1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/18(日) 15:30:07.47 ID:EIlgDGJF0



※艦隊これくしょんのSSになります

このSSは熊野と北海道をぐるっと周るSSです、初めて書くので至らない点もあると思いますがよろしくどうぞ!

なぜ北海道かというと私が北海道出身だからです。皆さんに北海道の良さを知ってもらえればいいなー、と思います。
途中安価を入れるかもしれないです

では、駄文ですが良かったらお付き合いください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400394597

引用元: 【艦これ】熊野と北海道一周してくる 

 

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2: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 15:31:42.32 ID:EIlgDGJF0
-執務室-

提督「あ、ああ、あああ マイク入ってるか? 突然で申し訳ないが、ゴールデンウィーク中は鎮守府全体を休みにしようと思う」

提督「普段出撃や遠征で疲れてる子もいるだろうから、この5日間でゆっくり休んでくれ」

提督「それと、秘書艦は執務室に来てくれ んじゃ、それぞれのゴールデンウィーク楽しんで」ブチッ



コンコン!



提督「はい」

熊野「熊野ですわ」

4: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 15:36:02.92 ID:EIlgDGJF0
提督「入っていいぞー」

熊野「失礼します」ガチャ

熊野「それで、一体何の用事ですの?」

提督「あー、えーと…そのだな、お前休暇中暇か?」

熊野「放送の後すぐ呼びだされたので未定ですわ」

提督「じゃあ、ゴールデンウィーク中一緒に北海道に来てくれ」

熊野「な…! 提督とお二人でということなんですの?!」

提督「あー、まぁ、そうなるな…」

5: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 15:42:29.81 ID:EIlgDGJF0
熊野「私じゃなくてもっと提督の事お好きになってる方をお連れになれば…」

提督「今回は俺のけじめを付ける旅行になるから、熊野に来てもらわなきゃ困るんだよ」

熊野「どういうことですの?」

提督「ま、まぁ、そこは置いといて予定ないなら一緒に来てくれ、頼む」

提督(危なかった…北海道旅行の最後で熊野にプロポーズしようと思ってること危うく本人に言うところだった…)

熊野「そ、そこまで言うなら付いて行ってあげなくもないですわ!」

提督「お、本当か!良かった、断られたらどうしようかと思ったとこだ!」

熊野「北海道とやらに興味もありますし…エスコートはよろしくお願いしますわね」

提督「北海道マスターと呼ばれたくらいだ、任せておけ!」

8: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 15:55:46.77 ID:EIlgDGJF0

提督「じゃあ明後日の朝には出るから、明日のうちに準備はしといてくれ」

熊野「何を持っていけばいいんですの?」

提督「着替えと、歯ブラシとか美容品とかかな。 俺はそれにカメラとかCDとか持って行くよ」

熊野「CDって、車はどうしますの?」

提督「レンタカーを用意してもらっている、因みに行きはフェリーだ」

熊野「私、大型客船というものに乗ったことがありませんわ、酔わないかしら…」

提督「船酔いは本当に人によるからなー、とりあえず酔い止め持っておくよ」

熊野「では、わからないことがあったらまた聞きにきますわ」

提督「ほい、俺も準備してるからもしかしたら自室に居るかもしれない」

熊野「分かりましたわ、では」ガチャ

10: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 16:08:11.23 ID:EIlgDGJF0

提督(さっきうっすらと話したと思うが、この旅の目的は最後に熊野にプロポーズすることだ)

提督(高校卒業してすぐに俺は北海道一周をした)

提督(あの頃は免許取りたてで小さい車だったけど、楽しかったな…)

提督(その時俺は思った、もし嫁にしたいと思うやつに会うことができたら)

提督(この景色を見せてあげようと、そしてプロポーズしよう、と)

提督(その後、俺は提督になり…最初の重巡が熊野だったっけ)

提督(自然と惹かれてた、そして今年に入って決めた、熊野を北海道に連れて行こうと)

提督(って、一人で何してんだ 準備しよ)

11: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 16:22:58.27 ID:EIlgDGJF0
-次の日 提督自室-

11:00

提督(そういえば舞鶴から小樽までって何時間掛かるんだっけ…)

提督(いつも飛行機で行ってたからここからフェリー乗ったことないな)

提督(チケットに書いてるかな)

提督(・・・?!0時5分出港でつくのが20時45分?!)

提督(今のうちに小樽の宿予約しとくか…)

14: ID:EIlgDGJF0 2014/05/18(日) 16:57:13.43 ID:EIlgDGJF0
コンコン!
 
提督「はい」

熊野「熊野ですわ」

提督「入っていいぞー」

熊野「提督のお部屋、初めて入りますわ」

提督「別に珍しいものはなんもないぞ、本と音楽関係のものばっかりだ」

熊野「いえ、思ってたよりもお洒落でびっくりしてますわ」

提督「気に入ってもらえたようで良かった。んで、どうした?」

熊野「持っていく服を決めていたんですけど、向こうの気温ってどれくらいなんですの?」

18: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 17:31:43.64 ID:EIlgDGJF0
提督「あー、冬は氷点下当たり前の世界だけど、5月はちょうど桜が咲いてるくらいだよ。 20度位を行ったり来たりしてる」

熊野「じゃあ長袖と上に羽織るものがあれば大丈夫ですの?」

提督「うん、シャツにカーデでもいいし、ジャケット羽織るくらいでも大丈夫だよ」

熊野「分かりましたわ!あと、お風呂とかはどうしますの?」

提督「温泉とか銭湯が結構あるから、目星つけて行こうと思ってるよ」

熊野「じゃあバスタオルとかも持っていったほうが…」

提督「あー荷物になるしいらないよ、貸し出しで十分」

熊野「洗顔クリームとかは持って行ってもよろしくて?」

提督「うん、俺も持ってくし全然良いよ」

熊野「分かりましたわ!では用意してきますわ!」

20: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 17:35:13.85 ID:EIlgDGJF0
提督「あ、明日の0時5分出港だから、23時には出るぞー」

熊野「ちょ、早いのではなくて?! そんな時間に外に出たらお肌に悪いですわ!」

提督「船乗ったら寝ればいいだろ、それに着くのは21時近くになるから20時間ちょい船の上だ、覚悟しとけ」

熊野「プ、プレッシャーをかけないでくださいな…別に船酔いなんてしませんわ!」

提督「はいはい、ほら、準備してこい」

熊野「絶対酔わないですわ!」ガチャ

提督(あれは船酔いするパターンなのでは…)

21: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 17:53:19.65 ID:EIlgDGJF0

-執務室-

22:00


コンコン!


提督「はーい」

熊野「準備出来ましたわ!」ガチャ

提督「おお、俺も終わってるよ じゃあそろそろ出る準備するか」

提督「もう皆には鎮守府空けること言ってあるから後は軍服から着替えるだけだ」

熊野「私の格好に見合った服装でお願いしますわ!」

提督「はいはい、ちょっと待ってろ」

30: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 21:25:09.91 ID:EIlgDGJF0
~ちょっと~


提督「靴探すのに手間取ってしまった、ごめんよ」

熊野「私を待たせるなんて…ありえませんわ!」

熊野「でも…提督にしては割りとお洒落な格好ですのね。びっくりしましたわ」

提督「皆の前に私服で出る機会なんて滅多にないしな。レパートリーは全然ないぞ」


提督「さぁ、多分もう出港手続きは出来るから行こうか」

熊野「分かりましたわ」

31: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 21:43:17.83 ID:EIlgDGJF0
-舞鶴フェリーターミナル-

提督「タクシー便利だけどやっぱり高いな」

熊野「ふわぁ…私、もう眠くなってきましたわ…」

提督「船乗ったら寝ていいからもう少し我慢して」

熊野「分かりましたわ…」

33: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 22:04:24.26 ID:EIlgDGJF0
~手続きが終わり~


提督「ほら、熊野これ」

熊野「チケットですの?」

提督「ああ、e乗船券っていうんだ。乗るときにバーコードのとこかざすと乗れる」

熊野「コンビニとかのレジと似ていますのね」

提督「あー、まぁそんなとこかな。 さ、乗るか」

熊野「エスコートよろしくお願いしますわね!」

提督「…ほら」

34: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 22:17:37.05 ID:EIlgDGJF0

熊野「な、なんですの?!」

提督「手」

熊野「な、なんでですの?!」

提督「エスコートして欲しいって言ったのお前だろ、はやくしろ」

熊野「別に手を繋いでほしいなんて言ってませんわ!!」

提督「お姫様抱っことかの方がいいのか?」

熊野「も、もう知りませんわ!」ツカツカ

提督「あ、先に行きやがった!」

提督「…?部屋番号わかるのか熊野」

37: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 22:45:41.33 ID:EIlgDGJF0
-船内-


熊野「…提督!」タッタッタッ

提督「あ、先に行った熊野じゃん」

熊野「お部屋の番号が分かりませんわ!どこですのよ!」

提督「スイートルーム、部屋番号は俺が持ってる」

熊野「なんで提督が私の部屋番号持ってるんですの?」

提督「なんでも何も同じ部屋だから俺が持ってる」

38: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 22:52:00.19 ID:EIlgDGJF0
熊野「?!?!なんで提督と同じ部屋なんですの!一人がいいですわ!」

提督「折角熊野とだし一番高級な部屋取ったんだが、駄目だったか?」

熊野「そ、そういうことなら…仕方ありませんわね!」

提督「しかもご飯ついてるし備品も充実してる。お風呂もあるぞ」

熊野「説明はいいから早く案内してくださいな」

提督「ほいほい」

41: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 23:10:53.06 ID:EIlgDGJF0
-スイートルーム-

提督「ここだ」ガチャ

熊野「すごく広いんですのね!レディーにぴったりですわ!」

提督「ベッド、ソファー、どれも船の中とは思えないほど豪華だからな、それに窓も大きいから甲板に出なくても海景色を楽しめる」

熊野「景色は暗くて何も見えませんわ…」

提督「そりゃ夜中だからな、起きてからの楽しみに取っとけ」

熊野「じゃあ私は早速寝させていただきますわ」

提督「俺もすぐ寝るよ、おやすみ」

熊野「おやすみなさいませ」

42: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 23:33:13.55 ID:EIlgDGJF0
提督(あー、調子乗ってスイートルームなんて取らなきゃ良かった…緊張で寝れない…)

提督(というか、初めて船に乗ったら慣れないからなかなか寝づらいと思ってたんだが、平気そうだな)

提督(こりゃ本当に船酔しないのかもなー)

43: ◆q07nr6cDws 2014/05/18(日) 23:47:26.81 ID:EIlgDGJF0
~朝になりました~


05:00


提督(げ…まだ5時かよ、目醒めちゃったんだが)

提督(もう日が昇ってるのか、早くなったな…そうだ、折角一眼持ってきたんだし撮るか)

カシャ 

提督(朝日のついでに熊野の寝顔も撮っておこ…)

カシャ

提督(これ熊野に知られたらタダじゃすまないだろうな…永久保存確定だな)

44: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 00:04:04.61 ID:9In2aFg10

07:00


熊野「んっ…」ガサッ

熊野「ふわぁ…はぁ…」ノソッ

提督「お、起きたか。 おはよう熊野」

熊野「おはようございます…ねむいですわ…」

提督「ほら、顔洗って来い」

熊野「ふぁい…」

提督(部屋の中も写真に収めておこう)

カシャ

カシャ

熊野「あら提督?何を撮ってるんですの?」

45: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 00:19:59.70 ID:9In2aFg10

提督「ああ、折角来たんだし部屋の中とか撮っておこうかと思ってね。朝日も撮ったぞ」

熊野「見せてくださいな!」

提督「ああ、いいぞ。ほら」

熊野「このボタンで別の写真に変わりますのね…」

提督(…あ、まずい このままだと熊野の寝顔が!)

提督「ほら、そろそろ朝ごはんの時間だからカメラしまって行くぞ!」

熊野「ああ、まだ全部見てませんのに…!」

提督「お腹すいただろ!な!」

熊野「何をそんなに急いでいらっしゃるんですの…」

提督(あっぶねー…)

52: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 19:37:32.35 ID:9In2aFg10
-ダイニング-

提督「確かスイートルームの人は言ったら料理が運ばれてくるはず」

熊野「朝はそんなにいっぱい入りませんわよ…」

提督「多分そこまで沢山は出ないんじゃないかな、前違うフェリー乗った時は結構少なめだったぞ」

熊野「もし食べきれなかったら提督に差し上げますわ」

提督「食べきる努力を少しはしろよ?」

53: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 20:02:10.27 ID:9In2aFg10
~朝食が運ばれて~

提督「ほら、そんな沢山あるわけじゃないだろ?」

熊野「レディーにぴったりな量ですわね」

提督「ソーセージやハム、それに卵料理。サラダにスープとパン。そしてデザートにフルーツか」

提督「ホテルの朝食と似ているな」

熊野「では、いただきますわ」

提督「ああ、いただきます」

54: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 20:18:48.00 ID:9In2aFg10

熊野「このパンふかふかで美味しいですわ!」

提督「サラダのドレッシング何使ってんだろ…」

熊野「ソーセージとてもパリっとしてますわ!」

提督「シャウエ○セン使ってたりするのかな…」

熊野「コーンスープなんて初めて飲みましたわ!いけますのね!」

提督「コーンスープ飲んだことなかったのか、うちの鎮守府の食堂にはないんだっけか」

熊野「艦娘になってから食べ物を食べるという楽しさを知れましたわ」

提督「ああ、確かに出来ることが格段に増えたんだよな…もっと色んなもの食べさせてやるからな」

熊野「ゲテモノは嫌よ?」

提督「大丈夫だ、北海道のものは全部もれなく美味しい、俺が保証しよう」

提督(ただしジンギスカンキャラメル、お前は帰れ)

56: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 20:49:05.66 ID:9In2aFg10
朝食を食べ終わり…

-スイートルーム-

09:00

提督「朝ごはんも食べ終わったし昼ごはんの時間まではのんびりしてるしかないな」

熊野「そういえば、北海道についてからどこに行くのか聞いてませんわ」

提督「そうだったな…まず小樽についたらそこで1泊して翌日に小樽観光をする。」

提督「んでその後電車で函館に直行する。で、函館で2泊かな。その後はレンタカーを借りて俺が前に北海道一周した時のルートを辿っていく」

提督「今年のゴールデンウィークはあと9日もあるからな、余裕だろう」

58: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 21:21:38.30 ID:9In2aFg10

熊野「地名を言われても分かりませんわ…変なとこに連れて行ったりしたら承知しませんから」

提督「車中泊はあるかも知れないけど我慢してね」

熊野「…?!そんなの聞いてませんわよ!提督に何されるか分かりませんわ!」

提督「なにもしないわ!変なこと言うな!」

提督(っべー…寝顔撮ったなんて言えねー…っべー…)

熊野「それで、この時間はなにしてればいいんですの」

提督「俺は持ってきた小説読むけど…何も持ってきてないのか?」

熊野「持ってきていませんわ!」

59: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 22:04:13.39 ID:9In2aFg10
提督「なんだって…じゃあ俺の持ってきたやつなにか読むか?」

熊野「面白いやつがいいですわ!」

提督「んー…サマータイムとかどう?短いから多分今日中に読み終われるぞ」

熊野「じゃあ、それ読んでみますわ」

提督「ほい、因みに俺が読んでるのは夏への扉ってやつね」

熊野「だいぶ分厚いんですのね…」

提督「そう?これくらいなら読み慣れちゃったよ」

熊野「では読み始めますわ」

61: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 22:33:06.02 ID:9In2aFg10

11:30


提督「んあー…2時間弱も読んでると首が痛くなってくるな…」

熊野「私もう半分読み終わってしまったのだけれど…」

提督「それ短いからな、でも雰囲気が好きなんだ」

熊野「確かにノスタルジックな感じがしますわね」

提督「そろそろ昼ごはん食べに行くか?」

熊野「よろしくてよ!」

提督「んじゃダイニング行くかー」

62: ◆q07nr6cDws 2014/05/19(月) 22:54:04.67 ID:9In2aFg10

-ダイニング-


提督「昼ごはんはどんな感じなんだろう」

熊野「朝よりは入りますわ!」

提督「本読んでると不思議とお腹すくんだよなー。なんでだろう」

熊野「集中してるからエネルギー使っているのでは?」

提督「そんな感じなのかねー」

67: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 21:49:39.81 ID:BipPXUtT0

~昼食が運ばれて~


提督「お、おぉ…」

熊野「予想以上の量ですわね…」

提督「どっかのレストランのフルコースかってくらい上品だな」

熊野「私に似合っているのではなくて?」

提督「兵装だったら似合ってたかもな、でも今普通の女の子だし…」

熊野「な…!失礼ですわ!」

提督「ごめんごめん、後で飴あげるから  さ、食べようか」

熊野「そんな子どもじゃありませんわ!」

提督「はいはい、いただきます」

熊野「い、いただきますわ」

68: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 22:24:50.55 ID:BipPXUtT0

提督「にしても豪華だな…それに北海道産の物を沢山使っている」

熊野「そうなんですの?」

提督「メニューに書いてある産地があるだろ?二木、余市、赤井川、利尻、全部北海道の地名だよ」

熊野「って事は殆ど北海道で採れたものなんですのね…このお魚とっても美味しいですわ!」

提督「白身魚のヴァーブルか…本当にヨーロッパの方の夕食みたいだな…」

熊野「こんな豪華な食事初めてですわ!」

提督「お嬢様キャラなのに食べたことなかったのか」

熊野「キャラってなんですのよ!キャラじゃありませんわ!もう!」

提督「わがままお嬢様(仮)って感じだよな」

熊野「わがままでもないし仮でもないですわ!」

提督「でも昼食もパンか、そろそろご飯が食べたくなってくるな」

69: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 22:37:42.23 ID:BipPXUtT0

熊野「私はパンでもよろしいけれど…提督ご飯が好きなんですの?」

提督「やっぱり日本人なんだろうな、1日一回食べたくなる」

熊野「パンとか麺類は?」

提督「基本的になんでも食べれるから出されたものは喜んで食べるぞ」

熊野「将来の奥さんが喜びそうですわね!」

提督「そう思うか? じゃあ熊野に嫁に来てもらおうかな」

熊野「な、なんで私が! もっと他の人がいますわよ!」

提督「と言うか熊野って料理できるのか?」

熊野「人並みには出来ますわ!鈴谷にカレーは教わったし鳳翔さんにおにぎりも教わりましたわ!」

提督「が、頑張ってんだな…」

提督(俺からも何か教えてやろうか…いや、料理本でもプレゼントするか…)

提督「さ、二人とも食べ終わったし部屋戻るか」

熊野「分かりましたわ」

70: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 22:53:03.94 ID:BipPXUtT0

-スイートルーム-


提督「で、この後どうする?小説読んでるのもいいけど少し甲板にでも出てみないか?」

熊野「よろしくてよ、私一度行ってみたかったんですの!」

提督「じゃあ決まりだな、行くか」

提督(あ、カメラ持って行こ)ガサゴソ


熊野「提督まだですの!」

提督「ごめんごめん、ちょっとカメラ探してて」

熊野「ノロマなのねえ…」

提督「そんなこと言ってたらエスコートしないぞー」テクテク

熊野「あ、待ってくださいな!」タッタッタッ

72: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 23:17:51.35 ID:BipPXUtT0

-甲板-


提督「今日天気良くて良かったなー」

熊野「風が気持ちいいですわ」

提督「前にフェリー乗った時は曇り空でいまいちだったんだよ」

熊野「そうなんですの?今日は晴れて良かったですわね」

提督「熊野ちょっと手すりのとこ立ってよ」

熊野「な、なんでですの…いいですけれど…」タッタッタッ


カシャ


提督(よっしゃ撮れた!!)

