1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/24(月) 23:54:16.35 ID:cgjBL0cM0
とあるファミレス
一方「……………………」
美琴「……………………」
一方「…………いや、それで何がどうなったら俺に相談なンつー結論になンだお前」
美琴「…………なんでだろ?」
一方「帰りますゥ」ガタ
美琴「待って待って、お願いだから!」ガシッ
一方「チョーカー引っ掴むんじゃねェェェェ!! お前コレ俺の生命線なンだからな!?」
美琴「あ、ごめん」ヒョイ
一方「ゲホッ、カハッ!! …………で? どうして俺ンとこ来た?」
美琴「番外個体が『ぼっち体験豊富な第一位サマなら妙案を出してくれるかも☆』って」
一方「番外個体ォォォォォ!!!!!!!!!!」
注意事項
※タイトル詐欺
※時系列その他もろもろの設定が崩壊
※ほのぼの、濃厚なカップリング要素皆無
※ タ イ ト ル 詐 欺(大事なk
引用元: ・一方通行「イジメに遭ってるだァ?」美琴「…………うん」
とある魔術の禁書目録 ミサカ盛り (ノンスケールトレーディングミニフィギュア) BOX
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3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/24(月) 23:57:59.03 ID:cgjBL0cM0
一方「大体てめェ、いつの間に番外個体と接触してやがった」
美琴「セブンズミストで打ち止めと買い物してたらばったり」
一方「簡潔な説明ありがとうございますゥ」
美琴「あの二人って仲良いわよね」
一方「クソガキがよ、やけに姉貴ぶるンだよな」
美琴「番外個体もさ、妹扱いされてまんざらでもなさそうなのよ。口では『はあ!? ミサカがあんたのお姉さんでしょJK』とかプンスカしてるんだけど、素直じゃないわよねぇ」クスクス
一方(…………そりゃてめェから貰ったDNAのせいだよ)
美琴「何か言った?」キョトン
一方「別にィ」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/24(月) 23:58:49.03 ID:cgjBL0cM0
一方「つうか本題投げ捨ててンじゃねェよ」
美琴「ああそうそう、相談しに来たんだった」
一方「忘れるぐらいなら大したこっちゃねェンだろ、じゃあ帰るわ」ガタ
美琴「お願い、私を見捨てないで!」ガシッ
一方「ハン!! この俺が二度も同じ手にかかるような間抜けに…………って杖ェェェ!?」スッテンコロリン
美琴「砂鉄カーペットー」シャラララン
一方「痛って……くねェな。どういう原理だこりゃ」
美琴「大丈夫?」ツンツン
一方「安否確認するぐらいなら初めからやンじゃねェ!! …………いや、それ以前にこの大量の砂鉄はどっから持ってきやがった」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/24(月) 23:59:45.45 ID:cgjBL0cM0
ヒュン
白井「お姉さまの為ならたとえ火の中水の中草の中森の中、ですわ!!」
一方「土の中から砂鉄集めてきた、と。で、コイツ誰だ」
美琴「私の中学の後輩」
白井「お初にお目にかかりますの第一位様。風紀委員所属の『空間移動』、白井黒子と申します。雲の中だろうとお姉さまのスカートの中だろうと一声頂ければ参上いたしますわ!」
一方「変態枠用の人材か……」
白井「戦闘要員からツッコミ要員、果ては百合要員まで幅広い活躍をご期待下さいませ」
美琴「もう帰っていいわよアンタ」
白井「えっ」
美琴「帰っていいっていうか、帰ってくんない? 常盤台が変態の巣窟だと誤解されかねないし」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:00:41.14 ID:GX/8Sj2e0
白井「お姉さま、そのような殺生な事を仰らないでくださいまし! 黒子はお姉さまの頼みとあらば粉骨砕身、タクシー代わりに使っていただいても」
美琴「あ、そんじゃよろしく」
白井「え?」
美琴「これから一方通行に私のイジメ現場を目撃させるから、ちょっとその辺の大通りまでお願い」
一方「なに勝手に決めてンだおい」
白井「え、え?」
美琴「ああ黒子、やっぱりイザという時に頼りになるのは黒子よね」キラキラ
白井「お任せ下さいませ!!」ビシッ
一方(扱い慣れてンなァ)
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:01:59.37 ID:GX/8Sj2e0
大通り
ヒュン
一方(結局惰性で着いてきちまった)
美琴「それじゃあ私は適当に辺りをブラブラするから、それとなく観察してて?」
白井「あ、あの、お姉さま? いまさらですが『イジメ現場』というのはどういう事ですの? まさかまたあの殿方を追い回そうとなさってるのでは」
一方(殿方?)
美琴「やーね違うわよ、イジメられるのは私の方。ここ最近いやに突っかかってくる連中がいてさ」アハハ
白井「なななな、なんですって!? それは一体全体どこの不届きものですの!?」
一方「俺も興味があンな。一体全体どこのモノ好きがこんなちんちくりんに構うんだか」ハン
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:03:42.62 ID:GX/8Sj2e0
美琴「む、失礼ね…………まあ見てればわかるわよ。アイツら私が人通りの多い所歩いてるとすぐ向こうから来るから」
一方「それただのストーカーじゃねェか」
白井「ぬわあああああああんですってぇぇぇえええええ!!!?? お姉さまをストーキングしてよいのはこの黒子だけの特権ですのにぃぃぃぃ!!!!」
一方「ドラスティックな特級階層に位置してンなこのお嬢様」
美琴「黒子ごめん、もう帰ってくれない? あるいは首を括ってくれない?」
白井「その蔑んだ瞳が何よりの御褒美ですの!!」ハァハァ
一方「極まってンなァ、コイツ」
美琴「普段は悪い子じゃないんだけどね」
一方「ンなことどうでもいいから、さっさと行ってイジメられてこいや。こんな茶番さっさと終わらせて、帰って寝てェ」フワァ
美琴「ん、いってきまーす……………………そんな目の敵にされるような真似、した覚えないんだけどなぁ。でも、やっぱりしちゃったんだろうなぁ……」ハァ
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:04:56.07 ID:GX/8Sj2e0
美琴「…………」テクテクテク
白井「流石はお姉さま、人込みを颯爽と行く姿も凛々しくそよ風に映えておりますの」パシャパシャパシャ
一方(まだ居たのかコイツ)
白井「フィルムがいくつあっても足りませんの」パシャパシャパシャパシャパシャパシャ
一方(これもある種のイジメじゃね?)
白井「さあ、暴漢はいずこから現れますの!?」
一方(大方下衆いチンピラスキルアウトだろ…………ン?)
白井「お姉さまに不埒な真似を働く輩など、風紀委員権限で即座にしょっぴ…………いて……」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:05:49.78 ID:GX/8Sj2e0
食蜂「はぁい御坂さん、今日もひとりぼっちでお散歩ぉ? 孤高のレベル5気取りってのも大変よねぇ」プークスクス
美琴「…………色々と、あんたには言われたくない事だらけなんだけど」
一方「………………女だとォ? しかも何だ、あの痛々しいオーラ」
白井「しょ、しょ、しょ、しょしょしょ」
一方「ショタコン?」
白井「私はショタコン枠ではありませんの! それはもう一人のテレポーターの専売特許ですの!!」プンプン
一方「(どのみちテレポーターは変態ぞろいか)で、あの網膜に優しくねェ、視覚的に眩しい女はなンだ?」
白井「そ、そうでしたの! これは由々しき事態ですの!! まさか、まさかあの食蜂操祈がお姉さまを学外で襲撃するなどとは!!!」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:07:18.22 ID:GX/8Sj2e0
食蜂「いつもは皆が世話を焼いてくれるからぁ、私だってたまには一人になりたいのぉ。 言わば能動的ぼっち! 受動的ぼっちのあなたとは違うのよ」プププ
美琴「ふーん……」
一方「あれは襲撃とは言わねェだろ」
白井「根も葉もない言い掛かりでお姉さまに精神的ダメージを負わせようとしている以上、学園都市迷惑防止条例違反ですの!!」
一方「俺がいま現在被ってる迷惑も何とかして下さいませンかァ」
美琴「………………」ズーン
食蜂「………………あー、うん。ま、まあ、その、で、でも……」モジモジ
一方「……おや? しょくほうのようすが…………?」
白井「進化して本性をあらわす腹積もりに違いありませんの!」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:08:57.68 ID:GX/8Sj2e0
食蜂「み、みみみみ、御坂さんがどうしてもって言うならぁ、い、い、い、い、一緒に昼食でも」モジモジ
美琴「私さ、食蜂さんに嫌われるようなこと、きっと気付かないうちにしちゃったんだよね……」
食蜂「いかが…………へ?」
美琴「私さ、最近やっとわかったんだ。常盤台では皆の模範、第三位の超能力者『超電磁砲』を崩さないように張り詰めてて。やっと剥き出しの感情をぶつけられる相手を見つけたと思ったら、自分の気持ちに素直に向き合わずに長い事ツンツンビリビリして。本当に、子供よね」
食蜂「あ、あのぉ、御坂さん…………?」オソルオソル
美琴「そういうガキっぽさがきっと、人の心の機敏がよく見える食蜂さんにはバレバレで、イライラさせちゃったのよね」グス
食蜂「えっとぉ、私には電磁波バリアのせいで御坂さんの心は読めな…………ちょ、まさか泣いてないわよね!?」
美琴「今まで生意気な態度ばっかりでごめんなさい…………私のことが嫌いなのはどうしようもないと思うけど、せめて学校では、後輩に示しの付く『超電磁砲』でいたいから」ヒック
食蜂「違うの、違うの御坂さぁん!!」
美琴「こ、これからも、ご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします、食蜂『せんぱい』。……失礼します!」ダッ
食蜂「がっ、はあああぁぁぁぁあ!?」ブシュー
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 00:10:21.16 ID:GX/8Sj2e0
一方「………………」
白井「………………」
一方「……とりあえず、第三位を追うか」
白井「……ええ。あれは、放っておきましょう」チラッ
食蜂「うわ、上目遣い+涙目とかぁ!! 御坂さんちょっとぉ、私を萌え、萌え殺す気なのかしらあぁぁぁああぁ!?」ダンダンダン!!
一方(コンクリにガンガン額ぶつけてやがる)
白井(噴き出る鼻血をすぐさま紙縒りで押さえた点は、流石腐っても常盤台の女王ですの)
一方(お嬢様学校はじまってンなァ……)
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:42:27.87 ID:GX/8Sj2e0
美琴「………………………………はぁぁぁぁ」ズズーン
白井「悲嘆にくれる様もまた、夜空に煌めく北極星のごとき耽美さですの」パシャパシャパシャ
一方「意外に純心っつうか、純粋なアマだな」
白井「お姉さまほどのピュア・ハートは銀河系広しといえどもオンリーワンですの」パシャパシャパシャパシャパシャパシャ
一方「てめェの汚れきった欲望越しに覗けばそうなるだろうよ…………おら、次鋒のお出ましらしいぜ」
白井「むむっ、此度は何奴が私のお姉さまを!?」
一方「つっこまねェぞ、つっこまねェからな?」
白井「つっこむとかつっこまないとか、いやらしい御仁ですの」ポッ
一方「てめェの『自分だけの現実』にそっくりそのままお返ししてェわそのセリフ」
麦野「よう、第三位じゃん。今日は例のウニ頭のケツ追っかけないわけぇ?」ギャハハ
美琴「…………なんだ、麦野さんか」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:44:33.82 ID:GX/8Sj2e0
白井「ま、またしてもご婦人ですの? 随分とグラマラスというか、大人っぽい方ですが」
一方「ありゃあ第四位だ」
白井「なんと!? 『原子崩し』麦野沈利!?」
麦野「あ? どうしたどうしたそのしけたツラはよぉ? さてはアレか、度重なる傷害未遂が祟ってとうとう絶縁宣言されちまったか!」ハッハハハ!
美琴「別にそんなんじゃないわ…………ないです」
麦野「はぁぁ? らしくもなくしおらしい態度取ったと思ったら、どういう風の吹きまわしよ」
美琴「今まで年下だって事も弁えずに好き放題言っちゃってたから、反省すべきかな、って。麦野さんも、私のそういう所が気に食わないんですよね?」
麦野「…………なにを言ってるのかさっぱり理解できないけど、頼むからそのサブイボの出るサムイ敬語だけは勘弁してくんない?」ゾクゾク
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:46:03.72 ID:GX/8Sj2e0
美琴「うーん……本人がそう言うなら…………でもやっぱり……」
麦野「あんたちょっと変よ、何かあったわけ? もしかして、本当にあのレベル0にふられたとかじゃ」ハッ
美琴「へ? いや、別にそんな事ないけど」キョトン
麦野「…………そうやってあっさりこの話題に乗っかってくるのも、妙っちゃ妙だわ。あんたあんだけ『あんなヤツ、す、す……全然好きじゃないんだからね!』みたいなテンプレ全開の台詞吐いてたじゃない」
二人((お前が言うな))
白井(お姉さまのモノマネだったのでしょうか、今のは)
一方(サブイボが沸き出そうなのはこっちの方だぜ。ババア無理すンな)
麦野「なんだろう、無性に『原子崩し』ぶっぱなしたくなってきた」イラッ
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:47:52.63 ID:GX/8Sj2e0
美琴「やっぱり私を目の前にして抑えようとしても抑えきれぬ殺意の波動が」ズーン
麦野「ゲームのやりすぎよアンタ! 厨二病か!!」
美琴「中二だけど」
麦野「そういやそうだった……そんで、実際のところ何があったのよ? わ、私で良ければ相談に乗ってやらないでもないわよ」カミノケイジイジ
美琴「無理してそんな気を遣ってもらわなくても」ズーン
麦野「…………だあああああ! うっぜぇうぜぇ!! いつからそんなネガネガ根暗ガールになり下がりやがった御坂ぁ!」
美琴「…………………………だ、だって!! 麦野さんたちがぁ!」
麦野「あぁ゛ん!? 私がどうした!」
白井「さあ雲行きが怪しくなってまいりましたの」ワクワク
一方(第三位も交友関係に恵まれてねェなあ)シミジミ
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:48:45.59 ID:GX/8Sj2e0
美琴「この間から麦野さんたちが、私と顔合わせるたびにネチネチ嫌味言ってくるからぁ!!!!
麦野「んなっ」
美琴「わ、私、あそこまで露骨に悪意を向けられた事なんて経験なくて! 謝りたくても何が悪かったのか分からなくて!! だ、だから……どうしたら、いいのかって……」ウル
麦野「っ、あ、そ…………それはぁっ!! お前が最近やけに素直に笑うから、笑顔が眩しくて正視できないんだよ言わせんな恥ずかしいぃぃぃぃ!!!!!」
美琴「え?」
麦野「…………………………あ」
白井「これは」
一方「ひどォい」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:49:36.07 ID:GX/8Sj2e0
麦野「………………」
御坂「………………」
麦野「お、おい」
御坂「うん」
麦野「今のは、その」
御坂「うん」
麦野「………………………………わ、忘れてくれると嬉しいにゃーん♪」テヘッ
白井「うわぁ」
一方「うわァ」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:50:31.13 ID:GX/8Sj2e0
御坂「あ、うん。わかった、忘れる」
麦野「!?」
一方「おいィ」
白井「素直で物分かりの良いお姉さまもまたオツなものですの」フゥ・・・・・・
一方「お前ちょっと黙ってろ主に俺の精神の均衡を保つために」
麦野「……………………」
御坂「……………………? 麦野さん?」キョトン
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:51:21.43 ID:GX/8Sj2e0
麦野「…………それはそれでなんか納得がいかないわよおおおおおおおお!!!!!!」ダダダッ!!
ドドドドドド
通行人A「よう、麦野じゃん…………って麦野さぁん!?」
麦野「はぁぁぁぁああああまづらあぁぁぁああ!!!!」ドドドドドドド
チュドーン チュドーン チュドーン
その他大勢A「んぎゃああああっっ!!!? なんでぇ!?」
麦野「カァンケイねえんだよおおおおおおおお!!!!」
馬面「清々しいまでに堂々とやつあたり宣言してんじゃねぇーーーーーーっ!!!!!」
御坂「」ポカーン
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/25(火) 23:52:40.28 ID:GX/8Sj2e0
白井「……大丈夫でしょうか、あの殿方」
一方「殺しても死なねェタイプの三下だから気にすンな」
白井「ああ、主人公補正ですの」ポン
一方(世間一般的にはギャグ補正って言うンだがな)
白井「ならば心配は要りませんわね」
一方(これでいいのか風紀委員……?)
白井「しかし第五位に続き第四位までツンデレとは…………ツンデレベル5、底が知れませんの」チラッ
一方「おい今なンで俺を見た」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:25:21.54 ID:JiooYt4/0
??「くくく…………第四位がやられたようだな」
??「しょせん奴は超能力者の中でも最年長」
??「最年少の第三位ごときに遅れをとるとはレベル5の面汚しだぜ」
白井「この黒幕臭漂うセリフ…………とうとう真打ち登場ですの!?」ワクワク
一方「どう嗅いでも小物臭です本当にありがとうございましたァ」
美琴「……………………」
??「…………おい、何かリアクションとれよ」
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:26:00.81 ID:JiooYt4/0
白井「……あらま? ↑の一連のやりとりは全部さもしい一人芝居だったのでしょうか。残りの三人がいっぺんに顔見せ、みたいなアレかと思いましたのに」
一方「あいつ本気でダチいなさそうだからな」
白井「第一位様、あのジ○ニーズ崩れのチャラい殿方ともお知り合いで?」
一方「ここまでの流れで察しろ。画面の前の皆さンには第五位が出てきた時点でバレバレですゥ」
白井「と、言うことは……」
美琴「……………………はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
??「かまってちゃんオーラ全開でこれ見よがしに溜め息ついてねえでこっちを一瞥ぐらいしろや!!」
白井「確かに小物臭がプンプンですの」
一方(前にドンパチやった時はあそこまでじゃなかったンだけどなァ……ノーバウンドさんに吹っ飛ばされたとき頭でも打ったか)ポリポリ
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:26:42.32 ID:JiooYt4/0
美琴「食蜂さん…………麦野さん……はぁ………………」ズーン
??「第三位ぃぃぃぃぃぃぃ!! いい加減にしろおおおおお!!!」
美琴「!?」ビクッ
??「はっはぁ! ようやく俺を見たな!」
美琴「あ、垣根さん。いたなら声掛けてくれればいいのに」ニコ
垣根「ずっと掛けてただろうが素で気付いてなかったんかいコラあああ!!」
一方「金髪の人可愛そォ」
白井(びっくりするほど実感のこもってない哀れみですの)
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:27:20.64 ID:JiooYt4/0
垣根「クソがッ! 人をコケにしてられるのも今のうちだ!」
美琴「…………きょ、今日も私に文句言いに来たの?」ビク
垣根「文句ならさっきからぶちまけてんだろうが人を散々シカトしやがってよ!」
美琴「ごめんなさい……」ズーン
垣根「はっ、イマドキの中坊はちょっと頭下げりゃあ何でも許してもらえると思ってやがる。ゆとり教育の弊害だなオイ?」
美琴「うう」
一方「常盤台の教育って結構なスパルタだよな」
白井「特に寮生活ではそれが顕著ですの」ブルブル
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:28:03.53 ID:JiooYt4/0
美琴「ど、どうしたら許してもらえますか?」ウワメヅカイ
垣根「んっぶぐぁぇあ!!」ガフッ
美琴「え?」
垣根「な、ぬわぁんでもねえよ。持病のメルボルンヘンリー症候群の発作だ」ゲホゲホ
美琴「そんな病気聞いたことないけど」
一方「案の定、あいつもかよ。どいつもこいつも中学生がちょっとばかし媚売ったぐらいでグラついちまってよ、学園都市はロリコンのるつぼなンですかァ?」ケラケラ
白井「………………」
一方「おい、どうした」
白井(なんでしょう。第一位様の事情は存じ上げませんが、なぜか心の底からツッコミ衝動が湧いてきますの)ムズムズ
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:29:09.06 ID:JiooYt4/0
垣根「あん? 話を逸らしてうやむやにしようってか、こずるいガキだぜ」
美琴「そ、そんなことしないわ…………しません!」
垣根「だったら行動でそれを示しな。俺も鬼じゃねえ。俺にとって具体的なメリットのある提示をすりゃあ、許してやろうじゃないか……寛容な精神で……!」クワッ
美琴「謝罪……誠意を見せる方法…………」ムムム
垣根(くく、悩んでる悩んでる。鼻っ柱の強いガキもこうなると可愛いもんだぜ。まあ、今日のところはこの辺にしとくか…………あんまやり過ぎると麦野と食蜂にバレた時めんどいし)
美琴「……………………」
垣根「……あーあー、ったくよー失礼な中坊にむかっ腹たてたからか、腹が空いて仕方ねーやー」チラッ
美琴「……………………」
垣根「…………おやー? あんなところにちょうど良く『Joseph's』がー? はっはっは、運が良かったな第三位! あそこで昼飯奢ってくれりゃ手打ちってことに」
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:30:16.36 ID:JiooYt4/0
美琴「……………………わかりました、身体で払います」グスッ
垣根「」
一方「」
白井「」
一方「……予想外でェす」
白井「…………」ピッポッパッ
一方「おい、急にどこにかけてンだ」
白井「――――コードネーム『オセロット』より各位。我らがプリンセスを手籠にせんとする人非人を確認。御坂美琴親衛隊13510名の総力をもってこれを撃滅する」
一方(ていとくンマジ南無三)ナムナム
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:30:58.66 ID:JiooYt4/0
垣根「んな、んな、んなぁに言ってやがんだコラぁぁぁぁ!! 誰がいつそんな事頼んだ!?」ワタワタ
美琴「やっぱり定番かなって」ヒック
垣根「動機軽っ!」
美琴「は、はじめてはアイツにあげたいから、せめてそこだけはお情けを」エグエグ
垣根「おいやめろ馬鹿! これじゃあ俺が道端で中学生に迫ってるみたいじゃねえか!」アタフタ
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
一方「などと意味不明の供述を繰り返しており」
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:31:38.82 ID:JiooYt4/0
美琴「ごめんなさいパパ、ママ。私これから制服ひんむかれて、垣根さんの欲望のままに汚されて…………汚され……………………や、やっぱりやだ! 助けて当麻ぁっ!!」ウワァァン!
一方(とうま? どっかで聞いたような…………そォいうことか!)ピコーン
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
オネエチャンナニアレー ケッキョクチジョウノモツレッテワケヨ オウエンデキナイ・・・・・・ チョウフケツデス
垣根「助け呼ぶぐらいなら最初っからトチ狂ったことほざくんじゃねええ!! 誤解がもはや解きようのないレベルに達してんだろうがあああ!!! ああ違うんですよ通行人の皆さんこれには訳がああああ!!!!」
一方(この状況…………ヒーロークルー(゚∀゚)!?)キョロキョロ
白井「対象の座標データを送る、至急殲m」
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:33:14.68 ID:JiooYt4/0
??「待てぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっっっ!!!!!!!!!!!」
垣根「!?」
美琴「!?」
野次馬「!?」
白井「!?」
一方(ヒーローキター(゚∀゚)ーーー!?)
