1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 17:57:36.57 ID:l3mCLc8x0

例えば、食玩

玩具を集める為に、そのお菓子は捨てるなどと言う、不謹慎な輩は除くにしても、
お菓子を食べるうちにその味にも取り付かれ、玩具が目的なのか、お菓子が目的なのか
判然としなくなったり



例えば、流行りの漫画

友達との話題合わせの為に読んでいた漫画が面白く感じる様になり、
友達との話題合わせの為なのか、漫画自体を読む為なのか
分からなくなったり


例えば、痛み止め

痛みを止める為に飲んでいた薬に、溺れてしまい、
痛みを止める為なのか、薬自体を飲む為なのか……


例えば……





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1357376256

引用元: 【短編】佐久間まゆはヤンデレではない もっとおぞましい何かだ 

 

アイドルマスター シンデレラガールズ スマホスタンド 佐久間まゆ
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:00:42.56 ID:l3mCLc8x0


佐久間まゆは異常者だ


それは彼女自身が一番理解している

プロデューサーへの好意を見せたアイドルへの言動
プロデューサーへの言動
そして、プロデューサーが絡む事柄、絡まぬ事柄への態度の二面性
どれをとっても、異常という言葉以下では表現出来ない


今日はプロデューサーへ色目を使った自称天使を「諭して」あげた
昨日はプロデューサーへ色気を出した露出狂を「睨みつけて」あげた
一昨日はプロデューサーに甘えた餓鬼を「叱って」あげた
一昨々日は……

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:02:17.25 ID:l3mCLc8x0

佐久間まゆは自身の行為を正当化しない
プロデューサーの為と嘯いているが、それは態の良い誤魔化し
まったくもって独善的な女だと、彼女自身、嫌悪を感じている程だ


だが、それもこれも全て、




                    他のアイドルの為




彼女達を壊さない為


プロデューサーを食べてしまわない為


佐久間まゆを表に出さない為


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:03:19.13 ID:l3mCLc8x0




基本的にまゆの表面的な攻撃性は、効果を計算し尽くされた威嚇でしかない
つまり、プロデューサーに好意を見せたアイドルへの牽制でしかない
それをくぐり抜けたアイドルには、矛先を収める
つまり「プロデューサーが絡まないといい子」ではなく、「プロデューサーが絡んでもいい子」となる





……そして、そのアイドルの周辺事情から崩壊させてゆく


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:04:42.36 ID:l3mCLc8x0







           ―――――――彼女の本質は熱狂的な愛ではない  冷酷な狂気だ―――――――――







7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:05:42.54 ID:l3mCLc8x0

幼稚園時代、佐久間まゆと親友と言っても良い一人の女児が居た


ふたりはいつも一緒

幼ち園にいく時も

ようち園であそぶときも

お昼ごはんのときも

おひるねのときも



8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:06:58.38 ID:l3mCLc8x0



でも そのこと まゆわ ちがったの

まゆわ そのこいがいにも いっーぱい ともだちがいたんだけど

そのこわ いっつもひとり

でもね そのこわ それでいいんだって

まゆね じゃあまゆも ○○ちゃんだけでいーよ ってゆってあげたんだ



9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:07:41.71 ID:l3mCLc8x0
それから二人は、二人だけの時間を過ごす事が多くなっていく
幼稚園で過ごす時間も
幼稚園から帰った後も



その日、二人はテレビを見ていた
子ども向け教育番組、昆虫のおはなし



10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:09:19.16 ID:l3mCLc8x0



    かまきり

                       たまご 



             めす



      おす
                 たべて 



               おわったら








           すきだから



11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:10:21.59 ID:l3mCLc8x0



そのこね むしなんて すきじゃないんだよ?

だから ○○ちゃん テレビがおわるまえに ねちゃったんだ

まゆもね むしなんて すきじゃないんだ


でもね なんだか



12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:12:07.65 ID:l3mCLc8x0

気づいた時には、泣き叫ぶ女児
佐久間まゆは自身が何故叱られているのか分からない


子どもの力で子どもを殴ったとて、当たりどころでも悪くない限り、大ごとにはならない
この件もただの子どもの喧嘩として親に認識され、強諫された佐久間まゆも、それ以降に同じ様な振る舞いをする事はなかった
同じ様な感情さえ抱かなかった









少なくとも、件のプロデューサーに出会うまでは


13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:13:24.44 ID:l3mCLc8x0







彼が私を終わらせた


いいえ、彼が始まらせたのが本当の私?







