山城「扶桑姉様が改二になるわ!!!」提督「やったー!!!」前編
46: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:44:54.80 ID:Wgf2tBhnO
〈スイッチ・オン〉
山城「提督、裁可をお願いします」
提督「ん、承った」カキカキ
山城「……」
提督「……あー」カキカキ
山城「お茶入れます?」
提督「うん欲しい」
山城「はーいただいま♪」
引用元: ・山城「扶桑姉様が改二になるわ!!!」提督「やったー!!!」
1/700 ウォーターラインシリーズNo.126日本海軍戦艦 山城 1944 リテイク
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47: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:46:03.06 ID:Wgf2tBhnO
山城「~♪」コポポポ
提督「……」カキカキ
山城「ひゃうっ」ピク
提督「だいじょぶかー山城。今日はどんな不幸だー?」
山城「手にお茶がちょっと……あつぅ……」
提督「こうも毎日だとただのドジっ娘だよなぁ」クックッ
山城「ドジっ娘言うなー。結構気にしてるんですからね、うぅぅ」
48: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:47:03.46 ID:Wgf2tBhnO
提督「ほれ、見せてみ」
山城「私はレベル150の艦娘ですよ? こんなの大したことありません」ツン
提督「『ひゃうっ』なんてかわいい悲鳴を上げた奴の台詞じゃないな」
山城「かわ……」
提督「かわいい」
山城「……おほん」
提督「いいから見せろって、ほら」グイ
山城「んー」プイ
50: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:48:41.63 ID:Wgf2tBhnO
提督「なんだ、確かに大したことないな」マジマジ
山城「だから言ったでしょう? 気が済んだならもう……」
提督「これぐらいなら舐めときゃ治る」ペロ
山城「ひゃあああああううっ!?」ビクビクッ
提督「……もうお茶とかいらねーや」ギュ
山城「んっ、て、提督。まだ、お昼前、ですよ?///」
提督「……ダメ? なんかスイッチ入っちゃってさ」
山城「だ、ダメとは言ってまs」
51: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:50:08.49 ID:Wgf2tBhnO
ガチャ
扶桑「失礼いたします、提督。扶桑です」
提督「扶桑たんprprおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!」ガバッ
扶桑「!?」
山城「死ねやクソ提督オラあああああ!!!!! 姉様をprprするのは私だけに許されたオンリーワン特権です!!!」
扶桑「ネバーワンよ山城!? 誰にも許した覚えはないからね山城ぉ!?」ガーン
艦!
52: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:51:22.60 ID:Wgf2tBhnO
〈スイッチ・オフ〉
扶桑「まったく……もう少し艦隊司令官としての威厳を大事にしていただかないと困ります……」メッ
提督「ごめんなさ~い///」デヘヘ
山城「ふん、なんてたるみきった顔なのかしら」
扶桑「山城、あなたもよ。提督の信任を受けた秘書艦として、締めるところはちゃんと締めないとダメじゃないの……」メッ
山城「ごめんなさ~い///」デヘヘ
扶桑(似た者夫婦であることは事実なのよね……)
54: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:53:21.12 ID:Wgf2tBhnO
扶桑「話は変わりますけど……私が入ってきた時、なにかしていませんでしたか……?」
提督「ん? ああ、ちょっと一戦致そうかと」
扶桑「……んん?」
山城「も、もう、提督ったら! なにも扶桑姉様の前でそんなこと言わなくてもぉ///」モジモジ
提督「あ、この場合の『一戦』ってのは要するに夜戦(意味深)のことだと捉えてもらって構わないぞ」
山城「///」クネクネ
扶桑「……」
55: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 22:57:47.17 ID:Wgf2tBhnO
提督「どうかしたか扶桑?」
扶桑「い、いえ……それはお邪魔をしてしまったようで、大変申し訳なく……」
山城「なに言ってるの姉様! 姉様が邪魔だなんてことまったくないです姉様!!」
提督「そうだぞ扶桑! 夫婦の営みも重要だが扶桑prprはもっと重要だぞ扶桑!!」
山城「だーかーらー姉様をprprしていいのは私だけって言ってるでしょーがこのダラズ!! prprしたいなら私で我慢してくださいッ!!!」
提督「扶桑prprの代替になるものなどこの世にあるというのか山城ぉ!!」
