上条「イギリス清教女子寮の管理人さん」前編
469: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/01(月) 23:54:53.27 ID:iPtFqSuf0
上条(よく分からんけど、神裂ももう怒ってないみたいだ。土下座していた間に何か起こったのか)
神裂「これで、お互いもう気にするのはやめましょう」
上条「あ、あぁ。神裂がそれで良いなら」
神裂「はい」にっこり
上条(機嫌直ったって言うか……むしろ上機嫌になってないか?)
上条「奇跡だ……」
神裂「なんですか?」
上条「へ?いやっ……そうだ、そろそろ手離してもらえるか?頭あげたい」
神裂「はっ、すみません。つい……」
上条「いいよ、そもそも土下座始めたの俺だし」
神裂「はい」
上条「ははっ、それじゃ――ッ!!?」
神裂「?」
上条「こ、これは……」
上条(か、神裂が頭を撫でるためにしゃがみ込んでいたせいで目の前に見てはいけない物が……////)
上条「し、白……」
神裂「は?白?」
上条「ふがっ!!」
上条(やべっ!声に出て―――!?)
神裂「一体何のことですk……」ちらっ
神裂「っ!!!???///////」ばっ
神裂「…………」
ざざざざざ
神裂「…………」すくっ
上条「…………」さっ
神裂「……見ましたね」
上条「……はい」
ごごごごごごごご
神裂「七閃ッ!!」しゅっ
上条「ちょっ!その刀一体どこからぶべらっ!?」
子供「ねぇ、ママ。あの人たちさっきからなにしてるのー?」
ママ「見ちゃいけません!」
Side:天草式
建宮「だはははははははは!!やりやがったのよアイツ!!げらげらげらげら」
牛深「あまり大きな声で笑うと気づかれますって!」
香焼「天然ジゴロぶち込んでからのラッキースケベ。さすが大先生す」
野母崎「いやいやいやいや」
建宮「はぁ、はぁ……まったく、笑かしよるのよ」
浦上「うわぁ……か、上条さんってば大胆だなぁ///」
対馬「…………」むすっ
浦上「あれ、対馬さん?」
対馬「へ?……あ、何でもないわ!何でもない!」
浦上「は、はぁ……」
対馬(やだ……なにイラついてんのよ私……)
五和「えぇ?もう一回ですか?……もう、当麻さんってばぁ////////」でろでろ
牛深「教皇代理、あの二人そろそろ第一目標地点に到達します」
建宮「ふむ……香焼、頼んだぞ」
香焼「了解」だっ
野母崎「何を始めるつもりなんだ?」
牛深「作戦βを開始するんだ。ほら、お前も早く準備しろ」
野母崎「いや……俺、作戦なんて一つも聞いてないんだけど……」
建宮「おい対馬、お前さんもさっさと準備を済ませちまえ。作戦開始なのよ」
対馬「は?準備って……何すれば良いのよ」
建宮「先ずはコレに着替えて、準備が終わったら待機」
対馬「着替えなんて面倒な……はっ!?」
建宮「おい大声出すんじゃないのよ。怪しまれちまうのよ」
対馬「何よこの衣装!?」
建宮「あそこの角にあるカフェのウェイトレス用の物ですが?」
対馬「それを何で私が着なきゃいけないの?」
建宮「そら、潜入するために決まってるのよ」
対馬「潜入って……そんなことするなんて今初めて聞いたんだけど」
建宮「だろうな。俺だっていま初めて言ったのよ」
対馬「おい!!」
建宮「んで、浦上は俺とこっちでちょっとした小芝居」
浦上「お芝居ですか?でも私そういうのあんまり……」
建宮「心配するな。簡単だし、一瞬で終わるのよ」
浦上「分かりました。……あ、五和は」
建宮「牛深と待機させるのよ。本人と会ったら絶対に使い物にならんしな」
浦上「ですね」
五和「そ、そんな恥ずかしいこと……でも上条さんのためなら……////」
牛深「…………」
上条「だから、あれは不可抗力というか、神の見えざる手というか……」
神裂「わ、分かっています。だからあの一撃だけで許したんです!」
上条(『だけ』!?明らかに消しに来てただろ!!)
神裂「いくらあなただからと言って、街中であんなこと……///」
神裂(女性の下着を覗くなど……///)
上条「へ?」
神裂「あ、いえ……///」
上条「あぁ、そうか」
上条「土下座の事だな」
神裂「は?」
上条「あの時はちょっとテンパってて咄嗟にさ。確かに一緒にいた神裂も恥ずかしかったよな、悪い」
神裂「…………」
げしっ
上条「いてっ!」
神裂「ふんっ」
上条「え、なんで小突いたの……?」
神裂「知りません!」げしっげしっ
上条「え、いたっ、まっ……ふ、不幸だ……」
Side:天草式
建宮「ほう、見せつけてくれるのよな」
対馬「…………」ぐっ
浦上「対馬さん?さっきから様子が……」
建宮「気にするこたねーのよ」にやにや
浦上「……また変なこと企んでませんか?」
建宮「まさか…くふっ…企んでるわけ…はは…ないのよHAHAHAHAHAHAHAHA!」
浦上「絶対ウソだー!?隠す気ゼロですか!!」
建宮「ほれ、対馬。早く行って野母崎と合流しろ」
対馬「うるさいわね。私はまだ作戦に協力するとは――」
建宮「……愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよ」にやり
対馬「っ!……い、愛しのって///」びくっ
建宮「はい、いってらっしゃい」
対馬「くっ……べ、別に当、上条当麻にどうこうとか、そ、そんなんじゃないから///」
建宮「はいはい分かってるのよ」にやにやにやにや
浦上「うわぁ……」
建宮「ふぅ、ちょろい奴よ」
浦上「あんまり対馬さんからかわないであげて下さいよ」
建宮「ん、善処しない」
浦上「しろよ!!」
建宮「さぁ、俺達も行くのよ」
浦上「ふぇ?……どこに?」
上条「…………」
神裂「…………」
上条(またやってしまった……俺のバカ!!)
上条(どうしてこうなっちまうかな……)
神裂「…………」ちらっ
上条「ん?」
神裂「ぁっ……///」さっ
上条「…………」
上条(?また怒ってるって訳じゃ……ないのか?)じ~
神裂「っ………///」ふいっ
??「ちょっと、そこのお二人さん」
神裂「…………///」
上条「うぅむ………」
??「おい!!」
神裂・上条「「?」」
ウェイター「こんにちは。お二人仲良く手を繋いで、デートすか?」
神裂「は、はい……」
上条「こんにちは……?」
ウェイター「どうも」にやり
神裂・上条((誰だこいつ))
ウェイター「いやぁ、羨ましいですね。俺も平日に堂々とデートしてみたいすよ」
神裂「はぁ……って違いますよ!?」
ウェイター「またまたぁ、照れちゃって」
神裂「て、照れてなどいません!!」
ウェイター「そうだ先s、彼氏さん」
神裂「無視!?」
上条「いや俺たちはそういうんじゃ……」
ウェイター「今うちの店で期間限定のスペシャルランチ出してるんですよ」
上条「うちの店?」ちらっ
カフェ《COLLET》
上条「お、おぉ……」
上条(いつの間にこんなオシャレな店の前に……全然気が付かなかった)
ウェイター「それでですね、もしお昼がまだでしたら如何かなと思いまして」
上条「そ、そうですね」
上条(どうする……時間はまだ少し余裕があるから、食っていっても大丈夫だろう……)
上条(でもな……神裂は腹が減ってないみたいだし……)
上条(悪いけど断って……)
ウェイター「はい、二名様ご案内~」
上条「まだ返事してねぇけど!?」
ウェイター「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
神裂「か、かのっ!!?////」
ウェイター「ごゆっくりー」
上条「お、おいっ……」
からんからん
ウェイター「…………」
ウェイター「……こちらK、無事二人を店内に誘導しました。どうぞ」
Side:女子寮
こねこねこねこね
アンジェレネ「できました♪」
オルソラ「あら、それは何でございますか?」
アンジェレネ「らいおんです!」
オルソラ「まぁ、お上手でございますね♪」
アニェーゼ「いや、どう見ても新種のクリーチャーなんですが……」
シェリー「あいつらまた勝手に材料を……」
ルチア「そんな事より、早く完成させてください」そわそわ
シェリー「……必死すぎるだろ。そんなにアイツが気になるのかしら?」
ルチア「んなっ!?ちちちちち違います!!」
シェリー「ふーん」にやにやにやにや
アンジェレネ「見て下さいシェリーさん!どうですか?」
シェリー「お前静かにしてろって……何よこれ」
アンジェレネ「らいおんです」
シェリー「……らいおん、か」
アンジェレネ「はい!」
ルチア「これがライオン?……ふふっ」
アンジェレネ「わ、笑わないでくださいよぅ」
ルチア「くふっ……だ、だって全然似てない……シェリー、あなたもそう思」
シェリー「なかなか良いセンスしてるじゃない」
アンジェレネ「わーい!褒められました!」
ルチア「!?」
ルチア「ば、バカな……」
アニェーゼ「芸術家ってのは、紙一重な所がありますから……ほら、ゴーレムはもう完成したんですか?」
シェリー「した。ほれ」ぽいっ
ごろん……
ギョロッ
アニェーゼ「やっぱり気持ち悪いですねこれ。グロいです」
ルチア「もう少し形を……どうにかならなかったのですか?」
シェリー「うるせえな。いいでしょ別に」
アンジェレネ「ねぇねぇ、早く送りましょうよ!」
シェリー「焦るんじゃねえよ。いまやるからちょっと待ってなさい」
オルソラ「ですがシェリーさん。神裂さん達が今どの辺りにいるのか分からないのではございませんか?」
シェリー「大丈夫、この探査術式で探すから。すぐに見つかるでしょ」
アニェーゼ「?その術式……あなたのじゃないですよね?」
シェリー「ちょっと借りたんだよ」
ルチア「借りるって、一体誰から?」
シェリー「赤毛のヤニボーイから」
アニェーゼ「は?」
ステイル「………!」ぞぞっ
ステイル「な、なんだ……?この悪寒は……」
ルチア「ちょっと待ってください。もし場所が分かったとしても、ここからもうかなり離れてしまっていれば操作が難しくなるのでは?」
シェリー「そこも問題なし。既にロンドン市街中心から半径百キロ圏はカバー出来るように、街中に術式仕込んでおいた」
ルチア「い、いつの間に……」
シェリー「あたしに抜かりはねえよ」
アニェーゼ「勝手にんなもの仕込んじゃマズいでしょうに」
シェリー「でもちゃんと許可取ったわよ?」
アニェーゼ「誰に?」
シェリー「ローラに」
――――――――――
シェリー『――って事なんだけど。いい?』
ローラ『それは非常に面白そうでありけるわね!!OKよ!』
シェリー『んじゃ、やってくる』
ローラ『必ず結果を教えたもうてくれる?それはもう詳細に!』
シェリー『分かってる。バッチリ激写してきてやるよ』
ローラ『ふふふ……実に楽しみよ』
――――――――――
アニェーゼ「……本当にあの人は何を考えてんですか」
シェリー「何も考えてないんだろ」
オルソラ「…………」
シェリー「もういいだろ。あたしは準備に取り掛かるから邪魔す」
オルソラ「シェリーさん」
シェリー「んじゃな……今度はあんた?」
オルソラ「その事を伝えに言ったのは、いつのことでございますか?」
シェリー「いつって、昨日だよ」
オルソラ「昨日、でございますか……」
シェリー「何よ。なんか言いたいことでもある?」
オルソラ「いえ。ただ――」
オルソラ「まるで、昨日の内から――今日こうしてお二人の動向を監視する事が決まっていたようだと、少し不思議に思っただけでございます」にっこり
シェリー「!?」ぎくっ
オルソラ「ねぇ?どう思いますか?」
シェリー「い、いやそれは……」
オルソラ「それは?」
シェリー「う………」
オルソラ「そ・れ・は?」
シェリー「……そ、そんな事ある訳ないだろ?ただ、アイツらのことだからまたいつもの様に厄介事に巻き込まれるんじゃねえかと思って念のために……」
シェリー「そう!念のためだよ、念のため!」
オルソラ「……なるほど、そうでございましたか♪ごめんなさい、変なことを聞いてしまいました♪」
シェリー「はは、気にしなくていいわよ」
オルソラ「ふふっ」
シェリー「…………」
シェリー(言えねぇ……)
シェリー(本当は、デートの様子を録画してからかってやろうと思ってたなんて……言えないわ)
アンジェレネ「シェリーさん、まだ動かさないんですか?」
シェリー「え、あぁ、そうね。やるわよ、今すぐに」
アンジェレネ「えへへ、楽しみです」
ギョロッ
アンジェレネ「これもちょっと可愛く見えてきました」さわさわ
ルチア「シ、シスターアンジェレネ!素手で触ってはいけません、呪われますよ!?」
シェリー「呪われねえよ。それに結構イケてると思うんだけど」
アニェーゼ「何度見てもビジュアルが醜すぎる……あなたとアンジェレネのセンスがイカれちまってんです」
シェリー「あーもう、ごちゃごちゃうるさいんだよ。アンジェレネ、そこの荷物どけろ」
アンジェレネ「これですか?」
シェリー「そう。もうすぐここにあいつらの居場所が……お、出た出た」
アニェーゼ「ここは……まだ大通りまで出てない?何ちんたら歩いてんですかね」
オルソラ「それに、空港までの最短ルートから大分外れているようでございますけれど」
アンジェレネ「なんででしょう?どこか寄り道とかしてるのかなぁ……」ぽつり
アニェーゼ「」ぴくっ
オルソラ「」ぴくっ
ルチア「?」
シェリー「……ふっ」
アニェーゼ「寄り道って……まさかあの二人、本当に……」
アンジェレネ「あ、動きが止まったみたいです」
ルチア「どこですか?」
アンジェレネ「これは……ホテル?」
アニェーゼ「んなっ!!?」がたたっ
オルソラ「あらあらあらあら」ごごごごごご
ルチア「ホテル?何故こんな昼間から……」
アンジェレネ「あ、間違えました。ホテルじゃないです」
アニェーゼ「なんて間違いをしやがるんですかぁ!!」がっ
アンジェレネ「わ、わ!?なんでそんなに怒るんですか!?」
オルソラ「もう、いけませんよアンジェレネさん♪」ごごごごごご
アンジェレネ「うわーん!目が怖いぃぃ!!」
ルチア「二人でホテルn……あっ……////」
シェリー「見てて飽きないわね、あんたら」
アンジェレネ「うぅぅ……なんでぇ……」
シェリー「チョコレートあげるから元気出しなさい」ぽいっ
アンジェレネ「わーいチョコレートだ!」
シェリー「扱いやすくて助かるわ」
シェリー「えっと場所は―――コレット?あぁ、カフェか」
シェリー「取り敢えず2体転送して……お、繋がった」
シェリー「おい、映像繋がったぞー」くるっ
アニェーゼ「私が頼んだのは荷物の受け取りであって、デートなんかじゃないのに……パパのバカッ!」ぐすっ
オルソラ「お仕事そっちのけで一体何をなさるおつもりなのでございましょうね?」ごごごごごご
ルチア「寮を管理する立場にありながら、か、姦淫の大罪を犯すなど……あ、ありえにゃい……///」もんもん
シェリー「このメンタルの弱さは問題だよな」
アンジェレネ「ふぇ?めんたる?」
シェリー「何でもない。口の端にチョコ付いてるぞ」
アンジェレネ「わ、もったいないもったいない」いそいそ
シェリー「仕方ないわね。二人で見るか」
アンジェレネ「はい!」ぱらぱら
シェリー「おい、カスを落とすな……どこから持ってきたんだそのウエハースは」
アンジェレネ「これは常備しているんですよ。シェリーさんもどうぞ」
シェリー「……遠慮しておく。ほら、もうすぐ映るぞ」
アンジェレネ「ワクワクしますね!」わくわく
パッ
<「はい、二名様ご案内~」
<「まだ返事してねぇけど!?」
<「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
<「か、かのっ!!?////」
<「ごゆっくりー」
<「お、おいっ……」
シェリー「おっと、これは……」
アンジェレネ「ずるいですよぅ!私もお兄ちゃんとカフェ行きたいです……」
シェリー「こりゃ決定的瞬間を捉えちまったな」
アニェーゼ・オルソラ・ルチア「「「…………」」」じ~~
シェリー「!?」
Side:上条&神裂
ウェイター「注文が出来たら呼んでください。では」
上条「は、はい。どうも……」
神裂「…………////」
上条(落ち着こう。今日もう何回目か分からんけど落ち着こう)
上条(まず今の状況……めちゃくちゃオシャレな雰囲気の喫茶店に、白いワンピースを着た神裂と相席している)
上条(うん、おかしいね!空港に荷物を取りに行くはずだったのにね!)
上条(運命の神様の嫌がらせに違いない……)
神裂「あの、当麻」
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
上条「え?……いや何でもねぇよ!?ただの独り言だ!」
神裂「ま、またですか」
上条「ははは……」
神裂「?」
上条「それより!さっき話しかけてたのは…」
神裂「え、えぇ。早く注文を決めてしまいましょうと」
上条「注文って……え、飯食うの?」
神裂「そのつもりですが?当麻が言い出したんじゃないですか」
上条「それは……いいのか?なんか強引に連れてこられた所だし、他にどこも見てないだろ」
神裂「私は別に構いません。ここはとても雰囲気の良いお店ですし」
上条「確かにすげぇ高級感が出てるけども」
神裂「でしょう?……それとも」
上条「それとも?」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
上条「嫌じゃねぇよ!ただ、こんないかにもお値段高そうな店落ち着かないってだけで……」
神裂「こ、声が大きいですよ!」
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
上条「うっ……///」
神裂「……////」
ウェイター「ちょっと良いすか」
上条・神裂「「っ!!?」」
ウェイター「○繰り合ってるの邪魔しちゃってすいません」
上条「してませんが!?」
ウェイター「先ほど、お伝えするのを忘れていたことが有りまして」
神裂「?」
ウェイター「実は、期間限定である割引キャンペーンをやっているんすよ」
上条「きゃ、キャンペーン?この店でですか?」
ウェイター「はい。一つ条件が有るんすけど、お客様方ならクリアしてるんで大丈夫す」
神裂「条件、ですか。一体どんな?」
ウェイター「簡単すよ」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
上条「ラブ割って……」
ウェイター「Love+割引。つまり、まんま恋人割って事すよ」
上条「へぇ……こういう店でも、そういうのやるもんなんですね」
ウェイター「やるんすよ。どうすか?」
上条「う~ん、それでどの位安くなるんですか?」
ウェイター「最大で、全品無料になりますね」
上条「なるほど、最大で無料に……無料!?え、ただになんの!?」
ウェイター「おまけにデザートが一品付きます」
上条「も、もしかしてそれも……?」
ウェイター「無料っす!!」
上条「すげぇ!!」
神裂「割引きですか」
神裂(でも私達は、そもそも恋人では無いのに……)
上条「なぁ、どうする神裂?」
神裂「どうすると言っても、私達は――」
上条「せっかくだから俺は頼もうと思ってんだけど」きらきらきらきら
神裂「えぇ!?」
神裂(なんでそんな輝いた目をしているんですか!?)
神裂(まさか……当麻はそんなにも私とこ、恋人割を……/////)
上条(まさか無料になるなんてな!上条さん久しぶりにラッキーが降りてきましたよ!!)
神裂「そんなに、頼みたいんですか」
上条「あぁ!!」きらきらきらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」
上条「よっしゃ!」
神裂(こんなに喜ぶなんて……と、当麻/////)
上条(正直、外食は結構痛い出費だと思ってたんだけど、こりゃ助かったぜ!!)
ウェイター「相変わらずすね、大先生」
上条「すんませーん!」
ウェイター「はいはい」
上条「あの、さっきの割引お願いしたいんですけど……」
ウェイター「かしこまりましたー」
上条「で、注文は俺が」
ウェイター「それでは、お二人が恋人であるという証拠を見せてください」
上条「このナポリタ……はい?」
神裂「証拠……?」
ウェイター「はい。恋人同士だとはっきり分かるやつを」
上条「そんなの聞いてないんですが……」
ウェイター「言ってないなかったすけど、当たり前でしょう。自己申告だけでOKとかうちは即刻破産すよ」
神裂「確かにそうですね……」
上条「じゃあ何をすれば良いんですか?」
ウェイター「そうすね。例えば、あそこのお客様の様な感じで」
上条・神裂「「?」」ちらっ
男性客?「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
女性客?「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
男性客?「もう、ハニーってば照れ屋さんなのよな。でも二人の燃え滾るような愛があればモーマンタイなのよ!!!」
女性客?「大有りですよ!!ちょっ、こっちに近づかないで下さい、通報しますよ!!」
男性客?「まったく困ったちゃんなのよな。たかがキスの一回や二回」
女性客?「あ、もしもし警察ですか?なんか変な男の人が……」
男性客?「え、まさかマジで通報しとる!?……おい、ちゃんと役割としてカップルの演技を……」
女性客?「それはそうですけど、キスは絶対に嫌です。意味が分からないです」
男性客?「これが一番手っ取り早いのよ。それ、ぶっちゅ~っと」
女性客?「あ、はい。ここの住所は――」
男性客?「ちょっと待てー!?」
上条「……あんな感じですか」
ウェイター「そうすね」
神裂「ただの痴話喧嘩にしか見えなかったのですが、通報していましたし」
ウェイター「まぁ、男と女にはよくあることすよ」
上条「いや無いだろ……」
ウェイター「って事で、お願いします」
上条「お願いしますって、ケンカでもすればいいんですか」
ウェイター「違うすよ」
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
上条「ウソだろッ!?そこまでするなんて――」
ウェイター「ウェイター、ウソツカナイ。キスヲ、キスヲクダサイ」
上条「急に片言!?さっきまで普通に喋ってただろ!!おい、神裂も何か言っt……」
神裂「と、当麻と口付け……あ、あ//////」ぷしゅ~
上条「神裂さーん!?」
上条(ダメだ、今日の神裂はあてにならねぇ!)
ウェイター「で、どうするんすか。割引を受けたいなら、腹括って下さい」
上条「うっ……や、やっぱりキャンセルで……」
ウェイター「ちなみに、キャンセル料は1000£になりますが」
上条「なんですとっ!!?」がーん
男性客?「おら、男なら覚悟決めるのよ!キース!キース!」
女性客?「ちょっと!騒がないで下さいよ!」
上条(お、おいどうする?まさかこんな条件が有ったとは……)
上条(そうだよな……上条さんにそうそうラッキーな話が転がり込んで来るわけが無かった。はは……)
上条(やめようにも、キャンセル料がな。手持ちじゃ足りない所の話じゃない)
上条(これが払えなければ――)
―――――――――――――
ウェイター『アイツが無銭飲食したんすよ』
警察『なに?逮捕だ!!』
上条『NoooooOOOOO!!』
―――――――――――――
上条(こうなる事は必至ッ……!)
上条(そうなると、取引の時間に間に合わなくなるのはいつものパターン!)
男性客?「なーにウジウジ考えてるのよ、ガッといっちまえばいいのよ!!」
女性客?「いい加減にしろ!!」がすっ
男性客?「うぐはッ!?」
上条(アニェーゼの……ローマ正教から依頼された仕事を、俺のミスで潰すわけにはいかないよな)
上条(ましてや、こんな理由で……)
上条「…………」さっ
ウェイター「…………」こくり
上条(……道は一つ、か)
上条「と、なると……」ちらっ
神裂「こんな皆が見ている前で……でも、当麻がしたいなら……//////」ぽや~ん
上条「…………」ごくり
神裂「ですが、私は仮にも天草式をまとめる身……で、でも当麻が……///」
上条「………神裂」
神裂「ひゃ、ひゃいっ!?」
上条「…………」
神裂「当麻……?」
上条「さっきの話聞いてたら分かると思うけど……さ」
上条「……この状況をどうにかするには、その……神裂と……」
神裂「は、はい……////」どきどき
上条「わりぃ、こんな事になるなんて……」
神裂「いえ、ここで良いと言ったのは私です……」
上条「それでも……こんな所で俺となんて嫌だろうけど、でm」
神裂「嫌じゃありませんよ?」
上条「え?」
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
上条「なっ……」
神裂「他でもない、あなたなら……////」
上条「か、神裂……」
神裂「ですから……」
神裂「当麻のしたいようにして下さい」
上条「したいようにって、良いのかよ!?」
神裂「言ったでしょう。あなたなら構いません……」
上条「でも……」
神裂「…………////」
上条(神裂が静かに目をつぶって……)
上条「…………」
上条(俺も、覚悟を決めよう――)
すっ
Side:天草式
てくてく
対馬「はぁ……バカバカしい。なんで私がこんなこと」
“『愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよな!』”
対馬「っ!」ぶんぶんっ
対馬「彼が何をしようと私には関係ないじゃない」
対馬「…………」
対馬「ま、愚痴言ってもしょうがないわよね。仕事は仕事」
てくてく
対馬「コレット……ここか」
対馬「潜入とか言ってたわよね、取り敢えず裏口から……っと」こそっ
対馬「どのくらい人が入ってるのかしら。あんまり多いとさすがに無理が――」
し~ん
対馬「……誰もいない?うそ、場所間違えたとか――」
??「あれ、対馬?」
対馬「きゃっ!?」
シェフ?「中々来ないから、てっきり断って帰ったのかと思ったよ」
対馬「あの、違うんです!私は別に怪しいものじゃ……は?」
シェフ?「はは、何言ってるんだ対馬」
対馬「……野母崎?」
野母崎「はい。野母崎ですが」
対馬「どうしたのよその格好」
野母崎「どうしたのって、シェフだよシェフ」ばさっ
対馬「そんなの見れば分かる。どうしてその格好をしているのかって聞いてんの」
野母崎「建宮がこれ着て待機してろって言ったから」
対馬「……それで素直にシェフになって待ってたわけ?はぁ…」
野母崎「いやぁ、でも結構カッコいいだろう?この衣装」
対馬「普通」
野母崎「手厳しいな……」
対馬「でもよく出来てるわね、この服。こういうのどっから仕入れてんのかしら」
野母崎「服飾関係の知り合いがいるんだってさ」
対馬「胡散臭いわ……」
野母崎「対馬も貰ってるだろ?着替える服。見せてくれよ」
対馬「え?うぅん……」
野母崎「あれ、貰ってない?」
対馬「……これ」
野母崎「お、これが対馬……の……」
《メイド服》
対馬「いきなりこんなの渡されて、『作戦開始だ、これを着て待機』って。ふざけてるわよね」
対馬「“ファンシーウェイトレス”って、明らかに正規の衣装じゃないでしょ」
野母崎「建宮……」
対馬「やっぱり帰ろうかな」
野母崎「まぁまぁ、俺達は後方支援らしいし……」
対馬「だったら何で着替える必要があるのよ」
野母崎「それは……ほ、ほら!万が一にも二人に姿を見られた時に誤魔化せるじゃないか。シェフとウェイトレスならこの場にいても自然だろ?」
対馬「そういうもんかしら」
野母崎「流石に、ただのおふざけで着せるわけは……」
対馬「…………」
野母崎「……あるかもな」
対馬「帰りたいわ……」
pipipi
『こちらK、こちらK』
野母崎「あ、通信が入った」
対馬「Kって…この声、香焼でしょ」
野母崎「そう。コードネームは頭文字のK」
対馬「コードネーム?」
野母崎「付けた方が雰囲気出て面白いってさ」
対馬「……バカばっかね、ホント」
『今から目標と接触します』
『こちら司令官。了解したのよ』
対馬「この司令官は、アイツ?」
野母崎「そう」
『続いて司令官よりNへ、レストラン内での準備は完了したか』
対馬「…………」
野母崎「そんな目で見ないでくれ……これは建宮が勝手に……」
『おい、聞いてるのか。聞いてるなら応答するのよな』
対馬「準備って何のことよ。野母崎と合流しろとしか言われてないわ」
『そ、その声はH!?』
対馬「勝手なコードネームで呼ぶな!!」
『えー、ノリが悪いのよ』
対馬「ったく……それで何でHなのよ、頭文字とるならTじゃ……」
『そりゃ、ちゃんと「○○」の頭文字からとっt』
対馬「殺す」
『仕方ないのよ、Tでは「建宮(Tatemiya)」と被ってしまうのよな』
対馬「被るって、あんた自分のこと司令官って言ってるじゃない」
『…………』
対馬「どうなのよ」
『では具体的な指示を出す。聞き漏らさぬように』
対馬「おいっ!!」
『先ずはN、いないのか?』
野母崎「あぁ、いるよ。もう随分前に着替え終わって、言われた通り待機中だ」
『よし。それなら今すぐスパゲッティを作る準備をするのよ』
野母崎「分かった。スパゲッ……ちょっと待って」
『ん?』
野母崎「え、俺が作るの?」
『当たり前なのよ。何のためにその格好してると思ってるのよ』
野母崎「いや、でも俺そんなに料理出来ないよ」
『ウソつけ。お前がたまに嫁さんと一緒に料理してるのは既にリサーチ済みなのよ』
野母崎「それは、そうだけどさ……」
『そんでもってH!』
対馬「あんた本当に後で殺すわよ」
『仮にもわたくし教皇代理なのだが……まぁいい。Hの仕事はウェイトレスさんなのよ』
対馬「……どういうこと?」
『え……まさかウェイトレスが分からないのか……?』
対馬「そんな訳無いでしょ!さっきの野母崎と言い、私の仕事と言い、おかしいでしょうが!!」
『どこがおかしいのよ?』
対馬「作戦作戦って、何考えてるのか知らないけど!なんで私達がここで働かせられなきゃいけないのよ」
『そりゃ、今日一日この店を天草式で貸しきったんだから、誰かが店員やらないとまずいのよな』
対馬「は?貸しきった?」
『お陰で今月の予算ちょっと厳しくなっちまったけど、まぁドンマイなのよな』
対馬「ドンマイじゃないでしょ……」
『流石に店員まで雇う余裕は無かったからな、お前さん達にやってもらろう事にしたのよ』
『本当は五和あたりにダイナマイツボディを生かした○○メイドをやらせようと思ったんだが、ただいま使い物にならんからな』
『仕方なく、代役としての出番なのよ。その美脚を生かせるために短めのスカートにしたんだから感謝してほしいのよな』
対馬「…………」
『てな訳で、後は頼んだのよ。ばいちゃ☆』
プツッ
野母崎「言いたい事だけ言って切っちゃったよ」
対馬「……ねぇ、野母崎」
野母崎「なんだい」
対馬「私って、そんなに○○なの?」
野母崎「え…?」
対馬「…………」
野母崎「……の、ノーコメントで」
対馬「ふんっ!!」
野母崎「ぎゅばっ!?」
バタリ
対馬「着替えてくるわ」
野母崎「行って…らっしゃい……」がくっ
――数分後
野母崎「いってて……対馬、まったく手加減せずに蹴ったな……」
野母崎「うちの女子連中はおてんばが過ぎるよ……」
??「悪かったわね、おてんばで」
野母崎「対馬!?いや、今のはほんの言葉のあやで……お?」
ウェイトレス対馬「な、何よ」きゃるん
野母崎「おぉ……これはなかなか」
対馬「思った以上にスカートが短いんだけど……これで接客しろって、ちょっと……」
野母崎「大丈夫だって。デザインも良いし、上条君だって褒めてくれるんじゃないか?」
対馬「そ、そうかしら///……って彼は関係ないわよ!!//」
野母崎「あれ、そのために着たんじゃないの?」
対馬「あんたさっきの通信で何聴いてたの!?」ぐいっ
野母崎「ご、ごめんごめんっ!!謝るから首締めないで!?」
対馬「頼まれたから仕方なく着てるだけで、彼に見てもらおうとかそんな……///」
野母崎「ふぅ……褒めても怒られるのか。もう黙ってよう」
野母崎「…………」
対馬「え、でも待って……この短いスカートで彼の前に出るの!?」きゃるん
対馬「うわ……どうしよう。恥ずかしすぎる……////」きゃるるん
野母崎「…………」
野母崎(家帰ったら、奥さんに着てもらえないか頼んでみよう。うん)ぐっ
からん
<二名様ご案内~
野母崎「お?来たみたいだね」
対馬「もう来たの!?ちょっと早……」
pipipi
『こちら司令官こちら司令官、各員に告ぐ』
野母崎「あ、また建宮からだ」
対馬「何とか裾を引き伸ばして…っ」
『ターゲットが来店した。配置につけ』
野母崎「配置も何も、裏方なんだよなぁ」
対馬「くっ…思ったよりきっちり出来てるわね」
『こちらも定位置についた、窓際の奥から二番目の席なのよ。ほれ、U』
『へ?な、何ですか?』
『この通り、Uも元気なのよ』
『無駄なこと言わないで下さい!!あとその呼び方はなんですか!?』
野母崎「おいおい……もう二人とも店内にいるんだろう。バレるぞ」
対馬「どうすんのよこれ……」
『こちらKこちらK、二人は予定通り中央席に誘導完了』
『うむ、ご苦労。Nの方は異常ないか』
野母崎「無いよ。心配ご無用」
『Tはちゃんと着替え終わったのか』
野母崎「うん、着替え終わっていま指令待ち――」
対馬「いざとなったら、この長い前掛けでどうにか……」ぶつぶつ
野母崎「おっと……」
『どうした?』
野母崎「なんでもないよ。対馬も俺も、準備完了です」
『うむ。ではこれより――』
『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦を開始するのよな!!』
野母崎「了k……え」
対馬「でもこれじゃあ後ろが隠せな……ん?」
『各員、健闘を祈る』ぷつっ
野母崎「えぇぇ?」
対馬「…………」
野母崎「なんてこった、あの時の話は冗談じゃ無かったのか…!」
対馬「……ねぇ、いま建宮が変なこと言ってたわよね。私の聞き間違いかもしれないけど」
野母崎「うぇ!?そ、そうかな!?俺よく聞いてなくt」
対馬「何 て 言 っ て た ?」どんっ
野母崎「はいっ!『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦』を開始する、と言っていました!」
対馬「らぶ?……あんのクワガタヘッド……」ぎりぎりぎりぎり
野母崎「ヤバイよ建宮、こんな計画成功しても失敗しても死」
pipipi
『ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!』
野母崎「ぬがっ!?」
対馬「ふふ……あのバカ、本当に面白いこと考えるわよね」
野母崎「そ、そうでございますね!!」
対馬「でも流石にこんな所でそんな、当麻k……上条当麻と女教皇様なら断るに決まってるわ」
野母崎「対馬様のおっしゃる通り!!」
対馬「確か中央の席にいるのよね。様子は――」
上条「あぁ!!」きらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」もじもじ
対馬「」
対馬「………」ふりっ
野母崎「………」さっ
対馬「嬉しそうね、あの二人」いらいら
野母崎「そ、そうかな?」
建宮「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
浦上「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
対馬「しかも何よあの建宮のふざけた演技は……浦上にまで迷惑かけて……やっぱり今すぐ殺したほうが……」いらいら
野母崎「ま、まぁいつものことだし、大目に見てs」
対馬「あぁ?」
野母崎「なんでもありません」
対馬「なんなのよ……ぶつぶつ……」いらいらいらいら
野母崎(ヤバい、他に注意を向けさせないと本当に建宮殺りかねない……)
野母崎「あ、あー、ほら!ちゃんと二人の様子を観察しましょう!心配でしょう、ね?」
対馬「し、心配なんかこれっぽっちもしてないわよ!当麻君の心配なんてね!!」
野母崎「いや、当麻君って……とにかく!これも仕事ですから!」
対馬「う……そうね。仕事だから仕方ないのよこれは、うん」
野母崎「ほっ。じゃあ、こっちに。この隙間からならよく見えるよ」がさっ
対馬「ここ?」じ~
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
対馬・野母崎「「!!?」」がたっ
対馬「な、ななななな!?」
野母崎「バカな!?上条君ならまだしも女教皇様から!?」
対馬「うわうわうわ」
野母崎「予想以上に女教皇様本気だったのか……」
対馬「そんな……」
野母崎「参ったな、もしかして本当にあの二人――」
対馬「……が……ぶない」
野母崎「へ?」
対馬「当麻君が危ない!!」
野母崎「あ、危ない?」
対馬「このままじゃあ、あのバカ共にそそのかされて当麻君がっ……女教皇様と無理やりキスさせられるわ!!」
対馬「止めなくちゃ……私情ではなく、あくまで五和や他の子のためにも!!」
対馬「そうよ!!わ、私が何としてでも止めないと!!」
野母崎「」
野母崎(上条君、本当に罪作りな男だね君は……)
対馬「あ、当麻君まで目を閉じて……ヤバイわ!時間が!」
野母崎「対馬?」
対馬「なによ!ちょっといまピンチなの黙ってて!」
野母崎「はいっ」
対馬「くっ……こうなったら仕方ないわ。バレても良いから直接!」だっ
野母崎「お、おい待て対馬!」
対馬「うっさいわね!あんたは黙っててって――」
ひゅんっ
対馬「え?」
Side:女子寮
カリカリカリカリ
シェリー「ここをこうして……まだダメか。クソッ!」
シェリー「ふぅ……」
アンジェレネ「どうですか?お店の中映りそうですか?」
シェリー「それがな、どうやらこの店に結界が張られてるみたいなのよ」
アンジェレネ「結界?……そ、それじゃあまさか」
シェリー「すぐ傍、もしくは内部に魔術師がいるな」
アンジェレネ「はっ!もしかして、お兄ちゃんを狙って悪の組織が――」
シェリー「いや、この文様は見覚えがある。天草式ね」
アンジェレネ「はぇ?天草式って、神裂さんの?」
シェリー「そう。どうやら、考えることは皆一緒ってことね」
アンジェレネ「?」
シェリー「向こうは向こうで、この二人を監視してるってことだよ」
アンジェレネ「なるほど~」
シェリー「ともかく、ここの術式を適当に書き変えて……」かりかりかりかり
シェリー「今度こそ、どうよ!」だんっ
ぱっ
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
アンジェレネ「わぁ、映った!」
シェリー「よっしゃ!上手くいったな。これで中の様子も見たい放題だわ」
シェリー「おい、あの三人組は?」
アンジェレネ「あそこにいます」
シェリー「そしたら映像繋がったから、こっちに呼んで――」
アニェーゼ「パパ……うぅぅぅ」
ルチア「しっかりして下さい、シスターアニェーゼ。そんなに強く掴んではぬいぐるみが……」
オルソラ「ふふふふふふ……もう、貴方様は本当に本当に」
ルチア「し、シスターオルソラ!?ティーポットにひびが!?」
シェリー「うん、見せるのはやめとくか」
アンジェレネ「ですね」
シェリー「さっきの店に入ってく映像見てからずっとああなの?」
アンジェレネ「はい。シスターオルソラが怖いです……」
シェリー「シスターが聞いて呆れるわ」
シェリー「あの三人は放っておいて、監視を続けましょう」
アンジェレネ「私も見ますー」
シェリー「どーぞ」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
アンジェレネ「ほぇ~神裂さん可愛いですね」
シェリー「………なぁ、あんたは気にならないの?」
アンジェレネ「なにがですか?」
シェリー「上条当麻と神裂火織がデートしてんの見て」
アンジェレネ「う~ん……気になるって言うか、ずるい!って思います」
シェリー「ふぅん。さっきも言ってたわね、そう思ってる風には見えないけど」
アンジェレネ「そうですかぁ?これでも実はちょっと怒ってたりするんだけどなぁ」
アンジェレネ「本当は、今日遊ぶ約束してたのは私が先だったのに、神裂さんにお兄ちゃん取られちゃいましたから」
アンジェレネ「そのかわり、今度は遊ぶだけじゃなくてもっとすごいことしてもらうんです!」
シェリー「すごいこと……例えば?」
アンジェレネ「え?た、例えば……えぇと……」
シェリー「考えてなかったのかよ」
アンジェレネ「そうだ!一日中お菓子食べ放題にしてもらいます!チョコラータ・コン・パンナも飲み放題です!」
シェリー「そんなんでいいの?」
アンジェレネ「そんなんって、すごくないですか?朝から夜まで甘い物食べ放題ですよ……////」うっとり
シェリー「やろうと思えばいつでも出来るだろそんなの」
アンジェレネ「絶対ムリです!シスタールチアにおしおきされちゃいます」ぶるぶるぶる
シェリー「……つくづく、シスターあるまじきだな。あんた達って」
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
アンジェレネ「シェリーさんは怒ってないんですか?」
シェリー「なんであたしが怒るんだよ」
アンジェレネ「なんで……なんで?」
シェリー「……バカ?」
アンジェレネ「うぅ、バカじゃないです……」
シェリー「はぁ……怒るも何も無いだろ。二人で出掛けた程度で騒ぎ過ぎなのよ」
アンジェレネ「ほぉ、シェリーさん大人ですねぇ」
シェリー「あんたらがガキなんだろうが」
アンジェレネ「わ、私は違いますよぅ!私はみんなよりお姉さんなんですから」
シェリー「面白いジョークだわ」
アンジェレネ「ジョークじゃないです!」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
アンジェレネ「ら、ラブ割って……」
シェリー「あんのバカ野郎……」
アンジェレネ「デザートがタダになるんですね!すごい!!」
シェリー「そこかよ!!」
アンジェレネ「だってこんな高そうなお店のデザートがタダですよ?これはもはや一つの革命と言っても過言ではありません!!」
シェリー「間違いなく過言だわ。よだれ拭け」
アンジェレネ「アップルパイにベイクドチーズケーキ……ほぁぁああああ///」
シェリー「うるせぇな!!」
アンジェレネ「くふふ……じゅるっ」
シェリー「目が据わってるわよ……ったく」
アンジェレネ「良いなぁお兄ちゃんと神裂さん。私も今度連れて行ってもらおうっと」
シェリー「そん時は他のヤツらに見つかんないようにしろよ。厄介だから」
アンジェレネ「大丈夫ですよ、そういうの得意ですから」ふんすっ
シェリー「ふっ」
アンジェレネ「鼻で笑われたー!?」ごーん
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
アンジェレネ「お兄ちゃんと神裂さんがき、キスですかぁ!?」
シェリー「あ、バカッ!?声が大きい――」
アニェーゼ「パp……」ぴくっ
オルソラ「…………」ぴくっ
ルチア「え、キス?え?」
シェリー「うわヤバイ」
アンジェレネ「あわわわわわ……」
アニェーゼ「どういうことです?今聞き捨てならねえこと聞いちまったような気がしたんですが」
オルソラ「私も聞いてしまったのでございますよ」にこにこ
シェリー「……き、気のせいでしょう?何かの聞き間違いよきっと」
ルチア「で、でも今確かにキスって……////」
アンジェレネ「言ってましたよn……あたっ!」
シェリー(余計なこと言うんじゃない!!これ以上刺激させたら大変でしょうが!!)
