1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:04:50 ID:fh6cM6fc
ついにドラゴンボールを七つ揃えたフリーザ。



フリーザ「さあ、ドラゴンボールよ!」

フリーザ「このフリーザ様に永遠の命と若さを与えなさい!」

ギニュー「うおおおおお!」



シ~ン……



ギニュー「なにも起こりませんね……?」

引用元: フリーザ「ついに私は永遠の命と若さを手に入れたのです!」 

 

 
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:07:13 ID:fh6cM6fc
ギニュー「もしや、もう不老不死になられたのでしょうか?」

フリーザ「……ええ、そのとおりです!」

フリーザ「私には分かります! このみなぎる力、まさしく不老不死!」

フリーザ「ついに私は……私は! 永遠の命と若さを手に入れたのです!」

ギニュー「うおおおおお!」

フリーザ「ほーっほっほっほっほ! 実に晴れやかな気分ですよ!」

ギニュー「よろしければ、私が晴れやかなダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:09:30 ID:fh6cM6fc
ギニュー「これで、フリーザ様は未来永劫、全宇宙を支配できるというわけですな!?」

フリーザ「そのとおりですよ、ギニューさん」

フリーザ「死すらも克服した私に、もはや恐れるものはありません!」

フリーザ「全宇宙に私の強さと怖さを思い知らせてやろうではありませんか!」

フリーザ「永遠にねぇ!」ニタ…

ギニュー「ははーっ!」

フリーザ「…………!」ハッ

フリーザ「…………」ガタガタ…

ギニュー「どうされましたか? フリーザ様」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:11:37 ID:fh6cM6fc
フリーザ「ああ……うああああっ……!」

フリーザ「うわああああああっ!」ガクッ

ギニュー「フリーザ様!?」

フリーザ「私は……私はなんという愚かなことを……!」

ギニュー「お、愚か……!?」

フリーザ「永遠の命を手に入れた私は……今、全てを悟ってしまいました」

フリーザ「“支配”などというものが、なんと小さく醜いものかを……」

ギニュー「!」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:14:55 ID:fh6cM6fc
フリーザ「宇宙は広大です。あまりにも広い」

フリーザ「さらに、こうしている間にも時は流れ、新たな生命が紡がれている」

フリーザ「いかに私に永遠の命があろうと、これら全てを支配するなど不可能!」

フリーザ「支配など、あまりにもバカバカしい! 下らない! 醜い!」

フリーザ「不老不死となったことで、それが分かってしまいました……!」

ギニュー「フ、フリーザ様……!」

フリーザ「……そう、今までの私の生き方からして間違っていたのです!」

フリーザ「私はあまりにも多くの星と生命を滅ぼしてきました……」

フリーザ「これほどの大罪、とても償いきれるものではありません!」

フリーザ「ああっ、私はどうすればいいんだ……!」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:17:43 ID:fh6cM6fc
フリーザ「そうだ!」

フリーザ「ギニューさん、今すぐドラゴンボールに願いをおっしゃって下さい!」

ギニュー「ど、どのような?」

フリーザ「私の不老不死を取り消し、私を滅ぼすよう願うのです!」

フリーザ「もはや、私がこれまでの罪を償う方法はそれしかありません!」

ギニュー「…………」

フリーザ「なにをしているのです!? さぁ、早く!」

ギニュー「……フリーザ様」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:19:35 ID:fh6cM6fc
バキィッ!

フリーザ「あうっ!?」

ギニュー「今、私があなたを滅ぼしてなんになるというのです!?」

ギニュー「あなたは先ほど、永遠の命を手に入れられた」

ギニュー「ならば、永遠に罪を償えばよいではないですか!」

フリーザ「!」

ギニュー「もちろん、それでもあなたの罪は消えないでしょう!」

ギニュー「しかし! あなたが今までの生き方が間違っていたと悟られたのであれば!」

ギニュー「あなたは自分の罪と向き合わなければならないのです!」

ギニュー「逃げずに! 正々堂々と!」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:22:55 ID:fh6cM6fc
フリーザ「そうですね……そのとおりです」

