1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/19(日) 00:10:48.81 ID:rGlVaFBl0
艦これのssです。
読む方は以下の点にご注意ください。

・キャラ崩壊必至

・オリジナル設定&独自解釈あり

・ここの提督がモテ過ぎている。しかも鈍感

上記のことを守って、雑談ありありでまったりと進めていきたいと思います

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413645038

引用元: 榛名「榛名恋愛相談所」 

 

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 00:15:14.92 ID:rGlVaFBl0
最近新設された新たな鎮守府、岩川。そこでは夜な夜な、恋する艦娘たちが意中の殿方(というか提督)のハートを射止めるため、とある部屋を訪れる。 

その部屋の名は「榛名恋愛相談事務所」。若くて可愛くて気遣いのできる素晴らしい艦(本人談)が、悩める艦娘たちを導く場である。 

そして今日もまた一人、この部屋を訪れる。

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 00:21:09.60 ID:rGlVaFBl0
榛名「さて、今日の秘書艦としての業務は終了しましたし、榛名もそろそろ寝るとしましょうか」 

コンコン 

榛名「……このタイミングでお客様ですか。今日いったい誰が来たのやら」ガチャッ 

大和「こ、こんばんわ……」 

榛名「……」 

榛名(大物がきたあああああああああああ!!!!!!!!!!) 

榛名「や、大和さん?ど、どうしたんですこんな夜更けに」 

大和「そ、その、榛名が提督について色々教えてくれるって他の子たちから聞いて……そ、相談に」/// 

榛名「そ、そうですか……。わかりました、不肖この榛名、全力で大和さんの恋のお悩みをお聞きします!」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 00:30:48.66 ID:rGlVaFBl0
榛名「で、具体的に大和さんは提督のどこが好きなんですか?顔ですか?性格ですか?」 

大和「それは、その……ぜ、全部……」/// 

榛名(提督ってばモテてますねー。榛名が勝手を許している間にここまで攻略するとは……まあ、本人は無自覚なんでしょうけど) 

榛名「大和さんが提督のことが大好きなのはわかりました。では、今日相談しに来た悩みを教えてください」 

大和「実は今日の出撃で資材をたくさん消費してしまったんだけど、提督と話していた時に溜め息を吐かれて……やっぱり、この大食いは直した方がいいかな?」 

榛名「提督はそんなことで誰かを嫌いになったりしないはずですし、溜め息なんて吐くとは思えないんですが……」 

大和「でも、実際吐かれたし……や、やっぱり私、提督に嫌われてっ」 

榛名「や、大和さん落ち着いてください。まだ嫌われたと決まったわけじゃありませんから!」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 00:36:49.22 ID:rGlVaFBl0
榛名「と、とりあえず、榛名は大和さんは今のままでも充分に素敵だと思いますよ!提督もきっと大和さんのことが好きなはずです!」 

大和「そ、そうかな……?」 

榛名「ええもう間違いありません!提督の秘書官である榛名が言うんだから大丈夫です!」 

大和「えへへ……そっか、提督も私のこと好きなんだ……」 

榛名(ちょろい) 

榛名「とりあえず当面は様子を見ましょう。榛名も明日さり気なく大和さんのことを聞いてみますから」 

大和「うん。ありがとね、榛名」 

榛名「いえいえ。これも榛名が好きでやってることですので」 

大和「それじゃあ私は部屋に戻るね。おやすみ、榛名」 

榛名「はい、おやすみなさい大和さん」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 00:49:56.77 ID:rGlVaFBl0
翌日 

榛名「提督」 

提督「ん?どうした、榛名」 

榛名「提督って、大和さんのことどう思ってるんですか?」 

提督「大和のこと?綺麗な人だと思ってるよ?じっと見てたら思わずため息吐くくらい」 

榛名(それが昨日の大和さんの勘違いの原因ですか) 

榛名「でも、大和さんって資材と食料を大量に消費するじゃないですか。そういうところは直してほしいとか思わないんですか?」 

提督「そういうところも含めて大和だと俺は思うし、別に直してもらおうとは思わないな。大和が美味そうに飯食ってるの見ると元気でてくるし」 

榛名「そうですか」 

提督「そうだよ。つーか話はいいから手を動かせ。この書類明日までに上に出さなきゃいけないんだから」 

榛名「榛名は話しながらでも提督の倍の効率で作業してますよ?」 

提督「俺が出来ないんだよ!」 

榛名「それは提督が頑張ってください」 

その夜 

大和「ふっふーん♪」 

電「大和さん、今日はなんだかご機嫌なのです。何かいいことでもあったのです?」 

大和「うん!」 

大和(提督に嫌われてなくてよかった……しかもたくさん食べるところも好きだなんて……きゃー♪) 

提督「何か大和の飯の量がいつもの1.5倍くらいなんだが……?」 

この日を境に大和がもっと食べるようになった理由を知る者は少ない

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 12:54:32.39 ID:rGlVaFBl0
提督「鈴谷ー、今日の昼飯って何?」 

鈴谷「カレー」 

提督「……なんで?今日は日曜だよ?金曜じゃないんだよ?」 

鈴谷「金曜じゃなくてもカレーなんだよ!艦娘の数だけカレーがあるんだよ!」 

提督「お前は何を言ってるんだ!?」 

鈴谷「とにかく、今日のお昼ご飯はカレーなの!これは決まったことだから!」 

熊野「提督、今の鈴谷には何を言っても無駄ですわ。もう作り始めてしまっていますし、今日の昼はカレーで我慢してくださいな」 

提督「む、熊野がそう言うなら仕方がないか。わかったよ、今日の昼飯はカレーでいい。ただし鈴谷、この前みたいに俺のカレーに細工するなよ。いいか、絶対するなよ!」 

鈴谷「大丈夫大丈夫。この鈴谷ちゃんがそんなことするはずないでしょ」 

熊野「わたくしもしっかり見張っておくのでご安心ください」 

提督「それじゃ、昼飯が出来たら呼んでくれ」 

鈴谷「はいはーい」 

熊野「了解いたしましたわ」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 13:25:17.43 ID:rGlVaFBl0
昼食時 

艦娘たち+提督「いただきます」 

提督「とりあえず見た感じでは何の問題もなさそうな普通のカレーだが……前回はそう思って食べたら死ぬほど辛かったからな。今回ももしかしたら……」 

鈴谷「大丈夫だよ。今回は何もしてないってば」 

提督「お前の大丈夫って榛名の大丈夫と同じくらい信用できないんだが」 

榛名「提督、それはどういう意味ですか?榛名は大丈夫ですよ?」 

提督「お前が大丈夫であったことが過去にあったか?いやない(反語) 
   まあ、このままずっと食べずにいるわけにもいかないし……ええい、こうなったら男らしく覚悟決めてやるぜ!」カレーヲタベル 

提督「もぐもぐ……あれ?特に変わったところはないな?普通に美味いあ」 

鈴谷「だから大丈夫だって言ったじゃん。提督ってば疑り深いんだから」 

鈴谷「私、ちょっと傷ついたよ?」 

提督「す、すまん。今度からはお前の言うことを疑ったりはしないって誓う」 

鈴谷「うむ。ならばよし……ところで提督、私フルーツジュース作ってみたんだけど飲む?」 

提督「飲む飲む……って何だこの色。ものっそい赤いんだが」 

鈴谷「ただのザクロジュースだよ」 

提督「本当か?」 

鈴谷「本当だよ。それとも提督はさっき言ったことを忘れちゃったの?また私のこと疑うの?」ウルウル 

提督「そ、そんなことあるわけないだろ。大丈夫、俺は鈴谷を信じるよ」ジュースグビッ 

提督「うん、これも美味い……って辛っ!何このジュース!?めがっさ辛いんだけど!」 

鈴谷「やーいやーい!引っかかった―!それ、本当はザクロジュースじゃなくてタバスコだよ?」 

提督「す、鈴谷てめえ!なんてことしやがる!」 

鈴谷「騙される方が悪いんだよー!」 

提督「絶対に許さねえ!その飛行甲板、叩き折ってくれるわ―!」バッ 

鈴谷「ハッ、やれるものならやってみなさいよ!航空巡洋艦の力見せてあげる!」ガッ 

提督鈴谷「うぎぎぎぎ」ググググッ 

熊野「提督!鈴谷の作ったジュースは絶対に飲んではダメですわよ!……って、もう遅かったようですわね」 

榛名「はい、完全に手遅れですね。榛名は大丈夫です」 

熊野「鈴谷が先ほど怪しいことをしていたから調べてみれば……案の定でしたわ」 

提督「沈め●●●!」シュッ 

鈴谷「それはこっちの台詞だよアホ提督!」バキッ 

榛名「……」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 21:05:43.48 ID:rGlVaFBl0
夜 

榛名(そろそろ来る頃合いですね) 

コンコン 

榛名「はい。鍵は開いてますので、入ってきていただいて大丈夫ですよ」 

「う、うん」ガチャッ 

鈴谷「こ、こんばんわ」 

榛名「来ると思ってましたよ、鈴谷さん。お昼の時のことでしょう?」 

鈴谷「うん。ねえ榛名、提督と仲直りするのにはどうしたらいいと思う?」 

榛名「そうですね……アドバイスの前に一つ、言わせてもらっていいですか?」ニコッ 

鈴谷「な、何かな?」 

榛名「榛名は鈴谷さんが相談に来るたび言ってますよね?悪戯を控えて、少し素直になればいいだけだって」 

鈴谷「そ、そうだっけ……?あ、あはは……」 

榛名「……」チャキッ 

鈴谷「ちょ、それは流石に洒落にならないって榛名!ひゃ、ひゃめへ、ひゅほうへふひふひひはひへ(や、やめて、主砲でグリグリしないで)」 

榛名「……まあ、確かに榛名のアドバイスにも至らない点はあったかもしれませんが、それにしたってひどすぎるでしょう。なんでああも毎回毎回、提督と喧嘩するんですか?」 

鈴谷「それはその……好きな人はいじめたくなる、みたいな?」 

榛名「あなたは(年齢的な意味で)駆逐艦ですか。そんなことばかりしてたら、いつか本当に提督に嫌われますよ?」 

鈴谷「え……?て、提督に、嫌われる……?」ジワッ 

榛名(あ、やっちゃったかも) 

鈴谷「そ、そうだよね。提督も、こんな悪戯好きの航巡なんて嫌いになるよね。私、いつも提督にひどいことばっかりしてるもんね……」ウジウジ 

榛名(鈴谷さんネガティブモード突入ー!この人はいつもおちゃらけてるくせに何でこんなにメンタルが弱いんですか!)

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 22:00:25.47 ID:rGlVaFBl0
鈴谷「ひぐっ、えぐっ、は、榛名ぁ……私、て、提督に嫌われちゃうかなぁ」 

榛名「大丈夫です!大丈夫ですよ!提督はそんなことでは鈴谷さんを嫌いになったりはしませんから!」 

鈴谷「……本当に?」 

榛名「ええもちろん!」 

榛名(昨日の大和さんといい、今日の鈴谷さんといい、皆さん情緒不安定過ぎません?どんだけメンタル弱いんですか。それに……) 

鈴谷「えへへ……そっかぁ。榛名がそういうなら安心だねっ!」 

榛名(それに皆さんちょろ過ぎますよ……うっ、適当なこと言った罪悪感で胃が……) 

鈴谷「でも、提督にもっと好きになってもらうにはどうしたらいいんだろう?」 

榛名「それはまあ、いつも言ってるとおり、悪戯を控えてもうちょっと素直になればいいんじゃないですか?」 

鈴谷「でも、それじゃあ今までと変わらないし……」 

榛名「それもそうですね。では、そうですね……プレゼントなんてどうでしょう?提督の好きそうなものをプレゼントすれば、好感度も鰻登りのはずです」 

鈴谷「プレゼント、かぁ……うん、考えてみる」 

榛名「どうせ明日仲直りに行くんですよね?だったらその時に渡せば、提督のハートもスキトキメキトキスな感じになりますよ!ファイトですよ、鈴谷さん!」 

鈴谷「うん!今日もありがとね、榛名!」 

榛名「はい、どういたしまして。折角の榛名のアドバイス、無駄にしないでくださいね?」 

鈴谷「大丈夫だよっ!私を信じなさい!おやすみ!」 

榛名「おやすみなさい、鈴谷さん」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/19(日) 22:40:21.25 ID:rGlVaFBl0
翌日 

提督「榛名ーおはー」 

榛名「おはー、じゃないですよ提督。勤務開始時間から三十分は過ぎてます。いったいどこをほっつき歩いてたんですか」 

提督「い、いや、その、あれだよあれ」 

榛名「あれってなんですかあれって……ん?提督、そのブローチ……」 

提督「ぶ、ブローチ!?何のことかな!?ほ、ほら、そんなことよりも早く仕事仕事!」アセアセ 

榛名(はっはーん、さては仕事に遅れた理由は鈴谷さんですね?大方、待ち伏せしてた鈴谷さんに捕まって仲直りしたんでしょう。で、あのブローチは昨日言っていたプレゼントですね。鈴谷さん、朝食の時ふらふらしてましたし、徹夜で作ったんでしょう) 

提督「榛名、何にやにやしてるんだ?さっさと仕事手伝えよ」 

榛名「はいはーい、今日も張り切ってお仕事しましょう!」 

榛名(よりよって薔薇のブローチだなんて!鈴谷さんったら大胆なんですから!もう、これだから他人の恋を応援するのはやめられませんね!) 

榛名「提督は、鈴谷さんのことって好きですか?」ピッ 

提督「どうしたよ、急に」 

榛名「だって提督と鈴谷さんっていつも喧嘩してるじゃないですか」 

提督「喧嘩するほど仲がいい、ってな。確かにあいつとはよく喧嘩するけど、俺はあいつのことが好きだぞ?あいつの方はどうか知らんが」 

榛名「そうですか」ピッ 

榛名(今録音した音声は、また鈴谷さんが泣き出した時にでも使わせてもらいましょう) 

提督「ほら、いいから仕事しろ仕事。今日は資材管理についての書類をまとめなきゃならないんだから」 

榛名「わかりましたよー。榛名!いざ、仕事します!」 

榛名(赤薔薇の花言葉は『あなたを愛している』。こんなストレートに思いを伝えられても気づかないなんて、提督は本当に鈍感ですね) 

赤銅で作られた薔薇のブローチを眺めて、榛名はそう思ったのでした

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 18:39:45.07 ID:e83e10mC0
とある日の昼下がり 

金剛「ヘーイ!提督ぅー!午後のティータイムにするネー!」 

提督「金剛か。わかった、すぐに仕事を片付けるから用意しておいてくれ」 

金剛「わかったネ!すぐに来てくれなきゃ、No!なんだからね?」ムギュ 

提督「すぐ行くから!離れろって!む、胸が、胸が当たってる!」/// 

金剛「あ、当ててるんダヨ!お、女の子にこんなこと言わせるなんて、提督にはデリカシーが足りないネ!」/// 

提督「わかった謝るからとにかくさっさと離れてくれ!」/// 

榛名(まだ仕事終わってないのに、もうお姉さまとラブコメですか……いいですね、もっとやってください!) 


37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 19:14:05.73 ID:e83e10mC0
提督「おーい金剛ー。仕事終わったぞー」 

金剛「提督ぅー!待ってたデース!お茶の準備は完璧デス!」ダキッ 

提督「うんわかった。お茶の準備をしてくれたのはすごくありがたいし、いつも金剛には感謝してる。だからさっさと離れてくれ!胸が当たってるから!」 

金剛「当ててるんデスヨ?」 

提督「その流れさっきやったから!ほら、折角金剛が淹れてくれた紅茶が冷めちゃったら困るし、さっさとティータイムにしようぜ!」 

金剛「はあ、分かったデース。抱き着くのはお茶を飲んでからにシマース」 

提督「そうしてくれ……」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 20:03:08.23 ID:e83e10mC0
金剛「提督、今日の紅茶はどうデスカ?」 

提督「ああ、美味いよ。でも、なんだかいつもと違う味のような……」 

金剛「今日は提督のそのブローチにちなんでローズティーにしたネ!」 

提督「ブフォッ!」 

金剛「……提督?どうしたデスカ?」 

提督「な、なななな何でもない!何でもないぞ!」 

金剛「フーン、そうデスカ……ところで提督、そのブローチはいったい誰にもらったんデスカ?」 

提督「え!?い、いや、ジブンデカッタモノダケド?」 

金剛「……私、何だか急に46cm三連装砲の試し撃ちがしたくなってきましタ」 

提督「今朝鈴谷に貰いました!」 

金剛「なろほど、鈴谷に貰ったデスカ……で?何でそれを誤魔化そうとしたのデス?」 

提督(お前がそういう風に怒ると思ったからだよ!) 

提督(この鎮守府の艦娘たちは、何故か他の艦娘が俺と親しくしてるとキレる。具体的に言うと、俺が何か貰ったり誰かと出かけたりするとキレる。しかも標的は基本的に俺) 

提督(そんな中でも榛名だけはキレないんだが……悲しいかな、その特徴は姉妹艦である金剛には搭載されていない) 

提督(だから俺はこのブローチのことを誤魔化そうとしたわけだが……それが失敗した今、この状況を打破できる可能性はただ一つ!) 

提督「助けて!榛えもん!」 

榛名「誰が榛えもんですか。そんな呼び方は榛名が許しませんよ?」 

金剛「……提督、何で私との会話中に榛名を呼ぶのデスカ?そんなに他の女がいいんデスカ……?」ブツブツ 

提督「金剛がヤバいんだよ。いいからさっさと助けてくれ!」※小声です 

榛名「えー、どうしましょう?榛名は日々提督のために身を粉にして働いているので、疲れ切ってそんな気力はありませんよ?」※小声ですよ 

提督「……助けてくれたら一週間の休暇申請を出しといてやるが?」※小声なんですってば 

榛名「愛する提督を助けずして何が秘書官ですか!榛名!いざ、救助します!」※小声と言ったら小声なんです 

榛名「お姉さますみません!提督は急な仕事が入ってしまったので連れて行きます!ダッ 

金剛「ふぇ!?ちょ、ちょっと榛名!それは困るデース!提督ぅー!?提督ぅぅぅぅううううう!」 

提督「悪いな金剛!この埋め合わせはまた今度するから!」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 21:25:31.22 ID:e83e10mC0
夜だゾ☆ 

金剛「はぁるなああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」ドガバキンッ 

榛名「うわああああああああああああああああ榛名のお部屋のドアがあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 

金剛「榛名ぁ!どうしたらいいデス!?このままでは他の娘たちに先を越されてしまいマス!」バンバン 

榛名「金剛姉さま落ち着いて!榛名の素敵テーブルをバンバンしないでください壊れちゃいます!」 

金剛「だって提督が!提督がぁ!」バンバンバンミシッ 

榛名「今ミシッていいました!金剛姉さま本当にやめてください!今テーブルから聞こえちゃいけない音がしたんです!」 

キャーギャーワーワー 

数分後 

榛名「……少しは落ち着いてくれましたか?金剛姉さま」 

金剛「うん……部屋を荒らして済まなかったネ、榛名。壊した家具とかはちゃんと弁償するヨ」 

榛名「いや、家具のことは後でいいんですけど。今日はいったいどうしたんですか?登場が派手というレベルをはるかに超越してますよ?」 

金剛「ううー、姉として恥ずかしいところを見せてしまったデース……実は、いつも通り提督ともっと仲良くなるにはどうしたらいいのかを相談に来たんデスガ……」 

金剛「来る途中に、今日のティータイムの時のことを思い出してしまったのデス」 

榛名(ああ~、なるほど。あの時のことを思い出したらいてもたってもいられなくなって、榛名の部屋に突撃みたいな感じで入ってきたと。も~、金剛姉さまってば乙女なんですから~♪) 

金剛「あまり急ぎ過ぎても提督に嫌がられるのはわかってるデス。でも、急がないと他の娘たちにとられてしまいマース。ただでさえ提督はにぶいので、もっと積極的にアピールしていきたいんデース……」グスッ 

榛名「はうあっ!」 

榛名(金剛姉さま可愛すぎます!これは比叡姉さまでなくても悶絶するレベルです!この金剛姉さまの泣き顔を見たら、提督も一発で落ちるんじゃないでしょうか!?)

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 21:47:54.94 ID:e83e10mC0
金剛「榛名?どうしたデスカ?顔が赤いようデスケド……」 

榛名「な、ななななな何でもありませんよ!?榛名は大丈夫です!」 

金剛「そうデスカ?それならいいデスガ」 

榛名(ほっ) 

金剛「それより、榛名。いつものように提督に好かれるためのアドバイスをクダサーイ!」 

榛名「そうですね……金剛姉さまはいつも元気いっぱいに提督にアタックしていますから、たまにはしおらしい一面を見せてみるというのはどうでしょう?」 

金剛「具体的にハ?」メモノヨウイッ 

榛名「全体的に『!』を無くしたり、過剰なスキンシップを控えるとか、笑顔を微笑みっぽくしてみるとか……」 

金剛「フムフム」カキカキ 

榛名「あとは……エプロン姿で起こしてあげて、朝食でも作ってあげてみてはいかがでしょう?」 

金剛「朝食?でも、私は洋食しか作れないネ。提督は朝は和食派だったような気がするのデスガ……」 

榛名「金剛姉さまが作ってくれた朝食なら、和食だろうが洋食だろうが喜んで食べますよ、あの提督は」 

金剛「そうデスカ……?うん、榛名が言うならきっとそうに違いないネ!Thank you!榛名!さっそく明日試してみマース!」ダッ 

榛名「はい、頑張ってくださいね。金剛姉さま」

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 22:25:00.75 ID:e83e10mC0
翌朝デース! 

金剛「提督?起きてくださいネ」 

提督「うう……あと五分……」 

金剛「もう、そんなこと言って……早く起きないと、朝ご飯が冷めてしまうデスヨ?」 

提督「ねむ……ねむ……」 

金剛「こうなったら最終手段デス。榛名から教わった起こしかたで……」ヨイショヨイショ 

提督「んんっ……」ムニュ 

提督「ん……?」ムニュムニュ 

金剛「あっ、ん、て、提督、触るのはいいけど、時間と場所をわきまえて……」/// 

提督「ん?……ってうおわ!?な、何で金剛が俺の布団の中にいるんだ!?」バサッ 

金剛「は、榛名が『目を開けたらすぐ横に金剛姉さまの顔があれば、あの寝坊助の提督でも一発で目を覚ましますよ』って言ってたので、実践したデース……」/// 

提督(あのアホ秘書官はああああああああああああ!!!!!!!!!金剛になんてこと教えてんだ!) 