山城「あるわけないでしょーが扶桑姉様はナンバーワンにしてオンリーワンのスペシャルワンです!!」
提督「ああまったくだ!!!」
扶桑「……あの」
56: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 23:00:36.95 ID:Wgf2tBhnO
提督「どうした扶桑」キリッ
山城「どうしたの姉様」キリッ
扶桑「一つお聞きしたいことが……」
提督「うん、うん! なんでも聞いてくれて構わないぞ!」
山城「うぇるかむうぇるかむです扶桑姉様!」
扶桑「もしも今、私が執務室を訪れるのが、あと15分遅かったら……どうしていましたか?」
提督「その場で即座に行為を中断して!」ビシッ
山城「姉様を万全の体勢……もとい態勢でお迎えすべく全精力を傾注します!」ビシッ
扶桑「……」アタマカカエ
58: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 23:02:47.26 ID:Wgf2tBhnO
提督「! 大丈夫か扶桑!」
山城「! どこか具合が悪いの扶桑姉様!?」
扶桑「ええ……頭がとても」
提督「それは大変だ今すぐ医務室に!」
山城「さあ私の背に乗ってください姉様!! そしてそのたおやかなおみ足をどうか私の手のひらで支えさせてくださいませ姉様!」
提督「てめえドサクサに紛れてなにしようとしてくれてんだオラァ!! それより扶桑俺のお姫様抱っこで! さあさあさあ!」
扶桑「一人で行きます。行けます。絶対に行けますから大丈夫です」キッパリ
59: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 23:05:22.11 ID:Wgf2tBhnO
ガチャ バタン
提督「……」
山城「姉様大丈夫かしら……」ハラハラ
提督「心配するな、山城。扶桑自身が大丈夫だと言ったんだ」
山城「でも……」
提督「俺たちの姉は、こんなことでくじけるような弱い人じゃあないだろう?」
山城「……そう、ですね。私たちが姉様を信じてあげずして、誰が信じてあげられるのか、ですよね」ニコ
60: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 23:07:06.99 ID:Wgf2tBhnO
提督「そうそう。だから俺たちは大人しく自分の仕事を……っ、とと!?」
バサグシャドサー(書類の山が崩れる音)
山城「……」
提督「……」
山城「とかなんとか言って、結局は提督も姉様が心配なんじゃないですか」クス
提督「ぐっ……不幸だ///」ガックリ
61: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/19(水) 23:12:14.89 ID:uNgKKpRvO
山城「ほらほら、嘆いてないで片付ける。私も手伝いますから」
提督「悪いな……」ハァ
山城「もう慣れっこですよ、あなたの不運フェスティバルには」
提督「む。俺だって慣れっこさ、お前の不幸カーニバルには」
山城「ふふ。夫婦、ですからね」
提督「ん。夫婦、だもんな」
山城「……愛してます、姉様の次に」ニコ
提督「……俺も愛してるぞ。扶桑の次に、な」ニカッ
艦!
75: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 21:56:29.95 ID:CYaq1Ud+O
〈Happy Birthday〉
最上「はっぴばーすでーとぅーゆ~♪」
「「「「おめでとー!」」」」
山城「……うう。なんだか泣きそうになってきた」グスッ
時雨「主役がそんな顔してちゃダメだよ、ほら」つハンカチ
山城「ん。ありがとう時雨」ゴシゴシ
76: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 21:57:58.46 ID:CYaq1Ud+O
満潮「ふん。軍艦の誕生日なんて祝ってどうこう、なんてものでもないと思うけどねっ」ツン
朝雲「そんなこといって満潮も、会場の設営率先して手伝ってたじゃないのよ」ニヤニヤ
満潮「うっさいわね新入りは黙ってなさいよ!!///」
山城「ふふふ。満潮も朝雲もありがとう。ほんっとにもう、私今幸せだわ……!」
「おめでとう」「おめでとー山城!」「HEY! ハッピーバースデー!」
提督「よかったな、山城」
山城「ふふ、ふふふふふ」ニコニコ
77: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 21:59:13.80 ID:CYaq1Ud+O
扶桑「おめでとう、山城。こんなにたくさんの方に祝っていただいt」
山城「ぶはあっ!!!」ブシュー
扶桑「!?」
最上「ああっ! 山城が幸福の絶頂顔のまま鼻血を吹いて倒れた!」
提督「ぶはあっ!!!」ブシュー
時雨「あ、提督も」
朝雲「いやなんでこっちまで!?」ガーン
満潮「……途中までいい感じだったのに」
扶桑「……はぁぁぁ」
艦!