フリーザ「これから私は……罪を償うために生きていきます! 永遠に!」

ギニュー「さすが、フリーザ様。よくご決断なされました」

ギニュー「ところで、先ほどはあなたを殴ってしまいました」

ギニュー「どうか罰をお与えください」

フリーザ「いいえ……。あなたにはむしろ感謝しています」

フリーザ「ありがとうございます、ギニューさん」

ギニュー「もったいないお言葉……」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:26:27 ID:fh6cM6fc
フリーザ「そうと決まれば……まずはベジータさんたちと和解いたしますか」

ギニュー「そうですな!」

フリーザ「ふふ、まるで生まれ変わったような気分です」

ギニュー「よろしければ、私が生まれ変わりダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:30:17 ID:fh6cM6fc
フリーザとギニューは悟空たちのもとに向かった。



悟空「おめえたちと仲直り……?」

フリーザ「ええ、私はとうとう永遠の命を手に入れたのですが」

フリーザ「そのおかげでようやく罪の意識に目覚めたのです」

悟空「オラはかまわねえけど……」

悟飯「ボクもかまいませんよ!」

クリリン「俺もいいぜ(ホントは気が進まないけど、わざわざ敵に回すこともないしな)」

ベジータ「ちっ……!」

ベジータ(不老不死になった以上、もうフリーザを倒す方法はなくなった)

ベジータ(気に食わんが、和解するしかあるまい……!)



ギニュー(我が特戦隊の四人はやられたようだが……)

ギニュー(フリーザ様のため、その恨みをぶつけるようなことはすまい。許せよ……)

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:33:00 ID:fh6cM6fc
クリリン「ところでさ……」ボソッ…

悟空「ん?」

クリリン「アイツ、ドラゴンボールを使ったっていってたけど」

クリリン「地球の神龍の時みたいに、空が暗くなってないんだよな」

悟空「そういやそうだな!」

クリリン「だからもしかして、アイツ勘違いしてるだけなんじゃ……」

悟空「ってことは──」

クリリン「ああ、まだドラゴンボールは使われていない!」

クリリン「みんなを生き返らせることができる!」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:35:24 ID:fh6cM6fc
デンデ「タッカラプトポッポルンガプピリットパロ!」



ボシュゥゥゥゥゥ……!



フリーザ「ほっほっほ、すばらしいドラゴンですね」

デンデ「皆さん、願いは三つまで叶えられます!」

クリリン「じゃあ一つ目でピッコロを生き返らせて、神様も復活させよう!」

クリリン「そうすれば、ヤムチャさんたちやナメック星人も生き返らせることができる!」

悟飯「二つ目で、地球にワープさせてもらいましょう!」

悟空「ベジータ、残る一つはおめえにくれてやるよ」

ベジータ「俺を半殺しにしろーっ!!!」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:38:30 ID:fh6cM6fc
悟空とフリーザたちは地球にワープした。



フリーザ「こんなに次から次へと願いを叶えられるなんて」

フリーザ「ドラゴンボールとは素晴らしいですね」

ギニュー「よろしければ、私が素晴らしきダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」



クリリン「いいか? ドラゴンボールのこと、フリーザには秘密だからな」

悟空「分かってるさ! バレちまったら大変だ!」

悟飯「はいっ!」



ベジータ(せめて瀕死からよみがえって底力を上げようと思ったが)

ベジータ(俺を半殺しにできないとは、思ったより使えないドラゴンだぜ……)

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:42:23 ID:fh6cM6fc
しばらくして、フリーザを追ってコルド大王が地球に降り立った。



コルド「フリーザよ、失望したぞ」

コルド「宇宙一でなければならんお前が、サイヤ人や地球人どもと和解するとはな」

コルド「もし心を入れ替えぬというのであれば、お前には消えてもらわねばならぬ」

フリーザ「失望したのは私の方ですよ、パパ」

コルド「なに……!?」

フリーザ「私の父ともあろうお方が、未だにそんな小さな称号に目を奪われているとは」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:45:56 ID:fh6cM6fc
フリーザ「宇宙一となって、弱い者を虐げる?」

