1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:33:52 ID:XVTRhaQk
※怖いコピペ「きさらぎ駅」を中途半端にパクリました。許して

引用元: やすな「ソーニャちゃーん。どこー?」 

 

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:34:32 ID:XVTRhaQk
あるひ

ソーニャ(休日の内に近隣の地理を頭に入れておくか)
    (いざという時のために役立つかもしれないからな)
てくてく

ソーニャ(あいつがいないと本当に気楽だな)
てくてく

ソーニャ(ん?こんな道もあるのか……変に曲がった道だな)
てくてく

ソーニャ(お、抜けたぞ……商店街の門か。寂れてるな。シャッターが閉まっている)
てくてく

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:35:35 ID:XVTRhaQk
人影「……」ぬっ

ソーニャ「!?」ビクッ
するっゴトッ

おかっぱマネキン「……」
ひょい

ソーニャ「あ……どうも」
    (なんだ人形か)
    
ソーニャ(やすなに見えてしまった……)
     (いかん…あいつに侵食されすぎてる)
     (人形に驚いてケイタイをおとしてしまうとは……情けない)
てくてく

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:36:13 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「え!?」
がばっ

ソーニャ(今の、人形だったよな)

ソーニャ「いない」キョロキョロ

ソーニャ「見間違えか?」

ソーニャ「……」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:36:43 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「…あれ?ここは何処の道だ?」

ソーニャ「いつの間にか全然知らない場所だ。確か商店街にいたのに。まいったな」

ソーニャ「誰かにきくか?いやしかし……」キョロキョロ

ソーニャ「だれもいない」チラッ

ソーニャ「……うどん屋とすし屋があるな、閉まっているが」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:38:29 ID:XVTRhaQk
張り紙〈ケーキ店この先20m〉

ソーニャ「とりあえず行って見るか。とにかく誰かいれば交番の場所をきけるだろ」

ソーニャ「しかし、さっきのは一体なんだったのか」
てくてく

ソーニャ「まあ考えても仕方がない」
てくてく

ソーニャ「せっかくの休日なんだ。幻影に惑わされないようにしよう」
てくてく

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:39:15 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……20m?」

ソーニャ「おかしい。ケーキ屋らしきものはなにもない」キョロキョロ

ソーニャ「通り過ぎたか?ちょっと戻ってみるか」
てくてく

ソーニャ「……」
てくてくてくてく

ソーニャ「ない。さっきのうどん屋と、すし屋もない」

ソーニャ「それどころか、さっきと町並みが変わっている」

ソーニャ「……どういうことだ?」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:39:51 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ

ソーニャ「!」ビクッ

ソーニャ「携帯か」ホッ
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
ソーニャちゃ~ん助けてー

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:40:27 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「あいつも近くにいるのか?」

ソーニャ「まあ今はあいつの事は放っておこう」

ソーニャ「しかし、まっすぐ行ってまっすぐ戻ったはずなのに……」

ソーニャ「こういう時はまず住所だ。電信柱や家の前なんかに……」

ソーニャ「あった。……?」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:41:09 ID:XVTRhaQk
〔や牛頭-11サみ淵巣14〕

ソーニャ「目の錯覚か……?」ゴシゴシ

ソーニャ「……」ジーッ

〔廃ツ3-忌歯マ身焼之37〕

ソーニャ「!」びくぅ!
    
ソーニャ「さっきと変わっている」
「どういうことだこれは一体」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:41:42 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ

ソーニャ「……またメールか」
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
ケーキ屋見つからないよ~
道迷ったー!

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:42:36 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……どうやらかなり近くにいるらしいな」ゲンナリ
     「まあいないよりはマシか」
ぽちぽち

メール
【to】やすな
----------------------------------
おまえこそ今どこにいるんだ

ソーニャ「……」ピッ

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:43:11 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……」

ピピピピヒ
ピッ

メール
【from】キカMャォフミ
----------------------------------
erufiagbofuerererfbaioerjfowerf
fawefbiawoebfiahwebiawebfiwehfbwe[
fawefbiwehrfweuifbhlenpwerfwe908-09fwe
ewf9we-089-9xdif-ds0if-0asi0df-sasd
asd9fu8a0-e9wir@3p2r4la3@p2,dsffsdf
dffse90fujejkpldm,sporrwe9u8t09we48rw0e9wer
fsd0f78-s9df-sd0fio-@w3r5l2krojwepr

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:43:55 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「!!?」ビクッ