14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土) 18:16:41.90 ID:l3mCLc8x0
佐久間まゆは、一人、湯に浸かりながら考える
どこまで言えば彼は距離を置くだろうか
どこまで言えば彼女達は私から離れるだろうか
どこまでならば私は耐えられるだろうか

どこまで……


既に狂気は解き放たれている
でも、それは御せる

大丈夫

まだ大丈夫

まだ殺したくない


いっその事、プロデューサーさんを○○○しまえば、私の世界は変わるだろうか?
ひと時の満足を得れば、蟷螂の様にはならずに済むんじゃないだろうか


彼女達は? 傷つけても良い? いいえ、傷つけたい程に好きなの?
違う、彼女達は傷つけたくない

大丈夫

私はまとも

大丈夫

わたしは







                                          暗転

15: おしまい 2013/01/05(土) 18:18:05.53 ID:l3mCLc8x0



好き


好き



好き




大好き





駄目





プロデューサーさん






みんな



好き






だから








                 ――――――――――ごめんなさい――――――――――






20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:17:25.43 ID:C0VZX+xq0


携帯電話、テレビのリモコン、インターフォン、炊飯器、パソコン…
日常生活にとけ込み、何ら疑問もなく使っているそれ等
ふと「いつもは押していない」ボタン、キーボード、スイッチに気づく

好奇心から押してみる
なに、どうせ退っ引きならない状況にはならないさ、と

それがどんな結果に繋がるかは、本当は不確定だというのに



ことの きっかけ というのは、そんなもの

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:19:10.05 ID:C0VZX+xq0


俺と彼女の出会いは中々にドラマチックで、安っぽい恋愛小説なんかではよくありそうなシチュエーション
担当しているアイドルの仕事先が、当時彼女が所属していた事務所の仕事先とブッキングしてしまい、
急遽、合同企画にしよう、と会議に臨んだ時、彼女を見つけた。

大人しく、控えめに、可愛らしく、座っている  静かだが華のある子


緊急の企画会議はそれなりに上手く進み、うちのアイドルを前面に、で決まりとなりかける

ふと、彼女を見る

始めと変わらぬ様子
大人しく、控えめに、可愛らしく



そして、興味がなさそうに




22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:20:04.13 ID:C0VZX+xq0







                      君はどう思う?






23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:21:44.53 ID:C0VZX+xq0

余所様の子に意見を求めるなんてのは、まあ、普通はあり得ない
彼女の表情が少しだけ動く


私は―――


安直な同意
いい子の応え


違う
そうじゃあない
これは君「も」主役なんだ
だから―――


24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:23:16.03 ID:C0VZX+xq0








私は―――







25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:24:36.35 ID:C0VZX+xq0


開かれた口から出たアイディア


良い

実に良い

なんだ、良いじゃないか

思いもよらなかった


企画の練り直し
相手方の不満顔は変わらずだが、決して悪い感触ではない
先ほどのものとは方向性が違うが、うちのアイドルだけではなく、彼女をも前面に押し出せるのだ
内心、ほくほくしていることだろう


26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:26:26.89 ID:C0VZX+xq0


現場での仕事を終える
大成功?
いやいや、まだ分からない
今回の放送はまだ先の話だし、今回の記事で彼女が誌面を飾るのもまた先の話



ふと、視線

ああ、彼女か



声をかけ、挨拶
社交辞令 決まり文句



ふと、視線

ああ、見送ってくれているのか



彼女の視線
佐久間まゆの視線





……彼女は何故を見ているんだ?


27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:28:05.66 ID:C0VZX+xq0


数ヶ月後
彼女がうちの事務所にいる
移籍ではなく、新人として

何故か、驚きはない



読者モデルとして活動していた彼女の実力は確かなもので、まさしく即戦力
円満退社、という訳ではないだろうが、元の事務所を辞めるに問題はなかったようで、ファン層も付いてきている




ただ、何か違う
あの時出会った彼女とは


華があるのは変わりなく
しかし、陰がある


退社時に問題があるわけでなく、それ以前に問題があるわけでもない
そして、新人としてうちに来るまでの間も


彼女は本当に、あの彼女なのか?


