3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:13:52.90 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「おっまたせー!」バン

キョン「そろそろドアが壊れるぞ…」

みくる「あ、涼宮さん…」

古泉「どうも」

ハルヒ「…あれ?有希は?」

キョン「長門なら、コンピ研に行ってるぞ?」

ハルヒ「そうなの?」

古泉「ええ。僕が、長門さんがコンピ研の部室に入るところを見ました」

ハルヒ「なんだ、そういう事ならいいわ!」

キョン(古泉が言うと簡単に信じやがる……)
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:14:57.27 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「さーってと…」ギシ

キョン「古泉、野球盤でもやるか?」スッ

古泉「あ、いいですねそれ」

みくる「…お茶できました」トン

ハルヒ「ありがと!」グイ
ハルヒ「……っぷはぁ!やっぱりみくるちゃんのお茶はおいしいわね!」

みくる「そ、そうですかぁ?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:17:06.99 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「………」ジー

ハルヒ「…やっぱりみくるちゃんかわいいわ…」ボソッ

みくる「…へ?」

ハルヒ「キョン!」

キョン「そんな大声出さなくたって、聞こえてるぞ」

ハルヒ「みくるちゃんって、かわいいわよね!?」

キョン「……」

キョン(こういうのを本人の前で言うのって、どうなんだ…)

キョン「…まあな」

みくる「!!」

古泉「…」ガシャ

ハルヒ「や、やっぱり!?」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:19:19.36 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「た、例えば?」

キョン「……はぁ…」

キョン「…あのなぁ、こういう質問って本人の前でするもんじゃないし」

キョン「そうでなかったとしても案外答えにくいもんなんだよ」

ハルヒ「いいから早く言いなさい!団長命令!」

キョン「やれやれ…」

キョン(古泉、ニヤニヤしてこっちを見るな、気持ち悪い…)

古泉「……」ニヤニヤ

みくる「ふぇぇ…」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:25:26.22 ID:8RqLCA8FO
キョン「……強いて言うなら、」

ハルヒ「言うなら…?」

キョン「朝比奈さんのかわいらしさは、どこをとっても全く非がない…」

キョン「…こんな感じだ」

みくる「!!」
ハルヒ「!!」

古泉「おやおや」

キョン「……」(だから嫌だったんだ…)

ハルヒ「むぅ…」

ハルヒ「…有希とみくるちゃんだったらどっちがかわいいと思う?」

キョン「な!」

古泉「ふふ…」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:28:49.03 ID:8RqLCA8FO
キョン「おいおい…」

ハルヒ「じゃ、じゃあ有希のかわいいところは何処なのよ!」

キョン「そんなのお前が捜せ、俺に聞くな」

ハルヒ「あたしはいいのよ!…あんたがどう思ってるか聞きたいの!」

キョン「なんなんだ…」

古泉「…まあ、ここは素直に答えてあげて下さい」

古泉「僕、バイトしたくないですし」

キョン「……分かったよ、任せろ」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:32:17.45 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「早く!」

キョン「はいはい、言いますよ…」

キョン「長門はだな…、最近見せるようになった、いつもとは違う表情」

キョン「これがなかなかかわいいんだ…!」

ハルヒ「!!」

古泉「成る程…」

キョン「なんと言うか、抱きしめたくなるような……、そんなかわいさだ」

ハルヒ「だ、だき…」

みくる「…!」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:35:41.54 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「あ、あんた…そんな事言って有希に変な事したら死刑だから!」

キョン「誰がするか」

古泉「…僕は、長門さんの変わった表情なんて見た事ありませんが?」

キョン「そうなのか?最近、長門いろんな顔するんだぞ」

ハルヒ「……」







長門「ふぇっくし!」

コンピ研「!!!」

コンピ研部長「だ、大丈夫かい…?」

長門「…問題無い」カタタタタタ
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:39:02.93 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「じゃぁ…」

ハルヒ「あたしは…」

ハルヒ「あたしの…、か、かわいいところって…」ボソボソ

古泉「一度は、長門さんの変わった表情も拝んでみたいものです」

キョン「いつかは見れるんじゃないか?」

キョン「まぁ、でも長門も、なんやかんや言って結構レベル高いからな」

古泉「ですよね。…僕は幸せもんですよ」

ハルヒ「きょ、キョン?」

ハルヒ「どこなのょ…」ボソボソ

みくる「あ…、キョン君…、ふぇ…」

キョン「ははは」
古泉「ははは」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:44:16.61 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「……」

キョン「だよな。俺、運いいのかな」

古泉「はは、どうでしょうか?」

ハルヒ「こらっ!」

キョン「おっ?どうしたハルヒ」

ハルヒ「だぁかぁらぁ!」

ハルヒ「あんたはあたしのどこが好きなのよ!!?」

ハルヒ「…あっ!」



古泉「おや、もうそういう関係でしたか」

キョン「ち!違うぞ!全否定だ!」

みくる(涼宮さん、頑張って下さい…!)
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:50:24.42 ID:8RqLCA8FO
>>28
なぜ分かった

ハルヒ「さぁキョン!言いなさい!」

みくる(涼宮さん、汗が…)

キョン「な、なんでこうなるんだ…」

古泉「正直に言ってあげたらどうです? …あくまで正直に、ね」

キョン「お前後でぶっ飛ばしてやる…。野球盤で…」

キョン(それより、ハルヒのかわいいところって……)

キョン「ハルヒは……」

ハルヒ「…何よ…!」

キョン「ハルヒは、笑顔が一番かな」

ハルヒ「っ!!」

キョン「お前より笑顔が似合う奴はなかなかいないぞ?」

古泉「ははっ」

ハルヒ「ぅぁ……」

みくる「!!」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:56:31.56 ID:8RqLCA8FO
キョン「ハルヒの笑顔見てると、いつもの厄介事なんてどーでもいいような気がして来るんだよ」

キョン「…そんぐらい破壊力があるのさ、お前は」

ハルヒ「……」ポーッ

みくる「涼宮さんが放心状態に…!」

古泉「よく真顔でそんな事が言えますね…。逆に感心しますよ…」

キョン「…ハルヒ?」

ハルヒ「えがお…はかい…きょん……」ブツブツ

キョン「おーい」

古泉「おーい、じゃないですよ…」

みくる「涼宮さん!しっかりしてくださぁい!」ユサユサ
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 00:59:36.62 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「…あたし……はかい…」ブツブツ

キョン「だめだこりゃ…」

古泉「そこまで来ると、一種の才能ですね」

みくる「きょ!今日は解散ですぅ!!」

キョン「あ、朝比奈さん!?」

古泉「……了解です」ガタ

キョン「おい古泉!」

みくる「早く帰ってくださぁいぃ!」

キョン「わ、分かりました…」ガタ

バタン



ハルヒ「……」ポーッ

みくる「はぁ…」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:05:37.77 ID:8RqLCA8FO
翌日



キョン「……」ガラ

キョン(…ハルヒは休みか?)

