3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 20:24:47.88 ID:lj2f2krl0
ハマーン「断わる」

シャア「ええいっ!なぜだ!なぜ働かん!」

ハマーン「フフッ、忘れたのか?シャア」

シャア「な、なにをだ?」

ハマーン「貴様が私に言ったプロポーズの言葉だよ」

ハマーン「“君には家庭に入ってもらいたい”、確か貴様はそう言ったな?」

シャア「くっ…しかし、今の私の収入では」

ハマーン「なら残業でもして稼いでくるのだな」

シャア「ハマーン!貴様!」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 20:30:10.39 ID:lj2f2krl0
ハマーン「ほう、その振り上げた拳をどうするつもりなのだ?シャア」

ハマーン「まさか私を殴るつもりではないだろうな?」

シャア「くっ…」

ハマーン「私に手をあげたらどうなるか分かっているのだな?」

シャア「ど、どうなるというのだ」

ハマーン「その時は実家に帰らせてもらう」

シャア「な、なんだと!?」

ハマーン「当然だろ。夫のDVには耐えられないからな」

シャア「ま、待ってくれ!ハマーン!それだけは!」

ハマーン「ほう、ではどうするというのだ?まだ貴様から謝罪の言葉を聞いてはいないが」

シャア「くっ…許してくれ、ハマーン」

ハマーン「なにを?」

シャア「君を殴ろうとして私は愚かだった!頼む、勘弁してくれ!ハマーン!」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 20:37:14.28 ID:lj2f2krl0
ハマーン「フッ、まあいい、今日のところはこの辺で許してあげよう」

シャア「命拾いをしたというのだな」

ハマーン「だがシャア!今度私に暴力を振るおうとしたら後がないと思え!」

シャア「き、肝に銘じることにする」

ハマーン「それが賢明だ。…ところでシャア、夕食はまだか?」

シャア「なんだと!?ハマーン、貴様は夕食の仕度をしていないのか!?」

シャア「家事は貴様の仕事のはずだぞ!ハマーン!」

ハマーン「今日はミネバ様とショッピングをして忙しかったのだ」

シャア「それが理由か!ハマーン」

ハマーン「女には男と違って付き合いというものがあるのだよ、シャア」

シャア「ええい!冗談ではない!」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 20:44:46.00 ID:lj2f2krl0
ハマーン「ほう、ではどうするというのだ?」

シャア「なんとしても貴様に夕食を作らせる!」

ハマーン「レコア・ロンド…」

シャア「!?」

ハマーン「ララァ・スン…」

シャア「!!」

ハマーン「貴様のせいで私は何度泣かされたことか」

シャア「ええいっ!貴様は鬼か!」

シャア「作ればいいのだろ!この私が!」

ハマーン「フフッ、さすがは赤い彗星だ。頭の回転も速いときている」

シャア「ほざいてろ。……チャーハンでいいだろ?」

ハマーン「またチャーハンか。貴様のチャーハンは飽きたぞ、シャア」

シャア「そう思うならハマーン、お前が作れ!」

ハマーン「フフッ、言ったはずだ、断わると」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 20:53:57.65 ID:lj2f2krl0
シャア「まったく…私もとんだ鬼嫁と結婚してしまったものだ」

ハマーン「聞こえてるぞ、シャア」

シャア「チィッ!奴はニュータイプか!」

シャア「んっ?おっおい!ハマーン!なんだこれは!」

ハマーン「騒々しいぞ!シャア」

シャア「貴様、この台所はどうなってる!なぜ食器を洗ってない!」

ハマーン「忘れたのか、シャア?今日は出かけていたと言ったはずだ」

シャア「だからといってハマーン、貴様なぜ茶碗をうるかさない!」

シャア「見ろ!おかげで茶碗がかぴかぴじゃないか!」

ハマーン「貴様が念入りに洗えばすむことだろ?シャア」

シャア「なんだと!?」

ハマーン「不服か?」

シャア「当然だ!私は貴様の奴隷ではない!」

ハマーン「そのセリフは私の奴隷になってから言うのだな」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:02:22.76 ID:lj2f2krl0
シャア「……分かった、洗っておく」