熊野「提督?なにしてるんですの!」

提督「あーもうちょっとそこに居てくれ!」

73: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 23:27:03.87 ID:BipPXUtT0


カシャ カシャ


提督(完璧だ…バレないように取っとこ…)

通行人「あのー…」

提督「ひゃい?!は、はい?」

通行人「良かったらシャッター切りますか?二人で写りたいでしょうし」

提督「え、いいですか?じゃあお言葉に甘えて…」

74: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 23:30:14.75 ID:BipPXUtT0

提督「おーい熊野ー写真撮るぞー今そっち行くからー」タッタッタッ

熊野「写真?」

提督「あの人が撮ってくれるって言うから二人で撮ろう」
 
熊野「二人って提督と私でですの?」
  
提督「そうだけど?」

熊野「す、少し恥ずかしいですわ…」

提督「まぁまぁ旅の思い出だよ、1枚くらい撮ろう」

提督(寝顔とか写しまくってるしさっきも隠し撮りしてたけどな)

熊野「そうですわね…まぁ、いいですわ」

提督「じゃあ撮ってもらおう。  すいませーんお願いします!」

通行人「ほいさー 撮りますよ-! 69329-69327はー?」

提督・熊野「2!」


カシャ


75: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 23:33:02.95 ID:BipPXUtT0

熊野「綺麗に写ってるか心配ですわ」

提督「熊野はそのままでも綺麗だから大丈夫だろ」

熊野「え…提督?」

提督「シャッター切ってくれてありがとうございました!」

熊野(話逸らされましたわ…)

通行人「いえいえ、お二人とも綺麗に写ったと思いますよ!」

提督「本当にありがとうございました!あとでゆっくり見ますね!」

通行人「いえいえ、では!」タッタッタッ

提督「ありがとうございました!」

76: ◆q07nr6cDws 2014/05/20(火) 23:41:27.68 ID:BipPXUtT0

熊野「提督、知らない人の前だと真面目なんですのね」

提督「バカ言え俺がいつ真面目じゃなくなったんだ」

熊野「鎮守府ではいつもふざけてますわ!」

提督「な?!あれは駆逐艦の子と遊んであげてるだけでお前らと絡んでる時は普通の対応してるだろ!」

熊野「鈴谷も駆逐艦の子と同じ感じでしたわ!」

提督「鈴谷のテンションに合わせてるだけだ、熊野も鈴谷みたいなテンションできて良いんだぞ?」

熊野「わ、私は別にいいですわ…」

提督「暑くて喉乾いてきたな…自販機行ってくるけどなんか飲むか?」

熊野「紅茶があれば買ってきてもらいたいですわ」

提督「了解、じゃあちょっと行ってくる」タッタッタッ

81: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 22:27:09.48 ID:WmIE8yTV0

熊野(よくよく考えたら提督と二人で何処かへ出かけるというのは初めてですわね…)

熊野(着任当初からずっと秘書艦はしていましたけれど、まず提督がどこかに出かけてるの自体滅多に見ませんでしたわ)

熊野(部屋に篭ってギター弾いてたり、本読んでることがほとんどですものね…)

熊野(こんなこと考えてたら今更緊張してきましたわ…)

82: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 22:35:05.06 ID:WmIE8yTV0


提督「紅茶○伝のミルクしか無かったけど良い?」ヒョイッ

熊野「ひゃあ?!び、びっくりしましたわ!」

提督「気付いてなかったのか…で、俺が飲む予定で買ってきた綾○もあるけどどっち飲む?」

熊野「紅茶花伝を頂きますわ」

提督「ほら、飲み終わったら部屋戻るか」

熊野「もう17時ですのね…分かりましたわ」

提督「とりあえず部屋戻ったら少しずつ荷物まとめ始めよう、んで夜ご飯だ」

熊野「何時くらいに食べますの?」

提督「19時位に食べて、20時頃戻って出る準備が終わるって感じがスムーズでいいかな」

熊野「あと2時間位ありますのね…」

提督「折角だし甲板から夕陽でも見てから戻るか?」

83: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 22:44:41.82 ID:WmIE8yTV0

熊野「夕陽…見てもよろしくてよ」

提督「多分6時前くらいには見れるんじゃないかなー…」




~17:45頃~


提督「少しずつ夕陽になってきたな…」

熊野「鎮守府以外で夕陽を見るのは初めてな気がしますわ」

提督「いっつも秘書として手伝ってもらってるからなー、見たかったのか?」

熊野「き、気になっていただけですわ!でも…赤くて綺麗ですわね…」

提督(おっと…これはお前のほうが綺麗だよって言えるパターンか…?)

提督「夕陽も綺麗だけど熊野のほうが綺麗だぞ」

熊野「?!?な、何を言うんですの!」

提督「本音を言っただけだ さ、部屋に戻るか」テクテク

熊野「ま、待ってくださいな!」タッタッタッ




提督(あー恥ずかしかった…慣れないことは言うもんじゃないな…)


85: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 22:54:07.38 ID:WmIE8yTV0

-スイートルーム-


提督「片付けるって言ってもいうほど荷物もないしすぐ終わりそうだな…」

熊野「私は美容品を入れれば殆ど片付きますわ!」

提督「俺もカメラと本くらいしかないな…」

熊野「結構時間にゆとりありますわね」

提督「のんびり出来ていいじゃないか!」

88: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 22:59:47.97 ID:WmIE8yTV0


提督「そういえば熊野、鎮守府はどうだ?お前は来てからだいぶ経つから古参の類に入ると思うが…」

熊野「私が来た時はまだ20人も居ませんでしたわね…それが今は90人近く、大きくなったものですわ」

提督「いつの間にか大人数になってたな、まだ居ないのも結構いるらしいが…」

熊野「それより私が来た時からずっと秘書艦していますけど、いいんですの?」

提督「ん、なんで?」

熊野「秘書艦になりたい方はいっぱい居ますし、私がずっと秘書艦で飽きませんの…?」

提督「まぁ勉強のために秘書艦にしてください!とか、秘書艦になれないと死んじゃうんです!なんて子が来たら考えてやらんでもないけど…」

提督「来ない間はずっと熊野がいいかなって思ってるよ」

熊野「そ、そこまでですの…コレと言ったことしてませんのに」

提督「熊野と居る時が一番楽だからかなーなんとなくだけど、過ごしやすいっていうか…」

熊野「す、少し恥ずかしいですわ…」

提督「言っとくけど本音だからな、んじゃ夜ご飯食べに行きますか」

89: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 23:07:22.77 ID:WmIE8yTV0


-ダイニング-



提督「何やら夕食は和食らしい、楽しみだなー」

熊野「提督、和食好きですの?」

提督「そりゃ日本人だしな、食べてて落ち着く味だと思う」

熊野「彩りも鮮やかで綺麗ですものね…」

提督「朝ごはんにご飯、焼き魚、味噌汁が出てきたらそれだけで安心するくらい和食は好きだな」

熊野「よっぽどですのね…私、和菓子が好きですわ」

提督「和菓子か…そうだな、北海道に有名な店が2つくらいあるから連れて行ってやる」

熊野「…!楽しみですわ!」

90: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 23:12:47.23 ID:WmIE8yTV0


~夕食が運ばれて~


提督「…え、これ多くないか」

熊野「私、全部食べきれる気がしませんわ…」

提督「何処の旅館の夕食だよ…天ぷら、刺し身、焼き魚、大根のサラダ、蕎麦、いくら丼、アイスクリーム」

熊野「いくら丼だけでお腹いっぱいになりそうですわ…」

提督「でも一つ一つの量がすごい多いわけでもないから案外行けそうだな」

提督「さて、食べるか。 いただきます」

熊野「いただきます」

91: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 23:23:35.96 ID:WmIE8yTV0


提督「この焼き魚なまら美味しいぞ…なんの魚だろう…へぇーきんきか…」

熊野「提督、魚には詳しくありませんの?」

提督「海に鰈釣りに行ったのと、川に渓流釣りに行ったことくらいしかないからそんなに詳しくないな…」

熊野「意外とアウトドアなんですのね」

提督「自然が好きだったんだよ、だからいつの間にか自然の中で遊んでた。最近はカメラとギターしか趣味ないけどな…」

熊野「提督が虫捕りしてる姿なんて想像もできませんわ…いつも自室に篭っていらっしゃるのに」

提督「今も行きたいんだが、鎮守府連休取りづらいからなぁ…」

92: ◆q07nr6cDws 2014/05/21(水) 23:29:16.54 ID:WmIE8yTV0

熊野「忙しいんですのね…にしてもこのお刺身、とても美味しいですわ!」

提督「熊野、刺し身はわさびを付けて食べるものなんだぞ、ほれ」ノソッ

熊野「て、提督?!何をなさっているの!?!こんなに沢山山葵乗っているのなんて食べれませんわ!」

提督「残念だが熊野…これは日本のレディーは皆できることなんだ…熊野もレディーなら、余裕だろ?」

熊野「う…うう…た、食べますわ!!」パクッ

94: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 00:00:07.10 ID:im5E8bI00


熊野「!??!?!??!??!」



熊野「うう…」ジワァ

提督「く、熊野…?」

熊野「か、辛いですわ…こんなの食べ物じゃないですわ…」ウルウル

提督(ちょっと悪ふざけすぎたかな…)

提督「ごめんごめん、ちょっとからかってみたかったんだ…ほらこれ」っハンカチ

熊野「あ、ありがとうございます…って!提督!あなたが食べれとおっしゃったんですわ!」

提督「う…」

熊野「鎮守府に戻ったらこれの倍で食べていただきますわ…!」

提督(どこのダ○ョウ倶楽部だよ…)

提督「わ、分かった…」


95: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 00:06:34.01 ID:im5E8bI00

熊野「後はアイスクリームだけですわね」

提督「食べるの遅かったから若干溶けてるな」

熊野「どこかの誰かが悪ふざけするからですわ」ツーン

提督「だから悪かったって…熊野はアイス好きか?」

熊野「まぁ嫌いではありませんけど…」

提督「なら北海道についたらご当地毎のアイスでも食べるか」

熊野「ご当地…なんですの?」

96: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 00:18:31.23 ID:im5E8bI00

提督「北海道はまぁ、知ってるだろうけど本州の比じゃないくらい広いんだ。」

提督「んで、土地それぞれの特産物を活かしたアイスとかハンバーガーとかがあるんだよ。」

熊野「ハンバーガー…私、この間鈴谷に初めて食べさせてもらいましたわ。」

提督「たしかサンドイッチ出してる店もあった気がするな…」

熊野「サンドイッチ…!食べたいですわ!」

提督(コンビニの渡しても喜ぶからな…)

提督「さ、二人とも食べ終わったし戻って降りる準備するか」

熊野「分かりましたわ」

提督・熊野「ご馳走様でした」

102: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 22:07:10.52 ID:im5E8bI00


-スイートルーム-


提督「そんなこんなで降りるまで後30分だな、帰りは飛行機にする予定だが船はどうだった?」

熊野「フェリーというものに初めて乗りましたけれど…なかなか素敵でしたわ」

提督「そりゃスイートルームだからな、素敵じゃないなんて言われてたら熊野置いてったかも」

熊野「お、置いて行かれたら困りますわ!」

提督「置いていかないから安心しろ…んじゃ、忘れ物はなさそうだな?」

熊野「全部鞄にしまいましたわ」

提督「じゃあ降りる時までゆっくりしてていいぞー」

103: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 22:34:44.95 ID:im5E8bI00

~21時半頃~


提督「さて、やっと人が降りれるようになったし降りるか。荷物持つか?」

熊野「いいんですの?じゃあお言葉に甘えて…」

提督「船旅は意外と疲れるからな、任せとけ」ヒョイッ


熊野(こういうとこは頼もしいですわね…)

104: ◆q07nr6cDws 2014/05/22(木) 22:41:06.32 ID:im5E8bI00


-北海道上陸-


提督「帰ってきたー!北海道だー!」

熊野「ここが北海道…の、なんて場所ですの?」

提督「小樽ってとこだよ」



歴史溢れる煉瓦の街「小樽」

石狩湾に面していて古くから港湾都市として栄えている、町並みは歴史的建造物が多く観光スポットとしても人気が高い。
政令指定都市でもある札幌にも近く、交通の便も良い。
少し移動すると朝里川温泉という温泉地帯にいける、ホテルの値段も然程高くなく、気軽に泊まれるだろう。
人口は道内でも多いほうだが、最近少しずつ過疎ってきている…
港には帆船、漁船、稀に海上自衛隊の艦艇も停泊している。
港町や煉瓦の町並みが見たい人は是非行ってみてはどうだろうか。



提督「ってな感じで港町で、建物の作りが古いんだよーって感じ、明日一緒に見て回ろう」

熊野「素敵な町並みなんですのね、早く見てみたいですわ!」

提督「じゃあもう遅いし早く泊まるホテルに行こうか、予約はもうとってあるよ」

熊野「分かりましたわ」

110: ◆q07nr6cDws 2014/05/24(土) 15:28:05.03 ID:RPqH6m500

熊野「本州より少し肌寒いですわ…」

提督「多分舞鶴の方とは5度以上違うぞ」

熊野「カーディガンだけじゃ少し寒いですわ…」

提督「まぁ夜だしな…俺の上着で良かったら羽織っとけ」

熊野「お借りしますわ…」

提督「やっぱり本州の人にとっては寒いのかなー」

熊野「提督は平気なんですの?」

提督「元々住んでたしな、これくらいだったら平気平気」

熊野「提督何気にすごいですわね…」

提督「多分道民皆こんな感じだぞ、本州行ったら暑くて溶けるかと思ったし」

熊野「そんなに生活が違うんですのね」

提督「こっち行っても30度越したかなーくらいだからなー」

113: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 00:17:24.56 ID:9jCXHRYA0


-運河の宿小樽ふる川-



提督「お、ここだよ。泊まるホテル」

熊野「運河の宿…ふる川…?」

提督「俺が初めて小樽で泊まったホテル、あの時は友達とだったけどな」

熊野「雰囲気が素敵ですわ!」

提督「特別室は予約的な関係で取れなかったから、ツインルームの運河側にしといたぞ」

提督「じゃ、受付してくるから待っててくれ」

熊野「分かりましたわ」

114: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 00:42:07.96 ID:9jCXHRYA0


提督「さ、部屋鍵もらってきたし行こうか」

熊野「ここは温泉があるんですの?」

提督「そうだよ、4つ種類があって蔵のイメージを大切にしてるらしいぞ」

熊野「4つってことは男女で2つずつしか使えないということですの?」

提督「ああ、朝と夜で男女交代なんだよ。だからちゃんと4種類楽しめるぞ、起きれたらだけどな」

熊野「提督、起こしてくださってもよろしくてよ?」

提督「まぁ、起きたら起こしてやる」

115: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 00:59:49.24 ID:9jCXHRYA0


-ツインルーム-


提督「ここだな」

熊野「扉大きいんですのね」

提督「俺の身長が小さいから余計にでかく見える…」

熊野「提督身長お幾つなんですの?」

提督「168だよ悪いか」ガチャ

熊野「わぁ…!部屋の中とても素敵ですのね!」

提督「気に入ったようで良かった、和室もあるんけど、熊野はこっちのほうがいいかもなってね」

熊野「和室の雰囲気も好きでしてよ!」

提督「あ、本当に?じゃあ次泊まるホテル和室にしちゃおうっと…」

116: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 01:21:33.50 ID:9jCXHRYA0

熊野「ベッドも大きいんですのね!鎮守府とは大違いですわ!」

提督(…俺の自室のベッドこれくらいなんて言えない)

提督「そ、そうだな。 枕もでかいしな」

熊野「それで、夜はこれからどうなされるのかしら?」

提督「普通に温泉入って寝ようかと…あ、明日朝ご飯食べたらすぐチェックアウトするからな」

熊野「分かりましたわ、では私もお風呂に…」

提督「あ、鍵、どうする?俺が持ってていいのか?」

熊野「多分提督のほうが先に上がられるので持っていていいですわ」

提督「分かった、じゃあ準備していきますか」

117: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 01:26:13.31 ID:9jCXHRYA0

-お風呂-

男湯

提督(明日は何処に行こうか…小樽にすごく詳しいわけじゃないからな)

提督(夜の特急で函館行きだし、観光街のんびりと歩きますか)

提督(それにしても熊野になんてプロポーズしよう、そもそも付き合ってないのにプロポーズってありなのか)

提督(まぁいいか…ホテルの風呂にはいるのも久々だな)

提督(そうだ、○eTAOのチーズケーキ食べさせてやるか…)

118: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 01:28:20.34 ID:9jCXHRYA0

女湯

熊野(部屋の中は洋風でしたけれど…温泉の中は和風そのものですのね)

熊野(そういえば提督が蔵のイメージを大切にしてるって仰ってましたっけ…)

熊野(提督って結構博識というか…何でも知ってらっしゃいますわね)

熊野(…頼りになりますのね…)

125: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 11:37:46.48 ID:9jCXHRYA0

-ツインルーム-


提督「気持ちよかった、熊野はまだ入ってるっぽいな」ガチャ

提督(喉乾いたな…)

提督(熊野戻ってきたら買いに行こう)

126: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 11:58:45.55 ID:9jCXHRYA0

~数十分して~



熊野「戻りましたわ」

提督「お、おかえり。 気持ちよかったか?」

熊野「とても温まりましたわ!あと、露天風呂の雰囲気が素敵ですのね」

提督「あー程よく風が通ってきて気持ちいいよな」


提督「俺、喉乾いたから飲み物買ってくるけど熊野も飲むか?」

熊野「コーヒー牛乳が飲んでみたいですわ!」

提督「お、風呂あがりの定番だな。じゃあちょっと行ってくるな」ガチャ

127: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 12:29:26.30 ID:9jCXHRYA0


熊野(髪を乾かしたいんですけれど…ドライヤーはどこですの…)ガサゴソ

熊野(うう…提督に聞いておけば良かったですわ…)



提督「待たせたな、意外と売店まで遠くてね」

熊野「提督!ドライヤーはどこですの!」

提督「え?ドライヤーは確か洗面台の横の棚になかったかな…はい、コーヒー牛乳」

熊野「頂戴しますわ…でも飲む前にドライヤーかけたいですわ…」

提督「ちょっと取ってくるからそこ座って待ってろ」タッタッタッ

熊野「わ…分かりましたわ」

128: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 12:59:54.07 ID:9jCXHRYA0