フリーザ「そんなことをして、一体なんになるというのです?」

フリーザ「下らない……あまりにも下らないですよ、パパ!」

コルド「なんだと……!?」

フリーザ「それに、力で皆を押さえつけたところで、広まるのは悪名ばかり!」

フリーザ「せっかく宇宙一の力があるのなら──」

フリーザ「その力でもって、弱き者を守ってやるべきです!」

フリーザ「そうすれば、私たち一族は真の宇宙一になれるのではないでしょうか……?」

コルド「!!!」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:48:55 ID:fh6cM6fc
コルド(フ、フリーザ……)

コルド(ちょっと見ない間に成長しおって……!)グスッ…

フリーザ「分かってくれましたか、パパ」

コルド「うむ、ワシは帰るとしよう」



フリーザ「ほっほっほ、私としてもパパと戦うのは気が進みませんからね」

フリーザ「親子喧嘩にならず、一安心といったところですよ」

ギニュー「よろしければ、私がホッとするダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:52:00 ID:fh6cM6fc
コルド大王が帰っていくと、今度はトランクスが現れた。



トランクス「お前は心を入れ替え、さらに父親をも追い返したというのか」

フリーザ「はい」

トランクス「歴史がだいぶズレてしまっているが、この際お前でもかまわない」

トランクス「この薬を孫悟空さんに渡してもらいたい」スッ…

フリーザ「分かりました」

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:55:40 ID:fh6cM6fc
フリーザ「皆さん、三年後に人造人間が現れます!」

フリーザ「未来の平和は、戦って勝ち取るのです!」

ギニュー「ははーっ!」

悟空「そうこなくっちゃ!」

悟飯「はいっ!」

クリリン(まぁ……共通の敵がいた方が色々と安全だしな……)

ヤムチャ「修行するしかないか!」

天津飯「人造人間か……やるしかあるまい」

チャオズ「やろう、天さん!」



ブルマ「まるでヤバイ独裁者……って元々そういうヤツだったわね、フリーザは」

ベジータ(くそったれ……三年後は俺が生き残ってやる!)

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 21:58:04 ID:fh6cM6fc
三年後、南の島に現れた19号と20号。真っ先にフリーザが駆けつける。



20号「……なんの用だ?」

フリーザ「ほっほっほ、あなたたちを止めにきたのですよ」

ギニュー「フリーザ様の第二の故郷で勝手なマネはさせーん!」ビシッ

19号「20号、私に始末させて下さい」

20号「よかろう」

19号「ひゃはっ!」ヒュッ

バチンッ!

フリーザ「やはり……この程度でしょうね」

19号「なに?」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:01:35 ID:fh6cM6fc
バキッ! ドカッ! ガッ!

19号「20号、私のパンチが効きません!」

20号「な、なんだと!? パワー値はまるで大したことないというのに!」

20号「スカウターという装置に換算すると、たったの530000程度なのに!」

フリーザ「当然ですよ。私はまだ変身を三回も残していますからね」

フリーザ「しかし、私はもう変身する必要などないのですよ」

フリーザ「なぜなら私は不老不死ですから!」

20号「なにい!?」

19号「不老不死!?」

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:05:42 ID:fh6cM6fc
20号「不老不死だと……! くっ……我々のパワーでは倒しきれんかもしれん!」

20号「こうなれば研究所に戻り、17号と18号、ついでに16号を起動させてやる!」

19号「覚えていろ」

ヒュヒュッ!

フリーザ「おやおや、逃げてしまいましたか……」

フリーザ「しかし、放ってもおけません。追いますよ、ギニューさん!」

ギニュー「よろしければ、私が追跡のダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:08:28 ID:fh6cM6fc
目覚めた16号、17号、18号は圧倒的な強さであったが、



16号「ぐおぉっ……!」ドサッ

17号「ち、ちくしょう……。このオレがなんてザマだ……」ザンッ…

18号「なんて強さだい……」ガクッ

フリーザ「あなたがたも永久式のエネルギーを持つだけあってかなりの強さでしたが」

フリーザ「あいにく私は不老不死でしてね」

フリーザ「お気の毒ですが、トドメを刺してしまいましょうか」

ギニュー「ははっ!」



フリーザの圧倒的不老不死には通じなかった。

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:11:18 ID:fh6cM6fc
クリリン「待ってくれ、フリーザ!」スタッ

フリーザ「おや、クリリンさん……。どうしましたか?」

クリリン「こいつら……なにか悪いことをしたわけじゃない」

クリリン「許してやってくれないか?」

フリーザ「あなたがそこまでおっしゃるのなら……」



16号「ありがとう」

17号「ありがとよ」

18号「ふん……」

19号「感謝します」

20号「ありがたい……」



フリーザ「いや、あなたはダメでしょう」ビッ

20号「や、やっぱり!」ボォォォン!

