さやか「セイバーさやかちゃん参上!」切嗣「」前編
 

519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/03/31(土) 11:35:35.42 ID:iaH43zlc0
《執拗に虐待された反動で、あの人の治癒魔術は皮肉にもあなたを凌ぐほどになったと・・・》



時臣「                             」ナニ  ソレ

まどか「そ、そうだったんですかぁぁぁぁ!!!?」



《そして、言峰さんが…とうとうあなたへの歪んだ…愛に…目覚めてしまった時には》




《  衛 宮 切 嗣  ―――という別の男性に心移りした…そうですね》






時臣「                             」ナニ  ソレ

まどか「さ、さやかちゃんのマスターさんの情報収集に余念がなかったのはそのためだったんですかっ!!!?//////」

引用元: さやか「セイバーさやかちゃん参上!」切嗣「」 

520: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/03/31(土) 11:38:32.27 ID:iaH43zlc0
―遠坂邸近郊



~トウチョウチュウ~



{そして、言峰さんが…あなたへの愛に目覚めた時には…衛宮切嗣という別の男性に心移りしたそうですね}





舞弥「                  」



舞弥(こ、これは・・・・)

舞弥(切嗣の・・・貞操の危機・・・・!!)ゴクリ

舞弥(き、極めて深刻な事態・・・・ここは直接本人に伝えるべきでしょう!!)スタッ

521: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/03/31(土) 11:40:31.26 ID:iaH43zlc0
―遠坂邸



《だから、言峰さんはもう一度あなたに振り向いてもらいたくて―――協力関係を破り、雁夜くんと手を組んだ》



時臣「                              」

まどか「つまり言峰さんの願いは・・・時臣おじさんと・・・む、結ばれること・・・・・//////」




《説明…するまでもないのかしらね?……………時臣》



時臣「                              」ヘタリ

まどか「マ、マスター・・・・・さん・・・・・・・・」




《 ――――――そう。それがあなたの・・・答えなのね 》

《          さよう・・・なら           》

    

        プツッ          ツーツーツー

522: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/03/31(土) 11:42:03.04 ID:iaH43zlc0



時臣「――――――――――――――――――――――――――」

まどか「…………………………………………………………………」





時臣「アーチャーよ・・・私は・・・・――――もう何も、怖くない」ホロリ





まどか(ど、ど、ど、どういう・・・・意味・・・だろう・・・・・・???)

                                  

                                    (つづく)

557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 16:52:06.34 ID:yp1YbdFa0
―遠坂邸近郊



綺礼(     計     画     通      り     )




綺礼(否、計画以上と言ったところか…!)

綺礼(普段は師に対して口答えなどなさらなかった奥様が、こうもはっきりと意志表示をしてくださるとは…!)

綺礼(さて、残るは…アーチャーを如何にして師から遠ざけるか)



QB「綺礼!(やっと昨夜の令呪の効果が切れたみたいだ・・)」

QB「このままワルプルギスの夜を野放しにするのはさすがにまずいよ!」



綺礼「アサシンよ」クルッ



綺礼「私は今、忙しいのだ―――――――― 邪 魔 を 、 す る な 」ギロリ



QB「           」ビクッ



QB(愛は盲目とは―――――――――――――――――こういう状況を言うのだろうか)

QB(こんなの・・・絶対おかしいよ・・・)シュタッ

558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 16:55:15.58 ID:yp1YbdFa0
―聖堂教会



葵「………………………………」ガチャリ

     ガランッ



雁夜「葵・・・・・・・さん・・・・・・」




葵「雁夜くん・・・・・・・・・・・・・」




葵「―――――私、凛と桜を連れて、冬木を出て、どこか遠くに行きたいわ」ポタ ポタ





雁夜「………葵、さん」





葵「  ――――私達を  どこか遠くへ  連れてって  」



雁夜「 よろ・・・・・こん・・・で・・・・・・  」ジワ

559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 16:56:23.07 ID:yp1YbdFa0
―隣室



凛「最低だわ・・・お父様・・・!!」

凛「お母様を裏切った挙句…綺礼の純粋(?)な気持ちを弄ぶなんて・・・・・」



凛「―――――もう顔も見たくない!!」



凛「お父様なんか、綺礼やエミヤキリツグって人と結ばれちゃえばいいのよ!!」




イリヤ「キリツグにはお母様がいるからだめっ!!!!!!!」

     

             タタタタッ

560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 16:58:10.66 ID:yp1YbdFa0
凛「おじさん!」



雁夜「凛・・・ちゃん・・・」



凛「おじさんなら――――――私も、桜も大歓迎だから!!」ニコッ


葵「凛…」

凛「よろしくね!―――――――――“おとうさん”」





雁夜「・・・・・・・・・・・・あ」

雁夜「ありがとう・・・・凛ちゃん・・・・・・・」



雁夜(そして・・・・本当に、ありがとう・・・・・・・・・桜ちゃん・・・・!!!)ヒッグ…エッグ…






イリヤ「はやくキリツグとお母様に逢いたいよおおおおおおおおおおっ!!!!!」ジタバタ

561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:03:32.61 ID:yp1YbdFa0
―武家屋敷

アイリ「なかなか素敵なところね」

    ガラ

アイリ「魔術結界を構成するには…ここが最適かしら」キョロキョロ



アイリ「……………」



アイリ(切嗣が収集した情報によれば…冬木空港から公共交通機関を経て)

アイリ(冬木駅から外に出たところまでは足取りが掴めているけれど)

アイリ(その後は…)



アイリ(イリヤ…あなたは一体どこにいるの…?)シンパイ



アイリ(それから…結局…会話を交わすことなく別々に出て行った切嗣とセイバーのことも…とても心配)

565: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:46:18.25 ID:yp1YbdFa0
―海上




ワルプルギスの夜「ズモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ」




ザッパーン





―海岸

杏子「はあああああああああああああああああああああああああっ!!!」



ギュルルルルルズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッ

            ビュルンッ!!



杏子「ぐぁっ!!」ドゴッ

杏子(――――ちっ)コウタイ




杏子(ビクともしねぇ)ギリッ


杏子(…どれだけ攻撃を加えても、自動的な防御機構が働いてるのか…サッパリ効いちゃいない)

566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:48:40.40 ID:yp1YbdFa0
ソラウ(くっ…!)

ソラウ(苦戦しているわね…ランサー)

ソラウ(――魔女のマスターはケイネスが捜索中だけど)

ソラウ(――まだ見つからないようね)




「君たち!!」ヒョコッ




ソラウ「!…コイツは!」



杏子「!!」ピンッ



ソラウ「アサシン…?(やっぱり、あの監督代行とやらの一連の行動にはウラがあったのね)」





杏子「テメェ、何しに来やがったッ!?」ザッ


QB「やれやれ…いきなり敵意を向けられるとは心外だね」

QB「今回は君達にとって有益な情報を提供しようと思って、あえて躍り出たまでさ」




ソラウ「有益な情報―――?」



杏子「あたしが、アンタの言葉に耳を貸すと思ってるわけ?」ジャキンッ

567: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:50:22.47 ID:yp1YbdFa0
QB「僕は見ていたんだよ―――ワルプルギスの夜が、自身のグリーフシードを核として」

QB「その真の姿を顕現させようと目論見、行動に移した―――その一部始終をね」

ソラウ「な…!」

杏子「に…?」



ソラウ「つまり、あの構造体の内部におとといの小さな魔女がいて」

ソラウ「そいつが持ってるのグリーフシード(だっけ?)を破壊すれば―――!」



QB「おそらく、ワルプルギスの夜に致命傷を与えることができるだろう」

QB「もっとも、完全体に移行してからでは手遅れになるだろうけどね」



杏子「………」

杏子「おい、テメェ…何でそんなコトをあたしたちに伝え――」

568: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:52:44.71 ID:yp1YbdFa0
QB「僕のマスターは現時点で、…諸般の事情で舞台装置の魔女の動向には無関心でね」

QB「僕としては、このままワルプルギスの夜に暴走でもされて聖杯戦争が破綻する事態は避けたいんだよ」




杏子「――――――本当だろうな」

杏子「人間の世界がどうなろうが関係ねぇ…ってのが信条じゃなかったのか?」




QB「重要な前提を忘れてもらっては困るね、佐倉杏子」

QB「――――僕だって、君達と同じサーヴァントなのだよ」








「なるほど、――――よく分かったわ」ザッ

569: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:53:42.19 ID:yp1YbdFa0
ソラウ「その声は・・・!」キッ

杏子「―――さやか」



QB「や、やあ…」




さやか「アンタを見た瞬間、即刻イアイギリにしちゃおうかと思ったけど」

さやか「今日のところは勘弁してあげる!」




さやか(切嗣さんは今頃、あの魔女のマスターを探しているはず…!)

さやか(―――――だから、あたしは)

570: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:55:12.68 ID:yp1YbdFa0
さやか「ま、一人で闘うつもりだったんだけど」チラ

杏子「一人よりも二人の方が、強いに決まってんだろ」チラ

ソラウ「―――いいわよ。バックアップは任せなさい………二人とも」フン




さやか「あたしが、魔女をパカッと真っ二つにしてッ!!」

杏子「あたしの多節棍槍で――――ヤツの核(グリーフシード)を打ち砕くッ!!」









さやか「ところで杏子のマスターって男の人じゃなかったっけ?」

杏子「マスターは野暮用でさ―――(てか話しちゃっていいのか?)」チラ

ソラウ「(いいわよ、ケイネス自身もう隠密行動を取る気はないし)私はケイネスの協力者で」

ソラウ「…許嫁の―――――ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリよ」

さやか「ソラウさんですね――――よろしくお願いしまーす!」ペコッ

ソラウ「…はいはい」

571: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 17:57:48.72 ID:yp1YbdFa0
―海浜公園



   ざわ・・・   ざわ・・・




野次馬「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ」




龍之介「頑張れよぅっ―――――ワルちゃん・・・!!」




野次馬「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ」




大河「うわ~・・・何あれ・・・超芸術的なナニか??」



野次馬「ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ」

572: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:04:06.69 ID:yp1YbdFa0
―地下鉄(海岸線)


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

ケイネス(おかしい…この近くでかの魔女と類似した微少な魔力の痕跡をを感じるのだが)

ケイネス(―――それにしても日本の地下鉄の料金は割安ではないか)

ケイネス(ということはともかく)

ケイネス(海上にてサーヴァントが大胆な動きを見せているのなら…)

ケイネス(マスターは海岸沿いの、身を隠しやすい地下に潜んでいるとみて探しているのだが)

ケイネス(まさか…無防備にも地上の視界良好な沿岸にいるはずは・・・)ウ~ム





―地下鉄・海浜公園駅

切嗣「…冬木駅構内での目撃情報があったのは昨日」カチッカチッ

切嗣「その後、どのような移動手段を使ったのかが問題だな」

切嗣「やはり…もうこの近辺での捜索は無意味…か…?」

切嗣「………………」プハー





切嗣(僕のイリヤは・・・今どこにいるんだッ・・・!!)クソゥ




573: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:34:49.03 ID:yp1YbdFa0
―砂浜

ソラウ「でも、セイバーはどうするつもりなの?」

さやか「え?…何がですか?」

ソラウ「ランサーには伸縮自在の槍があるから、ここからでも海上の塊(マジョ)を攻撃できるけれど」

杏子「さやかの武器は接近戦主体の剣だろ」

杏子「海の上を走りでもしない限り、とてもじゃねーが射程圏内には入れないっしょ?」

さやか「―――杏子は分かってるだろうけど」ニッ

さやか「ソラウさんにも分かるように宣言しちゃいますね…!」



杏子「――――――――――え?」

ソラウ「へ…?」





さやか「――――――あたし、“人魚の属性”を持っているんですよ」スッ





574: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:39:07.50 ID:yp1YbdFa0
―冬木市沖・上空



ワルプルギスの夜「トクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンッ」




―近郊の海上


~小型漁船~

   ザザザザザザザザザザザザザザザザ

マミ(相変わらず…魔女は表面上変化していないわね)チラミ

マミ(―――沿岸部には佐倉さん(ランサー)と美樹さん(セイバー)…そしてキュゥべぇ)チラミ

マミ(状況に応じて、私も魔女討伐に向けて動くことにするわ…!!)ヨシッ



桜「マミお姉ちゃんも乗り物を魔力で操れるんだね」

マミ「実は私、乗り物に限らず何でも宝具化して武器に使うことができるのよ~」

桜「そうなんだ~」

575: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:41:09.13 ID:yp1YbdFa0
マミ「さて」

マミ「―――そろそろアーチャーについてあなたが知っていることをすべて話してくれないかしら」



マミ「暁美さん?」チラッ



ほむら「――断るわ」コウソクチュウ

ウェイバー「…帰りたい」コウソクチュウ



ほむら(―――巴マミ、バーサーカーでありながら理性を残しているとは…手強いわね)ギリッ

ほむら(でも、仮に完全に理性を喪失して…正真正銘の魔女(バーサーカー)になることができると仮定すれば)

ほむら(まどかにとっても私にとっても…相当の脅威になる…!!)

576: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:41:55.00 ID:yp1YbdFa0
ほむら(だから…私はここで話すわけにはいかない…!!)

ほむら(どこかで隙を見出してここから逃避するわ――――)

ほむら(そうしなくとも、もうじき…魔女が動き出してそれどころではなくなるかも知れないけれど)ギリッ



マミ「仕方ないわね~」

マミ「それじゃあ桜ちゃん…マスターさんの方にお願いしてみましょうか」




桜「うん」シュタッ

ウェイバー「ひっ!!?」



ほむら「・・・・・!?」

577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:43:29.13 ID:yp1YbdFa0
桜「お兄ちゃん・・」ジィ

ウェイバー「な、なんだよ!?」

桜「令呪を使って、ライダーさんをおしゃべりにして欲しいな・・・」

桜「  おねがい・・・  」ジー

ウェイバー「な          」ドキッ




ほむら「 無 視 し な さ い ッ 」ギロッ




マミ「あら、暁美さん・・もしかして嫉妬してるの?」クスクス




ほむら「なっ!!!?」

ほむら「断じて違うわ!!私は私の戦略上(ry」




桜「ダメ・・・ですか・・・・?」ウル

ウェイバー「………………………………」ゴクリ

578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:44:48.38 ID:yp1YbdFa0
ウェイバー「――――――――――――」キッ


ウェイバー「      誰が、話すか!!     」プイッ


ほむら「・・!!!」


マミ「あら・・・・・」



ウェイバー「僕はライダーと共に闘うって決めたんだ―――こんなことで、決意が揺らぐわけ、ないだろ」チラリ



ほむら「…………………」

ほむら「あなたのこと、少し見直したわ」



桜「………………………」シュン

桜「仕方ないね、マミお姉ちゃん」

マミ「そうね、仕方ないわね―――奥の手を使いましょうか」

580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:46:42.16 ID:yp1YbdFa0
桜「うん」ゴソゴソ


ウェイバー・ほむら「「・・・・・?」」


桜「これ」つ虫かご



蟲「ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ」



マミ「かたくなな態度を変えるつもりがないのなら・・・蟲責めにしちゃうわよ!」テヘッ





ウェイバー「                         」キゼツ

ほむら「前言撤回―――――何あっさり気絶しているのよ!?」




桜「それじゃあ…」チラリ

マミ「いずれにしても、話してもらうのは暁美さんの方だから」チラリ



ほむら「                     」

581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:49:02.03 ID:yp1YbdFa0
桜「大丈夫だよ・・・気持ち悪いのは最初だけだから」ホラ

マミ「お肌がスベスベになるらしいのよ・・・っ」ホラ




ほむら「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」




ほむら(こ、これも・・・まどかのため・・・・!!!)

ほむら(まどかのためなら・・・私は・・・・!!!)

ほむら(どんな苦痛を受けようが、か、か、関係な・・・)ウルウル





ほむら(   誰   か   、   助   け   て   ! ! !   )イヤアアアアッ

582: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:50:27.79 ID:yp1YbdFa0
シュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ

マミ「ええっ!!?」

ほむら(渦潮ッ!!!?)

桜「!!!」

ウェイバー「」シーン




ギュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!




―海中

ほむら「!!!?」ゴポゴポゴポゴポ

      ガシッ

 ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


ほむら(だ、誰かが・・・)

ほむら(私を、引き上げて・・・・)

ほむら(マスター・・・・・・・?)

583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:51:47.40 ID:yp1YbdFa0
ほむら(ちがう・・・・・・・・・)ムリニキマッテイルワ

ほむら(きっと・・・・いいえ・・・・・間違いないわ)

     バシャシャッ




―海上

ほむら「プハッ・・・ゼィゼィ・・・―――――――あ・・・」

ほむら「ありがとう、m」クルッ







さやか「  まどかだと思った?  ――――残念、さやかちゃんでした!!  」アハハハハ~








ほむら「                                    」

584: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 18:53:27.61 ID:yp1YbdFa0
ほむら「      絶望したわ      」 ガ ク ッ 



さやか「って!?」

さやか「助けてあげたってのにその反応はないでしょ!!?」

ほむら「     」キゼツ

さやか「って気絶するな~!」

さやか「起きろ転校生~!!」ユサユサ

585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 19:59:16.39 ID:yp1YbdFa0
―砂浜


ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル     ジョウリク!



ウェイバー「」シーン

杏子「とりあえず回収したけど、コイツ大丈夫か…?」ツンツン

ソラウ「………脈はあるし、気絶しているだけのようね」

ソラウ「ライダーのマスターと言えば…一番最初の高級ホテル爆破の時の…」タシカ

杏子「だよな、マスターが目下の敵って言ってた…けど」ソーイヤ

ソラウ「でも、今のケイネスなら…どういう態度をとるか分からないし」

杏子「だな、今はそれどころじゃねーし」


ソラウ・杏子「「放置ってことで」」

586: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:01:13.50 ID:yp1YbdFa0
マミ「佐倉さん」シュタッ

桜「こんにちは」シュタッ



ソラウ・杏子「「 !!!!? 」」

杏子「今度はマミかよぉぉぉぉ!!」クッ

ソラウ(って…隣にいるのは…!?―――また別の魔法少女!!?)




マミ「佐倉さんっ!!」ダッ



杏子(く、来r)ヒッ             



               ダキツキッ!


杏子「・・・・・・・・・・・・へ・・・・・・・・・・・!?」

587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:02:51.05 ID:yp1YbdFa0
マミ「やっぱり私、もう・・あなたとだけは・・戦いたくないの・・・・!!」グスッ

マミ「また・・・“昔”のように・・・一緒に・・・・っ・・・・・・・・」ヒック

杏子「………………………やれやれ」

杏子「この前は間髪入れずの先制攻撃――――そんでもって、今回は“また”手を組もうって?」

杏子「まったく、―――そういう強さと脆さが相半ばするトコは…相変わらずだよな、マミ」


杏子「一緒に魔女(アイツ)と闘おうぜ――――――――――“相棒”」ニッ


マミ「ううううっ・・ありがとう佐倉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」ギュッ





ソラウ「………………信じて、…いいのよね…?」

桜「…信じて、欲しいです」ニコリ


588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:04:21.76 ID:yp1YbdFa0
―上空

ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

   ギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィ   

      ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズスズズ      

             ザザザザザザザザザザザザザザザザザ           

―水面

   シュパパパパパパパパパパパパパパパパパ

さやか(やばっ・・・・!!)

ほむら「シーン」オヒメサマダッコ

さやか(何だかんだやってる間に、もう“孵化”しちゃいそうだよ…!)