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:34:40.28 ID:JiooYt4/0
垣根「なにもんだ!? 出てきやがれ!」キョロキョロ
美琴「それ小気味いいほどの典型的悪役セリフよ垣根さん」
垣根「やかましい!」
??「か弱い婦女子を『どうかつ』? して泣かせた挙句にむりやり……『せいてきぼうこう』? だっけ? ……に及ぼうたぁ根性が足りてねえな!!!!!!」
垣根「おい途中の『?』はなんだ! あとボリュームもうちっと絞れ! 『!』が多すぎで耳障りかつ目障りなんだよ!」
??「そんな性根と根性の腐った真似!!!!!! お天道さまが許しても!!!!!!!」
垣根「聞けえええ!! どうして今日はどいつもこいつも俺をシカトしやがんだぁぁぁ!!」
削板「この愛と正義と根性のナンバーセブン、削板軍覇が許しちゃおかねえぜ!!!!!!!」シャキーン
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:35:54.46 ID:JiooYt4/0
白井「…………ただただひたすら面倒なことになってきましたの」グッタリ
一方「ヒーローじゃねェのかよ……」イジイジ
垣根「削板…………? っ! てめえ、第七位か!」
削板「いかにも!! 震える弱者を守り、驕れる強者を砕いてこそ真に根性ある男の証!!! 俺はその信念に従う!!!!」
垣根「やろうってのか、第七位風情がぁ…………っ!!」
美琴「」ポカーン
白井「あ、あら? 何だかマズイ予感がしますの。天変地異の前触れのような、肌を突き刺すこの悪寒……はっ、あれは!?」
一方「ヒーローェ…………」イジイジ
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:36:51.53 ID:JiooYt4/0
チョンチョン
垣根「あ? おい、今取り込み中だ。殺してほしいならそこの根性馬鹿の後ろに列作って待って……」
食蜂「はぁい」
麦野「やっほー」
垣根「」
麦野「楽しそうなことしてるじゃない、混ぜなさいよ垣根くぅん?」ガシッ
食蜂「風のうわさで御坂さんを恫喝して泣かせたあげく性的暴行を働こうとしたって聞いたんだけどぉ」ガシッ
削板「やはりそうだったのか!!! くぅ、返す返す卑劣な男だ!!」
垣根「それ全部このアホが垂れ流したシャウトじゃねえか!?」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:38:16.41 ID:JiooYt4/0
美琴「しょ、食蜂せんぱい、麦野さん。どうして……?」
麦野「御坂、ちょっとだけイイ子にして待ってなさいよ」ナデナデ
食蜂「この粗大ゴミを処分したら二人きりでゆっくりお話しましょお?」ナデナデ
美琴「ん…………」ウットリ
垣根「オイ俺を構成する要素のどのあたりを見て粗大ゴミ判定くだしやがった正直に言え」
削板「女子は危険だから下がっていろ!! 奴との決着は俺がつけねばならん!!!」
垣根「俺はできればお前にも引っ込んでてほしいんだけどな!」
白井「収拾がつかなくなってきましたの! さすがにこれは風紀委員として見過ごすわけには……第一位様?」ハテ
一方「……………………」イジイジ
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:40:12.31 ID:JiooYt4/0
垣根「ちっ…………お前ら、まだわかってないみたいだな。超能力者だろうがなんだろうが所詮は『未元物質』の前には虫ケラ同然、俺がちょっと本気になりゃあお前らなんざプチッと」
麦野「キャー助けてー犯 されるー!」
食蜂「みなさぁん! この人チカンでぇす!」
垣根「!?」
削板「俺の目の前でさらなる凶行に走るとは良い根性…………いや、悪い根性だな!!」
垣根「ますますややこしくなるからてめえは口を挟むな! もういい、てめえら皆殺 しだ!!」バサバサッ
麦野「いい度胸だ腐れ[ピーーー]野郎! すり潰してメルヘンあらびき肉にしてやっからよおお!!」ギラリ
食蜂「きゃわーん、こ・わ・い☆ 身の程を知らない男の人って無様だわぁ」クスクス
削板「み な ぎ っ て き た ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! !」ボボボボッ
美琴「ちょ、ちょっとみんな…………!」アセアセ
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:41:48.05 ID:JiooYt4/0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
白井「あ、あの四人がフルパワーでぶつかったら学園都市が崩壊しかねませんの! 第一位様! こうなったら第一位様のお力で彼らを止めていただくしか!!」
一方「………………なンで」
白井「へ?」
一方「なンでヒーローが助けに来ねェンだよおおおおおおおおおお!!!???」ガバッ
白井「」
超能力者一同「!?」
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:43:17.15 ID:JiooYt4/0
-------------------------------------------------------
「へっぷし!! うう、なんだこの背筋の寒さは……」
「最近みこと来ないねー。風邪でもひいちゃったのかな? だったらお見舞いに行かないと!」
「くしゃみから連想したんだろうけど、まずは俺の心配してくれませんインデックスさん?」
「とうまの心配してご飯が増えるならいくらでもするんだよ。みことのご飯はとうまの十倍美味しいもーん」
「お前ちょっと最近御坂の好感度稼いでるからって調子に乗ってるんじゃありませんこと?」
「あなたとは違うんです」
「どーいう意味だ!」
「ヘタレ」
「ぐっ」
「それでみなまで説明できちゃうあたりがとうまの全てを物語ってるんだよ」
------------------------------------------------------
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:45:19.17 ID:JiooYt4/0
一方「ちっくしょおォォォォ!! そォい!!!」
________⊆二I
 ̄ ̄ 匚] / [ ̄| ̄] [ ̄ ̄ヽ 垣根
匚] / [_|_] [____\_ ↓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄──__ .' , .. ∧_∧
 ̄──_ ∴ ' ( )/∴・.゚
 ̄ ̄ ̄ ̄\  ̄) ・,‘ r⌒> _/ / ,.・._
\ ./ . ’ | y'⌒ ⌒i゛・:、∵_
\________________________ / | / ノ | \
\__________________// , ー' /´ヾ_ノ : ・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\________________// / , ノ ∴ ・ 。
\________________// / / /
___________________________/─┐ / / ,'
_________________________|_/ / /| |
|_ .__ ._ | _ /|__ __ ._| \ ヽ !、_/ / 〉
(|__|□|__|) ̄.|__|.Z.|__| ̄(|__|□|__|) \____________________> |_/-
\____/ .\____/
垣根「ごっ、があああああっっっ!!!!!?」
キラーン
美琴「かきねくんふっとばされたー!」
白井「エエェェェェェ(´д`)ェェェェェエエ」
82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/10/27(木) 16:48:21.57 ID:JiooYt4/0
今日のポイント
・そぎーにツンデレは無理だった
・むぎのんとみさきちがもうデレた
・ほのぼのしてない
・↓このAAをせっかくだからどっかで使いたかったけどその機会がなかった
(\\ //)
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\\\┌――――――‐─┐ ///
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(/(// ̄/ l rデミー' 'ー' .|ト、 \  ̄\\)\)
////〕 ゛`ー′ /でン .|| \\\\
( / ̄// | 、 .ゝ ゛ || \ \\ ̄)
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・そぎーにツンデレは無理だった
・むぎのんとみさきちがもうデレた
・ほのぼのしてない
・↓このAAをせっかくだからどっかで使いたかったけどその機会がなかった
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111: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:41:01.34 ID:idiihC6O0
十分後
食蜂「………………」←正座中
麦野「………………」←正座中
垣根「………………」←瀕死
削板「………………」←仁王立ち
美琴「………………」ドキドキ
一方「…………で? オマエらどうしてこンな事した?」
白井(私としてはどうして第一位様があんな事したのか事情聴取したい気分ですの。でも言いだせませんの。我が身が可愛いんですの)
112: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:41:45.53 ID:idiihC6O0
美琴「食蜂せんぱい、麦野さん、大丈夫……?」
麦野「……あー、うん。別に外傷はないから心配要らないわよ」
食蜂(第一位コワイ第一位コワイ第一位コワイ)ガグブル
削板「やや、こっちは精神的ダメージが大きそうだぞ!!!」
美琴「食蜂せんぱい、私がついてるから、ね?」ニコ
食蜂「ああ、御坂さん…………いえ、美琴ちゃぁん! あなたは天使だわぁ!!」ダキッ
美琴「きゃわっ!///」カァ
麦野「第五位ぃぃぃぃ!!!! てめえドサクサにまぎれてなにやってんだ!!」
垣根「誰か俺の心配をしろおおおおおおおっ!!!!」ボロボロ
113: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:42:41.28 ID:idiihC6O0
一方「うるせェ」ギロッ
超能力者一同「すいませんでした」
一方「おい、第三位。こいつらが最近オマエをイジメてる連中ってことで間違いねェンだな?」
美琴「最初の三人はそうだけど、削板さんは違うわよ」
一方「え、マジ? 削板くンメンゴメンゴ、俺の勘違いだったみたいだわァ」ペコリ
麦野「軽っ!」
削板「はっはっは、こまけぇことだ、気にすんな!!」
食蜂「これまた軽ぅっ!」
垣根「おいぃぃぃぃ!? まず謝んなら俺だろうが白昼堂々リニアモーターカーにひき逃げされたんだぞ! 巨額賠償請求で自己破産余儀なくさせっぞもやし野郎ォォ!!!」
114: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:43:32.49 ID:idiihC6O0
一方「法廷でンなこと訴えても誰も信じやしねェよ」
美琴「確かに…………警察よりも先に病院の世話になったほうが良さそうな起訴内容よね」
白井「リニアにひき逃げされてピンピンしてる時点で信憑性ゼロですの」
垣根「どこがピンピンだ! 未元物質でガードしてなかったら轟ッ! と音を立てて13キロノーバウンドで吹っ飛んだあげく即死だったわ!!」
削板「うーむ、災難だったな第二位!! まあ人生そんな日もあるさ!!!」ハハハ
垣根「元はといえばテメエのせいだろうが第七位ぃぃぃ! 死にさらせゴラァッ!!」バサッバサッ
ヒュー ドオンドオンドオン
垣根「…………やったか!?」
一方「はいはい死亡フラグ死亡フラグ」
垣根「うるせえ!」
115: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:44:19.34 ID:idiihC6O0
削板「そうはさせんぞ!! すごーくすごーいガードォッッ!!!!」
カキーン 0Damage
垣根「なんか切ないダメージ表示出た!?」
一方「そぎいたくンふっとばされなーい!」
白井「根性(ガッツ)が足りてますの!」
削板「友情! 努力! 勝利! 根性! 週刊少年ジャ○プを愛読する俺には三本柱の加護が付いている!!! 根性の入ってない攻撃など無駄無駄無駄ァ!!」メメタァ
麦野「余計なもん一個くっついてるわよ」
美琴「四天王だと思ったら五人いましたみたいな」
食蜂「それはマ○ジンだと思うんだけどぉ」
垣根「納得いかねえ……」ショボン
116: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:46:01.22 ID:idiihC6O0
一方「さァて、じゃあ残り三人の三下ども。どうして第三位をイジメてたのか白状しやがれ」
垣根「あぁ? イジメとは人聞きが悪いぜクソったれ第一位さんよお。俺はちょっと近くのファミレスでお茶しませんか、って誘っただけで」
食蜂「ごめんなさい第二位にそそのかされました」
麦野「すいません垣根くんにたぶらかされました」
垣根「!?」
一方「だ、そうだが。なンか言い分はあるか?」
垣根「う、裏切るのかテメエら!」
食蜂「“裏切る”? 違うわぁ、“見限る”のよぉ」クスクス
麦野「第一あんたと手ぇ組んでた覚えなんてないしぃ?」ククク
一方「いまのは自白と受け取って構いませンねェ」
117: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:46:57.10 ID:idiihC6O0
美琴「か、垣根さん…………やっぱり、そんなに私のことが嫌いで……」
白井「ああお姉さま、泣かないでくださいまし。マーメイドの涙にも匹敵する麗しきひとしずくがもったいのうございますの」
美琴「な、泣いてなんかないわよ!」アセアセ
削板「可憐な女子の落涙を誘うべく暗躍していたとは…………度し難い男だな!」
美琴「だから泣いてないもん!」ヒック
一方「なーかした、なーかしたァ」
美琴「泣いてないってばぁ…………」(´;ω;`)
垣根「…………くっそ、めんどくせえ度がどんどん上昇してやがる……こうなったらテメエらも道連れだクソアマ二名! 洗いざらいぶちまけてやるから覚悟しなぁ!」
118: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:48:28.48 ID:idiihC6O0
食蜂「っぁっ! ちょ、ちょっと落ち着いて話し合いましょう垣根さぁん? 今ならJC十数名とのお茶会がおまけで付いてくるわよぉ(はぁと)」
麦野「い、いやーん! ていとくんってば良く見たらオ・ト・コ・マ・エ(はぁと)」
垣根「手の平の返し方が露骨な上にヘタクソすぎるわ! もうちょっと上手にやれや!」
一方「どういうことだ」
垣根「事のはじまりは一月ほど前だ。各々第三位とお喋りした直後の俺ら三人が、偶然、ばったり、出くわしたのさ」
白井(偶然て。ストーカーが三人鉢合わせしただけじゃありませんの)ハン
一方(今日のお前が言うなスレはここですかァ?)
垣根「食蜂は俺たちの顔を見るなり、開口一番こう言った。『最近、御坂さんの素直力が全開すぎて生きるのが辛い』」
食蜂「ちょ」
垣根「麦野も続いた。『なにツンデレアーマー解除してんのよアイツ。萌え死ぬかと思ったわ』」
麦野「うわぁぁぁぁぁぁ」
美琴「………………」アウアウ
119: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:49:15.29 ID:idiihC6O0
垣根「そこで俺はこう言ってやった。『向こうがツンデレを解除したなら、いっそこっちがツンデレればいいんじゃね?』、ってな」ドヤァ・・・・
一方「………………」
美琴「………………」
白井「………………」
削板「そ、その発想はなかった!!!」ガーン!
美琴「“なかった”っていうか……」
白井「“ない”ですわね、これは……」
一方「オマエちょっと頭冷やしたほうがいいわていとくン。冷蔵庫だけに」
垣根「“だけに”ってなんだおい俺と冷蔵庫の間には縁もゆかりもありゃしねえよ」
麦野「そう思ってんのはアンタだけよ」
120: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:50:27.34 ID:idiihC6O0
一方「…………あー、つまりィ。要するにオマエら、第三位が好きで好きで仕方ねェンだろ?」
美琴「!!!!!」
一方「ったく、惚れた女イジメたがるガキ大将じゃあるめェし」
食蜂「んー……」モジモジ
麦野「あー…………」ソワソワ
垣根「まぁ…………否定はしねえけどよ」ポリポリ
美琴「え? え? ええ?」ポカーン
白井「んまぁ! 黒子のライバルがこんないっぺんに増加してしまいますの!? 由々しき事態、未曽有の危機ですの!」
削板「仲良きことは美しき哉、ってやつじゃねえか!!」ガハハ!
一方「へーへー、ではこれにて一件落着ゥ…………おい、急にうずくまってどォした」
美琴「…………」プルプル
121: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:53:33.98 ID:idiihC6O0
白井「お姉さま? ……もしやどこかお具合でも!?」
削板「む、そいつはいけねぇ!! よぉし、俺がおぶって病院までひとっ走り!」
垣根「ひっこんでろ根性バカ。俺が背負って飛んだ方が速ぇよ」
麦野「病人に空なんざ飛ばせて悪化したらどうすんのよバ垣根。(ピ、ポ、パ)おい浜面。車一台大至急、十秒以内にこっち回しなさい」
食蜂「(ピポピポピポ)あ、じいやぁ? ちょっと世界一の名医手配しておいてくれなぁい? …………え? 学園都市に最初っからいる? じゃあ予備で良いから二番目も確保しといてね」
一方「…………ちょっと具合が悪いぐらいでギャーギャーうっせェ連中だな。おい第三位、何があった?」ヒョイ
美琴「み、見ないで!」
一方「あン?」
美琴「いま、私の顔、大変なことになっちゃってるから! に、に、ニヤケて元に戻んないのぉ! すっごく気持ち悪いことになってるから見ないで、お願い!!」カァァァァ
一同「へ?」
122: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:54:50.78 ID:idiihC6O0
美琴「だって、だって…………嬉しいの。学園都市でも一握りのこんなすごい人たちに、こ、ここまで想われてるなんて…………一度嫌われてるって思いこんじゃったから、その分だけ、嬉しくて嬉しくて、今だってこんなに心配してもらえて………………えへへ、ダメ、嬉しくて死んじゃいそぉ」ニヘラ
白井「!!!!」ズギューン
食蜂「!!!!」ズギューン
麦野「!!!!」ズギューン
垣根「!!!!」ズギューン
一方「…………」
垣根「……いやぁ、これは男がほっとかないワケだな、ははは!!」
123: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:55:57.43 ID:idiihC6O0
食蜂「美琴ちゃん…………美琴ちゃぁぁぁぁんん!!!!」ガバァッ!!
美琴「しょ、食蜂せんぱい?」
食蜂「カワイイカワイイくぁいい可愛い力半端ない! お持ち帰りしていいのよねコレ!? あ、あと、で、で、できたら『みさき』って呼んでほしいなぁ、なんて……」オソルオソル
美琴「………………み、みさきせんぱい?」ウワメヅカイ
食蜂「」
食蜂「我が生涯に一片の悔いなしぃぃぃぃーーーーーっっ!!!!!」
美琴「!?」ビク
白井「…………食蜂操祈、そこまでになさい!! お姉さまは私のお姉さまであるからこそお姉さまなのであって」
食蜂「女の嫉妬は見苦しいわぁ白井さん。あなたの愛しのお姉さまが誰かをお姉さまとして慕ってはいけない道理なんてあってぇ?」
一方(お姉さまお姉さまうるっせェなコイツラ)
124: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:56:38.29 ID:idiihC6O0
ギャーギャー!
麦野「…………み、御坂」
美琴「あ、麦野さん」
麦野「その麦野さんってのも、いい加減他人行儀よね。なんだかんだでアンタとの付き合いも長いし、その……」チラッ
美琴「なんて呼んでほしいの?」
麦野「ぐ…………えっと、子供のころのあだ名なんだけど…………し、『しずりん』って…………あぁぁぁぁ、やっぱナシ! いまの忘れなさ」
美琴「しずりん」
麦野「……………………」
削板「やや、第四位が動かなくなったぞ」
一方「オマエまだいたンだ」
125: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:57:34.88 ID:idiihC6O0
キキーッ
運転手A「ただいま到着しましたァーーッ!! 十秒以内とか冗談ですよね!? これでも目いっぱい飛ばしてきたんだぜ麦野!」
美琴「しずりんの知り合い?」キョトン
麦野「……………………」
運ちゃんA(よく見たらなんだ、この無茶苦茶な面子)キョロキョロ
麦野「浜面」ニコ
ドライバーA「…………なんかいい事でもあったか?」ドンビキ
麦野「うん」ニコニコ
被害者A「そうかそうかそれは良かったな……じゃあ、良かったついでに俺に迫ってくるのやめてくんね?」アトズサリ
麦野「テンション上がってどうしようもないんだよはぁぁぁぁまづらぁぁぁぁあああああ!!!!!」ニッコリィィ!!
馬面「やつあたりですらないんですかァァァァァーーーーーーッッ!!??」ガビーン!
126: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:58:41.46 ID:idiihC6O0
チュドーンチュドーン ギャァァァァァァ!!!!
垣根「…………」チラッ チラッ
一方(うわ、チラ見うっぜ)
美琴「この流れだと、垣根さんの呼び方も変えるべきなのかしら」
垣根「!! ご、ゴホン! ま、まあ? お前がどうしてもって言うなら、考えてやらないでもないぜ第三位?」ニヨニヨ
一方(いま酷いかまってちゃンを見た)
美琴「どんなのがいいかな……」
一方「ていとくン」
食蜂「黒騎士(笑)」
白井「熾天使(メルヘン)」
削板「スーパーメガトンワンダーデラックスすごーいダークマターってのはどうだ!!」
垣根「頼むからその口永久に閉じててくれよテメエら、金なら払うから」
127: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 20:59:56.98 ID:idiihC6O0
美琴「その中なら……ていとくん!」
垣根「一番マシなはずなのにこの遣る瀬無さどうよ」
美琴「削板さんはどうする?」
垣根「安定のスルー!?」
削板「仮面グンハーで頼む!!!」
垣根「ダサっ!」
美琴「仮面グンハーさん、これからもよろしくね」つ
削板「学園都市で俺と握手!! うむ、これこそ闘いを終えた男と男の友情の証だな!!」つ
垣根「闘ってなけりゃあ男でもないっつうね! 何回ツッこませんだ疲れたわ!」
128: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:01:26.28 ID:idiihC6O0
一方「…………今度こそ一件落着ゥ、だよな? ンじゃあ俺帰るわ、帰って寝るわ」ノシ
美琴「え? まだ一方通行のあだ名が」
一方「要りませェン。仲良しごっこならアイツらとやってろや。おら、戻ってきたぜ」
食蜂「今日は記念すべき一日だわぁ。美琴ちゃんとこんなに仲良くなれるなんて」
麦野「あースッキリしたぁ…………素直になるのって大事なことだったのねー」
白井「あら第四位様、その手に引きずっておられるものは……ひぃぃぃ!?」ビクゥ!
は※づ※「」※お見せできません
麦野「ん? ああだいじょぶだいじょぶ、滝壺に看病されれば半日で全快するからこいつ」
垣根「俺らが言うのもなんだが、とんだ人外だなそりゃ」
削板「しかし超能力者がこうやって一堂に会するというのは、今更だが壮観だな!! どうだ、これを機に、定期的にレベル5同士の交流の場を設けないか!!」
129: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:02:34.94 ID:idiihC6O0
食蜂「はぁ?」
麦野「平和ボケ丸出しね」
垣根「寝言は寝て言いやがれドアホ」
美琴「え…………みんなは嫌なの? 私は良いと思うんだけど……」
垣根「ぐ」
麦野「ぐぐ」
食蜂「…………私は、美琴ちゃんと二人っきりがいいなぁ」
美琴「みさきせんぱい?」キョトン
食蜂「せっかく同じ学校なのに、いままで不幸にも二人でお茶する機会に恵まれなかったでしょぉ? 常盤台じゃ周りの目もあるし、時々こうやって外で会わなぁい?」
130: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:03:31.49 ID:idiihC6O0
麦野「はっ! 悪趣味な覗き女なんかとサシで向かい合うより、大勢でガールズトークに興じるほうが何倍も御坂のためだっての! 私の行きつけのファミレスで仲間に会わせたいんだけど、どう御坂? アンタと歳の近いのもいるし、なにより専属のドリンクバー往復係もいるわよ」
はま※ら「」ピクピク
白井(こころなしか、麦野さんの後ろの肉塊が悲しげに震えたように見えましたの)ホロリ
美琴「え、えっと」
垣根「おいおい、さっきから聞いてりゃお茶会(笑)だのガールズトーク(笑)だの、笑わせてくれんなぁ? 第三位、俺に着いてこいよ。大人の世界の楽しみ方ってもんを手取り足とり教えて」
一方「そォい!!」AA略
垣根「ごがっ、またかぁぁぁぁあああああ!!」
削板「すごいパーンチ」ズガーン
垣根「お前もかいぃぃ!!!!」
ドガッ バキッ キラーン
131: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:04:19.71 ID:idiihC6O0
美琴「飛んでっちゃった……」
一方「なんかアブナイ感じだったンでついィ」
削板「からけ? というをものを読んでみた!!」
白井「ナイスですの第七位様。しかしそれぞれの主張がまったく噛み合いませんわね」
美琴「仮面グンハーさんも私と二人きりがいい?」
削板「俺は根性があればなんでも構わん!!」エッヘン
美琴「どうしよう…………意味がわからない」(´・ω・`)
白井「この場の全員がわかってないから問題ありませんのよお姉さま。それにしてもどうしたものでしょう……」ウーン
一方「はァ………………ローテーションにすりゃいいじゃねェか」
一同「!!」
132: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:06:56.09 ID:idiihC6O0
一方「一週間は七日もあンだ。うち四日をこのアホどもとキャーキャーやって、残りの三日はプライベートに充てりゃあオリジナルにも無理がねェだろ」
美琴「それ、すごくいいわ!」キラキラ
麦野「…………週一か、落としどころとしちゃ悪くないわね」
食蜂「ま、私はその気になれば毎日学校で会えるしぃ。しょうがないかな」
削板「当の第三位も賛成のようだし、無問題(モーマンタイ)だな!!」
白井「さすがは第一位様、丸く収まりましたの!」
食蜂「じゃ、月曜は私とねぇ」
麦野「ああ゛!? またドサクサまぎれに抜け駆けしやがって! ブルーマンデーは譲れないわよ!」
食蜂「あら、アナタ会社にお勤めでいらっしゃるの麦野さぁん?」ビックリ
麦野「私はまだ学生よ!!」
食蜂「冗談はその大根みたいな太ももだけにしてくださるぅ?」ププ
麦野「よっしゃそこに直りやがれ! 大根おろしみてぇにぐっちゃぐちゃにしてやっからよおお!!」
133: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:09:11.38 ID:idiihC6O0
白井「全然収まってませんでしたの……」ゲッソリ
一方「知るか。眠ィ」フワァ
削板「………………」ジー
白井「あら、第七位様? 難しい顔をしてどうなさいましたの?」
削板「……トップバッターは、第一位こそが相応しいんじゃねえか?」
一方「は?」
白井「確かに……このアイデアを出したのが第一位様なら、そもそもレベル5の皆さんがこうやって一つになる切欠をつくったのも第一位様ですの」
一方「たった今いがみ合ってたそこのアマ二人が見えてねェのか。現状のどこが『一つになって』ンだおい」
麦野「……癪だけど、アンタが居なかったらこの状況はないわね、一方通行」
食蜂「…………美琴ちゃんがしゃがみこんでるのにいち早く気が付いたのだって、いまにして思えば第一位だったわぁ」
垣根「くっ…………負けたぜ一方通行、お前がナンバーワンだ」ポン
一方「いやオマエに言われるまでもなく俺第一位なンですけどォ。つうかなにナチュラルに帰還してンだオマエ」
134: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:09:58.92 ID:idiihC6O0
美琴「一方通行。私も、もっと一方通行との対話の機会がほしい。打ち止めや番外個体の近況も聞きたいし……っていうか、連れて来てくれない?」
一方「………………結局オマエは、最初から最後まで俺の言い分なンざ無視かよ」
美琴「…………ダメ?」
一方「…………」
白井「」ジー
削板「」ジー
食蜂「」ジー
麦野「」ジー
垣根「」ジー
一方「………………惰性で流されちまった俺も、大概だな。好きにしろ」ハァ
135: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:10:48.82 ID:idiihC6O0
美琴「……ありがと」
白井「よかったですわね、お姉さま。…………黒子としては少々、いえ結構、いやいやすこぶる複雑な気分ですが。こうしてお姉さまを支えてくださる方々の居並ぶ勇姿を目の当たりにして、黒子の感慨もひとしおですの」グス
美琴「や、やぁね黒子ったら」テレ
一方「ケッ…………そういえばよォ」
美琴「? なに?」
一方「そこのスカポンタンどもの言うところによりゃあ、オマエ一ヶ月ぐらい前に、急にツンデレフィールド解除したらしいな。なンかあったのか?」
美琴「…………あー、言わなきゃダメ?」
一方「ダメっつうことはねェがよ」チラ
削板「」ジー
食蜂「」ジー
麦野「」ジー
垣根「」ジー
136: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:11:23.21 ID:idiihC6O0
美琴「…………わ、わかった。言う」ガクリ
一方(ま、別にどうでもいいンだけどよ。こンぐらいの意趣返しは許されるだろ)クク
美琴「………………す」
一同「す?」
美琴「す…………好きな人に、告白したの」
一同「」
137: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:12:26.62 ID:idiihC6O0
白井「………………………………お姉さまあああああああっっ!!!! 類人猿、あの類人猿ですのね!? くううううっ、彼奴めとうとう私のお姉さまをその毒牙にかけんと動き出しましたのねぷげらぁっ!!!」ゴオン!!
一方「落ち着けアホ」アテミ
白井「」
美琴「落ち着くっていうか、意識が落ちちゃったんだけど黒子」
一方「で? 結果はどうなった?」
美琴「…………それが、よく分からないの」
一方「はァ? (なにやってンだよ三下)」
美琴「はっきりした返事はくれなかったんだけど、『お前は俺達にとって家族も同然だ』って言ってくれて」
麦野(なにそのイケメン台詞)
食蜂(でも曖昧な言い方ねぇ)
138: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:13:55.11 ID:idiihC6O0
美琴「『みことさえ良ければいつでも遊びにきてほしいんだよ』って言ってもらえて」
削板(……ん? いまのは相手の男の発言か?)
垣根(にしちゃあ、印象が違うな)
美琴「わ、私、それだけで満足できちゃって。嬉しくて泣きそうで、自分の気持ちに素直になったら、こんなにも世界って違って見えるんだって舞い上がっちゃって」
一方「結果、ストーカー三人の琴線にクリティカルヒットした、と。人騒がせな話だぜまったく」
美琴「うう」
食蜂「それはなんていうか…………ちょっとやるせない気分だわぁ」
削板「だが件の男も第一位同様、俺たちを結びつけるのに一役買ってくれたと言えるんじゃないか?」
垣根「お前と結び付くとか考えただけで吐き気するからやめろ」
麦野「でも、遠因っていうか奇妙な縁であることに間違いはないわね…………よし! いまからいっちょ、その男に『ご挨拶』しに行こうじゃない?」
139: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:17:06.66 ID:idiihC6O0
美琴「し、しずりん!? 『挨拶』の響きがなんだか物凄く不穏だったんだけど」ワタワタ
麦野「かわいい妹分が世話になる相手なんだから、ちゃあんと挨拶したいってだけの話じゃない」ナデナデ
美琴「い、妹分…………」エヘヘ
食蜂「麦野さぁん?」(#^ω^)ピキピキ
麦野「二度にわたる抜け駆けのお返しだよ、アバズレ」ベー
垣根「ま、話を聞いた限りじゃとんだヘタレ野郎みたいだしな。当面“そういう”心配はいらねえだろ」
削板「む、ヘタレだと!? それはいかん!! 根性を入れ直さなきゃならねえな!!!」
垣根「余計な真似すんじゃねえよ根性バカ」
白井「んー…………、ここはどこですの、黒子は誰ですの…………?」
美琴「あ、黒子、ちょうど良かった。全員でこれから行く所あるからテレポートお願い」
白井「えっ」
140: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:18:31.97 ID:idiihC6O0
ヤイノヤイノ ヤンヤヤンヤ
一方(平和だなァ…………)
一方(学園都市の最高峰が雁首揃えて仲良し小良し、か。研究者どもが聞いたら目ン玉飛び出ンな)
一方(………………まあ、でも)
「こういうのも、週一ぐらいなら悪くねェか」
第一話
一方通行「イジメに遭ってるだァ?」美琴「…………うん」
完
142: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/10/29(土) 21:20:14.14 ID:idiihC6O0
次回予告
「………………いつかはこんな日が来ると思ってたよ、インデックス」
男が一人と、女が二人。
「私たちが先送りにし続けてきた問題に、今日こそ終止符を打たなくちゃ、だね。とうま」
象を為すは誰か一人が必ず、彼方に追いやられる二等辺三角形。
「俺の気持ちを」
「私の気持ちを」
そのとき少女は、どんな決断を下すのか。
「「いまこそ、正直に伝えるよ」」
第二話
一方通行「三下とシスターと気まずいだァ?」美琴「…………うん」
――――Coming Soon!!