提督「ほら、ドライヤーあったぞ」

提督「乾かしてやるからそのまま座ってな」

熊野「え、べ、別にいいですのに…」

提督「熊野髪長いし先の方一人じゃ難しいだろ、任せとけ」

熊野「じゃあお言葉に甘えて…」

提督「つけるからなー」カチッ

熊野「丁寧にお願いしますわ」

129: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 13:28:43.04 ID:9jCXHRYA0

提督「ああ、にしても熊野の髪の色って変わってるよな」

熊野「そうなんですの?」

提督「日本人にはもちろん、海外でもあんまり居ないんじゃないか…?」

提督「そんなこと言ったら鈴谷だっていないか」

熊野「鈴谷も私も最初からこの色でしたからね…」

提督「二人とも綺麗だと思うぞ、柔らかい色だしな」

熊野「提督は髪染めたりはなさらないの?」

提督「少し茶色にしてみたかったりするけど…黒がなんとなく一番落ち着くよな」

熊野「私と色をかぶせるのはやめてくださいな?」

提督「その色男性がやるのは少し無理があるだろ…」

熊野(提督は黒いままでいいと思いますけれど…)

提督「じゃあとりあえず今日は寝るか」

133: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 23:18:36.27 ID:9jCXHRYA0

熊野「ちゃんと朝起こしてくださいな」

提督「5時位に起こせばいいか?」

熊野「それくらいでお願いしますわ」

提督「了解、じゃあおやすみ」

熊野「おやすみなさいませ」

134: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 23:32:41.26 ID:9jCXHRYA0


~05:00~


♪(コオロギの鳴き声)

提督「ん…やっぱり朝はこの音がなくちゃ起きれないな…」ゴソッ

提督(先に顔洗ってから熊野起こすか…)ノソノソ


提督「洗面所でかいよなここ…立派だし」

提督(さて…顔洗ったし起こしますかね)

135: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 23:46:26.63 ID:9jCXHRYA0


提督「熊野、5時過ぎたぞー。温泉はいるんだろー」トントン

熊野「ん…んぅ…」

提督(起きないんだが…)


提督「おーいーくーまのー起ーきろー」トントントントン

熊野「むぅ…ん…」

提督「起きないとほっぺた抓るぞー」


提督「本当に起きないな…」

136: ◆q07nr6cDws 2014/05/25(日) 23:59:06.55 ID:9jCXHRYA0


提督「熊野いい加減起きろー」ホッペツネッ


熊野「んっ…い、痛いですわ…なんですの…」

提督「もう5時半になるんだが…」

熊野「…?!温泉!」バタッ

熊野「早くいかなきゃ閉まってしまいますわ!」

提督「まだ時間あるからそんな焦るな…ほら、おはよう」

熊野「お、おはようございます…とりあえず顔洗ってきますわ…」

137: ◆q07nr6cDws 2014/05/26(月) 00:00:01.47 ID:NlFvYEm70


~顔を洗い~



熊野「スッキリしましたわ」

提督「ほら、温泉行くんだろ?」タオルホイッ

熊野「勿論ですわ、他の二つの温泉も入ってみたいので」

提督「昨日俺が入ってた方に入ることになるな、少し熱かった気もするが気持ち良かったよ」

熊野「じゃあ早速行ってまいりますわ!」

提督「あ、俺も温泉行くから鍵占めるからな。なるべく早く戻ってくるつもりだけどさ」

熊野「もし居なかったらロビーに座ってますわ」

提督「了解、じゃあいこうか」


カギガチャ


提督「じゃあまた後でな」

熊野「はい、提督もごゆっくり」

142: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 00:22:48.10 ID:S7VOJm0d0


-男湯-


提督(さて、朝食をとった後何処に行こうかな…とりあえず何かプレゼントでもしたいよな)

提督(だが小樽となるとガラス細工やオルゴール…箸とかもあったっけ…)

提督(んんんn…悩むな)

143: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 00:27:12.40 ID:S7VOJm0d0


-女湯-


熊野(こっちの温泉も気持ちいいですわ…)

熊野(提督、今日は何処に連れてってくださるのかしら)

熊野(ふふっ…少し楽しみですわ!)

144: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 00:32:07.20 ID:S7VOJm0d0


~時を経て~


提督(つい長風呂してしまった…ロビーに熊野はもういるのかな)


熊野(上がっても提督が見当たらなかったけれど…まだ入ってるのかしら)

145: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 00:35:20.02 ID:S7VOJm0d0


提督(あ、ロビーに座ってるじゃん)



提督「おーい、熊野ー」

熊野「て、提督…!少し遅いのではなくて!」

提督「気持よくてすっかり長風呂してしまった、ごめんな」

熊野「私もうお腹すきましたわ…」

提督「ああ、悪かった。一回部屋に戻って朝食食べに行くか」

熊野「分かりましたわ」

146: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 00:47:34.91 ID:S7VOJm0d0


-ツインルーム-


提督「そういえば朝食食べたらホテル出るけど荷物は纏まってるのか?」

熊野「大丈夫ですわ、あまり出し入れをしていないので」

提督「俺もそこまで出してないから大丈夫かな、じゃあ行こうか」トコトコ



熊野「そういえば、朝ごはんは何ですの?」

提督「俺が前泊まった時はバイキングだったよ」

熊野「…?どんな食べ物ですの?」

提督「食べ物?バイキングは俗に言う食べ放題だよ」

152: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 21:15:26.44 ID:S7VOJm0d0


提督「…もしかして熊野初めて?」

熊野「べ、別に初めてということはなくてよ?」

提督(あー、初めて来たのか)

提督「とりあえず、皿に食べたいもの好きなもの取って食べていい場所だからな?」

熊野「そ、そんなの知ってますわ!」プイッ

提督「分からないことあったら聞けよ?」

熊野「だ、大丈夫ですわ!」

153: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 21:27:43.02 ID:S7VOJm0d0


-ダイニング-


ふる川の朝食は、「北海道産の食材」と「手作り」をテーマに掲げ、それに拘ったバイキング形式の朝食になっている。

中でもその場で作られ出来たてをすぐに食べれるパンや採れたてトマトジュース、牛乳などが人気である。

和食洋食のレパートリーは結構多く、全て制覇するには時間と食欲が必要かもしれない。


提督「ってな感じでバイキングだ。さ、取りに行きますか」トコトコ

熊野「一緒に行きますわ」トコトコ





提督「何食べようかな…洋食で固めてもいいし和食もいいな…いや、和洋食両方を皿に載せるのも…」

熊野「どんだけ悩んでるんですの…私はパンがいいですわ」

提督「パンなー、焼きたてのが食べれるはずだからパンのとこで待ってたら?」

熊野「ほ、他のものを先に見て回りますわ…」





熊野(席の場所を覚えていないなんて恥ずかしくて言えないですわ…)

154: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 22:24:39.51 ID:S7VOJm0d0



提督「そう?じゃあ野菜とかは一緒に見て回るか」

熊野「よ、よろしくてよ!」



提督「トマトとー…ポテトサラダ…うーんキャベツ…」

熊野「提督野菜取り過ぎではなくて…そんなに野菜好きですの?」

提督「基本的に美味しそうなものは何でも食べたいからな…つい…」

熊野「少しずつ食べればいいのでは?」

提督「そういう熊野は少なすぎだろ、全然取ってないじゃないか」

熊野「レディーはあまり食べ過ぎないのよ?よろしくて?」

提督「昼になってお腹すいたっていっても知らないからなー」

熊野「い、言いませんわよ!もう!」

156: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 23:16:09.59 ID:S7VOJm0d0


~席に戻り~


熊野「では私、パンを取ってきますわ」

提督「分かった、俺飲み物取ってくるよ。なにがいい?」

熊野「ローズヒップティー…がなかったら紅茶がいいですわ」

提督「さすがにローズヒップティーはないかもなー…とりあえず取ってくるよ」

熊野「分かりましたわ」タッタッタッ

157: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 23:28:43.65 ID:S7VOJm0d0


~ドリンクバーにて~


提督「こういう時に飲み物取ってきてって頼んだら混ぜてくるやつとかいたよなー」

提督「お茶と水とりんごジュースのミックスの不味さは異常」


提督「さて…熊野は紅茶…俺はコーンスープにしよ」コポポポ

提督「ホテルの朝ってなんとなくコーンスープ飲んじゃうよね」

提督「さ、戻るか」トコトコ

158: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 23:35:37.65 ID:S7VOJm0d0


~席に戻り~


提督「もう戻ってたのか、待たせちゃったな」ガタッ

熊野「丁度出来たてのパンが戴けましたわ」

提督「じゃあ食べるか」

熊野「はい、いただきますわ」

提督「いただきます」

159: ◆q07nr6cDws 2014/05/27(火) 23:44:41.28 ID:S7VOJm0d0


提督「多分こういうバイキング形式になってるホテルは、もう泊まらないかもしれないから堪能しといた方がいいぞ」

熊野「他のホテルはどうするんですの?」

提督「次の函館は旅館、その他はペンションとか、車中とかだからな。朝ごはんは部屋食か無しだよ」

熊野「朝くらいゆっくりしたいですわ…」


熊野「…!このクロワッサン…とても甘くて美味しいですわ!」

提督「ここの焼き立てパンはすごい人気らしいからな、雑誌なんかでもたまに載ってるのを見るよ」

熊野「このアップルパイもデニッシュもとてもいけましたわ!」

提督「気に入ったようで何よりだよ、まぁ俺はいつもご飯だから食べたことないんだけどな」

熊野「…なら、私のを一口差し上げてもよろしくてよ」





提督「え?」

167: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 22:57:14.81 ID:f892Co0O0

熊野「せ、折角の機会なんですし一口差し上げますわ」

提督「じゃ、じゃあもらうとするか…」

熊野「ど、どうぞ」ヒョイッ

提督「ああ」パクッ

168: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:00:51.32 ID:f892Co0O0


提督「…確かに甘いな、そして調度良く温かい…なんだろう、優しい味」

熊野「優しい味って表現初めて聞きましたわ…」

提督「なんか使っちゃうんだよ、熊野も俺のご飯食べるか?」

熊野「提督の、ただの白米でしてよ!」

提督「これはな…ただの米じゃない、北海道米だ!!」

熊野「何か違いがありますの?」

提督「まぁ何も言わずに食べてみろ」ヒョイッ


熊野「い、いただきます」パクッ

169: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:08:17.48 ID:f892Co0O0

熊野「ん…」モグモグ


提督「な、違うだろ?」

熊野「よく分かりませんけど…何が違くて?」

提督「なんだと…!鎮守府で出てくるのより甘みがあると思わないか?」

熊野「…二つ並べて食べてみないとイマイチ分かりませんわ…」

提督「まぁ…それもそうか、【ななつぼし】とか【ゆめぴりか】とか有名なんだぞ」

熊野「お米の種類をあまり気にしたことが無いですわ…」

提督「鎮守府は間宮さんが大体やってくれてるからな…因みに酒米だが【彗星】って名前のやつもあるぞ」

熊野「空母の方の艦載機と一緒ですのね」

提督「関連性があるのかはわからないけどね」

170: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:21:10.49 ID:f892Co0O0


提督「さて、食べ終わったし部屋に戻るか」

熊野「お皿はこのままでよろしくて?」

提督「ああ、後で持って行ってくれるよ」

熊野「分かりましたわ」

提督「部屋に戻ったらすぐ荷物とってチェックアウトするから」

熊野「荷物はもう大体まとめてありますわ」

171: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:27:37.75 ID:f892Co0O0


-ツインルーム-


提督「チェックアウトしたら一回駅に向かうから」

熊野「駅?」

提督「小樽駅ってとこなんだけど、ロッカーあるからそこに荷物入れとこうかと」

熊野「確かに、この荷物を持ったままの観光は少し疲れますわ」

提督「んで、4時位に小樽から札幌に行く、それから札幌から函館って感じで」

提督「着くのは夜の8時半くらいかなー」

熊野「4時間半も電車に乗ってるんですの…」

提督「乗り換え抜いたら4時間くらいかな、疲れるだろうから電車は寝てていいぞ」

熊野「そうしますわ…」




熊野「提督、準備よろしくてよ」

提督「ん、じゃあ行くか」ガチャ

172: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:47:52.00 ID:f892Co0O0

-ロビー-


提督「とりあえずチェックアウトしてくるから、ここで待ってて」

熊野「分かりましたわ」




提督「終わったぞー」


熊野「ここのロビーなんだか眠くなってきますわ…」

提督「おいおい大丈夫か、まだ朝だぞー」ペシペシ

熊野「き、気安く触らないで下さる!?」バッ

提督「なんだよ朝は何も言わなかったのに!」

熊野「あ、朝は…し、知らないですわ!」フンッ


提督(ここで船で写した寝顔写真を見せたらどうなるんだろうか)



提督(間違いなく怒られるだろうな…)


提督「とりあえず、チェックアウトしたから外出るぞ」

熊野「提督、荷物持って下さる?」

173: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:56:03.68 ID:f892Co0O0

提督「ん、ああいいけど」ヒョイッ





提督「船乗る時から思ってたけど熊野の鞄軽くないか?」

熊野「荷物をあまり沢山入れないタイプですの」

提督「なるほど…美容品はあまり重くないしな」

熊野「提督に持って来いと言われたものしか持ってきてないですわ」

提督「俺の鞄はカメラとかのお陰で結構重い…」








提督「さて、出るか」


174: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:56:58.66 ID:f892Co0O0


-小樽市街地-



提督「よし、じゃあ行くかー」

熊野「駅までどれくらいですの?」

提督「そこのとおり曲がってまっすぐだよ、20分もかからないはず」

熊野「近いんですのね」

提督「観光に力入れてるからなー、ここらへんは殆ど観光街で駅からすぐ来れるようになってるぞ」


熊野「それにしても…昨日は着いたのが遅かったので周りがよく分かりませんでしたけれど…」

熊野「この街、とってもお洒落ですのね」

提督「港町で、昨日言ったとおり建物の作りが古いからなー」

熊野「あちらの石造りの建物、雰囲気がとても素敵ですわ」

提督「あそこは小樽で一番有名って言ってもいいんじゃないかってくらい有名だよ」

175: ◆q07nr6cDws 2014/05/29(木) 23:58:03.30 ID:f892Co0O0


提督「そうだな、荷物置いた後に行こうか」

熊野「楽しみですわ」



提督(小樽気に入ったみたいだなー…すごいキョロキョロしてる)





提督「ここを曲がって真っすぐ行ったら駅だよ」

熊野「…ずいぶん長い坂ですのね」

提督「小樽は一部で坂町って言われるくらい坂が多くてだな…30通り以上の坂があるんだ」

提督「ここは特に名前ついてないけどな」

熊野「わ、私余り坂道は得意じゃなくてよ…」

提督「大丈夫だ、観光街に坂道はないから」

熊野「なんかホッとしましたわ…」

177: ◆q07nr6cDws 2014/05/30(金) 00:04:22.19 ID:9T1haiVu0


提督「ここらへんは冬になるとキャンドルで道を作るイベントをやるんだよ」

熊野「キャンドル…?」

提督「ああ、説明が悪かったか…氷で作ったキャンドルを雪の上に乗せて道を作る」

提督「そしてキャンドルに灯火をつける、【雪あかりの路】っていうイベントがあるんだよ」

熊野「私、雪を見たことがないので想像が難しいですわ…」

提督「あー…そっか雪見たことないのか」

提督「じゃあ北海道気に入ったら、次は冬に来るっていう楽しみができるな」

熊野「…そうですわね!」




提督(雪あかりの路は確実にカップル向けだからな…)

提督(一人でカメラ持っていった時色々悲しくなったし…)


178: ◆q07nr6cDws 2014/05/30(金) 00:05:47.87 ID:9T1haiVu0


-小樽駅-


提督「さ、ここが小樽駅だ」

熊野「駅、意外と小さいんですのね」

提督「そうか?」

熊野「もっと大きくて目立つような駅を想像してましたわ…」

提督「確かにインパクトが有るかって言われたらあれだな…でも、北海道の駅はどこもこんな感じだぞ」

熊野「全部こんな小さいんですの?」

提督「札幌、函館、旭川…くらいかな。正直なとこ札幌駅以外すごく大きい駅は無いと思った方がいい」

熊野「北海道ってとても大きいイメージでしたけれど…」

提督「主要都市から少し離れたら都会ってイメージはなくなるよ」

熊野「でも、そういうとこの方がのんびりと暮らせそうですわ」

提督「雪の量が心配だけどなー…さ、ロッカーに預けるか」ガチャ

179: ◆q07nr6cDws 2014/05/30(金) 00:09:50.38 ID:9T1haiVu0


熊野「入れましたわ」

提督「俺も財布とカメラ…以外は…大丈夫だな」ガチャ




提督「そういえば、ここの駅に入ってるパン屋が実は美味しかったりする」

熊野「そうなんですの?」

提督「遊びに電車できてた時は、毎回買ってたな…札幌行く前に買おうか」

熊野「私、パンは好きでしてよ」

提督「じゃあ夜ご飯は電車の中でパンになるかもな…」

熊野「それでもよろしくてよ」

提督「お腹いっぱいになるのか?」

熊野「レディーなので大丈夫ですわ」

提督「怪しいなー」

熊野「ほ、本当ですわ!」




提督「さ、観光行くか」

熊野「美味しいもの、食べたいですわ」

提督「それじゃ昼ごはんはワサビ多めのマグロ丼でも食べるか?」

熊野「…提督、意地が悪いですわ」

提督「ごめんごめん、さてどうやって行こうかねー」

185: ◆q07nr6cDws 2014/05/31(土) 23:19:26.54 ID:Dd2Q25gb0

-小樽市街地-


提督「じゃあ定番の小樽運河から行きますか」

熊野「小樽運河…?」

提督「さっき熊野がお洒落って言ってたとこだよ」

熊野「…!楽しみですわ!」

187: ◆q07nr6cDws 2014/05/31(土) 23:31:18.23 ID:Dd2Q25gb0

提督「ここ真っ直ぐだしすぐだな」

熊野「この通りの町並みも素敵ですわ」

提督「明治とかからそのままっていうのもあるからな…明治の建物はお洒落だよな」

熊野「私の生まれた街、神戸もお洒落ですわよ!」

提督「実は神戸って行ったこと無いんだよなー」

熊野「そうなんですの?でしたら今度一緒n…」


熊野(…!勢いで一緒になんて言おうと…)



提督「ああー良いかもな、神戸」

熊野「え、ええ。良いところですわ」


熊野(特に気にして無いようで良かったですわ…)

