3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 15:51:04.10 ID:C6CqHSRf0


・極力キャラ崩壊はしないつもりなのでしていたらご一報お願いします。
・物語はなるべーく本編筋に沿っていますがまぁそこはSSクオリティなのでよろしくです。
・キャーリサ大好きなんですけど……
・大して面白くないです。暇つぶしでお願いします。いや、本当に


では、ノロノロと発進したいと思います。

「さるさん」と言われる謎の単語がとても怖いです……。
一体何のことなんでしょうか……。

引用元: キャーリサ「ここが学園都市……なの」 

 

新約 とある魔術の禁書目録 (11) (電撃文庫)
鎌池和馬
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7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 15:59:25.47 ID:C6CqHSRf0


キャーリサ「ここが学園都市……なの」


キャーリサ「っ!?あの動く樽のようなものは何だ!?それに何でところどころに電灯があるんだ!?」


キャーリサ「やはり異国は来るだけで新鮮味が違うの」テクテク


「おはよういはるーっ!!」ガバッ


「ふぁぁぁっ!?……佐天さん!?今日という今日は絶対に許しませんよ―っっ!!」


「へっへー。今日はピンクのシマシマですかー!朝からいいもの見れましたっと!」


「わーわー!!口に出して言わないで下さいよぅ~~!!」


「そんなことはいいから早く新作パフェ食べに行こうよ!私早く行きたくて行きたくて昨日あまり眠れなかったんだから!」


「私にとってはどうでもいいことじゃありません!!」


ギャーギャー


キャーリサ「……」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:02:21.39 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「……だが、スカートの丈が短すぎるし……。日本っていう国は服装に制限が無いと聞いていたが、これじゃ全員痴女も同然じゃないか?」


キャーリサ「せめてウエストリボンスカートでも穿いて人間として……いや、女性としての質を保ってほしいものだが」


キャーリサ「……まぁいいの。とりあえず今日は日本の恥ずべき文化を調べに来たわけじゃないの」




キャーリサ「第三次世界大戦で見たあの『天使のようなもの』の存在を、この目でしかと確かめて。そして、……あのガキに一泡吹かしてやるの」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:06:36.72 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「……とはいったものの……。何でこんなに階段が多いの……」


キャーリサ「日本は盆地が多い国ということは有名だが……いちいちこんな階段にしなくてもいいの……」


キャーリサ「馬がほしいの……平原を走り回りたい……」


「らっしゃせー!ホットドック、おいしいホットドックでっせー」


キャーリサ「……?」ピクッ


キャーリサ「アメリカから伝来したあのジャンクフード……たしかホットドックって……」


キャーリサ「以前、騎士団長が言っていた『腹もちも良くて一仕事の前には最適です』と」


キャーリサ「……」ジュルリ

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:07:57.17 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「……ッ!ダメだ!!私はこんなところで道草を食っているわけにはいかない!そもそもイギリスから勝手に独立しやがった
腐れ米国周辺が発端の食べ物なんて虫唾が走る!大体騎士団長の味覚なんて所詮平民よりちょっとばかし上になっただけのサンキュロット上がりなの!」ブンブン


店員「いらっしゃいませー!ただいま出来立てを提供しておりまーっす!おいしいホクホクのホットドックいかがっすかー?」


「ここのホットドックは裏切らない!絶対に裏切らない!だから食っていこうぜ―!」ビェェ


「確かにここのホットドックのソーセージはとても美味しいのですが。仕事の前にジャンクフードを食すなんて、やっぱりバカ面は超どうかしていると思うのですが」


「お前らだって仕事前にファミレスで一服してるじゃん!?」


「わたひ達はいひんでふよ。あ、ソース超少し変わりましたね」モグモグ


「何で先食ってるの!?俺の分は!?」


キャーリサ「…………」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:13:57.81 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「買ってしまった……」


キャーリサ「400円……4~6ドル程度か。ふん、値段比率がイギリスと同率程度とは……。日本は食文化も長けてきているわけか。


キャーリサ「ま、とりあえず一口……」ハムッ


キャーリサ「~~ッ!!」


キャーリサ「これは……ものすごい美味……!!!」


キャーリサ「噛んだ瞬間弾け飛ぶ肉汁、そしてソーセージの食感を損なわない程度にこんがりと焼かれパリパリになったパン……」


キャーリサ「マスタードとトマトケチャップの愛称も最高だ。ドイツのソーセージの何十倍もうまい……」


キャーリサ「……これはイギリス王室も見習うべき食文化なの……」ハムッ


キャーリサ「……」ホワワ~ン

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:17:36.69 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「っ!」ブンブン


キャーリサ「そ、それでもイギリスが一番なの!イギリスから分化したアメリカの物を日本がまた再加工しただけだからこれはイギリスの二番善煎じ……いや、三番煎じだ!」パクッ


キャーリサ「……」ホワワワ~ン


キャーリサ「……ま、まぁ品質と付加価値で物を売ることにおける才能は認めてやらないことも無いの、うん」


キャーリサ「ん……あれは……?

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:21:26.05 ID:C6CqHSRf0
「今日はヴァイオリンのお稽古事がありますの~」テクテク


「私は茶道ですわよ。お互い大変ですわね~」


キャーリサ「……うむ」モグモグ


キャーリサ「あの制服はどこかで……」


キャーリサ「あぁ、以前国家間交流も含めた相互留学で何週間かイギリスに滞在していた学園都市の学校の制服か」


「~それでは、……カさん、ごきげんよう」


「うふふ、ごきげんよう」


キャーリサ「ふむ……確か名前を常盤台……と言ったか。それにしても見事な立ち振る舞い。
全員、それなりの教育を受けていると見られる。」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:26:18.63 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「まあ本来、伝統と様式を重んじるべき文化を所有している日本なのだからこれぐらい当然なのか」


キャーリサ「それにしても、礼儀作法をわきまえた人間を見ていると落ち着くの……」


「っと、ようやく誰もいなくなったっと……」キョロキョロ


キャーリサ「……?」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:29:50.23 ID:C6CqHSRf0
「はぁ、もう喉カラッカラだわ~」ノビー


キャーリサ「何だあの娘は……」


「ひっさびさだから思いっきり、思いっきり……っと!!」


キャーリサ「……箱の前で何をしようとしている?他の生徒が流れていった方向とは別の――」


「ちぇいさーーーー!!!!」ドゴォッ


キャーリサ「」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:35:39.51 ID:C6CqHSRf0
【自動販売機前】


御坂「ちぇー……今日は外れじゃん。チョココロネアップル……ってどんな趣味してんのよ……」プシュッ


御坂「まっ、いつも運だめしでやってるわけでし飲むんだけどねー」ゴクゴク


御坂「……うぇぇ……」


キャーリサ「そこのお前」


御坂「?」


キャーリサ「お前だ、そこの」


御坂「私?」


キャーリサ「付近にお前以外いるか?」


御坂「……えと、貴方はどなたですか?」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:39:38.13 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「そんなことはどうでもいいの。貴様、何をやっている?」


御坂「(うわっ!なんか貴族っぽい……!外国人の旅行客か何かかしら……?もしや!常盤台の関係者!?)オホホ!なんでもないですわよ?私はただお散歩に――」


キャーリサ「嘘をつくな。お前がその白い箱を蹴りあげて何かを取ったところを見たの」


御坂「(やっべ)えー?そんなこと知らないですよー?」


キャーリサ「……」


御坂「(隠せる……かな?)」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:45:41.94 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「ふむ……そうか、そうかぁ」


御坂「そうですわよ。私がこんなところで何かをする人間に見えまして?オホホ(ヨッシャ!名演技!)」グッ


キャーリサ「あくまで」


御坂「……え?」


キャーリサ「あくまで……シラを切るというのなら実演してやろう」スゥ


御坂「え、ちょっと、まっ――(スカートを巻くしあげた……?!)」


キャーリサ「ふん!」カーテナ・キック


御坂「」


自動販売機「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロドシャーン

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:48:05.28 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「ふむ……そうか、そうかぁ」


御坂「そうですわよ。私がこんなところで何かをする人間に見えまして?オホホ(ヨッシャ!名演技!)」グッ


キャーリサ「あくまで」


御坂「……え?」


キャーリサ「あくまで……シラを切るというのなら実演してやろう」スゥ


御坂「え、ちょっと、まっ――(スカートを巻くしあげた……?!)」


キャーリサ「ふん!」カーテナ・キック


御坂「」


自動販売機「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロドシャーン

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:49:28.00 ID:C6CqHSRf0
キャーリサ「ふむ……そうか、そうかぁ」


御坂「そうですわよ。私がこんなところで何かをする人間に見えまして?オホホ(ヨッシャ!名演技!)」グッ


キャーリサ「あくまで」


御坂「……え?」


キャーリサ「あくまで……シラを切るというのなら実演してやろう」スゥ


御坂「え、ちょっと、まっ――(スカートを巻くしあげた……?!)」


キャーリサ「ふん!」カーテナ・キック


御坂「」


自動販売機「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロドシャーン

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 16:52:40.28 ID:C6CqHSRf0
御坂「貴方もすごいことしますね……」


キャーリサ「貴様と同じことしただけなの。それにしても、蹴ると飲み物が出てくる箱があるなんて日本はフラストレーションにまみれているのか?」


御坂「あはは……、少なからず当たってますが蹴ると出てくるわけじゃないんですよ?」


キャーリサ「ふぅん。まぁとりあえず喉も渇いていたしいただくとする」ゴクッ


御坂「(うわー……最大級の外れのマスタードチョコドリンク……)」


キャーリサ「ぷはぁ、なかなかイケるの」スッキリ


御坂「」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:01:57.81 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:03:33.05 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:05:54.93 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:07:53.85 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:10:58.22 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:12:22.42 ID:C6CqHSRf0
【3分後】


キャーリサ「……」ゴクゴク


御坂「(……)」


キャーリサ「うん、やっぱりイケるの」


御坂「(……)」


キャーリサ「大量買いして言っても良い位だ」


御坂「(……き、気まずい)」


御坂「(私はこの人と話すべきなの?何を?っていうか帰ってもいいの?この空気はなんなの?)」


御坂「(え、えととりあえず)学園都市には何か御用があってきたんですか?」


キャーリサ「はぁ?」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:14:33.30 ID:C6CqHSRf0
御坂「!?」


キャーリサ「庶民にこたえる義理はない。」


御坂「……」イラッ


キャーリサ「お前こそこんなところで何を油売っているんだ?日本の学生は少なからず勉学に励んでいると聞いたものだが」


御坂「そんなことは私の勝手ですが」


キャーリサ「……」イラッ


御坂「……」


キャーリサ「……」


御坂「…………さて、と。私は行きますね」


キャーリサ「早く消え失せるといいの」


御坂「っ」イラッ


キャーリサ「どうした?」

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:18:43.97 ID:C6CqHSRf0
御坂「……ふふふふふふ……。それでは、ごきげんよ――(もう我慢の限界だああああああ!!もう帰る!っていうか元々いる意味はないし!)」


キャーリサ「……はぁ」ズズ


御坂「……?」


キャーリサ「それにしても……学園都市にはあいつもいるはずなんだが……こう広いと中々見つけられんものだ」


御坂「誰かを探してるんですか?」


キャーリサ「?お前はまだいたのか。早く消えろ」


御坂「っ」イラッ


御坂「何かをお探しでしたら、わ、私も探すの手伝いますよ!」


キャーリサ「庶民の手助けなどいらん。ましてや日本人など、もってのほかだ。猿は猿どうしお山に登って遊んでいるがいいさ」


御坂「……(ムキーーーーーーーーー!!)」イライラッ

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:21:14.20 ID:C6CqHSRf0
御坂「じゃあ帰りますよ!失礼しました!!」プンプン



キャーリサ「……上条……当麻……か」



御坂「!!!」バッ


キャーリサ「あいつに借りを返すこともしっかり視野に入れておかなければならんのだが……困ったものだ。こう広いと見つけるのにも時間がかかる。
探索術式の展開にもここでは制限があるしな……」


御坂「あの……」


キャーリサ「なんだ猿、そんなに私にかまってほしいのか?残念だがそういうことは用務員さんに頼むといいの」


御坂「いえ、そうではなくて……!」


キャーリサ「じゃあなんだ?お金でも恵んでほしいの?まあ暇つぶしにはなったことだし駄賃程度なら上げないことも無いの。
その代り今ここで何か曲芸でも――」


御坂「ちがああああああああああああああああああう!!」バリバリ


キャーリサ「!?(雷の魔術……!?いや、超能力とかいうやつか……!?)」


御坂「私が聞きたいのはアンタが言ってた、か・み・じ・ょ・う・と・う・まって名前のことなのよーーー!!!」


キャーリサ「……」ピクッ


キャーリサ「ほぅ…………それはどういうことかね?」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:24:05.82 ID:C6CqHSRf0
御坂「今なんて言ったの?」


キャーリサ「もう一度復唱してほしいならほら、お手してみろ、お手」


御坂「……」イラッ



キャーリサ「ほら、やったら駄賃の値段も上げてやるの。どうした?ん?お手もできないできそこないの駄犬か?いや、駄猿か」


御坂「だあああ!!ラチがあかん!!」


キャーリサ「ようやく曲芸を始めるつもりか?遅いぞ。待ちくたびれた」


御坂「……ウガー!!とにかくついてきてください!!」ギュ


キャーリサ「何だお前、私をどこへ連れて行く?」


御坂「だぁーーかぁーーらぁーー!私がその上条当麻のところに連れて行ってあげるってことですよ!!察してくださいよ!!!」


キャーリサ「!」


御坂「とにかく!早く行きますよ!?」ウガー


キャーリサ「……ふむ」


キャーリサ「(これは存外……良い猿と出会ったものなの)」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:33:25.60 ID:C6CqHSRf0
【セブンスミスト】


御坂妹「こんなところでヘコたれてるなんて男が廃るぞ、とミサカは体力のない男へと自分の意見をはっきりとぶつけてみます」


上条「んなこと言ったって……これは買いすぎじゃないですかね妹さん?」


御坂妹「冥土返し様からのお遣いなのですから仕方ありません、とミサカは本来の目的をちゃっかり再確認させます」


上条「って言ってもケーキやらお団子やらの食べ物ばっかりな気がするんだが……。医療のお仕事なさってるんだよなあのおっさん」


御坂妹「それは私もわからないです。しかし、確かに買っているものは食料品が主なようですね。
何かのパーティでもなさるんではないでしょうか?とミサカは的確な推論を立ててみます」


上条「まぁ、その考えが妥当だよなー。ってゆーかお前、いつもこんな買い物頼まれてるのか?」


御坂妹「そうですね。いつもはもっと重い機材などを買いに行くことが多いですね、とミサカは筋肉痛を思い出して恐怖しながら答えます。」ブルブル

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:38:25.39 ID:C6CqHSRf0
上条「大変だなー。俺なんてインデックスの食糧を調達するだけでもヒーヒー言ってるってのに」


御坂妹「まぁ、身体検査など基本的な整備などをしてもらっておりますし、なにより貴方と同じ程度、彼には命を助けられていますから。
この位どうってこと……少しはありますけど、ないです。とミサカは拮抗する意見を全て述べてみます。」


上条「偉いこったなぁ。俺に出来ることがあったら何でも言ってくれよ?できるだけ助けになるつもりだからさ」


御坂妹「ほうほう、つまりはこれからは私の手となり足となり動いて、と。そういう解釈をしていいのですか?と、墓穴をついてみます」


上条「いや、『何でも』と『いつでも』は違いますよ!?」


御坂妹「ふむふむ……。誤釈失礼しました。それでは『これからいつ何時でも手伝ってください』とでも頼んでみましょうか。と自分の策士ぶりに惚れ惚れしてみます」


上条「いや、それは勘弁してくれよ……。って言いたいところだけどさ」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:41:25.63 ID:C6CqHSRf0
御坂妹「……?」


上条「正直、俺はもっとお前とも仲良くしたいし、普通に遊びたいとも思ってるし。それでもいいかな?」


御坂妹「!」ピクッ


上条「い、いやいや?流石に限度とかさ、世間体とか弁えた頼みをしてほしいってのは確かですよ!?」


御坂妹「……チッ」


上条「その舌打ちはなんでせうか!?」


御坂妹「いえ、何でも」


上条「……ごほん。普通の中学生とかは今頃、普通に遊んでんだろ?買い物とか、遊園地とかさ。お前も、そういう生活とか、するべきだと思うし」


御坂妹「……」


上条「だからさ、俺が手伝うことで少しでもそういうモンができるんだったら、『いつでも』『何でも』言ってくれよ」


上条「まぁ、御坂妹のことだし俺なんかの力が無くとも、なんだってこなしちまだろうけどさ」

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/26(金) 17:43:39.10 ID:C6CqHSRf0
御坂妹「……」


上条「おーい、どうしたーボーッとして」


御坂妹「……いえ。でしたら今からもっとコキ使ってやろうか、とミサカは画策していたことを吐露します」フフン


上条「……ぐぉぉ……。そうでした……」


御坂妹「…………ありがとうございます、とミサカはちゃっかりお礼を言ってみます」ボソッ


上条「おーい、早く行くぞ―」


御坂妹「……はぁ」


上条「どうかしたのか?」


御坂妹「何でもありません!とミサカは貴方の鈍さをとことん噛みしめながら答えます」スタスタ


上条「え?え?どういうこと?どういうことですか!?なんで怒ってらっしゃるんでせうか?!御坂妹さ~ん!?」

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 00:29:27.99 ID:mHKjapWy0
【ファミレス前】


舞夏「ぐーるぐーるまわーる。でも私の世界はまわらなーい」


御坂「……アンタ、いつも思うけど下にあるモン、学園都市のモンじゃないの?」


舞夏「おー。御坂かー。これはいつも乗ってるから『私のもの』でいいんだぞ―。っていうか日々乗り換えてるんだぞー。わははー」


御坂「それってある意味盗みと一緒よね……」


舞夏「コラコラ御坂ー。一般の子供というのはこういうものにアイデンティティとファンタジック精神を揺さぶられて成長していくもんなんだぞ―」


御坂「アンタは子供に見えないっての!」


舞夏「わははー。よく言われるのだ―」

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 00:33:41.21 ID:mHKjapWy0
御坂「はぁ…………ところで、アンタはアイツの友達の妹なのよね?」


舞夏「んー?いかにも私は馬鹿兄貴を持っているがー。その、アイツって誰だ―?」


キャーリサ「……これは不思議なの……。ぜひ試用品としてイギリスに持って帰る……グリフォン=スカイで何とかならないものか……」


舞夏「それに、私の椅子君に興味津津なこの気品のある淑女は一体どこの誰なんだー?」


御坂「キャーリサさん!?勝手に動き回らないでください!?あそこで待っててって言ったじゃないですか!?」


舞夏「私としては将来こういった方に尽くしてメイドとしての人生を全うしたいんだぞー」


キャーリサ「ほう、そこの子供、お前は中々見込みがあるように見えるの」ナデナデ

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 00:43:36.04 ID:mHKjapWy0
舞夏「んー、なんだかわからんが嬉しいぞ―。これは僅かに残った子供心が誘発させている気持ちなのかー?」


御坂「私の言うこと無視すなあああ!!」


キャーリサ「あ?なんで私が猿の言うことを聞かなきゃならんのだ?ついてきてやってるだけでも有難いことだと受け取ってもらいたいものだなぁ」


御坂「(……この人はなんなんだぁぁぁ!!!)」ムキー


御坂「ま、まぁとにかく!アイツっていうのはー……そのー、えと。アイツはアイツよ!!」


舞夏「うーん……。世の中には『アイツ』が星の数ほどいるからなー。いかにメイド街道まっしぐらな私とて短い人生じゃ皆目見当もつかないんだぞー」


御坂「くっ……えーと……(なーんか名前を言うのはしゃくっていうか……無駄なプライド……)」


キャーリサ「おい猿、どうでもいいが何もないんだったら私はいくぞ。お前の猿遊びに付き合ってる暇はないんでな」

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 00:55:40.05 ID:mHKjapWy0
舞夏「御坂ー。聞いてるのか―。アイツってドイツだー?気になるぞ―。
そういえばドイツと言えばクリスマスマーケットには一度ぐらい言ってみたいもんだな―!」


御坂「……」プルプル


キャーリサ「ほう、貴様クリスマスマーケットを知っているのか。ハンブルグで食べるアーモンドはまた格別なものだったな」


舞夏「おお、貴方様はさすが、言ったことがあるのですか―!尊敬と羨望の眼差しを送っちゃうぞー!」

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:06:11.78 ID:mHKjapWy0
御坂「だあああああああああああ!!アイツはアイツ!!アイツでいいの!
もういい!!片っぱしから探しまくってあぶりだしてやるわ!!」バチバチッ


舞夏「うぉぉ。いきなり放電するなんて危ないぞー」


キャーリサ「……!(……こいつ、猿にしては……)」


舞夏「いきなりそんなことしたら誰でも驚いちゃうぞー。御坂ー、話しかけるときはじっくりと相手の注意を自分に向けられるようにしないとダメなんだぞー」


御坂「行きますよ!キャーリサさん!」


舞夏「無視しないでほしいんだぞ―」


キャーリサ「……早く案内しろ猿」

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:17:07.17 ID:mHKjapWy0
御坂「もおおお!私は御坂美琴って名前があるんですってばあああ!!」ギュッ


キャーリサ「ならば今猿に改名すればいいじゃないか。うってつけだ。お似合いだぞ」


舞夏「結局、アイツって誰なんだー?」


キャーリサ「ふぁ~あ。お前がトロトロしてるから私は眠くなってきたし……」ファァ


御坂「あ、そうだ、黒子にも一緒に探してもらおう!そうだ!そうしよう!」


御坂「そうと決まれば……!たしか黒子は初春さんたちとパフェを食べに行くって言ってたわね……!ダダッ

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:26:46.44 ID:mHKjapWy0





舞夏「……」ポツーン


舞夏「御坂も色々苦労人なんだなー」


上条「おっす。今度は土御門の妹か」ポンッ


舞夏「おぉーっす。今度はでっかい男か」


上条「マネすんなっての。何してんだこんなところで」


舞夏「んーとだな。社会に出ることの大変さを垣間見ていたところなのだよ」


上条「……はぁ?」

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:27:42.35 ID:mHKjapWy0
【某喫茶店】


初春「うぅ~~!口に甘さが残ることもなく、スッキリとした後味のホイップクリームがたまりません!!」


黒子「初春、貴方先ほどクレープも食べておりましたがいいのですか?」


初春「なーに言っちゃってるんですか白井さん!女の子は甘い物を食べても太らないんですよ!」


黒子「正確には、そういう迷信が女性の中で蔓延っている、ですわね」


初春「うっ!」ギクッ


佐天「まーまー白井さん!初春はブクブクと肥えてお相撲さんになりたいって以前言ってましたからいいんですよ!」


黒子「あら、そうでしたの。不躾でしたわね」

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:33:59.15 ID:mHKjapWy0
初春「うーあー!佐天さん!!そんな誰にでもわかるような嘘をつかないでくださいー!」


黒子「あらら?ウソでしたの?私ってば、てっきり信じ切っていましたわ」


初春「白井さぁぁ~~ん」シクシク


佐天「あーもう、初春はいつまでたっても可愛いんだからー!」ナデナデ


初春「そんなことで褒められたくありませんよぉ~」シクシク


黒子「全く、お姉さまも『久々に運動したいからパス』等という意味のわからない理由でいらっしゃらないなんて……」


佐天「そうですねー。せっかく新装開店でデラックスパフェが格安で食べられるっていうのにー!」


初春「御坂さんはスタイルいいですし、運動する必要無いですのにね―」パクパク


佐天「初春と違って、ねー?」


初春「うあああああ!佐天ざぁぁん」シクシクパクパク


黒子「……泣きながらもパフェを食べる手を止めない初春に感服いたしますわ……」

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:40:19.26 ID:mHKjapWy0
初春「そのぐらい美味しいんですよ~!白井さんも早く食べないと私が食べちゃいますよ~!」


黒子「まぁ、これ以上初春をお[ピザ]さんにするわけにはいきませんし」


初春「じ~ら~い~ざぁ~ん!!」


黒子「うふふ……。では、私も。ん、おいし」パクッ





「いらっしゃいませー……ってお客様!?」


「すいません、お客様、勝手に進まれては困ります!!……お客様!?」


黒子「……ん?何かで入り口の方が騒がしいですわねぇ……」ガシッ


黒子「!?」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:43:10.97 ID:mHKjapWy0
佐天「み、御坂さん!?」


