2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:25:27.50 ID:JQploB2k0
あなる「じんたんはやっぱりめんまのこと・・・好きなの?」

じんたん「誰がこんなブス!」

・・・あいつは、泣くと思った。だけど、あいつは、泣きそうな顔で笑ったんだ。
俺は、たまらなくなって秘密基地を走り出した。
後ろから皆が追ってくる音がした。でも、止まれなかった。
止まるわけにいかなかった。逃げるように帰宅して、布団にくるまった。
いつの間にか寝てしまったようで、夕方にお父さんに起こされる声で目覚めた。

引用元: あなる「じんたんはやっぱりめんまのこと・・・好きなの?」 

 

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:26:43.72 ID:JQploB2k0
じんたん父「仁太、驚かないで聞いて欲しい。めんまちゃんが、死んでいるところが見つかったみたいなんだ」

じんたん「・・・・え?」

嘘、だろ。
さっきまで、ついさっきまで一緒に話していたじゃないか。そのめんまが死ぬなんて、おかし、い。

あり、え、ない。

ありえないありえないありえない。

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:27:57.29 ID:JQploB2k0
???「・・・・え、・・ーえ!いーえ!!」

じんたん「!?」

さっきまで家にいたはず、なのに。いつの間にか俺は秘密基地に戻っていた。

あなる「ねえ、じんたん聞いてる!?」

なんの、ことだ?しかもさっきまで夕方だったはずの空も明るい。どういうことだ?

じんたん「ごめん、ぼーっとしてた。」

戸惑いながら口を開いた。

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:28:52.06 ID:JQploB2k0
あなる「だーかーらー!じんたんはめんまのことが好きなの?!」

じんたん「・・・・・・」

デジャヴ、なのかもしれない。
・・・誰がこんなブス!と言おうと思ったのが何よりの証拠だと思う。

ぽっぽ「いーえ!いーえ!」

ゆきあつ「どうなんだ?」

ここで、誰がこんなブス!と言えばきっとめんまは泣きそうな顔で笑うだろう。

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:29:51.90 ID:JQploB2k0
・・・たかが既視感。それでも俺は、そう口にしてしまうのが怖かった。
だったら、どうすればいいのか。本当のことを言えば、何かが変わるのかもしれない。

じんたん「・・・き、だよ。」

あなる「えっ・・?」

じんたん「ああ、俺はめんまのことが好きだよ!」

たぶん、顔がとても赤かったと思う。・・・めんまの顔を見る余裕はなかった。
俺は恥ずかしさから秘密基地から走り出した。

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:31:36.12 ID:JQploB2k0
後ろから皆が追いかけてくる音がする。
・・・言った台詞が変わってもこれじゃ何も変わらない。
俺は立ち止まって後ろを、振り返った。

めんま「うわあ!急に止まらないでよ!」

そこには、めんまが居た。俺は、本人に確かめてみようと思った。

じんたん「なあ、めんま。」

めんま「なあに、じんたん?」

じんたん「お前、死んでるのか・・・?」

お前、死んでいるのか。口に出したらいかに自分が間抜けなことを言っているかが分かる。

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:32:44.36 ID:JQploB2k0
めんま「なに言ってるの?めんま、生きてるよ?ここにいるよ?」

じんたん「だよ、な。よかった・・・」

当たり前の答えが返ってきて俺は思わず胸をなでおろす。

めんま「今日のじんたん変だよ!お顔まで変になってる~!」

じんたん「ばっ・・・顔が変になったのはお前のせいだろ!」

めんま「人のせいにするの、いけないんだよ!」

目の前にいる、めんまはいつも通りのめんまだった。

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:34:03.95 ID:JQploB2k0
ほら、気のせいじゃないか。さっきの感覚が、きっとおかしかったんだ。
めんまが死ぬなんて、ありえないんだ。

ゆきあつ「おーい!じんたんたちそんなところにいないで秘密基地に戻ってこいよ!
     あなるが大変なんだ!」

めんま「じんたん、戻ろう!」

俺の手を引っ張ってめんまは秘密基地に向かって走っていった。
ほら、手だって暖かいじゃないか。・・・・俺、今、めんまと手をつないでるのか?
・・・って俺は何を考えているんだ!

