艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】 前編
 

476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/11/26(水) 00:32:12.04 ID:VLnGilCm0
朝潮「目指す場所は同じなのに、方法が真逆で・・・」

陸奥「そうね。特に、うちの提督は変わり者だから」

朝潮「K司令官と、あの人では、どちらが正しいのでしょう・・・」

陸奥「どっちが正しいのかなんて、結果が出るまでわからないらしいわよ」

陸奥「さっき、提督とそう言う話をちょこっとだけしたけどさ」

朝潮「・・・そうですね」

陸奥「あなたは少し、考える時間が必要だと思う」

朝潮「考える時間ですか?」

陸奥「難しく考える必要はないと思うけど」

陸奥「この鎮守府で、適当に過ごしてみるといいわ」

陸奥「誰かとおしゃべりしたり、遊んだり」

陸奥「話を聞く限りだと、あなたの鎮守府ではそういうのなかっただろうし」

陸奥「深海棲艦化も、あまり深く考えない方がいいわ」

陸奥「ここの鎮守府、それくらいで引くような子いないと思うわ。一部の怖がりな子を除いてだけど・・・」

ガチャ

長門「すまん。トイレに行っていて戻ってくるのが遅れた。ってうわぁ!」ビクゥッ

長門「目の色がおかしいぞっ!大丈夫か!?それともドッキリか!?」

陸奥「・・・ね?」

朝潮「あはは・・・」

引用元: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】 

 

477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/11/26(水) 00:41:58.93 ID:VLnGilCm0
執務室

提督「それで、話とはなんだ?」

三日月「えっと・・・」

三日月「き、昨日の夜・・・司令官は何をしていたんですか?」ドキドキ

提督「・・・特に、何もしてないが?」

三日月「私、見ちゃったんですけど、電ちゃんと司令官が・・・その、逢引してるのを・・・///」

提督「・・・見てたのか?」

三日月「おでこにキ、キスするところまで・・・」

提督「・・・あの物音はお前の仕業だったのか・・・」

三日月「ごめんなさい・・・」

提督「いや・・・電とはそういう関係ではない。それだけは伝えておく」

三日月「あ、あんなことまでしてそういう関係じゃないって・・・さすがの私でも誤魔化されませんよ!」

提督「そういう関係ではない。それは本当だ」

三日月「・・・本当ですか・・・?」ウルッ

提督「やめてくれ。なんで泣きそうな顔してるんだ」

三日月「それは内緒です。女の子には秘密の一つや二つあるものです」

提督「・・・私は女の子だったのか?」

三日月「それはありえませんよ?」

提督「だろうな」

488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 12:22:56.38 ID:5cDkb/j90
提督「ああそうだ。少し急なんだが三日月」

三日月「はい?なんでしょうか」

提督「秘書艦を降りてもらいたい」

三日月「えっ」

三日月「私では何か不満でしたか・・・?」

提督「いや、そうじゃない。ただ、お前には少し特別な任務をして欲しい」

提督「おそらく、お前が適任だ」

三日月「・・・そうですか。少し残念です」

提督「任務を完了出来たら、また戻ってもらう」

三日月「私、頑張ります!」

提督「・・・ああ」

提督「あと、電を呼んできてくれ。少し、話がある」

三日月「・・・?」

489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 12:27:25.45 ID:5cDkb/j90
少し経って

電「話ってなんですか司令官さん」

提督「電、私の秘書艦を務めてくれ」

電「秘書艦ですか?でも・・・」

電「三日月ちゃんと一緒の方が・・・」

提督「三日月には話してある」

三日月「・・・」

三日月(電ちゃんと司令官を二人きりにして大丈夫なのかな・・・)

電「・・・わかったのです」

提督「・・・まだ話があるんだが・・・三日月、席を外してくれ」

三日月「あ、はい・・・では」

バタン

490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 12:38:31.46 ID:5cDkb/j90
提督「電、私はどうしたらいい」

電「どういうことなのですか?」

提督「朝潮の願い、近代化改修のことなんだが」

提督「工廠の奴らに聞いてみたんだ・・・出来るかと言う事を」

電「・・・ダメだったんですか」

提督「ああ、深海棲艦になりかけている艦娘は、近代化改修には使えないと」

提督「もし使って、その呪いが他の艦娘に移ったらいけないと」

提督「そんな危険があるかもしれないということらしい」

提督「・・・知っていたんだろ。電」

電「・・・」

提督「・・・この話はもう、やめよう。それより、朝潮の事を他の奴らにも教えておいてやろう」

提督「また、金剛や、加賀の様に突っ込まれたら、やっかいだ」

電「それより、三日月ちゃんはどんな任務につかせるんですか?」

提督「・・・朝潮のメンタルケアだ」

491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 12:47:05.33 ID:5cDkb/j90
提督「まだ、三日月にこのことは伝えていない」

電「そうなのですか」

提督「・・・電、ありがとう。そしてすまん」

提督「無知な振りをさせてしまって、本当にすまない」

提督「私の事を一番知っているのは、響や川内ではない。お前だというのに・・・」

電「電の事はいいのです。電は、司令官さんと一緒に居れるだけで嬉しいのです」

電「ですから、過去の事は、もう忘れましょう。司令官さんのお役に立てるだけでも、嬉しく思うのです」

電「出撃や、演習や遠征もあまりできませんから・・・」

提督「・・・ああ、そうだ。私は今週末、また出かける用があるんだ。その時は、まかせたぞ」

電「何かあるのですか?」

提督「私達の儀式みたいなもんさ」

提督「深海棲艦に対して、憎しみを増やす・・・な」

電「そうですか・・・わかりました」

492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 17:58:45.25 ID:5cDkb/j90
午後

提督「皆集まったな。紹介したい奴が居る」

提督「まだベッドから起き上がれないからここには居ないが、朝潮が私達の鎮守府に住むことになった」

提督「少し特殊な朝潮だが、仲良くしてやってくれ」

提督「それと、秘書艦を三日月から電に変わる」

金剛「この間の子デスか?」

提督「ああ、深海棲艦が連れてきた子だ」

提督「率直に言うと、深海棲艦になりかけて居る」

一同「えっ」

提督「が、あまり重要視しなくて気持ちが保てれば大丈夫だ。その保証はある」

利根「信用出来んな。聞けば、深海棲艦を庇っていたそうじゃの」

提督「深海棲艦化はしない。保証する」

加賀「証拠が欲しいですね」

提督「・・・証拠は・・・」

三日月「・・・あるんですか?」

提督「いや、ない・・・が、大丈夫だ」

494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 18:15:51.18 ID:5cDkb/j90
提督「話はこれまでだ。間宮スイーツタダ券を配るから、とりあえず並んでくれ」

提督「受け取ったら部屋で待機だ」

一同「やった」

鈴谷「えー?どういう風の吹き回しー?」

提督「日頃頑張ってくれているお前らへのご褒美だと思ってくれ。ほら」スッ

鈴谷「・・・なんか隠してる?」

提督「さぁな。次が待ってる」

響「・・・本当に配るのか。全員分」

提督「約束は守る。私の最低限のプライドだ」スッ

響「電と何かあったのかい?電が少し暗い顔をしていたが」

提督「いや、特にはない」

響「それならいいが」

加賀「・・・」スッ

提督「・・・よだれ拭け」スッ

赤城「もう、加賀ったらはしたない」ジュル

提督「お前の方がひどいぞ」

495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 18:32:30.81 ID:5cDkb/j90
提督「さて、全員居なくなったな。それでだが三日月」

三日月「はい」

提督「お前には、朝潮と共に過ごして欲しい」

三日月「はい?」

提督「朝潮の心を開いてやってくれ」

提督「少しずつでいい。それで、深海棲艦化は止まる」

三日月「・・・どうして、止める方法を知っているんですか?」

提督「・・・南方棲戦姫が言っていた通りだ」

三日月「深海棲艦達でも曖昧な事をなんで・・・」

提督「断言できるのかって?」

三日月「・・・はい」

提督「そうだな・・・なんとなくだ」

三日月「・・・本当に、それだけですか?」

提督「どういうことだ?」

496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/02(火) 18:41:07.55 ID:5cDkb/j90
三日月「・・・いえ、やっぱりいいです。それでは、朝潮さんの所へ向かいます」

提督「・・・ああ、そうしてくれ」

三日月「・・・私だって」

三日月「・・・私だって、ただ司令官の側に居ただけじゃないんですよ・・・」ボソッ

提督「何か言ったか?」

三日月「電ちゃんとの事、許したわけじゃないですよって」

提督「そういう関係ではないと何度言ったら・・・」

三日月「そういうことじゃなくて!キスしたことに問題があるんです!」

提督「・・・手を出せ」

三日月「えっ?手、ですか?」

提督「・・・」ギュッ

チュ

三日月「なっ!?」ビクッ

提督「これで、許してくれ」

三日月「い、いきなり掌にキスって!?一言欲しかったです!///」

提督「すまない」

三日月「で、でも、許してあげます・・・次は許しませんから!」

501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 01:26:54.22 ID:9umVlsTR0
三番ドック

三日月「ということで、よろしくお願いします朝潮さん」

朝潮「」ポカーン

三日月「・・・どうしたんですか?」

朝潮「あの、暇なんですか?」

三日月「そういうわけでは・・・」

朝潮「誰か一人の為に一人を付きっきりで配備って、普通しないと思うんですけど」

三日月「まぁそうですね・・・私達の司令官は変わりものですから」

朝潮「ふふ、ここの鎮守府の人は、皆さんそう言うんですね」

朝潮「陸奥さんも同じこと言ってましたよ」ニコッ

三日月「事実だから・・・」

502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 01:36:25.25 ID:9umVlsTR0
三日月「こんな事聞くのも失礼なんですけど・・・朝潮さんの鎮守府はどんな雰囲気だったんですか?」

朝潮「そうですね・・・朝潮の鎮守府は、皆無心で働いてましたね」

朝潮「ただ無心に、K司令官の指示に従って、淡々と全てをこなしてました」

朝潮「誰かと遊ぶとか、こうして話す事もしませんでした」

朝潮「無表情で、笑顔なんてありませんでした。泣き顔や苦しい顔なら何度も見てきましたけど」

三日月「どこかの鎮守府の司令官も、無表情で笑顔なんて見たことありませんよ」

朝潮「どこかって・・・」

三日月「・・・私達の司令官のことなんですけどね」

朝潮「そう言えば・・・話してる時も眉一つ動かしてませんでしたね」

三日月(泣き顔は、見たけど・・・)

朝潮「・・・」

三日月「・・・」

朝潮三日月(あまり話すことないなぁ・・・)

503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 01:45:46.18 ID:9umVlsTR0
三日月「・・・元居た鎮守府は、辛かったですか?」

朝潮「・・・さぁ、どうなんでしょう。辛かったんじゃないですか?」

三日月「疑問形なんですか」

朝潮「朝潮にとって、あれが当たり前だと思ってたので」

朝潮「ここに来てから、どれだけ環境が劣悪だったのかが理解できました」

三日月「でも、逃げ出さなかったんだよね」

朝潮「あれが当たり前だと、刷り込まれていたんでしょう」

朝潮「それでも逃げ出したいと思ったことはあります」

朝潮「ただ・・・折檻が怖かったです」

三日月「うぇ・・・折檻なんてあったんですか・・・」

朝潮「一つの部屋が折檻する部屋としてあって、そこから、命令違反や司令官に逆らった子達の悲鳴や泣き声が聞こえてきてました」

朝潮「朝潮自身、折檻を受けたことはなかったですけど・・・折檻部屋から出てきた子達は悲惨なものでしたね」

504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 01:51:23.33 ID:9umVlsTR0
朝潮「目の周りは真っ赤で、目に生気はありませんでした」

朝潮「それが怖くて、逆らうこともできませんでした」

三日月(●●●なことされたのかな・・・?」ドキドキ

朝潮「・・・もう一つ付け加えると、折檻するのは他の艦娘ですよ?」

三日月「えっ?あっ」

三日月「こ、声に出てた?」

朝潮「はい」クスッ

三日月「やだ・・・恥ずかしい・・・///」

朝潮「朝潮からすれば、あなた達の方が不思議です」

朝潮「ここまで自由にできるのに、あの司令官には従う」

朝潮「少しでも嫌なら断れそうなものですが」

朝潮「恐怖や、力で抑制されてるわけでもないのに」

朝潮「どうしてですか?」

505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 02:00:09.67 ID:9umVlsTR0
三日月「えーっと・・・司令官が好きだから・・・かな?」

三日月「なんとなくだけど」

朝潮「好き・・・?」

三日月「うん。もう少しわかりやすく言うと、信用できるから」

三日月「朝潮さんにとって、今、私がこうして朝潮さんと一緒に居ること自体不思議なんですよね?」

三日月「自分の側にいることはそこまで重要じゃないし、相手にする必要もないって」

朝潮「・・・はい。理解できません」

三日月「・・・少し前までの私だったら、朝潮さん同様、理解できなかったかもしれません」

三日月「司令官の事、よくわかってなかったですし、怖かったから」

三日月「でも、今はなんとなく理解できてます」

三日月「あの人は、見かけによらず優しすぎるんです」

三日月「心配性だし、誰かが支えていないと、すぐに崩れそうになるほど繊細で」

朝潮「えっ・・・余計理解できません」

三日月「あはは・・・まぁ、そうですよね」

506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 02:09:10.10 ID:9umVlsTR0
三日月「だけど、私達は信用してる。響ちゃんや、鈴谷さんも」

三日月「司令官の優しさは嘘じゃないから」

三日月「約束は絶対守る人だから」

三日月「それに・・・」カタッ

朝潮「それに・・・?」

三日月「人の相性を考えて組み合わせしてるんですよ」ギシッ

朝潮「相性?」

三日月「なんて言えばいいかな・・・そう!司令官は、私達をちゃんと見てくれてるんです」

三日月「私達一人一人の人間関係を把握してくれていて、その関係に応じた編成や、部屋割りを考えてくれています」

朝潮「ストーカー?」

三日月「うん。少し、マイナスに考えるのをやめるよう努力しましょう」

507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 02:18:36.97 ID:9umVlsTR0
三日月「ですから、司令官がどこに誰を配置しても、仕事を全うできるんです」

三日月「司令官の配置には、ちゃんとした意味があるって信用出来るから」

朝潮「意味・・・」

三日月「私を見込んで朝潮さんを任せてくれた司令官を信じて、私はここにいます」ギュッ

三日月「司令官も、私を信じてくれています」

三日月「それに・・・個人的にも、朝潮さんの事もっと知りたいですから」ニコッ

朝潮「三日月さん・・・」

三日月「呼び捨てでいいですよ朝潮さん」

朝潮「それなら、朝潮も、呼び捨てで呼んでください」

三日月「えへっ、これからよろしくね朝潮・・・ちゃん」

朝潮「はい、こちらこそ!三日月・・・ちゃん」

三日月「・・・やっぱり、呼び捨ては少し緊張するね・・・」

朝潮「うん・・・」

508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 02:23:23.46 ID:9umVlsTR0
三番ドック前

提督「・・・」

響「ふふ、予想以上の成果のようだね」

提督「響、か」

響「三日月の司令官のことをだいぶわかってきたようだし」

響「嬉しい限りだろう?」

提督「少し恥ずかしい気もするが・・・まぁ、そうだな」

響「心配性でこんなところまで様子見に来てストーカーかい?」ニヤニヤ

提督「ぐっ・・・」

響「冗談だよ。それより司令官」

提督「なんだ?」

響「ありがとう」

提督「・・・ああ」

響「あの事は、電も気にしてるから、誤魔化してくれたんだろう?」

提督「あれは私の作戦ミスだ。電に罪はないからな」

509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/03(水) 02:32:59.08 ID:9umVlsTR0
響「でも、そろそろ隠し通すのも難しい」

響「電の出撃や遠征演習の回数を不思議に思っている人数が増えてきた」

提督「ふむ・・・だが、あれを知られて、電の進行具合が加速するやもしれん」

響「いや・・・一番怖いのは電が優しすぎるところだな」

提督「そうだな・・・まったく、誰に似たんだか」

響「ふむ。誰だろうな」ジーッ

提督「私をそんな目で見るな」

響「・・・いつかは、明かすんだろ?電が深海棲艦化している事は」

提督「ああ、私と、お前と本人しか知らない事だからな・・・」

提督「だからこそ、朝潮の深海棲艦化のことを断言出来たわけだが・・・」

響「止める方法ではあるが、治す方法ではなんだよね」

提督「・・・うむ、それより近代化改修の事、朝潮に話さなければな」

提督「早めに話して、ショックを軽減させてやろう」

516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/04(木) 01:39:49.32 ID:PBMdovq40
提督「響頼んだぞ」ポンッ

響「小心者だな」

提督「すまん。私からだと言える自信はない」

響「なら仕方ない。伝えて置こう」

提督「そうしてくれ。私は職務に戻る」

響「了解」




響「さて、伝えるか」

517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/04(木) 01:46:00.96 ID:PBMdovq40
響「やぁ朝潮。久しぶりだね」

朝潮「あーえっと・・・Верныйさん?でしたよね。お久しぶりです」

響「響でいいよ。みんなにはまだそう呼んでもらってる」

響「Верныйと言う名前も好きだけど」

三日月「どうしたの?」

響「司令官から言伝だ。朝潮、君を近代化改修に使うことができないらしい」

朝潮「えっ」

三日月「どういうこと?」

響「えっと・・・簡単に説明するとだな」





朝潮「なるほど・・・確かに、それではご迷惑をかけるかもしれませんね」

三日月「そんなリスクがある事すら気付かなかったね・・・」

響「近代化改修で去りたいなら、まずその深海棲艦の呪いを解かないといけない」

響「頑張ってみる?それとも、諦めて別の道へ行くか?」

朝潮「・・・少し、考えたいです」

響「うん。それがいい」

518: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/04(木) 01:50:43.18 ID:PBMdovq40
響「少しと言わず、とことん考えるんだね」

響「自分の気持ちが曲げられなくなるくらいに」

朝潮「・・・頑張ってみます」

響「頑張る必要はない。司令官は待ってくれる」

響「遊んで、時々考えて、疲れたらまた遊ぶ」

響「それくらいなら許してくれるさ。気張りすぎると、治るものも治らなくなるよ」

朝潮「・・・」

響「・・・三日月、少しいい?」

三日月「な、何?」

響「朝潮、少し三日月を借りていくけど、いいかい?」

朝潮「・・・」

響「・・・真面目だ。考え込んでる・・・。まぁ、すぐには無理か」

519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/04(木) 02:20:32.48 ID:PBMdovq40
三番ドック前

響「少し話があるんだ」

三日月「アドバイス?」

響「まぁね。一つだけ、守って欲しいことがある」

響「これは朝潮にも言っておいて欲しい事なんだけど」

響「もし、寝れないときは、一緒に寝てやって欲しい」

響「朝潮は、辛いことがあっても隠すだろう。君と一緒さ」ツンツン

響「君たちは真面目なところも勝気なところも似ている」

響「それこそ、悩みを一人で抱え込むくせも」

三日月「うっ」

響「察して上げてとは言わないけど、相談できやすい環境を作ってあげて」

響「それだけでも、深海棲艦化は、止まるはず」

三日月「・・・どうして、響ちゃんはそんなに詳しいの?」

響「なんとなくだ」

525: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/05(金) 00:50:02.98 ID:oj2lapA20
響「まぁ、頼んだよ三日月」ポンッ

三日月「えっあ・・・はい」

響(とりあえず、司令官に報告したら部屋に戻ろう)




そしてその深夜

響の部屋

響「・・・」ペラッ

コンコン

響「ん?どうぞ」

ガチャ

電「お邪魔するのです」

響「どうしたんだ?もう日付が変わってるよ?」

電「響・・・お願いがあるのです・・・」

響「・・・また、寝付けないの?」

電「・・・」コクッ

526: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/05(金) 00:55:17.48 ID:oj2lapA20
響「そうか」パタッ

電「・・・」ギシッ

響「それじゃあ、一緒に寝てあげよう」ギッ

響「それにしても、毎回毎回私のところに来るけど」

響「暁や雷と同じ部屋なのだから、そっちに頼ってもいいんじゃないかな?」

電「・・・」フルフルッ

電「響じゃないと、ダメなのです・・・」

響「そうか。なら、仕方ないね」

電「膝枕、してもいいですか?」

響「いいよ。おいで」

電「それでは、お邪魔するのです・・・」トッ

527: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/05(金) 01:02:39.37 ID:oj2lapA20
響「相変わらず、電の髪はふわふわしてて気持ちがいいね」ナデナデ

電「響の髪もサラサラして気持ちいいのです」

響「ふふ、ありがとう」

電「えへへ・・・」

電「・・・」

響「・・・」

電「響・・・ずっと聞きたいことがあったのです」

響「ん?何だい?」

電「響にとって、電は必要な子なのでしょうか。それとも」

響「大切な妹だよ」

電「・・・あの日」

電「あの日にはもう、響は司令官が好きだったのですか?」

響「・・・さぁね。嫌いではなかったよ」

電「そう、なのですか・・・」

響「電はどうなんだ?」

電「・・・電は・・・」

528: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/05(金) 01:27:56.46 ID:oj2lapA20
電「・・・」

響「電?」

電「スー・・・」

響「ふむ。寝てしまったか」

響「また、増えてきたね・・・」

響(電は、呪われてからというもの。悪夢を見やすくなったと言っていた)

響(それで、不安だからと私と一緒に寝ることも少なくない)

響「・・・」ナデナデ

響「寝ている間に、悪夢を見せ、不安の種を育む呪い・・・なのかな」

響(轟沈したら、沈み行く中で、成長した不安の種が負の感情を増長させ)

響(目が覚めたときは・・・全てが変わっているのかな?)

電「響・・・大好きなのです・・・」ムニャ

響「・・・私もだ電」

電「・・・」スヤスヤ

532: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 12:43:35.47 ID:eIxa5ope0
響「・・・」サワッ

電「ん・・・」

響(電の脇腹は相変わらず、ほんのり冷たい)

響(司令官に悪夢のことや、この色が変わった肌が冷たい事は電に口止めされていたんだっけな・・・)

響「いつまでも黙っているわけにはいかないだろ・・・」

響「司令官も大切だが・・・電、君も大切なんだ・・・」ボソッ

響「・・・一歩踏み出さないと・・・ね」

533: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 12:50:00.94 ID:eIxa5ope0
翌朝

電「おはようなのです!司令官さん!」

提督「ん?ああ」

提督「今日は、やけに元気だな」

電「はいなのです!今日は絶好調なのです!」

響「おはよう。司令官。朝から悪いんだけど、少し、話があるんだ」

提督「ああ」

提督「今日は忙しいから、夜でもいいか?」

響「すぐに終わる。早めに耳に入れておきたいんだ」

響(もう遅すぎるくらいの情報だけど)

提督「・・・そうか。では、聞こうか?」

534: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 12:59:17.93 ID:eIxa5ope0
数分後

電「ひ、響!どうして今更そんな・・・!?」

提督「・・・それは、いつからの話だ?」

響「結構前からだ。昨日も、一緒に寝た」

電「約束が違うのです!司令官さんには黙ってて欲しいと言ったはずなのです!!」

響「うん。そうだね」

提督「どうして、黙ってた?」

響「もちろん、話さないと約束したからだ」

響「だけど、悪夢を見る日数が少しずつ多くなっている。私だけでは手に負えない」

提督「そうか。では、電はどうして黙っていた?」

電「あぅ・・・その・・・」

響「・・・司令官」

提督「響、これは電から聞きたい。電自身の危機をどうして放置したかを」

響(ふむ、少し怒っているな)

535: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:07:49.26 ID:eIxa5ope0
電「し、司令官さんの負担を減らしたかったのです・・・」

提督「・・・は?」

電「ただでさえ司令官さんは自分のお悩みや他の子達の相談で頭を使ってばかりなのです!」

電「だから、せめて電の事を気にかける負担を減らしたくて・・・」

電「本当にちょっとだけかもしれませんけど!それでも!」

電「司令官さん負担を減らしたかったのです!少しでも!」

電「少しでも・・・お役に立ちたかったのです・・・」ウルッ

提督「・・・はぁ・・・呆れてものも言えんな・・・」

響「・・・司令官、その言い方はあんまりじゃないか?電だって・・・」

提督「・・・電、私が、一度でも弱音を吐いたことがあるか?」

電「ぐすっ・・・あるのです」

響(バッサリだな)

提督「・・・言い方を変えよう。お前たちの事で、だ」

536: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:15:41.64 ID:eIxa5ope0
提督「お前たちの悩みをどう解決するか。私は考え、常に頭を使っている」

提督「深刻な悩みから、くだらないものまで」

提督「だが、苦に思ったことは一度もない」

提督「お前たちの悩みを解決する事が、私の存在する役目だ」

電「・・・でも」

提督「確かに、無茶をすることだってある。徹夜して寝不足な時もある」

提督「だが、お前たちのためだと思うと、私は頑張れる」

提督「・・・臭い言葉を次々言うのは少々恥ずかしいな・・・」

響「・・・私達は、司令官の役に立てているのか?」

提督「何を言う。お前たちが無事で出撃や遠征から帰って来るだけで、少しでも元気になるんだ」

提督「それに、お前たちがいなければ、私はここにはいられないんだ」

提督「そうだろう?指揮する相手がいなければ、私は必要ないんだ」

537: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:23:16.73 ID:eIxa5ope0
提督「もっとも、そんな世の中になればいいんだがな」

電「でも・・・電は出撃などはあまりさせてもらえないのです・・・」

提督「もし、出撃先で悪化したら困るだろ?私が」

提督「心配なんだ。それに、お前はお前の出来ることをやっている」

提督「お前が手入れしてくれるおかげで畑の野菜は美味い。鳳翔もいつも褒めている」

提督「それに・・・な」

提督「おそらく、この鎮守府で働いてくれているのはお前だ。それだけは、私が保証する」

電「そうなのですか・・・?電は、役立たずではないのですかっ!?」

提督「ああ・・・」

提督「だが、これだけは言っておく。悩みがあるならすぐに言ってくれ」

提督「お前たちの悩みを一緒に悩むのは私の仕事だ。だから抱え込むのはやめてくれ」ナデナデ

電「・・・はいなのです」ニコッ

響「・・・ふふ」

響(もっと早く、相談すれば良かったかな?)

