1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:40:15.93 ID:dCW/I6vc0
短いですが、アイドルマスターシンデレラガールズの関裕美と森久保乃々と白菊ほたるがメインのSSです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428342015

引用元: 関裕美「ワンステップス」 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:40:48.27 ID:dCW/I6vc0
『いつも怒ってると思われてるんだ。そんな私がアイドルなんて……』

『プロデューサー、私、アイドル辞め……ううん、もうちょっと頑張ってみる』

『アイドルになって、世界が輝いて見えたの。でも、きっと最初から輝いてたんだよね。Pさんが気づかせてくれたんだ!』



『どうしてもトップアイドルになりたいんです……!どんなに不幸でも!』

『笑顔の練習はしてありますから』

『いつか……私も可愛くてファンシーな衣装を着て笑顔でステージに……。Pさんと一緒なら、そんな私もきっと訪れますよね』



『あの、プロデューサーさん、いきなりで申し訳ないのですけど、あの、あたし、もうアイドルとか辞めようかなって思って……あの、その……』

『こんな私なのに、見捨てずにいるなんて……変わった人ですね……』

『ポジティブになれる魔法……プロデューサーさんがかけてくれれば……』

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:41:29.21 ID:dCW/I6vc0
「桜の季節だから、テーマは春らしく爽やかにいくのとか、どうかな?乃々ちゃんとほたるちゃんはどういう感じがいいと思う?」

白菊ほたる「私も賛成です。春らしく、明るく、幸せな気分になれるような……。そんな気持ちをファンの皆さんに感じてもらえたら素敵だと、思います」

森久保乃々「もりくぼは春眠暁を覚えずなので……、布団に包まれていますので……裕美さんと白菊さんでどうぞです……」

関裕美「乃々ちゃん、そんなこと言わないで、三人で一緒に頑張ろう。大丈夫、私もほたるちゃんも一緒だから」

乃々「むぅーりぃー……」

ほたる「そ、そうですよね。わ、私と一緒のユニットだと不幸に巻き込まれるかも……。そ、それで乃々さんや裕美さんに迷惑を……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:49:12.50 ID:dCW/I6vc0
裕美「ほたるちゃん、滅多な事言わない。Pさんや他の皆もLIVEをたくさん盛り上げようと頑張ってくれてるんだから、私達は精一杯その想いに応えなくちゃ」

ほたる「でも……。移動中に渋滞に巻き込まれたり、天井の照明が落下してくるとか……」

裕美「そういう不幸よりも、私達の実力不足でLIVEが失敗しちゃう……。そう考えた方が、もっと怖いよね」

ほたる「は、はい……」

乃々「二人を困らせるのはダメだから……少しだけ頑張ります……少しだけ、ですけど」

裕美「うんっ、二人ともお仕事もレッスンも頑張ってるから、きっと上手くいくよっ」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:50:05.25 ID:dCW/I6vc0
ほたる「はい、……はいっ!い、一緒に頑張ります!」

裕美「私も二人に負けないように頑張るからねっ、それじゃあ、一旦休憩しよっか。私何かジュース買ってくるねっ」

ほたる「あっ、私も一緒に……」

裕美「大丈夫、ちょっと近くまで行くだけだから。ここは私に任せて、ねっ」

乃々「白菊さんも一緒に行けば、もりくぼはごーほーむなので……白菊さんもご一緒に……」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:50:43.60 ID:dCW/I6vc0
ほたる「……あのっ、私乃々さんとここにいますねっ」

裕美「ふふっ、お願い。それじゃあ、ちょっと行ってくるね」

乃々「冗談です……。冗談ですけど……」

ほたる「私も裕美さんも、乃々さんがそういう風に逃げ出す人じゃないって知ってますよ」

乃々「逃げ出したいんですけど……。二人みたいなかわいいアイドルとお仕事とか……、プレッシャーで押しつぶされそうです……」

ほたる「乃々さんも可愛いですよ。バレンタインのお仕事とか、リスのふわふわの衣装、凄く可愛かったです」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:51:12.23 ID:dCW/I6vc0
乃々「リスだから……森に帰ります……」