初春「え、え、どうしたんですか!?そんなに息を切らして!」


御坂「はぁ……はぁ……黒子ぉ……」


黒子「え、えとおね……え、様?」


御坂「私と貴方はルームメイト……よねぇ……?」


黒子「そ、そうですわ!ですのでお姉さまも私のパフェを一緒に食べて間接のベーゼを……!」ハァハァ


御坂「そんなことはどうでもいいの!」


黒子「そ、そんなことって……ひどいですわ……」

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 01:56:03.33 ID:mHKjapWy0
佐天「ん……?初春、初春」


初春「うわ、うわわ……ん?佐天さん、どうしたんですか?」


佐天「いや、あそこでクレープ食べながら立ってる赤いドレスの人、すっごい綺麗な人じゃない?」


初春「えっと……あ、ほんとだ!金髪でとっても綺麗な方ですね!
しかし……日本の方じゃ……なさそうですね」


御坂「心は綺麗じゃないけどね……」ボソッ


初春「え?」


御坂「い、いやなんでも!!とにかく!!佐天さん、初春さん!黒子をちょっと借りてくわね!」ダダッ


黒子「え、お、お姉さま!?私はまだ一口しか食べてない……!?でもお姉さまに必要とされるのならばどこへでも行きますのおおおお!!」


初春「……」ポツーン


佐天「……」ポツーン


初春「何か台風のように去って行っちゃいました……けど」


佐天「そ、そうだね……どうしたんだろ……」

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 02:03:06.38 ID:mHKjapWy0
初春「さぁ……。あっ!」


佐天「?どうしたの?」


初春「白井さんに、お代を頂いてませんでした……」


佐天「……このパフェいくらだっけ?」


初春「えと……一杯1250円……ですね。セールなはず……なんですけど。」


佐天「今日、いくら持ってきてる?ちなみに私は……1400円」


初春「私も、1300……円」


初春「……帰ってくるまで、待つしかないですね…………」

79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:40:50.86 ID:mHKjapWy0
【寮前】


上条「ふう……中々ハードな午前中だった……」


上条「でも御坂妹もあれからすぐ病院に戻って検査って……大変だよな―」


土御門「おっす上や~ん」ガチャッ


上条「うわっ!?」バキッ


土御門「へばぅっ!?」


上条「びっくりした……!なんでお前は俺が帰ってくるのと同時に出てくるんだよ!」


土御門「いっつつ……ひっどいにゃ~上やん……親友を開口一番で殴るなんて……」

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:42:05.67 ID:mHKjapWy0
上条「テメェが急に出てくるのが悪い!しかも不法侵入じゃねえか!しかも俺はお前と親友になった覚えは……」


土御門「まーまー!それは置いといて……!ところで上やん。知っているかい?」


上条「……?何のことだ?」


土御門「今、学園都市で起きているコト……だにゃー」


上条「面白いこと……って、まさか……」


土御門「まぁ、上やんの想像してることは大体当たってるだろうにゃー」


上条「大体ってどういうことだよ。変に含みのある言い方するんじゃねえ!」


土御門「まぁ俺にとっては本当に面白いこと……とだけ言っておくんだにゃー」


上条「魔術士の関係……じゃないのか?」


土御門「普通に過ごしてればわかるんじゃないかにゃー?
そいじゃー、俺は舞夏と飯食べに行く約束してるからこれで~」スタスタ


上条「お、おい!……何だよ。別に危険でも急を要することでもねぇってことなのか……?
あー!もう不幸だ―!!」

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:47:31.59 ID:mHKjapWy0
【ゲームセンター】


インデックス「ひょうかーひょうかー!次はあれで遊ぶんだよ!」


氷華「ぺ、ペース早いよ……!ちょっと休憩したい……なぁ?」


インデックス「む~!さっきから一つゲームやる度に休憩ばかりしていてつまらないかも!」


氷華「うっ……。わ、私はうるさい所は苦手で……」


インデックス「はぁ……。別にいいんだよ……。ゆっくりするのも嫌いじゃない……かも」


氷華「ごめんね?せっかく一日中遊べる日だっていうのに……私ったら体力も無くて……」


インデックス「ううん!氷華は忙しいのに、たまに私と遊んでくれるってだけで私は幸せかも!ありがとね!ひょうか!」


氷華「!」カァ

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:01:06.34 ID:mHKjapWy0
インデックス「えへへ~!氷華が少し赤くなってるかも!」


氷華「え、えとこれは、これ、は……!えぇえええと!!」


インデックス「ってことで私は少し飲み物でも買ってくるから、ひょうかはここで座っててほしいかも!」


氷華「え?私も、一緒に行くよ?」


インデックス「だーめ!ひょうかはすぐ疲れちゃうんだから、今は休んでて!」


氷華「うぅ……」グスッ

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:22:22.57 ID:mHKjapWy0
インデックス「ひょうかは何が良い?あそこの『じどうはんばいき』にある物で頼みたいかも!」


氷華「え?……えーっと、私はあまり目がよくないからここからあそこまで品揃えがどうなっているか見えないなぁ……」


インデックス「あっ!」


氷華「……?」


インデックス「確かに私も『しなぞろえ』とか知らないんだよ!それは盲点だったかも!」


氷華「……うふふ」クスッ


インデックス「むむーっ!何かひょうかの笑い方がバカにしてるんだよ!」


氷華「え?え?えと、違うよ!私はえっと可愛いミスだなぁって!えっと……」アタフタ

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:24:47.33 ID:mHKjapWy0
インデックス「ひょーか!」


氷華「はいっ!?」ビクッ


インデックス「ちょっとくらい冗談と冗談じゃないことくらいわきまえてくれてもいいかも!」


氷華「あ…………」


インデックス「『あ、そうか』って……。いい?ひょーか、私とひょーかは『トモダチ』なんだよ?
トモダチっていうのは冗談を言い合って笑いあうものだって、小萌が言ってたかも!」


氷華「……とも、だち。」


インデックス「そうなんだよ!だからひょーかも私の前ではできるだけ笑顔でいてほしいかも!」

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:25:42.12 ID:mHKjapWy0
氷華「……ごめんね、そうだね。私ったらいつも泣いてばかりで……」


インデックス「ほら!」ベシッ


氷華「いたっ!」


インデックス「ここは謝る所じゃなくて、笑うところかも!日本には恥ずかしいことを平気で言う人のことを、スラング的に『クサい』って表現しているんだから
ひょーかもそう言って笑うところなの!」


氷華「ははっ、なに、それ」


インデックス「やっと、ちゃんと笑ってくれたかも」


氷華「うん、私少し勘違いしてたね。相手の顔色ばかり伺うのって、トモダチじゃないよね」

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:36:51.63 ID:mHKjapWy0
インデックス「……?ひょーかは私の顔色を心配していてくれたの?」


氷華「……いや、そういうわけじゃないんだけど……」


インデックス「あ、とにかく私は行メニューを見に行ってくるかも!」スッ


氷華「あっ……、待って!」


インデックス「……?なぁに?ひょーか」


氷華「トモ、ダチなんだし。……インデックスに私の飲み物任せちゃっていい……かな?」


インデックス「……!」


氷華「ダメ………………かな?」


インデックス「……………………えへへ」


氷華「!」


インデックス「ダメなわけないかも!私がぜーったいひょーかの好きそうな飲み物を持ってくるかも!」


氷華「……うん、よろしくね」

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:38:22.15 ID:mHKjapWy0

インデックス「うん!ドーンと任しちゃってほしいんだよ!」タタッ




氷華「……」


氷華「……インデックス」


氷華「私もね、貴方に言いたいな。私は、『クサい』ことって、面と向かって言えないから、ここで言うよ。
けど、いつかは絶対、貴方に直接言うから……」


氷華「…………ありがとう」





インデックス「ひょ~かぁ~」ビェェ


氷華「ふぇっ!?」ビクッ


氷華「ど、どうしたの!?(びっくりしたぁ……)」


インデックス「えーっと……」


インデックス「お金を貸してほしい……かも」


氷華「……ははっ」


氷華「やっぱり、一緒に行こっか!」

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:43:43.86 ID:mHKjapWy0
【ショッピングモール】


打ち止め「あ!あの桃色と紺色という文字通り異色な雰囲気を放ってる看板の店に入ってみたい!」キョロキョロ


打ち止め「うーんと、あっちのちょっとおシャレな大人のブティックでもいいかも!ってミサカはミサカは優柔不断!」


一方通行「ンなモンどこでもいいだろォが。くだらねェことで悩ンでるっ暇があったら早く買ってこい」


打ち止め「む~!!アナタは年頃の女の子の気持ちが全くわかってないかも!ってミサカはミサカは事実を突き付けてみたり!」


一方通行「そンなこと知りたくもねェよ……」


番外個体「ふむ……!夫婦喧嘩なんて外で見せてくれるなんて観戦料でも払いたいくらいだねぇ?」

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:46:39.04 ID:mHKjapWy0
打ち止め「夫婦なんて……ってミサカはミサカは少し嬉し恥ずかし……」カァ


一方通行「ンな冗談真に受けてないで早く店を探せ」


打ち止め「……う~!」


一方通行「ンだよその目は」


打ち止め「やっぱり全然わかってない~!ってミサカはミサカはとても憤慨!もういいもん!」タタッ


一方通行「……はぁ」


一方通行「……クソが」


番外個体「いや、それは無理やり連れてこられたミサカのセリフだと思うんだけどさ、貴方バカなの?」

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:54:44.96 ID:mHKjapWy0
一方通行「はァ?黄泉川の話聞いて一人で張り切りだしたのはてめェだろ。やっぱりロシアで痛めつけた時に脳味噌を少しシェイクし過ぎちまったンか?」


番外個体「はいはい、お前はそうやって都合の悪い時に侮蔑混じりの言葉で誤魔化す癖、何とかならないの?
いいカゲン、ミサカも飽きてきちゃったよ、そう言うの。」


一方通行「……てめェ、ブチ殺されたりねェみたいだなぁ?もう一篇程、腕の解体ショーでも紡いでみようか?」


番外個体「かいな だけに解体ショーって?少しもウマくないし……。ってゆーか、詩人になったつもりなの?」


一方通行「……ホントに刻んでや――」ドシッ


打ち止め「何でそんなに二人とも不機嫌そうなの?ってミサカはミサカは険悪そうなムードを嗅ぎつけて飛び込んでみたり!」

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:02:03.81 ID:mHKjapWy0
一方通行「……」ピクピク


番外個体「あはっ♪本体の喜びと一方通行の無様な姿を見れた喜びでミサカのテンションは2倍かも!」


一方通行「クソガキィ!てめェはいつもいつもマヌケなツラして突っ込ンでくるんじゃねェよ!!」ガバッ


打ち止め「キャハッ?ってミサカはミサカは番外個体のマネをしながら許しを乞うてみたり……?」


一方通行「……チッ」バキ


打ち止め「いったぁーい!!ってミサカはミサカは涙目になって恨みの目を向けてみる!」


番外個体「あらら♪まぁ私はどっちが不幸になっても幸せなんだけどねぇ♪」


一方通行「てめェも同じだよ……腕の一本や二本で済むもンとも思えねェがなぁ……」ギロリ


番外個体「打ち止めの服を買いに来ただけでそんな無様な姿にはなりたくないのでミサカは早々に逃げちゃいまーす♪」タタッ


打ち止め「あー!番外個体だけ逃げちゃうなんてー!ってミサカはミサカは地味に真面目に怒ってみたり!」プンプン


番外個体「……ついでにソフトクリームでも食べてこよーっと♪」


打ち止め「私も行く―!ってミサカはミサカは喜怒哀楽の中での喜がものすごい存在感を示しているのに気づいて驚いてみたり!」ダッ

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:07:41.66 ID:mHKjapWy0
一方通行「……」ピクピク


番外個体「あはっ♪本体の喜びと一方通行の無様な姿を見れた喜びでミサカのテンションは2倍かも!」


一方通行「クソガキィ!てめェはいつもいつもマヌケなツラして突っ込ンでくるんじゃねェよ!!」ガバッ


打ち止め「キャハッ?ってミサカはミサカは番外個体のマネをしながら許しを乞うてみたり……?」


一方通行「……チッ」バキ


打ち止め「いったぁーい!!ってミサカはミサカは涙目になって恨みの目を向けてみる!」


番外個体「あらら♪まぁ私はどっちが不幸になっても幸せなんだけどねぇ♪」


一方通行「てめェも同じだよ……腕の一本や二本で済むもンとも思えねェがなぁ……」ギロリ


番外個体「打ち止めの服を買いに来ただけでそんな無様な姿にはなりたくないのでミサカは早々に逃げちゃいまーす♪」タタッ


打ち止め「あー!番外個体だけ逃げちゃうなんてー!ってミサカはミサカは地味に真面目に怒ってみたり!」プンプン


番外個体「……ついでにソフトクリームでも食べてこよーっと♪」


打ち止め「私も行く―!ってミサカはミサカは喜怒哀楽の中での喜がものすごい存在感を示しているのに気づいて驚いてみたり!」ダッ

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:08:27.71 ID:mHKjapWy0
一方通行「……」ポツーン


一方通行「……チッ」


一方通行「本来の目的忘れてハシャいじゃってんじゃねェよ、バカ共が」チラッ




上条「……」


一方通行「……」


上条「や、やぁ……。ハァイ?」

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:14:24.74 ID:mHKjapWy0
一方通行「…………」


上条「えーっと……俺は、ここいらで失礼しますよっと。邪魔ですよね、あは、あはははは……」クルッ


一方通行「……」ガシッ


上条「……あははははは、あははははは?」


一方通行「今から一つ聞いてやる。てめェの生死が問われる重要な問いだ。心して聞けよ?…………てめェ、ど こ か ら 見 て や が っ た ?」


上条「……えっと、俺は何にも見ていませんよ?上条さんは紳士ですし嘘は――」


一方通行「こいつァいい。丁度、どいつでもいいからブチのめしたいと思っていただよなァ……。
お前にしようか?」カチッ


上条「最初から、見ちゃってました……」

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:25:09.52 ID:mHKjapWy0
一方通行「……」


上条「それじゃ、俺はこれで――」


一方通行「痛み通り越して悦楽するぐれェにこの肩を捩じり込んでいいか」


上条「……」ピタッ


一方通行「……チッ」


上条「えーっと……」


一方通行「ンで、何だよ……。」


上条「……え?」

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:44:44.31 ID:mHKjapWy0
一方通行「てめェと俺が偶然会うなんてことは滅多なことではねェはずだ。
……お前、俺を探してたんじゃねェのか?」


上条「……流石。まあ、バレるわな。なんたって学園都市第一位、ですもんね」


一方通行「……ンな過去の称号、今取りだすんじゃねェよ。」


上条「過去っていうか現在進行形だろ……」


一方通行「……」ハァ


上条「……学園都市に嫌な空気が流れてるかもしれない」


一方通行「……!」


上条「俺も、詳しくは知らない。でも、とあるヤツの話でそう聞いただけなんだが。
信用のある話であるということは間違いない」

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:48:14.76 ID:mHKjapWy0
一方通行「……どういうことだ?(とあるヤツ……)」


上条「それがなんなんのかは全くわからん。すまん……」


一方通行「いや、そういうことじゃねェ」


上条「?」


一方通行「嫌な空気ったって、第三次世界大戦を終えて世界に圧倒的な力差を見せつけた今、学園都市に付け込もうとするグズな国なんてもンはねェとは思うんだが……」


一方通行「……わからねェな」

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 14:54:04.28 ID:mHKjapWy0
上条「た、たしかに考えてみるとそうだな……。一体どういうことなんだ……?」


一方通行「まァ、つまりお前が言いたいことは自分じゃどうしようもねェことを無様に頭下げて人様に頼みに来た……ってことでイイんだよなァ?」


上条「うっ……そう言われると肩身が狭いんだが……。何にもわかってないことだから俺一人じゃどうにもならなくてさ……」


一方通行「っで、何で俺に来たんだ?」


上条「?」


一方通行「てめェなら他にも頼む宛てがあンだろうが。わざわざ俺ンところに来る理由がみつからねェ」


上条「……は?」


一方通行「わかンねェか?……正義のお前が悪の俺にすがりついてくるのはなんでだって聞いてンだよ」

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:05:39.57 ID:mHKjapWy0
上条「え、えっと。いや、そうじゃなくてさ」


一方通行「……?」


上条「何で頼りに来たって……」


上条「頼りになる人間が誰だって考えたら、お前だって思ったからに決まってんじゃねえか」キョトン


一方通行「……!!!」


上条「えっと……一方通行さん?俺、何か変なこと言いましたかね……??」


一方通行「(コイツ……)」


上条「おーい……?」

105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:09:34.17 ID:mHKjapWy0
一方通行「……フン、てめェの頭はとことん狂っちまってるみてェだなァ」


上条「えぇ!?一方通行さん、何で俺を握る力に力が入っちゃってるんですか!?」


一方通行「バカが」


上条「それは……否定できないですけど……真顔で言われると上条さんも傷つきますよ……」


一方通行「チッ」スタスタ


上条「……え!?一方通行さん!?どこへ行きなさるんでせうか!?」ガビーン


一方通行「……俺には関係ねェこったし。丁度ツレとはぐれちまったから暇つぶしに胸糞悪そうな所にでもお散歩して来ンだよ。
ストレス発散には暴力が一番イインでねェ」

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:17:44.28 ID:mHKjapWy0
上条「……?」


一方通行「そン時に何か変なモン見つけてもおかしくはねェなァ」


上条「!なら俺も着いて行っていいか?!」


一方通行「まァ、それは個人の自由ってこったな。死んでも保障はできねェし守る気もサラサラねェがな」


上条「お、おう。何とか自分の身は自分で守ってみますよ」


上条「……!あ、そういえば!なぁ、一方通行」


一方通行「なンだ。下らねェことだったらぶっ[ピーーー]ぞ」


上条「あっ、やっぱいいです」

107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:20:48.79 ID:mHKjapWy0
一方通行「やっぱ今ここで[ピーーー]か」カチッ


上条「いやいやいやいや!?そこでその答えが導かれる定理が上条さんは全然わかりませんですことよ!?」


一方通行「モノを頼んだ相手に隠し事するなンて、そンなヤツは死んで当然だろォが。なァ?」


上条「くっ……言ってることメチャクチャすぎだろ……。……じゃあ言いますよ、言いますよ?」


一方通行「その勿体つけが現世での最後になるのは嫌だろうなァ」


上条「……あのさ、」ゴクリ




上条「お前って結構、将来尻に敷かれるタイプ……だろうな」







一方通行「……やっぱり、脳みその赤い液体を少し躍らせてみようかァ」カチッ


上条「やっぱりどっちみち不幸だああああああああああああああああああああ!!」ダダッ

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:27:27.54 ID:mHKjapWy0
【とある公園】


インデックス「ひょーかー!またねー!!」


氷華「うん。また、ね!」


氷華「行っちゃった……か」


氷華「楽しかったなぁ……。こんな日が、こんな私にも来ちゃっていいのかなぁ……。私ってバ――」


氷華「!」ブンブン


氷華「そうだ。私はあの男の人に言われたんだ。だから、自分を見失いそうになっちゃ、ダメ」チラッ

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:32:46.10 ID:mHKjapWy0
昼飯時には森林浴に来る人々や、ここを通学路としている学生など、利用者は多種多様。
だが、時刻は既に夕刻を過ぎていて、仄暗さと焼けるような夕日の色とが混在している空模様。
歩行者すらほとんどいない。街とは少し距離があるため、道路から聞こえるはずの鬱陶しい車軽車の音すら無い。
人間というのは不思議なもので、周りに生きる気配を見つけられないと唐突に不安になるものだ。

腰まで届く長いサイドテールを風に靡かせる高校生位の少女も、例外ではなかった。


氷華「こ、怖いから早く私も行こうかな……」


「おーっと。ちょっと待ってほしいカナ?」


氷華「……!」


「少ぉーしだけ、私ったらアンタに聞きたいことがわるワケなんだけど……。
あっ、言っとくケド拒否権は無いから」


氷華「貴方……誰ですか」グッ

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 15:45:00.32 ID:mHKjapWy0

「ちょっと、こっちは丸腰なのに何で戦闘態勢に入ってるワケ?アンタって可愛い顔して以外にサディスティック?」


氷華「質問に答えてください。でないと――っ!?」ググッ


「おっと、待った待った。気がはえぇなぁホントに。まぁ自己紹介ぐらいしとくのが日本でできるせめてもの流儀ってことなのかなぁ?」


ヴェント「私は、ヴェント。ちょぉっとだけ学園都市とは縁があって。っつーか、あんな間近にいたのに覚えてないってちょっとだけショックな事実なんだけどねぇ。
……わかったら早いとこいらに来てもらうと無理強いさせる必要がなくなるんだがなぁ……?」


以前。二人は間近で出会っていた。その時は、互いに相手が誰だが意識をしてはいなかった。
チカチカと光る学園都市制のLEDの電灯の光が目に入る。

ただ、その光が二人の人間を照らすことは、ない。

119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:36:03.18 ID:mHKjapWy0
【寮】


インデックス「ただいま~!」ガチャ


上条「おう、おかえりインデックス。風斬の様子はどうだった?」


インデックス「いつも通りだったかも!」


上条「風斬の様子はどうだった?俺も久々に会って話したかったんだがなぁ」


インデックス「ひょーかは元気一杯だったよ!そっ、それより、とーま?私は一日中歩いてたからお腹ペコペコなんだよ……」グゥ

120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:39:11.72 ID:mHKjapWy0
上条「お前のハラペコはいつでも揺るがないな……」


インデックス「それはどういうことかな、とーま……!」ギラリ


上条「いや、待て待て!!今日はお客さんもいるわけだから、そのむき出しの犬歯をしまってくれ!!」


インデックス「もんどうむよ――ぉ、お客さん……?」


一方通行「おめェの周りはいつでも賑やかなンだなァ……」ポリポリ

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:41:16.67 ID:mHKjapWy0
インデックス「し、白い人かも!!久しぶりかも!!って、とーま、この人はとーまのお友達なの?」


上条「ん?そう――」


一方通行「ちげェよクソガキ。誰見て言ってんだ」


上条「」ズーン


インデックス「え?じゃあ何で白い人はとーまの家にいるの?」


上条「ま、まぁそこは色々とあるんだよ。なぁ?」

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:46:04.74 ID:mHKjapWy0
一方通行「コイツが俺の下僕になりてェとか街で喚き散らしてたから、儚く散らしてやりに来たンだよ」


上条「あ、アクセラレータさん!?」


一方通行「ハッ、なんか違うところでもあるンだったら言ってみろ」キッ


上条「ぐっ……ち、違いません……(こええ……!)」


インデックス「とーま……物凄く情けないかも……」


上条「い、いやインデックスこれはだな!そのぉー……あー……もう全てひっくるめて不幸だーーー!!」


インデックス「っていうよりとーま。話がすり替わってたかも」


上条「へ?」


インデックス「私は、お腹が空いたって言ってるんだよ!」


上条「……えっとですね、インデックスさん、実を言うとですね、俺も今しがた帰ってきたばかりでですね、まだご飯の用意はできていないという所存でありまして――」


インデックス「とーまぁー……」ギラリ

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:50:24.55 ID:mHKjapWy0
上条「ちょ、待て!インデックスさん?!お客人の前でそんな暴挙は……!」


インデックス「後ろを見てみるといいかも」クイッ


上条「?」チラッ


上条「って、いねえ!?」


インデックス「さっき欠伸しながらお手洗いに入って行ったかも」


インデックス「って、ゆーことで、とーま」


インデックス「噛みつかれるか、今日はパパーッと外食にするか、と―まが選ぶといいかも!」ニコッ


上条「」

125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:52:34.50 ID:mHKjapWy0
【喫茶店】


佐天「ねぇ初春……?」


初春「はい、佐天さん……」


佐天「いつになったら、白井さん戻ってきてくれるのかなぁ……」グデー


初春「私たちが捕まってからだったりして……」グダー


佐天「それは冗談になってないよ……」


初春「うぇぇ……すいません……。っていうか私はジャッジメントなのに無銭飲食者になりたくないですぅ……」


佐天「お腹すいたなぁ……」

126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:54:52.43 ID:mHKjapWy0
初春「口の中甘ったるいままずっとドリンクバーで頑張ってますからね……」


佐天「気分変えてコーヒーでも飲む……?」


初春「私まだ飲めないです……佐天さん、コーヒ―好きでしたっけ……?」


佐天「ううん、私も飲めない」


初春「……」


佐天「……」

127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 22:58:46.68 ID:mHKjapWy0