538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:33:14.71 ID:eIxa5ope0
響「そういうことなら司令官。少し相談事なんだが」

提督「・・・なんだ?」

響「胸が大きくなるには、好きな人に揉まれるのが手っ取り早いと聞いたんだが」

提督「・・・」

響「・・・」

響「昨日、電のを触った感じ的に大きくなっていた」

電「い、いつ触ったのですか!?」

提督「・・・」

響「それでなんだが司令官」

提督「電同様、牛乳でも毎日飲むんだな」

響「・・・好きな人に」

提督「電、そろそろ仕事を始めるぞ」

電「はいなのです!」

響(ダメか)

539: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:43:50.17 ID:eIxa5ope0
三番ドック

三日月「おはようございます朝潮ちゃん」

朝潮「おはようございます三日月ちゃん」

三日月「朝御飯持ってきたから一緒に食べませんか?」

朝潮「はい!喜んで」

望月「二人共堅すぎ!もっと砕けた感じで話せばいいのに」

三日月「も、望月ちゃん!?いつの間に?」

望月「いやー一応面識あるみたいだし挨拶だけでもーと思ってさー」

朝潮「望月さん。お久しぶりです」

望月「よっ」

望月「あはは、呼び捨てでいいよー。さん付けとかすげー居心地悪いからさぁ」

望月「というわけで、なんとなく二人と気の合いそうな子連れてきといたよ」

朝潮「えっ?」

540: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 13:59:49.31 ID:eIxa5ope0
鈴谷「はいはいー入って入ってー」

初霜「ちょっと押さないでってば!な、何?どうしてドックなんかに・・・」

望月「うちのもう一人の真面目な黒髪ちゃんです」

初霜「あ、もしかして、あなたが朝潮さんですね!初めまして!」

朝潮「初めまして・・・えっと・・・」

初霜「私は初霜って言うの」

三日月「そう言えば、あんまり話したことなかったなぁ・・・」

初霜「あまり会わないものね。でも、ゆっくり話してみたかったんだ」

朝潮「・・・」


鈴谷「いやー似てるねぇ」

望月「似たもの同士だねぇ」

鈴谷「正統派な真面目と負けず嫌いな真面目と元気っ娘な真面目だね」

望月「あはは、黒髪ロングの駆逐艦は真面目揃いだなぁ」

長波「ん?こんなところで何してんだ?」

望月「前言撤回」

546: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 21:59:53.06 ID:34goaT0k0
木曾「朝潮が居るのはここだったか?」

朝潮「はい?えっと・・・」

木曾「木曾だ。まぁ、呼び捨てで構わないぞ」

望月「あれ、今日はマントとかしてないんだね」

木曾「ああ、非番だからな。それにしても、本当に目の色が変わってるんだな」

木曾「どうだ?見られるのが嫌なら俺の眼帯をやろうか?」

朝潮「えっ・・・でも」

木曾「安心しろ。新品だ」

朝潮「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

木曾「そうか。菊月は喜んでくれたんだがな」




長月「どうした?その眼帯」

菊月「これは外すことはできん。皆に伝染ると厄介な代物なのでな・・・」

菊月「こうして封印している」

長月「・・・ものもらいか」

菊月「・・・うん」

547: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 22:05:03.32 ID:34goaT0k0
木曾「さて、朝潮」

朝潮「はい?」

木曾「歩けそうか?」

朝潮「・・・どうでしょう」

木曾「無理はしなくていい」

木曾「ここで一緒に過ごすことになるんだ。鎮守府内の案内をしようかと思ったんだが」

朝潮「そうなんですか?それじゃあ・・・」バサッ

三日月「無理しなくていいからね?もう少し体休めても・・・」

朝潮「きっと大丈夫ですよ。リハビリにもなりますから・・・」

朝潮「・・・よっと・・・」グッ

朝潮「あ・・・」フラッ

木曾「おっと・・・大丈夫か?」ギュッ

朝潮「あ、ありがとうございます」

鈴谷「さりげなく抱きとめる辺りがイケメンだね」

望月「そうだね」

初霜「ちょっと羨ましい・・・」

548: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 22:09:24.32 ID:34goaT0k0
木曾「歩くのは少し無理そうだな・・・」

朝潮「すみません・・・」

木曾「おんぶするか」

朝潮「えっ!?」

木曾「・・・しょっと」

朝潮「えっ!わっ!ちょっと!いいですってば!重いでしょうし!」

木曾「全然重くねーよ。軽い軽い」

朝潮「ですが・・・このまま出るのは恥ずかしいと言うかその・・・」

木曾「そうか・・・じゃあ、ベッドに下ろすぞ」

朝潮「あ・・・でも・・・その・・・」

木曾「ん?どうした」

朝潮「と、トイレにだけ、連れてってもらえませんか・・・?」

木曾「・・・ああ、いいぞ。しっかりつかまってろよ」

549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 22:14:19.04 ID:34goaT0k0
鈴谷「ありゃ、行っちゃったね」

望月「まぁ、いいんじゃない?」

三日月「あはは・・・数日、体動かせなかったから余計だよね」

初霜「その間、トイレってどうしてたの?」

三日月「えっ?もちろん私が処理してたんだけど?」

鈴谷「さりげなくすごいこと言ってるね」ボソッ

初霜「ね」ボソッ

望月「三日月姉ってちゃっかりすごいことしてるよね」

三日月「え?なんで?」

鈴谷「あはは、朝潮ちゃん恥ずかしかっただろうね」

望月「緊急事態だったし仕方ないよ」

三日月「え?」キョトン

550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 22:20:29.00 ID:34goaT0k0
三日月を筆頭に

皆が接することにより

徐々に朝潮が心を開いていった

そして週末

提督「ふぅ・・・」ボーッ

提督「電、あとは頼んだ。私は出かけてくる」

電「だ、大丈夫なのですか?すごい熱なのです」ピタッ

提督「ああ、大丈夫だ」

響「無理は体に悪いよ。もうすでに手遅れみたいだけど」

提督「これくらいなら大丈夫だ」

提督「出撃の予定もある。電の指示に従ってくれ」

陸奥「はいはい」

提督「それではな」

551: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 22:26:22.09 ID:34goaT0k0
川内型の部屋

金剛「今日は提督の帰りが遅い日デス」

加賀「最近色々なことがあって作戦が取れない状況でしたので、再び案を練りましょう」

雷「でもやれることはやったわよ?どうするの?」

金剛「サプラーイズを決行しマス」

利根「提督が帰って来る前に色々な準備が必要じゃな。しかし何をしようか」

川内「ふあーぁ・・・今日はやめといた方がいいんじゃないかな?」

加賀「どうして?」

川内「今日の提督、調子悪そうだったよ?」

利根「そんなことより、布団から出たらどうじゃ?」

川内「私の部屋でやるのが悪いの。私は眠いから寝るけど、あんまり騒がないでね」

川内「それと、今日やるのはおすすめできないから」

川内「それだけ言っとく。それじゃあおやすみ」

加賀「どういう意味かしら?」

雷「でも、今日体調悪そうだったのは本当よ?響と電も言ってたもの」

金剛「んーなかなかチャンスが来ないデスね・・・」

556: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 18:43:47.51 ID:rMRuTP5g0
ガチャ

響「寝てる・・・川内、今日は出撃の予定あっただろう」

川内「あれ?そうだっけ」

響「電が呼んでいる。加賀もだ」

加賀「提督がいないのに?」

響「電が司令官の仕事を任されたからね」

響「それより、司令官に何かするつもりなのかい?」

金剛「oh・・・察しが良すぎるね・・・」

響「今日はダメだよ。司令官は熱が出ているようだったから」

雷「それで、辛そうだった?」

響「司令官は大丈夫だと言っていたが、痩せ我慢だろうな」

響「さて、そろそろ時間だ。もう他の四人は集まっている」

加賀「仕方ないわね・・・」

川内「・・・」

557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 18:49:48.09 ID:rMRuTP5g0
電「今日は司令官がいないので慎重にお願いするのです」

霧島「ええ、それじゃあ行くわよ」

大井「気が乗らないわね」

北上「まぁまぁ」

磯風「・・・」

加賀(提督の顔を見れないのは寂しいものね)

川内「夜戦するよね?」

霧島「慎重にって言ってるのにそれはないでしょ?」

川内「だよねー」

558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 18:56:54.05 ID:rMRuTP5g0
電「えっと・・・皆さんが出撃に行ってる間に、鳳翔さんと買い物に行ってくるのです」

響「私も付き合おうか?」

電「お願いできるのですか?」

響「いいよ。今日は特に用事ないから」

電「えへへ、ありがとうなのです。今日は色々買うものがあるので二人じゃ心細かったのです」

響「ああ、なら早めに行くのかい?」

電「鳳翔さんが少しやることがあると言っていたのでそのあとに」

電「それまで畑のお手入れでもしてくるのです」

響「そうか。それじゃあ私は少し鎮守府の見回りでもしてくる」

響「行くときになったら呼んでくれ」

電「はいなのです!」

559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:04:42.04 ID:rMRuTP5g0
講習の会場

提友「よう。遅かったな」

提督「出るときに少し響に絡まれてな」

新人「提督さん!こんにちは!」

提督「ああ」

提友「ところで今日の講習はなんだ?」

提督「さぁな」

新人「いつもはどのような講習をしているんですか?」

提友「くだらないことばっかりだよ」

提督「いつもお前寝てるだろ」

提友「まぁな」

新人「最低ですね」

提友「ひどい」

提督「そろそろ時間だ」

560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:14:54.70 ID:rMRuTP5g0
講習中

新人(客船が一隻、深海棲艦達に沈められてる映像を見てるだけ)

新人(時折映像を止めて、説明している人が居るけど)

新人(正直、この講習になんの意味があるかわからない)

新人「・・・」チラッ

提督「・・・」

新人(こんな講習も真面目に聞いている提督さん素敵だなぁ・・・)ポッ

提友「グー・・・」

新人「はぁ・・・なんで提督さんの隣じゃないんだろ・・・」

新人「この男は案の定寝てるし・・・」

561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:21:56.97 ID:rMRuTP5g0
一時間後

講習の終わり

提督「・・・」

新人「お疲れ様です提督さん!」

新人(ちょっと大胆に上着のボタンを外して 間アピール!ちょっと恥ずかしいけど)

提督「・・・ボタンはきちんと閉めろ」グイッ

新人「あっ」

提督「ただでさえ、男ばかりなのだからな」

提督「・・・私は、早めに帰らねばならん。それではな」

新人「・・・あ、ありがとうございます・・・」

提友「んー!よく寝た」

新人「・・・」ポーッ

提友「どうした?」

新人「提督さんに胸のボタン閉めてもらっちゃいました!」パァ

提友「何やってんだ」

562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:29:25.09 ID:rMRuTP5g0
新人「あんなことナチュラルにできるなんて・・・」

提友「・・・俺がやったらセクハラなんだろ?」

新人「ビンタものですね」

提友「そうかい・・・ところで、あいつ様子おかしくなかったか?」

新人「そうですか?いつもどおりかっこよかったですけど」

提友「んー?どこか様子がおかしかったような・・・そう言えば、今日の講習なんだった?」

新人「覚えてないんですか?覚えてないですよね」

提友「おうよ!」

新人「そんな自信満々に言う事じゃないです」

新人「えーっとですね・・・一隻の客船が深海棲艦達の攻撃で沈んだ映像を見せられただけですね」

提友「客船・・・深海棲艦の攻撃・・・?」

提友「・・・もしかして」

新人「どうしたんですか?バカみたいな顔して」

提友「お前、俺のこと嫌いだろ」

新人「好きではないです」

563: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:40:28.25 ID:rMRuTP5g0
提友「・・・まぁ考えても無駄だな」

新人「はぁ・・・。うわぁ・・・雨降り始めましたよ」

提友「あいつ、傘持ってたか?」

新人「持ってませんでしたね・・・大丈夫ですかね」

提友「俺も傘忘れたんだよなぁ」

新人「私も持ってきてませんよ」

提友「あれ、出入り口のところに居るのって・・・」

新人「愛宕と翔鶴さん?」

提友「傘、持ってきてくれたみたいだな」

新人「帰りますか」

提友「ああ、そうしよう」

564: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:51:15.93 ID:rMRuTP5g0
翔鶴「もう、朝から雨の予報が出てたのに傘も持たずに行ってしまうんですから」

提友「ああ、悪い悪い」

翔鶴「どうぞ」

提友「いや、一本でいいよ。相合傘なんて魅力的だろ?」

翔鶴「もう・・・肩が濡れてしまいますよ」

提友「構わんさ」

提友「ああ・・・そうだ。帰り道、ちょっとタバコ買ってもいいか?」

提友「公園も寄って行こう」

翔鶴「・・・どうしたんですか?」

提友「いや、特に理由はない」

565: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 19:57:52.44 ID:rMRuTP5g0
公園

提友「あそこのベンチに座ろう」

翔鶴「でも、お尻が濡れちゃいますよ?」

提友「よっと」ヌギッ

バシャッ

翔鶴「あの・・・上着が・・・」

提友「いいんだよ。女のケツを●●すのはウォシュレットと男の  だけで十分だ」

翔鶴「・・・」

提友「っと・・・」

シュボッ

翔鶴「・・・普段、タバコなんか吸わないのに、何があったんですか?」

提友「なんだ。よくわかってるじゃないか」

翔鶴「あなたの秘書官になってから、ずっとあなたの側にいたんです。それくらいわかりますよ」

566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 20:24:31.08 ID:rMRuTP5g0
提友「ふぅー・・・ちょっとな」

提友「・・・友人の力になれないのが悲しくてな」

翔鶴「そうですか」

提友「あいつは俺の事をたくさん助けてくれた。それの恩返しも出来ないんだ」

提友「俺は見ての通り女好きだ。だから、たくさんの女に騙されてきた」

提友「そのたびに慰めてくれた。突き放した言い方だったがな」クシャッ

提友「女を信用出来なくはなったけどな」

翔鶴「・・・」

提友「・・・さて、そろそろ行くか」

提友「悪いな。時間をとらせたな」

翔鶴「いえ、提督のためなら」

提友「そうか・・・」

翔鶴「その、握りつぶしたタバコは・・・」

提友「タバコを吸うのは、辛い時だけだからな・・・いらない」ポイッ

翔鶴「それがいいです。健康に悪いですから」

提友「それに、吸うなら女の匂いの方がいい」

翔鶴「もう!」

567: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 20:32:36.84 ID:rMRuTP5g0
執務室

提督「・・・これは、どういうことだ?」

大井「・・・」

磯風「・・・」

北上「あの、提督、これはね」

川内(タイミングが悪かったね・・・まさか提督が戻ってくるとはね)

加賀(大井、磯風が大破・・・そして、そのまま進撃した)

霧島(これは大目玉よね)

川内「大井と磯風が、旗艦である霧島の話を聞かずに特攻、それを追いかけて進撃する形になった」

提督「それは、本当だな?」

大井「・・・はい」

磯風「ああ」

568: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 20:56:51.30 ID:rMRuTP5g0
提督「何故そんな無茶をした。間違ったら沈んでいたのかもしれないんだぞ」

大井「そんなこと・・・わかってるわよ・・・」

磯風「・・・」

提督「応急処理要員を居るにしてもこんな無茶するなら、それなりの理由があるんだろうな?」

大井「提督が・・・提督が悪いんですよ!」

大井「提督が・・・提督業を辞めさせられるかもしれないのにジッとなんかしてられなかったの!!」

提督「ふざけるな!!」

バン!!

一同「っ!」ビクッ

提督「私の為に命を粗末にしようとするな!!」

大井「て、提督の為じゃない!私の為よ!!」

大井「私はあなたの下以外で働きたくないのよ!!」

569: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 21:02:44.53 ID:rMRuTP5g0
磯風「磯風も同じだ。磯風達だけじゃない。ほとんどの艦娘がそう思っているはずだ」

提督「・・・そんな理由で、命を捨てるような事をしていいと思っているのか?」

大井「私は・・・っ!」

提督「・・・」

大井「もう・・・いいです・・・」タッ

北上「あっ!大井っち!」

磯風「はぁ・・・わからず屋にも程がある。どれだけの艦娘に慕われているか。自覚したほうがいいな」

磯風「では」

北上「ちょっと!?」

川内「それじゃ、私は部屋で寝るね」

提督「・・・もう下がれ。部屋で待機しろ」

570: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 21:07:07.77 ID:rMRuTP5g0
北上「ちょっと提督?いくらなんでも・・・」

提督「いいから、下がれ」

北上「話を聞いてくれてもいいんじゃないの?」

提督「下がれと言っている・・・」

霧島「司令」

加賀「提督」

提督「下がれっ!!」

三人「っ!」ビクッ

北上「・・・少し、見損なったよ。提督」タッ

霧島「・・・はい」

加賀「・・・提督」

571: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/11(木) 21:14:02.30 ID:rMRuTP5g0
提督「ああ・・・加賀、あの二人に入渠するよう言っておいてくれ」

加賀「・・・あの」

提督「何も言うな。早く下がってくれ」

加賀「・・・はい」

提督「・・・」フラッ



金剛「oh・・・今日の提督、機嫌が悪すぎマスね・・・」

雷「様子がおかしくない・・・?」

利根「明らかにおかしいな」

摩耶「い、今すごい怒鳴り声が聞こえたんだけど・・・」

ドサっ

雷「司令官!!」

金剛「提督が倒れまシタ!!誰かドクター!!」

利根「摩耶!医者に連絡するんじゃ!!吾輩達は提督を部屋に運び込むぞ!!」

摩耶「お、おう!」

金剛「イヤー!」

576: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:22:28.15 ID:+aVTDfcf0
『ごめん。私にはやっぱり我慢できない』

『二人の子供が助けられるなら・・・私は自分を』

『あなたを、愛していた』





提督(体が重い・・・うっ・・・)

提督「ん・・・」

卯月「落書きするピョン!」

文月「えへへー変な顔にしちゃえー」

???「おうガキ共、いたずらしてんじゃねーよ」

卯月「うわっやばい!逃げるピョン」

文月「ひー!」

???「ったく・・・」

577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:29:18.63 ID:+aVTDfcf0
???「はぁ・・・なんであたしがこんな事しなきゃならねーんだよ・・・」

提督「・・・摩耶か?」

摩耶「うおっ!びっくりした・・・目ぇ覚ましたのか」

提督「ぐっ・・・」

摩耶「おいおい、無茶すんな」

提督「私は・・・何をしていた」

摩耶「出撃から帰ってきた連中を戻したあとぶっ倒れた」

提督「そうか・・・それで、この頭の包帯は?」

摩耶「来た医者がつけてった」

摩耶「頭を怪我してるようだったんで手当をしてやって置いたぞってニヤニヤしながら」

提督「ああ、誰だかわかった・・・昔から私の事を見てくれている医者だ」

578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:35:13.39 ID:+aVTDfcf0
提督「それにしても、お前が私の看病とはな・・・」

摩耶「あたしだって嫌だっつーの・・・ただ」

摩耶「あんたが丸一日寝てる間に大変だったんだからな」

提督「一日も寝ていたか」

摩耶「あんたに変なことしないあたしが適任だとさ」

提督「・・・何かあったのか?」

摩耶「数人ほど、目を覚まさないからとあんたにキスしようとした輩が出てきたから」

摩耶「お姫様のキスで呪いが解かれるかも知れない!つって」

提督「・・・」

摩耶「腹減ってんだろ。リンゴくらいなら切ってやれるぞ」

提督「・・・大丈夫か?」

摩耶「馬鹿にしてんのか」

579: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:42:53.62 ID:+aVTDfcf0
摩耶「・・・」シャリシャリ

摩耶「まぁ・・・話は聞いたぞ。大井と磯風に怒鳴りつけたんだってな」

提督「ああ・・・」

摩耶「あの二人も悪気があったわけじゃねーと思うぞ」

提督「わかっている。今からでも、謝りに行きたいんだが」

提督「それは、無理なんだろ」

摩耶「ご明察。他の連中から安静にさせとけと言われてる」

提督「・・・」

摩耶「あんたに悪気がないってのも、理解してる」

摩耶「大井と磯風の言い分はあたしも同意だ」

摩耶「あたしはあんたの下以外で働きたくわねぇ。怖いとか言う感情もあるけどな」

摩耶「それ以上に優しいってのは知ってるし」

摩耶「怖いから、あんたを理解出来ない奴があたし含めて大半が思ってることだよ」

摩耶「でも、役に立ちたいとは思ってる。皆そう言ってる」

摩耶「それだけは言っておくぞ」

摩耶「まぁ、あたしは思ってないけどな!」

580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:48:42.72 ID:+aVTDfcf0
摩耶「ほらよ。剥けたぜ」

提督「・・・お前、包丁の使い方出来るんだな」

摩耶「あたしだって努力してんだ」

摩耶「といっても、いざという時にリンゴぐらい剥けないと嫁の貰い手ないぞって言われて頑張ってるだけなんだけどな」

提督「高雄にか?」

摩耶「おう」

提督「・・・結婚したいのか?」

摩耶「まだ先の話だろ?相手もいねーし。綺麗なウェディングドレスは着てみたい・・・かなぁ?ぐらいにしか思ってないけど」

提督「お前も、女の子だったんだな」

摩耶「うっせーよ!悪いかよ!」

提督「怒るな。ただ、可愛いなと思っただけだ」ニコッ

摩耶「なっ・・・!」キュンッ

摩耶「熱があっておかしくなってんじゃねーかっ!?///」

提督「いつも通りだ」

摩耶(柄にも無くときめいちまったじゃねーか!!)

581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:54:17.36 ID:+aVTDfcf0
摩耶「そ、そんなことより!どうして、普段、表情なんか隠してんだ?」

摩耶「今の笑顔・・・すゲー魅力的だったのに・・・」ボソッ

提督「・・・熱が上がって少し辛くなってきた。少し寝たい」

摩耶「・・・ああ、そうしろ。一応、目が覚めたと他の連中に言っておくからな」

提督「そうしてくれ」

摩耶(なんか辛いことでもあったのか?これ以上追求するのも野暮ってもんかな・・・)



廊下

摩耶「・・・」ボーッ

摩耶(くそが!!提督の笑顔が頭から離れねぇ!!!)ガンガン

三日月「ちょっ!いきなり壁に頭を打ち付けてどうしたんですか!?」

朝潮「ストップですストップ!」

摩耶「大丈夫だ!今ちょっと混乱してるだけだ!!」

三日月「一緒に抑えて朝潮!」

朝潮「うん!」

582: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:58:34.87 ID:+aVTDfcf0
提督「嫌な・・・夢を見た」

提督「忘れよう・・・」

提督(色々な見舞い品が来てるな・・・)

青葉「青葉!参上!」

提督「ノックぐらいしろ」

青葉「提友さんからお見舞いです」

提督「なんだ?」

青葉「メロンが二つなんですけど・・・その二つがブラジャーに入ってました」

青葉「これってどういう・・・」

提督「・・・気にするな。あいつはそういうやつだ」

青葉「はぁ・・・」

青葉(と、装いつつ定期隠しカメラ回収!今回は期待します!スクープになりますよ!)

583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 22:03:18.81 ID:+aVTDfcf0
提督「・・・」

青葉「そう言えば、K司令官だったかな?が来てましたね」

提督「何をしに?」

青葉「また後日来ると言っていました」

提督「・・・」

提督(今度は何を企んでいる・・・?)