さやか「杏子、それからマミさん!!」チラッ

さやか「転校生をお願いっ…!」        ポイッ彡

        

             ほむら「」ヒュルルル



―砂浜

杏子「マミ、とりあえずライダー陣営は放置ってことでいいな?」ギュルルルルン

マミ「ええ、とりあえずはねっ!」シュルルルルルル

                 ストッ

ソラウ「とりあえず、この2人は安全な場所に寝かせておきましょ」

桜「…うん」コクリ



ウェイバー・ほむら「「バタンキュー」」

589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:05:00.60 ID:yp1YbdFa0
―地下鉄・構内



切嗣「おーい、イリヤ・・・何処に行ったんだ・・・」

切嗣「・・・・・お願いだから返事をしてくれ――――!!」



              スレチガイ



ケイネス「――――キャスターのサーヴァントよ、姑息なマネはよせ」

ケイネス「――――このケイネス・エルメロイと正々堂々勝負(ry」




切嗣(―――――――――ん)ハッ

ケイネス(―――――――――む)ハッ

590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:05:59.12 ID:yp1YbdFa0
切嗣「貴様は…!」クルッ    ジャキンッ

ケイネス「これはこれは」キッ

切嗣(時計塔降霊科の一級講師―――――ケイネス・エルメロイ・アーチボルト)

切嗣(ランサーの…マスター)

ケイネス「セイバーのマスターにして、アインツベルンの切り札――――エミヤキリツグ」

ケイネス「“魔術師殺し”の異名を持つ冷酷残忍な男―――――」

ケイネス「前回、ランサーとセイバーが一戦交えた折も…陰で権謀術数を巡らしていた、な」

切嗣「…………」ジリ





ケイネス「だが、その正体は―――――“正義の味方”に恋焦がれる理想主義者――――――」






切嗣「!!!!!?」ドキ

591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:07:24.14 ID:yp1YbdFa0
ケイネス「そう、ランサーが私に話してくれた」


切嗣「…鵜呑みにしていいのか?」

切嗣「僕が虚言を吐いた可能性も――」


ケイネス「ランサーが信じたのなら、私も信じよう―――――私はランサーに全幅の信頼を寄せている」

ケイネス「だから私は今、貴様とは闘わない」

ケイネス「なぜなら、――――――今は分かりやすい“悪”の存在がはっきりしているからだ」



ケイネス「共に闘おうではないか―――――セイバーの、マスターよ」



切嗣「…………………」ギリッ…

切嗣(………紳士的なマスターに恵まれて幸運だったな…ランサーよ)

切嗣(君に免じて、この場で彼を射殺するのは・・・止めておくよ)スッ

592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:08:35.20 ID:yp1YbdFa0
切嗣「済まない―――――――――ロード=エルメロイ」





切嗣「 僕 は 、本 当 は 」

切嗣「 今 す ぐ セ イ バ ー と 一 緒 に 闘 い た い ん だ っ ! ! 」





ケイネス(…よい表情(カオ)をしている)

ケイネス(“暗殺者”という一面からは想像もできぬほどに)

ケイネス(――――血の通った求道者の表情ではないか)




切嗣(でも、あの子・・・・・・のことが・・・・・・・・)グッ





舞弥「ご安心ください」タッ


イリヤ「キリツグ~~~~~~~~!!」ジャンプッ

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:09:39.69 ID:yp1YbdFa0
切嗣「!!!!!!!!!」オットット

       ストンッ

イリヤ「も~う、ひとりぼっちは・・・イヤなんだから!!」ギュッ

切嗣「イ・・・・リヤ・・・・・・よかった」ギュ

切嗣「舞弥・・・・・・よく見つけてくれた・・・」



舞弥「聖堂教会の前で偶然発見しまして」

舞弥「詳しい事情は定かではないのですが…間桐雁夜が保護していた模様で…」



切嗣「そうか…まあいいや・・イリヤが無事なら・・・それで」

イリヤ「リン達とまた遊びたいなぁ~」テヘヘ





ケイネス「察するに…」フム

ケイネス「…そちらの懸案事項はなくなった…ということか?」

594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:11:04.01 ID:yp1YbdFa0
切嗣「――――ああ」キッ

切嗣「舞弥、イリヤをアイリの元へ送ってくれ」



舞弥「―――了解です」

イリヤ「…頑張ってね、キリツグ」



切嗣「――――ちょっとだけお別れだ、イリヤ」



ケイネス「――――あまり、時間的な猶予はない」



切嗣「――――分かっている」


舞弥「と、ところでなんですが・・・」イイヅライ…



舞弥「遠坂時臣が同性愛者であることが判明し、…切嗣(アナタ)が…標的にされているようです!!!!」






切嗣「                            え」

ケイネス「 O H ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:12:34.10 ID:yp1YbdFa0
舞弥「く、詳しいことは…後ほど」シュタッ    イリヤ「ばいばーい!」ノシ





切嗣「                             」コンランチュウ

ケイネス(                             )ソシャクチュウ







切嗣(忘れよう)キリッ

ケイネス(私には関係ない)キリッ

    

          タッ

596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:23:56.50 ID:yp1YbdFa0
―海上

ワルプルギスの夜「メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリ」

           バッ

さやか「とりゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

           ブシャッ!

さやか「はああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

          ブシャッ!!

さやか「くぉんのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

          ブシャッ!!!



―米軍ヘリ乗っ取り中(※無人)―

マミ「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆!!」クワッ

マミ「   ペ   タ   ・   フィナ―レ――――――――――――ッ!!!!」

         


          ズダ――――――――――――――ン!!!!

598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:25:39.17 ID:yp1YbdFa0
マミ「ゼーハー・・・・◆◆◆◆◆◆・・・・」ギリッ

さやか(やっぱり…、奥の手を使うしかないか)ゼーハー




―砂浜

ソラウ「く…相変わらず分厚い表面に苦戦するわね」ギリ

杏子「ああ…まるで敵の固有結界の中ででも闘ってる気分だぜ」ザッ

桜「あれ…?セイバーさんの剣が・・・!?」






ワルプルギスの夜「トクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンッ」






さやか「さあて、そろそろあたしの宝具を見せてあげるよ」スッ




599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:29:15.62 ID:yp1YbdFa0
さやか「        鞘よ、砕けろ!!        」リミッターカイジョ!!



さやか(――――――もう、痛みも何も――――感じない!!)

さやか(――――――見返りなんて、求めない――――――)

さやか(みんなを助ける――――――それだけのためにあたしは闘う―――――)




さやか(それが、あたしにとっての    正 義    なんだから)

   

      ピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ   パリ―――――ン!!

  コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ







―ヘリ―

マミ(あ、あれは・・・・・・・卍解・・・・ッ!?)


―砂浜

ソラウ「あれは・・・・・・・・」

杏子「光・・・・・・・の・・・・・・・・・・」

桜「剣・・・・・・・・・・・・」

600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:31:03.02 ID:yp1YbdFa0
―地上

切嗣(これは・・・!!!!?)ピーン

切嗣(どうなっているんだ…!?)

切嗣(セイバーのすべてのステータスが…ワンランクアップしただと…!?)




QB「き、君たち!!」




ケイネス「む、貴様は―――――――…アサシンか」

切嗣「自称監督代行の言峰綺礼の差し金か―――――――悪いが今は」





QB「ようやく見つけたんだよ!!」

QB「魔女のマスターらしき人物をね!!」




切嗣・ケイネス「「 何 ッ ! ! ! ? 」」

601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/15(日) 20:33:02.24 ID:yp1YbdFa0
―海上

さやか「これでとどめだぁああああああああああああああああああああっ!!!!」


      ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン


さやか「            “約束された正義の剣”             」







さやか「サヤカリバァ――――――――――――――――――――――――ッ!!!!!!!!」










マミ「美樹さあああああああああああああああああああああん!!!!?」

杏子「さやかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!?」

桜「えっと・・」

ソラウ「そこは・・・」

ウェイバー「エクスカリバーでいいだろおおおおおおおおおおおおおお!!!?」メザメタ

ほむら(美樹さやか・・・・・・あなたってほんとバカ・・・・・・・・・)ワタシモ…コンカイハ



                                   (つづく)

621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:25:41.26 ID:yStq5jwt0
―ディアロボⅡ―


バラララララララララララララララララララララララララララララララララ


小林(一等空尉が消息を絶ったポイントはここか…)





小林「あ、あれは・・・・・・・・・・・・・なんなんだ・・・・・」ボーゼン





小林(…謎の巨大構造物にできる限り接近して)


小林(場合によっては撃退を試みろ…という指令を受けたわけだが…!!)ギュォォォン

    クルッ バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ



小林「申し訳ありません!!仰木一等空尉!!」テッタイ

小林「自分は・・・・既に・・精神に異常を来してしまったようです」ウアアアア

622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:28:25.62 ID:yStq5jwt0
―海上

               カ ッ 


         ス      パ      ッ



ワルプルギスの夜「       パ       カ       リ      」

              ギラッ★






杏子(見切ったぜ――――――――グリーフシード――――――――)


杏子「そこだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

  ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

        


             パ    キ    ー    ン    







杏子(   ――――――やったな、さやか   )





623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:29:15.04 ID:yStq5jwt0
さやか「いやったああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」






    5、

      4、

        3、

          2、

            1、



サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ







「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」







624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:32:27.60 ID:yStq5jwt0
さやか「                                    」

杏子「                                     」

マミ「                                     」

ウェイバー「                                    」

桜「く、雲が晴れて・・・空から・・・・!!!!?」アゼン

ソラウ「ま・・・」


ソラウ「まさか、今まで攻撃していたのは…魔女が用意していた偽物(ダミー)だったの・・・」アゼン


ほむら「・・・上空に・・・」

ほむら「冬木市全体を覆うような見えない結界を形成して…その外側で完全体になる準備をしていた…?」

ほむら「精巧に造られた幻影(ニセモノ)で私達の目を欺きながら…」



ほむら(・・・・・・・やられた・・・・・・・)

ほむら(――――――――――――――――もう・・・・・・手遅れだわ・・・・・)


625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:37:03.23 ID:yStq5jwt0




舞台装置の魔女「アーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハ」





ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




さやか「じ、上陸・・・する気だ・・・!!」



杏子「こうなりゃもう…ヤケクソだろ」




マミ(100%で闘うべき時が、来たようね)ゴクッ

マミ(―――魔法少女化した桜ちゃんから、マスター代理として魔力供給を受けている現状では)

マミ(私が魔女化しても、雁夜さんの身が持たないという最悪の事態には…陥らない)

626: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:41:05.53 ID:yStq5jwt0
桜(でも、マミお姉ちゃん…本当に…いいの…?)

桜(お姉ちゃん…言ってたよね?)

桜(魔女さんに変身したら・・・もう元の姿には戻れないって・・・)




ソラウ「アンタたちも、逃げないの?」チラ



ウェイバー「もう、闘うしかないだろ!!」キッ

ウェイバー(こんな化物を放置してたら・・・・・・・)」

ウェイバー(聖杯戦争が破綻するどころか・・・・・・・)




ほむら(   まどかァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!   )ドウシテキテクレナイノ!?




627: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:43:25.25 ID:yStq5jwt0
―海浜公園

「危険なので直ちに避難してください!!」カクセイキ

ギャーギャーワーワー 



龍之介「スッゲェよ・・・」

龍之介「超サイコーだよ・・・」




龍之介「このままぜーんぶブチ壊しちゃえ、ワルちゃあああああああああああああああんっ!!」




ワーワーギャーギャー






大河(あれっ!?)

大河(あのヒト・・・昨日の美術館の…クールにーちゃん?)

628: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:46:08.91 ID:yStq5jwt0
―間桐宅付近


ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


雁夜(この感じは………………ヤバいな)



雁夜「俺はバーサーカーと桜ちゃんのもとに向かう!!」バッ



雁夜「二人は今すぐ安全な場所に…!!」

葵「でも、…車は駅の駐車場に止めたままなのよ」

   

   ゴロゴロゴロ     ピシャ――――――――――――ン☆



凛「ひっ・・・雷っ!!?」ビクッ

      
        キキィィィィィィィィ




「―――乗ってくれ」クイッ

629: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:49:46.72 ID:yStq5jwt0
葵「!?…あなたは…!!」


鶴野「禅城の家まで運んでやるから―――急げ」

雁夜「兄貴!!?―――――怪我の方は大丈夫なのか!?」


鶴野「・・・一応・・・」ズキズキ

凛「でも、どうして私達を助けてくれるの!?」

鶴野「桜に辛い思いをさせた責任は自分にもある――――せめてもの…罪滅ぼしのつもりだ」

雁夜「飲酒運転じゃねぇよな?」


鶴野「――――あ、ああ」

雁夜「―――――二人を、頼む」ダッ




葵(雁夜くん・・・・・)



凛(おじさんも、桜も・・・死んだら絶対・・・許さないんだから)

630: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:52:33.01 ID:yStq5jwt0
―遠坂邸・書庫



まどか(この・・・・感じ・・・・)ゾクッ




まどか(魔女(アノコ)がとうとう・・・・・このままじゃ・・・街が・・・みんなが・・・・)




まどか(私も行かなきゃ――――――――でも・・・時臣おじさんを・・放っておけない・・・・・)

まどか(さっきの電話以降・・・様子が・・・・・・・・)

まどか(書庫の奥で・・・・うずくまって・・・・)



まどか(ま、まるで・・・・ひきこもりみたいに・・・・)










時臣「――――――――――――――――――」ウウッ

632: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:54:32.87 ID:yStq5jwt0
まどか「と、時臣おじさん・・・」

まどか「お、奥さんもきっと・・そ、その・・・」

まどか「い、いきなりそういうことを言峰さんからカミングアウトされて・・ショックで・・」





時臣「まどかちゃん・・」ボソリ






まどか「は、はいっ」




時臣「仮に私が、綺礼の求めに応じなければ…綺礼は確実に私の家族に危害を加えるだろう」





まどか「そ、そうでしょうか…?…私には、そんなに悪い人には思えないのですけど…」

633: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 21:57:44.64 ID:yStq5jwt0



時臣「彼はこれまでの数年間、修行を寡黙に着々とこなし…サーヴァントを召喚しうる実力を身につけるに至った」

時臣「彼が一途に鍛錬に励むその態度は、―――ひとえに信仰心から来るものだろうと亡き璃正氏は言っていた」



時臣「・・・そして、私もそうであろうと思い込んでいた」





まどか「そ、それが・・・実際は・・・・っっっ///」





時臣「・・・実際は・・・私を・・“ねじ伏せる”ための力を欲するがゆえの有体であったのかも知れない」



時臣「いや・・・・・、今では・・・そういう捉え方しかできない・・・」

635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 22:00:43.10 ID:yStq5jwt0
時臣「―――――もう、言峰綺礼を止めることは不可能だろう」

時臣「―――――こちらが如何様に対抗しようとも」

時臣「―――――あの男は、無数の奸計を謀って私を追い詰めてゆく・・・」








時臣「――――――私はもう、逃げられない」

時臣「   ――――――ならば、仕方がないだろう    」      スクッ



まどか「 え・・・・・ 」

まどか「そ、それじゃあ・・・!!?ま、まさか・・・・//////」

636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/16(月) 22:04:09.09 ID:yStq5jwt0
時臣「“邪道”に堕ちるくらいならば―――――――私は」カツンッ!       フォォォォン





時臣「      死を選ぶより、他は・・・・・・・・あるまい      」








時臣「―――――――それが、遠坂の血を継ぐ者として」





時臣「         ふさわしい末路・・・だろう           」












まどか「                                    」


                                    (つづく)

653: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 21:58:16.69 ID:R08JnxG/0
―遠坂邸近郊



ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ



綺礼(おかしい…アーチャーは他の魔法少女同様、魔女の動静を気にかけている)

綺礼(それなのに、この不穏な状況下でもまだ…師のもとを離れないと言うのか…?)


綺礼「ぐうううう!!」ギリッ


綺礼「これ以上は・・・・もはや・・・・耐えきれない」クワッ



綺礼「他陣営の妨害が入る可能性は希薄!――――邪魔者は、アーチャーひとり」グッ




綺礼「――――――――――私の全力全開で、退けてくれようぞ―――――――――――」





綺礼「師匠――――――――――――――――――ッ!!!!!」ダッ

654: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:00:55.23 ID:R08JnxG/0
―書庫

時臣「ごめんね・・・・まどかちゃん・・・・・・」

まどか「そ、そんなの・・・・・ダメだよっ!!」

まどか「・・・誰も、救われなくなっちゃうよ」ウル



時臣「令呪を以て命じる――――――アーチャーよ、この場から離れよ」



まどか「くぁ・・・!?」ヴン

         シュウウン






時臣(私の勝手な都合で君を道連れにすることは・・・できない)

時臣(新しいマスターを見つけて…君自身の闘いに決着をつけて欲しい)

時臣(不甲斐ないマスターで・・・本当に・・済まなかった)

655: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:03:11.38 ID:R08JnxG/0
時臣(私にとっての・・・まどかちゃんの存在は・・・)

時臣(――――“3人目”の娘といっても過言ではなかった)ホロリ





「しな・   ・な・・・・  ・い・・・で・・・    !!」グググ









―遠坂邸・庭



魔術結界「フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン」



綺礼「―――――――――――――――」ジャリッ

綺礼「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

               カッ

ドガバキグシャズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ

656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:05:20.27 ID:R08JnxG/0
―書庫

時臣「――――!!!」ハッ




まどか「やめて・・・お願い・・・死な・・・ないで」グググ




時臣「まどかちゃん!!?」

時臣「馬鹿な・・・令呪の拘束力に・・・抗って・・・」




まどか「私・・・いやだ・・・」グスッ

まどか「まるで・・・もう家族(パパ)みたいな・・・時臣おじさんが・・・・・」





まどか「死んじゃうなんていやだよおおおおおおおおおおおおおっ」ウワァァァァァァァァン





時臣「まどか・・・・・ちゃん・・・・・・・・」

658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:08:30.52 ID:R08JnxG/0
まどか「言峰さんが・・・襲ってくるというのなら・・・・」

まどか「時臣おじさんは、私が――――精根尽くして守りますっ・・・」

まどか「だから・・・・・・・・お・・・ね・・・・が・・・・い・・・・」がしっ



時臣「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ポロ…ポロ…ポロ…




時臣「私が・・・・間違って・・・・いたよ・・・・・・」



時臣「      ありがとう     まどかちゃん     」




まどか(          よかっ・・・た・・・・・          )

               



              ガラッ



「―――――――師匠、お待たせしました」ザッ

660: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:10:13.37 ID:R08JnxG/0
まどか「!!!!!!」クルッ





まどか「         悪いけど         」





まどか「   容赦しないよ―――――――――――――言峰s   」




綺礼「―――――臨むところだ、アーチャー」しゃらんら~~~~☆☆☆☆☆









まどか「                                  」

661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:12:06.22 ID:R08JnxG/0
まどか「               き」


まどか「     きれい・・・・・・・・・ちゃん・・・・・・・・?     」ガクゼン




綺礼「ふふ、……アーチャーよ」

綺礼「お前のおかげで、私は己の切実なる願望を真摯に追求することができるようになった」

綺礼「そして今…私の願望を遂げる上で最大の障害が…お前であるということは、なんとも皮肉な運命だな」





まどか「 こ ん な の っ て 、 な い よ 」ヘタリ





時臣「来たか・・・・綺礼よ」スクッ

662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:14:31.78 ID:R08JnxG/0
綺礼「さあ、来るがいい―――――アーチャー」

綺礼「お前を倒して、私は――――――――師と」ジリッ



まどか「さ、・・・!!」キッ

まどか「させないよ!!――――そんなこと・・・!!」

まどか(たとえ…マスターと言峰さんの間に…どんな過去があろうとも…!)

まどか(大切な家族を人質にするなんて、卑劣な手段を使う言峰さんの思い通りには…!!)




時臣「もう、いいんだよ」ポン

まどか「――――――え―――――――?」







綺礼「―――――――――――――――!?」

664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:17:53.69 ID:R08JnxG/0
時臣「 すべてを、受け入れよう――――――――あるがままに、ね 」

時臣「 それが、私の周りの人々を救うための…唯一の手段ならば 」



時臣「                私は                   」

時臣「          甘んじてそれを受け入れよう              」




綺礼「お、ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

まどか「ほええええええええええええええええええええええええええっ!!!?///////////////」

              
                 コツ   コツ





時臣「―――――――今まで、君のほんとうの気持ちに無頓着で済まなかった」

時臣「―――――――言峰、綺礼・・・・・・・くん」

綺礼「とんでも・・・ありません、・・・・・師(せんせい)・・・」

666: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:21:08.58 ID:R08JnxG/0


まどか「      //////   □    //////      」



まどか「そ、そ、そ、それじゃあ!!!!!」アタフタ

まどか「わ、私は・・お邪魔虫なんで・・・!!魔女と闘いに!!!」



時臣「――――待って欲しい、まどかちゃん」

時臣「君のおかげで――――私は死という“最悪の選択”を回避することができた」

時臣「だが…正統派の魔術師として…真人間(ひと)として―――“最期”を迎える私の在り様を」

時臣「君にだけは――――――最後まで見届けてもらいたい」

綺礼「魔女と魔法少女の攻防が真に切羽詰まれば、アサシンが否応なくこの場に現れるだろう」

綺礼「そして私も、・・・私の幸福の結実を・・・お前にだけは、見届けてもらいたいのだ」



まどか「・・・・・・・・・・・・・・・・」

まどか「そう、・・・・・ですか・・・・・・」

まどか「――――――――わかり…ました」ポッ




まどか「私、最後まで・・・お二人のことを・・・み、見届けさせてもらいます///////////////」プシュー

668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:25:03.99 ID:R08JnxG/0
―港




舞台装置の魔女「アーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハ」





ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



杏子「    か は っ ! ! ?   」ズガシャ――――ン!!

ほむら「     くぁっ!!!      」ズガシャ―――――ン!!

さやか「   げ   ほ   っ   ! ! ? 」ズガシャ――――ン!!     パリーン★


さやか「あ」シュー


さやか(・・・聖剣が・・・折れちゃった・・・)

669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:27:32.98 ID:R08JnxG/0
ウェイバー「ライダ――――――――――――ッ!!!」

        カッ     ズダーン!!