78: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:00:46.39 ID:CYaq1Ud+O
〈QKK〉
山城「……」ボー
提督「パーティも終わったばっかの夜遅くに、呼び出して悪かったな」
山城「いえ、それは別に……貧血(鼻血)で倒れてましたし……」
提督「ま、それは俺もなんだけど……」
山城「……」
提督「で、改二だ。急に通達が来たからビビったぜ。どうだ気分は?」
79: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:01:56.53 ID:CYaq1Ud+O
山城「どう、と言われても。近代化改修しなくても済むのは楽だと思いますけど」
提督「なんだリアクションが薄いな。せっかく速攻で改装してやったのに」
山城「……」
提督「もっとこう、パーッと喜んでもいいんだぞ!?」ワーイ
山城「提督は」
提督「ん?」
山城「提督は……私の改二、どう思います?」
80: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:03:36.41 ID:CYaq1Ud+O
提督「んー。どう思うか、ってのは難しいな」
山城「……」
提督「でもな、一番にかけてやりたい言葉なら、とっくに決まってるぞ」
山城「……?」
提督「おめでとう」
山城「!!」
提督「よくがんばったな。今まで山城が積み上げてきた努力が、ついに認められたんだ」
提督「俺もすごく嬉しいよ。おめでとう、山城」ニコ
山城「~~!」ダキッ
81: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:05:14.60 ID:CYaq1Ud+O
提督「よしよし」ポンポン
山城「う、ええ、ええええっ。や、やりました、提督、わっ、わた、し、わたしぃ!!」ヒック
提督「いいよ、わかってる。全部わかってるから。だから泣きたいだけ泣きなさい」ナデナデ
山城「うっ、うえ、ええええええんっ!!!」
山城「……お恥ずかしいところを、お見せしました///」
提督「いやいや、いいもん見せてもらった」
山城「///」
82: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:07:31.37 ID:CYaq1Ud+O
提督「とにかく。これで名実共に、お前が我が鎮守府の顔だ。これまで以上の戦果を期待するぞ」
山城「任せてください。もう欠陥戦艦だなんて言わせませんからっ」フンス
提督「……よかった。本当によかったなぁ、山城」
山城「提督にも感謝してます。そ、その。ね、ね、姉様と同じくらい……」ボソボソ
提督「あん? 今なんて? よく聞こえなかったな~?」
山城「っ……だ、だから! 私はあなたのことを、扶桑姉様と同じぐらいに……!!」
提督「そっか、でもゴメン。やっぱ俺にとってのナンバーワンは扶桑だから」
山城「」
83: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/20(木) 22:13:57.61 ID:CYaq1Ud+O
提督「俺とお前とはしょせん、どこまでいってもいい恋人、いい夫婦どまりだと思うんだよ」
山城「……」
提督「愛しているんだァ君たちをォ! でも扶桑に捧げる愛はなんていうのかな、神に捧げる至上の愛とでも呼ぶべきであって」
山城「……概ね」
提督「えっ」
山城「概ね、仰ることに同意はしますけどねぇぇ……!」
山城「一言余計なのよこのバカ旦那! ちょっとは空気読みなさいよッ!!」ジャキン
提督「えっ、あ、ちょま、さすがに今のは冗だ、アッーーーー!!!!」
艦!
89: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:09:53.01 ID:0gt8+b+vO
〈ツッコミはつらいよ〉
満潮「誇り高き西村艦隊の一員として、この程度じゃ困るわね」
朝雲「そう言われても着任したばっかだしねぇ……」ボロッ
満潮「CVが最高に天使だからって調子乗ってんじゃないわよ!!」
朝雲「もしかして今褒められた?」
ハァァァ…
満潮「……この聞くものすべてに伝染するかのような深い深いため息は」
朝雲「あ、扶桑さんじゃない」
90: 朝雲=チャンカワイイヤッター! ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:11:01.26 ID:0gt8+b+vO
扶桑「はあ……こんなにも空が青いから……本気d」
朝雲「それ以上いけない」
扶桑「あら、満潮に朝雲。こんにちは……」ニコォ…
満潮「こんにちは」
朝雲「こんにちはっ」
扶桑「……」
満潮「……」
朝雲「……」
91: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:11:50.48 ID:0gt8+b+vO
扶桑「……なんだか元気がないわね、とか聞いてくれないのかしら?」
満潮「……」
朝雲(言えない。「扶桑さんって概ね平常運転で元気ないじゃん」とはさすがに言えない)
満潮「……なんだか元気がないわね」
扶桑「少し思うところがあって……さっき執務室を出てきたところなんだけどね?」
満潮「まーたアホ夫婦か」
朝雲「この鎮守府だいたいそれで通っちゃうのね」
92: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:12:38.52 ID:0gt8+b+vO
扶桑「結論だけ言うとね……私、ちょっと遠くへ旅に出たい気分なの……」
朝雲「え゛っ」
満潮「……」
扶桑「もちろん妹夫婦のことを悪く思ってなんていないわ。ちょっと……いえかなり……いえすこぶるアレなところはあるけれども。それでも愛する妹と、彼女が選んだ旦那様だもの。基本的には大好きよ?」
朝雲(扶桑さんのこんな長台詞初めて聞いた)
満潮「……」
扶桑「でも、ねえ? さすがに、ねえ……?」
93: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:13:21.67 ID:0gt8+b+vO
「夜戦に関しては私の存じ上げないところで致していただきたいと、そう言わざるを得ないわ……はぁぁぁぁ」
94: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:14:12.42 ID:0gt8+b+vO
朝雲「やっ……///」カァァァ
満潮「」ジャキン
朝雲「ちょ」
満潮「いいこと思い付いたわ。あいつらを遠く空の彼方あるいは深き海の底へと旅立たせてやりましょう」
朝雲「ままま待ちなさい満潮! 目がマジよ!?」
扶桑「そうだ、京都行きましょう。うふ、うふふふ♪」
朝雲「こっちはこっちでもう意識がいい日旅立ちトリップしてるううううう!!! 誰か、誰か来てええええええ!!!! 新米にこのツッコミラッシュはきつすぎるのよおおおお!!!!!」
艦!