ほたる「森って……ここ、事務所ですよ?」

乃々「……」

ほたる「……」

乃々「……」

ほたる「……」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:51:43.44 ID:dCW/I6vc0
乃々「……ぴーっ、ぴっー。緊急地震速報です……」

ほたる「えっ?今の明らかに口笛じゃ……」

乃々「もりくぼは机の下に隠れますけど……、揺れが収まるまで探さないでください……」

乃々「んしょ……んしょ……」

ほたる「の、乃々さん?」

乃々「……ここが私の魂の場所です……」

ほたる「つ、机の下ですよ、そこ?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:52:11.13 ID:dCW/I6vc0
乃々「もりくぼは半畳あれば生きていけるのでもうお構いなく……」

ほたる「そ、そういう訳には……」

乃々「隠れたいですし、逃げたいんですけど……。今回もユニットでお仕事ですけど、自分の所為で迷惑をかけるって……考えるだけで」

乃々「怖くて仕方がないんです……。裕美さんも白菊さんもアイドルらしくて……、もりくぼが出ても足手まといにしか……」

ほたる「あの、乃々さん。……お隣、いいですか?」

ほたる「お邪魔しまーす……」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:52:58.63 ID:dCW/I6vc0
乃々「白菊さん……、ち、近いんですけど」

ほたる「あ……ごめんなさい。でも、私も、こうやって隠れたくなること……よくありましたから」

乃々「……そうなのですか?」

ほたる「はい。私……このプロダクションに所属するまでに、いくつかのプロダクションの……その、倒産の場に立ち会っていまして……」

乃々「お話はその、聞いているんですけど……。その、なんといえばいいのか分からないです……」

ほたる「そうですよね、すいません、急にこんな話して……。でも……、私のことを疫病神って思っている人がいるんじゃないかって」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:53:30.21 ID:dCW/I6vc0
乃々「……それは、その、無いと思いますけど……。福の神さまみたいなのはいますけど、白菊さんが疫病神は……違うと、思います」

ほたる「そう言ってくれるの、凄く嬉しいです。こんな不幸体質で、それで皆に迷惑をかけて……。逃げたくて、隠れたくて……。それでも、どうしてもトップアイドルになりたいんです……!」

ほたる「だから、一緒に頑張りましょう……!絶対に、LIVEを成功させて……みんなが幸せになってくれたら……それだけでいいんです……!」

乃々「……みんなが幸せ、それだけでいい。は、違うと思うんですけど……」

ほたる「……えっ?そ、それはどういうことですか!?わ、私はみんなを、ファンの人を幸せにしたくて……!」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:54:00.46 ID:dCW/I6vc0
乃々「ファンだけじゃなくて、白菊さんも幸せにならないと、ダメだと思うんですけど……」

ほたる「わ、私も……?」

乃々「白菊さんの今までが不幸なら、これから幸せになるのが筋だと思うんですけど……」

ほたる「でも私このプロダクションにきて、凄い幸せで……。もう、夢なんじゃないかって思ってるくらいで……」

乃々「それなら、もっと幸せになるべきだと思うんですけど……今まで頑張ってきた白菊さんなら、当然の権利だともりくぼは考えます……」

ほたる「の、乃々さん……!」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:54:49.55 ID:dCW/I6vc0
乃々「……白菊さんと裕美さんが頑張るらしいので、もりくぼもついていきます……。でも、不安です……」

ほたる「それなら、もう少しだけそばにいませんか?ふたりなら、自信持てそうだから」

乃々「……今更ながらに、近いのが恥ずかしいです……」

ほたる「……そ、そうですね……」

乃々「……」

ほたる「……」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:55:21.51 ID:dCW/I6vc0
乃々「……裕美さん、立派ですよね……」