金剛「て、提督は嫌だったデスカ……?」ウルウル 

提督「い、いや!そんなことはないぞ!?ただちょっと驚いただけで!」アセアセ 

金剛「そうデスカ……良かったデス、提督に喜んでもらえて」ニコッ 

提督「んがっ……!」/// 

提督(な、何だこの金剛の可愛さは!?いつもパワフルな金剛が貞淑な感じで微笑むと、ギャップで破壊力が凄まじいことになるんだが!?そう、名づけるならば『良妻系金剛』。新婦さんもビックリの新婦っぷりだぜ……って、俺はいったい何を長々と考えてるんだ!?) 

金剛(ふふふ……提督、いつもと違う私にドキドキしてますネ?やはり榛名のアドバイスは当てになるデース。この調子でもっとギャップ萌えを狙っていけバ……うふふふふふふふ) 

金剛「さあ、提督?朝食にするデース」 

提督「あ、ああ……」

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 22:39:37.32 ID:e83e10mC0
金剛「提督?美味しいデスカ?」 

提督「ああ、美味い。金剛は料理も得意だったんだな」 

金剛「て、提督のためだからデース……他の人に作るときにはこんなに上手くできまセン……」テレテレ 

提督「……」※提督は脳内で吐血付きで悶えています 

金剛「ほら、提督。こっちのポーチドエッグも食べるデース」 

提督「お、おう(金剛が可愛すぎてそれどころじゃないだが!?)」 

金剛「もう、仕方ないデスネ……はい、提督」 

提督「……これは?」 

金剛「あーん、デス。日本の伝統的な食事法だと榛名に聞きマシタ」 

提督「それはひどく限定的な食事法だからな!?つーか、あの秘書官もどきは実の姉に何教えてんだ!?」 

☆☆☆ 

一方、食堂で食事中の榛名は…… 

榛名「くしゅんっ……提督が榛名の噂でもしているんでしょうか?」 

☆☆☆ 

金剛「提督、口を開けるデース」 

提督「ちょ、ま、こ、心の準備が……」アセアセ 

金剛「ダーメ、デス。早く食べないと折角の料理が冷めてしまいマース」 

提督「うっ」 

金剛「ほら、提督?あーん」 

提督「……あーん」 

提督「もぐもぐ……美味いが、それより恥ずかしい気持ちの方がデカいから味がよくわからん」/// 

金剛「わ、私も流石にちょっと恥ずかしかったデース……次からは普通に食べてくださいネ?」 

提督「あいあいさー」

53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 22:48:45.11 ID:e83e10mC0
~朝食後、廊下にて~ 

金剛「あ、榛名!ちょうどいいところに来てくれたデース!」 

榛名「金剛姉さま!どうでした、提督の反応は?」 

金剛「バッチリだったネ!私のしおらしさに、提督もいっぱいドキドキしてたデース!」 

榛名「そうですか……それはよかったです」 

榛名(後で部屋に仕掛けておいた監視カメラの映像をチェックしなければ……提督と金剛姉さまのラブコメは一度たりとも見逃せませんからね) 

金剛「榛名のアドバイスのおかげで、もっと提督に近づけてような気がシマース!本当に感謝ネ!」 

榛名「いえいえ、これも榛名の趣味ですから。そういえば金剛姉さま、もう一つアドバイスがあったのを忘れてました」 

金剛「もう一つアドバイス?」 

榛名「あんまりお淑やかモードを続け過ぎてはダメですよ、ということです。あれは一種のギャップ萌えですので、連続して使い続けると効果が薄れます」 

金剛「わかったネ!これからしばらくは元気いっぱい、パワフルに提督にアピールするネ!」 

榛名「はい、それがよろしいかと。でも、たまにはお淑やかさ全開で攻めるのも忘れないようにですよ?」 

金剛「No probrem!ちゃんとわかってるネ!」 

榛名「それじゃあ、榛名はこのあと書類整理の仕事がありますので失礼いたします」 

金剛「Oh、お仕事頑張るデスヨ?榛名」 

榛名「はい、金剛姉さま」

68: ◆ATK1PCranA 2014/10/21(火) 16:49:45.68 ID:6ykCFwWt0
ある日の鎮守府 

バンッ 

雷「司令官!手伝いに来たわよ!」 

提督「おお雷か!ナイスタイミングだ!」 

雷「ふっふーん、そうでしょそうでしょ!榛名がお休みだから司令官が大変だっていうから、急いできたのよ!」ドヤッ 

提督「ありがとう!雷、愛してるぜ!」ダキッ 

雷「ふぇっ!?し、司令官!?嬉しいけど、今はそういうのは!?」/// 

榛名「じー」ジトー 

榛名(いいです!もっとやってください!) 

雷「ほ、ほら、榛名も見てるし!」/// 

提督「あんなアホ戦艦のことなんざ無視してしまえ!休暇のくせに執務室でだらだらしやがって!そのせいで仕事が一向に進まないんだよ!」 

榛名「榛名が一人でメルブラやってたら乱入してきたのは提督の方ですよ。挙句、榛名の琥珀さんにボコボコにされて傷ついたとか言っていじけてたのは、どう考えても提督が悪いと思います」 

提督「うわーん!榛名なんか大っ嫌いだあ!」ヒシッ 

雷「だから司令官!人が見てるところで抱き着かないでってば!」/// 

提督「だって榛名がぁ~」 

雷「あ、頭撫でてあげるから!だから、ね?お仕事しよっ?私も手伝うから」ナデナデ 

提督「……」ホワー 

提督(雷、なんていい奴なんだ……やっぱり駆逐艦は最高だぜ!)※この提督はロリコンではありません 

雷「それじゃ、お仕事しよっか?」 

提督「よっしゃあ!やってやるぜ!」

72: ◆ATK1PCranA 2014/10/21(火) 17:41:03.79 ID:6ykCFwWt0
提督「雷、この書類頼む」サッ 

雷「わかったわ……これは、装備の開発状況についてね。工廠のファイルに入れておけばいいのよね?」 

提督「ああ、それで大丈夫だ……次、これ」 

雷「遠征のスケジュール……コピーしてくるわ」タタッ 

提督「よろしく頼む」 

榛名(提督も雷ちゃんも息ぴったりですね。まるで熟年の夫婦のよう……うへへ、こういう関係も見てて楽しいですね) 

~そのまましばらく仕事が続きました~ 

提督「これでラスト」ホイッ 

雷「何々、『ケッコンカッコカリシステム』の運用について?司令官!ケッコンカッコカリって何のこと?」 

提督「あー?ケッコンカッコカリ?あー、それは、あれだー」ノビー 

雷「もう!司令官!ちゃんと答えてよ!」プンスカ 

提督「悪い悪い……で、ケッコンカッコカリについてだったか?でも、実は俺もよく分かってないんだよ。おい、榛名!お前から雷に説明してやってくれ!俺はちょっとトイレ行ってくるから」ガチャッ 

榛名「わかりました。それではこの榛名、出来の悪いダメ提督に代わり説明させていただきます」 

雷「よろしくお願いするわ」 

榛名「ケッコンカッコカリというのは、簡単に言うと提督と艦娘が結婚できるシステムのことです」 

雷「け、結婚!?」カアッ/// 

榛名「はい。まあ、一般的な結婚とは少し意味合いが違いますが……正確に言うと、擬似結婚ですね。提督ととても深い信頼関係にある艦娘との間にリンクをつなげ、その能力を大幅に上昇させるシステムです。 
   何でケッコンカッコカリなんて名前にしたのかは知りませんが、大方お偉いさんがふざけて名づけたんでしょう。もしかしたらリンクをつなげるときに必要なアイテムが指輪だからかもしれません」 

雷「て、司令官と結婚……指輪……」/// 

榛名「……」 

榛名(雷ちゃんは榛名の見立てでもかなり上位の提督Love勢ですからね。この話が何か二人の仲を近づけるのに役立てばいいんですが……)ニヤニヤ 

雷「あ。あの、榛名!?そのケッコンカッコカリってどうすれば――――」 

バンッ 

提督「ただまー!……って、あれ?何この空気。何で雷と榛名は俺のこと睨んでんの?プレッシャーがぱないんだけど」ガクブル 

雷「司令官、空気読んで」 

榛名「ほんっとうに肝心なところで邪魔してきますね、ゴm……提督は」 

提督「お前ら辛辣すぎんだろ!榛名に至っては俺のことゴミって呼ぼうとしたよな!?」 

雷「榛名、後でさっきのこともっと詳しく聞かせてね」ヒソヒソ 

榛名「ええ、わかりました」ヒソヒソ 

提督「おーい二人ともー?俺のこと無視しないでくれるかなー?」

85: ◆ATK1PCranA 2014/10/21(火) 22:16:34.97 ID:6ykCFwWt0
夜、英語で言うとNight 

コンコン 

雷「榛名ー来たわよー」 

榛名「鍵は開いてるので入ってきていいですよー」 

ガチャッ 

雷「お邪魔しまーす」 

榛名「いらっしゃい、雷ちゃん」 

雷「初めて来たけど、榛名の部屋ってシンプルなのね。家具とか全然無いし」キョロキョロ 

榛名「え、ええまあ。ちょっと色々事情がありまして……」メソラシ 

榛名(言えない……昨日来た金剛姉さまが家具を壊していったなんて言えない……) 

雷「どうしたの、榛名?顔色悪いわよ?」キョトン 

榛名「だ、大丈夫です!ええはい!榛名はいつだって大丈夫です!」 

雷「そう?それならいいけど」 

榛名(ほっ) 

雷「で、榛名。お昼の話の続きを聞かせて欲しいんだけど」 

榛名「はい、どうしたらケッコンカッコカリができるか、でしたよね?」 

雷「うん」コクコク 

榛名「端的言えば、提督と仲良くなればいいんですよ」 

雷「?それだけでいいの?」クビカシゲ 

榛名(可愛い) 

榛名「はい、他にも色々やらなければいけないことはありますが、基本的にはこれが一番大切です」 

榛名「ケッコンカッコカリは艦娘側から申請できません。必ず提督が相手の艦娘を決めて申請しなければならないのです。それにそもそも、心の通った二人でないとリンクがつながりませんし」 

榛名「だから、選んでもらえるように提督と仲良くなることが大切なんですよ」ニコッ 

雷「へぇ~……じゃあ他にはないの?私にできること」 

榛名「他にできること……ですか?そうですね、あえて挙げるなら強くなること、ですかね?」 

雷「強くなきゃケッコンカッコカリできないの?」 

榛名「確かそうだったはずですよ。今まで実験としてケッコンカッコカリした艦娘たちは、全員第一線で活躍する高レベル艦だったらしいですし」 

雷「なるほど」 

雷「じゃあ榛名。司令官と仲良くなる方法を教えて?あと、強くなる方法も!」 

榛名「提督と仲良くなる方法は、今まで通りに接するだけでいいと思いますよ?」 

雷「今まで通りでいいの?」 

榛名「はい。今まで通りにやって徐々に仲良くなるのが一番だと榛名は思います」 

榛名(というか既に提督は雷ちゃんの魅力にメロメロですしね。妹的な意味では) 

雷「うーん……まあ、榛名がそう言うならそうなんだと思うわ!」 

榛名「そう、全面的に信頼されるとプレッシャーがかかるのですが」 

雷「でも、榛名はいいの?」 

榛名「はい?何がですか?」 

雷「いや、だって……榛名も司令官のことが好きなんでしょ?」ウワメヅカイ 

榛名「……は?」ポカーン

86: ◆ATK1PCranA 2014/10/21(火) 22:17:39.05 ID:6ykCFwWt0

榛名「いやいやいやいや、ないですから。榛名が、あの提督のことを好きだなんて、比叡姉さまが金剛姉さまを嫌いになってもありませんから」 

雷「でも、榛名っていつも司令官と一緒にいるし……」 

榛名「そりゃまあ、一応これでも秘書艦ですからね。榛名のお仕事は提督のサポートですし」 

雷「そ、それに、今日だってお休みなのに司令官の部屋にいたし!」 

榛名「この鎮守府にPS2置いてあるのあの部屋だけですし」 

雷「で、でも!」 

榛名「……いいですか、雷ちゃん。確かに榛名は提督のことを信頼してますし、好意的に思っていますが、それはあくまで上司と部下……は言い過ぎにしても、戦友・仲間としての好意です。男性的にはぶっちゃけあの提督は榛名の好みじゃありません」 

雷「……本当にそうなの?」ウワメヅカイパート2 

榛名「はい。だから雷ちゃんは思う存分、提督をメロメロにしちゃってください!」 

榛名(そっちの方が榛名的には大助かりですし。提督×雷はもはや定番です) 

雷「うん、わかったわ!私、頑張って司令官をメロメロにして見せるわ!」 

榛名「その意気ですよ、雷ちゃん」 

雷「今日はありがと!それじゃ、私は部屋に戻るわね。おやすみ、榛名」 

榛名「おやすみなさい、雷ちゃん」 

ガチャッ 

雷「……あ、そういえば結局、強くなるための方法は何なの?」 

榛名「ああ、それではですね――――」 



榛名「好きな人のために頑張ることです」ニコッ 

96: ◆ATK1PCranA 2014/10/22(水) 18:10:54.28 ID:Bpzxnb9Z0
ある日の鎮守府in工廠 

提督「夕張!いるか!?」 

夕張「はーい!いますよー!……提督?今日はどうしたんですか?」 

提督「新装備の開発の進捗を視察しに来た」 

夕張「ああ、それならいくつか試作品が出来てます。ついてきてください」スタスタ 

~装備開発室~ 

夕張「これが妖精さんと私とその他色々な方たちが協力して作り上げた試作品。その名も……ドラム缶型五連装(酸素)魚雷です!」ドヤッ 

提督「……なあ夕張。一つだけ言わせてもらっていいか?」 

夕張「?はい、何でしょう」 

提督「お前は何作ってんだあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」スパーン 

夕張「あ痛っ!……な、何ですか提督。乙女の頭を叩くなんて酷いですよ!」グスッ 

提督「そりゃ叩きもするわバカ!何だよドラム缶型五連装(酸素)魚雷って!?ただのドラム缶の形した魚雷だろうが!」 

夕張「その通りですが、何か問題が?」キョトン 

提督「問題大有りだよ!むしろ問題しかないよ!魚雷をわざわざドラム缶型にする必要がわかんないし、何より装備の性能的には既存のものとなんら変わりないだろうが!いったいどこに新装備の『新』の要素があるんだよこの装備!」 

夕張「べ、別にいいじゃないですかドラム缶だって!ドラム缶型の魚雷なんて世界中どこを探してもここにしかありませんよ!立派な新装備じゃないですか!」 

提督「『新』の要素が必要なのは見た目じゃなくて性能だからな!?見た目だけ変えて中身いっしょとかただの詐欺だろ!」 

夕張「何ですか聞いてればさっきから文句ばっかり言って!私だって頑張ったんですよ!?」 

提督「方向性を間違えたらその頑張りは無意味なんだよ!」 

夕張「……」 

提督(あ、あれ?夕張が黙っちゃったんだけど……?さ、流石にちょっと言い過ぎたか?いやでも、軍の費用使ってこんな物作ったんだから、悪いのは夕張の方だろ) 

提督「ゆ、夕張?」 

夕張「提督の……」グスッ 

提督「はい?」 

夕張「提督の、バカああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」バキッ 

提督「おうふ!?」グハッ 

夕張「提督なんてもう知らないんだからああああああああああああ!!!!!!!!!」ダッ 

提督「お、おい夕張!?」

100: ◆ATK1PCranA 2014/10/22(水) 21:56:42.63 ID:Bpzxnb9Z0
Y☆O☆R☆U 

タッタッタッタッ 

榛名「……来ましたね」キュピーン 

ガチャ 

夕張「はぁるなー!提督がバカでクズでどうしようもないよお!」ウワーン 

榛名「こんばんわ、夕張さん。この度はうちのバカでクズでアホで無能で役に立たなくてどうしようもない提督がお世話をおかけしたようで、榛名からも謝罪させていただきます」フカブカー 

夕張「え?え?何?これどういうこと?何で榛名の部屋に来たら榛名が土下座してるの?」キョトン 

榛名「いえ、何でも今日のお昼の視察の時に、うちのバカでクズでアホで無能でカスで存在価値0で役に立たないどうしようもないゴミ提督が夕張さんを泣かせたと風のうわさに聞いたもので。無能な上司の失敗は有能な部下の失敗。あのゴミの秘書艦として、榛名も頭を下げねばなるまいと思ったのです」 

夕張「うん、なんとなく事情はわかったけど一旦落ち着こう?キャラが崩壊というか、ある意味で素が出ちゃってるから。提督への罵倒がいつもの倍になってるよ?」 

榛名「?」 

夕張(ダメだ自覚がない) 

榛名「それで夕張さん。榛名はいったいどうすればいいんでしょう?とりあえずあのゴミの×××を切り落としてきましょうか?」 

夕張「や、やめてあげて!それは本当にやめてあげて!か、可哀想とかいう次元じゃないから!」/// 

榛名「そうですか……チッ」 

夕張「舌打ちした!?ねえ今舌打ちした!?今日の榛名いつもより提督に対して辛辣じゃない!?」 

榛名「何のことでしょうか、榛名は大丈夫です」 

夕張「絶対に大丈夫じゃないよ!?どう考えてもやばいって!だって目が据わってるもん!」 

榛名「まあ、夕張さんがいいと言うのなら榛名からはゴミを掃除したりはしません……それで、夕張さんはどうしてここに?」 

夕張「えっと……じ、実は、提督と仲直りしたいんだけど……」 

榛名「なるほど。つまりありとあらゆる手段を使ってでも、あのゴミを泣きながら夕張さんに謝らせればいいんですね。榛名にお任せください」 

夕張「そんなこと言ってないよ!?」

101: ◆ATK1PCranA 2014/10/22(水) 22:27:17.63 ID:Bpzxnb9Z0
夕張「いや、確かに提督には謝ってほしいけど……でも、私も悪かったから、二人で謝りあって仲直りしたいの」 

榛名(こんないい娘を泣かせるなんて、やはり切り落とすべきでしょうか) 

夕張「で、榛名にはその手伝いをしてほしいっていうか……榛名?聞いてる?」 

榛名「は、はい!もちろん聞いてますよ!提督と仲直りするための手伝いをすればいいんですよね?」 

夕張「うん」コクリ 

榛名「ですが、仲直りの手伝いと言っても、具体的には何をすればいいんですか?」 

夕張「具体的には……提督を私のところに連れてきてほしいかな?ほら、私が行くとたぶん逃げちゃうし」 

榛名「それはそうですね」 

榛名(提督はへたれですから。泣かせてしまった女の子と翌日すぐに会ったら一目散に逃げ出すでしょう」 

榛名「わかりました。では明日、提督を連れて工廠に伺います」 

夕張「うん。よろしく」

102: ◆ATK1PCranA 2014/10/22(水) 22:56:30.78 ID:Bpzxnb9Z0
翌朝 

提督「なあ榛名。俺はいったいいつまでこの目隠し状態で歩けばいいんだ?」フラフラ 

榛名「榛名がいいと言うまでです。途中で目隠しを取ったり、逃げ出そうとした場合は容赦なく全砲門を解放するので肝に銘じておいてください」 

提督「い、いえっさ~」 

~しばらく歩きましたとさ~ 

榛名「はい、もう目隠しを取ってもいいですよ」 

提督「やっとか……って、眩しっ!目があ!目があ!」 

榛名「何一人でバルスごっこやってるんですか。いいからさっさと入ってください」ガチャッ 

提督「ああ……あれ?なんかこの部屋の内装、つい最近見たような……」 

ガチャッ ※提督が入ってきたのとは別のドアです 

夕張「お、おはようございます?」テヲフリフリ 

提督「……」 

ダッ ガッ グイッ 

榛名「ダメですよ提督、女の子の挨拶を無視して走り出したりしちゃあ」ニコォ 

提督「後生だ榛名!見逃してくれ!昨日の今日で夕張と顔を合わせる勇気は俺にはない!」バタバタ 

榛名「往生際が悪いですよ、提督?大人しく夕張さんと向かい合って話をしなさい!じゃないと……ふふふ」 

提督「おはよう夕張!一刻も早くお前に会いたくてこんな朝っぱらから仕事を放りだして来てしまったよ!」ガクブル 

夕張(提督、膝が震えてる) 

提督「……で、何で俺を呼び出したんだ?」ブスッ 

夕張「ええと、その……」 

提督「……用がないなら戻るぞ?」 

榛名「ちぇいさー!」ゲシッ 

提督「もろんぼ!?」グハッ 

榛名「せっかく夕張さんが勇気を出して仲直りの場を作ったのに、何ですかその態度は!へたれで自分からは謝りにいけないんだから、機会を作ってもらった時くらいちゃんと謝ってください!」プンスカ 

提督「それを言葉で伝える前に蹴りで伝えたお前に言われると、説得力が薄いなあ……」

103: ◆ATK1PCranA 2014/10/22(水) 23:07:28.05 ID:Bpzxnb9Z0
榛名「私のことはいいんです!いいからほら!早く夕張さんに謝りなさい!」ブンブン 

提督「うっ……わかった。わかったよ。確かに、これはちょうどいい機会だった」 

提督「夕張。昨日は酷いことを言ってしまって悪かった。お前が頑張って作ってくれた装備を頭ごなしに否定して、本当に済まなかったと思ってる」ペコリ 

夕張「い、いえこちらこそすみませんでした!大切な予算を大切に使わなくて……」シュン 

提督「夕張……」 

夕張「提督……」 

榛名(な、何でしょうこの空気は。もしかしなくても榛名、お邪魔ですか?仕方ありません、ここはとりあえずこの部屋に仕掛けてある隠しカメラの電源をONにしたら退場するとしましょう) 

この後、提督と夕張は無事仲直りをし新装備の開発が再び始まることになるのだが、次回もまた一波乱起こるとは、この時はまだ誰も知らなかった。 

夕張(次はドラム缶で出来た合体ロボとか作ってみましょう!)

 

113: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 19:25:00.88 ID:v326Ke510
ある日の鎮守府の風呂(入渠部屋じゃないよ!) 