ハマーン「それでいい。賢明な判断だな、シャア」

シャア「くっ…」


シャア「ハマーン、チャーハンができたぞ」

ハマーン「やれやれ、チャーハン一つ作るのにずいぶんと時間がかかるのだな」

シャア「待たせてすまない」

ハマーン「フフッ、貴様のそういう真摯な態度、私は好きだよ」

シャア「(何をいまさら…)」

ハマーン「ところでシャア、ビールが切れてるぞ」

シャア「そうだな」

ハマーン「何をぼさっとしている?早く買って来ないか、シャア」

シャア「私がだと!?」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:10:40.48 ID:lj2f2krl0
ハマーン「当然だろ?貴様以外に誰がいる」

シャア「じ、自分で買ってくればいい…」

ハマーン「ほう、愛しの妻をこの寒空の下に歩かせるというのか、貴様は」

シャア「自分で買ってくればいい」

ハマーン「では今日の夜の営みはおあずけだな」

シャア「なんだと!?」

ハマーン「フフッ、当たり前だ。なぜ女房に優しくしない夫に抱かれたいと思う?」

シャア「くっ…」

ハマーン「分かったならさっさと行ってこい!」

シャア「ええいっ!シャア・アズナブル!出るぞ!!」


シャア「……寒い」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:22:45.91 ID:lj2f2krl0
―コンビニ―

シャア「なぜ私がお使いなどと…」

ヘンケン「あのう~すみません、ストッキングってありますか?」

シャア「その声は!?」

ヘンケン「あれっ?クワトロ大尉!大尉じゃないですか」

シャア「や、やぁ…」

ヘンケン「いや~こんな所で会うなんて奇遇ですな。もしかして大尉もお使いですか?」

シャア「ヘンケン艦長も?」

ヘンケン「ええ、ウチの鬼嫁…おっと、エマ中尉に頼まれましてな、ハハハッ」

シャア「そうか、君も大変なのだな、心中お察しするよ、ヘンケン艦長」

ヘンケン「まったく、男にとっては住み難い世の中になったもんです」

シャア「同感だ。どこかの政治家が女性の時代などと叫ばなければ…」

ヘンケン「おっと、そろそろ帰らないと中尉にどやされてしまう。それでは失礼します」

シャア「ああ…(私も早く帰らねば)」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:33:08.99 ID:lj2f2krl0
シャア「今戻ったぞ、ハマーン」

ハマーン「待ちわびたぞ、シャア」

シャア「んっ?――き、貴様!なんだそのハレンチな姿は!」

ハマーン「騒々しい。風呂に入るから下着姿でいるだけじゃないか」

シャア「だからと言ってだな!貴様にはレディのたしなみはないのか」

ハマーン「やれやれ、夫婦になって久しいというのに…シャア、貴様は◯◯か?」

シャア「バ、バカにするな」

ハマーン「なら驚くこともなかろう。それよりもビールは買ってきたのか?」

シャア「もちろんだ。…貴様が望むのはこれだろ?」

ハマーン「フフッ。坊やにしては上出来じゃないか。ご苦労であった」

シャア「ええい、自分の夫を子供扱いするなどと!」

ハマーン「怒るなよ、シャア。何なら貴様も一緒に入るか?」

シャア「!?」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:43:35.29 ID:lj2f2krl0
ハマーン「フフッ、冗談だよ、シャア」

シャア「なん…だと…?」

ハマーン「なぜ私が貴様と一緒に風呂に入らなければならない。」

シャア「くっ、冗談にも程がある」

ハマーン「そういうことだから、シャア。私が風呂から上がるまでに
      そこに脱いだ服を洗濯機に入れておいてくれ」

シャア「…分かった、入れておく」

ハマーン「夫婦とはこうでなければな」

シャア「(何が夫婦だ。まったく、やってられん)」

ハマーン「洗濯を済ませたら貴様も服を脱いで私の元へ来い」

シャア「はっ?」

ハマーン「二度も言わせるな。洗濯を終えたら私の元へ来いと言ったのだ」

シャア「ハマーン!!!」

ハマーン「(フフッ、単純な奴め)」


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:51:30.17 ID:lj2f2krl0
―次の朝―