青葉「・・・」

青葉(何か考え込んでいるうちに回収回収・・・)

青葉「それでは私はこれで」

提督「ああ」

588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 11:29:54.73 ID:ZUcrF0f80
響「司令官、よかった。目を覚ましたんだね」

提督「響か」

響「そう言えばさっき、摩耶を三日月と朝潮が押さえつけてたけど、何かあった?」

提督「・・・いや?」

響「そう」

提督「それより、青葉から聞いたんだが、Kの奴がきたらしいな」

響「ああ、来てたよ。昨日のことだから、もしかしたら今日また来るかもね」

響「そのときはどうする?」

提督「・・・通して構わんが、極力、朝潮には会わせるな。声も聞かせてはいけない」

提督「難しいかもしれないが、頼むぞ」

提督「それと・・・出来る限り、初霜と三日月、どちらかを朝潮の側に居させてやれ」

響「了解」

589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 11:35:38.51 ID:ZUcrF0f80
提督「もう一つ聞いて欲しいことがある。大井と、磯風を呼んではくれないか?」

提督「私から出向く方がいいんだが」

響「安静」

提督「お前たちが動かさしてはくれなさそうだからな・・・」

響「わかった・・・でも、謝ったってそう簡単には行かないと思うよ」

響「謝った所で、納得出来る理由がないと、誰も聞き入れはしないだろう」

提督「・・・納得させる理由はない・・・」

提督「申し訳ないが、これは私のエゴだ」

響「・・・私も知らないことかい?」

提督「ああ・・・私の妻の事だ」

響「そう・・・いつか、聞かせてもらえたらいいな」

提督「・・・どうしても今知りたいと思うのなら、電に聞けばいい」

提督「あの子なら、知っている」

590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 11:40:56.60 ID:ZUcrF0f80
響「司令官、私はあなたが考えている事がよくわからない」

提督「すまない」

響「でも、最初の頃に、たった一度だけ見せてくれた笑顔に、嘘はないと思ってる」

響「だから、信じてる」

響「・・・それじゃ、二人を呼んでくるよ」

提督「・・・お前の前で笑顔を見せたことなんてあったか?」

響「私の前では・・・ないかな」

提督「そうか」

響「うん、それじゃ」

提督「ああ」

591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 11:54:19.07 ID:ZUcrF0f80
提督「昨日・・・だったか。怒鳴ってすまなかった」

大井「・・・」

磯風「・・・」

提督「どうして怒鳴ってしまったか・・・言い訳はしない」

提督「お前たちが命令違反したところで、私は無事に帰ってきてくれさえすればそれでいい」

提督「そう思っている」

磯風「納得いかない。それならば、敵を沈める事を抑制される意味がわからない」

提督「・・・それは、すまないが、私のエゴによるものだ」

磯風「エゴだとっ!?ふざけるのもいい加減にしろ!!」

磯風「磯風達は兵器だ!戦う事でしか役に立てない兵器なんだぞ!」

磯風「戦いで功績を上げられないのなら、生きている価値がない!」

磯風「敵艦を沈めて、仲間を守って、それで勝ってこそ、生きてる価値があるんだ!」

磯風「そんなことも忘れたのか・・・司令」

大井「・・・敵艦を沈めてはいけない・・・そう、提督は言っていましたね」

大井「どうしてですか?」

592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 12:02:11.98 ID:ZUcrF0f80
提督「・・・納得出来る理由ではないぞ」

大井「それでも、聞かせてください」

提督「そうか。では話そう」

提督「その前に、磯風」

磯風「なんだ」

提督「お前たちは兵器ではない。私の娘だ」

磯風「司令の娘になった覚えはないぞ」

提督「私が勝手にそう思っているだけだ。娘達には、幸せになって欲しい」

提督「だから、兵器なんて言葉はもう使うな」

磯風「なぜだ」

提督「心を持った兵器は、存在しない」

提督「感情を持った兵器は、存在しない」

提督「一緒に居るだけで心が温まる兵器は、存在しない」

磯風「・・・ふん」

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 12:11:00.65 ID:ZUcrF0f80
提督「それでは、理由を話す」

提督「といっても、そう難しいことではない」

提督「・・・私の妻は事故で死んだ」

提督「ニュースや雑誌の情報によると、深海棲艦によって、船底に大きな穴を作られた船が沈んだ」

提督「その時、妻も一緒に船と・・・」

提督「だから、敵艦であろうと、沈むと言う事自体、認めたくないんだ」

提督「深海棲艦だって生きているはずだ」

大井「おかしくないですか?何故それでしたら、余計、敵を全滅を考えると思います」

大井「私だったらかもしれませんけど」

提督「・・・その時、私と妻は新婚旅行へと言っていた。娘は姉さんに預けて」

提督「姉さんに新婚旅行ぐらい行けと言われ半ば強引だったが」

磯風「・・・司令も、その船に乗っていたということか?」

提督「ああ・・・私が助かった理由は簡単だ。救命ボートと救助が来てたからだ」

提督「だが、何せ客船だ。乗客も多い」

提督「妻は、間に合わず助からなかったんだ」

594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/16(火) 12:20:43.42 ID:ZUcrF0f80
提督「私とともにボートに一度は乗ったものの。二人の子供と引き換えに妻は一人、沈みゆく船にまた乗った」

提督「・・・昨日、講習会で見せられた映像は、その時のものだった」

提督「乗客の誰かが撮影したものらしい」

提督「それをあたかも深海棲艦が沈めた様にニュースや新聞の記事は書かれ、講習会では教えられた」

磯風「あたかも・・・だと?」

大井「どういうことですか?」

提督「その沈没の原因は、深海棲艦達ではない」

提督「深海棲艦達は遠目にこちらを見ているだけだった」

提督「デッキに出て深海棲艦の動きをこの目で見ていた。間違いない」

大井「・・・」

磯風「・・・」

提督「沈む事で消える命は、これ以上は増やしたくないんだ」

提督「それが、理由の一つだ」

大井「一つじゃないんですか?」

提督「ああ・・・もう一つは・・・」

603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 10:01:40.98 ID:SwZEFNF/0
提督「・・・もう一つに関しては電の許可がいる。電を呼んでくれ」

大井「え・・・電ちゃんに呼ばなきゃいけないの・・・」

提督「どうした?嫌なのか?」

大井「いえ・・・その・・・昨日はこってりお説教をされたので・・・」

磯風「お前もか・・・」

大井「会いたくないわけじゃないけど顔を会わせづらいというか」

磯風「そうだな・・・」

磯風「だが、磯風達がわがままを言っている場合ではないな。呼んでこよう」

大井「ちょっと行ってきますね」

提督「ああ」

提督(やたら張り切ってたんだな。電)

604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 10:17:13.30 ID:SwZEFNF/0
響の部屋

電「ということなのです」

響「ふむ・・・なるほど」

響「優しいだけかと思ったけど、そんな理由があったんだね」

響「それで、その船はどうして沈んだのかな」

電「司令官さんはあの子達のせいではないと言っているのです」

響「ふむ・・・詳しくは聞いたことがあるの?」

電「えっと・・・司令官さんがあの子達を見ていたら突然、船底付近から爆発音が聞こえたって・・・」

電「爆発したあとすぐ、どこかの鎮守府の艦隊がその子達と戦闘をしだしたようです」

響「爆発音・・・」

電「どう思うのです?」

響「司令官はなんて言ってた?」

電「司令官さんは・・・」

コンコン

電「えっ・・・?今行くのです。ごめんなのです」

響「いやいいよ」

605: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 10:26:08.77 ID:SwZEFNF/0
電「大井さん?磯風さん?どうしたんですか?」

電「お話は終わったのですか?」

大井「えっと・・・それがね。理由の一つが電ちゃんに関係しているって言うから呼びに来たんだけど・・・」

磯風「そういうことだ。同行願えないか?」

電「いいですけど・・・」チラッ

響「構わないよ。一緒に行こう」

磯風「感謝する」

大井「ありがとう」

響「電、話すのか?」

電「司令官に会ってから考えるのです」

響「・・・最近、行動が更に大胆になってきてないか?」

電「きっと誰かに似たのです」キリッ

響「はは、誰だろうな」フイッ

606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 10:45:50.05 ID:SwZEFNF/0
提督の部屋

電「司令官さん!」

提督「電、来たか」

提督「それでなんだが・・・」

電「二人には、奥さんの事話したんですよね?」

提督「ああ」

電「それでしたら、電も吹っ切れるのです!」

電「いつかは、話さなきゃいけないのです」

提督「そうか。それじゃあ」

電「電が話すのです」

大井「・・・」ゴクッ

607: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 11:04:47.31 ID:SwZEFNF/0
電「単刀直入に結論だけ言うのです」

電「電は深海棲艦になりかけているのです。朝潮同様に」

大井「えっ・・・い、いつから?」

電「司令官さんが着任して、すぐの頃なのです」

電「あの頃、司令官さんは初めての事がたくさんあって、寝不足などで、電と響の補給を忘れてしまって」

電「そのまま出撃してしまって、大破、動けなくなった電はそのまま沈みかけたのです」

電「響が傷ついた体で電を引っ張る後ろ姿を最後に、意識が途切れました・・・目が覚めたときにはベッドの上でした」

電「その時の響の後ろ姿がカッコよかったのです・・・っとその話は別として」

電「その時にこの脇腹に・・・」ゴソッ

電「・・・あれ」ヌギッ

提督「電、いくら私しか男が居ないとしても、服を脱ぐのを戸惑わないのはどうかと思うぞ」

電「あ、ごめんなのです。ついいつもの感じで・・・」

提督「待て、その言い方は語弊があるぞ。誤解を受ける。私の前で脱いだことなんてないだろう」

大井「いつの間に電ちゃんと提督はそんな関係に・・・!」ドキドキ

磯風「・・・このことは黙っておこう」

響「それくらいなら私も出来るぞ」ガッ

提督「脱ごうとするな」

608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 11:12:47.93 ID:SwZEFNF/0
電「それより・・・司令官さん!痣が無くなっているのです!!」

提督「・・・何?」

電「やったのです!」ダキッ

提督「おっと・・・良かった。お前が大事にならなくて」ギュッ

提督「それとな・・・電、少し頭がグラッと来た。乗っかるのだけはやめてくれ」

電「あわ、ご、ごめんなのです」

響(私がやると引き剥がすくせに)ムッ

提督「・・・しかし、どうして突然消えたんだろうな」

電「原因はわからないのです・・・」



大井「なんか二人で盛り上がってるみたいだけど・・・本当になってたのかな・・・?」ボソッ

磯風「あの喜び様は、本当だったんだろう」ボソッ

響「本当のことだよ。私が保証する」

609: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/17(水) 11:30:52.93 ID:SwZEFNF/0
提督「原因がわからないのも問題だが、今はとりあえず、喜んでおこう」ナデナデ

電「えへへ・・・」

提督「だけど、まだ完治したとは言い難いな。まだ油断はするな」

電「了解なのです」

提督「それで、話の続きだが・・・」

電「そうなのです。電が沈みかけた事をきっかけに・・・司令官さんは感情を押さえ込み始めました」

提督「それは言うな。今は沈ませない理由を教えてるんだ」

電「そこで、電は約束を取り付けたのです。司令官さん自信無茶をしないこと」

提督(無視か)

電「そして、出来る限り命を大切にしてほしいって・・・」

大井「・・・」

磯風「・・・なるほど。納得できるとは言い難いが、したことにしておこう」

磯風(それにしても、電はずっと司令に乗っかったままだったが、あれでいいのか?一応病人のはずだが)

響「電!」

電「はひっ!?どうしたのですか?」

響「場所を変われ!」

大井(響ちゃんは相変わらずブレないなぁ)クスッ

616: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 12:28:04.23 ID:ZPjPofSs0
響「司令官、これからどうするんだ?」ギュッ

提督「顔が近いぞ響。大井と磯風に話した手前、他の奴にも説明する必要があるだろう」

大井「私達も協力しましょうか?」

提督「そうだな・・・それとなく、青葉の耳に入れといてくれ。すぐに記事になって出回るだろうさ」

磯風「ああ、なるほど」

提督「電もそれでいいか?」

電「はいなのです!」ビシッ

提督「そうか」

提督「最後に二人共、何度も言うが、昨日は怒鳴って悪かった」

磯風「いや、磯風達にも非はある。何か罰を与えてくれ。磯風の気が済まん」

大井「私も、お願いします」

提督「・・・一応命令違反だからな。ちょっとキツめの罰になるが、いいか?」

磯風「構わん」

大井「構いません」

617: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 12:36:59.57 ID:ZPjPofSs0
磯風大井「・・・」ズーンッ

提督「下がっていいぞ」

磯風「ああ・・・」

大井「はい・・・」

響「二人共顔が真っ青だったね」

提督「罰っていうのは罰として以外の目的があってはいけないからな」

電「司令官さんって、普段優しいのに厳しいところは本当に厳しいのです・・・」

提督「まぁ、あいつらが自分で望んだ罰だからな」

響「えげつないな」

提督「と言うか響。いつまで私にくっついているつもりだ」

響「電は引き剥がさないのに私は引き剥がすのか」ジーッ

提督「顔が近いんだお前は。私も男だぞ」

響「Добро пожаловать」

提督「馬鹿者」

618: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 12:42:06.86 ID:ZPjPofSs0
三日月「司令官!」

提督「ああ、三日月か」

三日月「って何してるの響ちゃん!?」

響「逢い引き」

三日月「電ちゃんの前でやってたら逢い引きじゃないよ!?」

響「見られた方が興奮する」

三日月「それじゃあ変態さんだよ!」

電「今更なのです」

提督(意外と知識豊富だな)

619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 12:52:34.82 ID:ZPjPofSs0
響「半分冗談だ」

三日月(どこまでが本気!?)

響「さて、そろそろ装備のメンテナンスする時間だ。後ろ髪を引かれるが仕方ない」

響「それじゃ、ちゃんと安静に」

提督「できる限りな」

三日月「ちゃんとしてください」

朝潮「三日月!おいてかないでよ」

三日月「ごめん。つい」

電「すっかり仲良しさんなのです」

提督「そうだな。微笑ましい限りだ」

提督「朝潮も、元気になったみたいだな」

朝潮「はい!これもみなさんのおかげです!」

提督(相変わらず目の色は変わってないが・・・少しでも明るくなっているならそれでいい)

620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 12:56:12.00 ID:ZPjPofSs0
コンコン

提督「ん?誰だ?」

???「目が覚めたようだな」

朝潮「っ!?」ビクッ

三日月「あ、朝潮?」

提督「・・・三日月、朝潮と一緒に隠れろ。くれぐれも声を出すな」

電「あわわ・・・べ、ベッドの下に隠れるのです!」

朝潮「はぁ・・・はぁ・・・」ジワッ

三日月「え、えっと・・・朝潮!早く!」グイッ

???「入るぞ」

提督「少しだけ待て」

???「あまり待たせるなよ」

621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 13:02:01.84 ID:ZPjPofSs0
提督(一難去ってまた一難か・・・せっかく落ち着けると思ったんだが、タイミングが悪いな)

電「オッケーなのです!」

提督「そうか。入っていいぞ」

ガチャ

K「ふん。待たせるなといっただろう。これでも忙しいんだ」

提督「忙しい奴が私の見舞いなど、らしくないんじゃないか?」

K「お前の見舞いにきたわけじゃない」

K「お前に聞きたいことがあったからここに来ただけだ」

提督「何?」

K「お前が、朝潮を助けたと耳にしてな」

提督「だったらどうした?」

K「この目で確認したいんだが、会わせてくれないか?」

K「出撃してから帰ってこないんだ。心配でな」フフッ

提督(どの口が言うんだか)

622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 13:06:41.25 ID:ZPjPofSs0
「ハッハッハッハッ・・・」

K「・・・なんの音だ?」

電「ハッハッハッハッ!発声練習なのです!」

提督「電・・・他でやれ」

電「司令官さんの前でやりたいのです!」

提督「変態か」

電「否定はしないのです」

K「そうか・・・知らないか・・・なら帰らせてもらう」

提督「二度と来るな」

K「お前には会いたくないからな」

K「それではな」チラッ

K(・・・ベッドの下に二つの影・・・少し見える腕に、見覚えのある傷があるな)

ガチャ

バタン

623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 13:14:44.76 ID:ZPjPofSs0
電「はぁ・・・恥ずかしかったのです」

提督「すまん」

朝潮「ハッハッハッハッハッハッ!」

三日月「司令官!あ、朝潮がすごく苦しそうなんですけど、どうすれば!?」

提督(ひどい過呼吸だ・・・こっちの鎮守府に来てからの落差がひどすぎて、かなりのトラウマになってしまったか)

提督(優しくしすぎたのが間違いだったな)

三日月「司令官!」

提督「三日月、優しく抱き締めて、優しく声をかけろ」

朝潮「フーッ!うぐっ・・・ハッハッハッハッ!」

三日月「えっとー」

提督「頭を自分の胸に優しく寄せるんだ」

624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/18(木) 13:22:19.23 ID:ZPjPofSs0
三日月「こ、こうですか?」

三日月「えー・・・朝潮!大丈夫だから・・・!もうあの人は行っちゃったから!」

三日月「落ち着いて」

提督「朝潮、三日月の心音をよく聞いてゆっくり息を整えろ」

朝潮「ハァ・・・!ハァ・・・!」

提督「そうだ。お前はもう、一人じゃない事を思い出せ」

朝潮「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・はぁ・・・」

三日月(あっという間に落ち着いてきた・・・)ナデナデ

朝潮「ふぅ・・・はぁ・・・」

提督「三日月、もし、仲間が過呼吸を起こしてしまった時には、周りがテンパっていたらダメだ」

提督「こうして、ゆっくりなだめるように、落ち着いて対処すれば、すぐに落ち着く」

提督「少しでも、不安を取り除かないといけないからな」

三日月「はい・・・」

提督(入りたての頃、電に教わった事だがな・・・)

電「・・・」ニヤニヤッ

提督「ええい。そんな顔でこっちを見るな」

636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/19(金) 13:14:28.48 ID:63YWx5iS0
朝潮「はぁ・・・お見苦しい所をお見せしてしまって申し訳ありませんでした」

提督「気にするな。私も危機感がなさすぎた」

三日月「よかった・・・」

朝潮「K司令官の声を聞いた時、体が動かなくて・・・」

提督「怖かったんだな」ナデナデ

朝潮「もう、何も考えられなくなって、三日月の声だけが聞こえて」

提督「・・・もういい」

朝潮「うう・・・」

三日月「・・・」ギュッ

提督(このままではいけない。一歩間違えば日常生活に支障が出るな)

提督(無理に治す必要もないが・・・)

637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/19(金) 13:30:11.06 ID:63YWx5iS0
提督「そう言えば、私に用事があったんじゃないのか?」

三日月「え?あ、目が覚めたと聞いたので、朝潮と一緒に様子を見に来ただけだったんですけど」

提督「・・・そうか」

電「嬉しそうな顔を抑える司令官さんはわかりやすいのです」

提督「電っ」

電「電はこれで退散なのですー!」

ガチャ

パタン

提督「はぁ・・・じゃじゃ馬め」

三日月「電ちゃんってああいう性格じゃなかった気がするんですけど」

提督「全くだな」

ガチャ

初霜「提督!目が覚めたって聞いたけど三日月と朝潮来てませんかっ!?」

朝潮「は、初霜・・・?」

初霜「・・・提督が朝潮泣かしたんですか!?」

提督「・・・ああ」

初霜「えっ」

638: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/19(金) 13:42:12.58 ID:63YWx5iS0
初霜「ああーそういうことですか・・・」

初霜「これから三人で間宮さんのところでアイス食べに行く約束してたんだけど」

朝潮「・・・アイス・・・」

提督「朝潮は、アイスを食べたことないのか?」

朝潮「はい・・・聞いたことはありますけど」

初霜「行きたいならもう少したってから一緒に行こうね。目が真っ赤だよ」

提督「そうか。なら私が連れて行ってやろう」

三日月「ダメです。安静にしてください」

提督(厳しい)

提督「・・・仕方ない。金は私が出そう。食べたいものを食べて来るといい」

三日月「でも」

提督「朝潮はお前たちに任せている。私から出来るサポートはこれくらいだからな」

初霜「ではありがたくもらっておきます。お釣りは後で返しますね」

提督「・・・ああ」

提督(真面目すぎるなぁ)

639: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/19(金) 13:59:56.81 ID:63YWx5iS0
K鎮守府

K「間違いなくあれは俺の朝潮だ」

憲兵「ほう」

K「それで、少し捜査をして欲しいんだ」

憲兵「しかし、近々大きな戦争がある。あまり騒ぎにならないようにしたいんだが」

憲兵「この時期に、戦力を削ぐのはどうかと思うんだが」

K「だが、朝潮は俺にとって大事な子だったんだ」

憲兵「艦娘を大切に思う気持ちもわかるが・・・」

K「近くの鎮守府内だけで解決できるようにしようとは思っている」

憲兵「そうか・・・なら、今度の作戦について話をする場があるはずだ」

憲兵「それまで、調査は自分でしろ。そして証拠という証拠を提示しろ」

憲兵「そしたら、その場で一度だけ取り上げる。もちろん、取り上げる事はあの男にも伝えては置くぞ」

K「はい」

憲兵「それではな」

K「・・・」

K(あいつだけは絶対に貶めてやる)

650: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/23(火) 01:11:49.75 ID:PHsZzt520


鎮守府

コンコン

提督「ん?入っていいぞ」パタンッ

明石「失礼しますー・・・」

提督「どうした?何かあったか?」

明石「いえ、様子を見に来ただけんですけど」

提督「そうか」

明石「お体の方は大丈夫ですか?」

提督「ああ、無理しすぎただけだ。少し休めばすぐに治る」

提督「ただ、日課の筋トレが出来んのが少しこそばゆい」

明石「あ、でしたらストレッチでもしたらどうでしょう」

明石「体をほぐすだけでも・・・」

提督「軽くならもうしている」

明石「あ・・・そうですかー・・・」

651: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/23(火) 01:18:09.27 ID:PHsZzt520
明石「えっと・・・」

提督「・・・どうした」

明石「これ・・・」スッ

提督「これは?」

明石「開けて見てください」

提督「・・・これは・・・指輪か?」

明石「この間、調子に乗っちゃったお詫びに作ってたんです」

明石「練度の高い女の子とケッコンカッコカリが出来る物なんですよ」

明石「ケッコンすればその子のポテンシャルを引き出せます」

明石「ケッコンと言っていますが、所謂婚約指輪です」

提督「データは出ているのか?」

明石「私がもしそうなったらやる気が出るかなって!」グッ

提督「・・・お前の練度はそこまで高くないんだが」

明石「で、でもそこそこですよ!?」

提督「他の子より平均的には低いほうだぞ」

明石「そんな!」

652: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/23(火) 01:25:56.07 ID:PHsZzt520
提督「だが、私には関係の無いことだな」

提督「せっかくもらったものだ。大事に保管はしておこう」

明石「それを使わないなんてとんでもない!」

提督「例え仮だとしても、妻を裏切るような事はしたくない」

明石「どうしてそこまで奥さんにこだわるんですか?」

提督「愛しているからだ・・・それにな。妻のおかげで、表情」

提督「特に笑顔の影響力を知ることが出来たからな」

明石「それってどういう・・・」

提督「・・・どうだったかな。どんな影響力があったか忘れてしまった。もう何年も前の話だ」

明石「提督が喜怒哀楽を隠していた要因ですか?」

提督「・・・」

明石「・・・やっぱりいいです。渡したい物も渡しましたし、それでは」

提督「そうか。それでは、私も読書を再開する」

明石「ああ、それと提督」

提督「なんだ?」

653: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/23(火) 01:34:19.54 ID:PHsZzt520
明石「提督が喜怒哀楽を隠しても、おそらく提督が思う様にはいきませんよ」

提督「どういうことだ」

明石「それを決めるのは人それぞれです」

明石「現に喜怒哀楽を隠してても、私は提督の事そう思っていますから」ニコッ

明石「それだけです。お大事に、何かあったらすぐに言ってくださいね」




提督「・・・思う様にはいかない・・・か」

提督「まったくその通りだな・・・」

提督「だが・・・一人でも多くそう思っていない方がいい」

提督「・・・少し、疲れたな・・・」

提督「もう寝るとしよう・・・」

664: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 00:23:28.80 ID:unEQ0oY00
最上型の部屋

鈴谷「でー?次の作戦はどうするの?」

利根「うーむ。もうやることは全て終わっておるからのう」

雷「お酒で酔わしてみない?」

隼鷹「あーダメダメ。あの人全然酔わねーもん」

鈴谷「そうなん?」

隼鷹「一回だけ飲み比べに付き合ってくれた時さぁ。えっと高雄と那智と鳳翔さんで飲んでてなぁ」

隼鷹「通りすがったんで誘ってみたら付き合ってくれたんだけど」

隼鷹「鳳翔さんが一番お酒強かったんだけど、鳳翔さんが酔いつぶれるレベルの量飲んでもケロッとしてた」

雷「どういう体してるのかしら・・・」

鈴谷「ふーん・・。そう言えばさー」

鈴谷「利根さんはなんでこの計画に参加したの?」

利根「ん?知りたいか?」

鈴谷「いや別に」

利根「なんじゃ」

鈴谷「あらかた筑摩さん絡みだろうなぁとは思ってるから」

利根「むう」

665: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 00:30:28.74 ID:unEQ0oY00
利根「ふむ。あの筑摩が怖がって困るんじゃ」

利根「元気がない筑摩は少し怖い」

鈴谷「自分のためじゃん!」

利根「うむ」

ガチャ

摩耶「おっす」

鈴谷「おっすー。やっと来たー遅いぞ摩耶ー」

摩耶「悪い悪い。風呂入ってたんだよ」

金剛「作戦してるって聞いて私も来たデスよー」

利根「全然思いつかんがのう」

加賀「金剛が強引に」

雷「結局集まっちゃったわね」

666: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 00:40:22.25 ID:unEQ0oY00
金剛「いつの間に鈴谷は摩耶と仲良くなったデスか?」

鈴谷「さぁー」

摩耶「鈴谷は真面目じゃないから一緒に居て居心地がいいんだなぁ」

鈴谷「真面目じゃないとは失礼な。否定はしないけど」

摩耶「ほら、あたしの姉妹は真面目多いから」

鈴谷「まぁね。そんなことより摩耶に聞きたいことがあるんだけど」

摩耶「あん?なんだ?」

鈴谷「初霜ちゃんからの情報なんだけどさー。提督の笑顔見たってマジ?」

一同「っ!?」ガタッ

摩耶「なっ!?」

加賀「詳しく教えなさい」ギロッ

金剛「さぁ詳しく教えてもらうデスよ!」

667: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 00:56:33.32 ID:unEQ0oY00
摩耶「そうだな・・・提督の笑顔っていうか微笑み?」

摩耶「見たときはキュンっとは来たよ。正直」

加賀「おー・・・」

摩耶「・・・んでも、今思うとさ。あれって恋とかのキュンっじゃないんだよ」

摩耶「なんていうか。なんて言えばいいのかな。寡黙な親父の笑顔が見れた時に似た感じかな?」

摩耶「親父いた事ねぇから分かんねぇけど」

金剛「おおー」

鈴谷「・・・」

雷「どうしたの鈴谷!?静かになっちゃったけど」

鈴谷「いや、鈴谷は性的な目でしか見てないから」

加賀「ま、真顔でそういうこというのね・・・」

金剛「・・・加賀ー顔が赤いよ?」

加賀「そ、そんなことないわよ」

鈴谷「ほっぺが真っ赤ですよー?提督の笑顔かアレを想像したのかな?」ツンツン

加賀「頬をつつくのはやめなさい!」

摩耶「・・・なんでそんな笑顔みたいんだ?」

雷「笑った司令官なんて素敵そうじゃない?」

摩耶「まぁ、否定はしないけどな。実際いい顔だったし」

668: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 01:19:00.30 ID:unEQ0oY00
開発班