アンジェレネ(うぅ、ご、ごめんなしゃい……)
シェリー「とにかく!アンタら一回落ち着いて――」
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
アニェーゼ・オルソラ「「」」
ルチア「あ……////」
アンジェレネ「わわわわ……」
シェリー「神は死んだ」
アニェーゼ「やっぱり言ってたじゃねーですか!!パパぁ!!」
オルソラ「まぁ、神裂さんもいけない人ですね。ふふ、ふふふふふ」
ルチア「い、いけません!聖職者であるというのにふしだらな……/////」
シェリー「もう知らねっと」
アンジェレネ「私もあっちでココア飲んできま~す……」
シェリー「逃げるな」むんずっ
アンジェレネ「わぷっ!は、離してください」ばたばた
シェリー「あの三人どうにかしなさいよ」
アンジェレネ「私がですかぁ!?」
シェリー「こうなったのもアンジェレネ、お前が悪い。責任取りな」
アンジェレネ「そんなー!?魔女狩りもびっくりな濡れ衣ですよ!!」
シェリー「大丈夫よ。骨は拾ってやるから」
アンジェレネ「私まだ死にたくありませんよぉぉお!!」
アニェーゼ「アンジェレネ、ちょっとこっちに来て下さい」
アンジェレネ「はひっ!?」
オルソラ「じっくりお話を聞きたいのでございますよ」
アンジェレネ「お話……で、でもっ」
アニェーゼ「良いから、こっちに来いってんですよ」ずいっ
オルソラ「良い子だから、素直にこっちにいらっしゃい」ずいっ
アンジェレネ「うわ~~ん!!」
シェリー「アーメン」
ルチア「か、彼とその…き、キスなんて羨まs……じゃなくて!!/////」
シェリー「…………」
シェリー「……仕方ないわ。今の内に回線切っておくか」ごそごそ
アンジェレネ「いーやーだー!!」だだだだだ
アニェーゼ「待ちなさいシスターアンジェレネ!!」だだだだだ
シェリー「ちょ、危ないわね!!室内で走り回るんじゃな」
アンジェレネ「うわっぷ!!」どてーん
がらがらばたーん
アンジェレネ「いたたたた……」
シェリー「い……ほら、言わんこっちゃない……あ」
アンジェレネ「ふぇ?」
zizizizizi………
シェリー「……テメェが転んだ弾みで術式が微妙に崩れて……」
アンジェレネ「崩れて……?」
シェリー「ゴーレムがコントロールを失った……暴走する」
アンジェレネ「へ!?」
BON!!
シェリー・アンジェレネ「「!!」」
Side:上条&神裂
神裂「………///」
上条「…………」
上条(俺も覚悟を決めよう――)
上条(――割引を断る。やっぱりどう考えてもやりすぎだ)
上条(神裂もこれ以上は限界だろうな。なんか頭から湯気出てるし……)
神裂「//////」ぷしゅ~
上条(な、なんか尋常じゃない量出てるな……)
上条(こりゃ、早く神裂に伝えないと)
上条「…………」がたっ
上条「(神裂、神裂)」ちょんちょん
神裂「っ……はい///」
上条「目、開けていいぞ」
神裂「え///」
上条「だから、目開けていいぞって」
神裂「す、すみません……目を開けてその、す、するのは……とてもじゃありませんが羞恥心に耐えられる自信ががががが///」
上条「いや、そうじゃない!!違うから、とにかく目開けて!」
神裂「違う……?」ぱちり
上条「ふぅ……ちょっと話がある」ぼそぼそ
神裂「話ですか……それは、一体何の…///」
上条「さっきのキスの話、なんだけどさ」
神裂「!ひゃい!///」
上条「乗り気だった俺が言うのもあれだけど……あれ、断ろうぜ」
神裂「そうですね!断りまし………え?」
上条「神裂は良いって言ってくれたけど、さすがにキスまでやるのはその、な。やりすぎだと思うし」
神裂「そ、そうですか……」
上条「そうそう。お前も、俺なんかとするの嫌だろ?」
神裂「はぁ……」
上条「キャンセル料の方は、どうにかするからさ」
神裂「…………」
上条「どうにかするっても今手持ちがそんなに無いからな、金以外の解決方法ってなるとジャパニーズ・ドゲザで頑張る位しか思いつきませんが」
神裂「…………」
神裂(断る……え、何故?)
神裂(私は構わないと、そうちゃんと彼に伝えたはずです。なのに突然断ると……キャンセルのリスクを背負ってまで)
神裂(これはどういう……)
神裂「!!!」
上条「いやでもここイギリスだからな……土下座した所で意味がない気もする」
神裂「当麻は……嫌、なんですね」
上条「最悪、捕まりそうになったら神裂だけでも……ん?」
神裂(そういうこと、ですか……はは、何を浮かれていたのでしょう私は……)
上条「あれ、どうした?なんか顔色が悪k」
神裂「当麻は私とキスをするのが、どうしても嫌なんですね……」ずごーん
上条「ほわっつ!?」
神裂「やはり、さっき言っていた事も嘘だった……私みたいな女とは……」
上条「いや嘘とかじゃなくて……」
神裂「つまりは私みたいな女とは……恋人らしい事など、死んでもやりたくないと……そういうことなのでしょう」ずずーん
上条「そういうことってどういうこと!?んなこと言ってないだろ!」
神裂「言ってなくても分かります。『ケッ、テメーみたいな図体がデカいだけの女とキスなんざ願い下げだ』という心の声が……」
上条「思ってないからー!!完璧にあなたの被害妄想ですことよ!?」
神裂「すいませんでした……ふ、不快な思いを、させてしまって……」ぐすっ
上条「泣っ!?ちょっと急にどうしちゃったの神裂さん!!」
神裂「な、泣いてなどっ!いません!」ずびっ
上条「いやだって音g」
神裂「気のせいです!」ぐすっ
上条「えぇぇ……」
神裂(それにしても、なんて滑稽な……まるでピエロですね私は)
神裂(彼が嫌がっていることにも気が付かずに、あんな露骨に……)
“神裂『口づけを下さい……当麻……///』”(思い出補正)
神裂「っ!!//////」ばっ
上条「うおっ!今度は急にメニューで顔を隠した!?」
神裂「顔を……見られたくないので……ぐすっ」
上条「は、はぁ……ってか泣いてるよなコレ絶対。不幸だ……」
上条(なぜだ……今の説明の中で変なことは一つも言ってな……いよな?)
上条(だぁー!!何が何やらまったく分からん!!)
上条「くそぅ……どうすれば……」
男性客?「おいおいおい、女を泣かす男なんてサイテー!!なのよ」がっ
女性客?「珍しくちょっとだけ同意です。しっかりしてください上条さん!」ばっ
上条「でぇ!?さっきの謎カップル………って何で俺の名前知ってるんですか?」
男性客?「あぁん?今はそんな細かいことより彼女の方が優先じゃないのか?」びしっ
神裂「もういっそ、こんな自分を消して……あぁ、七天七刀で……」ぶつぶつ
女性客?「すごく物騒なこと言い始めてるんですけど……」
男性客?「男として恥ずかしくないのか上条当麻!!」
上条「だから、俺はそういうつもりで言ったんじゃなく!!」
神裂「いえ、もう良いんです。潔くこの刀の錆となって……」チャキッ
上条「待て待て待て待て!!何してんだ危ねぇな!!」がばっ
神裂「止めないで下さい!!」
上条「んなわけにいくか!!とにかく刀しまえよ!!」
神裂「私がどうしようとあなたには関係ないでしょう!」
上条「関係ないとかそういう問題じゃないでしょーが!いいからその手を下ろせ―――!」
BON!!
<「対馬っ!」
ウェイトレス?「え?―――きゃっ!!」どしーん
上条「うわっち!?」
神裂「当麻!」
ウェイトレス?「いたたた……ご、ごめんね当麻君」
上条「い、いえ……え?」
ウェイトレス?「あぁ、どうしよう!怪我とかしてない?」
上条「ただぶつかっただけなんで大丈夫です」
ウェイトレス?「良かったぁ……本当にごめんなさいね?」
上条「は、はい」
上条(店内で連れが暴走していたら、突然綺麗なお姉さ……店員さんが吹っ飛んできた。何を言っているのか以下略)
上条(あれ、でもなんかどっかで見たことある顔だな……誰だっけ?)
神裂「…………」むすっ
上条(……って、問題はそこじゃない)
上条「あの……この店の人、ですよね?」
ウェイトレス?「へ?………あぁ、そうよ!!じゃなくてそうです!!」
上条「俺と会うの初めてですよね」
ウェイトレス?「そ、それは勿論!お客様とは初対面です!」
上条「でも、あなたさっき俺を下の名前で呼んで……」
ウェイトレス?「うぇ!?な、何のことですか?」
上条「だから、さっき俺のこと名前で呼んでませんでした…?」
ウェイトレス?「ぐ……お客様の気のせいですよ!爆発音を聞き間違えたんじゃありませんか?」
上条「そんなん聞き間違えるか!!」
ウェイトレス?「いえ、聞き間違いですきっと!ですよねお連れのお客様――」
神裂「ほぉら、やっぱり当麻は私の様な成りそこないの女より、もっと可愛らしい女性が……」いらいら
ウェイトレス?「あ……」
神裂「私なんて……私なんて……」チャキッ
ウェイトレス?「女教皇……じゃなかったお客様!?」
上条「そうだ、こっちの問題がまだ片付いてなかった!おい落ち着け神裂!!」
神裂「お構いなく、そっちの方と仲良くしていいれば良いじゃないですか。では」すっ
上条「早まるな!?仲良くって、この人ただの店員だぞ!」
神裂「……当麻のことを、名前で呼んでいました」
上条「いや……そこに関しては俺の方がびっくりと言いますか……」
神裂「そして、貴方はそれに対して嬉しそうにニヤついていました」
上条「そ、そんな事ないぞ!?」
神裂「…………」じ~
上条「……あったかも、知れなくもない?」
神裂「失礼します」チャキッ
上条「お願いだから待って!?」ばっ
がやがやがやがや
ウェイトレス?「…………」
女性客?「これじゃあ、ただの痴話喧嘩ですね」
男性客?「まったくなのよ……羨ましいかH?」
ウェイトレス?「……別に羨ましかないわよ。あとその呼び方すんな」
男性客?「おぉ怖い……女の嫉妬は恐ろしいのよな」
ウェイトレス?「おい」
男性客?「くぺっ!?」
女性客?「まぁまぁ、Hさんも落ち着いてください!」
ウェイトレス?「だからその呼び方すな!!」
神裂「さようなら当麻……」
上条「サヨナラじゃなく!頑なに話聞かないなオイ!!」
BON!!
ひゅんっ
上条「へぶっ!?」がつーん
神裂「!?」
ウェイトレス?「と、当麻君!?」
女性客?「また何か飛んできましたよ!!」
男性客?「あのシルエット……どこかで見た気がするのよな」
女性客「と言うより、さっきからちょいちょい変な音したり、何か飛んできたり……」
ウェイトレス?「一体何が起きてるのよ……」
男性客?「……そうか!この術式はアイツの……はっはっは!そうかそうか!」
女性客?「アイツって誰です?」
ウェイトレス?「さぁ?」
男性客?「いや、何でもない。さっきの変な音とかは心配しなくても大丈夫なのよ」
ウェイトレス?「……何を根拠に」
男性客?「ナイショ☆」
ひゅんっ
BOOOOON!!
神裂「爆発!?」
上条「おばしょっ!?」どーん
ウェイトレス?「と、当麻くーん!!」
女性客?「何が『心配しなくて大丈夫』ですか!!最大級の爆発が起きましたが!?」
男性客?「ん?そんなこと言ったかしら?」
女性客?「ちょっ」
上条「いってぇ……なに今の爆発……?」
神裂「と、当麻!大丈夫ですか」ぎゅっ
上条「あぁ、後頭部のダメージ大だけどなんと、か……」
神裂「?どうしたんですか!まさか意識障害が――」
上条「意識は有る!そうじゃなくて……」
上条「顔が近すぎではないでせうか……////」
神裂「顔……?」
神裂「っ///////」ぼんっ
神裂「あ、あ……/////」ぷしゅ~
神裂(心配で思わず近寄ってしまいましたが……これは……/////)
上条「し、心配してくれたんだよな!ホントにもう何ともないから!!安心してくれ!!////」
神裂「はい……////」
神裂(当麻の真っ赤な顔がこんなに近くに……////)
上条「だからもう離れてくれると……ってかそうしないと上条さん別の意味で大変なことに……」
神裂(……金縛りにかかったように体が動かない///)
神裂(彼の体の熱が伝わって来るようで……あ、暑くなってきました///)
上条「……なんで黙ったまま動かないんですか?まさか気絶しちまったとか!?」
神裂(当麻……////)
上条(や、ヤバい……このままだと下条さんがスタンバイ完了してしまう……!)
ウェイトレス?「……真っ赤な顔して抱き合いながら、動かなくなったわ」
男性客?「お、このまま店の中でおっぱじめるつもりなのk」
ウェイトレス?「…………」
男性客?「我らの女教皇様がそんなことをなさる訳がございませんよね。はい、どうもすいませんでした」
女性客?「そ、それにしても……謎の爆発とか、やたら積極的な女教皇様とか……」
男性客?「やっすいB級映画の香りがするのよな」
女性客?「言葉選んでください教皇代理」
男性客?「司令官と呼べェ!!」
ウェイトレス?「そんなことより、この怪現象をどうにかするのが先でしょ」
女性客?「そうですよ。さっき何か分かったみたいなこと言ってましたよね?教えてください!」
男性客?「教えても何も、お前さん達二人とも前に一回見たことがあるのよ」
ウェイトレス?「?今の爆発をってこと?」
男性客?「ブーッ!爆発に絡んでるこの……」がっ
もぞもぞもぞもぞ
ギョロッ
女性客?「きゃっ!なんですかこれ……気持ち悪い」
男性客?「前衛オブジェさんのことだ」
ウェイトレス?「それ……確か、イギリス清教の……」
男性客?「そのとーり。イギリス清教はシェリーのゴーレムたんよ」
ウェイトレス?「でもなんでそれがこの店にあるのよ?」
男性客?「ま、考えることはどいつもこいつも一緒ってことなのよ」
男性客?「特に、あの少年が気になるおなご達にとっては、な」にやり
ウェイトレス?「だから、何度も言うように私はっ!」
男性客?「上条君なんて気になってないんだろ?もう既に耳タコなのよ」
ウェイトレス?「くっ……ムカつく……」
女性客?「あの、この気持ち悪いのがシェリーさんのものだって言うのは分かったんですけど……」
女性客?「それが、この爆発騒ぎとどういう関係が?」
男性客?「細かい事は分からんが……清教の奴らの姿が見えないということは、コイツを何処からか遠隔操作で操っているって事だ」
男性客?「普通に考えれば、あの女子寮なのよ」
男性客?「そこで恐らく、術式が暴走でも起こしたのよ。あの二人のラブシーンに当てられて、今頃大騒ぎになってるだろうからな」
女性客?「な、なるほど……」
ウェイトレス?「ふぅん……これで当麻くんの……」つんつん
ギロッ
zizizizizizizizizi…………
ウェイトレス?「ちょっと……なによこの音」
女性客?「それになんか光り出してませんか……?」
男性客?「……恐らくだが、そいつ爆発するのよ」
ウェイトレス?「え!これが!?」
女性客?「どうして、そんなこと!」
男性客?「いや、だって変な風に膨らんできているのよな」
zizizizizizizizizizizi…………
女性客?「え……ほ、本当だ」
ウェイトレス?「ヤバいんじゃないの、これ……?」
女性客?「どうするんですか!?」
男性客?「うぅむ……」
zizizizizizizizizizizizizizizizi……
ウェイトレス?「考え込んでる暇なんか無いわよ!!」
女性客?「建宮さん!!」
男性客?「っだぁ、うるせぇのよ!!こんなもんはな!!」しゅっ
男性客?「こうしてやるのよーー!!」びゅっ
女性客?「投げたー!?」
ウェイトレス?「そ、そっちには当麻くんが!!」
上条「…………///」
神裂「…………///」
上条(あれから神裂がまったく動かなくなった)
上条(体中押し付けられて、色々当たってるだけでもヤバいってのに……)
神裂「とうま……///」すりすり
上条(何故か俺の首筋に額を擦り付けてる……クソッ!!神は俺を試しているのか!!)
上条(ってか本当にどういうことなの。この人まさか神裂のソックリさん?)
上条(普段と態度が違いすぎる……)
上条(と、とにかくまずは体を離さないと……)ぐいっ
神裂「ぁんっ……//」びくんっ
上条「わ、わりぃ!!」
神裂「い、いえ……少し驚いただけで……///」ぎゅっ
上条「おぅふ」
上条(なんでまた抱きつくんですかァ!?)
上条(むしろさっきより悪化してるじゃねーか!!)
神裂「………///」ぽー
上条「な、なんで抱きついてるんだ神裂」
神裂「…………////」ぽー
上条(例によって例のごとく、神裂に俺の声は届いてない)
上条(よって俺の理性が大ピンチなこの状況は、何も解決していない。むしろ加速してる気がする……)
神裂「んっ……///」ぎゅっ
上条「おぷっ!?」
上条(こ、これが伝説のおっぱ……!?)
上条(……うん。心を整えよう。悪しき煩悩を滅殺しよう)
上条(そうだ!!こういう時は素数を数えるんだって小萌先生が言ってた!!―――よし!!)
上条(………………)
ぽくぽくぽくちーん
上条(……素数のスタートって0だっけ?それとも1……)
上条(上条さんのバカ!!結局いっつもこの問題にぶち当たって数えられてないんだろうが!!)ぎゃーん
上条(はぁ、こっち来てから勉強なんて全然してねえもんなぁ……)
上条(強いて言えば英語?……いや、それ出来ないと生活がアウトだから)
上条(それも寮内だと殆ど皆日本語で話してくれてるし……)
上条(……え、まさか俺イギリスに来てから堕落してる……?)
上条「なんてこった……」ずーん
神裂「?」
神裂(当麻が落ち込んでいる……でも、落ち込んでいる当麻もまた……///)
上条「俺、無事に寮に帰れたら計算ドリル買うんだ……」
ひゅんっ
がっ
上条「九九辺りからやった方がいいkぶべしっ!?」
ぐらっ
神裂「あ、危ない当麻っ」がしっ
上条「……まただよ。何か今日は一段と不幸だわ……いてて」
神裂「だ、大丈夫ですか?い、痛いの痛いの飛んでけ~……」
神裂「……/////」
上条「は、はは……あ、ありがとな」
上条(んなに照れるならやるなよ……////)
ずるっ
上条・神裂「「え?」」
神裂(いけません!不安定な体勢で居たからか、バランスが崩れて……)すっ
上条(このままだと神裂が頭から落ちる……危ねぇ!!)ぎゅっ
ばたんっ!!
神裂(っ…………)
神裂(………あ、あれ?)
上条「うっ、体捻った……」
神裂「当麻……」
上条「おっ、無事そうだな。良かった良かった」
神裂「ありがとうございます……すみません、こんな――」
上条「お互い様だって。これでさっきの『痛いの痛いの飛んでけ~』はチャラな」
神裂「!忘れてください!あれは咄嗟でつい言ってしまっただけです!」ばしばしっ
上条「あでで!分かった、分かったから!照れ隠しが痛い!!」
zizizizizizizizizizi……
上条「ん?」
上条「なんだこの音……」
zizizizizizizizizizi…………
上条(なんだこれ……まさか、さっきから俺にぶつかってきてたのはこの……)
ギョロッ
上条(!これシェリーのゴーレムじゃねーか!!)
上条(なんでこんな所に……)
神裂「当麻が本当に痛そうにしていたから、どうにかしようと焦っただけですから……だから……」ぶつぶつ
かっ
上条(ひ、光り始めた……一体今度は……)
―――――――――――――
ギョロッ
上条『へぇ、こいつに隠密行動させんのか……』
シェリー『そうよ。そのために動きとか遠隔操作性の向上をうんたらかんたら』
上条『なるほど……でも、もし気付かれたらどうするんだよ。近くにいないから、見つかった時点でアウトなんじゃ……』
シェリー『大丈夫よ、その辺はちゃんと考えてあるわ。いざとなったら――』
上条『いざとなったら……?』ごくり
シェリー『自爆する』
―――――――――――――
上条「まさかっ!?」
上条(盛大にバクハーツ!!??)
神裂「別に、一度言ってみたかったとかそんな理由ではなく……///」ぶつぶつ
上条「こりゃヤバス!!」ぎゅっ
神裂「きゃっ、ななな何ですか急に////」
どぉぉぉぉおおおおおおおおおん
ひゅんっ
ぱこーん!
上条「うべっ!?」
神裂「きゃっ!!」
ぶちゅっ♥
ウェイトレス?「ゴホゴホッ……何やってんのよ!!」がすっ
男性客?「(*ゝω・)てへぺろ☆」
女性客?「今までで一番大きい爆発でしたね。女教皇様と上条さん無事かな……」
ウェイトレス?「そうよ!あんな至近距離で爆発なんて、もしかして酷い怪我してるんじゃ……当麻くん!」
女性客?「あの二人に何かあったら、教皇代理として責任とってくださいね!!」
男性客?「んなこと言ったって、こんな事が起きるなんざ想定外なのよ!俺に一切の責任はない!!」
ウェイトレス?「あんたさっきゴーレム投げつけた張本人でしょうが!!」
男性客?「暴力はんたーい!!SOS!SOSなの……よ……」
男性客?「…………」あぜん
女性客?「あれ、急に固まっちゃった。おーい」
男性客?「あ……あれは……」
ウェイトレス?「?あれ?なんのことよ」くるっ
ぶっちゅ~♥
神裂「んっ……/////」
上条「んむっ!!?」
ぶっっちゅ~~♥
神裂「ん……あ//////」
上条「むっ……っはぁ!!」
神裂「…………///////」
上条「あ、あ……い、いいいいいいいままままままま!!!??/////」
神裂「と、当麻……///////」ぽやーん
上条「お、おぉぉぉぉおおおおお!!??////////」
ウェイトレス?(対馬)「…………」
対馬「当麻くん……」
男性客??(建宮)「…………」
女性客??(浦上)「…………」
建宮「……浦上、至急牛深に連絡して五和を安全圏まで隔離するよう指示を出せ」
浦上「わ、分かりました////」
建宮「いま目の前で起きている事態を、絶対に五和……加えてイギリス清教の連中に知らせてはならんのよ」
浦上「ら、ラジャーです!////」
建宮「一歩間違えれば、本当にこの国を揺るがす戦争に発展する恐れがあるのよ……!」
浦上「はい!/////」
建宮「……所で、今のちゃんと撮ってる?」
浦上「あ、そ、そっか……はい!撮れてます!鮮明に!/////」●REC
建宮「グッジョブ!!」
Side:五和
牛深「Zzz………」
五和「はい。それじゃあ、また明日……」
五和「えぇ?お別れのキスですか?////」
五和「も、もう……当麻さんの甘えんぼっ////」
五和「一回だけですからね?」
五和「ん……ちゅっ////」
五和「ふふふふふふふふふふふ//////」でろでろ
五和「ふぅ……」
カチッ
五和「幼馴染モードも素晴らしかった……はぁぁ///」
五和「まさか当麻さんにあんな趣味があったなんて、きゃっ///」
五和「ふふ、次はどのモードにしましょうか♪」
…………
五和「……そう言えば、皆何処に行ったんだろう?」
五和「あの、牛深さん」
牛深「Zzz………」
五和「気持ちよさそうに寝てる……そっとしておいた方が良いかな」
五和「携帯に連絡入れてみよう……対馬さんの番号は」
『おかけになった電話は電波の届かない場所におられるか、電源が入っていないため、かかりません』
五和「……繋がらない。じゃあ今度は浦上ちゃんに……」
『おかけになった電話は(以下略』
五和「あれ、おかしいな。どうして皆繋がらないんだろう……」
牛深「ぐがぁ~……すぴゅぅ~……」
五和「話聞くにも、牛深さんすごい寝入っちゃってるし」
prrrrrrrrrrr!!
五和「わっ!?」
五和「わ、私の携帯?」
しーん
五和「違うみたい……じゃあ何が鳴って……」きょろきょろ
prrrrrrrrr!!
五和「あった!これって……トランシーバー?なんでこんな紛らわしい音なのかな」
ぽちっ
『あ、繋がった!牛深さん!私です浦上です!』
五和「え?」
五和(うそ、あれ?さっき携帯に連絡したときは反応無かったのに……)
『至急お伝えしなければいけないことが有ります!!五和には絶対に聞かれないようにしてください!!』
五和「え、え?」
五和(聞かれないようにって……私もう聞いちゃってる……)
『良いですか、今すぐに五和を連れて天草式の本部に戻って下さい!!表の大通りは使わずに裏通りを使って!!』
五和「な、なんで?」
五和(私と牛深さんだけ本部にって……まさか、皆の身になにかっ――!?)
『訳を詳しく話している時間は無いので、映像データを牛深さんの端末に送ります!絶対に五和に見られないように確認したら、すぐに行動に移って下さい!!』
『以上、教皇代理の代理で浦上からお伝えしました!!では!!』
五和「あ、待って――」
プツッ
五和「切れちゃった……」
五和「……どういうことなんだろう。やっぱり何か起きてるのは間違いないみたい」
五和「しきりに『私に見せないように~』とか強調していたのが気になるけど……」
ぴろりん♪
五和「あ……牛深さんの携帯だ」
五和(さっき言ってた映像データかな)
五和「どうしよう。気になるけど、人の携帯勝手に見るなんて……」
五和(ううん……でも、もしかしたら他の皆が危険な状況にあるかもしれないし、急いで確認した方がいいよね?)
五和「…………」
牛深「ぐごっ……すぅ~……」
五和「ごめんなさい牛深さん!」さっ
パカッ
五和「映像データは……これだ」
五和「…………」ごくり
ぽちっ
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
五和「……え?」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
五和「……は?」
ガシャンッ!