ウェイバー「ひぁっ!!?」グイッ

ソラウ「―――自分の身の危険にも気を配りなさいよ」マッタク




舞台装置の魔女「アハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッ」




マミ「私が、相手よ――――――舞台装置の魔女さん」バッ

桜「マミ・・・お姉ちゃん・・・・・・・!!」ジワ






マミ「◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆」スウー

マミ「   1   0   0   パ   ァ  ァ  ァ  ァ   」






「   バ ー サ ー カ ー   ! ! ! ! 」ザッ


671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:30:19.56 ID:R08JnxG/0


雁夜「令呪だ―――――――――魔女に、なるなあああああああああああああああああああっ!!!」



桜「!!!!!!!!」ハッ

桜「おじ・・・ちゃん!!!」



マミ「な             !!?」ヴヴン



マミ「    そ    ん    な ・ ・ ・ ・ ・ 」



マミ「どうして!!?マスター!!?」

マミ「このままじゃ・・・・・・魔女を―――――」



QB「大丈夫さ、マミ」シュタッ



桜「アサシンさん・・!!?」



QB「――――あと数分間、魔女を足止めすることができれば」

QB「“彼ら”が魔女のマスターを倒すことができる…!!」


マミ「!!!!!?」

673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:32:18.66 ID:R08JnxG/0
雁夜「それ以上に」



雁夜「俺だけが幸せになったら―――――――後味悪いだろうが」

雁夜「お前だって、―――――――ホントは魔女に何かなりたくないだろ」



雁夜「――――――幸せになろう、  お 前 も 」

マミ「          」ドキッ



マミ「・・・・・雁夜さぁん・・」ウルウル






舞台装置の魔女「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」





ほむら「巴マミを魔女にさせるわけにはいかないわ(危険だから)」キッ

杏子「マミのためにも…もうひと踏ん張りだ!!(頼むぜ、マスター)」キッ





「――――――――――――――トレース・オン――――――――――――――――」

674: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:34:55.40 ID:R08JnxG/0
ほむら「!!!!」コレハ

杏子「さ、さやか!!?」

ソラウ「これは…!」

ウェイバー「剣(イメージ)の具現化…!!」

桜「しかも・・・」

雁夜・マミ「「 二刀流ッ!!? 」」





さやか「―――――セイバーのクラスに召喚された時からさ、何となく思ってたんだ」ギラリ

さやか「あたし、今ならゾンビっていうより―――むしろ剣でできているんじゃないかって!!!」ニッ






QB「・・・・・・・・・・そうかい・・・・・・・・・・・」スコシヒクヨ

675: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:38:54.59 ID:R08JnxG/0
―海浜公園



ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ



大河「あの化物はにーちゃんのツレのあの子なの!!?」

龍之介「――――まあね」

大河「だったら早く止めなきゃ!!」

龍之介「もう・・・止まれないさ」


大河「  にーちゃんならきっとあの子を止められるよッ!!  」キッ


龍之介「…………………」

大河「このままじゃ…街が…」





「   ――――その男から、離れろ    」ジャリ

676: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:43:43.39 ID:R08JnxG/0
大河「えっ…?」

龍之介「――――――あんたは…?」



切嗣「もう一度言う――――――、そこの君―――――危険だから離れなさい」チャッ


切嗣(アサシンから得た情報に加えて)

切嗣(もしかしたら…と思って、県警の捜査情報を盗み出していたことも…)

切嗣(結果的に、この男を炙り出すのに有効に働いた)


切嗣「雨生龍之介―――――連続強盗殺人及び幼児誘拐の黒幕にして」

切嗣「ワルプルギスの夜(アヴェンジャー)のマスター」



切嗣「――――違うか」ジャキンッ



大河「殺人・・・!!?」

龍之介「…あーあ」ポリポリ

龍之介「とうとう、お巡りさんに見つかっちゃったか」

龍之介「大正解   さ」ニヤッ

677: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:47:34.70 ID:R08JnxG/0
切嗣(右手の甲に令呪!!―――――決まりだ)

切嗣「死を以て罪を償うより他はないな」スッ



「撃っちゃダメええええええええええええええええええっ!!!!!」バッ



切嗣「!?」



龍之介「!?…嬢ちゃん!?」



大河「あたしは、にーちゃんに昨日たまたま会っただけで・・・」

大河「にーちゃんのこと、ほとんど知らないけど・・・」

大河「にーちゃんがワルい人ってことも、全然知らなかったけど・・・」

大河「でも!!!――――――にーちゃんは全然若いんだから!!!!!」

大河「きっと更生できると思うから!!・・・だから、殺さないで・・刑事さん!!!!!!」

680: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:51:47.72 ID:R08JnxG/0
龍之介(馬鹿かよ・・・このコ・・・・)

龍之介(何で・・・俺のような・・・人間のフリした悪魔のこと・・・かばってんだよ)



切嗣(……何だ………この感じ……………)

切嗣(この少女の雰囲気・・・・・・・不思議な懐かしさを・・・覚える・・・)

      
      ポンッ


ケイネス「この場は私に任せるがいい」


切嗣「―――――ケイネス」



ケイネス「セイバーが最前線で死力を尽くして闘っている」

ケイネス「―――――――行ってやれ、セイバーのマスターよ」




ケイネス「―――――――セイバーには、“心強い鞘”が必要だ」




切嗣「――――――――――――――――礼を言う…ロード=エルメロイ」シュタッ

681: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/19(木) 22:54:13.73 ID:R08JnxG/0
大河「にーちゃん!!!」

大河「あんな姿じゃ…あの子全然クールじゃないっ!!!」

大河「早く・・・もとの姿に戻してあげて・・・・!!!!!」



龍之介(ワルちゃんは・・・・・・・・・・・)






QB(残念ながら…完全体になった今、令呪を使っても魔女の理性を取り戻させるのは困難だろうね…)ヒョコ


ケイネス(――――――仕方が、            …あるまい)





ケイネス「これは誅罰ではない―――――――――――――――――救済だ」

                                    (つづく)

694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:17:53.54 ID:X28wq1f30
―ハーバーランド



さやか「だあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

キィン!! ガッ!!  ガスッ!!  キィィィィィィィン!!!



杏子「うおりゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル   ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ



桜「それっ!!!」ヒュルン!!



マミ「はあああああああああああああああああああああああああっ!!!!」ズダーン!!!






舞台装置の魔女「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:20:17.93 ID:X28wq1f30
桜「少しずつだけれど・・・!!」

マミ「効いているわよ・・・・・・!!」



さやか「―――――体が軽いや」ザザザザザザザッ

さやか「―――――今ならあたし何だって出来ちゃいそうな気がする!!」


杏子「おいさやか、油断するなよッッッッ!!!!!」




ほむら「………………」




さやか「って転校生!!?何一人だけ力を出し惜しみしてるわけよっ!!?」

杏子「おいほむらッ!!今は全員で力を合わせねーと!!!」



ウェイバー「おいライダー、昨日の固有結界を使えよ!!!」

ウェイバー「あの中に閉じ込めてしまえば、多少の時間稼ぎに(ry」

ほむら「そ・・・、…それが」

ほむら「セイバーに助けられるという高度の精神的ダメージのせいで…」ゼーゼー

696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:28:05.46 ID:X28wq1f30
ソラウ「近隣の無関係な部外者は全員避難できたようね」キョロ

雁夜「今のところ…死者なしか、…奇跡的だな」キョロ

ソラウ(―――――というより)

ソラウ(この膨大な魔力をもってすれば、とっくに突破されてもおかしくないのに)

ソラウ(―――――あえてランサー達の相手をしている風にも・・・)

ソラウ(見えなくはない・・・わね)














―路上

    シュタッ シュタッ シュタッ シュタッ



イリヤ「ねえ・・・」ダッコ

舞弥「……………?」

舞弥「何でしょうか…?」

イリヤ「・・・・・・奇跡も魔法も、あるんだね」ニッ

舞弥「・・・・・・?」キョトン

舞弥「え、ええと・・・・・・・」

イリヤ「ううん」



イリヤ「  こっちのはなし・・・♪ 」



697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:33:31.47 ID:X28wq1f30
舞台装置の魔女「アババババアババババアババババアババババアババババアババババアババババ!!」





さやか(       行ける――――――!!!       )

さやか(       あと・・・・・・・・一歩       )

さやか(     あと・・・・・・・もうひと踏ん張り    )

さやか(        みんなを、守るために・・・・・・・・!!!!!     )








「    セイバ――――――――――――――――――――ッ!!!!    」












杏子「!!!!!!!」ハッ

杏子(――――――――切嗣、やっと…来てくれたんだな)ヨカッタナ、サヤカ

698: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:35:38.00 ID:X28wq1f30
                 ガシッ



切嗣「君の剣を、―――――僕も、支えよう」グッ

さやか「マス・・・・・ター・・・・・・・」



切嗣「もう一度、―――――“正義”の剣を構築できるかな?」

さやか「…………………………………………」




さやか「――――――――――――――はい」コクリ

さやか「必ず来てくれるって、信じていました――――――」



さやか「―――――あたし、もう・・・・舞い上がっちゃって・・・ます」ジワ

699: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:38:00.00 ID:X28wq1f30


ドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーン



ワルプルギスの夜「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」






ほむら「―――――美樹さやか」ファサ

ほむら「約束通り――――――     あなたの獲物よ」





               シュキラァァァァァァン

                   バッ






さやか・切嗣「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」」







700: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:42:21.34 ID:X28wq1f30
ブシュ 

     ジュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

                

                    トクンッ


(―――――――――― 甘 き 死 よ 、 来 た れ ―――――――――――)




杏子(―――――――この声)キィン



マミ「―――――――今度こそ本物の核(グリーフシード)よぉ!!!!!」





杏子「…!!!!!」ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

      
          ビ           キ            ッ

701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:44:11.87 ID:X28wq1f30
(―――――――――さらばじゃ、わらわを破った魔法少女よ―――――――――――)

(おぬしらとのチャンバラごっこを・・・・・・心から楽しむことができたのは・・・・)

(これが、―――――――――――――初めてじゃ・・・・・・・・・・・・・・)


(                           ありがとう    )




杏子(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか)ウル

杏子(なんでもっと・・・・素直になれなかったんだよ・・・・・・・・・・)

杏子(もしかしたら・・・・あたしらだって・・・・アンタと友達になれたかも知れないのに・・)



702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:50:05.26 ID:X28wq1f30

no title

704: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:55:14.81 ID:X28wq1f30
―砂浜

さやか「やったね・・・マスター」スッ

切嗣「――――セイバー、君がパートナーで良かった」ハイタッチ

さやか「それじゃ、早速―――――イリヤちゃんを探しに…!!」キッ

切嗣「イリヤなら、無事だ――――舞弥が保護してくれたんだ…今頃はアイリのもとに」

さやか「!・・ホントですか!!良かったぁ~」

切嗣「新居(ヤシキ)に戻ろう―――――僕達のことをアイリが心配しているだろうからね」シュンッ

さやか「はい!!」シュンッ


さやか「それじゃ、杏子―――――――また明日ね!!」ノシ


杏子「―――――――おう。………………またな、さやか」ノシ



杏子(これから・・・・・どうなるのかは分からないけれど)

杏子(きっと、いい方向に行くんじゃないかって・・・そう思えてくる)

杏子(お互いに・・・いいマスターに巡り合えて、良かった)

ソラウ「お疲れ」

杏子「…ソラウ」

ソラウ「今日はよくやってくれたわね、ランサー」ニッ

杏子「―――――お互い様、だろ」ニッ

705: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 20:58:07.06 ID:X28wq1f30
           ヒュルルルルル       パシッ

桜「これは…?」サ

雁夜「矢文…?・・・まさかアーチャーの・・・!!?」パラ



《               間桐雁夜殿                  》

《妻と凛、そして桜のことをよろしく頼む》

《彼らには、今まで申し訳なかったと伝えておいてはくれまいか》

《皆を、幸せにしてあげて欲しい》

《                             旧友  遠坂時臣 》

(※添付書類:離婚届・判付き)




雁夜「時臣・・・・・・・・・・・・・・・」

雁夜「お前本当に・・・・・・・ホ だったんだな・・・・・・」ブルッ

桜「・・・・・バイバイ、お父さん。あの変な人と・・・幸せになってね」モクトウ






ソラウ(ホ ・・・・・・・・?)ウゲ

杏子(変な人・・・・・・・・?)ダレダロ

707: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:00:56.43 ID:X28wq1f30
桜「これからも、よろしくね―――――――雁夜おじちゃん」


桜「    ううん     おとうさん    」ニッコリ


雁夜「   ありがとう   さくらちゃん   」


マミ(よかった・・・・・・・・)ジワ



雁夜(とりあえず・・・“俺自身”の聖杯戦争はこれで終わり(フィナーレ)だ…)フゥ

マミ「マスター。今夜は葵さんや凛ちゃんと合流して、祝杯を挙げましょう…!」ニコッ

雁夜「あ、ありがとな、バーサーカー」テレッ


マミ「あれ、そういえば雁夜さん――――随分顔色がよくなってません?」

雁夜「・・・あれ、そういえば・・・・」ゲンキ

709: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:03:47.45 ID:X28wq1f30
雁夜「!!?・・・む、蟲が・・・!?体の中を蝕んでいいた蟲共が・・・!?」

桜「どこかに消えちゃった・・・の?」

マミ「あれ、手の甲の令呪も・・・残りの2画が無くなってますよね!!!?」

雁夜「どういうことだ・・・・・これは」アゼン


ソラウ「まあ、いいんじゃないの?」ブラブラ

杏子「詳しい事情は知らねぇが、アンタの願いはかなったんだろ?」テクテク

杏子(そういや、ほむライダー達はどこ行ったんだ?)

ソラウ(そういえば…逃げ足の速い連中ね)


雁夜「そ、それはそうなんだが・・・・・・・・」

雁夜(言峰の奴が監督権限でも使って…願いがかなった俺の令呪を回収したのか?)


雁夜(―――――――そういや・・・言峰の願いも・・・叶ったんだよな・・・)ゴクリ


ソラウ「今夜は私達も祝杯でも挙げていいんじゃない・・・って気分だわ」アアツカレタ

マミ「それじゃあ…私達と一緒にどうです…?」ニッ

杏子「あたしは全然オッケーだぜ」ニッ

ソラウ「――――――異存なしよ」~♪

710: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:06:48.61 ID:X28wq1f30
―海浜公園

    
     パァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ


大河(空が急に・・・晴れた・・・!!?)



(―――――――――――――――龍之介―――――――――――――――)

龍之介「                」ハッ

(短い間じゃったが、おぬしと遊べて・・・ほんとうに・・・たのしかったぞ・・・・)

(わらわはもう、なんにも思い残すことはない                  )

(この世界を・・・・・滅ぼすのはやめじゃ                    )

(おぬしには・・・・・       まだ・・やっぱり・・・          )


(          生きていて     欲しいからの            )


(                さらばじゃ                 )

龍之介(ワル・・・・・ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・)シュゥゥゥン

711: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:12:55.33 ID:X28wq1f30
ケイネス(…彼奴の令呪が、…私のもとに転移した、か)ポゥ

ケイネス(――――よく、やってくれた・・・ランサー)

QB(あれ…?あの綺礼が本当に監督代行としての役割を果たしたのかい…??)





QB(あ、あるいは・・・!これが、・・・・“聖杯の意志”・・・・・・!?)





龍之介「なあ、・・・アンタ」



ケイネス「…………………」



龍之介「  俺を、殺してくれよ  」

大河「にーちゃん!!?」

713: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:15:45.28 ID:X28wq1f30
龍之介「やっと、わかったんだよ・・・・・」

龍之介「俺・・・・いーっぱい殺しやって・・・究極の素材(ヒトノカラダ)でアートを探求して・・・」

龍之介「でも結局は・・・どんだけやっても・・・・・生きてる限り辿り着けないモノをずっと追い求めていたんだ」



ケイネス「―――――――――“死”への到達、か?」




龍之介「頼むよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」ドゲザ

龍之介「殺してくれえええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!」



大河「にぃ・・・ちゃん・・・・」ウル

      

        ジャリ

714: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:17:22.63 ID:X28wq1f30
ケイネス「――――――――――断る」ガシッ



ケイネス「さあ、立ちなさい」



龍之介「んな・・・なんで・・だよぉぉぉぉぉぉ!!?」ポツリ



ケイネス「お前がこれまで犯した罪の重さを鑑みれば、―――お前は、死にすら値しない」




ケイネス「加えて…魔女が潰えた今、私がお前を殺すべき明確な動機は見当たらない」




ケイネス「そして」チラリ



大河「ぅ・・・ぅぅ・・・」ヒック




ケイネス「――――無垢な少女のやさしさに…、私は答えざるを…得ない」




龍之介「・・・・・・・・」ポツリ

715: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:20:12.09 ID:X28wq1f30
ケイネス「――――生きて罪を償いなさい」

ケイネス「――――そして…魔女が古(イニシエ)に失った魂(イノチ)の重みを…、考え続けなさい」




ケイネス「――――それが、これからの君の人生における――――私からの、宿題だ」




龍之介「せ・・・・・・・・」

龍之介「せんせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」











―物陰

舞弥(…どうやら、今日のところは一件落着のようですね)ホッ

舞弥(切嗣とセイバーの奇跡的な共闘による、ワルプルギスの夜の(実質的)撃破)

舞弥(…おいしいところはランサー陣営が全部持って行った感がありますが)



舞弥(――――さて、イリヤ嬢におみやげでも買って帰りますか)スタッ

716: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:22:55.74 ID:X28wq1f30
―武家屋敷



イリヤ「お母様ぁぁ~会いたかったようぅ!!」ぴょんっ

        ギュッ

アイリ「イリヤ・・・・・・・・・・」ウル

アイリ「もう・・・こんな無茶しちゃダメよ・・・」ギュ

アイリ「本当に・・・心配したのだから・・・・・」

イリヤ「ごめんなさい・・・お母様・・・・・・」



イリヤ「でもね、わたし・・・もうちょっとだけ・・・無茶しちゃうかも」スッ



アイリ「!!!!!?」

イリヤ「わたしも、聖杯に見込まれちゃったみたいだから・・・!!」ホラ




アイリ「    う       う・・・・そ・・・・・・    」

717: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:25:10.15 ID:X28wq1f30
アイリ「右手に・・・れ、令呪・・・が・・・・・っ!?」

アイリ「そ、そんな・・・・?でも、イリヤ・・・幼いあなたは魔術師としては・・・!?」







イリヤ「         わたし、魔法少女になったんだよ            」ヘンシーン!!






イリヤ「どう、似合ってる~?」きらきら☆







アイリ「                   」ボーゼン

718: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:28:27.26 ID:X28wq1f30
アイリ「わけが・・・・・わからないわ・・・・・・・」

アイリ(でも・・・イリヤから・・・強い魔力の発露を感じる・・・!!!)ドキリ

イリヤ「わたしに優しくしてくれた、病気のおじさんを健康にしてあげたの・・・!」エヘッ






イリヤ(――――――――――キリツグ、イリヤもマスターになるよ・・・!!)


イリヤ(それで、聖杯戦争なんか終わらせちゃうんだから!!)


イリヤ(          だって           )





イリヤ(それさえ終わっちゃえば、・・・・また家族みんなで過ごせるんだよね)





イリヤ(―――――――――自分のねがいは、自分で叶えちゃうよっ!!)キッ

719: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:34:17.32 ID:X28wq1f30
―夜―


―聖堂教会


―客室


まどか「――――――――」カキカキカキカキカキ


まどか「・・・・で、できたっ!!」イラスト

    

          ~綺礼×時臣~



まどか「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプル



まどか「お、おかしいよ・・・わたし・・・・・・・////////////」カアアア

まどか「私・・・な、何の取り柄もない平凡な中学生だったのに・・・・//////」

まどか「こ、こんな・・・絵を、書いちゃうなんて・・・・・////////////」

まどか「・・うぇひ」

まどか「うぇひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひっ//////////////」

722: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:40:43.39 ID:X28wq1f30
―隣室

    

         トクトクトク(※高級ワイン)



時臣・綺礼「「――――乾杯」」カラン

時臣「感謝するよ…綺礼」

時臣「私は…君と交わることで、   何か   を失った」

時臣「だが、しかし…同時に、    ある   極致というものに…到達した」




時臣「         私   は  、  根  源  に  至  っ  た         」




綺礼「―――――師の願いもまた、私と同じように叶えられたのですね」

724: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:44:00.67 ID:X28wq1f30
時臣「ああ」

綺礼「では、私は…アサシンが戻り次第、令呪を以て自害させますが…」

綺礼「アーチャーのほうは…そうはいきませんよね」


時臣「勿論―――――今度はまどかちゃんの望みが叶うまで――――私の聖杯戦争は終わらない」




QB「ただいm」シュンッ



綺礼「インキュベーターよ、お前にもう用はない」



QB「え     ち、ちょっと待っ!!?」




まどか「―――ちょっと待ってください」シュタッ

725: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:47:59.21 ID:X28wq1f30
綺礼「アーチャー・・・?―――――なぜ止める?」

時臣「まどかちゃんにとっては、アサシンの滅失は喜ばしいことのはずだろう…?」


まどか「最初の頃は…そうでした―――――気持ちに余裕もなかったので」

まどか「でも、今は違います―――――――私、新しい自分の一面に気づいて」

まどか「はっきりとした・・・望みを・・・見出したんです!!!!」



まどか「だから、その望みを叶えるために、キュゥべぇを私の“使い魔(サーヴァント)”にして利用します!!」



QB「    え    」



綺礼「な!!?」

まどか「もう、きれいちゃんが他のマスターに標的にされないようにするんです」ニコッ

726: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:50:54.31 ID:X28wq1f30
時臣「ちょ、ちょっと待つんだまどかちゃん…!?そんな掟破りなことを…君はなせるというのかい?」




まどか「私の意志を貫き通すためなら――――――」コォォ

まどか「そんな掟(ルール)、壊してみせるッ!!!!!」ギラリ





まどか「 “破壊すべき全ての不(ルールブレイカ――――)”ッ ! ! 」グサリ






QB「                                   」

727: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:56:05.52 ID:X28wq1f30
              シュウウウ



まどか「改めてよろしくね、キュゥべぇ」ブラーン

まどか(―――――――まだ、あなたには)

まどか(問い詰めなくちゃならないことも、あるから)



まどか(『聖杯』というものの“本質”について――――)

まどか(――――あなたはきっと、知っているんでしょ?)