龍驤「はあ~今日も疲れたわ~」ガラガラ 

赤城「龍驤ちゃんお疲れ様。今日は大活躍だったもの、疲れて当然だわ」チャポン 

加賀「赤城さん、あなたはもうちょっと真面目に働いてください」カポーン 

赤城「わ、私だって調子の悪い時くらいありますよ!」ムッ 

加賀「出撃に合わせてコンディションを整えておくのは、一航戦として当然の義務ですよ」ヤレヤレ 

赤城「むう~」プクー 

祥鳳「ま、まあ二人とも落ち着いて。こちらに被害はなかったんだからいいじゃない」 

龍驤「さすが祥鳳は大人やな。ええな、瑞鳳は。あんな出来た姉ちゃんがおって」 

瑞鳳「そうね。私の自慢の姉よ!」 



赤城「大体加賀さんこそ今日は調子が悪かったんじゃないですか?一人だけ彩雲積んでたくせに、敵艦を見つけたのは瑞鳳ちゃんだったじゃないですか!」 

加賀「あ、あれは色々と事情があったんですよ。私は後ろからの攻撃を警戒して、彩雲を後方に飛ばしてましたし」 

赤城「攻撃来たのは後ろでしたよ?」ジトー 

加賀「そ、そんなことはありません!あれはどう考えても左側でした!」アセアセ 

祥鳳「お、落ち着いて!二人ともお風呂で暴れないでください!」 



龍驤「それに比べてあの一航戦二人は何やっとんねん」ハア 

瑞鳳「正規空母としての自覚が足りないわね」ハァ 



~しばらくお風呂でまったりする空母たち(赤城、加賀は除く)~ 



龍驤「そういえば、あれってどうなっとるんやろうな?」 

瑞鳳「あれって?」 

龍驤「うちらの胸部装甲の基準」 

瑞鳳「ぶふっ!」ゲホゲホ 

瑞鳳「い、いきなり何言い出してるの!?」 

龍驤「いや、ふと疑問に思ったんやけどな?赤城や加賀たちがでかいのはわかんねん。なんせ正規空母やからな。でも、 
何で祥鳳もあんなにでかいんや?同じ軽空母なのに、うちらと全然違うやん……」ドンヨリ 

瑞鳳「ちょっと待って!今『うちら』って言った!?あなたと私を一緒にしないでくれる!?」 

龍驤「何言っとるん。あんたもうちど同じくらいの大きさやないか」モミモミ 

瑞鳳「ちょ、や、やめっ、んっ、やんっ」/// 

龍驤「……●●●なー瑞鳳。胸は完全にお子ちゃまやけど」 

瑞鳳「うるさいわね!人が気にしてるんだからそっとしておきなさい!」ハアハア 

龍驤「でもな、瑞鳳。男はみんなでかい胸が好きなんやで?」 

瑞鳳「な、なななななに言ってるの?べ、べべべべべべ別に関係ないじゃない」 

龍驤「……提督も、でかい胸が好きなんかなあ」ションボリ 

瑞鳳「……っ!」ピキーン 

瑞鳳「そ、そんなこともないんじゃない?ほら、提督ってよく駆逐艦の子と一緒に遊んでるし」 

龍驤「子供は好きなみたいやけどな。でも、それってたぶん妹とかそんな感じの扱いで、恋愛対象としては見てへんと思うで」 


114: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 19:31:57.61 ID:v326Ke510
龍驤「それに、秘書艦は榛名やで?あいつもそこそこ巨 や」 

瑞鳳「……」プシュー 

龍驤「いったいどうやったら胸をおっきくできるんやろう?なあ、瑞鳳。瑞鳳?」 

瑞鳳「……」プシュー 

龍驤「あかん!完全にのぼせとるわ!早く祥鳳呼んでこな!赤城と加賀は……は別にええか」 


121: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 21:45:50.31 ID:v326Ke510
~瑞鳳がのぼせて数時間後です~ 

榛名「折角の休日だというのに急な任務で総動員だなんて……今日はなんて日なんでしょう」ハア 

榛名(それもこれも全部提督のせいです。『榛名がいなきゃこの鎮守府は回らないんだよ!』なんて言葉で榛名を持ち上げて仕事させるなんて。まったく、酷い提督もいたものです) 

榛名「はあ……これ以上嘆いていても仕方がないですし、寝ますか」 

コンコン 

榛名「来客ですか?はーい!鍵は開いてますよー!」 

ガチャッ 

瑞鳳「……こんばんわ、榛名」 

榛名「瑞鳳ちゃん?どうしたんですか?瑞鳳ちゃんが何の連絡も無しに来るなんて」 

瑞鳳「うん、今日はちょっと……相談があってきたの」 

榛名「いや、この時間帯に榛名の部屋に来るということはそうなんでしょうけど。で、今日はいったいどういう相談なんですか?」 

瑞鳳「それが……その……ねを」ボソボソ 

榛名「はい?」 

瑞鳳「胸を、大きくする方法を聞きにきたの……」 

榛名「……はい?今なんて?」ファードゥン? 

瑞鳳「だ、だから、胸を大きくする方法を聞きに来たの!」/// 

榛名「え、ええ!?ど、どうして急にそんなことを……?」 

瑞鳳「今日お風呂で龍驤が、男の人はみんな大きな胸が好きだ、って言ってたから」モジモジ 

榛名「はいはい」フムフム 

瑞鳳「それで、もしかしたら提督も大きな胸が好きなんじゃないか、って」 

榛名「なるほど」 

榛名(大好きな提督のためにその慎ましやかな胸を大きくしたいだなんて……瑞鳳ちゃんは本当に提督のことが大好きなんですね♪この話だけでご飯十杯はいける気がしてきました)ハアハア

122: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 22:13:26.76 ID:v326Ke510
瑞鳳「それで榛名。胸を大きくするにはどうすればいいの?」 

榛名「そうですね……とりあえず改二になればいいんじゃないですか?榛名も改二になってから、僅かですけど大きくなりましたし」 

瑞鳳「それじゃ意味ないことは龍驤で既に証明されているわ。それに私はまだ改二実装されてないの」グスッ 

榛名「……早く来るといいですね」 

瑞鳳「……心からそう願ってるわ」 

榛名「……話が脱線してしまいましたね。閑話休題です。改二以外で胸を大きくする方法だと、牛乳を飲むとかでしょうか」 

瑞鳳「それは前からやってるわ。でも、全然効果が出ないの」ハア 

榛名「他には、よく食べよく動きよく寝るとか」 

瑞鳳「この鎮守府でそれが出来てない子はごく僅かだと思うわよ?」 

榛名「それもそうですね。青葉さんとか大井さんくらいじゃないでしょうか?」 

瑞鳳「あの人たちは盗撮したり●●いしたりしてそうだものね」 

榛名「鎮守府内の風紀を乱されるのは榛名をとしても困るんですけどね。ただでさえこの鎮守府は出来たばかりで仕事が多いというのに」ハア 

瑞鳳「……あなたも苦労してるわね。同情するわ」 

榛名「……ありがとうございます」 

榛名「また話が逸れてしまいましたね。ですが、どうしましょう?改二もダメ、牛乳もダメ、健康的な生活でもダメとなると……」 

瑞鳳「……やっぱり、私の胸を大きくするなんて無理なのかな?」ウルウル 

榛名「そ、そんなことないです!大丈夫です、きっと何か方法が――――あ」ピカーン 

瑞鳳「?どうしたの?」 

榛名「ありました、一つだけ。超とっておきの方法が」 

瑞鳳「何々!?教えて!」 

榛名「それはですね……」ゴニョゴニョ 

~説☆明☆中~ 

瑞鳳「ええ!?そんなことするの!?」 

榛名「はい」 

瑞鳳「で、でもそんなの恥ずかしいし」モジモジ 

榛名「もう他に方法がないんです。それにこの方法なら成功率は100%ですよ。何故なら榛名は実際に成功者を見たことがあるからです」 

瑞鳳「ほ、本当!?」 

榛名「ええ、ですから思い切って挑戦する価値はあると思います」コクリ 

瑞鳳「うう……わかったわ。明日の朝、やってみる」 

123: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 22:48:10.75 ID:v326Ke510
翌朝 

提督「んん……むにゃ……ん、んん!?」 

提督(朝、目が覚めると隣で瑞鳳が寝ていた。何を言ってるかわからねえと思うが俺にもよくわからない) 

提督「と、とりあえず、起こさないようにそーっと抜け出せば……!」 

瑞鳳「むにゃ……あふ、てーとく?」ボンヤリ 

提督(終わった……俺の人生終わった……) 

瑞鳳「あれ?何でてーとくが私のベッドに……?」ポケー 

提督「ち、ちちちちち違う違う!ここ、俺、布団!」 

瑞鳳「ああ、そっかあ。私、提督を起こしに来たら、そのまま寝ちゃって……」 

瑞鳳「って、提督!?起きたの!?」 

提督「反応遅っ!」 

瑞鳳「あ、あわわわわわ……どうしよう、提督起きちゃったよ。うう、本当にあんなことやらなきゃダメなのかな……で、でも、これも胸を大きくして提督に好きになってもらうためだし」ブツブツ 

提督(瑞鳳が赤くなって何かブツブツ言い出した……何だろう、俺の中の危険察知用センサーが早く逃げろと訴えてる気がする) 

瑞鳳「て、提督!」 

提督「は、はい!何でしょう!」ビシッ 

瑞鳳「そ、その、変なお願いだっていうのはわかってるんだけど……」 

瑞鳳「提督が嫌じゃなかったら、私の胸、揉んでくれないかな?」 

124: ◆ATK1PCranA 2014/10/23(木) 23:15:58.42 ID:v326Ke510
提督(俺の人生の中で、これほどまでに逃げたいと思うことはあっただろうか……?あったかもしれないが、少なくとも今の俺からするとこの時ほど逃げたいと思ったことはないんじゃないだろうかと思う) 

提督(瑞鳳の頼みを聞く→榛名に処刑される→憲兵さんのお世話に) 

提督(やばい。地獄絵図しか見えない) 

提督(では瑞鳳の頼みを断る?Noだ) 

瑞鳳「……」プルプル 

提督(顔を赤くして震えてる女の子にそんなこと言えるほど、俺のメンタルは強くないから断れない) 

提督(結論、瑞鳳の頼みを聞いて潔く死のう) 

瑞鳳「て、提督?やっぱり嫌だった?そうだよね、私の小さい胸なんて……」 

提督「わかった」 

瑞鳳「揉みたくないよね……って、え?いいの?」パチクリ 

提督「ああ」 

瑞鳳「そ、そう……じゃあ、お願いしてもいいかな?」/// 

瑞鳳「さ、流石に服を脱ぐのは恥ずかしいから、服の上からやって」/// 

提督「了解」モミモミ 

瑞鳳「んっ、はっ、んはっ、」/// 

提督(無心だ。無心でやるんだ。素数を数えろ) 

瑞鳳「やっ、はんっ、ああんっ、て、提督、上手いんだねっ、んんっ」/// 

提督(2,3,5,7,11,13……って無心でやるなんて無理に決まってんだろ!) 

提督(何だよこの生き物。●●可愛すぎんだろ……やばい、このままじゃ理性が消し飛ぶ) 

提督「も、もういいか?」 

瑞鳳「だ、ダメ!あと、ちょっとだけでいいから、お願い……んあっ!」/// 

提督(やばいやばいやばいやばい) 

提督「すまない瑞鳳!もう限界だ!」バッ 

瑞鳳「あっ……」 

提督(危なかった……あのままだと確実にやばかった) 

瑞鳳「あ、そ、その、ありがとう、提督」/// 

提督「い、いやいやなんの」/// 

提督「そ、そういえば、何で急にこんなこと頼みに来たんだ?」 

瑞鳳「え、えっと、胸を大きくしたいって榛名に相談に行ったら、『男の人に胸を揉まれると大きくなるらしい』って言われたから……」 

提督(あの腐れ秘書艦は……休暇の延長は却下だなこれは) 

提督「そんなこと教えた榛名も榛名だが、これは瑞鳳もあれだな」 

瑞鳳「え?やっぱり嫌だった?」ウルウル 

提督「いや、そういうわけじゃないが……胸が大きくなんかなくったって、瑞鳳はそのままでいいと思うのになーって思ってさ」 

瑞鳳「え?で、でも、男の人はみんな大きな胸が好きなんじゃ……」 

提督「そんなこともないぞ?胸が大きかろうと小さかろうと、そいつの中身がいいなら俺は何の問題もないと思う」 

瑞鳳「そ、そう……」/// 

提督「まあ、あくまで俺の個人的な意見だけどな」 

瑞鳳「い、いえ、とても参考になったわ。朝から色々とありがとう、提督。それじゃ私は部屋にも戻るわ」/// 

提督「ああ、今日も頑張れよ」 

瑞鳳「う、うん……」ドキドキ

130: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 19:13:05.59 ID:kWRE5vcY0
~ある日の鎮守府(執務室)~ 

提督「仕事終了!ひゃっほう!これで今週はもう働かなくていいぜ!」 

榛名「お疲れ様です提督。今週はいつも以上に解放感に溢れた表情をしてますね」ダラダラ 

提督「ああ、今週はいつもより仕事が多かったからな。何故だろうな?」 

榛名「何故でしょう?」ピコピコ 

提督「てめえが働かなかったからだよ!このぐうたら秘書艦!」 

榛名「何ですか?榛名が悪いって言うんですか?一週間の休暇をくれるって言ったのは提督じゃないですか」グダグダ 

提督「確かに言ったよ?言ったともさ!でもさ、何も言った次の日から休暇に入ることはねえだろ!」 

榛名「休暇申請出したのは提督ですよ?」パチパチ 

提督「お前が『今日中に休暇申請出してくれないなら憲兵さんに、あることないこと吹き込んだボイスレコーダーを匿名で提出します』とか恐ろしいこと言うからだろうが!」 

榛名「記憶にございません」パリパリ 

提督「ぶっ飛ばすぞアホ戦艦」

131: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 20:12:11.75 ID:kWRE5vcY0
榛名「そんなに怒らなくてもいいじゃないですか。昨日の任務の時は休日返上して働いたんですよ?」モキュモキュ 

提督「初めはやる気なかったくせに、ボーナスの話で喰いついてきたくせによく言うぜ」ケッ 

榛名「……ボーナスでやる気が出たわけではないんですけどね」ボソッ 

提督「あ?何か言ったか?」 

榛名「いえいえ何も。それより提督、いいんですか?今日は仕事が終わったら来るように呼ばれてるんでしょう?」 

提督「あ、やべ。すっかり忘れてた!悪い榛名!片付け頼む!」アセアセ 

榛名「わかりましたから、早く行ってあげてください」 

提督「すまん頼んだ!」ダッ 

榛名「いってらっしゃい、提督」

136: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 21:38:27.77 ID:kWRE5vcY0
~鎮守府内・遊戯室~ 

提督「はあ、はあ……やっと着いた……何だってこの鎮守府はこんなに広いんだ……?」グッタリ 

提督「さて、と。とりあえずあいつは……いない。まだ来てないのか?それとも……まさか俺が来るのが遅かったから帰ったのか?」 

提督(だとしたら最悪だ。あいつは確実に明日……いや、今日中に『俺に約束をすっぽかされた』と鎮守府中に言いふらすだろう。その後の俺については……考えたくもない) 

提督「こうなったら今からでも土下座しに行くか……?いや、実はまだ来てないだけかもしれない。そうするとすれ違いになって、わざわざ自分で自分の首を絞めることになりかねない……」ブツブツ 

こそーっ 

提督「メールしてどこにいるか聞いてみるか?いやダメだ、あいつ携帯持ってない」ブツブツ 

???「わっ!」ダキッ 

提督「おおう!?」

137: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 22:02:54.43 ID:kWRE5vcY0
提督「何だ、いたのか……漣」 

漣「はい、ご主人様が気づかなかっただけで、ちゃんといました」 

提督「俺が悪いみたいに言うのはやめてもらおうか。お前が隠れてたら見つけられるわけないだろ、ちっこいんだから」 

漣「ムカっ。漣はちっこくありません!これでも先月より0.2センチ伸びました!成長期なんです!」プンプン 

提督「嘘つけ。書類にはきっちり『変化なし』って書かれてたぞ」 

漣「ご主人様の見間違いです!漣はちびっこじゃないんです!」ブンブン 

提督「はいはいそうだね、漣はちびっこじゃないね(棒)」 

漣「むぅ~!漣、怒りました!激おこぷんぷん丸です!」 

提督「全然怒ってないように聞こえる不思議!」 

漣「むぅぅ~!」ポカポカ 

提督「お、おい、やめろ、駆逐艦とはいえ艦娘の力で殴られたら流石にやば……ちょ、何でどんどん強くなってんの!?」 

漣「むぅぅぅぅぅうううううううううう!!!!!!!!!」ボカボカ 

提督「ぎゃあああああああ!!!!!!内臓が!内臓がやばい感じなった気がする!」

138: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 22:37:49.03 ID:kWRE5vcY0
~数分後~ 

提督「……」ムシノイキ 

漣「ご、ご主人様?大丈夫ですか?」アセアセ 

提督「……これが大丈夫に、見える、か?」グハッ 

漣「すみません……つい、感情的になってしまいまして。これでは、ご主人様のメイド失格ですね」シュン 

提督「お前は別に俺のメイドじゃないだろ……でもまあ、だいたい回復は終了してきてるっぽいから、もうちょっとだけ待ってくれ」 

漣「はい……」 

~提督 が 回復 しました~ 

提督「よし、もう大丈夫みたいだ……」 

漣「本当にすみません……漣が子供なばっかりに、ご主人様に怪我を負わせてしまって」シュン 

提督「あー、もう気にしなくていいよ。俺がからかい過ぎたのもいけなかったんだし」ポリポリ 

漣「でもっ!」 

提督「それに、結果どうもならなかったんだからいいだろ?ほら、この通り俺はぴんぴんしてる」 

漣「それは、ご主人様が特別だからです。もしも他の、普通の人間だったら確実に……」 

提督「そんな『もしも』はあり得ないし、今回だって相手は俺だったんだ。街中で一般人相手にやったとかならともかく、俺にやるのには問題ないさ。そのために俺がここに派遣されたんだし」 

漣「……」 

提督「ほら漣、暗い顔すんな。俺は笑顔のお前の方が好きだぞ?」 

漣「……も、もう、そんな調子のいいこと言って」/// 

漣「……本当に、そう思ってます?」ウワメヅカイ 

提督「もちろん。俺はお前の笑顔が大好きだ。だから、俺のために笑ってくれ」 

漣「そ、そうですか。それなら、漣も暗い顔ばかりしていられませんね。なんてったって、ご主人様の頼みなんですから」テレテレ 

提督「ああ、ありがとな」

139: ◆ATK1PCranA 2014/10/24(金) 22:40:54.25 ID:kWRE5vcY0
この後、提督と漣は遊戯室で朝まで遊び(何をしていたのかは言わない)ましたとさ。 

榛名「あれ!?榛名の出番は!?」 

榛名恋愛相談所、今回はカット!

169: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 18:34:27.68 ID:2Li2XIOP0
~ある日の鎮守府のもーにんぐっ!~ 

榛名「提督、いい加減起きてください」ユサユサ 

提督「やだ。まだ寝る。だって今日仕事ないし、休みだし。昼まで寝てても問題ない」 

榛名「仕事が無くても早く起きるようにしてくださいって、榛名が初めて提督を起こした時から言ってるはずなんですが……昼まで寝てるなんて不健康ですよ。起きてください」ハア 

提督「やだー寝るー」 

榛名「もう……いったいどうしたものやら」 

バタンッ 

鈴谷「提督ー!一緒にお出かけしよー!」 

鈴谷「……って、あれ?榛名だけ?提督は?」キョトン 

榛名「提督ならこの布団の中で引きこもってます」ユビサシ 

提督「俺は絶対に昼までここから出ない」 

榛名「……こんなこと言って出てこないんですよ。どうしたらいいと思います?」 

鈴谷「うーん……そうだ!」 

提督(何を思いついたかは知らないが、俺は絶対にこの布団から出な――――) 

鈴谷「えへへ」ムギュー 

提督「……アノ、スズヤサン?アナタハナニヲシテラッシャルノデショウカ」ギギギ 

鈴谷「提督と一緒に鈴谷もお昼まで寝てようかなーって」ギュー 

提督「……ナゼオレノフトンニハイッテダキシメテルノカナ?」ギギギ 

鈴谷「鈴谷、抱き枕ないと寝れないんだよねー。今日は朝から熊野が張り切って家事をこなしたから、いつも使ってるの洗濯中」ギュー

170: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 19:34:12.08 ID:2Li2XIOP0
提督「だからって何も俺の布団に入ってくることないだろ!」 

鈴谷「あるよーありまくりだよー。どうせ寝るならあったかい布団で寝たいじゃん?人が入ってる布団ってあったかいじゃん?こんな時間まで寝てるのなんて提督だけだよ?」 

提督「あったかい布団で寝たいというその気持ちは分からなくもないが、頼むから離してくれ!」ジタバタ 

鈴谷「やーっだ、よ!えへへー……提督、あったかい」 

提督(うおおおおおおおおお!!!!!!!!!やばいやばいやばい!あ、当たってる!鈴谷の柔らかい二つのものが俺の背中に当たってる!) 

提督「鈴谷当たってる!当たってるから!」 

鈴谷「んー?鈴谷は別に気にしないよー?」 

提督「俺が気にする!理性が!理性が崩壊する前に早く離れるんだ!」 

鈴谷「聞こえなーい」ギュッ 

提督(うああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!) 

提督「榛名!榛名助けてくれ!」 

榛名「……!」パシャパシャッ 

提督「何でこの状況でお前はそんな熱心に撮影してんの!?」 

榛名「提督、話しかけないでください。榛名は今、レイテ沖海戦と同じくらいに集中しているんです」パシャパシャッ 

提督「ちっきしょー!この部屋には俺の(理性の)敵しかいないのか!」 


171: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 19:52:16.52 ID:2Li2XIOP0
鈴谷「ほら、提督……?観念して大人しく鈴谷と一緒に寝よっ?」 

提督「寝よっ?じゃねえよ!こちとら理性が限界なんだって言ってんだろ!?」 

鈴谷(だからこそ、なんだけどな……) 

榛名(だからこそ、なんだと思いますけど……) 

提督「はっ!そ、そうだ鈴谷!さっき俺の部屋に来たとき、一緒に出掛けようって言ってたよな!?」 

鈴谷「ふぇ?う、うん。言ったけど……」 

提督「なら出掛けよう!早く出掛けよう!今すぐにでも出掛けよう!」バッ 

鈴谷「え?」 

榛名「え?」 

提督「そうと決まったら俺は着替える!だから二人とも出てけ!」グイグイ 

鈴谷「え?え?え?」 

榛名「え?え?え?」 

ガチャッポーイガチャッ 

提督「三十分後に駅前で待ち合わせな!」 

鈴谷「え?え?え?」 

榛名「え?え?え?」

175: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 21:26:30.33 ID:2Li2XIOP0
~駅前だよっ!~ 

提督(やっちまったああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!) 

