く楽しみにしてるさ。勿論俺も」

技術部員C「今日は戦争になるかもなww」

ミサト「だから、今日は事前申告制になるらしいのよ」

ミサト「勿論、ここにいるみんなの分は優先的に持ってきて貰うことになってるわよん♪」

技術部員一同「よっしゃあー!」

ミサト「じゃあそろそろみんなの希望きいて…誰か食堂に伝えにいってきてくれないかしら」

マヤ「あ、じゃあ私が。データの採集は終わりましたから。」

984: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:26:48.44 ID:dUK8FPLAO
マヤ「じゃあ皆さん、お願いします」

シンジ「じゃあ僕はカニ玉定食」

アスカ「あたしはカニクリームパスタ、アルデンテ、クリーム多めでね」

綾波「私はカニラーメン大盛り、ネギ抜きで」

カヲル「僕はカニクリームコロッケ定食」

ミサト「私はカニ釜飯大盛りで、それからカニ足追加トッピングで」

リツコ「私はカニあんかけ定食。ご飯少なめ」

ミサト「あれ?ご飯少なめ?いつも大盛りじゃなかったっけ」

リツコ「……ダイエットよ」

ミサト「ダイエット?ふぅ~ん」ニヤニヤ

リツコ「……ぶん殴るわよ」


985: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:27:15.05 ID:dUK8FPLAO
加持「俺もカニ玉定食でいいかな。あ、大盛りで頼む。それからホットコーヒーもセットで」


青葉「俺?俺はカニピラフ大盛り。カニ酢付きでよろしく」

日向「俺もカニピラフ大盛りでいいかなぁ…あ、でもグリーンピースは抜いて貰って」

技術部員A「俺はカニ丼特盛り!カニ酢とカニ味噌汁もよろしく」

技術部員B「カニクリームコロッケ定食大盛り。カニサラダも大盛りで。」

技術部員C「カニのバター焼き定食特盛り、カニの茶碗蒸し付きで、あ、それから焼きガニも追加で」

技術部員D「俺はカニ餃子定食ね。」


986: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:27:41.53 ID:dUK8FPLAO
技術部員E「お洒落にカニのミネストローネとでもいこうかな」

オペレータA「私はカニのグラタン定食で。あ、ご飯少なめね?」

オペレータB「私はカニのペスカトーレ、少なめで」

オペレーターC「俺は今日は胃が痛いからカニ雑炊で……」





マヤ「以上でよろしいですか?」



一同『よろしくー』




マヤ「あ、そうだわ。司令と副司令にも注文聞かなきゃ……」


987: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:28:07.20 ID:dUK8FPLAO
【司令室】

ゲンドウ「シンジは何を注文した」

マヤ「え…え?」

マヤ「あ…ええっと…確かシンジくんは最初…だったから…」
マヤ「えっと…確かカニ玉定食でしたかと」

ゲンドウ「うむ。それでは私はカニ玉定食で」

マヤ「で、副司令は?」

冬月「カニチャーハンで頼むよ」

マヤ「了解しました。」

マヤ「よし。これで全てね。食堂に急がないと……」



988: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:29:14.28 ID:dUK8FPLAO
【食堂】

食堂職員A「あいよ。注文は?」

マヤ「ええっと、カニ玉定食に、カニクリームパスタアルデンテのクリーム多め、カニラーメン大盛りのネギ抜き、カニクリームコロッケ定食」

マヤ「それからカニ釜飯大盛りのカニ足追加トッピング、カニあんかけ定食のご飯少なめ…それから…」

食堂職員A「それから?」

マヤ「えっと……」


―――――

マヤ「ごめんなさい、もう一度お願いします!」

シンジ「カニ玉定食でお願いします」

アスカ「ったくもう…カニクリームパスタ、アルデンテ、クリーム多め!」

綾波「私はカニラーメン…特盛りに変更。ネギ抜き変わらず」

カヲル「僕はカニクリームコロッケ定食。ソース多めでよろしく」

ミサト「さっきと同じでいいわ。」

リツコ「…私もカニあんかけ定食変わらず。…やっぱりご飯大盛りで」


989: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:30:44.75 ID:dUK8FPLAO
加持「カニ玉定食大盛り。それからホットコーヒーは辞めにして、カニ茶碗蒸しで」

