キャーリサ「ここが学園都市……なの」前編
528: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:29:56.66 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「……」
ヴェント「……ククッ」ギリィッ
よーし、目的変更だ。こっちの方がずっとわかりやすい。
ヴェント「……ぶっ殺す」ダッ
ウワッ!ヴェ、ヴェント――ッテナンデオコッテ――!?
ギャー!!
フコーーーーーウダァアアア!!!
――――――――――――――――
一方通行「だから――」
一方通行「ンな甘っちょろい日常生活を逐一報告するために俺を呼んだのかって聞いてンだ……」ダンッ
上条「うぇっ!?」
一方通行「……(やはり、何事も心配する必要はねェッってことか)」
一方通行「……はぁ」スッ
上条「あ、れ?どこに行くんだ?」
一方通行「眠ィから帰ンだよ」
上条「え、お、おい――まだ終わっては――」
一方通行「着いてくンじゃねェ」ギロッ
上条「……は、はい」シュン
――――――――――――――――
キャーリサ「……御坂」
御坂「……はぁ、はぁ」
キャーリサ「……ぷっ」
御坂「ふぇ!?」ビクッ
キャーリサ「……くすくす、くは、くはははははは!」
御坂「な、何で笑ってるんですか!わ、私は本気で―」
キャーリサ「いや、はは、くくっ。分かっているよ。本気なのは承知している」
キャーリサ「ただ、いくら私も貴様のように高々と宣言することは容易ではないと思ってな」
御坂「……え?」
御坂「……」チラッ
周りの人達「……」ジーッ
風斬「(キャーリサさん、いいなぁ……)」
風斬「……」
風斬「(って、何か皆静かだなぁ)」チラッ
ヴェント「……(アイツ……)」ビキビキ
御坂「……(策士めぇぇえええ)」ビリビリ
インデックス「……(何で手を握っているの!!とーまぁー!!)」ムキィィ
風斬「あわわわわわわわわわわわ」オロオロ
キャーリサ「……」チラッ
キャーリサ「……ふふっ」ニヤリ
――――――――――――
上条「……はぁ」
上条「(何か最近一人になってなかった気がするし、落ちつくな)」
上条「んー……!」ノビー
上条「っぷは」バタッ
上条「……風が気持ちいいな」
「なーにぼけっとしてやがんだ」
上条「?」
ヴェント「珍妙そうな顔してんじゃねぇ」
上条「あ、あぁ。ヴェントか」
ヴェント「隣、いいか?」
上条「おう」ムクッ
上条「(素の顔は相変わらず見慣れないな……)」
ヴェント「……よっと」トン
インデックス「とうまー!!どこ行ったのー?」
ヴェント「!」ビクッ
上条「……ん、あ、あぁ」
上条「……そういや、寝てる暇じゃなかったな」ムクッ
ヴェント「……」
上条「ヴェント」
ヴェント「……あ?」
上条「なんかよくわからねぇけど。……ありがとな」ニコッ
ヴェント「!!!」カァァ
インデックス「とーうまー!」
上条「おっと、呼ばれちまってるし、俺は行くわ!またあとでな!」タタッ
ヴェント「……」
上条『ありがとなっ』ニコッ
ヴェント「…………」ボンッ
ヴェント「………………」パタッ
ヴェント「…………反則だろ」ボソッ
―――――――――――――――
ヴェント「……」
私は自分の手元を一瞥する。少し溶けかかった小奇麗なアイスクリームが目に映る。
レジャー施設利用者全員に配られる高級なアイス……らしいが。
私は別にどうでも良かったので放っておいたら、どこぞのお節介焼きがパイン味を持ってきやがった。
ヴェント「(……間接、キス?)」
ヴェント「……っっ!?!??」ボンッ
無理無理無理無理ッ!!!無理だ!!!
私はあのお姫様みたいにでしゃばれないし……
って、何で私がそうしたいみたいになってんだよ!?
御坂「うふふふふふ……キャーリサさん……。そろそろコイツで勝負を決めましょうか……」ビリビリ
キャーリサ「それは……?」
御坂「フリスビーですよ……。お互いにパスしあって、取れなかった方、もしくはあらぬ方向へ飛ばしてしまったほうの勝ち……」
キャーリサ「……?待て待て、私がお前とそんなことをする必要なんてそもそもないし――」
御坂「勝った方が、帰りにあいつと……腕を組めます」
キャーリサ「!」ピクッ
御坂「負けた方は邪魔をせずにおとなしく引き下がる……でどうですか!?」
キャーリサ「…………ふむ(……悪くないし)」
上条「おっす、ヴェント」
ヴェント「……ん」
上条「アイツら行っちまったし、俺らは少し待つことにするか」
上条「勝手に俺らがまたどこかへ行ったら、入れ違いになる可能性だってあるもんな」
ヴェント「そう……だな」
上条「(……?疲れたのか?)」
上条「とりあえずさ、そこのベンチにでも座って待ってるか」
ヴェント「……あ、あぁ」ストン
上条「隣、失礼しますよっ……と」ストン
上条「そりゃあさ、急に変わった生活だってのは、俺も分かってるから」
上条「疲れる時くらいあるのはわかってる」
上条「だから、いつでも困ったら言ってくれよ。……遠慮なんかしないでさ」
何、的外れなこと言ってやがんたよ、コイツ。
私だったら顔から火が出ちまうようなことを、毎回毎回言ってのけやがって……。
ヴェント「ふぇ、えっ、うぇぇ」
それでも、私の涙は止まらなかった。
自然と嗚咽も出て、もうどうしようもない。
禁書目録のことをガキだガキだとバカにしてきたが、これじゃ私もガキと遜色ない。
上条「俺も何度か経験はあるけど……海外って疲れるよなぁ。なんかほら、食事だとか、文化だとか、さ」
全く的を得ていない。そういうことじゃなかった。
何か、拒否されたって思ったら、自然と出てきただけで、
そんな大層なことじゃ、無かったのに……。
上条「そりゃ……送るも何も同じ家だし……っつーか」
上条「(襲われても大分無問題だとは思うのですが……とは言わないでおこう)」
キャーリサ「――それじゃ、お言葉に甘えて」グイッ
上条「――ぇ。ちょ、ちょっと?」
キャーリサ「私も少し疲れたから早めに帰って寝たいし……」
上条「で、でも。御坂は大丈夫か?」
御坂「――私!?わ、私は――!!(チャンス!!)」
キャーリサ「(……ふん、私に『勝負』と名のつくことを申し込むこと自体、無謀だしっ!)」
上条「何慌ててんだあいつ……」
キャーリサ「さぁ?」
上条「…………それじゃ、俺らだけここに居ても仕方ないし、行くか」
キャーリサ「そうするしっ」
ヴェント「……(…………)」
上条「ん?どうしたんだ?ヴェント?」
ヴェント「……私が、風斬たちを送ってくる」
上条「……あっという間に、俺ら二人になっちまったなぁ」テクテク
キャーリサ「ま、私も日中からの団体行動と言うのには慣れていないから丁度いいし」
上条「慣れてない?」
キャーリサ「あぁ。普段は参謀としても仕事をしているわけだし。戦場では騎士団長が護衛している時もあるが一人の時もあるわけだからな」
上条「あぁ、そっか……なんだかんだで軍事担当なんでしたっけ」
キャーリサ「本職がそれだし……。……それに」
上条「ん?」
上条「……はぁ」
上条「(今日はなんだかんだで今までで一番キャーリサたちと話せた気がするな)」
上条「(ヴェントのことは実際、すごい驚いたけど……。やっぱり、アイツだって暗殺者とかそういうの以前に人間だっていうのが改めてわかったし)」
上条「(……)」
上条「(…………そういや、御坂は大丈夫だったのかな)」ポリポリ
上条「(……)」
上条「(…………15分くらいたったけど、どうしたんだろ)」
キャーリサ「お待たせ♪」ピトッ
上条「おわぁっ!?」ビクッ
キャーリサ「そんなに驚くことはないだろう……」
上条「いや、後ろから急にきたら誰だって驚きますよ!?」
キャーリサ「ははは、怒るな怒るな。それより、これを見てほしいの」ガサゴソ
キャーリサ「こうやって、ぴったりくっつけば寒くない……よ?」
キャーリサ「上条~?見つからないようであれば私が取りに行くけど~?」
上条「ちょ、ちょ、ちょっとまったああああ!!すぐ行きますから少し待って下さい!!」
上条「(うわああああ!もう!そうだTシャツとジャージで!!どうせ今日だけだ!)」ダッ
上条「……(何か騒がしいみたいだけど)」
ヴェント「……行くぞ」
上条「へ、で、でも待たなくてもいいんでせうか?」
ヴェント「バスに乗り過ぎて少し疲れたんでね。
それに客を通すんだから、そんなに大きな問題があるわけじゃねぇだろ」ファァ
上条「(そ、それもそうなのか?)」
ヴェント「さ、もたもたしてっと置いていくぞ」スタスタ
上条「お、おう(……ま、重要なことだったら後で言いに来ます……よね?)」
――――――――――
上条「……どれどれ」
ヴェント「……」
上条「(うわ、俺顔がかなり引きつってるなぁ……)」
ヴェント「……(……えへへっ♪)」
ヴェント「……ん?」チラッ
上条「……?(扉の開く音……?)」ゴシゴシ
上条「(気のせいか――)」
パタン
上条「(じゃない!?)」ゴシゴシ
上条「(え?え?え?えええ!?!?ま、まさか、これは、ええ!?)」ゴシゴシ
「…………」
上条「……」キュ
上条「…………」ゴシゴシ
上条「………………っ」チラッ
ヴェント「……ぇ、ぅ、ぁ……」ガタガタ
上条「……」カチコチ
ヴェント「……」ゴシゴシッ
上条「…………」カチコチ
ヴェント「……なぁ」ゴシゴシ
上条「……はい」カチコチ
ヴェント「……い、痛くないか?か、かゆいところとかも……ない?」ゴシゴシ
上条「……はい」カチコチ
ヴェント「……い、いっつつ……」
ヴェント「……」チラッ
上条「……っつ。ヴェ、ヴェント!大丈夫か?」
ヴェント「っ!??!?!」カァァ
上条「よかった……大丈夫みたいだな……」
ヴェント「……あ、ありがと……」
上条「いえいえ、礼なんて……。ヴェントさんに何もなくて何よりですよ」ムニュ
キャーリサ「……さぁーて、もう夜も遅いし。寝ることにするし」スッ
上条「え?あ、あぁ。そうだな」スッ
キャーリサ「こんな夜中に、私の戯言に付き合せてしまった悪かったの」
上条「いえいえ。俺だってすぐには眠れなかったから丁度よかったですよ」
キャーリサ「……貴様は、どこまでお人よしなんだか……」ククッ
上条「前も言ったけど俺はそんなつもりは全くないんだけど……」
キャーリサ「ははっ、まっ、これも異文化ってことかな?
上条「それもまた違う気が……」
キャーリサ「細かいことは置いておくし。さ、用意してくれたお礼なの。私が片づけをやっておくから
先に寝るといいし」
上条「え?いや俺がやりますよ?」
キャーリサ「やられっぱなしは好きじゃないし。ギブアンドテイクってやつなの」チッチ
上条「そ、そうですか……それじゃあお言葉に甘えて」ファァ
キャーリサ「……おやすみ、上条。お茶美味しかったよ」
上条「おやすみ。また明日」ガチャ
バタン
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」ピピッ
キャーリサ「……あぁ、私だ」
キャーリサ「…………用件を飲む」
キャーリサ「……ふん、ほざいてろ」
キャーリサ「……」ピッ
キャーリサ「……上条」
キャーリサ「私は、…………嘘をついたよ」
キャーリサ「……暗い夜は嫌いだけど。…………星空は、もっと……」
――――――――
―――――
――
上条「……はぁ」パサッ
ヴェント「……わらひ、は。まだ、いけるぅ~」スースー
キャーリサ「なんだい……?もう、終わりなのぉ……?」スース‐
上条「結局、相打ちってわけですか……」
ヴェント「ううにゅ……かみじょぉ、早くしろよぉ……」
キャーリサ「……へへぇっ……上条、次はあそこだしぃ……」
上条「寝言も似たようなことを……」ハァ
上条「っていうか夢で俺はもう使役されているんでせうか……」カチャカチャ
キャーリサ「……でも、きっとヴェントも、それを……」ムニャ
ヴェント「あのぉお姫しゃまにも、一つ持っていけば……」ムニャ
上条「……」
上条「…………ははっ」
上条「(仲いいんだか悪いんだか……)」
…………。
……。
――――――――――
――――――
冥土返し「……ふう。これで一段落したかな?」
冥土返し「年も食ってきたし……仕事も楽じゃなくなってきたねぇ」
ジリリリリ ジリリリリリ
冥土返し「……?(こんな時間に?)」
冥土返し「はいはい。遅れたね」ガチャ
「――――っ!!」
冥土返し「ははは、君か。何をそんなに慌てているんだね?」
「――――――!!!――!」
冥土返し「……何だって?」ピクッ
「――――ッ、……!!」
冥土返し「……後で、また連絡する」ジリン
冥土返し「……やれやれ」
冥土返し「……また、忙しくなりそうだ」
――――――――――――――
――――――――ー
――――
上条「……そっか、もうそんなに時間が過ぎたのかぁ……って思ってさ」
キャーリサ『時間が無常というのは、良く言ったものだよ』
御坂「何感慨に浸ってるのよ……気持ち悪いわね」
上条「き、気持ち悪いって……」
御坂「と、とりあえずその買い物に付き合って欲しいってわけ!」
上条「おう、そういうことなら」
御坂「ほんとっ!?」
上条「そんなところで上条さんは嘘付きませんことよ……」
御坂「そ、それじゃあ……今日は12時半にここで大丈夫?」
上条「はいはい。了解です」
御坂「な、なんでそんな生返事なのよ!」ビリビリ
上条「うぉっ!?」キュイーン
御坂「ったくもぉ」プルルルル
御坂「……?……っあ。(黒子だ)」
御坂「それじゃ!アンタもシャキッとしなさいよ!」タッタッタ
上条「……忙しいやつだなぁ」
上条「……。この生活も、終わり……かぁ」スタスタ
―――――――
ヴェント「……」
ヴェント「そぉかい」
ヴェント「無抵抗なら何もせずに捕縛するだけで許してやろうかなと思ったんだがなぁ」
ヴェント「やっぱり、私に優しさなんて求めるもんじゃないってことかい」スチャッ
「……あの神の右席のメンバーと戦えるなんて、僥倖極まりないな」スッ
ヴェント「……!」
ヴェント「なーんだぁ、ククッ」クスクス
「……」
ヴェント「どこのどいつだか知らないが。機密事項であることを知っている人間を放っておいてしまうなんて、……私も落ちたものだね」
「それは私の情報収集能力を褒めていると捉えてもかまわないかな?」
ヴェント「はん、ほざけ」
ヴェント「……言っとくけど、私は手加減なんざする気はねぇからな?死んじまっても恨むんじゃねぇぞ」スッ
「……くくっ」
ヴェント「なーに笑っていやがんだ、てめぇ……」ビキ
「いやぁ、ここまで来て相手の身を案じていること自体、貴様の優しさを示していると思って、な」
ヴェント「……」ブチッ
ヴェント「……何を……」
ヴェント「……何を知ったような口ぶりをォ!!」ズァ
「……っ」ガッ
ヴェント「……いいねぇ?さすがにちょっとはやるみたいだ」
偶然だけど。
夜に、勝負に出てみた。
気持ちを、想いを伝えてみようという勇気を、私の本能が、『軍事担当の人間』という自覚が押し返そうとした。
だけど、勝負に出る前から、くじかれちゃったし。
勇気をだしたんだけどなあ。
……私は、ダメだなぁ。
――――好きな人と、一緒にいない方が後悔するから。
-fin-
528: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:29:56.66 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「!!」ブンブン
ヴェント「(クッ、くだらねぇ!!)」
なんなんだ、なんなんだよ、ほんとに。
意味わかんねぇ。
一人で過ごせば何かしら分かると思ったんだが……どうにも、そういうわけでもねぇみたいだ。
ヴェント「…………」
ヴェント「(釈然としないことなんて……大っ嫌いなんだ)」
ゼッテーに私が何をしたいのかっつーことを見極めてやる。
それが、私の今回の目的だ。
ヴェント「(クッ、くだらねぇ!!)」
なんなんだ、なんなんだよ、ほんとに。
意味わかんねぇ。
一人で過ごせば何かしら分かると思ったんだが……どうにも、そういうわけでもねぇみたいだ。
ヴェント「…………」
ヴェント「(釈然としないことなんて……大っ嫌いなんだ)」
ゼッテーに私が何をしたいのかっつーことを見極めてやる。
それが、私の今回の目的だ。
引用元: ・キャーリサ「ここが学園都市……なの」
とある魔術の禁書目録(14) (ガンガンコミックス)
posted with amazlet at 14.11.05
近木野 中哉
スクウェア・エニックス (2014-10-22)
スクウェア・エニックス (2014-10-22)
529: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:30:40.04 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「(よし、そうと決まればアイツを――)」スッ
キャーリサ「ここ、ここなの!!」
御坂「そっちじゃなくて!!こっちの方が絶対に品ぞろえがいいんですよ!!」
キャーリサ「そっちは子供用の装服店だし」
御坂「っ!!」ギクッ
上条「あ、あのー、どこでもいいから早く店に入りませんか……」アツイ
キャーリサ「ここ、ここなの!!」
御坂「そっちじゃなくて!!こっちの方が絶対に品ぞろえがいいんですよ!!」
キャーリサ「そっちは子供用の装服店だし」
御坂「っ!!」ギクッ
上条「あ、あのー、どこでもいいから早く店に入りませんか……」アツイ
530: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:31:41.96 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「……」
ヴェント「……ククッ」ギリィッ
よーし、目的変更だ。こっちの方がずっとわかりやすい。
ヴェント「……ぶっ殺す」ダッ
ウワッ!ヴェ、ヴェント――ッテナンデオコッテ――!?
ギャー!!
フコーーーーーウダァアアア!!!
――――――――――――――――
531: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:35:33.50 ID:sOVpUH6h0
【喫茶店】
上条「……と、いうわけなんですが……」トホホッ
一方通行「……」ズズッ
上条「毎日毎日が不幸の連続ですよ……」
一方通行「なァ」
上条「ん?」
一方通行「テメェが俺を呼ンだ理由って、そンだけか?」
上条「はい?だって、『何が起こるか分かンねェから何かあったら報告しろ』って言ったのは……」
上条「……と、いうわけなんですが……」トホホッ
一方通行「……」ズズッ
上条「毎日毎日が不幸の連続ですよ……」
一方通行「なァ」
上条「ん?」
一方通行「テメェが俺を呼ンだ理由って、そンだけか?」
上条「はい?だって、『何が起こるか分かンねェから何かあったら報告しろ』って言ったのは……」
532: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:36:00.08 ID:sOVpUH6h0
一方通行「だから――」
一方通行「ンな甘っちょろい日常生活を逐一報告するために俺を呼んだのかって聞いてンだ……」ダンッ
上条「うぇっ!?」
一方通行「……(やはり、何事も心配する必要はねェッってことか)」
一方通行「……はぁ」スッ
上条「あ、れ?どこに行くんだ?」
一方通行「眠ィから帰ンだよ」
上条「え、お、おい――まだ終わっては――」
一方通行「着いてくンじゃねェ」ギロッ
上条「……は、はい」シュン
――――――――――――――――
533: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:39:32.37 ID:sOVpUH6h0
【レストラン】
風斬「ふふっ……」クスッ
ヴェント「なーに笑ってやがんだ」コツッ
風斬「あうっ」
ヴェント「ったく……。なんだってんだ?急に飯誘ってきやがったから来てみれば『今日の話を聞かせろ』だかなんだか……。」
風斬「うぅ、す、すいませぇん……。そういうのって友達っぽいなぁって……」シクシク
ヴェント「友達ィ?」
風斬「え、あ、いや、なんでもないです!!」
ヴェント「?」モグ
風斬「えーと……。えと、えとえと。そういえば!上条さんって、いつもインデックスから聞いたまんまの人なんですねっ!」
風斬「ふふっ……」クスッ
ヴェント「なーに笑ってやがんだ」コツッ
風斬「あうっ」
ヴェント「ったく……。なんだってんだ?急に飯誘ってきやがったから来てみれば『今日の話を聞かせろ』だかなんだか……。」
風斬「うぅ、す、すいませぇん……。そういうのって友達っぽいなぁって……」シクシク
ヴェント「友達ィ?」
風斬「え、あ、いや、なんでもないです!!」
ヴェント「?」モグ
風斬「えーと……。えと、えとえと。そういえば!上条さんって、いつもインデックスから聞いたまんまの人なんですねっ!」
534: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:40:27.83 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「禁書目録……が?」ハムハム
風斬「はい」アムッ
ヴェント「……どういうことだ?」
風斬「どういうことっていうか、そういうことかな?」
ヴェント「回りくどいのは好きじゃねぇんだがなぁ……」ギロッ
風斬「うーんと、その……なんていうか」オロオロ
風斬「女の子に好かれやすいって言うか……」カァ
ヴェント「……」
ヴェント「……はぁ?」ポカーン
風斬「はい」アムッ
ヴェント「……どういうことだ?」
風斬「どういうことっていうか、そういうことかな?」
ヴェント「回りくどいのは好きじゃねぇんだがなぁ……」ギロッ
風斬「うーんと、その……なんていうか」オロオロ
風斬「女の子に好かれやすいって言うか……」カァ
ヴェント「……」
ヴェント「……はぁ?」ポカーン
535: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:41:41.64 ID:sOVpUH6h0
風斬「え、えっとね!?私も聞いた話だから!!わからないんだけど!!」フリフリ
風斬「でも、確かに上条君って、優しいから、何というか、その……わかるっていうか」
風斬「って私はそんな好きとか嫌いとか、恋愛感情なんていうものはわからないんだけど……!!」ブンブン
風斬「って、あはは、何で一人で慌ててるんだろ」アムッ
ヴェント「(好き……恋愛……?)」
ヴェント「……ふ」
風斬「え?」
ヴェント「ふふふふふ、ふふふふふざっざざああああ!?」ダダッ
風斬「えええ!?どうしたの!?」
風斬「でも、確かに上条君って、優しいから、何というか、その……わかるっていうか」
風斬「って私はそんな好きとか嫌いとか、恋愛感情なんていうものはわからないんだけど……!!」ブンブン
風斬「って、あはは、何で一人で慌ててるんだろ」アムッ
ヴェント「(好き……恋愛……?)」
ヴェント「……ふ」
風斬「え?」
ヴェント「ふふふふふ、ふふふふふざっざざああああ!?」ダダッ
風斬「えええ!?どうしたの!?」
536: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:44:49.59 ID:sOVpUH6h0
ヴェント「て、てめぇ!?バカにしてんのか!?私が他人をす、好きになるなんて!!ん、んんんんんなもんあるわけ――!!」
上条『可愛い』
ヴェント「……」ボンッ
ヴェント「う、うがああああああああああああああ!!!」ドタドタ
風斬「ヴェ、ヴェントさん、落ちついてぇえええ!!」オロオロ
ヴェント「て、てめぇがふざけたことぬかしやがるからだろうが!!くそっ!」カァ
風斬「……!」
ヴェント「……うぅう」
上条『可愛い』
ヴェント「……」ボンッ
ヴェント「う、うがああああああああああああああ!!!」ドタドタ
風斬「ヴェ、ヴェントさん、落ちついてぇえええ!!」オロオロ
ヴェント「て、てめぇがふざけたことぬかしやがるからだろうが!!くそっ!」カァ
風斬「……!」
ヴェント「……うぅう」
537: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:46:08.10 ID:sOVpUH6h0
風斬「そういえば、ヴェントさんって……」
ヴェント「……なんだよ」
風斬「照れた顔も、可愛いんですね」サラッ
ヴェント「……!」
ヴェント「……」
風斬「元々美人さんだと思ってましたけど……。外国人の方って皆さん、こんなに髪も綺麗で顔も……」
風斬「……あれ?」
ヴェント「……」プシュウウウ
風斬「あ、あわわわわわ!!わ、私冷たい飲み物でも入れてきますね!!」ダッ
ヴェント「(もう……何が何だか……わっけわかんねぇ……)」
――――――――――――
ヴェント「……なんだよ」
風斬「照れた顔も、可愛いんですね」サラッ
ヴェント「……!」
ヴェント「……」
風斬「元々美人さんだと思ってましたけど……。外国人の方って皆さん、こんなに髪も綺麗で顔も……」
風斬「……あれ?」
ヴェント「……」プシュウウウ
風斬「あ、あわわわわわ!!わ、私冷たい飲み物でも入れてきますね!!」ダッ
ヴェント「(もう……何が何だか……わっけわかんねぇ……)」
――――――――――――
538: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:53:05.93 ID:sOVpUH6h0
【高級レストラン】
御坂「へぇ~何か感じのいいレストランですねっ!」ワクワク
キャーリサ「あぁ、以前から姉上様たちから聞いていた有名所でな。来てみたかったレストランなんだ。せっかく日本に来たわけだし
行かないと損だろう?」フフン
御坂「王族の方々ご用達ってことですか……」ゴクリ
キャーリサ「まっ、簡単に言うとそういうことだし」
御坂「ってことは……(値段は?)」ピラッ
御坂「(げっ)」
御坂「へぇ~何か感じのいいレストランですねっ!」ワクワク
キャーリサ「あぁ、以前から姉上様たちから聞いていた有名所でな。来てみたかったレストランなんだ。せっかく日本に来たわけだし
行かないと損だろう?」フフン
御坂「王族の方々ご用達ってことですか……」ゴクリ
キャーリサ「まっ、簡単に言うとそういうことだし」
御坂「ってことは……(値段は?)」ピラッ
御坂「(げっ)」
539: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:55:40.80 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「ははは、流石に現地の中学生に払わせるようなことはしないし」
御坂「え?いいんですか?」
キャーリサ「もちろん。食事を誘ったのも私だしな。誘う者としての心得だし」
御坂「で、でも……こんな高い店……」
キャーリサ「まぁ、猿の将来に期待するとするし。くっくっ」ケラケラ
御坂「……うぇぇ。しょ、精進します」
スタッフ「お待たせいたしました。こちら、お頼みのコースメニュー第一品目でございます」コト
御坂「あれ?もうメニューも注文していたんですか?」
キャーリサ「もちろん、店の最高のメニューを予約してあったに決まっているだろう?何を言っているんだ?」
御坂「最高のメニューって……」パラパラ
御坂「(げげっ)」
御坂「え?いいんですか?」
キャーリサ「もちろん。食事を誘ったのも私だしな。誘う者としての心得だし」
御坂「で、でも……こんな高い店……」
キャーリサ「まぁ、猿の将来に期待するとするし。くっくっ」ケラケラ
御坂「……うぇぇ。しょ、精進します」
スタッフ「お待たせいたしました。こちら、お頼みのコースメニュー第一品目でございます」コト
御坂「あれ?もうメニューも注文していたんですか?」
キャーリサ「もちろん、店の最高のメニューを予約してあったに決まっているだろう?何を言っているんだ?」
御坂「最高のメニューって……」パラパラ
御坂「(げげっ)」
540: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 22:57:06.78 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「ふふふ、だから心配しなくていいし。ほらほら、せっかく来た料理が冷めないうちに口に入れるとするし」
御坂「は、はい」オソルオソル
御坂「……」ジー
御坂「(えいっ!)」パクッ
御坂「……お、おいしい!!」ポワーン
キャーリサ「ふむ……。前菜に真鯛のムニエルと野菜添え、か」
御坂「こ、これとっても美味しいですね!!」ウマ!
キャーリサ「味をしみ込ませる為とはいえ、少し煮詰めすぎて噛み応えが少し失せてしまっている。
……まずまず、かな?」
御坂「えーと……。(私にはまったくわからない……)」
キャーリサ「ま、せっかく来たのだし細かいことは気にせず食べることにするし」モグモグ
御坂「そ、そうですね」モグモグ
御坂「は、はい」オソルオソル
御坂「……」ジー
御坂「(えいっ!)」パクッ
御坂「……お、おいしい!!」ポワーン
キャーリサ「ふむ……。前菜に真鯛のムニエルと野菜添え、か」
御坂「こ、これとっても美味しいですね!!」ウマ!
キャーリサ「味をしみ込ませる為とはいえ、少し煮詰めすぎて噛み応えが少し失せてしまっている。
……まずまず、かな?」
御坂「えーと……。(私にはまったくわからない……)」
キャーリサ「ま、せっかく来たのだし細かいことは気にせず食べることにするし」モグモグ
御坂「そ、そうですね」モグモグ
541: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:00:08.62 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「……さて、時に御坂」
御坂「は、はい?(あ、名前で呼んでくれた)」
キャーリサ「今日は買い物に付き合ってくれてありがとう。素直にお礼を言おう」
御坂「お、お礼なんて!!私が勝手についていっただけですし!!(体の良い言い訳だし……。感謝されるとは……)」
キャーリサ「それで、だ」
御坂「はい?」
キャーリサ「それで、今日一日でわかったことがあるんだが」
御坂「何でしょうか?」モグモグ
キャーリサ「回りくどいことは嫌いなので、前置きはしないが」
御坂「は、はい?(あ、名前で呼んでくれた)」
キャーリサ「今日は買い物に付き合ってくれてありがとう。素直にお礼を言おう」
御坂「お、お礼なんて!!私が勝手についていっただけですし!!(体の良い言い訳だし……。感謝されるとは……)」
キャーリサ「それで、だ」
御坂「はい?」
キャーリサ「それで、今日一日でわかったことがあるんだが」
御坂「何でしょうか?」モグモグ
キャーリサ「回りくどいことは嫌いなので、前置きはしないが」
542: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:02:39.11 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「お前は、私の……そうだな。ライバルとでもなるのかもしれないな」
御坂「ら、らいばるぅ?」
キャーリサ「くすくす、変な声を急にだすものではないぞ」
御坂「いや、だって急にライバルとか言われましても……」
キャーリサ「あえて言葉で表すとするなら、だけどな。まァ今回の食事も、私からの宣戦布告っとなるのか」
御坂「だ、だから、私はキャーリサさんと争うことなんて何一つないですって!」
キャーリサ「ほほう、そうかね?貴様、私に隠し事をしているということはないか?」
御坂「か、隠し事って……?」
御坂「ら、らいばるぅ?」
キャーリサ「くすくす、変な声を急にだすものではないぞ」
御坂「いや、だって急にライバルとか言われましても……」
キャーリサ「あえて言葉で表すとするなら、だけどな。まァ今回の食事も、私からの宣戦布告っとなるのか」
御坂「だ、だから、私はキャーリサさんと争うことなんて何一つないですって!」
キャーリサ「ほほう、そうかね?貴様、私に隠し事をしているということはないか?」
御坂「か、隠し事って……?」
543: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:03:05.67 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「……今日、私は彼といて楽しいと感じたよ」
御坂「!!」
キャーリサ「それも、このまま一緒に過ごせたらという夢物語を妄想してしまうほどに、ね?」
御坂「そ、それって……」
キャーリサ「今日、わざわざ私自ら早期解散にしたのはこのことをお前に言いたかったからなわけだし」
御坂「……キャーリサさん?」
キャーリサ「国籍や、所属や、身分の違いなど。私は塵ほども気にしない」
御坂「!!」
キャーリサ「それも、このまま一緒に過ごせたらという夢物語を妄想してしまうほどに、ね?」
御坂「そ、それって……」
キャーリサ「今日、わざわざ私自ら早期解散にしたのはこのことをお前に言いたかったからなわけだし」
御坂「……キャーリサさん?」
キャーリサ「国籍や、所属や、身分の違いなど。私は塵ほども気にしない」
544: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:05:49.71 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「私の勘違いで、貴様は何の感情も彼に抱いていないというのなら私は非礼を詫びる、……が」
キャーリサ「もしそうだったら。もし私の勘違いだったら。……貴様は人の恋路を邪魔しようとする下種となるのか?それとも横恋慕を目指す外道となど、なるわけがないよな」
御坂「え、えと。あの――」
キャーリサ「御坂」
キャーリサ「はっきりと答えを出せとは言わん。ただ、私は素直に気持ちを認める。それが恥等とは思わない。
……それを、曖昧な気持ちのまま邪魔しようなんてことは、ないよな?」
御坂「……っ!!」グッ
キャーリサ「……」
御坂「……」
キャーリサ「……ふ、話が過ぎた。ほら、食事を進めようか」
キャーリサ「もしそうだったら。もし私の勘違いだったら。……貴様は人の恋路を邪魔しようとする下種となるのか?それとも横恋慕を目指す外道となど、なるわけがないよな」
御坂「え、えと。あの――」
キャーリサ「御坂」
キャーリサ「はっきりと答えを出せとは言わん。ただ、私は素直に気持ちを認める。それが恥等とは思わない。
……それを、曖昧な気持ちのまま邪魔しようなんてことは、ないよな?」
御坂「……っ!!」グッ
キャーリサ「……」
御坂「……」
キャーリサ「……ふ、話が過ぎた。ほら、食事を進めようか」
545: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:06:36.78 ID:sOVpUH6h0
御坂「……」
御坂「……よ……」
キャーリサ「ん?」
御坂「ざけんじゃないわよ!!」
キャーリサ「……!!
御坂「キャーリサさん!!」
キャーリサ「ほう?」
御坂「さっきから勝手なことをベラベラペラペラと!!」
御坂「私だって貴方よりずーっとずーっと昔から!!アイツとファミレスで出会ってから!!」
御坂「好きだった―っつーの!!!」
御坂「それを、それを横恋慕だの下種だの!!」
キャーリサ「……」
御坂「バカにするのも大概にしなさいよ!!!」
御坂「……よ……」
キャーリサ「ん?」
御坂「ざけんじゃないわよ!!」
キャーリサ「……!!
御坂「キャーリサさん!!」
キャーリサ「ほう?」
御坂「さっきから勝手なことをベラベラペラペラと!!」
御坂「私だって貴方よりずーっとずーっと昔から!!アイツとファミレスで出会ってから!!」
御坂「好きだった―っつーの!!!」
御坂「それを、それを横恋慕だの下種だの!!」
キャーリサ「……」
御坂「バカにするのも大概にしなさいよ!!!」
546: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:07:56.95 ID:sOVpUH6h0
キャーリサ「……御坂」
御坂「……はぁ、はぁ」
キャーリサ「……ぷっ」
御坂「ふぇ!?」ビクッ
キャーリサ「……くすくす、くは、くはははははは!」
御坂「な、何で笑ってるんですか!わ、私は本気で―」
キャーリサ「いや、はは、くくっ。分かっているよ。本気なのは承知している」
キャーリサ「ただ、いくら私も貴様のように高々と宣言することは容易ではないと思ってな」
御坂「……え?」
御坂「……」チラッ
周りの人達「……」ジーッ
547: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:09:09.43 ID:sOVpUH6h0
御坂「!!!!!!!(しまったあああああああああああああああ!!!)」
キャーリサ「くははっ!いやいや、恐れ入った。少しからかうつもりがこんなに本気になってくるとはな」
御坂「うううう~」カァァ
キャーリサ「ま、今ので貴様の考えもわかった。先ほどの言葉も撤回しよう」
御坂「……え?」
キャーリサ「貴様は下種でもなんでもない。……正真正銘、私のライバル、だな」
御坂「……っ」ゴクッ
キャーリサ「立派な宣戦布告として、受け取っておこう」
キャーリサ「勝負の期間は私が帰るまでの約一か月とさせてもらう。
が、私には一緒に住んでいるという特権がある」
御坂「!(そ、そういえばそんなことを言っていた気が……)」
キャーリサ「ふふ、せいぜい私も『女の武器』とやらを使ってみることにしようかな」ガタッ
御坂「え、えとキャーリサさん?どこへ?」
キャーリサ「ん?伝えることは伝えたことだし。貴様とはライバルとなったんだ。
同席でなど食せるわけがないだろう。別の席をあらかじめ用意してもらっているから、そこに移る」
キャーリサ「くははっ!いやいや、恐れ入った。少しからかうつもりがこんなに本気になってくるとはな」
御坂「うううう~」カァァ
キャーリサ「ま、今ので貴様の考えもわかった。先ほどの言葉も撤回しよう」
御坂「……え?」
キャーリサ「貴様は下種でもなんでもない。……正真正銘、私のライバル、だな」
御坂「……っ」ゴクッ
キャーリサ「立派な宣戦布告として、受け取っておこう」
キャーリサ「勝負の期間は私が帰るまでの約一か月とさせてもらう。
が、私には一緒に住んでいるという特権がある」
御坂「!(そ、そういえばそんなことを言っていた気が……)」
キャーリサ「ふふ、せいぜい私も『女の武器』とやらを使ってみることにしようかな」ガタッ
御坂「え、えとキャーリサさん?どこへ?」
キャーリサ「ん?伝えることは伝えたことだし。貴様とはライバルとなったんだ。
同席でなど食せるわけがないだろう。別の席をあらかじめ用意してもらっているから、そこに移る」
548: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/20(火) 23:09:52.08 ID:sOVpUH6h0
御坂「……っ」
キャーリサ「まぁ、お互いに恨むことのない結果となることを祈るよ。くくっ」スタスタ
御坂「……」
キャーリサ「そうそう、最後に一言」
御坂「……?」
キャーリサ「…………どうやら。私だけが、『ライバル』ではなさそうだぞ。
御坂「……!?」
キャーリサ「それじゃ、勘定は既に済ませてある。貴様も学生だろう?食したらすぐに帰ることだし」プイッ
御坂「……」
御坂「…………」
御坂「待ってよ……」
御坂「……一国の姫君がライバルって……なんて夢物語なのよ……」
――――――――――――――
キャーリサ「まぁ、お互いに恨むことのない結果となることを祈るよ。くくっ」スタスタ
御坂「……」
キャーリサ「そうそう、最後に一言」
御坂「……?」
キャーリサ「…………どうやら。私だけが、『ライバル』ではなさそうだぞ。
御坂「……!?」
キャーリサ「それじゃ、勘定は既に済ませてある。貴様も学生だろう?食したらすぐに帰ることだし」プイッ
御坂「……」
御坂「…………」
御坂「待ってよ……」
御坂「……一国の姫君がライバルって……なんて夢物語なのよ……」
――――――――――――――
551: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 00:25:29.20 ID:QfI6r2bx0
【オマケ】
ヴェント「くっそ……」
風斬「うー、そんなに怒らないでください……」
ヴェント「うるっせえ!そもそもてめぇが変な入れ知恵するから私が混乱してんだろうが!」
風斬「入れ知恵って……」
ヴェント「あー……ったく……。私はピエロかっつの……」
風斬「私と初めて会った時のヴェントさんピエロみたいな格好でしたねっ!」
ヴェント「ばか」パコッ
風斬「痛い~」シクシク
風斬とヴェントの恋バナ?の時間は7割のバイオレンスと2割の照れ、1割のボケにて成り立っているのでした。
ヴェント「くっそ……」
風斬「うー、そんなに怒らないでください……」
ヴェント「うるっせえ!そもそもてめぇが変な入れ知恵するから私が混乱してんだろうが!」
風斬「入れ知恵って……」
ヴェント「あー……ったく……。私はピエロかっつの……」
風斬「私と初めて会った時のヴェントさんピエロみたいな格好でしたねっ!」
ヴェント「ばか」パコッ
風斬「痛い~」シクシク
風斬とヴェントの恋バナ?の時間は7割のバイオレンスと2割の照れ、1割のボケにて成り立っているのでした。
556: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:38:26.05 ID:QfI6r2bx0
【マンション】
上条「……」
ヴェント「……」モグモグ
キャーリサ「~♪」モグモグ
上条「……」モグモグ
上条「……(朝からこの異様な空気……)」
上条「……」
ヴェント「……」モグモグ
キャーリサ「~♪」モグモグ
上条「……」モグモグ
上条「……(朝からこの異様な空気……)」
557: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:38:56.85 ID:QfI6r2bx0
上条「あの~……」
ヴェント「あぁ"?!」ギロッ
上条「うぇっ!?」ビクッ
キャーリサ「こらこら、ヴェント。何をそんなに気を立てているし」
ヴェント「ちっ、うるっせぇ」モグモグ
キャーリサ「あらら、お姫様はご機嫌斜めみたいだし」
ヴェント「お姫様はてめぇだろうが」ボソッ
ヴェント「あぁ"?!」ギロッ
上条「うぇっ!?」ビクッ
キャーリサ「こらこら、ヴェント。何をそんなに気を立てているし」
ヴェント「ちっ、うるっせぇ」モグモグ
キャーリサ「あらら、お姫様はご機嫌斜めみたいだし」
ヴェント「お姫様はてめぇだろうが」ボソッ
558: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:39:25.14 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「あらら、皮肉も伝わらなかったみたいだし」
ヴェント「……ほんとにブチ殺してやってもいいんだぜぇ……?」
上条「ちょちょちょ、ちょっと待った!!」
ヴェント「んだよさっきから!!」ギロッ
キャーリサ「邪魔をしてもいいことなんて起きないし」ギロッ
上条「うぅっ!って、そうじゃなくて!!今日のことなんだけど!!」
上条「明日は二人とも予定は空いていますか!?」
ヴェント「……ほんとにブチ殺してやってもいいんだぜぇ……?」
上条「ちょちょちょ、ちょっと待った!!」
ヴェント「んだよさっきから!!」ギロッ
キャーリサ「邪魔をしてもいいことなんて起きないし」ギロッ
上条「うぅっ!って、そうじゃなくて!!今日のことなんだけど!!」
上条「明日は二人とも予定は空いていますか!?」
559: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:40:07.22 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「…………!」
キャーリサ「……それはどういうことだし?」
上条「いやー、たまには皆でどこかに行ってみるのも良いかなって思ったんだけど」
上条「明日も、予報では快晴なわけですし!別の学区にあるレジャー施設にでも行かないか?と思って!」タハハ
上条「(……結構長い間インデックスをほったらかしにしているし、埋め合わせっていうのがあるんだけど……)」
キャーリサ「……」
ヴェント「……」
キャーリサ「……それはどういうことだし?」
上条「いやー、たまには皆でどこかに行ってみるのも良いかなって思ったんだけど」
上条「明日も、予報では快晴なわけですし!別の学区にあるレジャー施設にでも行かないか?と思って!」タハハ
上条「(……結構長い間インデックスをほったらかしにしているし、埋め合わせっていうのがあるんだけど……)」
キャーリサ「……」
ヴェント「……」
560: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:40:40.80 ID:QfI6r2bx0
上条「えーと、急だったし予定は……空いていませんか、ね?(インデックスたちには既に連絡してあったんだけど)」
ヴェント「……準備するのは全てテメェな」ガタッ
キャーリサ「それは当たり前だし」ガタッ
上条「え?」
ヴェント「行くんだったらもっと早く言えよ、クソが」パタパタ バタン
上条「えええ……」
キャーリサ「貴様には気遣いというものが足りないの」パタパタ
上条「えええええ……」
キャーリサ「女性を誘うのならもっと事前に言っておくものだし」バタン
上条「……」ポツーン
上条「……お皿、片づけよ」カチャカチャ
―――――――――――――――
ヴェント「……準備するのは全てテメェな」ガタッ
キャーリサ「それは当たり前だし」ガタッ
上条「え?」
ヴェント「行くんだったらもっと早く言えよ、クソが」パタパタ バタン
上条「えええ……」
キャーリサ「貴様には気遣いというものが足りないの」パタパタ
上条「えええええ……」
キャーリサ「女性を誘うのならもっと事前に言っておくものだし」バタン
上条「……」ポツーン
上条「……お皿、片づけよ」カチャカチャ
―――――――――――――――
561: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:42:20.08 ID:QfI6r2bx0
【翌日 キャンプ地】
インデックス「わは~!!お魚やお肉の匂いで満ち満ちているんだよ~!」キラキラ
風斬「インデックス、あまりはしゃいだら危ないよぅ」アセアセ
インデックス「私はそんなに子供じゃないかも!ひょうかこそ気をつけないと!」
上条「それにしても結構賑わっているんだな」
ヴェント「はぁ?お前、来たことねぇのかよ」
上条「ん?あぁ、俺も話しとかテレビとかではたまに聞いていたくらいで実際に行ったことはないんだよな」
ヴェント「……はぁ」
上条「何でため息?!」
インデックス「わは~!!お魚やお肉の匂いで満ち満ちているんだよ~!」キラキラ
風斬「インデックス、あまりはしゃいだら危ないよぅ」アセアセ
インデックス「私はそんなに子供じゃないかも!ひょうかこそ気をつけないと!」
上条「それにしても結構賑わっているんだな」
ヴェント「はぁ?お前、来たことねぇのかよ」
上条「ん?あぁ、俺も話しとかテレビとかではたまに聞いていたくらいで実際に行ったことはないんだよな」
ヴェント「……はぁ」
上条「何でため息?!」
562: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:43:49.70 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「おうおう、貴様も来たのか」
御坂「……おはようございます」
キャーリサ「どうした?元気がないように見えるけど」
御坂「いえ……」
キャーリサ「……その調子じゃ、私に勝つのは難しそうだし?」スタスタ
御坂「……!(……。)」
上条「それじゃ早速、焼き始めますか~」
御坂「……おはようございます」
キャーリサ「どうした?元気がないように見えるけど」
御坂「いえ……」
キャーリサ「……その調子じゃ、私に勝つのは難しそうだし?」スタスタ
御坂「……!(……。)」
上条「それじゃ早速、焼き始めますか~」
563: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:45:13.21 ID:QfI6r2bx0
インデックス「そ、そうそう!早く焼かないと宝の持ち腐れかも!!」グゥ
上条「インデックス、落ちつけって……。よっと、それじゃ火を起こすためのプラグがここに……って、あれ?」
風斬「……上条君?どうしました?」
上条「いやぁ、どうやらけっこう老朽化しているみたいで、捻っても火が起きないんだ」
風斬「え?……本当だ、少し錆びついてますしね」
上条「うーん……これは別の席に変えてもらって方がいいのかな」
キャーリサ「……」キュピーン
上条「インデックス、落ちつけって……。よっと、それじゃ火を起こすためのプラグがここに……って、あれ?」
風斬「……上条君?どうしました?」
上条「いやぁ、どうやらけっこう老朽化しているみたいで、捻っても火が起きないんだ」
風斬「え?……本当だ、少し錆びついてますしね」
上条「うーん……これは別の席に変えてもらって方がいいのかな」
キャーリサ「……」キュピーン
564: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:45:50.26 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「上条」
御坂「……?!」ビクッ
ヴェント「……!」
上条「ん?」
キャーリサ「ここは敢えて、普通に手で起こしてみるって言うのも一興だし」
上条「手、ですか!?また古典的な……」
キャーリサ「せっかくキャンプという名目で来たの。そういうことをやってみても面白いと思うのだが」
上条「うーん……それもそうかな」
御坂「……?!」ビクッ
ヴェント「……!」
上条「ん?」
キャーリサ「ここは敢えて、普通に手で起こしてみるって言うのも一興だし」
上条「手、ですか!?また古典的な……」
キャーリサ「せっかくキャンプという名目で来たの。そういうことをやってみても面白いと思うのだが」
上条「うーん……それもそうかな」
565: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:49:13.52 ID:QfI6r2bx0
風斬「えーと……そういうのって桐みたいな道具が必要なのでは……?」
上条「そういえば!起こすには道具も必要ですし……やっぱり」
キャーリサ「これ、なーんだ?」
上条「そ、それはまさしく想像通りの!!」
インデックス「縄文時代から使われている器具なんだよ!!」
上条「って、なんでそんなもの持ってるんでせうか?!」
キャーリサ「いや、普通に貸し出してたから借りたまでだが……」
上条「……あ、ほんとだ。『昔に戻って手で火を起こす!?必要機材は全てお貸しします!』って書いてある」
上条「そういえば!起こすには道具も必要ですし……やっぱり」
キャーリサ「これ、なーんだ?」
上条「そ、それはまさしく想像通りの!!」
インデックス「縄文時代から使われている器具なんだよ!!」
上条「って、なんでそんなもの持ってるんでせうか?!」
キャーリサ「いや、普通に貸し出してたから借りたまでだが……」
上条「……あ、ほんとだ。『昔に戻って手で火を起こす!?必要機材は全てお貸しします!』って書いてある」
566: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:49:59.84 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「ま、そういうことだしっ!早速やることにするし」ガタッ
上条「うええ!?キャーリサさん!?そこは俺がやりますよ!」
キャーリサ「まぁまぁ。異文化体験も私の今回の目的の一つだし」カタッ
キャーリサ「きゃっ!?」
上条「うわ、あぶねっ!」ガシッ
キャーリサ「す、すまないし……こんなに重たいとは……」
上条「い、いえ……(肩すっげぇ柔らかい……)」
上条「うええ!?キャーリサさん!?そこは俺がやりますよ!」
キャーリサ「まぁまぁ。異文化体験も私の今回の目的の一つだし」カタッ
キャーリサ「きゃっ!?」
上条「うわ、あぶねっ!」ガシッ
キャーリサ「す、すまないし……こんなに重たいとは……」
上条「い、いえ……(肩すっげぇ柔らかい……)」
567: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:52:04.77 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「やっぱり一人じゃできないから……。私に手取り足とり教えてほしいし……」
上条「いや、俺もあまりやったことは――」
キャーリサ「ダメ、か?」ウルル
上条「あー、えっと、それじゃあ説明を見ながら誠心誠意やらせていただきますよ」アセアセ
キャーリサ「ありがとう」ニコッ
上条「っ、いっ、いえいえ!これも紳士の務めですから(可愛い……)」
上条「いや、俺もあまりやったことは――」
キャーリサ「ダメ、か?」ウルル
上条「あー、えっと、それじゃあ説明を見ながら誠心誠意やらせていただきますよ」アセアセ
キャーリサ「ありがとう」ニコッ
上条「っ、いっ、いえいえ!これも紳士の務めですから(可愛い……)」
568: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:53:32.35 ID:QfI6r2bx0
キャーリサ「えーと、これは……」
上条「よっと、まずはこの両方の突起の部分をしっかりと握って、上下に……」ギュッ
キャーリサ「!」ドキッ
上条「え?あ、ご、ごめん!」
キャーリサ「べ、別に気にしないでいいし……」
上条「……え、あ、は、はい……」ドキドキ
キャーリサ「そ、それで……?」
上条「次は、ですね。えーとなになに?――」
上条「よっと、まずはこの両方の突起の部分をしっかりと握って、上下に……」ギュッ
キャーリサ「!」ドキッ
上条「え?あ、ご、ごめん!」
キャーリサ「べ、別に気にしないでいいし……」
上条「……え、あ、は、はい……」ドキドキ
キャーリサ「そ、それで……?」
上条「次は、ですね。えーとなになに?――」
569: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:55:56.17 ID:QfI6r2bx0
風斬「(キャーリサさん、いいなぁ……)」
風斬「……」
風斬「(って、何か皆静かだなぁ)」チラッ
ヴェント「……(アイツ……)」ビキビキ
御坂「……(策士めぇぇえええ)」ビリビリ
インデックス「……(何で手を握っているの!!とーまぁー!!)」ムキィィ
風斬「あわわわわわわわわわわわ」オロオロ
キャーリサ「……」チラッ
キャーリサ「……ふふっ」ニヤリ
――――――――――――
570: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:57:11.69 ID:QfI6r2bx0
【広場】
インデックス「ぷはぁあ!一杯食べたんだよ~!」
風斬「私もお腹一杯だなぁ」
御坂「それにしても良く食べるわね……。アンタ、シスターじゃなかったの?」
インデックス「むっ!聞き捨てならないんだよ!!シスターだって食べることは大好きなんだよ!!」
インデックス「それに短髪だって人のこと言えない位食べてたんだよ!」
御坂「わ、私のどこがそんなに食べてるって言うのよ!!」
インデックス「ふふん!私は豚肉をたくさん食べている短髪の姿をしっかりと確認したかも!」
御坂「そんなにたくさん食べてないし!!」
風斬「ふ、二人とも喧嘩しちゃだめだよぅ!」オロオロ
インデックス「ぷはぁあ!一杯食べたんだよ~!」
風斬「私もお腹一杯だなぁ」
御坂「それにしても良く食べるわね……。アンタ、シスターじゃなかったの?」
インデックス「むっ!聞き捨てならないんだよ!!シスターだって食べることは大好きなんだよ!!」
インデックス「それに短髪だって人のこと言えない位食べてたんだよ!」
御坂「わ、私のどこがそんなに食べてるって言うのよ!!」
インデックス「ふふん!私は豚肉をたくさん食べている短髪の姿をしっかりと確認したかも!」
御坂「そんなにたくさん食べてないし!!」
風斬「ふ、二人とも喧嘩しちゃだめだよぅ!」オロオロ
571: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:58:52.99 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「(うるっせぇなぁ……)」ボリボリ
キャーリサ「なぁ」
ヴェント「?」
キャーリサ「今のところ、だが」
キャーリサ「一歩リード?♪」
ヴェント「……!!」
キャーリサ「私は負けず嫌いだし。戦争でも、……恋でもね」
キャーリサ「なぁ」
ヴェント「?」
キャーリサ「今のところ、だが」
キャーリサ「一歩リード?♪」
ヴェント「……!!」
キャーリサ「私は負けず嫌いだし。戦争でも、……恋でもね」
572: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 21:59:38.65 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「は、はぁっ?!何の話だよ」
キャーリサ「……」ジーッ
キャーリサ「はぁ……(どいつもこいつも、素直じゃないし……)」
ヴェント「……んだよ」
キャーリサ「いーや、なんでも?」スタスタ
ヴェント「て、てめぇどこへ!?」
キャーリサ「洗面所、だよ?なんだい?一人では行動できないやや子にでもなったつもりか?」
ヴェント「……」キッ
キャーリサ「……はは、ジョークだよ。そう睨むな」スタスタ
ヴェント「……(……一歩、リード……)」
――――――
キャーリサ「……」ジーッ
キャーリサ「はぁ……(どいつもこいつも、素直じゃないし……)」
ヴェント「……んだよ」
キャーリサ「いーや、なんでも?」スタスタ
ヴェント「て、てめぇどこへ!?」
キャーリサ「洗面所、だよ?なんだい?一人では行動できないやや子にでもなったつもりか?」
ヴェント「……」キッ
キャーリサ「……はは、ジョークだよ。そう睨むな」スタスタ
ヴェント「……(……一歩、リード……)」
――――――
573: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:01:34.38 ID:QfI6r2bx0
上条「……はぁ」
上条「(何か最近一人になってなかった気がするし、落ちつくな)」
上条「んー……!」ノビー
上条「っぷは」バタッ
上条「……風が気持ちいいな」
574: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:02:34.11 ID:QfI6r2bx0
「なーにぼけっとしてやがんだ」
上条「?」
ヴェント「珍妙そうな顔してんじゃねぇ」
上条「あ、あぁ。ヴェントか」
ヴェント「隣、いいか?」
上条「おう」ムクッ
上条「(素の顔は相変わらず見慣れないな……)」
ヴェント「……よっと」トン
575: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:03:02.28 ID:QfI6r2bx0
上条「……」
ヴェント「……」
上条「……んー」
ヴェント「…………」
上条「…………(どうしたんだろ)」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「……」
上条「……んー」
ヴェント「…………」
上条「…………(どうしたんだろ)」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
576: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:04:05.94 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「私と、その、て……お前ってさ」
ヴェント「と、ともだち……?」
上条「え、えと……何でそこ疑問形なんでせうか?」
ヴェント「う、うるっせえ!!質問に答えろ!」
上条「もちろん友達だろ」
ヴェント「!」
上条「っていうか、以前も言ったよな。たしか。上条さんはそんなにすぐに心変わりするような人間ではありません!」
上条「ん?」
ヴェント「私と、その、て……お前ってさ」
ヴェント「と、ともだち……?」
上条「え、えと……何でそこ疑問形なんでせうか?」
ヴェント「う、うるっせえ!!質問に答えろ!」
上条「もちろん友達だろ」
ヴェント「!」
上条「っていうか、以前も言ったよな。たしか。上条さんはそんなにすぐに心変わりするような人間ではありません!」
577: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:04:32.54 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……」
ヴェント「……そっか」
上条「そうですとも」
ヴェント「それじゃ、さ」
ヴェント「キャーリサのやつは、どうなんだよ」
上条「……っ」
上条「もちろん、俺は」
上条「(どうなんだろ……)」
上条「……友達、だろうな」
ヴェント「……そっか」
上条「そうですとも」
ヴェント「それじゃ、さ」
ヴェント「キャーリサのやつは、どうなんだよ」
上条「……っ」
上条「もちろん、俺は」
上条「(どうなんだろ……)」
上条「……友達、だろうな」
578: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:07:56.98 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……」
ヴェント「それは……さ」
ヴェント「私と、同じ、か?私と同じ、『ともだち』なのか?」
上条「え、う、うーんと……」
ヴェント「答えて」キッ
上条「そ、そうですよ。友達に順列なんてないですから」
ヴェント「……そっか、そっか」ニコ
ヴェント「それは……さ」
ヴェント「私と、同じ、か?私と同じ、『ともだち』なのか?」
上条「え、う、うーんと……」
ヴェント「答えて」キッ
上条「そ、そうですよ。友達に順列なんてないですから」
ヴェント「……そっか、そっか」ニコ
579: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:08:48.70 ID:QfI6r2bx0
上条「ま、まあ」
上条「(な、なんなんだ?)」
ヴェント「……(わ、私、何聞いてんだ!??!んなこと別に、どうでも……)」
ヴェント「(どうでも……)」
上条「……ふわぁ……」
ヴェント「……?」
ヴェント「どうした?……眠い?」
上条「いやあ、食べてからこんな良い風を浴びたら、そりゃあ、眠くなってくるな」
上条「(な、なんなんだ?)」
ヴェント「……(わ、私、何聞いてんだ!??!んなこと別に、どうでも……)」
ヴェント「(どうでも……)」
上条「……ふわぁ……」
ヴェント「……?」
ヴェント「どうした?……眠い?」
上条「いやあ、食べてからこんな良い風を浴びたら、そりゃあ、眠くなってくるな」
580: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:11:16.85 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……?」
ヴェント「……!」キュピーン
ヴェント「……!!!」ブルブル
上条「?」
上条「どうかしたのか?」ファァ
ヴェント「しょしょしょしょ、しょうがねぇなあ!!」
上条「っ!?」ビクッ
ヴェント「……!」キュピーン
ヴェント「……!!!」ブルブル
上条「?」
上条「どうかしたのか?」ファァ
ヴェント「しょしょしょしょ、しょうがねぇなあ!!」
上条「っ!?」ビクッ
581: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:12:39.79 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「そ、そんなにねねねねねねね、眠いならぁ!!!!」
上条「(あ、声裏返った)」
ヴェント「わわわわわわわ私の膝貸してあげてもももも!」
上条「……?」
ヴェント「うがああああああああああああ!!も、もう!!まだるっこしい!!」ガシッ
上条「へ?」ビュオ
上条「」ムニュ
ヴェント「わ、私の膝が凝ってるから、べべべべべつに枕にしてもかまわねぇっつってんだよ!!