五和「…………」
五和「………………」
五和「へぇ……そう言うこと、か……ふふ」
五和「ふふふふふふふふふふふ…………」ごごごごごごごごごごごごご
side:女子寮
アニェーゼ「ゴーレムが暴走って……大丈夫なんです?」ぎりぎり
アンジェレネ「痛い痛いっ!ギブです!ギブアップです!!」ばたばた
シェリー「偵察用で一番小さいやつだから大丈夫だと思う……たぶん」
ルチア「たぶん……」
シェリー「仕方ないじゃない。向こうの状況がわかんねえんだから、なんとも言いようが無い」
アンジェレネ「なんで降参してるのに止めてくれないんですかぁ!?いたいいたいいたい!!」
オルソラ「新しく術式を組みなおせば大丈夫なのではございませんか?」
シェリー「今やってみてる」かりかりかりかり
ルチア「何かお手伝いできることはありますか」
シェリー「特に無いから、心の準備でもして待ってなさい」
ルチア「心の準備?」
シェリー「そう。もし映像復活したら、当麻と神裂のあっつーいラブシーンが始まってたりするかも知れないぞ?」
ルチア「え……ら、ラブっ!?///」
オルソラ「シェリーさん……?」
シェリー「はい。冗談です、すみませんでした」
アニェーゼ「今回はこんぐらいで勘弁してやりますよ」
アンジェレネ「は、はひぃ………」ぼろっ
シェリー「あーダメだ!一回完璧に通信が切れたから、こっちで組み直しても無理みたい」
オルソラ「そうでございますか……」
アニェーゼ「どうです?上手くいきました?」
シェリー「全然。うんともすんとも反応なし」
アニェーゼ「残念ですね。これからがお楽しみだったってのに」やれやれ
シェリー「あんだけ取り乱してたやつが何言ってんだ」
オルソラ「ふむ………」
ルチア「ら、ラブシーンと言うのはつまり二人が……で……け、汚らわしい!そんなこと……そんなこと////」
アンジェレネ「こひゅー……」
シェリー「あいつらが帰ってくるまでおとなしく待ってましょう」
アニェーゼ「写らないのなら仕方ないですね。ちっ」
シェリー「んじゃあ、解散と言うことで――」
オルソラ「ちょっと待ってくださいまし」
シェリー「あたしちょっと寝てくr……何よ」
オルソラ「私に一つ提案があるのでございますよ」
シェリー「提案?」
オルソラ「動かない機械を直すとっておきの方法を知っているのでございます」
アニェーゼ「へぇ、すごいじゃないですか」
シェリー「……聞かせてくれるかしら」
オルソラ「ななめ45度ちょっぷ、でございます」どどんっ
シェリー「はい却下」
オルソラ「どうしてでございますか?」きょとん
シェリー「あのねぇ、術式が崩れてるのをチョップで直せるわけが無いだろ!!」
オルソラ「ですが、日本ではよくこうすると神裂さんが……」
シェリー「それ家電の話だろうが!!おまけに、つい最近それを実践して大惨事になったのを忘れたの!?」
アニェーゼ「でもあれは、神裂の馬鹿力で起きたミラクルじゃねーですか」
オルソラ「そうでございますよ」
シェリー「うるせぇ!とにかくその方法はダメよ!」
オルソラ「残念です……」しゅん
シェリー「ったく……」
オルソラ「と見せかけて、えいっ」ちょっぷ
シェリー・アニェーゼ「「あ」」
し~~~ん
オルソラ「あらあら?」
シェリー「……だから言っただろ。物理的な作用でどうにか出来るものじゃないのよ」
アニェーゼ「確かに、それで直せたら魔術師はいらねーってんですよ」
ごごごごごごごご……
かっ
シェリー「!?」
オルソラ「まぁ、なにやら魔方陣が光りだしていますね」
アニェーゼ「え、うそでしょう……本当ですね」
オルソラ「どうしたのでございましょう?」
アニェーゼ「いやいや、たった今……若年性アルツハイマーですか」
シェリー「……解せぬ」
ぱっ
オルソラ「あ、映りました」
アニェーゼ「すげぇ、完璧に直ってんじゃないですか」
オルソラ「どんなもんだーい、でございます」えっへん
アニェーゼ「またイギリス清教で新たな奇跡が起きましたね」
シェリー「…………」
オルソラ「シェリーさん?調整をお願いしても宜しいですか?」
シェリー「そ、そうね………あんたの右手はどうなってんのよ一体」かりかりかり
オルソラ「その不具合をぶち壊す!のでございます」
シェリー「やかましいわ」
アニェーゼ「おーい、そこのおバカさん二人。映るみたいですよ」
アンジェレネ「」ぴくっ
ルチア「いけません!///私は正教徒私は正教徒私は正………え?」
アニェーゼ「だから、また映るみたいですよ」
アンジェレネ「え!本当ですか!」しゅたっ
アンジェレネ「見に行きましょう!シスタールチア!」ばっ
ルチア「え、え、何を?」
アニェーゼ「ふーん……随分と元気そうじゃないですか、え?シスターアンジェレネ?」
アンジェレネ「!!」
アニェーゼ「あの位じゃ全然効かないって事ですかね……」ゆらっ
アンジェレネ「誤解です!本当はメチャクチャ痛くて立っているのもやっとなんですから!」
アニェーゼ「ほぅ?」
アンジェレネ「両足の骨折れちゃってるんですから!バラバラですから!」
アニェーゼ「んなわけないでしょう。どんだけ嘘下手くそなんですか」
アンジェレネ「う、嘘じゃないもん!」だっ
アニェーゼ「あ、待て……って思いっきり走ってんじゃねぇですか!!骨折どこ行った!!」
シェリー「ん、もうちょっと右か……こうかしら」かりかり
オルソラ「木棚が邪魔でよく見えないのでございますよ」
シェリー「高さが足りないのか……なら、これでどうよ!」だん
ぱっ
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
シェリー「なっ!?」
オルソラ「あら……」ぴしっ
アンジェレネ「私にも見せてください!どーん!!」ばふっ
アンジェレネ「どうですか?お兄ちゃん映ってますか?」いそいそ
シェリー「うっわ、マジでやりやがった……いや、確かにこうなる事も考えてはいたけど……」
オルソラ「本当に……これはお灸を据えないといけないのでございますよ、ふふふ……」
シェリー「お灸って……あんた何するつもりよ」
オルソラ「聞きたいのでございますか?」にこっ
シェリー「やっぱりいいわ、止めとく。あんた目が笑ってねえよ」
アンジェレネ「うぅ、無視しないで私にも見せてくださいってば!!」
アニェーゼ「ハァハァ、やっと追いついた……チッ、逃げ足だけは無駄に速いんですからもう」
ルチア「シスターアンジェレネ!あれだけ寮内で走り回ってはいけないと!」
アンジェレネ「うげっ!」
アニェーゼ「少しは反省しろってんですよ」がみがみ
ルチア「本当に貴方ときたら……」がみがみ
アンジェレネ「ご、ごめんなさい……」しゅん
ルチア「まったく、一体何度同じことで叱れば……おや?シスターオルソラの様子が」
アンジェレネ「ゴーレムさんの映像が戻ったのを見てからずっとあんなかんじですよ」
アニェーゼ「背中からドス黒いなにかが立ち上ってるんですが……どんな映像が映ってんですかね」
アンジェレネ「私も早く見たいのに、無視して見せてくれないんですよぅ!」
ルチア「あの、その映像見せてもらっても……?」
シェリー「これは正直予想以上だった……絶対に外部に漏れないようにしないと……」こそこそ
オルソラ「えぇ、そうでございますね」ひそひそ
ルチア「……あの!聞こえませんでしたか?その映像を見せてもらえませんかと」ぐいっ
シェリー「あ、バカあんた勝手に――」
神裂『ん…ちゅ……』
上条『んむ……』
ルチア「言って……」
ルチア「…………」
シェリー「あっちゃー……」
ルチア「……ええぇっ!?そ、そそそそそそんな!!?」
アンジェレネ「なんですかなんですか!!なにが写ってるんですか?隠さないで見せてくださ……」
アニェーゼ「そうですよ。彼に仕事を頼んだのは私なんですから、その経過を確認する義務が……」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
アンジェレネ・アニェーゼ「「ふぇ?」」
アンジェレネ・アニェーゼ「「えぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?!?!?」」ぴしゃーん
ルチア「ぁ……」ふらり
シェリー「おっと……マズったわ、見ちまいやがった」
オルソラ「そうでございますね」にっこり
シェリー「…………」
Side:神裂&上条
神裂「当麻……///」ぎゅっ
上条(え、嘘だろッ!?)
上条(俺はいま本当に……神裂と、き、ききききき)
上条「うわぁぁぁあああああ!!」
神裂「どうしたんですか?慌てて……そんな当麻も可愛らしい……///」
上条「逆にどうして神裂はそんなに落ち着いてるんだよ!?」
神裂「……落ち着いてなどいません。ほら、こんな風に――」
むにっ
上条「!!!???」
上条(か、神裂が俺の手を掴んで自分の破壊的なお、おぱ―――!?)
神裂「あんっ……///」
上条「お、おいこくぁwせdrftgyふじこlp!!?」
神裂「ほら、分かりますか当麻」
神裂「心臓の鼓動がこんなにも早く……あなたのせいですよ、んっ……////」
上条「」ぷつーん
上条(―――もうダメだ。良いよね?俺行っちゃっても良いよね?)
上条(ここまで必至こいてジェントル上条さんを保ってきたけど、限界だ!!)
上条(大体、自分からあんなけしからん体擦り付けて来ておいて、挙句に真っ赤な顔であんなこと言われたら……)
上条(男として黙ってられないだろ!!下条さん発動しても仕方ないだろ!!ぶっちゃけ神裂さんドストライクですし!!)
上条(上条当麻……いきます!!!)
神裂「んっ」ぎゅっ
上条「ぐもっ!?」
神裂「あなたのせいですから……せ、責任を取ってください!ちゅっ……」
上条「んむっ!?」
上条(はい負けましたー。ってか神裂に対して腕力で勝てるわけが無かったー!!)
神裂「ん、ちゅっ……とうま////」とろん
上条「う……////」
上条(……あぁもう、どうにでもな~れ)
こそこそ
浦上「うわうわうわうわ……////」
対馬「と、当麻君が……」
建宮「遂に覚醒したのよ……女教皇様と上条当麻、共にな!!」きりっ
浦上「す、すごい……あっ、またキスした/////」
対馬「つまりは、私も強気で攻めれば当麻くんとあんな風に……/////」
建宮「聞いてないのね」
建宮「まったく、女ってのは逞しい生き物なのよな」
建宮「そいじゃ、牛深に連絡して五和の様子を確認するとしますか……」
「どうして私の様子を確認するんですか?」
建宮「あん?どうしてってそりゃ……」
建宮「…………」サー……
五和「ねぇ、どうしてですか?」にっこり
建宮「あ、あ………」
五和「どうしたんですか?建宮さん、顔が真っ青ですよ」
建宮「いや、あの……」
五和「あ、そういえば牛深さんに連絡するって言ってましたよね」
ドサッ
牛深「」死ーん
五和「どうぞ。さっきから何回起こしても反応が無いので、話せないと思いますけど」
建宮「ち、ちがっ……」
五和「違う?何が違うんですか?」にこにこ
建宮「落ち着け!と、とにかく話をさせてほしいのよ!」
五和「……話、ですか」
建宮「そ、そう!ほらあの昔のどっかのお偉いさんが『話せば分かる』って―――!」
五和「……ふふっ」
<ぎゃぁぁぁあああああああああああ
上条「ん?いま誰かの悲鳴が聞こえたような……」
神裂「そうですか?私には当麻の声しか聞こえません///」ぎゅっ
上条「おぷっ!!」
上条(うっ、そろそろ締め付けられすぎて呼吸が……)
上条(タップ!このままだと○○○○で溺死といううらやま……恐ろしい事態になる!!)ぱしぱし
神裂「あぁ、そんな激しく……な、なるほどこれが『えすえむ』と言うモノですね……///」
上条(違えぇぇ!!なに言い出してんだこの人!!SMなめんな!!)
上条(……いかん、酸素が足りなくなって思考回路が……)
上条(頼むから気付けって!!)ばしばしっ
神裂「ぁんっ……んっ……////」ぴくん
上条(あ、これダメだわ)
上条(……グッバイマイソウル……)
神裂「あ……」
すっ
上条「おっ?」
上条(神裂の締め付けが緩んで、急に呼吸が楽に……)どさっ
上条「すぅぅぅぅ~……はぁぁぁぁぁぁ~……た、助かった。マジでリアル昇天するところだった……」
神裂「あなたは………」
上条「生きているって素晴らしい……」
神裂「…………」
上条「神裂?」
??「随分と楽しそうですね、女教皇様」
神裂「い、いえ。これは……」
上条「?あれ、この声――」くるっ
五和「こんにちは当麻さん」にっこり
上条「五和!なんでここに……」
五和「すいません、当麻さん。詳しいことはまた後で……今は先ず女教皇様とお話が」
神裂「…………」ぐっ
上条「え、あ、はい」
上条(……話をするんだよな?)
五和「…………」カチャリ
神裂「…………」チャキッ
上条(なのに何で無言で武器を構えてるんでせう……?)
??「(か、上条さん!こちらへ!)」
上条「え?」
浦上「お、お久しぶりです!上条さん」
対馬「ひ、久しぶりね。当麻君」
上条「浦上に、対馬さん!?」
上条「え……ここ天草式の拠点だったりする?どうしてこんなに集まってんだ?」
浦上「そ、それはですね。なんというか深い訳がありまして……その」ごにょごにょ
対馬「当麻くんが女教皇様とデートに行くって言うから、心配になって付いて来たのよ!」ばーん
浦上「ちょっと対馬さん!?」
上条「は?デート……いやいやいや!!これはデートじゃないですから!」
対馬「誤魔化しても無駄よ、建宮から全て聞いてるわ」
上条「全て聞いてるならデートじゃないって分かるで……あれ?そう言えば建宮とか男連中はいないのか」
浦上「あぁ、建宮さんと牛深さんならそこに……」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」
上条「どうしたんだコレ!?」
対馬「五和にやられたのよ」
上条「ま、マジか……」
上条「建宮の奴、また何かやらかしたのか……」
浦上「いえ、今回は建宮さんよりも……」じ~
上条「……え、俺!?」
浦上「はい」
上条「うそん!?」
上条「バカな……俺なんもしてないぞ」
対馬「何言ってんの。女教皇様とあんな風にき、キスしておいて……////」
浦上「////」
上条「あれはっ!いわゆる不可抗力ってヤツで――」
対馬「じゃあ、その後もずっと女教皇様と抱き合ったままで――おまけにむ、胸まで触ったのも不可抗力ってこと?////」
浦上「うぅ…////」
上条「それは神裂が勝手に……」
対馬「仕事に行くなんて結局嘘だったんじゃない……///」
上条「待った!仕事って言うのは嘘じゃねぇよ、本当だって。1時20分までに空港に行って取引を……」ちらっ
時計<12時50分>
上条「なッ!!?」
上条「もうこんな時間!?余裕持って出てきたはずが!!」
浦上「空港って何処に行くんですか?」
上条「ヒースローだけど……」
対馬「ここから30分でヒースロー空港か……ギリギリね。正直間に合うか……」
上条「こうしちゃいられない、神裂!!」
神裂「五和……」ぐっ
五和「羨ましいです、当麻さんとあんな……あんな……」ぎりっ
ごごごごごごごごごごごごごごごご
上条「…………」
上条「え、あの二人急にどうしてしまったんですか?なんで一触即発な空気になってるんですか!?」おろおろ
対馬「……自覚ないって、ある意味罪よね」
浦上「と、取り敢えず、上条さんは気づかれないようにこの場を立ち去ってください。五和と女教皇様の方は私達でなんとかしますから」
上条「でも、神裂は取引の護衛に……」
対馬「取引に間に合わなかったら守るも何もないわよ!事が片付いたら追いかけて護衛でも何でもしてあげるから!」とん
上条「そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!」きりっ
対馬「あ、うん。ま、任せて……///」
浦上「頑張ってくださいね上条さん!」
上条「あぁ、サンキュな」にっこり
浦上「ぁう……////」
上条「じゃっ。二人とも本当にありがとう!この埋め合わせは必ず!」たったった
対馬「いってらっしゃい……当麻君////」
浦上「かっこよかったですね、上条さん……///」
五和「今日こそ、白黒はっきりつけましょう……女教皇様」
神裂「……分かりました。受けて立ちましょう」
ごごごごごごごごごごごごごごごご
対馬「……さぁ。あんな風に言っちゃった手前。私達も頑張りましょうか」
浦上「はい!」
対馬「取り敢えず、もう一回この辺りに人払いの術式を……」
浦上「…………」
浦上(あれ?誰かのこと忘れているような……気のせいかな?)
たったった
上条「やっべぇ……かなり急がねぇと間に合わない」
上条(クソッ、何やってんだ俺は!アニェーゼに頼まれた大事な仕事だってのに……!)
“アニェーゼ『パパ、お願い!』”
上条(それが間に合いませんでした、じゃダメだろ!人として!)
どんっ
上条「あ、すいませ……そ、そーりー」
上条「昼過ぎて、道に人が増えてきたな……雨も止まねぇし」
上条(この中を走ってくのは無理か……)
上条「どうやって空港まで行く……?」
上条(タクシーに乗るか……いやダメだ、ここからだとかなり料金がかかる。今の手持ちだと間違いなく足りない)
上条(バスは……これもダメだな。俺の英語力じゃ空港行きのバスを探し出すのでタイムアウトだ……)
上条(そうだ!地下鉄……は今ストライキ中だったよな確か。くっそ何てタイミングだよ不幸だー!!!)がしがし
上条「やっぱ無理矢理でも走っていくしか……」
??「はぁ~い、坊や。そんな所で何慌ててるのかしら?」
上条「いや、ちょっと今急いでて……ってお前は!!?」
Side:女子寮
アニェーゼ「ふぇぇん……ぱぱのばかぁ……」めそめそ
アンジェレネ「な、泣かないでくださいシスター・アニェーゼ!よ~しよ~し」なでなで
シェリー「やっぱガキには刺激が強すぎたか……マセてるくせに妙な所で初心なのよね」
オルソラ「あら、可愛らしいではございませんか」
シェリー「可愛らしい、ねぇ……」
ルチア「うぅ……////」
シェリー「キスシーン見て倒れるのは果たして可愛いのかしら」
オルソラ「そ、そうでございますね……」
シェリー「そういや、あんたはもう気持ち整理ついたワケ?さっきまで随分と荒んでたけど」
オルソラ「はい、もうすっかり気分爽快でございますよ♪」
シェリー「そう、なら良かったわ」
オルソラ「お仕事の途中で、あんなことをしてしまったお仕置きはちゃんと致しますけれど……」
シェリー「すんのかい」
オルソラ「そこまで目くじらを立てなくとも、帰ってきたら私にも口付けしてもらえば良いだけの話でございます」
シェリー「……は?」
オルソラ「いわゆる『おかえりなさいのちゅー』でございますよ」
シェリー「…………」
シェリー(なるほど、そういう考えに辿り着いたか)
シェリー(こりゃ、仕事が終わっても大変そうね……あたしの知ったこっちゃ無いけど)
シェリー「……まぁ、良いんじゃねーの?他の奴らにバレないようにすれば」
オルソラ「?何故でございましょう?」きょとん
シェリー「当たり前でしょうが。またこの騒ぎが繰り返されるのが目に見えてるでしょう?」
オルソラ「あぁ、なるほど……」
シェリー「またあいつらの暴走止めろだなんて冗談じゃないわ」
オルソラ「そろそろお夕飯の食材を買いに行かないと」
シェリー「話聞いてた!?」
アニェーゼ「すんっ……」しくしく
アンジェレネ「ど、どうしよう」おたおた
アンジェレネ「……あぁ、主よ。どうかシスター・アニェーゼを泣き止ませてください……」
アニェーゼ「うぅぅ」めそめそ
アニェーゼ「…………」
アニェーゼ「…………」すくっ
アンジェレネ「アーメン………あれ、泣き止んだ?」
アニェーゼ「……そうだ、私がパパを迎えに……」ぼそぼそ
アンジェレネ「やった、お祈りが通じた…」
アニェーゼ「パパ!!」だっ
アンジェレネ「え?パパ?――ちょっと何処行くんですかー!?」
オルソラ「献立は何がよろしいですか?それによってお買い物の内容が変わってくるのでございます」
シェリー「……なんでもいいわよ。任せる」
オルソラ「それでは旬のお野菜を沢山入れたパスタを……」
アニェーゼ「待っててくださいパパ!いま行きますから!!」だだだだだ
アンジェレネ「ぜぇ…ぜぇ……うわーん!お祈り効きすぎましたぁぁ!」だだだ
どんっ
オルソラ「きゃぁっ」
シェリー「おい危ないだろ!走るな!」
アンジェレネ「す、すいませぇん、でもシスター・アニェーゼが……うわっち!」
どてんっ
ルチア「うぐっ」べちっ
ルチア「う……」
シェリー「ほら見ろ。本当に反省しないなテメェは……」がしっ
アンジェレネ「だってだって!シスター・アニェーゼが全然泣き止まないから神様にお願いしたら急に元気いっぱいになってだーって、うわぁーってぶぶだびで!」
シェリー「後半何言ってんのか分からん!!」
オルソラ「大丈夫でございますか?」
ルチア「は、はい。なんとか……」
オルソラ「安心したのでございます……ところで、お夕飯はパスタでよろしいでしょうか?」
ルチア「夕飯ですか?……はい、構いませんが……」
オルソラ「では決定なのでございます!」
ルチア「?」
シェリー「さっき走ってたのは許してやるから、言葉整理してもう一回説明して」
アンジェレネ「さっきのお兄ちゃんの映像見てからずっと泣いてるから、神様に『シスター・アニェーゼが泣き止みますように』ってお祈りしたんです」
アンジェレネ「そしたら泣き止んだのは良いんですけど、急に『パパー!』って言いながら走り出して……」
アンジェレネ「も、もしかして変なことお願いしたから神様が怒って……」ぶるぶる
シェリー「パパ?……おいおい、まさか」
オルソラ「なので、出来れば一緒にお買い物に来て欲しいのでございますよ」
ルチア「私で良ければもちろん………それで、あの。一つ聞きたいことが」
オルソラ「?」
ルチア「どうして私はこんな所で寝ていたのでしょう?」
オルソラ「覚えてらっしゃらないのでございますか?」
ルチア「はい、どうにも記憶が……何かとんでもない物を見たような気がしなくもない様な……」
オルソラ「!!」
オルソラ「気のせいでございましょう。アンジェレネさん達の相手をして少し疲れたから横になるっと言っていたのでございますよ」
ルチア「そうだったんですか……すみません、変なことを聞いてしまって」
オルソラ「いいえ♪」
シェリー(あいつが『パパ』っつったんだから当麻のことだよな……)
シェリー(それを呼びながら走っていった……つまり当麻に会いに行ったってことか)
シェリー「……これはアニェーゼを追った方が良さそうだな。アンジェレネ!」
アンジェレネ「あぁぁ、どうしようどうしよう……ごめんなさい神様ごめんなさいk」
シェリー「しっかりしろ!」ずびしっ
アンジェレネ「あうっ!」
シェリー「アニェーゼを追うわよ」
アンジェレネ「うぅ……い、いえっさー!」
シェリー「オルソラ!」
オルソラ「それではルチアさんには調味料や香草を……」
ルチア「シスター・オルソラ。シェリーさんが呼んでいます」
オルソラ「?『だるまさんが転んだ』でございますか?」
ルチア「違います。『シェリーさんが呼んでいます』と言ったんです」
シェリー「ルチア起きてたのね、どうよ気分は」
ルチア「はい、仮眠を取らせていただいたお陰で大分いいです」
シェリー「仮眠?」
ルチア「シスター・アンジェレネ達の相手で疲れてしまって……少しの間ですが」
シェリー「は?いや、だってあんた……」
ぐいっ
オルソラ「…………」
シェリー「ちょっ、何だよ」
オルソラ「…………(ふるふる)」
シェリー「…………」
シェリー「そ、そう。たまには良いわよね、シエスタみたいで」
ルチア「ありがとうございます」
シェリー「(……自分がショックで気絶してたこと忘れてんの?)」ひそひそ
オルソラ「(そのようでございます。下手に刺激しない方がよいと思ったので……)」ひそひそ
シェリー「(その判断は正しいわね)」
シェリー「さて、オルソラとついでにルチア」
シェリー「急で悪いけど、あたしとアンジェレネでアニェーゼを追うから。ちょっと出てくるわ」
ルチア「シスター・アニェーゼを……?」
シェリー「そう。詳しく話してる時間は無いから、訳は後で」
オルソラ「そうでございますか」
オルソラ「では私達も行きましょう、ルチアさん」
ルチア「はい……って私もですか?」
シェリー「いやオルソラ、別にあんた達まで来なくても……」
オルソラ「丁度、食材の買い物に行こうと話していた所でございますよ」
オルソラ「どうせ外に出るのですから、ご一緒してもよろしいでしょう?」
シェリー「そりゃそうだけど……」
オルソラ「では決まりでございます。さぁ、急いで支度いたしましょう」
ルチア「あ、私買い物袋用意します」
シェリー「…………」
シェリー(わざわざ自分から虎の穴に……)
シェリー「……別に良いか。さぁ、アンジェレネも早く支度して」
アンジェレネ「待ってください!」
アンジェレネ「確かこういう時に言うセリフをお兄ちゃんに教えてもらったんです……!」
シェリー「あん?セリフ?」
アンジェレネ「えーっと、えと…………あ、思い出した!」
アンジェレネ「こほんっ」
アンジェレネ「40分で支度しな!!」ででーん
シェリー「…………」
アンジェレネ「……あれ?」
シェリー「……馬鹿なこと言ってないで、さっさと支度して来い。置いてくわよ」
アンジェレネ「は、はぁい……あれぇ、おっかしいなぁ……?」
シェリー「おかしいのはテメェの頭だ」いらっ
Side:上条
上条「お、オリアナ!?」
オリアナ「あら、名前覚えててくれたんだ?お姉さん嬉しい♥」だきっ
むにんっ
上条「おい!抱きつくなって!///」ぐいっ
もみっ
オリアナ「あんっ」
上条「あ、すまんっ」
オリアナ「いま会ったばっかりなのにこんな激しく……嬉しい、やっと坊やもその気に――」ぷちぷち
上条「ちちち違うからな!?ボタン外さないで!?」
オリアナ「え~?何が違うの?」ぎゅっ
上条「今のはその、けっしてわざとやったんではなくてですね……!」
オリアナ「うんうん」ずいっ
上条「だから勿論その気になったとかならないとかそういう話では無く……って顔近すぎませんか?///」
オリアナ「良いじゃない、このくらい♪」
上条「良くありません!!ほら、離れろっ」
オリアナ「あ、ちょっと!」
上条(ったく、一体どうなってんだよ。神裂といい、オリアナとい……)
上条(……いや、コイツはいつも通りか)
上条「…………」
上条(……神裂……)
“神裂『当麻……////』”
上条「っ!!」
上条(う……やばい、どさくさに紛れて頭から飛んでたあの時の感触が)
上条(俺、神裂としちまったんだよな……キス)
上条(何考えてんだ!!今はそれどころじゃないだろ!!)どきどき
オリアナ「なによ、久しぶりに会ったっていうのにつれないわね」
オリアナ「最近忙しくて全然会えなかったから、お姉さんすご~く寂しかったのよ?」ぎゅっ
上条「だから抱きつくなってばッ」
オリアナ「あ……こら、痛いじゃない」
上条「ご、ごめん……」
オリアナ「確かにお姉さん、若さに任せた激しいのも嫌いじゃないわ」
オリアナ「でもね、女の子に激しくするのと乱暴にするのは似ている様で大きな違いなの?分かってる?」
上条「はい、すいません今度から気をつ………何の話してんの!?」
オリアナ「何の話って、ナニをする時の――」
上条「分かった!それ以上言うな!」
オリアナ「もうっ、言えって言ったり言うなって言ったり……坊やはとんだ困ったちゃんね」
上条「そのセリフ、そっくりそのまま返します……」
オリアナ「あら、お姉さんのどこが困ったちゃんなのよ?」しゅるっ
上条「だからそういう所がだよ!!お願いだからそれ以上肌を露出させないでくださいませんか!?」
オリアナ「ごめんなさい。お姉さんね、一定面積以上肌を露出させないと死んじゃう病気なの」
上条「ウソつけっ!あぁもう不幸だーーーーー!?」
オリアナ「私は、また君にこうして会えて幸せだけどな~……?」じ~
ぎゅむっ
オリアナ「君は私と会うのが、そんなに嫌だったのかしら」うるっ
上条「どえ!?い、いやそんなことはっ」
オリアナ「本当に……?」うるうる
上条「ほ、本当でs」
オリアナ「良かった!じゃあ問題ないわね♪」
上条(あれ、何か前もこんな事があったような気が……)
ぎゅむ~っ
ぷるんっ
上条「!?」
オリアナ「あ、ちょっと服ずれちゃった」
上条「おい!!////」
オリアナ「ふふっ、嬉しい?お姉さんの当たってて」ぎゅっ
上条「ふ、ふぁい……」
上条(む、胸が……ただでさえ抱きついてきてて体が密着してる上に、さっき上着のボタン外してたりで服がずれて……)
ばい~ん
上条(なんかもう色々大ピンチ!!)
上条(ってか今日こんなんばっかだな俺!!厄日?)
オリアナ(照れてる照れてる♥)
オリアナ「ねぇ、せっかくだからどこかでお茶でもしていかない?」くいっ
上条「お茶ですか……?」
オリアナ「そう。お姉さんのおごりで、どう?」
上条「いや、俺ついさっきまでそこの店で……」
アニェーゼ『1時20分』
上条「はっ!!!!!」
上条「オリアナ!いま何時だ!?」
オリアナ「時間……そろそろ1時丁度ね。あれ、用事あったりした?」
上条「い、1時……?」
オリアナ「ええ」
上条「…………」
オリアナ「坊や?」
上条「NoooooooooooooOOOOOOOOO!!!!」
オリアナ「っ!?」びくっ
上条「1時だと!?もう20分しかないじゃん!?」
上条(そうだよ!俺にはこんな所で立ち話してる時間なんか無かったのに!!)がしがし
上条(1時丁度ってことは、ここから空港まで20分……)ちくたくちくたく
上条(……無理だ……30分だって無理げだったのに……)ぼーん
上条「終わった……」
オリアナ「坊やどうしたの急に……?」
上条「はは、何でもねぇよ……ただ……」
オリアナ「?」
上条「……ただ、上条さんがどうしようもないマダオだっただけの事さ……ははは……」ぼーん
オリアナ「本当にどうしちゃったの?」
かくかくしかじか
オリアナ「それで1時20分までに空港へ行かなきゃならないってことね」
上条「そうです……でも、もう無理だ。完璧に詰んだ……」
オリアナ「ふぅん……」
上条「ごめんな、アニェーゼ、神裂、浦上、対馬さん……ふがいない俺ですみませんでした……」
オリアナ「…………」
オリアナ(確かに、20分ちょっとで到底着ける距離じゃないわ)
オリアナ(でも私なら……)
上条「そうだRED BULL買おう。それ飲んで空飛んで空港に行こう」ぶつぶつ
オリアナ(待って。と言うことは、これはもしかして……チャンス?)