青葉「カニピラフ大盛り。カニ酢付きでよろしく」

日向「俺もカニピラフのグリーンピース抜き、カニ酢追加」

技術部員A「カニ丼特盛りにカニ酢とカニ味噌汁もよろしく」

技術部員B「カニクリームコロッケ定食、特盛りに変更。カニサラダも特盛りで。」

技術部員C「カニのバター焼き定食特盛り、カニの茶碗蒸し付きで、あ、焼きガニはヤッパなし」

技術部員D「俺はカニ餃子定食大盛りに変更ね。」

技術部員E「カニのミネストローネは止めて、カニのクリームシチューで」

オペレータA「カニのグラタン定食。ご飯少なめね?」

オペレータB「カニのペスカトーレ、ヤッパ普通で」

オペレーターC「カニ雑炊、少なめで……」

ゲンドウ「カニ玉定食大盛りだ。私は一度決めたことは変えない主義なのでな」

冬月「右に同じだ」


990: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:33:08.59 ID:dUK8FPLAO
【食堂】

マヤ「はあ…はあ……」

職員A「注文は?」

マヤ「カニ玉定食、カニクリームパスタアルデンテクリーム多め、カニラーメン特盛りネギ抜き、カニクリームコロッケ定食ソース多め」

マヤ「カニ釜飯大盛りカニの足追加トッピング、カニあんかけ定食大盛り、カニ玉定食大盛りカニ茶碗蒸し付き」

マヤ「カニピラフ大盛り、カニ酢付き、同じくカニピラフ大盛りグリーンピース抜きのカニ酢付き、カニ丼特盛りカニ酢カニ味噌汁付き」

マヤ「カニクリームコロッケ定食特盛りカニサラダ特盛り、カニのバター焼き定食特盛りカニの茶碗蒸し付き、カニ餃子定食大盛り」

マヤ「カニのクリームシチュー、カニのグラタン定食ご飯少なめ、カニのペスカトーレ、カニ雑炊少なめ、カニ玉定食大盛り、カニチャーハン…」

マヤ「……以上で!」

職員A「了解。」

マヤ「12時30分までによろしくお願いします。」

職員A「分かりましたー」

マヤ「それでは…」


991: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:33:45.74 ID:dUK8FPLAO
――――

シンジ「あ、マヤさんお疲れ様でした」

マヤ「ええ。あなた達こそお疲れ様。」

ミサト「今日のテストはちょっち長引いちゃったわね」

マヤ「同時に行っているメンテナンスの方に結構エネルギー使っちゃってましたから」

リツコ「仕方ないわよ。エヴァの修理がやっと終わって最初のメンテナンスなんだから」

リツコ「ジオフロントのエネルギー供給システムが効率悪いのよ。」

青葉「その上財政難で更にエネルギー供給量が制限されてますからね…」

ミサト「だーれのせいかしらねぇ?」

リツコ「あ、あたしじゃないわよ」

ミサト・アスカ「おめーだああああああ!」ガスッ


992: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:34:29.82 ID:dUK8FPLAO
マヤ「まあ、今日は、たまたま被っちゃいましたからね…ネルフ内の他の施設に影響出なければいいんですが」

マヤ「あ。それから今日は自分の持ち場で食べるようにとのことです」

アスカ「ってことは、もちろんここまで持ってきてくれるんでしょうね」

マヤ「みたいですよ」

ミサト「とりあえず机運んで来ましょうか。」

リツコ「四人、よろしく」

シンジ・アスカ・綾波・カヲル「ええーっ?」

リツコ「アンタ達はただ喰い出来るんだからいいでしょ。これくらい働きなさい」

アスカ「……ちいいっ」


993: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:36:40.56 ID:dUK8FPLAO
【食堂】