私に二度、モノいわせてんじゃねぇ!」カァァ
上条「(あ、声裏返った)」
ヴェント「わわわわわわわ私の膝貸してあげてもももも!」
上条「……?」
ヴェント「うがああああああああああああ!!も、もう!!まだるっこしい!!」ガシッ
上条「へ?」ビュオ
上条「」ムニュ
ヴェント「わ、私の膝が凝ってるから、べべべべべつに枕にしてもかまわねぇっつってんだよ!!
私に二度、モノいわせてんじゃねぇ!」カァァ
582: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:13:14.39 ID:QfI6r2bx0
上条「ヴェ、ヴェント!?(や、柔らか……ってこれは何!?何でせう!?ラッキーイベント!?この上条さんに!?え!?)」
ヴェント「もういいから!!何も言わずに寝ろ!!」
上条「そ、そんなこと言われても――」
ヴェント「何か言ったら殺す!!」
上条「……。(理不尽だ……)」
上条「(でも)」ウトウト
上条「(かなり気持ちいいかも……しれ……な……)」スヤスヤ
ヴェント「もういいから!!何も言わずに寝ろ!!」
上条「そ、そんなこと言われても――」
ヴェント「何か言ったら殺す!!」
上条「……。(理不尽だ……)」
上条「(でも)」ウトウト
上条「(かなり気持ちいいかも……しれ……な……)」スヤスヤ
583: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:13:49.19 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……(私は何をやっているんだよ!!!???何を!??!?!?)」
ヴェント「……(だ、だって……アイツが一歩リードとか、ぬかしやがるから……)」
ヴェント「……(って、いちいち競る必要もねぇだろ!!!)」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「ほんとに、なーにやってんだか……」
ヴェント「…………」チラッ
上条「」zz
ヴェント「……(だ、だって……アイツが一歩リードとか、ぬかしやがるから……)」
ヴェント「……(って、いちいち競る必要もねぇだろ!!!)」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「ほんとに、なーにやってんだか……」
ヴェント「…………」チラッ
上条「」zz
584: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:14:35.52 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「はええな……。もう寝やがったのか」
ヴェント「隙だらけじゃねぇか。今ならいつでも――」
ヴェント「……」ソォ
ヴェント「……」プニプニ
上条「……う……んんっ」ムニャ
ヴェント「(……こんな、こんなやつが、私を倒して、フィアンマも……)」
上条「……」zzz
ヴェント「(……こんな、綺麗な顔、してんだな……)」ソォ
ヴェント「隙だらけじゃねぇか。今ならいつでも――」
ヴェント「……」ソォ
ヴェント「……」プニプニ
上条「……う……んんっ」ムニャ
ヴェント「(……こんな、こんなやつが、私を倒して、フィアンマも……)」
上条「……」zzz
ヴェント「(……こんな、綺麗な顔、してんだな……)」ソォ
585: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:15:32.18 ID:QfI6r2bx0
インデックス「とうまー!!どこ行ったのー?」
ヴェント「!」ビクッ
上条「……ん、あ、あぁ」
上条「……そういや、寝てる暇じゃなかったな」ムクッ
ヴェント「……」
上条「ヴェント」
ヴェント「……あ?」
上条「なんかよくわからねぇけど。……ありがとな」ニコッ
ヴェント「!!!」カァァ
インデックス「とーうまー!」
上条「おっと、呼ばれちまってるし、俺は行くわ!またあとでな!」タタッ
586: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/21(水) 22:16:54.28 ID:QfI6r2bx0
ヴェント「……」
上条『ありがとなっ』ニコッ
ヴェント「…………」ボンッ
ヴェント「………………」パタッ
ヴェント「…………反則だろ」ボソッ
―――――――――――――――
601: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:28:11.28 ID:2xF9TniU0
―――――――――――――――
【夕刻:広場】
ヴェント「……くっそ、いい加減にしやがれ……」
思わず悪態を吐く。
誰にって聞かれりゃ、それは私自身以外に他ならない。
ヴェント「いつまで赤くなってんだよ……」
昼過ぎにあのクソ野郎にしてやられたことが頭の中で反芻して止まない。
何でこんなに気にかかっているのか、何で私がこんなに女々しくなっているのか。
その答えは私自身が欲しいくらいだ。
【夕刻:広場】
ヴェント「……くっそ、いい加減にしやがれ……」
思わず悪態を吐く。
誰にって聞かれりゃ、それは私自身以外に他ならない。
ヴェント「いつまで赤くなってんだよ……」
昼過ぎにあのクソ野郎にしてやられたことが頭の中で反芻して止まない。
何でこんなに気にかかっているのか、何で私がこんなに女々しくなっているのか。
その答えは私自身が欲しいくらいだ。
602: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:28:47.60 ID:2xF9TniU0
風斬『女の子に好かれやすいって言うか……』
ふと、風斬に言われた言葉が頭をよぎった。
もとはと言えば、アイツがこんなことを私に噴き込みやがったのが元々の原因だった。
ヴェント「(標的以外で意識して異性を見るなんざ、生まれて初めてだっつーのに……)」
私と風斬は、何かと話が合ったと思う。
もちろん、それはアイツのクソ面倒くさい性格とかのことを言うのではなく、境遇や感覚の面での話だが。
『恋愛感情とか、わからないけど』というアイツの発言の意味は、私はとても理解できると思う。
私には、知る必要もない感情だったから。
ふと、風斬に言われた言葉が頭をよぎった。
もとはと言えば、アイツがこんなことを私に噴き込みやがったのが元々の原因だった。
ヴェント「(標的以外で意識して異性を見るなんざ、生まれて初めてだっつーのに……)」
私と風斬は、何かと話が合ったと思う。
もちろん、それはアイツのクソ面倒くさい性格とかのことを言うのではなく、境遇や感覚の面での話だが。
『恋愛感情とか、わからないけど』というアイツの発言の意味は、私はとても理解できると思う。
私には、知る必要もない感情だったから。
603: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:32:43.15 ID:2xF9TniU0
御坂「ほ、ほら、私のも一口あげるわよっ!」
キャーリサ「ふん、ストロベリーなんて甘ったるいもの、男は好きくないものだし。
ほら、上条。ベルギーチョコレート味だし。こちらの方が貴様の好みだろう?」
上条「お、俺は別にどちらも……」
御坂・キャーリサ「どっちだ?」
上条「え、えーと……それじゃあ――」
『チョコレートで』。
そう上条が言った瞬間、お姫様はしたり顔だ。
関係のない私が腹を立てるくらいの、ね。
キャーリサ「ふん、ストロベリーなんて甘ったるいもの、男は好きくないものだし。
ほら、上条。ベルギーチョコレート味だし。こちらの方が貴様の好みだろう?」
上条「お、俺は別にどちらも……」
御坂・キャーリサ「どっちだ?」
上条「え、えーと……それじゃあ――」
『チョコレートで』。
そう上条が言った瞬間、お姫様はしたり顔だ。
関係のない私が腹を立てるくらいの、ね。
604: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:33:13.73 ID:2xF9TniU0
キャーリサ「はっはっは、男性の好み位わきまえておくことが、淑女のたしなみというものだし」
御坂「うぐぐ……!」
上条「いや、俺はストロベリーも好きだけど……」
御坂「……!そ、それなら私のも食べなさいよ!アンタのはあの子に食べられて食べてなかったじゃない!」
上条「え、いや、そんなにもらったら悪いし」
御坂「だー!何でそんなこと気にしてるのよ!!」ウガァ
上条「何怒ってるんだよ!?」ビクッ
御坂「うぐぐ……!」
上条「いや、俺はストロベリーも好きだけど……」
御坂「……!そ、それなら私のも食べなさいよ!アンタのはあの子に食べられて食べてなかったじゃない!」
上条「え、いや、そんなにもらったら悪いし」
御坂「だー!何でそんなこと気にしてるのよ!!」ウガァ
上条「何怒ってるんだよ!?」ビクッ
605: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:33:49.26 ID:2xF9TniU0
キャーリサ「ほら、上条、あーん♪」スッ
上条「……へ?」クルッ
キャーリサ「ほらっ」グイッ
上条「……んぐっ!…………お、美味いなこれ」
キャーリサ「それはよかった」ニコ
キャーリサ「これは、間接キス、かな?」カァ
上条「えっ?…………あっ、えっと……」
キャーリサ「ふふふ♪」
御坂「……何イチャついてんだあああ!!(う、うううう……)」ビリビリ
上条「あぶねぇっ!?」キュイーン
上条「……へ?」クルッ
キャーリサ「ほらっ」グイッ
上条「……んぐっ!…………お、美味いなこれ」
キャーリサ「それはよかった」ニコ
キャーリサ「これは、間接キス、かな?」カァ
上条「えっ?…………あっ、えっと……」
キャーリサ「ふふふ♪」
御坂「……何イチャついてんだあああ!!(う、うううう……)」ビリビリ
上条「あぶねぇっ!?」キュイーン
606: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:37:15.73 ID:2xF9TniU0
ヴェント「……」
私は自分の手元を一瞥する。少し溶けかかった小奇麗なアイスクリームが目に映る。
レジャー施設利用者全員に配られる高級なアイス……らしいが。
私は別にどうでも良かったので放っておいたら、どこぞのお節介焼きがパイン味を持ってきやがった。
ヴェント「(……間接、キス?)」
ヴェント「……っっ!?!??」ボンッ
無理無理無理無理ッ!!!無理だ!!!
私はあのお姫様みたいにでしゃばれないし……
って、何で私がそうしたいみたいになってんだよ!?
607: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:38:05.61 ID:2xF9TniU0
御坂「うふふふふふ……キャーリサさん……。そろそろコイツで勝負を決めましょうか……」ビリビリ
キャーリサ「それは……?」
御坂「フリスビーですよ……。お互いにパスしあって、取れなかった方、もしくはあらぬ方向へ飛ばしてしまったほうの勝ち……」
キャーリサ「……?待て待て、私がお前とそんなことをする必要なんてそもそもないし――」
御坂「勝った方が、帰りにあいつと……腕を組めます」
キャーリサ「!」ピクッ
御坂「負けた方は邪魔をせずにおとなしく引き下がる……でどうですか!?」
キャーリサ「…………ふむ(……悪くないし)」
608: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:38:31.47 ID:2xF9TniU0
御坂「あ、でも負けるのが怖かったらいいんですよ?私も一国のお姫様を、例え遊びであれ負かしちゃったとあれば
何か嫌な気持ちが残りますからね~」
キャーリサ「……何だって?」
御坂「いやいや、私はせいぜい遊びってことで誘ってみたんですけど~、どうやらキャーリサさんは怖じげづいちゃっているみたいですし?」
キャーリサ「……いいの。やってやるし。せいぜい今の内に吠えておくと良いし」ズカズカ
御坂「(かかった!)」キュピーン
上条「お、おいそろそろ帰るんだぞ?今更どこへ行くんだ?」アセアセ
御坂「ちょーっとキャーリサさんと遊んでくるだけ!ちょっと待ってて!」タッタ
上条「お、おいっ!――行っちまったか……」
何か嫌な気持ちが残りますからね~」
キャーリサ「……何だって?」
御坂「いやいや、私はせいぜい遊びってことで誘ってみたんですけど~、どうやらキャーリサさんは怖じげづいちゃっているみたいですし?」
キャーリサ「……いいの。やってやるし。せいぜい今の内に吠えておくと良いし」ズカズカ
御坂「(かかった!)」キュピーン
上条「お、おいそろそろ帰るんだぞ?今更どこへ行くんだ?」アセアセ
御坂「ちょーっとキャーリサさんと遊んでくるだけ!ちょっと待ってて!」タッタ
上条「お、おいっ!――行っちまったか……」
609: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:38:59.63 ID:2xF9TniU0
アイツの制止を無視して、茶髪の中学生とお姫様は子供が多く遊んでいる広場へ向かっていく。
広場には、噴水や造花が敷き詰められたここと、一面平原が広がる向こう側の二カ所あるのだが、
どうやら禁書目録と風斬の野郎も向こう側に行っているようで、
15分ほど前から姿が見えない状態になっていた。
上条「やれやれ……それじゃ、俺は大人しく待つことにしますか」
そういった上条はこちらへ振り向き、ゆっくりと歩みを進めてきた。
ヴェント「……!」
なぜかアイツが近付いてくるにつれ、私の心臓の鼓動も早くなるのを感じた。
乾いていたはずの額にしっとりと汗が滲む。
今、この時だけは。
今だけは、メイクを落として前髪が垂れていることを幸運に思う。
広場には、噴水や造花が敷き詰められたここと、一面平原が広がる向こう側の二カ所あるのだが、
どうやら禁書目録と風斬の野郎も向こう側に行っているようで、
15分ほど前から姿が見えない状態になっていた。
上条「やれやれ……それじゃ、俺は大人しく待つことにしますか」
そういった上条はこちらへ振り向き、ゆっくりと歩みを進めてきた。
ヴェント「……!」
なぜかアイツが近付いてくるにつれ、私の心臓の鼓動も早くなるのを感じた。
乾いていたはずの額にしっとりと汗が滲む。
今、この時だけは。
今だけは、メイクを落として前髪が垂れていることを幸運に思う。
610: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:44:50.22 ID:2xF9TniU0
上条「おっす、ヴェント」
ヴェント「……ん」
上条「アイツら行っちまったし、俺らは少し待つことにするか」
上条「勝手に俺らがまたどこかへ行ったら、入れ違いになる可能性だってあるもんな」
ヴェント「そう……だな」
上条「(……?疲れたのか?)」
上条「とりあえずさ、そこのベンチにでも座って待ってるか」
ヴェント「……あ、あぁ」ストン
上条「隣、失礼しますよっ……と」ストン
611: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:46:25.08 ID:2xF9TniU0
上条「いやぁ、今日もなんだかんだで楽しかったな~」フゥ
ヴェント「……(……ぁ)」
しくじった。今の顔は、誰にも見せたくないのに……。
それなのに、いつの間にか手を伸ばせば届く位に近い場所にいる。
ヴェント「……(……うあぁぁ)」
上条「…………」ジーッ
ヴェント「(……何か見られてる……)」カァァ
ヴェント「……!!(……治まれ……私の顔……治まってくれ……)」
上条「…………」
上条「……あの、ヴェントさん?」
ヴェント「……(……ぁ)」
しくじった。今の顔は、誰にも見せたくないのに……。
それなのに、いつの間にか手を伸ばせば届く位に近い場所にいる。
ヴェント「……(……うあぁぁ)」
上条「…………」ジーッ
ヴェント「(……何か見られてる……)」カァァ
ヴェント「……!!(……治まれ……私の顔……治まってくれ……)」
上条「…………」
上条「……あの、ヴェントさん?」
612: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:47:35.40 ID:2xF9TniU0
ヴェント「……(ダメだ……治まれって思うほど……)」
上条「ヴェントさーん?」
ヴェント「……(……くそっ、くそっ!)」
上条「……えーと」
上条「………………」ポン
ヴェント「ひゃはぁんっ!?」ピクン
上条「ヴェントさーん?」
ヴェント「……(……くそっ、くそっ!)」
上条「……えーと」
上条「………………」ポン
ヴェント「ひゃはぁんっ!?」ピクン
613: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:49:17.47 ID:2xF9TniU0
上条「うわっ!?」ビクッ
ヴェント「て、ってってててててててめぇななななななななっ!?」
ヴェント「きゅ、急にななななな何しやがんだ!?」
上条「ご、ごめん!!!呼んでも返事がないからどうしたものかと……!」アセアセ
思わず変な声が出ちまったじゃねぇかよぉぉぉ……!
ダメだ……顔が爆発しそうに熱くなっちまった……。
ほんとに、何で私がこんなに狼狽しねぇといけねぇんだよ……。
ヴェント「あー、別にいい……」
ヴェント「て、ってってててててててめぇななななななななっ!?」
ヴェント「きゅ、急にななななな何しやがんだ!?」
上条「ご、ごめん!!!呼んでも返事がないからどうしたものかと……!」アセアセ
思わず変な声が出ちまったじゃねぇかよぉぉぉ……!
ダメだ……顔が爆発しそうに熱くなっちまった……。
ほんとに、何で私がこんなに狼狽しねぇといけねぇんだよ……。
ヴェント「あー、別にいい……」
614: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:50:20.60 ID:2xF9TniU0
上条「えっと、その手元のアイスが溶けそう……ってだけなんですけど」
ヴェント「……あ、あぁ」
すっかり頭から消えうせていた。
もう既にカップの中には一口分程度しか固形として残ってはいない。
私自身は特別、甘いものが好みだとか、女らしい人間ではないから別にいいのだが……
ヴェント「それなら、もう捨てるか……」
特に食べるつもりもなかったので、近くにあるゴミ箱に捨てることにする。
上条「へ?」
――はずが。
ヴェント「……あ、あぁ」
すっかり頭から消えうせていた。
もう既にカップの中には一口分程度しか固形として残ってはいない。
私自身は特別、甘いものが好みだとか、女らしい人間ではないから別にいいのだが……
ヴェント「それなら、もう捨てるか……」
特に食べるつもりもなかったので、近くにあるゴミ箱に捨てることにする。
上条「へ?」
――はずが。
615: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:51:20.72 ID:2xF9TniU0
ヴェント「な、何だよ……」
上条「い、いや、捨てるのはもったいないし、それだったら」
ヴェント「(お、おいおい……まさか――)」
上条「それだったら俺が食べたいんだけど、いいか?」
ヴェント「(――ッ!!)」
上条「あ、もちろんお前が食べるなら別に――」
ヴェント「か、かまわにゃい!!!!」
上条「うぉっ!?(また噛んだ……)」
上条「い、いや、捨てるのはもったいないし、それだったら」
ヴェント「(お、おいおい……まさか――)」
上条「それだったら俺が食べたいんだけど、いいか?」
ヴェント「(――ッ!!)」
上条「あ、もちろんお前が食べるなら別に――」
ヴェント「か、かまわにゃい!!!!」
上条「うぉっ!?(また噛んだ……)」
616: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:54:07.66 ID:2xF9TniU0
ヴェント「べべべべべ、別に私は食べないし!!……ほ、ほら!」
上条「あ、ありがとう……って、え?」
ヴェント「ほ、ほら、早くしろよ!!」ズイ
上条「え、えええ?!」
上条「……えっと、俺は別に普通に食べれれば……」
上条「っていうか!えっと、その……」
上条「えっと……」
ヴェント「……?」
上条「あ、ありがとう……って、え?」
ヴェント「ほ、ほら、早くしろよ!!」ズイ
上条「え、えええ?!」
上条「……えっと、俺は別に普通に食べれれば……」
上条「っていうか!えっと、その……」
上条「えっと……」
ヴェント「……?」
617: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 22:55:27.20 ID:2xF9TniU0
何か、渋られてる……?
それは、食べかけだからか?それとも……。
ヴェント「!」
ヴェント「(……!)」
あぁ、私だって逆の立場だったら……嫌、だし……?
ヴェント「……あ」
上条「……?」
そっか、よーく考えたら、私は自分のことしか考えてなかったけど。
上条は、私なんかにそんなことされて……自分を殺そうとしたやつなんかにそんなことされても、別に……別、に……
それは、食べかけだからか?それとも……。
ヴェント「!」
ヴェント「(……!)」
あぁ、私だって逆の立場だったら……嫌、だし……?
ヴェント「……あ」
上条「……?」
そっか、よーく考えたら、私は自分のことしか考えてなかったけど。
上条は、私なんかにそんなことされて……自分を殺そうとしたやつなんかにそんなことされても、別に……別、に……
618: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:05:20.37 ID:2xF9TniU0
ヴェント「……ごめん」
ヴェント「わ、私は何をしてるんだか……はは」
ヴェント「何を……あれ?」グスッ
ヴェント「(何で、勝手に、涙が……!?)」
上条「うぇ!?ヴェ、ヴェントさん!?」
泣くことなんて、大っ嫌いだったはずなのに。
弟が死んだ時以来、そんなことは無かったはずなのに。
どんなに痛い思いした時も、疲れた時も、なかった……のに。
ヴェント「わ、私は何をしてるんだか……はは」
ヴェント「何を……あれ?」グスッ
ヴェント「(何で、勝手に、涙が……!?)」
上条「うぇ!?ヴェ、ヴェントさん!?」
泣くことなんて、大っ嫌いだったはずなのに。
弟が死んだ時以来、そんなことは無かったはずなのに。
どんなに痛い思いした時も、疲れた時も、なかった……のに。
619: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:06:26.09 ID:2xF9TniU0
ヴェント「(わ、私は何で……!?っつーか、それこそ変な奴に見られるじゃねぇか!!こんな急に……)」
ヴェント「……は、はは、何か、えっと……」
上条「……!(…………)」
ダメだ……、言い訳が思い浮かばねえ。
こんなにぼろぼろぼろぼろ、だらしない。ガキみたいに……、世話ねえな……。
ヴェント「や、やっぱり捨てて――」
そうだ、私はコイツと関わるべきじゃない。
どんどん、どんどん私は変になっていく。こんな変な日常に慣れて、買い食いなんてして。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。
そうすりゃ、こんな意味わかんねぇところで泣いたり、コイツに惑わされることも――
ヴェント「……は、はは、何か、えっと……」
上条「……!(…………)」
ダメだ……、言い訳が思い浮かばねえ。
こんなにぼろぼろぼろぼろ、だらしない。ガキみたいに……、世話ねえな……。
ヴェント「や、やっぱり捨てて――」
そうだ、私はコイツと関わるべきじゃない。
どんどん、どんどん私は変になっていく。こんな変な日常に慣れて、買い食いなんてして。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。
そうすりゃ、こんな意味わかんねぇところで泣いたり、コイツに惑わされることも――
620: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:07:17.43 ID:2xF9TniU0
上条「――それじゃ、いただきます!」パクッ
ヴェント「!」
上条「うん、美味い。なんだかんだで汗もかいたし、酸味が会った方がいいかもな」
ヴェント「お、お前、何で……」
意味が、さっぱりわかんねぇ。
何なんだよ、何がしたいんだよ、こいつ。
ヴェント「!」
上条「うん、美味い。なんだかんだで汗もかいたし、酸味が会った方がいいかもな」
ヴェント「お、お前、何で……」
意味が、さっぱりわかんねぇ。
何なんだよ、何がしたいんだよ、こいつ。
621: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:07:45.41 ID:2xF9TniU0
上条「あー、えっと、さ」
上条「さっきも言ったけど、俺とお前は……その、友達、だし」
上条「キツい時とかは、言ってくれよ」ナデナデ
ヴェント「……!」グスッ
ヴェント「や、やめっ……ろぉ……」グスッ
ヴェント「!?」
声が巧く出なかった。
わからないことだらけだったのに。それだけは、なんでか分かる気がする。
やめてほしく、なかった、から。
上条「さっきも言ったけど、俺とお前は……その、友達、だし」
上条「キツい時とかは、言ってくれよ」ナデナデ
ヴェント「……!」グスッ
ヴェント「や、やめっ……ろぉ……」グスッ
ヴェント「!?」
声が巧く出なかった。
わからないことだらけだったのに。それだけは、なんでか分かる気がする。
やめてほしく、なかった、から。
622: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:11:56.66 ID:2xF9TniU0
上条「そりゃあさ、急に変わった生活だってのは、俺も分かってるから」
上条「疲れる時くらいあるのはわかってる」
上条「だから、いつでも困ったら言ってくれよ。……遠慮なんかしないでさ」
何、的外れなこと言ってやがんたよ、コイツ。
私だったら顔から火が出ちまうようなことを、毎回毎回言ってのけやがって……。
ヴェント「ふぇ、えっ、うぇぇ」
それでも、私の涙は止まらなかった。
自然と嗚咽も出て、もうどうしようもない。
禁書目録のことをガキだガキだとバカにしてきたが、これじゃ私もガキと遜色ない。
上条「俺も何度か経験はあるけど……海外って疲れるよなぁ。なんかほら、食事だとか、文化だとか、さ」
全く的を得ていない。そういうことじゃなかった。
何か、拒否されたって思ったら、自然と出てきただけで、
そんな大層なことじゃ、無かったのに……。
623: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:13:02.65 ID:2xF9TniU0
上条「……はは、ヴェントさんのこんな姿が拝めるとは、上条さんもびっくりですよ」ナデナデ
上条「俺もガキの頃はこうやられたら泣きやんだもんだよ(多分……)」
ヴェント「ひっ、ぐ、こ、子供扱い、すんじゃ、うぇ、ねぇ……」
ガキ扱いされて、頭を撫でられるのは、正直腹正しかった。
ただ、そういう風に私のことを考えていてくれたことが嬉しくって、
何か泣けてきた。
それだけだった。
上条「俺もガキの頃はこうやられたら泣きやんだもんだよ(多分……)」
ヴェント「ひっ、ぐ、こ、子供扱い、すんじゃ、うぇ、ねぇ……」
ガキ扱いされて、頭を撫でられるのは、正直腹正しかった。
ただ、そういう風に私のことを考えていてくれたことが嬉しくって、
何か泣けてきた。
それだけだった。
624: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/22(木) 23:16:39.33 ID:2xF9TniU0
それだけだった、はずなのに――
上条「ま、お前がいたければ、いつだっていたっていいし。
よかったら、少しくらい他人を頼ってくれよ」
上条「それが友達ってもんじゃないか?」
ヴェント「……」
ヴェント「(……あ)」
ヴェント「(――あぁ、そっか)」
こういうことだったんだ
風斬の、言ってたことの意味が、ようやく、ようやく分かった気がした。
ヴェント「(私は……)」
ヴェント「(私は、上条のことが――――――)」
――――――――――――
上条「ま、お前がいたければ、いつだっていたっていいし。
よかったら、少しくらい他人を頼ってくれよ」
上条「それが友達ってもんじゃないか?」
ヴェント「……」
ヴェント「(……あ)」
ヴェント「(――あぁ、そっか)」
こういうことだったんだ
風斬の、言ってたことの意味が、ようやく、ようやく分かった気がした。
ヴェント「(私は……)」
ヴェント「(私は、上条のことが――――――)」
――――――――――――
628: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/22(木) 23:54:45.09 ID:2xF9TniU0
【オマケ】
ヴェント「う"ぅ~……」ズズッ
上条「はは、なんだかんだでヴェントさんも女性らしいところもあるんですね」
ヴェント「『なんだかんだ』は余計だよ、クソ野郎」
上条「うっ」ギクッ
ヴェント「……」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「あー、何だ、その、このことは――」
上条「上条さんはそんな軽く人のことを話したりしませんよ」
ヴェント「ぁ……」
上条「安心しとけって」ポン
ヴェント「っ!」カァァ
ヴェント「いい加減子供扱いやめろって!!」バシッ
上条「うぉっとっと!」
ヴェント「(く、くそ!せっかく治まったのに!!)」
上条「…………それにしても、あいつら遅いな」
ヴェント「……それなら、探しに行ッた方がいいんじゃねえか?」
上条「ん?」
ヴェント「あいつらが向かった方に行けば、どっかにいんだろ。
行き違いとかについてはあいつらだって考えてるだろうし……しばらくは待ってんだろ」
上条「あ、それもそうか」
上条「お前はもう大丈夫なのか?」
ヴェント「っっ!わ、私は最初からなんともねぇよ!」
上条「うへ!?す、すいません!」
ヴェント「い、いいから行くぞ、ほら!」パシッ
上条「お、おう――?」
ヴェント「……(…………!!!!)」カァァァ
ヴェント「う"ぅ~……」ズズッ
上条「はは、なんだかんだでヴェントさんも女性らしいところもあるんですね」
ヴェント「『なんだかんだ』は余計だよ、クソ野郎」
上条「うっ」ギクッ
ヴェント「……」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「あー、何だ、その、このことは――」
上条「上条さんはそんな軽く人のことを話したりしませんよ」
ヴェント「ぁ……」
上条「安心しとけって」ポン
ヴェント「っ!」カァァ
ヴェント「いい加減子供扱いやめろって!!」バシッ
上条「うぉっとっと!」
ヴェント「(く、くそ!せっかく治まったのに!!)」
上条「…………それにしても、あいつら遅いな」
ヴェント「……それなら、探しに行ッた方がいいんじゃねえか?」
上条「ん?」
ヴェント「あいつらが向かった方に行けば、どっかにいんだろ。
行き違いとかについてはあいつらだって考えてるだろうし……しばらくは待ってんだろ」
上条「あ、それもそうか」
上条「お前はもう大丈夫なのか?」
ヴェント「っっ!わ、私は最初からなんともねぇよ!」
上条「うへ!?す、すいません!」
ヴェント「い、いいから行くぞ、ほら!」パシッ
上条「お、おう――?」
ヴェント「……(…………!!!!)」カァァァ
636: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 14:57:37.16 ID:HcfWEk7s0
【帰り道】
風斬「えっと、確かここからはみんなバラバラですよね?」
上条「……もうそこまで来たか。早いな」
御坂「!」
インデックス「眠いから早く帰って寝たいかも……」ウトウト
上条「おいおい、大丈夫かよ。やっぱり送っていくか?」
風斬「大丈夫ですよ。私がしっかり付いていますからっ」
風斬「えっと、確かここからはみんなバラバラですよね?」
上条「……もうそこまで来たか。早いな」
御坂「!」
インデックス「眠いから早く帰って寝たいかも……」ウトウト
上条「おいおい、大丈夫かよ。やっぱり送っていくか?」
風斬「大丈夫ですよ。私がしっかり付いていますからっ」
637: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 14:58:40.65 ID:HcfWEk7s0
上条「でもなぁ、随分と暗くなっちまったし……」
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
638: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:00:19.30 ID:HcfWEk7s0
上条「でもなぁ、随分と暗くなっちまったし……」
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
639: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:01:03.81 ID:HcfWEk7s0
上条「でもなぁ、随分と暗くなっちまったし……」
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
風斬「大丈夫ですって!それより、上条さんは」チラッ
ヴェント「……何だよ」
風斬「ふふっ、何でも?」
風斬「上条さんはヴェントさんとキャーリサさんをしっかりと送ってあげてくださいね」
ヴェント「なっ!?」カァァ
ヴェント「(あ、あの野郎!!)」
風斬「それじゃあ、行くよ、インデックス。足元に気をつけてね!」
インデックス「ふにゃぁ……。と~まぁ、短髪たち……おやすみぃ……かも」ウトウト
640: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:02:14.67 ID:HcfWEk7s0
上条「そりゃ……送るも何も同じ家だし……っつーか」
上条「(襲われても大分無問題だとは思うのですが……とは言わないでおこう)」
キャーリサ「――それじゃ、お言葉に甘えて」グイッ
上条「――ぇ。ちょ、ちょっと?」
キャーリサ「私も少し疲れたから早めに帰って寝たいし……」
上条「で、でも。御坂は大丈夫か?」
御坂「――私!?わ、私は――!!(チャンス!!)」
641: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:03:13.19 ID:HcfWEk7s0
御坂「……っ!」ハッ
キャーリサ「……」ギロッ
御坂「(……う…………)」
御坂「アンタねぇ?私は学園都市第三位だっつーの!いつも言ってるけど、
そこら辺にいる中学生と同じ扱いすんなっての!」
上条「で、でも……」
御坂「……」ズキッ
御坂「でっ、でもも!だけども!ない!それじゃ!しっかりキャーリサさん達を送っていくのよ!じゃねっ!」ダッ
御坂「(何で自分でしかけて自分で勝負に負けてるのよ私のばかあぁぁぁぁぁ!!)」ビェェェ
キャーリサ「……」ギロッ
御坂「(……う…………)」
御坂「アンタねぇ?私は学園都市第三位だっつーの!いつも言ってるけど、
そこら辺にいる中学生と同じ扱いすんなっての!」
上条「で、でも……」
御坂「……」ズキッ
御坂「でっ、でもも!だけども!ない!それじゃ!しっかりキャーリサさん達を送っていくのよ!じゃねっ!」ダッ
御坂「(何で自分でしかけて自分で勝負に負けてるのよ私のばかあぁぁぁぁぁ!!)」ビェェェ
642: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:03:48.99 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「(……ふん、私に『勝負』と名のつくことを申し込むこと自体、無謀だしっ!)」
上条「何慌ててんだあいつ……」
キャーリサ「さぁ?」
上条「…………それじゃ、俺らだけここに居ても仕方ないし、行くか」
キャーリサ「そうするしっ」
ヴェント「……(…………)」
上条「ん?どうしたんだ?ヴェント?」
ヴェント「……私が、風斬たちを送ってくる」
643: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:04:45.16 ID:HcfWEk7s0
上条「えっ?」
ヴェント「それじゃ」クルッ
上条「いやいや、それなら俺が――」
ヴェント「いい。絶対に来るんじゃねぇぞ」ギロッ
上条「えぇぇ……」
ヴェント「……(今日は……、できるだけ一人になりたい……)」ダッ
上条「あ、ヴェント」
ヴェント「……!」ピタッ
ヴェント「……んだよ」
上条「気をつけろよ?」
ヴェント「っ!!!!」カァ
ヴェント「……誰に向かってモノ言ってんだよ、……ばかっ」ダッ
ヴェント「それじゃ」クルッ
上条「いやいや、それなら俺が――」
ヴェント「いい。絶対に来るんじゃねぇぞ」ギロッ
上条「えぇぇ……」
ヴェント「……(今日は……、できるだけ一人になりたい……)」ダッ
上条「あ、ヴェント」
ヴェント「……!」ピタッ
ヴェント「……んだよ」
上条「気をつけろよ?」
ヴェント「っ!!!!」カァ
ヴェント「……誰に向かってモノ言ってんだよ、……ばかっ」ダッ
644: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:06:16.60 ID:HcfWEk7s0
上条「……あっという間に、俺ら二人になっちまったなぁ」テクテク
キャーリサ「ま、私も日中からの団体行動と言うのには慣れていないから丁度いいし」
上条「慣れてない?」
キャーリサ「あぁ。普段は参謀としても仕事をしているわけだし。戦場では騎士団長が護衛している時もあるが一人の時もあるわけだからな」
上条「あぁ、そっか……なんだかんだで軍事担当なんでしたっけ」
キャーリサ「本職がそれだし……。……それに」
上条「ん?」
645: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:07:38.31 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「身分を気にせず大人数でこのように出かけるって言うのも、私はあまり無かったし」
上条「……!」
上条「え、えっと……」
キャーリサ「ん?あぁ、そんなに気にすることではないし。幼いころからそういう風に育って来たわけだし、今まで気にしたことも無かったよ」
上条「……」
上条「(それはそれで、何か……)」
キャーリサ「ま、だからやっぱり少し疲れたって言うのは本当だし」ファ
上条「……!」
上条「え、えっと……」
キャーリサ「ん?あぁ、そんなに気にすることではないし。幼いころからそういう風に育って来たわけだし、今まで気にしたことも無かったよ」
上条「……」
上条「(それはそれで、何か……)」
キャーリサ「ま、だからやっぱり少し疲れたって言うのは本当だし」ファ
646: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:08:14.11 ID:HcfWEk7s0
上条「…………あのさ」
上条「もし、よかったら」
キャーリサ「ん?」
上条「もしよかったらさ、まだ半月近くいるわけだし……。時間があり次第、色んなところ言ってみようぜ」
キャーリサ「……え?」
上条「え、えっと。もし今日みたいな日が楽しいって思えてたら、だけど」
上条「インデックス達も楽しそうだったし。よかったら」
上条「もし、よかったら」
キャーリサ「ん?」
上条「もしよかったらさ、まだ半月近くいるわけだし……。時間があり次第、色んなところ言ってみようぜ」
キャーリサ「……え?」
上条「え、えっと。もし今日みたいな日が楽しいって思えてたら、だけど」
上条「インデックス達も楽しそうだったし。よかったら」
647: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:08:41.88 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「……」ポカーン
キャーリサ「(……ふふっ)」
キャーリサ「あははっ」
上条「!?」
キャーリサ「そんな、疲れたと言っている一国の姫をまた遊びに誘うやつがどこにいるし」クス
上条「え、あ、もちろんキャーリサさんの気が向いたら、でせうよ!?」アタフタ
キャーリサ「……私でよかったら連れてって欲しいし」
上条「え……」
キャーリサ「もちろん慣れないことで疲れはしたけど。
……それなのに快かったっていうのも、事実だし」
キャーリサ「(……ふふっ)」
キャーリサ「あははっ」
上条「!?」
キャーリサ「そんな、疲れたと言っている一国の姫をまた遊びに誘うやつがどこにいるし」クス
上条「え、あ、もちろんキャーリサさんの気が向いたら、でせうよ!?」アタフタ
キャーリサ「……私でよかったら連れてって欲しいし」
上条「え……」
キャーリサ「もちろん慣れないことで疲れはしたけど。
……それなのに快かったっていうのも、事実だし」
648: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:09:21.50 ID:HcfWEk7s0
上条「お、おう!そうだったら、、また行こう!」
キャーリサ「はは、何をそんなにはしゃいでいるし」チラッ
キャーリサ「……ん?」
上条「べっ、別にはしゃいでなんか!……って、どうした?」
キャーリサ「ちょっとここで待っててくれし」タタッ
上条「……え、あっ」
上条「…………え?」
キャーリサ「はは、何をそんなにはしゃいでいるし」チラッ
キャーリサ「……ん?」
上条「べっ、別にはしゃいでなんか!……って、どうした?」
キャーリサ「ちょっとここで待っててくれし」タタッ
上条「……え、あっ」
上条「…………え?」
649: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:10:13.71 ID:HcfWEk7s0
上条「……はぁ」
上条「(今日はなんだかんだで今までで一番キャーリサたちと話せた気がするな)」
上条「(ヴェントのことは実際、すごい驚いたけど……。やっぱり、アイツだって暗殺者とかそういうの以前に人間だっていうのが改めてわかったし)」
上条「(……)」
上条「(…………そういや、御坂は大丈夫だったのかな)」ポリポリ
上条「(……)」
上条「(…………15分くらいたったけど、どうしたんだろ)」
650: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:10:54.79 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「お待たせ♪」ピトッ
上条「おわぁっ!?」ビクッ
キャーリサ「そんなに驚くことはないだろう……」
上条「いや、後ろから急にきたら誰だって驚きますよ!?」
キャーリサ「ははは、怒るな怒るな。それより、これを見てほしいの」ガサゴソ
651: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:11:43.10 ID:HcfWEk7s0
上条「ん?……お、これって花火じゃねえか」
キャーリサ「あのさ、これって、これって、日本の伝統文化なんだろう?」キラキラ
上条「あぁ。……それにしても、懐かしいな。俺も最近やってなかったな(多分だけど)」
キャーリサ「そ、それじゃあやってみるし!!」ワクワク
上条「(テンション高っ!?)え、でもさっき疲れたって……」
キャーリサ「そんな小さいことは気にしないし!」
キャーリサ「あのさ、これって、これって、日本の伝統文化なんだろう?」キラキラ
上条「あぁ。……それにしても、懐かしいな。俺も最近やってなかったな(多分だけど)」
キャーリサ「そ、それじゃあやってみるし!!」ワクワク
上条「(テンション高っ!?)え、でもさっき疲れたって……」
キャーリサ「そんな小さいことは気にしないし!」
652: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:12:30.24 ID:HcfWEk7s0
上条「小さいことって……。っつっても、夜も遅いし、周りに迷惑がかかるからなぁ……」
キャーリサ「う~……」ジト
上条「……何ですか、その目は」ビクッ
キャーリサ「少しだけでいいから、やりたいし……」
上条「そんなこと言われましても、近隣のことを考えますと……」
キャーリサ「……ダメ?」ウルッ
上条「……うっ」
キャーリサ「……少しだけ、ね?」ウルウル
上条「だああああ!!それじゃあ少しだけですよ!?(その目はずるすぎる!!)」
キャーリサ「う~……」ジト
上条「……何ですか、その目は」ビクッ
キャーリサ「少しだけでいいから、やりたいし……」
上条「そんなこと言われましても、近隣のことを考えますと……」
キャーリサ「……ダメ?」ウルッ
上条「……うっ」
キャーリサ「……少しだけ、ね?」ウルウル
上条「だああああ!!それじゃあ少しだけですよ!?(その目はずるすぎる!!)」
653: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:14:31.36 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「きゃはっ、やった!」
上条「でも、やる場所っつっても……」
キャーリサ「それは大丈夫だし。そこにいい感じの土手が見えたの。行ってみるし!」ワクワク
上条「……(……用意周到過ぎだろ……。俺が止めたところでやっていたんだろうな……)」
キャーリサ「ん?どうした?」
上条「いや、なんでも」
キャーリサ「それじゃあ、早速行く――」
ポツポツ...