95: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:15:01.46 ID:0gt8+b+vO
〈義弟〉
扶桑「最近の若い子に『真剣十代』って振ってもなんのことやらなのね……」ハァ
最上「まあ今の十代の子にはなんのことやらだと思うけど」
時雨「むしろそれを聞いてなんのことやらとならないボクらがなんなんだろう」
最上「ところで扶桑さん」
扶桑「なにかしら……?」
最上「前から聞いてみたかったんだけどさ。上官が義理の弟ってどんな気分なの?」
96: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:16:01.76 ID:0gt8+b+vO
時雨「ボクもちょっと興味あるな」
最上「艦娘にはだいたい姉妹がいるから、そんなに珍しい事でもないんだろうけどね」
扶桑「そうねぇ……弟、ねえ」
扶桑「少なくとも、山城がケッコンしたのを機になにかが変わった、ということはないわね……」
最上「そうなんだ?」
扶桑「あの人は初めて会った時からもう、だいたい手のかかる弟みたいなものだったから……」クス
時雨「模範的『手のかかる弟』からはだいぶかけ離れてる気がするけど気のせいかな」
97: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:17:13.21 ID:0gt8+b+vO
扶桑「だって私にとっては、山城が二人に増えたようなものだったもの」クスクス
最上「ああ……そういうことか」
扶桑「義理の弟になったことに戸惑うというよりは……上官だという意識が薄いのかもしれないわ。あまりいいことではないけれど」
扶桑「でも、私にとっては提督も山城も、大事な弟と妹よ。この気持ちに嘘偽りはないわ」ニコ
時雨「……」
最上「……」
扶桑「? 二人ともどうかした?」キョトン
98: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:17:58.76 ID:0gt8+b+vO
ナデナデ
扶桑「ひゃ!? ななな、なにするの!?///」
最上「いや……ここに天使がいると思ったらつい……」ナデナデ
時雨「手が勝手に動いちゃったんだよ」ナデナデ
扶桑「あの……一応私、型式的にもNEWソート的にも、かなりのお姉さんなのだけれど……///」ソワソワ
艦!