霧島「採血完了。もう戻っていいわよ電」

電「ありがとうなのです」

霧島「何か異常があったら私か司令に言いなさい」

電「はいなのです!」

夕張「・・・ここはいつから保健室になったんですか?」

霧島「司令から頼まれてるの。肉体的な疲労やダメージは明石の役目だけど」

霧島「艦娘特有の病気だったり、解明されていないことは多いからね」

夕張「その研究を任されてるんですね」

霧島「ええ、だから、電は深海棲艦になりかけてたみたいだから」

夕張「でも、知らなかったんですよね?」

霧島「知らなくても、採血ならしたことあるもの」

霧島「一度、なりかけていたときの血と今の血と深海棲艦の血を比べて見るの」

霧島「違うところがあれば、それが深海棲艦化がなくなっているかどうか見極めることも出来るかもしれないし」

霧島「ふう・・・今日は徹夜ね。夕張、そこの椅子に座ったまま寝てる子と一緒に上がっていいわよ」

島風「スー・・・」スヤスヤ

夕張「島風ちゃん・・・割と真面目なので助かってるんですけどね・・・わかりました。無理はしないでくださいね。おやすみなさい」

霧島「ええ、おやすみ」

674: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 23:56:14.83 ID:unEQ0oY00
数時間後

霧島「・・・そろそろ一息入れようかな・・・外の空気でも吸おう」

霧島「一日研究室に篭ってたら体が痛い・・・」

コンコン

霧島「こんな夜中に誰?」

ガチャ

提督「夜中にすまないな」

霧島「あら、司令じゃない。どうしたの?」

提督「一日寝ていたせいか、なかなか寝れなくてな」

霧島「出歩いて大丈夫?真面目な子に見つかったら大目玉よ」

提督「この時間に起きているのはお前か川内か鳳翔くらいだ」

霧島「それもそうね。体の方は?」

提督「大丈夫だ。そこまで大事じゃない」

霧島「ならいいけど」

675: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 00:03:22.60 ID:t8Y6kU2V0
提督「解析の方はどうだ?」

霧島「まだ時間はかかるわよ。ちょっと前に電の血を取ったところだったし」

提督「徹夜するほどの事じゃない。無理はするな」

霧島「司令こそ」

提督「私はいいんだ」

霧島「また倒れられたら困るんです」

提督「・・・ああ、以後気をつけるとしよう」

霧島「そうして」

霧島「それと・・・昨日はごめんなさい」

提督「なにがだ?」

霧島「私の指揮能力が無いが為、あのような事になってしまって」

提督「・・・いや、お前たちは悪くない」

霧島「私、司令のそういうところが嫌いね」

霧島「私達に甘くするのはいいけど、もう少し厳しくしないといけないわよ」

提督「ああ、その通りだな」

霧島「わかっているなら・・・」

提督「霧島、少し聞きたいことがある」

霧島「・・・はぁ、何?」

678: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:07:38.01 ID:3nXfXBZk0
提督「私の事はどう思っている?」

霧島「告白でもする気?」

提督「して欲しいか?」

霧島「いえ?」

提督「そうか」

霧島「そうねぇ・・・信用できる上司・・・かしらね」

提督「そうか」

霧島「で?突然どうしたの?」

提督「いや、明石に少し気になる事を言われてな」

提督「聞いてみたくなっただけだ」

霧島「どんなことを言われたのよ」

提督「実はな・・・」

679: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:12:23.84 ID:3nXfXBZk0
霧島「なるほどね」

霧島「残念だけど、明石と同じ考えよ。私も、信用できる上司のあなたの事をそう思ってる」

霧島「だから、表情隠すのやめたら?」

霧島「あなたが私達の事をよく知るように、あなたの事をよく知る子も居るって事」

霧島「いい加減理解したほうがいいわよ」

提督「・・・二名ほど、露骨に伝わってくるさ。私もそこまで鈍感ではない」

提督「鈍感なら、どれだけ楽だったんだろうな」

霧島「そうね」

提督「ところで」

霧島「今度は何?」

提督「最初に入ってきた頃、敬語だったのに、すっかりくだけた感じになったな」

霧島「この方が、話しやすいんでしょ?」

提督「堅苦しいのは苦手だ」

霧島「堅苦しい人が言うと、説得力ないわよ」

680: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:18:38.91 ID:3nXfXBZk0
提督「さて・・・私はそろそろ戻ろうかな」

霧島「そう」

提督「腹、減ってないか?」

霧島「減ったわね。お夕飯を食べてないから」

提督「そうか。じゃあこれをやろう」

霧島「おにぎり?司令が握ったの?」

提督「自分用に作ったんだが、やはり食欲が無くてな・・・いやか?」

霧島「いえ、ありがたく頂戴するわ」

提督「そうか。ではな」

霧島「ええ」




霧島「・・・さーて、おにぎり食べたら作業の続きしようかな」

霧島「ん」パクッ

霧島「おいひ」モグモグ

681: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:24:44.29 ID:3nXfXBZk0
執務室

提督「・・・今日は綺麗な月が出ているな・・・」キィッ

提督「はぁ・・・」

川内「なーに悩んでんの?」

提督「ん?川内か。よくわかったなここに居ると」

川内「今日は提督の好きな月が出てるからね」

提督「そうだな。それにしても珍しいな。お前から私に話しかけるなんて」

川内「まぁね。少し無理してるし、悩んでるみたいだったから」

提督「お前もわかってたか」

川内「そりゃ、提督と一緒にどのくらいだと思うの?」

提督「そうだな」

提督「・・・川内、聞きたいことがあるんだが」

川内「霧島さんに聞いたやつ?」

提督「む・・・聞いてたのか」

川内「ニンジャだから」

提督「発音が完全に外国人だぞ」

682: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:30:26.93 ID:3nXfXBZk0
川内「私は提督の事大好きだよ」

川内「私のわがままも、ちゃんと聞いてくれるし」

川内「夜戦も出来る限り無茶していいって女神様までつけてくれるんだからさ」

川内「多分、普通の提督じゃあここまでしてくんないよ」

川内「まぁ、全力が演習の時にしかできないのはちょっと不満だけどね」

提督「流石にわがままを言いすぎだ」

川内「・・・大井ちゃんが主張も理解できる」

提督「・・・」

川内「私だって、提督の下以外で働くなんてやだよ」

川内「私を、私達をちゃんと理解してくれる提督だからこそ、私は従ってる」

提督「私の待機命令も無視するのにか」

川内「・・・それはそれ、これはこれ」

提督「じゃじゃ馬め」

川内「我慢は体に良くないじゃん?」

683: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:36:47.11 ID:3nXfXBZk0
川内「それより提督、前から思ってたけど」

提督「なんだ?」

川内「提督って、昔から年下に好かれる?」

提督「さぁ・・・どうだったかな」

川内「ここまで私達の為に精一杯頑張ってくれてる提督が、部下とか後輩に好かれない訳ないよねー」

提督「・・・何が言いたい?」

川内「べっつにー?」

川内「提督の笑顔って、すごく魅力的だろうなぁって」

提督「このいかついおっさんがか?」

川内「おっさんって年でもないでしょー?まだ三十代前半くらいでしょ?」

提督「・・・四十過ぎてるが?」

川内「」

684: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:39:53.02 ID:3nXfXBZk0
川内「嘘っ!?おっさんじゃん!」

提督「今何時だと思ってる。おっさんだと言っただろう・・・」

川内「そのことって他の子は知ってるの?」

提督「年齢を聞かれた事はないからな」

川内「ずっと三十前半だと思ってた・・・」

提督「そんなに若く見えるのか?」

川内「うん」

提督「・・・お前は嘘をつくやつじゃない。素直に喜んでおこう」

川内「男の人も若く見られると嬉しいの?」

提督「少なくとも、私は嬉しいぞ」

川内「そっか。それじゃあこれからお兄ちゃんって呼ぼうか?」

提督「やめろ」

川内「冗談だよ。私だってやだもん」

685: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 03:50:07.94 ID:3nXfXBZk0
その頃の三日月達の部屋にて

三日月「スー・・・スー・・・」スヤスヤ

???「みかづきっみかづきっ」ユサユサ

三日月「・・・んっ」

???「ねぇ、みかづきったら起きてよ・・・!」グスッ

三日月「んん・・・あれ?・・・どうしたの?」ボーッ

???「あの・・・怖い夢見て眠れなくなっちゃったから一緒に寝てもいいかな・・・?」

三日月「んー・・・いいよー・・・一緒の布団で狭いけど・・・」ボーッ

???「ありがとう・・・・」モソッ

三日月「あい・・・ふぁー・・・」

???「・・・」ギュッ

三日月「・・・おやすみ」ギュッ

???「うん・・・おやすみ」

三日月(誰だろう・・・眠い・・・まぁいいか・・・)




弥生「・・・三日月・・・優しい」

望月「カァー・・・」ムニャッ

弥生「潜り込んだら蹴り飛ばされそう・・・」

691: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 18:22:28.22 ID:wZn4gxWM0
翌朝

提督の部屋

提督「・・・」ペラッ

摩耶「おっす。起きてるか?」

提督「ああ、摩耶か。私はいつになったら動く事が出来るんだ?」

摩耶「自分が動けると思ったら動けるんじゃね?それより、ほら」パサッ

摩耶「電から、手紙を渡してくれって言われたんでな」

提督「そうか」ピリッ

摩耶「腹は減ってないか?」

提督「少し減ったな。頼めるか?」

摩耶「あいよ。鳳翔さんに行ってくるわ」

提督「ああ」

692: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 18:45:27.11 ID:wZn4gxWM0
提督「・・・」

電「司令官さん!」

提督「Kの差金か・・・しかし、間違いはないからなぁ・・・」

提督「上の連中は私への評価は低い」

提督「対して、Kの評価は高い・・・」

電「司令官さん・・・?」

提督「ん?電か」

電「どうしたのですか?暗い顔もしてたのです」

提督「いや、大丈夫だ」

電「そうなのですか?あ!手紙は受け取ったのです!?」

電「ちょっと用事があって直接渡せなかったので!重要書類みたいだったので」

電「響を探してて時間が掛かってしまって」

提督「そうか」

電「それで何かあったのですか?」

提督「いや・・・何でもないよ」ナデナデ

提督(私の提督仕事もそろそろ潮時かな・・・)

電「・・・?」

693: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 19:01:52.96 ID:wZn4gxWM0
響「やぁおはよう」

電「響!どこに行ってたのですか?部屋にもいなかったので探してたのですよ」

響「少し出かけていた」

提督「私達への無断外出は禁止だといっつも言っているだろう」

響「ごめんよ。少し急な用事だったんだ」

提督「響、私に何か隠していることはないか?」

響「・・・ないよ」

提督「そうか」

響「・・・」

提督「電、秘書艦のお前にはこれを見せて置きたい。少し、やらなければいけない事が出来た」ピラッ

電「はい?これは・・・」

提督「他言無用だ。勿論、響にも教えてはダメだ。わかったな」

電「は、はいなのです」

響「・・・司令官」

提督「今後、夜間外出は控えるように、わかったな」ポンッ

響「・・・わかったよ」

694: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 19:11:15.20 ID:wZn4gxWM0
摩耶「飯もって来たぞー・・・って、あれ、提督はどこいったんだ?」

電「・・・」

響「少しやることがあるって言ってたよ」

摩耶「なんだあいつ・・・人がせっかく飯持ってきたのに」

電「司令官さんならすぐに戻ってくると思うのです。ですから、そこに置いておいて大丈夫なのです」

電「電も少しやることが出来たのです」

響「そっか。無理はしないでね」

電「はいなのです」

摩耶「・・・なんかあったのか?」

響「・・・」

響「さぁね」

695: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 19:19:51.81 ID:wZn4gxWM0
バタン

初霜「三日月ー?ドックに朝潮が見当たらないんだけど見かけて・・・」

朝潮三日月「ん・・・」スヤスヤ

初霜「・・・いつの間にそんな関係に・・・」ドキドキ

弥生「そういうことじゃないよ」

初霜「そうなの?なーんだ」

弥生「昨日、朝潮が寝れなかったみたいで三日月の所へ来て一緒に寝たみたい」

初霜「私より三日月かぁ。そりゃそうかぁ」

初霜「それにしても、珍しいね。三日月がこの時間になっても起きないなんて」

弥生「一度は起きたみたいだけど、二度寝してる」

望月「二度寝してるのも珍しいけどねー」

卯月「・・・んん・・・まだ眠いピョン・・・」

初霜「卯月ちゃんはまだ寝てるのね・・・」

696: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 19:30:43.81 ID:wZn4gxWM0
初霜「まぁいっか。私もお邪魔しよう」モゾッ

三日月「ん・・・」

望月「狭くない?」

初霜「狭い。背中がはみ出ちゃうね」

弥生(羨ましい)

初霜「それにしても、本当に二人共起きる気配がないなぁ」

弥生「朝潮は、昨日泣いてたみたいだから、疲れてるんじゃないかな」

初霜「泣いてたの?」

弥生「うん。悪い夢見たみたいだから」

初霜「・・・そっか。でも、どんな夢見たんだろう」

望月「前の司令官の夢でも見たんじゃないの?声を聞いただけで過呼吸起こしたって言ってたみたいだし」

初霜「・・・よし、今夜は私が朝潮と寝る!」

望月「あはは、初霜って寝相悪そう」

初霜「悪いよ?いつも若葉に怒られてる」

望月「悪いんだ」

697: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 19:54:00.69 ID:wZn4gxWM0
響の部屋

響「・・・昨日は寝てないから眠い」

響「だが、悪夢のせいで寝れない」スルッ

響「・・・徐々に大きくなっている・・・どうしてだ」

響(そろそろ、このニーソでは隠しきれそうにないな・・・)

響「はぁ・・・電の痣は消えたというのに・・・」

響「・・・無理にでも寝よう。難しい事は考える必要はない」

響(だが・・・心の奥底のモヤモヤがどうしても消えない)

響(電も、こんな気持ちだったのだろうな)

響(あの日に私も呪われたんだろう・・・電の不安を煽らないよう、隠してきたが、限界か)

響(あの時、電が沈みかけて居るところを目撃してからの記憶がなかった・・・)

響(覚えているのは電が沈みいく所を見ている私の視点が、低かったぐらいか・・・)

響「ダメだ。落ち着けない」

698: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 20:20:50.75 ID:wZn4gxWM0
青葉、衣笠の部屋

青葉「ああ、そう言えば、この記事を配り歩くの忘れてましたね・・・」

衣笠「・・・どうしたの?配り忘れるなんて珍しい」

青葉「いや、なんか最近やる気が出ないなぁ」

衣笠「えっ?あの青葉が取材に対してやる気出ないなんて珍しいわね。熱でもあるの?」

青葉「そんなことないんだけどなぁ・・・どうしてだろう」

コンコン

青葉「はい?」

提督「青葉、居るか?」

青葉「司令官!?どうぞー!」

衣笠「・・・」

ガチャ

提督「実は、お前しか出来ないことを頼みたいんだが」

青葉「なんですか!?青葉に出来ることならなんでもいいですよ!」

提督「今回はな・・・」

青葉「ふんふん・・・」メモメモ

699: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 20:25:33.41 ID:wZn4gxWM0
提督「それでは、頼んだよ」

青葉「はいー!わかりましたー!」

バタンっ

青葉「さて!作業に取り掛かりますか!少し機材の手入れしないといけませんね」

衣笠「突然やる気が出たわね。なんの依頼?」

青葉「他言無用なので話せません」

青葉「えへへー、司令官に頼られるとやる気がグングン湧いてきますね」

青葉「ふんふーん・・・」フキフキ

衣笠「・・・鼻歌歌ってるところ悪いけど、この記事どうするの?」

青葉「えっ?ああ、お願いできます?」

衣笠「・・・これ、貸し」

青葉「はいはいー」

衣笠「そう言えば、それだけの機材どうやって集めたの?青葉だけじゃ揃えられないわよね」

青葉「これは秘密ですー」

衣笠(なんかおいてけぼりくらってるみたいで寂しい)

700: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/01(木) 20:40:10.24 ID:wZn4gxWM0
青葉「・・・」ピラッ

青葉(盗撮したもので笑顔が取れてしまったので)

青葉(思わず笑顔の部分だけプリントアウトしてしまいましたが・・・)

青葉「ふふっ」

青葉(人を引き付ける笑顔って本当にあるんだなぁ)

青葉「司令官の笑顔は人に感染るんですね」

衣笠「えっ」

青葉「あ、そうだ。あれをまとめるのも頼まれてたんだった・・・とりあえずそっちをまとめちゃおう」

衣笠「あれって?」

青葉「こっちの話です。衣笠それこの鎮守府全員に渡してくださいね」

青葉「司令官の事がたくさん載ってるんですから!」

707: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 01:34:06.82 ID:JWQEWi9G0
提督「すまない」

摩耶「いや、別にいいけどよ。ちょっと冷めちまったぜ?」

提督「大丈夫だ。鳳翔の料理は冷めても美味い」

摩耶「そうかもしれないけどよー」

提督「電達はどうした?」

摩耶「響は部屋に戻って寝てる。電は少し用事があるとかでどこかへ行った」

提督「そうか。御飯ありがとう。休んでてもいいぞ」

摩耶「本当に体の方は大丈夫なんだろうな?」

提督「また倒れるなんて事はしない。安心してくれ」

摩耶「ならいいけど。無理したら気絶させてでも寝てもらうって・・・」

摩耶「三日月が言ってたぞ」

提督「物騒だな」

708: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 01:47:00.77 ID:JWQEWi9G0
提督「さて・・・腹ごなしもしたし、そろそろ戻ってくる時間だな」

バタン!

19「イク、帰還したのね!」

8「はち、ただいま戻りました」

提督「二人共ご苦労様。私個人の依頼を押し付けてすまないな」

8「お体の方は大丈夫ですか?電さんから聞きましたよ」

提督「ああ、大丈夫だ。それより、情報は?」

19「結構大変だったのね。水中カメラなんて使ったことないから」

提督「すまないな。少しキツかっただろう」

19「正直言うと、体に負担がかかったの。もう少し深かったらやばかったのね」

8「これがその写真です。どうぞ」

提督「・・・うむ、ありがとう。これで、あの子達のせいじゃないと確信が持てた」

提督「ご苦労様。後で報酬を払う。それまで、体をゆっくり休めること。いいな?」

19「はいなのね!」

8「イク、先に行っていてもらえますか?」

19「?了解なのね」

709: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 01:54:29.51 ID:JWQEWi9G0
8「長らく鎮守府を開けてしまいましたね」

提督「そうだな。発見まで時間がかかっただろう」

8「はい。ですが、提督の記憶通り、大体の場所を探したら沈んでいましたよ」

提督「思い出したくもない記憶だな。私が乗っていた船は、ほとんどが回収されずに沈んでいる」

提督「深海棲艦が近くに居るから危険という理由でな」

8「至るところは崩れていはいましたが、ほぼ形は残っていました」

提督「・・・それで」

8「その・・・遺体の方は見つかりませんでした」

提督「・・・だろうな・・・もう何年も前の話だ。肉は魚達についばまれ」

提督「骨は埋まっただろう」

8「力になれず、申し訳ありません・・・」

提督「いや、いい。私の妻や、残った乗客の遺体は最初から期待していない」

710: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 01:59:37.68 ID:JWQEWi9G0
8「・・・そう言えば、別に動いているイムヤやゴーヤ達は?」

提督「奴の鎮守府付近で潜伏している」

8「奴・・・というと、あの計画がついに出来るんですね」

提督「ああ、絶好の機会だ」

提督「お前にも何度か偵察させているからな。あの鎮守府の現状を把握しているだろう」

8「はい・・・正直、見ていられませんでした」

提督「あの鎮守府の艦娘達は、私達が助け出す」

提督「例え、私がダメになろうとも」

8「・・・」

8(提督と、あの鎮守府の子達・・・どちらを取ると言われれば提督を取りたい)

8(やる気を出している提督を裏切りたくないですね)

提督「・・・」ポンッ

提督「全てが終わったら、好きな本をいくらでも買ってやる。それが、お前が出した報酬だったな」ナデナデ

8「楽しみにしてますね」ニコッ

711: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 02:05:19.61 ID:JWQEWi9G0
ガチャ

青葉「あら?久しぶりですねはっちゃん!」

8「お久しぶりです青葉ちゃん」

提督「どうした青葉」

青葉「司令官から頼まれた物、持ってきました」

提督「もうか?」

青葉「前々から少しだけ整理していたので、おそらく重要だろうと思うものをピックアップしてきました」

青葉「あとは司令官自身が確認してまとめて欲しいです」

提督「そうか。仕事が早いな。もう一つの方は?」

青葉「これから取り掛かります。任せてください!」

提督「ふむ・・・これなら、イムヤとゴーヤの報告次第で証拠が揃うな」

8「手際がいいですね」

提督「人の長所をどう使うかが、私の役目だからな」

提督「だがまぁ、長所は短所にもなる。青葉みたいに、取材の事での手際は評価するが」

提督「周りが見えなくなったりするからな」

青葉「あはは・・・面目ない・・・」

712: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 02:10:14.78 ID:JWQEWi9G0
提督「青葉は引き続き任務。はちは体を休めておけ」

8「はい」

ガチャ

青葉「了解です!青葉に任せてください!」ダッ

バタン

提督「・・・どうせ提督業を下ろされるなら」

提督「K、お前も一緒に下ろさせてやる」





響「・・・」

電「響!どうしたのですか?司令官さんの部屋の前で・・・」

響「いや、何でもない」

電「顔色が悪いのです!」

響「大丈夫だよ・・・」

電「でも・・・!」

響「大丈夫だって言ってるだろ・・・!?」

電「っ!?ご、ごめんなのです」

響「いや・・・こっちこそすまない。休んでくるよ」

713: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 02:14:48.95 ID:JWQEWi9G0
電「・・・明らかに様子がおかしいのです」

コンコン

電「司令官さん、居ますか?」

ガチャ

提督「どうした?」

電「これを・・・栄養ドリンクなのです」

提督「ああ、すまない。心配かけているな」

電「いえ!それより、響の様子がおかしいのですが・・・」

提督「わかっている。青葉に探るように依頼した」

電「・・・司令官さんは、響の事を信頼できないのですか?」

提督「今の響は信頼できないな・・・今のあいつは、私を信頼していない」

提督「私を信頼していない奴を信頼するほど、私は愚かではない」

714: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/03(土) 02:17:51.13 ID:JWQEWi9G0
鎮守府出入り口

響「・・・」フラッ

鳳翔「響ちゃん?大丈夫ですか?」

響「ああ、大丈夫。少し寝不足なだけだよ」

鳳翔「それじゃあいけないわ。はい」

鳳翔「今、朝御飯に間に合わなかった子の為におにぎりを配っているんです。どうぞ食べてください」ニコッ

響「・・・ああ、ありがとう」

鳳翔「どこかにお出かけですか?」

響「ちょっとね」

鳳翔「お気をつけて」ニコッ

響「うん・・・」

720: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:11:52.72 ID:2zmwm0L40
午後

鈴谷「で?提督どうすんの?」

提督「ん?なにがだ?」

鈴谷「電ちゃんから聞いたよやばいんだって?」

提督「なんのことだ?」

提督(電のやつ・・・ゲロったな)

鈴谷「言っておくけど、電ちゃんに無理やり吐かせたのは鈴谷だから」

鈴谷「息が出来なくなるまでくすぐってあげた」

提督「えげつないことするな」

鈴谷「それで、提督の事だから辞めさせられるなら道連れにーって思ってるんじゃないかなぁと」

提督「・・・」

鈴谷「図星だね」

722: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:16:57.53 ID:2zmwm0L40
提督「ならどうした?止めるか?」

鈴谷「止めても無駄なんでしょ?だったら、出来る限り協力する」

鈴谷「提督にならいつでも会いに行くしね。どこに居ても」

提督「・・・ふむ。しかし・・・なぁ」

鈴谷「やっぱりやることない?」

提督「以前に、こんな時の為にと証拠は集めたからな」

提督「あいつの鎮守府の環境は、艦娘のお前たちにとってひどいものだ」

鈴谷「そうかもね」

提督「青葉に頼んで色々してもらった」

提督「その資料はここにまとまってる。それに、今はイムヤとゴーヤが偵察をしている」

提督「戻ってきてその報告も一緒にしたら、今週末には決戦だ」

鈴谷「見せて」

提督「断る」

723: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:20:40.36 ID:2zmwm0L40
鈴谷「ケチ」ギシッ

提督「知らなくてもいい事だからな」

鈴谷「ところで、もう体大丈夫なんでしょ?」

提督「まぁな・・・ベッドにいつまでも居るわけにもいかんが監視の目が厳しくてな」

提督「三日月に見つかると大目玉を食らう」

鈴谷「本当に三日月ちゃんの言うことは聞くんだね」

提督「・・・すまん」

鈴谷「いいよ。知ってるから」

コンコン

提督「ん?いいぞ」

鳳翔「失礼します。少し遅くなりましたがお昼はいかがですか?」

提督「ああ、もらうよ」

724: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:27:30.98 ID:2zmwm0L40
鳳翔「そういえば・・・響ちゃんが出かけていたんですが、どこへ向かったかわかりますか?」

提督「ん?外出することなど聞いていないぞ。許可もしていない」

鳳翔「えっ」

鈴谷「えー・・・まずいんじゃない?最近響ちゃんの様子おかしかったっしょ?」

提督「気づいてたか・・・」

鈴谷「そりゃあね。気丈に振舞ってるけど、どこか寂しそうな顔をしてたし」

提督「お前、意外と人の表情を見ているな」

提督「響の異変に気付いてるのは私と電くらいかと思ったが」

鈴谷「まぁね。わかりにくい人の顔見てればそれくらいわかるって」

提督「・・・誰の事だ?」

鈴谷「さて、誰だろうね」

725: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:30:26.87 ID:2zmwm0L40
K鎮守府

K「ふむ・・・なるほど、証人もやはり大事だな」

???「そうかもね」

K「憲兵の奴に証人も許可されている」

K「そこでだ、君に頼みがある」ギッ

???「何?」

K「これを、朝潮に渡して欲しい」スッ

???「これは?」

K「俺が吹き込んだ説得の言葉だ。それを朝潮に渡して聞かせて欲しいんだ」

???「・・・」

726: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:36:47.47 ID:2zmwm0L40
???「だが、本当に来てくれるのか?」

K「あの様子なら大丈夫。俺の教育はまだ抜けきっていない」

K「俺の声で少しでも揺さぶれば、また元に戻る。幸せになる資格なんて艦娘には無い」

K「戦うことだけを考えればいいんだ」

???「そう」

K「でも、俺は君の事は信頼しているよ」

K「期待しているよ。その名前が嘘にならない様に頼んだよ。Верный」

響「・・・Да」

K「はは、いい子だ」ナデナデ

K(ククク・・・朝潮、壊れるまで俺の計画に協力してもらうぞ)

響「・・・」

727: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:42:26.06 ID:2zmwm0L40
そして夜

168「以上が偵察の結果になります!」

58「なります!」

提督「ご苦労様。褒美は全て終わってからだ。部屋に戻ってもいいぞ」

168「わかりました」

58「はいでち!」

提督「ふむ・・・やはり、現状は変わっていないようだな」

提督「これならこの資料でも・・・」

『どこに行ってたのですか!?』

『無断外出はダメっていつも言ってるのです!!』

提督「・・・電の怒鳴り声・・・様子を見に行くか」

728: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:46:05.89 ID:2zmwm0L40
響「君には関係ないだろう?」

電「関係あるのです!」

電「勝手に居なくなられたら不安になるのです!心配するのです!」

提督「どうした?」

響「司令官・・・」

電「司令官さんも怒って欲しいのです!」

提督「まったく話が見えないんだが」

電「響が何も言わずに外出していたんです!」

響「無事に帰ってきたんだ。それでいいだろ」

電「良くないのです!!」

提督「最近、勝手な行動が目立つな。どうした?」

響「・・・どうもしないさ。ただ、用事が多いだけ」

729: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:52:08.97 ID:2zmwm0L40
提督「それでも、待機命令を無視した挙句、上司の許可もなく出かけるのは感心しない」

響「・・・」

提督「・・・何が不満だ」

響「別に、不満があるわけじゃない」

提督「・・・それじゃあ・・・」

響「司令官に何がわかる!!」

電「っ!」ビクッ

提督「・・・」

響「・・・ごめん。少し疲れているんだ。休ませてもらうよ」タッ

電「・・・ひ、響がおかしくなったのです・・・」ウルッ

提督「大丈夫。たまにはそういう事もある・・・」

提督(しかし、あの響が大声を出すんなんてな)

提督(・・・そういえば、いつもより響のスカートが長かったのは気のせいか?)