上条「でも、やる場所っつっても……」
キャーリサ「それは大丈夫だし。そこにいい感じの土手が見えたの。行ってみるし!」ワクワク
上条「……(……用意周到過ぎだろ……。俺が止めたところでやっていたんだろうな……)」
キャーリサ「ん?どうした?」
上条「いや、なんでも」
キャーリサ「それじゃあ、早速行く――」
ポツポツ...
654: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:14:57.66 ID:HcfWEk7s0
上条「あれ?」
ポツポツ...
上条「うわ、やべっ、通り雨かよっ!」
キャーリサ「えー……。何て空気の読めない天気だし……」
サァァ...
上条「くそ、強くなってきた!どこか雨宿りできるところ……そこか!」
上条「キャーリサ、そこへ!」
キャーリサ「ほんとにタイミングが悪いの……」
ポツポツ...
上条「うわ、やべっ、通り雨かよっ!」
キャーリサ「えー……。何て空気の読めない天気だし……」
サァァ...
上条「くそ、強くなってきた!どこか雨宿りできるところ……そこか!」
上条「キャーリサ、そこへ!」
キャーリサ「ほんとにタイミングが悪いの……」
655: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:16:22.70 ID:HcfWEk7s0
【公園:穴ぼこボール内】
ザァァ...
上条「っくっそ、結構強くなってきちまった」
キャーリサ「本当に運が悪いし……」
上条「たはは……(俺のせいかなぁ……)」
ザァァ...
上条「っくっそ、結構強くなってきちまった」
キャーリサ「本当に運が悪いし……」
上条「たはは……(俺のせいかなぁ……)」
656: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:17:01.13 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「それにしても、日本の公園って言うのはすごいな。しっかりと整備されている感じがするし」
上条「そうなのか?気にしたこともなかったけど」
キャーリサ「公共物にきっちりと金銭かける国なんて、そんなに無いし」
上条「前にも似たようなこと話したけど、給わっている身ではありがたみがわからないもんなんだなぁ」
キャーリサ「そういえば、何で雨宿りに室内を選ばなかったの?
上条「?」
キャーリサ「貴様は真っ先にココを選んだみたいだったけど。他の飲食店などを選んでも良かった気がしたし」
上条「そうなのか?気にしたこともなかったけど」
キャーリサ「公共物にきっちりと金銭かける国なんて、そんなに無いし」
上条「前にも似たようなこと話したけど、給わっている身ではありがたみがわからないもんなんだなぁ」
キャーリサ「そういえば、何で雨宿りに室内を選ばなかったの?
上条「?」
キャーリサ「貴様は真っ先にココを選んだみたいだったけど。他の飲食店などを選んでも良かった気がしたし」
657: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:17:47.29 ID:HcfWEk7s0
上条「ああ。それは学園都市が学生の街だからだよ」
キャーリサ「学生の街、だから?」
上条「学園都市に居る人口はほとんどの割合で学生なんだ。
だから、普通の店とかも、学生の健全育成の為とか何とかで、早めに閉まっちまう」
上条「こんな時間だし、今から入ったら迷惑掛かると思ってさ」
キャーリサ「……ほう」
上条「あ、でもごめんな?下が地面じゃ、居づらいよな?大丈夫か?」アセアセ
キャーリサ「学生の街、だから?」
上条「学園都市に居る人口はほとんどの割合で学生なんだ。
だから、普通の店とかも、学生の健全育成の為とか何とかで、早めに閉まっちまう」
上条「こんな時間だし、今から入ったら迷惑掛かると思ってさ」
キャーリサ「……ほう」
上条「あ、でもごめんな?下が地面じゃ、居づらいよな?大丈夫か?」アセアセ
658: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:18:13.75 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「それは気にしないけど……」
キャーリサ「私はてっきり、暗がりの中で二人きりになろうとしてくれたのかと期待してしまったし?」フフン
上条「そ、そそそそそそんな煩悩で紳士の上条さんは動きませんことよ!??」アセアセ
キャーリサ「…………別に動いてくれてもいいんだし……」ボソッ
上条「へ?」
キャーリサ「いや、何でもないの♪」
上条「……?」
キャーリサ「私はてっきり、暗がりの中で二人きりになろうとしてくれたのかと期待してしまったし?」フフン
上条「そ、そそそそそそんな煩悩で紳士の上条さんは動きませんことよ!??」アセアセ
キャーリサ「…………別に動いてくれてもいいんだし……」ボソッ
上条「へ?」
キャーリサ「いや、何でもないの♪」
上条「……?」
659: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:18:40.55 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「それにしても……」
ザァァァ...
キャーリサ「中々止む様子もないし」ハァ
キャーリサ「……っ!」ブルッ
キャーリサ「(……少し寒くなってきたの……。薄着過ぎた?」
上条「えーっと、これ」パサッ
キャーリサ「……え?」
上条「結構キャーリサは薄着だし、寒いだろ?」
ザァァァ...
キャーリサ「中々止む様子もないし」ハァ
キャーリサ「……っ!」ブルッ
キャーリサ「(……少し寒くなってきたの……。薄着過ぎた?」
上条「えーっと、これ」パサッ
キャーリサ「……え?」
上条「結構キャーリサは薄着だし、寒いだろ?」
660: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:19:09.85 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「……そ、それでは貴様が寒くなってしまうだろうしっ」
上条「え?俺?俺は冬でも電気代節約で布団にくるまってれば生きていけるような貧乏苦学生ですから」タハハ
キャーリサ「っ、で、でも」
上条「いや、ははは、そんなこと気にしないでも……へ、へくしゅっ!!」
キャーリサ「……」
上条「……」
上条「え?俺?俺は冬でも電気代節約で布団にくるまってれば生きていけるような貧乏苦学生ですから」タハハ
キャーリサ「っ、で、でも」
上条「いや、ははは、そんなこと気にしないでも……へ、へくしゅっ!!」
キャーリサ「……」
上条「……」
661: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:19:41.92 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「……ぷっ、はは、はははは」クスクス
上条「いやー……面目ない」
キャーリサ「いやいや、面白かったし」クスクス
上条「それはそれで男心に傷が……」グサッ
キャーリサ「まぁまぁ。私にいい案があるし」
上条「え、いい案って――」
キャーリサ「……ほら」ピトッ
上条「いやー……面目ない」
キャーリサ「いやいや、面白かったし」クスクス
上条「それはそれで男心に傷が……」グサッ
キャーリサ「まぁまぁ。私にいい案があるし」
上条「え、いい案って――」
キャーリサ「……ほら」ピトッ
662: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:20:09.93 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「こうやって、ぴったりくっつけば寒くない……よ?」
663: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:20:39.29 ID:HcfWEk7s0
上条「!??!」
上条「え、えええとそれはそれで上条さんはいいんででですが……!」
キャーリサ「ん?何か問題でも?」
上条「ももも、問題はないんですけど!!(すっげー良い匂いするんだけどっ……!!)」
キャーリサ「うん、それなら大丈夫っ!」ピトッ
上条「そ、そうですね……(もう、どうにでもなれ)」
キャーリサ「えへへ……暖かいし♪」
上条「え、えええとそれはそれで上条さんはいいんででですが……!」
キャーリサ「ん?何か問題でも?」
上条「ももも、問題はないんですけど!!(すっげー良い匂いするんだけどっ……!!)」
キャーリサ「うん、それなら大丈夫っ!」ピトッ
上条「そ、そうですね……(もう、どうにでもなれ)」
キャーリサ「えへへ……暖かいし♪」
664: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:22:20.30 ID:HcfWEk7s0
上条「あぁ……(か、可愛い……)」
キャーリサ「……あ、そうだ」ガサゴソ
上条「?」
キャーリサ「ほらっ、これ!」ジャン
上条「せ、線香……花火?」
キャーリサ「大きい花火はできなさそうだけど、これなら小さそうだし……」
上条「いや、でもこんな狭い中でやるのはさすがに危な――」
キャーリサ「…………」ウルウル
上条「――くないです」
キャーリサ「……あ、そうだ」ガサゴソ
上条「?」
キャーリサ「ほらっ、これ!」ジャン
上条「せ、線香……花火?」
キャーリサ「大きい花火はできなさそうだけど、これなら小さそうだし……」
上条「いや、でもこんな狭い中でやるのはさすがに危な――」
キャーリサ「…………」ウルウル
上条「――くないです」
665: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:23:01.42 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「やった!」ワクワク
キャーリサ「ライター?とやらも買っておいたし」ホラ
上条「それじゃ火をつけて……っと」ボッ
上条「……ほら先端を持って、気をつけてな」
キャーリサ「ありがとだし♪」
キャーリサ「……あれ?」
上条「ん?どうした?」
キャーリサ「日本のふぁいあわーくすっていうのはもっとこう……ドでかくブチまけるものだと聴いていたんだけど……」シュン
キャーリサ「ライター?とやらも買っておいたし」ホラ
上条「それじゃ火をつけて……っと」ボッ
上条「……ほら先端を持って、気をつけてな」
キャーリサ「ありがとだし♪」
キャーリサ「……あれ?」
上条「ん?どうした?」
キャーリサ「日本のふぁいあわーくすっていうのはもっとこう……ドでかくブチまけるものだと聴いていたんだけど……」シュン
666: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:23:38.00 ID:HcfWEk7s0
上条「ぶちまけるって……。家庭用の花火はそんなもんだよ。
もうちょっと大きかったり、打ち上げたりするものもあるけど」
キャーリサ「ぶ~……」
キャーリサ「……あれ?でも、何か火の玉が大きくなってきたし!」ワクワク
上条「もうちょっと待ってると……ほら」
キャーリサ「……?わわっ!パチパチしてきたしっ!!」キラキラ
上条「いやー……やっぱり夏は花火ですねえ」
キャーリサ「綺麗……」
上条「……(落ちつくなぁ)」
もうちょっと大きかったり、打ち上げたりするものもあるけど」
キャーリサ「ぶ~……」
キャーリサ「……あれ?でも、何か火の玉が大きくなってきたし!」ワクワク
上条「もうちょっと待ってると……ほら」
キャーリサ「……?わわっ!パチパチしてきたしっ!!」キラキラ
上条「いやー……やっぱり夏は花火ですねえ」
キャーリサ「綺麗……」
上条「……(落ちつくなぁ)」
667: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:24:45.12 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……聞きたいことがあるんだけど」
上条「ん?」
キャーリサ「貴様は、お人よしって呼ばれることはないのか?」
上条「……?」
キャーリサ「神の右席……だったか?アイツは」
上条「!!」
キャーリサ「正確には元、か」
上条「え、えと」
キャーリサ「そう不思議そうな顔をするな。私は国内外の闘争を任せられている者だぞ。
海外の組織の動きを知らずにどうする」
キャーリサ「……聞きたいことがあるんだけど」
上条「ん?」
キャーリサ「貴様は、お人よしって呼ばれることはないのか?」
上条「……?」
キャーリサ「神の右席……だったか?アイツは」
上条「!!」
キャーリサ「正確には元、か」
上条「え、えと」
キャーリサ「そう不思議そうな顔をするな。私は国内外の闘争を任せられている者だぞ。
海外の組織の動きを知らずにどうする」
668: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:27:13.83 ID:HcfWEk7s0
上条「……あ」
キャーリサ「それで、だ」
キャーリサ「アイツは始めからお前と友好的な関係だったわけではなかろう?
無論、私だってそうだし」
上条「(今だってそう友好的では……)」
キャーリサ「今回だって、私だって、ヴェントだって。お前の意に叶ったことをしているわけではないっていうことは、分かっている」
キャーリサ「……なぜそうやって人の為に。しかも今まで全く知らなかったような赤の他人の為に自分を犠牲に出来るのか、聞いてみたいと思ってな」
上条「……」
キャーリサ「あ、もちろん、皮肉などではないぞ。単純な知的好奇心だし」
キャーリサ「それで、だ」
キャーリサ「アイツは始めからお前と友好的な関係だったわけではなかろう?
無論、私だってそうだし」
上条「(今だってそう友好的では……)」
キャーリサ「今回だって、私だって、ヴェントだって。お前の意に叶ったことをしているわけではないっていうことは、分かっている」
キャーリサ「……なぜそうやって人の為に。しかも今まで全く知らなかったような赤の他人の為に自分を犠牲に出来るのか、聞いてみたいと思ってな」
上条「……」
キャーリサ「あ、もちろん、皮肉などではないぞ。単純な知的好奇心だし」
669: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:28:36.30 ID:HcfWEk7s0
上条「あー」ボリボリ
上条「そもそも、人の為にとか言っていること自体、俺にとっては違うのかもしれない」
キャーリサ「……?」
上条「俺はそんな難しいことなんて気にしたことねぇけど、改めて考えてみるなら」
上条「全部、自分の為にやっているような気がすんだよなぁ」
キャーリサ「……は?」
上条「いや、そりゃ自分の知らないところで起きていることとか、どうしようもないこともあるけど」
上条「手の届くところで、誰かが不幸になっているのに見過ごすっつーのは……何て言うかな」
上条「何か性に合わないって言うか……」
キャーリサ「……!!」
上条「だから、俺が勝手にやっていることで、誰かの為とかは、ほとんど思っていなかったりするんだよ」
上条「そもそも、人の為にとか言っていること自体、俺にとっては違うのかもしれない」
キャーリサ「……?」
上条「俺はそんな難しいことなんて気にしたことねぇけど、改めて考えてみるなら」
上条「全部、自分の為にやっているような気がすんだよなぁ」
キャーリサ「……は?」
上条「いや、そりゃ自分の知らないところで起きていることとか、どうしようもないこともあるけど」
上条「手の届くところで、誰かが不幸になっているのに見過ごすっつーのは……何て言うかな」
上条「何か性に合わないって言うか……」
キャーリサ「……!!」
上条「だから、俺が勝手にやっていることで、誰かの為とかは、ほとんど思っていなかったりするんだよ」
670: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:30:39.85 ID:HcfWEk7s0
上条「……ま、俺に出来ることなんてすっげえ小さいことだからそんなでっかいこと言えないけどさ」タハハ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………」
上条「え、えーと……静かになられてもどうしたらいいのか困るっていうか……」
キャーリサ「……貴様は、やっぱりお人よしだしっ」
キャーリサ「(……なんとなく、貴様にに惹かれる理由が、わかったし)」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………」
上条「え、えーと……静かになられてもどうしたらいいのか困るっていうか……」
キャーリサ「……貴様は、やっぱりお人よしだしっ」
キャーリサ「(……なんとなく、貴様にに惹かれる理由が、わかったし)」
671: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:33:06.21 ID:HcfWEk7s0
上条「そう言われたら何とも言えないんですが……。何か曖昧になっちまったけど、これで答えになりましたか?」シュン
キャーリサ「あ、火が落ちちゃったし」
上条「無視でせうか?!」
キャーリサ「はは、大丈夫。ちゃんと聞いているし。貴様はやっぱり面白いってことがわかったよ」クスクス
上条「……?(どこが?)」
ポツ...ポツ...
キャーリサ「いつの間にか雨もあがっているな」
上条「あ、本当だ」
キャーリサ「……さっ、また降ってこないうちに早く帰るの!」
上条「あ、あぁ。そうだな。もう遅いし」
キャーリサ「あ、火が落ちちゃったし」
上条「無視でせうか?!」
キャーリサ「はは、大丈夫。ちゃんと聞いているし。貴様はやっぱり面白いってことがわかったよ」クスクス
上条「……?(どこが?)」
ポツ...ポツ...
キャーリサ「いつの間にか雨もあがっているな」
上条「あ、本当だ」
キャーリサ「……さっ、また降ってこないうちに早く帰るの!」
上条「あ、あぁ。そうだな。もう遅いし」
672: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 15:33:39.54 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「うりゃっ♪」ダキッ
上条「うぇっ!?」
キャーリサ「まだ少し寒いから、腕を拝借させていただくし♪」
上条「ははは……(……青ピとか土御門に見られたら、どうなることやら……)」
――――――――――――――――――
上条「うぇっ!?」
キャーリサ「まだ少し寒いから、腕を拝借させていただくし♪」
上条「ははは……(……青ピとか土御門に見られたら、どうなることやら……)」
――――――――――――――――――
685: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/24(土) 23:34:41.91 ID:HcfWEk7s0
【小萌先生宅前】
小萌「わざわざこの子を送ってもらっちゃって、ありがとなのですよ~?」
風斬「いえいえ、気にしないでください」ニコ
ヴェント「……」
インデックス「ふぁぁ……。じゃーねーなんだよ……ひょーか、とヴぇんと……」ウトウト
風斬「うん、バイバイ。気をつけてね?」
ヴェント「……」
小萌「貴方達も、気をつけて帰らないとだめですよ~?」
ガチャ バタン
風斬「……ふう」トテトテ
ヴェント「……」
小萌「わざわざこの子を送ってもらっちゃって、ありがとなのですよ~?」
風斬「いえいえ、気にしないでください」ニコ
ヴェント「……」
インデックス「ふぁぁ……。じゃーねーなんだよ……ひょーか、とヴぇんと……」ウトウト
風斬「うん、バイバイ。気をつけてね?」
ヴェント「……」
小萌「貴方達も、気をつけて帰らないとだめですよ~?」
ガチャ バタン
風斬「……ふう」トテトテ
ヴェント「……」
686: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:35:25.22 ID:HcfWEk7s0
風斬「……で、ヴェントさん?」
ヴェント「……」
風斬「何で顔を来ちゃったんですか?」
ヴェント「……」
風斬「せっかくいい雰囲気になってたのに……」
ヴェント「!」カァァ
風斬「……すごく顔赤いですよ……(美人だなぁ)」
ヴェント「……うぅ」
ヴェント「……」
風斬「何で顔を来ちゃったんですか?」
ヴェント「……」
風斬「せっかくいい雰囲気になってたのに……」
ヴェント「!」カァァ
風斬「……すごく顔赤いですよ……(美人だなぁ)」
ヴェント「……うぅ」
687: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:36:01.15 ID:HcfWEk7s0
風斬「?」
ヴェント「だ、だめなんだよ……」
ヴェント「アイツの顔見る度に無意識にこう……うぁぁぁ……」
風斬「よしよし」ナデナデ
ヴェント「!……こ、子供扱いすんじゃねぇ!」バッ
風斬「わわっ」
ヴェント「だ、だめなんだよ……」
ヴェント「アイツの顔見る度に無意識にこう……うぁぁぁ……」
風斬「よしよし」ナデナデ
ヴェント「!……こ、子供扱いすんじゃねぇ!」バッ
風斬「わわっ」
688: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:37:03.96 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「お前がこの前あんなことを言うからこんな意識しちまうようになったんだぞ……」
ヴェント「……あーチクショウ……。なっさけねぇ……」
風斬「……」
風斬「私はすごく羨ましいだけどなぁ……」
ヴェント「……?」
風斬「ヴェントさんや、キャーリサさん、そして御坂さん。……インデックスも。私は凄く羨ましいです」
ヴェント「……あーチクショウ……。なっさけねぇ……」
風斬「……」
風斬「私はすごく羨ましいだけどなぁ……」
ヴェント「……?」
風斬「ヴェントさんや、キャーリサさん、そして御坂さん。……インデックスも。私は凄く羨ましいです」
689: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:37:45.72 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「それは、どういう――」
風斬「私と」クルッ
風斬「私と、ヴェントさんは。一度お会いしていますよね?」
ヴェント「……!」
ヴェント「……いつから?」
風斬「いえ、正確には一度目にあった時のことはほとんど覚えてはいません。なんとなく……感覚ですけど」
風斬「私と」クルッ
風斬「私と、ヴェントさんは。一度お会いしていますよね?」
ヴェント「……!」
ヴェント「……いつから?」
風斬「いえ、正確には一度目にあった時のことはほとんど覚えてはいません。なんとなく……感覚ですけど」
690: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:38:34.59 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「……はっ」
ヴェント「それなら私がどういう奴で、羨ましがるような境遇にいるような人間でもないってこと、わかるんでないのカナ?」
風斬「いいえ」
ヴェント「っ!!」
風斬「私は……いえ、私も、上条君にはすっごく、すっごくお世話になりました。
それはきっと、ヴェントさんやインデックスたちも、同じこと、ですよね?」
ヴェント「……」
風斬「だけど……決定的に違うのは」
ポツポツ...
風斬「決定的に違うのは、私が『人間ではない』ってことなんですよ」
ヴェント「それなら私がどういう奴で、羨ましがるような境遇にいるような人間でもないってこと、わかるんでないのカナ?」
風斬「いいえ」
ヴェント「っ!!」
風斬「私は……いえ、私も、上条君にはすっごく、すっごくお世話になりました。
それはきっと、ヴェントさんやインデックスたちも、同じこと、ですよね?」
ヴェント「……」
風斬「だけど……決定的に違うのは」
ポツポツ...
風斬「決定的に違うのは、私が『人間ではない』ってことなんですよ」
691: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:39:13.07 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「……」
ヴェント「…………は?」
風斬「……?どうかしましたか?」
ヴェント「あ、あははは」
ヴェント「急に何を言い出すのかと思ったら……。お前が人間じゃない?それなら何だ?
お前は人ならざるもの、化け物だ、ってか?下らないジョークも大概に――」
風斬「化け物です」
ヴェント「っ!!?」
ヴェント「…………は?」
風斬「……?どうかしましたか?」
ヴェント「あ、あははは」
ヴェント「急に何を言い出すのかと思ったら……。お前が人間じゃない?それなら何だ?
お前は人ならざるもの、化け物だ、ってか?下らないジョークも大概に――」
風斬「化け物です」
ヴェント「っ!!?」
692: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:39:41.72 ID:HcfWEk7s0
風斬「私は、学園都市の超能力者さんたちから漏れた、
能力の粒から形成された、化け物です」
ヴェント「……!」
ヴェント「(学園都市っつーのは、そんな技術を……!?
そんなもん人間の力を越えてるじゃねぇか!?)」
風斬「顔だって、身体だって、今出しているこの声だって、私自信が発しているものではなくて、あくまでも『もらっている』ものなんですよ」
風斬「恋をする、とか。ドキドキする、とか。良いなぁって思う感情だって、
本当に私の感覚かどうかも、わからないんです」
ザァァ...
ヴェント「……」
風斬「……あはは、唖然とした表情をされても無理ないですよね」
能力の粒から形成された、化け物です」
ヴェント「……!」
ヴェント「(学園都市っつーのは、そんな技術を……!?
そんなもん人間の力を越えてるじゃねぇか!?)」
風斬「顔だって、身体だって、今出しているこの声だって、私自信が発しているものではなくて、あくまでも『もらっている』ものなんですよ」
風斬「恋をする、とか。ドキドキする、とか。良いなぁって思う感情だって、
本当に私の感覚かどうかも、わからないんです」
ザァァ...
ヴェント「……」
風斬「……あはは、唖然とした表情をされても無理ないですよね」
693: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:40:32.84 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「……」
風斬「だから、私はそういう化け物だから、色々な感情を持って、すっごく悩んで……。そういう『普通の人たちの当たり前』がすっごく羨ましい」
風斬「それに……」
ヴェント「……?」
風斬「私は怖いんですよ」
風斬「そういう、自分に無いものを持っている人たちに対する羨望が、嫉妬に変わって。嫉妬が激昂に変わってしまわないか」
ヴェント「……そんなもん――」
風斬「『自分で制御すればいい』ですか?」
ヴェント「っ!!」
風斬「さっきも言いましたが、私は人間とは少し違うんです。
化け物なんです。そんな化け物に当たり前を押しつけられても、正直……どうしようもないんですよ」
風斬「ヴェントさんが初めて見た時の私は、どうでしたか?」
風斬「正常な意識を保って。正常な感情を持って。そんな風に人間として、まともに活動できていましたか?」
風斬「だから、私はそういう化け物だから、色々な感情を持って、すっごく悩んで……。そういう『普通の人たちの当たり前』がすっごく羨ましい」
風斬「それに……」
ヴェント「……?」
風斬「私は怖いんですよ」
風斬「そういう、自分に無いものを持っている人たちに対する羨望が、嫉妬に変わって。嫉妬が激昂に変わってしまわないか」
ヴェント「……そんなもん――」
風斬「『自分で制御すればいい』ですか?」
ヴェント「っ!!」
風斬「さっきも言いましたが、私は人間とは少し違うんです。
化け物なんです。そんな化け物に当たり前を押しつけられても、正直……どうしようもないんですよ」
風斬「ヴェントさんが初めて見た時の私は、どうでしたか?」
風斬「正常な意識を保って。正常な感情を持って。そんな風に人間として、まともに活動できていましたか?」
694: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:41:01.90 ID:HcfWEk7s0
ザァァ...
ヴェント「……あっ」
風斬「……そういうことです」ニコッ
ヴェント「……」
風斬「はは、何か、話が重くなり過ぎましたね」
風斬「えと、だから、普通にできない分私の分まで、頑張ってほしいなって。
今までそういう経験がなくても、今この時にできているヴェントさんに私は頑張ってほしいです」
ヴェント「…………」
ヴェント「……あっ」
風斬「……そういうことです」ニコッ
ヴェント「……」
風斬「はは、何か、話が重くなり過ぎましたね」
風斬「えと、だから、普通にできない分私の分まで、頑張ってほしいなって。
今までそういう経験がなくても、今この時にできているヴェントさんに私は頑張ってほしいです」
ヴェント「…………」
695: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:41:34.79 ID:HcfWEk7s0
風斬「……ささっ、ヴェントさん今すぐに帰って、上条さんの気を引かないと!
この前言った通り、ライバルが多いんですから、上条さんって」グイッ
ヴェント「……」ピタッ
風斬「……」
風斬「……どうしたんですか、ヴェントさ――」
ヴェント「嫌だね」
風斬「……」
風斬「……え?」
この前言った通り、ライバルが多いんですから、上条さんって」グイッ
ヴェント「……」ピタッ
風斬「……」
風斬「……どうしたんですか、ヴェントさ――」
ヴェント「嫌だね」
風斬「……」
風斬「……え?」
696: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:43:58.62 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「……何で私が、お前なんぞの代行みたいなことしねぇといけないんだよ」
風斬「え、えとすいません、別に押し付けたわけじゃ――」
ヴェント「それに」
ヴェント「てめぇは『自分の』感情だとか、何とか言ってやがったけど」
ヴェント「そういう判断すること自体、自分自身がやることだろ?
人が決めた、とか勝手に決め付けんじゃねぇよ」
風斬「だ、だってそれは、私が化け物で!!人間じゃなくて!!」
ヴェント「そもそも、そこなんだよ」
ヴェント「何で、化け物は普通に幸せを掴んじゃダメなんだよ」
風斬「……!」
風斬「え、えとすいません、別に押し付けたわけじゃ――」
ヴェント「それに」
ヴェント「てめぇは『自分の』感情だとか、何とか言ってやがったけど」
ヴェント「そういう判断すること自体、自分自身がやることだろ?
人が決めた、とか勝手に決め付けんじゃねぇよ」
風斬「だ、だってそれは、私が化け物で!!人間じゃなくて!!」
ヴェント「そもそも、そこなんだよ」
ヴェント「何で、化け物は普通に幸せを掴んじゃダメなんだよ」
風斬「……!」
697: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:45:17.08 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「私は、正直。自分が真っ当な生き方してきたなんて思わない。
汚い仕事、それこそ非人道的なことだって、平気でしてきた」
ヴェント「『化け物』って呼ばれたことだってあった」
ヴェント「その私がやってよくて、アンタみたいな平和ボケした人間にはやってはいけないことなんて、
皆目見当もつかないね」
風斬「……っ!!」
ヴェント「生まれ方が変だったとかさ。私には何をそんな気にすることがあるって気分なんだよ」
ヴェント「世界中にはな、ゴミ捨て場で生まれるのが当たり前、物心つく頃には殺人鬼なんていうバカ共も数えきれねぇくらいいるんだよ」
ヴェント「そんな奴らを、更に私は傷つけたりしてきた!!」
ヴェント「お前はどうだ!?一人でも……!一人でも人を殺したことがあんのかよ!?」
汚い仕事、それこそ非人道的なことだって、平気でしてきた」
ヴェント「『化け物』って呼ばれたことだってあった」
ヴェント「その私がやってよくて、アンタみたいな平和ボケした人間にはやってはいけないことなんて、
皆目見当もつかないね」
風斬「……っ!!」
ヴェント「生まれ方が変だったとかさ。私には何をそんな気にすることがあるって気分なんだよ」
ヴェント「世界中にはな、ゴミ捨て場で生まれるのが当たり前、物心つく頃には殺人鬼なんていうバカ共も数えきれねぇくらいいるんだよ」
ヴェント「そんな奴らを、更に私は傷つけたりしてきた!!」
ヴェント「お前はどうだ!?一人でも……!一人でも人を殺したことがあんのかよ!?」
698: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:45:49.23 ID:HcfWEk7s0
風斬「……」グスッ
ヴェント「そんな私に、恋だとか、甘っちょろい感情だけじゃなくて……気持ちの悪い一方通行な価値観を押しつけて……。それでいて自分は外から応援しています?」
ヴェント「あまったれんのもいい加減にしやがれ!!」
風斬「……」ビクッ
風斬「……ご、ごめ……ごめん、ごめんなひゃ……」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「私は、さ」
ヴェント「私はさっき、…………これが恋なのかって、わかったんだよ」
ヴェント「そんな私に、恋だとか、甘っちょろい感情だけじゃなくて……気持ちの悪い一方通行な価値観を押しつけて……。それでいて自分は外から応援しています?」
ヴェント「あまったれんのもいい加減にしやがれ!!」
風斬「……」ビクッ
風斬「……ご、ごめ……ごめん、ごめんなひゃ……」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「私は、さ」
ヴェント「私はさっき、…………これが恋なのかって、わかったんだよ」
699: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:47:23.33 ID:HcfWEk7s0
風斬「……ぇ?」グスッ
ヴェント「……っ!」カァァ
ヴェント「クソが!!こんなこっ恥ずかしいセリフ、私が言うなんて一生ねぇと思ってたのによ!!」
風斬「……」
ヴェント「悔しいし、マジで認めたく何てないさ。
だけど、私は、私は――」
ヴェント「……………………上条のことが、好きだ……と、思う」
ヴェント「……っ!」カァァ
ヴェント「クソが!!こんなこっ恥ずかしいセリフ、私が言うなんて一生ねぇと思ってたのによ!!」
風斬「……」
ヴェント「悔しいし、マジで認めたく何てないさ。
だけど、私は、私は――」
ヴェント「……………………上条のことが、好きだ……と、思う」
700: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:47:51.16 ID:HcfWEk7s0
風斬「!!」
ヴェント「うーーーあーーーーっっ!!」ボリボリ
風斬「え、えと……!だ、大丈夫ですか……!?」オドオド
ヴェント「……はぁ…………はぁ……」
ヴェント「私はあのバカみたいな無神経でも饒舌でもねぇから言い方わかんねぇけど」
ヴェント「……こんな私がやれることなら、誰でもできるっつーか」
風斬「……」
風斬「…………え?」
ヴェント「うーーーあーーーーっっ!!」ボリボリ
風斬「え、えと……!だ、大丈夫ですか……!?」オドオド
ヴェント「……はぁ…………はぁ……」
ヴェント「私はあのバカみたいな無神経でも饒舌でもねぇから言い方わかんねぇけど」
ヴェント「……こんな私がやれることなら、誰でもできるっつーか」
風斬「……」
風斬「…………え?」
701: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:48:57.22 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「うぁぁぁぁぁっ!!一回で理解しろよ!!クソガキが!!」
風斬「ふぇっ!?うぇ、ご、ごめんなさい……」
ヴェント「いちいち泣くなよ……」
風斬「え、えと……。えと……」
ヴェント「あ”ーー……」グイッ
風斬「ぇ――」
ヴェント「だから、お前も普通に人間やれっつったんだよ」ポンポン
風斬「……ぇ」
風斬「ふぇっ!?うぇ、ご、ごめんなさい……」
ヴェント「いちいち泣くなよ……」
風斬「え、えと……。えと……」
ヴェント「あ”ーー……」グイッ
風斬「ぇ――」
ヴェント「だから、お前も普通に人間やれっつったんだよ」ポンポン
風斬「……ぇ」
702: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:49:33.35 ID:HcfWEk7s0
ヴェント「私は指図されるのが大っ嫌いなんだよ。
それも、世界一の国土を誇る国の大司教でも手にかけそうになるレベルで、ね」
風斬「……」
ヴェント「……だから、お前も、私に頼るんじゃなくて。最初からあきらめんじゃなくて」
ヴェント「自分で恋してみろッつーこった」
風斬「で、でも私なんかじゃ、絶対にできない……」
ヴェント「はぁ……」
ヴェント「……テメェの言う『友達』っつーのは、そういう時に協力してくれるやつ、じゃねぇのかよ……」カァァ
それも、世界一の国土を誇る国の大司教でも手にかけそうになるレベルで、ね」
風斬「……」
ヴェント「……だから、お前も、私に頼るんじゃなくて。最初からあきらめんじゃなくて」
ヴェント「自分で恋してみろッつーこった」
風斬「で、でも私なんかじゃ、絶対にできない……」
ヴェント「はぁ……」
ヴェント「……テメェの言う『友達』っつーのは、そういう時に協力してくれるやつ、じゃねぇのかよ……」カァァ
703: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:50:09.06 ID:HcfWEk7s0
風斬「!!!!」
風斬「……うえっ」
風斬「うぇ、うぇええ、ふぇえええ、ふぇえぇええん」
ヴェント「だーっ!!イチイチ泣くんじゃねぇ!!私だって言いたくもねぇ気持ち悪いセリフ吐いちまったもんだから今すぐにでもどこかへ逃げたい気分なんだよ!!」
風斬「だ、だって、うぇ、ええっ、嬉し、嬉しくって……」
ヴェント「てめぇが意味わかんねぇこと話しやがるから、びしょ濡れんなっちまったじゃねぇかよ」
風斬「うぇ、ごめ、ごめんなさい、うぇぇ」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「……」ポンポン
ヴェント「(私がこんなことを言う日が来るなんて、世も末、ってやつだろ、ほんとに……)」
ヴェント「(夕刻アイツにされたことの受け売りみたいなもん、だけど)」
ヴェント「(ま、悪い気は……しねぇか、な)」
風斬「……うえっ」
風斬「うぇ、うぇええ、ふぇえええ、ふぇえぇええん」
ヴェント「だーっ!!イチイチ泣くんじゃねぇ!!私だって言いたくもねぇ気持ち悪いセリフ吐いちまったもんだから今すぐにでもどこかへ逃げたい気分なんだよ!!」
風斬「だ、だって、うぇ、ええっ、嬉し、嬉しくって……」
ヴェント「てめぇが意味わかんねぇこと話しやがるから、びしょ濡れんなっちまったじゃねぇかよ」
風斬「うぇ、ごめ、ごめんなさい、うぇぇ」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「……」ポンポン
ヴェント「(私がこんなことを言う日が来るなんて、世も末、ってやつだろ、ほんとに……)」
ヴェント「(夕刻アイツにされたことの受け売りみたいなもん、だけど)」
ヴェント「(ま、悪い気は……しねぇか、な)」
706: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:52:10.46 ID:HcfWEk7s0
【同日:マンション】
キャーリサ「ふわぁ……かなり疲れたし……」
上条「……俺も少し疲れちまったかな……
上条「(ここまでずっと腕にひっつかれてて、周りを警戒してて精神的に疲れた……)」
キャーリサ「……シャワーに早く入りたいの……」
上条「キャーリサの言うとおり、今日は出る前に風呂掃除しておいて正解だったな」
キャーリサ「備えあれば憂いなし、っていう諺は、世界共通だしっ」フフン
キャーリサ「ふわぁ……かなり疲れたし……」
上条「……俺も少し疲れちまったかな……
上条「(ここまでずっと腕にひっつかれてて、周りを警戒してて精神的に疲れた……)」
キャーリサ「……シャワーに早く入りたいの……」
上条「キャーリサの言うとおり、今日は出る前に風呂掃除しておいて正解だったな」
キャーリサ「備えあれば憂いなし、っていう諺は、世界共通だしっ」フフン
707: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:52:38.51 ID:HcfWEk7s0
上条「俺は後で入るから先に入ってくれよ」
キャーリサ「……え?」キョトン
上条「……?」
キャーリサ「……?」
上条「何で頭に疑問符浮かべてるんだ……?」
キャーリサ「いや、上条は早く入りたくないの?」
上条「え、あ、あぁ。そりゃ俺だってなるべく早く入って就寝したいですけど」
キャーリサ「でしょう?それだったら」
キャーリサ「それだった一緒に入るべきだと思うし」
キャーリサ「……え?」キョトン
上条「……?」
キャーリサ「……?」
上条「何で頭に疑問符浮かべてるんだ……?」
キャーリサ「いや、上条は早く入りたくないの?」
上条「え、あ、あぁ。そりゃ俺だってなるべく早く入って就寝したいですけど」
キャーリサ「でしょう?それだったら」
キャーリサ「それだった一緒に入るべきだと思うし」
708: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:53:07.56 ID:HcfWEk7s0
上条「……」
上条「…………」
上条「………………はい?」
キャーリサ「いや、だから一緒にお風呂を」
上条「なななななあなななあああああ!??!」
上条「何を言ってるんでせうか!??!?!」ブフォッ
キャーリサ「え?いや、せっかく大きくて綺麗なお風呂があるんだし、一人じゃもの寂しさがあると思ったんだけど……」
上条「それはそうですけどっ!!子のお風呂なら寝る時に布団どころかベッドすらおけるなあって少し妄想してしまったりしたけども!!」
キャーリサ「(布団……?ベッド……?)それなら」
上条「俺は紳士ですので!!そんなことは――!」
上条「…………」
上条「………………はい?」
キャーリサ「いや、だから一緒にお風呂を」
上条「なななななあなななあああああ!??!」
上条「何を言ってるんでせうか!??!?!」ブフォッ
キャーリサ「え?いや、せっかく大きくて綺麗なお風呂があるんだし、一人じゃもの寂しさがあると思ったんだけど……」
上条「それはそうですけどっ!!子のお風呂なら寝る時に布団どころかベッドすらおけるなあって少し妄想してしまったりしたけども!!」
キャーリサ「(布団……?ベッド……?)それなら」
上条「俺は紳士ですので!!そんなことは――!」
709: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:53:36.70 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「……上条?」ウルウル
上条「……うぅっ!?」
キャーリサ「……私は、別に大丈夫だから、一緒に入りたいな……?」
上条「……うぅぅぅっ!?」
上条「って、やっぱりそれはダメですっ!!」
キャーリサ「…………ちっ」
上条「何で舌打ちしてるんでせうか!?」
上条「……うぅっ!?」
キャーリサ「……私は、別に大丈夫だから、一緒に入りたいな……?」
上条「……うぅぅぅっ!?」
上条「って、やっぱりそれはダメですっ!!」
キャーリサ「…………ちっ」
上条「何で舌打ちしてるんでせうか!?」
710: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:54:07.13 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「女性の要望には誠心誠意応えるのも紳士の務めだし!」ブー
上条「そ、それはそうですけど、それはそれ、これはこれっ!」
キャーリサ「ぶ~……」
上条「ぶうたれてもダメなものはダメです!ささっ、どうぞごゆっくり!」グイグイ
キャーリサ「は~い……。分かったし……(ある意味、騎士団長より強情だし……)」スタスタ
上条「そ、それはそうですけど、それはそれ、これはこれっ!」
キャーリサ「ぶ~……」
上条「ぶうたれてもダメなものはダメです!ささっ、どうぞごゆっくり!」グイグイ
キャーリサ「は~い……。分かったし……(ある意味、騎士団長より強情だし……)」スタスタ
711: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:54:32.99 ID:HcfWEk7s0
20分後...
上条「……」
上条「ヴェント、大丈夫か……?」
上条「俺たちがさっき雨宿りしてた時もあいつら外にいたはずだし……。
いや、小萌先生の家まではもうすぐそこだたし、それは大丈夫か……?」
上条「……」
上条「…………やっぱり、見に行った方が――」
上条「……」
上条「ヴェント、大丈夫か……?」
上条「俺たちがさっき雨宿りしてた時もあいつら外にいたはずだし……。
いや、小萌先生の家まではもうすぐそこだたし、それは大丈夫か……?」
上条「……」
上条「…………やっぱり、見に行った方が――」
712: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:55:18.24 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「上条~?」ガチャ
上条「――っはい!?」
キャーリサ「着替えの用意するの忘れてたから持ってきてくれる~か?」
上条「え、え?着替え!?」
キャーリサ「私の服は今ほとんど洗ってしまっているから、お前の服を適当に貸してくれるとありがたいんだが~」
上条「お、俺の!?」
上条「……(……Yシャツ……裸?)」ポワワ~ン
上条「っ」ブフォ
上条「――っはい!?」
キャーリサ「着替えの用意するの忘れてたから持ってきてくれる~か?」
上条「え、え?着替え!?」
キャーリサ「私の服は今ほとんど洗ってしまっているから、お前の服を適当に貸してくれるとありがたいんだが~」
上条「お、俺の!?」
上条「……(……Yシャツ……裸?)」ポワワ~ン
上条「っ」ブフォ
713: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:56:07.55 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「……?上条~?」
上条「あ、はい!?ただいまっ!」
キャーリサ「よろしく頼むし~」バタン
上条「……俺の服……俺の服……」ガサゴソ
上条「……Tシャツとジャージとかで、いいのか?」
上条「……いや、でも貴族がそんな安っぽいものを……」
上条「……うーむ……」
上条「あ、はい!?ただいまっ!」
キャーリサ「よろしく頼むし~」バタン
上条「……俺の服……俺の服……」ガサゴソ
上条「……Tシャツとジャージとかで、いいのか?」
上条「……いや、でも貴族がそんな安っぽいものを……」
上条「……うーむ……」
714: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:56:34.06 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「上条~?見つからないようであれば私が取りに行くけど~?」
上条「ちょ、ちょ、ちょっとまったああああ!!すぐ行きますから少し待って下さい!!」
上条「(うわああああ!もう!そうだTシャツとジャージで!!どうせ今日だけだ!)」ダッ
715: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:57:04.52 ID:HcfWEk7s0
【マンション:風呂場前】
上条「……」
上条「(つ、ついに扉の目の前まで……)」ゴクリ
上条「(こんな板一枚向こうにイギリスの王女様が……)」
上条「(……)」
上条「!!」ブフォ
上条「……」
上条「(つ、ついに扉の目の前まで……)」ゴクリ
上条「(こんな板一枚向こうにイギリスの王女様が……)」
上条「(……)」
上条「!!」ブフォ
716: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:57:33.30 ID:HcfWEk7s0
キャーリサ「上条ー?」
上条「はい!?」
キャーリサ「今、最後のトリートメントしてるから入ってきて脱衣所に置いておいてくれると助かるし~」
上条「は、はいっ!!」
上条「…………」ゴクリ
上条「……し、失礼しますっ!」ガチャ
上条「……(うわっ、シャンプーの良い匂いが……)」
上条「……!」ブルブル
上条「はい!?」
キャーリサ「今、最後のトリートメントしてるから入ってきて脱衣所に置いておいてくれると助かるし~」
上条「は、はいっ!!」
上条「…………」ゴクリ
上条「……し、失礼しますっ!」ガチャ
上条「……(うわっ、シャンプーの良い匂いが……)」
上条「……!」ブルブル
717: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:58:30.12 ID:HcfWEk7s0
上条「そ、それじゃあここに置いておきますよ?」
キャーリサ「あぁ、ありがとだし~」
上条「そ、それじゃ俺は戻りますんで!!(長くここにいたら理性がやばいやばいやばい!!)」ダッ
キャーリサ「ちょっと待って!」
上条「……ま、まだ何か?!」ピタッ
キャーリサ「洗顔料を持ってくるのを忘れてしまったから、取ってほしいんだけど~
洗面台の上に青いのがあると思うんだけど……」
上条「……え"?」
キャーリサ「ほら、早く渡してくれし」ガチャ
キャーリサ「あぁ、ありがとだし~」
上条「そ、それじゃ俺は戻りますんで!!(長くここにいたら理性がやばいやばいやばい!!)」ダッ
キャーリサ「ちょっと待って!」
上条「……ま、まだ何か?!」ピタッ
キャーリサ「洗顔料を持ってくるのを忘れてしまったから、取ってほしいんだけど~
洗面台の上に青いのがあると思うんだけど……」
上条「……え"?」
キャーリサ「ほら、早く渡してくれし」ガチャ
718: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:59:03.47 ID:HcfWEk7s0
上条「ええええ!?(し、白い柔肌が……!)」ブフォ
キャーリサ「……肌寒いし、早くしてくれると嬉しいんだけど?」
上条「は、はい!!」バッ
キャーリサ「……」ニヤッ
上条「こ、これですね?(ダメだ!直視しては絶対にだめだ!!)」パシッ
キャーリサ「……おぉ、ありが」グッ
上条「―――――へ?」
キャーリサ「――とう!」グイッ
キャーリサ「……肌寒いし、早くしてくれると嬉しいんだけど?」
上条「は、はい!!」バッ
キャーリサ「……」ニヤッ
上条「こ、これですね?(ダメだ!直視しては絶対にだめだ!!)」パシッ
キャーリサ「……おぉ、ありが」グッ
上条「―――――へ?」
キャーリサ「――とう!」グイッ
719: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/24(土) 23:59:30.36 ID:HcfWEk7s0
上条「……いっつつ……」チラッ
キャーリサ「やっと来てくれた♪」
上条「……ぅ……ぁ…………ぁぇ?」
キャーリサ「ほら、浴場では脱ぐのが普通……ではないのかな?」キャハッ
上条「……ちょちょちょちょちょちょちょっと!!??!?」
キャーリサ「何をそんなに慌てているんだ?」
キャーリサ「やっと来てくれた♪」
上条「……ぅ……ぁ…………ぁぇ?」
キャーリサ「ほら、浴場では脱ぐのが普通……ではないのかな?」キャハッ
上条「……ちょちょちょちょちょちょちょっと!!??!?」
キャーリサ「何をそんなに慌てているんだ?」
720: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/25(日) 00:00:39.91 ID:FHiNakQe0
キャーリサ「……お風呂に来て洗わずに帰るのも、おかしな話だし?」グイッ
上条「……ぐっ!」
キャーリサ「ほら、目を開けて……?」ツー
上条「……っっ!!」ゾゾッ
キャーリサ「……ほーら?そんなに緊張しないで?」ツツツ...