28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:28:39.37 ID:C0VZX+xq0



彼女の視線
佐久間まゆの視線



君はどこを見ているんだ?



29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:29:43.26 ID:C0VZX+xq0


少しずつ
言動が歪んできている
恩義の言葉、と思われていたものが、執着の言葉であり、
ファンに向けられるべきその微笑みが、俺に向けられるものであり


彼女は上手くやっている
少なくとも、事務所以外ではあんな顔を一切見せない

少なくとも、事務所以外では


他のうちのアイドルへの悪影響がないのは、興味深い現象だ
他の子への攻撃的な態度が、彼女の立場を悪くしている、などという事態が見受けられない
裏ではそうでもないのか?などとは自身に問わない
裏も表も一応の監視はしている


では、何故?



30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:30:48.51 ID:C0VZX+xq0



彼女の視線
佐久間まゆの視線



君は何を見ているんだ?



32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:32:48.47 ID:C0VZX+xq0


奇妙な事実
彼女は俺の話題が出た時「だけ」、その話題を出したアイドルに噛み付く
おかしな話だ
俺に好意的な態度を見せたアイドルを、それ以外の場面では攻撃しない
表面的な仲の良さかと思い他人の手で調査しても、「俺の話題」以外で何か問題があった、という報告はない


では、何故?











彼女の視線
佐久間まゆの視線




……君はどこから見ているんだ?





33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:34:16.82 ID:C0VZX+xq0

何故、俺は彼女をここまで調べるんだ?
問題がないならいいじゃないか
俺に気があるからか?
馬鹿な、彼女はアイドルだ、俺はプロデューサーだ
何より、あんなストーカーみたいな子を





では、何故?







彼女の視線
佐久間まゆの視線




……俺は本当に、君を見ているのか?




34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:37:20.71 ID:C0VZX+xq0








































                                          暗転

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:38:55.04 ID:C0VZX+xq0



これは




なんだ?







どうして




36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:39:47.93 ID:C0VZX+xq0



彼女は謝りながら、俺を鈍器で殴り続ける

いや、謝りながらじゃあない、これは

これは、これは




37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:40:41.75 ID:C0VZX+xq0


ああ、そうか

そういうことか

今まで、演じていたのか




得るために、手段を選ばない女を




38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日) 21:42:00.83 ID:C0VZX+xq0


そうか、そうか

まゆは、そうじゃないんだな



ああ、なんだ、そうだったのか



ああ、それならいい



すまなかった



きづけなかった



だから、





39: おしまい 2013/01/06(日) 21:43:35.83 ID:C0VZX+xq0


ふと、愛おしさが満ちる
彼女の愛情は、歪んでいる
だが、これほど愛情に満ちた彼女を誰が責められる



だから、







                                                       P編終わる

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/10(木) 00:45:47.32 ID:Ul9BVc4F0




中途で投げ出す事は非難に値する
最後までやりきる事が困難であるにも関わらず

それ故に、なんであれ最後までやりきるという事は、賞賛にさえ値する




47: 双葉杏 2013/01/10(木) 00:48:49.25 ID:Ul9BVc4F0



へぇー、

ああ、

うん、

そう


死んじゃったんだ、プロデューサー

え? そりゃ色々と思う所はあるけど、誰もが認めるサボる口実が出来た訳だし
ま、これでいいかなー、って


あの子って、病んでたしねぇ
ほら、前にあいつの話題を振られた時の、凄まじい「噛み付き」方
あれって、今思うと逆だったんだね
いや、ほら、私ってこんなじゃん?
結構仲良くしてたらこれだもん

なんて言うか、地雷原の外を歩いてたら関係なく全部爆撃されました
って感じ





え?飴? いやー……
いいや、喉詰まったら吐き出せないし


ああ、喉乾いちゃったから、それ、取ってくんない?
いつもは自分で取るのも億劫だったけど、手無くなっちゃったら、やっぱ不便だね





48: 木場真奈美 2013/01/10(木) 00:52:16.74 ID:Ul9BVc4F0




止められたのは僥倖だよ、あれは

狂気に冒された人間というのは、人間離れした働きをするらしいが、本当だな

おかげで私もこの様だ
全く情けない


ところで、プロデューサー君は……


そうか、やはり

私が踏み込んだ時には相当に崩れてた様だからな
まあ、助かるとは思ってなかったよ



他にもいたんだろう?
その子達はどうしたんだ?