QB「アーチャー・・・・・・いくら条理を覆すにしてもあまりに反則的ではないかい・・・・・・」




QB(――――そして)

QB(――――君の存在が・・・・・・如何なるものだったのか)

QB(――――ようやく僕の知覚にもはっきりとしてきたよ、鹿目・・・まどか)




QB(“あの時”、ワルプルギスの夜を救済し、世界を再構成したのは・・・・・!!!!)



729: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 21:59:10.96 ID:X28wq1f30
綺礼「では、私は正式に監督代行となりますが――――アーチャーの願いは師の願いに同じ」

綺礼「再び師の後方支援に徹するとしましょう」

時臣「頼むよ、綺礼」

時臣「さて、まどかちゃん―――――そろそろ、君の願いについて聞かせてもらおう」


まどか「は、はいっ」ドキッ

まどか「その・・・ですね//////」ソワソワ

まどか「もっと、いろんな[ピ―――]を見ることができたら・・・・・!!!!」ポッ

まどか「それはとっても・・・・・嬉しいなって・・・・・!!!!」








QB「か、鹿目まどか・・・・・・き、君は・・・・・・・・・」







綺礼「―――――なるほど」

時臣「―――――わかったよ、まどかちゃん」

733: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 22:02:39.14 ID:X28wq1f30


綺礼「では、とりあえず私達が協力して…敵マスターを“襲撃”するというのはどうでしょう?」ヒソ

綺礼「マスターを“再起不能”にし、解放されたサーヴァントをアーチャーの“仲間”として受け入れる」ヒソ




時臣「…うむ」



時臣(最終的に、聖杯戦争の終結を円滑に迎えるためには)





時臣(―――――――――この方針がベストに違いない――――――――)キリッ





綺礼「まずは間桐雁夜などいかがでしょう?―――私と提携関係にあるので、騙し討ちは容易」






時臣「いや…あの男は、そっとしておこう―――――(それが、“彼ら”のためにもなるのなら)」フッ

735: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 22:07:20.60 ID:X28wq1f30









時臣「当面の標的は――――――――――――衛宮切嗣―――――――――――――――」ガタッ











時臣「金目当てで聖杯を欲する歪んだ心根を、私達の力で浄化し、解き放ってやろう」ニッ

綺礼「金目当てかはともかく…私も賛成です―――あの男には多少の興味を持っていますので」



綺礼(魔法少女と化した愛娘の存在が、今後如何なる影響を及ぼすかは…私にも未知数だ)ニヤリ



綺礼「――――もちろん師の魅力には、遠く及びませんが」



まどか「よ、よろしくお願いしますっ!!!!!!」ワクワク







QB(   どうして こんなことに ・・・・・・・・・  )

736: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 22:12:42.68 ID:X28wq1f30
―民家


TV<連続猟奇殺人事件の犯人を名乗る若い男が出頭…民間人に付き添われ…

TV<複数の幼児失踪にも関与しているものとみて…余罪を追及…

TV<なお、冬木市沖に出現した謎の巨大構造物については…専門家は集団心理による幻影だとの見方を示し…

TV<爆弾低気圧(スーパーセル)の上陸による死傷者は奇跡的にゼロ…



ばあさん「昼間は大荒れの天気でしたねぇ」

じいさん「おまえさんたちが無事に戻ってきて心底ほっとしておるよ」

じいさん(二人が来てからというもの・・ばあさんが随分明るくなったものだ・・)シミジミ



ほむら(・・・・・ごはんが・・・・こんなにもおいしいなんて・・・)

ウェイバー(・・・いきているって・・・・・すばらしい・・・・・・・・・)ウウッ




【聖杯戦争第4日目・終了】

738: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/21(土) 22:18:15.72 ID:X28wq1f30
《次回以降予告(仮)》



「どういうことだ・・・オイ・・・・?・・・コイツ・・・腐ってやがる・・・・」

「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」

「ねえまどか・・・お願いっ―――――――私もあなたの眷属に加えて・・・!」

「――――――全ての懊悩を忘れて、私に身を委ねてください」

「ロード=エルメロイよ、―――私と―――   闘  ら  な  い  か   」 

「ずっと、アイリさんのことを裏切っていたんですね――――― ひ ど い よ 、切 嗣 さ ん 」

「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」

「だ、だれかたしゅけてええええええええええええええええええええええええええええっ」

「    僕の    さいごに、のこされた・・・・・・道標(ミチシルベ)・・・・・・・」


                                 

                                 (後半につづく)

750: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 16:36:32.58 ID:N9oU/cwr0
――WAKAME道場―――――――――――――――――――――――――――――――