インデックス「とーま!!早くしてほしいかも!」


一方通行「……飯を食べに行くだけじゃなかったんですかァ?」


上条「んー、まぁ女性は飯より甘いものってことですよ……あいつは牛丼4杯食べてからだけど……」


インデックス「とーま、なんか失礼なこと言った?」


上条「いえ、何にも言ってませんですことよ!?」


インデックス「それならよしっ!」フンス


一方通行「……めんどうくせェガキだねェ」ポリポリ

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:02:07.26 ID:mHKjapWy0
インデックス「面倒くさくないかも!そんなこと言って貴方もここのパフェを食べたいんでしょ!?」


一方通行「ンなわけねェだろ」ハァ


インデックス「ふふん!今日は私が氷華と遊んでる時にここを偶然見つけてラッキーだったね!
貴方のその物欲しそうな目で言いたいことは全てわかってるかも!」


一方通行「人の話を聞けよクソガキ。目を刳り抜くぞ」


インデックス「くりぬく?栗は食べたいかも!」


上条「い、一方通行、周りの人の目がとっても痛いのでぜひ席に着いてからお話していただきたいのですが……」アセアセ


一方通行「……ハァ……」

129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:02:57.33 ID:mHKjapWy0
上条「そんなにでかい溜息つかれましても……」


インデックス「とーまー!早くー!この席でいいかもー!」


上条「ってお前は席に着くのはええ!」


インデックス「とーま!私はこの1250円の特大パフェが食べたいんだよ!」


上条「高っ!?普通パフェって750円とかじゃないんですか!?」


インデックス「特大の高品質パフェなんだよ!」フフン

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:04:30.18 ID:mHKjapWy0
上条「お前……上条さん家の財政事情を知っての狼藉か……?」


インデックス「そんなの知らないんだよ!もう頼んじゃったし!」


上条「いつの間に頼んでるんだよ!?」


上条「うぅ……不幸だ……」



初春「……」


初春「(あの人は確か……)」

132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:08:52.36 ID:mHKjapWy0
初春「!」ピクッ


佐天「どうしたのー?初春ー?」


初春「さ、佐天さん、私、少し光明を見つけたかもしれません……」


佐天「!どういうこと!」ガバッ


初春「ま、まぁ見ていてください……!」ニヤリ



133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:09:24.82 ID:mHKjapWy0

インデックス「あー……本当においしすぎて天国に行っちゃいそうかも……」


上条「天国とか地獄とかって信じてる点が何やらシスターっぽいな……」


インデックス「私は正真正銘、シスターかも!!」ムキー


一方通行「……ふぁぁ」ネムネム


上条「ほら、もうそろそろ7時半だし、早く食え」


インデックス「私はもっとじっくりじーっくり味わいたいかも!」


上条「今日はカナミンの日じゃなかったのか?」


インデックス「!!!4分ほど待ってほしいかも!!」ガツガツ

134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:10:59.89 ID:mHKjapWy0


上条「(まぁいつやってるか知らないけど)」


上条「ちょっとトイレ行ってくるわ」ガタッ


インデックス「わかっふぁかも」


【トイレ前】


上条「……サイフの中身は……」チラッ


サイフ「3500円也☆」


上条「……」


上条「今月は、昼飯抜きだな……ははは……」グッタリ


「あ、あのぉ~」


上条「ん?」


初春「わ、私のこと、覚えてます……かね?」


上条「(は、花飾り!?え、えーと不味い!!俺の記憶にないってことは記憶をなくす前の知り合いってことか!?)」


初春「えっと……覚えてなんか、ないですよね……私なんか……」ジワ

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:12:22.82 ID:mHKjapWy0
上条「え!?すいませんすいません!」


初春「……」チラッ


上条「えーっとどこだったかでお会いしたことある方ですよね!?ですよね!?」


初春「あ、ありがとうございます!覚えていてくださるなんて!」パァァ


上条「え?(覚えてねぇ!!け、けど言っておくべきだろここは!)」


上条「い、いや、もちろんですよ(っていうか中学生……だよな?俺何したの?)


上条「えーっと、お名前はたしか……」


初春「初春です!初春 飾利って言います!あの時は、命を助けていただいて本当にありがとうございました」


上条「あ、あぁ初春さん!いやいや何でもないことですよあんなこと!(命!?何やったの!?)」

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:12:55.43 ID:mHKjapWy0

初春「と、ところで……」


上条「はい?」


初春「こんなことを頼むのは本当に気が引けるんですが……,少しお願いしたいことがあるんですが……」


上条「えっと、……どうした?(……なんか真剣な面持ちだけど……まさか……今回の関係者……!?)」


初春「あの、ですね……」


上条「はい……」ゴクリ




初春「お金を……貸してくださいませんか!?」パンッ


上条「」

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:14:02.85 ID:mHKjapWy0
【散歩道】


佐天「いや~上条さんが来てくださって本当に助かりました!ありがとうございました~!」


初春「本当にすいませんです……。お金は今度お会いした時に必ず返しますので~!」




上条「いえいえ、どうってことないですよ!(さぁて、今日からもやし生活復活かなぁ)」


インデックス「何かとーま、私以外の女の子には優しい気がするかも……」


上条「インデックスさん、私は紳士上条さんですよ?人によって態度を変えるなんて失礼なことはしませんことよ?」


一方通行「……おい」


上条「ん?」

138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:15:37.49 ID:mHKjapWy0
一方通行「進展どころか手がかりすらねェみてェだが、これからどうするか、てめェは考えてやがンのか?」


上条「……うっ」ギクッ


一方通行「はぁ……日和ってていいンかよ」


上条「そうは言われましても情報も何も無いものでして……」アセアセ


一方通行「……。まァ、なンにしても今の状態を維持してちゃ今後に響く。
明日から徹底的に学園都市を探すしかねェんじゃないかねェ?」


上条「あぁ、今はまだ夏休みだし。明日から本格的に行動に移さないといけなくなると思う」

139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:16:35.70 ID:mHKjapWy0
インデックス「……??とーま、何のこと?」


上条「(うぉっ!?インデックスがいるのをすっかり忘れてた!)とっ、とりあえず明日もセブンスミストで落ち合おう!」ダダッ


インデックス「え?え?白い人は今日は泊っていくんじ――」


上条「インデックス!そういや冷蔵庫にお前の好きなプリンがあったぞ!早く帰らなくていいのか?!ってかカナミンも!」


インデックス「とーま!そういう重要事項はもっと早く言うべきかも!!」キュピーン


インデックス「じゃーねー!またねー!」フリフリ

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:17:44.61 ID:mHKjapWy0




一方通行「……」ポツーン


一方通行「……ッたくどいつもこいつもお気楽で羨ましいこって……」ポリポリ、


「うぅ……」


一方通行「?」


一方通行「なンだ?ベンチに横たわってるやつらは……)」


「……」


一方通行「酔っぱらったアンチスキル共か?」


一方通行「……」

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:18:15.49 ID:mHKjapWy0
一方通行「(何が起きているのかはモチロンだが……)」


一方通行「(アイツの言ってた『とあるヤツ』ってのは……?一般人が知りえねェ情報を扱う奴っていうのは間違いない。
つまりは暗部ってわけだ。ッていうことは、アイツは暗部と繋がりが……?)」


一方通行「(……)」


一方通行「あーウゼェ。そンなことどうでもイイだろ、クソが」


一方通行「コーヒーでも買いに行くかねェ」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:19:47.58 ID:mHKjapWy0
「ふわぁ……」ガサガサ


一方通行「……!」キッ


「すっかり辺りも暗くなって……。夜空ってのは万国共通で煌びやかなモノだね」


一方通行「(……こんな夜に……、っつーか、ドレス?なンだコイツ……)」


一方通行「(まっ、俺の知ったこっちゃねェ、か)」スタスタ


「ほら、そこの」


一方通行「……」スタスタ


「そこだよ、お前」


一方通行「……あ?」

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:21:21.04 ID:mHKjapWy0
「こんなに暗くなってしまった小道に、麗しき女性を残して立ち去ろうなんて、無粋もいいところなんじゃあないか?」


一方通行「知ったことかよ。……スキルアウトにでも会う前にすぐに帰れ」


「すきるあうと……?それはさっき私に話しかけてきた連中のことを言う俗称なの?」


一方通行「!」

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:22:17.79 ID:mHKjapWy0
一方通行「(あそこに転がってるのは酔っ払いじゃなくて……スキルアウトの連中!?)」


「そこらに転がっている小石程度の矮小な人間が、私に触れようとするなんて100万年早いってことだし」


一方通行「てめェ……、誰だァ?」カチッ


「……偶然会ったところで悪い……、いや、光栄なことなの」


一方通行「……(答えねェってことは)」グッ


「清麗青々とした夜空の中、舞踊するのはもう疲れた」


一方通行「(……1日分のストレスをぶっ放しても良いってことだよなァ?)」ニヤァ


「だから、次の演目を貴様にゆだねてみることとしよう――!!」

145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:25:23.37 ID:mHKjapWy0
【ファミレス】


御坂「いない……」


大手チェーンのファミリーレストランの店内で、御坂美琴は項垂れていた。


黒子「あらら、先に帰ってしまったようですわね。まぁ、これだけ待たせてしまったら当たり前ですの……。
次にお会いした時に謝らなければなりませんわね」


御坂「いや、初春さんと佐天さんだけじゃなくて……、あの人も……」


黒子「先ほどから一緒に走り回っていた方のことですの?喧騒の中で聞くことができていませんでしたが、あの方はどなたです?
何やら気高い雰囲気が漂っていましたが……」

146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:25:50.33 ID:mHKjapWy0

御坂「それが……」


御坂「私も名前聞いてない……」


黒子「はぇっ!?それではお姉様は何処の何方かも分からない方の道案内をやっていたということですの!?」


御坂「そっ、そういうことになるわね……」


黒子「はぁ……、どんだけお人よしですの……」


御坂「だっ、だってあの人は――!」


黒子「?」

147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:26:38.29 ID:mHKjapWy0
御坂「(アイツの名前、出してたし……。気になっちゃって……)」


黒子「お姉様?」


御坂「(でも、冷静に考えると確かに私も大概よね……。せめて名前位聞いておくべきなのに……)」


黒子「……!」キュピーン!

148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:27:33.48 ID:mHKjapWy0

御坂「(でもでも、一度引き受けちゃったからにはどうにかしたいのに……!勝手にどこか行っちゃったし手がかりがない……!)」


黒子「……」ソォ


御坂「(あ、そうだ!お店の人に聞いてみよう!一応っ!もうしかしたら――)」


黒子「……ふぅ」ミミフー


御坂「ひやぁぁっ!?」ゾクゾクッ


黒子「あぁ、お姉様の崇高なお耳に息を吹きかけた常盤台生徒は私だけですのっ!オホホッ!さぁ、それではお姉様、門限もとっくに過ぎてますから早く寮に――」


御坂「……」ビビビッ!!


黒子「おはぁぇえええ!?」ビリビリビリ!


御坂「はぁ……はぁ……何してんのよ!」

149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 23:28:10.22 ID:mHKjapWy0

黒子「本日も……気持ちのいい……甘い、悦びの痺れを……ありがとうですの……」ピクッピクッ


御坂「それじゃ、私はもうちょっと探してみるから!黒子は言い訳よろしくねっ!」ダッ


黒子「ちょ、おねぇさまああああ!?」



154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:37:47.10 ID:7lP+oEUH0
【深夜:コンビニ前】


上条「う~、夏だからとはいえ、肌着だけでは寒いですなぁ……」ブルブル


上条「しかし……、まさか明日の朝飯の分すら家にないとは……」


上条「おかげでこんな時間にコンビニATMですよ……手数料……」トホホ

155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:38:22.35 ID:7lP+oEUH0
【深夜:コンビニ内:漫画エリア】


御坂「う~、あの人ったらどこにいるのよ~……」


御坂「ずっと走りまわってるのにどこにもいないって……」


御坂「やっぱり、どこかホテルに戻ったのかな?それでいいのかな」フムゥ

156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:38:56.44 ID:7lP+oEUH0
「……手数料」ハァ


店員「しゃせー。しゃす、しゃす!」


御坂「……?(私以外にもこの時間に来る人もいるんだ)」


「あれ……ATMさん?私のクレジットカードを飲み込んで……ご反応は?」


御坂「……(聞き覚えのある声だけど、どうかしたのかな?)」チラッ

157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:39:25.42 ID:7lP+oEUH0
上条「えっ、ちょっと!何で画面が一向に切り替わらないんでせう!?」


御坂「(なーんだ、アイツか……。いつもながら可哀想にね)」


御坂「って、ハァ!?」


上条「ん?」チラッ


御坂「あ、あああああっ、アンタ!ここで何やってんのよ!こんな時間に!」アワアワ


上条「何って俺はATMにお金を降ろしに来ただけですけど……?!っていうか美琴さんこそ、確か門限のある寮にお住みでしたよね!?」

158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:40:42.10 ID:7lP+oEUH0
御坂「私のことはいいのよ!!ホンットにアンタはタイミング悪いわね!」ウガー


上条「えええっ!?何で俺はこんなにも理不尽に激昂されてるんですか?!」


御坂「うるさーい!大体、アンタは今日どこへ――」


「ちょっと、営業中なんでぇー、お静かにお願いできますかぁ?」


上条「はい……(俺は何にもしてないのに……不幸だ……)」シュン


御坂「はっ、はい……(しまったー、店内なのすっかり忘れてたぁ……)」カァ

159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:50:48.86 ID:7lP+oEUH0
【一方通行宅】


一方通行「……」


打ち止め「うぅ……こんな仕打ち無いよ……って、ミサカはミサカは悲痛に打ちひしがれてみる……」シクシク


番外個体「おやおやぁ……学園都市第一位は以外にも肉食タイプだったんだね?うぷぷっ」ゲラゲラ


芳川「アッ、一方通行!!とりあえずお茶を用意するから、すぐに席に着くのよ!!」フンフ


キャーリサ「へぇ、ここが日本……いや、日本式のマンションなのか。存外、色んなところからの折衷であるように見えるし」

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:51:16.91 ID:7lP+oEUH0
一方通行「おい……あの時の約束を忘れてんじゃねェぞ……?」


キャーリサ「約束ぅ……?」


――――――――――――

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:51:45.93 ID:7lP+oEUH0

一方通行「……(一撃で沈めてやンよ)」ダッ


キャーリサ「運動した後は、ご飯を食べて、早く寝る。これが英国式美容術なの」


一方通行「……」ピタッ


一方通行「……はァ?」


キャーリサ「ってことで、貴様の家に私を泊めるといいの」


一方通行「……(何言ってンだこの女。気でも狂ってンのか)」

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:52:12.33 ID:7lP+oEUH0
キャーリサ「……?何しているの?早くいくぞ」


一方通行「ちょっとお前ま――」


「あっちでさっき唸り声を上げている人がいたんですよ!!」


「ったく、こんな深夜に人騒がせじゃん!あっちだね!?」


「は、はい!!」


一方通行「……!(黄泉川か……めんどくせェ)」チッ


一方通行「……いいか、俺とお前は完全に無関係だ。それを家のやつらに説明しろ。それが絶対勝つ唯一の条件だ。脳みそに焼き付けろよ?」


キャーリサ「はいはい、わかったの。それじゃ、さっさと出発するの」タタッ


一方通行「……おォ」タタッ


一方通行「……(完全に日和ってるのは、俺だろ……)」ハァ


――――――――――――――――――――

163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:52:54.02 ID:7lP+oEUH0
キャーリサ「りょーかいりょーかい」ヒラヒラ



打ち止め「むむぅ……アナタ、一方通行のなんなのですかぁ!?と、ミサカはミサカはいきなり迫真に迫る!」キャー


芳川「こらぁっ!打ち止め!そういう核心的な部分はじっくりとジワジワ聞いていくのがサディストの精神でしょう!」ゾワゾワ


キャーリサ「うふふ、それはね?」


打ち止め「うんうん!」ワクワク


一方通行「……」

164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:56:20.18 ID:7lP+oEUH0
キャーリサ「嫁」


一方通行「」ビキッ


打ち止め「……」


芳川「……」


番外個体「ぷ……くく……」

165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:56:49.21 ID:7lP+oEUH0
キャーリサ「って言ったらどうするの?」


キャーリサ「普通に迷ってたところをコチラの真っ白いモヤシのような輩が助けてくれただけ。
それ以外のことを想像されると私の立場的にも精神的にもとても迷惑だし」


番外個体「ぷーっ!!わははははっは!!ははっははぁ!そりゃあそうだよねぇ!!私だったらこんなやつの許嫁になったら舌噛み切ってるもん!!」ゲラゲラ


打ち止め「……み、ミサカはミサカはびっくりしすぎてもう寝ちゃう……」フラフラ


芳川「は、はは……。外人さんのブラックジョークって、こういうことのなのかしらね……。あ、打ち止め、おやすみ」


打ち止め「ふぁい……」

166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:57:24.79 ID:7lP+oEUH0
番外個体「ぷーっ!!!打ち止めもどんだけショック受けてるの!!恋愛のレの字も知らない田舎娘ってわけでもないだろうに!!」


一方通行「おい」ゴン


番外個体「っ!?いったー!?……何すんのさ」ギロ


一方通行「……」ギロ


キャーリサ「ほぉ……。これが日本の渋茶か!祖国にはない塩味が効いていてなかなか……!」


一方通行「……はぁ」

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:57:52.29 ID:7lP+oEUH0
番外個体「……?」


一方通行「俺ァ今日は寝る。ソイツの扱いはテメェらに任せたぜ」ヒラヒラ


芳川「あっ、ちょっと一方通行――って、行っちゃった……」


キャーリサ「~♪」ズズ


番外個体「……。(……)」


芳川「?どうしたの?」


番外個体「私も寝るねん?芳川も早く寝ないと身体というかお肌に毒だよ?もう年なんだからさっ☆」


芳川「」ビキッ

168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:58:23.51 ID:7lP+oEUH0
番外個体「じゃね~♪」ヒラヒラ


芳川「お、おやすみなさい……(明日のあの子のご飯はもやし決定)」


キャーリサ「ちょっといい?」


芳川「あっ、はい、何でしょうか?」


キャーリサ「渋茶ついでに、何か適当にご飯が食べたいんだし」

169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:59:31.13 ID:7lP+oEUH0
芳川「え、ええ。もう夜遅いし、出来合いのものでいいのなら用意するわよ?」


キャーリサ「出来合い?出来合いとはなんだ?」


芳川「簡単なものなら、ってことかしら?(金髪に真っ赤なドレス……。やっぱり外国の方よね……)」


芳川「そうねぇ……余り物のハンバーグならあるんだけど……」


キャーリサ「腐れ米国が発端の食べ物など、食べたくはないの」フン

170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/28(日) 00:59:56.75 ID:7lP+oEUH0
芳川「(腐れって……)そ、それじゃあ何を……インスタントのラーメンとかならあるわ」


キャーリサ「ラーメン?中国が起源のあれか?以前食べたが妙に食べ辛くて好きじゃなかったし」


芳川「……(思ったよりじゃじゃ馬姫、なのかな)」


キャーリサ「他には何かないの?」


芳川「ちょ、ちょっと待ってね、冷蔵庫の中身を見てみるわ」ガチャ


キャーリサ「!!!」


キャーリサ「そ、それ!!!」


芳川「(急にテンション上がったわね……)な、何かしら?」


キャーリサ「ソーセージ!それでホットドックを作るといいの!」ビシッ


芳川「……(思いっきりアメリカ発じゃないのかしら……)」

193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:11:07.79 ID:/H+dLjdQ0
【明朝:上条宅】


ヴェント「……」モグモグ


上条「……」ダラダラ


風斬「えっと、えっと……っ」オロオロ


インデックス「もーうムリなんだよぉ……とうま、お肉持ってきても食べきれないよ……」スヤスヤ

194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:12:01.25 ID:/H+dLjdQ0
ヴェント「あー、何か生き返ったよ、ごちそーさん」フゥ


上条「い、いえいえ?上条さんは空腹の恐怖に苛まれている人を放っておくなんてしませんことよ?」


ヴェント「へぇ、何それ?軽い口説き文句みたいなモンなの?」


上条「いや、そういうわけでは……」アセ


風斬「ご、ごめんね?あなたに迷惑をかけるつもりはなかったんだけど……。以前インデックスに教えてもらったのが、ここで……」アセアセ


ヴェント「押し掛け女房で両手に花なんて男としたら夢のような展開だとは思うけどねェ」ウッシッシ

195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:13:19.71 ID:/H+dLjdQ0
風斬「押し掛け女房って……!わわわ、私はぜっ、ぜぜぜぜ、全然そんなんじゃ……!」カァ


上条「はははは……(乾いた笑いしか出てこねえぞ……どういう状況だこれ……)」


上条「(御坂には今日は誰か連れてくるから寮にいろって弱監禁まがいな命令を受けるし……)」


上条「(朝目覚めたら『何か食べ物があるんなら頂きたいんだケド』だし……)」


上条「不幸だー……」ボソッ

196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:13:56.77 ID:/H+dLjdQ0
ヴェント「しっかし話しには聴いていた日本の味噌汁ってやつは美味いもんだ。腐ってるとは思えないね」


風斬「あーっ、お豆が好きな感じなんですか?」


ヴェント「ん?いや、とりわけ好きってわけでも無かったけど……。これは見なおしちゃったね」


風斬「それでしたら納豆も美味しいですよっ!今度ぜひっ!」

197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:14:38.25 ID:/H+dLjdQ0
ヴェント「それって結構海外でも話題なんだけど、『臭い豆』でしょ?臭いってだけでやっぱり気が引けて来るんだが……」


風斬「うー、そんなことはないのでぜひ食べてみましょう!か、辛子とか入れるともっと美味しいんですから!」


ヴェント「へぇ、アンタはどうなんだ?」


上条「……へ?!もも、もちろん上条さんは納豆も味噌汁も大好きな純正日本人でありますよ!」


ヴェント「へぇ……」フーン


上条「……ははっ」


上条「……(何このアットホームな会話……)」

198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:15:06.08 ID:/H+dLjdQ0
インデックス「……おはようとうまぁ……」ムニャムニャ


風斬「……っ!」


上条「い、インデックス……(この状況の説明しろって言われてもできねぇぞ!?)」


風斬「おはよう」ニコッ


インデックス「……?おはよー……ひょうか…………ほぇ!?」ガバッ


インデックス「なななな、何でひょうかがここに?!って言うかもう一人スゴイ人がいるかも!!」


上条「」チーン

199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:18:14.67 ID:/H+dLjdQ0
風斬「私、ちょっと外出てきますね?」ボソッ


上条「えっ?」


風斬「その間に、ヴェントさんのお話聞いてあげてください」ボソッ


上条「話しって……」


風斬「ねぇ、良い天気だしっ!朝のお散歩しに行かない?」


インデックス「え?え?お散歩?」タジタジ


風斬「うん!一息つきたくって!一緒に行ってくれる?」


インデックス「い、行くのはいいんだけど、とりあえずお腹空いたかも……」グゥゥ


風斬「それなら散歩ついでにどこかによって来よっか!」グイ


インデックス「ほぇ!?ちょ、っちょっとひょうか?!私まだ何も着替えてないかも――」


風斬「それでは、行ってきます」ニッコリ


上条「お、おう……?いってらっしゃい」


風斬「……!」グイッ


インデックス「ひょうかあああぁぁぁ――着替えさせてほしいかもぉぉお……」ビェェ

200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:19:15.94 ID:/H+dLjdQ0
バタン


ヴェント「……」


ヴェント「禁書目録も大概ってやつだねぇ」フーン


上条「(風斬……ほんっとーにお前は出来る子過ぎる……。今度お礼をしなければ……っていうかアイツはあんなに強引なやつだったか?)」

201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:19:47.95 ID:/H+dLjdQ0
ヴェント「……っさて」フゥ


ヴェント「本題だ」


上条「っ!」ビク


ヴェント「おぉっと、勘違いするなよ?ここで一戦交えようとか、そんな自殺まがいのことはする気はサラッサラないね」


上条「……」


ヴェント「第一、『神の右席』は解散したんだ。今の私はどこにも所属してないプー太郎みたいなモンさ。しかも一人は能力を失い、一人は死に、一人は行方不明」


ヴェント「そんな奴らが何か事を起こそうったって、先は見えてるさ」

202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 00:20:15.72 ID:/H+dLjdQ0
上条「そっ、それじゃあ……?」


ヴェント「あぁ、それなんだが」グイッ


上条「へっ?」グッ


ヴェント「よいしょっと」


上条「ちょっと何で押し倒されてるんでせうか!?」


ヴェント「……」ニヤッ

216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:41:07.10 ID:bDcAs8rK0
同刻:一方通行宅】


チュン...チュンチュン...