730: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:59:11.08 ID:2zmwm0L40
三日月「さっき響の怒鳴り声が聞こえたんですけど、どうしたんですか!?」

雷「大丈夫!?響の電の声が聞こえたんだけど!」

暁「どうしたの!?何があったの!?」

電「ひぐっ・・・えぐっ・・・」

提督「暁!雷!電を頼む。泣き止むまで側にいてくれるだけでいい」

提督「電、安心しろ。あとは、時間が解決してくれる」

電「ぐす・・・はいなのです・・・」

雷「大丈夫?どうかしたの?」

電「なんでもないのです・・・」

暁「あ、暁のハンカチ使って?」スッ

電「ありがとうなのです・・・」

731: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:02:00.05 ID:2zmwm0L40
三日月「どうかしたんですか?」

提督「いや、響の様子がおかしくてな」

三日月「そういえばそうですね」

提督「朝潮はどうした?」

三日月「今は初霜と一緒に若葉ちゃん達と一緒に遊んでます」

提督「そうか。ならちょうどいい」

提督「響のスカートの中を確認してこい」

三日月「えっ」

提督「あいつのスカートの丈が長くなっている気がした。それこそ、Верныйの前の丈以上に」

提督「何かを隠しているに違いない。だから、探りを入れて来い」

三日月「何故そう思うのか。聞かせてもらえますか?」

732: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:08:18.65 ID:2zmwm0L40
提督「あいつも、電同様に深海棲艦化しているかもしれない」

提督「電を引きずってでも助けたあの日、鎮守府に戻ってきた響にはすでに意識はなかった」

提督「ただ、力の限り、無意識に電を助けていた」

提督「私が声をかけたら、その場に電と共に倒れたんだ」

提督「その時にはすでに、電と同じ痣がどこかにあったのかもしれん」

提督「改装前だったからな。もしかしたら消えているかもしれない」

三日月「わかりました。強引にでも確認してきます」

提督「気をつけろ。お前と比べたら響は強い」

三日月「負けん気なら強いですから」

提督「お前らしい。では、頼んだぞ」

提督(青葉に頼んだのは響の行動記録のみ)

提督(身体的なものは頼んでいない。青葉も気が回らんだろう)

提督「しかし、もし深海棲艦化しているとしたらどうする・・・?」

733: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:17:18.17 ID:2zmwm0L40
響の部屋

響「はぁ・・・はぁ・・・」

響(胸が締め付けられる。悪夢を見ている時と一緒だ)

響「はぁ・・・やってしまった・・・」

響「さらに信頼がなくなってしまう・・・」

響「・・・苦しい」

バタン!

三日月「響!」

響「み、三日月・・・ノックぐらいしたらどう・・・」

ガシッ

響「だっ!?な、何故スカートを掴む!?」

三日月「めくるためよ!」

響「めくる理由を教えて」

三日月「いいから下半身を見せて!」

響「・・・変態か?」

734: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:24:44.96 ID:2zmwm0L40
三日月「えいっ!」

バサっ

響「み、見るなっ!!」バチッ

三日月「っ!」

響「あ・・・ご、ごめんよ。叩くつもりはなかったんだ・・・でも」

三日月「叩かれたぐらいでくじける私じゃない!」キッ

響「・・・わかった。こっちが折れるよ」

響「はぁ・・・君に諦めろっていう方が大変そうだからね」

三日月「・・・こっちこそ、頼まれたこととはいえ、強引にしてごめんなさい」

響「隠していた私が悪いんだ。全て話す」スッ

三日月「・・・っ!?」

響「この通り、私もなっている。それも、かなりの進行具合だ」

735: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:32:46.32 ID:2zmwm0L40
響「・・・司令官には内緒にしていてくれ」

三日月「嫌です。全部言うよ」

響「・・・そうか・・・そうだよね・・・」

三日月「響も大切な仲間だし、友達だもの。司令官の力を借りて助けたい」

響「・・・」

三日月「多分、私一人じゃどうしようもないから」

三日月「それじゃあ、一緒に来て報告しよ?」

響「・・・嫌だ。私は司令官に合わせる顔が無い」

三日月「そっか。じゃあ少し落ち着いたらでいいよ。先に司令官の耳に入れておくから」

響「ごめんよ。ありがとう」

三日月「それじゃ、私は司令官の所に行くね」

響「・・・ああ」

響(そうか・・・一人で悩んで、バカみたいだな・・・)

『その名前が嘘にならない様に頼んだよ。Верный』

響「うっ・・・」ズキッ

響(ああ、そうだ・・・これを朝潮に聞かせないといけないんだった・・・)ギュッ

742: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:20:11.52 ID:2zmwm0L40
三日月「・・・という事です」

提督「最悪の事態だな」

提督(電が治った原因もわからない今、響にどう声をかければいいかなんて思いつかない)

三日月「どうしますか?」

提督「今は様子を見るしかない」

提督「どうやって治すかもわからない。何が原因で進行しているのかわからない」

提督「それでも行動がおかしければ、監視を置いてこの鎮守府内で軟禁するしかあるまい」

提督「言い方は悪いがな」

三日月「電ちゃんにもそういう処置をしたんですよね」

提督「ああ」

三日月「・・・」

提督「・・・三日月」

三日月「はい?なんですか?」

743: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:24:42.70 ID:2zmwm0L40
提督「・・・いや、なんでもない」

三日月「またそれですか?」ムッ

提督「からかっているわけではない。ただ・・・な」

提督「そうだ。お願いが一つだけあるんだ」

三日月「なんでしょうか」

提督「あー・・・」

提督(何を伝えたいか自分でもわからなくなっているな)

提督(どうしたものか)

三日月「・・・司令官?」

提督「・・・いや、やっぱりなんでもない」

三日月「そればっかりじゃないですか!」

提督「本当にすまない。どうしても言葉にならないんだ」

744: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:34:21.74 ID:2zmwm0L40
霧島「どうも司令、随分仲がよろしいわね」

提督「霧島か。どうした?」

霧島「解析が終わったのでご報告に」

提督「もう終わったのか?」

霧島「ずっと調べてましたからね」

霧島「結果だけ言えば、今の電は深海棲艦化する心配はないようですね」

提督「そうか。よかった」

霧島「確実な根拠があるわけじゃないけど、もしかしたら隠れてるだけかもしれないし」

提督「そうか。警戒をするに越したことはないが、少しでも肩の荷が下りたな」

霧島「ところで、聞いたわよ」

提督「何をだ?」

霧島「潜水艦たちをKの鎮守府にスパイさせたそうじゃない」

提督「誰から聞いた?ゴーヤか」

霧島「ご明察。それで、気になることを聞いたんだけど」

745: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:43:17.65 ID:2zmwm0L40
霧島「その鎮守府に響が出入りしてる所を見たらしいのよ」

提督「響がか?」

霧島「見間違いじゃないのと聞いたんだけど、イムヤもゴーヤも見間違いはないと言っていたわ」

霧島「あの響が裏切る事をすると思わないし、あの二人が嘘をついているとは思えない」

霧島「本当は伝えることもないかなとは思ったんだけど」

提督「いや、ありがとう」

霧島「もし、響が裏切ることをしているとしたら、あなたはどうするの?」

提督「さぁな。その時その時で判断するしかないだろう」

霧島「ふふ、そうね。そういう仕事だものね司令は」

霧島「でもあなたはそれが出来る人間だから」

霧島「それだけ、じゃあね」

提督「・・・ああ」

746: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:50:22.82 ID:2zmwm0L40
提督「三日月、朝潮につけ」

三日月「へっ?」

提督「もしもの事を考えるんだ。もし響があちら側についているとしたらだ」

提督「ここの鎮守府を自由に歩ける。つまり」

三日月「朝潮に簡単に近付けますね・・・あ!」

提督「そうだ。響に警戒しろ。裏切っていないのが幸いなんだがな」

三日月「司令官は響を信じてないんですか?」

提督「今は、信じていない」

三日月「・・・そうですか。わかりました。今は、司令官を信じます」

三日月「もし、響が裏切ってないなら、そのときは」

提督「ああ、誠意を込めて土下座でもなんでもしてやろう」

三日月「・・・はい。では」

747: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 22:57:19.64 ID:2zmwm0L40
その頃、畑にて

朝潮「えっと・・・響ちゃん?何か用?二人きりで話したいって・・・」

響「・・・」フラッ

朝潮「えっ・・・」タジッ

響「そう怯えなくても大丈夫だよ」ガシッ

響「悪いようにはしない。これを聞いて欲しいだけなんだ」ピッ

朝潮「これって・・・ひっ!?」ビクッ

響「よく聞いて・・・私がこうしたことも、全て言ってはいけないよ」

響「私はこの鎮守府でも古株だ。誰も、君の言うことは信じない」

響「狼少年になりたくないなら・・・黙っていることが一番だよ」

朝潮「やだ・・・!やだやだ・・・!聞きたくないよ・・・!」ウルウル

響「・・・よく聞いて、思い出すんだ・・・」

748: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:02:42.02 ID:2zmwm0L40
初霜達の部屋

バタン

三日月「はぁはぁ・・・」

初霜「びっくりしたぁ・・・どうしたの三日月?」

三日月「あ、朝潮は!?」

若葉「朝潮か?朝潮なら誰かに呼び出されてたぞ?」

三日月「誰!?」

初霜「誰だかはわからないけど・・・」

三日月「どこに行ったかはわかる!?」

若葉「畑・・・と言う単語は聞こえたぞ」

三日月「畑!?ありがとう若葉!」

若葉「あ、ああ」

バタン

若葉「何があったんだ?」

初霜「・・・なんか深刻だったね」

749: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:11:32.98 ID:2zmwm0L40


三日月「朝潮!?」

朝潮「・・・」

三日月「朝潮!大丈夫!?」

朝潮「大丈夫・・・」

三日月「よかった・・・」

朝潮「・・・」

三日月「本当に大丈夫?」

朝潮「うん。大丈夫だよ。少しぼーっとしただけ」

三日月「そっか・・・」

朝潮「うん・・・」

三日月(目の周りも赤いし、鼻も赤くなってる)

三日月(明らかに何かあったよね)

三日月「今まで誰かと居たの?」

朝潮「い、いや・・・いやぁっ!!」

750: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:20:02.14 ID:2zmwm0L40
朝潮「ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!」

三日月「朝潮!どうしたの朝潮!」ギュッ

三日月(明らかにおかしい!司令官に伝えないといけないけど)

三日月(こんな状態の朝潮置いてはいけないし・・・)

三日月「あ、あれ・・・!島風ちゃん!!」

島風「おうっ!?突然どうしたの!?三日月!」

島風「ってあれ!?朝潮もどうしたの!?」

三日月「説明は後でするから、司令官を呼んできてくれない!?」

島風「よ、よくわからないけど島風に任せて!」

三日月「ありがとう!」

朝潮「やだぁ・・・!やだぁ・・・!!」

三日月「大丈夫だから!誰も朝潮をいじめないから!」ギュウッ

751: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:29:16.04 ID:2zmwm0L40
提督「朝潮はどうした?」

三日月「わからないんです・・・誰と一緒に居たのか聞いたら、突然・・・」

朝潮「うう・・・うっ・・・」

提督「朝潮・・・大丈夫か?何があった」ナデナデ

朝潮「K司令官が・・・!ふっ!ひくっ!」

提督「落ち着いてからでいい。島風、水を持ってきてくれないか?」

島風「はいはいー!島風にお任せー!!」

提督(またK絡みか・・・今度は何を企んでいる・・・)

三日月「よしよし・・・大丈夫、大丈夫だよ・・・」ナデナデ

朝潮「んぐっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

752: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:42:37.49 ID:2zmwm0L40
朝潮「はぁ・・・ごめんなさい。朝潮、また・・・」

提督「気にするな。何があった。話す余裕がないならそれでいい」

朝潮「いえ・・・話します。実は・・・」





提督「そうか・・・。お前を証言者としてその場に出させるつもりなのか」

三日月「それは意味があるんですか?」

提督「もちろんだ。本人が、Kを司令官だと証言し、そして、朝潮が私に無理やり連れてこられたと証言すれば」

提督「私は立派な誘拐犯だ。犯罪者にされるだろう」

提督「そうなれば、提督業が続けられるかという騒ぎではなくなる」

三日月「そっか・・・だから」

朝潮「朝潮は・・・今の司令官はあなただと思っています。自分で居心地がいいからここにいるんです」

753: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:49:37.49 ID:2zmwm0L40
三日月「朝潮だってこういってます!証言者で全てが決まるなら勝ち目はないはずです!」

提督「・・・あいつを目の前にして、ちゃんとその言葉が出せるか?」

朝潮「・・・それは・・・」

提督「きつい言い方だが、声だけ聞いて過呼吸や泣き出してしまうんだ」

提督「目の前にしてあいつの不利になる事を言えるとは思えん」

提督「・・・だが、それでもいい」

朝潮「えっ?」

提督「無理して、私を助けようとしなくていい。たまには、自分が楽な方に逃げても構わん」

朝潮「・・・」

三日月「・・・」

提督「この話は終わりだ。それで、誰からそのKの言葉を聞かされた?」

朝潮「・・・」

754: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 23:54:50.49 ID:2zmwm0L40
朝潮「響ちゃん・・・」

提督「・・・響・・・か」

三日月「響・・・」

朝潮「嘘じゃないんです!でも・・・信じてもらえませんよね・・・」

提督「いや、今はお前を信じよう」

三日月「どうするんですか?」

提督「放っておけ」

三日月「ですけど、響は裏切りしている事になるんですよ?」

提督「いい、放っておけ」

三日月「・・・」

提督「今、あいつを刺激するのは良くない。それだけは言える」

三日月「はい・・・従いますよ」ムスッ

提督「・・・すまんな」

755: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/05(月) 00:05:20.36 ID:LKLAh83C0
その後、特に進展もせず提督会議前日

青葉「これが響ちゃんの生活態度です」

提督「・・・」

青葉「あまり元気がないですね」

青葉「というより、疲れてますね」

提督「まぁ・・・な」

青葉「無茶は禁物ですよ」

提督「わかってはいるんだが」

青葉「あれから、響ちゃんはあまり部屋を出ることがなくなりましたね」

提督「・・・」

青葉「夜な夜な、夢でうなされることも多々あったようです」

青葉「響ちゃんだけではなく、朝潮ちゃんも」

提督「電と一緒だな・・・」

756: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/05(月) 00:19:41.26 ID:LKLAh83C0
提督「そうだ。青葉、明日の朝、出かける前に全員に集まってもらう」

青葉「みんなに伝えればいいんですね?」

提督「ああ、大事な話があるからな」

青葉「了解です」

提督「報酬は後で払おう。勿論必ず払う」

青葉「はい。それでは」

提督「ああ・・・」

提督(・・・結局、私は最後の最後まで、提督らしいことがあいつらにしてやれなかったな)キイッ

提督(私がここから立ち去る時は、皆笑顔でされるといいなぁとは思ったんだが)

提督「世の中・・・うまくいかないものだな」

提督「・・・また、自分の大切な人を守れないのか・・・」

提督「・・・はぁ」

三日月「ため息を吐くと、幸せが逃げちゃいますよ」

提督「・・・ため息は、幸せじゃない時に出るもんだ」

762: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 11:41:15.62 ID:LIh+kENh0
提督「三日月、あれから朝潮の様子はどうだ?」

三日月「はい、また自分の殻に閉じこもってしまいましたね・・・」

三日月「話してくれるには話してくれますが、前ほど笑顔が消えた気がします」

三日月「一緒になって時間はたっていませんがそう感じます」

提督「・・・目の様子はどうだった?」

三日月「少し大きくなってましたね。ガーゼをすれば見えなくなる程度ですが」

提督「そうか。三日月は朝潮のケアを優先で頼む」

三日月「はい。響の方はどうしましょう?」

提督「姉妹艦の三人に任せてある。ただ、顔も出してくれないらしく、四苦八苦してるようだが」

三日月「・・・そうですか」

三日月「それより司令官、私に隠してることありませんか?」

提督「・・・いや?」

763: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 11:52:09.75 ID:LIh+kENh0
三日月「嘘つかないでください!」

提督「どうして嘘だと思う?」

三日月「なんとなくです」

提督「・・・根拠もないのに嘘だと言うのか」

三日月「あ、あんまり恥ずかしくて言いたくはないんですけど」

三日月「秘書艦になってから一緒にいる時間が増えて」

三日月「その間、司令官を見て来たんです。響や電ちゃんほど司令官の事は知らないけど」

三日月「嘘をついているときの司令官はとってもわかりやすいんですよ」

提督「・・・」

三日月「すぐ困ったような顔をしてるんですから」

提督「・・・やっぱりお前には勝てん」

提督「私もお前と長い時間一緒に居てわかったことがある」

提督「お前は、噛み付いたら離さないな。自分が満足するまでな」

764: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 12:03:03.38 ID:LIh+kENh0
提督「・・・だが、このことは明日話そう」

提督「私が出かける前に、みんなの前で」

提督「・・・」ナデナデ

三日月「・・・最近、突然撫でますね」

提督「可愛いからな」

三日月「なんか、あんまり嬉しくないです」ムスッ

提督「そうか。それはすまんな」

三日月「・・・明日、司令官として、ちゃんと帰ってきてくださいね」

提督「私も、このままここを去るのは心残りが多いからな。まぁ、なんとかなるさ」ポンッ

三日月「・・・今の勝率は?」

提督「三割程度だな」

三日月「適当言ってますね」

提督「まぁな」

765: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 12:13:35.73 ID:LIh+kENh0
金剛「うーん・・・」

利根「うーむ・・・」

加賀「なんか、この鎮守府全体が暗くなり始めたわね」

金剛「そうなんデス。もう、提督の喜怒哀楽とか考えてる暇もなくなってきまシタ」

加賀「原因は・・・」

雷「・・・」ズーン

初霜「・・・」ズーン

利根「・・・響と、せっかく元気になりかけた朝潮じゃろうな・・・」

金剛「暗い雰囲気は苦手デス」

利根「うむ・・・難しいところじゃな」

加賀「たった三人が暗いなるのだけでこうなるなんて驚きね」

利根「それだけ、三人の影響力があったんじゃろ」

766: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 12:27:41.62 ID:LIh+kENh0
利根「一人が暗くなって、その周りも暗くなって・・・悪循環じゃな」

雷「響の顔を二日くらい見てない」

初霜「朝潮の嘘の笑顔しか見れてない」

金剛「二人がそんなんでどうするの!?」

雷「そうだけど、やっぱり不安よ。響があんなになるなんて・・・」

初霜「せっかく、仲良くなれたのになぁ・・・」

金剛「確かに、響は意外・・・あんだけ気丈な子がああなってしまうんデスから」

雷「んー・・・よし!私が落ち込んでても仕方ないし!また響のところに行ってくる」

雷「やっぱり頭で考えるのは苦手!響が居ないと始まんないわ」

初霜「・・・私ももう少し頑張ってみようかな」

金剛「切り替えが早いネ」

利根「女心と秋の空と言うじゃろ」

加賀「もう、秋も近づいてますね」

767: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 12:45:03.67 ID:LIh+kENh0
三番ドック

三日月「朝潮、調子はどう?」

朝潮「はい、今のところ大丈夫です」

三日月「・・・朝潮、明日大丈夫?」

朝潮「・・・わかりません。できるだけのことはしたいと思います」

朝潮「少しでも、司令官の有利になるように」

三日月「・・・司令官って、どっちの?」

朝潮「・・・それは」

三日月「司令官も言ってたけど、無理はしなくていいんだよ。朝潮が楽な方を選んでも」

三日月「自分の気持ちを隠してはダメ。私が言えた義理じゃないけど」

三日月「朝潮も、司令官も、響も」

768: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 12:59:40.34 ID:LIh+kENh0
三日月「もし、勇気が足りないって言うなら、司令官に頼んで、朝潮の側にいる」

朝潮「・・・」

三日月「司令官の為でもあるけど、朝潮の幸せの為にも」

三日月「司令官がここに残ってくれれば、私の為にもなるし」

三日月「その・・・私が得することしかないけど、朝潮は朝潮の為になるように考えて」

三日月「私も、自分より、朝潮の言葉を優先したい。幸せを優先したい」

朝潮「三日月・・・」

三日月「朝潮があっちにつくなら、それでもいい」

朝潮「うん・・・一緒に来てくれれば、嬉しい・・・!」

三日月「じゃあ決まりね!まぁ・・・明日のことは明日しかわからないけど、今日はゆっくり休んで」

三日月「不安で心細いんだったら、一緒に居るよ。悪夢も見てるみたいだし」

朝潮「うん。それじゃあ・・・今日は、一緒に寝てくれるかな?」

三日月「喜んで!」

769: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:06:39.25 ID:LIh+kENh0
響の部屋前

電「・・・響、聞いているのですか?」

電「明日、司令官さんが司令官さんで無くなるかもしれないのですよ?」

電「響は、司令官さんのこと、本当に好きなのですよね?」

電「だったら、出てきて、司令官さんを支えるべきなのです」

電「そうでもしないと・・・」

響『・・・』

暁「電、ずっとここに居ても仕方ないわよ。響は話を聞く気なんて一つもないわ」

暁「悔しいけど、暁達にはどうしようもないのよ」

電「暁は戻ってもいいのです。電はずっとここにいるのです」

暁「電・・・あんたが責任感じることないじゃない」

電「・・・そんなんじゃないのです・・・」

770: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:13:47.75 ID:LIh+kENh0
電「電は、響に元気になって欲しいから」

暁「・・・そう。おにぎりだけでも、持ってくるわね。響の分と電の分」

電「ありがとうなのです」

雷「やっ!暁、戻ってきたわよ。電はずっとそこに座りっぱなしなの?」ボソッ

暁「そうなのよ・・・なんとか言ってあげて・・・あの子の体が持たないわ」

雷「好きなようにさせればいいじゃない。だって・・・あー、いやなんでもないわ」

暁「なによ。暁に隠し事かしら?」グニー

雷「あはつきいはい。ほっへいはい」

雷「ほっぺたいったー・・・良くもやったわね」

暁「お姉ちゃんに隠し事するからよ」

雷「響の方がお姉ちゃんっぽいわよ」

暁「なんですって!」グニー

雷「いはいっへ!!」

電「あはは・・・暁と雷は仲がいいのです」

暁「勿論、暁が仲良くしてあげてるもの!お姉ちゃんだし!」

雷「なんか引っかかる言い方ね!」

771: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:21:03.49 ID:LIh+kENh0
雷「まぁ、この際、暁のことはいいわ」

雷「響、聞いてる!?」

響『・・・』

雷「私、明日の司令官についていくことにしたから!」

電「許可はもらったのですか?」

雷「ううん?勿論無断よ!だから他言無用ね!」

暁「自分勝手すぎるでしょ!?」

雷「響が動かないなら、私達が動くわよ」

暁「私達?」

雷「・・・なんとなくだけど、私以外にも同じ事を考えてる子は居ると思う。だから」

雷「響は私達を信じて、ゆっくりしてね。それだけ、じゃあね!」グイッ

電「えっちょっ、なんで電の手を引っ張るのですかっ!?」

雷「いつまでもここに居たって変わんないわ。作戦会議しましょ。どうせ電も同じこと考えてんでしょ?」

電「バレてたのです!」

暁「ちょっちょっと待ちなさいよ!」

響(・・・信じる・・・か・・・)