慎二「おい」

慎二「誰得の展開だよ・・・これは・・・」

仁美「あらあら間桐くん?―――――――むしろここからが本番ですのよ」

仁美「色んな意味で、ドロドロの愛憎劇が(ry」

慎二「もう十分ドロドロだろ・・・」オエッ

仁美「さて、分岐ルートの1つを以下に示しておきますわ」

751: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 16:38:32.08 ID:N9oU/cwr0
~~~~~~~~~≪時臣がまどかを振り切り自殺していた場合≫~~~~~~~~~~

→綺礼“魔獣”化(外観不変、理性残存、僧侶姿、すべての幸福を憎む悪の化身に)

→雁夜の幸福の実現に加担する形になったQBを令呪で消滅させる

→真アサシン(インキュベーター:今回の聖杯戦争仕掛人)降臨

→綺礼、フリーになったまどかを欺いて契約

→鶴野・葵・凛の乗った車を爆破し殺害

→提携関係を利用し雁夜をおびき寄せ、絶望させる

→追ってきた桜・マミ・杏子・ケイネス・ソラウの目の前で、雁夜を“マミる”

→桜、絶望して魔女化(黒桜)、綺礼の操り人形に

→マミ、怨恨を糧に魔女化・暴走

→綺礼、令呪でまどかを魔女化させ、バーサーカー撃破

→杏子、マミの後追いで自爆(同時にケイネス・ソラウの逃避の時間稼ぎ)



→インキュベーター、黒桜をイリヤに差し向ける

→イリヤを助けようとしたケイネス・ソラウを黒桜が殺害

→イリヤ、絶望し魔女化

752: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 16:42:03.95 ID:N9oU/cwr0
→ほむら、まどかの魔女化を知って絶望

→それでも奇跡を信じて魔女まどかに挑み、ウェイバーの眼前で最期を迎える

→綺礼、容赦なくウェイバーを殺害



→綺礼、アイリを誘拐、「器」として利用

→インキュベーター、切嗣と舞弥の関係をさやかに嘯く

→さやか、過去を想起、アイリと自身を重ね切嗣との信頼関係崩壊

→舞弥、魔女イリヤに殺害される

→切嗣、聖杯に触れて絶望

→さやか、魔女まどかとの戦闘拒否、令呪に歯向かって自害

→綺礼、魔女まどか・黒桜・魔女イリヤと融合、アンリマユそのものに



→切嗣、虚空でワルプルギスの幻影を見る

→人々の命を救いたいと反英雄の人間らしい“願い”に聖杯が再度変質

→冬木市大火災発生(本来は世界が滅ぶレベルだったのが小規模化)

→インキュベーター、結果的にはノルマを達成し悠々と宇宙に帰還



→改心した龍之介が士郎(唯一の生存者)を助ける

→切嗣、誰一人救えなかった失意の念のうち、自殺

(→孤児となった間桐慎二が藤村家に引き取られる)            (完)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

753: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 16:43:34.21 ID:N9oU/cwr0
慎二「・・・・・・・・絶望的過ぎだろ」

仁美「ちなみにこれは、あくまで分岐ルートの1つですわ」

慎二「それよりこのルートだと…も、もしかして僕とアイツが義兄弟に(ry」

仁美「――今後の展開が『希望的』になることを保障するものではありませんので」

仁美「――ご了承ください」ペコリ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

758: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:10:56.20 ID:N9oU/cwr0
~穏やかなる幕間2~

―真夜中―


―藤村邸・玄関



組長「ウチの大河がお世話になったそうな」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

組員「「「「「「――――――」」」」」」」ペコリ



ケイネス「い、いえいえ…私は教育者として…娘さんを無事にお宅まで送り届けたまでで…」


大河「ありがとう・・・・せんせー」

大河「あたし・・・にーちゃんに手紙を書くよ」

大河「にーちゃんが、ちゃんと罪を償えるように・・・あたしが元気づけてあげるの」


759: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:12:53.77 ID:N9oU/cwr0
ケイネス「―――――そうかい」

ケイネス「―――――私も、彼のことを見守ってゆく所存だ」



ケイネス(―――――この戦いが、終わってからも・・・・)



ケイネス「それでは」ノシ




大河「バイバイ・・・せんせーっ」ノシ



大河(―――――あたし、大きくなったら)

大河(せんせーみたいな、  先生  になりたいな)



760: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:14:43.09 ID:N9oU/cwr0
ケイネス(さて…ソラーウやランサーと合流するとしよう)

ケイネス(2人とも…魔女を相手によく奮戦してくれたと見える…)

ケイネス(存分に労いの言葉を掛けなければ)フム





パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ





ケイネス「!!!!?」



杏子「―――お疲れ、マスター」ニッ

ソラウ「今日はいい仕事をしたんじゃないの?…ケイネス」ニッ

マミ「素敵でした・・・」

凛「教師の鏡だわっ!」

桜「本当に・・・・」

葵「娘たちを教え子にして頂きたいくらいです…」

雁夜「結局検問で捕まったアル中野郎にも説教してもらいたいくらいだ…」

761: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:19:49.23 ID:N9oU/cwr0
ケイネス「こ、これは…どういう状況だ…!?」

杏子「かくかくしかじか」

ケイネス「な、なるほど…」

ソラウ「というわけで、今夜は祝賀会なのよ―――――いかがかしら?」



ケイネス「尋ねるまでもあるまい」スタスタ



ケイネス「――――今宵は無礼講といこうではないか」

雁夜「――――どうも」ペコリ

葵「……………」ペコリ

雁夜「い、いつぞやは・・・情けをかけてもらって・・・」


ケイネス「はて、何のことだったかな―――なあ、ランサー」チラ

杏子「記憶にねーよな」ニッ

762: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:22:19.71 ID:N9oU/cwr0
マミ「さ、行きましょう。2人とも」ニコリ



凛「うんっ!!」

桜(マミお姉ちゃんのために、おじちゃんはもう闘えない…)

桜(おじちゃんはすっかり“もと”のおじちゃんに戻っちゃったから…)

桜(このままじゃ・・・マミお姉ちゃんは・・・・もうすぐ消えちゃう・・・?)









―丘の上

 サアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

イリヤ(大丈夫だよ、さくら)

イリヤ(わたしが、バーサーカーとけいやくするから・・・!)

763: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:23:48.35 ID:N9oU/cwr0
―武家屋敷・反省会


アイリ「・・・・・ということなの」

アイリ「・・・・・イリヤは、それだけを告げたら・・・出て行ってしまったわ」



さやか「……………………」

切嗣「……………………」

舞弥「……………………」



さやか(一難去ってまた一難・・・ってやつかな・・・)クッ

切嗣(これも・・・運命なのか・・・・・・)

切嗣「ひどすぎる・・・あんまりだ・・・・」ギリッ


舞弥「――――アサシンとイリヤ嬢が“契約”した…という線が濃厚でしょうか」

さやか「――――たぶんね。ていうか・・・それしか考えらんないよ」キッ

765: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:26:28.22 ID:N9oU/cwr0
切嗣「――――イリヤが・・・魔女になる・・可能性は?」

さやか「どうなのかは…わかんない・・・キュゥべぇを問い詰めない限り!!」

アイリ「でも、少なくとも――――サーヴァントとしてのアサシンを・・・倒せば」

舞弥「イリヤ嬢との契約は自動的に解除される蓋然性は高いでしょう」


切嗣(当面の目標はアサシン陣営を早々に撃破すること)



切嗣(言峰綺礼―――――まだ接触はないが……この男の在り方を、僕は理解できない…)

切嗣(遠坂時臣のことも・・・ゴクリ・・・含めて・・・・・気をつけなければ・・・)ゾワッ



アイリ(切嗣の顔色がすこぶる悪いわ……)

アイリ(……当然よね。ようやくセイバーと意気投合できたというのに…こんなことになって…)


766: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:29:43.49 ID:N9oU/cwr0
舞弥(……………遠坂時臣氏の奇特な 癖に関しては…奥方やセイバーには…………)チラ


切嗣(そ、その点は二人には伝えないでいいだろう?―――二人が無用なショックを受ける恐れがある)チラ


舞弥(た、確かに・・・)


アイリ「・・・・・・・・・?」


切嗣(―――イリヤは魔法少女でいる限り、相応の実力を有するはずだから…一人でいても少し安心だ)


さやか「マスター・・・・・・・、もし、イリヤちゃんと・・・闘うことになったら」


切嗣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギリッ

767: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:31:31.02 ID:N9oU/cwr0
切嗣「―――現状では、マスターと逸れたサーヴァントはいない」

舞弥「我々が知る限り、マスターを安易に裏切りそうな魔法少女も…特段見当たりませんし」


さやか「確かに…そうですね(転校生は微妙だけど)」


切嗣「アサシン陣営を叩いた上で、イリヤを説得し安全な場所へ――――これが最優先事項だ」


さやか・舞弥「「はい」」コク



アイリ(イリヤ・・・・・私たちは・・・・あなたの気持ちに・・・・・)

アイリ(どう・・・・・・・・答えてあげればいいの・・・・・・・・・)

768: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:33:11.67 ID:N9oU/cwr0
―民家

ほむら「あなたの今日の不甲斐なさぶりにはほとほと愛想が尽きたわ」

ウェイバー「な」

ウェイバー「お、お前だって今日はバーサーカーやセイバーに借りを作っただろ!?」

ほむら「ぐ」


ウェイバー「………………………」

ほむら「………………………」


ウェイバー「と、とにかく…だ。最大の脅威(ワルプルギス)は無事撃破されたんだ」

ウェイバー「明日以降は残る6陣営による戦闘再開か・・・」ゴクリ

ほむら「…………………ええ」

ほむら「ただ、いくつか気がかりな点があるわ」

769: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:34:20.67 ID:N9oU/cwr0
ウェイバー「…あのバーサーカーと一緒にいた小さな魔法少女のことか?」

ほむら「それもあるのだけれど」



ほむら(最後まで…魔女の前にまどかが現れなかったこと・・・・・・)

ほむら(あの子のことだから・・・よほどの事情があって来れなかったに違いないわ・・)

ほむら(魔女暴走という混乱の中で・・・アーチャー陣営の情勢に何らかの変化が・・・?)



ウェイバー「・・・それにしても」

ウェイバー「本当に・・・・・よく倒せたもんだな・・・・あの魔女」



ほむら「――――――今思うと、倒すべくして倒せたんじゃないかと…」ファサ


ウェイバー「―――――えっ?」

771: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:37:36.65 ID:N9oU/cwr0
ほむら「ワルプルギスの夜―舞台装置の魔女―、その性質は、“無力”」

ウェイバー「無・・・力・・・・?」


ほむら「感情を得てしまったばっかりに、“彼女”は自身の救いようのない在り方を否応なく逡巡し」

ほむら「結果的に、破滅を選ぶことが自身にとっての唯一の救いになる」

ほむら「………そう思い至ったのではないかしら」


ウェイバー「その感情が…完全体になっても残滓として残っていた…?」


ほむら「可能性として、ね・・・。本当のところは、もはや私達には知る由がないけれど」



ウェイバー(この世の全ての悪を体現するかのような禍々しい存在には…最期まで)

ウェイバー(…切ない願いを打ち砕かれた…かつての人間としての脆弱な側面が共生していた)

ウェイバー(哀しい・・・闘いだったな・・・)

772: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:40:43.91 ID:N9oU/cwr0
―聖堂教会・調理場

まどか「下ごしらえ、できましたよ~」シャッシャッ

時臣「さて」ス


ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


まどか「さすが時臣おじさん!すごい火力ですね~」

時臣「仮にも火属性だからね」ジュージュー

まどか「きれいちゃん、きっと喜んでくれますよっ」ニコリ

時臣「だといいけれど」




時臣(―――綺礼が麻婆豆腐を好き好んでいたとは知らなかった)

時臣(―――個人の嗜好など…魔道の前では取るに足らないものだと思ってきたが…)

時臣(私はこれまで……揺るぎない信念に縋りきって……逆に自分自身を雁字搦めにしてしまった)

時臣(葵の本心に気がつくことができなかった遠因も…私の意固地さにあったのだろう)



時臣(そんな私を救ってくれたのは――――――まどかちゃん、そして綺礼・・・君だ)

774: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:42:36.32 ID:N9oU/cwr0
時臣(これからは――――魔術師の前に一人の人間として、“幸せな家庭”を築いていこう)


QB「・・・・・・・・・・・・・・」

QB「ところで遠坂時臣・・・・・なぜ君は・・・・先ほどから上半身を露出しているんだい・・・?」


時臣「魔術師だろうと何だろうと、一皮むけばただの人間である」

時臣「―――――という自身への戒めを形で表したのさ」

まどか「すごくいい心がけだと思います…っ!」ティヒヒ


QB(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ゾクッ


まどか(    こんな幸せなひとときが      )

まどか(   ずっとずっと  続いたらいいな   )

775: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:44:36.91 ID:N9oU/cwr0
―別室

綺礼(私が・・・こうして人並みの幸福を享受できることになったのは)

綺礼(ひとえに師匠とアーチャーの寛大なるこころに救済されたがためだ)



QB(僕も結果的に君の願望成就を大いに後押しする形になってしまったよ・・・)

QB(正直・・・・想定外な出来事が起こり過ぎて・・・)

QB(もうぐぅの音も出ないよ・・・・・)



綺礼(明日からは―――――再び“誰かのため”の闘いに力を尽くすことになるが)

綺礼(この高揚感は、過去の私には・・・・有り得なかった・・・・)



綺礼(      私 は い ま      最 高 に 幸 せ だ       )



QB(というわけで結局その格好を辞めないんだね・・・・)

776: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/22(日) 19:46:46.83 ID:N9oU/cwr0
―拘置所・独房

      サァ

龍之介(…ちっちゃな小窓から、月の光が綺麗に差し込んでる)

龍之介(――――綺麗…)

龍之介(不思議だなぁ~・・・)

龍之介(今までは、真っ赤な血以上に・・・何かをキレイだなんて・・・思わなかったのにさ)




龍之介(いつになるんだろ)

龍之介(・・・・・・・・ま)

龍之介(その時が、来るまで)

龍之介(俺は生きるよ、ワルちゃん)

龍之介(奪い取った命はもう…取り返しがつかないけれどさ)

龍之介(それでも生きる――――生きていないと懺悔なんてできないんだから)



~穏やかなる幕間2・終~

786: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:46:51.47 ID:HK6mN36c0
【聖杯戦争・第5日】

―暁時

―禅城宅

雁夜「zzzz」

葵「zzzz」

凛「zzzz」




―玄関前

イリヤ「それじゃ、またね!――――さくら」

マミ「短い間でしたけど…お世話になりました」

マミ「桜ちゃん、・・・・・・・雁夜さん・・・・・・・・」ペコリ

桜「マミお姉ちゃん・・・・・・」

桜「おじちゃんには・・・」

マミ「いいのよ、桜ちゃん」

マミ「だって・・・雁夜さんはもう幸せになったじゃない」ニコリ

787: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:48:07.53 ID:HK6mN36c0
マミ「雁夜さんをこれ以上“私の闘い”に巻き込むわけにはいかないわ」ナデ

桜「でも・・・・」


イリヤ「さくらばっかりなでられてずるい~~~!」


マミ「あらもう…、イリヤちゃん、落ち着いて」ナデ

イリヤ「気持ちいい~!」キャハ


桜「マミお姉ちゃんっ」

桜「私も………!」

桜「マミお姉ちゃんについて…!」    ピトッ

マミ「…………」メッ

788: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:50:01.51 ID:HK6mN36c0
桜「・・・・・・」ウル

マミ「そんな顔しないで…桜ちゃん」

マミ「あなたはここに残って・・・みんなを守ってあげて」



マミ「お姉ちゃんとの、・・・約束よ」ユビキリ

桜「・・・・・・また」ゲンマン



桜「また、会えるよね・・・・お姉ちゃん?」

マミ「――――――――――ええ」

マミ「この闘いが終わったら、・・・きっとまた・・・・・・ね」ノシ

        スクッ

マミ(―――――桜ちゃん、そして・・・イリヤちゃん)

イリヤ「リンにもよろしく言っといて~」ノシ



マミ(――――最終的にあなたたちが“普通”の女の子に戻ること)

マミ(――――それこそが、あなたたちにとっても)

マミ(――――あなたたちの家族にとっても)

マミ(最も望ましい結末―――――)

789: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:54:30.80 ID:HK6mN36c0
―さくら(※新幹線)―

  プオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン

イリヤ「ねえ…バーサーカー」

マミ「…なあに、イリヤちゃん?」

イリヤ「協力してくれて・・・ほんとにありがとう・・・・」

マミ「・・・・・・・」ニコッ

マミ「あなたの願いを聞いたら・・・とても放っておけないって思っちゃったのよ」

マミ「血のつながったご両親がいるのに、離れ離れだなんて・・・・」

マミ「そんなの・・・・・哀しすぎるもんね」



イリヤ「ひとりぼっちはもういやなのっっっ」ギュッ

マミ「イリヤちゃん・・・」ヨシヨシ



マミ(イリヤちゃんは、もちろん殺し合いなんて望んでいない)

マミ(自分のために願わずに)

マミ(自分の幸せを自分でつかみ取るために…危険な世界に一歩足を踏み出した)

790: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:56:27.29 ID:HK6mN36c0
マミ(美樹さん、―――――そしてご両親)キッ

マミ(イリヤちゃんは、私が責任を持って預からせていただきます)

マミ(佐倉さんのランサー陣営と、セイバー陣営とは極力――――――戦闘を回避するわ)



マミ(・・・・ううん)

マミ(闘いたく・・・ない・・・・)



マミ(あの子とも・・・・・・・アーチャーのあの子とも・・・!!)

マミ(最初に相まみえた時には・・・雁夜さんの宿敵のサーヴァントとしか捉えられなかったけれど)

マミ(だんだん・・・・私の記憶の底から・・・あの子のことが・・・)



マミ(        いつか     あの子と       )

マミ(      夢のなかで    逢ったような      )

791: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:57:12.38 ID:HK6mN36c0
―武家屋敷

   チュン   チュン

   ジリリリリリリリリリリリリリリリ

さやか「ふあ~あ」カチッ

さやか「もう・・・朝かー」


さやか「アイリさ~ん、朝だよ~」ユサユサ

アイリ「ぅ・・・ぅ~ん」


アイリ「・・・うっ」


さやか「!?」

さやか「ど、どうしたんですかアイリさん・・・?」

アイリ「だ、大丈夫よ・・・セイバー」

アイリ「ここ最近・・・少し調子が悪くて・・・」

792: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:58:00.05 ID:HK6mN36c0
アイリ「ちょっと、気分がすぐれないだけよ・・」

さやか「風邪か何かですか・・・?」

アイリ「いいえ、・・・そういうわけじゃ・・・なくて・・」

さやか(病気とかじゃなくて・・・?)

さやか(・・・・・・・・・・・・・)

さやか(・・・・・・・・・・・・・!)ハッ

さやか「ああっ!!」

アイリ「・・・?どうしたの、セイバー?」


さやか「アイリさん!!!」ガシッ

アイリ「セ、セイバー・・!?」

さやか「おめでとうございますっ!!」

アイリ「へ・・・・・・・?」

793: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/28(土) 23:58:58.55 ID:HK6mN36c0
―隣室

舞弥「…といった具合でセイバーが何やら勘違いをしていますが」ムセン





―遠坂邸近郊

切嗣「………穏便に誤解を解いておいてくれ、舞弥」ムセン

切嗣(…セイバー)

切嗣(…「全て遠き理想郷」のことはアイリ本人から聞かされていたはずだが…?)

切嗣(彼女がもう少し頭の切れるサーヴァントなら)

切嗣(僕も全幅の信頼を置けるところなのだが…)

切嗣(―――――いや)

切嗣(―――――馬鹿だからこそ、彼女は強いのかも知れない)

切嗣(強大な魔女に正面から切り込むなど――――馬鹿になれなきゃ・・・できないさ)シュポッ



切嗣(あの瞬間―――――――僕も・・・・“馬鹿になれた”んだ)プハー

794: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:00:57.03 ID:oYGcq5lX0
切嗣(そして・・・アイリ)

切嗣(僕だって、本当は君を助けたいさ・・・)

切嗣(それは・・・・叶わぬ願いだと・・・・)

切嗣(分かり切っている・・・としても・・・・)



切嗣(―――――――だめだ)

切嗣(――――僕が弱気になっては、どうしようもないだろう…?)



切嗣(もう、後戻りはできないのだから)

切嗣「………」ジリ


切嗣(さて、聖杯戦争開始以降、自宅に籠ったまま動きを見せていなかった遠坂時臣だが)

切嗣(どうやら昨夜のうちに出立したらしいな)


795: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:02:30.29 ID:oYGcq5lX0
切嗣(邸宅は蛻のカラか…)

切嗣(中に侵入して、手掛かりになりそうなものを物色するか?)

切嗣(いや・・・)

切嗣(あえて無防備を装って、邸宅内に敵をおびき寄せるための罠かもしれない)

切嗣(遠坂時臣の 癖が真実ならば・・・危険だ・・・)




「中に誰もいなかったわよ」

796: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:03:38.14 ID:oYGcq5lX0
切嗣「――――!」ピクッ



ほむら「セイバーのマスターさん」ファサ



切嗣「――――ライダーか」



ほむら「美樹さやかは近くにいないようね」チラリ



切嗣「………」



ほむら「ここであなたを排除すること自体は、容易いことなのだけれど」

ほむら「――――セイバーには昨日の借りがあるから、………ね」

ほむら「ちなみに今、私のマスターは近くにいないわ」



切嗣「………」

797: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:06:56.80 ID:oYGcq5lX0
切嗣「―――邸宅の中の状況は?」


ほむら「建物周辺が滅茶苦茶に破壊されていた―――敵襲があったのは間違いない」

ほむら「――書庫が火災で半焼状態」

ほむら「加えて、室内のカーペットに…血痕が残っていたわ」


切嗣「…なるほど」




ほむら「――――アーチャー陣営に何らかのアクシデントが発生したとみて間違いない」ギリッ




ほむら(まどかァ・・・・・!!!?・・いったい誰に、・・・・襲われたの・・・・ッ)ワナワナ

798: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:12:21.61 ID:oYGcq5lX0
切嗣(―――遠坂時臣が何者かに襲撃された?)

切嗣(―――舞弥が入手した情報と、対ワルプルギス戦線の参加陣営の動きを総合考慮すると)

切嗣(―――――裏で何やら暗躍していた、言峰綺礼に騙し討ちにされた可能性も)


切嗣(あ、あるいは・・・・・・まさか・・・・・・)ゴクリ



ほむら(い、いいえ…!普通に考えて…まどかに敵なんていないはず…よね…!)ブンブン

ほむら(一刻も早く、まどかの無事を確認しないと…!!)キッ




切嗣(と、とにかく・・・今はアサシン殲滅とイリヤの保護を第一に考えるんだ…!!)キッ

799: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:16:07.26 ID:oYGcq5lX0
ほむら「………」

切嗣「………」



ほむら・切嗣((――――こんな時だからこそ、冷静に…!!))スー   ハー



ほむら「―――衛宮切嗣、一つ忠告しておくわ」

ほむら「思い込みの激しさは、時として悲痛な限りの破綻を招く」


切嗣「………」


ほむら「―――この先、セイバーがもしも暴走するに至ったら。令呪を使ってソウルジェムを奪い取るのが得策よ」


切嗣「ソウルジェム―――――君たちの魂そのものという例の宝石のことか」


ほむら「そう」

800: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/04/29(日) 00:19:19.79 ID:oYGcq5lX0
ほむら「ソウルジェムとして保持することで、一時的に使い魔(サーヴァント)を“英霊の座(ホンライノイバショ)”に返戻することができる」


切嗣「――――ライダー」


ほむら「その条件下において、主(マスター)は第二の使い魔を使役することが可能になるわ」





切嗣「――――分かった」

切嗣「――――心に、留めておくよ」クルッ               シュタッ




ほむら「―――――」クルッ

ほむら(私は、冷静な人の味方だから、………ね)

                 シュタッ




       アト イチドダケ  キセキハ   オコルダロウ

           ヤサシイ コエデ  エガク  ユガンダ ミライ

                                    (つづく)

810: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:26:38.64 ID:Z9ZXqFQu0
―正午過ぎ―

―異人館前



杏子「こ、この絵は・・・」パリッ



杏子「あんたが・・・」ポキッ



杏子「・・・自分で・・・書いた・・・わけ・・・?」ガクガク



まどか「う、うん・・///」



杏子「」

811: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:29:05.34 ID:Z9ZXqFQu0
杏子「てか、表紙にシミがついてるけど・・・」


杏子「もしかしてこれ・・・血か・・・・?」


まどか「あ、それはね・・・」

まどか「私の鼻血なんだあ・・・」エヘヘヘ



杏子「どういうことだ・・・オイ・・・・?・・・コイツ・・・腐ってやがる・・・・」 ボソッ



まどか「へ?…今何て、杏子ちゃん?」


杏子「な、何でもねーよ!!」アワワ

812: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:32:04.47 ID:Z9ZXqFQu0
杏子(昔マミが言ってたな・・・)

杏子(世の中には、男同志のアレコレの話が好きな女がいて)

杏子(婦女子にかけて、“腐”女子っていうんだって・・・)

杏子(これが“腐女化”ってやつか・・・)ゴクリ

まどか「でも…良かった」

杏子「…?…何が」


まどか「キュゥべぇ、マミさん、ほむらちゃん、さやかちゃん――――」

まどか「――――そして、杏子ちゃん」


まどか「(キュゥべぇはともかく)みんなとお話しできて・・・私は、とっても嬉しいよ」ニコリ

杏子「…おいおい」

杏子「マミとのあれは肉体言語以外の何物でもなかったろ?」クス

まどか(魔女(アノコ)とだけは、お話しできなかったことは…心残りだけれど)

813: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:34:09.09 ID:Z9ZXqFQu0
―異人館内・喫茶店



時臣「―――ようこそ」

               …カタン



ソラウ(・・久しぶりにおいしい紅茶を口にした気がするわ)


時臣「――さて、そろそろ本題に入りましょうか」


ケイネス「―――我々と、休戦協定を結びたいと?」


時臣「――」コクリ

時臣「ワルプルギスの夜討伐の一件における、ランサー陣営の活躍は――」

時臣「――私も風の便りで小耳に入れている」

時臣「あなた方の実力を見込んで、こちらとしては無益な闘いを回避したい」


ケイネス「――――なるほど」

814: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:38:58.99 ID:Z9ZXqFQu0
ケイネス(御三家の一角といえども、いよいよ私の存在を無視できなくなってきたか)フフン

ケイネス(それ以上に、ランサーの敵が一人でも減るのなら…それは望ましいことだろう)

ソラウ(アーチャーのマスター…)

ソラウ(こうして面を拝むのは初めてのはずよね)

ソラウ(なかなか、優雅な雰囲気を漂わせているけれど)

ソラウ(・・・・どうして上着を着ていないのかしら・・・・)ゴクリ

815: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:41:16.62 ID:Z9ZXqFQu0
―喫茶店前

まどか「やっぱり、変かな・・・」モジモジ

杏子「ま、まあさ」

杏子「いいんじゃねーの・・別に、・・・」

まどか「そ、そうかな・・・」

まどか「こういうコトにどきどきするなんて・・・やっぱりおかしいんじゃないかって・・・」

杏子「―――――愛があれば」

まどか「………」

杏子「愛があれば、性別なんて足枷にとらわれないでいいのさ」

杏子「その方が、ずっと気持ちだって楽になるだろうし」

まどか「杏子ちゃん・・・」

816: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:43:59.44 ID:Z9ZXqFQu0
杏子「ところでさ、何でアンタ…フツーにあたしのこと知ってるわけ…?」

杏子「あたしはアンタのこと…いまいちよく思い出せないんだけど」ジー

まどか「そのうち・・・思い出せるよ、きっと」

        
                      ゴライテンアリガトウゴザイマシター


まどか「それじゃあ、私はこれで」チラリ

杏子「―――まったく、調子狂うよ」ノシ

まどか「―――――杏子ちゃんなら」

杏子「ん?」



まどか「―――――さやかちゃんを幸せにできると思うな」ニコッ       シュンッ



杏子「・・・・・・・・・・・・・!?」

杏子「って何言ってんだよッ!!?//////」




ソラウ「何?・・・あんたレ だったの?」ゲ

817: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:49:31.55 ID:Z9ZXqFQu0
―駐車場



ケイネス(  OH・・・・・・・・・・・・・・・  )ゴクリ




時臣「―――それでは、また」

時臣「―――時期が来れば逢いましょう」ザッ

時臣(―――ランサー陣営はさほど脅威にはならないと見た)

時臣(…………彼らは後回しでいいだろう)

       パタンッ

―運転席

綺礼「・・・zzz」シャランラーン★











―武家屋敷・土蔵


アイリ「はあ・・はあ・・」ポォゥ

さやか「・・・アイリさん」

アイリ「セイバー・・・」

818: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:50:40.24 ID:Z9ZXqFQu0
アイリ「・・だいぶ、楽になったわ」

アイリ「もう・・大丈夫だから」ニコリ

さやか「アイリさん、さっきはごめんなさい・・・」

さやか「あたし、無神経なこと言っちゃって・・・」

アイリ「気にしないで、セイバー」

アイリ「それにね」スッ

アイリ「私には既に、2人目の娘(コ)ができたも同然なのよ」ナデ

さやか「・・・」

アイリ「これからも、よろしくね」

アイリ「セイバー、―――――――サヤカ」ヒシッ

さやか「―――――――はい」ギュ

819: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:52:47.58 ID:Z9ZXqFQu0
―庭

舞弥(…む)

舞弥(…何者かが、屋敷の中に侵入した形跡が…?)



QB「気がついたかい?」スウッ



舞弥「!!」

舞弥(―――――アサシン!?)



QB「セイバーに顔を合わせるのは危険だから、さっそく本題といくよ」パカッ

QB「これを受けとって欲しい」スッ



舞弥「これは…」サッ




QB「遠坂時臣からの共闘の申入れ・・・さ」ダダダダッ

820: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:56:37.20 ID:Z9ZXqFQu0
舞弥「ま、待t」

       ビュンッ!!                       ドサッ

QB「」チーン



さやか「近接戦に持ち込めないなら」ザッ

さやか「剣を投げちゃえばいいわけよ!!」ニッ



アイリ「セイバー…………」

舞弥「………………………」



さやか「あれ、どうしたんですか二人とも?」

アイリ「アサシンからイリヤのことを問いただすことが…」

さやか「  あ・・」