提督(いくらさっさとあの状況を何とかしたかったとはいえ、鈴谷と出掛けようだなんて考えたのは失敗だった!) 

提督(殺される。確実に殺される。先週榛名と会議行ってきただけなのに第一艦隊から第四艦隊、控えの奴らまで総出で追っかけてきやがったもん) 

提督(そんな奴らに鈴谷と出掛けたなんて知られたら……グロ画像化は避けられないだろうな) 

提督(はあ~、やっちまったもんはしょうがないとはいえ、流石に少し気分が落ち込むわ。三十分前の俺を殴りてえ) 

提督(そういや鈴谷はまだ来ないのか?もう約束の三十分は過ぎてるんだが……) 

鈴谷「ごめ~ん提督!待った?」タタッ 

提督「遅いぞ鈴谷。いったい何してたん、だ……」ポカーン 

鈴谷「ごめんごめん。あの後榛名と服選んでてさ。ちょっと時間かかっちゃった」テヘヘ 

提督「……」 

提督(なん、だ……?この鈴谷の可愛さは?) 

提督(白のインナーに茶色のジャケット、赤と白のチェックのスカート。それに鈴谷の照れるようなはにかみ顔が絶妙にマッチしていて……) 

鈴谷「で、どうかな?提督。一応、頑張っておめかししてきてみたんだけど」 

提督「……可愛い」 

鈴谷「ふぇ!?」/// 

提督「あ……ち、ちちちちち違うんだ鈴谷!その、つい本音がポロッと出てしまっただけであってだな!け、決してセクハラとかそういうことじゃないんだ!」 

鈴谷「ほ、本音……なんだ」/// 

提督(ああああああああああああああしまったああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!) 

鈴谷「そっか、提督は可愛いと思ったんだ……えへへ」/// 


177: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 21:33:35.46 ID:2Li2XIOP0
鈴谷「それじゃあ、頑張ってきた甲斐があったかな?」ニヘラ 

提督「うっ……」 

提督(だから何でさっきからこいつはこんなに可愛いんだ!?あれか!?そういう日のなのか今日は!?)※その通りです 

提督「ほ、ほら!服のことはもういいから、さっさと行こう!」/// 

提督(何でもいいから早くこの空気を何とかしたい) 

鈴谷「う、うん……ねえ、提督」 

提督「な、何だ?」 

鈴谷「手、つないでもいい?」 

提督「んなっ!?な、何言ってるんだ!?」アワアワ 

鈴谷「ダメ、かな?」ウワメヅカイ 

提督(そんな顔されたら断れるわけねえだろうがあああああああああああああ!!!!!!!!) 

提督「わかった」テヲサシダシ 

鈴谷「あ、ありがと」ギュッ

179: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 21:40:37.72 ID:2Li2XIOP0
~場所は変わってショッピングモール~ 

提督「で?今日は何しに来たんだ?」 

鈴谷「パフェを食べようと思ってるんだけど、いいかな?」 

提督「別にいいが……カレーじゃなくていいのか?」 

鈴谷「鈴谷も女の子だからね。甘~いスイーツを食べたくなる時もあるんだよっ♪」ウインク 

提督「そ、そうなのか。わかった、じゃあとりあえずその店まで行こう」/// 

鈴谷「うん!」

180: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 22:05:07.47 ID:2Li2XIOP0
~パフェを食べに行く道中~ 

鈴谷「あっ!提督!ゲームコーナーがあるよ!」ユビサシ 

提督「そうだな……どうする?寄ってくか?」 

鈴谷「うん!太鼓やろ太鼓!」 

ソレゾレガ スーキナ コ ト デ ガンバレールナラー 

センボンザクラー ヨルニマギレ キミノコエモー トドカナイヨ 

キーミーガー イタ ナーツーハー トオイー ユーメーノ ナカー アー 

フルコンボダドン! 

ノルマクリアセイコウ! 

提督「ふっ。俺にかかればざっとこんなものよ」ドヤッ 

鈴谷「く、悔しい……なんで提督ってこんなにゲーム強いの!?」 

提督「ゲーマーだからさ」キリッ 

鈴谷「格好つけて言っても大して格好良くないからね、そのセリフ」 

提督「……鈴谷は辛辣だな」 

鈴谷「そんなことないよっ?ほら、早く次のヤツやろっ!鈴谷、次はUFOキャッチャーがいい!」グイグイ 

提督「わーったよ」 

提督(ま、鈴谷が楽しそうならそれでいいか)

181: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 22:31:38.27 ID:2Li2XIOP0
~ゲームコーナーを出てパフェ食べにきました~ 

鈴谷「ここだよ!」 

提督「ほう……これは、何とも……」タラリ 

提督(中を見る限り、カップル御用達みたいな店だな……俺は別にそういう目で見られても気にしないが、鈴谷は大丈夫なんだろうか……) 

鈴谷「どうしたの、提督?早く入ろっ?」 

提督「あ、ああ……」 

提督(まあ、鈴谷が嫌そうになったら出ればいいか) 

カラーンコローン 

店員「いらっしゃいませー。お二人様でよろしいですか?」 

鈴谷「はい」 

店員「それではお席へご案内します」 

~席へ案内されました~ 

店員「注文がお決まりになりましたらお呼びください」ササッ 

鈴谷「提督、何にする?」 

提督「ん?俺は別にパフェが食べたいわけじゃないからな。無難にコーヒーとかでいいよ」 

鈴谷「そう?じゃ、鈴谷は食べるの決まってるから注文しちゃうね?」 

提督「ああ」 

ピンポーン ササッ 

店員「ご注文をどうぞ」 

鈴谷「ウルトラスーパーデラックス苺パフェください」 

提督(何だそのピンクの悪魔が出てきそうな名前のパフェは) 

提督「ブラックコーヒー1つ」 

店員「かしこまりました。ウルトラスーパーデラックス苺パフェがお一つ、ブラックコーヒーがお一つですね?他にご注文はありませんか?」 

鈴谷「ないです」 

提督「ありません」 

店員「かしこまりました。それではしばらくお待ちください」

182: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 22:52:39.40 ID:2Li2XIOP0
~しばらく経って~ 

店員「お待たせいたしました。ウルトラスーパーデラックス苺パフェとブラックコーヒーでございます」ササッ 

提督「こ、これは……」 

鈴谷「……おっきいね」 

提督「大きいとかいう次元じゃねえよ……どうすんだ?食べきれんのこれ?」 

鈴谷「ま、まあ、自分で頼んだものだし……頑張るっ!」 

提督(めっちゃ顔青いんですが) 

提督「ったく、しょうがねえなあ」ヒョイパクッ 

鈴谷「え?提督?」 

提督「どう考えて一人で食べきれる量じゃねえだろ?さっさと二人で食べちまおう。ほら」アーン 

鈴谷「あ、あむっ」/// 

鈴谷(提督にあーんされた!しかもこのスプーンってさっき提督が口つけたやつ……か、間接キス!?)/// 

提督「何でそんな必死にスプーン咥えてんだおまえ」 

鈴谷「ぷはっ……て、提督!そのスプーン貸して!次は鈴谷が提督に食べさせてあげるからっ!」 

提督「?別に自分で食べられるが?」 

鈴谷「いいから!……はい」/// 

提督「んむ……味は普通に美味いのが救いだなこのパフェ」 

鈴谷(間接キス二回目間接キス二回目間接キス二回目っっっ!!!!) 

提督(何で鈴谷は顔を赤くしてるんだろう)パクパク

183: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 23:06:29.07 ID:2Li2XIOP0
~食べ終わったよ!~ 

提督「や、やっと出れた……結局どんだけ店内にいたんだ……?」グッタリ 

鈴谷「に、二時間くらいじゃないかな?」グッタリ 

提督「しばらくは甘いものは見たくもない」オエップ 

鈴谷「はげしく同意だよ……ごめんね、提督。鈴谷が頼んだのに、結局ほとんど提督が食べることになっちゃって」シュン 

提督「気にすんな。男の方が胃袋がデカいんだし」 

鈴谷「でも……」 

提督「でももだってもないよ。折角の外出なんだ、笑顔でいこうぜ笑顔で」 

鈴谷「うん……そうだねっ!」 

提督「おう!それでいい!で、次はどこに行くんだ?」 

鈴谷「もう時間も時間だし、そろそろ帰ろっかなって思ってるけど」 

提督「じゃ、そうすっか」 

~帰り道~ 

鈴谷「今日はありがとね、提督」 

提督「別にいいさ、このくらい。俺も楽しかったしな」 

鈴谷「そっか……」 

鈴谷「……」 

提督「……」 

~そのまましばらく歩いて~ 

鈴谷「あ、公園だ。こんなところに公園なんてあったんだね」 

提督「そうだな。俺も今日初めて知った」 

鈴谷「……ねえ、ちょっと寄ってかない?」 

提督「?別にいいぞ?」

186: ◆ATK1PCranA 2014/10/25(土) 23:58:25.06 ID:2Li2XIOP0
~夕暮れの公園~ 

鈴谷「夕暮れの公園ってさ、何だか寂しい気持ちになるよね」 

提督「そうだな……」 

鈴谷「そういえば提督、ちゃんとそのブローチ着けてきてくれたんだね」 

提督「まあ、な。もらってからは基本的にずっと着けてるよ」 

鈴谷「そっか、ずっと着けててくれてるんだ……嬉しいな」ニコリ 

提督「……っ!」/// 

鈴谷「ねえ提督。今日は楽しかった?」 

提督「ああ、さっきも言ったが、楽しかったよ」 

鈴谷「そっか。鈴谷も、楽しかったよ。提督が可愛いって褒めてくれて、提督と一緒にゲームして、提督と一緒にパフェを食べて、とっても楽しかった」 

鈴谷「だから、いいよね?最後にもう一回くらい、楽しい思いで作ったってさ」 

提督「鈴谷?」

187: ◆ATK1PCranA 2014/10/26(日) 00:04:51.31 ID:tJarY4OZ0
後ろをついてきていたはずの鈴谷の足音が急に止まったのを不審に思い、提督は後ろを振り返る。 

すると、 

鈴谷「ん……」チュッ 



―夕暮れの公園で 

――鈴谷と提督、二人きり 

―――恋する乙女は勇気を出して 

――――愛しい彼にキスをした 



―夕暮れの公園に 

――二つの影が重なって 

―――甘い甘い、蜜のような時間は動きを止め 

――――ただ、二つの影を祝福する 



鈴谷「大好きだよ、提督」 

188: ◆ATK1PCranA 2014/10/26(日) 00:09:28.72 ID:tJarY4OZ0
提督「……っ!」/// 

鈴谷「あ、あはは……さ、先に帰ってるね!」/// 

鈴谷(ど、どどどどどどうしよ!い、言っちゃった!しかもき、キスまでしちゃった!) 

恋する乙女の内心は、コミケ前のサークル並みに荒れていて―――― 

提督(な、何だったんだろうさっきのは……あれか?今日のお礼のキスとかか!?大好きってのは100%『Love』じゃなくて『Like』の方だろうし……) 

――――想いを告げられた男の方は、その鈍感っぷりを全力で発揮していた
 

213: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 18:39:02.61 ID:5hzL4W3h0
~ある日の鎮守府だよっ!~ 

扶桑「提督、今日もお疲れ様です」 

提督「ん?ああ、扶桑か。そっちこそお疲れ。どうだ、改二の力には慣れたか?」 

扶桑「はい、多少は……まだ、火力や武装に振り回されてる部分はありますけど」 

提督「そうか。まあ、これから少しずつ慣れていけばいいさ」 

扶桑「そうですよね。まだまだ時間はありますし」 

提督「なんせ最近深海凄艦がほとんど出ないからな」 

扶桑「そうですね、この前の任務の時はそこそこ多く出てましたけど。基本的に平和ですものね」 

提督「平和が一番だから別にいいっちゃいいんだけどな。税金泥棒してるみたいで心苦しいところを除けば」 

扶桑「ふふ、そうですね」 

???「扶桑姉様!」

214: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 18:50:17.77 ID:5hzL4W3h0
扶桑「あれ?どうしたの、山城」 

山城「どうしたもこうしたもありません!今すぐに提督から離れてください!」 

扶桑「どうして?」 

山城「男はみんな狼なんです!きっと提督も、扶桑姉さまの美しいお体を見て 情して襲い掛かるに違いありません!」ビシッ 

提督「おいコラ。誰が狼だとコラ。俺と扶桑は戦友だ。俺は戦友に 情したりしない」 

山城「さあ?それはどうだか……?」ジトー 

扶桑「え? 情しないんですか……?」ガーン 

提督「はい?」 

山城「はい?」 

扶桑「え?あ、ああ!?な、何でもありません!何でもありません!何も言ってませんから!」

215: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 19:09:31.68 ID:5hzL4W3h0
扶桑「そ、それより早く食堂に行かなくちゃ!皆を待たせてしまうわ」アセアセ 

山城「むぅ……まあいいです。と に か く!扶桑姉さまはもうちょっと提督に対して警戒心を持ってください!あと提督は沈んでください」 

提督「お前何なの?俺を罵倒しなきゃ喋れないの?」 

山城「は?何言ってるんですか?山城が扶桑姉さま以外に、ましてや提督なんかによって言動を制限されるわけないじゃないですか。自意識過剰すぎて気持ち悪いです」オエッ 

提督「皮肉も通じないとかお前マジで無敵だな!」 

山城「うるさいです。私と扶桑姉さまの半径五キロメートル以内で喋らないでください。むしろ呼吸しないでください」 

扶桑「山城、提督に対してそんな失礼なことを言ってはダメ」メッ 

山城「はうっ!怒ってるお姉さまも素敵です!」ビクンビクン 

提督「……ダメだこいつ。もうどうにもならねえ」 

ワイワイイガヤガヤ 

榛名(結局誰も榛名に話を振りませんでしたね……いえ、気配を消して撮影していた榛名も悪いんですけど。青葉さん直伝の隠密撮影は高性能すぎるのが欠点ですね)

218: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 20:29:51.16 ID:5hzL4W3h0
~夜なのです~ 

榛名「ふっふ~ん♪」ランラン 

榛名(早く来ないかなあ!早く来ないかなあ!扶桑さん早く来ないかなあ!) 

榛名(今日の様子を見る限り80%くらいの確率で来るはず!扶桑さんは☆☆☆☆クラスの提督好き!これほど楽しい観察対象はそうはいません!)ジュルリ 

コンコン 

榛名(きいいいいいたああああああああああああああああ!!!!!!!!) 

榛名「はいどうぞ!鍵は開いてます!」 

???「し、失礼するわ」 

ガチャッ

219: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 20:35:20.23 ID:5hzL4W3h0
山城「こ、こんばんわ……」/// 

榛名「……」 

榛名(あっれええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!???????????) 

榛名(な、ななななななななななな何で山城さんが!?提督のことは思いっきり毛嫌いしてるはずなのに!) 

榛名(はっ!さてはあれですね!扶桑さんとのことについての相談ですね!ですが残念なことに榛名は百合はサポート外です!) 

山城「そ、その、この時間帯に来れば、榛名が恋愛相談に乗ってくれるって聞いて来たんだけど……」 

榛名「わざわざ来てくださったのに申し訳ないんですが、百合はサポート外でして……」 

山城「百合?何のこと?」キョトン 

榛名「え?扶桑さんとのことを相談しに来たんじゃないんですか?」キョトン 

山城「えっと、一応、提督とのことについて相談に来たの」/// 

榛名「……」

220: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 20:48:03.11 ID:5hzL4W3h0
榛名(ふっ、榛名の目も衰えてきたということですか……)遠い目 

山城「えっと……大丈夫、榛名?何だか遠い目をしてるけど」 

榛名「何の問題もありません。榛名は大丈夫です」 

山城「そ、そう。ならいいけど」 

榛名「それで、今日の相談内容は何ですか?」 

山城「そうね、単刀直入に言わせてもらうと……」 



山城「提督に酷いこと言わないようにするにはどうしたらいいと思う!?」 

榛名「それ気にしてたんですか!?」 



山城「提督のことは好きなの。大好きなの。愛してるといっても過言ではないわ」キリッ 

榛名「は、はあ……」 

榛名(榛名の中の印象が提督嫌いのシスコンから、ヤンデレ予備軍の重たい女に一気に変わる発言ですね) 

山城「ただね、扶桑姉さまのことも大好きなの」 

榛名(あ、やっぱりシスコンはシスコンでした) 

山城「だからね、扶桑姉さまと提督が一緒にいると……」 

榛名「ヤキモチ妬いて提督に当たると……子供ですか貴女は」ハア 

山城「言わないで。自分でもそう思ってるんだから」 


221: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 20:53:01.11 ID:5hzL4W3h0
榛名「で、提督を罵倒した後に自己嫌悪で死にそうになると」 

山城「……そういうこと。本当はもっと提督に甘えたいんだけど……」 

榛名「扶桑さんに見られたら傷つけますね」 

山城「それに扶桑姉さまは優しいから、私に気を遣って提督のことを諦めてしまうんじゃないかと……」ハア 

榛名「……完全に手詰まりじゃないですか」ハア 

山城「だから榛名に相談しに来たの!」

222: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 21:03:57.33 ID:5hzL4W3h0
山城「ねえ榛名、どうしたらいいと思う?扶桑姉さまを傷つけず、なおかつ提督に素直に甘えるには」 

榛名「無理じゃないですか?どう考えても手詰まりでしょうこれ」 

山城「そこをなんとか!」グイ 

榛名「そう言われましても……提督のため、山城さんのため、扶桑さんのため、(あと自分の趣味のため)何とかしたいとは思いますけど……」 

山城「お願い!榛名しか頼れる人がいないの!」 

榛名「そうですねえ……あ、そうだ。扶桑さんがいない隙を狙って提督に甘えればいいのでは?」 

山城「それで何とかなるなら既にそうしてるわ。何でか知らないけど、私が提督と二人きりでいると扶桑姉さまが必ず現れるの。しかも故意にじゃなくて偶然に」 

榛名「ある意味、雪風ちゃんもビックリの運のよさですね」 


223: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 21:14:41.46 ID:5hzL4W3h0
榛名「なら……扶桑さんが物理的に現れないときに甘えれば……出撃とか遠征とか」 

山城「提督が気を利かせて私と扶桑姉さまは常に一緒に出撃や遠征、演習に訓練まで行ってるわ」 

榛名「無駄なとこで気が利きますね、あの提督は……もう諦めるしかないんじゃないですか?」 

山城「そ、そんな……」ジワ 

榛名「いや、そんな捨てられそうな子犬みたいな目で見られたら困るんですが……だって無理でしょうこれ」 

山城「そうだけど!そうだけど……」 

山城「私だってたまには、提督に甘えたいの……」 

榛名「……」 

榛名(扶桑さんのいない時を狙うのはほぼ100%不可能。でも、扶桑さんを傷つけるから目の前でラブコメるのもアウト。これっていったいどうすれば……) 

榛名「……あれ?そもそも、扶桑さんの性格からして提督に甘えたところで傷ついたりしなくありません?むしろ喜ぶような気がするんですが」 

山城「ど、どういうこと?」キョトン 

榛名「だって、今日も扶桑さん言ってましたよね?『提督に失礼なことを言ってはダメ』って」 

榛名「つまり山城さんの提督への態度が軟化したところで喜びこそすれ、傷つくことはないと思うんですけど……」 

山城「……」ポカーン

224: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 21:22:45.83 ID:5hzL4W3h0
榛名「まあ、流石に加減は必要だと思いますけど。あんまり好意全開で甘えると扶桑さんに提督Loveなこと気づかれちゃいますし」 

山城「……」ポカーン 

榛名「でも、きちんと加減さえすれば、今に比べればかなり甘えられると思いますよ?」 

山城「は、榛名ってもしかして天才なんじゃないかしら……?」 

榛名「よく言われます」 

山城「ありがとう榛名!明日さっそくやってみるわ!」バッ ダッ ガチャ バタン 

榛名「はい、頑張ってくださいね……って、もう言っちゃいましたか」 

榛名(さて、それじゃあ榛名も明日のためにカメラの整備をやっておきましょうか……ウヘヘ、明日はいい日になりそうです)

225: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 21:34:19.87 ID:5hzL4W3h0
~そして迎えた翌日~ 

山城「提督!」ギュッ 

提督「グハッ!な、何だ!?何が起こった!?何故急に腰がヤバい感じになって背中に柔らかいものを感じるようになったんだ!?」 

山城「えへへー……提督、てーとくぅ」ギュウッ 

提督「その声は山城!いや違う!俺の知ってる山城はこんなんじゃない!もっと俺に冷たい!まさか貴様偽物か!?」 

山城「違いますよー、私は正真正銘、あなたの山城ですよ?てーとく」ギュー 

提督「違う!絶対に違うって!」 

山城「もう、信じてくれないなら……こうです!」 

山城は 一度 離れて 再び 提督に 抱き着いた! 

山城「はい、これで私だと信じてくれますね?てーとく?」ゴロゴロ 

提督「OKわかった!だからすぐに離れよう!そして医務室へ行こう!きっとお前は幻覚性のあるキノコか何かを食べたんだそうに違いない!」 

提督(うわああああああああああ!柔らかい!そしていい匂い!やばいやばいやばい! り せ い が し ぬ )

226: ◆ATK1PCranA 2014/10/27(月) 21:45:42.13 ID:5hzL4W3h0
山城「ぶー……嫌です!離れません!」イヤイヤ 

提督(ぎゃあああああああああああああ!胸が!山城の胸が俺の胸のあたり●●●●されてる!) 