キョン「変な事が起きなきゃいいが…」

朝倉「朝からどうしたの?難しい顔して」

キョン「ああ、朝倉か……」





キョン「あ!あしゃ、朝倉ぁ!!?」ドタバタ

朝倉「どうも、カナダから来た朝倉です」ニコッ
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:10:54.93 ID:8RqLCA8FO
キョン「や、止めろ!人殺し!近寄るなぁ!」

朝倉「もぅ、人聞きの悪い事言わないでよ。今回はあなたを殺したりはしないから」

キョン「嘘つけ!じゃあなんだその教科書は!」

朝倉「私ここの生徒だもん。当たり前でしょ?」

キョン「あ、そっか…」

朝倉「ふふ、キョン君って面白い」

キョン「……?」

キョン「ま、待てよ…!?」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:13:49.51 ID:8RqLCA8FO
キョン「朝倉!お前さっき何つった!?」

朝倉「…ふふ、キョン君って面白い」

キョン「違う!もうちょい前!」

朝倉「…えーっと、」

朝倉「もぅ、人聞きの悪い事言わないでよ。今回はあなたを殺したりはしないから」

朝倉「…かな?」

キョン「じゃ、じゃあ今回は誰を殺すんだ!」

朝倉「……」

朝倉「…ふふ」

朝倉「そうね、強いて言えば……涼宮さん、かな」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:18:05.55 ID:8RqLCA8FO
キョン「!!」

キョン「や、やめ、」

キョン「やめろ!!ハルヒが何をしたってんだ!!」ガバッ

朝倉「ちょっと静かにしてよ、教室は暴れる場所じゃありません…」

キョン「おい!聞いてるのかよ!!」グイ

朝倉「…みんな見てるよ?」

キョン「おい…!朝倉…!」

朝倉「ごめんね?キョン君」

キョン「頼む…頼むから…!」

朝倉「……」

キョン「…やめてくれよぉ…」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:21:04.46 ID:8RqLCA8FO
朝倉「大丈夫、安心して?」

キョン「……」

朝倉「私はあなたの味方だから」

キョン「……」

朝倉「あ、あれ…?」(ちょっとからかい過ぎたかな…)

キョン「……」スッ



フラフラ

キョン「……」ガラ

谷口「……」

谷口「キョン、どこ行ったんだ…?」

国木田「さあ? キョンにもいろいろあるんだよ。多分ね」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:25:10.24 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」フラフラ

ハルヒ「……」テクテク



キョン「……あ…」

キョン「は…るひ…?」

キョン「ハルヒッ!!」ダッ

ハルヒ「…キョン?」

キョン「だ、大丈夫か!?何かされてないか!?誰かに付け回されたり…」
ハルヒ「え?何? …どうしたのよキョン?」

キョン「ああ…良かった…」

ハルヒ「…?」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:29:50.94 ID:8RqLCA8FO
キョン「ハルヒ、これからはずっと俺の側にいてくれ!」ガシ

ハルヒ「えっ!?えっ!?」

キョン「……」ジー

ハルヒ(こここれって…、うそ、そんな、あたし…)

キョン「頼む!」

ハルヒ(あ、あたしはキョンの事……)

ハルヒ「……ごめん」

ハルヒ「…考えさせて」ダッ

キョン「あ!ハルヒ待ってくれ!危ないから!」

ハルヒ(あたしは…あたしは……)
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:34:41.80 ID:8RqLCA8FO
キョン「畜生!何処に行ったんだ!」

キョン「!!」

朝倉「廊下は走っちゃ駄目よ?」

キョン「…っ!」

朝倉「そんな顔しないでよ…私はあなたの味方だって言ったじゃない…」

キョン「お前が味方?ふざけるな、こっちから願い下げだ!」

朝倉「…あ、さっきの冗談だから気にしないで?」

キョン「…は?」

朝倉「涼宮さんなんて殺す訳ないじゃない…」

朝倉「私が殺せるかどうかさえ怪しいもん」ニコ

キョン「……はぁ…」

朝倉「ふふふ」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:39:01.28 ID:8RqLCA8FO
キョン「…信じていいのか?」

朝倉「宇宙人は嘘付かないのよ?」

キョン「…冗談は言うんだな」

朝倉「ふふふ」

キョン「はぁ…」





ハルヒ(キョンは…あたしにとって……)

ハルヒ「……」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:44:13.41 ID:8RqLCA8FO
昼休み



キョン(ハルヒのやつ、授業も出ずにどこで何をしてるんだか…)

ハルヒ「キョン!!」ガラ

キョン「のわっ!」

ハルヒ「ちょっと来なさい」グイ

キョン「な、なんだよ…、どうしたんだ?」

ハルヒ「……」ズルズル

キョン「…?」





朝倉「…結果オーライってやつかな?」
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:52:32.78 ID:8RqLCA8FO
屋上



キョン(なんでここに連れてこられたんだ……)

ハルヒ「…あ、朝の…、」

キョン(アサ?麻? …麻がどうしたんだ?)

ハルヒ「返事…するわね?」

キョン「…返事?」

ハルヒ「……あ、あんたがどうしてもって言うなら、つ、付き合ってあげてもいいわよ?」

キョン(アサって…朝か!朝のアレか!)

ハルヒ「…なんか言いなさいよ!」

キョン「ああ、すまんハルヒ…そのことなんだが」

キョン「俺のはやとちりなんだ、忘れてくれ」

ハルヒ「ふぅん、はやとちりねぇ…」



ハルヒ「…はぁ!!?」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 01:55:54.10 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「な!何よそれぇ!?」

キョン「いや、ちょっとテンパってな」

ハルヒ「こ、この…!」

ハルヒ「バカキョン!!死刑よ!今すぐ公開処刑だわ!!」

キョン(そんなに怒る事だったか…?)

ハルヒ「ばか!死ね!」

キョン「ハルヒ、ちょっとお前口悪いぞ」

ハルヒ「うるさぁい!」

キョン「!!」

ハルヒ「…見てなさい」

ハルヒ「絶対、ぜーったいあんたを振り向かせて!」

ハルヒ「今言った事を後悔させてやるんだからっ!!」

キョン「あ!おい待てって!」

キョン「…??」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:00:24.08 ID:8RqLCA8FO
ガヤガヤ

古泉「はは、僕はロリコンじゃありませんよ」

古泉「どちらかと言えば醤油が好きです」

古泉「ははは」

ガラッ

ハルヒ「古泉君居るー?」

古泉「!!」

古泉「な、なんでしょう?」

ハルヒ「ちょっと来なさい!」グイ

古泉「ま、待って下さい!!」

古泉(べ!弁当が…!)
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:06:07.19 ID:8RqLCA8FO
部室



古泉「なんなんですか…」

ハルヒ「いい?今から古泉君に宇宙一大事な事を言います!よく聞いてなさい!」

古泉「……ゴクリ」

ハルヒ「あたしね!」

ハルヒ「キョンの事好きみたいなの!!」

ハルヒ「好きってレベルじゃないわ、大大だーい好きなのよ!!」

古泉(……ついに発狂しましたか…)

ハルヒ「あいつに告白されて…、いや、実際は昨日から気付いてたのかもしれないわ」

ハルヒ「とにかくあたしは今、キョンが好きなのよ!」
158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:11:34.83 ID:8RqLCA8FO
古泉「…はは、これは驚きましたね、そうだったんですか」

古泉(本当はかなり前から知ってましたが…)

ハルヒ「自分でも信じられないわよ…あのバカキョンを好きになっちゃうなんて…」

ハルヒ「…それでね、古泉君にお願いしたいのは…」

古泉「…いわゆる恋のキューピッド、ですか?」

ハルヒ「さっすが古泉君!話が早くて助かるわ!」

ハルヒ「有希はあの調子だし、みくるちゃんはなんか頼り無いじゃない?」

ハルヒ「それに、男の人の事はやっぱり男の人が一番分かると思って、古泉君に頼んだのよ!」
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:15:08.26 ID:8RqLCA8FO
古泉「ふむ…」

古泉「…了解です。力になりましょう」ニコ

ハルヒ「ありがとっ古泉君!」ギュウ

古泉「!!」

古泉(正直、たまりません!)

