1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:10:03.79 ID:m4T8xvDz0
今考えると、身が震えるほどの戦いだった。

オレは隊の小隊長として音に走ろうとする
サスケを止める任務を5代目火影さまから任された。

里に上忍、特別上忍、中忍は少なく、5代目の命令で
ナルト、チョウシ、キバと赤丸、ネジを隊員として里を出た。
中忍として初めての任務がまさかこんな形になるとは予想は
していなかった・・・

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1359461403

引用元: シカマル「俺は仲間を守れなかった....」 

 

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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:17:27.39 ID:m4T8xvDz0


古いですが、サスケ奪還失敗直後のシカマルの心境を
書いた小説のリメイクです。

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:19:29.44 ID:m4T8xvDz0
シカマル「サスケは同じ木ノ葉隠れの忍だ 仲間だ! 
      だから命懸けで助ける これが木ノ葉流だ!」


シカマル「お前らの命預かってんだからよ」



と、4人(+1匹)に言ったのはオレの本心だった。

いつもは何事も面倒くさがるクセがあるオレもあの時は仲間のために

是が非でもサスケを止めて、木ノ葉の里に連れ帰ってきたかった。

里を出る前に、ナルトがサクラにサスケを連れ帰る、と言っていたのを思い出す。

それを見て、オレの中には不安が広がった、「本当に大丈夫なのか?」と。

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:23:49.35 ID:m4T8xvDz0
チョウジ「こいつはボクがやる!」


チョウジ「シカマル、みんなを連れて早く行って!!」



チョウジはこう言って、音忍の1人、次郎坊ってヤツと戦う決意をした。

アイツは昔からオレの幼馴染で親友。

オレたち仲間の中でも気が弱くて、体に似合わず優しいヤツだ。

そんなチョウジが戦うことを決意し、オレたちを先に行かせた。

結果、アイツは秘伝の丸薬を飲み、命ギリギリのところで音のヤツを倒した。

でもチョウジは死にかけてた、医療班が出動してこなかったらチョウジは今、

この世にいなかっただろう。オレは後悔した。


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:29:59.18 ID:m4T8xvDz0


シカマル「チョウジ、大丈夫か?オレがわかるか?シカマルだ!」


チョウジ「…ん?シ、シカマル?ボクは・・・どうして・・・・生きてるの?」


シカマル「ああ、医療班が樹にもたれてるお前を見つけてすぐに里に運んで治療を施した。
       運ばれてからもう4日経つ、今までずっとお前は寝てたんだ。」


チョウジ「そう、だったのか・・・そ、そうだ、サスケは?どうなったの?」


シカマル「…あ、ああ。結局アイツは音に行っちまったらしい、
                 アイツと直接戦ったナルトによればな。」


チョウジ「!!・・・そっか。悔しいな、、みんな頑張ったのに。」


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:34:22.25 ID:m4T8xvDz0


シカマル「なあ、チョウジ。」


チョウジ「ん、何?」


シカマル「本当に悪かった!隊長としてお前をこんな目に合わせちまって。
          オレの判断さえ間違っていなければ!」


チョウジ「シカマル!何言ってるんだよ!あれはボクが自分で判断して
        あの音のヤツと戦うって決めたことだ、シカマルが謝るなんてヘンだ!」


チョウジ「ボクはシカマルが隊長になって、ボクを信じてくれたおかげで、
        みんなのために戦うことができた。シカマルにはとても感謝
                         してるよ、だから頭をあげてよ。」


シカマル「…チョウジ、、、悪かった。ありがとう」



7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 21:36:37.67 ID:m4T8xvDz0

オレはチョウジのことを親友とかいっておきながら、

心のどこかで信頼できてなかったのかもしれない。

だからチョウジと話した時にあんな事を言ったのか・・・

でもチョウジの「感謝してる」の言葉がオレの心のもやもやを

消してくれた。

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:00:13.20 ID:m4T8xvDz0

ネジ「こんな所で止まっていては、サスケに追いつけなくなる。」



ネジ「早く行け!オレも後で追いつく!」



そう言ったネジは、すでに小隊としてサスケを追うのはムリとわかったのか、

『一人一殺』で行くしかないと話した。鬼堂丸と戦うために、1人残った。

そんなネジはチョウジと同じほどのダメージで倒れていたという。

チョウジ以上に瀕死の状態で医療班に回収された。

体を鋭利な武器で数箇所貫かれ出血がひどく、チャクラもほとんど使い切った

状態で里に運ばれた時点で、死んでもおかしくはなかったらしい。

そんなことをを砂のテマリ、カンクロウ、我愛羅に肩を貸してもらい、

里に帰った直後に医療班の1人が言っていた。

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:02:08.18 ID:m4T8xvDz0


なぜオレだけがこんな中途半端にキズを負っただけで済んだのか?