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:35:30.48 ID:JQploB2k0
ゆきあつに呼ばれて秘密基地に戻ると、あなるが号泣していた。

あなる「うわあああああああん」

秘密基地にはオロオロしているぽっぽと、困り顔であなるの頭を撫でているつるこがいた。
俺とめんま、ゆきあつが基地の中に戻るとあなるは必死に泣きやもうとした・・・みたい。

めんま「あわわわー!あなる、どうしたのー?どこか痛いのー?」

あなる「ヒック・・・・なんでも・・・・なんでもないから・・・見ないでぇ・・・」

じんたん「何もなかったら泣かないだろ。」

俺の一言にあなるはまた一層大声で泣き出した。


あなる「じんたんが、じんたんがいけないんだ!」

じんたん「お、おれ~?!俺が一体何を・・・・」

したんだ、と続けようとして、思いとどまる。
めんまが死んだかもしれないということで頭がいっぱいで忘れかけていたが、俺はあなるにめんまが好きかと尋ねられたんだった。

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:37:23.64 ID:JQploB2k0
そして好きだと答えたんだった。思わず顔が真っ赤になるのを感じる。

めんま「じんたん、お顔が変だよ?」

じんたん「う、うるさいっ!」

めんま「じんたんが怒ったー」

照れ隠しに思わず大きくなってしまった俺の声にびっくりしてめんままで泣き出した。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:39:18.38 ID:JQploB2k0
あなる「なんでめんままで泣くのー」

めんま「だってじんたんがー」

あなる「じんたんのことで泣きたいのはあたしだよー」

じんたん「俺のせいかよ!」

ぽっぽ「いーけないんだーいけないんだー!せんせーいにいっちゃーおー!」

泣きじゃくる女子二人、それをはやすぽっぽ。
・・・・泣きたいのは俺の方だ。

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:40:23.45 ID:JQploB2k0
じんたん「めんま、大きな声出して悪かったって。泣きやめよ。」

つるこ「そんなことで泣き止むのかしら。」

めんま「ううぅ・・・・ヒック」

ゆきあつ「泣き止んだ、みたいだよ。」

めんまは素直だからすぐに泣くけど、すぐに泣き止む。めんまのいいところの一つだ。

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:42:17.06 ID:JQploB2k0
じんたん「あなる、お前はどうして泣いてるんだ?」

あなる「じんたん関係ないもん・・」

じんたん「さっき俺のせいだって言ってただろ・・・」

あなる「うるさい!あっち行っててよ!」

・・・どうしろって言うんだ。

つるこ「じんたんが何を言ってもきっとダメだから私に任せて?」

じんたん「お、おう。」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:43:32.66 ID:JQploB2k0
つるこ「あなる、ちょっと聞いて。」

そう言ってつるこはあなるの耳元で、内緒話をした。
何を言われたのか、つるこの言葉を聞いたとたんにあなるはびっくりしたような表情をして、
それからぎこちないが、笑顔になった。

ぽっぽ「つるこ、つええええ!今日はじんたんよりつえええ!!」

つるこ「ふふふ。それより、じんたんはめんまに言わなきゃいけないことがあるんじゃない?」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:44:57.14 ID:JQploB2k0
じんたん「めんまに、言うこと?なんだよ、それ。」

ゆきあつ「・・・さっきの言葉について、だろ。」

さっきの言葉っていえば、きっとめんまのことが好きっていうアレ、だよな。

じんたん「・・・めんま、ちょっと外で話さないか?」

めんま「お外で?ここじゃダメなの?」

じんたん「う、うん。みんながいないところで話したい。」

めんま「はあい!じゃあめんま、じんたんとお外に行ってきます!」

ぽっぽ「おう!いってらっしゃい!」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:46:11.22 ID:JQploB2k0
めんまと俺は秘密基地を出て、少し離れたところにある河原まで来た。