シャア「うっううーん…今何時だ?」

シャア「しまった!?もう八時だと!」

シャア「ハマーン!起きてくれ!仕事に遅れてしまう!」

ハマーン「う~ん…」

シャア「起きろハマーン!すぐに朝食を作ってくれ!」

ハマーン「私は眠いのだ。起こしてくれるな」

ハマーン「zzz」

シャア「ええいっ!このぐうたら女房め!」

シャア「いまいましい。今日も朝飯抜きか…」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 21:58:52.18 ID:lj2f2krl0
ジュドー「あのね、おっさん、時間厳守って意味分かる?」

シャア「申し訳ない…」

モンド「まぁまぁ、そう怒るなってジュドー」

ピーチャ「そうそう、このおっさんはかわいそうな人なんだから」

モンド「なんたってリストラされて今じゃ俺たちの一員ですから」

シャア「くっ…」

エル「こらっ!あんたたち、またおじさんをいじめて!」

ピーチャ「ご、誤解だよ。なぁジュドー?」

ジュドー「そっ。俺たちはおっさんにジャンク屋のルールを教えてただけなの」

ピーチャ「そうだよな?おっさん」

シャア「あ、ああ…」

エル「ふーん、まぁいいや。おじさん、このMSの部品解体してもらえる?」

シャア「任せてくれ」


129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:11:10.32 ID:lj2f2krl0
エル「じゃあ、このMSお願いね」

シャア「ああ……んっ?こ、これは百式!?」

ピーチャ「あーこいつね。なんか宇宙空間に漂ってたんだよ」

モンド「そうそう。ピーチャったら金ピカだから高く売れると思ったんだよね」

シャア「そ、そうか。それでこいつは高く売れそうなのか?」

ピーチャ「ぜ~んぜんダメ。ビタ一文にもならないから爆破して解体しといてよ」

シャア「なんだと!?」

ピーチャ「んっ?おっさん何か文句でもあるの?」

シャア「いや、べつに…」

モンド「じゃあ、よろしくね。はい、これ起爆スイッチ」

シャア「……これも過去と訣別しろということか」

シャア「ええい、許せ!」カチッ

ドドーーーン!


シャア「……認めたくないものだな。貧しさゆえの過ちを」


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:19:51.13 ID:lj2f2krl0
ジュドー「お~い、皆注目してくれ!」

エル「どうしたのさ?ジュドー?」

ジュドー「へへへ、じつは今日からここで新しい人が働くことになったんだ」

ピーチャ「また新入りか?」

モンド「良かったね、おっさん。新入りが入ってさ」

シャア「あ、ああ…」

ジュドー「紹介するよ、アムロ・レイさんだ」

アムロ「は、初めまして…アムロ・レイです」

シャア「アムロ!?」

アムロ「シャア!シャアじゃないか!?」

シャア「ええい!なぜ貴様がここにいる!」

アムロ「それはこっちのセリフだ!シャア」

ジュドー「あのね!社長は俺よ?少しは黙ったら?」


シャア・アムロ「す、すみません…」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:27:51.31 ID:lj2f2krl0
ジュドー「――と、まぁ、皆アムロさんと仲良く頼むよ」

アムロ「よろしくお願いします」

ジュドー「早速だけどおっさん、アムロさんに仕事を教えてね」

アムロ「シャアに教えを請うだって!?」

シャア「ハハハッ!アムロ、今日から私は君の上司だよ!敬いたまえ!」

アムロ「こいつ…いい気になって」

シャア「それが人にモノを頼む態度かね?」

アムロ「くっ…僕に仕事のやり方を教えてください」

シャア「アハハッ!そうでなくてはな!」


ピーチャ「今日のおっさん、ずいぶんと楽しそうだな?」

モンド「威張れる相手ができたからうれしいんでしょ」

ピーチャ「……ああいう大人にはなりたくないな」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:38:02.11 ID:lj2f2krl0
シャア「では早速、このザクを解体してもらおう」