上条「……ぐっ!」
キャーリサ「ほら、目を開けて……?」ツー
上条「……っっ!!」ゾゾッ
キャーリサ「……ほーら?そんなに緊張しないで?」ツツツ...
721: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/25(日) 00:02:16.14 ID:FHiNakQe0
キャーリサ「一緒に、気持ちよくなろ……?」プチ プチ
キャーリサ「あ、やっぱり良い身体、してるし?」
上条「(アァ……もう……理性が……)」
キャーリサ「(ふふふふっ♪)」
上条「……っ!」ハッ
上条「……って、やっぱりダメですって!!」ホニョン
キャーリサ「あ、やっぱり良い身体、してるし?」
上条「(アァ……もう……理性が……)」
キャーリサ「(ふふふふっ♪)」
上条「……っ!」ハッ
上条「……って、やっぱりダメですって!!」ホニョン
722: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/25(日) 00:02:45.32 ID:FHiNakQe0
キャーリサ「!!」
上条「……あれ?(ホニョン?)」
キャーリサ「……んっ、ぁ」カァァ
上条「え?」フニョフニョ
キャーリサ「ぅぁ、くぅ……ん……」ビクン
上条「……(これって……あれぇ~?)」
キャーリサ「……はっ、んあ、か、上条、お前、以外に、ぁ、大胆……?」ピクン
上条「……あれ?(ホニョン?)」
キャーリサ「……んっ、ぁ」カァァ
上条「え?」フニョフニョ
キャーリサ「ぅぁ、くぅ……ん……」ビクン
上条「……(これって……あれぇ~?)」
キャーリサ「……はっ、んあ、か、上条、お前、以外に、ぁ、大胆……?」ピクン
723: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/25(日) 00:03:19.56 ID:FHiNakQe0
上条「……」
上条「…………」
上条「………………(不幸だ)」
上条「」ブシュウウウウ
上条「」バタッ
キャーリサ「……?」
キャーリサ「……」ツンツン
上条「」シーン
キャーリサ「……はぁ」
キャーリサ「お楽しみはこれからだったのに……早すぎ、だよ?♪」ピン
――――――――――――――――――
上条「…………」
上条「………………(不幸だ)」
上条「」ブシュウウウウ
上条「」バタッ
キャーリサ「……?」
キャーリサ「……」ツンツン
上条「」シーン
キャーリサ「……はぁ」
キャーリサ「お楽しみはこれからだったのに……早すぎ、だよ?♪」ピン
――――――――――――――――――
744: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:18:02.13 ID:6DtNt1wE0
【翌日朝:マンション】
上条「……」
上条「…………」パチッ
上条「ん~……朝か」ウトウト
上条「……ん?」チラッ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………うにゅ」スヤスヤ
上条「……」
上条「…………」パチッ
上条「ん~……朝か」ウトウト
上条「……ん?」チラッ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………うにゅ」スヤスヤ
745: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:18:34.83 ID:6DtNt1wE0
上条「……!」ビクッ
キャーリサ「……」スヤスヤ
上条「(さ、流石にな、慣れてきたぞ……)」
上条「(毎朝毎朝、いい気付けだよ……)」ハァ
上条「(……ふぁぁ)」ノビー
上条「……(…………起きるか……)」
上条「…………よっこいしょっと」グニュ
上条「……」
キャーリサ「……」スヤスヤ
上条「(さ、流石にな、慣れてきたぞ……)」
上条「(毎朝毎朝、いい気付けだよ……)」ハァ
上条「(……ふぁぁ)」ノビー
上条「……(…………起きるか……)」
上条「…………よっこいしょっと」グニュ
上条「……」
746: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:19:04.62 ID:6DtNt1wE0
上条「(……グニュ?既視感がすごいんだけど……)」
上条「(……)」チラッ
風斬「……いんでっくすぅ、あぶないよぉ……走っちゃだめだよ……?」
上条「……」
上条「…………」
上条「っ!?!??!?!?」ズドドドドド
風斬「……」スヤスヤ
上条「(……)」チラッ
風斬「……いんでっくすぅ、あぶないよぉ……走っちゃだめだよ……?」
上条「……」
上条「…………」
上条「っ!?!??!?!?」ズドドドドド
風斬「……」スヤスヤ
747: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:19:59.76 ID:6DtNt1wE0
上条「(なっ、なななななな!?!何で風斬がいるんだよ!?)」
上条「(っていうか、右手で触ってたらどうするんだよ……)」ハァ
上条「(……ってそこじゃなくて!)」
「なーに遊んでんだよ、バカ」
上条「……?」
ヴェント「……」ムスッ
上条「……」ビクッ
上条「……お」
上条「…………おはようございます」
ヴェント「……ふん」
――――――――――――――
上条「(っていうか、右手で触ってたらどうするんだよ……)」ハァ
上条「(……ってそこじゃなくて!)」
「なーに遊んでんだよ、バカ」
上条「……?」
ヴェント「……」ムスッ
上条「……」ビクッ
上条「……お」
上条「…………おはようございます」
ヴェント「……ふん」
――――――――――――――
748: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:20:48.71 ID:6DtNt1wE0
【バス停】
上条「……えーっと」
ヴェント「……なんだよ」
上条「皆が起きるの待たなくても、良かったんでしょうか……?」
ヴェント「……いいんだよ、別に」
上条「っていうか、どこへ行くのでしょうか……?」
ヴェント「……」
上条「……」
ヴェント「……」
上条「……えーっと」
ヴェント「……なんだよ」
上条「皆が起きるの待たなくても、良かったんでしょうか……?」
ヴェント「……いいんだよ、別に」
上条「っていうか、どこへ行くのでしょうか……?」
ヴェント「……」
上条「……」
ヴェント「……」
749: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:21:15.08 ID:6DtNt1wE0
上条「あの~……?」
ヴェント「……うるっせぇぞ」ギロッ
上条「ええー……」
ヴェント「んな素っ頓狂な顔すんな」ペシッ
上条「いでっ」
ヴェント「……私だって、知らねぇんだよ」
上条「……はい?」
ヴェント「……」
――――
―――――
―――――――――――
ヴェント「……うるっせぇぞ」ギロッ
上条「ええー……」
ヴェント「んな素っ頓狂な顔すんな」ペシッ
上条「いでっ」
ヴェント「……私だって、知らねぇんだよ」
上条「……はい?」
ヴェント「……」
――――
―――――
―――――――――――
750: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:21:48.64 ID:6DtNt1wE0
【昨日】
ヴェント「いい加減泣きやめってんだ!!うざったい!!」
風斬「ふぇっ!?」アタフタ
ヴェント「雨も上がったし、私はずぶ濡れで今にもぶっ倒れそうなんだよ!!」
風斬「ごめんなさいぃぃ……」グスッ
ヴェント「だから泣くなっ」パコッ
風斬「いひゃいっ」
ヴェント「……ったく」
ヴェント「いい加減泣きやめってんだ!!うざったい!!」
風斬「ふぇっ!?」アタフタ
ヴェント「雨も上がったし、私はずぶ濡れで今にもぶっ倒れそうなんだよ!!」
風斬「ごめんなさいぃぃ……」グスッ
ヴェント「だから泣くなっ」パコッ
風斬「いひゃいっ」
ヴェント「……ったく」
751: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:22:14.76 ID:6DtNt1wE0
風斬「……でも、本当にありがとうございます」
ヴェント「!?きゅ、急にクールになんじゃねえ――」カァァ
風斬「友達って、言ってくれて」
ヴェント「――よ……?」
風斬「すっごく嬉しかったんです。ほんとに。涙が止まらなくなっちゃうくらいっ」テヘヘ
ヴェント「……っ、わ、私は別にテメェなんかと――!!」
風斬「……え?」グスッ
ヴェント「だーっ!!なんでもねぇ!だから泣くんじゃねぇっ!」
ヴェント「!?きゅ、急にクールになんじゃねえ――」カァァ
風斬「友達って、言ってくれて」
ヴェント「――よ……?」
風斬「すっごく嬉しかったんです。ほんとに。涙が止まらなくなっちゃうくらいっ」テヘヘ
ヴェント「……っ、わ、私は別にテメェなんかと――!!」
風斬「……え?」グスッ
ヴェント「だーっ!!なんでもねぇ!だから泣くんじゃねぇっ!」
752: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:22:43.79 ID:6DtNt1wE0
風斬「……へへへ、なんとなくヴェントさんの性格がわかってきました」
ヴェント「…………(コイツ……)」ブチッ
風斬「あ、そうだ。これ」スッ
ヴェント「……あ?」パシッ
風斬「さっき、行き違いになって合流しましたけど、実は私たち施設入場券の裏にあるチケットで色々遊んでいたんですよ」
風斬「その中に、福引もあって。実は私、当たっちゃったんです♪」
ヴェント「へぇ(……封筒?)」フーン
風斬「……カップル専用の温泉日帰りチケットが♪」
ヴェント「ぶっ!!!!!!!!!!」
ヴェント「…………(コイツ……)」ブチッ
風斬「あ、そうだ。これ」スッ
ヴェント「……あ?」パシッ
風斬「さっき、行き違いになって合流しましたけど、実は私たち施設入場券の裏にあるチケットで色々遊んでいたんですよ」
風斬「その中に、福引もあって。実は私、当たっちゃったんです♪」
ヴェント「へぇ(……封筒?)」フーン
風斬「……カップル専用の温泉日帰りチケットが♪」
ヴェント「ぶっ!!!!!!!!!!」
753: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:23:19.41 ID:6DtNt1wE0
風斬「だ、大丈夫ですかぁ!?」
ヴェント「げほっ、げほっ」
ヴェント「ブチ殺すぞてめぇ!???」
風斬「な、何でですかぁぁ!?」
ヴェント「何で私があんな猿野郎と一緒に遠出までして何処かに行かなきゃいけねぇんだよ!??」
風斬「……え」
ヴェント「げほっ、げほっ」
ヴェント「ブチ殺すぞてめぇ!???」
風斬「な、何でですかぁぁ!?」
ヴェント「何で私があんな猿野郎と一緒に遠出までして何処かに行かなきゃいけねぇんだよ!??」
風斬「……え」
754: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:23:57.51 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「アイツと私は元はと言えば標的と狩人だぞ!?」
風斬「…………あの」
ヴェント「その私たちが一緒にふ、風呂なんて……ふ、風呂……」ポワーン
ヴェント「っ」ボンッ
ヴェント「がああああああああああ!!やっぱりテメェ殺す!!今すぐブチころ――」
風斬「あの」
風斬「私、一度も上条さんと、何て言ってませんよ?」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「………………」ボボンッ
風斬「…………あの」
ヴェント「その私たちが一緒にふ、風呂なんて……ふ、風呂……」ポワーン
ヴェント「っ」ボンッ
ヴェント「がああああああああああ!!やっぱりテメェ殺す!!今すぐブチころ――」
風斬「あの」
風斬「私、一度も上条さんと、何て言ってませんよ?」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「………………」ボボンッ
755: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:24:24.36 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「な、ななっ、え、あ、えええ、あっ」アタフタ
風斬「ふふふっ。やっぱり、ヴェントさんは面白いです」
ヴェント「~ッ!!(くっそ!!何で私はこんなクソガキに良いように……!)」
風斬「まぁ、私が持っててもどうしようもないですし、ぜひ使ってください」
ヴェント「こ、こんなもん私は使わねえよ!!っつかてめぇがアイツと行けばいいだろうが!!」
風斬「ダメですっ!」キッパリ
ヴェント「は、はぁ?」
風斬「ふふふっ。やっぱり、ヴェントさんは面白いです」
ヴェント「~ッ!!(くっそ!!何で私はこんなクソガキに良いように……!)」
風斬「まぁ、私が持っててもどうしようもないですし、ぜひ使ってください」
ヴェント「こ、こんなもん私は使わねえよ!!っつかてめぇがアイツと行けばいいだろうが!!」
風斬「ダメですっ!」キッパリ
ヴェント「は、はぁ?」
756: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:25:17.15 ID:6DtNt1wE0
風斬「さっき言ったじゃないですか!私はもう決めたんです!ヴェントさんを応援するって!!」
風斬「だから、それはヴェントさんが使ってください」
ヴェント「いらねぇっつってんだろ!」グイッ
風斬「ダメです!」グイッ
ヴェント「いらねぇ!」グイッ
風斬「ダーメ!」グイッ
ヴェント「……(コイツ……!!)」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「もういい。ラチがあかねぇ。私は帰る」プイッ
風斬「だから、それはヴェントさんが使ってください」
ヴェント「いらねぇっつってんだろ!」グイッ
風斬「ダメです!」グイッ
ヴェント「いらねぇ!」グイッ
風斬「ダーメ!」グイッ
ヴェント「……(コイツ……!!)」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「もういい。ラチがあかねぇ。私は帰る」プイッ
757: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:25:55.83 ID:6DtNt1wE0
風斬「……え?あ、はい。ありがとうございました!」
ヴェント「……」ピタッ
風斬「……」
ヴェント「…………」
風斬「…………」
ヴェント「いい加減にしろっ!!!」
風斬「ふぇえっ!?」ビクッ
ヴェント「送っていくっつってんだよ!!早くしろや!!」
風斬「ええええ!?そんなこと言ってないじゃないですかぁ」アセアセ
ヴェント「少しぐらい脳みそ働かせて察しろよクソバカ野郎が!!」
ヴェント「……」ピタッ
風斬「……」
ヴェント「…………」
風斬「…………」
ヴェント「いい加減にしろっ!!!」
風斬「ふぇえっ!?」ビクッ
ヴェント「送っていくっつってんだよ!!早くしろや!!」
風斬「ええええ!?そんなこと言ってないじゃないですかぁ」アセアセ
ヴェント「少しぐらい脳みそ働かせて察しろよクソバカ野郎が!!」
758: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:26:22.35 ID:6DtNt1wE0
風斬「えーと、えっと、だって、そんな、悪いですよ!!」アセアセ
ヴェント「うるっせえ!!早くしろ!!自分で言うのも何だが、私は気が早いんだよ!!」ウガー
風斬「えっと、えっと、ええええっと!!?」アタフタ
ヴェント「だあああ!!まだるっこしい!!何をそんなに焦る必要があんだよ!?
家がねぇっつーことはねぇんだろ!?ストリートチルドレンかなんかなのかてめぇは!!」
風斬「っ!!」
ヴェント「……?」
ヴェント「……っ」ハッ
風斬「……へへっ、私が言う前に気づいちゃいましたか」クス
ヴェント「お前……」
風斬「恥ずかしながら、私は家なんて持っていませんよ」
ヴェント「うるっせえ!!早くしろ!!自分で言うのも何だが、私は気が早いんだよ!!」ウガー
風斬「えっと、えっと、ええええっと!!?」アタフタ
ヴェント「だあああ!!まだるっこしい!!何をそんなに焦る必要があんだよ!?
家がねぇっつーことはねぇんだろ!?ストリートチルドレンかなんかなのかてめぇは!!」
風斬「っ!!」
ヴェント「……?」
ヴェント「……っ」ハッ
風斬「……へへっ、私が言う前に気づいちゃいましたか」クス
ヴェント「お前……」
風斬「恥ずかしながら、私は家なんて持っていませんよ」
759: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:27:16.26 ID:6DtNt1wE0
風斬「まあ、当然ですよね。偶然、何も無い場所から生まれた私にきちんとした待遇なんてあるわけがないんですから」
風斬「家族ももちろんいません」
風斬「あっ、でも、別にこれは皮肉とか、そういうのではなんでもないですよ!?仕方ないことですし」アタフタ
風斬「だから私なんて気にせず――」
ヴェント「……ふん」パコッ
風斬「いひゃいっ!」
風斬「何するんですかぁっ!?」
風斬「家族ももちろんいません」
風斬「あっ、でも、別にこれは皮肉とか、そういうのではなんでもないですよ!?仕方ないことですし」アタフタ
風斬「だから私なんて気にせず――」
ヴェント「……ふん」パコッ
風斬「いひゃいっ!」
風斬「何するんですかぁっ!?」
760: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:28:03.38 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「全くてめぇはどこまで世話が焼けるんだよ」グイッ
風斬「……え!?ヴェ、ヴェントさん!?」
ヴェント「別にてめぇを憐れんでるわけでもねぇけど」
ヴェント「困ってる時に助けんのが友達っつったのはテメェだろうが!!」
風斬「……え」
ヴェント「だあああああああああああ!!!もういい!!今日!!金輪際もう私は絶対にテメェを友達とは呼ばねえ!!!」カァァ
風斬「……うえぇぇえ」グスッ
ヴェント「だから泣くんじゃねええええ!!!面倒くせええ!!!」
………………。
…………。
……。
――――――――――――――――――
――――――
―――
風斬「……え!?ヴェ、ヴェントさん!?」
ヴェント「別にてめぇを憐れんでるわけでもねぇけど」
ヴェント「困ってる時に助けんのが友達っつったのはテメェだろうが!!」
風斬「……え」
ヴェント「だあああああああああああ!!!もういい!!今日!!金輪際もう私は絶対にテメェを友達とは呼ばねえ!!!」カァァ
風斬「……うえぇぇえ」グスッ
ヴェント「だから泣くんじゃねええええ!!!面倒くせええ!!!」
………………。
…………。
……。
――――――――――――――――――
――――――
―――
761: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:28:46.35 ID:6DtNt1wE0
【バス内】
ヴェント「……」
上条「(一応遅くなるか持って書き置きしておいてよかった……)」
ヴェント「……」
上条「(しかし風斬とキャーリサって……異色な組み合わせすぎるだろ……。
二人で残して大丈夫なのかよ……。
っていうか風斬って何でいたんだ……?)」
ヴェント「……」
上条「(ヴェントはさっきから終始無言だし……)」
上条「(朝から……不幸だ…………)」
ヴェント「……」
上条「(一応遅くなるか持って書き置きしておいてよかった……)」
ヴェント「……」
上条「(しかし風斬とキャーリサって……異色な組み合わせすぎるだろ……。
二人で残して大丈夫なのかよ……。
っていうか風斬って何でいたんだ……?)」
ヴェント「……」
上条「(ヴェントはさっきから終始無言だし……)」
上条「(朝から……不幸だ…………)」
762: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:29:30.17 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
ヴェント「(何で……)」
ヴェント「(何でだ…………)」
ヴェント「(何でだあああああああああっ!!!)」
ヴェント「(何で私はコイツの顔見るだけで茹でダコみたいに干上がっちまうのわかっててコイツ誘ってんだよ!?)」
ヴェント「(こんなクッソくだらねぇチケットもらっただけで夜眠れないってどうかしてんだろ!?)」
ヴェント「(つーか破り捨てる予定がなんで翌日にはもう向かってんだよ……)」
ヴェント「(ちっくしょう……!私がどんどん私でなくなっていく!!)」ウワァァ
ヴェント「……はぁ」ウワァァ
ヴェント「(何で……)」
ヴェント「(何でだ…………)」
ヴェント「(何でだあああああああああっ!!!)」
ヴェント「(何で私はコイツの顔見るだけで茹でダコみたいに干上がっちまうのわかっててコイツ誘ってんだよ!?)」
ヴェント「(こんなクッソくだらねぇチケットもらっただけで夜眠れないってどうかしてんだろ!?)」
ヴェント「(つーか破り捨てる予定がなんで翌日にはもう向かってんだよ……)」
ヴェント「(ちっくしょう……!私がどんどん私でなくなっていく!!)」ウワァァ
ヴェント「……はぁ」ウワァァ
763: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:29:56.44 ID:6DtNt1wE0
上条「……?」チラッ
上条「……それ、何かのチケットか何かなのか?」
ヴェント「ひゃんっ!?」ビクゥッ
上条「そ、そんなに驚かなくても……」
ヴェント「テメェ……昨日だけじゃなくて今日までも……」ユラァ
上条「うぇ!?何で怒ってるんでせうか!?」
上条「……それ、何かのチケットか何かなのか?」
ヴェント「ひゃんっ!?」ビクゥッ
上条「そ、そんなに驚かなくても……」
ヴェント「テメェ……昨日だけじゃなくて今日までも……」ユラァ
上条「うぇ!?何で怒ってるんでせうか!?」
764: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:30:24.13 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「っ!」ハッ
ヴェント「……ぁ」カァァ
ヴェント「……!」チッ
上条「……?(顔が赤い?風邪でも引いたのか?)」
上条「……!!!」
上条「ヴェ、ヴェント……それは……!」
上条「まさか……温泉の……チケットか?」
ヴェント「……あぁ。そうだよ。何だ?私が娯楽施設でうつつを抜かしたらおかしいのか?
そうなのか?だったら笑えよ!!私が恥に耐えきれなくて逃げ去る位に笑っちまえばいいだろ!!」
上条「……ありがとうっ!!!」パシッ
ヴェント「……ぁ」カァァ
ヴェント「……!」チッ
上条「……?(顔が赤い?風邪でも引いたのか?)」
上条「……!!!」
上条「ヴェ、ヴェント……それは……!」
上条「まさか……温泉の……チケットか?」
ヴェント「……あぁ。そうだよ。何だ?私が娯楽施設でうつつを抜かしたらおかしいのか?
そうなのか?だったら笑えよ!!私が恥に耐えきれなくて逃げ去る位に笑っちまえばいいだろ!!」
上条「……ありがとうっ!!!」パシッ
765: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:30:51.86 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
ヴェント「…………えっ」キョトン
上条「いやぁ、俺なんかのためにそんなチケット取ってくれるなんて感動ものですよ!!」グスッ
上条「今までは家に帰っては飯を作り、就寝。そして学校。
夏休み入ってからはずっとゴタゴタ……!こんな素晴らしいサプライズがあるなんて……!日々の努力はこういう時の為に……!」ジーン
ヴェント「え、ちょっと、あの」カアァ
上条「朝から何なんだろって疑問符浮かべてごめんな!さっすがヴェントさんですよ!」
ヴェント「……(こいつ、真性の、阿呆か?)」
ヴェント「…………えっ」キョトン
上条「いやぁ、俺なんかのためにそんなチケット取ってくれるなんて感動ものですよ!!」グスッ
上条「今までは家に帰っては飯を作り、就寝。そして学校。
夏休み入ってからはずっとゴタゴタ……!こんな素晴らしいサプライズがあるなんて……!日々の努力はこういう時の為に……!」ジーン
ヴェント「え、ちょっと、あの」カアァ
上条「朝から何なんだろって疑問符浮かべてごめんな!さっすがヴェントさんですよ!」
ヴェント「……(こいつ、真性の、阿呆か?)」
766: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:31:19.44 ID:6DtNt1wE0
上条「あれ……?それじゃあ何でキャーリサたちの分まで取らなかったんだ?」
ヴェント「!!え、えっと……」
上条「……」
ヴェント「……あ~」
上条「……まぁ、そこはきっと何かあるんだろ」
ヴェント「え?」
上条「せっかくヴェントが用意してくれたのに、俺みたいなのが根掘り葉掘り聞いたらそれこそ失礼だよな」
上条「ま、上条さんはとっても楽しみですよ!」ウキウキ
ヴェント「(……コイツにしちゃ、やけに物分かりがいいな……)」
上条「(キャーリサとあんま仲良くねぇみたいだし……。俺の交友関係を押しつけるわけにもいかねぇしなぁ。
きっとせっかく日本に来たんだし観光もしたいんだろ)」
――――――――――――
ヴェント「!!え、えっと……」
上条「……」
ヴェント「……あ~」
上条「……まぁ、そこはきっと何かあるんだろ」
ヴェント「え?」
上条「せっかくヴェントが用意してくれたのに、俺みたいなのが根掘り葉掘り聞いたらそれこそ失礼だよな」
上条「ま、上条さんはとっても楽しみですよ!」ウキウキ
ヴェント「(……コイツにしちゃ、やけに物分かりがいいな……)」
上条「(キャーリサとあんま仲良くねぇみたいだし……。俺の交友関係を押しつけるわけにもいかねぇしなぁ。
きっとせっかく日本に来たんだし観光もしたいんだろ)」
――――――――――――
767: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:32:22.31 ID:6DtNt1wE0
【浴場前】
上条「うわっ……やけに大きな建物なんだな……」
ヴェント「……そうか?」
上条「え?だ、だって普通の旅館2つ分くらいの大きさありますよ?!」
ヴェント「……あぁ、そうだな。確かに考えてみるとそうかもな(私はもっとバカでけぇトコで指示受けてたから価値観がちげぇんだろ)」
上条「あっ、普通に海外観光客向けの旅館としても経営しているって書いてあるな」
ヴェント「へぇ……」
上条「うわっ……やけに大きな建物なんだな……」
ヴェント「……そうか?」
上条「え?だ、だって普通の旅館2つ分くらいの大きさありますよ?!」
ヴェント「……あぁ、そうだな。確かに考えてみるとそうかもな(私はもっとバカでけぇトコで指示受けてたから価値観がちげぇんだろ)」
上条「あっ、普通に海外観光客向けの旅館としても経営しているって書いてあるな」
ヴェント「へぇ……」
768: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:32:49.24 ID:6DtNt1wE0
上条「そ、そこには地元の饅頭屋!?後で絶対に行くしかない!!」
上条「山も目の前に……!これは絶景が拝めるってやつでせうか!?」
ヴェント「(……何でコイツこんなはしゃいでんだよ……)」
上条「まぁ、とりあえず中にはい――」
上条「あ……」
ヴェント「……?どうしたんだよ」
上条「俺は、洗面用具何にも用意してねぇ……」
ヴェント「そんなもん、私だって用意してねぇ」
上条「でぇっ!?」
ヴェント「……何だ?日本って現地で用意されてるって言うことはないのか?」
上条「あ、そっか」
ヴェント「……(バカかこいつ)」
上条「ささっ、それじゃ、早速行ってみますか!」グイッ
ヴェント「っ!……お、おう……。って引っ張んじゃねぇよ!!」
――――――――――――
上条「山も目の前に……!これは絶景が拝めるってやつでせうか!?」
ヴェント「(……何でコイツこんなはしゃいでんだよ……)」
上条「まぁ、とりあえず中にはい――」
上条「あ……」
ヴェント「……?どうしたんだよ」
上条「俺は、洗面用具何にも用意してねぇ……」
ヴェント「そんなもん、私だって用意してねぇ」
上条「でぇっ!?」
ヴェント「……何だ?日本って現地で用意されてるって言うことはないのか?」
上条「あ、そっか」
ヴェント「……(バカかこいつ)」
上条「ささっ、それじゃ、早速行ってみますか!」グイッ
ヴェント「っ!……お、おう……。って引っ張んじゃねぇよ!!」
――――――――――――
769: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:33:17.90 ID:6DtNt1wE0
【フロント】
女将「ようこそお越し下さいました。お疲れでしょう?」
上条「いえいえ。えっと、このチケットで入場したいんですけど」
女将「あ、はい……。確認いたしますので少々お待ち下さいませ」
上条「はい」
上条「(何か格式が高そうな旅館だな……)」
ヴェント「……」
女将「ようこそお越し下さいました。お疲れでしょう?」
上条「いえいえ。えっと、このチケットで入場したいんですけど」
女将「あ、はい……。確認いたしますので少々お待ち下さいませ」
上条「はい」
上条「(何か格式が高そうな旅館だな……)」
ヴェント「……」
770: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:33:46.32 ID:6DtNt1wE0
女将「お待たせいたしました」
上条「(おっ)」
女将「大変申し訳ありません」
上条「……?」
女将「こちらのチケットの有効期限が、明日から、となっておりまして」
上条「え……?」
上条「……」チラッ
ヴェント「……あ」
上条「(……やっぱり……ふこ――)」
女将「しかし、ですね」
上条「(おっ)」
女将「大変申し訳ありません」
上条「……?」
女将「こちらのチケットの有効期限が、明日から、となっておりまして」
上条「え……?」
上条「……」チラッ
ヴェント「……あ」
上条「(……やっぱり……ふこ――)」
女将「しかし、ですね」
771: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:34:12.26 ID:6DtNt1wE0
上条「……?」
女将「せっかく遠方より来て下さったお客様を追い返すわけには行きません。
今回は特別に、ということのご配慮となりました」
上条「ほ、本当ですか!?いいんですか!?」
女将「はい。し、しかし問題がございまして」
上条「そんなの何があっても全然気にしないですよ!!よかった!!ありがとうございます!!」
ヴェント「……(……問題?)」
女将「さ、左様でございますか。それでは本日のお客様のお部屋は405となっておりますので」ジャラリ
女将「せっかく遠方より来て下さったお客様を追い返すわけには行きません。
今回は特別に、ということのご配慮となりました」
上条「ほ、本当ですか!?いいんですか!?」
女将「はい。し、しかし問題がございまして」
上条「そんなの何があっても全然気にしないですよ!!よかった!!ありがとうございます!!」
ヴェント「……(……問題?)」
女将「さ、左様でございますか。それでは本日のお客様のお部屋は405となっておりますので」ジャラリ
772: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:34:51.58 ID:6DtNt1wE0
上条「部屋……?」
女将「はい。当旅館は大浴場ではなく、各個室に露天、室内、サウナを全て完備したプライベートを楽しめる作りとなっておりますので。
当日帰宅のお客様にも、個室を用意しております」
上条「そ、それはすごい……」
ヴェント「……?(普通は個室じゃねぇのか……?)」
女将「ちなみに、つかぬことをお聞きいたしますが」
女将「お客様は、その……ご夫婦、でいらっしゃいますか?」
上条・ヴェント「ぶっ!!!!」
女将「はい。当旅館は大浴場ではなく、各個室に露天、室内、サウナを全て完備したプライベートを楽しめる作りとなっておりますので。
当日帰宅のお客様にも、個室を用意しております」
上条「そ、それはすごい……」
ヴェント「……?(普通は個室じゃねぇのか……?)」
女将「ちなみに、つかぬことをお聞きいたしますが」
女将「お客様は、その……ご夫婦、でいらっしゃいますか?」
上条・ヴェント「ぶっ!!!!」
773: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:35:24.82 ID:6DtNt1wE0
上条「え、ええええと流石に夫婦ではないのでせうが……!!」アセアセ
ヴェント「どどどどどどう見たら私とコイツが夫婦に見えやがんだよ!?」アセアセ
女将「あらあら。それではお二人は恋仲同士、ということでよろしいのでしょうか?」
上条「あ、あーっと……はい(確か男女ペアチケットって書いてあったからそうでないと何かしら怪しまれるかもしれない……)」
ヴェント「っ!?」カァァァ
女将「了解いたしました」ニッコリ
女将「それでは、一応お部屋についてご忠告――」
ヴェント「どどどどどどう見たら私とコイツが夫婦に見えやがんだよ!?」アセアセ
女将「あらあら。それではお二人は恋仲同士、ということでよろしいのでしょうか?」
上条「あ、あーっと……はい(確か男女ペアチケットって書いてあったからそうでないと何かしら怪しまれるかもしれない……)」
ヴェント「っ!?」カァァァ
女将「了解いたしました」ニッコリ
女将「それでは、一応お部屋についてご忠告――」
774: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:35:56.79 ID:6DtNt1wE0
「第一の質問ですが、何で貴方と私が日本をこうして訪れ、観光まがいの行動をしているのでしょうか?」
「あっらーん♪?もーう、せっかく日本に来たのだから、そんな堅いことい・わ・な・い・の?」モニュ
「第一の解答ですが、私は至極真っ当なことを申しているだけです。
そして」
「第一の通告ですが、その手は災いのもとですよ」バキィ
「あはぁん♪」ドガ
女将「お、お客様!?館内でのそのような行為はお控えください!!」パタパタ
「あっらーん♪?もーう、せっかく日本に来たのだから、そんな堅いことい・わ・な・い・の?」モニュ
「第一の解答ですが、私は至極真っ当なことを申しているだけです。
そして」
「第一の通告ですが、その手は災いのもとですよ」バキィ
「あはぁん♪」ドガ
女将「お、お客様!?館内でのそのような行為はお控えください!!」パタパタ
775: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:36:43.22 ID:6DtNt1wE0
上条「……(何か騒がしいみたいだけど)」
ヴェント「……行くぞ」
上条「へ、で、でも待たなくてもいいんでせうか?」
ヴェント「バスに乗り過ぎて少し疲れたんでね。
それに客を通すんだから、そんなに大きな問題があるわけじゃねぇだろ」ファァ
上条「(そ、それもそうなのか?)」
ヴェント「さ、もたもたしてっと置いていくぞ」スタスタ
上条「お、おう(……ま、重要なことだったら後で言いに来ます……よね?)」
――――――――――
776: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:37:11.22 ID:6DtNt1wE0
【405】
上条「おお……予想より遥かに大きい……!」
上条「眺めも最高ですね!!」ワクワク
ヴェント「何をそんなにはしゃぐことがあんだよ……」
上条「だ、だって日帰りって言っても旅館ですよ!?
上条さんいつ以来かわからないですよ……!」
ヴェント「……そんなもんかねぇ」
上条「おお……予想より遥かに大きい……!」
上条「眺めも最高ですね!!」ワクワク
ヴェント「何をそんなにはしゃぐことがあんだよ……」
上条「だ、だって日帰りって言っても旅館ですよ!?
上条さんいつ以来かわからないですよ……!」
ヴェント「……そんなもんかねぇ」
777: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:37:39.53 ID:6DtNt1wE0
上条「上条さんの気分はただいま最高潮ですよ!!」
ヴェント「……へぇ。そいつは良かったね」
上条「いやあ一時はどうなることかと思ったけど、やっぱり来てよかったぜ」
上条「本当にありがとなっ!」ニコ
ヴェント「!!」
ヴェント「わ、私は別に……!!たまたま手に入ったものが条件付きだったからてめぇを誘っただけで――!!」アセアセ
上条「それでもだよ!」
ヴェント「……っうぅ」カァァ
ヴェント「……へぇ。そいつは良かったね」
上条「いやあ一時はどうなることかと思ったけど、やっぱり来てよかったぜ」
上条「本当にありがとなっ!」ニコ
ヴェント「!!」
ヴェント「わ、私は別に……!!たまたま手に入ったものが条件付きだったからてめぇを誘っただけで――!!」アセアセ
上条「それでもだよ!」
ヴェント「……っうぅ」カァァ
778: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:38:06.61 ID:6DtNt1wE0
上条「まぁ、でも」
上条「……インデックス達もこれたら、良かったんだけどな」
ヴェント「……」ハッ
上条「ま、しょうがないよな。俺たちだけでも楽しんでかないと!」
ヴェント「……」
ヴェント「……はん」
ヴェント「観光気分で来てるのはてめぇだけだよ、バカが」フン
上条「……インデックス達もこれたら、良かったんだけどな」
ヴェント「……」ハッ
上条「ま、しょうがないよな。俺たちだけでも楽しんでかないと!」
ヴェント「……」
ヴェント「……はん」
ヴェント「観光気分で来てるのはてめぇだけだよ、バカが」フン
779: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:38:39.37 ID:6DtNt1wE0
上条「え、えっと?(怒ってらっしゃいますか……?)」オドオド
ヴェント「……私は先に風呂に入る」フン
上条「え、ええっと、ヴェントさん?ぜひ良ければ一緒にそこら辺を見に――」
ヴェント「一人で行って来いボケが」バタン
上条「……」
上条「…………一人で回る、か……」
―――――――――――――
ヴェント「……私は先に風呂に入る」フン
上条「え、ええっと、ヴェントさん?ぜひ良ければ一緒にそこら辺を見に――」
ヴェント「一人で行って来いボケが」バタン
上条「……」
上条「…………一人で回る、か……」
―――――――――――――
780: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:39:12.97 ID:6DtNt1wE0
30分後...
カポン...
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「…………ふぅ」チャプ
ヴェント「(何で、あの時腹が立ったんだろ……)」
ヴェント「(……別にアイツが何をしたところで構わないはずなのに、何であお一言が……)」
ヴェント「(…………)」
ヴェント「(………………)」
カポン...
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「…………ふぅ」チャプ
ヴェント「(何で、あの時腹が立ったんだろ……)」
ヴェント「(……別にアイツが何をしたところで構わないはずなのに、何であお一言が……)」
ヴェント「(…………)」
ヴェント「(………………)」
781: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:39:41.14 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「(……がぁあああっっ!!わっかんねぇ!!)」
ヴェント「(何だよ?!恋っつーのはこんなにイライラするもんなのかよ!?何なんだよ!?)」
ヴェント「(……あ"あ"あ"……!!)」
ヴェント「……っ!」ハッ
ヴェント「(……私はガキかよ……)」ハァ
ヴェント「(……)」ブクブク
ヴェント「……」チラッ
ヴェント「(……ま、確かに見ていてダリィような風景では、ないカナ)」
ヴェント「……」
ヴェント「(少し、逆上せてきたかな……)」
ヴェント「(上がるか……)」ザバァッ
ヴェント「(何だよ?!恋っつーのはこんなにイライラするもんなのかよ!?何なんだよ!?)」
ヴェント「(……あ"あ"あ"……!!)」
ヴェント「……っ!」ハッ
ヴェント「(……私はガキかよ……)」ハァ
ヴェント「(……)」ブクブク
ヴェント「……」チラッ
ヴェント「(……ま、確かに見ていてダリィような風景では、ないカナ)」
ヴェント「……」
ヴェント「(少し、逆上せてきたかな……)」
ヴェント「(上がるか……)」ザバァッ
782: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:40:18.02 ID:6DtNt1wE0
ガララッ
ヴェント「……ぇ?」
上条「あー、饅頭マジ美味かったなぁ」
上条「しっかし、まさかあんなに餡がつまってるとは……」
上条「あ、そういえば。インデックス達へのお土産決めてなかったな。あれで決まり、か?」
上条「そうと決まれば後でもう一回行かない――」チラッ
ヴェント「……」
上条「……と」
ヴェント「ふ、ふにゃああああああああああああ!?!!!!」ザバァッ
ヴェント「……ぇ?」
上条「あー、饅頭マジ美味かったなぁ」
上条「しっかし、まさかあんなに餡がつまってるとは……」
上条「あ、そういえば。インデックス達へのお土産決めてなかったな。あれで決まり、か?」
上条「そうと決まれば後でもう一回行かない――」チラッ
ヴェント「……」
上条「……と」
ヴェント「ふ、ふにゃああああああああああああ!?!!!!」ザバァッ
783: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:40:51.23 ID:6DtNt1wE0
上条「え、え、え、え、えええええ!?!!?な、何でヴェントさんこっちに!?!」
ヴェント「う、うるせえ!!それはテメェだろうが!!!!」
上条「うぇぇ!?俺でせうか!?で、でも俺は男子用更衣室に入って普通に……!」チラッ
上条「……」
上条「……あれぇ~?」
ヴェント「……な、何だよ!?!??!」ブクブク
上条「ここ、子連れの夫婦用の、混浴風呂みたい……です」ピラッ
ヴェント「……(……問題あり過ぎだろうがああ!?!)」カァァ
ヴェント「っていうか早くテメェ出て行きやがれっ!!!!ブチ殺されてえのか!?!」
上条「は、はい!!」
上条「早々に俺は出ますからっ!!」カチッ
ヴェント「う、うるせえ!!それはテメェだろうが!!!!」
上条「うぇぇ!?俺でせうか!?で、でも俺は男子用更衣室に入って普通に……!」チラッ
上条「……」
上条「……あれぇ~?」
ヴェント「……な、何だよ!?!??!」ブクブク
上条「ここ、子連れの夫婦用の、混浴風呂みたい……です」ピラッ
ヴェント「……(……問題あり過ぎだろうがああ!?!)」カァァ
ヴェント「っていうか早くテメェ出て行きやがれっ!!!!ブチ殺されてえのか!?!」
上条「は、はい!!」
上条「早々に俺は出ますからっ!!」カチッ
784: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:41:21.56 ID:6DtNt1wE0
上条「……?」
上条「え……?カチッって……?」
上条「(と、とりあえず早くでねぇと!)」ガシャ
上条「……」ガシャガシャ
上条「…………」ガシャガシャ
ヴェント「な、何遊んでやがんだよ!!」
上条「たははは……。あの、ヴェントさん……」
ヴェント「無駄口叩く前に早く――!」
上条「え……?カチッって……?」
上条「(と、とりあえず早くでねぇと!)」ガシャ
上条「……」ガシャガシャ
上条「…………」ガシャガシャ
ヴェント「な、何遊んでやがんだよ!!」
上条「たははは……。あの、ヴェントさん……」
ヴェント「無駄口叩く前に早く――!」
785: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:42:06.48 ID:6DtNt1wE0
上条「……『小さいお子様が勝手に出れないようにスイッチを設置しました』」
ヴェント「!?」
上条「『こちらを押すことによって部屋の入り口で設定した時間分、扉をロックします』」
上条「『もし誤って押してしまい、閉じ込められてしまった場合、そのまま待っていただくか、洗い場横にありますコーリングボタンでスタッフが向かいますので』」
上条「『そちらの方のご利用よろしくお願いします』」
上条「『只今、小さなお子様のトラブルが多発している為の緊急措置でございますので、御不便をおかけしてしまいまして申し訳ございません』」
上条「『当方、よりよいサービスを提供できるよう、ただいま大至急対応中でございますので、どうぞご理解、ご協力のほどよろしくお願いします』」
ヴェント「!?」
上条「『こちらを押すことによって部屋の入り口で設定した時間分、扉をロックします』」
上条「『もし誤って押してしまい、閉じ込められてしまった場合、そのまま待っていただくか、洗い場横にありますコーリングボタンでスタッフが向かいますので』」
上条「『そちらの方のご利用よろしくお願いします』」
上条「『只今、小さなお子様のトラブルが多発している為の緊急措置でございますので、御不便をおかけしてしまいまして申し訳ございません』」
上条「『当方、よりよいサービスを提供できるよう、ただいま大至急対応中でございますので、どうぞご理解、ご協力のほどよろしくお願いします』」
786: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:43:09.20 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
上条「……らしいです。更衣室が分けてあるのも、例え夫婦とはいえプライベーティングスペースをきっちりと持っていただく為、って……」タラー
ヴェント「……」
上条「で、でも大丈夫ですよ!?もちろん上条さんは浴室には近づきませんからっ!!」アセアセ
ヴェント「……それ、時間はどのくらいなんだよ」
上条「え?……タイマーには、あと20分と……書いてありますね」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「……んとにテメェは脳足りんな野郎だな……」
上条「す、すいません……」
上条「……らしいです。更衣室が分けてあるのも、例え夫婦とはいえプライベーティングスペースをきっちりと持っていただく為、って……」タラー
ヴェント「……」
上条「で、でも大丈夫ですよ!?もちろん上条さんは浴室には近づきませんからっ!!」アセアセ
ヴェント「……それ、時間はどのくらいなんだよ」
上条「え?……タイマーには、あと20分と……書いてありますね」
ヴェント「……はぁ」
ヴェント「……んとにテメェは脳足りんな野郎だな……」
上条「す、すいません……」
787: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:43:37.99 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
ヴェント「…………いいよ」
上条「……へ?」
ヴェント「……っ!」カァァ
ヴェント「だ、だから!!別にいても問題ねぇって言ってるだろうがぁ!」ウガー
上条「え、ええええ!?」
ヴェント「そんなとこにいたらテメェの体調が崩れることは明白だし……。
それで私が責められちゃたまったもんじゃないんでね!!」
ヴェント「(わ、私は何を言っているんだよぉぉぉぉ!??!)」ブクブク
ヴェント「…………いいよ」
上条「……へ?」
ヴェント「……っ!」カァァ
ヴェント「だ、だから!!別にいても問題ねぇって言ってるだろうがぁ!」ウガー
上条「え、ええええ!?」
ヴェント「そんなとこにいたらテメェの体調が崩れることは明白だし……。
それで私が責められちゃたまったもんじゃないんでね!!」
ヴェント「(わ、私は何を言っているんだよぉぉぉぉ!??!)」ブクブク
788: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:44:06.68 ID:6DtNt1wE0
チャポン...