一方通行「……」


一方通行「……」ムクッ


一方通行「……(朝、か……)」ネムネム
217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:46:15.40 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……ふぁ」アクビ


一方通行「……(「学園都市に嫌な空気が流れてるかもしれない」か……)」


一方通行「……(ンとは学園都市なんてもん、どうなってもいいコトなンだが……)」


一方通行「……(……)」


一方通行「……だりィ」ボリボリ
218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:47:54.89 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……とりあえず起き――」モニッ


一方通行「……」モニュモニュ


一方通行「……?」チラッ
219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:48:27.90 ID:bDcAs8rK0



キャーリサ「……ふにゅ」スヤスヤ



220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:49:45.36 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……(……ア?)」


一方通行「……(……)」


一方通行「……芳川、三往復ほど天国へのキップをプレゼントしてやン――」


打ち止め「おっはよーーー!!ってミサカはミサカは元気溌剌な顔を貴方に見せつけに来た――」バターン


キャーリサ「……カーテナ・セカンドに代わる武器は……ホットドックだったし……」ムニャムニャ


一方通行「」


打ち止め「……ほぇ?」
221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:50:14.03 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……」


一方通行「……(あー、なンつーか)」ボリボリ


打ち止め「……ふぇ」ジワッ


打ち止め「うわあああん!浮気者ォォォオ!ってミサカはミサカは悲劇のヒロインんんん」ビェェェ


一方通行「……朝からはしゃいでンじゃねェ、ガキが(芳川、6往復だわ)」テクテク
222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 01:51:29.59 ID:bDcAs8rK0
―――――――――――――――――――


冥土返し「あー、こりゃ少し膿んでるねぇ。結構痛かったんじゃないかい?」


ヴェント「おー痛かった。それも泣くほどねぇ」ケラケラ


冥土返し「素直で結構。こっちである程度の処置はできるけど、君に何よりも必要なのは絶対安静だからね。
舌を酷使したりはしないこと」


ヴェント「舌を酷使って……。日本ではもっとそういうデリケートなコトを穏やかには言えないワケ?つーか酷使することあんの?舌なんて。
教えてほしーなァ私ってば」キャハ
223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 03:08:18.93 ID:bDcAs8rK0
冥土返し「例えば、普通ではあるはずのないアクセサリを舌につけるとか、かな」


ヴェント「……!」


ヴェント「……」チッ


冥土返し「あからさまな拒否反応だね……」
231: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:13:43.14 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「あぁ、イヤだね」


冥土返し「……嫌がる理由を聴いてみてもいいかい?」


ヴェント「理由?んなもんは無いね。ただ他人から命令されるのはあまり好きくないんでね。
薬で治るもんならそれでいいだろう」


冥土返し「……ほう」


ヴェント「ってなわけで、早めに処置を済ませちゃってくれないかな?何分、そこまで暇な身ではないんでね」
232: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:15:06.59 ID:bDcAs8rK0
冥土返し「そうかいそうかい。ほらほら、あっちに更衣室があるから、早急に外してくるように」



ヴェント「はぁ?アンタは私の話しを聴いていたのか?何でそんなコト――」


冥土返し「早くしなさい」



ヴェント「!」
233: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:16:41.82 ID:bDcAs8rK0
冥土返し「ちなみに僕はね、患者のことを治せるんじゃない。治したいんだ。
だから、その為にできることは必ずやるよ。必ずね」


ヴェント「……」ポカーン


冥土返し「それじゃ、わかったら早くしてくれ。他の患者もいるんでね」


ヴェント「……」
234: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:17:11.52 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……(アイツといい、このおっさんといい……。和人っていうのはいちいちお節介なやつが集ってやがる。
面倒くせえなホントに)」


冥土返し「どうかしたのかい?体調が悪いのであればそちらの方の診察も行うけど?」


ヴェント「……ふん」スタスタ


冥土返し「(……ふむ)」
235: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:19:48.60 ID:bDcAs8rK0
冥土返し「(やっぱり、彼女は学園都市の人間ではないねぇ)」


冥土返し「(……独特の服装、雰囲気。あれは間違いなく科学の者ではないからね)」


冥土返し「(まぁ、そんなことは医者である僕には何ら関係ないことなのだがね)」フッ


冥土返し「さて、今のうちにこの書類をコピーでもしてしまうか……」ガチャ
236: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:22:56.42 ID:bDcAs8rK0
上条「……」ズーン







冥土返し「!」ビクッ


上条「……」ズーン


冥土返し「……なんだ、君か。いやはや、老体をあまり驚かさないでくれたまえよ」
237: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:23:28.59 ID:bDcAs8rK0
上条「……あぁ、おはようっす……」


冥土返し「おや、随分暗いようだが……どうかしたのかね?体調でも悪いのかい?」


上条「いやいや……上条さんはすこぶる快調ですので、お気になさらず……」ズーン
238: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:25:13.61 ID:bDcAs8rK0
冥土返し「そうかい?それだったらいいが……。くれぐれも病院内で倒れるなんて昼ドラマみたいな展開はよしておくれよ?今時B級ネタにすらならないからね」


上条「……はい、大丈夫ですよ~……」


冥土返し「それじゃ、僕は行くからね、君の連れてきた女性、もう少ししたら診察も終わるから少しだけ待っていてくれたまえ」スタスタ


上条「……」


上条「……はぁ」
239: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:28:21.21 ID:bDcAs8rK0
――――――――――――――――――


上条「(ま、まさか……罠!?しまった……馬乗りになってる今の状態じゃ、もう逃げ切れない……!)」


ヴェント「……」


上条「(し、死ぬ……!?)」


ヴェント「……案内しろ」グイッ


上条「……へ?あっ、案内って?(ナ、ナイフ……!)」
240: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:31:15.96 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「恍けてるんじゃねぇ。お前と共にロシアの上空から落ちたはずの奴だよ」


上条「……!」


ヴェント「漸く察したかい。そうだよ、フィアンマだ。アイツは今どこにいる」


上条「……復讐か?」
241: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:35:27.32 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「復讐?……ククッ」


上条「?」


ヴェント「あァ、そうだよ、復讐だよ。アイツにやられた背中が痛い、アイツにやられた顔が痛い、アイツにやられた舌が今でも疼いていやがる」


上条「……」
242: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:36:23.57 ID:bDcAs8rK0
上条「?」


ヴェント「あァ、そうだよ、復讐だよ。アイツにやられた背中が痛い、アイツにやられた顔が痛い、アイツにやられた舌が今でも疼いていやがる」


上条「……」


ヴェント「ただ、それ以上に、アイツに居場所すら取られたコトに腹が立つ。一方的な作戦に走り、勝手に失敗。要人殺害まがいのことまでして
全てを砕き去ったアイツの存在自体がもはや気にくわねェんだ」


ヴェント「だから、生きているのなら――」
243: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:37:32.34 ID:bDcAs8rK0
上条「……知らない」


ヴェント「……はァ?」


上条「俺はちょっとした事情があってアイツより帰還が遅れた。
だからアイツが生きているのか、死んでいるのか。どこにいるのか、何をしているのかなんて、
少しも知らない」


ヴェント「……下手な嘘こきやがってるんなら、関心しないねェ」ググッ
244: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:39:03.60 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「テメェがフィアンマをのしたって情報は得ているんだ。……知っていること、洗いざらい吐いた方が身のためだよぉ……?」


上条「……だけど、俺がフィアンマに対して言えることは一つだけあるんだ」


ヴェント「……?ほ~ぉ、それは?」


上条「俺は、アイツに『やり直せ』と言った。そしたらアイツは笑ってくれたんだ。勝手だけどさ、それを俺は承諾と受け取ったんだ」


上条「だから、俺はお前がアイツを殺しに行くって言うのなら。止めなきゃいけない」
245: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:43:45.98 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……」ポカーン


ヴェント「……ひゃっ、ひゃはははははははぁ!!!」


ヴェント「ほーう、私が手首を数cm捻っただけできったねぇ赤いモン撒き散らして逝っちまう状況にいるやつが、
何をほざいているのか。笑いが止まらないよォッ!」


ヴェント「しかも『笑ってくれた』だァ!?そんなコトで、そんなコトでアイツが改心したって証拠になるのか!?アァ!?」


ヴェント「以前と言い今この時といい!!テメェは世の中を甘く見てるんだよ!!さっきのアイツも!!!私がちょっと涙を見せてチョロまかしたらすっかり信じ込んでここまで案内してくれちゃってさァ!!
大体、フィアンマだってテメェのこと殺そうとしたんだろうが!!何ヒーローぶってんだ!聖人君子きどんじゃねぇっての!!」
246: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:46:52.04 ID:bDcAs8rK0
上条「……(風斬……)」


ヴェント「それで何?ご飯までごちそうになって?終わって私が馬乗りになって?一飯の恩に気持ちイイことしてくれるとか勘違いしちゃってんじゃねェのか!?」


ヴェント「いいから、知ってることを教えろってんだよ!」ジャラッ


上条「……!」
247: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:47:31.56 ID:bDcAs8rK0
上条「……」


上条「……あぁ、殺してもいい」


ヴェント「……!」


上条「俺を殺したければ、殺してもいい。どうせ知ってることなんて何もねぇしな」


上条「ただ、ちょっとだけ待ってほしい」


ヴェント「……!ちょっとさっぱり意味がわからねえんだが……。
諦めてんのか命乞いしてんのか、どっちなんだてめぇは!?」
248: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:48:40.46 ID:bDcAs8rK0
上条「お前の言い分だと、フィアンマを倒した後のお前はどうなる?」


ヴェント「……!!!」


上条「フィアンマを追いかけて、殺して。その後は?復讐を遂げて残るのは何だよ?
大きな惨めさとちっぽけな達成感、それだけだろ?
それに例え見つけたとしても。お前がアイツに勝てる可能性だって、そう高くはない、違うか?」


上条「そんなことをしたところで、絶対にお前は幸せになれない」


ヴェント「っこの……!」バキッ
249: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:51:25.87 ID:bDcAs8rK0
上条「……っが!」


ヴェント「知った風な口を聴くんじゃねえ!減らず口叩いている暇があったら少しでも犬っころみたいに尻尾振って私のご機嫌でもとってりゃいいだろ!」


ヴェント「大体、私が幸せか幸せじゃないかって?くはっ、笑わせる!そんなことなんで他人のテメェにわか――」


上条「……知ってるよ」


ヴェント「!?」ビクッ
250: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:52:55.97 ID:bDcAs8rK0
上条「お前が味噌汁をマジで好きなのは知ってる。風斬をだましてたとは言え、あの時風斬と話してたお前は、退屈してなかったってことも知ってる」


ヴェント「はっ、はァ?はひゃ、はっははははは!なーにを言っている?もういい、もう殺す、もう決めたよ!
せめてもの土産だよ、てめえが天国に落ちれることをいの――」


上条「そういう暮らし、すればいいんじゃねぇのかよ?」


ヴェント「……っ!?」


上条「何でまだ自分は暴力とか魔術とか結社とか復讐とか、そんなちっぽけなモンに囚われてると思ってるんだよ!?」
251: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:55:17.69 ID:bDcAs8rK0
上条「いいじゃねぇか!!普通に朝、味噌汁飲んで、友達と話して、好きなことして!!それって、権力とか復讐とか、そんなものが代替できるもんじゃねえだろ!!」


ヴェント「……」


上条「お前の計画は、根本から大事なもんが抜けている」


上条「お前自身が、幸せになるって言う、結末だよ」


ヴェント「……そんなもん、私は求めちゃいないし、考えてもいない。お前の勝手な考えを私に押し付けるんじゃねえ」ブシュ


上条「……っ!!それじあダメだろ!!考えるのをやめちゃだめなんだよ!!
一生懸命に頑張って、得るものこそ勝ち取るっていうんじゃねえのかよ!?
お前の嫌いな『負け』って言葉しか、今のままじゃ出てこないんだ!!」


ヴェント「……」
252: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:57:24.51 ID:bDcAs8rK0
上条「一回さ」


上条「普通の暮らしも、してみてから考えてもいいんじゃないかと思う」


上条「俺、バカだからどうやってとか言えねえけど。手探りで、時間がかかっても、
それで本当の答えを見つけることができたら、それが『幸せ』何じゃねえか、って思うからさ」


上条「お前も、最初からあきらめずに、やってみろよ、ヴェント」


ヴェント「……!!」
253: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 12:57:55.73 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……っ」


ヴェント「……ぷっ」


ヴェント「……ぷは、はひゃはははははっはは!!」


ヴェント「アンタ、自分が今何を口走ってんのかわかってるぅ!?末代まで残るレベルのはっずかしーい言葉、言っちゃってるんだよ!?
私だったら一目散にここから逃げ出してるよォ!!」
254: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:00:19.54 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……はぁ」


ヴェント「普通って、何だよ」


上条「……」


ヴェント「私にとっては、弟が消えたあの日から、これが普通だ。誰かを追って、仕留めて、帰って、それで飯を食ってきた」
255: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:01:58.56 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……アンタの言う道だってね、悪くはないかもしれない。
ただね、それをするには、場所だって、用意だって、たくさんいるんだ。
簡単なことじゃない。」


ヴェント「力を捨てるってことは、勇気だって準備だって、たくさんいるんだよ。
それができないガサツな私じゃ、どうあがいたって――」


土御門「それなら~」パシッ


ヴェント「……!?」


土御門「オススメの方法があるんだにゃ~ん?」ドッ
256: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:03:20.58 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「っぐぅ!?」ズドン


上条「つ、土御門!?」ガバッ


土御門「いや~上やん、相変わらずにお人よしっぷりに俺はほとほと呆れちまったぜぃ」


上条「うるせえ!それより何でお前――」
257: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:04:24.29 ID:bDcAs8rK0
土御門「……しっ」スッ


上条「……!」


土御門「ヴェント」


ヴェント「ゲホッ!!ゲホッ……アァ?何だい?後ろから女の鳩尾に蹴りを入れるヤンチャ坊やァ……?
テメェも切り刻まれにきたってのかぁ?それとも魔術がお好み?
どちらか好きな方を選べよコラ!!!」


土御門「お前の言った、準備も、勇気もどっちとも必要ない」


ヴェント「――!」
258: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:04:50.54 ID:bDcAs8rK0
上条「っちょ、土御門っ!?」


土御門「上やんのところに居ればいい」


ヴェント「……はぁ?」


上条「」


ヴェント「アンタさ、サディズム極めてる上に頭までイカれちゃってるワケ?
今まさに殺そうとしてた相手の所にいろって、どういう了見だ?!」
259: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:05:20.58 ID:bDcAs8rK0
土御門「行くところもない、準備も、ないんだろ」


土御門「それだったら、できることは一つ、だと思うけどにゃーん?」


ヴェント「……!」


土御門「ここまで来て、自分の幸せを説いてくれた人の元にいる以上に良い道なんて、早々見つかるもんじゃないって言うのが
俺の意見ですたい」
260: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:06:25.66 ID:bDcAs8rK0
土御門「しかも、殺されそうになったなんて言ったら、上やんの周りには以前敵だった人間、上やンを殺そうとした人間なんてたくさんいるにゃ~」ケラケラ


上条「(それ笑えねぇ)」


土御門「だから、お前は自分の気持ちに聴いてみたらいいんじゃないかにゃ?」


ヴェント「……」


土御門「俺はお前に何があったとか、どういう事情があるかなんて、これっぽっちも知らないが、ね」


土御門「まぁ、俺が言いたいのは」
261: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:07:03.68 ID:bDcAs8rK0
土御門「ウダウダ悩んでる暇があったら先に進む努力でもしやがれってこと」


ヴェント「!!」


土御門「か、にゃ~ん?」


ヴェント「…………」


土御門「それじゃ、上やん、俺はお暇するぜい」スタスタ
262: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:07:30.13 ID:bDcAs8rK0
上条「お、おう……」


土御門「あっ、そうそう上やん、最後に一つ」


上条「ん?」


土御門「今回俺がここにいるのは不法侵入じゃなくて鍵掛かっていない上に扉まで開きっぱなしで声がガンガン聞こえてたからだにゃー?」ニャハハ


上条「……あ(そういえば風斬が出て行って……それっきりか)」


土御門「それじゃ、ほんとに失礼するぜぃ。ばはーい」ガチャ バタン
263: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:10:18.11 ID:bDcAs8rK0
上条「……」


ヴェント「……」


上条「…………俺は、別にかまわない」


ヴェント「……!?」


上条「お前がいても、全く問題はない。ただ、それをするなら、どうしてもお前自身の『やりたいって気持ち』が必要なんだ」
264: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:10:44.83 ID:bDcAs8rK0
上条「それを決めれるのは世界でただ一人、お前だけだ」


上条「さぁ、どうする。もしここでお前が復讐なんて道をまだ選ぶんだったら」


上条「俺はその幻想を全力でぶち壊す!!!」


ヴェント「……」


ヴェント「…………はぁ。わっけわからねえよ、ホントに」


上条「?」
265: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:11:33.86 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「フツーさ、何で親身になれるわけ?何で話を聞いてやろうって思えるわけ?」


ヴェント「そういうことされるとさ、こっちが普通なのになぜか悪いのはこっちだって、思えてくるじゃねえか」


上条「うっ……すいません……」


ヴェント「……ぶっ、ぶははは!!!」


ヴェント「謝ってんじゃねえよ、ンとに意味分かんないねお前は」


上条「……いや、確かに考えてみたら俺が特殊なだけなのかもしれませんので……」
266: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:12:00.42 ID:bDcAs8rK0
ヴェント「……んじゃ、飽きるまで居座らせてもらおうかねぇ」


上条「あぁ、そうしろそうしろ……って本当でせうか!??!」


ヴェント「ん、あくまで『飽きるまで』だがね。それが明日か、今日か、いつになるかはわからないけどねぇ」ケラケラ


上条「でも……いいのか?のっぴきならない理由だって……」


ヴェント「あぁ?あんだけ強引に誘っておいて、今更なんだ?やってるだけやってみるんだよ。
つまらなかったら、即おしまいの体験コースさ。それだけの話しじゃねえか」
267: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:12:28.39 ID:bDcAs8rK0
上条「そうか……。それでもさ、良かった、良かったよ」ホッ


ヴェント「……!(コイツは何でホッとしてやがんだ……?本当に私には理解不明な構造してやがる)」


上条「って、何をするよりも前に部屋の片づけしないと……不幸だ……」


ヴェント「……その前に、ちょっといいカナ?」
268: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:13:43.67 ID:bDcAs8rK0
上条「ん?」ガサゴソ


ヴェント「それ……私が付けた、ソイツさ」スッ


上条「あ、あぁ、この程度、別に……」


ヴェント「病院に行って、見てもらうか」


上条「病院……?」


ヴェント「ついでに、私のも、ね?」ケラケラ





土御門「(いや~上やんのフラグ体質ここに極まれり!ですた~い!これはまた面白くなってきたにゃ~!!ぐふ、ぐふふふふふっ!!)」


―――――――――――――――――――――――――
269: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 13:14:11.25 ID:bDcAs8rK0
上条「(そんなこんなで、朝から病院にいるわけですが……)」


上条「(俺は殺されずに済んだし、ヴェントはとりあえずは行き止まってくれたのはいいんだけどさ……)」


上条「(それは本当にいいんだよ!?いいんだけどさ!!)」


上条「(うちに三人分養うお金なんてねぇぇぇぇぇええええ!!)」ズーン


上条「(っていうか、まず寝床すら確保できるのか……!?布団も送ってもらわねえと……)」


上条「(インデックスにもどう言えばいいのか……。うぁぁ……問題が山積み過ぎる……!」


上条「不幸だぁぁああああ……」ズズーン
276: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:20:08.59 ID:bDcAs8rK0
【一方通行宅】


キャーリサ「ふわぁ……。よく寝たし……」ネムネム


キャーリサ「……?」


キャーリサ「昨日はココに白もやしが寝ていた気がするんだが……」


キャーリサ「っと、言うより今は……あぁ、もう10時過ぎか……私ったらどれだけ寝てるの……」テクテク
277: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:25:19.26 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「まぁ、昨日は久々の休暇でもあったし……はしゃぎすぎたのかもしれないな……」


キャーリサ「……」ガチャ


シーン...


キャーリサ「……?」


キャーリサ「……誰も、いない?」チラッ
278: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:27:57.70 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「机の上に描き置きがあるの……」


キャーリサ「『私は仕事だから先に出ているわね。ここの鍵も置いておくから自由に出入りしていいから。
P.S.朝食は冷蔵庫の中にピザトーストがありますのでぜひ食べてね』」



キャーリサ「見ず知らずの人間一人に留守番させるなんて、日本人は何て不用心なの……」


「……それはてめェも同じことだと思いますけどねェ」
279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 23:28:32.17 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「!」サッ


一方通行「……漸くの起床ですかィ」ファァ


キャーリサ「女性の独り言を聴くなんて、あまりいい趣味だとは思えないし……」


一方通行「あァ?俺がいたところにテメェが勝手に来たんだろうが。状況を豪快に履き違えてんじゃねェぞ」


キャーリサ「……」イラッ
280: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:29:01.85 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……」


キャーリサ「……まぁいいの。日本の男なんて所詮は何ら気にせず女性を殴るような男ばかりなの」


一方通行「……何言ってるか分かんねェが、それは大いに偏見だと思うがねェ」ヤレヤレ


一方通行「ツーか、そのだらしねェ格好、なんとかならねェのか」


キャーリサ「今の私のどこがだらしないんだし」


一方通行「いやァ、いくらなんでも女だったら男ン前ではもうちょっと気にするもンなんじゃねェの?
俺は別にどうでもいいがなァ」
281: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:29:30.21 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「?……だから、何を言って(イギリス王室ご用達の布店からのオーダーメイドドレスをコイツは……)」チラ


キャーリサ「……へ?」チラッ


❤下着only(桃色)❤


キャーリサ「……」
282: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:30:09.48 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「……」キッ


一方通行「……」


キャーリサ「……こ、これは誰の仕業なの……」ババッ


一方通行「さァてねェ?俺が朝起きた時にはいなかったクソ女二人の仕業かもしれませンねェ(まぁ十中八九面白がったアイツらの仕業以外に無いだろうが……)」
283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 23:30:34.34 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「……この私にこの恥辱……。生かしておけないし」


一方通行「へェ、こんなところでてめェと意見が合うとはよォ。っつーか、早く着変えた方がいいと思うンだが」


キャーリサ「着るものなんて、ドレス一着しか持ってきてないし(どーせ日帰りの予定だったし……)」


一方通行「……そンなこと言ったって、俺は何もでき――」チラッ
284: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:33:10.97 ID:bDcAs8rK0
一方通行「……そンなこと言ったって、俺は何もでき――」チラッ


一方通行「……あー」ボリボリ


キャーリサ「……?どうかしたの?」


一方通行「……クソ女は、それもちゃんと見越してくれてるみたいだがぜェ……」ケラケラ


キャーリサ「へ?」チラッ



❤フリフリスカート&今年イチオシ☆のキャミソール❤



一方通行「……お礼ならクソ女に直接頼むぜ?」


キャーリサ「……」


キャーリサ「(……一宿一飯の恩義…………では到底賄い切れない侮辱だし……)」コク
285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/31(水) 23:35:26.10 ID:bDcAs8rK0
―――――――――――――――――――
【散歩道】


キャーリサ「ちょ、ちょっと待って……!」


一方通行「……お前、何で杖ついて歩いてる俺よりおっせェんだよ」


キャーリサ「だ、だって……!」


キャーリサ「日本人はこんな薄着で外に出歩くのが平常なの!?足元がスースーして、とてもじゃないけど
早く歩けないし!」
286: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:36:04.68 ID:bDcAs8rK0
一方通行「昨日はテメェの方が俺は急かしてたじゃねェか……。つーかあんなゴワゴワしたモン着るよりはそっちの方が動き易いと思うんだがねェ……」


キャーリサ「……貴様は、『着慣れ』って言葉と『気遣い』って言葉が辞書にはないのか」


キャーリサ「……っていうより、着いてこいって促したのは貴様のはずだし!!もう少し何かあってもいいと思うんだが……」
287: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:36:33.95 ID:bDcAs8rK0
一方通行「恩着せがましいことこの上ねェな。じゃあ、別にどこに行こうとかまわねェよ。(元々アイツン所に連れて行こうと思ってただけだが……もしかしたらコイツも関係してるかもしれねェと思ったんだがねェ……
完全にコイツは白だろ)


一方通行「ンなモン施されたいなら早々にお国にでも帰ったらどうですかねェ?」ポリポリ





キャーリサ「……!貴様ァ――!」ビュオ





キャーリサ「……!」バッ
288: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:37:50.84 ID:bDcAs8rK0
「うぉ!?あの女の人パンツまるみ……ぶふぉぇおう!!」バキッ


「はーまづらぁ……?私と歩いている時に別の女の方向いてるなんて、いーい度胸じゃねぇか……」


「ちょ、ちょっと待て!!その光はここで出していい光じゃないか――ちょ、ちょっとおおおお!!?」ダッ


キャーリサ「……」ムムム...
289: ◆7oWiJj9WF6 2011/08/31(水) 23:39:06.29 ID:bDcAs8rK0
キャーリサ「……」キッ


一方通行「……何だよその目は(マジで面倒くせェ……)」


キャーリサ「……ちょっと、どこかに行く前に繁華街にでも案内しろ」


一方通行「はァ?何で俺がンなこと――」


キャーリサ「い い か ら し ろ」


一方通行「……(……ホンットに)」


キャーリサ「……」ウルウル


一方通行「……(女って面倒くせェ……)」
296: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:26:43.47 ID:BTHlEKpz0
【ブティック】


御坂「……ったく……」


御坂「何で私ったら服なんか見に来てるんだろ……」


御坂「(って、私……緊張してる?)」


御坂「」ブルブル


御坂「(何で私が緊張しないといけないの!!ただ単にあのバカのところにあの人を連れていくだけじゃない!!)」


御坂「……」ハァ
297: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:27:21.05 ID:BTHlEKpz0
御坂「……とりあえず、乗り掛かった船だし……。探さないとね」


「……ふぅ~む……」


御坂「ほぇ……?」


キャーリサ「何か気に入らないけど……これでいいか。あんな痴女みたいな格好よりはましだし」デニム


御坂「(……)」


御坂「(み  つ  け  た  )」キュピーン


―――――――――――――――――
298: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:27:55.24 ID:BTHlEKpz0



店員「ありがとうございました~!♪」


キャーリサ「日本の店の従業員のサービス精神は異常なの……試着を30着位してしまったし……」


キャーリサ「まぁ、楽しかったから良しとするの」
299: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:28:27.68 ID:BTHlEKpz0
「見ぃ~つ~けぇ~ま~し~た~よぉ~……」ガシッ


キャーリサ「ん?」


御坂「全く!!いつの間にかどこに消えているんですか!!探しまわったんですよ!?」


キャーリサ「あぁ、昨日の……」


キャーリサ「……」ウーン


キャーリサ「誰だ?」


御坂「何で私は過去の人になっちゃってるんですかぁぁ!!アイツのところ行くって言ってたじゃないですか!」
300: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:29:58.39 ID:BTHlEKpz0
キャーリサ「……!」ピクッ


キャーリサ「……見つけたのか?」


御坂「今は自宅で待機させてますから!!ってことで、いっきますよ!!」


キャーリサ「いや、猿ちょっとまっ――」


御坂「私は猿ではありません!!!っていうか何でそれを思いだしてるんですかああ!!」ウガー
301: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:31:02.27 ID:BTHlEKpz0

キャーリサ「……(まぁ、後で改めて彼には伝えればいいか……)」


キャーリサ「……そうだ、猿」ダダダ


御坂「だから……私は猿じゃなくて御坂美琴っていう名前がある――」


キャーリサ「私の名前はキャーリサだ。人に話しかける時は名前で呼ぶのが礼儀だろう。わかったか?……御坂」


御坂「……!」


御坂「……はいはい、分かりましたよ!それじゃ急いでいきますよ!!」


キャーリサ「ふん、せいぜい張り切って私に尽くせよ、猿」


御坂「…………アナタが礼儀をわきまえてないじゃないですかああああああ!!!」ウガァァァ...