シャア「アムロ、貴様にザクを解体することができるかな?」

アムロ「ザクの解体なら僕にだってできるはずだ!」

シャア「アハハッ!では見せてもらおう!君のその腕前とやらを!」

アムロ「こいつ、僕をバカにして」

アムロ「…どこかにザクの解体マニュアルがあるはずだ」

アムロ「これだな!……よしっ反応したぞ」

シャア「フフッ、まずはザクの機能を復旧させることに成功したか」

アムロ「次はどうする?……だめだ、何も書いていない!」

シャア「アムロ!そろそろ降参してはどうかね?」

アムロ「どうする…なにか手はあるはずだ…これか!?」ポチッ

シャア「アムロ!そのスイッチは!」

―ドカーン―


ジュドー「あのね!おっさんたちクビよ!クビ!」

シャア・アムロ「………」
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:50:25.81 ID:lj2f2krl0
アムロ「すまなかったよ、シャア」

シャア「すまない?すまないだと!?」

シャア「アムロ、貴様すまないで済む問題だと思うのか!」

アムロ「そんなに怒鳴らないでくれよ」

シャア「ええい!貴様は何も分かってない!失業したことがハマーンに知られたら
     私は殺されてしまう!」

アムロ「ハマーンだって?シャア、貴様妥協したのか!?」

シャア「カチン」

シャア「アムロォォ!!」ボグッ

アムロ「な、殴ったね!親父にもぶたれたことないのに!」

シャア「殴って何が悪い。ハマーンを侮辱することは私が許さん」

アムロ「……愛してるんだな」

シャア「まぁ、な…」

アムロ「悪かったよ、シャア」

シャア「いや、私こそ君を殴ってすまないと思う」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 22:59:24.82 ID:lj2f2krl0
アムロ「お詫びといってはなんだけど…新しい仕事を紹介できるかもしれない」

シャア「ほんとか?」

アムロ「ああ、ブライトならなんとかしてくれるはずだ」

シャア「なるほど。それは名案だぞ!アムロ!早速会いに行こう」

アムロ「だけど一つ問題がある」

シャア「なんだ?」

アムロ「ブライトは今アーガマで宇宙勤務にある。僕たちには彼に会いに行くMSがない」

シャア「しまった!」

アムロ「どうする?シャア…諦めるか?」

シャア「いや、手ならある…」

アムロ「それは本当か?」

シャア「フフッ、私に任せたまえ。一つ心当たりがある」


216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:05:55.76 ID:lj2f2krl0
アムロ「ここがカミーユの住んでいる家か…」

シャア「そうだ。カミーユならZを持っているはずだ。それを貸してもらう」

アムロ「しかしずいぶんと大きな豪邸だな…」

ピンポーン

ロザミア「どちらさまですか?」

シャア「シャア・アズナブルです。カミーユに会いたい」

ロザミア「お兄ちゃん!お客さんだよ」

ファ「どうしたの?」

フォウ「カミーユにお客さんですって」

カミーユ「僕に客?一体誰なんだ?」

カミーユ「大尉!クワトロ大尉じゃないですか!それにアムロさんも!」

シャア「やぁ、カミーユ元気そうだね…」

アムロ「(こいつ、女を侍らせているぞ…)」


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:15:02.75 ID:lj2f2krl0
カミーユ「僕に一体何の用です?」

シャア「じつは君にお願いがあるのだよ、カミーユ」

アムロ「じつは僕たち失業しちゃってね。そこで新しい仕事を求めてブライトに会うことにしたんだ」

カミーユ「あなたたちはその歳で一体なにをやってるんです!」

カミーユ「その歳でリストラだなんて恥かしくないんですか!?」

アムロ「説教はたくさんだよ。君に言われる筋合いはない」

カミーユ「…それで僕にお願いとは?」

シャア「カミーユ、君のZガンダムを貸してもらいたい」

カミーユ「嫌です」

シャア「な、なぜだ!?」

カミーユ「それが人にモノを頼む態度ですか?クワトロ大尉」

シャア「くっ…頼む、カミーユ」

カミーユ「かつての英雄も堕ちたものですね」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:20:56.00 ID:lj2f2krl0
シャア「戯言はいい!Zを貸してくれるのかどうか聞いている!」