ソーニャ「お、おかしい。なぜこんなメールが来たんだ……」
     「のろわれているのか……?」

ソーニャ「いやしかし、あいつからはメールが届いた」
     「受信機能は問題ないんだ。それにすぐきた。つまりこのメールは」

ソーニャ「メールを送信できなかった、というメール……」

ソーニャ「そうだ。多分ケイタイの一部が壊れているとかなにかで……」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:44:38 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……」
     「まさか他の機能も?」ピポパ
prrrrrprrrrrrr……
……………
ガチャ
ソーニャ「!」

機械音声『この番号は現在、つかわれtおりまsん」
      『もう一度番gをごkくn……tう……し……d……』
ツー・ツー・ツー

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:45:55 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「くそう!」ピッ
    
ソーニャ「……つかえるのはメール受信機能と」
     「もしかしたら電話も受ける事は出来るかもしれない」

ソーニャ「しかし住所の表示や町並みがコロコロ変わるのは」
     「いったいどういうわけだ?」

ソーニャ……「なんでわたしがこんな目に」はぁー

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:47:18 ID:XVTRhaQk
誤字☓ソーニャ……「なんでわたしがこんな目に」はぁー
   ○ ソーニャ「……なんでわたしがこんな目に」はぁー

ソーニャ「しかたがない。とりあえず、駅の方を目指すか」
すたすた
    
ソーニャ「こちらから連絡がとれない以上、ケイタイは気にしても仕方がない」
すたすた

ソーニャ「しかし」
すたすた

ソーニャ「変わった町並みだ」
    「進むごとに、まるで別の町を歩いているような気分になる」
すたすた

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:48:10 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ

ソーニャ「……あいつか」
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
電話もメールもできなーい!
ここどこー?・・・圏外?

ソーニャ「……こっちが聞きたい」はぁー
     「気にせずすすむか」
すたすたすたすた

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:49:10 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……ん?向こうの方に線路が見えるな」
すたすた

ソーニャ「これに沿って歩けばどこか駅につくだろう」
すたすた

ソーニャ「……電信柱の住所」チラッ

〔きららぎ109-6〕

ソーニャ「よし。正常に戻ってるな。しかし、きらら木?聞いたことのない住所だ」
     「だがまあ、さっきの意味不明なものよりかはマシか」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:49:51 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ

ソーニャ「……またか」
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
きららぎってどこかな―?
ソーニャちゃんおしえてー?
線路わたっていけばどっかつくかなー

ソーニャ「……」イラッ

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:50:47 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「しかし、今日は変な日だった」
すたすた

『おお~~い!おお~~~い!!おお~~~~~~~~い!!!』

ソーニャ「!」
     「なんだ線路の方から声……?」
     「あいつか? いや明らかに声が……」

『おお~~~~~~~~~~~い!!!』

ソーニャ「な!?」びくぅ!
     (あっちの方……線路の上に……人……?)
     (いやおかしい足が一本しかない。それに体がとても大きい)

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:51:24 ID:XVTRhaQk
『おお~~~~~~~~~~~~~い!!』

ソーニャ「ヒィ!」
だだだだ

『おお~~~~~~~~~~い!!!』

ソーニャ(こ、声が近づいてくる……!駄目だ振り向けない……)

『おお~~~~い!!!!』

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:52:18 ID:XVTRhaQk
ソーニャ(お、追いつかれる……そ、そうだ!)
     (線路にいたのなら線路から離れれば……)
だだだだ

『おお~~~~~~~~~~い!!!』

『おお~~~~~~~~~~~~~~~い!!』

『おぉ~~~~~~~~……~~~~~~~~~~い……』

『ぉぉ~~……~~……………~~~~~…………』

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:53:00 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「はあ、はあ。な、なんなんだまったく……!」

ソーニャ「……駄目だ。線路に沿って行くのは諦めよう」
     「またさっきのがいるかもしれん」

ピピピピヒ

ソーニャ「……」
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
人!でっかい!こわ~~!!
ソーニャちゃんよりつよそう

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:54:10 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……のんきだな」
     「しかし一体どこにいるんだあいつは」
     「近くにいるのは間違いないのに」
キョロキョロ

ソーニャ「いないな。まったくこういう時に限って……ん?」

ソーニャ「民家がないぞ」

ソーニャ「いや、おかしいさっきまで住宅街にいたはずだ」
キョロキョロキョロキョロ

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:55:02 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「いくらなんでもこんな急に……」

ソーニャ(怖い……)

ソーニャ「周りには原っぱと遠くに、山が見えるだけだ」
     「こんなところあるのか……?いやあったとしても……」

ポンポン……チリン

ソーニャ「な、なんだ?今度は何の音だ。どこから聞こえてくるんだ?」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:55:57 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「少しづつ近づいてきている気がする」
     「だ、駄目だ。とにかくここからはなれないと……!」
たったった

