1: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:05:47.62 ID:eRW8zjgw0
引用元: ・怜「空も飛べるはず」
咲-Saki-阿知賀編episode of side-A また、みんなではしゃごう!Blu-ray初回完全生産限定Special-BOX
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ポニーキャニオン (2015-03-18)
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2: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:06:39.70 ID:eRW8zjgw0
…………き…………とき……とき
怜「うみゅ……なんやうるさいわ……」
竜華「怜!やっと起きたか……心配したんやで」
-病院-
怜「竜華?…………準決勝は」
竜華「終わったで、もう夜や」
怜「ちゃう……準決勝、どうなった?」
竜華「……………………」
怜「竜華………………?」
竜華「………………負けて、しもた」
怜「…………そっか」
3: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:07:49.02 ID:eRW8zjgw0
竜華「ごめんな……決勝、行かれへんかったわ」
怜「ううん……竜華のせいやない。うちが……うちが先鋒戦で倒れなければ」
竜華「ちゃうよ!怜は頑張った!チャンピオン相手にあんだけできれば」
怜「うちがもっと頑張れれば……いや、もっと前からやな。ちゃんと麻雀に打ち込んどれば、病弱病弱言わんでおけは……」
竜華「怜………………」
4: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:09:51.99 ID:eRW8zjgw0
竜華「………………くなー」
怜「竜華……?」
竜華「なーくなー♪ときーなーくなー♪なーいたらあーかんー♪」
怜「……竜華?」
竜華「なーくなー♪……なんやその目、せっかく人が歌で慰めようとしてるのに」
怜「下手な歌やな」クスッ
竜華「やかましいわ///」
怜「でも、うちは好きやで、その歌」
竜華「……ありがとな」フフッ
5: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:11:15.17 ID:eRW8zjgw0
怜「竜華ぁ」
竜華「ん?」
怜「うちな……竜華がいてくれて、よかったわ」
竜華「どしたいきなり」
怜「だからまんまやで。竜華がいてくれてよかったなぁって思ったんや」
竜華「なんや急に、なんか気持ち悪いわ」
怜「冷たいわぁ、さっきの歌のお返しに特別サービスしたろかと思うたのに」
竜華「そか、ありがとな」
怜「だからなでて」
竜華「礼を言ったらそれかい。まぁええけど」ナデナデ
怜「♪」
6: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:12:32.44 ID:eRW8zjgw0
竜華「でも、決勝行けんかったなぁ……」
怜「せやなぁ……こうなったらもう笑えばええと思うで」
竜華「エ◯ァにでも乗るんかいな」
怜「ちゃうわボケ……でもな、竜華」
怜「竜華は……次は、笑ってくれるよな?」
竜華「当たり前や、もうこんなんはたくさんやさかい」
竜華「次は大学や、インカレ勝って大笑いしたるわ」フフッ
怜「せやな」フフッ
7: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:13:24.24 ID:eRW8zjgw0
その夜は綺麗な満月が浮かんでいた。
それを見て、うちは決めた。
もう病弱なことを言い訳にはしない。
そして……
8: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:14:52.23 ID:eRW8zjgw0
竜華「ときー」
怜「どしたー?」
竜華「うちな、もう怜の膝枕するのやめるわ」
怜「へっ?なんや竜華、そんな冗談を」
竜華「うちは本気や」
怜「竜華?……どうして」
竜華「うちな、セーラのことが好きなんや」
怜「はぁ!?」
竜華「だからもう怜にはせえへん。うちはセーラの膝枕になるんや、ほなさいなら」スタスタ
怜「竜華!?勝手に置いてかんでや!竜華!竜華ぁ!!」
9: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:16:11.04 ID:eRW8zjgw0
…………き……!……とき……とき!