――――――――――――――――――――
302: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:32:41.29 ID:BTHlEKpz0
【ブティック 外】


一方通行「ったく……。何で俺が二日連続でこンなところに……」


一方通行「……」


一方通行「……」


一方通行「なげェ……」イライラ
303: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:33:12.71 ID:BTHlEKpz0
一方通行「(……あの女、どこかタダものじゃァねェように見えるが……。どうにも害があるようには見えねェ)」


一方通行「(……しかし、海原の奴みたいに化けの皮被ってる可能性も有り得る。
……ここはやはり――)」



「「…………アナタが礼儀をわきまえてないじゃないですかああああああ!!!」」



一方通行「!」
304: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:33:54.40 ID:BTHlEKpz0
一方通行「(オイオイ……。まだ真昼間だぞ……。こんな街ン中で大声ではしゃげる能天気が学園都市にいやがるとは……)」


一方通行「(って、待てよ、何か覚えのある――)」


キャーリサ「おぉ、その調子で私を早く案内するといいんだし」


一方通行「」
305: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:34:31.72 ID:BTHlEKpz0
一方通行「あの女ァ……!……それと、あれは……第三位のガキ……!」


一方通行「アイツ……あの女と何か関係が……?」


一方通行「(あの女がいてもいなくても何か変わることもねェが……)」


一方通行「……」


一方通行「……ちィッ」


一方通行「……追跡して見てみるのが得策……かっ。あのバカ外国人が……」ダッ


――――――――――――――――――――――
306: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:35:28.14 ID:BTHlEKpz0
【病院付近の公園】


インデックス「ひょうかぁぁあああ!こんな格好で外に出るのはさすがの私も恥ずかしいかも!」


風斬「ごっ、ごめんね、私ったら自分のことしか考えていなくて」アセアセ


インデックス「全くも~……。でも、許しちゃおうかな!」


風斬「……え?いいの?」ビクビク
307: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:36:08.81 ID:BTHlEKpz0
インデックス「朝からひょうかにケーキ買ってもらえたし!それに」


インデックス「二日連続でひょうかに会えるなんて、思ってもいなかったし!」テヘヘ


風斬「……!」


風斬「……ははっ、ありがとう」


インデックス「ふふ、別にお礼を言うほどのことではないかも!」エッヘン
308: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:37:44.03 ID:BTHlEKpz0
風斬「それじゃあ――」


インデックス「で~も~……!ひょうかぁ?」


風斬「ひっ!」


インデックス「この格好は恥ずかしいから、一旦家には帰りたいかもぉぉぉ~」ビェェ


風斬「う、うん!そうだね!(良かった、インデックスはヴェントさんがいたこと覚えてない――)」


インデックス「――それにね」


風斬「へ?」


インデックス「とうまにはあの女の人が誰なのか、聴かなくちゃいけないから……!」ギラッ


風斬「はっ、はははは、そ、そうだね……(上条さん、ごめんなさい……)」
309: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:38:49.09 ID:BTHlEKpz0
インデックス「……ん?」クンクン


風斬「どうしたの?」


インデックス「何か……すごく良い匂いがするかも……」


風斬「……」クンクン


風斬「あっ、本当だ……!何か甘い匂いがするね!」


インデックス「匂いは……こっちから来てるかも!!」ダダッ


風斬「あっ!!待ってよぅ!!」ズデッ


風斬「いたた……」


インデックス「ひょうか~!早く行かないと置いて行っちゃうかも~!!」ダダダ...


風斬「まってよ~!!」タタッ


風斬「(……あれ?着変えは……しなくていいのかな?)」



――――――――――――――――――――――
310: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:43:35.33 ID:BTHlEKpz0
上条「……」ズーン


ガチャ


「……」



上条「……」ズーン


「……?」


上条「……(はぁ……どうしようか……)」ズーン
311: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:44:30.52 ID:BTHlEKpz0
「……」フリフリ


上条「……?」チラッ


「……なーにシケたツラしてやがんだ」


上条「……はい?」


「『はい?』じゃねぇっての。……さっさと行くぞ」グイッ


上条「……へ?えっと、いや、ちょっと!?」バッ
312: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:45:40.56 ID:BTHlEKpz0
「あァン?私は今ご機嫌斜めなんだ、くだらねェワガママ言うんなら――」


上条「お姉さん、どちら様でせうか……?」


「……」


「……はァ?」


上条「(こっ……こんなキレイなお姉さんと知り合いにいたっけか!?)」


上条「(ま……まさかまた記憶をなくす前の俺が……)」
313: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:46:06.71 ID:BTHlEKpz0
「……」バチン


上条「ぶへぅっ!?」


「なーに夢見ちゃってんだァ……テメェ……」


上条「ゆ、夢なんて上条さんは見てないでございますよ!?(そして何てバイオレンスなんだ……!)」


上条「(っていうか待てよ……!?この声……って、まさか……?)」


上条「ヴぇ、ヴェントさんでございませうか……?」
314: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:48:46.16 ID:BTHlEKpz0
ヴェント「……?」


ヴェント「あァ、そういえば……」


ヴェント「メイクん下は見せたくなかったんだがなァ……」ハァ


上条「……お前って……」


ヴェント「……?」


上条「お、お前って、そんな顔してたんだな……」ビックリ
315: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:49:26.50 ID:BTHlEKpz0
ヴェント「あァ?何だ?変だって言いてェのか?元々メイクなんてのはしてなかったが私の素顔はよほどなのかジロジロ
見られて腹が立つんだよ。テメェもバカにするんならブチ殺すしてやんよ……」


上条「い、いやいやいや!!それは逆ですって!!!」


ヴェント「逆ゥ……?」ポカーン


上条「え、えーとですね、メイク姿が似合ってないとか、ではないんですよ!?……ないんですが……
えーっと……」


ヴェント「あーまだるっこしいね!!言いたいことがあるなら早く言いやがれってンだ!!」ウガー
316: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:50:23.77 ID:BTHlEKpz0
上条「うわっ!!わかったわかったから病院内で白い目向けられるから暴れないでください!!」


ヴェント「……」ハァハァ


上条「……メイクをとったらめちゃくちゃ美人だなぁ……って思ったんですが……」ボソッ


ヴェント「……」


ヴェント「……は?」
317: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:51:12.87 ID:BTHlEKpz0
上条「い、いやいやいや!!決して上条さんの好みドストライクとか、そういうわけじゃ!!」ブンブン


ヴェント「……」


上条「……」


ヴェント「……」ペタペタ


上条「……あの……ヴェント、さん?」
318: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:51:58.97 ID:BTHlEKpz0
ヴェント「……っ!なっ、何だよ!?」


上条「え?い、いや、ボーッとしてるみたいでしたので……」


ヴェント「は、は、はァ?私が隙を見せるなンてあ、あああ、あり得ネェだろ!
くだらねェこと言ってんじゃねぇぞ!」カァァ


上条「えっと、ヴェントさん、顔が真っ赤でせうが……!」
319: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:52:53.38 ID:BTHlEKpz0
ヴェント「……っひ!う、うるせェ!」ズカズカ


上条「……ど、どこにいくんですか!??!」


ヴェント「つっ、着いてくんじゃねェ!!」


上条「えぇぇえええ……」ガーン


ヴェント「……(あー!!調子狂う!!ウゼェェ!!)」ズカズカ


ヴェント「……(ホンットーにアイツは何考えてるのかわっかんねェな!!
……って私はどうして……?!…………あー!!もうウッゼェエエエ!!)」ズカズカ
320: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:53:21.77 ID:BTHlEKpz0






上条「……」ポツーン


上条「……正直、怒った顔も……」


上条「…………散歩でもしてこよう」

321: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:53:53.14 ID:BTHlEKpz0
――――――――――――――――
【病院前】

キャーリサ「もうかなり歩いているが、まだ着かないの?」


御坂「あ、あれー?おっかしいな……ここら辺のはずだったんですが……」


御坂「(しまったぁぁ!アイツの寮の場所、まだちゃんと覚えてないぃぃ!)」
322: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:54:22.57 ID:BTHlEKpz0
キャーリサ「……やっぱり所詮は猿なのか……」ハァ


御坂「うっ……(流石に私の無計画が招いた状況なだけに言い返せない……けど)」


御坂「私は猿ではなーい!!」




「ありがとうございまーす!ホットドックお二つですねー!」


「お待たせいたしました―!はいどーぞー!」


キャーリサ「ありがとう」ニコ


「(うぉっ!か、かわいい……!)」


御坂「何で私の話しを聴かないでホットドック買ってるんですかぁ……」シクシク
323: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:54:50.06 ID:BTHlEKpz0
キャーリサ「だって、小腹が空いたし」ハムッ


キャーリサ「……」ポワワ~ン


御坂「……はぁ(マイペースな人だなぁ……。って、私も私かぁ……。そういえばもうお昼なのにそんなこと気にしてなかったし……。
最低だなぁ)」


キャーリサ「……ん」ハムハム
324: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:57:00.12 ID:BTHlEKpz0
御坂「……え?」


キャーリサ「これ」


御坂「く、くれるんですか?」


キャーリサ「流石の私も二つも食べれないし……ちょっと自分のお腹の多寡を計算し違えたから」


御坂「……」ポカーン


キャーリサ「……さ、猿にも餌を上げないとダメだし。生物で食べなくたって生きていけるものなんてほとんどいないし!」


御坂「はははっ、それならいただきますね!」
325: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:57:38.96 ID:BTHlEKpz0
キャーリサ「何を笑っているの、猿。気持ち悪いし」ウワー...


御坂「ははは、あむっ……おいしっ!」モグモグ


キャーリサ「当然なの。私が気に入った食べ物だし」フフン




「……はぁ」トボトボ



キャーリサ「……ん?」チラッ
326: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:58:19.75 ID:BTHlEKpz0
キャーリサ「……!!」


上条「もうそろそろ……ヴェントさんの機嫌は治りましたかね……?」トボトボ


上条「あ……そういえばビリビリとの約束……!」


上条「……やっべぇ……」サァー


上条「早く家に戻らねぇと!!……っとその前にヴェント連れ戻さないと……!最悪のダブルブッキング……!
不幸だああああ……」ダッシュ
327: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 15:58:45.27 ID:BTHlEKpz0



キャーリサ「……」ポカーン


御坂「ん……ん……ごくん。はぁ~美味しかった!キャーリサさん、御馳走様です!」


キャーリサ「……」


御坂「?キャーリサさん?」オーイ


キャーリサ「御坂、上出来なの……!」ダッ
328: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/01(木) 16:01:07.49 ID:BTHlEKpz0

御坂「……へ?いやいや、それほどでも!」


御坂「って、キャーリサさん……!」


御坂「……!やっと名前で呼んでくれましたね!ようやく二度目!!……て」





御坂「……あれ?」ポツーン





御坂「ちょ、ちょっと待ってくださいよぉおおお!!!」ダッ



―――――――――――――――――
340: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:46:24.86 ID:ZOjk19g70
冥土返し「……ふぅ、ざっとこんなものだろうか」


冥土返し「文化の違いが多少あるとはいえ、これで恐らく……」


コンコン


御坂妹「失礼します」ガチャ
341: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:47:27.65 ID:ZOjk19g70
御坂妹「頼まれていたケーキの方、焼きあがりました、とミサカは逐次報告します」


冥土返し「おや、御苦労さま。ありがとう」


御坂妹「……しかし、わかりませんね。ケーキを買ってきた上で、改めて自前でも用意するなんて……と、ミサカはどういう予定だ、と暗に問いかけます」


冥土返し「はっはっは。本来はすべて自前でもいいんだけどね。だけど、その分手間がかかるだろう?
だから、最初の一つ以外は出来合いもので済ませてしまうことにしたのさ」


御坂妹「子供たちの学習室として使っているこの部屋を、わざわざ時間をかけて包装する理由が。と御坂は素直な疑問を投げかけます」


冥土返し「いやぁ、僕としても驚いているよ。何分急を要したし……。実は、連絡を受けたのも昨日なんだよね」


冥土返し「全く、どこの国にでもお転婆姫はいるってことなのかなぁ」ヤレヤレ
342: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:48:27.85 ID:ZOjk19g70
御坂妹「……国?と御坂は要所を抜き出します」


冥土返し「あぁ、それは――」


ガチャ


インデックス「ここからケーキの匂いがするかもー!!」キャッキャ


冥土返し「おやおや」


御坂妹「……」ビックリ
343: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:49:55.11 ID:ZOjk19g70
インデックス「……?あれ?短髪?じゃなくて、妹の方かも?それにお医者さん?」ハテ


風斬「はぁ、はっ、ちょっとぉ、待ってよ~……」ハァハァ


インデックス「ひょうか!ここに一杯食べ物があるかも!」ジュルル


風斬「ほ、本当だ……って、」


風斬「はわわっ、すっ、すいません、お邪魔しちゃって……」アワアワ
344: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:50:25.40 ID:ZOjk19g70

冥土返し「いや、問題ないよ」


冥土返し「むしろ、こちらとしても好都合だ」


御坂妹「(……好都合?)」


インデックス「そ、それって、ここにある美味しそうな食べ物、食べてもいいってことかも!?」ダラダラ


冥土返し「ははっ、そうだけど、もうちょっと待ってくれるかな?催し物には主役がいないと始められないしね」
345: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:50:55.96 ID:ZOjk19g70
風斬「え、えと……」


冥土返し「あぁ、もちろん君もいて構わないからね。ぜひ時間があるようであれば参加して言ってくれたまえ」


風斬「あ、はい、ありがとうございます」


御坂妹「(…………主役……)」
346: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:51:31.38 ID:ZOjk19g70
ヴェント「クソ野郎が!離せ!」バキバキ


上条「ぐっ!いいから、早く帰らねえとより上条さんが不幸になってしまうのです!
協力をお願いしますよ!!」


ヴェント「わ、私はこの姿で人前に出るなんてゼッテーに嫌だ!!死んだ方がマシだっての!!(化粧道具を忘れちまった……!)」ウガー


上条「い、いや、だからお前は十分かわ――」


ヴェント「その次を言ったらブチ殺す。一呼吸でも入れたらブチ殺す」


上条「……はい」ゾクッ
347: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:53:55.55 ID:ZOjk19g70

上条「…………ん?」


冥土返し「おや、……パーティーというものには、自然と人が集まってくるんだねぇ」ワハハ


上条「あれ?インデックス……に、風斬か?どうした、こんなところで」


インデックス「とうま!?そ、それはこっちのセリフかも!!」


風斬「上条くん……?何でここに?」


上条「えっ、い、いやぁ、別になんともなくはないんですが……その」チラッ
348: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:54:21.95 ID:ZOjk19g70

ヴェント「……」ムスッ


インデックス「……とうま、今朝の女の人と違って、また美人な女の人連れているかも……」


ヴェント「……っ!」カァァ


風斬「えっと、か、上条くん?ヴェントさんは……?」


上条「そのヴェントさんが、こちらの美人さんですよ……」


風斬「えぇっ!?」
349: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:55:49.50 ID:ZOjk19g70
ヴェント「……テメェ……」カァァ


上条「えぇっ!?ちょ、ちょっと、紹介するためには仕方なかったんですよ!?
っていうか褒めてるのに何で俺は怒られるのでせうか!?」


ヴェント「うるっせぇおちょくるのもいい加減にしやがれ!!」


上条「えええええ!?って待て待て、それより時間は!?おっさん、今時間は何時だ!?」


冥土返し「えーっと、ちょっと待ってね。……ふむ、2時半だね、丁度」
350: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 01:57:02.02 ID:ZOjk19g70
上条「や、やべえ!!っ、そ、それじゃ俺はこれで――」


「やーっと見つけたし……」ハァ


上条「!?」ビクッ


御坂妹「……!(外国人の……訛り?)」ピクッ


冥土返し「おや、探して呼びに行くのが一番手間取ると思ったんだが……、取り越し苦労だったようだね」


御坂妹「……!?」
351: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:00:06.68 ID:ZOjk19g70
「随分見つけるのに苦労したし……上条当麻……」


上条「……」タラー


上条「(嫌だ。絶対に今後ろを向いたら不幸が来るんだ。そうだ、そうに違いないんだ。
だから俺は後ろを向いてはいけない。このまま走り去るべきなんだ)」


「それにしてもこの服もやはりまだ歩きにくいの……。あのドレスは流石特注品といったものか……」


上条「(今だっ!)」ダッシュ


ヴェント「!?」グッ


「っ!」
352: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:00:43.69 ID:ZOjk19g70
ヴェント「ちょっと、てめぇぇええ!!私はこの姿じゃ外に出たくないって何度も!!」


上条「ひいいい!!後で全てのお怒りは聴きますから今はなにとぞご協力をぉおお!!」



「……ねえ」


上条「……?(前から、声……?)」


「私は、昨日、いや今日の深夜……」タッ


上条「…………(ま、まさか……)」タラー


「アンタに、朝、自宅で待てって、確かに言ったわよね……?」


「それが、何で…………」


「何で……!」


上条「(もう……今日も一日、不幸であることを認めますよ……)」






御坂「何でまた知らない女の人と手つないで病院は走ってんだーーーー!!!!」ビリビリビリビリ



上条「ふ、不幸だぁああああ!!」キュイーン


冥土返し「(病院の機械に、被害が出ませんように……)」
353: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:02:50.66 ID:ZOjk19g70
――――――――――――――――

上条「お、お久しぶりですね……」


キャーリサ「会って即座に逃亡した人間の開口一番に言う言葉が、それか?」ギロッ


上条「う……。す、すいません……」ゲザ


キャーリサ「……ふん」
354: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:03:32.56 ID:ZOjk19g70
上条「そ、それでキャーリサ様は私のような小市民に何か御用で……?」オソルオソル


キャーリサ「私が用もなく貴様を訪ねるような暇人だとでも思っているの?」


上条「いえ、思いません……(こえぇぇ……)」


キャーリサ「それじゃ、本題に入るが……結論から言うと、私は貴様に借りを返しに来たんだし」


上条「か、借り……、ですか?」
355: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:03:58.53 ID:ZOjk19g70
キャーリサ「……結果として、貴様に英国は救われたようなものなの。正確に言うと貴様と天草式、そしてアックアとかいう傭兵下がり、か」


ヴェント「……!?(この女、アックアを……?)」


キャーリサ「だから、私は一国の第二王女として……貴様に借りを返しに日本に来た」


御坂「(……第二王女?英国?あれ?そういえばキャーリサさんってどこかで――)」


上条「えっと、……それは具体的に言いますと……?」


キャーリサ「貴様の望むもの、一つだけくれてやる」
356: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:04:25.47 ID:ZOjk19g70
上条「……へ?」


キャーリサ「二度言わせるな。一つだけ、貴様の願望をかなえてやるって言っている」


上条「(……今日という日は一体……)」


上条「望むもの……と言われましても、いきなりで思いつかないんでせうが……」


キャーリサ「……私に探させた上に、これ以上待て、と。そういうことなの?」


上条「え、えぇと?!いやいやいや、そんな狼藉するつもりは毛頭ないんですが!!
私のような小物には大きすぎることでして!?」
357: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:05:46.02 ID:ZOjk19g70
キャーリサ「…………」ギロッ


上条「……」ダラダラ



冥土返し「あー、お取り込み中のところ、ちょっといいかな?」


上条「(す、救いの神!!)」


キャーリサ「……なんなの」


冥土返し「貴方は、英国王家第二王女、キャーリサ様ですね?」


キャーリサ「……!そうだが、何か?」


キャーリサ「と、言うより。貴様は誰なの?私に何か用なのか」


冥土返し「これはこれは、失礼。私は学園都市のこちらの病院にて、『冥土返し』として医者をやっている者なのです」
358: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:06:14.81 ID:ZOjk19g70
キャーリサ「!(聴いたことがあるの……。あれは……確か――)


冥土返し「いやぁ、実はね、簡単でいいから貴方を出迎えてあげて欲しいと、そういう依頼があったものでね」


冥土返し「よかったら、用意したものを召し上がっていただきたいのです」


キャーリサ「……」


キャーリサ「その依頼主……騎士団長、だな?」


冥土返し「ははは、流石第二王女様、ですな」


冥土返し「その通り。彼とは結構な付き合いでして。『王女が日本に向かったようなので、寝床と飯を用意してあげてくれ』との要請を
もらったのですよ」
359: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:06:39.74 ID:ZOjk19g70
ヴェント「(へぇ……アイツがクーデターを引き起こした第二王女、キャーリサ……。何やら私と似たような匂いがするねェ。
…………ククク、面白そうじゃないか)」


御坂「(……第二王女……イギリスで、何番目に偉い?……偉い……?あれ?」クラクラ


御坂「(アイツ、イギリスでも何かしたの……?ロシアにもいたし……。どれだけ活動領域広いのよ!?)」



キャーリサ「……はぁ、余計なことを……」


冥土返し「ははは、私は主君思いの良い男だと思いますけどね」ハハハ
360: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:07:05.80 ID:ZOjk19g70
上条「……」ソォ