古泉「や、止めて下さい!こんなの誰かに見られたら…」



ガチャ

キョン「おーい、ハルヒいるか………」

ハルヒ「あっ…」

古泉「あっ…」

キョン「……」

キョン「なんだ、俺は邪魔者みたいだな、はは…」

キョン「…すまん」

バタン
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:22:15.27 ID:8RqLCA8FO
古泉「……みたいな事に成り兼ねません!」

ハルヒ「そ、そうね!」サッ

古泉「…では、いきなりですが僕からの提案が」

ハルヒ「…何?」

古泉「…まず、性格を変えます。男性とは、女性のかわいらしい態度にコロッといっちゃうものです」

古泉「ま、王道ですがね」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…分かったわ!やってみる!」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:22:41.19 ID:YBtgxZWI0
部室



古泉「なんなんですか…」

ハルヒ「いい?今から古泉君に宇宙一大事な事を言います!よく聞いてなさい!」

古泉「……ゴクリ」

ハルヒ「あたしね!」

ハルヒ「谷口君の事好きみたいなの!!」

ハルヒ「好きってレベルじゃないわ、大大だーい好きなのよ!!」

古泉(……ついに発狂しましたか…)

ハルヒ「あいつに告白されて…、いや、実際は昨日から気付いてたのかもしれないわ」

ハルヒ「とにかくあたしは今、谷口君が好きなのよ!」
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:25:51.24 ID:8RqLCA8FO
ガチャ

キョン「おーい、ハルヒいるか?」

ハルヒ「!!」
古泉「!!」

キョン「あ、いたいた…」

ハルヒ「な、何か用?」

古泉(涼宮さん!いきなりチャンス到来ですよ!)

ハルヒ(…そうなの?)

キョン(一体、どうしろってんだよ朝倉のやつ…)
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:29:02.98 ID:8RqLCA8FO
ちょっと前 屋上



キョン「あ!おい待てって!」

キョン「…??」

キョン(さっぱり何が起きたか理解できん…)

スッ

朝倉「あれ?偶然じゃない…キョン君」

キョン「…見てたのか」

朝倉「何の事?私分かんないなぁ」

キョン「……」

朝倉「ふふ…、涼宮さん、追わなくていいの?」

キョン「やっぱり見てたんじゃないか」

朝倉「早くしないと、見失っちゃうよ?」

キョン「…追う理由が無いんだが…」
朝倉「行きなさい」ギラ
キョン「はい…」
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:34:01.22 ID:8RqLCA8FO
―――
――


ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「ぁ…」

ハルヒ「あの…」

キョン「…なんだ?いつものお前らしくないじゃないか」

ハルヒ「ぅ、うるさい…」

古泉「……」ニヤ

キョン「そ、そうだ、ハルヒ。なんかよく分からんが謝るよ……すまん」

ハルヒ「!」

ハルヒ「あ、あたしは別に怒ってなんかないわよ…?」

ハルヒ「勘違いしないでよ、あたしそんなに怒りっぽくないんだから…」

キョン「…嘘つけよ…、そんな訳あるか」

ハルヒ「こ!これからそうなる予定なの!」
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:38:51.50 ID:8RqLCA8FO
キョン「?」

キョン「なんかよく分からんが、いつもの無茶苦茶はよしてくれよ?」

ハルヒ「な、何よそれ…」

キョン「じゃあな、用事はそれだけだから」

バタン

ハルヒ「あ…」

古泉「……なかなか、前のイメージを変えるのは難しいものです」

古泉「気を落とさず、じっくりいきましょう。じっくりね」

ハルヒ「そ…そうよね!あの鈍感バカには…」
古泉「涼宮さん、こういうところから気を付けましょう。でないといずれボロが出る」

ハルヒ「わ、分かったわよ、やればいいんでしょやれば!」

ハルヒ「…あっ」

古泉「…困ったものです」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:45:07.97 ID:8RqLCA8FO
放課後



ハルヒ「…あの」ツン

キョン「……」

ハルヒ「あのー…」ツンツン

キョン「ぅわっ!」

キョン「は、ハルヒ?どうした?何処か具合でも悪いのか!?」

ハルヒ(何よこいつ……むかつくわね…)

ハルヒ(あたしでもやれば出来るんだから…!)

キョン「ハルヒ…?」

ハルヒ「どうしたの?あたしなら大丈夫よ?」

キョン「そ、そうか…?」

キョン(なんかハルヒがしおらしいんだが…!)
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:52:53.15 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「…キョン、一緒に部室行こ?」

キョン「う…!」

キョン(なんだこれは!?こいつは誰だ!)

キョン「す、すまん!俺は今日掃除なんだ!」

ハルヒ「…じゃあ待ってるから」

ハルヒ「早くしてね?」ニコ

キョン「……ああ」

キョン「……」

キョン「ぐああ!!」



古泉「いい感じですね…」

ハルヒ「…そうなの?」

古泉「ええ。あれは悶えてますね」
217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 02:56:01.02 ID:8RqLCA8FO
―――
――


キョン「…はぁ……」

ハルヒ「終わったの?」

キョン「うえ!?ハルヒ!?」

ハルヒ「…?」

キョン「あ、ああ!バッチリだ!」

ハルヒ「早く行きましょ、みんな待ってるわ」クイ

キョン「ぅ…」

キョン(………あれ!?引っ張られない!?)

ハルヒ「……」

キョン「す!すまん、よし行こう!」



古泉「いい感じですね」
朝倉「いい感じね」
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 03:02:02.84 ID:8RqLCA8FO
古泉「…あなたは?」

朝倉「キョン君のサポーターよ」

古泉「ああ…そうでしたか。…これからよろしくお願いします」

古泉「僕、涼宮さんのサポーターですので」

朝倉「…ふふ」

古泉「ははは」
朝倉「ははは」





キョン(…こいつはハルヒなのか?それともハルヒの皮を被った……)
ハルヒ「キョン?どうしたの?」

キョン「なななんでもないぞ!」

ハルヒ「……」
321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:20:13.42 ID:8RqLCA8FO

キョン「は、ハルヒよ」

ハルヒ「なあに?」

キョン「こ、この手は……」

ハルヒ「…あっ」パッ

キョン「……」

ハルヒ「…ごめんね、あたしなんかと手、繋ぎたくないよね……」

キョン「!!」

ハルヒ「ごめん…」

キョン「違う!違う違う!そうじゃなくて!」

ハルヒ「……」

キョン「なんつーか、恥ずかしいじゃないか!?だから別にハルヒと手を繋ぐのが嫌だった訳では…!」

ハルヒ「……」

キョン「…すまん!」ダッ

ハルヒ「あっ…」

325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:25:32.50 ID:8RqLCA8FO
ガチャ

キョン「ながとぉー!」

長門「何」

キョン「いたか!聞いてくれ!」

長門「落ち着いて」

キョン「ああ落ち着いてるとも!自分でもびっくりなぐらいな!」ドタガタ

長門「……」

キョン「ハルヒが女々しいんだ!!」ガシ

長門「……」

キョン「どうなんだ!?一体何が起こってるんだ!?」ユサユサ

長門「あぅあぅ」ユサユサ

キョン「情報統合なんたらは何て言ってんだ!?」ユサユサ

長門「ぅあぅあ」ユサユサ

キョン「おーい!!」ユサユサ

長門「あぁうぁ」ユサユサ
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:30:08.57 ID:8RqLCA8FO
―――
――


長門「…落ち着いた?」

キョン「ああ…すまん…」

長門「気にしないで」

キョン「すまん…」

長門「…あなたが何を言ってるか分からない」

キョン「!?」

長門「つまり」

長門「情報統合思念体は何も言っていない」

キョン(ハルヒの不思議パワーは使われてないのか!?)