上条「どうせならそのまま滑走路から」
オリアナ「坊や!」
上条「……なんですかー?」
オリアナ「お姉さんが助けてあげよっか」
上条「……へ?」
オリアナ「だから、お姉さんが何とかしてあげるって言ってるの」
上条「オリアナが……?」
オリアナ「そう。坊やは取引の時間に間に合うように空港に行きたい、けどもうどう頑張っても無理そう」
オリアナ「走っていこうとしてたみたいだけど、ここからの距離を考えたら無謀だわ」
オリアナ「お姉さん、そういう熱血な所も素敵だとは思うけどね」
上条「う……」
オリアナ「だから、お姉さんが間に合うように力を貸してあげる、どう?」
上条「どうって、そりゃありがたい話だけど……どうするんだよ」
オリアナ「ふっふ~ん、忘れちゃったの?お姉さんのし・ご・と♪」
上条「え?……あ」
オリアナ「そう、私は《運び屋》。契約すれば、例えどんな所であろうと目的の物を運んでみせる」
オリアナ「もちろん、時間も正確よ」
上条「な、なるほど」
オリアナ「ね、良い話でしょ?君は時間通りに目的地に着ける」
オリアナ「お姉さんはもう少し坊やと一緒にいられる……まさにWin-Winの関係じゃない」ぎゅっ
上条「お、おい……////」
オリアナ「ふふ、照れちゃって……可愛い♥」
上条「からかうなって……あ」
オリアナ「?」
上条「その提案メチャクチャありがたいし、オリアナ様様なんだけど……俺いま手持ちが少なくてさ」
オリアナ「あぁ、お金のこと。そんなの別に気にしなくてもいいわ……と、言いたい所だけど」
オリアナ「流石にタダっていうのはね~?」にやり
上条「ですよねー……」
オリアナ「……だから坊やだけ特別。お金の代わりになるものを貰って、それでチャラにしてあげるわ」
上条「代わりになる物?」
オリアナ「そう……んっ」
上条「んっ!?」
ちゅっ♥
じゅるるるれろっちゅぱじゅるr(以下自主規制
Side:天草式
“『ここは私達に任せて!!』”
対馬「なーんて大見得張って送り出しちゃったけど……」
五和「どういうつもりなんですか女教皇様……今日は大事な任務が有るって……」
神裂「ですから、彼の護衛が今日の任務です!」
五和「……キスしたくせに」
神裂「うっ//////」
五和「くっ……女教皇様ばっかりずるいです!!私だって、私だって――!!」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」さらさら
対馬「どっから手をつければいいのよ」
浦上「どうしましょうね……」
対馬「人払いの術式は張ったし、このお店が大爆発とかしない限り大丈夫だと思うわ」
浦上「はは……なんか起きそうですけどね。爆発」
五和「うぅぅ……!!」ごごごごごごごごごごごごご
対馬「まさかこんな事になるとは思ってなかったから、碌な装備持って来てなかったのよね……しくじったわ」
浦上「仕方ないですよ、建宮さんも半分ピクニック気分でしたし」
対馬「あの馬鹿……ムカつくから放置で、牛深だけこっちに運んでおきましょ」
浦上「はい」
建宮だったもの「」ぽつーん
牛深「…………」ちーん
対馬「さて、問題は五和をどうするかよね」
浦上「上条さんの事となると本当に……手が付けられないですもんね」
対馬「でも今日は思ったより落ち着いてない?いつもなら今頃この店跡形も無く吹き飛ばしてそうだけど」
浦上「さすがにそこまでしないですよ!?……まぁ多分、これのお陰だと思います」
《どこでもいっしょ ver.上条当麻》
対馬「……これ、さっき五和がつけてたヘッドフォンよね?これで何で?」
浦上「説明めんどくさいのでご自分で体験してみてください」すちゃっ
対馬「え、ちょっと!!」
浦上「いってらっしゃ~い」ぽちっ
対馬「なによ、これ音出てないじゃない。壊れてるん」
対馬「えぇぇ!?と、当麻くん!!?」
対馬「う、うん……そ、そうだけど……」
対馬「…………」
対馬「っ!!!??///////」ぼんっ
対馬「な、なななな何言ってんのよ!?い、いやらしい……////」
対馬「ま、待って待って……あ、ダメだってばそんな……」
対馬「いやっ、ちょっとまって当麻くん……あっ////」
対馬「っあぁぁぁぁあああああいっ!!!」ばしーん
対馬「ハァハァ……」
浦上「おかえりなさい対馬さん」
対馬「なんなのコレ!?なんなの!!??」
浦上「気持ちは分かりますけど、落ち着いてください。《どこでも一緒 ver.上条当麻》です」
対馬「と、当麻君が私にあんな……あんな卑猥な……////」
浦上「そんなにすごかったですか?一応、五和の利用履歴から適当に選んだんですけど……」
対馬「そもそもどういう仕組みなのよ、私の言ったことに普通に反応してたんだけど……ウソ、まさかこれ当麻くんと繋がってるの!!?生当麻くん!!?」
浦上「ち、違います!!」
浦上「長い間をかけて収集した上条さんの声をデータ化して」
浦上「それらを分解・合成して様々なセリフパターンを作り出し」
浦上「それを自由自在に再生することが出来るようにしたソフトを内蔵したヘッドフォン」
浦上「更に本人の名前を入力すると、ちゃんと上条さんがその本人の名前を読んでくれるようにして」
浦上「モードも“スタンダード”から“ヤンデレ”“宇宙人”みたいなものまで幅広く用意した」
浦上「正に、上条さん好きの、上条さん好きによる、上条さん好きのためのマシーン!!」
浦上「だそうです」
対馬「何そのハイスペックマシン!!?」
浦上「五和が今日穏やかなのも多分これのお陰です」
浦上「これで上条さん成分を多量摂取していたので、なんとか自我を保っていられるんだと思います」
対馬「……なんかヤバい薬みたいね」
浦上「中毒性と言いますか……それは本当に」
対馬「じゃあ、取り敢えずそれをもう一度五和に着けさせれば、この場は収まるってこと?」
浦上「出発前もそうしましたから、恐らく収まると思いますけど……ただ……」
対馬「?」
五和「私だって、当麻さんとデートしたいのにっ!!」ざしゅっ
神裂「ですからこれはデートでは無いと何度言えば!?」がきんっ
五和「誰がどう見たってデートじゃないですかぁ!!あんな風にキスまでして!!」しゅぱっ
神裂「あ、あれは……だからただの事故のようなもの、だと……////」てれてれ
五和「そんな素敵な事故があってたまりますか!!っていうか顔真っ赤じゃないですか!!」ざんっ
浦和「この状況でどうやって近づいて、どうやって取り付ければいいのか……」
対馬「…………」
対馬「……仕方ないわ、私がやる」
浦上「え、対馬さんが?」
対馬「こんな危険な役、あなたにさせるわけにはいかないから」にっこり
浦上「つ、対馬さん……」じ~ん
対馬「それに―――」
“上条『そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!』”
対馬「当麻くんに頼まれちゃったしね、えへへ////」
浦上「どぇぇ!?」
対馬「待ってて、当麻くん。私頑張るからね///」
浦上「ず、ずるい!!私だって上条さん『任せた!』って言われたんですから――」
prrrrrrrrrrrrr
prrrrrrrrrrrr
対馬「ん?何の音かしら……電話?」
浦上「……ですかね?でも誰のだろう――」
『司令官、司令官。こちら流離いの匿名希望より、緊急報告』
対馬「あ、建宮のトランシーバーからだわ」
浦上「あれ?たしか建宮さん電源切ってたのに」
対馬「さっきの衝撃でスイッチが入ったか、どっか壊れたんでしょ」
神裂「本当です!別にあんなの、大したことでは……////」
五和「そんな顔で言われても説得力がないです!!」
『上条当麻について』
神裂「当麻!?」
五和「当麻さん!?」
浦上「うわっ、反応した!」
対馬「なんて地獄耳よ……」
『現在、上条当麻がオリアナ=トムソンと接触中』
神裂・五和「「!?」」
浦上「オリアナ=トムソンって……あのオリアナさんですか!?」
対馬「……それしかいないでしょうね」
浦上「そ、そんな……あの人が何で?」
対馬「そんなのこっちが聞きたいわ」
『大通りで周囲に見せつけるように熱く抱き合い、オリアナ=トムソンは興奮のあまり脱衣中』
神裂・五和「「!!!???」」
浦上「えぇぇぇええええ!!??」
対馬「くっ……オリアナが現れて何も起きない訳が無いと思ってたけど、まさかそんな大胆な……」
浦上「だ、脱衣中ってどういうことですか!!?は、裸に……うわうわうわうわ/////」
対馬「落ち着きなさい。裸になんかなったら警察沙汰よ?これはいつもオリアナがやってる――」
神裂・五和「「オリアナが裸に……当麻(さん)が危ない!!!!!」」
対馬「…………」
浦上「あうあうあう……////」
五和「……女教皇様」
神裂「……なんですか五和」
五和「ここは一旦、休戦しませんか……?」
神裂「奇遇ですね。いま私もまったく同じ提案をしようと思っていた所です」
五和「何よりも先ずは……」
神裂「こんな争いよりも……」
五和・神裂「「当麻(さん)を助けに行かなければ!!!!!!」」どどーん
ぱりーん!!
だだだだだだだだ
対馬「い、行っちゃった……」
対馬「追わないと……浦上!!」
浦上「みんなです……不潔です……////」
対馬「あぁ、もうしっかりしなさいよ!ほら、行くわよ!!」ぐいっ
浦上「うわっ、え、対馬さんなんですか?うわわっ!?」
Side:上条&オリアナ
オリアナ「ちゅるっ……れろっ…ちゅ……」
上条「んんっ……じゅるっ……!?」
上条(え、何で?何で上条さんキスされてるんでせう!?)
上条(しかも――)
オリアナ「ぁんっ……ちゅむっ……」
ぎゅ~
上条(めっちゃ強く抱きしめられてる上に、し、舌が……!?)
オリアナ「ん……ふぅ、こんなもんかしらね♥」
上条「ぷはぁっ!!……な、なにすんだよ!!?」
オリアナ「料金代わりに、坊やの唇頂いちゃいました♪」
上条「お前なぁ!!」
オリアナ「あら、嫌だった?お姉さんなりに気持ち良くなってもらおうと思って頑張ったんだけどなぁ?」さわさわ
上条「うっ……だから、触るなって////」
オリアナ「んふふっ」
上条(正直……)
上条(正直………メチャクチャ興奮しました)どぅーん
上条(だってしょうがないじゃん!!思春期男子がこんなキスされて興奮すんなって方が無理だろ!!)
上条(神裂の時だっておっぱ……いっぱいいっぱいだったのに、こんなセクシャルなキッスに耐えられるほど上条さんのメンタルは強くありません!!)
上条(……いかんいかん。煩悩退散!今の俺には大事な使命があるんだ……)
オリアナ「…………」
オリアナ(ちょっとやりすぎたかしら?)
オリアナ「ヤバいなぁ……」
オリアナ(坊やとのキス……思ったよりずっと良かった)
オリアナ(お陰でこっちまで……)
じゅんっ
オリアナ(……やられたなぁ///)
オリアナ(本気になっちゃいそう……///)
上条「お、オリアナ?オリアナお姉さん?」
オリアナ「んっ……なぁに?」
上条「いや、俺早く行かないと時間が……」
オリアナ「そうだったわね……」
上条「う、うん。頼むわ……」
上条(……よく分からんけど、なんかさっきより雰囲気が○○くなってる……)
オリアナ(ダメダメ、しっかりしなきゃ。私から言って引き受けたんだから……ん?)
オリアナ「…………」さっ
??「…………」さっ
オリアナ「…………」
上条「どうしたオリアナ?」
オリアナ「……何でもないわ」
オリアナ(こっちを隠れて見てる気配が……それもかなりの数ね)
Side:シスターズ
シェリー「次は……こっちの角を右だ」
ルチア「ここを右に……まだシスター・アニェーゼは見当たりませんね」
オルソラ「アニェーゼさんは当麻さんの元へ向かったのでしょう?彼との距離はあとどれほどなのでございますか?」
シェリー「直線距離で100mちょっとってとこか、そこの角から顔出せば見える」
ルチア「本当ですね……ですが、シスター・アニェーゼの姿は無いようですが」
シェリー「ってことは追い抜いた?……一先ず、当麻と合流するか。追い抜いたなら、そこで会えるだろうし」
オルソラ「あいあいさー、でございます」
ルチア「あ、シェリーさん。ちょっと」
シェリー「ん?どうした、アニェーゼ見つかった?」
ルチア「いえ、シスター・アンジェレネが」
アンジェレネ「ふへぇ……」でよーん
ルチア「疲れて動けなくなっています」
シェリー「……はぁ」
アンジェレネ「す、すいませぇん……ふにゃ」
オルソラ「大丈夫でございますか?」ぱたぱた
アンジェレネ「ふぇぇ……なんとか……」
シェリー「ったく。どうして――」
どっさり
シェリー「こんなに重たいバック背負ってきたんだよ。ピクニックか」
ルチア「どうりで、支度に時間がかかったんですね……」
シェリー「こんなにパンパンになるまで、何入れてきたんだ」
アンジェレネ「それは……色々いるかなって思って、持ってこれるだけ全部です」
シェリー「そんな、サバイバルだ冒険だするわけじゃないんだから、こんな――」ぱかっ
《お菓子》ぎっちり
シェリー「って菓子ばっかじゃねえか!!!」
アンジェレネ「はい。色んな種類のお菓子を詰められるだけ詰めて……」
シェリー「色々ってそっちかい!!何だテメェは、心の底からピックニック気分か!!」ゆさゆさ
アンジェレネ「ご、ごごごめめめんんなななささいい」がくがく
オルソラ「まぁまぁ、シェリーさん」
ルチア「落ち着いてください!」
シェリー「訳を聞こうか?」
アンジェレネ「はぅ……」
オルソラ「そこまで怒らなくても良いのではございませんか?」
ルチア「シスター・アンジェレネがお菓子を持ち歩くのは、いつものことですよ。だからと言って肯定するつもりは毛頭ありませんが……今はそれ位で良いのでは」
シェリー「いいや、もうこんなのが今日何回目だと思ってる?一回ちゃんと言ってやらな」
アンジェレネ「お、お兄ちゃんにあげようと思ったんです……」
シェリー「いと……あ?」
ルチア「え?」
オルソラ「?」きょとん
アンジェレネ「だって、なんかお兄ちゃんすごく大変そうだったから……」
アンジェレネ「会ったら、このお菓子食べて元気になってもらおうと思って……それで……」しゅん
シェリー「…………」
アンジェレネ「だから持って来ちゃいました……ごめんなさい」
シェリー「……悪かったわね、怒鳴ったりして。きっと当麻も喜ぶよ」なでなで
オルソラ「アンジェレネさんはとてもお優しいのでございますね、いいこいいこ」ぎゅっ
アンジェレネ「え、えへへ……//」
ルチア「あのシスター・アンジェレネ……それでは、その服に付いた染みはなんです?」
アンジェレネ「あ、これはその……ずっと走っててお腹空いちゃったので、さっきチョコレート食べちゃったんです。てへっ」
シェリー「さっきの感動を返せバカ!!」ばしっ
アンジェレネ「いたい!?」
オルソラ「ふふふっ♪」にこにこ
シェリー「結局、自分で食うんじゃないの……」
シェリー「ほら、その糖分バカは放っておいてこっちは当麻の所に」くるっ
オルソラ「これも中々美味しいのでございますよ」もぐもぐ
ルチア「シスター・オルソラ、勝手に食べるのはどうかと……」
シェリー「何で一緒になって食ってんだぁぁぁああ!!」
オルソラ「シェリーさんもお一つ如何でございますか?」
シェリー「如何でございますか?じゃないわよ!今がどういう状況か忘れたか!?」
オルソラ「お夕飯の買い物に……」
シェリー「アニェーーーーゼ!!」
オルソラ「あ、そうでございました」
シェリー「はぁ、はぁ……」
オルソラ「こちらがシェリーさんの分でございます」
シェリー「あ、ありがt……って違うだろぉぉがぁぁああ!!!」どーん
アンジェレネ「いたい……うぅ、美味しいのになぁ……」
ルチア「だからいつも言っているでしょう。程々にしなさいと」
ルチア「ましてや、今はシスター・アニェーゼを追っている最中なのです。気が緩みすぎていますよ」
アンジェレネ「……ルチアおばさんの分からずや」ぼそぼそ
がしっ
ルチア「何か言いましたか」ぎちぎち
アンジェレネ「いい言ってません!だからアイアンクローはやめて下さいぃぃぃぃいたいいたい!!」
ルチア「次は無いと言った筈ですよ」ぎちぎち
アンジェレネ「割れちゃいます!!頭がぱーんってなっちゃいますぅぅう!!」
??「「当麻(さん)!!!」」ばっ
ルチア・アンジェレネ「「!?」」
Side:天草式
神裂「当麻……」
神裂(まさかオリアナ=トムソンが現れるとは……私が護衛として付いておきながら何と言う失態……っ!)しゅんっ
五和「当麻さん……」
五和(またあの人、当麻さんのこと誑かして変なことするつもりなんだ……早く助けにっ!)しゅんっ
しゅたたたたた
対馬「くっ、何て速さよ……」たたたた
浦上「はぁ、なんとか着いていくので、精一杯です、ね……はぁ」たたたた
対馬「あの二人がオリアナと会う前にどうにかしないと、街中で乱闘が始まるわ」
浦上「ふぅ……もう、間に合わない、気もしますけど……はぁ」
対馬「あ、角曲がったわ」
浦上「は、はい……そ、れにしても、良く分かりますよ、ね」
対馬「なにが?」
浦上「上条さんのいる、場所です……無線では、オリアナさんと、会ってるってことしか……」
対馬「そうね……女教皇様は聖人だから?」
浦上「便利ですね、その説明……」
対馬「それに、前に五和が――」
“五和『当麻さんの匂いっていうか……分かるんです、遠くにいても』”
対馬「と言ってたわ。だから今回もそうなんじゃない?」
浦上「……に、匂い、ですか……」
対馬「えぇ」
浦上「…………」
浦上(なんだか五和がどんどん人間離れしていってるような……)
神裂・五和「「そこだッ!!」」
対馬「あ、また曲がった。今度は左だわ」
浦上「り、了解、です……」
<当麻(さん)!!!
対馬「!二人の声……ということは角を曲がった所に当麻くんが!」
浦上「い、急がないと!」
たたたたたた
しゅっ
対馬「当麻くん!」
浦上「上条さん!ぶ、無事ですか!」
ルチア「え?」ぎちぎち
アンジェレネ「あー!もうそろそろ出ちゃいますよ!のうみそがでちゃいますよぉぉおおお!!」じたばた
対馬・浦上「「え?」」
対馬「あれ、あなたは確か……ローマ正教の……」
ルチア「そういう貴方は……天草式の?」
対馬「こんな所で、奇遇ですね」
ルチア「えぇ、お久しぶりです」
アンジェレネ「ふ、ふへ……あれ?何だか痛くなくなってきました~へへへ……」
浦上「あ、あの……その子もう離してあげた方が……」
ルチア「そうですね」ぱっ
アンジェレネ「ふへへへ」とさり
浦上「うわっ、だ、大丈夫ですか?」
アンジェレネ「大丈夫ですよ~ふひっ……あ~、イエス様がわらしのこと呼んでます……へへへ」ふらふら
浦上「明らかに大丈夫じゃない!?そっち行っちゃダメですよー!!」
対馬「ルチアさんここで何を?」
ルチア「私は、上条当麻の元へ向かったシスター・アニェーゼを追ってきたんです。シェリーさんや、シスター・オルソラと共に」
対馬「あぁ、あの方達も一緒に……ここにはいないんですか?」
ルチア「いますよ、あちらに」
五和「あぁぁ、当麻さんとあんなにくっついて……」ごごごご
神裂「当麻……」しゅん
五和「私、ちょっと行ってきます!」しゅっ
シェリー「落ち着けって、いま行っても仕方ないだろ。もう少し堪えてなさい」がっ
オルソラ「はい、皆さん。チョコレートでございますよ」
対馬「あ……いた。女教皇様と五和……」
ルチア「本当に緊張感の無い人達です……」
アンジェレネ「あれぇ?……なんでこんな所に川があるんでしょう~?」ふらふら
浦上「いや、それきっと三途の川だから渡っちゃ……って正教に三途の川の概念有りませんよね!?ちょっと!!」
神裂「当麻……また他の女性と……」しょぼん
五和「ぐぬぬぬ……」めらめらめら
シェリー「いつの間にあの変態女が現れたんだかね……あ、このチョコ美味いわ」
オルソラ「えぇ、本当に困った方でございます」
シェリー「ちょっと、そっちの袋取って。チョコ入ってるやつ」
オルソラ「もちろん、きちんと説明していただくのでございますよ」
シェリー「……今、チョコの袋取ってって言ったんだけど。おーい」
ルチア「シェリーさん、何してるんですか」
シェリー「お、ルチアじゃない。アンジェレネの折檻はもう終わったの?」
ルチア「あれは別に折檻では……って何でチョコレート食べてるんですか」
シェリー「もうこうなりゃヤケ食いよ。ほら、あんたも」
ルチア「いえ、私は遠慮しておきます……」
シェリー「そう……ん?後ろにいるのは?」
対馬「こんにちは、天草式の対馬です…お久しぶりです」
シェリー「対馬?……あぁ、天草の。久しぶりね、どうした?」
対馬「女教皇様と五和を追って来ていたんです。それで二人がこちらに曲がっていったので」
シェリー「あぁ。二人ならたった今急に走り込んできて、そこの角からじっと向こう見始めて」
シェリー「なんだろうと思ってあたしらも覗いてみたんだけど、まぁびっくり。当麻とオリアナが抱き合ってんだから」
シェリー「そんで、皆で大張り込み大会になった」
対馬「なるほど……」
ルチア「ちょっと待ってください。いま『当麻とオリアナ』と言いませんでした?」
シェリー「言ったわね」
ルチア「どういうことです?何故彼女の名前が……」
シェリー「自分の目で確かめな」
ルチア「?」ひょいっ
ルチア「!!」
ルチア「な、なぜ彼がオリアナと抱き合って!?」がーん
ルチア「い、いつの間に……」わなわな
シェリー「こっちがアンジェレネに構って騒いでる間に来たみたいだな」
ルチア「それに二人とも顔が真っ赤で……まさか////」ぽっ
シェリー「……存外むっつりスケベだよな、ルチアって。そう思わない?」
対馬「い、いえ……」
シェリー「そういや、神裂と五和を追ってきたのよね。どっから?」
対馬「実は私達、当麻k……上条当麻と女教皇様の二人を朝から尾行していたんです」
シェリー「初めからってこと。そりゃお疲れ様」
対馬「うちの建宮…教皇代理の指示で、手が空いてる者で連絡を取りながら……」
シェリー「建宮?……あぁ、あのクソ野郎ね。姿が見えないけど、一緒には行動してないのか」
対馬「いえ、ここに来る前に五和に襲われて……」
シェリー「……死んだ?」
対馬「辛うじて生きていると思います。恐らく」
シェリー「惜しかったな」ちっ
対馬「それで――」
神裂「なッ!?」
五和「あ、と、当麻さん!!」
ルチア「ま、まさかまさか////」
オルソラ「まぁ……」
対馬「?」
シェリー「おい、うるさい。今こっちで話を――」
神裂・五和・ルチア「「「あーーーーーーーーーーー!!!」」」どぎゃーん
シェリー・対馬「「!?」」びくっ
オルソラ「あら……ふふふふ」ごごごごごごごご
シェリー「な、何が起きたんだ……」
対馬「わ、私達も見ましょう!」
シェリー「そうね……」
シェリー・対馬「「…………」」ひょいっ
シェリー・対馬「「なんですとぉぉおお!!?」」どぎゃーん
アンジェレネ「え、そんなにたくさんチョココロネくれるんですかぁ?わぁ~い……」ふらふら
浦上「ダメです!それ絶対食べちゃダメなやつですよ!?」
アンジェレネ「はい、ラズベリーソースでお願いしま~す……でへへへ」じゅるっ
浦上「うわーん!誰か助けてーー!!」
Side:上条&オリアナ
<がやがや
オリアナ(……なるほど、隠れているのはあの子達か)
オリアナ(お目当ては坊やね、間違いなく)ちらっ
上条「アニェーゼに渡された紙は……良かった、無くしてない」
オリアナ(楽しいランデブーになりそう♥)
オリアナ「さぁ、行きましょうか。何としても時間までに着かないとね」
上条「頼む!もうオリアナだけが頼りなんだ」
オリアナ「ふふっ、お姉さんに任せなさい」
上条「本当にありがとな、オリアナ」
オリアナ「感謝は無事に到着してからにして」ぎゅっ
上条「っ……わ、分かった//」
<なッ!?
<あ、と、当麻さん!!
オリアナ「…………」
オリアナ(あれで隠れてるつもりなのかしら?バレバレね)
オリアナ(……そうだ。面白いこと思いついちゃった♪)
上条「なぁオリアナ、何回も言ってるけど抱きつくの止めろって……」
オリアナ「ねぇ坊や、こっち向いて」
上条「?……こうk」
オリアナ「んっ」
ちゅっ
上条「むっ!」
オリアナ「ちゅ……れるっ……」
じゅるちゅぱれろちゅっ(以下自主規制
<あーーーーーーーーー!!!!!
<なんですとぉぉおお!!?
オリアナ「ちゅっ……ふふ♥」
上条「っはぁはぁ……もうなんなんだよお前はさっきからぁぁ!?」
オリアナ「言ったでしょ。料金の代わりに坊やの唇を頂くって」
上条「それならさっき――!」
オリアナ「あら、一回で済むと思ってたの?」
上条「なん……ですと……?」
オリアナ「生憎、お姉さんそんなに安い女じゃないの」
上条「じゃあ、あとどれくらいで完済なのでしょう……?」
オリアナ「そうね―――」
オリアナ「一万回くらい?」ばぼーん
上条「そんなに!!??」
オリアナ「これでも普段より大分安くしてるんだけど」
上条「どんだけ時間かかるんだ!?後で何でもするから勘弁してくれ!!」
<うがああああああ!!!!
どごぉぉぉおおおおおおおんん!!!!!
上条「なんだ!?」
神裂「当麻ーー!!何をしているんですかあなたはァァ!!」
五和「そうですよ!そんなうらy……うらやましいこと!!」
上条「神裂に五和!?」
オリアナ「……ふふ、我慢の出来ない子達ね」
上条「は?それどういう意味……」
オリアナ「どうもこうも、そういう意味。さ、こっちよ」ぐいっ
上条「うぐっ」
神裂「待ちなさいオリアナ!!」
五和「そうですよ!当麻さんを解放してください!!」
ルチア「あ、あぁ私はどうすれば……///」
シェリー「追うに決まってるだろうが。このムッツリシスター」
オルソラ「ふふふふ、当麻さーん。怒らないのでこっちへ来るのでございますよー」
上条「ルチアまで!?おまけにシェリーにオルソラに……どうなってんだ……?」
オリアナ「さぁ、どうなってるのかなぁ……カーブにご注意!」ぐいっ
上条「は?カーブぅべっ!?」ぐっ
五和「あぁぁ、当麻さんが拉致されました!!」ぐぬぬ
神裂「なんということを……あの女……」ぎりぎり
ルチア「上条当麻は『色欲』の大罪に囚われています……まったく、もうまったく///」
シェリー「お前もな……はぁ、いい年こいた奴らが揃いも揃って追いかけっことはね」
オルソラ「ふふふ……当麻さんもオリアナさんもこっちへいらっしゃい」にこにこ
シェリー「……だから目が笑ってないわよ」
だだだだだだだだ
……………………
浦上「大丈夫?無理しないでね」
アンジェレネ「はぅ……あ、ありがとうございます。すみません、ご迷惑おかけして……」
浦上「い、いいのいいの!困ったときはお互い様だから」
浦上「対馬さーん!アンジェレネちゃん何とか意識が……」
リュック「…………」
しーーーーーーーーん
浦上「………あれ?」
たったったった
オリアナ(近くに停めておいて良かった。なんとか追いつかれる前に発車出来そう)
オリアナ「さ、坊や。あの車に――」
上条「……まさか初めからいたのか……いや、それじゃ何のために……」ぶつぶつ
オリアナ「……仕方ないなぁ」
オリアナ「ほら、口閉じてないと舌噛んじゃうわよ!それっ!」ぶんっ
上条「待て待て、もしかしたら偶然……うおっ――!?」ひゅんっ
どぐしゃっ
上条「ぐっほ!!」
オリアナ「よっと」さっ
上条「いってぇ……ん?なんで車……」
オリアナ「さぁ、お姉さん久しぶりにフルスロットルで飛ばしちゃうぞ、っと♪」
上条「フルスロットル?……あ、そうか。この車オリアナn」
オリアナ「激しくいくから、振り落とされないようにして…ね!!」ぎゃるーん
がちっ
Brrrrrrrrr!!!!!
上条「っ!!」
オリアナ「坊やとのドライブデートへ、レッツゴー♪」
ここまでで。続きから次スレに移ります
スレタイですが、多数決で決めるつもりなのでこの勢いだと恐らくアンジェレネになるかと
それでは
469: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/01(月) 23:54:53.27 ID:iPtFqSuf0
上条(よく分からんけど、神裂ももう怒ってないみたいだ。土下座していた間に何か起こったのか)
神裂「これで、お互いもう気にするのはやめましょう」
上条「あ、あぁ。神裂がそれで良いなら」
神裂「はい」にっこり
上条(機嫌直ったって言うか……むしろ上機嫌になってないか?)
上条「奇跡だ……」
神裂「なんですか?」
上条「へ?いやっ……そうだ、そろそろ手離してもらえるか?頭あげたい」
神裂「はっ、すみません。つい……」
上条「いいよ、そもそも土下座始めたの俺だし」
引用元: ・上条「イギリス清教女子寮の管理人さん」
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470: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/01(月) 23:55:59.87 ID:iPtFqSuf0
神裂「はい」
上条「ははっ、それじゃ――ッ!!?」
神裂「?」
上条「こ、これは……」
上条(か、神裂が頭を撫でるためにしゃがみ込んでいたせいで目の前に見てはいけない物が……////)
上条「し、白……」
神裂「は?白?」
上条「ふがっ!!」
上条(やべっ!声に出て―――!?)
神裂「一体何のことですk……」ちらっ
神裂「っ!!!???///////」ばっ
471: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/01(月) 23:58:44.03 ID:iPtFqSuf0
神裂「…………」
ざざざざざ
神裂「…………」すくっ
上条「…………」さっ
神裂「……見ましたね」
上条「……はい」
ごごごごごごごご
神裂「七閃ッ!!」しゅっ
上条「ちょっ!その刀一体どこからぶべらっ!?」
子供「ねぇ、ママ。あの人たちさっきからなにしてるのー?」
ママ「見ちゃいけません!」
472: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/02(火) 00:00:54.32 ID:DevORSCY0
Side:天草式
建宮「だはははははははは!!やりやがったのよアイツ!!げらげらげらげら」
牛深「あまり大きな声で笑うと気づかれますって!」
香焼「天然ジゴロぶち込んでからのラッキースケベ。さすが大先生す」
野母崎「いやいやいやいや」
建宮「はぁ、はぁ……まったく、笑かしよるのよ」
473: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/02(火) 00:01:37.81 ID:DevORSCY0
浦上「うわぁ……か、上条さんってば大胆だなぁ///」
対馬「…………」むすっ
浦上「あれ、対馬さん?」
対馬「へ?……あ、何でもないわ!何でもない!」
浦上「は、はぁ……」
対馬(やだ……なにイラついてんのよ私……)
五和「えぇ?もう一回ですか?……もう、当麻さんってばぁ////////」でろでろ
474: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/02(火) 00:03:51.36 ID:DevORSCY0
牛深「教皇代理、あの二人そろそろ第一目標地点に到達します」
建宮「ふむ……香焼、頼んだぞ」
香焼「了解」だっ
野母崎「何を始めるつもりなんだ?」
牛深「作戦βを開始するんだ。ほら、お前も早く準備しろ」
野母崎「いや……俺、作戦なんて一つも聞いてないんだけど……」
475: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/02(火) 00:06:20.77 ID:DevORSCY0
建宮「おい対馬、お前さんもさっさと準備を済ませちまえ。作戦開始なのよ」
対馬「は?準備って……何すれば良いのよ」
建宮「先ずはコレに着替えて、準備が終わったら待機」
対馬「着替えなんて面倒な……はっ!?」
建宮「おい大声出すんじゃないのよ。怪しまれちまうのよ」
対馬「何よこの衣装!?」
建宮「あそこの角にあるカフェのウェイトレス用の物ですが?」
対馬「それを何で私が着なきゃいけないの?」
建宮「そら、潜入するために決まってるのよ」
対馬「潜入って……そんなことするなんて今初めて聞いたんだけど」
建宮「だろうな。俺だっていま初めて言ったのよ」
対馬「おい!!」
476: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/02(火) 00:08:28.75 ID:DevORSCY0
建宮「んで、浦上は俺とこっちでちょっとした小芝居」
浦上「お芝居ですか?でも私そういうのあんまり……」
建宮「心配するな。簡単だし、一瞬で終わるのよ」
浦上「分かりました。……あ、五和は」
建宮「牛深と待機させるのよ。本人と会ったら絶対に使い物にならんしな」
浦上「ですね」
五和「そ、そんな恥ずかしいこと……でも上条さんのためなら……////」
牛深「…………」
484: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 00:19:53.68 ID:OYtCKoHQ0
上条「だから、あれは不可抗力というか、神の見えざる手というか……」
神裂「わ、分かっています。だからあの一撃だけで許したんです!」
上条(『だけ』!?明らかに消しに来てただろ!!)
神裂「いくらあなただからと言って、街中であんなこと……///」
神裂(女性の下着を覗くなど……///)
上条「へ?」
神裂「あ、いえ……///」
上条「あぁ、そうか」
上条「土下座の事だな」
神裂「は?」
485: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 00:22:14.78 ID:OYtCKoHQ0
上条「あの時はちょっとテンパってて咄嗟にさ。確かに一緒にいた神裂も恥ずかしかったよな、悪い」
神裂「…………」
げしっ
上条「いてっ!」
神裂「ふんっ」
上条「え、なんで小突いたの……?」
神裂「知りません!」げしっげしっ
上条「え、いたっ、まっ……ふ、不幸だ……」
486: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 00:37:07.85 ID:OYtCKoHQ0
Side:天草式
建宮「ほう、見せつけてくれるのよな」
対馬「…………」ぐっ
浦上「対馬さん?さっきから様子が……」
建宮「気にするこたねーのよ」にやにや
浦上「……また変なこと企んでませんか?」
建宮「まさか…くふっ…企んでるわけ…はは…ないのよHAHAHAHAHAHAHAHA!」
浦上「絶対ウソだー!?隠す気ゼロですか!!」
建宮「ほれ、対馬。早く行って野母崎と合流しろ」
対馬「うるさいわね。私はまだ作戦に協力するとは――」
建宮「……愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよ」にやり
対馬「っ!……い、愛しのって///」びくっ
487: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 00:38:26.59 ID:OYtCKoHQ0
建宮「はい、いってらっしゃい」
対馬「くっ……べ、別に当、上条当麻にどうこうとか、そ、そんなんじゃないから///」
建宮「はいはい分かってるのよ」にやにやにやにや
浦上「うわぁ……」
建宮「ふぅ、ちょろい奴よ」
浦上「あんまり対馬さんからかわないであげて下さいよ」
建宮「ん、善処しない」
浦上「しろよ!!」
建宮「さぁ、俺達も行くのよ」
浦上「ふぇ?……どこに?」
494: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 18:21:48.22 ID:OYtCKoHQ0
上条「…………」
神裂「…………」
上条(またやってしまった……俺のバカ!!)