キャーリサ「どこへ行くの」


上条「……っ!」ビクッ


上条「え?い、いや、別にどこにも?はははは……(逃亡失敗……!)」


キャーリサ「英国はもてなしにはしっかりと答えるの」


キャーリサ「……だから、お前との話しもゆっくりと決めることにするし」


上条「(…………早く、帰りたいです)」


―――――――――――――――――――――――
361: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:08:18.08 ID:ZOjk19g70
御坂「まさか、キャーリサさんが英国第二王女様だったなんて……」


キャーリサ「ん?何だ、猿。不満か?」ギロッ


御坂「い、いや!!決してそういうわけじゃ!!(何度もニュースで顔とか出てるのに何で私ったら……)」


インデックス「ひょうか!!このチキン、信じられないほど美味しいかも!!」ガツガツ


風斬「い、インデックス、もうちょっと落ちついて食べないと……」


インデックス「大丈夫だいじょ――うっ!!ひょ、ひょうか、み、みじゅ……」ブクブク


風斬「い、インデックス!!」アワアワ
362: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:08:43.18 ID:ZOjk19g70
ヴェント「……ほら」


風斬「!」


インデックス「!……っく、ごく、ぷはっ!あ、ありがとうなんだよ!!」


ヴェント「別に誰も急かしちゃいねェンだからもう少し落ち着いて食いな」フン


インデックス「わかったんだよ!落ちついて急いで食べるんだよ!!」ガツガツ


風斬「……ヴェントさん、優しいんだね!」


ヴェント「ばっ、はァ?たまたま私が飲み物持ってたから渡しただけだってェの」


風斬「それでも、ありがとね」ニコッ


ヴェント「……ちっ(本当にやりづれェな……)」
363: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:09:11.69 ID:ZOjk19g70
上条「昨日の買い物はこの為だったんだな」


御坂妹「いえ、私も貴方と同時にことの目的を知りました。とミサカは素直に自白します」


冥土返し「はっはっは、すまないね、僕も頼まれたのが昨日で、説明している暇もあまりなかったものでね」


御坂妹「いえ、構いません。とミサカは寛容な心をアピールします」
364: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:09:38.49 ID:ZOjk19g70
上条「しっかし……」チラッ


キャーリサ「これは何なの?」ウゲー


御坂「ん?あぁ、それはタコのお刺身ですよ」


キャーリサ「た、タコ?」


御坂「コリコリした食感で美味しいですよ!食べたことが無いのでしたら、ぜひ食べてみてください!」


キャーリサ「……ふぅむ」
365: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:10:05.77 ID:ZOjk19g70
上条「……」チラッ


インデックス「ほら、綺麗なお姉さん、さっきのお礼なんだよ!」エヘヘ


ヴェント「っ!そ、その呼び方はやめろ!」


風斬「インデックス、彼女はヴェントさん、って言うんだよ。そう呼んであげて」クスクス
366: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/02(金) 02:10:33.67 ID:ZOjk19g70
上条「……」


上条「……(俺はどうしたらいいんでしょうか)」


上条「……はぁ(急に願いごとって言われてもな……。現実味のない……。
上条さんはただただ、平和に暮らしたいですよ……)」


冥土返し「……ちょっといいかい?」


上条「……はい?」


冥土返し「……さっきの話を盗み聞きさせてもらったようで悪いんだけどね……」


上条「……?」


冥土返し「君に何の願望もなくて、よかったら、の話なんだけど」


冥土返し「何も決まっていないのであれば、自分以外の誰かの為に使ってみてはどうかな?」


上条「!」


冥土返し「例えば――」



―――――――――――――――
376: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:47:35.13 ID:IaaN4BPM0
―――――――――――――――

―――――――――――――――


一方通行「……」ポリポリ


一方通行「……(そういうことで……。どォりでな)」


一方通行「……(何かはあるとは思っていたがまたあのバカ関連だとはなァ……)」


一方通行「……はッ(『嫌な空気』……まンまアイツにとってだけだったじゃねェか、クソが)」


一方通行「……」ハァ


一方通行「……(コーヒーでも飲んで帰るかァ……)」ハァ
377: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:48:25.71 ID:IaaN4BPM0
御坂妹「……?」ガチャ


一方通行「……?!」


御坂妹「……何やら気配を感じると思ったら……貴方でしたか。とミサカは自己の第六感に確かな感触を得ます」


一方通行「……別に俺はこれと言ってテメェらに用があるわけじゃねェよ」


一方通行「今だって邪魔者は退散しようとしていましたからねェ?」ケラケラ


御坂妹「……?」キョトン


一方通行「……。なんだァ?その顔。随分とアホ面晒しているじゃねェか」
378: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:48:52.87 ID:IaaN4BPM0
御坂妹「いえ……、貴方も参加していかれるのかと思ったのですが……とミサカは露骨に招待してみます」


一方通行「……はッ、俺ァごめんだねェ。あいにく、俺はお前らみてェなメルヘンチックな会話は苦手なもんでね」


御坂妹「そう、ですか……」シュン


一方通行「って、ことで。俺は帰る。他のやつらにも俺がいたことを教えんじゃねェぞ」


「……あら?一方通行じゃない?」


一方通行「……ァ?」
379: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:49:19.01 ID:IaaN4BPM0
芳川「招待されていたのも驚きだけど……、なにより貴方が実直に来ているなんて思わなかったわね。どういう気の吹き回し?」アラアラ


一方通行「……はァ?何言ってンだ?俺は別に今――」


番外個体「いやいや~べっつにそんな恥ずかしがらなくてもいいんじゃない?でも、仲間に入りたいなら『僕も入れてくだちゃ~い』って輪に入れてもらうのが人の子ってもんじゃない?」ケラケラ


一方通行「……ア?」ビキビキ


番外個体「芳川に朝から買い物付き合わされた腹い……じゃなくて昨日のお詫びに今日は胸キュンなイベント仕掛けておいてあげたの、
どうだったぁ?流石の貴方もドキドキ感じちゃったりしたかなぁ?」


一方通行「あれはテメェかァ……」ブチッ


番外個体「キャー!怖ーい!芳川助けてぇ~!」ケラケラ
380: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:50:17.64 ID:IaaN4BPM0
芳川「ほらほら、痴話喧嘩は家だけにしなさいって。
とりあえず、博士も待っているし行くわよ」


一方通行「はァ?何言ってんだ……。っつか芳川ァ!!テメェ重要なことを俺に言伝忘れてんだろォがァ!!アイツの正体ぐらい話してからでかけやがれ!」


芳川「あら?だって貴方、昨日の夜一緒に来たからその時に聴いているものかと……。
それに私だって知ったの今日の朝だものねぇ」


打ち止め「ッドーン!!ってミサカはミサカは捨て身タックル!!!」


一方通行「っが!???!」ドサッ


打ち止め「貴方がいつまでたっても入らないからミサカが助力してあげたんだよ!ってミサカはミサカは得意顔を晒してみる!」ドヤッ


一方通行「~ッ!!」ジダバタ


一方通行「……ごはっ!ごほ、…………クソガキ……腸ブチまけてえのか――」
381: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:51:48.45 ID:IaaN4BPM0
冥土返し「おや、君も来てくれたのかい?」


一方通行「!?(しまった……)」


キャーリサ「おぉ、連絡は後でしようと思っていたが……丁度いいし。お前も途中まで案内してくれた礼として食べていくといいの」


インデックス「んぁ!!ひろいひほふぁ!!」


風斬「い、インデックス、食べながらしゃべっちゃダメだよぉ!」オロオロ


ヴェント「……(誰だこの白もやし)」
382: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:52:28.23 ID:IaaN4BPM0
御坂「……(な、何で一位もここに……!?)」


上条「……やぁ。待ち合せる手間も省けましたね……」


一方通行「……俺はもう何をする気も無かったんだがなァ――ぐっ!?」


打ち止め「あ~!!私もお腹が空いたからたっくさーん食べるー!ってミサカはミサカは御馳走を目の前に涎が止まらない!」ギュムッ


番外個体「きゃ~!久々にひもじい食卓を抜け出して豪勢な食事だわ~ん!ってミサカはさほど嬉しくないけどこのチャンスを逃さない♪キャハッ♪」ギュム


一方通行「……」


御坂「(一位ってあんなキャラ……だったの?)」モグモグ
383: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:52:59.49 ID:IaaN4BPM0
上条「あの~一方通行サン?大丈夫でせう?」ツンツン


一方通行「……ォだァ」カチッ


上条「へ?」


一方通行「上等ォだァ!!テメェら全員ぶっ飛ばしてやる――」バタッ


御坂妹「平和な席には戦いは無用なのだよ……ってミサカはミサカは格好付けてみる!」モグモグ


一方通行「……後で、ぜってェに殺す……。殺す殺す……殺す!」ブツブツ
384: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:53:29.25 ID:IaaN4BPM0
芳川「ほらほら、一方通行!仕事で来れない黄泉川の分まで今日は食べるわよ~!」スタスタ


芳川「あっ、それ最後の一本じゃない!打ち止め!それ私に渡しなさい!」


打ち止め「ふぁめ!!これはミサカも食べてない至高のレバーだもん!!ってミサカはミサカはレバーの防衛を開し――」


番外個体「~♪」アムッ


番外個体「あー、これ確かにおいしいじゃん!」


打ち止め「……うぇぇえええん!番外個体が最後の一本を一口で完食したあああ!!ってミサカはミサカはぁぁ」ビェェ
385: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:54:01.07 ID:IaaN4BPM0
芳川「むむ……!それなら私はあのタコ焼きを……!」


キャーリサ「タコは存外美味しいものだったの」ヒョイ パク


キャーリサ「~っ!このソースと青のり、そしてマヨネーズの引き立てる塩味がたまらなくいいの!」ポワワ~ン


芳川「そ、それならあの唐揚げを!たくさん余ってるし――」


インデックス「あっ、ここにたくさん唐揚げがあるかも!!」ゴガガガッ


風斬「そ、そんな一気にたくさん食べたら危ないよ~っ」アワアワ


インデックス「大丈夫かも!失敗は二度犯さないのがシスターかも!」エッヘン


芳川「」
386: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:54:44.09 ID:IaaN4BPM0
一方通行「…………」


上条「……」


上条「(カオス過ぎる……)」


冥土返し「(まぁ……急な催し物としては、大成功ってことで……いいかな?)」
387: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:55:10.83 ID:IaaN4BPM0
――――――――――――――――

【三日後:とある高級マンション】


上条「……ふぁ~ぁ」


上条「もう、朝ですか……」チラッ





キャーリサ「……」カタカタ


ヴェント「……」トントン


ヴェント「……」ジュー




上条「っ!!!!?!?」ドダダッ
388: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:57:07.91 ID:IaaN4BPM0
ヴェント「!?……何だよ。起きただけか」トントン


上条「……」ポカーン


上条「お、おはようございます……そして、ありがとうございます」シゲシゲ


ヴェント「……何の真似だよ」


上条「いえ、朝からご飯を作ってもらえるっていうのはとっても幸せなことなのですよ……」


ヴェント「ふぅん……。そういうモンかねェ」
389: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:57:35.44 ID:IaaN4BPM0
ヴェント「……ちなみに、私は味噌汁だとか、和食の作り方はてんでダメだからな」


上条「いえいえ、作ってもらえるのであれば何でも大丈夫でございますよ」


ヴェント「……へェ」ホッ


ヴェント「!?(何で今ホッとしてんだ私は……!?)」


キャーリサ「……む、起きたか」トントン


キャーリサ「ふぁぁ……。毎度ながら、海外に泊まり込みで来ると時差ボケがひどくて困るし……」
390: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:58:08.85 ID:IaaN4BPM0


上条「……おはようございます」


キャーリサ「あぁ、おはよう」


上条「ここでの生活はいかがでしょうか?」


キャーリサ「別に問題は特にない……けど」


上条「……何か?」ギクッ


キャーリサ「三日前から思っていたのだが……その気持ち悪い喋り方は何とかならないのか?」


上条「……?何か変でしょうか?上条さんは敬語とかあまり得意じゃなくてですね、
おかしかったら申し訳ないです」


キャーリサ「いや、そうじゃなくて」
391: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:58:40.95 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「……貴様、イギリスで会った時はそんな喋り方ではなかっただろう」


上条「い、いやぁ?何のことですかねぇ~?(流石に一国の王女様とまともに話すとなると敬語じゃねぇとおかしいだろ……)」


キャーリサ「……ふぅん」


ヴェント「あのォ……平和ボケしてんのは勝手なんだケドさ、起きたンならテメェらとっとと食器出すの手伝えや」


キャーリサ「む……私はこれでも英国では軍事担当なの。時差ボケはあるけども平和を飽きてはいないし」


ヴェント「ちげェ!そこじゃなくて、悠長に話している暇があったら手伝えっつってんだ!!」ウガーッ


上条「ヴぇ、ヴェント、俺が手伝うから落ちついて……!」


キャーリサ「ふふん、何なの?ヴェント、貴様は手料理すら誰かに手伝ってもらえないとできないようなお子様だったのか?」


ヴェント「……あぁ"?」
392: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 00:59:43.23 ID:IaaN4BPM0
ヴェント「上等じゃねェか……売られたケンカは買わないと元神の右席の名が廃る!!!」ジャキン


キャーリサ「……寝起きの運動にはちょうどいいし。かかってこい」シャキッ


上条「きゃ、キャーリサ様ァァ!?煽っちゃだめですってぇぇぇ!?」


上条「朝からふこーーーーうだーーーー!!」



―――――――――――――――――――
393: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:00:09.20 ID:IaaN4BPM0
上条『それじゃあ、キャーリサ様?俺の望みはキャーリサ様が学園都市を満喫して帰る、じゃダメですかね……?』


キャーリサ『満喫……?』


上条『は、はい。あまり日本に慣れてないみたいだし、いいんじゃないでしょうか……?」


キャーリサ『……』フム


キャーリサ『ダメだ』


上条『でぇっ!?ど、どうしてですか?!』


キャーリサ『私はそれでいいなら構わないが……。貴様に一篇の利益も無い話しだと思うし。それじゃあ借りを返したことにならないし』
394: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:00:37.36 ID:IaaN4BPM0
上条『……(律義だなぁ……)』


キャーリサ『よって、1か月の間。私は家を借りる』


上条『……は?』


キャーリサ『そこに、貴様も来て、私が貴様の身辺の世話をする代わり、貴様は学園都市を案内するの』


上条『……はい?』


キャーリサ『名案だしっ』フフン


上条『いや、ちょっと――』


ヴェント『ちょォっとまって欲しいカナァ?』
395: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:01:03.82 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ『む……貴様は確か上条と一緒にいた……』


ヴェント『おあいにくさま、私は少しの間ソイツの所に厄介になることになっていてねェ?
……勝手に連れて行かれたら困るんだよねェ……』


キャーリサ『……そうなのか?』


上条『は、はい……。その通りです……』


キャーリサ『……ふむ』


ヴェント『わかったら一人で勝手に観光でも何でもし――』


キャーリサ『確か、ヴェント、とか言ったな』


ヴェント『……っ?』


キャーリサ『よし、貴様も来るし。』


ヴェント『……』


ヴェント『…………はァ?』


―――――――――――――――――――――
396: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:01:29.69 ID:IaaN4BPM0
上条「(仕方ない理由ってことで……インデックスは小萌先生のところに1か月間行くことになってしまったが……)」


インデックス『とうまぁぁ……!帰ったらキッチリどういう話なのか教えてもらうかも……』ガルル


上条「(どうして……こうなっているんだ……)」


キャーリサ「ほぅ……このスープ、中々美味しいの……」


ヴェント「……褒めても何も出やしねェぞ」
397: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:01:56.24 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「人の褒め言葉は素直に受け取るものだし。
ダシは何で取っているの?」


ヴェント「何って……普通に常備してあった貝とかを適当に見繕って昨日から煮立てといただけだケド……」


キャーリサ「後でちょっと教えてほしいし。いい?」


ヴェント「……え?」


キャーリサ「……?何でそんな不思議そうな顔してるの?いいの?ダメなの?」


ヴェント「…………ふ、ふんっ。覚えてたらな」
398: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:02:29.14 ID:IaaN4BPM0
上条「……」ズズッ


上条「!(本当に美味しい!!久々にちょっぴり幸福だ……)


上条「……」ポワーン


上条「(っと、その前に今日こそ)」


上条「ところで、昨日、一昨日と荷物の整理などでごったがえしていましたが……。お二人はこれからどうするつもりですか?」


キャーリサ「……うぅむ。とりあえずどこかに行ってみたいとは漠然とした考えではあるんだが……。明確には決まってないし」


ヴェント「……私はとりあえず学園都市は破壊目的に来たことねェしな。右も左も分からねェ。
どこかに行くってンならお前に付いていくしかねェンだが」
399: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 01:02:56.55 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「私も似たような物なの……あっ」ピン


上条「?」


キャーリサ「それじゃ、上条。今日は私に付き合って欲しいし」


上条「えっと、俺は別にかまわないけど……」チラッ


ヴェント「……。私は特にすることもねェし。英国第二王女様に今日は付き合ってあげればァ?」ヒラヒラ


キャーリサ「決定だし。それじゃ、食べたら早速出かけるの」


ヴェント「……(……ケッ)」


――――――――――――――――――
409: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:14:23.33 ID:IaaN4BPM0
【スーパー】


キャーリサ「あっ、これも。……?おぉ、あれもだ」


上条「は、はいはい」ポイ


キャーリサ「日本の食材店には本当に色んな種類の食材が揃っているし……」
独自の文化だと思っていたが、これは他国のモノを折衷してできた文化と言った方が近しいか」ウーム


上条「ん~……。まぁ、確かに日本は中国とかヨーロッパのを受け継いでいるっていうのは、
日本史でやった気がする」ジーッ


キャーリサ「少しだけ、日本の歴史に興味が湧いてきたの」


上条「それはそれは」ジーッ
410: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:14:49.94 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「……おい」


上条「はい?」


キャーリサ「何やらさっきから貴様の目線を感じるんだが……。
私、何かおかしいところでもあるのか?」


上条「いっ、いえいえ!そうではなくてですね、私服姿がとても珍しく感じられてちょっと無いもの目といいますか……」


キャーリサ「……あぁ」


キャーリサ「確かにイギリスでも基本的にドレスだからな。っと、いうより何時何処で誰の目が私に向いているかわからないし、
毎日が正装みたいなものなの。
……こんなカジュアルな服を着たのも子供の頃以来な気がするし」


上条「へぇ~。大変なんですね。俺だったら息がつまっちゃいそうです」ヒェー
411: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:15:25.69 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「ははっ、まぁ慣れない内はひどく疲れるかもしれないが、
それが当たり前になると一般着そう変わらないぞ」


上条「そんなもんなんですかね?」


キャーリサ「ほら、例えば日本の学生たちは制服だろう
基本的には英国では学生たちは私服だし。その点、日本では幼稚舎から制服の場合もあるのだろう」


上条「あ、確かに」


キャーリサ「一般層ですらそんな窮屈な生活を強いられるってだけで、日本は少し息苦しいイメージがあるし……」


上条「日本に暮らしているとそんなこと感じないんだけどなぁ……」


キャーリサ「そんなものだ。人間、一度慣れたら苦しいのはそれまでだよ」
412: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:16:01.31 ID:IaaN4BPM0
上条「うーん、やっぱり一国のお姫様となると一言一言に対する重みが違うなぁ……」ウーン


キャーリサ「くっくっ、そのお姫様を一発じゃ足らず数発も殴った不届き者もいたがなぁ……」ギロッ


上条「っ!!いや、ええええーと、それは命の危険性もありましたし……!えと」アセアセ


キャーリサ「ははは、面白い奴だな。今更そんなことは本当に気にしてはいないし」ケラケラ


上条「ははは……。(……心臓に悪いって……)」


キャーリサ「ほら、これでラストだ。会計の方、頼んでも?」


上条「は、はい!只今!(結構大量に買ってるけど、何するんだろ)」
413: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:16:29.16 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「それじゃ、これで」ハイ


上条「(ぶ、ブラックカード……本当にあるんだ…………)」


キャーリサ「ん?どうしたの?日本の食糧売店ではクレジットカードは使えない?」


上条「い、いえいえ!そんなことはないので行ってきまっす!!」ダッシュ


キャーリサ「……」ポカーン


キャーリサ「……ぷっ」


キャーリサ「……見てて飽きないな」トテトテ

―――――――――――――――
414: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:17:34.58 ID:IaaN4BPM0
【一方通行宅】


一方通行「テメェ……これ以上後々の痛みを増やしてどうするんだァ……?」


番外個体「……私は今も後も何をされる気もないし」


一方通行「今すぐ、今すぐだァ。その手に持った写真を渡せ」


番外個体「なんでさ」


一方通行「……何でか説明しねェとわからねェほどにお前の頭はイカれちまったんかァ?アァ!?」


番外個体「いや、そんなことより後々私が楽しむにはこれが必要だしぃ?☆」
415: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:18:10.23 ID:IaaN4BPM0
番外個体「『学園都市第一位、英国第二王女様とラブラブ添い寝!?~もしかしたらアンナことやコンナこと❤~』でタイトルは決定かな?」


一方通行「……っ」サッ


番外個体「おぉっと」ヒョイ


一方通行「テメェの目ン玉に血液溜めて綺麗な噴水作ってやろうかァ!?」


番外個体「キャハーン☆ミサカ怖いよー☆」フリフリ


一方通行「」ブチッ


芳川「こらこら、貴方達は家でも喧嘩するのはやめなさいって――」ピンポーン


芳川「……?こんな昼過ぎの時間に誰かしら?はーい!」パタパタ
416: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:18:40.24 ID:IaaN4BPM0
番外個体「まだぁ、打ち止めがミサカネットワークとの再接合を済ませてないしぃ?
今の貴方だったらミサカでも倒せちゃう?イカしちゃう?イヤン☆」キャハッ


一方通行「……テメェ」ユラァ


番外個体「ふふん、やれるものならやってみなさーい!あと5分以内に捕まえられなかったら、
FAXしちゃうしぃ?」ヒラヒラ


一方通行「!」バッ


番外個体「よっと♪」ヒョイ


一方通行「っ!」ババッ


番外個体「いやんっ、どこ触ろうとしてるのよぉ」クネクネ


一方通行「……」ギリィ
417: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:19:07.51 ID:IaaN4BPM0
番外個体「いやぁ~気分いいわぁ。これで貴方は学園都市を我が物顔で歩くことはできないね!
そうだ、毛布にも包まってヒソヒソ歩いているのが貴方らしいよ!そうしなよ!ニャハハ♪」


トタトタ


番外個体「……?(誰か来た?)」チラッ


一方通行「……」バッ


番外個体「っ!?しま――」ドダダ





芳川「さぁ、一方通行、番外個体、お客様――――」





一方通行「……さァて、どう弄んでくれちゃいましょォかねェ?!?!
ヒャッハ、ヒャハハァ――」


一方通行「……はァ?」
418: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:19:34.08 ID:IaaN4BPM0
番外個体「……ちッ(捕まっちゃったか……!しくった……)」


番外個体「……(っていうか何か服がスースーする……?)」チラッ



❤上手くはだけてブラジャー姿に(純白)❤



芳川「…………」


上条「…………」バッ ←紳士


キャーリサ「…………」


打ち止め「うぇぇえええええ」ビェェェ ←丁度遊びから帰ってきた


黄泉川「…………」   ←仕事もようやく終わって帰ってきた



一方通行「」


番外個体「……ひひっ♪(もうけもうけ♪)」

――――――――――――――――
419: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:20:55.63 ID:IaaN4BPM0
――――――――――――――――


キャーリサ「さ、出来上がりだし」コト


上条「おぉぉ……!うまそう!」


芳川「あら!すごいわね!でも、わざわざ昼過ぎから来てこんなもの作ってもらっちゃっていいの?」


打ち止め「わわっ!!すごいすごい!!ってミサカはミサカは一国の料理に興味しんしん食欲旺盛!」ジュルジュル


黄泉川「これはすごいじゃん!っていうか、見たことないけど何て料理じゃん?」


キャーリサ「こっちがシェパーズパイ、そして向こうコーニシュパスティーっていうし。
ちなみに両方ともパイ生地使ってるから熱いから気をつけて」


黄泉川「イギリス……だっけですか、そちらの料理で?」


キャーリサ「別に敬語ではなくてもかまわないし。そうだし。
って言っても私はほとんど食べたことのない家庭料理なの。
以前から食べたいと思っていたから丁度いい機会にお礼も兼ねて実践してみただけだから」
420: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:21:43.40 ID:IaaN4BPM0
黄泉川「ほぉぉ……何にしてもイギリスって料理方面はあまり聴かないから早く食べたいじゃん!」