長門「おそらく、あなたの心配のしすぎ」
340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:35:29.08 ID:8RqLCA8FO
キョン「…そうなのかなぁ…」

長門「気にしないで」

長門「ただの勘違い」



ガチャ

ハルヒ「みんなごめん!遅くなっちゃった…」

ハルヒ「あれ?有希とキョンだけ?」

ハルヒ「みんなやっぱり忙しいのかな…」

キョン「……」

ハルヒ「…キョン?一緒にオセロでもしない?」

ハルヒ「あ、その、嫌ならいいけど…」

キョン「い、嫌な訳ないだろ!やります!やらせて下さい!」

長門「……え?」
345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:40:20.64 ID:8RqLCA8FO
長門(確かに今の涼宮ハルヒは異常)

長門(何故…?)

キョン「そ、そういえば、今までハルヒとこうしてオセロとかするのって、なかなか無かったよな!」

ハルヒ「ん、そうだったかな…」

キョン「…多分な」

ハルヒ「じゃあこれからは、こうしてキョンと一緒に遊びたいな!」

キョン「!!」
長門「!!」

ハルヒ「ダメかな?あたしネットサーフィンもう飽きたのよね…」

キョン「おお俺は、いいいつでーも大歓迎さ!」

長門「……」ペラ
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:46:44.03 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「ふふ、角もーらい!」カタ

キョン「やばっ…」

ハルヒ「ここもね」クル

キョン「真っ黒だ…」

ハルヒ「…キョンの3個しか無いわね」

キョン「だな…」

ハルヒ「あたしの勝ち!さあ次はこれよっ!」スッ

キョン「ば、罰ゲーム無しか?」

ハルヒ「…そんなのする訳無いじゃない…」

キョン「そ、そうか」

キョン(やっぱりおかしい……)
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 13:59:35.64 ID:8RqLCA8FO
ガチャ

古泉「どうも」

ハルヒ「古泉君、何かあったの?」

古泉「ええ。少々厄介事に巻き込まれまして…。遅れてすいません」

ハルヒ「謝らなくていいのに!誰でもそういう事はあるわよ」

キョン「!!」
長門「!!」

ガチャ

みくる「ご!ごめんなさぁい!どうしても外せない用事があって…」

ハルヒ「みくるちゃんまで…」
361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:03:37.65 ID:8RqLCA8FO
みくる「キョン君…」チョンチョン

キョン(…分かってますよ、朝比奈さん。ハルヒは今日、何かがおかしいんです)

みくる(や、やっぱり…)

キョン(原因不明ですがね…)

ハルヒ「キョンの番よ?」

キョン「ああすまん、…長考だ」

ハルヒ「あっ、ならいいの!別に急かしてる訳じゃないからね?」

キョン(嘘なんだ!実際朝比奈さんと話してた!すまんハルヒ!)

キョン「うーん。これは難しい局面だな…」

古泉(いいですよ涼宮さん!予想通りに進んでますよ!)

長門「……」
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:09:56.21 ID:8RqLCA8FO
キョン「そら」パチ
ハルヒ「…あっ」

古泉「…ふふっ」

長門「……」

長門「…古泉一樹」

古泉「はい、なんですか?」

長門「あなたが悪の元凶」

古泉「……悪、ですか」

長門「そう。わたし達の秩序を乱した」

長門「よって悪」

古泉「…はは、まさに極論ですね」

長門「……」

古泉「僕は涼宮さんから言われた事をしてるまでですよ」

古泉「…そんなにこの涼宮さんが気に入らないんですか?」

長門「……なんかむず痒い…」

長門「…うまく語言化出来ない」
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:16:38.72 ID:8RqLCA8FO
古泉「ええ…。僕もそんな感じですよ?」

長門「……」

古泉「おそらく、ここにいる人はみんな、そう感じている筈です」

長門「…本に集中出来ない」

古泉「はは、仕方ありませんよ、世界の為です」

長門「……」

みくる(な、何話してるんだろ…)

ハルヒ「キョンって、そうやって考えてる姿が様になるね」

キョン「…そうなのか?」

ハルヒ「うん、なんかいつもよりカッコイイよ?」

キョン「!!」
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:22:16.23 ID:8RqLCA8FO
キョン「か、かか!?」

ハルヒ「まぁ、あたしはいつものキョンも…、あの、か、カッコイイと思ってるけど…」

キョン「!!」ガタガタ

ドテ

古泉「おや?どうしたんですか?」

キョン「い!今ハルヒ!ハルヒが!」

ハルヒ「……」

みくる「…?」

長門「……」

古泉「…涼宮さんが、どうしたんです?」

キョン「…!」

キョン「……なんでもない…」

キョン(ここにいちゃ駄目だ!精神が崩壊しちまう!)
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:25:29.29 ID:8RqLCA8FO
キョン「わ、悪いな! 俺、今用事を思い出したから帰らせてもらうぞ!」

ハルヒ「えっ!?」

キョン(ハルヒ……すまん!)

バタン

キョン「……はぁ」

キョン(とりあえず家に帰って寝るか…)





ハルヒ「あれ…」

古泉「…涼宮さん。ここは追いましょう」

長門「……」

みくる「ど、どういう事ですかぁ…」
383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:30:48.81 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」テクテク

朝倉「あれ?キョン君だよね?」

キョン(また厄介な奴に見つかった……)

朝倉「部活は?」

キョン「……、ちょっと調子が悪くてな。いわゆる早退だ」

朝倉「…ふぅん?」

朝倉「……」

キョン「…早く帰りたいんだ。…どいてくれ」

朝倉「それ、無理」

キョン「!!」

朝倉「嘘でしょ?具合が悪いって」

キョン「……」

キョン(今日は最悪だ……)
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:37:53.55 ID:8RqLCA8FO
朝倉「なに、別に難しい事じゃないのよ?あなたはここでちょっと待ってるだけだから」

キョン「…何の意味があるんだ?…それに何を待てばいいんだ」

朝倉「まあいいじゃない、そんなこと」

キョン「…じゃあ聞くが、お前はなんの為にここに戻って来たんだ?」

朝倉「言ったじゃない、あなたを助けるためよ?」

キョン「クラスの奴らは、何故お前が居る事になんのリアクションもとらなかったんだ?」

朝倉「…そうね、長門さんの言葉を借りるなら」

朝倉「情報操作は得意」

朝倉「って感じかな?」

キョン「目茶苦茶だ…」

朝倉「ふふ、そろそろ私は行くね?ちゃんと待っててあげなさいよ?」

キョン「やれやれ…」
387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:42:06.07 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ(キョン、もう行っちゃったかな…)タタタ…

キョン「……」

ハルヒ「あ!」

キョン「は、ハルヒ!」

キョン(朝倉め!怨むぞ!)

ハルヒ「よ、良かった…」

キョン「な、なんでお前…」

ハルヒ「あ、あたし、キョンと、一緒に…、」

キョン「…とりあえず座れ、話はそれからだ」

ハルヒ「あ、ありがと…」



古泉「おや」
朝倉「どうも」

古泉「いい雰囲気です」

朝倉「うまくやってくれるといいんだけどね…」
393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:50:53.98 ID:8RqLCA8FO
キョン(こいつ、以外と……)

ハルヒ「…あのね、」

キョン「ん!?な、なんだハルヒ!?」

ハルヒ「…あたしキョンと出来るだけ一緒にいたいの」

ハルヒ「だから…」
キョン「わ!分かった…!だからもう何も言わなくていいぞ!?」

キョン(ハルヒが何か言う度に、理性が飛びそうだ!)

ハルヒ「…キョン、優しいよね」

ハルヒ「あたし、キョンのそんなとこが大好きなんだよ?」

キョン「…!!」

キョン(い!今ハルヒ何つった!?)