カミーユ「ダメです。あなたたちみたいな大人に大切なZを貸すことはできません」

ファ「カミーユ!」

アムロ「こいつ、散々僕たちに説教しておいて!」

カミーユ「ファは黙っててくれ。この人たちはダメな大人なんだ!子供に頼ろうとするダメ人間さ」

シャア「それは承知の上だ…」

カミーユ「子供を大人の事情に巻き込んで楽しいのかよ!」

カミーユ「貴様らみたいなダメ人間が世界を悪くするんだ!」

シャア「もういい!帰るぞ、アムロ」

アムロ「ああ、同じニュータイプを頼ろうとした僕たちがバカだった」

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:30:04.48 ID:lj2f2krl0
シャア「まったく、あれは可愛げのない子供だ」

アムロ「しかしどうする、シャア?結局、MSは手に入らなかったぞ」

ファ「あのう…クワトロ大尉」

シャア「ややっ!ファじゃないか?まだ私たちに何か用かね?」

ファ「大尉、もしよければ私たちのMSを使ってください」

アムロ「なんだって!」

ファ「サイコガンダムとサイコガンダムマークⅡしかありませんけど…良かったら是非」

シャア「ありがたい!使わせてもらおう!」

アムロ「やったぞ、これでブライトに会いに行くことができる」


シャア「どうだアムロ?マークⅡの乗り心地は?」

アムロ「こいつすごいぞ…僕と同調している」

シャア「ハハハッ、それは良かった。こちらも乗り心地は抜群だよ」

シャア「では会いに行くとしよう――出撃する!」
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:41:05.70 ID:lj2f2krl0
―アーガマ―

トーレス「ブライト艦長!大変です!大型のMSが接近してきました!」

ブライト「なんだと!こちらへの呼びかけは?」

トーレス「まだありません」

ブライト「ならこちらから呼びかけてみろ」

トーレス「はい――こちらはアーガマ、そちらの所属を伝えてほしい」


シャア「アムロ、アーガマから呼びかけがあったぞ」

アムロ「ほんとだ。こちらからも呼びかけよう」

アムロ「あっ…しまった!間違えてリフレクターピットを発射してしまった!」

シャア「なんだと!?ええい、貴様はアホか!」


トーレス「艦長!相手は発砲してきました!やはりこちらの敵です!」

ブライト「ううむ…至急、応援を呼べ!」

ブライト「それまでなんとか持ちこたえるぞ!総員、戦闘準備!」
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 23:53:32.00 ID:lj2f2krl0
シャア「ええい、アーガマが撃ってきただと!」

アムロ「くっそ…ブライトの奴め、僕たちに職を与えないつもりだな!」

シャア「アムロ…?」

アムロ「誰にも邪魔はさせない!こいつぅ、落ちろ!!」

シャア「さてはアムロめ、サイコガンダムの影響でおかしくなったな」

シャア「ええい、話をややこしくしてくれる」

トーレス「各ブロックに被弾!損傷は甚大です!」

ブライト「おのれ…応援はまた来ないのか」

トーレス「来ました。シロッコが艦隊を率いてきました」

ブライト「来たか!」


シロッコ「ふふっ…戦闘とは久しぶりだな。君もそうだろ?レコア」

レコア「はい。緊張しております」

シロッコ「安心したまえ、君は私についてくればいい」

シロッコ「まずは敵の正体を知る必要があるか。呼びかけてみるとしよう」
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:02:34.69 ID:M77Vi5IU0
シロッコ「聞こえるかね!MSのパイロット!」

シロッコ「私はパプテマス・シロッコ!諸君らの要求を聞きたい」

シャア「シロッコだと?なぜ奴が出てくる?」

シロッコ「私の呼びかけに応じたまえ!君達の目的はなんだ!」

シャア「私の名前はシャア・アズナブル!」

シロッコ「なんだと!?」

ブライト「シャアだというのか!?」

レコア「クワトロ大尉…」

シロッコ「シャア!貴様の目的はなんだ!世界か!それともスペースノイドの独立か!?」

シャア「職だ……」

シロッコ「はっ?」

シャア「私、シャア・アズナブルは新しい仕事を要求する!」


392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:10:13.74 ID:M77Vi5IU0
シロッコ「あのシャアが職探しをしているだと?レコア、君はどう思う?」

