1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:39:08.65 ID:NtfV8RCxo
注意
映画ベイマックスの感想を含みます。
映画本編の展開についてネタバレがあります。

それ以外は、3人がダベッてるだけです。

前スレ 瑞樹「おそく起きた朝は」早苗「カツ丼かっこんで」友紀「ぐったり」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430008738

引用元: 瑞樹「遅く起きた朝は」早苗「チキン南蛮つまみながら」友紀「映画談義」 

 

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:40:13.33 ID:NtfV8RCxo
友紀「あー、この甘酸っぱいタレがおいしいー」

早苗「タルタルソースも手作りなのね。やるわね、瑞樹ちゃん」

瑞樹「ありがと。フードプロセッサー使ったり、ちょびっと楽したけれどね」

早苗「それでもすごいわよ。手間かかったんじゃない?」

瑞樹「そうねえ。手間はそれほどでもないけど、たくさん作った方が効率はいいわね」

早苗「あー、やっぱり、揚げものだから?」

瑞樹「それもあるし、タレやソースもね。こういう漬け込み系は、大量に作るのが基本だから」

早苗「なるほどねえ。あんたには苦労かけちゃって悪いわねえ、げほごほ」

瑞樹「それは言わない約束でしょ、おっかさん。って、なあに? それ」クスッ

早苗「ほら、友紀ちゃんも食べてばっかりいないで、ちゃんとお礼言いなさい」

友紀「あい、あんがとござます」モグモグ

早苗「ちゃんと!」

友紀「ごっくん。はーい、ありがとうございますー」

瑞樹「どういたしまして。そんなに気を使わなくていいわよ」

早苗「いやね、ここ最近ごちそうになってばかりだから、いちおうね」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:40:48.32 ID:NtfV8RCxo
早苗「というわけで。いつもありがと、瑞樹」

瑞樹「はい、どういたしまして」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:41:55.06 ID:NtfV8RCxo
早苗「しっかし、ほんとおいしいわね。前に作ったことあるの?」

瑞樹「いいえ、初めてよ。ネットでレシピ検索して作ってみたわ」

早苗「へー」

瑞樹「どう、友紀ちゃん? お家の味とは、やっぱり違うかしら」

友紀「そうだねー。うちのは、たしかケチャップが入ってたと思うなー」

瑞樹「タルタルソースに?」

友紀「んっと、甘酸っぱいタレとソース、両方かな。なんか、まろやかになるんだってさ」

瑞樹「そんなレシピもあるのね。参考になるわ」

早苗「家庭それぞれ、いろんな味があるのね」

友紀「んー、でも、これもおいしー」モグモグ

瑞樹「ふふ、友紀ちゃんの食べっぷりを見てると、それだけで幸せになるわ」

早苗「この子、ほんとおいしそうに食べるものね。料理作った本人には嬉しいでしょうね」

友紀「んー♪」モグモグ

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:42:48.99 ID:NtfV8RCxo
瑞樹「そうそう、幸せといえば、最近出たばかりのDVD借りてきたのよ」

早苗「DVD? 映画?」

瑞樹「そ。人を幸せにするためのロボットの物語なんですって」

早苗「あー、あの夢の国の」

瑞樹「せっかくだし、食べながら見てみましょう。いいかしら」

早苗「あたしはいいわよ」

友紀「ばっちこーい」

瑞樹「それじゃあ早速、機械にセットしてっと。――えい」ピッ

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:44:06.82 ID:NtfV8RCxo
――映画視聴開始――

早苗「出だしでいきなりバトルなのね」

瑞樹「もっと、アットホームなイメージをしてたわ」

友紀「おお……、きらりちゃんよりおっきそうな人だ……」

早苗「この手口は、賭けごとでお金を巻き上げるときの典型的なものね」

瑞樹「まあ、この子不良なのかしら」

友紀「ねー、ベイマックスまだー?」

 ~~~

友紀「犯人は、絶対あの男だよ、きっと」

早苗「んー、もと警官として、決めつけはできないわ」

瑞樹「友紀ちゃん、まだチキンあるけれど、おかわりいる?」

友紀「んーん、もうお腹いっぱい。ごちそうさまでーす」

瑞樹「じゃあ、お皿片付けちゃうわね」

早苗「あたしも手伝うわ。流しにつけちゃっていいのよね」

瑞樹「ええ、お願いね」

友紀「いけー! ベイマックスー!」