上条(どうしてこうなっちまうかな……)
神裂「…………」ちらっ
上条「ん?」
神裂「ぁっ……///」さっ
上条「…………」
上条(?また怒ってるって訳じゃ……ないのか?)じ~
神裂「っ………///」ふいっ
496: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 18:24:16.52 ID:OYtCKoHQ0
??「ちょっと、そこのお二人さん」
神裂「…………///」
上条「うぅむ………」
??「おい!!」
神裂・上条「「?」」
ウェイター「こんにちは。お二人仲良く手を繋いで、デートすか?」
神裂「は、はい……」
上条「こんにちは……?」
ウェイター「どうも」にやり
神裂・上条((誰だこいつ))
497: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 18:26:07.60 ID:OYtCKoHQ0
ウェイター「いやぁ、羨ましいですね。俺も平日に堂々とデートしてみたいすよ」
神裂「はぁ……って違いますよ!?」
ウェイター「またまたぁ、照れちゃって」
神裂「て、照れてなどいません!!」
ウェイター「そうだ先s、彼氏さん」
神裂「無視!?」
上条「いや俺たちはそういうんじゃ……」
ウェイター「今うちの店で期間限定のスペシャルランチ出してるんですよ」
上条「うちの店?」ちらっ
カフェ《COLLET》
上条「お、おぉ……」
上条(いつの間にこんなオシャレな店の前に……全然気が付かなかった)
498: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 18:31:08.11 ID:OYtCKoHQ0
ウェイター「それでですね、もしお昼がまだでしたら如何かなと思いまして」
上条「そ、そうですね」
上条(どうする……時間はまだ少し余裕があるから、食っていっても大丈夫だろう……)
上条(でもな……神裂は腹が減ってないみたいだし……)
上条(悪いけど断って……)
ウェイター「はい、二名様ご案内~」
上条「まだ返事してねぇけど!?」
499: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 18:32:03.55 ID:OYtCKoHQ0
ウェイター「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
神裂「か、かのっ!!?////」
ウェイター「ごゆっくりー」
上条「お、おいっ……」
からんからん
ウェイター「…………」
ウェイター「……こちらK、無事二人を店内に誘導しました。どうぞ」
501: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 21:10:34.50 ID:OYtCKoHQ0
Side:女子寮
こねこねこねこね
アンジェレネ「できました♪」
オルソラ「あら、それは何でございますか?」
アンジェレネ「らいおんです!」
オルソラ「まぁ、お上手でございますね♪」
アニェーゼ「いや、どう見ても新種のクリーチャーなんですが……」
シェリー「あいつらまた勝手に材料を……」
ルチア「そんな事より、早く完成させてください」そわそわ
シェリー「……必死すぎるだろ。そんなにアイツが気になるのかしら?」
ルチア「んなっ!?ちちちちち違います!!」
シェリー「ふーん」にやにやにやにや
502: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/03(水) 21:11:32.62 ID:OYtCKoHQ0
アンジェレネ「見て下さいシェリーさん!どうですか?」
シェリー「お前静かにしてろって……何よこれ」
アンジェレネ「らいおんです」
シェリー「……らいおん、か」
アンジェレネ「はい!」
ルチア「これがライオン?……ふふっ」
アンジェレネ「わ、笑わないでくださいよぅ」
ルチア「くふっ……だ、だって全然似てない……シェリー、あなたもそう思」
シェリー「なかなか良いセンスしてるじゃない」
アンジェレネ「わーい!褒められました!」
ルチア「!?」
506: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:23:23.35 ID:V4vgvLXI0
ルチア「ば、バカな……」
アニェーゼ「芸術家ってのは、紙一重な所がありますから……ほら、ゴーレムはもう完成したんですか?」
シェリー「した。ほれ」ぽいっ
ごろん……
ギョロッ
アニェーゼ「やっぱり気持ち悪いですねこれ。グロいです」
ルチア「もう少し形を……どうにかならなかったのですか?」
シェリー「うるせえな。いいでしょ別に」
507: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:28:37.52 ID:V4vgvLXI0
アンジェレネ「ねぇねぇ、早く送りましょうよ!」
シェリー「焦るんじゃねえよ。いまやるからちょっと待ってなさい」
オルソラ「ですがシェリーさん。神裂さん達が今どの辺りにいるのか分からないのではございませんか?」
シェリー「大丈夫、この探査術式で探すから。すぐに見つかるでしょ」
アニェーゼ「?その術式……あなたのじゃないですよね?」
シェリー「ちょっと借りたんだよ」
ルチア「借りるって、一体誰から?」
シェリー「赤毛のヤニボーイから」
アニェーゼ「は?」
ステイル「………!」ぞぞっ
ステイル「な、なんだ……?この悪寒は……」
508: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:31:48.47 ID:V4vgvLXI0
ルチア「ちょっと待ってください。もし場所が分かったとしても、ここからもうかなり離れてしまっていれば操作が難しくなるのでは?」
シェリー「そこも問題なし。既にロンドン市街中心から半径百キロ圏はカバー出来るように、街中に術式仕込んでおいた」
ルチア「い、いつの間に……」
シェリー「あたしに抜かりはねえよ」
アニェーゼ「勝手にんなもの仕込んじゃマズいでしょうに」
シェリー「でもちゃんと許可取ったわよ?」
アニェーゼ「誰に?」
シェリー「ローラに」
509: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:36:03.98 ID:V4vgvLXI0
――――――――――
シェリー『――って事なんだけど。いい?』
ローラ『それは非常に面白そうでありけるわね!!OKよ!』
シェリー『んじゃ、やってくる』
ローラ『必ず結果を教えたもうてくれる?それはもう詳細に!』
シェリー『分かってる。バッチリ激写してきてやるよ』
ローラ『ふふふ……実に楽しみよ』
――――――――――
アニェーゼ「……本当にあの人は何を考えてんですか」
シェリー「何も考えてないんだろ」
オルソラ「…………」
511: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:44:22.74 ID:V4vgvLXI0
シェリー「もういいだろ。あたしは準備に取り掛かるから邪魔す」
オルソラ「シェリーさん」
シェリー「んじゃな……今度はあんた?」
オルソラ「その事を伝えに言ったのは、いつのことでございますか?」
シェリー「いつって、昨日だよ」
オルソラ「昨日、でございますか……」
シェリー「何よ。なんか言いたいことでもある?」
オルソラ「いえ。ただ――」
オルソラ「まるで、昨日の内から――今日こうしてお二人の動向を監視する事が決まっていたようだと、少し不思議に思っただけでございます」にっこり
シェリー「!?」ぎくっ
512: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/05(金) 20:46:32.72 ID:V4vgvLXI0
オルソラ「ねぇ?どう思いますか?」
シェリー「い、いやそれは……」
オルソラ「それは?」
シェリー「う………」
オルソラ「そ・れ・は?」
シェリー「……そ、そんな事ある訳ないだろ?ただ、アイツらのことだからまたいつもの様に厄介事に巻き込まれるんじゃねえかと思って念のために……」
シェリー「そう!念のためだよ、念のため!」
オルソラ「……なるほど、そうでございましたか♪ごめんなさい、変なことを聞いてしまいました♪」
シェリー「はは、気にしなくていいわよ」
オルソラ「ふふっ」
シェリー「…………」
シェリー(言えねぇ……)
シェリー(本当は、デートの様子を録画してからかってやろうと思ってたなんて……言えないわ)
514: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:30:57.57 ID:EUN/2jh00
アンジェレネ「シェリーさん、まだ動かさないんですか?」
シェリー「え、あぁ、そうね。やるわよ、今すぐに」
アンジェレネ「えへへ、楽しみです」
ギョロッ
アンジェレネ「これもちょっと可愛く見えてきました」さわさわ
ルチア「シ、シスターアンジェレネ!素手で触ってはいけません、呪われますよ!?」
シェリー「呪われねえよ。それに結構イケてると思うんだけど」
アニェーゼ「何度見てもビジュアルが醜すぎる……あなたとアンジェレネのセンスがイカれちまってんです」
515: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:33:21.33 ID:EUN/2jh00
シェリー「あーもう、ごちゃごちゃうるさいんだよ。アンジェレネ、そこの荷物どけろ」
アンジェレネ「これですか?」
シェリー「そう。もうすぐここにあいつらの居場所が……お、出た出た」
アニェーゼ「ここは……まだ大通りまで出てない?何ちんたら歩いてんですかね」
オルソラ「それに、空港までの最短ルートから大分外れているようでございますけれど」
アンジェレネ「なんででしょう?どこか寄り道とかしてるのかなぁ……」ぽつり
アニェーゼ「」ぴくっ
オルソラ「」ぴくっ
ルチア「?」
シェリー「……ふっ」
516: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:35:38.79 ID:EUN/2jh00
アニェーゼ「寄り道って……まさかあの二人、本当に……」
アンジェレネ「あ、動きが止まったみたいです」
ルチア「どこですか?」
アンジェレネ「これは……ホテル?」
アニェーゼ「んなっ!!?」がたたっ
オルソラ「あらあらあらあら」ごごごごごご
ルチア「ホテル?何故こんな昼間から……」
517: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:37:34.77 ID:EUN/2jh00
アンジェレネ「あ、間違えました。ホテルじゃないです」
アニェーゼ「なんて間違いをしやがるんですかぁ!!」がっ
アンジェレネ「わ、わ!?なんでそんなに怒るんですか!?」
オルソラ「もう、いけませんよアンジェレネさん♪」ごごごごごご
アンジェレネ「うわーん!目が怖いぃぃ!!」
ルチア「二人でホテルn……あっ……////」
シェリー「見てて飽きないわね、あんたら」
518: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:54:55.25 ID:EUN/2jh00
アンジェレネ「うぅぅ……なんでぇ……」
シェリー「チョコレートあげるから元気出しなさい」ぽいっ
アンジェレネ「わーいチョコレートだ!」
シェリー「扱いやすくて助かるわ」
シェリー「えっと場所は―――コレット?あぁ、カフェか」
シェリー「取り敢えず2体転送して……お、繋がった」
シェリー「おい、映像繋がったぞー」くるっ
519: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 22:56:16.44 ID:EUN/2jh00
アニェーゼ「私が頼んだのは荷物の受け取りであって、デートなんかじゃないのに……パパのバカッ!」ぐすっ
オルソラ「お仕事そっちのけで一体何をなさるおつもりなのでございましょうね?」ごごごごごご
ルチア「寮を管理する立場にありながら、か、姦淫の大罪を犯すなど……あ、ありえにゃい……///」もんもん
シェリー「このメンタルの弱さは問題だよな」
アンジェレネ「ふぇ?めんたる?」
シェリー「何でもない。口の端にチョコ付いてるぞ」
アンジェレネ「わ、もったいないもったいない」いそいそ
520: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 23:14:47.25 ID:EUN/2jh00
シェリー「仕方ないわね。二人で見るか」
アンジェレネ「はい!」ぱらぱら
シェリー「おい、カスを落とすな……どこから持ってきたんだそのウエハースは」
アンジェレネ「これは常備しているんですよ。シェリーさんもどうぞ」
シェリー「……遠慮しておく。ほら、もうすぐ映るぞ」
アンジェレネ「ワクワクしますね!」わくわく
パッ
<「はい、二名様ご案内~」
<「まだ返事してねぇけど!?」
521: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 23:16:57.83 ID:EUN/2jh00
<「ほら、彼女さんもぼーっとしてないで」
<「か、かのっ!!?////」
<「ごゆっくりー」
<「お、おいっ……」
シェリー「おっと、これは……」
アンジェレネ「ずるいですよぅ!私もお兄ちゃんとカフェ行きたいです……」
シェリー「こりゃ決定的瞬間を捉えちまったな」
アニェーゼ・オルソラ・ルチア「「「…………」」」じ~~
シェリー「!?」
522: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/06(土) 23:22:25.71 ID:EUN/2jh00
Side:上条&神裂
ウェイター「注文が出来たら呼んでください。では」
上条「は、はい。どうも……」
神裂「…………////」
上条(落ち着こう。今日もう何回目か分からんけど落ち着こう)
上条(まず今の状況……めちゃくちゃオシャレな雰囲気の喫茶店に、白いワンピースを着た神裂と相席している)
上条(うん、おかしいね!空港に荷物を取りに行くはずだったのにね!)
上条(運命の神様の嫌がらせに違いない……)
525: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/08(月) 23:15:50.59 ID:w1P6Msz20
神裂「あの、当麻」
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
上条「え?……いや何でもねぇよ!?ただの独り言だ!」
神裂「ま、またですか」
上条「ははは……」
神裂「?」
526: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/08(月) 23:24:29.37 ID:w1P6Msz20
上条「それより!さっき話しかけてたのは…」
神裂「え、えぇ。早く注文を決めてしまいましょうと」
上条「注文って……え、飯食うの?」
神裂「そのつもりですが?当麻が言い出したんじゃないですか」
上条「それは……いいのか?なんか強引に連れてこられた所だし、他にどこも見てないだろ」
神裂「私は別に構いません。ここはとても雰囲気の良いお店ですし」
上条「確かにすげぇ高級感が出てるけども」
神裂「でしょう?……それとも」
上条「それとも?」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
538: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/10(水) 00:14:45.49 ID:OsPF/pWL0
上条「嫌じゃねぇよ!ただ、こんないかにもお値段高そうな店落ち着かないってだけで……」
神裂「こ、声が大きいですよ!」
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
上条「うっ……///」
神裂「……////」
ウェイター「ちょっと良いすか」
上条・神裂「「っ!!?」」
539: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/10(水) 00:17:19.49 ID:OsPF/pWL0
ウェイター「○繰り合ってるの邪魔しちゃってすいません」
上条「してませんが!?」
ウェイター「先ほど、お伝えするのを忘れていたことが有りまして」
神裂「?」
ウェイター「実は、期間限定である割引キャンペーンをやっているんすよ」
上条「きゃ、キャンペーン?この店でですか?」
ウェイター「はい。一つ条件が有るんすけど、お客様方ならクリアしてるんで大丈夫す」
神裂「条件、ですか。一体どんな?」
ウェイター「簡単すよ」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
540: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/10(水) 00:20:24.75 ID:OsPF/pWL0
上条「ラブ割って……」
ウェイター「Love+割引。つまり、まんま恋人割って事すよ」
上条「へぇ……こういう店でも、そういうのやるもんなんですね」
ウェイター「やるんすよ。どうすか?」
上条「う~ん、それでどの位安くなるんですか?」
ウェイター「最大で、全品無料になりますね」
上条「なるほど、最大で無料に……無料!?え、ただになんの!?」
ウェイター「おまけにデザートが一品付きます」
上条「も、もしかしてそれも……?」
ウェイター「無料っす!!」
上条「すげぇ!!」
541: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/10(水) 00:46:04.71 ID:OsPF/pWL0
神裂「割引きですか」
神裂(でも私達は、そもそも恋人では無いのに……)
上条「なぁ、どうする神裂?」
神裂「どうすると言っても、私達は――」
上条「せっかくだから俺は頼もうと思ってんだけど」きらきらきらきら
神裂「えぇ!?」
神裂(なんでそんな輝いた目をしているんですか!?)
神裂(まさか……当麻はそんなにも私とこ、恋人割を……/////)
上条(まさか無料になるなんてな!上条さん久しぶりにラッキーが降りてきましたよ!!)
542: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/10(水) 00:47:25.18 ID:OsPF/pWL0
神裂「そんなに、頼みたいんですか」
上条「あぁ!!」きらきらきらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」
上条「よっしゃ!」
神裂(こんなに喜ぶなんて……と、当麻/////)
上条(正直、外食は結構痛い出費だと思ってたんだけど、こりゃ助かったぜ!!)
ウェイター「相変わらずすね、大先生」
552: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 19:31:20.88 ID:A+4FLYBI0
上条「すんませーん!」
ウェイター「はいはい」
上条「あの、さっきの割引お願いしたいんですけど……」
ウェイター「かしこまりましたー」
上条「で、注文は俺が」
ウェイター「それでは、お二人が恋人であるという証拠を見せてください」
上条「このナポリタ……はい?」
神裂「証拠……?」
ウェイター「はい。恋人同士だとはっきり分かるやつを」
553: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 19:33:00.47 ID:A+4FLYBI0
上条「そんなの聞いてないんですが……」
ウェイター「言ってないなかったすけど、当たり前でしょう。自己申告だけでOKとかうちは即刻破産すよ」
神裂「確かにそうですね……」
上条「じゃあ何をすれば良いんですか?」
ウェイター「そうすね。例えば、あそこのお客様の様な感じで」
上条・神裂「「?」」ちらっ
554: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 19:34:52.68 ID:A+4FLYBI0
男性客?「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
女性客?「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
男性客?「もう、ハニーってば照れ屋さんなのよな。でも二人の燃え滾るような愛があればモーマンタイなのよ!!!」
女性客?「大有りですよ!!ちょっ、こっちに近づかないで下さい、通報しますよ!!」
男性客?「まったく困ったちゃんなのよな。たかがキスの一回や二回」
女性客?「あ、もしもし警察ですか?なんか変な男の人が……」
男性客?「え、まさかマジで通報しとる!?……おい、ちゃんと役割としてカップルの演技を……」
女性客?「それはそうですけど、キスは絶対に嫌です。意味が分からないです」
男性客?「これが一番手っ取り早いのよ。それ、ぶっちゅ~っと」
女性客?「あ、はい。ここの住所は――」
男性客?「ちょっと待てー!?」
555: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 19:36:05.33 ID:A+4FLYBI0
上条「……あんな感じですか」
ウェイター「そうすね」
神裂「ただの痴話喧嘩にしか見えなかったのですが、通報していましたし」
ウェイター「まぁ、男と女にはよくあることすよ」
上条「いや無いだろ……」
ウェイター「って事で、お願いします」
上条「お願いしますって、ケンカでもすればいいんですか」
ウェイター「違うすよ」
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
556: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:05:24.89 ID:A+4FLYBI0
上条「ウソだろッ!?そこまでするなんて――」
ウェイター「ウェイター、ウソツカナイ。キスヲ、キスヲクダサイ」
上条「急に片言!?さっきまで普通に喋ってただろ!!おい、神裂も何か言っt……」
神裂「と、当麻と口付け……あ、あ//////」ぷしゅ~
上条「神裂さーん!?」
上条(ダメだ、今日の神裂はあてにならねぇ!)
ウェイター「で、どうするんすか。割引を受けたいなら、腹括って下さい」
上条「うっ……や、やっぱりキャンセルで……」
ウェイター「ちなみに、キャンセル料は1000£になりますが」
上条「なんですとっ!!?」がーん
557: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:07:38.73 ID:A+4FLYBI0
男性客?「おら、男なら覚悟決めるのよ!キース!キース!」
女性客?「ちょっと!騒がないで下さいよ!」
上条(お、おいどうする?まさかこんな条件が有ったとは……)
上条(そうだよな……上条さんにそうそうラッキーな話が転がり込んで来るわけが無かった。はは……)
上条(やめようにも、キャンセル料がな。手持ちじゃ足りない所の話じゃない)
上条(これが払えなければ――)
―――――――――――――
ウェイター『アイツが無銭飲食したんすよ』
警察『なに?逮捕だ!!』
上条『NoooooOOOOO!!』
―――――――――――――
上条(こうなる事は必至ッ……!)
上条(そうなると、取引の時間に間に合わなくなるのはいつものパターン!)
558: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:10:15.13 ID:A+4FLYBI0
男性客?「なーにウジウジ考えてるのよ、ガッといっちまえばいいのよ!!」
女性客?「いい加減にしろ!!」がすっ
男性客?「うぐはッ!?」
上条(アニェーゼの……ローマ正教から依頼された仕事を、俺のミスで潰すわけにはいかないよな)
上条(ましてや、こんな理由で……)
上条「…………」さっ
ウェイター「…………」こくり
上条(……道は一つ、か)
559: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:13:12.50 ID:A+4FLYBI0
上条「と、なると……」ちらっ
神裂「こんな皆が見ている前で……でも、当麻がしたいなら……//////」ぽや~ん
上条「…………」ごくり
神裂「ですが、私は仮にも天草式をまとめる身……で、でも当麻が……///」
上条「………神裂」
神裂「ひゃ、ひゃいっ!?」
上条「…………」
神裂「当麻……?」
上条「さっきの話聞いてたら分かると思うけど……さ」
上条「……この状況をどうにかするには、その……神裂と……」
神裂「は、はい……////」どきどき
560: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:16:31.97 ID:A+4FLYBI0
上条「わりぃ、こんな事になるなんて……」
神裂「いえ、ここで良いと言ったのは私です……」
上条「それでも……こんな所で俺となんて嫌だろうけど、でm」
神裂「嫌じゃありませんよ?」
上条「え?」
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
上条「なっ……」
神裂「他でもない、あなたなら……////」
上条「か、神裂……」
神裂「ですから……」
561: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/11(木) 23:24:11.65 ID:A+4FLYBI0
神裂「当麻のしたいようにして下さい」
上条「したいようにって、良いのかよ!?」
神裂「言ったでしょう。あなたなら構いません……」
上条「でも……」
神裂「…………////」
上条(神裂が静かに目をつぶって……)
上条「…………」
上条(俺も、覚悟を決めよう――)
すっ
575: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/15(月) 18:02:03.23 ID:NMRYjFCA0
Side:天草式
てくてく
対馬「はぁ……バカバカしい。なんで私がこんなこと」
“『愛しの彼にお灸を据えてやるチャンスなのよな!』”
対馬「っ!」ぶんぶんっ
対馬「彼が何をしようと私には関係ないじゃない」
対馬「…………」
576: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/15(月) 18:33:28.54 ID:NMRYjFCA0
対馬「ま、愚痴言ってもしょうがないわよね。仕事は仕事」
てくてく
対馬「コレット……ここか」
対馬「潜入とか言ってたわよね、取り敢えず裏口から……っと」こそっ
対馬「どのくらい人が入ってるのかしら。あんまり多いとさすがに無理が――」
し~ん
対馬「……誰もいない?うそ、場所間違えたとか――」
??「あれ、対馬?」
対馬「きゃっ!?」
577: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/15(月) 18:38:12.95 ID:NMRYjFCA0
シェフ?「中々来ないから、てっきり断って帰ったのかと思ったよ」
対馬「あの、違うんです!私は別に怪しいものじゃ……は?」
シェフ?「はは、何言ってるんだ対馬」
対馬「……野母崎?」
野母崎「はい。野母崎ですが」
対馬「どうしたのよその格好」
野母崎「どうしたのって、シェフだよシェフ」ばさっ
対馬「そんなの見れば分かる。どうしてその格好をしているのかって聞いてんの」
野母崎「建宮がこれ着て待機してろって言ったから」
対馬「……それで素直にシェフになって待ってたわけ?はぁ…」
野母崎「いやぁ、でも結構カッコいいだろう?この衣装」
対馬「普通」
野母崎「手厳しいな……」
578: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/15(月) 19:00:41.74 ID:NMRYjFCA0
対馬「でもよく出来てるわね、この服。こういうのどっから仕入れてんのかしら」
野母崎「服飾関係の知り合いがいるんだってさ」
対馬「胡散臭いわ……」
野母崎「対馬も貰ってるだろ?着替える服。見せてくれよ」
対馬「え?うぅん……」
野母崎「あれ、貰ってない?」
対馬「……これ」
野母崎「お、これが対馬……の……」
《メイド服》
対馬「いきなりこんなの渡されて、『作戦開始だ、これを着て待機』って。ふざけてるわよね」
対馬「“ファンシーウェイトレス”って、明らかに正規の衣装じゃないでしょ」
野母崎「建宮……」
581: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 19:32:57.86 ID:WStk3DUN0
対馬「やっぱり帰ろうかな」
野母崎「まぁまぁ、俺達は後方支援らしいし……」
対馬「だったら何で着替える必要があるのよ」
野母崎「それは……ほ、ほら!万が一にも二人に姿を見られた時に誤魔化せるじゃないか。シェフとウェイトレスならこの場にいても自然だろ?」
対馬「そういうもんかしら」
野母崎「流石に、ただのおふざけで着せるわけは……」
対馬「…………」
野母崎「……あるかもな」
対馬「帰りたいわ……」
582: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 19:34:19.48 ID:WStk3DUN0
pipipi
『こちらK、こちらK』
野母崎「あ、通信が入った」
対馬「Kって…この声、香焼でしょ」
野母崎「そう。コードネームは頭文字のK」
対馬「コードネーム?」
野母崎「付けた方が雰囲気出て面白いってさ」
対馬「……バカばっかね、ホント」
583: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 19:37:08.27 ID:WStk3DUN0
『今から目標と接触します』
『こちら司令官。了解したのよ』
対馬「この司令官は、アイツ?」
野母崎「そう」
『続いて司令官よりNへ、レストラン内での準備は完了したか』
対馬「…………」
野母崎「そんな目で見ないでくれ……これは建宮が勝手に……」
584: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 19:42:26.00 ID:WStk3DUN0
『おい、聞いてるのか。聞いてるなら応答するのよな』
対馬「準備って何のことよ。野母崎と合流しろとしか言われてないわ」
『そ、その声はH!?』
対馬「勝手なコードネームで呼ぶな!!」
『えー、ノリが悪いのよ』
対馬「ったく……それで何でHなのよ、頭文字とるならTじゃ……」
『そりゃ、ちゃんと「○○」の頭文字からとっt』
対馬「殺す」
585: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 19:43:11.21 ID:WStk3DUN0
『仕方ないのよ、Tでは「建宮(Tatemiya)」と被ってしまうのよな』
対馬「被るって、あんた自分のこと司令官って言ってるじゃない」
『…………』
対馬「どうなのよ」
『では具体的な指示を出す。聞き漏らさぬように』
対馬「おいっ!!」
588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/09/17(水) 20:06:00.75 ID:WStk3DUN0
『先ずはN、いないのか?』
野母崎「あぁ、いるよ。もう随分前に着替え終わって、言われた通り待機中だ」
『よし。それなら今すぐスパゲッティを作る準備をするのよ』
野母崎「分かった。スパゲッ……ちょっと待って」
『ん?』
野母崎「え、俺が作るの?」
『当たり前なのよ。何のためにその格好してると思ってるのよ』
野母崎「いや、でも俺そんなに料理出来ないよ」
『ウソつけ。お前がたまに嫁さんと一緒に料理してるのは既にリサーチ済みなのよ』
野母崎「それは、そうだけどさ……」
590: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 20:14:59.55 ID:WStk3DUN0
『そんでもってH!』
対馬「あんた本当に後で殺すわよ」
『仮にもわたくし教皇代理なのだが……まぁいい。Hの仕事はウェイトレスさんなのよ』
対馬「……どういうこと?」
『え……まさかウェイトレスが分からないのか……?』
対馬「そんな訳無いでしょ!さっきの野母崎と言い、私の仕事と言い、おかしいでしょうが!!」
『どこがおかしいのよ?』
対馬「作戦作戦って、何考えてるのか知らないけど!なんで私達がここで働かせられなきゃいけないのよ」
『そりゃ、今日一日この店を天草式で貸しきったんだから、誰かが店員やらないとまずいのよな』
対馬「は?貸しきった?」
591: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 20:17:00.52 ID:WStk3DUN0
『お陰で今月の予算ちょっと厳しくなっちまったけど、まぁドンマイなのよな』
対馬「ドンマイじゃないでしょ……」
『流石に店員まで雇う余裕は無かったからな、お前さん達にやってもらろう事にしたのよ』
『本当は五和あたりにダイナマイツボディを生かした○○メイドをやらせようと思ったんだが、ただいま使い物にならんからな』
『仕方なく、代役としての出番なのよ。その美脚を生かせるために短めのスカートにしたんだから感謝してほしいのよな』
対馬「…………」
『てな訳で、後は頼んだのよ。ばいちゃ☆』
プツッ
592: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 20:20:29.82 ID:WStk3DUN0
野母崎「言いたい事だけ言って切っちゃったよ」
対馬「……ねぇ、野母崎」
野母崎「なんだい」
対馬「私って、そんなに○○なの?」
野母崎「え…?」
対馬「…………」
野母崎「……の、ノーコメントで」
対馬「ふんっ!!」
野母崎「ぎゅばっ!?」
バタリ
対馬「着替えてくるわ」
野母崎「行って…らっしゃい……」がくっ
594: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 21:02:30.39 ID:WStk3DUN0
――数分後
野母崎「いってて……対馬、まったく手加減せずに蹴ったな……」
野母崎「うちの女子連中はおてんばが過ぎるよ……」
??「悪かったわね、おてんばで」
野母崎「対馬!?いや、今のはほんの言葉のあやで……お?」
ウェイトレス対馬「な、何よ」きゃるん
野母崎「おぉ……これはなかなか」
対馬「思った以上にスカートが短いんだけど……これで接客しろって、ちょっと……」
595: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 21:09:32.96 ID:WStk3DUN0
野母崎「大丈夫だって。デザインも良いし、上条君だって褒めてくれるんじゃないか?」
対馬「そ、そうかしら///……って彼は関係ないわよ!!//」
野母崎「あれ、そのために着たんじゃないの?」
対馬「あんたさっきの通信で何聴いてたの!?」ぐいっ
野母崎「ご、ごめんごめんっ!!謝るから首締めないで!?」
対馬「頼まれたから仕方なく着てるだけで、彼に見てもらおうとかそんな……///」
596: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/17(水) 21:17:10.94 ID:WStk3DUN0
野母崎「ふぅ……褒めても怒られるのか。もう黙ってよう」
野母崎「…………」
対馬「え、でも待って……この短いスカートで彼の前に出るの!?」きゃるん
対馬「うわ……どうしよう。恥ずかしすぎる……////」きゃるるん
野母崎「…………」
野母崎(家帰ったら、奥さんに着てもらえないか頼んでみよう。うん)ぐっ
603: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/22(月) 21:10:49.27 ID:brmUy6il0
からん
<二名様ご案内~
野母崎「お?来たみたいだね」
対馬「もう来たの!?ちょっと早……」
pipipi
『こちら司令官こちら司令官、各員に告ぐ』
野母崎「あ、また建宮からだ」
対馬「何とか裾を引き伸ばして…っ」
604: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/22(月) 21:39:03.55 ID:brmUy6il0
『ターゲットが来店した。配置につけ』
野母崎「配置も何も、裏方なんだよなぁ」
対馬「くっ…思ったよりきっちり出来てるわね」
『こちらも定位置についた、窓際の奥から二番目の席なのよ。ほれ、U』
『へ?な、何ですか?』
『この通り、Uも元気なのよ』
『無駄なこと言わないで下さい!!あとその呼び方はなんですか!?』
野母崎「おいおい……もう二人とも店内にいるんだろう。バレるぞ」
対馬「どうすんのよこれ……」
605: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/22(月) 21:40:17.12 ID:brmUy6il0
『こちらKこちらK、二人は予定通り中央席に誘導完了』
『うむ、ご苦労。Nの方は異常ないか』
野母崎「無いよ。心配ご無用」
『Tはちゃんと着替え終わったのか』
野母崎「うん、着替え終わっていま指令待ち――」
対馬「いざとなったら、この長い前掛けでどうにか……」ぶつぶつ
野母崎「おっと……」
『どうした?』
野母崎「なんでもないよ。対馬も俺も、準備完了です」
606: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 19:58:07.07 ID:X6skPaP/0
『うむ。ではこれより――』
『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦を開始するのよな!!』
野母崎「了k……え」
対馬「でもこれじゃあ後ろが隠せな……ん?」
607: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:01:51.11 ID:X6skPaP/0
『各員、健闘を祈る』ぷつっ
野母崎「えぇぇ?」
対馬「…………」
野母崎「なんてこった、あの時の話は冗談じゃ無かったのか…!」
対馬「……ねぇ、いま建宮が変なこと言ってたわよね。私の聞き間違いかもしれないけど」
野母崎「うぇ!?そ、そうかな!?俺よく聞いてなくt」
対馬「何 て 言 っ て た ?」どんっ
野母崎「はいっ!『女教皇様と上条当麻のらぶらぶちゅっちゅ作戦』を開始する、と言っていました!」
対馬「らぶ?……あんのクワガタヘッド……」ぎりぎりぎりぎり
608: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:05:44.82 ID:X6skPaP/0
野母崎「ヤバイよ建宮、こんな計画成功しても失敗しても死」
pipipi
『ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!』
野母崎「ぬがっ!?」
対馬「ふふ……あのバカ、本当に面白いこと考えるわよね」
野母崎「そ、そうでございますね!!」
対馬「でも流石にこんな所でそんな、当麻k……上条当麻と女教皇様なら断るに決まってるわ」
野母崎「対馬様のおっしゃる通り!!」
対馬「確か中央の席にいるのよね。様子は――」
610: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:17:06.99 ID:X6skPaP/0
上条「あぁ!!」きらきら
神裂「……分かりました。頼みましょう////」もじもじ
対馬「」
対馬「………」ふりっ
野母崎「………」さっ
611: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:21:20.60 ID:X6skPaP/0
対馬「嬉しそうね、あの二人」いらいら
野母崎「そ、そうかな?」
建宮「お!遂に出番なのよ………さぁマイハニー!!俺とあっつ~いキスを!!」
浦上「は!?す、する訳ないでしょうが!!何言ってるんですか!!」
対馬「しかも何よあの建宮のふざけた演技は……浦上にまで迷惑かけて……やっぱり今すぐ殺したほうが……」いらいら
野母崎「ま、まぁいつものことだし、大目に見てs」
対馬「あぁ?」
野母崎「なんでもありません」
対馬「なんなのよ……ぶつぶつ……」いらいらいらいら
野母崎(ヤバい、他に注意を向けさせないと本当に建宮殺りかねない……)
613: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:26:03.66 ID:X6skPaP/0
野母崎「あ、あー、ほら!ちゃんと二人の様子を観察しましょう!心配でしょう、ね?」
対馬「し、心配なんかこれっぽっちもしてないわよ!当麻君の心配なんてね!!」
野母崎「いや、当麻君って……とにかく!これも仕事ですから!」
対馬「う……そうね。仕事だから仕方ないのよこれは、うん」
野母崎「ほっ。じゃあ、こっちに。この隙間からならよく見えるよ」がさっ
対馬「ここ?」じ~
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
対馬・野母崎「「!!?」」がたっ
614: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:50:20.32 ID:X6skPaP/0
対馬「な、ななななな!?」
野母崎「バカな!?上条君ならまだしも女教皇様から!?」
対馬「うわうわうわ」
野母崎「予想以上に女教皇様本気だったのか……」
対馬「そんな……」
野母崎「参ったな、もしかして本当にあの二人――」
対馬「……が……ぶない」
野母崎「へ?」
対馬「当麻君が危ない!!」
615: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:52:12.16 ID:X6skPaP/0
野母崎「あ、危ない?」
対馬「このままじゃあ、あのバカ共にそそのかされて当麻君がっ……女教皇様と無理やりキスさせられるわ!!」
対馬「止めなくちゃ……私情ではなく、あくまで五和や他の子のためにも!!」
対馬「そうよ!!わ、私が何としてでも止めないと!!」
野母崎「」
野母崎(上条君、本当に罪作りな男だね君は……)
616: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/24(水) 20:57:23.35 ID:X6skPaP/0
対馬「あ、当麻君まで目を閉じて……ヤバイわ!時間が!」
野母崎「対馬?」
対馬「なによ!ちょっといまピンチなの黙ってて!」
野母崎「はいっ」
対馬「くっ……こうなったら仕方ないわ。バレても良いから直接!」だっ
野母崎「お、おい待て対馬!」
対馬「うっさいわね!あんたは黙っててって――」
ひゅんっ
対馬「え?」
630: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:23:45.30 ID:frgLviWt0
Side:女子寮
カリカリカリカリ
シェリー「ここをこうして……まだダメか。クソッ!」
シェリー「ふぅ……」
アンジェレネ「どうですか?お店の中映りそうですか?」
シェリー「それがな、どうやらこの店に結界が張られてるみたいなのよ」
631: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:24:47.46 ID:frgLviWt0
アンジェレネ「結界?……そ、それじゃあまさか」
シェリー「すぐ傍、もしくは内部に魔術師がいるな」
アンジェレネ「はっ!もしかして、お兄ちゃんを狙って悪の組織が――」
シェリー「いや、この文様は見覚えがある。天草式ね」
アンジェレネ「はぇ?天草式って、神裂さんの?」
シェリー「そう。どうやら、考えることは皆一緒ってことね」
アンジェレネ「?」
シェリー「向こうは向こうで、この二人を監視してるってことだよ」
アンジェレネ「なるほど~」
632: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:27:24.98 ID:frgLviWt0
シェリー「ともかく、ここの術式を適当に書き変えて……」かりかりかりかり
シェリー「今度こそ、どうよ!」だんっ
ぱっ
上条「一応イギリス清教の人間だけど言うわ……いつか絶対神様殴る」
神裂「殴る?」
アンジェレネ「わぁ、映った!」
シェリー「よっしゃ!上手くいったな。これで中の様子も見たい放題だわ」
シェリー「おい、あの三人組は?」
アンジェレネ「あそこにいます」
シェリー「そしたら映像繋がったから、こっちに呼んで――」
633: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:28:22.07 ID:frgLviWt0
アニェーゼ「パパ……うぅぅぅ」
ルチア「しっかりして下さい、シスターアニェーゼ。そんなに強く掴んではぬいぐるみが……」
オルソラ「ふふふふふふ……もう、貴方様は本当に本当に」
ルチア「し、シスターオルソラ!?ティーポットにひびが!?」
シェリー「うん、見せるのはやめとくか」
アンジェレネ「ですね」
シェリー「さっきの店に入ってく映像見てからずっとああなの?」
アンジェレネ「はい。シスターオルソラが怖いです……」
シェリー「シスターが聞いて呆れるわ」
634: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:32:55.31 ID:frgLviWt0
シェリー「あの三人は放っておいて、監視を続けましょう」
アンジェレネ「私も見ますー」
シェリー「どーぞ」
神裂「この店でわ、私と一緒にいるのは……嫌ですか?」
上条「!!」
アンジェレネ「ほぇ~神裂さん可愛いですね」
シェリー「………なぁ、あんたは気にならないの?」
アンジェレネ「なにがですか?」
シェリー「上条当麻と神裂火織がデートしてんの見て」
アンジェレネ「う~ん……気になるって言うか、ずるい!って思います」
シェリー「ふぅん。さっきも言ってたわね、そう思ってる風には見えないけど」
635: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:34:35.66 ID:frgLviWt0
アンジェレネ「そうですかぁ?これでも実はちょっと怒ってたりするんだけどなぁ」
アンジェレネ「本当は、今日遊ぶ約束してたのは私が先だったのに、神裂さんにお兄ちゃん取られちゃいましたから」
アンジェレネ「そのかわり、今度は遊ぶだけじゃなくてもっとすごいことしてもらうんです!」
シェリー「すごいこと……例えば?」
アンジェレネ「え?た、例えば……えぇと……」
シェリー「考えてなかったのかよ」
アンジェレネ「そうだ!一日中お菓子食べ放題にしてもらいます!チョコラータ・コン・パンナも飲み放題です!」
シェリー「そんなんでいいの?」
アンジェレネ「そんなんって、すごくないですか?朝から夜まで甘い物食べ放題ですよ……////」うっとり
シェリー「やろうと思えばいつでも出来るだろそんなの」
アンジェレネ「絶対ムリです!シスタールチアにおしおきされちゃいます」ぶるぶるぶる
シェリー「……つくづく、シスターあるまじきだな。あんた達って」
637: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:37:14.84 ID:frgLviWt0
上条「おっと……だから、お前と一緒なのが嫌なわけじゃないから」
神裂「はい……良かった」にっこり
アンジェレネ「シェリーさんは怒ってないんですか?」
シェリー「なんであたしが怒るんだよ」
アンジェレネ「なんで……なんで?」
シェリー「……バカ?」
アンジェレネ「うぅ、バカじゃないです……」
シェリー「はぁ……怒るも何も無いだろ。二人で出掛けた程度で騒ぎ過ぎなのよ」
アンジェレネ「ほぉ、シェリーさん大人ですねぇ」
シェリー「あんたらがガキなんだろうが」
638: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 18:46:11.24 ID:frgLviWt0
アンジェレネ「わ、私は違いますよぅ!私はみんなよりお姉さんなんですから」
シェリー「面白いジョークだわ」
アンジェレネ「ジョークじゃないです!」
ウェイター「条件は“恋人同士”であること―――ズバリその名も《ラブ割キャンペーン》!!」
上条・神裂「「ラブ割!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
642: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 23:57:36.47 ID:frgLviWt0
アンジェレネ「ら、ラブ割って……」
シェリー「あんのバカ野郎……」
アンジェレネ「デザートがタダになるんですね!すごい!!」
シェリー「そこかよ!!」
アンジェレネ「だってこんな高そうなお店のデザートがタダですよ?これはもはや一つの革命と言っても過言ではありません!!」
シェリー「間違いなく過言だわ。よだれ拭け」
アンジェレネ「アップルパイにベイクドチーズケーキ……ほぁぁああああ///」
シェリー「うるせぇな!!」
643: ◆sVqYo3i6rc 2014/09/28(日) 23:59:30.49 ID:frgLviWt0
アンジェレネ「くふふ……じゅるっ」
シェリー「目が据わってるわよ……ったく」
アンジェレネ「良いなぁお兄ちゃんと神裂さん。私も今度連れて行ってもらおうっと」
シェリー「そん時は他のヤツらに見つかんないようにしろよ。厄介だから」
アンジェレネ「大丈夫ですよ、そういうの得意ですから」ふんすっ
シェリー「ふっ」
アンジェレネ「鼻で笑われたー!?」ごーん
ウェイター「愛の口付けを、一発お願いします」
上条・神裂「「口付け!?」」
シェリー・アンジェレネ「「!?」」
648: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:24:11.11 ID:aqJVBTmo0
アンジェレネ「お兄ちゃんと神裂さんがき、キスですかぁ!?」
シェリー「あ、バカッ!?声が大きい――」
アニェーゼ「パp……」ぴくっ
オルソラ「…………」ぴくっ
ルチア「え、キス?え?」
シェリー「うわヤバイ」
アンジェレネ「あわわわわわ……」
649: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:25:33.96 ID:aqJVBTmo0
アニェーゼ「どういうことです?今聞き捨てならねえこと聞いちまったような気がしたんですが」
オルソラ「私も聞いてしまったのでございますよ」にこにこ
シェリー「……き、気のせいでしょう?何かの聞き間違いよきっと」
ルチア「で、でも今確かにキスって……////」
アンジェレネ「言ってましたよn……あたっ!」
シェリー(余計なこと言うんじゃない!!これ以上刺激させたら大変でしょうが!!)