※画面は開発中のものです。
160: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:22:19.92 ID:2+VJQMFT0
第二話
一方通行「三下とシスターと気まずいだァ?」美琴「…………うん」
161: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:23:06.53 ID:2+VJQMFT0
とある月曜日 とあるファミレス
一方「……………………」
美琴「……………………」
一方「…………まずよォ」
美琴「うん」
一方「どうして俺?」
美琴「えっ?」
一方「最近はよ、オマエの世話をなにくれとなく焼きたがる元ストーカーどもも絶賛増量中じゃねェか。そいつらに相談すりゃ喜ンで乗ってくれるだろうに、なンで前回といい今回といい明らかにやる気ナッシングな俺をチョイスするンだよ」
美琴「うーん……いろいろあるけど、一番はその前回のことがある、っていうのが大きいかな」
一方「その理屈でいくと俺、一生オマエの顧問弁護士でいなきゃなンないンですけどォ」マジカンベン
美琴「い、一生…………!? ご、ごめんなさい、私、ほかに心に決めた人が」アセアセ
一方「!?」
162: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:24:00.11 ID:2+VJQMFT0
美琴「そりゃあ一方通行にはお世話になってるけど、そういう感情は違うっていうか……」テレ
一方「なにキショイ勘違いしてンだ顔赤らめてンじゃねェェええ!!! 他のレベル5(削板くン除く)にこンなとこ見られたら明日の俺の寝床がニワトリの飼育箱以下の衛生環境になンだぞオマエ!!」
美琴「なにそれこわい」
一方「うン、アイツらマジこえェわ。オマエからきつく言っといてくンね?」
美琴「うん、わかった」コックリ
一方(っべー、素直な第三位は扱いやすくていいわァ……)ホノボノ
美琴「じゃあ私、これから当麻の家に行ってくるから。あとよろしくね」ガタ
一方「ヨロシクってなにを」
美琴「いやだから、こないだとおんなじように私を陰から見守っててくれないかなぁ、って」
一方(………………っべー、全然扱いやすくなかったわ)アタマカカエ
美琴「どうかした?」
一方「……ちょっとだけ待ってろ、超高速演算でツッコミどころ整理してる真っ最中だから」
美琴「あ、うん」スワル
163: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:25:04.90 ID:2+VJQMFT0
五秒後
ポクポクポクポク チーン
一方「待たせたな」
美琴(なんだろいまの音)
一方「質問一ィ。いつから『当麻』って呼ンでるンですかァ。三下からは何て呼ばれてるンですかァ」
美琴「っ、え、ひゃ!? そ、それはいまは関係ないでしょ!?」カァ
一方「答えろ、さもなきゃ動かねェぞ俺は」ニヤニヤ
美琴「こ、告白した直後っていうか、告白の瞬間から。と、当麻は……なんでだかわからないけど、いまだに『御坂』のまんまなの」ショボン
一方(あンま幻滅させンなよヒーローェ)
美琴「あ、でもでも聞いて! インデックスはすぐに『みこと』って呼んでくれてね、『インデックスって呼んでくれたら嬉しいな』って言ってくれて、すっごく仲良くなったの! 嬉しかったなぁ……」ニコニコ
164: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:25:53.46 ID:2+VJQMFT0
一方「…………それに関連して質問その二ィ」
美琴「ま、また変なこと聞いたりしないわよね?」
一方「これが『変なこと』だったらオマエが持ちかけてきたこの相談そのものが未曽有の大珍事だっつうの…………そもそも、なンなンだよ『気まずい』って。もっと具体的に説明しろ」
美琴「え、えっと、どう言ったらいいのかな……うーん…………」ウデグミ
一方「…………ウエイトレスさんすいませェン」
スタスタ
ウエイトレス「御注文でしょうか」
一方「コーヒーおかわり」
ウエイトレス「かしこまりました、そちらのお客様は」
一方「そいつはイラネ」
ウエイトレス「失礼しました。では少々お待ち下さい」
165: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:26:34.86 ID:2+VJQMFT0
スタスタ
美琴「ご、ごめん! そんな時間とらせるつもりじゃなかったんだけど」ワタワタ
一方「俺がもう一杯飲みたくなっただけですゥ」
美琴「……ありがと」
一方「………………ふわァ」アクビ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
美琴「あのね、あの二人って仲良いでしょ?」
一方「……誤解を恐れず言やァ、家族か兄妹か、あるいは……」
美琴「…………恋人同士に見えてもおかしくないわよね」
166: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:27:11.54 ID:2+VJQMFT0
一方(……あー、やっぱそういうアレかよ、メンドくっせェな)ゲンナリ
美琴「私が告白するときだってね、ぶっちゃけ八割方玉砕覚悟だったのよ」
一方「おいおい、マジかよそりゃ」
美琴「えらくマジよ。しかも告白当日、いつもよく会う公園に呼び出したんだけど。そしたらなんと」
一方「水鳥拳?」
美琴「え、なに?」
一方「…………悪ィ、忘れろ」
美琴「あ、うん。それでね、なんと!」
一方(くっそ、マンガ好きだったよなコイツ? 北斗の男たちの英雄譚がJCに通用する時代はいつ来るンですかァ……?)イジイジ
美琴「隣にインデックス同伴だったの」
一方「ジョインジョイントキィ………………………………は?」
167: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:27:57.84 ID:2+VJQMFT0
美琴「気分はヴィエ・マルシェに連行されたジャンヌ=ダルクだったわ……」
一方「え、え、え。オマエそれで火あぶりにされちゃったわけ?」
美琴「だったらいまごろインデックスと仲良し小良しなんてできてないわよ」
一方「……………………ますます意味わかンないンですけどォ。『気まずい』ってつまるところ、三角関係のことじゃねェのかよ」
美琴「私、そういう経験ないからはっきりとはわからないけど…………アレは、ちょっと違うと思う」
一方「アレ?」
美琴「さっきも言ったけどさ、あの二人普段はすごく自然体で寄り添ってて、憧れちゃうぐらい理想的な関係なの。ただ」
一方「ただ?」
美琴「私が遊びに行くと、空気が重くなって、当麻もインデックスも様子がおかしくなるの」
一方「おかしい? (オウム返し楽でいいわァ)」
美琴「なんていうか、二人とも笑ってはいるんだけど、無理してるっていうか、表面上だけっていうか、笑顔が引きつってるっていうか…………とにかく、変なの」
一方「確かに、そりゃあ妙だな」
168: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:29:12.69 ID:2+VJQMFT0
美琴「…………やっぱり、私が邪魔なのかな」
一方「………………」
美琴「あの二人って、優しいからさ。本当は私がいないほうが気楽なのに、告白を断るのが忍びなくて……私を受け入れてるお芝居してるだけなんじゃ」
一方「………………」
美琴「どうしよう、あの当麻とインデックスにまで内心疎まれてるんだとしたら、私、わたしもう」グス
一方「そォい!!」
ゴツン!!
美琴「いっ!? いっ~~~~~~~!! ななな、なにすんのよ!!」ウルウル
一方「…………信じろ」
美琴「え?」
169: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:30:01.46 ID:2+VJQMFT0
一方「ンだその目は。なにも俺を信じろなンて酔狂なこと言ってンじゃねェよ。三下とシスターを信じてやれっつってンだ」
美琴「…………!」
一方「泥沼に浸かった、どっかネジの外れた超能力者どもでもあるめェし。あの連中は、ンな性根の腐った真似しやしねェよ」
美琴「………………」
一方「おら、行ってこい」
美琴「ど、どこに……」
一方「三下の家に決まってンだろ、元からそういう話だったろうが」
美琴「え…………そ、それじゃあ」
一方「言っとくが、期待すンなよ。俺だって脳内ピンクな色ボケ連中とつるんだ経験なンざねェンだからよ」
美琴「」ポカン
一方「黙ってねェでなンとか言え」
美琴「あ………………あ、ありがとう! じゃあ行ってくる!」ガタッ
一方「行ってらっしゃァい」
170: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:30:56.70 ID:2+VJQMFT0
美琴「…………一方通行」
一方「あン?」
美琴「私、一方通行のことも信じてるから」ニコ
一方「………………とっとと消えろ」
美琴「うん! 今度こそ行ってきます!」
タッタッタッ カランカラン アリガトコヴザイマシタマタノオコシヲー
一方「………………ちっ」
スタスタ
ウエイトレス「ホットコーヒーのお客様ー」
一方「はァい」ノ
ウエイトレス「お熱いのでお気を付けください」
一方「どうもォ」ペコ
171: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:31:51.80 ID:2+VJQMFT0
ズズズ
一方「……質問その三、し忘れたな」
ズズズ
一方「『美琴センセー。俺、どうやって三下ンちの中覗けばいいンですかァ?』」ノシ
ズズズ
一方「…………………………………………」
ズズズ
ズズズズズ
ズズズズズズズ
一方「………………っべー、どうしよ」ダラダラダラダラ
172: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:32:35.97 ID:2+VJQMFT0
ウエイトレス「お客様、なにかお困りですか?」
一方「うおっ!!! ま、まだいたのか、さっさと仕事戻れや!」
ウエイトレス「お客様のご要望にお応えするのも業務のうちでございます」
一方「……はっ、バイトの癖に意識だけはいっちょまえにプロフェッショナルだねェ……だったらよ」
ウエイトレス「はい」
一方「上条当麻、っつう男の家の中覗きたいンですけどォ。監視カメラ一丁仕掛けてきてくださァい、ってか?」ケラケラ
ウエイトレス「かしこまりました、少々お待ち下さい」
一方「なァンちゃっ…………て…………?」
ウエイトレス「…………」ゴソゴソ
173: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:33:40.90 ID:2+VJQMFT0
ニュッ ←モニター出した
ドォン!! ←モニター置いた
ガチャガチャ ←配線繋いだ
ウエイトレス「お待たせしましたお客様」ニコリ
一方「………………おい」
ウエイトレス「なんでございましょう」
一方「とりあえず、いろいろと言いたいことはあるンだが」
ウエイトレス「はい」
一方「これだけ最初に聞かせろ」
ウエイトレス「なんなりと」
174: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:34:25.33 ID:2+VJQMFT0
一方「…………なァァァにやってンだこの変態皮被りストーカーァァァァァァァァ!!!!!!!」
海原(ウエイトレス)「御坂さんあるところに自分ありと、そう胸に刻んでいただけたでしょうか」ニコリ
一方「テメェのいるべきはここじゃなくて刑務所だガチ犯罪者ァーーーーーーッッ!!!!」ガシッ!!
175: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/07(月) 21:35:47.60 ID:2+VJQMFT0
海原(ウエイトレス)「胸ぐらをつかまないでください制服が破けます。そういうのをお望みなら別のお店へどうぞ」
一方「黙れ死ね。いますぐコーヒーの海で溺れて死ね」
海原(ウエイトレス)「生憎その一杯で豆を切らしてしまいまして。だいたいですね、なんですか貴方さっきのアレは。第二位たちをさんざんツンデレだなんだと冷笑しておいて、一番ナチュラルツンデレなのは貴方じゃないですか。よっ、さすがツンデレベル5第一位!」ヤンヤヤンヤ
一方「テメェいつからストーキングしてやがった。第二位どものこと言えねェのはオマエだろうがナチュラルボーンストーカー」
海原(ウエイトレス)「心外ですね、自分のそれは後天性ですよ」
一方「どうでも良いわンなこと!」
海原(ウエイトレス)「そもそもストーキング道とは長く険しく果てなきもの、彼ら程度でストーカーの名を冠するとは片腹痛いですね」
一方「俺は頭が痛ェ。あとお前がイテェ」
海原(ウエイトレス)「と、いう訳ですので。本日のアシスタントは不肖、偽海原ことアステカの魔術師エツァリが務めさせていただきます。皆さんどうぞよろしく」ニコリ
一方「……警備員ゥーー!! はやくきてくれェーーーーーーっ!!!!」
195: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:45:19.95 ID:vXvt4cVg0
『どうしてとうまは、みことを選んだの?』
『い、インデックス……』
「………………」
『どうしてみことは、私からとうまを奪ったの?』
『待って、私の話を聞いて、インデックス!』
「………………」
『どうしてとうまは、私の気持ちに気が付いてくれなかったの!?』
「いやぁ、手に汗握る展開ですね」
「………………」
『もっと、みことが嫌な子だったら良かったのに……思う存分嫉妬して、憎めて、
とうまを躊躇いなく奪いにいけるような、どうしようもない娘だったら良かったのに――――』
196: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:46:11.58 ID:vXvt4cVg0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とあるファミレス
一方「………………」
海原「自分が予測する、妥当な流れとしてはこんなところですかね」
一方「…………なにこれェ」
海原「学園都市の最先端技術を使用した、今後お三方の三角関係が辿るであろう
ルートをシミュレート、再現したアニメです」
一方「なにその技術の無駄遣い」
海原「なんでも『樹形図の設計者』の『残骸』を流用したスパコンだとか」
一方「アレイスターァァァァァァァ!!!!!」
197: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:46:56.66 ID:vXvt4cVg0
海原「お気に召しませんでしたようで」
一方「ったりめェだァ!! …………第一、これじゃあ俺の要求には答えられてねェぞ」
海原「おや、なぜです?」
一方「俺が欲しいのは三下ンちの現状に関する情報だっつってンだよエセウエイトレス」
海原「着替えはとっくに済ませたのですが」←スーツ姿
一方「オマエに女装趣味があるって義妹にバラすぞこら」
海原「ショチトルは自分の性へ……嗜好に理解がありますので、何を吹き込んで
くださっても自分が不利益を被ることはありませんよ?」ニッコリ
一方(なンでこンなのに惚れたンだろうなまったく)
他のバイト(ちょっといいなって思ってた娘が実は男だった……死にたい)
198: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:48:21.23 ID:vXvt4cVg0
一方「で、これでどうやって上条家を覗き見しようってンですかァ?
ンなとこで漫才やってる暇あったらさっさと奥深いストーカー道の
極意とやらでもフル活用してくれませンかァ」
海原「………………」カチャカチャ
一方「なンとか言えロリコ」
ブゥン
『………………とうまとうまー』
『………………なんでせうインデックスさん』
『みことが来なくなってから今日で何日目だっけー?』
『十二日目』
海原「あ、映りました」
一方「」
199: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:49:08.14 ID:vXvt4cVg0
『………………うー』
『………………あー』
一方「…………あぁうン、わかった謝るわ、オマエのこと見くびってたわ」
海原「そうですか?」テレテレ
一方「頬を染めンな気持ち悪ィンだよ早急に二回ぐらい死ンでくれよ頼むから!!
なにごくごく自然な流れで予めヒーローンちにガチ盗撮カメラ仕掛けてンだ
ゴラァァァァァァッッ!!!」
海原「そう言われましても。先刻も申し上げた通り、御坂さんのおはようからおやすみまでを
見守るのが自分の義務ですので。彼女の主な行動範囲はすべてカバー済みです」
一方「(ピッポッパ)…………おい、白黒風紀委員。変質者いっちょう、
ここに掴まえてるから引き取りにこいや」
海原「白井黒子さんなら、自分の良き協力者ですが」ニコリ
一方「すいませン間違い電話でしたァ!!
風紀委員にかけるつもりが変態パンダにかけちゃいましたァァァ!!!」プツッ
200: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:50:18.73 ID:vXvt4cVg0
一方「大体三下の部屋とこのモニター、どう繋がってンだよ」
海原「学園都市の最先端技術で」
一方「オマエそれ言っときゃ大抵どうにかなるとか思ってね?」
海原「それは言わないお約束、というヤツでして」
『うー………………ぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!』
ガターン!!
一方「!?」
海原「おや、モニターに動きが」
201: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:50:50.03 ID:vXvt4cVg0
『きゅ、急にどうしたんだよインデックス!!』
『必須栄養素不足でイライラしてるんだよ私は! とうまはいつになったら
「おメール」とやらで可愛い恋人さんを呼び出すのかな!!』
『こ、こ……!? はは、おいお前別に俺はそんなんじゃあ』
『ヘタレ!』
『んなっ』
海原「これは…………肝心の御坂さんが到着なさる前に、修羅場勃発でしょうか」
一方「くっそマズイな、だが今さら第三位を引き返させるってのも………………ン?」
海原「どうかしましたか」
一方「いや…………これまた、今さらなンだがよ」
海原「はい」
202: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:52:05.38 ID:vXvt4cVg0
一方「オマエ、三下と第三位が付き合い出したってこと」
海原「当然、存じ上げておりますよ」
一方「……よく、アホ超能力者ども(削板くン除く)を虜にしたデレールガンを
目の当たりにして平静を失わずにいられたな、オマエ」
海原「…………ふっ。だから彼らはアマチュアストーカーだと言うんですよ」
一方「誰も言ってねェよ。俺の乏しい人生経験において初めて聞く単語だわ」
海原「彼らは所詮、にわかじこみのエセ御坂ラーにすぎません。自分や白井女史のような
プロの域に達すると、御坂さん関連なら賢者の時間(フィラソファーズタイム)を
自由自在にコントロールできるようになるのです」キリッ
一方「うン、やっぱあと三べンぐらい死ンどくべきだわオマエ」
海原「とまあ、冗談はさておきまして」
一方「どっからどこまでがメキシカンジョークだったのかはっきりさせろやァ!」
海原「……自分にしてみれば、とうの昔に割り切ったことですよ」フッ
一方「ニヒル気取って横顔見せつけてくンなまだ俺は割りきれてねェぞおおお!!!」
203: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:53:44.17 ID:vXvt4cVg0
海原「貴方もご覧になったでしょう、御坂さんの心の底からの、輝かんばかりの笑顔を」
一方「…………それがどうした」
海原「あの笑顔をつくることができたのは、自分ではないのです。貴方でもなければ、
御友人でも、ほかのレベル5の面々でもない――――――“彼”なのです」
一方「………………」
海原「ならば、なにが御坂さんにとって一番なのか? 考えるまでもないことでしょう」
一方「……『大好きなあの子が幸せなら僕も満足です!』ってかァ? 今日日流行ンねェぞ」
海原「日本人は結構好きそうですがねぇ、そういうの」
一方「俺は嫌いだ」
海原「さようですか。まあ、貴方に嫌われても自分には何の支障もありませんがね」ニコリ
204: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:56:05.27 ID:vXvt4cVg0
『早くみことをこの場に呼ぶんだよー!』
『お、お、お前がメールすりゃいいだろ!』
『私に科学の狗に成り下がれっていうのかなとうまは!』
『んなプライドがあるなら食費ぐらい入れてくれぇ!!』
『それはイギリス清教に交渉して欲しいんだよ』
『思い当たる交渉先にロクなヤツがいねーんだよ! 俺を毛嫌いしてるヤニ野郎とか
お前に対して異常に甘い露出魔とか譲歩を引き出すつもりでいたらいつの間にか
超音速ジェットに乗せてくる二重スパイとか!!』
『最後はとうまの話術スキルのせいじゃないかな』
一方「…………第三位は、まだ着いてねェらしいな」
海原「このファミレスから上条宅まで、電車を乗り継いで結構ありますからね」
一方「テレポーターの後輩がいたはずだぜ」
海原「……実際問題、“彼氏”の家を訪ねるのに彼女の助力を得られると思いますか?
レベル5大集合の際は迫力で押し切ったようですが、このケースでは……」
一方「あー…………」ナットク
205: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/13(日) 17:57:28.18 ID:vXvt4cVg0
海原「さて、ではもうしばらく時間があるようですので」つディスク
一方「なンだそれ」
海原「ホームビデオ、のようなものですかね」
一方(………………途轍もなくイヤな予感がするンですけどォ)
海原「自分のここ一週間ほどの努力の集大成です。必ずや一方通行さんのお眼鏡にも
叶うでしょう。名付けて――――――」
『実録! 御坂美琴の一週間! ~レベル5ほぼ揃い踏みの豪華出演陣に刮目せよ!~』
一方「よし死ねいま死ねすぐ死ねこの肖像権侵害者ァァァァ!!!!!」
ドッカーン!!
店長(いつまでいるんだろうあの客…………)
225: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:53:10.71 ID:x3P/IsQm0
ブゥン
・
・
・
・
・
・
パーパラッパッパッパッ パッパッパッ パッパッパッ パララララララララ
パッパッパッパーーーン (←トランペット音)
『実録! 御坂美琴の一週間! ~レベル5ほぼ揃い踏みの豪華出演陣に刮目せよ!~』
映像:アステカ太陽さんさんスタジオ
編集:Sister Love Sergeant T.M.
特別協力1(ナレーター):窒素美少女Sちゃん
特別協力2(カメラ設置):ショタコンじゃないっつってんでしょちょっとこのクレジットなんとかしなs
226: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:54:10.24 ID:x3P/IsQm0
--------------------------------------------------------------
とある火曜日。
学園都市に無数に存在する路地裏。
能力(レベル)の数字一つで己の価値を否定され、不貞腐れた餓鬼共が無数に屯する肥溜。
そんな科学の街の暗闇の入り口で。
『おうおう嬢ちゃん、その制服、常盤台のじゃねぇ?』
『いっけねえなぁ、由緒正しいお嬢様学校の生徒がこんなとこ来てよー』
無数に存在するB級以下の三文芝居で、無数に繰り広げられてきたであろう光景が、また一つ。
『……すいません、人を待ってるので』
『あー? こんなとこに女待たせるとか、よっぽどの馬鹿だなそいつ』
『ぎゃはは、テメエが言えた義理かよ!』
『…………うっさいなぁ』
ボソリ。
『……おいガキ、いまなんつった』
『ちょっとレベルが高いからって、お嬢様はお高く止まってていけまちぇんねー?
おいテメエら、出てこい!!』
不良のBくんが一声上げると、飛んで火に入る夏の虫よろしく…………もとい、
蜜に群がる蜂よろしく、雲霞のごとく集ってくる不良(C~F)、不良(G~I)、不良(J~M)。
ベギ○マよりはイオ○をぶっぱなしたくなる編成ですね。
227: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:54:52.78 ID:x3P/IsQm0
中央で孤立した近い将来の大輪のつぼみは、捕食者たちを一瞥して嘆息する。
顔を伏せて、小さく小さくぼそぼそ声。
『……どうしよっかなぁ。むやみやたらにビリビリすると一方通行に怒られるし、
当麻にもほどほどにしろって言われるし、インデックスが良い顔しないし……』
『なにぶつぶつ言ってやがんだクソ生意気なアマが! おいテメエら構うことはねえ、
強能力者だろうが大能力者だろうがこの人数でかかれば――――!』
幸か不幸かその中身を聞きとれなかった不良のAくんが号令をかけ、世界中で無数に
繰り返されてきたB級悲劇を再現しようとした、
『――――待ちな』
その時。
『な、なにもんだ!?』
テンプレ台詞とともに一斉に振り返った有象無象どもの視線が集まる先に、ヒーロー降臨。
『悪いがそのガキとの先約は俺なんでな。ひっこんでろ、その他大勢どもが』
228: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:55:37.04 ID:x3P/IsQm0
『あ、ていとくん!』
少女が呼んだ名前とヒーローが醸し出す巨大な存在感に、スキルアウトがざわつく。
『て、ていとく…………? はっ!! ま、まさかテメエ、学園都市第二位!?』
デバンマダー? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
『くくく……冥土の土産に覚えておきな。この俺の「登場時期」に』
(\\ //)
\\\ ///
(\\\\ ////)
(\\\\\ /////)
\\\┌――――――‐─┐ ///
|________________|
( ̄ ̄//// ̄\|=========|/ ̄\\\\ ̄ ̄)
 ̄(//// ̄\/| -、__, ..||\ / ̄\\\\)
(/(// ̄/ l rデミー' 'ー' .|ト、 \  ̄\\)\)
////〕 ゛`ー′ /でン .|| \\\\
( / ̄// | 、 .ゝ ゛ || \ \\ ̄)
(////'''' | `ヾニァ' .|| \\\) ̄
|__________j|
|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i|
|〕 ||
|___________j|
/ \
常識は通用しねぇ
229: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:56:48.98 ID:x3P/IsQm0
『………………』×14
『………………』
……………………超ないですね、これは
「…………完ッ全ッに出オチじゃねェかこんなの」
『ていとくん可愛い……』
『えっ』×14
『えっ』
えっ
「えっ」
「えっ」
230: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:57:36.75 ID:x3P/IsQm0
---------------------------------------------------------
一方「…………………………」
海原「いやぁ、なかなかの出来だと思いません?」
一方「いまの出オチの完成度について聞いてンだったら俺は断固コメント拒否するぞ」
海原「ふむ、ご満足いただけませんでしたか。自分は撮影専門ですので、ディレクターの
才能まで求められてもさすがに困るのですが……」
一方「しれっと撮影専門とかほざいたけどオマエそれすっげェきめェからな」
海原「編集は土御門さんにお願いしたのですが、なかなかどうして」
一方「なにやってンだあのシスコン軍曹ォ!」ドガシャーン
海原「自分にも手の届かないような高所難所へのカメラの設置は結標さんに」
一方「オマエらのその無駄に洗練された無駄のない無駄な時だけ発揮される団結力なンなの?
っつーかなにナチュラルに俺をハブってンだよ」
海原「おや、混ぜてほしかったんですか。それは失礼しました(笑)」
一方「マジ死ンでくれよオマエ。身体の三分の二とは言わねえから百分の九十九ぐらい
失って死ンでくれよ」
海原「まあまあ落ち着いて。御坂さんが現地に到着なさるまでもう少しあるようですから、
ビデオの続きを鑑賞しましょう」
231: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 13:58:53.69 ID:x3P/IsQm0
------------------------------------------------------------------
【火曜日 学園都市 とある路地裏】
垣根(着ぐるみ)『けっ、口ほどにもねえ連中だぜ』
美琴『なにこれ、見た目はつるつるなのにすっごいもふもふ!』キラキラ
垣根(着ぐるみ)『俺の未元物質素材に既存の擬音は当てはまらねえ』キリッ
美琴『でもあの不良たち、なんか必死で口許押さえながらチュドーンチュドーン
うわらばっ、されてたわね。なんでだろ?』
垣根(着ぐるみ)『おおかた俺の神々しさに畏怖の念を禁じえなかったんだろうぜ』
スタスタ
心理定規『……禁じえなかったのは爆笑だと思うけどね。まあ彼らはよく耐えてたけれど』
垣根(着ぐるみ)『あーん? なにが言いてえんだ心理定規』
心理定規『背部にケルビムと見紛う羽を生やした冷蔵庫が荷電粒子砲みたいなの
連発してきたら誰だって現実感の無さに乾いた笑いをこぼすって意味よ。
ノストラダムスもびっくりの恐怖の(お笑い)大王だわ』
美琴『あ、あの…………あなたは?』
232: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 14:00:02.63 ID:x3P/IsQm0
垣根(着ぐるみ)『ああ、俺の仕事仲間だ。俺は能力名で呼んで……おい、どうした』
心理定規『…………』ジロー
美琴『な、なにか?』
心理定規『…………こんな◯臭い子供の、どこがいいんだか』ボソッ
垣根(着ぐるみ)『ん?』キコエ
美琴『え?』ナカッタ
心理定規『なんでもないわ。ほら垣根、いつまでそのファンタスティックな着ぐるみ着てるのよ』
垣根(着ぐるみ)『メルヘンって言えコラ!』
心理定規『どういう方向に自覚が芽生えちゃってるのよ!?
