2: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:45:42.07 ID:7DIy1SUGO

〈お茶〉


提督「……」ズズズ

雷「」ウズウズ

提督「……」ズズズ

雷「」ウズウズ

提督「ふう」ゴックン

雷「!」

引用元: 提督「母さん、お茶」雷「はーい♪」 

 

4: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:46:57.56 ID:7DIy1SUGO

提督「はー、ホッとする……」ノホホン

雷「ね、ね! どう、美味しかったかしらっ?」

提督「ああもちろん、とても美味しかったよ。何度でもおかわりできそうだ」ニコ

雷「ふふっ、それはよかった!」ニコ

提督「ほら、そんなところで突っ立ってないで、母さんもお飲みなさい」

雷「はーい♪」

5: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:48:10.47 ID:7DIy1SUGO

提督「……」ズズズ

雷「……」ズズズ

提督「はぁ……」ホッ

雷「はぁ……」ホッ

提督「なにやら眠くなってきたなぁ」

雷「む、ダメよそんなんじゃ。まだお仕事は残っているでしょう?」メッ

提督「わかってる、わかってるよ。言ってみただけだって」ニコニコ

6: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:48:52.59 ID:7DIy1SUGO

提督「……」カキカキ

雷「~♪」イソイソ

提督「母さん」

雷「なぁに、お父さん?」

提督「……言ってみたくなっただけだよ、母さん」

雷「なにそれ。変なお父さん」クスクス

提督「……」ニコニコ


艦!

7: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:50:06.74 ID:7DIy1SUGO

〈お父さん〉


長門「すまない提督……またも旗艦を取り逃がしてしまった……」ズーン

提督「こういうこともあるさ。次、またがんばろうな」

長門「そう言ってもらえるのはありがたいが……」

雷「……甘いわ」

提督「えっ?」

雷「お父さんはちょっと、長門さんたちに甘すぎるところがあるわ!」ビシッ

提督「ええっ」ガーン

長門「……」

8: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:51:30.04 ID:7DIy1SUGO

雷「悪気があってやったことじゃあないのはわかるけど、これでもう三回目よ?」

雷「少しぐらい厳しく言わないと、本人たちのためにもならないわっ」

長門「……」

提督「そうは言っても超長射程の戦艦砲撃は、システム上的を絞りにくいんだ」

提督「たとえ満を持してのカットインを敵駆逐艦に叩きこんでオーバーキルした挙句MVPをかっさらっていったところで、それは彼女らの責任じゃあないだろう」

長門「」グサッ

9: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:52:51.22 ID:7DIy1SUGO

雷「こういうのを『しょうがない』の一言で済ませちゃいけないと思うわ!」

提督「いや、でも……実際しょうがないじゃないか」

雷「ねえお父さん? 私はなにも、みんなを厳しく叱責しろって言ってるんじゃないの」

提督「……」

雷「一言。一言でいいから、反省を促す言葉をかけなきゃダメよ」

提督「う、ううむ。長門はどう思う?」

11: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:54:33.45 ID:7DIy1SUGO

長門「雷の言う通りだ、提督。仮にも私たちは作戦目標を達成し損ねているのだから、訓戒の一つもなしでは逆に士気に関わる」

長門「作戦失敗の度に、とまでは言わないが。今回は三度続けてだからな。お咎めなしでは私の罪悪感も持っていく場所がなくなってしまう」

雷「ほら!」

提督「……わかった。私の負けだよ、母さん。これからは気を付ける」シュン

雷「よろしいっ」フンス

長門「はっはっは。パートナーに恵まれたな、提督」

提督「ははは、まったくだよ……」

12: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:55:51.13 ID:7DIy1SUGO

雷「本当よ。お父さんは気の弱いところがあるんだから、私がちゃーんと面倒を見てあげなきゃっ」

提督「みんなを甘やかしてるつもりはなかったんだけどなぁ」

雷「自覚のないのがまた厄介なんだから。いーい? これからは見境なくみんなを甘やかすの、禁止だからねお父さんっ」

提督「ごめんよ母さん」ニコニコ

長門「……」

長門(ツッコミ待ちか、これは?)


艦!