821: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 21:59:17.30 ID:Z9ZXqFQu0
舞弥「ところで、この書状ですが…」パサ


さやか「何でキュゥべぇがまどかのトコのマスターの手紙を…?」


舞弥「アサシンのマスター・言峰綺礼と、遠坂時臣は裏で繋がっていた節がありまして…」


アイリ「同盟を結ぼう…との誘いのようね」

さやか「同盟…?」

アイリ「私たちの陣営を…与(クミ)しやすいと考えての策略ね…」

さやか「でも、まどかがあたし達のことを陥れようとするとは思えないし…」


822: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:01:07.65 ID:Z9ZXqFQu0
アイリ「確かに、………」

アイリ(アーチャーの実力は申し分ないし、人格的にも優れているのは確か)

アイリ(それにマスターも優秀な魔術師だから、現段階で同盟を結ぶことは)

アイリ(私たちにとっても有益よね)

さやか「アイリさん…、あたしはまどかのことを信じたいと思います」

さやか「今のまどかなら、もうキュゥべぇに騙されたりはしない…!」

さやか「きっと、あの子なりの考えがあるんだと思う…!」

アイリ「―――そうね」


アイリ「―――この誘い、受けましょう」


舞弥「ち、ちょっと待ってください・・!」

823: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:05:06.02 ID:Z9ZXqFQu0
さやか「え?」

アイリ「舞弥さん…?」


舞弥「遠坂時臣は衛宮切嗣を“標的”にしています!!」

舞弥「迂闊に接触するのは大変危険かと…!」


アイリ「標的…といっても」

さやか「マスターならどこの陣営もつまるところは同じ立場じゃないですか…?」


舞弥「あ、いえ…そういう意味ではなく…」タジ


アイリ「切嗣は今、不在だから」チラ

さやか「あたしたちだけでいけば、大丈夫ですよ!」


舞弥「…ある意味、大丈夫ではありましょうが…」

824: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:06:46.10 ID:Z9ZXqFQu0
アイリ「でも、アサシンが運び屋で来たということで――」

アイリ「聖堂教会の監督代行者(コトミネキレイ)が」

アイリ「――まだ聖杯戦争に主体的に関与していることは確実」

さやか「聖堂教会で向こうと顔を合わせるのは…ちょっと危ないかもしれませんね」

アイリ「こちらから中立的な地点を再度提案しましょう」

アイリ「舞弥さん、使い魔で聖堂教会に伝達を」



舞弥「し……、承知しました」

825: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:09:32.55 ID:Z9ZXqFQu0
―ゲームセンター

ソラウ「…ところでランサー」カチカチカチカチ


杏子「…何だよ」ホップステップ


ソラウ「バーサーカーとの共闘の件は結局…昨日限りに…?」カチカチカチ


杏子「あー、そう…だな…」チャクチッ


杏子「マミの奴、打ち上げの後にマスター他一同を送っていって・・・」


ケイネス「その後、消息不明…か」チャリーンチャリーン

ケイネス「現界を保てなくなり、・・・・・・・・・・・・」

ソラウ「・・・・・・・・」

杏子(マミ・・・・・・・・・・・)




「佐倉さん―――――――私はまだ、現世(ココ)にいるわよ」ニッ

826: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:13:07.61 ID:Z9ZXqFQu0
ケイネス「む・・・!!」

ケイネス(バーサーカー!?………そして、その後ろにいるのは!)

ソラウ「え、・・・嘘・・・」

杏子「マミ!!?」

杏子「お前、どうして・・・!?」


マミ「――――私の新しいマスターを」

マミ「――――紹介するわ」


イリヤ「はじめまして」ペコリ

イリヤ「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンですっ」

イリヤ「――――イリヤって呼んでね」ニコッ

827: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:15:34.30 ID:Z9ZXqFQu0
―聖堂教会付近

ウェイバー「おいこらライダー!」

ウェイバー「何勝手に行動を起こしているんだよ!?」


ほむら「分からないの?」ファサ

ほむら「あなたに、くだらない内容で、…残る令呪を消費させるためよ」


ウェイバー「ぐっ」

ウェイバー「お前、・・・」

ウェイバー「やっぱり僕が足手纏いだからって・・・」


ほむら「―――言ったでしょ?」

ほむら「あなたの命までは保障できないって」ジッ

828: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:18:49.30 ID:Z9ZXqFQu0
ウェイバー「・・・・・・・・・・」

ほむら「いっそ、令呪を使い果たした上で私との契約を解除してしまえば」

ほむら「あなたは、聖杯戦争から降りることができる」

ウェイバー「そ、そんなこと…するもんか!!」

ほむら「それならば」

ほむら「もしも、私があなたを裏切るとするならば」


ほむら「―――あなたは私を、令呪で殺すことができる?」


ウェイバー「そ・・・」

ウェイバー「そんな・・こと・・・」

829: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:22:03.54 ID:Z9ZXqFQu0
ほむら「――殺すといっても、“死”に返すだけだけれど」プイ

ほむら「魔法少女(ワタシタチ)は所詮、世界の外側の領域に押し上げられ―――」

ほむら「――――輪廻からも因果の枠からも外れて不変の現象となった存在」

ほむら(そういう―――――――――未来(うんめい)――――――――――)



ウェイバー「・・・だと、しても」ギリ



ほむら(できないのでしょ?―――――あなたには)

ほむら(―――――――その甘さが、いつか致命傷になるわよ?)





「お前たち」ジャリ

830: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:24:22.35 ID:Z9ZXqFQu0
ほむら「―――!」

ウェイバー「―――!?」




綺礼「こんなところで、何をしている?」しゃらりらら~ん★





ほむら「                                    」

ウェイバー「                                    」





時臣「おや、君たちは…?」ジャリ

まどか(あっ、ほむらちゃん…!!)


831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:27:21.94 ID:Z9ZXqFQu0
―マクド

切嗣「………」パクッ

切嗣「………」カタカタカタ


切嗣(…昨夜未明、間桐雁夜が夜行バスで冬木市を退去したことが分かった)

切嗣(同行者が数名いたらしいが特定には至っていない)

切嗣(スパイを使って拘置中の間桐雁夜の実兄から事情を聴取したところ)

切嗣(『詳しい経緯は知らないが、雁夜の願いは叶ったはずだ』―――とのこと)

切嗣(ここから導き出せる結論は、バーサーカー陣営の脱落…かな?)


切嗣(本人の願いが叶ったというのなら、聖杯戦争から離脱して安全圏に向かうのが自然な流れだろう)

832: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:29:20.12 ID:Z9ZXqFQu0
切嗣(バーサーカーの処遇は…?)

切嗣(……………………………)

切嗣(………間桐雁夜は幼児 愛者(ロリータ・コンプレックス)である可能性が指摘されているからな)


切嗣(まだ身近に侍らせているか、あるいは―――――)シュポッ


切嗣「いや…」プハー


切嗣「現在サーヴァントを持たない主資格者はイリヤのみだ」

切嗣「イリヤがバーサーカーと接点があるとは思えな   」



切嗣(  ・・・イリヤと、バーサーカー・・・  )
 
切嗣(  何か・・・引っかかるな・・・・・・  )

833: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:34:58.46 ID:Z9ZXqFQu0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「こ、子どもができたのっ!!?」ガタッ

「・・ちょっと和子、驚き過ぎよ」

「そりゃ、一つ屋根の下で暮らしてたら子どもくらいできるって」

「そ・・・それもそう・・よね」

「………私も欲しいなあ、子ども」ハア

「…まずは相手からだろっ」クスクス

834: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/05(土) 22:35:47.29 ID:Z9ZXqFQu0
「・・・そうだったわね」ハア

「ところで詢子、お仕事の方はどうするつもりなの?」

「どうするも何も、ギリギリまで働いて、…産休終わったらすぐ復帰するつもりよ」

「うちはあたしが大黒柱なんだから♪」

「無理しちゃだめよ…、体のことを最優先しないと…」

「わかってるって~」

(―――――男の子だったら、タツヤ)

(女の子だったら、   まどか   がいいかな――――――この子の、名前)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

                                   (つづく)

842: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:34:55.33 ID:yj3YFQQT0
―禅城宅前

桜「どこにいくつもりなの」

桜「―――おじちゃん」

雁夜「決まっているだろう」

雁夜「―――冬木だ」ザッ


桜「行って、どうするつもりなの」

雁夜「…………」ギリッ


桜「今のおじちゃんじゃ、マミお姉ちゃんを助けることはできないよ・・」

桜「かえって、・・・」


雁夜「足手まといになる――――――もちろん、分かっているよ・・自分でも」

843: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:38:45.05 ID:yj3YFQQT0
雁夜「足を引っ張ってばかりの俺が、こんな風に安全なところで無策に立ち尽くしている今も」

雁夜「…アイツは死線を潜り抜けている」

雁夜「これでアイツが報われなかったら・・・俺は・・・ッ・・・」グッ

桜「きっと大丈夫だよ、おじちゃん」


桜「信じようよ――――――マミお姉ちゃんを」

桜「それから・・魔法少女のみんなを」


雁夜「・・・・・・」

桜「もう一度、奇跡が起こりますように、・・・って」


桜「だから―――――行かないで、“おとうさん”」ギュッ

雁夜「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

雁夜(――――頼む―――――)

雁夜(――――死なないでくれ、バーサーカ―・・・・・)カミダノミ

844: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:41:33.11 ID:yj3YFQQT0
―聖堂教会前

ウェイバー「な」

ウェイバー「なんなんだよ、この 変 質 者 はッ!?」

         シュッ

         ガスッ

ウェイバー「 か は っ 」

         バタッ

綺礼「人を捉まえておいて、いきなりその言い草は何だ」


綺礼「―――小僧」


ウェイバー「      」チーン

845: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:45:07.42 ID:yj3YFQQT0
時臣「大丈夫かい…少年」

まどか「いきなり暴力はよくないよ、きれいちゃん!」


綺礼「許せ――――アーチャーよ」

綺礼「―――尊い師を変質者呼ばわりされ、頭に血が昇ってしまったのだ」


まどか(えっ)

時臣(えっ)



ほむら「まどかァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

      ひしっ

846: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:49:29.48 ID:yj3YFQQT0
ほむら「良かった・・・無事だったのね・・・まどか・・」

ほむら「本当に、心配していたのだから・・」

まどか「ほ、ほむらちゃん・・?」

まどか(何を心配していたんだろう…?)

まどか「うん、えっと・・・(とりあえず)心配かけてごめんね・・ほむらちゃん」

まどか(あっ!・・・そうだ)

まどか「――“あの子”は、ほむらちゃん達が倒してくれたんだよね」

まどか「ごめんね・・・私は昨日、いろいろあって・・・戦場には行けなかったの」

ほむら「一時はどうなる事かと思ったけれど…」

ほむら「ワルプルギスの夜――――彼女も、彼女なりの救いを得ることができた」

ほむら「そう、信じているわ」ギュッ

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」ニコリ


時臣(・・・微笑ましい光景だ)シミジミ

847: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:53:09.69 ID:yj3YFQQT0
綺礼(――ライダーのマスターか)ジャリ

ウェイバー「    」シーン

綺礼(斯様にひ弱な魔術師が、師と肩を並べて聖杯を求めようなど―――言語道断)イラ




QB「――遠坂時臣」ヒョコッ

QB「セイバー陣営からの返事が来たよ」

QB「接見には応じるけれど、場所を柳桐寺に変更するようにという要請が(ry」


時臣「―――構わない」

時臣「あちらがどのような策謀を施して来ようと―――今の私には怖いものなどないのだから」


QB「・・・君も大胆になったね」

848: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:57:06.29 ID:yj3YFQQT0
ほむら「えっ!?」

ほむら「ちょっとまどか!?・・・あなた、いつの間に刺青を入れたの!!?」

まどか「え!?」

まどか「ち、違うよ~!ほむらちゃん!」



QB「御覧の通り、・・・僕の自由を奪う令呪さ」

綺礼「アーチャーは信頼に足るサーヴァントなので、私が管理していた全ての令呪も譲渡している」


まどか「私はね」

まどか「自分自身の聖杯戦争を突きつめる為に、キュゥべぇを使役するマスターになったんだぁ」ニコッ

849: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 22:58:55.21 ID:yj3YFQQT0
まどか(キュゥべぇは、聖杯戦争に関して私達と同様の知識しか持っていなかった)

まどか(それでも―――油断はしないよ)

まどか(あなたの処遇は、―――私が決めるから)

QB(昨夜は主(カナメマドカ)に家畜のようなむごい扱いを受けた…)

QB(僕に感情というものがあれば、すでに発狂していただろうね…)


ほむら「まどか・・・」

ほむら「やっぱり・・・あなたってすごいわ・・・」ウットリ

ほむら「そういえば―――この前の“聖杯問答”の折には」

ほむら「魔女の使い魔の闖入で、あなたの願いだけ聞けなかったわね」

ほむら「今、教えてもらえたら嬉しいわ――――まどか」

850: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:02:35.47 ID:yj3YFQQT0
まどか「うん、いいよ」

まどか「・・耳を貸して、ほむらちゃん」ヒソッ

ほむら「え、ええ…///」ドキドキ




綺礼「師匠、傍観しているだけでよろしいのですか?」ヒソ

時臣「――彼らの無邪気なやり取りに干渉するつもりはない」

時臣「君も、子を持つ父親であるならば…分かるだろう?」

綺礼「――――ええ。そう…ですね」

QB「…今の君達がそういう発言をしても説得力に欠けるんじゃないかな」

851: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:07:08.52 ID:yj3YFQQT0
まどか「実はね・・///」ゴニョゴニョ



ほむら「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ほむら(まどかが!?)

ほむら(同性愛に・・・・っ!!目覚めたというの!!?//////)





時臣「だが交渉相手を待たせるわけにはいかない」

時臣「そろそろ柳桐寺に移動するとしよう」

時臣「アサシン、セイバー陣営に条件を呑むとの伝令を」

QB(また僕の個体の1つが浪費されるんだね…)

852: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:11:47.58 ID:yj3YFQQT0
綺礼「さて」

綺礼「ライダーよ、監督役として問おう」

ほむら「………」

綺礼「お前は、どうするつもりだ…?」



ほむら「・・・」チラ

ウェイバー「       」シーン



ほむら「・・・」チラ

まどか(つい・・・言っちゃったけど・・)

まどか(・・ほむらちゃん・・、気持ち悪いって思ったかな・・)ソワソワ




ほむら「――――!!」キッ

853: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:14:04.97 ID:yj3YFQQT0
ほむら「ねえまどか・・・お願いっ―――――――私もあなたの眷属に加えて・・・!」


まどか「ほえええっ!!?」


ほむら「―――私は」

ほむら「―――あなたになら、どんな命令をされようと構わないもの」ニッ



QB「長いものには巻かれるということだね…暁美ほむら」

時臣「―――的確な判断だろう」



ほむら「その代わりに、―――監督役の言峰綺礼」チラリ

ほむら「私のマスターの生命の安全を、保障してもらいたいのだけれど」



綺礼「……………………………、心得た」

855: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:16:29.22 ID:yj3YFQQT0
ほむら「そう」ファサ

ほむら「死なない程度にならば、多少手荒く扱ってもらっても構わないわ」

まどか「ほむらちゃん・・・・!!!」



QB「暁美ほむら・・・」


時臣「―――君は・・・主の魂を売るというのだね」


ほむら(己の願望成就の前では、主従の信頼関係なんて浅はかな幻想に過ぎない)



ほむら「―――――聖杯戦争って、そういうものでしょう?」キリッ

857: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:26:39.18 ID:yj3YFQQT0
―武家屋敷前

アイリ「ほら見て、セイバー」

アイリ「切嗣からあなたへのプレゼントよ」



    ―YAMAHA V―MAX―

さやか「・・・・・・・・・・」ポカーン



舞弥「騎乗スキルをもってすれば、容易に乗りこなせるかと」

さやか「いや、あたし別にそういうスキルとか持ってないんですけど・・」

アイリ「・・・・・」

舞弥「・・・・・」


さやか「それに免許ないですし・・」


アイリ「無免許運転は良くないわよね・・・!」

舞弥「ですね(棒)」

859: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:29:42.64 ID:yj3YFQQT0
―聖堂協会前


綺礼「さて―――柳桐寺に向かいましょうか」ヒョイッ

ウェイバー「    」シーン



まどか「こちら、私のマスターの時臣おじさん」


時臣「間接的にではあるけれど、よろしく――ほむらちゃん」


ほむら「こちらこそよろしくお願いします、おじさま」ペコリ

ほむら(まどかのマスターが紳士的な男性で良かったわ)ホッ

860: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/12(土) 23:33:24.69 ID:yj3YFQQT0
―物陰

杏子「エゲツねぇな・・・オイ・・」ゴクリ

マミ「いったい何が始まるのっ・・!?」

イリヤ「どこかに向かうみたいだよっ!」

ソラウ「仮にもあなたの教え子が、何やら…拷問でもされそうな雰囲気ね」

ソラウ「どうするつもり、ケイネス…?」

ケイネス(…アーチャー陣営とは先刻、休戦協定を結んだばかり)

ケイネス(敵の戦力を考えても、波風を立たせたくはないのが本音だ――――そして)



ケイネス「ウェイバー君は、ライダーを使役して悪質なテロ行為を繰り返してきたのだ」

ケイネス「―――多少の天誅は、必要なのではなかろうか」キリッ

                                    (つづく)

873: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:05:50.97 ID:HxCckDRN0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《ケリィは大きくなったらどんな大人になりたいの》

《正義の味方にでもなるつもりか》

《みんなすくえるなんて、おもってないさ―――それでもぼくは、ひとりでもおおくすくいたい》

〈じゃが、理想を究極的に追い求めるおぬしの生き方は――〉

〈――人間としてのあるべき感情を喪失した死者(ゾンビ)とさして変わらぬのではないか〉

―――君は・・どこから、話しかけている

―――黙れ。黙ってくれ。お願いだ・・・

―――僕は、あのときに抱いた希望を・・・必ず実現させるんだ

〈信条が強ければ強いほど、――それが裏切られた時の絶望感は、取り返しのつかないほど深遠なものになるぞ〉

―――僕は、聖杯を手に入れて・・・必ず憎悪の連鎖を終わらせるんだ

―――これが・・・終焉のための、 最 後 の 戦 い に な る ん だ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

874: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:07:00.09 ID:HxCckDRN0
―マクド


「お~い、昨日の刑事さぁーん」ユサユサ

「おっきろぉー!」デコピンッ


切嗣「~~~~」パチ


切嗣「     」ガタッ


大河「わっ」ビクッ



切嗣(…………………、夢か…)

切嗣(僕としたことが…こんなところで無防備にうつつを抜かすとは…)


875: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:09:31.15 ID:HxCckDRN0
大河「こんなところで張り込みか何かですかー?」オーイ


切嗣(―――今回だけじゃない)

切嗣(ランサーとの接触、そして早朝のライダーとの遭遇)

切嗣(―――本来ならば、僕はとっくに死んでいたはずだ)

切嗣(まったく、この体たらくでは…セイバーのことを馬鹿にできないじゃないか)


大河「このあたしが目に入らぬかぁ~~!」ガオー


切嗣(セイバー、ランサー…、…ライダーも、やはりそうだ)クルッ

切嗣(彼ら同士は、本当の意味での戦争を…忌避している)スタスタ


大河「挨拶くらいしなさいよ社会人~!!」タタッ

876: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:11:18.37 ID:HxCckDRN0
切嗣(14,5歳の齢で英霊となった身といえども…彼らはもともと普通の子どもだったんだ)

切嗣(――――彼らは、魔女化しないかぎり…外道にはなれないだろう)


切嗣(――――僕と、違ってね)



大河「あっ」ツルッ

  ドテッ

大河「うー、・・痛たた・・」サスリサスリ


切嗣(…………)ピタ

切嗣(やれやれ…)

切嗣(かかわる必要など…ないというのに…)


切嗣「大丈夫かい?―――手を貸そうか」スッ

877: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:13:33.19 ID:HxCckDRN0
大河「あ、ありがとー…刑事さん」

切嗣「………僕は、刑事などではないよ」

大河「えっ…?…じゃあ昨日にーちゃんを追ってたのは…どうして…?」

切嗣「―――君には、関係のないことだろう?」

大河「関係なくないよっ!」

大河「にーちゃんのことも、せんせーのことも、…おじさんに出逢ったことも」

大河「あたし、何かの運命なんじゃないかって・・・」

切嗣(おじさん…………。…まあいいか)

切嗣「一つだけ教えてあげよう」


切嗣「―――僕は、“魔法使い”なんだ」キリッ


大河「・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」ポカーン

878: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:17:07.70 ID:HxCckDRN0
―柳洞寺・境内


ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


住職「………………………」

住職(な、何やら不穏な気配が・・・)

     ジャリッ

住職「!?」クルッ




時臣「――――失礼する」ゴゴゴゴゴ

綺礼「――――貴様、何者だ」バァァァァァ~~ン

ほむら「セイバー陣営が差し向けた刺客の可能性があるわ」ジャキンッ



住職「          」

879: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:20:57.66 ID:HxCckDRN0
       バタッ

住職「     」ブクブク

綺礼「――我々との実力差に恐れ慄き、腰を抜かして気絶したようですね」

時臣「――というよりも」

QB「どう考えても無関係の一般人だと思うよ…」






一成「な、何者だ貴様らはっ!」

まどか「わあー、この子かわいいね~」ナデナデ

一成「き、気安く触れるでない!」

ほむら「…口調はちょっとアレだけれどね」シュタッ

ほむら(それよりまどか)

ほむら(サーヴァントである私達が無関係の一般人とかかわるのはなるべく控えた方がいいわ)ヒソ

まどか(あっ…、それもそうだね)コク

キュルルル  シュタッ  キュルルル

一成(消えた・・・・・・?)

880: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:26:29.14 ID:HxCckDRN0
時臣(――先方はまだ到着していないようだ)チラ

QB(密約の類は日没後に行うのがセオリーだろう…?)ヒョコ

綺礼(では、まずこの身の程知らずの小僧にこの場で私刑を――)ドサリ

ウェイバー「       」シーン

ほむら(…無様ね、ウェイバー=ベルベット)タッ

時臣(さすがに野外で…というのは、野蛮ではないかね…?)

綺礼(では、庫裏を占拠して――)

まどか(―――その必要はないよ、きれいちゃん)タッ

まどか(お寺の人に迷惑がかからないように、――地下に隠れ家を創るから)



まどか(―――――――私のちからで)ポゥ・・

881: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:31:27.56 ID:HxCckDRN0
―夕刻―


―円蔵山山頂


イリヤ「夕日がキレイだね~」 ペロ

ケイネス「うむ…。戦いで荒んだ心が清められる」パリポリ

ソラウ「それほど荒んでいたかしら…?」パリッ

杏子「…連中、寺に籠ったまま出てこないようだな」ポリッ

マミ「正確には、お寺の“地下壕”の中から、ね」カタッ


ソラウ「…それにしても、魔力で“神殿”を創りだすなんて…」

ソラウ「…もう何でもアリといった感じね」

イリヤ「魔法少女は ふかのう を かのう にするからだよっ!」

882: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:35:46.19 ID:HxCckDRN0
マミ「アーチャー陣営の実力が計り知れないわね…」


杏子「…ほむらのマスターは今頃、あいつらにヤられて・・・」


ケイネス「いや、さすがに殺しはしないだろう」

ケイネス「今後、ウェイバー君と新たに契約を結ぶなどという愚行に出るサーヴァントはおるまい」

ソラウ「名目上、監督代行の男が保護下に置いているってことよね」タブン

マミ「彼らが柳洞寺を本拠地にするつもりなら……」

イリヤ「ずっと閉じ込められちゃうんだ…」カワイソウ

883: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:39:20.51 ID:HxCckDRN0
杏子「い…いや、そーいう意味じゃなくて…さ」

杏子「ウェイバーの奴、何ていうか・・“生け贄”にされてるんじゃ・・」


マミ「い、生け贄…?」

イリヤ「なにそれ・・・こわい・・・」

ソラウ「囚われのお姫様ならぬ囚われの少年…」


ケイネス(なるほど確かに)

ケイネス(聖杯が現れるためには、魔術回路を持つ存在―媒体―が必要になると聞く)

ケイネス(…そのような可能性も無きにしも非ず…?)

884: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/19(土) 15:41:54.18 ID:HxCckDRN0
―路上



 ブォンブォンブォンブォンブォンブォン



 ―YAMAHA V―MAX―

アイリ「しっかりつかまっていてね、セイバー!!」ガッガッガッ

さやか「アイリさん、ノーヘルってヤバいんじゃ!?」ッヒイイ

   

  ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

  
 ―メルセデス・ベンツ・300SL―

舞弥(…奥方)

舞弥(人間の乗用を度外視したチューニングが施されているというのに…)

                                     (つづく)

893: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:18:08.35 ID:AKHlC0lf0
 ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ


舞弥(――まあそれはともかくとして)

舞弥(アーチャー陣営がこちらの条件提示にすんなり応じてきたのは少し気がかり)

舞弥(遠坂時臣氏は、これまでずっと邸宅に籠って鳴りを潜めていたというのに)

舞弥(強敵と目された魔女が撃破されたのを機に、積極的に攻勢に出るつもりなのでしょうか…?)


>キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィガガガガガガガガガガガガガガガガガ

>ドンガラガッシャァァァァァァァァァァン              \チュド――――――ン★/



舞弥「……………」

894: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:21:00.82 ID:AKHlC0lf0
―柳洞寺・山門

   
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


アイリ「ここが待ち合わせの場所ね…」ゴクリ

さやか「な、何だか…色んな魔力の波長が…」ゴクリ

さやか「ところでアイリさん。バイク、…壊れちゃいましたね…」シュン

アイリ「形あるものは…いつか壊れる運命なのよ、…セイバー」トオイメ


舞弥「…ともかく無事で何よりです」

舞弥(――他陣営も我々の動きを嗅ぎつけて辺りに潜んでいるようですね)

舞弥(――周辺の地形の把握、退路の確保は万全)

895: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:22:55.94 ID:AKHlC0lf0
舞弥(のはず…―――)

   

   サァァァァ


アイリ「!?」

さやか「!!!?」

舞弥「!」



ほむら「たまには霊体化して息を潜めていたらどうなの、美樹さやか」ファサ

896: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:25:14.08 ID:AKHlC0lf0
QB「…暁美ほむら、立場上喧嘩腰な態度は控えるべきだよ」スッ


アイリ「アサシン…と…」

舞弥「――ライダー?」

さやか「ちょっと!?何でアンタが出てくんのよッ!?」


ほむら「―――私は、まどかとともに歩むことになったのよ」ドヤッ


さやか「・・・・な・・・?」


QB「――とにかく、僕達が案内するのでついてきて欲しい」



さやか「…」チラ

アイリ「…」コクリ

舞弥「…」ゴクリ

897: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:40:11.84 ID:AKHlC0lf0
―数時間後



―深夜―



―神殿・奥の間


「ぅ・・・ぅーん・・・」

「 ハ ッ !!?」


ほむら「ようやく目を覚ましたようね」


ウェイバー「ライダー…ここは何処…………なっ!!?」

ウェイバー「何だよこれは!?・・・両腕が鎖で繋がれて…!?」ジャラッ


ほむら「まどかの“円環”の拘束具よ」

ほむら「―――魔術師では、逃れることは不可能でしょうね」

898: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:42:25.11 ID:AKHlC0lf0
ウェイバー「お・・・お前・・・」

ウェイバー「裏切ったな・・・」

ほむら「………」


ウェイバー「僕を、死なせない・・・ために・・・」


ほむら「―――勘がいいわね。……その通りよ」


ほむら「ただし」

ウェイバー「…え」

ほむら「まどかがね、あなたが[ピ――――――]されるところを見たいらしいから」

ウェイバー「                    」

ほむら「甘んじて受け入れるがいいわ、生きる為に」ファサ

899: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:44:57.12 ID:AKHlC0lf0
ほむら「今日のところは“命拾い”したわね」クルッ

ほむら「あなたがずっとのびていたから、私刑は後回しになったのよ」

ほむら「声を上げてくれないと高揚感が足りないから、らしいわ」

     バタンッ

ウェイバー(死は…覚悟していたつもりだ)

ウェイバー(死、は・・・)

ウェイバー「・・・だ」

ウェイバー「だ、だれかたしゅけてええええええええええええええええええええええええええええっ」イヤダァァァァァ

 エエエエエエエエ…   エエエエ…    エエ…


  

      コツッ   コツッ

ほむら(――――“鮮血神殿”)

ほむら(――――とは上手く言ったものね、言峰綺礼)

ほむら(まどか、あなたが望むなら・・・私は何でも受け入れるからね)

ほむら(あなたこそが私のすべて――――――)

ほむら(――――ふたりで、幸せになろうね・・・!!)

900: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:51:40.08 ID:AKHlC0lf0