あなたメルヘン否定派だったでしょ!』
ギャースカギャースカ
233: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 14:00:57.87 ID:x3P/IsQm0
美琴『…………っと、メジャーハートさん? でいいの?』
心理定規『ぜぇ、ぜぇ、ど、どうぞお好きに呼んでちょうだい』
美琴『じゃあメーちゃん』
心理定規『ごめんそれは勘弁して』
美琴『メーちゃんは、ていとくんの……えっと……』
心理定規『聞けよ。っていうかなんなの垣根、あなた「ていとくん」とかwwちょっとww
ああ、だからマスコット的愛くるしさに目覚めたのねこのロリコンが!』ウガー
垣根(着ぐるみ)『ツッこむか草生やすかキレるか挙動を一つに絞れや雌豚!』
ギャースカギャースカ
美琴『…………ふ、二人は付き合ってるの?』
ピタッ クルッ
心理定規『はぁ!? じょ、冗談言わないでちょうd』アセアセ
垣根(着ぐるみ)『ないない。こんな悪趣味なアバズレこっちから願い下げだぜ』ケラケラ
234: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 14:01:31.30 ID:x3P/IsQm0
心理定規『……………………』シュン
美琴『…………ていとくん?』バチバチ
垣根(着ぐるみ)『な、なぜに帯電していらっしゃるんでしょう美琴ちゃん……?
い、いや! この「つるもふていとくん」によって全身をカヴァー
されたいまの俺に恐れるものなんざありはしねえ!』
心理定規『御坂さん、この隙間から手を入れると電流流れるわよ』つファスナー ジー
御坂『ありがとメーちゃん』ヒョイ
垣根(着ぐるみ)『おいぃぃぃぃぃいいいいぃぃぃぃい!!!!????』
バリバリバリバリバリィッ!!
235: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/11/20(日) 14:02:37.05 ID:x3P/IsQm0
垣根(黒焦げ)『』プスプス シュー
心理定規『ふぅ…………ありがと。なんだかちょっとスッキリしたわ』
美琴『メーちゃんみたいな綺麗な人にあんなヒドイこと言うなんて、ていとくんも
大概デリカシーがないわよね』
心理定規『きっ……!? そ、それよりあなた、この男とこんな肥溜で待ち合わせして
どこで、で、デートするつもりだったのかしら』ソワソワ
美琴『「大人の世界の楽しみ方を教えてやる」って言って、違法経営の裏カジノに』
心理定規『死 になさいこのバ垣根!』ゲシッ
垣根(黒焦げ)『ってえ! なにしやがんだゴルァ!! アタマ足蹴にしやがって
俺の数十億を超える資産価値有する脳みそにもしものことがあったら
どう責任とんだクソアマ!』
心理定規『重大な誤作動起こしてないか一度人間ドッグにでも入って確かめてきなさい!
こんな純粋な子になに教え込もうとしてるのよ!!』
垣根(黒焦げ)『なにって[ピーーー]だよ言わせんな恥ずかs』
心理定規『言わせないわよ!? ってああもう言ってるし!』
ギャースカギャースカ
美琴『やっぱり、仲良いなぁ…………憧れるな、ああいうの』キュン
291: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:50:21.89 ID:7+K5QztL0
【水曜日 とあるファミレス】
美琴『………………』キョロキョロ
麦野『お、来た来た。こっちよ御坂ー!』
絹旗『ほ、ほんとに御坂美琴を連れてくるとは思いませんでした……』
滝壺『私たちは会うの初めてだったっけ。あれ、はまづら、ふれんだ、どうしたの?』
フレンダ『い、いや、その……私、第三位と昔直接ドンパチやりあってるから顔合わせ
づらいっていうか』
浜面(俺なんて母親ぶっ殺そうとしてたし…………ああ、胃が痛い)キリキリ
麦野『心配すんじゃないわよフレンダ、さっぱりしたヤツだからその辺は水に流して
くれるって。現に私だってかつてガチで御坂と殺し合った仲で』
美琴『…………あ、しずりん!』ノシ タッタッタ
麦野(ってしまった呼び方矯正すんの忘れてたぁぁぁ!!!!)
292: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:51:04.63 ID:7+K5QztL0
麦野『…………』チラッ
絹旗『…………』
滝壺『…………』
フレンダ『…………』
浜面『あれ? あいつ今麦野の方見ながらアホみたいな』
麦野『はぁまづらぁぁぁぁ!!! 口は災いのもとってテメエの辞書には載ってねえの
かぁぁぁあ!!!!』
チュドーンチュドーン
浜面『うをぉぉぉぉいいい!!!!??? ちょ、ま、麦野さん! ここファミレス!
公共の場! だから矛を収めてしずりーん!』テヘッ
麦野『愉オブ確定ね』
浜面『あぁんやっぱり』
293: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:52:04.17 ID:7+K5QztL0
シュゴーンバギャーン ティウンティウンティウン
フレンダ(ホント、浜面って地雷を率先して踏みにいってくれるよねー)
絹旗(この上なく優秀な弾よけだと認めざるを得ませんね)
滝壺(そんなはまづらを頼りにしてる)ポワポワ
絹旗(バカップル超乙)
フレンダ(頼りにしてても結局、口には出さないってワケよ)
滝壺(角が立っちゃうからね)
美琴『……あのー』
絹旗『超うおっとぅ!』
滝壺『はじめまして、みさか』ニコ
美琴『あ、こちらこそはじめまして』ペコリ
フレンダ『…………』
294: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:53:11.94 ID:7+K5QztL0
フレンダ(……どうしたって気まずいものは気まずいってわけよ)
美琴『皆さんがしずりんのお友だちの、「アイテム」の方々ですか?』
フレンダ『ぶっ』
美琴『あれ。あなた、前に実験施設で』
フレンダ『あー、あっと、その……お、お久しぶりー』ニヘラ
美琴『そっか、しずりんの友だちなんだから、あの時の人もいるに決まってるわよね』
フレンダ『ぷっ(し、しずりんしずりん連呼するの止めて……!)』クスクス
美琴『しずりんが名前言ってたような気がするわね。えっと、確か』
フレンダ(わざとやってんのかなこの子)ハライタイ
美琴『ドジっ子フレ/ンダたん!』
フレンダ『あるェェーーーッッ!? なんか懐かしい記号入ってるぅぅ!?』
295: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:54:10.31 ID:7+K5QztL0
麦野『あー、すっきりした』
滝壺『おかえりむぎの。おつかれさま、はまづら』
浜面『最近なぜか「原子崩し」の雨嵐から生還する確率が上がってる自分が怖い。
いや、わりとまじでね? なんか俺どんどん人外に近づいてってね?』
絹旗『キモイです浜面』
浜面『自意識過剰だってのかよ。毎日毎日連続エネルギー波の的にされる俺の身にも
なってみろってんだ』
絹旗『そうでなくてもキモイです浜面』
浜面『存在が!?』
フレンダ『ちょっと麦野、断固抗議したいことがあるんだけど! 私のニックネームが
ヒドイことになってる件についてkwsk!』
麦野『フレンダ
だから
仕方がない』
フレンダ『!?』
美琴(テンポのいい漫才だなぁ……)カンシン
296: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:55:32.69 ID:7+K5QztL0
十分後
麦野『じゃ、だいたい自己紹介は終わったわね。かくかくしかじかという訳だから
仲良くしてやってちょうだい』
フレンダ『四角いキューブ、って丸投げされても意味がわかんないワケよ。
こういう時こそ今北さんの本当の出番じゃないの?』
美琴『しずりんと仲良くなりたいから
お友だちと一緒にガールズトーク
ゲコ太かわいい』
滝壺『把握』
絹旗『超把握しました』
浜面『えー……』
フレンダ『うっそーん……』
美琴『私も把握したわ。ボケ専の滝壺理后さん、基本ボケの絹旗最愛さん、両面こなす
しずりん、その他にツッコミ二人の構成ね。うん、覚えた』
浜面『覚えてない覚えてない! 大事な情報が二つほど抜けてんぞお嬢ちゃん!!』
フレンダ『必要ない情報はオンパレードだし! 五人組お笑いグループってそれなんて
超新塾? ああもう、二人いてツッコミが追いつかないとかどんだけー!?』
297: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:56:36.77 ID:7+K5QztL0
麦野『ツッコミH、さっさと日課のドリンクバーとテーブルの反復横飛びやんなさいよ』
浜面『せめてナンバリングはAでお願いできませんか』
美琴『ああ、あなたがドリンクバー往復係の……はま……いや、うま……?』
浜面『迷うなーーっ! そこで迷ったらもう戻ってこれないぞー!』
絹旗『消息不明なのはキモ面の人間としての尊厳だけですけどね』
美琴『そうだ、お馬のヅラさん!』
浜面『ヅラじゃない浜面だ……ってやかましいわ!! 最終的に霊長類にすら着地
しそこねてるとかもうね! こんなフルボッコな俺を癒して滝壺さぁん!』グスッ
滝壺『どうどう、そんなうまづらでも私は愛してるよ』
浜面『た、滝壺…………やっぱ俺にはお前だけが心のオアシスだ』ブワッ
298: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:57:43.32 ID:7+K5QztL0
イチャイチャ イチャイチャ
絹旗『さあ本日も始まりました桃色時空』ハァ
美琴『さすが……! あれが音に聞こえし禁書界随一の純愛カップルなのね』メモメモ
麦野『随一っつーか唯一っつーか』
フレンダ(アベックっていうか……ダメ馬と調教師の取り合わせにしか見えないのは
私だけってワケ? なにこの壮絶なアウェー感)
美琴『ヅラさんの彼女のりこりんさん、かぁ…………男の人って、やっぱりああいう
守ってあげたくなる感じがいいのかな』ガックシ
麦野『自信持ちなさいって。そりゃあ滝壺は一種の理想形かもしんないけど、あれは
浜面のストライクゾーンど真ん中ってのも大きいのよ』ポンポン
フレンダ『……この、(麦野的に)常軌を逸した面倒見の良さ…………はっ! アンタ
もしかしなくても、麦野の皮を被った偽物ってワケね! あるいはしずりん
という名の他人格』
チュドーン
麦野『なんか言った?』
フレンダ『』フルフル
299: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 22:59:23.60 ID:7+K5QztL0
絹旗『御坂さん御坂さん』クイクイ
美琴『なぁに、絹旗さん』
絹旗『ぜひぜひ、私にもニックネームをつけてもらえませんか!』キラキラ
フレンダ『「にも」ってなに!? まさか「フレ/ンダ」正式採用されちゃったの!?』
絹旗『ちょっと超うるさいですよフレ/ンダ。私はいま御坂さんとお喋りしてる最中です』
麦野『Hがあのザマだから代わりにスープ運んどいてよツッ/コミF』
フレンダ『「/」が本体みたいになってるぅぅ!!』
麦野『お、その方が短くて呼びやすそうね。/、―、\、|、/。今度からこれでいくか』
フレンダ『発音が迷子なんだけど! なんか回転してるし……ってバキュラだこれー!?』
麦野『アンタビーム一発で「/」入るくせにザッパー256発も耐えられんの?』
フレンダ『誰がまな板やねん。P○vitaも発売されたこのご時世に中学生がついてこれる
話題じゃないと思うワケよ……』チラッ
300: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:01:31.91 ID:7+K5QztL0
美琴『うーん。正直、「最愛」って名前が綺麗すぎていじくりにくいなぁ』
絹旗『えー。そんなこと言わずに超お願いしますよー』ブーブー
美琴『じゃあニトロゲン絹旗とか』
絹旗『なにそのリングネーム』
キャピキャピ ヤイノヤイノ
フレンダ『ガンスルーですかそうですか』
滝壺『…………なんだかきぬはた、私たちといるときより楽しそうだね』
浜面『時々忘れそうになるけど、あいつらってまだ中学生なんだよな……』
フレンダ『絹旗は与えられた仕事をしっかりこなすし、御坂も雑誌とかで大人びた顔
ばっか見せてるからねー。結局、ついつい大人扱いしちゃうのよ』
滝壺『……わたし、きぬはたは子供扱いされたくないんだろうな、って勝手に思ってた』
フレンダ『プロとして対等に見てほしい。そんな願望は昔から透けて見えてたけどね』
麦野『…………』
浜面『なあ、麦野』
301: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:02:43.12 ID:7+K5QztL0
麦野『なによ』
浜面『よかったのかよ、御坂を“こんなとこ”に連れてきて』
麦野『……いいのよ、別に。アイツら楽しそうだし』
浜面『……へぇ』
麦野『何様のつもりよ、そのニヤケ面』
浜面『だって、なあ?』
滝壺『うん。むぎの、みさかの話をするようになってから変わったよ』ニコニコ
麦野『あ゛ぁん? 私の何が変わったって?』
フレンダ『前から唯我独尊で享楽的ではあったけどさ。麦野ってなんか、根本のところで
人生諦めてる感じがあったよね。どうせ暗部からは一生抜けられないんだ、ってさ』
麦野『…………!!』
302: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:03:45.73 ID:7+K5QztL0
滝壺『でもね、今のむぎのはすごく良い意味で前を向いてるって、私たちはそう思うよ』
浜面『最近お仕事に出る回数もめっきり減ったよなー。実はお前、俺たちに内緒で断って
んじゃねえの?』
麦野『…………上からの指令の絶対数が減っただけよ。私はなーんもしてないにゃーん』
フレンダ『まあ、いずれにせよいい事じゃない? ああやって子供が年相応の振る舞いを
してられるのは世界が平和な証拠ってワケよ』
美琴『N^2ガールモアイちゃんってのはどう?』
絹旗『なんで頑なに能力と結び付けたがるんですか!? だいたい「窒素」って付く
能力者なら他にも超います! いい年こいてイルカのぬいぐるみでキャラ固め
してる、普段悪ぶってるけど素は泣き虫なボンバーランスちゃんっていうのが』
美琴『……はっ! ナイトロジェンシス』
絹旗『それ以上いけない』
303: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:05:03.56 ID:7+K5QztL0
滝壺『むぎのはみさかみたいに生きることを、「諦めるのを諦めた」ってことだよね?』
麦野『……日和ってんのは勝手だけど、妙な期待してるといざって時が辛いわよ。
所詮私らは、どこまでいっても掃き溜め住まいのクソッたれなんだからね』
浜面『へいへい、せいぜい束の間かもしれない平穏を満喫させてもらうぜ』
フレンダ『結局、いつの時代も平和は永遠ならざるものってワケよ』
滝壺『ダメかも、って思っても手を伸ばすのは大事なことだよ』
麦野『滝壺は理想論者ねぇ。あの統括理事長サマが現状に満足してるとは思えないけど』
浜面『あー……トップにしろ上層部にしろ、腹に一物抱えてる奴が目白押しだもんな……』
フレンダ『不穏なフラグ連発してシリアス路線にテコ入れですね、わかります』
滝壺(……………………本当に、そうなのかな?)
304: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:06:31.30 ID:7+K5QztL0
【特別編 その頃の☆】
プカプカ
アレイスター『よく来てくれたな、土御門元春』
土御門『急にどうした、アレイスター? 俺はこれから愛しのマイラブリーシスターと
ギシギシアンアンする予定だったんだが』
アレイスター『……なにをナチュラルに一線を飛び越えているんだ、君は。まあいい、
緊急事態だ。君の力を借りねばならなくなった』
土御門『ぶっちゃけダルい。万年ビーカー暮らしのお前にはわからんだろうが、いただく
寸前でお預けをくらうってのは色々ときついんだぞ』
アレイスター『君の下半身の情事…………もとい事情など知ったことではない』
土御門『あぁん? お前それは俺のマグナムみならず俺が舞夏に捧ぐ愛、ひいては舞夏
の存在そのものに対する挑戦ととって構わないんだな?』
アレイスター『落ち着け、何を言っているのか意味が分からないぞ。ことは君が考えて
いるより遥かに、抜き差しならないところまで進行している』
土御門『いつものことながらまわりくどいな。簡潔な説明をお願いしたいものだ』
305: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:07:59.90 ID:7+K5QztL0
アレイスター『イギリス清教と「妹達」の間で、深刻な利害対立が発生している。
放置すれば第四次大戦に発展しかねないほどの、な』
土御門『なん……だと……?』
アレイスター『事件の首謀者は二人。一人は君もよく知るイギリス清教最大主教、
ローラ=スチュアート』
土御門『馬鹿口調が、またぞろ良からぬ企てに走ったのか……それで、もう一人は?』
アレイスター『いま一人は「妹達」検体番号20001、通称「打ち止め」と呼ばれる個体だ』
土御門『………………………………はい?』
アレイスター『よく聞こえなかったか? ローラ=スチュアートと最終信号が対立して、
所属勢力同士の全面戦争の様相を呈しつつある、と言っている』
306: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:09:58.89 ID:7+K5QztL0
土御門『(そんな重大事が俺の耳に入らないはずがないんだが……)……対立の原因は』
アレイスター『個々の勢力ごとに複雑な相関図を描いて、私も全容は掴みかねているのだが。
台風の目となっているのは、毎度お馴染み「幻想殺し」だ』
土御門『ああうん、そこはそんな気がしてた。カミやんの周囲ではちり紙交換並みの
気安さでM8クラスの大地震が定期的にやってくるからな。しかし女狐と
最終信号とカミやんだと? 接点がまったく見えないぞ』
アレイスター『私が事態の把握を手間取ったのも、君とまったく同じ疑念を抱いたからだ
しかしこの三人の間に、とある二本の補助線を引くことでその問題は綺麗
に解決する』
土御門『舞台の主役は出揃ってない、ってワケか。で、その補助線の名前は?』
アレイスター『…………二本の線はその性質上、トレードオフの関係にある。あちらを
立てればこちらが立たず。ハーレムルートなど現実には成立し得ないのだ』
土御門『だからさっさと要点を…………は? お前、今なんて』
アレイスター『二大勢力の闘争の背景にある思想。それは――――』
307: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:11:50.45 ID:7+K5QztL0
アレイスター『「上イン派」と「上琴派」だ』
土御門『帰るわ俺』
308: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:14:29.99 ID:7+K5QztL0
アレイスター『なんだと!? 土御門、君はまさか第三勢力「上神派」だというのか!?』
土御門『日本語でおk』
アレイスター『ローラにしろ最終信号にしろ、彼女らは「ナマモノ」カップリングの取り扱い
における最低限のマナーがわかっていないというのだ!』
土御門(……上神って、上条×神裂か? いや上条×神浄って可能性も……疲れてるな、俺)
アレイスター『そういった嗜好が界隈に存在するという事実は、当人にはまかり間違っても
知られてはならない! ましてや本人たちに凸してカップリングを強要する
などカプ厨の風上にもおけぬ愚挙!!』
土御門『ちょっ、待て! 凸したのか、イギリス清教が!?』
アレイスター『ローラ=スチュアートめ、「ウチの娘を嫁にどうか」などと直々に打診する
腹積もりだったらしい。幸い、すんでのところで日本行きの便に乗ろうと
する最大主教を神裂火織とステイル=マグヌスが取り押さえ相当苛烈な
拷問を加えたようだが。あの女狐ときたらまだ懲りずに………………』ブツブツ
土御門(ほっ……あの二人はまだ正気だったか)
309: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:17:07.60 ID:7+K5QztL0
アレイスター『そもそもカップリングとは諸行無常にして生々流転、自然に事態が流れゆく
様をニヨニヨして観察するのが健全な楽しみ方だ』
土御門『「滞空回線」からの映像をキモイ面して眺めながらの台詞でさえなきゃあ、共感
できなくもないんだがな』
アレイスター『そういうわけで、イギリス清教では辛うじて自浄作用が働いているようだ。
よって君には「妹達」への対処に当たってもらいたい』
土御門『…………一つ確認しておくが、「妹達」は全員上琴派なのか?』
アレイスター『さすがの着眼点だな。彼女らの中には最終信号の命の恩人である禁書目録
萌え派閥も存在しており、日夜血で血を洗う抗争を繰り広げている…………
ここまで言えば、あとは分かるな?』
土御門『分かりたくなかったにゃー』
アレイスター『冥土返しの協力は取りつけてある。作戦の詳細に関しては彼からレクチャー
を受けてくれ。上々の戦果を期待しているぞ』キリッ
土御門『…………………………一方通行、学園都市は今日も平和ですたい』ボソッ
310: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/24(土) 23:19:09.44 ID:7+K5QztL0
現在 とあるファミレス
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
一方通行「アレイスターェ…………学園都市はもうダメかもわからンね」
海原「その後MNWのアカウントを複数取得した土御門さん渾身の煽り工作により、
妹達は内部分裂を起こして活動を停止した模様です。他人の恋愛に横から
あれこれと口出しするものじゃありませんよねー」
一方通行「ブゥメラン、海原くンブゥメランー!」
海原「そんなこんなで学園都市は、一部の人々の懸念をよそに今日も快晴なのでした」
一方通行「クーデター起こしてェ……」
328: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:00:25.24 ID:VImMrTW10
【木曜日 常盤台中学校】
ズラーッ
食蜂派閥A『女王様女王様、学会に提出する私の論文を読んでください!』
食蜂派閥B『ちょっとあなた、私が先に並んでたのよ! 女王、今度開催する派閥対抗
テニス大会の要綱が完成したので目を通して頂けませんか?』
食蜂『んー、ごめんなさいねぇ。私ちょっと、これから外せない用事があるのよぉ』
美琴ファンA『御坂様、放課後はいかがお過ごしになるのですか?』
美琴ファンB『よろしければわたくしたちのお茶会に参加していただけません?』
美琴『えっと、ごめんなさい。今日は先約があるのよ。また今度誘って頂戴ね』ニッコリ
美琴ファンA『はうぅ!///』
美琴ファンB『ちにぃ!?///』
美琴『?』
329: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:01:06.70 ID:VImMrTW10
バッタリ
食蜂『あ』
美琴『あ……! みさきせn』
食蜂派閥『出たわね、御坂様派閥!』
美琴ファン『そういうあなた方は食蜂様派閥ではありませんの』
バチバチバチッ
美琴『…………』ションボリ
食蜂『…………はぁ』ヤレヤレ
330: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:02:41.43 ID:VImMrTW10
食蜂派閥A『今度の試合が楽しみですわね。一撃でコートの錆にしてさしあげますわ』
美琴ファンA『あまり強い台詞を吐くと弱く見えますよ? テニスに逆転ホームランは
ないのだという現実を教授してさしあげます』
食蜂(なにその常識の通用しないテニス)
食蜂派閥A『確かに我々食蜂派は前大会で、あなた方御坂派の「一人ダブルス」という
奇策に嵌まりましたが……二度目はありませんわ!』
美琴(そもそも私、派閥なんて作った覚えないんだけど……)
美琴ファンA『いつから「一人トリプルス」ができないなどと錯覚していた?』
食蜂(なん……だと……)
331: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:04:23.83 ID:VImMrTW10
食蜂派閥A『な…………に……? ち、散れ!』フイウチデサーブ!