ハルヒ「……」クイ

キョン「ぅ、あ、」

ハルヒ「…キョン?」

キョン(…無理だ!ギブアップ!誰か、早くタオルを投げてくれ!)
397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 14:57:38.58 ID:8RqLCA8FO
古泉「おやおや…」

朝倉「キョン君、もう持ちそうに無い……」

古泉「確かにあの涼宮さんは…」

朝倉「危険過ぎるわね」

古泉「…明日、ちょっと方向性を変えてみます」

朝倉「…お願いね?」

古泉「ええ。任せて下さい」



古泉「ははは」
朝倉「ははは」
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:01:59.71 ID:8RqLCA8FO
長門「……」

みくる「……」

長門「朝比奈みくる」

みくる「ひゃいっ!?」

長門「…着いて来て」スッ

みくる「…え?ぇえ?」

長門「早く」ガチャ

みくる「ど、どこ行くんですかぁ?」

長門「別に」



長門「ただ尾行するだけ」

みくる「!!」
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:05:15.22 ID:8RqLCA8FO
キョン「は!はるっ、ハルヒぃ!!」

ハルヒ「ど、どうしたの?」

キョン「そ、そろそろ行こうぜ!ほら、もう大丈夫だろ!?」

ギュ

キョン「!!」

キョン(…袖を……!)

ハルヒ「…お願いがあるの」

キョン「…!」

ハルヒ「ずっと、キョンにして欲しかった事が、あるの」

キョン「…な、なんだ?」





長門「…発見」

みくる「ま、また…!」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:11:03.69 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」

ハルヒ「あ、えと、キョンが嫌だったらいいのよ?」

キョン「……」

ハルヒ「……」



ハルヒ「……あたしを、抱きしめて欲しいな…」

キョン「!!?」

キョン(理性?何それおいしいの?)

ハルヒ「お願い…」

キョン「……ぅ、わ、分かった、」

キョン「だ、抱きしめればいいんだな…」

ハルヒ「…うん」





長門「!!」
みくる「な!なんですかこれは!」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:16:53.93 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「は、早く…」

キョン(だ、抱きしめるのって…、どうやって…?)

ハルヒ「……」

キョン(どっから行けばいいんだ!?)





古泉「何やってるんですかあのバカ!」

朝倉「これは末期ね…」

古泉「朝倉さん!」

朝倉「はいはい…」
418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:26:48.79 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「……」

キョン(俺が…ハルヒを…だ、だだだきしめ…)

朝倉「……」スッ

キョン「…!?」

キョン(あ、朝倉…?)

キョン(『ガバッと行け!!』…だと…?)

ハルヒ「…キョン?」

キョン(…やるしか!!)

ハルヒ(やっぱり嫌だよね…あたしなんかを抱k)
キョン「ガバッと!!」グアッ
ハルヒ「ひゃあ!?」
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:40:34.17 ID:8RqLCA8FO
フニ

キョン「ハルヒ…」

ハルヒ「な…何?」

キョン「お前、柔らかいな…」

ハルヒ「ば、ばか…」

キョン(これはたまらん……)ギュウ

ハルヒ「ぅ、ぁ…、」

ハルヒ「…キョン、ぁ、ちょっと、苦しいよ…?」

キョン(ハルヒ…、いいにおいだ……)ギュウ

フニフニ

ハルヒ「ゃ、ぁ、」





古泉「彼はやり過ぎた」
朝倉「賢者になる前に止めましょう」
長門「止めに入る」
みくる「禁則…事項です!」
444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 15:46:46.66 ID:8RqLCA8FO
キョン「…ハルヒ!」ギュウ

ハルヒ「ぅあ……!」

長門「そこまで」バッ

キョン「!!」
ハルヒ「!!」

朝倉「キョン君?やり過ぎよ?」シュン

キョン(し、しまった!男の性が…!)

古泉「お熱いとこ、失礼しますよ」スッ

ハルヒ「…えっ?」

みくる「禁則事項です!」ザッ





長門「……」
朝倉「……」
古泉「……」
みくる「……」
キョン「……」
ハルヒ「……」
453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:04:29.12 ID:8RqLCA8FO
キョン「…あの……」

キョン「こ、これ、なんですか…?」

長門「それはこっちのセリフ」

長門「何故あなた達まで」

古泉「おや、長門さんはてっきり部室に居るものだと思ってましたが…」

みくる「あ、あなたは…?」

朝倉「あれ?私の事覚えて無いの?」

キョン「……ハルヒ」

ハルヒ「……」

キョン「…帰るか」

ハルヒ「…うん」



古泉「また、尾行とは趣味の悪い事を…」
長門「自分の事を棚に上げて言わないで」
朝倉「…心外だわ」
みくる「ご!ごめんなさいぃ!」

469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:26:55.65 ID:8RqLCA8FO
キョン「……すまん」

ハルヒ「……」

キョン「…もうハルヒには近づかないから。…これで許して…」
ハルヒ「ねぇキョン?」

キョン「……」

ハルヒ「なんで謝るの?」

ハルヒ「…あたし、嬉しかったんだよ?」

キョン「ハルヒ…」

ハルヒ「今までで、一番幸せだった…」

キョン「…すまん」

ハルヒ「…ばか」

ギュウ




古泉「だから!僕はわさびじょうゆがいいんです!」
長門「あなたは何も分かってない」
みくる「何ですかこれ!?…かわいい!」
朝倉「いいでしょ。カナダに売ってたの」
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:33:29.38 ID:8RqLCA8FO
キョン「は、ハルヒ!?」

ハルヒ「……大好き」ボソッ

キョン「…?」

ハルヒ「……」

キョン(な、なんだなんだ…?)





古泉「違います!長門さんと一緒にしないで下さい!」
長門「私はブックカバーなんて使わない。前言撤回を要求する」
みくる「あ、あれ…?」
朝倉「ああ、涼宮さんとキョン君はもう行っちゃったよ?」
474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:37:43.12 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「あっ…!」バッ

キョン「……」

ハルヒ「ご、ごめん!」

キョン「…謝るなよ、別にいいさ」

ハルヒ「…ありがと」

キョン(礼なら、俺が言いたいくらいだよ…)

ハルヒ「……」

ハルヒ「…キョンはさ」

キョン「ん?」

ハルヒ「今まででかわいい、とか、好きだ、とか思った人っている?」

キョン「!!」

ハルヒ「…言いたくないならいいんだよ?」

ハルヒ「ただ…」

キョン「……」

ハルヒ「…気になっただけだから」
478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:45:12.17 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「…いるな」

ハルヒ「!!」

キョン「かわいいって思ったのは何回かあるが、好きだ、って思ったのは…」
ハルヒ「……や!やっぱりいい!言わないで!」

キョン「…言う気、無かったけどな」

ハルヒ「な、何よそれ!」

キョン「はは、今、ハルヒの事『かわいい』って思ったぞ?」

ハルヒ「えっ、ぅ、あたしは…!」

キョン(何言ってんだ俺……馬鹿か……)
485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 16:54:46.21 ID:8RqLCA8FO
キョン「あのさ」

ハルヒ「何?」

キョン「俺からも質問するが、お前は前、」

キョン「『恋愛感情なんて一種の精神病』」

キョン「…って言ったよな?」

ハルヒ「……うん」

キョン「今もそう思ってるのか?」

ハルヒ「…そうよ」

キョン(やっぱりこいつはハルヒなのか…?)

ハルヒ「その理屈で言ったら、あたしは今重症なの」

キョン「!!」

キョン「…それって!」

ハルヒ「……仕方ないじゃない、もう気付いちゃったんだから」
486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:02:03.55 ID:8RqLCA8FO
キョン「じゃ、じゃあ!ハルヒ!」

ハルヒ「……」

キョン「お前、いいのかよ、俺なんかとこうして歩いてて…」

ハルヒ「…鈍感」

ハルヒ「ばかっ!」

キョン「!?」

キョン(いきなり口が悪く…!?)