ほたる「はい。……一緒に笑顔の練習をしたこともあります。今回一緒にお仕事をすることになって、裕美さんが先頭に立ってくれて……」

乃々「裕美さん、凄くアイドルらしいですね……。もりくぼには、とても無理です……」

ほたる「凄いです、でも、最初からそうじゃなかったってPさんが言ってました」

乃々「……正直に言えば、もりくぼは最初裕美さんと会った時、関に睨まれた森久保状態でした……」

ほたる「どういう状況なのかよく分からないです……」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:55:54.49 ID:dCW/I6vc0
乃々「怖かったです。いぢめられるかと思いました……」

ほたる「え、えぇー……」

「おーい、お邪魔するよー。差し入れ持ってきたぞー……。あれ?いないのか?」

乃々「この声……プロデューサーさん……し、静かにスニーキングです……」

ほたる「あっ、Pさんっ、今でますねっ」

乃々「お隣さん、急に立ち上がると……あぶな……」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:56:24.55 ID:dCW/I6vc0
ほたる「~~~っ!……っ!」

乃々「……遅かった……」

ほたる「あ、頭をぶつ……っ、い、いた……っ」

乃々「だ、大丈夫ですかー?ちょっと頭診ますけど……。……こぶにはなってないみたいです……」

ほたる「だ、大丈夫ですっ、こ、これくらいの不幸……な、慣れてますっ!」

乃々「これは不幸とは違うと思うんですけど……」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:56:53.12 ID:dCW/I6vc0
P「お、おいっ!でかい音したけど大丈夫か!?というか乃々はともかく何でほたるが机の下に……!」

P「ほら、さすってやるから!痛いの痛いの飛んでけー……!」

ほたる「あ、ありがとうございます……!でも、頭を撫でられるのは恥ずかしいです……」

P「そうだな、悪い。でも、びっくりしたぞ、ほたるまでアンダーザデスクに仲間入りするのかと……」

ほたる「その、机の下にもぐっていたのは今度の仕事の事で、乃々さんとお話を……」

P「おぉ、裕美にほたるに乃々の三人のユニットだな、裕美の姿が見えないけど、どうした?」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:57:22.66 ID:dCW/I6vc0
乃々「裕美さんなら……休憩のためにジュースを買いに行ったんですけど……」

P「タイミング悪かったな……、折角差し入れもってきたのに、入れ違いか」

ほたる「いえ、あの、ありがとうございますっ。嬉しいですっ」

P「まぁ簡単なものしかないんだけどな、春らしくお団子とか、温かい緑茶とか……」

ほたる「お花見みたいですね」

P「団子は三色団子とみたらしとあんこの三つを用意したぞ!どれでも好きなのを選んでくれ」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:58:00.89 ID:dCW/I6vc0
乃々「……みたらしおひとつ下さいなー……」

ほたる「じゃあ私はあんこのを……」

P「どうぞ。それで、今度のLIVEの打ち合わせはどうだ?進んでいるか?」

ほたる「はい、裕美さんが率先して進めてくれているので、私達も負けないように頑張りたいです……」

乃々「もりくぼは足を引っ張らない程度にいたいので……」

P「そう言っても、本番ではしっかりやってくれるからな。頼りにしてるぞ、乃々」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 02:59:43.17 ID:dCW/I6vc0
乃々「プレッシャーで今にも潰れそうなんですけど……」

P「大丈夫、お前達三人なら安心して任せられる。三人とも、大きな仕事も経験して立派になったからな!」

乃々「今度こそむぅーりぃー……」

ほたる「乃々さん、が、頑張りましょうってさっき言ったばかりですよっ!」

P「ほたる安心しろ、乃々の無理はまだまだいけると同義語だ」

乃々「ここに鬼がいるんですけど……鬼、悪魔、プロデューサー……」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:00:22.88 ID:dCW/I6vc0
P「えっ、ひどくない?」

乃々「ひどくないです……。至極当然です、アイドル虐待です……」

P「ようし分かった!乃々には今度ソロのLIVEを用意しよう!」

ほたる「わぁ……、凄い……!」

乃々「!む、むぅーりぃー!」

P「とまぁ、乃々のソロLIVEの企画も用意しておくが、まずはユニットでのLIVEだな」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:00:54.30 ID:dCW/I6vc0
ほたる「あの、Pさん。ちょっと聞きたいことが……」