食蜂『どこからボールとラケットを!?』
美琴ファンB『ボールにオーラを集中させることで威力を高めている……避けるのよA子!』
食蜂『オーラ!? AIM拡散力場じゃなくて!?』
美琴ファンA『滅びよ……』レシーブ
食蜂派閥B『あっさり返した! なんてデタラメな!』
食蜂派閥A『ぬぅっ!』ヒョイ
美琴ファンB『う、上手く避わした!』
食蜂『避けたら相手のポイントだけど!?』
美琴ファンA『ふふ、やりますね』
食蜂派閥A『おほほ、あなたこそ、腕を上げたようですわね』
食蜂『そういうスポーツじゃないからこれ!! ああもう、超人テニスの応酬力で
テニスコートが二面ぐらい無くなっちゃう予感がするわぁ……』
美琴(みさき先輩も大変だなぁ……)
332: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:06:08.90 ID:VImMrTW10
【同日 放課後 とある喫茶店】
食蜂『そういうわけだから、今の私の癒しは美琴ちゃんとのティータイムだけなのよぉ』
美琴『最近派閥間抗争が目に見えて激しくなってて……私そんなのどうでもいいのに』ションボリ
黒子『ははぁ。それで食蜂さんとおおっぴらに仲良くできないんですのね』
食蜂『…………』
婚后『わたくし、転校から長くないのでよく存じ上げていないのですが……常盤台って
こんなトンデモ学校だったのですか?』ハテ
食蜂『………………あのぉ』
美琴『日本がテニス後進国の島国だったのも、今となっては昔のことなの』
婚后『まぁ』
食蜂『ちょっとぉ、美琴ちゃん』
美琴『?』キョトン
333: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:06:58.48 ID:VImMrTW10
食蜂『いやん首傾げてるところもかーわーいーいー、じゃなくて!』
美琴『みさき先輩、どうしたの?』
食蜂『はうぅぅ、この瞬間のために生きてるわぁ…………でもなくて!』
婚后『話には聞いてましたが食蜂さん、本当に美琴さんにデレデレですわねー』
黒子『お姉さまの魅力が精神感応系能力の頂点に打ち勝つレベルに達しているという
何よりの証明ですの』フンス
食蜂『……あなたたち、どうしてこの場にいらっしゃるのぉ?』
美琴『あ、光子ちゃんと黒子は私が呼んだの』ニッコリ
食蜂『もうやめてそのスマイルなんでも許したくなっちゃ…………“光子ちゃん!?”』
美琴『先輩、なんか顔が般若のごとく引きつってるけど』
婚后『そんなことより美琴さん、わたくしこの「らぶらぶぱふぇ」なる一品に興味がありますわ。
二人一組で注文するらしいのですけど』
美琴『えー。そういうのって女同士で頼むものじゃないわよー』アハハ
食蜂『…………え、え、え。あなたたち、名前で呼び合うほど仲良かったのかしらぁ?』
334: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:08:33.68 ID:VImMrTW10
美琴『よくぞ聞いてくれました! 「超電磁砲」こと御坂美琴と「空力使い」こと婚后光子!』フンス
婚后『二人揃って常盤台の風神雷神コンビとはわたくしたちのことですわ!』フフン
二人『『ねー♪』』
食蜂『』
黒子『くぅ……大覇星祭以降、すっかりお姉さまの親友ポジに収まってしまいましたの』
美琴『私、同学年の子でこんなに仲良くできる人って初めてだから』ニコニコ
婚后『クラスの方はいつも美琴さんを遠巻きにしてますものねー』
美琴『……………………それって、私がぼっちだって言いたいの?』ズーン
黒子『とんでもないですわ、お姉さま! 皆さん、お姉さまの放つレベル5オーラの神々しさに
近づきがたいものを感じているだけですの!』
美琴『結果的に孤立してることに変わりはないんだけど……』ズズーン
黒子(最近お姉さまの取り扱いがちょっと面倒になってきましたの)
335: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:09:47.25 ID:VImMrTW10
食蜂『…………んー、確かにそれは否定できないでしょうねぇ。今までの美琴ちゃんって、
常盤台の中では白井さんにしか心開いてない感じがしたもの』
黒子『それはつまり黒子こそが唯一無二のお姉さまラヴァーだということでFA!?』ハァハァ
美琴『ごめん黒子。黒子が出てくると話がややこしくなるから黙ってて』
黒子『近年希少なツンお姉さまを堪能できるのは黒子だけの特権ですの』ウヘヘ
婚后『確かに白井さんはオンリーワンですわね、色んな意味で』
食蜂『でもねぇ、近頃美琴ちゃんを中心に常盤台の勢力図が塗り変わりつつあるって知ってた?』
美琴『え?』
食蜂『実を言うとね、ウチの派閥も美琴ちゃんへの態度を巡って分裂寸前なのよぉ』
婚后『へ!? と、常盤台最大派閥が、内部崩壊!?』
黒子『つまり、お姉さまを派閥に迎え入れて双頭体制を築くか、距離を保ってあくまで
保守姿勢を貫くか……という抗争ですのね! なんだか永田町の蛇の喰らい合い
みたいでwktkしてきましたの!』
美琴『え、ええええ!? そ、そんな大事に!?』アタフタ
336: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:11:58.24 ID:VImMrTW10
食蜂『え、違うわよぉ?』
美琴『ほっ』
黒子『ちぇっ。ドロッドロの権力闘争が間近で見られるかと思いましたのに』
婚后『楽しそうですわね、白井さん』
黒子『ええ、さぞかし楽しいパーリィになったことでしょうね…………見てる分には』
婚后(性格悪っ)
食蜂『美琴ちゃんを迎え入れてクンカクンカペロペロハァハァしたいっていうのは派閥の総意よぉ。
その点に関しては全会一致してるわぁ』
美琴『…………………………うわぁ』ドンビキ
黒子『最低の一枚岩ですの』
婚后『常盤台はじまりすぎですわ』
食蜂『問題はそこから先なのよぉ』
黒子『問題は“そこ”だけでも十分山積みですの』
婚后『先に進む前に後ろを顧みたほうが良いのでは……』
337: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:13:25.22 ID:VImMrTW10
食蜂『美琴ちゃんを担ぎ上げてトップの首をすげ替えるか、派閥の後継者に据えるかで
真っ二つに分かれてる真っ最中なの』ハァ
美琴『………………』
婚后『………………』
黒子『………………それっていわゆる一つの、クーデターでは?』
食蜂『だから困ってるのよねぇ』ケラケラ
黒子『どう考えても笑いごとじゃありませんの!?』
婚后『さすがは腐っても常盤台の女王、大した余裕ですわね……』
食蜂『まあ、発端が発端なだけに、ね。私もイマイチ深刻力不足なのよぉ』
婚后『発端?』
338: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:15:13.90 ID:VImMrTW10
食蜂『派閥のお茶会で「最近の御坂さん笑顔力が素敵」って話で盛り上がったのが
そもそもの始まりだったのね』
黒子『お姉さまが素敵なのは今に始まった話ではありません! 天地開闢以来
絶対不変の真理と言って過言ではありませんの!』
美琴『ちょっと黒子、自重しなさいよ』
食蜂『それはまあ、確かにそうなんだけど』
美琴『……あう』カァ
婚后(照れてる顔がホントに可愛いですわー)ホノボノ
食蜂『以前からちょくちょく美琴ちゃんレッツ☆勧誘作戦は議題に上ってたんだけどねぇ』
婚后『近頃の美琴さん、殿方とお付き合いを始めて一段と綺麗になりましたものね』
黒子『それに辛抱効かなくなった過激派がクーデターを企てた、と。……お姉さまの美貌は
時に罪になってもまったく無理のない領域に踏み込んでいるのですね……』
美琴『で、でも! みさき先輩の能力ならそんな諍い簡単に鎮圧できるじゃない!』
339: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:17:01.08 ID:VImMrTW10
食蜂『えー? せっかく面白いことになってるんだからほっとこうかと思ってるんだけどぉ』
婚后『「えー?」はこっちの台詞です!』
黒子『忘れそうになってましたがこの人、よく考えなくても筋金入りの人格破綻者でしたわね』
食蜂『っていうかぁ、ほっとくどころか能力使って煽っちゃった☆』キラリ
黒子『!?』
食蜂『他の派閥も巻き込んで「第二回チキチキ! ネットにはじかれたテニスボールの
行方やいかに!? 集まれ愉快なお嬢様軍団! 常盤台の天使御坂美琴ちゃん争奪杯!」
…………の開催にまで漕ぎつけちゃったしぃ』
黒子『タイトル長っ!? しかも第二回!?』
美琴『なんか知らない間に景品にされてる!? さっきのテニス大会ってこの事だったの!?』
食蜂『高レベル能力者が多数在籍する常盤台で武力衝突なんてことになったら一大事でしょぉ?』
婚后『成程。その点穏便なスポーツ大会で済ませておけば、まかり間違っても死人なんて
出るはずありませんものね』
黒子『むむぅ。普段はチャランポランな自堕落女王も、意外と考えておりますのね』
食蜂(…………のはずだったんだけど、さっきのを目の当たりにして自信がなくなったわぁ)
美琴『私の人権が無視されている件について誰か触れて欲しいんだけど』
340: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:18:33.73 ID:VImMrTW10
婚后『安心なさって美琴さん。要はあなたを派閥に組み込みたいなどという不埒な輩以外が
優勝すれば万事無問題ですわ。わたくし、これでもテニスには自信がありましてよ!』
美琴『ふふ、ありがとう光子ちゃん。そう言ってもらえるだけで嬉しいわ』ニッコリ
婚后『礼には及びませんわ』フフン
美琴『前回優勝者は同時に十球使ってラリーができるレベルだけど、光子ちゃんなら大丈夫よね!』
婚后『えっ』
食蜂『……あの子、デレールガンに強力な耐性があるみたいねぇ』
黒子『婚后さんは高飛車なようでいて、微妙に天然が入ってらっしゃいますから』
食蜂『天然? 天然なら美琴ちゃんの親友ポジションに割り込めるの!?
だったら私だってちょっとドジっ子な女王様っていう新境地を開拓すれば……!』
黒子『アナタのは天然じゃなくて脳天一年中パーって言うんですの』ハン
341: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:20:04.84 ID:VImMrTW10
食蜂『あん? 大脳皮質こねまわして◯◯フォビアにしてあげ……』
黒子『ほら、お姉さまが見てますわよ』
食蜂『モホって地域で取れたフォアグラがすっごく美味しいって評判なのよぉ』キリッ
黒子『明らかに無理がありますの』
美琴『…………みさき先輩、黒子とも仲良くしてあげて?』
食蜂『私たちとっても仲良し! ねー、白井さぁん?』
黒子『吐き気を催してきましたの……』
美琴『黒子もお願いだから、ね?』
黒子『フォアグラ料理をご一緒するためにも、胃を空っぽにしませんと』キリッ
美琴『うんうん、仲良きことは美しき哉、よねー』ニコニコ
婚后(わたくしの位置からだとテーブル下で腿をつねり合ってるのが丸見えですけど)
342: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:21:10.61 ID:VImMrTW10
ギリギリギリリ
食蜂(っつつ、生意気な子ねぇ……! こうなったらリモコン使って………………あれ?)
食蜂『…………美琴ちゃん、ちょっといーい?』
美琴『なに、先輩?』
食蜂『あなた、もしかして電磁波バリア解除してる?』
黒子『へ?』
婚后『? なんのお話でしょう?』
黒子『あら、ご存じなくて? お姉さまは食蜂さんの悪趣味な能力行使を、ご自分の能力の
応用で常に防いでらっしゃいますの』
婚后『なんと! さすがはこのわたくし、常盤台の婚后光子の親友にして相棒!』フフン
黒子『どうしてあなたが自慢げなんですの? それを言うならさすがはわたくしの
お姉さま、ですの!』フフン
食蜂『何を自惚れてるのかしらあなたたちぃ? さすがは私の自慢の後輩、が正解よぉ』フフン
黒子『いやその理屈はおかしい』
美琴『えへへ、やだ、みんなもう……褒めてもなんにも出ないわよー』テレテレ
343: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:25:15.65 ID:VImMrTW10
婚后(癒されますわ……)
食蜂(食べたくなっちゃうわぁ……)
黒子(お姉さま! お姉さま! お姉さま! お姉さまぅぅうううわぁああああああああ
ああああああああああああああん!!! あぁああああ……ああ……あっあっー!
あぁああああああ!!! お姉さまお姉さまお姉さまぅううぁわぁああああ!!! )
婚后『白井さん!?』
食蜂『モノローグのくせに耳障りねぇ……ってちっがーーーう!!!!』
美琴『?』キョトン
食蜂『ああんだめぇくぁいいよぉ……ごめん、いい加減ループから抜け出したいんだけど』
美琴『そんなこと言われても、別に私なにもしてないし』
食蜂『ちょっと目隠しするから待っててねぇ』ゴソゴソ グルグル メカクシ
婚后(なんですのこのシュールな画)
食蜂『では改めて。美琴ちゃん、質問があるんだけど?』
344: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:26:47.70 ID:VImMrTW10
美琴『なぁに、先輩?』キョトン
食蜂『あ、ダメだこれ。声だけでもほぼイキかけるわ。やっぱ外そ』ゴソゴソ
婚后『白井さんで慣れてるつもりでしたがこの方も大概ですわね』
美琴『私は結局どうすればいいのかな……』
黒子『あぁぁあぁ、お姉さまぁ……………………………………ふぅ』
婚后『おい』
食蜂『それで、本題に戻るけど』
黒子『そういえば、もともと何のお話でしたかしら』キリッ
婚后『テカテカした顔でキリッとされても』
食蜂『……美琴ちゃんってば、本気でバリア解いてるみたいだけど……それでいいの?』
黒子『!? お、お姉さま、それは本当ですの!?』
345: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:27:56.73 ID:VImMrTW10
美琴『え? なんかいけなかった?』
黒子『いけないもなにも、そこの性悪女の所業に抗えなくなりますの!』
婚后『ちょ、ちょっと白井さん……もう少しオブラートに包んだほうが』チラッ
食蜂『…………』カミノケイジイジ
美琴『でも、みさき先輩相手に壁を作る必要なんてもうないでしょ?』
食蜂『…………んぇあ?』
美琴『そりゃまあ、普段はちょっとアレな人格破綻者だけど』
美琴『本当は最大派閥のトップとして、みんなの面倒よく見てるし』
美琴『さっきのテニス大会のことだって、そういう考えが根本になきゃ思いつかないわ』
美琴『独裁政治に変わりはないけど、それはそれで気苦労も多そうだもん』
美琴『私にはそういうところ、とてもじゃないけど真似できない』
美琴『来年の私が常盤台の顔として、最上級生としてどう振る舞うべきなのかって
考えた時に、一番身近なお手本はやっぱり先輩なのよね』
346: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:28:56.94 ID:VImMrTW10
黒子『お、お姉さま?』
婚后『んまぁ……』
食蜂『』ポカン
美琴『だからさ。みさき先輩は、私の数少ない憧れの人なのよ』
食蜂『………………ぅ、っく』グス
美琴『いがみ合ってる時期の方がずっと長かったけど、それでも私、先輩の後輩になれて
良かったって、心からそう思ってるから。ね?』ニコ
食蜂『…………美琴ちゃああああん!!!』ガバァッ!!
美琴『ひゃっ! (む、胸が当たってる……!)』ダキッ
黒子『久キレ屋上……んぶっ!?』ゴツン
婚后『空力使いとして空気を読まないような真似は許しませんわよ』ビシバシ
黒子『あいたっ、ちょ、ま、ごめんなさい! エアロハンドで往復ビンタだけはご勘弁を!
あの世⇔この世の往復運動になってしまいますの!』
347: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:29:58.14 ID:VImMrTW10
食蜂『んっ、ぐ、えぐっ! ふ、ぇぇええぇぇえ!!!』サメザメ
美琴『まさかのマジ泣き!?』
食蜂『美琴ちゃん、私、私も、美琴ちゃんの先輩になれて良かったぁぁぁ!!!』
美琴『………………んー、そっか。よしよし、いつもお疲れ様、みさき先輩』ナデナデ
食蜂『!!!!!』
黒子『ぬぬぬぬぬぅぅぅっ』ギリギリ
婚后『白井さん』
黒子『わ、わかってますの……黒子とて、空気はそれなりに読める子ですの……』
美琴『? 二人とも、急に立ち上がってどうしたの?』
348: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:30:59.69 ID:VImMrTW10
婚后『…………』つ
黒子『…………』つ
美琴『……え? 光子ちゃん、黒子?』ナデラレナデラレ ナデナデ
黒子『いえ、なんだかこうしなくてはならない気がいたしまして……』ナデナデ
婚后『美琴さんもいい子いい子、ですわー』ナデナデ
美琴『ん、ちょ、もう。くすぐったいわよぉ』クスクス
フフフフフ ホホホデスノ アハハハハ
食蜂『…………………………』
食蜂(言えない……美琴ちゃんが言うような深謀遠慮なんてぶっちゃけ
特にありませんでしたぁ、なんて言えない……)
349: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:33:28.72 ID:VImMrTW10
------------------------------------------------------------------
海原「いやあ、眼福でしたね」
一方「………………」
海原「どうかしましたか、悪い顔をして」
一方「それを言うなら『顔が悪い』だろォが、っておォい!!」
海原「自覚はおありのようで」
一方「借りもンの上っ面に頼りっぱなしのストーカー野郎がいい度胸だなァ……!」
海原「……『ったく、ちゃンとダチもいるンじゃねェかよ心配掛けさせやがって』」
一方「ぶっ! オ、マエ、なンのつもりだ」
海原「ツンデレータさんの表情が雄弁にそう語っていたものですから」
一方「…………二度とくだらねェ人相占いができねェように顔面の形変えてやろうか」
海原「おや、いよいよ整形手術を受けて悪人面にグッバイする決意を固めたようで」
プチッ
350: >>1 ◆weh0ormOQI 2011/12/31(土) 17:35:08.99 ID:VImMrTW10
一方「グチャグチャになンのはオマエの面だけだよ海原くゥゥゥゥン!!!」ベクトルパンチ!
海原「間に合ってますので」トラウィスカルパンテクウトリガード!
キィン スパスパスパ
ズガーン ドッカーン デデデデデストローイ
アブナイデスネェマッタク
ギャハ、アハギャハハハハハハァ!!
店長「……君、金一封を用意するからどうかお帰り願えませんか、とあちらのお客様に
そうお伝えしてきてくれないか」
バイト「なんで俺が!? ああいう客の対応って正社員の仕事っすよね!?」
店長「私はまだ死にたくないんだよ」
バイト「俺だって死にたくないよ!!」
358: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:36:26.16 ID:6hIm0wga0
海原「さて。お次は第七位、削板氏の出番ですね」
一方「安心の人選だな。ある意味では、だがよ」
海原「ちなみにお二人は第六学区のゲームセンターに足繁く通っていらっしゃるようですよ?」
一方「あァン? ゲーセンでデートだァ? あンのアホガキが……」ビキビキ
海原「まあ、貴方が危惧しているような事態には発展し得ませんがね」
一方「俺が何を心配してるってンだよ」イライラ
海原「貴方が守護すべき『妹』さんの身に決まっているでしょう」ニヤニヤ
一方「!? ざ、ざっけンなオマエ! 三下っつう彼氏がありながら他の男にちょっかい
出されるような隙晒すアホの子第三位なンぞ、俺が心配するわきゃねェだろォが!!!」アタフタ
海原「……………………語るに落ちましたねぇ、貴方も」
359: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:38:06.55 ID:6hIm0wga0
一方「よく考えればよォ。相手があの削板くンじゃ、ンな心配無用に決まってンじゃねェか」
海原「彼の人格を鑑みるに、脳みそをほじくろうが裏返そうが悪意の『あ』の字も発見
できそうにありませんからね」
一方「……ああいうのがヒーローの資質、って奴なのかねェ」ボソ
海原「………………」カチカチカチ
一方「おいどォした、急にメール打ち始めて」
海原「お気になさらず。どうぞビデオ観賞を続けてください」ニコリ
一方「……ちょっとオマエ、携帯見せろ」
海原「おや、自分のプライベートに興味がお有りで? ならばまずはアドレス交換から」
一方「警備員のブラックリストに殿堂入りしててもまったく不思議じゃねえストーカーの
アドレスなンざ誰が欲しがるかこの包茎。いいから今打ったメール見せろ」
海原「お断りします」( ゚ω゚ )
一方「…………」イラッ
360: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:40:10.96 ID:6hIm0wga0
一方「ごちゃごちゃ言ってねェでとっとと寄こせェ!!」バシッ
海原「あん、ご無体な」ヨヨヨ
一方「そのキショイ声即刻止めろ! 微妙にサマになってるあたりがまたムカつくンだよ!
くっそが…………さァて、誰になに送ろうとして」パカッ
--------------------------------------
【To】土御門;結標
【Sub】【ダーク(黒翼)】名言いただきました【ヒーロー(笑)】
-------------
またも一方通行さんのヒーローオタ魂がムクリときてしまったようです
第七位の話をしていたらボソッと
「アレがヒーローの資質ってやつか……闇に生きる俺には辿りつけねェ境地だぜェ」
ですってwwwwwwwwwwwwww
くwwそww腹が痛いwwww笑いこらえるので必死wwwww
--------------------------------------
一方「オマエらこないだから三下の話題が出るたびに人の顔見てニヤケてると思ってたら
そういうことかァ!! なに台詞勝手に盛ってくれてンだクソッたれ野郎ォォ!!」
海原「ヒーロー(笑)」
一方「死ねや海原ァァァァアァァァ!!!!!!!」ドガラバッキーン!!!
361: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:41:55.37 ID:6hIm0wga0
【金曜日 とあるゲーセン】
ざわ……ざわ……
司会者『会場にお集まりの皆様! 我らは今、歴史の生き証人になろうとしています!!』
ざわ……ざわ……
司会者『今大会の栄えある優勝トロフィーはなんと! 学園都市が誇る異能の頂点!!』
ごく…………
司会者『超能力者同士!! によって!! 争われようとしているのですッッッ!!!!』
うおおおおおおおっっっっ!!!!!
362: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:43:01.34 ID:6hIm0wga0
原谷『………………久々にゲーセン来たら、なんだこの騒ぎ』
横須賀『ふふふ、血ぃ沸き肉躍るなぁ』ヌッ
原谷『……誰かと思えば、その無駄にデカイ存在感は内臓入りモツ鍋さんじゃないすか』
横須賀『それは違うな』
原谷『え?』
横須賀『今の俺を「内臓潰しの横須賀」の名で呼んでくれるなよ』
原谷『呼んでねえよ。今日のところは終始一貫して徹頭徹尾アンタのことを「モツ鍋」って
呼んでますよ、まだ一回だけだけど』
横須賀『悪の枢軸たる強キャラの乱入を喰らい、苛立ちのあまり破壊した筐体は数知れず。
今日の俺のことは「台パンの横須賀」とそう呼びな!』
原谷『タチ悪い客だなおい!! ……いや待てよ、台パンってことは』
363: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:44:48.94 ID:6hIm0wga0
ジョインジョインジョイン
原谷『このキャラ選択音……ああそっか、今日は格ゲー北斗の大会やってんのか。
そんでレベル5が二人も参加して、決勝まで残って、この騒ぎってわけだ。
そりゃあみんな福本顔にもなりますよね』
横須賀『いや、厳密にはそこが問題じゃあねぇ』
原谷『なんすか、どうせ前に公園で超能力大戦やってたあの二人でしょ?』チラッ
司会者『さあ、まずは赤コーナー仮面グンハー氏のキャラセレクトです!』
削板『……………………』シンケン
原谷『ほらやっぱ削板さんだった。で、もう一人は常盤台のあの子なんd』
ジャギィ
原谷『ってジャギぃぃぃ!!!? え、なんで!? なんであのキャラで決勝まで
残ってんのあの人!?』
364: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:45:44.66 ID:6hIm0wga0
司会者『続いて青コーナー仮面ゲコ太ー氏、どーぞ!!』
美琴『……………………』シンケンソノモノ
ジョインジョイン
原谷『ダサッ!!! なんでネームをヒーロー系で統一してんのあの二人!?
っつーかゲコ太って! ゲコ太ーって!! なぜ促音を付け足したのか!
なにがそこまであの子を突き動かしちゃったの!?』
マミヤァ
原谷『そしてマミヤきちゃったぁぁぁぁ!!!! いやそりゃJCにラオウとか使われる
よりはよっぽどまともなセレクトだけれども!! 決勝戦がジャギVSマミヤとか
なにこのゲーセン!?』
横須賀『ぬう。事情をよく知らない者のために軽く説明しておこう』
原谷『モツ鍋さんがキャラじゃない口調でなんか喋り出した! ってか誰にだよ!』
365: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:46:57.05 ID:6hIm0wga0
横須賀『男たちの血沸き肉躍る闘争を描いたゲーム版北斗の拳ではマミヤを選択する
プレイヤーの絶対数自体がそもそも少ない。よってこのような公の大会では
活躍してる場面をなかなかお目にかかれないキャラだ』
原谷『この店で見るのは本当に久々だよなマミヤ……』
横須賀『だがより巨大な問題は、ジャギの方にこそあるな』
原谷『あのゲームでぶっちぎりの弱キャラでしょアイツ』
横須賀『いかにも。原作漫画で血ぃ沸き肉躍るぅ闘争よりも卑劣な謀略にこそ注力した
ジャギの性能は、全キャラ中でもずば抜けて低く抑えられている』
原谷『あんた解説にかこつけて肉躍らせたいだけだろ』
野次馬『おお、その声は台パンさん!』
野次馬『理論的な解説に定評のある台パンさんじゃないか!』
野次馬『ユダを使っておきながら準決でジャギに完封された台パン氏!』
野次馬『ユダジャギは9:1でユダ有利(キリッ』
野次馬『NDK? NDK?』
366: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:47:44.23 ID:6hIm0wga0
原谷『その蔑称としか思えないあだ名定着しちゃってんすか!? っつーかあんたも普通に
強キャラ使ってんじゃねえか!』
横須賀『ふ……』
原谷『ふ……じゃねえよ。一応言っとくけどなにも誤魔化せてませんからね』
横須賀『用語に詳しくなければ「待ちガイル ザンギエフ」でググることをお勧めする。
ジャギがユダと当たった場合、平たく言えばガイルに待たれたザンギの2倍は
詰んでいる状況だと考えて差し支えないぞ』
原谷『あんたその詰んでるザンギに負けてるくせになんでそんな偉そうなの?』
横須賀『ふ……』
野次馬『そしてこの無駄に大物感溢れる微笑である』
野次馬『だいたいそれストⅡ時代の話じゃね?』
原谷『もうやだこいつらの相手疲れる』
367: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:49:11.34 ID:6hIm0wga0
司会者『さー両者準備が整ったようです! それでは世紀の決勝戦、レディー……』
削板『…………』ゴゴゴゴゴ
美琴『…………』ドドドドド
野次馬『お、オーラが目に見えるようだぜ! まさかこれが奴らの超能力!?』
原谷『んなアホな』
横須賀『ぬぅっ、あれは!』
野次馬『知っているのか台パン!?』
横須賀『覇気を擬音に変える能力……!』
原谷『ねーよ! コエカタマリン実用化とかどんな愉快な学園都市だ!!』
司会者『ファイッ!!』
原谷『ほら見ろあんたらがアホ言ってる間に始まっちまったじゃ』
368: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:50:12.53 ID:6hIm0wga0
司会者『そこまで!』
原谷『ってあれーーーっっ!!!? もう終わったぁ!? キンクリ!?』
横須賀『な、なんつうハイレベルな勝負だ……! 削板の野郎、見せつけてくれるぜぇっ!!』
原谷『あんたのリーディングシュタイナーはいったいどこの世界線を追ってるんですか!?』
司会者『ウィナァァァァァ、仮面グンハーァァ!!!』
美琴『くっ、負けたわ』
削板『いい勝負だったぞ、御坂!!』
野次馬『おい、アイツジャギでバスケ決めやがったぞ……』
野次馬『実戦で使用可能なコンボじゃねえだろ……』
野次馬『逆wwだろww普通wwww美琴ちゃんNDKww』
美琴『うぅ』orz
原谷『しかもジャギ勝ってるしぃぃ!!! セルゲームをヤムチャが制するぐらいの偉業だぞこれ!!』
369: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:51:25.42 ID:6hIm0wga0
司会者『それでは見事優勝を果たしました仮面グンハーさんから一言いただきましょう』
削板『…………』
司会者『どうかしましたか?』
削板『……おい、いま御坂を笑ったのはどいつだ』ギロ
司会者『え?』
野次馬『!!!』
美琴『ぐ、グンハーさん?』
削板『今の勝負は正々堂々がっぷり四つ、お天道さまにも恥じることのねえ一戦だった』
原谷『いやあんた無限コンボ使いましたよね。俺には見えてなかったけどな!』
削板『勝敗を分けたのは紙一重の差でしかなかった。誇りとプライドと矜持を賭けた
撃ち合いの末に、たまたま立っていたのが俺だった、というだけの話だ』
原谷『誇りとプライドと矜持はあんたの中では別物なんかい』
370: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:52:23.20 ID:6hIm0wga0
削板『全力と全根性をふり絞って闘い抜いた根性ある敗者を、指差して笑うような根性の
足りてねぇ真似……たとえお天道さまが許しても、この削板軍覇が許さん!!!』
原谷『ボキャブラリー少ないなこの人! 何回根性って言う気だ!』
美琴『そ、削板さん。私、別に気にしてないから。ね?』
原谷『当事者もこう言ってることだし、もう止めといたほうがいいんじゃ……』オソルオソル
削板『本当にか?』
美琴『え……』
削板『本当の本当に、これっぽっちも怒ってないのか、御坂?』
原谷『だから怒ってないって言ってますしそのへんで矛を収めてですね』
371: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:53:27.71 ID:6hIm0wga0
美琴『…………ごめんなさい。実はわりとマジでカチンと来てまーす』テヘッ バチバチ
原谷『そういやこの子売られた喧嘩は買う性分だったーーーっ!!!』ガビーン!
削板『ならば良し!!』グッ!