ポン……チリ…ン…

ソーニャ「少し離れたか……?くそっ何でわたしがこんな目に……!!」

ポン……チリ…ン…

ソーニャ「……なにか、周りにないか。どこか人のいそうな場所は」キョロキョロ

ポンポ……チリリ…ン

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:57:17 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「ん?あれは……また線路か?さっきとは別のものだろうが……」

ポンポン……チリリン

ソーニャ(もしまた、変なものが出たら……いやしかし)
ポンポン……チリリン

ソーニャ「お、音がまた近づいてきている……!」
     「行くしかない、のか……」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:58:04 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……」
スタスタスタ

ポンポン……チリリン

ソーニャ「……!」
スタスタスタ

ポンポンポン…チリリリン

ソーニャ「!!」
たったった

ポン ポン ポン ポン チリリリン

ソーニャ「!!!」
だだだだだだ

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 20:59:16 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……せ、線路か」ゼーゼー

ソーニャ「まだ太鼓の音が聞こえてくる気がする……。急ごう」

ソーニャ「……」
スタスタスタスタスタスタ

ソーニャ「……この線路の先に本当に駅なんてあるのか?」
     「これだけ歩いても民家の一つどころか家一軒見えない」
スタスタスタ

ソーニャ「いやしかし、他に道が無い以上……ん?」
スタスタスタ

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:00:00 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「向こうに見えるのはトンネル、か?」

ソーニャ「……」
スタスタスタ

〔伊佐貫トンネル〕

ソーニャ「確かにトンネルだ」
     「……暗くてよくは見えないが、先に民家もあるかもしれない」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:00:46 ID:XVTRhaQk
ポンポンポン……チリリリン

ソーニャ「!!」

ソーニャ「ま、また太鼓の音が聞こえる……!電車が通るかもしれないし走っていこう」
たったったった

ソーニャ「……」
たったったったった

ソーニャ「……よし、抜けたな」ハァハァ

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:01:34 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「民家も見えるし、たぶん駅もこの先にあるだろう。よかった」
スタスタ

ソーニャ(……いつのまにか真っ暗だ。さっきまで明るかった気がしたが)
スタスタ

ソーニャ「しかし疲れた……はやくどこかで休みたい」
スタスタ

男「大丈夫ですか?」

ソーニャ「え?」ビクッ

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:02:50 ID:XVTRhaQk
男「驚かせてすみません。迷っているみたいだったから」
 
ソーニャ「あ、いや」

男「この辺は迷う人が多いんですよ。変な道多かったでしょう」

ソーニャ「確かに……」

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:03:59 ID:XVTRhaQk
男「良かったら送っていきましょうか?駅まではまだ遠いですよ」
  「あっちに車がとめてありますから」

ソーニャ「……」

男「……どうされますか?」
  「歩いてゆくなら最終電車に間に合うか微妙なところですが」

ソーニャ(もうそんな時間に……?)

ピピピピヒ

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:04:34 ID:XVTRhaQk
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
夜はちかんが多いから
おとこのひとにはついていかないほうがいいよね。ね?

ソーニャ「しらねえよ」

男「?」

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:05:36 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「あ、いや。悪いが歩いていくことにする」

男「そうですか。じゃあ車の方へ」
すたすた

ソーニャ「……え?」

男「いやぁ本当に多いんですよこの辺」
  「あ、車の中に飲み物ありますよ。お菓子も。のど渇いたでしょう」
すたすた

ソーニャ(この男は何を言っているんだ?)

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:06:28 ID:XVTRhaQk
男「さっ、乗ってください。遠慮なさらずに」
がちゃ

ソーニャ「……」

男「……」

男「いやーしかし、この時間だともしかしたら電車無いかもしれませんよ」
  「その場合は近くのホテルに泊まったほうがいいかもしれません」
  「確か駅に一軒ビジネスホテルのようなものがあったはずですよ。あっ飲み物どうぞ。」

ソーニャ「!」ゾクッ

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:07:36 ID:XVTRhaQk
男「ところで最近嫁がうるさくてねぇ」
  「あなたちゃんと子供の面倒見てください、とか」
  「無駄遣い減らしてください、とかね。ははは全く参ったもんですよお菓子もどうぞ」

ソーニャ(に、逃げよう……ゆっくり音を立てないように)
そろーりそろーり

男「え?駅はこっちの……じゃないんじゃ…山…かって?」
  「いや…の辺りは結構……が入り組んでいるんですよ」
  「ちょっと…道になるけど…の方から行ったほうが早い……」