アンジェレネ(うぅ、ご、ごめんなしゃい……)
シェリー「とにかく!アンタら一回落ち着いて――」
650: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:28:08.28 ID:aqJVBTmo0
神裂「私は……当麻がしたいと言うなら、き、キスだって……/////」
アニェーゼ・オルソラ「「」」
ルチア「あ……////」
アンジェレネ「わわわわ……」
シェリー「神は死んだ」
652: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:29:39.61 ID:aqJVBTmo0
アニェーゼ「やっぱり言ってたじゃねーですか!!パパぁ!!」
オルソラ「まぁ、神裂さんもいけない人ですね。ふふ、ふふふふふ」
ルチア「い、いけません!聖職者であるというのにふしだらな……/////」
シェリー「もう知らねっと」
アンジェレネ「私もあっちでココア飲んできま~す……」
シェリー「逃げるな」むんずっ
アンジェレネ「わぷっ!は、離してください」ばたばた
シェリー「あの三人どうにかしなさいよ」
アンジェレネ「私がですかぁ!?」
シェリー「こうなったのもアンジェレネ、お前が悪い。責任取りな」
アンジェレネ「そんなー!?魔女狩りもびっくりな濡れ衣ですよ!!」
シェリー「大丈夫よ。骨は拾ってやるから」
アンジェレネ「私まだ死にたくありませんよぉぉお!!」
653: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:31:03.86 ID:aqJVBTmo0
アニェーゼ「アンジェレネ、ちょっとこっちに来て下さい」
アンジェレネ「はひっ!?」
オルソラ「じっくりお話を聞きたいのでございますよ」
アンジェレネ「お話……で、でもっ」
アニェーゼ「良いから、こっちに来いってんですよ」ずいっ
オルソラ「良い子だから、素直にこっちにいらっしゃい」ずいっ
アンジェレネ「うわ~~ん!!」
シェリー「アーメン」
ルチア「か、彼とその…き、キスなんて羨まs……じゃなくて!!/////」
シェリー「…………」
654: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:32:42.19 ID:aqJVBTmo0
シェリー「……仕方ないわ。今の内に回線切っておくか」ごそごそ
アンジェレネ「いーやーだー!!」だだだだだ
アニェーゼ「待ちなさいシスターアンジェレネ!!」だだだだだ
シェリー「ちょ、危ないわね!!室内で走り回るんじゃな」
アンジェレネ「うわっぷ!!」どてーん
がらがらばたーん
655: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/01(水) 17:35:11.49 ID:aqJVBTmo0
アンジェレネ「いたたたた……」
シェリー「い……ほら、言わんこっちゃない……あ」
アンジェレネ「ふぇ?」
zizizizizi………
シェリー「……テメェが転んだ弾みで術式が微妙に崩れて……」
アンジェレネ「崩れて……?」
シェリー「ゴーレムがコントロールを失った……暴走する」
アンジェレネ「へ!?」
BON!!
シェリー・アンジェレネ「「!!」」
660: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 22:56:41.67 ID:QPK+HwrJ0
Side:上条&神裂
神裂「………///」
上条「…………」
上条(俺も覚悟を決めよう――)
上条(――割引を断る。やっぱりどう考えてもやりすぎだ)
661: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 22:57:57.87 ID:QPK+HwrJ0
上条(神裂もこれ以上は限界だろうな。なんか頭から湯気出てるし……)
神裂「//////」ぷしゅ~
上条(な、なんか尋常じゃない量出てるな……)
上条(こりゃ、早く神裂に伝えないと)
上条「…………」がたっ
662: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:00:15.97 ID:QPK+HwrJ0
上条「(神裂、神裂)」ちょんちょん
神裂「っ……はい///」
上条「目、開けていいぞ」
神裂「え///」
上条「だから、目開けていいぞって」
神裂「す、すみません……目を開けてその、す、するのは……とてもじゃありませんが羞恥心に耐えられる自信ががががが///」
上条「いや、そうじゃない!!違うから、とにかく目開けて!」
神裂「違う……?」ぱちり
上条「ふぅ……ちょっと話がある」ぼそぼそ
神裂「話ですか……それは、一体何の…///」
上条「さっきのキスの話、なんだけどさ」
神裂「!ひゃい!///」
663: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:02:11.23 ID:QPK+HwrJ0
上条「乗り気だった俺が言うのもあれだけど……あれ、断ろうぜ」
神裂「そうですね!断りまし………え?」
上条「神裂は良いって言ってくれたけど、さすがにキスまでやるのはその、な。やりすぎだと思うし」
神裂「そ、そうですか……」
上条「そうそう。お前も、俺なんかとするの嫌だろ?」
神裂「はぁ……」
上条「キャンセル料の方は、どうにかするからさ」
神裂「…………」
上条「どうにかするっても今手持ちがそんなに無いからな、金以外の解決方法ってなるとジャパニーズ・ドゲザで頑張る位しか思いつきませんが」
神裂「…………」
664: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:04:46.16 ID:QPK+HwrJ0
神裂(断る……え、何故?)
神裂(私は構わないと、そうちゃんと彼に伝えたはずです。なのに突然断ると……キャンセルのリスクを背負ってまで)
神裂(これはどういう……)
神裂「!!!」
上条「いやでもここイギリスだからな……土下座した所で意味がない気もする」
神裂「当麻は……嫌、なんですね」
上条「最悪、捕まりそうになったら神裂だけでも……ん?」
神裂(そういうこと、ですか……はは、何を浮かれていたのでしょう私は……)
上条「あれ、どうした?なんか顔色が悪k」
神裂「当麻は私とキスをするのが、どうしても嫌なんですね……」ずごーん
上条「ほわっつ!?」
665: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:14:11.46 ID:QPK+HwrJ0
神裂「やはり、さっき言っていた事も嘘だった……私みたいな女とは……」
上条「いや嘘とかじゃなくて……」
神裂「つまりは私みたいな女とは……恋人らしい事など、死んでもやりたくないと……そういうことなのでしょう」ずずーん
上条「そういうことってどういうこと!?んなこと言ってないだろ!」
神裂「言ってなくても分かります。『ケッ、テメーみたいな図体がデカいだけの女とキスなんざ願い下げだ』という心の声が……」
上条「思ってないからー!!完璧にあなたの被害妄想ですことよ!?」
神裂「すいませんでした……ふ、不快な思いを、させてしまって……」ぐすっ
上条「泣っ!?ちょっと急にどうしちゃったの神裂さん!!」
神裂「な、泣いてなどっ!いません!」ずびっ
上条「いやだって音g」
神裂「気のせいです!」ぐすっ
上条「えぇぇ……」
666: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:19:24.76 ID:QPK+HwrJ0
神裂(それにしても、なんて滑稽な……まるでピエロですね私は)
神裂(彼が嫌がっていることにも気が付かずに、あんな露骨に……)
“神裂『口づけを下さい……当麻……///』”(思い出補正)
神裂「っ!!//////」ばっ
上条「うおっ!今度は急にメニューで顔を隠した!?」
神裂「顔を……見られたくないので……ぐすっ」
上条「は、はぁ……ってか泣いてるよなコレ絶対。不幸だ……」
668: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:41:32.60 ID:QPK+HwrJ0
上条(なぜだ……今の説明の中で変なことは一つも言ってな……いよな?)
上条(だぁー!!何が何やらまったく分からん!!)
上条「くそぅ……どうすれば……」
男性客?「おいおいおい、女を泣かす男なんてサイテー!!なのよ」がっ
女性客?「珍しくちょっとだけ同意です。しっかりしてください上条さん!」ばっ
上条「でぇ!?さっきの謎カップル………って何で俺の名前知ってるんですか?」
男性客?「あぁん?今はそんな細かいことより彼女の方が優先じゃないのか?」びしっ
神裂「もういっそ、こんな自分を消して……あぁ、七天七刀で……」ぶつぶつ
女性客?「すごく物騒なこと言い始めてるんですけど……」
男性客?「男として恥ずかしくないのか上条当麻!!」
670: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:47:20.54 ID:QPK+HwrJ0
上条「だから、俺はそういうつもりで言ったんじゃなく!!」
神裂「いえ、もう良いんです。潔くこの刀の錆となって……」チャキッ
上条「待て待て待て待て!!何してんだ危ねぇな!!」がばっ
神裂「止めないで下さい!!」
上条「んなわけにいくか!!とにかく刀しまえよ!!」
神裂「私がどうしようとあなたには関係ないでしょう!」
上条「関係ないとかそういう問題じゃないでしょーが!いいからその手を下ろせ―――!」
BON!!
<「対馬っ!」
671: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/06(月) 23:54:06.08 ID:QPK+HwrJ0
ウェイトレス?「え?―――きゃっ!!」どしーん
上条「うわっち!?」
神裂「当麻!」
ウェイトレス?「いたたた……ご、ごめんね当麻君」
上条「い、いえ……え?」
ウェイトレス?「あぁ、どうしよう!怪我とかしてない?」
上条「ただぶつかっただけなんで大丈夫です」
ウェイトレス?「良かったぁ……本当にごめんなさいね?」
上条「は、はい」
上条(店内で連れが暴走していたら、突然綺麗なお姉さ……店員さんが吹っ飛んできた。何を言っているのか以下略)
上条(あれ、でもなんかどっかで見たことある顔だな……誰だっけ?)
神裂「…………」むすっ
672: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/07(火) 00:00:27.00 ID:aFHlvCwj0
上条(……って、問題はそこじゃない)
上条「あの……この店の人、ですよね?」
ウェイトレス?「へ?………あぁ、そうよ!!じゃなくてそうです!!」
上条「俺と会うの初めてですよね」
ウェイトレス?「そ、それは勿論!お客様とは初対面です!」
上条「でも、あなたさっき俺を下の名前で呼んで……」
ウェイトレス?「うぇ!?な、何のことですか?」
上条「だから、さっき俺のこと名前で呼んでませんでした…?」
ウェイトレス?「ぐ……お客様の気のせいですよ!爆発音を聞き間違えたんじゃありませんか?」
上条「そんなん聞き間違えるか!!」
ウェイトレス?「いえ、聞き間違いですきっと!ですよねお連れのお客様――」
神裂「ほぉら、やっぱり当麻は私の様な成りそこないの女より、もっと可愛らしい女性が……」いらいら
ウェイトレス?「あ……」
673: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/07(火) 00:17:25.89 ID:aFHlvCwj0
神裂「私なんて……私なんて……」チャキッ
ウェイトレス?「女教皇……じゃなかったお客様!?」
上条「そうだ、こっちの問題がまだ片付いてなかった!おい落ち着け神裂!!」
神裂「お構いなく、そっちの方と仲良くしていいれば良いじゃないですか。では」すっ
上条「早まるな!?仲良くって、この人ただの店員だぞ!」
神裂「……当麻のことを、名前で呼んでいました」
上条「いや……そこに関しては俺の方がびっくりと言いますか……」
神裂「そして、貴方はそれに対して嬉しそうにニヤついていました」
上条「そ、そんな事ないぞ!?」
神裂「…………」じ~
上条「……あったかも、知れなくもない?」
神裂「失礼します」チャキッ
上条「お願いだから待って!?」ばっ
674: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/07(火) 00:22:58.38 ID:aFHlvCwj0
がやがやがやがや
ウェイトレス?「…………」
女性客?「これじゃあ、ただの痴話喧嘩ですね」
男性客?「まったくなのよ……羨ましいかH?」
ウェイトレス?「……別に羨ましかないわよ。あとその呼び方すんな」
男性客?「おぉ怖い……女の嫉妬は恐ろしいのよな」
ウェイトレス?「おい」
男性客?「くぺっ!?」
女性客?「まぁまぁ、Hさんも落ち着いてください!」
ウェイトレス?「だからその呼び方すな!!」
684: </b> ◇sVqYo3i6rc<b> 2014/10/18(土) 18:05:02.30 ID:4XubZH3q0
神裂「さようなら当麻……」
上条「サヨナラじゃなく!頑なに話聞かないなオイ!!」
BON!!
ひゅんっ
上条「へぶっ!?」がつーん
神裂「!?」
ウェイトレス?「と、当麻君!?」
女性客?「また何か飛んできましたよ!!」
男性客?「あのシルエット……どこかで見た気がするのよな」
685: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/18(土) 18:22:10.15 ID:4XubZH3q0
女性客「と言うより、さっきからちょいちょい変な音したり、何か飛んできたり……」
ウェイトレス?「一体何が起きてるのよ……」
男性客?「……そうか!この術式はアイツの……はっはっは!そうかそうか!」
女性客?「アイツって誰です?」
ウェイトレス?「さぁ?」
男性客?「いや、何でもない。さっきの変な音とかは心配しなくても大丈夫なのよ」
ウェイトレス?「……何を根拠に」
男性客?「ナイショ☆」
688: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/20(月) 23:51:35.69 ID:2G6CTDny0
ひゅんっ
BOOOOON!!
神裂「爆発!?」
上条「おばしょっ!?」どーん
ウェイトレス?「と、当麻くーん!!」
女性客?「何が『心配しなくて大丈夫』ですか!!最大級の爆発が起きましたが!?」
男性客?「ん?そんなこと言ったかしら?」
女性客?「ちょっ」
689: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/20(月) 23:58:31.37 ID:2G6CTDny0
上条「いってぇ……なに今の爆発……?」
神裂「と、当麻!大丈夫ですか」ぎゅっ
上条「あぁ、後頭部のダメージ大だけどなんと、か……」
神裂「?どうしたんですか!まさか意識障害が――」
上条「意識は有る!そうじゃなくて……」
上条「顔が近すぎではないでせうか……////」
神裂「顔……?」
神裂「っ///////」ぼんっ
690: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/21(火) 00:10:07.25 ID:ulgDQkXL0
神裂「あ、あ……/////」ぷしゅ~
神裂(心配で思わず近寄ってしまいましたが……これは……/////)
上条「し、心配してくれたんだよな!ホントにもう何ともないから!!安心してくれ!!////」
神裂「はい……////」
神裂(当麻の真っ赤な顔がこんなに近くに……////)
上条「だからもう離れてくれると……ってかそうしないと上条さん別の意味で大変なことに……」
神裂(……金縛りにかかったように体が動かない///)
神裂(彼の体の熱が伝わって来るようで……あ、暑くなってきました///)
上条「……なんで黙ったまま動かないんですか?まさか気絶しちまったとか!?」
神裂(当麻……////)
上条(や、ヤバい……このままだと下条さんがスタンバイ完了してしまう……!)
691: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/21(火) 00:23:08.54 ID:ulgDQkXL0
ウェイトレス?「……真っ赤な顔して抱き合いながら、動かなくなったわ」
男性客?「お、このまま店の中でおっぱじめるつもりなのk」
ウェイトレス?「…………」
男性客?「我らの女教皇様がそんなことをなさる訳がございませんよね。はい、どうもすいませんでした」
女性客?「そ、それにしても……謎の爆発とか、やたら積極的な女教皇様とか……」
男性客?「やっすいB級映画の香りがするのよな」
女性客?「言葉選んでください教皇代理」
男性客?「司令官と呼べェ!!」
692: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/21(火) 00:33:38.49 ID:ulgDQkXL0
ウェイトレス?「そんなことより、この怪現象をどうにかするのが先でしょ」
女性客?「そうですよ。さっき何か分かったみたいなこと言ってましたよね?教えてください!」
男性客?「教えても何も、お前さん達二人とも前に一回見たことがあるのよ」
ウェイトレス?「?今の爆発をってこと?」
男性客?「ブーッ!爆発に絡んでるこの……」がっ
もぞもぞもぞもぞ
ギョロッ
女性客?「きゃっ!なんですかこれ……気持ち悪い」
男性客?「前衛オブジェさんのことだ」
693: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/21(火) 00:42:04.07 ID:ulgDQkXL0
ウェイトレス?「それ……確か、イギリス清教の……」
男性客?「そのとーり。イギリス清教はシェリーのゴーレムたんよ」
ウェイトレス?「でもなんでそれがこの店にあるのよ?」
男性客?「ま、考えることはどいつもこいつも一緒ってことなのよ」
男性客?「特に、あの少年が気になるおなご達にとっては、な」にやり
ウェイトレス?「だから、何度も言うように私はっ!」
男性客?「上条君なんて気になってないんだろ?もう既に耳タコなのよ」
ウェイトレス?「くっ……ムカつく……」
694: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/22(水) 00:15:08.56 ID:oPTB+oRE0
女性客?「あの、この気持ち悪いのがシェリーさんのものだって言うのは分かったんですけど……」
女性客?「それが、この爆発騒ぎとどういう関係が?」
男性客?「細かい事は分からんが……清教の奴らの姿が見えないということは、コイツを何処からか遠隔操作で操っているって事だ」
男性客?「普通に考えれば、あの女子寮なのよ」
男性客?「そこで恐らく、術式が暴走でも起こしたのよ。あの二人のラブシーンに当てられて、今頃大騒ぎになってるだろうからな」
女性客?「な、なるほど……」
695: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/22(水) 00:21:13.53 ID:oPTB+oRE0
ウェイトレス?「ふぅん……これで当麻くんの……」つんつん
ギロッ
zizizizizizizizizi…………
ウェイトレス?「ちょっと……なによこの音」
女性客?「それになんか光り出してませんか……?」
男性客?「……恐らくだが、そいつ爆発するのよ」
ウェイトレス?「え!これが!?」
女性客?「どうして、そんなこと!」
男性客?「いや、だって変な風に膨らんできているのよな」
zizizizizizizizizizizi…………
女性客?「え……ほ、本当だ」
696: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/22(水) 16:50:44.20 ID:oPTB+oRE0
ウェイトレス?「ヤバいんじゃないの、これ……?」
女性客?「どうするんですか!?」
男性客?「うぅむ……」
zizizizizizizizizizizizizizizizi……
ウェイトレス?「考え込んでる暇なんか無いわよ!!」
女性客?「建宮さん!!」
男性客?「っだぁ、うるせぇのよ!!こんなもんはな!!」しゅっ
男性客?「こうしてやるのよーー!!」びゅっ
女性客?「投げたー!?」
ウェイトレス?「そ、そっちには当麻くんが!!」
709: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/26(日) 22:21:29.60 ID:RGdfi6++0
上条「…………///」
神裂「…………///」
上条(あれから神裂がまったく動かなくなった)
上条(体中押し付けられて、色々当たってるだけでもヤバいってのに……)
神裂「とうま……///」すりすり
上条(何故か俺の首筋に額を擦り付けてる……クソッ!!神は俺を試しているのか!!)
上条(ってか本当にどういうことなの。この人まさか神裂のソックリさん?)
上条(普段と態度が違いすぎる……)
710: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/26(日) 22:40:42.94 ID:RGdfi6++0
上条(と、とにかくまずは体を離さないと……)ぐいっ
神裂「ぁんっ……//」びくんっ
上条「わ、わりぃ!!」
神裂「い、いえ……少し驚いただけで……///」ぎゅっ
上条「おぅふ」
上条(なんでまた抱きつくんですかァ!?)
上条(むしろさっきより悪化してるじゃねーか!!)
神裂「………///」ぽー
711: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/26(日) 23:14:03.97 ID:RGdfi6++0
上条「な、なんで抱きついてるんだ神裂」
神裂「…………////」ぽー
上条(例によって例のごとく、神裂に俺の声は届いてない)
上条(よって俺の理性が大ピンチなこの状況は、何も解決していない。むしろ加速してる気がする……)
神裂「んっ……///」ぎゅっ
上条「おぷっ!?」
上条(こ、これが伝説のおっぱ……!?)
上条(……うん。心を整えよう。悪しき煩悩を滅殺しよう)
上条(そうだ!!こういう時は素数を数えるんだって小萌先生が言ってた!!―――よし!!)
上条(………………)
ぽくぽくぽくちーん
上条(……素数のスタートって0だっけ?それとも1……)
712: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/26(日) 23:17:48.88 ID:RGdfi6++0
上条(上条さんのバカ!!結局いっつもこの問題にぶち当たって数えられてないんだろうが!!)ぎゃーん
上条(はぁ、こっち来てから勉強なんて全然してねえもんなぁ……)
上条(強いて言えば英語?……いや、それ出来ないと生活がアウトだから)
上条(それも寮内だと殆ど皆日本語で話してくれてるし……)
上条(……え、まさか俺イギリスに来てから堕落してる……?)
上条「なんてこった……」ずーん
神裂「?」
神裂(当麻が落ち込んでいる……でも、落ち込んでいる当麻もまた……///)
722: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 16:51:53.25 ID:SJCoFRsz0
上条「俺、無事に寮に帰れたら計算ドリル買うんだ……」
ひゅんっ
がっ
上条「九九辺りからやった方がいいkぶべしっ!?」
ぐらっ
神裂「あ、危ない当麻っ」がしっ
上条「……まただよ。何か今日は一段と不幸だわ……いてて」
神裂「だ、大丈夫ですか?い、痛いの痛いの飛んでけ~……」
神裂「……/////」
上条「は、はは……あ、ありがとな」
上条(んなに照れるならやるなよ……////)
ずるっ
上条・神裂「「え?」」
723: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 17:05:25.32 ID:SJCoFRsz0
神裂(いけません!不安定な体勢で居たからか、バランスが崩れて……)すっ
上条(このままだと神裂が頭から落ちる……危ねぇ!!)ぎゅっ
ばたんっ!!
神裂(っ…………)
神裂(………あ、あれ?)
上条「うっ、体捻った……」
724: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 17:07:26.61 ID:SJCoFRsz0
神裂「当麻……」
上条「おっ、無事そうだな。良かった良かった」
神裂「ありがとうございます……すみません、こんな――」
上条「お互い様だって。これでさっきの『痛いの痛いの飛んでけ~』はチャラな」
神裂「!忘れてください!あれは咄嗟でつい言ってしまっただけです!」ばしばしっ
上条「あでで!分かった、分かったから!照れ隠しが痛い!!」
zizizizizizizizizizi……
上条「ん?」
725: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 17:11:44.68 ID:SJCoFRsz0
上条「なんだこの音……」
zizizizizizizizizizi…………
上条(なんだこれ……まさか、さっきから俺にぶつかってきてたのはこの……)
ギョロッ
上条(!これシェリーのゴーレムじゃねーか!!)
上条(なんでこんな所に……)
神裂「当麻が本当に痛そうにしていたから、どうにかしようと焦っただけですから……だから……」ぶつぶつ
726: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 17:23:03.15 ID:SJCoFRsz0
かっ
上条(ひ、光り始めた……一体今度は……)
―――――――――――――
ギョロッ
上条『へぇ、こいつに隠密行動させんのか……』
シェリー『そうよ。そのために動きとか遠隔操作性の向上をうんたらかんたら』
上条『なるほど……でも、もし気付かれたらどうするんだよ。近くにいないから、見つかった時点でアウトなんじゃ……』
シェリー『大丈夫よ、その辺はちゃんと考えてあるわ。いざとなったら――』
上条『いざとなったら……?』ごくり
シェリー『自爆する』
―――――――――――――
上条「まさかっ!?」
上条(盛大にバクハーツ!!??)
神裂「別に、一度言ってみたかったとかそんな理由ではなく……///」ぶつぶつ
727: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 17:27:00.17 ID:SJCoFRsz0
上条「こりゃヤバス!!」ぎゅっ
神裂「きゃっ、ななな何ですか急に////」
どぉぉぉぉおおおおおおおおおん
ひゅんっ
ぱこーん!
上条「うべっ!?」
神裂「きゃっ!!」
ぶちゅっ♥
737: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 22:56:48.52 ID:SJCoFRsz0
ウェイトレス?「ゴホゴホッ……何やってんのよ!!」がすっ
男性客?「(*ゝω・)てへぺろ☆」
女性客?「今までで一番大きい爆発でしたね。女教皇様と上条さん無事かな……」
ウェイトレス?「そうよ!あんな至近距離で爆発なんて、もしかして酷い怪我してるんじゃ……当麻くん!」
女性客?「あの二人に何かあったら、教皇代理として責任とってくださいね!!」
男性客?「んなこと言ったって、こんな事が起きるなんざ想定外なのよ!俺に一切の責任はない!!」
ウェイトレス?「あんたさっきゴーレム投げつけた張本人でしょうが!!」
男性客?「暴力はんたーい!!SOS!SOSなの……よ……」
男性客?「…………」あぜん
女性客?「あれ、急に固まっちゃった。おーい」
男性客?「あ……あれは……」
ウェイトレス?「?あれ?なんのことよ」くるっ
738: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 23:01:12.70 ID:SJCoFRsz0
ぶっちゅ~♥
神裂「んっ……/////」
上条「んむっ!!?」
ぶっっちゅ~~♥
神裂「ん……あ//////」
上条「むっ……っはぁ!!」
神裂「…………///////」
上条「あ、あ……い、いいいいいいいままままままま!!!??/////」
神裂「と、当麻……///////」ぽやーん
上条「お、おぉぉぉぉおおおおお!!??////////」
739: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 23:08:33.55 ID:SJCoFRsz0
ウェイトレス?(対馬)「…………」
対馬「当麻くん……」
男性客??(建宮)「…………」
女性客??(浦上)「…………」
建宮「……浦上、至急牛深に連絡して五和を安全圏まで隔離するよう指示を出せ」
浦上「わ、分かりました////」
建宮「いま目の前で起きている事態を、絶対に五和……加えてイギリス清教の連中に知らせてはならんのよ」
浦上「ら、ラジャーです!////」
建宮「一歩間違えれば、本当にこの国を揺るがす戦争に発展する恐れがあるのよ……!」
浦上「はい!/////」
建宮「……所で、今のちゃんと撮ってる?」
浦上「あ、そ、そっか……はい!撮れてます!鮮明に!/////」●REC
建宮「グッジョブ!!」
740: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 23:40:16.24 ID:SJCoFRsz0
Side:五和
牛深「Zzz………」
五和「はい。それじゃあ、また明日……」
五和「えぇ?お別れのキスですか?////」
五和「も、もう……当麻さんの甘えんぼっ////」
五和「一回だけですからね?」
五和「ん……ちゅっ////」
五和「ふふふふふふふふふふふ//////」でろでろ
741: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 23:50:07.72 ID:SJCoFRsz0
五和「ふぅ……」
カチッ
五和「幼馴染モードも素晴らしかった……はぁぁ///」
五和「まさか当麻さんにあんな趣味があったなんて、きゃっ///」
五和「ふふ、次はどのモードにしましょうか♪」
…………
五和「……そう言えば、皆何処に行ったんだろう?」
五和「あの、牛深さん」
牛深「Zzz………」
五和「気持ちよさそうに寝てる……そっとしておいた方が良いかな」
743: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/28(火) 23:58:32.18 ID:SJCoFRsz0
五和「携帯に連絡入れてみよう……対馬さんの番号は」
『おかけになった電話は電波の届かない場所におられるか、電源が入っていないため、かかりません』
五和「……繋がらない。じゃあ今度は浦上ちゃんに……」
『おかけになった電話は(以下略』
五和「あれ、おかしいな。どうして皆繋がらないんだろう……」
牛深「ぐがぁ~……すぴゅぅ~……」
五和「話聞くにも、牛深さんすごい寝入っちゃってるし」
prrrrrrrrrrr!!
五和「わっ!?」
744: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 00:09:49.11 ID:AYwNoy9k0
五和「わ、私の携帯?」
しーん
五和「違うみたい……じゃあ何が鳴って……」きょろきょろ
prrrrrrrrr!!