188: ◆q07nr6cDws 2014/05/31(土) 23:36:40.57 ID:Dd2Q25gb0

-小樽運河-


当時、沖に来た船に積んである荷物を台船を使って荷揚げをして陸から運んでいたが

年々取り扱う荷量が増えていき、台船がそのまま倉庫の近くまで入っていけるようにしようという案が出た。

その案を元に水路を作った、それが【小樽運河】である。

海岸の沖合を埋め立てて作られているので緩やかに湾曲しているのが特徴である。

しかし、戦後間もなく港や海岸沿いの発達によりその使命は終わりを告げることとなる。

元々観光出来るような道はなかったが、使用もしていないので一部を埋め立てて歩道となった。

戦前や戦時中に使われていた石造倉庫は当時のまま姿を残して中は飲食店やおみやげ屋となっている。


余談だが、飲食店の中にびっく○ドンキーがある。



提督「ってな感じで小樽運河だ」

189: ◆q07nr6cDws 2014/05/31(土) 23:47:13.50 ID:Dd2Q25gb0

熊野「大正時代からあるんですのね…」

提督「小樽観光って言ったら皆ここが思い浮かぶんじゃないかな、それくらい有名なとこだよ」

熊野「灯りが点いたらもっと雰囲気が良さそうですわ」

提督「灯り着く時間には来れないなー…俺が前来た時撮った写真鎮守府戻ったら見せてあげるよ」

熊野「いいんですの?楽しみにしていますわ!」

191: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:05:04.25 ID:HIXcDQKF0

提督「んじゃ、とりあえず記念写真撮りますか」

熊野「綺麗に取れたら私も頂きたいですわ」

提督「ん?何言ってるんだ、熊野を撮るんだぞ」

熊野「?!船の上で散々撮っていらしたのにまだ撮るんですの?!」

提督「この旅行にカメラ持ってきた意味の半分くらいは、熊野写すためだぞ?」

熊野「そ、そんなの聞いてませんわ!」

提督「言ってないよ」

熊野「ず、ずるいですわ!」

提督「別に写真写るくらい良いじゃん?もう船で撮ってるし。 ほら、そこ立ってー」

熊野「うう…少し恥ずかしいですわ…」トコトコ

192: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:09:41.59 ID:HIXcDQKF0

提督「撮るぞー ハイチーズ」カシャカシャカシャカシャカシャ

熊野「ちょ、撮り過ぎではなくて?!」

提督「やっぱ違う角度からも撮りたいだろ?」カシャ

熊野「って言いながら撮らなくていいですわ!」

提督「まぁまぁ、じゃあ一緒に撮るか?」

熊野「ま、まぁ一人で写るより恥ずかしくはないけれど…」

提督「じゃあ撮るか。三脚鞄にしまいっぱなしだから、通行人に声掛けてくるな」タッタッタッ




熊野(提督と二人で写るのも恥ずかしいのだけれど…)

193: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:13:30.26 ID:HIXcDQKF0


提督「すいませーん、写真撮ってもらいたいんですけど、良いですか?」

通行人「お、良いですよー、どう撮ればいいです?」

提督「とりあえず、あそこに居る子と二人で並ぶので縦と横で何枚かずつお願いします!」

通行人「分かりました!恋人と旅行ですか?良いですねー」

提督「まぁそんな感じです、ではよろしくお願いします」タッタッタッ


194: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:16:27.28 ID:HIXcDQKF0


提督「あの人が撮ってくれるからそこに二人で立つぞー」

熊野「今更恥ずかしくなってきましたわ…」

提督「船の上でも撮ってるじゃないか!ほら、ピースピース」



熊野(提督が近くてちょっと落ち着けませんわ…)ドキドキ

熊野(船の上だと落ち着けてたのに…)



通行人「撮りますよー!ハイチーズ!」

カシャ

カシャ

195: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:17:09.36 ID:HIXcDQKF0

通行人「次、縦にいきますよー!ハイチーズ!」



カシャ

カシャ



提督「ありがとうございました!」

通行人「綺麗に写ってると良いんですが…」

提督「大丈夫です!バッチリですよ」

熊野「ありがとうございます」

通行人「いえいえ、旅行楽しんでくださいね」ニコッ

提督「はい、本当にありがとうございました」

196: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:18:51.66 ID:HIXcDQKF0

-小樽市街地-


提督「さて、次は何処へ行こうかねー」

熊野「もう10時ですわ…運河の周りに1時間位居たんですのね」

提督「本当は海の方にも出たかったんだけどなー、ちょっと遠いし今回はやめた」

熊野「海はいっつも見てますものね…」

提督「あー、熊野に積丹を見せたい」

熊野「積丹…?」

提督「鎮守府の周りの海なんて比べ物にならないくらい綺麗だぞ」

熊野「そんなにですの?」

197: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:20:08.95 ID:HIXcDQKF0

提督「積丹ブルーって名前が付くづらい青くて輝いてて…俺が始めてみた時はテンション上がって泣きそうになった」

熊野「提督、意外と感動しやすいんですのね…」

提督「映画とかでも、割とすぐ感動で泣いちゃう方かもなー」

熊野「その積丹には今回の旅行では行きませんの?」

提督「うーん…行けたら行きたいんだが、時間がなかったら行けないかもしれん」

熊野「そんなに遠いんですの?」

提督「この小樽からはそこまで遠くないけど、電車通ってないしバスか車でしか行けないんだよなー」

提督「だからレンタカーで移動している時に時間あったらって感じかな」

熊野「提督が感動したところ…少し興味がありますわ!」

提督「ああ、楽しみにしててくれ」

198: ◆q07nr6cDws 2014/06/01(日) 00:21:45.26 ID:HIXcDQKF0


-観光街-


提督「ここから長い観光街になるんだけど、特別見たいものとかはあるか?」

熊野「どんなのがあるのかよく分かりませんわ…」

提督「ああ…ガラス細工やオルゴールなんかが多いよ。基本お土産系のとこ。」

熊野「じゃあお土産を買いたいですわ!」

提督「俺も鎮守府の皆に何か買うか…じゃあ見つけたとこ適当に入ってみようか」

熊野「はい!」

207: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 22:20:16.46 ID:rppN6u9N0


提督「ここの通りは栄町通り商店街って言って観光客で常に賑わってるんだ」

熊野「そう言われると人が沢山…皆観光客ですの?」

提督「地元の人も少なくはないだろうけど、大半は観光客じゃないのかな」

熊野「徒歩の方が多いですのね…ここのお店は何を置いてらっしゃるの?」

提督「あー【瑠璃工房】か、ネックレスとかストラップ系の…まぁ土産屋だな」

熊野「ちょっと入ってもよろしくて?」

提督「ああ、いいよ」

208: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 22:27:50.15 ID:rppN6u9N0


-瑠璃工房-

歴史的建造物の中をそのまま改装して作られたアクセサリーショップ。

道内作家の自慢のアクセサリーが販売されていて値段はピンきり、500円で買えるのもあれば50000円で買えないのもある。

ちなみに瑠璃工房というのは京都や長野にもアクセサリーショップとしてあるが、全くの別物である。



熊野「わぁ…! 中の雰囲気、とても素敵ですわ!」

提督「灯りが温かいんだよなー」

熊野「私、ここで鈴谷にお土産買いますわ」

提督「ああ、俺も見てるから選んでていいよ」

熊野「分かりましたわ」タッタッタッ

209: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 22:38:45.12 ID:rppN6u9N0

提督(ここにある砂時計がカラクリになっているクジラの絵…初めて見た時欲しかったんだよなー…)

提督(今なら買えるくらいのお金はある…自室に飾ろうかな…)


提督(あれ…ないぞ…)





提督「すいません、前にあった砂時計が埋め込まれているクジラの絵ってもうないんでしょうか?」

店員「クジラの…あ!結構前に売れちゃった気がします、すみません」

提督「そ、そうですか…分かりました」ガーン

提督(う、売れただって!あんな40000円もするの誰が買ったんだよ!!)

店員「その代わりと言ってはなんですけど…同じ作家の方の作品で、富士山の山頂から麓に砂が流れるという絵が入ってますが…」

提督「?!見せてください」

店員「こちらです」トコトコ

210: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 22:49:14.14 ID:rppN6u9N0


提督「で、でかい」



店員「クジラのやつはA4サイズでしたけどこちらはA2となっています。一回りくらい大きくなっていますね」

提督「むう…店内他のとこ見て悩んでみることにします」

店員「はい、ごゆっくりどうぞ」

211: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 22:53:07.20 ID:rppN6u9N0

提督「58000円は高いよなー…高いなー…」


提督(自室に置くには、大きすぎて飾れない気もするしな)

提督(あ、でも熊野と結婚できたら玄関とかに飾るのはいいかもなー)

熊野「何がですの?」

提督「うわ、びっくりした…ちょっと悩んでる絵があってな…」

熊野「気になりますわ」

提督「これなんだけど」テクテク

212: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 23:06:03.63 ID:rppN6u9N0

熊野「わぁ…綺麗な絵ですわ」

提督「本来の目的の絵じゃないんだけど、作家さんが一緒らしいんだ」

熊野「なんで悩んでいるんですの?」

提督「買っても俺の自室だと大きすぎて飾れなさそうなんだよ」

提督「だから、結婚して一軒家とか買った時ならいいかもなーってな」

213: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 23:07:27.88 ID:rppN6u9N0

熊野「え…提督、結婚するんですの?」

提督「まぁそのうち…」

熊野「そ、そうですわよね…提督も、もうそういう歳でしたわ…」

提督「まだ三十路だぞ」

熊野「でも、確かに家にこの絵が飾ってあったら素敵だと思いますわ」

提督「だよなー…うーん、要検討だな」



熊野(なんで私…提督が結婚するって仰った時ショックを受けたんでしょう…)

熊野(…よく分からないですわ)


214: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 23:07:59.44 ID:rppN6u9N0


提督「そういえば、熊野は鈴谷にお土産買ったのか?」

熊野「ええ、鈴谷カラーのブレスレットにしてあげましたわ」

提督「あいつはお土産ってだけで何でも喜びそうだな」

熊野「そうですわね、私も同じやつの色違いを買いましたわ」

提督「お揃いか、仲良いな」

熊野「部屋も同じですし、仲が悪くなることなんてありえませんわ」

提督「俺も熊野とお揃いのなにか買おうか」

熊野「て、提督とお揃いとかい…」

提督「い…?」

215: ◆q07nr6cDws 2014/06/02(月) 23:08:54.78 ID:rppN6u9N0

熊野「べ、別にどうしてもというならよろしくてよ」

提督「んじゃあなんだろう…箸とかどうだ?」

熊野「箸…?」

提督「ここの店出て少し歩くと箸を作ってくれる店があるんだ、名前も入れてくれたりする」

提督「同じ箸選んで、俺とお前の名前入れたらお揃いだろ?」

熊野「ま、まぁ箸なら日常的に使えますものね…良いですわ」

提督「じゃあその店行くかー」トコトコ



熊野(?!でも鎮守府に戻った後、食事するときにすぐバレるじゃないですの!)

熊野(は、恥ずかしいですわ…)


221: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:01:42.57 ID:qmfOBwFk0

-手造り箸工房 遊膳-

和風な店内に雰囲気の合うBGMが流れている箸屋

箸を選び購入した箸に無料で名前を入れてもらえる(品物によって可、不可がある)

箸置きや、食器なども置いていてゆっくり見れる店内となっている。

また、太宰府天満宮と出雲大社の参道、京都や函館にも店を構えている。

余談だが、作者のオススメは貝細工で出来た箸である。




提督「ここだな、箸屋」

熊野「入るの、少し恥ずかしいですわ」

提督「そんな恥ずかしがることないだろ、行くぞー」トコトコ

熊野「ま、待ってくださいな!」タッタッタッ

222: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:12:47.42 ID:qmfOBwFk0


熊野「すごい数の箸ですわね…」

提督「箸専門店だからな、さてどれにするかね」

熊野「デザインが素敵で、日常的に使っても大丈夫な物が良いですわ」

提督「なるほどなー…お、この夫婦箸はどうだ?」

熊野「な、なんでそんなチョイスになったんですの?!」

提督「普段から使えるのがいいならこういうのが良いかなー、と…」

熊野「こんなの鎮守府以外の場所でないと使えませんわよ!」

提督「へー…鎮守府以外なら使ってくれるのか…」

熊野「べ、別にそういうわけじゃないですわ!」

223: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:26:36.64 ID:qmfOBwFk0

熊野「…もっと普通のペアにしてもらいたいですわ」

提督「じゃあカップル箸とかがいいんじゃないか?夫婦より使いやすいだろ」

熊野「な…夫婦と対して変わらないじゃないですの…!」




熊野(…でもこのお箸、素敵ですわ…)

熊野(男性用は、持ち手の部分が淡い青色で他はブラウン…)

熊野(女性用は、持ち手の部分が淡い紅色で他はライトオーク…)

熊野(どちらも落ち着いてる雰囲気で日常でも使えそうですわ…)

224: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:39:03.44 ID:qmfOBwFk0


提督「うーん駄目かー…あ、じゃあこのウサギの子ども用のとかは?」

熊野「誰が使うんですのよ…べ、別にカップル用にしても…よ、よろしくてよ?」

提督「え、いいのか?」

熊野「で、デザインが素敵だからっていう理由でしてよ!」

提督「ああ、確かにお洒落だよな」

熊野「で、でも…名前くらいなら入れてもいいですわよ」

提督「じゃあ買いに行くか」

225: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:56:08.97 ID:qmfOBwFk0

提督「あ、箸置きとか食器とかも見るか?」

熊野「良いんですの?」

提督「ああ、時間もまだあるしな」

熊野「じゃあ見て行きたいですわ!」




提督「熊野、この箸置き買ってあげるか」

熊野「熊の箸置き…私と掛けたつもりですの?面白く無いですわ」ツーン

提督「似合うと思ったんだけどなー…」

226: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:56:41.66 ID:qmfOBwFk0


熊野「まぁ!このお皿素敵ですわ!」

提督「どれどれ…?!高すぎだろ!」



提督(40000円もする皿何に使うんだよ…)





提督「包丁なんて見てどうした?」

熊野「な、なんとなく見てただけですわ」

熊野(自分の包丁持ってないから欲しいなんて言えないですわ…)

提督「そうだ、鎮守府に帰ったら熊野ご飯作ってくれよ」

熊野「え…?」

提督「あ…そういえばおにぎり作れて喜んでたレベルだっけ…」

熊野「つ、作れますわ!朝ごはん位なら完璧でしてよ!」

提督「じゃあ帰ったら楽しみにしてるな!」




熊野(料理本を買わないとなりませんわね…)


227: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:57:08.35 ID:qmfOBwFk0


提督「さ、そろそろレジに行くか」

熊野「分かりましたわ」



~レジにて~


提督「すみません、名前入れてもらってもいいですか?」

店員「良いですよ、ではなんとお入れしましょう?」

提督「男性の方に提督、女性の方に熊野でお願いします」

店員「分かりました、では少々お時間頂いてもよろしいでしょうか」

提督「はい、大体どれくらいか教えてもらえますか?」

店員「30分後に来ていただければお渡し出来ると思います」

提督「分かりました、では。」

228: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:57:41.56 ID:qmfOBwFk0

提督「30分後には出来てるらしいから、それまで何処かで時間潰そうか」

熊野「うう…///」

提督「どうした顔赤くして」

熊野「やっぱりカップルは恥ずかしいですわ…」

提督「まぁまぁ、店員にしかそう見られてないから気にするな」

熊野「気にしますわよ!もう!」

229: ◆q07nr6cDws 2014/06/03(火) 22:58:08.92 ID:qmfOBwFk0

提督「で、30分ほど時間あるけどどうする?」

熊野「私、喉が乾きましたわ」

提督「飲み物ね…ここ出てすぐのとこに確かルタオあったはずだから行ってみるか」

熊野「喫茶店ですの?」

提督「うーん…洋菓子店かな」

熊野「美味しそうですわ…」

提督「じゃあついでに何か食べるか」

熊野「はい!」

235: ◆q07nr6cDws 2014/06/04(水) 23:32:04.64 ID:pLWsce6c0


-観光街-


提督「確かこっちの道に行けばあったはず…」

熊野「そこのお店は何が有名なんですの?」

提督「チーズケーキだよ、多分北海道の人には結構有名だと思う」

熊野「では私、それを所望しますわ」

提督「ああ、なまら美味しいから楽しみにしとけ」

熊野「なまら…?」

提督「北海道弁だよ、なまら。すごく、とてもって意味」

熊野「初めて聞きましたわ」

提督「俺が学生の頃は皆使ってたけど、最近あんまり聞かないんだよな…」

236: ◆q07nr6cDws 2014/06/04(水) 23:35:05.62 ID:pLWsce6c0


提督「あの黄緑の建物がルタオだよ」

熊野「本当に近いんですのね」

提督「ルタオの本店はもっと奥なんだけど、ここのルタオはルタオプラスって言って少し違う店なんだ」

提督「まぁ売ってるものは変わらないんだけどね」

熊野「チーズケーキ、楽しみですわ」

238: ◆q07nr6cDws 2014/06/04(水) 23:38:54.08 ID:pLWsce6c0

-LeTAO-

北海道は小樽発祥の洋菓子店

有名なのは【ドゥーブルフロマージュ】というチーズケーキで、テレビを通じ全国的に大ブームが起こったほど。

今では道外でも広く知れ渡っているお店となっている。

北海道産を中心に厳選した素材を使用した洋菓子は、奇跡の口どけを生み出した。

因みにLeTAOという名前は小樽をもじっただけ。




提督「そんなこんなで着きましたよっと」

熊野「いい匂いですわ…」

提督「甘い香りだよな」

熊野「席は2階なんですのね」

提督「1階は普通に買って持ち帰る感じだからな」

提督「さ、上行くか」

239: ◆q07nr6cDws 2014/06/05(木) 00:10:46.17 ID:63CBhkeF0

提督「さ、どれにしようかな…」

熊野「チーズケーキはどれですの…?」

提督「このドゥーブルフロマージュってやつだよ」

熊野「まぁ…とっても美味しそうですわ!」

提督「これのチョコレートのやつもあるけど、どうする?」

熊野「チョコレート…んん…迷いますわ…」

提督「なんなら二つ頼もうか、俺一つ頼むからさ」

熊野「良いんですの?」

提督「俺も久しぶりに食べたいし良いよ、頼もう」

熊野「はい!」

240: ◆q07nr6cDws 2014/06/05(木) 00:25:04.49 ID:63CBhkeF0

提督「飲み物はどうする?喉乾いたんだろ?」

熊野「…このバニラミルクというのはなんですの?」

提督「それアイスだよ」

熊野「では…この仁木の林檎ジュースが良いですわ」

提督「じゃあ俺はアイスコーヒーにしようかな…」



店員「ご注文お決まりでしょうか」

提督「アイスコーヒーとショコラドゥーブル、それとドゥーブルフロマージュと仁木の林檎ジュースお願いします」

店員「畏まりました、少々お待ちください」

250: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 21:38:20.70 ID:re4YZZQu0


店員「こちら、アイスコーヒーとショコラドゥーブルです」カタッ

提督「あ、私です」

店員「仁木のりんごジュースとドゥーブルフロマージュです」カタッ


提督「こんな大きかったっけ…」

熊野「手の平くらいありますわね…」

提督「まぁ食べるか、いただきます」

熊野「いただきますわ」

251: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 21:55:31.03 ID:re4YZZQu0