榛名(楽しそうですね、二人とも。まあ榛名も十分に楽しんでますが!)パシャッパシャッ ハアハア 

扶桑「提督ー?山城を見ませんでしたか?って、あら?」 

提督「扶桑!いいところに来てくれた!早く山城を引きはがして医務室へ――――山城「扶桑姉さま!姉さまも一緒に提督に抱き着きましょう!」――――連れて行ってくれ!」 

扶桑「あらあら、これはいったい……?」 

榛名「山城さんが日頃の提督への態度を反省して、提督に甘えてるんです」シレッ 

扶桑「まあ、そうなの?そっかあ、それは良かったわ。私も山城の提督への態度はちょっと問題かなって思ってたし、山城が提督を好きになってくれたなら私も嬉しい」 

提督「扶桑ー!そこの役に立たないアホ秘書艦と雑談なんてしてないで早く助けてくれ!」 

山城「姉さま早く!一緒に提督に甘えましょう!」 

扶桑「ふふ、そうね。たまには、甘えてみるのもいいかもね……今行くわ!」 

ウワー キャー ギャー パシャッパシャッ ハアハア オイヤメロソコハシャレニナラナイ! 

こうしてこの日以来、山城は一気に提督にデレたそうです

238: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 21:39:14.28 ID:yKgUqwlu0
~ある日の鎮守府なんだよ!なんだよ!~ 

赤城「加賀さん加賀さん」チョイチョイ 

加賀「……何ですか赤城さん」 

赤城「提督がさっき加賀さんのこと探してましたよ?」 

加賀「提督が?いったい何の用なんでしょう?あの提督はたいした用事ではなくても私を呼びますからね」ヤレヤレ 

赤城(もし加賀さんがわんちゃんだったら、今は尻尾が凄い勢いで振られてるんでしょうね) 

加賀「まあ、それでももしかしたら大切な用かもしれませんしね。ちょっと行ってきます」ダッ 

赤城「はいはーい、いってらっしゃいです……さて、加賀さんのおやつのクッキー、いくつまでなら食べてもバレないでしょうか?」 

239: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 21:51:25.91 ID:yKgUqwlu0
~提督の部屋兼執務室~ 

バンッ 

加賀「提督!呼びましたか!」 

提督「加賀GJ!ナイスタイミングで来てくれた!」グッ 

榛名「提督、さっやけにトイレが長いと思ってたら、加賀さん呼びに行ってたんですか!?」 

提督「ああそうだよ!悪いか!?」アアンッ!? 

榛名「悪いですよ!自分が勝てないからって加賀さんを呼ぶだなんて!」グギギ 

加賀「……あの提督?これはいったいどういう……?」 

提督「ああ、それがな。仕事の休憩がてらスマブラやってたら榛名が『十本先取の勝負で負けた方が勝った方の言うことを何でもきくってルールでやりましょう』とか言い出しやがってな?」 

榛名「榛名が八勝した辺りで提督がやけに長いトイレに行きまして」 

加賀「……その時に赤城さんが私を探してる提督を見て先ほど私にそれを伝え、今に至るというわけですか」ハア 

加賀「あなたたち、仮にもこの鎮守府の提督と秘書艦なんですから、もうちょっとマジメに働いてください」 

240: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 22:01:57.55 ID:yKgUqwlu0
提督・榛名「うっ」ビクッ 

加賀「はあ……で、結局私はどうすればいいんですか?」 

提督「俺の代わりに榛名と戦ってボコボコにしたってください」orz 

加賀「提督の頼みなら、引き受けるのはやぶさかではありませんが……」チラッ 

榛名「……」ブンブン 

加賀「無言で首を横に振っている仲間と戦うのは躊躇われますし……」 

榛名「な、なら三人でやればいいんじゃないですかね!?誰かが十勝に達した時点で一番勝ち数の少ない人が、勝った人の言うことを聞くってことで!」 

提督「なっ!?榛名てめえ何言って……っ!」 

加賀「早く始めましょう。時間が惜しいです」ジュンビ カンリョウ! 

提督「なんでお前急にそんなやる気満々なの!?」 

榛名(助かった……これで榛名は敗北を免れ、加賀さんは提督に言うことをきかせられる。これぞ、二人ともにお得なWin-Winというやつですね)

241: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 22:04:23.06 ID:yKgUqwlu0
加賀「私のメタナイトの力、思い知ってください」 

榛名「ピット君こそが最強です」 

提督「ちっきしょー!やるよ!やりゃあいいんだろ!?俺のカービィの真の力、見せてやるぜ!」

243: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 22:08:44.35 ID:yKgUqwlu0
~勝負が終了しました~ 

提督「……」マッシロ 

加賀「ゲームで私に勝てると、一瞬でも思いましたか?」フフン 

榛名「うわあ、えげつない……」 

榛名(結果は加賀さんの圧勝。加賀さんが十勝した時点で私は一勝、提督は勝ち無しですから……) 

加賀「約束通り、私の言うことを何でも聞いてもらいますよ?」 

提督「……わかった。俺も男だ。約束は守ろう」キリッ 

榛名(きゃー提督かっこいー。微妙に震えているのがなければ素直にそう言えたんですけどね……)

244: ◆ATK1PCranA 2014/10/28(火) 22:16:25.64 ID:yKgUqwlu0
提督「で、加賀の要求は何だ?」 

加賀「そうですね……」ウーン 



加賀「では、今日は私と一緒に寝てください」 



提督・榛名「……」 

提督・榛名「はい!?」ブフォッ 

提督「ちょ、加賀お前今なんて言った!?」 

加賀「今夜は私と一緒に寝てくださいと言いました」 

榛名「本気ですか!?本気ですよね!?本気じゃなかったら泣きますよ!?」 

加賀「本気です」 

榛名「添い寝イベントきたああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」ムハー! 

提督「ちょっと待て!一緒に寝るのは流石に色々まずいだろう!?」 

加賀「大丈夫です。何の問題もありません」 

提督「いや、問題あるから!問題だらけの問題パニックだから!」アワアワ 

榛名「何言ってるんですか提督!艦娘とコミュニケーションを取るのも提督の務めでしょう!」 

提督「寝てたらコミュニケーションの取りようなんざねえだろうが!」 



249: ◆ATK1PCranA 2014/10/29(水) 21:47:30.51 ID:Uu9ok5om0
~夜だよっ!榛名の部屋だよっ!~ 

榛名「はあ~今頃は提督の部屋であんなことやこんなことが起きて……るはずはありませんが、それでもきっと甘々なトークくらいは行われてるんでしょうねぇ。明日の朝一でカメラをチェックせねば」キリッ 

コンコン 

榛名「はーい、開いてますよー?」 

榛名(いったい誰でしょう?今日来るフラグが立っている方はいらっしゃらないはずなのですが) 

ガチャッ 

加賀「……お邪魔するわ」 

榛名「……」 

榛名「何で加賀さんがここに!?提督の部屋にいたんじゃなかったんですか!?」 

加賀「ちょっと、相談があって。提督にはトイレに行ってくると言ってきたわ」 

榛名「言い訳が提督レベルですね!?いや、あの提督のことだからあっさり信じてるんでしょうけど、あまり長いと嘘なのバレますよ!?」 

加賀「ええそうね。だから早く相談して早く帰りたいの」ハア 

榛名「そんな嫌そうな顔するくらいなら来ないでくださいよ!」ガビーン

250: ◆ATK1PCranA 2014/10/29(水) 22:03:44.13 ID:Uu9ok5om0
榛名「……それで?結局何しに来たんですか?」 

加賀「だから相談に来たとさっきから言っているでしょう」 

榛名「その相談内容を聞いてるんですよ!」ウガー 

加賀「ああ、そういうこと。それならそうときちんと言ってほしいわ」 

榛名「今の話の流れから汲み取れない方が悪いでしょう今のは!」 

加賀「それで、肝心の相談内容なんだけど」 

榛名「榛名のツッコミはガン無視ですかそうですか」 



加賀「正直、いざ提督と寝るとなると恥ずかしくて緊張してしまって……」 

榛名「だったら何で要求したんですか!?」 



加賀「いや、昼に言ったときはいけると思ってたのよ。顔がにやけるくらいテンションが上がってたの」 

榛名「そうだったんですか!?加賀さんって表情が変わらないから全然わかりませんでしたよ!?」

251: ◆ATK1PCranA 2014/10/29(水) 22:25:36.63 ID:Uu9ok5om0
加賀「そう……榛名もそう思ってたのね……」ズーン 

榛名(あ、これ面倒くさいヤツだ。鈴谷さんと同じ感じがする) 

加賀「私ってそんなに無表情かしら。自分では割と表情豊かな方だと思うのだけれど」 

榛名「えっ!?あ、あーそうです……ね?」 

加賀「……疑問形な時点で本音はバレバレよ、榛名。はあ、もしかして提督にも無表情で無愛想な奴だって思われてるのかしら、私」ドヨーン 

榛名(泣き出さないだけ鈴谷よりマシかと思ったら、ちょろくないからやっぱり同じくらい面倒くさいです!) 

加賀「はあ……」 

榛名「だ、大丈夫ですよ!加賀さんの最大の魅力はたま~に出る微かな笑顔ですから!ギャップ萌えってやつです!」 

加賀「……暗にそれ以外の魅力が無いって言われてるような気がするわ」 

榛名「そうやってネガティブに捉えるのやめてもらえません!?」 

加賀「冗談よ……ありがとう、榛名。おかげで少しは立ち直ってきた」 

榛名「加賀さん……」 

加賀「榛名のボケのおかげで程よく緊張もほぐれたし」 

榛名「あれ!?今回榛名がボケキャラ扱いですか!?どっちかっていうと加賀さんの方がボケてた気がするんですけど!?」 

加賀「一航戦の私がボケたりするはずないでしょう」ヤレヤレ 

榛名「一航戦とボケキャラ否定の間に何の関係性も見いだせないのですが。榛名がおかしいんですか?」 

加賀「それじゃ、私は提督を待たせてるから戻るわ」 

榛名「……そうですよね、それでこそ加賀さんですよね」グスン 

ガチャッ バタン! 

榛名「……頑張ってくださいね、加賀さん。榛名の趣味のためにも!」 


253: ◆ATK1PCranA 2014/10/29(水) 22:43:12.25 ID:Uu9ok5om0
~提督の部屋~ 

提督「加賀の奴遅いな……やっぱり様子を見に行って――――」ソワソワ 

ガチャッ 

加賀「すみません、遅くなりました」 

提督「加賀!よかった……もしかしたら何かあったのかと心配したんだぞ?」 

加賀「……そうですか。心配、してくれたんですか」/// 

提督「当たり前だろ。ほら、さっさと寝るぞ。俺はもう眠気が限界なんだ」アクビー 

加賀「そうですね。私も少し眠たいです」 

~ベッドIN!~ 

加賀「……提督。一つ、質問をしてもいいですか?」トントン 

提督「何だ?背を向けたままでいいなら答えるぞ?」 

加賀「提督は、私のことをどう思っていますか?」 

提督「どう思っているか?何でそんなこと聞くんだ?」キョトン 

加賀「私って、どうやら感情があまり表に出ていないらしいんです」 

提督(『らしい』ってことは自覚無かったのか) 

加賀「だから、無愛想な奴だと思われてるのではないかと……」 

提督「……確かに、加賀はあまり表情が変わらないから何考えてるかわかりづらいし、出会って最初の頃は無愛想な奴だと思ってた」 

加賀「……そう、ですか」 

提督「でも今は無愛想だなんて思ってない」クルリ 

加賀「え?て、提督?」 

提督「加賀はいつも一生懸命で、いい奴だ。楽しい時も、嬉しい時も、悲しい時も、辛い時も、本当は誰より心の中でそう思ってると俺は勝手に信じてる」 

加賀「てい、とく……」 

提督「俺にとっての加賀は、信頼と親愛に値する大切な仲間だよ」 

加賀「あ、ありがとう、ございます……」

254: ◆ATK1PCranA 2014/10/29(水) 22:48:58.37 ID:Uu9ok5om0
提督「質問に対する答えはこんなもんでいいか?」 

加賀「は、はい……」/// 

提督「んじゃ、そろそろ本格的に寝るか。おやすみ、加賀」 

加賀「お、おやすみなさい、提督」/// 

~数分後~ 

加賀「……提督?もう寝てしまいましたか?」 

提督「くー……すー……」 

加賀「ふふ、可愛い寝顔ですね」 

加賀「提督。先ほどの言葉、とても心に響きました」 

加賀「あなたが私の提督で、本当に良かったと思います」 

加賀「だから、そんなあなたに見合う働きが出来るように……ちょっとだけ、補給させてもらいますね」/// 

チュッ 

加賀「…して…す。提督」ニコッ

260: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 20:09:17.75 ID:PDoxj6430
~あ る 日 の 鎮 守 府~ 

コンコン ガチャッ 

不知火「失礼します」 

提督「ん?不知火、どうした?俺に何か用か?」グギギ 

不知火「はい。司令宛の手紙を届けに来たのですが……司令はいったい何をやってるんですか?」 

提督「左手で文字書く練習」ウギギ 

不知火「……何故そのようなことをしているか聞いても?」 

提督「両利きって格好いいよな、って思ったから」フヌヌ 

不知火「……はあ」ガックリ

261: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 20:18:28.56 ID:PDoxj6430
提督「何だ不知火。何か文句でもあるのか?両利き格好いいだろ」 

不知火「文句はありませんが……何でこんな人が不知火の上司なのだろうとは思いました」 

提督「それを文句というのだと俺は思うんだが」 

不知火「そうですか?」 

提督「そうだよ」 

不知火「そうですか」 

提督「そうだよ」 

榛名「二人で漫才やってないで働いてください」 

提督「おいよく見ろよく聞けアホ戦艦。今のやり取りのどこが漫才だ。漫才と言えるほど面白いとこあったか?」ヤレヤレ 

不知火「まったくです。不知火は榛名のことを高く評価していたのですが、どうやら見込み違いだったようですね」ヤレヤレ 

榛名「何故でしょう。久方ぶりにマジメっぽいこと言ったらすごい非難されたんですが」

262: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 20:54:07.93 ID:PDoxj6430
提督「まあ、冗談はこのくらいにして。手紙プリーズ、不知火」テ ヲ サシダシ 

不知火「はい」テガミ ヲ テワタシ 

榛名「誰からですか?」 

提督「えーっと……げ、天龍からだ」 

榛名「天龍さんからですか……て、手紙には何と?」 

提督「近々遊びに行くから準備しておけ、だって」 

榛名「……」ガクブル 

榛名「提督、逃げましょう。この鎮守府は危険です」ガクブル 

提督「もう遅いだろ。あいつのことだ、逃げたら喜んで追っかけてくるぞ」 

榛名「……そうでした。天龍さんはそういう人でした」ズーン 

不知火「あの、司令。先ほどから話題に出てる天龍とは……?」 

提督「ああ、不知火はこの鎮守府で建造されたから知らないんだっけか。天龍ってのは前の鎮守府で一緒に戦った俺の部下で、榛名の同僚でもある艦娘だ」 

不知火「どういう人なんですか?」 

提督「一言で言えば戦闘狂。滅茶苦茶強い上に訓練好きだったから、よく榛名が相手させられててな」トオイメ 

榛名「すみませんすみません榛名が悪かったですだから雷撃はもうやめてください雷撃だけは本当に勘弁してください天龍様」ブツブツ 

不知火「だから榛名があんな風に壊れているのですか」

263: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 21:01:05.98 ID:PDoxj6430
提督「そういうこった。でも面倒見は割といい奴だったから、駆逐艦の奴らには好かれてたんだよなあ、あいつ」ククッ 

不知火「……」ズキン 

提督「出撃したら無敵の強さを誇ってたし、今でも俺の中の最強の座はあいつだよ」 

不知火「……っ!」 

不知火「……司令、不知火は用事を思い出したのでこれで失礼いたします」 

提督「ん?ああ、手紙ありがとな。不知火」 

ガチャッ バタン 

榛名(あー、あれはマズイですね。どうやら今日の相談者は不知火さんになりそうです。榛名、あの人苦手だからなるべく二人きりになるのは避けたいんですが、仕方がありませんか)

264: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 21:17:38.61 ID:PDoxj6430
~名状しがたい夜のようなもの~ 

コンコン ガチャッ 

不知火「お邪魔するわ」 

榛名「いらっしゃいませ、不知火さん」ニコッ 

榛名「それで?今日はいったいどんな相談なんですか?」 

不知火「……強くなりたい」 

榛名「何故ですか?」 

不知火「……」 

榛名「……提督のため、ですね」 

不知火「……ええ、そうよ」コクン 

榛名「別にあの人は強さで私たちを見たりをしませんよ?」 

不知火「それでも、強くなりたいの。不知火が、司令の――――」 

榛名「――――提督の『最強』になるためですか?」 

榛名「榛名は無理だと思いますけどね、あの天龍さんを超えることなんて。あの人は一種のバグ、例外みたいなものですし」 

不知火「それでもっ!」 

榛名「それでもやってみなくちゃわからない、とでも?わかりますよ、榛名だって同じことを思ってダメだったんですから」ハア 

不知火「……え?」 

榛名「今でこそ鎮守府内最強なんてことになっていますが、前の――――横須賀の鎮守府に戻れば榛名なんて精々五番目くらいです。もちろん、一番は天龍さんですが」 

榛名「そんな榛名よりも弱い不知火さんが、本当に天龍さんより強くなれると思うんですか?」

265: ◆ATK1PCranA 2014/10/30(木) 21:41:05.44 ID:PDoxj6430
不知火「……でも、そうじゃなきゃ、司令の、最強じゃなきゃ」ウルッ 



不知火「不知火はきっと、いらない子になるっ!」 



不知火「本当は怖いの。いつか不知火がいらなくなって解体されるかもしれないって。司令がそんなことしないのはわかってる。でも、艦娘としての本能が、知識が、『弱い艦娘に生きる資格はない』って囁く!」 

不知火「だから不知火は強くなきゃいけない!誰よりも!誰よりも誰よりも誰よりも!強く、なきゃいけないのに……そうしなきゃ、司令と……」 

不知火・榛名「司令(提督)と、一緒にいられない」 

不知火「……」 

榛名「……榛名も、その気持ちはよくわかります。榛名だって一年前は同じことを思ってたんですから」 

榛名「でも、強くなろうと思えば思うほど、世の中上手くいかないものです。それを榛名は一年前に知りました」 

榛名「強くなろうとするその気持ちは尊いものですが、あまりに強すぎると身を滅ぼします」 

不知火「榛名……」 

榛名「不安なら聞けばいいんです。きっと提督はその不安を取り除いてくれます。『弱い艦娘に生きる資格はない』なんて嘘だって教えてくれます」 

榛名「それに、今の提督に必要なのは強い艦娘ではありません。純粋すぎるまでに提督のことを想う、恋する乙女です」 

不知火「恋する、乙女……」 

榛名「不知火さんは提督のこと、嫌いですか?」 

不知火「そ、そんなわけない!」 

榛名「では、好きですか?」 

不知火「そ、それは……そうよ」/// 

榛名「それは、恋愛感情ですか?それともただの親愛ですか?」 

不知火「それは、わからないけど……でも、司令とずっと一緒にいたいって、そう思うわ」 

榛名「なら、それでいいんですよ。不知火さんはそのままで大丈夫です。今求めるべきは戦闘的な強さではなく、提督を惚れさせるための魅力です」 

不知火「ほ、惚れっ!?」/// 

榛名「これからも榛名は相談に乗りますから、一緒に提督を落としてしまいましょう!」 

不知火「……」/// 

榛名「返事っ!」 

不知火「は、はい!」 

榛名「よろしいです、では、今日の相談はもう大丈夫ですね?」 

不知火「え、ええ……色々とありがとう、榛名。その、これからもよろしく」/// 

榛名「はい、よろしくお願いします、不知火さん」 

不知火「それじゃあ、今日はこれで失礼するわ。おやすみなさい」 

榛名「おやすみなさい」 

ガチャッ バタン 

榛名「……これで不知火さんは大丈夫でしょう。不知火さんは、一年前の榛名がわからなかった気持ちを、きちんと理解して向き合えたのですから」 

榛名「一年前のような惨劇を経験するのは、榛名だけで充分です」ポロリ 

榛名「……ねえ、提督。あのとき榛名が間違えなければ、今頃榛名はあなたの隣で笑えていたのでしょうか?」ポロポロ 

榛名「『大好きです、愛してます。私の提督』」ポロポロポロポロポロ

275: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 19:42:03.68 ID:cpxNhmCK0
~ある日の鎮守府かと思ったか?その通りだ!ドヤッ~ 

電「とっりくおあとりーと!なのです!」 

夕立「司令官さん!お菓子頂戴!」 

提督「ほれ、チョコ・アメ・マシュマロ・クッキー。好きなの選んでいいぞ」ドサッ 

文月「あたしましゅまろにする~!」 

雪風「雪風はチョコにします!」 

提督「もってけもってけー」 

漣「すみませんご主人様。お仕事中にお邪魔してしまって……」シュン 

提督「気にすんなって。お前らの笑顔を見てると俺も元気になってくるしな」 

漣「……ご主人様って、ロリコンなんですか?」 

提督「違うわ!」チョップ

280: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 21:36:56.29 ID:cpxNhmCK0
漣「あいたっ!」 

提督「ったく、隙あらば人をロリコンってことにしようとするのは昔から悪い癖だぞ」 

漣「うう……猛省します」グスン 

赤城「提督提督!トリックオアトリートです!お菓子をください!」ダダダッ 

提督「やらん」 

赤城「何でですか!?」ガーン 

提督「お前はむしろあげる側だろうが!第一お前に渡してたら他の奴らの分が無くなるわ!」 

赤城「そ、そんな……」 

加賀「残念でしたね赤城さん。提督、トリックオアトリートです」 

提督「いや、お前にもやらんからな?加賀」 

加賀「……」ガーン 

提督「そんな絶望した顔されても困るんだが!?」 

榛名「加賀さん、逆に考えるんです。お菓子をくれないということは提督は加賀さんに悪戯されたがっているのだと」ボソボソ 

加賀「……っ!」ハッ

281: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 21:44:47.39 ID:cpxNhmCK0
加賀「て、提督!い、悪戯しちゃいま――――電「加賀お姉ちゃんもお菓子食べるです?」――――ありがとう電ちゃん。頂くわ」 

赤城「あ、加賀さんだけずるいです!」 

文月「あかぎおねえちゃんも。たべる~?」 

赤城「文月ちゃんありがとう!愛してる!」ギュー 

文月「ふ、ふみ~!」モガモガ 

提督「……やっぱり俺もあいつらにお菓子あげて――――」 

漣「ご主人様?」ジトー 

提督「――――くる気はないな!だってもう電とか文月に貰ってるもんな!」アセアセ 

榛名(ちっ、提督×加賀と提督×赤城は見逃しましたか……でもまあ嫉妬する漣さんが見れたのでよしとしましょう!)ホクホク

282: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 21:56:41.15 ID:cpxNhmCK0
北上「提督ートリックオアトリート。お菓子頂戴?」スタスタ 

大井「キルオアトリート。お菓子をくれなきゃ殺害するわ」スタスタ 

提督「北上と大井か。お前らは対象だから好きなの持ってっていいぞ」 

北上「やったね。どれにしよっかなあ~?」 

大井「私の発言に対するツッコミが無いことに酷くムカつくわ」 

提督「大井だからいいかな、と。お前の物騒な発言はいつものことだし」 

大井「それはつまり、私になら殺されてもいいと?変態ね」 

提督「どうしてそうなる……」ハア 

北上「大井っちはチョコでいいんだよね」 

大井「ええ、問題ないわ。北上さんは何にしたの?」 

北上「クッキーだよ~。提督の手作りなん――――大井「き、北上さんがそっちを選んだなら仕方がないわね!私もそれにするわ!」――――大井っち、提督の手作りだって聞いた瞬間目の色変わり過ぎ……」

283: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 22:36:50.04 ID:cpxNhmCK0
大井「なっ!そ、そんなことないわ北上さん!誰が提督の手作りクッキーなんて喜んで食べるもんですか!わ、私はただ単に北上さんがこれを選んだから私もこれにしただけで……」アワアワ 

北上「はいはいそうだねー」スルー 

大井「もうっ!北上さん、ちゃんと聞いて!」 

提督「人生楽しそうだな、お前らは本当に……」 

榛名「そうですね」 

榛名「ところで提督。今年は榛名には無いんですか?お菓子」 

提督「あるぞ?ほら」サシダシ 

榛名「あむっ、もぐもぐ……美味しいです。また腕をあげましたね、提督」 

提督「この前の天龍からの手紙に入ってたレシピ見て作ったからな」 

榛名「ああ、だからですか……あの人、なんやかんやで何でも出来る完璧超人でしたからね……」トオイメ 

提督「そうだな。流石に一人で満漢全席作ったときはビビったわ……」トオイメ 

漣「掃除当番のたびに三時間で鎮守府内を新築同然にするのにもビックリしましたよね……」トオイメ 

提督・榛名・漣「天龍(天龍さん)って、本当に凄かったよな(ですよね)……」ボー 

~その頃の横須賀鎮守府~ 

天龍「ぶえっくしっ!何だ?提督たちがオレの噂でもしてやがんのか……?」 

島風「天龍、風邪?大丈夫?」フアンゲ 

天龍「大丈夫だよ、心配すんなって」ナデナデ 

島風「んっ……そりゃ心配するよ。だって……」 



ビスマルク「きゃー!卵が!卵が爆発したわ!天龍ー!Um mir zu helfen(私を助けて)!」ガラガッシャン! 