ハルヒ「あんたって本当に不思議よね。あたしも運が悪かったわ…」

キョン「…?」

ハルヒ「でも、そういうところも引っくるめて、キョンだもんね!」

キョン「…え?」

ハルヒ「……」クイ

キョン「…えっ?」
494 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:10:24.62 ID:8RqLCA8FO
古泉「長門さん、僕はあなたを誤解していました…」

長門「わたしも。許してほしい」

古泉「やっぱりトンネルは!」

古泉「モルタル製です!」
長門「…モルタル製」



みくる「へぇー、カンガルーですかぁ…」

朝倉「以外といけるんだから、カンガルー」

みくる「で、でも、カンガルーって…カナダに居るんですかぁ…?」

朝倉「こうお腹の部分を、ジャーッっとね」

みくる「ふぇぇ…」

朝倉「この時、ポケットに子供がいようといまいと関係ありません」

みくる「ひぇぇ…」
495 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:16:36.73 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」ピタ

ハルヒ「…ここでお別れだね」

キョン「…ん、なんだ、その……」

キョン「お、お前ん家まで送って行くよ」

ハルヒ「えっ! ほ、ホントに!?」

キョン「ああ、本当さ。…一緒に行こうぜ?」

ハルヒ「う…うんっ!」

キョン(あれ?なんか俺のキャラが……)

ハルヒ(や、やった…!)
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:21:23.09 ID:8RqLCA8FO
翌日 部室



ガチャ

古泉「…来ましたね」

ハルヒ「古泉君、どうしたの?こんな朝から…」

古泉「…作戦変更です、あなたのそれは……、非常に危険過ぎる」

ハルヒ「…?」

古泉「そうですね…、」



古泉「今日は、前の涼宮さんに戻って下さい」
501 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:26:27.46 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「え?それじゃあ…」
古泉「さらに」

古泉「ちょっと刺々しく接して下さい」

ハルヒ「と、刺々しく?」

古泉「こっからが重要ですから、よく聞いて下さい」

古泉「…彼と二人っきりになったら、昨日の涼宮さんに戻って下さい」

ハルヒ「キョンと、二人っきりに…」

古泉「ええ。なるべく態度に差をつけて下さい…!」ニヤ

ハルヒ「わ、分かったけど…」
古泉「涼宮さん?前も言いましたよね?」

ハルヒ「ぅぐ…」



ハルヒ「…分かったわ。話はそれで終わりなの?」

ハルヒ「次、くだらない事で呼んだらぶっ飛ばすわよ?」

バタン

古泉「おお……」ゾクゾク
511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:38:52.24 ID:8RqLCA8FO
教室



キョン(ハルヒ、今日は休みなのか…?)



ガラッ

ハルヒ「……」

キョン「お…」

キョン「ようハルヒ。今日は遅かったな」

ハルヒ「……」

キョン「…おいハルヒ?」

ハルヒ「何よ、気安く話しかけないでくれる?」

ハルヒ「あんた気持ち悪いのよ…、いつもいつも!」

キョン「………へ?」
514 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 17:43:51.47 ID:8RqLCA8FO
キョン(な、なんだ!?)

キョン(なんなんだ!?)

ハルヒ「何してんのよ、前向きなさいよ」

キョン「は、ハルヒ…?」

ハルヒ「こっち見んなっつってんのよ! うざい!」

キョン「す、すまん…」





キョン「あ、あれ?おかしいな…目から汁が…」
582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 21:50:07.61 ID:8RqLCA8FO


昼休み



キョン(駄目だ、授業が全く頭に入らなかった…)

ハルヒ「……」

ハルヒ「…キョン」

キョン「は!はぃい!」

ハルヒ「何それ。バッカみたい…」

キョン「……」

ハルヒ「…あたし弁当忘れたのよ」

キョン「…で?」

ハルヒ「少しは察しなさいよ、無能ね…」

キョン「……」

ハルヒ「なんか奢りなさい」

キョン「断るね。俺だって、そう簡単に奢ってばっかりいられないんだよ」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 21:56:41.91 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「あんたの意見は聞いてないわよ」

キョン「……」

ハルヒ「とにかく!購買行くわよ!」

キョン「…はぁ……」

キョン(昨日のあれは夢だったのか……?)

グイッ

キョン「ぬおっ!!」

ハルヒ「さぁ行くわよっ!」

キョン「や、やめろ、放せバカハルヒ!」

ハルヒ「誰がバカよ。バカはあんたでしょ?」

キョン「伸びる!服伸びるって!」

ハルヒ「知らないわよばーか!」

ズルズル…
590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 21:58:58.37 ID:8RqLCA8FO
―――
――


ハルヒ「あたしはこれとこれと…これ!」サッ

キョン「お、多いな…」

ハルヒ「当たり前じゃない。キョンが買ってくれるんだもん!」

キョン「やれやれ…」

ハルヒ「早くしなさいよのろま!」

キョン「分かった分かった…」





朝倉「…見事に性格変わったわね…」

古泉「ええ。彼女の行動力には感服もんです…」
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:06:02.89 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「よし!部室行くわよ!」

キョン「また急に…」

ハルヒ「ほらさっさと動きなさいよ!」

キョン「走らなくても時間ならまだあるだろ……。 それに、何で部室なんだ?教室で十分だ」

ハルヒ「…あんたはアセチルコリン以下ね」

キョン(…なんだっけそれ…)

ハルヒ「いい加減学習しなさいよね…。 …あたしが行くって言ったら行くの!」

ハルヒ「分かった?」

キョン(逆らうだけ無駄ってやつか…)

キョン「……了解だ、団長さん」
600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:11:32.56 ID:8RqLCA8FO
キョン(憂鬱だ……)

ハルヒ「ふん、よろしい!」

ハルヒ「さあ行くわよ!」グイッ

キョン「はぁ…」

ズルズル





古泉「…見事にこき使われてます」

朝倉「流石涼宮さんね」

古泉「ええ…。おかげで新たな扉を開いてしまいそうでしたよ…」

朝倉「…?」
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:17:46.27 ID:8RqLCA8FO
部室



ハルヒ「おりゃ!」バン

キョン「壊れたら弁償だぞ…」

ハルヒ「…!」

ハルヒ「だ、誰も…」

キョン「いないな」

ハルヒ(きょ、キョンと二人っきり…!)

キョン「とりあえず食わないか?俺、腹減ったんだよ」

ハルヒ「……」

キョン「…ハルヒ?」



ハルヒ「…キョン、」

ハルヒ「隣に座っていい?」
612 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:25:21.89 ID:8RqLCA8FO
キョン「…?」(今度は一体何を企んでやがる…)

キョン「好きにしろ。ただ、あんまり騒がないでくれよ?」

ハルヒ「う、うん!ありがとキョン!」

キョン「…あれ?」

ハルヒ「……」スッ

キョン「違和感が…」

ハルヒ「いただきまーす」

ハルヒ(…あれ?なんであたし、箸だけ持って来てるんだろ…)

キョン「…?」

ハルヒ「あ、そうだ…」ゴソゴソ

キョン(このハルヒは……)

ハルヒ「えーっと…」

キョン「……」

ハルヒ「はい、キョン。お金、返すね」スッ

キョン「…!!」
618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:30:43.34 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「さっきは、…本当にごめん…」

キョン「!?」

ハルヒ「ごめんなさい…」

キョン「なぁ!なぁに言ってんだハルヒぃ!?」

キョン「お、おお俺なら全然無問題さ!!」

ハルヒ「…あんな酷い事も言っちゃったし、それに……」

キョン「は、ハルヒ…」

ハルヒ「本当にごめん…」

キョン「ぅぐ…!」

キョン(ど、どうする!? どうする俺!?)