熊野「んっ…すごくふわっとしてて食べやすいですわ!」

提督「このふわふわ感どうやって出してるか謎なんだよな…」

熊野「口の中で溶けてるみたいですわ」

提督「まさに奇跡の口どけって感じだな」



提督「チョコの方も食べてみるか?」

熊野「良いんですの?」

提督「その代わりそっちのも一口くれよ、ほら。あーん」

熊野「分かりましたわ。あ、あーん」パクッ

252: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:04:46.80 ID:re4YZZQu0

熊野「チョコレートの方も美味しいですわ!生チョコが入ってるんですのね」

提督「俺的にはビターテイストの商品化を望んでるんだが…発売しないかなー」

熊野「2種類しかないんですのね… こちらのも差し上げますわ」

提督「ん、あーん」

熊野「あ、あーん…」

提督「こっちの食べるの久しぶりだなー、やっぱり看板商品だけあって美味しいな」モグモグ

熊野「すこし恥ずかしさへの配慮をしていただきたいですわ…」

提督「別に知り合いいるわけでもないし大丈夫だろ!」

熊野「そ、そういう問題じゃありませんわよ!」

253: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:08:10.38 ID:re4YZZQu0

提督「さ、食べ終わったし時間も30分経ったな…行くか」

熊野「箸を受け取ったあとはどうするんですの?」

提督「んーまぁ箸取りに行きながら考えるよ」




-観光街-

提督「美術館とかもあるんだけど、どうだ?」

熊野「美術館…興味がありますわ」

提督「確か2階は入場料掛かるんだけど1階は無料で見れた気がするからさ、後で行ってみよう」

熊野「楽しみですわ!」

254: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:18:36.73 ID:re4YZZQu0

-手造り箸工房 遊膳-


提督「すみません、先程箸に名前を彫ってもらった者なんですけど…」

店員「あ、提督さんですね。出来てますよ、商品をお持ちしますので少々お待ちください」

提督「はい」



店員「こちら、ペアルックの箸2点ですね、男性用に提督、女性用に熊野、お間違えないでしょうか?」

提督「大丈夫です、合ってます」

店員「では、どうぞ」

提督「ありがとうございます」

255: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:19:05.44 ID:re4YZZQu0

提督「もらってきたぞー、ほら」

熊野「結構大きく名前彫られてるんですのね」

提督「鎮守府帰ったら一緒に使わなくちゃな」

熊野「鈴谷たちにすごく怪しまれそうですわ…」

提督「なんで?」

熊野「帰ったらいきなりペアルックなんて…しかも箸なんて絶対何か言われますわ!」

提督「まぁその時はその時だな」



提督(多分これからペアルック以上の衝撃があるけどな…)

256: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:26:46.60 ID:re4YZZQu0

-観光街-


提督「じゃあこれから美術館の方に行くか」

熊野「ここから近いんですの?」

提督「さっきケーキ食べたLeTAOってとこの近くだよ」

熊野「すぐですのね」

提督「20分もかからないんじゃないかなー」




提督(土産物屋…もしかしたらあれあるんじゃないか)

提督「熊野、ちょっとここの前で待ってて」

熊野「良いですけれど…どうしたんですの?」

提督「ちょっと買いたいものがあってだな…まぁ待っててくれ」

熊野「…?分かりましたわ」

257: ◆q07nr6cDws 2014/06/07(土) 22:29:34.87 ID:re4YZZQu0

-土産物屋-


提督(多分売ってると思うんだけどなー…)

提督(折角だし熊野に是非食べさせたいんだが…)

提督(どこだ…何処にある…)


提督「あ、あった」



提督(これを買うのはお金の無駄遣いの気さえするよ…)

提督(だが買う)


提督(さ、熊野に食べさせるか…この非人道的食べ物を…)

266: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:10:31.77 ID:H+D4bu7t0

提督(…ついでにコレも買おう)


提督(飲み物も買っていくか…)





-観光街-


提督「買ってきたぞー」

熊野「もう、遅いんじゃなくて?」

提督「すまん、ちょっと店内見てた。ほら、飲み物」

267: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:19:43.14 ID:H+D4bu7t0


提督「あ、炭酸飲めたか?」

熊野「そんなにきつくないのだと大丈夫ですわ…」

提督「なら良かった」

熊野「青りんごサイダー…?」

提督「小樽の近く、余市や仁木は果物の産地なんだよ、美味しいぞ」

熊野「では…」ゴクッ



熊野「…!飲みやすいですわ!」

提督「だろ?俺のブドウだけど飲む?」

熊野「え…い、良いんですの?」


熊野(間接キスって意識すると恥ずかしいですわ…)

268: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:26:04.94 ID:H+D4bu7t0

提督「別にいいぞ、ほら」

熊野「ではいただきますわ…」ゴクッ


熊野「ブドウの味がすごく濃いですのね」

提督「でも飲みやすいだろ?余市はブドウの産地でワインとかでも有名なんだ」


269: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:28:26.61 ID:H+D4bu7t0

熊野「それで、飲み物以外には何を買ってきたんですの?」

提督「お、気になるか?」

熊野「この私を待たせてまで買ったものですもの…気になりますわ」

提督「遅くなったのは悪かったって…ちょっと待って…」ガサゴソ



提督「ほら、これ買ってきたんだ。食べてみ?」

熊野「なんですのこれ?」

提督「鎮守府に珍物土産として買っていこうと思って買ったんだが…熊野も食べてみるといいよ」

熊野「お菓子か何かですの?」

提督「正解、味は食べてからのお楽しみってやつだ」

熊野「な、なにか怪しいですわね…」

提督「騙されたと思って食べてみ、びっくりするから」

提督(不味すぎてだけどな)

270: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:42:59.64 ID:H+D4bu7t0


熊野「分かりましたわ…」パクッ

提督(どんな反応するんだろうか…)


熊野「…」モグモグ

熊野「………!??」

熊野「な…なんですのこれ…」ケホッケホッ


提督「ほら、りんごジュースりんごジュース」

熊野「あ、ありがとうございます…」



熊野「って!何なんですのよこの味は!」

提督「何味だと思った?」

熊野「変な味のキャラメルってことしか分かりませんでしたわ!美味しくないですわ!」

提督「おおう…まぁなんだ…ジンギスカンキャラメルってやつだ」

熊野「な…何処からその発想が出たんですの…」

提督「知らん…気付いたら販売されてた…」

熊野「そ、それよりも!なんで私に食べさせたんですのよ!」

提督「なんとなく、反応が気になって」

熊野「し、信じられませんわ…まぁワサビのほうが辛かったですけれど…」

提督「ごめんごめん、やっぱり誰が食べてもアレな味だよな…」

271: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:46:39.98 ID:H+D4bu7t0

熊野「何でこのようなものをお土産に…」

提督「ほら、執務室爆撃したり魚雷で脅したりしてくるのがいるだろ…」

提督「今度やって来た時に普通のキャラメルと称して渡して罰にしようかなって」

熊野「確かにそういうのには向いているかもしれないですわ」

熊野「でも私はもう食べたくないですわ」プイッ

提督「もう一つスープカレーキャラメルも買ったんだけど食べるか?」

熊野「要らないですわよ!もう!」

提督「鈴谷とかカレー好きだし美味しいって言ったりしないかな」

熊野「いくら鈴谷でもカレーキャラメルは無いって言いそうですわ…」

273: ◆q07nr6cDws 2014/06/11(水) 00:47:01.66 ID:H+D4bu7t0

提督「比○カレーとスープカレーキャラメル…果たして普通に食べれるのはどっちなのか…」

熊野「苦渋の選択になりそうですわね…」

提督「熊野今度カレー作ってくれよ」

熊野「な、なんで私が…」

提督「やっぱり鈴谷のカレー美味しいし熊野のも食べてみたいだろ?」

熊野「別にいいですけれど…普通のカレーですわよ?」

提督「味じゃなくて誰が作るかに意味があるんだよ、ご飯は」

熊野「よくまぁそんな恥ずかしいことを平気で…」

提督「別に二人だし良いだろ!ほら美術館行くぞ!」スタスタ

熊野「あ、待ってくださいな」タッタッタッ

283: ◆q07nr6cDws 2014/06/14(土) 23:43:01.02 ID:To15rDWk0



-北一ヴェネツィア美術館-

イタリア、水の都と呼ばれる【ヴェネツィア】

ヴェネツィア美術館は、その古都ヴェネツィアの優雅で潤いのある文化を閲覧できる美術館として小樽に建てられた。

建物自体はヴェネツィアにあるグラッシィ宮殿をモデルにされている。

5階建ての建物で2階、3階はヴェネツィアの貴族の私室を再現している。

基本的には展示を見たり、ガラス細工を購入したりする人が多い。

他にも貴族のコスプレができたり、5階は洋風でお洒落なカフェになっている。

余談だがヴェネツィアはポケモ○の映画の舞台にもなっていたりする。




提督「ここがヴェネツィア美術館だ」

熊野「建物の外見が周りと全然違いますわね…」

提督「向こうの作りに似せてるらしいからな、ほとんど白い」

熊野「素敵ですわ…」

284: ◆q07nr6cDws 2014/06/14(土) 23:47:38.18 ID:To15rDWk0


提督「まぁ中入るか」



熊野「わぁ…2階まで吹抜けになってますのね」

提督「なんでもシャンデリアが見えるような設計らしい」

熊野「確かに一つだけとても大きなのがありますわ」

提督「全部ガラスって書いてあったな…」

熊野「まぁ…割れたら大変ですわ」


提督(一回でいいから野球ボールぶつけてみたいな…)

285: ◆q07nr6cDws 2014/06/14(土) 23:50:51.50 ID:To15rDWk0

熊野「1階は展示じゃなくて販売なんですのね」

提督「ああ、ヴェネツィアンマスクとかオブジェとかだけどな」

熊野「そういうのがお好きな人は買うのかしら…」

提督「てっきり熊野はそういうの興味あると思ってたんだが」

熊野「どちらかと言えば日本文化の方が好きでしてよ」

提督「え、そうなのか?じゃあローズヒップティーじゃなくてお茶飲まなくちゃな」

熊野「の、飲み物と文化は別でしてよ!」

287: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:00:29.69 ID:cBujwhcp0

提督「髪留めとかも売ってるんだが、どうだ?」

熊野「後ろ以外はあまり止めたことがないのだけれど…」

提督「一個付けてみ」

熊野「では…この煉瓦色のを…」サッ


提督「…うん、似合ってると思う」

熊野「ほ、本当ですの?」

提督「ああ、それに前髪分けてるとこ見るの初めてだから新鮮だな」

熊野「なんとなく恥ずかしいですわ…」

提督「それ、買うか」

288: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:03:13.82 ID:cBujwhcp0

熊野「買っても何処で使うんですの…」

提督「日常的に使えばいいよ、俺が買うから」

熊野「そんな、悪いですわ!」

提督「ペアルックは買ったけど熊野へのプレゼント買ってないしな、買う」

熊野「じゃ、じゃあ…お願いしますわ」

提督「じゃあ買ってくるよ。あ、あとで髪留めした時の写真撮るからな」スタスタ

熊野「ちょ、ちょっと、そんなの聞いてませんわよ!」

289: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:08:02.25 ID:cBujwhcp0

提督「熊野へのプレゼントは買えたわけだけど、2階行くか?」

熊野「2階は何があるんですの?」

提督「貴族の私室を元にして作られた部屋に展示物が置いてある感じ、3階もそうだぞ」

熊野「4階は?」

提督「基本的にはその時期ごとにイベントやっててそれの展示ルームになってる」

熊野「5階はなんですの?」

提督「喫茶店だったかな…」



提督「まぁ2階から順に見ていくか」

熊野「分かりましたわ」

290: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:12:28.22 ID:cBujwhcp0


提督「ちなみに2階から上は入場料が掛かるから注意な」

熊野「700円でしたわね」

提督「というわけで2階だ、ここは私室の再現やヴェネツィアの食卓など生活感溢れるエリアになってるよ」

熊野「なんというか…優雅すぎて食事の時落ち着けなさそうですわ…」

提督「熊野はちゃぶ台囲んで食べたほうが落ち着くのか?」

熊野「まぁ…そのほうが落ち着ける気はしますわ…お洒落ではありませんけど」

提督「お洒落なちゃぶ台があってたまるか」

291: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:16:41.22 ID:cBujwhcp0

提督「貴族の私室はベッドが広すぎて寝付けなさそうだ…」

熊野「私は一度こういう大きいベッドで寝てみたいですわ」

提督「所謂お姫様ベッドってやつだな」

熊野「提督は布団とかのほうがいいんですの?」

提督「なんだろう…ベッドも布団もあまり大きいと寝辛いんだよ」

熊野「私、広いベッドで寝たことがないので分かりませんわ…」

提督「熊野のベッド大きくしたら鎮守府の皆もれなく大きくしなくちゃいけないからな、厳しい」

熊野「次に行くところではお姫様ベッドのホテルを所望しますわ!」

提督「無いと思うぞ、と言うか仮にあっても俺が行きづらい」

292: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:27:46.38 ID:cBujwhcp0

提督「3階だ、ここは四季毎の生活スタイルが展示されてるよ」

熊野「向こうはちゃんとした四季があるのかしら…」

提督「ヴェネツィアは日本に似て結構はっきりと分かれてるらしい」

熊野「そうなんですの?」

提督「雪は分からないが気温の上下はしっかりあるって本に書いてあったと思う」

熊野「へぇ…確かに日本でも雪が降らないところはありますわ」

提督「確実に毎年降る地域は北国だけだからなー」

293: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:36:11.28 ID:cBujwhcp0


提督「こういう食卓の展示見てるとヴェネツィア料理食べたくなるな」

熊野「ヴェネツィア料理…?」

提督「イカスミのパスタとか、ボンゴレとかヴェネツィア料理だよ」

熊野「そうなんですの!」

提督「イカスミは一度しか食べたこと無いけど、美味しかったなー…」

熊野「私も食べてみたいですわ」

提督「今度食べに行こうな」

熊野「楽しみですわ」

294: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:40:53.74 ID:cBujwhcp0

提督「4階、4~6月は海のガラス細工展をやってるそうだ」

熊野「提督!とても大きい亀のガラス細工がありますわ!」

提督「うわでか…俺が寝たら同じくらいあるぞこれ…」

熊野「そう考えるとあまり大きくありませんわね…」

提督「小さくて悪かったな」

熊野「別に悪いとは言ってませんわ!」

295: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:45:39.03 ID:cBujwhcp0


提督「ガラス細工って本当に職人技だよな…これ一つ一つが手作りだと思うとすごすぎる」

熊野「美しいですわね…」

提督「ものづくりが出来る人は尊敬しなくちゃな、俺なんて事務作業しかしてないし」

熊野「提督は私達が尊敬しますわ」

提督「ん、なんで?」

熊野「無線とはいえ提督の戦況分析と判断がなくては戦えませんもの…」

提督「まぁそれが提督の役目だからな、もっと安心して出撃できるように頑張るよ」

熊野(提督…)

296: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:49:34.72 ID:cBujwhcp0

提督「この烏賊のガラス細工どうやって作ってるんだ」


提督「うわ、こっちのフグのやつすごすぎるだろ。この棘の再現は一体…」


提督「このクラゲが硝子の中に居るのはどうやって作ったんだよ」


提督「このでかい蟹、本当に一人で作ったのか…」


熊野「なんか置いてきぼりですわ」ツーン

提督「あ…ごめん熊野、つい興味持っちゃってな」

熊野「別にいいですけれど!」

提督(怒ってらっしゃる…これは…)