と自分に問いかけた。


キバとナルトはチョウジやネジに比べると軽い症状だったが、

オレが指一本の骨折だけで済んだのに比べれば何倍も重症だ。

オレだけが余裕で病院内で動けることに、無性に腹がたった。

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:04:02.88 ID:m4T8xvDz0



ネジが目を開けたのはチョウジが目を開けたよりずっと後だった。

オレがネジの病室に入ると、松葉杖をついたリーとテンテンがいた。

すでに2人と会話をしていたのが目に入った。


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:12:06.84 ID:m4T8xvDz0

シカマル「ネジ、大丈夫か?」


ネジ「ああ、なんとか生きてるようだな。
        お前は無事だったのかシカマル。それとあとの3人はどうした?」


シカマル「オレはほんの指一本で済んじまったよ。
      ナルトとキバは重症だったがもう大丈夫そうだ。
        チョウジはかなり重症だったがお前が目が覚めるだいぶ前にゃ目を覚ました。」


ネジ「そうか、チョウジも大丈夫だったか。
      安心した。……サスケを止めることはできなかったか。」


シカマル「ん、ああ。結局ナルトでも止められなかったらしい。
              任務失敗ってやつだな。くそ!……」


ネジ「……気にするな。お前に責任はない。
     お前の顔を見るとどうも思い詰めてるって顔をしている。」


ネジ「隊長である自分だけが軽症で済んだこと、
        サスケを止められなかったこと、もう過ぎたことだ。
               オレも幸いちゃんと生きてるようだしな。」


シカマル「……そう、だな。」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:14:23.36 ID:m4T8xvDz0

まただ。

ネジはオレたちより一つ年上で下忍だが、なにか頼りがいがあるヤツだ。

オレなんかよりネジが隊長で任務をしたほうがよかったとも思えてくる。

でもネジもまた、オレに助言をくれた。

中忍になりたてのオレだけど、また頑張れそうな気がした。

そういえば、女連中もオレに対して中傷したり、怒ったりはしてこなかった。


あれはたしかナルトの病室でオレとナルトが話している時だ。


13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:20:15.46 ID:m4T8xvDz0

ナルト「ごめん…サクラちゃん」


サクラ「…なんでアンタが謝るのよ」




ナルト「サクラちゃん!オレ…約束は絶対守るってばよ。
          一生の約束だ…って言ったからなオレってば」


サクラ「ごめん…ナルト…
       少し待たせることになっちゃうけど…今度は私も一緒に!」



サクラと5代目が病室に入ってきて、ナルトがサクラに、

サスケを連れ帰ることができなかったことを謝ってた。


そのときのサクラの笑顔、あれは作り笑顔だった。

その顔を見たオレは居たたまれなくなった、だけどアイツ、ナルトは

「約束は絶対に守る、それがオレの忍道だ」と言って笑顔で返していた。

オレは心底、ナルトのことを凄いヤツだ、だと感じた。

キバもナルトと同じような事をオレに言っていたが、

コイツらは強い!体がじゃなく、「心」が強いと感じた。

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:24:57.13 ID:m4T8xvDz0


サクラ「シカマルっ!」


シカマル「ん?サクラか。なんだ、こんなところになにか用か?」


サクラ「『なにか用か?』じゃないわよ。 
       私は綱手様の弟子になったんだから!修行させてもらいに来たのよ」


シカマル「は?弟子?…5代目の?」


サクラ「そうよ、私、決心したの。私も医療忍術覚えて、
      ナルトやアンタたちの隊の一員として入るのよ!小隊には医療忍者が必要でしょ」


シカマル「あ、ああ。たしかにオレも5代目にそんな事言ったな。それにしてもお前がねぇ。」


サクラ「シカマルー、いつか私の実力見せてあげるからね。
       覚悟しときなさいよ。…あ、それじゃね急ぐから~~」


シカマル「……いのも最近、妙ににやる気だったが、いよいよあいつもか。」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:27:57.09 ID:m4T8xvDz0

正直、ナルトの影響がモロに出てるなと思った。

あの取り得のないサクラも目が生き生きしてやがった。

あの任務で里を出るときのサクラの目とは大違いだった。

となると、、、オレだけがまだぐずぐずしてんだなぁ。


そういやオレ、里に帰ってきた直後、泣いたな。

しかもテマリ、親父、5代目、シズネ先輩の前で。

あの時はテマリと親父に説教食らって、自分の考えていたことの甘さを実感して。

最後に5代目に言われたっけ。

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:32:09.35 ID:m4T8xvDz0

テマリ「案外モロいんだな・・・男のくせしやがって・・・」


シカマル「オレが甘かった…力が足らなかった…全部オレのせいだ」


テマリ「…傷つくのが怖いのか?」



シカク「てめーはただの腰抜けだ」


シカク「仲間のためにてめーがより優秀になることを考えやがれ!
          それが本当の仲間ってもんだろーが、この腰抜けが!」



綱手「2人か…シカマル。どうやら任務失敗のようだね」


綱手「でも・・・皆生きてる・・・それが何よりだ」


17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/29(火) 22:36:03.88 ID:m4T8xvDz0



ハハ、あの時は泣いちまったけど…もう大丈夫。

っていうか、よくオレが「泣く」なんてめんどくせーことしたよな。


今度こそ、オレがみんなを率いて ”任務成功” させてやる。

信頼する仲間と必ず……見とけよ親父……。





おしまい