じんたん「それで、さっきの言葉について、だけど。」

めんま「さっきの言葉?」

恥ずかしいから誤魔化そうとしたが、めんまには通じなかったようだ。

じんたん「だから、その、めんまが好きっていう・・・」

めんま「な~んだ、そんなことか!」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:47:27.64 ID:JQploB2k0
じんたん「そんなことって!」

めんま「めんまもじんたん好きだよ?」

じんたん「・・・本当に?」

めんま「本当だよ!めんまはあなるもつるこも好きだし~、ぽっぽもゆきあつも、みーんな大好き!」

あまりにも鈍感な俺は思わずしゃがみこんでしまう。

じんたん「そりゃあ、俺もみんな好きだけど!好きだけど!
     めんまに対しての好きは、お嫁さんになって欲しいとか、そういう意味の好きなの!」

めんま「え・・・?」

めんまの天然さにはいつも驚かされる。
ここまでストレートに好きって言って伝わらないなんて。

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:49:40.18 ID:JQploB2k0
めんま「もっかい!もっかいいって?」

じんたん「やだよ!恥ずかしい・・・」

めんま「もっかい~!」

めんまはふくれっ面になりながら俺の隣にしゃがみこみ、俺のTシャツの裾を引っ張る。
その仕草がとても可愛くて、俺はもういっかい言うことにしたんだ。

じんたん「そ、その・・・。お、俺は。俺は、めんまのことが好き、なんだよ。」

めんま「えへへ~」

照れてる俺と嬉しそうにはにかむめんま。
このめんまの笑顔を、俺はいつまでも守り続けたいな、ってぼんやり思ったんだ。

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:51:03.76 ID:JQploB2k0
めんま「めんまもね~、じんたんのこと好きだよ!」

じんたん「それは他の皆に思っている『好き』なんだろ・・・」

めんま「ううん。違うよ。お嫁さんにしてくださいっていう、好きだよ。」

嬉しそうな声めんまの言葉に驚いて、俺はめんまの顔を見た。
めんまはにこにこと笑っていた。

じんたん「俺の好き、は、その・・・手をつなぎたい、とかちゅーしたい、とかそういう好き・・・なんだよ?」

めんま「うん、わかってるよ♪」

本当に分かっているのかは怪しいが、本人がいうのだからきっとわかっているんだろう。

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:51:59.47 ID:JQploB2k0
じんたん「じゃあさ、めんま。ひとつだけ約束してくれないか?」

めんま「なあに?」

じんたん「あの、その・・・。
     俺以外の男子にお嫁さんにして欲しいっていう意味じゃなくても『好き』って言わないでほしいんだ。」

めんま「うーん・・・。よくわかんないけど!わかった!」

じんたん「どっちだよ」

めんまの言葉に俺は思わず笑ってしまった。

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:53:14.20 ID:JQploB2k0
めんま「えーっと。言葉の意味は、分からないけど、お約束は守るよ!っていうこと!」

それは、とてもめんまらしい返事だった。

じんたん「約束だぞ!」

めんま「うん!お約束~♪」

そういってめんまは俺に小指を出してきた。

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/09/03(月) 00:54:09.27 ID:JQploB2k0
めんま&じんたん「ゆーびきーりげーんまん うーそつーいたら はーりせーんぼーん のーます♪」

めんま「あ、でも指切っただと痛そう・・・」

じんたん「・・・じゃあこのまま秘密基地に戻ろう」

めんま「うん!」

俺とめんはま小指をつないだまま秘密基地に歩いて行った。



めんま「め~んま~の~最近は~楽しいことばっか♪」






~Fin~