古泉「続きはWebで」
朝倉「!!」
626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:38:48.59 ID:8RqLCA8FO
古泉「すいません、調子に乗りました…」

朝倉「…ずっとそこで正座してなさい」

古泉「…はぃ…」





ハルヒ「……」

キョン「な、なぁに、気にするなって!は、ハルヒは悪く無いからさ!」ポンポン

ハルヒ「キョン…」

キョン「ほら、早く食おうぜ!?」

ハルヒ「…うん!」

カパッ



キョン(は…箸が無い……だと…?)
628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:44:50.18 ID:8RqLCA8FO
キョン(朝、俺は確かに確認した筈…!)

キョン「しまった…」

ハルヒ「どしたの?」

キョン「い、いや、何でもない…」

ハルヒ「…?」





朝倉「キョン君がこうして涼宮さんと昼食を取る事は簡単に予測出来た…」

朝倉「ならば、キョン君の弁当から箸だけ抜くなんてたやすい事」ニヤ

朝倉「ちなみに、涼宮さんの弁当を盗んだのも私。 …箸以外、ね」

古泉「さ、流石ですね…」

朝倉「当たり前でしょ。私、あなた達とは違うから」

古泉「……」
634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 22:53:12.39 ID:8RqLCA8FO
キョン(購買行けば割り箸ぐらいあるだろ…)

キョン「ハルヒよ、ちょっと待っt…」
ハルヒ「あ!分かった!」
キョン「っ!」

ハルヒ「キョン、箸忘れたんでしょ!?」

キョン「な、な!」

ハルヒ「ふふ…キョンってば、おっちょこちょいなんだからっ」

キョン「!!」

ハルヒ「…そうだ!」



ハルヒ「…あたしの箸、一緒に使いましょ?」

キョン「…!!」

ハルヒ「ね?」ニコ

キョン(……あ……有り得ん………)ポカーン
642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:00:38.10 ID:8RqLCA8FO
キョン「……」ポカーン

ハルヒ「…?」

キョン「…ぅ、」

ハルヒ「キョン…?」

キョン「…ハルヒ、本当に……いいんだな?」

ハルヒ「うん、別にいいけど…?」

キョン「……分かった。一緒に使おう」

ハルヒ「じゃ、じゃあ最初はあたしが使うね?」

パク

ハルヒ「…はい。キョン」スッ

キョン「あ、ああ…」



キョン「……」ドキドキ
656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:07:53.97 ID:8RqLCA8FO
古泉「ゴクリ……」

朝倉「なんであなたまで…」

古泉「あ、すみません…。つい…」

朝倉「……」

古泉「…えっ? 僕達が、どうやって部室を覗いているか…ですか?」

朝倉(誰と話してるのよ……)

古泉「では、朝倉さん。説明お願いします」

朝倉「へっ? わ、私?」

古泉「……」

朝倉「全く…。 …そうね、長門さんの言葉を借りるなら」



古泉「情報操作は得意」

古泉「って感じですか?」
朝倉「!!!」
663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:13:17.16 ID:8RqLCA8FO
ハルヒ「…キョン?どうしたの?」

キョン「す、すまん、今食べる…」ドキドキ

キョン(ええい!少し黙りやがれ俺の心臓よ!)ドキドキ

ハルヒ「…?」



パクッ

キョン「……!」

キョン(なんだ…?)

キョン(この卵焼き……)



キョン(……いつもより甘い………)
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:17:46.27 ID:8RqLCA8FO
古泉「す!すいません!」

朝倉「いい加減ふざけるの止めて?今の、どう考えても私が言うところでしょ?」

古泉「ひぃい!」

朝倉「……」

朝倉「今回はもう許してあげるけど…」

古泉「え!?も、もっとやって下さい!!」

朝倉「!!」

古泉「し、しまった…!」

朝倉「……」





古泉「ひぃい!」

朝倉「あはははは!」
683 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:24:45.73 ID:8RqLCA8FO
キョン(何故だろうか……)

キョン(涙が…出てきそうだ…)

キョン「ほ、ほら、ハルヒ…」スッ

ハルヒ「うー…」

キョン「…どうした?」

ハルヒ「やっぱり…箸渡しながらだと、なんかテンポ悪いね…」

キョン「そ…そうか?」

ハルヒ「…あ!」

キョン「!」

ハルヒ「その…、」

ハルヒ「あ、あたしが食べさせてあげる!」

キョン「!?」
692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:29:04.08 ID:8RqLCA8FO
キョン「そ!それは…」

ハルヒ「…嫌なら、これで我慢するよ?」

キョン「いい嫌なんかじゃないさ! はは!はは……」

ハルヒ「なら、決まりねっ!」

キョン「ぅ……」

ハルヒ「……」パク

キョン「……」

ハルヒ「……はい。キョン」





ハルヒ「あーんして?」
712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:39:38.59 ID:8RqLCA8FO
キョン(………考えるの、止めよう……)

キョン「あ、」

キョン「あー…」

パク



ハルヒ「ふふ、おいしい?」

キョン「…ああ、最高だ…!」

ハルヒ「さ、最高って…?」

キョン(…人生に一片の悔い無しとは、こういう事か……)

ハルヒ「……」パク

モグモグ

ハルヒ「……キョン、」



ハルヒ「あーん」
719 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:44:24.13 ID:8RqLCA8FO
古泉「ぃひぃっ!」

朝倉「自分で恥ずかしいと思わないの!?ド変態ね!」

古泉「ひぅ!」

朝倉「あはははははは!」



長門「…!」

長門「あれは…!」

長門「……」



長門「見なかった事にする」
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/26(木) 23:52:45.21 ID:8RqLCA8FO
キョン「あー…」

パク

キョン(慣れって恐いな……)

ハルヒ「…毎日、こうだったらいいのになぁ…」

キョン「!?」

ハルヒ「あっ! な、なんでもないの!」

キョン「そ、そうか…」

ハルヒ「……」パクッ

キョン「……」

ハルヒ「…これで最後っ!」

ハルヒ「はいっ!キョン、あーん」

キョン「……」

パク
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:00:51.60 ID:9qEFRgpgO
キョン「よし、教室戻るか!」

ハルヒ「う、うん…」

キョン「……?」

ハルヒ「……」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「あっ…ご、ごめんね?」

ハルヒ「行こっか?」

キョン「…おう」

ガチャ



ハルヒ「……」

ハルヒ(古泉君…ごめんね……)

ハルヒ(あたし、もうあんな態度とれないよ…)
761 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:13:14.13 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ(古泉君、私、今一番幸せなのよ?)

ハルヒ(やっぱり女の子らしくしてれば、キョンはあたしと一緒に居てくれる…)

ハルヒ(…そのうち、あたしを好きになってくれるかもしれない……)

ハルヒ(そうよ、前のあたしなんか要らない…!)

ハルヒ(要らないっ!)