99: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:19:02.00 ID:0gt8+b+vO
〈久キレ〉
提督「西村艦隊の諸君、作戦完遂ご苦労であった」
提督「特に満潮、敵の潜水艦を早期発見して撃退したのは見事だったぞ」
満潮「ふふん。あのぐらい私にかかれば当然よ」
提督「時雨、夜戦での戦果は目覚ましかったな」
時雨「お褒めに預かり恐縮、さ」
提督「最上、瑞雲の使い方がだいぶ上手くなってきたじゃないか」
最上「あははっ。これでも航空巡洋艦だからね」
100: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:21:06.77 ID:0gt8+b+vO
提督「朝雲、連携が馴染んできたな。山雲の艤装完成も近いそうだから楽しみにしていてくれ」
朝雲「ほんとっ!? よーしますますがんばっちゃうわよ!」
提督「山城は……今さら言うこともないな。旗艦のお役目ご苦労さん」
山城「はいはい、どういたしまして」
提督「じゃー山城以外は下がってくれ」
「「「「はーい」」」」
山城「秘書艦使いの荒いこと……不幸だわ……」
提督「どうどう、とりあえず茶でも飲めって」クックッ
101: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:21:44.30 ID:0gt8+b+vO
ガチャ バタン
朝雲「……」
時雨「……」
最上「……」
満潮「……」
朝雲「え、誰あれ」
時雨「我らが提督だよ」
朝雲「ウソでしょ!? 顔のよく似た別人だと思ったわよ私!?」ガーン
102: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:23:29.93 ID:0gt8+b+vO
最上「うん、うん。そう言いたくなる気持ちはわかるよ」コクコク
満潮「でもね、扶桑さえ絡まなきゃ基本ああいうヤツなのよ」
時雨「扶桑は今頃京都を満喫している頃かな?」
朝雲「本当に行っちゃったの!?」ガーン
時雨「JRでね」
朝雲「JRに乗る航空戦艦ってなに!?」ガーン
満潮「アンタ思いの外優秀ね……」
朝雲「今のやりとりのどこを評価されたの私!?」ガーン
最上「そういうとこじゃないかな?」
103: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:24:28.99 ID:0gt8+b+vO
満潮「まあでも、扶桑には悪いけど」
最上「この方が平和な感じはするよねー」
時雨「鎮守府としてあるべき姿に戻った感はあるね」
朝雲「かわいそうな扶桑さん。扶桑さんなにも悪くないのに」ホロリ
最上「ただね……この環境にも問題がないわけじゃないんだ……」
朝雲「え?」
満潮「すぐにわかるわ。そろそろ時間だから」
時雨「ちなみにボクらは執務室前の廊下からまだ移動してないよ」
朝雲「え? 今の誰向けの説明? え、え?」
104: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/21(金) 22:26:22.94 ID:0gt8+b+vO
『うおおおおおおおおおおおおおおおお扶桑おおおおおおおおおおおうおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』
朝雲「!?」
『あああああああああああああああああ姉様あああああああああああうああああああああああああああああ!!!!!』
朝雲「……」
満潮「という具合よ」
時雨「要するに禁断症状だね」
最上「騒音以外の実害が出ないのが救いといえば救いかな」
朝雲「もうやだこの鎮守府」
艦!
114: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:35:54.29 ID:+eqbM2f0O
〈逆襲の姉様〉
提督「扶桑が扶桑で扶桑に扶桑の扶桑は扶桑をー!!!!」
山城「姉様が姉様で姉様に姉様の姉様は姉様をー!!!!」
ワーワーギャーギャー
扶桑「……」
満潮「今日も今日とて平常運転でウッザいわね……!」ジャキン
扶桑「待って、満潮。私がなんとかしてみるわ」
満潮「えっ」
115: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:37:27.25 ID:+eqbM2f0O
扶桑「少しよろしいかしら?」
提督「やあなんだい扶桑」キリッ
山城「いかがなさいましたか姉様」キリッ
扶桑「周囲の迷惑も省みず大騒ぎなんてして。あまり目に余るようだと――」
扶桑「姉様、二人のこと嫌いになっちゃいますよ?」メッ
提督「……」
山城「……」
扶桑「……」
116: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:38:30.47 ID:+eqbM2f0O
二人「「ごめんなさあああああああああああああああああいいいいいっっっ!!!!」」ブフー
扶桑「あらあらまあまあ、二人とも鼻血なんて吹き出しちゃって」フキフキ
満潮「アンタ微妙にキャラ違くない?」
二人「「」」ピクポク
扶桑「でも、これで静かになったわ……♪」ニコ
満潮(……見なかったことにしよう)
艦!
117: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:39:15.65 ID:+eqbM2f0O
〈肉まん〉
山城「ふふ♪ いただきまー……」アーン
提督「待て山城。俺も肉まんが食いたい」
山城「……一個しかありませんけど」ジトー
提督「わかってんだろ? 半分ちょーだい♪」
山城「嫌ですよ気持ち悪い」
提督「旦那に向かってその言い草はないだろうお前さん」
118: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:40:01.19 ID:+eqbM2f0O
山城「旦那だろうとなんだろうと私の肉まんは渡しませんー」
提督「ほら、俺のあんまん半分やるから」つあん/まん
山城「……それ食べかけじゃないですか」
提督「だから?」
山城「……ちょっと待ってください」パク
提督「ああっ! なに食ってんだよ俺の肉まん!」
山城「まだ私のですー」モグモグ
119: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:42:29.10 ID:+eqbM2f0O
提督「ちくせう俺の肉まんが」イジイジ
山城「あげないなんて言ってませんけど」モグモグ
提督「えっ?」
山城「今作ってるところですから。だからそっちの、半分になった食べかけのあんまんも、まだ食べないでくださいね」モグモグ
提督「作るって、なにを?」
山城「……半分になった食べかけの肉まん」
提督「……」
120: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:44:57.43 ID:+eqbM2f0O
山城「……」モグモグゴクン
提督「……」
山城「できました、はいどうぞ」つ肉/まん
提督「……いただきまーす」パク
山城「はしたない人。じゃあそっちも」
提督「ほれ」つあん/まん
山城「……いただきます♪」パク
提督「はしたないのはお前もだよ」クックッ
山城「♪」モグモグ
艦!