五和「あった!これって……トランシーバー?なんでこんな紛らわしい音なのかな」
ぽちっ
『あ、繋がった!牛深さん!私です浦上です!』
五和「え?」
五和(うそ、あれ?さっき携帯に連絡したときは反応無かったのに……)
『至急お伝えしなければいけないことが有ります!!五和には絶対に聞かれないようにしてください!!』
五和「え、え?」
五和(聞かれないようにって……私もう聞いちゃってる……)
745: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 00:20:28.59 ID:AYwNoy9k0
『良いですか、今すぐに五和を連れて天草式の本部に戻って下さい!!表の大通りは使わずに裏通りを使って!!』
五和「な、なんで?」
五和(私と牛深さんだけ本部にって……まさか、皆の身になにかっ――!?)
『訳を詳しく話している時間は無いので、映像データを牛深さんの端末に送ります!絶対に五和に見られないように確認したら、すぐに行動に移って下さい!!』
『以上、教皇代理の代理で浦上からお伝えしました!!では!!』
五和「あ、待って――」
プツッ
五和「切れちゃった……」
五和「……どういうことなんだろう。やっぱり何か起きてるのは間違いないみたい」
五和「しきりに『私に見せないように~』とか強調していたのが気になるけど……」
ぴろりん♪
五和「あ……牛深さんの携帯だ」
五和(さっき言ってた映像データかな)
747: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 00:26:55.32 ID:AYwNoy9k0
五和「どうしよう。気になるけど、人の携帯勝手に見るなんて……」
五和(ううん……でも、もしかしたら他の皆が危険な状況にあるかもしれないし、急いで確認した方がいいよね?)
五和「…………」
牛深「ぐごっ……すぅ~……」
五和「ごめんなさい牛深さん!」さっ
パカッ
五和「映像データは……これだ」
五和「…………」ごくり
ぽちっ
749: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 00:34:54.56 ID:AYwNoy9k0
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
五和「……え?」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
五和「……は?」
ガシャンッ!
五和「…………」
五和「………………」
五和「へぇ……そう言うこと、か……ふふ」
五和「ふふふふふふふふふふふ…………」ごごごごごごごごごごごごご
756: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 18:43:09.89 ID:AYwNoy9k0
side:女子寮
アニェーゼ「ゴーレムが暴走って……大丈夫なんです?」ぎりぎり
アンジェレネ「痛い痛いっ!ギブです!ギブアップです!!」ばたばた
シェリー「偵察用で一番小さいやつだから大丈夫だと思う……たぶん」
ルチア「たぶん……」
シェリー「仕方ないじゃない。向こうの状況がわかんねえんだから、なんとも言いようが無い」
アンジェレネ「なんで降参してるのに止めてくれないんですかぁ!?いたいいたいいたい!!」
757: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 18:47:48.93 ID:AYwNoy9k0
オルソラ「新しく術式を組みなおせば大丈夫なのではございませんか?」
シェリー「今やってみてる」かりかりかりかり
ルチア「何かお手伝いできることはありますか」
シェリー「特に無いから、心の準備でもして待ってなさい」
ルチア「心の準備?」
シェリー「そう。もし映像復活したら、当麻と神裂のあっつーいラブシーンが始まってたりするかも知れないぞ?」
ルチア「え……ら、ラブっ!?///」
オルソラ「シェリーさん……?」
シェリー「はい。冗談です、すみませんでした」
アニェーゼ「今回はこんぐらいで勘弁してやりますよ」
アンジェレネ「は、はひぃ………」ぼろっ
758: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 18:49:39.36 ID:AYwNoy9k0
シェリー「あーダメだ!一回完璧に通信が切れたから、こっちで組み直しても無理みたい」
オルソラ「そうでございますか……」
アニェーゼ「どうです?上手くいきました?」
シェリー「全然。うんともすんとも反応なし」
アニェーゼ「残念ですね。これからがお楽しみだったってのに」やれやれ
シェリー「あんだけ取り乱してたやつが何言ってんだ」
オルソラ「ふむ………」
ルチア「ら、ラブシーンと言うのはつまり二人が……で……け、汚らわしい!そんなこと……そんなこと////」
アンジェレネ「こひゅー……」
759: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 18:52:05.62 ID:AYwNoy9k0
シェリー「あいつらが帰ってくるまでおとなしく待ってましょう」
アニェーゼ「写らないのなら仕方ないですね。ちっ」
シェリー「んじゃあ、解散と言うことで――」
オルソラ「ちょっと待ってくださいまし」
シェリー「あたしちょっと寝てくr……何よ」
オルソラ「私に一つ提案があるのでございますよ」
シェリー「提案?」
オルソラ「動かない機械を直すとっておきの方法を知っているのでございます」
アニェーゼ「へぇ、すごいじゃないですか」
シェリー「……聞かせてくれるかしら」
オルソラ「ななめ45度ちょっぷ、でございます」どどんっ
シェリー「はい却下」
760: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 18:57:47.22 ID:AYwNoy9k0
オルソラ「どうしてでございますか?」きょとん
シェリー「あのねぇ、術式が崩れてるのをチョップで直せるわけが無いだろ!!」
オルソラ「ですが、日本ではよくこうすると神裂さんが……」
シェリー「それ家電の話だろうが!!おまけに、つい最近それを実践して大惨事になったのを忘れたの!?」
アニェーゼ「でもあれは、神裂の馬鹿力で起きたミラクルじゃねーですか」
オルソラ「そうでございますよ」
シェリー「うるせぇ!とにかくその方法はダメよ!」
オルソラ「残念です……」しゅん
シェリー「ったく……」
オルソラ「と見せかけて、えいっ」ちょっぷ
シェリー・アニェーゼ「「あ」」
762: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 19:08:17.86 ID:AYwNoy9k0
し~~~ん
オルソラ「あらあら?」
シェリー「……だから言っただろ。物理的な作用でどうにか出来るものじゃないのよ」
アニェーゼ「確かに、それで直せたら魔術師はいらねーってんですよ」
ごごごごごごごご……
かっ
シェリー「!?」
オルソラ「まぁ、なにやら魔方陣が光りだしていますね」
アニェーゼ「え、うそでしょう……本当ですね」
オルソラ「どうしたのでございましょう?」
アニェーゼ「いやいや、たった今……若年性アルツハイマーですか」
シェリー「……解せぬ」
763: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 19:18:56.48 ID:AYwNoy9k0
ぱっ
オルソラ「あ、映りました」
アニェーゼ「すげぇ、完璧に直ってんじゃないですか」
オルソラ「どんなもんだーい、でございます」えっへん
アニェーゼ「またイギリス清教で新たな奇跡が起きましたね」
シェリー「…………」
オルソラ「シェリーさん?調整をお願いしても宜しいですか?」
シェリー「そ、そうね………あんたの右手はどうなってんのよ一体」かりかりかり
オルソラ「その不具合をぶち壊す!のでございます」
シェリー「やかましいわ」
765: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/29(水) 19:21:53.39 ID:AYwNoy9k0
アニェーゼ「おーい、そこのおバカさん二人。映るみたいですよ」
アンジェレネ「」ぴくっ
ルチア「いけません!///私は正教徒私は正教徒私は正………え?」
アニェーゼ「だから、また映るみたいですよ」
アンジェレネ「え!本当ですか!」しゅたっ
アンジェレネ「見に行きましょう!シスタールチア!」ばっ
ルチア「え、え、何を?」
アニェーゼ「ふーん……随分と元気そうじゃないですか、え?シスターアンジェレネ?」
アンジェレネ「!!」
アニェーゼ「あの位じゃ全然効かないって事ですかね……」ゆらっ
アンジェレネ「誤解です!本当はメチャクチャ痛くて立っているのもやっとなんですから!」
アニェーゼ「ほぅ?」
アンジェレネ「両足の骨折れちゃってるんですから!バラバラですから!」
アニェーゼ「んなわけないでしょう。どんだけ嘘下手くそなんですか」
アンジェレネ「う、嘘じゃないもん!」だっ
アニェーゼ「あ、待て……って思いっきり走ってんじゃねぇですか!!骨折どこ行った!!」
770: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/30(木) 20:59:12.93 ID:boXuyXSf0
シェリー「ん、もうちょっと右か……こうかしら」かりかり
オルソラ「木棚が邪魔でよく見えないのでございますよ」
シェリー「高さが足りないのか……なら、これでどうよ!」だん
ぱっ
神裂『んっ……/////』
上条『んむっ!!?』
シェリー「なっ!?」
オルソラ「あら……」ぴしっ
771: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/30(木) 21:02:24.83 ID:boXuyXSf0
アンジェレネ「私にも見せてください!どーん!!」ばふっ
アンジェレネ「どうですか?お兄ちゃん映ってますか?」いそいそ
シェリー「うっわ、マジでやりやがった……いや、確かにこうなる事も考えてはいたけど……」
オルソラ「本当に……これはお灸を据えないといけないのでございますよ、ふふふ……」
シェリー「お灸って……あんた何するつもりよ」
オルソラ「聞きたいのでございますか?」にこっ
シェリー「やっぱりいいわ、止めとく。あんた目が笑ってねえよ」
アンジェレネ「うぅ、無視しないで私にも見せてくださいってば!!」
アニェーゼ「ハァハァ、やっと追いついた……チッ、逃げ足だけは無駄に速いんですからもう」
ルチア「シスターアンジェレネ!あれだけ寮内で走り回ってはいけないと!」
アンジェレネ「うげっ!」
772: ◆sVqYo3i6rc 2014/10/30(木) 21:10:53.08 ID:boXuyXSf0
アニェーゼ「少しは反省しろってんですよ」がみがみ
ルチア「本当に貴方ときたら……」がみがみ
アンジェレネ「ご、ごめんなさい……」しゅん
ルチア「まったく、一体何度同じことで叱れば……おや?シスターオルソラの様子が」
アンジェレネ「ゴーレムさんの映像が戻ったのを見てからずっとあんなかんじですよ」
アニェーゼ「背中からドス黒いなにかが立ち上ってるんですが……どんな映像が映ってんですかね」
アンジェレネ「私も早く見たいのに、無視して見せてくれないんですよぅ!」
784: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/01(土) 23:50:18.67 ID:v0uNO+x50
ルチア「あの、その映像見せてもらっても……?」
シェリー「これは正直予想以上だった……絶対に外部に漏れないようにしないと……」こそこそ
オルソラ「えぇ、そうでございますね」ひそひそ
ルチア「……あの!聞こえませんでしたか?その映像を見せてもらえませんかと」ぐいっ
シェリー「あ、バカあんた勝手に――」
神裂『ん…ちゅ……』
上条『んむ……』
ルチア「言って……」
ルチア「…………」
シェリー「あっちゃー……」
ルチア「……ええぇっ!?そ、そそそそそそんな!!?」
785: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/01(土) 23:55:53.86 ID:v0uNO+x50
アンジェレネ「なんですかなんですか!!なにが写ってるんですか?隠さないで見せてくださ……」
アニェーゼ「そうですよ。彼に仕事を頼んだのは私なんですから、その経過を確認する義務が……」
神裂『ん……あ//////』
上条『むっ……っはぁ!!』
アンジェレネ・アニェーゼ「「ふぇ?」」
アンジェレネ・アニェーゼ「「えぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?!?!?」」ぴしゃーん
ルチア「ぁ……」ふらり
シェリー「おっと……マズったわ、見ちまいやがった」
オルソラ「そうでございますね」にっこり
シェリー「…………」
787: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:15:13.52 ID:kaV5gcX10
Side:神裂&上条
神裂「当麻……///」ぎゅっ
上条(え、嘘だろッ!?)
上条(俺はいま本当に……神裂と、き、ききききき)
上条「うわぁぁぁあああああ!!」
神裂「どうしたんですか?慌てて……そんな当麻も可愛らしい……///」
上条「逆にどうして神裂はそんなに落ち着いてるんだよ!?」
神裂「……落ち着いてなどいません。ほら、こんな風に――」
むにっ
上条「!!!???」
788: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:18:40.28 ID:kaV5gcX10
上条(か、神裂が俺の手を掴んで自分の破壊的なお、おぱ―――!?)
神裂「あんっ……///」
上条「お、おいこくぁwせdrftgyふじこlp!!?」
神裂「ほら、分かりますか当麻」
神裂「心臓の鼓動がこんなにも早く……あなたのせいですよ、んっ……////」
上条「」ぷつーん
上条(―――もうダメだ。良いよね?俺行っちゃっても良いよね?)
上条(ここまで必至こいてジェントル上条さんを保ってきたけど、限界だ!!)
789: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:21:49.92 ID:kaV5gcX10
上条(大体、自分からあんなけしからん体擦り付けて来ておいて、挙句に真っ赤な顔であんなこと言われたら……)
上条(男として黙ってられないだろ!!下条さん発動しても仕方ないだろ!!ぶっちゃけ神裂さんドストライクですし!!)
上条(上条当麻……いきます!!!)
神裂「んっ」ぎゅっ
上条「ぐもっ!?」
神裂「あなたのせいですから……せ、責任を取ってください!ちゅっ……」
上条「んむっ!?」
上条(はい負けましたー。ってか神裂に対して腕力で勝てるわけが無かったー!!)
神裂「ん、ちゅっ……とうま////」とろん
上条「う……////」
上条(……あぁもう、どうにでもな~れ)
790: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:23:46.64 ID:kaV5gcX10
こそこそ
浦上「うわうわうわうわ……////」
対馬「と、当麻君が……」
建宮「遂に覚醒したのよ……女教皇様と上条当麻、共にな!!」きりっ
浦上「す、すごい……あっ、またキスした/////」
対馬「つまりは、私も強気で攻めれば当麻くんとあんな風に……/////」
建宮「聞いてないのね」
791: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:25:13.58 ID:kaV5gcX10
建宮「まったく、女ってのは逞しい生き物なのよな」
建宮「そいじゃ、牛深に連絡して五和の様子を確認するとしますか……」
「どうして私の様子を確認するんですか?」
建宮「あん?どうしてってそりゃ……」
建宮「…………」サー……
五和「ねぇ、どうしてですか?」にっこり
792: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:27:33.28 ID:kaV5gcX10
建宮「あ、あ………」
五和「どうしたんですか?建宮さん、顔が真っ青ですよ」
建宮「いや、あの……」
五和「あ、そういえば牛深さんに連絡するって言ってましたよね」
ドサッ
牛深「」死ーん
五和「どうぞ。さっきから何回起こしても反応が無いので、話せないと思いますけど」
建宮「ち、ちがっ……」
793: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/03(月) 19:32:05.50 ID:kaV5gcX10
五和「違う?何が違うんですか?」にこにこ
建宮「落ち着け!と、とにかく話をさせてほしいのよ!」
五和「……話、ですか」
建宮「そ、そう!ほらあの昔のどっかのお偉いさんが『話せば分かる』って―――!」
五和「……ふふっ」
<ぎゃぁぁぁあああああああああああ
上条「ん?いま誰かの悲鳴が聞こえたような……」
神裂「そうですか?私には当麻の声しか聞こえません///」ぎゅっ
上条「おぷっ!!」
804: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/04(火) 09:40:48.04 ID:kI8p0gWX0
上条(うっ、そろそろ締め付けられすぎて呼吸が……)
上条(タップ!このままだと○○○○で溺死といううらやま……恐ろしい事態になる!!)ぱしぱし
神裂「あぁ、そんな激しく……な、なるほどこれが『えすえむ』と言うモノですね……///」
上条(違えぇぇ!!なに言い出してんだこの人!!SMなめんな!!)
上条(……いかん、酸素が足りなくなって思考回路が……)
上条(頼むから気付けって!!)ばしばしっ
神裂「ぁんっ……んっ……////」ぴくん
上条(あ、これダメだわ)
上条(……グッバイマイソウル……)
神裂「あ……」
すっ
805: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/04(火) 09:42:44.29 ID:kI8p0gWX0
上条「おっ?」
上条(神裂の締め付けが緩んで、急に呼吸が楽に……)どさっ
上条「すぅぅぅぅ~……はぁぁぁぁぁぁ~……た、助かった。マジでリアル昇天するところだった……」
神裂「あなたは………」
上条「生きているって素晴らしい……」
神裂「…………」
上条「神裂?」
??「随分と楽しそうですね、女教皇様」
神裂「い、いえ。これは……」
上条「?あれ、この声――」くるっ
五和「こんにちは当麻さん」にっこり
上条「五和!なんでここに……」
819: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/04(火) 22:50:29.11 ID:kI8p0gWX0
五和「すいません、当麻さん。詳しいことはまた後で……今は先ず女教皇様とお話が」
神裂「…………」ぐっ
上条「え、あ、はい」
上条(……話をするんだよな?)
五和「…………」カチャリ
神裂「…………」チャキッ
上条(なのに何で無言で武器を構えてるんでせう……?)
??「(か、上条さん!こちらへ!)」
上条「え?」
820: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/04(火) 22:59:09.39 ID:kI8p0gWX0
浦上「お、お久しぶりです!上条さん」
対馬「ひ、久しぶりね。当麻君」
上条「浦上に、対馬さん!?」
上条「え……ここ天草式の拠点だったりする?どうしてこんなに集まってんだ?」
浦上「そ、それはですね。なんというか深い訳がありまして……その」ごにょごにょ
対馬「当麻くんが女教皇様とデートに行くって言うから、心配になって付いて来たのよ!」ばーん
浦上「ちょっと対馬さん!?」
821: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/04(火) 23:06:02.16 ID:kI8p0gWX0
上条「は?デート……いやいやいや!!これはデートじゃないですから!」
対馬「誤魔化しても無駄よ、建宮から全て聞いてるわ」
上条「全て聞いてるならデートじゃないって分かるで……あれ?そう言えば建宮とか男連中はいないのか」
浦上「あぁ、建宮さんと牛深さんならそこに……」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」
上条「どうしたんだコレ!?」
対馬「五和にやられたのよ」
上条「ま、マジか……」
830: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/05(水) 19:26:04.56 ID:3b/iCBbj0
上条「建宮の奴、また何かやらかしたのか……」
浦上「いえ、今回は建宮さんよりも……」じ~
上条「……え、俺!?」
浦上「はい」
上条「うそん!?」
上条「バカな……俺なんもしてないぞ」
対馬「何言ってんの。女教皇様とあんな風にき、キスしておいて……////」
浦上「////」
上条「あれはっ!いわゆる不可抗力ってヤツで――」
831: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/05(水) 20:11:18.92 ID:3b/iCBbj0
対馬「じゃあ、その後もずっと女教皇様と抱き合ったままで――おまけにむ、胸まで触ったのも不可抗力ってこと?////」
浦上「うぅ…////」
上条「それは神裂が勝手に……」
対馬「仕事に行くなんて結局嘘だったんじゃない……///」
上条「待った!仕事って言うのは嘘じゃねぇよ、本当だって。1時20分までに空港に行って取引を……」ちらっ
時計<12時50分>
上条「なッ!!?」
832: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/05(水) 20:37:50.60 ID:3b/iCBbj0
上条「もうこんな時間!?余裕持って出てきたはずが!!」
浦上「空港って何処に行くんですか?」
上条「ヒースローだけど……」
対馬「ここから30分でヒースロー空港か……ギリギリね。正直間に合うか……」
上条「こうしちゃいられない、神裂!!」
神裂「五和……」ぐっ
五和「羨ましいです、当麻さんとあんな……あんな……」ぎりっ
ごごごごごごごごごごごごごごごご
上条「…………」
835: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/05(水) 23:40:24.89 ID:3b/iCBbj0
上条「え、あの二人急にどうしてしまったんですか?なんで一触即発な空気になってるんですか!?」おろおろ
対馬「……自覚ないって、ある意味罪よね」
浦上「と、取り敢えず、上条さんは気づかれないようにこの場を立ち去ってください。五和と女教皇様の方は私達でなんとかしますから」
上条「でも、神裂は取引の護衛に……」
対馬「取引に間に合わなかったら守るも何もないわよ!事が片付いたら追いかけて護衛でも何でもしてあげるから!」とん
上条「そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!」きりっ
対馬「あ、うん。ま、任せて……///」
浦上「頑張ってくださいね上条さん!」
上条「あぁ、サンキュな」にっこり
浦上「ぁう……////」
837: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/05(水) 23:52:13.10 ID:3b/iCBbj0
上条「じゃっ。二人とも本当にありがとう!この埋め合わせは必ず!」たったった
対馬「いってらっしゃい……当麻君////」
浦上「かっこよかったですね、上条さん……///」
五和「今日こそ、白黒はっきりつけましょう……女教皇様」
神裂「……分かりました。受けて立ちましょう」
ごごごごごごごごごごごごごごごご
対馬「……さぁ。あんな風に言っちゃった手前。私達も頑張りましょうか」
浦上「はい!」
対馬「取り敢えず、もう一回この辺りに人払いの術式を……」
浦上「…………」
浦上(あれ?誰かのこと忘れているような……気のせいかな?)
838: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 00:05:33.58 ID:Vm4tSnlw0
たったった
上条「やっべぇ……かなり急がねぇと間に合わない」
上条(クソッ、何やってんだ俺は!アニェーゼに頼まれた大事な仕事だってのに……!)
“アニェーゼ『パパ、お願い!』”
上条(それが間に合いませんでした、じゃダメだろ!人として!)
どんっ
上条「あ、すいませ……そ、そーりー」
上条「昼過ぎて、道に人が増えてきたな……雨も止まねぇし」
上条(この中を走ってくのは無理か……)
839: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 00:09:51.83 ID:Vm4tSnlw0
上条「どうやって空港まで行く……?」
上条(タクシーに乗るか……いやダメだ、ここからだとかなり料金がかかる。今の手持ちだと間違いなく足りない)
上条(バスは……これもダメだな。俺の英語力じゃ空港行きのバスを探し出すのでタイムアウトだ……)
上条(そうだ!地下鉄……は今ストライキ中だったよな確か。くっそ何てタイミングだよ不幸だー!!!)がしがし
上条「やっぱ無理矢理でも走っていくしか……」
??「はぁ~い、坊や。そんな所で何慌ててるのかしら?」
上条「いや、ちょっと今急いでて……ってお前は!!?」
851: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 22:40:23.10 ID:Vm4tSnlw0
Side:女子寮
アニェーゼ「ふぇぇん……ぱぱのばかぁ……」めそめそ
アンジェレネ「な、泣かないでくださいシスター・アニェーゼ!よ~しよ~し」なでなで
シェリー「やっぱガキには刺激が強すぎたか……マセてるくせに妙な所で初心なのよね」
オルソラ「あら、可愛らしいではございませんか」
シェリー「可愛らしい、ねぇ……」
ルチア「うぅ……////」
シェリー「キスシーン見て倒れるのは果たして可愛いのかしら」
オルソラ「そ、そうでございますね……」
852: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 22:43:43.94 ID:Vm4tSnlw0
シェリー「そういや、あんたはもう気持ち整理ついたワケ?さっきまで随分と荒んでたけど」
オルソラ「はい、もうすっかり気分爽快でございますよ♪」
シェリー「そう、なら良かったわ」
オルソラ「お仕事の途中で、あんなことをしてしまったお仕置きはちゃんと致しますけれど……」
シェリー「すんのかい」
オルソラ「そこまで目くじらを立てなくとも、帰ってきたら私にも口付けしてもらえば良いだけの話でございます」
シェリー「……は?」
オルソラ「いわゆる『おかえりなさいのちゅー』でございますよ」
シェリー「…………」
854: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:00:48.16 ID:Vm4tSnlw0
シェリー(なるほど、そういう考えに辿り着いたか)
シェリー(こりゃ、仕事が終わっても大変そうね……あたしの知ったこっちゃ無いけど)
シェリー「……まぁ、良いんじゃねーの?他の奴らにバレないようにすれば」
オルソラ「?何故でございましょう?」きょとん
シェリー「当たり前でしょうが。またこの騒ぎが繰り返されるのが目に見えてるでしょう?」
オルソラ「あぁ、なるほど……」
シェリー「またあいつらの暴走止めろだなんて冗談じゃないわ」
オルソラ「そろそろお夕飯の食材を買いに行かないと」
シェリー「話聞いてた!?」
855: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:02:23.50 ID:Vm4tSnlw0
アニェーゼ「すんっ……」しくしく
アンジェレネ「ど、どうしよう」おたおた
アンジェレネ「……あぁ、主よ。どうかシスター・アニェーゼを泣き止ませてください……」
アニェーゼ「うぅぅ」めそめそ
アニェーゼ「…………」
アニェーゼ「…………」すくっ
アンジェレネ「アーメン………あれ、泣き止んだ?」
アニェーゼ「……そうだ、私がパパを迎えに……」ぼそぼそ
アンジェレネ「やった、お祈りが通じた…」
アニェーゼ「パパ!!」だっ
アンジェレネ「え?パパ?――ちょっと何処行くんですかー!?」
856: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:04:45.48 ID:Vm4tSnlw0
オルソラ「献立は何がよろしいですか?それによってお買い物の内容が変わってくるのでございます」
シェリー「……なんでもいいわよ。任せる」
オルソラ「それでは旬のお野菜を沢山入れたパスタを……」
アニェーゼ「待っててくださいパパ!いま行きますから!!」だだだだだ
アンジェレネ「ぜぇ…ぜぇ……うわーん!お祈り効きすぎましたぁぁ!」だだだ
どんっ
オルソラ「きゃぁっ」
シェリー「おい危ないだろ!走るな!」
アンジェレネ「す、すいませぇん、でもシスター・アニェーゼが……うわっち!」
どてんっ
ルチア「うぐっ」べちっ
857: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:07:24.18 ID:Vm4tSnlw0
ルチア「う……」
シェリー「ほら見ろ。本当に反省しないなテメェは……」がしっ
アンジェレネ「だってだって!シスター・アニェーゼが全然泣き止まないから神様にお願いしたら急に元気いっぱいになってだーって、うわぁーってぶぶだびで!」
シェリー「後半何言ってんのか分からん!!」
オルソラ「大丈夫でございますか?」
ルチア「は、はい。なんとか……」
オルソラ「安心したのでございます……ところで、お夕飯はパスタでよろしいでしょうか?」
ルチア「夕飯ですか?……はい、構いませんが……」
オルソラ「では決定なのでございます!」
ルチア「?」
858: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:10:16.05 ID:Vm4tSnlw0
シェリー「さっき走ってたのは許してやるから、言葉整理してもう一回説明して」
アンジェレネ「さっきのお兄ちゃんの映像見てからずっと泣いてるから、神様に『シスター・アニェーゼが泣き止みますように』ってお祈りしたんです」
アンジェレネ「そしたら泣き止んだのは良いんですけど、急に『パパー!』って言いながら走り出して……」
アンジェレネ「も、もしかして変なことお願いしたから神様が怒って……」ぶるぶる
シェリー「パパ?……おいおい、まさか」
オルソラ「なので、出来れば一緒にお買い物に来て欲しいのでございますよ」
ルチア「私で良ければもちろん………それで、あの。一つ聞きたいことが」
オルソラ「?」
ルチア「どうして私はこんな所で寝ていたのでしょう?」
オルソラ「覚えてらっしゃらないのでございますか?」
ルチア「はい、どうにも記憶が……何かとんでもない物を見たような気がしなくもない様な……」
オルソラ「!!」
オルソラ「気のせいでございましょう。アンジェレネさん達の相手をして少し疲れたから横になるっと言っていたのでございますよ」
ルチア「そうだったんですか……すみません、変なことを聞いてしまって」
オルソラ「いいえ♪」
859: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:15:23.07 ID:Vm4tSnlw0
シェリー(あいつが『パパ』っつったんだから当麻のことだよな……)
シェリー(それを呼びながら走っていった……つまり当麻に会いに行ったってことか)
シェリー「……これはアニェーゼを追った方が良さそうだな。アンジェレネ!」
アンジェレネ「あぁぁ、どうしようどうしよう……ごめんなさい神様ごめんなさいk」
シェリー「しっかりしろ!」ずびしっ
アンジェレネ「あうっ!」
シェリー「アニェーゼを追うわよ」
アンジェレネ「うぅ……い、いえっさー!」
シェリー「オルソラ!」
オルソラ「それではルチアさんには調味料や香草を……」
ルチア「シスター・オルソラ。シェリーさんが呼んでいます」
オルソラ「?『だるまさんが転んだ』でございますか?」
ルチア「違います。『シェリーさんが呼んでいます』と言ったんです」
861: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:19:19.68 ID:Vm4tSnlw0
シェリー「ルチア起きてたのね、どうよ気分は」
ルチア「はい、仮眠を取らせていただいたお陰で大分いいです」
シェリー「仮眠?」
ルチア「シスター・アンジェレネ達の相手で疲れてしまって……少しの間ですが」
シェリー「は?いや、だってあんた……」
ぐいっ
オルソラ「…………」
シェリー「ちょっ、何だよ」
オルソラ「…………(ふるふる)」
シェリー「…………」
シェリー「そ、そう。たまには良いわよね、シエスタみたいで」
ルチア「ありがとうございます」
862: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:23:25.11 ID:Vm4tSnlw0
シェリー「(……自分がショックで気絶してたこと忘れてんの?)」ひそひそ
オルソラ「(そのようでございます。下手に刺激しない方がよいと思ったので……)」ひそひそ
シェリー「(その判断は正しいわね)」
シェリー「さて、オルソラとついでにルチア」
シェリー「急で悪いけど、あたしとアンジェレネでアニェーゼを追うから。ちょっと出てくるわ」
ルチア「シスター・アニェーゼを……?」
シェリー「そう。詳しく話してる時間は無いから、訳は後で」
オルソラ「そうでございますか」
オルソラ「では私達も行きましょう、ルチアさん」
ルチア「はい……って私もですか?」
シェリー「いやオルソラ、別にあんた達まで来なくても……」
863: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:26:29.03 ID:Vm4tSnlw0
オルソラ「丁度、食材の買い物に行こうと話していた所でございますよ」
オルソラ「どうせ外に出るのですから、ご一緒してもよろしいでしょう?」
シェリー「そりゃそうだけど……」
オルソラ「では決まりでございます。さぁ、急いで支度いたしましょう」
ルチア「あ、私買い物袋用意します」
シェリー「…………」
シェリー(わざわざ自分から虎の穴に……)
864: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/06(木) 23:30:51.56 ID:Vm4tSnlw0
シェリー「……別に良いか。さぁ、アンジェレネも早く支度して」
アンジェレネ「待ってください!」
アンジェレネ「確かこういう時に言うセリフをお兄ちゃんに教えてもらったんです……!」
シェリー「あん?セリフ?」
アンジェレネ「えーっと、えと…………あ、思い出した!」
アンジェレネ「こほんっ」
アンジェレネ「40分で支度しな!!」ででーん
シェリー「…………」
アンジェレネ「……あれ?」
シェリー「……馬鹿なこと言ってないで、さっさと支度して来い。置いてくわよ」
アンジェレネ「は、はぁい……あれぇ、おっかしいなぁ……?」
シェリー「おかしいのはテメェの頭だ」いらっ
882: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:31:03.86 ID:QxlIg4Cz0
Side:上条
上条「お、オリアナ!?」
オリアナ「あら、名前覚えててくれたんだ?お姉さん嬉しい♥」だきっ
むにんっ
上条「おい!抱きつくなって!///」ぐいっ
もみっ
オリアナ「あんっ」
上条「あ、すまんっ」
オリアナ「いま会ったばっかりなのにこんな激しく……嬉しい、やっと坊やもその気に――」ぷちぷち
上条「ちちち違うからな!?ボタン外さないで!?」
オリアナ「え~?何が違うの?」ぎゅっ
上条「今のはその、けっしてわざとやったんではなくてですね……!」
オリアナ「うんうん」ずいっ
上条「だから勿論その気になったとかならないとかそういう話では無く……って顔近すぎませんか?///」
オリアナ「良いじゃない、このくらい♪」
883: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:37:14.70 ID:QxlIg4Cz0
上条「良くありません!!ほら、離れろっ」
オリアナ「あ、ちょっと!」
上条(ったく、一体どうなってんだよ。神裂といい、オリアナとい……)
上条(……いや、コイツはいつも通りか)
上条「…………」
上条(……神裂……)
“神裂『当麻……////』”
上条「っ!!」
上条(う……やばい、どさくさに紛れて頭から飛んでたあの時の感触が)
上条(俺、神裂としちまったんだよな……キス)
上条(何考えてんだ!!今はそれどころじゃないだろ!!)どきどき
884: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:38:39.76 ID:QxlIg4Cz0
オリアナ「なによ、久しぶりに会ったっていうのにつれないわね」
オリアナ「最近忙しくて全然会えなかったから、お姉さんすご~く寂しかったのよ?」ぎゅっ
上条「だから抱きつくなってばッ」
オリアナ「あ……こら、痛いじゃない」
上条「ご、ごめん……」
オリアナ「確かにお姉さん、若さに任せた激しいのも嫌いじゃないわ」
オリアナ「でもね、女の子に激しくするのと乱暴にするのは似ている様で大きな違いなの?分かってる?」
上条「はい、すいません今度から気をつ………何の話してんの!?」
オリアナ「何の話って、ナニをする時の――」
上条「分かった!それ以上言うな!」
オリアナ「もうっ、言えって言ったり言うなって言ったり……坊やはとんだ困ったちゃんね」
上条「そのセリフ、そっくりそのまま返します……」
オリアナ「あら、お姉さんのどこが困ったちゃんなのよ?」しゅるっ
上条「だからそういう所がだよ!!お願いだからそれ以上肌を露出させないでくださいませんか!?」
オリアナ「ごめんなさい。お姉さんね、一定面積以上肌を露出させないと死んじゃう病気なの」
上条「ウソつけっ!あぁもう不幸だーーーーー!?」
885: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:39:56.47 ID:QxlIg4Cz0
オリアナ「私は、また君にこうして会えて幸せだけどな~……?」じ~
ぎゅむっ
オリアナ「君は私と会うのが、そんなに嫌だったのかしら」うるっ
上条「どえ!?い、いやそんなことはっ」
オリアナ「本当に……?」うるうる
上条「ほ、本当でs」
オリアナ「良かった!じゃあ問題ないわね♪」
上条(あれ、何か前もこんな事があったような気が……)
ぎゅむ~っ
ぷるんっ
上条「!?」
886: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:41:41.00 ID:QxlIg4Cz0
オリアナ「あ、ちょっと服ずれちゃった」
上条「おい!!////」
オリアナ「ふふっ、嬉しい?お姉さんの当たってて」ぎゅっ
上条「ふ、ふぁい……」
上条(む、胸が……ただでさえ抱きついてきてて体が密着してる上に、さっき上着のボタン外してたりで服がずれて……)
ばい~ん
上条(なんかもう色々大ピンチ!!)