磯風「な、何だ!?お湯が!お湯がどんどん無くなっていくぞ!?どうなっているんだ!?」グツグツグツ 

叢雲「な、何よ!何でお魚がこんな真っ黒になるのよ!絶対におかしいわ!」ボワンッ クロコゲー 



島風「このままじゃ、お夕飯が無くなりそうなんだもん……」 

天龍「……頭痛え」 

愛宕「て、天龍助けてっ!あの子たちをキッチンから出して!」

286: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 23:33:18.13 ID:cpxNhmCK0
~ハロウィーンナイト(ようするに夜)~ 

コンコン ガチャッ 

大井「榛名ー?いるー?」 

榛名「いらっしゃいませ、大井さん。紅茶いります?」 

大井「ええ、ありがとう。頂くわ」 

榛名「はい、どうぞ……それで、今日はいったいどんな相談なんですか?」 

大井「その……今日も、いつもと同じ相談なんだけど」オドオド 

榛名「……北上さんに対する嫉妬、ですか」 

大井「北上さんのこと、大好きなのに。それなのに、提督と会話したりしているところを見てると、どうしても……」グッ 

榛名「大井さんは本当に提督のことが大好きですねえ……」ニヤニヤ 

大井「べ、別に提督のことなんてっ」アセアセ 

榛名「ほら、そういうところがいけないんですよ。常日頃から提督に素直に好意的に接していれば、北上さんが提督と話してるだけで嫉妬することなんてありません」 

大井「そ、それは……私と提督が仲良くし過ぎると北上さんが傷ついて……」 

榛名「……はあ。まったく、山城さんと同じかそれ以上に酷いですよ。山城さんは本気で扶桑さんのことを考えていた分まだマシですが、大井さん。あなたのそれはただの逃げ、言い訳でしょう」ハア 

大井「言い訳なんかじゃないわっ!」 

榛名「言い訳でしょう。あなたが恐れているのは北上さんが傷つくことではなく、自分が北上さんに嫌われることでしょう」 

大井「……っ!」

287: ◆ATK1PCranA 2014/10/31(金) 23:51:17.84 ID:cpxNhmCK0
榛名「まったく、情けないったらありゃしません。親友に嫌われるのが嫌だから、その親友と好きな人が一緒にいるのを見てるだけで自分は素直に想いを伝えたりもしない。さらにその親友に嫉妬して自己嫌悪って」 

大井「うう……」 

榛名「大井さんはもう少し北上さんを信じてみるべきだと榛名は思いますよ?」 

大井「北上さんを、信じてみる……?もう充分すぎるほどに信じてると思うんだけど……」 

榛名「全然足りてません。北上さんは、大井さんと提督がイチャイチャした程度では大井さんのことを嫌いになったりしませんよ。まあ、大井さんみたく嫉妬するかもしれませんが」 

大井「そう、なのかな……」 

榛名「はい。この恋愛マスターたる榛名が言うのだから間違いありません!榛名は大丈夫です!」 

大井「わかったわ、北上さんを信じてみる……」グッ 

榛名(ちょろい) 

榛名「それでは榛名はそろそろ寝たいので、お部屋にお帰りください」 

大井「わ、わかったわ……榛名、ありがとね」ニコッ 

榛名「いえいえ、これも榛名の趣味ですから」 

大井「それでもよ。いつもありがとう、おやすみ」 

榛名「おやすみなさい」 

ガチャッ バタン 

榛名「もう出てきても大丈夫ですよ」チョイチョイ

288: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 00:04:59.36 ID:9sXNpui10
北上「……」 

榛名「で、どうでした?大井さんの気持ちを聞いてみた感想は」 

北上「大井っちも、あたしと同じこと思ってたんだね……」 

榛名「だからさっき榛名もそう言ったじゃないですか。あなたたちはお互いがお互いを大好きなくせに、今一つお互いを信頼できてないんです」 

榛名「だからお互いに遠慮して、結局嫉妬して自己嫌悪。バカとしか言いようのない悪循環ですね」 

北上「面目ない……」シュン 

榛名「ま、いいですけどね。そのおかげで、こうして榛名の趣味が捗るわけですし」 

榛名「ほら、北上さんももういいでしょう?これ以上はあなたたちの問題です。榛名はもう寝ますから、早く部屋に帰って大井さんと色々話して来てください」 

北上「う……わかったよ。大井っちと、ちゃんと話してみる」 

榛名「それでよろしい」エッヘン 

北上「それじゃ、おやすみ。榛名」 

榛名「おやすみなさい、北上さん」 

ガチャッ バタン 

榛名「はあ、ダメですね。ここ最近寝不足のせいか、言い方がきつくなって仕方がありません」 

榛名「これもまた、『私』に課された罰ということなんでしょうかね。天龍さん、漣さん」

289: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 00:07:15.86 ID:9sXNpui10
――――目の前に写るのは、どこまでも鮮やかな赤色と。 

――――愛しいあなたの、顔でした。 

――――『大好きです、愛してます。私の提督』 


386: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 18:16:14.53 ID:9sXNpui10
~ある日の鎮守府~ 

山城「ふふふ~♪てーとくー♪」ゴロゴロ 

提督「……あの、山城さん?そろそろ降りていただけませんでしょうか?起きてから二時間くらいこれなんですけど」 

山城「ダーメーですっ!今日は折角のお休みなんですから、提督は私と一緒にゴロゴロするんです♪」スリスリ 

提督「いやマジで勘弁してください!さっき朝食に呼びに来た加賀の視線の冷たさがやばかったんです!殺される!俺これ絶対後で殺される!」 

山城「……提督、いい匂いです」クンカクンカ 

提督「だからそういうのをやめろって言ってんだよ!?」 

山城「ぶー……提督は私のこと嫌いなんですか?」ウルウル 

提督「いや、嫌いとかそういう問題じゃなくてだな……」ワタワタ 

山城「じゃあ好きですか?」 

提督「えっ!?あ、そ、それは……」/// 

山城「……やっぱり嫌いなんですね。提督に嫌われるなんて、不幸だわ」ヨヨヨ 

提督「お前絶対に楽しんでるだろ!」 

山城「バレちゃいましたか」テヘ

388: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 18:25:55.48 ID:9sXNpui10
提督「というかそろそろ本気でどいてくれ。腹減ったし」グゥ 

山城「わかりました。その代り、朝ご飯は私に作らせてくださいね?」 

提督「わかったわかった。もういいよ何でも。お前が降りてくれて腹を満たせるなら、もう他のことはどうだっていいよ」 

山城「本当ですか?それじゃあ、朝ご飯食べ終わったら私とお出かけしてください」 

提督「あーはいはいお出かけね。わかったわかった……って、は?お出かけ?」 

山城「本当ですね!?私、本気にしましたからね!今更取り消そうだなんて無理ですからね!」キャッキャッ 

山城「それでは山城。愛する提督のために朝ご飯作ってきます!すぐ戻るので待っててくださいね!」ダッ 

提督「おい山城!ちょ、まっ……行ってしまった」 

提督(やばい終わった。俺の人生完璧に終わった。先週の鈴谷との一件で安易な発言を自粛すると決めたのにこの体たらく。俺はバカなのか?) 

提督「……とりあえず、山城が戻ってくるまで遺言状でも書いて待ってよう」

389: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 18:39:21.06 ID:9sXNpui10
~時間が経過したよ~ 

提督「……俺の死んだあとには羅針盤の交換と、妖怪猫吊るしの捜索をよろしくお願いします。っと、こんな感じでいいか」 

コンコン 

山城「提督。朝ご飯作ってきましたよ?」ガチャッ 

提督「サンキュー、山城」 

山城「提督の好きな甘めの卵焼きを作ってみました……はい、あーん」 

提督「別に自分で食べられるが?」 

山城「作ってるところから食べさせて片付けるところまでが料理なんだそうですよ?青葉から聞いた話によれば」ニコッ 

提督「それは確実にガセネタだから真に受けるな。まあ、別にいいけどな……」※前に金剛や鈴谷とやったため慣れたため 

提督「んむ……美味い。本気で美味い」 

山城「えへへ……そうですか?美味しいですか」ニヘラー 

山城「次はこのおひたしを……」アーン 

提督「もぐもぐ……これも美味いな」 

山城「提督への愛をこめて作りましたから!」ドヤッ 

提督「へー」 

山城「あれ!?思ったより反応が薄い!?」 

391: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 19:01:09.18 ID:9sXNpui10
~食べ終わりました~ 

提督「ご馳走様」 

山城「お粗末さまでした」 

提督「ふー美味かった……しかし意外だったな、山城が料理上手だったなんて」 

山城「一応、家事全般は扶桑姉さまに教わってますから」 

提督「なるほど、扶桑は家事得意そうだもんな」 

山城「はいっ!姉さまは私の自慢の姉さまです!」 

提督「そうか。姉妹仲がよろしくて結構なことだ」ナデナデ 

山城「ふぁっ!?て、提督!急に撫でるのは反則です!」/// 

提督「嫌だったか?」 

山城「嫌じゃ……ないですけど」///

392: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 19:23:13.40 ID:9sXNpui10
提督「それで、今日はどこに行くか決めたのか?」 

山城「は、はい!?あ、えーとですね。漠然と映画でも見に行こうかなあーと思ってたりします!」アワアワ 

提督「じゃ、映画でいいか。山城も色々と準備とかあるだろうし、三十分後に鎮守府前……じゃバレて蜂の巣だな。駅前でいいか?」 

山城「は、はい!ふ、扶桑型戦艦山城!頑張ります!」 

提督「何を頑張るんだ……?」 

397: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 21:19:31.42 ID:9sXNpui10
~三十分後・駅前~ 

提督(もう二週目だ。先週のようなネガティブシンキングは捨てた) 

提督(どうせ死ぬならいっそ最後に思いきり楽しんでしまおう) 

タタッ 

山城「て、提督、待ちましたか?」ゼーゼー 

提督「いや、俺も今来たところだ、ぞ――――」 

山城「?どうしました?提督」キョトン 

提督(1、10、100、1000、10000……バカな!まだ可愛さが上がるだとっ!)パリーン 

提督(白いふんわりとしたワンピースに頭に着けた白いリボンと全体的に白が多いが、その効果で山城の綺麗な黒髪がよく映えている) 

提督(それに山城の純粋無垢そうな表情が白い服装と相まって可愛く見える。って、俺は誰に語っているんだ?)

398: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 21:30:08.97 ID:9sXNpui10
山城「提督、もしかしてどこか具合でも悪いんですか?」フアンゲ 

提督「い、いやそんなことはないぞ!?俺、元気!超元気!心配、必要、皆無!」オタオタ 

山城「そうですか?なら、良かったです。提督が体調を崩すと姉さまが悲しみますから。もちろん、私も」ニコッ 

提督「ぷもぶらっ!」グハッ 

提督(『山城が可愛すぎて生きるのがつらい』ってタイトルでスレ建てようかと思うほど可愛い山城) 

山城「それじゃあ映画館に向かいましょう、提督」 

提督「あ、ああ、そうだな」ギクシャク 

山城「提督、映画館はこっちですよ?もう、おっちょこちょいなんですから」ギュム 

提督「はうあ!……ヤ、ヤマシロサン?アナタハイッタイナニヲヤリヤガッテルンデスカ?」 

山城「そ、その、提督とはぐれないように腕を組もうかと……この人ごみですし……」/// 

提督「腕を組むだけなら胸を当てる必要はないだろ!?」/// 

山城「す、少しでも提督を感じていたくて……お嫌、でしたか?」 

提督「そ、そんなことはないが……」/// 

山城「では問題ない、ですね。は、早く行きましょう」/// 

提督「お、おう」///

400: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 21:54:16.12 ID:9sXNpui10
~映画館に着きました~ 

提督「何見る?山城」 

山城「そうですね……この恋愛ものとかどうでしょう?」 

提督「何々……『全米が泣いた!究極のラブストーリー』?胡散臭いにもほどがあるな、このキャッチフレーズは。どう考えてもアメリカで放映されてないし」 

山城「でもこれ、面白そうですよ?ほら、特にこの『鈍感な上司と一途な部下の純愛』ってところが素敵です!」 

提督「今時B級映画にさえならなさそうな内容っぽいが……まあいいか。山城がそれを見たいって言うなら俺は別にいいぞ?」 

山城「本当ですか!?それじゃあチケット買いに行きましょう!」グイグイ 

提督「お、おい!引っ張るなって!」

401: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 22:16:11.26 ID:9sXNpui10
~チケット売り場~ 

提督「この映画のチケット二枚ください」 

店員「はい、チケット二枚ですね。ただいまカップル様限定で、チケット料の割引と映画で使用されたものと同じデザインの指輪をお配りしているのですが、お客さま方はお付き合いなされていますか?」 

山城「か、カップル……指輪……!?」カアア 

提督(チケット料の割引!?) 

山城「あ、あの、私たち別にカップルって訳じゃ……」/// 

提督「はい、俺たちは紛れもなくカップルです!それはもう、一部の隙もなくカップルです!」 

山城「て、提督!?」/// 

提督(許せ山城……これもチケット料の割引のためなんだ!) 

店員「そうですか。では、チケット料の割引と……はい、こちらの指輪です」 

提督「ありがとうございます」 

提督「ほら、山城後ろつっかえてるから行くぞ」グイグイ 

山城「か、カップル……私と提督が、カップル……」プシュー 

402: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 22:27:35.42 ID:9sXNpui10
提督「さて、この指輪どうしたものか」 

山城「……」プシュー 

提督(俺が持ってても使い道にないしな。オークションにかけても売れる気がしないし) 