297: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:50:03.72 ID:cBujwhcp0

提督「ほら、一緒に見るぞ」ギュッ

熊野「て、提督!手を繋いでいいなんて言ってなくてよ!」

提督「まぁまぁ、それより硝子サンゴ礁見に行こう」

熊野「どんだけ気に入ったんですの…」

提督「提督業やめてガラス職人に転職考えるくらい」

熊野「そ、それは駄目ですわ!」

提督「まぁそれは嘘だけどな。でも一回やってみたいかな」

298: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:50:40.91 ID:cBujwhcp0

提督「5階はさっきも言ったけどカフェなんだ、さっきLeTAOのカフェ行ったばかりだけどどうする?」

熊野「確かにさっき行きましたし…時間は大丈夫ですの?」

提督「今2時…電車が4時10分発だから…うーん微妙なとこだな」

熊野「ここまで結構ありましたしそろそろ駅の方に戻ったほうがいいのではないかしら」

提督「そうだな、まだ他にも店はあるし駅方面に戻り始めるか」

熊野「分かりましたわ」

299: ◆q07nr6cDws 2014/06/15(日) 00:52:26.10 ID:cBujwhcp0


-観光街-


提督「そういえば、帰り道におすすめの煎餅屋がある。お土産にしようか」

熊野「よろしくてよ、赤城さんに全部食べられなければいいけれど…」

提督「赤城用と加賀用って買ってくか…いや、空母は一人一袋がいいかな」

熊野「超弩級戦艦の方もそれがいいですわね…」

提督「高速戦艦はまだ大丈夫だろう、潜水艦は皆で煎餅一つかな」

熊野「それはあんまりですわ!」

提督「冗談だけどな、じゃあ買いに行くか」

305: ◆q07nr6cDws 2014/06/16(月) 23:22:47.90 ID:MYIrPGnm0

提督「本当はオルゴール堂にも行きたかったんだけど、時間が足りなかったなー」

熊野「オルゴール堂?」

提督「ああ、さっきの美術館をもっと奥に行くとあるんだ」

熊野「オルゴールを売ってるお店なんですの?」

提督「2箇所あるんだけど、1つは1階がショップ、2階がオルゴールの歴史とかが見学できるようになってる」

提督「もう1つは自分でオルゴールを作れるようになってるんだ、曲はさすがに指定できないけどね」

熊野「まぁ…素敵ですわね」

306: ◆q07nr6cDws 2014/06/16(月) 23:29:22.88 ID:MYIrPGnm0

提督「前小樽に来た時に作って、自室の棚に飾ってあるんだけど見たこと無い?」

熊野「一度しか入ったことないですし…見ていませんわ」

提督「帰ったら見せてあげるよ」

熊野「提督はオルゴールの曲何にしたんですの?」

提督「もののけ姫のアシタカ聶記とスキマスイッチの奏で悩んで」

提督「結局スキマスイッチにした」

熊野「どっちも分かりませんわ…」

307: ◆q07nr6cDws 2014/06/16(月) 23:39:09.83 ID:MYIrPGnm0

提督「熊野はあんまり音楽聴かないのか?」

熊野「鎮守府においてあるテレビの音楽番組を鈴谷と見るくらいですわ」

提督「音楽番組か…逆に俺は最近の音楽が全然わからないなー」

熊野「テレビは見ないんですの?」

提督「ニュース見るくらいにしか使わないかな…休日は自室でギターやってるか本読んでるかだしね」

熊野「そう言われるとあまり見かけませんわ」

提督「まぁ金曜ロードショーがジブリの日は毎年見ちゃうんだけどな」

308: ◆q07nr6cDws 2014/06/16(月) 23:54:41.24 ID:MYIrPGnm0

熊野「ジブリ?」

提督「さっき言ってたもののけ姫はスタジオジブリっていうアニメーション会社の映画なんだ」

提督「もののけ姫以外にも沢山作品だしって、毎年テレビで何本か放送するんだよ」

熊野「見たことありませんわ…」

提督「多分夏にやるから一緒に見るか、ついつい見ちゃう面白さだぞ」

熊野「楽しみにしておきますわ」

309: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:01:59.31 ID:Hx+85VHP0

-寺子屋-

ここ何年かで全国化した煎餅、おかき専門店

京都で始まり、その後小樽で出店されどんどん全国区になっていった。

オススメはもち焼き煎餅と海鮮煎餅、観光しやすいように手に持って歩けるように売られている。





提督「ってわけでここだ」

熊野「古風な造りの建物ですわ」

提督「発祥が京都らしいからな、作りも若干和風な感じになってるんじゃないか」

熊野「お土産、買うんでしたわね」

提督「ああ、じゃあ入るか」サッ

310: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:14:46.96 ID:Hx+85VHP0

熊野「わぁ…沢山ありますわ」

提督「種類がかなり豊富だからな、鎮守府の皆に買ってくにはちょうどいい」

熊野「何を買うか決めてるんですの?」

提督「特に決めてないんだが…赤城と加賀はワサビとかどうだろう」

熊野「二航戦の方達は山椒などいかがでしょうか」

提督「…空母は渋目の味になるな」

熊野「五航戦の方達はどうしましょうか」

提督「七味とか良いんじゃないか」

熊野「ではそれを…」





311: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:21:04.44 ID:Hx+85VHP0

熊野「戦艦の方には?」

提督「あいつら言うほどたくさん食べないしなー、金剛達は4人いるから1袋、後は2艦種1袋でいいんじゃないか」

熊野「ひ、一人だけものすごく食べる方が…」

提督「あ……大和か…」

熊野「大和さんには一袋買ったほうがいいのでは…」

提督「それもそうだな…大和であの食べっぷりだし武蔵も食べるんだろうなー」

熊野「武蔵さんはまだいませんものね」

提督「ああ、建造で偽装も作れないしどこかの海域で見つかるといいな」

熊野「それで、金剛姉妹は何になさるんですの?」

提督「無難に醤油かね…しそでもいいな…」

熊野「優柔不断ですわ…」

312: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:29:21.05 ID:Hx+85VHP0

提督「お、この山葵海苔にするか、金剛の反応が見たい」

熊野「またすぐそうやってイタズラを…」

提督「美味しいから金剛もきっと喜ぶぞ!」

熊野「本当かしら…」

提督「扶桑型と伊勢型はどうしようかな、あいつらこそ和風だしシソにしようかな」

熊野「長門型のお二人はどうするんですの?」

提督「陸奥がこの間お茶入れる勉強してるって言ってたから、お茶のお供としてこれにする」

熊野「笹型…超激辛…?」

提督「ああ!見た目でわかるけど唐辛子が周りに沢山コーティングされてるんだ、絶対辛い」

熊野「提督は食べたことあるんですの?」

提督「前に来た時友人への土産に買って帰った、渡した時は喜んでたが後から怒られたな」

熊野「当然ですわ…あら、裏に注意書きが…」


※間違って購入された方、想像以上に辛くて食べれなかった方へ
 うどんなどに1本入れてお食べください、一味が適度な辛さと中のお煎餅がお持ちに戻り力うどんのような感じでお召し上がり頂けます。

313: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:32:14.61 ID:Hx+85VHP0

熊野「ど、どれだけ辛いんですの…」

提督「店頭で1本単位で売ってるから1つ買ってみるか」

熊野「な!また私に食べさせる気なんですの!」

提督「大丈夫大丈夫、食べれなかったら俺が食べるから」

熊野「何が大丈夫なんですのよ!」

提督「辛いの全然平気なんだ、俺」

熊野「そういう問題じゃありませんわよ!」

提督「さ、大和のも選ぶかー」

熊野「もう…」

314: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:37:14.08 ID:Hx+85VHP0

提督「大和は手焼きせんべいにしよう、なんとなく似合う」

熊野「お煎餅の種類がもうありませんけれど、他の方はどうするんですの?」

提督「考えたんだけど、ここで全部買うこともないかなってな…これから1周するわけだしな」

熊野「今更ですわね…」

提督「だから戦艦と空母のしか買わないことにする」

熊野「良いですけれど…では私店の外で待ってますわ」

提督「ああ、超激辛買ってくるから待ってな」

熊野「今から味覚を無くしたいですわ…」

315: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:45:27.29 ID:Hx+85VHP0

-観光街-


提督「買ってきたぞ、超激辛も」

熊野「本当に買ってくるなんて…ひどいですわ」

提督「とりあえず一口食べてみよう、な?」

熊野「うう…一口だけですわよ…」


熊野(見た目からして危ないやつですわ…)パリッ


熊野「あれ…少し辛いだけ…」


熊野「…!!!」ケホッケホッ

熊野「なんですのこれ!喉を通るときすごく辛いですわ!」

提督「そりゃ唐辛子だからな、うんうん」

熊野「なんで楽しそうなんですのよ!」

提督「そりゃあ、なあ?」

提督「熊野の反応面白くてつい食べさせてしまう」

316: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:51:41.46 ID:Hx+85VHP0

熊野「いじめられてますわ…」

提督「まぁ残りは俺が食べるから」

熊野「お、お願いしますわ…」

提督「あー結構辛いじゃん」サクサク

熊野「なんで平気で食べてますの…」

提督「もっと辛いの食べたことあるからな、にしてもこれ食べたら陸奥爆発するんじゃないか」

熊野「洒落になりませんわよそれ…」

317: ◆q07nr6cDws 2014/06/17(火) 00:52:30.85 ID:Hx+85VHP0

提督「じゃあそろそろ駅に向かうとするか」

熊野「15時…ちょうどいい時間ですわ」

提督「ゆっくり歩いても十分間に合うな」

熊野「次は函館という場所でしたっけ…」

提督「ああ、熊野は函館あんまり知らないのか?」

熊野「北海道の事自体全然知りませんわ…」

提督「んー函館は、なんて言えばいいんだろう」

提督「夜景と海の幸って感じかな…」

熊野「夜景…?」

提督「ああ、その美しさから世界三大夜景に認定されているくらいだ」

熊野「まぁ…見てみたいですわ」

提督「ロープウェーですぐ見に行けるよ、本当に綺麗だから期待してな」

熊野「はい!」

324: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:17:38.47 ID:N9XTwlt/0

-小樽駅-



提督「とりあえず荷物取るか…」

熊野「このお煎餅とか鞄に入りますの?」

提督「俺のまだ空きあるし入ると思うよ、函館行ったら一回荷物送ったほうがいいかもなー」

熊野「私、重いものを持つのは嫌でしてよ」

提督「女性に持たせたりしないから安心しろ」

熊野「よ、よろしくてよ」プイッ


熊野(面と向かって言うのは卑怯でしてよ…)

325: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:21:08.42 ID:N9XTwlt/0

提督「さて、荷物も取ったところでホームに行くか」

熊野「私、電車に乗るのは初めてですわ!」

提督「え…乗ったことないのか」

熊野「鎮守府の周りから出たことありませんもの…」

提督「そうなのか?」

熊野「近くのコンビニくらいしか行きませんわ」

提督「ああ…そう言われると遠出してるやつ殆どいないな」

熊野「こないだ高翌雄型の方々が旅行に行ってましたわ」

提督「あー春の掃討戦の後の休暇の時な…沖縄だっけ」

熊野「お土産に紅芋のタルトを頂きましたわ!」

提督「それ俺も貰った気がする、美味しかったなー」

326: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:40:01.16 ID:N9XTwlt/0

提督「4番ホームは…ここだな」

熊野「まだ電車来ていませんのね」

提督「小樽って終点扱いが多いんだよ、だから往復してまた行くから出発時間の5分前くらいに来る」

熊野「今は3時50分…後5分位ですわね」

提督「とりあえず小樽から札幌まで行くからな、大体30分位だと思う」

熊野「札幌では何かいたしますの?」

提督「函館行きの特急に乗り換えるだけだよ、小樽から函館まで直通がないんだ」

提督「まぁ札幌は一番最後に行こうかと思ってるから、最後のお楽しみってとこかな」

熊野「では、お楽しみにしておきますわ」

327: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:45:28.67 ID:N9XTwlt/0


熊野「…!電車ですわ!」

提督「エアポートだな」

熊野「…空港ですの?」

提督「この電車の名前だよ、小樽から新千歳空港まで行くんだ。だからエアポート」

熊野「あまり捻りが無いですわね…」

提督「覚えやすいし良いじゃないか、俺の使ってた電車なんて学園都市線だぞ」

熊野「学園都市線…響きが未来的ですわね」

提督「それが田舎方面に走ってるんだから笑えるよな…名前だけかっこいい」

熊野「それには乗れないんですの?」

提督「俺の実家来るなら乗れるぞ」

熊野「提督の実家…興味がありますけれど…」

提督「時間削っちゃうからまた今度だな」

328: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:51:39.36 ID:N9XTwlt/0

提督「さて、なんとか二人用の席を確保できたな」

熊野「意外と席がふかふかですわ」

提督「エアポート座り心地良いよな」

熊野「他の電車は違いますの?」

提督「特急だともっとお高そうなのになってる、ローカルだと椅子が横向きになって固かったりする」

熊野「ローカル長時間は厳しそうですわね…」

提督「でもあの椅子が良い感じに哀愁があったりするんだよ…学園都市線も俺がいた頃はローカルだったなー」

熊野「今は違うんですの?」

提督「なんかここ数年で変わったらしい、どう変わったのか乗ってないから分からないんだけどな」

熊野「提督は前のほうが好きなんですの?」

提督「今の見てみなきゃなんとも言えないけど…やっぱり自分が慣れ親しんでたものが変わるのは、少し悲しいよな」

329: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:52:13.60 ID:N9XTwlt/0
熊野「私が艦娘として生まれ変わった時は何もかもが変わっててびっくりしましたわ」

提督「そうだよな…皆70年程前だもんな…高度成長期とかあってかなり日本は発展したよ」

熊野「別世界に来たみたいでしたわ」

提督「100年経たないうちに技術力は凄まじい進歩を遂げたと思う、全世界的にな」

熊野「良いことですわね」

提督「このまま平和な世界に向かってくれるといいな、深海棲艦のこともあるけども」

熊野「帰ったら頑張らなくてはいけませんわね…」

提督「そうだなぁ…そろそろ提督用装備が出てもいいと思うんだ」

熊野「え…」

提督「ほら、大和の主砲とかかっこいいだろ?俺もああいう感じの装着したいなって」

熊野「人の力じゃ持てなくてよ?」

提督「妖精さんそこを何とか頑張ってくれないかね…飴くらいならあげるんだが」

熊野「飴で使われる妖精さんが可哀想ですわ…」

330: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:52:41.00 ID:N9XTwlt/0

提督「もうすぐそっち側に海が見えるよ」



熊野「わぁ…本当ですわ、向こうにあるのが小樽ですの?」

提督「そうそう、こうやって見たら港町ってすぐ分かるよな」

熊野「綺麗ですわね…」

提督「もうすぐ銭函って駅通りすぎるぞ」

熊野「さっきも一つ通り過ぎましたわ」

提督「それは多分朝里だな、温泉街だよ」

熊野「温泉街…行ってみたかったですわ」

提督「朝里川温泉は行く予定なかったな…今度また休暇取れたら行こうな」

331: ◆q07nr6cDws 2014/06/19(木) 23:57:52.87 ID:N9XTwlt/0

提督「お、今通り過ぎたのが銭函だ」

熊野「すごく小さい駅でしたわ」

提督「エアポートは基本的に中心規模の駅しか停まらないんだ、小樽から札幌まで5駅しか停まらないよ」

熊野「急いで空港に行く時に便利ですわね」

提督「そういうこと。ちなみに銭函は駅降りたらある商店で、ほっき貝とかホタテを焼いてその場で食べさせてくれる」

熊野「ほっき貝…私食べたことありませんわ」

提督「ほーう…北海道の貝は全部美味しいから、食べて損はないぞ」

熊野「これから行くところで食べますの?」

提督「函館も港町だからな、魚介類はかなり豊富だぞ」

熊野「私イカ焼きに興味がありますわ」

提督「多分売ってるんじゃないかな、どうだろう」

熊野「ふふ…楽しみにしてますわ」

332: ◆q07nr6cDws 2014/06/20(金) 00:02:33.69 ID:QynXnEXC0
提督「…お、もう手稲か」

熊野「銭函を通りすぎてから初めて駅に停まりましたわ」

提督「もうここは札幌市だぞ、札幌市手稲区ってとこだ」

熊野「さっきまで見えた海も見えなくなりましたわ」

提督「札幌は完全に街の中に入るから海は見れないんだ」

熊野「周りもビルが目立ちますわ」

提督「手稲はまだ都会じゃないぞ、一般住宅街って感じかな。次の駅から本当に街中だ」

熊野「景色を眺めるのも楽しいものですわね」

提督「さっきから二人で窓の外しか見てないもんな」

熊野「周りから見たら多分浮いてますわ」

提督「…熊野となら浮いてても別にいいぞ」

熊野「そ、そうですの…」



熊野(本当に…サラッと言うのやめてもらいたいですわ!)

333: ◆q07nr6cDws 2014/06/20(金) 00:05:14.37 ID:QynXnEXC0

提督「琴似だな、次の駅で札幌だ」

熊野「ビ、ビルが沢山ありますわ…」

提督(何やら熊野が都会酔いしてるんだが)

提督「おいおい、琴似も割りと都会だが札幌はもっとビルだらけだぞ?」

熊野「私…こんな大きい建物がある場所に初めて来ましたわ…」


提督(熊野東京に連れて行ったら倒れるんじゃないか)

334: ◆q07nr6cDws 2014/06/20(金) 00:09:18.66 ID:QynXnEXC0

提督「ほら、そろそろ札幌だぞ」

熊野「いつの間にか線路の幅がすごく広がってますわ…」

提督「札幌駅はホーム数が多いからな、10番まである」

熊野「まぁ…そんなあるんですの」

提督「乗り換えが多いからな、本数も多いし」

熊野「迷いそうですわ…」

提督「熊野、方向音痴そうだもんな」

熊野「べ、別に地図があればちゃんと行けますわ!」

提督「そう言う割にはコンビニ行くとき鈴谷と行ってるよな…一人で行けるの?」

熊野「い、行けますわよ!それくらいレディーには余裕ですわ」


提督(怪しすぎる…)

335: ◆q07nr6cDws 2014/06/20(金) 00:20:05.21 ID:QynXnEXC0
-札幌駅-

道内最大規模の駅、そのホーム数は10番まであり3路線のターミナルとなっている。

周りにはJRタワー、全日空ホテル、紀伊國屋書店(2階建て)、大丸、ステラプレイスといった買い物や観光向けの建物が密集している。

元々は地上駅だったのだが、高架駅に建てなおされた。

駅としてだけではなく、映画館、食事処、洋服屋などが入っており平日休日問わず賑わっている。


提督「ってことで札幌駅到着だ!」

熊野「電車の音がすごいですわ…」

提督「エンジン音が停まってる電車の数だけあるからな、とりあえず下に降りよう」テクテク

熊野「ま、待ってくださいな」タッタッタッ


336: ◆q07nr6cDws 2014/06/20(金) 00:21:28.66 ID:QynXnEXC0

提督「んで、下に降りてきたんだが…」

熊野「2ホームずつ分かれているんですのね」

提督「ああ、1・2、3・4ってかんじでエスカレーターや階段で上がったらある感じだな」

熊野「それで函館行きは何番ホームですの?」

提督「スーパー北斗っていうやつなんだが…」

熊野「あ、ありましたわ。5番ホームですわね」

提督「ああ、今2番ホームの下だからあっちだな」

熊野「後20分で出発ですわね」

提督「特急券はもう買ってあるから大丈夫だな、行こうか」

344: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:22:32.04 ID:RoZG7dnR0


提督「これがスーパー北斗だ」

熊野「先程のと全く違う形をしていますわ」

提督「なんたって特急だからな!子どもの頃に乗った時は胸が熱くなったよ」

熊野「小さい子どもが好きそうな感じですものね」

提督「さ、乗ろうか。指定席で2両目の15AとBだな」

熊野「2両目は…あそこですわね」

345: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:24:56.12 ID:RoZG7dnR0


-スーパー北斗-



熊野「先程の快速とやらよりも座り心地が良くなっていますわ」

提督「大体北海道の特急は長旅だからな、座席もゆったりできるようになってるよ」

熊野「ドリンクホルダーとかもついていますわね…」

提督「グリーン車っていう少しお高い車両はパソコン用コンセントがついてたり、読書灯がついてたりもするぞ」

熊野「提督乗ったことがあるんですの?」

提督「一度だけ函館旅行行く時に調子に乗って買ったことがある、周りはエリート会社員みたいな人しかいなかった」

熊野「提督…恥ずかしいですわ」

提督「俺もノートパソコン使ってたからエリートに見えてたと思うぞ」

提督(iTunesで音楽聴いてただけだけどな)

346: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:32:12.13 ID:RoZG7dnR0

熊野「目的地まではどれ位かかるのかしら」

提督「大体3時間半かなー今16時50分、到着予定が20時24分だ」

熊野「遠いんですのね」

提督「北海道の一番下まで一気に行くからな」

熊野「夜ご飯はどうするんですの?」

提督「函館着いて旅館で食べる予定」

熊野「結構遅くなりそうですわ…」

提督「お腹すいたなら言ってくれ、間食程度の食べ物なら鞄に入ってる」

熊野「何が入ってるんですの?」

提督「勿論ジンギスカンキャラメルだ、罰ゲーム用だけど少し減っても問題ないだろ?」

熊野「それを食べるくらいなら着くまで我慢しますわ…」

347: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:42:48.15 ID:RoZG7dnR0


熊野「そういえば駅は結構停まるんですの?」

提督「んーと…函館に着くまでに12回駅に停まるよ」

熊野「さっき1回停まったので…後11回ですわね」

提督「数えてると意外と早く着いたりしてな」

熊野「私途中で眠くなってしまいそうですわ…」

提督「疲れてるだろうし、寝てもいいんだぞ?」

熊野「そうですわね…眠くなったら寝ますわ」

提督「そういえば熊野、船は大丈夫だったけど電車酔いとかは大丈夫か?」

熊野「今のところ問題ありませんわ」

提督「酔い止め鞄に入ってるから、具合悪くなったらすぐ言ってくれ」

熊野「分かりましたわ」

348: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:52:08.18 ID:RoZG7dnR0

提督「熊野、小樽はどうだった?」

熊野「色々初めてだったので驚いてばかりでしたわ」

提督「煎餅?キャラメル?」

熊野「違いますわよ!街並みとかフェリーとかの話ですわ!」

提督「ああ…確かに街並みは舞鶴と全然違うもんな」

熊野「異国の街並みみたいで素敵でしたわ」

提督「函館もそういう街並みの場所があるぞ」

熊野「そうなんですの?てっきり小樽ならではかと…」

提督「レンガ造りとかは探せば意外とあるもんだよ、北海道で街の一角全部っていうのは小樽以外知らないけどな」

熊野「あの雰囲気は私好みでしたわ」

349: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 22:58:49.25 ID:RoZG7dnR0