上条(ってか今日こんなんばっかだな俺!!厄日?)
オリアナ(照れてる照れてる♥)
オリアナ「ねぇ、せっかくだからどこかでお茶でもしていかない?」くいっ
上条「お茶ですか……?」
オリアナ「そう。お姉さんのおごりで、どう?」
上条「いや、俺ついさっきまでそこの店で……」
887: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:42:59.27 ID:QxlIg4Cz0
アニェーゼ『1時20分』
上条「はっ!!!!!」
上条「オリアナ!いま何時だ!?」
オリアナ「時間……そろそろ1時丁度ね。あれ、用事あったりした?」
上条「い、1時……?」
オリアナ「ええ」
上条「…………」
オリアナ「坊や?」
上条「NoooooooooooooOOOOOOOOO!!!!」
オリアナ「っ!?」びくっ
888: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:45:19.33 ID:QxlIg4Cz0
上条「1時だと!?もう20分しかないじゃん!?」
上条(そうだよ!俺にはこんな所で立ち話してる時間なんか無かったのに!!)がしがし
上条(1時丁度ってことは、ここから空港まで20分……)ちくたくちくたく
上条(……無理だ……30分だって無理げだったのに……)ぼーん
上条「終わった……」
オリアナ「坊やどうしたの急に……?」
上条「はは、何でもねぇよ……ただ……」
オリアナ「?」
上条「……ただ、上条さんがどうしようもないマダオだっただけの事さ……ははは……」ぼーん
オリアナ「本当にどうしちゃったの?」
889: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:48:02.49 ID:QxlIg4Cz0
かくかくしかじか
オリアナ「それで1時20分までに空港へ行かなきゃならないってことね」
上条「そうです……でも、もう無理だ。完璧に詰んだ……」
オリアナ「ふぅん……」
上条「ごめんな、アニェーゼ、神裂、浦上、対馬さん……ふがいない俺ですみませんでした……」
オリアナ「…………」
オリアナ(確かに、20分ちょっとで到底着ける距離じゃないわ)
オリアナ(でも私なら……)
上条「そうだRED BULL買おう。それ飲んで空飛んで空港に行こう」ぶつぶつ
オリアナ(待って。と言うことは、これはもしかして……チャンス?)
上条「どうせならそのまま滑走路から」
オリアナ「坊や!」
上条「……なんですかー?」
オリアナ「お姉さんが助けてあげよっか」
上条「……へ?」
890: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 20:56:21.69 ID:QxlIg4Cz0
オリアナ「だから、お姉さんが何とかしてあげるって言ってるの」
上条「オリアナが……?」
オリアナ「そう。坊やは取引の時間に間に合うように空港に行きたい、けどもうどう頑張っても無理そう」
オリアナ「走っていこうとしてたみたいだけど、ここからの距離を考えたら無謀だわ」
オリアナ「お姉さん、そういう熱血な所も素敵だとは思うけどね」
上条「う……」
オリアナ「だから、お姉さんが間に合うように力を貸してあげる、どう?」
上条「どうって、そりゃありがたい話だけど……どうするんだよ」
オリアナ「ふっふ~ん、忘れちゃったの?お姉さんのし・ご・と♪」
上条「え?……あ」
オリアナ「そう、私は《運び屋》。契約すれば、例えどんな所であろうと目的の物を運んでみせる」
オリアナ「もちろん、時間も正確よ」
891: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 21:01:35.82 ID:QxlIg4Cz0
上条「な、なるほど」
オリアナ「ね、良い話でしょ?君は時間通りに目的地に着ける」
オリアナ「お姉さんはもう少し坊やと一緒にいられる……まさにWin-Winの関係じゃない」ぎゅっ
上条「お、おい……////」
オリアナ「ふふ、照れちゃって……可愛い♥」
上条「からかうなって……あ」
オリアナ「?」
上条「その提案メチャクチャありがたいし、オリアナ様様なんだけど……俺いま手持ちが少なくてさ」
オリアナ「あぁ、お金のこと。そんなの別に気にしなくてもいいわ……と、言いたい所だけど」
オリアナ「流石にタダっていうのはね~?」にやり
上条「ですよねー……」
オリアナ「……だから坊やだけ特別。お金の代わりになるものを貰って、それでチャラにしてあげるわ」
上条「代わりになる物?」
オリアナ「そう……んっ」
上条「んっ!?」
ちゅっ♥
じゅるるるれろっちゅぱじゅるr(以下自主規制
894: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 21:49:15.49 ID:QxlIg4Cz0
Side:天草式
“『ここは私達に任せて!!』”
対馬「なーんて大見得張って送り出しちゃったけど……」
五和「どういうつもりなんですか女教皇様……今日は大事な任務が有るって……」
神裂「ですから、彼の護衛が今日の任務です!」
五和「……キスしたくせに」
神裂「うっ//////」
五和「くっ……女教皇様ばっかりずるいです!!私だって、私だって――!!」
牛深「」死ーん
建宮だったもの「」さらさら
対馬「どっから手をつければいいのよ」
浦上「どうしましょうね……」
895: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:06:39.18 ID:QxlIg4Cz0
対馬「人払いの術式は張ったし、このお店が大爆発とかしない限り大丈夫だと思うわ」
浦上「はは……なんか起きそうですけどね。爆発」
五和「うぅぅ……!!」ごごごごごごごごごごごごご
対馬「まさかこんな事になるとは思ってなかったから、碌な装備持って来てなかったのよね……しくじったわ」
浦上「仕方ないですよ、建宮さんも半分ピクニック気分でしたし」
対馬「あの馬鹿……ムカつくから放置で、牛深だけこっちに運んでおきましょ」
浦上「はい」
建宮だったもの「」ぽつーん
897: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:21:12.16 ID:QxlIg4Cz0
牛深「…………」ちーん
対馬「さて、問題は五和をどうするかよね」
浦上「上条さんの事となると本当に……手が付けられないですもんね」
対馬「でも今日は思ったより落ち着いてない?いつもなら今頃この店跡形も無く吹き飛ばしてそうだけど」
浦上「さすがにそこまでしないですよ!?……まぁ多分、これのお陰だと思います」
《どこでもいっしょ ver.上条当麻》
対馬「……これ、さっき五和がつけてたヘッドフォンよね?これで何で?」
浦上「説明めんどくさいのでご自分で体験してみてください」すちゃっ
対馬「え、ちょっと!!」
浦上「いってらっしゃ~い」ぽちっ
898: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:22:53.57 ID:QxlIg4Cz0
対馬「なによ、これ音出てないじゃない。壊れてるん」
対馬「えぇぇ!?と、当麻くん!!?」
対馬「う、うん……そ、そうだけど……」
対馬「…………」
対馬「っ!!!??///////」ぼんっ
対馬「な、なななな何言ってんのよ!?い、いやらしい……////」
対馬「ま、待って待って……あ、ダメだってばそんな……」
対馬「いやっ、ちょっとまって当麻くん……あっ////」
対馬「っあぁぁぁぁあああああいっ!!!」ばしーん
対馬「ハァハァ……」
浦上「おかえりなさい対馬さん」
899: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:39:53.21 ID:QxlIg4Cz0
対馬「なんなのコレ!?なんなの!!??」
浦上「気持ちは分かりますけど、落ち着いてください。《どこでも一緒 ver.上条当麻》です」
対馬「と、当麻君が私にあんな……あんな卑猥な……////」
浦上「そんなにすごかったですか?一応、五和の利用履歴から適当に選んだんですけど……」
対馬「そもそもどういう仕組みなのよ、私の言ったことに普通に反応してたんだけど……ウソ、まさかこれ当麻くんと繋がってるの!!?生当麻くん!!?」
浦上「ち、違います!!」
浦上「長い間をかけて収集した上条さんの声をデータ化して」
浦上「それらを分解・合成して様々なセリフパターンを作り出し」
浦上「それを自由自在に再生することが出来るようにしたソフトを内蔵したヘッドフォン」
浦上「更に本人の名前を入力すると、ちゃんと上条さんがその本人の名前を読んでくれるようにして」
浦上「モードも“スタンダード”から“ヤンデレ”“宇宙人”みたいなものまで幅広く用意した」
浦上「正に、上条さん好きの、上条さん好きによる、上条さん好きのためのマシーン!!」
浦上「だそうです」
対馬「何そのハイスペックマシン!!?」
901: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:44:11.10 ID:QxlIg4Cz0
浦上「五和が今日穏やかなのも多分これのお陰です」
浦上「これで上条さん成分を多量摂取していたので、なんとか自我を保っていられるんだと思います」
対馬「……なんかヤバい薬みたいね」
浦上「中毒性と言いますか……それは本当に」
対馬「じゃあ、取り敢えずそれをもう一度五和に着けさせれば、この場は収まるってこと?」
浦上「出発前もそうしましたから、恐らく収まると思いますけど……ただ……」
対馬「?」
五和「私だって、当麻さんとデートしたいのにっ!!」ざしゅっ
神裂「ですからこれはデートでは無いと何度言えば!?」がきんっ
五和「誰がどう見たってデートじゃないですかぁ!!あんな風にキスまでして!!」しゅぱっ
神裂「あ、あれは……だからただの事故のようなもの、だと……////」てれてれ
五和「そんな素敵な事故があってたまりますか!!っていうか顔真っ赤じゃないですか!!」ざんっ
浦和「この状況でどうやって近づいて、どうやって取り付ければいいのか……」
対馬「…………」
903: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:49:32.93 ID:QxlIg4Cz0
対馬「……仕方ないわ、私がやる」
浦上「え、対馬さんが?」
対馬「こんな危険な役、あなたにさせるわけにはいかないから」にっこり
浦上「つ、対馬さん……」じ~ん
対馬「それに―――」
“上条『そうか……わりぃ、あとは任せる!!ありがとう対馬さん!』”
対馬「当麻くんに頼まれちゃったしね、えへへ////」
浦上「どぇぇ!?」
対馬「待ってて、当麻くん。私頑張るからね///」
浦上「ず、ずるい!!私だって上条さん『任せた!』って言われたんですから――」
prrrrrrrrrrrrr
904: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:51:18.16 ID:QxlIg4Cz0
prrrrrrrrrrrr
対馬「ん?何の音かしら……電話?」
浦上「……ですかね?でも誰のだろう――」
『司令官、司令官。こちら流離いの匿名希望より、緊急報告』
対馬「あ、建宮のトランシーバーからだわ」
浦上「あれ?たしか建宮さん電源切ってたのに」
対馬「さっきの衝撃でスイッチが入ったか、どっか壊れたんでしょ」
神裂「本当です!別にあんなの、大したことでは……////」
五和「そんな顔で言われても説得力がないです!!」
『上条当麻について』
神裂「当麻!?」
五和「当麻さん!?」
浦上「うわっ、反応した!」
対馬「なんて地獄耳よ……」
905: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:53:00.77 ID:QxlIg4Cz0
『現在、上条当麻がオリアナ=トムソンと接触中』
神裂・五和「「!?」」
浦上「オリアナ=トムソンって……あのオリアナさんですか!?」
対馬「……それしかいないでしょうね」
浦上「そ、そんな……あの人が何で?」
対馬「そんなのこっちが聞きたいわ」
『大通りで周囲に見せつけるように熱く抱き合い、オリアナ=トムソンは興奮のあまり脱衣中』
神裂・五和「「!!!???」」
浦上「えぇぇぇええええ!!??」
対馬「くっ……オリアナが現れて何も起きない訳が無いと思ってたけど、まさかそんな大胆な……」
浦上「だ、脱衣中ってどういうことですか!!?は、裸に……うわうわうわうわ/////」
対馬「落ち着きなさい。裸になんかなったら警察沙汰よ?これはいつもオリアナがやってる――」
神裂・五和「「オリアナが裸に……当麻(さん)が危ない!!!!!」」
対馬「…………」
浦上「あうあうあう……////」
906: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/09(日) 22:54:47.01 ID:QxlIg4Cz0
五和「……女教皇様」
神裂「……なんですか五和」
五和「ここは一旦、休戦しませんか……?」
神裂「奇遇ですね。いま私もまったく同じ提案をしようと思っていた所です」
五和「何よりも先ずは……」
神裂「こんな争いよりも……」
五和・神裂「「当麻(さん)を助けに行かなければ!!!!!!」」どどーん
ぱりーん!!
だだだだだだだだ
対馬「い、行っちゃった……」
対馬「追わないと……浦上!!」
浦上「みんなです……不潔です……////」
対馬「あぁ、もうしっかりしなさいよ!ほら、行くわよ!!」ぐいっ
浦上「うわっ、え、対馬さんなんですか?うわわっ!?」
921: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/11(火) 13:16:47.74 ID:7p3SUKOn0
Side:上条&オリアナ
オリアナ「ちゅるっ……れろっ…ちゅ……」
上条「んんっ……じゅるっ……!?」
上条(え、何で?何で上条さんキスされてるんでせう!?)
上条(しかも――)
オリアナ「ぁんっ……ちゅむっ……」
ぎゅ~
上条(めっちゃ強く抱きしめられてる上に、し、舌が……!?)
922: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/11(火) 13:19:22.27 ID:7p3SUKOn0
オリアナ「ん……ふぅ、こんなもんかしらね♥」
上条「ぷはぁっ!!……な、なにすんだよ!!?」
オリアナ「料金代わりに、坊やの唇頂いちゃいました♪」
上条「お前なぁ!!」
オリアナ「あら、嫌だった?お姉さんなりに気持ち良くなってもらおうと思って頑張ったんだけどなぁ?」さわさわ
上条「うっ……だから、触るなって////」
オリアナ「んふふっ」
上条(正直……)
上条(正直………メチャクチャ興奮しました)どぅーん
上条(だってしょうがないじゃん!!思春期男子がこんなキスされて興奮すんなって方が無理だろ!!)
上条(神裂の時だっておっぱ……いっぱいいっぱいだったのに、こんなセクシャルなキッスに耐えられるほど上条さんのメンタルは強くありません!!)
上条(……いかんいかん。煩悩退散!今の俺には大事な使命があるんだ……)
オリアナ「…………」
オリアナ(ちょっとやりすぎたかしら?)
923: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/11(火) 13:33:00.89 ID:7p3SUKOn0
オリアナ「ヤバいなぁ……」
オリアナ(坊やとのキス……思ったよりずっと良かった)
オリアナ(お陰でこっちまで……)
じゅんっ
オリアナ(……やられたなぁ///)
オリアナ(本気になっちゃいそう……///)
上条「お、オリアナ?オリアナお姉さん?」
オリアナ「んっ……なぁに?」
上条「いや、俺早く行かないと時間が……」
オリアナ「そうだったわね……」
上条「う、うん。頼むわ……」
上条(……よく分からんけど、なんかさっきより雰囲気が○○くなってる……)
924: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/11(火) 13:35:11.50 ID:7p3SUKOn0
オリアナ(ダメダメ、しっかりしなきゃ。私から言って引き受けたんだから……ん?)
オリアナ「…………」さっ
??「…………」さっ
オリアナ「…………」
上条「どうしたオリアナ?」
オリアナ「……何でもないわ」
オリアナ(こっちを隠れて見てる気配が……それもかなりの数ね)
931: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 00:40:04.10 ID:WMPxw3dC0
Side:シスターズ
シェリー「次は……こっちの角を右だ」
ルチア「ここを右に……まだシスター・アニェーゼは見当たりませんね」
オルソラ「アニェーゼさんは当麻さんの元へ向かったのでしょう?彼との距離はあとどれほどなのでございますか?」
シェリー「直線距離で100mちょっとってとこか、そこの角から顔出せば見える」
ルチア「本当ですね……ですが、シスター・アニェーゼの姿は無いようですが」
シェリー「ってことは追い抜いた?……一先ず、当麻と合流するか。追い抜いたなら、そこで会えるだろうし」
オルソラ「あいあいさー、でございます」
ルチア「あ、シェリーさん。ちょっと」
シェリー「ん?どうした、アニェーゼ見つかった?」
ルチア「いえ、シスター・アンジェレネが」
アンジェレネ「ふへぇ……」でよーん
ルチア「疲れて動けなくなっています」
シェリー「……はぁ」
932: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 00:42:56.70 ID:WMPxw3dC0
アンジェレネ「す、すいませぇん……ふにゃ」
オルソラ「大丈夫でございますか?」ぱたぱた
アンジェレネ「ふぇぇ……なんとか……」
シェリー「ったく。どうして――」
どっさり
シェリー「こんなに重たいバック背負ってきたんだよ。ピクニックか」
ルチア「どうりで、支度に時間がかかったんですね……」
シェリー「こんなにパンパンになるまで、何入れてきたんだ」
アンジェレネ「それは……色々いるかなって思って、持ってこれるだけ全部です」
シェリー「そんな、サバイバルだ冒険だするわけじゃないんだから、こんな――」ぱかっ
《お菓子》ぎっちり
シェリー「って菓子ばっかじゃねえか!!!」
アンジェレネ「はい。色んな種類のお菓子を詰められるだけ詰めて……」
シェリー「色々ってそっちかい!!何だテメェは、心の底からピックニック気分か!!」ゆさゆさ
アンジェレネ「ご、ごごごめめめんんなななささいい」がくがく
オルソラ「まぁまぁ、シェリーさん」
ルチア「落ち着いてください!」
933: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 00:49:58.54 ID:WMPxw3dC0
シェリー「訳を聞こうか?」
アンジェレネ「はぅ……」
オルソラ「そこまで怒らなくても良いのではございませんか?」
ルチア「シスター・アンジェレネがお菓子を持ち歩くのは、いつものことですよ。だからと言って肯定するつもりは毛頭ありませんが……今はそれ位で良いのでは」
シェリー「いいや、もうこんなのが今日何回目だと思ってる?一回ちゃんと言ってやらな」
アンジェレネ「お、お兄ちゃんにあげようと思ったんです……」
シェリー「いと……あ?」
ルチア「え?」
オルソラ「?」きょとん
934: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 00:53:22.37 ID:WMPxw3dC0
アンジェレネ「だって、なんかお兄ちゃんすごく大変そうだったから……」
アンジェレネ「会ったら、このお菓子食べて元気になってもらおうと思って……それで……」しゅん
シェリー「…………」
アンジェレネ「だから持って来ちゃいました……ごめんなさい」
シェリー「……悪かったわね、怒鳴ったりして。きっと当麻も喜ぶよ」なでなで
オルソラ「アンジェレネさんはとてもお優しいのでございますね、いいこいいこ」ぎゅっ
アンジェレネ「え、えへへ……//」
ルチア「あのシスター・アンジェレネ……それでは、その服に付いた染みはなんです?」
アンジェレネ「あ、これはその……ずっと走っててお腹空いちゃったので、さっきチョコレート食べちゃったんです。てへっ」
シェリー「さっきの感動を返せバカ!!」ばしっ
アンジェレネ「いたい!?」
オルソラ「ふふふっ♪」にこにこ
944: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:49:42.55 ID:WMPxw3dC0
シェリー「結局、自分で食うんじゃないの……」
シェリー「ほら、その糖分バカは放っておいてこっちは当麻の所に」くるっ
オルソラ「これも中々美味しいのでございますよ」もぐもぐ
ルチア「シスター・オルソラ、勝手に食べるのはどうかと……」
シェリー「何で一緒になって食ってんだぁぁぁああ!!」
オルソラ「シェリーさんもお一つ如何でございますか?」
シェリー「如何でございますか?じゃないわよ!今がどういう状況か忘れたか!?」
オルソラ「お夕飯の買い物に……」
シェリー「アニェーーーーゼ!!」
オルソラ「あ、そうでございました」
シェリー「はぁ、はぁ……」
オルソラ「こちらがシェリーさんの分でございます」
シェリー「あ、ありがt……って違うだろぉぉがぁぁああ!!!」どーん
945: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:52:10.27 ID:WMPxw3dC0
アンジェレネ「いたい……うぅ、美味しいのになぁ……」
ルチア「だからいつも言っているでしょう。程々にしなさいと」
ルチア「ましてや、今はシスター・アニェーゼを追っている最中なのです。気が緩みすぎていますよ」
アンジェレネ「……ルチアおばさんの分からずや」ぼそぼそ
がしっ
ルチア「何か言いましたか」ぎちぎち
アンジェレネ「いい言ってません!だからアイアンクローはやめて下さいぃぃぃぃいたいいたい!!」
ルチア「次は無いと言った筈ですよ」ぎちぎち
アンジェレネ「割れちゃいます!!頭がぱーんってなっちゃいますぅぅう!!」
??「「当麻(さん)!!!」」ばっ
ルチア・アンジェレネ「「!?」」
946: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:53:52.27 ID:WMPxw3dC0
Side:天草式
神裂「当麻……」
神裂(まさかオリアナ=トムソンが現れるとは……私が護衛として付いておきながら何と言う失態……っ!)しゅんっ
五和「当麻さん……」
五和(またあの人、当麻さんのこと誑かして変なことするつもりなんだ……早く助けにっ!)しゅんっ
しゅたたたたた
対馬「くっ、何て速さよ……」たたたた
浦上「はぁ、なんとか着いていくので、精一杯です、ね……はぁ」たたたた
対馬「あの二人がオリアナと会う前にどうにかしないと、街中で乱闘が始まるわ」
浦上「ふぅ……もう、間に合わない、気もしますけど……はぁ」
947: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:55:55.98 ID:WMPxw3dC0
対馬「あ、角曲がったわ」
浦上「は、はい……そ、れにしても、良く分かりますよ、ね」
対馬「なにが?」
浦上「上条さんのいる、場所です……無線では、オリアナさんと、会ってるってことしか……」
対馬「そうね……女教皇様は聖人だから?」
浦上「便利ですね、その説明……」
対馬「それに、前に五和が――」
“五和『当麻さんの匂いっていうか……分かるんです、遠くにいても』”
対馬「と言ってたわ。だから今回もそうなんじゃない?」
浦上「……に、匂い、ですか……」
対馬「えぇ」
浦上「…………」
浦上(なんだか五和がどんどん人間離れしていってるような……)
948: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:57:29.14 ID:WMPxw3dC0
神裂・五和「「そこだッ!!」」
対馬「あ、また曲がった。今度は左だわ」
浦上「り、了解、です……」
<当麻(さん)!!!
対馬「!二人の声……ということは角を曲がった所に当麻くんが!」
浦上「い、急がないと!」
たたたたたた
しゅっ
対馬「当麻くん!」
浦上「上条さん!ぶ、無事ですか!」
949: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/12(水) 20:58:37.63 ID:WMPxw3dC0
ルチア「え?」ぎちぎち
アンジェレネ「あー!もうそろそろ出ちゃいますよ!のうみそがでちゃいますよぉぉおおお!!」じたばた
対馬・浦上「「え?」」
952: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:13:40.95 ID:fCoruEoa0
対馬「あれ、あなたは確か……ローマ正教の……」
ルチア「そういう貴方は……天草式の?」
対馬「こんな所で、奇遇ですね」
ルチア「えぇ、お久しぶりです」
アンジェレネ「ふ、ふへ……あれ?何だか痛くなくなってきました~へへへ……」
浦上「あ、あの……その子もう離してあげた方が……」
ルチア「そうですね」ぱっ
アンジェレネ「ふへへへ」とさり
浦上「うわっ、だ、大丈夫ですか?」
アンジェレネ「大丈夫ですよ~ふひっ……あ~、イエス様がわらしのこと呼んでます……へへへ」ふらふら
浦上「明らかに大丈夫じゃない!?そっち行っちゃダメですよー!!」
954: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:17:29.60 ID:fCoruEoa0
対馬「ルチアさんここで何を?」
ルチア「私は、上条当麻の元へ向かったシスター・アニェーゼを追ってきたんです。シェリーさんや、シスター・オルソラと共に」
対馬「あぁ、あの方達も一緒に……ここにはいないんですか?」
ルチア「いますよ、あちらに」
五和「あぁぁ、当麻さんとあんなにくっついて……」ごごごご
神裂「当麻……」しゅん
五和「私、ちょっと行ってきます!」しゅっ
シェリー「落ち着けって、いま行っても仕方ないだろ。もう少し堪えてなさい」がっ
オルソラ「はい、皆さん。チョコレートでございますよ」
対馬「あ……いた。女教皇様と五和……」
ルチア「本当に緊張感の無い人達です……」
アンジェレネ「あれぇ?……なんでこんな所に川があるんでしょう~?」ふらふら
浦上「いや、それきっと三途の川だから渡っちゃ……って正教に三途の川の概念有りませんよね!?ちょっと!!」
955: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:20:43.83 ID:fCoruEoa0
神裂「当麻……また他の女性と……」しょぼん
五和「ぐぬぬぬ……」めらめらめら
シェリー「いつの間にあの変態女が現れたんだかね……あ、このチョコ美味いわ」
オルソラ「えぇ、本当に困った方でございます」
シェリー「ちょっと、そっちの袋取って。チョコ入ってるやつ」
オルソラ「もちろん、きちんと説明していただくのでございますよ」
シェリー「……今、チョコの袋取ってって言ったんだけど。おーい」
ルチア「シェリーさん、何してるんですか」
シェリー「お、ルチアじゃない。アンジェレネの折檻はもう終わったの?」
ルチア「あれは別に折檻では……って何でチョコレート食べてるんですか」
シェリー「もうこうなりゃヤケ食いよ。ほら、あんたも」
ルチア「いえ、私は遠慮しておきます……」
シェリー「そう……ん?後ろにいるのは?」
対馬「こんにちは、天草式の対馬です…お久しぶりです」
956: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:24:33.53 ID:fCoruEoa0
シェリー「対馬?……あぁ、天草の。久しぶりね、どうした?」
対馬「女教皇様と五和を追って来ていたんです。それで二人がこちらに曲がっていったので」
シェリー「あぁ。二人ならたった今急に走り込んできて、そこの角からじっと向こう見始めて」
シェリー「なんだろうと思ってあたしらも覗いてみたんだけど、まぁびっくり。当麻とオリアナが抱き合ってんだから」
シェリー「そんで、皆で大張り込み大会になった」
対馬「なるほど……」
ルチア「ちょっと待ってください。いま『当麻とオリアナ』と言いませんでした?」
シェリー「言ったわね」
ルチア「どういうことです?何故彼女の名前が……」
シェリー「自分の目で確かめな」
ルチア「?」ひょいっ
ルチア「!!」
ルチア「な、なぜ彼がオリアナと抱き合って!?」がーん
958: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:34:15.70 ID:fCoruEoa0
ルチア「い、いつの間に……」わなわな
シェリー「こっちがアンジェレネに構って騒いでる間に来たみたいだな」
ルチア「それに二人とも顔が真っ赤で……まさか////」ぽっ
シェリー「……存外むっつりスケベだよな、ルチアって。そう思わない?」
対馬「い、いえ……」
シェリー「そういや、神裂と五和を追ってきたのよね。どっから?」
対馬「実は私達、当麻k……上条当麻と女教皇様の二人を朝から尾行していたんです」
シェリー「初めからってこと。そりゃお疲れ様」
対馬「うちの建宮…教皇代理の指示で、手が空いてる者で連絡を取りながら……」
シェリー「建宮?……あぁ、あのクソ野郎ね。姿が見えないけど、一緒には行動してないのか」
対馬「いえ、ここに来る前に五和に襲われて……」
シェリー「……死んだ?」
対馬「辛うじて生きていると思います。恐らく」
シェリー「惜しかったな」ちっ
960: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:37:26.70 ID:fCoruEoa0
対馬「それで――」
神裂「なッ!?」
五和「あ、と、当麻さん!!」
ルチア「ま、まさかまさか////」
オルソラ「まぁ……」
対馬「?」
シェリー「おい、うるさい。今こっちで話を――」
神裂・五和・ルチア「「「あーーーーーーーーーーー!!!」」」どぎゃーん
シェリー・対馬「「!?」」びくっ
961: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/13(木) 23:43:48.93 ID:fCoruEoa0
オルソラ「あら……ふふふふ」ごごごごごごごご
シェリー「な、何が起きたんだ……」
対馬「わ、私達も見ましょう!」
シェリー「そうね……」
シェリー・対馬「「…………」」ひょいっ
シェリー・対馬「「なんですとぉぉおお!!?」」どぎゃーん
アンジェレネ「え、そんなにたくさんチョココロネくれるんですかぁ?わぁ~い……」ふらふら
浦上「ダメです!それ絶対食べちゃダメなやつですよ!?」
アンジェレネ「はい、ラズベリーソースでお願いしま~す……でへへへ」じゅるっ
浦上「うわーん!誰か助けてーー!!」
982: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:06:26.26 ID:5C02NP3j0
Side:上条&オリアナ
<がやがや
オリアナ(……なるほど、隠れているのはあの子達か)
オリアナ(お目当ては坊やね、間違いなく)ちらっ
上条「アニェーゼに渡された紙は……良かった、無くしてない」
オリアナ(楽しいランデブーになりそう♥)
オリアナ「さぁ、行きましょうか。何としても時間までに着かないとね」
上条「頼む!もうオリアナだけが頼りなんだ」
オリアナ「ふふっ、お姉さんに任せなさい」
983: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:12:02.16 ID:5C02NP3j0
上条「本当にありがとな、オリアナ」
オリアナ「感謝は無事に到着してからにして」ぎゅっ
上条「っ……わ、分かった//」
<なッ!?
<あ、と、当麻さん!!
オリアナ「…………」
オリアナ(あれで隠れてるつもりなのかしら?バレバレね)
オリアナ(……そうだ。面白いこと思いついちゃった♪)
984: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:14:00.12 ID:5C02NP3j0
上条「なぁオリアナ、何回も言ってるけど抱きつくの止めろって……」
オリアナ「ねぇ坊や、こっち向いて」
上条「?……こうk」
オリアナ「んっ」
ちゅっ
上条「むっ!」
オリアナ「ちゅ……れるっ……」
じゅるちゅぱれろちゅっ(以下自主規制
<あーーーーーーーーー!!!!!
<なんですとぉぉおお!!?
985: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:18:24.24 ID:5C02NP3j0
オリアナ「ちゅっ……ふふ♥」
上条「っはぁはぁ……もうなんなんだよお前はさっきからぁぁ!?」
オリアナ「言ったでしょ。料金の代わりに坊やの唇を頂くって」
上条「それならさっき――!」
オリアナ「あら、一回で済むと思ってたの?」
上条「なん……ですと……?」
オリアナ「生憎、お姉さんそんなに安い女じゃないの」
上条「じゃあ、あとどれくらいで完済なのでしょう……?」
オリアナ「そうね―――」
オリアナ「一万回くらい?」ばぼーん
上条「そんなに!!??」
オリアナ「これでも普段より大分安くしてるんだけど」
上条「どんだけ時間かかるんだ!?後で何でもするから勘弁してくれ!!」
<うがああああああ!!!!
どごぉぉぉおおおおおおおんん!!!!!
987: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:20:39.48 ID:5C02NP3j0
上条「なんだ!?」
神裂「当麻ーー!!何をしているんですかあなたはァァ!!」
五和「そうですよ!そんなうらy……うらやましいこと!!」
上条「神裂に五和!?」
オリアナ「……ふふ、我慢の出来ない子達ね」
上条「は?それどういう意味……」
オリアナ「どうもこうも、そういう意味。さ、こっちよ」ぐいっ
上条「うぐっ」
神裂「待ちなさいオリアナ!!」
五和「そうですよ!当麻さんを解放してください!!」
988: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:22:30.80 ID:5C02NP3j0
ルチア「あ、あぁ私はどうすれば……///」
シェリー「追うに決まってるだろうが。このムッツリシスター」
オルソラ「ふふふふ、当麻さーん。怒らないのでこっちへ来るのでございますよー」
上条「ルチアまで!?おまけにシェリーにオルソラに……どうなってんだ……?」
オリアナ「さぁ、どうなってるのかなぁ……カーブにご注意!」ぐいっ
上条「は?カーブぅべっ!?」ぐっ
989: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:26:09.99 ID:5C02NP3j0
五和「あぁぁ、当麻さんが拉致されました!!」ぐぬぬ
神裂「なんということを……あの女……」ぎりぎり
ルチア「上条当麻は『色欲』の大罪に囚われています……まったく、もうまったく///」
シェリー「お前もな……はぁ、いい年こいた奴らが揃いも揃って追いかけっことはね」
オルソラ「ふふふ……当麻さんもオリアナさんもこっちへいらっしゃい」にこにこ
シェリー「……だから目が笑ってないわよ」
だだだだだだだだ
……………………
浦上「大丈夫?無理しないでね」
アンジェレネ「はぅ……あ、ありがとうございます。すみません、ご迷惑おかけして……」
浦上「い、いいのいいの!困ったときはお互い様だから」
浦上「対馬さーん!アンジェレネちゃん何とか意識が……」
リュック「…………」
しーーーーーーーーん
浦上「………あれ?」
990: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:28:47.38 ID:5C02NP3j0
たったったった
オリアナ(近くに停めておいて良かった。なんとか追いつかれる前に発車出来そう)
オリアナ「さ、坊や。あの車に――」
上条「……まさか初めからいたのか……いや、それじゃ何のために……」ぶつぶつ
オリアナ「……仕方ないなぁ」
オリアナ「ほら、口閉じてないと舌噛んじゃうわよ!それっ!」ぶんっ
上条「待て待て、もしかしたら偶然……うおっ――!?」ひゅんっ
どぐしゃっ
上条「ぐっほ!!」
991: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:32:28.84 ID:5C02NP3j0
オリアナ「よっと」さっ
上条「いってぇ……ん?なんで車……」
オリアナ「さぁ、お姉さん久しぶりにフルスロットルで飛ばしちゃうぞ、っと♪」
上条「フルスロットル?……あ、そうか。この車オリアナn」
オリアナ「激しくいくから、振り落とされないようにして…ね!!」ぎゃるーん
がちっ
Brrrrrrrrr!!!!!
上条「っ!!」
オリアナ「坊やとのドライブデートへ、レッツゴー♪」
992: ◆sVqYo3i6rc 2014/11/15(土) 23:34:43.73 ID:5C02NP3j0
ここまでで。続きから次スレに移ります
スレタイですが、多数決で決めるつもりなのでこの勢いだと恐らくアンジェレネになるかと
それでは
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