原谷『よくねええええ!!!』
削板『む、誰だお前は! いつからいた!!』
原谷『最初からいたよ!』
削板『誰かと思ったら腹パンじゃないか』
原谷『原谷です! は・ら・た・に!! 何と何が混ざったらそうなっちゃうの!?』
削板『ん、間違えたかな……? ま、いっか』アッケラカン
原谷『全然よくな……いや、もういいです、どうでも』ゼェゼェ
削板『さあて、御坂を馬鹿にした奴は正直に名乗り出ろ!』
372: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:54:10.35 ID:6hIm0wga0
シーーーーーーーーン
削板『………………根性がなってねえようだな。ならばこの場合、方法は一つだ』
原谷(やな予感)
削板『全員ブチのめすッ!!!』
野次馬『『『!!!???』』』ザワザワッ
原谷『案の定だよ! なんか某ジャンプ漫画で見たことある展開だこれー!』
373: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:55:14.98 ID:6hIm0wga0
削板『さて、まずはそこのお前からだ。前に出ろ』
野次馬『ひいいいいっっっ!!!!』ガクガクブルブル
野次馬『じょ、冗談じゃねえぞ』ヒソヒソ
野次馬『超能力者の一撃なんてもらったら死んじまうに決まってる』ボソボソ
野次馬『ちくしょう、誰だよ「NDKww」とかほざいた馬鹿は』←コイツ
美琴『さ、さすがにそれはやり過ぎじゃあ』タラー
原谷『さっさと逃げるべきかもなこれ……なんか大変なことになっちゃいましたね
モツ鍋さ…………あれ、モツ鍋さん?』キョロキョロ
374: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:56:10.28 ID:6hIm0wga0
野次馬『ど、どどどどうか命だけはお助けをぉぉっ!!』ガクブル
削板『心配するな、痛みを感じる間もなく送ってやる』
野次馬『せめて行き先は表示して! 病院送りなのかあの世送りなのかぐらいはっきりさせてぇぇ!!!』
削板『え? えーっと、病院はこっからどの方角だったかな……』ブツブツ
野次馬『物理的に送る気だよこの人! こんな原始的なワープ装置嫌だぁぁぁ!!!』
削板『計算完了! だいたいあっちらへん!!』ビシッ
野次馬『超能力者の演算ってこんなアバウトなの!?』
削板『ではユクゾッ! すっごーーーーーーーーーーーいパ』
『待ちなぁぁぁっ、削板ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
375: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:57:42.70 ID:6hIm0wga0
美琴『!?』
原谷『こ、この声は……』
野次馬『み、見ろ! 向こうのクレーンキャッチャー台の上に誰かいるぞ!』
原谷『なんでそんな場所に!?』
削板『何者だっ!』クルッ
原谷『流れでだいたい察しろよ、って感じだけどな……』
横須賀『何者だとはご挨拶じゃねぇかよ、削板軍覇!』ドドーン
削板『お前は……チゲ鍋!』
横須賀『モツ鍋だぁっ!』
原谷『いや横須賀だろ! 百歩譲ってもそこは「内臓潰し」って名乗っとくべき場面でしょ!?
そもそもあんたら準決勝で顔合わせしてるんじゃなかったんですか!?』
376: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:58:45.93 ID:6hIm0wga0
横須賀『そんな細かいことよりも、だ』
原谷(渾身のツッコミを細かいこと呼ばわりされた…………帰りたい)
横須賀『恐怖に怯える民衆を一列に並べてジャギばりの恫喝をかますたぁ、削板、お前!』
削板『む……』
美琴『ど、どこの誰だか知らないけど、削板さんに説教かましてくれそうな雰囲気!』
原谷(どうだか……)
横須賀『そういうのは、全スキルアウト統一王者たる俺の役目どぅわろうがぁぁ!!』
美琴『あるぇー?』
原谷『うん、そういうワケわかんないこと言い出す気がしてたわ』
377: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 22:59:49.72 ID:6hIm0wga0
削板『な、なに!? 俺はお前のポジションを知らず知らずのうちに奪っていたというのか!?』ガーン
横須賀『いかにも! 俺だって一度くらいはモブ村民にショットガンを向けて「おい、そこに座れ」
からの全ゲージ使用コンボ(通称マダンテ)を使いたいんだよ!!』
原谷『こいつゲームと現実混同してやがる!! 警備員さん早く来てー!』
削板『そうか、ならば交代だ! やっぱり俺はジャギよりも正義の味方の方がいい!』
原谷『じゃあなんでジャギ使ってたの!?』
横須賀『待ってましたぁ!』ピョン ドタドタ
司会者『………………え、えー、話についていけずにボンヤリしているうちに……
なにやら盛り上がってまいりましたー! オラワクワクしてきたぞ!』
原谷『すな!』
美琴『い、いつの間にか正義VS悪の構図が出来あがってる……!』キラキラ
原谷『場末の遊園地のもの寂しいヒーローショーでももう少しマシな段取りしてるわ!』
378: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 23:01:33.65 ID:6hIm0wga0
野次馬(お、俺は命を拾ったんだろうか……今のうちに逃げ)
横須賀『命は』ナギッ
野次馬『投げ捨てるもの……ってうわあああ!! 全然助かってねーーっ!!!』
横須賀『さぁて、覚悟しろよ愚民ども。俺様は嘘がでぇきれぇなんだ!』
美琴『ああ、このままじゃあの人が危ない!』
原谷『なんだこの茶番?』
横須賀『さあ貴様、俺の名前を言ってみろ!』
ニア モツ鍋
チゲ鍋
きりたんぽ鍋
原谷『ひっでぇ三択だなおい! 最後の奴なんてもはやあだ名としてすら機能してないし!!
「ちーっすきりたんぽ鍋さん」って長すぎるわ普通に横須賀さんって呼ぶだろそれなら!』
379: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 23:02:59.84 ID:6hIm0wga0
野次馬『だ、だれ、誰かお助けぇーーーっっ!!』
美琴『さあ、それでは皆さん! 声を大にしてヒーローの名前を呼びましょー!!』
原谷『なに言ってんのこの子!?』
美琴『せーの……』
『『『『仮面グンハー!!!』』』』
原谷『ノリいいなどいつもこいつも! それとも俺が悪いだけ? あれ、俺がおかしいの?』
削板『待てーーーいぃぃっ!!』
380: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 23:04:17.50 ID:6hIm0wga0
横須賀『くっははは、ついに現れたな削板っ!! ここであったが百』
削板『すごいパーンチ』
原谷『!?』
横須賀『年目、って轟ッ!!!???』
ヒュー ドンガンバキン キラーン
原谷『出すごパ入ったぁーーーーーーーーっっ!!!?』ガビーン!!
司会者『ありがとう仮面グンハー! これでゲーセンの平和は保たれた!』
原谷『壁に大穴空いたけど!? 財布事情は平穏無事じゃねえだろこれ!!』
グンハ! グンハー! コンジョー! キャーソギーサーン
原谷『……………………やっとわかった、着いていけてないの俺だけだこれ!
ヤムチャ視点!? 俺いまヤムチャ並みにおいてけぼりにされてるよ!』
381: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 23:05:51.51 ID:6hIm0wga0
【その後】
美琴『……今日はありがと、削板……じゃなかった、仮面グンハーさん』
削板『はっはっは、気にするな! どうだ御坂、楽しい一日だったか?』
美琴『うん、すっごく! でも今度勝負する時は、絶対負けないんだからね』ニコニコ
削板『そうかそうか、なら良かった! 女らしい振る舞いも男を落とすには有効だろうが、
やっぱり御坂は元気なのが一番だと思うぞ!』
美琴『……そ、削板さん? そんなこと、考えてくれてたの……?』
原谷『あれ、その子削板さんの彼女じゃないんですか?』
削板『おお、いたのかすごパ』
原谷『そりゃあんたの必殺技でしょうが!! 腹パンからとんでもない変化したんですけど!
大野のカーブ並に曲がったんですけど! 「はらたに」が原型留めてないんですけど!』
382: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/07(土) 23:07:44.12 ID:6hIm0wga0
削板『こいつの彼氏は別にいる。今日のことはそうだな……まあ、強いて言うなら
デートの下見、ってやつか! どうも最近、上手くいってないらしくてな!』
美琴『削板さん……』
原谷(フラグが微妙に立ちかけてるように見えなくもないけど、大丈夫かこれ)
削板『「からけ」、というヤツを読もうと思って』
原谷『どこでそんな言葉覚えたんですか削板さん。読み方間違ってるけど』
削板『ちなみに、俺の彼女もこいつとは別にちゃーんといるからな!』ハハハハハ
美琴『!?』
原谷『!?』
一方「!?」
406: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:46:57.85 ID:TikXGamK0
【削板軍覇衝撃の告白映像から五分】
一方「………………………………」ボー
海原「一方通行さん? いい加減に戻ってきてはいかがです?」
一方「はっ! あ、あまりのことに意識が飛ンでたのか、俺は……!」
海原「まあ、無理もありませんね。自分も後で見返したらビデオカメラの位置が
一切動いていない空白の三〇分があったぐらいですから」
一方「ンでよ、“あれ”はマジな話なのか?」ズイ
海原「貴方もお好きですねぇ。まあ自分も興を惹かれたので、即日土御門さんと
共同で調査を実施したのは動かぬ事実ですが」
一方「流石だな、プロストーカー」
海原「お褒め頂き光栄至極。……しかし、残念ながら尻尾は掴めませんでしたがね」
407: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:47:48.58 ID:TikXGamK0
一方「マジかそりゃ。オマエら二人がかりでどうにもなンなかっただと?」
海原「偉くマジです。どうにもきな臭い感じがしてなりません」
一方「あの削板くンが彼女いるなンつー見栄張るとは思えねェしな」
海原「同感ですね。調査中、我々は常に何者かの視線を感じていました」
一方「逆に言えば、オマエらの追跡を振り切るような周到さの持ち主だってことか。
並大抵の手合いじゃあねェな」
海原「まさしく。もっとも土御門さんなどは、その点から当たりを付けたような
口ぶりでしたね。どのみち、一筋縄で素性の割れる相手とも思えませんが」
一方「結局証拠はねェンだろ? 気にはなるが、これ以上俺らが考えても仕方ねェな」
海原「一諜報員としては忸怩たる思いですが、それが懸命ですねぇ」
一方「一体全体、どンな女狐なンだろうな……」
海原「よほど、奸智に長けた魔女なのでしょうね……」
408: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:48:43.18 ID:TikXGamK0
【第一学区 とあるビル】
「………………」つケータイ
コンコン ガチャ
「――君。この素案についてなんだが……おや、どうかしたかね」
「……ん、失礼した。いま目を通しているところだけど」つコーヒーカップ
「ほうほう」ニヤニヤ
「なんだ、そのニヤケ面は。それよりこの資料の七三ページ六行目についてなんだけ」ズズズ
「最近、彼とは上手くやっているのかな?」ニヨニヨ
「どぉっ!!??」ブフゥー!
409: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:50:06.28 ID:TikXGamK0
「もしかして、電話を待っているところだったりしたのかな?」
「か、か、貝積さんッ!! 今は仕事の話をしてるんだけど!!」アタフタ
「そうかそうか。私が切欠の縁だからね、よろしくやっているに越したことはないよ」ニコニコ
「人の話を聞いてほしいんだけど!」
「思い返せばあれは、彼の摩訶不思議にもほどがありすぎるトンデモ超能力解明について
雇われブレーンたる君の見解を仰いだことが始まりだったな」
「なにその懇切丁寧な説明口調!? 人の馴れ初めをいったい誰に向けて解説してる!?」
「出会いを『馴れ初め』と称するだけの仲にはなっている、と考えて間違いなさそうだね」
「うわぁぁぁしまったあああぁぁぁああぁあ!!」ガーン
「そう頭を抱えずともいいだろう。だいたい、なぜ隠す必要があるんだ」
「…………だって」
「君の仕事に支障が出るとでも考えてるのか? ならばそれは無用な心配だ。
年頃のお嬢さんが色恋に興ずるのは至極自然、その程度のことは我々大人が
フォローするから君もたまには年相応に振る舞ってだね」
410: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:51:32.30 ID:TikXGamK0
「……………………が、学校の後輩とかにバレたら、恥ずかしいんだけど」モジモジ
「…………」
「…………」
「…………」ホッコリ
「そういう顔されると思ったから言うの嫌だったんだけど!!」
「…………」つ
「なぜ腕を伸ば、あ、ちょ、頭を撫でるなぁーーーーっ!!」
411: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:52:38.75 ID:TikXGamK0
【とあるファミレス】
海原「さて、いよいよ画面の前の皆さんもお待ちかねのクライマックスですね」ニヨニヨ
一方(誰だ)
海原「毎週月曜夕方五時、ベクトルヒーロー仮面セロリーの活躍を」
一方「見ねェよ」
海原「えー」ブーブー
一方「てめえでてめえの渋い面拝んで何が楽しいってンだ」
海原「映像と貴方の反応とを照らし合わせてティータイムと洒落こむ事こそが、
今日の自分の一番の楽しみだったのですがねぇ」
一方「死ね」
412: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:54:21.95 ID:TikXGamK0
海原「そういうことなら仕方がありません。この映像は後日、貴方以外の登場人物に
関してプライバシー保護の措置を施してからYou○ubeにうpする事としましょう」
一方「なンで今日のオマエそンなに死にたがりなの?」ピクピク
海原「嫌だな、冗談ですよ」ニッコリ
一方「よっぽど義妹の隣のベッドに長期滞在してェと見えるな……!」
海原「ふむ。ショチトルの傍に四六時中付いていてあげられる生活環境というのも、
考えてみればなかなか惹かれるものがありますね」
一方「ストーカーの上に重度のシスコンとかほンっっっとに救いようがねェなコイツ!!」
海原「ほらほら冷静に。モニタをよくご覧になってください」
一方「あァン?」
海原「とうとう、メインイベントの到来のようですよ」つリモコン
ブゥン
413: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:55:50.85 ID:TikXGamK0
【上条家】
ピーンポーン
上条『へいへーい、どちらさま?』
禁書『……くんくん。ドアの外から漂う、柑橘系のこの匂いは……』
美琴『………………あ、あの。御坂美琴、だけど』ドアゴシ
上条『!!』
禁書『!!!!!!』
ドタドタドタドタッ!!
一方「……ようやっと、か。心なしか二か月以上待たされた気がしてならねェ」トオイメ
海原「気のせいでしょう。それよりもこれをご装着ください」
一方「インカムだァ? またロクでもねェこと企ンでやがンな……」ブツブツ
海原(とか言いつつも着けちゃうんですね)
一方「もしもォし、どこの馬の骨さンでいらっしゃいますかァ?」
414: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:56:55.03 ID:TikXGamK0
美琴『あっ、一方通行!』
一方「!?」
海原「……」ニヤリ
一方(オマエェェェェ、何のつもりだァァァ!!!)
美琴『いま、当麻の家のドアの前なの。あ、足音が近づいてきた』
一方「あ、うン。そ、そォなのか」
美琴『良かったぁ。本当のところを言うと、一人じゃ心細かったの……』
一方「へ、へェ」
美琴『一方通行に頼りっぱなしってのも情けない話だけど、ふふ』
一方「……ン、まあ、頑張れよ」
美琴『ありがとうね』
一方「…………」インカムハズス
415: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:58:13.66 ID:TikXGamK0
一方「いつの間に仕込みやがった、オマエ」グイ
海原「結標さんに頼んで、御坂さんの移動中に超小型トランシーバーを渡してもらいました」
一方「ねェなンで? どうしてオマエらこういうときだけ妙な一体感発揮すンの?
そしてどうして俺を蚊帳の外の蚊に仕立て上げないと気が済まないの?」
海原「貴方を全力で(ハブりつつ)、陰ながら見守っていくことが楽しいからです」
一方「()の中ァァァ!!! 今何かボソッと聞き捨てならねェこといっただろォォ!!」
海原「貴方(をイジること)は、自分たちの生きがいと言って過言でないんですよ」ニッコリ
一方「オマエらが死ンでくれねェと俺は生きていけそうにないンですけど!
主にストレス性胃潰瘍とかで!」
海原「誰かが笑えば誰かが泣く。これが浮世の摂理です」
一方「オマエら人の不幸指差してゲラゲラ笑いすぎだ!」
海原「恨むなら世の無情を恨んでください」
一方「ふざけンななに世間様に責任転嫁しようとしてンだ!!
オマエら以外の誰を恨めってンだよォォォ!!!」
416: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/14(土) 20:59:13.72 ID:TikXGamK0
ガチャ
上条『よ、ようみさk』
禁書『みっことおおおお!!! ようこそ我が家へ! 来てくれて嬉しいんだよぉ!!』
美琴『わ、インデックス!?』
上条『おい、ちょ、家主は俺で』
禁書『はいはーい、一名様ごあんなーい!』ウキウキ
美琴『あ、じゃあお邪魔します』
上条『俺の立場は……?』
海原「ほらほら、そうこうしてるウチに始まってしまいましたよ、
いいんですか御坂さんを見守ってあげなくて」
一方「……………………」
一方「暗部専門のハロワとかねェかな……」
427: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:18:16.03 ID:jfCtlAW60
【上条家】
美琴『ごめんね、急に押しかけて』ペコリ
禁書『私たちはぜーんぜん気にしてないんだよ』
上条『なんだよ、らしくねーなぁしおらしくして』
美琴(う。やっぱらしくないのかな、今の私)
上条『お前は俺たちにとって家族も同然だ、って前にも言っただろ?』
禁書『みことならいつでもウェルカムなんだよ』
美琴『……そっか、ありがと』ニッコリ
禁書(かわいいなぁ)ニヨニヨ
上条(やっぱ調子狂うな)ポリポリ
美琴(? 二人ともニヤニヤしちゃって、どうかしたのかしら)
428: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:18:58.46 ID:jfCtlAW60
禁書『むしろ、何の連絡もなしに急に来なくなったことの方がびっくりしたんだよ』
上条『ああ、二週間も音沙汰なしで心配したんだぜ』
禁書『風邪っぴきさんだったりしないよね? なんなら今からカエル先生のとこに』
美琴『い、いやいやいや! そういうんじゃないの!』
禁書『そっかぁ』ホッ
上条『ならいいんだけどさ』ホッ
美琴(……やっぱり、この家はあったかいなぁ)ホクホク
【とあるファミレス】
海原「今のところ、不穏な空気ではありませんね」
一方「……正直、拍子抜けだな」
海原「修羅場のしゅの字も窺い知れませんねぇ」
一方「三下とシスターの様子がぎこちない、無理矢理笑ってる感じ、とか言ってたな」
海原「では、そのあたりを注視することとしましょうか」
429: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:20:10.42 ID:jfCtlAW60
海原「ふぅむ……早速、動きがあったようです」
ガバッ
美琴『きゃ!? ちょ、ちょっとインデックス、急に抱きつかないでよ……』カァ
禁書『「みこと分」補充タイムかも』ダキー
美琴『なにそれ?』
禁書『私という人間を構成する最重要栄養素なんだよ』ギュムー
美琴『タンパク質さんの立場は!?』
禁書『みこと分の前ではそんなもの塵芥も同然かも』ハグー
美琴『手放しで喜べないのはなんでだろ……』
禁書『十日間摂取を断つと禁断症状を発症することがつい最近明らかになったんだよ』ダラー
美琴『なにそれこわい』
430: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:20:50.47 ID:jfCtlAW60
上条『…………』
ダンッ!! ←テーブル叩いた
美琴『!? と、当麻、どうかした?』ビクッ
上条『あー、えっと、その……そうだ御坂、見せたいものがあるんだ、こっちこいよ』
美琴『台所? なにがあるのよ?』
上条『まあ、それは見てからのお楽しみってことで』
美琴『ふーん』スック
禁書『ちぇっ』
一方「……おい、今の三下どもの顔、見たか」
海原「……いましばらく、観察を続けてみましょう」
431: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:21:36.29 ID:jfCtlAW60
【上条家 キッチン】
美琴『…………』テモチブサタ
上条『えーっと、この棚だったかな』ゴソゴソ
美琴(あ、当麻とインデックスのお茶碗だ……こっちはお箸とコップ……)
上条『お、あったあった』
美琴(全部、お揃いだ)
上条『これを見せたかったんだけどさ、みさ……御坂! どうかしたのか!?』
美琴『え? 私が、なに?』キョトン
上条『なにってお前……気付いてないのか?』
美琴『だからなにが? 言いたい事があるならハッキリ言ってよ』ムッ
上条『いやその、つまりだな』
432: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:22:38.12 ID:jfCtlAW60
ピョコピョコ
禁書『みことー、とうまー、いつまで二人っきりで……みこと!?
どうかしたの、とうまにナニか変なことされたの!?』
美琴『ちょ、インデックスまでなんなのよ』
上条『ナニかってなんだよ! 俺をなんだと思ってんだよ!』
禁書『世界ラッキースケベ選手権堂々殿堂入りのとうまに弁解の余地なんてないんだよ!
どうせまたデリカシーのないこと言ったんでしょ!』
美琴『…………』
上条『まだ何にもしてねえよ! 第一ラッキースケベとデリカシーに因果関係なんざないだろ!』
禁書『ラッキースケベ症候群とデリカシー欠乏の合併症状なんだよ!
その病気のせいでいったい何人の女の子が泣いたと思ってるのかなとうまは!』
美琴『二人とも、いい加減にしてよッ!』
上条『! み、御坂……』
美琴『さっきから、なに意味のわかんないことで喧嘩してるのよ!?
わ、わた、私を………………一人だけ、除け者に、してさぁ』グス
禁書『みこと……?』
433: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:23:47.72 ID:jfCtlAW60
上条『御坂。自分のほっぺ、触ってみろ』
美琴『え?』
上条『いいから』
美琴『…………ぁ、え? なに、これ、水……?』
禁書『みこと。自分で気付いてなかったみたいだけど、みことは泣いてたんだよ』
美琴『ん、ぇ、な、なんで私……』ヒック
禁書『だから私もとうまも、みことに何か辛いことがあったのかな、って心配になっちゃったの』
上条『それで本当のところは何があったんだ、御坂?』
美琴『……それは』
上条『やっぱりインデックスの言うとおり、俺が気に障るようなことを』
美琴『ち、違う! アンタは、なんにも悪くなんかない!』
上条『じゃあ一体全体、どうしたってんだよ』
美琴『…………』
434: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:24:36.79 ID:jfCtlAW60
一方「…………」
海原「……羨ましくなったんでしょうね、御坂さんは」
一方「けっ、アホかアイツ」
海原「言い方というものがあるでしょう」
一方「夫婦茶碗を一目見たくらいで『割り込む余地がない』なンつー風に思考が飛躍しちまう
ようなヤツはなァ、いくら能力強度が高くてもアホの子以外の何者でもねェンだよ」
海原「……それで? 貴方はどうなさるおつもりで?」
一方「…………」
一方(おい、超電磁砲)
美琴(あ……一方通行! わ、私、どうしたらいいのか)
一方(腹ン中洗いざらいぶちまけろ)
美琴(え?)
一方(泣きごとお漏らししてンじゃねェよ、オシメの取れてねェガキでもあるめェし)
美琴(い、いやその、よく言ってる意味が)
一方(後はてめえで考えろ)プツッ
435: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:25:12.78 ID:jfCtlAW60
美琴『あ……』
上条『話す気に、なってくれたか?』
禁書『みことが嫌なら、これ以上無理強いはしないけど』
美琴『…………………………二人は、さ』
上条『うん?』
禁書『なになに?』
美琴『私のこと…………………………ジャマ、じゃないの?』
上条『…………』
禁書『…………』
一方「やれやれだぜ」
海原「手のかかる妹を持つと、気の休まる暇がないものでしょう?」ニコ
一方「さも当然のように同意を求めてくンなコラ」
436: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:25:45.71 ID:jfCtlAW60
美琴(……言っちゃった。言っちゃった……!)リョウテデメカクシ
上条『………………』
禁書『………………』
美琴(もうこの家に来るのも最後かなぁ。せっかく素直になって、仲良くなれたのに……)
上条『……………………』
禁書『……………………』
美琴(二人とも、今どんな顔してるんだろ)オソルオソルウスメ
上条『゚Д゚』ハァ?
禁書『゚Д゚』ハァ?
美琴『!?』ビクッ!!!
437: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:26:40.27 ID:jfCtlAW60
上条『お前、バカ?』
美琴『ばばば、バカってなによ!』ムキー!
禁書『みことがどうしてそんな発想に至ったのか、さっぱり理解不能なんだよ』
美琴『だって……お箸とか、コップとか……』
禁書『んんー? みことの言ってることはよくわかんないなぁ』ハテ
美琴『な、なんでもない。やっぱりなんでもないわ』
美琴(ウソついてる顔じゃない。私、嫌われてるわけじゃないんだ……!)
美琴『……えへへ』
禁書『??』
上条『??? ま、泣き止んだならいいけどさ』
禁書『そーやっておざなりで済ませとくと、後で苦労するのはとうまかも』
438: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:27:58.79 ID:jfCtlAW60
上条『そんなことより箸とコップで思い出した。御坂、これ見てくれ』
美琴『スーパーのビニール袋?』
禁書『むぅっ、とうま!! それはもしかして「俺と一緒に夕飯の買い出ししてくれ」的な
お買いものデート(新婚夫婦風甘酸味)へのお誘いなのかな!』ガルルル
上条『遠回しにもほどがあるわ! そんな奇妙な以心伝心、伝わっちゃう方が嫌だろ!』
美琴『し、ししししししんこ、新婚こんしんこんこんしんこん』シュボー
上条『そして御坂さんはどこの花園行っちゃってんですか!? くそ、かくなる上は』
ガサゴソ バッ!