……そうか




最後に一つ


あいつはどうなったんだ?

やはり、自ら?





……それは、また……凄絶だな……



ありがとう
少し、疲れたよ
休ませてくれ



49: 脇山珠美 2013/01/10(木) 00:57:14.80 ID:Ul9BVc4F0


あ、、、う、ぷ、ぷろでうさ、、、わ?

あ、、い、、ぞ、でず、、か

ご、え、、な、、、ざい

ごど、、、、わ、、うばく、、、さ、、、べ、、べれ


だ、、、、ん、、で、、、?

ま、、、、まじゅ、、、ど、、の、わ?

だ、、か、、びょ、、、か、、た、、どに、、


50: 輿水幸子 2013/01/10(木) 00:58:54.18 ID:Ul9BVc4F0

知ってますか?お花畑って身体の中にあるんですよ!ボクの中のコスモスはみんなプロデューサーさんを月に飛ばす為に白い目の蜜蜂缶詰に注ぎ込まれて蕩けちゃったんです!でもプロデューサーさんの中のお花が一杯咲いちゃったんで、ボクの○○○○が空洞になったからって、なんで生きてるの、あははは、それで一杯いっぱい文字が爪とテレビの間にみんなみんなバラバラになって真っ赤に真っ赤に、あはははははは、えへ、あは、ひ、ああああああああああああああああああッ!!!

51: 木場真奈美 2013/01/10(木) 01:04:17.02 ID:Ul9BVc4F0




……また、か

いや、予想は出来てる
私以外はまともではないか、それとも……


私とあいつは仲が良かったわけでもない
同じ事務所に所属していたが、接点は殆どなかったな



なに…?
仲の良かったものだけが生き残っている、と?


……ふむ、いや、それは…………



一つ、思い当たる節がある


あいつと衝突した子は、かなり居る
だが、彼女と衝突し続けた子はいない

少し経つと、あいつが一歩引く様になったそうだ

だが…

だが…恐らく、その子等が、だと思うのだが、
嫌がらせや中傷、デマ、スキャンダル、酷いものになると○○未遂などを、経験している


アイドルならば、と思わなくもなかったが……
今考えると、被害に遭った子は皆あいつと衝突した子達だったと思う




しかし…あいつは、表向きは優しげな、と言った態度ではなかった
心底……心底、その子等と仲良くしようとしていた様だった

何かを誤魔化す為に繕ったものじゃあなかった

私があいつの心根を見破れなかったことの言い訳じゃあないが、あいつは、まゆは、








衝突した奴ほど、好んでいた様に思える







生き残り編終わる


64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/11(金) 23:29:21.33 ID:4U8PlJJC0


珠ちゃんはハッピーバースデーを歌ってもらったそうだ


プレゼントはないけど、歌と一緒にバースデーケーキにろうそくを立ててもらったんだよ
特別なろうそくらしくて、倒れたり抜けたりしない様に芯が太くて爪楊枝くらい遭ったんだって

「ハッピィ・バースデー トゥ ユー♪」
――――ひ! な、なにを――――

「ハッピィ・バースデー トゥ ユー♪♪」
――――やめ、やだ、こわい!!やだ!!!ひぃい!!!――――

       ズッ
ズッ

   ズッ
「ハッピィ・バースデー ディア…」
そしたら、珠ちゃん、まわりをきょろきょろしながら、面白い顔でまゆちゃんの心を和ませてくれたんだ
              ズッ
ズッ
――――あああ、ああああ、あ、あ、あ、あ、あああ、ひいぃぃぃいいいいいぁああああああ!????――――