職員B「いったか」




職員A「……はい」




職員B「………」



職員A「……どうします」



職員B「どうしますって…」





職員B「どおおおおおするよおおおおおおおおお!!!!!!!!」

職員C「とりあえず何だかんだ、理由つけてなるべく食堂には来させず、時間も稼げましたが……」

職員D「それだって時間の問題だぞ!」

職員E「どうすんだよ…本当に……」

職員A「どうしようもないぜ!だってまさか……」




一同『……』






職員B「まさか冷蔵庫が止まってるとは……誰も思わねえよ……」



994: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:37:14.24 ID:dUK8FPLAO
【2時間後】


アスカ「………」

シンジ「………」

綾波「………」

カヲル「……」

ミサト「………」

リツコ「……」

マヤ「お…遅い…ですね……」

アスカ「ああああああ!ムカつく!いくらなんでも待たせすぎでしょーがあ!!」

シンジ「あ…アスカ…ほら、今日はカニフェアーだしさ…混んでるんだよ……」

アスカ「混んでるもなにも、私達はネルフの柱なのよ!普通最初に持ってくるもんでしょうがあ!!キィー!!」

シンジ「お…落ち着いてよアスカ……」


995: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:38:10.03 ID:dUK8FPLAO
再び食堂

職員A「そっちはどうだ」

職員B「ダメです。腐ってますよ」

職員C「こっちもだ。カニは全面か」

職員D「今日はメンテとテストを同時にやってたからなぁ。うちのシステムが犠牲になったのか……」

職員E「しかし、「カニ腐ってましたごめんなさい」で済む話じゃねえぞ!」

職員A「暴動が起きかねねーぞ……」

職員B「あいつらのことだからな……俺達殺されるかもな……」

職員C「赤木博士の注文も入ってるんだぜ!」

職員D「…実験材料にされかねないぞ」

職員E「それから碇司令とその息子の注文も……」




一同『………』




職員A「……逃げるか」



996: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:38:58.85 ID:dUK8FPLAO
【さらに2時間経過】

アスカ「~おっそい!おっそい!おっそい!」

綾波「さすがにおかしいわ…」

カヲル「あまりにも遅すぎるね」

アスカ「いいわ!私が文句言ってやるんだからぁ!!」

シンジ「ちょ、ちょっとアスカぁ!!」

アスカ「内線、繋げ!」

オペレータA「りょ、了解!」

プルルルルル……


ガチャ

食堂職員A「はい。こちら食堂」

アスカ「ちょっとお!遅すぎるんだけど!!」

食堂職員A「はあ………」

997: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:39:29.03 ID:dUK8FPLAO
アスカ「こっちはね、お腹ペッコペコなの!しかもアンタ達のおかげで午後の予定先延ばしになっちゃってるんだからぁ!!」

職員A「もうしわけありませんね。今作ってるんで」

アスカ「さっさとしなさいよね!」

職員A「了解」




ガチャ





アスカ「いったったわ!」

ミサト「で?」

アスカ「もうすぐですって」

ミサト「そう。じゃあもう少し待ちましょうか」



998: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:40:15.47 ID:dUK8FPLAO
【食堂】

職員A「ど、どうだ!?」

職員B「い、一応作ってるが…」



職員C「大丈夫でしょうか」



職員A「火を通せば大抵のもんは平気だろう」

職員A「茹でガニはもう一度茹でりゃなんとかなる」





職員D「本当に大丈夫なのか……?」

職員A「大丈夫もなにも、こうするしかないだろう…」



一同「…………」




職員B「たしかに…諜報部は地の果てまで追ってくるって噂だしな……」






一同『………』

999: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:40:59.71 ID:dUK8FPLAO
【更に30分経過】

アスカ「…………」

シンジ「………」

綾波「………」

カヲル「………」

ミサト「………」

リツコ「………」

マヤ「………」

加持「………」

日向「……」


1000: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:42:22.27 ID:dUK8FPLAO
青葉「……遅いっすね」

アスカ「………」ズカズカズカ

シンジ「あ…アスカ?」




アスカ「………」




カチャ





プルルルルルルルルル




職員A「はいこちら食堂」




アスカ「………」








アスカ「おっそおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!」




キイイイイイイーン




【以降、次スレに続く】