772: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:27:00.27 ID:LIh+kENh0
翌日

提督「皆に集まってもらったのは皆に謝りたいことがあるからだ」

提督「お前達に会えるのは最後かもしれないからな。私の顔のせいで怖がらせてしまってすまん」

提督「それからあ、私はお前達全員に平等に接してきたつもりだ」

提督「しかし、途中から、お前達を平等ではなくなってしまった」

提督「やはり、実の娘に似ていると、どうしても甘くなってしまった」

提督「そのことを深く詫びたい。本当にすまなかった」

提督「・・・三日月、こっちにこい」

三日月「えっ・・・」

提督「いいから」

三日月「は、はい・・・」

ザワザワ・・・

773: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:33:37.46 ID:LIh+kENh0
提督「そして、その不平等は、ここに来ても消すことは出来なかった」スッ

三日月「司令官・・・これって・・・」

明石(あれって・・・)

提督「・・・お前達全員に幸せになってもらいたいと、私は心から願っている」

提督「三日月には、特に・・・」

提督「三日月へ、私からの気持ちだ」

三日月「これって・・・指輪・・・ですよね?でもどうして二つ・・・」

提督「・・・いい男見つけて、幸せになってくれ。三日月」ニコッ

提督「・・・」ナデナデ

三日月「しれ・・・か・・・」ウルッ

提督「さて、そろそろ時間だ。私は出かけるぞ。それから、お前達、私か新しい提督が来るまで、待機だぞ」

提督「わかったな?それではな。朝潮と三日月は少し経ってから出発するように」

774: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 13:43:37.96 ID:LIh+kENh0
金剛「・・・スマイルが見たいとは思っていましたけど・・・」

利根「うむ・・・」

加賀「確かに素敵ではあったけど」

金剛「私はあんなに寂しそうなスマイル見たくなかったデス」

利根「そうじゃな・・・」

加賀「このまま、終わりたくないわ」

北上「大井っち・・・って、聞く意味ないか」

大井「北上さん・・・もですよね」

北上「まぁね」

磯風「・・・浜風」

浜風「・・・まだ罰受けてる最中じゃない。また提督の命令を無視するの?」

磯風「あとは任せたぞ」

浜風「・・・仕方がないわね。ともかく、その髪型だけは何とかしたら?」

磯風「言うな!このツインテールは罰だからどうしようもないだろう!」

磯風「くっ・・・磯風には似合わない髪型で過ごすのはすごく恥ずかしいんだぞ・・・!」カァァァ

浜風(真面目なのか不真面目なのかよくわからないわね)

779: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 21:05:43.22 ID:LIh+kENh0
提友鎮守府

提友「・・・よう」

提督「連絡ぐらい、来てるだろ」

提友「まぁな・・・どうせ、ガセか何かだろ。とうとう踏み出したんだなKのやつ」

提督「らしいな」

提友「他人事だなおい」

新人「提督さん!体調の方は大丈夫ですか?」

提督「ん?ああ、大丈夫だ」

新人「それなら良かったです」

提督「今日は、大きな作戦を話すみたいだな。ちゃんと集中しろよ」

提友「・・・そういえば、なんでお前秘書艦連れてないんだ?」

提督「すぐにわかる」

新人「・・・?」

780: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 21:17:40.50 ID:LIh+kENh0
少したって

憲兵「・・・以上が今作戦の内容だ。普段は俺達が説明することは滅多にないんだが」

憲兵「このあと、休憩を挟んでやりたいことがある」

K「・・・」

新人「やりたいこととは?」

憲兵「提督殿の誘拐疑惑が上がっている」

憲兵「それを、確かめたい」

新人「なっ・・・」

憲兵「これより20分ほどの休憩を挟む。その間に証人もつくだろう・・・ではな」

提友「・・・正直なところどうなんだ?」

提督「さぁな」

782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 21:35:18.00 ID:LIh+kENh0
休憩に入って十分後

朝潮「・・・来ちゃったね」

三日月「そうだね」

提友「お、三日月ちゃん。相変わらず可愛いね」

三日月「もう、突然何ですか?からかわないでください」

提友「だって俺の妹に似てるもんでなぁ」ナデナデ

提友「そっちは・・・あーもしかして証人って」

朝潮「・・・」コクッ

三日月「・・・あの、朝潮、結構いっぱいいっぱいなので・・・」

提友「そっか。ごめんな止めちゃって」

朝潮「いえ・・・」

提友「・・・三日月、お前にこれをプレゼントだ」

三日月「これは・・・?」

提友「じゃあな。いざという時に使ってくれ」

783: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 21:44:22.81 ID:LIh+kENh0
K「・・・」

朝潮「ひっ・・・!!」ビクッ

三日月「大丈夫・・・私がついてるから・・・」

K「・・・」

カツカツ・・・

カッ

K「・・・朝潮・・・期待しているぞ」ボソッ

朝潮「はっ・・・はっ・・・!」

K「ふふふ・・・」

K(あの様子なら、私に振りになることは言わないだろう)

三日月「朝潮、冷静になって、朝潮は一人じゃない」

三日月「あなたがどんな答えを出そうと、私は朝潮の味方だよ」

朝潮「ふう・・・ふう・・・うん・・・ありがとう」

784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 21:53:13.47 ID:LIh+kENh0
憲兵「さて、そろそろ時間だな」

憲兵「提督殿、前に」

提督「・・・」スッ

憲兵「あなたがK殿の朝潮を誘拐したと疑いがかけられている。まぁあなたの事だ。どうせ黙秘だろう」

提督「よくわかっているな」

憲兵「なら、K殿の証拠提示を行ってもらう」

K「では、まず証拠の定義、及び余罪も多々紹介させてもらおう」

提督「・・・余罪だと?」

K「俺の出す証拠は、俺の朝潮の特徴と証人による言葉だ。では、始めさせてもらう」

K「っと、その前に、余罪についてだが・・・」

K「提督殿は我々の敵である深海棲艦をかばったと言う話がある」

提友(こいつならやりかねないな)

新人(この人ならやりかねない)

785: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:00:03.48 ID:LIh+kENh0
憲兵「ほう?敵をかばった事を報告されているなら問題ないが」

憲兵「そんな報告は一度もないな・・・」

憲兵「で?それを確信させることは?」

K「提督殿の右腕と言っても過言ではない。この子からのタレコミだ」

響「・・・」

提督「・・・」

提友「なっ・・・!?響!お前、こいつを・・・!?」

新人「えっ!?ど、どういうことですか!?まったく状況が読めないんですけど・・・」

響「・・・」

提督「認めよう。深海棲艦をかばったことはある。だが、こちらに損害は一つもない」

K(簡単に認めるだと・・・?どういうことだ)

憲兵「ふむ・・・なるほど。深海棲艦をかばったことはあるんだな。それに対しての処罰は後々」

響(裏切ってしまった。司令官を・・・だが)

786: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:04:24.92 ID:LIh+kENh0
K「誘拐についての証拠はこれだけある。それと・・・証人の言葉だ。入れ」

朝潮「・・・」ドキドキ

三日月「・・・」キッ

憲兵「その目のガーゼはどうした?」

朝潮「えっと、これは・・・その・・・」

三日月「これはものもらいです。すみません、この子あがちゃってるみたいで・・・私も同行させてもらいました」

憲兵「それは構わないが、そうか。ものもらいなら仕方ない」

K(くっ・・・やはりついてきたか・・・)

憲兵「ふむ。では、朝潮本人に聞きたいことがあるんだが、大丈夫か?」

朝潮「は、はい!なんでも聞いてください!」

憲兵「なら、単刀直入に聞こう。君の提督は、どっちだ?」

朝潮「え・・・それは・・・」

提督「・・・」

K「・・・」ジロッ

787: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:10:16.15 ID:LIh+kENh0
朝潮(怖い・・・体の震えが止まらない)

朝潮(司令官と言いたいけど・・・あの人の姿を見てるだけで・・・体が・・・)

朝潮(頭で分かっていても・・・言葉が・・・)

ギュッ

朝潮(手を・・・誰かに握られた・・・)

三日月「・・・」ジッ

朝潮「三日月・・・」

三日月「・・・」ジッ

ギュウッ

朝潮「・・・うん・・・そうだよね」

提督『お前の楽な方を選ぶんだ』

三日月『私はなにがあっても朝潮の味方だよ』

朝潮(朝潮はもう一人じゃない・・・朝潮は、もう逃げちゃいけない!)

朝潮「朝潮の司令官は!最初から司令官ただ一人です」ビシッ

788: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:15:08.47 ID:LIh+kENh0
三日月「・・・!」パァ

K「なっ・・・」

憲兵「君の司令官は提督殿・・・そうなるか?」

朝潮「はい!」

K「あ、ありえない!その腕のキズは俺の鎮守府で付いたものだ!脅迫されているだけだ!」

K「そうなんだろう!?」

提督(朝潮・・・)

K「俺が嘘を言っていると言うのかお前!」

朝潮「あなたとは初対面です!」

K「貴様・・・!?」

響「・・・」

響(朝潮は自分の殻を、恐怖を打ち砕いた。それなのに私は・・・)

K「そ、そうだ!朝潮、お前は深海棲艦化しているらしいな!」

K「これもこの子から聞いている!そのガーゼで隠しているんだろう!?」

789: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:19:16.42 ID:LIh+kENh0
K「さぁ外して見せてみろ!」バッ

三日月「なっ!?」

朝潮「きゃあ!!」

K「ほら見ろ!目が白く・・・ない・・・!?」

提督「・・・!」

朝潮「あ・・・!ものもらい治った・・・」

提督(冷静な発言だだ・・・いいぞ朝潮)

三日月「よかったね」ニコッ

K「嘘をついたな響ぃ!!」

響「私は嘘などついていない」

憲兵「となると、嘘をついたのはK殿となるか・・・」

提督「さて、ここからは私の番か。K鎮守府の内情を訴えたい」

提督「さぁ見ろ。証拠ならたくさんあるぞ」バサバサッ

K「き、貴様ぁぁぁぁ!!!ハメやがったな!!!」

790: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/06(火) 22:26:23.84 ID:LIh+kENh0
提督「響が裏切ったのは私は知らなかった。勿論信頼していたからな」

響「・・・っ!?そんな!私のことは信頼していないと言っていたではないか!」

提督「・・・響、私はお前は信頼している。ずっと前からそう言っているだろう」

提督「お前は私を信頼してる。そうだったな?」

響「う・・・」

提督「その信頼は本物だと思っていた。だが、最近のお前は私を避けて居た」

提督「お前は私を信頼していないと悟った。だから私も信頼していなかった」

提督「信頼されているなら、それ相応に信頼する。それが私のポリシーだ」

提督「言っている事矛盾していることはわかってる。だが理解は出来ると思う」

提督「お前は信頼されていないと思い込んで、こんな事したんだろう。Kの信頼しているという言葉につられて」

響「なんだ・・・はは、私の一人相撲だったのか・・・すまない司令官・・・」ウルッ

提友「翔鶴」

翔鶴「はい。響ちゃん、ハンカチ使ってください」ソッ

響「ありがとう・・・」

K「茶番だ!!こんなもの!!」

提督「さぁ、憲兵殿、その資料に目を通してください」

803: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:12:59.14 ID:+KF8JlZ20
憲兵「ふむ・・・しかし、ここまでよく証拠を集めたもんだな」

提督「こう言ってはなんだが、スパイを送り込んだことがあるからな」

憲兵「許されることでは無いぞ」

提督「知っている。ただ、こいつの部下達である艦娘達を助けるためなら」

提督「どんなに汚い手でも使うぞ。私は」

憲兵「あなたの部下ではないんだぞ?」

提督「そうだな。だが、私の部下と約束したんでな」

提督「それに、私がそういう事を無視できるわけがない」

憲兵「・・・相変わらずだな」

提督「さっきから、私の事を知っているようだが、お前は私と初対面だろう?」

憲兵「・・・続けよう」

804: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:22:35.02 ID:+KF8JlZ20
憲兵「国の宝である艦娘達を大切にしないのは大罪である。それは、提督になる前に説明されているはず」

憲兵「それは知っているだろ?」

K「・・・知っている」

憲兵「もう、言い逃れするつもりはないんだな?」

K「するつもりもない。俺の提督人生もこれで終わりだ」

K「俺の全てをつぎ込んだ提督人生も、終わりなんだ」

K「もう、犯罪者になってもいいくらいの気持ちだ」

K「殺してやるぞ。貴様」

提督「これ以上、罪を重ねるのか」

提友「・・・」

K「どちらにしよ。私の人生は終わりだ。だったら、貴様も道連れにしてでも・・・」カチンッ

K「護身用に持っていたナイフが人殺しの道具になるとはな!」ダッ

三日月「司令官!危ない!」バッ

805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:28:38.56 ID:+KF8JlZ20
K「邪魔だどけ!」ドンッ

三日月「うっ・・・!」

朝潮「三日月!」

提督「・・・!」

K「死ね・・・!」

バチン

K「なっ・・・ナイフが・・・ぐっ!」

提督「貴様・・・俺の部下に何をした!!」

提友「あ、やばい。あいつキレてる」

新人「えっ!?ちょ、止めないんですか!?」

新人「それにKさんはどうしてあんなにも提督さんに嫌悪感を抱いているんですか!?」

提友「さぁな・・・自分の成績を新人の時のあいつにさっさと抜かれたからじゃね?」

新人「そんなことですか!?」

提友「Kとの面識は元からなかったぞ・・・俺達にはな」

806: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:39:32.91 ID:+KF8JlZ20
提督「俺の部下に何をしたと聞いている」ギリギリ

K「かっ・・・は、離せ・・・がっ・・・!」

三日月「し、司令官!」

朝潮「司令官!そんなに首を絞めたら・・・!」

提友「あーあー・・・本当にあいつは部下の事になると周りが見えなくなる奴だな」

新人「そんな冷静にしている場合ですか!?今、提督さんが人殺しになりそうなんですよ!?」

提友「残念ながら俺には止められないぞ。俺にはな」

新人「えっ・・・」

バタン

電「司令官さん!それ以上はいけないのです」

雷「そうよ!そんな奴の為に司令官がそれ以上する必要ないわ!」

金剛「そうネ!提督はこんなところでそんなことしたらダメデス!」

利根「そうじゃぞ!」

加賀「提督がいないと気分が落ち込みます」

北上「さりげなく告白してるね加賀さん」

加賀「そ、そんなんじゃないわ」

807: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:50:41.09 ID:+KF8JlZ20
提督「お前ら・・・!待機命令を出したはずだぞ?どうしてここにいる」

ドサっ

K「かはっ・・・!ゲホ・・・!」

電「それは・・・」

大井「提督が心配だったからに決まってるじゃないですか!」

明石「うひゃーすごい事になってましたね」

提督「・・・命拾いしたなK」

憲兵「・・・愛されてるな」

憲兵「さて、今回のことは上の方から俺に一任されている」

憲兵「憲兵に入りたての俺にな」

憲兵「これがどういうことかわかるか?K殿」

K「・・・どういうことだ?」

808: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 21:56:25.26 ID:+KF8JlZ20
憲兵「このあたりの鎮守府は重要視されていないという事だ」

憲兵「つまり、期待されていないという事」

K「な・・・」

憲兵「無駄だったんだよ。君の頑張りは」

憲兵「上に評価されてるなんて思っていたなんて、馬鹿みたいだな」

K「・・・」

憲兵「さて、殺人未遂に自分の艦隊を大切にしなかった罰」

憲兵「まぁ、提督は続けられないだろうな。期待しておけ」

憲兵「提督殿は・・・深海棲艦をかばった事を報告しなかった罪として一週間ほどの謹慎になると思う」

提督「それはおかしいだろう。私もこいつを殺そうとしたんだぞ?」

憲兵「俺には正当防衛にしか見えなかったな」

提督「・・・」

809: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:01:08.44 ID:+KF8JlZ20
憲兵「さて、行くぞK」

K「離せ!あいつにはまだ仕返ししていない!貴様だけは許さんぞ!」

憲兵「いい加減にしろよ。これ以上罪を重ねたいか?」

K「どうでもいい!いくらでも死んでやるさ!こいつを殺せるならな!」

憲兵「・・・うるさい」

ドスっ

K「う・・・」

憲兵「あー重い」

憲兵「提督殿はこいつに何をしたんだ?」

提督「・・・さぁな。こいつの初恋の人を見殺しにしたぐらいか」

提督「私の妻をな・・・」

憲兵「・・・そうか」

810: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:07:33.11 ID:+KF8JlZ20
憲兵「仕事に私情を挟むのは俺は嫌だったんだが・・・一回きりだけだ」

憲兵「これで、あのときの恩は返しましたよ」

提督「あの時?」

憲兵「あの時に恐怖で気絶していた俺の妹があなたに恋していると聞いて、少し運命を感じてます」

憲兵「あなたの笑顔に俺は救われた。親に捨てられた俺と妹をあなたたち夫婦は助けてくれた」

憲兵「あとで、奥さんのお墓、教えてくださいよ。骨は埋まってないでしょうが」

提督「まさかお前・・・」

憲兵「それでは、今日は解散。そのうち連絡が行くと思います」

憲兵「ここらの鎮守府は作戦には参加できないと伝えておく」

811: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:11:02.89 ID:+KF8JlZ20
提友「お前の兄貴だったんだな」

新人「なんでわかったんですか?」

提友「・・・お前の鈍感さも大概だな」

新人「えっ」

提友「さて、解散らしいから早く出て行ってくれ。俺も少し用事がある」

提友「翔鶴から幸せの匂いを嗅ぐ仕事が残っている」

翔鶴「それは仕事にしなくていいんですよ」

提督「そうか。大勢で邪魔したな」

提督「三日月、大丈夫か?」

三日月「尻餅ついたぐらいなので大丈夫です・・・」

提督「そうか・・・私の為に無茶はしないでくれ」

三日月「司令官こそ、私達の為にあまり無茶しないでください」

提督「・・・すまん。帰るとしよう。私達の鎮守府へ」

812: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:15:04.99 ID:+KF8JlZ20
響「・・・」

朝潮「・・・」

提督「お前ら、待機命令破ったからあとで罰を与えるぞ」

磯風「やはり追加か・・・この際なんでもこい」

大井「ただでさえ北上さんと同じ部屋で寝れない罰受けてるのに・・・」

提督「響、朝潮、どうした?帰るぞ」

響「・・・私は、帰れない」

朝潮「朝潮も帰れません」

提督「・・・どうしてだ?」

響「私は、司令官を裏切った。裏切り者がのうのうと司令官の鎮守府には戻れない」

朝潮「・・・朝潮が原因でこんな騒ぎになっているんです。朝潮がいなければこんなことには・・・」

提督「まさかと思うが、ずっとそんなことを考えていたんじゃないだろうな?」

響「・・・」

朝潮「・・・」

813: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:18:38.28 ID:+KF8JlZ20
響(ずっと司令官には信頼されていると思って従ってきた)

響(司令官が好きなのは今も変わらないけど、もう顔向け出来ない)

響(せっかく築いてきた信頼を自分で失くした)

響(一度失った信頼を取り戻すのはすごく大変なのはわかってる)

響(だからこそ・・・もう、司令官の下にいるなんて事出来ない)

響「司令官」

提督「・・・」

響「私は司令官が大好きだ・・・だから、約束してくれ。鎮守府に戻ったら、私を解体して欲しい」

814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/07(水) 22:23:23.20 ID:+KF8JlZ20
朝潮(響ちゃん・・・)

朝潮(せっかく深海棲艦化が収まったのに、この人たちと一緒に居るなんて)

朝潮(厚かましい事出来るわけない。司令官にあそこまでさせて)

朝潮(流石にわがままがすぎるから・・・一緒に戦いたいと思ったけど・・・)

朝潮「朝潮も、お願いします。解体してください」

朝潮(これでいいんだよね・・・朝潮は元々、居てはいけない子だったんだよね)

響(これでいいんだ・・・。私の役目はもう終わった)

朝潮(短い間だったけど、すごく幸せだった)

響(司令官と一緒に過ごせて、幸せだった)

朝潮響「今までありがとうございました。司令官」

827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:11:29.59 ID:6J8PBDwg0
提督「・・・そうか。三日月、痣チェック」

三日月「はい」

響「ちょっと待って。ここでスカートをめくる気?」

三日月「安心して。潜り込むだけ」ゴソッ

響「それも恥ずかしいけど」

三日月「脱がすよ」

響「えっ」

三日月「ニーソだから」

響「そういうことじゃなくてだな」

三日月「よいしょ」スッ

響「ちょっ」

829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:22:47.00 ID:6J8PBDwg0
三日月「ふう・・・痣、確認できませんでした」

響「ひどい辱めを受けた」

三日月「顔色一つ変えていないのに?」

提督「やはりな」

響「え・・・」

提督「解体されたいと言ったな。本心か?」

朝潮「・・・朝潮は・・・」

提督「・・・いいかお前達、裏切ったことは確かに悪いことだ」

提督「信頼を失うことになる」

提督「だが、結果として、多くの心を助けたことになったんだ」

響「裏切ったことは変わりない」

朝潮「原因になった事に変わりはないんです」

提督「私はお前達の上司だ。わかるな?」

830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:29:11.73 ID:6J8PBDwg0
提督「お前達の上司である以上、後先を考えなければならん」

提督「私が後先を考えて、そして、部下のお前達が目先の手柄を取り行く」

提督「それでいいんだ。私は、お前達の為に作戦を考える」

提督「それにお前達は従って目先の手柄を取る。失敗は仕方ない」

提督「最終的に成功すれば、私はそれで満足だ」

提督「今回の件については確かに裏切りはでかい」

提督「でも、その裏切りのでかさがこちらに味方したおかげであいつの嘘が露呈した」

提督「一度嘘がバレればその後は何も信じてもらえないからな」

提督「響は自分の得になることを先に選んだんだ。私は間違った事をしたとは思っていない」

提督「朝潮にしても同じだ。原因はどうあれ、それがきっかけでこうなった」

提督「それでいい。私からすれば、結果が全てだ」

朝潮「・・・どうして、そんなに優しくできるんですか・・・」ウルッ

831: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:33:44.25 ID:6J8PBDwg0
提督「これは優しさではない。仕事としての考えだ」

提督「お前達のコンディションを整えるのは私の仕事」

提督「お前達はそのコンディションで出来ることをして」

提督「結果を報告してくれればいい」

提督「失敗だろうが裏切りだろうが事の原因だろうが、私からしたらどうでもいい」

提督「・・・長々と話して悪い。一言で済ませれば、お前達は私の鎮守府に必要なんだ」

提督「結果が出せる奴らには、特にいてほしいからな」

朝潮「・・・」

響「・・・」

提督「・・・どうだ?」

提督「正直、すごく恥ずかしいんだが・・・」

電「司令官さん耳が赤いのです」

提督「余計な口を挟むのはこの口か」グニッ

電「いはいのへす」

832: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:37:08.35 ID:6J8PBDwg0
朝潮「朝潮は・・・」

三日月「朝潮がこれからも一緒にいてくれるなら、私は嬉しいな」

初霜「私も三日月と同じ気持ちかなぁ」

三日月「いつから居たの?」

初霜「ずっとこの鎮守府の初春と話してた」

朝潮「・・・朝潮、やはり司令官の下でお役に立ちたいです!」

朝潮「初霜や三日月達と一緒に戦いたい!」

提督「・・・ああ、歓迎するぞ」

三日月「これからもよろしくね朝潮!」ギュッ

初霜「よろしく!」

朝潮「うん!」

833: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:40:17.07 ID:6J8PBDwg0
提督「さて、話は決まった。帰るぞ皆」

響「私は納得してない!」

響「一度失った信頼を取り戻すなんて・・・もうできる気がしない」

響「司令官だってそう簡単に信頼なんて・・・」

提督「・・・本当にそう思ってるのか?」

響「・・・」

提督「お前に出来た痣が失くなったのがなりよりの証拠だと思うんだが」

響「私も気も知らないでよく言えるね。私はここから動かないぞ」

提督「・・・はぁ・・・頑固者だな」

カツカツ・・・

響「な、なんだ?」

提督「意地でも連れ帰る。捕まってろよ」

響「えっ」

834: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:44:24.50 ID:6J8PBDwg0
提督「よっと」ヒョイッ

響「なっ!?」

提督「おう皆帰るぞー」

電「お姫様だっこなのです。羨ましいのです」

三日月「私もしてほしいなぁ・・・」

提督「長居して悪かったな」

提友「俺の鎮守府でいつまでもイチャイチャすんな」

提督「すまん。それじゃあな」

提友「おう」



新人「羨ましかったです」

提友「・・・あいつは本当に上に立つべき人間だな」

提友「部下思いで、その部下からも好かれる奴だ」

提友「やっぱりあいつは、こういう職が向いてるな」

新人「・・・それにしても、兄さん偉くなったなぁ」

提友「ん?お前の兄さんなんてどこかに居たの?」

新人「さっきの憲兵さん」

提友「マジで?」

新人「はい」

835: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:48:45.80 ID:6J8PBDwg0
帰り道

響「し、司令官!流石にこれは恥ずかしい・・・」カァァ

提督「ん、責めるのは恥ずかしくないけど責められるのは苦手か?」

提督「ははっ照れてる所なんて滅多に見ないから可愛さ倍増だな」

響(笑顔の司令官が近い・・・)

響「司令官おかしいぞ!どうしたんだ!」

提督「もうなんかバカらしくなってきたんだ。お前達と一緒に居ると」

提督「表情を隠してた自分がバカみたいでな」

提督「明石や霧島に言われた通りだ。表情を隠してた意味がない」

提督「お前達が罰を恐れずに待機命令を無視してまで来てくれて確信した」

提督「大切に思われてるだな。私」

836: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:52:17.78 ID:6J8PBDwg0
提督「大切な人を守れなかった罪悪感から、幸せになる権利などないと思っていたが」