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:13:46 ID:fh6cM6fc
18号「クリリンとかいったな!」

クリリン「!」

18号「わたしは全然、感謝なんかしてないんだからな!」

18号「……またな」

バシュッ!

クリリン「じゅ、18号……」



フリーザ「おやおや、恋の始まりの予感ですね、ギニューさん」

ギニュー「よろしければ、私がラブリーダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:15:57 ID:fh6cM6fc
しかし、人造人間セルが16号から19号、全てを吸収してしまう。



セル「ふふふ、勢い余って吸収しすぎてしまった」バチバチ…

セル「だがおかげで! 私は究極の超完全体となった!」バチバチ…

フリーザ「おやおや、体中がスパークしていますね」

ギニュー「よろしければ、私がスパーキングダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」

セル「フリーザ! 太陽系ごと消し飛ばしてやる!」バチバチ…

セル「か……め……は……め……」ズゴゴゴゴ…

セル「波ァ──────────ッ!!!」



ズオッ!!!

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:19:35 ID:fh6cM6fc
セル「……む?」

セル「なにい!? 太陽系はおろか地球すら消し飛ばず、フリーザも生きている!?」

フリーザ「セルさん……無駄ですよ」

ギニュー「フリーザ様にはかめはめ波は通じない! 大小に関係なくな!」

セル「バ、バカな……! お前はフリーザだろ!? ちがうのか!?」

セル「それともまさか……超(スーパー)フリーザ!?」

フリーザ「いえいえ、私はただのフリーザですよ」

フリーザ「自分の名前に“超(スーパー)”なんてつけませんよ。恥ずかしい」

セル「た、たしかに……!」

フリーザ「ただし……私は不老不死です!」

セル「!」ガーン!



ベジータ「はっくしゅん!」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:22:26 ID:fh6cM6fc
セル「完全体である私も、不老不死になったフリーザは倒せない、か」ガクッ…

フリーザ「そういうことです」

フリーザ「つまり、私の方がより完全だったというわけですね」

セル「ぐっ……!」

セル「仕方あるまい。約束通り、吸収した人造人間は元に戻す……!」

フリーザ「そんな約束はしてませんが、いい心がけです」

ギニュー「よろしければ、私が完全なるダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」



こうして、地球は平和を取り戻した。

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:27:49 ID:fh6cM6fc
数年後、すっかり地球に馴染んだフリーザのもとに、界王神とキビトが現れる。



界王神「あなたが……フリーザですね?」

フリーザ「はい、そのとおりですが」

界王神「実は、魔導師バビディが魔人ブウを復活させてしまったのです!」

フリーザ「魔人ブウ……パパから聞いたことがありますね」

フリーザ「それで私にどうしろと?」

界王神「あなたの力で、魔人ブウを退治していただきたい!」

フリーザ「どうにも唐突な話ですね……。失礼ですが、あなたは何者です?」

界王神「私はあなたを一撃で倒せる、界王神と申します」ニコッ

フリーザ「私を一撃で!? なんですって!?」

フリーザ「これは……命令に従うしかなさそうですね」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:30:49 ID:fh6cM6fc
全宇宙の命運を賭けた、フリーザと魔人ブウの死闘が始まった。



バキィッ! ドカッ! ベキッ!

ブウ「ブゥーッ!」

フリーザ「つ、強い……! セルさんとは次元がちがう強さ……!」

フリーザ「不老不死である私が、死んでしまいそうです……!」

フリーザ(私は……本当に不老不死になったのでしょうか……?)

フリーザ(そういえば、私がドラゴンボールで願いを叶えた後──)

フリーザ(ソン・ゴクウさんたちはポルンガという巨大な龍を呼んでいましたね)

フリーザ(ま、まさか!?)