上条「……え、えっと」
上条「……いいんですか?」
ヴェント「……何がだよ……」
上条「いや、俺が入ってても」
ヴェント「思い出させんじゃねぇよ……。
せっかくテメェを石コロだと思いこんでんのによ……」カァァ
上条「ご、ごめん!でも、絶対に後ろは見ないから!!」ビクッ
ヴェント「……ったりまえだろ……」チャプ
上条「……」カチコチ
上条「……え、えっと」
上条「……いいんですか?」
ヴェント「……何がだよ……」
上条「いや、俺が入ってても」
ヴェント「思い出させんじゃねぇよ……。
せっかくテメェを石コロだと思いこんでんのによ……」カァァ
上条「ご、ごめん!でも、絶対に後ろは見ないから!!」ビクッ
ヴェント「……ったりまえだろ……」チャプ
上条「……」カチコチ
789: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:44:32.86 ID:6DtNt1wE0
上条「…………(そういえば……)」ハッ
上条「(よーく考えたら俺は昨日も風呂場で……今年の夏は水難の相でも出ているんですかね……)」
上条「(あの時はキャーリサだったけど……今度は後ろにヴェ、ヴェントが……)」
上条「……」ポワーン
上条「」ボンッ
上条「(だ、駄目だ駄目だ!!そんな雑念を抱いてしまっては!!」ブンブン
ヴェント「……」
上条「(そ、外の綺麗な景色でも眺めて気を紛らわさねぇと!!)」アセアセ
上条「(よーく考えたら俺は昨日も風呂場で……今年の夏は水難の相でも出ているんですかね……)」
上条「(あの時はキャーリサだったけど……今度は後ろにヴェ、ヴェントが……)」
上条「……」ポワーン
上条「」ボンッ
上条「(だ、駄目だ駄目だ!!そんな雑念を抱いてしまっては!!」ブンブン
ヴェント「……」
上条「(そ、外の綺麗な景色でも眺めて気を紛らわさねぇと!!)」アセアセ
790: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:44:59.34 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
ヴェント「……あ、あのさぁっ」
上条「……ん?」
ヴェント「さ、さっきは、その……」
上条「あ……」
上条「(そういえば、怒ってらっしゃるんでした……)」
ヴェント「その……」
ヴェント「わ、悪かったな……」ブクブク
上条「……へ?」
ヴェント「……あ、あのさぁっ」
上条「……ん?」
ヴェント「さ、さっきは、その……」
上条「あ……」
上条「(そういえば、怒ってらっしゃるんでした……)」
ヴェント「その……」
ヴェント「わ、悪かったな……」ブクブク
上条「……へ?」
791: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:46:08.21 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「いや、だから、私が勝手にキレちまっただけだから、そ、その気にすんな」
ヴェント「ただ、何かイラついちまっただけ、で」
ヴェント「その……」グスッ
ヴェント「……っ!?(な、なぁ!?何で涙が出てくるんだよ!?)」
ヴェント「(く、くそいつもいつも私の涙腺はどうにかなってんじゃねぇのか!?)」
上条「いやいや、謝るのは俺の方ですよ」
ヴェント「え?」
ヴェント「ただ、何かイラついちまっただけ、で」
ヴェント「その……」グスッ
ヴェント「……っ!?(な、なぁ!?何で涙が出てくるんだよ!?)」
ヴェント「(く、くそいつもいつも私の涙腺はどうにかなってんじゃねぇのか!?)」
上条「いやいや、謝るのは俺の方ですよ」
ヴェント「え?」
792: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:46:36.22 ID:6DtNt1wE0
上条「昨日とか、雨降ったのに、迎えにもいけなかったし。
それに、今日だってヴェントが疲れているのに俺一人ではしゃいじまってたしな」
上条「ほんとに、悪かった」
ヴェント「っ!?」
ヴェント「は、はん!私は別に雨に打たれて病んじまうような人間ではないって分かってんだろ?
しかも今日は私が人数合わせでお前を誘っただけだし」
上条「いや、ヴェントが強いとか、俺が人数合わせとか、そうじゃなくて」
上条「ヴェントだって、立派な女の子だし」
ヴェント「っ!?」カァァ
それに、今日だってヴェントが疲れているのに俺一人ではしゃいじまってたしな」
上条「ほんとに、悪かった」
ヴェント「っ!?」
ヴェント「は、はん!私は別に雨に打たれて病んじまうような人間ではないって分かってんだろ?
しかも今日は私が人数合わせでお前を誘っただけだし」
上条「いや、ヴェントが強いとか、俺が人数合わせとか、そうじゃなくて」
上条「ヴェントだって、立派な女の子だし」
ヴェント「っ!?」カァァ
793: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:47:12.72 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「な、何言ってやがんだよ!?私はそこら辺のチャラけたバカ女たちとは――!」
上条「まぁ、男の俺がだらしねぇって、話ですよ」
上条「だから、本当に今謝りたい。ごめんな」
上条「俺、今日も来るまでお前に甘えてたし……。もうちっと頭冷やさないとな」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」キュピーン
ヴェント「……そっ、それじゃあ」
上条「まぁ、男の俺がだらしねぇって、話ですよ」
上条「だから、本当に今謝りたい。ごめんな」
上条「俺、今日も来るまでお前に甘えてたし……。もうちっと頭冷やさないとな」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」キュピーン
ヴェント「……そっ、それじゃあ」
794: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:47:49.57 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「お前が本当に謝る気があるなら」
上条「……?」
ヴェント「い、今、その……肩合わせても、いい?」カァァ
上条「……へ?」
上条「ええええええ!?な、ええっ?!!」
ヴェント「か、勘違いすんなよ!?私はずっとはいってるから少し逆上せそうなだけで!!
その!!お前は私より図体でかいしあとから入ってきたから冷えてるって言うか!!ああもう!!」
上条「きゅ、急にそんなこと言われましても言葉の準備が!??!」アタフタ
ヴェント「い、嫌ならいいんだよ!!別に私だって好きでやってるわけじゃねえんだしっ!!(私のバカ私のバカ私のバカァァ!!)」
上条「……?」
ヴェント「い、今、その……肩合わせても、いい?」カァァ
上条「……へ?」
上条「ええええええ!?な、ええっ?!!」
ヴェント「か、勘違いすんなよ!?私はずっとはいってるから少し逆上せそうなだけで!!
その!!お前は私より図体でかいしあとから入ってきたから冷えてるって言うか!!ああもう!!」
上条「きゅ、急にそんなこと言われましても言葉の準備が!??!」アタフタ
ヴェント「い、嫌ならいいんだよ!!別に私だって好きでやってるわけじゃねえんだしっ!!(私のバカ私のバカ私のバカァァ!!)」
795: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:48:49.82 ID:6DtNt1wE0
上条「きゅ、急にそんなこと言われましても言葉の準備が!??!」アタフタ
ヴェント「い、嫌ならいいんだよ!!別に私だって好きでやってるわけじゃねえんだ!!」
上条「……(お、俺も男だ!!腹をくくろう!!)」
上条「……ま、まぁ俺で構わないなら別に大丈夫です!!」カァァ
ヴェント「……!」
ヴェント「……い、いいの?」
上条「あ、あぁ。お前が構わないなら、俺は別に……」
ヴェント「い、嫌ならいいんだよ!!別に私だって好きでやってるわけじゃねえんだ!!」
上条「……(お、俺も男だ!!腹をくくろう!!)」
上条「……ま、まぁ俺で構わないなら別に大丈夫です!!」カァァ
ヴェント「……!」
ヴェント「……い、いいの?」
上条「あ、あぁ。お前が構わないなら、俺は別に……」
796: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:51:22.22 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「そ、それじゃあ……」
上条「……」ゴクリッ
ヴェント「……」
ヴェント「…………っ(何でこんなこと……!?私どうしちまったんだよ……)」カァァ
ヴェント「………………(あぁぁ!!もう、どうにでもなれっ!!)」ススススッ
ヴェント「…………」ピトッ
上条「……」ゴクリッ
ヴェント「……」
ヴェント「…………っ(何でこんなこと……!?私どうしちまったんだよ……)」カァァ
ヴェント「………………(あぁぁ!!もう、どうにでもなれっ!!)」ススススッ
ヴェント「…………」ピトッ
797: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:51:49.90 ID:6DtNt1wE0
上条「……!!」フニュ
上条「(な、何か柔らかくて暖かい感触が……!)」アワワワ
ヴェント「……」カァァ
上条「……ど、どうですか」
ヴェント「……べ、別にどうって……予想通りひんやりしていて、その」
ヴェント「気持ち、いいかな……」
上条「え、えと!?そ、そ、そうですか!!!それは良かったです!!」
上条「(いつもとのギャップとその声は破壊力高すぎですって!?)」ブッ
上条「(な、何か柔らかくて暖かい感触が……!)」アワワワ
ヴェント「……」カァァ
上条「……ど、どうですか」
ヴェント「……べ、別にどうって……予想通りひんやりしていて、その」
ヴェント「気持ち、いいかな……」
上条「え、えと!?そ、そ、そうですか!!!それは良かったです!!」
上条「(いつもとのギャップとその声は破壊力高すぎですって!?)」ブッ
798: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:52:28.52 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……お、お前は何ともないか?嫌……じゃないのか?」
上条「お、俺はなんともないですよ!?(むしろ、幸運な気がしますけども!!これは!!)」
ヴェント「……そっか」
ヴェント「…………えへへ」チャプッ
上条「っ!!!!」ドキーン
上条「(こ、これは……ど、どうにかしないと理性が……!)」ブクブク
上条「お、俺はなんともないですよ!?(むしろ、幸運な気がしますけども!!これは!!)」
ヴェント「……そっか」
ヴェント「…………えへへ」チャプッ
上条「っ!!!!」ドキーン
上条「(こ、これは……ど、どうにかしないと理性が……!)」ブクブク
799: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:53:48.30 ID:6DtNt1wE0
上条「……」
ヴェント「…………」チラッ
上条「…………」アセアセ
ヴェント「っ」キュン
ヴェント「……」
ヴェント「……あの、さ」
上条「……え?」
ヴェント「お前が本当に気にしないんだったらさ、そ、その……」
ヴェント「別に私に触っても――」
【ピーピーピー】
ヴェント「…………」チラッ
上条「…………」アセアセ
ヴェント「っ」キュン
ヴェント「……」
ヴェント「……あの、さ」
上条「……え?」
ヴェント「お前が本当に気にしないんだったらさ、そ、その……」
ヴェント「別に私に触っても――」
【ピーピーピー】
800: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:54:33.16 ID:6DtNt1wE0
上条「!」
ヴェント「……あ」
上条「そ、それじゃあ開いたみたいなんで!!俺は出ますね!!!」ザバァッ
上条「ヴェ、ヴェントも逆上せそうだったら早めに出た方がいいですよ!!!それじゃ!!」ガララ
バタバタ
ピシャ
ヴェント「……あ」
上条「そ、それじゃあ開いたみたいなんで!!俺は出ますね!!!」ザバァッ
上条「ヴェ、ヴェントも逆上せそうだったら早めに出た方がいいですよ!!!それじゃ!!」ガララ
バタバタ
ピシャ
801: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/26(月) 22:55:00.42 ID:6DtNt1wE0
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「(わ、私は)」
ヴェント「(私は今何を口走ろうとしてんだよぉぉぉぉ―――――ッ!?!?!」ブクブク
ヴェント「(で、でも……)」
ヴェント「(何か、あの時は……触れてほしかった……っていうか……)」
ヴェント「……」カァァ
ヴェント「…………もう、いやだよぉ……」ブクブクブクブク...
――――――――――――――
ヴェント「…………」
ヴェント「(わ、私は)」
ヴェント「(私は今何を口走ろうとしてんだよぉぉぉぉ―――――ッ!?!?!」ブクブク
ヴェント「(で、でも……)」
ヴェント「(何か、あの時は……触れてほしかった……っていうか……)」
ヴェント「……」カァァ
ヴェント「…………もう、いやだよぉ……」ブクブクブクブク...
――――――――――――――
815: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/27(火) 23:45:09.70 ID:c/5hm3/P0
【マンション】
風斬「……」
風斬「……う、うん……」ウニュ
風斬「……?」
風斬「……ふぁ」
風斬「…………」
風斬「……」ハッ
風斬「ここは……?」
風斬「……」
風斬「……う、うん……」ウニュ
風斬「……?」
風斬「……ふぁ」
風斬「…………」
風斬「……」ハッ
風斬「ここは……?」
818: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:01:52.57 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「おはよう」
風斬「!」
キャーリサ「ぐっすり寝ていたみたいだね」
キャーリサ「朝ご飯は今作っているからぜひ食べるといいし」カタカタ
風斬「え、えと……」
風斬「っ!」ハッ
風斬「そ、そういえば私、ヴェントさんに昨日の夜に連れてきてもらって……えっと」
風斬「!」
キャーリサ「ぐっすり寝ていたみたいだね」
キャーリサ「朝ご飯は今作っているからぜひ食べるといいし」カタカタ
風斬「え、えと……」
風斬「っ!」ハッ
風斬「そ、そういえば私、ヴェントさんに昨日の夜に連れてきてもらって……えっと」
819: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:02:18.56 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「あぁ、分かっているよ。帰って来た時に少し物音が聞こえたしな」
風斬「勝手にお邪魔しちゃってすいません……」
キャーリサ「はは、気にしないでいいし」
風斬「……あ、私もお手伝いしますっ!」
キャーリサ「おぉ、そうしてくれると助かるの」
風斬「それじゃあ私は……えっと」
キャーリサ「あ、お皿を出しておいてほしいし。ついでにこのグラスにグリーンティーも」
風斬「はいっ!」
風斬「勝手にお邪魔しちゃってすいません……」
キャーリサ「はは、気にしないでいいし」
風斬「……あ、私もお手伝いしますっ!」
キャーリサ「おぉ、そうしてくれると助かるの」
風斬「それじゃあ私は……えっと」
キャーリサ「あ、お皿を出しておいてほしいし。ついでにこのグラスにグリーンティーも」
風斬「はいっ!」
820: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:02:52.47 ID:yFcYvWgr0
15分後
風斬「こ、これとっても美味しいです」ポワーン
キャーリサ「ん、いい出来なの♪」
風斬「見た目はただのハムトーストに見えるのに……何か隠し味でもあるんですか?」
キャーリサ「ふふふふ、知りたいのか?」
風斬「はいっ!」キラキラ
キャーリサ「素直でとっても良いことだし」ナデナデ
風斬「こ、これとっても美味しいです」ポワーン
キャーリサ「ん、いい出来なの♪」
風斬「見た目はただのハムトーストに見えるのに……何か隠し味でもあるんですか?」
キャーリサ「ふふふふ、知りたいのか?」
風斬「はいっ!」キラキラ
キャーリサ「素直でとっても良いことだし」ナデナデ
821: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:03:48.50 ID:yFcYvWgr0
風斬「あうっ……」
キャーリサ「私の入れた隠し味……それは……。それは、これだしっ!」ドン
風斬「……な、ナツメグ、ですか!」
キャーリサ「そう!以前、上条の知人宅でご飯を振るまった時に適当に買ってみた代物だし!
……これが何にでも合うの!」フフン
風斬「わ、私はナツメグはハンバーグに入れるってことしか知らなかったから新鮮です」
キャーリサ「そうか……肉と合わせてみてもいいかもしれないな」
キャーリサ「実に良いことを聴いたし。よくやったの」ナデナデ
風斬「あうぅ……(何か頭撫でられると恥ずかしいよぉ……)」カァァ
キャーリサ「私の入れた隠し味……それは……。それは、これだしっ!」ドン
風斬「……な、ナツメグ、ですか!」
キャーリサ「そう!以前、上条の知人宅でご飯を振るまった時に適当に買ってみた代物だし!
……これが何にでも合うの!」フフン
風斬「わ、私はナツメグはハンバーグに入れるってことしか知らなかったから新鮮です」
キャーリサ「そうか……肉と合わせてみてもいいかもしれないな」
キャーリサ「実に良いことを聴いたし。よくやったの」ナデナデ
風斬「あうぅ……(何か頭撫でられると恥ずかしいよぉ……)」カァァ
822: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:04:30.55 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「それにしても……」
風斬「?」
キャーリサ「上条達は一体どこへ行ったのやら」ハァ
風斬「……!」
キャーリサ「『少し出かけてくる。早めに帰ってこなかったら遅くなるかも』って書き置きがあるんだが」ピラッ
キャーリサ「この曖昧さはすさまじいものだし……」ハァ
風斬「?」
キャーリサ「上条達は一体どこへ行ったのやら」ハァ
風斬「……!」
キャーリサ「『少し出かけてくる。早めに帰ってこなかったら遅くなるかも』って書き置きがあるんだが」ピラッ
キャーリサ「この曖昧さはすさまじいものだし……」ハァ
823: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:05:00.91 ID:yFcYvWgr0
風斬「ふふっ。上条さん、どうしたんでしょうね?」クスクス
風斬「(きっとヴェントさんが誘ったんだよね……?頑張れっ!ヴェントさんっ)」
キャーリサ「全くだし。何をそんなに慌てているのやら」クスクス
キャーリサ「……でも」
キャーリサ「…………彼がいないと、私は何もすることがないなぁ……」
風斬「(きっとヴェントさんが誘ったんだよね……?頑張れっ!ヴェントさんっ)」
キャーリサ「全くだし。何をそんなに慌てているのやら」クスクス
キャーリサ「……でも」
キャーリサ「…………彼がいないと、私は何もすることがないなぁ……」
824: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:05:52.52 ID:yFcYvWgr0
風斬「……」ハッ
風斬「…………あの」
キャーリサ「ん?」
風斬「も、もし間違っていたら本当にすいませんっ!!」
キャーリサ「おやおや、言う前から謝るなんて、それこそ相手を驚かせてしまって失礼だし」
風斬「あわわわっ!!す、すいませぇん!!」アセアセ
風斬「…………あの」
キャーリサ「ん?」
風斬「も、もし間違っていたら本当にすいませんっ!!」
キャーリサ「おやおや、言う前から謝るなんて、それこそ相手を驚かせてしまって失礼だし」
風斬「あわわわっ!!す、すいませぇん!!」アセアセ
825: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:06:27.23 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「ふふ、冗談だよ冗談。茶々を入れてすまないね。どうしたの?」
風斬「……はい、えっと」
風斬「あ、あの、キャーリサさんは……」
風斬「キャーリサさんは、上条君のこと、その……」
キャーリサ「好意は抱いているよ」
風斬「……っ!!」
キャーリサ「先読みしてすまない。ただ、もうわかりきったことだったので、ね」クスクス
風斬「……はい、えっと」
風斬「あ、あの、キャーリサさんは……」
風斬「キャーリサさんは、上条君のこと、その……」
キャーリサ「好意は抱いているよ」
風斬「……っ!!」
キャーリサ「先読みしてすまない。ただ、もうわかりきったことだったので、ね」クスクス
826: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:07:02.67 ID:yFcYvWgr0
風斬「え、えっと……それじゃあ上条さんにはその想いは……?」
キャーリサ「……?それはどういうことかな?」
風斬「わ、わかりにくくてすいませんっ!
上条さんには、そのそのお気持は……伝えたんですか……?」
キャーリサ「あぁ。そういうことか」
キャーリサ「伝えたよ」
風斬「!?」
キャーリサ「……と言ったら、どうするの?」
風斬「え、えと……あのぅ……」
キャーリサ「……」
風斬「……そ、それは、その……」
キャーリサ「……ぷっ」
風斬「え……?」
キャーリサ「ははははっ。君をからかうのは面白いしっ」クスクス
キャーリサ「……?それはどういうことかな?」
風斬「わ、わかりにくくてすいませんっ!
上条さんには、そのそのお気持は……伝えたんですか……?」
キャーリサ「あぁ。そういうことか」
キャーリサ「伝えたよ」
風斬「!?」
キャーリサ「……と言ったら、どうするの?」
風斬「え、えと……あのぅ……」
キャーリサ「……」
風斬「……そ、それは、その……」
キャーリサ「……ぷっ」
風斬「え……?」
キャーリサ「ははははっ。君をからかうのは面白いしっ」クスクス
827: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:07:31.15 ID:yFcYvWgr0
風斬「あうぅ……」シュン
キャーリサ「……まだ何も言っていないよ。それが何か?」
風斬「そ、そうですか!」ホッ
風斬「い、いえ。別にどうってことはなくて、気になっただけというか……」タハハ
キャーリサ「ヴェントも、彼のことを好いているのだろう?」
風斬「!!!?」
風斬「し、知っていたんですか!?」アセアセ
キャーリサ「あんなにハッキリした態度で気付かないのはあのバカ男くらいだし」クスクス
風斬「た、確かに……」
キャーリサ「……まだ何も言っていないよ。それが何か?」
風斬「そ、そうですか!」ホッ
風斬「い、いえ。別にどうってことはなくて、気になっただけというか……」タハハ
キャーリサ「ヴェントも、彼のことを好いているのだろう?」
風斬「!!!?」
風斬「し、知っていたんですか!?」アセアセ
キャーリサ「あんなにハッキリした態度で気付かないのはあのバカ男くらいだし」クスクス
風斬「た、確かに……」
828: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:07:57.17 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「……私は、フェアに行くつもりだよ。何事もね」
キャーリサ「だから、抜け駆けなんてしないし、させない」
風斬「……っ」ビクッ
風斬「そ、そうですよねっ(ヴェ、ヴェントさん……ライバルはとても強大ですよ……)」
キャーリサ「まぁ、この話は置いておいて」
風斬「は、はいっ」
キャーリサ「今日の話なんだけど」
キャーリサ「せっかくやぼったい男は抜きで、女性しかいないんだ。少し買い物にでも一緒に行ってくれないかな?」
風斬「!」
風斬「は、はいっ!喜んでっ!!」
キャーリサ「……ありがとう」ニコッ
キャーリサ「だから、抜け駆けなんてしないし、させない」
風斬「……っ」ビクッ
風斬「そ、そうですよねっ(ヴェ、ヴェントさん……ライバルはとても強大ですよ……)」
キャーリサ「まぁ、この話は置いておいて」
風斬「は、はいっ」
キャーリサ「今日の話なんだけど」
キャーリサ「せっかくやぼったい男は抜きで、女性しかいないんだ。少し買い物にでも一緒に行ってくれないかな?」
風斬「!」
風斬「は、はいっ!喜んでっ!!」
キャーリサ「……ありがとう」ニコッ
829: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:08:54.78 ID:yFcYvWgr0
キャーリサ「でも、その格好じゃあ少し外に出れないかもしれないし」ピッ
風斬「……へ?」
風斬「…………」チラッ
風斬「!??!?!?!」
風斬「わ、私は何で裸にYシャツだけなんですかぁぁっ!?」ババッ
キャーリサ「起きた時から寒くないのかとは思っていたのだけれど……気づいていなかったのか?」
風斬「そ、そういえば私の服は昨日の雨に濡れて……洗濯してもらって、そのまま……」
風斬「ふ、ふぇぇぇえええっ!!わ、私ぃ!!」ビェェ
キャーリサ「ふふ、泣かないのっ。私の服、洗面台に置いてあるから、ぜひそれを着るといいし」
風斬「……へ?」
風斬「…………」チラッ
風斬「!??!?!?!」
風斬「わ、私は何で裸にYシャツだけなんですかぁぁっ!?」ババッ
キャーリサ「起きた時から寒くないのかとは思っていたのだけれど……気づいていなかったのか?」
風斬「そ、そういえば私の服は昨日の雨に濡れて……洗濯してもらって、そのまま……」
風斬「ふ、ふぇぇぇえええっ!!わ、私ぃ!!」ビェェ
キャーリサ「ふふ、泣かないのっ。私の服、洗面台に置いてあるから、ぜひそれを着るといいし」
830: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:09:20.32 ID:yFcYvWgr0
風斬「……え、いいんですか!?」グスッ
キャーリサ「あぁ。選択したばかりで畳んでから一時間と経ってないから少し固いかもしれないが、それでいいなら」ナデナデ
風斬「あ、ありがとうございます!!」
キャーリサ「いえいえ。可愛いのにずっと制服じゃ、もったいないと思っていたところだし」クスクス
風斬「わ、わわわわわわ私なんて少しも可愛くないですよぅっ!?」アセアセ
キャーリサ「ふふ、自分では気づかないものだし」
風斬「う、うぅぅぅ……」
キャーリサ「ほら、早く着替えてくるといいし。もう10時少し前だし、早く出かけないと日が暮れてしまうぞ?」ナデナデ
風斬「は、はい!!」タッタッタ
風斬「そ、それじゃあ急いで着替えてきますね!本当にありがとうございますっ!」ペコリ
キャーリサ「あぁ。それでも急ぎ過ぎて怪我しないようにね?」
風斬「ありがとうございます!(キャーリサさん凄い良い人だなぁ……。お姉さんみたい)」
バタン
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………想いを伝える、か……」ボソッ
――――――――――――
キャーリサ「あぁ。選択したばかりで畳んでから一時間と経ってないから少し固いかもしれないが、それでいいなら」ナデナデ
風斬「あ、ありがとうございます!!」
キャーリサ「いえいえ。可愛いのにずっと制服じゃ、もったいないと思っていたところだし」クスクス
風斬「わ、わわわわわわ私なんて少しも可愛くないですよぅっ!?」アセアセ
キャーリサ「ふふ、自分では気づかないものだし」
風斬「う、うぅぅぅ……」
キャーリサ「ほら、早く着替えてくるといいし。もう10時少し前だし、早く出かけないと日が暮れてしまうぞ?」ナデナデ
風斬「は、はい!!」タッタッタ
風斬「そ、それじゃあ急いで着替えてきますね!本当にありがとうございますっ!」ペコリ
キャーリサ「あぁ。それでも急ぎ過ぎて怪我しないようにね?」
風斬「ありがとうございます!(キャーリサさん凄い良い人だなぁ……。お姉さんみたい)」
バタン
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………想いを伝える、か……」ボソッ
――――――――――――
831: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:10:39.88 ID:yFcYvWgr0
【動物園】
上条「いやぁ、まさか動物園が近くにあるとは……
さすが観光地、ってわけですかね」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「動物園って何するところなんだ?」
上条「ん?あ、ああ。何をするって言っても動物を見るだけなんだけど」
ヴェント「……それ、楽しいのか?」
上条「いやぁ、まさか動物園が近くにあるとは……
さすが観光地、ってわけですかね」
ヴェント「……なぁ」
上条「ん?」
ヴェント「動物園って何するところなんだ?」
上条「ん?あ、ああ。何をするって言っても動物を見るだけなんだけど」
ヴェント「……それ、楽しいのか?」
832: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:11:07.37 ID:yFcYvWgr0
上条「すっごい楽しいってわけではないけど……。
普段見れないような動物も見れて、新鮮さはあるよな」
ヴェント「……へーぇ」
上条「な、なんか低反応ですね……」
ヴェント「私は別に動物を見たところで何とも思いやしねぇしな……」ファァ
上条「ぐっ……。ま、まぁとりあえず見ていればきっと楽しいですよ!!」
ヴェント「……」
上条「ほ、ほら!あそこ!学園都市製の機械猿と本物の猿が共存してるって話題の!」
ヴェント「機械猿……ってどれだ?」
上条「……どれだろ」
ヴェント「精巧にできすぎて本物と機械の見分けがつき難くなってちゃ本末転倒だろ……」
普段見れないような動物も見れて、新鮮さはあるよな」
ヴェント「……へーぇ」
上条「な、なんか低反応ですね……」
ヴェント「私は別に動物を見たところで何とも思いやしねぇしな……」ファァ
上条「ぐっ……。ま、まぁとりあえず見ていればきっと楽しいですよ!!」
ヴェント「……」
上条「ほ、ほら!あそこ!学園都市製の機械猿と本物の猿が共存してるって話題の!」
ヴェント「機械猿……ってどれだ?」
上条「……どれだろ」
ヴェント「精巧にできすぎて本物と機械の見分けがつき難くなってちゃ本末転倒だろ……」
833: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:11:36.45 ID:yFcYvWgr0
上条「確かに……」チラッ
上条「あ、あれだ!!中国から最近来たって話題のパンダも!!」
ヴェント「ぱ、ぱんだ……?」
上条「俺も生では久々に見るなぁ。はは、呑気に竹食ってら」
ヴェント「……なんかダラけてる姿見てるとこっちまで寝むなってきやがるな」ファァ
上条「それは言えてますね……」ファァ
係員「ちょっと失礼します。あの~……」
ヴェント「……?」
上条「あ、あれだ!!中国から最近来たって話題のパンダも!!」
ヴェント「ぱ、ぱんだ……?」
上条「俺も生では久々に見るなぁ。はは、呑気に竹食ってら」
ヴェント「……なんかダラけてる姿見てるとこっちまで寝むなってきやがるな」ファァ
上条「それは言えてますね……」ファァ
係員「ちょっと失礼します。あの~……」
ヴェント「……?」
834: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:13:28.32 ID:yFcYvWgr0
上条「はい?」
係員「失礼ですが、お二人はカップルのお客様で?」
ヴェント「……!」チラッ
上条「……!」チラッ
上条・ヴェント「……」ゴクリ
ヴェント「そ、そうだけど……」カァァ
上条「……っ!」カァァ
係員「それでしたらぜひあちらのふれあいコーナーで遊んでみてください!
今、カップルでご来場のお客様には特別に記念撮影を行っているので!」
係員「失礼ですが、お二人はカップルのお客様で?」
ヴェント「……!」チラッ
上条「……!」チラッ
上条・ヴェント「……」ゴクリ
ヴェント「そ、そうだけど……」カァァ
上条「……っ!」カァァ
係員「それでしたらぜひあちらのふれあいコーナーで遊んでみてください!
今、カップルでご来場のお客様には特別に記念撮影を行っているので!」
835: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:14:27.72 ID:yFcYvWgr0
上条「え、あ、ヴェント、いいか?」
ヴェント「……(い、言っちまった……か、かっぷる……)」カァァ
上条「ヴェント……?」
ヴァント「!」ハッ
ヴェント「わ、私は何でもかまわねぇよ!!どうせ楽しんでんのはテメェだけだしな!」アセアセ
上条「え、えええ!?」
係員「ふふ、彼氏さん、尻に敷かれているタイプなんですねっ」
上条「う、うぅ……何も言い返せません……」
ヴェント「(か、彼氏さん……って」ポワァァ
ヴェント「……(い、言っちまった……か、かっぷる……)」カァァ
上条「ヴェント……?」
ヴァント「!」ハッ
ヴェント「わ、私は何でもかまわねぇよ!!どうせ楽しんでんのはテメェだけだしな!」アセアセ
上条「え、えええ!?」
係員「ふふ、彼氏さん、尻に敷かれているタイプなんですねっ」
上条「う、うぅ……何も言い返せません……」
ヴェント「(か、彼氏さん……って」ポワァァ
836: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:15:45.09 ID:yFcYvWgr0
係員「それでは、どうぞご案内いたしますので!」
上条「は、はい」テクテク
ヴェント「……」テクテク
係員「こちらになります」ニコッ
ヴェント「……檻の中?」
係員「随時、とーっても愛くるしい小動物を入れていきますので!他のお客様たちと共にお願いいたします!」
ヴェント「……(私たちはサーカスの見世物かよ……)」
上条「は、はい」テクテク
ヴェント「……」テクテク
係員「こちらになります」ニコッ
ヴェント「……檻の中?」
係員「随時、とーっても愛くるしい小動物を入れていきますので!他のお客様たちと共にお願いいたします!」
ヴェント「……(私たちはサーカスの見世物かよ……)」
837: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:16:11.64 ID:yFcYvWgr0
係員「それでは!好きなだけ動物と触れ合っていただいてかまいませんので!
終わり次第、私たち係員に伝えてください!」ガシャ
上条「……」
ヴェント「……」
上条「……せっかく来たんですし、楽しみますか」タハハ
ヴェント「……私はどうあがいても楽しめそうではないがな」ハァ
上条「そ、そんなこと言わずに――うぉ!?」ドッ
終わり次第、私たち係員に伝えてください!」ガシャ
上条「……」
ヴェント「……」
上条「……せっかく来たんですし、楽しみますか」タハハ
ヴェント「……私はどうあがいても楽しめそうではないがな」ハァ
上条「そ、そんなこと言わずに――うぉ!?」ドッ
838: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:17:09.09 ID:yFcYvWgr0
豆柴「わんっ!」
上条「いっつ~!」
上条「……いきなり突進してくるとは……こいつめっ!」クシャクシャ
豆柴「わうーん♪」
上条「ははっ、こいつすっごい人懐っこいぞ」
ヴェント「わ、私は遠慮しておくよ……。動物は好きじゃねぇんだ」
上条「いっつ~!」
上条「……いきなり突進してくるとは……こいつめっ!」クシャクシャ
豆柴「わうーん♪」
上条「ははっ、こいつすっごい人懐っこいぞ」
ヴェント「わ、私は遠慮しておくよ……。動物は好きじゃねぇんだ」
839: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:17:34.89 ID:yFcYvWgr0
上条「そんなこと言わずに……」ダキッ
豆柴「わうっ?」
ヴェント「私はいいって!!」アセアセ
豆柴「きゃうんっ」
上条「そんなこと言わずに!ほら」
ヴェント「……(マジかよ……)」
豆柴「わうっ?」
ヴェント「私はいいって!!」アセアセ
豆柴「きゃうんっ」
上条「そんなこと言わずに!ほら」
ヴェント「……(マジかよ……)」
840: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:18:01.54 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……」チラッ
豆柴「……わう?」
ヴェント「……!」
ヴェント「(あー…………クソッ!)」
ヴェント「……っ」ソォ
豆柴「わうんっ!」フリフリ
豆柴「……わう?」
ヴェント「……!」
ヴェント「(あー…………クソッ!)」
ヴェント「……っ」ソォ
豆柴「わうんっ!」フリフリ
841: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:18:39.62 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……あ」
豆柴「きゃう!きゃう!」フリフリ
上条「はは、ヴェントのことかなり気に入ったみたいだな」
ヴェント「……そ、そうなのか?」
上条「あぁ。動物って嫌う人には本当にひどく当たるもんだしな」
ヴェント「……」
ヴェント「…………そ、そうなんだ……」ナデナデ
豆柴「わうぅっ♪」フリフリ
ヴェント「……」ナデナデ
ヴェント「……ふふっ」クスッ
豆柴「きゃう!きゃう!」フリフリ
上条「はは、ヴェントのことかなり気に入ったみたいだな」
ヴェント「……そ、そうなのか?」
上条「あぁ。動物って嫌う人には本当にひどく当たるもんだしな」
ヴェント「……」
ヴェント「…………そ、そうなんだ……」ナデナデ
豆柴「わうぅっ♪」フリフリ
ヴェント「……」ナデナデ
ヴェント「……ふふっ」クスッ
842: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:19:13.57 ID:yFcYvWgr0
上条「……!」ドキッ
上条「(ヴェ、ヴェントが楽しめているようだったらまぁ今日は来た甲斐があったかな?)」
上条「(それにしても、以前のようなメイクをしていないと本当に金髪美人……)」ドキドキ
ヴェント「……ん?」
ヴェント「……どうかしたのか?」
上条「い、いえいえ!!何でも!!」アセアセ
ヴェント「……?」
上条「(ヴェ、ヴェントが楽しめているようだったらまぁ今日は来た甲斐があったかな?)」
上条「(それにしても、以前のようなメイクをしていないと本当に金髪美人……)」ドキドキ
ヴェント「……ん?」
ヴェント「……どうかしたのか?」
上条「い、いえいえ!!何でも!!」アセアセ
ヴェント「……?」
843: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:19:40.40 ID:yFcYvWgr0
上条「は、はははは!――おごっ!?」ドガッ
上条「こ、今度は何――」クルッ
猿「……」
鶏「……コケ」
豚「ぶっ」
上条「……」タラー
上条「な、何で俺に一斉に来るんだぁぁぁ!?」ダダッ
猿・鶏・豚「……っ!!」ダダッ
上条「不幸だああああああ!!」
ヴェント「……」
ヴェント「…………ははっ」クスクス
上条「こ、今度は何――」クルッ
猿「……」
鶏「……コケ」
豚「ぶっ」
上条「……」タラー
上条「な、何で俺に一斉に来るんだぁぁぁ!?」ダダッ
猿・鶏・豚「……っ!!」ダダッ
上条「不幸だああああああ!!」
ヴェント「……」
ヴェント「…………ははっ」クスクス
844: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:20:54.11 ID:yFcYvWgr0
豆柴「わうんっ!♪」フリフリ
ヴェント「きゃっ」
豆柴「はっはっは」
ヴェント「……このっ」
ヴェント「……こいつめっ♪」ナデナデ
豆柴「きゃうっ♪」フリフリ
―――――――――――
ヴェント「きゃっ」
豆柴「はっはっは」
ヴェント「……このっ」
ヴェント「……こいつめっ♪」ナデナデ
豆柴「きゃうっ♪」フリフリ
―――――――――――
845: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:21:57.45 ID:yFcYvWgr0
アナウンス「ご来場の皆さん、本日はありがとうございました。
またのご来場をお待ちしております」
係員「皆様、ありがとうございます!閉園のアナウンスも流れましたので本日はこれで終了となります!」
上条「うう……ひどい目にあった……」ボロ
ヴェント「てめぇがいつまでも遊んでいやがるから時間がめちゃくちゃ経っちまったじゃねぇか……」ハァ
上条「ええええ!?だって来る動物来る動物、俺に体当たりを……!」アセアセ
ヴェント「ったく。問題ばかり起こしやがって……」ハァ
上条「えぇ~……」
またのご来場をお待ちしております」
係員「皆様、ありがとうございます!閉園のアナウンスも流れましたので本日はこれで終了となります!」
上条「うう……ひどい目にあった……」ボロ
ヴェント「てめぇがいつまでも遊んでいやがるから時間がめちゃくちゃ経っちまったじゃねぇか……」ハァ
上条「ええええ!?だって来る動物来る動物、俺に体当たりを……!」アセアセ
ヴェント「ったく。問題ばかり起こしやがって……」ハァ
上条「えぇ~……」
846: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:22:32.08 ID:yFcYvWgr0
係員「それでは、お客様が最後となりますので、ぜひこちらに!」
上条「あ、はい!」
係員「はい、それでは丁度いいので!そちらの豆柴ちゃんを抱いて撮っちゃいましょう!」
ヴェント「え?いいのか?」
豆柴「わう?」
係員「もちろんですともっ!」
上条「あ、はい!」
係員「はい、それでは丁度いいので!そちらの豆柴ちゃんを抱いて撮っちゃいましょう!」
ヴェント「え?いいのか?」
豆柴「わう?」
係員「もちろんですともっ!」
847: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:23:01.55 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「そ、それじゃあ……」ダキッ
豆柴「わうん♪」
係員「ほらほら、彼女さんと彼氏さん?そんな離れてないで!」
上条「(うっ)」
ヴェント「……」
ヴェント「……」ススッ ピトッ
上条「(え、あ、う……!)」アセアセ
ヴェント「……」カァァ
係員「そーそー!いいですねー!それでは、行きますよー!はい、チーズ!」カシャッ
係員「オッケーでーす!それではご来場ありがとうございました!こちら、焼いた写真となりますんで!」
豆柴「わうん♪」
係員「ほらほら、彼女さんと彼氏さん?そんな離れてないで!」
上条「(うっ)」
ヴェント「……」
ヴェント「……」ススッ ピトッ
上条「(え、あ、う……!)」アセアセ
ヴェント「……」カァァ
係員「そーそー!いいですねー!それでは、行きますよー!はい、チーズ!」カシャッ
係員「オッケーでーす!それではご来場ありがとうございました!こちら、焼いた写真となりますんで!」
848: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:23:33.99 ID:yFcYvWgr0
上条「……どれどれ」
ヴェント「……」
上条「(うわ、俺顔がかなり引きつってるなぁ……)」
ヴェント「……(……えへへっ♪)」
ヴェント「……ん?」チラッ
849: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:24:01.51 ID:yFcYvWgr0
豆柴「わうー……」ショボン
ヴェント「……ほら、どうした?お前も戻らないと」
豆柴「……」ショボン
ヴェント「ったく……だらしねぇなぁ」
豆柴「わうぅ……」ショボン
ヴェント「……」
ヴェント「……また来てやるから、安心しろよ?なっ」ナデナデ
豆柴「わん!?」フリフリ
ヴェント「はは、こ、こらやめろっ!くすぐったい!」アセアセ
係員「それでは、お客様、閉園時間は過ぎてしまっているのでー!」
上条「あ、はい!すいません!」
ヴェント「……ほら、いけっ」
豆柴「……」チラッ
豆柴「……わんっ!」タッタッタ
ヴェント「……」
ヴェント「……言葉がわかってるみたいだったな、こいつ……」
上条「犬って賢そうだもんなぁ。案外わかってるのかも……」
ヴェント「……」
ヴェント「…………(それはないだろ)」
――――――――――――――
―――――――――
――――
ヴェント「……ほら、どうした?お前も戻らないと」
豆柴「……」ショボン
ヴェント「ったく……だらしねぇなぁ」
豆柴「わうぅ……」ショボン
ヴェント「……」
ヴェント「……また来てやるから、安心しろよ?なっ」ナデナデ
豆柴「わん!?」フリフリ
ヴェント「はは、こ、こらやめろっ!くすぐったい!」アセアセ
係員「それでは、お客様、閉園時間は過ぎてしまっているのでー!」
上条「あ、はい!すいません!」
ヴェント「……ほら、いけっ」
豆柴「……」チラッ
豆柴「……わんっ!」タッタッタ
ヴェント「……」
ヴェント「……言葉がわかってるみたいだったな、こいつ……」
上条「犬って賢そうだもんなぁ。案外わかってるのかも……」
ヴェント「……」
ヴェント「…………(それはないだろ)」
――――――――――――――
―――――――――
――――
850: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:24:29.81 ID:yFcYvWgr0
【旅館】
上条「いやー、なんだかんだ動物園にずっといたけど疲れたな―」タハァ
ヴェント「帰りを考えると、かなり面倒くさくなるな……」
上条「帰るまでが旅行ですよっ!」
ヴェント「何をガキみてぇなことを……」
上条「でもまぁ、ヴェントさんがすごい楽しんでたみたいで上条さんは本当に良かったですよ」
ヴェント「……っ!?」ドキッ
ヴェント「わ、私は別に楽しんでなんか――ッ!?」
上条「?」
ヴェント「……」
ヴェント「…………ちょ、ちょっとは楽しめた、けど……?」カァァ
上条「いやー、なんだかんだ動物園にずっといたけど疲れたな―」タハァ
ヴェント「帰りを考えると、かなり面倒くさくなるな……」
上条「帰るまでが旅行ですよっ!」
ヴェント「何をガキみてぇなことを……」
上条「でもまぁ、ヴェントさんがすごい楽しんでたみたいで上条さんは本当に良かったですよ」
ヴェント「……っ!?」ドキッ
ヴェント「わ、私は別に楽しんでなんか――ッ!?」
上条「?」
ヴェント「……」
ヴェント「…………ちょ、ちょっとは楽しめた、けど……?」カァァ
851: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:25:06.02 ID:yFcYvWgr0
上条「それは良かった」ニカッ
ヴェント「っ!!」ドキッ
ヴェント「(な、なんでまた顔があっちいんだよ!!ここ最近は治まってたのに!!く、くそ!!治まりやがれっ!!)」アセアセ
上条「あ、そうだ」
ヴェント「……へ?」
上条「これ、ヴェントに」チャリ
ヴェント「……これは?」
上条「さっきヴェントが柴犬と遊んでる時に買ったんだ。
豆柴ストラップ」
ヴェント「っ!!」ドキッ
ヴェント「(な、なんでまた顔があっちいんだよ!!ここ最近は治まってたのに!!く、くそ!!治まりやがれっ!!)」アセアセ
上条「あ、そうだ」
ヴェント「……へ?」
上条「これ、ヴェントに」チャリ
ヴェント「……これは?」
上条「さっきヴェントが柴犬と遊んでる時に買ったんだ。
豆柴ストラップ」
852: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:25:56.92 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……わ、私に?」
上条「あ、気にいらなかったらごめんな?すっごい楽しんでるみたいだったから……」アセアセ
ヴェント「……わ、私が楽しんでた!?夢見言ほざいてんじゃねぇぞ!?
大体、あんなの暇つぶしだっつーの!!」アセアセ
ヴェント「っつか私がこんな可愛らしいモンで喜ぶと思ってんのか!?
私を喜ばせたいんだったらもっと光モンでも持ってきやがれっ!!」
ヴェント「……はぁ、はぁ……」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「……で、でも」
上条「……?」
ヴェント「…………ありがと。……ぜったい、ぜったいに大事にする」
上条「あ、気にいらなかったらごめんな?すっごい楽しんでるみたいだったから……」アセアセ
ヴェント「……わ、私が楽しんでた!?夢見言ほざいてんじゃねぇぞ!?
大体、あんなの暇つぶしだっつーの!!」アセアセ
ヴェント「っつか私がこんな可愛らしいモンで喜ぶと思ってんのか!?
私を喜ばせたいんだったらもっと光モンでも持ってきやがれっ!!」
ヴェント「……はぁ、はぁ……」
ヴェント「……」
ヴェント「…………」
ヴェント「……で、でも」
上条「……?」
ヴェント「…………ありがと。……ぜったい、ぜったいに大事にする」
853: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:26:41.67 ID:yFcYvWgr0
上条「っ!!!」ドッキーン
上条「い、いえいえいえ!気にしないでください!俺を連れてきてくれたお礼も兼ねていますし!!どうせ些細なものですからっ!!」アセアセ
上条「そういえば俺、動物と戯れて汗やら毛やらで一杯なんでした!!
最後に帰る前に一度風呂入ってきます!!」ダッ
ヴェント「……え?」
上条「ヴェ、ヴェントは先に入りますか!?」
ヴェント「わ、私は別にすぐじゃなくても――」
上条「そ、それじゃあお先に入らせてもらいます!」ガチャ バタン
ヴェント「……あっ……」
ヴェント「…………」
ヴェント「……」ギュ...
―――――――――――――――
上条「い、いえいえいえ!気にしないでください!俺を連れてきてくれたお礼も兼ねていますし!!どうせ些細なものですからっ!!」アセアセ
上条「そういえば俺、動物と戯れて汗やら毛やらで一杯なんでした!!
最後に帰る前に一度風呂入ってきます!!」ダッ
ヴェント「……え?」
上条「ヴェ、ヴェントは先に入りますか!?」
ヴェント「わ、私は別にすぐじゃなくても――」
上条「そ、それじゃあお先に入らせてもらいます!」ガチャ バタン
ヴェント「……あっ……」
ヴェント「…………」
ヴェント「……」ギュ...
―――――――――――――――
854: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:28:19.19 ID:yFcYvWgr0
【温泉】
上条「……はぁ」ゴシゴシ
上条「……キャーリサに、ヴェント……」
上条「……なぜか二人を意識してしまう……」
上条「……!」ハッ
上条「だ、ダメだ!!!ダメだダメだ!!紳士の上条さんは……!」ゴシゴシ
上条「……」ポワーン
上条「ぶっ!!!」ブフォッ
上条「……はぁ」ゴシゴシ
上条「……キャーリサに、ヴェント……」
上条「……なぜか二人を意識してしまう……」
上条「……!」ハッ
上条「だ、ダメだ!!!ダメだダメだ!!紳士の上条さんは……!」ゴシゴシ
上条「……」ポワーン
上条「ぶっ!!!」ブフォッ
855: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:29:02.70 ID:yFcYvWgr0
上条「これもダメだ!!妄想もしてしまっては!!!」アセアセ
上条「……」
上条「それにしても……」チラッ
上条「……やっぱり、綺麗だな、この風景」ハァ
上条「(……今度、暇ができたら、皆で……)」
上条「っと、そろそろ頭流すか」キュ ジャー
上条「よっと」ジャー
上条「っ」ゴシゴシ
ガララッ
上条「……」
上条「それにしても……」チラッ
上条「……やっぱり、綺麗だな、この風景」ハァ
上条「(……今度、暇ができたら、皆で……)」
上条「っと、そろそろ頭流すか」キュ ジャー
上条「よっと」ジャー
上条「っ」ゴシゴシ
ガララッ
856: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:30:11.23 ID:yFcYvWgr0
上条「……?(扉の開く音……?)」ゴシゴシ
上条「(気のせいか――)」
パタン
上条「(じゃない!?)」ゴシゴシ
上条「(え?え?え?えええ!?!?ま、まさか、これは、ええ!?)」ゴシゴシ
「…………」
上条「……」キュ
上条「…………」ゴシゴシ
上条「………………っ」チラッ
ヴェント「……ぇ、ぅ、ぁ……」ガタガタ
857: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:30:45.12 ID:yFcYvWgr0
上条「……」
上条「…………」
上条「………………っ!!」ブフォッ
ヴェント「え、お、おい!?ど、どうした!?」
上条「な、ななななななな!?なぁ!?ヴェ、ヴェントさん!?」
ヴェント「な、何だよ!?」カァァ
上条「ま、まだ俺入ってますよ!?!?」
上条「…………」
上条「………………っ!!」ブフォッ
ヴェント「え、お、おい!?ど、どうした!?」
上条「な、ななななななな!?なぁ!?ヴェ、ヴェントさん!?」
ヴェント「な、何だよ!?」カァァ
上条「ま、まだ俺入ってますよ!?!?」
858: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:31:12.01 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……っ」カァァ
上条「と、とにかく、俺は今すぐに出――ッ」ギュ
ヴェント「……」
上条「……え?」
ヴェント「……ま、待って」
上条「…………は、はい?」
ヴェント「…………あの、さ」
ヴェント「い、一緒に……」
上条「(ま、待て待て、こ、これはまさか――)」
ヴェント「―――――一緒に、入ろ……?」カァァ
上条「と、とにかく、俺は今すぐに出――ッ」ギュ
ヴェント「……」
上条「……え?」
ヴェント「……ま、待って」
上条「…………は、はい?」
ヴェント「…………あの、さ」
ヴェント「い、一緒に……」
上条「(ま、待て待て、こ、これはまさか――)」
ヴェント「―――――一緒に、入ろ……?」カァァ
859: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:31:46.36 ID:yFcYvWgr0
上条「……」カチコチ
ヴェント「……」ゴシゴシッ
上条「…………」カチコチ
ヴェント「……なぁ」ゴシゴシ
上条「……はい」カチコチ
ヴェント「……い、痛くないか?か、かゆいところとかも……ない?」ゴシゴシ
上条「……はい」カチコチ
860: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:32:34.45 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……そ、それなら良かった」ゴシゴシ
上条「……」
上条「あ、あの……ヴェント」
ヴェント「……?」ゴシゴシ
上条「その、な、何で?」
ヴェント「……っ」
ヴェント「そ、その……今日は私だって、その、た、楽しくはなかったけど動物園を案内してもらったから!!