長門「…!」ピーン

みくる「…この気配!」



古泉「…はっ!」

古泉「こんな事してる場合じゃありません!」

古泉「何故なら…」

古泉「修羅場の予感がしたからです!!」シャキーン

朝倉「今更カッコつけても遅いわよ?」
770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:20:00.03 ID:9qEFRgpgO
放課後



パタン

ハルヒ「きょ、今日の団活は終わります!」

キョン「……」

古泉「おや、もうそんな時間ですか」

みくる「そうですか…」

長門「……」

ハルヒ「か…解散していいですよ?」

古泉「了解です。…それでは」



古泉(…すいません。少しお話が)

キョン(…分かった。今行く)

長門「……」
773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:27:18.32 ID:9qEFRgpgO


バタン

キョン「…で?」

古泉「涼宮さんの事です」

キョン「それは分かってる、いいから要点を話せ」

古泉「『涼宮さん自身』の事ですよ?」

キョン「…?」

古泉「今回、涼宮さんは自分自身に力を使いました…」

キョン「ど、どんなだ?」

古泉「簡潔に言います。…いつもの涼宮さんの人格を消したんです」

キョン「!!」

古泉「今の涼宮さんは、どこにでも居るようなかわいらしい性格の女子高生なんです」
779 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:38:20.59 ID:9qEFRgpgO
キョン「…マジか…」

古泉「いいじゃないですか」

キョン「!!」

古泉「いつもの様に、振り回される事もなくなる」

古泉「SOS団は、自然消滅するでしょうね。…なんて素晴らしい」

キョン「…おい古泉」

古泉「あなたが望んだ倦怠ライフが戻って来るんですよ?僕のバイトも少なくなっていい事だらけ」

キョン「おい!!」

古泉「さぞ涼宮さんもおモテになるでしょうね。彼女にとってもいいんじゃないですか?」
784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 00:49:13.71 ID:9qEFRgpgO
キョン「おい!!」

古泉「……」

キョン「お前、それ本気で言ってるのか」

古泉「……だとしたらどうするんです?」

キョン「…ふざけんな!!」ガバッ



古泉「ストップ」スッ

キョン「…!?」

古泉「それが、貴方の答えです」

古泉「…涼宮さんを追ってあげて下さい」

古泉「僕は、あなたを信じていますからね」ニコ



キョン「……」

キョン「すまん!古泉!!」ダッ

古泉「……」ニコ
814 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:11:53.33 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ「……」テクテク

キョン「――ハルヒ!!」

ハルヒ「あ…キョン…」

キョン「よう、まだここに居たんだな」

ハルヒ「…うん」

キョン「……いきなりなんだがハルヒ、お前、宇宙人とかに会いたいか?」

ハルヒ「へ?宇宙人?」

キョン「ああ。宇宙人さ」

ハルヒ「…やだよ。怖いもん」

キョン「…!」

キョン(畜生、本当だったのか…!)

ハルヒ「な、なんでそんな事聞くの?」

キョン「ああ、気にするな。なんとなくだからな…」

ハルヒ「…?」
819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:15:30.37 ID:9qEFRgpgO
キョン「じゃあさ、」

キョン「…ハルヒは何でSOS団を作ったんだ?」

ハルヒ「えっ!?」

ハルヒ「そ、それは…」

キョン「……」

ハルヒ「…あ、あれ?」

ハルヒ「思い出せない……」

キョン「……」

ハルヒ「な、なんで?何で思い出せないのよ!」

ハルヒ「嘘…やだ……」

キョン「…ハルヒ」

ハルヒ「…あたし……あたしは……」

キョン「ハルヒッ!!」
821 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:20:19.55 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ「誰よ…!」

ハルヒ「誰なのよあなた…!」

ハルヒ「あたしの中に何で居るのよ……!!」

キョン「……!!」





ハルヒ「……」

キョン「……?」

ハルヒ「……」

キョン「…は、ハルヒ?」

ハルヒ「…た、たすけて…」

ハルヒ「ぅ……キョン、たすけてよぉ…」ポロ…ポロ…
822 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:23:29.86 ID:9qEFRgpgO
キョン「!!」

ハルヒ「ごめんね、キョン……」

ハルヒ「あたし、もうあんたに会えないかもしれない…」ポロ…ポロ

キョン「は、ハルヒなのか!?」

ハルヒ「いつもごめんね…、無茶苦茶言って、振り回して…」

ハルヒ「…素直になれなくて……」

キョン「…おい、待てよ…!」

ハルヒ「あたし、違うあたしに乗っとられちゃうみたいなのよ…」

ハルヒ「……」

キョン「ま、待てよ…! まだ宇宙人や未来人、超能力や異世界人と一緒に遊んで無いだろ!?」

キョン「だから…っ!」
824 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:29:54.45 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ「なんなのよ……、自分でもよくわかんないのよ…ぅ…」ポロポロ

キョン「……」

ハルヒ「あ、あたし…」

ハルヒ「キョンの事、好きなのよ?」

キョン「!!」

ハルヒ「大好きなのよ?」ポロ…ポロ

ハルヒ「でも…っ!」

ハルヒ「あ、あんたは、もう一人のあたしの方が、好きなのよね…?」

キョン「…ち!ちがっ…」

ハルヒ「…だから、これでいいのよね?」ポロ…ポロ…

キョン「……」

ハルヒ「……いいって言ってよ…」

ハルヒ「いいって言え!このバカキョン!」
829 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:33:08.88 ID:9qEFRgpgO
キョン「いいわけ無いだろ!バカハルヒ!!」

ハルヒ「ッ!!」

キョン「…散々引っ張っておきながら、最後はそれか!ふざけるのも大概にしろ!」

キョン「SOS団はどうする! 不思議な奴らと遊ぶ夢はどうする!」

ハルヒ「…うぅ…ひぐっ……」ポロポロ

キョン「一番、俺がお前に言いたいのはな!」



キョン「…俺も、お前が好きだ」

ハルヒ「ぅっ…ぅあっ……」ポロポロ

キョン「あんな女々しい奴……、魅力的ではあったが、俺の知ってるハルヒじゃない」

キョン「俺の知ってるハルヒは……」

キョン「笑顔が世界一、いや、宇宙一似合う奴なんだよ!!」
835 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:37:54.48 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ「…ぅぐっ、…ひぐっ……」ポロポロ

キョン「だから、頼むから…」

キョン「消えないでくれよハルヒ…!」ギュウ

ハルヒ「う、ぅぐ、」

ハルヒ「……バカキョン…」

ハルヒ「あたし、うぁ、ずっときょんに嫌われでるかと思って、ぐす…」

キョン「……」ギュウ

ハルヒ「自分が、嫌いになって……、」

ハルヒ「…それでね…」

ハルヒ「……ぅあぁぁん…」

キョン「……すまん」



ナデナデ
843 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:45:31.16 ID:9qEFRgpgO
キョン「……素直じゃないのは俺も同じさ」

キョン「俺だって我が儘は言うし」

キョン「人を振り回す事もあるだろうよ」

ハルヒ「ぅ…ぐ……」

キョン「……」

キョン「…お前が、自分を嫌いになる事なんて無いさ!」

キョン「ハルヒはハルヒだろ?何が悪いんだ」

ハルヒ「……ぅぐっ、」

キョン「…ハルヒ、」



キョン「お前の、笑顔を見せてくれないか?」
850 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:50:50.94 ID:9qEFRgpgO
―――
――


古泉「…これで、しばらくは安泰でしょう」

長門「おそらく」

みくる(涼宮さん…、よかったですね…)

古泉「……朝倉さんは、どうするんでしょう?」

長門「……」

長門「…元々人数稼ぎ」

古泉「!!」
みくる「!!」

長門「だからどうでも…」
古泉「よくないですよっ!!」



長門「……え?」
みくる「……え?」

古泉(しまった…!)
856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 02:53:52.41 ID:9qEFRgpgO
翌日



キョン「いい加減、なくなんねぇかなこの坂…」ブツブツ

ハルヒ「キョンみーっけ!」ガバッ

キョン「うわっ!」

キョン「い、いきなり抱き着いてくるな!心臓に悪い!」

ハルヒ「別にいいじゃない!」

キョン「……全く…」

ハルヒ「じゃあ腕もーらいっ!」ガシ

キョン「ま、まぁ、それなら…いいかな…」

ハルヒ「あれ?文句言わないの?」

キョン「…別にいいだろ」
861 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/27(金) 03:00:25.91 ID:9qEFRgpgO
ハルヒ「……」ニヤ

ハルヒ「い、今、あんたに言いたい事があるのよっ!」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「…キョンだーい好き!!」ギュウ

キョン「んな…、な!」

ハルヒ「ふふ…」ニコニコ

キョン「……」



キョン「…やっぱり、ハルヒは笑顔が一番だな」

キョン「俺も、ハルヒの事―――」





終わり