提督「あ、そうだ。山城、これいるか?」 

山城「は、はい!子供は男の子一人と女の子二人がいいですね、あなた!」 

提督「お前はいきなり何を言い出してるんだ」 

山城「あ、あれ?ここは……映画館?夢のマイホームは?」キョロキョロ 

提督「何寝ぼけてんだお前」 

山城「あ……」 

山城「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」カアアアアア 

山城「わ、忘れてください色々と!」バキッ 

提督「ひむぬは!?」ゴハッ 

~~~~~ 

提督「はっ!出版順に並べると時系列が合わなくなるが、時系列順に並べるより見栄えがいい?」 

山城「目を覚ましてそうそう何言ってるんですか提督」 

提督「山城?ああ、何か変な夢を見てたようだ……」 

山城「大丈夫ですか?提督は こ ろ ん で 強く頭を打っていましたから」 

提督「転んだ?そうだっけ……?」 

山城「はい」シレッ

403: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 23:05:26.46 ID:9sXNpui10
提督「まあお前がそう言うならそうなんだろ……で、ここはどこだ?」 

山城「シアターの私たちの席です。提督が こ ろ ん で 倒れた後、倒れた提督を背負って飲み物とポップコーンを買って、ここまで運んできたんです」 

提督「すまん、ありがとな」 

山城「い、いえ!この程度のことどうってことありませんから!……責任は私にある訳ですし」ボソッ 

提督「ん?何か言ったか?」 

山城「な、何でもありません!」アセアセ 

提督「ならいいが……そうだ。さっき貰ったこの指輪。お前いるか?」 

山城「ほぇ?ゆ、指輪ですか!?提督が、私に!?」 

提督「ああ、いらないなら別にいいんだが」 

山城「い、いります!欲しいです!」 

提督「お、おう。そんなに欲しいかこれ……?ほら」テワタシ 

山城「……」ジー 

提督「ど、どうした山城?」 

提督(何故か俺式危険偵察機が反応しているが、きっと気のせいだ!そう信じるんだ俺!信じる者は救われるって偉い人も言ってた!) 

山城「……あの、この指輪、提督につけてもらいたいです。ダメ、ですか?」 

提督「?別にいいぞ?それくらい」ユビワ ウケトル 

提督(サイズ的に……薬指かな?利き手じゃない方が何かと便利だし、左手だな) 

提督「ほら」ヤマシロノ ヒダリテノ クスリユビニ ツケル 

山城「て、提督!?」///

404: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 23:14:29.57 ID:9sXNpui10
提督「ん?どうした山城」 

山城「い、いえ!何でもないですです!」/// 

提督「本当にどうした!?」 

山城「な、何でもありませんってば!……ほ、ほら、映画始まっちゃいますよ?」/// 

提督「お、おう……」 

~映画が始まってしばらくして~ 

提督「くー……すー……くー……むにゃ……」クカー 

山城(提督寝ちゃってる……やっぱり提督の寝顔はいつ見ても可愛いわ) 

山城「ふふっ……」

405: ◆ATK1PCranA 2014/11/01(土) 23:26:43.90 ID:9sXNpui10
山城「ねえ、提督。あなたは私の気持ちに気付いてるんですか?」 

暗闇のシアターの中で、少女は囁く。 

山城「いっつもいっつも私のこと惑わせて……本当は気付いているんじゃないですか?」 

返事はない。でも、それでいいのだ。これは、返事を貰うための問いではないのだから。 

山城「今日だって、いきなり指輪を渡して来て、しかも左手の薬指に嵌めるなんて……狙ってやってるとしか思えません」プンプン 

山城「でも、やっぱりあなたは気付いてないんでしょうね。私は、こんなにこんなにこーんなに、あなたのことを想っているというのに」 

山城「それでも、最近はそれでいい気もしてきました。私はあなたに告白する勇気もない欠陥戦艦ですから、このままでいいんじゃないかって。このまま、あなたの優しさに包まれていればいいんじゃないかって」 

山城「いつかあなたが誰かと想いを通じ合わせたとしても、少しだけ、ほんの少しだけでも、あなたの心に私の居場所があるなら」 

山城「私は、それで満足です」ニコッ 

――――雫が、こぼれる。 

山城「だけど、今日だけ。今日だけなら、あなたを、私が独占してもいいですよね……?」 

――――想いが、こぼれた。 

山城「……ん」チュッ 

――――世界が、恋する少女と、彼女の想い人を祝福する。 

山城「えへへ……私のファーストキス、なんですよ?」/// 

暗闇の中、少女は笑う。 

山城「大好きです、提督」ニコッ

411: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 17:44:16.48 ID:vEJmAX4k0
~ある日の鎮守府~ 

提督「ついに来たか……この日が」 

青葉「どうしたんですか司令官。そんな悟ったような顔をして」クビカシゲ 

提督「何でもないさ。とりあえず、鎮守府内の全スピーカーの電源をONにしてくれ」 

青葉「?はい、わかりました」ポチッ 

提督「よし、それじゃやるか」 

提督『岩川鎮守府勤務の総員に告ぐ!今日、この鎮守府に世界最強の生命体がやってくる!全員、刺激することのないように過ごせ!』 

提督『そして万が一榛名が外に出ようとしていたら問答無用でこれを捕縛し、執務室まで連行するように!以上!』 

青葉「……あの、司令官?世界最強の生命体ってなんなんですか?」 

提督「ああ、それはな――――」 

漣『ご主人様!先方がお見えになられました!』 

提督「くっ、もう来たか……すまん青葉!説明は後だ!俺は玄関に向かう!」ダッ

412: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 17:52:17.70 ID:vEJmAX4k0
~鎮守府入口~ 

???「ほう、ここが提督や榛名たちが勤務してる鎮守府か……」 

提督「そうだ。ようこそ、岩川鎮守府へ……久しぶりだな、天龍」 

天龍「よう提督。久しぶり」ニイッ 

漣「久しぶりね、天龍」 

天龍「おお漣!元気だったか?」ギュッ 

漣「げ、元気!元気だったから!降ろして!」ジタバタ 

天龍「お前は相変わらず抱っこされるの嫌がるんだな……島風だったら喜ぶのに」チェッ 

天龍「あれ?そういや榛名はどうしたんだ?」 

提督「ああ、あいつならきっと――――」 

榛名『ぎにゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!お願いです見逃してください!今日だけは!今日だけはこの鎮守府にいられないんです!一刻も早く逃げないと天龍さんが来ちゃうんです!』 

提督「どうやらちょうど捕まったみたいだな。会いに行くか?」 

天龍「もちろん」

413: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 17:59:07.48 ID:vEJmAX4k0
~鎮守府裏口~ 

榛名「……」グスッ 

不知火「大人しくすればこんなことにはならなかったものを……」 

加賀「無駄な抵抗を試みるから縛られたりするんですよ」 

榛名「不知火さんと加賀さんの鬼!悪魔!人でなし!天龍さん!」 

天龍「おい、今の流れでオレの名前が入ったことについて詳しい話を聞かせてもらおうじゃねえか」 

榛名「て、ててててて天龍さん!?何故ここに!?」 

提督「お前が捕まった声がしたからな。連れてきてみた」ニヤッ 

榛名「て、提督……あなたはなんてことをしてくれたんですか!」

414: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 18:10:14.74 ID:vEJmAX4k0
天龍「それで?何でオレが鬼や悪魔と同列に語られたのか、教えてもらおうか」ゴゴゴゴゴ 

榛名「ひいっ!すみませんすみません榛名が悪かったです!ちょっと昔のトラウマからポロっと本音が飛び出しちゃっただ 
けなんです!反省してますからどうか!どうかご容赦願えませんでしょうか!」ドゲザッ 

天龍「……はあ。まあいいけどな。オレがお前に怖がられてんのはいつものことだし」 

天龍「それより、この二人は?ここの艦娘か?」 

不知火「は、はい。岩川鎮守府勤務、第二艦隊所属の陽炎型駆逐艦二番艦の不知火です」 

加賀「同じく岩川鎮守府勤務、第一艦隊所属の加賀型航空母艦の加賀です」 

天龍「おう、不知火に加賀だな。俺は横須賀鎮守府勤務、横須賀鎮守府の提督代行にして第一艦隊旗艦の、天龍型軽巡洋艦一番艦の天龍だ。よろしくな」ニカッ 

不知火(この人が天龍……イメージと少し違う)

415: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 18:17:41.73 ID:vEJmAX4k0
提督「今日はわざわざ横須賀からここまで来てくれたんだ。歓迎してやってくれ」 

天龍「まあ、わざわざって言うほどの距離でもなかったけどな。海上走ったら一時間くらいで着いたぞ」 

加賀「い、一時間……?」 

提督「それはお前の性能がぶっ飛んでるからだろうが。普通はもっとかかるんだよ」 

天龍「そういうもんかねえ……まあいいや。提督、早速で悪いんだが演習室とここの第一艦隊を貸してくれ」 

提督「……来て早々に演習か。ちょっと休憩したらどうだ?」 

天龍「冗談にしちゃ笑えねえぜ提督。大人しく休んでるくらいだったら訓練するのがオレ流だ。知ってるだろ?」 

提督「知ってる……はあ、わかったよ。加賀!悪いが残りの第一艦隊の奴らを呼んできてくれ!」 

加賀「は、はい!わかりました」タタッ

417: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 18:29:56.60 ID:vEJmAX4k0
~演習室~ 

金剛「ヘーイ!提督!お呼びですカ!?」 

鈴谷「どしたの?鈴谷に何か用?」 

赤城「ご飯ですか!?ご馳走ですか!?」 

加賀「提督、連れてきました」 

提督「うむ、ご苦労。今連れてきた三人に加賀・榛名・漣をプラスした六人がうちの第一艦隊だ」 

天龍「ふーん……戦艦二隻に正規空母二隻、重巡と駆逐艦が一隻づつか。潜水艦はいねえのか?」 

提督「潜水艦は元々数が少ないからな。うちの鎮守府にも伊58ってのがいるが、生憎今は遠征中だ」 

天龍「そうか。イムヤの奴が呉の方に行っちまったから久々に潜水艦と戦えるかと期待してたんだが……まあいいか」 

榛名「言っておきますが、榛名は嫌ですからね。天龍さんと演習なんて。いくら妖精さんの謎システムに保護されてて轟沈は無いといっても、絶対に嫌です」 

漣「漣もパスでお願い。まだ死にたくない」 

天龍「何だよ、つまんねえな……じゃ、不知火と、そこに隠れてるお前。代わりに入ってくれ」 

???「っ!?」ガタッ 

大井「気づいてたの?」スタスタ 

天龍「気配でなんとなくな」

418: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 18:35:38.69 ID:vEJmAX4k0
天龍「それで、オレと戦ってくれる気はあるか?」 

不知火「はい。不知火も是非お手合わせしたいと思っていたところです」 

大井「私もOKよ。提督に世界最強とまで言われた艦娘ですもの。倒せばきっと北上さんも……くふふ」 

天龍「あんたらもいいか?」 

金剛「よく分かりませんが、あなたと演習すればいいのですカ?私は別に構いませんヨ?」 

鈴谷「鈴谷もいいよー。航空巡洋艦の力、見せてあげる」 

赤城「倒せばご馳走ですか?それならお相手します」 

加賀「私も別に構いません」 

天龍「そうか。それじゃあ早速始めよう」

420: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 18:51:57.69 ID:vEJmAX4k0
~演習開始~ 

加賀「まずは索敵。赤城さん、鈴谷、やりますよ」 

赤城「彩雲、全機発艦!」※赤城さんにも搭載されました 

鈴谷「紫雲、全機発艦!」 

『敵艦発見!』 

赤城「見つけた!北北東の方から高速で接近中!第一次攻撃隊、発艦!」 

ドゴン バゴン ドガン 

赤城「嘘!?第一次攻撃隊、全滅!」 

加賀「くっ、ここは譲れません!第一次攻撃隊、発艦!」 

天龍「遅い」バンッ×46 

加賀「なっ!?」 

加賀(46機あった烈風(六○一空)が一瞬で!?いや、それ以前にいつの間にこんな近くに!?) 

大井「甲標的 甲、発射!」 

天龍「ふっ!」サッ 

大井「全部避けた!?」 

天龍「そろそろこっちから行くぜ!」バンッ バンッ 

加賀「飛行甲板に直撃。そんな……馬鹿な」グハッ 

金剛「加賀っ!?よくも加賀をやってくれたネ!全砲門、Fire!」ドンッ 

鈴谷「うりゃーっ!」

421: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 19:04:07.64 ID:vEJmAX4k0
天龍「ちっ」シュッ 

鈴谷「はっ!?金剛と鈴谷の砲弾を、素手で防いだ!?」 

金剛「き、規格外にも程があるネ……」 

天龍「おら、お返しだっ!」バンッ バンッ 

鈴谷「きゃあっ!」ドガンッ 

金剛「Shit!提督に貰った装備が……っ!」バギンッ 

天龍「どうした?これで終わりか?」 

赤城「まだ!第二次攻撃隊、第三次攻撃隊、全機発艦!」 

天龍「数が多けりゃいいってもんじゃねえだろ!」バンッ   ドガアアアアアアアン!!!!! 

天龍「はっ!」バンッ 

赤城「くっ、一航戦の誇り……こんなところで失うわけには……」ガハッ 

天龍「あとはあの雷巡と、不知火だけか」 

不知火「はあっ!」シュッ ※不知火さんは現在近接武器的なものを装備しています 

天龍「!?」ガキンッ ※刀です 

不知火「ちっ……不意打ちは失敗しましたか」 

天龍「いいや、お前は誇っていいぜ。このオレにまったく気配を気づかせないなんて。大したもんだ」 

不知火「お褒めに与り光、栄、ですっ!」シュッ シュッ シュッ 

天龍「よっ、ほっ、とっ」キンッ キンッ キンッ

422: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 19:16:36.43 ID:vEJmAX4k0
天龍「さて、そろそろ決めないとな。いくぜ!」 

不知火(やばっ――――) 

天龍「飛天御剣りゅ――――」 

提督『おいバカやめろ!』 ※無線とかそんな感じです 

天龍「んだよ、っるせえなあ。わかったよ、オリジナルの技でやるよ」 

不知火「せあっ!」斬っ! 

天龍「ほいっ!」カキンッ クルンッ 

不知火(体勢が崩された!?) 

天龍「じゃ、改めて。天龍式剣術、壱の技」 

天龍「『斬龍』!」ザッ 

不知火「くはっ!」バタンッ 

天龍「残りはあの雷巡ただ一人」 

大井「61五連装(酸素)魚雷、全発射!」 

天龍「はあっ!」キンッ 

大井「魚雷斬るとかどんな強度してるのよその刀!」 

天龍「触れなば斬れん――――ってな。これで、チェックメイトだっ!魚雷発射!」 

大井「きゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」バゴンッ 

天龍「敵艦全大破。終わりだな」フッ 

提督『そこまで!勝者、天龍!』

426: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 21:35:43.99 ID:vEJmAX4k0
~食堂でお昼ご飯~ 

天龍「飯できたぞー!」スタスタ 

赤城「待ってましたぁ!」 

鈴谷「うわー!うわー!うちの誰が作った料理よりも美味しそうだよ!食べていい!?」 

天龍「もちろん」 

赤城「いただきまふ!」モグモグ 

加賀「赤城さん。せめて言い終わってから食べてくだふぁひ」モグモグ 

不知火「あなたが言えることじゃないでしょう」 

鈴谷「いっただっきまーす!」 

金剛「いただきますネー!」 

不知火「いただきます」 

ガツガツムシャムシャモグモグワタシノハンバーグトッタノダレデスカシラヌイノパンモヒトツタリマセン 

天龍「みんないい食いっぷりだな。ほら!まだまだあるからどんどん食え!」 

榛名「相変わらず天龍さんのご飯は美味しいですね」モグモグ 

漣「というか、前より美味しくなってる気がする」モグモグ 

提督「腕を上げたか?」モグモグ 

天龍「まあな。なんせ今の横須賀で料理が出来るのは俺を含めて二人。残り四人のうち三人は台所を地獄に変えるのような奴らだからな」ハハハ 

提督・榛名・漣(あの天龍(さん)が死んだ目をするなんて、いったいどれほどの地獄なんだ(なんでしょう)……?)ガクブル

427: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 21:45:31.67 ID:vEJmAX4k0
※言い忘れてましたが、大井っちは北上さんのところに行きました 

~食事終了~ 

赤城「美味しかったです」 

天龍「そう言ってもらえりゃ、こっちも作った甲斐があるってもんだ」 

加賀「凄いですね。あの圧倒的な戦闘力に、料理の腕も完璧なんて」 

榛名「料理だけじゃなくて、掃除・洗濯・裁縫もすべて一流ですからね。天龍さんは」 

漣「しかも事務仕事の能力も一級品。本当に何でも出来る超人です」 

鈴谷「ふへー。すっごいんだねー」 

金剛「羨ましい限りデース」 

天龍「ま、それほどでもあるけどな」フフン 

不知火「でも、何故あなたはそんなに何でもできるのですか?」 

天龍「どういう意味だ?」 

不知火「軽巡洋艦にしては破格の強さ。それに、『天龍』という艦娘は代々家事と事務は苦手な戦闘マニアだったという話を聞いたことがあります」 

天龍「あー、それはなんつーか、色々あるとしか言いようがないんだよな」

428: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 22:01:06.68 ID:vEJmAX4k0
不知火「色々とは?」 

天龍「別にオレは言っちまってもいいんだが……」チラ 

提督「お前の化け物っぷりに関することなら話してもいいぞ」コクン 

加賀「提督も知っているのですか?」 

提督「ああ。こいつを建造したのは俺だからな」 

天龍「提督からも許可が出たし、ちょっとだけなら語ってやるか」 

天龍「まず、艦娘の建造の仕方は知ってるな?」 

鈴谷「えっと、使う資材の量を決めて妖精さんに頼んだら、その資材の量に応じて艦娘が作られるんだよね」 

天龍「だいたいそんなところだ。で、肝心のオレが建造されたときのことなんだが……」 



天龍「提督が全資材MAXで発注したら、妖精さんが寝ぼけて色々な謎技術とか駆使して出来上がったのがオレなんだよ」 



一同(提督・榛名・漣を除いて)「……」ポカーン 

天龍「あ?どうした?」

430: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 22:16:12.53 ID:vEJmAX4k0
鈴谷「いやいやいやいや!どうした?じゃないでしょ!?」 

金剛「一番肝心なところがぼやけすぎデース!」 

加賀「謎技術ってなんなんですか!?」 

天龍「いや、そう言われてもな……オレだって妖精さんとか提督に聞いただけだし」タジタジ 

不知火「それにしてももうちょっとこう、何かないんですか!?」 

天龍「え?え、えーっと、オレを作るときに資材使い過ぎて鎮守府が壊滅寸前になったとか?」 

赤城「そういうことじゃないですよ!?」

431: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 22:28:54.16 ID:vEJmAX4k0
 
ギャーギャーワーワー 

天龍「と、と に か く !これでオレが完全無欠な理由が分かっただろ!?」 

加賀「何だか色々納得できませんが……」 

鈴谷「まあ、これ以上聞いても意味なさそうだしね」 

不知火「この辺にしておきましょう」 

提督「……楽しそうに話してるから言い忘れてたが、お前ら訓練に行かなくていいのか?他の奴ら待ってるぞ?」 

一同(天龍と提督以外)「あ……」 

榛名「榛名と金剛さんは戦艦組(比叡、扶桑、山城)の訓練があったのでした!」ダッ 

金剛「行ってくるネー!」ダッ 

赤城「わ、私たちも他の空母の子たちと訓練する約束が!」アワアワ 

加賀「行きますよ赤城さん!」ギュンッ 

鈴谷「鈴谷も熊野と一緒に艦載機飛ばす練習するんだった!」タタッ 

漣「電や文月たちに砲雷撃戦の指導をしてこなくては!不知火も早く!」グイッ 

不知火「は、はい!」ササッ

432: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 22:41:55.83 ID:vEJmAX4k0
天龍「慌ただしい奴らだな……」カカッ 

提督「まったくだ。でも、そのおかげで退屈しないけどな」ククッ 

天龍「……提督。ちょっとマジメな話がある」 

提督「何だ?」 

天龍「まずは――――」トントン 

天龍「――――『その身体』に異常はないか?」 

提督「そもそもこの身体は最初から異常だろうが」 

天龍「そういうことを言ってるんじゃない。いいか、今のお前の身体はいつ崩壊したっておかしくないんだぞ?」ギロッ 

提督「……大丈夫だよ。日常生活に支障が出るような異常はない。回復力も問題なく機能してる」 

天龍「そうか……それならいい」 

提督「で、本題は?わざわざ身体の調子を聞きに来たわけじゃないだろう?」 

天龍「実は――――」 



天龍「――――『エラー娘』を目撃したって情報が流れてきた」 



提督「っ!?」 

提督「それは、本当なのか……?」 

天龍「ああ。翔鶴の奴が、舞鶴で見たらしい」 

提督「そう、か……」

433: ◆ATK1PCranA 2014/11/02(日) 22:47:52.48 ID:vEJmAX4k0
天龍「で、どうするんだ?一度目撃されたんだから、もう一度見つけるのは不可能じゃないはずだぞ?もしかしたらまだ舞鶴周辺にいるかもしれない」 

提督「いや……今はまだいい。いつ深海凄艦が出るのかもわからないのに、俺の我儘だけでここを空けるのはマズイ」 

天龍「お前がそういうならいいが……本当にいいのか?」 

提督「ああ」 

天龍「そうか。それならいい」クルッ 

提督「もう帰るのか?」 

天龍「いいや、ちょっとここの訓練を見て回るだけさ。しばらくはここに滞在するつもりだしな」 

提督「……指導するつもりなら手加減してやれよ?」 

天龍「前向きに検討するとだけ言っておこう」スタスタ

437: ◆ATK1PCranA 2014/11/03(月) 11:24:05.53 ID:FzH8qD2O0
~ある日の鎮守府Morning~ 

☆榛名の夢の中☆ 

榛名(だるっ)グダー 

榛名(ああそうですかまたですか。またこの夢ですか。何度見ればいいんですかこの夢)ハア 

榛名「でもまあ、どうせなるようにしかなりませんか」 

榛名「願わくば、最後の部分だけはカットされんことを……無理だと思いますけど」

438: ◆ATK1PCranA 2014/11/03(月) 11:36:16.40 ID:FzH8qD2O0
~榛名の夢の中(一年前)~ 

榛名が最初に見たのは、提督の顔でした。 

提督「……出来た出来た。なるほど、これが艦娘か」ジロジロ 

漣「いや何初めて艦娘を見た的な雰囲気出してんですかご主人様。数時間前から漣と一緒にいたじゃないですか」 

提督「お前、艦娘、何か、違う」 

漣「何ですか。何か漣のぱーふぇくとぼでぃに文句でもあるんですか?よろしいならば戦争だ」グッ 

提督「冗談だよ冗談!ってかこの子が話についてこれてないから一回黙っててくれ!」 

榛名「あ、あの……」オロオロ 

提督「悪い悪い。まだ着任したばっかりで色々勉強不足なんだ……それで、キミは何ていう艦娘なんだ?」 

榛名「こ、高速戦艦榛名です。あ、あなたが提督ですか?よろしくお願いします」ペコリ 

提督「榛名、か。よし……覚えた。これからよろしくな」 

榛名「は、はい!」

439: ◆ATK1PCranA 2014/11/03(月) 11:53:00.24 ID:FzH8qD2O0
あの頃はまだ漣さんと榛名しかいなかったので、出撃はせずに訓練ばかりしていました 

榛名「主砲!砲撃開始!」ドーンッ 

漣「そこなのねっ!」バシュッ 

提督『そこまで!今日の訓練はこれで終了!』 

~~~~~ 

提督「今日もお疲れさま。ほい、スポドリ」 

榛名「ありがとうございます」ゴクゴク 

漣「ドクペは無いんですか?」 

提督「無い。これで我慢しろ」つゲータレード 

漣「ひゃっほう!最近あんまり見ないから心配してたんですよ!やっぱスポドリはこれに限ります!」ゴキュゴキュ

440: ◆ATK1PCranA 2014/11/03(月) 12:03:21.45 ID:FzH8qD2O0
三人目の艦娘が建造されました。この頃榛名はちょびっとだけ人見知りだったので緊張しましたが、後輩が出来ると思うと嬉しかったです 

伊168「伊168よ。何よ、言いにくいの?じゃ、イムヤでいいわ……よろしくねっ!」 

提督「うむ、よろしく。俺がここの提督だ。何かあったら言ってくれたまえよ」ムンッ 

漣「実質何一つ仕事できてないクセに何言ってんですかご主人様は……どうも、この鎮守府の第一艦隊旗艦を務めている漣です。よろです」 

榛名「お、同じく第一艦隊所属の榛名です!よろしくお願いします!」 

伊168「よろしくね、漣、榛名。……あと提督」 

提督「俺がおまけ扱いって酷くねっ!?」ガーン

441: ◆ATK1PCranA 2014/11/03(月) 12:17:51.53 ID:FzH8qD2O0
艦娘が三人になったので、簡単な海域になら出撃していいと言われました。榛名にとっての初陣……気合が入りました 

イ級「……っ」ドンッ 

漣「はうっ!」小破 

榛名「漣さん!?大丈夫ですか!?」 

漣「だ、大丈夫大丈夫。もーまんたいだよ。それより、早く決めちゃって」 

榛名「はい!主砲!砲撃開始!」ドーンッ 

イ級「……」撃沈 

伊168「むにゃ……あれ?終わったの?イムヤの出番無し?」 

漣「戦闘中に寝る方が悪い」 

榛名「す、すみません!榛名が倒しちゃったせいで!」ペコペコ 

伊168「いや、そんなに謝られても困るんだけど……」 

提督『漣が小破したみたいだな。被害が拡大しても困るし一度帰投しろ』 

漣・榛名・伊168「「「了解!」」」

469: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 17:20:17.36 ID:DCFG5kdw0
榛名(何故でしょう。この一週間の記憶がすっぽり抜け落ちています) 

榛名(月曜の朝に嫌な夢見て目を覚ましていつも通り仕事して――――みたいな一週間を過ごしたはずなのに記憶がありません。しかも今日の夢は先週の夢の続きみたいです) 

榛名(えっと……何でしたっけ?ああ、そうそう。初陣が終わったところでしたっけ) 

榛名(ということはあの日の夜のところからですかね……正直あれ見ると赤面してバタバタしたくなるんですが)

470: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 17:34:27.22 ID:DCFG5kdw0
初陣の日の夜、榛名は提督の部屋を訪れました 

コンコン 

榛名「……提督、起きてますか?」 

提督「起きてるぞ」ガチャッ 

提督「どうしたんだ榛名。こんな時間に」 

榛名「ご、ご迷惑でしたか?」シュン 

提督「いや、まだ寝る気はなかったから別にいいけど」 

提督「とりあえず、中に入れ。寒い」ブルッ

471: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 18:04:42.78 ID:DCFG5kdw0
提督「紅茶でいいか?」 

榛名「は、はい。大丈夫です」 

提督「ん」カチャカチャ 

榛名「……」 

提督「……」トポトポ 

榛名「……」 

提督「……ほい」サッ 

榛名「ありがとうございます」

472: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 18:49:54.87 ID:DCFG5kdw0
提督「で、何の用なんだ?」 

榛名「……」 

提督「要件無いなら追い出すぞ」 

榛名「じ、実はですね。そ、その……」ウルウル 

提督「……はあ」スタスタ 

榛名「え、て、提督?」 

提督「……」ポン 

提督「……怖かったんだろ?初めて敵と戦って」ナデナデ 

473: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 20:00:31.08 ID:DCFG5kdw0
榛名「にゃっ……!?」/// 

提督「ったく、震えてるの隠してたつもりなのかもしれんが、バレバレだったからな?」 

榛名「そ、そうだったんですか……?」 

提督「ああ」 

榛名「も、もしかして出撃までに涙目になってたのも……?」オソルオソル 

提督「モチのロン」 

榛名「やっぱりですかあああああああ!!!!!」グスン

474: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 20:37:50.93 ID:DCFG5kdw0
榛名「……幻滅、しましたか?」 