レコア「そんなことありえません。大尉のことですからまた何か実行するつもりです」

シロッコ「やはり君もそう思うか。しかも通信を傍受すればもう一人のパイロットはアムロ・レイ!」

レコア「アムロ・レイですって!?」

シロッコ「読めたぞ、シャア!貴様達はアーガマをそそのかして事を起こすつもりだな!」

シロッコ「そんなことはさせぬ!MS隊!出撃しろ!」

シャア「なんだと!さらにMS隊が攻撃してきただと!」

シャア「ええい、シロッコめ!完全に誤解しているな!」

アムロ「ララァ!僕だ!」

シャア「くっ…しかし私とて、死ぬわけにはいかん!」

シロッコ「やはり反撃してきたか…なんとしても撃ち落せ!」
419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:22:10.36 ID:M77Vi5IU0
一方、その頃…

マシュマー「ハマーン様!大変です!」

ハマーン「誰かと思えばマシュマーではないか。久しいな…花屋の方は順調か?」

マシュマー「はい、それなりに…そ、それよりもハマーン様!テレビをご覧になりましたか?」

ハマーン「テレビ?いや、見ていないが…」

マシュマー「ハマーン様のご主人が大変なのです!」

ハマーン「シャアがか!?どういうことだ!」

アナウンサー「ご覧下さい、ティターンズの艦隊とあのシャア・アズナブルが戦闘をしております」

ハマーン「シャア!?」

シャア「私、シャア・アズナブルは新しい職を要求する!」

ハマーン「くっ…シャアめ、私に恥をかかせおって!」

マシュマー「ハマーン様、どうしましょうか?」

ハマーン「すぐに部隊を召集しろ!」

マシュマー「で、では出撃なさるのですね!」

ハマーン「夫の不手際は妻たる私の責任でもあるからな…」
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:34:27.98 ID:M77Vi5IU0
シロッコ「よしっ!そのまま二人を包囲しろ!」

シャア「くっここまでか…」

アムロ「見える!僕にもララァが見えるぞ!」

シロッコ「終わりだ!シャア!」

ハマーン「双方!戦闘を止めぇい!」

シロッコ「ネオ・ジオンが現れただと!ハマーンめ!シャアを手助けする気だな!」

シロッコ「何をしに来た!ハマーン!」

ハマーン「シロッコか…安心しろ。私は貴様と戦闘をしにきたわけではない」

シロッコ「では何をしにきた!答えろ!ハマーン」

ハマーン「そこにいる私の凡夫を引き取りにきただけだ…」

シャア「ハマーン…?」

シロッコ「(一体何が起きているというのだ?この茶番じみたわけの分からなさはなんだ?)」


466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:41:00.70 ID:M77Vi5IU0
ハマーン「この度は私の夫が混乱を引き起こし、真に申し訳なかった」

シャア「は、反省しております」

アムロ「ララァ…」

シロッコ「誤解が解けたならそれでいい。お咎めはなしとしよう」

シャア「それじゃあ!」

シロッコ「ああ、貴様たちは無罪放免だ。ハマーンに感謝するのだな」

シャア「ハマーン、お前…」

ハマーン「これでも貴様は私の夫なのだ。当然だろ」

シャア「す、すまない…」

シロッコ「(これぞ私が理想とする女性の時代だ。やはり私の予言は正しかった!)」




480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/11(金) 00:48:07.99 ID:M77Vi5IU0
そして…

シャア「ハマーン、さっきはすまなかった」

ハマーン「シャア、貴様なぜ失業したことを私に隠していた?」

シャア「そ、それは…」

ハマーン「ふん。貴様にはほとほと愛想が尽きたよ、シャア」

シャア「……やはり私とは離婚か?」

シャア「当然だろうな、もはや私は世間を騒がせた失業者だ」

シャア「君を失って当然かもしれん」

ハマーン「……働けばいいのだろ?」

シャア「はっ?」

ハマーン「失業したお前の代わりに私も働けばいいのだろ?」

シャア「ハマーン!!」



                       ~fin~