      ズッ
「たまちゃーん♪」
               ズッ
だから、まゆちゃんはお礼にろうそくを新しい場所に刺し替えてあげたんだって

      ズッ                 ズッ
ズッ
              ズッ
           ズッ

    ズッ             ズッ


「ハッピィ・バースデー トゥ ユー♪♪♪」

――――ひゅる、ひゅいいい、あ、あ、ひゅうううる、ひ、ひ、えあ、んぎ、ひゅ…――――
             ズッ

そしたら珠ちゃんは手足をばたばたさせながら、奇声を挙げて大喜び!
   ズッ
             ズッ

まゆちゃんはうれしくなって、何度も何度も歌いながらろうそくを刺し替えてあげたよ




ズッ ズッ ズッ ズッ―ひゅぎ―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ―だんで―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ―あ―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ―んが―ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ―じぬ―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ―ははは―ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ ズッ―えびゅ―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ―うぶぶ―ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ―やめ―ズッ ズッ ズッ
ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ ズッ






――――ひゅ、ぐ、えええ、びゅ――――




たまちゃんは最後は疲れちゃったのか、変な寝言を言いながら眠っちゃったけど、喜んでもらえてまゆちゃんは大満足なんだって




84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:52:09.41 ID:871G9E7Fo
微グロだけど注意

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:53:07.34 ID:871G9E7Fo
事務所の日常
他愛のないおしゃべり


ふと、聞こえた言葉


なるほど、彼女は所謂「ツンデレ」なのだな、と軽食を摂りながら考える


頬を赤く染め必死に打ち消す姿は、同性にとっても愛らしく、魅力的だ



そうですよね、プロデューサーさん

























―苛立ち―

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:53:42.22 ID:871G9E7Fo

目覚めても暗闇
朦朧
そして鈍痛

はっきりとしてくる意識と共に、湧きあがる恐怖。
ここはどこだ?

身体を動かそうと身をよじる
……手足が縛られている

無音。


―恐怖―

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:54:10.22 ID:871G9E7Fo


あの日、彼女を見かけた
誰かを待っている
雨の中、もう一本の傘を持って


声を掛けようとすると、彼女の顔に恥じらいが
その視線の先には彼

傘を受け取り、共に歩きだす


―嫉妬―

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:54:38.64 ID:871G9E7Fo

私は、彼に気づかなかった
彼女に気を取られて
自分自身を許せない、それで終わるはずだった

彼女のはにかんだ笑顔
それを向けられた彼

私への怒りは、彼女への憎悪に転化していく


―執着―

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:55:32.53 ID:871G9E7Fo

一体、どれだけの時間が経ったんだろうか
あたしは今、どうなってるんだ?
もう長い間、鏡も見てない
きっと酷い姿なんだろうな
…畜生
なんで、誰も助けに来てくれないんだよ…

なあ、あたし、なんか悪い事したか?





おい、なんでそんなところを触るんだ
ふざけるなよ!
ちょ、やめろ!やめ、やめて!!
嫌だ!何するんだよ!!?



ああああああああああああああああああ!!!!!!


―絶望―

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:56:07.29 ID:871G9E7Fo


彼女を見ている
私は彼女を見ている

普段は素直でないけれども、優しく、愛らしい彼女を

私は
私は、彼女をどうしたいんだろうか

違う

私は、彼女をどう思っているんだろうか

殺したいほど憎んでいる?
それは本当に憎悪なの?
殺したいのは、憎いからなの?

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:56:37.17 ID:871G9E7Fo



―愛―

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:57:06.11 ID:871G9E7Fo

○○○?
なんだ、あれは
何をしたんだ、あいつ
分からない
分かりたくない

もう嫌だよ
帰してよ
お母さん…
プロデューサーさん…


―嗚咽―

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:57:32.15 ID:871G9E7Fo

読モ時代の蓄えは尽きた
でも、それに見合うだけのものは手に入ったんだと思う
場所
そして、手段

確かめよう

私を

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:58:00.80 ID:871G9E7Fo



―愛―

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 05:58:26.68 ID:871G9E7Fo

ああああああああああああああああああああああああああ!!!!
痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!痛いぃいいいいいいいいい!!!!!!!
嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!






                            産みたくない!!




―血と羊水―

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 06:00:26.29 ID:871G9E7Fo

うふふ

本当に、可愛らしい
愛らしい
私もこの子を愛している

ああ、そうだ

戻してあげなくちゃ

愛しているんだもの

一つに

うふふ




―事の始まり―編終わる