熊野「あと美術館も含め、あそこまで綺麗なガラス細工を初めてみましたわ」

提督「あれはすごかったなー…クラゲのは持って帰りたかった」

熊野「そういえば提督、お店で見ていた富士山のガラス細工はどうしたんですの?」

提督「え………あ!!?」


提督「忘れてた……」

熊野「そんなことだろうと思いましたわ」

提督「検討しようって思ってたのすら忘れてた…」

熊野「もう…しっかりしてくださいな」

提督「…だけど、それだけ記憶に残らないくらい熊野と楽しんだって解釈できるよ、な?」

熊野「ま、まぁそうですけれど…」



熊野(思い出すと食に関しては嫌がらせしか受けてませんわ)

350: ◆q07nr6cDws 2014/06/22(日) 23:03:35.10 ID:RoZG7dnR0

提督「――んで、やっぱりあのクジラが一番良かったと思うんだよ」

提督「お…?」

熊野「ん……」スースー

提督(寝ちゃったか…まぁ1日中観光と移動だもんな、そりゃ疲れるか)


提督(今は17時50分…後2時間ちょいか、俺も一眠りしよう…)

356: ◆q07nr6cDws 2014/06/23(月) 20:43:37.22 ID:2XRQ1Wjt0


提督「んん……」ガサッ


提督(19時50分…結構寝たな…)

提督(熊野は…まだ寝てるな)

提督(函館着いたら疲れ一気に来そうだ…)

提督(そうだ、旅館着いたら一回鎮守府に電話入れるか)

提督(出てから3日経ってるしな)

357: ◆q07nr6cDws 2014/06/23(月) 20:55:58.09 ID:2XRQ1Wjt0

車内音声「次の停車駅は森、森、終点函館への到着時刻は20時24分を予定しています」

提督(森って地名覚えやすいなー…森って苗字の人たくさんいそう)

提督(北海道の地名は分かりづらいの多いからな…)

提督(花畔でなんでバンナグロなんだよ…はなみさきだろ…)

提督(聚富[シップ]、濃昼[ゴキビル]、美利河[ピリカ]、音威子府[オトイネップ])

提督(一番訳が分からないのは幌美内[ホロピナイ]…なんだよピって)

提督(語源や言葉はだいたいアイヌ語らしいけど、詳しくは知らない)

提督(札幌もアイヌ語って聞いたな)


熊野「…ん…」ガサッ

提督「お、おはよう」

熊野「んん……何時ですの…」

提督「20時5分、後20分位だ」

熊野「結構寝ましたわね…」

提督「俺もさっきまで寝てたよ」

358: ◆q07nr6cDws 2014/06/23(月) 21:05:03.51 ID:2XRQ1Wjt0

熊野「気付いたら寝てしまってましたわ」

提督「長旅だしな、休めるとこで休んどいたほうが良いぞ」

熊野「着いたら真っ直ぐ旅館へ?」

提督「ああ、明日ゆっくり観光できるしな」

熊野「二泊するんでしたっけ…」

提督「そうだな、明日一日観光して明後日からは車の旅だ」

熊野「車も乗ったことがないので楽しみですわ」

提督「バスとかもないのか?」

熊野「街中へ遊びに行かれる方は乗ってた気がしますけれど…私は乗ったことないですわ」


提督(熊野バス乗っても降り方わからなさそうだしな…)

359: ◆q07nr6cDws 2014/06/23(月) 21:42:39.51 ID:2XRQ1Wjt0

提督「そうだ、旅館に着いたら鎮守府に電話しようと思ってる」

提督「なんか起こってたら大変だしな」

熊野「何もないといいけれど…皆居るのかしら」

提督「旅行行くって聞いたのは…妙高型と高翌雄型くらいかな」

熊野「意外と少ないんですのね」

提督「まぁ出かけてるのはいると思うけど、泊まり掛けはそれくらいだな」

熊野「鈴谷はなにしてらっしゃるのかしら…」

提督「毎日別種のカレー食べてそうだな」

熊野「ありえませ…あり得ますわね…」

365: ◆q07nr6cDws 2014/06/25(水) 00:31:23.94 ID:DmocJjsB0

車内音声「次は終点、函館…函館…」


提督「お、やっと着くな」

熊野「半分以上寝てたので長い距離移動した実感ありませんわね…」

提督「地図で見なくちゃ実感できないかもな、何はともあれ函館だ!」

熊野「ですわね!」

提督「正直だいぶお腹すいてる、そして眠い」

熊野「眠くはないけれど…たしかにお腹は空きましたわ」

提督「多分旅館着いたらすぐ出してくれるはずだから、楽しみにしておこう」

熊野「旅館の食事は豪華と聞くので楽しみですわ」

366: ◆q07nr6cDws 2014/06/25(水) 00:45:31.59 ID:DmocJjsB0

-函館-


北海道最南部に位置する函館は日本海、太平洋と周りを海に囲まれている。

それ故漁業や海運業で賑わっており、朝市は昭和20年から続いている。

その朝市では海産物は勿論、農産物や食肉なども扱われており、かなり大きい規模で行われている。

港とともに発展し、歩んできた街並みは何処か古風で落ち着く雰囲気を出している。

函館山の夜景は世界三大夜景に指定されておりとても美しい、また函館山麓の港に面した地区は赤レンガ倉庫などがあり歴史的ロマンを感じれる。

その景観、美味合わせて、まさに北海道の玄関といえる場所だろう。




提督「ってことで函館着いたぞ!」

熊野「ずっと座ってたので少し腰がいたいですわ」

提督「おいおい大丈夫か?」

熊野「大丈夫ですわ、宿はどちらに?」

提督「ここから歩いて20分と少しくらいだな」

熊野「結構歩きますわね…」

提督「抱っこはしないからな」

熊野「べ、別にしてもらおうなんて思ってませんわ!」

367: ◆q07nr6cDws 2014/06/25(水) 00:50:32.66 ID:DmocJjsB0

提督「夜だけど割と暖かくて良かったな」

熊野「小樽よりは穏やかな天気ですわね」

提督「風もそこまで吹いてないしなー」

熊野「にしても函館の街中はすごい賑わっていらっしゃるのね」

提督「そうか?」

熊野「小樽より人が多い気がしますわ」

提督「あー…一応北海道って言ったら札幌、函館、旭川ってくらいだから、結構中心都市なんじゃないか」

熊野「なるほど…函館駅も大きかったですものね」

提督「確かに小樽と比べると格段にでかいな」

368: ◆q07nr6cDws 2014/06/25(水) 01:06:57.44 ID:DmocJjsB0

熊野「そして小樽に比べると磯の香りがしますわ」

提督「海すぐそこだからな、それに漁港も駅の周りに沢山あるんだ」

熊野「磯の香りは鎮守府でもしますからなんというか…お馴染みですわね」

提督「俺らは慣れてるけど他の人は磯臭いとか感じるのかね…俺の軍服とかどうなんだろ」

熊野「金剛さんとかこっそり着てるし大丈夫なのでは…」

提督「あいつのこっそり全然こっそりじゃないんだよな…まぁいいか、リセッシュしとこ」

369: ◆q07nr6cDws 2014/06/25(水) 01:07:32.73 ID:DmocJjsB0


提督「あ、あそこの宿だ」

熊野「提督は泊まったことあるんですの?」

提督「ああ、前に一度ね」

熊野「なら安心ですわね!」

提督「湯元 啄木亭…名前が良いよな、旅館らしくて」

熊野「意外と外見はホテルっぽいですのね」

提督「ああ、受付とかは1階で、その上は宿泊部屋だな…上の方は絶景ポイントになってるぞ」

熊野「何階の部屋を予約したんですの?」

提督「んーと…5階だったか6階の部屋だったと思う、部屋のタイプで分けられてるんだ」

熊野「何部屋を取ったんですの?」

提督「和室だよ、和洋室と悩んだけど小樽は洋室だったし和室にした」


提督「さ、チェックインしに行こうか」

380: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 17:48:55.09 ID:7cV31chg0

-湯元 啄木亭-


外側は一見洋風のホテルなのだが、中は和を大切にした作りとなっている。

入ったら落ち着いた雰囲気のロビーが出迎えてくれる、啄木亭のロビーは道南のホテル最大の広さとなっていて和らぎの空間を体感できる。

そしてガラスパネル越しに日本庭園が展開されていてその姿は圧巻の一言、日本の文化の良さを再確認できるだろう

他にも茶室や甘味処など館内は和風で統一されているが、部屋は和と洋両方用意されている。

部屋食、バイキングと選べる2タイプ。どちらも函館の海の幸を味わえる。




提督「チェックインしてきたぞー、お腹すいたし早く部屋に行こう」

熊野「部屋に着くと一気に疲れが来そうですわ」

提督「そうだな…でも温泉入らなきゃ」

熊野「何時まで入れますの?」

提督「13時から翌日10時までって書いてあったから夜通し大丈夫だぞ」

熊野「まぁ…ではゆっくり入ろうかしら…」

提督「ゆっくり疲れとったほうが良いぞー、それにここの温泉楽しいから楽しみにしてな」

熊野「楽しい…?」

提督「温泉が11階にあるんだ、だから眺めが抜群に良いんだよ」

熊野「そんな高所にある温泉初めて入りますわ」

提督「俺も最初入った時はテンション上がってたなー…お、部屋ここだ」ガチャ

381: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 17:55:49.34 ID:7cV31chg0


-和室-



提督「お…?前来た時と違うタイプの和室だ」

熊野「そうなんですの?」

提督「こんなに窓広くなかった気がするぞ…畳10畳と12畳で違う作りになってるのかな」

熊野「にしても畳…落ち着きますわね…」

提督「なんでこんなに畳って落ち着くんだろうなー」

熊野「でも、前に提督が執務室の床を畳にしてたのはどうかと思いましたけれど…」

提督「あれな…皆にすごい批判されて変えたんだよ…なんでかな…」

熊野「畳の上に執務机置くのが悪いんですわ!もっとなんかなかったんですの…」

提督「だってあの机無くちゃ仕事しづらくて…でも畳使いたいっていう俺の気持ちを察してくれよ!」

熊野「元帥の方々が来た時にあれだと恥ずかしいですわ」

提督「今は変えたからいいだろ!あんまり掘り起こすな!」

熊野「たまには提督をからかってみたくて…そういえば夕食はいつですの?」

提督「30分後くらいとか言ってた気がするから待ってよう」

382: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:01:17.34 ID:7cV31chg0

提督「そうだ、この待ち時間で鎮守府に電話しよう」

prrrrrr…

加賀「はい、こちら舞鶴鎮守府です。どなたでしょうか」

提督「もしもし?提督です」

加賀「あぁ提督…どうしたんですか?」

提督「いやな、2件目の旅館着いたからそっち大丈夫かなーっと」

加賀「特に問題はありません」

提督「そうか、こっちも楽しんでるよ」

加賀「私達は置いて行かれたのでやることが無いです、楽しくありません」

提督「ええ…じゃあ今度焼き肉でも連れてってあげるから、な?」

加賀「私、ジンギスカンが食べたいんですけれど」

提督「おおジンギスカンか!じゃあどっかで買って送るよ」

383: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:05:17.11 ID:7cV31chg0

加賀「現地で食べたいんですが」

提督「それは厳しいな」

加賀「熊野は連れて行ってるのに私達一航戦は駄目なのですか」

提督「分かった分かった!今度空母皆で行こう!な?」

加賀「五航戦の子なんかと…まぁ、連れてってくれるならいいです」

提督(俺提督、破産確定の瞬間である)

加賀「では、赤城さんに代わります」

提督「え、赤城近くにいるの?」

加賀「はい、たまたま私達が電話の前を通りかかったので」

提督「なるほど、じゃあ代わってくれ」

384: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:12:26.49 ID:7cV31chg0

赤城「代わりました、赤城です」

提督「おー元気?」

赤城「最近休日が無かったのに一気に連休が来たので、何をすればいいか分からないです」

提督「ああ…一航戦はだいたい出撃しっぱなしだもんな…」

赤城「なので加賀と二人で鎮守府を散策していました」

提督「散策…?」

赤城「鎮守府の中を全部見たことないと思ったのでこの機会に、と」

提督「なるほど、なんか面白いものあったか?」

赤城「提督の部屋にあった知恵の輪で2時間位遊んでいました、あれ難しいですね!」

提督「…はぁ?え?んん?俺の部屋?」

赤城「はい、提督の部屋です」

提督「…?!?!なんで俺の部屋勝手に入ってるんだよ!」

赤城「空いてたのでなんの部屋だろうと思ったら提督の部屋でした!」

385: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:17:07.10 ID:7cV31chg0

提督「なんてこったい…鍵かけ忘れたのかな…」

赤城「別に何もいじってませんよ!というかイジるほどものありませんでした」

提督「本と写真ばっかりだからな…まぁ他の人には言わないでくれると助かる」

赤城「大丈夫ですよ、まだ誰にも言っていません、まだね」

提督「まだ…?」

赤城「提督のお土産の有無次第では今から皆にバラしに行くことになります」

提督「…ああ、お土産なら買ったぞ」

赤城「!!何買ったんですか!」

提督「それ言ったら楽しみなくなっちゃうだろ?他にも買ってくから楽しみにしとけ」

赤城「…そうですね。 あら?響ちゃん、どうしたの?」

提督「響?」

赤城「提督と話したいそうですよ」

提督「お、じゃあ代わってくれ」

赤城「はい、ではお土産楽しみにしてますね!」

386: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:23:50.96 ID:7cV31chg0

  響「やぁ司令官、響だよ」

提督「ああ、元気か?」

  響「元気だよ、勿論第六駆逐隊の皆も」

提督「それはなによりだ、皆は休日どうしてるんだ?」

  響「昨日は何もしなかったけど今日はお菓子を作ったよ」

提督「おお、良いじゃないか。何作ったんだ?」

  響「トリュフ、翔鶴に教えてもらったんだ」

提督「翔鶴料理得意だもんな、上手に出来たか?」

  響「赤城が美味しいって言ってくれたよ」

提督「赤城が食べたのか…」

響「夕方部屋に遊びに来たんだ、なにやら散策してるって言って」

提督「あいつら駆逐寮まで行ったのか」

387: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:26:55.56 ID:7cV31chg0

  響「加賀も食べてくれたよ、良く出来てるって」

提督「良かったじゃないか、俺にも今度よろしくな」

  響「うん、司令官はどうだい?」

提督「楽しんでるよ、今日はかなり長い時間電車乗ってたけど」

  響「電車の長旅、楽しそうじゃないか」

提督「乗車時間の半分は寝てたよ」

  響「疲れてるのかい?」

提督「まぁな、でもその倍以上楽しんでるから大丈夫だ」

  響「良かった、気をつけて帰ってきてね」

提督「ああ、飛行機が墜落しないことを願うよ」

  響「話してたら翔鶴が歩いてきたけど、代わるかい?」

提督「お、じゃあ代わってもらおうかな」

  響「いいよ、今代わるから待ってね」

388: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:27:35.09 ID:7cV31chg0

翔鶴「もしもし…提督でしょうか?」

提督(違うって言ったらどうなるんだろう)

提督「チガウガ…ダレダテイトクッテ…」←濁声

熊野(なにしてるんですの…)ジトー

翔鶴「えっ……響ちゃん?っていない…!どうしましょう!」

提督「ははっごめんごめん、提督だよ」

翔鶴「えっ…提督?」

提督「弱気だったから濁声で他人のふりしてみたんだ」

翔鶴「…もう!違う人かと思ったじゃないですか!」

提督「まさか本当に引っかかると思わなかったんだ」

翔鶴「びっくりしたんですから…!」

提督「悪かった、翔鶴は休日満喫してるか?」

389: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:30:08.88 ID:7cV31chg0

翔鶴「昨日は瑞鶴とお出かけしてきました、今日は駆逐艦の子にお菓子作りを教えてましたよ」

提督「ああ、トリュフだろ?響に聞いたよ」

翔鶴「はい!皆上手く出来たようで良かったです」

提督「翔鶴料理教えるの上手そうだもんな」

翔鶴「そんなことないですよ、皆が頑張ったからです」

提督「謙遜するなよー、瑞鶴とどこ行ったんだ?」

翔鶴「暑くなってきたのでお布団からシーツに変えようと思って、シーツを買いに行ってきました」

提督「ああ、もう20度越したもんなー。こっちは涼しいよ」

翔鶴「結構温度差あるんでしょうか…」

提督「舞鶴となら5度くらいあるんじゃないか?」

翔鶴「そんなに…だいぶ違いますね」

提督「夜は少し寒いくらいだよ」

390: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 18:30:45.46 ID:7cV31chg0

翔鶴「風邪引かないようにしてくださいよ…?」

提督「大丈夫大丈夫、シーツは買えたのか?」

翔鶴「はい!一緒の色違いにしました!」

提督「仲が良くて何よりだ、お土産も買っていくから楽しみにしててくれ」

翔鶴「はい!では切りますか?」

提督「あ、ちょっと待ってくれ」



提督「熊野、鈴谷と話さなくていいのか?」

熊野「いるんですの?」

提督「わからん、翔鶴に聞いてみる」

391: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 19:07:04.88 ID:7cV31chg0

提督「鈴谷に変わってほしいんだが、いるか?」

翔鶴「鈴谷さんは…呼んでくるので待っててもらえますか?」

提督「ああ、すまんな」


提督「今翔鶴が呼んできてくれるって、ほら」

熊野「では待ってますわね」

提督「話終わったら代わってくれ」

熊野「分かりましたわ」

392: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 19:07:32.99 ID:7cV31chg0
鈴谷「やっほー提督ー元気ー?」

熊野「提督じゃありませんわ」

鈴谷「あれ?熊野じゃん、元気ー?」

熊野「まぁどちらかと言えば元気ですわ」

鈴谷「提督と二人だからって熊野浮かれちゃダメだよー?」

熊野「べ、別に浮かれてませんわよ!」

鈴谷「そうかなー?」

熊野「そうですわ!…鈴谷は元気ですの?」

鈴谷「元気だよ!今日はね!カレー食べに行ってきたんだ!」

熊野(カレー食べてるって予想当たりましたわね…)

熊野「そんな鈴谷に美味しいお土産持って帰りますわね」←スープカレーキャラメル

鈴谷「なになにぃ?カレー商品?鈴谷期待しちゃうぞー?」

熊野「提督のお墨付きですわ」

鈴谷「やったぁ!楽しみにしてるね!」

熊野「では、提督に代わりますわね?」

鈴谷「うんうん!」

393: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 19:09:27.68 ID:7cV31chg0
提督「もしもしー?代わったぞ」

鈴谷「やっほー」

提督「やっほー」

鈴谷「提督!鈴谷お土産楽しみにしてるね!」

提督「何をそんなに期待してるんだ」

鈴谷「熊野が提督お墨付きのカレー商品があるって!」

提督「え、そんなもん買ったっけ………あー、買ったな」

鈴谷「それすごく楽しみにしてるから!」

提督(疑いがなさすぎて申し訳なくなってくる…)