怜「ひゃあっ!」ガバッ
竜華「怜!悪夢でも見たんか!チャンピオンにけちょんけちょんにでもされたんか!?」
怜「はぁ……はぁ……あ、竜華の匂い」スンスン
竜華「当たり前や、うちが膝枕してるんやから。みんなもう帰ったで」
怜「あ……夢か」
竜華「やっぱり悪夢見てたんやな、ここは学校やで、ついでに言えばもう秋や」
10: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:17:44.75 ID:eRW8zjgw0
怜「夢……とんでもない悪夢やった」
竜華「その話あとで聞かせてや。とりあえず帰るで」イソイソ
怜「……なぁ、竜華」
竜華「んー?怜もはよ仕度してやー」ゴソゴソ
11: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:18:54.54 ID:eRW8zjgw0
怜「うち、竜華のことが好き」
12: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:20:05.80 ID:eRW8zjgw0
竜華「…………怜?」
怜「だから、うち竜華のことが好きなんや」
竜華「うちも怜のこと、好きやで?」
怜「ちゃう、そっちの意味やない」
竜華「怜……?」
怜「竜華のことが、恋人的な意味で好きなんや。竜華、うちと付き合うてほしい」
竜華「……どした、急に」
13: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:21:49.44 ID:eRW8zjgw0
怜「さっきの悪夢な……竜華が、いなくなってもうたんや」
怜「竜華がな、セーラのことが好きやって。だからもう、うちに膝枕はせえへんって……」
竜華「うちが、セーラと?」
怜「怖いんや、竜華がうちの前からいなくなってまうんやないかって。もう膝枕してくれないんやないかって」
怜「だから病弱って言うのやめたんや。自分が強くならな、竜華は消えちゃうんやないかって、怖くて」
竜華「怜…………」
14: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:23:24.56 ID:eRW8zjgw0
ダキッ
怜「竜華、好きや。うちと付き合うて」
竜華「……………………」
ギュッ
怜「……竜華?」
竜華「まったく……うちが勝手にいなくなるわけないやろ」ギュウ
怜「だ、だって……」
竜華「そんなにうちは信用ないんか、悲しいわぁ」
怜「そ、そんなことあらへん!」
竜華「やれやれ……こっちから言いたかったんやけどな」
怜「……えっ?」
15: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:24:12.78 ID:eRW8zjgw0
竜華「怜、好きや。うちと付き合うて」
16: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:25:23.05 ID:eRW8zjgw0
怜「……竜華」
竜華「ふふっ、どうや、これで相思相愛やで?」
怜「……竜華ぁ」グスッ
竜華「あぁもう泣くなや……もう一回言うたるわ、うちも好きや、大好きや」
怜「竜華ぁ…………」ポロポロ
竜華「怜は泣き虫やなぁ」サスサス
怜「ちゃうわボケぇ……」ポロポロ
17: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:27:14.24 ID:eRW8zjgw0
ザァァァ……ザァァァ……
怜「竜華」
竜華「どした?怜」
怜「いま、土砂降りやな」
竜華「せやな、こんなん聞いてないわ」
怜「なんでうちら、相合い傘しとるん?」
竜華「別にええやないか、恋人同士やで?」
怜「肩に雨がモロにきとるんやけど」
竜華「ほな自分の傘使うか?」
怜「ううん、こうすればええんや」ピトッ
竜華「ちょっと怜、肩当てんといて。歩きづらい」
怜「別にええやないか、恋人同士やで?」
竜華「……まぁええか」
18: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:28:46.96 ID:eRW8zjgw0
竜華「でも、恋人かぁ……みんなどんな顔するかな」
怜「なんや竜華、カミングアウトするんか」
竜華「別にええやないか」
怜「……女の子同士やで?」
竜華「言い出しっぺがそれ言うか……ま、誰かに拒まれても知ったこっちゃないわ、よくあることらしいし」
怜「そうなん?」
竜華「全国の時にいろんな噂聞いたで。ま、船Qとか唖然としてたら笑ってやろうや」クスッ
怜「……せやな」クスッ
19: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:31:40.67 ID:eRW8zjgw0
ザァァァ……ザァァァ……
怜「……話すこと、無いな」
竜華「一緒にいれるだけで充分だとかそういうのは無しか」
怜「ドラマでよくあるけどあれ嘘くさいやん」
竜華「まったくやな……音楽でも聴くか?イヤホン片っぽずつ」
怜「ええな、貸して」
竜華「レンタル料1秒につき100万な」
怜「なんやそれ」
竜華「冗談や、ほら」
怜「ん」
20: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:33:07.03 ID:eRW8zjgw0
幼い微熱を 下げられないまま……
神様の影を恐れて……♪
怜「スピッツか」
竜華「もう20年くらい前の曲やけど。かっこええよなぁ」
怜「せやな……~♪」
竜華「~♪」
21: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:33:53.22 ID:eRW8zjgw0
ずっとそばで 笑って いてほしい……♪
怜「♪……終わったな」
竜華「次、何聴きたい?どうしよっかな……」カチカチ
22: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:36:58.75 ID:eRW8zjgw0
怜「竜華」
竜華「ん?」
怜「うちな、竜華と出会えて、ほんまによかったわ」
竜華「どした、また?」
怜「竜華と恋人になれたなんて、うち、今なら空も飛べるんとちゃうかな」
竜華「なんや急に……飛んでもええけど、今飛んだらびしょ濡れなって風邪ひくで?」
怜「竜華は空気読まへんなぁ」
竜華「そらこっちのセリフや……それに、飛べるってなんか不吉や。怜なら勢いであの世に飛んでいきかねへんわ」
怜「そんな簡単に死んでたまるかい。恋人がいるんやで?」
竜華「この前まで病弱や言うてたくせに」
怜「今は言うとらへんやろ」
竜華「いまだに膝枕要求するやつがよう言うわ」
23: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:38:22.86 ID:eRW8zjgw0
竜華「ま、うちも怜と出会えてほんまによかったわ。ありがとうな、怜」
怜「どういたしまして」
竜華「これから先、楽しいことも、辛いことも、悲しいこともあると思うけどな……笑えば、どうにかなるやろ」
怜「サー◯インパ◯ト起きても笑えばどうにかなるやろな」
竜華「◯ヴァ引っ張るなや」
24: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:39:14.49 ID:eRW8zjgw0
怜「ま、あれや……ずっと笑ってようや、竜華」クスッ
竜華「怜のそばで、やろ?任しとき」フフッ
カンッ
25: ◆lxd9gSfG6A 2015/01/12(月) 19:41:13.53 ID:eRW8zjgw0
終わりです。ありがとうございました
スレタイの通り、スピッツの「空も飛べるはず」が題材となっていました。
怜竜よ永遠に
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