上条『ほら、御坂! お前の大好きなゲコ太だぞー!』
美琴『ゲコ太!?』クワッ
禁書『カムバック早っ!』
439: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:29:05.84 ID:jfCtlAW60
美琴『ゲコ太、ゲコ太どこー!?』キョロキョロ
上条『はいはい落ち着いてみことたーん。ゲコ太は逃げも隠れもしませんことよ』
美琴(名前で呼ばれた。たんって呼ばれた)エヘヘ
上条『ほら、これだ』
美琴『えへ、んふふふ…………あ』
ゴト ゴト ゴト
美琴『お茶碗に、コップに、お箸? しかも、全部』
禁書『カエルのマークが入ってるね。こっちにはスプーンとフォークもあるんだよ、みこと』
美琴『えっと、これ、もしかして、っていうか、もしかしなくても……プレゼント?』
上条『……まあその、なんだ。時々飯作ってもらってる、お礼みたいなもんだよ』
美琴『…………』ジワッ
440: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:32:00.79 ID:jfCtlAW60
禁書『あーっ! また泣かせた! またとうまがみことを泣かせたんだよ!!』
上条『こ、今度は嬉し泣きなんだから別にいいだろ!』
禁書『乙女の涙を誘っておきながらとんだ言い草かも! それがたとえ嬉し泣きだったとしても、
女の子が目の前で泣いてたら優しく声をかけてあげるのが英国紳士ってものなんだよ!』
上条『残念でしたー! 俺は純正のジャパニーズだから関係ありませーん!』
禁書『はいはいそーですねー「アイアムジャパニーズ」以外に英語圏の人と
コミュニケーションをとる手段を知らないとうまだもんね、仕方ないかも』ハン
上条『はぁ? お前年がら年中地球一周引き回しの刑に処されてるも同然の上条さんの
ボディランゲージ能力舐めてんのか?』
禁書『結局ボディ以外の言語能力は向上してないってことかも』
上条『拳で語れば分かり合えるからいいんだよ』
禁書『ナッコォランゲージ!? 真の意味で肉体言語だこれ!』
……クスッ
上条『ん?』
禁書『あ』
441: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:33:15.24 ID:jfCtlAW60
美琴『んもう、また仲良く喧嘩してる。そのへんで止めときなさいよ』クスクス
上条『うっ(やべ、かわいい)』
禁書『ふっふふーん。今の見たかなとうま!』
上条『な、なにをだよ』
禁書『私の小粋なブリティッシュジョークがみことの笑顔を呼んだんだよ』フフン
上条『謝れ、イギリス在住イギリス人に謝れ! ステイルとシェリーに謝れ!』
禁書『負け惜しみは聞こえんなぁ。ね、そうだよねみこと』
上条『んなわけあるか』
美琴『うん、確かに当麻の言う通りね』フフ
禁書『えー』ショボーン
上条『ほれ見ろ、だいたいあんなんジャパニーズマンザイ以外の何物でも』
美琴『当麻の驚異的な学習能力のなさについ、失笑が、ふふ、ぷぷ』クスクス
上条『あれ!?』
禁書『よかったねとうま、みことを笑わせたのはとうまのお手柄かも』ポンポン
上条『“笑わせた”っていうか“笑われてる”よねこれ!?』
442: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:34:13.88 ID:jfCtlAW60
美琴『えーっと。それじゃあこの食器セット、貰って帰っていいのよね?』
上条『ん。ま、それはもうお前のもんだから、どうしようとお前の勝手だ』
禁書『あれ、なんか含みのある言い方』
上条『それで、こっから先は俺の個人的なお願いなんだけどさ』
美琴『お、お願い……当麻が、私に?』
上条『そ。俺が、お前に』
美琴『そ、そっか………………えっと、優しくしてね』マッカ
禁書『ほう』
上条『!?』
禁書『とうま? ちょっと向こうでお話ししようか』
上条(あ、ダメだ。パターン入ったわこれ)
443: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:35:38.67 ID:jfCtlAW60
イインダヨ、トウマガミコトヲキズモノニスルッテイウノナラ
美琴(ど、どうしよどうしよどうしよ! 急にそんなこと言われても心の準備が)
マズハソノフザケタズガイヲカミクダク!!
美琴(きょ、今日は先月から数えてひのふのみの……うん、大丈夫な日だ)
ンギャァァァァァアアアアッァァアアアア!!!!
美琴(あ、でもインデックスはどうするんだろ)
ヒィッ、アァンソコダメ、グハゲホ、ガァァァッ!!
美琴(ハッ! ももももしかして、3[ピーーー]!?)
上条『自重しろ中学生!! 伏せ字が仕事してねーぞおい!』
禁書『モノローグにツッコむなんて器用かつ余裕綽々だねとうまー? どれもう一口』
上条『勘弁してもう勘弁して脳みそまで咀嚼されたらさすがにもうダメぽ』
444: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:36:53.41 ID:jfCtlAW60
美琴『あ、でもよく考えたら』
禁書『ふぇ? ほーひはのひほほ?』ガジガジ
上条『』ドクドクドク
美琴『いやね、私も寮暮らしだから。せっかく貰っても使いどころがないなぁ、って』シュン
禁書『そういえばそうだね。まったく、とうまは考えなしなんだから』
上条『……だ、だと思って代案を用意してたのに、お前らが話を遮ったんだろ……』ドクドク
美琴『代?』
禁書『案?』
上条『仲良いなお前ら……あのさ、御坂。その食器セット、もし御坂が良かったら』
美琴『よかったら?』
上条『ウチの食器棚に並べてもさ、いいか?』
美琴『……………………………………へ?』
445: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:38:19.95 ID:jfCtlAW60
上条『ダメか?』
美琴『……あの、なにが?』ボー
上条『だから、お前がウチに来て、俺とインデックスの飯作ってくれる時にでもさ』
美琴『…………へ、あ、う』ポー
上条『お前もその茶碗やらなんやら使って一緒にテーブル囲もうぜ、ってことだよ』
美琴『………………』ポカン
禁書『ふふ。とうまにしては気の利いた判断かも』
上条『家族同然、って言葉を口先だけにはしたくなかったからな』
禁書『苦しゅうない苦しゅうない、褒めて遣わす!』
上条『うるせいやい。で、どうだ御坂? “上条家で使う”食器として、
このゲコ太グッズ一式はお気に召しましたでしょうか?』
446: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:40:02.09 ID:jfCtlAW60
美琴『………………大好き』
禁書『む』イラッ
上条『お、気に入ってくれたか。これからもつまんないこと気にしてないで、
いつでも好きな時に遊びに来てくれていいんだぜ?』
美琴『ううん。そうじゃないの』
上条『ん?』
美琴『と、当麻のことが、大好き』
上条『~~~~っっ!?』ブブフゥーッ!!
禁書『~~~~っっ!!』ギリギリ
美琴『すごく、すっごく嬉しい。あ、ダメだ。顔ニヤケちゃうよぉ……』ニヘラ
上条『落ち着け俺おちけつ俺相手は中学生御坂は十四歳アイツはステイルと同い年の
みことたんじゅうよんさいだから気を鎮めろーーー!!』
禁書『とぉぉぉおぉぉぉまぁぁぁ!!! その頭蓋、神に返すんだよぉぉ!!!』
447: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/20(金) 22:41:49.63 ID:jfCtlAW60
ガブリッ!!
一方「なンかよォ」
海原「はい」
一方「今日一日で三下を見る目が変わったわ俺」
海原「確かに常から凶悪な目つきがいっそう劣悪に尖ってますね」
一方「黙っとけ。俺ァ今不機嫌なンだよ」
海原「よっ悪人面」
一方「……たとえ中南米の高原地帯あたりから紛れこンできた羽虫の一匹相手だろうが、
情けをかけてやる気分じゃねえっつってンだよ」
海原「ヒーローをヒーロー(笑)に評価替えするには時期尚早かと。決算整理はまだ先ですよ」
一方「その話題をほじくり返すンじゃねェェェェェ!!!!」
463: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:10:51.53 ID:uo6l/beM0
【上条家 リビング】
上条『』ゼーハー
禁書『』ゼーハー
美琴『二人とも、なんかずいぶん派手にじゃれあってたけどどうしたの?』キョトン
上条『き、気にすんな』ンゼー
禁書『男子高校生の劣情を鎮めるためには必要不可欠な儀式だったんだよ』ゼハッゲホゲホ
美琴『?』
禁書『これもみことのためなの、だからなにも聞かずにいてくれると嬉しいんだよ』
美琴『はぁ』
【とあるファミレス】
一方「中坊相手に劣情とかマジねェわー」
海原「…………………………ああ、それで先ほどから不機嫌だったんですか」
一方「その物言いたげな三点リーダはなンだオマエ」
海原「いやぁ、ツッコミ待ちかと思いまして」
一方「死ね」
464: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:11:22.38 ID:uo6l/beM0
禁書『はぁーあ。大騒ぎしたら喉がかわいたんだよー』チラッ
上条『露骨に茶を要求してくる……イヤらしい』
美琴『あ、はいはい! 私、さっきのコップ使いたい!』ノシ
上条(かわいいな)ホノ
禁書(かわいいね)ボノ
【上条家 キッチン】
美琴『はやく、はやく!』ウキウキ
禁書『はやくwwはやくwwはやくwwww』
上条『後者の激しくイラっとくる感じときたらもうね』
禁書『オレンジジュースの買い置きがあったはずなんだよ』
美琴『ジュースと言えばさ、いつもの公園の自販機思い出すわね』
上条『自販機……あぁ、そうだな』
上条(『俺』が初めて御坂と会ったのも、そこだしな)
465: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:12:20.65 ID:uo6l/beM0
禁書『じはんき?』
美琴『自動販売機のことよ』
禁書『……ああ! いくらでも食べ物飲み物が出てくる夢のマシーンかも!』
上条『大半は飲み物だけどな……そういや、御坂』
美琴『なに?』
上条『ほら、あの自販機に回し蹴り叩きこむヤツ。「ばーさん直伝自販機復活法」だっけ』
美琴『「常盤台中学内伝おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法 」よ』スラスラ
禁書『おー。Japanese tongue twisterってヤツかな』パチパチ
上条『なんで一言一句まで完璧に覚えてんだよっ!』
美琴『なぜなら私は、学園都市最高峰の頭脳の持ち主だから』フンス
上条『人生の糧にまるでなりそうにないトリビアをどうして覚えてるのかって意味だよ』
禁書『なぜなら人は、知ることを欲する生き物だから』ドヤッ
上条『俺は欲してねえ!』
466: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:13:03.81 ID:uo6l/beM0
禁書『それでとうま。その「常盤台中学内伝おばーちゃん式ナナメ四五度からの
打撃による故障機械再生法 」がどうかしたの?』
上条『新手のイジメと取っていいんだなそれは? 今日のお前の晩飯もやし炒めな』
禁書『助けてみこと、とうまが私を虐待するんだよー!』ダキッ
美琴『ひゃん!?』カァ
上条『やれやれ……御坂、まさかいまだに自販機さんを足蹴にしたりしてないよな』
美琴『うっ』ギクリ
上条『やってるんかい……』
美琴『……ごめんなさい』
上条『あのなぁ、上条さんはお前のためを思って言ってるんだぞ』
禁書『!』ハッ
上条『いいか、お前のやってるそれはれっきとした犯罪であってだな……』
467: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:13:37.50 ID:uo6l/beM0
美琴『ごめ、んなさ、い』シュン
上条『ぐ』
上条(あんまりくどくどお説教するのもアレか……? 最近の御坂は妙に素直だし、
こんぐらい言や普通に反省してくれるだろ……)
上条『ま、まあ、わかったならいいんだ』
美琴(ほっ)
禁書『いーや、とうまは手ぬるいんだよ』
上条『え?』
美琴『へ?』
禁書『みこと。ちょっとそこに正座しなさい』
美琴『い、インデックス?』オソルオソル
禁書『いいから座る』キッ
美琴『は、はい!』セイザ
上条(ここ、キッチンなんだけどな)
468: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:14:22.69 ID:uo6l/beM0
禁書『いま言ったことは全部本当なの?』
美琴『そうだけど、それがなにか……』
禁書『なにか、じゃありません!』グイッ
美琴『敬語!?』
禁書『我らの父はこうおっしゃいました。「食べ物は粗末にしちゃダメなんだよ」』
上条(えらくフランクな救世主だな)
美琴『そもそも、粗末にしてるわけじゃないんだけど』
禁書『口応えしないの』メッ
美琴『ご、ごめんなさい』セスジノバシ
上条(インデックス、お前まさか……!)
海原「どうご覧になりますか、解説の一方通行さん」
一方「持ち味を生かして“稼ぎ”にきてますねェ。諸刃の剣ではありますが、結果が見物ですよォ」
469: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:15:14.82 ID:uo6l/beM0
禁書『みことはお嬢様なんだから、お金はいっぱい持ってるんでしょ?』
美琴『まあ、一応、標準的な中学生よりは恵まれてる、と思うけど……』ゴニョゴニョ
上条(標準的な高校生と比較しても明らかに恵まれてます本当にありがとうございました)
禁書『それなのにどうしてこんな泥棒みたいなことするのかな?』
美琴『その、いつも買い物はカードで済ませてるから、小銭をあんまり持ち歩かなくて』ボソボソ
禁書『メンドくさくて、つい「じはんき」を蹴って済ませちゃうと』
美琴『…………』
禁書『私の目を見なさい、みこと』ジッ
美琴『う、はい(真顔で見つめられると恥ずかしい……!)』カァー
470: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:16:06.18 ID:uo6l/beM0
海原「ちなみに自分は、見られれば見られるほど興奮します」
一方「聞いてねェ」
海原「蔑まれるともっと興奮します」
一方(今後は放置の方向でいくか……)
海原「放置プレイもイケる口です」
一方「これはもう死ぬしかないンじゃないかなオマエ」
禁書『みこと。アナタには、飲食物を提供してくれる方々への敬意が足りていません』
上条『お前が言うな』
一方「オマエが言うな」
海原「おーっとここでシンクロツッコミが入りました」
471: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:17:41.34 ID:uo6l/beM0
_, ,_ パーン
( ‘д‘)>>ちょっとうるさいんだよとうま
⊂彡☆))Д´)
上条『理不尽だ……』シクシク
一方(理不尽だな)
海原(理不尽ですね)
美琴(あれ……飲食物提供者への敬意は?)
禁書『やれやれなんだよ。みことには、お父さんとお母さん以外に尊敬してる人っている?』
美琴『……二人、いるけど』
禁書『その二人が、みことが敬意を払ってる相手ってことだね。ちなみに誰のことなのかな?』
美琴『イン…………あ、ううん。えっと、中学校の先輩』
禁書『あれ、もう一人は?』キョトン
美琴『べ、別に誰でもいいでしょ!』アタフタ
472: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:18:29.90 ID:uo6l/beM0
禁書『ま、いっか。ところでみことは、来年三年生になるんだよね』
美琴『そうだけど……あの、結局何が言いたいの?』
禁書『その先輩みたいな最上級生になりたいって、そう思ってるんじゃないの?』
美琴『!!』
禁書『立場が変わったら、それに応じて立ち居振る舞いだって変えなきゃいけないよね。
それがみことにできない事だとは思わないけど、そうやって生まれたストレスとか
プレッシャーとかを物にぶつけてて、本当にいいと思う?』
美琴『私、ストレスがどうのこうの、なんて一言も』
禁書『違うなら違う、ってはっきり言ってもいいよ』
美琴『…………』
禁書『合ってるなら合ってる、って言ってくれるともっと嬉しいかも』ニコ
美琴『……うん』コクリ
上条(あれ? もしかしてインデックスって本当にシスターだったのか?)
473: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:19:30.21 ID:uo6l/beM0
禁書『大体、年頃の娘さんがスカートの中身をむやみやたらにお披露目するんじゃありません!
みことはすっごく可愛いんだから、そのへんを自覚しないとダメなんだよ!』プンスカ
美琴『わ、私なんてインデックスに較べたら大したことないわよ』
禁書『こら、適当なお世辞言って話を逸らさないの』メッ
美琴(……お世辞じゃないのに)ムッ
禁書『いくら短パンでガードしてるからって惜しげもなく生足晒しちゃったら、
そこら中の男の人がみんな飢えたオオカミさんになっちゃうかも』
上条『俺を見ながら言うな!』
美琴『?』
禁書『私の言いたいこと、わかってくれたかな?』
美琴『(最後だけよくわかんなかったけど)わかった』
禁書『じゃあ、これからどうするのか言ってみなさい』
474: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:20:33.34 ID:uo6l/beM0
美琴『もう自販機さんに向かって「常盤台中学内伝おばーちゃん式ナナメ
四五度からの打撃による故障機械再生法 」なんて絶対叩きこまないよ』
禁書『よくできましたー!』パチパチ
美琴『も、もう。インデックスったら大げさなんだから』テレテレ
上条(微妙に釈然としないものが残るのはなぜだ……)
禁書『ふう……ごめんね、みこと』
美琴『へ? 今度は急に、なによ』
禁書『せっかく遊びに来てくれたのに、こんなお説教聞かせちゃって』
美琴『…………』
禁書『みことはいい子だから我慢して最後まで聞いてくれたけど、本当は嫌だったよね』
美琴『………………ゃない』
禁書『え?』
475: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:21:41.05 ID:uo6l/beM0
美琴『ぜ、全然! ちっとも、イヤなんかじゃなかった!』
禁書『みこと……』
美琴『インデックスは心の底から私のことを想ってお説教してくれてる、ってわかるもん!
だからこれっぽっちも、イヤな気分になんてならなかった!』
禁書『……やっぱりみことはいい子だね』ニッコリ
美琴『ふぇ!?』カァ
禁書『おいで、みこと? だっこしたげる』テマネキ
美琴『ちょ、い、いいわよそんなの』
禁書『ほらほら遠慮せずにぃ』ギュッ
美琴『あ……』
禁書『イイコイイコー』ナデナデ
美琴『んー……』ウットリ
上条『…………』ムスッ
476: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:22:52.14 ID:uo6l/beM0
禁書『…………』チラッ
上条『!』
禁書『…………』
ニヤリ
上条『~~~~っ!!! お、おい、御坂!!』
美琴『ふにゃー…………んー? どうかした当麻ー?』ゴロゴロ
上条『こ、こここここ、こっ』
禁書『コンスタンディヌーポリ全地総主教庁がどうかした?』
上条『処理しづらいボケを挟むな! ……あのな、御坂、その、今度』
美琴『今度?』
上条『……今度の土日、どっか遊びに行かないか!?』
美琴『んにゃあ!?』ビクッ
禁書『…………』
477: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:24:02.99 ID:uo6l/beM0
美琴『そ、そ、それって、い、いわ、いわゆる、一つの………………デート?』カァ
上条『あ、いやいや! 別にそういうアレってわけじゃあ』ブンブン
美琴『そっか』シュン
禁書『…………』ギロッ
上条『デート! 無論デートですこれは! お前の行きたい所に行こう!』ヤケクソ
美琴『で、でーと、当麻とでぇと……』ポー
禁書『ちっ』
上条『どないせーっちゅーねん!!』
美琴『どうかしたの、当麻?』
上条『ああいや、その……』チラッ
禁書『ふーんだ、好きにすれば』イライラ
478: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:25:33.44 ID:uo6l/beM0
美琴『あ……ご、ごめん! インデックスも、一緒に行きましょ?』
上条『御坂さぁぁぁん!?』
禁書『ほんと!? ほんとにいいの、みこと!?』
美琴『もちろんよ』ニコニコ
上条『おいおいおいおい、ちょっと待』
禁書『やっほーい、みこととデートだー!』ガバッ
美琴『ちょ、またぁ!?』ダキッ
上条『く……!』ハギシリ
禁書『…………』ニヤニヤ ←美琴の肩越しに勝ち誇った顔
上条『っ、くっそおおおお!!!』ダンダンダン! ←壁パン音
美琴『?』
479: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:27:33.91 ID:uo6l/beM0
一方「…………」
海原「…………」
一方「もう確定だろこりゃ」
海原「の、ようですね。では動きますか?」
一方「あァ。おい第三位、返事はしなくていいから聞け」
美琴(一方通行?)
一方「適当な理由付けて部屋の外出ろ。で、ドア越しに中の様子をこっそり窺え」
美琴(それハタから見たらただの変質者なんだけど……)ボソボソ
一方「確かに、それもそォだな……」
海原「そんな貴方に朗報。隣室を土御門さんの計らいにより確保済みです」ヒソヒソ
一方「パーフェクトだ、海原」グッ
海原「感謝の極み」ペコリ
480: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:29:22.63 ID:uo6l/beM0
上条『………………』ゴゴゴゴゴゴゴ
禁書『………………』ドドドドドドド
美琴『二人とも、ちょっとゴメン』
上条『どうした御坂?』ニコ
禁書『いっそのことデートは私と二人きりがいい、っていう提案なら大歓迎なんだよ』ニコ
上条『なに勝手なこと言ってくれちゃってんですかインデックスさん!?』
美琴『唐突にドクターペッパーが飲みたくなったからちょっとコンビニ行って買ってくるわね』
上条『確かに唐突だ!』
禁書『いってらっしゃーい』ノシ
美琴『いってきまーす』ノシ
上条『まだツッコミきってねーんだけど!』
スタスタスタ バタン
481: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:30:23.96 ID:uo6l/beM0
一方「さてどォなる」
海原「wktk」
禁書『…………』
上条『…………』
海原「さあ、まずは両者睨み合い」
一方「アドバンテージをとられてる三下サイドとしては、積極的に攻めていきたいところですよォ」
上条『……もう、限界なんじゃねえかな、俺たち』
一方「これを聞いて第三位が目ェ覚ませばいいンだがな」
海原「盗聴プレイに目覚める御坂さん……アリですね」
一方「ねェよ」
禁書『……そうだね。今日のことでハッキリしたかも』
482: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:32:28.37 ID:uo6l/beM0
是非もないことだ、と傍観者一方通行はそう思う。
土台、この形はあまりにも歪すぎたのだ。
ハナからどこかに無理があったのだ。
『いつかはこんな日が来ると思ってたよ、インデックス』
男が一人、女が二人。
ヒトという種が愛を悟った瞬間からこの世に在った二等辺三角形。
三辺の総和は不変であり、どれか二点が接近すれば、残りの一点は必ず弾き出される。
『私たちが先送りにし続けてきた問題に、今日こそ終止符を打たなくちゃ、だね。とうま』
弾かれた者を、世界は敗者とそう呼ぶ。
『俺の気持ちを』
『私の気持ちを』
そしてついに今日、誰が敗者になるのか――――断が下される。
『『いまこそ、正直に伝えるよ』』
483: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:34:32.12 ID:uo6l/beM0
『御坂に告白されたのは俺なんだから俺が御坂の彼氏だ! 彼女は彼氏のもんだろーが!! それをなんだお前、必須栄養素がどうのやら支離滅裂なお説教やらで理由をつけてはベタベタイチャイチャしやがって!! 羨ましいわ!!!』
『はーん! 告白にちゃんとした返事もしてないくせに彼氏とかお笑いなんだよ! みことの好感度はむしろ私よりに傾いてるかも!! ミサーカミコートイズマイラブリーシスター! シーイズマイスゥゥゥル!!』
一方「…………」
海原「…………」
484: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:36:38.31 ID:uo6l/beM0
禁書『だいたいとうまはねぇ、物で気を引こうって考え方からして浅ましいんだよ!』
上条『気の利いた判断だったってお前も認めただろ!?』
禁書『みことの手前お世辞を言っただけかも』
上条『やだもうこのシスターさん性格悪い!』
禁書『その点私はみことの心に訴えたんだよ! 人は、“心”だろうが!』ドーン!
上条『論理展開に無理がありすぎだろあの説教! 三回ぐらいツッコミたくなったわ!』
禁書『とうまにだけは言われたくないんだよ!』
上条『どういう意味だコラ! 上条さんのアイデンティティにヒビを入れるような真似は
止してくださいませんか!?』
禁書『自称彼氏のくせに二週間ものあいだ照れてメールの一つも送れなかったとうまの
アイデンティティとかwwさぞかしご立派なものなんでしょうねwwww』
上条『だーっ!! うっせーーっっ!!!』
禁書『効いてる効いてるww顔真っ赤ですよ上条さんwww』
485: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:38:34.30 ID:uo6l/beM0
美琴『て、照れてた?』
禁書『そうそう、聞いてよみこと! とうまってば女の子に告白されるのなんて初めてだったから、
どう答えていいかわかんなくてあんな曖昧な返事したんだよ!』
上条『よ、止せよお前、御坂の前で!』
美琴『そうだったんだ……』
禁書『みことみたいな可愛い女の子に好かれてるって知ってテンパっちゃったんだねこの童貞さんは』
上条『止めろっつってんだろ御坂はああ見えて純情なんだから下ネタ……は…………え?』
禁書『どうかしたの、とう…………ま…………あれ?』
美琴『………………』モジモジ
上条『!?』
禁書『!?』
486: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/01/28(土) 22:40:08.44 ID:uo6l/beM0
上条『み、御坂ぁぁああっぁあぁっ!!!???』ガタガタッ
禁書『いいいい、いつからいたのぉぉぉぉ!?!?!?』ドンガラガッシャーン
美琴『「……もう、限界なんじゃねえかな、俺たち」のあたりから』
上条『それオープニング!』ガビーン!
禁書『ぜ、全部聞いてたの、みこと?』オソルオソル
美琴『…………』コクリ
/\___/ヽ ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
. | ::< .::|あぁ
\ /( [三] )ヽ ::/ああ
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ
海原「さあ面白くなってまいりました」
一方「オマエに同意すンのは癪だが、確かに面白ェ」
504: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:38:12.61 ID:95jknnaq0
【とあるファミレス】
海原「三角関係は三角関係でも、“御坂さんの”取り合いだった、ということですね」
一方「ほんっと、マジでアホくせェ……」
海原「しかし禁書目録にそのケがあったとは初耳です」
一方「そのケ、ねェ」
海原「あ、無論自分には産毛の一本たりとも生えていませんのでご安心を」
一方「知ってるわンなこと」
海原「その点ショチトルは年齢と発育の割に薄くて……本人かなり気にしているんですよね」
一方「何の話してたンですっけ俺らァ!?」
海原「自分は全く気にしていない、むしろそのままのショチトルでいいんだと伝えてあげました」
一方「いい話に聞こえるけどよォく考えると最低の発言だなこのロリコン野郎が」
海原「ショチトルが悦……喜んでくれたからそれでいいんです」
一方「何でオマエみたいなのがリア充なの? 馬鹿なの? 爆発しないの?」
505: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:39:06.09 ID:95jknnaq0
【上条家】
上条『…………』タラー
禁書『…………』ダラダラ
美琴『……えっと、まずはインデックスに聞いておきたいんだけど』
禁書『ひゃん! ななな、なんでございませう!?』
美琴(当麻の口調移ってる)
上条(ふぅ……ひとまず助かった)
美琴『インデックスって、もしかして黒子(ソッチ)系の人なの?』ドンビキ
禁書『!? ちょちょちょ、そこは誤解しないでほしいかも!』アタフタ
美琴『あ、そうなんだ……』ホッ
禁書『私は至ってノーマルなんだよ! ただ、可愛いものに惹かれちゃうのは
性愛とかとはまた別の人間の性(さが)だからしょうがないの!』
美琴『か、かわ……』カァァァ
禁書『みことがゲコ太ラブなのと、愛の構造的には一緒ってことかも』
506: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:40:02.33 ID:95jknnaq0
美琴『じゃ、じゃあ……』
禁書『ん?』
美琴『インデックスにとって私って、一方的に愛でるだけの、ぬいぐるみみたいな
ものでしかないの……?』グス
禁書『んぁぁっ!? ななな、泣かないでみことぉ!!』ワタワタ
上条『……おいインデックス。テメエ、なに御坂を泣かせてんだよ』ユラリ
禁書『ああもう、こっちはこっちでヘタレのくせにこんな時だけ男気見せるし!』
上条『一言多いわ!』
禁書『そんなことは絶対ないからね、みこと。だからもう泣かないで?』
美琴『…………』グスッエグッ
上条『ステンバーイ……ステンバーイ……』ゴゴゴゴゴゴ
禁書『お願い泣きやんでさもないと私記念すべき人生初そげぶされちゃうぅぅ!!』
海原「男女平等社会の縮図ですねぇ」
一方「※ただし超電磁砲は除く」
507: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:40:47.31 ID:95jknnaq0
美琴『ひっく……じゃあ、インデックスにとっての私って、本当はなんなの?』
禁書『そうだね、なんて言ったらいいかな……』ウーン
美琴『…………』ドキドキ
禁書『みことは私にとって、目に入れても痛くない大事な妹、なんだよ』ニッコリ
美琴『いもうと……?』ポカン
上条『そりゃ逆だろ普通、年齢的に考えて』
禁書『ふふーん。少なくとも学園都市に登録されてる「あいでぃー」の上では、
実は私はとうまと同い年なんだよ』
美琴『え! そ、そうなの!? 私より年上!?』
禁書『そのとーり! 私はみことより二つ上のおねーさんなんだよ!』フンス
美琴『そ、そうだったんだ……ビックリした』
上条(俺もビックリした……)
508: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:41:33.52 ID:95jknnaq0
禁書『わかった? 納得してくれたかな、みこと?』
美琴『うん、わかった』コク
禁書『よーし、いい子いい子ー』
美琴『もうそれはいいってば!』
禁書『うりうりー。ええか? ここがええのんか?』ナデナデ
美琴『ふにゃー』ゴロゴロ
上条『堕ちんの早っ!』
禁書『…………ほんとに可愛いなぁ、みことは』ホンワカ
上条(…………まあ、あーだこーだ言ったけど、やっぱ御坂とインデックスが
仲良く笑ってるのが一番だよな)ホンワカ
禁書『それじゃあ早速私のことをおねーちゃん、って呼んでみよっか』ニヤリ
上条『ちょぉぉぉっと待てぇぇぇいい!!!』
509: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:42:24.30 ID:95jknnaq0
美琴『ふにゃーん?』キョトン
禁書『ちょっととうま、これから私たちは姉妹(スール)の契りを結ぶところなんだから
邪魔しないでほしいかも』
上条『やっぱりテメエそういう方向に持ってこうとしてんじゃねえか!! なんでだ!?』
禁書『質問の意味がわからない。(そういう方向に突き進んだら)いかんのか?』
上条『アカンわ! そんな非生産的な行為、マリアさまは許しても上条さんは許しませんよ!』
禁書『さぁさみこと、嫉妬に狂った見苦しい男はおいといてさっさとすませちゃお』
美琴『へ? へ? つまり、どういうこと?』
禁書『お姉ちゃんお姉さま姉や姉貴あねさま姉上elder sisterなんでもいいから呼んで欲しいんだよ!