13: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:57:06.42 ID:7DIy1SUGO

〈お母さん〉


長門「報告も済んだことだし、そろそろ失礼させてもらおうか」

提督「ああ、ゆっくり休んでおいで」

長門「では私はこれで……」

雷「! 待って、長門さん!」

長門「む?」

雷「ここ、ちょっと怪我してるわ」

16: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:58:00.18 ID:7DIy1SUGO

提督「ああ、本当だ」

長門「ふうむ、自分でも気付かなかったな。まあほんのかすり傷だ、気にするほどのことでもあるまい」

雷「ダメよそんなんじゃ!」バン!

長門「は、はぁ」

雷「すぐにドック入り……は埋まっちゃってるから、明石さんに泊地修理を頼みましょっ!」

長門「い、いやしかし、こんなもの数値に換算すれば1ダメージになるかどうかの……」

17: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 22:59:15.04 ID:dJer3bcCO

提督「いいじゃないか、長門。お言葉に甘えなさい」

長門「う、うむ……提督までもがそう言うのなら……」

雷「うん、うん♪ それでいいのよ……あっ!」

長門「こ、今度はどうした?」

雷「長門さん、スカートの裾がほつれてるわ。縫ってあげるわねっ」

長門「……」

提督「……」

18: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:02:07.00 ID:7DIy1SUGO

雷「お裁縫セットは~っと♪」ルンルン

長門「なあ雷、そういうのは修理する時に一緒に直してもらうから……」

雷「あっ! ここ枝毛があるわよ長門さん!」

長門「……」

提督「……母さん」

雷「髪の毛もちょっと痛み気味だし、処理のついでにブラシも……ううん。それよりも、後で一緒にお風呂に入りましょっ」

提督「母さん」

20: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:03:50.77 ID:7DIy1SUGO

雷「なぁにお父さん?」キョトン

提督「長門が困ってる」

長門「……」

雷「あ……」

長門「はは、困ってるということはないんだ雷。ただ私も子供ではないからな」クス

雷「ご、ごめんなさい……お母さん、ちょっと押しつけがましかったわね……つい昔みたいな気分でお世話を焼こうとしちゃったわ……」ションボリ

長門「いや昔っていつだ」


艦!

21: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:05:07.06 ID:7DIy1SUGO

〈甘〉


長門「では今度こそ、戦艦長門、退出させていただく」ビシッ

提督「ご苦労様。明石にもよろしく」ビシッ


ガチャ バタン


雷「はぁぁぁ……やっちゃったわ……」ズーン

提督「ははは。甘やかしすぎはお互い様みたいだな」

23: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:06:35.15 ID:7DIy1SUGO

雷「だって最近甘やかし足りないんだもの……」ジトー

提督「そんな目で見られてもなぁ。なにか用かい?」

雷「……ねえお父さん、なにかしてほしいことなーい?」

提督「今のところは特にないなぁ」

雷「お茶は?」

提督「さっき飲んだばっかりだなぁ」

雷「肩でもお揉みしましょうかっ?」ニコ

提督「大してこってるわけでもないしなぁ」ニコ

24: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:07:38.45 ID:7DIy1SUGO

雷「……」ジー

提督「母さん」

雷「なぁに」ムスー

提督「私はね。甘やかされるよりも、甘やかす方が好きなんだ」ニコ

雷「……知ってるわ。ねえお父さん?」

提督「なんだい」

雷「私ね。甘やかされるよりも、甘やかす方が好きなの」ジトー

提督「知ってるよ」ニコニコ

25: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:09:34.65 ID:7DIy1SUGO

雷「でもね。誰も彼も見境なく甘やかしてたら、さっきの長門さんみたいに迷惑かけちゃうわ」

提督「うん、その通りだね」

雷「だからここは、いくら甘やかしても問題ない人を見つけて、存分に甘やかしてあげるべきだと思うの」

提督「私たちの心の平穏を保つためにも、『甘やかし分』を補充しようというわけだ。見習いたい心がけだね」

雷「……」

提督「……」

雷「……ケーキあるけど、食べる?」

提督「……いただこうかな」

雷「!」パァァァ

26: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/28(金) 23:11:26.80 ID:7DIy1SUGO

提督「それじゃあおいで、雷。一緒に食べようか」

雷「はーい司令官♪ 私が食べさせてあげるわねっ♪」

提督「なら私は頭を撫でてあげよう」ナデ

雷「あぅっ。あま、甘やかすのは私の役目なんだからぁ///」トローン

提督「……」ナデナデ

雷「んぁうぅ……し、司令官のバカぁ~///」アウアウ

提督「……」ニコニコ


艦!