そのお礼に、ってだけだよ!!いっ、いやらしい勘違いすんな!!」
上条「いやらしいって!!?」アセアセ
ヴェント「そ、そこに反応すんじゃねぇ!!」パコッ
上条「へぶっ!?」
ヴェント「た、ただ背中を流してるだけだろ!!?」
上条「……」
上条「あ、あの……ヴェント」
ヴェント「……?」ゴシゴシ
上条「その、な、何で?」
ヴェント「……っ」
ヴェント「そ、その……今日は私だって、その、た、楽しくはなかったけど動物園を案内してもらったから!!
そのお礼に、ってだけだよ!!いっ、いやらしい勘違いすんな!!」
上条「いやらしいって!!?」アセアセ
ヴェント「そ、そこに反応すんじゃねぇ!!」パコッ
上条「へぶっ!?」
ヴェント「た、ただ背中を流してるだけだろ!!?」
861: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:33:00.20 ID:yFcYvWgr0
上条「そ、そう言われましても……この状況は……」
ヴェント「……」
上条「(た、タオル巻いているとはいえ……ある意味さっきより近いし……)」
上条「(どうなっているんだ……不幸なのか?それとも……)」
ヴェント「…………そ」
ヴェント「……それとも、さ」
上条「……?」
ヴェント「……私と、そういう、こと、……したい?」カァァ
ヴェント「……」
上条「(た、タオル巻いているとはいえ……ある意味さっきより近いし……)」
上条「(どうなっているんだ……不幸なのか?それとも……)」
ヴェント「…………そ」
ヴェント「……それとも、さ」
上条「……?」
ヴェント「……私と、そういう、こと、……したい?」カァァ
862: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:34:35.09 ID:yFcYvWgr0
上条「!!!?」
ヴェント「……」
上条「ちょ、ちょっとヴェントさん!?つ、疲れていらっしゃるんですよね!?そうですよね!?」
ヴェント「…………わ、私は……。私は……」
ヴェント「……いいよ?」
上条「……はい?」
ヴェント「……」カァァ
ヴェント「私は、お、お前になら、触られても……」
ヴェント「大丈夫……だ、よ?」カァァ
ヴェント「……」
上条「ちょ、ちょっとヴェントさん!?つ、疲れていらっしゃるんですよね!?そうですよね!?」
ヴェント「…………わ、私は……。私は……」
ヴェント「……いいよ?」
上条「……はい?」
ヴェント「……」カァァ
ヴェント「私は、お、お前になら、触られても……」
ヴェント「大丈夫……だ、よ?」カァァ
863: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:35:00.85 ID:yFcYvWgr0
上条「(……)」
上条「(これは、夢だ)」
上条「(夢に違いない)」
上条「……」
上条「……」パチーン
ヴェント「!?」
上条「……」
上条「……痛い」
ヴェント「ど、どうしたんだよ!?」
上条「い、いや、夢かと思いまして……」
上条「(これは、夢だ)」
上条「(夢に違いない)」
上条「……」
上条「……」パチーン
ヴェント「!?」
上条「……」
上条「……痛い」
ヴェント「ど、どうしたんだよ!?」
上条「い、いや、夢かと思いまして……」
864: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:35:29.59 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……っ」
ヴェント「……じょ、冗談だよ!!何本気にしてやがんだ!!!バカ!!」
上条「……え?」
ヴェント「テメェがあからさまに気持ちわりい妄想膨らましてるからからかっただけだよ!」
上条「そ、そうですよね!!よ、よかった……一瞬マジかと……」
ヴェント「……(……)」
ヴェント「そ、それじゃあ背中も流したし私はもう行くから!!」
上条「……え?」
ヴェント「……じょ、冗談だよ!!何本気にしてやがんだ!!!バカ!!」
上条「……え?」
ヴェント「テメェがあからさまに気持ちわりい妄想膨らましてるからからかっただけだよ!」
上条「そ、そうですよね!!よ、よかった……一瞬マジかと……」
ヴェント「……(……)」
ヴェント「そ、それじゃあ背中も流したし私はもう行くから!!」
上条「……え?」
865: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:36:08.88 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……なんだよ?……ま、前もやってほしいとか言うんじゃねぇだろうな!?」アセアセ
上条「い、いや、そんなことは全くもってありませんですよ!?」
上条「(た、助かった……!)」
ヴェント「そ、それじゃあ私はもう戻るぞ!!」タッタッタ
ヴェント「(ダメだ!!私が変な気分になってきちまう!!やっぱり……私はダメだ!!コイツといちゃ……!!)」ツルッ
ヴェント「(あっ……)」
上条「あ、危ねぇっ!!」
ドシャ
上条「い、いや、そんなことは全くもってありませんですよ!?」
上条「(た、助かった……!)」
ヴェント「そ、それじゃあ私はもう戻るぞ!!」タッタッタ
ヴェント「(ダメだ!!私が変な気分になってきちまう!!やっぱり……私はダメだ!!コイツといちゃ……!!)」ツルッ
ヴェント「(あっ……)」
上条「あ、危ねぇっ!!」
ドシャ
866: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:36:35.26 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……い、いっつつ……」
ヴェント「……」チラッ
上条「……っつ。ヴェ、ヴェント!大丈夫か?」
ヴェント「っ!??!?!」カァァ
上条「よかった……大丈夫みたいだな……」
ヴェント「……あ、ありがと……」
上条「いえいえ、礼なんて……。ヴェントさんに何もなくて何よりですよ」ムニュ
867: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:37:17.60 ID:yFcYvWgr0
ヴェント「……へ?」
上条「……あれ?」チラッ
ヴェント「(む、胸に……手が……!!)」ボン
上条「ご、ごめん!!」バッ
ヴェント「!!」
ヴェント「い、いいからっ!!」パッ
上条「……あれ?」チラッ
ヴェント「(む、胸に……手が……!!)」ボン
上条「ご、ごめん!!」バッ
ヴェント「!!」
ヴェント「い、いいからっ!!」パッ
868: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:37:51.78 ID:yFcYvWgr0
上条「え!?」
ヴェント「……だ、大丈夫だから……」
ヴェント「…………好きに、……していいから」
上条「……」
上条「(これは?どうなっているの?あれ?上条さんはそんな経験ないので全くわかりませんことよ?あはは?)」
ヴェント「……」
ヴェント「……んっ」
ヴェント「……だ、大丈夫だから……」
ヴェント「…………好きに、……していいから」
上条「……」
上条「(これは?どうなっているの?あれ?上条さんはそんな経験ないので全くわかりませんことよ?あはは?)」
ヴェント「……」
ヴェント「……んっ」
869: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:38:24.81 ID:yFcYvWgr0
上条「……へ?」
上条「……(目をつぶって……これは……?)」
ヴェント「……」ドキドキドキドキ
上条「……(か、可愛い……)」
ヴェント「……」ドキドキドキドキ
上条「(も、もう俺も……げん、か――)」ソォッ
上条「……(目をつぶって……これは……?)」
ヴェント「……」ドキドキドキドキ
上条「……(か、可愛い……)」
ヴェント「……」ドキドキドキドキ
上条「(も、もう俺も……げん、か――)」ソォッ
870: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:38:56.23 ID:yFcYvWgr0
ゴシャアアアアアアア!!!
上条・ヴェント「!?」
「第二の通告ですが、私が入浴中に侵入してくるなんて万死に値します」
「私は死んでも構わない!!……その代りにぃ、貴方の身体をさわさわしたーーーーい!♪」ダッ
「第二の解答ですが……それは一生をかけても不可能です」ガゴッ
「いやぁぁんっ♪」ドガアア
ビービー
緊急警報・緊急警報
上条「……」
ヴェント「……」
―――――――――――ー
―――――ー
――ー
上条・ヴェント「!?」
「第二の通告ですが、私が入浴中に侵入してくるなんて万死に値します」
「私は死んでも構わない!!……その代りにぃ、貴方の身体をさわさわしたーーーーい!♪」ダッ
「第二の解答ですが……それは一生をかけても不可能です」ガゴッ
「いやぁぁんっ♪」ドガアア
ビービー
緊急警報・緊急警報
上条「……」
ヴェント「……」
―――――――――――ー
―――――ー
――ー
871: ◆7oWiJj9WF6 2011/09/28(水) 01:40:26.68 ID:yFcYvWgr0
【帰りのバス】
上条「……(危うく俺たちが取り調べ受けるところだった……)」
ヴェント「……」
上条「(何だったんだろ……?ヴェント、どうしたんだ……?)」
上条「(幻、だよな?そうだよな?)」
上条「……」ツネリ
上条「……痛い」
上条「……」チラッ
ヴェント「……」
上条「(何も言わない、よなぁ?)」
上条「……(……)」
上条「……(……気にしないことが、一番なのか?)」
上条「(そうなのか、なぁ……?)」
――――――――――
上条「……(危うく俺たちが取り調べ受けるところだった……)」
ヴェント「……」
上条「(何だったんだろ……?ヴェント、どうしたんだ……?)」
上条「(幻、だよな?そうだよな?)」
上条「……」ツネリ
上条「……痛い」
上条「……」チラッ
ヴェント「……」
上条「(何も言わない、よなぁ?)」
上条「……(……)」
上条「……(……気にしないことが、一番なのか?)」
上条「(そうなのか、なぁ……?)」
――――――――――
884: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/01(土) 22:24:04.09 ID:DVQyJXMS0
【マンション】
上条「ただいま~……っと」ガチャ
バタン
キャーリサ「あらあら?お疲れのようで?」ガチャ
上条「お、おう。少しだけ、な。ヴェントは先に休むってさ」
キャーリサ「今日はどこへ?」
上条「……それは、お――」
ヴェント「……」
上条「(……おっと)」
上条「あぁ……えーっと、まぁヴェントとと一緒に軽く出かけてたんだけど……。ちょっとゴタついて遅くなっちまった。ごめんな?連絡も無しで」
上条「ただいま~……っと」ガチャ
バタン
キャーリサ「あらあら?お疲れのようで?」ガチャ
上条「お、おう。少しだけ、な。ヴェントは先に休むってさ」
キャーリサ「今日はどこへ?」
上条「……それは、お――」
ヴェント「……」
上条「(……おっと)」
上条「あぁ……えーっと、まぁヴェントとと一緒に軽く出かけてたんだけど……。ちょっとゴタついて遅くなっちまった。ごめんな?連絡も無しで」
885: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/01(土) 23:17:02.73 ID:DVQyJXMS0
ヴェント「……そういうことだよ」ガチャ
上条「っ、あ、あれ?ヴェント?先に寝室へ行ったんじゃ……」
ヴェント「……ふん」
ヴェント「……やり残したことがあってね」スタスタ
キャーリサ「……?」
ヴェント「今度は私が優勢、カナ?」ニヤリ
キャーリサ「っ!!」
上条「?」
ヴェント「……それじゃ、私は準備してから先に寝るから」ファァ
上条「お、おう。おやすみ」
ヴェント「……」トタトタ
ヴェント「おやすみ」バタン
キャーリサ「……」
キャーリサ「……へぇ」
上条「っ、あ、あれ?ヴェント?先に寝室へ行ったんじゃ……」
ヴェント「……ふん」
ヴェント「……やり残したことがあってね」スタスタ
キャーリサ「……?」
ヴェント「今度は私が優勢、カナ?」ニヤリ
キャーリサ「っ!!」
上条「?」
ヴェント「……それじゃ、私は準備してから先に寝るから」ファァ
上条「お、おう。おやすみ」
ヴェント「……」トタトタ
ヴェント「おやすみ」バタン
キャーリサ「……」
キャーリサ「……へぇ」
889: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:46:01.62 ID:9RGonqe90
上条「あ、これ。お土産。食い物だからなるべく早めにな」ジャラ
キャーリサ「お、ありがとだしっ」
キャーリサ「これは……日本の……お饅頭、か?」
上条「おお。美味そうだから買ったけど餡がたっぷりで結構うまいんだ」
キャーリサ「それは楽しみだし。ありがたく受け取っておくの♪」
上条「おう」
キャーリサ「……ささっ、貴様もお疲れのようだから、今日はもう寝るの」
上条「……?」
キャーリサ「どうしたの?眠くない?それだったらこれから遊びに――」
上条「い、いや。流石にそれは……。まぁお言葉に甘えて俺は、お先に寝させてもらうよ」ファァ
キャーリサ「はっはっは、だったら早くしないと。私の優しさは気紛れだぞ?」
キャーリサ「あ、そうそう。今は風斬に一部屋貸しているから、よろしく頼むし」
キャーリサ「お、ありがとだしっ」
キャーリサ「これは……日本の……お饅頭、か?」
上条「おお。美味そうだから買ったけど餡がたっぷりで結構うまいんだ」
キャーリサ「それは楽しみだし。ありがたく受け取っておくの♪」
上条「おう」
キャーリサ「……ささっ、貴様もお疲れのようだから、今日はもう寝るの」
上条「……?」
キャーリサ「どうしたの?眠くない?それだったらこれから遊びに――」
上条「い、いや。流石にそれは……。まぁお言葉に甘えて俺は、お先に寝させてもらうよ」ファァ
キャーリサ「はっはっは、だったら早くしないと。私の優しさは気紛れだぞ?」
キャーリサ「あ、そうそう。今は風斬に一部屋貸しているから、よろしく頼むし」
890: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:46:28.48 ID:9RGonqe90
上条「風斬に?」
キャーリサ「とりあえず、だがな。今はもう寝ている。そっとしといてやれ」
上条「……あ、あぁ。(そういや風斬って普段、どうしてるんだ……?)」
キャーリサ「……」ジトッ
上条「……な、何ですかその睨みつけるような目は……」
キャーリサ「……寝込みを襲うなよ?」
上条「襲いませんよっ!?」
キャーリサ「……本当か?彼女は私から見ても相当な身体付きだと思うのだがなぁ」
上条「俺を何だと思ってるんでせうか!?」
キャーリサ「野獣」
上条「人じゃない!?」ガビーン
キャーリサ「ぷっ、くははっ……!何をそんなに慌てることがあるし」
キャーリサ「それじゃあ余計に下心があるのかと思われて怪しいぞ」
上条「ちょ、え、ええ!?」
キャーリサ「まぁ、女性三人に囲まれて暮らしている貴様の身にもなったら、襲う気持ちは分からんでもないが……」
上条「だ、だからそんなことは……」
上条「(っ!)」ハッ
ヴェント『好きにして……いいから……』
上条「……」ボンッ
上条「(何を思い出しているんだ俺は!!あれは夢だったんだ!!そうだ!)」アセアセ
キャーリサ「?」
上条「お、俺は!!そういうことで!!お、おやすみですっ!!」ダッ
キャーリサ「……?」ポツーン
キャーリサ「……ふふっ」
キャーリサ「…………あぁ、おやすみ」
――――――
キャーリサ「とりあえず、だがな。今はもう寝ている。そっとしといてやれ」
上条「……あ、あぁ。(そういや風斬って普段、どうしてるんだ……?)」
キャーリサ「……」ジトッ
上条「……な、何ですかその睨みつけるような目は……」
キャーリサ「……寝込みを襲うなよ?」
上条「襲いませんよっ!?」
キャーリサ「……本当か?彼女は私から見ても相当な身体付きだと思うのだがなぁ」
上条「俺を何だと思ってるんでせうか!?」
キャーリサ「野獣」
上条「人じゃない!?」ガビーン
キャーリサ「ぷっ、くははっ……!何をそんなに慌てることがあるし」
キャーリサ「それじゃあ余計に下心があるのかと思われて怪しいぞ」
上条「ちょ、え、ええ!?」
キャーリサ「まぁ、女性三人に囲まれて暮らしている貴様の身にもなったら、襲う気持ちは分からんでもないが……」
上条「だ、だからそんなことは……」
上条「(っ!)」ハッ
ヴェント『好きにして……いいから……』
上条「……」ボンッ
上条「(何を思い出しているんだ俺は!!あれは夢だったんだ!!そうだ!)」アセアセ
キャーリサ「?」
上条「お、俺は!!そういうことで!!お、おやすみですっ!!」ダッ
キャーリサ「……?」ポツーン
キャーリサ「……ふふっ」
キャーリサ「…………あぁ、おやすみ」
――――――
891: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:47:01.33 ID:9RGonqe90
【深夜】
上条「……ふぁ」ファァ
上条「……」ムクッ
上条「……早い時間に寝ちまったもんだから、起きちまったか……」
上条「……何か飲むか」
【リビング】
上条「……」コポポ
上条「……んっんっ、……っはぁ」コトン
上条「……」バタン
上条「すっかり眠気も覚めちまったな……」
上条「……ん?」
上条「……キャーリサ?」
上条「……ふぁ」ファァ
上条「……」ムクッ
上条「……早い時間に寝ちまったもんだから、起きちまったか……」
上条「……何か飲むか」
【リビング】
上条「……」コポポ
上条「……んっんっ、……っはぁ」コトン
上条「……」バタン
上条「すっかり眠気も覚めちまったな……」
上条「……ん?」
上条「……キャーリサ?」
892: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:47:47.69 ID:9RGonqe90
キャーリサ「……」
上条「……ベランダにいたら寒くないか?」
キャーリサ「……!?」ビクッ
キャーリサ「……か、上条……?」
上条「これ」
キャーリサ「……お茶?」
上条「俺も起きちまったからお茶作ったんだ。よかったらどうぞ」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……ふふ、ありがとう」ニコッ
上条「いえいえ」
キャーリサ「……温かい」
上条「……ベランダにいたら寒くないか?」
キャーリサ「……!?」ビクッ
キャーリサ「……か、上条……?」
上条「これ」
キャーリサ「……お茶?」
上条「俺も起きちまったからお茶作ったんだ。よかったらどうぞ」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……ふふ、ありがとう」ニコッ
上条「いえいえ」
キャーリサ「……温かい」
893: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:48:15.04 ID:9RGonqe90
上条「夏でも、夜は冷えるからなぁ」
キャーリサ「日本の気候は英国とは違って暑い方だから、私にとってはこれ位が心地よいものだし」フフン
上条「そ、そうなのか……。確かに俺が行った時も、かなり暮らしやすい気候だった気がする……」
キャーリサ「そうだろう?まぁ冬季の寒さも相当なものだがな」
上条「……冬には布団から出れなくなる上条さんには考えたくもないなぁ」
キャーリサ「……ふふっ」
キャーリサ「ほら、そんなところに座っていても、なんだろうし」ポンポン
上条「え?あ、ありがとうございます」スッ
キャーリサ「……ん」ピトッ
上条「……え?」
キャーリサ「お茶の温かさも、人心地には勝てないの♪」クスクス
キャーリサ「日本の気候は英国とは違って暑い方だから、私にとってはこれ位が心地よいものだし」フフン
上条「そ、そうなのか……。確かに俺が行った時も、かなり暮らしやすい気候だった気がする……」
キャーリサ「そうだろう?まぁ冬季の寒さも相当なものだがな」
上条「……冬には布団から出れなくなる上条さんには考えたくもないなぁ」
キャーリサ「……ふふっ」
キャーリサ「ほら、そんなところに座っていても、なんだろうし」ポンポン
上条「え?あ、ありがとうございます」スッ
キャーリサ「……ん」ピトッ
上条「……え?」
キャーリサ「お茶の温かさも、人心地には勝てないの♪」クスクス
894: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:48:50.00 ID:9RGonqe90
上条「は、はははは……(何故皆さんは純情な上条さんのハートをいじくろうとするのでしょうか……)」ドキドキ
キャーリサ「……」
キャーリサ「……何だか、日本に来てから今まで、あっという間な気がするの」
上条「……?」
キャーリサ「いや、な。ゆっくりとした時間に、何の制限もない生活。そういう自由気ままな生活をしているのに
時間は反比例して早くなる。……時間は無常とは、良く言ったものだし」
上条「……あぁ」
上条「確かに、キャーリサが来てからもう半月以上が経ってるもんな」
キャーリサ「……日数にして、もうそんなに経つか」
上条「何か、色々濃い日々が過ぎていった気がしますよ……」ドヨーン
キャーリサ「はは、それは言えてるし」
キャーリサ「あの白いモヤシの家に行ったのが、つい先日のように感じるよ」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……何だか、日本に来てから今まで、あっという間な気がするの」
上条「……?」
キャーリサ「いや、な。ゆっくりとした時間に、何の制限もない生活。そういう自由気ままな生活をしているのに
時間は反比例して早くなる。……時間は無常とは、良く言ったものだし」
上条「……あぁ」
上条「確かに、キャーリサが来てからもう半月以上が経ってるもんな」
キャーリサ「……日数にして、もうそんなに経つか」
上条「何か、色々濃い日々が過ぎていった気がしますよ……」ドヨーン
キャーリサ「はは、それは言えてるし」
キャーリサ「あの白いモヤシの家に行ったのが、つい先日のように感じるよ」
895: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:49:27.20 ID:9RGonqe90
上条「……アイツをそう呼べるのは、きっと世界中探しても10人といないと思いますよ……」
キャーリサ「……?そうなのか?」
上条「はは……。まぁ学園都市にも色々あるんですよ」
キャーリサ「へぇ……」
キャーリサ「…………今日は、空は真っ暗だし」
上条「……ん?」
上条「本当だ……。月も……星も見えない」
キャーリサ「私は星を眺めるのが好きなんだがなぁ。残念でならないよ」
上条「日本っつーか都心は、最近滅多に星なんて見れなくなってきたからなぁ」
キャーリサ「それはいけないな。星や夜空を見て感慨にふけるというのは
極上の幸せであるのに……」ハァ
上条「日本人にはその感覚はあまりないかもなぁ……」タハハ
キャーリサ「そんなものなのか……。異文化とは怖いな」
上条「それは文化の違いってことなんですかね……?」
キャーリサ「……たぶん」
上条「……たぶんですか」
キャーリサ「……あぁ」ズズッ
上条「……そうですか」ズズッ
キャーリサ「……?そうなのか?」
上条「はは……。まぁ学園都市にも色々あるんですよ」
キャーリサ「へぇ……」
キャーリサ「…………今日は、空は真っ暗だし」
上条「……ん?」
上条「本当だ……。月も……星も見えない」
キャーリサ「私は星を眺めるのが好きなんだがなぁ。残念でならないよ」
上条「日本っつーか都心は、最近滅多に星なんて見れなくなってきたからなぁ」
キャーリサ「それはいけないな。星や夜空を見て感慨にふけるというのは
極上の幸せであるのに……」ハァ
上条「日本人にはその感覚はあまりないかもなぁ……」タハハ
キャーリサ「そんなものなのか……。異文化とは怖いな」
上条「それは文化の違いってことなんですかね……?」
キャーリサ「……たぶん」
上条「……たぶんですか」
キャーリサ「……あぁ」ズズッ
上条「……そうですか」ズズッ
896: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:50:00.84 ID:9RGonqe90
キャーリサ「……」
上条「……っ(中々話が続かないな……)」
キャーリサ「……」フゥ
キャーリサ「……なぁ、上条?」
上条「ん?」
キャーリサ「……もし、私が逃げたいって言ったら、どうする?」
上条「……?」
キャーリサ「王女をやめて、どこへ逃げ去りたいって言ったら。貴様はどうする?」
上条「……っ!?」
上条「きゅ、急に何のことですか?!」アセアセ
キャーリサ「例えばの話だよ。if。極端に可能性の低い仮定の話、さ」
上条「……えっと」
キャーリサ「……」
上条「……俺は、止めると思う」
キャーリサ「…………っ」
キャーリサ「……それは、理由があるのかな?」
上条「えっと……。俺は本当に世界史の点数なんて人に言えたもんじゃねぇし。
キャーリサがどういう仕事してるのかっていうのもわからないけど」
上条「少なくとも、キャーリサを必要としている人がどれくらいいるのかは、前の一件で分かったと思うから」
キャーリサ「……」
上条「それに、キャーリサだってきっと逃げ出しても後に良いことなんて、ないと思うから。だから――」
キャーリサ「……――――と――――――だ」ボソッ
上条「え?」
キャーリサ「……いや、何でもないよ」
キャーリサ「貴重な意見をありがとうだし」
上条「……っ(中々話が続かないな……)」
キャーリサ「……」フゥ
キャーリサ「……なぁ、上条?」
上条「ん?」
キャーリサ「……もし、私が逃げたいって言ったら、どうする?」
上条「……?」
キャーリサ「王女をやめて、どこへ逃げ去りたいって言ったら。貴様はどうする?」
上条「……っ!?」
上条「きゅ、急に何のことですか?!」アセアセ
キャーリサ「例えばの話だよ。if。極端に可能性の低い仮定の話、さ」
上条「……えっと」
キャーリサ「……」
上条「……俺は、止めると思う」
キャーリサ「…………っ」
キャーリサ「……それは、理由があるのかな?」
上条「えっと……。俺は本当に世界史の点数なんて人に言えたもんじゃねぇし。
キャーリサがどういう仕事してるのかっていうのもわからないけど」
上条「少なくとも、キャーリサを必要としている人がどれくらいいるのかは、前の一件で分かったと思うから」
キャーリサ「……」
上条「それに、キャーリサだってきっと逃げ出しても後に良いことなんて、ないと思うから。だから――」
キャーリサ「……――――と――――――だ」ボソッ
上条「え?」
キャーリサ「……いや、何でもないよ」
キャーリサ「貴重な意見をありがとうだし」
897: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:50:53.57 ID:9RGonqe90
キャーリサ「……はは、自分でも何を貴様に尋ねているのだかわからなくなってきたし」
キャーリサ「柄でも無いことをいったから、かな?」クスクス
上条「ははは……」アセアセ
上条「……っ」
上条「え、えっと、キャーリサ?」
キャーリサ「……?」
上条「困ってることがあるなら、俺でよければ話しを聞くけど……」
キャーリサ「……何のことだい?」
上条「い、いや。何かいつもより落ち込んでいるように見えたからさ」
キャーリサ「……ほう?政務の悩みでも聞いてくれるのかな?」フフン
上条「そ、それは厳しいです……」
キャーリサ「くっく、大丈夫だよ。確かに悩みがあるのはあったが」
キャーリサ「…………たった今、解決したからね」
上条「そ、そうですか……」
上条「(……今?)」
キャーリサ「柄でも無いことをいったから、かな?」クスクス
上条「ははは……」アセアセ
上条「……っ」
上条「え、えっと、キャーリサ?」
キャーリサ「……?」
上条「困ってることがあるなら、俺でよければ話しを聞くけど……」
キャーリサ「……何のことだい?」
上条「い、いや。何かいつもより落ち込んでいるように見えたからさ」
キャーリサ「……ほう?政務の悩みでも聞いてくれるのかな?」フフン
上条「そ、それは厳しいです……」
キャーリサ「くっく、大丈夫だよ。確かに悩みがあるのはあったが」
キャーリサ「…………たった今、解決したからね」
上条「そ、そうですか……」
上条「(……今?)」
898: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:51:24.41 ID:9RGonqe90
キャーリサ「……さぁーて、もう夜も遅いし。寝ることにするし」スッ
上条「え?あ、あぁ。そうだな」スッ
キャーリサ「こんな夜中に、私の戯言に付き合せてしまった悪かったの」
上条「いえいえ。俺だってすぐには眠れなかったから丁度よかったですよ」
キャーリサ「……貴様は、どこまでお人よしなんだか……」ククッ
上条「前も言ったけど俺はそんなつもりは全くないんだけど……」
キャーリサ「ははっ、まっ、これも異文化ってことかな?
上条「それもまた違う気が……」
キャーリサ「細かいことは置いておくし。さ、用意してくれたお礼なの。私が片づけをやっておくから
先に寝るといいし」
上条「え?いや俺がやりますよ?」
キャーリサ「やられっぱなしは好きじゃないし。ギブアンドテイクってやつなの」チッチ
上条「そ、そうですか……それじゃあお言葉に甘えて」ファァ
キャーリサ「……おやすみ、上条。お茶美味しかったよ」
上条「おやすみ。また明日」ガチャ
バタン
899: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:53:02.07 ID:9RGonqe90
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」ピピッ
キャーリサ「……あぁ、私だ」
キャーリサ「…………用件を飲む」
キャーリサ「……ふん、ほざいてろ」
キャーリサ「……」ピッ
キャーリサ「……上条」
キャーリサ「私は、…………嘘をついたよ」
キャーリサ「……暗い夜は嫌いだけど。…………星空は、もっと……」
――――――――
―――――
――
900: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/02(日) 23:53:41.82 ID:9RGonqe90
【朝】
キャーリサ「おはよーだしっ!」ダキッ
上条「うぇ"!?」
キャーリサ「こんな良い天気の日にいつまでも寝ていちゃだめだし!」
上条「っつっても今日は祝日で特にすることも……」
キャーリサ「風斬も朝早くから出て行ってしまったし。昨日はヴェントと遊びに行ったのだろう?今日は私に付き合うといいの!」
上条「そ、それは構わないけど……」
ヴェント「……」ガチャ
ヴェント「…………」
上条「……お?」
キャーリサ「……おはよう?」ニヤッ
ヴェント「……」ビキッ
ヴェント「……朝から、何じゃれあってんだぁぁぁ!!」
上条「ちょ、そんなものを朝から振り回しちゃ危なぁぁ!?」
―――――――――
―――――
キャーリサ「おはよーだしっ!」ダキッ
上条「うぇ"!?」
キャーリサ「こんな良い天気の日にいつまでも寝ていちゃだめだし!」
上条「っつっても今日は祝日で特にすることも……」
キャーリサ「風斬も朝早くから出て行ってしまったし。昨日はヴェントと遊びに行ったのだろう?今日は私に付き合うといいの!」
上条「そ、それは構わないけど……」
ヴェント「……」ガチャ
ヴェント「…………」
上条「……お?」
キャーリサ「……おはよう?」ニヤッ
ヴェント「……」ビキッ
ヴェント「……朝から、何じゃれあってんだぁぁぁ!!」
上条「ちょ、そんなものを朝から振り回しちゃ危なぁぁ!?」
―――――――――
―――――
901: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:08:46.32 ID:nZ/H79W+0
【海】
キャーリサ「か、上条!そこは右だし!!」
上条「お、そ、そうか!!わかった!!」
キャーリサ「……」ニヤリ
キャーリサ「そこだしっ!!行けぇ!!」
上条「こ、ここか!!うぉぉぉ!!」
上条「っ!」スカッ
上条「え!?」ドサッ
キャーリサ「目隠しした上条、つっかまえーたー?♪」ツー
上条「ちょ、キャ、キャーリサさん!?」ゾクッ
キャーリサ「ふふふ、もう離さないし~?」サワサワ
上条「ちょ、ちょっと!?そこは、え、不幸だあああ!!!」
――――――――――
――――――
キャーリサ「か、上条!そこは右だし!!」
上条「お、そ、そうか!!わかった!!」
キャーリサ「……」ニヤリ
キャーリサ「そこだしっ!!行けぇ!!」
上条「こ、ここか!!うぉぉぉ!!」
上条「っ!」スカッ
上条「え!?」ドサッ
キャーリサ「目隠しした上条、つっかまえーたー?♪」ツー
上条「ちょ、キャ、キャーリサさん!?」ゾクッ
キャーリサ「ふふふ、もう離さないし~?」サワサワ
上条「ちょ、ちょっと!?そこは、え、不幸だあああ!!!」
――――――――――
――――――
902: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:10:18.48 ID:nZ/H79W+0
【とある休日】
ヴェント「……ほら、早く引きやがれ」
上条「こ、……これだ!!」
上条「…………おっし!」
ヴェント「なっ!?」
上条「お先に上がりですよ!!」
インデックス「と、とうまが初めてトランプに勝ったかも!!」
上条「い、いや別に初めてではないけども……。珍しいことではあるが」
キャーリサ「それじゃ、次は貴様が引く番だし」
ヴェント「……く、クソ……これ!!」
キャーリサ「ふふん?」
ヴェント「……くぅ!?」
キャーリサ「ははは、少しくらいポーカーフェイスをするものだし」
ヴェント「……ほら、早く引きやがれ」
上条「こ、……これだ!!」
上条「…………おっし!」
ヴェント「なっ!?」
上条「お先に上がりですよ!!」
インデックス「と、とうまが初めてトランプに勝ったかも!!」
上条「い、いや別に初めてではないけども……。珍しいことではあるが」
キャーリサ「それじゃ、次は貴様が引く番だし」
ヴェント「……く、クソ……これ!!」
キャーリサ「ふふん?」
ヴェント「……くぅ!?」
キャーリサ「ははは、少しくらいポーカーフェイスをするものだし」
903: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:10:46.59 ID:nZ/H79W+0
ヴェント「う、うるせえ!次はテメェの番だろ!」
キャーリサ「おっと失礼した。そうだったな」スッ
ヴェント「……んなっ!?」
キャーリサ「はい、上がり?」ポイ
ヴェント「……っ!!」
キャーリサ「……遠吠えなら遠慮しとくし?」
ヴェント「……」ブチッ
ヴェント「いいぜぇ!?なら何べんでも負かしてやるよぉ!!」
インデックス「ヴぇ、ヴェントがすごく怖いかも……」
上条「同感」
ヴェント「あぁ"!?」ギロッ
上条「ナンデモアリマセン」
ヴェント「もう一戦やるぞ!」シュッシュ
上条「は、はい……」
インデックス「もう疲れたかもぉ……」
キャーリサ「……ふふ」クスッ
―――――――――――
――――――
キャーリサ「おっと失礼した。そうだったな」スッ
ヴェント「……んなっ!?」
キャーリサ「はい、上がり?」ポイ
ヴェント「……っ!!」
キャーリサ「……遠吠えなら遠慮しとくし?」
ヴェント「……」ブチッ
ヴェント「いいぜぇ!?なら何べんでも負かしてやるよぉ!!」
インデックス「ヴぇ、ヴェントがすごく怖いかも……」
上条「同感」
ヴェント「あぁ"!?」ギロッ
上条「ナンデモアリマセン」
ヴェント「もう一戦やるぞ!」シュッシュ
上条「は、はい……」
インデックス「もう疲れたかもぉ……」
キャーリサ「……ふふ」クスッ
―――――――――――
――――――
904: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:11:17.57 ID:nZ/H79W+0
【とある夜】
ヴェント「うぁ~……ひっ」
キャーリサ「も~うぎぶあっぷなの~……?ロシアはビールはジュースだって聞いたことあるんだし~?」
ヴェント「ま、まだにきまっひぇんだろぉ……」ゴクゴク
上条「ちょ、ちょっと!?お酒は少しくらい控えた方が……」
ヴェント「うるしぇえ!!まだ私はコイツに負け越ひてるんひゃよお……」
キャーリサ「ふふん。執念は認めてやるしぃ~……?」
ヴェント「ほざいてろよぉ……ひっ」
キャーリサ「ただとらんぷげーむでは私の足元にも及ばなかったしぃ?」
ヴェント「あ、あんなの運が悪かっただけひゃろ!?」ドン
上条「ひぃっ!」ビクッ
キャーリサ「運も実力の内、だし~?」
ヴェント「うぁ~……ひっ」
キャーリサ「も~うぎぶあっぷなの~……?ロシアはビールはジュースだって聞いたことあるんだし~?」
ヴェント「ま、まだにきまっひぇんだろぉ……」ゴクゴク
上条「ちょ、ちょっと!?お酒は少しくらい控えた方が……」
ヴェント「うるしぇえ!!まだ私はコイツに負け越ひてるんひゃよお……」
キャーリサ「ふふん。執念は認めてやるしぃ~……?」
ヴェント「ほざいてろよぉ……ひっ」
キャーリサ「ただとらんぷげーむでは私の足元にも及ばなかったしぃ?」
ヴェント「あ、あんなの運が悪かっただけひゃろ!?」ドン
上条「ひぃっ!」ビクッ
キャーリサ「運も実力の内、だし~?」
905: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:11:46.97 ID:nZ/H79W+0
ヴェント「て、てめぇぇ……女狐がぁぁ」
キャーリサ「こんこん♪キツネはとってもかわいいしぃ?」
ヴェント「よぉ~し……それひゃあコイツで勝負だあ……」
キャーリサ「!!」
キャーリサ「こ、これは最低アルコール度数50の……!」
上条「ご、50!?」
ヴェント「ひぇっひぇ……高いうときの為の用意もしっかりしてあんひゃよぉ……」
キャーリサ「……いいし。受けて立ってやるしぃ♪」
上条「うへえ……お、俺は匂いだけで酔ってしまいそうなのでお先に寝――」ソォ
キャーリサ・ヴェント「待った」
上条「いっ!?」
キャーリサ「こんな可憐な女性を残して一人べっどるーむに先に向かう男性なんて、ありえないしぃ?」
ヴェント「きっちり最後の最後までみひぇいけよぉ……しんぱんだよぉてめぇはぁ」
上条「い、いや俺未成年ですし……」
ヴェント・キャーリサ「あ"ぁ"!?」ギロッ
上条「い、いや、なんでもありませんっ!」ビクゥッ
キャーリサ「こんこん♪キツネはとってもかわいいしぃ?」
ヴェント「よぉ~し……それひゃあコイツで勝負だあ……」
キャーリサ「!!」
キャーリサ「こ、これは最低アルコール度数50の……!」
上条「ご、50!?」
ヴェント「ひぇっひぇ……高いうときの為の用意もしっかりしてあんひゃよぉ……」
キャーリサ「……いいし。受けて立ってやるしぃ♪」
上条「うへえ……お、俺は匂いだけで酔ってしまいそうなのでお先に寝――」ソォ
キャーリサ・ヴェント「待った」
上条「いっ!?」
キャーリサ「こんな可憐な女性を残して一人べっどるーむに先に向かう男性なんて、ありえないしぃ?」
ヴェント「きっちり最後の最後までみひぇいけよぉ……しんぱんだよぉてめぇはぁ」
上条「い、いや俺未成年ですし……」
ヴェント・キャーリサ「あ"ぁ"!?」ギロッ
上条「い、いや、なんでもありませんっ!」ビクゥッ
906: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:12:28.32 ID:nZ/H79W+0
ヴェント「ったくよぉ……」ヒック
キャーリサ「そうだ、ヴェント、この勝負、少し工夫してみることにするしぃ~」ヒッ
ヴェント「くふ~?」ウィ
キャーリサ「勝った方が、上条を一日好きにできる権っていうのはどうかにゃ?」
ヴェント「っ!!!」ビクッ
キャーリサ「もちろん、上条自身に好き勝手するのも、じ・ゆ・う」チッチッチ
上条「え!?俺ですか!?」アセアセ
ヴェント「……っ」
キャーリサ「事前に言っておくけど上条に拒否権はないし~♪」
上条「……さいですか(まぁヴェントにとってそんなん魅力的でもなんでもないだろうし)」
ヴェント「……その勝負乗っひゃ」ヒック
上条「いぃっ!?」
キャーリサ「ふふふんっ?私に酒の席で勝とうとするなんて百年早いってことを教えるとするの♪」キャハッ
ヴェント「せいぜい言ってひゃがれぇ」ククク
上条「(何故に俺のいないところで話がとんとん拍子に進んでいくのだろうか……)」
キャーリサ「それじゃあこの一杯から始めるしぃ!!」チン
ヴェント「望むところひゃぁっ!!」チン
キャーリサ「そうだ、ヴェント、この勝負、少し工夫してみることにするしぃ~」ヒッ
ヴェント「くふ~?」ウィ
キャーリサ「勝った方が、上条を一日好きにできる権っていうのはどうかにゃ?」
ヴェント「っ!!!」ビクッ
キャーリサ「もちろん、上条自身に好き勝手するのも、じ・ゆ・う」チッチッチ
上条「え!?俺ですか!?」アセアセ
ヴェント「……っ」
キャーリサ「事前に言っておくけど上条に拒否権はないし~♪」
上条「……さいですか(まぁヴェントにとってそんなん魅力的でもなんでもないだろうし)」
ヴェント「……その勝負乗っひゃ」ヒック
上条「いぃっ!?」
キャーリサ「ふふふんっ?私に酒の席で勝とうとするなんて百年早いってことを教えるとするの♪」キャハッ
ヴェント「せいぜい言ってひゃがれぇ」ククク
上条「(何故に俺のいないところで話がとんとん拍子に進んでいくのだろうか……)」
キャーリサ「それじゃあこの一杯から始めるしぃ!!」チン
ヴェント「望むところひゃぁっ!!」チン
907: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:13:06.34 ID:nZ/H79W+0
上条「……はぁ」パサッ
ヴェント「……わらひ、は。まだ、いけるぅ~」スースー
キャーリサ「なんだい……?もう、終わりなのぉ……?」スース‐
上条「結局、相打ちってわけですか……」
ヴェント「ううにゅ……かみじょぉ、早くしろよぉ……」
キャーリサ「……へへぇっ……上条、次はあそこだしぃ……」
上条「寝言も似たようなことを……」ハァ
上条「っていうか夢で俺はもう使役されているんでせうか……」カチャカチャ
キャーリサ「……でも、きっとヴェントも、それを……」ムニャ
ヴェント「あのぉお姫しゃまにも、一つ持っていけば……」ムニャ
上条「……」
上条「…………ははっ」
上条「(仲いいんだか悪いんだか……)」
…………。
……。
――――――――――
――――――
908: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:14:05.15 ID:nZ/H79W+0
冥土返し「……ふう。これで一段落したかな?」
冥土返し「年も食ってきたし……仕事も楽じゃなくなってきたねぇ」
ジリリリリ ジリリリリリ
冥土返し「……?(こんな時間に?)」
冥土返し「はいはい。遅れたね」ガチャ
「――――っ!!」
冥土返し「ははは、君か。何をそんなに慌てているんだね?」
「――――――!!!――!」
冥土返し「……何だって?」ピクッ
「――――ッ、……!!」
冥土返し「……後で、また連絡する」ジリン
冥土返し「……やれやれ」
冥土返し「……また、忙しくなりそうだ」
――――――――――――――
――――――――ー
――――
909: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:14:37.02 ID:nZ/H79W+0
【学園都市夏季休業中登校日】
御坂「……っ」ドキドキ
上条「おっす、ビリビリ」
御坂「っ!」
上条「お前も今日は登校日か?」
御坂「び、ビリビリじゃないってば!!」ビリビリ
上条「うぉっ!?あ、朝からあぶねえだろ!?」
御坂「アンタが人のことをビリビリビリビリ言うからでしょうが!!」
上条「そ、そうはいっても……(ならどこでもビリビリするのやめろよ……)」
御坂「あ、あの……さ」
上条「ん?」
御坂「アンタは、今日の午後とか……時間ない?」
上条「うーん……まぁ作れないこともないけど……なんかあったのか?」
御坂「え、えっと明日キャーリサさんが帰るじゃない?だから、お別れの前にプレゼント買いたいなって思ったんだけど……」
御坂「私も結構前に会ったきりだし、すきなものがわからないから……」
上条「……」
御坂「……?どうしたの?」
御坂「……っ」ドキドキ
上条「おっす、ビリビリ」
御坂「っ!」
上条「お前も今日は登校日か?」
御坂「び、ビリビリじゃないってば!!」ビリビリ
上条「うぉっ!?あ、朝からあぶねえだろ!?」
御坂「アンタが人のことをビリビリビリビリ言うからでしょうが!!」
上条「そ、そうはいっても……(ならどこでもビリビリするのやめろよ……)」
御坂「あ、あの……さ」
上条「ん?」
御坂「アンタは、今日の午後とか……時間ない?」
上条「うーん……まぁ作れないこともないけど……なんかあったのか?」
御坂「え、えっと明日キャーリサさんが帰るじゃない?だから、お別れの前にプレゼント買いたいなって思ったんだけど……」
御坂「私も結構前に会ったきりだし、すきなものがわからないから……」
上条「……」
御坂「……?どうしたの?」
910: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:15:05.16 ID:nZ/H79W+0
上条「……そっか、もうそんなに時間が過ぎたのかぁ……って思ってさ」
キャーリサ『時間が無常というのは、良く言ったものだよ』
御坂「何感慨に浸ってるのよ……気持ち悪いわね」
上条「き、気持ち悪いって……」
御坂「と、とりあえずその買い物に付き合って欲しいってわけ!」
上条「おう、そういうことなら」
御坂「ほんとっ!?」
上条「そんなところで上条さんは嘘付きませんことよ……」
御坂「そ、それじゃあ……今日は12時半にここで大丈夫?」
上条「はいはい。了解です」
御坂「な、なんでそんな生返事なのよ!」ビリビリ
上条「うぉっ!?」キュイーン
御坂「ったくもぉ」プルルルル
御坂「……?……っあ。(黒子だ)」
御坂「それじゃ!アンタもシャキッとしなさいよ!」タッタッタ
上条「……忙しいやつだなぁ」
上条「……。この生活も、終わり……かぁ」スタスタ
―――――――
911: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:16:17.55 ID:nZ/H79W+0
【学園都市 某所】
一方通行「……チッ」
結標「会った早々に失礼ね……」
一方通行「悪いねェ……。一生会う機会もねェと思っていたガキにあっちまったもんで」
結標「それは誰の事かしら?」ビキッ
土御門「まぁまぁ。一方通行ももう少し言葉を柔らかくして喋ることをお勧めするぜぃ」
一方通行「はッ。俺はお前みたいに楽天家にはなれないんでなァ」
土御門「これは手厳しい」
結標「……で、私たちを集めたのは何故かしら?」
土御門「いやぁ、本当にすまんにゃー。海原のやつとは連絡が取れなかったですたい、君たちだけに頼む形になってしまったのです」ニャハハ
一方通行「……頼む?」ピクッ
結標「……まーた面倒事でも?」
一方通行「……チッ」
結標「会った早々に失礼ね……」
一方通行「悪いねェ……。一生会う機会もねェと思っていたガキにあっちまったもんで」
結標「それは誰の事かしら?」ビキッ
土御門「まぁまぁ。一方通行ももう少し言葉を柔らかくして喋ることをお勧めするぜぃ」
一方通行「はッ。俺はお前みたいに楽天家にはなれないんでなァ」
土御門「これは手厳しい」
結標「……で、私たちを集めたのは何故かしら?」
土御門「いやぁ、本当にすまんにゃー。海原のやつとは連絡が取れなかったですたい、君たちだけに頼む形になってしまったのです」ニャハハ
一方通行「……頼む?」ピクッ
結標「……まーた面倒事でも?」
912: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:17:13.64 ID:nZ/H79W+0
土御門「……実は結構面倒くさいで吐き捨てられないようなことが起きているんだにゃ~」
一方通行「……それは……アイツら関連とか言うんじゃねェだろォなァ?」
土御門「さっすが一方通行!察しがいいこって」
一方通行「……どういうことだ」
土御門「これは俺も知らなかった。……と言うより、彼女以外誰も知りえなかったんだが。
確かな情報筋の一人に教えてもらったことでね」
結標「ちょ、ちょっと、私が置いてけぼりにされているのだけれど?どういうことなのかしら?」
土御門「それは追って説明していくので安心をしてく――」プルルル
土御門「おっと失礼。――はいはい?」
土御門「っ!?」
一方通行「……」ザッ
結標「ちょ、ちょっとどこへ行くのよ?」アセ
一方通行「……大体何をすべきかの検討はついた」
結標「……な、何なのよ本当に……」
土御門「……悪いにゃー。少し説明している時間もないみたいですぜぃ」
結標「え?」
土御門「せっかく来てくれたところ悪いんだが、今日は俺と一方通行で行くことにする」ザッ
結標「ちょ、ちょっと!?」
土御門「悪いな」ヒュッ
結標「……なんだったわけ?」
結標「……」
結標「ここまで来て、放っておくわけ……ないでしょっ」ヒュン
――――――――――
―――――
一方通行「……それは……アイツら関連とか言うんじゃねェだろォなァ?」
土御門「さっすが一方通行!察しがいいこって」
一方通行「……どういうことだ」
土御門「これは俺も知らなかった。……と言うより、彼女以外誰も知りえなかったんだが。
確かな情報筋の一人に教えてもらったことでね」
結標「ちょ、ちょっと、私が置いてけぼりにされているのだけれど?どういうことなのかしら?」
土御門「それは追って説明していくので安心をしてく――」プルルル
土御門「おっと失礼。――はいはい?」
土御門「っ!?」
一方通行「……」ザッ
結標「ちょ、ちょっとどこへ行くのよ?」アセ
一方通行「……大体何をすべきかの検討はついた」
結標「……な、何なのよ本当に……」
土御門「……悪いにゃー。少し説明している時間もないみたいですぜぃ」
結標「え?」
土御門「せっかく来てくれたところ悪いんだが、今日は俺と一方通行で行くことにする」ザッ
結標「ちょ、ちょっと!?」
土御門「悪いな」ヒュッ
結標「……なんだったわけ?」
結標「……」
結標「ここまで来て、放っておくわけ……ないでしょっ」ヒュン
――――――――――
―――――
913: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:18:19.23 ID:nZ/H79W+0
御坂「……」
御坂「じ、時間よりかなり早めに来ちゃったけど……」
御坂「遅れるより良いわよね!!うん、そう!」
御坂「……」
御坂「か、髪形とか、変じゃないかな……?癖っ毛とか……」シュッシュ
御坂「……」
御坂「べ、ベストに染みとか……」
御坂「……」
御坂「やっぱり、髪形――」
御坂妹「お姉様?」
御坂「!」ビクッ
御坂妹「何をしていらっしゃるのですか?とミサカは挨拶よりも前に問いかけます」
御坂「あ、アンタか……」
御坂妹「……?」
御坂「べ、別に何にもしてないわよ?」アセアセ
御坂妹「……街中で、挙動不審にしている理由は何ですか?とミサカは核心をつきます」
御坂「挙動不審になんてなってないわよ!」
御坂妹「……怪しい。とミサカは疑いの眼差しを向けます」ジト
御坂「……うっ」ジリッ
御坂妹「後ずさりをしたことにお姉様が何かを隔しているということの確信を得ました。とミサカはズバリ言い当てます」
御坂「じ、時間よりかなり早めに来ちゃったけど……」
御坂「遅れるより良いわよね!!うん、そう!」
御坂「……」
御坂「か、髪形とか、変じゃないかな……?癖っ毛とか……」シュッシュ
御坂「……」
御坂「べ、ベストに染みとか……」
御坂「……」
御坂「やっぱり、髪形――」
御坂妹「お姉様?」
御坂「!」ビクッ
御坂妹「何をしていらっしゃるのですか?とミサカは挨拶よりも前に問いかけます」
御坂「あ、アンタか……」
御坂妹「……?」
御坂「べ、別に何にもしてないわよ?」アセアセ
御坂妹「……街中で、挙動不審にしている理由は何ですか?とミサカは核心をつきます」
御坂「挙動不審になんてなってないわよ!」
御坂妹「……怪しい。とミサカは疑いの眼差しを向けます」ジト
御坂「……うっ」ジリッ
御坂妹「後ずさりをしたことにお姉様が何かを隔しているということの確信を得ました。とミサカはズバリ言い当てます」
914: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:19:00.18 ID:nZ/H79W+0
御坂「うぅ……」
御坂妹「本当にお姉様は隠し事が下手ですね……。とミサカは――」バタッ
御坂「……え?」
御坂妹「……」
御坂「ちょ、ちょっと……?」
御坂「だ、大丈夫!?ちょっと返事をし――」
御坂「……て(急に……身体の力……が……)」ガクッ
御坂「……くっ」フラフラ
御坂「(だ、ダメ。気を抜くとすぐにも……!)」
御坂「と、とにかく、安全な、場所……へ……」ググッ
「……やれやれ」
御坂「…………っ!」キッ
「……気力だけで耐えるなんて、そんな非常識があり得るものなのか」
御坂「……あ、アンタ、誰、なの……よ……!!(だめ、立って、られない……)」ガクッ
「……ふふ、毎――変――い」
御坂「(もう、……意識が……)」
「…………」
「……勝――は、貴様の――ち――」
御坂「……」
「…………」
「…………すまない」スッ
―――――――――――
御坂妹「本当にお姉様は隠し事が下手ですね……。とミサカは――」バタッ
御坂「……え?」
御坂妹「……」
御坂「ちょ、ちょっと……?」
御坂「だ、大丈夫!?ちょっと返事をし――」
御坂「……て(急に……身体の力……が……)」ガクッ
御坂「……くっ」フラフラ
御坂「(だ、ダメ。気を抜くとすぐにも……!)」
御坂「と、とにかく、安全な、場所……へ……」ググッ
「……やれやれ」
御坂「…………っ!」キッ
「……気力だけで耐えるなんて、そんな非常識があり得るものなのか」
御坂「……あ、アンタ、誰、なの……よ……!!(だめ、立って、られない……)」ガクッ
「……ふふ、毎――変――い」
御坂「(もう、……意識が……)」
「…………」
「……勝――は、貴様の――ち――」
御坂「……」
「…………」
「…………すまない」スッ
―――――――――――
915: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:19:57.01 ID:nZ/H79W+0
【通学路】
上条「お、おいおい……どういうことだよ」
吹寄「……」
上条「お、おい……?!悪ふざけならやめろよ!?」ユサユサ
青髪ピアス「……」
上条「こ、これは……」
上条「……俺以外、皆倒れちまった……」
上条「どうなってんだよ、これ……さっきまでは普通に……!}
上条「……!!」
上条「『俺以外』ってことは……」
インデックス「とーま!!」
上条「!!」
上条「い、インデックス!無事だったのか!?これは一体!?」
インデックス「はぁ、はぁっ……」
インデックス「わ、私は魔術が施行される前に保護術式を使ったから問題ないかも……」
上条「魔術!?ってことはやっぱりまた……!」
インデックス「そ、その前に聴いて!とーま!!ひょうかがどこへ行ったか知ってる!?」
上条「……え?」
インデックス「さっき、とうまの所に行ったんだよ!そしたらヴェントがいて……ひょうかはずっと前の朝に出たっきりって……」
上条「お、俺もそうとしか聞いていないんだけど……インデックスの所には連絡がないのか!?」
インデックス「全く何にも連絡がないかも……」
上条「なんだよ、それ……」
インデックス「それに、来る時に周りの人がどんどん倒れてったから……。
この術式はかなり大規模かつ、広範囲にかかっているものかも!!」
上条「お、おいおい……どういうことだよ」
吹寄「……」
上条「お、おい……?!悪ふざけならやめろよ!?」ユサユサ
青髪ピアス「……」
上条「こ、これは……」
上条「……俺以外、皆倒れちまった……」
上条「どうなってんだよ、これ……さっきまでは普通に……!}
上条「……!!」
上条「『俺以外』ってことは……」
インデックス「とーま!!」
上条「!!」
上条「い、インデックス!無事だったのか!?これは一体!?」
インデックス「はぁ、はぁっ……」
インデックス「わ、私は魔術が施行される前に保護術式を使ったから問題ないかも……」
上条「魔術!?ってことはやっぱりまた……!」
インデックス「そ、その前に聴いて!とーま!!ひょうかがどこへ行ったか知ってる!?」
上条「……え?」
インデックス「さっき、とうまの所に行ったんだよ!そしたらヴェントがいて……ひょうかはずっと前の朝に出たっきりって……」
上条「お、俺もそうとしか聞いていないんだけど……インデックスの所には連絡がないのか!?」
インデックス「全く何にも連絡がないかも……」
上条「なんだよ、それ……」
インデックス「それに、来る時に周りの人がどんどん倒れてったから……。
この術式はかなり大規模かつ、広範囲にかかっているものかも!!」
916: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:20:23.77 ID:nZ/H79W+0
上条「……そ、それってつまり」
インデックス「……かなり前から準備されていた計画的な行為であるってことなんだよ!!」
インデックス「もうしかしたら……ひょうかも……」グスッ
上条「……インデックス、さっきマンションに行った時……キャーリサはいたのか?」
インデックス「……へ?う、ううん。見なかったかも」
上条「……っ!」ダッ
インデックス「と、とうま!?」
上条「インデックス!!お前はターゲットになる可能性だって十分にある!