P「お?何だ」

ほたる「この三人でユニットを組んだ理由って、何ですか?あの、結構バラバラな人選だと思って……」

P「それはそうだな……。この写真を見て貰えば、分かりやすいかな」

乃々「これは……もりくぼの黒歴史ですけど」

ほたる「私がここの事務所にきてはじめて撮った宣材……!裕美さんも、乃々さんのも、最初の宣材ですか?」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:01:28.70 ID:dCW/I6vc0
P「その通り。それでユニットの理由なんだが……」

裕美「ただいまっ。あっ、Pさんも来てたんだ、大目に買ってきてよかったかな」

P「裕美丁度いい所に戻ってきたな。今この三人でユニットを組んだ理由を話していたところだ」

裕美「そうなんだ……。あ、これって……、あははっ、今見ると恥ずかしいな……」

P「これが皆の最初の宣材、そしてこっちが最近の仕事の時の写真だ」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:02:01.74 ID:dCW/I6vc0
P「この二枚の写真が、俺がこの三人でユニットを組んだ理由だ。ユニット名も、それに因んだものにした」

乃々「ユニット名って……あれですか……」

ほたる「最初見た時素敵な名前だなって思いましたっ!」

裕美「うん。私も、私達にぴったりの名前だなって思ったよ」

P「あぁ、ユニット名は―――」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:02:32.50 ID:dCW/I6vc0


P「本番だな、……裕美は二人の登場前にMCをするから……。一人で、不安か?」

裕美「ううん。今は一人でも、私がしっかりしていれば、乃々ちゃんもほたるちゃんもちゃんと来てくれるし、ファンの皆も笑顔になってくれる。それに」

裕美「Pさんもいてくれるから。不安なんてないよ」

P「……そうか、……そうかぁ……!」

裕美「……もう、プロデューサーさん、泣くのは早いよっ!まだLIVEが始まってもないのに……」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:03:12.33 ID:dCW/I6vc0
P「だってよぉ……。裕美がこんなに立派なアイドルになったのが嬉しくて……!最初の頃はアイドル辞めたいなんて言ってたのに……それが、それが……!」

裕美「そ、それは本当に最初の頃!今はもう大丈夫だから!アイドルとして、ファンの皆に笑顔を届けるのが、嬉しくて……」

P「自分の笑顔が皆の笑顔になる。そう言って、ずっと頑張ってきたもんな……」

裕美「うん。私、アイドルになるまで、自分の事が嫌いだったの。そんな自分を変えてくれたのは……Pさんだから」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:03:48.86 ID:dCW/I6vc0
P「でも、自分を変えようと努力していたのは裕美で、努力の結果が追い付いてきただけだ。本当に、頑張っていたから……」

P「一歩ずつ。でも確かに前に進んでいく。裕美も、乃々もほたるもそうやってここまで来たんだ、だから……」

P「胸を張って、精一杯楽しんできてくれ!」

裕美「うんっ!ありがとう、Pさんっ!それじゃあ……いってきます!」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:04:31.75 ID:dCW/I6vc0
裕美『LIVEに来てくれた皆ー!今日は私達のステージを見に来てくれてありがとうーっ!』

裕美『私達三人は、このユニットを結成するまでにそれぞれ色々なことがありましたー!』

裕美『アイドルを辞めたいと考えたこともあったけど、諦めきれない想いを抱えて私達はここまで来ました!』

裕美『一歩ずつでも、舞踏会への階段を昇っていく……。シンデレラに憧れて、シンデレラになるために!』

裕美『そんな私達のLIVE、楽しんでいってください!』

裕美『私、関裕美。森久保乃々、白菊ほたるで』

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:05:10.53 ID:dCW/I6vc0
裕美『ワンステップス!』

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/07(火) 03:05:51.69 ID:dCW/I6vc0
おわり