打ち止め「私もー!って、ミサカはミサカは激しく同意の意を表してみる!」ピョンピョン


上条「……キャーリサ様?」


キャーリサ「……ん?」


上条「わざわざこの為に……?」


キャーリサ「だから今も言ったの。私が食べたかったから。オマケみたいなものだし。気にしないで早く食べるの」


上条「……」


上条「(やっぱり律義な人なんだな)」
421: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:22:12.14 ID:IaaN4BPM0
打ち止め「我慢できないから私は頂きます!!ってミサカはミサカは圧倒的速度でフライング!!」ヒョイ パク


打ち止め「あひっ、あつっ!……ふーっ、ふーっ。んぐ、んぐ……お、おいしーい!!!」キラーン


キャーリサ「当たり前だし。……まだ予備にもう一個作ってあるから、たくさん食べると良い」


打ち止め「言われなくても!!!ってミサカはミヒャカは……」モゴモゴ


一方通行「……ガキ、急ぎ過ぎて舌噛むんじゃねェぞ」


番外個体「女の子襲おうとしてた変態が、何を言っているのかしら……」ボソッ


一方通行「……ア"?」ギロッ


番外個体「いやぁん☆ケダモノォ~♪」
422: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:22:41.49 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「ほら、お前」カチャ


一方通行「……ン?」


キャーリサ「取り分けたから、お前もぜひ食べるし」


一方通行「……俺はあまり熱ィのは好きじゃねぇんで。後で適当に食うから今はいらねェ」


芳川「こら!一方通行!せっかくの御好意を!」


キャーリサ「……ふむ、そうか」
423: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:23:08.66 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「……」カタ


キャーリサ「ふー、ふー」


一方通行「……何してやがンだ」


キャーリサ「いや、熱いものは苦手だと言っていたのでな。ほら」アーン


一方通行「……はァ?」


キャーリサ「ほらほら、熱くはなくてもせめて暖かくないとせっかくの料理が台無しなの!」


一方通行「……」ジーッ


一方通行「……」チラッ
424: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:23:51.65 ID:IaaN4BPM0
番外個体「……」ニヤニヤ


打ち止め「……」ジーッ


上条「(英国第二王女の学園都市第一位に対する『あーん』……。やべえ。すげえレア)」


一方通行「……」ハァ


一方通行「……チッ、借せ」パシッ


キャーリサ「あっ」


一方通行「……」モグモグ


キャーリサ「…………どうだし」ジーッ


一方通行「……はン、食えなくはねェ」モグモグ
425: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:24:33.94 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「ははっ、当たり前なの!どんどん食べるといいし!」


芳川「(あらあら……滅多なことではそんなことは言わない子なのにね)」


黄泉川「……これは美味いじゃん!!上質じゃん!!」バクバク


番外個体「……」ジーッ


番外個体「……何その赤い肉……」


キャーリサ「ん?それはローストビーフだし。流石にそれは自前じゃなくて買って来たものだが……。
何やら通常、工夫を越したタレなどをつけて食べるんだが……私は純粋に塩をつけて食べるのが美味しいと思うし」ハイッ


番外個体「……へぇ」オソルオソル


番外個体「……」パク モグモグ


番外個体「……!」


キャーリサ「どう?」


番外個体「……普通に食べれるって感じ」ヒョイ パクッ
426: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:25:00.40 ID:IaaN4BPM0
キャーリサ「ふははっ!どんどん食べるといいし!」


芳川「……(なんかすごいお姫様だこと……)」フフ


黄泉川「これは美味しいじゃん!日頃からカップラーメンばっかり食べてる私の胃がそう言ってるじゃん!!」バクバク


黄泉川「ホラ上条!!お前も食え!!食って吹寄に注意されないレベルに大きくなればいいじゃん!!」ドサ


上条「ちょ!!俺はそんなに食べれないですよ!?!?」


黄泉川「いいから食え食え!!ぐはは!三日前のパーティーに行けなかった分、今食べるじゃーん!!」


上条「上手いけど……不幸だーーーー!」



こうして、一日目の夜は過ぎていった……。


――――――――――――――――――――
427: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/03(土) 23:26:31.58 ID:IaaN4BPM0
【深夜:高級マンション】


ヴェント「……」


ヴェント「……(化粧品買い込んでたらすっかり時間がたっちまったし……道にも迷っちまった……)」テクテク


ヴェント「……」テクテク


ヴェント「……はぁ」テクテク


ヴェント「なーにやってんだか、私」テクテク


ヴェント「……(ここか)」ガチャ


シーン……


ヴェント「……(流石に、寝てるか)」


ヴェント「……ふぁあ(私もダリィからもう――ん?)」


キャーリサ『さっき作った分の余りだし。よかったら食べるといいの』


ヴェント「……」


ヴェント「……」ヒョイ パク


ヴェント「……!」


ヴェント「……ふん」モグモグ


―――――――――――――――――
435: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:41:49.55 ID:2c1z9fUe0
【翌朝:高級マンション】


ヴェント「……」ズズッ


上条「……(やっぱり朝は気まずい……)」ズズッ


キャーリサ「昨日も言ったけど、やっぱり貴様の料理は日本にも英国にもない味がするし。
時間が空いている時に教えてくれると助かるの」


ヴェント「……(…………。)」


ヴェント「……時間があったら、ね」ズズッ


上条「……?(……何か、余所余所しい?)」


キャーリサ「うむ、お願いするし」

436: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:42:39.54 ID:2c1z9fUe0
ヴェント「そんじゃ、上条」


上条「ん?」ズズッ


ヴェント「とっかえひっかえにするつもりはねぇんだけど……。今日は私に着いて……こい」


上条「ん、あぁ。俺は構わないぜ。キャーリサ様はどうします?」


キャーリサ「……」ジトッ


キャーリサ「いい加減、敬語はやめろ。気持ち悪い」


上条「き、気持ち悪いって……(俺なりの誠意と敬意が……)」ズーン

437: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:43:12.33 ID:2c1z9fUe0
キャーリサ「……私は、日本の敬語と言うものはあまり好かないんだ。あまりにもはっきりとしているから他とは隔絶した存在になったような錯覚がして。
借りを返している期間は……、っというよりお前と暮らしている今は同等の立場と思ってみてほしいし。(……何故ヴェントには敬語じゃなくて私には敬語だし)」フン


ヴェント「……それで、お姫様はどうするんでしょーか?お早目の決定をお願いしますよ(……。)」ズズッ


キャーリサ「あ、そうか。昨日はお昼から活動してたし……。私は今日は時差ボケ直しに徹するし。
夕方頃には軽くジョギングでもしてくるから心配しないでいいの。晩御飯は作っておく?」


上条「あ、あぁ。それならお願いします」


キャーリサ「敬語はやめろって言った」ジーッ


上条「え、あ、あぁ。りょ、了解で――」


キャーリサ「……」ジーッ


上条「――じゃなくて、わかったよ(一国のお姫様に敬語使わないでいつ使うんだよ……)」ハァ


キャーリサ「うむ、よろしい」フフン


ヴェント「……」ジーッ


上条「~~!」アセアセ


キャーリサ「~~♪」ニヤニヤ


ヴェント「……ふん」カタッ

438: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:43:52.28 ID:2c1z9fUe0
ヴェント「ごちそうさま。おい、食べ終わったんなら早速行くぞ」カチャカチャ


上条「お、おう」アセアセ


キャーリサ「せいぜい楽しんでくるといいし」ヒラヒラ


ヴェント「姫サマもジョギングの時にケガでもしないように。鈍った身体を酷使しちゃだめだよん」ヒラヒラ


キャーリサ「……私が太ったと言いたいの?」ムムッ


ヴェント「さ~あねぇ。鏡を見たらぱーっつぱつな服が目に入っちゃうかもよ?」ケラケラ


上条「そ、それじゃあ行こうか!!よーし上条さん早く外に出て太陽の光を浴びちゃいたいな―!ってことで行ってきます!」ダッ

439: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:44:25.76 ID:2c1z9fUe0
―――――――――――――――――――――――
【散歩道】


上条「……なぁ」


ヴェント「あぁ?」


上条「キャーリサさ……じゃなくて、キャーリサのこと、お前あんましよく思ってなかったりする?」


ヴェント「……!……どうして?」


上条「い、いや。こうだっていう確信とかは全然ないんだけどさ。こう……言い方が冷たいと言いますか。
俺の勘違いだと思うんだけど……」


ヴェント「……(……)」


上条「……ヴぇ、ヴェント?」

440: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:45:24.12 ID:2c1z9fUe0
ヴェント「……別に嫌ってねぇよ。ただ……」


上条「……ただ?」


ヴェント「……なんでもねぇ。温室育ちのお姫様って何かイライラさせられんだよ。
私たちみたいな庶民風情ではほとんど真似できないようなことでもできちまうしな。
育ってきた世界が違いすぎる私たちじゃ、必然的に仲良しこよし、とはいかなくなるもんさ」


上条「……。で、でも向こうはお前の料理を絶賛してたし……仲良くできるんじゃ?」


ヴェント「絶賛ン……?はっ、笑わせるな」


ヴェント「私の料理なんて弟に軽く作ってた時から何にも成長していないカスみたいなもんだよ。
英国第二王女様の肥えた舌を唸らせることが本当にできたかどうか怪しいもんだ。
どうせ……、そうだな、少しでも私に取り入ろうとしてるご機嫌取りなんだよ」


上条「……(ヴェント……?)」


ヴェント「……!」ハッ


ヴェント「……まあ。別に私は仲良くする気はないってこった。モチロン、テメェとも必要以上にジャレあるつもりはねぇ。
下らねえ話はそれくらいにしといてもらっていいか?」

441: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:50:12.32 ID:2c1z9fUe0
上条「……あぁ。(なんかなぁ……)」ボリボリ


上条「ところで、今日はどこに行くんだ?俺もここら辺は来たことがあまりないから何があるかとかは案内し辛いのですが……」


ヴェント「……」チラチラ


上条「……?ヴェントさん?」


ヴェント「確かここら辺に……。……あれだ」


上条「……?」チラッ


上条「……!ここって――」


―――――――――――――――――

442: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:51:49.69 ID:2c1z9fUe0

【ラウンドツー:受付】



ヴェント「こういうところは何て言うんだ?アミューズメントパーク?」


上条「あぁ、確か最近話題のスポッツァとかいうのがある……。
学園都市製の機械を用いた日本唯一のゲームが楽しめるって売り込みだったけど」


ヴェント「へぇ……」チッ


上条「へ?何で不服そうなんだ?ここに来たかったんじゃないのか?」


ヴェント「いやぁ、ね。ハンマーみてぇな彫像を外に掲げてたから私はてっきり……コロシアムかと」ハァ


上条「学園都市どころか日本中、っつーか世界中探しても町中に堂々とコロシアムがある所なんて無いと思いますよ!?」


ヴェント「最近のうっ憤を晴らしたかったんだがねぇ……
昨日一人で歩いている時に見つけて盛り上がったんだが……。」ハァ

443: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:52:23.02 ID:2c1z9fUe0
上条「そ、それなら、それでこそここで遊んでいくべきですよ!
ゲームっていうのは案外スッキリするもんですよ?」アセアセ


上条「(っていうか、コロシアムだとして、俺を連れてきてどうするつもりだったんだろう……)」タラー


ヴェント「はん、何で私がゲームなんか……」キョロキョロ


上条「そ、そうですか……。それなら別の場所行くか」


ヴェント「……!あ、あぁ。でもお前は遊ばなくていいのか?」


上条「……え?」


ヴェント「てっ、テメェはいつもいつもヘタレた顔してんだからやってかなくていいのかって聞いてんだよ!」


上条「いや、俺は別に……」


ヴェント「そ、そうか…………」シュン

444: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:52:49.37 ID:2c1z9fUe0
上条「……!」ドッキーン


ヴェント「それなら今日は軽く――」


上条「い、いやいや!上条さん忘れてましたよ!!そういえば来てみたいな―って思ってたので!
是非遊んでいきましょう!!」


ヴェント「……はぁ?でもお前さっきは――」


上条「よーし、それではまずは……あれだ!ボールとピンが浮かんでいるエアボウリング?やろう!」グイッ


ヴェント「……!」


上条「すいませーん!二人でお願いします!」


店員「はいー。それではこちらにお名前を御記入お願いします。お客様、カップルの方ですか?」


上条「え……」


店員「只今カップルキャンペーンと称しまして、カップルでご来店のお客様には特典と安価でのサービス提供をしているのですが」

445: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:53:21.87 ID:2c1z9fUe0
上条「え、えーと、別に俺たちは――」アセアセ


ヴェント「……」






ヴェント「……カップルだよ」ボソッ







店員「はーい、かしこまりました。上条様と……ヴェント様?外国人の方ですか?」


ヴェント「……」プイッ


店員「?」


上条「あーそうなんですよ!彼女は外国から来てて!ははは」


店員「そうなんですか!とってもお綺麗なので女の私でも目を取られちゃいました」テヘッ


ヴェント「……!」カァ


上条「は、はは……」カキカキ


上条「か、書けました」ハイ


店員「はーい。……オッケーです!それでは先払いとなっておりますので……。代金はお二人様、カップルキャンペーンでの割引価格、2000円でございます」


上条「2000円……2000円……これで」


店員「…………はい!丁度2000円頂きますね!手続きは完了です!それでは、こちらカップルキャンペーンでは、ボーリング代だけでゲームセンターでのいくつかのゲーム御優待券と、
カフェでの飲食無料券が付いていますので!
こちらのブレスレット式IDカードを手首につけていただければ、キャンペーン参加者として確認ができるようになっておりますので!」ハイ


上条「ヴェント、これを手首に」ハイ


ヴェント「……ん」カチャカチャ


店員「ぜひ、ごゆっくり遊んでいってくださいね~!」ヒラヒラ

――――――――――――――――――――

446: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:53:50.65 ID:2c1z9fUe0
【ボーリング場】


ガゴーン!!スペアー


ヴェント「ひゃはっ!気持ちいいじゃんこれ!」グッ


上条「なぜだ……俺は三連続1ピンなのに!!」グァァ


ヴェント「まっ、普段から使っているものがものだけにってことだよ!さ、この調子でどんどん行くぞ!!」ポイッ


上条「も、もう7ゲームも連続でやっているので上条さん流石にちょっぴり疲れてきてしまったのですが……」


ヴェント「んだよ、だらしねぇなぁ……」


上条「うぅ、すいません……」シクシク


ヴェント「まっ、そろそろ骨休めする位にはいいだろうが……」


上条「そ、そうだ!確かカフェでの飲食無料チケットもついてたはずだから、それで行こう!」


ヴェント「…………!」


ヴェント「……ん」


上条「おぉ……ありがたい……!それじゃ早速行こうぜ!上条さんはのどがカラカラでございますよ」


ヴェント「……あぁ」


上条「……?(……?気のせいか?)」


――――――――――――――――

447: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 01:54:17.12 ID:2c1z9fUe0
【カフェ】


上条「ほら、まずは飲み物でも」トン


ヴェント「……?何だこの緑色の飲み物は……」キョトン


上条「あ、あぁ?普通のメロンソーダだと思うけど。炭酸が嫌いとかあったか?」


ヴェント「……いや、何でもない」ゴクゴク


上条「……?」


上条「あ、ほらこれも。『手作りパン』だって、あそこから自由に取っていいみたいだからいくつか持ってきた。焼き立てで美味しそうだし、食べてみようぜ」


ヴェント「……悪かったな」


上条「へ?」


ヴェント「いや、勝手にカップルとか言っちまって、な」

448: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:08:25.29 ID:2c1z9fUe0
【カフェ】


上条「ほら、まずは飲み物でも」トン


ヴェント「……?何だこの緑色の飲み物は……」キョトン


上条「あ、あぁ?普通のメロンソーダだと思うけど。炭酸が嫌いとかあったか?」


ヴェント「……いや、何でもない」ゴクゴク


上条「……?」


上条「あ、ほらこれも。『手作りパン』だって、あそこから自由に取っていいみたいだからいくつか持ってきた。焼き立てで美味しそうだし、食べてみようぜ」


ヴェント「……悪かったな」

449: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:09:46.72 ID:2c1z9fUe0
上条「へ?」


ヴェント「いや、勝手にカップルとか言っちまって、な」


上条「俺は別に問題ないけど……どうして?」


ヴェント「……よくわからねぇけど、安くなるんだろ?勝手な貧乏思考が働いちまってね。深い意図とかは別にねェから気にすんな。
ってかされても迷惑だが」


上条「そういうわけじゃなくて。どうして謝る必要があるんだ?」


ヴェント「……?」


ヴェント「お前は私なんかと一緒と思われたくないだろうし。勝手なことしちまったなぁと思っただけだよ」


上条「そ、そんなことねぇよ。俺は――」


ヴェント「取り繕う必要はねぇだろ。私自身、何であそこで勝手に口がでちまったかわかってねぇんだから。
とりあえず、ってだけだ。気にすんな」


上条「……」

450: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:11:07.42 ID:2c1z9fUe0
ヴェント「……第一、私はここにお前をつれてくる必要もなかったし。そいつを怒ってもいいんじゃねぇのか?」


上条「……?」


ヴェント「私の今までの『仕事』では必要不可欠な情報以外を伝えたら叱咤激励なんてものではなかった。
死ぬ思いだってしたことはある」


ヴェント「だから、別に自分の勘違いで誰に迷惑かけたかとか、そういうのは自分でわきまえて――」


上条「何言ってんだよ」コツッ


ヴェント「……なっ!?てめぇ、何を――」ガタッ


上条「俺は、迷惑なんかじゃない。むしろ、嬉しかった」ニコッ


ヴェント「……!!?」


上条「だって、そうだろ?元々俺たちって敵同士だし、一週間前には殺されかけもしたけど」


ヴェント「……」


上条「一緒にこうやって遊びに来て、わざわざ俺の財布の為にいやいやでも協力してくれるって、何か地味に感動しちゃったというかなんというか……」


ヴェント「……」


上条「……俺はこういうの口に出すのってあまり上手くないから伝わってるかわかんねぇけど」


上条「お前がせっかく勇気を出してこっちに来てくれたのに。その生活を俺がむざむざと踏みつぶすわけ、ないだろ」


ヴェント「!!」

451: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:11:33.62 ID:2c1z9fUe0
上条「だから、勘違いで迷惑とか、怒るとか怒らないとか。何にもないんだ。
友達か、友達じゃないか。冗談を言い合って遊べるかそうでないか。そういうもんだろ」


ヴェント「……(『心許す』……か……)」


ヴェント「……はっ。くだらねぇ」クスッ


上条「まぁ、立派なこと言ってるけど要は友達なんだから細かいことは気にしないでいこうってこと」


ヴェント「……ふふ、なんだそれ。ワケわかんねぇし……」クスッ


上条「……!」ドッキーン!


ヴェント「……あ」


ヴェント「……そ、それじゃあ上条……?」ウワメ


上条「は、はい……?」ゴクリ

452: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:11:59.16 ID:2c1z9fUe0
ヴェント「それなら、」


ヴェント「これからすぐにまたガッツリと付き合ってくれるよなァ?」ニタァ


上条「え!?まだ昼飯が……!」チラッ


上条「って、ね、ねぇ!!俺のパンが!!」


ヴェント「くだらねぇことばっかり話してるから無くなっちまうんだよ」フゥ


上条「そ、そんな……!」


ヴェント「ま、お前は夜飯に淡い期待でもしてろ!」グッ


上条「いや、まだ取ってくればある――んですよおおおお!!」イヤダァァ

453: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 02:12:35.75 ID:2c1z9fUe0






御坂「……」


御坂「……何、あれ?」


御坂「手……繋いでる……?」


御坂「…………どういうこと……?」

――――――――――――――――

460: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 23:56:17.48 ID:2c1z9fUe0
【キャーリサパート①】


小鳥が鳴く声すらも届かない、静かな朝。
小綺麗なレース製カーテンの隙から入ってくる日の光で、私は目を覚ます。


キャーリサ「んっ……。ふぁぁ……もう、朝かぁ……」


少し霞がかった視界を凝らして周りを見る。
薄紅色のシャツを着た東方風の顔立ちをした男が目に入る。


上条「おっ、おはようご……はんにしよう!!えーと、あー……ぐぉ!!?」アセアセ


朝から何やら慌てているその男。
身振り手振りをする拍子に、椅子の角に足の指をぶつけて悶絶している姿は、少し滑稽に見える。


キャーリサ「ぷはっ、朝一番から喜劇でもやっているの?」ケラケラ


上条「いっつつ……そ、そういうわけでは……」グヌヌ


じわじわと迫りくる痛みに耐えているのか、足を抑えて何やら唸っている『変人』上条当麻。
私の起こしたクーデターを止め、英国を救ってくれた、世界一の『変人』。

461: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 23:57:16.60 ID:2c1z9fUe0
キャーリサ「あれ?そういえば、ヴェントの姿が見えないけど……」キョロキョロ


とある事情で一緒に住むことになった、同居人の一人の姿が見当たらない。
いつも不貞腐れてた顔をしながらも、美味しいスープを作ってくれる。
日本発祥のスラングで言うと、『ツンデレ』というタイプの人間だ。


上条「ヴェントは朝一番で出て行ったよ。『少しやることを思い出したから。今日は帰らないかも』って言ってたけど……」


俺もそろそろ夏休みの宿題もやらないと、留年の危機だなぁ。と上条は儚げな顔で続ける。


キャーリサ「宿題……?」


上条「あ、あぁ。宿題っていうのは……あれだ。ホームワーク。夏休みが終わるまでにやってこないと、……」


キャーリサ「しないと?」


上条「思いだしたくもない、ひどい仕打ちが待っているのでございますよ……」ブルブル


そうか。コイツは学生だったな。
しかし、休みの度に出される宿題というのは、そうも難しいのだろうか。
私が小さい頃は毎日のように課題を出されていたものだが……。
これもカルチャーショックと言うのだろうか。

462: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 23:58:07.18 ID:2c1z9fUe0

キャーリサ「……それなら今日は出かけたりするのは厳しいのか?」


上条「うーん、厳しいって言うほどでもないけど……。思い立ったが吉日とも言うし、特にやることもないのであればぜひ宿題をやる時間を頂きたいかなぁ」


キャーリサ「……ふむ」


上条「え、ああ、もちろんせっかく日本に来ているんだし、俺でよければ何でも付き合うけどな」


やんわりと今日の予定を入れられたのかと思いきや、そうではなかった。
なんでだろうか、一緒に過ごしてきた中で、こいつが見せる優しさにはクセがあるように思えた。
それでも、悪い気なんてしないけど。


キャーリサ「まっ、そうしたいのは山々だけど。私ばっかりワガママ言ってるわけにはいかないし。今日はフリーにするか」


上条「……え?いいのか?」


大きな目を見開いて、キョトンとした顔をこちらへ向けてくる。


キャーリサ「そんなところで嘘をついてどうなるし」


上条「いやぁ、キャーリサは昨日家にいたみたいだし、今日は外に出てはしゃぎたいんじゃないかと思ったんだけど」


キャーリサ「……そんなこと、いちいち気にしなくていいし」


さりげなくこちらの予定をちゃんと把握しているまめまめしさ。
根っからの執事気質だ。日本でなかったら適材適所となっていたに違いないと思う。

463: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/06(火) 23:58:33.29 ID:2c1z9fUe0
上条「うーん……。それでも、俺が今日籠ってたらキャーリサも必然的に動けなくなっちまうし……」


キャーリサ「わ、私は適当に生活しているだけでも楽しいからいいし。外を歩くだけでも十分楽しめるしな」


上条「そうは言っても……。あ、そういや」


何かを思いついたようにこちらを向く上条。


上条「それなら、午前中は俺の宿題に付き合ってもらう代わりに、午後はキャーリサに付き合うよ。それで妥協してくれねぇか?」


キャーリサ「私はそれでもいいけど……。宿題と言うのはたかだか4,5時間で終わるものなのか?」


さっきのドヨりっぷりでは、相当な量だと思うのだが……。


上条「なーに、ヤバくなったら前日徹夜という我ら日本男児には典型のパターンがありますから!」


キャーリサ「……?よくわからないが、お前がそれでいいというのなら、今日はそうしてもらうことにしよう」


上条「それじゃ、今日は丁度冷蔵庫の中身もきれちまってるし……。ファミレスにでも行きますか」


―――――――――――――――――――――――――

464: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:06:47.54 ID:Ux8EhUvk0
【ファミレス】


上条「うーん……ここは……えー……と」


自称・貧乏苦学生を名乗る目の前の男とレストランに来てから、早一時間が経った。
彼は、席に着くなり『それじゃ俺は軽く食べたら宿題始めちまうから』という言葉の通り、
黙々と作業を始めてしまった。