Hurry,huryy,huryy,huryy!!』
上条『待て待て待て落ち着け落ち着け落ち着けこれは孔明の罠だぞ御坂』
美琴『………………え、えっと』スーハースーハー
美琴『お、おねーちゃん、大好き』
上条『余計なオマケくっついた!?』
禁書『…………………………………………………………………………』
510: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:43:35.45 ID:95jknnaq0
ズビシッ
禁書『来た、見た、勝ったッ!! 「とある魔術の禁書目録」完ッ!!』
上条『まだ新約始まったばっかなんですけど。回収してない伏線が山ほどあるんですけど』
禁書『そのへんはとうまの方でなんとかしておいてほしいんだよ』
上条『仕事しろヒロイン』
禁書『私は削られた出番の裏側でみことを愛でる系の仕事があるから』
上条『自虐ネタを止めろ』
美琴『め、愛で……?』フニャー
禁書『ねぇこの子ロンドンに連れて帰っていい? いやわりとマジで』
上条『ふざけるなよ……魔道図書館が超電磁砲を拉致とか……戦争だろうが……っ!』クワッ
美琴(洒落になってない……)
511: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:44:05.70 ID:95jknnaq0
一方「マジで洒落になってねェぞおい」
海原「肝心の統括理事長が“あの”状態ですし、大丈夫じゃないですかねぇ」
一方「あー……」ソレモソウダ
【窓のないビル】
☆「上→琴←イン……そういうのもあるのか!」←滞空回線視聴中
土「結標ー俺もう帰りたいんだけどー」
結標「何のために呼ばれたのアンタ?」
土「俺が知るか」
☆「いいから君たちも見ていけ、統括理事長命令だ」ニヤニヤ
結標「今クーデター起こせば成功しそうな気がするわ、私」
土「奇遇だな、俺もだ」
512: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:45:25.07 ID:95jknnaq0
上条『ちっくしょお……御坂、そんなにインデックスがよかったのか?』サメザメ
美琴『……私って、大切な妹がいっぱいいるんだけどさ』
禁書『くーるびゅーてぃーのことだね』
上条『御坂妹たちが、どうかしたのか……?』
美琴『それはさ、贅沢を言ったら罰が当たるぐらい幸せなことだって、わかってはいるんだけど』
禁書『みこと?』
上条『御坂?』
美琴『だからね、その、えっと……』
上条『?』
禁書『?』
美琴『お兄ちゃんとかお姉ちゃんに甘やかされるのって、ずっとずっと、夢だったの』ニヘラ
上条『んがぁっ!!!』バギューン
禁書『がふぅっ!!!』ズギューン
513: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:46:50.62 ID:95jknnaq0
美琴『おねーちゃん、おねーちゃん……えへへ、なんかすごく良い響き』ホワホワ
禁書『』ピクピク
上条『インデックスが痙攣し始めた……』
美琴『へ? お、おねーちゃん大丈夫?』
禁書『……はうぅ』ギラリ
上条『おい、コイツちょっと目がイッちゃってるぞ』
禁書『……み、みことの魔滅の声で私のムーンチャイルドが暴走寸前……』ハァハァ
上条『そげぶぅぅぅーーーっっっ!! 帰ってこいインデックスゥゥーーッッ!!!』ゴツン
海原「男女平等パンチ入りましたー」
一方「軽いゲンコツだったけどな。あンなンパンチのウチに入ンねェよ」
海原(なにを熱く語ってるんでしょうこの人は)
514: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:47:43.25 ID:95jknnaq0
禁書『みことーとうまにぶたれたー! おねーちゃんを慰めてほしいんだよー』ボウヨミ
上条『くっそうぜぇ! この腹黒シスター結構本気でうざいよ!!』
美琴『女の子殴るとかなに考えてんのよ』プンスカ ヨシヨシ
上条『またコロリと騙されてるしこの子はもう!』
禁書『…………ふふん』ニヤニヤ
上条『あまり俺を怒らせない方がいい』(#^ω^)ピキピキ
美琴『もう、どうしてそんなにギスギスしてるのよ当麻?』
上条『ここまで純心だと逆にタチが悪いよ! 頼むから察してくれ!!』
美琴『そう言われても私はおねーちゃんと姉妹のスキンシップを図ってるだけだし』
上条『お、俺とのことは遊びでしかなかったのか、御坂……?』
美琴『人聞き悪っ! ちょ、それとこれとはまた別の問題でしょ? ……っていうかさ』
515: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:48:07.71 ID:95jknnaq0
美琴『質問はもう一つあって、むしろこっちが本題なんだけど』
禁書『なになにどーしたの? おねーちゃんになんでも聞いてごらんなさい』エッヘン
上条『ない胸張ってんじゃね……すいませんなんでもないです』
美琴『私たちって、三角関係なんじゃないの?』
上条『…………?』ハテ
禁書『…………?』ハテ
美琴『なにその「なに言ってんのこの子」みたいな目!?』
禁書『いや、まぁ』
上条『今さらなに言ってんだ、って感じではあるけどな』
美琴『確かにとうまはみことの暫定彼氏で、私はそれに納得いってないってスタンスだけど』
上条『暫定!?』
516: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:49:19.47 ID:95jknnaq0
美琴『それは、その、インデックスも当麻のこと……』
禁書『うん、普通に大好きだよ? それがどうかした?』キョトン
上条『知らなかったのか御坂』
美琴『なんだろう、埋めがたい意識の差を感じる』
上条『そんなことより御坂! 俺とインデックスのどっちが好……どっちを選ぶんだ!?』
美琴『「そんなこと」て』
禁書『私はとうまごときヘタレにみことを任せる気なんてさらさらないかも』フン
上条『誰がヘタレだ! 撤回を要求するぞ!』
美琴『ヘタレとうま?』
上条『噛み砕くように復唱しなくていいから!』
禁書『今だって「どっちが好き」って聞けなくて慌てて言い直したくせに』ハン
上条『むむむ』
禁書『なにがむむむだ!』
518: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:50:03.69 ID:95jknnaq0
美琴『普通三角関係って、女二人で男を取り合うものなんじゃないの……?』アタマカカエ
上条『え? そうなのか?』キョトン
禁書『それはそれで、また別の問題だと思うんだよ』キョトン
美琴『ダメだこの人たちとは全然話が噛み合わない』
禁書『そんなことよりみこと! さっきのとうまの質問に答えてほしいかも!』
美琴『え、え?』
上条『御坂、確かに俺はこいつの言うとおりどうしようもない臆病者なのかもしれない。
でもお前に告白されたあの瞬間から、俺の中でお前が特別な存在になったんだ』キリッ
美琴(その時まではその他大勢の中の一人だったってことよねそれ)
禁書『私は正直言って、今のとうまにみことを任せるのは大反対なんだよ』
一方「同感だな」
海原「…………」
一方「そのキモサ増量当社比10割のニヤケ面をこっち向けンじゃねェ!!」
519: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:51:16.62 ID:95jknnaq0
禁書『みこと、みことならきっといいシスターさんになれるんだよ』
上条『おいお前まさか本気でロンドンに御坂を連れてく気じゃ』
禁書『だから神様に恥ずかしくないように、一緒にお風呂入って洗いっこして身体を清めよう?』ニッコリ
上条『勧誘と欲望の継ぎ目が粗すぎるわ!! 羨ま……けしからん!』
美琴(羨ましいって思ってくれるんだ)ニヘラ
禁書『なんかみことがニヤニヤしてるー! これもとうまの仕業かも!』
上条『どういう八つ当たりだ! だいたいお前、俺を差し置いて美琴美琴って
下の名前連呼しやがって! 羨ましいわ!』
禁書『それはとうまがチキン野郎なだけかも』
上条『よし表出ろ。口の利き方ってもんを矯正してやる』
禁書『第三五章第一〇節。望むところです』ゴゴゴゴゴゴ
上条『あれ!? なんか出ちゃいけないものが出た!?』ガビーン
美琴『ちょ、ちょっと二人とも、喧嘩は……』
520: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:52:11.98 ID:95jknnaq0
海原「収拾がつかなくなってきましたねぇ」
一方「……………………」
海原「おや、黙りこくってどうかしましたか」
一方「……おい、聞こえてるかオリジナル」
海原「?」
美琴『え? あ、うん、わかった』ゴニョゴニョ
禁書『みこと? さっきからなにボソボソ言ってるの?』
美琴『…………』ゴソゴソ
上条『なんだそりゃ、イヤホン?』
美琴『ちょっとこれ、二人で耳に付けて、だって』
上条『「だって」って誰がだよ……ま、いっか』ゴソゴソ
禁書『んん、っと。みこと、これd』ソウチャク
521: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:53:01.98 ID:95jknnaq0
『グダグダ言ってンじゃねェよこンの三下どもがァァァァァッァァァッッ!!!!!!!』
522: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/04(土) 21:54:22.20 ID:95jknnaq0
上条『ぎゃあああああっっ!!??』キーン
禁書『耳が、耳がぁぁぁっ!?!?』キーン
美琴『』ポカーン
一方「ふゥ」
海原「いや『ふゥ』じゃありませんよどうするんですかこの状況」
一方「オマエ何とかしとけ」
海原「そげな無茶な」
一方「仕方ねェ、結標の奴でも呼ぶか」ピポパ
海原「おや、いよいよご自身で出馬なさるのですか」
一方「他人事みたいに言ってねェでオマエも来い」
海原「……それはできれば遠慮したく」
一方「あることねェこと超電磁砲と義妹に吹き込むぞ」
海原「やれやれ、ご無体な方だ」ハァ
537: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:24:10.21 ID:nmKAnOb60
【上条家】
ヒュン
結標「はい、着いたわよ」
上琴イン「」
海原「毎度お馴染み結標タクシーさん、どうもありがとうございました」ペコリ
結標「次からは衣服だけ配達先に送り届けてほしいっていう意思表明と受けとっていいのねそれは」
海原「いやだ、自分をマッパに剥いて一体ナニをするつもりですか……!」カァ
結標「ああもう、あんたに口喧嘩挑んだ私が馬鹿だったわよ! 帰る!」
ヒュン
海原「怒らせてしまいましたかねぇ」
一方「ほっとけショタコンなンざ。それより……おい、上条にシスター」
538: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:24:54.88 ID:nmKAnOb60
上条「さ、さっきの声は一方通行だったのか……」キーン
禁書「なな、なんか心なしか目が据わってるんだよ、白い人」ビクビク
美琴「ちょちょちょ、なに直接乗り込んできてんのよアンタ!?」ワタワタ
一方「そいつらに一言申し上げたき儀があったンですゥ」
上条「申し上げたき」
禁書「ぎ?」
美琴「二人に変なこと言わないでよ、お願いだから」ブツブツ
海原(これは面白いことになってきましたね………………ハタから見てる分には)ニヤニヤ
一方「話はすべて(盗聴で)聞かせてもらった! 上条家は滅亡する!!」
海琴イン「「「な、なんだってー!?」」」ΩΩΩ
上条「お決まりのリアクションしとる場合か! こいつが言うとMMRより不吉なんだよ!!」
一方「つーか俺が滅亡させますゥ」
上条「なんだっ……うわぁぁマジでなんでぇぇぇええぇぇ!!??」ガビーン
539: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:25:39.72 ID:nmKAnOb60
一方「オマエら、ちょっと立て」
禁書「え」
上条「なんなんだよ、どうして不法侵入者にそんな指図されなくちゃ」ブツクサ
一方「 い い か ら 立 て よ 」
禁書「イエスサー!」キリッ
上条「アイサー!」ビシッ
美琴「あ、あいあいさー?」チョコン
一方「オマエは立たなくていいんだよ、あっち行ってろ」
美琴「はーい」スタスタ
禁書「行かないでみことぉ! 今まさに私たちの命の瀬戸際なんだよ!」ガクブル
美琴「大丈夫、後は任せて! 運に!」グッ
上条「上条さんが頼ってはいけないものランキング一位キター!! つまり死ねと!?」
540: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:26:10.92 ID:nmKAnOb60
美琴「一方通行、乱暴なことしちゃやだからね」
一方「オマエの指図は受けねェよ」ケッ
美琴「……ダメ?」ジー
一方「……指図を受けねェっつっただけだ。別に最初から手ェ出すつもりなンざねェ」プイ
美琴「そっかぁ」ホッ
一方「…………………………チッ」イライラ
上条「ニヤニヤ」
禁書「ニヤニヤ」
一方「なァんかいいベクトル操作日和だなァー! 自転高層ビル砲ぶっぱなしたくなってきたなァー!!」
スタスタ
海原「…………」
美琴「……ど、どうも」ギクシャク
海原「どうも」ペコリ
美琴「…………」
海原(困りましたねこれは。だから嫌だったんですよ、ここに来るの)ハァ
541: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:26:50.39 ID:nmKAnOb60
上条「……もしかしてあれ、偽海原か?」
一方「本物には会ったこたァねェが、きっとそうだろうな」
上条「あいつ、御坂のこと好きなんだよな」ボソ
禁書「むむっ」ギラリ
サンネンエックスグミー アクセラセンセー!
上条「!?」
禁書「どこからか謎の声とテロップが!?」
一方「きりーつ、きをつけー」
上条「え?」
一方「きりィィィツッ、きをつけェェ!!!!」
禁書「ひいっ!」ビシッ
542: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:27:27.32 ID:nmKAnOb60
一方「礼ィ」
禁書(テンションの落差デカっ!)ペコリ
上条(一体なんなんだこの茶b)ペコ
一方「図が高ェェェェェェ!!!!」バチコーン
上条「頭下げたのにぃぃぃぃ!? って、いて、いっててててて!」メリメリ
一方「俺の前では180度頭下げてはじめて『礼』になンだよ三下」ドガッゲシッ
禁書「それはただの屈伸運動かも」
上条「そもそもなんで俺だけ!? 助けて御坂さん、この人暴力振るってくるんです!!」メリメリ
543: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:28:25.46 ID:nmKAnOb60
美琴「……えっと、最近どうですか?」
海原「ぼちぼち、といったところでしょうか」
美琴「そうですか」シュン
海原「ああいえ、今のは単なる社交辞令ですよ。元気にやっています」
美琴「そうですか!」パァ
海原「……なにゆえ自分のことなど、そうまで気に懸けておられるのですか」
美琴「だって、あなたは、その、夏休みに」
海原「海原光貴は、単なる御坂美琴のストーカーです。……“元”ですが」
美琴「!」
海原「自分はこれでも、今の人生を楽しんでいるのです。貴女が気にすることなど何もありません」
美琴「…………本当に、そうですか?」
海原「本当に、そうですとも」ニッコリ
544: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:29:41.51 ID:nmKAnOb60
上条「」ゴゴゴゴゴゴメリメリ
禁書「」ドドドドドド
一方「嫉妬に狂ってる暇があったらこっち向け」
上条「いや、でもだなぁ!」ボロッ
禁書「みこと、マイスウィートセラフィムみことたんが!! ちゃっかり好感度稼いでるんだよ
あの魔術師! おのれ魔術師!」
一方「シャラァァァァァッァァァァップ!!!!」
上条「」ビクッ
禁書「」ビクビクッ
一方「はァ。オマエらあれか、オモチャ屋の前で駄々こねるガキか」
上条「な、なんだと!?」
禁書「それはさすがに聞き捨てならないんだよ! 私たちはみことのためを思えばこそ」
一方「……いや、前言撤回だ。ガキよりよほど始末におえねェよ、オマエらは」
545: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:30:30.08 ID:nmKAnOb60
一方「いィか、こういう例え話がある。あるところに一人のガキを挟んだ実の母親と育ての母親がいましたァ」
上条「はぁ?」
禁書「な、なんなのかな急に?」
一方「二人の母親は子供の腕をそれぞれ右と左から引っ張って親権を主張し合いまァす」
禁書「なにそれ、酷いんだよ!」
上条「子供を物みたいに扱いやがって……!」
一方「今のオマエらがまさにそうだったろうが」
上条「え?」
禁書「へ?」
一方「この話のオチはこうだ。決着のつかねェ引っ張り合いの最中、子供が『イタい』って声を上げた。
すると我が子の悲鳴を聞いた実の母親が、思わず手を離しちまう」
上条「…………」
一方「それで、だ。オマエらは、『手を離さなかった方の母親』になりてェのか?」
禁書「…………」
一方「それとも駄々こねた挙句、ガキの腕を引きちぎりてェのか? ……おい、第三位!」
546: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:31:30.52 ID:nmKAnOb60
美琴「なに?」
一方「オマエ、この二人のうちどっち選ぶか……いや、どっちが好きか、その口で今すぐ言えるか」
上条「!」
美琴「…………」
禁書「み、みこと……?」
美琴「やだ。選びたくない」
上イン「「!」」
美琴「……えっとね、まず最初に謝っておくわね」
上条「あ、謝る?」
美琴「二人のうちどっちが、っていうのは、私の中では結論の出てる問題なの」
禁書「な、ななななな」
美琴「でも、それをはっきり口に出しちゃったら、その……」
海原(ふむ)
一方(けっ)
547: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:33:04.85 ID:nmKAnOb60
美琴「ただでさえギスギスしてる二人が、もっと喧嘩しちゃうんじゃないかって、心配で」グス
上イン「「!!!」」
海原「これはこれは、なんとも利他的と申しますか、慈愛に満ちた『悲鳴』ですねぇ」
一方「ガキの方がよっぽど大人だぜ、ったく」
上条「う」
禁書「ぐ」
美琴「……それは違うの」
一方「あン?」
美琴「私ってきっと、どうしようもなく子供なのよ」
美琴「今のままがいいの。今のこの、どっちつかずの中途半端な関係が心地いいの」
美琴「どっちかを選んでどっちかを選ばないなんて、したくないの」
禁書「みこと……」
上条「御坂……」
美琴「だからごめんね、二人とも? もう少しだけ、もう少し私が大人になるまで」
548: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:34:23.03 ID:nmKAnOb60
美琴「恋人でも姉妹ない、ただの『家族』って言葉で、誤魔化させてほしいの」
上条「……わかった。俺たちが間違ってたよ」
禁書「一番大事なみことの気持ちを考えてなかったんだね、私たち」
上条「ありがとうな、一方通行に海原も」
禁書「あなたたちがいなかったら、大切な宝物を見過ごすところだったんだよ」
海原「いえいえ。自分などなにもしておりませんよ」
一方「ホントになにもしてねェよオマエは」
海原「これは手厳しい」
美琴「あはは」
アハハハハ ケッ
上条(ただ……)
禁書(ものすごーく気になるのは……)
549: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:35:05.73 ID:nmKAnOb60
((どうして一方通行の口からあんな道徳的含蓄に満ちたハートフルなお話が飛び出したんだろう……))
上条(超イメージ合わねぇ)
禁書(白い人がいったいどういう教育環境で育ったのか、コレガワカラナイ)
海原「さて、一件落着のようですし、我らはそろそろお暇しませんか?」
一方「オマエら、もう喧嘩すンじゃねェぞ」
禁書「ベビーシッターとか適職なんじゃないかな、白い人」ボソ
一方「ああン!?」ギロ
禁書「ひっ」
美琴「一方通行!」
一方「…………ちっ」
上条「もしかしなくてもただ御坂に弱いだけなんじゃね、これ?」
一方「ああァァァンンン!!??」
550: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:36:31.80 ID:nmKAnOb60
上条「ははは、まあ冗談はさておいて」
一方「三下が図に乗ってンじゃねェよ、くそが」イライラ
禁書(私としては何ひとつ冗談を言ったつもりはなかったかも)
上条「今日は色々と教えられたよ、一方通行。俺もまだまだだな」
一方「……俺ァいつかの借りを一つ返しただけだ」プイ
美琴「あ、照れてる。能力で顔色コントロールしてるけど、照れてる照れてる」
一方「照れてませェン」
禁書「照れてる照れてる!」アハハ
一方「照れてませェン、っつってンだろ」
海原「照れてる照れてる(笑)」
一方「オマエに言われンのだけはなぜか死ぬほどムカつくンだよ海原ァァァァ!!!」
上条「……まあとにかく、ありがとな」ヒクヒク
一方「笑いこらえてンじゃねえええええ!!!」
上条(じゃあ爆笑しろってのか……)
551: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:37:55.10 ID:nmKAnOb60
一方「ちっ……ンじゃ、もういっぺン結標呼ぶか」ピポパ
海原「先ほどはいたくご立腹の様子でしたが、来てくれますかね」
一方「そンときゃオマエの世間体を犠牲にして許してもらおうぜ」
海原「ははは、冗談キツイですね」
一方「冗談じゃねェけどな……おい三下ども、俺の出番がもう来ないよう、せいぜい仲良し小良しやっt」
禁書「みことみこと、よく見たら制服が汗で濡れてるんだよ」
美琴「え? ああうん、ここまで走ってきたからね」
禁書「よろしい、ならば洗いっこだ」
美琴「!?」
上条「ちょっと待てインデックス! そんな真似、上条さんの目の黒いうちは許しませんことよ!」
禁書「あれー? そんな喧嘩腰になっちゃって、とうまはまたみことを泣かせた挙句白い人の
自転パンチを喰らいたいのかなー?」
上条「くっ……ち、違う! 俺はただ、御坂がお前の毒牙にかからないか心配なだけで」
美琴「…………」ウルウル
禁書「ニヤニヤ」
552: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:39:57.94 ID:nmKAnOb60
上条「……………………くっそおおお! だったら俺も一緒に入る!」
禁書「!?」
美琴「はわ、おふ、おふろ? ととと、当麻とこっここ、混浴?」
上条「お、俺は御坂とインデックスの仲を裂くような狭量な男じゃないからな!
ただ御坂が心配なだけだ!」
禁書「また無茶な理屈を……少なめの脳みそで考えた結果がこれなんだよ」
上条「うるせえ! イヤなら洗いっこなんて諦めろ!」
禁書「ふふん、そんなヘタクソな屁理屈でみことが納得するわけないんだよ」チラッ
美琴「あ、そ、そうなんだ。その、イヤらしい目的とかじゃないんだ、ならいっか」ホッ
禁書「純な子ってここまでタチが悪いものだったんだね! 私もビックリなんだよ!」ガビーン
上条「そうと決まったら御坂、週末は遊園地じゃなくてスーパー銭湯にでも行くか」アッケラカン
禁書「とうまがなんか吹っ切った!? あれ? 私ピンチ!?」ガビーン!
553: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:40:35.11 ID:nmKAnOb60
海原「…………」
一方「…………まるで成長していない……」
海原「……さて、ここまで振り返りまして戦況をどうご覧になりますか、解説の一方通行さん?」
一方「……ハート支配率では三下が押してるンじゃないですかねェ」
海原「ところで、よろしいんですか?」
一方「あン?」
海原「『混浴』する方向で話がまとまりかけていますが」ニッコリ
一方「…………」
キィィィン
一方「かァァァみじょォォォくゥゥン!!!」
上条「なんか飛んできた!?」
一方「大人の階段を上るにはちっとばかし早ェぞこのロリコンがァァァァァッ!!!!」
554: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:41:46.51 ID:nmKAnOb60
ヨーシ ヤッチャエシロイヒトー!
アクセラレータ!? ランボウシナイデッテイッタデショ!
デデデデデストローイ
フコウダァァァァァアァアッッ!!!
海原「……いやはやまったく、面白い方々です。見ていて飽きません」クルッ
海原「(隠し)カメラの前の皆さんもそう思いませんか?」ニッコリ
チュドーン ドッカーン ピーピーボボボ
海原「…………」
「見ている分には、ね」
第二話
一方通行「三下とシスターと気まずいだァ?」美琴「…………うん」
完
555: >>1 ◆eu7WYD9S2g 2012/02/18(土) 20:44:39.58 ID:nmKAnOb60
第二話END、とは銘打ちましたが、当スレは一旦これで畳ませてもらおうと思います
ネタがないわけじゃあないんですが他にやりたいことができてしまったのです
最後にオマケの内部データを公開して別れの言葉に代えさせていただきます
【オマケ1】次回以降に予定されていたネタ
一方通行「妹達に避けられてるだァ?」美琴「…………うん」
一方通行「ダチと遊ぶ時間が取れな……知るかァ!」美琴「えー」
一方通行「俺の家族に挨拶したいだ……え?」美琴「うん」
【オマケ2】みこっちゃん⇒各キャラ好感度一覧表(MAX100)
・一方通行(100):お兄ちゃんっぽくて好き
・垣根帝督(75):もふもふしてて好き
・麦野沈利(95):最近優しくしてくれるから好き
・食蜂操祈(95):憧れの先輩だから好き
・削板軍覇(95):一緒に遊んでて楽しいから好き
・白井黒子(100):なんだかんだで可愛い後輩だから好き
・エツァリ(90):悪い人じゃないことは知ってる、つまり好き
・心理定規(85):同年代なのに大人っぽいなあ好き
・フレンダ(80):面白いから好き
・浜面仕上(80):面白いから好き
・絹旗最愛(90):あだ名をつけたら仲良くなったから好き
・滝壺理后(90):理想の大和撫子(?)好き
・婚后光子(100):同い年で唯一の親友好き
・原谷矢文(75):ツッコミ好き
・モツ鍋(50):え、誰この人? でも好き
・インデックス(100):お姉ちゃん大好き
・ゲコ太(100):ゲコ太可愛いよハァハァ好き
・上条当麻(は……8000以上!? そりゃあ間違いだぜ! 故障だ!!):大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大好き
攻略チョロイですねこの子
もしかしたらいつの日かまたスレ立てするかもしれないので、その日までごきげんよう
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緋ノ上 120
ちょれえな
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