提督「あ、ああ…期待しといてくれ」

鈴谷「そっちは楽しんでるのー?」

提督「ああ、今二件目の旅館についたとこだ」

鈴谷「ほーう、良いなー旅行」

提督「最上型の皆とどこか行かないのか?」

鈴谷「行きたいけどねー…提督が熊野連れてっちゃったしー」

394: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 19:11:33.63 ID:7cV31chg0

鈴谷「鈴谷も連れてって欲しかったなー」

提督「ごめんな、今度また連休の時にどっか行こう」

鈴谷「言ったなー?鈴谷しっかり覚えてるからね!」

提督「ああ、まかせとけ」

鈴谷「じゃあ鈴谷そろそろお風呂入るから切るね?」

提督「ああ、じゃあまたな」

鈴谷「はーい」

ガチャ

395: ◆q07nr6cDws 2014/06/28(土) 19:13:48.35 ID:7cV31chg0

提督「27分…意外と長電話してたんだな」

熊野「鈴谷、昼食にカレーを食べたらしいですわ」

提督「俺らの予想あたったな…」

熊野「そろそろ夕食がくるのかしら」

提督「ああ、後5分くらいで来るんじゃないか?」

熊野「海の幸…楽しみですわ!」

提督「そうだなー」

コンコンッ

「お部屋食お持ち致しました」ガラッ

提督「お、来たみたいだな」

403: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:06:26.64 ID:RuuJPuSy0

熊野「まぁ…一人ずつ料理が違うんですのね」

提督「折角だし違うの二人で食べたいだろ?」

熊野「プランか何かがあるんですの?」

提督「ああ、カップル&夫婦プランがある」

熊野「またそんなの選んで…!」

提督「こっちの方が味比べできるし、何より宿泊料金安いんだよ!」

熊野「ま、まぁそれなら仕方ありませんわね」

熊野(いちいちドキッとするからやめてもらいたいですわ…)

404: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:10:51.48 ID:RuuJPuSy0

提督「熊野の方はヘルシー海鮮料理中心の【白砂膳】だな」

熊野「確かに魚介類と野菜が多いですわね」

提督「女性の健康にも気を使った粋な御膳だ、んで俺のが【白樺膳】」

熊野「ボリューム満点ですわ…」

提督「こっちは肉料理もあるからな、まぁ何にせよ食べようか」

熊野「えぇ、いただきますわ」

提督「いただきます」

405: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:19:06.21 ID:RuuJPuSy0

熊野「…これはなんですの?」

提督「なんだろそれ、味噌…?」

熊野「食べてみますわ…」モグモグ

提督「なんだった?」

熊野「多分イカ…ですわね」

提督「あーじゃあイカの味噌和えだな」

熊野「美味しいですわ」モグモグ

提督「一口貰っていいか?」

熊野「ええ、どうぞ」

提督「…味噌の味があっさり出てて美味しいな」

406: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:22:57.75 ID:RuuJPuSy0

熊野「私も提督の方から何かいただいてもいいかしら」

提督「なにがいい?スープカレーキャラメル?」

熊野「…好き好んであんなもの食べませんわ」ジトー

提督「このビーフシチューとかどうだ?」

熊野「じゃあそれをいただきますわ」

提督「鉢に入ってるビーフシチューなんて初めて見たな」

熊野「んっ…あついですわ…」

提督「大丈夫か?」

熊野「はい…」

407: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:28:07.70 ID:RuuJPuSy0
提督「床に置いてある冊子に料理名全部書いてあった」

熊野「こうやって見るとすごい数の料理ですわ」

提督「数の子オランダ和えっていうのかこれ…」

熊野「私が今食べているのは…帆立時雨煮仕立…?」

提督「これを小さく切って炊き込みご飯とかにすると美味しいんだぞ」

熊野「確かに合いそうですわ!」

提督「…俺の飲んでるアサリ汁、あっさりしてて飲みやすいな…」

熊野「…提督、少し寒くなってきましてよ…」

提督「…?…!べ、別にそういうつもりで言ったんじゃない!素だ!」

熊野「素でオヤジギャグなんて…提督も歳ですわ」

提督「俺まだ26なんだけどなぁ…まぁ今年27か」

熊野「アラサーですわね」

提督「まだ若いお兄さんだぞ、何を言う」

408: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:33:00.36 ID:RuuJPuSy0
熊野「だんだんお腹がきつくなってきましたわ…」

提督「俺も…でも後2品だし頑張ろう」

熊野「私まだお刺身三種盛りとオレンジが残っていますわ」

提督「俺は合鴨ロースと豚角煮が少しとオレンジ」

熊野「意外と食べれましたわね」

提督「美味しいからなー…さ、残りも食べちゃおうか」

409: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:38:12.10 ID:RuuJPuSy0

提督「あ、そうだ。二泊する予定だったんだけど一泊にしたから」

熊野「そうなんですの?」

提督「明後日の朝にレンタカーで出ても道路混んでたりで遅くなる可能性があるんだ」

提督「だから、明日の夜レンタカー借りて出発しようと思う」

熊野「つまり…夜中走るってことですわね」

提督「ああ、その方が道路空いてるし次の日ゆっくりできるからな」

熊野「次の目的地までそんなにかかりますの?」

提督「4時間くらいかな、車だと」

410: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:46:36.50 ID:RuuJPuSy0
熊野「真夜中に目的地に着いてしまいますわ」

提督「ああ、だから着いたら日の出まで駐車場で寝る」

熊野「なるほど…」

提督「だから明日の朝荷物は持って出るからな」

熊野「どこかに預けるんですの?」

提督「駅のロッカーに入れとくよ」

熊野「分かりましたわ」

411: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:48:40.27 ID:RuuJPuSy0

提督「あー食べたー一生分食べた気がする」

熊野「大袈裟ですわ…」

提督「じゃあ温泉入る準備するか…ご馳走様でした」

熊野「ご馳走様でした」

提督「熊野ももう温泉入る?」

熊野「入ろうと思いますけれど…この食器はどうするんですの?」

提督「片付けに来てくれるよ、後布団も敷きに来てくれる」

熊野「なら安心ですわね…では準備しますわ」

提督「あ、着替え持って行かないでコレ持って行ってくれ」ガサゴソ

熊野「なんですの…?」

412: ◆q07nr6cDws 2014/06/30(月) 00:50:57.21 ID:RuuJPuSy0

提督「あ、これこれ」ホイッ

熊野「…浴衣、ですの?」

提督「カップルプラン使うと無料でついてくるんだよ、男女色違いのやつ」

熊野「なにかハレンチなこと考えてる気がしますわ…」ジトー

提督「そんなことない!ほら、折角だし着たいだろ?」

熊野「浴衣の着方がいまいち分からないのだけれど…」

提督「…俺もわからない」

熊野「じゃあ着れませんわね…」

提督「あ、ネットで検索かけるから待ってろ」

熊野「べ、別にそこまでしなくても…」

提督「折角の機会だし浴衣の着方も覚えれるじゃないか」

提督(8割くらい熊野の浴衣姿見たいだけだけどな)

421: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:16:25.78 ID:taNHJm790


-館内廊下-


提督「じゃあ温泉行くか」

熊野「ちゃんと着れるか心配ですわ」

提督「大丈夫だ、帯の締め方さえ分かってればいける」

熊野「まさかこのような場所で浴衣を着るとは思いませんでしたわ…」

提督「旅館には結構常備されてるぞ、ここはプランでだったけど」

熊野「小樽のところにもあったんですの?」

提督「ふる川は…洋室だったしどうなんだろう、部屋にはなかった気がするな」

熊野「和室洋室で分かれてるのかしら…」

422: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:19:37.11 ID:taNHJm790


提督「さ、温泉は11階だな」

熊野「お部屋の案内に夜景が見えるって書いてありましたわ」

提督「あー一面ガラスパネルになってる湯船があったかも」

熊野「混雑していないといいのだけれど…」

提督「もうすぐ23時だし、だいぶ空いてるとは思うけどどうかねー」

熊野「露天風呂でゆっくりしたいですわ」

提督「朝までやってるし朝まで入ってていいんだぞ?」

熊野「…のぼせてしまいますわ」

423: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:21:35.32 ID:taNHJm790

提督「じゃあ男湯はこっちだから、部屋の鍵俺が持ってるから先上がっちゃったら広間で待っててくれ」

熊野「分かりましたわ」



-男湯-



提督(もう2日目終了か…一応予定通りに進んでるし大丈夫かな)

提督(問題は明日の夜から…車運転するの久しぶりだしなー)

提督(後数日で俺が行った時のルート全部通れるのか)

提督(まぁ車中泊だしどうとでもなるか)

提督(にしても…熊野の浴衣姿楽しみだな…)

提督(ポニーテールが似合う子は大体浴衣似合うよな)

425: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:27:59.28 ID:taNHJm790


-女湯-


熊野(夜景…綺麗ですわ)

熊野(北海道に来て2日…)

熊野(今まで鎮守府の周りの世界しか見てなかったけれど)

熊野(提督のおかげで新しいことを沢山知れましたわ)

熊野(この夜景も提督と一緒に見たかったですわね…)

熊野(…!わ、私なんてことを…)

426: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:29:36.03 ID:taNHJm790


-館内廊下-


提督「露天風呂で40分ものんびりしてしまった」

提督「トータル1時間以上入ってるんじゃないかこれ」

熊野「提督!遅いですわよ」

提督「お、おおう…すま…ん…」

熊野「な、なんですのよ…浴衣の着方間違えてないか不安ですわ」

提督「ああ、大丈夫だ。すごく似合ってるぞ」

熊野「そ、そうかしら…」

提督(風呂上がりで若干頬が赤くなってて色っぽい…)

428: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:36:06.22 ID:taNHJm790
熊野「は、恥ずかしいから部屋に戻りますわ!」スタスタ

提督「そんな急ぐと転ぶぞ」

熊野「きゃっ…」

提督「言わんこっちゃない…ほら、大丈夫か?」

熊野「あ、ありがとうございます」

提督「浴衣は歩きにくいから気をつけろよ?」

熊野「気をつけますわ…」

熊野(提督の浴衣姿…似合ってますわね…)


427: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:34:41.93 ID:taNHJm790

-和室-


提督「お、布団来てるな」

熊野「本当ですわ!」

提督「船もふる川もベッドは離れてたが…布団だとくっついちゃうな」

熊野「は、破廉恥ですわね…//」

提督「照れてるのか風呂上がりなのかよく分からないぞ」

熊野「ふ、風呂上がりの熱気ですわ!」

提督「にしても良い湯だったな」

熊野「露天風呂が素敵でしたわ」

提督「男湯の方の露天風呂、夜景じゃなくて海が見えたぞ。暗くてよくわかんなかったけど」

429: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:37:57.14 ID:taNHJm790


熊野「こっちは街が見えましたわ」

提督「向きが違うのかな」

熊野「この後はどうするんですの?」

提督「歯磨いて寝る」

熊野「もう12時前ですものね…」

提督「今日は疲れただろうしゆっくり寝よう。そうだな…8時位まで寝るか」

熊野「久々にゆっくり寝れますわ」

提督「じゃあ歯磨いておいで、俺荷物整理してるから」

熊野「分かりましたわ」

430: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:38:46.72 ID:taNHJm790

提督(と、見せかけて…)

提督(ここでカメラを取り出します)

提督(浴衣姿の熊野…写さないほうがおかしい)

提督(寝顔と今の眠そうな顔両方撮りたい…)

提督(とりあえず戻ってきたら1枚何も言わずに撮ろう)

431: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:43:19.35 ID:taNHJm790

熊野「磨き終わったので提督使ってもいいですわよ」トコトコ

提督「おう」カシャ

熊野「い、いきなりなんですの!」

提督「せっかくの浴衣姿だし撮らなきゃ損かなって」カシャカシャ

熊野「は、恥ずかしいのでやめてもらいたいですわ!」

提督「…まぁ俺も鬼じゃないしな」カシャカシャ

熊野「…そういって撮り続けてますわ!」

提督「もう撮ってないぞ」カシャ…カシャ

熊野「後で消していただきますから!」

提督「そ、そこまで言うなら…しょうがないな」←消さない

432: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:44:42.16 ID:taNHJm790

提督「さ、寝ようか」

熊野「分かりましたわ…」 

提督「どうした変に緊張して」

熊野「な、なんでもないですわ!」

熊野(提督が近すぎて緊張するなんて言えませんわ…)

提督「俺は少し本読んでから寝るから、先寝ていいぞ」

熊野「分かりましたわ」

提督(目的は寝顔だけどな)

熊野「では、おやすみなさい」

提督「ああ、おやすみ」

433: ◆q07nr6cDws 2014/07/01(火) 23:45:24.22 ID:taNHJm790


提督(因みに俺が今読んでる本は【海の底】だ、海上自衛隊の話で、突然海から襲撃してきた巨大甲殻類を相手にする物語)

提督(半分しか読んでいないが主人公達が感情豊かでついつい感情移入してしまう)

提督(そんなこんなで熊野が寝たので写真を撮ろうと思います)

カシャ

…カシャカシャ

提督(綺麗だな……よし)

提督(寝るか)



448: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 22:22:01.95 ID:TeOpm68l0

~朝になりました~


♪(コオロギの鳴き声)



提督「…8時か…熊野は…」

熊野「ん……」

提督「まだ寝てるな……顔洗うか」


提督(とりあえず朝ごはんはレストランバイキングだったはず…)

提督(チェックアウトは10時か…あと2時間…)

提督(荷物はまとめてあるしご飯食べたらすぐ出れそうだな)

449: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 22:28:13.03 ID:TeOpm68l0


提督(とりあえず熊野起こすか)


提督「熊野ー朝だぞー」トントン

熊野「んう……」

提督「起きろー」ユサユサ

熊野「んん…提督…?」

提督「もう8時過ぎたぞ、朝食の時間だ」

熊野「…ふぁ…おはようございます…」

提督「ああ、おはよう」

熊野「…顔洗ってきますわ…」

提督「ああ、準備出来たら食べに行くぞ」

熊野「分かりましたわ」トコトコ



提督「さて、俺は着替えるか」

450: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 22:35:52.82 ID:TeOpm68l0


熊野「支度が出来ましたわ!」

提督「忘れ物とか無いか?」

熊野「大丈夫ですわ」

提督「点検は…一度戻ってくるしその時でいいか」

熊野「そうですわね」




-館内廊下-



熊野「朝食は部屋食ではないのね」

提督「バイキングになってる、ふる川と同じ感じだな」

熊野「楽しみですわ!」

提督「小樽よりは、魚貝を使った料理が多いのかな」

熊野「小樽はあまり多くありませんでしたわね」

提督「洋食中心だったしな…こっちは和食多かった気がする」

451: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 22:46:27.77 ID:TeOpm68l0


-朝食レストラン-



提督「っと、ここだな」

熊野「広いんですのね」

提督「円状テーブルが主で、少しだけ2人用のテーブルがあるな」

熊野「二人用のところでよろしくて?」

提督「ああ、先に席とっておこうか」

熊野「そうですわね」

提督「こういうホテルにいるコックってかっこいいよな」

熊野「一流って感じがしますわ」

453: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 22:50:14.55 ID:TeOpm68l0

提督「俺もコックになりたかった」

熊野「提督のなりたいものすぐ変わりますわね…」

提督「本当に中学生の頃はコックになる気だったんだぞ!」

熊野「そうなんですの?」

提督「ああ、一時期料理にハマってな」

熊野「意外ですわ…」

提督「3食作ることくらいは出来るはずだ、味は別として」

熊野「私も今度作っていただこうかしら」

提督「焼きそばくらいなら作ってあげれるぞ」

454: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:00:21.07 ID:TeOpm68l0


提督「じゃあ取りに行くか」

熊野「分かりましたわ」

提督「俺、野菜から見ていくけど熊野どうする?」
 
熊野「私あそこのお寿司が気になりますわ」

提督「じゃあ各自取って席戻るか」

熊野「そうですわね…」

提督「あ、迷うなよ」

熊野「別に迷ったりしませんわ!」トコトコ

456: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:02:34.52 ID:TeOpm68l0


~提督side~


提督(北海道産の食材をふんだんに使ったバイキングねぇ…)

提督(農作物は函館近郊の農家から仕入れてるのか…)

提督(なんか旅館のバイキングって野菜食べちゃうんだよなー)


提督(塩ラーメンなんてあるのか…確かに函館名物だしな)

提督(因みに札幌が味噌で旭川が醤油だ)


提督(…!!これは…!主食はこれにしよう)

457: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:03:59.21 ID:TeOpm68l0


~熊野side~


熊野(お寿司…以前雑誌で見たけれど、現物を見るのは初めてですわ)

熊野(…マグロというの…美味しそうですわね…)

熊野(何種類か食べてみようかしら)



熊野(あの厚焼き玉子美味しそうですわ)

熊野(ジャガバター…焼き魚…)

熊野(迷いますわ…)

458: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:06:23.94 ID:TeOpm68l0


~席に戻り~



熊野「戻りましたわ」

提督「おお、俺も今戻ってきたところだ」

熊野「多すぎて目移りしてしまいますわ」

提督「確かにな、種類が豊富だった」

熊野「パンにしようかお米にしようか悩んで、お寿司にしましたわ」

提督「あれ、寿司なんてあったのか…見てなかった」

熊野「私、お寿司を食べるの初めてですわ」

提督「え、あ…そうだな、言われてみれば鎮守府に寿司なんてないな」

熊野「以前雑誌で見て一度食べてみたいと思ってましたの」

提督「寿司はたまにすごく食べたくなる、じゃあ食べるか」

熊野「ええ、いただきますわ」

提督「いただきます」

459: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:11:35.84 ID:TeOpm68l0

熊野「提督が食べてるそれ、なんですの?」

提督「これか?イカ飯っていうんだよ」

熊野「イカ飯?」

提督「イカの中身空っぽにしてご飯詰めて醤油入れて炊き上げたやつ、美味しいぞ」

熊野「ひとくち食べてみてもよろしくて?」

提督「ああ、いいよ」

熊野「では…」パクッ

熊野「…!美味しいですわ!」

提督「だろ?北海道発祥なんだぞ」

熊野「でも…どうしてイカの中にお米を入れようと思ったのか謎ですわね」

460: ◆q07nr6cDws 2014/07/03(木) 23:14:42.96 ID:TeOpm68l0

提督「戦時中に発案された料理なんだ、ほら太平洋戦争中って食糧難だっただろ?」

熊野「ええ…」

提督「んで、米を節約して何か美味しいもの作れないかなーって当時の人達が考えて」

提督「大量に獲れてたイカに入れたら美味しくなるんじゃないかと作られたらしい」

熊野「そんなストーリーが…」

提督「しかも米が餅米だから、兵士には腹持ちがいいって好評だったそうだ」

熊野「あの頃は量が限られてましたものね…」

提督「ナイス発案だよな、よく思いついたなーって感心する」

熊野「提督も新しい料理創作なさったら?」

提督「ジャガイモ蕎麦とかどうだろう」

熊野「……微妙ですわ」