お前はステイル達と連絡を取ってから、俺のマンションに隠れてろ!!」ダッ
上条「(……っ!!くそっ!今回はターゲットになりうる人間が多すぎる!)」
上条「(ヴェント、キャーリサ、インデックス……。一体、誰が狙いでこんなことを……!?)」
上条「(少なくとも……っ!!何もしないよりは何かをしないといけないってことは、確か!!)」
上条「(皆、無事でいてくれ……!)」
――――――――――
インデックス「……かなり前から準備されていた計画的な行為であるってことなんだよ!!」
インデックス「もうしかしたら……ひょうかも……」グスッ
上条「……インデックス、さっきマンションに行った時……キャーリサはいたのか?」
インデックス「……へ?う、ううん。見なかったかも」
上条「……っ!」ダッ
インデックス「と、とうま!?」
上条「インデックス!!お前はターゲットになる可能性だって十分にある!
お前はステイル達と連絡を取ってから、俺のマンションに隠れてろ!!」ダッ
上条「(……っ!!くそっ!今回はターゲットになりうる人間が多すぎる!)」
上条「(ヴェント、キャーリサ、インデックス……。一体、誰が狙いでこんなことを……!?)」
上条「(少なくとも……っ!!何もしないよりは何かをしないといけないってことは、確か!!)」
上条「(皆、無事でいてくれ……!)」
――――――――――
917: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:22:08.65 ID:nZ/H79W+0
【学園都市 研究施設】
「……」
「…………」
「……ちっ」
「……」ドガッ
「…………」タッ
土御門「……どこへいくのかにゃー?」
「……」
「……無事な人間もいたか」
土御門「ま、ほとんどはおネンネだけどにゃー」
「……つまり、増援はない、と?」
土御門「それは」
一方通行「……どうかなァ?」ドッ
「……!!」シュッ
一方通行「……チィ」
「…………貴様……」
土御門「おいおい、仮にも学園都市第一位だろう?そこを外してしまってどうするんだ?」
「……!」
一方通行「うるせェ……。テメェに言われる筋合いなんてねェな」
土御門「そういうことは仕事をきっちりと終えてから言ってもらおうか」
「……なるほど、そういうことか」ボソリ
「……」
「…………」
「……ちっ」
「……」ドガッ
「…………」タッ
土御門「……どこへいくのかにゃー?」
「……」
「……無事な人間もいたか」
土御門「ま、ほとんどはおネンネだけどにゃー」
「……つまり、増援はない、と?」
土御門「それは」
一方通行「……どうかなァ?」ドッ
「……!!」シュッ
一方通行「……チィ」
「…………貴様……」
土御門「おいおい、仮にも学園都市第一位だろう?そこを外してしまってどうするんだ?」
「……!」
一方通行「うるせェ……。テメェに言われる筋合いなんてねェな」
土御門「そういうことは仕事をきっちりと終えてから言ってもらおうか」
「……なるほど、そういうことか」ボソリ
918: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:22:51.07 ID:nZ/H79W+0
一方通行「つくづくうるっせェやつだなテメェは」
土御門「さて、そこのフードを被った謎の人物Xさん?よかったらその麗しゅう素顔を見せてくれませんかね?」
「……」
土御門「今言った通り、彼は学園都市の一番手でして。
彼が来てしまった時点で、……もう、終わりなんですたい」
一方通行「……」
土御門「だから、おいたはここまでにしておいてくれませんかねぇ?」
「……断る、と言ったら?」
一方通行「……」
一方通行「……それじゃあ、お仕置きと行きますかァ!!」シュ
「……」フッ
一方通行「……!?」スカッ
「……あまり、気は乗らないが」
「手を出してくるなら仕方あるまいし……」
一方通行「(……こ、コイツ……!?)」
「それじゃ、君も遅ればせながら、眠りについてもらうと……」
「――しようっ!!」
――――――――
土御門「さて、そこのフードを被った謎の人物Xさん?よかったらその麗しゅう素顔を見せてくれませんかね?」
「……」
土御門「今言った通り、彼は学園都市の一番手でして。
彼が来てしまった時点で、……もう、終わりなんですたい」
一方通行「……」
土御門「だから、おいたはここまでにしておいてくれませんかねぇ?」
「……断る、と言ったら?」
一方通行「……」
一方通行「……それじゃあ、お仕置きと行きますかァ!!」シュ
「……」フッ
一方通行「……!?」スカッ
「……あまり、気は乗らないが」
「手を出してくるなら仕方あるまいし……」
一方通行「(……こ、コイツ……!?)」
「それじゃ、君も遅ればせながら、眠りについてもらうと……」
「――しようっ!!」
――――――――
919: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:26:46.46 ID:nZ/H79W+0
【大通り】
上条「ここで御坂と待ち合わせをしていたはずなんだが……」
上条「……っ!!」
上条「み、御坂!!御坂!!」バッ
御坂「……」
御坂妹「……」
上条「……!!い、妹の方も……」
上条「おい、起きろ!!返事をしてくれっ!!」ユサユサ
御坂妹「……」
御坂「……」
上条「(だ、ダメだ!人力では起こすことは……!)」
上条「っ!」チラッ
上条「(……見渡す限り、学園都市中の人たちが眠っちまってる……!
やっぱり、インデックスの言うとおり……・。相当強力なものってことか……!)」
上条「……くっそ!!」ダッ
――――――――
上条「ここで御坂と待ち合わせをしていたはずなんだが……」
上条「……っ!!」
上条「み、御坂!!御坂!!」バッ
御坂「……」
御坂妹「……」
上条「……!!い、妹の方も……」
上条「おい、起きろ!!返事をしてくれっ!!」ユサユサ
御坂妹「……」
御坂「……」
上条「(だ、ダメだ!人力では起こすことは……!)」
上条「っ!」チラッ
上条「(……見渡す限り、学園都市中の人たちが眠っちまってる……!
やっぱり、インデックスの言うとおり……・。相当強力なものってことか……!)」
上条「……くっそ!!」ダッ
――――――――
920: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:27:51.90 ID:nZ/H79W+0
【某研究所】
一方通行「……っごはっ……」
一方通行「……て、てめ……」ググッ
「……終わりだ」バキッ
一方通行「――っ!!」ドッ
一方通行「……」ズルル
土御門「……っこれは驚いた……」
「……さて、残った君は、どうするのかな?」
土御門「……あぁ。これは予想外だ。まさかあの一方通行が」
土御門「ただ、俺も仕事なんでね……。最後の最後まで喘がさせていただきますよ」スッ
「……」
「そうか……」
「…………残念だ」シャッ
――――――――――
一方通行「……っごはっ……」
一方通行「……て、てめ……」ググッ
「……終わりだ」バキッ
一方通行「――っ!!」ドッ
一方通行「……」ズルル
土御門「……っこれは驚いた……」
「……さて、残った君は、どうするのかな?」
土御門「……あぁ。これは予想外だ。まさかあの一方通行が」
土御門「ただ、俺も仕事なんでね……。最後の最後まで喘がさせていただきますよ」スッ
「……」
「そうか……」
「…………残念だ」シャッ
――――――――――
921: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:28:20.99 ID:nZ/H79W+0
【マンション】
上条「キャ、キャーリサ!?」バン
上条「ヴェント!?」バン
上条「ふ、二人とも……いない……!」
上条「どこへ……!?」バン
上条「な、何なんだよ……ほんとに……何が……!!」チラッ
上条「………………っ!!!」
上条「ちっくしょう!!」ダッ
―――――――――
上条「キャ、キャーリサ!?」バン
上条「ヴェント!?」バン
上条「ふ、二人とも……いない……!」
上条「どこへ……!?」バン
上条「な、何なんだよ……ほんとに……何が……!!」チラッ
上条「………………っ!!!」
上条「ちっくしょう!!」ダッ
―――――――――
922: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:31:53.15 ID:nZ/H79W+0
【夕方:空港管理ビル屋上】
「……」
「……ふん、途中の女……よく脱力感に耐えながら来たものだし」バン
「…………」
ヴェント「……やれやれ」
「!?」
ヴェント「やけに外が静かだと思って来てみれば……」
ヴェント「天下の学園都市サマに今更ケンカを売るなんて、正気とは思えねぇクソッタレがいるってわけじゃねえか」
「……貴様、なぜ……?」
ヴェント「……胸糞悪いが、私もテメェみたいな奴と似たような稼業だったんでねぇ。
今でも自分の身を守る程度の防護は日常何だよねぇ」ケラケラ
「……」
ヴェント「さぁて、私の話なんて今はどうでもいいのさ。
今は、テメェを私がどう料理するか、ってことだけに集中しようぜ?」
「……悪いけど、今、貴様にやられるわけにはいかないのでね」
「抵抗させていただくとしよう」スッ
「……」
「……ふん、途中の女……よく脱力感に耐えながら来たものだし」バン
「…………」
ヴェント「……やれやれ」
「!?」
ヴェント「やけに外が静かだと思って来てみれば……」
ヴェント「天下の学園都市サマに今更ケンカを売るなんて、正気とは思えねぇクソッタレがいるってわけじゃねえか」
「……貴様、なぜ……?」
ヴェント「……胸糞悪いが、私もテメェみたいな奴と似たような稼業だったんでねぇ。
今でも自分の身を守る程度の防護は日常何だよねぇ」ケラケラ
「……」
ヴェント「さぁて、私の話なんて今はどうでもいいのさ。
今は、テメェを私がどう料理するか、ってことだけに集中しようぜ?」
「……悪いけど、今、貴様にやられるわけにはいかないのでね」
「抵抗させていただくとしよう」スッ
923: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:32:36.93 ID:nZ/H79W+0
ヴェント「……」
ヴェント「そぉかい」
ヴェント「無抵抗なら何もせずに捕縛するだけで許してやろうかなと思ったんだがなぁ」
ヴェント「やっぱり、私に優しさなんて求めるもんじゃないってことかい」スチャッ
「……あの神の右席のメンバーと戦えるなんて、僥倖極まりないな」スッ
ヴェント「……!」
ヴェント「なーんだぁ、ククッ」クスクス
「……」
ヴェント「どこのどいつだか知らないが。機密事項であることを知っている人間を放っておいてしまうなんて、……私も落ちたものだね」
「それは私の情報収集能力を褒めていると捉えてもかまわないかな?」
ヴェント「はん、ほざけ」
ヴェント「……言っとくけど、私は手加減なんざする気はねぇからな?死んじまっても恨むんじゃねぇぞ」スッ
「……くくっ」
ヴェント「なーに笑っていやがんだ、てめぇ……」ビキ
「いやぁ、ここまで来て相手の身を案じていること自体、貴様の優しさを示していると思って、な」
ヴェント「……」ブチッ
ヴェント「……何を……」
ヴェント「……何を知ったような口ぶりをォ!!」ズァ
「……っ」ガッ
ヴェント「……いいねぇ?さすがにちょっとはやるみたいだ」
924: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:33:59.83 ID:nZ/H79W+0
「……ふふ」
ヴェント「……」ビキビキ
ヴェント「……いつまで」
ヴェント「笑ってんだぁっっ!!!」ドガガッ
「……!」ガギィッ
ヴェント「ここに来てから、会う奴は私の腹を逆撫でするのが上手なやつばっかりだな」スッ
「……ほぉ?」
ヴェント「だが、テメェはその中でも一位二位を争うよ……ぉっ!」ダギャッ
「……」サッ
ヴェント「ちっ。ちょこちょこと避けやがって……」
「……ふむ」
「私と首位を争っているというその輩は」
「こいつかい?」パサ
ヴェント「……?」
ヴェント「……!!!」
ヴェント「て、テメェ!!!!!」ザッ
「元、神の右席のメンバー・ヴェント」
「最後の勝敗を、つけようか」ザッ
――――――――――――
――――――
―――
ヴェント「……」ビキビキ
ヴェント「……いつまで」
ヴェント「笑ってんだぁっっ!!!」ドガガッ
「……!」ガギィッ
ヴェント「ここに来てから、会う奴は私の腹を逆撫でするのが上手なやつばっかりだな」スッ
「……ほぉ?」
ヴェント「だが、テメェはその中でも一位二位を争うよ……ぉっ!」ダギャッ
「……」サッ
ヴェント「ちっ。ちょこちょこと避けやがって……」
「……ふむ」
「私と首位を争っているというその輩は」
「こいつかい?」パサ
ヴェント「……?」
ヴェント「……!!!」
ヴェント「て、テメェ!!!!!」ザッ
「元、神の右席のメンバー・ヴェント」
「最後の勝敗を、つけようか」ザッ
――――――――――――
――――――
―――
925: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:34:41.45 ID:nZ/H79W+0
【夜 学園都市 第○○学区 丘】
「……はぁ、はぁ」ズルズル
「……ぎっ」ズキッ
「……はは、流石に無傷ってわけにはいかないか……」
「相手が油断していなかったら、危なかった……か」
「…………」
「……さて、そろそろ最後の仕上げへと向かう時間――」
ガサッ
「……と、その前に」
「…………最後の客人が訪れたようだ」
上条「はぁ、はぁっ……」ガサ
上条「く、クッソ!!ここにも誰も……」
「おやおや、随分と遅いご到着のようで」
「……はぁ、はぁ」ズルズル
「……ぎっ」ズキッ
「……はは、流石に無傷ってわけにはいかないか……」
「相手が油断していなかったら、危なかった……か」
「…………」
「……さて、そろそろ最後の仕上げへと向かう時間――」
ガサッ
「……と、その前に」
「…………最後の客人が訪れたようだ」
上条「はぁ、はぁっ……」ガサ
上条「く、クッソ!!ここにも誰も……」
「おやおや、随分と遅いご到着のようで」
926: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:35:24.76 ID:nZ/H79W+0
上条「!」
上条「……っ、今、この状態で起きているってことは、お前が……」グッ
「きっと君の推測は正しい」
上条「!」
「私が魔術を使用して、学園都市の一部地域の住民を強制脱力状態にしている」
上条「ま、魔術師……!!」
「……ふふ、だが、例えそれがわかったところで、君に何ができるのかな?幻想殺しクン?」
上条「……っ!!お、俺のことを知っているのか!?」
「……」
「……知っているも何も、私の目的のうちの1つは、君のことなのだから。不思議なことではなかろう」
上条「……!!」
上条「お、俺が狙いなら何で……!!何で学園都市全体を狙うんだ!?俺なんてその気になれば簡単に――」
「おっと、長話をしていてもいいのかな?」スッ
上条「……!?」
「あそこで寝てるの、だーれだぁ?」ニィ
上条「……!!!」
上条「ヴェ、ヴェント!?おい!!大丈夫か!?」ユサユサ
ヴェント「……う、ん…………」
上条「(……不用意に動かさない方がいい……くそっ!)」
上条「(こ、こいつが、ヴェントを……!?)」
上条「(……そ、それじゃあ)」
「……あいにく、私は君のヒーローごっこに付き合っている暇はないんでね」ススッ
上条「…………どこだ」
「?」
上条「キャーリサはどこだ!?」
「……っ」
上条「ヴェントがいるなら、キャーリサもテメェが……!!」
上条「……っ、今、この状態で起きているってことは、お前が……」グッ
「きっと君の推測は正しい」
上条「!」
「私が魔術を使用して、学園都市の一部地域の住民を強制脱力状態にしている」
上条「ま、魔術師……!!」
「……ふふ、だが、例えそれがわかったところで、君に何ができるのかな?幻想殺しクン?」
上条「……っ!!お、俺のことを知っているのか!?」
「……」
「……知っているも何も、私の目的のうちの1つは、君のことなのだから。不思議なことではなかろう」
上条「……!!」
上条「お、俺が狙いなら何で……!!何で学園都市全体を狙うんだ!?俺なんてその気になれば簡単に――」
「おっと、長話をしていてもいいのかな?」スッ
上条「……!?」
「あそこで寝てるの、だーれだぁ?」ニィ
上条「……!!!」
上条「ヴェ、ヴェント!?おい!!大丈夫か!?」ユサユサ
ヴェント「……う、ん…………」
上条「(……不用意に動かさない方がいい……くそっ!)」
上条「(こ、こいつが、ヴェントを……!?)」
上条「(……そ、それじゃあ)」
「……あいにく、私は君のヒーローごっこに付き合っている暇はないんでね」ススッ
上条「…………どこだ」
「?」
上条「キャーリサはどこだ!?」
「……っ」
上条「ヴェントがいるなら、キャーリサもテメェが……!!」
927: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:36:01.75 ID:nZ/H79W+0
「……キャーリサ?」
「それを気にすると言うことは。君は、あの英国第二王女と何か関わりがある人物なのかな?」
上条「うるせぇ、その前に答えろ……!」グッ
「と、いうより君にとってキャーリサなんてただ身分が上の存在だろう?電波上で芸能人を見るのとなんら変わらない。
キャーリサは君のなんな――」
上条「俺の……大事な……大事な人だよ!!!」
「っ!!!」
上条「ヴェントだって、お前が魔術をかけた人だって、
俺の大切な人なんだよ!!」
「……」
上条「それを……それを勝手な都合で傷つけて、……何がしたいんだよ!!」
「…………大事な、人。か」
「……………………くっく……くはっ、くははははっ!!」
上条「……!?」
「いやぁ、実に愉快な絵空事を聴いてしまったので思わず吹き出してしまったし」
上条「な、何がおかしいんだよ!?」
上条「大切な人の、自分にとってかけがえのない人のことを思って、何が――!!」
「――誰が貴様にそんなことを望んだ」パサッ
「それを気にすると言うことは。君は、あの英国第二王女と何か関わりがある人物なのかな?」
上条「うるせぇ、その前に答えろ……!」グッ
「と、いうより君にとってキャーリサなんてただ身分が上の存在だろう?電波上で芸能人を見るのとなんら変わらない。
キャーリサは君のなんな――」
上条「俺の……大事な……大事な人だよ!!!」
「っ!!!」
上条「ヴェントだって、お前が魔術をかけた人だって、
俺の大切な人なんだよ!!」
「……」
上条「それを……それを勝手な都合で傷つけて、……何がしたいんだよ!!」
「…………大事な、人。か」
「……………………くっく……くはっ、くははははっ!!」
上条「……!?」
「いやぁ、実に愉快な絵空事を聴いてしまったので思わず吹き出してしまったし」
上条「な、何がおかしいんだよ!?」
上条「大切な人の、自分にとってかけがえのない人のことを思って、何が――!!」
「――誰が貴様にそんなことを望んだ」パサッ
928: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:36:27.70 ID:nZ/H79W+0
上条「っ!?」ビクッ
上条「…………」
「……」
上条「………………そ、そんな……」
上条「…………………なん、で?」
「……」
上条「何、やってんだよ……」
「……」
上条「何やってるって聞いてるんだよ!!!!!キャーリサ!!!!」
キャーリサ「……」
上条「おい……おいっ!!聞こえて――!!」
キャーリサ「聞こえているに決まっているし」ブン
上条「……っ!!!」キュイーン
上条「…………」
「……」
上条「………………そ、そんな……」
上条「…………………なん、で?」
「……」
上条「何、やってんだよ……」
「……」
上条「何やってるって聞いてるんだよ!!!!!キャーリサ!!!!」
キャーリサ「……」
上条「おい……おいっ!!聞こえて――!!」
キャーリサ「聞こえているに決まっているし」ブン
上条「……っ!!!」キュイーン
929: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:38:41.45 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「単細胞な男だし。いい加減その減らず口を閉じろ」
上条「これは……っ!?(カーテナ……。いや、ファーストはもうないはずだから、これはセカンドの方……!)」
キャーリサ「くく、私も甘いものだ。思わず自分の正体を激情に流れたままに晒してしまうとはな」
上条「……っく」
キャーリサ「まぁいい。どの道結果は何も変わりはしないのだから。遅いか早いか、それだけのことだし」ハァ
上条「な、何でだよ……!!」
キャーリサ「……」ブチッ
上条「昨日まで普通に暮らしていたのに……何で、何でだ!?」
キャーリサ「いい加減、聞くこと以外にもコトを覚えろ」ズシャッ
上条「っ!!」サッ
キャーリサ「……逃げ脚だけは以前と変わらず一流、か」
上条「げほっ、けほっ……」
キャーリサ「……元々、私が来た目的自体が、これだって言ったら?」
上条「……!?」
上条「これは……っ!?(カーテナ……。いや、ファーストはもうないはずだから、これはセカンドの方……!)」
キャーリサ「くく、私も甘いものだ。思わず自分の正体を激情に流れたままに晒してしまうとはな」
上条「……っく」
キャーリサ「まぁいい。どの道結果は何も変わりはしないのだから。遅いか早いか、それだけのことだし」ハァ
上条「な、何でだよ……!!」
キャーリサ「……」ブチッ
上条「昨日まで普通に暮らしていたのに……何で、何でだ!?」
キャーリサ「いい加減、聞くこと以外にもコトを覚えろ」ズシャッ
上条「っ!!」サッ
キャーリサ「……逃げ脚だけは以前と変わらず一流、か」
上条「げほっ、けほっ……」
キャーリサ「……元々、私が来た目的自体が、これだって言ったら?」
上条「……!?」
930: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:39:27.82 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「そういえば、今回私が単身で日本に来た理由をまだちゃんと話したことはなかったな」
キャーリサ「……軍部には外と大っぴらな戦争をやる隊があることは、さきの戦争にて我が国とフランスとのことを少しは聞いて知っているだろう?」
キャーリサ「大規模な戦いをやる存在があれば、小規模な戦いを行う人間も存在すると思わないか?」
上条「……!!」
キャーリサ「日本語で言うと、『暗殺』というのかな?」
上条「……その相手が俺、ってことなのかよ……」
キャーリサ「その通りだしっ♪」ブンッ
上条「っ!?」ブシャ
上条「ぐっ……!(く、くそ!!避けきれなくて血が……!)」
キャーリサ「あっはっは!!戦いの最中によそ見をすることはそれ自体死と同義!!」
キャーリサ「ただしぃ!!今回死の危険に襲われているのは……貴様だけではないのだがなぁ!!」ブン
上条「っ!」ズッ
キャーリサ「ははっ!!逃げろ逃げろ!!逃げ惑え!!」ザン ザン
上条「お、俺だけじゃないって、どういう――!!」
キャーリサ「……おやおや?何から何でも女性に任せるなんてそれが紳士のすることかな?」
キャーリサ「少し位はリードをお願いしたいもの……っだ!!」スパン
上条「!!!(あの異次元の球体!!セカンドでも……変わらずに……!)」
キャーリサ「セカンドとは言え術式を事前に準備しておくことによってある程度は原品に近付けるものなのだよ?わかるかな?」トントン
キャーリサ「……それじゃあ、もうそろそろ、死ぬ?」ザン
上条「っ!!」キュイーン
キャーリサ「はっは、まずはその右腕を切り落とす方が先か!?」ズバッ
上条「っぐ!」ガッ
キャーリサ「!(刀身を殴って軌道を……!でも、左手……セカンドは無事!)」
キャーリサ「小賢しい……っ!!」
上条「……はぁ、はぁ」
上条「(俺は……どうしたら!?)」
上条「(キャーリサが元から、そんな目的の為に来ているなんて……そんなこと……)」
キャーリサ「……軍部には外と大っぴらな戦争をやる隊があることは、さきの戦争にて我が国とフランスとのことを少しは聞いて知っているだろう?」
キャーリサ「大規模な戦いをやる存在があれば、小規模な戦いを行う人間も存在すると思わないか?」
上条「……!!」
キャーリサ「日本語で言うと、『暗殺』というのかな?」
上条「……その相手が俺、ってことなのかよ……」
キャーリサ「その通りだしっ♪」ブンッ
上条「っ!?」ブシャ
上条「ぐっ……!(く、くそ!!避けきれなくて血が……!)」
キャーリサ「あっはっは!!戦いの最中によそ見をすることはそれ自体死と同義!!」
キャーリサ「ただしぃ!!今回死の危険に襲われているのは……貴様だけではないのだがなぁ!!」ブン
上条「っ!」ズッ
キャーリサ「ははっ!!逃げろ逃げろ!!逃げ惑え!!」ザン ザン
上条「お、俺だけじゃないって、どういう――!!」
キャーリサ「……おやおや?何から何でも女性に任せるなんてそれが紳士のすることかな?」
キャーリサ「少し位はリードをお願いしたいもの……っだ!!」スパン
上条「!!!(あの異次元の球体!!セカンドでも……変わらずに……!)」
キャーリサ「セカンドとは言え術式を事前に準備しておくことによってある程度は原品に近付けるものなのだよ?わかるかな?」トントン
キャーリサ「……それじゃあ、もうそろそろ、死ぬ?」ザン
上条「っ!!」キュイーン
キャーリサ「はっは、まずはその右腕を切り落とす方が先か!?」ズバッ
上条「っぐ!」ガッ
キャーリサ「!(刀身を殴って軌道を……!でも、左手……セカンドは無事!)」
キャーリサ「小賢しい……っ!!」
上条「……はぁ、はぁ」
上条「(俺は……どうしたら!?)」
上条「(キャーリサが元から、そんな目的の為に来ているなんて……そんなこと……)」
931: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:40:51.05 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ『人心地の方が、温かいし』ピトッ
上条「(…………)」
上条「信じれるわけ、ねぇだろ……!」グググッ
キャーリサ「……おや?決心でもついたのか?」
上条「……」スゥ
上条「……っ!」ダッ
キャーリサ「……迷わず直進?自ら死を急ぐか。それもまた、面白いの」フフン
キャーリサ「…………おやすみ、上条当麻」ズン
上条「っ!!」バッ
キャーリサ「!?(これは……砂!!)」
キャーリサ「しまっ――(油断した――!)」
上条「……ごめんっ!!」バキッ
キャーリサ「……きゃっ!!」ズザザーッ
キャーリサ「……っ(バカ力め……腕が痺れる)」ジンジン
キャーリサ「……くく」
キャーリサ「はははははっ!!」
上条「……」
キャーリサ「一度目だけじゃなく、二度目も貴様に殴られるとわ、ね」
キャーリサ「やはり貴様は面白いし」ザッ
キャーリサ「ただ、もう幼稚な真似は通用しないと思ったほうがいいし」
上条「……教えてくれ」
キャーリサ「……?」
上条「…………本当の目的と、理由のこと」
キャーリサ「……っ」
キャーリサ「……はん、そんなもの、さっき言った通りで何も変わらないの」
キャーリサ「まだ自分が騙されていたことに気付かない能天気は、存在ごと抹消するべきか」ザッ
上条「(…………)」
上条「信じれるわけ、ねぇだろ……!」グググッ
キャーリサ「……おや?決心でもついたのか?」
上条「……」スゥ
上条「……っ!」ダッ
キャーリサ「……迷わず直進?自ら死を急ぐか。それもまた、面白いの」フフン
キャーリサ「…………おやすみ、上条当麻」ズン
上条「っ!!」バッ
キャーリサ「!?(これは……砂!!)」
キャーリサ「しまっ――(油断した――!)」
上条「……ごめんっ!!」バキッ
キャーリサ「……きゃっ!!」ズザザーッ
キャーリサ「……っ(バカ力め……腕が痺れる)」ジンジン
キャーリサ「……くく」
キャーリサ「はははははっ!!」
上条「……」
キャーリサ「一度目だけじゃなく、二度目も貴様に殴られるとわ、ね」
キャーリサ「やはり貴様は面白いし」ザッ
キャーリサ「ただ、もう幼稚な真似は通用しないと思ったほうがいいし」
上条「……教えてくれ」
キャーリサ「……?」
上条「…………本当の目的と、理由のこと」
キャーリサ「……っ」
キャーリサ「……はん、そんなもの、さっき言った通りで何も変わらないの」
キャーリサ「まだ自分が騙されていたことに気付かない能天気は、存在ごと抹消するべきか」ザッ
932: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:41:20.99 ID:nZ/H79W+0
上条「――っ」
キャーリサ「……?何だお前は」バン
上条「……っ」ズザッ
キャーリサ「もう二度目は聞かないと言ったろう?」
上条「――――っ」ダッ
キャーリサ「……くどい」シュピッ
上条「っ」ザッ
上条「……はぁ、はぁ」
キャーリサ「直突猛進してどうする?」
キャーリサ「それこそ、数打てば当たる?そんなことを盲信しているのか?」
上条「……違う」
キャーリサ「何が違う?お前がやっていることはそのままだろう?」
上条「…………違う!!」
キャーリサ「……」
上条「俺は、俺はお前を攻撃しようなんて、これっぽっちも思ってはいないんだ」
キャーリサ「……はぁ?」
キャーリサ「何を言うかと思えば……なんだい?無抵抗なまま死んでくれると私も余計な手間が省けるのだけれど」
上条「……ただ」
上条「…………ただ、傍に寄りたいだけなんだよ……」
キャーリサ「……?何だお前は」バン
上条「……っ」ズザッ
キャーリサ「もう二度目は聞かないと言ったろう?」
上条「――――っ」ダッ
キャーリサ「……くどい」シュピッ
上条「っ」ザッ
上条「……はぁ、はぁ」
キャーリサ「直突猛進してどうする?」
キャーリサ「それこそ、数打てば当たる?そんなことを盲信しているのか?」
上条「……違う」
キャーリサ「何が違う?お前がやっていることはそのままだろう?」
上条「…………違う!!」
キャーリサ「……」
上条「俺は、俺はお前を攻撃しようなんて、これっぽっちも思ってはいないんだ」
キャーリサ「……はぁ?」
キャーリサ「何を言うかと思えば……なんだい?無抵抗なまま死んでくれると私も余計な手間が省けるのだけれど」
上条「……ただ」
上条「…………ただ、傍に寄りたいだけなんだよ……」
933: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:42:12.42 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……!!」
上条「お前と、一対一で話したい」
キャーリサ「……」
上条「この前の夜、お前は明らかに変だったのに」
キャーリサ「……」ハッ
上条「だけど、俺は聞けなかった。勝手に『頼りになる』キャーリサが自分で問題を解決するだろうって、
心の中で考えちまってたんだよ」
上条「だから、今度こそ、今度こそこの前の続きをしよう」
キャーリサ「……ふざ、けるな」ギリッ
上条「ふざけてなんかいない!!なんで暴力でまた解決しようとするんだよ!?少なくともこの前の話葉お前の中で解決なんてしていないからこんな――」
キャーリサ「また、また『何で』!?いつもお得意のそれか!?」ズォ
上条「っ!」バッ
キャーリサ「いいだろう!!そこまで阿呆なら教えてやるし!!!」
キャーリサ「学園都市は強大になり過ぎた!!!」
キャーリサ「第三次世界大戦での勝利は、外交的な威圧感しか見出さなかった!!!」
キャーリサ「貴様らにはわからんだろうがなぁ!!我々諸外国の国々はどこもかしこも学園都市と和平を結ぼうと標針を立てている!!」
上条「っ!」
キャーリサ「だが!!!かつて下僕のように扱っていた国に、そんな不名誉なことを許す民族だと、思っているのか!?」
キャーリサ「その中で、英国軍部は考えたの!!学園都市の力は、どこから来るのか!?」
キャーリサ「科学力?確かにそうだし!超能力開発?これも十分に未知の世界だ!!」
キャーリサ「ただ!!!一番の力は……人口の天使なのだった!!!」
上条「……まさか!?」
キャーリサ「私は見たんだ。ロシアで。あの天使を……!」
上条「……おいおい」
キャーリサ「風斬をな!!!」
上条「まさか、お前らの目的の一つって……」
キャーリサ「だから我々は決行する!!!」
キャーリサ「風斬と言う名の未確認戦力の排除!!そして……!」
キャーリサ「学園都市そのものの活動の停止を!!!」
キャーリサ「そして……!!」
キャーリサ「貴様……上条当麻という、学園都市根幹の導の、暗殺を!!!」
上条「お前と、一対一で話したい」
キャーリサ「……」
上条「この前の夜、お前は明らかに変だったのに」
キャーリサ「……」ハッ
上条「だけど、俺は聞けなかった。勝手に『頼りになる』キャーリサが自分で問題を解決するだろうって、
心の中で考えちまってたんだよ」
上条「だから、今度こそ、今度こそこの前の続きをしよう」
キャーリサ「……ふざ、けるな」ギリッ
上条「ふざけてなんかいない!!なんで暴力でまた解決しようとするんだよ!?少なくともこの前の話葉お前の中で解決なんてしていないからこんな――」
キャーリサ「また、また『何で』!?いつもお得意のそれか!?」ズォ
上条「っ!」バッ
キャーリサ「いいだろう!!そこまで阿呆なら教えてやるし!!!」
キャーリサ「学園都市は強大になり過ぎた!!!」
キャーリサ「第三次世界大戦での勝利は、外交的な威圧感しか見出さなかった!!!」
キャーリサ「貴様らにはわからんだろうがなぁ!!我々諸外国の国々はどこもかしこも学園都市と和平を結ぼうと標針を立てている!!」
上条「っ!」
キャーリサ「だが!!!かつて下僕のように扱っていた国に、そんな不名誉なことを許す民族だと、思っているのか!?」
キャーリサ「その中で、英国軍部は考えたの!!学園都市の力は、どこから来るのか!?」
キャーリサ「科学力?確かにそうだし!超能力開発?これも十分に未知の世界だ!!」
キャーリサ「ただ!!!一番の力は……人口の天使なのだった!!!」
上条「……まさか!?」
キャーリサ「私は見たんだ。ロシアで。あの天使を……!」
上条「……おいおい」
キャーリサ「風斬をな!!!」
上条「まさか、お前らの目的の一つって……」
キャーリサ「だから我々は決行する!!!」
キャーリサ「風斬と言う名の未確認戦力の排除!!そして……!」
キャーリサ「学園都市そのものの活動の停止を!!!」
キャーリサ「そして……!!」
キャーリサ「貴様……上条当麻という、学園都市根幹の導の、暗殺を!!!」
934: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:43:12.93 ID:nZ/H79W+0
上条「……」
キャーリサ「……はぁ、はっ、はぁっ」
上条「……そっか」
上条「…………ありがとう、話してくれて」
キャーリサ「……ふん、今から死ぬお前に礼を言われるなんてお門違いにもほどがあるし」
上条「いや……」
上条「俺は死なない」
キャーリサ「!?」
上条「……」スッ
キャーリサ「……な、なんだ――」チラッ
ヴェント「いつまでもおねんねしてると思ったら……大間違いだよぉ!!!」バキッ
キャーリサ「ぎぃっ……!!」ズザザー
ヴェント「面倒くせえ攻撃ばっかりしてんじゃねえよ、お姫さん」
ヴェント「……いっつ」ガクッ
上条「だ、大丈夫か!?」
ヴェント「……っ!大したことねぇ!!それより!!」サッ
上条「……!(セカンド……!)」
上条「……あぁ」キュイーン
キャーリサ「……い、ぁ」グググッ
上条「……さぁ、キャーリサ」
上条「ここは学園都市。もうセカンドも破壊した」
上条「これで、俺たちと――――」
キャーリサ「……はぁ、はっ、はぁっ」
上条「……そっか」
上条「…………ありがとう、話してくれて」
キャーリサ「……ふん、今から死ぬお前に礼を言われるなんてお門違いにもほどがあるし」
上条「いや……」
上条「俺は死なない」
キャーリサ「!?」
上条「……」スッ
キャーリサ「……な、なんだ――」チラッ
ヴェント「いつまでもおねんねしてると思ったら……大間違いだよぉ!!!」バキッ
キャーリサ「ぎぃっ……!!」ズザザー
ヴェント「面倒くせえ攻撃ばっかりしてんじゃねえよ、お姫さん」
ヴェント「……いっつ」ガクッ
上条「だ、大丈夫か!?」
ヴェント「……っ!大したことねぇ!!それより!!」サッ
上条「……!(セカンド……!)」
上条「……あぁ」キュイーン
キャーリサ「……い、ぁ」グググッ
上条「……さぁ、キャーリサ」
上条「ここは学園都市。もうセカンドも破壊した」
上条「これで、俺たちと――――」
935: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:43:57.38 ID:nZ/H79W+0
パァン...