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:33:43 ID:fh6cM6fc
バキィッ!

フリーザ「ぶげっ!」

フリーザ(実は……願いを叶えられてなかった!?)

フリーザ(つまり私は……不老不死などではない!?)

ドゴォッ!

フリーザ「うぐぅっ!」

ブウ「オマエ、よわいな。つまらないぞ」

フリーザ(そうか……私は不老不死なんかじゃなかったんだ……)

フリーザ(ずっと、そう思い込んでいただけだったんだ……!)



魔人ブウの次元のちがう強さによって、フリーザは“真実”を知ってしまった。

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:37:37 ID:fh6cM6fc
ギニュー「いえ、それはちがいます!」

ギニュー「フリーザ様は……正真正銘の不老不死なのです!」



フリーザ「ギニューさん!?」



悟空「ギニューのいうとおりだ、フリーザ!」

悟飯「フリーザさんは不老不死ですよ!」

クリリン「そのとおりだぜ!」

ヤムチャ「お前は不老不死だよ……フリーザ!」

天津飯「ふん、らしくないな。とっととぶっ飛ばしてやれ」

チャオズ「フリーザ、がんばれ!」

セル「私を倒した者が、その程度の相手に倒されては困るな」



フリーザ「み、皆さん……」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:40:56 ID:fh6cM6fc
ベジータ「フリーザ……。すごいヤツだよ、お前は……」

ベジータ「あの魔人ブウは、俺にはとてもかなう相手じゃなかった……」

ベジータ「なんとなく分かった気がする……」

ベジータ「なぜ天才であるはずの俺が、お前に敵わないのか……」

ベジータ「守りたいものがあるからだと思っていた……」

ベジータ「守りたいという強い心が、得体の知れない力を生み出してるのだと……」

ベジータ「たしかにそれもあるかもしれないが、それは今の俺も同じことだ……」

ベジータ「俺は俺の思い通りにするために、楽しみのために、敵を殺すために……」

ベジータ「そして、プライドのために戦ってきた……」

ベジータ「だが、お前はちがう」

ベジータ「勝つために戦うんじゃない。罪を償うために、限界を極め続け戦うんだ」

ベジータ「だから相手の命を絶つことにこだわりはしない……」

ベジータ「アタマにくるぜ……。支配が大嫌いで、やさしい宇宙の帝王なんてよ……!」



ベジータ「がんばれ、フリーザ……。お前は不老不死だ!」

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:47:50 ID:fh6cM6fc
フリーザ「!!!」シャキーン

フリーザ「おおお、みんなの応援で私のパワーがみなぎります!」

フリーザ「私は……私は、不老不死なのですね!」

フリーザ「みんな……ありがとう!」

ブウ「げんきになっちゃったぞ!? なんでだ!?」



悟空「やった、フリーザが復活したぞ!」

悟飯「復活のフリーザ、ですね!」

バビディ「フリーザをアルファベット一文字にすると、よりスタイリッシュだねえ」

ダーブラ「おっしゃるとおりです、さすがバビディ様!」



ピッコロ「なるほど……『復活の「F」』ってところか」ニヤ…



クリリン「ピ、ピッコロのヤツ……!」

クリリン「ずっといないと思ったら、おいしいとこ全部持っていきやがった……!」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/09(月) 22:52:38 ID:fh6cM6fc
ブウ「こまった……。オレ、かてそうにない……」

フリーザ「ほっほっほ……。魔人ブウさん、いかがでしょう?」

フリーザ「ここらで戦いはやめて、みんなでお菓子でも食べつつ映画鑑賞というのは」

ブウ「いいぞ!」

フリーザ「おっと、例の光線で他人をお菓子にはしないで下さいよ」

フリーザ「ブルマさんにいただいた冷凍庫に、たっぷりお菓子が入ってますから」

ブウ「ブゥーッ! オマエいいヤツだな!」

ギニュー「フリーザ様!」

フリーザ「おや……なんでしょう、ギニューさん?」

ギニュー「よろしければ、私がめでたしめでたしのダンスを踊りましょうか!」

フリーザ「そ、それはまた、次の機会に……」







おわり