提督「これじゃあ幸せから逃げられないじゃないか」ニコニコ

響「・・・っ!!」カァァァ

電「響の顔が真っ赤なのです!」

響「やめろ見るな!」

提督「ははは!照れろ照れろ」

提督「さてと、お前達、待機命令を無視した罰を与えるぞ」

一同「げっ」

提督「荷物持ちだ。どうせ一週間謹慎で何も出来ないんだ。今日はたくさん買い物するぞ」

提督「主に食料だがな」

837: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 21:57:56.34 ID:6J8PBDwg0
響「し、司令官・・・そろそろ下ろしてくれないか・・・」

提督「ん?私の下でちゃんと働くか?」

響「働くからぁ・・・」

提督「よしわかった。下ろしてやろう」

響「はぁ・・・」ペタン

響「足に力が入らない・・・」

提督「ちょうど電話したかったんだ。腕も疲れたしな」ピッ

三日月「響大丈夫?」

響「ちょっと立てないかもしれない・・・」

三日月「・・・」ペチペチ

響「羨ましいのはわかったから優しく叩くのはやめてくれ」

提督「鳳翔か?明日バーベキューを実施するから、倉庫の奥の方にセットがあるはずなんだが・・・」

提督「わからない?だったら川内を叩き起せ。あいつなら知ってる。久しぶりに私も料理すると言えば飛び起きるだろう」

提督「ああ、明日のバーベキュー楽しみにしておけ」

838: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/08(木) 22:05:19.59 ID:6J8PBDwg0
提督「という事だ。皆、今からバーベキューをする肉やら野菜やらを買いに行くぞ」

提督「みんなでやるからかなりの量を買うが、罰だからな」

電「司令官さんの!」

響「手料理!」

三日月「二人共よだれ出てる・・・」

提督「鳳翔が来るまで私が料理を作っていたからな。健康管理も兼ねて」

提督「私の料理を食べたことあるのは電と響と川内くらいか?」

明石「あ、私もおすそわけで食べた事あります。すごく美味しかった記憶しかないです」

響「鳳翔の料理も美味しいが、司令官の料理の方が格別なんだ」

三日月(途端に元気になった・・・そんなに美味しいんだ・・・)

金剛「・・・なんか、私達が頑張って笑顔にさせようとしてたのがバカらしくなりマシタ」

利根「そうじゃな・・・」

加賀「ですが」

提督「ほら行くぞ!っと、その前に銀行に金をおろしに行かないとな!」

加賀「そんなこともどうでも良くなりますね」ニコッ

利根「うむ!それよりバーベキューが楽しみじゃのう!」

金剛「イエー!!荷物ならいくらでも持つヨ提督ー!」

844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 20:35:58.22 ID:544eKo320
その頃の鎮守府

鳳翔「川内さん?ちょっとよろしいですか?」

川内「んあー・・・何?眠いんだけど」

鳳翔「倉庫にバーベキューセットがあるって聞いたんですけど、どこにあるかわかりますか?」

川内「場所は知ってるけど・・・眠い。と言うか、なんで突然?」

鳳翔「提督が明日バーベキューをやると言っていたので」

川内「・・・提督が作るって?」

鳳翔「はい」

川内「ん、わかった。案内するよ」スッ

鳳翔(提督の言ったとおり・・・)

845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 20:42:25.56 ID:544eKo320
倉庫にて

川内「えーっと確か・・・よっ」

川内「提督の手作りって言ってたから結構重いんだよねぇ」

鳳翔「大きいですね」

川内「よし・・・あれ?」

鳳翔「どうしたんですか?」

川内「なんか、見たことあるような・・・」

鳳翔「あら・・・そういえば、提督がちょっと前に何個か減ってるって言ってたのを思い出しましたね」

川内「こんなところに」

川内「まぁ、これは提督が帰ってきてからでいいか」

川内「そういえば炭どうするんだろう」

鳳翔(川内さんがすごく積極的)

846: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 20:47:34.91 ID:544eKo320
数時間後

提督「すまんな。遅くなった」

川内「おかえり提督!それでさ、セット出しといたんだけど・・・」

提督「ああ、ありがとう」ニコッ

鳳翔「」ドキッ

提督「ん?一年近く放置してたはずだが、なんか綺麗だな」

提督「掃除してくれたのか?」

川内「いやーそれがさ・・・この子がこのセットに住み着いてたみたいで」

川内「手入れしてたみたいなんだ」

提督「・・・この子?」

川内「ほら、出てきて」

847: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 20:59:10.27 ID:544eKo320
妖精「」チョコン

提督「・・・高速建造材の妖精じゃないか。勝手に居なくなったと思ったら」

川内「なんか、大事にされてそうなものだったから居心地良かったんだって」

提督「そうか」

妖精「」グッ

提督「何?焼く事に関しては任せろって?」

妖精「」シャキン

提督「それでやるのはいいが、火力はある程度抑えろよ?」

妖精「」ビシッ

提督「焼く人手が増えるのは嬉しい。頼んだぞ」

金剛「提督・・・はぁはぁ・・・は、速いデス・・・」

提督「やっと来たな。頑張ったな」

848: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:03:58.70 ID:544eKo320
三日月「い、いくらなんでも買い過ぎでは・・・?」

提督「人数も多いし、大食らいも何人もいるからな」

提督「それより川内、電や響達はまだ帰ってきてないか?」

川内「え?まだ帰ってきてないよ」

提督「ふむ・・・ではまた出かけてくるとしよう」

三日月「えっ!まだ何か買いに行くんですかっ!?」

提督「お前達は休んでいいぞ。ああ、鳳翔の指示に従って肉はちゃんと冷蔵庫にしまっておけ」

提督「酒を買ってこないといけないからな。酒好き集めて買ってくる」

提督「野菜班の電と魚介班の響が戻ってきたら連絡くれ」

提督「隼鷹とか誘って行ってくるから」

提督「それと、今日の事は後に連絡する。それじゃあな」

849: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:12:28.48 ID:544eKo320
夜中

提督「さすが電と響だな。いいもんを買って来ている」

提督「疲れて寝てしまったようだがな」

提督「さて、下ごしらえが大変だがやるか」

鳳翔「何かお手伝いさせてください」

木曾「俺も手伝ってやろう」

提督「お前料理できるのか?」

木曾「舐めるな。これでも人並みには作れるぞ。いざ嫁になるときにできなかったら恥ずかしいもんな」

提督「お前もそういう事考えるんだな」

木曾「心外だな。俺だって女だからな」

摩耶「しょうがねぇからあたしも手伝ってやるよ」

弥生「弥生も・・・手伝う」

提督「助かるが、無理はするなよ。それと鳳翔」

鳳翔「はい?」

提督「休んでいろ。たまには料理しない日があってもいいだろう?私達に任せろ」

鳳翔「ですが・・・」

提督「命令だ」ニコッ

鳳翔「・・・では、お言葉に甘えさせてもらいます」

850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:27:41.79 ID:544eKo320
提督「今日は徹夜だ。眠くなったら寝ていいぞ」

木曾「大丈夫だ。最後まで付き合うぜ」

摩耶「あたしは眠くなったら寝るぞ。遠慮なくな!」

提督「よし、それじゃあはじめるか」

提督「さっさと済ませるぞ。下ごしらえが終わっても、やることはたくさんあるからな」

木曾「おうよ!」
摩耶「おう!」
弥生「・・・がってん」

霧島「・・・元気ね・・・」

提督「ん?どうした霧島?」

霧島「喉が渇いたから飲み物をと思ったんだけど」

提督「フルーツジュースならすぐにでも出してやれるが」

霧島「あら?明日のためのじゃないの?」

提督「まかないでもあるから大丈夫だ。それに、飲んでも無くならないほど作れるぞ」

霧島「そう?じゃあ一杯もらおうかしら」

851: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:34:56.43 ID:544eKo320
翌朝

提督「よし・・・後は次々作っていくしかあるまい。ご苦労だったな」

木曾「ああ・・・疲れたな・・・」

木曾(と言うか。俺より料理上手くてなんかイラつく)

摩耶「ああ、眠い」

摩耶(・・・手際が良すぎてついていくのがやっとだった)

弥生「終わった・・・いえい」

提督「よく頑張ったな。少し休んでおけ。私はこれから炭に火をつけなくちゃいけないからな」

提督「出来れば、全員起こしておいてくれると助かる」

弥生「了解」

提督「いい返事だ」ニコッ

852: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:42:42.52 ID:544eKo320
パチ・・・パチパチ

提督「・・・多いから炭に火をつけるのもやっとだな・・・」

三日月「司令官。お客さんですよ」

提督「誰だ?こんな朝早くから」

憲兵「すみませんね。朝早く」

憲兵「と言うか。今から何する気ですか?」

提督「バーベキューだ。鎮守府みんなで」

憲兵「はぁ・・・謹慎中なんですからあんまり派手な事はしないでくださいよ」

提督「堅いこと言うなよ」

憲兵「まぁ、いいですけど」

憲兵「今日は、色々報告したいことがあるのと、少しあなたと話したかったんですよ」

憲兵「あなたに折り入って頼みたい事もあるので」

提督「火を起こしながらでもいいなら聞くぞ」

853: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 21:52:48.32 ID:544eKo320
憲兵「簡単に言えば、あなたへの謹慎はそのまま問題なかったんですけど、Kの処罰は度を越えているから上で話し合うみたいです」

憲兵「まぁ、よくやったとは言われましたね」

提督「ほう」

憲兵「それと、K鎮守府に居た子達なんですけど、確認しに行ったら」

憲兵「ほぼ機械の様に無表情で生きているのかすら心配になるぐらいでしたね」

提督「ひどかっただろう」

憲兵「新しい提督を配属しようにも、あのままじゃいうことを聞くのかどうかも怪しいですし」

憲兵「何より、新人の提督がやっていけないんじゃないかと思いまして」

提督「だろうな」

憲兵「そこで、あなたに頼みたい事があってですね」

憲兵「K鎮守府の子達を、元気づけて欲しいんです。朝潮を元に戻したように」

提督「気付いてたか。朝潮がKの部下だと」

憲兵「まぁ、薄々は。証拠があり過ぎてむしろどうあなたの部下だと思えばいいのかわかりませんでしたね」

憲兵「結局、朝潮本人があなたを自分の提督だと言ったので乗っからせてもらいましたがね」

提督「ふふ、ひどい奴だな。私情を挟みまくってるではないか」

憲兵「お互い様でしょう」

854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 22:02:45.80 ID:544eKo320
提督「それより、いいのか?私が再教育しても」

憲兵「何か問題でも?」

提督「私が育てると、待機命令すら守れないじゃじゃ馬にしかならないぞ?」

憲兵「それぐらいがいいんじゃないですか。そっちの方が、俺は楽しいと思いますよ」

提督「はは、否定はしない。まぁ、いつでも連れてこい。こっちの連中には私から説明しておく」

提督「にしても、でかくなったな。あの新人、お前の妹だったんだな」

憲兵「ええ、あの時気絶してた奴ですがね」

提督「事故に対しての記憶がなかったみたいだが?」

憲兵「あの事故の記憶だけ、なくなっているみたいなんです」

憲兵「まぁ、思い出さなくてもいいので放っておいてますが」

提督「自分の本能でトラウマの記憶を抑える事もあるらしいからな」

提督「ああ、そろそろいい具合だ。どうだ?お前も一緒にやってくか?」

憲兵「いえ、他にも色々と用事があるので」

提督「そうか。残念だ。では、暇がまたゆっくり話そう」

憲兵「はい。それでは、K鎮守府の子をここに連れてくるときは連絡します」

提督「ああ、待ってる」

859: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 00:07:08.07 ID:Yff5bBky0
提督「ああ、そうだ」

憲兵「はい?」

提督「お前には言っておこうと思うんだが、うちの部下は、三人ほど深海棲艦化していた」

提督「完治はしていると思うが、私もKと同罪だな」

憲兵「それを俺に話してどうするんですか?」

提督「いや?お前が上に報告してもいいし、そのままほっといてもいい」

提督「報告すれば、お前の評価は上がるだろうな」

憲兵「・・・」

提督「まぁ、好きにすればいいさ」

憲兵「そんなんだから、出世できないんですよ」

提督「出世に興味はないからな」

憲兵「ふふ、だからこそ、年下に好かれるんでしょうけど・・・それでは俺はこれで」

提督「ああ」

860: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 00:22:14.42 ID:Yff5bBky0
数十分後

響「司令官、皆起き出したよ」

提督「来たか。バーベキューらしい串焼きはもう焼けて、もう食えるぞ。妖精も中々いい仕事してるからな」

妖精「」ドヤッ

提督「魚介もそろそろ焼き始めるが、どうだ。まずは飲み物か?」

提督「響がいい魚介を買ってきてくれたからな。さすが響だ」ナデナデ

響「・・・」カァァ

提督「サラダもあるぞ。なんでも食え」

鈴谷「はいはーい!鈴谷、喉渇いたー!」

隼鷹「まずビールだろビール!」

提督「缶ビールやら酒関連はそこのクーラーボックスに入ってるから好きなの取れ」

提督「ジュースが飲みたければそこのウォータージャグに色々入ってるから飲め」

提督「今日はジャンジャン食って騒げ!言っておくが今日だけだからな」

鈴谷「提督ー!提督はお酒飲まないのー?」

提督「ああ、少ししたら飲むさ。人数が人数だからな。後からは食いたきゃ自分で焼いて食ってくれ」

提督「それじゃあ、食い始めるか!」

861: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 00:43:41.42 ID:Yff5bBky0
木曾「美味い!手伝った甲斐があったもんだ!」ガツッ

天龍「うめぇな・・・提督ってこんなうめぇもん作れたんか・・・」バクッ

隼鷹「いやーいいねぇこの味付け、たまらなく癖になるな。串物はこう引き抜いて食うのも風情があっていいねぇ」

熊野「ナイフとフォークはないんですの・・・?」

鈴谷「そうじゃなくてこうやって食べるんだよー熊野」グイッ

熊野「野蛮な食べ方ですわ・・・でも、鈴谷似合いますわね」

鈴谷「ワイルドっしょ?」

提督「熊野、フォークとナイフあるぞ」スッ

熊野「あら・・・ありがとうございます」

鈴谷「ちょっと提督!熊野にワイルドな食べ方させたかったのに!」

提督「そう言うな」

菊月(あの食べ方かっこいいな・・・)ガッ

菊月「あちっ」

長月「無茶するな。熱いの苦手だろう」モクモク

菊月「ぐう・・・」ヒリヒリ

862: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 00:56:10.52 ID:Yff5bBky0
数時間後

提督「・・・だいぶ食ったな」

電「司令官さん。お客さんなのです」

提督「ん?今度は誰だ?」タッ

電「あ!鎮守府の出入り口じゃないのです。あっちなのです!」

提督「あっち?あっちは海だぞ?」

ザバッ

南方棲戦姫「・・・」ジーッ

提督「・・・確かにお客さんだな」

電「お客さんなのです」

南方棲戦姫「・・・お腹、減ったわ」

提督「美味い匂いに誘われたな。これでも食うか?串焼きだが」スッ

飛行場姫「・・・」ジーッ
装甲空母姫「・・・」ジーッ
戦艦棲姫「・・・」ジーッ

南方棲戦姫「・・・仲間、話したら、行きたいって」

提督「団体さんだったか。一緒に食ってくか?食物なら、食いきれないほど買ってきてるからな」

863: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 01:14:05.28 ID:Yff5bBky0
加賀「・・・」パクッ
装甲空母姫「・・・」パクッ

陸奥「これも食べる?何食べても、美味しいわよ」
戦艦棲姫「ん・・・」

青葉「あ、記念に写真とっていいですか?」
飛行場姫「いいわよ・・・」

提督「・・・気に入ったみたいでよかった。うちの部下とも仲良くなっているようだな」

南方棲戦姫「・・・よかった。ここなら・・・打ち解けられると思ったわ・・・」

南方棲戦姫「・・・それより・・・顔が・・・コロコロ変わるようになったわね・・・」

提督「ああ、肩の重荷が下りたからな」

南方棲戦姫「そう・・・そっちの方が、魅力的よ」

提督「ああ、ありがとう」

金剛「提督!他の子にデレデレしてだらしないヨ!」

提督「褒められたら仕方がないだろ・・・」

金剛「褒める事ならいくらでも褒められるヨ?」

提督「ありがたみがなくなるからやめなさい」

864: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 01:29:11.28 ID:Yff5bBky0
バーベキューは夜まで続いた

そして

南方棲戦姫「今日は・・・ありがとう・・・」

提督「ああ、うまかったか?」

深海棲艦達「」コクッ

提督「なら、よかった。これから、気軽に遊びに来てくれ」

南方棲戦姫「ええ・・・それじゃ。これからも、戦うかもしれないけど・・・」

提督「その時は、お手柔らかにな」スッ

南方棲戦姫「・・・ええ、こっちからも・・・頼むわ」ギュッ

提督「・・・」ニコッ

南方棲戦姫「・・・」ニコッ

バシャ

陸奥「・・・前来たときも思ったけど、悪い子達じゃないわよね」

提督「そうだな。もしかしたら、一緒に過ごせる日が来るかもしれないな。出来れば、そうなって欲しいものだ」

865: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 01:40:47.39 ID:Yff5bBky0
提督「さて・・・だいぶ散らかったな。片付けるぞ」

提督「金網を洗うのは少し手間がかかるが、任せられるか?鉄板は重いから長門に任せてあるが」

雷「任せて!私にかかればちょちょいのちょいよ!」

暁「暁も手伝うわ!大人のレディとして、これくらいの事出来なきゃね!」

提督「そうか。ならば、私は炭の始末と本体を片付けるとしよう」

霧島「手伝う?」

提督「ありがたい」

霧島「前のおにぎりのお礼だと思って」

提督「そうか。いいことはしておくもんだな」

霧島「・・・そういえば、そろそろ秘書艦変えたりしないの?」

提督「そうだな・・・そのうち考えるさ」

霧島「・・・なんなら、私が秘書艦になってもいいわよ?」

提督「一度、秘書艦経験が長く続いた者にはあまりさせない様にしてるんだ。電は特例だったけど」

霧島「残念ね。仕方ないことだけど」

提督「ああ、いつになるかわからんが、その時は頼む」

霧島「ええ」

866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 01:50:37.94 ID:Yff5bBky0
提督「・・・爆睡してる奴はその相部屋してる奴に運んでもらえ」

長月「まったく・・・カッコつけて酒なんか飲むからこうなるんだ」

菊月「うう・・・ぎぼぢわるい・・・」

隼鷹「ヒャッハー・・・」グゥ

瑞鳳「ああもうお酒臭い・・・」

加賀「赤城さん、戻りますよ」

赤城「えへへ・・・お腹一杯・・・」グゥ

鈴谷「でへへー熊野は可愛いなぁ!」スリスリ

熊野「鬱陶しいですわ!やめなさい!」ペシッ

響「・・・まったく、暁は無理に大人ぶりたがりすぎ・・・」

暁「頭いったーい・・・」

電「しっかり立つのです」

暁「もー無理ー、おんぶ」

雷「世話がかかるお姉ちゃんねぇ・・・」

867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 01:59:49.10 ID:Yff5bBky0
提督「今日はご苦労だったな」

青葉「司令官!スパイしたときみたいな報酬、お願いしますね!」

提督「ああ、体が煙いかもしれないから、しっかり洗濯と自分の体を洗うように」

木曾「了解。俺達は部屋にもどるが、提督はどうするんだ?」

提督「今日は張り切りすぎて疲れた。少し残って一人で飲むさ」

木曾「そうか。もう秋も近いし寒くなるだろうから、風邪だけは引くなよ」

提督「ああ、わかってるよ」

響「おやすみ司令官」

提督「ああ、おやすみ」

868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 02:12:17.53 ID:Yff5bBky0
提督「・・・終わってみると、やはりあっという間だな・・・」

提督「色々考えて、計画立てて、作戦して、ふと思い返せば、全てが終わっている」

提督「ん・・・はぁ・・・年を取ると、寂しさが溢れそうになるな・・・」

提督(これからどうしようか。Kの所の子達を再教育か。少し骨が折れそうだが、なんとかなるだろう)

提督(しかし、まだ響と朝潮のメンタルケアもある・・・朝潮は三日月や初霜に任せておけばなんとかなるだろう)

提督(響の方は、本人が問題だからな・・・不安にさせないよう、私も気を付けなければ)

提督「・・・酒なんて久しぶりだな。飲んで嫌なことを忘れようと思ったが、酔わんし美味いとは思わん」

提督「はぁ・・・」

タッ

提督「ん?」

???「防波堤から足を投げ出して、寂しそうな顔でどうしたんですか?」

提督「ああ・・・少し、寂しくなってな」クッ

???「・・・横、座ってもいいですか」

提督「いいぞ。私の横でよければな・・・っと、そうだ」バサッ

???「上着、汚れちゃいますよ?」

提督「構わん。お前のスカートが汚れる方が問題だからな」

877: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 11:35:51.11 ID:7D8AecQ90
???「少しだけ肌寒いので、私が羽織らせてもらいます」

提督「・・・お前がそれでいいならそれでもいいが・・・」

???「・・・司令官の匂いがします」

提督「加齢臭だろうなぁ。臭かったら敷いて座れ」

???「いえそんな・・・心地のいい匂いです」

提督「・・・そうか」

???「もし、臭いって言われたらどうしたんですか?」

提督「ちょっと落ち込んだな」

???「あはは・・・なら言わなきゃいいのに・・・」

提督「それより、今日は楽しかったか?あまりお前を見かけなかったが」

???「はい楽しかったです。途中抜けちゃいましたけど・・・」

提督「そうか。なら、よかった。三日月が喜んでくれたみたいで」

878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 11:42:52.38 ID:7D8AecQ90
三日月「・・・」

提督「・・・」

三日月「あの」
提督「なぁ」

三日月「あ・・・司令官からどうぞ」

提督「・・・じゃあ聞きたいんだが、お前は今幸せか?」

三日月「え?あーそうですね・・・よくわかりません」

三日月「幸せかどうかはわかりませんが、司令官とこうして話せるのは嬉しいですね」

提督「・・・そうか。なら、よかった」

提督「三日月はなんだ?」

三日月「・・・四つほど、聞きたいことがあるんですけど」

提督「なんだ?」

三日月「深海棲艦化の事をまず聞きたかったんです」

提督「どういうことだ?」

879: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 11:55:09.22 ID:7D8AecQ90
三日月「司令官は何かわかったんじゃないですか?」

三日月「響の深海棲艦化が治って居たときも、やっぱりと言っていましたし」

提督「ああ・・・朝潮の件でなんとなく、わかっただけだ」

三日月「どういうことですか?」

提督「私の推測だが、深海棲艦化は、沈みかけた時の大きな負の感情に呪いが根付く」

提督「恐怖だったり不安だったり」

提督「元となった不安や恐怖を餌に他の不安までも増長させ深海棲艦へと近づけさせる」

提督「・・・朝潮は、Kの奴に恐怖していた」

提督「だが、あの時朝潮は、お前の力を借りて、その恐怖に打ち勝った。そして自信をつけた」

提督「だから深海棲艦化が失くなった。そう考えれば、電が治った理由も、響が治った理由も説明がつく」

提督「電は沈んだ時、役に立てなかった事を悔やんだ。そして、帰ってきてしまったからそれが新たな不安になった」

提督「響もそうだ。任務失敗、その上沈みかけて信頼が失くなったと不安になった」

提督「電も響も、その不安を取り除いたらあっさり消えた」

提督「簡単なことだったんだ」

880: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 11:58:53.12 ID:7D8AecQ90
提督「呪いの根が張った負の感情を取り除かず、ただ小さな不安ばかり解決しても」

提督「いつまでも残っている呪いが増長させて成長する。それこそ、雑草のように」

提督「元から断つ必要があっただけなんだ」

三日月「・・・なるほど・・・」

提督「あくまで推測だ。本当の事じゃない」

三日月「でも、それだったら辻褄が合いますね」

提督「・・・いや、響のだけはどうしても納得出来ない節もある」

提督「あいつの不安は、言葉だけではどうしようもなかった。なのにどうして消えたのか」

三日月「それは、簡単なことですよ」

提督「何?」

三日月「それより、二つ目の質問です」

提督「なんだ?」

881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 12:05:14.69 ID:7D8AecQ90
三日月「どうして深海棲艦達が船を沈めた事にされたんですか?」

三日月「潜水艦さん達に船を見てきてもらったんですよね」

提督「ああ、あの壊れ方は、明らかに内側からの破壊によるものだ」

提督「どう考えても、外側から壊れるようなものではない」

提督「自爆テロか・・・もしくは事故か」

三日月「でもどうして・・・」

提督「上が一般市民からの募金を集めるためだ」

提督「ただでさえ莫大な金がかかるこの職業、資金難だったんだろうな」

提督「一般市民を騙して自分の懐に入れているわけではなく、私達に予算として渡されている手前」

提督「何も言えんのだが」

提督「まぁ、一人ぐらいは懐に入れている奴は居るだろうがな」

提督「客船を沈められ、一般市民に危害が及ぶと言えば、自分が大事な奴は募金をするだろう」

882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 12:12:17.24 ID:7D8AecQ90
三日月「それでは三つ目。敵である深海棲艦達にあそこまで優しくできるんですか?」

提督「深海棲艦化を目の当たりにした以上、あいつらも元は艦娘だったんだろう」

提督「不安、恐怖を抱えて沈んだ。それを癒せぬまま深海棲艦し、深海棲艦になったら、私達に沈められ」

提督「呪いが沈む恐怖を増長させ、その恐怖に新たな呪いが根を張る」

提督「・・・悪循環をした結果なんだろう」

提督「あいつらからの攻撃を仕掛けてくることはない」

提督「一部に至っては来るなと言ってくる」

提督「あいつらはもう、沈みたくないんだろうさ。戦いも出来る限り避けたいんだろう」

三日月「・・・」

提督「敵が攻撃してくる。迎え撃たなければまた沈められる」

提督「それが私達に攻撃をしてくる理由だ・・・と私は思っている」

883: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 12:19:56.38 ID:7D8AecQ90
提督「おそらく、一番の被害者はあいつらだ」