上条「……ぇ?」
キャーリサ「……ぃひひ?いひ、いひゃははははははぁあっ!!」ケラケラ
上条「ぐ、ぐぁあああああああああ!?」ブシュウ
ヴェント「お、おい!?上条!?」
キャーリサ「……」パァン
ヴェント「がぁっ!?」
ヴェント「わ、私には霊装がある、はずなのに!?」
キャーリサ「……ぺっ」
キャーリサ「本物の軍人たるや、最後まで抜かりはないものだし」
キャーリサ「……魔術で倒せないなら、些か古典的でも、こちらで行くし」
上条「ぐ、ふっ、ぅ」ググッ
キャーリサ「立つな」パン
上条「ぁああああ!!」ガクン
キャーリサ「……一つの策だと思って抜かった貴様らと、万全を期していた私とでは所詮結果など見えているの」ガクガク
上条「……はぁ、はっ」ズキズキ
上条「(血が、止まら、ねぇ……!)」
上条「……ぇ?」
キャーリサ「……ぃひひ?いひ、いひゃははははははぁあっ!!」ケラケラ
上条「ぐ、ぐぁあああああああああ!?」ブシュウ
ヴェント「お、おい!?上条!?」
キャーリサ「……」パァン
ヴェント「がぁっ!?」
ヴェント「わ、私には霊装がある、はずなのに!?」
キャーリサ「……ぺっ」
キャーリサ「本物の軍人たるや、最後まで抜かりはないものだし」
キャーリサ「……魔術で倒せないなら、些か古典的でも、こちらで行くし」
上条「ぐ、ふっ、ぅ」ググッ
キャーリサ「立つな」パン
上条「ぁああああ!!」ガクン
キャーリサ「……一つの策だと思って抜かった貴様らと、万全を期していた私とでは所詮結果など見えているの」ガクガク
上条「……はぁ、はっ」ズキズキ
上条「(血が、止まら、ねぇ……!)」
936: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:44:24.69 ID:nZ/H79W+0
ヴェント「テメェ……いい加減にしろよ……」
キャーリサ「……」
上条「よ、よせ、ヴェント……!」
ヴェント「うるっせぇ……うるっせえ!!」
ヴェント「……私は、戦いの記憶しかない!!」
ヴェント「来る日も来る日も、鮮血を見ない日はほとんどなかった!!」
ヴェント「それが、自分の血か、相手のものか分からなくなるほど危ない日だってあったんだ!!」
ヴェント「そんな中、このくっそ甘ったるい生活に合って!!」
キャーリサ「…………」
ヴェント「やっと……やっと『普通』が分かってきたのに……」
ヴェント「何で、何でお前は……何で!!」
ヴェント「何でだぁぁぁぁ!!!」ダッ
上条「やめ――っ!!!」
パァン
キャーリサ「…………」
ヴェント「……えは、……な……で……」ガクッ
バタッ
キャーリサ「……」
上条「よ、よせ、ヴェント……!」
ヴェント「うるっせぇ……うるっせえ!!」
ヴェント「……私は、戦いの記憶しかない!!」
ヴェント「来る日も来る日も、鮮血を見ない日はほとんどなかった!!」
ヴェント「それが、自分の血か、相手のものか分からなくなるほど危ない日だってあったんだ!!」
ヴェント「そんな中、このくっそ甘ったるい生活に合って!!」
キャーリサ「…………」
ヴェント「やっと……やっと『普通』が分かってきたのに……」
ヴェント「何で、何でお前は……何で!!」
ヴェント「何でだぁぁぁぁ!!!」ダッ
上条「やめ――っ!!!」
パァン
キャーリサ「…………」
ヴェント「……えは、……な……で……」ガクッ
バタッ
937: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:45:13.10 ID:nZ/H79W+0
上条「……くっ!!」
キャーリサ「うるっさい蠅だし。所詮は元暗殺部隊の硝子精神か」
上条「て、てめぇ……!」
キャーリサ「何だ?どうした?私が憎いのか?」
上条「……っ!」ギリッ
キャーリサ「それなら、向かってこい。来てみろ。次はその脳天の風通しを良くしてやるし」
上条「……俺は!!!!俺は!!!!」
キャーリサ「何だ?命乞いなら遅いし。見苦し――」
上条「お前らといるのは、すっげえ楽しかった!!」
キャーリサ「!!!」
上条「そりゃあ……っつ、ちょっとは理不尽だって思う所もあったけど……だけど」
上条「俺は、俺は……」
キャーリサ「うるっさい、うるさい!!喋るな!!!!」
上条「……俺は、キャーリサもヴェントも……!」
キャーリサ「それ以上……」
キャーリサ「……喋るなぁっ!!」パァンパァン
上条「(これは……やべっ……)」
上条「……!!」ズキッ
キャーリサ「うるっさい蠅だし。所詮は元暗殺部隊の硝子精神か」
上条「て、てめぇ……!」
キャーリサ「何だ?どうした?私が憎いのか?」
上条「……っ!」ギリッ
キャーリサ「それなら、向かってこい。来てみろ。次はその脳天の風通しを良くしてやるし」
上条「……俺は!!!!俺は!!!!」
キャーリサ「何だ?命乞いなら遅いし。見苦し――」
上条「お前らといるのは、すっげえ楽しかった!!」
キャーリサ「!!!」
上条「そりゃあ……っつ、ちょっとは理不尽だって思う所もあったけど……だけど」
上条「俺は、俺は……」
キャーリサ「うるっさい、うるさい!!喋るな!!!!」
上条「……俺は、キャーリサもヴェントも……!」
キャーリサ「それ以上……」
キャーリサ「……喋るなぁっ!!」パァンパァン
上条「(これは……やべっ……)」
上条「……!!」ズキッ
938: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:45:59.82 ID:nZ/H79W+0
上条「……」
上条「……あれ?(当たって……ない?)」チラッ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………はは、正義のひーろー、到来、だし?」ブシュウウウ
上条「キャ、キャーリサ!!!」
「ダメです!!!」
上条「!?」
神裂「……貴方は、彼女に触れてはならない」
上条「かん、ざき!?」
神裂「久しぶりの再会が、こんなに血まみれたものになってしまったことは、非常に残念でなりませんね」
上条「……な、何でここに!?」
神裂「インデックスが私たちを呼び寄せる前には、既に学園都市付近にいたものでして」
上条「そ、それは……!?」
神裂「……騎士団長を、覚えていますか?」
上条「……あ、あの時の……」
神裂「そうです。非常に強力な力を持つ、イギリス兵軍を束ねる騎士団長。そして、キャーリサ。彼女の護衛の役を務める豪の者です」
神裂「彼が、私たちに伝えてきたんです」
上条「つた……える?」
神裂「ええ。だから、こうやって間に合ったのです。礼なら彼にどうぞ」
上条「……あれ?(当たって……ない?)」チラッ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………はは、正義のひーろー、到来、だし?」ブシュウウウ
上条「キャ、キャーリサ!!!」
「ダメです!!!」
上条「!?」
神裂「……貴方は、彼女に触れてはならない」
上条「かん、ざき!?」
神裂「久しぶりの再会が、こんなに血まみれたものになってしまったことは、非常に残念でなりませんね」
上条「……な、何でここに!?」
神裂「インデックスが私たちを呼び寄せる前には、既に学園都市付近にいたものでして」
上条「そ、それは……!?」
神裂「……騎士団長を、覚えていますか?」
上条「……あ、あの時の……」
神裂「そうです。非常に強力な力を持つ、イギリス兵軍を束ねる騎士団長。そして、キャーリサ。彼女の護衛の役を務める豪の者です」
神裂「彼が、私たちに伝えてきたんです」
上条「つた……える?」
神裂「ええ。だから、こうやって間に合ったのです。礼なら彼にどうぞ」
939: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:46:43.71 ID:nZ/H79W+0
上条「お、おかしいじゃねえか。だって、イギリス全体がこの学園都市を狙っているのに、そんなこと……」
神裂「……それは、違います」
上条「!?!!?」
キャーリサ「……やめろ……っ」ググッ
上条「キャ、キャーリサ!!(まだ意識が……!)」
神裂「……」
キャーリサ「勝手に、知ったような口ぶりを、叩くんじゃぁ……ない、し……」グググッ
キャーリサ「かはっ」ガクッ
神裂「……彼女は、部下の脅しに屈しました」
上条「……!?」
キャーリサ「……っ」
神裂「……学園都市を危険視するのは、一国家として当然のことであり、
それは何らおかしいところはありません」
神裂「ただ、本当に恐ろしいのは、そうした一国がまとまらなければならない時に、国内で謀反が起こること」
上条「え、お、おい……それって――」
神裂「……一部、英国での右翼派閥のような部隊が、どんどん扇動していったんです。そのクーデターをね」
上条「……!」
神裂「……『以前の、世界一の国という称号を取り戻そう』と言う野心家たちの発言は、一人ではただの妄言には過ぎませんが、
それが拡大すれば立派な目標となりえます」
神裂「そうして、右翼派閥はどんどん勢力を拡大しました。戦争の煽りもあって、好戦派が増えていたのも原因でしょうね」
神裂「しかも、それが現実のものとなり打つ可能性があるのならば、尚更のこと」
キャーリサ「……ぐぅ……うぅっ!!」
神裂「その野望が膨れ上がって抑えきれなくなった部下たちが、彼女に言いました『『学園都市』を潰そう』とね」
神裂「……それは、違います」
上条「!?!!?」
キャーリサ「……やめろ……っ」ググッ
上条「キャ、キャーリサ!!(まだ意識が……!)」
神裂「……」
キャーリサ「勝手に、知ったような口ぶりを、叩くんじゃぁ……ない、し……」グググッ
キャーリサ「かはっ」ガクッ
神裂「……彼女は、部下の脅しに屈しました」
上条「……!?」
キャーリサ「……っ」
神裂「……学園都市を危険視するのは、一国家として当然のことであり、
それは何らおかしいところはありません」
神裂「ただ、本当に恐ろしいのは、そうした一国がまとまらなければならない時に、国内で謀反が起こること」
上条「え、お、おい……それって――」
神裂「……一部、英国での右翼派閥のような部隊が、どんどん扇動していったんです。そのクーデターをね」
上条「……!」
神裂「……『以前の、世界一の国という称号を取り戻そう』と言う野心家たちの発言は、一人ではただの妄言には過ぎませんが、
それが拡大すれば立派な目標となりえます」
神裂「そうして、右翼派閥はどんどん勢力を拡大しました。戦争の煽りもあって、好戦派が増えていたのも原因でしょうね」
神裂「しかも、それが現実のものとなり打つ可能性があるのならば、尚更のこと」
キャーリサ「……ぐぅ……うぅっ!!」
神裂「その野望が膨れ上がって抑えきれなくなった部下たちが、彼女に言いました『『学園都市』を潰そう』とね」
940: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:47:10.10 ID:nZ/H79W+0
神裂「部下たちは彼女に言った『協力しろ』と。
彼女は、もちろん反論した『そんなことはしない』」
神裂「その時、当然そうなることは予測で来ていた彼らは彼女にこう返した『それじゃあ、そのような腑抜けた王族など、いらない。
我々が実権を持つ』」
上条「……そんなことって……」
神裂「……数多ある国の中で、下剋上があお斬ることは不思議ではありません。
それは、日本でも生来起きてきたことなのですから」
上条「……」
神裂「……それが、全貌ですよ」
上条「…………何だよ、それ……なんなんだよ……」
上条「……俺は、そんなことなんて少しも、考えずに……」
上条「……」ハッ
上条「ま、待ってくれ、それじゃあなんでキャーリサは俺の所に……」
神裂「……それは…………」
彼女は、もちろん反論した『そんなことはしない』」
神裂「その時、当然そうなることは予測で来ていた彼らは彼女にこう返した『それじゃあ、そのような腑抜けた王族など、いらない。
我々が実権を持つ』」
上条「……そんなことって……」
神裂「……数多ある国の中で、下剋上があお斬ることは不思議ではありません。
それは、日本でも生来起きてきたことなのですから」
上条「……」
神裂「……それが、全貌ですよ」
上条「…………何だよ、それ……なんなんだよ……」
上条「……俺は、そんなことなんて少しも、考えずに……」
上条「……」ハッ
上条「ま、待ってくれ、それじゃあなんでキャーリサは俺の所に……」
神裂「……それは…………」
941: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:47:45.18 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「私の…………我儘だし」ググッ
上条「っ!?」
キャーリサ「そこの天草式の女、よくも、ベラベラといらないことを……」
神裂「…………」
キャーリサ「……ふん、まぁいい」
キャーリサ「……上条」
上条「…………キャーリサ」
キャーリサ「私がお前と共に暮らそうと決めた理由は」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……私は、救って欲しかった」
上条「……!?」
キャーリサ「英国内で、不満が漏れだした時、私はこうなることは薄々気づいていた……」ユラユラ
キャーリサ「……それでも、私は貴様に会おうと思った」
キャーリサ「一度でも、奇跡でも、偶然が重なっただけの出来事だったとしても」
キャーリサ「……助けてくれた貴様を縋った」
キャーリサ「一緒にいたのは、その身定め期間、と言ったところかな……?」ククッ
キャーリサ「っぶぁぐぁっ!?」ブシュッ
上条「キャーリサ!!!」グググ
上条「っ!?」
キャーリサ「そこの天草式の女、よくも、ベラベラといらないことを……」
神裂「…………」
キャーリサ「……ふん、まぁいい」
キャーリサ「……上条」
上条「…………キャーリサ」
キャーリサ「私がお前と共に暮らそうと決めた理由は」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……私は、救って欲しかった」
上条「……!?」
キャーリサ「英国内で、不満が漏れだした時、私はこうなることは薄々気づいていた……」ユラユラ
キャーリサ「……それでも、私は貴様に会おうと思った」
キャーリサ「一度でも、奇跡でも、偶然が重なっただけの出来事だったとしても」
キャーリサ「……助けてくれた貴様を縋った」
キャーリサ「一緒にいたのは、その身定め期間、と言ったところかな……?」ククッ
キャーリサ「っぶぁぐぁっ!?」ブシュッ
上条「キャーリサ!!!」グググ
942: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:48:27.19 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……私が思った以上に、貴様は純朴で……真っすぐで」
キャーリサ「そんな貴様に、だんだんと惹かれている私がいた」
キャーリサ「この男なら、この男となら、世界中を逃げ回るような形でもいいかなと思ってしまうくらいに」
上条「……!!」
キャーリサ「ふふ、笑いが止まらないよ。こんなだらしない考えが浮かんでくるような一国の長が、どこにいるんだろうか」
キャーリサ「……だけど、その理想は、貴様によって打ち砕かれ、元の道へと誘われた」
上条「…………それ……って」
キャーリサ『王女をやめて、どこへ逃げ去りたいって言ったら。貴様はどうする?』
上条「……!!(あの時の……!)」
キャーリサ「ははは、だらしないよ。私の障害、初めて好いた男に頼んだことは?フレンチキスでもなく、愛情のあるセックスでもない。
見にくい逃避行」
キャーリサ「……それだけに、あの一言は私の心に刺さった」
上条『俺は、止めると思う』
上条「……」
キャーリサ「でも、貴様を憎むことなどしない。そんなことはありえない」
キャーリサ「それが正しいし。私がお前の立場だった時のことを考えても、きっとそう言う」
キャーリサ「だから、だから……」フラフラ
上条「おい、おいおい……!どこへ……」ググ
キャーリサ「私は自分の気持ちにも嘘をついて。従うことにした。国の軍部という強大な力に」
キャーリサ「淡い期待など一切せず、流れに身を任せて、楽になりたかった」
キャーリサ「毎晩毎晩見る悪夢とも、おさらばしたかった」グッ
キャーリサ「そんな貴様に、だんだんと惹かれている私がいた」
キャーリサ「この男なら、この男となら、世界中を逃げ回るような形でもいいかなと思ってしまうくらいに」
上条「……!!」
キャーリサ「ふふ、笑いが止まらないよ。こんなだらしない考えが浮かんでくるような一国の長が、どこにいるんだろうか」
キャーリサ「……だけど、その理想は、貴様によって打ち砕かれ、元の道へと誘われた」
上条「…………それ……って」
キャーリサ『王女をやめて、どこへ逃げ去りたいって言ったら。貴様はどうする?』
上条「……!!(あの時の……!)」
キャーリサ「ははは、だらしないよ。私の障害、初めて好いた男に頼んだことは?フレンチキスでもなく、愛情のあるセックスでもない。
見にくい逃避行」
キャーリサ「……それだけに、あの一言は私の心に刺さった」
上条『俺は、止めると思う』
上条「……」
キャーリサ「でも、貴様を憎むことなどしない。そんなことはありえない」
キャーリサ「それが正しいし。私がお前の立場だった時のことを考えても、きっとそう言う」
キャーリサ「だから、だから……」フラフラ
上条「おい、おいおい……!どこへ……」ググ
キャーリサ「私は自分の気持ちにも嘘をついて。従うことにした。国の軍部という強大な力に」
キャーリサ「淡い期待など一切せず、流れに身を任せて、楽になりたかった」
キャーリサ「毎晩毎晩見る悪夢とも、おさらばしたかった」グッ
943: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:48:55.00 ID:nZ/H79W+0
上条「(もう、後ろは、崖……!!!)」
キャーリサ「……だから、それが失敗した今」
キャーリサ「私は生きる価値もない。自国で何も知らずに待つ、姉上やお母様に会わせる顔もない」
神裂「……!まさか、貴方……!」
上条「やめろ!!!!!!!!!!!!」
キャーリサ「っ!」ビクッ
上条「……やめろ……。何言ってんだよ……。何してんだよ……!」
キャーリサ「……」
上条「俺は、俺は、キャーリサもヴェントも、好きになってて」
上条「それでも、それでも!!!!」
上条「一番放っておけなかったのは、キャ―リサだった!!!」
キャーリサ「……っ!」
上条「……女として、好きになったのは、お前だった!!!」
上条「だから、だから……!いつも完璧だと思ってて、余裕綽々に事をやっていくキャーリサが俺に弱音を吐いてくれた時は、
すごく……すごく嬉しかった!!」
キャーリサ「……」
上条「どうしてなんだよ……何でこんな結末になっちまうんだ……。国なんて、後腐れなんて関係なくて……!!」
上条「お前と、普通に恋がしたかった!!」
キャーリサ「……だから、それが失敗した今」
キャーリサ「私は生きる価値もない。自国で何も知らずに待つ、姉上やお母様に会わせる顔もない」
神裂「……!まさか、貴方……!」
上条「やめろ!!!!!!!!!!!!」
キャーリサ「っ!」ビクッ
上条「……やめろ……。何言ってんだよ……。何してんだよ……!」
キャーリサ「……」
上条「俺は、俺は、キャーリサもヴェントも、好きになってて」
上条「それでも、それでも!!!!」
上条「一番放っておけなかったのは、キャ―リサだった!!!」
キャーリサ「……っ!」
上条「……女として、好きになったのは、お前だった!!!」
上条「だから、だから……!いつも完璧だと思ってて、余裕綽々に事をやっていくキャーリサが俺に弱音を吐いてくれた時は、
すごく……すごく嬉しかった!!」
キャーリサ「……」
上条「どうしてなんだよ……何でこんな結末になっちまうんだ……。国なんて、後腐れなんて関係なくて……!!」
上条「お前と、普通に恋がしたかった!!」
944: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:50:24.46 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……っ!!!」
神裂「……上条、当麻……」
上条「……はは、俺も、情けねぇ」
上条「最後の最後で、ようやく自分の気持ちを相手に伝えるとか、さ」
上条「紳士らしくも、ねぇよな」
上条「だけど、俺は、情けなくても、みすぼらしくても、お前に、お前に……」
上条「生きていてほしいんだよ!!自ら死のうとするんじゃねぇよ!!」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……ありがとう」ニコッ
キャーリサ「私が生きてきて、こんな狭い綱の上を歩いてきた人生の中で」
キャーリサ「一番嬉しい言葉をくれて」
上条「……!」
キャーリサ「でも」
キャーリサ「……断る」
上条「っ!!!」
神裂「……上条、当麻……」
上条「……はは、俺も、情けねぇ」
上条「最後の最後で、ようやく自分の気持ちを相手に伝えるとか、さ」
上条「紳士らしくも、ねぇよな」
上条「だけど、俺は、情けなくても、みすぼらしくても、お前に、お前に……」
上条「生きていてほしいんだよ!!自ら死のうとするんじゃねぇよ!!」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……」
キャーリサ「……ありがとう」ニコッ
キャーリサ「私が生きてきて、こんな狭い綱の上を歩いてきた人生の中で」
キャーリサ「一番嬉しい言葉をくれて」
上条「……!」
キャーリサ「でも」
キャーリサ「……断る」
上条「っ!!!」
945: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:51:25.92 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……今日は、空に星がある」
キャーリサ「一面の、星空だ」
キャーリサ「日本で、こんな風景が見れるのだなぁ……」
キャーリサ「……なぁ、上条?」
キャーリサ「……人間なんて、ちっぽけな星と同じだよ」
キャーリサ「一瞬だけパッと光って」
キャーリサ「消える時はいつの間にかで」
キャーリサ「それに、大小の関係はなくて」
キャーリサ「……私は、ちっぽけだ」
キャーリサ「私の方こそ、貴様に想いも伝えずに、勝手に事を進めて、独りよがりの答えをだして……」
キャーリサ「よっぽど滑稽だよ」
上条「そんなこと……っ!」
キャーリサ「あるんだ」
キャーリサ「『諦めない心』を学んだ!とか、そういう勧善懲悪的なことを期待できるような傷では、お互いないんだよ。わかるかな?」ブシュゥ
キャーリサ「一面の、星空だ」
キャーリサ「日本で、こんな風景が見れるのだなぁ……」
キャーリサ「……なぁ、上条?」
キャーリサ「……人間なんて、ちっぽけな星と同じだよ」
キャーリサ「一瞬だけパッと光って」
キャーリサ「消える時はいつの間にかで」
キャーリサ「それに、大小の関係はなくて」
キャーリサ「……私は、ちっぽけだ」
キャーリサ「私の方こそ、貴様に想いも伝えずに、勝手に事を進めて、独りよがりの答えをだして……」
キャーリサ「よっぽど滑稽だよ」
上条「そんなこと……っ!」
キャーリサ「あるんだ」
キャーリサ「『諦めない心』を学んだ!とか、そういう勧善懲悪的なことを期待できるような傷では、お互いないんだよ。わかるかな?」ブシュゥ
946: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:52:08.23 ID:nZ/H79W+0
上条「……!」
キャーリサ「毎夜毎夜、夜が明けるのが怖かった」
キャーリサ「朝になったら、決断しないといけないから」
キャーリサ「お前たちと、……お前と、別れなければいけないくなる日が、来てしまうから」
上条「おい……おい……」グググッ
キャーリサ「貴様に、謝ることもある」
キャーリサ「星空は、実は好きじゃなかった」
キャーリサ「自分の小ささを、省みてしまうから」
上条「そんなこと、ねぇ、の、に……!!!!」ググッ
キャーリサ「……」クスッ
上条「……は、ぅぁ」ググッ
上条「(動け、動け、ウゴケ、うごけ!!)」グググ
キャーリサ「毎夜毎夜、夜が明けるのが怖かった」
キャーリサ「朝になったら、決断しないといけないから」
キャーリサ「お前たちと、……お前と、別れなければいけないくなる日が、来てしまうから」
上条「おい……おい……」グググッ
キャーリサ「貴様に、謝ることもある」
キャーリサ「星空は、実は好きじゃなかった」
キャーリサ「自分の小ささを、省みてしまうから」
上条「そんなこと、ねぇ、の、に……!!!!」ググッ
キャーリサ「……」クスッ
上条「……は、ぅぁ」ググッ
上条「(動け、動け、ウゴケ、うごけ!!)」グググ
947: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:53:31.90 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「…………最後に、お前に言いたい。いや、言わせてほしい」フラ
キャーリサ「…………こんな」グラッ
上条「っ!」ダッ
神裂「だ、だめです!!上条!?」
――――こんな、ちっぽけで
―――――――臆病で、ワガママで、怖がりで
――――――――――どうしようもないような星を見つけてくれて
――――――――――――――…………ありがとう。
――――――――――
―――――
――
キャーリサ「…………こんな」グラッ
上条「っ!」ダッ
神裂「だ、だめです!!上条!?」
――――こんな、ちっぽけで
―――――――臆病で、ワガママで、怖がりで
――――――――――どうしようもないような星を見つけてくれて
――――――――――――――…………ありがとう。
――――――――――
―――――
――
948: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 00:57:38.98 ID:nZ/H79W+0
「姫」
「どうしたし、そんなにゾロゾロと」
「我々は決意しました」
「……?何の話だ」
「今、世界を統べようとしている学園都市の破壊、です」
「……!?な、何を言っているし!?冗談でもそのようなことは……!」
「冗談だと、お思いで?」
「……っ」
「……例え、例えそれが本当だとして、そんなことを私が許すと思うか?」
「…………いえ」
「……しかし、我々にも考えがあるのですよ」
「……!」ゾロゾロ
「もはや、軍の8割は、学園都市への侵攻派となっております」
「既に諸外国の協力も調整中です」
「貴様ら……!!」
「……反対したら、我々は独立してでも、戦いを成し遂げる」
「それを理解した上での、ご返答を」
「どうしたし、そんなにゾロゾロと」
「我々は決意しました」
「……?何の話だ」
「今、世界を統べようとしている学園都市の破壊、です」
「……!?な、何を言っているし!?冗談でもそのようなことは……!」
「冗談だと、お思いで?」
「……っ」
「……例え、例えそれが本当だとして、そんなことを私が許すと思うか?」
「…………いえ」
「……しかし、我々にも考えがあるのですよ」
「……!」ゾロゾロ
「もはや、軍の8割は、学園都市への侵攻派となっております」
「既に諸外国の協力も調整中です」
「貴様ら……!!」
「……反対したら、我々は独立してでも、戦いを成し遂げる」
「それを理解した上での、ご返答を」
949: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:01:32.50 ID:nZ/H79W+0
「全く、キャーリサ様……。いつものことながら、勝手な行動は慎まれるようにお願いしますよ……」
「……その勝手の都合を何とかつけるのも、貴様の役目だし?」フフ
「はぁ……。どやされるのは私なんですよ?」
「悪かった悪かった。このお忍び旅行が終了したら貴様には特別賞与も授けるし」
「いりませんっ」
「っ?」
「貴方の無事の帰国が、一番なのですよ。殿下……」
「……」
「…………くく、クサいことを言って私の判断を退けられると思ったら大間違いだぞ?」
「……おやおや、ばれましたか」
「しかし、私は賞与など要りません。……日頃の鬱憤を、ぜひ流してきて下さい」
「……」
「…………ありがとう」
「……その勝手の都合を何とかつけるのも、貴様の役目だし?」フフ
「はぁ……。どやされるのは私なんですよ?」
「悪かった悪かった。このお忍び旅行が終了したら貴様には特別賞与も授けるし」
「いりませんっ」
「っ?」
「貴方の無事の帰国が、一番なのですよ。殿下……」
「……」
「…………くく、クサいことを言って私の判断を退けられると思ったら大間違いだぞ?」
「……おやおや、ばれましたか」
「しかし、私は賞与など要りません。……日頃の鬱憤を、ぜひ流してきて下さい」
「……」
「…………ありがとう」
950: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:07:54.49 ID:nZ/H79W+0
「……やはり、学園都市の警備は固いし」
「内部からの工作は、中々至難の技なの」
「それを成し遂げることができると我々が踏まなかったら、貴方をわざわざ現地まで送り込みませんよ」
「……」
「貴方は至難と言っているだけで、不可能とは言いませんでした」
「……」
「我々もバカではありません。命をかけて、学園都市を討とうと考えたのです。
……その位、承知していただいていると思ったのですが」
「……」
「……まぁ、何にせよ姫、貴方が鍵です」
「よろしくお願い、しますよ?」
「――……」
「ちょっと!どこへ行ってたんですかぁ!!」
「ちょ、お、お姉様?この綺麗な女性はどなたですの!?ま、まさか私ともあろうものがありながら……!」
「ちっがーーーう!!!面倒くさいからアンタは早く言った通りなさい!!」ビリビリ
「あはぁんっ!!♪……強烈ですのぉ」ピクピク
「……っく、くはははは……猿、お前の猿芸は中々面白いぞ」
「私は猿じゃないってばああ!!」
「内部からの工作は、中々至難の技なの」
「それを成し遂げることができると我々が踏まなかったら、貴方をわざわざ現地まで送り込みませんよ」
「……」
「貴方は至難と言っているだけで、不可能とは言いませんでした」
「……」
「我々もバカではありません。命をかけて、学園都市を討とうと考えたのです。
……その位、承知していただいていると思ったのですが」
「……」
「……まぁ、何にせよ姫、貴方が鍵です」
「よろしくお願い、しますよ?」
「――……」
「ちょっと!どこへ行ってたんですかぁ!!」
「ちょ、お、お姉様?この綺麗な女性はどなたですの!?ま、まさか私ともあろうものがありながら……!」
「ちっがーーーう!!!面倒くさいからアンタは早く言った通りなさい!!」ビリビリ
「あはぁんっ!!♪……強烈ですのぉ」ピクピク
「……っく、くはははは……猿、お前の猿芸は中々面白いぞ」
「私は猿じゃないってばああ!!」
951: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:14:57.43 ID:nZ/H79W+0
「……一人になったの」
「……楽しいバーベキュー中に、失礼しました」
「皮肉はいい。急の連絡は何なの?用件を早く言え」
「くく、お手厳しい」
「まぁいいでしょう?……面白い魔術を見つけまして。そちらの方を使用してみては、と思ったのですが」
「……面白い魔術……?」
「……人を脱力させ、大規模な人数を行動不能に陥らせる魔術、ですよ」
「……っ!?」
「何もできない内に侵攻されていく恐怖を、やつらに植え付けさせるのです」
「反攻しようという気を、根こそぎ奪うほどに、ね」
「……悪趣味なやつらだし」
「何とでも言ってください。正々堂々なんて今や黴の生えた言葉を持ち出すなんてことは、姫、ございませんよね?」
「……」
「……それでは、この件は追ってお伝えいたします」
「……」
「……くそっ」
「……楽しいバーベキュー中に、失礼しました」
「皮肉はいい。急の連絡は何なの?用件を早く言え」
「くく、お手厳しい」
「まぁいいでしょう?……面白い魔術を見つけまして。そちらの方を使用してみては、と思ったのですが」
「……面白い魔術……?」
「……人を脱力させ、大規模な人数を行動不能に陥らせる魔術、ですよ」
「……っ!?」
「何もできない内に侵攻されていく恐怖を、やつらに植え付けさせるのです」
「反攻しようという気を、根こそぎ奪うほどに、ね」
「……悪趣味なやつらだし」
「何とでも言ってください。正々堂々なんて今や黴の生えた言葉を持ち出すなんてことは、姫、ございませんよね?」
「……」
「……それでは、この件は追ってお伝えいたします」
「……」
「……くそっ」
952: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:20:45.13 ID:nZ/H79W+0
思えば、いつからだろうか。
自分を『女』ではなく『軍事担当の人間』として見るようになったのは。
何でだろうか。
気持ちを正直に表わさないで、何にでもあまのじゃくになってしまったのは。
さびしいなぁ。辛いなぁ。悲しいなぁ。
でも、そんなことは昔から、考えてもいなかったのに。
何で今そんなことを考えているのだろうかなぁ。
……ずっと一緒に過ごしたいって思うこと自体、私にとってはおかしな感覚なのに。
……胸が、苦しい。
……置いて行かれた時は、正直に言うと泣きそうになった。
……ヴェントに負けたという考えが頭によぎった時は、涙が出そうだった。
…………だから、風斬を外へ出した。
……弱い自分を見せたくなかったから。
いつまでも気丈な軍事担当の人間でいたかったから。国の上に立つ者として、強くないといけないから。
自分を『女』ではなく『軍事担当の人間』として見るようになったのは。
何でだろうか。
気持ちを正直に表わさないで、何にでもあまのじゃくになってしまったのは。
さびしいなぁ。辛いなぁ。悲しいなぁ。
でも、そんなことは昔から、考えてもいなかったのに。
何で今そんなことを考えているのだろうかなぁ。
……ずっと一緒に過ごしたいって思うこと自体、私にとってはおかしな感覚なのに。
……胸が、苦しい。
……置いて行かれた時は、正直に言うと泣きそうになった。
……ヴェントに負けたという考えが頭によぎった時は、涙が出そうだった。
…………だから、風斬を外へ出した。
……弱い自分を見せたくなかったから。
いつまでも気丈な軍事担当の人間でいたかったから。国の上に立つ者として、強くないといけないから。
953: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:22:49.77 ID:nZ/H79W+0
偶然だけど。
夜に、勝負に出てみた。
気持ちを、想いを伝えてみようという勇気を、私の本能が、『軍事担当の人間』という自覚が押し返そうとした。
だけど、勝負に出る前から、くじかれちゃったし。
勇気をだしたんだけどなあ。
……私は、ダメだなぁ。
954: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:25:15.77 ID:nZ/H79W+0
ピッピッピッピ
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……?」
キャーリサ「……(私……は……?)」
キャーリサ「…………(あれ……?何で生きてるし……?)」
キャーリサ「…………(いや、これは生きているんじゃなくて、案外、死後の世界だったり?)」
キャーリサ「……」チラッ
キャーリサ「…………!」
上条「……う、ん……」スースー
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……?」
キャーリサ「……(私……は……?)」
キャーリサ「…………(あれ……?何で生きてるし……?)」
キャーリサ「…………(いや、これは生きているんじゃなくて、案外、死後の世界だったり?)」
キャーリサ「……」チラッ
キャーリサ「…………!」
上条「……う、ん……」スースー
955: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:27:44.85 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「(……何で、包帯で全身巻かれているのに、こいつは私の隣に座っている?)」
キャーリサ「(…………痛そうな怪我)」
キャーリサ「(……私が、つけた傷)」
キャーリサ「……」ソォ
上条「……ん」ピクン
キャーリサ「……!」ビクッ
上条「……」スヤスヤ
キャーリサ「……」
キャーリサ「……」ソォ
キャーリサ「……」サワ
キャーリサ「(…………痛そうな怪我)」
キャーリサ「(……私が、つけた傷)」
キャーリサ「……」ソォ
上条「……ん」ピクン
キャーリサ「……!」ビクッ
上条「……」スヤスヤ
キャーリサ「……」
キャーリサ「……」ソォ
キャーリサ「……」サワ
956: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:31:12.02 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……」ナデナデ
キャーリサ「……(寝顔、可愛いし……)」
キャーリサ「……」ツンツン
上条「ん……」
キャーリサ「……ふふっ」
上条「……」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……(上条が、生きてる……)」
キャーリサ「…………(あれだけ傷、つけたのに……)」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………ひぐっ」ポロポロ
キャーリサ「…………うぇ、ふぇえ、うぇ、えええ」ボロボロ
キャーリサ「ひっ、うぇえええ、うぁ、えええええっ」
キャーリサ「……(寝顔、可愛いし……)」
キャーリサ「……」ツンツン
上条「ん……」
キャーリサ「……ふふっ」
上条「……」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……(上条が、生きてる……)」
キャーリサ「…………(あれだけ傷、つけたのに……)」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………ひぐっ」ポロポロ
キャーリサ「…………うぇ、ふぇえ、うぇ、えええ」ボロボロ
キャーリサ「ひっ、うぇえええ、うぁ、えええええっ」
957: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:36:00.73 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「(私は、自分勝手だし)」
キャーリサ「(何で、自分で仕掛けて、自分で進めて)」
キャーリサ「(皆に迷惑をかけて)」
キャーリサ「(上条を苦しめて)」
キャーリサ「(泣いている?)」
キャーリサ「うぇええええ、ふぇ、うわぁぁぁぁ」ボロボロ
キャーリサ「(でも、止まらない。どんどん、どんどん出てきて)」
キャーリサ「(思えば、泣いたのなんて、いつ以来なんだろうか)」
キャーリサ「うええ、ひっ、うえ、うええええ、えぐっ」
ギュッ
キャーリサ「ふぇ、うえええええ、……ふえ?」ポロポロ
上条「…………」ギュッ
キャーリサ「(何で、自分で仕掛けて、自分で進めて)」
キャーリサ「(皆に迷惑をかけて)」
キャーリサ「(上条を苦しめて)」
キャーリサ「(泣いている?)」
キャーリサ「うぇええええ、ふぇ、うわぁぁぁぁ」ボロボロ
キャーリサ「(でも、止まらない。どんどん、どんどん出てきて)」
キャーリサ「(思えば、泣いたのなんて、いつ以来なんだろうか)」
キャーリサ「うええ、ひっ、うえ、うええええ、えぐっ」
ギュッ
キャーリサ「ふぇ、うえええええ、……ふえ?」ポロポロ
上条「…………」ギュッ
958: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:39:34.09 ID:nZ/H79W+0
上条「……大丈夫だ、大丈夫」
上条「…………誰も、傷ついてないし、迷惑だなんて思ってないから」
上条「安心、しろ」ナデナデ
キャーリサ「…………」
キャーリサ「………………うぇ」ブワッ
キャーリサ「うええええ、かみじょ、う、ええええ、ごめん、ごめんんん」ポロポロ
キャーリサ「本当に、本当は、うぇ、ええええ、本当はぁあ」ボロボロ
上条「……わかってる」ナデナデ
上条「…………わかってるから」
知らなかった。
頭を撫でられることが、こんなにも気持ち良くて
キャーリサ「うぇえええ、うぇ、ああああああああっっ!!!」ギュッ
――安心できるなんて
上条「…………誰も、傷ついてないし、迷惑だなんて思ってないから」
上条「安心、しろ」ナデナデ
キャーリサ「…………」
キャーリサ「………………うぇ」ブワッ
キャーリサ「うええええ、かみじょ、う、ええええ、ごめん、ごめんんん」ポロポロ
キャーリサ「本当に、本当は、うぇ、ええええ、本当はぁあ」ボロボロ
上条「……わかってる」ナデナデ
上条「…………わかってるから」
知らなかった。
頭を撫でられることが、こんなにも気持ち良くて
キャーリサ「うぇえええ、うぇ、ああああああああっっ!!!」ギュッ
――安心できるなんて
959: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:43:34.29 ID:nZ/H79W+0
【一月後】
冥土返し「本当はもう一月ぐらいは、面会謝絶と行きたいところなんだが……」
風斬「み、みなさん、大丈夫ですかぁ!」アセアセ
インデックス「とうまはいっつも怪我ばかりかも……」ハァ
冥土返し「聞いてないね……」トタトタ
上条「ひどい言い草だな……」グサッ
キャーリサ「……まぁ、もう問題はないし。心配はいらない」
ヴェント「……3日間寝てからようやく意識が戻っておいて、心配はいらないなんて笑わせんなよ」
キャーリサ「……ん?」
ヴェント「……」
上条「たはは……」
冥土返し「本当はもう一月ぐらいは、面会謝絶と行きたいところなんだが……」
風斬「み、みなさん、大丈夫ですかぁ!」アセアセ
インデックス「とうまはいっつも怪我ばかりかも……」ハァ
冥土返し「聞いてないね……」トタトタ
上条「ひどい言い草だな……」グサッ
キャーリサ「……まぁ、もう問題はないし。心配はいらない」
ヴェント「……3日間寝てからようやく意識が戻っておいて、心配はいらないなんて笑わせんなよ」
キャーリサ「……ん?」
ヴェント「……」
上条「たはは……」
960: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:46:12.15 ID:nZ/H79W+0
風斬「ま、まぁまぁ……」
キャーリサ「…………そういえば、輸血の時に足りなかった血液をくれたのも貴様だったな」
キャーリサ「……感謝しよう」
ヴェント「ふん」
ヴェント「それなら礼はいらねえよ」
キャーリサ「……え?」
ヴェント「その代わり、だ」
パン
キャーリサ「……っ」ジンジン
ヴェント「……これで終い、な」スタスタ
ガラガラ
バタン
風斬「……」
インデックス「……中々、ヴァイオレンスな雰囲気かも……」
キャーリサ「…………そういえば、輸血の時に足りなかった血液をくれたのも貴様だったな」
キャーリサ「……感謝しよう」
ヴェント「ふん」
ヴェント「それなら礼はいらねえよ」
キャーリサ「……え?」
ヴェント「その代わり、だ」
パン
キャーリサ「……っ」ジンジン
ヴェント「……これで終い、な」スタスタ
ガラガラ
バタン
風斬「……」
インデックス「……中々、ヴァイオレンスな雰囲気かも……」
961: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:50:06.45 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……くく、これでお終い、か」
キャーリサ「……あいつと私の関係を掛けて、ってところかな?」
風斬「!」
キャーリサ「…………まぁ、そうなってしかるべきようなことを私はしたわけだが」ククッ
風斬「それは……違います!!」
キャーリサ「!」
風斬「ヴェントさんは、キャーリサさんのこと。本気で心配してました」
風斬「言葉とか行動には絶対に現わさないけど……。そうじゃなかったら輸血何て出さないし、
寝てる間にお見舞いに何て来ないです」
キャーリサ「あいつが、見舞いに……?」
風斬「…………色々、不器用なんですよ。私と一緒で」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………ふふっ」
キャーリサ「……あいつと私の関係を掛けて、ってところかな?」
風斬「!」
キャーリサ「…………まぁ、そうなってしかるべきようなことを私はしたわけだが」ククッ
風斬「それは……違います!!」
キャーリサ「!」
風斬「ヴェントさんは、キャーリサさんのこと。本気で心配してました」
風斬「言葉とか行動には絶対に現わさないけど……。そうじゃなかったら輸血何て出さないし、
寝てる間にお見舞いに何て来ないです」
キャーリサ「あいつが、見舞いに……?」
風斬「…………色々、不器用なんですよ。私と一緒で」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………ふふっ」
962: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 01:56:15.14 ID:nZ/H79W+0
上条「……」
上条「そういえば。風斬、高校に通うんだってな、寮付きの」
インデックス「え!?初耳かも!!」
風斬「え?え?何で知っているんですか!?私、誰にもまだ話しては……!
風斬「あれ、誰かに言いましたっけ?あれ?あれ?」アワワワ
上条「お前にそれを斡旋した人は俺の担任だぜ?……この前来た時に教えてもらったんですよ」
風斬「……そっか」
上条「おめでとう」ニコッ
風斬「ありがとう」ニコッ
風斬「……まぁ、その本格的な準備のせいで、キャーリサさんに泊めてもらった次くらいの日からはすごく忙しかったんですけど、ね」
インデックス「……」
風斬「……インデックス?」
インデックス「……それじゃあ、ひょうかは遠くへ行っちゃうの?」
上条「……」
風斬「…………そうだね、今までみたいに簡単に会えるってわけには、行かないと思う」
インデックス「……」
風斬「でもね、インデックス。私も、私もさ。自分の居場所をちゃんと見つけたら、帰ってくるから」
インデックス「……」
風斬「……絶対に帰ってきて、インデックスとまた毎日遊べるくらいになって帰ってくるから。
……それじゃあ、ダメかな?」
インデックス「……」
インデックス「…………約束、だよ?」
上条「そういえば。風斬、高校に通うんだってな、寮付きの」
インデックス「え!?初耳かも!!」
風斬「え?え?何で知っているんですか!?私、誰にもまだ話しては……!
風斬「あれ、誰かに言いましたっけ?あれ?あれ?」アワワワ
上条「お前にそれを斡旋した人は俺の担任だぜ?……この前来た時に教えてもらったんですよ」
風斬「……そっか」
上条「おめでとう」ニコッ
風斬「ありがとう」ニコッ
風斬「……まぁ、その本格的な準備のせいで、キャーリサさんに泊めてもらった次くらいの日からはすごく忙しかったんですけど、ね」
インデックス「……」
風斬「……インデックス?」
インデックス「……それじゃあ、ひょうかは遠くへ行っちゃうの?」
上条「……」
風斬「…………そうだね、今までみたいに簡単に会えるってわけには、行かないと思う」
インデックス「……」
風斬「でもね、インデックス。私も、私もさ。自分の居場所をちゃんと見つけたら、帰ってくるから」
インデックス「……」
風斬「……絶対に帰ってきて、インデックスとまた毎日遊べるくらいになって帰ってくるから。
……それじゃあ、ダメかな?」
インデックス「……」
インデックス「…………約束、だよ?」
963: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 02:04:29.09 ID:nZ/H79W+0
風斬「うん、約束!」
上条「(良い話しだ……)」ジーン
風斬「それじゃ、今日は遊びに行こうか!一緒に!」
インデックス「え?いいの!?」
風斬「もちろん!明日からまた忙しくなっちゃうし、最後の骨休みしないと!」
インデックス「……」パァァ
インデックス「……あ、でもとうま達のお見舞いが……」
上条「行って来いって」ポン
上条「俺とはいつでも会えるけど、風斬とは違う、だろ?」
インデックス「……!」
インデックス「うん!」
インデックス「それじゃ、行ってくるんだよ!」ガララ
上条「気をつけろよー」
風斬「上条くん、キャーリサさん、ありがとうございました」
風斬「また、会いましょうねっ!」
上条「俺は何にもしてないけど……また、な!」
キャーリサ「今度は下着姿でウロウロしないようにするんだし?」ナデナデ
上条「ぶっ!?」
風斬「あううう……その話はなしですよぅ!!」カァァ
上条「(良い話しだ……)」ジーン
風斬「それじゃ、今日は遊びに行こうか!一緒に!」
インデックス「え?いいの!?」
風斬「もちろん!明日からまた忙しくなっちゃうし、最後の骨休みしないと!」
インデックス「……」パァァ
インデックス「……あ、でもとうま達のお見舞いが……」
上条「行って来いって」ポン
上条「俺とはいつでも会えるけど、風斬とは違う、だろ?」
インデックス「……!」
インデックス「うん!」
インデックス「それじゃ、行ってくるんだよ!」ガララ
上条「気をつけろよー」
風斬「上条くん、キャーリサさん、ありがとうございました」
風斬「また、会いましょうねっ!」
上条「俺は何にもしてないけど……また、な!」
キャーリサ「今度は下着姿でウロウロしないようにするんだし?」ナデナデ
上条「ぶっ!?」
風斬「あううう……その話はなしですよぅ!!」カァァ
964: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 02:07:47.90 ID:nZ/H79W+0
インデックス「ひょうか―!早くー!」
風斬「そ、それじゃあ今度こそ!!……さようならっ!」ガララ
バタン
タッタッタ
上条「……」
キャーリサ「……」
上条「……あれから、色々あったけど」
上条「神裂と騎士団長には、本当にお礼を言わないとなぁ」
キャーリサ「……あぁ」
上条「騎士団長はイギリスの内部勢力のトップを抑えて。神裂たちは学園都市であった被害を最小の物にしてくれたし」
キャーリサ「…………」
上条「俺、お世話になってばっかりだな、はは」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………なぁ?」
上条「……ん?」
風斬「そ、それじゃあ今度こそ!!……さようならっ!」ガララ
バタン
タッタッタ
上条「……」
キャーリサ「……」
上条「……あれから、色々あったけど」
上条「神裂と騎士団長には、本当にお礼を言わないとなぁ」
キャーリサ「……あぁ」
上条「騎士団長はイギリスの内部勢力のトップを抑えて。神裂たちは学園都市であった被害を最小の物にしてくれたし」
キャーリサ「…………」
上条「俺、お世話になってばっかりだな、はは」
キャーリサ「……」
キャーリサ「…………なぁ?」
上条「……ん?」
965: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 02:12:27.61 ID:nZ/H79W+0
キャーリサ「……抱きしめて、いいかな?」
上条「……」ビクッ
キャーリサ「……だめ?」
上条「……構わない、けど」
キャーリサ「……ありがとう」
キャーリサ「……」ギュッ
上条「……」ナデナデ
キャーリサ「あはは、やっぱり……安心するし」
上条「……そうだな」ナデナデ
キャーリサ「何で私なんかを選ぶんだか……」
上条「俺はキャーリサのことが好きになったから、だろ」
キャーリサ「……そういう所が、愚直っていうんだし」カァァ
上条「褒め言葉として受け取っておきます」
キャーリサ「……絶対に大変だぞ?後悔するのは目に見えてるぞ?」
上条「……そんなの、関係ない」
キャーリサ「……?どうして?」キョトン
上条「……知りたいか」
キャーリサ「……うん」
上条「それじゃ、目を閉じて」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……ん」
上条「それは……」
上条「……」ビクッ
キャーリサ「……だめ?」
上条「……構わない、けど」
キャーリサ「……ありがとう」
キャーリサ「……」ギュッ
上条「……」ナデナデ
キャーリサ「あはは、やっぱり……安心するし」
上条「……そうだな」ナデナデ
キャーリサ「何で私なんかを選ぶんだか……」
上条「俺はキャーリサのことが好きになったから、だろ」
キャーリサ「……そういう所が、愚直っていうんだし」カァァ
上条「褒め言葉として受け取っておきます」
キャーリサ「……絶対に大変だぞ?後悔するのは目に見えてるぞ?」
上条「……そんなの、関係ない」
キャーリサ「……?どうして?」キョトン
上条「……知りたいか」
キャーリサ「……うん」
上条「それじゃ、目を閉じて」
キャーリサ「…………」
キャーリサ「……ん」
上条「それは……」
966: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 02:13:42.19 ID:nZ/H79W+0
――――好きな人と、一緒にいない方が後悔するから。
967: ◆7oWiJj9WF6 2011/10/03(月) 02:14:17.14 ID:nZ/H79W+0
-fin-
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