上条「あれ?違う?途中式が違ったのか!?うぁぁ……最初からかよ……俺の20分……!」


私は私で、朝食と共にドリンクバーなるものを注文したおかげで様々な飲み物を飲んで過ごした。
日本発の乳酸菌飲料、ダージリンティー、コーヒー……種類はたくさんあって、私の興味をよく研いでくれた。


キャーリサ「……」


キャーリサ「…………ふぁ……」


だが。
いくらなんでも、飲料物だけで数時間を過ごせ、というのは辛いものだ。
とどのつまり、飽きてしまったのだ。

465: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:07:14.39 ID:Ux8EhUvk0
上条「うぬぬ……。これは……どの式を使えばいいのかすら分からねぇ……」


目の前で不定期に頭を捻る上条の姿。


「またのおこしを、お待ちしております」


朝から笑顔で、愛想良く客の為に尽くす店員。


「ここのパフェのセール、まだやってて良かったね~」


名物を食べに来た、女学生たち。


キャーリサ「……」


目が完全に周囲の情報を見極め、脳に慣れという作用を齎す。
須ゆな時間を丁寧に使う大人たちの姿もちらほらとあったが、
10時を回ろうとしている今、それも無くなってきた。

466: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:07:41.76 ID:Ux8EhUvk0
上条「……ぐっ……あー!!やめだやめ!数学は俺の頭では無理なんだ……っ」


上条「先にこっちをやってしまおう……」


ボヤきながら上条が出したのは、『ENGLISH』と書かれた手作りの冊子だ。
決してきれいとは言えない綴じ方のそれは、一切触れられていなかったのか黒ずみの1つもない。


キャーリサ「……ほぉ」


こうやって英語を勉強している外国の人間を見ると、英語は世界共通語なのだという実感が多少なりとも湧いてくる。


キャーリサ「……!」キュピーン


そうだ。良いことを思いついた。

467: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:08:08.46 ID:Ux8EhUvk0
キャーリサ「おい」


上条「……あー……やっぱりこっちも……って、はい?」


退屈なのは、なぜだ。
それはすることがないからだ。
それなら


キャーリサ「よいしょっと」トン


上条「……え?」


私も一緒に宿題をやればいいのだ。
うむ、我ながら名案である。

468: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:08:45.70 ID:Ux8EhUvk0
上条「で、でえええ!?な、なんでせうか?!」


キャーリサ「特にすることもないし、私も一緒に宿題とやらをやることにするの。邪魔、か?」


上条「い、いえ、邪魔なんて滅相もないんですが……何て言うか、その……」


上条「すっごく近くないかなぁ?みたいな……」


そういって目を反らしてしまう上条。


キャーリサ「ふむ、目の前同士で座るよりは隣に来た方が見やすいと思ったんだが。それこそ邪魔か」


上条「い、いやいや、邪魔なんてことは……」


キャーリサ「それならいいだろう。さっさと机に向かうとするし」


上条「すっげー良い匂いする……」ボソッ


キャーリサ「え?何か?」


上条「い、いやいやいや!何でもないですよ!そ、それじゃ早速やっちゃいましょうか!」

469: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:09:11.85 ID:Ux8EhUvk0
隣で何かを呟いたようだが、聞き取れなかった。
ちょっと気になりはしたけど、追求すべきところでもないし、放っておく。


上条「……えーっと……」


しばらく無言で眺めた後、頭を軽く掻きながら、上条は筆を持った。
『It is ...for...of...』
下線の引かれた部分に、少し見直すレベルに達筆な字で、ゆっくりと書きすすめていく。


キャーリサ「あ、そこは『of』ではなく『to』だと思うし」


上条「え?……ほんとだ!」


キャーリサ「少し形式的な決まり文だが、流石日本は形式を重んじると言われるだけあるな。
面倒くさい文法など、すっかりとすたれていったものだと思っていたが……」


上条「……あれ?」


答えを消してから、上条は何かきょとんとした顔で私を覗いてくる。

470: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:09:38.31 ID:Ux8EhUvk0
キャーリサ「何か?」


上条「……そういえばキャーリサはイギリス人……ですよね!?」


キャーリサ「……?もちろん、そうだけど」


上条「……」


キャーリサ「……?どうしたし、急に黙って」


上条「救いの神が……現れた!」パシッ


キャーリサ「!?」


急に私の手を掴んでくる。
流石の私も面喰ってしまう。

471: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:10:31.27 ID:Ux8EhUvk0
上条「お願いします……英語だけでもいいので先生になってください!」


キャーリサ「……?先生と言うのは……?」


上条「えっと……、分からないところを、ぜひ教えていただきたいと思いまして……」


キャーリサ「…………ほう」


上条「どうでしょうか……?俺一人で進めて言ったら、いつ終わるかわからないぐらい遅くてさ……」


つまりだ。
一緒にやるというわけではなく、私が講師となって上条を指導するというわけか。
……面白そうな提案じゃないか。


上条「や、やっぱ面倒くさいしダメですよね!!それじゃ俺は――」ピトッ


キャーリサ「別にダメなんて誰も言ってないし。気が早い男だな」


キャーリサ「昼にホットドックを買ってくれるなら、付き合うし」


上条「……まじですか!!」

472: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:11:07.00 ID:Ux8EhUvk0
私が人差し指で上条の唇を抑えると、一瞬驚いた顔つきになったが。
ひょうきんなもので、即座にその顔は悦びに染まった。


上条「もちろんかまいませんよ!!よろしくお願いします!キャーリサがいて良かった―!!」


キャーリサ「ふふん、私も甘やかすつもりはないから、ビシビシ行くし」


上条「うぇっ!?……お、お手柔らかにお願いします……」


キャーリサ「断る」


上条「そ、そんな……」


今日も日本で、ほんのりと暖かくて、優雅な昼が過ぎていく。
イギリスの政務に追われる日々からは考えもつかない、ゆっくりとした時の流れ。
いつまでも続けばいいと思ってしまうのは、私のエゴなのだろうか。


―――――――――――――――――――

473: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:11:58.60 ID:Ux8EhUvk0
【御坂パート】


御坂「……あー」


いつも思う。
日本の夏は暑過ぎる。


御坂「飲み物でも飲もうかな……」


アスファルトや無機質な鉄分で囲まれた学園都市は、無論のこと。


御坂「……」ガチャッ ドン


目の前に丁度あった白い自動販売機から出てきた炭酸飲料の缶。
プルタブを捻ると小気味の良い音が耳に入る。
同じ飲み物でも、缶とボトルの感じの違いは何?って良く聴くけど、この気持ちよさがあるかないかの違いだと、私は思う。

474: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:12:26.22 ID:Ux8EhUvk0
御坂「……ぷはぁっ。……おいしい」


喉もカラカラだったし、何より今日は朝からほとんど何も口いしていなかったので、冷たいものがとても美味に感じる。
普段はそこまで飲む方ではない私だけど、いつの間にか缶の中身が空になっていた。


御坂「……」ガコン


御坂「さて、と……」


今日は、朝から起きて色々な場所を回った。
商店街、公園、病院……。
もちろん、一人でだ。


御坂「……」


御坂「……付き合ってる、のかな?」

475: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:13:13.94 ID:Ux8EhUvk0
何でだろう。
何でこんなに気になるんだろう。


御坂「……よしっ」


小さい頃によく読んだ、少女漫画。
恋っていうものは、漫画みたいに甘くて、楽しいものだって思ってた。


御坂「ここにも、いないかぁ……」


出会って、助けられて、告白して、実って。


御坂「……そろそろ、10時過ぎかぁ」


そんな都合のいい、それこそ『漫画みたい』な決まった筋道を、私は想像して、焦がれていた。
だけど、


「あ、あのぉ……御坂、美琴さん……ですよね?」


御坂「……?そ、そうですけど……」


「さ、サインしてください!!あ、あとあと、握手もよかったら!!」


御坂「……ははっ」


悔しくて、必死になって、学園都市第三位っていう称号を得る頃には。
私からそんな浮いた憧れは無くなっていた。
暑苦しい後輩と、学園都市で切磋琢磨していく内にできた友達。
彼女たちと過ごせれば、楽しい。

476: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:13:52.52 ID:Ux8EhUvk0
「あ、ありがとうございます!!きゃー!」パタパタ


御坂「ははは」フリフリ


御坂「……は……」


それだったのに。
なのに。
認めたくない感情は、いつの間にか植えつけられてて。
いくら振り払おうとしても、認めようとしなくても。
勝手に身体がそっちに向いちゃって。


御坂「……」


ついには、偶然とはいえ、英国の王女様をダシにしても、会いたいって思えるぐらいになってて。


御坂「……やめよ」


何にもできない自分と。
何であんな奴を……っていう気持ちが交錯して、わけわかんない気持ちが渦巻いてる。

477: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:14:33.99 ID:Ux8EhUvk0
御坂「私ったら、何してんだろ」


御坂「闇雲に探したところで、見つかりっこないのにね」


御坂「って、私は別にアイツを探しているわけじゃ……!」アセアセ


御坂「……あ」


ほら。また。
また嘘をつく。恥ずかしいとか、悔しいとか、認めたくないとか、そういう気持ちが混じって私はよく嘘をつく。
それも他の人に吐くだけじゃ飽き足らず、自分にも嘘をつく。
他人だけじゃなくて、自分も傷つける。


御坂「ほんっと、サイテーだなぁ」


そんな自分が時々、本気で嫌になる。


御坂「それじゃ、そろそろ帰ろうかな……」


御坂「……?」チラッ


御坂「あっ」


この前行った、ファミレスが目に入る。


御坂「(あの時は初春さんたちに悪いことをしたなぁ)」


そんなことを考えながら歩いていると、だんだんと外側の席に座るお客が見えてくる。
最近はパフェのセールをやっているから、やっぱり女子が多い。

478: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:15:22.90 ID:Ux8EhUvk0
御坂「あれ……!?」


その中に、一際目立つ金髪で、トップレスの服を着た女の人が、目に入る。
何か、見覚えのある品位のある姿だ。


御坂「……キャーリサ、さん?」


間違いない。あんなに美人で、スタイルもいいのは、


御坂「……」ポカーン


御坂「……ぷっ、ははは」


王女様がファミレスにいるなんて物珍しすぎる。


御坂「なんだかんだ久しぶりだし、挨拶していこっかな!」


少しだけ落ち気味だったテンションも、すっかり上がってしまう。
そうだ、たしか、この前服とか見てたし時間があるようだったら一緒に買い物でも付き合ってくれないかな。

479: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:15:57.65 ID:Ux8EhUvk0
御坂「(貴族のファッションセンスはいかなものか!)」


そうやって、自分のナイセンスを棚に置いて浮かれていた。

480: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 01:16:26.55 ID:Ux8EhUvk0









彼女の目の前に座る男子の姿を、私が視認するまで――。



――――――――――――――――――

493: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:23:17.03 ID:Ux8EhUvk0
【キャーリサパート①】


キャーリサ「ん……?」


上条「えーと……ここは……」ボリボリ


途中、何度か上条が気絶しない程度の折檻を加えつつも、事は特に問題なく進んでいく。
一度教えたことは間違えていないし、恐らく単なるバカではないのだろう。……救いがいのあるバカなのだ。

ただ、


キャーリサ「……」チラッ


上条「……キャーリサ、どうかしたのか?」


キャーリサ「いや……何でもない」


先ほどから、何やら視線を感じてならない。
一応、姿も普段とは違うし、何より私が日本にいるということはごく一部以外には知られていない
極秘事項となっている。

494: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:24:03.39 ID:Ux8EhUvk0
キャーリサ「(……だから、流石にスパイなどの行為は受けてはいないと思うのだが……)」


仮に私が出ているということを知っていたとしても、学園都市へ入ること自体が容易なことではないだろうし。


キャーリサ「(……気にし過ぎ、か?)」


少し不安が残るが、気にしていてもしょうがない。
今はこのバカに宿題を終えさせて早く外に出ていきたいのだ。


上条「……終わったぁぁああ」


キャーリサ「……うん、最後の問題も一応、ちゃんとできている気がするし」


上条「うぉっしゃぁぁ!長かった……!」


キャーリサ「ただ」


上条「……へ?」


キャーリサ「『自分の興味のあること』を英語で書けという指示なのに、
『私は桃太郎に憧れており、将来は桃太郎のように格好のいい男性になりたい』っていうのは……ないんじゃないか?」

495: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:24:55.68 ID:Ux8EhUvk0
上条「うぐっ!?……それは、仕方ないのでございます!上条さんはまだ青臭い若者故、将来の夢など定まったいないのでして!!」アセアセ


キャーリサ「ふふ、別に貴様がどういう答えを書こうと私は文句を言ったわけではないよ」


上条「でも、何か愉快そうな目のが気になるんですが……」


キャーリサ「いやいや、それは被害妄想に他ならないよ。むしろ、私はproudや使った英文やprettyを副詞として活用しているところに
及第点を与えたくらいだ」


キャーリサ「ただただ、私自身が愉快な気持ちになってしまっただけだよ……ぷっ、くくく」クスクス


上条「それは完全に上条さんをバカにしている言葉では……?」ジトッ


キャーリサ「そんなことはないぞ……くくっ」


上条「うぐっ。……しかし言い返せない……」


東洋の人間は、皆こうも考え方が軽い者ばかりなのだろうか。
それはそれで、困るが……退屈のしない日々が続きそうで、少し羨んでしまう。

496: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:27:07.54 ID:Ux8EhUvk0
上条「それはそうと、もう12時過ぎちまったなぁ。そろそろ出かけるとしますか!」


キャーリサ「ん?もういいのか?まだ外国語の分しか終わっていないように見えるが」


先ほど数式が云々と言っていたところから見ると、まだ数学があると思うのだが……。


上条「いやはや、もうあれはどうしようもないので今度改めて時間がある時にやることにしますよ」


改革参謀している時に、各地の配列や艦隊の整備などでよく数字を扱ったが……。
それとはまた別の、もっと高度なものなのだろうか。
少しそちらの方も気になるが……


キャーリサ「ま、お前がそれでいいなら。私も丁度頭を使うことには少し疲れてきたし」


上条「むしろ、上条さんは宿題なんてやらずにずっと身体を使って過ごしたいですよ……」


キャーリサ「…………っ一日中、身体を動かすって……」


上条「へ?」


キャーリサ「一国の王女に対して、不埒な劣情を催しているのではないだろうな……」ササッ


上条「どぇぇぇぇえええ!?!?!おおおおお、俺は別にそんな変な考えは……!
誓ってないでせすよ!?!?何でそんな軽蔑するような眼で見ているんですか!?!」アセアセ

497: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:28:38.99 ID:Ux8EhUvk0
キャーリサ「…………」


キャーリサ「……これっぽっちも?」


上条「もももも、もちろんですともっ!!」


キャーリサ「……それはそれで、何か傷つくんだが……」ボソッ


上条「……え、えと」


キャーリサ「……ん?あっ、あぁ冗談だよ冗談。ジョークぐらい日本人も言うだろう」ハハハ


上条「じょ、ジョークって……心臓に悪いって本当に……」


一応、国では見せない位の肌の露出に挑戦しているつもりではあったんだがなぁ……。
私ごときの貧相な身体では、どんな異性も落とすことはできない、ということか……。

498: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:29:04.60 ID:Ux8EhUvk0


キャーリサ「……(考え込んでみると、地味にショックだし……)」ハァ


上条「そ、そいじゃ行こうぜ。いつまでもここにいたら出るタイミング逃しちまいそうだし!」ガサゴソ


キャーリサ「ん、そうするし」カタッ


乱暴にプリントを鞄にしまいながら、上条が言ったので、素直に従うことにする。
最後にグラスに残っていた白ブドウのジュースを軽く飲みほしてから、私たちは席を立った。


―――――――――――――――――――――

499: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:30:18.48 ID:Ux8EhUvk0
【ファミレス外】


店員「ありがとうございましたーっ!また来てくださいね――っ!?」


ずっと聞いていた言葉も、自分自身が受けてみると新鮮味を帯びてくる。
思わず笑顔で手を振り返すと、何故か上条と同じぐらいの年齢に見える店員は顔を赤くして奥に行ってしまった。


キャーリサ「……私は嫌われてしまったのか?」


上条「…………いや、その逆だと思いますよ……」


キャーリサ「逆……?」


上条「うーん……。キャーリサは知らなくていいよ、うん」


キャーリサ「むっ」ムムッ


何かを隠すような上条の言葉。
何か少し呆れられたようで気に食わない。

500: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:32:56.64 ID:Ux8EhUvk0
キャーリサ「かみじょうっ!」ギュッ


上条「うぇっ!?ちょ、ちょっとぉ!?」


だから、上条のシャツの襟を両手で握って問い詰めることにした。


キャーリサ「さっきの店員はどうして逃げちゃったの?気になるし!」


この際だ、問い詰めてやることにする。


上条「え、えええとキャーリササマ!??!何でいきなり抱きついて来るんでせうか!?」


キャーリサ「こうでもしないと、お前は逃げようとするし。さぁ白状しろ。
私は一度ムキになったら止まらないし!」ギュッ


キャーリサ「それに……また、敬語になってるし」


上条「そ、それは謝ります、謝りますからとりあえずは、離れてくだ……くれ!!」


キャーリサ「だーめだ。私に本当のことを言うまでこのままだし」ギュッ


上条「そそそそ、そそそそそ、その山があたあたたた……!」


キャーリサ「や、山ぁ……?」


私が一歩近づくと、少しずつ紅に染まっていた上条の頬は、一気に真っ赤になる。
見ていて面白い光景ではあるが、会話もままなっていないのでどうしようもない。


キャーリサ「お前といい、さっきの店員といい、一体な――」パッ


「何を昼間っからイチャついてんだゴルァアアアア!!」


―――――――――――――――――――

501: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:34:04.46 ID:Ux8EhUvk0
【御坂パート①】


御坂「何を昼間っからイチャついてんだゴルァアアアア!!」バリバリ


キャーリサ「!?」サッ


上条「……」プシューー


御坂「はぁ、はぁ……。公衆の面前で何抱きついてるんですかキャーリサさん!!?」


考えも無しに行動してしまった。
二人が抱きついているのを見ると思わず手が出てしまったというか……。


キャーリサ「何かと思えば……お前か、猿」


御坂「……私は猿ではなくて、御坂美琴です」キッパリ


キャーリサ「いいではないか、そんな細かいこは気にせずとも」ハハ


御坂「めちゃくちゃ重要ですよ!!名前ってめちゃくちゃ重要ですからっ!!」


キャーリサさんはいわゆる結果主義者だ。
私が何かをした時に名前で呼んでくれる。
頑張った分、褒められているようで気分は悪くないんだけど……。
って私は犬かッ!

502: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:35:15.43 ID:Ux8EhUvk0
御坂「そ、それよりっ!!あ、アンタ!!」


上条「……あは、あははは……」プシュー


御坂「……っむうううう!」ムキィィ


キャーリサ「ははは、固まってるの!」ツンツン


御坂「……せいやっ!」ドカッ


上条「ぅへぶぅぇっ!?!!」ドダダダダ


上条「……いっつつ……。な、何が起きたんだ……って、び、ビリビリ!?」


こ、コイツ……ようやく私に気がついても……。


御坂「わ、私には御坂美琴って名前があんのよーっ!!」ビリビリ


上条「うぉっ!?あぶねっ!?」キュイーン


御坂「ったく……!どいつもこいつもぉ……!」ハァハァ


キャーリサ「おーよしよし、そんなカリカリしてたら疲れるぞ?」ナデナデ


御坂「う、うぅ……。こ、子供扱いしないでくださいよ!!」


大人の色気というか……なんというか……。
そういうものが、キャーリサさんから私も逆らえなくさせている。


御坂「うぅぅ……」

503: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:35:44.11 ID:Ux8EhUvk0
上条「っで、びりび――」


御坂「……あ"?」


上条「じゃ、じゃなくて御坂サン?どういったご用件で?」


御坂「!!……え、えっと、別に用ってわけじゃあないんだけど……」アセアセ


上条「……?」


『どういうご用件で』と聞かれても、素直に『はい、貴方を探していただけです』って言えるわけ……ない!


キャーリサ「何だ、特に用もないのか」


御坂「え、えーっと……」


ちょっと興醒めしたようにこちらを見るキャーリサさんに思わず後ずさり。
うぅ……とりあえず何とか……何とか……そ、そうだ!

504: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:36:15.01 ID:Ux8EhUvk0
御坂「きゃ、キャーリサさんとお買いものしたいなぁって思って!探してたんですよ!」


キャーリサ「ほぉ……」


うっ……。ちょっと安易過ぎた……かな?


キャーリサ「ふふふん♪猿にしては中々殊勝な心意気だし」


上条「お、それなら丁度いいな。びりび……じゃなくて御坂。それならおれたちと一緒に行くか」


御坂「……へ?」


上条「いや、あのさ。これからキャーリサと一緒に出かける予定だったんだけど……。
実際、男の俺より女子のお前がいた方が楽しめるんじゃないかって思うし」


コイツから逆に招待されたことに、驚きすぎて我ながら恥ずかしい顔を晒してしまった……。
で、でも。これはチャンス!!
この際、何でコイツがキャーリサさんを呼び捨てにしているかは気にはしまい



御坂「ふ、ふんっ!ほんとーはキャーリサさんと二人で行きたいんだけど……。
先の約束なら仕方ないから……荷物持ちにならしてやるわよ!!」

505: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:36:48.95 ID:Ux8EhUvk0
上条「あーはいはい。俺に出来ることだったらなんでも任せてくださいよっと」


キャーリサ「さて」


キャーリサ「仲間に猿も加わったところで早速出発するし」


御坂「わ、私は猿じゃな――」


せっかくさっき名前で呼んでくれたのに、また猿扱い……。
それを注意しようとした時、私の目に入ってきたのは


キャーリサ「ふふん♪」ギュッ


上条「……はい?はいいいいいいい!?」ギョッ


キャーリサ「さっきの件はもう面倒だしいいの。
その代り、貴様はしっかり私をエスコートすべきだし」


アイツの腕をしっかりと掴んだキャーリサさんの姿だ。


御坂「キャーリサさん!?な、ななななななっ!?」


キャーリサ「ん?男性が女性をエスコートするのは当然じゃないのか?」キョトン


御坂「そ、それはそうなんですけどっ!!そ、そのぉ!」


……そのビッグな二つの胸を押しつけられたら、私は……叶わない!

506: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/07(水) 23:38:14.55 ID:Ux8EhUvk0
御坂「(アイツも……やっぱり大きい方が……?)」チラッ


キャーリサ「♪」ボイーン


御坂「……」チラッ


御坂「」ナイ


御坂「……」


御坂「……あーーー!!!もーーーっ!!」


上条「!?み、御坂サン!?」ビクッ


キャーリサ「急に威嚇……。仲間でも見つけたか?猿?」


協力な胸……じゃなくて!!ライバルに対抗するには……!
ってライバルなんて思ってないけど!!何のライバルかって話だけど!!
だけどっ!!!!!


御坂「(……もう、どうとでもなれっ!!)」ギュッ


上条「……」


上条「…………え?」


御坂「ささささ、さーてててててってってっててて!いいいい、いきましょーかかかかか!」カァァ


上条「あのーミサカさん?」


御坂「わー何も聞こえないなぁ―!今日はやたらと蝉がうるさいわね~!!ははははは」カチンコチン


キャーリサ「なぁ、猿、何でお前も上条の腕に―――――――」


御坂「さささ、キャーリサさんも!早く行かないと日が暮れちゃいますよ!!さ、さ!行きましょーう!今日は買いますよ~!」


こうして、些細な抵抗を兼ね備えた、私の一日がスタートしたのだった……。


―――――――――――――――――――――

525: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:17:08.45 ID:sOVpUH6h0
【ヴェントパート①】


ヴェント「はぁ……」


私は、何をやっている。


ヴェント「……」


何で日本に留まっている。


ヴェント「……どうしてぇんだ、ントに」


自分が気分屋なことくらいは、承知している。
だが――


ヴェント「……ここまで平和ボケしちまっているっつーのは、ねぇ」ハァ

526: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:17:44.78 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「ん?」


ヴェント「……ほぉ」


これは中々……


ヴェント「(――って、ちげぇ!!私は別に服を見に来たわけじゃ!)」


店員「いらっしゃいませー!」


やたらと明るい店員の声も、雑踏の声も、街頭に広がってる、何の血の腐れもねぇ光景も


ヴェント「……ふん」プイッ


店員「……?」


何気なく、慣れてきちまっている。


ヴェント「(それも、これもあのクソガキの世迷い言に一時でもだまされたから、だが――)」


何かがひっかかりやがってるってのも、ある。


上条『……普通に、可愛いと思うんですが』


ヴェント「……」ボンッ