121: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:45:55.84 ID:+eqbM2f0O
〈不幸夫婦〉
提督「あ、万年筆のインクが」
山城「予備ならそっちの棚ですよ」
提督「……予備も切れてる」
山城「はい、最初はグー」
提督「じゃんけんぽん」
山城「ぽん」
提督「ぽん」
山城「ぽん」
提督「ぽん」
122: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:47:22.40 ID:+eqbM2f0O
扶桑「はあ……30回連続あいこでいつまでも決着がつかなかったから、二人で仲良く買い出し、というわけですか……?」
提督「おう、これから行ってくるよ」
山城「まったく、なんて不幸なのかしら」
提督「不幸なら俺だって負けてないしー。なにせじゃんけん互角だったしー」
山城「張り合わないでくださいー。子供じゃないんですから、もう」
扶桑「……」
扶桑(誰かに命令して買いに行かせればいいのに、って言ったら二人ともどんな顔するのかしら)
123: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:48:21.83 ID:+eqbM2f0O
提督「じゃー行くぞ山城」
山城「はいはい今行きま……きゃっ! 下駄の鼻緒が切れたわ……」
提督「おいだいじょ……ぬおっ! なんでこんなところにバナナの皮が!?」
山城「ついてませんね、はぁぁ」
提督「お互いにな。ほれ、立てるか」
山城「慣れてますから。なにか縛るものください」フラフラ
提督「こんなこともあろうかと予備の鼻緒を常備してるんだなこれが」
扶桑「ええ……(困惑)」
124: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:49:12.99 ID:+eqbM2f0O
提督「これで下駄はよし、っと。じゃー今度こそ行くぞ」
山城「バナナの皮、行きがけに捨てていきましょうね」
提督「あー、それにしても俺たちって」
山城「なんでこんなに不幸なんでしょうねぇ」
提督「なー」
山城「ねー」
扶桑(不幸だ不幸だと言う割には、二人とも楽しそうだこと)クス
艦!
125: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:51:05.01 ID:+eqbM2f0O
〈劇場版逆襲の姉様〉
扶桑「ねえ、山城?」
山城「なんですか姉様っ」
扶桑「一つ聞きたいのだけれど……」
山城「なんでも聞いてください!! 姉様の仰せとあればこの山城、たとえ火の中水の中」
扶桑「あなたと提督が夫婦(めおと)になってからずいぶんと経つけれど」
山城「あの人がどうかしましたか?」
扶桑「いつになったら私は『伯母さん』になれるのかしら?」ニコ
山城「ぶふううううううっっ!!!!???///」ゲホゴホ
扶桑「うふふふふ♪ やっぱり本当は恥ずかしいのね、山城ったら♪」ニコニコ
126: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/22(土) 23:52:58.04 ID:+eqbM2f0O
扶桑「あの、提督?」
提督「どうした扶桑っ」
扶桑「一つ申し上げたいのですけれど……」
提督「なんでも言ってくれ!! 扶桑の頼みとあらばたとえこの身が煉獄に叩き落とされようとも」
扶桑「提督も良いお歳です。そろそろ後継について考えてもよろしいのでは、と……」
提督「いやいや、さすがに後任人事うんぬんはまだ気が早いと思うぞ?」
扶桑「あ、ごめんなさい。『後継』というのは提督のお世継ぎ、つまり御子という意味です」ニコ
提督「ぶふううううううっっ!!!!???///」ゲホゴホ
扶桑「うふふふふ♪ 夫婦仲睦まじいようで、姉様嬉しいです♪」ニコ
艦!