―人気のない路上

ホー   ホー


―ベンツ―


アイリ「はぁ・・はぁ・・」ユラリ

舞弥「マ、奥方(マダム)・・・」

アイリ「舞弥さん・・・いって・・・!」

舞弥「い、いけません…!」

アイリ「これは、異常では・・・ぅふふ、・・・・ないのよ・・」スッ  

舞弥「ダ、ダメです!…他陣営に見られたら変に思われますよ…!」

舞弥(奥方・・・)

舞弥(…柳洞寺でおぞましい光景(主に言峰綺礼の容姿)を目にして)

舞弥(…精神的に参っておられるのでしょうか…)

舞弥(あるいは…接見後の会食で嗜んだお酒で…酔っておられるだけでしょうか…?)ヤメテクダサイ

901: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:52:40.24 ID:AKHlC0lf0
―物陰

杏子「…く、車の中で…」ジー

マミ「あらあらまあまあ…」ジー

ソラウ「…そういえば」

ソラウ「…ランサーも同性愛者だったわね」

マミ「えっ…!?」

杏子「     な」

マミ「やだ・・佐倉さん・・」

マミ「私のことも…そういう目で見ていたの?///」ボヨヨ~ン

杏子「ち、違(ry」

ソラウ(結局セイバー陣営もアーチャー陣営と手を組んだということなのかしら…?)

902: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:55:31.34 ID:AKHlC0lf0
no title

903: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/26(土) 23:58:13.70 ID:AKHlC0lf0
さやか「言峰綺礼って人も・・・凄くヤバそうな人だった・・・」

切嗣「………」


さやか「――――そして、何より」

さやか「まどかが…ちょっとおかしくなってたの」ギリッ

さやか「あたしのカンなんだけどさ、なぜかまどかのそばに侍ってた転校生」

さやか「あいつが…変なことを吹き込んだんじゃないかって思ってる」


切嗣「………」

さやか「………マスター?」

さやか「さっきから何にもしゃべってないけど…大丈夫d」

     スッ

さやか「へっ」

904: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:03:04.57 ID:rSmjSIb40
さやか「え、ち・・ちょっと…!?切嗣さん・・・!?」ドキッ

切嗣「・・・セイバー」ナデ

切嗣「今なら・・・まだ(皆で)逃げられる・・・」

切嗣「僕は・・・奴らのことが・・・」

切嗣「            怖いんだ・・・              」

切嗣「―――遠坂時臣のみならず」


切嗣「 一番危険な奴(コトミネキレイ)が・・・僕を狙っている・・・!! 」

 
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

―物陰

QB(僕が常時尾行しているのに気付かれていたようだ…)テレパシー






―柳洞寺・山門

綺礼(――――そのまま尾行を続けろ)ゴエイチュウ

綺礼(それがアーチャーの意志だ)

905: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:08:10.22 ID:rSmjSIb40
―神殿内・食卓

まどか「それじゃまた~ねっって~~言葉~で」ウェヒヒックッ

まどか「また会えるって~~手を振って~~」フラフラ

時臣「だ…大丈夫かい、まどかちゃん?」サスリ

時臣(酔っている…?)

時臣(おかしい…まどかちゃんはぶどうジュースを飲んでいたはずなのだが…)

ほむら「―――ご心配なく、おじさま」

ほむら「―――まどかは私が、やさしく介抱してあげますから」キリッ






―冬木駅・プラットフォーム


切嗣「一番会いたくなかった・・・あの、男が・・・・」

さやか「切嗣さん…」


さやか(そっか)

さやか(切嗣さんも、やっぱり人の子なんだ)

さやか(ポーカーフェイスで、油断も隙もなくて、怖いもの知らずな感じだけど)

さやか(心の中では…いっぱい悩み苦しんでるんだろうな)

906: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:11:41.24 ID:rSmjSIb40
さやか「―――それでも」

さやか「―――――逃げちゃ・・・だめだよ」メッ

さやか「闘わなきゃ・・・・・・・・現実と」

さやか(あたしも―――――ね)

切嗣「………」

切嗣「それが、―――――“僕達”、正義の味方の使命だから」

さやか「…」コクリ


切嗣(情けないところを見せてしまった…)

切嗣「驚かせて済まなかった…セイバー」クルッ

切嗣「―――引き上げよう」


さやか(――――大丈夫だよ、安心して)

さやか(――――アイリさん、舞弥さん、イリヤちゃん)

さやか(――――切嗣さんも、このセイバーさやかちゃんがバッチリ守ってあげるから!)

907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:14:59.46 ID:rSmjSIb40
―冬木駅近郊

イリヤ( だめ・・・・・っ )フルフル

イリヤ( そんなに・・・キリツグと仲良くしないで・・・ )


イリヤ( ・・・もしかして・・・キリツグ )ハッ

イリヤ( わたしは お城から抜け出して来て・・・ )

イリヤ( 魔法少女になって・・・ )

イリヤ( 自分勝手に戦争に参加しちゃった・・・ )


イリヤ(・・・こんなわるい子なイリヤのこと)



イリヤ( き ら い に な っ ち ゃ っ た の ? )ポロリ

908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:18:14.06 ID:rSmjSIb40
―路上

ケイネス(アーチャー・ライダー・アサシンの3陣営が連合し)

ケイネス(一方で、我々2陣営が協力関係を築くに至っている現状で)

ケイネス(―――残るセイバー陣営はいかような動きに出るつもりなのか)



「せんせーっ!!丁度いいところにっ!」タッタッタッ


ケイネス「む・・・君は、昨日の・・」

ケイネス「こんな時間に徘徊するのはよしなさい…」



大河「せんせーの力を借りたくって!・・・ずっと探してたの」

909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:22:57.98 ID:rSmjSIb40
大河「近所の老夫婦の家の子供が今朝方から行方不明らしくて…」

大河「兄妹らしいんだけど…」

大河「あたし、警察よりもせんせーの方が頼りになるかもって思って…」

ケイネス(子供…か。本日失踪したのならば、魔女の所業ではなかろうが…)

ケイネス(時期が時期だけに、…一般人が聖杯戦争に巻き込まれた可能性もあろうか?)

大河「えっと、お兄さんの方は…何とかって名前で」ドワスレ

大河「妹の方が、 まどかちゃん って言うんだって」


ケイネス「・・・・・・・マドカ・・・・・・?」


【聖杯戦争第5日目・終了】

910: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/27(日) 00:25:36.65 ID:rSmjSIb40
《次回予告(仮)》


「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」

「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」

「―――まどかの純心を汚した元凶を、 私 は 絶 対 に 許 さ な い ―――」

「ロード=エルメロイよ、―――私と―――   闘  ら  な  い  か   」

「ずっと、アイリさんのことを裏切っていたんですね――――― ひどいよ  切嗣さん  」

「必殺ッ!“あかいゆうれい(ロッソ・ファンタズマ――――――――――――――――ッ)”!!!!」

916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:04:26.21 ID:P9aGy4oi0
【聖杯戦争・第6日】

―未明―

―神殿内・寝室





「嫌だぁぁ・・・こんなの・・・」

「どう・・・して・・・・・?」

「だって・・・・・あなたは・・・・ッ」

「―――ほむら・・・ちゃん」





「                                 気持ち悪い」






917: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:09:46.01 ID:P9aGy4oi0
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ




何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も



            繰り返してきた・・・・・・・


          いつしか、あなたの存在が・・・・・



           あなたに対する想いだけが・・・・



・・・・・・いきるすべてになった



あなたのために・・・あなただけのために・・・・・私はあああああああああああああ



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ」

918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:13:13.11 ID:P9aGy4oi0


―――――この気持ちは、断じて否定されるべきじゃない


・・・・・・だって、私・・・こんなに頑張ってるんだよ・・・

・・・・・・少しくらい・・・・・少しくらい・・・・・・・・



私にも・・・ 幸 せ な 夢 を 見 さ せ て よ

まどかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




「い・・・たぃ・・・・る・・しぃよ」ギュゥ

「・・・・・むら・・・・・ちゃ・・・」ギュゥ





ほむら「                                    」ハッ

919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:16:33.69 ID:P9aGy4oi0

キュルルルルルルルルルルルルルルル


   フラリ・・・


ほむら「ちがう・・・・」ヘタリ

ほむら「ちがう・・・・」


ほむら「まどかが……まどかが……」

ほむら「私を……拒むなんて……」

ほむら「そんなはずない………」




ほむら「だって、私達は 最 高 の 友 達 なんだから」

ほむら「そうでしょ・・・まどか」ウルウル


キュルルルルルルルルルルルルルルルル


920: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:17:36.18 ID:P9aGy4oi0
ほむら「ちょっと…乱暴しちゃったわね…」

ほむら「大丈夫・・・まどk」チラ



まどか「ぅぅ~~~~~~」

まどか「もう食べられないよぉぉ~ヒック~~」

まどか「zzzzzzzzzz」



ほむら「…………」

     

        パタン



ほむら(―――おやすみ、まどか)

921: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:19:17.53 ID:P9aGy4oi0
   コツ         コツ

ほむら(―――まどかは、同性愛になど…目覚めていなかった)

ほむら(―――それなのに、男同士(ゲイ)のような汚らわしいモノに執心するなんて…)

ほむら「でも、まどか」

ほむら「あなたは・・・悪くないのよ」

ほむら「きっと何者かの甘言に・・・・また惑わされているだけだよね?」

ほむら「あなたに異常な趣向を植え付けた原因を取り去れば、またもとのまどかに戻ってくれるよね?」




「―――まどかの純心を汚した元凶を、 私 は 絶 対 に 許 さ な い ―――」

922: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:21:58.45 ID:P9aGy4oi0
―某ホテル一室



切嗣(武器・弾薬の補填は万全だ)カチャリカチャリ

切嗣(僕は逃げない、立ち向かうんだ――――――運命に)




切嗣「――――――――――もう、何も怖くない」ボソリ




舞弥「……切嗣」

舞弥「あなたは…セイバーと出逢って以来」

舞弥「少し…穏やかな表情になりました」



舞弥「まるで、夢見る少年のそれのように…、あなたの瞳は輝いていました」



切嗣「………」

923: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:25:50.35 ID:P9aGy4oi0
切嗣「舞弥・・・」


切嗣「ぼ・・くは・・・」

切嗣「もう・・わからないんだ・・・自分自身の心の在りようが」


舞弥「・・・」



切嗣「アイリは、きっと救えない・・・」

切嗣「イリヤまで、助からないかもしれない・・・」



舞弥「・・・」



切嗣「それでも・・・」

切嗣「僕の心の奥底に・・・奇跡を信じるもう一人のぼくがいるんだ・・・」

924: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:30:34.52 ID:P9aGy4oi0


切嗣「皆が救われる・・・そういうハッピーエンドを・・・」

切嗣「さやか(セイバー)とともに、掴み取れるんじゃ・・ないかって・・」



舞弥「―――切嗣」スッ

舞弥「――――――全ての苦悩を忘れて、私に身を委ねてください」

   ギュッ



切嗣「・・・マイ・・ヤ」

舞弥「あなたは・・・とっても弱いから」

舞弥「今は・・・何も考えないで・・」


925: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:34:24.63 ID:P9aGy4oi0
舞弥(…彼女(セイバー)はあくまでも…あなたの使い魔に過ぎない…)



舞弥(誰かを救済することは、また別の誰かを犠牲にすることで成り立っている)

舞弥(―――――――――希望と絶望は、差し引きゼロ)

舞弥(そういう、運命(システム)――――――――――――)



舞弥(それは、あなたが一番よくわかっていることでしょう…、切嗣)




舞弥「―――どうか私達を、容赦なく切り捨ててください」



舞弥「―――あなたの悲願の、達成のために」ニコリ

        

           ユラリ…

926: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:45:13.48 ID:P9aGy4oi0
―某ホテル・上空

   


     サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



イリヤ「…………………」

      シュンッ




マミ「…イリヤちゃん」

マミ「なかなか戻ってこないから心配してたのよ…」

マミ「…?」

マミ「どうかしたの…イリヤちゃん…?」





イリヤ「ねえ、・・・バーサーカー」

927: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:50:04.19 ID:P9aGy4oi0
イリヤ「わたしはね・・・」

イリヤ「お母様と、キリツグとわたしの幸せな家庭をね・・・」

イリヤ「守りたかったの・・・」




マミ(守りたかっ・・・、・・・た・・・?)




イリヤ「でもね」ユラ



イリヤ「そんな幸せな家庭が、とっくに壊れていたとしたら」シャフド



イリヤ「    わたしってとっても  ば  か  だ・・・よ・・ね    」

928: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:52:18.40 ID:P9aGy4oi0
―某所

   ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


QB(言峰綺礼の“願望”、遠坂時臣の“覚醒”、アーチャー・鹿目まどかの“暴走”)

QB(――――……●杯戦争とでも表現した方が適切ではないだろうか)



QB「聖杯戦争は、狂っているよ…」

 

     スゥゥゥゥゥゥゥゥ



「―――左様」





QB「!!」



QB「・・・・生きて、いたんだね」



929: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:55:49.76 ID:P9aGy4oi0
QB「―――間桐、臓硯」

QB「―――真の名は、マキリ・ゾォルゲン」



臓硯「―――――」ニヤリ




臓硯「“魔法少女”ならざる“魔女(アクマ)”が召喚されたのみならず」

臓硯「貴様のような“イレギュラー”がアサシンの器に割り込むなど」

臓硯「聖杯の変質を示す証左以外の何物でもない」




QB「…」

930: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 20:58:37.73 ID:P9aGy4oi0

臓硯「―――物質化した魂(ソウルジェム)………か」

臓硯「―――幾百年前の儂が、おぬしに出逢っておれば」

臓硯「―――歴史は変わっておったかも知れん」


QB「…」


QB「…君は、何のために僕の前に現れたんだい?」

QB「間桐雁夜はすでに聖杯戦争から離脱しただろう?」


QB「―――たいへん幸運な形で、ね」



臓硯「―――分かっておると思ったが?」



臓硯「“魔法少女”という腐肉の旨味に這い寄るウジ虫の如きおぬしからは」

臓硯「儂と同類の匂いがするから、のう」ニヤ

931: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/02(土) 21:03:00.37 ID:P9aGy4oi0
臓硯「あの出来そこないが、“ぬか喜び”から絶望の淵に落ちるのを眺めるのも興は深いが」

臓硯「――――年端もゆかぬ小娘どもが悶え苦しむ様は」

臓硯「――――見ていて、飽きが来ぬ」



QB「――――この上もない、 愉 悦 ・・・・・ということだね」



臓硯「―――おぬしも、外道よのぅ」フェッフェッフェッフェッ



QB(―――――――――――愉悦―――――――――――)

QB(―――――それは、人間の感情の中でも)

QB(最も本能的で、恍惚とした精神作用なのかもしれない)


QB(――――僕は、そんな感情に 目 覚 め て し ま っ た の だ ろ う か )ジュルリ

                                    

                                      (つづく)

936: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 21:52:56.24 ID:RO8M/uVx0
―暁の空

イリヤ「ぅ・・・・ぅう・・・・」ウルウル

     
シュウウウ


マミ「ッ!!!!!!」

マミ(イリヤちゃんのソウルジェムがっ!!!!!)

マミ「イリヤちゃん!!」

         だきっ

イリヤ「うう・・・バーサーカー」グスッ

マミ「だいじょうぶよ・・・だいじょうぶだから・・・泣かないで、イリヤちゃん」


937: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 21:54:12.98 ID:RO8M/uVx0

マミ(ようやく、…思い出した)



マミ(穢れを溜め込んだソウルジェムが、なぜか自然に消滅してしまう世界と)

マミ(ソウルジェムがグリーフシードと化して、魔法少女が魔女化する世界)

マミ(二つの世界は分離された・・・まったく別の世界として、確かに存在していたのよ)

マミ(そして・・・・)

マミ(その二つの世界を結びつけるのは・・・・)

938: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 21:57:30.85 ID:RO8M/uVx0
―円蔵山山頂


杏子「―――“まどか”だったんだ」


杏子(ずっともやもやしてたんだよな…微妙な記憶の欠落に)

杏子(でも、その“真名”を聞いて…ようやく思い出したよ)パリ


杏子「あんたのおかげだ、ありがとな」チラ

大河「え?…いやーあたし別に感謝されるようなことしてないよ~」ナハハ


ケイネス「…なるほど」

ソラウ「なるほどね」


大河「なるほど?」

939: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:00:22.32 ID:RO8M/uVx0
ソラウ「以前にアーチャーが対バーサーカーで使った“セオリー・オブ・トーラス”って宝具」

ケイネス「日本語に訳せば、“えんかんのことわり”」


杏子「そう、その“円環の理”ってのが、あたしたちのなじみのある世界では」

杏子「魔法少女間に伝わる伝承として存在していた原理なのさ」


ソラウ「で、そのシステムを構築したのが、あのアーチャー・・・だというのね」

ソラウ(アーチャー・・・“魔法使い”というより・・・もはや神の域に達しているんじゃ・・)

ケイネス「確かに“円”は、“まどか”とも読める」

大河「・・・へぇ~」シラナカッタ 

940: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:02:02.86 ID:RO8M/uVx0
ソラウ「まあとにかく」

ソラウ「そのアーチャーの真名を、あえて偽名として使っていたライダー…」

ソラウ「何らかの意図があったのかしら…?」

杏子「さあ」

杏子「ただ、ほむらの奴がアーチャーとかかわりが深いことへの裏付けにはなるな」


ケイネス「…ウェイバー君、民間人への暗示すら満足にこなせないとは…」アワレミノメ


大河「でも、…たとえ利用されていると分かっていたとしても」

大河「あの老夫婦にとっては、二人はもう・・・実の孫のようなものなんだって・・・」

大河「だから、二人のことが・・・」


ソラウ「――――――心配」

ソラウ(血のつながりはなくとも、彼らにとっては二人のことが家族のように…)チラリ

ケイネス「…?」

941: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:03:41.40 ID:RO8M/uVx0
ケイネス「ソラーウ?…私の顔に何かついているのか…?」

ソラウ「ふふ、・・・家族、ねえ」クス

ケイネス「…?」

ソラウ(―――喜んでいいわよ、ケイネス)

ソラウ(―――今の私は、もしもあなたの身に何かあったら)

ソラウ(家族以上に…悲しむと思うもの)


杏子「―――――家族、か」

杏子「そういう話を聞いちまうとさ、何だか…知らんぷりするのもな」


ソラウ「確かに、心配ね――――――特に、・・・あの少年が・・・・・」チラ

杏子「あ、ああ・・・」チラ


ケイネス「………」

942: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:04:49.60 ID:RO8M/uVx0
ケイネス「しかしウェイバー君は、悪質なテロ(ry」

ソラウ「私が前に彼を目にした印象では、そういうことを率先してやるようなタイプではなかったわ」

杏子「…つーか、ほむらの奴が主導していたんだろうな…」

ケイネス「……」

ケイネス(―――考えようによっては)

ケイネス(未熟な教え子を正しい道に導くことこそ、師たる立場の者の責務)


ケイネス「  よかろう  」

ケイネス「ここは私が一肌脱いで――――ウェイバー君を救出し、再教育するとしよう」キリッ


大河「せんせー!(事情はよくわかんないけど)ファイト~!!」オー

杏子(何だろう…別に変な言葉じゃないけど…)ゴクリ

ソラウ(ケイネス・・・まさか、あなたも・・・?)ゴクリ

943: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:06:04.65 ID:RO8M/uVx0
ケイネス「ところで、バーサーカー陣営の二人はいずこに…?」

ソラウ「そういえば、二人とも戻ってこないわね…」



杏子「…ところでさ」

大河「ん、何~?」

杏子「アンタ、家抜け出して…こんなとこに居て大丈夫か…?」

大河「大丈夫っ!」

大河「だってあたし、剣道やってるから結構強いし!」

杏子「そういう問題じゃねえ…」

大河「ところで、キョーコちゃん」

杏子「何さ」

大河「“魔法使い”って、どうやったらなれるの・・・?」

944: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:07:28.78 ID:RO8M/uVx0
―暁の空

イリヤ「でも・・・わたし・・・」

イリヤ「どうしたら・・・・・」ウルウル

マミ「もう・・闘うしか、ないじゃない・・」ナデ


マミ(―――家族と一緒に、幸せな日々を送りたい)

マミ(そんなイリヤちゃんのたったひとつ願いごとが・・・遮られてはならないわ)

マミ(この子の幸せのためなら・・・・!)

マミ(桜ちゃんのように、イリヤちゃんも・・・!)


イリヤ「でも・・・」

イリヤ「バーサーカーは、ホントは闘いたくたいんだよね・・・」

945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:09:10.34 ID:RO8M/uVx0
マミ(それは・・・・否定はできないわ)

マミ(でもね・・・イリヤちゃん)

マミ(私は、あなたとの再契約を決意したときに・・覚悟は・・・していたの)

マミ(・・・心の片隅で)

マミ(他人のために願いを遂げた魔法少女が、自分自身も幸せになれる)

マミ(そんな奇跡が何度も起こるほど、この世界は・・・優しくないのよ・・・)



マミ「―――私のことよりも、あなたの気持ちが優先されて当然でしょう?」

マミ「―――私の可愛いマスターさん」ニコッ


946: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:14:05.82 ID:RO8M/uVx0
イリヤ「・・・ありがとう」ナミダヌグイ




イリヤ「バーサーカーみたいなともだちができて・・・イリヤうれしい」ギュッ




マミ(・・・・・・・・・・・・・)ギュ

マミ(つまるところ、私自身の体験に重ねているのよね・・・)

マミ(でも・・・)

マミ(雁夜さんや桜ちゃん、そしてイリヤちゃんが幸せになれれば)

マミ(もう思い残すことなんて、何もない)

マミ(そう思い込まなければ殺し合いなんてできないから…?)

マミ(―――いいえ)

マミ(―――だって)

マミ(    私の“願い”は、もう叶ってしまったじゃない   )

947: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/09(土) 22:18:26.59 ID:RO8M/uVx0
―柳洞寺山門

綺礼「貴様」

綺礼「なぜ、戻ってきた?」

QB「…屋敷に一旦戻って以降の衛宮切嗣の足取りが掴めなくてね」

QB「まるで秘め事でもあるかのような姿の晦ましようだったy」ガスッ

綺礼「…まあいい」

綺礼「セイバー陣営の隠れ家はすでに把握済み」

綺礼「―――奇襲するまでだ」

QB「停戦協定の破棄……………、…まあ君なら仕方ないね」

綺礼「早めに攻勢を掛けた方がよいだろう」

綺礼「――セイバー陣営が今後勝ち残るか否かは微妙なところだ」

綺礼「衛宮切嗣と一戦交えることなく、聖杯戦争が終結しては…面白みがないからな」ニヤリ









QB(―――― 絶 望 というものに 鮮 度 がある)

QB(――――そうは思わないかい?)

QB(――――言峰綺礼)

                                  (つづく)

953: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:27:05.20 ID:jRy8/2+L0
―朝―

―神殿内


まどか「朝のお散歩に言ってきまーす」ペコリ



時臣「いってらっしゃい」



ほむら「………」

ほむら「――私はここで待機しているわ」




まどか(昨日は何だか…ごはんを食べてから後の記憶が…)

まどか(何かあったような…何もなかったような…)

954: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:28:56.99 ID:jRy8/2+L0
時臣「………」

ほむら「―――」

ほむら「少し、いいですか?」

時臣「―――何か、私に尋ねたいことでも?」

ほむら「………」コクリ

ほむら「まどか(マスター)の主の“人となり”について、私としてももう少し知っておきたいと思いまして」


ほむら「  特に…おじさまと、監督代行(コトミネキレイ)との関係について  」


時臣「…………」フッ



時臣「話せば、長くなるだろうけれど」

時臣「――――聞かせてあげよう」

時臣「私と綺礼の馴れ初めと、今に至る軌跡を――――」



955: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:32:35.55 ID:jRy8/2+L0
―路上



まどか(…朝の風が気持ちいいなあ)テクテク

     

       スタスタ

葛木「………」



まどか「――おはようございます」ニコリ



葛木「………」


葛木「…………、…おはよう」スタスタ




まどか(…あれ?)

まどか(そういえば、きれいちゃんとキュゥべぇはどこに行ったのかな?)


956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:37:50.74 ID:jRy8/2+L0
―路上

さやか「よっ」グラ

さやか「とっと」グラ

さやか(えーと、転校生達の隠れ家っぽい民家はこっちの方だっけ?)

  

     ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド


さやか(いや~慣れたらフツーに乗りこなせるじゃん!)

さやか(あたしってやっぱ騎乗スキル持ってたりして・・・!)テヘッ

  

     ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



士郎「・・・・・・」ポカーン

士郎(一輪車・・・・・・速過ぎ・・・)


957: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:47:11.66 ID:jRy8/2+L0
―武家屋敷・土蔵


「これを返して、・・・おくわ――――切嗣」

「私はもう・・・・・長くないでしょうから」



(――――――――“全て遠き理想郷(アヴァロン)”)ガシ

(――――楽器(ヴァイオリン)を象った聖剣の鞘―――――)



「――――アイリ」

「済まない――――僕は、きみを………」



「   裏切る―――――――――ことになる   」



「―――――いいのよ・・・切嗣」ニッ

「私は、―――――9年間――――ほんとうに幸せ・・・だったよ」


「………」


「“わたしたち”の夢を、実現させて・・・・・・・・」

「イリヤを、アインツベルンの宿命から解放してあげて・・・・」




「それが、私の・・・最期の・・・・願い・・・・・・・・・」


      バタン…

958: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:52:23.52 ID:jRy8/2+L0
―庭

舞弥「…」

切嗣「…」

舞弥「―――ようやく、戻りましたね」

舞弥「―――あなたらしい、瞳(メ)に」



切嗣「―――目下最大の敵は、アーチャー陣営」

切嗣「―――だが、アーチャーを直接打ち倒すのは極めて困難だろう」

切嗣「仮の同盟関係を利用して、主(トオサカトキオミ)を騙し討ちにする」

切嗣「柳洞寺の連中も一枚岩ではないだろうからな」

切嗣(どんなに汚い手段だと罵られようと…もう躊躇は、しない)

切嗣「――――アイリのことを頼む、舞弥」ザッ



舞弥「――」コクリ

959: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 22:55:36.42 ID:jRy8/2+L0
―神殿内部

     カタン…

時臣「―――綺礼のおかげで、今の私がある」

時臣「―――もちろん、まどかちゃんのおかげでもあるけれど」

ほむら「…そういう、経緯が」

ほむら「そして、そのアゾット剣を…言峰綺礼に?」

時臣「――そう」

時臣「彼とは、弟子として…愛しき存在として」

時臣「将来にわたり、共に歩んでゆくことになるだろう」



時臣「これは、私から彼への――――誓いの気持ちを込めた贈呈品(プレゼント)さ」



960: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 23:00:35.37 ID:jRy8/2+L0


ほむら(―――なるほどね)



ほむら(    よ く    分 か っ た わ    )

       
      サアア



時臣「――む」ピク



ほむら「―――」ピク



時臣(―――何者かが周囲の結界に足を踏み入れたようだ)



ほむら(美樹さやか…、ではないようね)

961: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 23:25:17.29 ID:jRy8/2+L0
―柳洞寺・山門

 

   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




杏子「まどか不在、だな」

杏子「――――ついでに、教会のヤバそうな神父もいない」

ケイネス「―――虎穴に入らずんば虎児を得ず、か」

杏子「―――侵入するなら、今」



ケイネス(接見時に、遠坂時臣の令呪が残り一画であることは確認済み)

ケイネス(アーチャーを連れ戻すために、安易には使えまいが…)

962: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 23:42:55.44 ID:jRy8/2+L0

ケイネス「―――ここから先、如何なる結末が待ち受けていようとも」

ケイネス「―――私は、後悔などしないだろう」

ケイネス「―――それくらい、楽しいひとときを・・・感謝する」


ケイネス「英霊―――――サクラ・キョウコよ」




杏子「・・・・・・・・・」ポカーン


杏子「・・・・・・おいおい」

杏子「・・・そんな、あたしが感謝される筋合いないって」

杏子「むしろ、ちょっぴり幸せな夢を見させてもらったのは、あたしのほうさ・・・」

963: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 23:45:36.93 ID:jRy8/2+L0
≪―――――次にあなたに会うときは≫

≪―――――私はもう、わたしでなくなっているでしょう≫

≪―――――そのときは、あなたの“必殺技”を・・必ず、使うように・・・≫

≪―――――もち・・ろん・・、声に・・・出してね・・・≫

≪―――――わたしに、分かるように≫

≪      さようなら      佐倉さん      ≫




――――――それが、マミからの最後のテレパシーだった

――――――マミと、小さな魔法少女(マスター)に、

――――――どういう心境の変化があったのかはわからない