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:08:42 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……」
そろーりそろーり

男「ところでね……で……なんですよ」
  「おかし……デね……ダヨ」
  「ソレニ……」

ソーニャ(よし、十分離れた。走ろう)
たったったった

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:10:16 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……あ、危なかった」ハァーハァー
      「ついていったらどうなっていたことか」

ソーニャ「……」グスッ

ソーニャ「行く。このまま線路に沿ってまっすぐ行けば駅につく。きっと。きっと」

ソーニャ「…………」
すたすたすたすた

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:12:20 ID:XVTRhaQk
ソーニャ(もしかしたらこのままもう駅にはつかないかもしれない……)
すたすたすたすた

ソーニャ(だったら向こうの民家を訪ねて……いや人に話しかけないほうがいいかもしれない)
      (そういえばあいつはどこにいるんだろう……?すぐ近くにいるはずなのに)
     (おかしい。おかしいんだ。こんなことあっていいはずが……)
すたすたすたすた

ソーニャ「ん?」ピタッ

44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:13:08 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「向こうに見えるのは交番……か?」

ソーニャ「…………行ってみよう」
すたすたすた

〔きららぎ派出所〕

ソーニャ「……すみません」ガラッ

ソーニャ「……誰か、いませんか?」

ソーニャ「だれか……」

45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:13:44 ID:XVTRhaQk
「はーい」
どたどたどた

警官「どうされましたか?」

ソーニャ「実は、道に迷ってしまって……」

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:14:19 ID:XVTRhaQk
警官「お名前は?」

ソーニャ「え?」

警官「とりあえず、名前を教えてください」

ソーニャ「あ、はい。いや……」

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:15:04 ID:XVTRhaQk
ソーニャ(わたしのなまえって、なんだったっけ?)

警官「どうされましたか?お名前は?」

ソーニャ「あ、いや……」

ソーニャ(バカな、自分の名前を忘れるなんて……)
     (あいつじゃあるまいしどうしたらどうしたらどうしたら)

48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:15:55 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ

ソーニャ「!」
ピッ

メール
【from】やすな
----------------------------------
ソーニャちゃん!交番!やった!

49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:16:47 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……そ、ソーニャです」ほっ

警官「そうですか。じゃあ道をお教えしますね」
   「あちらの方に戻る駅がありますから」

ソーニャ「戻る駅?あのちょっと待ってください」

警官「……?」

ソーニャ「戻れなかったら、どうなるんですか?」

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:17:22 ID:XVTRhaQk
警官「?」

ピピピピヒ
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
どうしよう。わたし自分の名前わからない
ソーニャちゃん。どうしよう……

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:18:17 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「名前がわからないと駅に案内はしてもらないんですか?」

警官「お名前をもらえない時は案内しないことになっています」
   「そういう決まりなんです」

ソーニャ「……戻れなかったらどうなるんですか?」

警官「……」

52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:18:51 ID:XVTRhaQk
ピピピピヒ
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
どうしよう
名前わからないっていったらおまわりさん
どっかいっちゃった。
どうしようソーニャちゃん
どうしよう

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:19:28 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……どうなるんだ」

警官「……もしお友達も迷ってるんだったら」
   「つれてきて頂ければ一緒にご案内します」

ソーニャ「え?」

警官「着信音がなっている間はまだ間に合いますから」

ピピピピヒ

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:20:04 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
外でたら空へんになっちゃってるよ
ソーニャちゃんわたしどうしよう

ソーニャ「……くそぅ!」
ガラッ
たったったった

55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:20:34 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
線路なくなっちゃってる
家もみえなくなってる
ソーニャちゃんどうしよう

ソーニャ「……」
たったった

56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:21:09 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
いまどこあるいてるんだろ
ソーニャちゃん不安でたまらないよ

ソーニャ(このメールはさっき出されたものじゃない)
たったったった

57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:21:42 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
ソーニャちゃんメール返事ちょうだい
どうしてメール、見てくれないの?

ソーニャ(もっとずっと前に出されて届かなかったものだ)
     (わたしが届くせかいにいなかったから届かなかったんだ)
たったったった

58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:22:40 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
ソーニャちゃんどこ?
わたしもうよくわからなくなってきた

ソーニャ「やすな!どこだ!」
たったったった

59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:23:17 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
だめ……もう電池切れちゃう
ソーニャちゃんわたしもうだめかも

ソーニャ「やすな!」
たったったった

60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:24:31 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
くそぅくそぅ!なんで返事くれないんだ!
ソーニャちゃんのばーーーか!