提督「は?何で?」 

榛名「だって、榛名は戦うために作られたのに、戦うのが怖いなんて」 

榛名「そんなの、おかしいじゃないですか!」ダンッ 

提督「……」 

榛名「本当に、おかしいんです。この体は戦うために出来てるのに。この心は戦うためにあるはずなのに」 

榛名「体は殺すことの重圧に震えて、心は死ぬことの恐怖に震えるなんて」 

榛名「どう考えたって、おかしいじゃないですか!」

476: ◆ATK1PCranA 2014/11/09(日) 20:49:13.88 ID:DCFG5kdw0
提督「……俺は、そうは思わない」 

榛名「何故?」 

提督「殺すことにも死ぬことにも何も感じない。そんなことの方がよっぽどおかしい」 

榛名「でも、榛名は戦うために作られたっ!」 

提督「そんなことはない。お前は、戦うためじゃない。生きるために作られた」 

提督「その体は自分の願いを叶えるためにあって、その心は望みを生み出すためにある」 

榛名「そんな……ことは……っ!」 

提督「戦いを恐れない奴なんていないさ。たとえそれが艦娘でも、戦いを恐れちゃいけないなんてことは絶対にない」 

榛名「……本当にいいんですか。榛名が怖がっていたら、提督にまでご迷惑がかかるかもしれないんですよ?」 

提督「はっ!今更一つや二つ迷惑が増えたところでどうってことないさ。お前ら艦娘と関わるようになってから睡眠時間とか一時間半がデフォなんだぞこちとら」 

提督「だから、お前はそのままでいい。怖くなったら、いつでも俺が支えてやる」 

榛名「てい、とく」ボロボロ 

提督「ほら、もう泣くなよ榛名。可愛い顔が台無しだぞ?」 

榛名「か、可愛っ!?」カアアッ 

提督「ん?どした?」 

榛名「い、いえ!今日はありがとうございました!榛名は明日の訓練に備えてもう寝ますのでさようならおやすみなさいです!」ダダッ 

提督「あ、おい!榛名!走ると危な――――」 

榛名『きゃああああああああああああああああああああああ』ドガバキグシャ 

提督「……言わんこっちゃない」ヤレヤレ

483: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 19:03:17.41 ID:YMOAEOGo0
~ある日の武道館だよっ!~ 

那珂「みーんなー!今日はありがとー!寂しいけど、今日はこれでお別れだよー!」 

名状しがたいファンのようなもの達『うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!那珂ちゃああああああああああああん!』 

那珂「次のライブも、また見に来てねー!」 

名状しがたいry『もちろんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!』

485: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 19:28:06.79 ID:YMOAEOGo0
~ライブ終了後・舞台裏~ 

那珂「ふぅ、今日もいっぱい歌ったよぉ……」グテー 

那珂「飲み物欲し~い。P――――じゃなかったT、お茶とって~」 

榛名「はい、今日もお疲れ様でした」サシダシ 

那珂「あれ?榛名?何で?提督は?」ウケトリ 

榛名「提督は今日仕事が忙しくて途中で帰りましたよ?ライブはちゃんと見てから行ったみたいですけど」 

那珂「そ、そうなんだ……今日の夜は久しぶりのオフだから、一緒にご飯でも食べようと思ってたのになぁ……」シュン

489: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 20:06:38.07 ID:YMOAEOGo0
~夜。そう、それは榛名の部屋~ 

那珂「はふー。相変わらず榛名の淹れてくれた紅茶は美味しいね」 

榛名「提督と天龍さんに散々仕込まれましたからね。大抵の家事スキルはマスターしてます」ドヤッ 

那珂「……はあ。やっぱり那珂ちゃんも秘書艦目指せばよかったかなあ」 

榛名「どうしたんです?急にそんなこと言いだして」キョトン 

那珂「だってアイドルやってたら提督と一緒にいられる時間少ないし、那珂ちゃん家事も書類仕事も出来ないから提督のこと手伝えないし」 

那珂「いっつも提督といられて、家事とか事務とかで提督の役に立てる、秘書艦を目指せばよかったかなあって」 

榛名「……」 

那珂「ま、流石にそれは冗談だけどさ。那珂ちゃんが秘書艦になろうとしたところで榛名に勝てるわけないし」 

那珂「それでも、ちょっとだけ考えちゃうよ。もしも那珂ちゃんがアイドルにならなかったら、ってさ」ハハッ

490: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 20:14:43.54 ID:YMOAEOGo0
榛名「……でも、本当にそう決断してたら、あなたは幸せになれましたか?」 

那珂「ふみゅ?」キョトン 

榛名「あなたは何でアイドルになりたかったんですか?提督のためですか?」 

那珂「そ、それは……もちろん、那珂ちゃんの歌を褒めてくれた提督に、アイドルになってもっと褒めてもらおうって気持ちもあったけど……」 

榛名「あったけど?」 

那珂「やっぱり、那珂ちゃんは歌うのが好きだからだよ。おっきなステージで、たくさんのファンのみんなと大好きな提督を、歌とダンスで元気にしたいって思ったからだよ」 

榛名「なら、アイドルになったことを、本気で後悔してますか?その時の気持ちを、否定するんですか?」 

那珂「そんなことはないよ。那珂ちゃんは今も変わらず、歌うのが好きだし、誰かのために歌いたいって思う」

491: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 20:21:24.77 ID:YMOAEOGo0
榛名「でしたら、アイドルをやめる気はないんですね?提督との時間が少なくなっても」 

那珂「うん。これは那珂ちゃんが自分で決めたことだからね。アイドルやめて秘書艦になるってのも憧れるけど、それはやっぱり想像の中だけでいいかな?那珂ちゃんだけに」クスッ 

榛名「それならいいです。あなたがそれでいいと思う道を往くべきだと榛名は思いますから」 

那珂「うん、ありがと榛名。那珂ちゃん、久しぶりに初心に戻れた気がするよ!」 

榛名「艦娘の相談に乗るのが榛名の趣味ですから」 

那珂「……榛名のそれって、恋愛相談だけじゃなかった?」 

榛名「……それを言わないでください。だ、大丈夫ですよ!今回は提督orアイドルみたいな話でしたから!」 

那珂「無理矢理感が凄いよ……でもいっか!榛名がそれでいいって言うなら!」 

榛名「はい!榛名は大丈夫です!」

492: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 20:29:56.96 ID:YMOAEOGo0
那珂「あー!何だか那珂ちゃん歌いたくなってきた!ねえ榛名、今から遊戯室行ってカラオケしない!?」 

榛名「いいですね!お供します!」 

那珂「それじゃ、夜の遊戯室へレッツg――――」 

ガチャッ 

提督「榛名ー仕事終わったから紅茶淹れてくれー……って、那珂?帰ってたのか?」 

那珂「な、て、提督!?帰ってたのか、じゃないよ!何で那珂ちゃんのスケジュール確認してないの!?今日の夜はオフなんだよ!」プンプン 

提督「は?マジで?うわ、やっちまった……てっきり来週だと思ってたわ」 

那珂「もう!今日は一緒にご飯食べに行こうと思ってたのに!那珂ちゃん怒ってるんだからね!」 

提督「すまん。俺も久しぶりにお前とどこか出掛けようと思って予定空けといたんだが……」 

那珂「え?そうなの?」キョトン 

提督「ああ。最近、全然お前と話してなかったからな。少し、何だ、その……」 

榛名「寂しかったんですよね?提督」 

提督「ちょ、榛名おまっ!」 

那珂「そうなの?提督、那珂ちゃんと話せなくて寂しかったの?そっか、そっか……うん!ならば今夜は存分に那珂ちゃんとお話ししていいよ!」キラーン 

提督「そ、そんなこと言ってないだろ!俺はただ単に、最近の調子とかを聞こうと思ってただけで……」 

榛名「またまたー」ニヤニヤ 

那珂「またまたー」ニヤニヤ 

493: ◆ATK1PCranA 2014/11/10(月) 20:34:20.33 ID:YMOAEOGo0
提督「何なんだよお前らのその無駄な一体感は!」ウガー 

榛名「そんな細かいことは気にしても仕方がありませんよ、提督」 

那珂「そうだよ。那珂ちゃんたちこれからカラオケするけど、提督のも来る?」 

提督「いや、俺は明日の朝も早くから仕事が――――」 

榛名「返事は必要としてません!」 

那珂「強制連行だー!」 

提督「はっ!?じゃあ何で聞いたし!?って、お前らやめっ!どさくさに紛れてどこ触ってやがる!」 

那珂「ふふっ。今夜も那珂ちゃんは元気に歌っちゃうよー!」 

その後、結局ほぼ徹夜で歌い倒した三人は寝坊し、危うく仕事に遅れるところだったのはまた別のお話

498: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 21:48:45.40 ID:VuQBjM3S0
~ある日の鎮守府のお昼ですわ~ 

提督「ご馳走様でした」 

熊野「はい、お粗末さまでした」 

提督「悪いな、熊野。俺一人のために作らせちゃって」 

熊野「いいえ、これくらい何ともありませんわ。それに提督はお仕事で昼食に遅れたのですから、謝る必要はありません」 

提督「そうか。でも、本当にありがとな?美味しかったよ」ニコッ 

熊野「そ、そう思って頂けたなら作った甲斐がありましたわ。食事当番として誇らしいです」/// 

提督「それにしても熊野って女子力高いよな。料理・洗濯・掃除・裁縫、全部できるもんな」 

熊野「べ、別にその程度どうってことありませんわ。天龍様や榛名に比べたらまだまだですし……」 

提督「あのバグとその弟子と比較しても仕方がないと思うけどな……それに、熊野は家事が出来るだけじゃなくて、何だろう?いいお嫁さんになりそうな感じがするっていうか」ウーン 

熊野「お、お嫁さん!?」///

499: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 21:57:22.26 ID:VuQBjM3S0
提督「そうそう。女子力っつうか嫁力が高いんだよ熊野は。可愛いし」 

熊野「か、可愛っ!?て、提督!そのようなことを気軽に言ってはいけませんわ!」/// 

提督「ん?何で?」 

熊野「何でもですわ!とにかく、そういうことをペラペラとレディーに言うのはダメなのですわ!特に不意打ちは!わかりましたか!?」/// 

提督「お、おう……わかった」コクコク 

熊野「そ、それならよろしい。私は用がありますのでこれで失礼いたしますわ」スタスタ 

提督「……何だったんだ、今の」 

熊野(きゃーきゃー!て、提督にいいお嫁さんになるって!可愛いって言われてしまいましたわ!)/// 

榛名「……今日の相談者、確定ですね」ニヤリ

500: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:02:18.00 ID:VuQBjM3S0
~その日の夜~ 

コンコン 

榛名「はーい、どうぞー」 

ガチャッ 

熊野「失礼いたしますわ」 

榛名「こんばんわ熊野さん」 

熊野「こんばんわ榛名」 

榛名「で、今日はいったいどんな相談で?」 

熊野「提督と結婚するにはどうすればいいんでしょう?」 

榛名「……」 

榛名(予想外にド直球な相談がきたあああああああ!!!!!!!) 

熊野「榛名?どうかしましたか?」 

榛名「い、いえ!ちょっとアレがアレして聞き逃してしまいました!もう一度今日の用件を言って頂けますか?」

501: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:07:28.17 ID:VuQBjM3S0
熊野「提督のお嫁さんになって、毎日三食作って身の回りの世話をして、夜に提督を抱き枕にしながら眠るにはどうしたらいいのでしょう?」 

榛名(何かさっきより具体的になったああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!) 

榛名「あ、あの?熊野さん?結婚ってあれですよね?manとwomanがkissしてFU☆U☆FUになるやつですよね?」 

熊野「それですわ」 

榛名「カッコカリじゃない方ですよね?」 

熊野「カッコカリじゃない方ですわ」 

榛名「え?マジなんですか?」 

熊野「マジですわ」

502: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:12:45.99 ID:VuQBjM3S0
榛名「……あの、どうして急に?」 

熊野「今日のお昼に、提督にいいお嫁さんになるって、可愛いって言われたんですの……はあ」ウットリ 

榛名(ダメですこの人。早く何とかしないと) 

熊野「それに、ここ最近鈴谷が……」 

榛名「鈴谷さんが?……って、ああ。あれですか。提督に告白したら保留にはなったけどフラれはしなかったっていう」 

熊野「そうなんですの。それを最近は毎日のように聞かされ、提督のここが好きだとか提督はこの食べ物が好きだとか……ぶっちゃけウザいんですの」 

榛名「一応あなたたち姉妹艦で親友ですよね?」 

熊野「いくら親友相手でも許せないことはありますわ。『提督はオムライスが好きなんだよ!』とか、そんなの私だって知ってますわ!」 

榛名「というかそれ鎮守府の全員が知ってますよ」

503: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:18:21.65 ID:VuQBjM3S0
熊野「いい加減その提督好きアピール&フラれなかった自慢がウザったくなってきたところに、今日の提督からの愛の告白……」※愛の告白ではありません 

熊野「これはもう、提督と結婚しろという神の啓示!いえ、むしろ提督からの結婚しようという遠回しなメッセージなのですわ!」 

榛名「だから何であそこからここまで思考をファウル出来るんですか」 

熊野「それで榛名。提督と結婚するにはどうしたらいいんですの?」 

榛名(私の話をきちんと聞いてくれる艦娘ってこの鎮守府に何人いるんでしょう)ハア 

榛名「そうですね、現時点では提督と結婚するのは無理だと思いますよ?」 

熊野「何故ですの?」キョトン

504: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:47:56.13 ID:VuQBjM3S0
榛名「あの超がいくつ付いても足りない鈍感提督が、熊野さんの想いに気付くと思います?」 

熊野「本人にきちんと告白すればいいのでは?」 

榛名「無理ですね。提督が告白された程度で乙女の恋心に気付けるわけがありません」 

熊野「で、でも、鈴谷は告白して保留になったって……」 

榛名「恐らく提督はよくわからないまま、ただ何となく話を合わせてただけでしょう」 

熊野「……」 

榛名「というわけで、現状提督と結婚するのはほぼ不可能だと思いますよ?」 

熊野「だ、だとしても……」ジワッ 

榛名「……」 

熊野「私は、絶対に諦めませんわ!」 

榛名「……はあ」 

熊野「な、何ですのその目と溜め息は!何か文句でもあるんですの!?」

505: ◆ATK1PCranA 2014/11/12(水) 22:53:55.63 ID:VuQBjM3S0
榛名「いえ、何でも。ただちょっと、眩しかっただけですから」 

熊野「?」 

榛名「まあ、諦めないのは別に悪いことじゃないですし。恋する乙女を応援するのが趣味ですから、榛名も出来る限りのサポートはしますよ」 

熊野「本当ですの!?」 

榛名「でも、本当に出来る限りですからね?」 

熊野「それでも充分ですわ!ありがとう、榛名」 

榛名「いえいえ、これも趣味ですから……それでは熊野さんも今日はお帰りください。明日の朝に提督を起こすのは熊野さんに任せます。早く起きて朝食でも作ってあげたらどうですか?」 

熊野「い、いいんですの!?わ、わかりましたわ!私、頑張ります!」 

榛名「はい。その意気です」 

熊野「それでは榛名。おやすみさないですわ!」ダッ ガチャッ バタンッ ドタドタ 

榛名「……嵐にようでしたね、今日の熊野さんは」ハア 



榛名「『恋愛感情を向けられ続ければ、あるいは』ですか」 

榛名「どうやら、その『あるいは』は近いうちに起きそうですよ、先生」

514: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 14:24:07.42 ID:0HblpS6k0
艦隊に四人目の仲間が増えました。榛名にとって二人目の後輩です。初めて後輩が出来るイムヤさんと一緒に喜びました 

響「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ。まあ、私は今さっき生まれたばかりだから活躍なんてしてないんだけどね」 

提督「よろしく響。不死鳥の通り名に恥じない活躍を期待しているよ」 

響「うん。その期待に応えられるように精いっぱい頑張るよ、司令官」ニコッ 

伊168「あ、あたしは伊168よ。呼びずらかったらイムヤでいいわ。あなたの次に新入りなの」 

響「私は暁型駆逐艦2番館の響だ。よろしくね、イムヤ先輩」 

伊168「……っ!」 

伊168「せん……ぱい……?」 

響「あ、あれ?嫌だったかな?だったら呼び方を変えるけど……」 

伊168「う、ううん!全っ然嫌じゃないわ!」ブンブンブン 

響「そうか。それなら良かった」ニコッ

515: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 14:35:09.93 ID:0HblpS6k0
遂に艦隊の人数も四人になり、戦闘時にも様々な陣形を試せることになりました 

漣「ご主人様。敵艦隊の反応を探知しました。これより戦闘に入ります。ご指示を」キリッ 

伊168(漣が真面目にやっているなんて……今日は魚雷でも降るのかしら?) 

榛名(漣さんが真面目にやってる……榛名も頑張らなくては!) 

提督『あー、資料によるとその海域には潜水艦が出るらしい。単横陣で戦ってくれ』 

艦娘「「「「了解!」」」」 

~戦闘中~ 

漣「これでっ!」ドオン 

響「チェックメイト、だね」ドオン 

カ級・ヨ級「……」 

伊168「……はっ!あれ?またイムヤの出番無し?」 

榛名「今回は榛名も出番がありませんでした……うう」グスン 

提督『二人とも落ち込んでないで進めー』

516: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 14:57:13.91 ID:0HblpS6k0
榛名たち四人は時に笑い、時に泣き、海域での任務や訓練に励みました。 

榛名たちの艦隊の人数が六人に増え、徐々に出撃できる海域も増え始めた頃には、榛名は提督の秘書艦となっていました 

榛名「提督、お茶をどうぞ」サッ 

提督「ん、サンキュー」ゴクゴク 

漣「ご主人様ー!衣笠さんが掃除当番ほったらかして街に遊びに行きました!」 

提督「はあ!?……はあ。すまない榛名。翔鶴と一緒にあのバカを連れ戻して来てくれ」 

榛名「ふふっ……了解しました。恐らくいつものゲームセンターですよね?」 

提督「十中八九あそこだろうな……まったく、一度連れて行ってやったらドハマりしやがって。連れ戻す方の身にもなれっての」 

榛名「いつも連れ戻しているのは提督ではなく私と翔鶴さんですけれどね」クスクス 

提督「茶化すな茶化すな」 

榛名「はいはい。では、行ってきますね」タタッ 

提督「いってらっしゃい」 

漣「ご主人様。榛名がいない間のサポートはお任せください!キリッ」 

提督「とうとう自分でキリッとか言い出しちゃったよこの子」 



伊168「ちょ、ちょっと待って!やめて!そこは!そこだけは!」アワアワ 

響「ふふっ。私は容赦はしない主義なんだ」ポチッ 

伊168「ぎゃあああああ!私の、私の鹿児島がああああああああ!!!!!!!」ガーン 

響「ダメだよ、イムヤ先輩。狙っているところがあるなら早くとらないと」ニヤニヤ 



提督「あいつら楽しそうだなあ……」 

漣「SFC版の桃鉄は子供心をくすぐりますからねえ……」

519: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 20:08:49.06 ID:0HblpS6k0
しばらくそんな、何でもないような日常が続きました。しかしある日、その日常は崩れました。 

事の発端は、提督が新しい艦娘を建造したことでした 

天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」 

提督「……」 

榛名「……」 

漣「……」 

伊168「……」 

響「……」 

翔鶴「……」 

衣笠「……」 

天龍「お、おい?何で全員ノーリアクションなんだ?や、やめろよ。無言とか一番精神的にくるからやめろよ」

520: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 20:30:55.54 ID:0HblpS6k0
提督「……えっと、天龍だったか?」 

天龍「ああ。天龍型軽巡洋艦一番艦の天龍だ」 

提督「……お前が、さっき『やり遂げた……』って顔して出てきた妖精さんが作った、新しい艦娘なんだよな?」 

天龍「そうだが?」 

提督「……」 

衣笠「……ハズレ?」ボソッ 

衣笠「……って、あ」バッ 

榛名「っ!?」 

漣「ちょっ!?」 

翔鶴「衣笠ちゃん!」 

伊168「あんた本人の目の前で何てことを……」 

響「……」バタンキュー 

伊168「ああ!響がこの場の空気に耐えられずに気絶した!」 

提督「おい衣笠!そういうのは――――」 

衣笠「あ、悪意があったわけじゃないの!ちょっと本音がポロっと出ちゃっただけっていうか」アセアセ 

提督「本音ならなおさら悪いわ!ほら!早く天龍に謝れ!」 

衣笠「ご、ごめんなさ――――」ドサッ 

提督・榛名・漣・伊168・響・翔鶴「――――っ!?」 

提督(い、いつの間に衣笠の後ろに回り込んだんだ?全然気づかなかった) 

天龍「ふう。まあ、今回はこれで勘弁してやるよ。『天龍』が旧型で他の奴らより性能が低いのは事実だし、ハズレと言われても仕方がない。でも――――」 



天龍「『オレ』はアタリだぜ?なにせ、世界最強だからな」 



こうして我らが横須賀鎮守府に、新たに世界最強の艦娘が加わりました。 

それと衣笠さんは気絶していただけで、目を覚ました後榛名たちの説明を聞いて『天龍さん……かっこいい……』と言って、天龍さんに弟子入りしようとしたりとかなり懐きました。

521: ◆ATK1PCranA 2014/11/16(日) 20:52:16.61 ID:0HblpS6k0
破滅の時がやってくる 

チクタクチクタク。針は進む 

???「恋する乙女の恋心は、思いも寄らない悲劇をもたらしました」 

審判の時がやってくる 

カチコチカチコチ。針は進む 

???「恋と愛を知っていた男は、恋を忘れて愛が欠けました」 

――――赤。赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤 


真っ赤な××。恋のシルシ。 

散った××。愛のアカシ。 

あなたの×は―――― 

――――『私』の、あなたへの恋愛の、証めいだカラ。 

クスクスクスクス。『私』は笑う。 

???「やがて悲劇は記憶へと変わり、乙女の恋愛は親愛に変わり、男の忘却は無知へと変わりました」 

榛名?「『私』が絶対ぜぇーったいに思い出させてあげます。そしてあなたを愛します。世界中の誰よりも、漣さんよりも伊168さんよりも響さんよりも翔鶴さんよりも衣笠さんよりも岩川のみんなよりも、天龍さんよりも深く、ずっとずっと」 

榛名?「あなたを愛し続けます。愛しい提督」ニコッ 



榛名『大好きです。愛してます。『私』の提督』 



クスクスクスクス。影は笑う。 

まるで少女の醒めない悪夢を、消えない罪を嘲笑うかのように。 

クスクスと、笑い続ける。