~~~~~~



ケイネス「――――――さて」

杏子「――――――道場破り、といくか」

964: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/18(月) 23:50:00.77 ID:jRy8/2+L0
―路上

 ズダダダダ

さやか(はっ…!)

さやか(この気配…!)

さやか「!!」キキィィィ


       イリヤ「………………」ヒュォォォォォォォォォォ


さやか「・・・・・・・えっと」

さやか「イリヤちゃん・・・だよね」




イリヤ「・・・・ばよかった」





さやか「・・・・・・・え?」





イリヤ「聖杯戦争なんて、始まらなければよかったんだ」




イリヤ「―――聖杯なんて、最初から     なければよかったんだ」



                                  (つづく)

972: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:29:14.69 ID:wPmviuiT0
―土蔵


アイリ「―――ねえ・・・舞弥さん」コォォォ


舞弥「…何でしょうか、奥方」


アイリ「あなたは、気づいてた?」


舞弥「―――と、言いますと」



アイリ「…私、以前からね…わかっていたのよ」

アイリ「切嗣と、あなたが…男女の関係にあったということを」

973: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:30:49.30 ID:wPmviuiT0
舞弥「………」ドキ

アイリ「…図星のようね」

舞弥「申し訳・・・ありません・・・奥方」



アイリ「…ううん」

アイリ「…怒っているわけじゃ、ないの」



舞弥「………」



アイリ「切嗣が私やイリヤに見せた情愛は………けっして偽物などではなかった」

アイリ「切嗣は、いつか私を裏切らざるを得ないときが来ることを」

アイリ「よく…理解していたのだから」

974: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:32:07.67 ID:wPmviuiT0
舞弥「奥方・・・」


アイリ「―――自身の覚悟を、そういう形で“予行演習”していたのね」

アイリ「・・・違う、かしら」


舞弥「――――いいえ」

舞弥「―――相違…ありません」


アイリ「………」クスッ


舞弥「?…奥方?」



アイリ「…確かにね」

975: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:34:32.54 ID:wPmviuiT0
アイリ「ちょっぴり、嫉妬もしたけれど」

アイリ「―――私も昨日、切嗣を裏切ってしまったから…」チラ

舞弥「…そ、そうですね」



アイリ「…舞弥さんの過去のことも、聞かせてもらったわね」



舞弥「………」





「―――舞弥さん」

「聖杯戦争(コノタタカイ)が終わったら」

「切嗣と、イリヤのことを――――――お願いね」


    

       
          ズガシャッッッッ

976: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:36:51.32 ID:wPmviuiT0
舞弥「!!!?」


    
          ズガシャッッッッ

             ズガシャッッッッ
   


     ドゴォォォォォォン!!





アイリ「―」ドサリ


「――――他愛ない」ジャリ

977: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:38:36.75 ID:wPmviuiT0
舞弥「貴…様……ッ」ギリ




綺礼(―――アインツベルンが用意したホムンクルス)

綺礼(―――この、…中身が)



綺礼「―――女」ギロ



舞弥「!」



綺礼「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」



978: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:42:54.41 ID:wPmviuiT0
―冬木市内


まどか(…!?)トクンッ


まどか「…これ」

まどか「―――魔女の気配…だよね」

まどか(―――でも、ワルプルギスの夜は、もう・・・)

まどか(―――!!)ハッ

まどか(もしかして・・・・・)




まどか(さやかちゃんっ!!!?)



979: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:45:29.90 ID:wPmviuiT0
≪魔法少女になるだって?≫

≪…やめときな≫

≪タイガー、…とか言ったっけ≫

≪自分のために、真に奇跡を必要としない人間がさ≫

≪等価交換で得られる以上の奇跡なんかに≫

≪手を出しちゃ・・・ダメだ≫

≪あんたのためにも≫

≪あんたのことを大切に思う人達のためにもさ≫

980: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:46:55.62 ID:wPmviuiT0
≪ここから先は、あたしたちに任せな≫

≪一般人である君をこれ以上危険に巻き込むわけには…ゆかぬ≫

≪―――私が家まで送ってあげるわ≫




―藤村家

大河「zzzzz」

大河「タイ・・・ガー・・・・ゆうなぁぁぁ・・・」ゴロン




981: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:51:11.47 ID:wPmviuiT0
―冬木市内


まどか(ごめんなさい、時臣おじさん)

まどか(ごめんね、ほむらちゃん)



まどか(ちょっと帰りが遅くなるかも…だけど)

まどか(今度はもう・・・放っておけないっ!!)

    



      コツッ コツッ コツッ




「俺も、ついていって・・・いいか?」

982: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:54:39.01 ID:wPmviuiT0


まどか「…!」

まどか「―――――あなたは」






雁夜「魔女に最も近い位置にいるのは、狂戦士である・・・あいつだ」

雁夜「マスターの資格を失った、ただの人間である俺に出来ることなんて」

雁夜「何も・・・無いかもしれないが・・・」



雁夜「それでも、俺は―――――傍観しているだけの自分自身が、許せない」

983: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 13:59:16.85 ID:wPmviuiT0
まどか「……………」



まどか「―――わかりました」




まどか「―――あなたがどういういきさつで、今ここに立ち尽くしているのか」

まどか「―――私には、分かりません」




まどか「 けれど 」

984: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/24(日) 14:02:14.77 ID:wPmviuiT0

まどか「私があなたの立場だったら、きっと同じように考えるんだろうなって」

まどか「そう、思いますから」キッ




雁夜(ごめん―――――――――――――――“みんな”)

雁夜( お れ は 、 ば か な に ん げ ん だ )



  ヤミニカエルオモイタチガ  モエツキテク

     ソノアカリヲシルベニセカイハ  マタユメヲミル

                                  

                                 (つづく)

987: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:40:30.89 ID:XO5z7b9N0
―路上

ゴロン…       カランカランカラン…(一輪車)



さやか「・・・・・・・・そ、でしょ・・・」ガク

さやか「そんな・・・・・・こと・・・・・」ガク



イリヤ「…ふうん」

イリヤ「…キリツグの身近に侍っていながら」

イリヤ「何にも、知らなかったのね」



さやか「・・・だって!」

さやか「切嗣さんは無口で、無愛想な感じの人だけどさ」

さやか「―――あの人は、アイリさんのコトを…本当に大切に思ってるよ」



イリヤ「………」

988: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:43:26.28 ID:XO5z7b9N0
さやか「………サーヴァントのあたしが、こんなことを言う立場じゃないかもしれないけれど」

さやか「アイリさんが切嗣さんのコトを想うのと同じくらい」

さやか「切嗣さんは、アイリさんのコトを・・・・・愛してた」



さやか(何だかさ・・・アイリさんのことが羨ましいくらいに・・・)

さやか(―――――だってあたしが、恋した相手は)

さやか(―――――、・・・・・・・・・・・・・)




さやか「いろんな事情やら思惑やらが絡んでいたとしても・・・」

さやか「切嗣さんの気持ちは偽物なんかじゃないって・・・あたしは」



イリヤ「………」



さやか「そのことは…実の娘のイリヤちゃんなら・・・」

さやか「一番よくわかるはずでしょ?」

989: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:44:24.04 ID:XO5z7b9N0


イリヤ「そう」

イリヤ「だね」



イリヤ「良く分かるよ」

イリヤ「ほんとうに・・よくわるよ・・」


イリヤ「 よ く わ か る か ら こ そ 」


イリヤ「―――その光景を見てしまったわたしは」


イリヤ「・・・・こころが・・・・・ね」

イリヤ「こわれちゃったのかな・・・・」

990: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:46:48.28 ID:XO5z7b9N0
イリヤ「――――――――――――――」ニィ



さやか「イリヤちゃん・・・!?」





イリヤ「邪魔者は、みーんな追い払って」

イリヤ「――――聖杯を、壊して」

イリヤ「――――キリツグの夢を、わたしが打ち砕いてあげるんだよ」




イリヤ「お母様と、わたしを――――――裏切った罰として」




さやか「!!!!!!!!」

991: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:48:56.60 ID:XO5z7b9N0
「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」















≪何の躊躇も戸惑いもなく≫

≪ただ、非道な殺し合いに徹する≫

≪その・・・ため・・・には・・・≫

≪人間らしい心を・・・失って・・・≫



≪ 私 が 魔 女 に な る し か 、 な い じ ゃ な い ≫

992: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:51:18.35 ID:XO5z7b9N0
―土蔵

      

綺礼「むぅ!?」ゾク


舞弥「!?」


綺礼(これは――――――魔女の気配か…?)

綺礼(――――結界に隠れ、これまで息を潜まていたらしい)

綺礼(この波長は―――――バーサーカー……だな)



綺礼(―――――と、いうことは)

綺礼(―――――いよいよ血なまぐさい殺し合いが始まるらしい)





(言峰綺礼―――――神殿に侵入者があったようだ)テレパシー

(ここは一旦戻った方がいいと思うよ)

993: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:52:46.96 ID:XO5z7b9N0
綺礼(…………)

綺礼「この女は、交渉材料として価値がある」ヒョイ

アイリ「―」グッタリ



綺礼「―――衛宮切嗣はいずれ我々の手に落ちるだろう」



舞弥「…腐れ外道ッ」ギリ




綺礼「その光景を、お前が目にすることは無いだろうがな」ザッ





994: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 00:54:05.99 ID:XO5z7b9N0
     サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



舞弥「なっ…!」






舞弥(――――――魔女の固有結界)チャキ




舞弥(・・・・・・・・・・・・・)



舞弥(・・・・・・申し訳ありません)            カラーン





舞弥(マダム……、あなたのことを最後までお守りできなかった)

舞弥(そればかりか、“約束”も守れそうにありませんね)



995: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/08(日) 01:08:03.21 ID:XO5z7b9N0
キャンデロロ「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」



舞弥「こんな…人生だったのです」

舞弥「最期くらい…幸せな夢を見てもいいですか…?」

舞弥「・・・きりつぐ」












――――――――――――グシャリ

                                    




                                       (つづく)