ソーニャ(……ん?)ピタッ

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:25:10 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
ばーかソーニャちゃんのばーか

ソーニャ(ここは最初の、うどん屋とすし屋があった……)キョロキョロ

62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:25:44 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
……ソーニャちゃんのばーか

ソーニャ(間違いないこの張り紙……確かあの時)

ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
ソーニャちゃん
ここがどこだかわかりました

ソーニャ(やすなに似た人形が……)ばっ

63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:26:18 ID:XVTRhaQk
ピッ
メール
【from】やすな
----------------------------------
さようならソーニャちゃn

64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:27:16 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「!」
     「あったこれだ」

おかっぱマネキン「……」

ソーニャ「やすな。わたしだ。わかるか?」

おかっぱマネキン「……」

65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:28:09 ID:XVTRhaQk
「ソーニャちゃん?なにしてるの?」

ソーニャ「え」

やすな「もしかして人形にはなしかけてるの?こわっ」

ソーニャ「は?」

66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:28:48 ID:XVTRhaQk
やすな「そんなにわたしにあいたかったの~?」プププ
    「寂しがりやさんだな~ソーニャちゃんはまったくもぅ~」ニヤニヤ

ソーニャ「バカ!ここがどこだかわかってんのか!」

やすな「えーーとどこだっけ?」

ソーニャ「おい……」

67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:29:19 ID:XVTRhaQk
やすな「いやーなんか記憶が全然ないんだよねー」
    「気がついたらソーニャちゃんがー」
    「に、にに人形に~ククッは、は、はなしかkあっはははは!」
   
ソーニャ「……」ビキビキ

やすな『やすなわたしだわかるか?』キリッ
    「ひゃーはっはっはっは!」

68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:29:53 ID:XVTRhaQk
ゴキキッ

やすな「す、すいません……」

ソーニャ「いいからはやく帰るぞ」
スタスタ

やすな「あっまってよソーニャちゃーん」
タッタッタッタ

69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:30:32 ID:XVTRhaQk
交番前

警官「お名前は?」

ソーニャ「こいつがやすなだ」

やすな「こっちがソーニャちゃん」

警官「……このままふりかえらずまっすぐいってください」
   「駅が見えたら電車に乗って、知っている駅につくまでは降りないでください」

ソーニャ「わかりました」

やすな「ありがとうございます」
ガラッ

70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:31:23 ID:XVTRhaQk
やすな「……ソーニャちゃん、振り向いちゃおっか」

ソーニャ「振り向いたら殺す」

やすな「嘘うそ。あっ駅見えてきたよ」
    「やっと帰れるねソーニャちゃん」

ソーニャ「なんだ記憶がないんじゃなかったのか」

やすな「そういえばそだね」
    「なんで『やっと』っていったんだろわたし」

71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:33:34 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「……電車きたぞ」

やすな「あ、ほんとだ」

ぷしゅーガラガラガラ

がたんごとん……がたんごとん

72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:34:07 ID:XVTRhaQk
やすな「……」

ソーニャ「……」

やすな「そういえば、ソーニャちゃん」

ソーニャ「……ん」

やすな「いろいろありがとね」

73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:35:12 ID:XVTRhaQk
ソーニャ「いや、わたしも……」

やすな「あ、なんか眠くなってきちゃった。ついたらおこしてね」

ソーニャ「……やだよめんどくさい」

やすな「Zzz」

ソーニャ「寝るのはやいな……」

ソーニャ「ん?またトンネルか……嫌になるな」

ソーニャ「わたしも、眠く、駄目だ疲れて……」グゥ

74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:35:57 ID:XVTRhaQk
『ソーニャちゃん、ソーニャちゃん』

ソーニャ「ん……?」

やすな「なに寝てるの?授業終わっちゃったよ」

ソーニャ「あれ……さっきまで電車に……」

やすな「電車?何寝ぼけてるの?」

ソーニャ「夢だったのか……」

75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:36:30 ID:XVTRhaQk
やすな「夢?そういえば私も昨日夢見たよ」

ソーニャ「え?」

やすな「怖い人に追っかけまわされたり、暗い道を歩いたり」
    「ソーニャちゃんも出てきたよ!」

ソーニャ「そうか……」

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:37:04 ID:XVTRhaQk
やすな「怖い夢だったなぁ。一度なんてわたし死んじゃうかと思ったもん」

ソーニャ「……」

やすな「なーんてね。でも結構楽しかった気もする」
   
やすな「ところでさ、ソーニャちゃん!」
    「最近電車の怪談があるの知ってる?」
    「『きさらぎ駅』っていうんだってー今度調査しにいこうよー!」

ソーニャ「……絶対にやだ」
おわり