 ~~~

早苗「あー、意外というか、予想通りというか」

瑞樹「なんていうか、男の子って感じね」

友紀「ああ……、だめ、だめだよ……」

早苗「まあ、気持ちは分かるけどねー」

瑞樹「暴力で物事は解決できないわ」

友紀「やめてー! ベイマックスー!!」

 ~~~

友紀「うう……、ぐすっ……」

早苗「だめね、年取るとすぐ涙が出て来ちゃう」

瑞樹「ごめん、そこのティッシュとって」

早苗「はい。あたしも少しもらうわね」

瑞樹「本当に、人を幸せにするために生まれてきたのね、彼は」

早苗「心に染みたわ。人を想うって、こういうことなのね」

友紀「ベイマックス……、ベイマックスぅ……」

――映画視聴終了――

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:45:07.30 ID:NtfV8RCxo
瑞樹「……………」

早苗「……………」

友紀「……………」グスッ


瑞樹「……、どう、だった?」

早苗「感動、したわ。思ってた以上に」

瑞樹「友紀ちゃんは……」

友紀「……………」グスグス

瑞樹「聞くまでもなさそうね」

早苗「鼻水出てるわよ。ほら、これで鼻かんで」

友紀「ちーん。うう、どうもです……」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:46:08.07 ID:NtfV8RCxo
瑞樹「それにしても……」

早苗「ん? どうかした?」

瑞樹「ええ、アイドルを初めてから、彼ほどにファンの幸せだけを考えたことはあったかしら、と思ってね」

早苗「ファンの幸せだけ、か」

瑞樹「そう。私達は人間だから、どうしても自分中心の意識が出てきてしまう」

瑞樹「例えば、疲れたからレッスンをしたくないとか、嫌な仕事には行きたくないとか」

早苗「お酒を飲んで好き放題やっちゃうのも、スキャンダルを考えてないってことよね」

瑞樹「ええ。そしてそれは、果たして私達のファンが幸せになることかっていったら」

早苗「当然、そんなわけないわよね」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:48:30.18 ID:NtfV8RCxo
瑞樹「私達を応援してくれる人のことだけを考えていたら、そんなことは絶対にできない」

早苗「でも、やってしまう。だって、人間だから」

瑞樹「滅私、なんて言葉があるけれど、トップアイドルを目指すなら、そういう覚悟も必要なのかしら」

早苗「滅私か。そうとう、つらい道になりそうね」

瑞樹「そうね。でも、彼がいった道よ」

早苗「そっか、ロボットだからこそできる滅私、か」

友紀「え? メッシがどうかしたの?」

早苗「え?」

瑞樹「はい?」

友紀「だから、サッカーのメッシがどうかしたの? って」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:49:37.85 ID:NtfV8RCxo
瑞樹「……………」

早苗「……………」

友紀「え、え? あれ、あたし、なんかおかしなこと言った?」

早苗「……ぷっ」

瑞樹「……ふふ、あはは」

早苗「あはははははは! もう、何それ友紀ちゃん」アハハ

瑞樹「ちょっとまって、ちょっとまって、いきが」アハハハ

友紀「え? え?」

早苗「あーもうだめ、あたしお腹痛い」

瑞樹「なんかもう、色々考えていたことが、全部的外れだった気がしてきたわ」

友紀「え? なに? どういうことか説明してくださいよ」

瑞樹「いえ、良いのよ友紀ちゃん。あなたは、そのままでいいの」

早苗「そうそう、友紀ちゃんは友紀ちゃんらしくいればいいのよ」

友紀「えー?」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:50:30.09 ID:NtfV8RCxo
友紀「まあ、なんかバカにされてるっぽいことは分かりましたけどー」

瑞樹「違うのよ、友紀ちゃんはかわいいわねって、そう言ってたのよ」

早苗「そ、友紀ちゃんはかわいい」

友紀「むー、なーんかごまかされてるような気が……」

早苗「いいからいいから、かわいい子には旅させろってことよ」

瑞樹「私達は、下手な考え休むに似たり、かしらね」

友紀「なにそれー、意味分かりませんよ」

早苗「だから、気にするなってことよ」

友紀「ぶー」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 09:52:09.10 ID:NtfV8RCxo
友紀「でもまあ、あたしにもこれだけは分かりましたよ」

早苗「えー?」

瑞樹「あら、何かしら」

友紀「あれでしょ? チキン南蛮とベイマックスは似てるって、そういうことでしょ?」

早苗「……瑞樹、解説」

瑞樹「ムリ、パス」

早苗「あたしも、パス2」

友紀「あれ、分かりません?」

瑞樹早苗「「うん」」

友紀「だからあれですよ、この白いタルタルソースがベイマックスでー」

友紀「酸いも甘いも味わった主人公のチキンをタルタルソースが包み込んで」

友紀「二人が合わさればもっと幸せな味になるって、そういうことでしょ?」

瑞樹「……………」

早苗「……………」

友紀「あれ、違った?」

早苗「……これは、あれね」

瑞樹「そうね、お後もよろしいってことで」

友紀「え?」

瑞樹早苗「「ごちそうさまでした」」

友紀「ごちそうさまでした」






友紀「あれ?」


おしまい


次回 瑞樹「たまにはお昼過ぎに」早苗「ビール飲みながら」友紀「お出かけ日和」