提督「こんな考えしてる奴なんて、どこの鎮守府探しても私だけだろうな」

提督「電とも約束しているが、助けられる命は、私も助けたい」

提督「・・・それが、あの難しい命令の理由でもある・・・」

三日月「・・・命令については、私も賛成でした。戦いである以上、誰かが命を落とすのは仕方なのないことですが」

三日月「出来るだけ助けたいのは・・・皆同じ気持ちだと思います」

三日月「司令官についてきてる皆は」

提督「・・・ああ、そうだな。私は幸せ者だよ」

三日月「・・・やっと幸せから逃げることをやめたんですね」

提督「お前達は私を幸せにしてくれている。今度は、私がお前達を幸せにする番だ」

提督「私を慕ってついてきてくれるお前達には・・・幸せになって欲しいからな」

三日月「はい・・・それでは、最後の質問です」

提督「いいぞ。なんでも聞いてくれ」

三日月「・・・どうして、嘘をつくんですか」

888: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 02:19:25.94 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・」

三日月「司令官を好きな人たちなら、薄々気づいていると思います」

三日月「本当は、私達の幸せを望んでない」

提督「・・・そんなことは」

三日月「いえ、思っています」

提督「む・・・証明できるのか?」

三日月「証明は、出来ません。けど、司令官が嘘を言っている時、少しだけ、視線を外します」

提督「・・・」

三日月「口を酸っぱくして幸せになって欲しいと言っているときは、必ず合わせていた目線を少しだけずらす」

三日月「だから」

提督「そう・・・なのか?」

三日月「・・・はい」

提督「そうか・・・」

三日月「否定は・・・しないんですか?」

提督「否定はしない・・・」

889: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 02:27:25.06 ID:BEY2V0tG0
三日月「どうして・・・ですか?幸せになることは、悪いことですか?」

提督「悪いことではない。ただ・・・」

提督「いや、知る必要はない」

提督「知る必要は、ないんだ・・・」

三日月「・・・司令官、これを」スッ

提督「これは・・・指輪」

三日月「お返しします」

提督「お前にあげたものだ好きに使え」

三日月「お返しします」

提督「しかし」

三日月「私には必要ないので」

提督「どうしてだ?」

三日月「司令官が、私達の幸せを望んでいないのなら、これは私が持つべきものではないので」

三日月「それでは」スッ

三日月「司令官と一緒に居ることも、おそらく出来ませんから・・・」ボソッ

提督「・・・待て」

890: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 02:40:34.14 ID:BEY2V0tG0
三日月「・・・なんですか?」

提督「いや・・・その・・・なんだ・・・誤解なんだ」

三日月「・・・」

提督「誤解じゃなくてだな。幸せにはなって欲しいんだ。それは本心だ」

提督「だが、そのためにはやはり、幸せにはなって欲しくない」

提督「手に入れて欲しくない」

提督「・・・難しい事を言っているがそうなんだ。つまり」

三日月「・・・だから幸せになって欲しくないと?」

三日月「今の司令官は、矛盾した事ばかり。訳がわかりません」

提督「・・・ああ、そうだな。すまん。ただ、これだけは知ってほしい。幸せになって欲しいのは本当だ」

提督「頭がこんがらってきた・・・ちょっと待ってくれ」

三日月「・・・簡単な事を聞きます」

提督「なんだ」

三日月「私は、あなたの側に居てもいいということですか?」

提督「ああ」

スッ

三日月「それじゃあ、ここできっちり理由を話してもらえますか?」

提督「・・・わかった。話そう。本当に、お前のような負けず嫌いには勝てんな・・・」

891: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 02:52:22.01 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・考えれば簡単な事だ。お前たちに、大切な人を失う絶望を知って欲しくない」

三日月「大切な人って・・・」

提督「大切な人は友人でも恋人でも仕事仲間でもいい。そんな人を失う悲しさを知って欲しくない」

提督「私は、二回もその悲しさを体験した。妻の時と、娘の時だ」

提督「妻の時は、娘が居たから耐えられた」

提督「だが、娘の時は、本当に立ち直るのに時間がかかった」

提督「立ち直れしたが、辛くて辛くて、今だに大きな月が出るときは涙がこみ上げてくる」

提督「二人が居なくなってしまった時にも同じような月が出ていた」

提督「・・・そうなんだ。本当にその時の事を思い出しただけで・・・ぐっ」

三日月「・・・司令官」サスサス

提督「すまない・・・」

三日月「つまり、司令官は、トラウマを克服できない情けない自分と、幸せから逃げてたんですね」

三日月「そんなの自分勝手です」

提督「だが、電や朝潮、響は克服出来た。それなのに私は・・・」

892: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 03:04:13.84 ID:BEY2V0tG0
三日月「そんなのどうだっていいじゃないですか」

提督「何・・・?お前に、私の気持ちが理解できるのか?」

提督「どんなに辛かったのか!わからんだろうが!」

三日月「わかりませんよ!司令官は何も言ってくれないじゃないですか!」

三日月「皆には悩み事はなんでも言えって言っておいて!」

三日月「自分は自分の悩みを抱え込んで!」ジワァ

提督「う・・・」

三日月「それに・・・それに・・・」

三日月「司令官が昨日、指輪を渡してくれたとき、どれだけ悲しかったか」

三日月「その時、もし、このまま司令官に会えなくなったらって思ったら・・・」

三日月「泣くの我慢したんですよ!」

三日月「幸せを失う事がどれだけ辛いかなんて、感じ方は人それぞれですだと思います」

三日月「司令官の半分も生きてない身分で偉そうな事言うのはどうかと思いますけど・・・」


893: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 03:20:02.90 ID:BEY2V0tG0
三日月「それに、トラウマの件もそうです。あの三人はトラウマの原因が目の前にあったからこそ克服できたんです」

三日月「でも、司令官のトラウマは、原因が過去の物です」

三日月「治せなくても、仕方ないと思います。それに」

提督「う・・・ぐっ・・・」

三日月「一つくらい弱点があったほうが、人間らしいと思いますよ」

三日月「・・・泣いてもいいんですよ司令官」

三日月「辛いことがあったら、誰かに頼っていいんです。私だってそうします」

提督「すまない・・・本当に・・・すまない・・・そんな相談と言う簡単な事も出来ない提督で・・・」

三日月「・・・これからは、電ちゃんだけじゃなくても、相談に乗りますよ」

提督「ああ・・・そうだな。だが、泣かん。もう、泣かない」

提督「約束しよう。これからは、協力して行こう。私も、お前達みんなに助けてもらうことにするさ」

三日月「それじゃあ、指きりですね」ピッ

提督「ああ」キュッ

894: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 03:27:51.12 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・よしこれで・・・」

三日月「・・・もう一回です」

提督「何?」

三日月「幸せから逃げない。それを約束してください」

提督「それは・・・」

三日月「司令官が幸せになってくれれば、幸せになれる人だっているんです」

三日月「私もその一人です。ですから」

提督「それは約束出来ん」

三日月「もう、強情ですね」

提督「お前に言われたくない」

三日月「あ、そうだ」ゴソゴソッ

三日月(友司令官から受け取ったやつは・・・)

提督「ん?」

895: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 03:37:10.59 ID:BEY2V0tG0
三日月「これ・・・」

提督「目薬?」

三日月「あ、こっちじゃなかった・・・こっちです」ソッ

提督「普通の紙と折り鶴?相当古ぼけているが」

三日月「友司令官からです。手紙のようですけど・・・」

提督「・・・姉さんからだな。どれ」

手紙『弟へ。千羽鶴が千一羽鶴になってたからあげる。これはあんたが持ってたほうがいいだろうし。姉より』

提督「・・・私はきっちり千羽しか折っていないんだが。もって行く前にちゃんと数えたはずだ」

三日月「私も一緒に数えたので間違いないはずですよね」

三日月「もしかしたら、ミヅキちゃんからの手紙かもしれませんよ?」

提督「っ!?何故、娘の名前を・・・?」

三日月「羽の所を見てください」

鶴の左翼『お父さんへ』

鶴の右翼『美月より』

提督「・・・何故、こんなものが・・・?」

896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 03:43:40.93 ID:BEY2V0tG0
三日月「・・・開けないんですか?」

提督「手が・・・手が震えてうまく開けられない・・・」ジワッ

提督「おかしい・・・手が止まらない・・・」プルプル

三日月「・・・私が、開けて、読んであげましょうか?」

提督「・・・頼めるか?」

三日月「はい・・・」カサカサッ

三日月「・・・」ジッ

三日月「準備はいいですか?」

提督「少し待ってくれ。深呼吸をする」

提督「スゥ・・・ハァ・・・スゥ・・・ハァ・・・よし来い」

三日月「それでは・・・」

897: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 04:14:26.55 ID:BEY2V0tG0
三日月「お父さんへ」

三日月「私は、お父さんの娘として生まれて、とても幸せでした」

三日月「物心がつく前にお母さんが死んじゃって、おばさんも居たし、お父さんが居たから笑顔で居られた」

三日月「今まで中々会えなくて本当の事言えなかったけど、私はお父さんが大好きだった」

三日月「お母さんと二人でお父さんの取り合いをしてみたかった」

三日月「私、お父さんのお嫁さんになるとか、色々言ってみたかった」

三日月「中学に上がっても同じ気持ちだった」

三日月「色々やりたいこともあったけど。お父さんの娘だったからほとんど後悔は無いけど」

三日月「私はお父さんを幸せにしてあげられない事」

三日月「それだけが心残りです」

三日月「お父さんで居てくれて、娘として愛してくれて」

三日月「幸せにしてくれてありがとう」

三日月「そして、私やお母さんの事、忘れてとは言わないけど」

三日月「新しい幸せを見つけて幸せになってください」

三日月「美月より」

898: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 04:26:29.91 ID:BEY2V0tG0
三日月「だ・・・そうです」

提督「うう・・・ぐすっ・・・うああ・・・」ボロボロ

三日月(・・・仕方ないか・・・こんな手紙もらったんじゃ・・・)

三日月(私も泣きそうだったけど、ここで泣いたら負けな気がする)

提督「本当にすまん・・・涙が止まらない・・・こんな手紙を残して・・・あいつは・・・」

提督「・・・馬鹿な奴らだよ・・・妻も娘も・・・」

妻『あなたを愛していた』

提督「自分の命が危ないのに、他人の事ばかり・・・」

三日月「それは違うと思いますよ。あなただからこそ、出来たんだと思いますよ」

提督「そう思うか・・・?」

三日月「はい!私が奥さんや娘さんだったら、そう思います」

提督「そうか・・・そうか・・・」グイッ

提督「よし、吹っ切れた」

三日月「えっ早い」

900: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 04:32:47.76 ID:BEY2V0tG0
提督「三日月、お前のおかげでもある。ありがとう」ナデナデ

三日月「あ・・・いえ、お役に立てて光栄です」カァァァ

提督「約束しよう。私も、お前達も幸せになろう」

提督「忘れていた。幸せを失った時には悲しさだけではなかった・・・」

提督「お前には特別に褒美をやろう。なにがほしい?」

三日月「えっ?それはちょっと・・・私は何もしてませんよ?」

提督「いい。私が与えたいんだ」

三日月「ええっと・・・それじゃあ・・・」

三日月(こんな手は卑怯だと思うけど・・・司令官相手に正攻法は通じないもん仕方ないよね)

三日月「キス、してください」

提督「」

901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 04:44:43.17 ID:BEY2V0tG0
提督「えっと・・・ど」

三日月「勿論口です」

提督「・・・むう・・・困ったなぁ」

三日月「私とするのは嫌ですか・・・?」

提督「いや・・・そうじゃないんだ・・・ただなその・・・」

三日月「何かご不満ですか?あ、私の口が臭いとかですか!?」

提督「いや、そうじゃない。臭くないから安心しろ」

提督「その・・・私も男だ。それはわかるな?」

三日月「はい・・・」

提督「私も溜まってるんだ。わかるな?」

提督「それに・・・お前は娘に似ているからイケナイ事をしている感じになってしまってだな・・・その」

三日月(怖い顔なのにあたふたしてる司令官ちょっと可愛い・・・)キュンッ

三日月(でも娘に似てるからどうしたんだろう。確かにイケナイことしてる気がしない気でも・・・あっ)

提友『だって俺の妹に似てるもんでなぁ』

三日月「・・・っ!」カァァ

902: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 04:57:20.14 ID:BEY2V0tG0
三日月「あの・・・つかぬことを伺いますが司令官」

提督「な、なんだ」

三日月「奥さんは、私と同じくらいの時、私と似てましたか・・・?」

提督「・・・ああ・・・娘の外見は、妻に似ていてな。生き写しのように」

三日月「・・・あの、っていうことは・・・」

提督「・・・今、お前があと五歳年を取っていたら、私は我慢が出来なかったかもしれない」

提督「このタイミングで言うのもなんだが妻以外とそういう事したことなかったからな・・・」

提督「姿形、雰囲気も似ているお前がまだ幼くてよかったと思っている」

三日月「っていうことは、私にも司令官を落とすチャンスがあるんですね!」

提督「・・・だが、お前が大人になる頃には、私はもうじいさんだぞ?」

三日月「司令官が振り向いてくれるなら」

提督「・・・」ナデナデ

三日月「えっ?なんですか?」

提督「いや、本当に負けず嫌いだなと思って」

三日月「撫でられるのは嬉しいですけど、少し複雑です」

提督「ははは、よし、私も決心がついた」

三日月「っ!」ドキッ

903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 05:06:58.05 ID:BEY2V0tG0
提督「っと・・・その前に、どうせキスするなら二人きりの方がいいな」

三日月「えっ」

鈴谷「やばっ」

響「皆逃げろ!!」

電「退散するのです!」

青葉「ああ!せっかくのシャッターチャンスが!」

金剛「音声は取れてるんデショ!今は逃げるヨ!」

加賀「」ダッ

朝潮「だからやめようって言ったのにっ!」

大井「ちっ!気付かれてたのね!」

磯風「なんだもうちょっとだったのに」

川内「逃げるが勝ちよー」

明石「ひゃー!バレてたましたかー!」

904: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 05:18:40.80 ID:BEY2V0tG0
提督「まったく・・・蜘蛛の子のように・・・」

提督「お前達もだハチ、イムヤ」

8「」ギクッ
168「」ギクッ

ザバァッ

提督「はぁ・・・」

三日月「え・・・もしかして今のやり取り全部聞かれてたんでしょうか・・?」オロオロ

提督「気付いたのは冷静になってからだが・・・全部聞かれてただろうな」

三日月「わ、私・・・気付かなくてすみません・・・司令官の泣き姿を・・・」

提督「いい、気にするな。それより、するんだろう?」

三日月「あ・・・はい・・・」ギュッ

三日月「目は瞑っているのでお願いします・・・」ドキドキ

提督「するぞ」

三日月「は、はい・・・」ドキンドキン

905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 05:28:28.00 ID:BEY2V0tG0
翌日

提友『よう俺だっはははははは!!!ダメだ笑いが堪えられん!!』

提督「朝から電話してきて・・・いきなり爆笑するとは何事だ」

提友『だってお前・・・・だってお前!!あの子にビンタされたんだってな!!』

提督「ああ・・・一晩経ってもまだヒリヒリする」

提友『まーお前にして進歩したほうだな!やっと吹っ切れたか!』

提督「・・・ああ、今まで心配かけてすまなかった」

提友『いいよ。お前がそう感じてくれてるならそれで』

提友『お前は人より辛い体験をしてきたからな。これからは自分の幸せの為に・・・な』

提友『だけどお前、はは、口にキスしてって言われたのに頬にして泣かしてビンタされたんだろ?』

提友『女心を分かってない奴だなぁ』

提督「いや・・・恥ずかしくなってしまって出来なくなってしまって」

提友『意気地なし』

提督「うるさい」

906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/19(月) 05:38:26.92 ID:BEY2V0tG0
提友『それで?愛想尽かされたろ』

提督「いや・・・それがな・・・」

三日月「司令官!そろそろ朝御飯の時間ですよ!」

三日月「あ、ごめんなさい。電話中でしたか・・・」

提督「いや気にするな」

提友『ん?三日月の声か』

提督「ああ、朝飯だそうだ。切るぞ」

提友『あ、おい!話はまだ終わってないぞ』

提督「今度一緒に飲みに行ったときにでも話してやる」

提友『それなら許す。じゃあな』

提督「ああ、また今度な」

ガチャン

提督「行くぞ三日月」

三日月「はい!」ギュッ

提督「三日月、腕に抱き着くな」

三日月「いーえ!大人になるまでに司令官がキスしてくれるよう私、頑張りますから!」

提督(弱ったなぁ・・・余計積極的になってしまった)

915: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 00:49:13.34 ID:vgUaVU740
響「朝からお盛んだね。私も」ギュッ

提督「お前もか・・・」

三日月「あ、ダメ!私が先だよ!」

響「恋に先も後もあるものか」

三日月「ぐぬぅ・・・」

鈴谷「あらあら、両手に花だね提督」

提督「茶化すな」

鈴谷「背中は鈴谷が乗っかっていいかな?」

提督「この状態ではお前の重さは耐えられんな」

鈴谷「ひどい!女の子に重いって言うなんて!」

提督「駆逐艦とは違うだろお前は・・・」

916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 00:58:26.04 ID:vgUaVU740
提督「重い・・・結局寄ってくるのか・・・」

鈴谷「えへへー。どう?響や三日月には出来ない事やって上げてるんだから!喜んでよね」グイグイ

提督「無理に押し付けられても辛いだけなんだが」

鈴谷「じゃあ直接?」

提督「朝っぱらからテンション高いなお前ら」

鈴谷「まぁね」

提督「さっさと飯行くぞ。謹慎中だがやることはたくさんある」

提督「Kのところの子達が来るらしいからな。メンタルケアの人員の配置に部屋割り」

提督「それに普段出来ない大掃除もしなくちゃならない」

提督「掃除に関しては全員にやってもらわないといけないからな」

鈴谷「うげぇ・・・掃除ー?鈴谷やだなー」

提督「文句を言うな。ほら行くぞ」

917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:12:14.40 ID:vgUaVU740
電「あ、司令官さん達来たのです!」

雷「おはよう司令官!今日もいい天気よ!」

提督「おはよう。はは、今日も元気だな雷」ナデナデ

雷「元気だけが取り柄だもの!」ニコニコ

鳳翔「提督!おはようございます!」

提督「ん?おはよう。珍しく張り切ってるな。どうした」

鳳翔「あ・・・えっと・・・おはようございます!」

提督「・・・ああ、おはよう」

鳳翔「うう・・・」

三日月「・・・司令官」クイクイ

提督「ん?・・・ああ、なるほど」ナデナデ

鳳翔「っ!ありがとうございます!」パァ

提督(・・・頭撫でられるのはそんなにいいのか)

鳳翔「それでですね提督。お願いがあるのですが・・・」

提督「ん?なんだ?」

918: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:20:35.16 ID:vgUaVU740
鳳翔「いかがでしょう・・・?」

提督「んー、私が教える事はないと思うんだが・・・」

鳳翔「提督のお料理美味しかったので教えて欲しいんです!」

提督「まぁ、時間があるときには教えてやる」

鳳翔「ありがとうございます!それでは朝御飯をお出しします。うふふ」

提督「ああ」

三日月「すっかり胃袋掴んじゃいましたね」

提督「そんなことはないと思うんだがなぁ・・・一般人に毛が生えたくらいの腕前だと思うんだが」

響「私はもう胃袋を掴まれてるけどな!」キリッ

電「響!朝御飯一緒に食べるのです!」

響「えっ?ああ、いいよ」

提督(ボケて突っ込まれる前に遮られたか)

電「ちょっと顔赤いのです。大丈夫なのですか?」

響「いや?そんなことはないよ」

919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:25:55.51 ID:vgUaVU740
電「最近、可愛い響がよく見れて嬉しいのです!」

電「いつもはかっこいいのに・・・」

響「可愛いなんて・・・」

三日月「司令官」

提督「ん?」

三日月「前々から思ってたんですけど電ちゃんって・・・」

提督「ん、ああ、響の事好きなんだろうな」

三日月「あー・・・やっぱりそうですよねー・・・」

提督「引かないんだな」

三日月「少しは驚いてますが、私も大概なので」

提督「おっさん趣味だもんな」

三日月「もうおじいちゃん趣味と言われても否定できかねます」

提督「そうだな」

920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:30:33.07 ID:vgUaVU740
鈴谷「それって、鈴谷にも言ってる?鈴谷もおっさん趣味なんだけど」

三日月「同類じゃないですか」

鈴谷「そうだね」

提督「素直だな」

霧島「さっきから話聞こえてるんだけどさぁ」

霧島「鈴谷も響も、司令のこと諦めてないの?」

響鈴谷「全然」

霧島「今の現状じゃ、三日月が妻で二人は愛人だけど」

三日月「そ、そんな妻なんて・・・まだ早いですよ///」

響鈴谷「愛人でも問題ないから」

提督「お前ら・・・」

霧島「あっそう・・・」

921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:38:56.13 ID:vgUaVU740
鈴谷「そりゃあ提督だもん。少しぐらい女の子に囲まれないとねぇ」

響「それぐらいの甲斐性、余裕で持ってるだろうしね」

三日月「し、司令官が私一人じゃ満足できないなら・・・我慢します!」

提督「お前ら話が飛躍しすぎてるぞ。落ち着け」

提督「それに、まずは一人の女守れないことには甲斐性も何もないだろうが・・・」

三日月「それじゃあ!」パァ

提督「だから飛躍するな。まだキスもしてないだろうが」

三日月「私はもう頬にまでキスしてくれたじゃないですか!」

鈴谷「なにそれずるい!鈴谷にはキスしてくれないのに!」

響「そうだそうだ!私なんて自分からしかしたことないぞ!耳とか!」

提督「やるつもりは無いが、私からお前にしたら恥ずかしがるだろう」

響「顔から火が出るだろうな」

三日月「あはは・・・」

922: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 01:54:46.98 ID:vgUaVU740
三日月「そういえば司令官。少し気になってたんですけど」

提督「なんだ?」

三日月「悪夢について、電ちゃんや、響や朝潮に聞きませんでしたよね」

三日月「そうすれば、もっと早く原因がわかったと思うんですけど」

提督「ああ。悪夢なんて、思い出したくもないもんだ」

提督「それを聞いて、無理やり思い出させるなんて酷だろ」

三日月「それもそうですよね・・・」

朝潮「三日月!三日月!」

三日月「あれ?どうしたの?」

朝潮「見て!東京タワーが出来たよ!」ビシッ

提督「おーすごいな」

朝潮「朝潮、頑張りました!」エッヘン

三日月「むう。悔しい」ムスッ

提督「なんだ。競争してたのか」

三日月「初霜と私と朝潮の三人で誰が一番最初に出来るか競争してました」

朝潮「ふふん!朝潮が初めて勝ったね」ドヤッ

三日月「次は負けないから!」

提督(あやとりか・・・)

923: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 02:02:27.04 ID:vgUaVU740
三日月「司令官もあやとりってやったことあるんですか?」

提督「一応あるぞ。もう忘れてしまったかもしれないが」

朝潮「やってみてくださいよ!」

提督「ん」



提督「っとヘリコプター」

朝潮「す、すごい連続技・・・」ガーン

三日月「司令官ってなんでも出来るんですね・・・」

提督「まぁ・・・ある程度の事ならかじってるからな。ピアノとか格闘技とか」

提督「ああ、生け花とかもやったことはあるな」

暁「暁よりレディ・・・?」

雷「そういうことではないんじゃない?」

三日月「苦手な事はないんですか?」

提督「今のところは女の子の扱いが苦手だ」

朝潮「朝潮!もっと精進します!」

提督「おう。がんばれー」

924: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 02:13:11.40 ID:vgUaVU740
食事終了後

執務室

三日月「・・・司令官。昨日の事を掘り返すのもアレなんですけど」

提督「ん?どうした?」

三日月「司令官は、今幸せですか?」

提督「私は、お前達と一緒に過ごせるだけで嬉しいし、幸せだよ」

三日月「・・・嘘は無いみたいですね」

提督「私の目を見て嘘かどうか判断しようとするな」ムッ

三日月「すみません・・・ついクセで」

提督「まぁ、それで信用されてるならそれでいいさ」ニコッ

三日月「ふふ、司令官が、喜んでくれてるみたいで良かったです」

ガチャ

電「司令官!大勢のお客さんなのです!」

提督「ん、了解。さて、今から楽しい大仕事に入るぞ三日月!」

三日月「はい!司令官!」






925: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 02:18:16.88 ID:vgUaVU740
番外

その後の深海棲艦達との関係

北方棲姫「・・・ん」

提督「・・・ここは託児所じゃないぞ?」

港湾棲姫「お願い・・・夕方には・・・迎えにくる」

提督「夕方までだからな」

南方棲戦姫「提督さん・・・?デザートはまだ・・・?」

提督「お前もお前で飯だけ集りに来るな!皿ぐらい洗っていけ」

提督「まったく・・・」

三日月「司令官!!護衛要塞達が猫に転がされてます!!」

提督「ああそれは・・・」

南方棲戦姫「遊んでるだけだから・・・」

三日月「えっ!?」

926: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 02:23:34.91 ID:vgUaVU740
今回のSSはこの辺で

長くなりましたが終わりです
これで完結
K鎮守府の子達は朝潮を筆頭に元気を取り戻しました
続きはないです
オチにインパクトが足りない(確信) 


次回 艦娘達「新しい提督は変わった人」提督「この鎮守府は俺が再興する!」