135: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 22:54:15.78 ID:Z+Q/qpG9O
〈馴れ初め〉
提督「ふ・そ・う!」ヤンヤ
山城「あそーれね・えさ・ま!」ヤンヤ
扶桑「……」ハァ
朝雲「素朴な疑問なんだけどさー」
提督「お?」
山城「ん?」
朝雲「二人ってなんでケッコンしたの?」
二人「「……」」
136: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 22:55:28.88 ID:Z+Q/qpG9O
山城「さあ?」
提督「なんでだっけなぁ?」
朝雲「えー。照れてないで教えてよぅ」ブーブー
山城「別に照れてませんしー。私たち愛し合ってますしー」
提督「俺だって照れてませんしー。照れる必要ありませんしー」
扶桑「ふふふ。そんなに気になるなら私が教えてあげるわね、朝雲……」ニコ
朝雲「やったー!」
二人「「ちょ」」
137: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 22:56:19.73 ID:Z+Q/qpG9O
〈邂逅〉
提督「いいぞーいいぞーふーそーおー!!」
山城「がんばれがんばれねーえさまー!!」
提督「いやあ、単なる演習とはいえ扶桑の戦う姿は美しいなぁ」
山城「当然だわ。姉様の放つ輝きはあまねくこの世を照らしてなお余りあるのだから」
提督「……ん?」
山城「……あら?」
提督「誰だお前」
山城「あなたこそ誰ですか」
138: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 22:57:32.03 ID:Z+Q/qpG9O
提督「俺はこの鎮守府の提督だ。偉いんだぞ。扶桑の信頼厚い上官でもある」ドヤァ
山城「私は新たに着任した戦艦山城です。扶桑姉様の唯一無二の姉妹艦でもあります」ドヤァ
提督「あ?」
山城「お?」
提督「……」バチ
山城「……」バチバチバチッ
提督(この瞬間、出会ってわずかに数十秒後の出来事ではあったが)
山城(私たちは眼前の存在について、まったく同時にある確信を抱いた)
二人((こいつは、敵だ――!))
139: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:00:57.46 ID:Z+Q/qpG9O
〈決闘〉
提督「艶やかな黒髪! 優しく伏せられた眼差し! 晩春の桜を想わせる儚げな声!」
山城「凛とした戦姿! 優美な全体のシルエット! ふとした拍子に綻ぶ一輪のたんぽぽの如き笑顔!」
提督「……」
山城「……」
提督「ちっ、やりおるわ」
山城「くっ、今日のところも引き分けですね」
140: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:01:46.16 ID:Z+Q/qpG9O
提督「だが忘れるな山城よ! 真の扶桑LOVE勢は一人いれば十分だ! 『勢』ってついてるけど一人でいいよね!」
山城「ええ望むところです! いずれは天に滅してあげます! そして私が姉様の妹兼嫁の座にえへへへへ///」
提督「ところでこの扶桑ブロマイドなんだけどさ」
山城「やだ姉様美しい……! ちょっとこれ盗撮じゃないですよね?」
提督「正面からのアングルでわかるだろ、直接頼んで撮ったんだよ」
山城「焼き増してください、3枚」ワイワイ
提督「扶桑に許可取れよー、したらいくらでも焼き増してやるよ」キャッキャッ
141: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:06:19.14 ID:Z+Q/qpG9O
〈不幸〉
パリン
山城「っつ」
提督「おいなんの音……血が出てるぞ山城!?」
山城「い、いえ、こんなの大したことないですから」
提督「ティーカップの破片? 足に刺さるってどんだけ不運なんだ……とりあえず止血を」キュッキュッ
山城「……ありがとうございます」
提督「ふん、勘違いをするな。貴様を倒すのはこの俺だというだけの話だ。こんなところで消えてもらってもつまらん」
山城「そんな元祖ツンデレ王子みたいなこと言われても」
142: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:07:07.86 ID:Z+Q/qpG9O
提督「カップの持ち手にヒビが入ってた?」
山城「多分そうだと思います。『昔』から、こういう不幸にはよく出くわしますから」
提督「……お前もそうなのか」ボソ
山城「『お前も』?」
提督「あ、いや、別になんでも……」
山城「……」
提督「……」
143: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:07:47.44 ID:Z+Q/qpG9O
山城「思ったんですけど」
提督「……なに?」
山城「秘書艦、私に変えませんか?」
提督「はあ? なんで扶桑を差し置いてお前なんかを?」
山城「そう! それです! 姉様が秘書艦を務めている間、提督は姉様を独占できるじゃありませんか! 不公平です!」
提督「んなこと言ったらお前だって扶桑と同部屋だろうが! 不公平だ!」
山城「私が提督と同部屋になるわけにはいかないでしょう!?」ワーワー
提督「なんでそう極端に話が飛ぶんだ!」ギャーギャー
144: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:09:01.58 ID:Z+Q/qpG9O
〈自覚〉
提督「……」カキカキ
山城「……」カキカキ
提督(……)
山城(……)
提督(しばらく一緒に過ごしてみてわかったけど)
山城(この人本当に不幸だわ……私と同じくらい)
145: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:10:23.40 ID:Z+Q/qpG9O
提督(自分がそうだからか、なんていうか他人だとは思えん)
山城(なんていうか、危なっかしいわこの人。はらはらして目が離せない)
提督「……」ジー
山城「……」ジー
二人「「!」」
提督「な、なに見てんだよ」
山城「そ、そっちこそこっち見てたじゃないですか」
提督「お、おお、俺がたまたま目を向けた時にそっちがこっち見たんだろ」プイ
山城「わ、わわ、私だってたまたまいいタイミングでそっち見ただけですし」プイ
146: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:11:18.27 ID:Z+Q/qpG9O
提督(話が合う)
山城(趣味(扶桑姉様)も合う)
提督(一緒にいて、バカ(扶桑トーク)やってると楽しいし)
山城(なにより、この人が側にいない、その時間が)
二人((物足りないと、そう感じ始めている自分がいる))
提督「……」
山城「……」
提督(あれ、もしかして俺、こいつのこと好きなんじゃね?)
山城(あれ、もしかして私、この人のこと好きなのかしら?)
147: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:14:57.92 ID:Z+Q/qpG9O
〈告白〉
提督「……」カキカキ
山城「……」カキカイ
提督「山城」
山城「提督」
二人「「……」」
提督「そっちから」
山城「先に」
二人「「……」」
148: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:15:52.57 ID:Z+Q/qpG9O
提督「ぷっ、はは」
山城「ふふ、あははははっ」
提督「せーのでいいよな」
山城「自分だけ言わないのナシですからね」
提督「しねーよ、ガキじゃあるまいし」
山城「はいはいごめんなさい、それじゃあいきますよ」
二人「「せーの……」」
149: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:20:04.87 ID:Z+Q/qpG9O
〈きょうだい〉
扶桑「……」ズズズ
二人「「……」」
扶桑「なるほど。それでお二人は、めでたくケッコンすることになった、と」
提督「……まあ、そういうことに」
山城「なりました、ね」
扶桑「ふふ。正直なところ、いつかこんな日が来る気はしていました」
提督「そ、そうなのか?」
山城「私たち、お世辞にも『そういう』感じではなかったと思うのですけれど、姉様」
150: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:21:02.13 ID:Z+Q/qpG9O
扶桑「大好きな妹と、大切な上官のことだもの。姉様にはわかるのよ……」ニコ
山城「……あう///」
提督(悶え死にしそう)
扶桑「それにしても山城、あなた早かったわね……」
山城「あ、いえ、その。提督に姉様を渡したくない一心で、強くなろうと最前線に出続けていたら……」
扶桑「気が付けばレベル99になっていた、と。渡りに艦とはこのことね」ニコ
151: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:22:00.30 ID:Z+Q/qpG9O
提督「……扶桑ッ!」バン
山城「……」
扶桑「どうされましたか、提督?」
提督「やはりこういうことは、はっきりと言葉に出して言わないといけないと思うんだ」
山城「……」ゴクリ
提督「他でもない、山城の姉であるお前に対して、俺自身が」
扶桑「……」
提督「……」スゥッ
152: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:22:41.15 ID:Z+Q/qpG9O
「妹さんを、俺にくださいッ!!!」
153: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:24:01.93 ID:Z+Q/qpG9O
扶桑「……」
山城「……」
提督「……」
扶桑「至らないところのままある妹ではありますが……」
二人「「!」」
扶桑「どうか、どうか山城を、幸せにしてあげてくださいね……」ニコ
提督「っ、た!」グッ
山城「姉様……!」パァァァ
扶桑「うふふ」ニコニコ
154: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:26:36.92 ID:Z+Q/qpG9O
提督「そうと決まればこれから俺のことは『私の愛する義弟(おとうと)きゅん』と呼んでいただきたく」
山城「姉様になに言わせようとしてくれてるんですか死ねやオラあああああ!!!!」
ドガーンバガーン
扶桑「……」
155: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:28:13.28 ID:Z+Q/qpG9O
提督「だって本当のことじゃん! ついに俺は扶桑の義弟という地位を手に入れたんだああああああ!!!」
山城「あなたが姉様の家族になることは認めましたけど! その呼称だけは死んでも認めません!!」
ワーワーギャーギャー
扶桑「はぁぁぁ……結局こうなってしまうのね……」
扶桑「……」ズズズ
扶桑「二人とも聞いてないだろうけれど、とりあえずこれだけは言わせてもらいます……」ニコ
156: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/23(日) 23:29:03.35 ID:Z+Q/qpG9O
「ケッコンおめでとう――私の愛する〈きょうだい〉たち」
艦!
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